ZENSHIN 2007/07/09(No2302 p06)
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週刊『前進』(2302号1面1)(2007/07/09 )
今こそ安倍・御手洗体制の粉砕へ
年金、介護、「原爆」発言に怒りを
労働者の団結こそ革命の力だ
改憲と人民圧殺の日帝を倒そう
介護・年金など社会保障解体を居直り、労働者に犠牲を押しつける厚労省に対し、怒りの申し入れを読み上げる神奈川県民の会の会員(7月3日 霞が関)
久間防衛相の「原爆投下はしょうがない」発言は、本当に許すことができない。久間発言は日帝・安倍政権の核戦争容認宣言だ。また、革命を阻止し、日帝支配階級が生き延びるためには労働者階級を虫けらのように殺すことも辞さないという、支配階級の本音の現れだ。久間の辞任で済むような問題ではない。安倍こそ核武装論者であり、久間発言を最後まで擁護し続けた。5000万件を超える不明年金と介護保険の不正の発覚、そして国会での反動法案の相次ぐ強行成立と、本当に日帝・安倍自公政権の腐りきった反動的正体が全面的に露呈している。今こそ腹の底から怒りを爆発させよう。連合中央や自治労・日教組本部など既成労組指導部の完全な屈服と無力を突き破り、労働運動の力で安倍・御手洗(経団連会長)体制を打倒しよう。7・29東西革共同政治集会に大結集し、労働者階級の総反乱をめざして夏秋の闘いへ進撃しよう。
相次ぐクーデター的暴挙
安倍政権は今度の通常国会で、改憲投票法、教育4法改悪、イラク派兵法延長、社保庁解体法、年金特例法、国家公務員法改悪法などを、実質審議抜き、16回の強行採決、委員会採決省略など、めちゃくちゃなやり方で次から次へと成立させた。こんなクーデター的暴挙は、労働者階級に対する重大な挑戦であり、絶対に許されない。
また安倍は、不明年金問題の責任を社会保険庁の労働者におっかぶせ、労働者を「ゴミ」とののしり、「社保庁のガンとゴミを一掃する」と言い放った。さらに自民党幹事長・中川秀直は、「自治労や日教組はハローワークへ行ってもらう」と、100万組合員の自治労、30万組合員の日教組の解体、大量首切りを宣言したのだ。こんな連中をどうして許しておくことができようか!
労働者階級の中には、「このまま黙っていたら、生活も生命も破壊され、殺されてしまう」という怒りと危機感が広がっている。とりわけ2人に1人が非正規雇用で低賃金・不安定雇用に苦しむ青年労働者は、「こんな社会がこのまま続くなら、自分たちの未来は絶望だ」という思いを強めている。
そうした中で安倍内閣の支持率は、発足以来最低、3割を切った(7・1朝日世論調査)。安倍政権は労働者階級の怒りの爆発の中で決定的な政治危機を深めている。ブルジョア議会のルールをも踏みにじった国会での安倍自公政権の暴挙は、そうする以外に支配が維持できない資本家階級の深刻な危機の現れである。日帝・安倍−御手洗体制打倒へ、階級闘争の巨大な爆発の条件が生み出されているのだ。
これを成し遂げることができるのは、資本主義の延命に手を貸す体制内議会政党や体制内労働運動では断じてない。彼らは歴史的破産が突きつけられている。そうではなく、「生産を握る労働者こそが社会の主人公だ」「労働者階級の団結こそが社会を変える力だ」という階級的真実を鮮明にさせた闘いである。まさに動労千葉のような階級的労働運動こそ、これからの時代の主流派にならなければならない。
改憲を狙う安倍政権の「戦後レジームからの脱却」攻撃に対して、戦後体制の枠組み(レジーム)を大きく突き破る革命的闘いを、労働者階級の側からたたきつけてやろう。
戦後憲法体制の打破を策す
安倍の言う「戦後レジームからの脱却」とは、第2次世界大戦後に制定された現憲法と、そのもとでの国家と社会のありかたの全面的な否定と破壊である。
敗戦後、日帝の破産が突きつけられる中で、労働者階級は戦後革命を爆発させていった。日帝は、戦後革命の圧殺の観点からGHQのもとで統治形態の大転換に踏み切った。憲法9条はブルジョア国家としては特異な「戦争放棄、軍隊不保持、交戦権否認」を規定した。
これは労働者階級の戦後革命の嵐に震え上がった日帝支配階級が、ぎりぎり譲歩して、とにかく労働者の闘いを体制内に抑え込むことを狙ったものだった。ここには戦犯天皇の戦争責任の免罪や、米軍への沖縄の売り渡しなど、労働者階級が階級闘争で決着をつけるべきさまざまな課題が残されてきた。
しかし今、戦後憲法体制のままでは、日帝はもはや労働者支配を続けることができなくなったのだ。国際帝国主義の激烈な争闘戦が展開され、帝国主義としての弱点を抱えたままの戦後体制では日帝は滅亡するしかない。だからこそ改憲へ向かって反革命クーデターに打って出て、戦前型の強権的・独裁的な国家体制をつくりだそうとしている。朝鮮−中国侵略戦争を強行できる国家体制にしようとしているのだ。
久間発言も、そうした日帝の戦争・改憲攻撃の中で、日米共同の核戦争体制を積極的に意義づけるものとしてあった。
核の廃絶は、帝国主義打倒−世界革命によってのみ実現できる。日韓米の国際連帯闘争の発展こそ、核廃絶を実現する道である。
またアジア諸国人民との関係では、日帝はアジア諸国人民に対して凶行した侵略戦争の責任をまったくとっていない。安倍の「戦後レジームからの脱却」とは、この戦争責任を開き直った上でのアジア再侵略戦争の宣言だ。
階級的労働運動の復権を
さらに「戦後レジームからの脱却」攻撃は、中川秀直の発言にもあるとおり、自治労・日教組・全逓・国鉄の4大産別労組の解体攻撃である。帝国主義間争闘戦−戦争に勝ちぬくために、日帝は労働運動の解体、その中心環の4大産別労組の解体に全力を挙げている。労働者の権利と闘いを解体できないままでは争闘戦に敗北するし、また戦争への突入がプロレタリア革命に転化することを心底から恐怖しているのだ。
逆に、労働者階級が既成労組指導部の屈服を打ち破り、階級的労働運動を復権させれば、日帝打倒の勝利の道を大きく切り開くことができる。国鉄分割・民営化の大攻撃に対して階級的・原則的に闘いぬき、首をかけたストライキに立ち上がって組合の団結を守り抜いた動労千葉の闘いを徹底的に教訓化して闘おう。そうすれば、必ず勝利できる。
年金破綻の責任は政府に
不明年金問題の責任の一切は、歴代自民党政権と厚生労働省・高級官僚にある。すでに記録ミスは40年前から、「宙に浮いた」記録問題は20年も前から分かっていたのだ。だが、日帝政府・社会保険庁はなんの対策も取らず、放置し、あるいは発覚を恐れて隠蔽(いんぺい)し続けてきた。
戦後の日帝は社会保障制度を、労働者階級の反乱と革命を予防し、支配の安定を図る手段と位置づけてきた。同時に年金制度は、労働者の賃金を徹底的に収奪し、集めた資金を日帝資本の戦後発展と延命のために自由に投入するものと位置づけられてきた。
年金制度は発足当初は積み立て方式だった。戦前に労働者年金保険法(厚生年金)を起案した花沢武夫元厚生省年金課長は、後年にこう言っている。「年金を払うのは先のことだから、今のうちどんどん使ってしまって構わない」「将来みんなに支払う時に金が支払えなくなったら賦課式にしてしまえばいい」
このように、日帝の年金制度は最初から国家的詐欺機構として始まったのだ。
04年の年金改悪で、現役世代の保険料は17年まで毎年引き上げられることになった。
また95年日経連プロジェクト報告路線のもとで、企業は「総額人件費の抑制」を掲げ、正規労働者を非正規労働者に置き換えてきた。相次ぐ年金改悪で労使折半の厚生年金保険料は引き上げられ、保険料の負担を嫌う企業は非正規雇用化をさらに加速させた。多くの青年労働者は厚生年金からも排除され、国民年金も支払うことができない。こうした青年労働者が2000万人の規模で生まれている。
もはや年金制度は大破綻(はたん)している。05年度末で公的年金の積立金は約205兆円に上る。積立金は財政投融資をつうじて特殊法人に流され、日帝の経済成長を支えてきた。積立金は赤字国債の購入にも充てられた。赤字国債の実に約4割が、郵便貯金、簡保、年金積立金で購入された。こうした年金積立金の運用状況はどうなっているのか、その真の姿は明らかにされていない。そして、保険料値上げ、給付削減などで一切の犠牲は労働者階級に転嫁されている。
まさに年金制度は、日帝の国家財政の破綻と完全に連動しているのだ。年金・社会保障問題は、労働者階級が社会を握ることによって解決する以外にない。労働者階級の生存すら保障できなくなった帝国主義体制を労働者階級の闘いで打倒しよう。
まったく許せないことに、安倍は不明年金問題の責任を全国社会保険職員労組になすりつけている。ところが当の自治労傘下の全国社保労組執行部は、安倍の脅しに屈服し、残業や休日出勤に積極的に応じ、ボーナスの返上にも「積極的に応じるべきだ」とコメントを出した。
「ボーナス=賞与」とは賃金の一部であり、「労働の対償」(労基法11条)だ。これを返納せよということは、ただ働きしろということだ。労働組合がこんな理不尽なことにどうして抗議もせず抵抗もせず、唯々諾々(いいだくだく)と認めてしまうのか! それは労働組合の自殺行為だ。帝国主義と折り合いをつけてきた体制内労働運動の無残な姿だ。
3・18−6・9闘争で青年労働者は、「労働運動の力で革命をやろう」と叫んでデモをした。そうだ。今こそ労働者階級が革命を起こして国家権力を掌握し、新しい社会を建設していこう。そこにこそ唯一の希望の道、労働者階級解放の道がある。そのために既成の体制内労働運動を打倒し、職場に階級的労働運動を復権しよう。
7・29東西革共同政治集会に結集しよう。夏期一時金カンパ闘争への総決起を訴えます。
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週刊『前進』(2302号1面2)(2007/07/09 )
“介護保険制度は廃止せよ”
住民団体労組など厚労省・コムスンに抗議
大手訪問介護資本のコムスンとグッドウィル・折口雅博会長による介護報酬の不正請求と労働者の使い捨てに対し、7月3日、介護保険制度に反対している神奈川と杉並の住民団体の呼びかけで、六本木ヒルズのグッドウィル・コムスン本社への抗議行動と厚生労働省交渉が行われた。
緊急の呼びかけにもかかわらず、前段のグッドウィル・コムスン抗議行動に20人、厚労省交渉に40人が集まった。両行動とも、通行人が拍手したり声をかけてきた。介護・年金制度の崩壊と派遣労働者へのピンハネに対する労働者人民の怒りと関心は高い。
厚労省交渉には、人として生きられる福祉・介護を求める神奈川県民の会、介護と福祉を要求する杉並住民の会、東京西部ユニオン、福祉労働者連帯ユニオン(SWU)と全国労働組合交流センター医療福祉部会が請願書を持参した。
厚生労働省は主催者から請願の通知を受けたにもかかわらず、「多忙」を理由に面会も請願書受け取りも拒否。これに対して参加者は、怒りの門前集会と座り込みを決行した。
神奈川県民の会の代表は、「神奈川県に情報公開請求し、06年度の指導件数831件、返還金は157件で総額7500万円と巨額なものだった。今回の問題はコムスンの責任追及だけでは済まされない。介護保険制度の持つ本質的な問題が一挙に露呈したのだ」と厚労省と国の責任を追及した。
杉並住民の会は、「コムスンの破綻は介護保険制度の破綻、福祉の民営化の破綻だ。真の責任者は国・厚労省だ」として「コムスンへの行政処分、介護事業から撤退することに関して厚生労働省・国は、@利用者(高齢者や「障害者」)の介護を保障せよ、A介護労働者の雇用を守れ、B介護保険制度を廃止し、必要な人に必要な介護を公費で保障する制度を確立せよ」と要求した。
福祉労働者連帯ユニオンからは、現在、介護業者トータルケアサポートの倒産問題で団交申し入れ中であることが報告された。西部ユニオン、労組交流センター医療福祉部会の代表は、国による介護福祉の切り捨て、民営化、非正規雇用の拡大政策に乗じてボロもうけしてきたグッドウィル・コムスン資本を弾劾し、厚労省の責任を追及した。
ともに参加した部落解放同盟全国連合会や都政を革新する会の北島邦彦杉並区議、「障害者」介助を担う青年、婦人民主クラブ全国協議会、陽和病院労働組合からも力強い発言が行われた。
門前の激しい抗議行動はもう誰にも止められない。1時間半の抗議行動で厚労省の担当者を門前に引きずり出し、請願書を受け取らせた。
これに先立ち、昼休みの時間帯に六本木ヒルズのグッドウィル・コムスン本社への抗議行動を5団体で行った。制止のため十数人の警備担当者が集まってきたが、労働者や青年の圧倒的な注目の前になすすべもない。5団体は30分間の抗議行動をやりきった。
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週刊『前進』(2302号1面3)(2007/07/09 )
革命をともに切り開く圧倒的な夏期カンパを
すべての同志の皆さん。マル青労同・マル学同の同志の皆さん。そして『前進』読者の皆さんに、革共同への圧倒的な闘争資金カンパをお寄せいただくよう訴えます。
私たちは今、世界革命に至る激動の時代の渦中に生きています。最強の帝国主義国アメリカで数千万人規模の労働者の反乱が始まっています。3・18日比谷−6・9渋谷に響き渡った「生きさせろ! 帝国主義をぶっ倒せ!」の声は、国境を越えた共同のスローガンとなっています。
日本の青年労働者・学生は、20年前の国鉄分割・民営化攻撃に対して唯一、動労千葉(動労総連合)だけが正面から闘いを挑み勝利したことに必死に学び、自分の職場・大学で実践を開始しています。その闘いは、韓国・民主労総やアメリカ・ILWU(国際港湾倉庫労組)の闘いと結びつき、全世界を覆う階級的労働運動の新たな高揚を切り開いているのです。
「団結しよう! あなた自身が主人公だ!この手で世界を変えよう! 労働運動の力で革命をやろう!」はマルクス主義の実践そのものです。ここに革命党と階級がとるべき唯一の道があります。
体制内に依存してきた旧来のあり方から脱却して、敵の攻撃が集中する自治労や日教組での攻防を最先端に、全産別・全職場で階級的労働運動の実践に突入しよう。
「党の革命」は全党員に例外なく変革と飛躍を迫りました。革共同は、苦闘を重ねながら三全総路線の原点に立ち返った本物の革命党へと大きく飛躍しつつあります。階級の敗北も勝利も自分のこととして引き受け、階級の勝利のために総力を挙げて闘う党へと自己変革しています。
改憲、賃下げ、増税、年金と、安倍への怒りは高まるばかりです。その怒りを力に変えるためには資金が必要です。ビラ一枚作るのにも資金なしにはできません。資本家階級が労働者からしぼり取った金で警察・軍隊・官僚を雇い、この社会を支配しているのに対して、労働者階級はギリギリの賃金の中からカンパを持ち寄って、自分たちの最高の団結体としての革命党をつくり、闘いの武器として鍛え、新たな社会を建設するのです。
今こそ危機に立つ安倍政権を打倒しよう。この夏に獄中33年目を迎える星野文昭同志を奪還しよう。
革命のための資金として、10万円単位のカンパを出せる方は10万円単位で、低収入で苦闘している方も可能な限りのカンパを寄せていただくよう、心から訴えます。
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週刊『前進』(2302号1面4)(2007/07/09 )
日程 7・29東西革共同政治集会
階級的労働運動路線の全面的な推進で、戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう
〔東京〕基調報告 高原洋三
7月29日(日)午前11時30分開場
豊島公会堂 豊島区池袋1−19−1
〔関西〕基調報告 革共同書記長 天田三紀夫
7月29日(日)正午開場 1時開会
尼崎市立労働福祉会館 尼崎市東難波町4−18−32
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週刊『前進』(2302号2面1)(2007/07/09 )
動労千葉定期委 今春の勝利熱く総括”
基地廃止と対決し団結強化”
反合・運転保安闘争に確信
動労千葉は6月30日、千葉市のDC会館で第57回定期委員会を開催した。館山運転区・木更津支区廃止反対闘争を最大の焦点とする07春闘と4月勝浦市議選での大きな勝利を総括するとともに、組織拡大闘争と11月労働者集会1万人結集に組織の総力をあげて取り組む方針を確認した。
定期委員会には各支部からの委員に加え、それを上回る組合員が傍聴で参加し熱気にあふれた。
あいさつに立った田中康宏委員長は「07年前半戦で切り開いた地平は非常に大きい。基地廃止攻撃の対象になった館山支部・木更津支部が目の色を変えて頑張り、それが動労千葉全体の団結を強めた。最後の最後まで絶対反対を貫き、全支部員が異動の希望について一本書きを貫徹することで当局を圧倒した。口で言うのは簡単だが大変なこと。これを見事にやりぬいた」と、闘いの先頭に立った両支部の労をねぎらい、参加者も大きな拍手で奮闘をたたえた。
そして田中委員長は「動労千葉は基地廃止反対闘争をとおして、この時代の中で労働組合が原則を貫き団結を強化して、勝利の展望を切り開く可能性を示した。『第2の分割・民営化攻撃』が始まってからの闘いは、反合・運転保安闘争の復権をかけた6年間だった。今回もこの6年の闘い、あるいは国鉄分割・民営化から20年の闘いの地平の上にかちとったものだ」と述べ、反合・運転保安闘争路線の勝利として総括した。
さらに07年後半戦の課題を「職場からの闘いを前進させるとともに、今こそ組織拡大に全組合員が総決起することだ」と提起し、その意義について「日本労働運動の歴史の中で、国家をあげた攻撃に勝ち抜いて団結を守り、さらに組織を拡大した例はない。動労千葉が組織拡大を本当になしとげて『労働者にはこういう可能性があるんだ。労働者が団結すればこういう闘いができるんだ』ということを示したい」と述べた。
そして「今の情勢の中で、怒りの声はいたるところに渦巻いている。6千万人の労働者は、マスコミが何を騒ごうが事態の本質を見抜いている。社保庁問題も『ふざけるな!』と思っている労働者は無数にいる。労働組合がどんどん屈服して資本の手先となり、団結するすべを持っていないだけだ。ここを突破すれば確実に時代は動く。われわれの掲げてきた闘う労働運動の復権・再生が、いよいよ現実の課題になっている。改憲阻止に向けた労働者の総決起大会として11月集会への1万人結集を何としてもかちとろう」と訴えた。
来賓として、4月市議選で高位当選をはたした水野正美勝浦市議があいさつ、9月16日が投票日の町議選に挑む中村俊六郎御宿町議が4選勝利にむけた決意を表明した。
(写真 「組織拡大と11月労働者集会に向け団結してガンバロー!」。動労千葉は定期委員会で07年後半への決戦体制を打ち固めた【6月30日 DC会館】) 組織拡大と11月へ全力
繁沢敬一副委員長による経過報告と総括提起に続いて、長田敏之書記長が内外情勢、JRをめぐる動きを踏まえて、「当面する取り組み」を提起した。@国鉄1047名の解雇撤回・原職復帰に向けた取り組み、A深刻化する安全崩壊の中での反合・運転保安確立、第2の分割・民営化攻撃粉砕の闘い、B不当労働行為の根絶、強制配転者の原職復帰・士職登用、昇進差別撤回の取り組み、C改憲阻止、安倍―御手洗体制打倒に向けた反戦政治闘争、D11月労働者集会への1万人結集の実現などが柱だ。
10月1日から施行が狙われている「ライフサイクル」提案の白紙撤回、9月御宿町議選への全組合員総決起の方針も確認された。
質疑応答では、新設された木更津運輸区を始めとする職場での闘い、組織拡大に向けた取り組み、3・18ダイヤ「改正」にともなう問題点、JR貨物における賃金抑制と深刻な要員不足の問題などをめぐり真剣で活発な討論が交わされた。
木更津支部の佐野正幸支部長は、「ダイ改と運輸区新設にともなう問題点を当局にがんがんぶつけ、平成採の労働者も含めて『おかしいことはおかしいと言える職場に』と職場闘争に取り組んでいる。この中で組織拡大を実現していく」と職場の闘いを報告した。
総括答弁で田中委員長は、「いま動労千葉がやるべきことは職場闘争を徹底的に闘い、組織を拡大し、そして動労千葉の運動を全労働運動に広げることだ。動労千葉の切り開いてきたものは確実に時代に通用する。時代は激変し、いまの支配のあり方が完全に崩壊しようとしている。資本主義社会の末期症状の中で、労働力の再生産さえできなくなっている。この社会のとんでもない矛盾を解決する道はひとつしかない。社会を動かしている労働者が団結して闘いに立ちあがることだ。腐った労働組合の幹部を、現場の力を結集してぶっ倒そう。それが11月1万人結集を切り開く道だ」と、夏から秋の方針の核心点を述べた。
動労千葉は、反合・運転保安闘争路線のもとに一層団結を固め、激動情勢の中心に躍り出ようとしている。
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週刊『前進』(2302号2面2)(2007/07/09 )
骨太方針を批判する
「労働者の分断と団結破壊狙い生産性阻害要因の除去」叫ぶ
安倍政権は6月19日、「経済財政改革の基本方針2007」(骨太方針Z)を閣議決定した。参院選を前に久間防衛相の辞任という事態に追い込まれた安倍政権は、グラグラになりながらも、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を暴力的に押し貫くことで延命を図ろうとしている。「『美しい国』へのシナリオ」というサブタイトルが付けられた骨太方針Zは、「戦後レジームからの脱却」を叫ぶ安倍政権が、本格的にそのプロセスに突き進むことを打ち出した階級戦争宣言だ。
そのキーワードとなっているのが「成長力加速」であり、「生産性の向上」だ。骨太方針Zは「人口減少下で何より重要なことは、一人当たり生産性の向上である」とし、「生産性向上の阻害要因を徹底的に除去する」と述べている。支配階級にとって、「生産性向上の阻害要因」の最たるものは、労働組合の存在であり労働者の階級的団結だ。彼らは、骨太方針Zを振りかざして、あらためて労組絶滅に突き進もうとしているのだ。
帝国主義間の競争に敗れた日帝のあせり
政府が骨太方針Zを閣議決定したのと同じ日に、日本経団連は「豊かな生活の実現に向けた経済政策のあり方」と題する文書を公表した。骨太方針Zと一体をなすこの文書は、その背後にある支配階級の焦りをあからさまに表明している。
日本経団連は、96年以来の10年間で、1人当たり名目GNI(国民総所得)の平均成長率がアメリカでは4・3%、イギリスでは5・4%だったのに対して、日本はわずか0・2%だったというOECD(経済協力開発機構)の統計を取り上げ、帝国主義間争闘戦における日帝の敗北に危機感をむき出しにしている。そこからの巻き返しを図るために日本経団連が描く方策は、社会保障の解体と道州制の導入、「労働市場改革」を軸に、社会全体を徹底した競争の中にたたき込むことである。
それは、労働者をこれまで以上に搾取して、無権利の不安定雇用に突き落とすということだ。それがもたらす労働者階級の憤激におびえながらも、経団連は「(日本は)国際的には、非常に豊かでかつ経済的な格差も小さい国」だと強弁しつつ、「格差是正のためには成長に向けた改革の手綱を緩めてもいたしかたないといった主張は退けるべきである」と、一層の攻撃激化を打ち出している。
経団連提言は、とりわけ社会保障を取り上げて、「格差是正を重視するあまり、行き過ぎた再分配政策が行われれば、……勤労意欲やリスク挑戦的な企業家精神が殺がれ……成長が鈍化する」と結論づける。
”社会保障や労働者の権利保障は経済成長の妨げになるから撤廃しろ”というのが経団連提言の核心だ。
骨太方針Zは、この日本経団連の提言を政府が全面的に貫徹するためのものとして出されているのである。
道州制の導入で公務員労組の解体を図る
その軸の一つをなすものが、公務員制度改革と道州制の導入をテコとした公務員労組解体の攻撃だ。公務員制度改革は、骨太方針Zの中では「戦後レジームからの脱却の中核的な改革」と位置づけられている。骨太方針は、「民間と異なり、競争にさらされていない行政は、最も経済社会の環境変化に立ち後れた分野でもある」として、”公共部門こそ生産性が低い”とあおり立てている。そして、公務員制度改革をさらに加速するとして、06年の骨太方針で示された総額2・6兆円の公務員賃金削減計画を上回る大攻撃に踏み込むと宣言している。
その当面の焦点になっているのが社会保険庁の解体だ。骨太方針は、社保庁の「廃止・6分割」をあらためて強調した。
さらに、「市場化テスト」の一層の徹底化と、独立行政法人の全面的な見直しが掲げられた。
道州制の導入も「戦後レジームからの脱却」の柱の一つだ。骨太方針Zは、道州制の大枠についての中間報告を今年度中にまとめ、新分権一括法を3年以内に国会提出することを打ち出した。
骨太方針Zはまた、「生産性向上」の切り札として一層の雇用流動化を推し進めると言う。
雇用の一層の流動化策す労働ビッグバン
骨太方針Zに先立ち、経済財政諮問会議が策定した「成長力加速プログラム」は、「低生産性分野から高生産性分野へと労働・資本の円滑な移動を促進し、資源の効率的配分を進める」と露骨に述べる。サービス産業など、生産性が低いと見なされた産業を徹底的にリストラするということだ。骨太方針は、それにより「今後5年間のうちに労働生産性の伸びを5割増」すると言うのだ。
安倍=御手洗がたくらむ労働ビッグバン、すなわちホワイトカラー・イグゼンプション制の導入や労働契約法の制定、労働者派遣法の改悪は、そのための不可欠の課題とされている。労働者の首を切り、一層の不安定雇用・低賃金にたたき込むことが、「生産性向上」の大前提なのである。
これは、規制改革会議の「再チャレンジワーキンググループ労働タクスフォース」によって打ち出された「脱格差と活力をもたらす労働市場へ」と題する提言が、「労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は間違っている」と言い放ったことと完全に重なる。この報告はまた、労働者保護的な戦後労働法制が「日本の経済活力や労働生産性の向上を大きく損なっている」と叫んでいる。
この報告が「最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させる」と言い放ったことも、労働者の激しい憤激を買った。つまり安倍=御手洗は、”賃金が低いのは労働者の生産性が低いからだ。それは労働者のせいだ”と言い立てているのだ。
この報告自体は、労働者の激しい怒りにさらされる中で、安倍政権自身によって「政府方針とは違う」として握りつぶされた。だが、その基本的な考え方は骨太方針Zにも貫かれている。
過剰資本・過剰生産力状態と「少子高齢化」の現実の中では、まともな経済成長などありえない。だから、労働者を徹底的に分断し、一層の競争をあおり強労働に駆り立てることにより、「生産性向上」「成長力加速」を無理やりにでも実現するという夢想を骨太方針Zは描いている。
こうした攻撃の上に「国際競争力」を回復し、EPA(経済連携協定)締結を加速させ、アジアの盟主としての地位を確立するというのが骨太方針の基本構想だ。
だが、「戦後レジームからの脱却」とは、敗戦帝国主義の日帝が、米帝を基軸に形成された国際秩序の打破に向けての野望をむき出しにするということだ。それは始めから破産を宣告された絶望的な道にほかならない。
社会保障解体し財政赤字を労働者に転嫁
昨年の骨太方針Yで、日帝は財政危機を絶叫して「2011年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支)を均衡させる」ことを打ち出した。それを達成するためには、徹底的な歳出削減と大増税に踏み込まなければならない。そのため骨太方針は、一方で社会保障の解体と公務員賃金の大幅削減、地方財政の縮減を唱え、他方で消費税アップを念頭に置いた「税制改革」を唱える。
この方策を具体化するため、今年の骨太方針は特に生活保護を攻撃のやり玉に挙げた。そこでは、「就労支援」の名のもとに生活保護受給者を低賃金の労働力市場に暴力的にたたき出すことが狙われている。これは、労働者階級全体をさらなる低賃金に突き落とすことを意味している。
骨太方針Zは、こうした攻撃が労働者のすさまじい反撃を引き起こすことに身構えている。だからそこでは、「治安の再生」が強調され、「組織犯罪への対策」=共謀罪新設が執拗(しつよう)に狙われている。
だが、安倍政権は労働者をあまりに見くびっている。日帝は、労働者を体制内につなぎ止める制度を自らの手で打ち壊し始めたのだ。最後の留め金となっているのは体制内労働運動だ。既成労組指導部を打倒し、階級的労働運動を取り戻して帝国主義を打倒することにこそ、労働者階級の生きる道がある。
(長沢典久)
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週刊『前進』(2302号2面3)(2007/07/09 )
闘う私たちこそ日教組 学校現場からの報告
私の宣言で職場動いた
本物の団結とり戻す時
今年も不起立で
根津公子さんの「解雇も辞さぬ」腹の据わった闘いが東京にある。他方で組合執行部は「生活と権利を守るのが役割の組合としては、処分が避けられない方針は出せない」と開き直る。そんな中、どうしたら根津さんへの見せしめ的な累積処分を粉砕できるのか、東京全体の「日の丸・君が代」闘争を前進させることができるのか、悩み抜いた毎日だった。
組合の会議や集まりで「今年こそみんなで不起立を」「原点に立ち返って愛国心教育にNOを突きつけよう!」「9月21日の画期的判決を紙切れにしてはならない」「不起立闘争の継続・拡大が根津さんたちの解雇をくい止める最大の力」「日教組組合員としての心意気を示そう」と訴えても、反応が返ってこない。正直、言いしれぬ焦りを感じた。
あらためて自分の職場で一から闘いを組織しようと決断した。職員会議で「今年も不起立をします」と宣言した。この問題で久しく発言が続くことがなかったので、組合員ではない2人の仲間の発言が続いた時には正直驚いた。その発言では、教育基本法が改悪され盛んに愛国心が叫ばれていること、安倍首相が「美しい国」と薄気味悪いことを言っていること、史実をねじ曲げる動きに危機感を持っていることがよく伝わってきた。この会議で2人の管理職は何も言えなかった。それほど2人の発言の意味は大きかった。
入学式の前に自分の思いをまとめた文章を渡しながら、30代の同僚と話した。「実は1月の職員会議で、先生の意見を聞いてすごいショックを受けた。前の職場でも座っている人がいたが、職員会議で意見を言わなかったので、どうして座っているのか分からなかった。以前音楽の教師をやっていた母親に聞いたら、母も反対だと言った。それからいろいろ考えるようになった」と。
さらに感激したのは入学式で同僚が座ったこと。昨秋の国会闘争に一緒に行った50代の女性だ。式後、彼女は「座った理由が三つある」と話してくれた。すでに戦前だという新聞のコラムに衝撃を受けたこと、ニーメラー牧師の”行動しようとしたときは遅かった”という言葉を突きつけられたこと、そして私が座り続けていること。
真剣に訴え、行動に踏み出せば職場は動く!
(写真 根津公子さんへの停職6カ月を始め都教委による「君が代」処分に反撃【3月30日 水道橋】)
激動はチャンス
表面的に進行していることを見れば、確かに職場は厳しくなる一方だ。長時間労働と差別・分断攻撃の中で、皆疲れている。団結も破壊されているように見える。さしあたり「日の丸・君が代」問題に沈黙したり、関心を示さない仲間が多い。
しかし時代は激変している。「教え子」たちが、ワーキングプア、ネットカフェ難民、ワンコールワーカーに突き落とされ、「生きさせろ」と立ち上がっている時、「格差社会」を再生産する教育にくみしていていいのか、悩まないはずがない。貧困の中から「募兵」に応じざるを得ない若者が生み出されようとした時に、学校での愛国心の強制に疑問を持たない教育労働者はいない。
そして教育労働者もまた、非正規雇用に突き落とされようとしている。免許更新制は教職を10年間の有期雇用とし、人間的であろうとする教育労働者は「指導力不足教員」としていつでもクビにするぞという攻撃だ。教育労働者としてどう生きるか、あらためて突きつけられる。多くの現場労働者が体制内労働運動に絶望しながら、本物の団結を求めている。
「君が代不起立で、教育労働者としての誇りと団結を取り戻そう」、この訴えが多くの教育労働者を突き動かす時代に突入している。今こそ森越に代表される体制内労働運動と決別し、本物の労働運動を復活させる決定的なチャンス! この道を貫こう!
(東京/小林郁美)
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週刊『前進』(2302号2面4)(2007/07/09 )
6・19〜6・29
経団連が規制改革の要望提出
●「骨太の方針2007」を閣議決定 政府は臨時閣議で「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2007−『美しい国』へのシナリオ」を決定した。(19日)
●JPU大会で組織統合を決定 全逓(JPU)は21日まで定期大会を開いた。10月の民営・分社化を機に組織を解散し、全郵政と新たに「日本郵政グループ労働組合」(JP労組)を結成する方針を可決した。これに97%が賛成した。(19日)
●トンネルじん肺訴訟で正式和解 国発注のトンネル工事でじん肺になった元作業員の患者と遺族計約970人が、国に損害賠償を求めたトンネルじん肺訴訟のうち、東京高裁での訴訟は同高裁で正式に和解が成立した。(20日)
●「君が代」不起立で不当判決 卒業式の「君が代」強制拒否を理由に定年後の再雇用を取り消された教育労働者の地位確認裁判で、東京地裁は請求棄却の反動判決。(20日)
●教育4法が成立 教育関連4法が参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。(20日)
●社保庁労組が一時金の一部返納了承 村瀬社保庁長官が求めた夏季一時金の一部返納について、自治労に加盟する全国社会保険職員労働組合(全国社保労組、旧自治労国費評議会)は「社会保険庁職員として重く受け止め、積極的に応じるべき」との考えを明らかにした。(26日)
●日野自動車、派遣社員を直接雇用へ 日野自動車は同社で働く派遣労働者を、期間工として直接雇用する方針を決めた。800人中200〜300人を直接雇用する見通し。(26日)
●労働3法案が継続審議 自公両党の幹事長、国対委員長らは労働契約法など労働関連3法案を衆院を通過させずに継続審議扱いとし、秋の臨時国会で成立を目指すことを確認。(27日)
●日本経団連が規制改革要望 日本経団連は2007年度の規制改革要望を発表した。(29日)=要旨別掲
●5月の完全失業率 総務省統計局が発表した労働力調査によると5月の完全失業率は3.8%で前月と同水準。厚労省が発表した一般職業紹介状況によると、5月の有効求人倍率は1.06倍で、前月を0.01ポイント上回った。(29日)
●日本郵政の派遣子会社を認可 総務省は郵政民営化の準備会社、日本郵政に、人材派遣・人材紹介業務を行う子会社の設立を認可した。(29日)
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資料 2007年度日本経団連規制改革要望の概要
●雇用・労働分野
・派遣禁止業務の解禁
・派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止の撤廃
・いわゆる26業務における派遣労働者への雇用契約申込義務の廃止
・いわゆる自由化業務における派遣労働者への雇用契約申込義務の廃止
・いわゆる自由化業務における派遣期間制限の撤廃
・労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準見直し
・労働時間規制の適用除外制度の拡充
・企画業務型裁量労働制に関する手続きの簡素化
・解雇の金銭解決制度の早期導入
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週刊『前進』(2302号2面5)(2007/07/09 )
訂正
本紙前号2面JPU大会の記事で、仙台の青年労働者の発言中「これまで100万人の仲間が職場を去った」とあるのは「3万人」の間違いでした。編集局のミスです。
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週刊『前進』(2302号3面1)(2007/07/09 )
「救国」叫ぶ自治労本部退陣を
安倍の労組破壊と対決し職場に<闘う団結〉作ろう
革共同自治体労働者委員会
闘う仲間の皆さん! 自治体労働者の皆さん! 革共同自治体労働者委員会は、日帝安倍・御手洗の「戦後レジームからの脱却」、戦争・改憲、地方自治解体・丸ごと民営化、道州制導入、社保庁解体、戦争国家化、自治労・日教組壊滅攻撃と真っ向から対決することを訴える。「救国」運動を開始し地公3単産組織統合で自治労解散を策す自治労本部・岡部執行部を打倒し、自治体労働運動の革命的指導部をつくり上げよう。夏から秋へ闘いの正念場だ。8月広島・長崎反戦・反核闘争、8月自治労大会決戦に決起し、11月集会に自治体労働者の大結集をかちとろう。
(写真 杉並山田区政の「丸ごと民営化」に対する労働者の反撃が始まった【6月23日 阿佐谷】)
団結と革命で労働者の未来を開こう
日帝・安倍政権は「自治労・日教組をつぶせ!」「社会保険庁労働者はハローワークに行け! 自治労も日教組もハローワークだ」(6月9日、中川秀直自民党幹事長)、「社会保険庁にはあしき労働慣行のがんがはびこっている。そうしたことも含めゴミを一掃する決意だ」(6月15日、安倍晋三首相)と、労働者の団結、労働組合をぶっ壊すと叫んでいる。
「ふざけるな! お前たちこそぶっ倒してやる」――6・9ワーカーズアクションは、帝国主義を打ち倒す革命の旗を掲げ、自治労の青年労働者たちが先頭に立って労働者階級の反乱を宣言した。東京・渋谷は青年労働者の熱気で沸き立った。「われわれは奴隷じゃない。この社会を動かしているのは労働者だ。労働者には国を止める力もある」「安倍も御手洗もぶっ飛ばせ!」「戦争・改憲は絶対許さない」
資本家は、労働者を好き放題こき使い、極限まで搾り取り、空前の利益をむさぼっている。帝国主義は、帝国主義同士の競争に勝つために世界中で戦争をしかけ、労働者を大量に殺している。働いても生きていけない労働者をどんどん増やし、労働者の命と未来を奪い続けている。帝国主義国家には労働者に年金を支払う意思などない。9割の労働者をワーキングプアにしようとしている。仕事がないのも、希望がないのも、すべて労働者の「自己責任」とし、「おまえが悪い」と開き直っている。
「職場から大反乱を巻き起こそう」「こんな社会を根本から変えて革命をやろう」――青年労働者が革命を語り、行動に立ち上がっている。労働者の間に持ち込まれた分断を打ち破り団結を取り戻そうとしている。
07年、帝国主義を打ち倒す新しい力、激しい力が青年労働者の中からわき起こっている。若者たちの反乱が始まった。どんな時代も、新しい歴史を開くのは青年労働者だ。この闘いを徹底的に広げよう。07年11月、戦争・改憲を阻止する労働者の万余の隊列は、ここから始まる。
07年前半の闘いは、階級的労働運動こそ勝利の路線であることをはっきりさせた。
動労千葉は07春闘で、館山運転区・木更津支区廃止攻撃に、職場の団結をがっちり打ち固め、地域に打って出て、敵の攻撃を跳ね返した。杉並区議選では「丸ごと民営化絶対反対」を掲げ、労働者階級の怒りを結集して北島邦彦氏の勝利がかちとられた。3・18イラク反戦4周年の全世界一斉デモは「労働運動の力で革命をやろう」と時代を開く青年の闘いを宣言した。この闘いが6・9ワーカーズアクションを始め労働者の反乱の導火線となっている。
安倍・御手洗はどうだ? この過程で起きたことは、日帝支配階級ががたがたであることを日々明らかにしている。
介護保険を食い物にし、福祉を金もうけの道具にしたコムスン=グッドウィル。何が「介護の社会化」だ。民営化の正体ここに見たり。やつらはウソの書類を作って架空請求し、労働者階級が納めた介護保険料=税金をかすめ取り、介護労働者、派遣労働者からピンハネして何十億円もぼろもうけした。
「消えた年金」の責任は国にある。社会保険庁の労働者にはない。そもそも国は年金を支払う意思などないのだ。
どんづまりの危機に陥った帝国主義がそのうみを一気に噴き出している。辺野古に海上自衛隊を繰り出した久間防衛相(当時)の「広島・長崎の原爆はしょうがない」発言こそ、彼らの本音だ。帝国主義が生き残るためには何十万人殺してもいいと言っているのだ。絶対に許せない。労働者階級の怒りで、この腐りきった安倍・御手洗を打ち倒そう。
怒りを抑えつける体制内運動打破を
青年労働者の怒りの決起を抑え込み、革命を「くいとめ」、帝国主義の危機を救おうとしているのが、連合、全労連などの既成指導部=体制内労働運動だ。11月の労働者総決起から労働者階級の総反乱をつくり出すためには、体制内労働運動を打破することが今最も実践的な課題となっている。このことは自治労本部の路線を見れば明らかだ。
5月自治労中央委員会で岡部委員長は、「国家の危機を救うために公共サービスを守ろう」「憲法改悪阻止の闘いはやらない」と言い切った。中川自民党幹事長らが”公共サービスを労働組合から奪え! 自治労・日教組壊滅が戦後体制からの脱却だ”と言っているその時に、戦争・改憲、民営化・労組破壊と闘うのではなく、「企業を守れ」「国を守れ」と主張するのだ。そして職場では、労働者の団結と闘争、抵抗を抑え込むのだ。
協会派の拠点、社会保険庁の労働組合(自治労全国社会保険職員労働組合。旧自治労国費評議会)の現状を見よ。利用者の不安解消のためには「残業は仕方がない」「一時金返納に応じる」「労働組合にも責任がある」と言って、土日も返上で深夜勤務に労働者を駆り立てている。
「(コンピュータ従事で)45分働き15分休む」と攻撃されて、すべての労使協約(覚書)を破棄した。だが、これは厚生労働省のガイドラインとなって全国的に行き渡っていることなのだ! 「窓口でのオンライン端末の1日のキータッチは平均5000タッチ以内、最高10000タッチとする」という基準も、労働者の健康を守るために必要なことだ。
まさに国鉄分割・民営化の時とまったく同じ攻撃が労働組合にかけられている。これと闘わずして当局の軍門にくだっているのが全国社保労組の協会派指導部だ。
5月自治労中央委員会で社民系13県本部はまったく力を失ったことを示した。敵の攻撃に屈服し、闘わない労働組合、地域公共サービス労働組合連合会(全水道・都市交・自治労の地公3単産組織統合)に賛成したことに彼らの現状がはっきりと示されている。
一方、全労連は最近、「非正規」とりわけ青年労働者の組織化に力を入れている。自治体においても民間委託の労働者や「非正規」・臨時労働者の組織化を「課題」にすえた。しかし、彼らの根本的思想は「公務労働者は全体の奉仕者」論だ。「仕事と雇用のあり方=賃金も雇用も、全体の奉仕者のためにはどうあるべきか」(東京公務公共一般労組小林副委員長)と問題を立てる。「住民こそ主人公」を強調する。その根底にはマルクス主義の労働者自己解放闘争の否定がある。
帝国主義の危機の時代に攻撃が激しくなればなるほど、体制内労働運動は帝国主義(国家・資本)に妥協・屈服し、手をつなぐ。そして敵と真っ向から闘う労働者にますます敵対してくる。
動労千葉は、国鉄分割・民営化と2波のストライキを頂点に必死に闘い、団結と組織を守った。そして今も階級的労働運動を貫き、世界の労働者と団結して前進している。国鉄分割・民営化攻撃に他のあらゆる労組、潮流が闘わずして敗北した。動労千葉だけが闘って勝利し続けている。公務員バッシング、社保庁解体・分割・民営化を始め民営化=労組破壊攻撃が激化している今日、動労千葉にしっかりと学ぼう。
青年労働者と共に職場闘争の貫徹を
安倍・御手洗は、自治労・日教組を解体し、4大産別の労働者の階級的団結を破壊することに全力をかけてきている。07年後半戦は正面勝負だ。自治体労働者は、自らの存在をかけてこの決戦に立つ。そのために、職場での日々の攻防に打って出よう。動労千葉労働運動の実践を自らの職場で貫徹しよう。
自治労解体攻撃との闘いは、日々の当局との攻防にこそある。仙台市は、全国の政令指定都市に先駆けて公立50保育所すべての民営化方針を打ち出した。東京・中野区でも杉並区に続いて丸ごと民営化の攻撃が始まった。全国の自治体で戦争・改憲、民営化・労組破壊の攻撃が激化している。公立病院の廃止や民営化、指定管理者制度での民営化・首切り、極限的人減らし・予算削減、組合活動に対する攻撃。「国民保護計画」を作り、自治体と労働者を戦争に動員する具体的な動きを始めている。
中野洋・動労千葉常任顧問は『俺たちは鉄路に生きる2』で、職場での一番の党派闘争は資本・当局との闘争であると提起している。自治体当局は青年をチーム化し、「行財政改革推進運動」を組織している。協会派の「職場実態交流運動」は力を失い、心と体を壊し、自ら命を絶つ仲間が増えている。非常勤の仲間の賃金は手取り9万円、10年据え置きの実態にある。「ワーキングプア」「格差社会」は今の自治体職場の実態そのものだ!
青年労働者が自らの闘いをとおしてつくり出した「労働運動の力で革命をやろう」のスローガンの実践は待ったなしだ。帝国主義の危機の時代は「戦争と革命の時代」だ。「救国」か「革命」かが問われているのだ。
革共同自治体労働者委員会は、「党の革命」の実践をとおして、共産主義者、労働者革命家としての根底からの自己変革を決意した。この貫徹こそ、07年11月に向かう自治体労働者の進む道だ。その核心は、青年労働者と職場でともに闘い、体制内労働運動と決別し、革命を実現する労働者の団結をつくることだ。6・9渋谷の熱気と怒りを全国の職場で実現しよう。
8月自治労大会決戦を、本部岡部執行部を打倒し、自治体労働運動の新しい革命的指導部をつくり上げる闘いとしよう。11月労働者1万人大結集の中核として自治体労働者は総決起しよう。
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週刊『前進』(2302号3面2)(2007/07/09 )
社保庁労働者の声
返納は断固拒否だ
私は夏の一時金の「自主返納」を拒否する。社保労組(自治労全国社会保険職員労働組合)は、村瀬社会保険庁長官が全職員に呼びかけた「賞与(6月期)の自主返納」に積極的に応じる方針だが、社保労組、職員労働者は返納せずに、ここで踏ん張り、反撃しなければならない。
これは「自主返納」ではなく強制だ。村瀬長官は7月2日、職員に向け、人事評価制度のもとで成果を上げなければ広域人事異動させる、日本年金機構で必要とされるのは「前向きに向上心を持って」働く職員だ、と通告した。
私は返納拒否の闘いを労組の再生のきっかけにしたい。返納開始の8月3日まで1カ月が勝負。
年金制度は戦費調達、財政投融資による軍事施設構築のためにつくられた。当局は裏で、50年ごとに戦争が起こり(「50年戦争」説)、インフレなどでチャラになるから、年金を戦費など年金以外の目的に使っても構わないと言ってきた。そもそも戦時の「老後保障」なんてうそだ。みな戦争で死ぬんだから。ところが60年以上、日本は大戦争に突入せず、年金制度の破綻(はたん)があらわになった。
国は、年金を労働者に支払うつもりがないから年金記録の未入力(1430万件)、未統合(5000万件)や廃棄があるのも気にしない。
特に1430万件は、戦時に強制連行してきた朝鮮人・中国人労働者の分も含むため、意識的に入力してこなかった。その真実を暴かれることを恐れてマスコミに「記録不備」をキャンペーンさせて労働者のせいにし、労組を屈服させたのだ。
国家は年金を戦争のために使う。だから労働者が年金を管理・運営しなければならない。
(自治労社保労組員K)
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週刊『前進』(2302号3面3)(2007/07/09 )
保安施設つくらせない
阻止共闘が松沢病院へデモ
「松沢病院に保安処分施設はつくらせない!」
6月27日、「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は、都立松沢病院(世田谷区八幡山)につくられようとしている保安処分施設建設反対を掲げて、「精神障害者」の仲間を先頭に30人で現地デモを行った。
松沢病院は、国家事業としては引き受け手の少ない保安処分施設建設を自治体病院として受け入れ、今年にも図面を発表し2年後完成に向け着工に移ろうとしている。
デモ隊は午後7時、集会会場の八幡山区民集会所を出発。宣伝カーから「ともに闘おう!」とシュプレヒコールが響きわたった。商店街を通るデモに反応は上々だ。広大な敷地の松沢病院の地元ということもあり、ビラを受け取りデモ隊を注視する人が多い。最寄りの八幡山駅ではこの間6回にわたって署名・情宣活動が繰り返されてきた。初めての現地デモで、地元労働者・住民との建設反対に向けた固い連帯を感じた。
デモに先立っての集会では、まず事務局が経過を報告した。施行2年目の医療観察法によって、「再犯のおそれ」という予断と偏見だけですでに300人近い「入院決定」=保安処分施設収容が行われている。「社会にとって危険な者は裁判官決定で長期隔離できる」という、まさに予防処分=保安処分の発動だ。しかし各地の施設建設が反対の声で阻まれているという破綻ぶりも指摘された。
討論では元病院勤務の労働者がかけつけ、労働強化の2交代制絶対反対で闘いぬいた経験をもとに「人を殺人にまで追い込む職場や差別分断をまき散らす今の社会こそ問題だ」と施設建設反対を訴えた。また、当日にビラを受け取った2人が参加。ヘルパーの女性は「松沢に関心があり聞きに来た」と話し、もう一人の男性は「収容される対象者は重大犯罪を犯した者に限るといいながら、実際には全治1週間以内のケガを負わせただけで収容されているというのは本当か?」と質問し、討論を呼び起こした。三多摩で改憲反対運動を闘う参加者からも「終生反骨精神で闘う」と決意が述べられた。
松沢病院の医療観察法施設の受け入れは、東京都病院経営本部による同病院の「精神医療センター」への再編計画(都立病院全体の民営化・切り捨て再編の一環!)と同時に立案され、その第1期工事として強行されようとしている。
この計画は第一に、1300床を超える現在の規模からリハビリ病床などを大幅削減して900床以下にしようとしている。政策医療と称する医療観察法病棟や薬物関連医療を加える一方、全体を急性期(発症直後や症状の変化が激しい時期)中心の精神科病院に治安的に再編する攻撃だ。
第二に、全額国費負担の医療観察法病棟以外の改築計画に、PFI(民間資金活用)方式の導入を決定した。民営化して資本の食い物にし、リストラ・労組破壊をも引き出す攻撃だ。
第三に、薬物・アルコール関連医療などを「精神科特殊医療」として専門化させた。この秋にも「性犯罪者・薬物犯罪者」と見なした者への新たな保安処分(裁判官が刑罰と保安処分の二重決定を判決時に言い渡す制度)の立法化が狙われている。その収容先受け皿に連なる攻撃だ。
「精神障害者」差別をあおりたて労働者の分断と団結破壊、治安弾圧の強化で戦争・改憲に進む安倍内閣を打倒し、松沢病院の保安処分施設建設を絶対に阻止しよう!
(写真 「障害者」先頭に保安処分施設着工阻止を訴え松沢病院へ向けデモ【6月27日 世田谷区八幡山駅前】)
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週刊『前進』(2302号3面4)(2007/07/09 )
久間防衛相「原爆」暴言で辞任
核武装へ進む日帝の本音
久間防衛相が辞任した。米国による広島、長崎への原爆投下について「しょうがない」と講演で発言した責任をとった形だ。参議院選挙を月末に控え、これ以上問題を長期化させるべきではないと判断した、とも報道されている。
だがこれは、失言や認識不足の類(たぐい)ではない。核兵器とその使用を全面的に肯定するきわめて意識的、積極的、政治的な発言だ。辞任は参院選を前に火消しを図ったに過ぎない。撤回や辞任で済む問題では断じてない。
発言は6月30日、千葉県柏市の麗澤大学での「我が国の防衛について」と題する講演で行われた。ソ連が当時、対日参戦の準備をしていたと指摘、米国がソ連の参戦を阻止するために原爆を投下したとの見方を示した。「だから日本が負けると分かっているのにあえて原爆を広島と長崎に落とした。幸い北海道が占領されずに済んだが、間違えば北海道までソ連に取られていた」とし、続けて「あれで戦争が終わったんだ、という頭の整理の中で今、しょうがないなと思っている」と述べた。
「しょうがない」という発言だけが問題視されているが、講演では「国際情勢とか戦後の占領状態からいくと、そういうこと(原爆投下)も選択肢としてはありうる」とも語っている。講演後の取材では「為政者がいかに賢明な判断をすることが大切かを強調したかった」と弁明している。
”日本の残虐な侵略戦争を終わらせるために原爆を使用した”という米政府の一般的な説明を代弁したわけではない。米帝が戦後の世界支配をかけて核兵器を使用したことは「為政者として賢明な判断」だ、政治的戦略的に正しい「選択肢」だと言うのだ。
米軍は当時、原爆を使わなくても日本を降伏させる見通しを持っていた。戦争の早期終結ではなく、戦後世界が革命に転化することを阻止し、ソ連スターリン主義を封じ込め、世界支配の主導権を確保するためにソ連の参戦前に原爆を実戦で日本に投下し、その「威力」を示したのである。その威力とは広島、長崎の何十万人の命を一瞬にして奪い、地獄の惨禍を生み出すことだったのだ。
久間発言は無論、過去の歴史についての評価ではない。久間が8月を前にしてこの言辞を吐いたのは、戦後日本の反戦・反核の運動と意識をたたきつぶし、今こそ核武装国家へ「飛躍」せよ、自分は核使用という「賢明な判断」ができる防衛相でありたい、という帝国主義者の本音の表明だ。
当然にも無数の反発・非難が爆発したが、久間がこの暴言を吐いたのは、安倍首相自らが根っからの日本核武装論者であり、安倍内閣が憲法改悪に向けて具体的に走り出しているからである。安倍は久間をかばい続けた上、「辞任は政治家として一番重い責任の取り方」と全面的に擁護し、やはり核武装を肯定する小池百合子を後任に起用した。
広島、長崎の原爆による数十万人の死の苦しみを切り捨てた「しょうがない」の言葉は、安倍自身のものである。帝国主義の打倒、革命こそ核廃絶への労働者階級の回答でなければならない。
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週刊『前進』(2302号3面5)(2007/07/09 )
定率減税廃止で住民税アップ
労働者に負担強いる安倍
不明年金問題と介護(コムスン)問題で安倍政権に対する労働者人民の怒りが高まる中、税金をめぐっても激しい憤りが噴出し始めた。この6月から住民税の定率減税が廃止され、労働者の負担は一挙に重くなった。1月には所得税の定率減税も廃止されている。
特に住民税の増税は重大だ。昨年度と比べ、税額が2〜4倍になったという人もまれではない。
所得税と住民税の定率減税は小渕政権下の99年に導入された。バブル崩壊後の長期不況に追い打ちをかけた98年の金融恐慌後、日帝は赤字放漫財政による資本救済策にのめり込んだ。銀行などの大資本には公的資金が湯水のようにつぎ込まれる一方、98年から99年にかけて法人税の税率は37・5%から30%に引き下げられた。こうした露骨な資本優遇策への労働者の怒りを抑えるため、「恒久減税」という触れ込みで行われたのが、所得税を20%、住民税を15%一律減額するとした定率減税だった。
ところが、法人税は低く据え置かれたまま、定率減税は昨年に半減され、この6月にはついに全面的に打ち切られた。
政府は、「景気は回復したから定率減税はもう必要ない」とうそぶいている。なんということだ。トヨタやキヤノンなどの大資本は、膨大な労働者をワーキングプア状態にたたき込みながら史上空前の利益を上げている。労働者を徹底的に搾り取ることで企業収益が増大したからといって、どうしてそれが労働者からさらに重い税金を巻き上げてもいいという理由になるのか。しかも、資本に対しては、法人税減税だけでなく証券優遇税制や設備投資減税などの大規模減税が続いているのだ。
小泉「構造改革」以来の02年から06年にかけて、企業に対して総額1・4兆円の減税がなされる一方、個人所得には3・9兆円もの増税が行われた。御手洗・日本経団連は、それでも飽きたらず、「国際競争力強化」を掲げて一層の法人税減税を叫んでいる。これによる税収減の穴埋めとして狙われているのが、消費税率の大幅アップだ。
「地方分権」を名目とした「三位一体改革」の正体も明白となった。政府は、「自治体に財源を移譲するため、国の収入となる所得税を減らして地方税の住民税を増やすが、増減税同額だから個人負担の総額は変わらない」と説明してきた。だが、実はそれもウソだった。住民税は国民健康保険や介護保険の保険料に連動している。自治体によって保険料の算定方法は異なるが、保険料も含む実質的な負担が大幅に増えることは避けられない。安倍=御手洗が策動する道州制の導入は、こうした生活破壊の攻撃を極限にまで推し進めるものとなる。
安倍政権はまた、資本救済のために生み出された国家財政の破産を逆手にとって、公務員労組を解体しようと躍起になっている。労働者が自らの生存を確保する道は、階級的団結を打ち固めて安倍改憲政権打倒へ総決起する以外にない。労働者を襲う大増税は、そのことを一層明白にさせたのだ。
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週刊『前進』(2302号3面6)(2007/07/09 )
日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日
第79回 7月11日(水)/第80回 7月25日(水)
第81回 9月5日(水) /第82回 9月26日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2302号4面1)(2007/07/09 )
4・27法大弾圧裁判 7・26初公判に集まろう
キャンパスの熱気を法廷へ
法大闘争の正義訴え闘おう
4・27法大弾圧事件の第1回公判が7月26日に東京地裁で行われることが決定した。無実の2人の法大生の奪還へ、東京地裁に大結集し傍聴席を埋め尽くそう。団結の力で、法大当局と警察・司法権力を追いつめ、裁判闘争に勝利しよう。
(写真 「平林総長を法大からたたき出せ」。法大当局の集会圧殺を打ち破り貫徹された第3波法大包囲デモ【6月15日】)
法大の暴力支配を裁く
この事件は、今年4月27日に法政大学当局と警察権力が、退学・停学処分の撤回を要求する学生集会を圧殺するために、2人の法大生を「暴行」容疑でデッチあげ逮捕した事件だ。
4・27法大弾圧から2カ月余、いよいよ裁判闘争が始まろうとしている。獄中の2人の法大生はますます団結を強化し、裁判闘争へ向け闘いを開始している。
公判の最大の焦点は、法大当局の変質と学生への管理強化と暴力的な抑圧の実態を暴き、これに対して開始されている法大生による不屈の闘いの正義性と展望を全面的に明らかにすることだ。
平林総長はいったい何をやってきたのか?
わずか3年の間に学生会館の解体に始まり、サークル・学祭の切り捨てである。
立て看板やビラなどの表現活動を禁圧し、集会を開いただけで、正門や広場を封鎖する。さらに、学友会を廃止し、全学生の団結をことごとく奪って学生を管理しようとしている。
一方で、総長選挙を廃止し、独裁体制の強化と、水増し入学やキャンパス移転による金もうけにひた走っている。
だからこそ、昨年3月14日、みせしめ的に40人の学生を逮捕し、「平林打倒!」の声を圧殺し続けてきた。今回の4・27法大弾圧は、「逮捕しても学生運動をつぶせない」という理由で、法大当局や国家権力が2人の学生を起訴した百パーセント政治弾圧事件なのだ。
獄中の2人、弁護人、法大生を始めとした多くの仲間の団結の力で一大政治裁判とし、法大当局や司法権力を追いつめていこうではないか!
法大キャンパスは怒りが充満している。学友会廃止に対する怒り、キャンパスの暴力支配、学生管理に対する怒りが爆発寸前だ。
「平林総長はやめろ」――これが法大生の声になっている。法大包囲デモのたびに新たな学生の決起が生まれ、団結が拡大し、強化されている。キャンパスの熱気で傍聴席を埋め尽くし、獄内外を貫いた団結の力で裁判闘争に勝利しよう。
分離裁判粉砕の大勝利
今回の裁判は、法大闘争であると同時に司法改革攻撃との闘いだ。
6月15日に東京地裁の第18部と第21部は、2人の併合申請を「適当でない」などと理由も示さず却下した。
さらに分離を前提とした進行協議を押しつけ、これを弁護人が拒むと即座に第1回公判の期日を提案し、裁判の迅速化を強引に推し進めてきた。
裁判所の狙いは、2人の学生をバラバラにして団結を破壊し、事件を個別の「暴行事件」としてしまうことだ。事件の根底にある、法大当局による学生への暴力的・独裁的支配という核心を闇(やみ)に葬ることだった。
これに対し、弁護人を先頭に強く抗議し、再度の併合申請を行い、2人の被告も獄中から意見書を提出した。地裁前では抗議のビラまき活動が展開され、裁判所を追いつめた。そして6月29日、いったん却下した併合申請を認めさせたのだ。
裁判所が強引に推し進める分離裁判の強行を粉砕し、2人の裁判の併合をかちとった。緒戦での画期的勝利だ。
さらに、検察庁は、新設の「公判部機動班」の検事をつけてきた。
機動班は、裁判員制度の実施に向けて公判前整理手続の実践と普及を任務として4月に設立された。この間、いろいろな裁判に介入し、新刑事訴訟法による公判前整理手続・期日間整理手続の導入のために動き回っている連中だ。
国家権力の総力をあげた法政大学の学生運動への圧殺、安倍政権の改憲と戦争の政治のもとで司法の治安弾圧の手段としての純化が音を立てて進行している。
4・27法大弾圧裁判闘争は、司法改革との闘いに立ち上がっている人びとからも注目をうけ、支援の輪が一気に広がろうとしている。今回の裁判闘争を、一大人民裁判として全力でかちとっていこう。
全国の労働者・学生のみなさん! 第1回公判へ大結集し、裁判勝利・早期保釈をともにかちとろう。
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公判日程
◎4・27法大弾圧裁判第1回公判
7月26日(木)午後3時 東京地裁
※傍聴は30分前に地裁前に集合
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週刊『前進』(2302号4面2)(2007/07/09 )
関西新空港2期供用阻止
7・22闘争に大結集を
大阪湾岸住民団体と関西反戦共同行動委員会が呼びかける7・22関西新空港反対闘争に全国からの参加を呼びかけます。
泉佐野現地では、8月2日の2期供用開始を前に、94年開港決戦につぐ闘いが始まっている。現地では、関空の軍事空港化、労働者の戦争動員、新陸上ルート、地元自治体と労働者を犠牲にする攻撃と全面的に対決して闘っている。日本共産党や連合などが完全に闘いを放棄する中で泉州住民の会は毎週宣伝カーやビラで事実を暴露し、闘いを呼びかけてきた。
泉佐野現地集会(1月28日)、大阪府・国土交通省への抗議(同31日)、5月16日からの実機飛行テストに反対する大阪府、国土交通省への抗議(6月22日)など果敢に闘っている。
7・22闘争は第一に、安倍政権の戦争と改憲、軍事空港建設と対決し、阻止する闘いである。
日米両政府は、朝鮮侵略戦争を想定した共同作戦計画5055の策定作業を開始している。すでに02年に概念計画5055を策定・署名しているが、今回はこの概念計画を実戦に移す作戦計画に格上げする。朝鮮侵略戦争に日本が参戦し、労働者人民を動員するための作戦計画である。97年に「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」に調印して以来の日本帝国主義の「悲願」であり、防衛省への格上げ、改憲と一体の攻撃である。
格上げ作業の柱は、米軍による民間空港・港湾の優先使用だ。民間空港・港湾を米軍の出撃拠点、兵站基地にする。すでに米軍は関空、成田、新千歳など3500b以上の滑走路を持つ空港を指名している。現地調査は秋には終わるという。泉州では関空と泉佐野市立病院が対象だ。
泉佐野市の国賀祥司議員が市議会で追及したところ市理事は「存じていない」を繰り返し、軍事機密扱いにしている。ふざけるな! こんな重要な問題を地元住民や関空労働者に一切秘密にして進めることは断じて認められない。こういう形で戦争を準備するのだ。
第二に、日本帝国主義のアジア侵略への拠点空港化との闘いである。
安倍政権は「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の最終報告を5月中旬にまとめた。中心は「航空自由化(オープンスカイ)」と称する航空規制緩和策だ。関西空港と中部空港をアジア侵略の拠点空港と位置づけた。
便数が減って経営危機の関空会社は、これに飛びつき「日本初の『国際貨物ハブ空港』」構想を打ち出した。オープンスカイ、国際貨物ハブ空港化で、巨大資本の利潤追求を徹底的に進め、労働者をさらに24時間搾取する攻撃である。関空内労働者とともに闘う情勢がきている。
新陸上ルートの暴挙許さぬ
第三に、地元自治体、労働者・家族を犠牲にしなければ成り立たない関西新空港計画との根底的な闘いである。
国土交通省は再び約束違反の陸上飛行を強行してきた。昨年12月、関空―羽田便の着陸ルートも「陸上」にする新ルートを地元に提示した。泉州住民の会は1月、集会を開き、反対してきた。今回の新ルートは、98年離陸ルートの陸上ルート以上の暴挙だ。関空建設での一番大事な約束を破るものであり、騒音公害を惹起(じゃっき)する。
「羽田―関空便を10分短縮する」「年間13万回を達成する」ためだと言う。破綻した関空2期事業を救済するために地元住民に犠牲を強要する。そこに住む人間より資本のもうけが大事という考え方を絶対に許さない。
関空は、便数も旅客も激減。この3年は10〜11万回にまで減っている。2期供用を開始しても「朝夕の混雑時にしか使わない」という。2期事業はまったく必要ない。
地元自治体は関空のために財政危機に陥り、労働者・家族を徹底的に犠牲にしている。泉佐野市は職員を200人も減らし、給与も府内最低にまで下げた。労働者家族は、税金、保険、公共料金を上げられ、福祉を全廃されてきた。住民の怒りが頂点に達し、爆発する時が近づいている。
大阪湾岸住民団体は不屈に闘っている。危機に立つ安倍政権を関空2期事業もろとも打倒しよう。7・22泉佐野に決起しよう。(写真は昨年の7・9闘争)
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集会要項
8・2関西新空港2期供用開始阻止/新陸上ルート案反対!/関空の軍事空港化絶対反対!関西新空港反対全国集会
7月22日(日)午後1時半集合、2時開会
泉佐野市末広公園コミュニティひろば(泉佐野市羽倉崎駅下車5分)
主催 大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)/関西反戦共同行動委員会
協賛 三里塚芝山連合空港反対同盟
※集会の後、りんくうタウンまでデモ
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週刊『前進』(2302号4面3)(2007/07/09 )
高槻市議選勝利の地平
改憲、医療・福祉の破壊と対決
住民と労働組合が選挙戦担う
4月の高槻市議選で、私たちは市議3期目になる小西ひろやす候補を立てて闘い、3393票18位(定員36人)で当選をかちとりました。小西議員は今、市議会の中で闘っています。安倍政権の医療・福祉の切り捨ての手先として高槻市当局が果たしている役割を徹底的に暴露し、労働者住民の闘いを組織していくことを目指しています。
(写真 選挙戦の最終日の夕方、小西候補はJR摂津富田駅で支持者を前に演説【4月21日】)
施設民営化にただ1人反対
高槻市はこの6月市議会に、市立の「身体障害者」「知的障害者」の二つの施設を統合して「障害者」自立支援法に則った新たな施設をつくり、それを民設民営で運営するという補正予算を出してきました。
市の狙いが国の民営化の流れに乗って福祉施設を民間に売り渡し、財政負担を軽くすることにあることは明らかです。自立支援法のもとで民営化されれば利用者の自己負担額が大幅に増え、職員の給与や労働条件が切り下げられることは目に見えています。
すでに市内の養育センターが、補助金カットで人員を3分の2に減らしたにもかかわらず750万円の赤字になり、休止に至っています。「応益負担」を原則とし、民間事業者との契約によって福祉サービスを購入する自立支援法のもとでは、このような「障害者」の切り捨て、福祉の崩壊が生じるのは必然です。
このような高槻市の政策に怒りの声が上がっています。小西議員は6月28日の福祉企業委員会において、ただ1人反対の立場を貫きました。
入浴料値上げは部落差別だ
また同和地区にある公衆浴場を改築し、それを指定管理者に運営させる補正予算も提出されました。この公衆浴場は、ほとんどの同和対策事業が廃止になった中で唯一わずかな補助金で入浴料金も250円(一般地区は390円)に抑えられていたものです。これを民営化して最終的に打ち切るというのです。
解放住宅には風呂がなく、公衆浴場は解放住宅の住民の保健衛生にとって必要不可欠のものです。とりわけ利用者の大部分を占める高齢者にとっては、身体を洗うだけではなく、仲間との憩いの場です。一般的な公衆浴場ではなく、あくまで(風呂のない)解放住宅とセットで建設され、利用されてきたものです。同和対策事業であることに本質があります。
高槻市当局は、この核心を破棄して民営化して料金を値上げし、同和地区住民の福祉を奪おうとしています。これは部落差別にほかなりません。このような部落差別政策が、肝心の利用者の声を無視して進められていることに対し、小西議員は鋭く糾弾しました。
常任委員会での審議が終わり市議会は後半戦に入っています。小西議員は今後、医療制度改悪、教育基本法、教育関連4法改悪などについて市の見解をただす予定です。
地方自治体の問題は、安倍政権の改憲政策と深く関連しています。改憲の実質的内容をなす基本的人権、社会保障、教育、政治、経済、税制、軍事などあらゆる社会生活にかかわる分野で、人民大衆が貧困と無権利の状態に置かれています。
私たちは市民に傍聴を呼びかけ、参加者が討議し、参加者自身が原稿を書き、市民に伝える努力をしています。
階級と人民の自己解放かけ
4月の選挙では、いくつかの特徴的な取り組みがありました。
◎「後期高齢者医療制度」の暴露
小西候補の40年間の医療実践と地域活動の経験から、今日の階級的現実のもとで人民にとっての直接的・死活的テーマ、それも「環」になるものとして「後期高齢者医療制度(※注)」の反人民性を暴露しました。それを切り口に「階級・人民=住民大衆の真の自主的・自己解放的決起をかちとっていくこと」(革共同6回大会選挙テーゼ)を追求して選挙闘争に挑みました。
小西候補は、@戦争反対、改憲阻止、A医療福祉破壊に反対、特に「後期高齢者医療制度」をやめさせよう、B部落差別・民族差別反対、同和行政打ち切り反対、C地方自治の破壊を許すな、D労働者住民の闘いの先頭に立つ議員になる――と選挙の意義と革命的議員としての役割を訴えました。
◎差別キャンペーンとの闘い
帝国主義の部落差別攻撃と、その先兵=日本共産党との闘いが焦点となりました。日共は連日ビラをまき、「同和行政を進めようとする小西」「同和行政があるから部落差別がある」と差別キャンペーンを続けました。小西候補は連日の街頭演説で、部落解放の重要性と、同和行政打ち切り反対を訴え、自らその先頭に立って闘うと表明しました。
◎地域住民の闘い
今回の選挙は、住民が自分の闘争、自分の運動として闘いました。「後期高齢者医療制度」「労働法規問題」「国民投票法案」などを自主的に学習し、選挙の意義と闘い方を討議し、地域に働きかけました。また、事務作業、事務所の当番も地域住民が担いました。
◎労働組合の闘い
労働組合は、選挙闘争本部を設置して、職場への働きかけをしました。「国民保護法」による自治体の国民保護計画は、病院にも戦争協力を強制しています。労働者がそれを拒否し、戦争国家化を阻止していく大事な選挙であることが確認されました。
現場では、リハビリ切り捨て、看護師不足などの労働条件の悪化に対して怒りが渦巻いています。医療・福祉切り捨て政策がその原因です。組合員は、勤務の間のわずかな時間や、変則勤務の出勤前、早帰りの時間にそれぞれができる仕事を担いました。この選挙で新たに職場の仲間との絆(きずな)が生まれました。
◎地区党建設に向けて
高槻には、戦前から今日まで、労働運動、在日朝鮮人民の闘い、部落解放、「障害者」解放、地域開発反対、反公害、農民組合など、闘いの伝統が脈々と生き続けています。革命的議員の存在がこれらをひとつに結びつけ、それをひとつの大きな闘いにすることができます。
この選挙闘争では、私たち全員が地域の労働者・住民と交流し、組織者として闘い抜きました。全党員の総力決起として勝利しました。この経験を土台とし、教訓として、革命的議会主義を軸にした強固な地区党建設に向かう決意です。
(医療労働者・高部薫)
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解説(※)後期高齢者医療制度 08年4月から「高齢者の医療の確保に関する法律」として施行されるもの。
@高齢者を65歳〜74歳の前期高齢者と75歳以上の後期高齢者に分け、75歳以上の全員が保険料を年金から天引きされる。被扶養者も年金から天引き。70〜74歳の国保料も天引きになり、医療保険料と介護保険料が合わせて天引きされる。
A75歳以上の人は1割負担のままだが(但し一般並み所得者は3割)、70〜74歳では2割負担になる。08年4月から入院の65〜69歳の自己負担が倍以上(5万円以上)になる。
B現在の療養病棟約38万床を12年には15万床に減らし、高齢者23万人を病院から追い出す。
C08年4月から75歳以上の高齢者の診療報酬を別だてにし、入院も外来も定額制にし、一定以上の医療は自己負担となる。
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週刊『前進』(2302号4面4)(2007/07/09 )
6月26日〜7月3日
内閣支持率過去最低の28%に
「原爆」発言で久間防衛相辞任
●米下院委が慰安婦決議を可決 米下院外交委員会は、日本軍軍隊慰安婦問題に関する決議案を一部修正のうえ、賛成39、反対2の大差で可決した。民主党のペロシ下院議長は「下院がこの決議案を採択し、慰安婦が受けた恐怖をわれわれは忘れないという強いメッセージを送ることを期待している」との声明を発表した。(26日)
●嘉手納基地で緊急着陸 米空軍嘉手納基地で同基地所属のF15戦闘機と在韓米空軍群山基地所属のF16戦闘機の2機がトラブルで緊急着陸した。このため嘉手納基地所属のF15戦闘機2機が普天間飛行場に着陸した。(27日)
●元公安庁長官を逮捕 朝鮮総連中央本部(東京都千代田区)の土地と建物が登記上売却された問題で、東京地検特捜部は、元公安調査庁長官で弁護士の緒方重威容疑者ら3人を詐欺容疑で逮捕した。架空の出資話で総連側の不動産をだまし取ったという疑い。(28日)
●基地廃棄物、年1万5000d 沖縄県議会の一般質問で、県は、沖縄県内の廃棄物処理業者が引き受けた廃棄物のうち、焼却処理した廃棄物のおよそ半分が米軍基地からの廃棄物であることを明らかにした。(28日)
●弾道ミサイル迎撃の必要性を強調 集団的自衛権を研究する有識者懇談会が首相官邸で開かれた。米国に向かう可能性のある弾道ミサイルへの対応について、安倍首相は「同盟国が甚大な被害を受ければ、我が国自身の防衛に深刻な影響を及ぼすことは間違いない」と述べ、迎撃を可能にする法整備を進める必要性を強調した。(29日)
●自衛隊アフガン派遣を打診 7月に退任するローレス米国防副次官の後任となるシンが自民党安全保障調査会長の山崎拓前副総裁と会談し、アフガニスタンへの自衛隊派遣を打診した。山崎は現状では困難との認識を伝えた。(29日)
●「原爆投下しょうがない」 久間防衛相は、千葉県柏市の麗沢大学で講演し、米軍の原爆投下について「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っている」と述べた。安倍首相は野党の罷免要求を拒否した。(30日)
●内閣支持率28% 朝日新聞社が実施した世論調査で、内閣支持率が安倍政権の発足以来、最低の28%を記録、初めて2割台となった。内閣支持率が2割台に落ち込むのは森内閣以来。不支持率は48%。(1日)
●ブッシュ、前補佐官の実刑免除 イラク戦争にからむ米中央情報局(CIA)工作員の身元情報漏洩事件で、ブッシュ米大統領は、司法妨害などで禁固2年6カ月などの判決を受けた前副大統領首席補佐官のルイス・リビー被告に対し、大統領権限で実刑免除の減刑措置を発動した。(2日)
●防衛施設局がヘリパッド移設に着手 米軍北部訓練場の一部返還に伴う沖縄県東村高江区周辺へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設で、那覇防衛施設局は、工事用進入路のゲート設置などの作業に着手。約1時間かけて2カ所に金属製のゲートを設置した。反対派が約20人集まったが、集団で座り込みを始める前にゲート設置作業を完了した。(3日)
●久間防衛相が辞任 久間防衛相は、首相官邸で安倍首相と会い、米軍による原爆投下を「しょうがない」と発言した責任をとり、辞任する考えを伝え、安倍も了承した。安倍政権発足9カ月あまりで閣僚の交代は3人目。安倍は後任に、小池百合子・国家安全保障問題担当首相補佐官を起用することを決めた。(3日)
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週刊『前進』(2302号5面1)(2007/07/09 )
日帝打倒へ国際連帯の発展を
盧溝橋事件70年にあたって
階級的労働運動路線実践し在日人民との団結の強化を
革共同入管闘争委員会
はじめに
1937年7月7日、日本帝国主義は、中国への全面的な侵略戦争へと突き進む契機となった盧溝橋事件を引き起し、アジア人民2000万、日本人民300万を犠牲にした帝国主義戦争へと突き進んだ。それから33年後の70年7月7日、盧溝橋事件を記念する集会でわれわれは、華僑青年闘争委員会から告発・糾弾を受けた。そして被抑圧民族、被差別人民とともに反帝・反スターリン主義世界革命を実現することを誓ったのだ。
そして昨年、動労千葉を中軸とした3労組共闘のもとに開かれた11・5労働者集会では、戦争と民営化・労組破壊と対決し、階級的労働運動を推進する米韓労働者とともに「闘う労働者に国境はない」(民主労総ソウル本部・キムチャンソプ氏)と宣言したのだ。実現された国際連帯闘争の地平を堅持・発展させることこそ、7・7路線の階級的貫徹なのだ。
日本帝国主義の崩壊的危機を眼前にして、日本労働者階級の任務は鮮明である。ボロボロ化し、凶暴化している日帝・安倍−御手洗に労働者階級の怒りをたたきつけ、この社会を根底からひっくり返すことが求められている。3・18−6・9として実現した「労働運動の力で革命をやろう」という青年・学生の叫びを、全階級のものとして実践していこう。
(写真 日韓米の労働者が固い団結で銀座をデモ。労働者の国際連帯が力強く発展している【06年11月5日 東京】)
今年前半の勝利の地平と4〜5月入管闘争
07年前半の闘いは「党の革命」の進行と一体で勝利を積み重ねてきた。07年『前進』新年号での階級的労働運動路線の提起は、この情勢をわがものとするための唯一無二の方針である。この階級的労働運動路線の実践が3・18行動を生み出し、さらに6・9の高揚を生み出した。
さらに4月統一地方選において杉並・相模原を始めとして全国で革命的議員の当選、再選をかちとった。選挙戦においても階級的労働運動路線を貫き、地区党建設を目的意識的に追求する選挙として勝ち抜いたのである。
こうした闘いと密接不可分のものとして闘いぬいた4〜5月入管闘争は、日帝・安倍政権の改憲攻撃に対して階級的反撃を組織するための重要な内容を獲得する闘いとなった。在日朝鮮人・中国人を始めとする在日・滞日外国人との階級的連帯、共同闘争としてこれまで以上の前進をかちとった。
「美しい国」を掲げた日帝・安倍政権と、「希望の国」を掲げる日本経団連・御手洗が一体となって推し進める東アジア経済圏構想。その実体こそ、まさに「現代の強制連行」である「研修制度」や「実習生制度」にほかならない。
安倍−御手洗路線の一環として「外国人労働力の活用」と称して外国人労働者の計画的導入が推し進められている。
こうした外国人労働者は、労働現場で日本人労働者の隣人として大量に存在している。外国人労働者問題を階級的労働運動路線の中にしっかりと位置づけ、連帯と団結を強め、ともに階級の利害を貫くために闘いぬくことである。労働現場から怒りの告発を開始している外国人労働者と連帯し、ともに勝利しよう。
外国人労働者との連帯と団結を阻止し、分断・支配を策すものこそ、外国人労働者に対する激しい入管攻撃であり、労働者階級の階級性を解体しようと執拗(しつよう)に展開される愛国主義、排外主義、差別主義の荒波なのだ。
日帝・安倍は、拉致問題をふりかざし、反北朝鮮キャンペーンを展開しながら、戦争と改憲、民営化・労組破壊の攻撃を強行している。
今回の朝鮮総連中央会館をめぐる事態は、北朝鮮への排外主義と侵略戦争策動を強める日帝・安倍が、北朝鮮の日本での「窓口」である朝鮮総連中央本部の明け渡しを強要しようとしている点にある。同時に今回の事態は、弁護士と日弁連に日帝への全面的屈服を迫る攻撃でもある。
クルド人への弾圧の激化
また6月下旬に在日クルド人に対する大弾圧が報道された。8人のクルド人が逮捕・収容され、一部は強制送還されていると報じられ、さらに彼らの自宅などの家宅捜索で、クルド労働者党(PKK)の指導者の写真、旗などが出てきたということをもって「テロ組織資料」を押収した、とされている。
米帝のイラク侵略戦争が泥沼化する中で、トルコ政府が焦りにかられてクルド人弾圧を強めている。こうした情勢の中で日帝のクルド人弾圧も激化している。弾圧は昨年11月から今年4月の過程で断続的に強行されており、今回の「テロ組織」報道も、クルド人への非道な入管弾圧の強化そのものだ。
こうしたさまざまな入管攻撃と真っ正面から対決しつつ、労働者階級解放闘争のすべての課題を正面任務として闘いぬける地区党を建設していくためにともに闘っていこうではないか。
70年7・7自己批判と入管闘争の歴史的軌跡
70年7・7自己批判を契機に、われわれは地区党を中心に地区入管闘をつくって、本格的に入管闘争に着手した。
当時、日帝は入管令を入管法にするために入管法案の提出を虎視眈々(こしたんたん)と狙っていた。
この入管法をめぐっては在日諸団体の激しい闘いに導かれながら、4回にわたって国会提出を阻止し、その後10年間、その狙いをストップさせてきた。入管法制定阻止の政治闘争と地域日常闘争を闘いぬくことを懸命に追求し、支援・防衛・連帯の立場を貫いてきたのである。
70年代は二つの象徴的な闘いが、われわれに在日朝鮮人の存在と闘いを強く突き付けるものとなった。70年朴鐘碩(パクチョンソク)氏の日立就職差別裁判闘争であり、71年徐勝(ソスン)、徐俊植(ソジュンシク)兄弟事件を始めとする在日韓国人政治犯救援運動である。
日立就職差別裁判は、在日朝鮮人・朴鐘碩氏が日立製作所に就職が決まったにもかかわらず、在日であることを理由に即解雇されるという民族差別に怒り、立ち上がった。闘争は神奈川を中心に大衆的に闘われ、韓国の民主化闘争へも影響を及ぼしていった。74年6月完全勝利を実現し、朴氏は日立製作所に就職、現在も働き続けている。
徐兄弟事件は、朴正煕(パクチョンヒ)軍事独裁政権によって、留学先の韓国でスパイとして逮捕され、すさまじい拷問を受け、いったん死刑判決を受けた事件である。徐兄弟事件に対して、救援運動が大きく組織され、政治犯救援運動の出発点を築いた。
80年代は、指紋押捺(おうなつ)拒否闘争である。80年、韓宗碩(ハンジョンソク)氏の「たった一人の反乱」と呼ばれる指紋押捺拒否は、80年代を貫いて在日総体に波及し、高揚した。この闘いは最終的に指紋押捺制度の廃止を実現する勝利を切り開いた。
90年を前後して、指紋押捺拒否闘争の今後をめぐる激しい論議の中で、4〜5月入管闘争が在日朝鮮人と共同の闘いとして出発した。この闘いは、在日・滞日をめぐるあらゆる闘いを包摂するものとして今日まで闘いぬかれている。
90年代以降今日まで、入管収容所をめぐる闘い、戦争責任・戦後補償をめぐる闘いを含め、全国各地で、在日・滞日人民と連帯する共同闘争が献身的に粘り強く闘いぬかれ、階級的な信頼関係を形成していることは、入管闘争の大きな前進を示している。
ここで入管体制についてみていこう。先述したように、日帝は1951年、入管令を制定、日帝の植民地支配と侵略戦争の中で在日を余儀なくされた朝鮮人、中国人を外国人として治安管理することから戦後の入管体制は始まった。入管体制は入管法と外国人登録法を柱とし、具体的には差別・抑圧、分断・同化・追放を日常的に貫徹しているのである。出入国することのできない朝鮮人・中国人を対象とした入管令は、出発点から矛盾を抱えていたのだ。
81年に日本が国際難民条約を批准したことをもって、入管法が難民認定及び出入国管理法として成立した。このころからアジア人労働者の入国、特にタイ、フィリピンなどの女性労働者が入国し、劣悪な状況で酷使され続けていた。82年の法施行は、そうした意味で入管体制の一大転換であった。80年代、日帝のアジア侵略の急速な展開の中で、「3K労働」の労働力としてアジア人労働者の入国が一挙に増大した。こうした現実に対して日帝は外登法・入管法−入管体制を抜本的に強化する必要にかられていた。
91年に新入管法ともいうべき改定が行われ、在留資格が細分化され、日系人の国内就労が無制限に認められるようになった。また入管特例法を在日対策的に制定し、入管法の二元化を図ったのである。これ以降、何度も改定を重ねた入管法は、2000年、第2次入管基本計画の発表を契機に戦時入管体制へとさらなる転換を重ねてきた。とりわけ、01年9・11反米ゲリラ戦以降、入管体制が完全に「テロ対策」としてどんどん強化されてきている。
今日、入管体制は「テロ対策」として、日帝の戦争国家化と一体で推し進められてきている。この日帝の戦争と改憲攻撃と真っ向から対決して闘うことが今日の入管闘争の何よりの課題である。
革命的情勢の急接近と日韓米国際連帯の前進
入管闘争を始めとする戦略的総路線の具体的実践は、7・7路線を深化・発展させてきた。
動労千葉の分割・民営化との闘いを始めとした階級的労働運動は、韓国・民主労総、アメリカ・ILWU(国際港湾倉庫労働組合)との強固な国際連帯を実現している。今や世界的な規模で労働者階級の反撃が始まっており、国境を越えた連帯闘争は予測を上回る速度で発展している。この闘いをいかに主体的に受けとめ、共同闘争として発展させていくのかが強烈に求められている。
とりわけ移民労働者=外国人労働者の闘いが大きな位置を占めてきている。06年、アメリカで1000万人の移民労働者がメーデーを復活させ、「移民のいない日」を実現したことは大きな衝撃であった。06年秋以降のメキシコ・オアハカにおけるコミューンの実現は、まさに世界の階級闘争が新たな高揚局面に突入したことを鮮明に示している。
動労千葉の階級的労働運動に対して、世界的な規模で注目が集まり、国際連帯闘争が日々前進する局面に至っている。われわれがこれまでに経験したことのないようなスケールで国際連帯闘争が広がる趨勢(すうせい)に入っているのだ。
階級的労働運動路線の実践によって、入管闘争は労働者階級の自己解放闘争として新たに打ち立てられ、被抑圧民族人民との国際連帯を労働者階級の階級的連帯を基軸にして発展させていく道をつかみとったのだ。
われわれは断固としてこの道を進み、革共同を国際的単一党として建設していこう。これこそ7・7路線の全面的・今日的発展である。
われわれは、在日朝鮮・中国―アジア人民、被抑圧民族人民の存在=生活と闘いをしっかりと措定し、それから学び、連帯し、防衛し、支援することを実体的基底にすえきった。これをプロレタリア的階級性に根ざしたものとして鮮明化させ、日本労働者階級の矜持(きょうじ)にかけて日本帝国主義を打倒する決意をますます強固なものとして打ち固めて、具体的に実践することが求められている。階級的労働運動路線こそがその闘いなのである。
7・7思想を、差別―糾弾―自己批判に一面化すること、あるいは「学ぶ」側面だけで整理することは、被差別・被抑圧民族人民を労働者階級と対立する存在として固定化することであり、本来の7・7思想の意義を低め、歪曲するものであると言わなければならない。
戦争と改憲、民営化と労組破壊に突っ走る日本帝国主義による階級分断攻撃としてある愛国主義、排外主義と非妥協で闘い、日帝を打倒することが求められている。ここに日本労働者階級人民の自己解放の道がある。
7・7路線は「党の革命」の中でさらに深化をかちとっている。22全総―07年『前進』新年号―3・14「党の革命」1周年論文などでその内容が提起されている。何よりも動労千葉の存在と闘いに徹底的に学び、11月労働者集会などの具体的実践をとおして、自らをプロレタリア革命を実現する生きた革命家として再生し、飛躍させていくことだ。革命的情勢の急速な接近という情勢にあって、今こそ、分担主義を克服し、本来的な地区党の建設を推し進めよう。
11月1万人結集に向かって、ただちに実践に躍り出ようではないか。
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週刊『前進』(2302号5面2)(2007/07/09 )
解同全国連茨城県連大会
狭山軸に労働者と共闘
全国連弾圧への反撃誓う
7月1日、部落解放同盟全国連合会の茨城県連第16回定期大会が水戸市で開かれ、全国連支部員、共闘の労働者人民、150人が参加し、成功裏にかちとられた。
6月13日に全国連中央本部の中田潔書記長がデッチあげ逮捕された。この大弾圧に対して怒りの反撃に立ち上がることを決意し、同時に狭山闘争を基軸とする部落解放運動と茨城県連組織の強化・発展を期した大会となった。
冒頭、石川辰衛茨城県連委員長が「石川一雄さんの闘いにこたえ、労働者とともに団結して狭山闘争を基軸に国家権力と闘う」と戦闘宣言を発した。
来賓の加藤浩一水戸市長、茨城県知事、茨城県教育長、朝鮮総連茨城県本部の金副委員長らが祝辞を述べた後、全国連中央本部の楠木吉秀事務局長があいさつに立った。「中田書記長の逮捕・勾留が何の根拠もない不当なデッチあげによる全国連弾圧である」と弾劾、「国家権力は『全国連も腐敗した本部派と同じだ』とマスコミを使ってキャンペーンし、力ずくで全国連をつぶそうとしているが、全国連は共闘の労組、諸団体とともに直ちに連日の抗議闘争に立ち上がっている。団結を強め共闘を拡大して闘う」と力強く宣言した。
東日本部落解放共闘会議の井上長治事務局長も、中田書記長デッチあげ逮捕に怒り、ともに闘うと表明、「労働運動の力で革命を」という若者とともに11月労働者集会に全力で参加することを訴えた。動労水戸の石井真一委員長は、長年の茨城県連との共闘関係を踏まえ、労働者として狭山闘争を軸に全国連と連帯して闘うと約束、動労水戸自身も「ライフサイクルの深度化」攻撃と対決すると宣言した。労働者の解放と部落の解放が相互に一体であることを強調した。
議事に入り、昨年度の経過報告、07年度の運動方針が提起された。井橋昌夫事務局長は、中田書記長逮捕攻撃について「かつては行政が本部派に利権を与えて部落解放運動を腐敗させ抑え込もうとしてきたが、今は権力が直接部落解放運動、全国連を敵視しつぶそうとしている。しかし全国連・茨城県連は正しい道を突き進み、弾圧を打ち破る」と力強く宣言した。次に「部落解放運動の必要性はこれまで以上に高まっている。団結して生活を守ろう。法がなくても、差別で奪われた必要なものは要求する」と生活要求闘争の方針を提起、さらに狭山再審闘争、改憲阻止闘争への決起を呼びかけ、青年の組織化を訴えた。また住宅闘争の方針を山田孝助書記次長が提起した。
討論では、茨城県連中田支部婦人部が若者をめぐる現状に怒りを表明、団結強化、狭山再審闘争での東京高裁・門野裁判長との対決を訴えた。同守谷支部の老人部結成の提案に井橋事務局長が賛成を表明した。また東京・品川支部が支部結成を高らかに報告、埼玉・狭山支部が労働組合運動の有効性を強調した。共闘の茨城・青い芝の会、水戸事件との闘いを支援する会も発言した。
議案採択の後、新役員を代表して石川委員長が登壇、「中田書記長を一日も早く取り戻そう。団結の力で厳しい情勢にうちかとう。労働者、全国連、闘う同志とともに一歩踏み出そう」とあいさつした。青年が中田書記長への不当弾圧糾弾の大会決議と大会宣言を提案、全体で採択、団結がんばろうを三唱して締めくくった。
(写真 全国連への弾圧を団結の力で跳ね返そうと誓った茨城県連大会【7月1日 水戸市】)
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週刊『前進』(2302号5面3)(2007/07/09 )
書評
『アメリカの核支配と日本の核武装』
吉田義久著 編集工房 朔 2000円+税
労働者民衆の視点から“核と戦争”を徹底追究
「戦争はなぜ起きるのか?」「次の戦争はなぜ核戦争とならざるを得ないのか?」「そしてそれを阻止する方法はあるのか?」――この今日的に最も切実な問題を解き明かす絶好の書が発刊された。吉田義久著『アメリカの核支配と日本の核武装』(発行・編集工房 朔)である。
元相模女子大教授の吉田氏は素粒子論を専攻分野として研究教育活動を行うとともに、造詣(ぞうけい)の深い核物理学を武器に労働者階級民衆の視点から核問題を一貫して追究してきた。その吉田氏のこれまでのライフワークを集大成したのが本書にほかならない。
「独占金融資本がつくり出す戦争」を副題としているように、著者は、帝国主義・独占金融資本こそ現代の戦争・核戦争の元凶であるという核心点を徹底的に押さえ、それをキーワードとして全章を展開している。金融と石油、軍事力をテコに世界に君臨してきた米金融資本の経済的な支配の喪失と没落、それとリンクした日本金融資本の絶望的危機。戦争・核戦争という手段によって延命しようとする帝国主義のおぞましさ。これら死に瀕(ひん)する米日帝国主義の破綻(はたん)と危機の内実を詳細な具体的データを駆使しながら歴史的・実証的に明らかにし、第2次朝鮮侵略戦争へ突き進む根本原因をえぐり出す。
核戦争の切迫
核兵器を使って世界を支配する米帝の戦後政治の始まりは、日本への原爆投下だった。マンハッタン計画とその後の核開発過程での放射能の人体実験。「ヒロシマ・ナガサキこそその人体実験の最大規模のものであった」(189n)と衝撃的な事実が明らかにされている。同時に、細菌兵器開発・使用の戦争犯罪免責を目的に、米軍の被爆調査とプレスコードおよびその後のABCC(原爆障害調査委員会)の放射線被曝(ひばく)研究に全面協力し、米帝の核政策の展開に共犯者としてあり続けてきた日帝の暗部があぶりだされる。
現代帝国主義のすさまじい腐朽の進行。その象徴としてのアメリカの軍事産業とりわけ核軍事産業にも焦点が当てられている。唯一優位にある軍事産業への投資を増大させ、「石油、天然ガス、ウランなどを独占確保し、他国の帝国主義(独占金融資本)を叩(たた)きつぶして、再び強者の立場を暴力的に作り上げるしかない」(110〜111n)米帝。QDR、NPRこそこの米帝の戦争プログラムだ。戦後繰り返されてきた原爆使用策動、今日の劣化ウラン弾の恒常的使用、核先制攻撃戦略の打ち出し、ミサイル防衛システム構築、地中貫通型ミサイル開発……。米帝による北朝鮮への戦術核兵器使用、中国をも巻き込んだ核戦争、世界戦争の危機が切迫していると、本書は警鐘を打ち鳴らす。
ICBM開発
新たな戦争においては、日帝にとって核兵器と天皇制しか頼るものはない。核技術の一部移転でつりながら日帝の軍事力をコントロールする米帝。そのもとで原発と核燃サイクル、とくに高純度核兵器用プルトニウム生産炉「常陽」「もんじゅ」にしがみつき、独自の核武装をどこまでも狙う日帝。日米同盟軍の兵器廠(しょう)として名乗り出た巨大軍需資本・三菱で、日本の核弾頭を積んだ大陸間弾道ミサイル製造の準備が進められている。米軍再編・「日米軍事同盟」再編と改憲攻撃の実相を暴き、「9条2項の自衛軍の創設が核武装への最も重要な踏み台となる」と看破、改憲阻止の重大視点を提起する。
筆者が糾弾するとおり、戦争によって苦しみを強制されるのは民衆である。「核先制攻撃」は、破産をあらわにしている日米帝国主義の最後の悪あがきだ。「民衆が生き延びるためには日米独占金融資本を解体する以外に方法がないことになる。これを実行するのは、労働者、人民、放射能や核戦争で殺されたくないと思う世界の民衆である」(325n)と締めくくっている。
核と戦争をなくす闘いの座右に本書を!
(南村久史)
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週刊『前進』(2302号6面1)(2007/07/09 )
「あんにょん・サヨナラ」上映会に50人 長崎 橘澪
長崎市内で6月23日、佐世保市内で6月30日、日韓共同ドキュメンタリー「あんにょん・サヨナラ」の上映会が長崎上映実行委員会によって行われ、合わせて約50人が集まった。(写真)
この映画は、靖国神社に父親を祀(まつ)られている李煕子(イヒジャ)さんが主人公。彼女の父親は戦争中に日本軍に徴用され、中国で戦死した。日本政府から、父について何の通知もなく、彼女が父の死の詳細を知るのは90年代に入ってからのこと。その上、父は遺族の知らないうちに靖国神社に合祀(ごうし)されていた。
靖国神社問題を真っ向から扱ったドキュメンタリー。日本・韓国・中国・沖縄で取材を重ねて製作されている。政府の主張のみならず右翼のインタビューもいくつか入れているが、彼らの主張の荒唐無稽(こうとうむけい)さとともに、しかしこうした荒唐無稽なものによって、再び侵略戦争に突き進もうとしている今の日本の動きが見えてくる。安倍政権が今、靖国神社参拝を強行しようとしているが、その犯罪性が浮き彫りとなる。
しかし問題は、このような日本帝国主義の靖国攻撃に対して、どう反撃していくかだ。
この数年の8月15日の靖国闘争が、日韓の労働者の共同闘争として闘われていることの意義の大きさをあらためて感じた。日韓の労働者の国際的団結こそ、勝利の鍵(かぎ)だ。
長崎では、8月8日と9日の闘いに向けて大きく運動を開始している。8・6広島−8・9長崎反戦・反核闘争を闘い、8・15靖国闘争を闘おう!
辺野古に、東村高江に駆けつけて下さい! 「障がい者」 菊地久子
辺野古を、東村高江を守りたい! 自然がいっぱいでヤンバルクイナの住める豊かな森を、ジュゴンや珊瑚(さんご)礁、そして、たくさんの魚たちが暮らせる素晴らしい海を、殺戮(さつりく)のための基地にするなんて許せない!
非暴力で基地建設を阻止し、自然を守ろうとしている仲間たちに対して、日本政府は軍隊である自衛隊を派遣させました。完全に報道規制がされている中で、本土にはまったく伝わって来ない沖縄の現状があります。
7月3日早朝、東村高江区にある米軍北部訓練場への新たなヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設の着工が強行されました! ゲート前には住民が座り込んで反対しています。その朝、同時に辺野古には施設局の作業船が大量に出てきました。抗議船やカヌー隊が交替もなしに阻止しています。カンパで購入したゴムボート「サニー・アル・サラーム(平和をつくり出す者たち)」が活躍しています。
毎日、猛暑の中で非暴力を貫きながら闘っている仲間たちです。人数が足りません! 人数がいないと阻止することも大変です。一人でも多く駆けつけて下さい。みんなの体力が心配です!
東村高江に駆けつけて下さい。そして辺野古に集まって下さい。日本政府に私たちの圧倒的な団結力を見せてやりましょう!
「沖縄に基地はいらない! 世界中に基地はいらない! 殺戮のための基地はどこにもいらない!」
今、自分たちの力で「ヒロシマの教育」を 広島・教育労働者 川久保真紀人
教育労働者(特にヒロシマの教育労働者)に呼びかけます。
6月30日、久間防衛大臣は「アメリカの原爆使用はしょうがなかった」と発言した。参院選を前にして被爆者援護を言い出した安倍は、この発言を「問題ない」とした。ふざけるな! 被爆者を愚弄(ぐろう)するな! 原爆投下はけっして許されるものではない!
久間は、「沖縄の基地は戦争をしないために造るのです」と言い、沖縄・辺野古への自衛隊派遣に対する批判にも、「戦前の軍隊と一緒に見られるというのは、自衛隊にとってもたいへん気の毒なこと。そういった間違った考え方をぜひ沖縄の人はやめていただきたい」と言い放った。
「教え子をふたたび戦場に送らない!」とのスローガンを、最先頭で本気でつらぬいてきた「ヒロシマの教育」。被爆者の思い・怒りとともに、反戦・反核でつらぬいた「平和教育」。あらゆる差別を許さない、労働者の分断政策である部落差別を許さないと進めていた「解放教育」。
そのヒロシマの教育は98年5月の「是正指導」以降、「偏向教育」「ある団体の介入によりすすめられた教育」として破壊されてきた。
組合幹部は「嵐はいつか過ぎ去る。振り子はいつか戻る。それまで頭を下げてがまんしていよう」と言った。
昨年3名が現職死亡。流産した仲間がいる。病気休職者・精神疾患者が急増している。戦前同様の「愛国心教育」(=「お国のために死ぬのが誇り」「貧しく生活が苦しいのは自己責任」)を強制され(ようとし)ているのにストライキの一つもできないでいる。
「君が代」強制の職務命令に対しては「処分が出ぬよう、従え」と言う。だから、組合に魅力がないのだ。展望を見いだせないのだ。組織強化・拡大につながらないのだ。闘わないから負けるのだ。
この職場環境・教育現場を立て直す、もう一度教育を子どもたちと教育労働者のもとにとりもどす闘いが必要だ。
そのためには、教育基本法改悪情勢に国会闘争を否定し、なんら闘う方針を出せなかった日教組森越委員長をぶっ倒し、私たち自身が「闘う日教組」として登場しよう。もう一度、自分たちの力で「ヒロシマの教育」をつくりあげよう!
「8・6ヒロシマ大行動」に、「8・4オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会」に、「8・5教育労働者交流集会」に、ぜひ賛同・参加してください。
これ以上「教え子を戦場に送らない」ために。
8・6ヒロシマに断じて安倍を入れない! 広島 高田次郎
我は「ヒロシマ」を思う時、広島の町を、川にかかる橋を、できるだけ音をたてず静かに歩く。
今もヒロシマの街のその歩道の、ビルのその地下1bには、ヒロシマの川底のヘドロの下には、1945年8月6日、焼き殺された多くの被爆者がいる。
その被爆者の声を聞く。今を生きる我に重ねて、被爆者の声を聞く。
「安倍を入れるな、ヒロシマに入れるな! 断じて入れるな」
戦争屋、核保有論者、靖国主義者、安倍!
オキナワ戦で殺されていったオキナワのその人、その人、その殺されし人を「国益のために命をささげた英霊」とする、その安倍政権の姿!
ヒロシマで焼き殺されたその人、その人を「英霊化してなるものか。尊い犠牲者にしてなるものか」
久間は「原爆投下も戦争を終わらすためにはしょうがなかった……」と。それはまさに、ヒロシマのその人、その人を「英霊化、国益のための尊い犠牲者」化する姿!
それは再び「美しい国の国益のため、生命をささげることこそ尊い」と教育勅語化する、その姿である。
安倍政権打倒! 労働者人民よ、8月6日ヒロシマに集え! 共に闘おう。
ヒロシマの労働者、青年、学生、老人は「安倍をヒロシマに入れるな」の抗議、街宣を行う。
全国の同志! 共に共に8月6日ヒロシマに集い、団結し11月決戦にむけて行動しよう!
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週刊『前進』(2302号6面2)(2007/07/09 )
裁判員制度はいらない!6・29集会
廃止めざし大運動呼びかけ
弁護士先頭に350人結集
(写真 発言や講演に聴き入る全国各地からの参加者【上)。演劇(下)で裁判員制度の問題点をアピール(6月29日 東京・四谷区民ホール】)
“この制度は国民徴用法”
6月29日、東京・四谷区民ホールで開催された「裁判員制度はいらない!6・29集会」(「裁判員制度はいらない!大運動」主催)は、雨の中350人が参加し、熱気あふれる集会となった。
よびかけ人アピールで、仙台から参加した織田信夫弁護士は「政府や最高裁は『司法への国民参加』などという欺瞞(ぎまん)的なことを言っているが、この制度は国民徴用法であり、廃止以外にありません」とズバリと提起した。また交通ジャーナリストの今井亮一さんも「裁判に国民の感覚を」という言い分を批判した。
多くの人に読まれて増刷を重ねる『裁判員制度はいらない』(講談社)の著者である高山俊吉弁護士は、「権力側は政治的、経済的、文化的危機にのたうちまわっている。そうした中で安倍政権は『戦後レジームからの脱却』と称して戦争に舵(かじ)をきり、民衆に『国益の中でものを考えろ』と言い始めている。それが裁判員制度です」と、核心点を突き出した。さらに「警察に反発する者、死刑制度に反発する者は裁判員に入れないと言っている。このことからも裁判員制度の性格は明らか。今から全国的反対運動を起こそう」と呼びかけた。
「美しい国の裁判員時代」と題して、東京芸術座の劇団員と若手弁護士が劇を演じた。「夫殺害事件」の犯人にデッチあげられた女性がウソの自白を強制され、その後無実を主張するが、裁判員制度による裁判で懲役12年の判決を受けてしまう、というあらすじだ。この女性は公判前整理手続きの場で「当日のアリバイ証人を友人が見つけている。それまで待ってほしい」と訴えるが、「迅速裁判」の名のもとに無視される。被告人の防御権は抹殺され、裁判が単なる儀式にされてしまうのだ。また裁判員が裁判で得た情報を漏らしたら即刻逮捕される、という様子もリアルに描き出された。主催者によれば、この劇はDVD化され全国各地で上映されるとのことだ。
講演を行ったのは東北大学名誉教授の小田中聰樹(おだなかとしき)さん。小田中さんは「この制度の中身がわかればわかるほど、裁判員参加への消極的意見が増えている。これは、隣人が隣人を裁くことの残酷さに多くの民衆が気づき始めているということ。社会の構成員を裁く側と裁かれる側に分裂させることがこの制度の本質」と提起した。そして「徴用される裁判員にとっても、被告人にとっても、一般の国民にとっても民主主義の破壊であり、人権抑圧的な刑事司法への転換だ。国民を人権の主体の場から降ろして、権力側に引き寄せ丸め込む仕組みがこの制度。安易な修正ではなく、この欠陥制度の廃止を求めていこう」と訴えた。
漫画家の蛭子能収(えびすよしかず)さんは「赤紙のようなものが来ても行きたくない」とアピール。作家の嵐山光三郎さんは「自分は知ったことを原稿に書くのが本能。裁判員に選ばれたら“漏らすな”と言われても書きますよ」と発言した。関東学院大学教授の足立昌勝さんは「裁判員制度はさらなる冤罪を生むものだ」と訴えた。
全国に広げて1万人集会へ
集会の最後に「裁判員制度はいらない!大運動」事務局長の佐藤和利弁護士が行動提起を行った。「この集会を全国に広げよう。そして来年、1万人集会を実現しよう」という提起は、制度を本気で廃止に追い込む意欲にあふれたものだった。4月に発足したこの運動がわずか2カ月余りで大きな反響を呼び、国会を「全会一致」で通過した法律を大運動の力で廃止に追い込む具体的展望が開かれつつある。
入り口には法政大弾圧と闘う学生が支援を呼びかける姿もあった。2人の学生を不当起訴し、「機動班」という「迅速裁判」のための検事を投入してきたのは、まさに裁判員制度の導入と一体の動きだ。
吹き荒れる治安弾圧攻撃と死活的に対決し、さらにこの裁判員制度を打ち砕く大運動を巻き起こすこと、これが改憲攻撃との大きな一つの対決軸になることを実感した。
(本紙/保科俊介)
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週刊『前進』(2302号6面3)(2007/07/09 )
高田普次夫さんを追悼する
杉並から介護と福祉を要求
2千万高齢者の力解き放つ
介護と福祉を要求する杉並住民の会事務局長 長谷川英憲
6月14日、高田普次夫さんが還(かえ)らぬ人となった。享年87歳。
ご夫人の話では「つい先日、米寿の祝いを行ったばかりだった」とか。ここ数年ガンと闘っておられたが、最後は自宅でご家族に看(み)取られ大往生を遂げられた。
杉並の私たちは、「介護と福祉を要求する杉並住民の会」「介護保険に異議あり!全国ネットワーク」の運動をともにする中で、高田さんから多くのことを教えていただき、導いていただいた。
私たちが福祉・社会保障の領域・課題に本格的に取り組み始めたのは2000年4月である。ちょうど介護保険制度の発足の時であり、衆院選を闘った時だった。
「介護保険制度は廃止! 必要な人に必要な介護を公費で保障せよ!」を掲げ、介護を受ける高齢者が主体となって「杉並住民の会」が立ち上げられた。高田さんは会の副代表としてこの運動をたえず先導してくださった。また、03年12月に創立された「全国ネットワーク」では3人の共同代表の1人として重責を担ってこられた。
高田さんなくして杉並住民の会の今日を語ることはできないし、全国ネットワークがここまでくることはできなかったと思う。
今、年金・介護の破綻(はたん)の危機を労働者を犠牲にしてのりきろうとしている。怒りは巷(ちまた)に満ち満ちている。今こそ住民の会や全国ネットワークの高齢者は、闘う労働組合、労働者と連帯して安部政権を倒す、そのような闘いを起こす時だ。
そういう闘いの第一歩が7月3日、厚労省への抗議・申し入れ行動として始まった。高田さんの遺志を継いで2000万高齢者の怒りを解き放つために一歩一歩と進んでいく決意です。
また、沖縄出身者として故古波津英興さんとともに沖縄の米軍基地撤去の闘い、戦争と改憲を阻止する闘いに全力を挙げられたことをしっかりと胸に刻み、闘い続けることを誓います。
高田さん。私たちをしっかりと見守ってください。
◇
杉並住民の会代表として高田さんとともに運動を担ってこられた八木ケ谷妙子さんの詩を、ご了解を得て紹介します。
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故・高田普次夫さんへ
高田さん、生きて生きて、ついに息が止まりましたね。私は、あなたのゴールインの、そこにいて、ヨーシ! と最後に一声掛けなければならなかった。
残念でした。骨折・入院し、ベッドの上で動けません。一番やりたいことができませんでした。
心残りなく、よく生きた高田普次夫さん、
心残りなく生き遂げたことが何よりうれしい。
私は更に生きていきます。
ねむれ、高田普次夫さん!!
2007年6月16日
八木ケ谷妙子
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週刊『前進』(2302号6面4)(2007/07/09 )
詩画集を労働者の中へ
星野夫妻の20年が凝縮
星野文昭同志が徳島刑務所で描いた水彩画に、連れ合いの暁子さんが詩を添えて、一冊の詩画集ができた。獄中結婚して20年になるふたりの闘いを記念して、今春、出版されたものだ。
(写真 『FumiAkiko詩画集 2001-2007』A4変形判、109n1800円。5冊以上1500円。前進社でも取り扱います。)
星野同志は今、徳島刑務所で33回目の夏を闘っている。デッチあげの無期懲役という70年安保・沖縄闘争と革共同・中核派への見せしめ的報復弾圧と日々闘い、勝利しているふたりの姿が、ここに表現されている。
私は3月に暁子さんとともに星野さんと面会することができた。三里塚の激闘を闘い、71年11・14渋谷闘争を闘った先輩だ。71年の11月は、私も仙台の高校で沖縄ストを闘った。長い間「獄友」だったこともあり、初対面なのに緊張せずに話がはずんだ。
暁子さんとは全学連時代からの友人で東北人同士。面会では闘病中の母・美智恵さん(6月8日逝去)の近況を語る暁子さんに、文昭さんが優しく応じていた。このふたりの関係の、ありのままが、この詩画集に織り込まれている。
「暁子への想いを重ねる牡丹」と題された06年7月7日付の絵がある(92n)。暁子さんはこの絵に、星野さんとの出会いを生きてきたという詩(「出会い」91n)を添えている。昨年の星野さんの作品は、質感があり、赤が濃く鮮やかだ。長く体調を崩していた暁子さんを支えようという彼の気持ちが伝わってくる。私はこの絵が好きだ。
透明水彩という絵の具は、重ね塗りで深く繊細な色合いの表現ができる。思いを込めて、丹念に色を重ねていく彼の姿が目に浮かぶ。
小嵐九八郎さん(作家・歌人)、白井佳夫さん(映画評論家)、針生一郎さん(美術評論家)が、この詩画集との出会いの感動を文章にして寄せている。短いが、心にしみる。毎年「星野カレンダー」を手がけてきたデザイナー氏による装丁がとてもいい。
星野同志の存在と闘いを労働者人民の中に持ち込むため、この詩画集が大きな力を発揮する。それは、各地で開かれている星野絵画展が多くの人びとを魅了していることからも明らかだ。
沖縄・辺野古では、連日の激闘が続いている。改憲阻止・安倍打倒の闘いは星野奪還闘争であり、星野奪還闘争は改憲阻止・安倍打倒の闘いだ。11月1万人結集に向かって、この詩画集を全国の職場、学園、地域に広めよう!(元全学連委員長 鎌田雅志)
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