ZENSHIN 2007/06/18(No2299 p06)
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週刊『前進』(2299号1面1)(2007/06/18 )
安倍倒せ!6・19-20国会へ
年金・介護を破綻させた元凶=日帝と民営化政策に大反撃を
労働者は団結し革命をやろう
米日英独仏など世界の帝国主義は死の苦悶(くもん)にのたうち、労働者階級は青年を先頭に全世界で立ち上がりつつある。今こそ国際的に団結し、日本革命−世界革命に向かって進撃する時だ。戦争と改憲、民営化=労組破壊に突き進む日帝・安倍政権を打倒しよう。国会は今週、最大の決戦を迎える。日教組・自治労つぶしを狙う教育4法改悪案、社保庁解体法案、公務員制度改悪法案や、イラク派兵延長法案の粉砕へ、6・19−20国会闘争に全国から総結集しよう。
資本と体制内労働運動の壁を打ち破って決起
全世界は日々激動を深め、階級闘争が爆発している。6月2日、ドイツでは帝国主義強盗どものG8サミットに反対して世界各地から8万人の労働者人民が結集し、警察と激突した。イラク、パレスチナ、アフガニスタンでは、ムスリムを先頭とする人民の武装闘争(民族解放・革命戦争)が侵略者・米帝を追いつめている。
1860人が結集した6・9ワーカーズアクション 渋谷は、こうした全世界の労働者階級と連帯して帝国主義をうち倒し、働く者が主人公の社会をつくろうという、壮大な夢と展望をもってかちとられた。道いっぱいに広がった渋谷デモは、戦後革命期以来の、労働者階級の嵐のような決起の時代が到来しつつあることを告げるものだ。
この闘いは、どのような内容と意義をもってかちとられたか。@青年労働者が「職場の主人公は、資本家ではなく労働者だ」「団結した労働者の闘いこそが社会を変える」という動労千葉型労働運動を職場生産点で実践し、それを基礎とし土台として闘いとった。A正規・非正規の分断をはね返し、自治労・教労・全逓・国鉄の4大産別を先頭とする労働者と非正規雇用労働者が団結してかちとった。B「労働運動の力で革命をやろう」のスローガンを真っ向から掲げ、体制内労働運動の打破、革命的・階級的な労働運動潮流の前進をかけて闘った。C労働組合を主体にした改憲絶対阻止の一大政治闘争として打ち抜いた。
@〜Cの一つひとつが、日本の労働運動を〈戦争と革命の時代〉に勝利する労働運動につくりかえる決定的な意義を持っている。6・9闘争の地平を打ち固め、職場生産点で階級的労働運動の前進をかちとり、11月総決起へ進撃しよう。
職場生産点での動労千葉型の闘いを基礎にして3・18−6・9と前進してきたこの闘いは、その衝撃性、革命性によって多くの青年労働者の魂をつかみ、拡大・発展している。「ロストジェネレーション」と言われ2人に1人が非正規雇用、このままでは失業と貧困に追いかけられるだけで将来になんの希望も持てない多くの青年たちが、労働者を人間として扱わないこの腐りきった資本主義社会の根底的転覆=変革を求めて動き出しているのだ。
その一方、先頭に立つ労働者に対して、権力・資本家や既成労働運動指導部が一体となって不当配転や雇い止め、組合からの排除攻撃などをかけてきている。反動攻撃はますます強まるだろう。
だが、職場での激烈な不屈の攻防そのものが階級闘争の生きた現実だ。労組幹部の屈服と制動で隠されていた階級対立の非和解性が、一挙に噴出していく過程である。この攻防が無数に激化し拡大し永続化することで帝国主義の危機は一層深まり、革命に向かって労働者の闘いは前進していくのだ。闘いの一つひとつが「革命のヒドラ」なのだ。
(写真 中央公聴会を弾劾、全学連を先頭に反戦共同行動委などが怒りのこぶし【6月15日 国会前】) 新自由主義−民営化と労組破壊に問題の根源
「消えた年金」「宙に浮いた年金」、介護保険でのコムスンの不正請求事件など、まったく許せないことが次々と明るみに出ている。労働者階級の怒りは沸騰している。
5000万件もの不明年金(さらに1430万件の記録漏れも判明)が示していることは、国は「賃金の後払い」としての年金を労働者階級にきちんと支払うつもりなど、さらさらないということだ。その根底には、どんなにごまかし国家的詐欺を行おうとも、年金制度はすでに破綻(はたん)しているという大問題がある。この一事をとっても、日帝は体制的に破綻しているのであり、支配階級は支配能力を喪失しているのだ。
年金や介護の不正の元凶は日帝だ。「新自由主義」政策による公的部門の民営化、社会保障制度解体の必然的な帰結なのだ。公的部門を民営化して資本家の利潤追求の場として提供し、労組破壊と搾取・収奪の極限的強化を追求する「新自由主義」「グローバリズム」がどれほど反人民的であり、破産的なものであるか。そして、帝国主義がどれほど腐敗・腐朽を深めているか。このことを今回の事件は一挙にさらけ出した。もはや革命によって帝国主義を打倒する以外に、労働者階級の未来はない。
日本経団連会長・御手洗は「不正行為は遺憾であり、許し難い」「企業倫理を」(6・11記者会見)などと言っているが、まったく恥知らずだ。御手洗が会長を務めるキヤノンこそ「偽装請負」を大々的に行ってきた張本人ではないか。しかも御手洗は、今や「現実に合わない法律が悪い」などと言って一層の規制緩和と労働法制改悪を狙っている。改悪の狙いは「工場法以前に戻せ」ということであり、労働運動つぶしと労働者保護法制の撤廃だ。
日本経団連が安倍政権に突きつけている要求は、「金もうけのためには、なんでもありだ。国家は余計な口出しをするな」ということであり、資本家の搾取欲はコムスンの折口と何ひとつ変わるものではない。安倍・御手洗を労働者の怒りの総決起で打倒しよう。
自治労・日教組つぶしこそ安倍・中川らの狙い
国会は、今週が最大の決戦となった。安倍・中川ら自民党首脳は、イラク派兵延長法案、教育4法改悪案、社保庁解体法案・年金特例法案、国家公務員法改悪案をあくまで今国会で成立させようとしている。
日帝の攻撃の核心は、労組破壊、労働運動つぶしだ。不明年金問題の責任を社保庁労働者に転嫁し、社保庁と自治労の解体を狙う暴挙を絶対に粉砕しよう。自民党幹事長・中川秀直は、「自治労や日教組にはハローワークに行ってもらいたい」(6月3日)と公言し、13日の自民党全国政調会長会議では次のように述べている。
「われわれ自民党は皆さんと一緒に、国鉄、電電公社等々の公務員改革を進めてきた。……いよいよ今回の改革は、最後の牙城(がじょう)である自治労、日教組という諸君から、公共サービスを、正しい国民の手に取り戻す改革でもあろう」
そして「戦後レジームからの脱却」とは、日教組と自治労の解体だと述べている。
まさに支配階級・自民党は、帝国主義の危機の時代に日帝が生き延びていくために、国鉄分割・民営化型の大攻撃をもって4大産別労組のすべてを解体し、改憲を強行し、侵略戦争と革命鎮圧をやり抜ける強権的な国家体制をつくるために必死になっているのだ。
「戦後レジームからの脱却」をかけた日帝の改憲と戦争、労組破壊の攻撃は、日帝にとってもまかり間違えば革命で打倒されるような階級決戦的テーマだ。労働者階級の側が、日帝が陥っているすさまじい危機を見抜き、激しい怒りと戦闘性、階級的団結をもって総反撃に立てば、改憲攻撃をプロレタリア革命の勝利に転化できるのだ。
政府・自民党がこれほどあからさまに「自治労・日教組壊滅」を叫んで攻撃をかけているのに、自治労本部、日教組本部、連合中央は何ひとつ闘おうとしていない。岡部自治労委員長は、あろうことか「日本社会の破局的危機」を叫び、「救国」のための公共サービス運動を提唱しているありさまだ。
国鉄分割・民営化攻撃に対して絶対反対の立場を貫き、組合の団結を守り抜いて今も意気軒高と闘っている動労千葉の闘いを徹底的に教訓化しよう。動労千葉のように団結して階級的原則的に闘う以外に、労働組合を守り抜く道はない。まさに今、体制内労働運動か、階級的労働運動かの路線内容が、あいまいさなく問われているのだ。
闘わない組合幹部を打倒して、闘う労働組合につくりかえよう。職場生産点からランク&ファイルの運動を起こそう。
6・19−20国会闘争に総決起しよう。
革共同に、熱烈な夏期カンパをお願いします。
6月15日、闘う法大生は”独裁者=平林総長を学生の団結でたたき出せ!”と再度のキャンパス封鎖を打ち破り、集会と総長室包囲デモをうち抜いた。集会では1年生などが次々とマイクを握った=記事次号
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週刊『前進』(2299号1面2)(2007/06/18 )
教育4法 改悪阻止へ国会前行動
本部の屈服をのりこえ 各地の組合員が決起
教育関連4法改悪阻止へ、国会前では連日、日教組本部の闘争放棄を突き破って、反戦共同行動委員会を先頭に阻止行動が闘われた。
北海道教組が座り込み 12日
朝10時から反戦共同行動委員会が座り込みを行った。この日は百万人署名運動大分県連絡会の益永スミ子さんが合流した。83歳になる益永さんは「19日まで座り込む」と元気いっぱいだ。北海道教組も連日の座り込みを続けている。
午後4時30分からは、都高教・東京教組・都校職組・都障労組の4単組による、教育4法改悪に反対する国会前集会が行われた。職場から200人近い教育労働者が駆けつけてきた。
都高教のある組合員は「東京では校長に抵抗する職場では7割の教員にC評価がつけられた。また『個別勧奨制度』という肩たたき退職が都教委の組織をあげて行われている。組合はこれに対して沈黙したままだ」と怒りをあらわにした。集会でも「日教組本部はどうしたんだ!」という怒りのヤジが飛び交った。
東京教組、包囲ネット集会 14日
反戦共同行動委員会が10時から座り込みを継続。午後5時から東京教組が、6時から都教委包囲首都圏ネットが、それぞれ集会を開催した。雨が降り続ける中で勤務を終えて国会前に駆けつけてくる教育労働者は後を絶たず、200人を超える労働者が集まった。
東京教組の集会では、各単組がマイクを握り、安倍と石原の教育政策が学校現場をどれだけ破壊しているかを訴えるとともに、教育関連4法改悪反対を訴えて各地で街頭宣伝を行っていることを報告した。
続く都教委包囲ネットの集会では、代表の見城赳樹さんの発言に続き、都障労組、東京教組、都高教の教育労働者などが発言。(2面に要旨)
多忙化も含めたあらゆる攻撃で教育労働者から闘いを奪い尽くそうとする都教委に怒りを燃やして、「日教組本部の闘争放棄を許さず、東京の教育労働者こそ先頭で闘うぞ」という執念に満ちた国会闘争だった。
中央公聴会の強行弾劾 15日
中央公聴会が強行された15日には、全学連を先頭に反戦共同行動委員会などが翼賛国会に怒りの拳をあげた。
また、9条改憲阻止の会は、衆院議面で請願行動を行い、国会南通用門で樺美智子さんを追悼し献花を行った。
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週刊『前進』(2299号1面3)(2007/06/18 )
改憲阻止・安倍打倒へ 闘う革共同にカンパを
戦後史上最大、戦後革命期以来の階級決戦(改憲阻止決戦)が到来しています。革命的情勢が急速に接近しています。労働者階級の「生きていけない」現実そのものの中から、革命の要求が激しく噴き出しています。この歴史的な決戦に際し、皆さんに心から訴えます! ぜひとも圧倒的なカンパを革共同にお寄せください。
6月9日、「改憲阻止! 倒せ安倍 倒せ御手洗! 労働者の団結で革命やろう!」の叫びが、渋谷の街を席巻しました。青年労働者と全学連を先頭に押し寄せるデモ隊1860人の迫力に、警視庁公安のデカどもは震え上がり、逃げ散るしかありませんでした。革命的な青年運動の隊列が1000人、2000人になっていくとき、どんなに破壊力のあるデモになるか、想像できるでしょう。
安倍は、「戦後レジームからの脱却」を叫んで、〈戦争・改憲、民営化=労組破壊〉の攻撃をかけてきています。ワーキングプアと化す2000万〜3000万人の青年労働者や学生たち(ロストジェネレーション)は、すでに戦後体制なるものからはじき出されています。松岡農相自殺、「消えた年金」に続いて、今度は介護を食い物にしたコムスン問題。これが「美しい国」か! これが「希望の国」なのか!
戦後体制にどっぷりとつかってきたのは、支配階級そのものと体制内労働運動にほかなりません。戦争をやる帝国主義の恐るべき腐敗ともろさがはっきりと露呈しています。そして労働者階級人民の怒りが、日帝・安倍政権を重大な危機にたたき込んでいます。
どう闘うのか。敵は自治労と日教組をつぶすと宣言しています。自民党のホームページは怒りなしに見ることができません。しかし連合などの体制内労働運動(企業・祖国防衛主義)が支配している現実を下からひっくり返す闘いなしに、革命はありません。職場生産点で資本と徹底的に闘うこと、動労千葉のような拠点を築く闘いを基礎にしてしか、階級決戦も闘えません。革共同は、全力で「階級的労働運動路線の全面的な推進で、戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう!」を貫きます。
星野文昭同志は、獄中33回目の夏を迎えています。法大弾圧で起訴・投獄された2人の法大生も意気軒高です。迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧を始め、重大な裁判闘争が続いています。革共同は、07年決戦でなんとしても星野同志奪還の明確な展望をつかみとり、弾圧を打ち砕いて突き進みます。
闘う革共同に、圧倒的な革命の軍資金をお寄せください。
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週刊『前進』(2299号1面4)(2007/06/18 )
解同全国連中田書記長 デッチあげ逮捕弾劾
6月13日早朝、大阪府警は「廃棄物処理に関する法律違反」をデッチあげて部落解放同盟全国連合会の中田潔書記長を不当逮捕した。「廃棄物処理」とはなんの関係もない公安3課がこの弾圧を先頭に立って強行したことに示されるように、今回の不当逮捕は全国連と荒本支部の団結破壊を狙う卑劣きわまる完全な政治弾圧だ。徹底的に弾劾する。不当逮捕に怒りを燃やし、中田書記長を直ちに取り戻そう。
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週刊『前進』(2299号1面5)(2007/06/18 )
日程 教育関連4法改悪案参院採決阻止国会闘争
●6月19日(火)参院文教科学委員会の開会日
●6月20日(水)参院本会議の開会日
いずれも国会前で反戦共同行動委員会が座り込み(午前10時〜午後5時)
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週刊『前進』(2299号2面1)(2007/06/18 )
職場から教育労働者の反乱を
日教組本部の闘争放棄許さず
教育4法改悪阻止しよう
教育4法改悪阻止闘争は、日教組本部の闘争放棄をのりこえて不屈に闘われている。6月4日から北海道教組が独自の座り込みを始め、これに大分を始めとする県教組が合流、東京4単組も独自の国会前集会と座り込みを開始した。日教組本部が唯一設定した6・5中央集会には、動員指示を超える750人が結集し、本部の闘争放棄を弾劾して国会デモを闘った。闘う教育労働者は、日教組の階級的再生をかけ、6・19―20教育4法改悪阻止国会闘争に総決起しよう。
連合・民主党路線の日教組本部打倒へ
安倍政権は、改憲戦略の成否をかけて自治労・日教組解体にのりだしている。公務員・教員の改憲反対運動を処分・弾圧の対象とする改憲投票法を強行し、さらに1カ月で中教審に答申を出させて改悪教基法の具体化へと突っ走ってきた。
政府・自民党は、「教育再生」の狙いが日教組解体であることを隠そうともしていない。「あきれた教育現場の実態」と題する自民党パンフでは、ファシスト的デマゴギーで北教組を非難している。学力テスト非協力闘争に対しては、警察にピケ排除を要請するよう校長に指示し、闘いを中止に追い込んだ。
日教組本部は、こうした攻撃に震え上がり、連合・民主党路線をいよいよ純化させている。森越康雄委員長は、公務労協ニュースで民主党・小沢一郎代表、自治労・岡部謙治委員長らと対談し、右翼・鈴木邦男との対談や日本教育再生機構の八木秀次への謝罪を開き直っている。改憲投票法に対して平和フォーラムによる闘いさえ組まなかったことは、日教組本部が改憲阻止闘争を放棄し、改憲容認へと転落したことを意味する。
教育4法改悪に対しても「慎重審議」を要求するだけで、民主党・神本の参院選の宣伝に明け暮れている。国会闘争からの逃亡は教基法闘争の参院段階で始まっていたが、もはや単なる突き上げではアリバイ闘争もやることはない。本部打倒なくして、闘う日教組の再生はありえない。
日本共産党・全教の教育4法改悪反対の座り込みも、わずか数人のアリバイ的なものだ。共産党系は、教基法闘争の終盤から分裂的行動に走り、「教基法の改悪をとめよう!全国連絡会」の存続に反対して解散させた。こうした中で、全国連絡会の呼びかけ人4氏や闘う教育労働者が呼びかけた「改悪教基法の具体化を許さない5・27集会」が京都でかちとられた。「日の丸・君が代」闘争を中心軸にすえた、改悪教基法を打ち破る闘いが始まろうとしている。
(写真 激しい職場攻防を闘う教育労働者が都教委と日教組本部への怒りを込め国会前に決起【6月12日】) 青年労働者と共に革命に決起しよう
改悪教基法と対決し日教組の階級的再生を進めていくために、体制内労働運動と決別した階級的な路線と闘いが待ったなしで求められている。
「労働運動の力で革命をやろう」は、マルクス主義の労働組合論を復権させた階級的労働運動の実践のスローガンであり、革命情勢の急接近の中で青年労働者の間に大衆運動として広がっている。3・18―6・9の闘いが示したように、職場生産点の闘いを土台とした政治闘争のあり方をも創造しつつある。
ワーキングプアとされている青年労働者の生きるための決起が陸続と始まっている。ロストジェネレーションをめぐる安倍やファシスト勢力との戦争か革命かの獲得戦、体制内労働運動と階級的労働運動の党派闘争に、改憲決戦の成否もかかっているのだ。
民営化攻撃こそがワーキングプアを生み出しているのに、連合自治労は、民営化反対闘争をまったく放棄し、青年労働者の現実をだしにして「質の高い公共サービス運動」を「救国」運動として押し出している。
連合日教組は、安倍の「教育再生」攻撃とは闘わず、専門職賃金論を主張する一方で、実際には、差別賃金と賃下げ・不安定雇用化を容認・推進している。だが、教育労働者に問われているのは、〈格差是正のための教育>などではなく、この社会を根本から変えるために、青年労働者とともに立ち上がることなのだ。
公務員・教員バッシングによる階級分断攻撃を打ち破り、決起する青年労働者を獲得し、階級として団結できる教育労働運動が求められている。
不起立闘争を全都・全国で
改悪教基法は、「愛国心、伝統文化の尊重」を教育目標に盛り込み、国があるべき国民の資質を法定するという構造のうちに、教育の目的規定をも国家主義的に転換させたものとしてあった。今や反動勢力の次なるスローガンは、「子ども中心主義からの転換」である。かつての「日本的教学思想」のように、教育思想のレベルまで愛国主義・国家主義は徹底されていくのである。
卒・入学式を国家忠誠儀式とするだけでなく、道徳の教科化、全教科の道徳化が進められようとしている。だからこそ、「日の丸・君が代」闘争は、ますます基軸的象徴的な抵抗闘争となるし、職場闘争として再建されなければならない。07年卒・入学式闘争は、そうした新たな発展の可能性を明らかに示している。
08年卒業式闘争は、根津公子さんへの解雇攻撃が一大焦点となる。首をかけた闘いへの連帯闘争として不起立闘争を全都・全国で大爆発させよう。教育労働者の「解雇させない」闘いとして、不起立闘争をつくり出そう。
改悪教基法と職場で闘い団結強化を
教育4法改悪によって、改悪教基法との闘いはいよいよ職場段階の激突を迎える。
教員評価―査定昇給制度による職場の分断攻撃を許してはならない。大阪では、いまだ1千人が自己申告書提出を拒否しており、裁判も闘われている。今年度から査定昇給と本人開示が始まった東京では、デタラメな評価に怒りが爆発し、是正・謝罪を求める職場闘争が盛り上がっている。
学校教育法改悪で新職設置が全国化しようとしているが、東京の主幹制度や大阪の首席教諭は、なり手がなく、制度自身が破綻(はたん)し始めている。多忙化と管理強化に輪をかける教育改革攻撃に、職場の怒りが渦巻いている。
「労働運動で革命をやろう」の立場から、職場の団結と抵抗をつくり出し、職場から改悪教基法への総反乱を切り開こう。いま大量入職してきているロストジェネレーション世代の青年教育労働者を革命運動の戦列に獲得しよう。
国際連帯の力が戦争とめる
安倍の「教育再生」攻撃は、貧困家庭の子どもの教育水準を切り下げ、将来のワーキングプアには“愛国心・規範意識をたたき込めばいい”という攻撃である。それは、全世界に吹き荒れる戦争と民営化、労組破壊攻撃の一環である。
アメリカでも、NCLB法(落ちこぼれゼロ法)のもとで学力テストによる段階的懲罰システム、免許更新試験などの「改革」が進められている。生徒名簿の軍への提供が学校に義務づけられ、教員を軍の訓練所に送り込み募兵の先兵とするすさまじい攻撃が行われている。これに対して西海岸の教育労働者は、賃上げストライキに立ち上がり、軍需物資輸送阻止のピケットの先頭に立って闘っている。
「日の丸・君が代」被処分者の闘いがランク・アンド・ファイル(現場労働者)の国際連帯をつくり出し、巨大な戦争協力拒否闘争へと発展しようとしている。戦争と民営化攻撃と闘う労働者階級の国際的団結こそ、戦争を止め、社会を根本的に変革する力なのだ。
教育4法改悪阻止の闘いに総決起し、8・6ヒロシマ大行動と教育労働者交流集会を成功させよう! 8・27〜29日教組大会で日教組の改憲勢力化を阻止しよう。今年の11月には教育労働者1千人の隊列を合流させ、日教組の階級的再生を進めよう。
〔革共同教育労働者委員会〕
(写真 公聴会会場のホテル周囲に「採決を許さず教育4法改悪を阻止しよう! 安倍政権倒そう」の訴えが響きわたった【6月11日 横浜】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2299号2面2)(2007/06/18 )
国会前での発言から(14日)
●東京教組Iさん 今日、東京教組の10人の「日の丸・君が代」被処分者の裁判がありました。裁判での都教委の態度を見ても、国会の中身を見ても、本当に日本の現状はひどい。東京では都教委のもと、各区が競い合って教育現場を破壊する攻撃をかけている。
あまりにひどい現実に対して、非組合員や若い労働者を含めて、おかしいと思う人が出てきている。そういう人たちが意見を言うと、校長室に呼びつけて「若いくせに生意気だ」と脅してくる。教育現場で私たちがものを言っていくことが大事だし、現場の私たちの闘いが行く末を決する。
教育4法改悪は、マスコミもまったく報じず、公聴会などの日程だけがどんどん進められている。一人でも多くの仲間とともに国会前に駆けつけて、最後まで闘おう。
●都高教「日の丸・君が代」被処分者Iさん 安倍はとんでもない道をどんどん進んでいる。なんとかこの教育関連法案をとめたい。
教育基本法改悪の時は国会前に駆けつけて反対した。それ以降なかなか国会に来られないが、気持ちはいつも国会前にある。職場はみんな忙しくて、年休を取りたくても取れない。ここには来られなくても「なんとかしたい。国会前に行きたい」と思っている教育労働者はたくさんいる。
忙しすぎると、管理職に反発していく力も奪われてしまう。なんとかこの現状を変えるために、現場からも闘っていく。
●都高教「日の丸・君が代」被処分者Aさん 今日、東京高裁で、予防訴訟の控訴審の第1回口頭弁論が行われた。傍聴者の中に、明らかに右翼団体と思われる者が約10人いた。彼らはあらゆる勢力を使って、第1審の9・21判決を覆すために全力を挙げている。負けずにわれわれも今後も頑張っていきたい。
今、学校教育法の改悪で主幹を設置しようとしているが、東京ではすでに主幹職が設置されているし、新たに「主任教諭」も設置しようとしている。ともに脱法行為だ。教育関連法が改悪されれば、さらに教育現場は直撃される。今後も職場に根づいた闘いを進めていきたい。
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週刊『前進』(2299号2面3)(2007/06/18 )
教育4法 全国で公聴会を弾劾
教育4法改悪案の地方公聴会に対し、各地で弾劾行動が闘われた。
6月11日、横浜市での公聴会に対し、神奈川労組交流センター、とめよう戦争への道!百万人署名運動・神奈川連絡会は、会場の新横浜グレイスホテル前に登場し、「公聴会はペテン」「教育4法改悪案を絶対に阻止し、労働者の団結した闘いで安倍政権を倒そう!」と訴えた。
川崎から駆けつけた私立高校の元教育労働者は、「政府は『教員の質を上げるため』と言っているがまったく違う。教員免許更新制は、校長や教育委員会の気に入らない教師を辞めさせるためのものだ」「修身の復活で愛国心を押しつけ、子どもを戦争に動員するものだ」と弾劾した。相模原から駆けつけた女性は、「教育再生会議は教育破壊会議だ。いい加減な提案によって子どもたちが破壊される」と怒りを語った。道行く人たちは訴えを真剣に聞き、次々とビラを受け取った。
行動の最後に全員で、「法案成立を阻止するために国会前に駆けつけて闘おう」「6・9集会の熱気をさらに発展させ、職場や地域での闘いをますます強化しよう」と確認した。
11日、水戸市で開かれた公聴会に対し、とめよう戦争への道!百万人署名運動茨城県連絡会は、会場のホテルレイクビュー水戸に近い水戸駅南口で、ハンドマイクで抗議と中止を訴え、チラシを配布した(写真A)。動労水戸、自治労の労働者らが次々と密室の公聴会への怒りを訴えた。さらに、ホテル入り口へと移動し、文書での申し入れを行い、シュプレヒコールをたたきつけて徹底的に弾劾した。
12日、福島県いわき市での公聴会に対し、とめよう戦争への道!百万人署名運動福島県推進委員会は弾劾闘争に立ち上がった(写真B)。午前中から宣伝カーを回し、申し入れ行動の告知を行った。会場のいわきワシントンホテル前で、福島、いわき、郡山各市の賛同人6人が公聴会中止を強く求める申し入れを行った。
そこに福島県教職員組合連合(県教組、県立高教組)が合流し、ともに宣伝カーでのアピール、チラシ配布を行い、会場前抗議行動をともに闘った。周辺の商店にもチラシを入れた。通りかかった子連れの若いお母さんから「頑張ってください」とエールが送られた。
その後、JR常磐線たいら駅前で、公聴会傍聴に参加した福島県教職員組合連合の報告街宣・チラシまき行動をともに行った。
12日の名古屋市での公聴会は名古屋駅前のマリオットアソシアで開かれ、「教育基本法の改悪をとめよう!愛知連絡会」が中心になって呼びかける中、5団体40人が弾劾行動に参加した(写真C)。
「独裁国家へ一直線、教育関連法を廃案に!」「教育格差をあおって“いじめ”はなくならない!」「採決するな!」などのプラカードが会場前を埋め、各団体のチラシが労働者、高校生らに手渡された。
「子どもに規範意識が欠如しているのではない。大人社会が反映しているのだ。『公共の精神』を教育の目的とすることは個人よりも国家を上に置く国家主義思想だ」(国民保護法制を考える会)
「教育現場からの批判に全委員が答えるべきだ。憲法が禁じた戦前教育を復活させるこの教育関連法に反対すべき義務がある」(教育基本法の改悪をとめよう!愛知連絡会)
「国家権力が教育における強制権限を保持することは、教育の破壊のみならず子どもの人間性の全面的破壊であり、絶対に認められない」(とめよう戦争への道!百万人署名運動・関西連絡会)など厳しい批判が向けられた。
その後、公聴会を傍聴した5人を迎えて報告集会が開かれた。「教育現場のことがまったく分かっていない議員が政府の都合のいいように責任逃れをしている。自主研究や同僚との相互研究や子どもとの教育活動の中で達成されてきたことが否定、破壊されてしまうような教員免許更新制など絶対に導入すべきではない」(元教組委員長)と弾劾した。
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週刊『前進』(2299号2面4)(2007/06/18 )
闘う私たちこそ日教組 学校現場からの報告
「君が代」にストを宣言
職場闘争で拒否が拡大
問答無用の強制
奈良県ではここ数年、「君が代」が一切なかった小・中学校に強制の動きが強化されてきましたが、職場の大衆的で粘り強い闘いが、多くの職場で強制を阻んできました。
しかし、教育基本法改悪後初めての卒業式、入学式を迎えた今春、いくつもの職場で管理職による問答無用の強制が行われました。「学習指導要領は法律。公務員なら法律を守るのは当然。管理職の職にかけても、今年はなんとしても国歌斉唱を実施する」「皆さんの意見は聞くが、君が代実施はすでに私が決めたこと。意見は自由だが、実施は変えない」と管理職の態度はこれまでになく強引なものでした。
奈良県では小学校は「ヒロシマ」へ、そして中学校では「オキナワ」への平和学習を積み上げての修学旅行が多くの学校で取り組まれています。
また、部落解放運動と解放教育の闘いと歴史が「日の丸・君が代」の強制を容易ならざるものとしてきたし、かつては「同和教育の歴史を踏まえて、強制は好ましくない」といった教育委員会の言質も引き出してもきました。
しかし、県教組本部は、方針に「強制反対」の文言は残しても、具体的闘いの方針は提起しないし、組合ニュースやビラに「日の丸・君が代」問題が書かれることすらなくなって久しい状況です。これに加えて、部落解放同盟本部派の屈服、転向の中で、地元支部の幹部自ら「君が代」実施を後押しするような事態さえ起きています。日教組本部・森越委員長の「つくる会」八木への謝罪に象徴される日教組本部の屈服や、解同指導部の裏切りがあってこそ、国家権力の教育基本法改悪や、「日の丸・君が代」強制が成り立っているのです。
処分来ても座る
しかし、そんな中でも譲れぬ思いをかけた職場闘争が、教育労働者にとっての「日の丸・君が代」闘争なのです。ある職場では、「どうしても強制するというのなら、『君が代』演奏も、生徒への指導も一切協力はできない」という「君が代」業務へのストライキ宣言が出されました。
また、いくつもの職場で、日教組、全教の組織の違いを越えた職場共闘によって「君が代」の強制との闘いが進められてきました。そのことをとおして、職場の教育労働者は闘いの中で日教組執行部と全教執行部の裏切りと屈服をのりこえ、団結を回復していくことが示されています。
激しい職場闘争の末に、今春の卒・入学式で、「日の丸・君が代」が強行され実施された職場も出てきていますが、すでに導入されていた職場も含め、強制への抵抗闘争としての不斉唱、不起立の闘いが広がりつつあります。
「自分が心から納得できないことを、生徒の前で行うことはできない」「おかしいことはおかしいと言い続けたい。それでも強制されるなら、これからも座り続けるだけのことだ」「いずれ処分が来るだろう。けれど生半可な気持ちで座ったわけではないので、また座る」「教基法改悪、9条改憲との闘いとして不起立を続ける」「一人で不起立するのはその瞬間まではドキドキしたが、いったん着席すると、自分が『君が代』の強制から解放されてすっきりした気持ちになった」――それぞれが自分の中にしっかりとした根っこを持った不起立です。
闘う現場の手に
自衛隊が戦場に派兵され、教育基本法が改悪され、ついに憲法9条に手がかけられようとしている今。教育関連4法の改悪が強行されようとしている今。月数十時間のただ働きが強制され、人事考課が、全国学力テストが、矢継ぎ早に強制されてくる今。「君が代」不起立の闘いはこれら一切の攻撃に対するたまりにたまった怒りの発露として闘われているとも言えると思います。
組合はどこにある? それは、「日の丸・君が代」闘争を闘う現場教育労働者自身の中にある。闘いの方針は誰が出す? それは現場で闘う組合員自身が出すもの。ここに教育労働運動再生の筋道が見えてきています。日教組を、闘う現場教育労働者の手に!
(奈良/吉野淳子)
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週刊『前進』(2299号3面1)(2007/06/18 )
国家公務員法改悪を許すな
数万人規模のリストラ
内閣府に新人材バンク 高級官僚の天下り強化
6月11日、国家公務員の「天下り規制」「能力・実績主義の人事制度導入」などをうたった国家公務員法改悪案―公務員制度改革関連法案が参院で審議入りした。「天下り規制」と称して新人材バンクを設置し、そこに登録した国家公務員数万人の大リストラ・首切りを行う。これは高級官僚の新たな天下りシステムとなり、政府と財界の癒着を一層強める。他方で、市場化テスト―民営化をもてこに一般公務員を民間企業に転職させ資本に奉仕させる。能力・実績主義の導入で労働者を競争と分断にたたき込む。分限免職をやりやすくする。そして公務員労働運動を解体する。「戦後レジームからの脱却」―改憲攻撃そのものだ。絶対に廃案にしなければならない。
内閣府強化と資本への奉仕
6月2日、政府・与党は国家公務員法改悪案の今国会成立を断念したと報じられた。「日替わり」強行採決で安倍内閣支持率が急速に低くなる中、会期末の6月23日までに同法案を成立させようとすれば、一層強引な国会運営を重ねざるを得ず、参院選で大敗しかねないと判断したためだ。
ところが与党は一転して、6月6日に国家公務員法改悪案の衆院委員会採決を強行、G8サミットから帰国した安倍を迎えて6月11日に参院で趣旨説明、質疑を行い、審議入りし、会期内成立をめざしている。
安倍は参院の質疑で国家公務員法改悪案について「国民の声にこたえるため、官製談合や押し付け的天下りを根絶する決意を持って提出した」と述べて成立への意志を示すと同時に労働基本権回復をにおわせ、連合・自治労・公務労協を一層屈服させようとしている。
日帝・安倍政権は、戦争・改憲、民営化・労組破壊の攻撃を貫徹しなければ、激化する国際争闘戦に勝ち抜き、延命することができない。安倍政権発足以来最大の危機をのりきるために次々と重要法案の採決を強行しているのだ。
今度の国家公務員法改悪案が成立すると、内閣府のもとに「新人材バンク」が設置され、その業務が民間の人材紹介会社=転職あっせん業者に委託される。全省庁の50歳以上の職員約2万人が人材バンクに登録される。人材バンクが再就職仲介業務を一元管理する。転職あっせんが成立すれば、通常、転職先の企業が転職した元公務員の年収の30%を報酬として人材紹介会社に支払う。1人当たり1000万円の年収とすれば総計約600億円が業者に入る。大規模市場が開かれる。政府・自民党、官僚、資本家にとって巨大利権だ。
新人材バンクは巨大利権化
現在まで省庁主導で退職官僚の再就職をあっせんしてきたが、その一方で総務省のもとに人材バンクが設置され、本省課長以上の2249人が登録されている。この人材バンクの仲介実績は7年間でたった1人だ。
しかし今年4月からは人材派遣会社大手のパソナが業務を委託され、本格的に再就職あっせん業務に乗り出した。顧問に竹中平蔵前総務相・元経済産業相を迎え、アドバイザー組織に官僚の権化である石原信雄元官房副長官や事務次官経験者らが加わっている。
このように総務省―人材バンク―委託業者パソナが高級官僚の天下り利権を維持・強化するための装置であることは歴然としている。これを先行モデルとして内閣府―新人材バンク―人材紹介業者の新たな高級官僚天下りシステムが作られ、それに加えて大半の一般公務員がワーキングプアに突き落とされるのだ。
政府・自民党は、内閣府のもとに設立した新人材バンクで国家官僚の転職・再就職業務を一元的に管理し、内閣府をボナパルティズム的に強化する一方、官民の人事を流動化させ新たな大市場を創出して資本に奉仕しようとしているのだ。
“天下り禁止”宣伝する安倍
2千数百人の高級官僚はこれまでと同様に、天下り先を確保し、数回の転職を重ね、高給と退職金で億単位の金を懐に入れることができる。
人材紹介業者に再就職あっせん業務が委託されても、各省庁の天下り先名簿が活用されることは確実で、これまでの天下りと中身は変わらない。政府は「天下りをなくした」と宣伝でき、官僚は実質的に天下り先を確保し、人材紹介会社は転職あっせんで利益を上げ、政治家は政治献金をせしめる。
中川秀直・自民党幹事長は「官民人事交流はどんどん推進すべき」であり、天下りは「事前規制」から「事後規制」に転換すると言う。
新人材バンクの狙いは、「官民人事交流」の名で高級官僚の天下りを強化、自由化することにある。実際に政府は、現行の天下り規制(退職後2年間は在職した省庁と密接な営利企業への就職を原則禁止)をも廃止しようとしている。
課長より下の数万人の一般の国家公務員は、運がよければ能力を買われて転職・再就職できるが、大半は首切り、ワーキングプア化の対象だ。
この国家公務員リストラと改憲、道州制導入・地方自治解体、民営化、地方公務員リストラが同時進行し、国家・地方合わせて約200万人の公務員が首を切られる。
公務員労働運動の解体狙う
国家公務員法改悪案の国会提出を受けて、新人材バンク設置を強く求めているのが御手洗冨士夫・日本経団連会長ら金融独占資本家どもだ。
5月28日、経済財政諮問会議(議長=安倍首相)に民間議員(財界=大資本家と大学教授=御用学者)は国家公務員法改悪案の成立を強く要求すると同時に「公務員制度の更なる改革への論点」を提出し、幹部公務員の退職管理の一元化や道州制導入を念頭に置いた官民、国・地方の人材流動化、国の出先機関の大胆な見直しなどを提言した。
「国益第一の公務員像を」
なかでも最大の眼目は「国益を第一とする公務員像の実現」だ。
ブルジョアジーは、戦後憲法に規定された「全体の奉仕者」として「国民」一般に奉仕する公務員ではなく、国家に忠誠を尽くす戦前型「天皇の官吏」の登場を願っているのだ。これは日本帝国主義の国益、すなわち資本家階級の利益のために奉仕する公務員だ。
民間議員の「論点」は「公務員が持てる能力を最大限に発揮するためには、各省ごとの縦割り人事と年功序列の打破が必要である」と言い、「官民、国・地方の人材流動化の促進」を提起している。
日本経団連の理事は「キャリア官僚の帰属意識がなくなり、省庁での仕事のダブりもなくなって内閣機能が強化されれば、事業、ビジネスをやっていく上でもスピードアップになる」として、資本に奉仕する公務員像を求め、財界と政府・官僚の癒着構造を強めると同時に、内閣のボナパルティズム的強化をめざしているのだ。
議会制民主主義と中立性を装う官僚主導の戦後国家から、資本・資本家階級の利益をその政治委員会=政府がストレートに追求し、戦争を遂行する帝国主義国家、ボナパルティズムへの転換だ。その究極的狙いは公務労協―国公連合―自治労、国公労連―自治労連など公務員労働運動の解体、階級闘争の圧殺だ。
参院選を前に爆発・噴出した社会保険庁・年金問題で安倍政権は絶望的な危機に陥り、凶暴化している。自治労、日教組のランク&ファイルの反撃で社保庁解体法案、教育4法案とともに国家公務員法改悪案の成立を阻止しよう。
(本田久)
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「国益第一の公務員像」要求
経済財政諮問会議への提出資料
「公務員制度の更なる改革への論点」 (5月28日)
「公務員制度改革」の論点とすべき第一の事項として「国益を第一とする公務員像の実現」を掲げる
※伊藤隆敏、丹羽宇一郎、御手洗冨士夫、八代尚宏の連名で提案
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週刊『前進』(2299号3面2)(2007/06/18 )
関西合同労組13回定期大会
“職場と地域に団結を”
青年軸に新体制を確立
6月10日、兵庫県西宮市において関西合同労働組合の第13回定期大会が、茨城県地域連帯労働組合の辻川慎一委員長ら来賓、組合員、傍聴の地域の労働者など70人を結集して開催された。
今大会の主要テーマは戦争へと向かう情勢の中で、日本管検工業分会への組合員5人逮捕の大弾圧をはね返した闘いや、関西トランスポート分会運輸部会の争議の勝利、泉州支部の分会のストライキを始めとする07春闘など、職場闘争の総括を徹底してやりぬき、次のステップとして青年部建設を軸にした組織拡大方針を確立することであった。
総括の中で、清掃関連の分会の青年労働者が「合同労組だからといって企業内組合主義から自由ではない」と提起し、分会として職場の派遣労働者の要求を07春闘で提出したこと、地域の駅頭で行っている月2回の組合宣伝のビラまき行動を分会全員で取り組み、非正規職の労働者や地域とのつながりの中で団結を強めていることが報告された。
また関西トランスポート分会の辻本分会長からは、仮処分裁判闘争で2人が労働者性を認められたものの他の2人が否定されるという分断攻撃の中での団結の危機を、現場にこだわって闘い、本音の議論を積み重ねてのりきり、4人全員の労働者性を認める地労委の勝利命令へとつながったことが報告された。
大阪東部支部の青年労働者は、自らが直接指導にかかわった2件の争議について勝利的に総括した上で、一番難しい課題としての団結づくりの報告をし、議論になった。
被差別部落の番町地域分会の仲間からは、同和住宅家賃値上げ反対・強制追い出しをやめろをスローガンに闘われたハンガーストライキ闘争が報告され、地域共同闘争によって部落民と労働者との連帯が深まることを強調した。
大会では“地域の共闘をつみかさね、闘う労働組合のネットワークをつくろう”を合言葉に11月労働者集会を総力で闘うこと、また国民投票法の成立によって向こう3年間が憲法改悪反対の決戦となったことに重大な危機感を持って労働組合として闘うことが確認された。また当面の方針として、8・6ヒロシマ大行動に青年を先頭に取り組むことを決定した。
役員選挙では、運輸部会の争議を勝ちぬいた分会の青年労働者が、新たに本部執行委員に選出された。その新執行委員が青年部建設を他の青年執行委員とともに担う決意を表明し、団結ガンバローの音頭をとって大会を締めくくった。
大会をとおして、職場の闘いの中からこそ闘う青年労働者が輩出してくることを実感した。これらの青年活動家が膨大な非正規の青年労働者と結びつくとき、関西合同労組は確実にブレークスルーすると思った大会だった。
(投稿/M・A)
(写真 青年を先頭にした闘う執行部を選出した関西合同労組第13回大会【6月10日 兵庫県西宮市】)
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週刊『前進』(2299号3面3)(2007/06/18 )
“とめよう 丸ごと民営化”
東京西部ユニオン 西部交流センター 6・23行動よびかけ
東京西部ユニオン、東京西部労組交流センターが中心となり「絶対とめよう丸ごと民営化 6・23行動」が呼びかけられている。
集会では、「丸ごと民営化で職場はどうなる」と題して民営・委託された職場の労働者から報告が行われる。さらに4月区議選で「丸ごと民営化絶対反対」を掲げて当選し6月15日に初質問に立った北島邦彦・杉並区議の6月区議会報告、各自治体現場や西部ユニオンからの報告が行われる。
集会後は杉並区役所に向けたデモ行進を行う。
「最終報告」で本格的激突へ
杉並区の山田区長は、「杉並区行政サービス民間事業化提案制度」の最終報告(5月末)をもって、869に及ぶ杉並区の全事務事業を資本に売り渡し、杉並区で働く正規職、非常勤・委託の6千人の労働者の首を切り、労組と団結を破壊することを宣言した。
この「最終報告」を受けて山田は6月末から全事務事業についての事業化(=民営化)提案を募集、08年度4月から本格実施しようとしている。
6・23行動実行委は、「労働者の削減、委託・民営化、『五つ星区役所』なる競争と分断に、これ以上ガマンできません」とファシスト的な山田区長の区政運営を徹底弾劾し、「いま区内の多くの労働者は怒っています。闘いの方針を求めています。すべての区職・区関連労働者は団結して闘おう! 多くの自治体労働者、地域の労働者とともに反撃の第1歩をつくろう」と広く6・23行動への参加を呼びかけている。
民営化反対の四つの視点
実行委員会は以下のように、丸ごと民営化に反対する四つの視点を提起している。
◇ ◇
@民営化は、資本家が社会全体をパート・派遣化するための攻撃だ。
A民営化は、資本家が労働者の団結権を奪う攻撃だ。
B民営化は、労働者・地域住民の生存権を否定し、地方自治を破壊する攻撃だ。
C赤字を生み出したのは政府と大企業だ。労働者が犠牲になるのはおかしい! 労働者の団結で社会を変えよう!
◇ ◇
杉並区の全事業を「2700億円のマーケット」と称して資本家に売り飛ばし、公務員200万人首切りの先頭に立っているのが山田区長だ。
労働者は使い捨ての消耗品じゃない。労働者が生きていけない社会なんかおかしい。労働者は団結して、この社会を変えよう。6・23行動に集まり、公務員200万人首切り攻撃に断固たる反撃のノロシをあげよう。
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週刊『前進』(2299号3面4)(2007/06/18 )
「温暖化対策」でギリギリ妥協
争闘戦激化するサミット
6月6日から8日まで、ドイツのハイリゲンダムで開催されたG8サミット(主要国首脳会議)は、帝国主義間、大国間の対立と争闘戦の激化、深刻化を、あらためて突き出すものとなった。
今回のサミットは、経済や政治・軍事の分野での矛盾と対立が収拾がつかないほど表面化する中で、いわゆる地球温暖化対策の問題でG8首脳が折り合えるかどうかということが、会議の結束維持か失敗(=事実上の分裂)かの、そもそもの焦点となっていた。
そしてこの点では、EU(欧州連合)、カナダ、日本と米帝との間でぎりぎりの妥協がかろうじて成立し、世界の温室効果ガス排出量を2050年までに「半減」させることを「真剣に検討(考慮)」することで最終合意した。
しかしこの合意には、拘束力は何もない。中国やインドなど新興大国を含めた実効性はゼロに等しい。「努力目標」としても実にあいまいだ。例えば、EUが求めているのは1990年を基準とした半減だが、日本の主張は「現状から」の半減。そして97年の「京都議定書」も批准していない最大の排出国・米帝は、「地球温暖化対策」そのものに一貫して拒絶的だ。しかし米議会で野党・民主党が多数派となり、米産業界も柔軟姿勢に転じる中で、ブッシュも妥協の道を選ぶしかなくなった。
そもそも地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出量は現在、全世界で年間約72億d。森林や海洋の吸収可能量(約31億d)の実に2倍を超えている。言うまでもなくその元凶は、18世紀の産業革命以来の、資本主義・帝国主義の貪欲(どんよく)で野放図な経済活動である。資本主義・帝国主義をプロレタリア革命(世界革命)で打倒し、社会主義・共産主義を実現する中にしか、地球温暖化問題の根本的な解決もありえない。
他方、サミット本来の「経済」という点では、会議の空洞化は覆い難く、世界経済の「堅調」なるものを確認しただけで、米帝の没落、米経済の減速の危機や、中国株価バブルの過熱問題などは、議論にならなかった。ヘッジファンドの規制強化を求めたドイツの主張には、米英日が反対した。そしてまた中国、インド、ブラジル、南アフリカ、メキシコなどの新興国を抜きにしては、今やサミット論議に実質が伴わないまでに、世界経済の現実は変動している。
政治的な最大の緊張は、米帝が中・東欧に配備しようとしているミサイル防衛システムをめぐる米帝とロシアの激突だった。ソ連崩壊後の一時の「米ロ蜜月」はすでに終わった。さらに、ロシアとEUの間では、石油・天然ガスの供給などエネルギー問題を「武器」にしたロシアの政治・外交や、人権問題をめぐって、矛盾と対立が深刻化している。EU内にはロシアのサミット参加に異議を唱える動きさえ高まってきている。
サミット自体が、今や求心力と存在感を半ば失っている。帝国主義間、大国間の対立と争闘戦を激化させ、結局は世界戦争へとのめり込む米帝を始めとする帝国主義を、労働者階級と被抑圧民族人民の団結で打倒することが、今や切実な世界史的課題なのである。
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週刊『前進』(2299号3面5)(2007/06/18 )
情報保全隊が不当な情報収集
人民に銃口向ける自衛隊
自衛隊が階級闘争の荒々しい戦場に引きずり出されてきた。
自衛隊が労働者人民の活動を違法・不当に監視し、情報収集していたことが明らかになった。6日に公表された自衛隊の内部文書(03年11月〜04年2月の間の分)によると、対象となっていたのはイラク侵略派兵をめぐる労働組合や学生団体、市民運動、宗教団体から、果ては地方議会の動きや記者の取材活動など、全国41都道府県の計289団体・個人に及んでいる。日帝・軍部が、労働者階級の闘いにいかに戦々恐々としていたのかがよくわかる。
報告書は労働組合や市民運動などを「新左翼系」「民主党系」「共産党系」「社民党系」などに分類、集会やデモ、ビラ配りなどの日時・場所、状況、参加者の写真などを細かく記録していた。イラク派兵反対運動だけでなく、医療費負担増、年金改悪、消費税増税に反対する動きなども記録されていた。山形大学の学内でのビラ配り、朝日新聞記者の駐屯地前での取材、王城寺原演習場での射撃訓練の騒音への住民の抗議電話まで「反自(反自衛隊)活動」とされている。
監視活動に手を染めていた自衛隊の情報保全隊は、陸海空あわせて計927人(06年度末)。情報保全隊の前身にあたる「調査隊」という情報専門組織は、自衛隊の発足当初からあり、隊内の兵士が革命思想などに感化されていないか調べることを主な任務としていた。反戦自衛官への弾圧も行っていた組織だ。この調査隊の機能が飛躍的に強められ「情報保全隊」が発足したのは03年3月。イラク侵略戦争への参戦で戦後史を画する踏み切りをした日本帝国主義は、労働者階級との関係でも決定的な一歩を踏み出したのだ。
この事実に対して久間防衛相は6日、情報保全隊による情報収集の事実を認めた上で「3週間で破棄する文書だから調べようがない」と全容解明の調査を拒否。陸自幹部の一人は「派遣される隊員や家族のことを考えると、反対運動を調べるのは当然」と居直った。“帝国主義軍隊の目的遂行のためなら労働者階級人民に銃口を向けるのは当然だ”と完全に開き直っているのだ。
安倍政権はこの間、イラク特措法延長や米軍再編推進法の採決を強行し、集団的自衛権行使の解禁への議論を開始、5月18日には名護新基地建設のための事前調査に海上自衛隊まで投入した。戦争と改憲、朝鮮侵略戦争発動にむけた攻撃をエスカレートさせている。
しかしこうした踏み込みは、間違いなく彼らの墓穴に転化する。
沖縄人民は海自の投入に対して「現代の琉球処分」「現代の銃剣とブルドーザーだ」と激しい怒りを爆発させて、一歩も退かずに闘い抜いている。労働者階級にこそ国を止め、戦争を止める力がある。「労働運動の力で革命を」の闘いをさらに前進させ、階級闘争の前面に引きずり出されてきた自衛隊を包囲し、「軍服を着た労働者階級人民」である自衛隊員を団結と革命の思想で獲得し、自衛隊解体の展望を切り開こう。
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週刊『前進』(2299号3面6)(2007/06/18 )
日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日
第78回 6月27日(水)/第79回 7月11日(水)
第80回 7月25日(水)/第81回 9月5日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2299号4面1)(2007/06/18 )
「集団自決強制」抹殺許さぬ
“教科書記述を元に戻せ”
沖縄県民大会 教組を軸に3500人が大結集
6月9日、県民広場からあふれる3500人の結集で「沖縄戦の歴史歪曲を許さない!沖縄県民大会」が開催された。この実行委員会の事務局を担ってきた高教組を先頭に、沖教組、自治労を始め全駐労や全水道、航空同盟などの労働組合が県庁前を埋め尽くした。
集会の司会を平和運動センターの山城博治さんが務めた。教科書の改竄(かいざん)を許さず、戦争を許さない決意を打ち固めよう、82年の闘い(住民虐殺の記述削除を沖縄の怒りの闘いで撤回させた)から学んで教科書から「集団自決」を削除することをストップさせようと呼びかけ、右翼の宣伝カーによる妨害をはねとばす力強いシュプレヒコールで集会を開始した。
(写真 県庁前を教育労働者を先頭に3500人が埋め、「集団自決強制」の抹殺を許さず教科書の記述を元に戻させようという怒りと決意であふれた【6月9日 那覇】)
開会のあいさつは大浜敏夫沖教組委員長。大浜さんは、「沖縄戦の真実をゆがめようとする動きに、北部では中学生が村議会に請願行動を行っている。県民の怒りの声は中・高・大学生に広まっている。この声を全国に広げよう。文科省に教科書の記述を元に戻せの声をたたきつけていこう」と訴えた。
実行委員会を代表して高嶋伸欣琉大教授が情勢報告を行った。高嶋さんは、「来年4月まではまだ時間がある。教科書が実際に印刷されるのは11月くらいから。それまでに記述を変更させることは可能だ。82年も検定意見を撤回させた。この闘いは21世紀の沖縄の大衆運動の大きなうねりの開始だ。勇気をもって取り組んでいこう」と呼びかけた。
沖縄戦体験者の声として瑞慶覧長方さん(元社大党委員長)が訴えた。今年75歳になる瑞慶覧さんは、沖縄戦で南部の激戦地をさまよった経験を話した。日本軍に学校の校舎を奪われ、公民館を奪われ、最後には避難していた壕(ごう)からも追い出された。そして「自決せよ」という軍の命令で手榴弾(しゅりゅうだん)を2発渡されたと語った。
瑞慶覧さんは、最後に今回の教科書検定を許さない決意を明らかにした。
各政党から社民党の照屋寛徳さん、社大党の喜納昌春さん、共産党の赤嶺政賢さん、民主党の喜納昌吉さんが連帯を表明した。民主団体からは、琉大生・沖大生や高校生などが中心になって取り組んでいる「虹の会」の代表、平和運動センターの崎山嗣幸議長、統一連の代表があいさつした。
(写真 基地建設での自衛艦出動に怒りに燃えた集会)
続いて本土側からの連帯あいさつとして平和フォーラム、岩波書店の現代文庫編集長の大塚茂樹さん、日教組本部、労働団体からは県労連の代表が発言した。
決意表明は、現場からとして、南風原高校の教育労働者である宮城千恵さんが壇上に。祖父母が渡嘉敷の集団自決で亡くなったという宮城さんは、小学校長だった祖父がなぜ死んでしまったのか、渡嘉敷の集団自決の現場を訪れ、人びとは生きたかったんだと感じたと述べた。そして「集団自決で手榴弾を渡したのは軍隊ではなかったのか? 歴史の事実をしっかりと見つめていきたい」と決意を語った。
集会決議、スローガンを拍手で採択し、行動提起、ガンバロー三唱の後、閉会のあいさつを比嘉自治労沖縄県本部委員長が行った。
デモの第1てい団は高教組の大隊列。沖縄全島から結集した分会旗が国際通りを埋め尽くした。昨年の教育基本法改悪阻止闘争の高揚を引き継ぎ、「教え子を再び戦場に送るな」「沖縄戦を繰り返すな」という沖縄の教育労働者の不屈の闘いの開始を全県民に告げ知らせる迫力みなぎるデモ行進が行われた。
日々に高まる全県的な怒り
沖縄戦における日本軍による「集団自決」強制の事実を高校の歴史教科書から抹殺する文科省の検定に対し、沖縄の全県的怒りは日々高まっている。「こんなことは絶対に認められない。教科書記述を元に戻せ」という声はまさに全沖縄の声となりつつある。文科省への抗議と検定撤回を求める自治体の議会決議が次々と上がり、6月定例議会で沖縄中のほぼ全部の自治体の決議が上がる情勢である。今、県議会での決議に焦点が移っている。沖縄の保守県政と支配階級は決定的に追いつめられぐらぐらだ。それはまた安倍政権をも直撃している。
辺野古新基地建設のための事前調査に自衛艦が派遣されたことは、沖縄の労働者人民に「自衛隊の正体はやはり日本軍であった」との衝撃を与えた。この衝撃の中での教科書検定・日本軍による「集団自決」強制の事実抹殺という二重の衝撃が沖縄に走った。教科書問題の核心は、「『集団自決』で死んだ人たちは、主体的に自らの命を絶って国のために殉じたのであり、崇高な行為である」としようとしているところにある。いま沖縄戦の逆転的価値肯定が、有無をいわせぬ強制(教科書検定)、暴力(辺野古自衛艦投入)によって強要されようとしているのだ。絶対に許せない攻撃である。
自衛隊に対する認識の劇的変化、怒りは、改憲、米軍再編でがむしゃらに戦争へと突き進む日帝・安倍政権への警戒感と危機感へと転化している。6・9県民大会はこうした労働者人民の現在の怒りを集約し、爆発させた集会・デモとしてかちとられた。同時に、ますます日帝・安倍政権との非和解的対決へ上りつめていくための跳躍台となった。
(写真 集会後のデモは「教え子を再び戦場に送るな」という教育労働者の決意がみなぎった【6月9日 那覇】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2299号4面2)(2007/06/18 )
海自艦投入を弾劾 6・5那覇
辺野古「事前調査」に抗議集会
6月5日、沖縄県那覇市の教育福祉会館で「県民に銃口を向けた政府の辺野古『事前調査』抗議集会」が行われました。主催は基地の県内移設に反対する県民会議です。豪雨の中を約400人が集まりました。今、辺野古のテント横には「海自艦投入=琉球処分」という大きな横断幕が掲げられています。
沖縄国際大学の佐藤学教授が「今起こっていることは沖縄だけの問題ではない。歴史の転換点を感じる」と基調提起。「県民に対するあからさまな政府の挑戦・挑発に煮えくる怒りを込めて抗議するとともに……新基地建設阻止まで闘いぬく」という集会決議を参加者で上げました。沖縄戦における「集団自決」強制の教科書からの削除問題ともあいまって、戦争を構える日米政府に対し、沖縄の労働者民衆の怒りはかつてないほど高まっています。
(投稿/M・E)
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週刊『前進』(2299号4面3)(2007/06/18 )
沖縄-本土をむすぶ 6・23労働者集会へ
沖縄戦から62年の6月23日、杉並で「沖縄―本土をむすぶ6・23労働者集会」が開かれる。実行委員会の呼びかけを紹介します。(編集局)
◇
沖縄戦から62年、72年5・15「本土復帰」から35年。私たちは今、「第二の沖縄戦前夜」とも言うべき情勢を迎えています。
5月14日、参院本会議において9条改憲のための国民投票法が強行成立されました。安倍首相は、2010年までの明文改憲を狙いつつ「集団的自衛権の行使」に踏み切ろうとしています。朝鮮半島への侵略戦争をやろうとしているのです。また、今国会では教育3法案・公務員制度改悪・共謀罪新設など、労働組合と労働者の団結を破壊する悪法が目白押しです。戦争と改憲を許してしまうのか、労働者の団結で今の腐りきった世の中を全面的にひっくり返すのか、全面的な激突が始まりました。
その最大の焦点は沖縄です。ひとつは日米安保体制の米軍再編攻撃のもと、名護市辺野古に新基地を建設するための「海洋調査」に自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が投入されたことです。戦後初めての治安出動です。これは「現代の琉球処分」「現代の銃剣とブルドーザー」そのものです。辺野古の闘いと連帯し、戦争のための基地建設を絶対に止めましょう。もうひとつは、沖縄戦において日本軍の命令によって住民が「自決」を強要された集団死の記述が教科書検定で削除されたことです。まさに「二度と教え子を戦場に送らない」教育労働者の闘いをたたきつぶし、沖縄の怒りをふみつぶし、再びの沖縄戦を繰り返そうとするものです。
安倍政権はブレーキのきかない車のように暴走をつづけています。しかし、これらは安倍政権の強さの現れではなく、追いつめられた姿です。自衛隊を投入し、教科書から沖縄戦の事実を抹殺しなければならないほど、沖縄と本土をむすんだ労働者の闘いが日米同盟の根幹を揺り動かしているのです。安倍政権は労働者の根底的な怒りに火をつけたのです。
私たち労働者こそが戦争と改憲を止めて「格差社会」の世の中を根本から変える主人公です。安倍首相や御手洗・日本経団連会長といった政財界を支えている体制内の労働組合幹部に取ってかわり、本物の闘う労働組合をつくって沖縄―本土の分断をうち砕く労働者の闘いを巻き起こしましょう。労働運動の力で基地を撤去し、沖縄を労働者階級の手に取り戻しましょう。命を守る会・金城祐治さんの遺志を引き継ぎ、本土から闘いを起こしましょう。
その出発点として、6・23集会を呼びかけます。どうぞお集まりください。
6・23集会実行委員会
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沖縄−本土をむすぶ6・23労働者集会
6月23日(土)
午後6時 オープニングライブ
午後6時20分 集会開始
杉並産業商工会館(阿佐谷南3―2―19)
主催/6・23集会実行委員会
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週刊『前進』(2299号4面4)(2007/06/18 )
コムスン不正請求事件の本質
介護民営化の必然的帰結だ
6月6日、訪問介護大手資本のコムスンが介護報酬を不正請求した件で厚生労働省が同社の事業所の新規指定や更新を今後5年間認めない方針を発表し、介護保険を巡って、資本によって巨大な不正が行われていることが衝撃的に明らかになった。その後コムスンは、この厚労省の処分をすり抜けるために同じグッドウィル・グループの日本シルバーサービスに事業を譲渡する計画を明らかにし、厚労省もこれを認める意向を示した。だが、厚労省に抗議電話が殺到するなど怒りの声がわき上がり、厚労省がグループ内への譲渡は認めないと表明し、コムスンも外部企業に譲渡する意向を示している。
コムスンは事業の内容を偽り不正に膨大な介護報酬を受け取っていた。その金額は、神奈川県の二つの事業所だけで1億円を超えると言われており、全体ではどれほどになるかまったく明らかにされていない。コムスンへの処分が、他社への譲渡で終わるならまさに取り逃げそのものではないか。他の資本が介護を食い物にし続けようということではないか。人民から強制徴収した保険料が介護報酬として支払われているのだ。
今回のコムスンによる介護保険を利用した「詐欺」行為は、コムスンだけの問題なのか。断じてそうではない。問題の核心は、介護保険制度によって国の責任である高齢者介護を民間資本の金もうけの市場として投げ出したことにある。日帝は、介護や医療など社会保障にかかわる国の財政負担を削減するための突破口として2000年に介護保険制度を発足させた。介護保険料は、65歳以上を第1号被保険者とし、40歳から64歳までを第2号被保険者として徴収されている。こうして国の負担を減らした上で、介護を民間資本の市場に投げ出し、利潤追求の場としたのである。
つまり、介護保険は単に政府が社会保障を解体して財政を削減するだけでなく、介護をそれまでの措置制度から民営化することによって資本の利潤追求の場に提供したのである。米帝などで先行的に進められていた新自由主義政策に基づく民営化手法を日本の福祉・社会保障の現場にも適用し、資本が徹底的に金もうけをたくらむものであった。今回の件は、政府と資本家階級が結託して労働者人民から徹底的に奪い尽くそうとする政策の帰結なのだ。
グッドウィルの折口会長が記者会見で「介護を食い物にした」ことを認めたが、これは単に抽象的に「介護」を食い物にしたというだけのものではない。何よりも介護を受けていた高齢者家族を食い物にし、ヘルパーなどの労働者を食い物にして巨額の利益をせしめていたのだ。
そのことは、グッドウィル・グループが日雇い派遣労働者から「保険料」の名目で派遣1回当たり200円を天引きしていたことでも明らかになっている。その年間徴収額は全体で15億円にものぼる。派遣労働者がこの返金を求めていることに対し、折口は記者会見で「納得していただけていない人に関しては返金が必要」と表明したが、実際にはグッドウィルは、「会社としての正式発表ではない」として返金要求に応じようとしていない。
介護現場で働く労働者は、パートやアルバイトなどの非正規雇用が大半であり、極限的な低賃金を強制されている。そのため労働者の確保が難しくなっており、日帝はフィリピン政府と経済連携協定(EPA)を結び、同国から看護師・介護福祉士を導入して低賃金の労働力として搾取しようとしている。現代の強制連行政策の始まりともいえる事態だ。
また、介護保険によって、お金に余裕のない高齢者から介護が奪われた。利用料の自己負担があるために介護が受けられないのだ。その結果、介護が家族の負担にのしかかっている。こうした中で餓死や孤独死、心中、介護殺人などの悲惨な事件が相次いでいる。北九州市では昨年、身体「障害者」の男性が生活保護を申請したが家族の扶養義務を理由に拒否され、水道も止められた状態で、栄養失調で死亡し、ミイラ化しているのが発見されるという事態が起こっている。こうしたことは枚挙にいとまがないのだ。
福祉や社会保障の全面解体にほかならない。こうした政策の中で、労働者階級の生活はますます苦しくなっている。今こそ安倍政権を打倒しよう。資本主義を打倒し、労働者階級が主人公の社会をつくろう。
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福祉労働者の怒りの声 介護保険制度は廃止を!
コムスン―グッドウィルの介護報酬不正請求や派遣労働者からの給料天引きに怒りがいっぱいです。絶対許せない! そもそも国や自治体が公の責任としてやるべき介護・福祉を営利企業、派遣事業者に任せることが間違っているのです。
2000年度に始まった介護保険制度は、介護を営利企業のもうけの対象としました。当時、コムスンの親会社の折口会長と安倍晋三官房副長官(当時)が並んで写っている写真がコムスンの宣伝に盛んに出ていました。介護保険制度は国家と資本が共同で推進したものです。厚生労働省は今ごろ不正を犯したコムスンを行政処分していますが、同罪なのです。
もともと介護・福祉はもうけにならない事業です。ほとんどが人件費だからです。賃金・労働条件が不十分では介護・福祉の仕事はできません。
介護保険制度は介護の民営化です。自治体の現業職員だった介護ヘルパーが民間労働者に置き換えられました。介護保険制度は、自治体労働運動の中で最も戦闘的な現業労働運動をつぶすためにも行われたのです。
コムスンなど民間の介護働者は超低賃金・劣悪な労働条件で働いています。コムスンやニチイ学館の多数派の労働組合はゼンセン同盟傘下の労組です。労組が在籍専従役員を置いているので、会社は労務担当の人件費を節約できます。御用労組が会社に代わって労働者を支配し、賃金・労働条件を切り下げているのです。許せません。
コムスンは「利用者数を月に最低4人増やせ」「単価1万8000円の介護報酬額を確保せよ」など、現場責任者らに厳しいノルマを課していました。ノルマを達成するには過酷な長時間労働が必要です。しかも会社は短時間でできるサービスに限定しろと指導しています。介護報酬が支払われない時間外(契約外)の労働はするなということです。人が生きていくために必要な介護であっても、もうけが得られなければやらせない。民営化・労組破壊、福祉解体の介護保険制度は廃止しなければなりません。
(K・U)
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週刊『前進』(2299号4面5)(2007/06/18 )
6月6日〜12日
自衛隊が広範な情報収集活動
有識者懇が「米艦防衛」を論議
●陸自が市民運動などを調査 陸上自衛隊の情報流出防止機関である情報保全隊が、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民運動や報道機関の取材に関する情報を広範囲に収集・分析していたことが分かった。日本共産党が自衛隊関係者から入手したとする「内部文書」を公表した。集会の日時、場所、発言などを詳細に記載したもので、関係者の個人名もある。防衛省側も一連の情報収集については認めた。(6日)
●イラク米兵死者が急増 イラク駐留米軍の死者数が増加し、5月は126人に達した。増派による首都バグダッドなどでの掃討作戦が4カ月目に入り、武装勢力の仕掛け爆弾(IED)による死者が急増していることが大きい。(6日)
●李登輝が靖国参拝 来日した台湾の李登輝前総統が東京・九段の靖国神社に参拝した。靖国神社には、日本海軍兵士としてフィリピンで戦死したとされる李登輝の実兄が日本名でまつられている。(7日)
●JCの歴史教育アニメが教育プログラムに 「日本青年会議所」(日本JC、会員約4万人)が「いまの教科書の近現代史は自虐的すぎる」として制作したアニメDVDを使った上映会が各地で進められ、中学校1校で授業として実施されていたことが分かった。日本JCの取り組みは、今年度の文部科学省の教育プログラムのひとつに選ばれている。(7日)
●「更生保護法」が成立 刑務所から仮釈放されたり少年院を仮退院したりした人たちの「保護観察」の強化を柱とする「更生保護法」が参院本会議で全会一致で可決、成立した。保護観察中に守らせる内容を明確にし、守らなければ刑務所や少年院に戻らせる仕組みを規定。更生保護法制の大幅な見直しはほぼ60年ぶりとなる。(8日)
●自民、改憲論勉強会を計画 自民党の憲法審議会の初会合が党本部で開かれ、会長の中山太郎・衆院憲法調査特別委員長が、参院選で改憲が争点になると強調し、党の立候補予定者らを対象に憲法問題の勉強会を開く方針を打ち出した。(8日)
●沖縄で県民大会 文部科学省の高校教科書検定で沖縄戦の「集団自決」記述から日本軍の関与が修正・削除されたことに抗議する「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない!県民大会」が沖縄県庁前の県民広場で開催された。労組など3500人が参加。検定意見の撤回を求めた決議などを採択した。(9日)
●辺野古沖、機器設置を再開 那覇防衛施設局は、米軍普天間飛行場の移設予定地の名護市辺野古沖で、環境現況調査(事前調査)に使用する機器設置作業を再開した。5月18日〜20日に実施した機器設置作業以来20日ぶりの作業再開となる。10日までには機器設置作業をほぼ終了。今後1年かけデータを収集するという。(9日)
●有識者懇「米艦防護」を議論 集団的自衛権行使を研究する有識者懇談会が首相官邸で開かれた。この日は安倍首相が検討を指示した4類型のうち、公海上での米軍艦船への攻撃に対する自衛隊の応戦について議論した。座長の柳井前駐米大使によると「集団的自衛権で説明するのが自然だ」という意見が大勢だったという。(11日)
●ヘリパッド移設受け入れを表明 金武町の米軍ギンバル訓練場の返還問題で、儀武剛町長が返還の条件となっている町内のブルービーチ訓練場へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設を受け入れることを表明した。儀武町長は「日米特別行動委員会(SACO)最終合意に基づき、ギンバル訓練場の返還条件を受け入れ、跡地利用計画推進を図っていくことを決断した」と述べた(12日)
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週刊『前進』(2299号5面1)(2007/06/18 )
社会を変える巨大なデモをやろう
6・9ワーカーズアクション “団結を拡大し革命おこす”
「労働者は今こそ革命おこすぞ!」と訴える青年労働者・学生のデモが渋谷の街に登場。圧倒的な注目を受け、多くの若者がデモに飛び入りで参加した(6月9日)
6月9日に行われた「改憲阻止! 倒せ安倍 倒せ御手洗! 労働者の団結で革命やろう! 6・9ワーカーズアクション 渋谷」に全国から1860人が結集し、大成功した。青年労働者・学生が「労働運動の力で革命をやろう」と職場やキャンパスで実践し、格闘してつかんだ団結は本物だ。渋谷に登場した戦闘的デモは、若者の未来を明々と照らしだす行動指針となった。11月総決起に向かう決定的な突破口が開かれた。集会の主な発言を紹介する。(前号既報)
開会宣言 労働者は絶対に革命ができる
3・18でイラク戦争を労働者の手でぶっ止めると宣言し、労働運動の力で革命をやろうと宣言した。そしてあらゆる職場で闘いが巻き起こっている。労働組合を立ち上げた青年がいる。闘わない執行部を打倒し自分が執行部になる、と登場した青年がいる。
私たちが「労働運動の力で革命をやろう」と登場した時、あらゆる壁が現れた。
どんな壁か。ひとつは「そうはいっても労働者は勝てない」という、資本家のデマに流されてしまう壁だ。こんなものは私たちの革命への情熱でぶっ壊すだろう。
労働者は絶対に革命できる。労働者が社会を動かしているからだ。あいつらは私たちが命令に従っている限り支配者でいられるにすぎない!
そしてもうひとつ、自分の中にある壁だ。なかなか革命と言えない壁だ。しかし敵は資本家だ。資本家は自分たちがもうけるために労働者を分断し踏みつけている。敵をはっきりさせた時、自分の中にある壁をぶっ壊すことができる。
労働者の団結で革命をやるために、今日の集会をぶち抜こう。
青年労働者と学生のアピール
学生は労働者と共に革命をやる 織田陽介全学連委員長
今、青年の2人に1人は一生フリーター、30過ぎたらホームレス、という状況です。この時、大学は「資格をもって仲間に差をつけろ」なんて言ってる。法政大は資本による奴隷の鎖につなぎとめ、金もうけの対象としてしか学生を見ていない。ふざけるな! 競争によって未来を描くことなんかできない。こんな転倒した社会は、学生の行動と意志によって覆せる。
法大では退学処分がどんどん出ています。しかし学生は大学の主人公だ。やれるなら全員を退学にしてみろ。2人の腕の手錠は資本家がつないでいる奴隷の鎖なんだ。学生は団結し、労働者とともに革命をやろう。そこに学生の未来がある。
もう一つ、ぶち破らなければならない獄壁がある。昨日の朝、星野文昭さんのお母さんが亡くなった。星野さんは沖縄と本土の労働者がひとつになることを目標に、71年、この渋谷で暴動を起こして闘った。この獄壁をぶち破る、本土と沖縄の労働者が団結することが革命なんだ。
みんなの腕についている見えない手錠を断ちきって闘おう。
JPU本部打倒郵政民営化阻む 全逓労働者
今の職場は矛盾だらけ。自分の職場は7割以上が非常勤職員。また深夜勤で何人もの現職死亡が出ています。
当局は「民営化後も働けると思うな」などと言ってくる。当局がこんなに偉そうなのはJPUが闘わない組合だからです。菰田委員長は「組合としてはもうかるやり方をどんどん経営者に求めていく」と言う。こんなのは労働組合じゃない! 彼らにとっては労働者よりも資本当局との関係の方が大事なんだ。
正規とか非正規なんてものは、資本家が勝手に労働者の団結を破壊するためにつくったもので、本来労働者としてひとつ。彼らがいなければ社会は成り立たないんだ。
単に仲良く付き合うことが団結じゃないし、お互いの意見を言い合って、一定の衝突も必要かもしれません。「労働者がこの社会を動かしている。労働者は革命をやって、この資本主義社会を終わらすことができる」ということに確信を持てればどんな壁でも突破できる。まだ郵政民営化の決着はついていません。
ダラ幹を打倒し闘う組合つくる 交通労働者
交通当局は600人の人員削減、給与水準の引き下げ、能力主義の強化を打ち出しました。労働強化で安全をズタズタにして、事故が起きたら「労働者が悪い」というわけです。職場では病欠者が相次ぎ、今年だけで2人の運転士が亡くなりました。しかし組合執行部は「労働強化と結びつけるのはおかしい」というのです。ふざけるな! 殺したのは当局だ。そしてまったく闘わないお前らダラ幹執行部だ。
私は3・18で宣言したとおり支部の執行委選挙に立候補し、175票中156票、9割の票を集めて当選しました。支部長には50票の不信任票が入りました。選挙で組合を徹底批判するビラをまき、動労千葉のように闘っている組合がある、現場から組合を変えることは可能だと訴えました。ある人は「5年前だったらお前の主張も通用しなかった。でも組合がこんなひどい状況になりみんな何とかしたいと思っている。だから主張が響いたんだ」と言いました。まさに革命情勢です。
労働者が天下を取るため労働組合をつくろう!
団結を取り戻すため不起立する 教育労働者
2年間の病気休職から今年4月1日に復帰し入学式で不起立しました。
安倍政権は教育4法を改悪し、国の犠牲になることが誇り、生活の苦しさはお前の責任だ、と教えさせようとしています。それに反対する教育労働者は、免許更新制で免許を剥奪(はくだつ)しようとしています。
不起立は、資本家やファシスト安倍への直接の抵抗です。戦争協力拒否の闘いです。改悪教基法を紙切れにし、管理、分断、多忙化、上意下達のシステムから解放し、本当の団結を取り戻すために私は不起立をします。
「革命って言ったらひく」、体制内労働運動はそう言います。2年間、私が苦しんでいる時、体制内労働運動は私に生きる希望を与えてくれませんでした。がまんして生きとけと言い続けるだけでした。でも「労働者の団結で革命やろう」というスローガンが私に生きる希望を与えてくれた。「あんたも革命する一人なんだよ」って言ってくれています。レッツ・ユナイト!
組合の団結強め闘って未来開く 沖縄青年労働者
この同じ時間に、沖縄では県民大会が行われています。沖縄戦の歴史歪曲を許さない、という沖縄の教育労働者の闘いの始まりです。
戦後の沖縄の歴史は、労働者階級の闘いの歴史です。労働者として沖縄の労働運動の先頭に立ち、退職後も新基地建設に反対し続けた金城祐治さんの遺志を引き継いで闘うことを誓います。
今の時代、労働者のささやかな要求すら実現することは生やさしくありません。だからこそ会社と折り合いをつけるのではなく、組合の団結を強めて闘うことに労働者の未来があります。
労働者は団結すればものすごい力を発揮します。革命を起こすことができます。動労千葉の闘いはそのことを示しています。
私たちの闘いは沖縄の労働運動の階級的な再生をめざす挑戦です。沖縄と本土の労働者がひとつに団結して闘うこと、沖縄に動労千葉のような労働組合をつくりだすこと、このことが辺野古新基地建設を阻止し、すべての基地を撤去する道だと確信しています。
分断ぶっ飛ばし青年は団結せよ 派遣労働者
福岡出身ですが浜松に派遣されました。住んでいた部落から出て、部落解放運動も60年間なかった地域に派遣された。
今の職場も半分は派遣労働者。自分はこの3年間、部落民ということを隠し続け、ずっと下を向いて生きてきました。
昨日、職場で部落民宣言をしました。おれは部落民労働者です。文句があるやつはかかってこい。たとえ職場で一人でも相手にしてやります。下を向いて生きていくよりはまだましです。
部落差別によって一般民労働者と部落民労働者が分断され、団結が壊される。これが部落差別だと思います。
一般民労働者と部落の労働者の団結をつくりあげることが糾弾闘争です。敵はひとつです。部落差別の根源であり、戦争の根源である日本帝国主義を打倒しよう。
おれは堂々と生きていきます。分断をぶっ飛ばします。全国に存在するわが青年よ、団結せよ。
暴力的な弾圧はもう通用しない 法政大学学生
法大当局の「このサークルに入るな」という文書を新入生にばらまくやり方は、教育4法改悪や改憲投票法案にも見られる反対言論への弾圧と共通していると思います。
しかし新入生である私が反対運動に協力しているように、そのような頭ごなしの暴力的なやり方はもはや通用しません。
4月27日に行われた集会の最中に犯行をデッチあげられ、ついに起訴までされてしまった2人は完全に見せしめです。取調室では「運動をやめたら出してやる」という転向強要を受けているそうです。しかし、完全黙秘で闘う2人に暴力的なやり方はまったく通用していません。彼らのように立ち上がる人が10人、50人、100人、1000人と増えていった時、当局はその人たちを処分できるでしょうか。いや、できません。なぜなら、授業料が入らなくなり自分で自分の首を絞めることになるからです。それが団結の力です。
基調提起 自治労・教労が闘いの先頭に
労働者の怒りがどれほどのものか、安倍や御手洗に示す時が来た。彼らは青年労働者の未来を奪い、正社員・公務員も労働強化で過労死、過労自殺に追い込んでいる。労働者を首切りと貧困のどん底にたたき込んでいる。石油やより安い労働力のために世界中で戦争を始めている。イラクではすでに60万人ものイラク人民が虐殺された。
これが安倍のいう「戦後体制からの脱却」であり、改憲だ。労働者を食わせられず、戦争やる以外に延命できない資本主義はもはや終わりだ。根本からひっくり返して、新しい社会をつくろう。
労働者の中に資本主義社会を根底から覆し、新しい社会を建設していく力がある。社会を動かしているのは資本家ではなく労働者だからだ。労働者は救済の対象ではない。私たちは資本家や国家権力と闘って、自らの力で資本主義の支配の鎖を引きちぎる、誇り高き労働者だ。
この力を復権させるのが労働運動だ。その生きた実践が動労千葉労働運動だ。動労千葉の職場闘争は、「職場の主人公は当局か組合か」をめぐる闘い。だから資本家と非和解的に闘う。反合理化闘争で生み出された団結は自分たちの手で社会を動かす力を生み出す団結だ。
最大の攻撃は団結破壊であり、最大の団結破壊は公務員バッシング。自治労、日教組をつぶして9割の非正規雇用をつくり出す攻撃だ。自治体労働者、教育労働者の解放に6000万労働者全体の解放がかかっている。処分を恐れぬ教育労働者の「日の丸・君が代」不起立の闘い、民営化に反対する反撃が自治体現場から始まっている。
労働者の団結を破壊し、資本の奴隷として労働者をつなぎ止め、戦争へ導こうとしているのが連合・全労連だ。この体制内労働運動をぶっ飛ばさない限り労働者の解放はない。資本主義の支配から根底的な自由をかちとるための武器が労働組合の本来の力だ。
最初は一人から始まる。組合内からも反動が出てくる。しかし、どんな困難な状況でも労働者の力を信じ、闘いをつくり出す。そういう労働者が2000人、3000人できたら労働運動は変わる。そのための団結(仲間)をつくり出すのがこの6・9集会だ。
3・18集会で切り開いた地平を発展させ、11月労働者集会1万人結集に向けて闘おう。
特別アピール 戦争・改憲とめる
労働者には社会変える力がある 動労千葉 田中康宏委員長
館山運転区・木更津支区つぶしと闘いぬき勝利した。9カ月の闘いで団結が強化された。正当性はわれわれにある。敵は言い訳だらけだ。
社会保険庁の解体攻撃はなんなんだ。人の年金をくすねておいて「労働組合が権利を主張したから悪い」と言っている。冗談じゃない。国鉄分割・民営化攻撃とまったく同じだ。国鉄労働者は「国賊だ」と言われた。これに対し多くの労働組合が闘えなかった。その結果20万人のクビが切られてしまった。労働組合を再生させる以外ない。団結すれば勝てるんだ。
国民投票法案が国会を通過した。有料広告がいくらでも解禁だ。その金を出すトヨタの利益は、労働者のクビを切って得た血まみれの金じゃないか。この金で改憲をやって戦争に突っ込んでいこうとしている。
ここまで腐りきった社会を根本的に変えよう。革命をやるしかない。戦争を止めるために、労働者としての誇りをもって生きるために。その力は社会のすべてを動かしている労働者にある。団結をバラバラにされているだけなんだ。それは労働組合の幹部が腐りきっているからだ。持っている無限の可能性、社会を変える力を取り戻そう。
(写真 代々木公園を1860人の熱気が包んだ【6月9日】) 日米韓労働者の国際的な連帯を 教育労働者
戦争につながるものに反対し、職場で「日の丸・君が代」に反対し続けてきた。不起立の闘いに対して、東京ではクビ直前までいっている。
非正規の若者は風邪で休んだだけでクビというとんでもない脅しを受けている。職をかけ、戦争に反対し、若者の雇用を守るために闘いたい。
ところが日教組は「職務命令が出たら従え」と言ってくる。「解雇反対」と言いながら「会社がクビだと言ったら従え」というのは労働組合の言うことか。森越委員長を許さない。引きずり降ろして私がやる。腐りきった本部を現場からの闘いで再生させ、闘う日教組にしていきたい。
定期大会で差別賃金の導入に対する闘いを訴えた修正案が圧倒的な数で通った。1日12〜13時間労働を強制され、がんじがらめの状況に現場は怒っている。
アメリカのNEAという320万の教育労働者を組織する労働組合から大会出席要請が来た。NEAは98%のスト権を確立しピケットラインに立った。朝鮮侵略戦争の切迫下で、日米韓の連帯を取り戻そう。
農地強奪許さず軍事空港粉砕へ 三里塚芝山連合空港反対同盟
●北原鉱治さん 三里塚は41年間、反戦のとりでとして世界平和をめざし空港の軍事使用は許さない闘いを貫いている。
若者は闘わなければ自由も希望もかなえることができない世の中になった。世代を超えて連帯をつくることが日本の未来を決する。
反対同盟は時代をつかみ、日本の将来のため、成田の廃港をめざして闘いぬく。勇気あるものは勇気を、力あるものは力を、声あるものは声を出し切って闘おう。
●市東孝雄さん 成田では事業認定が失効し、農地法による耕作権の解除に出てきた。滑走路の延伸工事が強行されています。国民保護計画によりいつでも戦争をできる国にするということです。
奥田・御手洗ビジョンを見ても「自動車さえ売れれば農業はいらない」という態度。「自分たちさえよければ」という国のあり方に対し、今なら労働者と農民が一緒になれる。
行動提起 腐った指導部倒せ
今日ここに集まったのは、資本家や安倍にルールを守れとお願いするためではない。あせっているのは安倍や資本家、当局なんだ。団結をつくりだし職場から仲間とともに革命をおこそう。
現在、派遣やパート労働者が、自分たちの人間性を求めて立ちあがっています。何も持たなかった労働者が、労働組合という武器をいたるところでつくっています。
私が所属する自治労は「質の高い公共サービス」を守る運動を進め、安倍政権や日本経団連が進める民営化攻撃に完全に屈服しています。組合の委員長は「うちは役人の組合だ。お上に逆らったことなど一度もない。もうすぐ組合はなくなるよ」などと言っています。しかしこんな指導部が打倒される日もカウントダウン。資本の攻撃と既成指導部の屈服が激しくなる中、腐った指導部を打倒する新たな強い団結が青年の仲間から生まれてきています。
この団結が私たちの職場を変える、そして世の中を変えることができるんだ。職場での闘いは簡単じゃない。苦しさ、悔しさを共有し、勝利した時の喜びにともに感動しその一つひとつから団結が生まれる。それが職場から革命を起こすということではないでしょうか。それには動労千葉のように「本気で資本家と闘う」ということです。
「戦争か革命か」というせめぎあいは、すべての青年労働者の中にあります。自治体や教育現場で働く青年労働者に対しては人事評価制度、成果主義の攻撃がかけられています。労働者の中に差別と分断を持ちこみ、公務員200万人をワーキングプアにする攻撃です。自治体の青年労働者にも、差別と戦争を選ぶのか、革命を選ぶのかが突きつけられています。
派遣やパートで働く青年労働者がものを言えないまま権利も認められない状況に落とし込まれている。そんな状況だからこそ自治労や日教組の労働者が闘うということです。自治体や教育現場の民営化は民間労働者、派遣労働者など、あらゆる労働者の生活破壊につながります。だからこそ、パート労働者とともに安倍や御手洗の改憲攻撃に対して本気で闘うことが求められています。
私たちの答えはひとつです。労働運動の力で革命をやろう。すべての労働者が職場での闘いを軸に、国会闘争から8・6ヒロシマへ、そして11月へともに闘いましょう!
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週刊『前進』(2299号5面2)(2007/06/18 )
取材メモ 「6・9ワーカーズアクション」
11月へ大きな展望見た
6・9行動の大成功は11月総決起への具体的イメージを明らかにした。
青年労働者が自分の職場で「労働運動の力で革命をやろう」と訴え、格闘し、さまざまな壁をぶち破って6・9に結集した。資本や当局と本気でやり合い、体制内労働運動と対決して本物の団結を生みだした。この団結が6・9行動の一切の原動力となった。渋谷の街を解放区にした道いっぱいの”革命”を訴えるデモは渋谷の若者の怒りと結びつき、多くの若者が合流した。こうして青年労働者1000人、学生1000人を先頭に1万人が決起したとき、それ自身が内乱になる!
青年労働者・学生の闘いに襲いかかる権力、資本、当局、体制内労働運動などすべての反動的諸勢力との激突は、この11月労働者総決起をめぐる激突である。そこであらわれる壁や重圧をぶっ飛ばす闘いはこの11月総決起のための闘いだ。
自治労・日教組をはじめ4大産別の闘いに、改憲阻止決戦の最大の攻防点があることを実践的に突き出したのも6・9行動の特徴だ。あらゆる既成勢力がここでの激突から逃亡し、敵に頭(こうべ)を垂れている。それは改憲攻撃に屈服する体制内労働運動のすべてに共通している。若者の2人に1人という非正規雇用労働者の闘いも、4大産別の闘いを軸にすえたときに初めて展望が見えてくる。「労働運動への絶望」から、青年労働者を組織することなど絶対に許してはならないし、また不可能であろう。
こうした闘い方を身をもって実践してきたのが動労千葉労働運動だ。「労働者の団結こそ、時代を切り開く原動力だ」という労働組合観が、全労働者階級を獲得する時代がついにやってきた。
11月労働者総決起に向けての課題と方向性は完全に明らかになった。1人の例外なくこの道を進もう。6・9で発言したすべての青年労働者の立場に身を置き、たちあらわれる壁をぶち壊そう。あらゆる職場で革命に向かう本物の団結をつくりだして闘おう。
(本紙・保科俊介)
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週刊『前進』(2299号6面1)(2007/06/18 )
イラク特措法延長に反対し小牧基地闘争 愛知 村田 圭
6月3日、航空自衛隊小牧基地に対して、愛知・岐阜・三重・関西の百万人署名運動連絡会の労働者・市民と共に、浮須小牧基地司令・久間防衛大臣・安倍首相あてに申し入れを行いました。(写真)
7月の期限切れを前に、「イラク復興特別措置法の2年間延長する法案」を政府は5月に衆議院を通過させ、今週中にも参議院で強行成立させようとしています。
4年間の時限立法であったイラク特措法下で、C130輸送機が集中配備されているのが小牧基地であり、更に2年間延長し、自衛隊員を危険極まりないイラクに派遣し続けようとしています。
開戦後のイラクでは、死者が民間人65万人、米兵3千人を超え、内戦下でイギリス軍は南部からの撤退を決定し、陸上自衛隊もサマワから撤退せざるを得なかった。この情勢下、更に新たな計画である「空中給油機」の配備がこの小牧基地に決定されています。(実際には遅れている)
「復興支援」での物資、人員輸送との名目とは大きくかけ離れた事態で、「実戦配備」と言っても過言ではない。
前回の4月29日に引き続いて、小牧では自衛隊員及び家族への想(おも)いを込めてアピールを強化して取り組んでいます。街宣は3隊に分かれ、自衛隊官舎家族・基地周辺住民・牛山駅頭での署名、ビラ配布、アピールを行いました。
「自衛隊員でも海外派兵は拒否できる」「国際貢献とはマヤカシだ」「イラクの人々の声を聞いてみてください」「イラクの事はイラク人に任せて下さい」。イラク人民は占領軍、多国籍軍そしてマリク傀儡(かいらい)政権を決して信頼していないのです。
政府はこうした無謀な海外派遣は即刻中止し撤退すべきです。
私達は隊員、家族、住民と共に「イラク特措法2年延長法案」に反対し、イラクからの撤退を強く訴えます。
間近に迫った「空中給油機」の小牧基地配備に対しては、即刻反撃する事を全体で確認し、全国基地闘争の一翼を担いきる事を再確認しました。
恩師が不起立闘争で研修処分。許せない 東京・東部 風 実
百万人署名運動東部連絡会で、校長は「日の丸・君が代」強制命令を出すな、という申し入れをしに近所の都立高校を8カ所近く回った。
都立高は廃校や合併、一貫校という合理化、民営化の波の中で競い、蹴落としあっているが、僕らが接した現場労働者は、余裕が奪われているのに、評価や公務員バッシングされる偽装と分断に怒っていたし、安倍や石原の政策に対して何かできないかと、闘う労働組合の力、団結を待ち望んでいるようだった。僕たちが「申し入れに来ました」と伝えると、「ご苦労様です」とねぎらってくれた。
労働強化と国会で審議されている教育関連法案、そして「日の丸・君が代」拒否への処分に対する横暴さに、もう我慢できるか!という感じであった。
労組交流センターの教育関連法案のパンフレットを渡すと「組合で話し合う」、支部のないところでも「話し合って見ます。支部も作りたいです」という返事。国会前での組合の活動を報告すると瞳が動いた。6・9集会のビラもまいてくれたし、「労働運動の力で革命しましょう」と言うと、そうですね〜、みたいな感じでうなずいた。国会前に集まる労働者になるだろう、と思った。
最後に行った高校では、僕の恩師が不起立に立ち上がり、研修処分を受けるそうで、僕の大切な素敵な恩師を処分させるのが、不適格教師の処分とかいう事なのだろうか? 処分してくるやつの方が不適格だと思った。本当に許せない。
不起立で闘って石原にダメージを与えているのは学校労働者だし、安倍や御手洗がおびえているのは労働者の団結した力だ。学校で教え導いてくれた大切な恩師を僕はこれからも大切に思いたい。教師が生徒を戦場に送る、そんな労働者にはなりたくないと、労働者は思ってる。
だから僕も闘いを応援するし、もっともっと、多くの労働者とつながっていきたいと思ってる。またこれからも、様々な学校に申し入れ行動をやっていきたい。
「まずは自分がぶっ立つことだ」と確信 広島大学 加藤いさき
先日、労組交流センターの中四国理論合宿に参加し、辻川慎一さんの講演を聞いた。講演の後に質問の機会があり、そこで「どうしたら学生の決起を生み出せるのか?」と聞いたら、「まずは自分がぶっ立つことだ」と言われた。
ちょうどそのころだった。沖縄闘争に行って、職場で苦闘する青年労働者と交流した仲間の1人が変わった。初めてビラを書き、ビラまきにも連日決起した。ビラは漫画を利用したもので、今までの広大には無かった趣向で新鮮だった。ビラの受け取りも好評で、彼もどんどん新しいビラを作った。彼の解放的な決起は僕を含め他の仲間の気持ちを引き上げた。
また、同じ時期に同じような経験をした。仲間の1人が「WORKERS ACTION」に向けてキャンパスでマイクアジをやろうと言い出した。彼女はアジがそんなに好きじゃないはずだった。1日目、まず彼女がアジったが、まだキャンパスでアジったことの無い僕は迷った揚げ句やらなかった。そして、2日目もまず彼女がアジった。この日も僕は迷ったが、初めてマイクを握った。アジの苦手な仲間が決起しているのに自分がやらないわけにはいかないと思った。
「まずは自分がぶっ立つことだ。そうすれば必ず周りも立ち上がる」。仲間の決起に教えられた。
教育再生会議第2次報告は絶対許せない 学生 高尾平兵衛
6月1日に再生会議が呈したこの報告は、一目見てわかるとおり、毎度ながら官僚的・企業的タームを並べ立てて、非科学的・非論理的・オカルト的・脱具体的・脱現場的な内容で全く反教育的だ。報告書は論点が多いため、すべてを批判したいが、今回は大学のみに絞って弾劾したい。
何が変わるのか? 列挙すれば、徳育教育の増長、大学の学部4年から3年制度へ、同大学から同大学院を定員の3割に絞り、教授会の権限を無力化し学長に一点集中化させ、研究費の第3者評価による競争的資金導入、大学と民営企業の癒着の推進、教職員の授業の度合いで簡単に減給させ、9月入学制度の変更に伴った4〜9月の「ボランティア」単位化=学生強制労働などだ。
これらは学生の時期から教育の国家介入や管理統制や資本競争を当然のようにたたき込み、人生の岐路を徳と管理と権威と企業べったりしかないものへと洗脳する。その後、無能と判定した学生をとっとと労働者にし、一部の優等生のみを専門一途な研究者にさせる狙いだ。子どもたちをマスプロ教育で労働商品化し、具体的・階級的・歴史的な認識を根底から奪い、学生の決起と団結を分断する。それだけではない。研究者も国際競争・論文生産競争・企業癒着に駆り出し、教授会や研究室ファミリーを解体させ国家と資本家の直属にさせ、それに従わなければ減給・免職にするという意味も含む。
また他方で、日帝は日教組を撲滅する反革命的攻撃を強めている。
つまり今の事態を整理すれば、学生・教育労働者そして教育機構全般を帝国主義の枠組みと支配にすっぽり包み込み、学生・教職員らの決起と闘争を暴力的に破壊し、資本の手先として隷従させる狙いだ。日帝・安倍政権は、企業利害と戦争のためだけの改憲攻撃として教育を抜本再編する方針を赤裸々に宣言したわけだ。
しかしながら、なるほど新左翼系セクトにおいて教育論に穴があると思うが、しかし報告書は誰が見ても反人民的反動攻撃にすぎず、断固ゆるせない。労働者・学生の決起と団結でもって反動をまるごと粉砕し、革命を勝ち取っていこう。
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週刊『前進』(2299号6面2)(2007/06/18 )
“犯罪被害者参加法案に反対”
闘う弁護士が国会闘争
6月14日正午より、「憲法と人権の日弁連をめざす会」が主催して、犯罪被害者参加法案と裁判員制度に反対する国会前抗議行動が行われた。この法案は、衆院への緊急提出から実質審理わずか5日で衆院を通過し、今国会中の成立が狙われている。
「被害者」らが検察官席のとなりに座り、被告人や証人への質問、検察官とは別の独自の求刑さえ行う。「私的復讐」を法廷に持ち込み、「被害者が加害者を裁く」ということだ。これは刑事訴訟の基本を根本から覆す大攻撃だ。そもそも有罪判決が出るまでは被告人は無罪の推定を受けなければならないが、最初から「被害者」が法廷に登場し、一方的に被告人をやり玉にあげるのだ。そこでは供述拒否権も実質的に否定されることになる。
ファシスト石原が推進の急先鋒
この法案を最も積極的に推進しているのが「全国犯罪被害者の会」に名前を連ねる石原慎太郎都知事や保岡興治元法相である。石原は同会へのメッセージで「人権に関する肥大しすぎた観念の横行が、犯罪における加害者と被害者の立場の倒錯をもたらしてしまった」などと言っている。
また保岡は「弁護士は、国家権力から被疑者を守ることだけに一生懸命になっている。こうした意識を変えるためにも、基本となる憲法に犯罪被害者の権利を組み入れるべきである」と自民党司法制度調査会の大会で講演した。被告人の防御権や弁護権を圧殺し、弁護士の労働者的立場を否定して基本的人権そのものを押しつぶす、まさに改憲攻撃そのものだ。
この日は「めざす会」として闘う弁護士が数多く結集し、次々と怒りを表明した。
被害者を利用し重罰化をねらう
「被告人の権利がどんどん踏みにじられているのが現実じゃないか。被害者感情を動員して、刑事裁判制度を根底的に否定する法案は阻止するしかない」(葉山岳夫弁護士)、「犯罪がなぜ起こるのかということをまったく無視して、被害者を道具に使い、重罰化を狙うことは断じて許せない」(高山俊吉弁護士)など、具体的な裁判例を引いた発言は説得力あふれるものだ。
動労千葉の滝口誠特別執行委員も発言に立ち、「医療事故など労働強化で起こる問題でも、公開の法廷で遺族と対面させられ、復讐感情によって重罰にさせられていく。今、自民党は“消えた年金問題”を取り上げ『労働組合が権利を主張しているのが原因だ。敵は自治労だ』とわめいているが、これと同じだ。犯罪被害者参加制度や裁判員制度、共謀罪との闘いを労働組合の課題として闘う」と決意を表明した。
たすきを掛けた弁護士がずらりと並び、国会にシュプレヒコールをたたきつけた。「裁判員制度による重罰化を許さないぞ!」「強行採決を繰り返す安倍政権はおしまいだ!」
教育4法改悪案や国家公務員法改悪案とともに、犯罪被害者参加制度も今国会の最終段階での大きな攻防点だ。警鐘を乱打して闘おう。裁判員制度を始め司法制度改革攻撃と全面的に対決しよう。呼びかけにこたえ「裁判員制度はいらない!6・29集会」に結集しよう。
(写真 闘う弁護士を先頭に“裁判員制度を許さないぞ”とシュプレヒコール【6月14日 国会前 】)
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週刊『前進』(2299号6面3)(2007/06/18 )
憲法と人権の日弁連をめざす会代表高山俊吉弁護士が訴え
“裁判員制度反対集会へ”
裁判員制度の狙いは、改憲と戦争に向けた国民総動員の新体制づくりにある。この制度は、一人ひとりの民衆を裁判所に引き込んで統治と管理の立場でものを考えさせ行動させるシステムなのだ。
裁判員に選ばれれば裁判に参加しなければならず、参加しなければ処罰される。意見を言う義務も負う。その過程は思想・良心の自由に対する権力的な制約であり、「意見表明」をつうじての思想調査の過程でもある。
なぜ今、裁判員制度なのか。答えは、体制側の危機だ。一人ひとりの民衆を権力の側に強制的に立たせなければ崩壊してしまうところに来ている。処罰をもって裁判所に拉致・連行し、権力の仕事を民衆に強制しないわけにいかないところまで危機が進行しているのだ。
それは、言い換えれば、われわれにとっては好機到来である。これほどあからさまな権力の攻撃はない。
最前線の厳しい闘いをつうじて初めて見えてくる矛盾もあるが、裁判員制度は圧倒的多数の人びとがすでに「これはおかしい」と考えているテーマだ。
裁判員制度に対して国会内に圧倒的多数の支持があること自体が異常なのだが、本音で議論すると、どの政党に属する議員も「このままではまずい」とか、「どうして先走ってしまったのか」と思っている。誰にとっても、本音で言えば、この制度は“いかにも無理”なのだ。
6月13日に自民党の政務調査会司法制度調査会が出した「裁判員制度の円滑な実施のために」という文書がある。そこには「残された時間は、それほど多くない。にもかかわらず、現時点においても、国民の裁判員制度への参加意欲は必ずしも高くはない」と危機感が表明されている。
裁判員の辞退については「思想・信条の自由等を理由とした辞退の可否については、裁判員法制定当時から議論されており、そのような自由等を侵すことがないよう留意する必要がある」ともある。日弁連執行部は「一切辞退を認めるな」と人権の守り手とも思えない意見を述べているが、自民党でさえこう言わざるを得ない現状なのだ。
裁判員制度は一人ひとりが裁判所に行かなければ始まらない。7〜8割が消極的と言えば、破綻(はたん)以外の結論はない。
この闘いに勝つということは、悪法をひとつつぶすというにとどまらない。戦争と改憲への国民総動員の攻撃の全体にNOを突きつけることになる。改憲阻止闘争の勝利への大きな契機にしよう。そのために労働者を中心とするあらゆる人びとの力を結集したい。6・29集会でお会いしましょう。
(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)
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週刊『前進』(2299号6面4)(2007/06/18 )
星野同志の母・美智恵さん逝去
“執行停止を”の声 全国から
6月8日早朝、星野文昭同志の母、星野美智恵さんが逝去された。享年90歳。
星野美智恵さんは、昨年12月に入院以来、懸命に病気と闘って来られた。1月には、一時、重篤な状態に陥ったが、「文昭に会うまでは」と頑張って回復のきざしも見えていた。その矢先の訃報であった。
8日、弁護団は直ちに、葬儀に参列するための「執行停止」を東京高等検察庁に申し立てた。しかし、東京高検はわずか2時間後に、「これを行わない」と電話で連絡してきた。
同日、徳島救う会の人たちが徳島刑務所に駆けつけ、星野文昭さんの外泊を認めるよう申し入れた。9、10日の土日にも要請を続けた。徳島刑務所には、全国からの電話やファックスが葬儀が始まるまで続けられた。
☆
6月10日、札幌市の日本キリスト教団月寒教会で前夜式が行われた。
礼拝堂前のロビーには、美智恵さんの写真が展示され、詩画集も展示・販売されていた。
全国から寄せられた花輪が飾られた礼拝堂に家族・親族、教会関係者、北海道や各地の救う会の人たちなどが参列する中、オルガンの前奏が流れ、前夜式が始まった。
「説教」に立った西岡裕芳牧師は、美智恵さんが文昭さんの無実を訴えて、夫の故三郎さんとともに全国を回っていたことを紹介した。昨年、北海道で開かれた星野・全国総会で「文昭を一日も早く取り戻してください」と訴えていた美智恵さんの姿が目に浮かぶ。
最後に、家族として長男の星野治男さんがあいさつされた。「この半年間、毎日病院に通い、付き添って看病を続けてきました。今、星野美智恵が自分の中に生きているように感じています。その思いで、文昭を取り戻すための動きを続けていくつもりです」
その後、参列者全員が献花した。
(写真 祭壇に飾られた美智恵さんの写真。02年に面会のために訪れた徳島で撮影されたもの。満面の笑みが印象的だ)
☆
11日午前10時から葬式が始まった。
「説教」では美智恵さんの句集『北斗星』から数句が詠(よ)み上げられた。
「再審の実現めざす去年(こぞ)今年」「沖縄にこんぶ携え北をたつ」「封筒に切手滑って寒厳し」
「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の共同代表である柴田作治郎さんが、「美智恵さんは文昭さんを信じて、生ききった。その生き方を引き取って、文昭さんの解放運動を展開していくことが、美智恵さんにこたえることになろう」と、「慰めの言葉」を述べた。
弔電が読み上げられた後、星野暁子さんが美智恵さんに語りかけるようにあいさつをした。
「お母さん、見守っていてください。必ず文昭を取り戻します。ありがとうございました」
最後の献花が行われ、美智恵さんが愛用した品々や草花も棺(ひつぎ)の中に入れられた。
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星野文昭同志との再会を果たせないまま、美智恵さんが逝去されたことは、われわれにとって痛恨の極みだ。3度にわたる「執行停止」請求を拒否した国家権力を満身の怒りで弾劾する。帝国主義最末期の危機が深まり、革命の情勢が急接近する今こそ、星野同志奪還に総決起する時だ。労働者階級の総力で帝国主義を打倒し、星野同志を取り戻すことを誓う。
(金山克巳)
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週刊『前進』(2299号6面5)(2007/06/18 )
八王子 河原井さん根津さん支援に120人
「君が代」解雇させない
6月10日午後、「君が代」解雇をさせない6・10集会が東京・八王子で開かれた。集会を主催したのは、「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」。
「日の丸・君が代」強制に不起立を続けている河原井純子さん、根津公子さん。東京都教育委員会は、3月31日、今春卒業式での不起立に対して河原井さんに停職3カ月、根津さんに停職6カ月の処分を発令、現在2人は停職処分の真っ最中だ。「9カ月後の卒業式には解雇するというのか!」「絶対に許さない!」――そんな思いで120人余りが集まった。
まず停職処分を打ち破る闘いが報告された。河原井さんは停職3カ月中に精力的な全国行脚を展開中とのこと。「都教委に対話を求めます」と書かれたのぼり、ビデオ『君が代不起立』、パンフ『茶色の朝を迎えないために』などを持参し、「自分の足でおもむいて、そこで目と目を合わせて語る」旅だ。
河原井さんは、「根津さんはがけっぷち。根津さんの解雇をみんな一人ひとりの手で阻止しよう。それが改悪教育基本法を骨抜きにし、許さないことです」と訴えた。
根津さんは、「9カ月後は免職です。そのことが私の頭の中の99%を占めています」と話し始め、「停職1カ月になった2年前、私は門の前に立ちました。学校の中だけが教育ではありません」と続けた。今も立川二中、町田の鶴川二中、4月から異動となった養護学校の門前に立ち、金曜朝は都庁でビラまきをしている。
「自衛隊がイラクに行っている。ワーキングプアという現実も、まさに戦争への動きの中で奴隷になれということ。すでに子どもたちを戦場に送っている。『日の丸・君が代』強制は、国家のための教育をさせるための踏み絵。私一人の問題ではない」「勇気を持って反対を行動で示す時。みんなで不起立しようと広げてください。大きなうねりにしていきましょう!」と呼びかけた。
停職処分を取り消せ訴訟弁護団の岩井信弁護士が裁判報告を行った後、退職教員の北村小夜さんが「戦後教育における『日の丸・君が代』」と題して講演した。
1960年に贄田(にえた)重雄さんが特設道徳での「君が代」斉唱を違憲・違法だと提訴したのを始め、70年には群馬の中学校教員が卒業式での「君が代」斉唱に「3年1組、回れ右」の号令をかけるなど、全国各地で抗議の闘いや問題提起が繰り返されてきたことを具体的に示し、自らの「皇国少女」としての体験を交えながら「身近で起こった時にどうかかわっていくのか、今問われている」と提起した。
事務局から行動提起が行われ、@裁判闘争、A署名活動、B都教委への要請・抗議、都庁前情宣活動、C各地での情宣活動、D会員募集、ニュース発行、ビデオ上映会など広報活動への取り組みが呼びかけられた。
都障労組、町田教組がともに闘う決意を表明。会場から、教育労働者が「原点に返って不起立しよう。教育労働者は職場で闘おう」と呼びかけ、退職教員は「そもそも天皇主権の天皇賛歌である『君が代』の違憲性を問題にすべき」と発言した。ある女性が「来年3月の卒業式が最大のチャンス。『いやなら態度で示そうよ!』と全国の先生たちみんなが座る『不起立デー』を呼びかけませんか」と提案、大きな拍手が巻き起こった。
(投稿/かまたよしこ)
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