ZENSHIN 2006/04/03(No2240
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週刊『前進』(2240号1面1)(2006/04/03)
改憲と戦争のための3・14法大弾圧を許すな 29人全員を即時釈放せよ
動労千葉の春闘スト貫徹の力を1047名闘争勝利4・4集会へ
3・31に教基法改悪・改憲阻止集会
学外での卒業式を終え法大キャンパスに入る卒業生に、法大弾圧救援会の学生たちが「無実の学生29人を釈放せよ」と訴えた(3月24日 法大前)
この3月、動労千葉の反合・運転保安春闘が圧倒的に闘いぬかれた。これと並んで東京を先頭に「日の丸・君が代」強制拒否の不起立・卒業式闘争が全国で爆発した。そして米軍再編をめぐっては3・5沖縄の3万5千人の大集会、3・12岩国住民投票での87%の反対票、3・12座間闘争など安保・沖縄闘争の巨大な地平がかちとられた。こうした戦時下の階級闘争の前進に対する大反動として3・14法政大弾圧が起きた。だが、これを突き破って百万人署名運動が呼びかけた実行委員会主催の3・19イラク反戦国際行動が高揚し、イラク撤兵、米軍再編粉砕、改憲阻止を高らかにうたいあげた。3・14法大弾圧を粉砕し、3・31教育基本法改悪・改憲阻止集会、4・4国鉄集会を成功させ、あらゆる反動を打ち破って3月大攻勢を貫き、4月闘争に進もう。
第1章 国民投票法案先取りの立て看・ビラ禁止
3・14法大弾圧を徹底弾劾し粉砕しよう。法大当局は、警察との綿密な打ち合わせのもとで学生弾圧を計画し、「立て看板・ビラ禁止」に抗議する29人もの学生を権力に売り渡した。こんなことが大学のやることか。まったく許されない暴挙である。「民主法政」の看板は地に墜ち、法政大は死んだ。
法大当局は学生たちがいない春休みを狙い、3月14日から一方的に「立て看板・ビラまき禁止」を強行した。これに当然にも抗議する法大生と全国の学生たちに、法大当局と結託した200人の公安刑事が襲いかかり、29人全員を暴行し、逮捕・連行したのだ。
当局は「建造物侵入」とか「威力業務妨害」とか言っているがすべてデタラメだ。卑劣な言い掛かりだ。すべて法大当局と警視庁公安部が仕組んだことだ。学生弾圧の計画を練り、周辺に公安刑事200人を待ち伏せさせ、フジテレビを学内に導き入れ、この弾圧事件を引き起こしたのだ。
「立て看板・ビラ禁止」とは大学がやることだろうか。その看板やビラの内容は改憲反対であり、国民投票法案反対なのだ。学生のみならず人民にとって最大の政治課題を学内から追放するとは、まさに国民投票法案の狙いを先取りするものであり、改憲攻撃の内容そのものではないか。
この弾圧は、日帝・小泉の死活をかけた9条改憲攻撃に対して、法大を先頭に全学連が真っ向から反対する闘いを組織し、全国学生ゼネストに向かって前進していくことへの恐怖と反動である。学生運動抹殺のファッショ的攻撃だ。
3・14弾圧を弾劾し、29人の学生への救援を求める訴えは、党派を越えて、自主的・創造的にものすごいスピードで広がり、駅で、街頭で、集会で、大学で、労働組合で、インターネットで、怒りの声がかけめぐっている。法大当局へ抗議電話が殺到し、当局は悲鳴をあげている。29人の学生に対する激励と救援カンパが急速に集まっている。3・14弾圧を粉砕することは改憲阻止闘争そのものであり、共謀罪法案粉砕の決定的な闘いでもある。
マルクスが言うように、革命の前進は密集した反革命を生み出して、それを打ち破る度合いに応じて前進する。石原・都教委の「10・23通達」に対する都高教労働者の不起立決起の闘い、国労5・27臨大闘争弾圧との闘いはその象徴だ。不当な攻撃や弾圧を粉砕して、この間の日本の階級闘争は前進してきた。不屈で頑強な闘いによって日帝の思惑はすべて外れ、弾圧は逆に階級闘争を推進するバネに転化した。
この法大弾圧を粉砕し、逆にこの弾圧粉砕の闘いを、改憲攻撃に対する全人民的な大反撃の突破口にしなければならない。4〜6月全国学生の改憲阻止ゼネストの爆発こそ、その革命的回答だ。29人の学生の起訴を阻止し、即時奪還しよう。全力で救援活動を展開し、この未曽有(みぞう)の弾圧を打ち破ろう。
第2章 卒業式闘争と動労千葉春闘の偉大な地平
3月闘争は偉大な地平を切り開いた。その土台・基軸をなしたのは動労千葉の闘いだ。動労千葉の3月10日からの安全運転闘争は千人を投入した当局の監視・弾圧を打ち破って、団結を固め、断固貫徹された。駅ホーム上での労働者の激励行動も権力・公安警察や職制に打撃を与えた。
さらに闘いは3・13幕張電車区の半日スト、3・16総決起集会、3・16〜18の旅客全面スト、貨物ストへと発展した。
ストを闘いぬいて職場に戻った動労千葉組合員はJR総連傘下の労働者と討論した。スト破りを拒否した青年労働者も現れた。ストライキは、組織拡大の闘いとして創造的に展開されたのである。
3労組共闘の先頭に立つ動労千葉の闘いの意義は計り知れないほど大きい。大幅賃上げ獲得と反合・運転保安確立、1047名の解雇撤回を掲げ、06春闘に階級的心棒を与えた。これは大事故を続発させるJR体制=分割・民営化体制を痛撃し、小泉・奥田の春闘圧殺攻撃を打ち破り、戦争と改憲、民営化と労組破壊の攻撃に反撃する労働者階級の壮大な決起の突破口を切り開く闘いだった。そこには労働組合の原則性・階級性、不屈性、比類のない団結が貫かれている。
資本と階級的に闘い、「労働者階級こそが天下をとるべし」とする動労千葉労働運動が、国鉄戦線の、日本労働運動全体の主流派に躍り出る時が来ている。
動労千葉の春闘ストの力を1047名不当解雇撤回、国鉄闘争勝利の4・4国鉄大集会の成功につなげ、国鉄決戦勝利と日本労働運動の革命的分岐・大再編を実現しよう。国労5・27臨大闘争弾圧の裁判闘争に勝利しよう。
今春卒業式闘争は昨年、一昨年を上回る爆発をかちとった。東京では新たな不起立決起が次々と起きた。肝心なことは教育労働者が「10・23都教委通達」を恐れず決起していることだ。クビをも覚悟して不起立を貫く教育労働者の存在が10・23通達を破綻(はたん)させ、無力化させているのだ。都教委の監視体制も半ば崩壊した。生徒の大量不起立も起きており、後追い的に出された「3・13通達」(生徒に起立を徹底させろというもの)などは何の迫力もない。
ファシスト石原のこけおどしに対して、労働者階級が断固として対決して闘う時、その支配はもろくも崩壊するのだ。10・23通達体制を打倒し、「日の丸・君が代」不起立闘争の永続的発展をかちとっていこう。教育労働者の戦争協力拒否の闘いの厚い陣形を構築しよう。石原・都教委打倒へ向かって闘いぬこう。
さらに「つくる会」の内部分裂、杉並区の納冨教育長の辞任情勢を受けて、「つくる会」教科書の採択撤回、4月使用粉砕に向け攻勢的に闘おう。
3・21日教組臨大において、労組交流センターは情宣で教育基本法改悪阻止、国民投票法案阻止、改憲阻止を真正面から訴えた。
日教組臨大は教育基本法改悪案が国会提出必至という緊迫情勢にあるにもかかわらず、まったくそれへの対決がないという恐るべき沈滞をきわめた。教育基本法が改悪されれば、最初に来るのが日教組解体であるにもかかわらずだ。
従来掲げられてきた「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンも削除され、教育基本法改悪反対のペテン的な特別決議も、その内容は「広く国民的論議を」と改悪を促進する運動でしかない。
日教組中央は1・19連合中執決定を受けて完全に連合中央、さらには民主党と一体となって、国民投票法案賛成、教基法改悪賛成、改憲賛成、公務員制度改悪賛成に回っているのだ。
日教組中央の恐るべき大転向を徹底的に弾劾し、「日の丸・君が代」闘争の地平、「つくる会」教科書採択阻止の地平の上に、日教組の階級的再生の闘いを全力で構築していこう。
3・31教育基本法・憲法改悪阻止集会と国会デモを圧倒的に成功させよう。
第3章 イラク内戦化で大規模空爆強行する米帝
イラクがすさまじい情勢に突入している。米帝ブッシュはイラクの内戦化に大打撃を受けている。米帝はシーア派を利用してこの間、スンニ派とスンニ派武装勢力をたたいてきた。これに対してスンニ派やザルカウィ系が米帝に対して、さらにシーア派に対して大攻撃に出ることは当然のことだ。これに対してシーア派が反撃に出れば内戦化は不可避なのだ。
追いつめられた米帝は3月16日、中部・サマラ周辺で、03年開戦以来、最大規模の空爆を行うなどの武装勢力掃討作戦を開始している。これが効果があるとは米帝自身が信じていない。
これらのイラクにおける一切の事態は、そもそも米帝の石油略奪・支配と帝国主義間争闘戦を目的とした、対イラク侵略戦争の強行がもたらしたものだ。
イラク侵略戦争の泥沼化と長期化にあえぐ米帝は、イランの核問題を国連安保理に付託したり、イラクのテロを背後で操っているのはイランだとか言い掛かりをつけ、対イランの戦争気運を盛り上げ、新たな軍事行使の準備に入っている。
イラク情勢は、06年の世界の動向を規定し、根底から揺るがす力となっている。米帝のみならず日帝・小泉もイラク侵略戦争の泥沼の中で大破綻していくことは必至だ。日帝は航空自衛隊をイラク全土に展開し、陸上自衛隊も撤退できず、米帝と一体的に危機を深めている。
第4章 沖縄・岩国・座間先頭に米軍再編粉砕へ!
3・5沖縄県民大会、3・12岩国住民投票の結果が示した米軍再編反対の住民の強固な意志を受けて、3月末の米軍再編「最終報告」は小泉にとってすさまじい危機になっている。名護市への基地移設・沿岸案は絶対拒否をたたきつけられ、岩国の住民投票結果は岩盤のように小泉にのしかかっている。さらにグアムへの海兵隊移転費用として100億jの75%、約8850億円の負担を米帝は要求してきている。
そうした中で、小泉は凶暴化し、日米合意を最優先し、公有水面使用権限を国に移すための新たな特措法を策動するなど強権発動で突っ走る以外にない。階級的大激突は不可避だ。
米軍再編は、沖縄を基軸に全土を北朝鮮・中国侵略戦争と世界戦争の出撃基地に変える。そして労働者人民を北朝鮮・中国侵略戦争に駆り立てる攻撃だ。
沖縄を先頭に米軍再編攻撃を揺るがす労働者の決起が始まっている。4〜6月米軍再編粉砕に向け新たな安保・沖縄闘争として全国基地闘争を闘いぬこう。
3・19イラク反戦国際行動は東京・芝公園に870人の労働者市民が結集して大成功した。「自衛隊はイラクから撤兵せよ。米軍再編も憲法改悪も許さない」をスローガンに掲げ、同時に3・14法大弾圧への怒りの弾劾もたたきつけた。ここに大衆的な改憲阻止決戦が大きく開始された。
第5章 行革推進法案や共謀罪成立を阻止しよう
さらに4月、国会攻防が重大だ。行政改革推進法案と市場化テスト法案、医療制度改悪法案、教育基本法改悪案、国民投票法案、共謀罪、入管法改悪案などの超反動法案が目白押しだ。
すべてが改憲・戦争に向けた国家改造攻撃である。公務員労働者への大量首切り攻撃であり、社会保障切り捨ての攻撃であり、治安弾圧の攻撃である。労働運動を始め階級闘争を一掃する攻撃である。帝国主義打倒の立場に立って初めて闘うことができる。
06年1〜3月決戦の画期的前進を確認しよう。3・14弾圧を粉砕し、4〜6月闘争を4大産別決戦推進、米軍再編粉砕、新たな安保・沖縄闘争の爆発と改憲阻止闘争の壮大な展望を切り開く闘いとして展開しよう。改憲阻止の全国学生ゼネストを実現するために闘おう。
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週刊『前進』(2240号1面2)(2006/04/03)
3・14法大弾圧事件勾留理由開示公判
「威力業務妨害は事実無根」 計画的弾圧が明るみに
織田全学連委員長ら元気に出廷
3月24日午後、東京地裁刑事第14部、426号法廷で、3・14法大弾圧で逮捕された29人のうち全学連の織田陽介委員長や法大生ら7人の勾留理由開示公判が戦闘的に闘いとられた。今回の公判で法政大学当局と警視庁公安部による改憲・戦争のための計画的政治弾圧の驚くべき真相が白日のもとに暴かれた。
岡田裁判長は、学生ら29人が法政大学の市ケ谷キャンパスで、立て看板撤去作業を妨害しようと企て「撤去作業止めろ」と怒号をあげ、看板前に座り込み、作業を中止させたとして威力業務妨害と建造物侵入の共謀共同正犯の容疑を勾留の理由として示した。
だが、岡田裁判長が明らかにできた実行行為は、学生29人のうち1人が看板の前に座り込み、もう1人が看板の前に立ちはだかった――たったこれだけである。2人とも法大生である。しかし、この2人の行為はそれ単独では威力業務妨害としては絶対に成り立たない。このため岡田裁判長は苦しまぎれに、他の27人による拡声機の使用などの行為と一体となることで全体として威力業務妨害にあたるとの珍妙な理屈を展開した。
それ単独では威力業務妨害は成立しない行為でなぜ逮捕されるのか。まったく何もしていない他の27人はなぜ付近にいただけで逮捕されたのか。単独では業務妨害にならない2人の行為がまったく何もしていない27人と結合するとどうして威力業務妨害になるのか。とんでもない暴論である。
まったく矛盾した暴論に対して、直ちに一瀬敬一郎弁護士が追及した。
「威力業務妨害にあたらない一部の者の行為で、どうして全員を現行犯逮捕できるのか。手続きとして違法ではないか」。岡田裁判長は答えられない。
また、29人のうち少なくとも1人は写真撮影のため、全学連の後方にいただけで逮捕された。岡田裁判長は、写真撮影も看板撤去作業の妨害の共謀にあたると釈明した。傍聴席からも怒りの声があがる。
さらに決定的問題として一瀬弁護士は、「立て看板撤去作業自体があったのか」と求釈明。岡田裁判長は、安東学生部長が作業を指示したと答えた。しかし撤去作業に着手したとは答えられない。「撤去作業の実体がないのに業務妨害できるのか」。岡田裁判長はさらに答えられない。そのとき法大職員は、看板撤去作業に着手しておらず、作業の実体がない。業務妨害ができるはずがない。つまり学生は、「立て看板の撤去に反対」という意思表示をしていただけである。それをもって「犯罪」としようとしているのだ。
しかも法大当局は、立て看板撤去をいつでもできるのに、デモ終了にあわせて行っているのだ。法大当局と警視庁は看板・ビラ規制に抗議する学生を一網打尽で逮捕することを用意周到に計画し、実行したのだ。この日、キャンパス周辺のデモ後、29人が学内に入ったところで、安東学生部長が看板撤去作業を「指示」し、看板の前で2人の学生が座ったり、言葉で抗議した瞬間に、200人の私服警官隊がキャンパスに乱入し、全員を逮捕した。
はっきりしたことは、「威力業務妨害」などまったくないということだ。犯罪の実体がまったくない。にもかかわらず、29人が逮捕されている。これは改憲と戦争に向かっての政治弾圧だ。公安警察と法政大学が一体となって、国民投票法案と改憲に反対する学生−全学連を逮捕一掃する狙いで弾圧を強行したのだ。
公判で真相が暴かれ、まったく無実で逮捕されたことに、逮捕された学生と傍聴者の怒りは止まらない。弾劾が次々と裁判長に激しくたたきつけられた。織田委員長は何度もガッツポーズでこたえた。29人全員を即時奪還しよう!
支援広がる
前代未聞の政治弾圧に各界からの支援の輪が驚異的スピードで広がっている。弾圧翌日に設立された法大弾圧救援会には、法政大学の学生、出身者、現職教授など関係者が賛同に名を連ねた。「自由と進歩」を学風とし「民主法政」と呼ばれた法大が、改憲反対の看板やビラを禁止し、学生を警察に売り渡した恥知らずな行為に強い抗議と批判の声があがった。ある法大教授は「『自由と進歩』を標榜(ひょうぼう)する法大キャンパス内で、言論の自由を圧殺しようとする一連の規制も、ついに警察権力導入という他力本願に堕した……『法大死す』を懸念する」と救援会に寄せた。
法大生からも「同じ法大生として、警察による学生29名に対する不当な弾圧に対して怒りを感じます」との声があがり、弾圧の翌日には、第一文化連盟、第二文化連盟、学生団体連合の三つのサークル団体が平林総長、安東学生部長に対して抗議文をつきつけた。
インターネットでは、ほかに複数の抗議運動が呼びかけられ、抗議声明や賛同運動が盛り上がっている。
京大など不当捜索
警視庁は、この3・14法大弾圧を口実にして22日に京大熊野寮、23日に東北大サークルボックス、富山大自治会室、九州大学自治会室へ不当な家宅捜索を行い、全学連ニュースやビラなどを押収した。戦闘的学生運動の爆発を恐れる日帝権力の大弾圧である。17日には東京・杉並区の都政を革新する会、20日に江戸川区の前進社本社を家宅捜索した。徹底的に弾劾する。
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週刊『前進』(2240号1面3)(2006/04/03)
“憲法9条を変えるな”と都心をデモ
百万人署名運動の呼びかけ、実行委主催で集会の後「イラク撤兵、改憲反対、米軍再編反対」を訴えてデモ(3月19日 六本木)=関連記事5面
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週刊『前進』(2240号2面1)(2006/04/03)
動労千葉、旅客全面ストを貫徹 運転保安確立へ2週間決戦
全組合員の団結で JR体制追いつめる
動労千葉は、3月10日から18日までの全線区での安全運転闘争と16日から18日までの旅客全面ストを、組合員の団結で圧倒的に貫徹した。また13日には幕張車両センターでの半日スト、23日には貨物地上勤務者のストライキが闘われた。さらに動労総連合傘下の動労水戸は17日、乗務員を含む23人がストに立ち、動労西日本は16日、広島・五日市駅でのストライキを貫徹した。これらの闘いは奥田・日本経団連の春闘圧殺攻撃を打ち破り、改憲阻止の壮大な決戦に向けた労働者階級の突撃路を切り開いた。
(写真 安全運転闘争突入の初日、2人の職制に監視されて乗務に就い六二動労千葉の運転士を激励し、手を振る動労千葉を支援する会の労働者【3月10日 東京駅】)
動労千葉は大幅賃上げ獲得、反合・運転保安確立を掲げ、10日から23日までの2週間にわたる決戦を貫いた。安全運転闘争には延べ700人、3日間の旅客全面ストライキには延べ470人の組合員が決起した。
ことに10日からの安全運転闘争に対し、JR東日本は1000人もの管理者を動員し、運転士への監視体制をとった。だが、こうした闘争圧殺体制は、動労千葉組合員の怒りと不屈の闘志によって打ち破られた。
JR体制のもとで、鉄道の安全は根底から崩壊した。労働組合の闘いだけが安全を守ることができる。
動労千葉は昨年、尼崎事故1カ月を期して安全運転行動に立った。この闘いを徹底的に教訓化し、真剣な討論を幾度も重ねて06春闘方針を打ち立ててきた。こうしてつくり出された固い団結が、ひとたび決戦に突入するや一糸乱れぬ闘いを貫く力となったのだ。
動労千葉が3日間のストに突入した16日、JR東日本はわずか600円の「賃金改善」を回答し、東労組は直ちに妥結した。これに怒りを倍加させ、組合員は18日までのストを貫いた。
JR東日本千葉支社は、3日間の旅客ストで、7路線計179本が運休し、5万3720人に影響が出たと発表している。しかしこれは、折からの強風で運休が出たことにかこつけ、ストで止まった電車まで強風による運休にカウントした過小な数字だ。
(写真 貨物協議会のスト貫徹総決起集会で決意を述べる千葉機関区支部と新小岩支部の代表【3月23日 干葉市】)
ベアゼロに怒り貨物でスト突入
動労千葉の春闘決起は、JR体制の矛盾を鋭く突いた。労働者が職場支配権を握り返す命がけの決起として、この闘いは貫かれた。
23日、動労千葉はJR貨物の地上勤務者を対象とするストに立った。その前日、JR貨物はベアゼロ回答を出してきた。貨物のベアゼロはこれで7年連続だ。JR貨物の労働者には大幅な人員削減による労働強化の一方で、徹底した賃金抑制が強いられている。
動労千葉貨物協議会は23日、千葉市蘇我で「ベアゼロ回答弾劾!06春闘勝利!運転保安確立、スト貫徹総決起集会」を開いた。ストに立った組合員を先頭に、組織拡大を実現し、分割・民営化の矛盾が集中する貨物からJR体制打倒の火の手を上げると誓いあった。
動労総連合が統一スト
強制配転への反撃誓い決起 動労水戸
動労水戸は17日正午を期して、運転士3人、車掌2人を含む23人が終業時までのストライキに突入した。
JR東日本は、つくばエクスプレスに対抗するためJR常磐線で普通列車を130`で運転させている。JRは第2の尼崎事故を繰り返すのか! 動労水戸は安全無視のJRに対する怒りに燃えてストに立った。
スト当日、JR東日本水戸支社は4月1日付で水戸運輸区所属の組合員1人を水戸ベンディングに配転するなどの事前通知を発令した。まさにこれはスト破壊を狙った支配介入にほかならない。
動労水戸の組合員に対してJRは、国鉄分割・民営化以来19年にわたる関連事業への隔離などの不当労働行為を続けてきた。これに対し、今年1月24日、中労委は運転士資格を持つ13人の組合員を直ちに運転士に登用せよとした勝利命令を発している。これに追い詰められたJRは、さらなる不当労働行為を重ねることで動労水戸を押しつぶそうとしてきたのだ。
動労水戸はこの日、水戸支社と水戸運輸区への抗議行動を展開した後、水戸市内で「春闘スト総決起集会」を開催した。国分勝之委員長が「組合結成以来20年、われわれは差別選別の攻撃の中で団結を固め闘いぬいてきた。このことに勝利感を持つ。スト当日の強制配転通知の問題は絶対にあいまいにしない」と提起し、辻川慎一副委員長は「われわれは泣き寝入りしない、なめられてはならない」と訴えた。強制配転の対象にされた組合員は「こんなことを絶対に認めてはならない」と声を強め、運転士登用差別事件の当該組合員は「今年こそ士職登用をかちとる」と断言した。
自治体労働者や民間の闘う労組が共闘を誓い、春闘勝利への決意を固めた。
(写真 スト総決起集会でこぶしを上げる動労水戸)
広島・五日市駅で第1波闘争 動労西日本
3月16日、動労西日本は広島・五日市駅を拠点に春闘ストライキを闘いました。「駅は安全のかなめだ!」のスローガンを掲げて闘われたこのストライキは、動労千葉の安全運転闘争と連帯して、駅における運転保安闘争の新たな地平を切り開きました。羽越線事故、伯備線事故は、駅の無人化・要員合理化−運転取り扱い要員の撤廃によってもたらされたものです。
五日市駅では、3・18ダイ改で要員が1人減らされ、契約社員に置き換えられました。五日市駅は中線のある駅で、異常時には折り返し運転駅になります。また広島のベッドタウンを背後に抱えて、1日の乗降客が広島支社管内では広島駅に次いで多い駅です。私鉄の広島電鉄とも併走しており、競合踏切もあります。それなのにJR移行後は駅員を大幅に削減し、運転取り扱い要員を廃止しました。特に私鉄との競合踏切(鈴ケ峰踏切)では障害物検知装置が作動することが多く、列車は閉塞(へいそく)指示運転で駅に進入することも多い現状です。
「五日市駅が危ない!」と動労西日本はストライキに立ち上がりました。駅頭でのビラまきは圧倒的な反響を呼びました。午後6時から五日市駅北口で開催されたスト突入集会には支援30人が結集し、職制三十数人、公安刑事十数人が徘徊(はいかい)する中でかちとられました。国労広島の仲間、広島連帯ユニオン、広島労組交流センター、部落解放同盟全国連合会広島支部、広大生協労組、全逓労働者、「日の丸・君が代」強制反対闘争を闘う教育労働者が結集し、共闘を誓いあいました。
動労西日本は大阪・吹田機関区での第2波ストも構えています。3・16ストは労働運動の新潮流の形成へ確実な一歩を記しました。
(投稿/広島・箱崎進)
(写真 五日市駅前でスト突入集会を行う動労西日本)
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週刊『前進』(2240号2面2)(2006/04/03)
日教組臨大 “教基法改悪を阻もう” 本部の屈服を弾劾し情宣
3月21日、東京・千代田区の日本教育会館で日教組第94回臨時大会が開催された。今臨大は、一方では全国の教育労働者が卒業式で「日の丸・君が代」不起立闘争に断固として立ち上がり、他方では教育基本法改悪案の国会提出がいよいよ目前に迫るという重大な情勢の中で開かれた。
(写真 会場前で労組交流センター教育労働者部会や被処分者の会などがビラまき【3月21日 日本教育会館】)
会場前には、全国労組交流センター教育労働者部会、そして「日の丸・君が代」不当処分の撤回を求める被処分者の会、都教委包囲・首都圏ネットワークなど数十人の労働者が駆けつけ、代議員・傍聴者に「教育基本法改悪を阻もう」「平和基本法に反対の声を上げよう」「処分撤回へ闘おう」などと訴えながらビラをまき大宣伝を行った。「3・14法大弾圧救援会」の学生も「不当逮捕された29人の学生の釈放を」と訴えてビラをまいた。革共同教育労働者委員会も「非常事態宣言を発して30万組合員の総決起を」と訴えた。
多くの組合員が闘う方針を切実に求めている中での臨大だったが、日教組本部が打ち出したのは怒りに堪えない屈服と大裏切り「方針」だった。冒頭の森越委員長のあいさつには教育基本法改悪阻止へ闘う方針は一つもない。教育基本法改悪に関して打ち出した方針は、5月に2000人規模の全国集会を1回だけ開催することと、衆参両院に教育基本法調査会を設置することを求めて請願署名運動を展開するというものだ。
教基法改悪に賛成する勢力が3分の2を大きく超える翼賛国会に対して調査会設置を求めるのは改悪に手を貸す犯罪的方針だ。この期に及んで闘う方針を何も打ち出さないとは、政府や文科省に対して「私たちは教基法改悪に反対しません」と恭順を表明する行為である。実際には教基法改悪阻止闘争に何ひとつ取り組まないにもかかわらず、組合員には対抗する運動を展開しているかのように取り繕うためのペテンだ。
採択された「教育基本法の改悪に反対し、広範な国民的論議を求める特別決議」も、その内容は「『教育基本法調査会(仮称)』などの検討会を設置し、広く国民的論議を」「『教育基本法を読み生かす』運動に組織の総力を結集してとりくんでいく」という代物だ。日教組と平和教育が解体されようとしている時、何が「読み生かす」だ!
こうした日教組本部の大裏切りに対して、大会の中では闘う代議員が「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会とともに教育基本法改悪反対運動を展開しよう」などと訴え、「『日の丸・君が代』強制を許さない全国統一のたたかいを」など闘いを求める修正案が多く提出された。
全国の日教組組合員は、今こそ日教組本部の大裏切りを突き破って立ち上がろう。入学式で「日の丸・君が代」不起立闘争を断固として継続し発展させよう。数十万・数波の国会包囲行動を展開して、教基法改悪案の国会提出を阻もう。
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週刊『前進』(2240号2面3)(2006/04/03)
韓国 鉄道労組、再びストへ
KTX支部女性乗務員 不屈に闘争を継続
3月冒頭、民主労総は歴史的な20万人ゼネストの猛攻で非正規悪法の3月国会での成立強行を阻み、法案審議は4月臨時国会へと先送りとなった。その20万人の中軸を金属労働者10万人が担った。
(写真 職権仲裁撤廃!大量懲戒粉砕!鉄道労働者決意大会に集まったKTX支部組合員【3月14日 ソウル駅前】)
さらに3月1日午前1時、全面ストに突入した全国鉄道労組の闘いがあった。鉄道労組の労使交渉はすでに半年に及んでおり、その打開をかけた渾身(こんしん)の決起だった。鉄道労組の主な要求は4点。@94年以来のストライキで解雇された67人の原職復職、A安全確保のための人員拡充、BKTX(韓国新幹線)女性乗務員の正規職化、C鉄道の公共性強化、具体的には「障害者」割引率の縮小反対など。これらを求め利益優先の商業化、民営化と対決している。
2月28日午後9時、労使交渉が決裂、その直後に中央労働委員会は争議を職権仲裁に回付した。職権仲裁とは「必須公益事業」での争議行為禁止措置で、回付と同時に争議行為は15日間禁止される。労組法に盛り込まれた毒素条項だ。
こうして「不法スト」とされる中、鉄道労組は過去最高の1万8000組合員がストに突入した。その隊列には、KTX女性乗務員380人の姿があった。彼女たちは鉄道公社の下請けと雇用契約を結んだ非正規職労働者だ。
運転、車両、運輸、施設など全職種、5地域本部を網羅した全面ストの威力は絶大だった。初日から鉄道運行率は通常の44%に低下し首都圏で36%に落ちた。
このストに追いつめられた鉄道公社はスト突入20時間後に交渉のテーブルに着いたが、徹夜交渉は2日未明に再び決裂。労組は「公社側が解雇者復職と関連して労使平和宣言を要求するなど、受け入れられない条件を付けて進展を妨害した」と弾劾し、スト拠点への公権力投入の可能性が高まったと判断して組織的な散開闘争に入った。(すでにキムヨンフン委員長以下15人が指名手配中)
だが散開闘争に入った鉄道労組に対する警察の襲撃が各地で起こり、3日までに7カ所で組合員400人が連行される事態となった。4日午後2時、労組は「4日19時までに職場復帰し、現場闘争を組織せよ」との指令を発した。KTX乗務支部は、ソウル、釜山ともにスト継続を決定。以来、「たとえ拘束されてもこの闘いで非正規職闘争に道を開く」と団結して不屈にストを続けている。
3月14日、鉄道労組は2000人で決意大会を開き、「速やかに再ストライキを組織する」と宣言。20日から全国車両支部が1日4時間の作業拒否に入った。
15日、金属労組2万2000人の組合員が1日ゼネストに立ち上がった。長期争議労組の闘いを全組織を挙げて打開しようとする大闘争だ。
民主労総は非正規法案阻止の4・3ゼネストへ猛然と進撃している。動労千葉の反合・運転保安春闘は、この民主労総と熱く連帯した闘いだ。
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週刊『前進』(2240号2面4)(2006/04/03)
国労弾圧公判 被害届出せと重ねて説得
吉田書記長が弾圧主導
3月15日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第54回公判が開かれ、「被害者」と称して出廷した黒執(くろとり)光久証人への弁護側反対尋問が行われた。黒執証人は闘争団員への査問手続きが決定された02年5・27臨大当時、国労長野地本・中南信支部松本運輸区分会組織部長の役職にあり、大会警備を率先して引き受けた人物だ。
今や日帝権力は、3・14法政大弾圧を頂点に改憲反対・イラク侵略戦争反対などの言論に対する激烈な弾圧を加えている。5・27臨大闘争弾圧はこうした攻撃の先駆けとなった弾圧だ。被告・弁護団・傍聴者は、あらゆる治安弾圧を打ち破る決意で公判に臨んだ。
冒頭、原田隆司被告が意見を述べ、「02年11・11国労本部声明の撤回を求める」と声を強めた。この声明は、本部方針に抗議した被告たちの行動を検察側の主張そのままに「中核派が暴行を加えた5・27暴力事件」と言い放っている。
証人は前回、4党合意の賛否を問うた一票投票で反対票を入れたが、4党合意受諾が機関決定された以上それに従うべきだ、と述べていた。佐藤昭夫弁護団長と大口昭彦弁護人がこの証言について追及した。すると証人は、「個々人の考えがあっても本部が機関決定したらそれに従うのが組合員」と言ってのけた。
さらに証人は驚くべき事実を口にした。「被害届を出した時は『加害者』は国労組合員ではなく中核派活動家と思っていた」というのだ。しかも、被害届を出す気になったのは、「00年7・1臨大で演壇占拠をしたのは中核派」と吉田進書記長らに言われていたからだと証言した。
そこで弁護団は、ビデオ「7・1国労臨大ドキュメント」の上映を求めた。検察側は躍起になって異議を出したが、裁判長はこれを棄却した。上映されたビデオをもとに、弁護団は「演壇占拠は中核派がやったと言える根拠はあるのか」とたたみかけた。証人は「あの中に中核派の活動家もいたと思う」と言い募った。しかし弁護団に追及され、その証言には何の根拠もないことしぶしぶ認めた。
小島好己弁護人の尋問で、吉田進書記長が弾圧を主導した事実が暴かれた。
黒執証人は、5・27臨大から帰る電車の中で古畑秀夫長野地本委員長から「診断書を取ってくれ」と言われたという。その翌日ないし翌々日には、松本市内で開かれた集会の場で、吉田書記長から「被害」について文書で報告するよう指示された。さらに6月に入って吉田書記長から電話があり、被害届を出すように求められた。その際、吉田書記長は「7・1をやったのも中核派。被害届を出すことを前向きに考えてくれ」と説得したという。
長野地本の検察側証人5人のうち、黒執、池田久幸(元東北信支部委員長)、久保田清一(長野総合車両所支部製造分会書記長)の各証人は、いずれも6月18日に長野中央警察署で被害届を出している。この日、黒執、池田両証人は午前10時半頃に長野地本事務所で吉田書記長と落ち合い、池田の車で長野中央警察署に赴いて被害届を提出した。同日午後には、久保田も同署で被害届を出している。
さらに03年1月ないし3月の段階で、黒執証人は浅川初幸証人(松本運輸区分会所属)とともに吉田書記長に長野駅前の喫茶店に呼び出されたという。黒執と浅川はその後、長野中央警察署で牧島聡検事に会い、検察側証人となることの意思確認を受けている。しかもこの場には、5人の長野地本の検察側証人全員が来たという。吉田書記長は5人を検事に引き合わせることまでやっていたのだ。
国鉄闘争は1047名が大同団結し4・4集会に向かっている。その勝利のためには弾圧加担への国労本部の自己批判が不可欠だ。
黒執証人への尋問はさらに続く。被告の無罪獲得へ一層闘いを強めよう。
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週刊『前進』(2240号2面5)(2006/04/03)
3・7〜3・16
小泉内閣 行革推進法案を国会提出
春闘回答、横並び崩れる/公務員首切りへ対策本部
●均等法改正案を閣議決定 政府は賃金に関する差別を除外した上、具体例を三つに限定した間接差別の禁止などを盛り込んだ男女雇用均等法の改正案を閣議決定、国会に提出した。同時に、坑内労働で女性技術者が管理監督業務に就くことを解禁する労働基準法改正案も閣議決定した。(7日)
●JAL10%賃下げ、最大労組が受け入れ 日本航空の最大の労働組合である連合傘下のJAL労働組合は、4月から中核3社の全社員の基本賃金を平均10%引き下げるとしている会社側の提案を受け入れる方針を決め、協議に入ると発表した。(7日)
●横浜市交通局、特勤手当全廃で労組と合意 横浜市の市営地下鉄とバスを運営する市交通局は、管理職を除く職員の特殊勤務手当を4月1日から全廃することで労働組合と合意したと発表した。特殊勤務手当を全廃するのは政令市の交通局で初めて。(7日)
●民主党、行政改革推進法案4月上旬対案提出 民主党は総合政策企画会議で「行政改革推進法案」の対案をまとめる方針を確認した。政府案と同様、公務員制度改革、政府系金融機関、特別会計改革、官製談合防止などを盛り込んだ包括的な法案を作成し、4月上旬をめどに提出する。(9日)
●行革推進法案を国会提出 政府は閣議で行政改革推進法案と公益法人制度改革関連法案を決定、国会に提出した。(10日)
●社保庁改革法案を閣議決定 政府は、社会保険庁を廃止し新たに「ねんきん事業機構」を設置する社会保険庁改革関連法案を閣議決定、国会に提出した。(10日)
●春闘、金属集中回答日 金属労協(IMF・JC)加盟の自動車、電機などの金属4業種の労組に経営側が一斉に回答を提示。電機大手などでは5年ぶりの有額回答だが、電機、自動車では回答が分かれた。また、鉄鋼、造船・重機では賃上げを見送るなど、業種や個別企業による格差が鮮明になった。(15日)=要旨別掲
●動労千葉がスト突入 動労千葉が18日までのストライキに突入した。JR東日本の発表によると、179本の運休が出た。(16日)
●NTT、7年連続ベアゼロ NTTグループの春闘交渉が妥結。月額賃金は組合がベア要求を見送っており7年連続で据え置きが確定。NTT東西地域会社などの一時金は、組合側の要求どおり4.5カ月で妥結した。(16日)
●行政減量会議、定員純減の枠組みを提示 政府の行政減量・効率化有識者会議の第4回会合が開かれ、同会議の事務局から国家公務員雇用調整本部(仮称)や、地方出先機関の職員について同様の機能を持つ「地方推進協議会」を設ける提案があった。(16日)
金属大手の春闘妥結状況
賃上げ 一時金
●自動車総連
トヨタ自動車 1000 5.0カ月+56万
日産自動車 原資7000 6.2カ月+3.5万
ホンダ 600 6.65カ月
●電機連合
日立製作所 500 4.85カ月
松下電器 500 業績連動
東芝 500 業績連動
三菱電機 500 5.1カ月
富士通 1000 業績連動
●基幹労連
・鉄鋼
新日本製鉄 回答見送り 業績連動
JFEスチール 回答見送り 業績連動
・造船重機
三菱重工 回答見送り 3.5カ月+48万
川崎重工 回答見送り 業績連動
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週刊『前進』(2240号3面1)(2006/04/03)
6月JPU大会へ反撃開始を 2月臨大闘争が切り開いた地平
集配拠点再編と本人同意なき帰属方針=首切り合理化粉砕へ
革共同全逓委員会
民営化絶対反対を唯一貫いて闘った
2月9〜10日のJPU(全逓)第61回臨時全国大会の最大の核心は、「本人同意なし、広域配転が前提、最終決定権は新会社」という帰属方針と集配拠点の再編に関して、「本部一任」を認めるのか、否かにあった。この帰属方針と集配拠点再編こそ、新会社発足に向けた1年間で採用名簿から今郵政で働く労働者を大量に振り落とすための「首切り計画」だからだ。
非公務員化と大量首切りの郵政民営化攻撃と闘って全逓と郵政労働者の団結を守り生き残る道を選択するのか、これと闘わずして屈服し全逓労働運動の解体を許してしまうのか――これが2月臨大決戦の最大の対決軸であった。また菰田委員長自らが出席・推進した改憲推進の1・19連合中央執行委員会決定を認め、全逓が改憲勢力へと転落していくのかどうかが問われた大会であった。
これに対し、われわれ以外のすべての党派が帰属方針との対決から意識的に逃亡し、郵政民営化反対の旗を降ろした。革共同全逓委員会と全国労組交流センター全逓労働者部会だけが唯一郵政民営化絶対反対を掲げて、本人同意なき「帰属方針」に絶対反対で闘う路線を貫いた。この路線の貫徹をかけて職場から反撃を組織しよう。
(写真 JPU臨大包囲デモを闘う労組交流センターを始めとした全国の闘う全逓労働者【2月9日 東京】)
全国大会までの3カ月が決戦だ
6月定期全国大会までの3カ月が決戦となった。総力で闘いぬこう。
中央本部は新会社の帰属方針と要員計画についての協議を4月早々にも妥結しようとしている。新会社はこれを受けて4月末に要員計画の概要を提示し、6月全逓大会での承認をもって7月新会社への帰属方針を公表、9月には帰属決定を本人に通知するとしている。
帰属方針と要員計画の協議についての4月妥結と一体で、2ネット方式などの合理化施策がどんどん強行される。07年10月の新会社発足までに、郵便仕分け業務を行う郵便局を現在の約4700局から4分の1の1080局に集約する。1040局は仕分けも配達もしない「無集配局」となる。こうして本人同意なき新会社への帰属決定と郵政労働者のふるい落とし=大量首切りの攻撃が本格的に始まっていく。
現場労働者の怒りは必ず爆発する。現場労働者の総決起で郵政民営化は絶対に阻止できる。動労千葉の退路を断った安全運転闘争とストライキ、教育労働者の「日の丸・君が代」強制反対の卒業式闘争、公務員制度改悪と闘う自治体労働者の闘いとともに4大産別決戦・改憲阻止闘争の勝利へ闘おう。
現場労働者先頭に連日闘いぬく
われわれは、交流センター全逓労働者部会や闘う仲間とともに、昨年5・15有明コロシアム1万人集会をかわきりに反対集会での情宣を繰り返し、職場要求の集約や支部執行部への民営化反対要求を積み重ね、郵政職場で働くすべての労働者に民営化絶対を訴え続けてきた。昨年10・21郵政民営化絶対反対集会では現場労働者が勢ぞろいし、「首をかけて闘いぬく」と戦闘宣言を発した。そして、全国で民営化絶対反対を訴えて臨大代議員選挙に立ち上がり、多くの現場労働者の支持を得た。
臨大初日、現場労働者を先頭に早朝から会場前に登場した。「組合員を裏切り小泉改憲・民営化攻撃に屈服した本部はただちに総辞職しろ! 国民投票法案絶対反対の方針を打ちたてよう!」の革共同全逓委員会リーフレットをすべての参加者に配布し、訴えた。そして交流センター全逓労働者部会が呼びかけた会場前集会、会場包囲デモをともに闘った。郵政民営化絶対反対の横断幕を掲げ、本人同意なき「帰属方針」絶対反対を呼びかけた。2日目も全逓部会や青年労働者とともに闘いぬいた。初日の大会討論を踏まえて書いた「本部方針に反対を」のビラをまき、多くの代議員の共感をかちとった。
郵政民営化絶対阻止へ、反撃の火柱が打ち立てられた。闘う労働者と一体となって自らの職場から反撃を組織し、6月定期全国大会に向かって進撃しよう。
本部の裏切り方針に現場の怒り噴出
臨大では、全国の大会代議員から帰属方針・集配再編・アクションプラン2合理化への怒りや不満が噴出した。
「雇用安定協約を結べ」「あらためて全組合員の雇用と生活を守る決意を問う」「帰属の決定には、総合担務の解消、通勤圏、配置の根拠、非常勤確保など配慮を」「職員希望を充足できるルールとシステムを」「広大なエリア、豪雪などあり対応できない。職員の通勤などが問題となる」「勤務地の保障も含め慎重な対応を」「深夜勤は健康面を意識した改善を」「郵便内務のアウトソーシング、10時間2交替制勤務は実験も含め行うな」「欠員は慢性的。今後の対応はいかに」
また、「改憲・民営化攻撃と闘うべきだ」との強い意見が出された。「小泉改革、公務員攻撃に対する本部の決意を問う」「憲法改正反対のスタンスで連合内議論を」「改憲の動きに対するアクションを求める」「米軍再編と闘え」
どの発言も、本部方針への不安や不信に満ちた職場の声を反映したものだ。
しかし、中央本部は「雇用安定協定は困難」「希望がかなう幅はかなり狭い」「調整は経営側判断。苦情処理も使用者側意見を審査結果とする」「集配再編は不可欠」とすべての発言を踏みにじった。改憲と民営化推進の民主党を支持する中央本部への批判が相次いだことに対しても、「民主党関係者の言動について共通の問題意識を持つが、政策協議を強化し、より一層努力していく」「連合方針を尊重し連合への積極的な参加を」と居直った。
採決は、賛成302票、反対23票、無効2票という結果だった。本部方針は可決されたが、全逓労働者はけっして本部方針を信任したわけではない。
中央本部は、昨年9月30日の地方委員長会議で、民営化推進への転向を宣言した上で、全国オルグと称して「民営化反対など空論」「『4分社化による民営化』を現実のものと受けとめろ」「臨時大会は一人の反対も出さずに満場一致で本部方針に賛成しろ」と、全国を恫喝して回った。採決の直前まで代議員一人ひとりを恫喝していたのだ。
その本部オルグをはねのけ反対票を投じた代議員が23人もいたのだ。われわれの民営化絶対反対の闘いが引き出した成果であり、これらの反対票・無効票の後ろには、数万人の民営化絶対反対の現場労働者が存在するのだ。ここに連合全逓中央打倒の展望がはっきりと示されている。
臨大を受けて、中央本部は2月24日、「郵政民営・分社化に関する当面の要求書その1」を日本郵政株式会社に、「集配拠点の再編の効率化施策等に関する基本要求書」を郵政公社にそれぞれ提出した。彼らは首切り・合理化を率先協力して進める立場から、「臨時全国大会で中央本部一任を取り付けたこと」を重大な成果として報告し、今まで「郵政公社の考え方」という形で示されきた帰属方針などを日本郵政会社として正式に提示してくれ、郵政公社はアクションプラン・フェーズ2の施策を早く提示してくれ(そうすれば早めに交渉を妥結し6月定期大会で承認をかちとるから)と自ら促している。
中央本部は、全逓労働者の生首を差し出す労働代官となることを日本郵政社長の西川や郵政公社総裁の生田らに必死で売り込んでいるのだ。とんでもない裏切り者であり、一刻も早く打倒しなくてはならない。
連合全逓中央こそ民営化攻撃の弱点
郵政現場は、民営化と合理化・JPS(トヨタ方式)に対する怒りで満ち満ちている。その怒りを抑えつけているのが全逓中央だ。現場労働者は闘う方針を求めながら、全逓中央が組合員を裏切り続けていることに怒りと不信を強めている。闘う執行部の登場が求められているのだ。今こそ全逓中央を打倒し、組合員の手に取り戻そう。
思い起こそう! 小泉は昨年9・11総選挙の過程で「既得権のために国民が犠牲になっていいのか」「郵便局がなぜ公務員でなければならないのか」と、郵政労働者を既得権にしがみついた、働かない悪の権化に仕立て上げようとした。こんなデマを許せるのか。小泉は「民にできることは民に」と絶叫し、郵政労働者の大量首切りと非公務員化を強行し、労働者の犠牲の上に郵政3事業を資本家どもに売り渡そうというのだ。こんな攻撃は絶対に粉砕しなくてはならない。
郵政民営化には何の正義性もない。郵政民営化は、大量首切りと郵政労働者の公務員身分の剥奪(はくだつ)をとおして全逓労働運動をたたきつぶすことに狙いがある。そして、それを突破口にすべての公務員労働運動を根絶やしにし、国家改造によって戦争に突き進もうという攻撃だ。民営化に向かって、そして民営化後も徹底的な合理化と大量首切りが待っている。郵便事業はスクラップされ、廃局とアウトソーシングが狙われている。
全逓労働者の反撃恐れている
郵政民営化は既成事実なのか? 法案が成立したからもう終わりなのか? そんなことはない。民営化法が成立したことで、闘いの場が国会から労働組合としての力が最も発揮できる郵政の現場へと移ったのだ。労働組合と労働者の協力がなければ民営化など不可能である。闘いはこれからであり、これからがわれわれ全逓労働者の本当の出番なのだ。
小泉=奥田も、連合全逓中央の協力なくして郵政民営化が完成しないことを分かっている。民営化法は成立したが、そのことは郵政民営化の実現を保証したものではなく、労働組合=全逓中央の協力・取り込みなくして進まないことを知り尽くしている。
郵政民営化は、公務員身分を奪った上でいったん全員解雇・選別再採用し、労働協約・労働条件・賃金制度などすべてが破棄されるという激しい攻撃だ。雇用も労働条件もまったく保証されていない。労働者の怒りと反撃は必ず起こってくる。
労働者は、当局・資本の攻撃だけではけっして屈服することはない。87年国鉄分割・民営化では、いち早く裏切り転向し、当局の手先になった動労カクマルのファシスト的暴力を使いながら民営化を推進した。2007年郵政民営化では、労働者の闘いを連合全逓中央に抑え込ませようとしているのだ。
郵政公社総裁の生田は2月臨大を前に、「組合の中をキチッと仕切って、引っ張ってもらわなければスムーズな民営・分社化は難しい」(1月20日の第3回「民営化のための労使懇話会」)と発言した。生田(=小泉・奥田)は、全逓労働者の反撃を死ぬほど恐れているのだ。彼らは全逓中央を手先とする以外に全逓労働者を屈服させる手段を持たない。
ここにこそ敵の最大の弱点がある!
中央本部は、2003年4月の公社発足後、「国営を維持できた」、あとは「民営化の口実を与えないため郵政公社の経営基盤の強化のために全力を注ぐ」として「民営化対応」を打ち出し、現場労働者に徹底的な合理化と極悪の労働条件を強制してきた。そして、9・11総選挙で自民党が圧勝すると、民営化法案が可決されてもいないのに「民営化は現実」と称して完全に転向した。今度は「民営郵政の経営基盤の強化を」と、さらにデタラメで過酷な首切りと悪労働条件・賃下げを強制しようというのだ。
しかし、今まで「公社のために血を流せ」と言い、今度は「民営郵政のためにもっと血を流せ」と言うことなど現場組合員は誰ひとり認めない。
全逓が民営化絶対反対で団結し、闘いに立ち上がれば民営化は破綻(はたん)する。今こそ転向・屈服した中央本部を引きずり下ろし、全逓を組合員の手に取り戻そう。連合全逓中央打倒こそが郵政民営化を阻止する道だ。
4大産別決戦軸に改憲阻止へ闘おう
小泉=奥田の攻撃の破綻が次々と暴き出され、労働者の反転攻勢が始まっている。
昨年11・6労働者集会には4600人が大結集し、小泉=奥田路線と対決し戦争・改憲と民営化=労組破壊攻撃と闘う労働運動の新たな潮流が登場した。この闘いを最先端として4大産別決戦を軸とした改憲決戦が始まった。
2月16日には国鉄闘争史上初めて1047名の大同団結が実現した。あらゆる制動を打ち破って統一戦線が形成され、2・5教労集会の陣形が合流した。主催者の予想を3倍以上も上回る2500人の労働者が結集し、国鉄闘争と4大産別決戦の勝利の展望を開いた。この闘いは4月4日の日比谷野音1万人集会に引き継がれようとしている。
動労千葉は、3月10日からの安全運転闘争、16〜18日のストライキを全線区で打ちぬき、06春闘の牽引(けんいん)車となった。
2月5日の集会を成功させた教育労働者は、都高教を先頭に昨年を倍する不起立闘争に立ち上がっている。3月31日には、教基法改悪と改憲に反対する集会と国会デモが呼びかけられている。
米軍再編との闘いも爆発している。3月5日には沖縄で3万5千人の県民大会がかちとられた。3月12日には、座間基地への米陸軍第1軍団司令部移設に反対する集会が2600人の結集で開かれた。同日、米空母艦載機移駐の是非を問う岩国住民投票が行われ、90%の圧倒的多数で移駐反対の意思を示した。
4大産別決戦勝利・改憲阻止へ向かって反転攻勢の時が来たのだ。全逓労働者はこの闘いを先頭で担い、その中で郵政民営化粉砕を実現しよう。
現場の力で連合全逓中央打倒へ
全逓本部は、「7月時点での現在員確定」のためにと称して、4月上旬にも帰属方針と要員計画で新会社と妥結し、すべての合理化計画を掲示・承認しようとしている。全郵政中央と野合し、全逓活動家を排除して組織統合を狙っている。
アクションプラン2合理化、集配再編、2ネット合理化に、深夜勤拒否、超勤拒否や増区増員要求などを突きつけて闘おう。今こそ78越年反マル生闘争を復権させ、物ダメ・ストライキを実現しよう。
全金本山労組は34年間の解雇撤回闘争を闘い、最高裁判決をも覆して完全勝利をかちとった。労働者の団結の力が資本の攻撃を打ち砕いたのだ。全逓4・28被免職者とその闘う陣形は、全金本山の勝利に続き、郵政民営化絶対反対の先頭で闘い、全逓労働運動の指導部になろう。
すべての全逓労働者・郵政労働者の皆さん。郵政民営化は絶対に阻止できる。今こそ現場の怒りを解き放ち、民営化推進の連合全逓中央を打倒しよう。革共同全逓委員会に結集しよう。
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週刊『前進』(2240号3面2)(2006/04/03)
行革推進法案粉砕せよ
国家財政破綻の責任転嫁し公務員の大量首切りを狙う
国会審議始まる
3月10日、小泉政権は、行政改革推進法(「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」)を閣議決定し国会に提出、23日から市場化テスト法案、公益法人制度改革関連法案と併せて「行革3法案」として国会審議に入った。
行革推進法は、小泉が「今国会の最重要法案だ」と言うように、国家財政の破綻(はたん)と帝国主義間争闘戦の敗勢的危機にのたうつ日帝の公務員労働者大量首切りと労組破壊であり、ポスト小泉にも継承される戦争国家への大改造攻撃の最重要の柱である。
法案提出とその後の政府の動きは、ことごとく日本経団連が2月14日に発表した「国家の競争力強化を目指した『攻めの行政改革』の実現を求める」提言のとおりに実行されている。「2・14提言」は、一番目に「抜本的な公務員制度改革」、二番目に「内閣機能の強化と省庁再々編の検討」を置いている。
行革推進法案は、@公務員の総人件費改革A政策金融改革B独立行政法人の見直しC特別会計改革D政府の資産・債務改革――の五つを重点課題としているが、政府自ら最重要課題が「公務員の総人件費改革」にあることを認めている。
日帝は、この行革推進法と、市場化テスト法の成立・発動によって、公務職場をことごとく解体し、国鉄分割・民営化以来の公務員労働者の大量首切りを強行して、労働組合をその基盤から徹底的に解体しようとしている。それは労組解体をとおした改憲攻撃と一体であり、日帝を戦争ができる国家へと国家改造しようという攻撃なのだ。
法案は、公務員の定員削減では5年間で国家公務員は5%以上、地方公務員は4・6%以上の純減をはかるとしている。
だが、支配階級は「民間企業のリストラと比べると……目標は物足りない」「国も地方も目標を上回る純減を達成せよ」(3・11付「日経社説」)と発破をかけ、経済同友会の「10の提言」(昨年11月)は、地方公務員3人に1人の首切りを提言している。20万人の首を切った国鉄分割・民営化型の大攻撃にうって出ようとしているのだ。
首切り本部発足
3月16日、「行政減量・効率化有識者会議」(座長・飯田亮セコム最高顧問)は、小泉首相をトップに据えた「国家公務員雇用調整本部」を新設する方針を発表した。同会議は、小泉を本部長とする行政改革推進本部のもとにつくられた「独立行政法人化に関する有識者会議」が1月に改組されたものだ。飯田が座長に座り、財界トップや御用学者、連合の逢見直人副事務局長らが構成メンバーとなっている。
この「雇用調整本部」こそ今後、各省庁の独自権益を抑え込み、連合中央を使って労働者の反乱を封じ込め、公務員の大量首切りを貫徹していくセンターとなる。地方には国、自治体、民間企業による「地方推進協議会」を設置し、雇用調整本部と連携して「役人任せではなかなか進まない配置転換や地方(自治体)への転籍、民間への再就職を大規模に推進する」と飯田座長は言っている(3・17付日経新聞)。退職者不補充だけではなく、労働者の生首を飛ばす攻撃を準備しているのである。許しがたいことに飯田は「これで人員削減がやりやすくなる」と喜んでいる。
はっきりさせねばならないことは、この本部の設置を要求したのが連合であり、自治労を始めとする公務労協指導部だという恐るべき裏切りと屈服の事実だ。連合は1月19日の中執会議で、国民投票法案に賛成し、公務員大リストラ攻撃に全面屈服した。
3月20日の連合との協議の中で政府側は「仮に大量の雇用問題が発生すれば別であるが」今の時点では5%の削減なので各省庁で対応できるだろうと発言し、「大量の雇用問題の発生」の可能性をまったく隠そうとしなかった。これに対して連合は、小泉を本部長とする雇用調整本部の設置を要求し、「くれぐれも公務員の雇用不安が起きないよう、政府として万全の体制を確立するよう」懇願したのだ。
社保庁が突破口
敵の狙い、行革推進法の狙いは、公務員労働者の生首をとばし、このプロセスの中で権力機構内の労働組合の力を現場からそぎ落とし、徹底的に解体することにあるのだ。
それは、3月10日に提出された社会保険庁解体法案に示されている。社会保険庁は08年10月に、国が運営する「ねんきん事業機構」と民間の「全国健康保険協会」の二つの新組織に分割され、後者では職員も民間人とすることが狙われている。これに関して3月11日の産経新聞は、「社保庁職員の“横滑り”にあたっては『厳正な服務宣誓』などを義務づける」「年金情報を繰り返し『のぞき見』した悪質者は採用せず、成果主義人事制度を導入する」と政府を代弁して解説している。
「雇用確保」など大うそだ。国鉄分割・民営化や郵政民営化とまったく同じように労組活動家パージ、労働者の団結の破壊、大量首切りが狙われているのだ。
小泉=奥田が恐れているのは労働者の反乱だ。反乱を未然に抑え込むためにこそ連合中央−公務労協指導部を徹底的に使おうとしている。彼らはスト権付与協議のえさに飛びつき、全面的な首切り法案を初めから承認しているのだ。
政府は3月30日ごろに事務事業の合理化について中間とりまとめを発表し、6月にはそれを含めて経済財政諮問会議が新たな「骨太方針」を出そうとしている。だが敵の攻撃に何ひとつ成算はない。腹を決めた労働者が職場に一人でもいて、公務員制度改革絶対反対、行革推進法絶対反対の闘いの火の手を上げるならば、必ず現場の怒りと結びつき分岐・流動を起こすことができる。
連合の屈服方針
大量首切りと労組破壊の国鉄分割・民営化攻撃に断固反対し、2波のストライキで反撃した動労千葉のように闘えば、必ず労働者の団結を守り、勝利の道を開くことができる。
労組の路線、労組の権力をめぐる大党派闘争がすでに開始されている。小泉=奥田の「小さな政府」を旗印とした規制緩和・民営化攻撃や、それと同類の連合の「新しい公共」論を突き破って闘おう。プロレタリア革命の最終的勝利の立場に立ち切って闘いぬく階級的労働運動とマルクス主義を貫いて闘おう。
行革推進法案絶対阻止! 市場化テスト法案とともに労働者階級の総力決起で絶対に粉砕しよう。
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週刊『前進』(2240号3面3)(2006/04/03)
訂正
前号3面の納冨杉並教育長辞任の記事の中で「後任の井田(都教育庁指導部長)も許さない」と見出しがあるのは、井出の誤りでした。訂正します。
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週刊『前進』(2240号4面1)(2006/04/03)
5月泉佐野市議選 国賀氏の6選かちとろう
関空闘争の発展と4大産別決戦・改憲阻止決戦の勝利へ
06年5月7日告示、14日開票の泉佐野市議選がいよいよ間近に迫ってきている。国賀祥司氏の6期目をかけた今回の市議選は、新指導路線の真価をかけた闘いである。絶対に勝利あるのみである。われわれはこの市議選に勝利し、関西新空港闘争の新たな発展を切り開くとともに、何よりも4大産別決戦・改憲阻止決戦の勝利をこじ開けていく決意である。すべての同志諸君、労働者人民のみなさん! 5月泉佐野市議選での国賀祥司氏の勝利に総決起しよう!
新指導路線の飛躍をかけた闘いに必勝を
06年冒頭から新年号路線が階級情勢を完全にとらえ、その威力を発揮している。4大産別決戦の先頭に立つ「日の丸・君が代」不起立闘争は、03年「10・23都教委通達」に対する東京の教育労働者の処分−解雇さえ恐れない闘いとそれに呼応した全国の闘いが広がっている。「日の丸・君が代」不起立闘争は、都高教・日教組を再生させるとともに、教育基本法と憲法の改悪をぶっ飛ばす闘いに発展している。
そして、国鉄分割・民営化解雇通知から20年目の2月16日「1047名共闘」が確立し、4大産別決戦の土台をなす国鉄闘争の一大発展が切り開かれた。決定的なのは「日の丸・君が代」闘争と国鉄闘争が連動し、お互いが励まし合って発展していることだ。
さらに、そうした闘いを牽引(けんいん)するものとして、動労千葉は06春闘ストライキを貫徹している。動労千葉は、3月10日から安全運転闘争、13日に第1波半日ストライキを幕張電車区で闘い、16〜18日の第2波全面ストライキを闘いぬいた。
また、3・5沖縄県民大会での3万5千人の結集を頂点にして、座間(神奈川)や岩国(山口)などで米軍再編・トランスフォーメーションへの闘いがものすごい勢いで発展している。三里塚闘争、北富士闘争、関西新空港闘争の意義がますます光り輝く情勢を迎えている。
このように、小泉・奥田やそれに屈した連合中央の、戦争と民営化・労組破壊、改憲攻撃に対する労働者階級の一大反撃・反転攻勢が始まったのだ。
国賀祥司氏の6期目の当選をかけた、5月泉佐野市議選は、こうした階級情勢をさらに発展させ、関西新空港粉砕、4大産別・改憲決戦の爆発を推し進めていく闘いである。絶対負けられない決戦だ。
革命的議会主義の真価をかけて
第一にわれわれは、4大産別決戦・改憲阻止決戦への労働者階級の決起・組織化のために闘う。新指導路線の推進には、革命的議会主義が不可欠である。そもそも03年「3大決戦論(春闘・イラク反戦・杉並区議選)」の限界の突破をかけて、新指導路線を確立してきたことから、それは当然なのだ。階級闘争が戦時下に突入した中で、レーニン・ボルシェビキが05年革命以降、労働者階級・労働運動を組織する決定的武器として、革命的議会主義を党の「分裂」、つまり召還派や最後通牒(つうちょう)主義など党内分派との対決を辞さずに貫いて、17年ロシア革命の土台を形成したことを、われわれはけっして忘れてはならない。
日本階級闘争は、革命的議員をもたない政党・党派は労働者階級・労働運動の側から、本物と見られないことを教えている。革命的議員を擁して労働者階級と労働運動を圧倒的に組織する闘い、今日的には4大産別決戦・改憲阻止決戦を今こそ圧倒的に切り開いていくために、革命的議会主義を断固として貫かなくてはならない。絶対勝利しなければならないのだ。
国賀祥司氏のこれまでの5期20年の闘いは、革命的議会主義を貫く闘いであった。86年にすさまじい「過激派」キャンペーンを突き破って初当選して以来、国賀氏と泉州住民の会、泉州現地闘争本部は、闘争根絶攻撃を打ち破り、労働者階級と住民を組織する闘いを貫いてきた。労働者住民と結びつき、空港反対闘争の発展を切り開いてきた。
さらに、現地闘争本部から本格的な労働者階級を組織する地区委員会の建設の闘いを開始した。住民の空港建設への怒りを組織するだけではなく、動労千葉物販を軸に労働組合・労働運動を組織化し、4大産別決戦の先頭に立ってきた。特に、戦争と民営化攻撃による自治体労働運動や教育労働運動破壊の攻撃と原則的に立ち向かってきた。その闘いは、労働運動の「護民官」として決定的影響力を及ぼすまでになっている。
また、労働相談から関西合同労組の結成と発展を切り開いてきた。たった1人の革命的議員と地区委員会の闘いが、4大産別決戦を先頭とする労働運動や住民運動を発展させ、反戦闘争・改憲阻止闘争を切り開いてきた。まさに新指導路線の物質化をかちとっているのだ。
第二に、われわれは、地区の労働者細胞を軸にした選挙戦として闘うことを方針の軸にする。これまでの選挙では、労働者細胞はどうしても主力を形成するとならなかった。5期20年の闘いの地平は、地区委員会の労働者細胞が、選挙の主軸に座って闘い、勝利することを可能にしている。そのために、労働者細胞の活動律や活動形態を踏まえた選挙活動を編み出し、新しい選挙闘争方針をつくりだしていくのである。地区党の労働者細胞が革命的議会主義を貫徹していくことへの挑戦である。
関空2期の07年夏の供用開始阻む選挙戦
関西新空港は、開港12年目にして、便数は減り、赤字は増える一方、地盤沈下で建物・滑走路はボロボロになっている。さらに関空会社の累積赤字は2116億円になっている。関西新空港はまさに大破綻(はたん)しているのだ。
しかし、小泉政権は、来年度予算に179億円の予算をつけ07年供用開始を決定した。これは、中国・北朝鮮侵略戦争のために関西新空港を軍事空港にする攻撃である。
実際、米帝と小泉政権は、関西新空港を始め民間空港・港湾を米軍がいつでも優先使用することを狙っている。小泉政権は、米軍再編(トランスフォーメーション)の一環として、「国内の空港・港湾を米軍に優先的に使用させる強制措置をとることができるように周辺事態法の改正の検討に入った」(06年1月、読売新聞)。
これまでの周辺事態法では、民間空港・港湾の使用について、米軍が「協力を求めることができる」となっていたものを、「首相の権限で優先的に使用できる」に改悪しようとしているのだ。4千b級の滑走路をもつ関西新空港と成田空港が真っ先に要求されている。
関西新空港は昨年5月、第6次イラク派兵の際に初めて軍事使用された。小泉と米帝は、関西新空港をさらに全面的な軍事空港にしようとしているのだ。米軍再編に対して今、沖縄を始めとする闘いが巻き起こっている。こうした闘いの先頭に反戦・反基地・改憲阻止を掲げ、関西新空港闘争が立たなくてはならない。泉佐野市議選は、米軍再編と対決する新たな関西新空港闘争を切り開く選挙戦である。
地方自治切り捨てる小泉・奥田と対決を
さらに大きな問題は、空港関連事業の赤字と小泉・奥田の「三位一体改革」によって、泉佐野市が「赤字再建団体」に転落する危機に陥っていることである。一般会計350億〜360億円で、税収が184億円しかない泉佐野市政に、空港関連事業で1400億円の借金が残り、借金返済のための公債費が年間80億円を超え、累積赤字が25億円にもなっているのだ。さらに、これに小泉の「三位一体改革」が加わり市財政を直撃している。補助金がここ2〜3年に「年10億円減っている」と新田谷(にったや)泉佐野市長が言っているほどだ。
泉佐野市政は、この危機をのりきるためにその赤字をすべて、泉佐野市民と自治体労働者に押しつけてきている。市は福祉施策を全部切り捨てた。公共料金は府内最高の料金に値上げされた。図書館や公民館などの公共施設も週2日休館にされ、コミュニティーバスも日祭日休みにした上、運賃を値上げしている。そしてついにゴミ袋を1枚目から50円にする有料化を今年4月から実施すると発表したのである。
自治体労働者への攻撃も無茶苦茶だ。職員給与は5年連続で下げられ、累計で310万円も減らされている。さらに新田谷市長は06年には、給与を4億円もカットすると言っている。またここ3年で200人の職員が減らされている。早期退職を推し進め、新規採用を限りなくゼロに近い数にしているのだ。
それだけではない。民営化を狙って、3課あった現業部門を1課に統合。さらに公立保育所は5園だけを残し、6園を民営化しようとしている。
新田谷市長は、これを「民間活力の導入による効率的運営」「サービス低下の懸念もあるが、競争によって防げる」と開き直っている。泉佐野市政は、財政赤字に追いやられているがゆえに小泉・奥田の民営化=「三位一体改革」を最先頭で走っているのだ。
小泉・奥田は、民営化攻撃を仕掛けて自治体労働運動の破壊と地方自治の破壊をもくろみ、「道州制」体制をつくろうとしている。「道州制」こそ、1927年に日本帝国主義が総力戦体制を構築するために提唱されたものだ。労働者人民の生活部門にはまったく責任をとらず、戦争・軍事(教育)を支配するための体制である。
小泉・奥田らは、戦後地方自治制度を破壊し、戦争のための体制をつくろうとしている。改憲攻撃そのものだ。そのために地方自治体をどんどん破産に追いやり、再編成しようとしているのだ。まさに、泉佐野市政に、小泉・奥田の戦争・改憲と民営化の最先端の攻撃がかかっている。
今回の泉佐野市議選は、こうした小泉・奥田の攻撃を、泉佐野の住民と何よりも自治体労働者の決起をつくりだして粉砕する闘いそのものである。「三位一体改革」粉砕! 自治体労働者の総決起をかけた選挙戦をやりぬこう!
「ゴミ有料化」に住民の積もった怒り爆発
小泉・奥田路線のもとで進められる攻撃に、労働者住民の怒りの決起が爆発し始めている。これまで、空港推進の犠牲を強いられてきたことに対する積もりに積もった住民の怒りの決起がついに始まったのだ。「ゴミ有料化反対」署名は、7000人に拡大している。
昨年12月から始まったゴミ有料化の説明会には、反対の市民が詰めかけ、市長に怒りがたたきつけられている。「なぜ、関空会社には固定資産税を10年で45億円も減免しておいて、市民に犠牲を押しつけるのか」「空港のために福祉が切り捨てられている」「市の赤字の責任は国と府にある。国と府に責任をとらせろ」という怒りの声が、新田谷市長を追いつめている。
しかし、新田谷市長は、「『市長は原価7円のゴミ袋を市民に50円で売りつけて、利益の43円を赤字補填に使おうとしている。断じて許せない行為である。皆でゴミ有料化に反対しよう』と一日中宣伝カーで市内を回っている人たちがいた。これは風説の流布であり、市民に混乱をまねく行為である」(2月3日市長通信206号)などと泣き言を叫びながら、あくまで今年4月にゴミ有料化を実施しようとしている。
しかし、この強行実施の破綻は不可避だ。市民がまったく納得していないからである。市政は現業の労働者に「指定袋以外で出されたゴミは1回目は警告シールを貼って、2回目には回収するように」などと言わざるを得なくなっている。現業労働者に大幅な賃金カット・民営化攻撃をかけておきながら、労働強化を迫っているのだ。
今こそ自治体労働者は、民営化などによる自治体労働運動破壊の攻撃に怒りの総決起をかちとる時である。決起した泉佐野市民と合流して、小泉・奥田による民営化・改憲攻撃との闘いに立つ時だ。
こうして今回の泉佐野市議選の最大の争点は、「ゴミ有料化」になった。これに真っ向から反対しているのは、国賀議員だけである。住民は4月実施に屈せず、あくまでゴミ有料化絶対反対を貫こうとしている。
3月17日、これまでの署名運動を引き継ぎ、「泉佐野市の家庭ゴミの有料化についての意志を問う住民投票条例の制定を求める直接請求運動」を開始した。このゴミ有料化反対の直接請求運動と5月泉佐野市議選が同時に闘われようとしている。われわれは、この闘いとがっちりと結びつき、泉佐野市議選に勝利しなければならない。
米軍再編や民営化・「三位一体改革」は同時に、改憲攻撃そのものである。したがって、泉佐野市議選は改憲阻止闘争を大きく発展させる闘いでもある。われわれは、今次泉佐野市議選を改憲との闘いとしてがっちりとらえて闘いぬく。小泉は通常国会に国民投票法案を提出しようとしている。国民投票法案粉砕・改憲阻止闘争を、労働者階級の全力を挙げた闘いとしてつくりだすことは急務だ。
泉佐野市議選の決定的な政策的柱として改憲阻止の闘いを貫き、国賀氏の6選勝利をかちとろう。
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☆こくが、・よしじ 1951年淡路島生まれ、54歳/70年姫路工業大学入学/86年泉佐野市議会議員に初当選。以来5期20年、空港反対議員として活動/関西新空港絶対反対泉州住民の会事務局長/関西反戦共同行動委員会事務局長/関西合同労組顧問
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週刊『前進』(2240号4面2)(2006/04/03)
フランス
新規雇用契約の撤回求め
労学150万人が大デモ
フランスの大学生、高校生と労働者が新規雇用契約(CPE)の撤回を求めてシラク=ドビルパン政権との階級的大激突に入っている。3月18日の労学150万人の全国デモに続き、23日に学生が全国デモ、28日には労働組合がゼネストに立ち上がろうとしている。
世界戦争危機の切迫下で国際階級闘争は革命的情勢が急速に成熟しつつある。
「理由なき解雇」
CPEは、企業が26歳未満の労働者を2年間の試用期間中、理由を明示せずに解雇できるとする法律だ。企業の社会保障負担を軽減し、若年労働者を使い捨てにできる。「雇用促進」を公約とするドビルパン首相が失業対策の切り札として、3月初め、抗議の大合唱の中で成立させた。
CPEのもとでは、性別、人種、信教によって解雇されても何も言えない。労働者は2年間びくびくして働かなければならない。いつ解雇されるか分からない若者に部屋を貸す家主やローンを組む銀行はない。労働者の権利を奪い、若者の雇用と生活をますます不安定にするCPEに学生が猛反対するのは当然だ。
フランスは、帝国主義の危機と争闘戦の激化の中、欧州統合・EU拡大、資本の国外移転や移民労働力の流入を進めることで延命を図ってきた。前のラファラン政権は05年、資本の国際競争力を高めるため、週35時間労働制を解体し、実質的に週40時間労働を可能にする新法を成立させた。
しかし、失業率は10%水準から下がらない。EU憲法条約は失業率悪化をもたらすと解した労働者は昨年、国民投票でEU憲法条約批准を拒否した。次のドビルパン政権は「雇用促進」を公約に掲げて登場、昨夏、CPEの原型ともいえる新雇用契約(CNE)を成立させ、従業員20人以下の企業に導入、「理由なき解雇」への道を開いた。
今年1月16日にドビルパンがCPEを提案すると、学生たちは直ちに反対運動を組織した。2月7日に全国200カ所で計40万人、3月7日に全国187カ所で計100万人、3月16日に30〜60万人の学生が全国でストとデモに決起した。
(写真 3月18日、40万人の学生・労働者が新規雇用契約撤回、ドビルパン打倒を訴えてパリの街頭を席巻した)
大学占拠・封鎖
3月7日前後に始まった大学占拠・封鎖は、今や全国84大学のうち64大学に及んでいる(21大学は完全封鎖)。パリの110の高校のうち32校が機能不全で、5校が閉鎖だ(3月16日)。全国の高校の7%、300校以上が授業に支障をきたしている状態だ(3月21日)。
3月18日には主要労組全国組織(CDT、FO、CFDTなど)や野党が学生に合流し、全国160カ所以上で計150万人がデモを行った。この間最大だ。
18日夜には、パリ大学ソルボンヌ校周辺でのデモ参加者と機動隊の衝突で、34人の治安部隊員と18人のデモ参加者が負傷し、167人が拘束された。街頭での大衆的武装闘争の始まりだ。この中で機動隊に踏みつけられた39歳の郵便労組(SUD―PTT)活動家が意識不明の重体となった。学生、労働者の怒りは募っている。
19日には南仏のディジョンに全国から学生組織、高校生組織の代表400人が集まり、今後の活動方針を協議した。政府がCPEを撤回しない限り闘うという基本方針、21日を最初の行動日とし23日に全国学生デモを行うという具体的方針を決め、労働組合にゼネストでの連帯を呼びかけた。
ドビルパンはシラクの支持のもと、20日夕、CPEの撤回も施行停止もしないと宣言、労組、学生の”最後通告に屈しない”と強硬な姿勢を見せた。これに対して学生代表と労働組合全国組織代表は3月28日ストライキの方針を決めた。
国鉄の主要労組が27日夜から36時間ストを決行することを決めた。地下鉄、バスを含め公共交通機関が全国で止まるだろう。エールフランスの最大労組も28日の24時間ストを経営側に通告した。フランスの学生と労働者は、ゼネストと200万人デモに向かって進撃している。
(藤沢明彦)
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週刊『前進』(2240号4面3)(2006/04/03)
書評 正義なき国、「当然の法理」を問いつづけて
鄭香均編著 −−都庁国籍任用差別裁判の証言
明石書店/定価 本体2600円+税
誰にとって哀れな国なのか
外国籍者の人権奪う判決批判し労働者に問いかけ
東京都の保健師である在日朝鮮人・鄭香均(チョンヒャンギュン)さんの裁判記録である。
圧巻は〈第二章 個をつかむ/鄭香均〉である。ここでは生い立ち、裁判の開始、闘いの経過が率直に語られている。一度は日本国籍を取得しようと思ったこと、しかし管理職受験を拒否されてあらためて差別の現実を突きつけられたこと。裁判について相談した在日団体や民闘連からも支援を得られず一人の闘いを開始したこと(日立就職差別裁判と同じだ)、裁判を開始してからも半年名前を伏せていたこと、公表後の職場・上司からの反発、ここで「闘いモード」に入っていく。胸をうつ内容だ。
昨年1月26日、最高裁は香均さんの訴えを全面的に退け裁判は敗訴した。しかし香均さんは、日立就職差別裁判での朴鐘碩(パクチョンソク)氏の最終意見陳述を引用し、最後に「私は二度と日本国籍を取得しようなどとは考えないでしょう。巻き込まれ差別構造を担う一員になることを拒否する生き方……日本の侵略戦争と植民地支配制度の真の反省と清算が、何もなされていないことのリアルな証言者である在日朝鮮人を生きる……私は解き放された個、批判精神を持った者として在り続けたい」と誇り高く宣言した。
タイトルを”「当然の法理」を問いつづけて”とした香均さん。ここに本質・核心が凝縮されている。「空気のように存在している」(第二章 48n)「当然の法理」とは1953年の内閣法制局見解をさす。「公権力の行使、公の意思形成への参画にたずさわる公務員となるには日本国籍が必要」という内容だが、これは行政実例に過ぎず法律ではない。しかしこれが日本国憲法や労働基準法の上に存在している。
東京都職員すら知らなかった「当然の法理」、この”常識”という「暗黙のルール」に彼女は国籍を超え人間としての道義性をかけて日本国憲法を対置して違憲性を問い(最高裁意見陳述資料243n)、そして何よりも「今回の判決は外国籍者の人権を否定しただけでなく、日本国籍者の人権に対しても、法の支配、立憲主義が未成立であることが明確にされました。……行政が圧倒的優位性を持つ意味を、この国に居住するすべての市民は見据える必要があります」(51n)「意識もせず葛藤することもなく国民統合への『同化』を強いられているのは、実は日本国民なのではないでしょうか」(53n)と、この日本のあり方はおかしくないかと問題を投げかけている。
この点は動労千葉労働学校講師も務める千葉工業大学の伊藤晃氏の「第六章 大日本帝国憲法と日本国憲法のあいだ―歴史から見た鄭香均氏の訴訟―」と、「第三章誰にとって哀れな国なのか−『国民主権』の正体と二つの民主主義」でより深く展開されている。
彼女は東京都庁職員労働組合(都庁職)保健所支部の組合員である。彼女の闘いは、同じ職場で働く労働者として、一人の労働条件や人権が侵害されていることに対してどうするのかという問いかけでもある。これを労働組合として労働者の団結した力ではね返していくことは原則である。しかし彼女は「孤立」を強いられた。われわれもまた十分な取り組みを行えなかった痛苦な現実がある。
「当然の法理」という”暗黙のルール”の存在は労働組合運動の現実の姿でもある。それを打ち破るのは労働者自己解放闘争としての労働組合運動を闘うわれわれの課題である。すべての労働者、特に自治体労働者、教育労働者にぜひとも読んでほしい一冊である。「正義なき国」をただすのはわれわれである。
(野田利一)
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◆都庁国籍任用差別裁判
鄭香均さんは1988年東京都の外国人保健師第1号として採用された。94年に管理職選考試験に願書提出、東京都は日本国籍がないことを理由に受付を拒否した。これに対して鄭さんは裁判を提訴。96年5月、東京地裁は請求を棄却。東京高裁は97年「都の対応は一律に道を閉ざすもので違憲」とし一審判決を覆して40万円の支払いを命じた。05年1月26日、最高裁は国民主権を前面に「受験を拒否したとしても合理的な理由で憲法に違反しない」と訴えを全面的に退けた。
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週刊『前進』(2240号4面4)(2006/04/03)
3月15日〜21日
イラクで米軍が大規模空爆
米「国家安全保障戦略」発表
●沖縄県知事、沿岸案拒否を強調 沖縄県議会の2月定例会で稲嶺知事が06年度の県政運営方針を表明し、米軍普天間飛行場の移設問題で日米が合意した名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部案を拒絶する考えをあらためて表明した。また、危険性除去の観点から、移設問題と切り離して同飛行場の運用停止などを含めた緊急措置が負担軽減策として最終報告に盛り込まれるよう日米両政府に働き掛ける、とした。(15日)
●空自司令「下地島配備が有効」 航空自衛隊那覇基地の滝脇司令が記者懇談会で「中国の軍事力増強は脅威」と強調、「下地島空港に展開できれば非常に有効だ」と述べ、宮古島市の下地島空港を基地化し、戦闘機部隊を配備するか、一部訓練を移転させることが望ましいとの考えを明らかにした。(15日)
●自民が北朝鮮人権法案を了承 自民党の「北朝鮮による拉致問題対策本部」(本部長・逢沢一郎幹事長代理)が「北朝鮮人権法案」の骨子を了承した。拉致問題など北朝鮮による人権侵害が改善されないと判断した場合の経済制裁発動を政府に義務付けている。(16日)
●新憲法2次草案に意欲 自民党の船田元・憲法調査会長が昨年10月にまとめた同党の新憲法草案について「党内の意見交換で、自民党らしい政策をもう少し折り込むべきだという意見が相当出た」と述べ、2次草案づくりに意欲を示した。(16日)
●自衛隊の嘉手納使用を検討 守屋防衛事務次官は、米軍嘉手納飛行場について「(米軍再編協議で)共同訓練の方向で検討している」と、自衛隊と米軍との共同使用を明言した。また、空自那覇基地所属のF4戦闘機の1個飛行隊を08年度中にF15戦闘機に入れ替える方針を明らかにした。防衛庁首脳が空自那覇基地へのF15の配備を明言したのは初めて。(16日)
●中国の軍事力に脅威「感じてる」と前原 民主党の前原代表は、中国の軍事力について「多くの国民が脅威を感じる。それは事実だと思う」と、「中国脅威論」は世論としてあるとの認識を示した。(17日)
●安倍官房長官、教基法改悪に意欲 安倍官房長官が講演し、教育基本法改正について「与党で最後の調整に入っている。ぜひとも行いたい」と今国会での改正に意欲を示し、改正案に「愛国心」の文言を盛り込む考えを強調した。(17日)
●日米審議官級協議 日米両政府は在日米軍再編をめぐり非公式に外務、防衛当局の審議官級協議を開いた。在沖縄米海兵隊のグアム移転経費の内訳や積算根拠に関し、米側はハワイで21日に行う日米間の事務折衝で提示する考えを伝えた。(18日)
●米軍、下地島使わず 米軍嘉手納基地が沖縄県空港課に対し、宮古島市の下地島空港使用を通知していた件で、米軍側から「空中給油が終了したので空港は使用しない」との連絡が同課に入った。同空港では使用予定時間に労組関係者らが結集し、抗議行動が準備されていた。(19日)
●米、イラン攻撃目標に31カ所 サウジアラビアの有力紙アルワタンは、米国防総省の内部報告などを引用する形で、米国と同盟国がイランの核施設計31カ所を攻撃目標として特定した、と報じた。(19日)
●「沖縄返還」密約否定の政府答弁書を閣議決定 政府は沖縄返還(72年5月)の際に米国が負担すべき土地の原状回復費を日本が肩代わりした密約の存在を吉野文六元外務省アメリカ局長が認めたことについて「日米間の合意は(沖縄返還)協定がすべてである」との答弁書を閣議決定した。密約を否定する政府見解をあらためて確認した。(21日)
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週刊『前進』(2240号5面1)(2006/04/03)
イラク反戦国際行動 改憲阻止へ闘いスタート
イラク開戦から3年を迎えた3・19イラク反戦国際行動は、東京を始め、関西(21日)、沖縄、岩国など全国で闘われた。この闘いはイラク反戦、米軍再編粉砕と同時に、改憲阻止決戦のスタートとなった。アメリカ、イギリスを始め闘いは全世界で大高揚した。
3・19東京 “米軍再編・改憲を許さない” 全国各地の闘い集う
3月19日、世界中のイラク反戦集会と連動して「自衛隊はイラクから全面撤退を! 米軍再編も憲法改悪も許さない東京集会」が港区の芝公園で開催され(主催は集会実行委員会)、870人が参加した。
(写真 870人が結集し、米軍再編と闘う各地の代表が訴えを行い、集会は大成功した。力強く団結ガンバローを三唱【3月19日 東京・芝公園】)
開会あいさつに立った百万人署名運動三多摩連絡会の西山勲さんは「歴史的岐路に立っている。今年来年は決戦の年」と奮起を促した。司会が米インターナショナル・アクション・センターのメッセージを紹介、日米労働者階級が団結して闘う重要性を確認した。
「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の元自衛官は、「隊内では言いたいことも言えないが侵略戦争には賛同できないという声もある」と訴えた。
米軍再編と闘う全国各地の闘いが報告された。
沖縄から反戦地主の知花昌一読谷村議が3月5日の県民大会の成功を報告、県民の声を無視した基地建設に対し「このもくろみは必ず破綻(はたん)する。政治的な沖縄差別は許さない」と批判した。住民投票で反対が多数を占めた岩国から田村順玄市議が現地の闘いの現場から電話でともに闘うことを呼びかけた。
婦人民主クラブ全国協代表の西村綾子相模原市議は、2800人でキャンプ座間を包囲した人間の鎖や相模補給廠に対する女性のデモなど、座間、横須賀、相模原などの闘いを報告した。横田基地飛行差し止め訴訟団の福本道夫事務局長は、空自航空総隊司令部の横田移転と石原東京都知事が提唱する軍民共用化に強い反対の意思を示した。
三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は「40年間、成田の軍事空港化と闘ってきた。時代は60年前の痛苦の歴史へ再び進んでいる。いま闘わねば悔いを残す」と訴えた。
東北大の学生が「法政大で改憲反対の看板撤去に抗議した29人の学生が逮捕された。フランスの学生・青年労働者の闘いと連帯して、日本でも300万人の学生ゼネストを実現する」とアピールし、40万円近くのカンパが寄せられた。
百万人署名運動の西川重則事務局長が国会傍聴報告を行った。国民投票法案の修正論議が行われているが取り下げを意味するものではないと指摘。法案を出させない世論をつくろうと提起した。破防法・組対法に反対する共同行動の石橋新一さんは「共謀罪ができれば運動つぶしの反動が吹き荒れる」と訴えた。
憲法と人権の日弁連をめざす会の武内更一弁護士、動労千葉の田中康宏委員長、都教委包囲首都圏ネット、百万人署名運動の杉並、青森、愛媛各連絡会とリレーアピール。包囲ネットの渡部さんは「都教委には道義がない。不起立を根絶やしにできなかった。長期戦になれば道義がある側が勝つ」と展望を語った。
米大使館に向かってデモに出発。強風の中を元気に「占領軍はイラクから撤退せよ」「米軍再編反対」「9条を変えるな」と叫んだ。
新基地建設阻止誓う 3・19沖縄 小泉の居直りを弾劾
沖縄での3・19イラク反戦世界統一行動は、百万人署名運動・沖縄の会が呼びかけた実行委員会によって開催された。この実行委員会には桑江テル子さん・平良修さん・知花昌一さんの沖縄の会共同代表をはじめ各界から80人以上の呼びかけ人が名前を連ねた。
(写真 辺野古新基地建設阻止を訴える沖縄のデモには沿道の人も加わった【3月19日 国際通り】)
会場となった那覇市の県民ひろばには昼過ぎから若者・学生らが中心となった写真展(イラク/辺野古/大浦湾)やライブなどの企画が行われ、午後4時からのコンサート/リレートークには180人が集まった。国際通りのデモでは「小泉を倒せ」「辺野古基地建設をつぶせ」の声をあげた。沿道からも十数人の人たちがデモに入った。
リレートークでは平良修さんが主催者あいさつに立ち、イラク戦争におけるブッシュと小泉の居直りを激しく弾劾し、今こそ反戦の行動を起こそうと訴えた。その後、十数人の人びとがマイクを握り、ヘリ基地反対協の安次富浩代表、議員、弁護士、若者たちが発言に立った。参議院議員の糸数慶子さんは「イラクは沖縄につながっている。自衛隊を撤退させよう。怒りの声を上げよう」と呼びかけた。またある女性は「辺野古の海の上に1年間居た。基地建設阻止のために立ち上がろう。権力が私たちを逮捕するなら、留置場をいっぱいにしてやろう」と檄を飛ばした。最後に桑江テル子さんが「若者が多く参加している、受け継いでいけるような闘いをやろう」とまとめを提起した。3・19集会・デモは3・5県民大会の大成功を引き継ぎ、次の10万人決起(ゼネスト)の実現を呼びかける闘いとなった。
またこの集会にはアメリカから沖縄へのメッセージも寄せられ、労働者階級の連帯と団結が呼びかけられた。
3・5県民大会3万5千人の決起は、日米の米軍再編最終合意に対する県民の怒りの意思を示した。県民大会の直後、日帝・小泉は「地元の同意断念」を表明し、その翌日には「政府案を譲るな」と帝国主義の凶暴性をもって沖縄圧殺の意思をむきだしにしてきた。日帝・小泉は、3・5県民大会に大打撃を受けているのだ。米軍再編最終報告をうち破り、辺野古基地建設を阻止しよう。
岩国基地を包囲 3・19労組軸に3500人
3月19日午後、岩国基地機能強化反対集会が連合中国ブロック、平和フォーラム中国、連合山口、山口県平和フォーラムの呼びかけで開かれ、主催者の予定を大幅に超える3500人が基地を目の前にした旭町グラウンドに結集した。
とめよう戦争への道!百万人署名運動広島県連絡会のメンバーは、12時から岩国駅で結集する労組の仲間にむけ「政府は住民投票の声を聞け!」とのビラを配布して集会に合流した。労組交流センターも集会場の入り口でビラを配布し、瞬く間にまききった。
集会は、1時半に始まった。主催者を代表して連合山口があいさつ、連合中国ブロック代表、中国ブロック平和フォーラム代表と続いた。連合岡山の代表は、「北朝鮮侵略戦争のための日本原での日米共同演習反対行動を行った」と報告した。移転反対期成同盟を代表して中川洋大竹市長があいさつ、民主党平岡秀夫議員、社民党保坂展人議員の発言と続き、厚木基地からの代表が騒音の被害の実態について報告を行った。
決議文の採択を行い、全体は沖合拡張工事の進む岸壁に移動して「人間のくさり」行動に移った。2008年をめどに進められている埋め立て工事が完成すれば、横須賀に新たに配備される原子力空母ジョージワシントンの艦載機57機をここに移駐させるというのだ。許してはならない。参加した組合員たちは基地に向かって手をつなぎ、長蛇の「人間のくさり」を実現し、「基地機能強化反対!」「政府は住民の声を聞け!」「中間報告を撤回しろ!」と一斉にシュプレヒコールをあげた。
今回の中国ブロックの取り組みは、「最終報告」を前にしたもので、早くから予定していたものだが、3月12日の住民投票の結果をうけて、動員も大幅に増えた。労働者階級の反転攻勢の流れは確実に始まったのだ。
(写真 「米艦載機移駐ノーの住民投票の勝利を受け岩国基地包囲の「人間のくさり」が大成功【3月19日】)
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週刊『前進』(2240号5面2)(2006/04/03)
自衛隊の撤退を要求 3・21関西 学生29人の逮捕に怒り
とめよう戦争への道!百万人署名運動・関西連絡会が呼びかけた関西のイラク反戦国際行動は、3月21日、アメリカ領事館への抗議・申し入れ、午後2時からの扇町公園での集会・デモと連続決起で闘われた。
正午からの米国総領事館前での抗議・申し入れ行動は、百万人署名運動の各連絡会、「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」など7団体が参加し、米軍のイラクからの即時撤退の申し入れを行った。
午後2時からの全関西集会は、3月14日の法政大学での学生29人デッチあげ不当逮捕を弾劾し、怒りの集会となった。全学連の学生はこの弾圧を弾劾し「弾圧粉砕を改憲阻止闘争として闘おう。学生は、300万学生ゼネストを絶対に実現する」と決意を表明した。
百万人署名運動・関西連絡会事務局が基調報告を提起し、「政府は、第10次派遣軍の編成に入った。小泉政権は自衛隊を撤退させる気などない」「自衛軍を保持し、戦争を行えることを明示する改憲を阻止しよう」と訴えた。
続いて「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者が、「東京の被処分者は、今年の卒業式で5回目の不起立闘争に立ち上がっている。不起立者への処分をさせない運動を強めよう」と訴えた。隊員家族と元自衛官連絡会は、「イラク派兵隊員の中から五名の自殺者」が出ていると弾劾し、「自衛隊や家族の中に仲間を生み出そう」と訴えた。
カンパアピールが行われ、さらに全日建運輸連帯労組・関西地区生コン支部の武建一委員長と近畿地方本部戸田ひさよし委員長の保釈実現への「お礼の報告にあたって」というアピールが読み上げられた。
自由発言に入り、婦人民主クラブ全国協議会、反戦・福祉議員ネットの小西弘泰高槻市議、泉州住民の会、在日アメリカ人2人などからアピールがあった。
部落解放同盟全国連合会は、「本日の闘いを改憲反対の関西の集会の始まりとして、5月3日の大集会に向けて全国連は取り組みたい」と決意を表明し、5・21狭山再審闘争への決起を呼びかけた。
百万人署名運動・奈良県連絡会の藤原さんが「本日を起点に、イラクからの自衛隊の撤収、改憲阻止に立ち上がろう」とまとめを提起した。このあと集会参加者は、関西一の繁華街に向けてデモに出発した。
(写真 自衛隊イラク撤退を訴えて大阪の中心街をデモ【3月21日】)
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週刊『前進』(2240号5面3)(2006/04/03)
世界で反戦デモ 全米数十万 英では10万
(写真左 サンフランシスコのシビックセンターには2万5000人が結集し、米帝のイラク戦争と占領に反対して集会・デモを行った【3月18日】)
(写真右 ロンドンではイギリス全土から10万人が結集し、デモは道路を埋め尽くし、延々と続いた【3月18日】)
開戦3年目のイラク反戦闘争は、アメリカ全国500カ所での決起、イギリスでは8〜10万人がロンドンに結集し、デモを闘った。イタリア、ドイツ、韓国、ベネズエラなど全世界で巨大なデモが闘われた。
アメリカ西海岸ではサンフランシスコに2万5千人、ロサンゼルスに2万人が結集した。ロサンゼルスではアカデミー賞を受けたポール・ヘイジス氏やベトナム帰還兵のロン・コビック氏などが発言した。
最も大きいデモとなったサンフランシスコでは争議中のホテル労働者との連帯を示し、ホテル労働者もともに闘った。集会ではニューオリンズ共同救援の指導者のマリク・ラヒム氏がアピールした。またパレスチナ人コミュニティやフィリピン人コミュニティ、アメリカインディアン運動などさまざまな民族が参加した。
ロンドンのデモはまず議会前広場に結集し、集会場のトラファルガー広場へとデモ行進した。議会前広場では、戦争阻止連合の代表で元国会議員のトニー・ベン氏が呼びかけている戦争犯罪者を審判にかけるよう国連主席検事に訴える署名のための机が置かれた。
デモはビクトリア通りからバッキンガム宮殿、ピカデリーを通ってトラファルガー広場に入った。先頭がトラファルガー広場に入っても後ろは議会前を出発できないという状態だった。
労働組合代表や国会議員とともに戦争に反対する軍人家族の会が発言し、イラクへの再派兵を拒否した元特殊部隊員のベン・グリフィン氏が大歓声を受けた。
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週刊『前進』(2240号5面4)(2006/04/03)
法大弾圧に怒りの声続々
3月14日の法政大での学生29人の不当逮捕に、怒りの声が巻き起こっている。全学連の学生から寄せられた怒りの声を紹介します。(見出し編集局)
弾圧粉砕し改憲阻止の大爆発へ 東北大 小野和也
法政大での全学連29人の学友の一斉弾圧は、日本階級闘争の戦時下階級闘争への突入を告げ知らせています。大学構内に立ち入ったことが建造物不法侵入! 立て看板撤去に抗議したことが威力業務妨害!
(写真 29人の不当逮捕弾劾の街宣ではビラが次々受け取られ多くの署名が寄せられた【3月20日 霞が関】)
大学キャンパスでこのような大弾圧が強行されたことは画歴史的事態です。3・14法政大弾圧は国民投票法の先取りそのものです。ビラ・立て看板を始めすべての宣伝物を大学当局の検閲と許可制の下に置き、改憲と侵略戦争に反対する言論と運動の一切を国家暴力を総動員して封殺する攻撃です。「改憲攻撃の本性ここに見たり」です。
問題は、なぜ29人の学友が弾圧を受けているのかです。それは、全学連の「全国300万学生の改憲阻止ゼネスト方針」に、支配階級=小泉政権が恐怖を感じているからです。彼らは、若者に高失業率・低賃金・過密労働を強制し、侵略戦争に動員していく以外に延命の道はないのです。だからこそ、改憲阻止ゼネストを掲げる全学連の闘いが一気に燃え広がることに恐怖を抱いているのです。
敵の凶暴性は、敵の強さの表れではなく、敵の危機の表れです。全国の闘う学生は、弾圧に怒りを燃やして直ちに反撃に立ち上がっています。29人の即時奪還から4月新歓闘争=改憲阻止闘争の大爆発を切り開く決意です。救援カンパ、賛同署名の拡大と集中をお願いします。
弾圧に大衆的な反撃で勝利する 東北大 本田 翼
法政大学当局と警察、マスコミが一体となった3・14法大弾圧を絶対に許さない! 無実の学生29人を今すぐ返せ!
学生がビラ・立て看板規制に反対するのは当たり前です。むしろ改憲に向けて日本帝国主義が国民投票法によって激しい言論統制、治安弾圧を行ってくることに大学こそが率先して反対していかなければならないはずです。学生を無視して「大学の決定に黙って従え、従わなかったら逮捕」などというのは言語道断!
これは、改憲・国民投票法案の先取り攻撃です。一方で日帝・小泉政権の余裕のなさ、そして学生運動の発展への恐怖の表れです。労働者の「戦争協力拒否宣言」が次々と発せられ、動労千葉のストがあり、「日の丸・君が代」強制拒否の闘い、各地での米軍トランスフォーメーション粉砕の闘いが爆発しています。そして、全学連は改憲阻止学生ゼネストに向けて猛然と突き進んでいます。
弾圧を振りかざせば学生は従うと思っていたらそれは大間違いだ! 東北大当局は、有朋寮生に「無期停学」処分を下すことで、学生を有朋寮「廃寮決定」に屈服させようとしてきました。しかし、私たち東北大生は大衆的反撃を組織して「強制執行停止決定」をかちとっています。
法大当局、警察よ。見よ、そして後悔するがよい! 3・14弾圧によって逆に支援、連帯の輪が広がっている。これからもっと巨大な反撃をたたきつけてやる。
「労働者の宝だ」激励と支持の声 京都大学 中平祐司
3・14法大弾圧は完全に敵権力の墓穴となった!
関西では弾圧直後から救援運動が開始され、改憲阻止闘争と結合して、日を追うごとに闘いは大きくなっている。とりわけ、京大学生運動は、いよいよ改憲阻止ストライキの実現へ、巨大な歯車が回転し始めた。弾圧の下手人である警視庁と法政大学当局への学生大衆の怒りは本当に激しく、根底的だ。小泉―奥田の日本帝国主義を打倒するまでやまない決起として発展している。
「無実の29人を今すぐ返せ」「表現の自由を今すぐ返せ」「これが国民投票法の正体だ」「改憲を学生ストライキで絶対粉砕するぞ」これが関西の学生大衆の3・14弾圧に対する叫びである。「29名奪還! 改憲阻止!」の大衆行動が文字どおり爆発している。
自治会では、警視庁・法政大当局への抗議決議が上がり、友人はビラを持って駆けめぐっている。「あなたたちは労働者の宝だ」「不正と闘うあなたの勇気を尊敬します」。サークルやクラスの友人、寮の仲間、彼らを知る人びとから心からの怒りと激励、支持の表明が寄せられている。
3・14法大弾圧は、戦争(改憲)か革命かをめぐる階級的内乱の開始である。関西の学生は、さらに大衆的決起をかちとっていく。
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週刊『前進』(2240号5面5)(2006/04/03)
救援センターが総会 “今こそ真価発揮する時”
3月18日、東京・文京区民センターで救援連絡センター第2回総会が開催された。
冒頭、活動報告に立った山中幸男事務局長は、厳しさを増す弾圧に対して、「今こそセンターがその真価を発揮し、反弾圧―救援活動の拠点となって闘う」と決意を述べた。
「ファシズムはみんなの願い!――歴史の中で考えるヒトラー・天皇・自衛軍」と題して京都精華大学教授の池田浩士さんが記念講演を行った。600万人ものユダヤ人虐殺、「生きる価値のない存在」や「非国民」の反対側に、敗戦後も「あの時代はよかった」と思う多くの人びとがいた。ファシズムを支えた「共同性」と「主体性」を天皇制に重ね合わせながら深刻に批判した。
緊急アピールとして「29人の学生を釈放しろ!3・14法大弾圧救援会」から、29人の学生の不当逮捕を弾劾し、支援を呼びかける訴えがあった。ことの発端は、法大当局が立て看板・ビラまきを全面的に規制する通達を出したことだ。
法大当局が、警視庁公安200人と一体となって、テレビ局まで引き連れて計画的に学生たちに襲いかかった事実が明らかにされた。「大学のキャンパスに一歩入ると、表現の自由や思想・信条の自由は暴力的に停止される。こんな不正義のほしいままの弾圧は許さない。完黙・非転向で闘う獄中の29名の仲間とともに必ず勝利し、弾圧を、改憲攻撃をうち破る大きな力に転化しその先頭に躍り出る」と決意が表明され、多くの署名とカンパが寄せられた。
立川反戦ビラ入れ弾圧、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧、香港での反WTO闘争弾圧・野宿者強制排除と闘う当該から闘いの報告と決意、熱い連帯が表明された。
不当弾圧された仲間とともに闘ってきた救援連絡センターが蓄積してきた闘いの経験、ネットワークのすべてが真価を発揮する時代が来たことを実感した総会だった。
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週刊『前進』(2240号6面1)(2006/04/03)
許せぬ!3・14法大弾圧 職場で直ちに反撃のビラ 千葉 熊田 耀
「法政大で学生29人を不当逮捕」――この知らせが入ったのは、当日の午後で職場にいたときのことだった。仕事が手につかなくなった。誰から聞いたわけでもないが、状況はすぐ飲み込めた。学生会館を解体し、今度はビラまきや立て看までを禁止する法大当局に抗議する学生に、警察が暴行・蛮行を繰り返して、逮捕しさったのだと(事実そのとおりだった)。これは国民投票法や共謀罪の先取りではないか。これを許したら今度は同じように労働組合や市民にやつらは襲いかかってくるのだ。
(写真 「こんな弾圧許せない!」。救援会の訴えに驚きと怒りが広がっている【3月23日 飯田橋】)
そして今回の弾圧はわれわれ労働者に先んじて学生に対して下された。本来、われわれ労働者がもっと目に見える闘いをやらねばならないのだ。民営化や労働法制の破壊と改憲攻撃に、目に見える闘いを組織したい。本当に学生に連帯するためには、労働者を組織して立ち上がらせるしかないのだ。
すぐさま、その日の夕方終了前に職場で管理職がいる前でアジテーションをした。「学生が許せない弾圧を受けている。これは国民投票法や共謀罪の先取りであり、労働者への攻撃だ。みんなも他人事と思わずに、自分たちが労働者の誇りまで奪われようとしていることに怒り、立ち上がってほしい」と。
そして自前でビラをつくり、翌日早朝にK市役所の前でビラまきをした。「学生の不当逮捕に抗議の声を。国民投票法案に反対を。動労千葉のストライキに支援を。ともに闘おう」――かなりごった煮の内容だが、自分の名前を入れたビラは管理職連中を含めて、すぐさままき切った。「ビラまき弾圧にはビラまきで団結を」。当然のことをしているのだから、ひるむことなど何もない。
その次には3・18ワールドピースナウの集会前で、ビラまきとカンパ集めを行った。弾圧の内容を説明するとみな一様に驚き、「自分の大学に入っただけで逮捕とは!」「学問の自由の侵害。絶対おかしい」などの返事が返ってくる。反応は20代のフリーターが多い。そしてデモ出発時にはついに署名に人が列をつくり殺到してくるところまでになった。やはりこの社会に対して特に青年は怒っているのだ。
さらに家に帰って知人に説明すると、「すぐさま100人分の署名を集めます」とのこと。思わず熱いものがこみあげてきた。
労働者はさまざまな立場で分断されているが、ひとたび闘いが爆発すれば必ずやそれを乗り越えることができる。「学生のいのち、わがいのち」だ。弾圧は団結ではねかえせる。29人の被告団ならば「29(にく)の会」とでも名づけて、奪還のお祝いにはすき焼きパーティーでも行えるように、獄内外連帯して闘っていこう。
許せぬ!3・14法大弾圧 表現への弾圧は職権濫用罪 千葉 宮崎進一
3月18日、労働学校の修了式に来てみたら、3月14日に29人もの学生が政治弾圧で逮捕されたとのビラが配られていた。
僕自身が法政大学にいた時は、革命軍のゲリラ活動でガサ入れなど政治弾圧を受けることはあったけど、正当な表現活動で弾圧・逮捕されるなんてことはありえなかったので、はっきり言ってびっくりした。
ゲリラ活動は不法行為に当たることがある(ブルジョア法だが)から、法に照らして権力が介入してくるのだろうが、どうして抗議デモという憲法21条で保障されている正当な表現活動に権力が介入してくるのか。権力がやっていることは、明らかに職権濫用罪に当たる。
また、ビラによれば、大学当局は学生たちが「業務妨害」を行ったというらしいが、政府による戦争の惨禍が起こらないように決意し、反戦ビラまきや反戦看板を出すことを保障することの方が大学の自治であり、学問の自由であり、大学の業務なのではないか。
それゆえ、反戦活動をして捕まった無実の学生29人の自由権を保障するため、全員をただちに釈放して、賠償するべきである。
許せぬ!3・14法大弾圧 労働者と学生は革命の同志 非正規労働者 安斎 圭
僕たちの仲間に何てことするんだって思いました。
逮捕された29人には会ったことはないけど、革命の同志。それを国家権力・公安警察は引き裂き、留置場に送り、僕らの同志に対し威圧と掟(おきて)でしばりつけ、鉄格子と塀で監禁し、政治弾圧のえじきにしようとしている。こんなことが起こることを許せない。僕らは同志として、怒りと憎しみで行動する。呼びかけと署名で仲間を広げ、抗議と支援で団結を深める。そうして1日も早く奪還し、国家権力・公安警察を僕らの勝利の前にひれ伏させてやる。
労働者も学生も同じ革命の同志としてがんばるよ。
許せぬ!3・14法大弾圧 哀れむべきかな法政当局! 東京 青山大輔
ある予備校の先生から逮捕された29人の学生あてに届いた応援メッセージを紹介します。
「法大当局は、栄えある宇野弘蔵や大内兵衛が戦後築いた反権力の伝統を自分たちの堕落した似非(えせ)学問の手で台無しにしていることに気付いていないようだ。哀れむべきかな法政当局!
逮捕された諸君にこそ法政の伝統は受け継がれていることを誇ってよい。
『憲法書き換え』の先取りを大学がやるとはあきれ果てた堕落だ。徹底弾劾あるのみ!」
06春闘討論集会開き地域の共闘が前進 東京南部 市川寛士
3月11日、東京南部地域の06春闘討論集会が52名の参加で、闘いの意欲あふれる元気の出る集会としてかちとられました(写真)。地元の国労分会と国労闘争団、都高教、区職労の各分会長と教組の役員、全逓、民間、合同労組はじめ地域の闘う労働組合、百万人署名運動などの運動団体の仲間が呼びかけ人に名を連ね、共闘陣形を画期的に広げるものとなったのです。
都高教の分会長からは、決戦真っ最中の「日の丸・君が代」闘争と都立高の職場をめぐる攻防についての特別報告を受けました。卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強制拒否・不起立闘争が、都教委の処分恫喝をはねのけて継続拡大し、2003年10・23通達を紙切れ同然のものとして追い詰めていることは実に決定的です。ストライキを配置したという理由で、05年都労連秋闘に対して停職を含む大量処分が発令されました。こうした不当処分攻撃に対して、形ばかりの人事委員会提訴ですますのではなく、「日の丸・君が代」闘争のように団結を固め職場から実力で闘っていくことは、教訓とすべき核心問題です。
『週刊金曜日』にルポ「JRのレールが危ない」を連載する新進気鋭のジャーナリスト、安田浩一さんは、レール破断を繰り返す総武線と尼崎・羽越線・伯備線の事故現場を取材しての特別報告を行いました。JR資本の利益最優先、合理化・安全無視の恐るべき実態とそこで働く労働組合の責任性にも言及。反合・運転保安春闘に突入した動労千葉の闘い、現場で職場闘争を闘う国労組合員の闘いに敬意を表し、「労働者の闘いなしに安全なし」と訴え、こういう闘いを支える団体を破壊しようとするのが共謀罪だと断罪しました。
国労の分会長は、JR資本による見せしめ的な不当配属・不当処分に対して、2・16集会で大同団結した1047名の不当解雇撤回闘争を闘うとともに、職場で団結を固めて闘っていることを誇りをこめて報告。改憲が問題となる歴史の分岐点での労働者の闘いの重要性を強調しました。
鉄建公団訴訟原告団の佐久間忠夫さんは「国鉄時代、事故が起こってから対処する『発生主義』ではダメだと強く教えられてきた」ことを紹介。持参した佐久間さんの本『人らしく生きよう 国鉄運転士の戦後60年』は完売となりました。
さらに区職現業、全逓、パートの女性労働者などから、民営化・非正規職拡大の攻撃に対する職場の怒り、闘いの報告が次々と出され、中身の濃い交流と討論の場となりました。
会場を替えての交流会も夜遅くまで熱っぽくもたれ、春闘から06年全体の決戦を闘う南部地域の共闘陣形の新たな足場を築くものとなったのです。闘いの陣形を一層広げ、固く団結し、断固闘おう!
沖縄で1週間、県民大会の成功へ闘って 東北大生 須藤弘次
東北大の学生より闘いの報告を送ります。この間東北大では、改憲阻止決戦と一体のものとして、沖縄の3・5県民大会に向けた先遣隊を送り出し、闘ってきました。その沖縄の息吹を報告します。
沖縄では約1週間、県民大会の成功に向けて、沖縄各地を回って宣伝してきました。宣伝カーを回し、スーパーや役所などでビラまきを積み重ねてきました。
感じたのは、県民一人ひとりの基地に対する怒りの強さです。「5日は仕事があって行けないからカンパしますよ」と1万円ものカンパを出した人、「頑張りましょうね」と声をかけてくる市役所の労働者など、多くの反応が返ってきました。既成勢力は「稲嶺知事も参加できるような形態で」などと主張し、そこに依拠しましたが、沖縄県民の怒りとはまったく無縁のものです。そういう中で、各地をわれわれがくまなく回って県民大会を訴え続けたのは決定的だったと思います。
5日の県民大会はそういう県民の怒りがひとつになってブッシュと小泉に対して3万5千人の反撃をたたきつけたのです。地元住民を代表して発言した二見以北十区の会の方は「私たちは沿岸案に反対しているのではない、すべての基地建設計画に反対なのです」とはっきりさせました。この発言にあるように、3・5県民大会は米日帝の国策そのものに対して明確なNOをたたきつけたのです。さらに、県民大会に多くの労働組合が参加していました。とりわけ、昨年の自治労大会で改憲阻止に決起した自治労沖縄県本部は大結集していました。
また、キャンプ瑞慶覧(ずけらん)での基地労働者へのビラまき、教育労働者へのビラまきも行いました。沖縄では、「君が代」斉唱に多くの教員が不起立を貫いています。さらに、米軍再編で基地労働者の千人規模での首切りが狙われていますが、反撃は不可避です。
帝国主義の側は、こういった、触れれば根底的な怒りが爆発するようなものを抱えながら、しかし踏み込んでいかざるを得ないのです。それは、沖縄を「基地の島」どころか「戦場の島」にまでしようとしている帝国主義とは何なのか、打倒すべきだ、という闘いを不可避に発展させます。
また、今回の県民大会が、岩国や座間など本土での米軍再編に対する闘いが高揚している中で行われたことは決定的です。本土―沖縄を貫いた闘いが爆発する情勢を確実に手繰り寄せています。それは、3月、米軍再編の最終報告を大破産にたたき込みます。3・5の闘いから、東北大の学生は国民投票法案阻止・改憲阻止決戦を4月キャンパスで全力で闘います。
(3月10日)
日本原闘争に初参加「戦争を止めてやる」 郵政アルバイト K生
この2月、初めて日本原闘争に参加しました。前日まで闘争についてのレクチャーを受けてはいましたが、初参加ということもあり緊張は隠せないでいました。しかし、いざ現地へ着くと、「なんとしてでも私たち(労働者)の力で日米共同演習、戦争を止めてやる!」という思いが、それまでの緊張を消し去っていきました。
1200人の統一戦線としてかちとられた11日、そして立入規制区域内での集会がかちとられた19日。演習は強行され、止められなかったことへの無念さはありますが、今回参加してあらためて確認できたことがあります。「労働者が統一戦線をさらに発展させ、一層の本気を出して闘えば、戦時下体制をひっくり返せる!」ということです。
今回の闘争で得たものを糧にして、11月集会で今度こそ現状を打ち破る力を形成できるように頑張っていきたいと思います。
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週刊『前進』(2240号6面2)(2006/04/03)
米軍再編と闘う沖縄(2)
予想超えて進む米軍再編阻むため団結して闘おう
沖縄反戦地主 読谷村議会議員 知花昌一さん
アメリカは9・11以降のアフガンやイラクの戦費で、ばく大な財政赤字になっている。そういう中で世界的な米軍再編を行っている。アジアでは韓国と日本から米軍兵力を削減し、韓国軍や日本の兵力でそれを補う形に転換している。
特に日米同盟は「未来への変革」と題されているように、単なる再編ではなくて、自衛隊が後方支援から実際に一緒に戦争に行こうということです。しかし憲法9条があってタガをはめられているからそれができない。ところが小泉政権はそのタガをはずしてしまおうとしている。憲法を変えて、自衛軍も持って全面的なアメリカと一体の戦争体制をつくろうとしている。
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3月に鳥取県の教職員組合の集まりで「『日の丸・君が代』と沖縄」と題して講演をしました。米軍再編を話して、その中から教育基本法の改悪問題も「日の丸・君が代」の強制も出てきているんだと話した。
実際に軍事だけでは戦争はできないから、戦争をやれる国内体制をつくるために有事法制をつくった。それでも不十分だから今度は憲法を変えようとしている。いつでもどこでも戦争に行けるという状態に憲法を変えるわけですよ。そのためには愛国心教育が必要、そのためには教育基本法がじゃまになる。
全体の動きを認識し、労働運動も市民運動も大同団結をして、この動きを止めないとどうしようもない時期に来ている。
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沖縄もそうです。予想を超えた再編、戦争体制に向けての組み換えをやっている。8000名の海兵隊を削減し、嘉手納以南の基地を全部返還するというが、全部を北部に集中するというわけです。
そして普天間の代替施設はあくまで辺野古だと、沿岸案が出てきた。沿岸部分に関しては米軍基地の範囲内ということもあるが、大浦湾に突き出る部分は公海上だ。そこで日本政府は、僕の「象のオリ」の土地を特措法で取ったように、公海上の県の権限を奪う新たな特措法をつくって海での阻止行動を抑え込もうとしているが、こんなことは許されるものではない。
刑特法(安保協定の実施に伴う刑事特別法)なんて恐れることはない。突っ込んでいって逮捕されてもいいぐらいの運動をすれば阻止闘争も十分できる。3・5県民大会でも汀間(てぃーま)の漁協長が言っていた、「大浦湾を守る。おれも漁民だ」と。漁民が最後までつっぱれば絶対できないよ。
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沖縄の基地反対運動は、これまで沖縄を中心とした闘いだった。沖縄を支援し、連帯する。本土の側の贖罪(しょくざい)も含めて一緒に闘ってきたという面があります。
しかし今は違う。米軍再編との闘いで本土でもみんな自分の地元で闘わなくちゃいけない状態になってきた。自分の問題として基地問題に肉薄しているという状況になった。そういった意味では連帯闘争がすっとできると感じている。それほど今の日本は危険なところにきています。
これは韓国との連帯闘争にも言えます。県民大会にも韓国のピョンテクからペジョンジンさんが参加しました。韓国には28の米軍基地があるんですよ。それを米軍再編の中で五つに統合しようとしている。その統合先がピョンテクだ。オサン空軍基地を広げ、海兵隊のキャンプ・ハンフリーを倍ぐらいにしてそこに全部統合する計画です。
今の状況をなんとか止めるような闘いを沖縄で、全国でつくらないといけない。そのためにもお互い共通認識を持たないとね。このすさまじい現実を現場でやっている人たちは感覚でわかっているはずだから、労働組合の中にも入っていくことだ。
日米の「未来への変革」を止めるのは今だと思います。
(写真 赤いのぼりを林立させ県民大会に集まる沖縄県高等学校障害児学校教職員組合【3月5日 宜野湾市】)
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週刊『前進』(2240号6面3)(2006/04/03)
国際婦人デー集会 “力あわせ小泉倒そう” 闘う女性たちが一堂に
3月12日午後、「たたかいは始まった! 力をあわせて小泉倒そう! 世界を変えよう!」と呼びかける2006年国際婦人デー集会が東京・田町で開かれた。3・8集会実行委員会が主催した集会の中央には青年労働者や赤ちゃんを抱いた女性たちが座り、会場には厳しい時代を突き破るパワーが充満していた。
(写真 「団結ガンバロー!つながろう!広げよう!」とつないだ手と手を掲げてパワーオン【3月12日 東京】)
自治体労働者の司会で始まった集会の冒頭、東京労組交流センターの大畠信子女性部長が主催者あいさつに立った。米軍再編と闘うこの日の座間闘争の先頭で婦人民主クラブ全国協の西村綾子代表が闘っていることを紹介し、「きょうは岩国で住民投票が闘われている」と「日の丸・君が代」不起立闘争や春闘ストに向かう動労千葉の安全運転闘争など激しい闘いの渦中で迎えた3・8婦人デーであることを確認した。そして、3月8日にアメリカの女性団体コードピンクが呼びかける全世界行動の一環としてアメリカ大使館と内閣府に「イラクから撤退せよ」と申し入れたことを報告し、「私たちはこの時代本当に怒らなければいけない。イラクの子どもたちが死んでいる。帝国主義を倒そう。私たちこそが1917年ロシア革命の口火を切った女性たちに続こう」と訴えた。
「弁護の現場からみた憲法」と題して山本志都弁護士が講演し、卒業式闘争の監視弁護や立川反戦ビラ入れ弾圧の許しがたい言論弾圧の実態を報告する中から「どんな弾圧も行動することで切り開いていける」と弁護活動の中でつかんだ確信を語り、さらに憲法改悪のための国民投票法案に警鐘を乱打した。
青年労働者がミニコンサートで自作の曲を歌った。ともに闘う仲間が「職場で闘わずに『憲法を守る』なんてありえない。現場から闘いをつくり上げていく」とアピールした。
沖縄の桑江テル子さん、辺野古の金城祐治さんからのメッセージが読み上げられた後、闘いの現場からのリレートークに入った。
4回目の「日の丸・君が代」不起立で都教委から呼び出しを受けている教育労働者の女性は、「学校に命令はなじまない」と断言し、「学校は、教育は現在を問い、未来をはらむのではなかったのか。私は静かに貫く、不服従の日常的な営みを。私は穏やかに守りたい、教員の良心を、教育労働者の誇りを。そしてつながっていきたい、人、人、人。今ここに大きな大きなうねりを」と結んだ。共感と連帯の拍手!
「つくる会」の教科書採択に反対して闘う杉並・親の会、民営化と闘う公務員労働者、米陸軍第1軍団司令部は来るなと闘う座間・相模原の闘争報告が行われた。靖国神社について大学生が問題提起した。
サマワ模擬施設が造られた北富士演習場と闘っている北富士忍草母の会の天野美恵さんは「闘うことが私たちの恋人だ」と不屈の闘魂を語り、沖縄民権の会の座覇光子さんは3・5沖縄県民大会の高揚を伝えて「沖縄を上回る怒りの火を全国で広げよう」と呼びかけた。
婦民全国協の鶴田ひさ子事務局長が行動提起を行い、「世界戦争を終わらせよう。戦争のための改憲絶対反対! 国際的な団結と連帯で闘おう。仲間を広げよう!」と呼びかけた。最後に「団結ガンバロー! つながろう! 広げよう!」と隣の人とつないだ手を高く掲げた。
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