ZENSHIN 2006/01/30(No2231
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週刊『前進』(2231号1面1)(2006/01/30)
「日の丸・君が代」決戦貫徹へ
帝国主義の危機が全面的に爆発 小泉と奥田を今こそ打倒する時
1・28朝霞−三里塚で派兵阻止を
06年を労働者階級の総反撃の年としよう。新年冒頭から内外情勢は大激動し、その中で決定的な勝利が切り開かれた。1月16日の東京高裁での爆取デッチあげ弾圧裁判の無罪確定に向けた大前進(別掲)は、06年決戦の勝利へ、全労働者階級に向かって発せられた総決起の号砲である。どんな弾圧も攻撃も、敵をも飲み込む激しい階級的怒りを燃やして全力で闘えば、必ず勝利できることを、この闘いは示している。この勢いをバネに今春「日の丸・君が代」不起立闘争の大爆発をかちとり、それを突破口に4大産別決戦(教労・自治体・全逓・国鉄)と06春闘を大爆発させよう。朝霞と三里塚で1・28陸自東部方面隊のイラク派兵阻止に立とう。
第1章 小泉改革への人民の怒りが噴出し始めた
本紙新年号の「06年1・1政治局アピール」で述べているとおり、世界の労働者階級人民の生存と生活をかけた闘いが、直接に帝国主義と激突し、世界革命の闘いとして火を噴いている。米帝のイラク侵略戦争に対して、イラク・中東人民の反帝国主義・民族解放戦争が不屈に闘いぬかれ、米帝・日帝を泥沼的な危機に引き込んでいる。そして全世界で革命的情勢が急速に成熟しつつある。
「日の丸・君が代」不起立闘争を先端とする4大産別決戦は、こうした激動情勢下で労働者階級が帝国主義と真っ向から激突し、勝利していく最も基軸的で有利な戦場である。
1月20日から通常国会が始まり、決戦の火ぶたが切られた。18日の自民党大会で小泉は「改革加速が今年の責務」と述べ、「小泉改革」をしゃにむに進める決意を表明した。自民党はこの大会で、新憲法制定に向けた国民投票法制定や教育基本法改悪、防衛庁「省」昇格、中央省庁再編、公務員制度改革などの運動方針を採択した。通常国会ではさらに、行革推進法、「共謀罪」制定や米軍再編推進法など超反動法案が目白押しだ。全力でこれを粉砕し、小泉・奥田体制打倒へ進まなければならない。
05年の闘いの前進によって、労働者階級が全力で闘えば勝利できる条件は確実に生まれている。新年冒頭から日帝・小泉体制は危機を深めている。小泉改革のシンボルともてはやされてきたライブドアへの強制捜査がきっかけとなって17、18日の東証株価は急落した。また売買の殺到で東京証券取引所は一時、全面停止に追い込まれた。
全世界的な過剰資本・過剰生産力状態の中で、バブル経済化、マネーゲーム化、虚業化している現代資本主義の危機性、脆弱(ぜいじゃく)性がさらけ出されている。小泉・奥田の構造改革路線がこうした事態を極限まで促進してきた。
「社会の二極化」「格差社会」「下層社会」などが大問題化する中で、進んでいる事態は労働者階級の底なしの貧困化、窮乏化である。労働者の賃金は、97年から04年まで7年間連続して削られた。年収200万円にも達しない低賃金労働者が激増している。雇用破壊が激しく進み、今や労働者の3人に1人がパート・派遣・請負など、低賃金で「使い捨て」にされる非正規雇用労働者だ。女性労働者の半数以上が非正規雇用である。
健康保険料が払えなくて病気になっても医者にかかれない労働者や、生活保護家庭、就学援助家庭が激増している。多くの労働者が「失職の恐怖」の中で長時間過密労働、深夜労働、仲間との競争に駆り立てられ、心身をすり減らして働いている。労働者の団結を深める時間や、仲間と語り合う時間、家族と団らんする時間も奪われている。
日本経団連が要求する「ホワイトカラーへの労働時間規制の撤廃」や「労働者派遣法改悪」などは労働者の賃金奴隷的状況を一層激化させるものだ。本来、労働者の権利のために闘うべき労組中央、「連合」などが資本・財界に屈服し、労働者を「国際競争」に駆り立てていることで、攻撃は加速されているのだ。
資本家・投資家の搾取欲、利潤欲には限界がない。昨年9月期決算で過去最高益を上げた三井トラスト・ホールディングの社長は「今の収益はもうけすぎの水準にはない。もうけなければ(株主に)批判される」と語っている。日帝ブルジョアジー総体が、生き残りをかけて資本間、国家間の猛烈な利潤獲得競争に走っているのだ。
しかも今年は、所得税や個人住民税の定率減税半減(来年全廃)や、酒・たばこの増税が強行されようとしている。さらに、国民年金保険料・厚生年金保険料の値上げ、70歳以上高齢者の医療費窓口負担の値上げや長期入院患者の食費・居住費の自己負担化など、これでもかこれでもかと、労働者家庭に負担増の攻撃が襲いかかろうとしている。
そして安全が完全に崩壊している。JR尼崎事故、羽越線事故、耐震強度偽装問題など「規制緩和」「官から民へ」「小さな政府」を掲げる小泉改革が、労働者の生命、生活を奪い続けている。
第2章 4大産別での大前進が06年の勝利決する
本当に階級的な総反撃を資本家階級、小泉・奥田体制にたたきつけて打倒しなければ、労働者人民は生きていくことができない。
労働組合、労働運動が真に威力を発揮する時代が来たのだ。これは全世界的な流れである。AMFA(航空整備士労組)の長期スト続行、ニューヨークの地下鉄・バス労働者のストライキなど、戦闘的階級的潮流が全米の労働運動の首座に躍り出つつある。韓国・民主労総は12月ゼネストを打ち抜き、ノムヒョン政権を足元から揺るがしている。
日本労働運動も新たな大激動期、「戦国時代」に突入している。
教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争は、日教組中央の屈服をうち破る、職場からの実力決起である。労働者の戦争協力拒否の闘い、労働者が職場支配権を確立し、日教組を闘う組合に変えていく闘いである。こうした実力闘争だからこそ、全産別の労働者に大きな共感を呼び起こし動労千葉の反合・運転保安闘争とともに、戦闘的労働運動の巨大な牽引(けんいん)車となっているのだ。
今春、都高教を先頭に04年、05年をも超える「日の丸・君が代」不起立闘争の大爆発を全国でかちとることが決定的だ。都教委包囲・首都圏ネットが呼びかける「2・5総決起集会」(午後1時開会、日本教育会館)に結集し、闘いの火の手を上げよう。
さらに1・26〜27自治労臨大に総決起し、自治労の改憲勢力化を阻止し、闘う路線を確立しよう。
JPU(全逓)本部は、郵政民営化と闘う方針を一切放棄し、2・9〜10臨時大会で「現実対応」と称する全面屈服方針を決めようとしている。断じて許しがたい。闘う全逓労働者は臨大に総結集し、本部を弾劾し、「郵政民営化絶対反対」を掲げて、物ダメ決起の情勢を全国でつくり出すために奮闘しよう。
国鉄戦線では、尼崎事故に続く羽越線事故を、国鉄分割・民営化と小泉改革の大合理化攻撃が引き起こしたものとして徹底的に弾劾しなければならない。同時にそれは、JR資本とJR総連・カクマルの労資結託体制がもたらしたものだ。そのJR総連は、東労組・松崎の巨額の組合費横領が暴かれ、内部から分裂と崩壊の危機を深めている。
動労千葉の反合・運転保安春闘を先頭に、JR資本−JR総連の結託体制を打倒し、国鉄戦線での階級的労働運動の前進をかちとろう。1・28国労中央委闘争を闘い、2・16国鉄集会(日本教育会館)の大成功へ! 解雇撤回をめざす1047名闘争の勝利、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利へ進撃しよう。
日本経団連は「経労委報告」で、「労使の協力で『攻めの経営戦略』を」と叫び、国際的争闘戦、国際競争に勝ちぬくために、労働者階級へのさらなる攻撃を叫んでいる。「激しい国際競争と先行き不透明な経営環境が続く中、国際的に見てトップレベルにある賃金水準をこれ以上引き上げることはできない」と、ベア拒否、「春闘終焉」を叫んでいるのだ。
これに対して連合中央・高木は、経団連との会合で「経労委報告は評価できる」と述べ、労資一体路線を進もうとしている。「国際競争力」論に屈服し、わずかばかりの「賃金改善」要求で労働者の怒りと闘いを押さえつけようとしている。この反労働者的策動を粉砕し、大幅賃上げ要求を掲げ、動労千葉・3労組共闘を先頭に06春闘を戦闘的に闘おう。労働者の怒りと闘いの気運は満ち満ちている。必要なものは闘う方針であり、闘う指導部だ。
第3章 改憲阻止の統一戦線を破壊する日共
さらに、陸自東部方面隊の1・28イラク出兵阻止の政治闘争に決起しよう。
沖縄や横須賀・八王子・座間など各地で米軍・米兵の犯罪やひき逃げ事件が頻発している。沖縄では17日、米軍機が墜落事故を起こした。沖縄人民の演習中止要請を米軍が拒否し、労働者人民の怒りが沸騰している。米軍再編による日米共同の北朝鮮・中国侵略戦争体制づくりに絶対反対し、沖縄を先頭に相模原・座間・横須賀など各地で基地闘争に決起しよう。
4大産別決戦と結合し、全国で改憲阻止闘争を切り開こう。9条改憲阻止の一点でこれまでの規模をはるかに超えた大統一戦線をつくり出すことが重要だ。
ところが日本共産党は、昨年の「11・5赤旗声明」をもって改憲阻止闘争の統一戦線の破壊者として登場している。彼らは改憲阻止闘争が巨大に発展し、日帝と大激突していくことを心底から恐れているのだ。
24回党大会(1・11〜14)における不破議長の退任は歴史的事態だ。不破は戦後の日本共産党を宮本とともに牽引してきた人物であり、不破の退陣は日共スターリン主義の党的重心、求心力の解体をもたらし、志位−市田体制のもとで、より一層の屈服と転向、危機と分解が進むだろう。プロレタリア革命に敵対するスターリン主義を打倒し、闘う労働者党の強固な前進をかちとるべき時である。
すべての闘う青年・学生、労働者人民は、革共同に結集しともに闘おう。
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週刊『前進』(2231号1面2)(2006/01/30)
迎賓館・横田爆取控訴審 無罪確定へ大きく前進
全検察証拠を却下、即日結審
1月16日、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判控訴審の第1回公判で、東京高裁第3刑事部・中川武隆裁判長は、検察官の証拠調請求をすべて却下し、結審を宣言した。大勝利である。06年決戦の冒頭でかちとった、まさに鮮やかな勝利である。正義性、階級性にトコトン立脚し、不退転で闘えば勝利できることをまざまざと示したのだ。判決は5月19日午前10時。必ずや控訴棄却、無罪を確定させる判決をかちとろう。
(写真 昼休みに東京地裁前でビラまき)
04年3月25日に東京地裁で無罪判決をかちとった須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志は、満を持してこの日を迎えた。50人を超える傍聴席は、家族、支援者、友人らで一杯だ。無実の富山(とみやま)保信同志の再審請求を棄却し、立川テント村のビラ配布弾圧裁判で逆転有罪判決を下した反動中川裁判長を許すまじと、緊張がみなぎった。
裁判の最初、検察官は控訴趣意書の朗読を「書面のとおり」と言って省略した。一方4人の弁護人は、答弁書に記載されたあらゆる論点の核心点について、2時間にわたって堂々と陳述した。3同志の無実と、検察官の控訴の不当性がみごとに明らかにされた。
続いて3同志の答弁書の朗読だ。板垣同志が立ち上がって朗読を始めた。すると、中川裁判長は「待ちなさい。被告人は陳述権がない」という。無実の3同志が16年も獄中に閉じ込められて裁判を強制され、無罪判決後も検察官の不当控訴で裁判が継続されているというのに、法廷で何も言えないなどふざけきっている。3同志が次々と手をあげて発言を求めたが、中川裁判長は「発言禁止! 退廷させます」と繰り返すばかりであった。
裁判長の不当な訴訟指揮を弾劾して、3同志の答弁書は弁護人によって代読された。朗読が終了すると、傍聴席から割れんばかりの拍手が巻き起こった。すると中川裁判長は、即刻1人を退廷させ、それに抗議した1人を拘束に処した。断じて許すことができない。
裁判長への怒りが渦巻く中、検察官の証拠申請をめぐる攻防に移った。検事はなんと67点にもおよぶ「証拠」、13人もの「証人」を申請した。3同志は無実であり、「証拠」など何ひとつとしてない。しかも東京地裁で12年間も検事側立証が行われ、その結果、1審東京地裁は無罪判決を下したのである。
今回控訴審で申請された「証拠」なるものは、1審裁判所が却下したものがほとんどである。弁護人は、検察官の申請した「証拠」のすべてを採用するなと論を尽くして明らかにした。その結果、裁判所は検察官の請求した「証拠・証人」をすべて却下したのだ。
驚きあわてた検察官は異議を申し立てるが、その理由を言えない。弁護人が「異議の理由は何か。刑訴法何条に違反するのか明らかにせよ」と問い詰めると検事は「証拠が却下されると思っていなかったので準備がなくて」とか、「正確な条文かどうか分かりませんが」などと言って、顔面蒼白(そうはく)である。
こうして検察官の異議も棄却され、結審が宣言されて第1回裁判が終了した。
これ以上ない大勝利である。3同志と弁護団は勝利感に満ち、傍聴席からは中川裁判長の退廷恫喝を粉砕して拍手が鳴り響いた。
この勝利は第一に、3同志・家族と弁護団、さらには救援運動の勝利である。3同志とその家族は、凶暴な爆取デッチあげ弾圧への怒りを爆発させ、19年にわたって激闘につぐ激闘を闘い続けてきた。重罪・重刑の脅しで闘いをつぶそうとしてきた権力に対し、逆にこんな国家権力など打ち倒すべきだという気迫をみなぎらせて闘ってきた。自らの闘いの正義性を断固として踏まえ、党と同志を信頼し、労働者階級人民の中には弾圧を打ち破っていく力が絶対にあることを確信して、どんな長期投獄も、どんな長期裁判も恐れず闘ってきたのだ。
この被告と家族の不屈の闘い、そして弁護団の迫力と鋭い論理、さらには「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」の救援運動こそが、国家権力を追いつめた原動力である。
第二に、小泉・奥田の民営化と労組破壊攻撃と対決する教労・自治体・全逓・国鉄の4大産別での闘いを始め、05年の闘いの飛躍的前進が、国鉄分割・民営化と戦後政治の総決算をかけて行われた1987年爆取デッチあげ弾圧を、根底で打ち破る階級情勢を切り開いた。
尼崎事故や羽越線事故に対する動労千葉の反合・運転保安闘争、昨年9・15鉄建公団訴訟への反動判決を乗り越えて始まった国鉄1047名闘争の新たな発展の中に国鉄分割・民営化の破綻は明白だ。1−3月「日の丸・君が代」強制拒否の闘いと06春闘の爆発を突破口に、4大産別決戦と改憲阻止決戦へ全力で驀進(ばくしん)しよう。
2月18日「完全無罪をこの手に! 2・18集会」に総結集しよう。3月3日、福嶋昌男同志の東京地裁判決で無罪を戦取しよう。
5・19控訴審判決に向けて徹底的に闘いぬき、必ずや控訴棄却をかちとろう。
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週刊『前進』(2231号1面3)(2006/01/30)
被処分者の怒りが都教委を圧倒
昨春卒・入学式で不起立闘争などを闘った教育労働者が、7月「再発防止研修」時のゼッケン着用などを口実に、再度の処分と「再発防止研修」を受けた。被処分者は転向強要を敢然とうち破り、都教委を追及して意気高く闘った(1月19日 水道橋)=詳報次号
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週刊『前進』(2231号2面1)(2006/01/30)
1047名の統一陣形うち固め解雇撤回へ
国労中央委へ闘うアピール
安全崩壊させたJR体制に反合・運転保安闘争で反撃を
革共同国鉄委員会
06年は、冒頭から激しい階級攻防が火を噴いている。労働者階級は、小泉=奥田の戦争と改憲、民営化・労組破壊の攻撃と総力で対決する決戦に入った。とりわけ、教労・全逓・自治体・国鉄の4大産別をめぐる攻防は、労働者階級の命運を決する位置を持つ。その土台をなすものこそ国鉄決戦だ。国鉄1047名闘争は、あらゆる妨害に屈せず不屈に貫かれてきた。06年はその真価がいよいよ問われる。革共同国鉄委員会は06年決戦を総力で闘う。その最初の激突点が、1月28日の国労第176回拡大中央委員会だ。国鉄1047名闘争のさらなる発展と国労の階級的再生をかちとろう。動労千葉の反合・運転保安闘争とともに06春闘を闘う方針を確立しよう。
4大産別決戦の土台に位置する国鉄闘争
昨年の11・6集会を4600人の結集で闘いとり、日米韓の労働者国際連帯を打ち固めた日本の労働者階級は、06年を歴史的決戦の年として迎えた。
小泉政権は自民党大会で新憲法草案を決定し、今国会に改憲に向けた国民投票法案を提出する構えでいる。改憲がついに公然たる政治日程に上ったことは、ただならない事態である。
だが改憲攻撃は、国家権力機構内に労組的団結を築いてきた官公労系労働組合をたたきつぶさなければ貫徹できない。昨年1年、日本の労働者は、「日の丸・君が代」強制拒否の教育労働者の闘いと、反合・運転保安確立を掲げた動労千葉の05春闘をとば口に、ぎりぎりの闘いで連合の改憲勢力化を阻んできた。昨年の日教組大会、自治労大会、連合大会は、いずれも労組を丸ごと改憲翼賛に転じさせようとした執行部の思惑を打ち破った。
06年が冒頭から4大産別をめぐる激しい攻防に入ったのは、これへの取り戻しをかけた攻撃が、敵階級とそれに屈した連合幹部によって仕掛けられているからである。1・26〜27の自治労臨大、2・9〜10のJPU臨大、3・21の日教組臨大は、1・28の国労中央委と並び、4大産別決戦の帰趨(きすう)を決める大激突になる。
(写真 鉄建公団訴訟を軸に1047名陣形を固めた昨年の7・15全国集会。さらに統一陣形は広がった【日比谷野音】)
19年間の闘いの真価が問われる
国鉄闘争は、4大産別決戦の土台を支える闘いであり、改憲阻止闘争の勝敗を決する闘いだ。国鉄分割・民営化に際して、当時の首相・中曽根は「(国鉄改革を始めとする)行政改革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と公言した。この攻撃の貫徹を阻んできたのが、国鉄闘争19年の不屈の展開だ。小泉政権のもとで改憲が再び俎上(そじょう)に上ってきた今、国鉄闘争はその真価が問われる時を迎えたのだ。
06春闘をめぐっても、日本経団連は経労委報告に「経営者よ 正しく強かれ」の表題を掲げ、「攻めの改革」を叫んでいる。経労委報告は、治安強化や労働契約法制定を唱え、労働者の団結を暴力的に破壊する衝動をあらわにした。奥田は年頭の記者会見で、「横並びや一律という考え方は容認できない」と言い放っている。
労働者の平均賃金はすでに11年連続で下がり続けた。その一方、大資本はバブル期を上回る空前の利益を上げている。労働者からの徹底した搾取と収奪で、資本はうたかたの繁栄に浸ってきた。だが、ライブドアへの強制捜索で東証株価は急落した。IT詐欺師どもをはべらせ、帝国主義の腐敗を全面的にさらしつつ強行された小泉改革に対し、労働者の怒りは沸点に達している。
その中で小泉政権は、郵政民営化法の強行に続き、昨年12月に「行政改革の重要方針」を閣議決定し、全公務員労働者を対象にした大民営化に突き進もうとしているのだ。
動労千葉とともに06春闘を闘いぬこう
国鉄分割・民営化と同様の攻撃が4大産別に吹き荒れている。国鉄労働者こそ、反撃の先頭に立たなければならない。この1〜4月、教育労働者の「日の丸・君が代」拒否の闘いと、動労千葉の06春闘の闘いを軸に、階級的労働運動を生き生きと復権させる時が来たのである。
折しも、国鉄分割・民営化体制=JR体制は安全問題で根底的な危機をさらけ出した。107人の命を奪った昨年4月25日の尼崎事故から1年もたたない12月25日、羽越線で特急「いなほ」が脱線・転覆し、5人の乗客が殺された。
羽越線事故の原因は、けっして「予想外の突風という不可抗力」ではない。国鉄分割・民営化とそのもとで強行された規制緩和、人員削減こそが、事故を引き起こしたのだ。暴風雪警報下で運行規制もせず、100`以上のスピードで列車を運行させたこと自体が、無謀きわまることだった。
その背後には、国土交通省による02年の省令の抜本的規制緩和があった。そのもとでJRは運転基準を変更し、風速20b以上になった時の駅長による輸送指令員への報告義務を削除した。こうしてJRは運転規制の判断権を現場から奪い、指令室に集中させ、現場の状況がどうあろうと、ひたすら「定時運行」を優先させてきたのである。
JR体制下で強行された合理化=人員削減によって、地方では多くの駅が無人化・委託化されている。羽越線の事故現場に最も近い駅も無人だった。これでは駅員が気象状況を把握し、報告することは不可能だ。JRは、人員削減に合わせる形で、安全に関する規制を次々と取り払ってきたのである。
今回の事故が、資本=カクマル結託体制の牙城(がじょう)をなすJR東日本で発生したことは重大だ。尼崎事故に際し、JR東日本も東労組カクマルも口裏を合わせて「東日本の安全対策は万全だ」と豪語した。だが、東労組カクマルこそ、資本と一体となって大合理化を強行し、安全を崩壊させた張本人だ。
時あたかも、松崎明の3億円にも及ぶ組合資金横領問題が公然化する中で、JR総連は分裂の危機にのたうっている。このカクマルと結託し、国鉄分割・民営化を最先頭で強行してきたJR東日本会長・松田昌士は、羽越線事故後、辞任表明に追い込まれた。国家権力は、国鉄1047名闘争の解体を図る一方、カクマルとの結託体制の清算をJR資本に突きつけている。JR東日本が掲げる「一企業一組合」は、今や完全に破産した。国鉄分割・民営化体制は土台から揺らぎ始めた。国鉄労働運動はかつてない分岐・流動・再編の過程に入ったのだ。
小泉が郵政民営化を頂点に大民営化に突き進もうとしている時、その意味はきわめて重い。今日の大リストラ攻撃の突破口をなした国鉄分割・民営化の破産は、小泉改革全体に破産を突きつけ、全産別の労働者が反転攻勢に立つ巨大な水路をこじ開けるのだ。
職場生産点からの闘いが決定的
羽越線事故の衝撃もさめやらぬ1月6日、川越線でレールが折れた。翌7日には、総武緩行線・西千葉−稲毛間でもレールが破断した。これに対し、動労千葉は直ちに反合・運転保安闘争を再強化し、06春闘を闘う闘争宣言を発した。
昨年の尼崎事故に対し、動労千葉は事故1カ月を期して安全運転行動に立ち上がった。無理な回復運転はしない、危険個所では減速するなどの行動に対し、JRは「会社の運行管理権を奪うもの」と非難し、延べ数千人の管理者を動員して運転室に乗り込み、闘いの圧殺を図った。動労千葉の本部執行部8人には「厳重注意」の不当処分が下された。だが、動労千葉はこれに屈せず闘い、ついにJR東日本に22`のレール交換をさせる勝利を実現した。そして今、06春闘を羽越線事故弾劾の反合・運転保安春闘として闘いぬこうと立ち上がっている。
労働組合が闘わなければ、安全は絶対に守れない。続発する事故が合理化の結果である以上、反合理化闘争・運転保安闘争を闘うことは死活的だ。
だが、反合闘争は資本の論理と真っ向から激突する。資本は絶えず、合理化をとおして労働力の価値を際限なく縮小し、利潤=剰余価値の増大を追求しつつ、労働組合解体の攻撃を仕掛けてくるからだ。反合闘争は、資本による労働者への侵害に対する命がけの抵抗であり、資本と直接激突しながら労働者の団結を守り、強化する闘いだ。またそれは、逆に資本に対する侵害として闘われる。そうである以上、反合闘争は、労働者階級の究極的な解放=プロレタリア革命を目的として闘わざるを得ない。だからこそ、その実践は並大抵のことではなく、カクマルや日本共産党、社会主義協会派に至る諸党派は、反合闘争においてことごとく破産してきたのだ。
だが、動労千葉は階級的立場に立ちきることによって、反合・運転保安闘争を貫いてきた。動労千葉が国鉄分割・民営化にストライキで立ち向かい、今もなお反合・運転保安闘争を闘いぬいていることは、11・6集会における感動的な労働者国際連帯をつくり出した原動力でもある。
反合闘争は、職場生産点からの闘いそのものだ。職場からの闘いをとおして団結を固め、職場支配権を労働組合が握り返していく闘いだ。労働者階級が社会を根本から変革する力を有しているのは、労働者が職場生産点を押さえているからにほかならない。
職場生産点から闘いを起こせば資本との激突は不可避である。だが、そこには資本の支配を転覆するプロレタリア革命の萌芽(ほうが)が宿っている。教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争が多くの労働者の感動を呼び、階級情勢を揺り動かしているのも、当局との激突を恐れぬ職場生産点からの決起だからだ。
国鉄労働者は事故で殺されてはならない。どこの労組に所属しようが、続発する事故への怒りをたぎらせ、反合・運転保安闘争、安全確立の闘いに総決起することが絶対に必要だ。
ついに生み出された「2・16集会」の陣形
国鉄分割・民営化から19年を経て到来した好機をつかむことができるのか、それとも裏切り執行部のもとで闘いの圧殺を許すのか。国労中央委員会に問われているのは、このことだ。
中央委員会の課題の第一は、1047名の解雇撤回闘争の本格的高揚を切り開くことである。国鉄闘争は、国鉄分割・民営化から19年にして初めて、1047名全体を糾合した統一陣形を生み出した。2月16日には、鉄建公団訴訟を闘う国労闘争団の原告団、全動労争議団の原告団、動労千葉争議団の原告団と国労闘争団全国連絡会議が主催者となって総決起集会(日本教育会館)が開かれる。JR不採用を通告された怒りの日に、文字どおり1047名が一堂に会して闘うのだ。4月4日にも1047名を結集しての集会が予定されている。この陣形をつくり上げたのは、あらゆる困難に耐え抜いた1047名の苦闘にほかならない。2・16集会の陣形は、「日の丸・君が代」拒否闘争と並び、06年冒頭の決戦の前面に躍り出た。
1047名闘争に勝利する道は、この陣形を打ち固め、国家的不当労働行為を徹底弾劾して、さらに広範な大衆運動をつくり出すことにある。
昨年11月20日、NHKの日曜討論に出席した中曽根康弘は、次のように言い放った。「国鉄労働組合っていうのは総評の中心だから、いずれこれを崩壊させなきゃいかんと。それで総理大臣になった時に、今度は国鉄の民有化ということを真剣にやった。……で、国鉄の民有化ができたら、一番反対していた国鉄労働組合は崩壊したんですよ」。こんな暴言を許していていいはずがない。中曽根暴言をも逆手にとり、国家的不当労働行為弾劾の大衆闘争を巻き起こそう。
裏切り執行部を倒し団結回復へ
国労中央委員会の課題の第二は、4党合意受諾と闘争団への統制処分・生活援助金の支給停止を強行した国労本部に自己批判させ、国労の真の団結を回復することだ。とりわけ、5・27臨大闘争弾圧で組合員を警察に売った国労本部派の大裏切りを放置したまま、国労の団結も再生もない。闘う団結の回復は、弾圧に加担した佐藤−吉田執行部を打倒し、闘う国労組合員が執行部を握ることで成し遂げられる。5・27臨大闘争弾圧との闘いをすべての組合員のものとし、「許さない会」運動を広めよう。
1047名闘争の勝利もここにかかっている。この弾圧は、闘争団への統制処分に抗議した組合員への弾圧だ。弾圧を仕組んだ執行部の、1047名闘争の政治解決=屈服的和解へのねじ曲げを許さず、解雇撤回・JR復帰を貫こう。
国労中央委員会の課題の第三は、反合・運転保安確立の闘う方針を打ち立てることである。
羽越線事故に対し、国労本部はあろうことか旗開きさえ自粛した。労働組合が資本と闘わずにどうして安全を守れるのか。国労本部は「責任追及ではなく原因究明を」とJR総連とうり二つのスローガンを掲げ、西日本エリアの上村革同は「労使の信頼なくして安全なし」とまでうそぶいている。まさに、このような労組幹部の裏切りこそが事故の引き金を引いたのだ。佐藤勝雄が率先推進する「JR20年の検証運動」や昇進差別・配属差別の「和解」は、JR資本と一切闘わないという屈服の表明だ。
こうした裏切りを弾劾し、反合・運転保安闘争の路線確立へ職場から闘いを起こすことが、国労の階級的再生にとって不可欠だ。資本とどう闘うのかをめぐって職場から徹底した議論を起こし、動労千葉と連帯して06春闘をストライキで闘う方針を打ち立てよう。
1047名闘争の勝利にとって、反合・運転保安闘争の路線を確立することは決定的な土台をなす。4党合意の受諾や闘争団への統制処分に行き着いた国労本部の裏切りは、JR資本との対決を放棄した政治決着=和解路線の帰結だった。国労は89年の臨時大会で「全面一括解決要求」を掲げたが、国労要求を真に実現するためにJR資本と職場生産点から徹底対決する路線を鮮明にさせきることができなかった。反合・運転保安闘争の路線を確立してこそ、4党合意路線を清算することができるのだ。
続発する事故に対し、全組合員が職場からの闘いを熱望している。JR本体の闘いを1047名闘争と緊密に結合させれば、彼我の力関係は劇的に転換する。
国労中央委員会の課題の第四は、改憲を頂点とする小泉反動と闘う方針を確立することだ。今通常国会で成立が狙われている教育基本法改悪法案、改憲のための国民投票法案、共謀罪新設法案などの反動法案を粉砕しよう。米軍再編による全土基地化の攻撃、沖縄圧殺の攻撃と闘おう。
「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者と連帯し、「改憲阻止・イラク撤兵・06春闘勝利・小泉打倒」の1〜4月決戦を闘いぬこう。国労中央委の攻防を貫き、06年決戦の勝利を押し開こう。
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週刊『前進』(2231号2面2)(2006/01/30)
被災地神戸 震災11周年に集会 “団結を固め行政と対決”
1月15日、阪神大震災の被災地のど真ん中、新長田において「震災11周年、第24回被災地反失業総行動集会」が162人の参加で大成功しました。
集会途中と最後に、沖縄民謡や組合の婦人のカチャーシーを交えながら、参加者全体が発言と討論に集中するなど、組合員、参加者が主人公になったかつてない解放的な集会でした。
(写真 長谷川正夫・被災地雇用と生活要求者組合代表の「被災地総行動で各団体のあらゆる闘いを担い、国際連帯を強めよう」という発言に聞き入る参加者【1月15日 神戸】)
最初に、司会の「暮らしを守る西宮市民の会」の女性の呼びかけで阪神大震災の犠牲者6434人と震災後に亡くなった組合員を追悼し黙とうを行いました。
その後、主催者あいさつを蒲牟田宏・被災地雇用と生活要求者組合事務次長が行いました。「11年間の苦闘の中で要求者組合を根っことして、被災地企業組合、就労者組合、関西合同労組兵庫支部の労働者の団結をつくり出してきた。この団結を基礎に、ここぞという闘いには総結集する被災地反失業総行動を闘ってきた。それらを軸に沖縄の闘い、イラク反戦、11月全国労働者集会を闘い、訪韓団を送って国際連帯の一歩を進めた。この成果は全国の支援のおかげであり、闘いの教訓を全国に返すことが問われている」と11年の総括を述べ、「被災地の労働者・市民支援打ち切りの攻撃も、小泉の民営化攻撃も根っこは同じだ。みんなの力を合わせて闘っていきましょう」と闘争方針を提起しました。
次に、早川和男神戸大学名誉教授が「神戸に住んで思うこと」と題して記念講演を行いました。神戸市の乱開発とゼネコンの利害優先の政治に怒りをあらわにし、それを許しているのはオール与党体制にあり、その責任の半分は労働組合にあること、その労働組合をどう変えるかが問題だと、被災地の闘いへの期待を述べました。
続いて「被災者の団結と助け合い宣言」に移り、3人が発言しました。
まず、しごと開発就労者組合の組合員が、兵庫県を相手にした中労委の闘いの報告と、ミニ・デーサービス立ち上げの報告を行いました。
続いて、被災地労働者企業組合の組合員が、ナースシューズの購入のお礼と、10年間の闘いで培ってきた団結と助け合いをさらに強め、戦争反対、小泉打倒まで闘おうと訴えました。
最後に、被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表が、「12年目だからこそ運動のさらなる飛躍をかちとり、1歩でも2歩でも前進しよう」と、闘いの方向を提起しました。
中間アトラクションは、5人のアフリカ民族音楽演奏家による太鼓演奏。その陣太鼓を思わせる音とリズムに会場から多くが参加し、一緒に踊りました。
後半の司会を要求者組合の役員が担いました。
「被災地総行動で悪政を変え憲法改悪を止めよう」と題して、被災地共闘の3団体が発言しました。
神戸空港工事の中止を求める市民の会から、「神戸新空港開港は、明らかに空港の軍事使用に目的がある。なんとしても2・12集会デモを成功させ、2・16の開港を阻止しましょう」と呼びかけがありました。
部落解放同盟全国連合会から「兵庫県の臨海部の支部建設を成功させた力で県連建設を行いたい。3月5日の西宮での全国連大会を地元として成功させたい」との訴えがありました。
最後に、止めよう戦争への道・百万人署名運動兵庫県連絡会からイラク反戦の提起がありました。
今集会のメインである会場からの一人3分アピールでは、7人の人びとが次々と発言しました。特に被災地の闘いに感動して、悪らつな経営に対して組合を結成したという女性労働者の発言は共感を呼びました。
最後に関西合同労組の石田勝啓委員長のまとめと団結ガンバローで集会を終了しました。被災地は被災者の存在を抹殺する行政への怒りを爆発させ、責任を追及する12年目の闘いに突入しています。そして被災地に生まれた共同闘争を発展させようとしています。
(投稿/神戸・SK)
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週刊『前進』(2231号2面3)(2006/01/30)
「スト権協議」をエサに総人件費削減を容認へ
公務員制度改革 政府に屈服する連合
1月16日、連合が政府担当閣僚と公務員制度改革に関する協議を開始した。連合は、スト権を含む労働基本権の公務員への付与に関する政労協議会の設置と引き換えに、民間に準じた能力・実績主義の導入論議や人件費削減論議に応じる姿勢を表明した。
スト権要求と称して公務員制度改革を容認する連合・高木剛会長、自治労・岡部謙治委員長を許してはならない。公務員労働者は、連合中央の政労協議路線を許さず、公務員制度改革粉砕へ闘おう。
公務員労働者からの労働基本権剥奪(はくだつ)は、戦後労働者支配の重要な柱をなしてきた。改憲と大民営化の攻撃が吹き荒れている今日、政労協議によって支配階級が労働基本権付与で譲歩するなどと吹聴すること自体、許しがたい裏切りだ。支配階級の思惑は、スト権付与をちらつかせて公務員制度改革を連合中央―自治労中央にのませ、公務員労働運動をたたきつぶすことにある。
ところが連合幹部は、そんなことは百も承知で「協議会設置」に飛びつき、それを裏切りの口実にして公務員制度改革推進へとかじを切ろうとしているのだ。
小泉政権は「行政改革の重要方針」を昨年12月24日に閣議決定し、国家公務員定数の5年間5%以上純減、地方公務員定数の5年間4・6%以上純減、国家公務員総人件費の10年間半減(対GDP比)、能力主義・実績主義の人事管理の導入などを宣言した。
それは同時に、日帝の戦争国家への国家改造(改憲と戦争、民営化と労組破壊)の推進であり、公務員の魂の入れ替え、すなわち「天皇の官吏」化、侵略戦争・戦争国家体制の先兵化を意味する。連合中央はこれに屈したのだ。
労働基本権は労働者が団結し、資本や当局と闘うための権利である。にもかかわらず連合幹部は公務員制度改革を認め、あらかじめ闘いを放棄することと引き換えに「スト権付与」を求めている。これ自体、底なしの屈服と破産の道だ。
国鉄分割・民営化でJRの労働者はスト権を取り戻した。だが国鉄分割・民営化は、「スト絶滅が私の使命」とうそぶく松崎明を頭目とするJR総連カクマルとJR資本の結託体制を生み出した。それが全面破産をあらわにした今この時に、連合中央―自治労中央は松崎と同様の裏切りに踏み込んだのだ。
労働基本権は労働者の団結と闘いによってのみかちとられる。公務員制度改革と全力で闘ってこそ、労働基本権は奪還できる。公務員制度改革絶対反対の闘う路線確立へ、1・26〜27自治労臨大攻防を貫こう。
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週刊『前進』(2231号3面1)(2006/01/30)
職場からアクションプラン2合理化粉砕へ
JPU第61回臨大に向けて訴える
小泉の改憲・民営化攻撃に屈服した連合全逓中央を打倒しよう
革共同全逓委員会
はじめに
【表1】アクションプラン2の要員削減計画
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06年度(人) |
、07年度(人) |
2年分合計(人) |
郵便事業 |
▲5260 |
▲3109 |
▲8369 |
貯金事業 |
▲1131 |
▲1970 |
▲3101 |
保険事業 |
▲687 |
▲700 |
▲1387 |
3事業合計 |
▲7078 |
▲5779 |
▲12857 |
戦後60年を迎えた帝国主義世界体制は崩壊的状況に入った。待ったなしの革命的情勢が到来しようとしている。2006年は昨年を上回る階級決戦の年となる。
昨年の11・6全国労働者総決起集会は、戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃に反対する日米韓の国際連帯集会として躍動感をもってかちとられた。05年決戦全体の勝利的地平と11・6集会の成功を新たな起点として、06年、4大産別を軸に小泉=奥田路線への労働者階級の総反撃をかちとろう。
小泉政権の「骨太方針」の中心軸をなす郵政分割・民営化攻撃との闘いは、「日の丸・君が代」決戦と並ぶ06年前半の最大の決戦として始まっている。1〜3月に各産別の臨時全国大会や中央委員会が集中している。1〜3月の4大産別の闘いが決定的だ。日帝・小泉は、通常国会で改憲攻撃の第1弾として国民投票法案を提出しようとしている。全労働者の闘いで絶対に粉砕しなければならない。闘う全逓労働者は、全存在をかけてその最先頭で闘おう。
JPU(日本郵政公社労働組合)臨時全国大会(2月9〜10日、日本青年館)は、連合全逓中央本部が郵政民営化賛成=推進を公然と掲げてアクションプラン2という大合理化と「働こう運動」を全組合員に強制し、JPUを改憲勢力化する狙いをもって開催される。
2月臨大に向けた闘う全逓労働者の任務は、全国の全逓労働者の積もり積もった怒りに火をつけ、腐り切った連合全逓中央を打ち倒す闘いを職場からつくりだすことである。小泉=奥田の改憲と民営化攻撃に屈し、首切りと全逓労働運動解体を進める連合全逓中央を許してはならない。
職場での団結を打ち固め、超勤拒否、物ダメ・ストライキの職場生産点での闘いをつくりあげよう。今こそ動労千葉労働運動を実践し、新たな階級的全逓労働運動をつくりあげるために闘おう。
郵政民営化賛成=推進を公然と表明
連合全逓中央は、小泉=奥田の戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃に完全に屈し、敵の軍門に下った。そして、連合全逓中央・菰田委員長−難波書記長は、郵政民営化を認め積極的に推進することをとおして、全逓13万人組合員を敵に売り渡そうとしている。全逓労働運動を侵略戦争に協力していった戦前の逓信報国団―産業報国会に変質させようとしているのだ。それと引き換えに、労働貴族として生き延びようというのだ。断じて許すことはできない。
全逓中央は今まで、郵政民営化に絶対反対の立場を一度もとったことがなかった。「民営化対応」の名のもとに、すべての合理化・減員・労働条件の切り捨てを認めてきた。97年の橋本政権のもとで政治決着が図られ、省庁再編で公社化が決まった時、全逓中央は「公社となって経営形態は変わったが、身分は国家公務員を守った」と言った。そして「現行経営形態と公務員身分を守る。だから民営化にならないために…」とすべての合理化施策を受け入れていった。その結果が公務員身分が剥奪(はくだつ)される郵政分割・民営化となったのである。彼らは総選挙での自民党「大勝」を前に法案成立前から白旗を上げ、民営化積極推進の正体をあらわにした。
全逓中央は臨時大会本部議案書で、参議院での8・8郵政民営化法案の否決を闘いの成果として祭りあげた上で、「総選挙の敗北は極めて残念な結果でしたが、その要因は私たち労働組合の責任を越えたところにあり、政党間の政治戦略や政権構想力の差が如実に顕れたもの」と主張している。一方で現場の全逓労働者の怒りと闘いをとことん圧殺し、他方で組合費を使って金をばらまき、自民党の郵政族議員や民営化賛成の民主党を頼りとした「取り組み」へと郵政民営化反対闘争をねじ曲げてきた自らの責任を棚上げにしているのだ。
これは、反マル生闘争後の79年の路線転換から26年、連合全逓中央の企業防衛主義と労使協調路線の結果である。天下り先も確保され腐敗・堕落した労働組合指導部=労働貴族どもの路線的破産が満天下に明らかになった。
昨年総選挙過程での小泉のわれわれ郵政労働者(公務員)に対する罵詈雑言(ばりぞうごん)を思い出そう。「郵政38万人の公務員の既得権を守ることで国民の利益が損なわれてよいのか」「何で公務員でなければならないのか」などと、われわれを“抵抗勢力”に仕立てあげ、“悪の固まり”と宣伝した。郵政労働者をあたかも甘い汁を吸っている既得権益の権化のように描き悪罵(あくば)を投げつけたことを絶対に許すことができない。
戦後約50年自民党政権のやってきた結果が、現在の国・地方をあわせた債務が1000兆円にもおよぶ国家財政の破綻(はたん)だ。小泉政権は昨年度1年間だけで78兆円も借金を増やしている。今も既得権益にどっぷり浸っているのは、国会議員−官僚−労働貴族ではないか。
小泉のデマゴギーと郵政労働者バッシングが許せるか。劣悪な労働条件のもとで昼夜郵政事業を動かしているわれわれ労働者は、今も「郵政民営化反対」であり、「小泉なんか絶対許せない」という腹の底からの怒りの声でいっぱいだ。「郵政民営化法の成立・施行という現実を冷静に受けとめ」などと議案に書く菰田−難波ら連合JPU中央本部には、こうした現場労働者の階級的怒りが微塵(みじん)もないのだ。
今回の郵政民営化の狙いは、郵政労働者の公務員身分を剥奪し民間同様に首切り自由にすることを突破口に、さらに教育労働者と自治体労働者をターゲットにすることだ。連合傘下の日教組・自治労を戦争・改憲勢力に変質させることに狙いがある。
また、こうした民営化攻撃は、民間で先行した帝国主義ブルジョアジー優位の階級的力関係を官公労系労働者にも適用することで、全労働者階級の階級的あり方・位置を全面的に転覆し、さらに悪化・後退させようという恐るべき攻撃としてある。それは共謀罪制定策動を始めとする治安弾圧攻撃とも一体の労働組合解体の攻撃だ。4大産別の労働者への攻撃は、まさに全労働者階級の生存権そのものを破壊していく攻撃なのだ。4大産別の労働者は、民営化攻撃が自分たちだけの問題ではなく全労働者階級の存亡がかかった問題として正しく認識して闘わなくてはならない。
したがって、連合全逓中央の民営化賛成方針は絶対に認めることができない。「法案が成立したから」など理由にならない。悪法は悪法だ。小泉がクーデター的に衆院解散・総選挙を強行して成立させた郵政民営化法は、労働者にとって“無法”そのものなのだ。闘いはこれからであり、郵政民営化絶対反対の方針で一人の首切りも許さず闘うべきである。そうすれば郵政民営化攻撃は粉砕できるのだ。小泉や公社当局に屈服した本部の民営化賛成方針を弾劾し、否決しよう。
【図2】集配拠点再編のイメージ
@エリア内の郵便外務職員の出勤先(A〜N局)は、拠点であるZ局に段階的に集約
AA〜N局の郵便事業会社の職員は、分社化時にすべて統括センターZに所属
※出勤先は、集約の推進状況により、「統括センター」または「現局(前送施設)」
【図3】集配拠点再編の流れ
1万2千人削減と1千局合理化計画
07年の新会社発足に向かって、国鉄分割・民営化の82〜87年過程のようなすさまじい「余剰人員」・自主退職の攻撃としてアクションプラン・フェーズ2合理化が襲いかかっている。
すでに、郵便事業新生合理化で1万3千人削減、郵政公社のアクションプラン1合理化による1万9千人削減や連続深夜勤の導入、JPS(郵政版トヨタ方式)などが強行されている。さらにアクションプラン2合理化では、1万2千人の減員計画【表1】とあわせて、全国の郵便局の統廃合に向けた集配普通局・集配特定局の再編大合理化が進められようとしている【図1】。
新会社発足に際しては、各新会社再採用のプロセスで、民間的人事権の発動として、直接・間接のあらゆる方法で、国鉄方式・NTT方式をとりまぜた攻撃を企んでいる。職員の希望会社への割り振りは本人同意を必要とせず、希望をとりまとめた後に一方的に決定するとしている。広域配転を含め自主退職=首切りを狙っている。雇用保障がなくなる一方で、それらは2017年完全民営化に向かって、前倒しで激化する。
現在の生田体制下で進められている民営化攻撃の柱は、全逓労働者の総マル生分子化、すなわち生産性向上運動をとおした労働者意識の解体と労働組合の弱体化であり、アクションプラン2合理化である。労働代官として、これをそのまま推進しているのが連合全逓中央なのである。
臨大の本部議案は、民営化に向けた方針として、“競争力の強化や経営基盤の強化のために、効率化や生産性の向上は避けられない。アクションプラン2を積極・能動的に受け入れる。……組合員一人ひとりがこれからの郵政サービスを描いて欲しい”とあけすけに言っている。
議案では民営化のプロセスとして具体的に、1万2千人の減員とあわせ、「集配拠点局の再編」という全国の郵便局4700局(集配普通局1100、集配特定局3600)の統廃合を狙う大合理化(今年8月からの実施)が提案されている。集配特定局3600のうち1000局を合理化しようというものだ。
その中身は、郵便内務労働者を「統括センター」に集め、合理化・集約した局は窓口業務を残した「前送施設」とし、統括局から郵便物をその前送施設に送り集配労働者が配達するというものである【図2】。なおその統括局も順次統廃合するというものであり、さらに集配普通局の統廃合も狙った大合理化としてある【図3】。
これは、これまでのわれわれの働き方、労働密度、場所などを含めてがらりと変えようとする民営化に向けた大合理化攻撃である。例えば、郵便内務のアウトソーシング、内務職・外務職の職種統合(内務から集配への強制配転・集配から内務への強制配転)、統括局への広域強制配転、統括エリア内前送施設への応援、10時間2交代制勤務、1ネット・2ネット方式導入などである。議案書では「これまでの次元と異なる枠組みの大きな変化」とさえ言っている。
すなわち、「民営郵政」をつくりあげる骨格的土台として郵便局=集配拠点局の再編大合理化が06年8月から始まるのである。貯金・保険労働者にも同様の攻撃が襲いかかる。
国家公務員身分の剥奪・大量首切り
雇用について、議案は「職員は新会社とともに国家公務員の身分を離れる」とし、公務員としての身分保障を放棄し、民間と同じく経営上の都合によって首切り可能な状態へ移行することを承認している。郵政民営化攻撃は国鉄分割・民営化やNTT大合理化などを集大成した大攻撃であり、〈いったん全員解雇・選別再雇用〉をとおした大量首切りと活動家パージ、労働組合破壊を最大の狙いとしているのは明らかだ。
連合全逓中央は「民営郵政」の成功を最優先にしており、雇用を守り一人の首切りも許さないなどとは少しも考えていない。その証拠に、新会社の希望も配属場所も本人同意が必要ないことを認め、地本と支社との間で「苦情処理」機関を設けるなどと気休めにもならないことを言っている。アクションプラン2合理化に沿って組合と公社や準備企画会社が一体となって首切り・人員削減、広域強制配転などを決めるということである。
また、本部は「民営化移行時には、雇用の承継は法的に担保されている」と言う一方で、民営化後は「大きな雇用不安や労働条件の変化にさらされる」と言っている。言わば1047名の首切りを出した国鉄型を否定し、NTT型を主張している。しかし、これまで述べたとおり07年までの大合理化で、自主退職という名の大量首切りをやろうとしている。07年10月時点でどれだけの労働者が残っていられるのかということである。
また、民営化後は首切りや労働条件の悪化を認めざるを得ないことを吐露(とろ)している。「雇用は保障されている」などはうそっぱちである。大量首切り、活動家パージ、労働組合破壊の攻撃であることをごまかしているのだ。また、民営化後の労働条件について「勤務条件については配慮する」というもので、これまでかちとってきた労働協約の全面破棄が、国鉄分割・民営化時のように同時に行われる。
だが、これらの攻撃は労働組合的な反乱と抵抗を完全に奪い尽くすことによってのみ成り立つのであり、この2年間の闘いをとおして物ダメ闘争などの闘いと職場の団結が形成されれば根底的に崩れるものなのだ。郵政民営化攻撃は現場の力によって絶対に阻止することができる。この勝利の確信を持つことである。
“改憲推進”の本部方針を否決しよう
改憲について本部議案は、「憲法改正をめぐる議論は、昨年10月に自民党が『新憲法草案』を決定し、11月には民主党の『憲法提言』が示される等、政党レベルの動きが活発化しています。また、連合は、昨年の第9回定期大会において、『国の基本政策に関する見解(案)』を発表した」としている。自民党の新憲法草案も出され、国民投票法案の通常国会提出を目前にしながら、労働組合として憲法改悪反対を表明しないことは、7・14連合改憲方針案を認め、全逓中央が改憲勢力に転落している紛れもない証拠である。企業防衛主義と愛国主義は同根であり、労働者の生活や権利のために闘わないものは、戦争や改憲に反対などできない。
07年10月に郵政公社を4分社化し民営化する攻撃は、07年改憲に向けた攻撃である。小泉=奥田は07年改憲を絶対的課題とし、05年に引き続き06年を戦争・改憲と民営化・労働組合破壊に向け、全逓を始めとする4大産別労働運動の解体=改憲勢力化の年としてすえている。日帝・小泉政権の郵政民営化攻撃を根底で規定しているものは、米帝の世界戦争政策の推進と日米安保同盟政策の根本的転換である。07年改憲に向けた06年階級決戦の中心に郵政民営化攻撃がある。
郵政民営化絶対阻止、物ダメ・ストライキの路線・方針を鮮明にして、07年までの全逓2年間決戦を闘おう。第61回臨時全国大会で、改憲と郵政民営化推進の正体を明らかにした連合全逓中央・菰田―難波を現場全逓労働者の力で打ち倒そう。臨大を怒りのデモで包囲しよう。小泉政権−郵政公社・生田−西川体制に職場からの反撃の闘いをつくりだそう。
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週刊『前進』(2231号3面2)(2006/01/30)
“解雇撤回、職場に戻せ” 関西トランスポート分会が元旦闘争
2006年の新年にあたり、関西合同労組・関西トランスポート分会の加古川郵便局門前元旦闘争を闘いました。加古川郵便局の通用門前には早朝7時から、各地から駆けつけた関西合同労組組合員や全逓関係者約30人と、元旦ビラまきを行う全逓加古川分会組合員10人以上とが合流。総勢40人以上が陣取る中で、解雇撤回要求の抗議闘争が行われました。「解雇撤回・職場に戻せ」と大書きした横断幕がひときわ目を引きます。加古川局管理者6人が門の内側で組合員やゆうメイトを監視していました。しかし、出勤してくる全逓加古川分会組合員やゆうメイトは、みんなビラを受け取り、私たちとあいさつを交わしながら局に入っていきます。
(写真 関西合同労組・関西トランスポート分会が解雇撤回を要求し元旦門前闘争に立つ【1月1日 兵庫・加古川】)
加古川局当局は、首切りのあまりの不当性を前に、分会員・ゆうメイトからも怒りの声が上がるのを恐れ、「元旦出発式」という大イベントをなんと中止してしまいました。「元旦出発式」というのは、年に一度、郵便局長が全職員、ゆうメイトを前に訓示を垂れ、上下関係を誇示する儀式です。通例、局の中庭で行うため抗議行動が直撃するのを恐れたのです。分会員・ゆうメイトに正義の闘いが広がることを当局が何よりも恐れている証拠です。当局の監視・弾圧態勢にもかかわらず、加古川分会の仲間は窓に鈴なりになり、外の声がよく聞こえるよう寒い中、窓を開け放したりして私たちと合流しました。当局がいやがらせ的に干渉する中でも、年賀状の配達に出るゆうメイトたちは私たちの声かけにこたえながら出発しました。
門前では、各地から参加したさまざまな闘う団体が次々と決意表明し、加古川局当局、公社近畿支社、関西トランスポート会社に怒りをたたきつけました。最後に当該の組合員2人が怒りの声を上げました。
当該の分会長の発言です。「2波のストライキを闘い、裁判闘争、労働委員会闘争を闘っている。皆さんの支援とりわけ全逓加古川分会員の支援があって闘ってこられた。ありがとうございます。不当解雇に対し11月11日神戸地裁で仮処分の決定が出た。決定で、6月30日の解雇は分会を結成したことを嫌悪して解雇した不当解雇であり、いわば不当労働行為であることが明らかとなった。にもかかわらず加古川郵便局、関西トランスポートは団体交渉を拒否し、訴えも聞こうとしない。解雇された全員がこの年末をどういう思いでのりこえてきたか考えたことがあるのか。
神戸地裁決定は郵政民営化、非正規雇用化、戦争へとつないでいく小泉=奥田の攻撃に少なくとも風穴を開けた。決定を受け不当解雇を撤回させ、非正規雇用化、戦争、郵政民営化を打ち破っていきましょう。民営化とは選別再雇用であり非正規雇用化です。非正規雇用と言っても、ゆうメイトと本務者の間に壁はない。労働者が一体となって団結して、郵政民営化と非正規雇用化を押しとどめて戦争を止めようではありませんか」
さらに当該組合員から「去年より闘いの輪を広げて、分会長を支えながらがんばって行きたいと思います」と決意のこもった発言を受けました。
郵政民営化攻撃に対する確かな反撃として、05年11・11神戸地裁仮処分決定は喝采(かっさい)を送るべき大勝利です。決定は明確に不当解雇と言っています。この地平を労働委員会闘争にも反映させていけば、最後的勝利は可能です。「偽装請負(労働者でありながら、自営業者との契約関係にあると装っていること−編集局注)」を雇用労働者として認定した画期的決定です。
郵政民営化攻撃とは、アクションプラン2大合理化などでの労働条件切り下げです。本務者の大量削減と非正規雇用者への置き換えこそが民営化攻撃の具体的中身です。大合理化で定年を前にした50代の労働者や「病者」「病弱者」「障害者」など弱い立場の本務者には働けない職場にして辞めさせ、少数の非正規雇用の労働者に置き換える攻撃です。公社の中では本務者7万人削減と言われているとも聞きます。アクションプラン1・2をとおしただけでも3万人に上る本務者の削減です。私たちは郵政民営化攻撃に対する反撃の環をつかんだのです。
関西トランスポート分会の闘いは、直接に争われている4人の組合員の運命だけの問題ではありません。組合結成が関西トランスポートの加古川の組合員だけではなく、果てしなく広がる現実性があったからこそ、郵政公社を挙げた攻撃として全員解雇を強行したのは明らかです。当面の闘いは解雇撤回闘争に焦点化されましたが、その向かうところは全非正規雇用労働者の組合への組織化です。この解雇撤回闘争に勝利することは、郵政で働くすべての非正規雇用労働者、「偽装請負」の労働者に労働組合の団結を広げ、郵政民営化を完全に粉砕することに確実につながるのです。非正規雇用労働者・「偽装請負」の労働者が全逓本務者並みの労働条件をかちとれば、郵政民営化など何の意味もなくなることは明らかではないですか。
その具体的展望を持って、解雇撤回闘争に勝利しよう。神戸地裁決定から労働委員会闘争の勝利を切り開こう。4大産別決戦の勝利の糸口である関西トランスポート分会解雇撤回闘争に勝利しよう。
(投稿/元兵庫県芦屋郵便局・全逓被免職者・高見元博)
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週刊『前進』(2231号3面3)(2006/01/30)
訂正
前号3面の自治体労働者委員会論文下から3段10行目「団結権は公労法によって認められた」を「団結権は改悪国公法、地公法によって認められた」に訂正します。
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週刊『前進』(2231号4面1)(2006/01/30)
「戦争か、革命か」の決戦へ
革共同各地方委のアピール〈下〉
階級的団結を再生させ最後に勝つのは労働者 東北地方委員会
革共同政治局の1・1アピールの「小泉・奥田体制打倒! 4大産別決戦勝利! 改憲阻止闘争の勝利へ全力で驀進しよう!」という提起を真っ向から受けとめ、06年決戦勝利へ進撃する革共同東北地方委員会の決意を明らかにします。
06年は05年をはるかに超える歴史的決戦の年となった。小泉は1月20日から始まる通常国会を「小泉構造改革を加速化する総決算の国会」と位置づけ、改憲と戦争、民営化と労組破壊の攻撃を完遂することを自己の階級的使命として暴力的に貫こうとしている。
日帝・小泉=奥田と労働者階級の間にはもはやいかなる妥協もない。倒すか倒されるか。戦争か革命か。あいまいな決着など一切ない状況に行き着いたのだ。この時、日本階級闘争は既成指導部の総屈服によってのっぴきならない危機に直面している。綱領的転向を完成させた日共スターリン主義は、改憲阻止の統一戦線の破壊者として登場している。カクマルは「暗黒の世紀」などと絶叫し、労働者人民の絶望をあおっている。革共同のみが「小泉は脆(もろ)い! 労働者階級の団結したハンマーをたたきつければガラス細工のように粉々に打ち砕ける」「巨大な革命的情勢が到来しつつある」と言い切り、ついに11・6国際連帯集会を4600人の大結集で爆発させたのだ。
われわれはもはや揺るぎない確信をもった。新指導路線に基づき、4大産別決戦の不屈の前進を軸に改憲決戦と4大産別決戦を正しく結合・統一して闘い抜くならば、必ず日帝をガタガタに揺るがす労働者階級の総決起が実現できる。そればかりか国際階級闘争の大前進を切り開き、世界革命に向かって突き進んでいくことができる。01年6回大会において確立した反帝国主義・反スターリン主義世界革命の戦略と戦略的総路線を全面的に貫徹していくことができる。「これで行ける! この道を大胆に進もう」――これこそ05年総括の核心である。
確かに、第2、第3の動労千葉をめざして闘っているわれわれにとって、労働組合はもとより、支部や分会といえども、その権力を握るための闘いは悪戦苦闘の連続だ。既成指導部のもとで闘いを忘れた組合をランク&ファイルでつくり変えることも困難な闘いだ。だが萎縮(いしゅく)してしまったら闘いはまったく進まない。腹をくくってクビを覚悟して踏み出し、波風を起こすことを恐れず決起していこう。まさにこうした闘いが、全逓労働者を先頭にいたる所で始まったことは決定的なのだ。
これこそ『俺たちは鉄路に生きる2』(中野洋・動労千葉前委員長著)の実践の始まりである。こうした闘いの中で、動労千葉労働運動とは何かを学び、民営化・労組破壊攻撃との闘いを、職場生産点でのぎりぎりの攻防として闘ってかちぬく思想を自己のものとしてきたのである。
戦時下の階級闘争に勝利するためには、一切の闘いをプロレタリア革命の最終的勝利の立場に立ち切って闘うド根性が求められる。日本帝国主義が体制的に破綻(はたん)しているすさまじい危機ゆえに、労働者の個別闘争や個別的反撃は直接には敗北することが多い。だが、職場闘争をとおして団結をつくりだし、労働組合を階級的に再生させていくならば、最後に勝つのは労働者階級である。この革命的立場、精神こそ革共同の真骨頂なのだ。この自信と確信をみなぎらせて06年決戦の激闘へ突入していこう。
06年決戦にあたって東北地方委員会として次の二つのことを強調したい。ひとつは、全国300万学生の改憲阻止ゼネストの先頭で闘うことである。東北大有朋寮決戦は労働者人民の圧倒的共感と支持を得て、小泉との対決を貫き勝利の道を驀進している。キャンパスを覆いつくそうとしている帝国主義的イデオロギーと暴力を、マルクス主義を武器に徹底的に打ち破るならば、必ず学生大衆の改憲阻止の総決起を実現できる。05年後半戦についての真剣な総括をとおしてこれを思想的・綱領的レベルでつかんだことが決定的だ。国民投票法案をめぐる攻防は改憲決戦そのものである。天地を揺るがす改憲阻止決戦をたたきつけ、労働者階級の闘いと一体で、マル学同・中核派は小泉=奥田体制打倒へ突き進もう。
もう一つは、全金本山労組の34年にわたる「1人の首切りも許さない」という労働運動の原則を貫きかちとった勝利の地平を、戦闘的階級的労働運動の大前進としてなんとしても結実させることだ。そして、この闘いを推進軸として、「戦争と改憲、民営化と労組破壊」攻撃との一個の政治決戦として4大産別決戦を爆発させていく。
当面する最大の攻防は、「日の丸・君が代」決戦を突破口に4大産別決戦を爆発させ、06春闘に全力で決起することだ。これを土台に改憲阻止の大統一戦線を実現しよう。ここから06年11月結集運動は始まる。これまでの殻を大胆にぶち破り、偉大な前進を記そう。
(写真 郵政民営化法案の採決強行を前に「郵政民営化絶対阻止、40万人首切り許すな」と現場の全逓労働者が呼びかけた仙台市内デモ【05年10月10日】)
2月教研集会を突破口に4大産別決戦を闘う 東海地方委員会
2006年は、世界が戦争へと突入するか、世界革命の道へと進むのかをかけた大決戦の年となった。革共同は、この胸躍る激動情勢に勇躍として突入し、必ずや世界=日本労働者階級の革命勝利の展望をこじ開けることを宣言する。
米帝と国際帝国主義によるイラク占領体制はぼろぼろであり、このままでは続行できなくなっている。帝国主義はイラク戦争をやり続けられない。だが、アメリカは引くことができない。まさに、ベトナム戦争以上の状況に突入しているのである。
こうした中で、日帝はその生き残りをかけて、米帝の中国・北朝鮮侵略戦争への参戦を決断している。今日、襲いかかっている改憲攻撃は、日帝が中国・北朝鮮侵略戦争を始めるためのものであり、戦後の政治・経済体制を根こそぎ転換させ、侵略戦争のできる国家へと変貌(へんぼう)させようとする恐るべき攻撃である。これとの闘いは真っ向からの革命の対置以外にはない。日帝を打倒する以外に労働者階級の生きる道はないからである。
そして、改憲攻撃は、労働組合の解体なくしては貫徹できない。したがって、改憲攻撃と民営化=労組破壊の攻撃は一体である。だからこそ、4大産別をめぐる攻防が今日の階級闘争の最大の焦点となっているのだ。改憲決戦は、この4大産別決戦を基軸にして、それと結合・統一したものとして勝利できる。全学連はその突破口を切り開くため改憲阻止ゼネストに総決起する。
06年は、間違いなく05年をはるかに超える歴史的な決戦の年になる。そして、その勝利の展望は、05年11・6全国労働者集会の成功の中にある。
第一は、国際連帯のさらなる前進をかちとることである。
日米韓3国連帯の感動は深い。それは、21世紀世界革命へ向けての壮大な序曲である。
第二は、4大産別決戦を軸に闘い抜くことである。
05年の1年間は、1〜3月の「日の丸・君が代」決戦、4〜7月都議選、8月「つくる会教科書」決戦、9〜10月の郵政民営化粉砕の全逓決戦を闘い抜き、日教組、自治労大会から連合大会を改憲勢力化阻止の決戦として闘い抜いた。
第三は、動労千葉型労働運動を基軸に据えて闘い抜くことである。
その戦略的牽引(けんいん)性は明らかである。とりわけ、尼崎事故糾弾−反合・運転保安闘争は、その戦闘的階級的労働運動の核心をこの上ない形で明らかにするものとなった。
第四は、新指導路線のもとでの労働運動の圧倒的飛躍をかちとることである。
党は、ついに91年5月テーゼ以来の労働運動路線の核心をつかんだ。とりわけ、「労働組合の革命論的意義」を明確にしたことは決定的であった。
ひとつは、革命と労働組合運動がひとつのものとしてつながったことである。「革命とは何か」「それをどうやって実現するのか」への回答が実に明解になった。労働組合運動が闘いの軸になる。労働組合の組織化が革命に至る王道なのだ。労働者の団結こそがその核心なのだと、力強く的確に表現できるようになった。
ふたつは、民営化=労組破壊攻撃との闘いに頭から突っ込んでいくことを可能にしたことである。
一切合財を「民営化=労組破壊」攻撃との闘いに投入すること、そしてこれこそが日常活動の基本中の基本なのだと決断できるようになった。
そしてこの中から、改憲攻撃との闘いの勝利の展望が明確に照らし出された。すなわち、改憲攻撃との闘いは、4大産別を軸とする民営化攻撃との闘いを基軸に据えて、改憲阻止決戦と民営化阻止決戦を正しく結びつけて闘っていくことである。
革共同東海地方委員会は、小泉=奥田体制と真っ向から対決し、開始された改憲決戦を全力で闘い抜くことを宣言する。2月に三重県で開催される日教組教研全国集会への総決起を突破口として、「日の丸・君が代」決戦から4大産別決戦の爆発、4大産別決戦と改憲決戦の一体的推進の道を切り開く。そして、小泉=奥田と対決する全労働者的・全人民的な巨大な統一戦線をつくり出し、改憲攻撃と闘っていく。中国・北朝鮮侵略戦争のための米軍再編と日米安保の実質的大改変の攻撃を、改憲攻撃と完全に一体のものとしてとらえ、沖縄人民との連帯をかけて闘い抜く。
そして、06年を党建設の圧倒的前進の年とする。とりわけ、マルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟・中核派の強固な確立を目指して闘い抜く。
(写真 イラク派兵に対し「とめよう戦争への道!愛知県連絡会」が呼びかけたデモ【05年2月5日】)
国際連帯の感銘を胸に職場組織化に踏み出す 北海道地方委員会
2006年、ついに日本帝国主義・小泉政権による改憲攻撃が本格化しようとしている。革命的共産主義運動にとって、史上空前の大決戦期の到来である。しかし、支配階級が憲法に手をかけるということは、それだけ帝国主義の危機が深刻化していることの証(あかし)にほかならない。ついに革命的情勢が到来しつつあるということである。
労働者階級人民は、この決戦にかちぬくことによって、戦後革命の敗北の歴史をのりこえ、日本帝国主義打倒に突き進むことができる。05年の闘いをとおして、われわれは勝利の確信を完全につかんだ。それは4大産別決戦の爆発を実現することである。新指導路線の真価を発揮し、06年に4大産別決戦の本格的な爆発を実現しよう。
郵政民営化によって、北海道では141局で集配がなくなり、膨大な首切りが強行されようとしている。また、社会保障の解体によって労働者人民の圧倒的部分が闘わなければ生きていけない境遇にたたき込まれている。小泉の「官から民へ」のペテンは北海道では通用せず、総選挙で自民党は大敗した。郵政民営化絶対反対の現場からの闘い、地域からの闘いが問われている。ここでやはり決定的なのは国鉄闘争の不屈の前進である。郵政を始めとする民営化と規制緩和による労組破壊に対する闘いの爆発はここにかかっている。
新年早々、北海道庁は10年間で6千人の人員を削減すると発表した。道庁は給与の削減提案でも全国の先頭を切ろうとしている。これは全道・全国の自治体に影響を及ぼしている。闘う以外に、労働者も労働組合も生き残れない時代に突入したということだ。だが階級的な原則を踏まえ、団結を強化して闘えば勝利できる。全金本山労組の歴史的な勝利は労働者を鼓舞している。動労千葉の反合・運転保安闘争への共鳴と支持は、労組を軸とする物資販売の伸張としても現れている。
国鉄の分割・民営化が強行されてから19年、JR全体の運行体制はすでに潜在的に破綻している。JR北海道でも連日のように事故・故障が起きている。尼崎や羽越線のような大事故がいつ起きてもおかしくない。また、東労組カクマルの内部対立の激化と松崎の腐敗の露呈は、JR総連の最期の到来を告げている。JR資本とJR総連に引導を渡すのは1047名闘争にほかならない。鉄建公団訴訟での9・15不当判決をのりこえて闘い続ける闘争団員を支え抜こう。
安全問題を切り口として全産別でまさに動労千葉のように闘うことが求められている。動労千葉以外のJRの全組合が国労を含めて尼崎事故と民営化の関係に口をつぐんでいる。だからJRは危険を抱えて生き延びている。「動労千葉のように闘おう」と全労働者に訴えていこう。同時に、全産別で、民営化と規制緩和による労組破壊に反対し、安全切り捨てと闘おう。闘う労働者と固く連帯し、戦闘的階級的労働運動の潮流を巨大な奔流へと発展させていくために労働者同志を先頭に革共同北海道地方委員会は総決起する。
闘いを求めるこうした気運に真っ向から敵対しているのが日本共産党とカクマルである。06年の闘いの爆発は、労働戦線の既存の党派地図の大激変と一体であり、労働者階級の利益に背を向けて屈服と翼賛に走る諸党派との党派闘争にかかっている。4党合意の破綻と9・15判決で国労内の共産党−革同は意気消沈する一方で、1047名闘争の分断と戦闘的な労働運動への敵対を強めている。これを断じて許さない。
06年、北海道地方委員会は4大産別決戦のただ中で、反革命カクマル打倒の闘いの先頭に立つ。05年教労決戦の火蓋(ひぶた)を切ったのは、1月に札幌市で開催された日教組全国教研集会であった。地元を始めとする闘う労働者は、卒・入学式での「日の丸・君が代」強制拒否・不起立決起を全参加者に訴え、カクマルを圧倒した。「つくる会」教科書採択阻止の闘いでは、カクマルは闘うポーズをとることもできず、闘いから完全に弾き飛ばされた。JR総連カクマルも一層孤立を深めている。
北海道の労働者は、青年・学生を先頭に、11・6労働者集会に一昨年を倍する結集を実現した。全参加者が日米韓3国の労働者の国際連帯の息吹に触れ、現に進行し始めたプロレタリア世界革命の舞台に立っているとの感銘を胸に刻んだ。この06年、職場での組織化に踏み出し、11月にはもっと多くの仲間を連れていこうとの決意を固めている。党勢拡大の条件は膨大に存在している。北海道地方委員会は党建設の圧倒的な前進をテコに、06年決戦の先頭に立つ決意である。
(写真 日教組の教研集会で労組交流センターが「日の丸・君が代」強制反対を訴えた【05年1月7日】)
動労千葉のような組合つくるため退路断って 北陸地方委員会
2006年から07年は、戦後革命期以来再び憲法をめぐる攻防が階級闘争の最大の課題になった。戦争か革命かが問われる激動期が再び到来したのだ。数十万、数百万の労働者の階級的決起がつくりだされ、全階級に広がっていく革命的情勢が接近しているのだ。
われわれは05年、この激動期への突破口を新指導路線のもと4大産別決戦として闘いぬき、11・6労働者集会の画期的成功としてかちとった。革共同北陸地方委員会は、06年1・1アピールのもと、05年の闘いが切り開いた地平を11・6集会へ参加した4600人とともに確認し、06年を4大産別決戦を土台に改憲阻止決戦として闘い抜く。
帝国主義戦後体制は完全に行き詰まっている。世界各国で資本と権力は戦争と民営化−労組破壊の攻撃を激化させ、労働者を非正規雇用にたたき込み、生きることすら困難な状況を強いようとしている。この攻撃に対して、労働者階級は国際連帯と階級的団結を固め、労働組合を武器に帝国主義をうち倒す闘いに立ち上がることでしか生きていけない。この労働者階級の階級的自己解放闘争を基礎にした革命的共産主義運動によってのみ帝国主義を打倒し、共産主義を実現することができる。
われわれはこの確信のもと、05年1年を新指導路線を全力で推進し、「日の丸・君が代」決戦から始まる4大産別決戦として闘いぬいてきた。そして、資本・権力との闘いを日米韓で最も死活的・原則的に闘っている戦闘的階級的労働組合と労働者が04年を質量とも大きく超えて11・6日比谷野音に結集した。
労働組合と労働者の国際的団結が持つ階級的力と革命を切り開く展望を、11・6での国際連帯の高揚と感動の中で全参加者が確信したのだ。それに続く11・13民主労総全国労働者集会、11・18プサンAPEC粉砕闘争への動労千葉訪韓団の闘いは、日本の労働者階級と労働運動の位置と使命を感動の中で確認し、日帝・小泉打倒に向けた日本労働者階級の自己解放的決起として爆発させていく突破口となった。
06年の闘いの方針は、この新指導路線をさらに全力で発展させることだ。1〜3(4)月「日の丸・君が代」決戦を突破口に4大産別決戦を爆発させよう。小泉=奥田は4大産別を中心に民営化・労組破壊の攻撃を行い、官公労系労働組合の徹底的な解体と変質の上に、改憲と戦争への全攻撃を貫徹することを狙っている。
4大産別決戦はこの改憲と戦争攻撃をうち破る、すべての労働者の決戦課題だ。4大産別を始めとする労働組合の中に戦闘的階級的労働運動をよみがえらせ、それを軸に9条改憲阻止の一点で小泉=奥田と対決する巨大な統一戦線を日本共産党やカクマルの敵対を粉砕してつくりだそう。激動期の中でこそ、反革命ファシスト・カクマル完全打倒へ突き進もう。
日米安保協での米軍再編中間報告は中国・北朝鮮侵略戦争のための日米安保体制の軍事同盟化であり、沖縄に犠牲を集中する新たな琉球処分だ。沖縄の全島的な怒りと連帯し、新たな安保・沖縄闘争の爆発を実現しよう。石川県の小松基地は、中国・北朝鮮への侵略基地として第2滑走路の建設着工、98年以来7年ぶりの日米共同演習再開の攻撃がかけられている。小松基地闘争を全土基地化阻止の一環として闘いぬく。日帝は核武装のために、破産が明らかな「もんじゅ」の運転再開を決定し、また福井県で全国初の国民保護法実働訓練を原発へのテロ攻撃の想定のもと強行した。「もんじゅ」を廃炉にする闘いを戦時下の反戦・反核・反核燃闘争としてつくりだす。
日帝・小泉の年頭記者会見における靖国参拝の開き直りを許さず、国家主義・排外主義と対決する戦争責任追及・戦後補償要求闘争のさらなる前進をかちとる。富山大学の拠点化をかちとり全国300万学生の改憲阻止ゼネストの先頭に立つ。
11・6集会に集約される05年の闘いを基軸として、牽引してきたのは動労千葉の闘いだ。動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃と唯一ストライキで闘い、大量の解雇攻撃を始め、日帝権力・資本の全力をあげた組合圧殺攻撃と不断に闘いながら05年においても春闘ストと反合・運転保安闘争を勝利的に闘ってきた。
北陸地方委員会は動労千葉のような階級的な組合を地域・職場でつくりだすために全力で格闘する。そのためにすべての労働者と労働組合の中に入っていく。そして、労働者大衆を共産主義の思想と闘いのもとに組織するために生きた関係をつくりだし、革命的労働者の実体を持つ党の建設を実現する。この闘いへ退路を断って突入する中で党の変革を実現する。06年1・1アピールで完全に一致し、その実践の中で団結をうち固める。マル青労同とマル学同の建設をテコにして党勢倍増を死活的な決戦として実現する。
(写真 「2005もんじゅを廃炉へ! 全国集会」のデモ【05年12月10日 福井】)
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週刊『前進』(2231号4面2)(2006/01/30)
(1月1日〜15日)
米本土で日米初の共同訓練
横須賀で米兵が女性を殺害
●横須賀で米兵が女性を殺害 神奈川県横須賀市の雑居ビル1階の入り口でパート社員の女性が殺害され、米海軍が空母キティホーク乗組員の上等水兵を米軍横須賀基地で拘束した。神奈川県警が日米地位協定に基づき身柄の引渡しを要求、7日に強盗殺人容疑で逮捕した。(3日)
●「靖国問題介入、理解できぬ」 小泉首相は、首相官邸での年頭記者会見で、靖国神社参拝問題について「外交問題にはならない。中韓が交渉の道を閉ざすことがあってはならない。いつでも話し合いに応じる。後は先方がどう判断するかだ」と述べた。(4日)
●ライス「北朝鮮は危険な政権」 ライス米国務長官は、北朝鮮について「危険な政権」と指摘し、「北朝鮮の政権の本質にいかなる幻想も抱いていない」と述べた。(5日)
●テロ対策新法を検討 政府は、国際テロへの対応を強化するとして、テロ対策基本法の策定に着手する方針を固めた。「テロ関連団体」「テロリスト」と認定した組織と人物に対し、治安当局に拘束や盗聴などの強制捜査権を認めることなどが柱となる。(6日)
●名護市が普天間移設800b沖要求 米軍普天間基地移設問題で、名護市の経済界関係者が辺野古沿岸案を海上に800b移動させた案を独自に作成、既に政府にも非公式で図面を提示していることが分かった。(7日)
●「沖縄ものんきなこと言えない」 訪米した自民党の久間総務会長は、在沖米軍について「台湾が中国に飲み込まれたら、もう沖縄ものんきなことを言っていられなくなる」と述べ、日本にとって在沖海兵隊は中国の台湾侵攻をけん制する位置にあるとの認識を示した。(7日)
●米兵がひき逃げ容疑 米海軍佐世保基地配備の強襲揚陸艦エセックス乗組員の2等兵曹が長崎県警に道交法違反(ひき逃げ)と業務上過失致傷の容疑で逮捕された。(7日)
●島しょ防衛で日米初の共同訓練 離島防衛専門の陸上自衛隊部隊が米海兵隊と共同で島への上陸作戦などの訓練を開始した。派遣されたのは、九州・沖縄の離島防衛を担当する西部方面普通科連隊の125人。陸自部隊が米本土の海兵隊基地で実働訓練をするのは初めて。(9日)
●無人偵察機、07年度にも導入 額賀防衛庁長官は、長時間飛行による情報収集、監視が可能な滞在型無人偵察機を早ければ07年度にも導入する方針を示し、機種はプレデターかグローバルホークを検討していることを明らかにした。(11日)
●空自活動区域、イラク全24空港に 政府が昨年12月にイラク特措法の基本計画を変更した際に見直した実施要項で、航空自衛隊が活動できるイラク国内の空港を、従来の13カ所から同国内すべての24カ所に増やしていたことが分かった。(11日)
●基地内で深夜上陸訓練 沖縄の米海兵隊が深夜、うるま市の米軍キャンプ・コートニー内で空包使用を伴った上陸訓練を2日間行った。(11日)
●米と情報共有協定へ 額賀防衛庁長官は、ミサイル防衛(MD)システム整備のため、情報共有ネットワークの仕組みについて今夏をめどに日米間で協定を締結する方針を明らかにした。(13日)
●名護市長選が告示 任期満了に伴う名護市長選が告示され、前市議の島袋吉和候補=無所属、自民、公明推薦、前市議の大城敬人候補=無所属、前市議の我喜屋宗弘候補=無所属、社民、社大、共産、民主、自由連合推薦の3人が立候補を届け出た。(15日)
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週刊『前進』(2231号5面1)(2006/01/30)
共謀罪法案の息の根を止める闘いを
革命党と労働組合の圧殺狙い 実際の行為の前に思想を処罰
昨年秋の特別国会に提出され、衆議院で審議に入った共謀罪法案の審議は、1月20日から始まった通常国会に継続され、遅くとも予算審議の終了する3月中旬から審議が再開されると言われている。共謀罪法案は、03年の国会提出以来すでに2度も廃案になっているが、日帝・小泉政権は昨年9・11衆議院総選挙で「圧勝」したことで、8月8日の衆議院解散で2度目の廃案になったものを一言一句修正せず昨秋特別国会に再提出した。「日の丸・君が代」決戦を突破口に4大産別決戦を爆発させ、その力で改憲阻止の大決戦に突入し、今度こそ共謀罪法案の息の根を止めよう。
改憲と戦争突入のための治安立法
共謀罪は改憲攻撃の先取り
日帝の改憲攻撃は、昨年1月18日の日本経団連の改憲提言をもってその本格的な火ぶたを切った。大恐慌・ブロック化・世界戦争の危機の進展を前に、日本の帝国主義ブルジョアジーの主流が憲法9条の制約を最終的にかなぐり捨て、再度の「15年戦争」の道に突き進む決断をしたのだ。
憲法9条の破棄を核心とする現行憲法の改悪は、平和主義や主権在民、基本的人権の尊重といった理念を丸ごと否定し焼き払おうとするものである。日帝支配階級は、憲法ならびにそれに基づく法体系の順守の義務を統治者の側に課している現憲法の破棄を狙い、人民の権利を保障するものから国家のための「国民の責務」を規定するものに作り変えようとしている。そして天皇制・天皇制イデオロギーで深々と染め上げた極反動的で強権的な支配体制を打ち立て、そのもとで全人民を帝国主義戦争に動員する体制をつくりだそうとしているのである。そのためには戦前の治安維持法のような治安立法の復活が不可欠となっている。
共謀罪法案こそ現代の治安維持法であり、改憲攻撃の先取りである。共謀罪は、侵略戦争を遂行する日帝国家権力を護持するために、治安警察に弾圧の自由を与え、それに反抗する者を抹殺することを目的とした法案である。日帝・小泉は憲法論議で国論が二分することを恐れるがゆえに、革命運動や労働組合運動はもとより市民運動までもあらかじめ封殺することを狙っている。絶対に廃案に追い込まなければならない。
(写真 山手線各駅での街頭宣伝の後、200人が渋谷をデモ行進し「共謀罪廃案」を訴えた【05年10月22日】)
国家の暴力的本質あらわに
現憲法は、フランス人権宣言、アメリカ独立宣言からソビエト憲法、ワイマール憲法などに至る、古今東西の憲法を貫く近代立憲主義のエッセンスを抽出する形で作られた(天皇条項を大きな例外として)。この近代立憲主義の理念のもとに現刑法体系もある。すなわち、国家は、諸個人の利害を実現する限りで容認されているのである。近代刑法は、何らかの行為があり、結果が発生したことをもって処罰の対象としている。具体的な行為による、具体的な侵害があった場合だけに、国家暴力(警察・監獄などの暴力装置)の発動を限定しているのである。ところが、共謀罪は、こうした近代立憲主義と近代刑法の理念を空文化し、支配階級による被支配階級に対するリンチ・テロとして国家暴力を機能させるものである。
国家は支配階級の特殊利害に反抗する者に対し、共同利害を貫くためと称して支配階級の意志を国家の法として制定し、法の適用の名で国家暴力を発動する。人間による人間の非人間的制裁(国家暴力の発動)をイデオロギー的に転倒した表現こそ、「法の適用」である。もっとも、「基本的人権」の保障を「人類普遍の原理」と謳(うた)っている現憲法を「人権」を守る武器とすることは、労働者階級にとって当然である。
アジア侵略戦争を決断した日帝は今や、天皇制白色テロルを本質とする治安弾圧によって労働者階級の闘いを制圧することを決断したといえる。それが共謀罪法案である。国家の本質―支配階級の特殊利害を社会の共同利害として押し出し、被支配階級に強制する―を徹底的に暴き出す点で、共謀罪は格好の材料である。共謀罪の息の根を止め、改憲阻止・日帝打倒の大決戦に攻め上ろう。
あいまいな定義であらゆる罪対象に
共謀罪は、文言上は戦前の治安維持法のような「国体の変革」や「私有財産制度の否認」を目的とする結社やその「為(ため)にする行為」を処罰の対象とはしていない。しかしながら、「共謀=人と人との会話」を「犯罪」として処罰することを可能とするものであり、間接的に人の内心や思想を処罰することになる。
国会審議でも、法務官僚は「思想処罰になるとの批判は承知しているが、そういう批判を招かないような適正な捜査や手続きが必要である」と答弁し、共謀罪が思想を処罰する法案であることを否定していない。
また後述するように、共謀概念のあいまいさや対象「犯罪」が広範囲であることによって、国家権力に共謀罪の恣意(しい)的適用をあらかじめ保障している恐るべき法律である。
不明な「共謀」概念の定義
何をもって「共謀した」とするのか、「共謀」の概念はきわめてあいまいである。国会審議で法務官僚は「共謀共同正犯」の概念と同じであり、会話にもなっていない「黙示の共謀」もあると答弁している。最近の裁判でも検察官は「『いつ、どこで、どのような内容の謀議をしたか』は必要ない。『機関紙を読んでいた』『同じ組織に所属する』『同じような考えをもっている』『ビラを受け取った』から共謀したといえる」と主張するまでに共謀概念を拡大している。
「罪」となる行為は一義的でなければならない。一義的であることによって国家権力による法律の恣意的な解釈や適用を抑制することができる。ところが、共謀罪は具体的な行為を対象としないことから、その概念は必然的にあいまいになる。「共謀」の定義も明記すらされていない。これは、対象犯罪の多さからいっても、捜査機関(国家権力)に弾圧のフリーハンドを与えることを結果する。
刑法上の大半の罪に新設
共謀罪は、最高刑が死刑、無期、長期4年以上とされる罪に関する「共謀」を対象としているので、実に619罪が新たに設けられることになる。また、「団体の活動として、……共謀した者」と文言上なっているが、「2人以上」であれば団体でなくても適用できるとされている。要するに、「単独」でなければ大半の罪種に対して共謀罪を適用できるということである。
自首すれば「減免」になる
共謀罪には、「実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する」という重大な規定がある。初めて日本の刑法体系に本格的に導入される規定である。つまり、共謀した「事実」を警察に通報すれば、その者には「共謀罪」を問わないということである。
これは明らかに、国家権力が裏切りや転向強要を奨励し、果てはスパイ分子が運動や組織に潜入して弾圧すること狙っているということである。デッチあげ弾圧で一網打尽的に組織・団体を壊滅させることを狙っている。元警察高級官僚で自民党法務部会長の平沢勝栄は、「おとり捜査、潜入捜査も犯罪を防ぐには絶対必要。成田の過激派など、当局に権限があれば警察官の大増員なくして一網打尽にできた」と、共謀罪の狙いを漏らしている。
「団体」行為に刑を加重し争議を弾圧
共謀罪法案は、組対法(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律)の第6条に追加する形式をとっている。組対法は、11罪について「団体」として行われた場合、刑を約1・5倍に加重することを盛り込んでいる。その11罪には「逮捕・監禁」「強要」「信用毀損及び業務妨害」「威力業務妨害」「恐喝」「建造物等損壊」などが含まれる。これらが労働運動の弾圧に適用されていることから、労働者人民は組対法に反対してきた。これらの11罪の刑が約1・5倍に加重されたことによって、軒並み共謀罪の対象犯罪となる。
それだけではない。今回継続審議となっている組対法の改悪では、「団体」の行為として行われた場合、刑が加重される罪種は11罪から4増えて15罪にされようとしているのである。
現行刑法の「強制執行妨害罪」を重罰化し、その処罰範囲も拡大する刑法の改悪案も、共謀罪と一体の法案として昨秋の特別国会で継続審議となっているが、その改正刑法の96条「封印等破棄」、同条の2「強制執行妨害目的財産損壊等」、同条の3「強制執行行為妨害等」、同条の4「強制執行関係売却妨害」の4罪が追加されようとしている。そして、これらの4罪もすべて「団体」として行われれば共謀罪の対象となる。
これらは倒産争議を根底から否定し違法化するものである。これまで倒産争議においては、労働組合は労働債権や雇用の確保をめざし、事業の存続を図るために事業場を占有したり、会社資産の散逸を防ぐためにこれを一時的に組合の管理下に置くなどしてきた。しかし、このような行為が違法とされ、かつ共謀罪の対象とされるのである。
官公労系の4大産別はもとより、中小の民間争議まで根こそぎ圧殺する共謀罪は、何よりも労働運動の弾圧にこそ狙いがあるといわなければならない。
ペテン的修正策動粉砕せよ
共謀罪は、与党が衆議院の3分の2を超える議席を確保した昨秋の特別国会でも強行採決できなかった。日帝・法務省は、ペテン的な修正で今度の通常国会で強行突破を図ろうとしている。しかしながら、どのような修正をしようと共謀罪の危険性は減殺されない。
まず、対象団体を「組織犯罪集団に限定する」としても、「犯罪集団か否か」の判断は国家権力(治安当局)に委ねることにしかならない。「準備行為」「顕示行為」などの修正案も言われているが、治安維持法の「目的遂行罪」に道を開くことしか結果しない。共謀罪にどのような修正を施そうが、誰もが一義的に解釈できる「具体的行為」でない「内心」を処罰の対象とする以上、適用・拡大には何の歯止めもない。
完黙で武装し大衆的反撃を
治安弾圧とは、国家の暴力で闘いを圧殺・屈服させることをとおして全人民を支配階級のイデオロギーに染め上げることである。その本質は日本の場合、天皇制白色テロルある。
ブルジョアジーは、労働者階級が自らの生活を守り、権利を主張するために労働組合を結成して資本と闘うことを何よりも恐れている。また、労働者階級がブルジョアジーの墓掘り人であることを階級的本能で知っている。そして今や、搾取材料である労働者階級を食わせていけなくなった日帝ブルジョアジーは、労働者階級が団結して闘うことを共謀罪という「犯罪」をデッチあげて弾圧しようとしているのである。
しかし、どんな弾圧にも完全黙秘・非転向を貫いて闘い、大衆的怒りを組織して反撃すれば必ず勝利できる。完全黙秘とは、逮捕された瞬間から、国家権力と一言も口を利かないということである。労働者にとって、黙秘を貫くことは、「仲間を裏切らない」「スト破りをしない」ことと同義である。国労5・27臨大闘争弾圧の被告たちは、「仲間を裏切らない」「ここで権力に屈すれば、国労本部と同じだ」と全員が黙秘を貫き、「無罪戦取、国労再生」へ前進している。
共謀罪を絶対廃案に追い込む闘いを、改憲阻止闘争と一体の闘いとして党と労働者階級の最重要の闘争任務にすえきって闘おう。
〔村上進一〕
●共謀罪法案(抜粋)
(組織犯罪対策法に以下の条文が加えられる)
[第六条の二第一項]
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
@死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪
五年以下の懲役又は禁錮
A長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪
二年以下の懲役又は禁錮
[第六条の二第二項]
前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。
※第三条第二項……団体に不正権益を得させる罪
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週刊『前進』(2231号5面2)(2006/01/30)
イラク占領継続狙う 東部方面隊派兵阻止しよう
陸上自衛隊東部方面隊の第9次イラク派兵部隊の本隊が1月27日に隊旗授与式を行い、翌28日、東京都練馬区の朝霞駐屯地からイラクに派兵されようとしている。この自衛隊派兵を絶対に許してはならない。日本の労働者階級の使命にかけて自衛隊の侵略軍隊化を絶対に阻止しよう。自爆決起を先頭とした激しいゲリラ戦争で帝国主義侵略軍の撤退・イラク解放へ戦うイラク人民と連帯し、自衛隊撤退へ全力で決起しよう。
すでに陸自復興業務支援隊の第5次要員約100人(第9次・第10次派兵の先遣隊に当たる)は13日にサマワ宿営地に入っている。陸自東部方面隊派兵で、陸自の全方面隊が戦場体験をもつことになる。この部隊は、日帝・小泉政権が昨年12月にイラク派兵の1年間延長を決めて最初に派兵される部隊であり、日帝が自衛隊を恒久的に侵略派兵する重大なステップとなる攻撃だ。
陸自は1月9日から27日まで、米海兵隊との初めての共同訓練を米カリフォルニア州の演習場などで行っている。これは“離島が占領された”と想定した訓練となっているが、米帝とともに中国・北朝鮮への侵略戦争を行うための訓練である。すでに強襲上陸作戦が実戦的に繰り返される段階にきているのだ。
また陸自のイラク撤退があるかのように報道されているが、実際に昨年12月の閣議決定で決められたのは、空自の活動範囲をイラク全土の24空港に拡大するということだ。
現在、空自の輸送はクウェートの空軍基地を拠点にバスラとサマワ近郊のタリル空港に人員、物資を運んでいる。これをイラク全土に拡大することは、重大な戦線の拡大にほかならない。イラクでは、武装解放勢力の路肩爆弾などを使ったゲリラ戦争で米軍の補給線の確保が困難に陥っている。米軍兵士の死亡の半分がこの路肩爆弾による攻撃である。米軍はますます航空輸送に頼らざるを得なくなっている。しかも、イラクでは今年に入って4機もの米軍ヘリが撃墜されている。まさに戦略的な攻防の焦点である航空輸送を自衛隊が拡大するのである。
陸自の撤退もなんら決まっていない。1月17日の額賀防衛庁官との会談でラムズフェルド米国防長官は、「世界第2の経済大国がより大きな役割を果たすことに期待している」とさらに新たな任務を検討するよう求めた。米帝は、イラクの地方行政府の治安や行政能力の向上を目的とした「地方復興チーム(PRT)」への陸自中堅幹部の参加を要求している。自衛隊は直接的な侵略戦争を担う役割をさらに拡大しようとしているのだ。
米帝は各国のイラク撤退が相次ぐ中で、副大統領のチェイニーがエジプトやサウジアラビアなど中東を訪問し、軍隊のイラク派兵を要求した。あくまでもイラク占領支配を維持し、石油強奪を貫こうとしている。日帝は額賀の訪英と1月10日のリード英国防相との会談で、イラク撤退問題では英豪と緊密に連携して決めると確認した。軍事占領を継続するということだ。
米帝ブッシュ政権のイラク侵略戦争に一片の正義でもあるだろうか。まったくない。大量破壊兵器の保有というデマをデッチあげ、そのために偽の証拠までねつ造した。フセイン政権とアルカイダとの関係というのもデッチあげだった。このイラク侵略戦争で10万人を超えるイラク人民が虐殺されたのだ。しかも米英軍は今も年間数百回にわたる空爆を行っており、検問所での銃撃など無差別虐殺を繰り返している。国民議会選挙や正式政府発足という政治過程は、カイライ政権デッチあげ以外の何ものでもない。イラク人民は命を懸け犠牲をのりこえてゲリラ戦争を戦い抜き、圧倒的な戦力の米英日軍を泥沼の危機に追いつめている。
闘うイラク人民と連帯し、1・28自衛隊第9次イラク派兵を阻止しよう(要項1面)。戦争国家体制構築の攻撃を4大産別決戦とそれを軸とした改憲阻止闘争の高揚で打ち砕き、「3・20」イラク反戦闘争の大爆発を切り開こう。
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週刊『前進』(2231号5面3)(2006/01/30)
2・11日本原闘争に総決起し 日米共同演習実力阻止へ!
全学連・反戦日本原現地闘争本部 矢島隆志
陸上部隊による白兵戦の訓練
日帝・自衛隊は、2〜3月の2週間、日本原演習場で日米共同演習を実施すると発表した。参加するのは、米軍が沖縄の第3海兵機動展開部隊、自衛隊が鳥取県米子市の第13旅団第8普通科連隊、それぞれ200人とされている。地元の岡山県奈義町は、宮内地区の反対決議を始め地元農民の反対の声を踏みにじり、▼20_以上のいわゆる火砲の射撃は行わない▼騒音を伴う夜間訓練はしない▼米軍の単独、個人的外出はしない――などを条件に実施受け入れを表明した。
日本原での日米共同演習は、今日進行する在日米軍の再編、日米安保の大改定の重要な一環だ。
昨年10月29日に発表された「日米同盟−未来のための変革と再編」と題された日米軍事再編に関する中間報告は、その第2章で、東アジアでの日米の軍事一体化を中東−世界規模での一体化の核心に位置づけている。そして、その実効性を確保・強化するための共同訓練、情報共有、施設の共同使用などを重要なテーマとして掲げている。つまり、日米両軍は中国・北朝鮮侵略戦争を完全な同盟軍として遂行しようとしているのだ。今回の日本原での日米共同演習は、そのための本格的共同演習の第一歩なのである。
日米共同演習の強化の中でとりわけ重視されているのが陸海空全軍の統合運用と陸上部隊の共同演習だ。
統合運用に関しては、80年代中期から全軍統合訓練が開始され、今では1年おきに双方2万人以上が参加する実動訓練が日本全土を使って繰り広げられている。自衛隊の3軍統合体制の実戦的確立も急速に進められている。
陸上部隊の共同演習は、海・空に比べて10年以上遅れて、1978年の日米安保ガイドライン(第1次)の締結を経た後、ようやく81年に開始され、毎年その規模や質の向上が図られてきているが、今日でもその立ち遅れは大きい。
陸上部隊の共同演習の立ち遅れは陸上戦闘が直接的な殺戮(さつりく)戦であることに起因する。自分の発射した弾丸で倒れた敵の死体を踏み越え、あるいは処理し敵戦闘力を壊滅・制圧するのが陸上戦闘の基本である。そういう質、レベルの一人ひとりの共有は、陸上戦闘の最も重要な要素であり、困難な課題だからである。
今回の中間報告を受けて、日帝・自衛隊がめざすのは、中国・北朝鮮−アジアを戦場とした時の米軍の実戦遂行能力の獲得・共有なのだ。日米共同演習−陸上部隊の共同演習の強化は、自衛隊のアジア侵略軍としての形成(中国・アジアで“三光作戦”のような大虐殺をやってのけた皇軍の再来だ!)をめざすものであり、自民党新憲法草案が掲げる「自衛軍」創設をめざす攻撃である。
朝鮮侵略想定し日本原が戦場に
日本原での日米共同演習の最大の目的は、北朝鮮侵略戦争の直接的準備の推進である。
日本原演習場のある中国山地は、その地形が朝鮮半島に酷似しているということで旧帝国陸軍時代から重視されてきた。そもそも日本原に演習場が開設されたのもそのためである。
この間、広島県や島根県、鳥取県の中国山地での米軍機の低空飛行訓練が激化しており、学校や民家の窓ガラスが割れるなど住民の被害が続出している。先日、島根県邑南町で目撃された国籍不明機は、実は在韓米軍所属のA−10サンダーボルト対地攻撃機であったと推定されている。岩国への厚木基地の米空母艦載機の移駐の計画も、厚木基地の負担軽減などといった問題ではまったくない。中国山地、あるいは四国山地を朝鮮半島の地形に見立てての対地上戦闘の訓練強化が目的であり、岩国を直接北朝鮮作戦の出撃基地にしようとするものである。日米両軍は、対北朝鮮の侵略戦争を具体的に準備しているのだ。
日本原演習場は、さらに、約7`の長距離砲射撃訓練を発射点から着弾点を目視しながら実施できるという地形上の特性や、原野と山林が入り混じり戦車戦から山岳戦まで幅広い訓練が実施できるという自然条件を備えている。演習場の中には広大な農地も存在し(反対派農民が今日も耕作を続けている)、農地での戦闘訓練という実戦さながらの訓練さえ可能だ。また、厳寒期の2月にはマイナス10度に達することもある気候上の特徴も、北朝鮮侵略戦争を想定した訓練の場合重要だ。今回の演習が2〜3月に実施されようとしているのもそのためなのだ。
この間日本原では、日米共同演習に備えるために演習場機能の急速な強化が図られている。ひとつは、上記7`の射撃訓練の際に着弾地となる地域の整備が進められている。戦車砲の射撃の激化に備えて発射地点に大規模な防音・防災堤が造られ、着弾地付近に監視塔が建設されている。潜入射撃場という実戦訓練施設も全面改修されている。決定的には相当規模の市街地戦闘訓練施設の整備、建設が始まっている。2〜3月の日本原での日米共同演習でも、この市街地戦闘訓練施設での実弾射撃を含む演習が実施されることは間違いない。
日本原演習場は、今回の日米共同演習を機に戦場そのものへと一変しようとしている。殺し殺される実戦をくぐり抜けてきた米軍との共同訓練を大々的に展開することをとおして、自衛隊は実戦部隊へと一気に変貌(へんぼう)しようとしているのだ。労農学総決起で2・11日本原現地闘争−2〜3月日米共同演習実力阻止闘争を爆発させよう。
不屈の反対農民を先頭に闘おう
日帝・自衛隊の思惑の前に断固として立ちはだかっているのが日本原闘争である。
日本国内には北海道の矢臼別や北・東富士のような大規模演習場が6カ所、日本原などの中規模演習場が14カ所存在している。その中で、日米共同演習が実施できないのは日本原だけだった。1986年、日本原演習場を管轄する陸上自衛隊中部方面隊が参加する初の日米共同実動訓練が実施される時、日本原もその有力な候補に挙げられていた。しかし、反対派農民の実力闘争と、農民と結合した労働者・学生、革命党(現闘本部)の強力な存在のため、日本原での実施を断念した。今日にいたるまで中部方面隊は7回の共同実動演習を国内で実施したが、7回とも滋賀県のあいば野演習場を使用してきた。
また、日本原闘争のゆえに、日本原演習場は実に多くの制約を自衛隊は抱えており、演習場全域を使用しての射撃訓練、つまり演習場全面使用は今日まで実現できていない。1970年、全面使用強行に踏み込み、105_榴弾(りゅうだん)砲の試験射撃を行った際、日本原農民は決死隊を組織し、各所で立ち入り禁止線を突破、着弾地に潜入し、命懸けの実力阻止闘争を貫徹した。その結果、試験射撃は3発で中止、国会で大問題となり、当時の中曽根防衛庁長官が陳謝した。
この日本原闘争の勝利の地平を支えているのは、闘う日本原農民の「再び侵略戦争を繰り返してはならない」という精神に貫かれた不屈の実力闘争だ。その最大の武器として、演習場内の広大な民有地、耕作権、入会権を始めとする諸権利が確固としてある。また、日本原農民は一部共産党系反動派による排除策動を粉砕し、革命的左翼との合流、連帯の闘いを選択してきた。日本原闘争は、三里塚、北富士などとともに日本における労農学連帯のとりでだ。
日本原農民を先頭に猛然たる反対運動が開始されている。反対派農民の拠点、宮内地区は共同演習反対を決定した。町の演習場対策委員会では唯一、地区としての反対だ。また岡山県内の4大産別を軸とした労働組合による日本原闘争陣形の日米共同演習反対の運動が大きく開始されている。
中国・北朝鮮侵略戦争のための日米共同演習阻止! アジア侵略を繰り返すな! 自衛隊の皇軍化を許すな!を掲げ、2・11日本原現地闘争の大衆的爆発を実現し、2〜3月日米共同演習実力阻止の大闘争をつくりだそう。
(写真は昨年の2・11日本原現地闘争)
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週刊『前進』(2231号6面1)(2006/01/30)
検察証拠の申請却下は歴史的瞬間だった 東京 西尾邦彦
「検察の証拠申請を却下する」
裁判にあまり詳しくない私は、裁判長の宣告の意味をしばらく理解できませんでした。しかし法廷全体の雰囲気、特に被告3同志の表情からこれはすごいことになったとわかりました。
1月16日、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の控訴審の第1回公判を傍聴しました。検察は本件事実とまったく何の関係もないことを証拠として申請したのです。それらは3同志や弁護団が繰り返し弾劾しているように、「いつ・どこで・誰が・何を・どのように」を明らかにするものではありません。とにかくデッチあげのストーリーでまたしても「逆転有罪」を狙うための証拠申請です。こんなものは却下して当然です。
「やった!」という表情の3同志。対する検事は「想定外」の事態に声も出ずに固まっている様子。裁判長に促されてようやく「異議申し立て」をしたものの、弁護士から「異議申し立ての趣旨は何か」と追及され、「こうなるとは予想していませんでしたので……」と狼狽(ろうばい)するばかり。
まさに痛快そのもの。「明治」以来、闘う人民を弾圧してきた「爆発物取締罰則」と天皇制テロル。しかし3同志の闘いが、東京地裁での無罪判決に続き、再び国家権力を打ち破ったのです。「歴史的瞬間」に私も立ち会うことができたと言ってよいでしょう。
裁判所は一審段階での検察側の策動もすべて「却下」すべきでした。それをせず、16年間も被告の自由を奪い続けてきたことの責任を取るべきです。
「証拠申請」を却下して結審となった以上、有罪判決などもってのほかです。しかしそこは「常識破り」の連続である爆取裁判、油断はできません。しかも中川裁判長は立川反戦ビラまき弾圧で逆転有罪判決を出した極反動です。
5月19日の判決公判には総力で東京高裁に詰めかけよう。3月3日の福嶋判決公判に結集しよう。
尼崎事故電車の色が塗り替えられていた 東京 木村宏哉
正月に関西に帰省した時に、昨年の尼崎事故を起こしたJR西日本の207系の電車の車体が塗り替えられているのに気がついた。
これまでは、ステンレスのむきだしの車体の真ん中に濃いブルーと薄いブルーのツートンカラーの帯が横方向に入っているだけだったのが、ステンレスの車体の窓の横を濃い紺色で塗りつぶし、真ん中の帯もボディと同じ濃い紺色とオレンジ色のツートンカラーになっていた。(写真)
定期検修に回ったものから塗り替えているようで、塗り替えられていない車両も多い。中には塗り替え前の車両と塗り替え後の車両をつなぎ合わせている編成もあった。事故直後に「遺族の気持ちを考えて、塗装を変える」という話を新聞かホームページで読んだ記憶があったので、「ああ、これのことか」と思った。
調べてみたところ、昨年11月末から塗り替えを開始して、今年の3月末までに塗り替えを完了するという。この塗り替えのために車両が足りなくなり、JR東日本から中古の車両を購入するという異例の事態まで起こっているという。
確かにちょっと見には違っているけれども、車両の軽量化やボルスタレス台車の問題など、事故を起こした207系の基本的な部分はまったく変わっていないわけで、ずいぶん人をなめた話だ。JR西日本は、社長と会長の辞任で尼崎事故を過去のものにしようとしているが、ペテン的な塗装塗り替えを見て新たな怒りがこみ上げてきた。
JR東日本も羽越線事故の責任を松田会長の辞任でうやむやにしようとしている。事故責任を徹底的に追及する闘いが求められていると感じた。
動労千葉は、06春闘を反合理化・運転保安春闘として闘うと聞く。耐震強度偽装問題もそうだが、民営化と労組破壊の攻撃は、資本主義・帝国主義の腐臭ふんぷんたる現実をもたらしている。今こそ労働者階級の怒りを爆発させる時だ。
元旦の全逓ビラまきで06年が始まった! 佐久アキラ
「郵政民営化に絶対反対です。労働者の団結で阻止しましょう!」
2006年元旦、私の新年は郵便局前でのJPU労働者に対する新年ビラまきで始まった。ほとんどの人たちがビラを受け取り、「ごくろうさん」「どこの郵便局の人?」と応じてくれた。別の入り口から入った人が、わざわざビラを受け取りに来て、「ありがとう」。力を得てこちらの掛け声も跳ね上がる。06年へいいスタートが切れた。
不正を告発した教員への不当処分に抗議 東京・杉並 C
昨年12月26日と年明けの1月13日に杉並区教職員組合(杉教組)が呼びかけた「不当な事情聴取を許さない」抗議行動に参加しました。(写真は1月13日)
杉並では、昨年8月に「つくる会」の歴史教科書(扶桑社版)が採択されてからも「採択を撤回せよ」「4月から使わせるな」と激しい闘いがねばり強く展開されています。その焦点にあるのが「調査報告書の書き換え問題」です。
この間の杉並区議会での質問・追及、現場からの告発、情報公開による調査などで、8月12日の採択までに杉並区と教育委員会は学校現場から上げられた「調査報告書」をすべてチェックし、書き換えを命じていたことが明らかになりました。この事実はNHK「クローズアップ現代」やTBS「ニュース23」でも衝撃的に報道されました。
そのきっかけとなったのが、杉教組が昨年7月27日に行った記者会見でした。杉教組の勇気ある内部告発がなければ「書き換え問題」は闇(やみ)に葬られたかもしれません。
不正をあばかれた杉並区と教育委員会は、不正の事実を隠蔽(いんぺい)しようとたくらみ、そのために杉教組を狙い撃ちにした報復攻撃に出ています。「記者会見」を理由(口実)に、「杉教組が信頼関係を破った」と言いがかりをつけて、人事異動の交渉の窓口を一切閉ざすという不当労働行為まで働いています。内部告発した2人の教育労働者には「守秘義務違反」(注)の懲戒処分をかけようとして、事情聴取のための呼び出しを行い、そのうちの1人には異動攻撃もかけています。
こうした攻撃の中で、杉教組は「組合員を守れ」「処分のための事情聴取を許さない」と2度の抗議行動を闘ったのです。
寒風の吹く区役所前の集会や教育委員会指導室との窓口交渉、廊下での抗議行動、記者会見、報告集会などが、駆けつけた多くの組合員、支援の労働組合、弁護士、保護者・区民によって闘われました。決意あふれる激しい闘いに心を揺さぶられました。
また、1回目の呼び出し攻撃であった12月26日には、11月以来呼びかけられていた「つくる会」教科書の「採択撤回と採択やり直しを求める署名」8588筆が提出されました。
「教え子を戦場に送った苦い思いを絶対に繰り返してはいけない」「4月を前にした今が『つくる会』教科書拒否のたたかいそのもの」と闘う杉教組。処分・異動攻撃を受けながら堂々と胸を張って闘う2人の教育労働者。その対極に、薄笑いを浮かべながら暴言を繰り返す区の課長たち。「つくる会」や杉並・山田区政が強権で「もの言わぬ教師」をつくろうとすればするほど、教育労働者の労働者魂に火をつけ、団結がいっそう固まっていく、そう強く感じました。
杉教組の勇気ある闘いは全国にも知れわたり、熱い共感が寄せられています。そして、「先生を処分するな」「報復的な人事異動は許さない」という保護者・生徒の闘いをも生み出しています。
1月13日の抗議行動のあとに開催された報告集会で、ある保護者は、運動が大きく広がっていること、校長および教育委員会交渉を行っていること、などを報告しました。「教科書問題はあまりピンと来ない」と言っていた保護者たちも「『つくる会』教科書が使われるということは、こういうことなのか」と立ち上がっているのです。
杉並で教育労働者と保護者・区民が結合した闘いが力強く着実に始まっています。この闘いの火を守り、燎原(りょうげん)のようにすることが「つくる会」を杉並からたたき出すことになる、と確信しました。
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注 杉並区教育委員会は、地方公務員法第34条の【秘密を守る義務】「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」を「根拠」に、内部告発した教育労働者を弾圧しようとしているが、この条文はあくまで「公開の原則」の例外規定。「秘密」が外部に知れた場合、客観的に個人のプライバシーや人権、権利利益が侵害されることのないようにする、というもの。内部告発は不正を暴き、子どもの学習権を守ったのであって、「守秘義務違反」には当たらない。
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週刊『前進』(2231号6面2)(2006/01/30)
原則的な組織活動でスパイ化攻撃を粉砕
大阪 タクシー労働者の闘い
以下の報告は、原則的な組織活動をとおして日帝・権力のスパイ化攻撃を見事に粉砕した事例である。
今日、プロレタリア革命に向かって主客の条件は急速に成熟しつつある。このような情勢の到来に日帝・権力は心底から恐怖し、労働者階級の闘いと革命の圧殺のために治安弾圧攻撃を激化させている。とりわけ革命党を壊滅させる攻撃はその核心をなしている。
だが革命党を外からの攻撃で圧殺することはできない。革命党を内部から破壊するための攻撃こそスパイ化攻撃なのである。共謀罪はこうした攻撃を促進するものでもある。
所長から名刺が
P同志は大阪府下のタクシー会社で働く運転士である。ある日、営業所長に事務所に呼ばれ、「君に会いたいという人がいるんだが……」と告げられた。いぶかしく思ったP同志が「誰ですか」と尋ねると、所長は「こういう人だよ」と1枚の名刺を差し出した。そこには「法務省 近畿公安調査局 法務事務官 桑原俊二」と書かれていた。P同志は即座に「私は公調なんかに会うつもりはありません」と拒絶し、その場は終わった。
数週間後、再び所長に呼ばれて行くと「例のところ(公調)からまた言ってきているんだがどうかね」と言うので、P同志は怒りに燃えて「前回きっぱりとお断りしたはずです。私は公調や警察とは一切会うつもりはありません。二度とこのようなこと(公調の手引き)はしないでください。これは業務命令ですか」と所長を弾劾した。所長は「いや業務命令ではないが……」と言葉を濁した。
それから半年後、P同志が早朝から業務についた日のことだった。同志が営業所からタクシーを流し始めたところ、そう遠くない地点に男が立っていて手を挙げたので、P同志はこの客を拾った。「関空(関西新空港)に行ってくれ」と言われ、P同志は阪神高速道路湾岸線に乗った。ほどなくして客が「○○さん、桑原ですが」となれなれしく話しかけてきた。P同志が「あれ誰だったかな」と考えていると、男は「法務省の桑原ですが」と言う。
一瞬にして事態を理解したP同志は「なにーっ、お前があの公調の桑原か」と一喝。「少しお話がしたい」などとほざく公調・桑原に「ふざけるな」と怒りをたたきつけた。すると、桑原はわなわなと震え出した。関空に到着し、降車場に車をつけてP同志が「ここで降りろ。二度と俺(おれ)の前に現れるな」と言うと、桑原はP同志が釣り銭の支度をしている最中に車から飛び出し、脱兎(だっと)のごとく逃げていった。
ちなみに、P同志は釣り銭を営業所に預けたが、後日、桑原はP同志がいない時を狙って営業所に釣り銭を取りに来たそうだ。
粉砕したとはいえ今回の公調によるスパイ化攻撃は実に許しがたい。P同志がタクシー乗務員であることを利用し、客を装い、高速道路に乗るようにしむけて、ある種の密室状況をつくり出し、そこで権力をかさに着たやり方で屈服を迫るという卑劣な手口だ。
しかしこの手口は、P同志の怒りの決起で一瞬にして逆のものに転化された。桑原は、タクシー車中という自らが設定した密室空間で逃げることもできず震えていたのだ。
公調・桑原はP同志の上司を使って、資本の力をバックにP同志の屈服を引き出そうと狙ったのであるが、これもP同志の原則的対応の前に頓挫(とんざ)したのである。
細胞活動の勝利
党生活3原則(会議、機関紙、財政)を日々実践し細胞活動を活性化する中で、今回のような敵の攻撃も初期段階で細胞として掌握し完全に構えきることができた。そして原則的な権力との闘いで見事に粉砕することができたのである。
共謀罪の成立策動を始め治安弾圧を悪無限的に強化するしか延命の方途がなくなった日帝は、革命党の組織壊滅を狙ってさまざまな攻撃を激化させている。スパイ化攻撃はその重要な一環であり、この攻撃を粉砕する闘いは今後ますます重要性を増すだろう。
党のボルシェビキ的強化をかちとり、いざ06年決戦へ進撃しよう。
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週刊『前進』(2231号6面3)(2006/01/30)
中国全土で農民騒乱が激発
命をかけて官僚の腐敗に抗議 「成長」の陰で進む体制的危機
中国の農村各地で「騒乱」的事件が連続して起きている。中国農民は、スターリン主義当局と開発業者が結託した農地の強制収用、補償金の横領、官僚主義の汚職・腐敗、環境汚染、警察の不当な弾圧・迫害などに対して、命がけの闘いを繰り広げているのだ。
「死者3人」と虚偽の報道し金で口封じ
12月6日、広東省汕尾市東洲村で大型発電所の建設に反対して抗議活動を行っていた農民ら300人に対して数百人の武装警官が襲いかかった。抗議活動の首謀者と見なした者を拘束し、座り込みを行っていた住民に殴る蹴るの暴行を働いた。これに怒った多数の住民が現場を取り囲むと、さらに3千人もの武装警官が増援され、催涙弾や実弾を発砲、逃げ惑う住民を見境なしに虐殺した。銃撃は深夜まで続いたという。
正確な死者数は判明していないが、マスコミは70人以上が射殺されたと報じている。遺体の多くは放置された末に、当局が証拠隠滅のために家族に引き渡さずに火葬した。
中国スターリン主義の御用報道機関は、死亡者をわずか3人と発表し、「村民が先に発砲し施設を爆破しようとした」とか、「死亡は自爆によるもの」などとデタラメな発表を行った。
現場は、地元農民から山林や農地、湖などを強制的に収用して建設が進められてきた大型火力発電所の用地である。政府側は村民に対して▽毎年100万元(約1200万円)の補償金を支払う▽失業問題を解決する▽汚職政府職員を厳重に処罰する――などを口頭で約束していたが、現実にはそれらはことごとく破られた。発電所内に建てられた排気煙突の高さは、約束より50bも低い100bちょっとしかなかった。補償金は十分に支払われないばかりか、地元の役人によって横領され、住民の生活はどん底にたたき落とされた。農民たちは、昨年7月から発電所の門外で抗議活動を続けてきたが、当局側は情報を外に漏らさないよう、電話、ファックスなどの通信を盗聴・監視し、住民は外出さえままならない状態に置かれていた。
こうした緊張した関係の中で、当局は住民が道路などに築いた障害物を撤去することを要求し、住民がそれに抵抗したことを発端に武装警官が襲いかかり、今回の大虐殺事件が起きたのである。
すでに事件から1カ月以上が経過したが、中国公安当局は、非難の声が上がれば上がるほど、実態が全面的に明らかになることを恐れ、隠蔽(いんぺい)のための徹底的な情報統制を行っている。
遺族に対して、死亡原因をあくまで「自爆」にデッチあげるために、口封じとして金の支払いを申し出、それと引き替えに「証明書」への署名を強要していると言われる。すでに土葬された犠牲者の遺体については、死後解剖の名目で遺体を提出するよう要求した。ある村民は、「警察は、殺された村民の遺体に警官の服を着せ、写真撮影した」と語った。
政府職員は住民が外部と接触することを阻むために、死亡者の自宅前で監視している。中国政府は射殺を命じた汕尾市公安局の副局長を逮捕したと発表したが、逮捕の3日後にこの副局長は釈放された。汕尾市政府は100人以上を抗議活動の中心人物として指名手配した。
(写真 「山も湖も土地も奪われて東洲人民は生きていけるかのか!」と大型発電所建設に反対して座り込みを続けていた農民テント【広東省汕尾市東洲村】)
スターリン主義への怒りは高まるばかり
中国農村部では現在、「改革・開放路線」に基づく乱開発が急激に進められており、農民・住民を追い出してのダムや発電所の建設ラッシュが続いている。
そうした中で、地方官僚の間では既得権益を使って開発業者・企業との癒着のもとに、地上げを行い、土地や公有財産を勝手に売り払い、巨額のわいろを受け取り、デタラメな名目をデッチあげて人民から徴税するなどの底なしの腐敗が横行しているのだ。重税と直接的暴力が農民の生活をぎりぎりまで追いつめている。
農村で食えない農民たちは、出稼ぎ労働者となって都市部に大量に流入している(中国の産業労働者の3割が出稼ぎ労働者)。しかし都市での「経済的繁栄」の象徴である高層建築ブームの陰で、出稼ぎ労働者の大半はきわめて劣悪な労働条件と驚くほど低い賃金でこき使われている(超長時間労働、保険がなく労災事故や病気での医療費も自己負担)。給料の未払いも日常茶飯事だ。労働者・農民の怒りが爆発し「騒乱」的事態となるのは当然だ。
中国スターリン主義政府はこれらの事件を、「騒乱ではなく集団的事件」と称して、事態の沈静化のために躍起になっている。しかし中国公安省当局自身が発表した統計によっても、その「集団的事件」の発生件数は94年に約1万件、参加者人数が70万人であったのに対し、02年以降急速に増加し、04年には7万4千件、参加者人数は370万人に膨れ上がっている。
05年6月には河北省の定州で、やはり発電所をめぐる土地収用を拒む農民に対し、市当局が雇った暴力団300人が襲撃をかけ、8人が死亡、48人が負傷するという事件が起きた。この襲撃の一部始終を撮影した映像が全世界に流出し、定州市の党委員会書記と市長が更迭されるという事件に発展した。
今回の汕尾市での虐殺事件も、当局の情報統制、隠蔽工作にもかかわらず、瞬く間にその報は中国スターリン主義への怒りを伴って全世界に広がった。
中国経済は今、GDP成長率が年9%超という「驚異的な」拡大・成長を見せている。だがその実態はきわて危機である。今や中国政府自身がバブル崩壊の危機におびえ、中国人民銀行の不動産融資を規制する事態にまで至っている。
「改革・開放」路線が極限的矛盾もたらす
とう小平のもとで始められ今日まで続く「改革・開放路線」は、スターリン主義体制の根本的行き詰まりと破産を、帝国主義国の資本をなりふり構わず導き入れることで突破しようとするものであった。これは沿海都市における「経済的繁栄」を実現したともてはやされるが、現実には、スターリン主義の本質である一国社会主義の根本矛盾に資本主義のあくどい利潤追求をかけ合わせることで、2乗3乗された極限的矛盾を今日の中国にもたらしているのである。
都市と農村の格差は拡大の一途をたどり、それにとどまらず都市内部、農村内部、地域間、業種間でのあらゆる社会的な格差を押し広げ、社会保障制度を崩壊させ、スターリン主義官僚がその権力を使って利権をむさぼる腐敗の構造を、中央から地方にまで蔓延(まんえん)させた。
さらに産業廃棄物、煤煙(ばいえん)、廃水による環境汚染は深刻化し、炭坑などでの事故・大災害が激発している。(05年においても炭鉱労働者数千人が事故で命を奪われた!)
中国スターリン主義は自ら招いた危機と矛盾のすべてを労働者・農民に力ずくで押しつけて、支配体制の存続・延命を図ろうとしているのだ。
中国の労働者は腐敗したスターリン主義党・政府官僚、そしてそれと結託した帝国主義資本と命がけで闘っている。その苦闘の中で既成の「工会」に代わる労働者組織が生まれつつあり、労働組合的団結を模索しながら労働者は主体的に決起し始めている。
また農村部においても農民運動の新たなリーダーが次々と現れ、官僚、警察、暴力団の恫喝に屈せず、命がけの闘いを続けている。この闘いのうねりは、スターリン主義を打倒する中国第2革命までけっしてやむことなく続くものだ。
日本労働者階級人民は、日帝企業・資本が中国に津波のように押し寄せ、スターリン主義政権・官僚らと一体となって中国人民を搾取・収奪している現実に正面から向き合い、労働者の国際連帯として、日帝・小泉政権打倒の闘いに決起しなければならない。
〔石井良久〕
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週刊『前進』(2231号6面4)(2006/01/30)
F15戦闘機が墜落 “部隊撤去・飛行中止せよ”
沖縄全島に怒りが充満
1月17日、4機編隊で嘉手納基地を飛び立ったF15イーグル戦闘機のうち1機が、演習中の午前10時ごろ、嘉手納基地の北東100`、名護市東海岸・辺野古からわずか60`の公海に墜落した。
現場海域には、国頭漁協や宜野座漁協を始めとする近隣漁民のパヤオ(浮き漁礁)が40以上も設置されており、一歩間違えば操業中の漁船を直撃する恐るべき事態だった。まさに「絶対に起きてはならない事故」が起きたのだ。
17日午後にはうるま市議会が抗議決議を可決。04年8・13沖国大ヘリ墜落事故が再現かという衝撃が沖縄全島に走った。那覇防衛施設局も「事故原因究明までの飛行中止」を嘉手納基地司令官に要求した。
18日には、各自治体でF15部隊撤去・飛行中止決議が続く中、墜落事故緊急抗議集会が嘉手納基地に隣接する「安保の見える丘」で開かれた。
同日午後、沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する市町連絡協議会」が嘉手納基地を訪れ、F15部隊の撤去と飛行再開中止を求めた。しかし米軍は、「F15は交通事故より安全性が高い」「危険なのは漁民ではなく、パイロットだ」とうそぶいて飛行中止を拒絶、19日からの飛行再開を通告した。
米軍のマニュアルでも事故が発生した場合、60日間かけて原因究明に当たり、その間は飛行を中止することになっている。自らのマニュアルさえも無視、「事故後17、18日は飛行を中止し反省した」と強弁した。
19日午前9時前から嘉手納基地周辺にF15のエンジン音が響いた。午前11時までに計18機のF15が金属音をとどろかせて事故時と同じ北東に飛び去った。騒音はなんと94・5デシベル。
「どこまで沖縄県民の命を軽視するのか!」。沖縄県魚連は20日、初の「訓練水域全面解除」要求行動に立った。石川漁協の大城肇組合長は、「生活の場と命を脅かされている漁民の不安に関係なく、訓練スケジュールだけを考える米軍の態度は許せない。金武湾の給油施設を漁船で封鎖し、こちらも態度で示さなければ米軍は分からない」と非常の決意を語った。
辺野古で海上基地建設阻止の座り込みを続けている命を守る会の金城祐治代表は、米軍再編の渦中で起こった今回の事故で「基地を抱える全国の自治体の不安や懸念は拡大するだろう」と指摘した。
この事故は機体の老朽化などが原因ではない。すでに1月11日深夜から12日未明にかけてうるま市のキャンプ・コートニーでは、戦時奇襲演習としての夜間上陸訓練が強行され、16日には同市勝連のホワイトビーチに米軍佐世保基地所属の強襲揚陸艦エセックスが接岸、昨年11〜12月に普天間飛行場に新たに配備されたCH53E大型輸送ヘリ4機、ハリアー戦闘攻撃機2機など26機の艦載が確認された。沖合にはドック型揚陸艦が停泊、米軍天願桟橋には米海軍の弾薬補給艦フリントがマストに爆発物を積んでいることを示す赤い旗を掲げて接岸していた。
米帝にとって絶望的な泥沼となったイラク侵略戦争。沖縄から新たにアフガニスタン、イラクへの海兵隊派兵が決まった。これに向けた大規模な実弾演習が繰り広げられていたのだ。
沖縄は今、イラクの戦場と直結している。この戦時体制の中で起こるべくして起きた事故なのだ。
7日未明にはキャンプ端慶覧内でタクシー強盗、12日にも沖縄市で元海兵隊員がタクシー強盗を行うなど年末年始にかけて事件・事故が続発している。1月3日に横須賀で発生した米兵による残虐な強盗殺人を始め全国各地でも米軍関連の事件が拡大している。
抑えがたい怒りは、真っ向から基地との共存を拒否し、米軍再編・新基地建設阻止を貫く渾身(こんしん)の闘いとして燃え広がろうとしている。3・5沖縄県民大会の会場が宜野湾市海浜公園に決まった。95年少女暴行事件に怒り10万人が結集した場所だ。沖縄人民とともに全国から3・5県民大会へ結集しよう。10万人の怒りを日米政府に突きつける時だ。辺野古崎への新基地建設を阻止しよう。「海上封鎖も辞さず」と訴える沖縄の労働者・漁民とともに闘おう。
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