ZENSHIN 2005/01/31(No2183
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週刊『前進』(2183号1面1)(2004/01/31)
「日の丸・君が代」強制拒否へ
東京の教育労働者の総決起でファシスト石原を打ち倒そう
米英日帝の世界戦争攻撃許すな
全国の闘う労働者とともに革共同は、昨年の11・7労働者集会の歴史的地平の発展、労働者国際連帯と日本の労働運動・階級闘争の大前進をかけて、05年決戦に激しく突入している。05年決戦の勝敗を決するものは、今春の卒入学式での「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争の爆発である。そのために教育労働者を先頭として、全国・全産別の労働者は、一切の力を注いで、何よりも1〜3月教労決戦に総決起しなければならない。今や米英日枢軸による帝国主義侵略戦争、世界戦争への攻撃が激化している。日帝・小泉は新しい「15年戦争」の道に突入した。「日の丸・君が代」の強制は教育労働者の団結を解体し、教え子を再び戦場に送り出す攻撃だ。帝国主義がすでに世界戦争過程に突入していることが米軍大再編(トランスフォーメーション)や、教育基本法改悪・改憲や、日本経団連の「05年経労委報告」の攻撃を急迫させているのだ。教労決戦の爆発を突破口に、4大産別決戦と05年決戦の勝利へ進撃しよう。
第1章 階級的人為的なスマトラ沖地震の大災害
戦時大統領=ブッシュの再選によって帝国主義が世界戦争過程に一層激しく突き進みつつある中で、スマトラ沖地震と大津波による未曽有(みぞう)の「災害」が発生した。しかしこの地震・津波による何十万人もの死者・行方不明者の発生は、単なる自然災害ではない。これは階級的、人為的な大災害である。
帝国主義とその新植民地主義体制が、被災諸国人民の貧困、劣悪な住居、災害への無防備状態をつくり出し、それが放置されていたことで今回の何十万人もの犠牲を生んだのだ。
帝国主義諸国は今日、いかにも「人道的」であるかのごとく見せかけて「救援・支援」活動を行っているが、彼らの真の狙いは新植民地体制諸国の再編的掌握であり、再侵略・再分割だ。さらにはムスリムの民族解放闘争の鎮圧だ。実際、空母と米軍1万4千人の大動員や、それと完全に連携した日帝・自衛隊の1千人の大派兵は、「救援」を絶好の口実とした軍事行動である。いわゆる「不安定の弧」地域への軍事介入、足掛かりの建設、そして軍事的共同行動の大演習である。これはトランスフォーメーションの現実的実施にほかならない。
こうした帝国主義の本質を最もよく示しているものが日帝の動きだ。日帝は今回の「災害支援」を絶好の口実に、自衛隊の海外活動(その基本は軍事侵略)を「正面任務」とする自衛隊法改悪案を通常国会に提出すると決めた! こうした帝国主義のあり方こそが、今回、膨大な死者を生み出した根本的原因なのだ。
今回の「津波災害」は、プロレタリア世界革命による帝国主義の打倒と新植民地主義体制の根底的転覆の必要性を待ったなしに迫っている。この「災害」の階級性・階級的人災性を暴露し、自国帝国主義=日帝の戦争と民営化(労組破壊)の攻撃と対決して、教労決戦を軸に4大産別決戦の大爆発をかちとっていこう。
昨年3月、東京の都立高校などの教育労働者300人が卒業式で、「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争に決起した。この衝撃的な決起を拡大する1〜3月の教労決戦の爆発こそが、05年決戦勝利の突破口である。
第2章 強制を拒否する不起立闘争の爆発の衝撃
闘いの発端は石原・都教委の03年10・23通達だった。通達は「国旗は式典会場の舞台正面に掲揚」し「教職員は会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」と命じ、教育労働者がこの職務命令に従わないなら「職務上の責任を問う」と恫喝(どうかつ)している。これで情勢が一変した。
従来は「内心の自由」に関するアナウンスがあり、起立・不起立の自由が一応はあった卒入学式が、職務命令による強制と処分攻撃の現代版「踏み絵」の場と化した。校長や教頭が「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱しなさい」と命令し、不起立者には「立って下さい」と再三、叫ぶ。しかも土屋や古賀といった石原の手先のような反動都議や都教委職員が、式に来て監視している。まるで戦前と変わらないおぞましい事態が、ファシスト石原のもとで現出したのだ。
この10・23通達による侵略戦争と天皇制的圧政の象徴たる「日の丸・君が代」の強制は、教育労働者の信念や人間的尊厳を根底から踏みにじり、破壊するものだった。戦争教育の強制と服従で教育労働者の階級性と団結を破壊し、教え子を再び戦場に送り出す攻撃そのものだった。いくら何でもこれは我慢できない。許せない。一方で予防訴訟(国歌斉唱義務不存在確認請求訴訟)が提訴されると同時に、処分覚悟のすさまじい決起が爆発した。
不起立で嘱託を解雇されたある教育労働者は、「立たなかった。いや立てなかった」と述懐しつつ、信念を曲げたくないが「職を賭けてやっていいのかどうか」、最後まで苦しんだと語っている。武道が専門の保健体育の教育労働者は、今まで胸を張って「君が代」を歌ってきたが、初めて不起立した。「教員に起立を強制する通達を見て、いずれは生徒も強制されることになると思った。教育の場で、強制という手段はいけない。抗議を示さないわけにはいかなかった」「信念でやったこと。後悔はない。今後もやれることをやる」。決起したすべての人が同じように悩み苦しみつつ、教育労働者としての誇りと信念にかけて強制を拒否したのだ。
ファシスト石原と都教委は日帝・小泉の先兵として、なぜこんな攻撃をかけてきたのか。それはすでに帝国主義が米英日枢軸のもとでイラク侵略戦争から世界戦争の過程に突入しているからだ。日帝がイラクに本格派兵し、新しい「15年戦争」に踏み切り、戦前の1931年「満州事変」(柳条湖事件)から1937年「日中戦争」(盧溝橋事件)のような過程に突き進んでいるからだ。
この戦時下で、「日の丸・君が代」の強制により教育労働者の抵抗と団結を破壊し、「お国のために命を投げ出してもかまわない日本人を生み出す」(石原の盟友・西村真悟)ために必死となっているのだ。
都高教7千人組合員が団結し勝利開こう
ところがこれに対する既成指導部の対応はどうか。日教組中央や都高教本部は、処分を出さないという口実のもと、職務命令には引く=従うという屈服方針で、組合員を石原の攻撃にさらし、裏切っている。日本共産党は“各自の判断に任せる”という無責任な屈服路線だ。カクマルは都高教本部の方針にそって全員が起立した。そればかりか不起立闘争の爆発に恐怖と憎悪をあらわにし、「ハミダシ」「挑発者の扇動」と悪罵を投げつけている。
さらには今春の卒入学式闘争、不起立闘争の爆発を圧殺するために「告訴・告発」運動を立ち上げ、権力の介入を呼び込む策動に躍起となっている。強制拒否への団結と不起立闘争の拡大ではなく“権力に石原を裁いてもらう”という逆立ちした反動思想を流布し、不起立闘争の爆発を阻止しようとしているのだ。まさに国鉄分割・民営化の先兵であるJR東労組の松崎明が公言する「労組は業務命令に従う。軍需輸送拒否のストはしない」が、カクマル全体の路線なのだ。
05年の3〜4月卒入学式闘争では、何としても既成指導部の屈服と裏切りをのりこえ、カクマルの敵対を粉砕して、「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争を東京で圧倒的に拡大しよう。都高教7千人組合員が団結して闘えば勝てる。そして東京のこの闘いを孤立させず、全国・全産別の労働者が連帯し、ともに決起し、教え子を再び戦場に送る攻撃に総反撃をたたきつけるのだ。これが被処分者の闘い、被解雇者の闘い、予防訴訟を進める教育労働者の闘いを守り、発展させ、ファシスト石原に勝利する道である。
「日の丸・君が代」強制拒否は、国鉄、自治体、医療、マスコミを始め、全産別の労働者が戦時下、有事法制下で、業務命令に抗して戦争動員を拒否していく最先端の闘いだ。これはすでに世界戦争過程に突入している情勢下での、最大の反戦闘争である。同時に教基法改悪阻止・改憲粉砕の闘いである。日教組を戦闘的に再生する闘いである。
関西では1万人の不起立闘争が闘われ、処分を許さない地平を守っている。全国で不起立が闘われている。この闘いのすべてを都高教7千人の決起に集約し、全労働者階級の団結で包み込み、絶対に勝利しよう。全労働者が動労千葉の物資販売と教基法改悪反対の100万人署名を積極的に活用し、教労職場に持ち込み、訴え、闘いを組織していこう。
教労決戦の大爆発を突破口に、4大産別決戦、05年階級決戦の勝利を開こう。
第3章 米日枢軸の形成と世界戦争過程への突入
米帝はイラク侵略戦争で泥沼的危機に突入している。歴史的ジェノサイドであったファルージャ総攻撃でも戦略的に敗北した。イラク人民の不屈の戦いは解放区・半解放区やソビエト形態の一定の成立をも生み出している。1月30日の国民議会選挙は、バグダッドを始め中北部4州(全人口の42%)で完全実施が不可能な破産的状態だ。
米帝はこのイラク侵略戦争の泥沼的継続から、その中東全域とりわけイランへの拡大、さらには東アジア(北朝鮮・中国)への世界戦争的拡大に突き進もうとしている。
米軍大再編こそは、米帝ブッシュがそのような世界的大戦争の体制の形成を狙い、日本本土と沖縄とその在日米軍基地を基軸的戦略拠点と位置づける大攻撃だ。それは日米同盟が世界戦争のための戦争枢軸(=日米枢軸)となっていく攻撃と一体である。
日帝・小泉はこの米帝の世界戦争戦略に全力で対応し、日米枢軸化と軍事的一体化に踏み切りつつある。日帝・小泉が昨年12月に行った自衛隊イラク派兵の1年間延長、新防衛計画大綱の決定、「国民保護に関する基本指針」(要旨)の公表、MD(ミサイル防衛)での日米包括協力の交換公文の手交などなどは、まさに日帝が米日枢軸を形成し、新しい「15年戦争」へとのめり込んでいく大攻撃にほかならない。
同時に昨年12月には日本経団連の「05年経労委報告」が出された。それは小泉=奥田路線のもとで、日本の金融独占ブルジョアジーが「攻めのリストラ」からベア一掃、8時間労働制解体、郵政民営化、社会保障制度解体、大増税、さらには教基法改悪・改憲まで、政治・経済の全面にわたってかけてきた大攻撃である。労働者を「工場法」(1911年)以前的なミゼラブルな状態に引き戻すことさえ公言している。
こうした12月の大反動を受けて1月18日、日本経団連の「国の基本問題検討委員会」が軍隊の保持、集団的自衛権行使への9条改憲を公然と提言した。また同じ日に自民党大会で「新憲法制定」を結党50年の今年の重要課題と位置づけ、同時に小泉が郵政民営化の推進を宣言した。いよいよ重大な階級的決戦のときが到来している。
第4章 3・20、春闘、郵政民営化阻止、都議選へ
05年決戦は、米日反動枢軸の形成と小泉=奥田路線のもとでの戦争と民営化(労組破壊)の攻撃に全面対決し、労働者国際連帯と階級的労働運動を大発展させていく闘いである。11・7労働者集会の画期的地平に恐怖する権力の治安弾圧の激化を粉砕し、日本共産党、カクマルの反動をはね返して勇躍前進しよう。
1〜3月の最大の実践的結論は、一切の力を投入して「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争の拡大、教労決戦の爆発をかちとることだ。それを軸に全逓、国鉄を始め4大産別決戦に総決起しよう。1・29国労中央委員会闘争に立とう。絶対に郵政民営化阻止へ血路を開こう。動労千葉を先頭に05春闘を闘おう。3・20国際反戦統一行動の大高揚をかちとろう。
そしてこれらの激闘をすべて集約して、新指導路線の貫徹と発展をかけ6月都議選の絶対勝利へ闘うことを、圧倒的に確認しよう。
最後に、05年決戦の勝利を切り開くために、本紙新年号論文の学習と討論をさらに全力で推し進めること、新指導路線でいよいよ全面的に一致し、マルクス主義・レーニン主義での再武装をかちとって前進することを強く訴えたい。
そして05年決戦の真っただ中で、今までの壁を大胆に打ち破り、機関紙拡大と党勢拡大の闘いに確信をもって総決起していこう。
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週刊『前進』(2183号1面2)(2004/01/31)
11月労働者集会の地平への大反動 関西生コン支部弾圧を団結の力で粉砕しよう
1月13日、国家権力・大阪府警は全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部に大がかりな不当弾圧を加え、武建一委員長以下4人の執行委員を不当逮捕した。権力は、午前5時から関西地区生コン支部の組合事務所を総勢200人にも上る体制で急襲し、午後4時まで不当捜索を続け、さらに自宅など30カ所あまりを不当捜索するという、かつてない大規模な労働運動弾圧を行った。
われわれは、この不当弾圧に煮えたぎる怒りを燃やし、関西地区生コン支部の呼びかけにこたえて、直ちに全力で反撃に立ち上がることを、すべての読者、労働者、労働組合の皆さんに訴えるものである。
関西地区生コン支部の緊急声明にあるとおり、この不当弾圧は、生コン企業への協同組合加盟促進活動が強要未遂および威力業務妨害罪にあたるとし、また組合資金を貸し付けたことが背任にあたるとデッチあげたものであり、いずれも正当な組合活動に対する不当弾圧そのものである。
関西地区生コン支部は、全国金属機械・港合同、国鉄千葉動力車労働組合とともに、毎年11月の全国労働者集会を開催し、「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」と呼びかけ続けてきた戦闘的・階級的労働組合である。
今回の弾圧は、何よりもこの戦闘的・階級的労働運動を一貫して担い抜いてきた関西地区生コン支部に対する破壊攻撃である。
今回の弾圧はさらに、共謀罪新設攻撃や、労組法・労働法制の全面改悪攻撃によって団結権を否定し、治安弾圧を激化させ、戦時下で労組破壊、団結破壊に突き進もうとする日帝の大攻撃のさきがけである。
今回の弾圧はその上で、昨年の11月労働者集会の成功を切り開いた3労組の団結と共闘に対する破壊攻撃である。
昨年11月7日の全国労働者集会は、歴史的な国際連帯集会として3600人を結集して大成功をかちとった。この11月集会は、自衛隊のイラク参戦情勢下で、資本・国家権力の一大資本攻勢・労組破壊攻撃に対する反撃と反戦闘争を国際連帯のもとに一体で推進するという、まさに「戦時下の階級闘争」の地平をかちとったものだった。
11月労働者集会の大成功をもたらしたのは、アメリカMWMの闘いや、韓国民主労総の闘いに学び、連合や全労連の反動と制動を打ち破ったランク・アンド・ファイル運動の高揚だった。都高教の教育労働者の「日の丸・君が代」拒否の不屈の決起、全逓4・28裁判闘争の勝利、全金本山闘争の勝利、国労闘争団の四党合意を打ち破る闘い、国労5・27臨大闘争弾圧被告団の闘い――まさに無数の現場労働者の闘いが爆発し、日本労働運動の新たな潮流となって05年決戦に臨もうとしていた。ここに襲いかかったのが今回の大弾圧にほかならない。
だが、権力との死闘こそ階級的労働運動の命運を決する。11月労働者集会の大成功という闘いの前進こそがこの密集した大反動を生み出した。だからこそ、この大反動を打ち破った時、階級的労働運動の大発展の展望がくっきりと切り開かれるのだ。
この弾圧は同時に、まさに大爆発しようとしている4大産別決戦への恫喝と破壊の大反革命である。
05年の階級決戦は、日本経団連・経労委報告による05春闘の全面的な破壊宣言との激突、石原東京都知事を先兵とした「日の丸・君が代」強制=教基法改悪との決戦、郵政民営化攻撃との決戦、自治労における民営化攻撃との攻防戦、さらに国鉄闘争の最後的な解体策動との決戦攻防へと一気に上り詰めようとしている。この弾圧粉砕の闘いは、4大産別の闘いの発展につながっている。
「嵐は樹を鍛え育てる」との関西地区生コン支部の歴史の通り、敵階級の横暴への根底的な怒りから発した闘いの炎を消すことはけっしてできない。いやむしろより大きな爆発に転じていく。
闘いはこれからだ。全国の労働者は団結して、弾圧粉砕、関西地区生コン支部防衛に立ち上がろう。
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週刊『前進』(2183号2面1)(2004/01/31)
不起立闘争の拡大が処分うち砕く道
国鉄分割・民営化に反撃して団結守った動労千葉の教
都高教7千の総決起の実現へ
昨年春の300人を超える東京都の教育労働者の「君が代」不起立闘争が火花となって、いま全国で今春の卒・入学式闘争を闘おうという気運が大きく盛り上がっている。戦争教育への危機感と、それを強制するファシスト石原、小泉政権への怒りがふつふつとわき起こっている。石原・都教委の03年10・23通達=「日の丸・君が代」強制の職務命令に対する大量不起立闘争は、職場生産点からの集団的抵抗闘争、戦争協力拒否闘争として労働運動全体に大きなインパクトを与えたのである。いまこそ昨春の地平を引き継ぎ、今春の卒・入学式闘争を、教育労働者と子どもたちの未来、労働者階級の未来をかけて闘おう。
日教組運動を復権させよう
昨年春の都の教育労働者の闘いは、労働者が戦争協力を拒否して教育基本法改悪―憲法改悪を阻む道筋を示した闘いであり、全国の労働者に大きな感動と励ましを与えた。この闘いは、「教育者としての良心」をかけた決起を原点とし、生徒への強制を身をもって阻止しようとする処分覚悟の実力闘争だった。
同時にこの闘いは、日教組の再生をかけた闘いであり、公務員労働運動の一掃を狙う攻撃と対決し、4大産別(教労、全逓、自治体、国鉄)の全労働者の総決起を切り開く闘いである。本稿ではその点を明確にし、国鉄分割・民営化闘争と、動労千葉の闘いの教訓を学んで闘うことの重要性を訴えたい。
郵政民営化、公務員制度改革・自治体リストラ、教育改革攻撃は、国鉄分割・民営化型の公務員労働運動解体攻撃である。それは、労組破壊・団結解体を核心的狙いとする、戦時下の労組破壊攻撃であり、きわめて政治的な攻撃である。
郵政における民営化に伴う選別再雇用、自治体における指定管理者制度、官民競争入札、業務委託の際の地公法28条1項4「廃職・過員」による分限免職と並んで、教労首切り攻撃として免許更新制がある。「日の丸・君が代」強制はそれと一体の攻撃である。
1950年朝鮮戦争前夜の定員法による国鉄10万人首切りはリストラの形をとった活動家パージであったが、49年秋から始まる数千人の教員レッドパージは、「不適格教員」排除の形をとって強行された。
不起立闘争が収束し一掃されていくことは、被処分者への累積処分→懲戒・分限免職、免許剥奪(はくだつ)を結果する。だからこそ、不起立者の拡大が死活的であり、それこそが処分粉砕の道なのだ。
教基法が改悪されれば、国家忠誠と国家主義的教育観こそが教員に求められる資質となり、公然と思想による選別が行われる。そうでなくても、更新時に処分歴が考慮されることは必至である。東京都が新採教員に対して始めたような「君が代」斉唱練習を、免許更新時にやるということもありうる。
国鉄分割・民営化における選別攻撃も、氏名点呼から始まったことを想起する必要がある。命令と服従の職場秩序に抵抗した国労組合員が、人材活用センターに送られ、清算事業団に送られたのである。
「日の丸・君が代」闘争は、いまや国鉄分割・民営化反対闘争の教訓で真っ向から武装しなければならない。不起立闘争の貫徹は、分割・民営化の試練をのりこえた動労千葉の労働運動路線で武装することによってのみ勝利できるのだ。
「迷ったら原則に帰れ」貫き
国鉄の分割・民営化は、日本帝国主義体制の全体重をかけた攻撃であり、20万人の首切りと国鉄労働運動の破壊をとおして、総評の解体、階級的労働運動の解体を狙う歴史的大攻撃であった。労働組合には二者択一が迫られた。動労カクマルは、「冬の時代」論に立って分割・民営化の先兵となって生き延びようとした。国労は「たこつぼ」を決め込もうとしたが、中間の道はありえず、組織はがたがたになった。これとは対照的に、動労千葉は、「闘う以外に組合の団結は守れない」と決断して、組織の総力を挙げた闘いに突入していった。
動労千葉は、当時1100人の労働組合だったが、分割・民営化攻撃に対して仁王立ちして立ち向かった。「団結さえ崩されなければ必ず展望は開ける」「俺たちが必死になって闘えば、必ず日本中の労働者が支援してくれる」という組合指導部の渾身(こんしん)の訴えは、組合員の魂をとらえ、85年9月の定期大会でストライキ方針を満場一致で決定した。85年11月、雇用安定協約の破棄通告に対して、敢然とストライキ闘争を闘い抜いた。
このストライキに対して、解雇20人、停職28人など計120人に大量報復処分が加えられた。86年2月には、業務移管に対して第2波の24時間ストライキを打ち抜き、この闘いをはさんで1月から3月まで、5波の順法闘争を闘った。この闘いに対しては解雇8人、停職31人など計272人に処分が加えられたが、支部長以下役員全員が首を覚悟していた組合員の動揺はなかった。指導部が決断し、組合員をとことん信頼して闘う方針を打ち出した時、労働者は首をかけても闘いに立ち上がるのだ。
動労千葉は、分割・民営化と闘って、一人の脱退者もなく自殺者を出すこともなく、組織を守り抜いた。闘いらしい闘いをなんら展開できなかった国労が組合員数を5分の1まで激減させたのに対して、血を流して闘った動労千葉は、最も基本骨格を守り抜き、団結を維持して生き残ったのである。
動労千葉は、それ以降、JR体制下で国鉄闘争の牽引(けんいん)車として、労働運動の産業報国会化に抗して、闘いの旗を守り続けてきた。そしてついに、JR資本―JR総連カクマルの結託体制に風穴を開け、不当配転されていた組合員の職場復帰を実現し、また、戦争の時代への突入の中で国際連帯を発展させ、インターナショナルの再建の展望を切り開いている。
中野洋前委員長の次のような言葉はきわめて教訓的である(『俺たちは鉄路に生きる2』=労働者学習センター発行)。
「国家権力を相手に戦争して勝てるのか、それどころか残れるのか、本当に悩みました。しかも闘った結果、加わるであろう激しい弾圧を受けて、組織的にも財政的に維持できるのか、組合員がもつのか、あらゆることを考えました。……悩んで悩んで、結局、『迷ったら原則に帰れ』という言葉どおり、『ここで組合員を信頼し、闘うことをとおして団結を固めていく以外に動労千葉の進む道はない』という結論に達したのが85年前半ぐらいです。『やろうじゃないか。やる以上はとことんまでやろう』と腹を決めたわけです。本当に『死中に活を求める』決意でした」
「3人に1人の首切りに対して闘わなかったら、組合の団結は絶対に破壊される。残りたい組合員が仲間を裏切って当局に擦り寄り始めたら、組合員同士が疑心暗鬼になる。職場の仲間の連帯感は破壊されてしまう。そんなことを放置できない。闘うことによってしか、団結を守れないんだ」
「敵の危機にかられた攻撃を『冬の時代』と考えて敵の陣営に加わるのか、『これに逆らったら大変だ』と考えてたこつぼに入るのか、それとも労働者階級にとってのチャンスだととらえるのか、という違いが明確にあった」
動労千葉は、中野前委員長らが組合権力を獲得することをとおして、このような団結をつくりあげた。この闘いを教訓化して、日教組の再生をかけた決戦に立ち上がろうではないか。
日教組中央の路線転換進む
国鉄の分割・民営化当時、国労の次は日教組だと教育労働者も身構えた。だが、分割・民営化によっても国労、動労千葉が残ってしまったことで、他産別での分割・民営化型の攻撃は今日まで先送りされた。他方では、国労解体攻撃に震え上がった各単産指導部が「国労のようになりたくない」と、進んで合理化協力、スト放棄、職場抵抗闘争放棄へと路線転換した。
日教組の場合は、指導部の屈服と路線的変質は、臨教審攻撃への闘わざる屈服、沖縄を始めとした「日の丸・君が代」の個別撃破攻撃への全国闘争放棄として現れた。86〜88年の400日抗争とは、この路線転換をめぐる社会党左右両派の党派闘争であり、左派の屈服で決着した。
以降、連合加盟、91年参加提言改革路線、95年パートナー路線=5項目放棄と、日教組中央の転落は一瀉千里(いっしゃせんり)の道だった。
国労のようになりたくないと、路線転換した他の組合はどうなったのか。全逓本部は、民営化対応と称するリストラ協力の果てに、結局のところ民営化に屈服する道を突き進んでいる。
全電通は、85年民営化の際に職員の雇用はそのまま維持されたが、31万人いた労働者は、労資一体の合理化で99年NTT分割時には21万人になっていた。02年には51歳以上をいったん退職、地域子会社に最大3割賃下げして再雇用する10万人首切りが強行された。
4大産別決戦は、国鉄分割・民営化、国労・総評解体、連合下の労資協調路線とその破産、そのすべての総決算をかけた決戦である。ここに、動労千葉が存在し、1047名闘争がいまも闘われていることは分割・民営化反対闘争がいまだ決着つかずに継続されていることを意味する。
こうした経緯から言っても、「日の丸・君が代」闘争の勝利の路線形成は、国鉄分割・民営化闘争の総括を不可欠としている。
都高教は通達と闘う方針を
昨春の300人を超える都の教育労働者の決起は、動労千葉の闘う労働者が「自分たちへの援軍だ」と心からの共感と連帯を表明した感動的決起だった。都高教が10・23通達と闘う方針を出さず、「職務命令に従う」屈服方針を出す中で、多くの労働者が苦悩し悩み抜いた末の勇気ある決起だった。だからこそ、全国の多くの労働者の魂に響いたのである。
そしてこの闘いは、「文科省とのパートナー路線」で屈服する日教組の足元から、「闘う日教組」の再生の闘いが始まったことを告げ知らせた。
この闘いは本来、日教組と都高教が組織の存亡をかけて取り組み、全国の支援を集中して闘うべき、戦争下の歴史的決戦である。ここで反撃に立ち上がらなかったら、労働組合の息の根を止められてしまう。
不起立闘争は2年目の決戦を迎えている。石原・都教委は、処分者に重畳的な不利益を加えている。だが厳しさをのりこえて2年目の不起立闘争が断固として闘い抜かれるならば、日本の労働運動、階級闘争に与えるインパクト、切り開かれる展望は、昨年の比ではない大きなものがある。
それは、教育労働者の市民的権利、労働者としての権利を、実力で行使することで守り抜く闘いである。労働者の闘いは処分や弾圧では圧殺できないことを行動をもって示し、名実ともに実力闘争の思想を復権させるものとなる。
大量不当処分に対してはこれを上回る不起立闘争の貫徹こそが最大の処分撤回闘争である。日教組の歴史においても、処分の撤回や「段落とし」、実損回復がかちとられてきたのは、スト処分に対するさらなるスト貫徹、スト参加者の一層の拡大によってであった。
勤評闘争を始めとして、公務員共闘の中軸としてストライキ闘争を牽引してきた日教組運動の役割を全国的に復権させて、この闘いの中から4大産別の労働者の総決起を切り開こう。
都高教本部は、違憲違法の職務命令に服従する方針を打ち出し、しかも昨年の修正指示83号に盛り込まれた「支援の方向性」すら指示から抹殺し、被処分者を切り捨てようとしている。これは、「処分撤回闘争、被処分者・被解雇者の支援に全力で取り組む」とした昨年7月の大会決定を踏みにじるものである。
カクマルは、組合の屈服方針をのりこえて闘った不起立者を「ハミダシ」「挑発者」呼ばわりし、不起立闘争への敵対と破壊を策動している。カクマルの「告訴・告発」運動を粉砕して闘おう。
現場から都高教本部に不起立闘争方針の確立を要求して闘おう。都高教7千人の総決起で闘う方針を断固要求して闘おう。現場労働者が分会レベルで団結し、仲間に呼びかけ、闘いに立ち上がろう。困難な中で闘い続ける「被処分者の会」らの闘いと連帯し、支えぬき、ともに闘おう。
〔革共同教育労働者委員会〕
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週刊『前進』(2183号2面2)(2004/01/31)
1・29国労中央委決戦への訴え
1047名闘争の終結策す酒田・革同執行部打倒しよう
1月29日の国労第175回拡大中央委員会(熱海・ニューフジヤホテル)は、国労本部による1047名闘争破壊の闘争終結策動を粉砕し、国労の再生をかちとるべき重大な決戦となった。国労本部は今や、一刻も早く「闘争終結宣言」を出すことを狙っている。それは戦争と民営化(労組破壊)の攻撃を激化させる小泉=奥田に呼応し、国労内部から国鉄1047名闘争の解体をたくらむ一大反動である。国鉄闘争は、この策動をめぐっての大決戦に突入した。1・29中央委員会はその最初の重大な激突点になったのだ。
労組解体と最前線で闘う1047名闘争
昨年の11・7労働者集会は、日米韓労働者の国際連帯で、戦争と民営化に立ち向かう橋頭保を築いた。そこにはアメリカ革命・日本革命・朝鮮革命―世界革命への展望が明々と照らし出されている。
革共同は、本紙新年号で「労働組合の革命論的意義の明確化」を提起した。われわれは、プロレタリア革命が労働者階級の自己解放闘争であることを根底からつかみとり、スターリン主義をのりこえてプロレタリア世界革命を実現するための理論的・路線的深化をかちとったのである。
05年、われわれは、この新指導路線の真価をかけて闘い抜く。労働者階級の命運を決する05年決戦は、激しく開始されている。
昨年12月9日、小泉政権は自衛隊のイラク派兵延長を決定した。米帝と反動枢軸を形成し、ブッシュとともにイラクから全中東、さらには北朝鮮・中国への侵略戦争さえ策動している。
日本経団連が12月14日に打ち出した05年版経営労働政策委員会報告は、これと完全に一体のものである。それは、日帝がその延命をかけて戦争と民営化(労組破壊)に突き進むことを打ち出した階級戦争宣言だ。
したがって、1・29国労中央委闘争の第一の課題は、1047名闘争の団結と発展によって、小泉=奥田の〈内への階級戦争>=労働組合絶滅の攻撃に対する総反撃の陣形を打ち固めることである。
郵政民営化や教育基本法改悪、公務員制度改悪を始めとして、教労、全逓、自治体など官公労系の労働組合(運動)を、国鉄分割・民営化と同様のやり方で破壊しようとする攻撃が激化している。教労、全逓、自治体、国鉄の4大産別決戦は、これと真正面から対決する闘いだ。教育労働者の3月「日の丸・君が代」決戦を突破口に、05決戦の勝利を押し開こう。
日帝は、戦争と改憲、大失業攻撃を貫徹するため、労働者階級の抵抗の拠点、反撃の拠点をあらかじめ解体しようと策している。その中心に、国労を丸ごと解体し、1047名闘争を破壊する攻撃があるのだ。
国鉄闘争は、全労働者の闘いの土台をなす闘いだ。小泉=奥田路線に対する階級的反撃の拠点こそ国鉄闘争である。その先頭に動労千葉の闘いがあり、1047名の闘いがある。
支配階級は、国鉄闘争が教労、全逓、自治体労働者の闘いと結合し、大反乱へと転化することに恐れをなしているのである。
闘争終結宣言断じて許すな
1・29中央委闘争の第二の課題は、小泉=奥田の労働組合解体攻撃と軌を一にした国労本部=酒田・革同執行部による国鉄1047名闘争終結の策動と徹底して対決することである。
酒田・革同執行部は、小泉=奥田の先兵になり下がっている。その最たるものこそ、「イラク鉄道復興支援」と称して闘争団と国労組合員をイラク侵略戦争に差し出す西日本本部の上村革同らの策動だ。
それは、労組破壊の攻撃にのめり込む小泉=奥田に対し、屈服と投降の身のあかしを立てるために、国鉄1047名闘争を圧殺し、すべての国労組合員をJR資本に売り渡し、JR総連カクマルを飛び越すような形で日帝の侵略戦争の先兵になるということだ。
今やこの策動は、西日本本部の上村革同だけでなく、酒田ら国労中央の意思のもとに行われている。
04年は、1047名闘争を解体しようとする酒田・革同執行部の反動との激突の連続だった。だが同時に、04年は反動を突き破り、1047名闘争が新たな発展を切り開いた画期的な年になった。4・13日比谷公会堂と12・1日比谷野音集会で実現した1047名の団結は、あらゆる反動を突き破り、大発展への第一歩を歩み始めたのだ。
鉄建公団訴訟で団結しよう
11月30日には国労闘争団員9人が新たに鉄建公団訴訟に加わり、12月24日には動労千葉争議団、12月27日には全動労争議団が鉄建公団訴訟に決起した。1047名が団結して鉄建公団訴訟を闘う陣形が、ついに形成されたのだ。
これは、小泉=奥田とJR資本、何よりも国労本部に大打撃を与えている。国労本部は1月冒頭の中央執行委員会で、全動労争議団が鉄建公団訴訟に決起したことを理由に「今後、建交労本部との共闘はやらない」と決定した。日共中央と全労連の一部幹部と結託し、建交労本部を引き込んで1047名闘争に敵対する酒田・革同執行部の策動は、大破産を遂げたのだ。
そこで国労本部は、今度はJR本体の組合員の闘いを押しつぶし、1047名闘争を孤立させ、1047名闘争を終結に持ち込むために、さらなる暴挙へと出てきたのである。
国労解体・連合合流が全争議の和解の狙い
国労本部は1月冒頭に開かれた国労緊急弁護団会議で、中労委・都労委で塩づけにされていた国鉄分割・民営化以来の全争議事件について、昇進差別事件の和解を手始めに全面和解に突き進むことを決定した。
国労本部、東日本エリア本部、国労弁護団は「JR東日本の労務政策が転換されようとしている。ベンディングの2月廃止はその証拠だ」「JR東日本の大塚社長も中労委側も『和解する』と言っている」「今こそ正常な労使関係を確立する時だ」と言いつつ、「強い信頼関係で歴史的和解を進める」として1月末から和解のための進行協議に入ろうとしている。
酒田委員長も『国鉄新聞』(新年特集号)で、「JR各社と正常な労使関係を確立することは焦眉の急です。とりわけJR東日本の昇進差別是正は喫緊の課題であり、本年が正念場」と表明し、昨年9月の配属差別12事件一括和解に続き、昇進差別事件を全面和解の突破口にすると表明している。
そのために1・29中央委員会で、昇進差別事件を始めとするすべての争議について、全面和解するという裏切り方針を押し通そうとしているのだ。
組合員の警察売り渡し公言
だが、全争議の和解=「闘争終結宣言」に対し、JR本体の国労組合員の決起は不可避である。それをたたきつぶすことなしに闘争終結は不可能だ。
「国労に人権と民主主義を取り戻す会」などが12月2日に行った本部要請行動に対し、国労本部は12月9日、「法的措置をとることも検討せざるを得ない」とした内容証明による恫喝文書を送りつけてきた。5・27臨大闘争弾圧と同じように、闘う国労組合員の警察への売り渡しを公言したのである。
酒田・革同執行部は、JR本体の国労組合員が反撃に立ち上がることを押さえ込もうと必死なのだ。ここまで腐り果てた執行部を、なんとしても打ち倒さなければならない。
1・29中央委闘争の第三の課題は、1047名の団結を訴え、JR資本―JR総連カクマルの結託体制と最も原則的に闘い抜く動労千葉労働運動を広げ、国労の再生をかちとることである。
動労千葉労働運動を広げて国労の再生を
05春闘は、ますます強まる小泉=奥田の戦争と民営化(労組破壊)の攻撃と対決し、動労千葉を先頭に労働者階級の怒りの反撃をたたきつける時である。
経団連路線のJRと闘おう
JR西日本は、06年度から年齢給や定昇制度を廃止し、「職務遂行給」に一本化するという賃金制度の改悪案を昨年12月16日に提案した。JR九州やJR四国も同様の改悪案を検討している。JR貨物では新賃金制度の導入が策動されている。それは「(定昇制度は)廃止も含めて抜本的な改革を急ぐべき」とする経労委報告に基づく攻撃だ。
JR東日本は、「ニューフロンティア21計画」の達成を1年繰り上げて強行した。これらの「第2の分割・民営化」と言うべき攻撃に対し、反撃に立たなければならない。
昨年の春闘で動労千葉は、「反合・運転保安確立」を掲げて3波のストライキを貫いた。この闘いはJR体制に風穴を開け、国鉄分割・民営化以来の強制配転者の原職復帰を実現する大きな勝利を切り開いたのだ。闘えば勝てることを示したのである。
JR資本の攻撃はすさまじいが、他方でJR体制の矛盾と危機をさらに深めるものになっている。JRの安全は崩壊し、要員問題の矛盾はついに噴出し始めた。何よりもJR総連カクマルが分裂し、資本とカクマルの結託体制は崩壊の瀬戸際に立たされている。
動労千葉の04春闘ストライキは、こうしたJR体制の矛盾を突きまくったのだ。それは、闘うことによって不抜の団結を形成し維持し抜いてきた動労千葉の不屈の闘いが切り開いた勝利であった。
動労千葉に続き、05春闘を闘おう。JRの資本=カクマル結託体制打倒、反合・運転保安確立をかけた重大な春闘である。国労が労働者の団結した力を見せるべき時なのだ。
ところが国労本部は、「正常な労使関係の確立」を唱えて連合合流をたくらみ、春闘もそっちのけで全争議の和解にのめり込んでいる。こうした国労本部の裏切りこそが、国労組合員への耐え難い攻撃の激化を許している最大の原因だ。
酒田委員長は、新年の委員長あいさつで、「学者・専門家を含めた『二十年度問題検討委員会』(仮称)を立ち上げ、『国労政策提言』の検証を行いつつ、新たな政策提言をまとめたい」と叫んでいる。それは、昨年9月に東日本エリア本部が発表した「JR東日本『ニューフロンティア21計画』への国労の検証と提言」を土台に、連合型の「提言」運動を大々的に進めるということだ。
「会社の発展に寄与」への変質
東日本エリアの「提言」は、国鉄分割・民営化を認め、前提化し、国労運動を「会社の発展のために寄与する」ものに変質させるものである。事実、提言は「公共機関の雄としてのJRの社会的責任を果たす新しいルールづくりを提言する」と述べている。日本経団連の「労使は社会の安定帯」論に屈服し、それを尻押ししているのだ。
また、安全問題について「責任追及よりも原因解明を優先する安全第一の企業文化を構築する」なるスローガンを掲げた。それは、安全を崩壊させた会社の責任追及を放棄したJR総連カクマルの「責任追及から原因究明へ」とまったく同じだ。
国労本部は、JRの能力給導入にも屈服した。西日本エリアの革同は、毎日新聞が賃金制度改悪に国労が反対していると報じたことに対し、「国労は反対していない」と抗議までしているのだ。上村革同を先兵に、国労本部は統一賃上げ要求を投げ捨て、単一体としての国労を解体し、国労解散と連合合流への道筋をつくろうと策している。
国労は、今や崩壊か再生か、消滅か存続かが掛け値なしに問われる段階に突入した。1・29国労中央委員会を、国労本部=酒田・革同体制を打倒し、国労を再生し、1047名闘争の勝利へ総決起する大転換の日にしよう。「反合・運転保安確立」「西日本・貨物の新賃金制度導入反対、大幅賃上げ獲得」「5・27臨大闘争弾圧粉砕、酒田・革同執行部打倒、国労再生」「JR結託体制打倒、1047名闘争勝利」「『日の丸・君が代』不起立闘争連帯、イラク反戦」を掲げ、動労千葉と連帯して05春闘に総決起しよう。
〔革共同国鉄委員会〕
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週刊『前進』(2183号3面1)(2004/01/31)
「攻めのリストラ」叫ぶ経労委報告
「工場法」以前に戻せと要求する経団連の危機と大反動
小泉=奥田路線と対決し05年春闘を
昨年12月14日、日本経団連(奥田碩会長)は「05年版経営労働政策委員会報告」を発表した。「労使はいまこそさらなる改革を進めよう」と題するこの報告は、「春闘終焉(しゅうえん)」「攻めのリストラ」を絶叫し、労働組合(運動)の解体に突き進む日帝資本の階級戦争宣言だ。それは「ベースアップ」を全面否定し、資本への規制を撤廃して「工場法」以前に戻せと求めている。1月18日には日本経団連の「国の基本問題検討委員会」が「わが国の基本問題を考える」と題した報告を出し、憲法第9条2項(戦力不保持・交戦権否認)の破棄と集団的自衛権の行使を公然とぶち上げた。05春闘は、3月「日の丸・君が代」闘争を頂点に、戦時下で労働者階級が団結を守りぬけるのか否かをかけた決戦となった。
「骨太方針W」貫徹と労働組合破壊の宣言
05年版経労委報告は、自衛隊のイラク派兵延長を決定した小泉政権の戦争政策や、「骨太方針W」と一対をなしている。
米大統領選でのブッシュの再選とその直後に強行されたファルージャ総攻撃は、世界が後戻りのきかない戦争の時代に突入したことを示した。イラク侵略戦争をめぐり帝国主義が分裂し、米英日が反動枢軸を形成して戦火をイラクからイラン、全中東さらには北朝鮮・中国に拡大しようとしていることは、歴史を画する事態である。第3次世界大戦に向けてのプロセスが現に今、進行しつつある。
こうした中で日帝は、米英日の枢軸の一角を占め、ブッシュとともに果てしない侵略戦争を繰り広げることに唯一、延命の道を求めるに至った。だから小泉は、労働者の階級的団結の基盤的組織形態としての労働組合(運動)を全面的に解体する攻撃に乗り出してきたのである。
その攻撃はとりわけ、教労、全逓、自治体、国鉄の4大産別に集中している。それは、これら官公労系の労働組合が戦後労働運動の伝統と蓄積を今なお保持し、年功賃金体系や定昇制度を基本的に維持しているからだけではない。戦争国家への大改造を狙う小泉にとって、国家権力・機構内に労働組合が存在していることそのものが、もはや許容できなくなったのだ。
奥田・日本経団連は今や小泉政権の最も強力な支柱だ。小泉と奥田が一体化し、国家・社会の大改造計画の綱領的文書として打ち出したものこそ昨年6月の「骨太方針W」であり、その貫徹を狙うものが今次の経労委報告なのである。
8時間労働制解体で団結破壊と搾取強化
経労委報告は奥田の序文で、「景気や業績が回復したからといって、改革の手をゆるめてはならない」「『攻めのリストラ』へと軸足をシフトしていかなければならない」と叫んでいる。“これまでのリストラでは問題にならない”“一層のリストラを敢行せよ”と資本に向かって号令をかけているのである。
その背後には、日帝のすさまじい危機がある。経労委報告は「(「攻めのリストラ」を貫徹しなければ)厳しさを増す世界市場のなかで生き残ることはできない」と焦燥感をむき出しにしている。激化する帝国主義間争闘戦の中で、日帝はいつ吹き飛ばされてもおかしくないところに立たされているのだ。
東アジア経済圏形成の野望
こうした危機の中でどのように日帝の延命を図るかということが、日本経団連を戦争と民営化(労組破壊)の攻撃に駆り立てている要因なのである。
それは、経労委報告が「(自由貿易協定締結の動きは)諸外国に比べて鈍い」と危機感もあらわにして「東アジア自由経済圏の形成へ、イニシアティブを発揮することが求められる」と叫んでいることにはっきりと示されている。
世界戦争過程が現実に開始された今、日帝はアジアにおける勢力圏の形成に延命策を求めている。だがそれは、90年代半ばに米帝によってひとたび粉砕された道だ。日帝にとって軍事・外交面で日米枢軸を形成する以外に生き延びられないが、経済面での日米争闘戦は今後さらに激化する。「東アジア自由経済圏」の形成など、日帝の思惑どおりにいくはずがない。にもかかわらず日帝はそこにかける以外にない。
1月18日、自民党大会に出席した奥田は、「政治は憲法や教育基本法改正といった国の基本問題に果敢に取り組んでいく必要がある。経済界としても資金面からの支援を進めたい」と発言した。日本経団連は、小泉と一体化し、政治反動の前面に立っている。
経労委報告は「今日、経営者には、企業活動を通じて、新しい国のかたちをつくり上げていくのだという気概が強く求められている」と述べている。「新しい国のかたち」すなわち戦争国家をつくりあげるのは経営者の責務だと強調しているのだ。
それは、改憲や教基法改悪という政治反動が、ひとえに資本の利害のために強行されようとしていることを自己暴露するものだ。
こうした攻撃は、労働組合の変質と解体を押し貫かなければ貫徹できない。
“ベースアップは役割終えた”
経労委報告は、「従来型の賃上げ交渉を中心とする『春闘』は終焉した」「もはや市場横断的な横並びの、いわゆる『ベースアップ(ベア)』要求をめぐる労使交渉は、その役割を終えた」と挑発的に言い放ち、「ベア」という言葉もなくせと叫んでいる。
それは、労働者の階級的団結体としての労働組合は認めないということだ。経労委報告のタイトルが「労使はいまこそさらなる改革を進めよう」となっていることは象徴的だ。日経連時代からの「労働問題研究委員会報告」は、春闘に向けた資本の方針書として出されてきた。だが日本経団連は今や、連合幹部に対しても“改革推進”の大号令をかけるに至ったのだ。
経労委報告は、「(春季労使交渉で労使が)企業が生き残るための方策をともに考え、共通の認識を深める意義は大きい」と言う。
つまり、連合幹部の屈服と資本の先兵化こそ、「攻めのリストラ」を貫くための大前提なのである。
05年を決する4大産別決戦
こうした労組解体攻撃の軸にあるのが、公務員労働運動の解体だ。
経労委報告は、一層の規制緩和と公的部門の民間開放を唱えつつ、「徹底した官の効率化・行財政改革を推進すべき立場にある公務員の身分、処遇がいわば聖域におかれていてよいのか」「身分のあり方などを含めた国家公務員・地方公務員制度の抜本的改革を望みたい」と叫んでいる。
また、「教育基本法の見直しに取り組むべき」とあからさまに述べていることも重要だ。それは、資本の側からも当面最大の決戦に位置づけられている。
4大産別をめぐる攻防は、小泉=奥田路線と真正面から対決する闘いだ。戦争協力拒否闘争としての本質を持つ教育労働者の3月「日の丸・君が代」決戦と郵政分割・民営化阻止の決戦は、05春闘過程と重なり、05年の全体を決するきわめて重大な位置にある。
「正社員」の呼び名もなくす
これらの攻撃が労働者階級にもたらすものは何か。
経労委報告は、95年の日経連「プロジェクト報告」路線、すなわち圧倒的多数の労働者を時間給の有期・不安定雇用に突き落とす攻撃を本格的に貫徹すべきだと強調している。そして「正社員」という呼び名もやめよと言うのである。
その行き着く先は、8時間労働制の解体、労働法制の全面的な撤廃だ。報告は、「ホワイトカラーについて、一定の限られた労働者以外については原則として労働時間規制の適用除外とする制度を導入すべき」としている。だが、こんな制度が導入されれば、労働時間規制の撤廃はホワイトカラーだけでなくすべての労働者を襲うことになる。
さらに経労委報告は、「工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法などの関係法令を、今日の環境にふさわしいものに抜本的に改革する」とまで言っている。工場法とは、児童の深夜労働・長時間労働を制限したにすぎない明治時代の法律だ。資本は、そうしたレベルの「規制」さえ撤廃せよと叫び始めたのだ。
8時間労働制は、労働者階級が長年の闘いの中でかちとってきた権利である。それをことごとく奪い去り、労働者をどこまでも搾取するというのである。それこそ労働力商品化の極致である。だが、労働者を人間として認めないこうした攻撃が、労働者階級の根源的な決起を引き起こすことは間違いない。
事実、経労委報告が労基法解体を公言し始めたことの背後には、この間、不払い残業などあまりに破滅的な労働条件への怒りが噴出し、労基署への申告が相次いだ事態がある。だから経労委報告は、労働監督行政に対しても「最近の労働行政は、企業の労使自治や企業の国際競争力の強化を阻害しかねないような動きが顕著」と憎悪を込めて言い立てている。
「労働条件は、基本的には労使間の交渉・協議により決められる(労使自治)べき」という経労委報告の言い分は、連合幹部を屈服させて「労使合意」を取り付けさえすれば、労基法以下の条件で労働者をこき使ってもいいという、すさまじい居直りだ。
消費税大増税社会保障解体
経労委報告は、大増税と社会保障解体の宣言だ。それは、消費税率を07年度に10%に引き上げ、やがては15〜16%程度まで引き上げることを打ち出している。資本の延命のために、労働者に一切の負担を押しつけるということだ。
社会保障制度については、「国民一人ひとりが自助努力によってその生活を支えられるようにすることが基本」として、その解体を打ち出した。「改正年金法の水準に比べさらに5%程度抑制し」と、昨年改悪されたばかりの年金の再改悪を唱え、介護保険については家事援助の廃止などを叫んでいる。医療制度の改悪もその重大な内容だ。
これらの攻撃は、必ず労働者の階級的反撃を引き起こす。
警察官増員で階級闘争圧殺
だから経労委報告は「近年の治安悪化は社会全体に大きな不安をもたらしている」「治安の維持・安心の確保の観点から、必要であれば警察官の増員などの施策は検討されてよい」と、警察国家化と階級闘争の暴力的鎮圧を叫んでいる。
連合と全労連は資本に「社会的責任」哀願
連合は12月17日の中央闘争委員会で、統一ベア要求の放棄を早々と決めた。1月18日、日本経団連と会見した連合会長の笹森は、「企業業績の回復は働く者の犠牲と貢献の上に成り立っている。業績回復分は賃金改定に反映を」と哀願した。経労委報告に対しても「経営者は、『人を大切にする経営』に立ち戻るべき」などとした「見解」を示すことしかできない。
全労連もまた、「今年の『報告』には目を引く変化がある。それは、……賃上げを認めていることである」と経労委報告を美化し、「企業の社会的責任確立を求めていく」などという方針を出している。
そこには、資本の階級戦争宣言と対決する立場はまるでない。彼らはおしなべて、経労委報告が言う「企業の社会的責任」論に屈服し、それにすがって「成果配分」を求めている。
だが、経労委報告が掲げる「企業の社会的責任」とは、「企業の利害関係者に対し一層の配慮をしながら経営を行う」ことが「ひいては企業の生産性を高め、利益をあげる」というものだ。結局それは、労働者から徹底的に搾り取り、利潤を上げることにこそ「企業の社会的責任」があるということではないか。
こんなものにすがって資本に頭を垂れるのは、断じて労働者階級の立場ではない。労働者は団結し闘ってこそ、権利を確保し生活を守ることができる。
労働者の賃金は98年以来、毎年下がっている。勤労者世帯の平均消費支出はこの6年間で1割近くも減少した。その中で日本経団連は、定期昇給制度の一掃を叫んでいる。大幅賃上げは労働者の切実な要求だ。
奥田は、95年以来10年を経てもなお「プロジェクト報告」路線を貫徹できていないことにいらだち、その突破をかけて「攻めのリストラ」を絶叫している。だが、そうした事態を資本に強いてきたのは、国鉄1047名闘争を始めとした労働者階級の不屈の闘いがあったからだ。危機にあるのは帝国主義の側なのだ。
11・7の地平発展させよう
帝国主義はもはや体制として成り立たず、死の苦悶(くもん)にあえいでいる。そのもとでの資本の攻撃は労働者の忍耐の限度を超えている。それは、労働者階級の根底的な決起を引き起こさずにはおかない。
昨年の11・7集会は、その現実性と展望を決定的に示している。戦争と大失業情勢のただ中で、日米韓の闘う労働者が一堂に会し、帝国主義への共同の闘いを宣言した。そこで誓ったランク・アンド・ファイル(現場労働者)の闘いを、4大産別を先頭に全産別で巻き起こし、労組権力の奪取に向けての本格的な挑戦を開始しよう。
小泉・奥田の居丈高な攻撃がさしたる反撃もないままにまかり通っているかに見える今日の労働運動の惨状は、ただただ連合や全労連の屈服と翼賛の結果に過ぎない。労働運動は、その根底でこれら既成指導部の制動や敵対を突き破る、新たなうねりを生み出しつつある。労働運動の〈分岐・流動・再編・高揚〉情勢をさらに促進し、動労千葉の闘いを先頭に05春闘に立つことが勝利の道だ。
大幅賃上げを掲げて05春闘を闘おう。既成指導部を打ち倒し、労働運動の階級的再生をかちとろう。
〔長沢典久〕
05年版経労委労働政策委員会報告のポイント
■「攻めのリストラ」を絶叫
「改革の手をゆるめてはならない」「『攻めのリストラ』へと軸足をシフトしていかなければならない」
■労組の存在を否定する「春闘終焉論」
「従来型の賃上げ交渉を中心とする『春闘』は終焉した」
■公務員労働運動の解体に狙いを定める
「徹底した官の効率化・行財政改革を推進すべき立場にある公務員の身分、処遇がいわば聖域におかれていてよいのか」
■8時間労働制と労働法制の全面解体
「工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法などの関係法令を、今日の環境にふさわしいものに抜本的に改革する」
■消費税率アップを軸に大増税
「消費税率を……2007年度に10%に引き上げ、5〜6年かけて、段階的に15〜16%程度までの引き上げが必要」
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週刊『前進』(2183号3面2)(2004/01/31)
もみあいの発端は江田の突進 国労弾圧公判 事実つきつけ偽証暴く
1月13日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第34回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。第30回公判以来、5期日にわたり続いた江田雄次・国労東京地本調査部長(革同)への尋問は、彼の証言の矛盾を徹底的に暴ききって、今回で終了した。
冒頭、佐藤昭夫弁護団長が意見を述べた。弾圧の口実とされた02年5月27日の国労臨時大会当日の被告の行動は、鉄建公団訴訟原告の闘争団員を統制処分にかけようとした国労本部への抗議のビラまき・説得活動であったことを明らかにした上で、動労千葉争議団や全動労争議団も昨年末に鉄建公団訴訟を起こし、それが1047名の闘いとして大きく広がっている事実を指摘して、闘いを裏切った国労本部を弾劾した。
弁護団が江田証人の尋問に立った。証人は第30回公判で、検察官の主尋問に答えて「富田益行被告から肩を突かれた」「橘日出夫被告に左肩を押さえられた」「橘被告と小泉伸被告に腕をつかまれ引っ張られた」などと述べていた。
「富田被告から肩を突かれた」という証言を、萱野一樹弁護人が追及した。検察側が証拠として提出したビデオテープから作成した連続写真を示され「富田被告が肩を突いた場面はどれか」と聞かれた証人は、数枚の写真を選び出した。だが、そこには富田被告の手が江田の肩に触れている場面は映っていない。江田は「人のかげになって見えないだけ」と言い逃れた。
そこで弁護団は、江田が警察に出した被害届を突きつけた。そこにも、肩を突かれた事実は一言も記されていない。江田の証言は記憶に基づくものではなく、ビデオを見ての推測によるものでしかなかったのだ。
橘被告が行ったとされる行為について、浅野史生弁護人が問いただした。ビデオには、橘被告が江田の腕をつかむ前に、江田が橘被告に突進し、その腰に手をかけて押しのけている様子が映っている。江田のこの行為こそ、当日の「もみ合い」の発端だったのだ。
この事実を突きつけられた江田は、「橘さんが近づいてきたので体がくっつかないようにしただけ」としらを切った。
江田証人は、検察側の主尋問で「橘被告と小泉被告から腕をつかまれ引っ張られた」と証言した際、後方から両腕をつかまれ引っ張り上げられる様子を実演してみせていた。河村健夫弁護人がその真偽を問いつめた。その結果、江田が実演した場面はビデオに映っていないこと、それをいいことに彼は被害の状況を誇大に表現していたことが暴かれた。
二転三転する不自然な証言
江田はまた、以前の公判で「小泉被告から肩を突かれた」と述べていた。西村正治弁護人がその証言の確認を求めると、江田は「小泉さんからは突かれていない」と返答した。ところが、「突かれた」と証言したことを記した公判調書を見せられると、江田は「小泉さんに突かれたのは間違いない」と前言を翻した。
だが、その言い分もでたらめだったことは、すぐさま明らかになった。溝内克信検事の再主尋問で、「小泉被告に肩を突かれたというのは間違いですね」と聞かれた証人は、そうした事実がなかったことをあっさりと認めたのだ。
公判廷で何度も証言を変える証人に業を煮やした溝内検事は、卑劣にも「長時間の尋問を受け、精神状態、体力はどうか」と質問した。一瀬敬一郎主任弁護人がすかさず「再主尋問事項として認められない」と異議を出した。検事は「法廷で証言したことも忘れているので、どういう状態でそうなったかを聞きたい」と居直った。不当にも裁判長は検事の主張を認めた。江田は「長時間の尋問で肉体的にも疲れた」と述べて検察側に迎合した。
だが、そんなことで矛盾だらけの証言を取り繕うことはできない。江田の証言は、ことごとく検事に誘導されたものだったのだ。これが国労自己解体へ突進する革同幹部の正体だ。
次回公判からは、事件当時、長野地本長野総合車両所支部委員長だった平山芳夫証人への尋問が始まる。公判闘争は一層緊迫の度を増している。8被告の無罪獲得と国労再生へ闘おう。
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週刊『前進』(2183号3面3)(2004/01/31)
被災地神戸 震災10周年に集会 団結固め新たな闘いへ
1月16日、「阪神淡路大震災10周年、第22回被災地反失業総行動集会」が兵庫県中央労働センターで開かれ、185人が結集した。この集会は、95年1月17日の大震災から10年間の闘いで四つの団結体をつくり上げてきた地平を確認し、11年目以降の新たな闘いに踏み出す決意をともにする意義深いものだった。
被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表が、「10周年の節目ということで話をしたい。震災は思い出話で済むのか。まだまだ震災の傷は深い。私たちの闘いは雇用保険の要求から始まった。1500人の要求者組合をつくった。関西合同労組兵庫支部ができ、企業組合、就労者組合をつくってきた。団結をかちとったために生きてこられた」「スマトラの地震、中越地震で思い出すのは、戦争のこと。イラクで何人もの人が死んでいっている。地震も戦争も、みな同じ。すべての犠牲は労働者人民にかかっていく。在日の人、部落の人、ともに手をつなぎ闘っていこう」と今後の方向を提起した。
震災時にともに労働相談所を開設して闘った全国金属機械労組港合同の辻岡尚執行委員は、「震災後の10年は、富める者が富み、貧しい者が取り残される過程だった。小泉構造改革の論理そのものだ。われわれ自身が闘わなければならない」と力強く発言した。
粟原富夫神戸市議のあいさつに続き、1月13日の弾圧を跳ね返して闘う全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の労働者が結集していることが紹介された。
被災地10年の闘いを振り返るビデオ「がんばっとうよ/ガレキの中から生まれた団結/震災10年・新たな出発へ」が上映された。
圧巻は講談師による「震災神戸下町奮闘記〜この地でこれからもずっと」と題した講談だった。95年の11月労働者集会に被災地から70人で上京、3千人の労働者の前で発言し、百万円のカンパをもらい感激した話、関西合同労組の宮武章治書記長が不当逮捕された時、長谷川さんがたった一人で直ちに警察署に抗議に駆けつけ、権力の過激派キャンペーンを打ち破った話、司会を務めた要求者組合の役員が「赤信号で止まるようなデモはやめよう」と発言した話、しごと開発就労者組合の組合長が県庁の知事室に突入し抗議した時、逮捕を覚悟して下着を替えていった話など、被災地10年の闘いを象徴する多くのエピソードを交えながら、これまでの闘いを軽妙な語り口で語り、満場の拍手と感涙をさそった。
続いてフリートークが行われた。円形にセットされたイス席の組合員や参加した労働者が次々に発言した。その中で、兵庫労働局による被災失業者のための予算横領を弾劾する決議が上がった。沖縄民謡の演奏があり、カチャーシーを踊って盛り上がった。
最後に「阪神淡路大震災10周年、生活再建をかちとる被災者の新たな闘いの宣言」が読み上げられ、満場一致で採択された。
被災地の労働者は17、18日の闘争にも決起し、新たな闘いを力強く開始した。
(投稿/神戸・AS)
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週刊『前進』(2183号4面1)(2004/01/31)
戦争と民営化攻撃粉砕へ 革共同各地方委員会はかく闘う〈下〉
大胆にチャレンジして拠点労組を打ち立てる 東北地方委員会
05年年頭、東北地方委員会は労働者指導部が多数参加した新たな地方委員会として生まれ変わった。新指導路線を推進し、労働組合の権力を獲得し、動労千葉に迫る拠点労組を打ち立てる闘いを、不退転の決意で推し進めるためである。労働組合の革命論的意義への確信を深め、失敗や挫折を恐れず、大胆に大胆にチャレンジしていくことを共同の決意として確認した。同時に、東北の全県下にマル学同支部を再建する闘いを強力に進めることを決意した。
11・7労働者集会が切り開いた日本革命・アメリカ革命・朝鮮革命―世界革命の“夢”を本当の現実に転化するために、まだささやかな目標ではあるが、堅実にして全面的な発展をかちとっていきたい。マル青労同建設を軸に、東北地方委員会に結集する同志は一丸となって05年決戦を闘っていこう。
内外情勢と階級情勢はますます革命的情勢の成熟にむかって発展している。
戦時下の大統領選を制した米帝ブッシュはイラク侵略戦争を継続・拡大し、全中東へ、北朝鮮・中国へと拡大していこうとしている。このもとで進められる米軍再編は日米同盟を世界侵略戦争のための枢軸に大転換する攻撃だ。
そして日帝・小泉は、日米争闘戦の激化と世界史的激動のなかで、米帝戦略の同盟的推進者として延命する道を求め、日帝をイラク参戦から北朝鮮・中国侵略戦争へ引きずり込む重大な政治決定を昨年12月次々と行った。
このもとで拉致問題をめぐる北朝鮮への排外主義が「まるで関東大震災前夜」のごとく吹き荒れているのだ。03年の新潟マンギョンボン号闘争の地平を堅持・発展させ、われわれはプロレタリア国際主義をかかげ、排外主義に抗して徹底的に闘いぬく決意だ。
さらに、日帝政治委員会の昨年12月の反動的踏み切りと軌を一にして、日本経団連が「攻めのリストラ」と「労使自治」なるものを掲げ、小泉=奥田の「骨太方針W」の民営化=労組破壊を真正面からかかげた階級戦争宣言を発したことを徹底的に重視しなければならない。
いまや日帝ブルジョアジーは、集団的自衛権を求めて早期改憲を唱え、戦争と大失業に立ちはだかる力を本質的にもっている労組に憎しみをこめて襲いかかってきている。戦争と民営化は一体であり、焦点は国家機構内にある4大産別の労組破壊をめぐる攻防の一点にある。戦争と民営化(労組破壊)と対決する05春闘の爆発を何としてもかちとらねばならない。
その最大の攻防は3月卒業式での都高教をめぐる「日の丸・君が代」不起立闘争にかかっている。教育労働者が戦争教育の強制のための攻撃に対して、ファシスト石原と都教委の人格否定の強制をぶち破って処分を覚悟して闘いぬいたことに、産別を超え、闘う労働者のだれもが心から感動し、自らも職場で資本と闘い労組の階級的再生めざして闘う勇気をもらっているのだ。
教育の反動化にかけた日帝ブルジョアジーとファシストの重圧は生半可なものではない。一個の階級決戦を爆発させ、これをぶち破らなければならない。「東京の闘いを孤立させるな! 都高教の不起立闘争に連帯し、自らも不起立を貫こう」――この声を全東北・全国の教育労働者に訴えよう。全産別、全戦線で教基法改悪反対の百万人署名運動を嵐のように巻き起こそう。郵政民営化攻撃との激突も、国鉄1047名闘争の発展も、公務員制度改革攻撃との自治体攻防も、その勝利の帰趨(きすう)はまずこの決戦にかかっているのだ。
われわれは今、ものすごい階級的勝利の地平を手にしつつある。「一人の首切りも許さない」労働組合の原則をひたすら貫き、34年間、労働組合の団結を守りながら闘いぬいてきた全金本山闘争が歴史的勝利をもぎとろうとしている。この勝利は、日本労働運動とりわけ東北の労働運動を根底からぬりかえる位置をもっている。それは11・7の偉大な地平を発展させる最大の道である。
われわれはこの勝利の地平を徹底的に謳歌し、東北全県で労組への働きかけを圧倒的に強化し、労働運動の革命的再編を一挙に進めるために闘いぬく。その第一歩として、まず東北春闘集会の大成功をかちとるために総力をあげよう。
労働組合の権力をめぐる闘いは、権力・資本も含めたすさまじい党派闘争である。しかし、今日の階級情勢はまさに〈分岐・流動〉し、闘う労働者は労働組合の戦闘化と真の労働者党・革命党を心から求めている。この党派闘争に正しく勝ちぬいてこそ、われわれは労働者の真の信頼を得ることができるのだ。このチャレンジはまだ始まったばかりであり、やるべきことは山ほどある。しかし、「やればできる」という実感をつかんで04年の激闘を越えてきたのである。“ひたすらこの道を進め!” である。
問題は全党の力で6月都議選に勝利することである。東北地方委員会は都議選勝利の先頭に立つ。
わが学生戦線はプロレタリア自己解放闘争の一翼であり、あらゆる闘いを根底で支えてきた。大学支配権をめぐる闘いは、まさに内への階級戦争・外への侵略戦争との死闘となっている。だがこれに打ち勝つ路線と思想と力をわれわれがもっていることを、反動大学当局と国家権力に思い知らせてやろう。05年を学生戦線の爆発的発展期とする決意だ。
「骨太方針W」と対決し4大産別決戦に勝利を 東海地方委員会
2005年は、世界戦争への道か、世界革命への道かをかけた歴史的な闘いの年になる。米帝はブッシュ再選をもってイラク侵略戦争のさらなる凶暴化を開始した。この戦争は全中東から北朝鮮―中国への侵略戦争をとおして世界大戦へと突き進むものとなる。
そして、日帝・小泉は、ブッシュの世界戦争戦略を支持し自衛隊を派兵し、いまや日米枢軸を結んで世界戦争の推進者となっている。
04年、世界の労働者階級は、この帝国主義者どもの戦争と民営化(労組破壊)攻撃に対して、本格的反撃に立ち上がった。アメリカのMWM、韓国の民主労総の闘い、日本の11・7労働者集会がひとつに結合し、世界革命の展望を切り開く国際連帯の闘いを開始したのである。
11・7の切り開いた地平はすごいものである。世界で吹き荒れる戦争と民営化攻撃に対して闘っている3国の労働組合と労働者が一堂に会し、ブッシュの世界戦争と一大資本攻勢に「ノー」を突きつけたのである。
同時に、「日の丸・君が代」闘争に決起した教育労働者と3600人の参加者全員が固く結合し、教労を先頭とする4大産別決戦を軸として05年階級決戦への突入を宣言したのである。
この11・7の成功は何によって可能となったのか。新指導路線での全党の一致と労働組合論の革命論的確立によるその深化である。
そして、重要なことは、この路線と理論はすでに動労千葉の労働組合運動として実践されているということである。
11・7は、この労働組合の革命論的意義への確信をもって闘い、129組合の賛同を得るものとなった。これこそ、日本版MWM運動=ランク・アンド・ファイル運動であり、日本革命を展望した新たな労働組合運動が始まったのである。
いよいよ、歴史は世界革命へ向けて突き進み始めた。この開始された国際連帯のうねりをもっと力強くダイナミックに推し進め、ランク・アンド・ファイル運動の決定的前進をかちとろう。
そして、1〜3月教労決戦に総決起し、3・20国際反戦闘争を大爆発させ、都議選勝利への道を開こう。
東京における「日の丸・君が代」決戦は、日帝・小泉=奥田路線の戦争と民営化(労組破壊)攻撃との最先端の闘いである。そして、これに対する昨年3月の「日の丸・君が代」不起立闘争は、まさに戦争協力を拒否する労働者のぎりぎりの決起であった。それはまさに、人間としての尊厳と誇りをかけ、教育労働者としての魂の叫びをもってする決起であった。
これこそ、革命の火花である。革命的情勢が接近し、労働者階級の自己解放をかけた決起が始まったのである。そして彼らは、闘う階級的労働運動を求め、11・7で3600人の部隊と合流した。一方、3600人はこの教育労働者の決起を全力で受けとめ、ともに「日の丸・君が代」決戦を闘いぬくことを宣言したのである。
ここに、日帝・小泉=奥田路線と闘う、「日の丸・君が代」決戦を先頭とする4大産別決戦の陣形が形成された。教基法改悪・改憲攻撃、郵政民営化を軸とする「骨太方針W」との闘いへ向けた壮大な階級決戦の幕は切って落とされたのだ。
カクマルの「告訴・告発」運動は、この開始された「日の丸・君が代」決起を丸ごと権力に差し出すものであり、絶対に許すわけにはいかない。全国の闘う力を総結集し粉砕しよう。
東海地方委員会は、国際連帯の闘いと「日の丸・君が代」闘争の教労決戦を全力で闘いぬく。
そして、当面する闘いとして、1〜2月守山基地闘争を「自衛隊のイラク即時撤退! 守山基地からの第5次隊の派兵を許すな!」を掲げて断固闘いぬく。
そして、マル青労同1000名建設へむけ全力で決起する。革命的情勢の接近は、青年労働者と学生の決起を大量に生み出している。第6回大会で掲げた「党勢2倍化」方針は、いよいよその実現のときをむかえた。
05年を革共同の大飛躍の年とし、労働者階級の要請にこたえる真の労働者党の建設へ向けて突き進もう。そのためにも、都議選決戦勝利へ全力で闘う決意である。
国際連帯闘争の発展で北朝鮮侵略戦争を阻む 北陸地方委員会
04年11・7国際連帯集会は世界革命の扉を押し開いた。日米韓で戦争と民営化(労組破壊)の攻撃と闘う最も階級的・戦闘的な労働組合と労働者が一堂に会し、ひとつに融合する感動的な集会としてかちとられた。労働者階級は国際的存在であり、具体的な国際的連帯・団結の闘いの中で、社会変革の主人公として自覚し、プロレタリア世界革命―共産主義社会の実現という歴史的使命とそれを成し遂げる階級的力を実感する。日米韓の労働者階級の国際連帯と階級的団結の中に、アメリカ革命・日本革命・朝鮮革命―世界革命への現実性が存在するのだ。11・7は全参加者にそのことを実感させた。
世界情勢は世界戦争へと激しく動いている。危機を深める米帝ブッシュは昨年11月、再選されるやファルージャ総攻撃を開始した。米軍の大殺戮(さつりく)攻撃に対し、イラク人民の決死の民族解放闘争が不屈に闘われている。米帝はさらに、イラク侵略戦争の中東全体への拡大、北朝鮮・中国侵略戦争へと絶望的に突進している。国際帝国主義の大分裂―世界戦争の切迫の中、日帝・小泉政権は米英日枢軸への踏み込みを決断した。この世界戦争の危機に対して、日米韓の労働者階級の連帯が実現され、世界革命への闘いが開始されたのだ。
05年の年頭にあたって北陸地方委員会は、感動をもって11・7が実現した地平に立ちきり、日米韓―世界の労働者とイラク人民・ムスリム人民を先頭とする被抑圧民族の団結で21世紀の革命勝利に向けて総決起することを決意する。
世界戦争を世界革命に転化する労働者階級の自己解放闘争としてランク・アンド・ファイルの闘いを実現し、日本における「05年革命」を戦取するために闘い抜く。そのために新指導路線で武装し、労働組合の革命論的意義を主体化し実践し、「党の革命」を強固に推進する。
日帝・小泉政権は、体制的危機の突破をかけて〈戦争と民営化(労組破壊)>を軸に国家大改造の攻撃をかけてきた。イラク派兵の延長を決定し、トランスフォーメーションの進行のもと日米安保の世界安保化、その最重要環としての沖縄基地の再編・強化の攻撃を強めている。その中で改憲攻撃が本格化し、その突破口としての教基法改悪が現代版教育勅語制定としてかけられてきている。
小泉=奥田の「骨太方針W」―郵政民営化攻撃の本質は労組破壊だ。戦時下の階級闘争が始まっている中で、戦後体制を全面的に解体・改造・再編する攻撃であり、労働者の戦闘能力を奪い去ろうとする攻撃だ。
05年の闘いを、〈戦争と民営化(労組破壊)>に対する総力戦として闘い抜く。その基軸として教労決戦を先頭に4大産別闘争を闘い抜く。1〜3月「日の丸・君が代」闘争は05年の闘いを決する決戦だ。04年の東京都の教育労働者の決起は、労働者としての誇りをかけて、侵略戦争への担い手となることを拒否した、処分覚悟の決起であった。その数百の決起は、労働者階級総体の決起を必ず呼び起こす。東京を先頭に全国で数千数万の不起立闘争を爆発させ、「日の丸・君が代」強制と教基法改悪に反対する労働者の階級的反撃を実現しよう。
同時にイラク人民の闘いと連帯し、自衛隊のイラク派兵阻止闘争、3・20イラク反戦闘争として大爆発させる。北朝鮮侵略戦争の出撃基地である小松基地闘争を強化する。
11人もの死傷者を出した関西電力美浜原発3号機の事故は、日帝の原発・核政策の破綻(はたん)と反人民性をあらためてつきだした。「もんじゅを廃炉へ」の闘いを日帝の核武装と対決する、地元住民を始めとした労働者人民の反戦・反核・反核燃闘争としてつくり出す。
日帝は北朝鮮経済制裁攻撃に踏み出した。この排外主義攻撃をうち破り、「革命的祖国敗北主義」に貫かれた国際連帯闘争を発展させるために、戦後60年にあたり戦争責任追及・戦後補償要求闘争のさらなる前進をかちとる。
日本共産党、カクマルの闘争破壊を粉砕し、労働者・労働組合の戦闘的で壮大な統一行動を日本版MWMとして実現する。現代のナチス=カクマル完全打倒へ突き進む。
05年前半の日本階級闘争の爆発の中、6月東京都議選勝利へ総決起する。
04年、北陸地方委員会は新指導路線での一致をかちとる闘いの中、労働組合運動への取り組みを『俺たちは鉄路に生きる2』に学びながら強めてきた。その中で実践的に多くのことを学んできた。05年を、新指導路線を貫き、動労千葉の闘いを労働者の中に持ち込むことをテコに本格的な労働者党建設に向けた決定的な年とする決意である。
とりわけ青年労働者の獲得は最重要の課題だ。04年の成果をふまえ、マル青労同建設を進める。富山大学の拠点化をかちとり階級的労働運動と連帯する学生運動を創成する。マル青労同とマル学同の建設こそ党勢2倍化の決定的環だ。
05年決戦に勝利し、11月労働者集会の飛躍的成功をかちとろう!
連合・全労連支配覆しカクマル打倒へ闘う! 北海道地方委員会
05年は世界戦争への動きが一気に加速する年だ。米帝ブッシュ再選は世界戦争への突進を確定した。ファルージャ攻防で大打撃を被った米帝は、イラク侵略戦争に深々とのめり込むとともに、侵略戦争を全中東へ拡大していく以外にない。また、中国スターリン主義の危機の爆発をにらみ、北朝鮮―中国侵略戦争への衝動をも強めていくに違いない。
帝国主義の歴史的命脈は尽き、世界戦争の爆発に向かって暴走する以外になくなった。全世界の労働者階級が団結し、被抑圧民族人民と連帯して帝国主義打倒の闘いに立ち上がるならば、世界革命の勝利と社会主義―共産主義への道を切り開くことができる時代がついに到来した。
事実、戦時下のアメリカで、既成指導部の制動を打ち破り、MWM(百万人労働者行進)に象徴される新たな労働運動の潮流が台頭し始めた。韓国においても、民主労総を先頭とする労働者階級が11月のゼネストを頂点に激しく闘っている。そして全世界で数千万の労働者人民がイラク反戦の闘いに立ち上がっている。
11月労働者集会は、日米韓の最も階級的戦闘的な労働組合と労働者が一堂に会し、〈戦争と大失業>の攻撃に、階級的な国際連帯で立ち向かうことを誓い合う場となった。
この集会の歴史的成功は、動労千葉の営々たる闘いによって築かれた地平の上に、昨年春の卒・入学式の不起立闘争に決起し、処分・解雇攻撃と闘う東京の教育労働者が圧倒的に合流することによって不動のものとなった。この「日の丸・君が代」強制を拒否する闘いは、教育基本法改悪・改憲攻撃との闘い、ひいては日帝・小泉の〈戦争と大失業>の攻撃を打ち破る05年決戦全体を決する位置にある。
東京の教育労働者の闘いに連帯して、北海道を始めとする労働者・学生は1月冒頭、札幌での日教組全国教研で「東京の闘いを孤立させるな」と呼びかけるとともに、カクマルの「告訴・告発」運動を粉砕することを訴えた。カクマルは国家権力を引き入れてこの闘いを破壊しようとしている。石原・都教委の職務命令に忠実なカクマルの反革命的正体が浮き彫りになってしまうからだ。国鉄分割・民営化攻撃に際しての動労・松崎の裏切りに匹敵する反革命である。
JR総連なきカクマルは教労産別によって持ちこたえているが、ここが階級決戦の主戦場になった。彼らは「北教組を第2の広教組にするな」と「日の丸・君が代」闘争に真っ向から敵対してきた。広島の闘いさえ否定の対象だから、組合決定がなくても一人ひとりの思いで決起した当該は、彼らから見れば「ハミダシ」であり、粉砕の対象である。
わが北海道地方委員会は、イラクへの第1、2次派兵の強行に対して、地元・全国の労働者・学生・兵士・人民とともに、旭川―札幌―千歳現地闘争を徹底的に闘った。自衛隊を「日本国軍」などと持ち上げ、「米軍と一体化しない復興支援」を要求し始めたカクマルは当然にも大破産した。
05年の世界情勢は、昨年にもましてイラク情勢に決定的に規定されて動く。派兵された自衛隊が殺し・殺される事態が切迫している。闘うイラク・中東―ムスリム人民と連帯し、3・20を全世界と日本のイラク反戦の巨大な闘いとして実現しなければならない。
北海道地方委員会はその先頭で闘うとともに、労働戦線において連合や全労連の支配を覆し、カクマルを打倒するために決定的な挑戦に打って出る。
郵政民営化を突破口に、公務員労働運動の解体を急ぐ日帝・小泉にとって、国鉄労働運動は一刻も早く一掃すべき対象となっている。警察権力と一体化した国労・酒田−革同執行部を国労組合員自身の手で打倒することが問われている。国労の再生こそが、解雇撤回・JR復帰をめざす闘いの新たな発展を開き、教労決戦と並んで4大産別決戦の爆発を開く。05年、チャレンジ・革同の敵対をはねのけ、必ずや1047名闘争の発展を実現する。
4大産別決戦の勝利と小泉の打倒にとって、都議選決戦の勝利が絶対に必要である。わが地方委員会はそのために総決起する。
この決戦に勝利するカギは、労働者階級自己解放の思想を体現した党を労働者の中に、とりわけ青年労働者の中に圧倒的に建設することにある。01年の革共同第6回大会決定の党勢2倍化をマルクス主義青年労働者同盟の圧倒的な建設を突破口に絶対に実現する。
そのために、労働運動・労働組合運動の先頭に立つとともに、組合の主導権をとることへの挑戦を開始する。
〈戦争と大失業>の攻撃の激化は、階級的団結の強化で立ち向かおうとする労働者を膨大に生み出している。そうした労働者とマルクス主義の思想が結びついたとき、労働者階級は帝国主義を打倒して社会の主人公となっていく。
全国の同志の皆さん!新指導路線の真価を発揮し、05年決戦の勝利をもぎ取ろう!
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週刊『前進』(2183号4面2)(2004/01/31)
福井 もんじゅを廃炉へ 全国から900人結集
95年ナトリウム火災事故から9年目、「もんじゅを廃炉へ! 全国集会」が04年12月4日敦賀市内での4つに分かれた課題別討論と5日の白木現地抗議集会、敦賀市内での講演会と連続して闘われた。
5日の現地集会には、地元福井を先頭に全国から例年を上回る900人の労働者、市民、学生が、もんじゅが間近に見える白木海岸に結集した。原子力資料情報室共同代表の伴英幸氏が「核燃料サイクル政策は完全に破綻している。何としても改造工事入りを阻止すべき」と発言。青森県からの参加者は「六ケ所村の使用済み核燃料再処理施設を稼働させないようにしよう」と、12月にも予定されているウラン試験を弾劾した。そのあと参加者は、もんじゅのゲート前までデモ行進し、核燃料サイクル開発機構に改造工事の中止などを求める要請書を提出し、もんじゅに怒りをたたきつけた。
さらに、参加者は8月9日に11人の労働者の死傷という大惨事を起こした関電美浜原発の対岸で、「老朽化原発を止めろ」と「人間の鎖」行動で抗議し、関電若狭支社で抗議・申し入れ書を提出した。
敦賀市民文化センターでの小出裕章京大教官の講演は、「現在の日本政府が進める核燃料サイクルは核兵器用のプルトニウムの所有が目的」と日帝の狙いが核武装にあることを鮮明に突き出した。
富山大学学生自治会、北陸労組交流センター、関西反戦共同は結集した労働者の先頭で闘い抜いた。
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週刊『前進』(2183号4面3)(2004/01/31)
1月1日〜18日
経団連が改憲要求の報告書
自衛隊千人が北スマトラへ
●自衛隊先遣隊が出発 スマトラ沖大地震と津波に対し、「救援」を口実に約20人の自衛隊先遣隊が成田空港から出発した。大野防衛庁長官は5日、国際緊急援助隊派遣法に基づき航空自衛隊に派兵命令を伝えた。7日には陸海の両自衛隊にも派兵命令を出した。空自のC130輸送機部隊を始め、派兵規模は約1千人。累計で1600人。過去最大で、初の陸海空自衛隊による「国際緊急救助隊」の展開となる。(4日)
●小泉が年頭記者会見 小泉首相が年頭記者会見を行い、郵政民営化法案成立への決意を示し、改憲について、民主党の協力も得て改正案を調整すると語った。(4日)
●イラク非常事態、30日延長 イラク暫定政府のアラウィ首相は、クルド地区を除くイラク全土に対する非常事態宣言を30日間延長することを決めた。宣言は1月5日で期限切れを迎えていた。(6日)
●自衛隊の海外派兵「格上げ」へ法改悪 小泉首相は、「自衛隊が海外でも活動できるようにいろいろな制度、環境、法律等、整備していきたい」と語り、自衛隊の海外活動を国土防衛と並ぶ「本来任務」とするための自衛隊法改悪に前向きの姿勢を示した。(8日)
●英軍、イラクへ増派 英国のフーン国防相はイラク国民議会選挙に備え、英軍400人を増派する方針を議会に報告した。(10日)
●宿営地内に着弾 イラク南部のサマワに駐留する陸自の宿営地が攻撃され、ロケット弾1発が宿営地内に着弾した。信管はついていたが爆発はしなかった。敷地内で信管つきの砲弾が見つかったのは初めて。(11日)
●米軍煙幕訓練を再開 在沖米空軍は、嘉手納弾薬庫地区内で煙幕や爆発音を発生させる即応訓練を再開した。昨年12月に煙が県立嘉手納高校に流れ込み、生徒や周辺住民が被害を受けた。(11日)
●NHK「慰安婦」番組改変 01年1月に旧日本軍慰安婦制度の責任者を裁く民衆法廷を扱ったNHKの特集番組で、中川昭一・現経産相、阿倍晋三・現自民党幹事長代理(当時内閣官房副長官)が放送前日にNHK幹部を呼んで「偏った内容だ」などと指摘していたことが明らかになった。NHK側はその後、番組内容を変えて放映していた。朝日新聞が報道した。翌13日、この番組を制作し、改変を告発したNHKチーフプロデューサーが記者会見した。(12日)
●イラク大量破壊兵器の捜索終了 イラクで大量破壊兵器を捜索していた米調査団が現地での活動を昨年12月、対外的に説明せずにうち切っていたことが分かった。(12日)
●英軍600人が引き継ぎ オランダ紙テレグラフは、3月15日にイラク南部サマワからの撤退を決めているオランダ軍約1400人の代わりに、英国が約600人の英部隊を充てることを決めたと報じた。(14日)
●南西諸島有事に陸自5万 南西諸島有事について、本土からの戦闘機、護衛艦の派遣のほか、5万5千人の陸自部隊、特殊部隊を動員する対処方針を防衛庁がまとめていたことが明らかになった。南西諸島有事の防衛庁の方針が明らかになったのは初めて。(15日)
●自民党大会 自民党が第71回定期党大会を東京都内で開いた。結党50年の節目にあたり、憲法改悪草案の策定や教育基本法の改悪などを運動方針とした。改憲は「自主憲法制定は立党以来の党是」と強調。(18日)
●経団連、改憲求める 日本経団連が憲法改悪や総合的な安全保障体制の確立などを求めた国の基本問題に関する報告書を発表した。自衛隊の保持と集団的自衛権を行使できることを明記するために、第9条2項(戦力・交戦権の否認)の改悪を提言した。経済同友会、日本商工会議所も改憲を求める報告書をまとめており、これで経済3団体の改憲要求が出そろったことになる。(18日)
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週刊『前進』(2183号5面1)(2004/01/31)
「日の丸」を焼き捨てた 知花昌一さんに聞く
戦争反対派大人の責任 「君が代」不起立を支持
3月「日の丸・君が代」強制拒否決戦に向かう闘いの中で、沖縄・読谷村議で反戦地主の知花昌一さんにお話をうかがった。
知花さんは1987年10月26日、読谷村平和の森球場で行われた沖縄国体ソフトボール競技の開始式で、村民の意志を踏みにじって「日の丸」の旗がメーンポールに揚げられたことに抗議して、掲揚台によじ登り、「日の丸」を引き下ろし、焼き捨てた。沖縄戦の「集団自決」があった「チビチリガマ」で語り部として修学旅行生たちに戦争の悲惨を訴えてきた知花さんは、再び戦争の旗が押しつけられることに身をもって反対した。その裁判闘争は95年まで続き、戦争に反対する労働者人民の闘いの軸になってきた。
その知花さんが、東京の教育労働者の「君が代」不起立の闘いに寄せる熱い思いを語った。
戦争につながるすべて拒否
戦争につながるものすべてを拒否するということは、特別のことじゃない。当たり前のことだと思う。みんな口では戦争に反対だとか言うし、人殺しもとんでもないと思っているんだ。「日の丸・君が代」が強制され、それがどんどん強化されるということは、どういうことになるか。戦争につながることは、みんな分かっている。
それがいざ自分のところに来た時にどうするのかが問題なんです。その時に、現場の教職員というのは自分の生活もかかっているから、そういう中で生き方が問われる状態になる。今がそうだと思う。
東京の教職員の方々は、石原がどんどん反動的にしかけてきた中でそれに従順に従うのか、自分の生き方を問う中で踏みとどまっておかしいと言うことができるかという選択を突きつけられた。そこで職務命令を拒否した人たちが少なくとも300人あまりいたということでしょ。たいしたもんだと思うよ。そういう人たちを見殺しにしないで支えていく、一緒に闘っていくという動きがいかにつくれるかということだと思う。
僕は「日の丸」を燃やして、過激だとも言われた。確かにそうかもしれない。でも僕は見殺しにされなかったんです。
右翼は僕を殺そうとした。毎日毎日、11月から3月ぐらいまで毎日、右翼の街宣車が私のスーパーの前を取り巻いて、店をつぶそうとした。でも、地域が買い出しをして店を支え、そして支援の人たちが駆けつけて、夜は店を防衛し、裁判では右翼と渡り合いながら防衛してくれた。
あの「日の丸」を燃やした僕自体がつぶれなかった。支えられてきた。そのことによって僕は今、ものを言うことができている。議員になったり、地域で反戦運動をやったりできるようになっているわけです。
だから、処分を受けて、闘っている300名の教職員を見殺しにしないで、いかにして一緒に闘う陣形がつくれるかだと思う。そうすると彼ら自身も元気が出るし、彼らのやった意義が広く伝わってくるよね。
読谷高校生の闘いに答えた
――知花さんの時も、読谷高校の女子高校生が「日の丸」拒否で闘いました。
87年の春に読谷高校の2年生の少女が、卒業式の壇上に飾られた「日の丸」をはぎ取って、どぶに捨てるという行為をしたのは衝撃的だった。
彼女がどうしてそうしたかというと、戦争を体験した人たち、それを受け継いだ大人たちが「日の丸・君が代」、天皇制によって戦争に導かれたんだと、いろんな場所で語ってきた。それを彼女は若い感性で受け止めてくれた。そして戦争の旗、「日の丸」がまたも強制されることはおかしいことだと、彼女は純粋にそう思ったはずなんです。
彼女が立ち上がったのは学校現場だった。じゃあ国体という大人の場で、自分たち大人はどうするのか。子どもたちは真剣に大人の言うことを受け止めてやっている。大人たちは、戦争の旗だと言ってきた「日の丸」が目の前で揚げられることを黙って見ているのかということがあって、僕は「日の丸」を燃やした。僕の行為は彼女に対して、大人としてのひとつのけじめという形のメッセージだと思っている。
僕の印象に残っているのは、彼女が「日の丸」を三脚からはぎ取った時に教頭が「これはね、大人だったらね、犯罪ですよ」「犯罪ですよ。それでもいいんですか」と言っている。それまでうつむいていた彼女は、その時だけ教頭先生に面と向かって、「いいです。それでもいいです」と言ったんです。それぐらい彼女はすごい思いの中でやったんだと僕は思った。燃やすというのは過激だったかもしれないが、でも、その彼女らの思いにこたえるには、そこまでやらなければいけないという思いが僕にはあったんです。
――その時の国体が沖縄への「日の丸・君が代」強制のテコとされたんですね。
生き方かけた選択問われる
国体は1987年の10月だった。その前、85年には全国の「日の丸・君が代」実施の調査が行われた。沖縄は「日の丸」掲揚率が6%で、全国最低だった。その時に、沖縄県の教育委員会が、「日本人として恥ずかしい」「国体を機に日の丸を揚げられるようにしなければならない」というコメントを出した。それで一気に強制が始まった。
読谷高校だけじゃないですよ、あちこちで抵抗が一気に広がった。中部工業高校では自分たちでつくった演壇に掲げた花を卒業生が全部取ったり、本部高校では外で卒業式をやったり、沖縄盲学校では卒業式が2回も流れた。高校生たちがものすごい抵抗をした。もちろん父母も先生方もやったんだけど。
だから僕は「日の丸・君が代」への抵抗も、反戦もそうだけれど、生き方の問題だと思う。確かに先生方は処分される。そうすると自分の生活も含めて大変なことになる。でもね、自分の生き方を曲げてまで理不尽なものに組み敷かれることがいいのかどうか、そういう選択肢がある。
処分の問題も減給や訓告じゃなくて、解雇になるということだったらちょっと迷うよ、僕も。でも、僕は生き方を貫く必要があると思う。労働者だって、一般市民だって、そういう場面が時々あるんです。そこで何を選ぶかということで方向が決まる。今、社会が厳しくなる中で、そういう選択が問われる場がどんどん出てくると思う。今までの歴史を見ても、大方はみんな組み敷かれてきた。だけどその人たちは生き残れたかというと、生き残れなくて、結局は動員され、つぶされてきたんです。
米軍大再編でどうなる沖縄
――戦時下でいかに闘うかの正念場ですね。
2004年を象徴する字が「災」だと言われたが、沖縄は政治による政災、沖国大にヘリが落ちたことに象徴される基地問題です。
イラクへの侵略戦争を続けるアメリカが、すごい形で基地の世界的な再編を進めている。それがトランスフォーメーションです。
横田にグアムの第13軍の戦闘司令部を置いて作戦行動をする。そして軍民共同使用をすると。座間には米陸軍第1軍司令部でしょう。
沖縄では、辺野古での海上基地建設がその中に位置づけられている。さらに金武町伊芸区に近接して建設されている都市型戦闘訓練施設。あれは実際に恩納村で村を挙げた阻止闘争をしてできなかった(89年)ものなんです。その都市型戦闘訓練施設を今度は金武町にもってきたわけ。
知花さんは、95年以来、米軍楚辺通信所(通称・象のオリ)の中にあるお父さんから譲り受けた土地を武器に契約を拒否する反戦地主になった。強制使用を拒否する闘いを反戦地主会の一員として10年間にわたって続けている。
――強制使用されている知花さんの「象のオリ」の土地の返還期限が今年の5月ですね。
「象のオリ」の僕の土地については、今年5月31日に返すという約束をしていた。その前にSACOでは、2000年3月31日に返すと言いながら返さなかった。4年間強制使用して、今年の5月31日の返還の約束も反古(ほご)にして返さないというわけだ。今度は、今年の12月31日まで使いたいと。
今回、政府は12月15日に強制使用するということを発表して、翌16日に「契約して下さい」と来たから、何言ってんだ、手続きが違うじゃないかと追い返した。それでも毎日来るから、辺野古のボーリングをやめるんだったら契約してもいいよと条件を出した。それはできませんという返事だった。
今の米軍用地特措法では、地主が契約を拒否しても日本政府が勝手に手続きを進めて強制使用することができることになっている。その改悪が国会で通った時(97年4月)、僕は参議院本会議を傍聴して、「これは土地泥棒の法律だ」「賛成するやつは土地泥棒だ!」と叫んで威力業務妨害で逮捕され、東京で3日間留置場に入れられた。そういういわくつきの法律です。
辺野古で海上阻止を闘って
知花さんは、名護新基地建設に反対して、ボーリング阻止闘争に毎週通い、海上での阻止行動にも加わっている。「日の丸・君が代」に反対すること、反戦地主として土地の強制使用と闘うこと、名護新基地に反対することは、すべて戦争に反対する闘いとして一つのものだ。
海上の単管やぐらに登って海上阻止行動をしている。僕はね、辺野古を止めたら情勢が変わると思う。今ね、止められる状態にあるんですよ。
やぐらの工事が強行された時、それを阻止するためにみんなの力が集まってきた。みんな必死になって闘った。体を張って止めている。女の人たちが殴られながら、突き落とされながらやっている。何人もケガをした。その1人は読谷の仲間だった。
周囲から海人(ウミンチュ=漁民)が来たでしょ。あれは本当にすごかった。ちょうどその時、僕は単管に乗っていたわけ。海人の船は大きかった。わあーっ来たなあと、本当に援軍が来たという感じだった。辺野古は勝ってきている。われわれには止められると思う。
昨年の4月19日からこれまで、まだ1本のボーリングもやらせていない。63本打つと言っているがまだ一本も打てていない。もしも力に負けて本体工事に入ったとしても、その時は辺野古から見える海がすべて埋め立てられるような工事の全容が見えてくる。そこまで行った時にまた新たな援軍が出てくると思う。
辺野古の漁民は地元だからいろいろあるけど、おそらく辺野古の中からも反対の動きが表だって出てくると思う。今でも国頭や宜野座、金武、石川、東、この海人たちが加勢に来るわけだからね、これは本物ですよ。絶対に止めたい。
普天間基地は閉鎖できる。そして辺野古もできないということになると、アメリカ軍のトランスフォーメーションにダメージを与えることができる。
こんな時代に勝ってみせる
私たち反戦地主は3000人もいたんですよ。今は150人ぐらいです。でもこれ以上は減らない。みんな居直っている。居直ると敵も認める。たたいてもつぶれないやつは、敵も認めるようになる。そういうところまでやるやつがいないといかん。
東京の先生方も大部分が「日の丸・君が代」反対なはずなんです。いま実際に「日の丸・君が代」反対で行動した人たちは、処分されなかった人もいるでしょうけれど、でも300名の人たちが処分されたわけでしょ。この先生方も、そのぐらいの思いの中で闘って処分を受けたのだと思う。
だから、周囲の人たちが支えていくことで、彼らのやった地平を守り通せたならば、次に立ち上がる人たちもどんどん出てくると思うんです。
勝てる状態です。今の辺野古を見ると勝てる闘いだと実感する。こんな時代だからこそ、いま勝ってみせることだ。そうやって、戦争につながるものを拒否する闘いをつなげていく。これが時代を変えると思う。
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週刊『前進』(2183号5面2)(2004/01/31)
「知的障害者」への虐待事件 水戸事件の民事裁判に勝利
「障害者」自己解放の新地平
関東「障害者」解放委員会
昨年12月11日、「水戸事件のたたかいを支える会」主催の水戸事件民事裁判勝訴報告集会が、水戸市民会館において50人を結集して開かれました。水戸事件は、アカス紙器(赤須正夫社長)という水戸市の全寮制のダンボール加工会社で起こった「知的障害者」に対する虐待事件です。96年に被害者の「知的障害者」の女性が社長を相手どって民事裁判を提訴、昨年7月に東京地裁でようやく全面勝訴をかちとりました。集会には、この闘いを7年にわたってともに担ってきた「障害者」団体や市民、動労水戸や部落解放同盟全国連合会茨城県連などが集まりました。私たちもその一人として「水戸事件のたたかい」を支援してきた立場から、この闘
争について報告したいと思います。
詐欺と傷害で社長逮捕され実態明らかに
水戸事件は95年に発覚した。96年に社長の赤須正夫が障害者雇用助成金の詐欺罪と傷害罪など4件の容疑で逮捕された。雇用助成金は、企業が最低賃金を支払えば国が1年半の間はその2分の1を助成する制度である。赤須は、月十数万円の給料を払っていると職安に報告しながら、寮費や食事代の名目で天引きし、実際には5千円以下の無給に近い賃金しか払っていなかった。社長の逮捕をきっかけに「知的傷害者」の口から次々と虐待の全貌(ぜんぼう)が明らかになった。
その実態は、棒で殴る、土日も農作業をさせる、空き缶をひざにはさんで正座させる、手錠をかける、地下の貯蔵庫に閉じ込める。また丸1日食事を抜いたり、逆に洗面器のような器に山盛りにしたご飯にタバスコをかけて無理やり食べさせるなどという驚くようなものだった。
赤須は口癖のように「お前らは国が認めたバカなんだ。お前らが働くところはここしかねえ」と言い、「こいつらこうしないと駄目なんだ」と言っては、まるで動物を調教するかのように「知的障害者」を殴りつけた。その結果、耳が原型をとどめないほど変形したり、ひざの半月板を損傷して歩くのが困難になったり、空腹のあまりコンビニで万引きして捕まる「障害者」も生まれた。
特にこれらの暴行は、1年半の助成金の期限を過ぎた「障害者」に集中していた。「障害者」を解雇したことのある企業には一定期間、助成金が下りないため解雇でなく自主退職に追い込む狙いがあったのだ。
そればかりではない。さらに語ることさえ苦しい性的虐待の事実が「知的障害者」女性から次第に暴露され始めた。赤須は女性労働者に対して寮の中で毎日のように強姦(ごうかん)をくり返していた。出入り業者や赤須の飲み友達までもがこれに加わっていた。こうした虐待の数々が90年代において日常的かつ長期的に行われていた実態がようやく明るみに出た。
にもかかわらず水戸地検は「『知的障害者』は証言能力に欠ける」と刑事告訴のほとんどを取り上げず、助成金詐欺などわずか4件にしぼって赤須を起訴した。特に性的暴行については完全に切り捨てた。
背景には、アカス紙器を「障害者雇用に熱心な優良企業」としてほめたたえ、このような企業を末端の担い手として成立している日帝の差別主義的な労働福祉行政がある。
日帝の差別的労働福祉行政を担う企業
被害者の一人は96年以前にも、アカス紙器のあまりにもひどい実態を警察署、労働基準監督署、職業安定所、福祉事務所に訴えたが、どこでも相手にされなかった。雇用助成金制度自体が、1・8%という「障害者」の法定雇用率を満たさない企業から徴収した罰金を「障害者」をよく雇用した企業に助成金として回す、いわば企業の法律違反を前提に成り立つ制度でしかない。
しかし、その助成金を赤須に詐取された被害者であるはずの職安が、赤須の何年にもわたる詐欺行為のたった2年分しか告発せず、あげく「警察とは打ち合わせている」と「知的障害者」の親たちに嘆願書を書かせるという癒着ぶりである。その後、真相を知った多くの親が嘆願書を撤回したにもかかわらず、それは判決において情状酌量の理由として持ち出された。
しかし水戸事件がマスコミで報道されると、これが社会に与えた衝撃は大きかった。後日この事件をモデルにしたテレビドラマ『聖者の行進』も制作された(運動を担っている人たちには必ずしも好評ではなかったが)。国会では労相と厚相が謝罪するという事態となった。当時の厚相とはほかならぬ今の小泉首相である。運動は全国的に広がり、水戸地裁を数百人がヒューマンチェーンで包囲するまでに高揚した。
なんと社長を「雇用に貢献」と情状酌量に
こうした中で97年3月28日の水戸地裁判決は、なんと赤須を「障害者雇用に貢献した」として情状酌量する執行猶予判決だった。これは検察がほんの一部しか取り上げなかった赤須の差別犯罪を、さらに裁判所がその枠内でさえ免罪するという、まさに国家ぐるみの「障害者」差別にほかならなかった。
これに対して被害者を始め、つめかけた親や支援者の怒りが爆発。地裁の裏門から逃げ去ろうとする赤須を乗せた車をとり囲んで、直接謝罪を要求する糾弾闘争が地裁敷地内で展開された。人間として扱われず、踏みにじられ続けてきた「知的障害者」の積もりに積もった怒りの爆発だった。糾弾の矛先は赤須のみならず、「知的障害者」の人権を切り捨てた司法権力にも向けられていた。これに恐怖した権力は、不当にも支援者3人を逮捕・起訴した。赤須の勾留がたった20日間だったのに対して、支援者には2年近くもの勾留、さらに実刑判決・投獄という許しがたい報復弾圧を加えたのである。この弾圧に対する闘いも、監禁罪をデッチあげられた支える会事務局長を先頭に不屈に闘いぬかれた。
しかし、この弾圧を契機に権力による「過激派」キャンペーンが展開され、マスコミはピタリと水戸事件の報道をやめた。被害者と共同生活しながら運動を支えていた中心的な支援者が獄中に奪われる中で、水戸事件の闘いは困難な状況を強いられた。
民事裁判は、そうした経過の中から98年、3人の女性を原告に西村正治弁護士を弁護団長として本格的に開始された。原告が自ら受けた性的暴行の事実を法廷で証言し、弁護士になったばかりの女性を中心とした9人の若手弁護士が献身的に裁判闘争を支えた。
そしてついに昨年3月水戸地裁で、次いで7月東京高裁で勝利判決をかちとった。性的暴行の事実を含め、原告に加われなかった仲間の被害をも最大限告発する形で行われた原告の主張を、裁判所に全面的に認めさせた完全勝訴だった。
水戸事件の闘いは、「障害者」解放闘争の新たな一歩をしるす偉大な勝利である。何よりも「知的障害者」が差別を告発する自己解放の主体として立ち上がったことである。親や周囲の人たちが代行するのではなく「『知的障害者』には証言能力がない」と切り捨てられてきた当事者自身が裁判の原告となり、闘争の真の主体となって闘ったことの意義は歴史的と言っても言い過ぎではない。
人間の誇りをかけ実力糾弾闘争で勝利
水戸事件はけっして特別な事件ではない。むしろ「知的障害者」に対する虐待事件の氷山の一角である。それは90年代において「ノーマライゼーション」がうたわれ障害者基本法が制定された中で「障害者」が置かれていた差別の現実を示すものであり、今国会に提出される「障害者自立給付支援法案」によって政府が促進しようとしている「障害者」就労の実態をも示すものだ。多くの「知的障害者」が「ほかに行き場がない」という差別的現実の中で、職場や施設で虐待を受けても訴えられず、訴えても黙殺されてきた。
同じく「知的障害者」への虐待事件である滋賀のサングループ事件の裁判の勝利とともに、今回の裁判で「知的障害者」の告発が認められたことは、原告はもちろん、差別に苦しんでいる「知的障害者」全体にとって貴重な勝利である。
しかし、言うまでもなく水戸地裁の3・28差別判決に対する被害者たちの人間としての誇りをかけた実力糾弾闘争なしに今回の勝利はなかった。
もうひとつ重要な点は、これが「知的障害者」の差別糾弾闘争の勝利だということである。戦争と民営化攻撃のもとで、差別を法律で禁止するという形をとって、被差別人民の差別糾弾闘争を解体しようとする日帝の攻撃が強まっている。今回の勝利は、21世紀の「障害者」解放闘争が進むべき道を示した。
水戸事件の闘いは、こうした勝利の地平の上にあらためて「知的障害者」の地域生活を切り開く新たな闘いに入ろうとしている。闘いはむしろこれからだ。誰もが人間らしく生きられる差別のない社会をつくるために「障害者」と労働者人民は団結して闘おう。
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週刊『前進』(2183号5面3)(2004/01/31)
相模原 座間基地包囲へ 西村市議と新春のつどい
1月15日、さがみはら革新市政をひらく会の「新春のつどい」が相模原市内で開かれた。婦人民主クラブ全国協議会を始め約60人の労働者市民が西村綾子相模原市議を囲んで新年の決意を新たにした。
冒頭、革新市政をひらく会の世話人代表である吉田義久相模女子大教授があいさつし、「小泉政権のもとで日本は不沈空母どころか、戦闘機に乗っけられ、強制的に死に追いやられようとしている。『日の丸・君が代』強制反対の教師たちの闘いも大きな闘いになっている。綾子さんを先頭に地域からも反撃に転じていこう」と呼びかけた。
報道ステーションで報道されたビデオ「米軍再編の衝撃――日本『司令塔』構想」が上映された。ワシントンの米陸軍第1軍団司令部。その近くヤキマ演習場では毎年9月、日米共同演習が実施されている。射程30`、600個の子爆弾をまき散らす多弾頭ロケットシステムMLRSの実弾演習を繰り広げる陸自、それをキャンプ座間のトップ、パーキンス司令官が視察して「すばらしい」と自衛隊の実戦力を評価する場面も。イラクの戦場と直結した「司令塔」の座間移転の巨大さが突き出された。
あいさつに立った西村議員は、「今こそ国の悪政にノーをいう時。経団連の奥田会長はリストラ・賃下げだ、教育を変えろと労働者に犠牲を押しつけているが自分の会社は1兆円の黒字。やられっぱなし、なんでもありで戦争だなんてとんでもない」「昨年の11・7労働者集会は日本の労働者がかけはしとなって世界の労働者とつながった。民営化反対、戦争よりも福祉を、戦争よりも雇用を、まさに労働者のスローガンはひとつ。労働者・市民、みんなが主役という年にしましましょう」と闘いの展望を示した。そして、具体的な行動方針として、3月の「日の丸・君が代」強制拒否の闘いと、2・19キャンプ座間司令部包囲行動(2月19日(土)午後2時、座間公園集合)を訴えた。
持ち寄りのごちそうを味わいゲームなども楽しみながら、参加者が次々と新年の決意を語った。教育基本法改悪反対の署名に取り組む百万人署名運動、改憲阻止闘争の報告、自治体労働者や教育労働者、被爆者や戦争体験者、地域で闘う女性などが、危機感を募らせながらも、だからこそ頑張ろうと訴えた。
なごやかな中にも新たな闘いの決意を固めて、05年勝利へスタートを切った。
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週刊『前進』(2183号6面1)(2004/01/31)
『前進』新年号を読み溜飲の下がる思い 関東・老闘士 西村恭一郎
昨年の11・7国際連帯集会に参加を決意しながら、持病が再発し、断念せざるを得ませんでした。
イラク戦争のただ中での米日韓の国際連帯闘争のなんと素晴らしいことでしょう。戦時下において、「帝国主義戦争を内乱へ」という革命的敗北主義と国際主義を掲げうるのは、革共同をおいて他にない。
『前進』新年号を手にしております。政治局年頭アピールを読み、その力強さに、久びさに溜飲(りゅういん)の下がる思いであります。
「自然発生的な意識形態にとどまることなく、鮮明な階級意識の最高形態をもっとも正確に体現する党」。わが本多書記長の遺訓が鮮明に掲げられているではないか。「闘う革命党の存在抜きには労働者階級の経済闘争も政治闘争も闘い抜けず、闘うごとに検挙一掃され、霧散してしまう」。レーニン主義前衛党論の革命的真髄が鮮明にされているではないか。
吹き荒れる戦時下の攻撃に身をかわそうとして原則を捨て去ったならば、革命党は、容易に改良主義、労働組合主義に転落してしまう。新年号アピールこそ、勝利に向かっての試練をのりこえる本多精神を継承し、武装し闘う革共同の旗幟(きし)を鮮明にした、革命的なものであります。
激動の70年闘争を労働者階級の最先頭で血を流して闘った心ある人々は、時代に迎合することのない革共同に限りない勇気を与えられ鼓舞されているのです。
革命党の誇りにかけて、原則を貫き、闘い抜くことを願ってやみません。
今デモの必要がある招集メールを下さい 東京 N・T
初めてHPを拝見しました。私は現在の世界の、日本の、この街の対戦争態勢が良いとは思えず、反戦デモにも何度か参加しました。警察の処し方、国連の存在理由にも反論は心からします。正直、中核とか闘争ということばの内容ははっきりとはわかりません。マルクス主義等もわからない。
でも、私の気持ちのあり方としてWORLD・PEACE・NOWの団体ともまた異なっていると、デモで実感しました。勉強不足であるかもしれないけど、今現在、気持ちと頭が離れない所で、自分に無理せず考えて行きたい。
夏の渋谷でのデモで目の前の丸ごしの人間がヘルメットをかぶった仮面ライダーのような集団にプラスチックの板で殴られハラをけられた時、PEACE、PEACE、LOVE、SMILEと叫んでいるだけではいられないのかもしれないという気持ちになりました。
HP、拝見させていただくようにしますが、デモの招集メールなど送られているようでしたら、ぜひお願いします。
今、デモの必要があると思います。まだまだ続けなければ、戦争と自衛隊に反対するために!
難病患者切り捨てを自分の問題として 東京 K・T
2178号の「難病患者に憎しみを表すカクマル『解放』」はとても良い記事で、本当にその通りだと思いました。
難病に限らず、およそ病になった者の気持ちは、その人にしかわかりません。そして、その病とたたかうことは、現在の医療制度とのたたかいでもあります。特に医療費のかかる難病患者を切り捨てようとする動きのあるなかで、病とたたかい、切り捨てとたたかっていくことの大切さは、まさに難病患者にしかわからないと思います。
他人ごとではなく、自分自身の問題としてとらえていくことが大事だと思いました。
スターリン主義とは何かがわかる著書 関東・青年労働者 仲根霞観
正月休みにこの本(小泉義秀著『スターリン主義と農業の強制集団化』)を読んでみた。スターリン主義とは何かについてわかりやすく教えてくれる。
一読すると1917年ロシア革命以降、レーニンは国内の労働者と農民の同盟を維持しソビエト政権を確立するのにものすごい苦労をしていくことがわかる。
しかしスターリンは、レーニンの死が近くなる1922年、レーニンの「遺書」をスパイによってすべて掌握し、以後は文献の改ざんや廃棄をしていく(第3章)。(マルクスの「ドイツ・イデオロギー」がスターリンの手によって原稿を散逸させられてしまったことは有名な話である)
そして1923年のボルシェビキ党第12回大会で「全権」ともいえるような権力を手にして、その後は大量粛清と世界革命圧殺が続いていくことになる。スターリン主義の核心は一国社会主義であり、レーニンの「西ヨーロッパの革命がロシアを助ける」(36n)という世界革命とは全く逆のものである。
一方トロツキーは、レーニンが「最も信頼を寄せていた」(80n)にもかかわらず、帝国主義論の欠如と組織問題での日和見主義という弱点をつかれ、最後はスターリンの刺客により虐殺されてしまう。
蜂起すべきときに蜂起できなければ、それは即座に敗北になる。これは労働組合の権力にチャレンジするものにとっても、教訓にみちている。みなさんにもぜひ一読をすすめます。(『スターリン主義と農業の強制集団化』は前進社刊・1000円)
航空労働者に学んで入管法粉砕の闘いを 兵庫 恒川るい
05年1月1日朝日新聞社会面に“す巻き”今度は「ダメ」というタイトルで、西日本入管センター(大阪府茨木市)の悪行が暴露されている。
04年11月25日、超過滞在のペルー人男性を強制送還する際、手錠と縄で体を縛り付けて飛行機に乗せようとしたが、異常な様子を見た乗務員が搭乗を拒み、送還できなかったことがわかった、と言うことだ。
私たちが知らないうちに強制送還は行われている。それを水際で阻止してくれた航空労働者に、心から、ありがとう、と言いたい。航空労働者は、航行の安全のため、人員削減などの労働条件悪化に対しては、ストライキで闘う戦闘的な労働者だ。また、イラク派兵情勢に対しては、軍事輸送を拒否する闘いを展開している、真に戦闘的な労働者だ。その、不断の労働運動の中から、こうした人権感覚も磨かれているのではないかと、勝手に推測している。あながち間違ってはいないと思う。
強制送還を免れた彼らは、結局入管センターに送り返され、収容され続けているのだから、問題の本質は何一つ解決されていない。しかし、こうした航空労働者の一つ一つの攻防が、こうして新聞で暴かれ、人々の感性を喚起してくれていること、強制送還されそうになった彼らが、航空労働者の真っ当な人権感覚に触れて何かを感じてくれているかもしれないこと、そういうことを前向きに評価し、今度は私たちが、入管体制を粉砕する闘いに、とりわけ近隣地域で生活する外国人労働者との生きた連帯を作り出す闘いに決起する番だ、と決意を新たにした。
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週刊『前進』(2183号6面2)(2004/01/31)
NHK番組改変問題 安倍と中川が政治介入 戦争への言論統制
2000年12月に東京で開かれた女性国際戦犯法廷を扱ったETV2001シリーズ「戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」が、放送直前に自民党の安倍晋三幹事長代理(当時官房副長官)と中川昭一経済産業相(当時衆議院議員)による政治介入を受け改ざんさせられていたことが明らかになった。
1月12日に朝日新聞がスクープ、翌13日には同番組の担当デスクだった長井暁氏が記者会見した。長井氏によると、放送前日の01年1月29日、松尾放送総局長と国会対策の野島担当局長(現理事)が永田町から帰った夕方、異例の局長試写が行われ、44分の番組が43分に作り変えられた。翌30日には松尾総局長はさらに3分のカットを命じた。現場はこぞって反対したが、「業務命令だ」としてカットさせられ、40分の番組が放送された。長井氏は「政治的圧力を背景にしたカットである」と断言、海老沢会長が政治介入を恒常化させたとして、海老沢会長の一日も早い辞任と経営陣の一新なくして、NHK改革はないと訴えた。
内部告発に当たって長井氏は、日本放送労働組合(日放労)に相談した。日放労も長井氏は管理職で組合員ではないが、組織として支援することを表明している。海老沢会長をめぐる一連の不祥事に対し、海老沢会長と経営陣の退陣を求めているNHK労働者の闘いが長井氏の決起につながったことは明らかだ。
今回の問題は第一に、帝国主義が世界戦争過程に突入し、日帝が新たな「15年戦争」に突入する中で引き起こされた言論・報道統制攻撃であることだ。
99年日米新ガイドラインに続く有事立法で、NHKは「指定公共団体」となった。文字どおり戦時下の大本営発表を担うのか否かをめぐり、業務命令を拒否し戦争動員を拒否するマスコミ労働者の闘いこそが求められている。日放労を始めとしたマスコミ労働者は、「日の丸・君が代」強制拒否を闘う教育労働者とともに、今こそ戦争協力拒否に立ち上がろう。
そして第二に、戦後60年のこの時、イラク侵略派兵へと突進し、さらに朝鮮・中国侵略戦争へと突撃しようとしている小泉政権が、日帝の植民地支配と侵略戦争の歴史を清算し、国家的戦争犯罪である日本軍軍隊慰安婦制度を再び歴史の闇(やみ)に葬ろうとしていることを徹底的に断罪しなければならない。
最終的にカットされた4分間には、日帝の戦争犯罪の核心部分である「人道に対する罪で昭和天皇ヒロヒト有罪、日本国家の責任」という判決、中国人被害者や日本人加害兵士の証言が映っていた。
中川は当時、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」代表であり、安倍はその事務局長。若手議員の会は「新しい歴史教科書をつくる会」を全面バックアップし、「いわゆる慰安婦問題がいかに歪曲されて伝えられているか」、それを改める「国民運動を精力的に展開していく」と主張していた。
告発された安倍は、「私が呼びつけた事実はない」と言いながらも29日にNHK関係者と会ったことは認め、「公正にお願いしますと言っただけだ」と居直った。これこそ「不当な政治介入」であり、表現・報道の自由の侵害そのものだ!
さらに安倍は「(女性国際戦犯法廷は)謀略だ。当時、拉致問題が問題化している中で、北朝鮮を被害者の立場にすることで、この問題の鎮静化を図ろうとしていた。大きな工作の一部」などと事実無根のデマを主張。現在、拉致問題をテコに北朝鮮への経済制裁発動を狙う安倍らは、政治介入を居直る中で拉致問題に論点をすりかえ、一切の批判を恫喝的に抑えようというのだ。この卑劣な策動を大衆的反撃でこっぱみじんに粉砕し尽くそう。
「4年間悩んできたが、真実を述べる義務があると決断した」と語る長井氏を孤立させてはならない。日放労の闘う労働組合としての再生が求められている。
今春、ファシスト石原に怒りを燃やし、東京で「日の丸・君が代」強制拒否の闘いを全労働者の力で再度高揚させよう。有事法制下の業務命令拒否闘争を猛然と闘おう。
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週刊『前進』(2183号6面3)(2004/01/31)
葛飾 ビラ入れで逮捕・起訴 戦時下の政治弾圧許すな
1月11日、東京地検公安部は、東京都葛飾区内のマンションに無断侵入したとして、同区内に住むAさんを住居侵入罪で起訴した。Aさんは昨年12月23日に日本共産党のビラ(都議会報告・区議団だより・区政への要望を聞くアンケート)を配布中に不当逮捕された。
ビラを配布中のAさんを見とがめた「住民」がいきなり携帯電話で警察に「PC(パトカーのこと)で来い」「ガラ(身柄のこと)は押さえた」「警備課につなげ」などと警察用語を使って通報し、自らAさんを「現行犯逮捕」し、駆けつけた警察官に引き渡したといわれる。年を越して勾留されていた。起訴後、300万円の高額保釈金で保釈された。
この弾圧は治安維持法下の言論弾圧を彷彿(ほうふつ)とさせる。立川・自衛隊官舎反戦ビラまき弾圧(12月24日に検察側が控訴)や「日の丸・君が代」強制をめぐる板橋高校元教員・藤田勝久さんへの「威力業務妨害罪」での不当起訴に続く、イラク侵略戦争下での言論・思想弾圧である。そしてこの三つの「事件」すべてを担当し起訴した検察官こそ極悪の治安検事・崎坂誠司である。
あらゆる政党、労働組合、反戦運動団体は、この不当弾圧を粉砕し、労働運動、反戦運動の前進をかちとるために、ともに立ち上がろう。
日帝・小泉政権の狙いは、憲法21条「言論の自由」の根幹を成す「ビラの配布」という表現手段を刑罰を用いて暴力的に抹殺することだ。この凶暴化は、これまでどおりのやり方ではもはや支配を貫徹できないと言う資本家階級の恐怖感の裏返しである。
日帝は、教育労働者の「日の丸・君が代」闘争の爆発や11・7労働者集会の高揚に大打撃を受け、階級支配の危機の中で、「このままでは体制が転覆される」という危機感にかられて、労働組合や大衆団体、人民への弾圧を強めてきているのである。
エスカレートする弾圧にうちかつカギは何か。労働者人民が団結して闘うことだ。革命党、労働組合、反戦運動団体などあらゆる形態で団結することが重要だ。団結こそ労働者階級人民の最大の反撃力である。
立川・自衛隊官舎反戦ビラまき弾圧で東京地裁の無罪判決をかちとることができたのは、3人の被告団の完全黙秘と多くの労働者人民の支援・連帯が結合したからである。完全黙秘は「仲間や運動を守る」という団結の現れであり、支援・連帯も労働者人民の団結形態のひとつである。
労働者人民の団結した闘いで、治安弾圧攻撃を粉砕し、1月21日開会した通常国会での「共謀罪」新設を絶対阻止しよう。
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週刊『前進』(2183号6面4)(2004/01/31)
新刊紹介 『現代帝国主義論U』 島崎光晴著 前進社1900円
労働組合運動に不可決の帝国主義批判の思想提示
05年冒頭に刊行された本書は、∧新指導路線∨と11・7労働者国際連帯集会の“申し子”のような本である。11・7集会の歴史的な成功のために決定的な役割を果たした中野洋動労千葉前委員長の『俺たちは鉄路に生きる2』に学び、また集会の直前に出た浜田茂夫同志の『国際労働運動の新段階』(前進社)の内容を引き継いで、「11・7の地平を踏み固め発展させる」実践的な理論書として本書が企画され、執筆された。それがなぜ現代帝国主義論なのか? それは「労働組合運動にとって、帝国主義批判の思想を磨きあげることが死活的となっている」(まえがき)からだ。既成の労働運動指導部が今日、路線的破産の姿をさらしている根拠が帝国主義への屈服にあるからだ。
労働者の目線に立つ帝国主義論
本書の特色を挙げよう。
第一に、本書には「今の世の中どうなってるんだ、生活はどうなるんだ、どうすればいいんだ」という労働者人民の一番切実で根本的な問いかけへの明快な回答がある。
労働者を取り巻く現実社会の仕組みや成り立ち、それらの最も大本にあるものは何かという問題にずばり答えている。今日の社会を資本主義一般ではなく帝国主義の社会(その体制の危機と没落)とみることによって、日本と世界のさまざまな動きや出来事の意味がつかめてくる。このままではいけない、何とかしなくては、と真剣に考え始めている労働者人民にとって、帝国主義を知ること、批判すること、それを打倒することの不可欠性が鮮明になる。本書には、ランク・アンド・ファイルの目線に立った現代社会の諸問題への果敢な切り込みがある。
何よりも本書は、途方もなく巨大で強力で抗しがたいと思われがちな帝国主義という「怪物」の全体像をわれわれの間近にぐーっと引き寄せ、地球儀かサッカーボールのような大きさにぎゅっと圧縮して見せてくれた。なんだ、これが帝国主義か、それなら一つ蹴とばしてやろう、という気持ちに読者を駆り立てる。帝国主義論を基本的な視点にすえることで初めて、労働者人民が階級的自己解放の闘いを貫くために不可欠な時代観・世界観が獲得できるということだ。
第二に、前提的な問題として、帝国主義という言葉・規定の復権がめざされている。
「第二次大戦後の資本主義について“もはや帝国主義ではなくなった”とする俗説があまりにも広まってきた」(第T部第1章)。これが現実である。だが、帝国主義の側がむき出しの帝国主義として労働者人民を攻撃している時に、労働者の側がそれを帝国主義と認めずにいるのはなぜだ、この状況を突破しよう、帝国主義批判の会話が労働者や労働組合の中で日常的に飛び交うような状況をつくりだそう、という著者の熱い思いがここにある。
世界中で今、「新自由主義」や「グローバリズム」が一種の流行語になっている。それらと「帝国主義」とはどういう関係にあるのか。これら新用語の核心は帝国主義間争闘戦と∧世界戦争の不可避性∨論の否定にあることが示される。
第三に、本書全体のテーマが第T部の表題にある「労働者を食わせられず三たび戦争へ」の論証に絞り上げられている。「労働者を食わせられなくなった帝国主義」は結局戦争に向かうしかない――このことの、理論的で具体的な論証である。
同時に、本書の真骨頂は、そういう帝国主義を労働者人民の手で倒そう、労働者階級が主人公の社会をつくろうと呼びかけ、労働者人民は必ず帝国主義を打倒できるという理論的な確信を与えていることだ。
アメリカ帝国主義を丸ごと把握
第T部第一章は、現代帝国主義の危機と没落についての総論である。基軸帝国主義=米帝が先頭に立って「外への侵略戦争、内への階級戦争」に突っ込むほどの危機と没落の深まり。ここに全世界的な革命的情勢の成熟、帝国主義打倒の現実性をとらえている。帝国主義の基本矛盾の爆発を軸にすえた世界認識。この一章もそうだが、全編をつうじて今日の帝国主義の具体的な動きがレーニン『帝国主義論』の内容のどこに当たるのかが的確に示されている。その意味でも、レーニン『帝国主義論』の生きた解説であり、その今日的復権の作業そのものだ。
第二章、三章はアメリカ帝国主義論で本書の中心部分。戦後の米帝の歴史的展開、過去百年間の米帝の階級政策―社会政策の中に現代帝国主義のすべての要素が凝縮されている。
ここでの現代米帝論と、第四〜六章の日帝論、EU論、韓国・中国の経済危機論は一体のものだ。米欧や韓国や日本で、共通の「戦争と民営化」攻撃に抗する労働者階級・労働組合の階級的な決起がランク・アンド・ファイル運動として一斉に芽吹き始めたことのマルクス経済学的・帝国主義論的な実証分析である。
「大量破壊兵器」の大うそでイラク侵略戦争を断行したブッシュ。エンロン、ワールドコムなど世界屈指の大企業の「会計粉飾」。帝国主義とはいかに腐りきった体制なのか、帝国主義支配階級とはいかに傲慢(ごうまん)で強欲な存在なのか。こういう腐敗・腐朽した帝国主義を労働者階級だからこそ倒すことができる、そういう確信に導くのが本書だ。
帝国主義論の明快なキーワード
第U部の「キーワードで読み解く帝国主義論講座」は、これだけで1冊の本ができるほどコンパクトで充実した内容の解説・入門講座だ。一つひとつの項目が帝国主義の本質や核心にあたるものを明快に解説しているだけでなく、各項目が互いに深い関連をもち、どこから読んでも帝国主義の全体像に結びついていく構成。一つの項目を読むと、次の項目も読みたくなる。
例えば「独占―分割」は帝国主義とは何かの本質を示す最大のキーワードであり、これが「強搾取と強収奪」「過剰資本」「世界分割」などを生みだす根源であることがよくわかる。だから、帝国主義とは「独占段階の資本主義(独占資本主義)」であるというレーニン『帝国主義論』の核心を破壊したスターリン主義の犯罪性が一層明確になる。
本書は、何よりも青年労働者と学生に向けて書かれている。学習し広めよう。
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週刊『前進』(2183号6面5)(2004/01/31)
『ドイツ・イデオロギー』 -学習の感想-
新鮮な提起に新たな出会い J・M
『ド・イデ』については、今まで一度も学習会をやったことも、参加したこともなかったので、本日の「学校」での提起そのものが新鮮だった。
これまでも、いろいろ断片的には聞いていたが、あらためて全体的な提起を聞き、自分の中での「新たな『ド・イデ』」との出会いという感がある。
内容的には、革命の問題を、「疎外が人類の大多数をまったく『無産者』として生みだしていること」「それが富と教養の現存の世界と矛盾するかたちで生み出していることが必要である」と出している点は、あらためて感動的に受け止めた。
今日の情勢は、文字どおり誰にでも分かるかたちで現れており、全世界の労働者階級が、この歴史観のもとに目覚めるならば、巨大な革命に向かっての歴史的実践が開始されるであろうと確信できた。
実践から学んだ理論に納得 S・R
マルクスがフランスの労働者集会に参加したり、チャーチスト運動や正義者同盟に触れてから『ド・イデ』を書いた、ということで納得できたものがあります。『新訳ドイツ・イデオロギー』50nの「大衆的規模での変化は、実践的な運動のなかでのみ、革命のなかでのみおこりうる」という所を、マルクスはどうして知ったのか不思議に思っていたのです。もしかしてシュレージエンの織工蜂起の現場に行って闘いに参加でもしたのか、などと想像していたのですが。
革命家として運動に触れる中で学んだものをとおして理論的に表現したということなら、それは理解できます。でも、よくここまで書けたな、と思います。
また、「第一の歴史的行為」の四つの側面と社会形態で社会の変革の問題を考える、というのが、労働者階級の解放の立場からとらえられた世界観の出発点だ、ということがはっきりしました。
分業論の所で図に書いて説明してくれたおかげで分かりやすかった。
唯物論的現実から出発する T・G
第1巻序文の冒頭部分が青年ヘーゲル派の観念論を批判したものである、という点について、マルクス主義基本文献学習シリーズ6の『ドイツ・イデオロギー』で書いてあったので気付いたが、私も間違って理解していました。
その上で、「観念論批判と観念作用の重要性を混乱させないこと」という今日の説明はすごく分かりやすかった。この両者を極端に取り違えてしまって、イデオロギー対現実、というような対立的なとらえ方をして混乱していました。
また、労働運動に主軸を置くことが何度も確認されてきたけれど、その最深の根拠となる部分が、今日の『ド・イデ』の説明で触れられていたと思う。「第一の歴史的行為」の一側面としての人間生活の物質的生産−という部分。唯物論的現実から出発するということ。
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週刊『前進』(2183号6面6)(2004/01/31)
訂正
前号6面の介護全国ネット総会の記事3段3行目の「胸を“」は「胸を張って要求しているんです」の誤りでした。おわびし訂正します。
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