ZENSHIN 2005/01/24(No2182
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週刊『前進』(2182号1面1)(2005/01/24)
労働者国際連帯の大前進をかけて 05年階級決戦の勝利へ
全労働者階級の団結の力で「日の丸・君が代」強制拒否を
「攻めのリストラ」と対決し05春闘へ
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日教組の教研全国集会に参加する教育労働者に「全国で『日の丸・君が代』不起立闘争に立ち上がろう」と訴える全国労組交流センターと全学連(1月7日 札幌) |
昨年11・7労働者集会の歴史的成功を頂点とする04年決戦の勝利の上に、われわれは勇躍して05年決戦に突入した。新年号論文(革共同政治局1・1アピール)の内容と路線で全党と労働者階級は武装し、進撃しよう。国際・国内の階級闘争、党派闘争は激しく動き出した。日帝・小泉=奥田路線の戦争と民営化(労組破壊)の攻撃も一段と激しさを増している。米軍大再編、教育基本法改悪、改憲の攻撃と、一方での日本経団連の「経労委報告」による「骨太方針W」の大エスカレーション。そこには帝国主義の体制的危機の激しさゆえの凶暴性がむき出しになっている。労働者階級の前には、この帝国主義を打倒しなければ生きていけない現実がはっきりと存在する。3月「日の丸・君が代」強制拒否の教労決戦の大爆発をもって05年階級闘争の壮大な展望を切り開いていこう。
第1章 東京の不起立闘争の拡大かちとろう
すでに05年の決戦は、教育労働者を先頭とした「日の丸・君が代」強制拒否、教育基本法改悪阻止の闘いとして、1・7札幌全国教研集会をめぐる闘いで火ぶたを切った。
日帝・小泉の戦争と民営化(労組破壊)の攻撃との闘いの当面の最大の焦点は東京の教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の闘いである。とりわけ都高教をめぐる決戦である。
一昨年の10・23都教委通達は、米日帝のイラク侵略戦争への突入(12月自衛隊の派兵決定)のもとでの教育反動であり、戦争への国家総動員態勢を最先端で強行するものであった。
「日の丸」とは戦争の旗であり、「君が代」とは「天皇の世が永遠に続くことを願う」歌である。それは日本帝国主義の侵略と戦争の歴史が奪った2000万人のアジア人民の命、310万人の日本人民の命によって血にまみれたものである。これを教育現場で強制するのは、再び戦争に子どもたちを駆り出そうとしているからだ。絶対に容認することはできない。
ファシスト石原が、「職務命令」をもって卒業式や入学式で「日の丸・君が代」を強制し、従わなければ処分するという攻撃を加えてきたのは、まさに戦前の教育勅語のもとでの学校の姿に変えてしまおうとするものであった。生徒が自主的に着席することに対しても、教員の責任を問うという暴力的な攻撃である。従わない教員は「不適格教員」、子どもを立たせられない教員は「指導力不足教員」として、処分しようとする大暴虐である。
これに対する昨年3月の「君が代」不起立闘争は、まさに戦時下の労働者の階級的なぎりぎりの地点での決起であった。それはちょうど100年前の「戦艦ポチョムキンの反乱」に比すべき闘いである。日露戦争中の1905年6月、ロシア黒海艦隊の戦艦ポチョムキンで、「ウジのわいた腐った肉」に対する怒りをきっかけに水兵の反乱が起こり、戦艦の支配を転覆し解放する闘いに発展した。
東京都の教育労働者は、「日の丸・君が代」強制の攻撃に黙って屈服してしまうことは人間として到底受け入れられない、と苦しみぬき、それぞれの孤独な「40秒間の闘い」を全力でやり抜いた。そして、それは一人ではなく、300人を超える決起となって爆発したのだ。このぎりぎりの魂の叫びとも言うべき闘いにすべての労働者が雷鳴に打たれたように衝撃を受け、階級的に受けとめ、その支持が全国に広がった。
それぞれは誰に指示されたのでもない、自然発生的な自発的決起であったが、全体としては巨大な一斉蜂起となって爆発したのだ。この闘いに感動し、これにこたえて立ち上がらないようでは、労働者階級の風上にも置けないということになってしまう。
この「日の丸・君が代」決戦は、全労働者人民の巨大な反戦政治闘争でもある。教育労働者自身の階級的決起を先頭に、革共同の総力を挙げて闘いの爆発を何がなんでもかちとろう。この闘いの中で、カクマルの「告訴・告発」運動の反革命性を徹底的に暴きつくし、3月の不起立闘争を大爆発させよう。
カクマルの「告訴・告発」運動は、教育労働者のやむにやまれぬ決起に打撃を受け、その拡大と発展を何とか押しとどめようとする動機から発したものである。石原や都教委の反動攻撃と闘うポーズは、たちまちにしてインチキさを自己暴露するものでしかない。彼らは、04年3月の教育労働者の不起立闘争が起動力となって全情勢を揺り動かしていることをまったく評価しようとせず、逆にそれを憎悪し、この闘いの拡大を推進する者を「挑発者」と非難している。
国鉄分割・民営化攻撃に中曽根の手先となって率先して協力し、国労や動労千葉の労働者に襲いかかってきたのがカクマルであり、JR総連である。そのカクマルが今、05年3月の「日の丸・君が代」攻防決戦に昨年を上回る大決起がかちとられようとしていることに恐怖し、全力で圧殺しようとしてきているのだ。
これを打ち破ることによってこそ、戦争に向かっての大攻撃としての「日の丸・君が代」攻撃との闘いも、教育基本法改悪攻撃・改憲攻撃との闘いの爆発もかちとることができる。
一切をなげうって、教労決戦とりわけ都高教の不起立闘争の拡大をかちとろう。教労決戦を軸に、郵政民営化阻止の全逓決戦、国鉄1047名闘争など4大産別決戦をかちとろう。
第2章 重大局面のイラク情勢と反戦の闘い
新年号アピールが明らかにしているように、米帝ブッシュの再選の意味するものは、イラク侵略戦争から世界戦争への決定的突進であり、帝国主義間の争闘戦と分裂の激化である。
米帝は、ブッシュ再選後直ちにファルージャに対する総攻撃に突入した。だが、それは戦略的に敗北し、米帝はベトナム侵略戦争以上の泥沼の戦争に縛り付けられてしまった。年末の12月21日には、イラク北部モスル南郊の米軍基地に砲弾が複数命中し、米兵ら22人が死亡、数十人が負傷するという大戦闘が起こった。米帝が大量虐殺の攻撃を強めれば強めるほど、民族解放闘争と、闘う勢力は強化され拡大される。
新年に入って、武装勢力の攻勢は一層激化し、4日にはバグダッド州の知事が射殺されるという事態に至っている。暫定政府のヤワル大統領が「国連の判断次第では選挙の延期もあり得る」と言わざるを得ないほど、1・30暫定国民議会選挙は破産的である。
米帝はしかし、もはや撤退することはできず、イラクにしがみつき、さらに侵略戦争をイランや北朝鮮へと拡大することで延命を図るほかない。05年の階級闘争の根幹に、この米日帝のイラク侵略戦争との闘いを据えなければならない。
スマトラ沖地震は、大津波を伴ってインドネシア、タイ、インド、スリランカなどインド洋沿岸諸国に巨大な惨禍をもたらした。米日欧の帝国主義諸国は競って「援助」を集中している。米帝は空母艦隊と沖縄の海兵隊を始め1万4400人の大規模派兵で被災地を制圧しようとしている。それは、アチェを始めとする独立運動、民族解放闘争を圧殺し、帝国主義的利権を奪い取ろうとするものである。これに対して日帝は、1600人の自衛隊を派兵し、陸海空3軍の統合運用を初めて行っている。
新植民地主義諸国人民の塗炭の苦しみに乗じて、帝国主義的利益と勢力圏化のためにのみ、日米枢軸のもとハイエナのように襲いかかる米日帝国主義の反革命策動を許してはならない。
奥田経団連が経労委報告
日本経団連の機関誌『経済Trend』1月号で小泉と対談している会長の奥田は、「小泉改革は時代の要求」と語り、「経済と政治は車の両輪であって、政治が枠組みをつくり、そのなかで経済がうまくやっていくのが一番理想的なかたち」などと言っている。これはまさに、小泉=奥田路線として労働者階級に対する政治・経済攻勢が強められていることを端的に示している。
昨年末出された日本経団連の「05年版経営労働政策委員会報告(経労委報告)」は「労使はいまこそさらなる改革を進めよう」というタイトルで全面的な資本攻勢をうたっている。
そこでは@「改革の手をゆるめてはならない。『攻めのリストラ』へと軸足をシフトしていかなれけばならない」と叫び、労働運動、労働組合を解体し、東アジア経済圏形成へ進む反革命宣言をし、A「ベースアップはその役割を終えた」と称してベアという言葉すら一掃し、労働運動を完全に解体しようとしている。B8時間労働制解体、労働法制解体を宣言し、C郵政民営化、公務員制度改革など徹底した行革を叫んでいる。D社会保障制度解体、大増税を宣言し、消費税率引き上げを主張している。Eさらには警察国家化と国民総背番号制度を強調し、F教育基本法改悪、憲法改悪を主張している。
ここに、日帝ブルジョアジーのすさまじい危機意識、資本主義体制の行き詰まりが示されている。
憲法改悪の攻撃も、今年は正念場の年となった。昨年末に、自民党は小泉を本部長とする「自民党新憲法制定推進本部」を立ち上げ、4月をめどに自民党改憲草案をまとめようとしている。さらに、衆議院憲法調査会も4月に最終報告をまとめるが、中山太郎会長は「最終報告では集団的自衛権を確認する」と踏み込んだ発言をしている。自民党結党50年のこの秋に向かって、きわめて重大な段階に突入しているのだ。
一方、経団連は「集団的自衛権の明記」「憲法96条(改正手続き)の変更」を主張する提言をまとめる。
さらに、小泉政権は、教育基本法改悪の通常国会提出に向かって突き進んでいる。「愛国心」問題がそこでの議論の焦点になっている。西村真悟が言う「お国のために命を投げ出してもかまわない日本人を生み出すことに尽きる」教育にすることに目的があることは明白である。
その上、海外派兵を自衛隊の本来任務とする、ミサイル迎撃を現場指揮官の判断で可能とするなどを盛り込んだ自衛隊法改悪、労働組合的団結を取り締まる「共謀罪」新設法案の攻撃など、通常国会では郵政民営化を頂点とする日帝・小泉の反動攻撃が目白押しである。断固対決し、粉砕しよう。
第3章 新年号アピールを学び主体化しよう
今年の本紙新年号論文は、きわめて重要な綱領的・路線的提起を行っている。11・7労働者集会が切り開いた国際連帯闘争の新地平は、アメリカ革命・日本革命・朝鮮革命−世界革命の道筋を照らし出したことを圧倒的に確認している。帝国主義の危機と革命的情勢の接近の中で、帝国主義を打倒する主体として世界の労働者の総決起の道が切り開かれたのだ。
「労働者階級はインターナショナルな存在であり、国際階級闘争の単一の軍勢だ。今こそ万国の労働者と被抑圧民族は団結し、世界革命の一環として、米日帝を始めとした国際帝国主義を打倒するために総決起しよう」。このすさまじい気迫にみちたアピールが、11・7集会の実践的教訓とし結論として全世界の労働者階級に発せられている。
この根底には、労働者階級の自己解放闘争としてのプロレタリア革命についての鮮明化がある。またそれはスターリン主義の根底的のりこえの問題でもある。
さらに政治局アピールは、「労働組合の革命論的意義の明確化」を提起し、レーニン『なにをなすべきか』の読み方においても、重大な内容的深化をかちとっている。スターリン主義が党を一方的に強調することでプロレタリアートを手段としてしまい、その革命的存在の解体に走ったこと、カクマルも同じであることを正しく見据え、スターリン主義をのりこえ、「党とソビエトと労働組合」の関係を正しく位置づけ直すところに新指導路線の真価があるのだということを提起している。
国際情勢、任務方針、6月都議選方針、日本共産党批判、カクマル批判、党建設の第7章に至るまで、徹底的な進攻精神に満ち、革命的一貫性をもって説かれており、全党員、支持者にとって、真に確信を固めて突き進むことができる導きの糸となっている。すべての同志と労働者人民がこの提起を徹底的に学びつくし、勝利に向かって団結を固め、前進しよう。
戦時下の治安弾圧粉砕せよ
戦時下において、治安弾圧の大エスカレーションが吹き荒れている。
1月13日、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の武建一委員長を始め4人の労働者を逮捕し、約30カ所の家宅捜索を強行する一大弾圧が起こった。これは労働者の団結と闘いに対する許しがたい攻撃であり、全労働組合にかけられた弾圧である。
また、東京・葛飾でマンションにビラをまいた日本共産党の活動家が逮捕・起訴された事件も、きわめて重大事態である。立川の自衛隊官舎へのビラまきに対する弾圧で、3被告が無罪判決を勝ちとったことに対する日帝権力の反動であり、絶対許さず、粉砕しなければならない。
これは、戦争体制への突入の中で、労働者がやむにやまれず決起することに対する恐怖にみちた攻撃である。逆に革命党が労働者階級の中に根を張り、労働者階級の決起の先頭に立って闘うことをとおして必ず打ち砕くことができる。
1〜3月教労決戦に全党のすべての力を振り絞って決起しよう。
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週刊『前進』(2182号1面2)(2005/01/24)
全国教研 “東京の闘い孤立させるな” 日教組の組合員に大情宣
日教組の第54次教育研究全国集会が1月7日から9日まで札幌市で開かれた。新たな戦争の時代の始まりの中で、闘う日教組としてよみがえることが問われる教研集会となった。
闘う教育労働者を先頭とした全国労組交流センターは、「『日の丸・君が代』強制反対/教育基本法改悪絶対阻止」の横断幕を広げて会場近くに登場、全学連の学生とともに約40人が「日の丸・君が代」強制反対と教基法改悪反対への決起を訴えるビラをまき、ハンドマイクで訴えた。
「都知事・石原と都教委による処分恫喝を打ち破って『日の丸・君が代』強制に不起立を貫いた被処分者は、この一年間、闘いを大きく発展させ、今年の卒入学式であらゆる重圧を突き破って再び不起立闘争に立ち上がろうとしています。東京の闘いを孤立させず、全国の教育労働者が連帯して立ち上がろう」。心からの訴えに、続々と参加する教育労働者が熱い共感を示した。雪道に足をとられながら、わざわざビラを受け取りに来る人、立ち止まってじっと聞く人、「平和教育部会でレポートをするので資料にしたい」と何枚もビラを持っていく人など、ビラは好感を持って受け取られた。「東京ではすごいことが起こっているんですね。様子を教えて下さい」「11月集会に参加しました」などと話しかけてくる教育労働者との交流は、被処分者のやむにやまれぬ決起が大多数の教育労働者に支持されていることを確信させるものだった。
日教組本部は、今次教研集会のテーマを「教育基本法を生かし、社会的合意の形成を」としている。これは、教基法改悪阻止を完全に放棄し、あらかじめ条件闘争・修正闘争を構えたものにほかならない。また特別分科会は「学力問題」に設定し、集中論議を行うとしているが、学力低下批判の中で打ち出された学力向上策は、能力主義競争に拍車をかけるものだ。国際競争を担う一握りのエリート養成に教育予算を集中し、戦争を担う青少年づくりのためには学力保障の切り捨てと「愛国心」教育=「日の丸・君が代」を強制する、これこそ教基法改悪の先取り攻撃だ。
日教組本部が「日の丸・君が代」強制と闘わないということは、教基法改悪に屈し、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを投げ捨てるということだ。絶対に許すわけにはいかない。
多くの教育労働者は教育現場の中で苦闘を強いられながら、「子どもたちを戦場に送る」先兵になることを拒否する闘いを求めている。だからこそ、教育労働者としての誇りと良心にかけて決起した東京の不起立の闘いは、全国の教育労働者はもとより、他産別の労働者の魂を揺さぶり、限りない勇気と闘いへの決意を呼び覚ましている。北海道でわき起こった「東京に連帯して卒入学式に決起しよう」の訴えへの、熱い共感と交流は、何よりもこのことを明らかにしている。
平和教育分科会でも、カクマルのこそくなやり方での「告訴・告発」運動の宣伝をはねのけ、日教組本部を突き上げる「日の丸・君が代」強制反対の闘いと教基法改悪阻止の闘いへの決起が熱烈に訴えられた。日教組本部が「日の丸・君が代」闘争を闘わない中で、平和教育分科会からも「日の丸・君が代」問題は後景化させられていたが、今卒入学式闘争の焦点として取り上げられたのだ。
教基法改悪・改憲の大攻撃と、団結・労組破壊攻撃が教育労働者と全産別の労働者に襲いかかっている。3〜4月卒入学式闘争の爆発に05年の労働運動と階級闘争の命運がかかっている。日教組全国教研集会への宣伝・扇動の闘いはその突破口を切り開いた。日教組再生の闘いとして05年の不起立闘争を東京を先頭に全国で爆発させよう。
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週刊『前進』(2182号2面1)(2005/01/24)
「戦争と死の教育」に怒りの反撃を
「日の丸・君が代」強制拒否し不起立闘争を拡大しよう!
団結して闘うことが勝利の道
全国の教育労働者の皆さん! 教育労働運動と教育をめぐる戦後最大の決戦が到来している。日帝支配階級は、「日の丸・君が代」の強制と教育基本法改悪で、戦後教育を根底から一掃し、日本の教育を「戦争と死の教育」につくり替えようとしている。そのために教育労働者の人間性・階級性を圧殺し、日教組を完全に屈服させ解体しようとしている。これに対して都の教育労働者は昨年春、「日の丸・君が代」強制の03年10・23都教委通達に対して、300人を超える不起立決起でファシスト石原と都教委に大反撃をたたきつけた。この闘いを引き継いで、今春卒・入学式闘争の大爆発をかちとろう。最大の決戦場が東京の都立校(高校・養護学校など)である。被処分者の会を先頭とする闘いの陣形を守って、今春闘争の大爆発をかちとり、その中から日教組の戦闘的再生をかちとろう。
“お国のために死ねる日本人”作り狙う石原
日帝・小泉政権は昨年12月、自衛隊イラク派兵の1年延長を閣議決定し、イラク侵略戦争に深々とのめり込み、「新たな15年戦争」を開始した。続けて新「防衛計画大綱」を閣議決定し、海外侵略軍隊への自衛隊の大転換の方向を打ち出した。今、小泉政権は米帝ブッシュ政権との日米枢軸を強化し、イラク侵略戦争、北朝鮮・中国侵略戦争―世界戦争に激しく突き進んでいる。これは帝国主義体制の末期的な危機の現れであり、今こそ全世界の労働者人民の闘いで帝国主義を打倒すべき時である。
今春の「日の丸・君が代」不起立闘争への総決起を訴える第一の理由は、何よりもこのような帝国主義の侵略戦争と真っ向から対決し、「戦争と死の教育」をきっぱりと拒否しようということである。この闘いに教育基本法改悪阻止・改憲阻止闘争の帰趨(きすう)もかかっている。
学校への「日の丸・君が代」強制は、侵略戦争・有事立法攻撃と一体のものである。教育労働者を「戦争と死の教育」の担い手に仕立て、天皇と国家のために戦って死ねる人間をつくり出すためである。教基法改悪は、現行教基法の全面的破棄であり、新たな「教育勅語」の制定ともいうべき大攻撃である。10条解体に示されるように、国家による教育支配を公然と宣言するものである。
東京・杉並区の山田宏区長は、9日の杉並区成人式で特攻隊の遺書を読み上げ、「『日の丸・君が代』の精神はこれだ」と演説した。この一事に攻撃の核心が示されている。「お国(=帝国主義)のために命を投げ出すことをいとわない」人間を大量につくり出すということなのである。
そのために、こうした国家の政策に少しでも反対し抵抗する者を、警察・検察を使って弾圧している。昨年10月の園遊会での「強制でないことが望ましい」という天皇発言は、春の決起に打撃を受けた天皇が“強制とか抗議とか騒がれる状態を一刻も早く鎮圧せよ”と、警察・検察に向かって命令したものである。
これを受けて検察庁は、12月になって板橋高校の元教員・藤田勝久さんを「威力業務妨害」のデッチあげで起訴した。これは「天皇にたてつく者は許さない」という不敬罪の復活であり、戦時下の教育・教員弾圧である。このような理不尽きわまる攻撃を絶対に粉砕しなければならない。
戦前、教育労働者への弾圧が吹き荒れて教育労働運動が絶滅させられ、そして学校が侵略戦争のための国民動員の機関にされていった。戦前の軍国主義教育が日本とアジアの人民に、どれほどの悲惨と苦難の歴史をもたらしたかを、あらためて思い起こそう。この侵略戦争の歴史をけっして繰り返さない、体を張った闘いが、今、私たちに求められている。
日帝・文科省と都教委は、天皇制の暴力と脅しの前に、日共スターリン主義や社民勢力が完全に屈服してきた弱点を突いて、「日の丸・君が代」の強制攻撃を仕掛けてきている。だから、これは日教組解体攻撃そのものである。
それは、教育労働者に起立・斉唱を強制するということにとどまらない。昨年3月の都議会で横山教育長は、「生徒たちが歌わなければ担任教員を処分する」と述べた。これは教育労働者が「日の丸・君が代」に消極的であることを許さない、命令に服従し、率先垂範し、積極的・主体的・能動的に「日の丸・君が代」を生徒に教えよ、子どもたちを戦場に送る教育を行え、ということだ。これをやらなければ「指導力不足」「不適格教員」のレッテルを張って首を切る、免許更新制の導入によって全部追放するというすさまじい攻撃である。
全国の攻撃の先頭を走っているのが石原だ。石原は「5年先、10年先になったら、首をすくめてみている他県はみんな東京のまねをするだろう。それが東京から国を変えることになる」と公言している。都の教育委員会は、高坂節三(経済同友会の改憲意見書をまとめた人物)の教育委員任命をもって、全員が石原指名の人物で占められた。
右翼ファシスト団体「新しい歴史教科書をつくる会」による、皇国史観、侵略戦争賛美の歴史教科書の全国での採択率10%確保を目標にした動きも強まっている。石原・都教委は、新設の都立中高一貫校での「つくる会」歴史教科書の採用を決めた。さらに、埼玉・上田、愛媛・加戸、神奈川・松沢など、「つくる会」系の首長−教育長ラインで採択を狙っている。
私たちは、攻撃の激しさをはっきり見据えて、闘いに臨まなければならない。教育労働者にとって、沈黙して嵐(あらし)が過ぎ去るのを待てばよいという情勢ではない。一歩譲れば二歩の後退を迫られ、二歩譲れば百歩の後退を強いられる、完全に屈服し、従順なロボットとなるまでやむことのない暴力的、内乱的攻撃である。ここで本当に団結して反撃に立ち上がらなければ、教育労働者自身が人間としてずたずたにされてしまう攻撃なのである。
教育が戦争の道具とされていった歴史を再び許してはならない。「教え子を再び戦場に送らない」という日教組運動の誓いを今こそ貫こう。
職場生産点から戦争協力拒否闘争の炎を
今春「日の丸・君が代」不起立闘争への総力決起を訴える第二の理由は、この闘いをもって、労働者の職場生産点からの戦争協力拒否、有事立法粉砕・改憲阻止闘争の大爆発を切り開こう、ということである。
「国民保護法」など有事立法が制定され、労働者の戦争動員の攻撃が強まっている。業務従事命令との闘いが全労働者の真剣で切実なテーマとなっている。この時、教育労働者の「君が代」不起立闘争は、まさに職場生産点からの職務命令拒否=戦争協力拒否の闘いである。これが職場から有事立法の発動を阻止し、改憲攻撃を打ち破る力をつくり出すのである。日教組の闘いの歴史が示すように、労働運動の中で教育労働運動の占める位置はきわめて重要なものがあり、必ず全労働者階級に波及する。産別を超えて全労働者階級の戦争協力拒否・改憲阻止の闘いへと燃え広がる。
4大産別決戦の勝利開こう
今春の「日の丸・君が代」不起立闘争への総力決起を訴える第三の理由は、小泉政権の「骨太方針W」に基づく労働運動解体攻撃を教育労働者が先頭に立って打ち破り、4大産別決戦の爆発を切り開こう、そして日教組を現場組合員の手に取り戻そうということである。
日帝支配階級は、4大産別(教労・自治体・全逓・国鉄=JR)など、国家権力機構内の労働組合を解体・一掃する攻撃を強めている。郵政民営化、公務員制度改革などは国鉄分割・民営化=20万人首切りに続く公務員労働運動の絶滅を狙う大攻撃であり、教育労働者への攻撃も完全にこれに連動した攻撃である。05年はまさに4大産別の重大な決戦の年なのである。
80年代の国鉄分割・民営化攻撃は、総評解体・連合結成による労働運動の帝国主義的再編の決定的な出発点であった。日教組は国鉄分割・民営化攻撃にすくみ上がり、ずるずると転向と屈服を遂げていった。政府・文科省、自民党とのパートナー路線は、その転向の表明であった。5項目の職場闘争の放棄こそ、職場から団結を奪い去った元凶である。この日教組の闘争放棄のもとで、全国の教育現場は今、多忙化と管理強化の労働地獄的状況に置かれているのである。週案作成や報告書に追われ、ものを考える時間すら奪われている。全国で4千人あまりの教育労働者が「心の病」を強制されている。日帝は、教育労働者から考える時間、仲間と語りあう時間、組合運動をする時間も余裕も奪い去って、個々ばらばらに分断し、団結を破壊しようとしている。
帝国主義の体制が行きづまり、外に向かっての侵略戦争と内に向かっての階級戦争を仕掛けてきている時に、闘わずして労働組合と組合員を守ることができるのか。まったく否である。
昨年春の決起は、「日の丸・君が代」強制反対を直接的な契機にしながらも、過酷な労働強化と権利破壊に対する、教育労働者のやむにやまれぬ根源的決起であった。それは「もう我慢ならない」という教育労働者の魂からの叫びであり、日帝・小泉―石原に対する怒りの爆発であり、「自分の魂まで売り渡せない」という階級的良心、人間的尊厳をかけた決起だった。ここに、日帝に屈服する既成労働運動を打ち破る、新しい労働運動の台頭がある。
春に東京と全国で「日の丸・君が代」闘争が爆発すれば、郵政民営化攻撃や公務員制度大改悪を打ち破る階級情勢を必ずつくり出すことができる。都の労働者にかけられた交通などの民営化攻撃、都労連解体攻撃を打ち破る展望もここから開かれる。断固、闘おう。
全労働者が不起立の宣言を発し総決起へ
日本帝国主義の攻撃はけっして敵の狙いどおりには進んでいない。逆に、日帝は労働者階級の巨大な反撃の始まりにおののいている。3600人が結集した昨年秋の11・7労働者総決起集会は、戦争と民営化(労組破壊)の大攻撃に対して、日本とアメリカと韓国の労働者が国際的に団結し、その力で帝国主義を打倒し、労働者が主人公の新しい社会をつくろうという熱気が満ちあふれた。そして、それは絶対に可能だという勝利の確信がみなぎった。この集会に東京の不起立闘争の被処分者が多数参加したことは、すべての労働者を励まし勇気づけ、05年決戦の爆発の展望を押し開いたのである。
昨年春以降の被処分者の闘いが示していることは、執行部が腐敗・屈服しているから労働者は闘えないということでは、まったくないということである。「執行部が闘う方針を出さないから、起立するしかない」などというカクマルは、本当に労働者の裏切り者なのだ。現場労働者の団結した闘いで、反撃の血路を切り開くことは絶対にできる。今や、都高教の真の執行部は、闘いを放棄した本部役員ではなくて、被処分者の会をはじめとする闘う教育労働者たちだ。
反動うち破り都高教決戦を
勝利の道はどこにあるか。動労千葉のように闘うことである。動労千葉は、80年代に吹き荒れた国鉄分割・民営化の大攻撃に対して、屈服するのではなく断固対決して闘う道を選択し、2波のストライキを打ち抜いて組合員の団結を守った。そして今、不当配転された組合員の現場復帰を次々とかちとり、1047名の解雇撤回闘争を闘い、労働運動の新たな階級的・国際的潮流の中軸となって、意気高く、団結固く闘い抜いている。
動労千葉のように闘えば勝てる! 動労千葉の闘いの教訓を徹底的に学んで決戦に立とう。
不起立闘争の断固たる継続と拡大こそ、処分攻撃を粉砕する最大の力である。ファシスト石原や横山・都教委のどんな脅しにも、都の教育労働者はけっして屈服するものではないことを、昨年を超える不起立闘争の大爆発で突きつけてやろうではないか。
最大の勝負は、東京、とりわけ都教委直轄の都立高校での闘いである。全国の力を総結集して、都高教決戦に必ず勝利しよう。都高教7000人が決起したら必ず石原・都教委の攻撃を打ち破ることはできる。都高教7000人の総決起をめざし、分会ぐるみで闘いに立とう。この闘いの中から、闘う都高教、闘う日教組の再生をかちとろう。
日本共産党スターリン主義やファシスト・カクマルが、職場からの実力闘争の爆発に危機感をあらわにして“処分や弾圧を受けるような不起立闘争はやめよ”と策動している。カクマルの「告訴・告発」運動は、「日の丸・君が代」不起立闘争を「挑発者」「組合運動からのハミダシ」と罵倒(ばとう)して、不起立闘争の破壊を策動するものである。こうした大反動を打ち破って、今春卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発を全力で闘い取ろう。
〔革共同教育労働者委員会〕
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週刊『前進』(2182号2面2)(2005/01/24)
「つくる会」幹部・高橋 教委任命に抗議 240人が埼玉県庁にデモ
上田清司埼玉県知事は12月20日、多くの反対の声を押し切って「新しい歴史教科書をつくる会」幹部の高橋史朗を教育委員に任命する人事案を県議会に提案、県議会はこれを賛成多数で可決した。しかし、この事態は闘いの終わりではけっしてない。逆にそれは、怒りに火をつけ、05年卒・入学式闘争、県教委包囲・監視闘争、教育基本法改悪阻止闘争、05年教科書採択をめぐる闘いへの大きな出発点となった。
県議会最終日の20日午前11時、県庁内では高橋の任命に反対してきた教育学者や議員が、知事の特別秘書と対峙していた。「高橋氏を教科書採択に関与させない」と回答しながら、わずが4時間後にそれを撤回した12月16日の野本特別秘書の対応や、この問題に関する17日の回答が回答になっていないとして、再度の面談を求めたのだ。
17日以後、野本特別秘書が、「教科書の監修者が教科書採択にあたっても違法として強制排除できない」とする文科省見解なるものを県議会議員に配布していた事実が判明していた。上田知事は反対運動の高まりに動揺し、いったんは「高橋を採択任務から外す」と言明せざるをえなかったが、「つくる会」勢力の反動に押されて前言を撤回した。「任命に法的問題はない」と文科省に言わせることで、県議会での人事案の採決強行を狙ったのだ。
しかし、この文書の真偽に疑問をもった反対運動側は、その確認を求めていた。面談時間ギリギリになって、社民党国会議員をつうじて「『強制排除できない』という文言は文科省の述べた言葉ではない」とした同省の回答が伝わった。
これで事態は一転し、野本特別秘書は文書を全面回収せざるをえなくなった。県議会議運はストップ。だが、強行以外に手段のない上田知事と議会保守派は、数時間後に文書偽造問題を「係官が文科省に問い合わせて口頭で回答してもらったのを、勉強のためにメモにしていたものが、なぜか特別秘書の手に渡った」などとごまかし、午後3時過ぎに県議会を再開、人事案の採決を強行した。野党のみならず公明党やマスコミからも「不透明」「疑義がある」という意見が出る中での強行可決だった。
一方、午前11時からの浦和駅西口でのリレートークには多数の市民、教組の組合員がかけつけ、駅頭を埋め尽くした。上田知事による高橋任命を弾劾するアピールが続いた。県庁に向けたデモは最終的には240人の隊列となり、日教組系、全教系の両教組の旗がはためいた。
前日19日夜の緊急抗議集会には会場に入りきれない150人が結集した。議会傍聴にも190人が集まった。任命案は可決されたが、「闘えば勝てる」という実感を誰もが持った。
一方、反対運動の高まりに焦った「つくる会」は、藤岡信勝の講演会を開いて県議を恫喝し、任命後も「任命は法的に問題なし」とする反動的主張を数回にわたり地元新聞に寄稿して必死の防戦を図っている。しかし、賛否両論が県政を揺るがした事態をもはやかき消すことはできない。
闘う側は「最初から傷を受けた」教育委員人事を今後さらに追及し、高橋に何もできない状態を強制する決意を固めている。
高橋は、任命後の記者会見で「『日の丸・君が代』については学習指導要領に基づいて行う」と、早くも東京都並みの「日の丸・君が代」強制の意図を明言した。教育長も「国旗の掲揚状態について改善する」と言う中で、05年卒・入学式における「日の丸・君が代」強制反対闘争に火がつくことは避けられない。
05年卒・入学式闘争が爆発すれば、そのエネルギーはさらに続く3人の教育委員の欠員補充をめぐる闘いや、ジェンダーフリー教育に対する攻撃との闘い、教科書採択の闘いなどに大きく影響していくに違いない。これら職場・地域での現場の闘いこそ、教育基本法改悪を阻む最大のエネルギーだ。高橋人事を「思いあがった敵失」に転化するために全力で闘おう。
(投稿/埼玉県A)
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週刊『前進』(2182号2面3)(2005/01/24)
“強制の教育”に反対 闘いの正念場へ1900人集会
1月10日、「変えよう!強制の教育/学校に自由の風を/1・10大集会」が東京・日比谷公会堂で開かれ、1900人が参加しました。主催者は「自由の風」実行委員会。
集会はリレートーク、講演、群読、ビデオ上映と朗読、李政美(イジョンミ)さんの歌、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を使った授業の寸劇、アピールなど、多彩なものでした。リレートークでは、「警察との連携強化」に向かう学校の実態や、枝川朝鮮学校への立ち退き攻撃、定時制の統廃合問題などが弁護士、保護者、当事者から語られました。
劇作家の永井愛さんのシナリオをベースにした群読では、被解雇者・被処分者たちが登場し、自分の言葉で「処分を覚悟で不起立を貫いた」闘いを語り、参加者に感銘を与えました。李政美さんの語りも「京成線」の歌も「在日という存在」の歴史と重さを迫るものでした。そのほか、多くの人たちが教育を押しつぶそうとする石原都政への怒りを表明しました。
「これ以上、子どもたちを追い込まないで」という演題で青木悦さん(教育ジャーナリスト)が、「いまこそ教育に自由を」という演題で高橋哲哉さん(11・6集会呼びかけ人)が講演しました。高橋さんは、1891年に内村鑑三が教育勅語への拝礼を拒み教員を免職された「不敬事件」に触れて、内村鑑三が「政治的自由と信教の自由(思想・良心の自由)は自分が経験しているような試練なくしてあがなうことはできない。『いざ我らをして闘い行かしめん』」と語ったことを紹介し、「その言葉を『日の丸・君が代』と闘い、苦悩している皆さんに勇気をもってもらうように言いたい」と述べました。
また、「自由の風首都圏ネット」をつくろうという提案が行われました。参加者が今年の「日の丸・君が代」闘争と教育基本法改悪阻止闘争をいかに闘うかという切実な問題意識を持って集まったことは、1900人という数にも現れています。いよいよ闘いの正念場だと強く思いました。
(投稿/東京・N)
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週刊『前進』(2182号2面4)(2005/01/24)
12・17〜12・30
公務員首切りへ政府行革大綱
日商9条改憲の中間報告/フリーター5年で倍増
●日商が憲法改悪の中間報告 日本商工会議所は、「自衛のための戦力保持」を明記するなど9条の全面改悪を明記した「憲法問題に関する懇談会」の中間報告を発表した。(17日)
●労働政策審議会、時短促進を否定 厚労省の労働政策審議会は、「今後の労働時間対策について」とする建議を提出した。年間総実労働時間1800時間の目標達成を掲げている時短促進法を改悪し、「多様な働き方」を口実に労働時間規制を除外する方向で検討すべきとしている(17日)
●連合が中央闘争委員会 連合は中央闘争委員会を開き、「05春季生活闘争当面の方針(その1)」を確認した。(17日)=要旨別掲
●JR西、能力主義の徹底化へ JR西日本は、年齢給を廃止し、同一の賃金等級に一定期間とどまると昇給はゼロになる職務遂行給を導入するなど、年功的な賃金・処遇制度を改める方針を決めた。労組には提案ずみで、06年度からの実施を目指す。本格的な能力主義の導入はJR各社の中でも初めて。(17日)
●日本たばこ産業、希望退職応募者4500人以上 日本たばこ産業(JT)は、希望退職への応募者が4500人以上に達する見通しを明らかにした。全労働者の2割以上になる。(21日)
●国家公務員の1割減へ新行革大綱 政府は「今後の行政改革の方針」(新行政改革大綱)を閣議決定した。国家公務員の定員について、05〜09年の5年間に10%以上削減することを目指すなどとしている。(24日)
●地方公務員の給与が国の水準を下回る 総務省は地方公務員給与実態調査の結果を発表。地方公務員の給与水準は地方公共団体平均で97.9となり、国の水準(100)を下回っている。地方公務員総数は前年比1.1%減の約308万人だった。(24日)
●総務省が地方自治体の特殊勤務手当廃止の方針 総務省は03年度の特殊勤務手当実態調査を公表し、国にはない特殊勤務手当について「時代の変化を踏まえ、必要性及び妥当性を改めて検証する必要がある」と指摘。(27日)
●11月の完全失業率、0.2ポイント減 総務省統計局が公表した労働力調査によると、11月の完全失業率は4.5%で前月に比べて0.2ポイント低下した。厚労省が発表した一般職業紹介状況によると、11月の有効求人倍率は0.92倍となり、前月を0.04ポイント上回った。(28日)
●フリーター、5年間で倍増 20歳から24歳までの男性労働者全体に占めるフリーターら「非正規労働者」の割合がこの5年間で倍増していたことが、内閣府経済社会総合研究所の分析で分かった。(30日)
連合「2005春季生活闘争当面の方針(その1)」概要
3月16〜19日が先行組合の集中回答ゾーン、3月22〜26日が中小組合の集中回答ゾーン。(4年連続の統一ベア要求放棄で、職場点検活動から賃金実態把握の言葉も消えて、賃金闘争を完全に否定している)
●当面の闘いの進め方
1 政策制度の取り組みと行動
・雇用と地域を最優先とした予算編成
・定率減税の縮減・廃止反対
・パート労働者の均等待遇の法制化
・社会保障全体の抜本改革をめざす
2 職場総点検活動などの展開
法律・労働協約の遵守、安全問題への対応の徹底、不払い残業問題など
3 中小地場組合の格差是正の取り組み
賃金カーブ確保+500円、または賃金カーブの確保相当分5200円+500円以上
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週刊『前進』(2182号3面1)(2005/01/24)
動労千葉 スト配置し総決起体制
旗開きで05年春闘勝利へ方針 “組織拡大に全力あげる”
動労千葉は1月8日、「2005年団結旗開き」を千葉市のDC会館で開催し、組合員と支援の労働者ら150人が結集した。04年の地平に確信を深め、組織拡大を軸に闘う決意があふれた“闘春”を迎えた。
君塚正治副委員長が「労働者は闘わなければ生きていけない時代だ。1年間、元気に闘いたい」と開会あいさつ。「昨年以上の飛躍を実現する」と言う長田敏之書記長の司会で、まず田中康宏委員長が年頭のあいさつを行った。
田中委員長は、「05年は戦後60年の節目の年だ。戦争を止めることができるのか、労働者の権利・雇用・賃金を守ることができるのか、正念場に入っている」とした上で、「昨年、ついにJR体制の厚い壁を破り、強制配転者の原職復帰を実現する画期的な成果を実現した。年頭からさらに職場復帰する予定だ。堤防決壊まで突き進むというファイトを燃やしている。4年越しの組織の総力を挙げた闘いの成果だ。また、動労千葉の闘いが世界から注目され、11・7全国労働者総決起集会が画期的に成功した。この1年間の教訓は、一人ひとりの労働者、その団結体である労働組合は本当に大きな可能性を持った存在であるということだ。5月に中村書記長が急逝するという困難をのりこえて突き進んできた」と、04年の闘いを総括した。
05春闘をめぐる情勢については、「アメリカでブッシュが再選され、イラクの泥沼の戦争に突き進む情勢の中での春闘だ。教育基本法・憲法改悪が動き出し、『骨太方針』の大民営化・非正規雇用化攻撃の中での春闘だ。日本経団連の経営労働政策委員会報告は『攻めのリストラ』を叫び『ベア』や『正社員』の言葉もなくすと言っている。JRをめぐっても、安全問題、カクマル問題、要員問題の矛盾がせきを切ったように噴き出す」と述べ、「動労千葉は、この情勢に立ち向かえるような団結をかけてストライキを配置して05春闘に臨みたい。反合・運転保安闘争の強化・再構築を図る。貨物の賃金制度改悪阻止、シニア制度撤廃、定年延長に向けた闘いも焦点となる。強制配転粉砕・原職復帰の第2ステップとしても構える」と春闘方針を提起した。
また、労働運動全体の攻防の焦点として、以下の3点を挙げた。
@「日の丸・君が代」闘争で、東京で去年を上回る不起立を実現すること。
A1047名闘争で、国労、全動労、動労千葉が団結することに対する反動を跳ね返すこと。動労千葉も昨年12月24日、鉄建公団訴訟に立ち上がった。
B3月20日、イラク開戦2周年の闘いをナショナルセンターの枠を越えた闘いとして実現すること。
そして最後に、「全組合員が全力を挙げて組織拡大に立ち上がろう。国際連帯と組織拡大が結合した時に動労千葉の底力が発揮される。これが実現できた時に動労千葉の闘いは本当に全国にインパクトを与える」と檄(げき)を飛ばした。
連帯のあいさつでは、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が「労農連帯の旗を掲げて40年。動労千葉と一緒に闘ってきて本当によかった。三里塚は勝利を見るまで闘い続ける」と語り、動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士は、鉄建公団訴訟に勝利する決意を明らかにした。
動労千葉争議団の高石正博さんは、鉄建公団訴訟の当該として、「これからもう一踏ん張り頑張る」と述べた。
田中委員長と家族会の佐藤正子会長による鏡開きに続き、中野洋前委員長が「今年は本当に正念場だ。みんなで頑張ろう」と乾杯の音頭をとった。
動労千葉の各支部を代表し、新小岩支部の佐藤正和支部長が貨物合理化と闘う決意を語り、幕張支部の山田護支部長が「幕張支部に続々と活動家が帰ってくる。敵の矛盾を突いて勝利の年にする」と、意気高く決意を明らかにした。
動労千葉とともに、05春闘を全力で闘おう。
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週刊『前進』(2182号3面2)(2005/01/24)
動労千葉 被解雇者が鉄建公団を提訴
昨年12月24日、動労千葉の9人の組合員が鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧鉄道建設公団)に対する訴訟を東京地裁に提起した。9人はいずれも国鉄分割・民営化に際し不当にもJR採用を拒まれ、90年4月1日には国鉄清算事業団から解雇された1047名の一員だ。原告は、国鉄清算事業団を引き継ぐ旧鉄建公団に、@解雇の撤回、A未払い賃金と慰謝料の支払い、B謝罪文の交付・掲示、CJR東日本への採用要請――を求めている。厚生労働省記者クラブで記者会見をした原告の高石正博さん、中村俊六郎さんは、「不当労働行為の実行者を暴き出し追及する」「国家的不当労働行為があったことを裁判所に認めさせ勝利したい」と語った。
27日には全動労争議団も旧鉄建公団を相手に訴訟を起こした。国労闘争団、動労千葉争議団、全動労争議団が、鉄建公団訴訟という形で統一行動に踏み出したのだ。国鉄闘争の解体を策す国労本部=酒田・革同執行部を打倒し、1047名闘争の発展をかちとろう。
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週刊『前進』(2182号3面3)(2005/01/24)
国労本部は組合員をまた権力に売るのか 「法的措置とる」と脅迫文書送付
国労本部は昨年12月9日、「国労に人権と民主主義を取り戻す会」に対して内容証明郵便を送りつけてきた。
その内容は、12月2日に「取り戻す会」など闘う国労組合員が行った国労本部への要請行動を「業務妨害」と決めつけ、「今後自らまたは第三者をして同様の行為に及んだ場合には、法的措置をとることも検討(する)」とわめき立てるとんでもないものだ。
「法的措置」とは“警察に被害届を出して逮捕させる”ということだ。国労本部は、02年5・27臨大闘争弾圧に続き、「取り戻す会」を始めとした国労組合員に対し、「本部に盾突く者は警察に売り渡すぞ」と卑劣きわまる脅迫に出てきたのである。
JR本体からの反乱におびえる
酒田・革同執行部は国鉄闘争のすべてを投げ捨て、組合員の一切の闘いを押しつぶして国労を自ら解体し、連合に合流しようと策している。1月29日の国労中央委員会を前にこうした恫喝文書を出した酒田らの意図は、「国鉄闘争終結宣言」と言うべき大反動を押し貫くために、それが引き起こす組合員の抵抗と反乱を、弾圧の恫喝であらかじめ封殺しようとすることにある。国鉄闘争は、文字どおりその存亡をかけての死闘戦に入ったのだ。
これまで酒田・革同執行部は、「4党合意に基づく解決のため」と称して、鉄建公団訴訟に決起した闘争団員への生活援助金の支給凍結や、3年間の権利停止の統制処分、さらに国労組合員ら8人を逮捕・起訴させた5・27臨大闘争弾圧など、許しがたい暴挙を繰り返してきた。
昨年9月には配属差別12事件の屈辱的な一括和解を強行し、11月には「手続きをし忘れた」というふざけきった「理由」で本州採用差別事件(東京・仙台関連)の上告を投げ捨てた。
そして今、酒田は「JR東日本の労務政策が変わった」「正常な労使関係を確立する」と称して、昇進差別事件を始め国鉄分割・民営化以来の100件以上(救済対象者1万5千人)の争議案件のすべてについて、「和解」すると公言している。
闘争団の闘いへの数限りない敵対の末、今度はJR本体組合員の闘いに照準をあて、その解体へとのめり込んできたのである。
酒田が発した脅迫文書の重大な点は、「取り戻す会」が行う要請行動だけでなく、「第三者をして同様の行為に及んだ場合」も「取り戻す会」がやったと見なして「法的措置を検討する」としていることだ。しかも酒田はあえて「取り戻す会」の代表らを名指ししている。
それは、酒田・革同執行部が、闘争団だけでなくJR本体組合員のすべてを敵に回すような、すさまじい反動を企てていることを示している。
1047名闘争の発展に敵対
だが、国鉄闘争は今、1047名陣形の力強い発展という新たな局面を迎えている。12・1日比谷野音集会には3600人が結集した。4・13集会に続いて国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団がそろって登壇し、鉄建公団訴訟を闘うことを誓い合った。
この集会に対し、国労本部は11月26日、日共中央や全労連の一部幹部と結託し、建交労本部を引き込んで急きょ日比谷集会を設定して敵対した。しかし、それは平和フォーラムや全労連、全労協などの協賛を受けながら、1200人も集まらず大破産を遂げた。
11月30日には9人の国労闘争団員が新たに鉄建公団訴訟に決起した。さらに12月24日には動労千葉争議団が、12月27日には全動労争議団が鉄建公団訴訟に立ち上がった。反動と敵対を打ち破り、1047名が鉄建公団訴訟という形でついに統一した闘いに踏み出したのである。
この闘いとJR本体組合員の決起が結びつくならば、酒田・革同執行部を打ち倒し、国労と国鉄闘争を根底から再生させることは必ずできるのだ。
5・27弾圧粉砕を軸に国労再生へ
国鉄1047名闘争の新たな発展は、酒田・革同執行部を追いつめている。
「取り戻す会」の要請行動は、本部が鉄建公団訴訟原告に対して不当にも支給を停止した生活援助金の積立金1億7千万円を、即時無条件に闘争団員に支払うよう求めたものだった。
国労組合員たちは、正式な要請文を持って整然と行動した。にもかかわらず、国労本部の役員たちは文書の受け取りを拒否し、「業務妨害だ」と叫んで逃げ去ったのだ。そればかりか、生活援助金の凍結解除や本州採用差別事件の上告放棄への質問に対してもまったく答えようとせず、逆に悪態をつく始末だった。
そもそも、組合員の要請行動を「業務妨害」などと非難すること自体、断じて許せないことである。組合員が組合本部におもむき要請することは、当たり前の行為である。まっとうな組合役員ならば、これに真摯(しんし)に耳を傾けて当然だ。「業務」と言うなら、そうした対応をすることこそ組合役員の「業務」ではないか。
ところが酒田らは、要請行動した組合員に「法的措置をとる」と叫び立てているのである。組合員を敵視し、「警察に売り渡すぞ」と脅迫する組合幹部がいったいどこにいるのだ!
万策つきた酒田・革同執行部が最後に頼るのは、またしても警察権力だったのだ。この酒田・革同に「助言」を与えている国労弁護団も共犯者である。
酒田・革同執行部は今やすべての国労組合員を敵に回そうとしているのだ。これを打倒し、国労の再生をかちとる最も基軸的で有効な道は、5・27臨大闘争弾圧を打ち砕く闘いを不屈に貫くことにある。
1月29日の国労中央委員会闘争(熱海・ニューフジヤホテル)に総決起しよう。酒田・革同体制に代わる闘う執行部を今こそ打ち立てよう。
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酒田が内容証明郵便で送付した恫喝文章(抜粋)
さる12月2日、「国労に人権と民主主義を取り戻す会」と称する団体の共同代表のAや事務局長のBらが、事前の連絡もなく約20名で交通ビル4階の本部事務室に無断で立ち入り、ビラ及び要請書等を配布するとともに、要請書の受領と対応を求めてきた。
同人らは、本部役員が再三再四「対応できない」旨を伝えているにもかかわらず、執拗に面会を要求し、かつ、役員らの注意および制止を無視して、長時間にわたり役員らの業務を妨害するに至った。このような行為は極めて悪質であり、組合員であるからといって到底許されるものではない。これまでも同人らによる同様の行為が繰り返し行われてきたが、通知人組合としてはこれ以上かかる行為を看過することはできない。
よって、通知人組合は被通知人に対して、今後このような行為に及ぶことのないよう厳重に抗議するとともに、被通知人が今後自らまたは第三者をして同様の行為に及んだ場合には、法的措置をとることも検討せざるを得ないので念のため通知する。
2004年12月9日
通知人 国鉄労働組合
中央執行委員長 酒田 充
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週刊『前進』(2182号3面4)(2005/01/24)
三里塚が新年旗開き 反対同盟 3・27全国結集を訴え
三里塚新年初デモ
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「成田空港の軍事利用を許さないぞ!」と反対同盟を先頭に敷地内をデモ行進し、午後からの旗開きに臨んだ(1月9日) |
1月9日、三里塚芝山連合空港反対同盟の新年旗開きが行われた。反対同盟を始め、人士・支援者ら150人が参加し、和やかな中にも、勝利感と暫定滑走路粉砕へ05年を大いに闘う意気込みがあふれた。
旗開きに先立ち午前中に敷地内で新年初めてのデモが行われた。風のない穏やかな晴天のもと、150人が暫定滑走路の横っ腹を貫く団結道路に結集した。
北原鉱治事務局長が、「三里塚闘争は40年目を迎えます。この地に立ってみて、成田空港の完成を確実に阻んでいることを再確認できます。反対同盟と全国の闘う人びとが阻んでいるからです」と格調高く新年のあいさつを行い、さらに米日両政府がアジア侵略戦争のために成田空港を使おうとしているのは明らかだとして、成田軍事空港粉砕へ、三里塚闘争を反戦の砦(とりで)として闘うことを訴えた。
デモの途中で東峰神社に立ち寄った。東峰神社は昨年11月に改修され、社殿の屋根が銅板にふき替えられている。東峰住民の萩原進事務局次長が鳥居も近日中に石製に新しくなることをなどを報告。しめ縄を付け替え、参拝した。
旗開きは成田市内で午後から行われた。鈴木謙太郎さんが、「05年の新春を反対同盟はかつてない勝利感をもって迎えている。成田空港会社はいまだ展望を見いだせず、暫定滑走路の欠陥は空港経営を圧迫している。農地は豊かな実りをもたらし、われわれの闘志は不動である」と「2005年闘争宣言」を発した。
北原事務局長が3・27全国集会への結集を呼びかけた。天神峰の市東孝雄さんは、「動労千葉を始めとする労農連帯が敵の攻撃をはね返す力を蓄えてきた。三里塚闘争を全国に広げ、3・27全国集会へ一人でも多くの結集を」と訴えた。
葉山岳夫弁護士、動労千葉の田中康宏委員長、全関西実行委員会代表世話人の永井満さん、北富士から忍草国有入会地守る会の天野豊徳会長と忍草母の会の天野美恵事務局長、婦人民主クラブ全国協代表の西村綾子さん、部落解放同盟全国連、都政を革新する会代表の長谷川英憲さんらがあいさつ。天野豊徳さんは、「三里塚とともに歩んでいきたい」と語り、長谷川さんは石原都政打倒と都議選の必勝を表明した。
革命的共産主義者同盟を代表して天田三紀夫書記長が、三里塚闘争の勝利は動労千葉労働運動の前進と一体だと発言した。
最後に萩原さんが、「黒野総裁(当時)の北側延伸の決断が必要という発言から1年がたつが、40年闘ってきた反対同盟は、なまくらではない。暫定滑走路は暫定のままを強制してきた」と勝利を確認。さらに成田から自衛隊を公然と派兵できない状況も強制していると指摘し、現闘本部裁判や農地を守る闘いを全国の支援で闘おうと訴えた。
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週刊『前進』(2182号3面5)(2005/01/24)
1・30関西新空港闘争へ 湾岸住民4団体などが案内状
1月30日の関西新空港反対集会への案内状が主催団体から発せられた。呼びかけにこたえ全国から泉佐野現地闘争に駆けつけ闘おう。(編集局)
ご案内
新年おめでとうございます。2005年を勝利するために共に闘いましょう。
昨年は自衛隊のイラク派兵を阻止するために年初から連続的に闘いました。そしてイラク侵略1周年の3月20日には全世界で連帯した1000万人反戦デモを行い、労働者人民の力を示してきました。また10月17日アメリカでMWM(百万人デモ)という運動が始まり、その流れは11月7日東京、11月14日韓国ソウルへと広がり、国際連帯闘争が飛躍的に拡大しました。
2005年は国際連帯をさらに強めイラク侵略を止め、全侵略軍をイラクから撤退させるために闘う年です。ブッシュが再選され、米帝はますます泥沼の侵略戦争を拡大するしかない危機に陥っています。今年は、この情勢に危機感をもって起(た)ち上がる人民が急速に増えるでしょう。アメリカ国内の反戦闘争を中心に侵略国内の反戦闘争を爆発させ、そしてイラクはじめ中東諸国の民族解放闘争が一つに繋(つな)がれば必ず戦争を止めることができます。昨年の闘いはその展望を示しました。
小泉政権は戦後60年を迎えた今年、教育基本法改悪から憲法改悪に突き進もうとしています。イラク侵略戦争から世界情勢は一変し、小泉政権は本格的な侵略戦争ができる国に「飛躍」しない限り生きていけないという危機に直面しているからです。それは同時に労働者人民が起ち上がる情勢をつくりだしています。
こういう情勢の中、関西新空港闘争も重要な決戦を迎えています。昨年9月、有事法制にもとづく「指定公共機関」に関空と成田が入れられました。関空は成田とともに侵略戦争の中心に位置づけられたのです。関空闘争は、日米帝の侵略戦争を阻止する闘争として闘わなければなりません。戦時下の反戦闘争として、国際連帯を強めて闘いましょう。
関空2期工事に反対する闘いが最大の課題です。関空は便数と旅客が激減し、昨年は過去最低水準の10万回にまで減りました。空港はガラガラで2期事業の必要性はまったくありません。それにもかかわらず小泉政権は今年度予算案に531億円も計上し2007年2期供用開始を決めました。軍事空港建設のためなら血税をいくらでも投入するということです。
また関空によって地元・泉佐野市が財政破綻(はたん)しました。新田谷市政はそれを乗り切るために福祉を全面的に切り捨て、公共料金を府下最高に上げ、職員給与を下げるなど市民と職員に犠牲を押しつけています。市民と職員の怒りが大きくなっています。闘うチャンスです。
神戸空港を阻止する闘いも重大局面です。神戸港と共に侵略拠点にするために建設しようとしています。住民は懸命に闘っています。2006年2月16日開港を阻止するために共に闘いましょう。
2005年1月
大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)
関西反戦共同行動委員会
記
関空2期阻止・軍事空港反対! 米軍・自衛隊をイラクから撤退させよう!
関西新空港反対集会
とき/1月30日(日)午後1時半集合、2時開会
ところ/りんくう公園夕日の見える丘(泉佐野市りんくう駅下車2分)
主催/大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)、関西反戦共同行動委員会
集会の後、泉佐野駅までデモします。
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週刊『前進』(2182号3面6)(2005/01/24)
狭山要請行動 石川さん本人尋問を “盗聴”の最高検を追及
部落解放同盟全国連合会と解放共闘は昨年12月20日、石川一雄さんと連帯して狭山最高裁・最高検要請行動に決起した(写真)。茨城県連を始め全国連の同盟員、共闘が多数参加した。
狭山第2次再審請求特別抗告審は、最高裁の特別抗告棄却切迫情勢にある。全国連と解放共闘は、狭山緊急署名運動や要請行動を行い、とりわけ盗聴弾劾と証拠開示要求を結合して最高検を追及し闘っている。
最高裁への要請で茨城県連の婦人は、自らの被差別体験に基づいて「石川さんは字が書けなかった。脅迫状は書けなかった」と真実をつきつけ、石川さんの本人尋問を強く要求した。
最高検では事務官が「前回要請時の全国連の公開質問状(盗聴問題について)について検察官に報告したが、答える事項はないとの回答だった」と答えた。
要請団は最高検加藤鉄夫検事の差別姿勢を糾弾、あくまで文書回答と証拠開示を求めて鋭く追及した。
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週刊『前進』(2182号3面7)(2005/01/24)
被災地神戸 震災10周年 新たな闘いへ
団結の結晶、4組合基礎に
1995年1月17日午前5時46分、兵庫県南部、大阪府を襲った阪神・淡路大震災から丸10年がたとうとしている。6500人が犠牲となった地獄のような大震災。中でも特に犠牲が集中したのは国・行政の都市政策で置き去りにされた労働者街、被差別部落、在日集住地域だった。
確かに地震は天災だが、阪神・淡路大震災は、まぎれもなく国・行政が引き起こした人災そのものだ。
震災後、孤独死した被災者は仮設住宅で233人、復興住宅で316人にものぼる。復興住宅にいる被災者のうち、2割が生活再建は不可能と答え、3割が仕事がなく収入が回復できていない、7割が生活保護と年金だけで生き、6割が家賃値上げされたら払えず追い出される不安を訴えている。被災者は、何ひとつ生活再建などできていない。
震災を経験した私たちは、この社会が資本家や行政が被災者を踏みつける冷たい社会であることを骨身にしみて感じ取った。
国と行政は、新潟中越地震でも人災と言える対応に終始している。
昨年末のスマトラ沖大地震とインド洋大津波につけ込んだアメリカ軍と自衛隊の派兵は絶対に許せない。彼らは、自分たちのインドネシアにおける天然ガスなどの権益を守るためだけに大軍を派兵し、支配を強めようとしている。さらに、インドネシア軍はアチェの解放勢力への虐殺を引き続き行っているという。これを米軍も自衛隊も容認しているのだ。私たちはともに被災し、この社会の冷たさの中で苦闘する労働者として、新潟と、アチェを始めとするアジアの被災地人民に熱い連帯を表明する。
私たちは、震災直後の仮設住宅での助け合いから、失業保険遡及(そきゅう)受給の闘いで要求者組合を立ち上げ、団結して10年間闘い続け、@被災地雇用と生活要求者組合、Aしごと開発就労者組合、B被災地労働者企業組合、C関西合同労働組合の各分会、という四つの組合をつくり出してきた。さらに、神戸空港建設中止、同和住宅家賃値上げ反対、戦争反対を掲げて、被災地反失業総行動を21回も闘い続けてきた。
一方、兵庫労働局の職員が失業者対策の予算を自分たちの飲み食いに使っていたことが明らかになった。被災者を食いものにした労働局の汚職は、本当に腹わたの煮えくり返る思いだ。だまし取った2億円以上の金を返させ、被災者の仕事保障の予算にさせよう。生活再建の要求を行政に迫り、かちとろう。国と行政は、10年たった被災者の苦境から目をそらすな!
その決意を内外に明らかにする場として、1月16日に22回目の被災地反失業総行動集会を開催する。そして、被災者の団結の力・四つの団結体を基礎に、震災10周年を期して新たな闘いに踏み出す。
(投稿/兵庫・TS)
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週刊『前進』(2182号4面1)(2005/01/24)
戦争と民営化攻撃粉砕へ 革共同各地方委員会はかく闘う〈上〉
〈新指導路線〉のもと、11・7労働者総決起集会の地平を世界革命に向かって大いに発展させよう。2005年決戦の勝利に向けた革共同各地方委員会の決意を2回に分けて掲載します。(編集局)
日本の1917年革命めざす総蜂起の年に! 関西地方委員会
05年を「日本の1917年革命」をめざす全労働者階級の革命的総蜂起の年とせよ! 関西地方委員会は、その実現を期した激しい決意と気概に燃えて新年に臨んでいる。
昨秋、日米韓の労働者は11・7国際連帯集会の歴史的大成功をかちとり、プロレタリア世界革命の嵐のような爆発の時代の扉を開いた。
帝国主義の戦争と民営化(労組破壊)による人間的忍耐を超える階級的大攻撃に対し、日米韓の最も戦闘的で階級的な労働者・労働組合が、世界戦争を世界革命に転化しようと、国境を越えて一堂に会し、プロレタリア国際連帯を高らかにうたいあげた。スターリン主義とその破産をのりこえ、〈いまの状態を廃棄するところの現実の運動〉が一つに融合して、世界革命の勝利に向かって歴史的前進を開始したのである。
そして、全世界の労働者階級とイラク―ムスリム人民を先頭とする被抑圧民族人民が団結して決起し、死の苦悶(くもん)にのたうつ米日帝を革命的内乱をもって打倒し、世界革命を切り開く千載一遇の好機が眼前に到来しつつある。
われわれは、こうした革命的時代認識に立脚し、本年の闘いを「日本における1905年革命」として戦取することを宣言する。その火ぶたを何よりも、教労戦線を先頭とした全階級的総決起による「日の丸・君が代」強制拒否闘争の大爆発、カクマル「告訴・告発」運動の爆砕で切り開き、3・20国際反戦闘争の大高揚をかちとる決意である。
昨年われわれは、新指導路線での一致のための徹底討論を地方委員会一丸となって推し進めてきた。03年決戦とそれ以降の党的苦闘の総括を媒介として、動労千葉労働運動の革命的意義の明確化を核心とする新指導路線を主体的につかみとり、戦時下の労働運動の基本路線と労働組合の革命論的意義をめぐる党内討論を強力に繰り広げ、8・1革共同集会の画期的成功をかちとったのである。
そして、新指導路線の実践にもとづく党的変革と組織的力量の獲得の闘いを全力で推し進めつつ、教労を始めとした4大産別決戦の体制と方針を確立した。とりわけ、4大産別を軸とした労働組合の戦闘化と再生、階級的・戦闘的労働運動の形成の闘いのただ中で、職場権力奪取―労働組合拠点建設に向けた労働者細胞建設とそれを土台とした運動論の形成への革命的挑戦を開始した。そうして、昨秋の4大産別集会の成功とマル青労同建設の前進をかちとり、11・7へのかつてない大結集へとのぼりつめていったのである。
関西地方委員会は05年においても、新指導路線の物質化をめぐるこれらの闘いの本格的・全面的実践を不退転の決意で推し進める。とりわけ、「日の丸・君が代」・教基法決戦―改憲阻止決戦を始め、07年郵政分割・民営化をめぐる全逓労働者の怒りの爆発と78年をこえる物ダメ・ストライキ闘争、大量首切り・民営化、公務員制度改悪に対する自治体労働者の組合的団結の強化を土台とした反撃、12・1―12・19の地平を引き継ぐ国鉄1047名闘争と5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘い――など4大産別決戦の階級決戦的爆発に向け、新指導路線を仮借なく実践する決意である。さらに、民間、被災地をめぐる労働組合運動の前進をかちとり、3労組共闘の戦闘的発展のために全力を挙げて闘う。また、医療・年金・介護をめぐる闘いの一層の階級的発展を切り開く。
米英日枢軸のもとでの世界戦争、日帝の21世紀の「新たな15年戦争」が、小泉=奥田の「骨太方針W」にもとづく労働組合運動絶滅・解体攻撃と一体で労働者階級を襲っている。
これに対して、労働者階級と労働組合運動の最大の決起を実現しつつ、1〜3月を始めとしたイラク派兵阻止闘争、3・20闘争、さらに名護新基地建設と沖縄基地の永久化の攻撃と対決する沖縄人民と連帯した第3次安保・沖縄闘争、さらに三里塚・関西新空港などの闘いを全力で切り開き、反戦政治闘争の階級決戦的爆発の先頭に立つ。学生運動の飛躍的発展をかちとるために奮闘する。
また、戦争と民営化のもとで激化する社会的差別・抑圧の攻撃との闘いを、労働者階級自己解放闘争の必須・不可欠の課題として闘う。部落解放同盟全国連合会第14回大会(3・6〜7)の大成功を階級的共同闘争の新たな発展をかけてかちとる。
そして、6月都議選の絶対勝利へ、関西地方委員会は全党の最先頭で徹底的に闘う決意である。
11・7の地平に対する日帝国家権力の恐怖に駆られた治安弾圧、日共スターリン主義の労働(組合)運動の圧殺策動、カクマルの「告訴・告発」運動を始めとした反革命が画然と激化している。密集した反革命に対し、これらをエジキとして4大産別決戦の階級決戦としての大爆発、階級的労働運動の大前進で回答しなければならない。
同時に、われわれは、マル青労同建設を突破口とした革命的労働者党の強大な建設、鉄の規律を貫く非合法・非公然の党の建設を全労働者階級に呼びかけ、ともにこれら一切の反革命を粉砕し、05年決戦の勝利をかちとることを誓う。
不起立闘争の大爆発で小泉・奥田・石原打倒へ 中国・四国地方委員会
2004年11・7労働者集会は、日米韓労働者の国際連帯で21世紀世界革命の実現への扉を押し開いた。05年は日本革命−世界革命への「日本における1905年革命=総稽古」の年だ。
ドル暴落と世界大恐慌の危機に恐怖した米帝ブッシュは、米軍トランスフォーメーションと米英日反動枢軸をもって世界戦争過程へ突進している。米帝ブッシュの狙いはイラク人民の民族解放・革命戦争を圧殺し、全中東・北朝鮮・中国へと侵略戦争を拡大し、EU帝―日帝を蹴落とすことにある。
日帝・小泉=奥田は、米欧帝国主義との争闘戦で生き残るために、米英日反動枢軸を選択し、イラク派兵を延長し、北朝鮮への「経済制裁」を打ち出した。これと一体で05〜07年の小泉=奥田路線「骨太方針W」―「戦争と民営化(労組破壊)」の階級決戦に打って出て来た。小泉内閣は、「郵政民営化を内閣一丸となって通常国会で必ず成立させる」と述べ、自民党は05年運動方針で「教育基本法の年内改正実現」を明記した。まさに05年決戦は正念場だ。
3年間戦略の帰趨(きすう)を決するのは05年春の「日の丸・君が代」強制反対闘争だ。「日の丸・君が代」強制は、教育基本法10条解体=改悪10条強制(教育の国家支配)の攻撃であり、教基法改悪攻撃そのものだ。教育現場への「日の丸・君が代」強制は、「教育勅語」「赤紙」=戦争への国民総動員の道であり、学校を戦争教育の場とし、教育を戦争の道具とするものだ。ファシスト突撃隊石原・横山の「03年10・23通達」攻撃は、ヒロシマつぶし―日教組つぶしの全国的総決算攻撃だ。
「日の丸・君が代」強制反対闘争は、教基法改悪阻止の戦闘的階級的心棒だ。最も有効な戦争反対(戦争協力拒否)運動であり、「教育改革の暗雲」を吹き飛ばすランク・アンド・ファイルの職場闘争だ。04年春決起した東京の被処分者の闘いを守り、ファシスト・カクマルの「告訴・告発」運動を粉砕し、東京―広島を先頭に全都全国数千数万の不起立・不服従闘争の大爆発で日教組の階級的再生をかちとろう。
教労を先頭とする4大産別決戦で、連合、全労連、日本共産党、ファシスト・カクマルの大反動と反革命を粉砕し、小泉=奥田の「戦争と民営化(労組破壊)」攻撃を粉砕しよう。
この闘いと結合し、イラク人民の民族解放・革命戦争と連帯し、3・20イラク反戦闘争を日本版MWM(百万人労働者行進)として成功させ、労働者の階級的団結と国際連帯でブッシュ・小泉反動枢軸を打倒しよう! 自衛隊の即時撤兵、中部方面隊・第13旅団の第5次―第6次派兵阻止の1〜3月の闘いに決起し、3・20日本版MWMを成功させよう。
イラク反戦闘争と結合して、米帝のトランスフォーメーションと対決する第3次安保・沖縄闘争−辺野古新基地建設阻止闘争、三里塚・北富士、岩国、呉、海田、日本原、佐世保基地闘争、反軍闘争、改憲阻止闘争を闘おう。
被爆60周年8・6広島―8・9長崎反戦闘争、反原発・反核(反核燃)闘争、被爆者解放闘争の飛躍的前進をかちとろう。狭山再審闘争、住宅裁判闘争、部落解放同盟全国連第14回大会の勝利かちとり、新指導路線下の階級的共同闘争として差別・抑圧攻撃と闘おう。
04年決戦の勝利は、新指導路線の深化と実践―労働組合論の革命論的明確化と実践をとおして実現した。「党の革命」と、労働者自己解放性に根差した労働組合的団結の階級的再生の闘い=ランク・アンド・ファイル運動が結合し、動労千葉の闘いと『俺たちは鉄路に生きる2』を導きの糸に11・7の勝利を実現した。「05年革命」を闘い抜くために、「党の革命」と労組権力獲得への挑戦・労働運動の本格的実践、宣伝・扇動の革命が問われている。
中国四国地方委員会はこの2大テーマに挑戦し、3・20から8・6〜11・7への04年一年間を蜂起に継ぐ蜂起の日々として、蜂起者精神にたち疾風怒涛のごとく駆け抜けた。労働者こそ帝国主義の墓掘り人=革命の主人公であり、労働組合(団結)はその力であることをつかんだ労働者は恐るべき力を発揮する。教労・自治労をはじめ全産別で「動労千葉に学び、動労千葉のように闘えば勝てる」という確信が生まれ、いくつかのブレークスルーがかちとられた。
05年はこの1年間の切り開いた地平にしっかりと立ち、マル青労同建設を突破口に革命的労働者党を創ろう。05年を全学連の拠点広島大学を先頭に、階級的労働運動と連帯する学生運動の画期的飛躍の年としよう。共産主義運動はプロレタリア運動であり、労働者の階級的自己解放闘争だ。ブルジョア権力の打倒=権力奪取の階級的死闘が不可避であり、階級の党=プロレタリア革命党の形成・確立が不可欠だ。
労働者同志を基軸とした党建設、労働者が革命家となり、指導部となり、自らのものとして党をつくり、担うことが革共同第6回大会の核心だ。組織3原則、マルクス主義の学習の体系を土台にした党建設をかちとろう。星野同志ら獄中同志奪還と再審無罪をかちとろう。戦時下の治安弾圧攻撃を粉砕し、非公然・非合法の党の強化をかちとろう。05年決戦で分岐・流動・再編・高揚をつくり、6月東京都議選勝利へ!
マル青労同建設を進め党勢2倍化を実現する 九州地方委員会
04年11・7で世界革命は始まった。日米韓の労働者・労働組合は、米英日が帝国主義的枢軸を形成し世界戦争過程に突入した中で、アメリカ革命・日本革命・朝鮮革命−世界革命への闘いを開始した。
アメリカではランク・アンド・ファイル(現場労働者の闘い)の労働者・労組のMWM運動が爆発した。アメリカ革命の始まりだ。
韓国民主労総は11月ゼネストを実現した。朝鮮革命は始まった。
日本では「日の丸・君が代」強制に身を挺して闘った教育労働者と3労組共闘の合流をかちとり、05年教育基本法改悪・改憲阻止決戦の展望を切り開き、日本革命を開始した。これら3国の最も戦闘的で階級的な労働者・労働組合が11・7でひとつに融合し、世界革命が始まった。この労働者階級自身の運動に、その隊列の登場にわれわれは身震いするほど感動した。
05年の年頭にあたって、九州地方委員会は11・7の地平に立ち、革命党としての歴史的責務の重さにさらに身震いし、世界革命へ突撃する。
04年の闘いは新指導路線での全党の武装と一致と実践で切り開かれた。とりわけレーニンのロシア革命への苦闘に肉迫し、労働組合の革命論的意義を明確にさせた。プロレタリア革命にとって労働組合は、「資本と労働の間でのゲリラ戦のために必要であるが、賃労働制度そのものと資本の支配を廃止するための組織された力として重要」というマルクスの立場に断固としてわれわれは立つ。
そしてロシア革命の全過程を通じて、レーニンが「党とソビエトと労働組合」との正しい関係を労働者の生きた革命運動の実践の中からつかみとったものを復権させた。その観点から、レーニンが『何をなすべきか』で提起した「宣伝・扇動」と「一斉武装蜂起に勝利する党の建設」を、05年ロシア革命の高揚とその後の反動との苦闘の中で磨き上げたものをあらためてつかみなおした。
単に経済主義に対して政治闘争をやればいいというのではない。経済闘争、政治闘争、理論闘争を労働者階級の全面的解放の立場に立ち、その階級的自覚と団結を促す闘いとして、すなわち階級形成と人づくりとして実践しよう。
さらに、労働者階級自身の事業として革命党の建設がある。反帝・反スターリン主義、革命的共産主義運動にとっての労働組合運動の革命論的復権を理念の確認にとどまらせてはならない。大量の労働者党員の獲得で党の実体的変革を実現し、05年には必ずブレークスルーしよう。
情勢は世界戦争と世界革命の分岐にある。米帝ブッシュは存亡の危機にのたうち回りながら世界を帝国主義世界戦争に引き込んでいる。米帝は帝国主義間争闘戦を激化させ、米英日の帝国主義的軍事的枢軸形成に踏み込んだ。それは独仏帝国主義の打倒宣言である。世界経済の分裂・ブロック化もそれを促進する。
米帝は、戦時下の大統領選挙でファシスト的勢力を動員し、ブッシュを再選させた。危機を深める米帝は絶望的な戦争を激化させる以外に延命の道はない。
ファルージャ攻防でイラク人民は民族解放・革命戦争の激化・発展へ断固として踏み込んだ。イラク人民の米帝とカイライ政権に対する解放戦争がさらに爆発することは間違いない。
中東全域への侵略戦争拡大と残存スターリン主義の体制転覆をかけた北朝鮮・中国侵略戦争への踏み込みは不可避だ。この世界戦争への道をプロレタリア世界革命で断ち切ることだ。
日帝・小泉は米日枢軸の形成を決断した。危機にのたうちながらファシスト的勢力をも動員し、戦後体制の全面的解体・改造・再編に踏み込んだ。米帝による帝国主義間争闘戦の激化と世界戦争過程への突入に必死にくらいつき、侵略戦争を遂行するために、「骨太方針W」で労働者・労組のあらかじめの解体を決断している。〈戦争と民営化(労組解体)〉の国家大改造攻撃だ。
その中心軸である改憲攻撃は戦争国家体制づくり、国家と人民との関係の根底的転換攻撃である。革命党は、この決戦が内乱・内戦を不可避とすることを一時も忘れずに、労働者・労働組合の階級的総決起で反撃する。
九州地方委員会は05年の一切を11月労働者集会の成功へかける。その最初にして最大の決戦が1〜3月「日の丸・君が代」決戦だ。ここに全党が総決起して勝利するかに05年のすべてがかかった。
11・7の地平を断固として堅持・発展させ、教労を先頭に4大産別決戦を闘おう。04年の教育労働者の決起は強制への反乱であり、労働者としての誇りをかけた根底的な自己解放の闘いであった。05年3月、教育労働者の主体的決起をしっかりと措定し、東京―全国で数千数万の教育労働者が決起したとき、間違いなく日本階級闘争の地殻変動がおこる。国鉄をめぐる情勢は動労千葉の巨大な指導性を希求している。教労決戦を先頭に4大産別決戦に勝利しよう。カクマルの「告訴」運動を粉砕しよう。05年に日本版MWM運動を必ず実現する。この新指導路線の一切の闘いの集約として6月都議選勝利の先頭に立つ。
九州地方委員会は党勢拡大を05年の総括軸に据えた。昨年の8・9長崎、11・7、マル青労同建設の前進の手応えを、党勢2倍化として05年に必ず実現する決意である。
労働者階級の総決起で沖縄闘争の勝利開こう 沖縄県委員会
05年の沖縄における闘いは何よりも、昨年の名護市・辺野古への新基地建設阻止闘争の歴史的勝利の地平をもって開始された。まさに今この瞬間も、厳しい冬の海上での決死のボーリング調査実力阻止の闘いと、陸上での座り込みの闘いが展開されている。
この05年、辺野古の闘いが安保・沖縄闘争の基軸的闘いとして全国全人民を巻き込むものへと発展していくことは必至である。勝利の展望は04年の闘いの中にあかあかと示されている。命を守る会、ヘリ基地反対協議会とどこまでも連帯して全党の力で闘い抜こう。
昨年の11・7労働者集会は革共同の新指導路線――動労千葉を軸とした階級的労働運動の発展でプロレタリア革命勝利の条件を切り開く――の迫力を圧倒的に示した。日米韓労働者の戦時下の国際連帯は、帝国主義が米日英反動枢軸を形成して世界戦争に突入した21世紀の冒頭に、プロレタリア国際主義を復権する偉大な第一歩として世界史に刻まれた。05年決戦の勝利への突破口を切り開くとともに、アメリカ革命・日本革命・朝鮮革命―世界革命へのリアルな道筋を指し示したのだ。
したがって同時に11・7労働者集会は、この日米韓の3カ国の労働者階級の階級的団結と国際連帯の闘いに、沖縄労働運動が合流・結合する中に、沖縄闘争の勝利の展望があることをも明らかにした。この中にこそ、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の闘いの勝利の現実性がある。とりわけ、アメリカと韓国のプロレタリアートの闘いが決定的な位置を持っていることは明らかである。70年安保・沖縄決戦を超えるような第3次安保・沖縄闘争の勝利を、労働者階級の国際連帯の前進と勝利の中で実現しよう。
米帝ブッシュの再選は、全世界を世界戦争へと引きずり込む恐るべき事態である。日帝・小泉はこの米帝と反動枢軸を形成し、イラクから全中東、さらには北朝鮮・中国への侵略戦争へとのめり込んでいる。
この米日帝の世界戦争への歴史的踏み込みに対して、イラク人民はファルージャを先頭にすさまじい闘いを展開している。イラク人民の民族解放・革命戦争こそ国際階級闘争の最先端の闘いである。
このイラク侵略戦争と直接つながっているのが、沖縄米軍基地である。米帝のファルージャ掃討作戦を担ったのは在沖海兵隊である。8・13に沖国大に墜落したヘリもまた、まさにイラクへと派遣されようとしていた。
さらに米軍のトランスフォーメーションのもとで、在沖米軍基地の一層の強化・固定化がもくろまれている。金武町伊芸区での都市型戦闘訓練施設の建設強行、宮古・下地島空港の米軍の度重なる強行着陸、辺野古への新基地建設攻撃と、これらすべてはトランスフォーメーションのもとで、米帝の言うところの「不安定の弧」への一大侵略戦争を強行するために、在沖米軍基地をその最前線基地として再編・強化する攻撃である。沖縄においてこそ、闘う労働者は闘うイラク人民と連帯し、全世界のプロレタリアート人民の先頭で、ブッシュ・小泉反動枢軸打倒の闘いに立ち上がらなければならない。
日帝ブルジョアジーは小泉=奥田路線で、労働者に襲いかかってきている。このもとで日帝の沖縄差別政策は極限的に展開されているのだ。
われわれは、教労を先頭とする4大産別の闘いを軸に、沖縄の労働運動の階級的再生の闘いをもってこの大情勢と対決する。
そしてその闘いの中で、沖縄カクマルの一掃を実現する。カクマルは沖縄においても「告訴・告発」運動を展開しようとしている。80年代の沖縄「日の丸・君が代」闘争に敵対したカクマルが、今日、東京の教育労働者の闘いを「挑発・ハミダシ」などと罵倒(ばとう)して襲いかかることを絶対に許してはならない。カクマルには「日の丸・君が代」闘争を口にする資格などないことをはっきりさせよう。
この1〜3月の「日の丸・君が代」強制を打ち破る闘いが05年決戦の帰趨(きすう)を決する。この東京を先頭とする教労決戦の爆発で、6月都議選勝利の突破口を切り開こう。
沖縄県委員会は、いまこそ革共同第6回大会路線の具体化としての新指導路線で満身武装し、動労千葉が切り開いてきた階級的労働運動の全地平・全蓄積から学び尽くし、沖縄労働運動の階級的再生を実現する。
〈日本革命の火薬庫〉としての沖縄闘争は、その闘いの中軸に労働者階級が座ってこそその本領を発揮する。とりわけ、青年労働者の決起が決定的な意義を持つことを鮮明にし、沖縄におけるマル青労同建設を、マル青労同の同志とともに全力で推し進めていく。本土に倍する高失業率と低賃金での強搾取、米軍ヘリ墜落で衝撃的に突きつけられた「基地の島」の現実、県民の8〜9割が反対しながら強行されようとしている名護新基地建設など、この我慢のならない沖縄の現実に青年労働者はさまざまな形ですでに決起を開始している。この青年労働者の階級的団結をマル青労同建設を軸にかちとっていく。
沖縄県委員会は6月都議選の先頭に立って闘う。
われわれは05年、この歴史的挑戦を不退転の決意で開始することを全党の同志とすべての闘う労働者階級人民に固く誓う。すべての沖縄人民は、革共同沖縄県委員会に結集してともに05年決戦を闘おう。
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週刊『前進』(2182号4面2)(2005/01/24)
12月21日〜31日
スマトラ沖地震で海自派兵
ボーリング中止を求め提訴
●嘉手納のF15機の補助翼の一部落下 沖縄の米軍嘉手納基地から飛び立った第67戦闘中隊所属のF15戦闘機1機が、W173訓練空域(嘉手納基地から北東約64〜161`の海上)で通常訓練中に補助翼の下端部分を落下させ、同基地に緊急着陸した。米軍は事故機の破損した補助翼を新品と取り換え、翌22日に飛行を再開させた。(21日)
●下地島空港にまた米軍ヘリ2機 フィリピンの集中豪雨災害で派遣された在沖米海兵隊のCH46輸送ヘリ6機のうち、普天間飛行場への帰還を終えていなかった2機が給油のため沖縄・伊良部町の下地島空港に着陸した。12月5回目。(22日)
●在日米軍再編「最終結論は来年10月」 ロ
ーレス米国防副次官は、与党安全保障プロジェクトチームの額賀元防衛庁長官と会談し、在日米軍再編問題に関する最終結論のめどを05年10月とする考えを示した。(22日)
●岡山県がイラクへの陸自物資輸送で空港の利用断る 陸上自衛隊の第5次イラク派兵部隊の物資を運ぶ大型輸送機が岡山空港(第3種空港、岡山市日応寺)から出発できるよう、貨物取扱業者から岡山県に打診があったが、県が爆発物が含まれていることを理由に断っていたことが分かった。(23日)
●楚辺通信所強制使用の手続き開始 防衛施設庁は、沖縄県・読谷村の米軍楚辺通信所内にある知花昌一氏の土地の使用期限が05年5月末に切れるため、米軍用地特措法に基づく強制使用手続きを始めた。(24日)
●防衛庁幹部の改憲案作成に「口頭注意」
中谷元・元防衛庁長官の要請で陸上自衛隊幹部が憲法改正案を作って渡していた問題で、防衛庁が調査結果を発表。この幹部は陸幕防衛部防衛班所属の2等陸佐で「単独で作成し組織的関与はなかった」と、「組織が改憲作業に関与しているなどの誤解を与えかねない」として口頭注意した。(24日)
●辺野古海底調査中止求め提訴
米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設計画で、那覇防衛施設局が進めている海底ボーリング調査が環境影響評価法に違反しているとして、住民ら68人が、国を相手にボーリング調査の差し止めを求める民事訴訟を那覇地裁に起こした。普天間移設問題で、代替施設建設計画が直接裁判で争われるのは初めて。(27日)
●女性天皇検討の会議設置を発表 細田官房長官は、女性の皇位継承を認めるかどうかなどを検討するため、小泉首相の私的諮問機関として「皇室典範に関する有識者会議」を設置すると発表した。(27日)
●「米軍荷物、中身は未確認」 イラクに派兵されていた航空自衛隊のC130輸送機が交代のため愛知県小牧市の小牧基地に戻った。帰還隊員らの証言で、米軍荷物について中身を未確認で輸送していることや、1年間で米兵ら海外の軍関係者約1300人を運んでいたことが分かった。(27日)
●自民改憲案、4月に「試案」 自民党の新憲法制定推進本部(本部長・小泉総裁)は、来年4月末までに憲法改正草案の「試案」をまとめる方針を決めた。1月24日に起草委員会の初会合を開く。(27日)
●タイに緊急援助隊 26日に起きたスマトラ沖大地震と津波による被災国を支援するため、日本政府はタイに海上自衛隊の艦船3隻を含む国際緊急援助隊を派遣することを決定した。(28日)
●「都市型」施設反対で年内最後の集会 沖縄県・金武町のキャンプ・ハンセン演習場内のレンジ4に米軍が建設を進めている都市型戦闘訓練施設建設に反対する年内最後の抗議集会が基地の入り口前で行われた。5月以来7カ月を超える。沖縄県は同基地内の民間地域から離れた位置に変更することを条件に容認する方針を固めた。(30日)
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週刊『前進』(2182号5面1)(2005/01/24)
帝国主義の世界戦争過程への突入は革命的情勢を生み出す
内外情勢の核心的な問題について
内外情勢は05年も日々、大激動している。その主要な問題については05年新年1・1アピールで大枠的には提起されている。ここでは、その重要な部分の把握の深化に努めつつ、さらに情勢展開をフォローしておきたい。
戦時下のブッシュ再選
04年11月2日の米大統領選挙は、すでに戦時下の選挙で、平時の選挙ではなかった。この点を押さえることが、この問題を考える上で重要なポイントとなる。
帝国主義の危機(米帝的な戦後帝国主義世界体制の危機)が、すでにアフガニスタンからイラクへと侵略戦争が拡大される中で、世界戦争に向かって大きく展開し始めている。その中ですでに米国内を始め世界の階級闘争が戦時下階級闘争化している。しかも今日の米帝は、上り坂の帝国主義大国だった時代は遠く過ぎ去り、唯一の超大国となって世界に君臨しながらも、その内実はボロボロで末期症状にあえぐ没落期の帝国主義(基軸帝国主義)である。そうした米帝が戦争に突入している中での大統領選挙だった。そして重要なことは、帝国主義の世界的戦争過程への突入は、革命的情勢を不可避的に生みだすということである。
ところで、革命的情勢というのはどんなことだろうか。レーニンによりつつ考えてみると、▼支配階級自身の分裂が深刻化し、これが国全体を揺り動かし、労働者人民の意識的覚醒(かくせい)を著しく促す、▼中間階級または中産階級(階層)の激しい動揺の深まり、▼あらゆる犠牲をおしかぶせられる労働者階級・人民の怒りが高まり、さまざまな形で行動への決起の力、能動性が増大する、▼革命側も反革命側もあらゆる勢力の動きが活発化し、労働者階級と資本家階級の対立の非和解性が著しく激化する、▼アメリカのMWM(百万人労働者行進)のような大変な革命的反乱的決起が開始される――こうした情勢である。
今回の米大統領選挙は、すでにイラク侵略戦争として帝国主義戦争過程へと突入し、その危機的泥沼化に米帝がのたうちまわっている中で、戦争の内乱への転化(戦中革命や戦後革命へと転化する)が現実的に端緒的に始まっているという階級条件の下で展開されたのである。
ブッシュがケリーにかなりの打撃を与えてうち勝つことができたのは、ブッシュがすでに突入しているイラク侵略戦争(→世界戦争)がどんなに泥沼化しても、米帝としてはこれを貫徹し、さらに拡大していく以外に延命できないということを、より強力に表現したことによる。選挙戦的にいえば、これは祖国の敗北と破綻(はたん)の危機や、そうした流れの中で古い反動的道徳観、宗教的観念などがボロボロになって崩れていきつつあることなどへの、右翼・ファシスト的勢力(右派キリスト教勢力はこうしたもののひとつである)などの力を、戦争強行派の帝国主義勢力が積極的に動員することに成功したことが大きな意味をもっていたのだ。逆に言うと、04年10・17のMWMの大運動(350万―1万5千人)は、まさに米帝内階級闘争がすでに国内戦の段階に突入しつつあること、帝国主義と全面的に対決する革命的階級の登場の時代が到来しつつあることをはっきり示すものである。
こうしたことを踏まえて、今日、革共同として確認すべきことは、このような戦時下階級闘争下の選挙で、ブッシュが米帝の支配階級内部の闘いで、かなり重大な政治的勝利をもぎりとったということの階級的意味である。これは、今後の世界情勢を大きく決定するとてつもない反革命的事態の到来である。
端的に言えば、米帝ブッシュ政権は、第1期で開始した戦争を第2期においてさらに強力に続行・拡大するということである。そして、それは確実に、イラク侵略戦争の泥沼的激化からその中東全域への波及、とりわけイランへの波及や、さらには東アジア(北朝鮮・中国)への世界的波及となって進行するということである。このことの大きさをいくら強調しても強調しすぎることはない。そして、この過程はもちろん、直接には、イラク人民・中東人民・ムスリム人民にとって、さらに全世界の労働者階級人民にとって、とてつもない反動的・反革命的・破壊的作用をつくりだすのだが、プロレタリア世界革命を真剣に追求する立場から、階級的、本質的にとらえ返せば、危機にあえぐ帝国主義が、その危機の重圧に押されて、ついに自滅的な大戦争過程に突入したということであり、帝国主義に対するプロレタリアートの革命的反乱の全条件が日ごと、月ごと、年ごとにどんどんつくりだされていく過程に突入したということなのである。
この意味で、プロレタリアートとその党としては、この帝国主義の危機と矛盾の集中点をがっちりと押さえ、食らいつき、帝国主義を打倒するまで彼らを放さないように、天をもつくような革命精神を高揚させて、再選ブッシュを迎え撃っていく必要がある。
イラク情勢の重大展開
ブッシュはすでに2期目の開始をまたず行動を開始している。
大きくは、ブッシュはすでにあらゆる形でその世界戦争計画の強行への態勢づくりへと動きだしている。
一切の大前提は、イラク侵略戦争の強行である。さしあたっては、あらゆる手段を行使してもイラクの1月30日の国民議会選挙をやりぬこうとしている。しかし、ファルージャの大決戦で戦略的に勝てなかった(=敗北した)ために、ついに米軍の大規模な増強に踏みきらざるをえなくなった。04年12月1日、ブッシュ政権はイラク派遣軍を04年末までに急きょ1万2千人増派し、イラク派兵米軍は総計15万人となった。これは、03年5月の14万8千人をも超えて、イラク侵略戦争史上最大規模なのである。しかし、米帝はファルージャ制圧完了宣言をついに行えなかったのだ。
革共同としては、9月以来、イラクの解放戦争の分析の中で、解放区・半解放区の概念を使用してきたが、最近のマスコミ報道では、ファルージャ、サーマッラ、バビル州北部の地域(ラティフィア、マフムディアなど)は完全に解放区が形成されつつあったと言われている。都市・地域が丸ごと独立状態になり、住民は解放武装勢力に協力し、行政官庁や警察署が武装勢力の支配下に置かれた。ファルージャの場合には「いくつかの武装解放勢力が参加する諮問評議会が行政を担った」という。これは間違いなく、ソビエト形態が一定成立したということ以外の何ものでもない。
米帝・米軍は10〜11月において、サーマッラ総攻撃からファルージャ総攻撃、バビル州北部地域総攻撃の順に、すさまじい大規模作戦を強行した。だが、スンニ派の暴力的圧殺の上に1月30日の国民議会選挙を強行してのりきろうとする戦略プランは、ファルージャ決戦が総蜂起的闘いとして貫徹されきったため、決定的打撃を受けた。米帝はスンニ派ぬきの国民議会選挙の強行にさえ踏みきろうとしている。だがそれは結局、スンニ派全体とそれに引き寄せられたシーア派の反米帝勢力の決起をますます激化させるものとなることは必定である。
実際この04年12月の前半だけをとってもラマディ、サーマッラ、ティクリート、バイジなどの中北部の地方、そして何よりもバグダッドの中枢中の中枢地帯であるグリーンゾーンでも連日のようにゲリラ攻撃が炸裂(さくれつ)している。しかも戦闘内容はきわめて濃いものがある。ひとつは、作戦で米兵が数人ずつ死亡していること、そしてイラク人死者と発表されるほとんどすべてがイラク警察官や役人である。
米帝・米軍はカイライ勢力を巻き込んで、なんとしても1月30日の国民議会選挙の体裁づくりに総力をあげるであろう。また、あらゆる暴虐をあえてやりぬくであろう。この点について、アメリカ帝国主義の力、暴虐性について過小評価してはならない。また、シーア派シスターニの選挙協力がトコトン利用されるであろう。しかし、このような米帝・米軍の暴力的支配は、やはり、イラクの点と線の支配以外の何ものでもなく、スンニ派を先頭とするイラク人民の総決起・ゲリラ的総蜂起が必ずや打ち破るであろう。革共同は、闘う全世界の労働者人民とともに、このことを確信し、闘うイラク人民と連帯し、帝国主義の侵略戦争を内乱へ転化するために、ともに総決起していかなければならない。
米帝ブッシュは、1月20日の2期就任式後の2月22日に訪欧する計画を決定している。マスコミなどは、これがブッシュの「軌道修正」の場となるかのごとく報道しているが、全然違う。1・30イラク国民議会選挙の暴力的強行(それができたとして)の結果に基づき、05年12月のイラク総選挙と「正式政府発足」なるものに向かって、ドイツ、フランスなどEU帝国主義を押さえ込み、「協力しろ」と強圧を加える場となるしかないものである。
米帝ブッシュは、北朝鮮に対してもすでに行動を起こしている。11月26日にマスコミ(朝日新聞など)は、ブッシュ政権が02年に北朝鮮に提案した「大胆な提案」(ボールド・アプローチ)なるものの全容が判明したと大々的に報道した(ブッシュ政権のリークであり、マスコミはその手先となっている)。内容は、北朝鮮が「核の全面的放棄を行うなら、米国は北朝鮮の国家再建を幅広く支援する“北朝鮮版マーシャル・プラン”を実行する」というものである。ブッシュ政権高官は、「この提案は今も生きている。早く返答しろ」と言っているという。しかも、「時間はあまりない」と。
もちろん、今日の北朝鮮は核政策をけっして放棄できない。米の提案は飲めないのである。
米帝は、北朝鮮に大きく揺さぶりをかけ始めたのだ。
米軍再編の大変な内容
イラク侵略戦争の泥沼的強行とともに、今日、2期目に突入しようとしているブッシュ政権が遂行している軍事外交政策で最大のものは、いわゆる米軍再編(トランスフォーメーション)の政策である。この間の報道からみても、このトランスフォーメーションの内容は、革共同のこの間の本質的暴露が百パーセント正しいということ、いやそれ以上の内実を持っていることを示している。
12月6日付朝日新聞の大特集や、12月8日の解説記事は驚くべき内容を示している。要するに米軍再編というのは、一方で、いわゆる「不安定の弧」地域(北アフリカ・中東から東アジアにいたる地域)でのアフガニスタン侵略戦争・イラク侵略戦争型の戦争を次々と展開していくこと、そして、他方では、アジア―東アジアにおいて北朝鮮侵略戦争と中国侵略戦争を真っ向から構えていくこと、さしあたっては北朝鮮侵略戦争(これは中国侵略戦争と不可避に結合するものとなる側面を強くもつが)をやりぬく戦争態勢を全力でつくっていくこと、これを戦略内容としたものである。
これはけっして、戦争の合理化だとか、近代兵器による戦争概念の変更だとか、そんなところに本質があるものではない。実際は逆なのだ。上記のような二つの系列の大戦争態勢――今日的な世界戦争の現実化プランを推進していくために、もっとも有効、的確な米軍の編成や展開をしようということなのだ。
さて、トランスフォーメーションの内容(特に対日的)については、すでに大約、@米陸軍第1軍団司令部の座間移転、A第5空軍司令部(横田)の第13空軍司令部(グアム)への統合、B厚木基地のNLPの移転、C沖縄の海兵隊の本土移転(これは別に、普天間移設の仕切り直しというような言い方もされている)の四つが出されている。
この中で、@の米陸軍第1軍団司令部の日本移転がやはり、もっとも大きな意味を持っているといえる。
これは、いわゆる「不安定の弧」への対処と言われているが、朝日新聞(12・8付)は、米側が11月の日米審議官級協議で説明したこととして、「中国と台湾の間の紛争などを念頭に、より『前線』に近い日本に司令部を置くことで、地域の実情に即した作戦計画の立案が可能になる」とか、「陸上自衛隊など『域内各国軍との共同対処・訓練を強化』することも目標となる」とか、さらに「第1軍団の任務については、@日本防衛A朝鮮半島有事への後方支援B太平洋地域での大規模災害対処などがある」という内容だったと報じている。
しかし、これはさらにすさまじい内容を持っている。すなわち、米陸軍第1軍団司令部の座間移転の狙いは、日本(在日米軍基地)を「不安定の弧」地域全体および朝鮮・中国に対する戦争のための基軸的軍事拠点、最大の戦略拠点にするということなのである。たんに米戦略に日本が不沈空母として利用されるとか、戦争に深々と巻き込まれるというレベルの話ではない。そうではなくて、日本(在日米軍基地、在日米軍、そして補完的な戦力としての自衛隊とその基地等)を戦争上の基軸的戦略拠点として位置づけるということなのである。
つまり「不安定の弧」や中国・朝鮮で戦争するには、日本を最大の軍事拠点、戦争拠点にして戦うのがもっとも合理的で有効だというのである。現実的な戦争戦略の具体化として、そのための米軍展開の形態としてあるということなのだ。
そして、具体的には次の2点が注目される。ひとつは、日本を戦略拠点にして、「不安定の弧」での戦争をどしどし遂行するという点では、米帝はいま陸軍自体を海兵隊化して、機動的に移動させることのできる軍隊にしようとしているということだ。いまひとつは、このトランスフォーメーションの決定的な狙いが、朝鮮侵略戦争さらには中国侵略戦争であることがはっきり示されているということだ。すなわち、朝鮮有事の際は、米陸軍第1軍団は、在韓米軍の主力である第2歩兵師団の増援に加わることになっているばかりか、中長期的には在韓米軍司令部も廃止して、それを日本に設置される第1軍団司令部に統合し、その下で在韓米軍を指揮することがたくらまれているのである。
これに関連して、米軍が今次再編にあたって4種類の基地の分類というものがある。すなわち、@中枢的役割を担う「主要作戦基地」(MOB)、A小規模な部隊のいる「前進作戦拠点」(FOS)、B武器等を事前集積しておく「防衛協力地点」(CSL)、C(MOBの上にさらに)大規模兵力の駐留基地である「戦力展開拠点」(PPH)の四つである。なお、Cは米政府の韓国への説明で明らかにされた。そして、米政府の説明によると、日本はPPH、韓国はPPHとMOBの間という位置づけをしているという。今次米軍再編が狙っている核心が、朝鮮での戦争を実際に遂行する体制(態勢)づくりにあることが、これらから鮮明になるのである。
空軍についても重要なことが出されている。それは、第5空軍司令部(横田)の第13空軍司令部(グアム)への統合である。この狙いは端的に言えば、空軍の司令部を、北朝鮮、とりわけ中国のミサイルの射程外に置こうとするものである。別の言い方をすれば、在日米軍基地を前線=戦場的基地とし、戦略的反撃能力の展開はグアムを軸として行い、それによって戦争を遂行するということである。長距離の航行能力を持つ近代化された強力な空軍力の威力を生かしていくことを考えているのだ。
このトランスフォーメーションが現実化していくということは、日米同盟が世界侵略戦争のための戦争枢軸になるということ、すなわち日米枢軸の形成以外の何ものでもない。つまり、日米同盟を米英同盟以上の枢軸的同盟に変更し、米英日の世界戦争的三国枢軸体制をつくりだそうとする政策と完全に一体なのである。これは、01年のQDR報告(4年ごとの戦略見直し)でうちだされた内容の現実化そのものである。米帝政府はこのトランスフォーメーションの遂行に際して、日帝が、遠からず憲法を改正して、集団的自衛権の行使を可能にするということを予定し、想定しているのである。
今年の秋に4年ごとの戦略見直しとしてQDRの改定が行われる。ここにおいて、上記のことがいっそう明確な姿をとって提起されてくることは間違いない。
米日枢軸化へ進む小泉
米帝の米日枢軸化戦略に対して、日帝・小泉は全力で呼応し、積極的にこの米日枢軸の形成へと踏みきっていこうとしている。本質的には日米帝間対立はますます激化しつつあるが、今日の日帝は世界史的激動の中で、米帝の世界戦争戦略に大きく同調し、積極的に加担する以外に方途はない。これ自体、米帝の対日争闘戦の貫徹形態だが、日帝としては、なおかつ、米帝戦略の同盟的推進者として延命の道を見出していくしかないのだ。もちろん、この過程は、支配階級内部の利害の対立や意志の不統一、さらには階級的対立の非和解的激化によって、日帝を大動揺させながら進行する。
革共同としては、さしあたっての情勢の中では、帝国主義たるかぎり結局、日帝はこの米日枢軸化の路線にそって動いていくということをきっぱりと確認する必要がある。「共同と対抗の論理」自体は本質的には働き続けるが、当面の情勢展開は端的に、日米枢軸化路線で日帝は突っ走ろうとしているということをがっちりと措定しなければならない。
日帝・小泉は、04年12月において一挙に、この再選ブッシュと同調して、日帝をイラク侵略戦争から北朝鮮・中国侵略戦争へと世界戦争過程にたたき込む方向での重大な政治決定を次々と行った。
(1)12月9日、自衛隊のイラク派兵の1年間延長を決定した。これは本質的には米帝がイラクから引き揚げず、イラク情勢が「不安定」であり続けるかぎり、自衛隊の派兵も続けるというとてつもない重大な決定である
(2)12月10日、新防衛計画の大綱を決定した。新大綱は、「不安定の弧」「北朝鮮」を対象化したのみならず、「防衛計画大綱」の策定が始まって以来初めて、中国について、「軍事力の近代化や海洋での活動範囲の拡大」という形で言及し、戦略的対象として明記したのだ。また同日、中期防衛力整備計画(05年度から5年間)を決定し、さらに武器輸出3原則の「緩和」=事実上の破棄を決定し(03年12月のMD戦略加担決定の必然的帰結)、テロ未然防止行動計画をも決定し、日本もアメリカ的治安体制を構築しようとしている。
(3)12月12日、「朝鮮半島有事の日米共同作戦計画」(コードネーム「5055」)の策定・調印が02年にすでに行われ、それが今も生きて働いていることを“公表”(マスコミにリーク)した。これは、米韓共同作戦計画「5027」と一体であり、けっして非公式な確認や約束といったものではない。97年締結の日米安保新ガイドラインによって設置されている日米の「共同計画検討委員会」(BPC)において作成され、日米間で正式に調印したものである。まさにこれ自身軍事協定そのものである。これを、04年12月という時点で公然とリーク=公表したことの意味は重大である。
内容的には、実際の北朝鮮侵略戦争の開始に対応して、北朝鮮のゲリラの上陸に備えて、自衛隊が全力で135カ所の米軍基地と原発の防衛にあたることや、海上輸送ルートの掃海やC130による難民の輸送などが確認されている。
(4)12月14日、「国民保護に関する基本指針」(要旨)を公表した。これは今年3月に正式に閣議決定されようとしている。これにより、都道府県や自治体が「国民保護基本計画」を作成し、有事立法が実働化する。
(5)12月14日、MD(ミサイル防衛)での日米包括協力の交換公文を手交した。
(6)このように並べてみたとき、やはり、04年11月末の日米の審議官級協議で行われた「米軍再編」(トランスフォーメーション)についての基本合意のことをつけ加えておくことが必要であろう。政府やマスコミは依然として日米間では一致していないかのように言っているが、これは世をあざむくものだ。基本合意をした上で、いかにそれを沖縄人民を始め日本の労働者人民に飲ませていくかという点での調整をしているにすぎない。実際、上記の(1)〜(5)などはすべて、日帝のこれまでの安保国防政策の根本を大きく質的に転換しているものばかりである。まさに“変形”はもうすでに始まっているのだ。
(7)上記の(1)〜(6)の中で、(1)の12月9日のイラク派兵延長決定は、05年における実施強行過程も含めて、やはり最大の反革命であることはいうまでもない。また、日米枢軸論の提起は、日米安保同盟の現段階の規定にかかわる、党の考え方としてひとつの踏み込みである。
(8)改憲攻撃については、11月17日に自民党憲法調査会が改憲内容についての文書を公表したが、12月6日には、改憲試案の05年1月18日の自民党大会での公表については、春以降への先送りを確認している。しかし、この動きから、改憲攻撃の切迫性が後退しているかのように受けとることは許されない。05年に自民党が、公明党を巻き込み、かつ民主党を巻き込んで、9条改定を軸に改憲攻撃に出てくることはなんら変わっていない。05年は決定的段階への突入の年なのだ。
(9)この間の日帝・小泉をめぐる動向として、ぜひ確認しておかなければならないことは、いわゆる拉致問題をめぐる情勢の急転回である。北朝鮮より持ち帰った遺骨のDNA鑑定の結果とされる事態は、今日「経済制裁」の大合唱を巻き起こすにいたっている。日帝・小泉は、米帝ブッシュの対北朝鮮政策の流れと調整しながら動こうとしているが、米帝の政策次第によっては、対北朝鮮情勢が一挙にエスカレートして、「経済制裁」をめぐる騒然たる情勢が発生してくる可能性がある。この動き次第では、05年情勢は一変し、一気に政治が動く危険もなしとしない。われわれは、北朝鮮の核政策にせよ、また「拉致」問題にせよ、それが帝国主義による北朝鮮侵略戦争のテコとされ、口実とされることには断固反対し、米日の対北朝鮮政策が本質的にイラク侵略戦争と同一の帝国主義的侵略戦争であるということを明らかにして、強力に反対していかなければならない。
沖縄をめぐる情勢
最後に、イラク侵略戦争下、米軍再編下、日米同盟の日米枢軸化の中での沖縄基地と沖縄人民の闘いについて。
トランスフォーメーションはすでに沖縄海兵隊には適用されている。在沖米軍2万6千〜2万9千人のうち海兵隊は1万5千〜1万8千人である。この海兵隊のうち8千人がすでにイラク・ファルージャ戦などに投入されている。ラムズフェルドは、こういうように戦力を機動的に投入するのがトランスフォーメーションだと言っている。また、8月のヘリ事故は直接にファルージャ戦の波及としてあることが判明している。普天間基地の戦闘ヘリは全部で56機で、そのうち40機がイラクに行っている。ヘリの整備係は、あのとき3日連続で1日17時間労働をしていた! 整備不良が発生して墜落するのは時間の問題だったのだ。
トランスフォーメーションは米陸軍そのものを総海兵隊化することでもあると、米軍高官は言っている。この意味では、沖縄の海兵隊のようなあり方、動き方こそ、米軍全体のこれからのあり方ということになる。
また、トランスフォーメーションで日本全体が最大の戦略基地化する中で、沖縄は戦略基地と前線の接点を形成する。また、トランスフォーメーション下では、米軍が戦略上、沖縄からさらに後方に移転した時は、自衛隊がその後を補充することが想定されている。普天間基地も自衛隊使用の可能性があると想定されている。
他方、米帝・米軍は、在外米軍基地、とりわけ大戦略基地と位置づけようとしている日本の米軍基地が、地域住民、周辺住民の怒りと敵意の下に包囲されることには、ダメージ感と恐怖を感じている。そして、それが日米政府間のトランスフォーメーションの日本の受容をめぐる駆け引きの材料にされている。これは闘う側から見れば、沖縄人民を先頭とする日本人民の沖縄闘争や在日米軍基地反対闘争が、米帝戦略の遂行を妨げる大きな力として働いていることを示す。
この意味で、辺野古基地建設のためのボーリング調査阻止、普天間基地即時撤去、米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いは、きわめて重要な闘いであることがますます明白となる。
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週刊『前進』(2182号5面2)(2005/01/24)
スパット台船を撃退 辺野古攻防 重要局面に
沖縄・名護市辺野古での海上新基地建設阻止の闘いは年初から激しい攻防に突入している。1月13日、那覇防衛施設局はスパット台船を載せた巨大なクレーン船を出してきた。
「スパット台船」は、リーフ外の水深4〜25b地点でのボーリング調査用の足場。昨年11月に一時設置されたが、その際、4本の足場の鉄板で34カ所のサンゴを破壊し大問題となっているものだ。12月に台風を避けて撤去して以来初めて中城湾から辺野古沖に姿を現したのだ。
海上抗議船が続々と結集し、クレーン船を取り囲み、スパット台船の設置を阻む。攻防は午後4時まで続き、ついにスパット台船の設置を阻止! スパット台船を中城湾に追い返した。那覇防衛施設局による本格的なボーリング作業再開を緒戦で跳ね返す大勝利を闘いとったのである。
名護市民投票勝利から7年
12月21日、名護市民投票勝利7周年記念の海上デモと集会が、名護市辺野古と名護市内で行われた。
この日も早朝から60人が海上の作業やぐらに登って工事を阻止。約30隻の船に150人以上が乗船して行った海上抗議デモは圧巻だった。陸の座り込みにも200人が参加、総計で400人以上となった。座り込みテント村の周辺ではコンサートや集会が開かれ、命を守る会の金城祐治代表やヘリ基地反対協の安次富浩さん、県民会議の山内徳信さんらがあいさつした。
夕方、名護市街地のヒンプンガジュマル広場で開かれた集会には350人が参加し、ボーリング調査の中止を訴えて市役所前までデモ行進した。
昨年11〜12月、那覇防衛施設局と業者は、反対派への暴力行為に及んだ。約3bの単管やぐらからたたき落されて負傷する者が続出した。それでも屈せず単管やぐらに登り、「ボーリング調査反対! 海上基地反対」と阻止行動を続けた。
この不屈の闘いが、事態を転換させた。国頭村や宜野座村などの東海岸の漁民が決起し、連日十数隻の漁船が辺野古の海上に現れ、防衛施設局と業者の船を阻んだ。単管やぐらを漁船に囲まれたら、防衛施設局は手が出せない。ボーリング調査を請け負っているサンコーコンサルタント(本社=東京・亀戸)には、電話やFAXで抗議が殺到した。サンコーコンサルタントも危険行為を認めた。防衛施設局も業者も追いつめられ、工事は完全にストップした。これが12月21日までの状況だった。
これは、地元と支援の必死の闘いが日米帝の攻撃を実力で阻止しているということだ。防衛施設局と業者を追いつめているのは闘う側である。7年前の市民投票で、名護市民は明確に基地建設反対を表明、今も沖縄県民の9割が名護新基地ノーと言っているにもかかわらず、それを踏みにじって工事を強行している。この暴挙に、名護市民、沖縄県民、そして全国の労働者人民の根源的怒りが燃え上がっているのだ。
05年元旦、辺野古の海に素晴らしい初日の出ときれいな虹が出た。年末年始も命を守る会の小屋の前で座り込みは続き、4日にはテントが立ち、5日から海上戦が始まった。4つの単管やぐらは、すでに2カ月近く海上に放置され、さびつき、自然崩壊し始めている。
重要局面に突入した現地攻防を全力で支えよう。そして沖縄、全国、そして日米韓の労働者の連帯した力で、名護新基地建設を阻止し、安保体制と米軍再編を粉砕しよう。
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週刊『前進』(2182号6面1)(2005/01/24)
『俺鉄2』はマルクス実践的唯物論の見本 関東・青年労働者 山口修一
私たちはマルクス主義を語る時、マルクス・レーニンの古典の引用や、その中で用いられている用語をよく駆使します。しかし、最近「マルクス主義の実践の書」と評されている『俺たちは鉄路に生きる2』には、そういう用語は一切用いられていません。『俺鉄2』で述べられているのは、現場労働者であり、動労千葉という労働組合の指導者である筆者が、実践を通してつかんだ確信と思想です。それは「労働者階級の自己解放性への確信」であり、「実践的唯物論」です。これこそまさにマルクス主義の核心であり、スターリン主義を乗り越える思想だと思います。
ブルジョア社会をイデオロギー的に支えるインチキ哲学に対して、それを批判するために、何か別の「正しい哲学」を対置するのではなく、実践(現実の実践的転覆)を対置する。これはわれわれ的に言えば、革共同第6回大会報告の「カクマル黒田哲学批判」を通して到達した、党と労働者階級の実践的=思想的地平ではないでしょうか。
要は、同書は一官公労働運動の、しかも一鉄道職場の労働運動に限られた話なのではなく、とはいえ、その一職場での労働運動の実践にとことんこだわり、労働者仲間の中に24時間365日自己を置くことを通してつかみ取られた、普遍的な労働者自己解放=プロレタリア革命の思想だと思うのです。重要なことは、マルクスもレーニンも、こうした実践を通して、あるいは労働者の実践に接してつかみ取った思想を、かの難しい諸用語で言い表したということです。
マルクスやレーニンのようなインテリゲンチャではなく現場労働者が実践的教訓を通してマルクス主義を伝えている。このような書物は世界的にもなかなかないのではないでしょうか。
石原都政型の悪政に住民パワーが大爆発 兵庫 永山景信
兵庫県宝塚市では「石原都知事型行政」を志向する渡辺市長によって、文字通り市民無視の強引なワンマン市政が行われ、様々なトラブルが多発している。
昨年夏「選挙公約を実行する」として「学校選択制度」と「2学期制」の導入の条例を制定、ほとんどの市民・保護者が知らないまま「宝塚市学校改革審議会」を設置、すでに秋より4回の審議会を開催した。
そして正月明けの慌ただしい1月8日、審議会と教育委員会主催による「市民の意見をうかがう会」を開催した。これは、この教育改悪方針の既成事実化を狙い、「市民の意見を聞いた」ことにする明らかなパフォーマンスであった。
会場は若いおかあさんを先頭にみるみる内に満員となり、200人以上の人びとが結集、当局を慌てさせた。そして感激だったのは、「ただ聞くだけ」のモタモタした審議委員に対し、若い保護者、地区住民が先頭になって、差別・学校給食問題などを絡め、鋭く切々と、かつ元気で堂々とした反対意見が、完全に会場を支配したのである。
これが宝塚の住民パワーなのだ。それに対し審議委員は顔色を失い、「つくる会」勢力などは「こんなはずじゃあなかった」と支離滅裂な賛成意見を述べただけですごすご退散した。反対意見は午前中が95%、つくる会が体制を作って臨んだ午後も90%を占めた。
宝塚市民は、明確に石原都政型教育改悪に反対ののろしを上げた。教育基本法改悪に、ファシスト的渡辺市政にNO!の声をたたきつけたのである。
大学を学生の手に!東北大で集会とデモ 東北大 I
12月16日、「これでいいのか東北大! 学生こそが大学の主人公だ! 12・16大行動」(写真)が行われた。東北大学の「内規」適用、有朋寮廃寮など学生の自治・自主活動を根こそぎ奪う攻撃に反撃した。
12時、大きな太鼓の音とともに開始が宣言された。サ協・有朋寮など東北大を始め、法政大、山形大、富山大、弘前大を含め40人が集まった。裁判所までデモし、有朋寮裁判で、有朋寮委員長を証人として認めさせた。次回の裁判で大学当局を徹底的に追及する。
続いて大学当局窓口に詰めかけ、「内規」撤廃決議への回答を迫った。菅井副学長は出て来ず、一切答えない。窓口も「(追加決議は)受け取らない。郵送しろ」と対応、決議を侮辱した。「こんな大学は絶対におかしい。大学を学生の手に取り戻し、変えなければ」と皆が決意した。
夕方の「大学を学生の手に!12・16集会」では、法政大など全国の学生がサークルや寮への攻撃を暴露、ともに闘おうと訴えた。東北大のサークル員は「大学のためにサークルをやっているのではない」と抗議。有朋寮入寮で無期停学処分を受けたF君は「内規」撤廃の闘いと結合し、展望が開けたと語った。
04年3月「日の丸・君が代」不起立を理由に不当解雇された教育労働者が連帯の発言。F君が「君が代」解雇裁判の公正な判決を要請する署名を手渡した。宮城の教育労働者、全金本山労働組合がアピールした。
05年、大学当局はサークルの部室からのたたき出しを狙い、有朋寮闘争も決戦を迎えた。東北大生は先頭に立って闘う。
イラク人民と連帯し派兵延長反対のデモ 福岡 S・T
12月19日福岡市天神の警固公園において、アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会主催の集会とデモ(写真)が行われました。
集会ではまず、主催団体の代表である青柳行信さんがあいさつに立ち、イラク現地で闘っているレジスタンスと連帯して闘おうと呼びかけました。
続いて、沖縄・名護現地に闘争支援のために駆けつけていた九州大学学生自治会の学生が発言に立ち、現地においてボーリング調査の暴力着工が行われていながら本土のマスコミがほとんど無視を決め込んでいる現実を徹底的に弾劾し、名護市民投票7周年12・21現地海上デモと集会への参加を呼びかけました。
教育労働者は、不起立闘争の意義を語り、教育基本法改悪阻止の闘い、改憲阻止の闘いを訴えました。
集会の後、天神を一周するデモに出ました。年の瀬のあわただしい町の中を「派兵延長反対! 占領軍はイラクを出てけ!」の声が響き渡りました。圧倒的な注目を浴びました。
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週刊『前進』(2182号6面2)(2005/01/24)
介護全国ネット総会 介護保険改悪阻止へ “長谷川英憲さんを都議に”
04年12月12日、「介護保険に異議あり、全国ネットワーク」の第4回総会が大阪・高槻市で開かれ、385人が参加した。新たに参加した地方など運動の広がりを示すと同時に、介護保険改悪を許さないという決意にあふれた。
司会は高槻市議で全国ネット事務局次長の森田充二さん。開会宣言を全国ネット共同代表で高槻の健診介護要求者組合の水上信也さんが行い、厚労省交渉を始めとした昨年の闘いの成果を確認し、さらに闘っていくことを訴えた。
基調報告を共同代表で介護と福祉を要求する杉並住民の会の高田普次夫さんが提起した。小泉政権の自衛隊イラク派兵に対して「戦争する国になる一方で、年金、医療、介護の予算を切りつめようとしている」と弾劾し、戦争への道と闘うことを呼びかけた。「私たちがこの国の主人公です。私たちが立ち上がっているのも政府にお願いしているのではなく、この国の主人公にどうしてそんなむちゃなことをするんだと言って「胸を張って要求しているんです」と誇りを持って闘うこと、そして05年の目標として介護保険改悪と闘い、全国ネットの組織をさらに拡大することを訴えた。
続いて各地で全国ネットワークとともに活動している議員が登壇し、発言した。そして司会が全国ネットの東の事務局長である長谷川英憲元都議を05年の東京都議選の候補として推薦することを発表した。あいさつに立った長谷川さんは冒頭、「戦争の時代が激しく進行している」とし、それと表裏一体の攻撃として社会保障の解体、労働者へのリストラ・賃下げの攻撃を弾劾した。そして「勝利の争点になるのが東京。2期目の石原は悪辣(あくらつ)な攻撃を強めている。石原に対抗できる力を東京の中につくらなければならない」と都議選の意義を訴え、「石原にノーを突きつけて闘う議員として当選したい」と決意を語った。この決意を受けて、満場の拍手で長谷川さんを全国ネットの推薦候補とすることを確認した。
続く各地からの報告は総会のハイライト。1年間の闘いの前進と組織の広がりをはっきりと示した。厚労省や区との交渉で前進をかちとった杉並、不服審査請求の意見陳述の場に審査委員の出席をかちとり、第1回の総会に向けて闘っている神奈川、介護保険料減免の拡大をかちとった東大阪、泉佐野、国保料値上げと闘いぬいた高槻などから署名運動や相談会などさまざまな取り組みで運動の拡大に取り組んでいることが報告された。特に厚労省交渉などで政府・厚労省を追いつめている手ごたえを実感していることが参加者を勇気づけた。
役員人事や会計報告が行われ、総会宣言が読み上げられ、「高齢者の生きる権利を否定する為政者に、いまこそ怒りの鉄拳(てっけん)をたたきつける時がきた」と高らかに宣言した。
第2部のアトラクションでは参加各団体が寸劇や歌、コント、踊りなどを披露し、交流を深めた。
日帝が進めている介護保険制度改悪の攻撃は、要介護度の低い高齢者から最低限の介護さえ奪い、施設からの追い出しをはかるなど高齢者の生きる権利を完全に奪うものだ。第4回総会の成功は、介護保険制度改悪阻止・介護保険廃止に向けた05年の闘いへ、全国の高齢者が一丸となって闘いぬく決意をうち固めた。
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週刊『前進』(2182号6面3)(2005/01/24)
国立武蔵病院へデモ 保安処分施設着工を弾劾
昨年12月19日、「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は、東京小平市の国立精神・神経センター武蔵病院の保安処分施設着工を弾劾して、小平中央公民館での集会と武蔵病院へのデモ(写真)を「精神病者」を先頭に60人で行った。
武蔵病院は、すでに工事を開始した岩手・国立花巻病院とともに7月開所めざす保安処分施設建設の第1号である。「精神病者」には“再犯の予測は可能だから判定すれば無期限拘禁、強制=矯正治療を行っても構わない”とする、「病者」を「危険な存在」と見なした差別・抹殺のための施設である。絶対に阻止しなければならない。
集会は午後1時半から「病者」の司会で始まった。阻止共闘による武蔵病院当局への建設中止の請願、住民説明会での情宣、駅頭、厚労省、地域住民ビラをくり広げてきた活動が紹介される。さらに武蔵におけるセンサー付きの4bの3重の塀(へい)で囲まれた完成予定図を指弾。国立病院でほかに予定されている肥前(佐賀)、東尾張(愛知)、下総(千葉)、北陸(富山)、松籟荘(奈良)の当面7カ所建設阻止を呼びかけた。
大阪の「病者」は、松籟荘病院での説明会情宣や請願行動を報告し、電気ショックや精神療法が施設内で多用される問題性を追及された病院当局が「今までどおりの治療をするだけ」とごまかす姿を暴露した。
仙台からは花巻病院への抗議行動と11月の東北地区精神保健判定医研修会での抗議情宣が報告された。さらに長年保安処分に反対してきた東京の精神科医も発言し、新施設は精神医療全体をますます強制隔離にたたきこむと弾劾した。
また、東京の「病者」は医学書院が最近発行した雑誌を取り上げ、「暴力に対峙するときの身体技術」と題して看護師に患者への暴力的支配をあおりたてる記事を暴露し、医学書院への抗議行動を報告した。執筆者は国立肥前病院の看護師で、厚労省とともに欧米の保安施設を見学し北九州医療刑務所でトレーニングを受け日本用にプログラム化したと解説している。「暴力を受けやすいのは暴力の教育を受けていないから」と説き、「普段から暴力をおこすことへのリスクアセスメント(危険性の評価)を行い」、1人のみならず3人チーム制で患者を組み伏せる技術を会得するという。まさに保安処分施設は「リスク管理」の名のもとに他の精神病院よりも多く配置されるスタッフ(患者対看護師数が1対1以上)を動員して患者への暴力的支配を日常化することを物語っているのだ。
次に東京の患者会の「病者」は、保安処分施設を収容先とした医療観察法施行は7万2千人の病床削減のもとでの患者分類の強化、警察と一体の精神科救急医療センターの設置、精神科通院医療公費負担削減をはじめ「障害者」施策の全面改悪(「グランドデザイン」)と一体となって「病者」をますます地域から追い立てると批判し、「社会復帰」を強制されるのではなく「『病者』のまま生きたい」と結んだ。
また、「病者」の家族を持つ地域住民労働者からも発言が寄せられ、「精神病院の中に刑務所が建つとのうわさが先行しているが、実は大変な人権侵害なんだと地域・職場で反対していきたい」と語った。
さらに「病者」、労働者、地域住民に訴えて全国で保安処分施設建設を阻止しよう。
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週刊『前進』(2182号6面4)(2005/01/24)
六ケ所 ウラン試験に抗議 再処理工場門前で150人
12月21日、青森県六ケ所村の日本原燃正門前で、再処理工場ウラン試験突入緊急抗議集会が開かれた。地元住民・青森県内の労働者を中心に、県外からも含め150人が参加した。
ウラン試験は、劣化ウランを使い再処理工程の試験を行うもので、大量のプルトニウム抽出(核爆弾製造に向けた核燃サイクルの本格稼働)の突破口となる。六ケ所村・青森県、隣接地域に対する放射能汚染の開始、日帝の核武装への大エスカレーションの攻撃だ。
鉄柵(てつさく)で門を閉ざしガードマン・警察で弾圧態勢を敷き、反対を押しつぶしてウラン試験を強行しようとする日本原燃。吹雪の中、ウラン試験突入阻止の闘いに立ち上がった労働者人民は怒りを倍化させた。再処理工場ゲート前は労働組合や反核・反原発団体の旗が林立し、抗議の声がとどろいた。
集会は、「止めよう再処理青森県・全国実行委員会」の主催で10時30分から始められた。冒頭、同実行委員会から「日本原燃は9時30分に試運転に入ったと発表した。日本はすでに40dものプルトニウムを持っている。稼働させるべきでない」と、怒りを込めて開会あいさつが行われた。
核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会共同代表の平野良一さんは左手に大根をふりかざしながら、「野菜を丸かじりできないような事態をやめさせなければならない。試験をやるための準備を試験開始と言っている。絶対にいつかぼろが出てこけるのは日本原燃と電事連」と、核燃サイクル白紙撤回の決意と確信をみなぎらせて訴えた。核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団は「再処理工場はトラブルが必ず起きる」と警鐘乱打した。
最後に、「原子力の平和利用は、未来永劫(えいごう)にわたり生き物の命を傷つける。六ケ所を放射能で汚染させてしまうほど、これからの青森県民にとっての不幸はない。私たちは原子力の後始末のため放射能まみれになることを拒否する」と宣言した「ウラン試験強行抗議・六ケ所再処理工場計画中止のアピール」が読み上げられた。
集会には、地元で反戦・反核を闘う弘前大・東北大の学生や労働者・人士なども多数参加した。また首都圏からも8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会と相模原反核市民の会もかけつけ、ともに闘い抜いた。「現地に来て施設を見て、阻止しなければならないと強く思った」「全国からも多くの人が来ているので、がんばらなければならない」という参加した若者の感想が闘いの展望を示している。
処理工場の破綻(はたん)性を見抜き、「闘いはこれからが本番」と、ますます闘魂を燃え立たせ、共闘を呼びかけている地元の闘う労働者人民と連帯して、反核燃の闘いに決起していこう。
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週刊『前進』(2182号6面5)(2005/01/24)
倉持嘉之同志の新年アピール
侵略帝国主義・日帝打倒へ
昨年は、全国各地で各戦線を担い不撓不屈(ふとうふくつ)に闘い抜く同志たちの奮闘により、日本階級闘争の画期的な勝利の地平を着実に拡大させた年となりました。
イラク侵略戦争は、イラク・中東人民の民族解放闘争の激烈な爆発によって、米帝の体制的危機と没落を決定的に促進させている。米帝を始めとする侵略軍は、イラク人民総体を軍事力で屈服させようと、際限のない破壊と殺りくをイラク各地で繰り広げている。
そうした中で日帝は、各国が占領軍を引き揚げているにもかかわらず、あえて自衛隊を増強・増派しようとしている。米英帝とともに、イラク侵略・占領の枢軸になろうというものだ。民族解放闘争を闘う人民と連帯し侵略帝国主義・日帝を打倒しよう。
朝鮮侵略戦争の切迫を見据えて闘い抜きましょう。日帝が再び朝鮮・中国侵略戦争に突き進むことを許してはならない。民族排外主義に日本の労働者階級人民が飲み込まれ屈服していく歴史をくり返してはならない。日本の革命的共産主義にとって、朝鮮侵略戦争を阻止する闘い、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」を実現する闘いは絶対的課題です。
改憲を始めとする諸法制の改悪によって、日帝は、侵略帝国主義としての国内支配体制を確立しようとしている。それは国家の強権が支配する社会、差別・抑圧が極限まではびこる暗黒の社会であり、そうして労働者階級人民の侵略戦争への動員を強制する社会だ。日帝は他方で、一握りの富者をあらゆる面で優遇する一方、恒常的に困窮する生活を強いられる貧困層を急速に増加させている。貧富の格差を拡大し、固定化・世襲化させている。侵略戦争への動員と貧困が同時に強制されようとしている。労働者階級人民の総決起・総反乱は不可避です。
搾取と収奪、差別と抑圧のない世界を創(つく)り出すために、帝国主義による侵略−限りない収奪と破壊、殺りくに終止符を打つために、帝国主義の世界支配を粉砕するために、世界戦争危機を世界革命に転化しなければなりません。その決定的な環として、「連帯し、侵略を内乱へ!」を実現して日本革命の勝利をかちとること。これこそ、日本で闘う革命的共産主義者の歴史的責務です。日本革命を世界革命の突破口としてかちとる気概が必要です。
反帝国主義・反スターリン主義の旗を掲げて闘う革共同が、日本革命−世界革命を実現してゆく本格的なプロレタリア革命党へと飛躍すること。それが今、最も強く歴史的に要請されている課題です。03年、04年の画期的前進を跳躍台として、05年の大飛躍を闘いとりましょう。(90年10月武蔵野爆取デッチあげ弾圧元被告、74年1・24カクマル完全せん滅戦闘弾圧元被告、横浜刑務所在監、獄中15年)
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週刊『前進』(2182号6面6)(2005/01/24)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
1月18日(火)午後1時15分
2月18日(金)午後1時15分
*東京地方裁判所
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