ZENSHIN 2004/12/06(No2177
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週刊『前進』(2177号1面1)(2004/12/06)
11・7労働者集会の感動を広げ 12月国鉄決戦勝利へ
「日の丸・君が代」闘争を破壊するカクマルの「告訴運動」粉砕せよ
名護新基地ボーリング絶対阻止を
11・7全国労働者総決起集会の感動を全日本・全世界に広げ、この闘いを労働者階級の自己解放闘争ののろしとしよう。日米韓のランク・アンド・ファイル(現場労働者)の国際連帯の強化、教育労働者の不屈の決起を2本柱とする11・7集会の圧倒的成功は、くめども尽きない教訓に満ちている。この総括の闘いに05年決戦の勝利もかかっている。イラク反戦・自衛隊撤兵の闘い、沖縄・名護新基地建設阻止の決戦を闘いぬき、教育労働者の闘いを軸に、4大産別決戦に勝利しよう。とりわけ、12・1国鉄1047名闘争勝利集会と12・19国労臨大闘争弾圧粉砕集会の成功に全力を挙げよう。年末一時金カンパ闘争をやり抜き、闘う労働者党を強固に建設しよう。
第1章 国際連帯と教労の決起が勝利の軸に
11・7集会がかちとったものは実に偉大なものである。昨年から始まった労働者の国際連帯が、単に国際主義の理念の確認にとどまらず、具体的な現場の闘いの不可欠の結合としてうち固められた。
それは、動労千葉派遣団が10月のMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)の一翼を担い、サンフランシスコのホテル労働者の決起と合流したこと、また11・7の翌8日には、サンフランシスコホテル労働者の闘いを圧殺している張本人である国際興業本社に抗議して日米労働者が共同で立ち上がったこと、さらに韓国の11・14全国労働者大会に動労千葉派遣団が合流し、11・26ゼネストへの闘いと連帯したことなどに表されている。
日米韓の労働者国際連帯は勝利まで続く闘いの大きな一歩を踏み出したのである。それは、新しいインターナショナルの展望を開くものであり、世界革命の現実性を示すものである。
この国際連帯の陣形をつくり出す中心的な役割を果たした動労千葉を始めとする呼びかけ3労組の闘いは、最も階級的・原則的に闘うものが、最も国際的な闘いを切り開くものであることを教えている。
われわれは01年の革共同6回大会で、21世紀の早い時期にプロレタリア世界革命に勝利する路線を決定したが、それが今や巨大なスケールで始まったのである。この闘いは「戦争と民営化」に反対する労働者の階級的な闘いによって切り開かれるのである。
11・7集会のもう一つの決定的な意義は、教育労働者の今春以来の闘いとの合流をかちとったことである。それは今春の卒・入学式での「君が代」起立拒否の闘いに示された階級的魂を真に受けとめ、自らのものとする勢力がどこにあるかを示した。11・7集会こそが、不起立闘争を真っ向からたたえ、これと連帯する集会なのだ。また、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)、韓国の民主労総が「日の丸・君が代」決起を熱烈に支持した。日本の教育労働者の決起は、国際労働者階級の希望の光である。
「日の丸・君が代」闘争をとおしてこそ、教育基本法改悪・憲法改悪阻止の闘いを切り開くことができるし、日教組再生の道を開くことができることが、11・6〜7の闘いをとおして完全に明らかになった。
11・7集会への闘う教育労働者の合流は決定的な事態だ。05年春の卒・入学式闘争から教基法改悪・改憲阻止決戦に向けての第一歩が踏み出されたのである。
教育労働者の闘う団結に敵対
だからこそ、この教育労働者の闘いの圧殺のためにカクマルが襲いかかってきたのである。
カクマルが都知事や教育長ら「日の丸・君が代の強制者を刑事告訴・告発する会」を発足させようと策動していることは、絶対に許すことができない。労働者の団結に対して、権力を引き入れ介入させ、闘いを破壊しようとしているのだ。これとの闘いは、11・7集会の成果を守り発展させる当面最大の闘いだ。
この策動は、園遊会での天皇発言と通ずるものである。天皇は「強制にならないように」と教育委員・米長を「たしなめた」と言われているが、そうではない(カクマルは『解放』で天皇発言を賛美した!)。天皇は何よりも「君が代」不起立決起に打撃を受け、もっとしっかりと国民全体が心から「日の丸・君が代」に従うようにせよ、と号令をかけているのだ。
この天皇発言をテコに、日帝国家権力は「日の丸・君が代」闘争圧殺の衝動を募らせ、来春に向かって攻撃を加えようとしている。それを可能にするための仕掛けをカクマルの告訴・告発運動はつくり出すのである。カクマルもまた、不起立決起に打撃を受け、この闘いの発展を妨害しくい止めようとしているのだ。
カクマルの新たな策動は、彼らの反階級的正体を暴き出す絶好の機会を与えた。国鉄分割・民営化に率先協力したのと同様、カクマルは国家権力を引き込んで闘いを破壊しようとしている。今回は「強制」に反対する運動を装っているだけ一層悪質だ。絶対に許さず、粉砕しよう。
12月国鉄決戦を闘いぬこう。国労本部・酒田一派と日本共産党・革同の反動を打ち破り、打倒し、国鉄1047名闘争勝利の陣形を打ち固めて闘おう。鉄建公団訴訟を断固闘いぬこう。
国労西日本本部の上村委員長(革同)が、「闘争団は日本では出番がないがイラクに行けば英雄」と言うJR連合と組んでイラク復興支援会議を発足させたことは、ついに日本共産党がイラク侵略戦争の先兵に成り下がったことを示した。闘う国労組合員を権力に売り渡し、闘争団を切り捨て鉄建公団訴訟を抑圧するところまで転落した者の行く末はむき出しの戦争協力だ。戦前の産業報国会はまったく過去の話ではなく、現在直面している問題だ。
「鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会」に大結集し、「国労5・27臨大闘争弾圧を許すな!12・19全国集会」を圧倒的に成功させ、05年国鉄闘争勝利を切り開こう。
郵政民営化攻撃との決戦を迎えた全逓労働運動、公務員制度改悪攻撃と闘う自治体労働運動を始め、11・7を引き継ぎ、全産別で05年決戦を闘う陣形をつくろう。
第2章 イラク撤兵させ、辺野古掘削阻止を
米帝ブッシュのイラク侵略戦争は、一層拡大している。ブッシュは大統領再選を決めた直後からファルージャへの大虐殺戦争を開始した。これに対し、イラク人民はイラク全土で反撃に立ち上がっている。米帝のイラク侵略戦争は完全に泥沼状態にたたき込まれている。それは米帝にとって抜き差しならない危機である。しかし、どんなに敗勢に追い込まれても、米帝はイラクから手を引くことはできない。イラクは中東産油地帯の中心に位置する。中東石油に帝国主義の命運がかかっている以上、米帝はさらに戦争を拡大する以外に道はない。
労働者階級の側から言えば、本当にここで帝国主義を破滅に追い込み、打倒していく展望を開かなければならないのだ。
日帝は、苦しい言い逃れをしながらも、日米同盟を破棄するわけにはいかない。中東から撤退することはできない。帝国主義である限り、それ以外の選択はない。だからこそ、労働者人民と帝国主義の関係は非和解なのだ。とことんまで戦争絶対反対を貫き、自衛隊撤兵を掲げて闘い、日帝・小泉を打倒することが必要なのだ。
日帝・小泉は何がなんでも名護新基地建設を貫徹しようと躍起となっている。大統領選が終わり、日米首脳会談、日米防衛首脳会談が相次いで開かれたが、ここでは米側から普天間基地の嘉手納統合案が提案されたという。米帝としては今後十数年かかるという新基地建設では間に合わない、直ちに使える基地を、と要求しているわけである。日帝は、こうした米帝の要求が強まれば強まるほど、「一日も早く名護新基地建設を」と言って破産した新基地建設にのめり込んでいるのだ。
11・7集会は、第3次安保・沖縄闘争を階級的労働運動によって切り開く宣言を発した。そして、日米韓労働者の連帯で米軍基地を撤去することを打ち出したのである。
11月16日以来、那覇防衛施設局は凶暴にボーリング掘削工事に突入した。ヘリ基地反対協と命を守る会のもとで、地元では連日海上の実力阻止闘争が命がけで展開されている。掘削工事のためのやぐらにしがみつき、朝から夕方までの闘いを続けている。この闘いを支えるために、現地に駆けつけて闘おう。また、カンパを送ろう。
北富士演習場のサマワ模擬施設での侵略戦争訓練を許すな。神奈川県座間キャンプへの米陸軍第1軍団移設を阻止しよう。全国基地闘争を強め、侵略戦争遂行体制を粉砕しよう。
第3章 革共同に結集してともに05年決戦へ
11・7労働者集会をなんとしても押しつぶすために、権力は凶暴に、かつでたらめな弾圧を加えてきた。11月2日には、辺野古の闘いの先頭で闘う全学連の学生に対して、「過激派であると言わないで部屋を借りた」から「詐欺罪」だと言いがかりをつけて逮捕し、東京へ移送した。そして、その件で都内のアパートに強制捜索に入り、居合わせた2人を公務執行妨害罪や「証拠隠滅」罪をデッチあげて逮捕した。さらに警視庁公安部は、11・7集会当日の朝に前進社本社に捜索に押し入り、あくまで集会を破壊しようとあがきにあがいた。
これを打ち破って11・7はかちとられ、その力で3人を奪い返した。3人は完黙非転向で闘いぬき不起訴釈放された。
これは11・7の大きさを示すものだ。11・7のような闘いが戦時下の治安弾圧を打ち破るのだ。確信を持って闘おう。
さらに決定的な勝利は、無実の福嶋昌男同志を未決12年の牢獄から奪い返したことである。今年3月の迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧3同志の無罪判決に続いて、同事件でデッチあげ弾圧を受けていた福嶋同志の無罪戦取に向けて決定的な勝利が切り開かれた。この勝利に引き続き、71年沖縄「返還」協定批准阻止闘争での殺人罪デッチあげ弾圧で30年の投獄を強いられている星野文昭同志の再審無罪を必ずかちとろう。
まさに、階級的労働運動の先頭に立って闘う革共同を防衛し、拡大することこそが、今必要なことであり、そのための闘争を一層強めなければならない。年末一時金カンパ闘争、マルクス主義青年労働者同盟の建設、党勢拡大闘争を全力で成し遂げよう。
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週刊『前進』(2177号1面2)(2004/12/06)
ワールドアクション ファルージャ虐殺に抗議 渋谷 辺野古と熱く連帯
11月20日夜、「今こそ自衛隊をイラクから撤退させよう!」を掲げて「STOP WAR!WORLD ACTION」主催の米軍のファルージャ攻撃に対する緊急抗議行動が東京・渋谷の宮下公園で開かれ、350人が参加した。
この日の闘いは、青年の政治意識が根本的に変化しつつあることを示した。
ワールドアクションの女性活動家が「米軍はファルージャを包囲して大虐殺をやった。37年のナチスのスペイン・ゲルニカでの虐殺、日本軍の南京大虐殺と同じだ」「職場の仲間や大学の友人と団結し、イラク戦争反対、自衛隊撤退の声を上げよう」と、ファルージャ攻撃を弾劾し、それを支援する日帝・小泉の自衛隊派兵延長策動を激しく断罪し、闘いを呼びかけた。この発言が集会の戦闘的雰囲気を決定した。
昨年の11・9労働者集会に参加したUTU(全米運輸労組)のポール・C・ジャンセンさんが参加していることが紹介され、会場は拍手に包まれた。
沖縄からの闘うアピールが感動を呼んだ。名護市辺野古で闘ってきた女子学生が発言し、「私は普通の学生で、沖縄を海のきれいなリゾートと考えていた。5月に行った時に、闘っている青年と出会って、辺野古のことを知り、今私たちがどういう状況にいるか考えるようになった」「辺野古に1週間滞在した。毎日ボートやカヌーに乗って、朝8時から海に出ていく生活をしてきた。1週間だけなのに体がぼろぼろになった」「27日からまた辺野古に行ってきます」と、生き生きと語った。
11月2日に沖縄の名護市で不当逮捕され、12日に不起訴釈放をかちとった学生が、「不当逮捕は、私がアパートを借りる時に、活動家であることを隠したのが詐欺罪であるという本当に許せない弾圧だ」「一日も早く沖縄に行って阻止行動に参加する」と、弾圧を打ち破った勝利感にあふれて発言し、拍手を受けた。
圧巻は、イラクに行った女子学生の報告だ。
「今年の3月から4月の7日間、バグダッドとファルージャに3人で行った。戦争の悲惨さ、イラクの人たちの悲しみを痛感してきた」「しかし、帰国直後にファルージャで活動している友だちから、イラクで知りあった3歳のミーシャも空爆で一緒に亡くなった話を聞いた」と語り、涙で声を詰まらせながら、「子どもたちの幸せや笑顔をとり戻すために戦争はなくすべきだ」と訴えた。
渋谷一周ピースウォークに出発。「ノーウォー!」「ファルージャ虐殺許さないぞ!」「自衛隊を撤退させよう!」「自衛隊の派兵延長阻止しよう!」「辺野古に基地をつくらせないぞ!」の声が渋谷の街に響きわたった。青年や外国人家族など、デモへの飛び入りが続出した。
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週刊『前進』(2177号1面3)(2004/12/06)
福嶋同志ついに奪還
12年ぶり保釈
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧で未決勾留12年の福嶋昌男同志が出獄した。花束をかざす福嶋同志(11月22日夕 東京拘置所前) 記事6面
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週刊『前進』(2177号1面4)(2004/12/06)
開始された闘いの勝利へ大カンパを
11・7労働者集会に参加されたみなさん。11・7集会の感動を受けとめてくださったみなさん。そして、未組織やアルバイトを含むすべての労働者のみなさん。
11・7集会での日米韓労働者の合流は、各自の経験や国内事情の違いを超えて、お互いの苦闘には実に共通するものが多いことを教えてくれました。まさに「労働者階級に国境はない」という言葉どおりの連帯のきずなを、熱気と感動のうちに結びあいました。
確かに11・7集会は、まだ「始まったばかり」であり、本当の国際連帯はこれからの闘いにかかっています。それでも、本格的に始まったことの意義は実に巨大なものがあります。歴史の一ページが刻まれたその瞬間に私たちは同じ場所に立っていたのです。
この11・7集会の感動を、もっと多くの労働者に伝えたいと思います。何千何万、いや何百万、何千万の労働者とその家族、すべての人びとに伝えたい。そして、ともに生きるために団結し闘うことを心から訴えたいと思います。
内外情勢は、私たちに一刻も立ち止まる余裕を与えません。米英日帝のイラク侵略戦争はますます泥沼的に拡大し、イラク人民の解放闘争は激化しています。闘うイラク人民と連帯し、イラク反戦・自衛隊撤兵へ闘いを強めましょう。
戦争と民営化、失業、そして教育基本法改悪・憲法改悪の大攻撃を、4大産別決戦を軸にする05年決戦の大爆発で粉砕しようではありませんか。
そのために来年の都議選に絶対勝利しましょう。数百人の教育労働者の処分を強行した石原・都教委の足元の都議会に、労働者階級とともに闘う議員を送り込まなければなりません。何よりも本物の革命党、本物の労働者党を労働者階級自身の課題としてつくり出していきましょう。
労働者は日々、激しい労働に追われながら、働いても働いても生活は豊かにならない現実があります。それは帝国主義の支配と危機によるものであり、「もっぱら労働者間の競争に基づ」いているのです(『共産党宣言』)。この現実を転覆できるのは、「競争」をさせられている労働者自身であり、既成の腐りきった政党や労働貴族を打ち破るランク&ファイル(現場労働者)の団結した力と闘いです。
革共同に結集して、ともに闘ってください。そして、本物の労働者党をつくるためにともに闘おうではありませんか。そのためにも革共同への圧倒的なカンパをお願いします。まとまった金額の年末一時金を獲得できる方は、10万円を単位とするカンパをぜひともお願いします。壮大なスケールで05年決戦を爆発させましょう。
そしてすべての皆さんが、カンパ闘争に決起することを呼びかけます。職場や地域の仲間にも呼びかけて下さい。
世界革命に向けた本物の闘いがついに開始された今、その勝利をともに実現しましょう。
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週刊『前進』(2177号2面1)(2004/12/06)
国鉄闘争勝利かけ12・1−12・19集会へ
国労執行部の妨害をはねのけ鉄建公団訴訟に立ち上がろう
5・27弾圧うち砕き国労再生を
11・7全国労働者総決起集会は、日米韓労働者の固い連帯のもと、労働運動再生に向けての号砲を上げた。この闘いを全労働者階級のものとし、開始された労働運動の〈分岐・流動・再編・高揚>情勢をさらに推し進めるために、12月国鉄闘争を全力で打ち抜かなければならない。国鉄闘争はこの12月、権力・資本の手先と化した国労本部=酒田・革同執行部による闘争圧殺を許すのか、鉄建公団訴訟を軸とした1047名の団結をかちとるのかをめぐる最大の決戦を迎えている。ここでの勝敗に05年決戦の成否がかかっている。12・1日比谷野音集会−12・19「許さない会」集会に総決起し、あらゆる反動をぶち破って国鉄闘争勝利への血路を開こう。
国鉄闘争勝利の指針示した11・7集会の歴史的な地平
11・7労働者集会は、まさに自己解放性あふれる戦闘的・感動的な集会としてかちとられた。日本において階級的労働運動の再生を目指す新潮流は、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10や韓国の民主労総ソウル地域本部との固いきずなを深め、その戦闘的エネルギーを自らのものとすることによって、自己が本来持つ力への確信を深めたのである。
今や、帝国主義は歴史的生命が尽き、労働者階級によって打倒される以外になくなった。米帝のイラク・ファルージャ大虐殺は、凶悪きわまる侵略戦争を繰り広げながら、自ら帝国主義世界体制の崩壊を促進するほかにない帝国主義の末期的姿を示している。帝国主義のもとで極限的に強まる搾取と収奪は、労働者から生存さえ奪い取っている。
11・7集会は、労働者階級こそがこの腐りきった帝国主義を打倒し、全世界を変革する主体であることを鮮明に突き出した。全世界の労働者階級と被抑圧民族人民が団結し、一つの軍勢として結束してプロレタリア世界革命を切り開く展望が、赤々と照らし出されたのだ。
ILWUローカル10が提起したランク・アンド・ファイル(現場労働者)運動は、全米の労働者に波及し、10・17MWM(百万人労働者行進)として結実した。資本・権力に屈した既成の労組幹部を打倒し、労働組合を現場組合員の手に取り戻そうという訴えは、日本の労働者が今まさに直面している闘いの課題を表している。11・7集会は、米MWMを引き継ぐものとして闘われた。韓国・民主労総もまた、同様の闘いを経る中で、世界で最も戦闘的と言われる今日の地平を築き上げ、労働法制改悪阻止・日韓FTA(自由貿易協定)反対のゼネストに立ち上がっている。
こうした米韓労働者の闘いと日本の新潮流運動が具体的に結合したことの意義はきわめて大きい。11・7集会は、その全参加者に、今後いかなる困難があろうとも自分たちこそが全労働者階級を獲得し、主流派に躍り出て、労組執行部を握ることのできる自信と展望を与えたのである。
11・7で切り開かれた国際連帯の地平は、何よりも国鉄分割・民営化にストライキで立ち向かい、JR体制・資本=カクマル結託体制と対決し抜いてきた動労千葉の闘いによって生み出された。動労千葉の闘いは、資本や権力の労組解体攻撃と対決して団結権を守り抜く全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部や全国金属機械港合同の闘いと結合し、さらに海を越えて志を同じくする米韓の労働者との揺るぎない連帯をつくり出したのだ。
全世界の労働者が今再び民営化を頂点とする一大資本攻勢のあらしにさらされる中で、国鉄分割・民営化との不屈の闘いを貫いた動労千葉の闘いが、全世界の労働者を結びつける役割を果たしている。
11・7集会は、国鉄闘争勝利の方向も鮮やかに指し示した。その熱気と感動、そこに示された路線的展望を全労働者に伝え、その地平を全労働者に根付かせてこそ、国鉄闘争の勝利も切り開かれるのである。
鉄建公団訴訟の妨害だけが酒田と革同の唯一の延命策
ランク・アンド・ファイル運動の死活性は、国鉄闘争においてきわめて鋭く突き出されている。
国労本部を簒奪(さんだつ)した酒田・革同執行部は、1047名闘争の年内圧殺を狙い、鉄建公団訴訟の妨害に総力を注いでいる。酒田・革同のこの策動を許すのか否か、鉄建公団訴訟を軸に国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団が団結を固め、国鉄闘争の新たな発展を切り開くことができるのか否か。12月は、国鉄闘争の存亡をかけた一大決戦になったのだ。
権力とJR資本に屈した酒田執行部は、平和フォーラムなど連合幹部や全労連幹部と結託し、11月26日の日比谷野音集会を強行した。この集会は、鉄建公団訴訟を押しとどめ、全動労争議団の訴訟への合流を妨害し、12・1集会に敵対することを唯一の目的とした徹頭徹尾、反動的なものだった。1047名の団結の破壊がその狙いだった。
8月の国労大会で酒田は「ILO勧告に基づく政治解決に死力を尽くす」とうそぶき、全国キャラバン方針をぶちあげた。だがそれも完全に破産する中で、酒田はペテンに満ちた「政治解決」さえ投げ出して11・26集会を設定し、鉄建公団訴訟の破壊と1047名陣形の解体に総力を挙げた。
資本や権力と闘うための統一戦線など一度として組んだことがない平和フォーラムと全労連の幹部も、国鉄闘争の圧殺と酒田体制の護持を目的に11・26に反動的に密集した。
この攻撃は、12・1を訴えつつも、1047名陣形を強固に確立して酒田・革同体制打倒の方針を鮮明に打ち出すことをためらう、一部の人びとの弱点を突くものでもあった。
だからこそ今、鉄建公団訴訟を軸に1047名が団結を固め、国労5・27臨大闘争弾圧との闘いをかなめに国労再生の突破口をこじ開けることが、何としても必要なのだ。
今や酒田執行部は連合合流路線をむき出しにし、革同もまたそれを全面容認している。こうした裏切りが、国労の自己崩壊とも言うべき許しがたい事態を生み出しているのである。
国労本部は、東京・仙台闘争団のJR採用差別事件について東京高裁が下した反動判決に対し、「手続きをし忘れた」などというふざけきった理由で上告を放棄した。もはや酒田執行部は、裏切りを合理化する反動的理屈をこねる気力さえ失った。彼らは一切の展望を閉ざされて迷走しながら、一層の腐敗と背信を深めるほかになくなったのだ。酒田体制はまさに万策尽きている。それは、彼らを打倒するチャンスがめぐって来たということだ。
さらに、岡山を中心とするチャレンジ一派が国労から分裂・脱退した。国労内に残存するチャレンジ一派は、雪崩を打つように逃亡を開始したのである。
こうした動きの背後には、明らかにJR資本の意思がある。11月6日、JR連合傘下のジェイアール東日本労組と、01年末に国労から脱退・逃亡した新井修一・元国労本部中執や今井伸・元秋田地本書記長らの分裂組合・ジェイアール東日本ユニオンが合併した。新委員長には今井伸が収まり、国労解体の先兵の役割を果たそうと策している。
他方でJR東日本は、国鉄分割・民営化以来、国労活動家の「収容所」として設けられたベンディング事業所を来年2月に廃止する方針を打ち出した。これは、配属差別を強いられた国労組合員の粘り強い闘いが、JR資本を追いつめた結果である。
だがJRは、これをもテコに国鉄分割・民営化の最後的完遂を図り、カクマルとの結託体制を始めとした分割・民営化の「負の遺産」の清算へと動こうとしているのだ。酒田・革同体制の屈服を突いた国労解体の攻撃は今後ますます激化する。これを見据え、反撃の闘いを直ちに職場からつくり出そうではないか。
闘争団イラク追放叫ぶ上村
酒田・革同体制の裏切りの中でも断じて許しがたいものは、西日本エリア本部委員長・上村隆志を始めとする革同の「イラク鉄道復興支援」方針である。
上村は、「1047名は国内に出番がない。イラクに行けば英雄になれる」とうそぶくJR連合傘下のJR西労組と一体化し、闘争団のイラク追放を叫び立てている。10月18日、上村はJR西労組委員長の森正暁とともに米帝のカイライ・イラク政権の駐日大使館におもむき、「イラクに新幹線を建設すれば雇用創出に役立つ」と言い放った。
米軍占領下のイラクで鉄道を建設するという上村の「提案」は、イラク人民の命をかけた民族解放闘争を圧殺し、植民地支配の確立を図るということだ。上村はこうして、米日帝によるファルージャ大虐殺を全面容認したのである。
上村の言う「イラク新幹線建設」構想は、帝国主義の植民地支配にとってかなめをなす植民地鉄道の建設をJR資本が独占するということだ。そんなことを国労の名をかたって強行しようというのである。労働運動の歴史において類例のない反階級的大罪だ。
上村革同は、闘争団員だけでなく、JR本体の組合員に対しても「新幹線建設のためにイラクに行け」とがなり立て始めたのである。闘争団を統制処分にかけ、それに反対する組合員を権力に売り渡した革同の行き着く先は、露骨きわまる戦争協力だったのだ。
もはや一刻の猶予もならない。直ちに酒田・革同執行部を闘争団・現場組合員の力で打倒しなければならない。彼らのもとで、国労は連合のどんな反動的御用労組をも飛び越えて、「産業報国会」化の最先兵に仕立て上げられようとしているのだ。
第3章 連合・全労連の分岐促進し05年決戦の突破口を開こう
小泉政権は、自衛隊イラク派兵を延長し、日米安保の大改定と教育基本法の改悪を突破口とする改憲攻撃に突き進んでいる。
他方で、「骨太方針W」を全面的に貫徹し、郵政民営化と公務員制度改悪を頂点に、労組の絶滅へと本格的に乗り出してきた。「骨太方針」は、教労、全逓、自治体などの国家権力・国家機構内の労組を壊滅に追い込むとともに、社会保障制度を解体し、全労働者を生存もままならない無権利状態にたたき込む攻撃だ。
11・7集会は、これらの攻撃に真っ向から立ち向かう労働者階級の闘いの橋頭保を築き上げた。「日の丸・君が代」被処分者・被解雇者の登壇は、来年3月が労働者階級と小泉との巨大な激突点となることを鮮やかに突き出したのだ。
開始された4大産別における一大階級決戦の帰結を根底で決するのは、国鉄闘争である。
小泉は、国鉄分割・民営化以来17年にわたって不屈に闘われる国鉄闘争が、教労、自治体、全逓労働者の闘いと結合し、強めあい、反撃へと転じることに心底恐怖しているのだ。特に、動労千葉の闘いは、『俺たちは鉄路に生きる2』に記されているように、民営化攻撃といかに闘うべきかの豊富な教訓に満ちている。教労、自治体、全逓、国鉄の4大産別を始め全産別の労働者が、闘いの鉄火の中で動労千葉の闘いをわがものとしてつかみ取るならば、壮大な反転攻勢は必ず切り開かれるのだ。
だから小泉は、05年を前に国鉄闘争を解体しようと必死なのである。
現本部打倒の旗色を鮮明に
12月国鉄決戦の課題の一つは、国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団の1047名が鉄建公団訴訟に立ち、団結を固めて国鉄闘争の新たな発展を切り開くことである。
11・26集会を強行した酒田・革同はもとより、日本共産党中央、全労連指導部も鉄建公団訴訟を妨害し、1047名陣形を破壊しようと総力を振り絞った。
だが、建交労は10月19日の中央執行委員会で鉄建公団訴訟に立つことを決めている。全動労争議団は、今こそ一切の反動を振り切って、この決定を実行に移すべきである。訴訟を妨害する日共中央・全労連指導部にはひとかけらの正義もない。訴訟という形もとって敵との攻防点を形成し、対決姿勢を鮮明にすることは、解雇撤回をかちとるために絶対に必要なことなのだ。それは争議の鉄則だ。
国労のすべての闘争団員も、鉄建公団訴訟を決断すべき時である。酒田・革同執行部に付き従っている限り、いかなる展望もないことはあまりにも明白だ。
鉄建公団訴訟を先陣を切って開始した闘う闘争団は、今こそ酒田・革同体制と徹底的に対決しよう。彼らの存在を容認しつつ勝利をつかみ取ることなどありえない。鉄建公団訴訟を真に力あるものとし、敵を追いつめる道はそこにある。
12・1日比谷野音への大結集を実現し、11・26を強行した酒田・革同の思惑を根底から打ち砕こう。
弾圧粉砕こそ国労再生の軸
12月国鉄決戦のもう一つの課題は、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いをさらに強め、国労再生の水路を何としてもこじ開けることである。11・7集会で発言した5・27臨大闘争弾圧被告は、酒田・革同執行部打倒を真っ向から宣言した。階級的労働運動の再生にとって、現国労執行部の打倒が避けて通れない課題であることは明らかだ。
弾圧粉砕の闘いは、8被告を警察権力に売り渡した酒田・革同を打倒し、国労を再生させる以外にいかなる決着点もない。日本におけるランク・アンド・ファイル運動は、国労弾圧をめぐり激しく火花を散らしながら進んでいく。
この弾圧で「被害届」を警察に出し、被告を有罪に陥れるために検察側証人を買って出た長野地本東北信支部前委員長のチャレンジ・池田久幸は、証言を終えるやいなや早期退職に応じ、国労と国鉄闘争から逃亡した。これこそ現本部書記長・吉田進の弾圧加担が生み出した無残な結果だ。弾圧粉砕の闘いは、国労に巣くう腐敗分子をそぎ落とし、国労を清新な闘う労働組合に生まれ変わらせる闘いとして進み始めた。
許さない会運動を今こそ国労に拡大しよう。許さない会が主催する12・19集会を成功させ、無罪獲得・国労再生へ、歴史的な転換点をつくり出そう。
05春闘の勝利切り開く決戦
12月国鉄決戦には05年決戦の成否がかかっている。
国鉄闘争においてむき出しになった日共中央=全労連指導部の裏切りを徹底的に暴き粉砕してこそ、労働運動の再生は実現できる。反戦闘争においても統一戦線の破壊に腐心してきたのは日共中央と全労連指導部だ。彼らの敵対を打ち破り、全労連の分岐・流動を推し進めることが、1〜3月イラク反戦闘争の大高揚への突破口を開くのだ。
酒田執行部が国鉄闘争に平和フォーラムを引き入れたことは、連合の分岐・分裂をさらに促進させるものになる。国鉄分割・民営化体制の上に成立し、階級的労働運動の巨大な抑圧物としてあった連合を打倒するチャンスが到来した。
95年日経連プロジェクト報告路線の全面貫徹に突進する奥田・日本経団連と真っ向から対決し、05春闘を総反撃の時とすることができるのか否かは、12月国鉄決戦にかかっている。
国鉄1047名闘争勝利の血路を切り開こう。12月の激闘を全力で闘おう。
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国鉄労働者1047名の解雇撤回、政府はILO条約を守れ!
鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会
12月1日(水)18時30分
東京・日比谷野外音楽堂
集会後、デモ行進を予定
主催 12・1全国集会実行委員会
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無罪獲得・国労再生! 国鉄1047名闘争勝利!
国労5・27臨大闘争弾圧を許すな!12・19全国集会
12月19日(日)13時開場
東京・星陵会館(千代田区永田町2−16−2)
発起人からの提起 下山房雄(九州大学名誉教授)
中野洋(国鉄千葉動力車労働組合前委員長)
佐藤昭夫(早稲田大学名誉教授・弁護団長)
主催 国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会
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週刊『前進』(2177号2面2)(2004/12/06)
東京「日の丸・君が代」闘争 被処分者らが総会 “来春へ職場闘争強化を”
11月20日、都内で「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」と「『日の丸・君が代』強制反対 予防訴訟をすすめる会」がそれぞれ総会を開催し、被処分者や予防訴訟原告を中心に多くの教育労働者と支援者が集まった。
■被処分者
被処分者の会の04年度総会は、午後1時半から南青山会館で行われ、二百数十人が参加した。
被処分者の会共同代表が開会あいさつに立ち、「東京の200人余の闘いが全国で『東京に続け』という闘いを呼び起こしている。12月3日には日教組傘下の東京4単組が集会を開催することになった」と闘いの前進を高らかに確認した。
続いて、予防訴訟をすすめる会、「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会が連帯あいさつを行い、弁護団が紹介された。
事務局が「経過報告」を行い、4月に会を結成して以来の闘いを振り返り、とりわけ「8月の再発防止研修を、誰ひとり反省などせずに闘いぬいた意義は大きい」と総括。「この闘いは教育基本法改悪・改憲と対決する闘いに結びついている。全国各地の闘いと連帯していこう」と訴えた。
さらに事務局が「課題と今後の闘い」を提起。処分撤回を求めて都人事委員会に申し立てた不服審査請求に対して、人事委が全員の併合審理を認めず、被処分者の会157人を13グループに分割して審理を行うことを強行決定したと報告、「共通部分の審理を併合で行うことをあくまで追求しながら、都教委の暴走を告発する場として人事委審理を闘いぬこう」と提起した。再発防止研修取消請求裁判、校内研修との闘い、被処分者に対する不当な人事異動との闘いなどの課題を提起し、「来春卒・入学式へ向けて職場の闘いを強化しよう」と述べた。
会計報告や事務局の紹介が行われ、最後に閉会あいさつに立った被処分者の会共同代表が「私たちは社会の主人公だ。歴史を動かすのは私たちだ」と力強く訴え、総会を終えた。その後、人事委審理に向けての各グループごとの打ち合わせを行った。
■予防訴訟
予防訴訟をすすめる会の第1回定期総会は、午後6時から日本青年館中ホールで行われた。
開会宣言に続き、同会の共同代表が「経過報告」を行い、11月19日に予防訴訟の第3次提訴で新たに15人が加わり、原告団が計360人となったことを報告した。昨年「10・23都教委通達」に対して1月に予防訴訟を提訴したことが、今春卒・入学式における「日の丸・君が代」強制を迎え撃つ大きな力となったと、確信に満ちて総括した。
被処分者の会と被解雇者の会の連帯あいさつ、弁護団のあいさつが行われ、事務局が「今後の運動の展開と展望」を提起した。「予防訴訟が全国に大きな影響力を与え、都教委や校長に対して『なんでも訴訟になるぞ』と示す力となった」と確認し、「一番重要なことは今春の闘いの質を継続することだ。今春の闘いを孤立したものにしないために、今後も闘いを継続しよう。全国の仲間と一緒になって闘おう」と訴えた。
さらに事務局が、予防訴訟・被処分者の会・被解雇者の会の支援組織について「総勢千数百人の会員がいる。3者の統一した支援組織をつくっていくことを検討していく」と提起した。
事務局員が紹介され、「生徒の前で闘う教員でありたい」「私たちの闘いは海外からも注目されている。予防訴訟を足場に、より大きな闘いをつくり、勝利に結びつけよう」などの発言が続いた。
最後に「結成から1年/第4次原告とともに闘い抜くアピール」を採択した。
二つの総会は、東京の「日の丸・君が代」闘争が全国を牽引(けんいん)していることを意気高く確認し、来春への決意を固める場となった。カクマルの「告訴・告発」運動を粉砕し、「日の丸・君が代」闘争を大きく広げよう。
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週刊『前進』(2177号2面3)(2004/12/06)
教基法改悪ストップ集会
“処分撤回へ闘え” 日教組委員長に怒りの声
11月21日午後、「教育基本法改悪ストップ!全国集会」が東京・日比谷野外音楽堂で開催された。日教組や平和フォーラム、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会呼びかけ人など9団体で構成する「教育基本法改悪ストップ!実行委員会」が主催し、全国の教育労働者を中心に4000人が集まった。東京の「日の丸・君が代」被処分者はライトグリーンののぼり旗を林立させ大挙かけつけた。
松山大学の大内裕和助教授が「教育基本法の改悪を許さないために」と題して問題提起を行った。「今、『教育改革』という名の教育改悪により、現場教職員は疲弊(ひへい)し、思考停止とあきらめに追い込まれています。しかしうなずいて聞いている教職員のみなさん、あきらめるのは、きょうからやめてください。教基法改悪の重要性を職場や地域で訴えてください」と呼びかけた。そして「ここが勝負どころ。教基法改悪を阻止できれば、憲法改悪、日本の戦争国家化に大きなブレーキをかけられます。教職員に対する激しい攻撃は、国家権力がみなさんの力を恐れているからです」と述べ、「絶対に妥協してはならない。ともに力を合わせて、教育基本法改悪を絶対に阻止しましょう」と熱く呼びかけた。真剣な訴えに大きな拍手がわいた。
それに対して、まったく許しがたいのが日教組の森越康雄委員長の発言だった。「平和の危機、教育の危機を押しとどめなければならない」などと言うのみで、「教育基本法改悪を阻もう」の一言もない。
この時、東京の被処分者の声が響き渡った。「『日の丸・君が代』強制とどう闘うのか」「処分撤回へ闘え」「委員長は現場組合員の声を聞け」。拍手がわき、「そうだ」「頑張れ」の声があがった。森越委員長と高校生の質疑応答に移っても、被処分者の訴えは続いた。会場を圧倒する声に、森越委員長は「『現場の声を聞け』と言う人たちは、ほかの人の話も聞きましょうね」とふざけきった言葉を返す。のぼり旗を高々と掲げた被処分者が最前列まで駆け寄ると、さらに「委員長はまじめに答えろ」と声があがったが、森越委員長はなんら答えることなく発言を終えた。
集会アピールも「子どもの権利を保障するために憲法・教育基本法を守り生かしていきます」というもの。「教育基本法改悪ストップ!」と題しながら、また現場組合員は闘う意思を強く持っているにもかかわらず、改悪阻止へ闘う意思もない日教組本部の裏切りと屈服をあからさまにした集会となった。
日教組本部の屈服と裏切りを打ち破り、日教組組合員が教基法改悪反対闘争の先頭に立とう。来春「日の丸・君が代」闘争の広がりで、教基法改悪を阻もう。
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週刊『前進』(2177号3面1)(2004/12/06)
民主労総11・26ゼネストへ “非正規職法撤廃、FTA阻め”
動労千葉などが熱烈連帯
韓国・民主労総は、労働者階級を根こそぎ非正規職化しようとする労働法の改悪阻止へ、20万人規模の11・26ゼネスト実現へ全力で闘っている。日本の11・7労働者集会での民主労総ソウル本部パクサンユン事務処長の呼びかけにこたえソウルに飛んだ動労千葉は、民主労総のゼネスト宣言に心からの感動と熱い連帯を表明した。さらに、11・26ゼネスト断固支持のアピールを、日本で闘う労働組合と連名で表明した(別掲)。盧武鉉(ノムヒョン)政権との総力闘争に立つ民主労総と連帯して闘おう。
4大要求を掲げて
民主労総は、@非正規労働法改悪阻止・権利保障立法獲得、A韓日FTA交渉阻止、Bイラク派兵延長同意案阻止、C国家保安法廃止の4大要求を掲げ、「組織の命運をかけてゼネスト闘争を組織して」(パクサンユン事務処長)きた。
10月25日から11月6日の期間に傘下18連盟・15地域本部の1700組合で一斉にスト賛否投票を実施し、投票率58%、賛成率68%でゼネストを決定し、11・14労働者大会での11・26ゼネスト宣言を迎えた。
同時に、「公務員も労働者だ」と労働3権保障を要求して闘う全国公務員労組(組合員14万人)は、団体行動権ぬきの「公務員労組特別法」制定を阻止するため、翌15日午前9時、ゼネストに入った。スト参加状況は全国203支部中77支部4万4309人と集約され、ストに入れなかった126支部も順法闘争、宣伝活動で闘いを担った。
公務員労組は02年3月結成されたが、公務員は「公僕」であり労働者ではないとして団結権を認めない政権のもとで、法外団体として厳しい弾圧を受けながら闘ってきた。特に特別法との攻防が焦点化した10月以降は、各種集会で公務員労組員を選別した連行・逮捕が強行された。キムヨンギル委員長以下、労組指導部が指名手配中でのゼネストだった。
行政自治部は15日、スト参加者3042人全員に対して罷免・解任などの懲戒処分を地方自治体に要求することを決め、手続きに入った。
激しい攻防が続く17日午後、国会前で開かれた「公務員労組弾圧糾弾集会」でキムヨンギル委員長は映像メッセージで登場し、「不屈の闘争意志を燃やしている幾多の同志たちを信じながら、全体的な闘争戦線を再生しなければならない」とゼネスト闘争の一時中断を宣言。さらに、「政府が対話を拒否し続ける場合、民主労総のゼネスト日程に合わせて再度ストライキに入る」と明らかにした。
金属を軸に20万人
11月19日、民主労総はゼネスト勝利のための闘争本部を開催、26日に無期限ゼネストに入り、土日を経て週明けにはスト戦線を拡大する方針を固めた。
民主労総は22日、「スト突入直前まで、韓国労総とともに交渉団を立てて集中的な交渉に臨む」が、「政府がこの提案を無視して法案を強行しようとするならば、11月26日業務開始時間を期して全産業で無期限ゼネストに突入する」と明らかにした。その日午後4時、民主労総と韓国労総の委員長と会談したウリ党のイブヨン議長は、「労働界が反対している非正規職関連立法を無理には推進しない」「十分な対話と討論、審議が必要だ」などとゼネスト撤回を要請した。だが、民主労総は「時間を引き延ばしてから強行処理するというだけではないか」「法案撤回以外に11・26ゼネスト撤回はない」と明言した。
公務員労組に対する過酷な弾圧を見せしめに、非正規職法案は審議延期し、公務員労組特別法は粛々と通過させるなど絶対に許すわけにはいかない。分断と懐柔こそ、政権と資本が労組弾圧によく使う手段だ。
ゼネスト戦線は着実に構築されている。ストライキの主軸は金属・公共・化学繊維・保健医療・事務金融・運送荷役など16〜17万人。特に金属連盟と金属労組はゼネスト賛否投票を実施したすべての事業場がストに入る。23日から幹部徹夜座り込みに突入する現代自動車労組では、正規・非正規職労組の連帯ストライキが実現しようとしている。また、全教組は26日午後から職場放棄、非正規職労組も可能な戦術で合流するなど、文字どおりの全産別全職場総力闘争となる。
さらに、来年1月公社化を控えた鉄道労組と、民主タクシー連盟は12月3日ゼネスト突入方針を決め、貨物連帯も政府の2次エネルギー税制改編強行にゼネストで臨む。
全労働者非正規化
今回成立が狙われている非正規職関連法案は、「派遣勤務者保護などに関する法律改正案」と「期間制および短時間勤労者の保護などに関する法律案」だが、「保護」とは正反対で、全労働者の非正規職化を狙う極めつけの労働悪法である。
帝国主義の資本導入によって延命を図る盧武鉉政権は、昨年末から始まった韓日FTA交渉の中で、日帝・資本の要求にこたえて「労使関係先進化ロードマップ」を打ち出し、法制度改悪を狙ってきた。今回の改悪のポイントは、日帝の派遣法改悪などと同じ意図をもって派遣許容業務の原則自由化と派遣許容期間の3年への延長、期間制雇用期間の3年への延長を狙うものだ。この結果、すべての正規労働の非正規職化への道が開かれ、同時に勤労基準法などが保障する労働基本権が無力化される。それは究極的には、労働者人民が血を流して築き上げてきた民主労働運動、その結晶である民主労総の抹殺を狙うものだ。
労働者階級の死活をかけ、いかに力あるゼネストを組織できるかが問われている。これは同時に、「社会的合意主義」「労使協調主義」との熾烈(しれつ)な路線闘争に勝ち抜き、階級的労働運動を推し進める闘いでもある。
盧武鉉政権と米・日・欧帝国主義資本を相手に、労働者階級こそがこの社会の主人であることを思い知らせるゼネストが爆発しようとしている。11・7集会の熱気と感動を引き継ぎ、熱い連帯闘争を日本から巻き起こそう。国境を超えた労働者階級の国際連帯闘争の力が今こそ求められているのだ。
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週刊『前進』(2177号3面2)(2004/12/06)
ゼネスト連帯アピール 動労千葉呼びかけ
動労千葉は、民主労総の26日からのゼネスト激励へ連帯アピールを作成し、連名を呼びかけてきた。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部や全国金属機械労組港合同を中心に、66組織、1個人が呼びかけにこたえた(24日現在)。連帯アピールを動労千葉のホームページより転載します。(編集局)
私たちは、11月26日からのゼネストにたちあがろうとしている民主労総のすべての同志たちの闘いとその要求を、心からの連帯の思いを込めて断固として支持します。また、韓国政府が公務員労組のストライキに加えている卑劣な弾圧を、満腔の怒りを込めて弾劾します。
みなさんの闘いは、私たち自身の闘いです。みなさんの怒りの声、その揺るぎない闘いへの意志は、私たちの怒りであり、意志です。私たちは、闘いのなかで皆さんとともにあります。
私たちは、日本やアメリカの貪欲な資本家どもとその政府が、全世界から富を搾りとるために、直接的手段で、あるいはその政府に圧力をかけて、世界中で労働者の闘いを弾圧し、権利を破壊し、膨大な失業者を生みだしていることを知っています。また、日米政府が進める戦争政策が、それと結びついていることを知っています。だから私たちは闘います。
私たちは、日本の政府と資本家どもが、日韓FTA交渉で、韓国政府に労働法制の改悪と民主労総の闘いの弾圧を要求していることを糾弾します。
グローバル化と称する帝国主義の強盗政策は、日本でも、労働者の団結権を破壊し、雇用を破壊し、賃金を破壊し、社会保障制度を破壊し、生きる権利を奪い尽くそうとしています。だから私たちは闘います。
日本政府は、有事立法を制定し、憲法を改悪して再び世界に凶暴な牙を剥こうとしています。われわれは、かつての過ちを絶対に繰り返さないために、全力を尽くして闘いぬく決意です。そのために私たちは、資本の手先と化した日本の労働運動の現状を打破するために全力を尽くしています。
アメリカでは、10月17日、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10の呼びかけで、独立した労働者の運動と歴史をつくりあげる壮大な挑戦=ミリオン・ワーカー・マーチ(MWM)が始まりました。日本でも11月7日、大失業と戦争にたち向かう労働組合の全国ネットワークをつくりあげるために、民主労総とMWMの代表を招いて国際連帯集会が3600人の結集をもって開催されました。それぞれの国で現場労働者の団結を固めるべく奮闘している各国の労働者が、今、国境の壁を越えた団結を渇望している。私たちはそのことを肌身で感じ、大いに鼓舞されました。そして11月14日、史上最大規模の結集で開催された韓国・労働者大会に、私たち11・7集会に参加した労働組合からも参加させていただき、その熱気を日本に持ち帰りました。
私たちは、労働者の団結した闘いこそが社会の根本的な変革を実現する唯一の力であること、労働者の団結した力は決して打ち破られることはないことに絶対的な確信をもっています。
日本では、官僚化した御用組合の幹部たちが労働運動を支配する状況のなかで、私たちの前には未だ大きな壁がたちはだかっています。しかし怒りの声は満ちています。私たちは、みなさんの闘いを日本の労働者に伝え、そして国際的な連帯闘争を組織する決意です。
心からの連帯を込めて!
・非正規職関連法絶対阻止!
・日韓FTA・韓米BIT交渉即時中止!
・国家保安法完全撤廃!
・公務員労働者の労働三権を保障しろ!
・日・米・韓国政府は直ちにイラクから撤兵しろ!
・ノムヒョン政権は労働運動への一切の弾圧を直ちに中止しろ!
・ブッシュ・小泉政権打倒!
・ゼネスト勝利! 労働者に正義を! 労働者に力を!
2004年11月24日
66労組、1個人(名称略)
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週刊『前進』(2177号3面3)(2004/12/06)
サンフランシスコ ホテル労働者支援のデモ MWM運動の大発展へ一歩
11・8国際興業闘争引き継ぐ
11月20日、サンフランシスコにおいて、アメリカの10・17MWM(百万人労働者行進)と日本版MWMである11・7労働者集会の成功を受け、東京での11月8日の国際興業抗議闘争を引き継ぎ発展させる偉大な闘いが爆発した。
20日午前11時に、MWM実行委員会が主催し、サンフランシスコ労働者評議会と、UNITE HEREローカル2、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10執行委員会が協賛する「ホテル労働者総力支援集会」が、市中心部のユニオン・スクエアに600人以上の労働者・市民を結集して開催された。
集会には、UNITE HEREのホテル労働者を始め、ILWUの労働者やAFT(アメリカ教員連盟)第2121支部などMWMに賛同した労働組合、SEIU(全米サービス従業員組合)などの労働組合員が多数参加した。
米ホテル所有者である国際興業への抗議闘争は、アメリカのレイバーネットのホームページのトップで写真入りで紹介され、ジャック・ヘイマンさんの記事とともに大々的に伝えられた。この闘争のビデオを見たホテル労働者は感激の声を上げたという。
この集会に動労千葉は連帯声明を送った。参加した労働者が手にするプラカードの中には、日本の11・7集会で掲げられ、ILWUの派遣団が持ち帰ったプラカードが多数混じっている。文字どおり日米の労働者階級が一体となって共通の敵への闘いを開始したことを象徴する感動的なシーンだ(写真)。
集会後、参加者はホテル労働者をロックアウトしている14の大ホテルの内、4つのホテルの前を通ってピケを張って闘い続けている労働者を激励し、ジャスティン・ハーマン広場までのデモを貫徹した。
今回のサンフランシスコのホテル労働者の闘いは、今年の夏に期限切れを迎えた労働協約の改定にあたって、2つの課題をめぐって闘われている。
医療保障切り捨てに大反撃
第一には、資本の側が協約改定にあたって医療保障を大幅に切り下げようとしたことに対する断固たる反撃である。資本は、労働者の月額健康保険負担を現行の10j(約千円)から、順次引き上げて5年目には273j(約2万8千円)と約30倍にするだけでなく、健康保険の被保険者の範囲を月80時間以上の労働者に限定して4分の1の労働者を健康保険の対象から切り捨てるというとんでもない提案を行った。
アメリカのホテル労働者は、アフリカ系アメリカ人や、ラティーノ、アジア系アメリカ人というマイノリティーが圧倒的に多く、人種差別の中で低賃金を強制されている。そこへこの医療保障の切り捨ては、文字どおり労働者に「死ね!」ということを意味する。
この攻撃は、UNITE HEREのホテル労働者の根源的な決起を引き出した。9月6日には130人の逮捕者を出す闘いを貫徹し、9月29日から4つのホテルでストライキに突入した。それに対して資本は10月になってスト突入ホテルを含む14のホテルでロックアウトを実施。ホテル労働者をたたき出し、スキャブと呼ばれるスト破りに置き換える凶暴な攻撃をしかけた。これに対して、ホテル労働者は連日ホテル前でピケを張り、資本とスキャブを徹底弾劾し、団結を維持して闘いぬいてきた。
全国統一協約を求める闘い
第二には、全国統一協約を求める闘いである。
サンフランシスコでの今年の協約改定にあたって、資本は5年間の協約期間を主張している。これに対して組合側は、2006年までの2年間の協約期間を要求している。これは、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ハワイなど他の主要都市などの次の協約改定が06年であることから、全国の協約改定交渉と時期を同じくすることで、事実上の全国統一協約を実現していこうという闘いである。
アメリカのホテル産業は、この20年間で大手ホテルの合併が相次ぎ、統合が進んでいる。さらに国際興業に見られるように、他帝国主義の大手資本の参入も激しい。このような国境を越えた大資本に対抗するためには、全国的な団結、さらには国境を越えた団結が必要なのだ。
UNITE HEREは、UNITE(縫製業、繊維・工業労働組合)とHERE(ホテル・レストラン従業員国際組合)が今年7月8日に統合したものだ。北米全体で44万人以上の現役労働者を組織している。今回の全国統一協約をめざす闘いは、UNITE HEREが巨大資本の労働者抹殺攻撃と闘えるかどうかの将来がかかった重大な闘いであり、全米労働運動の今後を規定する闘いになろうとしている。
闘いの爆発に恐怖した資本は、11月20日の集会当日、60日間の冷却期間をおくことを労組と合意し、ロックアウトをいったん解除した。23日から労働者は職場復帰を始めている。だが労働協約をめぐる闘いはいまだ継続しているのだ。
日米の労働者の国際連帯の力でサンフランシスコのホテル労働者の闘いの勝利を実現しよう。MWM運動の大発展を実現しよう。
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週刊『前進』(2177号3面4)(2004/12/06)
「多機能・弾力的防衛力」を掲げる 新「防衛計画大綱」の狙い
海外侵略軍隊への大転換 日米枢軸で世界戦争の道
改憲先取りの大攻撃阻もう
政府は16日、新たな「防衛計画の大綱」の骨子案をまとめ、自公両与党に提示した。政府はこれを踏まえて、12月上旬までに新防衛計画大綱を閣議決定し、新大綱に基づいて中期防衛力整備計画(05〜09年)を策定する。17日には自民党憲法調査会が憲法改正大綱草案をまとめ、集団的自衛権の行使と海外での武力行使の明記を打ち出した。日帝は米帝の世界戦争戦略に積極的に呼応し、侵略帝国主義として公然と登場しようとしているのだ。
海外派兵を「本来任務」に
(1)骨子は、「日本防衛」に加え「国際的な安全保障環境の改善」を「安全保障の目標」として設定し、現在は「付随的任務」とされている自衛隊の海外派兵を「本来任務」に格上げすることを明らかにした。すなわち「国際的な安全保障環境の改善」が日本の平和と安定につながるとの口実で、自衛隊をあらゆる形で侵略戦争に参戦させるということだ。「専守防衛」という戦後の安保防衛政策の根本的原則を捨て去って、公然たる侵略帝国主義へと脱皮しようというのだ。
(2)特に重要なことは「世界の中の日米同盟」(小泉)の観点を押し出し、日米安保同盟の強化をテコに侵略帝国主義化=軍事大国化を図っていく基本路線を打ち出したことだ。骨子は、日米安保体制が「わが国とアジア太平洋地域の平和と安定の維持に不可欠」として、日米の役割分担の見直しなど「日米安保再定義」を視野に「米国との戦略対話に主体的に取り組む」方針を明示した。米軍のトランスフォーメーションの一環としての世界規模での米軍基地の再編に積極的に対応し、日帝が米帝の「対テロ戦争」の拠点基地、前線司令部としての役割を引き受け、米軍と自衛隊を一体化させていこうというのだ。
(3)骨子は、今後の防衛力のあり方として、弾道ミサイルやテロなどの「新たな脅威」への対処や海外派兵任務に見合った「多機能・弾力的・実効性・効率性」を目指す方針を示した。76年に策定した旧防衛計画大綱以来掲げてきた「必要最小限度の基盤的な防衛力を保有する」という「基盤的防衛力構想」を転換し、「軍事大国にはならない」ための一切の「歯止め」を取り払ったのだ。公然たる侵略軍隊、ゲリラ対処型の軍隊へと自衛隊を改変していくということだ。
(4)武器輸出3原則についても、「日米安保体制の効果的運用」や「国際共同開発・生産の世界的趨勢(すうせい)」、「テロ・海賊対策への支援」の観点から見直すことを提言した。ミサイル防衛(MD)関連兵器の対米輸出だけでなく、あらゆる国や地域に車両や艦艇までも輸出することを狙っているのだ。
(5)防衛力整備の達成年次を「10年後」としながらも「5年後には必要に応じて見直す」と明記し、軍事大国へのさらなるエスカレーションの道を開いた。
新防衛計画大綱骨子案の基本的な考え方は、ブッシュ・ドクトリン(02年米国家安全保障戦略)で打ち出した米帝の世界戦争戦略と緊密に連動している。
米帝ブッシュは、大量破壊兵器や弾道ミサイル、国際的なテロなどの「新たな脅威」に対応するためには先制攻撃が必要であり、場合によっては「ならず者国家」を先制攻撃で体制転覆するとしている。米帝は中東から東アジアにかけての地域を「不安定の弧」と呼んで、これらのアジア地域を新たな米帝支配のもとに再編しようとしているのだ。そうして米帝はドイツ、フランス、日本など他の帝国主義の対米対抗的な台頭を阻止し、たたきつぶそうとしている。
2期目のブッシュ政権のもとで米帝の危機が一層深まり、イラク・中東侵略戦争の泥沼的な拡大と朝鮮・中国侵略戦争政策のエスカレーションは避けられない。日帝・小泉政権は、こうした米帝の世界戦争戦略に積極的に対応し日米安保の強化を図っていかなければ、日帝独自の軍事大国化はできないと考えている。
朝鮮・中国への侵略戦争想定
日帝はそのために米帝のイラク・中東侵略戦争に参戦し、何よりも朝鮮・中国侵略戦争を自らの戦争としてやり抜こうとしている。そして日本経団連・奥田ビジョンが示した「東アジア自由経済圏」形成へと向かうことで帝国主義としての生き残りを図ろうとしている。日帝・小泉政権はそうした観点から新防衛計画大綱を策定し、自衛隊を始めとする日本の国家・社会のあり方を朝鮮・中国侵略戦争を行う体制へと大転換させようとしているのだ。
実際、骨子が東アジアにおける「安全保障環境」として強調しているのは、朝鮮半島の統一問題や北朝鮮の核開発問題であり、中国との領土問題や中台関係である。また骨子が「新たな脅威」としているのは、@弾道ミサイル攻撃Aゲリラや特殊部隊による攻撃B周辺空海域における警戒監視、領空侵犯、武装工作船等C離島侵攻D大規模・特殊災害――であり、そのほとんどが北朝鮮や中国との戦争を想定したものだ。
自民党憲法調査会がまとめた憲法改正大綱原案では「国家緊急事態の布告」や「自衛軍」の設置、集団的自衛権の行使や海外での武力行使を明記した。新「防衛計画大綱」はこの改憲攻撃を先取りするものだ。
日米争闘戦の激化と経済・財政上のどん詰まりの危機の中で、日帝は労働者人民を犠牲にし〈外への侵略戦争、内への階級戦争〉で延命しようとしている。もはや帝国主義の支配体制を打倒しなくては労働者階級人民は生きていけないことを、新「防衛計画大綱」は日帝の側から宣告しているのだ。
11・7労働者集会が切り開いた労働者の階級的団結と国際連帯の闘いを推し進め、第3次安保・沖縄闘争、教基法改悪=改憲阻止闘争を爆発させるために闘おう。世界戦争を推進する日米枢軸を打倒しよう。
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新防衛計画大綱の骨子案
【安全保障環境】大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロなどの新たな脅威や多様な事態への対処が必要。東アジアにおいては領土問題や中台関係、朝鮮半島の統一問題など国家間関係に根差す問題や北朝鮮の核開発などの問題が存在する。
【安全保障の基本方針】わが国に直接脅威が及ぶことを防止し、脅威が及んだ場合にはこれを排除し、被害を最小化する。国際的な安全保障環境を改善し、わが国に被害が及ばないようにする。日米安保体制を基調とする対米協力関係を堅持し、日米の役割分担など戦略的な対話に主体的に取り組む。
【防衛力の在り方】多機能で弾力的、実効性、効率性のある防衛力を整備する。新たな脅威等への対応として、@弾道ミサイル攻撃Aゲリラや特殊部隊による攻撃B周辺海空域における警戒監視、領空侵犯、武装工作船等C離島に対する侵攻D大規模ないし特殊災害に対処する。
【留意事項】武器輸出管理は日米安保体制の効果的な運用の確保、国際共同開発・生産の世界的な趨勢、テロ・海賊対策への支援の国際協力の必要性を考慮し、必要な措置を講じる。おおむね10年後までを念頭に置き、5年後には必要に応じて見直す。
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週刊『前進』(2177号4面1)(2004/12/06)
ファルージャ大虐殺許すな
闘うイラク人民と連帯し派兵延長阻止・即時撤退へ
米軍によるファルージャ大虐殺がさらに凶暴に継続されている一方、米軍はさらに西部のラマディや北部のモスル、サマラ、バグダッド南部のマフムディヤなどの町に対して凶暴な大虐殺作戦を始めた。これと一体で日帝・小泉政権は、陸自イラク派兵部隊第4次隊の派兵を強行し、自衛隊派兵期限切れを既成事実で強行突破しようとしている。フャルージャ大虐殺への怒りに燃えて決起するイラク人民と連帯し、米軍・自衛隊のイラク撤退へ闘い抜こう。
米軍によるファルージャ総攻撃は、まさに無差別の人民大虐殺として強行された。11月13日に米海兵隊がファルージャのモスクで武器を持たない負傷した男性3人を射殺した様子を米テレビ局が報道したが、これは氷山の一角にすぎない。射殺した兵士が記者がいることに気付かなかったから撮影されたにすぎず、記者のいないところでは全面的に行われているのだ。
米軍は、ファルージャ攻撃に突入するにあたって兵士に対して15歳から50歳までの男が路上にいたら撃てという命令を出していたのだ。この命令に基づいて、武器を持っていようがいまいが、あるいは負傷していようがいまいが無差別の銃撃が行われたのであり、13日に撮影された事件は、まさにイラク全土で行われていることがたまたま撮影されたということなのだ。
それに止まらず、米軍の無差別虐殺は、女性や子どもに対しても広範に行われている。航空機やヘリからの爆撃、大砲、戦車砲による砲撃で建物が次々に破壊され、町はがれきの山と化してしまった。あまりにも激しい砲爆撃で家が壊れ、このままでは死ぬと思って避難しようとした人が、米軍の狙撃によって無差別に殺されている。道路が通れないのでユーフラテス川を泳いで渡ろうとした家族が、ヘリからの機銃掃射を受け全員が殺された。こうした無差別虐殺が次々と行われたのである。
米軍の圧倒的な戦力を投入した攻撃にもかかわらず、ファルージャの武装解放勢力は、不屈に闘い続け、米軍の制圧を許していない。米軍はファルージャ全体を完全制圧したと発表したが、実際にはファルージャ南部の工業地区を中心にファルージャの大半の地域で激しい戦闘が継続している。米軍が制圧したとしているところでも、拠点と拠点の間に地下トンネルを掘って移動して米軍と激しく闘いぬいている。
こうした中で、米軍のファルージャ攻撃にイラク全土で人民の激しい怒りが燃え上がっている。8日のフャルージャ総攻撃開始以来バグダッドを始め北部のモスルやバイジなどイラク全土で武装蜂起の状態に突入した。米軍が同時に攻撃を行ったラマディでも激しい戦闘が続いている。こうした中で11月の米軍の死者(米軍発表による)は23日までで107人に上っており、これまで最も多かった4月の135人を超える勢いになっている。
米軍は来年1月末のイラク国民議会選挙を何がなんでも強行しようとしているが、今やそれが不可能であることは鮮明だ。イスラム宗教者委員会が選挙ボイコットを呼びかけているのを始め、武装勢力も選挙を「米軍占領のためだ」として粉砕することを宣言している。米軍は選挙を強行しようとイラク駐留米軍を5千人規模で増強しようとしている。だが、どんなに米帝が焦って民族解放戦争を圧殺しようとしても、ますます拡大するイラク人民の決起を抑え付けることは絶対に不可能だ。イラク侵略戦争の泥沼の中で危機にのたうち回っているのは米帝の方なのだ。
サマワで“自衛隊帰れ”
また、ファルージャ大虐殺を弾劾するデモもイラク各地で繰り広げられた。とりわけ自衛隊が駐留するサマワでは12日、「占領軍の自衛隊は出ていけ。もし出ていかないなら、われわれは行動を起こす」と叫ぶデモが行われた(写真)。米帝のイラク占領を支える日帝・自衛隊にイラク人民の怒りが高まっているのだ。
こうした中で日帝・小泉は、12月14日にイラク特措法に基づく派兵計画の期限が切れるのに対して、期限を延長して派兵を継続し、一層深々と侵略戦争に踏み込もうとしている。
すでに自衛隊のサマワ宿営地に対しては8回もの砲撃が行われており、自衛隊が建てた日帝によるイラク占領を宣言する記念碑に対しても爆破戦闘がたたきつけられた。自衛隊に対するイラク人民の戦闘はますます激しくなっており、全面的な戦闘へといたるのは時間の問題になっている。
ところが小泉は、「自衛隊がいるところが非戦闘地域だ」と人を食った居直り発言で自衛隊を戦闘行動に踏み込ませようとしているのだ。すでに第4次部隊の第2陣も派兵を強行しており、期限延長を規定方針として次の部隊の派兵準備を進めている。国会審議が終わるまで期限延長を明言しないで国会終了後に一方的に期限延長を宣言するやり方をとろうとしている。
こんなふざけた言い草、やり方を絶対に許してはならない。小泉は、日帝が戦争のできる帝国主義となるために、日米安保再改定により日米枢軸化を強め、侵略戦争へと全面的に踏みきろうとしているのだ。
今こそ闘うイラク人民を連帯し、日帝・小泉政権打倒へ突き進もう。不屈の民族解放・革命戦争に決起しているイラク人民と固く連帯し、イラク反戦闘争の大爆発を実現しよう。自衛隊イラク派兵期限延長を絶対に阻止しよう。
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週刊『前進』(2177号4面2)(2004/12/06)
北富士 派兵阻止へ現地集会 “模擬施設訓練やめよ”
11月21日、忍草国有入会地守る会と北富士忍草母の会の主催で北富士現地総決起集会と申し入れ行動が行われた。三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長を始め各地から80人が結集し、米軍のファルージャでのイラク人民大虐殺を弾劾し、サマワ模擬施設でのイラク人民虐殺訓練を絶対に許さない決意をたたきつけた。
正午、集会が開始され、忍草母の会事務局長の天野美恵さんが、「忍草の入会権があるのに、どうしてここに訓練施設をつくったのか。県庁に申し入れをしたが、県の役人は『自衛隊の土地だ』と言ったがそんなことはない」と入会権無視を弾劾した。「訓練を行うときには緊急に通知しますから、ぜひ来てください」と訓練阻止の緊急行動への結集を呼びかけた。
主催者あいさつを国有入会地守る会の天野豊徳会長が行った。「私たちの悲願である北富士演習場の全面返還、入会権の確立という最終目的に向かって、サマワ訓練施設撤去、イラク派兵中止へ闘う」と語った。また米軍再編による海兵隊の北富士移転の策動を弾劾して、「国はいつまで入会権を踏みにじるのか。憤りを感じる。皆さんと共闘して闘っていきます」と決意を明らかにした。
連帯のあいさつでは反対同盟の北原さんが、「大変な時代に入った。米軍の後方部隊として自衛隊がイラクに出兵している」「今日の集会に集まった人たちが中心になって北富士、三里塚を勝たせよう。そして政治を変えよう」と訴えた。
動労千葉特別執行委員の後藤俊哉さんは、11・7労働者集会の大成功を報告し、「世界の労働者を結んでますます闘っていく」と決意を表した。婦人民主クラブ全国協代表の西村綾子さんは、「イラク戦争をとめることができるようにもっともっと闘おう」と訴えた。都政を革新する会の長谷川英憲代表は、イラク戦争をとめ、自衛隊を撤退させるためにも来年の都議選を闘うことを表明した。
部落解放同盟全国連合会、山梨の百万人署名運動、全学連、全国沖縄青年委員会などからの連帯のあいさつが続いた。
カンパアピールを母の会の大森ふじえさんが行い、「一方的に施設をつくって軍事訓練をすることは絶対に許せない」と訴えた。決意表明は母の会の天野正子さん。米軍のファルージャ大虐殺を支持した小泉を弾劾し、「自衛隊の即時撤退を求めて闘っていく。海兵隊の北富士移転に反対していく」と宣言した。
集会後、デモでサマワ宿営地模擬施設近くに行き、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
自衛隊梨ケ原廠舎前での申し入れ行動では、対応に出た自衛隊演習場管理室長に対して国有入会地守る会の天野会長が申入書を読み上げ、サマワ模擬施設撤去と自衛隊イラク即時撤退など3点を申し入れた。
反対同盟の北原事務局長は、自衛隊の成田空港使用を弾劾して自衛隊のイラク撤退を要求した。婦民全国協の丹治孝子さんは、イラクに派兵された自衛隊のイラク人民を侮辱し踏みにじる言動を厳しく弾劾し、引き続き参加者が次々と申入書を手渡した。
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週刊『前進』(2177号4面3)(2004/12/06)
FA18スーパーホーネット配備反対 厚木基地へ700人がデモ
神奈川県大和市の大和公園で11月20日、「違法爆音を許すな! 11/20厚木基地行動−FA18スーパーホーネットの強行配備に抗議し第3次厚木爆音訴訟の勝利をめざそう!」の集会が基地撤去をめざす県央共闘会議と神奈川平和運動センターの共催で行われた。700人の労働者・市民が結集した。
集会は、湘北教組執行委員の司会で進められた。県央共闘会議代表で厚木基地爆音防止期成同盟委員長の鈴木保さんは、「午前中、厚木基地司令官にスーパーホーネット配備反対の申し入れを30人でやった。米軍は63年9・15の騒音協定を守れ。違法飛行をやめろ。この基地はさんざん人を殺してきた。こんな基地を撤去しよう」と怒りを爆発させて発言した。
横須賀市職労の副委員長は「横須賀基地に米空母ミッドウェーが配備されて以降、インディペンデンス、キティホークの母港となり、母港化反対を闘ってきた。米軍は撤回するどころか原子力空母の母港化を狙っている。厚木基地撤去とともに闘っていきたい」と発言した。
沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した沖縄からは、怒りと連帯のメッセージが届いた。集会の最後に相模原と座間の市長に宛てた「米陸軍第1軍団のキャンプ座間移転に反対する行動を強めよ」という参加者一同の要請文を採択した。
集会後、厚木基地の東側戦闘機進入路を通って相模大塚駅まで労働組合隊列を軸にデモ行進した。百万人署名運動・湘北連絡会や婦人民主クラブ全国協などもともに闘った。
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週刊『前進』(2177号4面4)(2004/12/06)
“イラクに行くな” 守山・小牧基地へ申し入れ
とめよう戦争への道・愛知連絡会と婦人民主クラブ全国協など3団体は11月19日、守山基地(愛知県名古屋市)と小牧基地(同小牧市)に申し入れを行いました。13日に、東北の第6師団が第4次隊として派遣されたのに続き、守山基地を中心とする中部方面隊の第10師団が第5次隊として05年1月に出兵されようとしています。
申し入れ行動には、平日にもかかわらず25人が集まりました。新潟中越地震支援と大きく書かれたワゴン車で駆けつけた仲間は、被災支援の現場の生々しさをそのまま持ち込んだ感じです。11・7全国労働者総決起集会前の10月20日にデッチあげ逮捕された仲間は、弾圧を粉砕しての行動参加で、「ごくろうさん」の言葉が飛び交いました。
愛知連絡会の共同代表の桐村剛さんが守山基地に(写真)、共同代表である松本普さんが小牧基地に申入書を読み上げました。
守山基地の正面では、自衛隊車両や自転車、徒歩の自衛隊員の出入りが多く、びっくりした様子で注目していました。闘いの高揚感はすごいものでした。
今回は、守山基地闘争の第1波闘争です。地元として現地行動や街宣などを積み重ね、1月現地闘争の全国結集を訴えたい。中部方面隊の司令部がある伊丹基地(兵庫県伊丹市)が第6次隊となるので守山・小牧から伊丹を連続闘争として闘っていきたいと思っています。
(投稿/愛知S)
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週刊『前進』(2177号4面5)(2004/12/06)
山形 派兵第2陣を弾劾 バスの隊員に直接訴え
11月20日、第4次陸自イラク派兵の第2陣派兵に対して、山形大、東北大の学生を先頭に約40人で派兵阻止行動に立った。
集会では、山形大学生、東北大学学生自治会、東北大学日就寮、百万人署名運動・宮城県連絡会などが発言し、デモに出発した。声援は前回の派兵阻止行動を上回り、窓から手を振る人や家から出てきて涙ぐみながらデモ隊を激励する女性もいた。前回の闘いが住民の中に大きな影響を与え、反対派が形成されていた。
デモ後、直ちに申し入れを行った。神町駐屯地(東根町)の広報の自衛官は「今日は行事があって、妨害になるから受け取れない。後日受け取る」と対応し、すぐに駐屯地内に引き返した。「見送り」に集まった自衛官の家族の注目の中で、自衛隊は請願を受け取れと訴えた。
その直後に、駐屯地から自衛官を乗せた4台のバスが出てきた。ゲート前で「自衛官は出兵を拒否しよう」「侵略の銃を握るな」とシュプレヒコール。警察は機動隊を導入し、暴力的に排除にかかった。機動隊と激突しながら最後まで声を限りに自衛官と家族に出兵拒否を呼びかけた。
駐屯地から帰ってくる家族に対して、「石油強奪のための派兵だ。なぜ資本家のために自衛官がイラク民衆に銃を向け、殺し、殺されなければならないのか。本当の敵は小泉・奥田、ブッシュだ。出兵拒否してともに闘おう」と訴えた。
「自衛隊は占領軍」とイラク人民に宣言されても小泉は侵略戦争にのめりこもうとしている。自衛官の幼い子どもたちに「日の丸」の小旗を振らせて侵略戦争に出征していく。15年戦争と同じだ。今すぐ自衛隊をイラクから連れ戻そう。
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週刊『前進』(2177号4面6)(2004/12/06)
法政大 “学館解体許せない” 学生部長を150人で追及
法政大学で11月17日、学館を解体してつくられる新施設についての学生部長会見が行われた。150人の法大生が結集し、法大当局が学生無視で学館を解体し、新施設にはサークル占有の部室さえもつくらないことへ、学生の強い怒りをたたきつけた。
会見では、「新施設にはサークル占有の部室はつくらない」という学生部長の言葉に「新施設に部室をつくる約束もせずに、学館を解体するのは許せない」と学生の間から強い怒りがわきあがった。しかも、法大当局が新施設の具体的なプランすら考えていないことが明らかとなり、「具体的プランを考えずに学館解体だけを進めるのは許せない」という弾劾の声があがった。
「理事会が学生に説明すべきだ」という追及の声に対して学生部長は「理事に出席をお願いしたが断られた。理事会には、現場の声が通りにくくなっている」と、清成総長を先頭とする理事会が学生や教職員までも無視して学館解体を決定したこと、法大の意思決定を独裁的に行っている姿が明らかになった。
「新施設を学生との話し合いで決めるべき」「新施設で部室すらつくらないで学館ホール棟が解体されるのは許せない」という学生の声に対して、学生部長は「新施設のたたき台として大学案を早急に作成する。大学案を作成したら、学生の意見を聞く」と言い、12月に再び学生部長会見を行うことを約束した。
会見の最後に、「新施設での部室設置と学生との継続した話し合いを求める署名」1023筆を学生部長に提出した。これは学生有志が始めた署名運動で、11・7労働者集会後に本格化し、あっという間に集まったものだ。連日、「日刊・署名ニュース」を発行し、サークル員が署名を集め、署名ポストに署名が集まった。「部室をつくらないなら、新施設をつくる意味がない」「新施設に部室をつくって、サークル活動を保障しろ」という声が続々寄せられ、会見への結集へと結びついた。
闘いはこれからだ。清成総長が、国家や資本に役立つ自立型人材の育成を掲げ、学館解体を通してサークル活動を圧殺しようとしていることに対して、法大生の総決起をもって粉砕していく。
全国の学生のみなさん!12・4全国学生総決起集会に結集し、階級的労働運動と連帯し、体制変革を掲げた戦闘的学生運動の登場をかちとろう! 小泉=奥田を打倒する首都・東京での大デモを爆発させよう!
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週刊『前進』(2177号4面7)(2004/12/06)
11月16日〜23日
ミサイル迎撃「閣議省略」で
自民党が改憲素案まとめる
●サドル師派「自衛隊は占領軍」 陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワで、イスラム教シーア派のサドル師派ガジ・ザルガニ師は、同派指導部が「自衛隊は占領軍」と規定することを決めたとし、「われわれは占領者と戦っており、日本もその戦いの(相手の)一部になった」と言明した。(16日)
●改憲自民素案 自民党の憲法調査会は、憲法改正草案大綱の素案をまとめ、憲法改正委員会に提示した。9条については「自衛軍」の設置と集団的自衛権の行使を明記した。象徴天皇制は維持するが、天皇を「元首」と明確に位置づけ、女性天皇も認めた。(17日)
●辺野古、足場設置に着手 沖縄県の米軍普天間飛行場代替施設建設に向けた名護市辺野古沖のボーリング調査で、那覇防衛施設局は、比較的浅瀬で使用する足場の資材を積載した船舶を辺野古沖海域に移送、調査ポイント2カ所で設置作業を始めた。(17日)
●湾岸戦争症候群「認めよ」 91年湾岸戦争に従軍した兵士多数が病気や体調不良を訴えている問題で、英国の独立調査委員会は、「英国防省は湾岸戦争症候群の存在を認め補償すべきだ」との勧告を出した。(17日)
●ミサイル防衛以外も緩和 政府は、事実上すべての武器の輸出を禁じている武器輸出3原則について、@日米か、米国を中心とする多国間の共同開発・生産、Aテロや海賊対策などを支援するための国際協力――にかかわる武器については3原則の対象から外す方針を固め、与党との調整に入った。(18日)
●米国防長官、武器輸出緩和を評価 訪米した大野防衛庁長官は、ラムズフェルド米国防長官と国防総省で会談し、ミサイル防衛(MD)システムの日米共同開発・生産への移行に伴い、武器輸出3原則の緩和を検討していることを伝えた。ラムズフェルドは「方針は適切だ」と評価した。(19日)
●「嘉手納」統合を再提案 在日米軍再編をめぐり、米大統領選後に行われた日米外務・防衛審議官級協議で、米側が米軍普天間飛行場の早期返還へ向け同飛行場の米海兵隊ヘリ部隊を米空軍嘉手納基地に移転させる案を日本側にあらためて打診したことが明らかになった。(19日)
●日米首脳会談 小泉首相はチリのサンティアゴでブッシュ米大統領と会談した。小泉は12月14日に期限が切れる自衛隊派兵の延長を念頭に、イラクの「復興支援」を継続する方針をあらためて表明した。(20日)
●APEC首脳会議 チリのサンティアゴでアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が行われた。2国間で貿易・投資の自由化を進める自由貿易協定(FTA)について「域内自由化を加速させる建設的な役割を果たす」とする首脳宣言を採択。(20日)
●ミサイル迎撃「閣議省略」 大野防衛庁長官は、他国が日本に向けて弾道ミサイルを発射した場合、ミサイル防衛(MD)で迎撃する手続きを迅速化するため、自衛隊法などの改正案を来年の通常国会に提出する考えを表明した。迎撃するため防衛出動を命じるには安全保障会議や閣議での決定が必要だが、短時間には対応が間に合わないとして手続きを省略する方針を示した。(21日)
●日中首脳会談、靖国参拝の中止求める 小泉首相は、サンティアゴで中国の胡錦涛国家主席と会談した。胡錦涛は「中日政治関係の停滞と困難の最大の原因は、日本の指導者が靖国神社に参拝していることだ」と述べ、小泉に参拝中止を求めた。小泉は「誠意をもって受け止める」としながらも、今後の参拝については明言を避けた。(21日)
●韓国軍駐留1年延長へ 韓国政府は、12月末に駐留期限が切れるイラク派遣部隊3600人について、期間を来年末まで1年延長することを閣議決定した。近く国会に派兵延長同意案を提出する。(23日)
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週刊『前進』(2177号5面1)(2004/12/06)
小泉改革と郵政民営化の本質
経営形態の変更で全逓労働運動破壊狙う攻撃に反撃を
11・7全国労働者総決起集会は、戦争と民営化に反対する日米韓の国際連帯集会として躍動感をもってかちとられた。05年に向けて、11・7集会を新たな起点として、4大産別決戦を先頭に小泉=奥田路線への労働者階級の総反撃をかちとらなければならない。小泉政権の「骨太方針W」の中心軸をなす郵政分割・民営化攻撃との闘いは、「日の丸・君が代」決戦と並び、05年前半に向けた決戦局面に入っている。小泉政権は9月10日の「郵政民営化の基本方針」の閣議決定を受けて05年3月にも関連法案を提出しようとしている。それと一体のものとして郵政公社は、07年に向けて「アクションプラン・フェーズU」というすさまじい人員削減・大合理化攻撃を打ち出そうとしている。すでに、国鉄分割・民営化攻撃において82年の第2臨調基本答申―緊急11項目から87年に向けて20万人の大合理化を強行したような、激烈な決戦過程が始まっているのだ。その決戦を闘うために、小泉「構造改革」と郵政民営化攻撃の階級的な本質を明らかにしたい。
行きづまった日帝の絶望的な政策の体系
小泉「構造改革」は国際争闘戦の激化と長引く恐慌の重圧の中で、あたかもそれをのりきる方策であるかのように登場した。それは「不良債権処理」や「国家財政危機の打開」を声高に唱えつつ、それを軸点として、「聖域なき構造改革」の名のもとに、政治、経済、外交、安保防衛、社会保障、労働法制、司法、治安立法など、総じて戦後体制全体を解体的に再編するものとして展開されてきた。そして今日なお強行されつつある。
このような小泉「構造改革」なるものの本質を見抜くためには、国際帝国主義自体の根底的な行きづまりの中で、日本帝国主義の戦後的な延命・発展のあり方が、完全に行きづまり、大破綻(はたん)の泥沼に陥っていることをがっちりと把握しなければならない。端的に言えば、今や国際帝国主義体制全体が、全面的な世界大恐慌のプロセスに突入しつつあり、帝国主義間争闘戦は世界戦争へと転化しつつある。この中で、日帝は完全に最弱の環となってきている。
世界大恐慌過程への突入〔日帝は先行的にすでに恐慌過程にのめり込んでいる〕と帝国主義間争闘戦の非和解的激化と世界戦争への転化の開始は、もはやこれまでの延長のような経済財政政策や階級支配のあり方のもとではどうにもならなくなってきているということである。すなわち外への侵略戦争、内への階級戦争(一種の上からの国内戦争=内乱の仕かけ)の一体的推進以外にいかなる道も残されていないのである。
だから、小泉「構造改革」路線、総じて小泉反革命は、帝国主義の全面的行きづまり、破綻、没落の中で、外への侵略戦争、内への階級戦争に突入して日帝の延命を図ろうとする絶望的政策の体系だと言うことができる。
「構造改革」の全矛盾を労働者に犠牲転嫁
少し具体的に見てみよう。小泉「構造改革」においては「不良債権処理の加速」や「財政構造改革」「民営化―規制改革」なるものが、正面の柱として打ち出された。
不良債権は解決せず
まず、「不良債権処理の加速化」政策について見れば、実際には何ら根本的解決とは言えない。そもそも不良債権処理の原義からすれば、過剰資本をどしどし処分(処理)するということだ。それは破綻した銀行は破産させることのはずだ。また不良債権の対象となっている企業は破産させることだ。不良債権処理を真に加速させれば、恐慌的事態はますます激化していく。しかし、恐慌の本格的深化、激化をそのまま進めたら、銀行システムの崩壊となり、帝国主義自体が瓦解(がかい)する。したがって大銀行に公的資金を投入したり、実質的に国有化したりして、矛盾の爆発をとにかく避けようとしているのである。
また、UFJグループの東京三菱グループへの合併も、そのままではUFJが大崩壊するからにほかならない。また地方銀行における不良債権問題は依然として深刻である。
要するに、金融独占資本の延命と利益のためにはなりふりかまわず何でもする。そして一切のつけは労働者階級・人民に押しつけるということである。
財政構造改革も破産
次に「財政構造改革」を見てみよう。
ここでも問題は同じだ。核心は恐慌対策にある。一連の恐慌対策として歴史的に集積された膨大な国債発行残高はすでに回復する限度を超えてしまっている。年々の国家予算は国債費の重圧に押しつぶされ、さらに本格的な財政圧縮をすれば、それはそれで恐慌を再び激化させてしまう。したがって、国債カットはどんなに声高に叫ばれても実効性はなく、何ら問題の解決とならない。そうして、一切の矛盾は、規制改革の名のもとで、社会保障制度の全面的な改悪、圧縮の大攻撃となるのである。
民営化とは官公労系労組への破壊の攻撃
「民営化―規制改革」について言えば、恐慌重圧、国際争闘戦重圧の問題と同時に、戦後の国家独占資本主義的諸政策のどうにもならない行きづまりという問題が重なっている。国家独占資本主義(以下、国独資)の問題は、銀行―金融システムにおいても、国家財政支出の巨大化、肥大化とその反面としての国債重圧の膨大化としても存在している。しかし、この間、進行している国鉄分割・民営化を始めとして、道路公団民営化から郵政民営化、さらに公務員制度改悪などの一連のプロセスを見る時、この国独資政策の決定的行きづまりとその存在の大きさという契機を加えてみることで問題の構造は一層はっきりしてくる。
まず道路公団民営化についは、世上いわゆる「骨抜き」の改革と言われている。確かに、税金を投入して膨大な高速道路をつくり続けることが担保されている限り、それはそのとおりだ。
しかし、二つのことをきちんと押さえておくことが必要だ。ひとつは、ここでも恐慌の重圧だ。いわゆる政治道路の建設に膨大な財政支出が費やされる「非経済」がうんぬんされても、道路建設の大幅なカットの強行は建設、土建関連会社の破綻をさらに引き起こす。いまひとつは、小泉政権はなおかつ「道路公団の民営化」を強行し、その成果を誇っている〔またはいられる〕のはなぜかということだ。
それは民営化という攻撃の全階級的意義の大きさからくるのである。これまで、戦後帝国主義体制を支えてきたとも言うべき国独資的な国家的事業や官業の体系、そこに流出入する巨大な財政的金融的資金の流れが、戦後的再編過程、バブル期、バブル崩壊後の恐慌・不況対策期をとおして一定の機能を果たしてきたが、今や日帝の独占ブルジョアジーにとっては、いわば桎梏(しっこく)と化してきている。日帝独占ブルジョアジーは、相互絶滅戦化した国際争闘戦に勝ちぬき、大恐慌の重圧を超えて、自ら延命するためには、日帝の金融経済政策を金融独占ブルジョアジーの直接の利害に沿ってストレートに再編成し、その一切の矛盾、犠牲は労働者階級に押しつけてのりきることを要求している。
今日の小泉=奥田路線とはまさにこのようなものである。この路線にとって、民営化―規制改革は決定的・死活的な政策であり、イデオロギーとなっている。
この場合、重要なことは、民営化攻撃は戦後的な官業体制や公務員制度、あるいは公共的事業の一定の、あるいは全面的な再編成としてあると同時に、それがすぐれて、官公労系の労働組合運動の全面的破壊として、ひいては全階級的関係の全面的な改変としてあるということだ。もともと、資本主義は資本による賃労働の搾取の上に成り立っており、資本主義的経済・制度の本格的な再編・改変は究極的にはすべて、労資の階級関係の全面的改変としてあるのだ。
すなわち、民営化というのは今日、民間において先行した帝国主義ブルジョアジー優位の階級的力関係を、官公労系労働者にも適用するという形態で、実は全労働者階級の階級的あり方を全面的に転覆し、悪化・後退させようという恐るべき攻撃としてあるということだ。
「骨太方針W」の最大の攻撃が郵政民営化
以上をふまえて、今日、日帝・小泉が小泉=奥田路線のいわば行動綱領である「骨太方針W」の中で最大の決戦課題として挙げている郵政民営化攻撃を受け止めなければならない。
4分割の「基本方針」
9月10日、政府は自民党・与党の承認を得ることなく、郵政民営化に関する閣議決定を強行した。そして、総務省でなく内閣官房のもとで法案化を進め、05年通常国会に提出するとしている。
その内容は次のとおりだ。
@現日本郵政公社を、07年4月をもって、窓口ネットワーク会社・郵便事業会社・郵便貯金会社・郵便保険会社〔以上株式会社〕の4事業会社で事業分割し、これを純粋持ち株会社の傘下に置く。地域会社への分割は新会社で判断する。
A07年4月をもって各社とも民営化し、17年までに最終的な民営化を実現する。〔持ち株会社は当初100%政府出資、その後07年までに3分の1超の政府保有へと移行。郵貯会社、郵便保険会社は、当初は持ち株会社が全額出資、17年までに順次株式売却し、完全民営化する(持ち株会社からは分離する)〕
B(全会社とも)「職員は新会社設立とともに国家公務員の身分を離れる」
Cこの他の重要項目。民間会社としての納税義務。郵貯・保険では新会社の新契約については、「政府保証」廃止。預金保険機構等への参加。
Dまた郵便事業では、「信書の参入規制は当面現行水準を維持」
Eまた郵貯・保険会社には、「大量の国債所有」をふまえ、「国債市場への影響を考慮、適切な資金運用をする」ものとしている。
膨大な郵貯・簡保資金の再編は危機的政策
このついに開始された郵政民営化攻撃をいかにとらえるべきか。9月10日の閣議決定は、その冒頭で、「明治以来の大改革の郵政民営化は国民に大きな利益をもたらす。@良質で多様なサービスで利便性向上A『見えない国民負担』を最小化B資金を民間に流し、国民の貯蓄で経済を活性化する」とうたっている。
郵政事業は、郵便事業を基礎として、郵便貯金・簡易保険事業をとおして巨大な資金を集中・散布する機構として、日本帝国主義の明治以来の発展や戦後の再建過程、高度成長過程などの各過程において、大きな役割を果たしてきた〔そもそもは戦費調達機構として成立している〕。とりわけ戦後の日帝の発展過程では、何百兆円(今日では350兆円にも及ぶ)もの民間の資金を幅広く集中し、それを第二の予算と言われた「財政投融資(財投債)」などの資金として利用した。すなわち公共事業その他のいわゆる国独資的諸政策を財源的に支えるものとして、その役割を演じてきた。
しかし、このメカニズムは、この間の未曽有(みぞう)の恐慌・不況過程の中で行きづまり、さまざまな矛盾をきたし、腐敗・腐朽を進めてきた。こうした中で、郵貯・簡保事業に集中される350兆円もの巨大な資金とその流れ方が、恐慌と争闘戦の重圧にあえぐ日帝金融独占資本の延命と強化にとって、妨げにさえなっている事態に、彼らは不満をつのらせてきた。日帝金融独占資本は国際的死闘に耐えぬくべく、より強大化することを追い求め、より大きな金融市場を支配し、財政の流れをより直接的に自己の利害に直結させようとしている。その意味で彼らが郵政民営化を要求していることは間違いない。しかし、この問題は一筋縄でいくものではない。金融独占ブルジョアジー自体、今日の日本経済の「デフレ重圧」=恐慌の重圧が国債の際限のない発行(日銀引き受けに近づいている)によって全面的に支えられていることを知っている。そして、郵貯・簡保事業が今日140兆円もの国債を吸収しており、国債残高全体の4分の1にも達していることも厳然たる事実なのだ。今回の郵政民営化案が、10年もの年月をかけて遂行されることを規定している最大の要因は、この大量の国債の管理を慎重に遂行しなければならないことである。
今日、日帝の恐慌対策の一切の矛盾の集中的表現はある意味で膨大な国債の存在にある。しかもそれが金融システムの全面的崩壊を辛うじて防いでいるものとしてある。だから、郵政民営化は矛盾に満ちた危機的政策であると言っていい。
また、帝国主義にとっての民間資金の集中・散布の機能において、一定の公的な性格を持つ貯金・保険的機能が完全に不必要となるということはない。このことは国独資的諸政策全般にも言えることで、それは一定の形態・一定の規模ではやはり不可欠なものとしてある。
さらにいまひとつがっちりと押さえておくべきことは、今回の郵政民営化が350兆円もの資金の流れを日帝権力、日帝独占ブルジョアジーの利害に沿って再編成しようとするものである以上、それは必ず一定のプロセスの中で、今後日帝がますます必要とする膨大な戦争財源を調達するルートの確立へとつながっていくこともまた明白である。
郵政民営化がこのようにさまざまな要員のからまり合い(もちろん、自民党的政治的利権集団の動きも含む)としてある中で、なおかつ小泉=奥田路線がきわめて強固に成立し、それが郵政民営化を基本的に推進する勢力となっていることは、何を示しているか。やはり、日帝金融独占ブルジョアジーがこの方向でかじを切っていることを示すものと言っていい。恐るべき重大な攻撃がついに開始されたということなのである。
全逓の誇りをかけて物ダメ・ストで闘おう
郵政民営化について、これまで、日帝経済、日帝独占ブルジョアジーの利害から見ての財政・金融的意義について、争闘戦的危機と大恐慌情勢への矛盾的・死活的政策の推進という観点から考察してきた。だが、今日の日帝・小泉政権が小泉=奥田路線のもとでこの政策を強行しようとしているのは、明治以来、国鉄と並んで日帝の官業体系の中核中の中核を占めてきた郵政事業において、民営化というかたちで経営形態の決定的変更をあえて行うことによって、全逓労働運動(労働組合)の破壊と産業報国会的労働運動への変質をなしとげるためである。
07年に向け大合理化
この点では、9月10日の閣議決定が雇用について、「職員は新会社とともに国家公務員の身分を離れる」と宣言していることは決定的である。これは公務員としての身分保障が放棄され、民間と同じく経営上の都合によって首切りが可能な状態へ移行するということである。本紙2167号の全逓委論文のとおり、「郵政民営化攻撃は国鉄分割・民営化やNTT大合理化などを集大成した大攻撃であり、〈いったん全員解雇・選別再雇用〉をとおした大量首切りと活動家パージ、労働組合破壊が最大の狙いであることが完全に明らかになった」のだ。
すでに今でも、民営化への先取り対応として、リストラの嵐が吹きまくっているが、民営化法案が国会で採択される以前の今秋から、07年の新会社発足に向かって、国鉄分割・民営化の82〜87年過程のようにすさまじい「余剰人員」攻撃が展開されていくのは必至である。すでに、郵政公社のアクションプランによる1万7000人削減や連続深夜勤の導入、JPS(郵政版トヨタ方式)などが強行され、さらにアクションプラン・フェーズUが策定されようとしている。そして、新会社発足に際しては、〈再採用〉のプロセスでは民間的人事権の発動として、直接・間接のあらゆる方法で、国鉄方式・NTT方式をとりまぜた攻撃が展開されるだろう。雇用保障をしない一方で、「みなし公務員」とし、スト権を制限するとも言われている。それは2017年以前の完全民営化に向かって、ますます深化・激化すると見なければならない。
公務員への攻撃の軸
さらに郵政民営化攻撃で重要なことは、小泉が「改革の本丸」と言っているように、これは、公務員制度の全面的改悪、公的・官業的事業の全面的な民間委託、民営化の大攻撃、教育労働者への全面的攻撃(「日の丸・君が代」・教基法改悪攻撃)などと完全に一体であり、その基軸をなすものであるということだ。つまり郵政民営化攻撃は、公務員労働者への民営化攻撃=リストラ・組合破壊の中軸であり、最大の突破口としてある。国鉄・NTTの民営化攻撃として開始された攻撃を全官公労系労働者への全面的攻撃として完遂しようという巨大な階級決戦としてあるということである。
日帝の小泉=奥田路線は今日、「骨太方針W」として遂行されつつあるが、その内容はまさに、郵政民営化攻撃を突破口に、全公務員労働者への全面的攻撃を貫徹し、そこでの労働組合運動の破壊と変質化を実現していくところにある。小泉=奥田はこの攻撃によって、争闘戦に勝ちぬき、戦争国家化をなしとげようとしているのだ。そして、そのための戦後的階級関係の全面的転覆と改変を一挙に実現しようとしているのである。
小泉政権の一切かけ
さらに、次の点もきちんと押さえておかなければならない。
小泉は今やその政権の一切をこの郵政民営化にかけてきたということだ。9月10日の閣議決定を自民党・与党の承認さえとらず、決定容認を強制するかたちで行った。また、9月27日に行われた内閣改造は、極端すぎると言えるほどに郵政民営化突撃内閣として形成された。さらに橋本派への強権発動的先制攻撃をさえ強行している。小泉政権は初期の力を失い、失速しつつあると言われる。アクロバット的で弱体性を持つとも言われる。しかし、問題を一面化して見るのは危険だ。小泉政権のある種の力は、日帝の戦後体制の行きづまりに対して、政治・軍事・経済など全面にわたって、戦後的あり方を非論理的・暴力的論法をも平然と駆使しつつ、踏み破っていこうとしているところにある。ここにおいて、日帝独占ブルジョアジーの本来的な階級的要求との一体性があるということだ。
この意味で、小泉=奥田路線には一定の必然性があり、真っ向からこれを直視していかなければならない。
05年階級決戦の先頭で団結し勝利しよう
05年の通常国会に向けて、日本の政治過程は、大きくはイラク情勢、米大統領選でのブッシュ再選に規定されつつ、直接にはすぐれて郵政民営化(法案)を決定的な攻防軸とする一大決戦となる。文字どおり小泉政権や小泉=奥田路線の帰趨(きすう)を決定する一大階級決戦となる。「日の丸・君が代」・教基法決戦はすでに階級的決戦として火を噴き、04〜05年において決定的な闘いとなっているが、この「日の丸・君が代」・教基法改悪攻撃と郵政民営化攻撃とはそもそも一体のものである。教基法闘争の爆発と重なって郵政民営化阻止闘争の爆発も不可避である。
すでに見たように郵政民営化はきわめて鋭い苛烈(かれつ)な組合破壊の大攻撃であるが、それ自身、行きづまった日帝ののたうちまわるような矛盾と相剋(そうこく)に満ちた階級攻撃である。全逓労働者が総決起し、団結して闘いぬく時、敵の狙いを粉砕し、組合運動の革命的地平を開くことはまったく可能である。郵政分割・民営化阻止へ物ダメ・ストライキで闘おうという方針は、全逓労働者の誇りと戦闘的伝統を呼び覚まし、積もりに積もった怒りに火を付けるものとなる。国鉄分割・民営化阻止の闘いで動労千葉が勝利したように、いやそれ以上に勝利することも可能である。階級闘争全体が革命的情勢へと突入しつつあるからだ。
教基法決戦を先頭に、郵政民営化阻止の闘いを大爆発させ、4大産別決戦に勝利し、小泉=奥田路線を粉砕しよう。
4大産別での勝利をテコに、イラク反戦勝利、憲法改悪阻止をかちとろう。
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週刊『前進』(2177号5面2)(2004/12/06)
「三位一体改革」の狙い
労働者人民に負担押し付け 自治体財政は一層の危機に
労働運動と社会保障を解体
11月18日、政府・与党の合意で国と地方の税財政の「三位一体改革」の「大枠」が決まった。26日に最終的な政府案が決定される。「大枠」は国庫補助・負担金の削減総額として約3兆円を計上した。地方6団体(全国知事会など)による8月の「地方案」の削減総額3兆2千億円に近いが、国の関与の余地を大きく残している点が違う。
三位一体改革は、「骨太方針W」の掲げる「官から民へ」「国から地方へ」「行政のスリム化」を徹底する攻撃であり、郵政民営化と並ぶ重点項目だ。国・地方の長期債務が700兆円を超える解決不可能な財政危機の中で、国庫補助・負担金のカット、国から地方への税源移譲、地方交付税交付金の見直しを一体的に行う税財政改革だ。
「無駄な公共事業を減らす」「地方の権限を強化する」とうたわれているが、地方自治体、ひいては労働者人民に一切の負担を押し付ける攻撃である。
三位一体改革で自治体は財政危機を深め、社会保障・福祉・医療・教育を切り捨てたり、市町村合併や民営化に走らざるをえなくなっている。さらに自治体は、財政危機を口実に職員・教員の削減・賃金引き下げ・合理化・労働強化の攻撃、労働組合運動破壊・解体の攻撃を激化させている。ここに三位一体改革の最大の狙いがある。
市町村は財政再建団体に
骨太方針Wは、04、05、06年の3年間で国庫補助・負担金を4兆円削減し、06年度までに3兆円の税源移譲を目指すとしている。自治体は総計1兆円の予算削減を強いられる。
三位一体改革の初年度の04年、財政規模の小さな自治体は予算を組めない状態にたたき込まれた。04年度、国庫補助・負担金が1兆300億円、地方交付税が1兆2000億円、それぞれ削られたのに、地方への税源移譲は6500億円しかなかったためだ。
それだけではない。谷垣財務相は05、06年度で地方交付税を7〜8兆円削減することを提案している。04年度に地方交付税関連で3兆円近くが削減された。合わせて10兆円以上、全国自治体予算の総額85兆円の1割以上に上る。これが実施されたら1〜2年で全市町村が財政再建団体に転落すると言われている。
焦点は義務教育費国庫負担金の削減だ。「地方案」は中学校教員給与8500億円の削減を提示した。「大枠」は文科省・文教族の要求を入れ、補助率引き下げで8380億円削減することを提示した。
「地方案」が打ち出した私立保育所等運営費4147億円の削減は「大枠」では外された。その代わり、養護老人ホーム運営費や在宅福祉事業費への補助金削減案を示した。また「大枠」は、「地方案」が提起していない国民健康保険の国庫負担の削減、都道府県負担の拡大を打ち出している。ただし、厚生労働省が当初提起した生活保護費の削減は当面、見送られようとしている。
民営化・民託化保育料値上げ
三位一体改革で補助金廃止が先行しているのは公立保育所だ。03年末、保育所運営費への国庫補助金1661億円が廃止された。04年度から県からの補助金も廃止された。市町村が自主財源で保育所運営費を賄うことになった。
その結果、現在、約1割の市町村が05〜06年に保育料を引き上げようとしている。保育所の民営化・民間委託も始まった。
「地方案」どおり私立保育所運営費など国庫補助金が削減されれば、民間の保育所の運営も困難になる。
教育労働者への賃下げ攻撃
義務教育費国庫負担が廃止され、一般財源や交付税で義務教育費(ほとんどが教員給与)を賄うことになれば、財政難の自治体は教育費以外に予算を回そうとする。教員給与引き下げ、教育条件の悪化、教育の地域格差の拡大は不可避だ。教員給与の国準拠が04年4月に廃止された中で自治体の教員給与引き下げ攻撃が激化することは確実だ。
義務教育費国庫負担制度は、本質的には、国による自治体統制、教育統制の有力な手段である。だが同時に、義務教育費国庫負担制度は、自治体財政が不十分な中で「教育を受ける権利」「教育の機会均等」を国家的・財政的に保障する措置としての性格をもってきた。いずれにせよ、教育労働者が国家の教育内容への介入を許さず、教育条件の整備に限定させるために闘いうことが不可欠だ。
労働者の団結を固め、小泉=奥田の骨太方針W―三位一体改革を粉砕しよう。
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週刊『前進』(2177号6面1)(2004/12/06)
11・7労働者集会に参加して
これまでと違う郵政職場の活性化感じる 東京・元全逓労働者 深田 治
郵政職場で文字どおり郵政労働者の分岐・流動・活性化が始まっている。これが11・7に向けたオルグ過程で、オルグ対象から響いてきた波動である。
「ブツだめ・ストライキで闘おう」というオルグが、さまざまな形をとってみんなの心をとらえていくのが見えた。「ブツだめストライキで」と言うと、まず「すごく格好いいけど」とか「本来ならそうだけど」「今じゃあできねーよ」とか「できればやりたいよ。でもね」という反応がすぐ誰からも返ってくる。しかし、その話し方の中に込められている感覚が以前のほとんど投げやりなトーンではない。当局や、JPU本部に対する怒りと憎しみ、「本当にやりてーよねー」という思いを含んでいるのである。
私は11・7に向けて『前進』でオルグした。10月に手紙を添えて対象者全員に郵送。私のオルグ対象は50代の全逓労働者だ。「07年まで勤めたら、その後は人材活用センターでもいいよ。殺されそうな今の職場に頭を下げてまでいる気はない」という人もいた。みんないろいろ悩みながら生き方を考えている。
しかし、「07年郵政分割・民営化絶対阻止」「JPU中央本部を打倒し、ブツだめ・ストライキで闘おう」という決戦路線で武装した『前進』2173号全逓委論文を手に、簡単なレジュメを右手に持ち、「そもそも07年まで職場にいられるのか? 小泉は40万人の公務員のリストラと言っている」「立って闘うしかないのではないか」と問いかけ、迫力ある詰めのオルグを貫くことができた。
10・17MWM、非正規職拡大と日韓FTAに反対する韓国・民主労総の闘いのビデオなども持って訪問し訴えた。郵政職場で苦しんでいる自分たちと同じなんだということを共感を持って聞いていることが伝わってきた。これまでとは労働者はまったく違ってきているというのが実感だ。
「行けないけど気持ちは一緒」という友 東北 青木和歌
友人に『前進』を郵送しています。彼から「11・7どうだった?」と電話がきました。「すごく楽しかったよ」と私。実際、国際連帯の熱いふんいきの中で、興奮しました。
そして、25年前別れた学生時代の友人と再会し、肩を組んでインターナショナルを歌い、胸いっぱいでした。
さて、彼は牛を育てる仕事をしていたが、輸入自由化になって苦労していました。いつも、熱心に『前進』を読んでいる人ですが、まだ50歳にもならないのに数年前、脳の病気で倒れ、右半身が不自由となって、牛も売り、リハビリし、いずれ、「障害者」と星野文昭さんの問題をとりくみたいと熱く語っていました。
ずいぶん歩けるようになってきたら、また、再発。字も書けないけれど、毎号、大事に『前進』を読み、販売される本を読み、闘う仲間たちに思いをはせています。
「とても東京へは行けないけれど、俺みたいに行きたくても行けない者もいるから」「金もないけど、気持ちはいっしょだから」と、言います。
編集局の皆さん、『前進』をすごく楽しみにしている友人のお話です。私は40歳すぎて物忘れも多いけど、来年のために、ハングルと英語をかじりはじめました。
初めてオルグして一緒に参加できた 中四国 J・F
今回の11・7集会に、初めてオルグをして一緒に参加することができました。
11・7は、小泉の骨太方針Wと対決するんだ、アメリカのMWMに続いて日本も、ランク・アンド・ファイル運動で現場の労働者から変えるんだ、と最初は、なかなか提起できなかったけど、ねばり強くオルグをしてついに一緒に行くことができました。
その人が「けっこうでかいことやってるんだなあ」と言ったように、私も10・17アメリカの流れが、11・7の日本に来て、11・14韓国のゼネストへ向かう。国際的につながっているその中に11・7集会があるのでスゴイと感じました。
自衛官をイラクに行かせない包囲網を! 兵庫 恒川るい
12月14日の自衛隊派遣期限は、小泉ひとりに「延長」を決めさせていいのか! 国会で民主党とやり取りしていたが、民主党はなめきられていて、まともな論議さえできなかった。国会があてにならないことなど、私たちは重々承知だ。その上APECにでかけた小泉はブッシュと会談し、「イラク駐留延長」を既成事実化してしまった。この小泉の汚いやり方を許しておけない。全国で、「自衛隊派遣延長反対!」ののろしを上げよう。
兵庫では、来年の2月、5月に派遣が計画されている中部方面隊・伊丹駐屯地があり、派遣員はすでに決定されているという話がある。自衛官・その家族の気持ちになってみよう。小泉がいくら「戦闘地域ではない」と強弁しようが、サマワの自衛隊基地内にはロケット弾が少なくとも2発命中していて、いつ宿舎に命中するか知れたものじゃない。これを「戦闘地域ではない」と小泉が言ったから戦闘地域じゃないんだ、だから派遣を延長しても構わないんだ、と言われて「そのとおり!」と思う自衛官・その家族が、どこに居よう。心の中で「これじゃ戦闘地域じゃないか、約束が違うじゃないか!」と叫んでいる声が聞こえる。
自衛官は労働者の姉妹兄弟。彼らが隊内から決起するためには、外からの私たちの呼びかけと、「派遣反対!」の大合唱が無いと、そんなに容易ではない。彼らを見殺しにするな!
自衛官の「尊い死」などが現実化してしまえば、教育基本法改悪の意図「お国のために死ねる子の育成」が、がぜん現実味を帯びてくるのだ。
すべての労働者は、自衛官をイラクに行かせない包囲網に参加しよう! 自衛官は、近い将来、どす黒い政権・財界を転覆する時、私たちの先頭に立って、蜂起してくれる、大切な大切な仲間だ。今守らないでどうする! 全国で自衛官を守る包囲網を作り出そう。
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週刊『前進』(2177号6面2)(2004/12/06)
福嶋同志奪還 この力で無罪獲得へ 不屈非転向の闘いの勝利
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧で93年3月以来権力に不当に勾留されていた無実の福嶋昌男同志をついに奪還した。
11月22日、午後6時10分、福嶋同志は獄壁をうち破り、東京拘置所の門前で待ち構えていた数十人の仲間との感動的合流を果たした。未決12年というあまりにも不当な超長期勾留を不屈・非転向で闘い抜き、みごと解放を実力で闘いとった。薄暗がりの中でもひときわ透き通るほど白い顔が紅潮し、満面の笑みを浮かべて福嶋同志は、ついにわれわれのもとに帰ってきたのだ。
11・7全国労働者総決起集会で「戦争と大失業攻撃」をうち破る労働者階級の大隊列を登場させた。この力強い階級の力が切り開いた偉大な勝利である。
16日、東京地裁刑事第3部・服部悟裁判長は福嶋同志と弁護団の獄中・裁判闘争と、獄外での「ただちに保釈を!」の叫びに追いつめられ、ついに保釈許可決定を出さざるを得なかった。
しかし、まったく不当にも検察側はただちに抗告を行った。無実の福嶋同志をデタラメな筆跡鑑定でデッチあげて12年も独房に拘禁し続け、今また地裁決定をくつがえせと高裁に圧力をかけるとは何ごとか。断じて許せない。同じ爆取デッチあげ弾圧で今年3月に一審無罪判決をかちとった須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志を先頭に、十万人保釈署名運動は15日から対地裁闘争に立ち上がり、そのまま対高裁闘争に決起していった。
16日から22日まで、連日裁判所前に陣取り、大型マイクを使ってのアジテーション、ビラまき、署名活動を行った。毎回10人を超える大街宣となった。18日には高裁係属部の第10刑事部・須田賢(まさる)裁判長に対し、「不当な抗告を棄却し、ただちに保釈せよ」と迫った。決起した全員が、代わる代わるマイクを握り、声を限りに訴え続けた。高裁あての署名も次々と集まった。
19日には、十万人保釈署名運動が高裁第10部に対し、署名提出と申し入れ行動に立ち上がった。地裁に未提出の署名と高裁あてのもの併せて464筆の保釈要望署名を提出した。
22日は朝から小春日和の好天に恵まれた。今日こそなんとしても福嶋同志の解放をかちとろう、決定が出るまでやり抜こうと全員で意志一致して街宣に臨んだ。用意した1000枚近くのビラが底をついた。
3時少し前、待ちに待った保釈決定の知らせが入った。ついにやった! みなが勝利のこぶしをあげ、喜びを全身で表現した。身震いするような感動的瞬間だった。
裁判勝利へさらに闘おう
福嶋同志保釈奪還の勝利は、第一に何よりも福嶋同志の不屈・非転向の闘いが切り開いたものである。「国家権力はわたしを抹殺しようとしている」(福嶋同志)という攻撃に立ち向かい、みごとに打ち破って勝利したのだ。
第二に須賀、十亀、板垣3同志の3・25無罪判決の獲得が、一方で日帝・東京地裁に対し有無を言わせない物質力となってのしかかり、他方で福嶋同志にとってはかけがえのない激励と希望となった。
さらに第三には、裁判での勝利的前進がある。この間の弁護側立証で、権力によるデッチあげを核心的なところで粉砕する決定的証言をかちとってきた。とりわけ、「ロケット弾の飛距離計算をした」と称するメモ内容のデッチあげ分析を物理学者の山本義隆氏による証言で粉砕し、ついで「メモの筆跡は福嶋のもの」との検察側デッチあげ筆跡鑑定を書家の石川九楊氏による「筆跡は福嶋のものではない」との異筆鑑定で粉砕したことが、服部悟裁判長を追いつめた。
これらの勝利的地平の上で、全党の決起と十万人保釈署名運動の大衆的力が一体となって地裁、高裁の壁を一挙にぶち破る大勝利を闘いとったのだ。いよいよ、3同志とともに、福嶋同志無実・無罪獲得、3同志控訴審勝利にむけ新たな闘いへと前進していこう。
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週刊『前進』(2177号6面3)(2004/12/06)
刑法改悪を弾劾する
重罰化で人民を抑え込む 戦時治安体制強化が狙い
重大犯罪の法定刑の引き上げなどを盛り込んだ刑法改悪案と、公訴時効期間を延長するための刑事訴訟法改悪案(別掲ポイント参照)が、11月18日、与党などの賛成多数により衆院本会議で可決、通過した。引き続き参議院で審議中で、今臨時国会での成立を狙っている。さらに人身売買罪の新設などが次の通常国会へ提出予定とされている。
この一連の刑事法改悪案は、日帝の体制的危機と階級支配の破綻(はたん)の深まりの中で、イラク侵略戦争参戦=戦時体制突入に対応した治安弾圧強化の攻撃である。徹底的に粉砕しなければならない。
戦時司法体制への転換狙う
今回の刑事法改悪の目的は、「司法改革」をしめくくる攻撃として、帝国主義間争闘戦の激化の中で、日帝の絶望的な延命策としての戦争国家づくりのために、刑事司法の戦時司法体制への転換を完成させることだ。
その核心は、刑事罰の重罰化である。実際に労働者人民を侵略戦争体制に力ずくで動員するためには、労働者人民の闘いと抵抗を暴力的に抑えつける強制力が必要である。この強制力の役目を担うのが「刑事罰の重罰化」なのだ。
そもそもブルジョア法の目的は、ブルジョアジーの階級的利害を守ることである。そのためにブルジョアジーは刑罰権を独占し、プロレタリアートを公的暴力(監獄)で支配する。今回の重罰化の刑法改悪は、このブルジョア社会の法律と刑罰の階級的本質を露骨に示すものである。
したがって、刑事法改悪攻撃を粉砕することは、労働者人民にとって階級闘争の重要な一環なのだ。
デマとペテンで改悪を推進
法務省は、法律案の提出理由について、@国民の不安感(体感治安)の悪化A凶悪・重大犯罪に緊急に対処する必要性B平均寿命が延びたことC国民の正義感情、規範意識を主張している。説得力のないデマとペテンだらけの内容である。
@の根拠として、法務省は「犯罪認知件数の激増」を挙げている。これは、デマである。「認知件数の一時的増加は、00年桶川女子大生殺害事件の不手際を指弾された警察の認知手続きの増加と警察官1万人増加によるもので、02年は微増、03年は横ばい状態」(河合幹雄桐蔭横浜大学教授)というのが現実だ。激増などしていない。
Aの緊急性もデマである。警察庁自身が「殺人の認知件数は、53年の3081件をピークに減少傾向にあり、91年の1215件で底を打ったが、その後横ばいで推移し、99年には1265件となった」(00年版『警察白書』11n)と報告している。緊急性の根拠などまったくないのだ。
Bもペテンだ。刑罰期間を定める時に平均寿命を尺度として使用した話など聞いたことがない。
Cの根拠として、法務省は内閣府世論調査や朝日、読売新聞の国民意識調査などの結果を例示している。これらの調査はきわめて恣意的で、漠然とした設問と回答であり、そこから正義感情や規範意識の変化を客観的に読みとることなど不可能である。むしろ、国家権力が、アンケート調査の結果を扇動→民衆の漠然とした不安感を増大させる→その結果をさらにアンケートに反映させる、ということを繰り返すことで、国家権力に支配された正義感情や規範意識を形成しようとしているのだ。
基本的人権を一掃する攻撃
刑事法改悪の内容と戦後憲法を比較してみる。
まず、前提として、現行刑法の特殊性について押さえる必要がある。現行刑法は、1907年の制定以来、大きな変更がなされていない。日帝の敗戦と戦後憲法の成立の過程で、戦後憲法の柱として「基本的人権の尊重」という理念がうちだされたが、それに対応した刑法の全面的な改正は行われなかった。そのため、大日本帝国憲法の内容が色濃く残存している。それは条文の順序を見れば一目ではっきりする。
第2編「罪」では、第1章削除(皇室に対する罪として大逆罪と不敬罪が記されていた)、第2章内乱に関する罪、第3章外患に関する罪、第4章国交に関する罪、第5章公務の執行を妨害する罪など……労働者人民の権利を守るところからではなく、その決起を抑止する、内乱を処罰する罪から始まっているのだ。
一方で、現行刑事訴訟法は第1条で「公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ」と定め、戦後憲法を反映した内容となっている。
さらに、日帝・法務省は、70年代後半から80年代初めにかけて、旧憲法の価値観を全面化した「改正刑法草案」による現行刑法の全面改定を宣言し、反動攻勢に出てきた。しかし、日弁連と労働者人民の猛反撃を受け敗北し、以降刑法改定を断念せざるを得ない状況に追い込まれたのだ。
ところが、日帝のイラク侵略戦争への参戦は、日帝・法務省に刑事司法の戦時司法化を待ったなしに突きつけた。もはや刑法の全面的改定という形で正面突破できない法務省は、司法改革の名のもとに、共謀罪の新設と刑事法の改悪をデマとペテンを駆使して行うという攻撃に出てきたのだ。刑事法改悪の攻撃は、戦後憲法の柱である「基本的人権の尊重」すら木っ端みじんに破壊し、司法の場から一掃することとなる。これは、紛れもない改憲攻撃である。
一つひとつが重大な攻撃だが、今日、体制的な危機を深めているのは日本帝国主義・小泉政権の側であることをはっきりと見すえて闘おう。11・7労働者集会の大高揚と、国際連帯闘争の前進は、支配階級を追いつめている。この力をもってすれば、治安弾圧攻撃を必ずうち破り、帝国主義を打倒することができる。
闘う労働者人民は、共謀罪の新設阻止を国際連帯闘争として闘い抜く中で、今秋臨時国会での審議入りを阻止している。刑法改悪攻撃を粉砕し、共謀罪を廃案にまで追い込もう。
改悪案ポイント
★有期刑(懲役)の上限を単独の罪を犯した場合は15年から20年に、二つ以上の場合(併合罪)は20年から30年に引き上げる
★殺人罪の法廷刑の下限を3年から5年にし、3〜15年だった強姦(ごうかん)の刑の範囲を5〜20年とするなど、生命や身体に対する犯罪を厳罰化
★公訴時効期間(犯罪後一定期間が経過することにより刑事訴追が許されなくなる制度)について、死刑にあたる罪は25年、無期の懲役は15年、長期15年以上の懲役は10年とする
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週刊『前進』(2177号6面4)(2004/12/06)
足場占拠し作業阻止 辺野古 連日の海上激闘続く
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掘削作業のための単管やぐらを設置しようとやってきた施設局の作業船に殺到し、抗議するカヌー隊(11月17日 辺野古沖) |
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“基地受け入れ撤回せよ”“ボーリング調査やめよ”と370人が名護市役所を包囲(11月20日 市役所前) |
「私たちは抗議行動をするつもりはありません。監視行動するつもりもない。阻止するために出ていきます」。11月16日、平和市民連絡会の平良夏芽共同代表はこう言って海に入った。名護市辺野古の沖合で海上基地建設を阻止する闘いが連日不屈に続いている。
沖合に巨大なスパット台船を積んだクレーン船が姿を現した11月16日以降、攻防は掘削作業のための足場であるヤグラ建設を実力阻止する闘いとなった。
攻防が続く中、20日午後には「岸本市長は基地建設受け入れを撤回せよ! ボーリング調査をただちに中止せよ! 名護市役所包囲行動」(実行委主催)が取り組まれた。辺野古の命を守る会を先頭に名護市民、労働組合員ら370人が集まり、集会を持ちながら二度にわたって名護市役所を人間の鎖で包囲した。沖縄労組交流センターは全力で結集しともに闘った。
ヘリ基地反対協の安次富浩代表は、この日初めて土曜日にもかかわらず作業が強行されていることを弾劾、「今もカヌー隊は海上で作業を阻止している。働いている労働者も土日だけでも辺野古に駆けつけてほしい」と訴えた。
命を守る会の金城祐治代表は、「辺野古では冷たい中でおばあたちが座り込み、カヌー隊は海につかっている。こんなことをいつまでさせるのか。私は毎日、6時過ぎに海に出て行くカヌー隊のために熱いお茶をポットに詰める。これだけは誰にも譲らずやっている。こういう闘いのきずなの作り方もある」「頑張って下さいと言われるが、一緒に頑張ろうと言ってほしい」と呼びかけた。
翌21日にはヘリ基地反対協は辺野古沖で海上デモを実施し、週明けにも掘削作業開始かという緊迫した状況の中、決意は高まった。
22日早朝からカヌー隊はリーフ内の単管足場3カ所に待機、単管足場にのぼり、あるいは海水に浸かって現場を占拠する。単管足場に板を張り、掘削機を設置しようとする施設局の作業員を阻むのだ。
リーフ外の水深4〜25b地点にスパット台船1基が20日設置されたが、この台船の4本の足場(2b四方の金属板)がサンゴを破壊した事実が平良さんらの潜水によって判明した。白化現象の後、再生したサンゴが踏みにじられたのだ。
24、25日と海は荒れた。しかし、海上阻止隊は早朝から配置に着いて構えた。リーフ内には作りかけの単管ヤグラが5カ所、うち足場の板まで設置されたヤグラが2カ所ある。25日にはそこにカヌー隊5人が登って占拠した。これを排除しようと施設局の作業員が襲いかかった。激しく抵抗するカヌー隊。施設局はついに足場板ごとカヌー隊を海に突き落とすという暴挙に及んだ。ひるまず闘うカヌー隊。怒りの阻止行動の結果、24、25日と作業はストップしたままだ。
「今、再び辺野古に来てほしい」「今をおいていつ立つのか」。ただちに辺野古に駆けつけよう。海上阻止のためのカンパを! 各地で行動に立とう。
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週刊『前進』(2177号6面5)(2004/12/06)
対角線 天皇と同席「ごく自然」?!
日本共産党の不破哲三議長夫妻が、11月17日にマルグレーテ・デンマーク女王主催の夕食会に招待され、喜々として参加したことが報道された。この夕食会は、天皇の宮中晩さん会の答礼として開かれたもの。日本側の主賓は天皇夫妻である。『赤旗』は、「外国の王室から、夕食会への招待が日本共産党に寄せられたのは、はじめてのことです」と、誇らしげに報じている。
マスコミに質問された志位和夫委員長は、「先方から公式に招待状が来たので受けた。ごくごく自然な話だ」「これまで『天皇と同席しない』という方針を立てた経緯はない」と述べた。将来日本の天皇家から同様の招待を受けた場合の対応については「来た時に判断します」と語った。
これまで日本共産党指導部は、皇太子の長女の誕生に際して「賀詞」決議に賛成したり、皇太后の死去に際しての「弔意」を表したりしてきた。そして、今年1月の23回大会で綱領を改定し、旧綱領にあった「君主制の廃止」という表現を削除した。不破は「日本は君主制ではない」と強弁し、憲法第1章の「天皇」条項を順守することを誓った。この綱領改定を踏まえて、今回、さらに屈服を深めたのである。そして、今度は天皇の娘の結婚式に招待されないものかと待ち受けているわけである。
これは帝国主義ブルジョアジーに向かって、日本共産党は天皇制を全面的に、喜んで受け入れること、ブルジョアジーにとって無害な政党だから安心してほしいとアピールするものである
現に自衛隊がイラクに派兵されている戦時下で、一方で「日の丸・君が代」強制攻撃(天皇制攻撃そのもの)に対して教育労働者が人生をかけて立ち上がっているさなかに、天皇行事への出席を何の違和感もなく「ごくごく自然に」行う「共産党」とは何なのか。このことがどれほど労働者の闘いに敵対し、妨害するものであるか。絶対に許されない。(来)
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週刊『前進』(2177号6面6)(2004/12/06)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
12月1日(水)午後1時15分
12月16日(木)午後1時15分
*東京地方裁判所
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