ZENSHIN 2004/11/01(No2172
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週刊『前進』(2172号1面1)(2004/11/01)
体制変革への叫び、ワシントンから全世界へ
米MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)大行動うち抜く
動労千葉が全米労働者と熱い交歓
11・7日比谷野音に大結集を
ブッシュに怒り爆発
「労働者に仕事と権利を」「米軍の撤退」「われわれは350万人を代表してここに来た」の訴えに1万5千人が「そうだ!」と唱和した(10月17日 ワシントン)
10月17日、アメリカの首都ワシントンDCで米労働者階級人民は、医療、社会保障、最低賃金保障など22項目の要求とイラク戦争反対などを掲げてMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)に決起した。ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10などが呼びかけたMWMには、350万人を組織する全米各地の労働組合が賛同した。国家権力とAFL−CIO(米労働総同盟・産別会議)の妨害を蹴破って結集した1万5千人は350万人の代表だ。動労千葉は国外の賛同団体として招待され、支援を含む26人の派遣団を代表して佐藤正和新小岩支部長が発言し、ともに闘った。(本紙 城崎健夫)=関連記事2、3面
(写真 全米各地から権力やAFL−CIOの制動を蹴破り、多くの労働者がMWMに参加。プラカードを掲げ首都ワシントンDCのリンカーン記念館前を埋めた)
第1章 全米各地から1万5千人
17日午前11時過ぎ、ホワイトハウス直近のリンカーン記念館前には、広大な全米各地から飛行機やバスや車に乗って何時間もかけて1万5千人の労働者人民が続々と結集した。雲一つない秋晴れにめぐまれた会場には、朝早くから組合の横断幕(バナー)や色とりどりのプラカードを持った労働者が次々に集まった。
会場には主催者であるILWUローカル10の「愛国者法をやっつけろ」「戦争反対の権利を守れ」「一人への攻撃は万人への攻撃」と書かれたバナーが真っ先に掲げられた。その横に、「ブッシュと小泉をやっつけろ。戦争反対。民営化反対。労働者階級の国際連帯を」と書かれた動労千葉の横6bもある大きなバナーが掲げられた。
参加者が持参するプラカードには、「食える賃金をよこせ」「労働組合に仕事と健康保険を」などという切実な要求を書いたものが圧倒的に多い。「軍隊を直ちに帰還させろ」などと書かれた反戦スローガンも多い。ブッシュ批判のプラカードや、「イラクのレジスタンスの勝利を」「労働者階級は独自の政党を必要としている」と書いたプラカードもあった。
集会は、ニューヨークの都市交通労組であるTWUローカル100の労働者たちが運営を担当する中、午後5時過ぎまで開かれた。各労組や団体代表の発言は聞いている者を圧倒するすさまじいテンポと迫力だ。会場からもビビッドな反応が返ってくる。
(写真 発言する動労千葉 佐藤新小岩支部長(左から2人め)が登壇し、連帯のアピール。ILWUローカル10の労働者が壇上で声援 アピール
(写真下)
第2章 重要産別労組から次々発言
集会は元バートランド・ラッセル平和財団所長であるラルフ・ショーンマンさんの司会で始まった。最初にジョン・レノンのイマジンの曲が流れ、続いてロサンゼルス統一教員組合(UTLA)の大会代議員であるマーク・リッチさんが登壇。「労働者の要求をあきらめることは自殺行為だ」と発言し、MWMへの参加に反対する労組内の勢力を批判した。政府や民主党・ケリーが社会保障の削減を言うなら「絶対反対!」と言おうと呼びかけると、そのたびに会場から「絶対反対!」の声が返る。
(写真 「今すぐやすい健康保険制度を」「ブッシュは家族を後回しにしている」「残業代を奪うな」「ブッシュ有罪」などのプラカードを掲げて決起したAFSCMEの労働者)
APWU(アメリカ郵便労働者組合)本部組織部長のフランク・ロメロさんが発言し、アメリカ政府が郵便局を閉鎖して郵便事業を民営化しようとしていることに、「ユニバーサル郵便サービスがなくなってしまう」と弾劾、MWMへの熱烈な賛同を表明した。
ニューヨーク市反戦労組連合のマイケル・レビンさんが、アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争とパレスチナへのイスラエルの侵攻支持を弾劾し、「米軍の即時撤兵を」と訴えると、会場から「そうだ!」の声。
ILWUローカル10のジャック・ヘイマンさんが、アメリカ東海岸チャールストン港での港湾労働者への弾圧を弾劾し、ILA(国際港湾労組)ローカル1422のケン・ライリーさんがブッシュ打倒を熱烈に訴えた。ILWUローカル10のヘンリー・グラハム委員長も決意を述べた。
虐殺されたマーチン・ルーサー・キングジュニアの子息であるマーチン・ルーサー・キング3世が、「父が41年前に立っていたこの場に、今私が立っている」「この偉大なMWMの力こそ、父のビジョンを実現するものだ」と述べ、会場の大きな拍手を浴びた。
MWMのTシャツを着て俳優のダニー・グローバーさんが登場し、「今日ここにこられない数百万人の人びとをあなた方は代表している」と述べて、MWMの背後には350万人の労働者がいることを強調した。会場は総立ちとなって熱烈な拍手を送った。続いてAFSCME(アメリカ州・郡・市従業員労組)のブレンダ・ストークリーさんが、「支配階級をゴミ箱に投げ込もう」と訴えた。
集会の終盤に司会のラルフ・ショーンマンさんが動労千葉を、「日本の鉄道労働者が百万人労働者行進に参加するためにワシントンに来ました。この労働者たちは、日本のILWUローカル10に相当する労働者です。彼らは日本で民営化、外注化、労働者の権利の破壊と闘いました」と熱烈に紹介した。参加者の口笛と歓声と拍手で迎えられて、佐藤新小岩支部長がMWMへの連帯アピールを読み上げた。
集会ではこのほか、サンフランシスコ労働者評議会のアラン・ベンジャミンさんが韓国民主労総からメッセージが届いていることを報告。USLAW(米反戦労組連合)共同世話人でAFL―CIO食品関連産業部会書記長のジーン・ブラスキンさん、12・5万人の組合員を組織するAFSCMEローカル37の代表、女性団体の代表、南アフリカからの代表など、多くの労組や団体の代表が熱烈な訴えを行った。また、無実の黒人政治犯ムミア・アブ・ジャマルさんの刑務所内からの電話の声が流された。
第3章 米労働運動の新時代始まる
集会の最後にILWUローカル10執行部でMWM共同議長クラレンス・トーマスさんが、MWMの画歴史的意義を明らかにした。「この運動は21世紀の公民権運動です」と、MWMがアメリカの労働運動を塗り替える偉大な歴史的過程の始まりであることを高らかにうたい、国際連帯を強調し、共和党でも民主党でもない労働者階級の新たな運動をつくろうと訴えた。さらに、「22の要求を実現するために、すべての権力を人民へ!」、ランク・アンド・ファイル(現場労働者)こそその担い手だ、と確信を持って宣言した。
動労千葉派遣団は、単に招待者の立場を超えて、MWMの集会準備をも共催者の立場で担った。16日の前夜集会では動労千葉が最初に発言した。集会後の交流会は日米労働者の同志的な熱い交歓の場となった。
この成果と熱気を、4大産別を始めとする全産別に持ち込み、11・7労働者集会の巨大な爆発を日本版MWMとしてかちとろう。
(写真 無実の黒人政治犯ムミア・アブ・ジャマルさんの釈放を訴えるジャック・ヘイマンさん【白い帽子】ら)
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週刊『前進』(2172号1面2)(2004/11/01)
MWMが掲げる22の要求
われわれは以下の項目が保障されることを追求する
★貪欲(どんよく)な保険会社の抑圧に終わりを告げ、健康保険をアメリカのすべての民衆の権利として確保する、ゆりかごから墓場までの、国を単一的財源とする皆保険制度
★人びとを恒久的に貧困から解放する国民的な生活給賃金
★民営化の影響を受けない社会保障制度の堅持と強化★すべての労働者民衆が一定水準の生活を維持できる年金制度の保障
★NAFTA(北米自由貿易協定)、MAI(多国間投資協定)、FTAA(アメリカ自由貿易地域)など、企業にとってのみ「自由」な貿易協定の廃止
★民営化、外注化、規制緩和、そして国境を越えて最底辺へと落ち込んで行く労働者間の泥沼の競争の中止
★労働組合結成の権利の要求と、タフト・ハートレイ法やすべての反労働者法の廃止の要求
★あらゆるコミュニティーで朽ち果て捨て去られている学校を最新設備で修復する緊急計画による公教育への資金供給
★アメリカにおける仕事に必要な読み書き能力の欠落に終止符を打ち、捨て去られたわが子どもたちと成人たちの能力と可能性を解放するための教師の大集団創設に向けた資金供給
★アメリカの再建に人びとを引きつけるような全国的な技能・能力訓練計画を実施し、貧困が犯罪に転化することや刑務所と産業の複合体をなくすこと
★朽ち果てた都市中心部を、清潔かつ近代的で誰でも入手できる住宅を供給することによって再建し、すべての人びとに住宅と仕事を保障することでホームレス状態をなくしていく
★労働者階級と貧困層を救済し、企業と富裕層への増税を図る累進課税
★環境を保持する国家的緊急計画をもって、大気、土壌、水と食料の汚染を止め、温暖化の進行に歯止めをかけ、危機にさらされている生態系を保護する
★すべての都市と町に、効率的かつ近代的で無料の大量輸送機構を構築する
★愛国者法、対テロ法とすべての抑圧法の廃止
★軍事費を削減し、戦争利得を追求する企業を肥え太らせるために労働者から盗み取った数兆ドルを取り戻す
★企業と銀行のため、そして世界中の貧困国への帝国主義戦争を遂行するためのペンタゴンと諜報(ちょうほう)局の秘密予算帳簿を公開させる
★市民の生活に影響を及ぼすようなすべての決定が、自らの労働によってすべての価値を創造する労働者によってなされるようにするため、われわれの経済機構にも民主主義を拡大する
★すべての市民的権利の積極的施行、全国的教育キャンペーンの実施、労働現場とコミュニティにおいてあらゆる人種差別と差別的法制に対する反対運動の組織化
★正式書類をもたない移民の赦免
★公立学校での芸術教育に対する連邦政府の補助金の増加
★労働者やあらゆる人びとの声に耳を傾け、独占支配とメディア労働組合の破壊に反対する民主的メディアの構築
全アメリカから労働者を動員するわれわれの独立し
た運動のみが、われわれの要求と課題を実現する道を切り開く!
兄弟姉妹のみなさん! 民主主義を回復し、労働者
の圧倒的多数に力を与え、アメリカを再建するこの歴史的運動に参加しよう!
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週刊『前進』(2172号1面3)(2004/11/01)
たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!
大失業と戦争にたち向かう労働者の国際的団結を!
11・7全国労働者総決起集会
11月7日(日)正午開会
東京・日比谷野外音楽堂
▼アメリカから ジャック・ヘイマン(ILWUローカル10ビジネスエージェント)他
▼韓国から パクサンユン(民主労総ソウル本部事務処長)
ムンムンジュ(民主労総ソウル本部組織部長)
▼連帯あいさつ 「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会/憲法と人権の日弁連をめざす会/佐藤昭夫(国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会)/小田原紀雄(とめよう戦争への道!百万人署名運動)
【主催】11・7集会実行委員会(呼びかけ労組 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区
生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合)
《スローガン》
◎全労働者の団結で、小泉−日本経団連・奥田体制と対決し、倒産・解雇・賃下げ・民営化−非正規雇用化と、労働法制・社会保障制度の解体攻撃をはね返そう!
◎全労働者の団結で、「日の丸・君が代」闘争を発展させ、教育基本法−憲法改悪攻撃を阻止しよう!
◎全労働者の団結で、有事立法粉砕−“発動させない、従わない”戦争協力拒否の闘いをつくりあげよう! 沖縄をはじめとした全ての基地撤去、自衛隊をイラクから撤兵させよう! 日本の戦争政策の根幹をなす日米安保体制を打ち砕こう!
◎全労働者の団結で、国労臨大闘争弾圧を粉砕し、国鉄1047名解雇撤回闘争に勝利しよう!
◎全労働者の団結で、団結権破壊を目的とした労組法改悪、労働運動への治安弾圧を粉砕し、共謀罪新設を阻止しよう!
◎日・米・韓労働者の国境を越えた連帯と共同闘争を発展させよう!
◎全労働者の団結で、小泉反動内閣を打倒しよう!
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週刊『前進』(2172号2面1)(2004/11/01)
10・17MWM 戦争と民営化に反対 ランク&ファイル歴史を動かす 労働者階級の巨大な力で
10・17MWM集会での主な発言
全米各地から権力やAFL−CIOの制動を蹴破り、多くの労働者がMWMに参加。プラカードを掲げ首都ワシントンDCのリンカーン記念館前を埋めた(10月17日)
すべての権力を人民へ! クラレンス・トーマスMWM共同議長
これはひとつの偉大な運動です。この運動は21世紀の公民権運動です。もうひとつ強調したい。この集会と同時に全世界で同様のデモが行われていることです。
目前に大統領選挙が迫っている。全国的な労働組合組織は民主党支持を訴えている。しかし、民主党はわれわれの期待を裏切った。共和党もわれわれの期待を裏切った。彼らに頼ることをやめるべきだ。MWMこそがわれわれの要求を達成させる。22の要求を実現するためにあらゆることをやろうと心に決めてほしい。
組合の役員があなたの職場や地域や教会に来たら、立ち上がって叫ぼう。「すべての国民への健康保険を要求する。人間的な生活のできる賃金を全国的規模で要求する。軍事予算の削減を要求する」と。
ILWUの国際連帯センターはあらためて呼びかける。断固としてわれわれの道を進もう。われわれは再びここに来る。その時にはわれわれはこの国の活動全体をストップさせる。
すべての権力を人民へ! すべての権力を人民へ!
人民の力はどんな科学技術よりもすぐれている。軍産複合体の武器よりも強力だ。
選挙の結果がどうあろうとこの運動をやめない。われわれの子どもたちがわれわれよりも輝かしい未来を獲得することができないとしたら、それは社会の何かがおかしい。このような状況を変えよう。ともに闘い続けよう。
支配階級をゴミ箱へ!
ブレンダ・ストークリーアメリカ州郡市従業員労組第1707地区(ニューヨーク市)協議会議長
この場にいない労働者は、子どもを養うために職場に行かなければならない人たちであり、自分の属する組合によって妨害された人たちであり、政府のやり方が気に入らなくて監獄に入れられている人たちだ。
われわれはこの集会を組織するために昼も夜も身をささげてきた。だから、リンカーン記念館とホワイトハウスをわれわれのものにしに行こう。
すべての重要な政治的獲得物は労働者と非白人たちによって獲得されてきた。資本家どもは、われわれの子どもたちがこのことを知ることを望んでいない。
この世界では血と汗と涙と真の警戒心と徹底性なしに獲得できるものはない。
われわれの計画が失敗すれば、支配階級と対決できなくなる。支配階級は、子どもたちが死んでいくのを止められないのは労働者の責任だと言うだろう。そんな言い方は我慢できない。人民は、支配階級をゴミ箱に投げ込むことが必要となった時、そうすることができる。人民だけが、働く人民だけができる。闘い続けよう。組織し続けよう。この国をわれわれが必要とする国に変えていこう。
郵便の民間への移転と対決 フランク・ロメロ米郵便労働者組合本部組織部長
われわれは昼も夜もアメリカの郵便を配っている。 われわれは、ホワイトハウスの郵政委員会に反対しているアメリカの人びとに感謝を表すためにも、ここに来ている。郵政委員会は、地方でも都市でも郵便局を閉鎖しようとしている。郵便施設を統合しようとしている。われわれの仕事を民間部門に移転しようとしている。これでは、これまでできていたような諸都市間のコミュニケーションがなくなる。ユニバーサルな郵便サービスがなくなる。
郵便労働者はこの偉大な運動を支持している。
私は、ラテンアメリカンの向上のための労働者評議会の一員としてもここに立っている。
(スペイン語で)
Viva los trabajadores! Viva los trabajadores postales! Viva the Million Worker March! 労働者万歳! 郵便労働者万歳! 百万人労働者行進万歳!
立ちはだかる力には力で マーク・リッチ・ロサンゼルス統一教員組合代議員
われわれは要求を自分でかちとらなければならない。哀れなほど少ない最低賃金や学校への貧弱な支出、様々な差別や不平等。イラクにおける殺害と破壊は憤激すべきものだ。社会が弱者や老人や若者や同性愛者を扱うやり方は恥辱だ。CIAやその手先はわれわれの恥だ。われわれはこれらを我慢することを拒否しなければならない。
われわれは、ベトナムに侵攻した帝国に対する勝利と同様の勝利を再びかちとる日に向けて備えている。先週、何人かの勇敢な兵士が、起こるはずのなかった戦争の中、護衛なしのまま燃料を運搬する車列で無意味に死ぬことを拒否した。彼らを支援するために信任を得たい。それは、殺し殺されるために出動せよという違法な命令が出された時に軍務を拒否する大きな勇気を必要とするからだ。兵士たちがわれわれと同じような人間ならば、この戦争は終わるであろう。百万人労働者行進の要求は軍隊の即時帰国である。
もしわれわれに対し巨大な力が立ちはだかるとしたら、それよりももっと巨大な力で対抗しよう、労働者階級の巨大な力で!
彼らが「おまえたちにはメディケアがなくてもい」と言ったら、「絶対反対」と答えよう
われわれは歴史をつくる者 ダニー・グローバー氏
俳優・活動家
あなた方は、今ここに来られない数百万人を代表している。私たちは歴史的な運動のためにここにいる。子どもたちの教育のための闘い、まともな仕事のための闘い、生活できる賃金のための闘い、全世界の人びとの要求のための闘い――これは歴史的な挑戦だ。
われわれは、そうした要求の前に立ちはだかる人びとを弾劾し、対決する。要求すべきものは要求しなければならない。
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週刊『前進』(2172号2面2)(2004/11/01)
ランク・アンド・ファイルの闘いに共感 力を呼び覚ます日
動労千葉 佐藤正和さん
発言する動労千葉
佐藤新小岩支部長(左から2人め)が登壇し、連帯のアピール。ILWUローカル10の労働者が壇上で声援
今日は、労働者階級が本当の社会の主人公としての力を呼び覚ます歴史的な日です。日本では、本集会に連帯する多くの集会が東京・大阪・仙台・広島・福岡など十数カ所で行われました。
日本の動労千葉、鉄道労働者を代表してMWMへの連帯のあいさつをおくります。
私たち動労千葉は1987年の国鉄の分割・民営化攻撃に2波のストライキで闘い、40名の解雇者を出しました。しかし、それ以降17年間、今も民営化と対決し、解雇された仲間を守り、団結を守り、ますます意気軒
高と闘っています。
私たちはランク・アンド・ファイルの闘いに深く共感しています。
私たちも闘う労働組合をよみがえらせるために闘います。
MWMと私たちの思いはひとつです。
「医療・福祉、生きる権利を取り戻そう!」
「民営化に反対、労組の団結を破壊するな!」
「治安弾圧をやめよ!」
「イラク侵略・占領をただちにやめよ!」「自衛隊を今すぐ戻せ!」「沖縄の基地を撤去せよ!」
「労働運動をランク・アンド・ファイルの手に取り戻そう!」
11月7日、日本でもMWMを実現します。ぜひ日本に来てください。
内への階級戦争と外への侵略戦争に、労働者階級の誇りにかけて闘おう!
国際連帯の力で共通の敵との闘いにともに立ち上がろう!
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週刊『前進』(2172号2面3)(2004/11/01)
ワシントンポスト紙がMWMを報道
労働組合員が雇用と社会保障を求め結集 リンカーン記念館前、キング牧師の“夢”と結び
米国では10・17MWMの翌日、新聞各紙でMWMの様子が報道された。以下、最も詳しいワシントンポスト紙10・18付の記事の一部を紹介する。(編集局)
* *
全国からやってきた労組員たちは、昨日、「百万人労働者行進」と呼ばれるデモのためにリンカーン記念館前の階段に集まった。予想された数より少ない集会だったが、労働者の権利を要求し熱烈に訴えた。
労組員らは、マーチン・ルーサー・キング 牧師が立ったのと同じ場所に立つことでキング牧師と自分たちの闘いを結びつけた。そこは、殺害された公民権運動の指導者が1963年8月、「私は夢を抱いている」という有名な演説を行った場所だ。様々な職業の様々な主義を持つ労働者たちは、社会的・経済的平等に関するキング牧師のビジョンは現実より夢にとどまっていると述べている。
「アメリカの労働者人民の大部分は困難な状況にある。業務が海外移転され、外注化され、民営化され、若者たちは暗い未来しか見ることができない」とクラレンス・トーマス氏(57)は語った。彼はカリフォルニア州オークランド港のクレーン運転手で、サンフランシスコの国際港湾倉庫労組(ILWU)第10支部の指導者、昨日の集会の重要な組織者である。
10月のうす寒い午後、記念館の下に立ったり、リフレクティング・プール(記念館の下の池)のほとりに並んだ数千人は、もっと職を、すべての人に健康保険を、イラクでの戦争をやめろ、と叫んだ。
治安当局者は群衆は1万人以下だったと見なした。主催者は1万から1万5千人が参加したと言った。
「百万人労働者行進」というタイトルは「1995年百万人行進」のイメージを呼び起こすことを意図したもので、群衆の数を反映するものではないと主催者たちは述べている。彼らは結果に失望していないと言っている。だが、当局によって約30台のバスが記念館の近くで乗客を降ろすことを阻まれ、ロバート・ケネディ記念スタジアムに向かわされた。それが集会に遅れたり、参加できなかった人が多くなった原因になったと不満を述べた。公園警察とワシントンDC警察はバスが方向転換させられたことは知らないと言う。
群衆には、郵便労働者、港湾労働者、スクールバス運転士、教員、デパート店員、鉄道検修労働者などがいた。彼らは、アメリカの労働者が家庭や職場で直面している社会的・経済的・政治的困難を大統領選の数日前に焦点化させるためにワシントンに来たと言う。
海外への業務移転を終わらせることは、この集会の多くの遠大な到達目標のひとつにすぎない。労働者たちの22の要求のうち、いくつかを挙げれば、全アメリカ人への「ゆりかごから墓場まで」の健康保険の保障、全国的な生活賃金、アメリカ合州国愛国者法の廃止、公立学校への資金投入の増加、無料の公共交通機関などの要求がある。
反戦感情もまた強かった。労働者たちは、イラクとの不正義の戦争と彼らが呼ぶものへと国を導いたとしてブッシュ政権を批判している。彼らは、戦争に支出された数十億jの代わりに、もがき苦しんでいる学校やコミュニティーに支出する必要があると言っている。「われわれには雇用が必要なのであって、戦争展開は必要ではない」と古参鉄道労働者で保線被雇用者友愛会第551支部の組合員、マーク・バーバー氏(51)は述べている。
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週刊『前進』(2172号2面4)(2004/11/01)
総計350万人が加盟する労働組合が賛同 百万人労働者行進賛同団体・者
米郵便労働者組合(APWU)、全国教育協会(NEA)、米労働総同盟-産別会議(AFL-CIO)サウスカロライナ州/カリフォルニア州、ジェシー・ジャクソン師、都市交通労組(TWU)第100支部(ニューヨーク市)とロジャー・トゥーサン委員長/第1704支部、ラテンアメリカンの向上のための労働者評議会(LCLAA)、全国郵便集配連盟(NALC)カリフォルニア州/第214支部、米・州郡市従業員労組(AFSCME)第1550支部(テキサス州ヒューストン)/第37地区協議会(ニューヨーク州)/第92地区協議会(メリーランド州)/第1707地区協議会(ニューヨーク市)とブレンダ・ストークリー議長/第95、167、205、215、253、389、1072、1550、1881、1930、2627、2858、3506、3800支部/第668支部(ペンシルベニア社会事業組合)、俳優ダニー・グローバー、ミネアポリス市労働者評議会、貧者の経済的人権運動、移民者の団結ネットワーク、バーバラ・リー下院議員、チームスターズ第808支部(ニューヨーク州ロングアイランド)/全国黒人協議会、サービス従業員国際組合(SEIU)第1199支部(ニューヨーク州)執行委員会/第535支部(カリフォルニア州)/第790支部マリア・ギレン副委員長、サンフランシスコ労働者評議会、行動ロサンゼルス、国際行動センター(IAC)、農場労働者組織委員会、黒人労組活動家連合(CBTU)とウィリアム・ルーシー議長、国際港湾倉庫労組(ILWU)港湾部会(西海岸全体)/第10、34支部、ANSWER連合、サンフランシスコANSWER、ロサンゼルス統一教員組合(UTLA)、正義と平和のための連合(UPJ)、アジア太平洋系アメリカ人労働者連合(APALA)、ラムゼー・クラーク元米司法長官、米通信労組(CWA)第1104(ニューヨーク州ビンガムトン)、9119、9410(サンフランシスコ)支部、正義のための黒人労働者(ノースカロライナ州)、米ラテン系人運動ホアン・ホセ・グティエレス、喜劇役者ディック・グレゴリー、ノーム・チョムスキー教授、ハーレム失業者連盟、公共サービス従業員労組(UE)第150支部(ノースカロライナ州)/第160支部(バージニア州)、アメリカンインディアン運動、ニューヨーク市反戦労組連合(NYLAW)、米ユナイテッドスチール労組(USWA)第8751支部(ボストン)、歴史学者ハワード・ジン、国際港湾労働者協会(ILA)第1422支部(サウスカロライナ州)、アメリカ教員連盟(AFT)第2121支部(サンフランシスコ)、統一農場労働者組合共同創立者ドロレス・ウエルタ、全米自動車労組(UAW)第1981支部(全国作家組合)/第879支部(ミネアポリス)、合同都市交通労組(ATU)第1555支部(サンフランシスコ)、米緑の党、カリフォルニア州建物建設労組協議会(SBCTC)サンタバーバラ/サンルイスオビスポ/ナパ・ソラノ、ニューヨーク州トロイ地域/アルバニー労働者評議会、鉄道海運運輸労組(英RMT)、ハーレム入居者評議会ネリー・ベイリー、カリフォルニア州配管工組合協議会/第393支部、映画俳優組合元議長エド・アスナー、米音楽家連盟第6支部、国際機械航空宇宙労組(IAM)第1145支部(ニューヨーク州セルカーク)、日雇い労働者プログラム(サンフランシスコ)、グラフィックコミュニケーションズ国際組合(GCIU)第4支部/北米新聞協議会、動労千葉(日本)、正義のための行動センター(ノースカロライナ州シャーロッテ)、ロサンゼルス郡労働者評議会ミゲル・コントレラス書記長、フィリピン人労働者協会、3月21日旅団、チャールストン労働者評議会(サウスカロライナ州)、正義と平和のための連合メーン州/ジョージア州、正義のための黒人電話労働者(ジャージー市)、大学従業員連合(CUE)第3支部、陸軍組合支援ネットワーク(SNAFU)、統一運輸労組(UTU)第1741支部、国際産業労組(IWW)、アル・アウダ・パレスチナ帰還権連合ニューヨーク、パム・アフリカ「ムミア・アブ・ジャマルを憂慮する国際的な家族と友人」、米社会党ほか
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週刊『前進』(2172号2面5)(2004/11/01)
サンフランシスコ 動労千葉先頭に訪米団
ILWUやスト労働者と交歓
10月14日朝、サンフランシスコに到着した動労千葉派遣団は、直ちに労働協約改定をめぐるストライキ闘争に決起しているホテル労働者の支援に駆けつけた。
午後2時、サンフランシスコ中心街のパレスホテルの前で、UNITE HERE(注)ローカル2のホテル労働者が9月末に四つのホテルで開始したストライキに対して資本家団体が14のホテルでロックアウトを実施していることへの抗議闘争の現場に駆けつけ、熱い交歓を行った。
動労千葉が今年7月に訪米した際にサンフランシスコ中心部のメーシーズ百貨店前でピケット闘争に直ちに合流した時とそっくりの光景だ。今回は、動労千葉が同労組への英文の連帯メッセージを持参したことで連帯の密度がより深まった。
UNITE HEREの現場指導部がホテル前の労働者を集めて、動労千葉の佐藤正和さんを紹介した。
ローカル2の労働者の闘いの意義を理解した動労千葉の熱い連帯メッセージが日本語と英語で読み上げられるや、参加した労働者の中から一斉に「サンキュー」「ドーロー・チバ」の声が上がった。日米の労働者の中から「ローカル2、ローカル2」の大合唱が巻き起こった。
その後、動労千葉の団結はちまきを配ると、すごい人気で、用意した分があっという間になくなった。
ローカル2の労働者全員がはちまきをし、動労千葉の旗を持って、派遣団とともにホテル前をデモ行進し、一緒になって“今すぐホテルをチェックアウトしよう”と宿泊客に訴えた。
(写真 動労千葉の佐藤正和さんがUNITE HEREのTシャツを着た代表者の紹介で連帯メッセージを読み上げ、ホテル労働者と熱い交歓【10月14日 サンフランシスコ】)
ヘイマンさんが訪日を表明
午後5時から、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル6の事務所で日本の共謀罪とアメリカの愛国者法に反対する討論会が行われた。
その後、同じ会場でMWM実行委員会などの主催で、「日本の再軍備化、抑圧そしてアメリカ」と題する集会が開かれ、サンフランシスコ労働者評議会の労働者や日系コミュニティーの労働者が参加した。この集会には国賀祥司泉佐野市議ら関西からの派遣団も参加した。
集会では在米の沖縄3世、4世らが日本からの派遣団を歓迎してエイサーと演奏を披露した。在米ウチナーンチュの沖縄差別との対決の経験などが発言をとおして明らかになった。
討論の中で、ILWUローカル10のビジネスエージェント、ジャック・ヘイマンさんは、「私は日本の11・7労働者集会に参加し、発言する。日米の労働者の国際連帯こそ戦争を止める道だ」と発言、動労千葉とのきずなを確認した。
さらに、沖縄の米軍基地の問題、日米労働者の共通の敵が帝国主義であること、国際連帯をとおして帝国主義の打倒が可能になることなどが話し合われた。
(本紙 城崎健夫)
注 UNITE HERE UNITE(全米縫製・繊維労組)とHERE(ホテル・レストラン従業員組合)が今年7月に合同。組合員数44万人。
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週刊『前進』(2172号3面1)(2004/11/01)
10・17MWM 戦争と民営化に反対 ランク&ファイル歴史を動かす
日本 全国各地で連帯行動
10月17日、アメリカ・ワンシトンDCでの百万人労働者行進に呼応し、イギリス、韓国など世界各国の国際連帯行動の一環として、日本でも東京・渋谷を始め全国十数カ所で連帯行動が取り組まれた。
“ブッシュも小泉もノー” 動労千葉先頭に渋谷デモ
10月17日午後、快晴の渋谷を動労千葉の真っ赤な鉄輪旗が進む。11・7集会実行委(動労千葉など3組合)が呼びかけ、とめよう戦争への道!百万人署名運動が協賛した「ブッシュも小泉もNO! 10・17MWMに連帯する東京行動」に集まった労働者・市民、学生620人のデモだ。「戦争も小泉もノー! 11・7日比谷野音に集まろう! 労働者の団結で世の中変えよう!」の元気な呼びかけに沿道からデモに参加する青年が相次いだ。
デモに先立って宮下公園で集会が開かれた。「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」、アイルランド人ジャーナリストがイラク反戦を訴え、破防法・組対法に反対する共同行動の代表は共謀罪新設阻止の闘いを訴え、「国際連帯を掲げて日本の中で治安立法と闘う。10月20日〜22日にはハンストを闘い、11月8日には国会前大行動を闘う」と呼びかけた。
沖縄・辺野古現地で海上基地建設を阻止しているヘリ基地反対協の安次富浩共同代表が発言に立ち、「施設局のもくろみを一つひとつ打ち砕いている。私たち沖縄は新しい基地を絶対に造らせません。皆さんは本土で日本政府の野望を打ち砕いて下さい。沖縄と本土の闘いが連帯し、それがアメリカや韓国へとつながっていく」と断言した。
MWM組織委員会のスティーブ・ゼルツァーさんからのメッセージ(要旨別掲)を大きな拍手で歓迎した後、田中康宏動労千葉委員長が集会実行委を代表してあいさつ(要旨別掲)し、11・7労働者集会への結集を熱烈に訴えた。
さらに同じ日比谷野音で開かれる11・6教基法改悪反対集会への結集を教育労働者が訴え、全逓の青年労働者が小泉政権の郵政民営化攻撃に怒りを燃やし、「労働者の武器であるストライキを闘おう」と呼びかけた。
動労水戸の労働者が行動提起を行い、デモに飛び出した。渋谷一周のデモは参加者を増やして宮下公園に帰ってきた。最後に田中委員長が「すべての労働者が腹の底に持っている怒りを引き出し、11月6日、そして11月7日、日比谷野外音楽堂に万余の結集を実現しよう」と呼びかけ、「団結ガンバロー!」。
11・7大結集へ決意固める 大阪
ミリオン・ワーカー・マーチと連帯して、ACT&UNITEは大阪・中之島公園で集会とデモを300人の参加で大成功させました。
集会の冒頭、スティーブ・ゼルツァーさんからの連帯メッセージが読み上げられました。続いて、石原都政に立ち向かう「被解雇者の会」の太田淑子さんが発言。「強制を前にしっぽを巻いて逃げ出すことはできなかった。クビにされたが逆に全国をかけまわって訴える」という熱い決意に会場はわき立ちました。次に沖縄・辺野古で座り込みを闘う青年から発言、「カヌーとダイバーで調査を止め続ける」と怒りに満ちた報告でした。「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」、アメリカからの留学生、婦人民主クラブ全国協が発言しました。
青年労働者を代表して全国金属機械労組港合同の青年が発言。「MWMを打ち抜いたILWUローカル10、ゼネストに立つ民主労総ソウル本部との連帯集会として11・7を成功させ、『骨太方針W』への労働者の回答としよう」との呼びかけでした。
最後に高槻医療福祉労組がMWMに派遣団を出して闘っていることを報告。
デモは梅田まで繁華街を進むデモで、「ブッシュ・小泉打倒」「労働者の社会をつくろう」という呼びかけに手を振る学生、青年労働者がたくさんいました。
(京大・斉藤)
原爆ドーム前で集会・デモ 広島
原爆ドーム前で百万人署名運動広島県連絡会の主催のMWMと連帯する行動が開催された。県内各地から労組を中心に「戦争をとめよう! 民営化反対」というスローガンを掲げて130人が結集した。
「アメリカ帝国主義の人類に対する最大の犯罪が行われた場所のひとつであるヒロシマ」(MWM反戦のラリー・ホームズさん、シャロン・ブラックさんからのメッセージ)で国際連帯行動を実現しようという決意が全体に満ちている。
MWMのアピールとANSWER連合からの熱烈なアピールが読み上げられた。
病院労組、被爆者医療を担う診療所労組と介護保険制度に反対する高齢者が次々と決意表明した。広教組の労働者は「教員免許更新制など教育労働者の団結を破壊し、教組を解体する攻撃が急ピッチでかけられている。危機をチャンスととらえて反撃しよう!」。
続いて動労西日本の労働者、広島連帯ユニオンから11・7労働者集会への結集が呼びかけられた。闘う高校生や広島大学自治会から教育基本法改悪攻撃に反撃し、秋の決戦を闘う決意が表明された。
最後に集会宣言を満場の拍手で採択し、デモ行進に移った。若者がドラムをうち鳴らしてコール。日曜の繁華街にくり出したデモ隊は労働者市民の圧倒的な注目と共感を呼んだ。
中国四国各地で
この日、中四国各県でも百万人署名運動によるMWM連帯行動が一斉に取り組まれた。岡山では正午から1時間の街頭宣伝が行われ、その後「ブッシュ打倒! 小泉打倒!」を訴えて市内をデモ行進した。山陰では、米子市内で4時間にわたるピースライブやリレートーク、山口や徳島、香川でも街頭宣伝が行われた。
また愛媛では、「教育基本法改悪をとめよう10・17えひめ集会」が開かれ、松山大学助教授の大内裕和さんがMWMとの連帯を訴えた。その後街頭宣伝で11・7労働者集会へのアピールが行われた。
歴史的闘いの日に高揚感 福岡
10月17日、福岡・天神警固公園で、アメリカMWMに連帯する反戦共同行動・福岡主催の集会とデモが行われました。
集会参加者は皆一様に、アメリカのMWMが世界革命の始まりの日になろうとしている現実を前に、非常に高揚した空気の中で次々と発言に立ちました。
反戦共同行動・福岡の石崎代表が「今日の闘いは日本全国の闘いであり、全世界的な闘いである」と発言し、基調報告では、侵略と民営化を阻止することができるのは、労働者の新潮流の登場以外にないと強く確認されました。
続いて9月中旬から沖縄現地に駆けつけ、名護市辺野古で座り込み闘争に参加していた女性が現地の切迫した闘いを報告しました。
この後も国労闘争団、自治体労働者、教育労働者、医療労働者、青年労働者など次々と立ち、労働者が今こそ社会変革に立ち上がるときであると力強く発言しました。最後に九州大学学生自治会の代表が発言し、元気よくデモに出発。
この後、福岡県春日市で行われたピースウォークIN春日に合流し、航空自衛隊春日駐屯地に向けてデモを行い、自衛隊のイラクからの即時撤退を申し入れました。日付の関係から世界で一番最初にこの日の闘いに立ち上がり、一日闘いの声を上げました。
(投稿 榊圭一)
ピースアクション打ちぬく 仙台
仙台で百万人署名運動・宮城県連絡会が主催するピースアクションが行われ、労働者・市民・学生80人が集まりました。
事務局からの経過報告では、今秋、仙台からの自衛隊派兵、教育基本法−憲法改悪との闘いを全力で進めることが提起され、11・7労働者集会への結集を訴えました。さらに、MWM組織委員会からのメッセージを大きな拍手で確認しました。続いて沖縄・辺野古現地で1カ月闘ってきた学生が「新基地建設阻止のため自分もカヌー隊で闘ってきた」と元気よく報告。教育労働者は、都教委の卑劣な「日の丸・君が代」攻撃を紹介し、教育基本法改悪阻止を訴えました。パレスチナとの連帯も呼びかけられました。
集会後、繁華街の一番町アーケードをピースウォーク。通行する人びととエールを交わしながら、元気に打ちぬきました。
(投稿 T)
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週刊『前進』(2172号3面2)(2004/11/01)
MWM組織委員会より ゼルツァー氏メッセージ
兄弟姉妹の皆さん!
経済の民営化と規制緩和は、アメリカの数百万の労働者の生活を破壊しています。日本において民営化と規制緩和が郵政や他の産業において強行されれば、結果はまったく同じです。このような労働者・人民に対する経済的な襲撃に対しては、国際的に連帯した方法で闘わねばなりません。アメリカの雇用主は日本の資本家どもと、同じ策略で手を組んでいます。
また、多くの労働者・人民、労働組合、住民組織が戦争と抑圧に反対して立ち上がり始めています。米日の労働者が一緒になって、今こそ情勢に立ち遅れずに、アメリカ政府と資本家ども、日本政府とその企業家どもの帝国主義的な戦争計画を阻止して行かねばなりません。
アメリカと日本の軍事国家化は、世界大戦へとつながり、世界に跳梁(ちょうりょう)し、戦争で暴利をむさぼる国際的な強盗王どものみを肥え太らせます。
私たちはまた、戦争反対を組織する労働者や活動家に対する攻撃の激化に、強く抗議します。
私たちは闘いの中で皆さんと共にあります。
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週刊『前進』(2172号3面3)(2004/11/01)
動労千葉 田中委員長あいさつ
11・7を日本のMWMの出発点にしよう!
今、われわれの目の前で途方もないことが始まっています。アメリカの労働者が、日本の連合であるAFL−CIOと対決をして、ランク&ファイル、つまり一兵卒の労働者から決起を始めて「ブッシュもノー、ケリーもノー」と掲げ、これに制動をかけるAFL−CIOの壁を、断固打ち破ろうと訴えて百万人労働者行進を始めるなどということを、誰が想像したでしょうか。労働運動に、ある意味で革命が起きようとしているということです。
今、イラクで進めている戦争の首謀者であるブッシュの足元で労働者が「戦争を止めろ! 労働者の諸権利の破壊を許さないためにブッシュ政権を俺たちは打倒する!」と闘いを始めたということは、全世界の労働運動がこれから塗り変わるということです。アメリカの労働運動の歴史も塗り変えるような新しい闘いが、われわれとともに始まろうとしています。
私たちの闘いはまだまだ小さな闘いでしかありません。しかし考えてみて下さい。ミリオン・ワーカー・マーチを呼びかけたのはILWU、つまり国際港湾倉庫労働組合のローカル10という支部です。ローカル10はこの間、私たちと偶然、本当に固いきずなで結ばれました。この支部はわずか1200名ですが、闘う伝統を守って命がけでブッシュと対決をし、イラクへの物資輸送を止め、逮捕者を出しながら闘いぬいてきた支部です。この1200名が全米に呼びかけを発するという途方もないことを始めて、それが現実にアメリカの教育労働者協会270万を動かし、アメリカの自治労にあたる労働組合を動かし、アメリカの全逓を動かした。われわれにもそういう闘いを実現する可能性が宿っています。
一人ひとりの労働者が持っている無限の可能性をつなげて団結をする、そうした時に世の中は間違いなく変わる。これが今回のミリオン・ワーカー・マーチから何よりも学んだことです。一人ひとりが本当に無限の可能性を持っている。これが労働者の力です。だからこそ、私たち労働者は社会の主人公なんです。
このミリオン・ワーカー・マーチと固く結合した集会として11月7日、日比谷野外音楽堂で私たちを始め3労組が呼びかけて、これにILWUローカル10や韓国の民主労総ソウル本部の仲間たちが心から賛同してともに闘おうという、こういう集会が開かれます。
これが日本におけるミリオン・ワーカー・マーチの出発点です。私たちは小さな組合ですが、私たちが持っている夢は大きい。この11・7集会を出発点にして日本でも絶対ミリオン・ワーカー・マーチを実現したい。戦争に突き進んで労働者の権利を奪い、雇用を奪うような政権を打倒する。労働者が胸を張って歩ける、大きな団結をつくりたいということです。
そのためにきょうここに集まった皆さんがあと3週間、自分の職場で隣で働いている仲間、地域の仲間、ともに闘っている仲間たち全部に声をかけて、日比谷野外音楽堂に結集をさせてほしい。それこそが、大変な闘いを始めたアメリカの労働者との本当の連帯だろうと思います。
きょうの集会は沖縄との連帯集会でもあります。今アメリカは、沖縄を、日米安保そのものを質的に徹底的にエスカレートさせようとしている。日本政府は“もう極東条項なんか取り払え”と公然と言い始めています。つまり世界安保になるということは、日本が世界で戦争を始めるということじゃないですか。じゃあこの沖縄の基地を撤去するためには何が必要か。この実態が日米安保である以上、日本の労働者が立ち上がって、アメリカの労働者が立ち上がった時に初めてアメリカの基地は撤去できる。闘いには無限の可能性がはらまれています。
もう一度心から訴えます。時代は変わった。私たちの訴えは世の中に大きく広まり始めた。アメリカにまで伝わったということです。問われていることは、私たち一人ひとりがこれまでの発想を変えて、本当に社会の主人公たる自分として登場しようじゃないか、それが11・7です。
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週刊『前進』(2172号3面4)(2004/11/01)
私たちの使命(MWM組織委員会文書)
36年前、「貧困に対するこの地での戦争」を開始するため、マルチン・ルーサー・キング・ジュニアはワシントン貧民行進に向けアメリカ全土の労働者民衆を奮い立たせた。
「アメリカ政府は、世界で最も大きな暴力の行為者のひとつだ。アメリカは歴史的な分岐点にあり、われわれがひとつの国ひとつの社会として、新たな道を選択し決意と勇気をもってその道を進むことが、決定的に重要である」と彼は宣言した。
労働者民衆が今日直面している危機はさらに激しいものがある。組織的な虚偽と欺瞞(ぎまん)に隠れ、略奪戦争が労働者民衆のカネでいたる所で開始されている。
われわれの名において、一握りの富者と巨大企業が我が政府を簒奪(さんだつ)した。企業と銀行寡頭制が衣を変えて、労働者民衆に対する階級闘争を遂行するため官庁を占拠している。彼らは自分自身の利益のためにこの国を捕獲している。
アメリカ労働者の大多数は攻囲下にある。社会福祉と学校、図書館、廉価な住宅、健康保険への基本的な資金供給が切り下げられ削除されている。
組合を破壊し、百年間の闘いの成果を巻き返すのが真の目的である外注化と民営化を推し進めることで、それなりの賃金を得られる仕事は消えてなくなりつつある。
重労働と飢餓賃金が世界中の労働者に押し付けられ、また国内の労働者には仕事と諸給付を掘り崩すために同じことが展開されている。
あからさまな階級戦争が、労働者家族やわれわれの子どもたちへの一切の制限を取り払って、反労働者的法律・法規と搾取者に仕える法廷によって強制され遂行されている。
愛国者法などの抑圧法の狙いは、労働者の権利のための闘いを威嚇し弾圧することであり、経済と社会の民主主義的な管理を破壊することである。はるかかなたの敵を口実として、それを抑圧と独裁支配の煙幕となしている。
われわれ自身の計画表に基づき労働者を動員する時が来た。特権を持つ少数者への従属を断ち切り、アメリカの政治過程における彼らの独占に終止符を打とう。
兄弟姉妹のみなさん、ともに起ち上がろう。社会変革の巨大な運動を立ち上げるため、ワシントン百万人労働者行進(MWM)に加わろう。ともに社会、経済、政治に関わる労働者の運動を創り出そう。われわれは多数派である。われわれの生存を支配する隠れた腐敗者どもは強欲な少数者に過ぎない。
労働組合、労働者評議会、社会的・共同体的組織、友人から近所の人びとまでともに組織しよう。われわれは動き出したのであり、けっして否定されることはない。
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週刊『前進』(2172号4面1)(2004/11/01)
沖縄圧殺する町村外相暴言
墜落ヘリ操縦士を賛美 「辺野古基地は県民に重要」 安保強化で一層犠牲に
沖国大視察し米軍をかばう
町村信孝外務大臣は、10月16日に、就任後初めて沖縄に乗り込み、沖縄人民の闘いに敵対する挑戦的発言を次々と行った。徹底的に弾劾する。
(1)町村は、沖縄国際大学構内の8・13米軍ヘリ墜落現場を視察して、「被害が重大にならなかったのは(パイロットの)操縦がうまかったのかもしれない」「よく最小の被害でとどまったなと、びっくりした」と述べた。
なんということか。米軍ヘリは、部品を沖国大構内や周辺の民家に広範にばらまいて、操縦不能状態で墜落した。部品が大学事務室や民家の壁、窓を突き破った。死傷者が出なかったのは奇跡的だ。それを町村は、「操縦がうまかった」などと米軍を全面的に弁護したのだ。
在日米軍のワスコー司令官が8月26日に同様の発言を行い、沖縄県民の怒りを買ったが、町村はそれを承知で、挑戦的に再び繰り返したのだ。
(2)町村はこの日午前、名護市のキャンプ・シュワブを訪れ、辺野古の新基地建設予定地を視察した。そして、基地内から基地建設反対の座り込みテントを見ながら、「いろいろな考えの人がいると思うが、基本的には知事や名護市長、地元と政府で決めたこと。粛々と進めていく以外に選択肢はない」「政府の方針どおりに進めることが普天間の周辺住民や県民にとって重要だ」と開き直った。
最新の世論調査でも、沖縄県民の8割、つまり大部分が辺野古移設に反対している。それを承知で町村は「粛々と進める」と居直ったのだ。辺野古移設に反対する沖縄県民に対する真っ向からの挑戦状である。
(3)さらに重大なことは、トランスフォーメーション(米軍再編)と在日米軍再編問題について、町村は「頭からまず安保条約、極東条項(注)ありきではなく、今は新しい脅威にどう対応したらいいか、幅広い観点から議論していくべきだ」と述べたのである。
これは、米帝が進めるトランスフォーメーションを日帝自身が全面的に受け入れ、日米安保=日米軍事同盟を「世界安保」へと質的に大転換させるという宣言である。町村は、それを沖縄に乗り込んで宣言したのだ。
「沖縄の負担軽減」はウソ
米軍は、8月22日以来取りやめていたCH53D大型輸送ヘリ(事故と同型機)の飛行訓練を10月13日から再開した。沖縄の人民が猛反対しているのを無視して挑戦的に強行したのだ。
これは、日本政府が全面的な承認を与えたことによる。離陸したヘリ2機は、民間地域上空を旋回し、爆音を響かせた。沖縄の人びとは「県民が死なないと飛行は止まらないのか」と怒りの声を上げている。
米軍は同時に、普天間基地の同型機5機を岩国基地(山口)に移すことを明らかにした。米軍再編計画の発動である。
小泉は、「沖縄の負担軽減」などと言っているが、まったくペテンだ。小泉の狙いは、72年「沖縄返還」や96年SACO(沖縄に関する日米特別行動委)合意と同様、「沖縄のため」と称して、三たびの安保の飛躍的・断絶的エスカレーションをやることである。
トランスフォーメーションは、沖縄基地の負担軽減ではなく、沖縄基地の強化、半永久化である。日米軍事同盟をイラク・中東侵略戦争と直結させ、さらに北朝鮮・中国侵略戦争の発動に向かっての実戦態勢・臨戦態勢をつくるものである。町村の一連の超反動発言は、そのような狙いをもって沖縄県民の闘いの圧殺を狙う挑戦状である。それを沖縄に乗り込んで宣言したのだ。絶対に許すな。
米軍トランスフォーメーションと日米軍事同盟の飛躍的強化は、あらためて安保・沖縄闘争の戦略的な重要性を突き出している。沖縄基地問題は、沖縄だけの問題ではなく全人民の課題であり、日帝にとっては体制的存立そのものにかかわる問題なのだ。
11・7労働者集会に大結集し、新たな第3次安保・沖縄闘争の大爆発に向かって突き進もう。
(注)極東条項
日米安保条約は5条で「日本の施政下にある領域」に対する攻撃への防衛を定め、6条で「極東における国際の平和と安全の維持に寄与するため、米陸海空軍は日本において施設、区域を使用できる」として極東有事の際、米軍が日本の基地から出撃することを認めている。この「極東」の範囲について1960年の政府統一見解で「フィリピン以北、日本とその周辺海域、韓国、台湾」と定義している。
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週刊『前進』(2172号4面2)(2004/11/01)
連日続く「海上決戦」 辺野古 潜水作業を破綻に
名護市辺野古のボーリング調査阻止の闘いは10月18日で183日を迎えた。9月9日、日帝・防衛施設局が調査船を繰り出して以来、新聞報道では「ボーリング調査についに着手」とはでに報道されながら、実際には強固な沖縄人民と全国の労働者人民の支援・防衛によって基地建設は完全にデッドロックにぶつかっている。日本の基地建設阻止闘争・住民闘争の歴史上にもかつてない「海上決戦」が建設予定海域で連日繰り広げられている。
現在、強行されている「事前調査」は63本のボーリングのために各種のやぐらを海域に設置する予定ポイントにダイバーを潜らせ、写真撮影する作業だ。
これに対し、荒波にも負けず、最高年齢70歳の女性を先頭に連日カヌーが6〜10隻繰り出し、調査ポイントを押さえる。抗議船からは「違法なボーリング調査をやめて施設局は辺野古から出ていけ!」「人殺しのための基地建設はやめろ!」の弾劾の声が飛ぶ。ダイバースーツを着た「潜水隊」も次々に飛び込んで、潜水作業を阻止する。
当初は10月中にも潜水作業を終了する予定だったが、新聞報道によれば10月20日現在で36ポイントにすぎない。アリバイとしても完全に破綻(はたん)している。
10月7日には、沖縄担当大臣に就任した小池百合子が初めて辺野古に来た。しかし小池は米軍キャンプ・シュワブから予定海域を視察した上、立ち寄った米軍ヘリ墜落現場の沖縄国際大学には、たったの10分滞在したのみ! 辺野古のおばあは「命がけで座り込んでいる私たちを避け、何をしにきたのか」と怒りの声を上げた。
「調査着手」から1カ月以上たち、機動隊導入がささやかれる中、「もっと名護市民に座り込みに来てもらうために名護市内で訴えよう」と辺野古に集う女性たちが土日を利用して拡声器で呼びかけながら町の辻々に入ってビラを渡している。至る所で討論の輪ができ、「こんなことになっているとは知らなかった。夫と一緒に休日でもいいなら駆けつけたい」と若いお母さんが涙ぐみながら握手を求めてきたり、市営住宅ではバルコニーに鈴なりになって呼びかけを聞いてくれるなど反響は大きい。
今が正念場だ。辺野古の闘いをこれまで以上に全国の力で支えよう。学生・青年労働者は辺野古に駆けつけよう! 抗議船購入のためのカンパを辺野古に集中しよう!
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週刊『前進』(2172号4面3)(2004/11/01)
11・21北富士現地闘争へ 訓練阻止へ母の会が招請状
11・21北富士現地総決起集会の招請状が発せられたので紹介します。北富士忍草母の会の熱烈な呼びかけにこたえ総結集しよう。(編集局)
北富士でのイラク派兵訓練と、米海兵隊の北富士移転に反対する
11・21北富士現地総決起集会の呼びかけ
すべての皆さん。
今年3月下旬、自衛隊は突如、私たちの入会地である北富士演習場梨ケ原に、イラクのサマワ宿営地模擬施設を建設し、そこで派兵予定の自衛隊部隊を訓練して、順次イラクへ送っていく計画を発表しました。
そして私たちの入会権を無視・抹殺して工事を強行し、5月末より、この施設を使っての訓練がすでに二度強行されています。
イラク人民の命がけの抵抗闘争の前に、アメリカはおいつめられており、イラク人への政権移譲計画が予定どおりに進められるかどうかの瀬戸際にあります。またイラクには大量破壊兵器などはもともとなかったという調査結果が発表され、アメリカの不正義性が暴かれる中で、オランダ軍の来年3月までの撤退に続き、ポーランド軍の撤退が表明されています。
こうした情勢の中で、小泉政権は、今年12月14日に期限が切れる自衛隊の派兵計画の延長を早々と決定し、アメリカ軍とともにイラク侵略戦争の主力として一層この戦争にのめり込んでいます。
イラク戦争が泥沼化する中で、アメリカ・ブッシュ政権は、世界規模の米軍再編成(トランスフォーメーション)を進めています。これは、アメリカがイラクを含む中東、アジアでの侵略戦争を推進するために、日米同盟を軸にして軍隊と軍事基地を大規模に再編するものです。その中心は、北朝鮮侵略戦争のための沖縄と全土の基地強化と実戦配備です。小泉政権はこのトランスフォーメーションにも積極的に協力し、アメリカと協議に入っています。
この計画の中で、沖縄海兵隊の富士への移転計画も浮上しています。かつての朝鮮戦争のときには、米海兵隊は東富士に司令部を置き、東富士・北富士の4つのキャンプに数万を駐屯させ、私たちの入会地を強奪して設置した北富士演習場で実弾演習を繰り返しては朝鮮に出兵していきました。
私たちは、小泉政権のイラク派兵計画の延長の中で、この11月下旬にも予想される北富士でのイラク派兵訓練に断固反対し、サマワ宿営地模擬施設を撤去し、入会地を入会住民に返還することを強く要求します。また米軍のトランスフォーメーションと北富士への海兵隊の移転に反対します。
イラク戦争への参戦の中で、小泉政権は教育基本法と憲法の改悪、賃下げと首切り、社会保障制度の解体など、労働者人民への全面的な攻撃にふみきっています。今全世界で労働者人民の反撃が開始されています。イラク人民の命がけの抵抗、アメリカをはじめとする世界の労働者のたたかい。そして日本においても、三里塚、沖縄、動労千葉などのたたかいが新たな発展をめざしてたたかわれています。
私たち北富士も、これらの皆さんのたたかいと連帯し、11・21北富士現地総決起集会への結集を呼びかけます。ご参加をよろしくお願いします。
2004年10月
忍草国有入会地守る会
北富士忍草母の会
◇
要項
北富士でのイラク派兵訓練と、米海兵隊の北富士移転に反対する
11・21北富士現地総決起集会
日時 11月21日(日)正午
場所 北富士演習場内
主催 忍草国有入会地守る会・北富士忍草母の会
集会後、梨ケ原廠舎までデモ行進を行い、自衛隊への申し入れを行います。申入書を準備できる団体はよろしくお願いいたします。
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週刊『前進』(2172号4面4)(2004/11/01)
国労弾圧裁判 弾圧加担を居直る革同
“厳重な処罰求める” 江田証言に激しい怒り
10月19日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第30回公判が開かれた。今回から「被害者」と称する革同の江田雄次・国労東京地本調査部長に対する証人尋問に入った。
この弾圧は、02年5月27日の国労臨時大会に際し、本部方針に反対する国労組合員が行ったビラまき・説得活動が「暴力事件」にデッチあげられたものだ。酒田充・現国労本部委員長ら当時の東京地本幹部は、弾圧に積極加担し、組合員を警察権力に売り渡した。事件当時から一貫して東京地本執行委員の地位にある江田証人への追及は、きわめて重大な攻防だ。
冒頭、佐藤昭夫弁護団長が意見を述べ、9月27日に東京地裁で勝利判決が出された国労鶴見駅分会不当労働行為事件に触れて、「判決は組合員による助役への暴行を認定したが、それをとらえて懲戒解雇したことは不当労働行為と判断した。暴行の原因が助役の挑発的発言にあったこと、十分な事情聴取もなく即座に懲戒解雇したことは不適切として、解雇撤回を命じた中労委命令を維持している。これを本件と比較すると、本部方針に抗議した被告の行動は組合員の基本的権利の行使であり、もみあいも執行部側の挑発的態度に原因があった。本人の意見も聞かずいきなり公安警察に処罰を求めた執行部の姿勢は、JR会社にもまして一方的」と弾劾した。
裁判闘争破壊のために法廷に現れた鈴木勉・東京地本法対部長ら革同は、この陳述に身をすくめた。
江田証人が入廷した。尋問が始まる前から打ちひしがれた表情だ。
検察側主尋問で溝内克信検事が「富田益行被告が私の右肩を突いた」「橘日出夫被告が左手をつかんで引っ張った」「小泉伸被告が右腕をつかんだ」などと証言させた。その場面を確認するとして、警察が押収した国鉄闘争支援者撮影のビデオテープを再生したが、映っているのは双方がもみあう中での一瞬の出来事にすぎない。むしろ、ビデオは江田証人が橘被告の腰をつかんで押しのけたのが、もみあいの発端になったことをとらえている。
江田証人は、警察に被害届を出したことも居直り、「被告ら国労共闘は純粋な国労組合員ではない」「裁判所に厳重な処罰をお願いしたい」と言い放った。強い怒りが法廷を覆った。
査問推進した事実も忘却?!
大口昭彦弁護人が尋問に立ち、5・27臨大が与党3党声明に屈して開かれたものだったことを追及した。自民党ら与党は、臨大直前の02年4月、JR採用差別訴訟の取り下げや鉄建公団訴訟原告の闘争団員への統制処分を強要する声明を出した。この支配介入に屈した国労本部は、闘争団員を査問にかけるために5・27臨大を強行したのだ。
大口弁護人から「あなたは5・27臨大で代議員として発言しましたね」と聞かれた証人は、驚くべきことに「忘れた」という返答を繰り返した。無責任な証言に法廷の怒りは高まった。
弁護団は大会議事録を示して詰め寄った。そこには「今大会は後のない大会。失敗は許されない」「本部は今日臨時大会を開き、解決作業の核心に入る確証を持った。本部を信頼し、方針を支持したい」という彼の発言が記されている。弁護団はこの発言の根拠を問いただした。あきれたことに証人は、「大会を開催した以上、本部は解決交渉に入れる確信を持っていたはず」としか答えない。こんな理由で闘争団圧殺に手を貸したというのである。
江田証人は00年7・1臨大の副議長も務めている。「『大会の失敗は許されない』とは、演壇占拠のようなことはあってはならないという意味か」と聞かれ、彼は「それも含む」と言ってのけた。さらに、大会会場周辺を固めた機動隊について「あれは暴力ではない」とうそぶいた。
葉山岳夫弁護人は、説得活動を展開する被告たちの発言が記録されたビデオを突き付け、被告の行動の正当性を明らかにした。
江田証人への尋問は次回も続く。11・7労働者集会を成功させ、その力で被告の無罪獲得、許さない会の一層の拡大をかちとろう。
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週刊『前進』(2172号4面5)(2004/11/01)
新潟 イージス艦初入港に抗議 “母港化させない”
10月11日、米海軍のイージス艦「レイクエリー」が新潟東港に急きょ初入港した。新潟県労組交流センターと「とめよう戦争への道!百万人署名運動」は、新潟県平和運動センターなどが呼びかける抗議行動に合流して闘った。
午前8時、新潟東港の突堤前に組合旗を持った労働者、市民が次々と集まってきた。緊急行動にもかかわらず、その数総勢200人。抗議集会の最中に「レイクエリー」の灰色の船体が見えてきた。近づくイージス艦に「入港反対」「港の軍事使用を許さないぞ」「米軍はイラクから撤退せよ」のシュプレヒコールを上げ続けた。海上では2隻の抗議船がイージス艦に接近して抗議行動を闘った。
新潟東港へのイージス艦入港は米軍のミサイル防衛(MD)の一環である。米軍は9月から日本海にイージス艦を常時2隻配備し、北朝鮮への軍事重圧と戦争挑発を加えている。日本の有事法制の整備と一体で、北朝鮮への侵略戦争策動を強めているのだ。
米軍は8月以降、4回にわたって新潟県当局にイージス艦の入港を打診してきた。今回、県は「ふ頭に空きがあれば認めざるをえない」と入港を許可した。核兵器搭載の可能性もある作戦展開中の米艦船は港湾法の対象外であり、入港そのものが不法である。米軍は新潟港の準母港化=前線作戦基地化を狙っている。今後もくり返しイージス艦の入港が予想される。「北朝鮮のテポドンに備える」という排外主義扇動と対決し、戦争態勢づくりに反撃していこう。
(新潟 Y・S)
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週刊『前進』(2172号4面6)(2004/11/01)
奥田出席し「尊厳死」大会 日英両文で抗議ビラ
10月1日東京永田町の都市センターホールで開催された「第15回死の権利協会世界大会」(9・30〜10・4)に対して、「脳死・臓器移植に反対する市民会議」は「障害者」を先頭に「尊厳死・安楽死」反対、臓器移植法改悪策動につぐ「尊厳死」立法化反対を掲げて日英両文の抗議ビラまきを行った。(写真)
世界的にはすでにオランダ、ベルギー、スイス、米オレゴン州、オーストラリア北部準州などで医者の薬物注射や自殺幇助(ほうじょ)による「積極的安楽死」が行われている。イギリス、ノルウェーなどでも生前に発する延命治療の中止を求める宣言書である「リビング・ウィル」を根拠に殺害を見越した治療打ち切りとして「尊厳死」が認められている。これらはどれも明白で積極的な患者の殺害行為だ。
「死の権利協会世界連合」は、こうした「価値無きもの」と見立てた人を抹殺する「安楽死・尊厳死」推進運動を「本人が自分で選んだ死の権利」としてこじつけ、1976年東京大会での結成を皮切りに始まった運動である。23カ国38団体が集い、日本からも同76年設立の「日本尊厳死協会」(日本安楽死協会を83年に改名)が加盟し、日本開催を3回も務めてきている。
今回はこの世界大会に厚労大臣や日本経団連の奥田が招かれ、日本尊厳死協会会員である瀬戸内寂聴の講演もはさみながら日本での「尊厳死」法制化に一挙にはずみをつけようと画策してきたのだ。
開会に先立ち横断幕を会場入口にかざしビラをまく。横断幕と抗議ビラを見かねて協会の理事たちがビラまきを入口から排除してきた。しかし確実に抗議の声は届いているのだ。
大会は4日間行われ「東京宣言」が出された。宣言は、「参加した医療専門家は生命の終末に近づいたときの治療の選択を記述したリビング・ウィルその他の事前の指示を有するすべての患者を支援することを宣言する」「たとえ患者の選択が非意図的に死を早めることになる場合でも、医師、看護師その他、患者の医療に従事する者はこれらの文書に指定された指示内容を合法と認識しそれに従わなければならないことを確信する」という。「患者支援」「合法と認識」などと殺害のとんでもない居直りの宣言である。
日帝・小泉や経団連・奥田らは「安楽死」合法化をリストラ・民営化・社会保障解体の「三位一体改革」とともに進めようとしているのだ。尾辻新厚労大臣はメッセージを送り、「リビング・ウィル」と家族同意の双方からの「尊厳死」推進への支援を示唆した。また尊厳死協会の顧問を務める奥田は「奥田ビジョン」について触れ、日本の将来ビジョンに「尊厳死」が欠かせないことを強調した。
さらに井形ら尊厳死協会理事は「議員立法での尊厳死法案国会提出も近い」と語り、強行制定を呼号した。法案条文も作成され、@「不治かつ末期」の診断で治療中止、A苦痛緩和のための麻薬大量投与で死なせても構わない、B「植物状態」での生命維持中止を合法化しようとしている。また「本人意思が確認できない」と見なした「痴ほう症」への拡大適用も検討されている。
高齢者、「障害者」を抹殺し、資本の延命のために労働者を侵略戦争にかりたてる「尊厳死」法制化を絶対に粉砕しよう!
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週刊『前進』(2172号4面7)(2004/11/01)
10月13日〜19日
町村「極東条項とらわれず」 事故同型機ヘリが飛行再開
●小泉首相、イラク開戦を正当化 小泉首相は衆院本会議で各党の代表質問に答え、米調査団最終報告がイラクの大量破壊兵器は存在しなかったと結論付けたことに関し、「イラクが12年間にわたり国連安保理決議に違反し続け、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとしなかった」と述べ、イラク開戦の正当性にあらためて言及した。また、北朝鮮が拉致問題で前向きの対応を示さない場合は、経済制裁が選択肢になるとの考えを表明した。(13日)
●東京でイラク復興支援国会合 イラク復興に向けた支援策を協議するイラク復興信託基金の第3回拠出国会合が、57の国や国際機関が参加して都内で開かれた。町村外相は演説で、来年1月に予定されている国民議会選挙に日本から4千万j(約44億円)を支援する方針を表明した。(13日)
●事故同型ヘリ飛行再開 在沖米海兵隊は沖国大に墜落したCH53D大型輸送ヘリコプターの同型機2機を、普天間飛行場から飛行させた。同型機は飛行訓練後、岩国基地に向かうと見られる。(13日)
●日本が非常任理事国に 国連総会は05年から任期2年間の安全保障理事会非常任理事国選挙を行い、日本など5カ国を選出した。日本の安保理入りは97〜98年以来で、9回目。(15日)
●武部幹事長「ブッシュ大統領でないと」 自民党の武部勤幹事長は米大統領選について「ブッシュ大統領でないと困る。ケリー氏は北朝鮮と2国間で交渉をやろうとしている。とんでもない話だ」と述べた。(15日)
●女性暴行、米軍属を逮捕 沖縄本島中部の民家で8月下旬、この家に住む20代の女性が暴行された事件で、沖縄県警は強姦(ごうかん)と住居侵入の疑いで那覇市仲井真の米軍属ダグ・トンプソン容疑者を逮捕した。(15日)
●「極東条項」とらわれず 町村信孝外相は那覇市内で記者会見し、在日米軍再編問題について、日米安保条約が規定する「極東条項」にとらわれず幅広い議論をすべきだとの認識を示した。また、普天間基地の移設問題については「閣議決定された辺野古移設をしっかりと進めていく」と述べ、名護新基地建設の工期短縮を図る考えを強調した。また、沖国大のヘリ墜落現場を視察し、「被害が重大にならなかったのは(パイロットの)操縦技術が上手だったのかもしれない」などと発言した。(16日)
●米司令部座間受け入れへ 政府は在日米軍の再編協議で米側が提案している米陸軍第1軍団司令部(ワシントン州)のキャンプ座間(神奈川県)への移駐を受け入れる方向で本格的な検討に入った。司令部移駐で米陸軍と陸自との連携が進み、対テロ作戦などでの日米協力が増えることが予想されるため、防衛庁は日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直し作業にも着手した。(16日)
●日米安保宣言見直しも 大野功統防衛庁長官は閣議後の記者会見で、日米安全保障共同宣言について世界規模での日米協力を明記する方向で見直す必要があるとの見解を示した。(19日)
●首相、極東条項に柔軟姿勢 小泉首相は、町村外相の「極東条項」に関する発言について「安保条約と『世界の中の日米同盟』という観点から議論すればいいことだ」と答えて、極東条項の柔軟解釈による安保条約の「世界安保」への拡大について柔軟姿勢を示した。(19日)
●ヘリも給油対象に 政府は11月1日で期限が切れるテロ対策特別措置法に基づくインド洋での米軍などへの支援活動を半年間延長する方針を決めた。基本計画を変更し、外国艦艇への重油供給に加え、艦艇に搭載するヘリに給油する任務も盛り込む。26日の閣議で正式決定する。(19日)
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週刊『前進』(2172号5面1)(2004/11/01)
11・7で労働運動の未来を切り開こう 日比谷野音大結集に勝負かけよう
中野洋 動労千葉前委員長に聞く
MWMが階級闘争を変えた 帝国主義に引導を渡す時だ
アメリカ・ワシントンで、10月17日にMWM(百万人労働者行進)が闘われた。日本からは動労千葉が海外代表として参加した。日本でもMWMのような労働者の大行動を実現する時が来た。11月7日に全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3組合の呼びかけで、11・7全国労働者総決起集会が開かれる。この集会の成功に向けて、動労千葉の中野洋前委員長にお話をうかがった。(インタビュー・構成/大沢 康)
ついにアメリカで労働者が反乱開始
――まず、MWMについてうかがいます。
あの帝国主義国中の帝国主義国であるアメリカで、ついに労働者の反乱が開始されたことを、私は感動を持って受け止めています。イギリスや韓国、日本でも東京など各地で連帯行動が闘われました。
今度のMWMは、1929年にアメリカで大恐慌が起こり、失業者が満ちあふれて、ワシントンに向けた大行進が行われて以来と言われている。60年代に黒人の公民権運動がベトナム反戦運動と結合して起こった。この時は黒人の解放運動と学生運動が中心で、労働組合は中心ではなかった。そのアメリカの労働組合が、ブッシュ政権に対して立ち上がった。しかも、「ランク・アンド・ファイル」、つまり一兵卒、一般労働者が労働貴族をうち倒して、労働組合を現場労働者の手に取り戻そうという運動です。われわれの新潮流運動とまったく同じ運動が発展している。
これを呼びかけたのは、動労千葉と連帯しているILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10と34の合わせて2千人に満たない労働組合です。去年の11・9集会にローカル34の書記長やスティーブ・ゼルツァー氏が来て、動労千葉、関西生コン、港合同という、全部合わせても2千人ぐらいしかいない組合が「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう」という集会をやっているのを見て、間違いなくヒントを得た。国際連帯とは、お互いのいいところを学んで、自国の労働者の闘いを強化していくということが重要です。
マルクスは『共産党宣言』の末尾で、「万国の労働者団結せよ!」と書いている。万国の労働者が団結しなければ、資本家階級は打倒できない。しかし、われわれが本当にその問題を対象化していたのか。革命は世界革命でしか勝利できない。日本で革命を起こしても、アメリカで革命が起こらなければ、われわれはやっつけられてしまう。その一番最悪かつ最大の帝国主義国であるアメリカで労働者が立ち上がり始めた。
しかも、その闘いのスローガンは健康保険の問題などだが、要するに「アメリカの社会を変革しなければいけない」と言っている。そして「今、労働者を動員する時だ」、行動しなかったら何の要求も獲得できないと言っている。
「革命」という言葉は使っていないけれど、スローガンは体制変革的です。例えば、労働者は「自らの労働によってすべての価値を創造する」のだから、決定の権限を労働者に与えよというスローガンを掲げた。
しかも、ブッシュとケリーが争っているアメリカの大統領選挙が11月2日に行われる。その直前の10・17に、首都ワシントンでMWMが闘われたわけです。
今度の11・7集会に来るILWUローカル10ビジネスエージェントのジャック・ヘイマン氏は、ILWUという全米最強の労働組合でも「資本主義的傾向が浸食してきている。それと闘わなければいけない」と言っている。だから自分は東京の11・7集会にローカル10を代表して行きたいから組合に要請文を出してくれと言ってきた。動労千葉から要請文を出し、ローカル10の機関決定で参加することになりました。
これを見た時に、彼のこの10・17にかける必死さとか、アメリカと日本、韓国の3国連帯を彼らがいかに重視しているか、その執念を感じましたね。
MWMには、日本で言えば、日教組、自治労、全逓が賛同している。自治労の場合はローカルの半分ぐらいです。AFL−CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)というナショナルセンターの6分の1を占めるカリフォルニア州の組織が賛同した。賛同組合の総数は350万人以上と言われている。AFL−CIOが弾圧を加え、参加すべきでないという指令を出している中で、こういう運動が起こったことの画期的な意義をつかみ取るべきです。
しかもアメリカでは、パトリオットアクト(愛国者法)Uがつくられようとしている。パトリオットアクトTは9・11の後にできたテロ対策法です。パトリオットアクトUは、対テロ戦争に反対する者はテロリストだという論理です。イラク侵略戦争反対と言ったら、その労働組合はテロリスト集団になる。日本の共謀罪もそれに近い。ILWUがストをやろうとすれば大臣が「海軍を投入する」と電話をかけてくる。そういう中で闘われている。
それだけアメリカの危機が深刻化していることの反映だと思う。「最も富裕な国」と言われるアメリカで、4500万人が健康保険に入れない。労働者も労働組合も我慢できなくなり、このまま行ったら徹底的につぶされるという危機感がある。だから、必死になって、全米の労働者の団結が対抗する唯一の道であると彼らは決断して、あらゆる弾圧をはねのけて、闘いを成功させたわけです。
沖縄闘争をはじめ日本の運動に展望
――日本の運動に与える影響は大きいですね。
日本でそういう運動はできないのか。今の日本の状況は、労資協調の連合が支配していて労働者が団結していない。しかし、日本はダメだということは絶対にない。世界的な労働者の解放という問題を見ないで、自分の周辺にある否定すべき現実だけに目を奪われて、積極的にそれを打開しようとしないあり方が問題であると、非常に強く感じています。
私は世界観が一変しました。アメリカの労働者階級がこんなに立ち上がると、日本の運動にも大きな展望が生まれてくる。
例えば沖縄闘争ですね。私は「第3次安保・沖縄闘争」と言っている。日米安保の最大の環は沖縄です。普天間基地のヘリコプターが沖縄国際大学に落ちて、沖縄闘争が爆発している。沖縄の労働者たちの要求は米軍基地撤去です。これをどう実現するのか。
最近、アメリカがトランスフォーメーションと言って世界的な軍事戦略を変えている。トランスフォーメーションとは日米安保同盟政策の根本的な転換、質的な大エスカレーションです。「極東安保」から「世界安保」になる。60年安保の時の国会での論議の焦点は、日米安保条約にある「極東」の範囲はどこまでかという攻防だった。今は有事法制がほぼ完成し、自衛隊がイラクに派兵されるところまで来ている。これは明らかに「世界安保」になる。アメリカが戦争をやったら必ず日本が支援するという日米同盟に転換する。
だから、日本の沖縄を中心とする基地は強化するが、削減することは絶対にない。名護の新基地は最新設備でつくる。そういう中で、11・7集会で沖縄の労働者とアメリカの労働者との連帯関係をつくりたいと思っています。日米安保条約に反対し、沖縄の米軍基地撤去を実現するためには、アメリカの労働者階級と連帯する以外にない。
MWMは、何よりもイラク戦争に反対し、イラクからの撤退を要求している。このアメリカの闘いのスローガンに「沖縄を中心とする世界の米軍基地を撤去しろ」という要求が入るような状況をつくった時に初めて、沖縄基地撤去、安保粉砕の展望が出てくる。
動労千葉が国際連帯の焦点になっていることは、動労千葉にとって見れば大変きついことです。多くの解雇者を抱えて自分の組合のことだけでも大変なのに、その上で国際連帯までできるのかと、組合員は心配します。だから、私は国際連帯を絶対に成功させなければいけない責任があるから、昨年10月に韓国に行き、当時の民主労総のタンビョンホ委員長に会ってきた。それで、民主労総最大の地域組織であるソウル本部と信頼関係をつくることに成功したわけです。だから、彼らも万難を排して11・7集会に来ます。
そういう構造が日本の労働運動の中でできたことの素晴らしさ、その意義を本当につかみ取ってほしい。「動労千葉に学ぼう」と言うのなら、そういうふうに物事を見てもらいたい。今こそ「日本の労働者は全部11・7に集まろう」と言うべきだと思うんです。
今日の世界つかむ五つのキーワード
――そのために訴えるべき点をお聞かせ下さい。
今がどういう時代なのか、労働者の闘いはどうあらねばならないのかを真剣に訴えるべきですね。
来年は戦後60年になる。この60年間、われわれは戦後の社会、考え方、生活のあり方の中で育っている。日本帝国主義が戦争に敗北して、第9条で戦争を放棄した平和憲法のもとで、日米安保条約が締結され、その枠で経済成長を追い求めてきた。21世紀に入って、そういうあり方が根本的にひっくり返されている。資本家階級は、有事法制を通し、教育基本法から憲法9条まで変えようとしている。世界中の労働者がすごい搾取と抑圧と弾圧にさらされている。それに対抗するためには、真剣に自分たちのあり方や考え方を一変し、これに立ち向かわなければならないと思います。
01年9・11にゲリラ闘争が爆発し、03年3・20にアメリカはイラクへの侵略戦争を開始した。歴史が一変したわけです。敵の攻撃だけじゃなくて、労働者の側の闘いも変わっているということをはっきりと見る必要があります。
今、私はいろんなところの講演で「五つのキーワード」と言っています。
一つは、「帝国主義(資本主義体制)はもはや労働者を食わせていけなくなった」ということです。資本主義は、労働者を労働力商品化して搾取することをとおして利潤を上げる。だから、賃金を与えて衣食住の最低限は保障し、労働力を再生産しなければならない。今までは、そこそこの賃金を出せた。だけど、これからはほとんどの労働者を200万円から300万円程度の年収の労働者にする。ごく一部は年収何千万円、場合によっては何億円にする。アメリカはそういう社会になっている。
「帝国主義(資本主義体制)は戦争する以外に延命することができなくなった」というのが二つ目です。アメリカは、イラク侵略戦争をやって石油を安定的に支配することを狙った。今、「大量破壊兵器はなかった」と、政府の調査団が報告しても、ブッシュは「イラク戦争は正しかった」と平気で言っている。だけど、原油が今年初め1バレル30jぐらいだったのが、55jにまで上がった。
イラク戦争を始めたのは、イラクのフセインが原油を売る時の決済をドルからユーロに変えると言い出したことが原因だとも言われている。それで戦争をやったけれど、皮肉にも原油価格が上がる。双子の赤字がどんどん増える。イラク戦争の戦費が足りなくなる。しかも、その戦争が泥沼化している。あれこそ「去るも地獄、残るも地獄」と言う。撤退はできないし、撤退しないと、もっと泥沼に入る。米軍は、イラクの3分の1も支配していないと言われている。
日本だって同じことが起こっている。財務省が発表した今年の6月末時点の日本の国の借金は729兆円です。地方自治体の借金も含めると1千兆円に到達しそうだという。毎年1兆円ずつ返済しても千年かかる。それはもう返せないということです。
国債はそもそも戦争のためで、今、日本の法律では国債を発行してはいけないことになっている。だけど実際は、国債は400兆円を超えている。日本の借金の中には、銀行から金を借りてドルを買っているものも含まれている。これで円高を防止している。去年だけで約30兆円使っている。円高が進行すると、輸出ができなくなるから、日本政府はドルを買いまくった。
そういう中で、トヨタが1兆円以上の経常利益を上げている。日本の大手企業だけはもうけている。政府がドル買いをやり、労働者に対する徹底的なリストラをやったからです。1兆円ももうかって、賃上げゼロ。組合は要求もしない。日本経団連の奥田会長はトヨタの会長です。経団連の最大のキーワードは「国際競争力」です。「国際競争に勝つために日本の労働者の総額人件費を下げなければいけない」と。総額人件費は賃金だけじゃない。年金の半分は企業が負担している。健康保険も雇用保険も労災保険もそうです。総額人件費を削れば社会保障が解体するのは当たり前だ。「少子高齢化が進むから年金がもたない」という話ではない。そもそも資本は自分たちの半分の負担分も払いたくない。終身雇用制や年功序列型賃金を解体する。この理由がすべて「国際競争力」です。
どこと競争するのか。中国や、その次はインドと言われているけれど、その市場をめぐって壮絶な争いをやっているのは、日本とアメリカとEU(ヨーロッパ)です。この競争力をめぐる争いなんです。
この問題に決着をつけるためには、アメリカの労働者とヨーロッパの労働者と連帯しなかったら話にならない。その上で中国やアジアの労働者とも連帯しなければならない。だから、マルクスは「万国の労働者団結せよ」と言ったわけだ。
労働者を食わせられなくなったということは支配階級にとっては大変なことです。われわれが権力を握って飯を食わせられなかったら、すぐに打倒される。だから、労働組合が重要なわけです。例えば、JRの会社がなくたって、動労千葉があれば総武線は動く。列車のダイヤも組める。自治労の諸君は、どこに誰が住んでいて、誰がいくら税金を払って、資産を持っているかを知っている。権力をとってソビエトをつくったら、自治労が中心にならざるを得ない。
つまり、「すでに歴史的命脈がつきた帝国主義(資本主義体制)」というのが三つ目のキーワードです。
そして、資本主義体制が帝国主義段階に突入して、歴史の進歩にとって妨害物になっている。「すでに社会の発展の桎梏(しっこく)となった帝国主義(資本主義体制)」が四つ目です。要するに、歴史にとって必要ない存在になっている。資本主義は歴史をものすごく発展させた。特に戦争がパソコンやロケットなど技術力を発展させた。それが限界に来てしまった。
だから、もうここで資本主義に引導を渡す以外にない。その引導を渡す力を持っているのが労働者階級です。資本家階級にとって代わって世の中を取り仕切ることができるのは労働者階級しかないというのが、マルクス主義の神髄です。
それで「全世界で労働者階級人民の反乱が燎原(りょうげん)の火のような勢いで始まった」というのが五つ目のキーワードです。イギリスでもヨーロッパでも闘いの中心は労働組合です。何よりも最も矛盾が集中している最大の帝国主義国であるアメリカで労働者階級が立ち上がった。このことをちゃんと見なければ、革命を語る資格はない。いわんや労働運動なんて語る資格はないと思います。
労組根絶に対抗し小泉にチャレンジ
――11・7に向けて、労働運動の当面する課題についてはいかがですか。
こういうMWMのような運動を日本でもやった時に初めて、教育基本法改悪から憲法9条の改悪という大変な攻撃と対抗できる。そして、アメリカの労働運動の核心も戦争と民営化に反対する闘いです。日本でも今、自治労、全逓、日教組を根絶する攻撃が本格化しています。これが「骨太方針W」です。
その核心は、この三つの組合が国家権力の機関・機構の中にあり、これらをたたきつぶす攻撃だということです。今の時代に国家権力の中に労働組合が存在しているとか、労働運動が存在しているなんて絶対に認められない。それでは戦争はできない。戦争の時に政府機関が全面発動される。市役所も末端の行政機関です。これが政府と一体とならなかったら戦争なんてできない。
だから、今年の3月に東京の高等学校の教育労働者たちが数百名も決起したことが非常に重要です。全国で「日の丸・君が代」に反対している教員が数千、数万の単位でいる。日教組は文科省との「パートナー路線」だけれど、「教え子を戦場に送るな」というスローガンをまだ下ろせない。こんな先生たちがいて戦争ができますか。戦前は、日本の全国民が、一部を除いて積極的に命をかけて天皇のために国のために命を投げ出した。それがなぜできたのか。教育です。だから今、教育基本法を「改悪」と表現しているけれど、教育基本法を抹殺して教育勅語を持ってくると言った方が分かりやすい。
今度の東京で決起した教育労働者たちは、後を絶ったんだね。もう前へ進む以外にない。だから、みんなの胸を打ち、感動させたわけです。
昔は市役所、役場の役人が召集令状の赤紙を持って行った。役場が警察と一緒になって、隣組制度をつくって住民監視をした。それで「村八分」にする。こういう仕組みをつくった先兵は、今で言えば、自治労の組合員です。
だから、今回の攻撃はものすごく根底的です。その突破口が郵政の分割・民営化です。全逓労働者を非公務員化して、国鉄分割・民営化のような首切り攻撃をかけて、活動家をパージしようとしている。
だから、4大産別が重要なんです。これには国鉄も入る。何よりも17年たって1047名闘争が迷走を繰り返し、ジグザグをたどりながらも残っている。敵にとって見れば、もう10年ぐらい前に、国労も一掃する、動労千葉もなくす、それで1047名闘争にも決着をつけて、その上で、最後のターゲットである日教組と自治労と全逓を一掃したかったわけです。だからこれは激しい攻撃です。
これらを向こう3年間、選挙がないから、小泉は一気呵成(かせい)にやるという時代に入ったんです。
ブッシュが倒れれば、ブレア、小泉も倒れる。アメリカ労働者階級はそういう闘いを開始した。そういうふうに見ると、われわれにもやりようがある。
本来なら、全逓でも自治労でも日教組でも、われわれがどこかの産別を握っていたらストライキです。だけど、まだそういう権力を持っていない。闘いのあり方というのは、その時の力関係で決まる。だから11・7集会でまずは日比谷野音を満杯にしよう、少なくとも5千人を集めようと言っているわけです。この時代に、11・7にアメリカからILWUローカル10が来る。韓国から民主労総が来る。11・6には教育基本法改悪反対集会があるから、11・6―7連続闘争で万余の労働者を集めようということです。本当に野音を満杯にし、あふれるような結集が求められている。
それを実現することで初めて、今の小泉=奥田路線のもとに進められている戦争と労働者に対する激しい攻撃に対して、対抗できるチャレンジ権をわれわれは獲得することになる。
反動を突き破って労働者組織しよう
――11・7の大結集に向けて、反動をうち破って突き進むことが求められていますね。
教育闘争では、去年の12・23日比谷公会堂に5千人も集まった。3・20一周年闘争が闘われ、動労千葉もストライキをやった。その中で、東京の教育労働者が300名近く決起した。本当に自己解放的で、あっけらかんとして、来年の春にはもっとやろうという雰囲気になっている。
11・6集会では反動が生まれています。何よりも、この3月に決起した教育労働者たちをメインに据えて発言させない。これは全教が強力に主張しています。
国労でもそうでしょう。JR連合の西労組が「1047名は日本では出番がないから、イラクの復興支援に行け」と言ったことを、国労西日本エリア本部という機関が支持して、協力している。しかも革同・共産党です。その狙いは、連合に合流することです。共産党もそう考えている。しかし、全動労は鉄建公団訴訟をやると言っている。日共=全労連中央や国労内の革同と真っ向から対立する。そういう中で、全動労と動労千葉が鉄建公団訴訟に加わったら、国労闘争団を含めて1047名が団結できる。
こういう時代は、動―反動が繰り返す。その時にきちんとした方針を出せる力を、この11・7闘争を爆発させる過程でつくり上げなければいけない。今年の11・7で勝負をしようということです。勝負をかけるべき時にそれができない党派や労働組合はダメになる。勝負する場所が与えられたんだから、あとは人を集めればいい。ここで勝負しようということです。
11月7日、日比谷野音を満杯にしてごらんなさい。世の中は変わります。小泉や奥田らも自信満々でやっているわけではない。自治労でも全逓でも日教組でも、本部はそんなに力はない。民同や共産党の組合支配もたいしたことはない。全労連傘下でも反乱が起こっている。だから、敵を過大評価しないで、やりようによってはやれる条件がたくさんあるということを理解して、労働者を組織してほしいと思います。
動労千葉は、分割・民営化の時には「このまま行ったら、おれたちの存在はなくなる。だったら今やろうじゃないか」という気持ちで闘いました。そういう世の中が来たんです。来年やればいいとはならない。今年やって初めて、05年でもっと激しい攻防戦をやる。
少なくとも、日本の中で革命ということを考えるなら、世界最強の帝国主義国アメリカの中で労働者が反乱を開始したことをちゃんと見れば、日本の労働者がどの道を進めばいいか、おのずと出てくる。それは間違いなく大きな川となり奔流となると、私は確信しています。
最後に、特にぜひとも青年労働者が階級闘争の場裏に勇躍登場することを訴えたいと思います。
――どうもありがとうございました。
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週刊『前進』(2172号5面2)(2004/11/01)
10・4〜10・19
郵政民営化の強行へ推進本部
都人事委が勧告放棄/規制改革の重点項目を決定
●給与総額4カ月連続減 厚生労働省発表の8月の毎月勤労統計調査によると、1人当たりの現金給与総額は前年同月比0.2%減の28万8524円で4カ月連続減少。総労働時間は2.0%増の148.5時間で4カ月ぶりに増加。(10月4日)
●郵政民営化推進本部が初会合 小泉を本部長とする郵政民営化推進本部の初会合が開かれた。政府は郵政公社職員の過半を「窓口ネットワーク会社」に移し、郵便事業に従事する労働者の争議権を制限する方針。(5日)
●連合中央委で笹森が年金改悪推進発言 連合中央委員会で笹森会長が年金問題について「民主党は独自案に固執せず与党との協議に応じるべき」と述べた。(6日)
●都人事委員会が勧告なき報告 都人事委が職員給与を現行水準のまま据え置くとの報告を提出。都職員の平均月給は民間より729円低かったが引き上げ勧告を出さず、能力・業績に基づく査定昇給の導入を打ち出した。(7日)
●東京清掃、休日収集中止を回避 清掃職員の労働条件をめぐる労使交渉で特別区長会が「10月末までに都と区の合意内容を踏まえて労使合意を整える」と回答し、東京清掃労組は11日に予定していた休日収集中止を回避。(8日)
●規制改革会議が重点項目決定 規制改革・民間開放推進会議は職安業務の民間開放などの重点検討項目を決定(12日)=要旨別掲
●厚労省、介護保険改悪を自治体に指示 厚労省は都道府県の介護保険担当者を集めた会合で、介護保険利用者を今後10年間で40万人抑制するよう求めた。(12日)
●公務員の労働基本権問題で審議会設置 政府は公務員制度改革関連法案に労働基本権付与について検討する審議会の設置を盛り込む方針を固めた。(13日)
●労組法改悪案に条文ミス 労組法改悪案に1カ所の条文ミスがあることが分かった。(13日)
●米MWMが高揚 ワシントンで全米から1万5千人の労働者を結集しMWMが闘われた=記事参照
●小泉が大増税方針表明 衆院予算委で小泉は、個人所得税を20%減税している定率減税を来年度から縮小すると述べた。(18日)
●ダイエー再建で2万7千人余剰 ダイエーの経営再建により2万7千人の労働者が余剰になるとしたUFJ銀行や産業再生機構の計画が明らかに。(18日)
●「精神障害」の労災申請、過去最多 04年度上半期の仕事上のストレスによる「精神障害」や自殺での労災申請は246件、労災認定は47人と過去最多に。厚労省のまとめで分かった。(19日)
●人員削減に抗し独で2万人集会 ドイツの自動車資本オペルの1万人削減計画に反対し、独西部の工場前で約2万人が集会(19日)
規制改革・民間開放推進会議の重点検討項目
・ハローワーク業務の民間開放
・社会保険庁業務の民間開放
・労働力の国際移動に関する規制緩和
・小中学校の公設民営方式の解禁
・大学などへの経費補助を縮小し、学生に教育バウチャー(引換券)を交付する制度の導入
・幼稚園と保育所の一元化
・医療法人への出資をつうじた株式会社の病院経営への参入
・保険診療と自由診療を組み合わせた混合診療の解禁
・病床規制の緩和など地域医療計画の見直し
・コンビニなど一般小売店での医薬品販売の拡大
・施設介護と在宅介護の一元化など介護サービス業への規制緩和
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週刊『前進』(2172号6面1)(2004/11/01)
11月労働者集会の成功へ!
アメリカ労働運動の歴史から教訓つかむ 東京・民間労働者 沢口ゆい
大学時代の友人を11・7に誘った。「日韓米の労働者の連帯」を訴えると「アメリカに、労働運動なんてあるの?」。昨年来「国際連帯」に胸躍ってきた私は不意打ちにあった感じだった。チケットを買ってもらったが、彼女は今ひとつピンとこない様子だった。
そんなとき、『国際労働運動の新時代』が出たので、時間を作って読んでみた。レーガン反革命以来のアメリカの労働者の苦闘を通しで読んで見るのは、一つひとつバラバラの論文を読んだ時とは違った感動があった。
特に印象的だったのは、アメリカ労働運動がレーガン反革命の中で「どん底」状態の時、移民労働者の運動、黒人労働者の運動を担っている労働者が運動を支え、組合を下から変える闘いの重要な位置を担ったという事実。そして、黒人解放闘争やベトナム反戦運動の経験が非常に役立ったということ。
移民労働者の闘いといえば、ケン・ローチの映画『ブレッド&ローズ』。オルグをしていた白人青年は、「援助を打ち切る」という本部に対して「民主党にはいくら献金してるんだ」と反論していた。移民労働者のオルグをしながら彼自身、その闘いに援助されていたんだ、と思った。
こういう歴史があったからこそ、9・11直後の、愛国主義と排外主義が吹き荒れる中で、「反戦・反レイシズム」の旗を掲げて闘うこともできたのだ、とわかった。
これと連帯できる闘いは、日本では、11・7集会をおいてあり得ない。「ここに来ずして、どうするの?」と、内容豊かに呼びかけていきたい、と思っている。
反動市政への危機感が生んだ教基法集会 宝塚・教育労働者 長尾三郎
10月9日、宝塚市で教育基本法集会が議員や住民、日教組組合員、百万人署名運動など多彩な陣形で企画され、11・6全国集会の呼びかけ人の小森陽一氏を迎え160人の参加で開かれた。
宝塚市は、反動市長が「日の丸・君が代」強制を強め、文部科学省から教育長を招いた町だ。一連の動きに危機感を持つ人びとが一体となり、工夫を凝らした集会を実現した。会場正面には「子どもたちの平和宣言」、左右には教職員の手作りの教育基本法改悪前と後のパネルなどが展示された。
小森さんの話は、イラク戦争から、憲法、教育基本法と多岐にわたり、今回の教育基本法改悪が「戦争をする国造り、お国のために命を投げ出す子どもづくり」にあることをわかりやすく述べた。保護者からの「卒業式で着席した子どもがその後クラスでイジメにあった」との質問に、小森さんは地域における粘り強い闘いの必要性をていねいにアドバイスし、参加者の共感を呼んだ。最新著作もすべて売れ、感動した子どものアンケートもたくさん寄せられた。
引き続きの交流会では、11・6全国集会への参加が訴えられ、バスで東京に行こうとの気運が盛り上がった。またその場で来年3月まで西宮・尼崎・川西で連続して集会を持つことも確認された。
教育基本法の改悪は、憲法改悪と一体であり、日教組解体の攻撃でもある。この1年は決戦だ。その最初の反撃の場が11・6集会−11・7労働者集会の万余の結集だ。私は東京の被処分者・不起立の仲間と連帯し、石原を見習う宝塚の反動攻撃と闘う。
座り込み185日におばあたちの思い 東北大学 渡辺加奈子
私は連日、名護市辺野古に通い、おばあたちと交流し新基地建設阻止を闘っています。座り込みは185日を超えました。辺野古のおばあたちは、これまで8年間も闘ってきている上に、これまで当番制で来ていたおばあたちもこの決戦の中で毎日の座り込み。「じっとしていられない」と、家の仕事をおいて座り込みに来ているのです。
おばあたちは、辺野古の美(ちゅ)ら海で捕れる魚介類や海草を食べて生きてきました。「自分たち、子どもたちをはぐくんでくれたこの海には恩がある」と言います。海を破壊する基地は絶対に造らせてはいけない、子や孫に基地という負の財産を残してはいけないという強い思いがあるのです。
こんな当たり前の人間としての願いが闘わなくてはかなえることができない。しかも、97年の名護市民投票で過半数の住民が基地建設反対という意思を示したにもかかわらず。こんな社会はまちがっている!
防衛施設局に雇われて基地建設に向けたボーリング調査のための海底調査に動員されている地元の漁民やダイバーは、「自分だってもちろん基地反対さー。でも、生きるためにしょうがない。あんたたち代わりに給料払ってくれるのか」と言う。金で住民が分断させられている。自分の生活の場・子どもたちの未来を自分で摘み取らなければ今日生きることができない。
これらの現実を強制しているのは、岸本市長であり、稲嶺県知事であり、小泉首相であり、戦争を必要とする帝国主義体制だ。
11月7日、日比谷に集い、新基地建設白紙撤回、小泉政権打倒!この労働者階級人民の、一歩も譲ることのできない願いを必ず実現しましょう。
身近に感じた「選手会スト支持」の記事 神奈川・民間労働者 宮前清和
半年前から友人に『前進』を勧められて読んでいましたが、毎日残業、残業でアパートに帰っても疲れ果て、読むのは見出しと少し興味を持った記事だけです。そんな中「プロ野球選手会のスト断固支持」の見出しをみて、引き込まれるように読みました。
一度リストラされ、今は電気部品工場に勤める臨時雇用社員の私は、働く者の視点に立ったこの記事に元気をもらったような気持ちです。「労働者の新聞」と言われてもどこかとっつきにくいと思っていましたが、今は身近に感じます。
でも正直言うと何か物足りません。私が選手会のやり方で一番共感したのは、古田選手会長がNPBの代表と握手を拒否した時とスト突入前夜に泣いていた時です。選手が首切りされることへの怒りと、ファンの皆さんに申しわけないと苦悩する古田さんの姿に私は感動を覚え、それに比してあのタヌキジジイたちの悪党面はなんだと思いました。私や同僚たちが日々味わってきたことと重なり合い、私も涙しました。
それで一言、『前進』をつくっている人に言いたい。もっと事態の内側に入った報道が欲しいのです。単に「ストを打つのはすばらしい」と手放しで喜んでいるような表面的な記事にはどこか距離を感じます。古田さんの苦悩に迫るような記事にしなければ、せっかく選手会のストに共感した人たちをその場だけの感動にしてしまいます。
読者あっての『前進』であり、労働者あっての革共同なのではないでしょうか。今後の奮闘を期待しています。
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週刊『前進』(2172号6面2)(2004/11/01)
共謀罪法案を阻もう 11・8国会前集会に大結集を
10月12日から始まった臨時国会で、労働運動弾圧・治安弾圧法規である共謀罪法案が審議入りしようとしている。この共謀罪法案は03年3月に国会に提出されて以来、審議に入れずに3回の国会で先送りされてきた。しかし、小泉政権は早期成立を狙っている。労働者人民の総力をあげて共謀罪の新設を阻止しよう。
会話しただけで懲役5年
共謀罪法案は、実行行為を前提とする刑法の「共犯」概念とはまったく異なり、話し合った内容だけを罪の対象とする。今日、「共犯」規定が拡大解釈されて「共謀共同正犯」が既成事実化している。その場合でも一応、実行行為があっての共謀である。
判例は、「共謀共同正犯」の成立について、「まばたき一つ」でもその要件を満たすとしている。国労5・27臨大闘争弾圧では、現場に「居た」だけで共謀したとされている。共謀罪が新設されれば、実行行為が伴わない段階での「まばたき一つ」でさえ、共謀したと権力が判断すれば逮捕できることになる。権力の恣意(しい)によって共謀罪が適用されてしまう危険性が高い。
共謀罪は、革命運動を始め労働運動・住民運動などすべての反帝国主義(資本主義)、反権力の運動を一網打尽にする桁(けた)外れの治安維持法以上の悪法だ。なにしろ「意思一致した」だけで、「シュプレヒコールを皆でやった」だけで、「政治新聞を読んでうなずいた」だけで成立するのである。そして、最高で5年の懲役刑を労働者人民に科すことができる。
今、日帝は未曽有(みぞう)の体制的危機に直面し、労働者人民に一切の犠牲を強いて延命しようとしている。そして、なによりも労働者の総反乱を恐れている。労働者の団結破壊や労働運動・組合争議などの弾圧に共謀罪が乱発されることは必至だ。
労働者の団結と連帯を破壊
共謀罪は、国際的(越境)組織犯罪条約の国内法化を名目としながら、条約の趣旨である「国際的」「組織的」犯罪という要件を取り払っている。そうして適用対象を無限に拡大し、労働者人民の国際連帯と組織的団結を解体しようとしている。日帝は条約を奇貨として労働者人民を一網打尽にするような治安法をつくろうとしている。共謀罪は、最高4年以上の懲役刑を科した罪を対象とする。刑法・特別刑法合わせて557罪種もあり、ほとんどの罪が対象となる。
歴史的には共謀罪(コンスピラシー)は、イギリスの労働者階級の台頭を抑えるために19世紀の後半に施行された労働者弾圧法である。「共謀罪」というように団結権を抑圧するために生まれてきた法である。
日本労働弁護団の共謀罪反対声明は、共謀罪の適用について、次のような具体例をあげている。@組合が会社に対し、誠実に対応するまで団体交渉を継続すると決議した場合は、逮捕監禁の共謀罪、A親会社・持ち株会社や取引先・金融機関などに要請行動を行い、面会を求める場合は、強要の共謀罪、B労働組合や争議団がビラまきや街頭宣伝を行うことを決定した場合、信用毀損(きそん)や業務妨害の共謀罪、C退職金の上積みや解決金の支払いの要求を決定すれば、恐喝の共謀罪。
現行法体系においても、労働運動に対する刑事・民事免責の原則を掘り崩すケースが後を絶たない。今国会でも労働委員会制度の解体を狙った労組法改悪が、連合の合意を得て強行されようとしている。それに輪をかけて共謀罪が新設されようとしているのだ。
日常生活を窒息させる悪法
共謀罪の新設、死刑制度と代用監獄の存続、刑法改悪などの一連の攻撃、さらにタバコのポイ捨て禁止の「生活安全条例」(ビラまき・立て看板禁止が狙い)やストーカー禁止の「つきまとい条例」(街頭カンパ禁止が狙い)の制定、いたるところでの監視カメラ・Nシステムの設置・氾濫(はんらん)……。労働者人民の日常生活を窒息させ、住民を警察に組織する超治安・監視国家が出現しようとしている。話しただけで罪に問える共謀罪はその頂点にある。
話し合い自体を立件の根拠にする共謀罪は、現行法にない「新たな捜査手法」の導入を不可避とする。すなわち、おとり捜査・潜入捜査・泳がせ捜査の全面的導入、盗聴法の改悪(対象の無制限拡大)などだ。
共謀罪には、実行着手前に警察に自首した場合は刑を減免するという、刑事免責の項目がある。話し合いの参加者が警察にたれこめば共謀罪で他の者は逮捕され、たれこんだ本人は刑を減免されるというものだ。労働者の団結や組織・集団の破壊を狙った規定だ。
共謀罪は「たれこみ社会」をもたらす。警察官がスパイとなって労働組合に潜入し、ストライキを提案して組合の闘争委員会や大会で合意を取り付けた後、スト突入以前に警察に「自首」し司法取引で罪を逃れる。そして、組合員は何も行為に着手していないのに「組織的な威力業務妨害の共謀罪」で全員検挙される――このような恐るべき事態が現実のものとなる。
有事法・警察国家化と一体
共謀罪は、強制執行妨害罪の適用拡大・重罰化やサイバー弾圧法とともに制定されようとしている。今国会では、これとともに刑法大改悪(=重罰化)、敗訴者負担法(敗訴者が相手側弁護士費用も負担する)、犯罪被害者基本法の制定がたくらまれている。前国会で成立した司法改悪関連法と合わせ、刑事被告人の人権尊重、罪刑法定主義などの現行憲法・刑事法体系の核心を根底から破壊するこれらの攻撃は、実質的な改憲攻撃にほかならない。日帝は、有事法制に対応する戦時型治安体制の確立にむけ、総攻撃にうって出てきているのである。
こうした治安新法策動と先行的・同時的に進行しているのが、底なしの警察の腐敗と有事警察化だ。スパイ育成などの非合法活動資金のための裏金づくりと事件ねつ造による表彰などが発覚したが、警察官による殺人・強姦・窃盗・収賄などの悪行は尽きることがない。そうした腐敗を居直り、警察の増強と警察国家化を強行していることを絶対に許してはならない。
元警察庁長官山田英雄は6月の警察政策学会で少年対策(少年法抜本改悪)・外国人対策(入管体制強化)とともに、「治安対策基本法制定、危険人物の一時拘束、盗聴法改悪、破防法改悪、スパイ罪制定、警察緊急権の制定、各種治安機関の警察への統合」の構想をぶちあげた。破防法の安易な発動と警察への取り込みを狙っている。それは同時に、有事法制と一体の戦時警察、特高型警察への大転換を突き出している。
さらに、警備公安畑出身の漆間(うるま)警察庁長官は、就任あいさつで「反テロ予防体制確立」を叫んだ。「極左暴力集団は、強大な非公然組織を擁した国内最大のテロ組織」とする警察庁「テロ対策推進要綱」(8月)の公表など、水面下で米・愛国者法のような本格的な結社禁止法=「対テロ包括法」が05年制定をめざし急速に進められている。労働者人民に対する権力の無際限の盗聴・盗み見。「いつの間にか逮捕され、弁護士もつけられずに拘禁される」という米・愛国者法。「9・11」を契機に諸治安機関を統合して創設した国家安全保障省。日帝は今、このような日本版治安弾圧体制を敷こうとやっきとなっているのだ。政治警察のねらいは、革命党と階級闘争の鎮圧にある。
立川自衛隊官舎では、ピザ配達のビラ入れは見逃され、反戦ビラを入れた人たちだけが逮捕・起訴された。このように、権力の攻撃は選別的であり、闘う労働者人民、革命党に向けられている。こうした治安弾圧・治安法制定・治安機関強化を粉砕し前進しよう。
国際連帯の力こそ勝利の源
いま全世界で、アフガニスタンからイラク、パレスチナ、チェチェンと帝国主義による侵略・虐殺・抑圧・差別・弾圧・人権侵害が吹き荒れている。だが同時に、国際的規模での被抑圧民族人民・労働者人民の民族解放闘争・反戦闘争などの大反撃が始まり、ますます拡大している。
治安弾圧法との闘いにおいても、アメリカでの愛国者法Tの連邦地裁違憲判決勝訴(9月)と同法U制定反対の闘い、イギリスでの反テロ法の闘い、ドイツでの室内盗聴法違憲判決をかちとった闘い、韓国での国家保安法撤廃の闘いなど、世界各地で治安弾圧立法をめぐる労働者人民の闘いが力強く展開されている。
11・7労働者集会は、日米韓の労働者人民による反治安弾圧の国際連帯集会だ。11・7への大結集を実現し、11・8共謀罪阻止の国会前集会(午前11時30分から)に立ち上がろう。なんとしても共謀罪の新設を阻止し廃案に追いこもう。
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週刊『前進』(2172号6面3)(2004/11/01)
共謀罪阻止へ 58時間ハンストに突入
10月20日午前8時、破防法・組対法に反対する共同行動は、「臨時国会で共謀罪を廃案へ」を訴え、国会前で58時間のハンガーストライキに突入した。
労働者・青年などで結成されたハンスト団は、台風直下の暴風雨をものともせず、共謀罪絶対阻止の決意をみなぎらせてハンストに突入した。 (詳報次号)
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週刊『前進』(2172号6面4)(2004/11/01)
日本経団連「社会保障改革」報告
医療、介護、生活保護を奪う 奥田ビジョンの貫徹に怒り
〈投稿〉 吉村隆生
日本経団連が「社会保障制度等の一体的改革に向けて」という文書を9月21日に出しました。これは日本経団連新ビジョン(奥田ビジョン)を貫徹するためには社会保障をどう解体するかという観点から出されたものです。結論的には、消費税の大幅アップ(18%化)と、社会保障の給付ベースで16〜17%の削減が必要だと言っています。
制度体系を根底的に破壊
年金については、「財政悪化が見通される場合には年金給付で調整を図る」と、下限もなく引き下げるというのです。
医療保険では、とくに「高齢者を対象とする独立した医療保険制度を設けるべきである」とし、「リビングウィル」=尊厳死の宣誓書を活用していくとしています。奥田ビジョンで寝たきりで生きているのは不幸せだから尊厳死を、としていたことに踏まえています。高齢者について自己負担を入院で2割、通院で3割に大幅に引き上げ、入院の食費・居住費は保険対象外とする。財源は半額を公費(消費税)、半額を高齢者自身の保険料と一定年齢以上の者が負担するとし、高齢者医療を若年者の保険から完全に切り離すと言っています。
介護保険については、「要支援・要介護者の自立を支援する」と称して、介護水準をどんどん引き下げると言っています。《入院より費用の圧倒的に少ない保険制度にするはずだったのになぜそんなに金をかけるのだ》と叱責しています。ここでも食費・居住費は保険対象外にすると言っています。
高齢者、「障害者」の多くは極端に少ない収入のために日常の食費を極限的に切り詰めています。入院・施設入りすると、それまでより相対的に高い水準の食事になり、高い食費を払えないケースが出てきます。また、入院等の場合でも、もともとの住居の家賃を払わねばならず2重払いになります。だから入院もできず、施設にも入れないというケースがどんどん出てきます。
最低限生活さえ保障しない
生活保護についても抜本的見直しを主張しています。「家族による扶養が可能であればそれを優先する」と言っています。現在は家族に扶養するかしないかの選択権があるのを廃止してしまい、無条件に家族に扶養を義務付けるという意味でしょう。「障害者」、高齢者に対する家族による支配と隷属を強め、一方で家族が扶養しないと言えば路頭に迷わせるということです。「障害者」の地域自立生活は不可能化します。
また、「単身者とくに高齢者における保護基準は引き下げるべきである」としています。所得や年金が「最低限生活」以下であることを是正するのではなく、低いほうに合わせろと言うのです。
ケースワーカーの仕事を「就労支援、社会参加支援など自立支援業務の効率化・強化を図り被保護者の自立を促すべきである」としています。政府・厚労省はこれを待っていたかのように24日(3日後)に「自立・就労プログラム」を発表しました。生活保護受給者が怠け者であり、働く意志のない人であるかのようにデッチあげるものです。実際に就労できるかどうか、すなわち働き口があるかどうかではなく、労働する能力があるかどうかを基準にして保護費の大幅カットを狙っているのです。
02年度で生活保護受給者は87万1千世帯、124万3千人です。人口の1%を占めています。そのうち高齢者は46%で、うち独居老人は88%です。いまの日本社会の矛盾をそのまま反映しているではありませんか。経団連や政府はこれらの人が飢え死んでもかまわないという政策転換をしているのです。
政府破産は資本主義の終末
いま新たなる戦争と大失業の中で、「障害者」にとっては「ガス室の時代」へと転換しようとしています。しかしそれは労働者と「障害者」、高齢者大衆が政府と大激突する時代です。11・7総結集運動から新潮流運動の奔流を作り出そう。
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