ZENSHIN 2004/10/04(No2168
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週刊『前進』(2168号1面1)(2004/10/04)
戦争と民営化に大反撃を 労働組合の国際連帯で10−11月大行動へ
自衛隊イラク派兵の延長許すな
リストラ・労組破壊を打ち破る労働者のストを復権させよう
全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3組合が呼びかけている11・7労働者集会は、帝国主義の「戦争と民営化」の大攻撃に、日比谷野音を満杯にする労働者の団結の力で真っ向から立ち向かう闘争だ。アメリカでは10・17MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)へ向け、労働者階級による米帝ブッシュ打倒の空前の闘いが、労資協調の労組幹部をも踏み越えて全米に燃え広がっている。これに続く闘いを日本の地で11月労働者大行動としてつくりだそう。沖縄闘争、10・10三里塚闘争を闘い、10―11月総決起へ猛然と進撃していこう。
第1章 資本家から労働者が権力を奪い返そう
小泉政権と日本経団連会長・奥田のもとで推し進められている「戦争と民営化」の攻撃は、ますます激しくなっている。その背景にあるのは、世界大恐慌の本格的爆発の切迫を前にした帝国主義間争闘戦の激化と、日本帝国主義の危機の果てしない深まりだ。帝国主義の基本矛盾が爆発し、今や帝国主義は労働者階級を戦争に駆り立て、かつ、労働者の職場も生活も、子育ても年金も医療も、生命すらも何ひとつ保障できず、一切の犠牲を労働者階級に押しつけて延命しようとしている。この腐りきった帝国主義を打倒する以外に、もはや労働者階級の生きる道はどこにもない。
MWMに突き進むアメリカの労働者階級は、「一握りの富者と巨大企業がわが政府を簒奪(さんだつ)している」(MWM委員会宣言)と弾劾し、彼らからアメリカという国を「奪い返す闘い」をやりぬくのだと言っている。これと同じ闘いが、まさに今の日本でも強力に求められている。動労千葉の中野前委員長が呼びかけているように、「お前ら資本家の時代は終わったんだ。おれたち労働者に権力をよこせ」という立場に立ちきって闘いぬくということだ。
この階級的労働運動の新潮流を、太く深くかつ激しい流れへと、国際的にも国内的にも、断固として押し上げていかなければならない。ここにこそ、侵略戦争を阻止し、イラク派兵を撤回させ、改憲攻撃を実際に粉砕する道がある。帝国主義の差別・抑圧や生活破壊に苦しむすべての人民の解放に直結する唯一の道があるのだ。その一大突破口こそ、闘う3労組が呼びかける11月労働者集会だ。
とりわけ重大なのは、労働者階級の団結権をめぐる攻防だ。日帝・小泉政権と奥田は今日、戦争と大資本攻勢に突き進むための最大のかぎを握る攻撃として、労働組合の解体と労働運動絶滅の攻撃に一切をかけて襲いかかっている。
労働者階級の団結の最も普遍的で基礎的な土台である労働組合を破壊し、団結権・団体交渉権・争議権という労働三権をも実質的に解体して、かつての産業報国会のように戦争協力の担い手へと丸ごと変質させることを狙っている。ここでの激突に勝ちぬくことなしに、日本労働運動と日本階級闘争の明日はない。
労働者の階級的団結を圧倒的に強化し、労働組合そのものを懸命に守りぬく闘いが必要だ。だがそれは、連合や全労連中央のような、帝国主義にあらかじめ屈服した体制内労働運動によっては絶対にできない。腐敗し労働貴族化した組合幹部に代わって、青年労働者を先頭に、現場労働者が組合の実権を握り、日本の労働運動を根本から階級的に再生する闘いに続々と立ち上がることだ。これが11月労働者集会の核心だ。
この集会に全労働者階級の未来がかかっていることを熱烈に訴え、あらゆる力をふりしぼって、闘う3労組とともにその大成功を闘いとろう。支配階級を心底から震え上がらせ、プロレタリア革命の現実性をほうふつとさせるような、労働者階級の団結の強さ、闘争力の大きさを、11月労働者集会への大結集として今こそ示そうではないか。
この間のプロ野球ストをめぐって起きている事態は、労働者が団結して闘うことがいかに大事であり、この団結を武器としたストライキが資本家階級をどれほど追いつめるかをまざまざと示している。「たかが選手」発言に代表されるオーナー連中の傲慢(ごうまん)さ、大量首切り・リストラを伴う球団の統廃合を「経営権の問題」と言って開き直り、選手会との交渉すら拒否し続けた態度は、今日の日本の資本家階級の最も典型的な姿だ。選手会の労働組合としての不抜の団結、そしてストライキ権の確立とその断固たる行使こそがついに彼らを強制して、交渉のテーブルに着かせたのである。
まさにこの団結の意義とストライキの復権を全社会的に闘いとっていく時が来ているのだ。連合指導部と全労連中央のもとで抑圧されてきたストライキの革命的な力を今こそ圧倒的によみがえらせて闘おう。
第2章 イラク戦争の継続宣言した日米帝国主義
労働者階級をとりまく情勢は、実に重大な局面を迎えている。9月21日の日米首脳会談で、ブッシュと小泉は、日米同盟を新たに全世界に対する侵略と戦争の枢軸として打ち立てていくことを宣言した。
米帝ブッシュは、イラクに戦争をしかける口実となった「大量破壊兵器の脅威」が完全なデマだったことを自認した上で、侵略戦争を公然と開き直った。米帝の利害を貫くために必要なら世界のどこにでも先制攻撃をしかけると公言している。日帝・小泉はこのブッシュを全面支持し、この12月に期限の切れる自衛隊のイラク派兵をさらに1年延長する決定を下そうとしている。そして国連安全保障理事会の常任理事国入りをめざすと宣言した。国連を支配してきた米・英・仏・ロシア・中国と並ぶ「大国」として、世界の支配権を争う帝国主義として登場しようとしているのだ。
これは、日米安保体制をも一変させる大攻撃だ。米帝は今や安保の適用範囲を中東全域や北アフリカまで拡大し、沖縄を始めとする在日米軍基地をそれら全地域への侵略戦争遂行の最大拠点、指揮中枢へと変えようとしている。日帝はこれを憲法9条破棄へ状況の強行突破を図るテコに転化し、自衛隊の海外への一層大規模な侵略派兵を強行し、独自の軍事大国化と新たな15年戦争に突き進む道を開こうとしている。そのためにも沖縄にさらなる犠牲を差別的に集中し、基地撤去の声を圧殺しようと必死になっている。
そして、この戦争への攻撃と一体の攻撃として、4大産別を中心に労働運動圧殺の攻撃をしかけている。教労・全逓・自治体・国鉄をめぐって今、激しく火を噴いている激突は、単にこの4大産別の労働者にとって死活のかかった闘いであるだけではない。日本の労働運動と労働組合すべての存亡に直結する問題だ。
第3章 労働運動解体を狙う小泉と奥田に反撃を
小泉と奥田が狙っているのは、95年に当時の日経連が打ち出した路線の全面貫徹である。終身雇用を解体して労働者の9割を不安定雇用にたたき込み、大幅賃下げを強行し、すべての労働者に恐るべき労働強化と徹底した差別・分断、無権利状態を強制しようとするものだ。そのために、かつての総評左派の主力であった旧官公労系の労働運動を、ここで最終的に壊滅に追い込むことを絶対の課題としているのだ。
この狙いを明白にしたのが「骨太方針W」と郵政民営化の攻撃だ。経済財政諮問会議では郵政民営化について、「常勤職員28万人、非常勤職員12万人、合計40万人の国家公務員でなければできないのか。民間でやれば(はるかに少ない人数で)できる」(小泉首相)とか、「私は2500人程度の組合員の解雇はやったことがあるが、28万人というのは、私の想像力を超えている」(麻生総務相)などという議論が露骨に行われている。
〈いったん全員解雇・選別再雇用〉方式を含む、国鉄分割・民営化やNTT型の大合理化を集大成した攻撃が、ここでたくらまれているのは明らかである。その最大の狙いは全逓労働運動の解体である。この攻撃を頂点に、今や公務員労働運動の全体に対して激しい民営化攻撃と、これと一体となった公務員制度改革の攻撃が吹き荒れている。さらに教育労働者への攻撃に示されるように、戦争動員への攻撃が労働運動つぶしとひとつの攻撃としてますます激化しているのだ。
第4章 4大産別決戦の爆発こそが前進切り開く
だが重要なことは、これに対して都の教育労働者にみられるような、不退転の決起が続々と始まっていることだ。それが小泉政権を確実に追いつめ、ぐらぐらに揺さぶっていることだ。郵政民営化絶対阻止を始めとする4大産別決戦の一層全面的な爆発が、小泉と奥田をより絶望的な危機にたたき込み、日本の労働運動を一層巨大な分岐・流動と再編・高揚の局面に押し上げることは間違いない。
民間ではすでに、すさまじい攻撃が先行して進行しているが、これをはね返す力をつくりだすためにも、4大産別での決戦に絶対勝利する必要がある。動労千葉労働運動を今こそ4大産別のすべてに押し広げ、それをテコに階級的力関係を大転換していくことこそが決定的だ。10〜11月をその大前進としてかちとろう。
こうした中で、国労革同と日共中央による歴史的大裏切りが発生したことを明らかにし、徹底的に弾劾しなければならない。
国労西日本エリア本部の上村委員長ら革同は、JR連合傘下のJR西労組とともに、9月13日に「イラク鉄道復興・人道支援会議」なるものを結成した。上村は記者会見で、「銃よりレールをとの思いで鉄道復興に協力、イラクの平和構築に貢献したい」と言い放った。カイライ政権の駐日イラク大使館に支援を申し出、日本の外務省にも協力を求めると公言した。
これは、現に米帝の軍事占領下にあるイラクで、その占領体制を率先して支えるお先棒をかつぐものだ。かつての日帝が「南満州鉄道」の建設をテコに中国東北部への侵略を拡大していったのと同じ歴史を繰り返すものだ。しかも許せないことは、このイラクへの人員派遣がなんと1047名問題の「解決法」として出されていることである。
革同指導部とその背後にいる日共中央はついに、JR連合と共同して、帝国主義のイラク侵略の完全な手先に転落した。自衛隊が多国籍軍に参加し、JR各社などが有事法制の「指定公共機関」に指定され、労働者の戦争動員が現実の攻撃となったその時に、戦争協力の先兵へと180度の転向を遂げたのだ。連合会長・笹森の改憲発言と並ぶ重大事態だ。この暴挙を徹底的に弾劾し、粉砕して決起しよう。酒田・革同体制を打倒し、11月労働者集会に闘う国鉄労働者の大結集をかちとろう。
10・17MWM連帯闘争から11月へ進撃しよう。11・6教育基本法改悪阻止の集会と11・7労働者集会を連続闘争として闘おう。沖縄闘争の大爆発を本土と沖縄を貫く闘いとしてつくりだそう。10・10軍事空港粉砕の三里塚現地闘争に総決起しよう。
マル青労同1000人建設をやりぬき、これらすべての闘いの先頭に、闘う労組青年部の旗を押し立てよう。
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週刊『前進』(2168号1面2)(2004/10/04)
日米首脳会談 安保の大改定を宣言
武力行使と改憲狙う小泉
日帝・小泉は9月21日、ニューヨークで米帝ブッシュと首脳会談を行い、イラク、アフガニスタン侵略戦争で戦争加担を続けることを表明した。また、国連総会演説で日帝の安保理常任理事国入りを要求したのに続き、ブッシュに協力を要請した。これは日帝の侵略戦争および改憲への歴史的な攻撃であり、日帝がイラク侵略戦争にさらに深々と踏み込み、戦争のできる帝国主義へ飛躍しようとする攻撃である。労働者階級の未来をかけてこの攻撃を粉砕しよう。今こそ日帝・小泉を打倒しよう。
日帝は、日米首脳会談を前にしてイラクに派兵した自衛隊を期間を延長して派兵し続けることを表明した。泥沼化するイラク侵略戦争の中で自衛隊を決定的な戦争に突入させる決断を行って、それを背景に安保理改革を要求し、改憲を強行することを全世界に宣言し、米軍のトランスフォーメーション(大再編)に対しても自衛隊の侵略軍隊化への決定的な転換を行うことを宣言したのである。
米帝ブッシュが強行しているイラク侵略戦争とはいったい何なのか。イラク石油強奪と中東支配のための侵略戦争にほかならない。米帝はイラクの「大量破壊兵器」をデッチあげて侵略戦争に突入したが、そのウソは完全に暴き出されている。9月13日にパウエル国務長官自身がイラクに大量破壊兵器がなかったことを認めたのだ。米帝のイラク戦争の開戦理由はまったくウソだったのだ。
この米帝ブッシュに対して全世界で怒りの声がまき起こっている。この時、小泉は、大統領選を控えたこのブッシュを全面的に支持することで米帝の協力を取り付けようとしたのだ。
小泉は日帝の「イラク、アフガニスタンでの活動」を強調して、自衛隊を決定的な戦闘行動にたたき込む決意を持って安保理常任理事国入りを要求したのである。“国際の平和と安全に主要な役割を果たす国々は安保理の意志決定過程に参加しなければならない”と主張し、帝国主義世界支配の一角として軍事力を行使することを宣言した。これをテコに改憲、日米安保大改定を強行し、日帝の戦後史を画する大攻撃に打って出る宣言にほかならない。これを許すのかどうか、日本人民の未来がかかった決戦が訪れているのである。
日米首脳会談では、ブッシュが米軍大再編への協力を要求し、小泉が「協力していきたい」と表明した。米軍大再編とは、米軍の機動力を高め、効率化して大戦力を一挙に戦場に送り込むというものである。日本を戦力展開拠点として、中東、北アフリカ、バルカン、中央アジア、南アジアなどに米軍を出撃させようというのだ。北朝鮮(中国)侵略戦争を始め全世界で侵略戦争を拡大していくための体制構築なのだ。
これは、日帝に対して米帝戦略のもとに全面協力せよという要求を突きつけている。これに対し日帝・小泉政権は、自衛隊のイラク派兵延長や防衛計画の大綱見直しに示される自衛隊の侵略軍隊としての決定的飛躍、軍事力の大増強をもって真正面から対応することを決断したのである。
小泉は米軍大再編による基地強化について「地元の負担軽減を考慮すべきだ」と発言したが、これは完全なペテンだ。在日米軍基地をさらに全面的に強化し、米軍の出撃拠点としたのでは「地元の負担」が軽減されるはずなどあり得ない。沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落のような事件、事故は激増することになるのだ。
日米首脳会談は、米日帝の侵略と戦争のエスカレーションの重大な転回点である。どんなに危機に陥っていようが、さらに戦争を拡大させることを鮮明に突き出したのだ。これを許しておいて労働者階級人民が生きる道はない。10・17百万人労働者大行進、11・7労働者集会の大爆発で巨大な反撃をたたきつけよう。日帝打倒へ、労働者階級の大決起を実現しよう。
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週刊『前進』(2168号1面3)(2004/10/04)
命がけの海上攻防 名護新基地建設に反対しボーリング調査実力阻止
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抗議船・カヌー隊は8時間の海上攻防で防衛施設局のリーフ内での作業を完全阻止。手前は「警戒船」に迫る抗議船(9月21日 辺野古沖) |
辺野古漁港から出港する抗議船(9月14日)
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9月9日以来、名護市辺野古では那覇防衛施設局による海上基地建設のための「ボーリング調査」との激しい攻防が続いている。
21日も辺野古沖には調査船4隻、「警戒船」9隻が出没した。実は「警戒船」とは名ばかりで地元漁民(ウミンチュ)の船を権力や金にものを言わせて防衛施設局がチャーターした船。まさに辺野古住民同士を敵対させ、分断を狙う卑劣な攻撃だ。闘争心を沸き立たせたヘリ基地反対協の海上抗議隊、カヌー8艇と抗議船6隻が迎え撃つ。
カヌー隊は先週、辺野古沖のリーフ内のボーリング予定地に敷設された標識ブイに1艇ずつが待機した。ブイ目当てに作業をしようとする調査船の接近を実力で阻む闘いだ。炎天下、朝から夕方まで昼食時の20分間を除いてずっと海上のカヌーで待機し続けるという体力的にも精神的にも厳しい闘いだ。しかし、カヌー隊の存在は決定的だ。反対協の「カヌーのこぎ手が足りない」という要請に、続々とカヌー隊志願者が現れる。この日も調査船がブイ周辺を何度となく航行し、ブイを回収して検査を行おうと躍起になるが、カヌー隊の体を張った闘いに何もできなかった。
一方抗議船は1隻に3〜5人が乗り込み、調査船に肉薄して拡声器で不当な調査の即時中止と、地元漁民に漁船を「警戒船」に貸さないように呼びかける。この日、隣の宜野座村からも「辺野古が埋め立てられれば沖縄の海全体が死んでしまう」とウミンチュの若者2人が漁船で駆けつけ、抗議船を提供した。自ら船を操縦して抗議する感動的な決起が始まったのだ。
「防衛施設局は違法な調査をやめなさい! ウミンチュの皆さん、人殺しのための基地建設に手を貸すのをやめてください!」
防衛施設局員は機械のように「進路妨害をしないで下さい」と繰り返すのみ。作業が遅々として進まない事態にいらだち、抗議船に対して無理やり「警戒船」を体当たりすれすれまで突っ込ませる命令を下す悪あがきをしたものの、午後にはなすすべなく船上に座り込んでしまった。
「警戒」に駆り出された漁民たちも最初はそっぽを向いていたものの、抗議船の訴えを聞くうちに次第にうなだれてしまい、抗議船に手を振る漁民も現れた。
結局8時間近くに及ぶ海上攻防によって、「ブイの回収・検査」は、リーフ外で何個かできただけで、肝心のリーフ内では1個のブイに触ることもできなかった。すごい勝利だ。
連日、命がけで辺野古の海をかけめぐる海上攻防が闘われている。辺野古に駆けつけよう! まだ船もカヌーも足りない。圧倒的なカンパを「命を守る会」に集中しよう。
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週刊『前進』(2168号2面1)(2004/10/04)
教育労働者は11月集会に大結集しよう
戦争協力拒否と国際連帯で教基法改悪・改憲を阻もう
日教組再生の1年間決戦へ
革共同教育労働者委員会
革共同教育労働者委員会は、戦時下の「日の丸・君が代」闘争の新たな発展をかちとり、教育基本法改悪を阻止し、日教組運動の階級的再生をかちとる《1年間決戦》を宣言した。動労千葉など闘う3労組が呼びかける11・7全国労働者総決起集会に教育労働者1千人の隊列を登場させることは、そのための絶対的・死活的課題である。「日の丸・君が代」被処分者を先頭に、戦争協力拒否の団結と国際連帯で教基法改悪・改憲攻撃をうち砕く闘いに突入しよう。11・6教基法改悪反対集会―11・7集会の先頭に立とう。
「君が代」不起立闘争を全国に拡大しよう
今春の東京の「君が代」不起立闘争は、戦争協力拒否闘争の先駆であり、職場・生産点から連合支配をうち破り、日教組運動の戦闘的再生の展望を開示した闘いであった。この闘いは、7〜8月過程をとおして、ますます力強く発展している。
7月の都高教大会では、不当処分撤回闘争や予防訴訟を組合として取り組むなど、闘う方針を求める40本の修正案が可決された。執行部に事実上の不信任を宣告する歴史的大会がかちとられたのである。そして8月、被処分者の転向と思想改造を迫る都教委の「再発防止研修」の強行に対して会場内外を貫く一大抗議闘争がたたきつけられた。被処分者たちは堂々と胸を張って入場し、会場内では都教委を追及し、全員が「反省」拒否を貫いた。
8・6ヒロシマ大行動の高揚と教育労働者団結交流会の成功は、東京の闘いを全国に広げる出発点を築いた。さらに8・30都教委包囲行動の高揚は、「日の丸・君が代」闘争が教基法改悪阻止の一大焦点に押し上げられたことを示した。
当初は、教員の良心に基づく抵抗として自己の闘いを表現していた被処分者たちは、今や教育労働運動の新潮流としての意義と使命を自覚し、全国の仲間に決起を訴えるまでに、たくましく前進しつつある。
石原・都教委との全面対決
一方、都教委はまったく許すことのできない暴挙を重ねている。8月26日、来年開設する台東地区中高一貫校で使用する中学社会科(歴史)の教科書として、右翼ファシスト団体=「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書(扶桑社版)を採択した。また、「ジェンダーフリー」の用語禁止とこれに基づく男女混合名簿の作成禁止を通知した。
採択後に公表された教科書調査研究資料は、扶桑社版の「つくる会」教科書採択というあらかじめの結論を導き出すための政治的作為を示している。この中高一貫校が「日本の伝統文化教育」を特色としていることを理由に、「日本の文化・伝統を扱った個所数」「神話・伝承を知り、日本の文化や伝統に関心を持たせる個所数」を調査事項に設定し、総合評価では低い「つくる会」教科書の点数を上げるという手口である。「石原知事の東京の中高一貫校での採択を、05年公立中学校での10%採択の突破口とする」と「つくる会」が言うとおり、この学校は「つくる会」教科書を採択するためにつくられた学校なのだ。
驚くべきことに、都教委の採択資料は、社会科だけでなくすべての教科を「日本の伝統・文化を扱った個所」の多さで評価し、大半の教科でその項目の評価が高い教科書を採択している。この学校では、すべての教科の目標が「伝統文化を尊重する日本人の育成」に置かれているのだ。
横山教育長は、6月14日に行われた自民党の国会議員がつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」にパネリストとして出席し、「01年の採択時に都教委に対する妨害行動があった」などと発言している。「つくる会」勢力と公然と結託して教育行政を私物化し、侵略教育に塗り替えようとする都教委の野望がむきだしになっている。
すでに都教委は、生徒の不起立の「結果責任」をとらせるとして、67人の教員を「指導」「注意」「厳重注意」処分とし、生徒に「内心の自由」を説明した教員を「厳重注意」としている。来年の卒業式では、生徒への起立・斉唱指導を職務命令に盛り込む方針を表明しており、10月から始まる周年行事の該当校の校長に対して、生徒に対する事前指導を行うよう圧力を加えている。
さらに、七生(ななお)養護学校の性教育への攻撃をきっかけに、「教育課程の適正管理」の名のもとに、週案や使用するプリント・ビデオの事前検閲制が敷かれている。
教育労働者が直面しているのは、侵略戦争賛美の教育、国家忠誠教育にがんじがらめにされようとする攻撃だ。個人の思想・信条の問題ではない。戦争協力を拒否する教育労働者の総団結・総抵抗こそ問われている。
05〜07年は労働運動の存亡かけた決戦期
05年〜07年過程の歴史的決戦性をあらためて確認しよう。
教基法改悪と改憲が切迫
第一に、教育基本法改悪・改憲攻撃の切迫であり、有事体制−戦争動員の具体化である。
与党は、6月にまとめられた与党協議会の中間報告に基づく法案化作業に着手することを決定し、改悪教基法案を05年通常国会に提出することは確実となった。中間報告は、教基法を《愛国心強制と日教組弾圧のための凶器》へと完全に転換する内容である。改悪教基法が成立すれば、これを後ろ盾として、東京で先取り的に進めている攻撃が一挙に全国化することは火を見るより明らかである。
教基法改悪を政治的な突破口として、改憲攻撃は07年発議に向けて、05年通常国会での国民投票法制定、5月衆参両院憲法調査会報告、11月自民党改憲草案公表というレールが敷かれている。
9月17日、国民保護法が施行され、有事体制が動きだした。「指定公共機関」160法人が指定されるとともに、政府の基本方針に沿って都道府県が「国民保護計画」すなわち戦時における人民の動員と統制の計画を05年中に作成することが義務づけられている。ここに学校が組み込まれ、戦災訓練と国防意識啓発の拠点とされていく。
米軍再編(トランスフォーメーション)によって在日米軍基地を対テロ戦争の指令塔、前線基地とする日米安保の大エスカレーションが進められようとしている。小泉政権は、新たに策定する「防衛計画大綱」で海外派兵を自衛隊の本来任務とし、日米同盟を基軸とすることを明確にしようとしている。
イラク侵略戦争の泥沼化の中で、「集団的自衛権」解禁は、自衛隊の多国籍軍参加をテコに、改憲を待たずになし崩しに強行されようとしている。明文改憲は、9条をよりどころとしてきた戦後的平和意識の解体の総仕上げであり、「国体」論の復活とあいまって戦争を肯定する国民意識をつくりだすことが狙いである。だからこそ、通常国会での教基法改悪攻撃との闘いが、改憲攻撃との闘いにとっても決定的に重要な正念場なのである。
公務員労組の解体狙う日帝
第二に、民営化による公務員労働運動の解体攻撃である。
▽「4分割、非公務員化」の基本方針が決定された07年郵政民営化、▽地域別賃金、査定昇給と能力等級制を導入する公務員制度改革、▽指定管理者制度や官民競争入札を駆使した自治体業務のアウトソーシング、▽直営・公営企業の独立法人化など、小泉・奥田の構造改革=「骨太方針」の照準は、公務員労働運動の解体に定められている。
民営化は、賃金水準の引き下げ、不安定雇用化を全社会的に貫徹する攻撃であり、戦後の護憲平和運動の中心部隊であった公務員労働運動を解体し、有事体制に組み敷いていく攻撃である。教労、全逓、自治体、国鉄の4大産別決戦が、改憲阻止決戦の階級的内実をなすといってよい。
教基法改悪と義務教育費国庫負担廃止が、教育にかけられた《戦争と民営化》攻撃である。国準拠規定の廃止のもとで各県の人事委員会勧告で教員賃金水準・体系の改悪が狙われている。国庫負担維持の思惑から文科省がうちだした6−3制弾力化と教員免許の更新制は、経団連の教育改革提言を丸飲みしたものである。「予算減少・定数改廃」による分限免職か、それとも教員免許更新制による首切りか。国庫負担制度の帰すうがどうなろうが、教育労働者に首切り攻撃が襲いかかることがはっきりした。
「日の丸・君が代」攻撃は、教員レッドパージの踏み絵でもある。日教組解体攻撃であると同時に、教労戦線における党の存亡が問われているのである。
屈服を深める連合中央、日共
第三に、労働運動の産業報国会化と全政党の戦争翼賛勢力化である。
8月の自治労大会に乗り込んだ連合会長・笹森は、「護憲・平和とほえていて本当に平和が守れるのか」という挑発的な言辞で、憲法9条2項の改悪という改憲の具体論を公然と提唱した。そして、自治労本部は、民営化を推進する組織統合と「自治労」の名称変更、「論憲」=改憲路線の推進と有事体制づくりへの参画をうちだした。
全逓本部は「民営化対応」と称して人員削減・労働強化を率先推進してきたが、それでも民営化を回避できず、全員解雇・選別再雇用の攻撃を引き寄せてしまっている。
日教組への攻撃は、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンと闘いを引き下ろすまでやまない質の攻撃である。日本帝国主義支配階級にとっては、戦時下にあって公教育体制の内部に教育労働者の団結体が存在していること自体が許容できないのである。
9月6日に神奈川県教組委員長、川崎市教組委員長が参院選にからんだ「買収」容疑で逮捕されるという事態が起きた。これは日教組指導部になお一層の転向を迫る国家権力の恫喝でもある。日教組運動の最後的変質か、それとも階級的再生をかちとるかが問われる時が到来している。
7月参院選で議席を増やした岡田民主党は、9条改憲、集団的自衛権解禁をうちだし、財界に献金を要請するなど、第2保守党としての姿を明確にした。この民主党への投票に組合員を駆り出す連合の犯罪性は明らかであり、組織内候補の低得票に示されるように、組合員から拒否されたのはあまりに当然である。
日本共産党の大敗も、3・20分裂集会、5・21有事法制反対大集会の動員ボイコットと、統一戦線に背を向け大衆運動に敵対してきたことへの労働者人民の怒りと批判の集中というべきである。国労西日本本部が、「イラク鉄道復興支援」に国労闘争団の追放を策すまでに、日本共産党の転向は深まっている。
日本経団連は「政治的にも安定したこの時期が、国の基本問題を検討する好機」(奥田会長)として、国政選挙がない「黄金の3年間」に改憲、消費税増税などの階級決戦課題を一挙に強行しようとしている。
このような政労資一体の翼賛体制を打ち破るのは、労働者階級の巨万の大衆行動であり、職場・生産点からの闘いの爆発である。
闘う団結の力示そう11・6-7連続闘争へ
米労働運動の新潮流に学ぶ
教育基本法改悪・改憲攻撃は、アメリカ帝国主義の世界戦争戦略に規定されている。米大統領選でブッシュが再選されるならば、「悪の枢軸」論と先制攻撃戦略が信認されたとして米帝の世界戦争政策のより凶暴な展開をもたらすことは不可避である。他方、民主党ケリーも、「ベトナムの英雄」として自己を押し出し、徴兵制復活を唱え、先制攻撃を容認する独占資本の代理人でしかない。大統領選の結果にかかわりなく米帝のイラク侵略戦争・軍事占領の泥沼化と米帝の危機―凶暴化は不可避だ。
だが、《戦争なしに生き延びられない帝国主義》を根底から揺るがし、うち倒す力が米帝の足元で台頭している。ILWUローカル10が《民主、共和両党から独立した労働者独自の力を示そう》と呼びかけた百万人労働者大行進(ミリオン・ワーカー・マーチ)が、AFL―CIOの制動を打ち破ってNEA(全米教育協会)、APWU(郵便労組)を始めとする大単産、地区労の賛同を獲得している。6月には、日本の自治労にあたるAFSCME、SEIU(サービス従業員組合)という全米最大労組の大会で、イラクからの米軍即時撤退決議が上がり、USLAW(全米反戦労組連合)に合流を決定するという地殻変動的情勢が生み出されている。
支配階級に取り込まれた労組官僚を激しく弾劾し、「自分自身でやってやろう」という根底的な社会変革の呼びかけが、労働者大衆をとらえつつあるのだ。
戦時下の労働運動は、体制内労働運動では闘えない。「おれたちがやってやる」という立場に立った帝国主義への根底的批判と闘いが求められている。アメリカの新潮流から学ぶべきは、自らの存亡をかけてランク・アンド・ファイル運動の全国潮流をつくりだす死活的勝負にうって出た、その戦闘精神である。
組合権力獲得めざし闘おう
《1年間決戦》の核心は、組合権力をめぐる攻防であり、組織建設決戦である。われわれが「闘う団結」を掲げて組合権力をとることに勝負をかけよう。最大の課題は、東京の闘いを防衛し全国運動へと発展させ、階級的労働運動の潮流として形成していくことである。
教労戦線にも《国鉄分割・民営化》の試練が、組合員全員がクビを覚悟で闘った動労千葉の決断が問われる情勢が来た。9人解雇、3人減給、245人戒告の大量処分をのりこえてうちぬかれた東京の不起立闘争には、動労千葉の分割・民営化反対ストライキにも相通じる質がはらまれている。石原・都教委との倒すか倒されるかの闘いは、新潮流運動と合流する必然性を持っている。不屈に闘う被処分者たちを防衛し、その勝利に向けた試練と苦闘を共有する中から、教労における「動労千葉の労働運動」をつくりだしていかなければならない。
11・7労働者集会を跳躍台に
本年の11月労働者集会は11・6教基法改悪反対集会との連続闘争となった。
昨年の12・23集会は、教基法改悪攻撃との闘いを戦争国家化との闘い、歴史選択をかけた闘いとして位置づけ、改悪阻止を鮮明に掲げることで、日教組・全教の「学び、生かす」運動によっては引き出しえなかった教育労働者の怒りと危機感を結集し、大高揚した。日教組・全教傘下の闘う教組が一堂に会したことも画期的なことであった。
以降、闘う教育労働者と市民・保護者との自主的な共闘が全国に広がり、それが教組をも突き動かす形で運動が前進している。この力を11・6―7に総結集し万余の大結集を実現する闘いの先頭にわれわれが立たなければならない。教組の賛同、動員指示をもぎりとる闘いに全力を挙げよう。
同時に、市民・保護者との共闘による教育運動の延長線上には、教基法改悪・改憲阻止闘争の巨万の爆発がないこともはっきりさせなければならない。教基法改悪・改憲阻止闘争の全人民的政治闘争としての発展を切り開くためには、労働組合を主体にすえ、戦争と大失業・民営化攻撃を一体の攻撃としてとらえて闘うことが決定的である。さらに、職場・生産点の戦争協力拒否闘争をつくりだし、政治闘争への決起を相互発展的につくりだすことが求められている。
勤評闘争が全人民的政治闘争として発展し、60年安保闘争を切り開く闘いとなった原動力は、「勤評は戦争への一里塚」のスローガンのもとで、この闘いがストライキ闘争として闘われたことにあった。当時は「一斉休暇闘争」と称したこの闘いは、60年安保闘争における6・4政治ストを切り開き、公務員の労働基本権奪還闘争の先駆をなしたのである。
東京の不起立闘争は、教育闘争を労働運動の階級的再生の闘いとして発展させる巨大な意義を有している。「日の丸・君が代」闘争を産別統一闘争として再構築し、不起立・不服従闘争を全国に拡大し、全産別の戦争協力拒否闘争を牽引(けんいん)する中から、改憲阻止闘争への労働者階級の巨万の決起が切り開かれていく。
12・23集会の高揚に突き動かされ、日教組本部は、実行委形式による「教基法改悪ストップ!運動」を開始した。9・18日比谷公会堂集会は、動員指示を超える2500人の結集を実現し、現場組合員の怒りと危機感の高まりを示した。しかし、学者の中間報告批判や文化人の「伝統文化・愛国心」をめぐる討論はあっても日教組の発言がただのひとつもないという集会プログラムは何を意味するのか? いったい、教基法闘争の主体は誰なのか! 文科省に言い訳を立てることにのみ腐心する日教組本部をのりこえ、「日の丸・君が代」被処分者こそが、教基法改悪阻止闘争の主役に躍り出なければならない。
教基法を生きた闘いの武器としてよみがえらせたのが、東京の大量不起立闘争だった。05年卒業式闘争における東京と全国での不起立・不服従闘争の爆発こそが、改悪教基法の国会提出をうち砕く。
昨年の11・9〜12・23〜3・20の高揚のただ中から生み出された東京の不起立闘争は、日教組運動の階級的再生の現実的展望を切り開いた。新たな段階に入った教基法改悪阻止闘争の核心的課題は、この闘いの持つ新潮流運動としての意義を全面的に開花させ、全国・全産別に拡大することである。11・7労働者集会こそ、その跳躍台である。
すべての闘う教育労働者は、11・6―7日比谷野音に総結集しよう!
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週刊『前進』(2168号2面2)(2004/10/04)
『教育労働者の戦争協力拒否宣言』を読もう(上)
今春の決起に熱烈なエール 教育労働者の解放の道示す
元教育労働者 石崎 彰彦
『教育労働者の戦争協力拒否宣言―闘う日教組の再生のために』が、3人の現場の教育労働者によって書かれました。教育労働者を始め多くの労働者が読まれることを強く薦めます。
自己解放性があふれた闘い
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◆著者/鈴木一久・二本柳実・松田勲
◆発行/労働者学習センター(1500円) |
何よりもこの本は、今春「日の丸・君が代」闘争に立ち上がった東京の数百人の教育労働者に限りないエールを送ったものです。この闘いの持っている巨大な意義をとらえることが、この本から読みとる最大のテーマだと思います。
今春「日の丸・君が代」闘争は、直接には10・23都教委通達に対する闘いですが、同時に石原「教育改革」による極限的な多忙化と抑圧の中で「もうこれ以上黙っていられない」というやむにやまれぬ決起でした。しかも都高教本部の「職務命令が出たら従え」という方針を打ち破って数百人が決起したのです。
被処分者は、8月の「再発防止研修」に対しても果敢に闘いぬき、都教委のもくろみを完全に破産させました。さらに8・6ヒロシマ闘争をとおして東京と広島、全国の被処分者がつながり、来春は全国でもっと闘いを広げようという機運が盛り上がっています。
闘いは、闘う日教組の再生へ向けて大きな力を持ち始めています。7月の都高教大会では40本の修正案が賛成多数で可決され、執行部に事実上の不信任を突きつけました。6月の都労連大会でも取り組みが決定され、労働運動の再生へ向かう闘いに発展しています。
この闘いは、「日の丸・君が代」闘争を発展させて教基法改悪を阻止する大きな展望を示しました。「日の丸・君が代」闘争を軸に職場・生産点から立ち上がり、日教組の再生・労働運動の再生の闘いと一体のものとして対決していこうということです。
この本では、「来春、全国の教育労働者が東京に続いて闘おう」「1年間決戦に立とう」と呼びかけています。この1年間決戦を闘いぬくことこそ、日教組運動の再生の道です。
不起立闘争を闘いぬいた教育労働者は、突き抜けた明るさを持っています。自らの闘いに自信と確信を持って闘いぬいている姿、その明るい笑顔に、この闘いのすばらしさが示されています。この明るく自信に満ちて闘う姿は、動労千葉の労働者とまったく同じものです。動労千葉や「日の丸・君が代」被処分者の闘いに学び、ともに闘うことが、全国の労働者の闘いにとって非常に重要です。
この本を学習し、教育労働者の闘いを、一点の火柱が日本の労働運動を突き動かす闘いに発展させよう。
教育実践主義をのりこえて
戦争に協力するのか、拒否するのかということがすべての労働者に突きつけられています。その中で教育労働者は「日の丸・君が代」強制を拒否して、戦争協力拒否闘争に立ち上がりました。この本は、教育労働者とすべての労働者に、戦争協力拒否に立ち上がろうと呼びかけています。
この点で、題名が「教育の戦争協力拒否」ではなく『教育労働者の戦争協力拒否宣言』であることが重要な意味を持っています。教育労働者が自らの生きざまをかけて「戦争協力拒否」に立ち上がることが今求められているからです。
教育労働運動においては、教育労働者の自己解放闘争なのか、教育実践によって世の中を変えていく教育実践主義か、ということが常に路線問題となってきました。これは今もまったく変わりません。
勤評闘争の後、日教組は勤評闘争を敗北主義的に総括し、「これからは子どもに教える教育内容をめぐる対決が焦点」としました。当時、「内容対決論」と呼ばれました。そこから“教育によって世の中を変える”という「教育実践主義」や、“教師はよい教育をして国民に支持されなければならない”とする「国民教育論」が大きく広がり、各地でカリキュラムをつくり教える自主編成運動が展開されました。
また日本共産党は1974年に「教師=聖職」論を打ち出しました。「教師=聖職」論の実践的な結論は「子どもを犠牲にするストライキに反対」でした。
国民教育論・教育実践主義も、教師=聖職論も、その核心は教育労働者自身の自己解放闘争を否定することにあります。その点では、根っこは同じです。
これをのりこえて、「教育労働者は賃金労働者である」というマルクス主義の根本を貫くことが必要です。労働者階級の一員として労働者階級の解放のために闘うことなくして、教育労働者の解放はありません。教師が聖職論のもとで「子どものため」に長時間労働や労働強化にしばられていることが、自己解放闘争の対極にあることは言うまでもありません。
また教育そのものについて考えても、帝国主義を打ち倒さない限り、労働者が求める教育はできません。教育労働者は常に、子どもの前に支配者として登場して、ブルジョア国家の教育を担わされています。この現実の変革のために闘うことを放棄したところで「よい教育」など成り立ちません。「社会を変革しない限り、よい教育などない」「帝国主義を打ち倒そう」という立場を貫いた教育労働運動でないかぎり、教育労働者の未来も切り開けないし、「子どものための教育」も成り立ちません。
しかし民同や日共は、教育労働者の自己解放闘争を否定した教育実践主義への流れこみを常としてきました。なぜか。帝国主義打倒を目指さない体制内労働運動だからです。
教育労働者は、子どもの前では支配者であるという現実に規定されて、階級性に目覚めることが困難な職種であるとも言えます。教基法改悪阻止闘争や改憲阻止闘争、国鉄1047名闘争などの階級闘争の正面テーマを闘う中で、労働者階級の一員であるという自覚を持つことが非常に重要です。学校の外に出てすべての労働者とともに闘うことが必要なのです。
「日の丸・君が代」闘争も同じです。被処分者は自らの解放をかけて立ち上がったがゆえに、底抜けに明るい。「子どもに『日の丸・君が代』の歴史を教える」という教育実践だけに逃げ込んで、自らが闘うことを放棄したのでは、教育労働者の主体的な闘いとはなりえません。
この本は教育労働者の自己解放闘争としての教育労働運動論を貫いた本です。だから『教育労働者の戦争協力拒否宣言』なわけです。この題名に核心問題があると思います。
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週刊『前進』(2168号3面1)(2004/10/04)
「1047名は国内では出番ないからイラクへ行け」
国労革同がJR連合と共同 「イラク復興」掲げ侵略翼賛
日共中央方針で歴史的暴挙
国鉄闘争は勝利への前進か、国労本部=酒田・革同執行部による闘争圧殺かをめぐる重大な決戦のただ中にある。その中で、革同指導部と日本共産党中央のすさまじい暴挙が暴かれた。国労西日本エリア本部の上村隆志委員長(前本部副委員長)ら革同は、9月13日、JR連合傘下のJR西労組とともに「イラク鉄道復興・人道支援会議」なるものを結成し、アメリカ帝国主義の軍事占領下にあるイラクに「鉄道技術者を派遣し、鉄道復旧工事や資材調達を支援する」と叫び始めた。しかも、そこに1047名を追放するというのである。ついに革同は、米英日の帝国主義と一体化し、帝国主義のイラク侵略の手先となることを公然と唱え出したのだ。
カイライ政権の大使館にも支援の申し出
9月4〜5日の国労西日本エリア大会で、革同は「JR西労組との間で『イラク鉄道復興・人道支援会議(仮称)』準備会を設置し、今後の取り組みを図ることとする」という運動方針を強行決定した。これへの国労組合員の怒りが本格的に噴出することにおびえながら、13日、彼らはJR西労組とともにそそくさと「イラク鉄道復興・人道支援会議」を立ち上げたのだ。上村は、同日の記者会見で「銃よりレールをとの思いで鉄道復興に協力、イラクの平和構築に貢献したい」と言い放った。彼らは今後、外務省にも協力を求め、10月18日にはカイライ政権の駐日イラク大使館を訪問して「支援活動」について報告するという。
「銃よりレールを」「平和構築」とは何という言いぐさか! イラクに自衛隊を派兵している日本政府の協力を得て、米帝のカイライ・イラク政権のもとで進められる「平和構築」とは、イラク人民の民族解放闘争を圧殺し、植民地支配の確立を図るということではないか。帝国主義の植民地支配にとって鉄道建設はかなめをなしている。かつて日本帝国主義は、「南満州鉄道」を軸に中国東北部を侵略した。植民地鉄道は常に軍事と一体だった。
「イラク鉄道復興支援」を持ちかけたJR西労組の背後には明らかにJR資本が控えている。中国本土や台湾、韓国の新幹線建設をめぐり、JRや三菱ら日帝資本と独仏資本の激しい争闘戦が展開された。イラクもまた、資本の利権争奪の対象だ。日帝は、米軍支配下のイラク利権に介入し、独仏を排除して米帝とともに石油資源の独占的確保を狙っている。そこには帝国主義としての死活的利害がかかっている。革同は、そんなことに国労組合員を動員しようとしているのだ。
小泉政権は自衛隊イラク派兵の延長を唱える一方、有事法制に基づきJR各社などを「指定公共機関」に指定した。労働者を侵略戦争に動員する攻撃がいよいよ現実のものとなり、それとの対決が鋭く問われているその時に、革同はイラク侵略の手先となることを公式に表明したのである。
「共産党排除」を掲げる連合に全面屈服
この事態の発端は、上村ら革同がJR西労組に「1047名問題解決」への「協力」を要請したことにある。これに対してJR西労組の森正暁委員長は、尊大きわまる態度で「冷静に国内情勢をみれば国労組合員を必要としているところはどこにもありません」「国労の一〇四七名の人達が、日本の国内では全く出番がないけれども、イラクにおいては出番があるのではないか、イラクで活躍の可能性を探してみてはどうか」(『労働レーダー』)と返答した。
これ自体、断じて我慢のならないことである。ところが革同は、森に反論するどころか直ちに「イラク鉄道復興支援」に飛びついたのだ。こうして革同は、「1047名は国内に出番がない」というJR連合の言い分を丸ごと認め、解雇撤回闘争の完全放棄を誓ったのである。
今や革同は、1047名の「イラク追放」でJR連合と意気投合する最悪の裏切り者に転落した。酒田が連合合流路線に突き進む中で、その先兵となることを決断した革同は、どこまでもアクロバットを演じるほかにない。そもそもJR連合は、「非カク3原則」と称して革同(=共産党)・中核派・カクマルを同列に並べ、その排除を叫び続けてきた帝国主義的労働運動の権化のような存在だ。そのJR連合におもねるために、革同は誰よりも露骨な裏切りを演じてみせることで、屈服のあかしを立てるほかにないのである。
国鉄闘争解体狙い「動労千葉排除」を方針に
革同のこうした踏み込みの裏に日共中央の指示があることは間違いない。日共中央は、国労組合員に侵略の先兵となることを強い、イラク人民に敵対させ、イラク戦争に反対する全世界の労働者の国際連帯を分断しようと全力を挙げ始めた。これほどまでの国鉄闘争解体―労働運動破壊の攻撃はかつてない。
日共は、今年1月の党大会で綱領を改定し、労働者階級自己解放の闘いを最後的に否定し去った。それは、米帝のイラク侵略戦争によって世界が戦争の時代に投げ込まれる中で、帝国主義の最後の番兵となって延命するという日共中央の反革命的決断に発している。国鉄闘争破壊のためにこれまで革同に幾度もの裏切りを演じさせてきた日共中央は、今回ついに公然たる戦争翼賛に革同を踏み切らせたのである。
日共=革同は口先では今も「改憲攻撃との対決を」とか「陸・海・空・港湾労組20団体との共闘を」などと唱えている。だが、日本政府に戦争協力を申し出た日共=革同こそ、統一戦線の最も凶悪な破壊者だ。
国労西日本エリア大会で上村らが決定した運動方針には、次のような一節がある。「(1047名問題の)解決の主体は国労・全動労・国労闘争団・全動労争議団が主体であり、国鉄闘争を利用し、自らの組織の利益を策略する団体とはきっぱり整理をしていく」
その狙いは明白だ。連合合流のために1047名を切り捨てようともくろむ革同にとって、1047名闘争全体の勝利のために闘う動労千葉は、どうしても邪魔になったということだ。
国鉄闘争をめぐる大分岐はますます激しく進行する。全動労争議団は、日共中央や全労連指導部の制動をはねのけ、国労闘争団に続いて鉄建公団訴訟に立つ決意を固めている。これに最悪の形で敵対しているのが革同だ。全労連と日共総体を巻き込む分岐と流動がさらに促進されることは避けられない。
闘う国労組合員を権力に売り渡した日共=革同の行き着く先は戦争協力だ。
日共=革同の裏切りを徹底弾劾しよう。11・7労働者集会に国鉄労働者の大隊列を登場させ、国鉄闘争勝利の突破口を切り開こう。
国労西エリア本部の運動方針(関連部分)
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イラク鉄道復興・人道支援に関して西日本本部とJR西労組は、「銃よりレールを」と、平和を願う立場から労働組合として何をなすべきかと議論を重ねてきた。今後の取り組みについては、大会以降JR西労組との間で「イラク鉄道復興・人道支援会議(仮称)」準備会を設置し、今後の取り組みを図ることとする。自衛隊の派兵と明確に違い、この目的は世界の鉄道労働者の連帯として取り組むものである。取り組みの基本はあくまで、平和的・人道的にイラクの鉄道のインフラ整備等、復興に関わり、両組合が連帯した行動を行うものである。 |
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週刊『前進』(2168号3面2)(2004/10/04)
「日の丸・君が代」予防訴訟 “戦前教育の反省を” 都教委を断罪し上申書
9月16日午後、東京地裁103号法廷で、「国歌斉唱義務不存在確認訴訟」(通称・予防訴訟)の第5回口頭弁論が行われた。今春「日の丸・君が代」闘争は、345人の大原告団による予防訴訟、処分撤回を求める被処分者の人事委員会闘争、解雇撤回を求める被解雇者の民事訴訟の3本を柱に、闘いの広がりをつくり出している。
第5回口頭弁論に先立つ9月8日、原告・弁護団は上申書を東京地裁に提出した。「日の丸・君が代」闘争に関するこの間の裁判所の不当判決の数々を検討した結果、請求棄却を許さないために、原告からさらに全面的な主張を提起することが必要という結論に至ったためである。
上申書には「戦前教育の誤りと戦後教育改革」「学習指導要領の法的性格」「『日の丸・君が代』の強制と憲法19条、20条、21条」など10項目にわたる主張の要点を記述し、次回口頭弁論までに準備書面を提出する方針だ。
口頭弁論では、尾山宏弁護団長が原告団の提出した上申書の要旨を述べ、とりわけ2点を強調した。まず「戦前の教育への反省を反芻(はんすう)する必要がある」と述べ、「戦争体験を受けて獲得したものが憲法と教育基本法、とりわけ10条だ。けっして投げ捨ててはならない」と訴えた。さらに「差異を認めて尊重する寛容の精神なくして、民主主義は成り立たない」と述べ、石原と都教委を「『民主主義に反対』と言わずに『日の丸・君が代』を強制するのは、最も悪らつな民主主義の破壊者だ」と断罪した。
終了後に弁護士会館で行われた報告集会では、原告の教育労働者から今後の裁判の進め方に関する意見が積極的に出された。また8月の「再発防止研修」に続き、9月から被処分者がいる学校だけを選別した校内研修の動きが始まっていること、10月から始まる周年行事へ向けてさらなる職務命令の動きがあることなども報告された。
次回・第6回口頭弁論は12月20日午後1時半から東京地裁103号法廷。傍聴に参加しよう。
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週刊『前進』(2168号3面3)(2004/10/04)
「つくる会」教科書採択を弾劾 緊急学習交流会開く 来夏に向け決意固める
9月16日夜、「子どもたちに安心して教科書を手渡したい!緊急教育学習交流会」が、都立中高一貫校での「つくる会」教科書採択を阻止する東京ネットワークの主催で行われました。8月26日、都教委が来春開校の東京都立白鴎高校附属中学(仮称)の歴史教科書に「つくる会」教科書を採択したことに抗議して、白鴎高校すぐそばの平成小学校で行われたものです。緊急の呼びかけにもかかわらず教育労働者や地域住民など230人が集まり、強い危機感を感じました。
冒頭、東京ネット代表の吉田好一さんが経過報告。都教委指導部の「協議資料」は、教科書の調査研究内容が「北朝鮮による拉致問題の扱い、神話・伝承を知り、日本の文化や伝統に関心を持たせる資料、性差に関する表現について、調査研究を行った」と記され、「つくる会」教科書の採択だけを狙ったものであったことを弾劾しました。
続いて「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク共同代表の西野瑠美子さんが講演。西野さんは、06年開校の都立中高一貫校3校(小石川・両国・都立大付属)でも「つくる会」教科書採択が狙われていることに警鐘を乱打し、「今回の採択は来年の一斉採択へ向けて区市町村教育委員会に圧力をかけるためのもの」「『つくる会』教科書採択とジェンダーフリー教育の禁止は、どちらも戦争国家の国民づくりを目指すものです」と訴えました。
白鴎高校卒業生をはじめ「つくる会」教科書採択阻止へ取り組んだ各団体、「君が代解雇裁判」を闘う被解雇者、東京教組、都教組、出版労連などが発言。最後に子どもと教科書全国ネット21の俵義文事務局長が来年の一斉採択に向けた活動を提案し、集会アピールを採択しました。
来夏、全国の公立中学校572採択地区が一斉に教科書採択を迎えます。「つくる会」教科書を1冊たりとも使わせるわけにはいきません。全国で頑張りましょう。
(投稿/森沢志織)
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週刊『前進』(2168号3面4)(2004/10/04)
ストップ教基法改悪 日教組の屈服破る2500人
9月18日午後、「教育基本法改悪ストップ!全国集会」が東京・日比谷公会堂で開催され、北海道から沖縄まで全国各地の教育労働者を中心に2500人以上が集まった。日教組や平和フォーラム、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会呼びかけ人など9団体で構成する「教育基本法改悪ストップ!実行委員会」が主催した。
与党教育基本法改正に関する協議会「中間報告」の批判を国立大学経営財務センター名誉教授の市川昭午さんが行い、「教育基本法の改正は、教基法を憲法から切り離し、法の基本的性格を教育勅語に全面的に変えるものだ」と弾劾した。
続いてジャーナリストの斎藤貴男さん、作家の朴慶南(パクキョンナム)さん、東大教授の高橋哲哉さんが、愛国心と伝統文化の2テーマで語り合った。
高橋さんは「現文科相の河村建夫氏は99年8月、『平成の教育勅語を念頭に置いて考えたい』と発言した。今検討されている教基法改悪の内容は、そのとおりのもの」と弾劾した。斎藤さんは「第3次世界大戦のような状況が続いている今、日本の施政者が強制する愛国心を許してはならない」と述べた。朴さんは「かつて慰安婦とされた金学順(キムハクスン)さんは、訪日のために乗った飛行機の両翼の『日の丸』を見ただけで体の震えが止まらなかったという。軍国主義と天皇制の象徴である『日の丸・君が代』とセットになった愛国心の強制は、日本が侵略した時の愛国心と同じ。恐ろしい」と訴えた。
集会後、参加者は教基法改悪反対を訴えるパレードに出た。
日教組本部は全国にこの集会への動員指示を出し、組合員はそれをも超えて大結集した。にもかかわらず、集会では日教組本部の発言がひとつもなかった。組合員には教基法改悪反対運動に取り組むポーズを見せながら、文科省には「私たちは反対運動をしていません」と言い訳するためなのだ。しかし、こんなペテンは通用しない。
日教組本部の屈服と裏切りを打ち破り、日教組組合員が教基法改悪反対闘争の先頭に立とう。11・6教基法改悪反対集会−11・7労働者集会に総決起しよう。
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週刊『前進』(2168号3面5)(2004/10/04)
プロ野球ストを断固支持する
不当労働行為に抗し労組選手会が総団結
スト復権するインパクトに
労働組合・日本プロ野球選手会は9月18、19日、日本プロ野球史上で初のストライキを決行した。セ、パ両リーグの12球団の全選手が参加し、12試合が中止となった。選手会は25、26日にもストを構えて経営側の日本プロ野球組織(NPB=日本野球機構)を徹底的に追いつめている。
選手は労働者であり、選手会は労働組合としての正当な要求を掲げて争議権を行使した。関連事業を含めて1千人を超える首切りを伴う球団合併に対する生活と権利をかけたストであり、正義の闘いである。
連合などの大労組が資本によるリストラのあらしにもかかわらずストを放棄する中で、ストを社会的に復権する大きなインパクトとなっている。労組・選手会のストを断固支持し、防衛し、労働者階級全体に闘いを広めよう。
「たかが選手」の暴言許さず
今回のストの発端は、6月に明らかになったオリックスと近鉄の合併など、経営側の一方的な球団統合・再編の策動である。
選手会の古田敦也会長は各球団オーナーとの直接会談を要求した。これに対して7月8日、巨人の渡辺恒雄オーナー(読売新聞グループ会長)が「無礼なことを言うな。たかが選手が」「オーナーと対等で話す協約上の根拠はひとつもない」と暴言を吐いた。
あらゆる企業が労働者なしに成り立たないのと同様に、プロ野球は選手なしには成り立たない。なのに、この言辞はいったい何だ!この「たかが選手」暴言が選手会と労働者人民の怒りの火に油を注いだ。
7月10日には、選手会は臨時大会で、合併の1年間凍結などを求めて「ストライキを行う場合がありえる」と決議。8月12日には実に98%もの高率でスト権を確立した。また、合併差し止めを求める仮処分も申請。これは却下されたが、高裁の決定は、NPB側の交渉態度が「誠実さを欠く」と指摘し、ストの正当性を事実上認めた。
選手会は9月6日の臨時運営委員会で、9月中の土、日にストを設定。「来季はセ6球団、パ5球団以上の確約」などで11、12日のストは回避した。だが、17日の交渉では、来季の球団の新規参入に「最大限努力」という文言も入れられず、選手会は断固としてストに突入したのだ。
今回の選手会のストは、「たかが選手」発言に始まり、不当労働行為のオンパレードに抗して闘われた。
NPB側は、そもそも選手会を労働組合と認めない態度をとり、「球団統合などは経営事項。義務的交渉事項ではない。これを理由にストを行うのは違法、かつきわめて不当」などと言い張り、数十億円もの「損害賠償請求」の恫喝を行った。また、合併球団以外の選手のストは「支援スト」だから「違法」と言いなした。正当な争議行為の民事・刑事免責を定めた労働組合法に違反する暴論である。巨人などはロックアウト(施設封鎖)を行うことさえ狙ったのだ。
こうしたスト圧殺策動をはねのけて、選手会は、労組としての存在意義をかけてストに突入したのだ。
資本攻勢への怒りを背景に
読売新聞は「ファン裏切る“億万長者”のスト」(9・18社説)などと悪罵(あくば)したが、選手会は年俸の削減も辞さず、最低保障年俸440万円でいつ解雇されるかも知れない2軍選手も含めて、全選手と関連事業の労働者の利害をかけてストに立った。そもそも、球団の赤字などの一切の責任は経営=資本にあり、選手=労働者にはない。個々の球団の利害にかかわらず、全球団の選手が総団結してストに突入したことが、多くの労働者の支持を得ているのだ。
さらに、読売やオリックスこそ今回の球団合併・再編を主導している張本人だ。彼らは、小泉=奥田路線のもとでの政治=経済攻勢を最先頭で推進している。読売新聞は憲法改悪の旗振り役を担い、オリックス会長・宮内義彦は政府の規制改革・民間開放推進会議の議長を務め、民営化攻撃の最先兵となっている。
労働者人民の多くがこのストを支持しているのは、こうした政治=経済攻勢への怒りが底流にあるからだ。特に青年労働者の労働組合への期待と要求の強さが示された。団結とストの意義がよみがえったのだ。
連合なども選手会支援を打ち出しているが、それは「労使交渉正常化」を求めるものにすぎず、自らは絶対にストをやろうとはしない。日本の労働組合運動の再生が今こそ求められているのである。
(大沢 康)
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週刊『前進』(2168号3面6)(2004/10/04)
9・6〜9・17
有事法制「指定公共機関」に160事業者
郵政民営化を閣議決定/7割の労組で組合員減少
●神奈川県教組委員長ら逮捕 7月参院選での選挙違反を口実に神奈川県警は神教組委員長と川崎市教組委員長を逮捕。川崎交通労組委員長を再逮捕した。(6日)
●島根県、寒冷地手当廃止を勧告
島根県人事委員会は寒冷地手当の廃止を勧告。国家公務員の寒冷地手当を見直す人事院勧告が8月6日に出た後、廃止を勧告した自治体は島根県が初めて。(6日)
●指定公共機関に160社を指定
政府は国民保護法制整備本部の会合を開き、武力攻撃事態法が規定する「指定公共機関」として160事業者を決めた。10日に閣議決定、17日に施行。同日、民放労連、新聞労連、航空労組連絡会が反対を表明した。(7日)
●自動車総連定期大会で連合会長が改憲発言 自動車総連が8日まで定期大会。連合の笹森会長が9条改憲を求める発言。(7日)
●郵政民営化の基本方針を閣議決定 政府は閣議で郵政民営化の基本方針を決めた。(10日)
●人勧実施を閣議決定 政府は給与関係閣僚会議と閣議で、人事院勧告どおり一般職国家公務員の給与改定を決定。臨時国会に関連法案を提出する。(10日)
●労組の7割で組合員減少 厚労省が発表した03年労働組合実態調査によると、組合員数が減少したとする組合は3年前に比べ10.2ポイント高い68.8%に。9割の組合が組織人員の減少で財政状況が苦しいとしている。(10日)=要旨別掲
●連合会長が「社会保障制度の抜本改革」発言 社会保障の在り方に関する懇談会が首相官邸で開かれ、連合の笹森会長は「社会保障と税制全体の一体的見直しによる抜本改革」を求めた。(10日)
●国労西日本本部がイラク侵略戦争協力表明 国労西日本本部とJR西労組が「イラク鉄道復興・人道支援会議」を結成。(13日)
●UIゼンセン同盟定期大会 UIゼンセン同盟が16日まで定期大会を開いた。憲法や教育基本法、安全保障、原子力発電など国の基本政策について「検討の場」を設ける意向を示した。(14日)
●地域別最賃決定 すべての都道府県の04年度の地域別最低賃金の改定審議が終了。富山、和歌山、高知で据え置き。宮城、東京、静岡、愛知は時間額で2円、他の道府県では1円引き上げ。(14日)
●日商会頭が「武器3原則緩和」発言 日本商工会議所の山口会頭は、武器輸出3原則について、個人の見解として「日本経団連が要望した方向(3原則の緩和)でよい」と発言した。(15日)
●貯蓄減少世帯が47.7% 金融広報中央委員会の発表によると、前年より貯蓄が減ったと回答した世帯は47.7%と高水準。減少理由を「貯蓄を取り崩した」とする回答が54.2%に上った。(17日)
03年労働組合実態調査(要旨)
・組合員の範囲
|
区分 |
組合員としている |
していない |
パート |
16.6% |
83.4% |
派遣労働者 |
3.0% |
97.0% |
下請け労働者 |
1.1% |
98.9% |
定年退職者 |
6.9% |
93.1% |
出向者 |
84.7% |
15.3% |
・組合費
|
定率方式 |
50.6% |
定率+定額 |
28.8% |
定額方式 |
16.9% |
組合費(1人あたり月額) |
3927円 |
・組合活動の重点項目
|
賃金・一時金 |
84.6% |
労働時間・休日 |
59.5% |
組合員の雇用の維持 |
50.4% |
労金・労済・生協活動 |
31.4% |
経営者へのチェック |
24.7% |
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週刊『前進』(2168号4面1)(2004/10/04)
世紀の大ウソで侵略戦争 パウエル「イラクにWMD(大量破壊兵器)ない」
参戦した日帝・小泉も同罪
「いかなる備蓄も発見されず」
パウエル米国務長官は9月13日、イラクの大量破壊兵器問題について米上院政府活動委員会の公聴会で証言し、「いかなる備蓄も発見されておらず、われわれが発見することはないだろう」と述べた。
この発言は決定的に重大だ。パウエル発言は、米帝のイラク侵略戦争の「正義性」「正当性」を根本的に覆すものだ。米帝がイラク開戦の最大の理由とした大量破壊兵器問題が、なんの根拠もないものであることをブッシュ政権自身がついに認めたのだ。にもかかわらずパウエルはこのことをイラク人民に謝罪しようとせず、戦争が間違っていたというわけでもない。あくまでも居直っているのだ。
この発言をしている最中にも米軍はバグダッドで、ファルージャで、サマラでイラク人民に対する無差別虐殺を続けているのだ。絶対に許すことができない。大量破壊兵器問題をデッチあげてイラク侵略戦争を強行し、数万人のイラク人民を虐殺した戦争犯罪を徹底的に追及し、ブッシュ政権を絶対に打倒しなければならない。
パウエルは、昨年2月の国連安保理でどのように振る舞ったのか。大量破壊兵器の製造装置だとして人工衛星から撮った写真を示しながら、イラクが大量破壊兵器を保有していると主張した。これに対しては直ちにそれは実際には気象観測用気球のための水素ガス製造装置だという指摘がなされた。米帝ブッシュ政権は違うことがあらかじめ分かっている施設の写真を示して大量破壊兵器の施設であるかのようにだましたのだ。こんな途方もない世紀の大ウソの上にイラク人民への大虐殺戦争が強行された。どうして許せるか。
しかも、イラク侵略戦争を強行し、大量破壊兵器などまったくないことが完全に暴き出された後になっても、「必ず見つかる」などと言ってごまかしとはぐらかしを続けてきた。ブッシュは「フセイン政権が倒れて民主主義になった」とか「フセインがいなくなってアメリカがより安全になった」などと言って居直り続けている。
今ごろ「ありませんでした」で済むような問題なのか。米帝の侵略戦争ですでに数万人のイラク人民が虐殺されており、今も1日百人近くのイラク人民が殺され続けているのだ。しかも米軍はファルージャを始めとした各地で爆撃機や攻撃ヘリから空爆し、女性や子どもを含むイラク人民を無差別虐殺しており、それを連日「戦果」として発表しているのだ。米帝のイラク侵略戦争の反人民性はもはや極限的である。
こんな道理のない大虐殺戦争をして平然としているのが帝国主義というものの正体なのだ。大量破壊兵器(戦略核を始めあらゆる種類の)を独り占めにしている米帝が、圧倒的な小国のありもしない「大量破壊兵器」を口実に侵略戦争を強行する、しかも大ウソをデッチあげてだ。こんな帝国主義は一刻も早く打倒しなければならない。
大デマ宣伝に加担した小泉
米帝と並んで最も許せないのは日帝・小泉政権だ。小泉は米帝ブッシュ政権の「大量破壊兵器」の大デマ宣伝のしり馬に乗ってイラク開戦を真っ先に支持した。「もしも今後、危険な大量破壊兵器が危険な独裁者の手に渡ったらどのような危険な目にあうのか。日本も人ごとではない」などと言って。さらに国会答弁でも「大量破壊兵器」デマを一貫して繰り返してきたのだ。追及をかわすために「フセイン大統領が見つかっていないからイラクにフセイン大統領は存在しなかったと言えない」などと珍無類の答弁までしていた。
こんなふざけた答弁がどうして許せるのか。こうしたウソの積み重ねの上に03年12月に自衛隊派兵を決定し、今年6月に多国籍軍参加を強行したのだ。今や日帝のイラク参戦の一切の前提が崩壊したのだ。
こうしたイラク参戦の犯罪性、「大量破壊兵器」デマの破産に完全に口をぬぐって、小泉は破廉恥にも国連演説で常任理事国入りを要求し、日米首脳会談でブッシュを支持した。絶対に許せない。日帝・小泉を打倒しよう。自衛隊は今すぐイラクから撤退せよ。
米兵犠牲者は発表より深刻
イラク侵略戦争による米兵の死者もますます増加している。すでに米軍の公式発表でも死者が千人を超え、負傷者が7200人を超えている。だがこの数字自身にごまかしがある。米輸送軍の発表によれば、負傷や病気で米本国に送り返された兵士が1万7000人近くに上っている。彼らはその負傷や病気が直接の戦闘任務中のものではないとして死傷者の報告からは外されているのだ。負傷や病気で送り返された兵士の中にもその後死亡した者がいる。
こうした医療上の理由で送り返された兵士のうち精神的な問題で治療を受けた者が5400人近くに上っており、治療を受けた数としては外科的、内科的問題に次いで3番目だ。また「無事」帰還した兵士の17%が心的外傷後ストレス症候群になっており、米兵の犠牲者は公式発表よりも何倍も深刻である。
実際に追い詰められているのは米帝の方なのだ。イラク人民は米軍の無差別虐殺の暴虐がどんなに激しく吹き荒れようとも、人間としての尊厳をかけて不屈の戦いに決起している。米軍が暴虐な人民虐殺を強めれば強めるほどイラク人民の民族解放・革命戦争は激化し、米軍占領はますます危機を深めているのだ。
アナンが「国連憲章上も違法」
国連のアナン事務総長は9月15日、英BBCとのインタビューで米帝のイラク侵略戦争を「われわれの見地からも、国連憲章上からも違法」として批判した。続いて21日、アナンは国連総会で「法の支配に従え」と演説した。
国連が米帝のイラク侵略戦争に果たした役割はあまりにも犯罪的である。国連は91年湾岸戦争後、イラクに経済制裁を強行し、子どもや高齢者など10万人を死に追いやった。そして02年11月に安保理決議1441を採択し、イラクに大量破壊兵器に関する査察受け入れを要求した。フセイン政権が査察を受け入れ、大量破壊兵器がないことが明らかになると、米帝ブッシュ政権は「査察には意味がない」と言って侵略戦争に突入した。要するに国連のやったことはすべて米帝の侵略戦争の道を掃き清めることにつながっていたのだ。
にもかかわらず、国連事務総長という地位にある者が米帝のイラク侵略戦争について「国連憲章に違反する」と言ったことの意味は重大である。米帝のイラク侵略戦争は戦争犯罪であることが法的に認定されたに等しいのだ。
米帝ブッシュは、共和党の綱領で「国際機関に米国の指導力への拒否権はない」「米国人に対する国際刑事裁判所の司法権を認めない」と宣言し、国連を無視して侵略戦争を凶暴に展開することを宣言した。これは米帝が一層凶暴に帝国主義間争闘戦を展開するという宣言にほかならない。
日帝・小泉は、アナン事務総長の発言に対して「私はそうは思っていない。日本の判断は正しかった」と居直っている。しかも自衛隊のイラク派兵を12月の期限切れ後も延長することを米帝に確約した。イラク人民の民族解放闘争が激化し、イラクから部隊を撤退させる国がますます増えている状況の中で、どこまでも自衛隊派兵を継続し、イラク侵略戦争に深々と踏み込もうとしているのだ。
米英日帝は、すでに凶暴で後戻りすることのない侵略と戦争の道に突入した。帝国主義の絶望的な危機と行き詰まりの中で帝国主義世界戦争にまで行き着く以外にない道に決定的に踏み込んだのだ。今こそ米帝ブッシュ打倒!日帝・小泉打倒!へ決起しよう。アメリカ労働者階級の10・17ミリオン・ワーカー・マーチと連帯し、闘うイラク人民と連帯し、11・7労働者集会に全力で決起しよう。
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週刊『前進』(2168号4面2)(2004/10/04)
10・10全国から三里塚へ 反対同盟が結集訴え(上)
10・10全国総決起集会にむけた三里塚芝山連合空港反対同盟のアピールを今号と次号に掲載します。呼びかけにこたえ全国から総結集を。(編集局)
矛盾空港を廃港に 事務局長 北原鉱治さん
ブッシュ米大統領は、大量破壊兵器の存在を理由として戦争を始めた。その結果、イラクは至るところが破壊され、何万という尊い生命が奪われた。ブッシュの言う大量破壊兵器がひとつでも発見されただろうか。米軍のイラク人民虐殺に、イラク人民を始め世界の人民の怒りが爆発している。米国内からさえ、ANSWERなどが反戦ののろしを上げ、ブッシュ糾弾に立ち上がっている。
自衛隊は、カンボジア、ゴラン高原、モザンビークのPKOで、私服で極秘裏に成田空港を使ってきた。われわれはその都度、弾劾行動を行ってきたが、最近に至っては、イラク戦争開始後9回にわたって自衛隊出兵が行われている。
われわれはまだあの第2次大戦の悲惨さが記憶から消えていない。反対同盟は当初から「成田空港の軍事使用は許さない」をスローガンに掲げてきた。ベトナム戦争当時、羽田空港がベトナムへのチャーター便でいっぱいだった現状を知っていたからだ。成田空港も同じ運命をたどっている。
あの第2次大戦の痛苦の念を繰り返さないよう、全国の多くの心ある人びととともに、今も闘い続けている。
米軍にとって成田空港は、沖縄と並んで、有事の際に絶対に必要な拠点である。したがって完全空港にしなければ、戦争に間に合わない。そのために用地獲得のために卑劣な手段をもって住民のたたき出しに躍起になっている。
われわれは、90年間も営農してきた農地を持つ地主に対して、「底地を買収したから出て行ってもらいたい」などというふざけたやり方をする成田空港会社に対し、ますます怒りを燃やしている。
天神峰現闘本部も反対同盟や全国の支援者のシンボル的なよりどころである。現闘本部は14年前、だまし討ちで成田治安法によって封鎖された。それ以降、出入りはもとより手のつけようがない。自分たちでそういう現状を生み出しながら、裁判で撤去を要求している。現闘本部は反対同盟の所有物であり、登記もしている。絶対に譲れない闘いだ。支援する会への入会を訴えたい。
10月10日に全国集会を三里塚現地で開催します。この矛盾空港を廃港にすることは、日本の将来のために必要であり、反戦平和運動のシンボルとして闘いを守り抜く決意を固めている。反対同盟は抵抗の拠点をまだまだたくさん持っている。空港建設を進めて来た側には一片の正義性もない。全国からの結集をお願いします。
生き方変わらない 敷地内 市東孝雄さん
来年2月に中部国際空港が開港して、09年に羽田空港が国際化したら、成田空港は大変でしょう。敷地内に脅しをかけていますが、空港完全化が進まないと、07年の株上場に向けてなんの展望もない。成田空港会社は、もうけを出すために土産販売を業者から取り上げてまで自分でやっているそうです。
国民保護法が施行されて成田空港も指定公共機関に指定されたそうですが、軍事徴発の際には、米軍が使いたいと言えば、すぐ使える空港にしようとしている。
機動隊が国際テロとかアルカイダを口実に、私が畑から出てきたところで検問をやっている。私のどこが国際テロリストなんだ。本当に腹が立つ。
畑は祖父の代から自らの力で林野を開墾した畑です。父の戦争からの復員の遅れで自分名義の土地にはならなかったけど、確固たる小作権がある。絶対に取り上げることはできない。
天神峰に帰ってきて5年になります。その間に暫定滑走路の工事が始まって追い出し攻撃。そして実際に暫定滑走路からジェット機を飛ばされた。だけど実感として、闘いの意志はまったく揺らいでいない。
これは自分の生き方。人になんと言われようとも変わらない。当事者になればよく分かる。三里塚闘争は40年間も闘ってきた。これが全国にできたら国家権力は恐怖だろう。だから三里塚闘争をつぶしたいのだと思う。
10・10三里塚に全国から結集してください。
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週刊『前進』(2168号4面3)(2004/10/04)
有事法制 160法人が指定公共機関に
医療・運輸・放送など 「国民保護」実は戦争動員
JRや私鉄、空港、バス、郵便
政府は9月7日、武力攻撃事態法に基づいて戦争協力を義務づける指定公共機関160法人を発表した。そして国民保護法を同17日から施行した。
指定公共機関の内訳は、▽NHKと民放の放送事業者20社▽日本赤十字社、国立病院機構の2医療機関▽鉄道・陸運・海運・航空など運送事業者78社▽高速道路や空港、ダムを管理する日本道路公団、成田空港、関西空港、水資源機構など8事業者▽電力・ガス会社16社▽NTTなど電気通信会社16社▽日本原子力研究所など18研究機関▽日本銀行▽日本郵政公社――の計160法人である。
(別表参照)
指定された法人は2005年度中に、有事対応をまとめた「業務計画」を作成しなければならない。そしてこれに基づいて労働者に戦争訓練が強制される。この160機関のみならず、都道府県知事は独自に「指定地方公共機関」を指定する。これも戦時を想定した業務計画を作成し、訓練が義務づけられる。
民間船舶、航空機で兵員輸送
政府は、この指定公共機関の決定を国民保護法と関連づけて発表し、まるでこの措置が「国民を保護するためのもの」であるかのように押し出している。だが、それはまったくのごまかしだ。
指定公共機関は、昨年6月に成立した武力攻撃事態法第6条(注)に規定されており、そこには「国民保護」の言葉など一言もない。要するにこの措置は、日米両帝国主義が準備している北朝鮮さらには中国への侵略戦争に、民間航空・海運・鉄道や医療機関を総動員していくための攻撃なのである。
そして、NHKと民間放送には、政府・自衛隊に都合のよい情報だけを放送させ、都合の悪い真実(政府の腐敗や危機、軍部の残虐行為や敗北など)の報道を禁止し、そうして不正義きわまる侵略戦争を「国と国民を守る正義の自衛戦争」と大宣伝して戦意を発揚し、労働者人民を戦争に総動員しようとしているのだ。こんな攻撃は絶対に許すことができない。
指定公共機関として民間航空、大手海運会社などは戦場(朝鮮半島、中国)への米軍・自衛隊の数十万人の兵員輸送、軍事物資の輸送のために動員される。JR各社や私鉄の鉄道・バスも、ヤマト運輸や日本通運などのトラック業者も、数十万人の軍隊(兵員・物資)の移動のために総動員されるのだ。
民間機排除し空港が基地に
指定公共機関が「国民保護」のためなどではなく、米軍と自衛隊の軍事行動のために動員されることは、9月10日に閣議決定された国民保護法施行令からも明らかだ。施行令では、有事の際に民間人の立ち入りを禁止する施設として発電所や空港、港湾、駅など10施設を特定した。
この措置は成田空港や関西新空港、新千歳空港などを民間機を締め出して米軍と自衛隊の軍事基地にするためであり、自治体が管理する港を民間船舶を締め出して軍港にするためである。一切は、北朝鮮・中国侵略戦争のための国家・民間機関の総動員態勢づくりなのだ。
国民保護法施行令ではさらに、都道府県知事が強制的に収用できる物資として、国民保護法で定めた物資(医薬品、食料、寝具)のほかに、新たに飲料水、建設資材、燃料、その他「厚生労働相が定めるもの」をつけ加えた。要するにあらゆる物資を収用(徴発)できるようにしたのである。医療行為を指示できる医療関係者も「基本的にリハビリ関係を除くもの」(内閣府関係者)すべてが対象になった。
「大本営発表」強制を許すな
航空労組連絡会(1万3千人)は7日、民間航空9社が指定公共機関に指定されたことに抗議声明を発表した。「また一歩、戦争をするための有事法整備が進み、航空労働者との係(かか)わりも明確になったことに危機感を強めている。世界平和が存立基盤の航空産業に働く私たちは、利用者、国民の命と安全を守るため、有事法制が発動される事態を招かないよう、憲法9条を守り、民間航空の軍事利用を許さない」と述べている。
民間放送19社が指定された民放労連(1万1千人)は、「政府の一方的な決定で放送局が指定公共機関にされたことに強く抗議する。有事法制を発動させないため取り組んでいく」との抗議声明を発表した。
すでにイラクの自衛隊をめぐっても報道管制が敷かれ、自衛隊の動きはまったく伝わってこない。21日の先崎統合幕僚会議議長のサマワ訪問も極秘裏に行われた。真実を伝える言論が弾圧され、「大本営発表」の報道が強制され、労働者人民が侵略戦争に動員される歴史の再来を許してはならない。11月集会の大爆発で反戦闘争を発展させよう。
戦争動員される「指定公共機関」160法人
●災害研究機関(18)
核燃料サイクル開発機構など
●医療事業者(2)
日本赤十字社、国立病院機構
●公共的施設管理者(8)
日本道路公団、首都高、阪神高速、関西空港、中部空港、成田空港、本四連絡橋など
●電気事業者(12)
沖縄から北海道まで全国の電力会社、電源開発、日本原子力発電
●ガス事業者(4)
大阪、西部、東京、東邦ガス
●運送事業者(78)
▽国内旅客船(11)/全国の主要なフェリー会社
▽バス(25)/JRバス各社、関東・関西・中部の大手私鉄
▽航空(9)/日本航空、全日空など
▽鉄道(23)/JR各社、関西・関東・中部の主な私鉄
▽内航海運(5)/井本商運、川崎近海汽船、琉球海運など
▽トラック(5)/佐川急便、西濃運輸、日本通運、福山運送、ヤマト運輸
●電気通信事業者(16)
NTT、NTTドコモの各社、KDDI、ボーダフォン、日本テレコム
●放送事業者(20)
NHK、全国の主要民放会社
●その他(2)
日本銀行、日本郵政公社
(これとは別に都道府県知事が「指定地方公共機関」を指定する)
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週刊『前進』(2168号4面4)(2004/10/04)
反戦共同委活動者会議 11月集会へ態勢 沖縄・横須賀・反基地へ
9月18日、反戦共同行動委員会の全国活動者会議が千葉市で開かれ、全国の代表約30人が集まって討論し、今秋闘争の方針と態勢を打ち固めた。とりわけ、動労千葉など3労組が呼びかける11・7労働者集会が、反戦闘争の力を示す最重要の闘いであることを確認し、総力結集に向かって全国で闘いを積み上げることを意志一致した。
滝口誠事務局長が基調報告を提起した。滝口さんは冒頭、ストライキに突入したプロ野球選手会の闘いにについて、「選手たちのストは私たちに元気を与えてくれた」と連帯を表明、さらに「自治労の委員長は『うらやましい』などと情けないことを言っているが今こそ労働者はストライキで闘う時だ」と語った。
そして、今年前半期の闘いを総括し、日本共産党などのセクト主義的な妨害を打ち破って、3―6月の有事立法反対闘争を統一戦線を守り抜いて闘ってきたことを積極的に確認した。
その上で米軍のトランスフォーメーション(米軍戦力の世界的再配置)と小泉政権のイラク派兵・戦争国家化攻撃との対決の重要性を訴えた。
そしてこの秋、「イラク派兵をやめろ! 自衛隊の即時撤退」を掲げて11月労働者集会に大合流していくことなどを提起した。とりわけ沖縄人民と連帯して、普天間基地撤去・辺野古基地建設阻止へ現地派遣を組織して闘うこと、共謀罪新設や教育基本法改悪、憲法改悪に反対して大運動をつくり出すことなどを提起した。
基調報告を受けて、参加者が次々と発言した。沖縄の闘い、教育労働者の「君が代」不起立闘争、三里塚軍事空港反対闘争の報告に続き、反軍闘争や差別・排外主義と闘う戦線、自治体労働者、全国各地で闘う人びとの発言が続いた。
関西反戦共同行動委の入江史郎代表は「世界の労働運動が動き出した。11月集会へ2カ月、目いっぱい闘って来年の展望を切り開こう。この半年〜1年の闘いが日本と世界の労働者の未来を決めるだろう。労働者の決起をつくり出そう」と呼びかけた。さらに関西の国賀祥司事務局長が「反戦共同行動委の独自の意義を発揮して闘っていきたい」と抱負を語った。
各地・各戦線の報告と意見、今秋闘争と反戦共同行動委の組織強化の決意が表明されたのを受けて、中野洋代表が討論のまとめを行った。中野代表は、労働者階級への生活破壊、団結破壊の攻撃が世界に吹き荒れていることを帝国主義体制の完全な破産、行き詰まりの問題として明確にした。
その上で、「われわれの闘い方次第で労働者階級の壮大な決起を実現できる情勢だ。11・7集会の大結集に一切をかけて勝負しよう」「労働組合を組織できる条件はいっぱいある。どうしたらオルグできるか、知恵をしぼって必死で考えよう」と締めくくった。これを受け、奮闘を誓い合った。
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週刊『前進』(2168号4面5)(2004/10/04)
9月14日〜21日
小泉が「決意」示す国連演説
国民保護法など有事法施行
●嘉手納を日米共同使用 米政府が在日米軍の再編問題に絡み、米軍嘉手納基地を自衛隊と共同使用するとともに、台湾に近い下地島の空港を「協力的安全保障拠点」と位置付け、米軍と自衛隊の補助的な機能として活用する具体案を日本政府に示していることが分かった。(14日)
●岡田「武器使用、二重基準に」 民主党の岡田代表が講演で、国連平和維持活動(PKO)に自衛隊が参加する際の武器使用基準について「日本自身が判断して活動する場合は従来のように武力行使を厳しく制限するが、国連決議がある場合はもう少し緩やかな国際的基準で武器使用を認めるダブルスタンダードを採るべきだ」と述べた。(15日)
●武器輸出見直し日商会頭が支持 日本商工会議所の山口会頭は、武器輸出3原則について、「日本経団連の考え方で良いのではないか」と述べ、見直しを支持する考えを示した。(15日)
●武器輸出3原則見直し年内結論 石破防衛庁長官は、ウィン米国防次官代行と会談し、海外への武器輸出を事実上禁じている武器輸出3原則の見直しについて、年内に結論を出すとの見通しを示した。(16日)
●普天間爆音、司令官への請求棄却 米軍普天間飛行場周辺の住民400人余が夜間・早朝の飛行差し止めなどを日本政府と同飛行場司令官に求めた普天間爆音訴訟のうち、司令官に対する訴訟の判決が、那覇地裁沖縄支部で出た。司令官の被告適格は認めたが、賠償請求については日米地位協定から「日本国のみが賠償責任を負う」とした。(16日)
●「普天間ヘリ帰還反対」と稲嶺 米軍ヘリ墜落事故を受け、沖縄県の稲嶺知事は、在沖米海兵隊からイラクへ派兵されている普天間基地所属ヘリの帰還について、「明らかに危険性のプラス要因。絶対に反対だ」と述べ、一時的に減っている現状以上のヘリの運用を認めない考えを初めて示した。(16日)
●国民保護法施行 国民保護法が施行され、民放や交通機関など160法人が指定公共機関に指定された。戦時協力を義務付けられる。米軍支援法と交通・通信利用法も同日施行された。(17日)
●名護市長「辺野古移設固執せず」 米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設問題で、岸本名護市長は「早期の普天間移転など、より良い解決策が具体的に示された場合には、そちらを優先する。辺野古沖への移設に最後まで固執するということではない」との考えを示した。(17日)
●国民保護、自治体の計画作成促す 国民保護法が17日施行されたのを受け、総務省消防庁は、都道府県と政令指定都市に、今後のスケジュールや地方自治体の役割、国民保護計画の作成などについて通知した。都道府県は05年度中、市町村は06年度中に国民保護計画を作成するよう求め、各自治体に計画づくりなどを諮問する国民保護協議会の早期設置を促している。(19日)
●海外派兵恒久法、国会提出見送りへ 政府は自衛隊の海外派兵を随時可能にする「恒久法」について、次期通常国会への提出を見送る方針を固めた。(19日)
●在日米軍再編、政府対案提示へ 政府は、在日米軍再編に向けた米側提案を受け、米軍横田基地(東京都)の航空自衛隊との共用化に内容を限定した対案をまとめた。(20日)
●日米首脳会談 小泉首相がブッシュ米大統領と会談した。米軍再編問題で「米軍抑止力を維持しながら、沖縄を始めとする地元の負担軽減に努力する」と確認した。(21日)
●小泉国連演説 小泉首相が国連総会で「国連新時代」と題する演説をし、「我が国の果たしてきた役割」を強調、安保理事会の常任理事国入りをめざす決意を表明した。(21日)
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週刊『前進』(2168号5面1)(2004/10/04)
全学連大会 自治会運動発展へ1年間決戦宣言
階級的労働運動と連帯を確認 教基法・安保沖縄決戦闘う 自治会権力の獲得へ決意
全学連(全日本学生自治会総連合)の第64回定期全国大会が9月17〜19日、東京都内で開かれた。全学連は3日間の白熱した討論を行い、11・6−11・7大結集を突破口に、教育基本法改悪阻止闘争と安保・沖縄闘争、大学闘争を対決点とする1年間決戦に総決起することを宣言した。階級的労働運動と連帯し、全国大学の自治会運動の大発展をかちとる闘いが力強く開始された。
“11月大行動に結集を”
大会初日。大山尚行委員長が議案を提起した。
委員長は冒頭、「向こう10年の日本と世界のすう勢を決める歴史的決戦が到来している。04−05年の1年間決戦が勝負だ」と1年間決戦への突入を宣言した。そして、「帝国主義は歴史的大破産を遂げた。10・17アメリカ百万人労働者行進(MWM)を始めとして全世界で階級的労働運動が台頭している。労働者階級が、資本家階級をうち倒し、社会的生産を組織し全社会を運営していく歴史的存在として決戦の前面におどり出ようとしている。この情勢をつかんで、階級的労働運動と連帯する新たな全学連運動の大爆発をかちとろう」と訴えた。
そして「04−05年の階級決戦は、教基法改悪阻止決戦と安保・沖縄闘争、そして教基法決戦と一体の大学闘争を焦点に、労働者階級が階級的労働運動のもとに団結し、小泉=奥田を打倒していく決戦だ。動労千葉や闘う教育労働者と連帯し、11・6−11・7の労働者集会に全国学生も大結集しよう」「何より重要なことは、この教育、安保・沖縄、大学を焦点とする04年−05年の一年間決戦をとおして、全国大学の自治会運動の大発展をつくりだすことだ」と呼びかけた。
議案の提起を受け、広島大学学生自治会から、「日の丸・君が代」強制反対、教基法改悪阻止決戦論が提起された。「1年間決戦の柱として教基法改悪阻止決戦を闘おう。核心は、東京の教育労働者の『日の丸・君が代』強制反対の決起と連帯して闘うことであり、その立場から教基法改悪を徹底批判し、教基法決戦を大爆発させよう」「もう一つ重要なことは、国立大学法人化との闘いを教基法改悪阻止の一環として闘うことだ」と訴え、労働者学習センター発行の『教育労働者の戦争協力拒否宣言』をベースにした教基法決戦論を全面的に提起した。
大学闘争報告は、最初に、7月の自治会選挙で1192票の信任票を得て新執行部となった東北大学学生自治会の委員長と1年生の2人の副委員長が登壇し、04年前半の東北大学学生自治会の活動報告を委員長が行った。
委員長は「法人化や権利剥奪(はくだつ)、戦争国家化などの攻撃が、キャンパスでもサークル活動や政治活動の規制、寮つぶし、自治会つぶしといった形でかけられ、これに対する学生の反撃が、自治会運動の発展へと結びついてきている。自治会選挙では、1年生を始め多くの学友が選挙の成功のために行動した。執行部−自治委員−クラスの運動形態にこだわってきたことの成果だ。自治会は、学生の直接的な要求の実現のために徹底的に闘いつつも、そこにとどまることなく、あくまで労働者とともに社会と向き合い、批判し変革していく立場を押し出していくべきである」と、今こそ自治会運動を発展させようと呼びかけた。
京都大学は、「全学連派の全学自治会を打ち立てたい。4月に法人化され、立て看の禁止や黒板へのサークル書き込み禁止などあらゆる自治活動、サークル活動禁止攻撃が始まっている。これに対し学生の自発的な抗議行動が生まれている。キャンパスから学生が怒りをもってわき上がるように決起してくる状況が生み出されてきている。こうした学生の決起と結合し全学自治会運動を発展させる」と決意表明した。さらに、山形大学、富山大学、大阪市立大学、広島大学、岡山大学、九州大学などから活動報告が行われた。
“学館解体阻止しよう”
大会2日目。初めに、九州大学学生自治会から沖縄・辺野古現地闘争の報告が行われた。
「日帝・小泉政権はヘリ墜落事故に追いつめられ、名護新基地建設に絶望的に突っ込んできた。だが、辺野古の闘いはこれを実力で阻止し続けている。日帝は実力闘争を恐れている。9・12普天間市民大会には主催者の予想を上回る3万人が結集した。SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)路線を打ち破る新たな闘いが始まったのだ。全国から辺野古現地に駆けつけよう。階級的労働運動と連帯して、本土−沖縄を貫く安保・沖縄闘争の大爆発をかちとろう」
続いて法政大学の内海佑一・第2教養部自治会委員長が、全法大生の怒りの決起で学生会館解体を阻止する戦闘宣言を発した。
「学生会館解体攻撃との決戦は、学生が小泉=奥田路線と真っ向から対決し、労働者階級と連帯して打倒していく決戦だ。われわれは、後期開講直後に『サークル活動保証なき、学館解体反対』の1000人の対当局追及行動を爆発させる。7月9日の学生大会に500人、7月13日の大学説明会には800人の学生が集まった。闘いは大爆発の局面に入っている。サークル活動を愛してやまない法大生は、奥田や清成総長が主張する『自立型人材』になることを拒否し、サークル活動の中に自分なりの生き方や人間関係を見いだしてきているのだ。『サークルなんて必要なのか』などという法大当局に対して、学生の激しい怒りはこれからさらに大爆発する。清成体制による暴力的な学館解体攻撃が、逆に巨大な歴史的大闘争へと転化するのは時間の問題だ。われわれは、自治会を武器に、学館闘争を教育基本法改悪をめぐる決戦の最先端として闘い、絶対に勝利する」
午前中の議事の最後に、中央執行委員会が討論のまとめと議論の方向性を提起した。
発言に立った井上亮副委員長は「なぜ11・7に学生も大結集なのか。10・17百万人労働者大行進の委員会宣言を見てほしい。そこには『われわれ自身の計画表にもとづき労働者を動員するときが来た。特権をもつ少数者への従属を断ち切り、アメリカの政治過程における彼らの独占に終止符を打とう』とある。日本でも、『お前ら資本家の時代は終わったんだ。俺たち労働者がやってやる』という鮮明な立場で、11・7が開催される。ここにMWMの呼びかけ人や韓国・民主労総も結集する。昨年3・20が『戦争の始まり』なら、10・17、11・7は『革命の始まり』だ。だから学生運動にとっても、まず11・7に大結集することが決定的だ。ストライキで闘う動労千葉や不屈に闘う教育労働者と連帯することが、必ず学生のわき起こるような決起につながる。ここをつかみ、全学連運動の大発展をかちとろう」と提起した。
3つの分科会
午後からは、大学闘争、労働者階級との連帯・戦後労働運動史、社会科学の3つの分科会に分かれて、全参加者が活発な議論を行った。
大学闘争の分科会では、東北大学有朋寮の廃寮攻撃との闘いなどの特別報告が行われ、全国の大学から寮やサークルをめぐる大学闘争の現状と課題が出された。これらの討議を踏まえて、東北大が全面的な大学闘争論を提起し、「教基法改悪の核心的な狙いは、大学を戦争遂行や資本に奉仕する機関に変えることで貫徹される。闘う教育労働者との連帯と交流を深めて、教基法改悪阻止闘争と大学闘争を大爆発させよう」と訴えた。
労働者階級との連帯・戦後労働運動史の分科会では、戦後革命期における日本の労働運動史を学ぶことをとおして、労働組合運動の持つ力と可能性をつかみとる討議が行われ、戦後革命期をのりこえる歴史的決戦期が到来していることを確認した。
社会科学の分科会では、「社会科学というが、なぜマルクス主義なのか」という疑問が冒頭に出され、科学とは何か、現在は階級社会なのか、実践活動の意義はどこにあるか、などをめぐって活発な論議を交わした。
決戦に臨む新執行部体制
大会最終日は、議案書で出された1年間決戦をどう闘いとるのかについて、円卓方式で徹底討論した。真剣な討論をとおして、11・6―11・7の大結集を労働者とともにかちとることが、04年―05年決戦の爆発と自治会運動の大発展のためにも決定的に重要であることがあらためて鮮明になった。
議案採択の後、この1年間決戦を最先頭で牽引(けんいん)する新執行部が選出された。新執行部を代表し、原田幸一郎書記次長が「時代の転換ということをはっきりさせて、階級的労働運動に学んで、キャンパスの全学生の意識を根底からぬりかえる大扇動を行おう。11・7へキャンパス丸ごとの決起をつくりだし、自治会権力をとろう。ただちに1年間決戦に突入しよう」と戦闘宣言を発した。
全学連大会には、在日台僑元日本兵の林歳徳さん、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、国鉄千葉動力車労働組合、革命的共産主義者同盟、北富士忍草母の会の天野美恵事務局長、部落解放同盟全国連合会、東京反戦共同行動委員会の三角忠代表が招かれ、連帯のあいさつを行った。
全学連執行部
委員長 大山尚行(東北大・経済)
副委員長 内海佑一(法政大・U文)
同 宮城啓(大阪市大・文)
同 井上亮(広島大・総合科学)
書記長 内山佳久(法政大・U法)
書記次長 新井拓(東北大・理)
同 原田幸一郎(京都大・法)
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週刊『前進』(2168号5面2)(2004/10/04)
「制裁」「応報」を原理とする刑法大改悪=重罰化の策動
共謀罪と一体の大治安攻撃
10月中旬から始まる臨時国会で、労働者の団結権を侵害する悪法=共謀罪の審議が強行されようとしている。政府は、共謀罪とサイバー弾圧法、強制執行妨害罪の拡大・厳罰化の3本を一体で成立させようとしている。そして、この共謀罪の新設とあわせてこの臨時国会で出されようとしているのが、刑法の大改悪・重罰化である。
法務省の法制審議会刑事法部会は7月30日の第5回会議で、有期刑の上限引き上げと各種刑の重罰化などを内容とする刑法・刑事訴訟法「改正」の要綱案を決議した。9月8日の法制審議会総会でこの要綱案が承認され、法相に答申されたことにより、秋の臨時国会に共謀罪などとともにこの刑法全面大改悪の法案が提出される。11月労働者集会爆発の力で、この一大治安攻撃を阻止しよう。
百年ぶりの刑法大改悪
この改悪の中身を見てみよう。(1)有期刑の上限が現行の15年から20年(再犯過重・併合罪などの場合は20年から30年)に引き上げられる。これは刑罰のある法規のすべてにかかわることなので、特別法を含めると104の罪が重罰化される。(2)殺人・傷害・強姦など、主要な「重大犯罪」の刑の上限と下限の引き上げ。(3)共同強姦・同致死傷の罪の新設。(4)公訴時効期間の延長。死刑を含む罪の時効が現行15年であるのを25年にする。
これに加えて共謀罪で、実行行為がなくとも罪とされるものが557罪新設されると、事実上の刑法の全面大改悪だ。今の刑法は、明治時代末(1908年)に作られて以来、1947年の不敬罪・姦通罪などの廃止のほかに大きな改正は一度もなく、今回は百年ぶりの大改悪となる。にもかかわらず、法制審刑事法部会での実質審議時間は約12時間に過ぎず、議論らしい議論もされていない。許しがたい暴挙である。
「治安悪化」のデマをあおる
政府・法務省は、重罰化の理由として、「我が国の治安が危険水域にあり、国民の体感治安も悪化している」(犯罪に強い社会の実現のための行動計画)などと、「体感治安」「国民の正義感情」なるものを持ち出しているが、まったく根拠はない。法務省が部会で配布した資料によっても、「殺人の認知件数は、昭和29年(54年)の3081件をピークに減少傾向にあり、平成3年(91年)の1215件で底を打ったが、その後横ばいで推移し、11年(99年)には1265件となっている」のであって、ここ10年がとくに増加しているわけではない。
ここ数年急激に認知件数が増えた「犯罪」も、大失業の影響があるとはいえ、見せかけの高検挙率を維持するために従来「事件」として受理してこなかったものを、捜査機関の姿勢の転換によって、積極的に受理するようになった数字上の操作の結果なのである。
有期刑の上限の引き上げにいたっては、「平均寿命が延びた」「無期刑との差が開きすぎる」などを理由にしている始末である。「個別の犯罪の種類ごとに検討すべきだ」という意見に対しても、「治安の悪化があって急ぐのだ」と強弁し、刑法改悪の狙いをあからさまにしている。
さらに、女性への性暴力などを警察権力がむしろ差別的に容認し放置してきた責任を棚に上げ、「性犯罪に関する罪が軽すぎた」と称して強姦罪などの罪を重罰化し、「それとバランスをとる」ことを理由にして殺人その他の罪の下限を引き上げている。
労働組合と革命党への攻撃
この重罰化がなされるといったいどうなるのか? まずは無期刑の終身刑化である。法務省は現在、死刑廃止の声が高まっている中で、許せないことに、死刑制度を廃止せず存置したまま、新たに終身刑の導入をたくらんでいる。有期刑の上限を大幅に引き上げることは、この終身刑導入に実質的に道を開くものである。実際に現在、全国の刑務所に約1000人の無期囚がいるといわれるが、1980年代には年間30人をこえていた仮釈放者は年々減少し、2000年には6人だけとなっている。
さらに、この重罰化や、それに伴う公訴時効期間の延長は、わが革共同を始めとする闘う人民が、日帝権力による卑劣なデッチあげ弾圧を次々と打ち破って、弾圧そのものを無力化してきたことに打撃を受けた国家権力の悲鳴であり、新たな大攻撃である。
このように刑法大改悪と重罰化の攻撃は、根幹では闘う労働者・労働組合と革命党に対する最大の治安弾圧攻撃なのだ。
法制審議会で法務省が一貫して主張しているのは、「(刑罰とは)制裁である。応報である」ことの異様な強調である。だがそもそも「刑罰」とはそれだけでなく、「矯正をして社会復帰を助ける手段である」(もちろん、これ自体いかがわしいものであるが)ことも含むというのが、近代刑法の常識である。すなわちそこには、「犯罪の根本原因は社会の矛盾であり、犯罪の防止には、まず社会政策が第一義的であるべきだ」という考え方が含まれているのだ。法務省による「制裁」「国民の処罰感情」の強調は、このような「国家責任」を一切認めず犯罪はすべて個人の「自己責任」とするものだ。
これは、帝国主義がこれまでどおりにはやっていけない危機に直面して、労働者階級に対する予防反革命的支配の強化に走っているということなのである。今日の治安法攻撃は、労働者が団結して抵抗しようとしたならば共謀罪で、労働者の怒りが団結には至らず個人で爆発したならば刑法の重罰化で対処するということなのである。
予防反革命攻撃粉砕しよう
1990年代に、日本だけでなく全世界で警察権力の肥大化と刑の重罰化が進んできた。そして01年9・11とイラク侵略戦争突入とともに、予防反革命的、戦時法的な治安攻撃が一挙に進んでいる。アメリカの愛国者法がその典型だ。逮捕状がなくとも半年にわたって警察にぶち込めるという時代状況になっている。
日本でも、共謀罪の新設に加えて、米の愛国者法にきわめて近い「反テロ包括法」が準備されている。8月19日に警察庁が発表した「テロ対策推進要綱」は、その狙いが、彼らが言うところの「過激派暴力集団」すなわち革命党と革命運動の破壊・圧殺にあることをむきだしにしている。
今こそ、国際主義的連帯の力で、戦争と大失業の時代をぶっ飛ばし、治安攻撃を跳ね返そう。10・3集会に結集し、共謀罪を廃案にしよう。10・17米労働者大行進に連帯して決起し、11月労働者集会をかちとり、その力で刑法大改悪法案の国会提出を阻止しよう!
(山藤 宏)
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刑法・刑事訴訟法改悪案
要綱の主な内容(現行→要綱)
有期刑(単独の罪)の上限
15年以下→20年以下
有期刑(併合罪など)の上限
20年以下→30年以下
殺人罪の懲役刑の下限
3年以上→5年以上
強姦罪の懲役刑の下限
2年以上→3年以上
集団強姦罪(新設)
4年以上の有期懲役
強盗致傷罪の懲役刑の下限
7年以上→6年以上
死刑にあたる罪の時効期間
15年→25年
無期懲役・禁固にあたる罪の時効期間
10年→15年
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一切の治安弾圧をゆるすな!
自衛隊はイラクから撤退しろ!
共謀罪を廃案へ10・3全国集会
10月3日(日)午後1時〜
文京区民センター(都営三田線「春日駅」下車)
主催 破防法・組対法に反対する共同行動など4団体
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週刊『前進』(2168号6面1)(2004/10/04)
労働組合をどう守るかの観点で闘いぬく 東京・民間労働者 平田利夫
11・7全国労働者総決起集会にオルグしていますが、「自分のところで闘いができていないのに、なぜ国際連帯か」と言う人もいます。その時に、「自分のところの闘いをやるためにも、国際連帯で力を得て、その力を何倍にもするのが11・7だ」と訴えています。去年の11・9集会で、アメリカと韓国の労働者と一堂に会して実際に話を聞いた時に、初めて同じ気持ちで闘っていることを実感しました。その感動を今回の11・7に組織したい。
また、4大産別決戦は未組織や中小で闘っている労働者にとっても重要な課題です。民間で先行してきた攻撃が、日本の戦後労働運動の本隊として闘ってきた公務員労働運動にかけられ、それがまた民間への攻撃となってくる。その関係をとらえることが重要です。
一番重要なのは、今かけられている攻撃が労働組合解体攻撃だということです。政治=経済攻勢とは、イラク戦争や憲法改悪と一体で資本攻勢をかけ、労働組合を解体することに核心があります。その中で、労働組合をどう守るのか。労働組合の防衛・再生・創造ということが提起されていますが、合同労組を新たにつくって闘う領域もたくさんあります。
労働組合解体攻撃=党絶滅攻撃と真っ向からとらえて、11・7の成功に向かって全力で決起したい。私自身が決起することをとおして、地区党の全員が決起することをめざしたいと思います。
私の地区には、教育労働者の「日の丸・君が代」被処分者がたくさんいます。東京で数百人が「日の丸・君が代」闘争に決起したことが情勢を動かしている。それを支える陣形をつくり、11・7の動員につなげることが重要です。
11・7の“蜂起”に向けて最先頭で頑張っていきたいと思います。
11・6-7連続決起は教育労働運動の革命 東京・教育労働者 山根伸子
11・7労働者集会に教労産別から大結集をかちとる決意です。
今年は、イラク反戦闘争―3・20の高揚過程の中で、東京の都立高校、養護学校、そして義務制の教育労働者が、10・23通達に対して教育労働者の「戦争協力拒否宣言」として、労働者魂と誇りをかけて、一人ひとりの渾身(こんしん)の決起をかちとっています。私自身の予想を超えた大衆的な決起でした。決起した労働者は、闘いの中でこんなにも変わるものかと思うくらいに明るく、熱を発しています。
8月2日、9日の「再発防止研修」は大衆団交の場になり、8月30日の都教委包囲デモまで突っ走ってきました。9月に入って2学期になり、教育労働者は忙しくなっています。都教委は当然にも来年の「再発」を恐れています。当該の人たちは、処分なんて恐れず、やる気満々です。しかし、強制異動で、卒業式を闘った時とは違う職場になっている人もいます。新たな同僚との関係、校長のいじめで、孤立を強制される職場もあります。
そういう中で、「11・7集会に集まり、労働者の階級的な団結で労働運動を変えることで闘いを貫こう」との訴えは、心に届く呼びかけになります。11・6教育基本法改悪反対集会と11・7集会の連続決起は、教育労働者にとって、ひとつの革命を起こすような事態です。
この連続決起のために、アメリカのミリオン・ワーカー・マーチに向けて闘う新潮流派の闘いに学ぶことが重要です。「産別を超えた闘う潮流をつくることに、戦争動員との闘いや教育基本法改悪―改憲阻止闘争の展望もあるんだ」とオルグして獲得していくことがカギになると思います。
『教育労働者の戦争協力拒否宣言』という本が出されました。教育労働者が昔、労働者であることにこだわって勤評闘争などで地域に打って出て闘ったことは、若い労働者にとっては「発見」です。そして今の教育改革攻撃を戦争と民営化攻撃という「骨太方針W」の攻撃としてとらえることが提起されています。
そして、東京の教育攻撃は、米長邦雄を始めとする教育委員と自民党や民主党の土屋らの一部の都議によって行われています。だから、闘う都議が絶対に必要です。「つくる会」の教科書が採択されたことに反撃するために、都議選の勝利に向けても闘っていきたいと思っています。
俺たちはお前たちの奴隷じゃない! 関西・民間食品産業 大原 剛
『前進』最新号に、いま日本国中を揺るがしているプロ野球選手会のストライキについてなにがしかの記事が載るものと思っていたのに、何もありません。労働者階級の政治新聞としてこれはピンチです。
私は民間中小の職場で働く者ですが、職場の多数派組合は連合系列でしかもその本部指導にも従わず経営の意のままに労働者を抑えつける役割を果たしています。管理職然とした係長が組合の役職をやっていて、生産現場では自分の組合の組合員でもある労働者に怒鳴り散らしている始末です。経営者は責任を棚上げして生産が伸びないからと、正社員を減らし賃金は抑制、労働強化と締め付けを強め、多数派組合は完全にその手先と化しています。仲間たちはこれではまるで奴隷じゃないか、やってられないと不満を日々ぶちまける毎日が続いています。
そんな時プロ野球選手会が、資本家連合の一方的リストラに対して労働組合として一致団結しストを打ち抜いたことは、まったく驚きと感動です。
「たかが選手」=「たかが労働者」という資本家どものなめきった言辞に対して、俺たちはお前たちの奴隷じゃない! この社会を動かしているのは俺たち労働者だ! 主人公は俺たち労働者だ! という怒りを爆発させてストライキを見事に打ち抜いている。それを圧倒的多数の労働者階級人民が支持している事実。労働者階級の資本の横暴に対する怒り、健全な精神がそこに反映されているではありませんか。職場でもストをやったらどうなるかと話が広がっています。
プロ野球選手は例外的な高額取得者、自営業者の集まりとかいうことは、もはや資本に与(くみ)する ケチつけにしかすぎません。たとえそうであっても、彼らが資本に対して人間的怒りをもって一致団結して立ち上がりストライキを復権させた功績をこそたたえようではありませんか。私たちも一致団結ストライキで闘おう。
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週刊『前進』(2168号6面2)(2004/10/04)
「日の丸・君が代」 被解雇者らが訴え 29回目の9・14反弾圧闘争
1976年に多数の争議団にかけられた刑事弾圧の集中に共同で対決するために開始され、今年29回目を迎えた9・14反弾圧闘争が、9月17日午後6時半から東京・三河台公園で開かれ170人が参加した。今年の闘いは、「日の丸・君が代」闘争の被解雇者や、国労5・27臨大闘争弾圧被告が発言するなど、有事法制下での戦争国家化と改憲攻撃と対決する新しい反弾圧闘争の出発点をなす重要な闘いだった。
最初に「日の丸・君が代」強制に不起立で決起して解雇された教育労働者が発言した。
「『教え子を戦場に送らない』、このスローガンのもとに私たちはずっと教育に情熱を傾けてきました」「昨年の10月23日に教育委員会は『日の丸・君が代』を強制し、これに従わない者は処分するということを決めてきました」「生徒たちには正しいと思うことは、数や圧力に屈することなく、やっぱり正しいんだと言おうと言い続けてきました」「その私が、処分がいやだからということで起立することができるでしょうか。私はできませんでした」「新しい年度の直前に採用の取り消しがきました。教員の中で9名が首切りになりました」「本当に、子どもたちを戦場に送らない闘いを続けていきたいと思っています。ともにがんばりましょう」
一坪反戦地主会関東ブロックから沖縄・名護市辺野古で連日闘われている海上新基地建設阻止の闘いと、8月に起こった普天間基地のヘリコプター墜落・炎上事故への反対闘争への連帯が熱烈に訴えられた。
続いて、破防法・組対法に反対する共同行動がアピールを行い、10月からの臨時国会で、共謀罪の成立が狙われていることを訴えた。そしてハンストで闘う方針を提起、この全世界的な攻撃を、国際連帯の力で阻止するために10月17日のアメリカ・ワシントンDCでの百万人労働者行進に参加することを明らかにし、共謀罪成立阻止10・3集会への結集を訴えた。
その後、全国から結集した争議団がずらりと並んで決意表明を行った。
争議団連絡会議の代表が基調を提起し、立川自衛隊監視テント村のビラ入れに対する弾圧を弾劾し、労働運動への治安弾圧の強まりを暴露・批判した。
九州から参加した国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の松崎博己さんが、弾圧のために発動された暴力行為等処罰法の問題点を暴露し、28回になる公判の内容を紹介、すでに破産した4党合意がJRに法的責任なしとする国鉄闘争の否定であることを怒りをもって弾劾した。さらに、動労千葉などが呼びかけている11月労働者集会への総決起を熱烈に訴えた。
続いて、「イラク派兵・有事法制」「『司法改革』、治安立法・刑事法制改悪」「労組法改悪」に反対する三つの決議が拍手で採択された。
集会後、「弾圧粉砕、闘争勝利」のかけ声で日比谷公園までデモを戦闘的に貫徹した。
(投稿/N・T)
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週刊『前進』(2168号6面3)(2004/10/04)
寄稿 自衛隊主導で自衛隊のための防災訓練
反戦自衛官 小多 基実夫
今年も9月1日の防災訓練が行われましたが、自衛隊の部隊参加は一見、以前より減少しているかに見えます。しかし、有事法制とその一環である国民保護法がつくられ9月17日に施行され、労働者の戦争動員との闘いがますます重要になっているのです。戦争動員と闘うためにも、それがどのように行われるか知っておくことが必要です。
01年の東京都の防災訓練ビッグレスキューで、人民と行政の戦時動員の基本的な型がテストされ、以後はその情報が前提化され、それに基づいて、訓練−調整し、その確認というレベルでの防災訓練参加になっています。ビッグレスキューが生かされ、それが大本になっています。したがって、以下、01年のビッグレスキューを見た時のことを報告したいと思います。
情報を握り自衛隊が動かす
そこで強く印象に残ったことは、東京都の幹部が全部指令を出して東京電力や東京ガスなど全体を動かしていく形をとっていますが、結局、自衛隊が言うとおりに動かされていることです。
それは、東京都の幹部が何を基にどういう状況判断をしているかというと、すべて自衛隊が出す情報で判断しているからです。自衛隊が命令を出すわけではないのですが、情報の提供という形で動かしていくわけです。
例えばビッグレスキューの時は大きな災害が起きたという想定でしたが、どこの橋が落ちたとか、どこが火の海になっているという情報は自衛隊が出すわけです。そうすると、どこに消防を持ってくるとか、救急車を送るだとか、どこに機動隊を持ってくるということも自衛隊の情報のとおりにせざるを得ないのです。
ビッグレスキューでは都庁の一室に大きなモニターがあって、その部屋に石原都知事を中心に都の幹部の局長などが詰めていて、消防の幹部や陸海空の自衛隊、広報などもいて、石原は自分の前に置かれたモニターを見ていました。問題はそのモニターに何を映し出すのかですが、その映像の元はすべて自衛隊が提供しているのです。
上の階に報道陣も立入禁止の別室があって、そこに陸上自衛隊は第一師団長を先頭に幹部が集結していました。そこには東京を中心に周辺の各県を含んだ大きな立体模型がおいてあって、その模型を第一師団長が棒で指しながら「ここで何があった、ここで何があった」と指定していくわけです。
それをそばにいる10人ぐらいの自衛官がパソコンに次々と入れていって、そこで打ち込まれた状況と「自衛隊のヘリが空撮した映像」と称するビデオを石原の前にすえられた巨大モニターに映し出します。
都庁で指示を出している自衛隊は朝霞駐屯地と直接に結んでいて、朝霞では東部方面隊が何万人もの部隊の動員を想定した図上演習が行われていました。
一応、別々の訓練だという建前はとっていたと思うのですが、実際には自衛隊としては東部方面隊が「南関東大震災」を想定した自衛隊総合防災演習をやっており、その一環として東京都の防災訓練で動員された人たちを動かしていたのです。
形式上は東京都が自衛隊に協力を頼んで動かしているという形になっていますが、実態はまるで逆です。
なぜ自衛隊が情報で一番中心になるかというと、展開できるヘリコプターの数がけた違いだということです。消防や警察もヘリは持っていますが、その数は少ないし、連絡だとか救出とかそれぞれの仕事のために使わざるを得ない。
自衛隊は百里基地(茨城)からジェット機のファントム偵察機を飛ばし、立川(東京)や木更津(千葉)からも多くのヘリを飛ばして情報を握ることができる。そしてその情報の一部を都合のいいように流して全体を思うままに動かしていくのです。
都庁の職員にはこういう裏が見えていないと思うし、一般の人はみんな知らないのではないかと思います
軍隊が民衆を支配する訓練
また、防災訓練の中では、炊き出しの弁当を配ったりとか、帰宅困難者輸送訓練というのもあります。帰宅困難者輸送訓練というのは、東京都に周辺の県からたくさん通勤していて、その人たちが地震で橋が落ちたり、交通が止まったりして家に帰れなくなった時に護衛艦で千葉や横浜に運ぶという訓練です。
この訓練は、自衛隊の軍艦で運んでもらう人がいざ災害という時に何か役に立つかというと、何も役に立たないのであって、訓練は自衛隊員のためにあるということです。
何かの時に大勢の人が殺到して、それをさばいて迅速に乗せるためには重要な訓練です。避難民を軍艦に乗せたり、捕虜を管理するという事態を考えると、たった500人でも一回そうした大勢の人を、しかも自衛官のように指揮されて動かされる訓練をされていない一般の人を乗せて運ぶ訓練をすることと、同時にそのデータをとっておくことが必要なのです。
こうした訓練もそうですが、訓練に参加する民衆にとってはなんの意味もないものであって、あくまでも軍隊や行政が民衆を支配するためにあるもので、それ以外には何の意味もないのです。
民衆の排外主義的動員狙う
毎年9月1日に防災訓練が行われますが、そこには石原の「第三国人」発言に見られるように、民衆を排外主義に動員しようという狙いがあります。
関東大震災の時も軍隊が圧倒的に情報を握っていたと思いますが、今はそれと比べてもはるかに自衛隊が情報を握ることになるわけですから、そうした時に携帯電話もつながらない、普通の電話もかからないというのでパニックになったらデマ情報で踊らされる危険があります。
そういう事態を許さないためにも、関東大震災の時にどのような形で朝鮮人、中国人大虐殺が行われたのか、その歴史をきちんと学ぶ必要があります。そして毎年の防災訓練でどのようなことが行われているか知っておくことも、必要だろうと思います。
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週刊『前進』(2168号6面4)(2004/10/04)
プロ野球ストに寄せて 選手あっての野球、労働者あっての社会
動労千葉組合員 白井敏行
プロ野球選手会のストライキについて、『動労千葉を支援する会ニュース』bP59(9月15日付)に掲載された動労千葉組合員の投稿を転載して紹介します。(編集局)
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社会的関心を集めているプロ野球選手会のストライキについて、動労千葉の組合員として感じていることをのべます。
野球ファンではなく労働者の立場として今度のストライキを見るならば、まさに歴史的快挙ではないかと思います。
「ストライキ」という言葉が日本社会全体に氾濫(はんらん)し、ストに突入するのか否かに大きな関心を集めています。
「労働組合」「ストライキ」「団体交渉」「不当労働行為」という言葉が連日マスコミに登場し、ストライキという言葉の意味も知らなかった多くの若い人が、労働組合とは何か、何のためにあるのかを知ったのではないかとおもいます。
ここ10年は、 ストライキというと、多くの人は「千葉動労」をイメージしました。現に選手会のストが話題になり始めた8月中旬、『週刊プレイボーイ』の記者が組合本部に来ました。「ストのエキスパートである動労千葉から、古田選手会会長にストの心構え、闘い方をアドバイスしてほしい」という取材内容です。
多くの野球ファンは、「たかが選手が」という球団オーナー側の思い上がり、球団合併と一リーグ制に怒っています。しかし野球ファンでもなくても、多くの労働者は今回のストについて圧倒的に支持しています。リストラや首切り、賃下げの攻撃が吹き荒れているにも関わらず、たとえ労働組合があっても何一つまともな抵抗もできない労働者達は、年俸制で激しい競争社会の選手達が、「年俸が削られるが、球界全体のため」と選手だけでなく球界で働く労働者全体の問題として受け止め、労働組合として団結し、ストを対置し闘っている姿に感動し、我が身に置き換えて、拍手喝采(かっさい)しているのではないでしょうか。
ところで、連合や全労連は、今回の選手会のストライキに支持の声明をだしています。労働組合のナショナルセンターとして当然かもしれません。しかし多くの労働者は、「何がスト支持だ」と思ったのでは。会社が大もうけしているのに賃上げ要求もださない、合併やリストラで多くの仲間が解雇されても、まともな闘いも組めない。「会社あっての労働組合」と資本の言いなりになっているのが連合傘下の労働組合の現状だからです。
「年金改悪にはゼネストで闘う」と言っていた連合の笹森会長さん! 「選手会スト支持」を出す前に、労働組合の「プロ」として、まず連合がストをやってみろ! と多くの労働者は思っているのではないでしょうか。
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週刊『前進』(2168号6面5)(2004/10/04)
憲法改悪で殺される者 「障害者」、高齢者の生きるよりどころ奪う25条改憲
〈投稿〉 吉村 隆生
憲法改悪阻止闘争の中で見落とされがちなのが25条改憲の重大性です。これは直接に人の生き死ににかかわる問題です。私たちは「障害者」殺し、高齢者殺しが始まろうとしていることに警鐘乱打しなければなりません。
自公政権による憲法改悪の中で25条の見直しと家族による相互扶助の義務化が図られようとしています。憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障し、国に「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」を義務付けたものです。生活保護や年金はこの条項から国に義務付けられています。憲法25条をよりどころとして生きている「障害者」、高齢者はたくさんいます。その生きる糧を奪ってしまうのです。
自民党改憲案は、とくに高齢者福祉の破産的現実を追認し、家族に責任を背負わせることを狙っています。介護保険が破綻(はたん)している現実を正すのではなく、介護保険の若年への適用による保険料負担が資本家に過負担になるとして家族に責任を背負わせるというのです。それが「障害者」に対しても牙(きば)を向けるものとなるのは明らかです。「障害者」に対しても税金でまかなわれる介助制度を廃止し、保険制度=介護保険に統合することが05年にも行われようとしています。
改憲はそれにとどまらず、生存権保障ということさえ廃止してしまうものです。高齢者のその子による殺害、「障害者」を親が殺すという事件が今でもあります。改憲案はその現実をさらに悲惨なものにするのです。私たち「障害者」に、「親が死んだ後ふびんだ」という理由で殺害されるという現実が襲おうとしているのです。家族が扶養しないと言えば文字どおり路頭に迷って死ぬしかなくなります。
さらに、今でも最低限保障というのは仮象にすぎずまったくのペテンです。在日外国人には日本人より水準が低くて良いという最高裁判例まで存在します(塩見訴訟上告審−最判平1・3・2)。
日本人に対してもすべてに適用されているわけではなく、餓死したり凍死したりするいわゆる「ホームレス」はたくさんいます。憲法は家が無い人には福祉をしなくていいなどと書いてないし、生活保護法にもそんなことは書いていないのです。ホームレスの存在は革命の必要性を指し示しています。労働者がホームレスにされた労働者の問題をわが問題としないのであれば、革命は成就しないでしょう。
憲法改悪は労働者の差別的意識をあおり、生死観を操作するものです。生きていく価値のある命と生きる価値の無い命があるという優生思想の強制です。今でも、若者によるホームレス襲撃という事件があるのは資本主義的な価値観が子どもに強制されていることの反映です。
民族優生思想とは天皇を頂点とする民族主義であり、アジア人民蔑視(べっし)の思想です。かつて朝鮮・中国を侵略し、その命を虫けらのごとく扱い、2000万人のアジア人民を虐殺した戦争、その中で何十万人もの「障害者」を虐殺した歴史を肯定する思想こそが、自公政府のめざしているものです。それこそ再び侵略戦争に突入している資本家階級が強制しようとしている価値観です。労働者に価値観を転換させるために「障害者」、高齢者を殺していく時代なのです。
いま、再びガス室の時代が始まっているというのは多くの「障害者」の実感です。日本社会が巨大なガス室になる時代に入っているのです。改憲阻止闘争のもう一つの重要な側面がそこには存在しているのではないでしょうか。敵の攻撃の切っ先が向けられている者を見落としてはならないと思うのです。
私たち「障害者」は、55年体制の中で社会党=総評や解放同盟が果たしていた防波堤の役割は、11月労働者大行動のさらに壮大な発展の中にこそ存在しているのを見なければなりません。社共の没落と転向の中、新たなる労働運動の大潮流にこそその役割を見出すことができます。差別分断をのりこえる労働運動がそこに存在し、そこにしか存在しません。私たちが11月行動を支え、発展させることの中にしか、このガス室の時代を超える闘いは生まれてきません。
11月、「障害者」の大隊列を登場させよう。
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週刊『前進』(2168号6面6)(2004/10/04)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
10月13日(水)午後1時15分
*東京地方裁判所
☆6・12私文書弾圧裁判
判決公判
9月30日(木)午前10時
*東京高等裁判所
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