ZENSHIN 2004/05/24(No2150
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週刊『前進』(2150号1面1)(2004/05/24)
有事7法案ACSA改定案粉砕へ 5・21明治公園に全国総結集を
5〜6月労働者の大統一行動で戦争法案と年金改悪阻止しよう
5・21明治公園に全国から総結集しよう。5・21は3・20国際反戦共同行動の巨大な高揚を継続・発展させ、20労組陣形を中心とした労働者の新しい大統一戦線を維持し強化する闘いである。何よりもACSA改定・有事7法案に、日本の労働者人民が階級的怒りをたたきつけ、成立を絶対阻止していく最大最高の闘いである。拘束イラク人への米英軍の虐待・拷問という歴史的犯罪への怒り、米英軍と共同してイラク軍事占領を担う自衛隊への即時撤退要求、そして今国会での年金大改悪など超反動攻撃への怒りと反撃を、すべて5・21に結集しよう。5・21から6月へ、自衛隊即時撤兵、ACSA改定・有事7法案粉砕、名護新基地建設阻止、年金大改悪粉砕、小泉政権打倒・改憲阻止の大闘争を爆発させよう。18日以降、連日国会に駆けつけて闘おう。
第1章 拷問と虐待は民族抑圧の極
イラク情勢が世界を震撼(しんかん)させている。何よりもバグダッドのアブグレイブ刑務所などで米(英)軍が行ってきた拘束イラク人に対する組織的な拷問・虐待、そしてレイプや殺人が内部告発で公然化し、全世界で新たな怒りが爆発している。米軍はファルージャの大虐殺などと同時に、イラク人民の民族性・階級性の解体のみならず人格をも破壊する大暴虐を凶行してきたのだ。
これは帝国主義の民族抑圧政策の極致であり、米帝とイスラエルがパレスチナで行ってきた民族抹殺政策そのものである。かつて日帝が行った三光作戦や南京大虐殺、ナチス・ドイツが凶行したユダヤ人大虐殺にも匹敵する歴史的犯罪だ。
そもそも帝国主義(米英日帝)が03年3・20をもって開始したイラク侵略戦争と軍事占領そのものが絶対許しがたいことだが、その侵略戦争・軍事占領のおぞましい反人民的実態、帝国主義の本質こそが今回の拷問・虐待事件なのだ。
何がフセインの抑圧からの「解放」か。イラクの「民主化」か。「復興支援」か。侵略戦争凶行の口実とされた「大量破壊兵器」の大ウソに続いて、イラク侵略戦争の不正義性、反人民性は極まった。だが今回明らかになっているのは、氷山の一角である。
今こそ闘うイラク人民と連帯し、米英日帝をイラクからたたき出し、イラク侵略戦争を内乱に転化し、帝国主義そのものを世界革命をもって打倒するために闘うときだ。そのような革命的情勢が急速に成熟しつつある。万国の労働者階級は団結し総決起しよう。
イラク人民はこの間、「4月蜂起」とも言うべき闘いに総決起し、帝国主義を侵略戦争の泥沼にさらに追いつめてきた。3・31ファルージャの闘い(スンニ派)、4・4〜5ナジャフ、バグダッド、バスラなどでの闘い(シーア派サドル派)を突破口に、全人民的な武装闘争、蜂起戦に立ち上がってきた。
これは民族解放をかけた全人民的決起であり、本格的な民族解放・革命戦争、本格的なゲリラ・パルチザン戦争の爆発に向かっての決定的な飛躍を切り開くものであった。しかも追いつめられた米帝のファルージャでの「掃討戦」=大虐殺という反革命攻撃のエスカレートをも打ち破って米軍を郊外に撤退させる勝利をかちとり、米英日帝のイラク占領支配を完全な泥沼と破綻(はたん)にたたき込んでいるのだ。今や6・30の「主権移譲」のペテンもカイライ政権づくりの策動も完全に吹き飛ばされようとしている。
4月7日に続いて29日、サマワの自衛隊宿営地に向け3度目の迫撃砲が炸裂した。5月10日には同じサマワのオランダ軍がイラク人民から手投げ弾で攻撃され、オランダ兵2人が死傷した。この期に及んでも小泉は「非戦闘地域」だとうそぶいている。自衛隊は「人道復興支援活動」だと強弁している。
だが自衛隊は米英軍と共同作戦を行っている完全な占領軍である。「安全確保支援活動」という米軍支援の軍事作戦をやっているのだ。給水とか医療活動など単なる慰撫(いぶ)作戦にすぎない。なぜ日本人5人が拘束されたのか。自衛隊が派兵されているからだ。イラク人民の要求は自衛隊撤退だ。そのために日本人民は小泉政権と闘ってくれということだ。5人がイラク人民の友たらんとする人たちであり、日本で自衛隊撤退運動が起こっていることを知って、5人は解放されたのである。
今こそ日本の労働者階級人民は、全世界のプロレタリアートとともに、「闘うイラク人民と連帯し、米英日帝のイラク侵略戦争を内乱に転化せよ」の戦略的スローガンのもと、イラク軍事占領反対・自衛隊即時撤退の闘いに総決起しなければならない。
第2章 とてつもない侵略戦争法案
日帝・小泉が今国会で成立を狙っている有事7法案・3協定条約案は、昨年6月に成立した武力攻撃事態法など有事3法にもまさる重要対決法案であり、とてつもない侵略戦争法案である。それは日帝(米日帝)が今現に強行されているイラク侵略戦争やアフガニスタン侵略戦争を米帝と共同=競合して継続・激化・拡大し、北朝鮮・中国侵略戦争を準備し発動するための戦争法案なのだ。
法案の中身の第一は、ACSA(日米物品役務相互提供協定)改定案とそれを軸とした米軍行動円滑化法案、自衛隊法改正案、交通・通信利用法案など米軍支援関連法案だ。今回のACSA改定は、一方で「武力攻撃事態」とその「予測事態」に日米間で物品・役務と弾薬を相互提供できるようにし、米軍行動円滑化法案など他の3法案と一体で、北朝鮮・中国侵略戦争において日米が全面的に共同作戦を行い、米軍が日本全土を自由に出撃・兵站(へいたん)基地とすることを可能にする。
他方で「国際貢献」と戦災など「大規模災害」にも適用を拡大し、イラク・アフガニスタンはもとより、全地球的規模で日米が共同作戦をできるようにする。
これは実質上、安保大改定であり、集団的自衛権の行使そのものなのだ。
第二は、交通・通信利用法案や外国軍用品等海上輸送規制法案からなる自衛隊の戦争権限強化と「武力行使」容認の戦争法規である。「武力攻撃事態等」に際して自衛隊は成田を始めとする空港や、港湾、道路などを全面的に管理・制圧し、利用できる。さらに日本の領海だけでなく公海上で外国船舶を臨検し、「積荷の引き渡し」や日本の港への「回航」を求め、従わなければ「警告射撃」「危害射撃」や撃沈もできる。これは自衛隊が事実上「武力行使」「交戦権の行使」をできるということだ。
第三は、国民保護法案だ。これは北朝鮮・中国侵略戦争に向けて国民を扇動し、社会のあり方を軍事モード、戦争モードに切り替え、戦前の隣組制度のような戦争防災組織で国民を管理・動員し、戦争の犠牲にしていく法案である。
「国民保護」とは大ペテンで、米日帝の北朝鮮侵略戦争突入とそれが引き起こす相手国からの必死の反撃を想定し、労働者人民を侵略戦争に組織し、動員する法案なのである。
第四は、捕虜等取り扱い法案、国際人道法違反行為処罰法案、ジュネーブ条約追加議定書T・Uである。これは日帝が、帝国主義的侵略戦争―世界戦争に参戦していくために国際的戦争法規を整備するという重大な攻撃だ。
以上、ACSA改定・有事7法案は、イラク侵略戦争の継続・激化・拡大と北朝鮮・中国侵略戦争への体制づくりための法案であり、航空、港湾、交通、医療を始めとした労働者を戦争動員していく大攻撃だ。
こんな重大法案がマスコミの抹殺、民主党の賛成、日本共産党や社民党の屈服の中で、成立しようとしている。怒りと危機感を爆発させ、5・21闘争と6月闘争に総決起し、労働者の階級的な力で絶対に阻止しよう。国民保護法案に賛成を表明した4・14自治労見解を下からの組合員の怒りで粉砕し、5・21明治公園に総結集しよう。
米帝は今、イラク侵略戦争から北朝鮮・中国侵略戦争―世界戦争に向け米軍の地球的規模での大再編(トランスフォーメーション)を行っている。その一環として沖縄基地の再編・強化がある。すでにファルージャ大虐殺には在沖米海兵隊も投入されている。
4月19日から不屈に闘いぬかれている名護新基地建設のボーリング調査阻止の闘いは、イラク反戦・有事法案阻止の闘いと一体のものである。5・15〜17闘争の爆発から普天間基地即時閉鎖・全面撤去、名護新基地建設阻止、宮古下地島空港の軍事基地化反対の闘いを強化し、沖縄闘争の戦略的発展を切り開こう。
第3章 年金改悪が資本攻勢の焦点
さらに、日帝のイラク侵略戦争参戦、有事立法完成への攻撃という<外への侵略戦争>に対応した<内への階級戦争>、小泉=奥田路線による資本攻勢の最大の焦点が、年金改悪だ。年金改悪法案は菅と民主党の自公民「3党合意」の大裏切りにより、5月11日に衆院で可決され、すでに参院に送られている。絶対に阻止しよう。
今回の年金改悪法案は、(1)厚生年金の保険料率を労資折半で現行の年収の13・58%から毎年引き上げ、2017年度以降は18・30%とする、(2)国民年金保険料は現行の月額1万3300円を毎年引き上げ、17年度以降は1万6900円とする、(3)給付水準は現行の現役世代平均手取り賃金の59・3%を徐々に引き下げ、23年度以降は50・2%とするというもので、大幅な負担増と給付削減の大改悪だ。しかもマクロ経済スライドが導入され、現実には50%の給付さえ保障されない。年金制度解体につながる大攻撃なのである。
ところが民主党は法案の付則に「公的年金制度の一元化」の「検討」という何の実質もない文言が盛り込まれたことを理由に修正案に賛成し、法案成立に道を開いた。そもそも民主党と連合のいう年金の「一元化」とは、将来、消費税を大幅に引き上げ、それを年金財源とする反人民的なもので、日本経団連・奥田が提唱する消費税率16%化とか18%化の方針と完全に一体なのだ。
しかも、この年金大改悪を推進する小泉政権の閣僚や与野党の政治家は、福田や菅を始め軒並み年金未納か、未加入だった。公明党の神崎代表ら幹部連中の未納も発覚した。福田の幕引きを狙った辞任や菅の追いつめられての辞任で済むような事態ではまったくない。他の6人の未納閣僚や小泉自身の責任こそ超重大だ。小泉政権は即刻打倒するしかない。
年金改悪の根本は、帝国主義がもはや体制的に破産し、労働者を食わせてゆくことも、老後の生活を保障することもできないことにある。しかし人民には生存権がある。年金は権利である。労働者人民は80%が改悪法案に反対だ。怒りは充満し沸騰している。闘いは終わっていない。参院段階の闘いで絶対に法案を粉砕しよう。
さらに今国会では共謀罪新設攻撃、司法改悪―裁判員制度導入、労組法改悪などの攻撃が切迫している。教育基本法改悪と改憲攻撃もいよいよ最大テーマとなってきた。5・21と6月闘争の大爆発で反撃し、勝利を開こう。
動労千葉が04春闘の3波のストで切り開いた地平を全国に、全世界にひろげ、ともに国鉄、教労、全逓、自治労を始め全産別、労組・職場から総決起をかちとろう。
革命的労働者の党の建設、機関紙拡大闘争、財政決戦を5〜6月の重大闘争として、意識的・計画的に断固とり組んでいこう。
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週刊『前進』(2150号1面2)(2004/05/24)
米英軍の拷問・虐待弾劾 自衛隊イラク即時撤兵を
米軍がイラクのアブグレイブ刑務所に入れられたイラク人を拷問・虐待していた事実が、続いてイギリス軍も拷問・虐待を行っていたことが全世界に報道され怒りと衝撃が走っている。
米英軍の拷問・虐待は、占領が始まった頃からすでにうわさされており、その後明白な事実として広範に知られていた。だが、それが写真によってそのおぞましい実態とともに明らかになったことで、すべてのイラク人民、全世界人民があらためて米英帝によるイラク侵略戦争・占領支配に抑えがたい怒りで煮えくりかえっている。
日帝は、この米英軍の侵略戦争を支持し、参戦している共犯者だ。今問われていることは日本人民が、闘うイラク人民と連帯し、軍事占領に反対し、自衛隊撤兵のために全力で闘うことである。5・21闘争の爆発へ全力で決起しよう。
写真が公表され、報道されたのは氷山の一角であり、実態ははるかに広範で残虐なものである。全裸にして暴行や性的虐待を行う、男性憲兵が女性に暴行する、軍用犬をけしかけ大けがをさせる、眠らせない、食事を与えないなどありとあらゆる残虐が行われていた。収容者を銃撃するということまで行われていた。25人もの人が刑務所内で虐殺されたことが確認されているが、実態はもっと多いことは明白である。
米帝は、これらの虐待が兵士個人の問題であるかのようにすり替えようとしている。しかし、すでに多くの事実から、収容者の供述を得るための組織的な拷問だったことが明らかになっている。拷問は、ラムズフェルド国防長官とサンチェス米占領軍司令官の許可と指示によって行われた。また米情報機関が現場でどのような拷問を行うかについて指示していた。
米軍兵士が写真を撮ったことも、収容者が釈放された場合にあまりの屈辱のために友人や周囲の人間などにも話せないようにし、話した場合は写真を公表するとして脅すためだった。
国防長官の指示
こうした拷問のやり方は、米軍がベトナム戦争以来蓄積してきたシステム的なやり方で、とりわけキューバにあるグアンタナモ米軍基地で米軍が行ってきたことがイラクに持ち込まれたのである。直接にもアブグレイブ刑務所での取り調べはグアンタナモから来た民間契約業者の取調官が指揮して行われた。民間契約業者とはいうが、その実態は元特殊部隊員などの傭兵である。また、今回イラク大使に指名されたネグロポンテ元米国連大使は、ホンジュラスやメキシコの大使時代に「死の部隊」と呼ばれるテロ部隊を指揮し、暗殺・住民虐殺作戦を行ってきた人物である。
しかも、今回アブグレイブ刑務所の責任者になったミラー少将は、グアンタナモ収容所の所長をしていた人物で、彼が「アブグレイブをグアンタナモ化する」と言って拷問をより大々的に拡大させたのである。
イラクでの拷問について米軍内で1月から事実調査が行われ、3月には報告書が作成されたが、ラムズフェルドが握りつぶした。さらに、米CBSテレビが虐待の報道を行おうとしていたことに対し、マイヤーズ統合参謀本部議長が圧力をかけてやめさせようとしたことで放送そのものが2週間遅れになった。米帝は事態を沈静化させるために全力を挙げている。あくまでもイラク侵略戦争と軍事占領を貫き、植民地化しようとしているのだ。
侵略戦争の正体
拷問・虐待問題は、米帝のイラク侵略戦争によって引き起こされた事態である。軍事占領の正体がこれだ。刑務所内で拷問や虐待、虐殺が行われているだけでなく、イラク全土で無差別虐殺が行われている。米英日占領軍がイラクにとどまる限りイラク人民虐殺は続くのだ。
イラク人民の4月蜂起に追いつめられた米軍のファルージャ包囲、平定作戦はかつて日本軍が中国で行った南京大虐殺と同じ性格の大虐殺作戦として行われた。子どもや女性を含む千人近くの人民が虐殺された。ファルージャの人民は不屈に闘って米軍を撃退したが、米軍が行おうとしたことは、30万ファルージャ市民の皆殺しだったのだ。
米帝は自らイラクから撤退することはありえない。米帝のイラクからの撤退は、帝国主義間争闘戦での決定的な後退を意味するだけでなく、イラク人民の激しい民族解放闘争がアラブ人民、ムスリム人民の全面的蜂起につながるからである。イラク人民の民族解放・革命戦争によって米帝をたたき出す以外にイラク人民の解放はないのだ。
今こそ「闘うイラク人民と連帯し、イラク侵略戦争を内乱に転化せよ」の闘いに立とう。帝国主義を打倒する闘いを大爆発させることで世界革命への情勢が一気に切り開かれる。そのためにも5・21闘争の大爆発をかちとろう。
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週刊『前進』(2150号1面3)(2004/05/24)
ボーリング調査阻止 座り込み4週間
連日の座り込みが続く辺野古漁港前(5月6日 名護市)。5・15平和行進も14日朝、500人が座り込み闘争に合流してから出発した
名護新基地建設のための辺野古沖ボーリング調査を阻止する座り込みは、4月19日開始以来4週間にわたり不屈に続いている。
那覇防衛施設局が連休明けにどう出てくるか、緊張の中で迎えた5月6日朝、50人以上の参加者を前に安次富浩ヘリ基地反対協代表が「私たちの意気込みを見せてやろう」と訴えた。午後3時半にやってきた施設局に対して「どれだけ沖縄を踏みにじるんですか!」と平和市民連絡会の平良夏芽牧師が怒った。
自衛隊P3C基地建設を13年阻止し続けている本部町住民、89年都市型訓練施設を体を張って阻止した恩納村住民らも駆けつけている。韓国の駐韓米軍犯罪根絶運動本部からも連帯メッセージが届いた。命を守る会を軸とした島ぐるみ闘争は、世界とつながる闘いであり、イラク反戦闘争の重要な一翼をなしている。
10日午前には、命を守る会とヘリ基地反対協がボーリング調査の中止を求める声明を発表した。命を守る会の金城祐治代表は「本当に平和な21世紀をつくらなければならない」と全国的な支援を要請した。同日午後、基地の県内移設に反対する県民会議が那覇防衛施設局に行き、住民無視、環境破壊のボーリング調査に公開質問を申し入れた。
5月16日は普天間基地即時閉鎖・無条件返還を要求する基地包囲闘争だ。名護新基地建設阻止へ、辺野古現地座り込み闘争に全国から駆けつけよう。
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週刊『前進』(2150号2面1)(2004/05/24)
年金改悪案を廃案に 保険料上げ給付は削減 労働者の生存権を奪う
未納6閣僚は即刻辞任せよ
小泉政権は5月11日、年金改悪法案の衆院本会議採決を強行した。この暴挙を徹底弾劾する。法案審議は参院に移った。労働者人民にとって、改悪阻止の決戦はまさにこれからである。
この間、小泉内閣の7閣僚や与野党の政党幹部らが国民年金保険料を納めていなかったことが暴かれている。福田(官房長官=辞任)や公明党・神崎らの「法案の成立にメドが立ったから真相を語る」などという労働者人民を踏みにじる態度を、どうして許せるだろうか。彼らは、手厚い議員年金の特権を享受しつつ、自分たちの未納をひた隠しにして、労働者人民に大幅負担増を強いる年金改悪を推し進めてきたのだ。
だが、閣僚の保険料未納問題をきっかけに、労働者人民の怒りは本格的に噴出し始めている。その怒りをさらに激しくたたきつけるならば、年金改悪を葬り去ることはできるのだ。イラク侵略戦争にのめり込み、有事関連法案の成立に突き進む小泉政権を打倒することはできるのだ。
今回の年金改悪案は、保険料を大幅に引き上げるとともに、年金給付は徹底的に削減するというものだ。
衆院を通過した改悪案の内容は、次のとおりだ。
(1)厚生年金の保険料率は、現在13・58%(労資折半)だが、これを今年10月から毎年0・354%ずつ引き上げ、2017年度には18・30%にする。年収500万円の層では、年間34万円ほどの保険料が毎年毎年8600円ずつ上がり、17年度には46万円になる。年間12万円もの負担増だ。
(2)国民年金の保険料は、現在の月額1万3300円が来年4月から毎年280円ずつ引き上げられる。17年度には1万6900円になる。現在と比べると月額で3600円、年間4万3200円もの大幅負担増だ。夫と妻の世帯ならば、引き上げ額は合わせて8万6000円にも上る。
現在の保険料も、すでに負担できる限度を超えている。保険料を支払えない人、免除されている人の割合は4割に迫っている。すでに「国民皆年金」は崩れている。これ以上の保険料の引き上げは、ますます多くの低所得者を年金制度から排除するものになる。
(3)他方、給付額は毎年切り下げられる。厚労省が想定する「モデル世帯」(夫は40年勤続・平均月収36・7万円、妻はいわゆる「専業主婦」)の場合、現在は夫婦が受給する年金額の合計が現役労働者の給与収入に対して59・3%の水準になるように設定されている。今回の改悪を認めれば、年金額は年々削られ、やがてこの数値は50%にまで切り下げられる。実質15%の削減だ。
しかも、50%というのはあくまで65歳で初めて受給する時の年金額に関する話だ。受給開始後も年金は年々低下し、85歳では41%程度に落ち込む。高齢になればなるほど、生活は苦しくなる。
こうした年金削減は、月5万円以下のごくわずかな年金しか得られない人びとにも一律に襲いかかる。こんなことをされて、どうして生活が成り立つのか。
(4)さらに重大なのは、これらの数値でさえなんら保障されたものではないことだ。今回の改悪の最大の問題は、「マクロ経済スライド」なるものを導入して、年金をいくらでも削減できる仕掛けを制度の中に埋め込んでしまうことにある。こんなことを認めれば、年金削減は政府の思いのままになる。
消費税増税が前提の一元化
(5)こうした攻撃の先にあるのは消費税の大幅増税だ。小泉政権は、「年金制度の破綻(はたん)」を逆手にとって、この改悪を機に消費税アップに道を開こうとしているのだ。日本経団連は、消費税率を18%に引き上げろと叫んでいる。
それは、労働者人民からの徹底した収奪で資本救済費をひねり出し、イラク侵略戦争や北朝鮮(中国)侵略戦争のための戦費を思うままに調達できる仕組みをつくろうとするものだ。
賃下げ、定昇廃止、終身雇用の破壊など、労働者家族の生活は日々脅かされ、労働者は明日をも知れぬ不安の中にたたき込まれている。生活費を削り、「10円でも安いものを」と節約を強いられている。そこに今回の改悪が襲いかかるのだ。労働者の生活をとことん破壊する、まさに恐るべき攻撃だ。
年金改悪案の衆院通過に道を開いたのは民主党と連合の裏切りだ。民主党は、「年金一元化を含む社会保障制度全般の一体的見直し」のための与野党協議機関を設置するとした「3党合意」を容認し、法案衆院通過に手を貸した。
それは、政府案の中身を何ひとつ変えるものではない。それどころか、医療や介護を含む社会保障全体の解体をさらに加速させ、消費税増税を推し進めるものになる。
奥田に屈した連合と民主党
この民主党の裏切りの背後には、日本経団連と連合がいる。4月28日の衆院厚生労働委員会での採決に先立つ26日、連合会長の笹森と日本経団連会長の奥田は小泉と会談し、社会保障制度の「抜本改革」に向けた政労使の協議機関の設置を要請した。日本経団連は、社会保険料の企業負担を徹底的に削減することを狙い、連合もまたこれに唱和し、民主党はそれらの意向に沿って与党と3党合意をまとめたのだ。
連合と民主党は資本の代弁者だ。彼らを打ち倒し、階級的労働運動を再生させて年金改悪を阻止しよう。
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週刊『前進』(2150号2面2)(2004/05/24)
動労千葉夏季物販に全力を 春闘ストの勝利を訴えよう
動労千葉の2004年度夏季物販闘争が5月から開始される。3月28日、DC会館で全国物販担当者会議を開催し、夏季物販闘争に全力で決起することを確認した。
今物販闘争の方針は、動労千葉の50日にわたる04春闘3波ストライキの勝利を全力で訴えることである。
退職間近の1人の組合員への不当配転攻撃に対して、2月10日から第1波無期限指名スト・非協力闘争に突入し、一糸乱れぬ団結力でJR当局を追いつめた。国家的不当労働行為によって士職登用差別(運転士の免許を持っていながら運転士にさせない差別攻撃)が分割・民営化から17年たった今も続いている。この組合員を運転士に戻すことを拒否して、あえて退職間際の組合員を強制配転させるという攻撃に対し、17年間の積もりに積もった怒りが爆発したのだ。1人の強制配転に対して組織の総力を挙げて闘いぬき、その攻撃を打ち破った。すばらしい団結力である。
第2波は、1月に入ってレールが折れるという大事故寸前の事態に対し、「闘いなくして安全なし」−反合・運転保安の闘いとして3月12日から14日の48時間ストに立ち上がった。JR東日本はこの間の重大事故の続発について「会社発足以来の最大の危機」「JRの深部に問題がある」と大塚社長が発言し、安全問題が分割・民営化の最大の矛盾点−弱点であると自ら認めてしまった。国土交通省は昨年12月、異例の「事業改善命令」(重大事故が続発するおそれがある)をJR東日本に出したが、その後も事故が続発している。
JRによる安全の危機は、分割・民営化そのものに原因がある。規制緩和−効率化そして利益優先を掲げ、鉄道の保守部門を切り捨て、全面外注化を強行したことがこの事態を生み出した。イギリスではレールが折れる重大事故が続発して分割・民営化が完全に破綻(はたん)し、再国有化が課題になっている。
JR当局の「折れたと言うな」という内部文書に対し、動労千葉はストをとおして謝罪をかちとった。
今や安全の危機は全産業で進行している。労働者を食わせていくことができなくなった帝国主義の危機の中で、労災事故の多発に示されるように、闘わなければ殺されてしまう時代になっている。「闘いなくして安全なし」は全労働者の課題だ。動労千葉は04春闘を新たな出発点に、恒常的な反合・運転保安闘争に立ち上がっている。
こうした反合・運転保安闘争を中心とした生産点からの闘いと1047名解雇撤回闘争を結合し、JR資本を徹底的に追いつめることこそ1047名闘争の勝利の道だ。
動労千葉はさらにベアゼロ回答打破、賃金制度改悪阻止の3・29第3波ストに立った。
動労千葉の04春闘の闘いは、3・20イラク開戦1周年国際反戦共同行動における日比谷6万−全国50万決起を牽引(けんいん)した。全世界では1千万の労働者が立ち上がった。
動労千葉は「日比谷10万人決起で世の中を変えよう」「階級的力関係の転換をかちとろう」と自ら3波のストに立ち上がって全労働者に訴えた。その中で都高教の教育労働者を先頭に卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強制に対する不起立闘争が巻き起こった。さらに1047名解雇撤回を掲げた4・13国鉄集会に日比谷公会堂をあふれる3500人が結集し、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の共闘集会をかちとった。
日本労働運動は国鉄闘争を先頭に高揚を開始した。5〜6月はイラク反戦−有事関連法案阻止の決戦だ。この闘いと結合し、階級的労働運動を再生させるために物販闘争に全力で決起しよう。
販売品目
1 根昆布おやつ 400
2 もずくスープ 500
3 オーガニック麦茶 600
4 きゃらぶきおかか 600
5 天津甘栗 500
6 焼カシューナッツ 600
7 プーさんタオルセット 1200
8 真いかあたりめ 850
9 ホタテ貝の佃煮 1000
10 純米焼酎 2000
11 夕張メロンゼリー 3000
12 冷酒5本セット 2400
13 パスタとソースセット 3000
14 日ハムソーセージ 1000
15 キャロット&
フルーツジュース 1500
16 ポケットチーズ 700
17 かりんとうロマン 850
18 グンゼソックス 1000
19 家庭用消火器 2500
20 ペリカン石けん 1200
21 静岡茶 600
22 レギュラーコーヒー 1000
23 即席みそ汁 1200
24 アーモンドフィッシュ 1000
25 種ぬきプルーン 1000
26 冷し中華(生) 1000
27 寒干しラーメン 1200
28 島原てのべそうめん 1300
29 北信濃手折りそば 1600
30 稲庭古来うどん 2200
31 国産天然はちみつ 1500
32 ドライカットわかめ 500
33 ひじき 600
34 根昆布しょうゆ 600
35 阿蘇たかな漬セット 1000
36 だしパック 1200
37 焼のり5帖 1700
38 紀州南高梅 2200
39 ビーフカレー20食 3000
申込先/動労千葉協販部 TEL043(227)7833 FAX043(227)8125
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週刊『前進』(2150号2面3)(2004/05/24)
全金本山 争議解決を迫る 決戦局面で社長宅へデモ
5月9〜10日、全金本山闘争勝利へ向けて仙台市内での総決起集会と本社工場門前闘争が闘われた。
今回の闘争では、本山製作所の千葉敬次社長宅への抗議デモが行われた。9日午後4時半、90人を超える労組員・支援が集合してデモに出た。静かな住宅街にシュプレヒコールが響き渡った。家の中から手を振る人、ドアを開けて出てくる人もいて圧倒的注目を集めた。20人以上の公安刑事が社長宅を守るように取り囲んでいる。これこそ権力・資本一体となった暴力労政そのものだ。デモ隊は「千葉社長は争議解決を決断しろ」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
午後6時からの総決起集会では長谷武志委員長があいさつし、「全金本山闘争は34年目を迎えた。5月全国闘争は72年5月20日の暴力ガードマン導入との闘いとして始まり、総評・全金による統制処分以降は『闘う全金』の歴史を守り抜くものとして闘い続けてきた。今回の5月闘争は重大な闘いだ。昨年3月31日の仙台地裁での全金本山労組の一部勝利、みずほ銀行の債権の整理回収機構への売却という中で、本山経営陣には決断が迫られている。5月闘争と7月25〜26日の大結集で『お盆明けの解決』を会社に迫りたい。夏季物販闘争に突入するが、皆さんのさらなる支援で臨機応変に闘いたい」と、重大局面を完全勝利へと上りつめる決意を表明した。
青柳充書記長が基調を提起し、「仙台地裁の判決で一部ではあるが就労を拒んできた会社側の責任を認めさせた。仙台高裁で会社は『和解したい』と言い、この間の労使間の実務者協議で『8月末を目途とする全面解決』についての合意と就労時の賃金額についての提示があった。現在のポイントは60歳(定年年齢)を超えた組合員の就労問題だ。地裁判決が認定したように、会社が争議を引き延ばした結果としての60歳であり、これを認めずに解決はない。会社の対応は予断を許さない。何年かかっても完全勝利まで闘う決意にいささかも変わりはない」
「中野七郎書記次長への弾圧を跳ね返し、3月20日には全金本山労組も参加して4000人のイラク反戦集会をかちとった。争議をとおして労働者の生活と権利を守るとともに、戦争に反対する闘い、弾圧に反対する闘いも闘わなければならない。夏季物販が始まる。闘争と生活の両立はきついが、34年の闘いの一切をかけて5〜8月闘争を闘おう」と鮮明に提起した。
全国から駆けつけた争議団が連帯のあいさつを行った。動労千葉の後藤俊哉執行委員が、強制配転者の原職復帰をかちとるなどの大きな勝利を実現した3波のストについて報告した。
また、新商品の紹介とともに夏季物資販売のアピールが行われた。
被解雇者の熊谷春男組合員が当該として決意表明。「私が72年に解雇された時は全金支部に闘う体制があった。しかし、会社から『退職届を出せば自主退職にしてやる。期限は1週間』とされ、家族からは『そんな会社には辞表をたたきつけてやれ』と言われた。その1週間が一番つらかった」と当時を振り返り、「勝利は近づいている。解雇者を含めて職場復帰をかちとるために闘い抜く」と力強く発言した。
10日の本社工場門前での就労要求闘争には80人を超える労働者、学生が結集した。全国から駆けつけた争議団、自治労や全逓の労働者などが次々に会社に争議解決を迫った。中野書記次長は、全国の闘う労組の力を結集して全金本山闘争が前進してきたこと、自らへの『傷害事件』デッチあげを跳ね返したことを訴え、構内で働く第2組合=JAM労組の組合員に「ともに闘おう」と呼びかけた。
全金本山闘争は「2名の解雇撤回・全員の原職奪還」をかちとる正念場中の正念場を迎えた。この闘争を支援してきたすべての仲間は7月25〜26日の全国闘争に総結集しよう。「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則を貫く全金本山労組とともに闘おう。夏季物販・カンパ闘争に総決起しよう。
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週刊『前進』(2150号2面4)(2004/05/24)
“良心にかけ不起立貫く” 予防訴訟 教育労働者が意見陳述
今年1月、都立校の教育労働者228人が提訴した「国歌斉唱時の起立・斉唱、伴奏の義務不存在の確認請求訴訟」(予防訴訟)の第2回口頭弁論が5月6日に行われた。東京地裁で最も大きい103号法廷で行われたが、傍聴券の交付には長蛇の列ができ、傍聴人以外にも約100人が法廷の外で注視した。
原告を代表して、2人が意見陳述に立った。クリスチャンの男性は「私には『君が代』が天皇を『神』としてあがめる賛美の歌に聞こえます。現在の天皇も大嘗祭という神道儀礼にのっとって天皇となった『神』の座にすわる存在です。私にとって『君が代』の起立・斉唱を強制されることは、自分の信じる聖書の神への裏切り行為です。教師として、物言わぬ国民づくりの道具にはなりたくない。国のために死ぬことは名誉なことだと教えた歴史を繰り返してはいけない」と涙ながらに訴えた。
もう一人の女性労働者は「これまで私は生徒に対して、『良心に従って行動しなければならない』と説得し、また良心に基づかない打算的な行為を批判してきました。しかしこの先、私が処分を受けることを恐れ、起立して『君が代』を歌うとすれば、それは私個人の利益のために、自らの良心に反する行為を行ったということになります。良心に基づく行為を奨励し、良心に反する行為を批判してきた私が、生徒の前で、教員としての自らの欺瞞(ぎまん)を暴露することになります」と陳述した。
口頭弁論終了後、弁護士会館で報告集会が開催された。弁護士をまじえて、今後の裁判闘争の進め方などについて積極的に議論が行われた。
予防訴訟の原告からは、「石原都知事や都教委・横山教育長を法廷に引っぱり出そう!」という声も上がっている。「日の丸・君が代」を強制した昨年10月23日の都教委通達の不当性を徹底的に暴く裁判として、きわめて戦闘的に闘いが開始されている。次回・第3回口頭弁論は6月17日午後1時30分から東京地裁103号法廷。
第2次提訴と人事委闘争へ
卒業式における「日の丸」不起立に対しては、都立校と小・中学校をあわせて196人が処分され(うち1人は減給1カ月)、8人の嘱託職員採用内定者が採用を取り消された。さらに都教委は、4月入学式における不起立者への処分を5月27日にも発令しようとしている。
これに対して同日、約150人が予防訴訟の原告団に加わって第2次提訴に立とうとしている。あわせて400人近い大原告団が登場しようとしているのだ。
また被処分者は4月5日(75人)、30日(51人)と2次にわたり東京都人事委員会に処分取り消しを求める不服審査請求を申し立て、5月末に第3次申し立ても準備している。
大きな支援運動をつくり出して、ともに闘おう!
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週刊『前進』(2150号2面5)(2004/05/24)
交流センター女性部大会 1年間の前進示す
全国労組交流センター女性部第11回定期大会が4月24〜25日、千葉市内で開かれた。3・20の日比谷6万人結集、3・8国際婦人デー集会の成功など1年間の成果が次々に報告され、会員の大前進・大飛躍が具体的に見え、力あふれる大会としてかちとられた。
執行部が03年度を総括し04年度の課題を提案した。
「日本はついに自衛隊をイラクに派兵し、戦時下に入った。『3・20の10万人決起で世の中を変えよう』という2月全国総会の提起での一致が情勢を切り開いた。女性部会員はその組織化の先頭に立った。労働組合(支部・分会)執行部を積極的にとり、女性労働者を組織していくことが求められている。『男女共同参画社会論』批判もつくった。あらゆる業種、就労形態の女性労働者が結集している交流センター女性部こそ、すべての産別、組合の垣根を越えた階級的団結と闘いを実現できる」
「イラク反戦、有事法、教育基本法―改憲阻止闘争の反戦・政治闘争、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会運動を発展させ、国鉄1047名闘争の勝利をかちとろう」
討論では、自治体の嘱託職員の組織化の報告をトップに、パートの時給切り下げを打ち破ったこと、介護ヘルパー削減攻撃との闘い、解雇撤回の争議支援、合同労組の闘いなど、小泉―奥田路線と対決して奮闘する報告が続いた。
さらに、3月6日の3・8国際婦人デー集会の画期的取り組み、3・20に組合の行事を入れた執行部に対決して組合員とともに日比谷に結集したことなどが生き生きと報告された。「地域で女性部の結成に向け奮闘中」との報告に期待と支援の拍手が高まった。
石原都政・都教委の「君が代」斉唱強制に不起立で闘った教育労働者が誇りと確信に満ちて特別報告を行った。「教頭の隣の席で不起立者がいても校長は見ないふりをした」など現場の闘いを語り、「200人の被処分者の背後には膨大な教育労働者がいる。不起立闘争は石原をズタズタにした。この闘いを継続させる」と展望を語った。
交流センターの中野洋代表が講演し、「3・20はわれわれの路線の勝利だ。動労千葉のストも3・20と結びついた。日教組、自治労が連合結成以来初めて反戦闘争で全国動員した。この流れは止まらない」と総括の視点を明確にした。「有事関連7法案と3協定・条約はイラク侵略戦争に突入している中で打ち出さた戦争法案だ」と暴露し、5・21から6月闘争への総決起を訴え、「女性部も自分たちの運動が日本労働運動の発展につながっていくという展望をもって闘ってほしい」と激励した。
事務局長が、「職場・地域で組織をつくる時だ。その基盤にマルクス主義をすえることが重要だ。来年は、うちは女性部ができたと報告できる大会にしよう」と締めくくった。
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週刊『前進』(2150号2面6)(2004/05/24)
松崎被告招き熱気 東京西部で許さない会結成
4月29日、杉並区の産業商工会館で「臨大裁判を支援する東京西部集会」が開かれ、65人が集まって東京西部でも「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」が結成されました。(写真)
始めにビデオ上映があり、被告団長の松崎博己さんの解説で5・27当日の様子が手に取るように分かりました。集会の呼びかけ人からそれぞれに「あの程度の抗議で1年3カ月も勾留されるのなら、組合活動をしている人は誰でも逮捕・勾留されてしまう」という発言がありました。私も、労働運動を取り巻く状況はここまでひどくなっているのかと率直に感じました。
一瀬敬一郎主任弁護人が公判闘争の報告をし、無罪獲得へ決意を述べました。
松崎被告団長が「警察にすがる国労本部を放っておいて国鉄闘争の勝利はない。権力は国労をつぶし、戦争国家をつくるために4党合意を破産させたわれわれを弾圧してきた。国労を再生させ、動労千葉のような闘う組合をつくって階級的労働運動を再構築する。そのために許さない会の拡大を」と真剣に訴えました。
また、動労千葉の長田敏之組織部長が春闘ストの報告をしました。
今回の弾圧は、国労執行部自らが組合員を警察に売り渡したところに深刻さがあります。集会には国労の仲間も参加し発言していましたが、心ある国労の仲間を先頭に現執行部を打倒する必要があります。そのためには「許さない会」運動を発展させ、裁判闘争に勝利しなければなりません。
会場内での物販がほとんど売り切れたことも、1047名の解雇を絶対に許さないという参加者の思いの現れだと感じました。
「東京西部・許さない会」の発足は裁判闘争を支える上で大変重要な位置にあり、継続的な運動にするためにも賛同会員の拡大をめざして頑張りましょう。
(投稿/東京西部・T)
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週刊『前進』(2150号2面7)(2004/05/24)
国労5・27臨大闘争弾圧裁判公判日程
第23回 5月18日(火)
第24回 6月9日(水)
午後1時15分、東京地裁
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週刊『前進』(2150号3面1)(2004/05/24)
自治労「4・14見解」粉砕を
北朝鮮侵略戦争への動員法 「国民保護法案」に賛成
組合員の怒りを5・21へ
ACSA(日米物品役務相互提供協定)改定案などの3協定・条約と有事関連7法案が衆議院で審議入りした翌日の4月14日、自治労中央政治政策局は「国民保護法案をはじめとする有事関連7法案に対する自治労見解」(全文別掲)を全国の県本部委員長あてに発文した。自治労中央は、この「4・14自治労見解」を5月27〜28日の第129回中央委員会で運動方針として決定しようとしている。この見解は、自治労中央が有事法制を推進することを宣言したものだ。われわれは、この見解を断じて許すわけにはいかない。県本部、単組などから、この反動的見解を打ち破り、陸・海・空・港湾労組20団体などとともに、5・21明治公園に大結集しよう。
連合中央と一体で有事法・改憲を推進
02年5月16日、連合中央執行委員会は、有事法制について、「憲法の枠内での法整備は、基本的には必要である」と、全面的に賛成する見解を発表した。
これに先行して自治労中央は、「有事関連3法に関する自治労の基本的立場について」を県本部代表者会議に提案し、5月30日の第125回中央委員会で了承をとった。その核心は、「有事法は主権国家として当然の自衛権に基づく法整備」「有事が起きた際に、超法規的措置や法制度上の不備を未然に防止するために、法整備が必要という考え方があることは認識する」という国家の自衛権・緊急権の容認、有事法制容認であった。ここに連合中央とともに自治労中央は、名実ともに戦争翼賛団体へと走り始めた。
同時にそれは連合内や自治労内での分裂的危機をも生み出して進行した。鉄鋼や造船重機のような軍需産業派が、自治労や日教組などの「戦争反対」綱領に圧力をかけ続けた。
「21世紀宣言」採択の帰結だ
こうした中で自治労は綱領転換に踏み切った。昨年8月の定期大会で提案された新綱領「自治労21世紀宣言」がこれである。しかし周知のように新綱領は大会代議員が否決するという鋭角的激突を生み出した。なりふりかまわず自治労中央は続開大会で強行突破したが、いったん否決されたことによって生み出された分岐・流動・再編の勢いはとどまることなく、自治労中央を直撃している。
「21世紀宣言」は、自治労結成の原点である反戦平和の闘いと、階級的労働運動を消し去ることにあった。新綱領を強行突破した自治労中央は、直ちに今年1月の第128回中央委員会で、岡部副委員長のもとに「国の基本政策検討委員会」を設置した。「国の基本政策を検討する」とは、改憲ということだ。自治労は「21世紀宣言」採択の当然の帰結として、改憲勢力へ走り出した。
ACSA改定にも反対しないのか?!
こうした動向の中で打ち出された「自治労4・14見解」は、本質的に有事法制と改憲を推進する反労働者的見解なのである。
「4・14見解」は何を言っているのか。
第一に、有事関連7法案について、「内容にも極めて問題があることから反対します」と言うが、それが重大な侵略戦争法案であることを完全に隠ぺいしている。ACSA改定を始めとする3協定条約と7法案の全体が〈イラク侵略戦争の継続・激化・拡大〉と〈北朝鮮・中国侵略戦争体制づくり〉の攻撃であることについて、一言も触れていないのだ。
「今回の有事関連7法案は、すでに……有事3法案が可決成立していますが、その際に付帯決議で明記された『1年以内に国民保護法制を整備する』を実現すると同時に、その他先送りされていた関連法案を整備しようとするものです」
果たしてそうか。まったく間違っている。武力攻撃事態対処法などによる有事体制づくりの攻撃は、ACSA改定や米軍行動円滑化法などを抜きにしては、貫徹できない。「03年有事3法プラス04年有事7法・3協定条約」で有事法制の一応の完成となる。したがって有事法制との闘いは、まさに今が白熱的な決戦局面なのである。“すでに03年の有事3法の成立によって有事体制はできた。残るのは『国民保護法制プラスα』だけ”というような見解は、“有事法制の決着局面での闘いからの逃避”として厳しく断罪されなくてはならない。これは小泉政権が労働者人民をあざむくために張ったキャンぺーンに完全に乗っかった反動的見解である。
小泉政権は昨年の有事3法の成立後、イラク特措法を成立させ、イラクに自衛隊を派兵し、米軍とともに残虐な侵略戦争の共同作戦を行っている。そして今回のACSA改定で、これを「国際貢献」と称して継続・激化させ、全世界に拡大しようとしている。この自衛隊派兵と侵略戦争の拡大を阻止するために、なんとしてもACSA改定を阻止しなければならない。
自治労中央は、この肝心な点を語らず、完全に容認しているのである。
「国民保護」のペテン見抜け
第二に、国民保護法案ついて、「有事が起こる可能性はほとんどないからというだけで一方的に否定することはできません。……各地方団体も国民保護法制について検証し……地方団体側の主張はおおむね受け入れられました」と言う。
これでは、国民保護法案には全面的に賛成であり、推進するということではないか。
自衛隊がイラクに派兵され、北朝鮮・中国侵略戦争が策動されている時に、「有事が起こる(=日本が攻撃される)可能性」を論じること自体が、日帝の侵略戦争とそのための有事法制攻撃に屈服している。問題は、米日帝が共同で戦争(有事)を起こそうとしていることにある。有事法制はそのためにあるのだ。
そもそも、日帝は78年に福田内閣のもとで「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」に基づいて、朝鮮侵略戦争を想定した有事法制の策定作業に入った。81年に第1分類(防衛庁所管)、84年に第2分類(他省庁所管)が報告されたが、第3分類(民防など)は策定できなかった。そこでは、戦争状態になった場合(戦争を始めて反撃された事態)の国民総動員と防諜(ぼうちょう)や密告など治安維持が中心になり、そのための訓練など隣組制度をつくることが核心になる。この第3分類を含めて、有事法制の全体を策定することに小泉政権は踏み切り、米帝とともに北朝鮮・中国侵略戦争の準備を実際に開始したということなのだ。
特に改定ACSAは、武力攻撃事態法に基づいて武力攻撃事態とその予測事態に弾薬を含む物品・役務を米日帝が相互に提供し、北朝鮮侵略戦争への先制攻撃を強行しようとするものだ。そして北朝鮮の必死の反撃にあうことを想定している。
国民保護法案は、これから国民を「保護」するという名のもとに、「国のかたち」を軍事編成社会に切り替えていくための戦争遂行法案なのだ。
これを「一方的に否定することはできない」「詳細に検証する必要がある」と言うのは、戦争体制づくりに積極的に賛同し、促進するということなのだ。
自治体労働者が動員される
第三に、国民保護法案や米軍行動円滑化法案、交通・通信利用法案などは、自治体労働運動にとって死活的な戦争動員法であることを隠ぺいしている。
「国民保護法案が、実際に国に対抗して、自治体が住民を守る責務を果たすために必要な、具体的な権限や責任を規定する役割を担いうるものであるかについて、詳細に検証する必要があります」
「詳細に検証した結果、反対」とはまったく言わない。3月9日に閣議決定され、今まさに国会で法案が通過しようとしている寸前になって、この法案の恐るべき内容について「検証中」とは、反対しないで推進するのと同義だ。
さらに、「自治体の権限」が問題であるかのように言っているが、これはとんでもないペテンだ。
武力攻撃事態で設置される対策本部は、総合調整=指揮命令はすべて上意下達で、自治体の権限は抹殺される。国民保護法案では、都道府県や市町村には平時において「国民保護協議会」の設置が義務づけられる。この協議会には自衛隊、警察官、教育長の参加が義務づけられ、この指示のもとで自治体、学校、病院などの職員は職務命令を受け、戦争体制に組み込まれる。米軍行動円滑化法案、交通・通信利用法案では、港湾や空港など首相権限で米軍や自衛隊に優先使用させる。そこに自治体職員は駆り出される。
また自治体労働者はこれらの法案が通れば、現場で業務命令や従事命令を発する義務を負う。4・14自治労見解は、自治体労働者を侵略戦争に駆り立てるものである。
民主党の翼賛方針を打ち破り闘おう
第四に、運動方針としては、「自治労は引き続いて法案の内容を詳細に検証するとともに……徹底的な国会審議を求め、連合や平和フォーラムと連携し、国会対策に全力で取り組みます」というものだ。
唯一の方針が国会対策だと?! 国会では民主党が賛成し、翼賛国会であり、有事関連法は「対決法案」ですらない。大衆運動の「た」の字もない。これでは翼賛国会の審議にゆだねて、ただ法案の通過を待つだけの容認方針である。
5月27日の日本経団連総会では、改憲と安全保障提言をまとめる委員会を正式に設置する。5月末には経済財政諮問会議で「骨太方針W」が出され、三位一体改革として、交付税の削減と公務員賃金の削減が示される。資本攻勢と有事法制は一体の攻撃である。
戦時下で反戦平和を訴えるというのは、自国政府の打倒=小泉戦争内閣を打倒する闘い抜きにはありえない。この時代認識のないあらゆる勢力は、積極的に戦争翼賛化へ走り始めた。
しかし現場は闘う方針を求め、反戦闘争の地熱は沸騰している。今こそ鮮明な闘う方針が必要だ。「21世紀宣言」をいったん否決に追い込んだ自治労組合員の下からの総決起を一層拡大し、「4・14見解」を白紙撤回させよう。そして、ACSA改定・有事7法案絶対粉砕へ闘おう。
5〜6月有事法制国会通過阻止に全力で決起しよう。5・21明治公園に総結集しよう!
〔革共同自治体労働者委員会〕
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週刊『前進』(2150号3面2)(2004/05/24)
資料 自治労「4・14見解」
国民保護法案をはじめとする有事関連7法案に対する自治労見解
政府は3月9日、国民保護法案をはじめとする有事関連7法案を国会に提出し、いよいよ昨日(4月13日)から、衆議院における実質審議が始まりました。
今回の有事関連7法案は、すでに2003年の第156通常国会において武力攻撃事態対処法案などの有事3法案が可決成立していますが、その際に付帯決議で明記された「1年以内に国民保護法制を整備する」を実現すると同時に、その他先送りされていた関連法案を整備しようとするものです。
自治労は、先に成立した有事3法について、公共サービス職場で働く多くの組合員に直接的な影響を与えることや、結果的に集団的自衛権の行使につながる懸念があることから、集団的自衛権をなし崩し的に容認する法整備に反対し、地方関係者の意見を求めることや十分な国民合意の形成を図ることを求めてきました。今第159通常国会に提出された有事関連7法案は、国民の不安が払拭されないまま成立した有事3法を補完するものであり、内容にも極めて問題があることから反対します。
しかし、有事関連7法案の中心である国民保護法案は、かつて片山鳥取県知事が、「国を守るということは、国民を守ること。有事法制の眼目は国民の保護にあるはず。だが、法案には一番大事なことが抜け、自治体の責務だけが書かれている」と批判したように、国に対抗して、自治体が住民を守る責務を果たすために必要な具体的な権限や責任を規定する役割があり、周辺事態法や有事3法がすでに成立している中で、有事が起こる可能性はほとんどないからというだけで一方的に否定することはできません。また、この間、各地方団体も国民保護法制について検証し、積極的に政府と議論を重ねてきており、地方団体側の主張はおおむね受け入れられました。
こうした経過をふまえ、国民保護法案が、実際に国に対抗して、自治体が住民を守る責務を果たすために必要な、具体的な権限や責任を規定する役割を担いうるものであるかについて、詳細に検証する必要があります。
いま必要なことは、極めて可能性の低い有事に備えるための準備ではなく、憲法や国連憲章に基づく平和政策を推進し、「人間の安全保障」の視点で、東アジアの軍事的緊張を緩和するために不断の外交努力を通じて相互理解をすすめることです。
自治労は、引き続いて法案の内容を詳細に検証するとともに、今国会において、有事関連7法案の問題点や国民保護法案が真に国民の生命や人権を守るためのものであるかどうかについて国民に明らかにするため、徹底的な国会審議を求め、連合や平和フォーラムと連携し、国会対策に全力で取り組みます。
2004年4月14日
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週刊『前進』(2150号3面3)(2004/05/24)
共謀罪審議入許すな 司法改革関連法案粉砕へ 国会前で座り込み
5月11日早朝から午後にかけて破防法・組対法に反対する共同行動は、衆院第2議員会館前で「共謀罪審議入り阻止! 今国会制定を広範な反弾圧・反戦運動の力で阻止しよう」と呼びかけて座り込み行動に立ち上がった。40人を超える人びとが、「会話やメールが罪にされる共謀罪法案は廃案に」と訴えた。この日、共謀罪の審議入りはなかった。
日帝・小泉政権は司法改革攻撃の山場を迎え、司法改革関連法案の成立に拍車をかけてきている。4月中に裁判員法案(出頭の義務を強制。守秘義務違反には、6カ月の懲役)、刑事訴訟法改悪案(公判前整理手続きの導入、証拠の目的外使用の禁止)、総合法律支援法案(法務省が管理する「日本司法支援センター」が国選弁護を運営)の衆院通過を強行し、法案は参院に送付された。
小泉政権はこれらの法案について、5月11日から参院での審議を開始し5月18日にも採決を強行しようとしている。
この日の国会闘争は、この情勢に対応して、司法改革関連法案の参院可決・成立を全力で阻止し、衆院法務委員会での共謀罪新設法案の審議開始に先制的に反撃する闘いとして取り組まれたのだ。
今や、司法改革関連法案の成立を阻止できるかどうか、共謀罪新設法案を廃案に追い込めるかどうかの正念場に突入した。
そのための国会闘争が決定的に重要だ。国会(衆・参法務委員会)を「21世紀の赤紙=裁判員制度反対、冤罪多発の刑事司法改悪許すな! 共謀罪法案粉砕」の労働者人民の声で取り囲み、共謀罪廃案の決意をたたきつけよう。5・18国会闘争は広範な陣形で取り組まれる。廃案をめざして全力で決起しよう。
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週刊『前進』(2150号3面4)(2004/05/24)
大阪 5・21へ訴え 連合メーデー
5月1日、大阪市中央区大阪城公園・太陽の広場で連合大阪主催の第75回大阪地方メーデーが開催された。中核派の宣伝隊は、参加した8万人の労働者に、ACSA改定・有事7法案粉砕、自衛隊のイラク即時撤兵の宣伝を行い、5・21東京・明治公園への総結集を訴えた。(写真)
連合大阪指導部は、この戦時下のメーデーに、年金問題と参院選キャンペーンに課題を切り縮めた。会長の実行委員長発言でも、小泉政権との対決姿勢もなく、有事7法もイラク問題にも具体的言及がない。
しかし、連合傘下の組合員は、年金問題とともにイラク侵略戦争と春闘ベアゼロへの怒りをスローガンに掲げ、闘いを求めて結集してきている。われわれは、この労働者階級本隊に『前進』春特号のメーデーアピールとビラで訴え、共感をかちとった。
なお、この日は関西労組交流センターなども宣伝活動を行い、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の署名や自衛隊即時撤兵署名運動が取り組まれた。
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週刊『前進』(2150号3面5)(2004/05/24)
「提供の意思表示」不要とする 臓器移植法改悪阻止を
臓器移植法全面改悪案の国会提出攻撃が進んでいる。自民党調査会案を先頭とした超党派・議員立法による今国会・秋の臨時国会での提出策動を絶対に阻止しよう。
臓器移植法は廃絶しかありえない。日帝の戦争国家構築攻撃の中で強められている「役立たずは死ね」という「障害者」抹殺と労働者人民への「死生観」の転換強要、戦時医療への踏みこみ・動員攻撃を徹底的に弾劾して闘おう。
2月25日、自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(会長・宮崎秀樹参議院議員)は国会提出へのたたき台と称して臓器移植法改悪案を発表した。
@臓器移植法第6条「臓器摘出」の条件について、臓器提供は年齢を問わず「本人の拒否の意思表示がなければ家族(遺族)の承諾のみで行いうる」とした。これは「反対を表示しなかった人は臓器摘出を承諾したと見なす」という内容への大転換だ。
A「脳死判定基準」を改悪し、子どもの生命力の強さから「判定」の除外例となっていた「6歳未満禁止」条項を削除して0歳以上の小児全般(当面は生後12週以上適用と言っている)から「脳死判定」による臓器摘出を強行しようとしている。
B第6条「脳死判定」の手続きから「判定は本人の脳死判定に従う意思の書面表示がある場合」という条項を削除し、家族の同意も不要とし、医師(2人以上)の一方的な診断だけで「脳死判定」を行う仕組みにする。
C第6条に新たに「親族に対し当該臓器を優先的に提供する意思を書面により表示することができる」と加えた。これは日本臓器移植ネットワークが自ら定めた「公正、公平なレシピエント(臓器の提供を受ける者)選択」の原則を飛び越え私的流用さえ認める条文だ。
D「脳死」の定義をめぐって限りなく「脳死=人の死」と強弁しようとしている。現行法の「脳死」の定義は、「脳死した者の身体」と言う表現で「臓器提供に応じ判定に従う意思を表示し脳死判定(法的脳死判定)された」場合のみを指していたが、これを医者の判定だけで一律に「脳死体」と呼ぶように用語を変更した。
E第17条で国・地方公共団体に「提供する意思の有無を運転免許証及び医療保険の被保険者証等に記載することができることとする」とドナー(臓器を提供する者)登録拡大の義務を押しつけた。
以上の改悪案は97年10月臓器移植法施行が強行されて以降、最も国会提出に近い案として登場している。
臓器移植法が制定当時身につけていた「本人同意」などの様々な歯止めの装いをはぎとり、根本を転換せざるをえないほど「脳死」・臓器移植は実質的にも破綻(はたん)してきた。
日本移植学会や日本移植者協議会は「6年半で28例、現状では臓器移植が進まない」と全面改悪に支持を表明した。一方、自民党の一部や日本小児科学会は「本人意思原則」撤廃には反対しつつも「15歳未満に限った遺族承諾案」や「小中生のチャイルドドナーカード発行」で小児への「脳死」・臓器摘出には賛同を与えようとしている。超党派の生命倫理研究議員連盟(会長・中山太郎衆院議員)はこれら両案の検討を踏まえ議員立法化を開始しようとしている。法案阻止で断固闘おう!
第一に、臓器移植法は廃案しかないということだ。
「脳死判定」は救命治療打ち切りの道具となり、いくらでも薬剤効果や機械操作によって人為的に「脳死」状態をつくり出すことができる。ドナー捜しの名目でどれだけの患者が死期を早められ殺害されてきたことか! 法施行後の29例の「脳死判定」はいずれも「手順ミス」や「救命行為の見落とし」が指摘され、「プライバシー保護」を理由に情報非開示さえまかり通った。
移植においてもレシピエントの9人が死亡している。拒絶反応を薬でむりやり抑え込む本質は何ら変わらず、むしろ感染症等副作用による被害が甚大だ。医療現場では蘇生(そせい)努力の一つである「脳低体温療法」や様々な移植回避手術も生み出されてきた。しかし臓器移植法の推進はこれらを一掃し、戦時医療に協力させることにもつながる。
第二に、小児移植推進は、一層安易でズサンな判定を導く「脳死判定」改悪と一体で行われるならば、児童虐待や医療事故隠しとほとんど見分けがつかなくなる。一方、「重症障害新生児」への「治療打ち切りガイドライン」づくりが関係学会などで進められている。「価値なき者と価値ある者」との差別・選別が一層強められる。絶対阻止しよう。
第三に、尊厳死協会会員を吹聴する日本経団連・奥田会長は小泉改革の先鋒をつとめ「死生観の確立」を説き「楢山節考」を引用し「尊厳死」法制化を唱えている。年金をめぐる経済財政諮問会議などでの議論でも「長生き」への非難が始まっている。
「反対の意思表示のないい人は臓器提供とみなす」という改悪案は、まさにこうした労働者人民への「国のために犠牲になれ」という死生観の転換攻撃と一体だ。臓器移植法改悪を全力で粉砕しよう。
(関東「障害者」解放委員会)
5・23「脳死」を人の死とするな! 臓器移植法の改悪に反対する市民集会
5月23日(日)午後1時30分(開場 午後1時)
国民生活センター会議室(JR品川駅高輪口改札から徒歩5分)
講演 近藤誠医師 「自民党調査会案を批判する」
その後リレートーク
主催 集会実行委員会
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週刊『前進』(2150号4面1)(2004/05/24)
イラク第2次派兵に反撃 札幌で連日の抗議行動と宣伝
駐屯地で隊員・家族に訴え
5月8日、陸上自衛隊の第11師団(司令部・札幌市真駒内駐屯地)を中心とする第2次イラク派兵が開始されました。札幌での連続闘争の呼びかけが、「とめよう戦争への道 百万人署名運動・北海道」からあり、私も参加しました。
イラクに派兵される第2次(第2次イラク復興支援群)部隊の中心は第11師団で総勢460人。今回は主力第1波の約140人がイラクへ派兵され、2月からサマワで展開する第1次部隊と交代します。第2波、第3波も5月中に出発する予定です。
6日は、駐屯地正門から帰宅する隊員と周辺の官舎の家族に、自衛隊当局・道警の妨害と対決して「即時撤兵・出兵命令拒否」をアピール。7日は、地下鉄の自衛隊前駅で帰宅途中の隊員に1時間半アピールしました。両日とも、派兵予定らしい髭(ひげ)をたくわえた隊員らが訴えに聞き入り、ビラを真剣に読んでいました。
8日は、駐屯地に4万筆以上の署名を提出し、百万人署名運動・北海道と東北大自治会が申し入れを行い、その後、大通公園のピースウオークにも参加しました(140人)。9日は真駒内駅で街頭署名を行いましたが、冬の時以上の反応がありました。
それは情勢が激変しているからだと思います。占領軍へのイラク人民の闘いが大衆的蜂起へ発展し、皆殺しの鎮圧攻撃をはねかえして占領体制−6月カイライ政権樹立策動に大打撃を与えています。3月20日には日本を含めて世界同時行動の大高揚があり、スペイン軍などの撤退も始まりました。
また、ファルージャ虐殺や、イラク人被拘束者への拷問と虐殺の実態も露見しました。自衛隊による「復興支援」がほとんど無益である実態も報じられ、サマワ住民の過半数が自衛隊の撤退を望んでいることが明らかになりました。
日本人拘束事件をめぐっては、「自衛隊は撤退せよ」の声が日本を覆い、しかし他方では「自己責任」「自業自得」「自作自演」などのバッシングも起き、派兵をめぐる対決は鋭さを増しています。
このような情勢下での第2次派兵との闘争は、イラク人民の決死的な闘いと連帯し、即時撤退の声を大きく巻き起こすことが求められています。侵略している国の人民として日本の地において本当の連帯を実現することが求められていると思います。
私は、1〜2月の派兵阻止闘争以上に、小泉政権打倒の立場を鮮明にして、隊員・家族への働きかけを強化し、国鉄闘争などの労働運動とイラク反戦闘争の一体的な発展を追求し、5・21東京に結集して闘う決意です。
(投稿/北海道N)
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週刊『前進』(2150号4面2)(2004/05/24)
虐待に抗議 5・9福岡
福岡で5月9日、「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」の24回目の集会とデモが行われた。強い雨にもかかわらず、約百人が繁華街の天神を一周するデモを行った。米軍による虐待事件を厳しく批判、雨を吹き飛ばす怒りの集会とデモとなった。
小泉靖国参拝違憲訴訟の原告団代表世話人でもある郡島恒昭さんが裁判勝利を報告し、小泉首相が靖国参拝を中止するまで闘う決意を述べた。九州大学学生自治会の学生は、「有事法制は『イラクの次は北朝鮮』を実行に移すための法律だ」と訴え、イージス艦のイラク派兵阻止の5・17佐世保行動を呼びかけた。
教育労働者は、5・16教基法改悪反対集会を呼びかけ「全国で反撃が始まっている」と訴えた。辺野古の座り込み参加者も「ボーリング調査は基地建設そのもの。おじい、おばあが朝から夕まで座り込んでいる。沖縄の海兵隊がイラクに行っている。基地をつくらせてはならない」と呼びかけた。
(投稿/福岡K)
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週刊『前進』(2150号4面3)(2004/05/24)
沖縄と連帯 4・29福岡
福岡で4月29日、戦争と改憲に反対する実行委主催で「4・28沖縄を忘れるな! イラクからの即時撤兵! 有事関連7法案成立阻止!」の集会とデモが行われ、約百人が参加した。
まず前光照寺住職の郡島恒昭さんが小泉靖国参拝違憲訴訟の勝利を報告し、「これをバネに有事立法・教基法改悪・改憲阻止を闘っていきましょう」とアピールした。元福岡県教組委員長の梶村晃さんが基調報告を行い「沖縄問題は本土の問題。反戦平和の基点に沖縄を据えなければならない」と訴えた。
福岡大学名誉教授の石村善治さんが「今、なぜ、憲法を変えようとしているのか」と題して記念講演。改憲攻撃と、イラク侵略戦争として現実化した米世界戦略との関係を指摘。改憲攻撃の核心は9条破棄=集団的自衛権にあると述べた。
デモは子ども連れのお母さんが飛び入りするなどした。
(投稿/福岡I)
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週刊『前進』(2150号4面4)(2004/05/24)
“イラク撤兵を” 原爆ドーム前で集会
広島と岡山で4月29日、イラク撤兵と有事法案阻止の集会とデモが行われた。
広島では、「自衛隊派兵を絶対止めよう実行委員会」の呼びかけで、原爆ドーム前に170人の労働者や学生、高校生らが思い思いのメッセージを書いたボードや横断幕、のぼりを持って集まり、慰霊碑前は「イラク撤兵」「有事法案阻止」一色となった。
広島大学の学生が「イラク・ファルージャでの米軍による大虐殺を絶対に許さない」とアピール。続いて有事7法案と3協定・条約を分かりやすく紙芝居にして、「これは北朝鮮侵略戦争法案だ。成立を阻止しよう!」と力強く訴えた。
全造船三菱広機分会の組合員が「三菱では武器生産への労働者動員が始まっている。有事法制を“完成させない、発動させない、協力しない”の労働組合の闘いが決定的だ」と訴えた。さらに教育労働者や医療労働者が5・21明治公園への労働者の総決起を訴えた。
デモの先頭には若者が立った。途中で中学生や高校生がデモに次々と合流、繁華街では一緒にこぶしをあげてこたえる人もいた。
岡山で100人
岡山では、若者を中心とした実行委員会の主催で、百人の集会とデモが行われた。中四国各地でも街頭宣伝が取り組まれた。
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週刊『前進』(2150号4面5)(2004/05/24)
5・30北富士闘争へ サマワ模擬施設の建設許すな
忍草国有入会地守る会と北富士忍草母の会から5・30北富士現地闘争への招請状が発せられた。北富士では、イラク・サマワの自衛隊宿営地と同じ訓練施設の建設が進められている。小泉政権は、何があっても自衛隊派兵を継続し、殺し殺される戦闘に突入することで自衛隊を本格的な侵略軍隊として形成しようとしている。この攻撃を絶対に許してはならない。忍草農民の呼びかけにこたえ、5・30北富士現地闘争に全力で結集しよう。(編集局)
すべての皆さん。
自衛隊がイラクに派兵され、アメリカと一体になってイラク占領に公然と参加する中で、防衛庁は北富士に、イラクのサマワ宿営地にそっくりの施設を建設し、そこで戦闘訓練を行って、第二次、第三次の隊員をイラクに派兵していく計画を発表しました。
計画では、現在の北富士演習場梨ケ原廠舎の富士吉田市街地寄りの十六ヘクタールに、サマワの自衛隊宿営施設に類似した施設を建設し、そこで自衛隊が、敵襲を受けた場合の訓練を実施していくとしています。
しかも防衛庁は、この計画について地元民の了解をもとめるのではなく、建設予定地は梨ケ原廠舎(しょうしゃ)区域なので協議など必要ないとばかりに、地元関係者に口頭説明で済ませるという高飛車な態度にでています。私たちには説明すらありません。そして、すでに大々的な工事に着手しています。「国策には反対するな」という、第二次世界大戦の時とおなじ状況がつくられつつあります。
自衛隊は、反対運動に火がつくのをおそれて、建設予定地は梨ケ原廠舎区域の一部であり、地元民の了解など必要ないとしていますが、この土地は、梨ケ原の国有地のど真ん中にあり、私たちの先祖伝来の入会地です。また立入日には、今日まで自由に立ち入りの権利を行使してきた土地です。
十六ヘクタールとひとくちに言いますが、それは四百メートル四方もの広さであり、梨ケ原廠舎をもうひとつ建設するくらいの工事です。かつて朝鮮戦争のときには、北富士に朝鮮の村を模した建物が建設され、そこで米軍は演習をして出兵していきました。今回の施設は、それと比較しても恒久的な施設です。一度うばわれ、コンクリートでかためられた土地を、自衛隊が素直に入会権利者に返してくれることなどありません。こんなものをゆるせば、それはイラク、次は朝鮮と、北富士がふたたび米軍と自衛隊の侵略戦争の基地となることをゆるすことにつながっていきます。
私たちは、私たちの入会地を強奪し、イラク人民を殺す自衛隊の訓練施設を建設することには絶対に反対です。イラクの人たちは、アメリカの占領の継続を望んでいるのではなく、「アメリカは帰れ」「自衛隊は撤退せよ」と叫んで命がけの抵抗をしているのです。ブッシュ大統領や小泉首相は、このイラク人民のまったく当然、かつ正義の抵抗闘争をテロ呼ばわりし、「テロリストに屈するな」と殺戮や侵略戦争をおこなっているのです。
私たちは、イラクへの侵略戦争とともに、有事立法制定や憲法改悪など、小泉首相の戦争政治にもつよく反対します。
すべての皆さん。
イラク開戦から一年目の三月二十日には、東京の日比谷公園に六万人、全世界で一千万人の労働者、市民がたたかいに立ちあがりました。私たち北富士も、「労農連帯」の旗のもと、あらたな決意でたたかいを呼びかけます。
五・三〇北富士現地闘争への結集をよろしくお願いいたします。
二〇〇四年四月二十二日
忍草国有入会地守る会
北富士忍草母の会
要項
入会地無断使用のサマワ宿営地模擬施設建設阻止
5・30北富士決起集会
日時/5月30日(日)正午
場所/北富士演習場内
主催/忍草国有入会地守る会・北富士忍草母の会
(集会後、建設現場を経由して梨ケ原廠舎までデモ行進、その後申し入れ)
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週刊『前進』(2150号4面6)(2004/05/24)
学生運動の最前線から 新入生諸君、ともに闘おう(4) 京都大学
資本の大学支配と対決し革命的反戦闘争の先頭に
世界革命の時代
米英軍は、イラクでファルージャ大虐殺や捕虜の虐待などあらん限りの暴虐をくり返している。本当に許すことができない。イラクの現実は腐りきった帝国主義の姿そのものだ。イラク人民は団結して武器を取り、参戦国人民を人質に取る極限的戦術をも駆使し、侵略者をイラク全土でたたきのめしている。「帝国主義を倒せ! 占領軍はイラクから出ていけ」の声は全世界を駆けめぐっている。帝国主義の時代に幕が下ろされようとしている。
革共同の新指導路線は、日本の労働者階級の侵略戦争への怒り、労働者階級に対する階級戦争への憤りを解き放つものとなり、革命的階級の健在を証明した。3月20日、日本の労働者階級は全世界行動と連帯し、「首都10万人結集」を闘った。イラク侵略戦争に突き進む小泉政権に対し、労働組合を軸として、労働者階級が資本主義社会を根底からひっくり返す革命的情勢への本格的突入を開始したのだ。
日本人人質事件で小泉は顔面蒼白で「テロに屈してはならない」と叫び、日本共産党も「テロ弾劾」を連呼した。民主党は「即時撤退は求めない」と本性を露わにした。
それに対し日本の労働者階級人民は、15万人の自衛隊撤退署名を集中して首相官邸を包囲し、全国で小泉打倒の津波のようなデモでこたえた。革命に向かってぐんぐんと成長するプロレタリア階級闘争が存在しているのだ。
労働者階級の決起は不可避である。時代を決する核心は、労働者階級の深部にマルクス主義の党が根を張り、戦時下において階級的労働運動を発展させていけるかどうかだ。これからの帝国主義の攻撃はますます激しく、労働者人民と被抑圧民族人民に対して、人間として生きることを許さない虐殺と蛮行が繰り広げられるであろう。しかし同時に、労働者階級が身を守るために立ち上がり、団結して、帝国主義の息の根を止めていく過程でもあるのだ。その先頭に戦闘的学生運動が立つ時がきたのだ。 日帝の危機は深刻だ。イラクがさらに泥沼化して自衛隊が戦闘に入ろうとも、スペインを直撃したような「日本版9・11」がたたきつけられようとも、イラクから撤退できない。なぜか。イラク侵略戦争は、日帝の存亡がかかった戦争だからだ。
日帝打倒の展望
日帝は、米帝の世界支配の暴力的再編によって帝国主義として断崖(だんがい)絶壁に立たされ、小泉政権は、イラク侵略戦争に参戦するギリギリの飛躍を決断した。日米安保を使って米帝と共同・競合する世界戦争政策以外に、帝国主義としての「延命」策がないのだ。だがそれは米帝により追いつめられ、ともに泥沼にのめり込む破滅への道だ。
EU、米帝のブロック化が進む中、日帝にとって、アジア勢力圏化は死活問題だ。ゆえに米帝が準備する北朝鮮(中国)侵略戦争に主体的に参戦し、帝国主義として自らの陣地を軍事力で確保しなければならない。そのためには日本全土を基地と戦場にした侵略戦争を行うための有事法制の完成が必要であり、改憲も行わなければならない。だが日帝はそうした準備が十分にできないまま、イラク侵略戦争の泥沼にのめり込んでしまった。
小泉は、国民保護法案+αという形でイラク侵略戦争の継続・拡大と北朝鮮侵略戦争のための法案という中身をごまかし、有事関連7法案と改定ACSA(日米物品役務相互提供協定)の批准などの国会審議を開始した。また改憲も切り出していこうとしている。
しかし、いくら翼賛国会であっても、国会審議と泥沼化するイラクの現実を切り離すことはできない。国際階級闘争の焦点であるイラクにおいて、イラク人民の怒りの対象となった日帝・小泉政権の思惑が計画どおりにいくはずがない。
一切を規定するのは、基軸帝国主義の米帝が、国際プロレタリアートに対する全面的な階級戦争に突入したということだ。米帝の危機は深く、資本主義体制そのものに未来がない。しかし日帝・小泉政権にとっては、米帝とともに破滅の道を突き進む以外の選択肢はない。イラクからイラン、北朝鮮さらには中国に向かって侵略戦争を拡大していく以外にない。それは逆に日米同盟を粉砕し、日本帝国主義の打倒がリアルに展望できる情勢がついに到来したということだ。
革命的情勢の急接近に対して、マルクス主義学生同盟中核派京大支部は戦闘宣言を発する。いよいよ国立大学法人化が始まった。資本家階級が大学を直接支配し、争闘戦に勝つための侵略戦争と階級戦争のシンクタンクにつくりかえようというのだ。京大でも、国鉄分割・民営化で「活躍」したJR西日本の井出、村田製作所やIBMの会長ら資本家が経営協議会に乗りこみ、権限を振り回し始めた。京大における研究・教育はもちろん、寮や自治会活動など大学のあらゆる領域の予算がこの連中の手に委ねられたのだ。来年度の一切の予算が白紙状態とされ、全領域で決戦が開始されている。
学生運動爆発へ
これは学生総体を階級激突の戦場に引きずり込むものだ。大学と学生をめぐるあらゆる問題が、ブルジョアジーとの直接対決ぬきにはもはやない。しかしこんなやり方に唯々諾々と従う学生がいると思ったら大間違いだ。敵は学生運動の本格的爆発の引き金を引いたのだ。すべての学生が敵はなんであり味方はどこにいるのかを目の当たりにする。資本の奴隷研究を拒否して大学闘争に総決起し、革命的反戦闘争に労働者階級の先頭で決起することが全学生の課題となるのだ。
学友諸君! 自己をマルクス主義で武装し、革命党の細胞を建設し、全学的反撃を組織して闘おう。わが支部は、京大当局にそして国家権力に目にものをみせる闘いに決起する。5・21はその第一弾だ。
(マル学同中核派・京大支部)
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週刊『前進』(2150号4面7)(2004/05/24)
冤罪デマ空虚な「根拠」
「母親は冤罪と信じていた!/改めて暴かれた神戸事件の謀略性」という記事がカクマルの反革命通信『解放』4月12日付号に掲載された。1997年に起こった神戸連続児童殺傷事件のA少年が、今年3月10日、関東医療少年院を仮退院し、それに合わせてA少年の両親が手記を発表した。
カクマルは、この事件を「米CIAによる謀略」だと騒ぎ立て、自ら窃盗や盗聴に手を染め、検事調書を盗み出したりして、事件の「当事者」になってきた。われわれはそのでたらめなデマ宣伝と自作自演劇を全面的に暴露してきた。
事件から7年、A少年の仮退院と両親の手記は、カクマル謀略論の息の根を止めた。事実、カクマルはA少年仮退院についてまったく沈黙。そして1カ月もたっておずおずと「神戸謀略」に言及したのが上の記事だ。
しかし、「改めて謀略性が暴かれた」と言うが、その根拠は誰が見てもまったくゼロである。母親の手記の1カ所だけにスポットをあて、それを「冤罪」の唯一の根拠にしているのだ。
2年前に仙台に面会に行った際、母親はA少年に「冤罪という事は、ありえへんの?」とたずねた。A少年は「ありえへん」と一言答えた、と手記は語り、母親は「血の気が引き、5年間の胸のつかえが取れた」「これで完全にふっきれた」と言っている。面会での決定的な会話だった。
ところがカクマルは、A少年が「自分がやったやらない、という主体的表現をせず、他人ごとのような言葉で答えた」から冤罪だというのだ。
母親として息子が残虐な事件を起こしたという現実を受け入れがたい、やってないと言ってほしい、と思うのは人情であろう。カクマルはそこにつけこみ「母親は信じていなかった」と言い、面会での会話についても一八〇度ねじ曲げた勝手な解釈をしているのである。この強引さ、説得力のなさには、カクマルメンバーさえも困惑するしかないだろう。(来)
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週刊『前進』(2150号4面8)(2004/05/24)
5月4日〜11日
サマワでオランダ軍に死者 自衛隊が第2次イラク派兵
●駐留規模05年まで維持 ラムズフェルド米国防長官は、イラク駐留米軍の規模について、少なくとも05年末までの間、最大で約13万8千人態勢を維持することを発表した。また交代要員4万7千人の派兵も承認した。(4日)
●イラク情勢悪化で250億j追加方針 ブッシュ米大統領は、05会計年度(04年10月〜05年9月)のイラクとアフガニスタンの米軍駐留経費として250億j(約2兆7千億円)の追加支出を議会に要請すると発表した。イラク情勢の悪化のため駐留米軍を削減できない誤算のため。(5日)
●「武器輸出3原則見直しを」 訪米した自民党の日米安保議員団が米シンクタンク「ヘリテージ財団」で開かれたシンポジウムに参加。久間幹事長代理は「見直しは日米のより成熟した関係につながる」と武器輸出3原則の見直しの必要性を強調した。額賀政調会長は「(海外派兵の)恒久法を制定すべきだ」との考えを示した。(5日)
●ブッシュ「申し訳ない」 ブッシュ米大統領は、イラク駐留米軍によるイラク人拷問・虐待事件で「イラク人収容者とその家族が受けた屈辱に対して申し訳ないと思う」と述べ、初めて直接的な表現で謝罪した。9日には英兵の拷問疑惑について、ブレア英首相が謝罪した。(6日)
●MD、05年に共同飛行実験 日米両政府が、ミサイル防衛(MD)構想のうちイージス艦に搭載する海上配備型の迎撃ミサイル(SM3)の日米初の共同飛行実験を05年後半に実施することで大筋合意していることが分かった。(6日)
●指揮系統一本化で統幕650人体制に 防衛庁は、陸海空3自衛隊の統合運用が05年度末から始まるのに伴う統合幕僚会議の改編案をまとめた。現在の統合幕僚会議事務局を「統合幕僚監部」(仮称)に改編し、約350人から約650人に増員。各自衛隊ごとの指揮系統を統幕監部に一元化する。(7日)
●拷問事件、さらに多くの写真とビデオ ラムズフェルド米国防長官は、イラク駐留米軍によるイラク人拷問・虐待事件をめぐる米上下両院の軍事委員会の公聴会で、これまでに報道された虐待写真のほかに「さらに多くの写真とビデオ」が存在することを明らかにした。辞任を求める動きについては、辞任するつもりはないことを強調した。(7日)
●イラクへ陸自第2次派兵 陸上自衛隊第2次派兵(第2次イラク復興支援群)の最初の部隊約140人が空自千歳基地(北海道千歳市)から政府専用機で出発した。小泉首相が同基地を訪問し、派兵隊員を激励した。第2次派兵は第11師団中心の約460人。3波に分かれて出発し、5月内に第1次の部隊と交代する。(8日)
●安倍「今国会で入港禁止法案成立を」 自民党の安倍幹事長は講演で、特定船舶入港禁止法案について、「この国会の会期中には必ず成立させる。(拉致問題をめぐる)日朝交渉には関係ない」と述べた。(8日)
●サマワでオランダ兵2人死傷 陸上自衛隊が駐留するイラク南部のサマワ中心部で、駐留するオランダ軍に対して手投げ弾による攻撃があり、兵士1人が死亡、1人が重傷を負った。サマワに駐留する外国部隊への攻撃で死者が出たのは初めて。(10日)
●釣魚台で接触事故 釣魚台の北西約20`で中国漁船と海上保安庁の巡視船が接触事故を起こした。釣魚台付近で操業を始めた中国漁船4隻に対し、海上保安庁の巡視船が「警告」のため並走したため。(10日)
●有事法案修正に大筋合意 「緊急対処事態」認定を国会の事後承認とするなど、民主党が求めている国民保護法案の修正を与党側が大筋で了承した。(11日)
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週刊『前進』(2150号5面1)(2004/05/24)
有事関連7法案、ACSA改定案 侵略戦争法案粉砕を
5−6月決戦で小泉打倒しよう
イラク参戦拡大と北朝鮮侵略戦争の体制づくりを狙う日帝
マルクス主義学生同盟中核派
5・21明治公園に総結集し絶対に成立を阻止しよう!
5・21と5−6月決戦の大爆発のために訴えたいことの第一は、あらゆる面で決戦的情勢を迎えている中で主体的決起に一切の帰趨(きすう)がかかっているということである。われわれは顔面蒼白(そうはく)になって決起しなければならない。
3・20で切り開かれた国際連帯と統一戦線の地平、労働者階級の歴史的な決起の地平は、4月闘争においてさらに発展している。日の丸・君が代拒否闘争への教育労働者の決起、4・13国鉄集会の大成功、日本人拘束事件をめぐる大衆決起、年金改悪法案をめぐる労働者階級の怒りの高まりによる福田、菅の辞任など情勢を激しく揺さぶっている。と同時に日帝の側の反動も激しさを増している。日本階級闘争は、危機と好機、動と反動とが交錯しながら、日帝の侵略戦争への突入と反動的な飛躍をめぐって国論が二分し、内乱的な分岐に発展している。
3・20の地平を引き継ぎ、5・21と5−6月決戦の大爆発を切り開き、安保・沖縄・改憲をめぐる数年がかりの歴史的階級決戦を、60年安保闘争、70年安保闘争もはるかに超えて帝国主義を打倒する大決戦として手繰り寄せるのか、それとも帝国主義の反動の前に3・20の地平を破壊されてしまうのか――一切はわれわれの渾身(こんしん)の決起にかかっている。
5・21をイラク侵略戦争阻止、自衛隊の即時撤兵と有事7法案・3協定条約案の廃案を絶対にかちとる大闘争として爆発させ、さらに5月下旬−6月上旬の連続的な大闘争の大爆発を切り開こう。
これと一体で、普天間基地即時撤去・名護新基地建設阻止の5・15沖縄現地闘争に全力で決起しよう。
さらに、国公立大の法人化への移行がもたらす矛盾を大学闘争と学生運動の歴史的な爆発に転化することだ。法大学生会館閉鎖の大反革命に対し、学生大衆の怒りの大爆発によって法大当局をイラクのような泥沼に引きずり込み、全国大学闘争の突破口としなければならない。
米英軍の拷問断じて許すな
訴えたいことの第二は、米英軍によるイラク人民に対する拷問・虐待に怒りを爆発させ、同時に、ACSA改定によって日帝が米帝のイラク侵略戦争をさらに決定的に支えていることを暴露し、自衛隊の即時撤退を激しく迫ることだ。
「私たちの仕事はイラク人たちを眠らせずに、刑務所を地獄にして自供させることだった」(サブリナ・ハーマン技術兵)
全裸にして袋をかぶせて殴打、性器への電気ショック、犬の首輪をつけての引き回し――これが帝国主義のやり方なのだ。これがイラクの民主化とか人道とか復興などという触れ込みで行われている帝国主義のイラク占領の実態なのだ。
米英軍によるイラク人民への拷問・虐待、虐殺の一端が暴かれたことは、民族抑圧と再植民地化というイラク侵略戦争の本質をあらためてつきだした。「一部兵士の暴走」などという米帝のウソと言い逃れを許すな。こうしたやり方は、米帝がベトナムや中南米や中東で民族解放闘争圧殺の手段として蓄積してきたものである。こんなやり方でしか延命できない帝国主義など一日も早く打ち倒すべきなのだ。
米帝ブッシュは、イラク侵略戦争が泥沼化しスペインを始めとする参戦国の撤退が相次ぐ中で、大統領選情勢と6月末の主権移譲というスケジュールに規定され、焦りに焦ってファルージャの大虐殺やサドル師勢力への集中攻撃を強行してきた。しかし、そのもくろみは、イラク人民と武装解放勢力の不屈の闘いによって粉砕され、米帝は一層の泥沼の中に引き込まれている。米帝は、イラク人民の全人民的な民族解放・革命戦争への決起に追い詰められているのだ。
重大な問題は、このように米帝のイラク侵略戦争が泥沼化し米帝の危機が深まる中で、ACSAの改定が行われ、ACSAに「国際貢献」条項が書き込まれたことである。
これは、アフガニスタンやイラクなどで米帝が行っている世界規模での侵略戦争に、日米安保条約を拡大適用し、日帝・自衛隊の参戦を激化・拡大していこうとするものである。危機に陥っている米帝を日帝が決定的に支えるということだ。日帝は新たな国連安保理決議の枠組みのもとでの多国籍軍参加にまで踏み込もうとしている。日帝はさらに自衛隊海外派兵恒久法を制定し、米帝の世界戦争戦略に食らいつき、どこまでも共同・競合して参戦していこうとしている。
日本の労働者階級の階級的責任の大きさをつかみとろう。自衛隊即時撤退要求の闘いは、日米安保を揺さぶり、イラク侵略戦争の泥沼化にあえぐ米帝をさらに追い詰め、闘うイラク人民と連帯してイラク侵略戦争を国際的な内乱に転化し、帝国主義を打倒する決定的な位置を持っているのだ。
米軍と自衛隊が共同で作戦 侵略戦争動員と犠牲の強要
訴えたいことの第三は、北朝鮮侵略戦争を許さないために、有事7法案・3協定条約案を絶対に廃案にたたき込むことだ。
有事7法案・3協定条約案は、イラク侵略戦争を継続・激化・拡大させるとともに、米帝の北朝鮮・中国への侵略戦争に日帝が戦争主体となって参戦していくためのものだ。この法案の成立をもって、有事法体制はひととおりの完成となる。そして、法案成立後、直ちに北朝鮮侵略戦争に向けた日常的な体制がつくられていくのだ。絶対に阻止しなければならない。
米帝は、50万人の米軍を投入して大規模な全面戦争を行う作戦計画「5027」を始め、先制攻撃で北朝鮮スターリン主義を転覆する北朝鮮侵略戦争の計画をすでに持っている。
昨年春に作られた「作戦計画5030」では、「北朝鮮に近接した陸海空からの奇襲的武力示威や演習を繰り返すことによって北朝鮮の反撃を誘う」「虚偽の情報やデマ、スパイ活動などで北朝鮮の内部分裂を図り、反乱を誘発させ、政権転覆を謀る」「ブッシュ大統領の承認がなくても、地域司令官(米太平洋軍司令官)の判断によって多様な低強度作戦が可能」などの内容が加えられた。
そして、97年新ガイドライン、99年周辺事態法、03年武力攻撃事態法は、このような米帝の北朝鮮侵略戦争に日帝が参戦していく侵略戦争体制を確立しようとする大攻撃であった。
これらにおいて最も重大な点は、「周辺事態」と「武力攻撃予測事態」と「武力攻撃事態」の三つの概念が事実上一体のものとして組み立てられていることだ。つまり、米帝が北朝鮮への先制攻撃を決断し、その攻撃準備に着手した段階で「周辺事態」や「武力攻撃予測事態」が宣言されて周辺事態法、武力攻撃事態法が発動される。そして日本がまだまったく攻撃を受けていない段階から米軍への全面支援が開始され、自衛隊が軍事行動を開始し、労働者の戦争動員ができる仕組みになっている。さらに日帝は、北朝鮮の反撃をもって「武力攻撃事態」を宣言し、「武力攻撃を排除する」として、自衛隊を直接の戦闘を含めた全面的な侵略戦争に突入させ、日本全土を米軍と自衛隊の出撃基地としてフル稼働させる。今回の有事7法案・3協定条約案は、こうした北朝鮮侵略戦争体制を完成させる大攻撃なのである。
「北朝鮮の攻撃に備える」などというのは大ウソだ。有事法制は、米帝の侵略戦争の発動を基軸として、侵略戦争参戦体制・国家総動員体制を全面的に発動する仕組みになっている。労働者人民は、この戦争体制の中に組み込まれ、動員され、侵略戦争に加担させられるのだ。
「保護」は人民の排除と統制
では、この有事関連法案が成立すれば、具体的にどのようなことになるのか。
(1)【先制攻撃を行う米軍に対し、自衛隊の「後方支援」と自治体・民間の強制動員が行われる】
これまでのACSAはPKOや周辺事態法に対してしか適用できなかったが、今度の改定で武力攻撃事態法にも適用され、弾薬も補給できるようになった。米帝の作戦計画「5027」では、50万人の米軍が日本に集結する。日本はこの米軍に対して、生活にかかわる物資、弾薬などの軍事作戦にかかわる物資、空港・港湾施設、倉庫などの施設や土地、建物の提供、基地、衛生、輸送、修理などの業務について全面的な支援を行うことになる。それらを「地方自治体の責務」「事業者の責務」「国民の協力」(武力攻撃事態法など)といった形で労働者人民に強制するのだ。こうして米軍の先制攻撃態勢がつくられる。
また、集結した米軍は、空き地や私有地を車や建物を破壊しながら進行したり(米軍行動円滑化法案第14条)、また、土地を自由に使用したり、土地にある立ち木や建物の移転や処分をしたり、家屋を破壊したりすることが可能になる(第15条)。そして米軍や自衛隊の調査、使用に協力しなければ罰せられるのだ(第17条)。
(2)【米軍の先制攻撃と同時に自衛隊が戦闘行動に踏み切る】
海上自衛隊は、「日本に対する武力攻撃のおそれ」の段階から臨検を開始する。船が所属する「旗国」の同意なしに停船を命じ(外国軍用品等海上輸送規制法案第17条)、自衛隊員がその船に乗り込み(第18条)、積み荷などを検査する(第16条)。その時、抵抗したり逃亡しようとした場合には武器を使用して従わせ(第37条)、物資の押収のために日本に寄港させる(第28条)。対北朝鮮の経済制裁・海上封鎖・臨検という一連の動きは、これ自身が戦争行為である。事実、臨検は国際法上において「交戦国の権利」として認められているものだ。これを突破口に「後方支援」といったレベルを超えて、日帝自身が戦争主体となって全面的に登場するのだ。
(3)【米軍と自衛隊が空港・港湾・道路・通信施設を始め日本全土を優先的にに使用する】
武力攻撃事態の認定とともに、米軍と自衛隊による港湾施設、空港、道路、海域・空域及び電波の優先的使用が始まる。まず武力攻撃事態対策本部の本部長が「利用指針」を定め(交通・通信利用法案第6条など)、空港や港湾などの管理者に軍事的優先を「要請」し(第7条など)、管理者が航空機や船舶などの移動を命じる。管理者が要請を拒んだ場合、本部長の権限で管理者の処分、許可などの変更・取消、船舶・航空機の移動の命令などをして強制使用を可能にする(第9条など)。その過程で武器使用も行われる。労働者人民の生活を完全に踏みにじって、交通手段や通信手段がすべて戦時統制下におかれるのだ。
(4)【国民保護を口実に国民を強制的に動員する】
n保護の名による国民統制−「基本指針」「計画」「業務計画」「国民保護協議会」
まず、首相の権限集中と地方公共団体・指定行政機関・「国民」の協力・義務体制という全体系をとおして上からの統制が行われる。自治体を完全に国家の統制下に置き、社会全体を戦争国家体制につくり変えるのである。日帝は「自主防災組織やボランティアなど自発的活動を支援する」という形で、戦前の自警団や隣組制度のように人民を排外主義的に戦争体制に組み込もうとしている。こうした人民の上からの組織化と動員は、戦争動員に対する抵抗、反乱、拒否を圧殺し、反戦運動の芽を「非国民」として圧殺する狙いがある。スペイン人民は、ムスリム人民の自国でのゲリラ戦闘をきっかけに、イラク侵略戦争を遂行するアスナール政権を打倒した。日帝はこうしたことを阻止し、自国民の犠牲をも利用して排外主義と侵略戦争を加速させていくことを狙っているのだ。
n平時から訓練による戦争動員−「組織整備」「訓練」「啓発」
知事や市長などの命令で、平時から「武力攻撃事態」に備えた訓練が行われる(国民保護法案第42条)。「北朝鮮が攻めてくる」「イスラムのテロの恐怖」などを繰り返し宣伝して恐怖心をつくりだし、労働者人民を戦争体制へと組織していくためだ。第2次世界大戦においても、地域・学校・職場での防火訓練・防空訓練をとおして総動員体制が形成されていった。日常的な訓練の繰り返しによって社会は戦争モードに一変させられていくのだ。
n軍事作戦のための労働者人民の排除・統制−「警報の発令」「避難」「警告・指示」
武力攻撃事態法の発動とともに、自衛隊は「防衛出動」によって土地や建物の接収、陣地の構築などを行う(自衛隊法など)。また、米軍も土地や道路など作戦に必要なあらゆる場所を利用できる(米軍行動円滑化法案)。その場合に問題になるのが住民の移動だ。「避難」の目的は住民の安全を図るためではなくて、軍事行動のために住民を排除し統制することにある。実際、日本の近現代史において戦争被害を避けるための避難が行われたことはただの一度もないのだ。
n社会生活すべてを国家統制−「救援」
「被災者救援」の名目で運送業者への協力の強制(第71、79条)、物資の保管命令・売り渡し要請・収用(第81条)が行われ、従わない場合には6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられる(第189条の1)。そして、土地・家屋・物資の強制使用が行われ(第82条)、立入検査を拒否した場合も罰金が科せられる(第192条1)。医療についても強制動員が行われる(第85条)。
(5)【占領地にまで及ぶ自衛隊の活動】
自衛隊はその作戦行動の中で、「抑留対象者に該当する」と判断した人を拘束し、取り調べを行い、捕虜収容所に収容する。収容者に対して宗教上の行為を禁じたり、逃亡や抵抗した場合には処罰を加えることができるなど、94条に及ぶ規定を設けようとしている(捕虜等取り扱い法案)。また、国際人道法違反行為処罰法案で、日帝が戦争を行うための国際法的体制が整えられる。これらが拷問や虐殺を防ぐものでないことは、イラクでの米英軍のやり方が示している。これらはすべて戦場、あるいは戦後の占領において必要なことだ。つまり、日帝は自衛隊を戦闘地域や占領地にまで侵入させることを想定しているのだ。
このように、有事7法案・3協定条約が成立するならば、北朝鮮・中国侵略戦争参戦体制が大きく完成し、いつでも北朝鮮を攻撃できる態勢に入るのだ。
有事法ブックレット活用し攻撃の重大性を暴露しよう
有事7法案・3協定条約案をめぐる攻防は重大な危機にある。政府・与党は5月17日の週にも衆院通過を狙っている。だが既成政治勢力が「あとは国民を保護する法制だけだ」というペテンに乗せられて屈服してしまっているために、こんな重大な問題がほとんど焦点化していない。他方、労働者人民は3・20の地平を引き継ぎ、怒りと決起を拡大している。問題は、ただ一点、有事7法案・3協定条約案がイラク侵略戦争の激化・拡大と北朝鮮・中国侵略戦争参戦のための侵略戦争法案にほかならないことを、どれだけ広範な労働者人民が知っているかどうかにかっているのだ。
発行されているパンフやブックレットを5・21チケットのように各大学で数百部単位で売りまくろう。活動家が常に10部、20部を持ってどんどん広げる。そして学習会をどんどん開く。学生はもちろん、教員や人士、さらには他党派であろうが、われわれの有事立法批判の内容で武装し、議論している状況をつくり出すのだ。ブックレットの販売数と内容の浸透度合いが、大衆決起の規模を規定するのだ。
安保沖縄改憲めぐる大決戦
イラク侵略戦争阻止・自衛隊の即時撤兵、有事7法案・3協定条約案絶対廃案の5・21と5−6月決戦は、安保・沖縄・改憲をめぐる04年から数年がかりの歴史的大決戦の突破口だ。
イラク侵略戦争の泥沼化にあえぐ米帝は、日米安保強化をテコに日帝を米帝の世界戦争戦略のもとに徹底的に動員することで、イラク侵略戦争の危機を打開し、EUとの再分割戦を優勢に展開し、同時に日帝の対米対抗的な動きを抑え込みつつ、北朝鮮侵略戦争から世界大戦級の中国侵略戦争を射程に入れて突き進んでいる。
他方で、体制的危機にあえぐ日帝は、米帝ブッシュの世界戦争戦略に対応し、日米安保を大々的にエスカレートさせるという形で、イラク・北朝鮮・中国への侵略戦争・強盗戦争に共同的=競合的に参戦し、日帝自身の侵略戦争を展開する道に踏み出している。それは、帝国主義同士の分裂と抗争の激化の中で、アジア勢力圏化に帝国主義としての生き残りをかける日帝の絶望的な突進である。日帝は日米安保のエスカレーションを水路に、憲法9条の制約を全面的に突き破り、日米共同作戦の大規模な展開、日帝・自衛隊による侵略派兵と武力行使への踏み切り、基本的人権の停止と軍事優先への大転換、自治体・民間の総動員の強制などの決定的な飛躍を強行し、戦後国家体制を戦争国家体制へと大転換させている。それは同時に、さらなる沖縄圧殺と沖縄基地の強化・永久化を意味しているのだ。
04年から数年の大決戦は、こうした日帝の絶望的な飛躍が不可避にもたらす矛盾の爆発をとらえて、内乱に転化する決戦である。
日米同盟がまさに世界史の焦点となっている。それは、日米安保の大エスカレーションが全世界に破壊と殺戮(さつりく)を拡大しているからだ。日米同盟が、日米の一握りの帝国主義ブルジョアジー同士が強盗戦争を強行するために結んだ同盟であり、全世界の労働者人民にとって粉砕する以外にないものであることがいよいよはっきりしてきているのだ。沖縄人民と連帯した日米安保粉砕の闘いは、被抑圧民族人民と連帯し、米日帝のイラク・北朝鮮・中国侵略戦争に決定的に打撃を与え、米帝を軸とした帝国主義世界体制を揺さぶり、打倒していく闘いとなる。
そして、このような歴史的な大決戦の帰趨が、有事7法案・3協定条約案絶対廃案の5・21と5−6月決戦にかかっているのだ。日米帝国主義への怒りと階級的使命感に燃えて、学生大衆の中に躍り込もう。
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週刊『前進』(2150号5面2)(2004/05/24)
EU拡大−大欧州は何をもたらすか
米欧軸に帝国主義の2大陣営的分裂と世界戦争過程を促進
巨大市場の登場
5月1日、欧州連合(EU)が10カ国(8カ国が旧ソ連圏)を加えて25カ国体制に拡大した。帝国主義とスターリン主義により東西に分裂していた欧州が資本主義的に大統合された。拡大EUは4億5千万人の人口と世界の4分の1を占める国内総生産を有する、米帝に匹敵する巨大市場だ。
EUは、統合市場や単一通貨という経済面だけでなく、EU憲法やEU軍などを整備しつつあるように、政治・軍事面でも拡大・深化を進めている。
EUは、第2次世界大戦以来世界の盟主、基軸国として君臨してきた米帝の地位を決定的に掘り崩すことになっていく、米帝に対抗する一大基軸だ。
だからこそ米帝は、拡大EU発足を見越し、対EU(独仏)争闘戦の意味を込めて03年3・20イラク侵略戦争を発動した。99年3・24ユーゴスラビア侵略戦争(コソボ戦争)発動も、同年1月にユーロを導入したEU(独仏)に対する争闘戦として行われた。
独仏は、99年にはNATOの一員として米帝に協調し、参戦したが、03年には米帝との対立・分裂を辞さず、参戦しなかった。EU拡大を契機として米欧関係に決定的な歴史的変化が生じているのである。
全面的な帝国主義間争闘戦の時代が始まった。EU拡大―「大欧州」の出現は、イラク開戦で生じた独仏対米英日という帝国主義体制の分裂と争闘戦を不可逆的に激化させ、世界経済の分裂・ブロック化の流れを決定的にした。このことがまたイラク侵略戦争をめぐる米欧対立を激化させ、世界戦争過程を加速する。
日帝の没落と危機、凶暴化も不可避である。
強まる対米対抗
拡大EUは、ほぼ欧州全域をカバーする巨大な自由経済圏である。99年に仏独など11カ国が単一通貨ユーロを導入し、今や拡大EU全体がユーロ経済圏になろうとしている。
ユーロは、ドル暴落による国際通貨危機に巻き込まれることを回避し、ドルに対抗する基軸的通貨をめざしている。ユーロは、00年の米帝経済のバブル崩壊で、当初の下落傾向を脱して安定傾向にある。EUは、日本のようにドル暴落を恐れて大量にドルを買い続ける必要がない。
すでにユーロは、バルカン諸国などEU未加盟国にも流通し、ロシアや中国、中東諸国などで国際決済、外貨準備のために大量に使われ、保有されている。
バルト、中東欧の新加盟国には外国資本が殺到している。西欧などから工場が移ってきている。この地域の労働者の賃金は、中国よりずっと高いが、それでも西欧の5分の1前後だ。EU内帝国主義諸国によるバルト、東中欧諸国に対する支配、搾取・収奪の関係が一層強まろうとしている。
これに米帝が激甚に反応し、欧州の分断を図った。米帝は、バルト、東中欧の新加盟国を帝国主義的に包摂しイラク開戦に反対した独仏を「古い欧州」と非難した。イラク開戦に賛成した新加盟国を「新しい欧州」ともてはやし、スペイン、英国を使って米帝側に引き寄せようとした。
バルト、中東欧から西欧への輸出には通関手続きはいらず、流通費を節減できる。中国―東アジアからよりも西欧、米国に近く、輸送コストも低い。EU拡大は、EU経済を活性化させ、浮揚させる効果をもつ。とはいえ、いずれは新規加盟国においても賃金が上昇し、生産コストを押し上げる。資本は生産拠点を今後さらにバルカン諸国やウクライナ、ロシアなどにシフトしようとしている。
またEUは、アメリカンスタンダードをグローバルスタンダードとしようとする米帝に対抗する存在だ。EUは鉄鋼問題をめぐるWTO訴訟で米国に勝った。遺伝子組み換え食品や成長ホルモン使用牛肉の輸入、航空機の乗客の個人データ提出などの米帝の要求をはねつけている。拡大によって発言力を強化したEUに対する米帝の要求はますます通りにくくなっている。
EU拡大で欧州市場をめぐる米欧の摩擦と激突、米欧それぞれのブロック化に一層拍車がかかるだろう。
独自の安保体制
99年、04年の2次にわたって拡大されたNATOのもとではあるが、EUは、米帝主導のNATOに対抗して独自の安保構想の具体化、独自の軍事外交政策の展開を開始している。EUは、明らかに米帝に並び対抗する政治的軍事的主体として自己を登場させようとしているのだ。
EUは今年、NATO軍とは別にEU軍を発足させた。EU外のマケドニア、コンゴでNATOや国連PKFに代わって指揮権を受け持ち、治安維持作戦を始めた。ボスニア・ヘルツェゴビナでも今年中にEU軍がNATO軍にとって代わる。米欧対立を激化させつつEU軍の常設司令部の建設の動きも始まった。
拡大EUは、新加盟諸国と旧加盟諸国との矛盾・対立、東西の賃金格差、西欧の産業空洞化の恐れ、労働力の大量移動などさまざまな問題を抱えているが、欧州全域をほぼ統合する巨大市場の登場それ自体の物質力は決定的である。仏独―EUと米帝の2大基軸が相互に争闘戦を交え、激突する時代が始まったのだ。
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週刊『前進』(2150号6面1)(2004/05/24)
「楽しくて仕方ない」被処分者発言に感動 東京 永野由梨
5月2日夜、東京・武蔵野公会堂で、「『日の丸・君が代』強制の時代に―思想・良心・信教の自由と原告の思い」と題して市民集会が行われました。「日の丸・君が代」強制反対・予防訴訟を進める会など6団体が主催したものです。連休中にもかかわらず、教育労働者を先頭に250人が集まりました。
「日の丸・君が代」強制に抗して裁判闘争を闘っている3人の教育労働者が「原告としての思い」を語りました。「君が代」伴奏拒否処分撤回裁判、「ピースリボン」裁判、そして「日の丸・君が代」強制反対・予防訴訟の原告です。
とりわけ印象的だったのが、今年1月に予防訴訟を提訴し、3月の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったために戒告処分された都立高の教育労働者の発言でした。「実は今、とっても楽しいんです。国鉄闘争が始まって十数年、ずっと『国鉄の次は教育だ』と言われてきて、今やっときた。『今までは支援だったけれど、これからは自分が主体になって自分の戦線で闘える』と、わくわくしながら毎日闘っています。『子どももまだ小さいし、クビになったらやばいな』と悩んだりしながら、でもすごく楽しいんですね。苦しいけれど、これを楽しみに変えよう。新しい日本をつくるために自分が闘える、こんな楽しいことはないと思っています」。明るく訴える言葉に、とても元気が出ました。
東京大学大学院教授の高橋哲哉さんの講演や、3月の卒業式の不起立で再雇用合格内定を取り消されて解雇された嘱託職員、「日の丸・君が代」闘争を闘う市民からの発言もありました。
不屈に闘う都の教育労働者ともに闘い、おごり高ぶった都知事・石原をぶっ飛ばしましょう!
二つのメーデー会場で『前進』を販売した 関東 自治労 佐々木理恵
連合メーデーで5・21明治公園への結集の呼びかけのビラをまきました。ビラをまき始めた途端、今までのお祭りムードののんびりした空気が変わりました。受け取った人が口々に「小泉倒せだってよ」「大同団結しようだってよ」と言って、ビラのインパクトの強さに驚いていました。
その日はいろいろな人との出会いがありました。私の顔を見て、「今日『前進』もってないかい?」と言って社民党の人が買ってくれました。あわててカバンから出しました。同じ組合の知り合いの人が「○○ちゃんは動労千葉の支援ばかりやってないで自分の組合のことをやれよ」と言って1部買って、500円カンパしてくれました。
日を異にして全労連の5・1メーデーに行って、署名とりと『前進』売りをやりました。驚いたことに同じ職場で働いている人に会いました。「『前進』買いませんか」と言ったら「君は中核だったのか!」と言って猛反発されましたが、4・13の国鉄集会の写真を見せていろいろ説明したら「そうだよな、大同団結しなきゃ」と職場の人ではなく、隣で聞いていた人が1部買ってくれました。
二つのメーデー会場で合計4部売りました。私は現業現場で働き、家事や子育てで時間がとれず、いつも『前進』を読むのに苦労しています。でもメーデーの前どうやって『前進』を売ろうかと思い悩んで一生懸命読みました。意外に簡単に売れたのと、同じ組合の人が買ってくれたのに感動しました。皆が『前進』を求めていると感じました。
阪神被災地メーデーを元気に共同開催 兵庫 関西合同労組 穂積道彦
第9回被災地メーデーが五月晴れの空の下、JR兵庫駅前広場で盛大に行われました。
「イラクから自衛隊は引き返せ!」「リストラ、賃下げ反対!」「この国に生まれてよかった?」の実行委員会の統一したスローガンの下、会場を埋め尽くす各組合の、工夫を凝らした出し物のテントの数は、10張20組にのぼりました。そのテントの多くには、「朝鮮初級学校」の文字が読み取られ、また、参加者全員に「神戸港における戦時下朝鮮人・中国人強制連行」を調査した書物のビラが配られるなど、震災以降の在日の人びとと、兵庫県下の労働組合との国際連帯の一端を示しました。
私たち関西合同労働組合兵庫支部は、被災地雇用と生活要求者組合の仲間とともに、実行委員会参加3回目となり、1週間近くかけて作り上げたサーターアンダギーや豆味噌、ソーメン炒めなど、奄美料理を参加者全員に呼び声も高らかに販売しました。
職場での闘いの困難性、政治闘争への決起のばらつきなど、闘いの過程にともなう数々の組織的問題も、ともにひとつの目標に向かって闘い抜く中で大きくは解決していくことが、2組合のメーデー行動の中で教訓化されました。(参加者全員の総括会議、いつものカラオケで、震災時からの「青い山脈」合唱が肩を組んで復活)
兵庫支部は早朝からの全労連メーデーでのビラまき(全港湾阪神支部、建交労の組合員への拡大オルグ)に続き、参加者全員へのビラまきをやり抜きました。
イラク反戦の統一行動の積み上げ、9回目のメーデーへの組織参加と共闘行動、被災地で闘う労働組合、労働者階級の反戦と資本攻撃への怒りの思いに絶対的信頼を持ち、闘っていきたいと思っています。
自衛隊撤退の声を封殺する「自己責任」論 東京 小川哲夫
イラクにおいて、なぜ拘束事件が引き起こされたのか。ファルージャ大虐殺と自衛隊のイラク派兵――米英日帝のイラク侵略戦争・占領支配がなければ日本人5人や多くの外国人の拘束などは起こりえなかったのである。一切の責任はブッシュと小泉にある。
「自己責任」論の大々的なキャンペーンは、拘束事件をきっかけにして「自衛隊撤退要求」が強まったことに追い詰められた小泉政権による卑劣なすり替え論法である。
「多大な迷惑をかけた」と言うが、いったいどこの誰が迷惑と思ったのだろうか? 小泉政権だけが迷惑だと感じたのである。
「拘束されたのは自己責任」とか、「政府が避難勧告をしていたのに勝手に行ったのが悪い」と言うが、これは政府に盾突くものに対しては、自分の意志や良心にもとづいて自発的・主体的に考え行動することは許さない、ただただ国家や企業の命令に従っていれば良い、お上(かみ)には逆らうな! ということだ。
政府は、こういう「自己責任」論でNGOの人びとやフリーのカメラマンやジャーナリストをイラクから追放し、報道統制と情報操作によってウソで塗り固めたイラク報道を狙っているのである。かつて、南京大虐殺を日本には報道しなかったように。
現在、イラク人捕虜に対する拷問や虐待が大問題になっているが、それをいち早く知らせてくれたのは、ほかならぬ拘束されていたフリーのジャーナリスト安田純平さんである。安田さんはこの間、東京新聞に「緊急手記―拘束の3日間」を連載していたが、その4回目(4月26日付)にこのことを書いている。
小泉政権の対応は、侵略戦争に反対した者を「反日分子」「非国民」と言って徹底的に圧殺しようとするものであり、これに全力で反撃しなければならない。自衛隊イラク撤兵をかちとろう!
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週刊『前進』(2150号6面2)(2004/05/24)
『許すなACSA大改定と有事七法案−−イラク・北朝鮮への日米共同の侵略戦争法』
前進社出版部編ブックレット420円
改憲に匹敵する大攻撃暴く
小泉政権が国会に提出している有事関連7法案と3協定条約案は、実質上の改憲にも匹敵する恐るべき戦争法案である。なんとしても阻止し廃案に追い込まなければならない。本ブックレットをそのための武器として最大限に活用しよう。
本書は、有事関連法案が何よりも破産しつつある米帝のイラク占領を日帝が全力で支え、米帝とともに本格的な侵略戦争に突入するために出されていることを鋭く暴いている。
「国民保護法制プラスα」といったとらえ方は間違っており、日帝・小泉の反動的キャンペーンに乗せられたものだ。米軍とともにイラクで本格的参戦を遂げ、日米共同で北朝鮮・中国侵略戦争に突入していくための攻撃なのである。
ACSAが軸に
これまで、昨年の有事3法(武力攻撃事態法など)以来約1年間、国民保護法が問題の中心であるとキャンペーンされてきたが、発表された法案を見ると、まったく違う。日帝・小泉は、水面下での米帝との協議を経てクーデター的に、全面的な日米共同侵略戦争法を提出してきたのだ。その中心は、ACSA(日米物品役務相互提供協定)改定であり、広義の米軍支援法である。本書は、そうした立場から日帝の狙いをよりリアルに暴露する視点と内容を提起している。
第一は、日帝がイラク侵略戦争に本格的・全面的に参戦するということだ。日米安保を世界に拡大し、自衛隊がイラクの戦場で物品・役務を米軍に提供することを可能にする。そして次に、北朝鮮(究極的には中国)への侵略戦争体制を決定的に確立する。日本国内で米軍が自由に行動し、自衛隊がこれと一体となって活動することをうたっている。改定ACSAがそれらの軍事的かなめだ。労働者人民の戦争動員という場合も、このような日米共同の侵略戦争への動員として問題が具体的に提起されている。
先制攻撃が前提
簡単に本書の構成を紹介したい。
T「改定ACSA・有事7法案とは何か」では、イラク侵略戦争の継続・激化・拡大のための体制づくりであると同時に、北朝鮮侵略戦争への戦争体制づくりである、という日米安保の実戦化に関する二つの方向性の確認に立って、新ガイドライン(97年)、周辺事態法(99年)、武力攻撃事態法(03年)などとの関係を整理している。大切なことは一般的な「戦争への道」ということではなく、具体的に対イラクであり、対北朝鮮の侵略戦争であるということである。
次にUV章で、米軍支援と自衛隊自身の行動に関する諸法に分けて個別に逐条的批判を加えている。
ここで特に重大なのは、ACSAの適用範囲を「国際貢献・大規模災害」へも拡大したことである。これははっきりと、イラク・アフガニスタン型の侵略戦争へ自由に参戦するためのものなのである。
そして以上のことは事実上、集団的自衛権の行使を改憲を伴わないでも強行するという攻撃である。したがって、これ自体が全面改憲、9条改定の第一歩という意味を持つ。
W「国民保護法」について。これはとてつもない反動法案である。今回提出のもう一つの柱だ。「国民を守る」のではない。侵略戦争への国民総動員法だ。米日の先制攻撃に対する北朝鮮の必死の反撃を想定し、その被害を戦災として対処することをうたっている。先に敵が攻めてきて「日本有事」が始まるのではない。逆に、国民保護の体制があるから大丈夫だと言って国民を侵略戦争に駆り立てていくものなのだ。
今回提出された法案の8章で「緊急事態」事項を新たに設けていることが重要だ。9・11や3・11型のゲリラが日本で起こりうると「テロの恐怖」をあおり立てて人民を戦争モードに組み込もうとしている。また、日本の民衆をムスリム人民・朝鮮人民に対する排外主義で組織し、入管体制を極限的に強化する入管法改悪案が、国民保護法と表裏一体のものとして提出されている。
危機は日帝の側
今次の有事関連法案は、民主党・連合があらかじめ屈服し、むしろ「よりよい戦争法」を要求しているために国会内での議論もまともに行われていない。マスコミも、その恐るべき本質と実際に進行しつつあることをほとんど明らかにしない。だがそれですべてが支配階級の思うがままに進むのか。まったく違う。
追いつめられているのは日帝の側である。支配階級は、有事関連法案の恐るべき反動性が暴かれ、労働者階級人民の反撃が起こることにおびえている。5〜6月決戦でこの攻撃を打ち破ることはまったく可能だ。
既刊『国民保護法・米軍行動円滑化法など有事七法案を阻止しよう』と併せて活用されるよう訴える。5・21から6月国会最終盤の有事立法粉砕決戦へ。
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週刊『前進』(2150号6面3)(2004/05/24)
改憲阻止へ闘う決意 東京 3時間超え討論集会
5月3日午後、「『国益』と『排外』に憲法は屈するのか/改憲阻止でたちあがろう!討論集会」が東京・杉並の産業商工会館で開催され、112人が参加した。主催は戦後50年を問う8・15労働者・市民の集い全国統一実行委員会。
天皇制右翼約20人が集会妨害に出てきたが、主催者は毅然(きぜん)と対峙して集会をやりぬいた。
開会のあいさつに立った葉山岳夫弁護士は「朝鮮―中国への侵略戦争と改憲攻撃は一体だ」と弾劾した。
続いて鈴木達夫弁護士をコーディネーターとして、3人の発題者の提起と参加者の討論が行われた。
佐藤昭夫さん(早稲田大学名誉教授)は、国労闘争団の闘いを紹介し、自己決定権の重要性を訴えた。そして、「戦時においては国民の権利は何ひとつ守られない」ことを指摘した。
川田悦子さん(前衆議院議員)は、95年に薬害エイズの被害者として名前を公表した息子の龍平さんとともに闘う中で得た教訓として、「自分の人生を自分で決めたいということの大事さ」を強調した。
石埼学さん(亜細亜大学・憲法)は、5月1日の朝日新聞の世論調査を「憲法改正に53%が賛成しつつ、その理由として9条問題を挙げたのは7%にすぎない。9条改憲派は民衆の中に浸透していないのではないか」と分析した。そして「(小泉の狙いは)集団的自衛権の確保と日本経済のグローバル化にある」ことを提起した。
会場からの「どうして今改憲なのか」という質問に佐藤さんは「政府批判運動が憲法の条文を根拠に広がることを抑えるため」、川田さんは「なし崩しが限界となり明文改憲しかないところまで来た」と答えた。
その後も会場からは多くの意見が出された。
「ひめゆり部隊として沖縄戦を体験した。『今、自分にできることは何か』を問いかけて反戦を訴えている」(戦争体験者杉並百人の声の会・上江田千代さん)
「沖縄には、憲法9条だけでなく29条(財産権の保障)も適用されない」(沖縄民権の会・座覇光子さん)
「『戦中の語り部』として、ブッシュや小泉の野垂れ死にを見るまで頑張り抜く」(百万人署名運動三多摩連絡会・西山勲さん)
「春闘で3波のストライキを貫徹した。『国難』攻撃にけっして屈服しない闘い方が重要だ」(動労千葉・田中康宏委員長)
「動労千葉の発言に感動した。憲法19条、20条を武器に闘いぬく」(都立高校教員)
最後に主催者を代表して西川重則さんが討論集会のまとめを行い、「私たちの結論は『憲法は屈してはいない』ということ。どんな法律(悪法)が制定されても、人間として悪法には従わないことだ」と訴えた。
「改憲阻止にどう取り組んでいくのか」をテーマに憲法第9条はもとより第13条「個人の尊重」を立脚点に据えて、3時間を超える討論が展開された。有意義な集会だった。
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週刊『前進』(2150号6面4)(2004/05/24)
「免状不実」で不当逮捕
4月22日、神奈川県警は、K同志を「免状不実記載」なる容疑でデッチあげ逮捕し、21日間も勾留してK同志に暴行、脅迫を加える悪事を働いた。横浜地検平野辰男検事も横浜地裁裁判官もグルになって行ったこの違憲・違法な弾圧を完黙非転向ではね返し、K同志は5月12日釈放をかちとった。
02年7月の運転免許証更新の時、K同志が記載した住所は実際に住んでいないウソの住所だというのが逮捕の理由。これはとんでもないデッチあげである。
K同志の住所は横須賀市内の実家で、両親と一緒に12年間も住んでいる所である。もちろん生活用品も全部ある。選挙権も行使しているし、近くの病院にも通院している。確定申告も横須賀市役所で行っている。
警察や検察がK同志の住所を決める権利はない。ましてや、逮捕・勾留するなどというのは常軌を逸している。違憲・違法な政治弾圧である。
K同志を逮捕した神奈川県警は、K同志に「取り調べ」とは名ばかりの、暴行、脅迫、拷問を加え続けた。1日の取り調べは9〜10時間にも及んだ。取調官は、2日半の間、背もたれのない丸イスにK同志を座らせて「取り調べ」を行った。丸イスに1日9時間も座らせるのは、肉体的苦痛を与えることを目的にしたもので、拷問そのものだ。さらに、取調官は丸イスごとK同志の身体をひっくり返し、K同志は床に転がされた。警察官による暴行であり、犯罪行為だ。
今回のK同志への逮捕・勾留の攻撃は、戦時下の予防拘禁、活動妨害のためのみの不当な政治弾圧であり、許すことはできない。弾圧をはね返し、闘おう。
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週刊『前進』(2150号6面5)(2004/05/24)
直ちに福嶋同志保釈を
小島筆跡鑑定批判 迫力ある意見陳述
5月7日、福嶋昌男同志に対する迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧の公判が東京地裁(刑事第3部・服部悟裁判長)で行われた。この日も、裁判所前で「無実の福嶋さんを直ちに保釈せよ。12年間もの未決勾留は人権侵害だ」と訴えて、街宣・署名活動を行った。
公判では、検察側が岩手アジトから押収したとするメモの筆跡が福嶋同志の筆跡であるとデッチあげ鑑定を行った小島直樹(警視庁科学捜査研究所)作成の筆跡鑑定書に対する被告・弁護団の意見表明が行われた。小島証人に対する尋問は99年の検察側主尋問以来昨年まで実に足かけ5年にも及び、その結果小島鑑定書のデッチあげ性が完膚なきまでに明らかになった。
福嶋同志は、「私は無実である。メモなど書いていない。小島鑑定書は政治的なデッチあげ弾圧のために作成されたものである。その手法は、歴史的な冤罪事件のドレフュス事件(フランス、1894年)における誤ったペルティヨンの筆跡鑑定方法を踏襲し、科学捜査研究所の鑑定方法とも相入れないデタラメな鑑定書であることが暴き出された」と喝破した。
福嶋同志は、説得力ある意見陳述で小島筆跡鑑定を徹底的に批判した。さらに、証拠調べ請求をした検事とデッチあげのために証拠採用をたくらむ服部裁判長を徹底的に弾劾した。福嶋同志の1時間を超える意見陳述が終わると、傍聴人全員から拍手がわいた。
続いて、弁護団も200nに及ぶ意見書を読み上げた。弁護団は、小島証人の証言の足かけ5年にわたる尋問で明らかになった、証言の変遷と論理的破綻(はたん)を鋭く指摘し、デッチあげ鑑定のからくりを暴露弾劾した。
福嶋同志は百パーセント無実であり、メモなど書いていない。小島筆跡鑑定書を木っ端みじんに粉砕した福嶋同志と弁護団の意見陳述で、傍聴人はあらためて小島鑑定書のデタラメさと福嶋同志無実・無罪を確信した。
第8次保釈請求
この公判に先立つ4月21日、福嶋同志と弁護団は第8次保釈請求を行った。福嶋同志の未決勾留は3月でついに12年目に突入した。
3月25日の須賀・十亀・板垣3同志に対する無罪判決は同時に福嶋同志の無罪を明らかにするものだ。服部裁判長はこれ以上福嶋同志を獄に閉じ込め続けるいかなる口実もなくなった。直ちに保釈を決定せよ。
足かけ12年にも及ぶ未決勾留は不当に長期にわたる勾留であり、違憲・違法である。これでは保釈制度などあってなきものだ。しかも判決も出さないうちからのこのような超長期の拘禁は、裁判制度そのものの完全否定である。
服部裁判長は、刑事第11部において3同志に加えられた16年に及ぶ未決勾留にならって、福嶋はまだ12年だなどと高をくくっているなら、断じて許せない。いかに違憲・違法であり、人権侵害そのものであるかをはっきりと突きつけてやらなければならない。
不当な長期勾留をやめさせるために!十万人保釈署名運動は、この保釈請求を受け、4月30日、即時保釈を要求して刑事第3部への申し入れ行動を行った。この間集まった1613筆の保釈要望署名簿と申入書を書記官に手渡した。これまで提出した署名は累計4万6590筆になった。
また、福嶋弁護団と精神科医が呼びかけている「人道的立場からの福嶋さんの解放を要請する」賛同署名に1カ月の間に44人の精神科医、医者から賛同が寄せられている。この賛同署名簿は、5月7日弁護団から裁判所に提出された。
医学的立場からも、これほど超長期の独房での拘禁、さらには東京拘置所新獄舎の極限的閉鎖性の問題は、けっして看過できないことだ。党と人民の力で3同志に引き続き、一刻も早く福嶋同志を奪還しよう。
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週刊『前進』(2150号6面6)(2004/05/24)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
6月1日(火)午後1時15分
*東京地方裁判所
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