ZENSHIN 2004/05/17(No2149 p06)

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第2149号の目次
 
1面の画像
(1面)
5・21全国から明治公園へ
ACSA改定・有事7法案を労働者の総決起で粉砕しよう
米軍の拷問弾劾、自衛隊撤兵を
記事を読む  
年金改悪法案絶対阻止へ 民主党の大裏切り許すな 記事を読む  
(2面)
動労千葉の闘いに続き労働者は5・21戦争法案粉砕に立とう
最悪の裏切り者・酒田を倒そう
JR資本との徹底対決軸に国鉄闘争勝利の路線確立を 革共同国鉄委員会
記事を読む  
国労弾圧公判
演壇から闘争団員を突き落とす 革同の暴力行為を追及(4月27日)
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2004 4・8〜4・30
厚労省 解雇ルール法制化へ研究会
郵政民営化の中間報告決定/労働審判法が成立
記事を読む  
(3面)
動労千葉の闘いに続き労働者は5・21戦争法案粉砕に立とう
動労千葉 “左に行って組織拡大を”
結成25周年レセプション(4月25日)
記事を読む  
メーデー 連合・民主党に怒り
労働者は闘い求めている(4月29日、5月1日)
記事を読む  
全逓4・28反処分闘争 “職場復帰まで闘う”
3・20へ奮闘し一歩前進(4月28日)
記事を読む  
関空反対運動に確信 泉州住民の会が総会
タイムリーな講演に100人(投稿/泉州住民の会会員N)(4月18日)
記事を読む  
狭山要請行動 “事実調べ行え” 特別抗告棄却許さない(4月26日) 記事を読む  
(4面)
辺野古で座り込み続く
名護 ボーリング調査着工阻み(4月19日-5月6日)
記事を読む  
有事関連法案粉砕・改憲絶対阻止 5・21闘争の大爆発を
改定ACSAは侵略戦争協定 米軍の虐殺戦争支援を担う
記事を読む  
「自衛隊撤退を」と言わないカクマル 迫撃弾の炸裂も「謀略」?! 記事を読む  
“つぶせ有事法”デモ
関西 自衛隊撤兵へ連続決起(投稿・関西合同労組 Y・K)(4月17日、29日)
記事を読む  
九州大 新歓集会が大成功
酒井啓子氏招き講演会(投稿 K・B)(4月20日)
記事を読む  
東富士 自衛隊に訴え
“派兵反対へ闘おう”(投稿 静岡O・N)(4月18日)
記事を読む  
日誌'04 4月20日〜5月4日
米軍が拘束イラク人を虐待 防衛大綱改定へ首相懇談会
記事を読む  
(5面)
有事関連法案粉砕・改憲絶対阻止 5・21闘争の大爆発を
始まった改憲への政治過程
9条破棄・集団的自衛権を明記し侵略戦争突入狙う
記事を読む  
紹介 共産主義者 140号 戦争と改憲めぐる決戦
栗田論文 歴史的な階級決戦の訴え
教労論文 不起立闘争の重大な意義
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
「君が代」処分撤回へ被処分者の会が結成 東京・元教員 岡村 桂
3・20報じた『前進』広げて定購を拡大 関東・労働者 大竹美樹
イラクの人質事件で小泉首相の本性みた 東京 久保直子
記事を読む  
司法改革・共謀罪粉砕を 法案阻止へ正念場の国会闘争 記事を読む  
“裁判員制度許さない” 司法改革に反対 弁護士先頭に集う(4月21日) 記事を読む  
衆院可決を弾劾 4・23国会前で集会(4月23日) 記事を読む  
党学校に参加して
ドイツ・イデオロギー 実践的な変革者に 東京 渡辺典子
記事を読む  

週刊『前進』(2149号1面1)(2004/05/17)

 5・21全国から明治公園へ

 ACSA改定・有事7法案を労働者の総決起で粉砕しよう

 米軍の拷問弾劾、自衛隊撤兵を


全労協などの日比谷メーデーには、国労や都労連など1万2000人が結集し、自衛隊撤兵、有事法案反対などを訴えた。特に大量処分と闘う都高教の労働者が大挙して参加した(5月1日 日比谷野音)=3面に関連記事

 ACSA(日米物品役務相互提供協定)改定案など3協定・条約承認案と有事関連7法案を粉砕し、自衛隊撤兵、小泉政権打倒のために、5〜6月、非常決戦態勢をとり総決起することを訴える。陸・海・空・港湾労組20団体などが呼びかける「自衛隊の即時撤退! STOP!有事法制/守ろう平和といのち5・21集会」に全国から総結集しよう。情勢は一刻も猶予がならない。3・20国際反戦行動で始まった闘いを発展させ、反動を打ち破り、ナショナルセンターの枠組みを越えた大結集をかちとろう。04春闘3波のストで勝利した動労千葉、不当処分に抗して闘う東京都の教育労働者とともに全産別・職場から5・21明治公園に総決起しよう。

 第1章 今次の有事法こそ最大の対決法案だ

 ACSA改定案と有事関連7法案をめぐる国会情勢は、とんでもない翼賛状況となっている。年金改悪法案をめぐる小泉政権と菅・民主党の「対決」なるものも、しょせん資本の負担をいかに減らし、労働者階級からどうやって収奪するのかをめぐる争いにすぎない。結局、民主党は政府案のまま、今国会で成立させることに合意した。閣僚や国会議員の国民年金保険料未納問題なども全面的に開き直り、労働者人民からもれなく収奪するための消費税増税に利用しようとしている。この翼賛国会で、労組法・団結権解体につながる労働審判法が成立し、さらに労働委員会制度の破壊を狙う労組法改悪、共謀罪新設、裁判員制度導入などの反動法案の強行が狙われている。
 その中で、自民、公明、民主の3党が「緊急事態基本法案」をまとめ、来年の通常国会で成立させることで合意し、民主党はこれをもってACSA改定・有事関連法案の成立に全面的に賛成するという。まったく「対決法案」にもしないというのだ。社・共のさしたる反撃もなく成立させられようとしていることに猛然と怒りを爆発させて5・21明治公園に総結集しよう。労働者が立ち上がれば、必ずこの翼賛状況を打ち破ることができる。
 そもそも、小泉政権も民主党も、昨年の有事3法の成立に際して、あとは「国民保護法制」が問題であるかのようにキャンペーンしてきた。民主党などは“テロや災害に対する対処が不十分だ。国民を守るための法制を整備する”などとして、今回の攻撃が恐るべき侵略戦争体制を完成させるものだという本質と全体像を隠ぺいしてきた。この大陰謀を怒りをもって弾劾しなければならない。
 ACSA改定案と有事関連7法案は第一に、米日帝が現実に強行しているイラク侵略戦争やアフガニスタン侵略戦争を継続・激化・拡大しようという攻撃である。とりわけ、ACSA改定は、日米安保体制を「地球的規模での協力」にエスカレートさせるものだ。日帝は、イラク侵略戦争がいかに泥沼化しようとも、米帝とともに深々とのめり込もうとしている。さらに第二に、米帝と競合・共同して、北朝鮮(中国)侵略戦争に全面的に突入する法的準備を行うものである。
 ACSAとは、自衛隊と米軍との間で、物品(モノ)・役務(ヒト)を相互に提供するための協定だ。96年に締結されたACSAは、国連平和維持活動(PKO)や共同訓練に適用されるとした。99年改定ACSAでは、これに「周辺事態」を加えた。そして今回の改定では、「武力攻撃事態」および、その「予測事態」の段階から弾薬を含む物品・役務を相互に提供できることにした。周辺事態法の「後方支援」のレベルをはるかに超えて、自衛隊が米軍とともに戦争の最前線に立つ「集団的自衛権」の発動そのものだ。事実上、改憲のハードルをのりこえるものなのだ。
 ACSA改定はまた、「米軍行動円滑化法案」「自衛隊法改悪案」「交通・通信利用法案」とともに、米軍が成田や関西を始めとする空港や港湾、鉄道、道路、空域、海域、電波などあらゆるものを自由に使用し、自衛隊はそれを全面的に支援し一体となって、1950年の朝鮮戦争と同様に日本全土を出撃基地と化して先制攻撃を行うためのものである。

 第2章 イラク派兵と有事法制は改憲に直結

 その上で、今回のACSA改定では、「国際貢献」と「大規模災害」にも拡大した。これは直ちに、アフガニスタンやイラクで、米軍と自衛隊が物品・役務を相互提供し日米共同作戦を一層拡大し強化するということだ。
 現に今、自衛隊はイラクで米軍との共同作戦をやっている。小泉らは、自衛隊が「人道復興支援活動」を行っていると言うが、まったくのペテンだ。イラク特措法で言う「安全確保支援活動」とは、米軍の軍事作戦の支援活動であり、日米共同作戦そのものである。航空自衛隊は、武装した米兵を輸送している。ファルージャでの大虐殺などを実際に支援しているのだ。
 さらには、バグダッドのアブグレイブ刑務所で、米軍がイラク人収監者への拷問や性的虐待を行い、虐殺・死体遺棄まで行っていたことが明らかになった。米軍の組織的活動であり、これも自衛隊が支えている。
 ACSA改定により、さらに公然と米軍と一体化し、武装米兵、武器・弾薬の輸送を始め、あらゆる共同作戦を行おうとしているのだ。
 しかも、今回の改定ACSAでは、物品・役務の相互提供の範囲を、協定の改定手続きを必要とせずに拡大できることにしている。小泉は、派兵恒久法によって世界中どこにでも派兵することを狙っている。ACSA改定は、恒久法と一体で米帝の世界大の戦争計画に協力する日米安保の大エスカレーションなのだ。
 さらに、国民保護法案は、労働者人民を「保護」するものなどではなく、北朝鮮・中国侵略戦争へ動員するための法案である。それは、「武力攻撃事態等における国、地方公共団体等の責務、国民の協力」を定めるとして、国民の戦争協力義務をはっきりさせている。国の統制のもとに、国民を完全に戦争モードに切り替えるものだ。
 その中で自主防災組織の全国組織化を狙っている。また「国民保護協議会」を設置し、都道府県の場合には、知事や警察本部長、消防長、教育長、そして自衛隊が加わる。これは自治体と自治体労働者、教育労働者も戦争動員の先兵とするものである。戦争への精神的動員であり、教育基本法改悪攻撃と一体である。
 捕虜取り扱い法案、国際人道法違反行為処罰法案、ジュネーブ条約追加議定書T、Uの承認案なども、実際に戦争を行うために必要となるものだ。
 こうした中で、改憲攻撃が本格化している。自民党は05年、民主党は06年に改憲案をまとめる予定だ。小泉は「自衛のための戦力保持」をうたい、前文に「自衛隊による国際貢献」を明記することをぶち上げた(4・26NHKテレビ)。まさに、ACSA改定・有事関連7法案との闘いが、改憲阻止の闘いなのだ。
 また、奥田・日本経団連は、憲法問題や安全保障問題などについて検討する委員会を5月27日の総会で設置する。経団連は、奥田ビジョンの実現のための教育改革の提言を発表(4・19)しており、小泉政権と完全に一体化して、戦争と一大資本攻勢を推進しようとしている。小泉=奥田路線と徹底対決しよう。

 第3章 組合員の怒りで自治労見解粉砕を

 日本の労働者階級が3・20の地平を全面的に発展させ、それを上回る壮大な大統一闘争を実現するべき時が来た。それが5・21明治公園への大結集だ。
 イラクでは、侵略戦争・軍事占領に対するイラク人民の不屈の民族解放・革命戦争が、米帝を始めとする帝国主義を危機にたたき込んでいる。米海兵隊はついに5月2日までにファルージャから撤退した。イラク人民は「われわれの勝利だ」と快哉(かいさい)を叫んでいる。
 このイラク人民の闘いは、3・20を起点とする全世界の労働者階級の決起への連帯の呼びかけだ。アスナール政権を打倒したスペイン人民、民主労働党の10人の国会議員を誕生させ、韓国労働運動の主流派に躍り出ようとしている民主労総、そして、アメリカの労働者階級などと連帯して立ち上がろう。
 ファルージャでの大虐殺を凶行した米海兵隊は、沖縄基地から出撃している。その沖縄では、名護新基地建設―ボーリング調査着工を、辺野古の住民を先頭に4月19日以来、実力阻止し続けている。この闘いは、3・20の地平を発展させるものだ。普天間基地即時閉鎖・全面撤去、名護新基地建設阻止、宮古下地島空港の軍事基地化阻止へ、5・15沖縄闘争に決起しよう。
 日本の労働者階級の中には、イラク派兵と有事関連法案に対する広範な怒りと危機感がある。これをすべてくみ上げ、組織し、巨大な力に転化すべき時なのだ。その先頭に立つべきは、労働運動である。動労千葉が04春闘3波のストでJR体制に風穴を開ける勝利をかちとり、4・13国鉄闘争支援大集会の成功など1047名闘争の新たな発展が始まった。
 これと結びついて、3〜4月の卒業式・入学式で都立高校などの教育労働者が「日の丸・君が代」処分恫喝をはねのけて決起した。大量処分を受けながら、明るく自己解放的に闘い続ける教育労働者の姿は、多くの労働者を激励している。
 さらに、全産別で闘いを巻き起こそう。5・21に向けて、特に連合、平和フォーラムの最大組合である自治労傘下での闘いが決定的に重要である。
 自治労中央が4月14日に出した「国民保護法制をはじめとする有事関連7法案についての自治労見解」は、日帝・小泉に屈服する反労働者的な見解であり、絶対に認められない。自治労見解は、「有事関連7法案は……内容にも極めて問題があることから反対します」と言っているが、続けて「国民保護法案は……有事が起こる可能性はほとんどないからというだけで一方的に否定することはできません」と容認している。有事関連法案が〈イラク侵略戦争の継続・激化・拡大〉と〈北朝鮮侵略戦争体制づくりの攻撃〉としてあることをまったく批判せず、あろうことか、「国民保護法案が……自治体が住民を守る責務を果たすために必要な……役割を担いうるものであるかについて、詳細に検証する必要があります」などと言っている。ACSA改定の重大性についても言及していない。まさにこの見解は、侵略戦争法案に屈服し推進するものでしかない。
 また連合中央は、なんの見解も示していない。02年の5・16見解ですでに有事立法に賛成したのだ。
 有事法制を「完成させない、発動させない、協力しない」という20労組の「三ない」運動こそ、労働組合の方針であり、ここに戦争を阻止する力がある。
 自治労、教労など連合傘下から合流しよう。小泉―奥田による郵政民営化攻撃との闘いの正念場を迎えた全逓労働者を始め、資本攻勢と連合指導部の屈服に抗して闘うすべての労働者は5・21に総結集しよう。
 特に青年労働者・学生は、イラク人民を始めとする全世界の反戦闘争に心を揺さぶられ、労働者として人間としていかに生きるべきかを真剣に考えている。全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の団結で資本主義・帝国主義を打ち倒し、労働者階級が社会の主人となることによって、この現代社会の悲惨、戦争や生活破壊、搾取と収奪をなくし、自らの解放をかちとることができる。このマルクス主義の思想と実践、労働運動の発展をかちとろう。このもとに青年労働者・学生の総結集をかちとろう。
 5・21を大爆発させ、さらに6月の大闘争を実現し、ACSA改定・有事7法案の絶対阻止と、小泉政権打倒をかちとろう。


“美ら海(ちゅらうみ)”守るぞ
事実上の名護新基地建設着工である 「ボーリング調査」は4月19日以来連休明けまで阻まれている(4月26日午前 辺野古漁港=記事4面

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週刊『前進』(2149号1面2)(2004/05/17)

 年金改悪法案絶対阻止へ

 民主党の大裏切り許すな

 4月28日、小泉政権は衆院厚生労働委員会で年金改悪法案を与党単独で採決した。さらに5月6日、与党と民主党は、社会保障制度改革に関する与野党協議機関の設置を条件に、年金改悪法案の11日の衆院本会議での採決に合意した。断じて許してはならない。
 この間、福田官房長官を始め主要閣僚7人と菅民主党代表らが国民年金保険料を納めていなかった事実が明るみに出た。賃下げと生活破壊に苦しむ労働者人民に高額の保険料負担を強い、結果として保険料を支払えない膨大な人びとを生みだしてきたのは小泉政権だ。その閣僚や政治家たちが、私的な利害得失に基づいて保険料不払いを続けていたのだ。何が「保険料納付は国民の義務」だ!
 年金改悪を押し通すために小泉政権が唱えてきた「年金は世代間の支え合い」だの「社会連帯の精神」だのの空文句は、すべて資本家とその代理人たちが労働者人民から収奪を貫くための口実だった。
 「連休前採決を阻止する」と息巻いてみせた民主党も、代表の菅が厚生相を務めていた時期に保険料を納めていなかった事実が暴かれるや、たちまち与党に屈服し、法案の委員会通過に道を開いた。民主党のブルジョア政党・第2自民党としての正体もまた、完全にさらけ出されたのだ。
 今回の改悪は、給付をどこまでも削減する一方で、保険料は大幅に引き上げるというものだ。現役の労働者は徹底的に収奪され、退職後の労働者は生存権さえ奪われる。小泉は、労働者の生活などどうなっても構わないとしているのだ。
 その先には、消費税の大幅アップがたくらまれている。イラク侵略戦争からさらに北朝鮮・中国侵略戦争に突き進む小泉政権は、消費税アップによって思うがままに戦費を調達できる仕組みをしつらえようとしているのだ。
 与党と民主党が設置することに合意した協議機関は社会保障の解体をさらに促進するものでしかない。社会保障を縮減し解体しようとしている点で、民主党は小泉と変わるところがないからだ。
 年金は本来、資本と国が全額負担すべきだ。だが、今回の改悪には、社会保険料の企業負担を徹底的に削り込んで延命を図る資本の利害が露骨に貫かれている。賃金を切り下げるだけでは飽きたらず、社会保障を解体し、労働者人民をとてつもない苦境にたたき込む資本主義=帝国主義。こんなものは、もはや労働者階級の団結と闘いによって打ち倒すほかにない。
 今年のメーデーは、イラク参戦や有事立法への怒りとともに、年金改悪への激しい怒りが噴出した。ところが連合中央は、「国会正常化」を叫んで年金改悪案の早期成立に手を貸している。連合中央を打倒し、年金改悪絶対阻止へ闘おう。本当の勝負はこれからだ。

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週刊『前進』(2149号2面1)(2004/05/17)

 動労千葉の闘いに続き労働者は5・21戦争法案粉砕に立とう

 最悪の裏切り者・酒田を倒そう

 JR資本との徹底対決軸に国鉄闘争勝利の路線確立を

 革共同国鉄委員会

 国鉄闘争は今、歴史的な転機を迎えている。米英日帝のイラク軍事占領はますます泥沼化し、帝国主義は虐殺者としての凶悪な姿をむき出しにした。日帝・小泉は有事関連7法案とACSA(日米物品役務相互提供協定)改定案など3協定・条約承認案の成立に全力を挙げている。これらは全面的な米軍支援法であり、自衛隊の戦争遂行権限を飛躍的に強化する。日米安保体制は世界大に拡大され、イラク人民虐殺のために直ちに発動されるのだ。またそれは、日本全土を基地にした日米帝による北朝鮮(中国)侵略戦争を一挙に引き寄せるものとなる。他方で、3・20イラク反戦国際共同行動を突破口に、階級的労働運動は力強く台頭し始めた。それは「日の丸・君が代」強制への教育労働者の決起を引き出し、国鉄闘争でも4・13日比谷公会堂に3500人を結集する歴史的な集会に結実した。年金改悪を始めとした資本攻勢への労働者の怒りも高まっている。これらは、連合中央やJR総連カクマル、日本共産党指導部による労働者階級への反動的制圧が急速に力を失いつつあるということだ。戦時下の労働運動は、階級的原則を貫くことによってのみ発展しうる。この中で、国鉄闘争はいかなる路線を打ち立て、勝利を切り開くべきだろうか。

 JRの矛盾を突いた動労千葉ストの意義

 有事関連法の完成を目指す小泉政権の攻撃はすさまじい。日帝は、イラクに自衛隊を派兵している参戦帝国主義である。その日帝が全面的な戦争法を確立し、事実上の集団的自衛権行使に踏み込み、さらには北朝鮮(中国)侵略戦争に突入しようとしているのだ。
 国鉄労働者を始め交運労働者にとって、有事法制定は何を意味するのか。交通・通信利用法案は、武力攻撃事態とその予測事態に際し、米軍や自衛隊の優先利用のために交通機関を全面的に国の統制下に置くと定めている。JRには自衛隊への協力義務が課されている。昨年改悪された自衛隊法には、戦時における輸送業者への業務従事命令の規定が置かれた。
 こうした攻撃を引き出した重大な要因の一つに、JR総連カクマルの裏切りと転向がある。国鉄分割・民営化に屈し、それを積極推進した松崎は、99年の連合政治方針改定に際して「対案」という形で改憲論を公然と唱え、今年1月の講演では「法律を犯して兵員輸送をストップさせることはできない」と有事法制への全面屈服を表明した。
 労働者の戦争動員を拒む闘いは、業務命令を振りかざす資本との厳しい対決となる。だからこそ階級的団結を維持しぬくことが死活的に問われるのだ。国鉄闘争は、全労働者の階級的団結をめぐる攻防のかなめに位置する。ここでの勝敗によって、有事法の完成を阻み、その発動を阻止し、戦時動員を拒否できるか否かが決まるのだ。国鉄闘争解体の攻撃がさらに激化しているのもそのためだ。

 4・13集会転機に新たな発展期へ

 国鉄闘争はこうした情勢の中で新たな発展段階に入った。4・13集会は、国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団の3者が並び、ともに勝利を誓い合う画期的な場になった。ここに勝利の展望がある。労働者は今、連合や全労連の枠を越え、勝利のための大統一行動を求めている。3・20に始まったこのうねりは、国鉄闘争の中でさらに増幅されたのだ。
 しかし、一部には今なお動労千葉の排除を策動する人びとがいることも、残念ながら事実である。だが、1047名の固い団結なしに、どうして国鉄闘争に勝利できるだろうか。
 動労千葉は、けっして活動家だけによって成り立っている「特殊」な労働組合ではない。普通の労働者が当たり前の労働運動を実践する中で団結を固めてきた労働組合である。国鉄分割・民営化という階級的労働運動絶滅の攻撃と立ち向かい、2波のストライキを決行し、40人の被解雇者を抱えながらJR体制の中で団結を維持しぬくことは、動労千葉にとっても並大抵のことではなかった。
 だが、動労千葉の組合員には、権力や資本の攻撃、その手先となったJR総連カクマルに断じて屈せず、必ず勝利を手にしてみせるという決意と執念があった。そうした組合員を信頼し、階級的原則を曲げずに闘う方針を真っ向から提起する指導部を次々と輩出してきた。動労千葉が幾多の困難をのりこえ、比類ない団結を築き上げて、JR体制を揺るがしてきた根拠は、ここにある。
 分割・民営化以来、動労千葉は何度となくストライキに立ち上がった。だが、JR総連カクマルと結託して動労千葉の解体をたくらむJR資本は、その要求をかたくなに受け入れようとはしなかった。こうした関係は今や覆りつつある。動労千葉の3波にわたる04春闘ストライキは、強制配転者の原職復帰などの成果をかちとった。

 資本=カクマル結託体制を痛撃

 動労千葉がこうした闘いを決断し、貫くことができたのは、JR体制がどうにもならない矛盾を露呈し始めたという的確な階級的認識があったからだ。JR体制は、@JR資本とJR総連カクマルの結託体制の崩壊、A安全の崩壊、B極限的な外注化・合理化による要員問題の噴出、という三つの根本的な矛盾をさらけ出している。動労千葉は、こうした矛盾を突くことで勝利できるという確信を固め、渾身(こんしん)のストライキに立ち上がった。
 JRの安全の崩壊は、もはや抜き差しならないところにまで来ている。それは、JRがカクマルとの結託のもとに推し進めてきた外注化・合理化の結果だ。
 JR東日本は3月のダイヤ改定で、総武緩行線・千葉〜御茶ノ水間の運転時間を6分40秒も短縮するというスピードアップを強行した。この無謀なダイヤ改定に対し、動労千葉がストを構えて闘おうとしていた矢先に、今度は総武快速線でのレール破断という恐るべき事態が発生した。
 反合・運転保安確立を掲げた動労千葉のストライキは、労働者の生死に直結する根源的な要求に基づく闘いであり、JR体制の矛盾を鋭く突く闘いだった。
 この間、JRでは国鉄時代には考えられなかったような大事故や輸送混乱が相次いで起きている。こうした事態を前に、国土交通省は昨年12月、JR各社の中では初めて、JR東日本に対して事業改善命令を出した。「規制緩和」で安全の崩壊を促してきた当の国土交通省さえ、JRを座視しえなくなったのだ。
 ところがJR総連カクマルは、これに対して「JR東日本会社にどす黒い攻撃の刃(やいば)を向けるもの」「JR東日本労使に対する攻撃」と叫び立てた。彼らの眼中にあるのは、資本=カクマル結託体制をなんとしても維持することだけだ。彼らの言う「責任追及から原因究明へ」なるスローガンは、安全問題での資本の責任追及は絶対にしないということだ。
 安全崩壊を極限にまで推し進めたのは、01年末、「メンテナンス体制再構築」と称してJR東日本が強行した保守部門や検修部門の外注化と下請け会社へのJR労働者の出向強制だ。JRは、鉄道事業者としてなすべき最重要の業務さえ全面外注化してしまった。JR総連カクマルは、「国労対策の目玉。永久に出しっぱなしにする」と叫んでこれを率先推進した。
 だが、動労千葉はこの間の闘いによって、千葉支社管内での検修部門の外注化を阻んできた。これがJRにどうにもならない矛盾を強いたのだ。JRは、この数年で技術力を持つ労働者が大量に定年退職する時代を迎える。JRの外注化計画は、こうした定年後の労働者(シニア社員)を下請け会社に低賃金で再雇用することを前提に成り立っている。だが、動労千葉の闘いは、JRがたくらむ要員問題の暴力的打開策を封じ込めた。この中でJRは、動労千葉組合員への強制配転を続けていくことができなくなったのだ。
 さらに今日、JR総連カクマルによる労働者支配は音を立てて崩れ去ろうとしている。松崎派と嶋田派とに分裂したJR総連カクマルは、その修復を装うために必死だが、いったんひびが入った松崎支配が元に戻ることなどありえない。動労千葉の不屈の闘いこそが、JR総連を崩壊の瀬戸際に追いつめたのだ。
 動労千葉のストライキは、国鉄闘争勝利の路線を鮮やかに指し示した。国鉄闘争とは、1047名の解雇撤回・JR復帰を求める闘いだ。それは、JR資本を追いつめることなしには勝利しえない。JR本体の組合員がJR資本を揺るがす闘いを貫いてこそ、解雇撤回をJRに強制できる力関係は築かれるのだ。
 動労千葉の団結は、JR本体の組合員が被解雇者と闘いをともにすることによって打ち固められている。物販活動も、本体組合員が被解雇者とともに全国の労組にオルグに入り、その苦闘を共有することで団結が深められているのである。

 「政治解決=和解路線」の徹底総括が必要だ

 動労千葉の闘いに照らせば、国鉄闘争勝利のために何が求められているかは明らかだ。4党合意以来の国労本部の裏切りとその破産が何によってもたらされたのかを、徹底的に総括することが必要なのである。
 国鉄分割・民営化攻撃が吹き荒れるさなかの86年10月、国労は修善寺大会で労使共同宣言を拒否し、「大胆な妥協」を掲げる山崎執行部を総辞職に追いやった。それが巨大な勝利だったことは間違いない。だが、国労は「屈服拒否」の姿勢を明確にはしたものの、国鉄分割・民営化にどう反撃するのか、鮮明な方針を打ち立てることができなかった。
 こうした弱点は「政治解決路線」という形で現れた。国労は89年の臨時大会で「全面一括解決要求」を掲げる。問題だったのは、それらの要求を実現する路線にあった。それは、「地労委命令を武器とする」というものから「中労委の場での解決」に変転し、ついには採用差別問題とスト権ストへの202億円損害賠償請求訴訟を絡めあわせ、「政治の場での和解解決」に持ち込むものとして位置づけられてしまったのだ。
 94年に社会党・村山政権が登場するや、国労本部の和解路線は「政治解決」一本に絞り上げられた。国労本部は、政党や国家がJR資本の不当労働行為に規制を加える者であるかのように描き出し、それらに依存することで「不採用問題」を「解決」に持ち込もうとしたのである。
 その決定的な誤りは、労働組合の最も根源的な力をなす組合員の団結と闘いに依拠して勝利をもぎりとるという路線が欠落していたことにある。その根底にあったのは、労働者が資本や権力と闘っても勝てるはずはないという、チャレンジや革同の骨身に染みついた労働者不信の思想だった。
 政治解決路線のこうした本質は、98年5月28日、東京地裁が中労委命令を取り消す反動判決を下して以降、一挙に露呈した。その後、国労本部は自民党の要求に際限なく屈服し、宮坂補強案の提案、国鉄改革法の承認、4党合意の受諾へと裏切りを深めていった。
 だがそれは、闘争団を始めとする国労組合員の根底的な怒りを引き出した。国労組合員の階級的魂は呼び覚まされ、国労再生を求める叫びはうねりとなって噴出した。4党合意以来の激突は、政治解決路線の破産が明白になる中で、それに代わる闘う路線を確立することができるのか否かをかけた攻防だったのだ。
 もちろん、この攻防にはいまだ決着がついてはいない。国労組合員の決起によって4党合意路線の破産を突きつけられた国労本部は、鉄建公団訴訟原告らへの統制処分を強行し、さらに5・27臨大闘争弾圧へと踏み込んだ。酒田=吉田執行部は、こうした国労自己解体策動の上に、それを貫徹する体制として成り立っている。その打倒なしに国労の再生はありえない。
 昨年12月のJR採用差別事件の最高裁判決は、酒田執行部に一層の屈服と転向を促した。彼らは、国労から脱退・逃亡した寺内前書記長の敷いた路線そのままに、「組織整備」の名で闘争団の切り捨てと国労の連合体化を推し進めようとしている。また、生活援助金の支給凍結を一部解除するかのような言辞で、闘争団を欺いている。現に、闘争団員22人の統制処分については、絶対にそれを撤回しようとはしないのだ。
 「鉄建公団を相手にした新たな訴訟」なるものも、「政府の動向を見て決める」と言うに過ぎず、それ自体、はなからやるつもりなどないものだ。

 「ILO闘争」は酒田のペテンだ

 酒田一派や革同が表看板に掲げる「ILO連絡会」も、ILO闘争を闘うためのものでは断じてない。そもそも、5・27臨大で自民党に言われるままに「ILOへの追加情報の取り下げ」を強行した張本人が、どうしてILO闘争を闘えるのか。彼らは「ILO勧告の完全履行」を唱えるが、その勧告とは4党合意による解決を迫った00年12月の勧告なのである。
 昨年6月のILO理事会の報告も、1047名をJR復帰させることは「改革に際して妥協を受け入れ、また問題は解決したと考える大多数の職員にとって不公平となろう」と居直る政府の追加情報を受けて、「可能な限り大多数の労働者に受け入れられる公正な解決」なるものを押し出している。それは結局、“JR総連やJR連合に受け入れられる解決を”と説くものにほかならない。こんな勧告の「完全履行」を唱えることは、1047名闘争の妨害物でしかない。
 そもそも、本気でILO闘争を闘うのなら、最高裁判決をILO条約違反として条約勧告適用専門家委員会に申し立てるべきである。それもしない酒田一派や革同は、ILOの名にすがることで破産しきった政治解決路線にしがみつき、自己の延命を策しているだけなのだ。

 JR本体と闘争団の団結で解雇撤回へ

 国鉄闘争勝利の核心は、闘争団組合員とともにJR本体の組合員がJR資本と闘い、資本=カクマル結託体制を痛撃し、JR内の力関係を変えることにある。
 動労千葉のストライキが突きだしたように、JR体制は今や決定的な矛盾をさらしている。それを、JRの内部から攻め上げることが必要なのだ。
 JRは国労や動労千葉、全動労組合員への不当労働行為を分割・民営化以来十数年にわたって続けてきた。だが、そのような仕打ちを受けようとも労働者としての誇りを失わない国労や動労千葉組合員の技術・経験・責任感に支えられてJRの鉄道事業は成り立っている。「メンテナンス体制再構築」で出向を強いられた組合員も、劣悪な労働条件下に置かれながら、鉄道事業の死命を制する位置を握り続けている。
 JR本体の中にも積もりに積もった怒りは渦巻いている。その決起を引き出し、闘争団の闘いと結合することができれば、1047名闘争は確実に勝利に近づく。本体組合員はけっして闘争団を見捨ててはいない。必要なのは、闘争団とJR本体の闘いを結合し、JR資本と徹底的に闘う路線を打ち立てることである。「4党合意は到達点」などとして反合闘争を解体してきた和解路線にとどめを刺さなければならない。
 鉄建公団訴訟の本来の意味も、分割・民営化という国家的不当労働行為を徹底的に暴き、それによって生み出されたJR体制の現実をえぐり出して、闘争団と本体組合員が緊密に一体化しての総反撃をつくり出すことにある。
 そのためにも、酒田執行部を打倒しなければならない。酒田執行部のもとで、JR本体の闘いもまた抑圧され、資本への屈従を強いられている。何よりも酒田は、5・27臨大闘争弾圧で国労組合員を権力に売り渡した張本人なのである。労働組合として絶対にやってはならない大罪に手を染めた、最悪の裏切り者なのである。この裏切りを徹底的に断罪することが、国労を再生させる最短の道だ。
 動労千葉のストライキと3・20は、階級的労働運動が台頭する新たな時代を切り開いた。戦争と一大資本攻勢のただ中で、労働者階級は開始された階級的激突に身構え、満を持して立ち上がろうとしている。国鉄闘争勝利への、これまでになく有利な条件が生まれているのだ。陸・海・空・港湾20団体の最先頭に国労が立ち、5・21明治公園に総結集しよう。そこから国鉄闘争勝利の血路を開こう。

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週刊『前進』(2149号2面2)(2004/05/17)

 国労弾圧公判

 演壇から闘争団員を突き落とす

 革同の暴力行為を追及

 4月27日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第22回公判が開かれた。今回の公判は、「被害者」と称する石井勝幸・国労本部会計監査員への鋭い追及の場となった。
 冒頭、葉山岳夫弁護人が4・13国鉄闘争支援集会の意義を語り、それを妨害した国労本部の態度を「被告を警察に売った彼らの行為と相通じる」と厳しく弾劾した。原田隆司被告が「被害者は、国労の団結のために被害届を取り下げるべきだ」と声を強めた。
 石井証人への弁護側の尋問で重大な事実が暴かれた。萱野一樹弁護人が00年7・1臨大の会場内を写した写真を示して質問を繰り出した。その写真は、警備係とともに演壇上に並ぶ石井証人の姿と、その前で仰向けの状態で演壇から落ちていく闘争団員の姿をとらえていた。石井が闘争団員を突き落としたことは明白だ。弁護団は「あなたが突き落としたのか」と追及した。石井証人は「正常な大会運営を阻止しようとする人に対し防御するのは国労として当然」と驚くべき言辞を吐いた。
 石井証人は被告に「ネクタイをつかまれた」などとして警察に被害届を出している。だが、7・1臨大で彼は、その比ではない激しい暴行を闘争団員に加えていたのである。
 浅野史生弁護人が02年4月の3与党声明と5・27臨大について問いただした。3与党声明は、国労が4党合意を受諾したにもかかわらず採用差別事件の上告審が続いていることなどに難癖をつけ、「矛盾を解消せよ」と国労本部に一層の屈服を迫ったものだ。
 弁護団は「与党の言う矛盾はどうすれば解消できると考えたのか」と質問した。石井証人は「与党は裁判を下ろせと言うが、上告したのは中労委。国労が下ろす下ろさないとは言えない」と答えた。ならば、なぜ「訴訟の取り下げ」を迫る4党合意を受諾したのか。自民党から無理難題を吹きかけられ、国労としてできもしないことを約束したということではないか。4党合意の受け入れ以来、国労本部が際限のない屈服を強いられ、ついに4党合意も破棄されたことは、必然的な結果だったのだ。
 さらに彼は、闘争団への統制処分についても「仕方がない」と居直った。
 佐藤昭夫弁護団長が国労本部による組合費の乱費を会計監査員としてどう考えるのかと追及した。
 一瀬敬一郎主任弁護人が「あなたは革同に所属すると証言したが、共産党員ではないのか」「国労共闘は中核派の別働隊と言うが、革同と共産党の関係も同じでは」と単刀直入に質問した。「革同は政党とは関係がない」と言い張っていた証人は、ついに「共産党系と言われても、別段否定しない」と認めざるをえなくなった。
 弁護団はまた、4党合意が与党に破棄されたことを突きつけ、反対派の意見の方が正しかったのではないかと問い詰めた。証人は「政府が解決案を出していれば」とか細い声でつぶやくことしかできなかった。
 石井証人への弁護側尋問は次回(5月18日)に続行となった。この日、本部派はわずかに3人が傍聴に現れただけだった。
 8被告の無罪獲得と国労再生へ、さらに闘いを強めよう。

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週刊『前進』(2149号2面3)(2004/05/17)

資本攻勢&労働日誌 2004 4・8〜4・30

 厚労省 解雇ルール法制化へ研究会

 郵政民営化の中間報告決定/労働審判法が成立

健保組合、最多の52減少 健康保険組合連合会のまとめでは大企業の健康保険組合は03年度に52減り、減少数が過去最多。(8日)
製造業、3年半で労働者33万人減 製造業928社の労働者数が3年半で約33万人も減少していたことが、東京商工リサーチの調査で分かった。業種別では電機4万1000人減が目立つ。(14日)
連合春闘、中小4分の1未解決 連合の中小の賃金闘争が難航。13日現在約2200組合のうち、約600組合が未解決。(16日) 参考:連合中小労働委員会(中小共闘センター)確認事項
数千人が年金改悪反対で国会包囲 連合、全労連、全労協が年金改悪反対で一斉に国会闘争を行い、国会を包囲した。(21日)
解雇ルール法制化へ研究会 採用や出向・転籍、解雇など労働契約全般のルールの法制化を検討する厚労省の研究会が初会合。菅野和夫・前東大法学部長ら計10人で来年秋まで研究会。(23日)
5・21集会へ20労組などが声明 陸・海・空・港湾労組20団体などがこの日までに自衛隊の即時撤退を求める緊急アピールを発表した。(23日)=要旨別掲
連合会長笹森が社会保障で小泉と談合 連合の笹森会長は小泉首相に年金制度改革の緊急要請を行った。小泉は与野党協議の場をつくると表明。(26日)
郵政民営化の中間報告を決定 経済財政諮問会議は郵政民営化に関する論点整理(中間報告)を決定した。最終報告を今年秋ごろにまとめる予定。(26日)
郵政公社、賃上げ1.4%で決着 日本郵政公社は労働者の基準内賃金を1.4%引き上げることで全逓、全郵政の両労組と合意したと発表。定期昇給と役付手当の改定などによるもので、ベースアップは行わない。(27日)
労働審判法が成立 労働審判委員会を新設するための労働審判法が参院本会議で全会一致で可決され、成立した。06年までに施行される。(28日)  法案
重大労災事故が79年以降で最悪に 労災事故で一度に3人以上が死傷する重大災害の発生件数が03年に249件と前年より18件増え、79年以降では最悪となったことが厚労省の集計で判明。(28日)
交通運輸の新組織結成白紙に 私鉄総連などの交通運輸4産別は新組織の結成に向けて協議を続けてきたが、準備委員会で「協議をいったん白紙に戻さざるを得ない」ことを確認。(29日)
連合メーデー開かれる(29日)=記事3面
3月完全失業率4.7% 総務省発表の3月の完全失業率(季節調整値)は、前月比0.3ポイント改善して4.7%に。厚労省の発表では、3月の有効求人倍率(季節調整値)は0.77倍となり、4カ月連続で同水準になった。(30日)

 5・21集会 緊急アピール(要旨)

 イラクで拘束された5人の日本人が解放されたことを心から歓迎するとともに、5人のご家族や友人の方々とともに喜びたいと思います。……
 5人が拘束されたこと及び解放が遅れたことの責任が日本政府にあることを、私たちは重ねて強く指摘せねばなりません。……拘束された5人の方やそのご家族に対して心無い中傷や非難が浴びせられたことに対しても、私たちは心から憤りを感じます。
 自衛隊の即時撤退を求めてたたかっている日本の運動に対し、イラクの人々の期待がきわめて大きいことが明らかになりました。……自衛隊のイラクからの即時撤退と有事法制の廃案を求めて、これまで以上に強く、広く運動を続けることを、改めてここに誓います。

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週刊『前進』(2149号3面1)(2004/05/17)

 動労千葉の闘いに続き労働者は5・21戦争法案粉砕に立とう

 動労千葉 “左に行って組織拡大を”

 結成25周年レセプション

 4月25日、動労千葉が「結成25周年記念レセプション」をDC会館で開催し、大盛況だった。1979年3月30日、動労本部による統制処分に抗して、動労千葉地本が分離・独立して新組合を結成した。以来、25年の闘いを引き継いで、特に04春闘の画期的な地平の上に新たな飛躍を誓い合った。
 君塚正治副委員長が「分離・独立以前から、労働者の立場で団結を固めて闘ってきたから、ここまで闘ってこれた。今後30年、40年と継続しなければならない」と、開会を宣言。
 田中康宏委員長が「全国で支えてくれた土台があってこそ動労千葉がある。25年間、資本と闘う団結のすばらしさを訴えてきた。かつての千葉地本を変革する闘いに始まり、三里塚ジェット闘争、国鉄分割・民営化反対闘争も労働組合の存在意義を問う闘いだった」と振り返った。
 そして、「04春闘は、17年間のJR結託体制と闘い続けてきた結果、それに風穴を開ける地平を開いた。小泉―奥田に一矢を報いて力関係を変革することを訴えて日比谷に6万人結集を実現した。『日の丸・君が代』に対して全国で教育労働者が立ち上がっている。動労千葉の闘いが一石を投じたと確信している。25年間に学んだことをジャンプ台に頑張りたい」と、今後の決意を明らかにした。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長と顧問弁護団の葉山岳夫弁護士があいさつした。
 北原さんは「78年の動労津山大会(『三里塚と一線を画す』との決議を強行)などに対して、動労千葉は闘いの先頭を切る機関車として闘ってきた」と述べ、固い労農連帯を誓った。
 葉山さんは「動労千葉は、分割・民営化にストで闘い、1047名の職場復帰へ、国労、全動労の闘う労働者と連帯し、『政治解決』ではなく、資本と闘うことで勝利しようとしている。政治闘争でも先頭で闘っている」と称えた。
 国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長から「4・13集会を成功させたことに確信をもって闘う」とのメッセージが寄せられた。また、アメリカのタフト・ハートレイ・抑圧と民営化反対キャンペーンのスティーブ・ゼルツァーさん、国労千葉地本、全国金属機械港合同、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部などからメッセージが寄せられた。
 中野洋前委員長が記念講演を行い、動労千葉の基軸中の基軸の闘いである反合・運転保安闘争の意義を解き明かした。

 中野前委員長が運転保安の講演

 「04春闘では、レール破断が大きなテーマになったが、動労千葉は70年代からレールが劣悪化したことに対して、1日に3000分の遅れを出し、それを文字どおりの『ダイヤ改正』に組み込む闘いを実現してきた。資本は利潤を生むところには設備投資するが、利潤を生まない保守部門には投資しない。合理化はまず保守部門から始まる。それは資本の側の矛盾だ。72年の船橋事故闘争以来、動労千葉は反合理化・運転保安確立の路線を確立し、『闘いなくして安全なし』の立場で闘ってきた。中央線の事故などに対し、国土交通省が改善命令を出したが、JR東労組は、それを『どす黒い攻撃の刃(やいば)』だと、陰謀であるかのように言っている。『責任追及から原因究明へ』と、JRの責任を免罪してきた」
 そして、「本気になって運転保安闘争を闘い、青年労働者に真実を伝えることが組織拡大につながる。命がけで闘ってほしい」と檄(げき)を飛ばした。
 中野前委員長と田中委員長、中江昌夫前船橋市議、佐藤正子家族会会長、白石喜久雄OB会会長が鏡開きを行った。歓談が続く中、全金本山労組の長谷武志委員長、都政を革新する会の長谷川英憲代表、ス労自主の山川博康書記長らがあいさつした。「30周年には、25年間を知らない若い人をたくさん集めたい」など、動労千葉各支部の決意が力強い。
 中村栄一書記長が「正しい方針のもとに団結して仲間を守ってきたから、明るく胸を張って闘える。戦後労働運動で、左に行って組織拡大するという新たな奇跡を起こしたい」と、「お礼と決意」を述べた。

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週刊『前進』(2149号3面2)(2004/05/17)

 メーデー 連合・民主党に怒り

 労働者は闘い求めている

 今年のメーデーは、連合中央や全労連中央の屈服と裏切り、制動にもかかわらず3・20を受け継ぎ、日本帝国主義の外への侵略戦争と内への階級戦争への怒りを爆発させる場となった。革共同は昨年に引き続き、各会場でメーデーアピールを配布し、労働者階級にともに闘うことを訴えた。
 4月29日の代々木公園での連合系メーデーの参加者は、3万6000人と昨年の6万5000人の約半分という没落ぶりで、賃下げ攻撃の先兵となっている連合中央への労働者階級の怒りの深さを指し示した。参加者は、前日年金未加入問題が露呈し、年金改悪法案の衆院委員会強行採決にも屈服した民主党・菅に「言いわけするな」とヤジを飛ばし、怒りを爆発させた。
 日本経団連・奥田の「定昇解体・ベースダウン」攻撃に屈服した連合中央への怒りの爆発が04春闘過程でついに始まった。この爆発の導火線になったものこそ、動労千葉の3波にわたるストライキ闘争である。それを突破口に、石原都政の処分恫喝をはねのけて東京都の教育労働者が「日の丸・君が代」闘争に決起し、相模鉄道労組を始め中小私鉄労働者がストライキに決起した。この闘いを求める機運が陸・海・空・港湾労組20団体などが呼びかける3・20日比谷6万人決起へとつながっていった。
 今年のメーデーは全世界の労働者の決起と一体である。韓国ではソウル数万人を先頭に全国で、インドネシアやタイ、フィリピンでもメーデーが闘われた。パレスチナでは分離壁の前で労組の旗が翻った。ヨーロッパでは、ドイツの50万人以上を先頭に、フランス、イギリス、スペイン、イタリアの各都市で数万人以上の労働者が社会保障の削減や年金制度改悪に反対し、各国軍隊のイラクからの撤兵を求めて決起した。
 ●連合系は、動員を大幅に減らしたが、自治労などの労働者は手に手にイラク反戦や年金改悪反対のプラカードを掲げて結集した。笹森・連合会長は、年金改悪法案に対して廃案どころか「国会正常化」を唱え、小泉の年金制度改悪攻撃に屈服した姿をさらけ出し、労働者の怒りを買った。
 ●東京地公労系は、5月1日明治公園に東水労、東京教組、東交、自治労都庁職、各区・市職、東京清掃など6000人を結集、年金改悪・有事法案反対、自衛隊イラク即時撤退、小泉政権・石原都政打倒を掲げて集会とデモを行った。
 ●全労協系は、5月1日、東京・日比谷野外音楽堂を中心に約1万2000人が参加し、イラク戦争反対の声を上げ、有事関連7法案、憲法改悪、「日の丸・君が代」の強制、教育基本法の改悪などに反対するアピールを採択した。国労や都労連傘下の労働者も多数参加。特に都高教は大結集だった。卒業式不起立闘争の被処分者がビラまき闘争に決起した。
 国労5・27臨大闘争弾圧の無罪判決を求める署名に国労組合員を始め150人余が応じた。動労千葉は、04春闘の勝利の熱気を伝えるビラを配り、新潮流をつくろうと訴えた。
 ●全労連系は、5月1日、代々木公園に4万2000人が参加した。熊谷金道全労連議長や日本共産党の志位和夫委員長は、労働者階級を食わせることができなくなった帝国主義の打倒を提起せず、資本主義の枠内に労働者階級の闘いを押し込め7月参議院選に囲い込もうとする発言に終始した。イラク反戦闘争でも国連中心主義を強調、帝国主義の世界支配に屈服した腐りきった姿を露呈した。
 航空連議長の内田妙子さんの決意表明が参加した労働者の心をとらえた。特に「日本政府が行うべき抜本的なテロ対策は、イラクから自衛隊を即刻撤退させること以外にないのです」という訴えには会場から大きな拍手が起きた。5月14日午後6時から日比谷野音で開催される自衛隊の撤退を求める女性とジャーナリストの緊急集会への結集の訴えは全体で確認された。
 今年のメーデーは全世界の闘いと結びつき、連合・全労連中央打倒、階級的労働運動の復権のうねりが始まっていることを示した。この力を5・21明治公園大結集へ結実させよう。
 反革命カクマルは例年よりも動員は激減、みすぼらしいビラは見向きもされず、党派としての衰滅過程に突入したことを自己暴露した。JR総連カクマルも参加を減らし、破産ぶりをさらけだした。

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週刊『前進』(2149号3面3)(2004/05/17)

 全逓4・28反処分闘争 “職場復帰まで闘う”

 3・20へ奮闘し一歩前進

 25年前の4月28日、郵政省は、1978年末から年賀を飛ばして闘いぬかれた全逓の反マル生闘争に対する報復処分を行った。懲戒免職58人、解雇3人を最高に総数8千人余に処分をかけたのです。91年、全逓中央本部は反処分方針を撤回し、裁判を取り下げるという暴挙を働きます。以後13年間、反処分闘争は、裁判取り下げを拒否した被免職者と、それを支える職場の組合員、地域の仲間、新たな弁護団によって自力の闘いとして継続しています。
 4月28日、郵政公社本社前と大崎郵便局への抗議行動をふまえて、全逓4・28連絡会主催の「不当処分25カ年糾弾! 4・28反処分総決起集会」が東京・南部労政会館で109人の結集で開かれました。
 6月30日の東京高裁での判決を控え、公社になってから1年を経て、そして6月23〜24日の全逓の全国大会を目前にした、重要な時期の集会となりました。

 JPUに名称変更を許すな

 今、郵便局は小泉―日本経団連・奥田路線の実験場さながらの職場となっています。公社発足時14局で始まったトヨタ方式は、4月から1千局に拡大し、「職場からムダをなくす」改善運動として展開されています。2月から強行導入された深夜勤は、睡眠をとることが不可能な深夜勤を2日から4日も連続して強制するという文字どおりの「殺人勤務」であり、東京中郵で組合員が死亡する事態が起きています。さらに4月から始まった新人事制度で、公務員の職場で初めて成果給・能力給の賃金体系に改悪されました。「賃上げは組合のやることではない。個人が自己努力でやるものだ」というわけです。
 そして、わが全逓中央は6月の全国大会で、全逓の名称をJPU(日本郵政公社労働組合)に変更しようとしています。連合加盟以来の、そして民営化攻撃に完全屈服した仕上げとして組合名を変えようというわけです。「帝国主義に加担する労働組合」としての本質が見て取れるのです。
 今、全国の郵便局の職場は、資本の攻撃だけでも大変なのに、組合員が頼るべき全逓中央も敵の手先となってしまった、という二重の困難にたたき込まれています。しかし、この困難を突破する現実性は職場にあります。私たちにその気迫が問われているのです。

 職場から全逓を変える決意

 集会は、弁護団の「高裁判決の勝利をもぎりとるために全力を挙げる。共謀罪の新設には絶対反対し、有事関連7法案もなんとしてもひっくり返す」というあいさつで始まりました。また、争団連、立川反戦ビラ弾圧救援会、「日の丸・君が代」の強制に反対する会、人事交流=強制配転に反対する近畿郵政労働者の会、首都圏交流会と続きました。中でも、3月の卒業式で処分をはねのけ闘いぬいた都立高校の教育労働者の発言には圧倒的な共感がわき上がりました。
 基調報告後、全国の職場から5人が発言しました。
 「職場に組合が必要だ。自分たちでつくらなければならないと感じる。3・20日比谷の集会を見て、労働組合はやればできると確信を持った」(東北)
 「イラクの人質問題で職場でも小泉に怒りがある。全逓を私たち組合員の手に本気で奪い返す」(四国)
 「全逓の名称変更は権利をすべて投げ捨てること。職場にルールがなかったから、闘いの中でかちとり、『権利の全逓』をつくってきた。今この闘いを再びつくろう」(近畿)
 「保険は労務管理ばかり先行して殺伐とした職場になっている。なんとしても変えていく」(関東)
 「入局直後の闘いが78越年闘争で、被免職者が25年頑張っている姿に励まされてきた。深夜勤は絶対に許さない」(関東)
 最後に、被免職者があいさつしました。徳差さんは「職場復帰したら定年退職だなんてことにならないように、一日も早く勝利をもぎとる」と語り、神矢さんは「公社化と組合名称変更、すべてが労働組合つぶしとして動いている。これと闘いぬく中に4・28闘争の勝利がある。職場の労働者の頑張りが気力のもとだ」と訴えました。

 闘う全世界の人民と連帯し

 公社のトヨタ方式は恐れるに足らず。越谷局で現出している「大混乱」が全国1千局に拡大され、トヨタ方式の弱点が全国の組合員の闘いにさらされる事態になるのです。
 JPUも恐れるに足らず。去年の全国大会で不信任の票が倍となったことから本部は逃れることはできません。職場組合員の本部に対する怒りは、深夜勤導入を経て、さらに深く広くなっています。
 そして、世界の労働者の闘いが全逓組合員にインパクトを与えています。アメリカ占領軍に対するイラク人民の闘いは、ファルージャでの都市蜂起を実現するまでに成長し、アメリカ軍を敗退させました。スペインの労働者は反動アスナールを打倒しました。韓国の民主労総は10人の国会議員を誕生させました。そして日本においては動労千葉のストと20労組の頑張りで3・20日比谷6万、全国50万のイラク反戦集会が成功しました。
 私たち全国の闘う全逓組合員も3・20集会の成功に向け奮闘し、その中で一歩前に出ることができました。この確信の上に、4・28反処分の闘いを豊かな内容を持って語れるようになった。集会に参加して、そう感じました。5・21集会の大結集へさらに奮闘しましょう。
 (東京・全逓労働者 吉田一行)

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週刊『前進』(2149号3面4)(2004/05/17)

 関空反対運動に確信

 泉州住民の会が総会

 タイムリーな講演に100人

 4月18日、泉佐野市生涯学習センターで、関西新空港絶対反対泉州住民の会の04年度総会と記念講演会が開かれました。イラク訪問と市行政改革というタイムリーな講演が関心を集め、会員のみならず多くの市民も参加。100人の参加者は最後まで熱心に聞き入りました。(写真)
 総会では、住民の会代表森田恒一さんのあいさつの後、神戸空港に反対する東灘区住民の会の山本善偉さんと淡路町空港反対同盟の安藤眞一さんが来賓のあいさつ。森田恒一代表、国賀祥司事務局長、会計、役員が選出されました。
 国賀さんが新役員を代表して、@関空2期工事を止める運動をやろう、A新田谷市長の新行革案を市民みんなでつぶそう! 市民生活を守るために闘おう、B戦争と有事関連7法案、関空の軍事使用に反対して闘おう、C全国の空港反対運動、反戦運動、労働運動、部落解放運動に連帯して闘おう、D泉州住民の会を強化しようとの運動方針案を提起しました。さらにE7月4日の関空反対全国闘争と、4・29扇町公園、5・21東京・明治公園での自衛隊イラク派兵と有事法制に反対する集会への参加を呼びかけ、運動方針案は拍手で採択されました。
 休憩後、「僕が見てきたイラク」(広島大生の中島敦史さん)、「みんなでつぶそう! 市民に犠牲をおしつける市長行革案」(国賀祥司泉佐野市議)の2本の講演が行われました。
 中島さんは、昨年11月にイラクで撮ってきた写真を映しながら、「日本人拘束事件で小泉政権が自衛隊を撤退させないと言ったのは許せない」「イラクの人たちに対して私たちがすべきことは、自衛隊を撤退させ小泉の戦争協力を止めることです」と発言しました。
 次に国賀議員は、パネルを示しながら市長の行革案の問題点を具体的に説明しました。「廃止、削減は175項目にものぼる。母子家庭や『障害者』、高齢者への給付金を全廃し、子どもや市民の検診をやめる。これでは泉佐野は福祉のない市、市民が生きていけない街になる。原因は、空港関連事業をやり、空港優先市政をやってきた市、府、国だ」と指摘しました。
 自衛隊イラク派兵、有事法制の中で、関空が軍事空港であることがだれにもわかる状況になっています。泉州住民の会と参加者は、ますます関空反対運動の大切さに確信を持ち、闘う決意を新たにした総会と講演会でした。
 (投稿/泉州住民の会会員N)

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週刊『前進』(2149号3面5)(2004/05/17)

 狭山要請行動 “事実調べ行え”

 特別抗告棄却許さない

 4月26日、部落解放同盟全国連と解放共闘の30人は、石川一雄さんと連帯して、最高裁・最高検糾弾・要請行動に立ち上がった。 星陵会館の集会で全国連茨城県連の井橋昌夫事務局長は「齋藤第5鑑定は、脅迫状を書いたのは石川さんでないことをあらためて証明した。無実、差別をつきつけて闘おう」と訴えた。
 4月中旬、最高裁は弁護団に証拠物の閲覧謄写を許可するとともに、これまで出された筆跡鑑定に関する19通の補充書を再提出してほしいと通知してきた。これについて井橋事務局長は「調査官の永井敏雄から藤井敏明への交代で、一から調べ直すようなポーズをとっているが、油断せず、あくまで全証拠開示、事実調べ、再審を要求して闘おう」と提起した。
 集会後、最高裁に対する要請行動に移った。(写真)茨城県連の本部、各支部が先頭に立って石川さんの本人尋問など事実調べを強く要請した。対応する金沢書記官は「第1小法廷の書記官に皆さんの要望を伝える」と言うのみで「差別はいけない」とも言わない。
 最高検では、粟辻事務官は「有田検事は『皆さんの質問は了承したが、個々の質問には答えられない』と言った」と伝えてきた。要請団は「『了承した』なら何らかの具体的な回答ができるはずだ」と怒りを燃え上がらせて追及した。

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週刊『前進』(2149号4面1)(2004/05/17)

 辺野古で座り込み続く

 名護 ボーリング調査着工阻み

 名護市辺野古で4月19日未明に始まった終日の座り込み闘争は、5月6日で18日間に及び、那覇防衛施設局のボーリング調査の着工を阻止している。命を守る会のプレパブ小屋では、24時間の泊まり込み闘争が続いている。「ボーリング調査」は、海上軍事基地建設の着工攻撃そのものだ。平均年齢80歳という命を守る会は、命の海をじゅうりんさせてなるものかと、闘いを継続している。
 名護市東海岸の住民を先頭に、ヘリ基地反対協、平和市民連絡会、全県動員で取り組む自治労などの労組。多い時は130人、少ない日でも60〜70人が辺野古漁港に座り込んできた。本土からは新城節子杉並区議を始め、多くの人が駆けつけ、ともに闘っている。
 4月22日には、基地の県内移設に反対する県民会議主催の「辺野古海域ボーリング調査反対! 県への同意撤回と防衛施設局への即時中止を求める集会」が辺野古の浜で開かれ、400人が参加した。命を守る会の金城祐治代表は、「国は年金や医療費などを改悪するとともに、私たちの海を破壊しようとしている。助けて下さい。若い人がなぜ立ち上がらんのです。今声を上げずにいつ上げるのか」と強く訴えた。
 翌23日、那覇防衛施設局は午前と午後、「作業を続けたい。立ち退いてほしい」とやってきた。座り込みの人びとは一斉にスクラムを組んで構える。いざという時のためにカヌー隊も控えている。監視に立っている反対協が対応し追い返す。さらに26、27、28日と施設局との攻防が続いた。27日にはその場で「ボーリング調査の延期を求める緊急署名」3352筆を和泉孝夫土木課長に手渡した。
 28日、施設局はボーリング着工策動と並行して米軍普天間代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)方法書の公告縦覧に入った。SACO路線の破産にもかかわらず、イラク派兵下で巨大軍事基地建設に突き進んでいるのだ。
 午後2時半、またも施設局がやってきた。「国だけが押しつけているわけではない。県・市も了解している」と居直る和泉に、県民会議の山内徳信共同代表が「きょう4・28はどういう日か知っているのか」と詰め寄り、「戦後、憲法の枠外に置かれた沖縄では、人権も労働3権も自ら闘いとってきた。沖縄は直接民主主義なのだ」と諭した。ジュゴン保護基金委員会の東恩納琢磨さんは「名護では方法書のコピーもさせずインターネットでも公開していない。誰にも知らせないでこんな田舎に基地を押しつけるのか」と迫った。
 30日午後、再び施設局が来たがこれも追い返した。
 5月1日、労働者は午前中、辺野古で座り込んでからメーデー会場に駆けつけた。「現地の皆さんとともに市民運動と労働運動が一体となって共闘する形になっています」(平和運動センター・山城事務局長)
 辺野古のキャンプ・シュワブは、米海兵隊の基地だ。ここからイラクに派兵された海兵隊がファルージャ大虐殺の最前線に立っている。ボーリング調査阻止の座り込み闘争は、イラク反戦、有事法制・ACSA改定攻撃を打ち破る闘いそのものとして、日帝・小泉政権と対峙している。辺野古現地に駆けつけ、普天間基地無条件返還・名護新基地建設阻止の闘いに合流しよう。5・15〜16沖縄現地闘争に結集しよう。

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週刊『前進』(2149号4面2)(2004/05/17)

 有事関連法案粉砕・改憲絶対阻止 5・21闘争の大爆発を

 改定ACSAは侵略戦争協定

 米軍の虐殺戦争支援を担う

 日帝・小泉政権は、有事関連7法案・3協定条約案の強行成立に向かって全力を挙げている。日帝は、武力攻撃事態法強行以来、残る有事関連法案は「国民保護法案」が基本であるかのように言ってきた。しかし、国民保護法案が恐るべき戦争国家体制構築のための法律であるばかりでなく、他の法案、協定条約改定案もとんでもない侵略戦争エスカレート法案である。特に、ACSA改定案は反革命的な大攻撃である。全力を挙げて、5・21闘争を始め有事関連7法案・3条約協定案粉砕の5、6月闘争に決起しよう。
 有事関連7法案・3協定条約改定案は、昨年強行された武力攻撃事態法と自衛隊法、安全保障会議設置法改悪と全一体となって北朝鮮(中国)侵略戦争の法体系を一応完成させる大攻撃だ。それと同時に、とりわけACSA(日米物品役務相互提供協定)改定の承認案は、日帝が米帝とともに現在行われているイラク、アフガニスタン侵略戦争参戦を一挙に激化・拡大するものである。
 ACSA改定はすでに今年の2月27日に日米間で調印されており、これを国会承認して発効させるものである。有事7法案にはACSA改定に伴って米軍行動円滑化法案と自衛隊法改悪案が提出されている。
 (1)1996年に締結されたACSAは共同訓練とPKO活動に適用されるものであった。(2)それが99年に「周辺事態」にも拡大されている。(3)今回の改定は、これをさらに「武力攻撃事態」「予測事態」と「国際貢献」「大規模災害」にも拡大するものである。(4)そしてこの「国際貢献」条項が適用される日本の法律として付表で対テロ特措法とイラク特措法が挙げられている。これは、イラク侵略戦争に派兵された自衛隊が、「物品・役務の提供」という形で米軍との共同作戦を行うということなのである。すでに自衛隊は空自が武装米兵の輸送に当たっており、実質的に米軍のファルージャでの大虐殺戦争を支援した。今後はこれがさらに大規模に行われるということだ。
 イラク特措法では自衛隊は@人道復興支援活動、A安全確保支援活動を行うことになっている。実際に自衛隊は「治安確保」と称する米軍のイラク人民虐殺戦闘支援のために武装米兵や物資の輸送などを行っている。これが改定ACSAと組み合わされることにより、自衛隊が米軍とより一体化して作戦行動の一環を担うことになるのだ。また陸自をアフガニスタンに派兵しようとしている。(読売新聞5月5日付)
 さらにACSA改定協定では、国際貢献に適用される日本の法律を付表2として示しているが、付表の修正は協定の改定手続きを必要とせず、両政府間の交換公文による確認でできることになっている。いくらでも拡大が可能になるということである。すでに日帝・小泉は、自衛隊派兵の恒久法を「検討すべきだ」と表明している。イラク特措法をベースにどこにでも自衛隊を派兵できる法律を制定しようとしている。派兵恒久法が制定されれば、これが直ちにACSAに適用されることになるのだ。
 イラクでは、ファルージャの制圧を進めようとした米軍が敗退したように、人民の解放闘争がさらに拡大している。しかし、米帝はイラクから絶対に撤退しようとせず、一層凶暴に侵略戦争を拡大している。こうした中ですでに自衛隊宿営地に向け2度も迫撃弾が炸裂しており、自衛隊がレジスタンスのイラク人民との戦闘に突入することは遅かれ早かれ不可避である。
 米英の報道で米英軍がイラクの人民を無差別に刑務所に放り込み、残虐な拷問や虐待、暴行を行っていることが明らかになった。これは、ブッシュやブレアが言うような一部の兵士による例外的な事例ではない。レジスタンス戦士の情報を得るために意図的組織的に拷問が行われていたことはさまざまな証言や証拠によって完全に明らかになっている。写真が公開され報道されたものは氷山の一角であり、収容者に暴行を加え虐殺する、女性に暴行する、意識不明の重体に追い込むなどありとあらゆる暴虐が行われている。自衛隊はこの米軍を支援しているのだ。これが小泉の言う「人道復興支援」なのだ。
 北富士では今、自衛隊がサマワ宿営地の模擬施設の建設を突貫工事で進めている。自衛隊の派兵部隊をここで訓練しようとしている。かつて朝鮮戦争の時、北富士には、米軍が朝鮮部落と呼ばれる訓練施設をつくり、そこで兵士を訓練して前線へ送りだした。今度は自衛隊が北富士を文字どおり侵略戦争の出撃訓練基地として使い、イラク人民を大虐殺しようとしているのだ。
 改定ACSAだけでなく有事関連7法案・3協定条約はどれひとつをとっても絶対に許せない大攻撃である。「国民保護法案」の「国民保護」はまったくのペテンだ。社会全体を戦争態勢にたたき込み、労働者人民の生活を踏みにじって戦争協力を強制するものだ。自衛隊イラク撤兵の闘いとともに有事関連7法案・3協定条約案を絶対に粉砕しよう。陸・海・空・港湾労組20団体が呼びかける5・21闘争の大爆発へ総力を挙げて闘いぬこう。

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週刊『前進』(2149号4面3)(2004/05/17)

 「自衛隊撤退を」と言わないカクマル

 迫撃弾の炸裂も「謀略」?!

 イラクでの日本人拘束事件に際して「自衛隊撤退せよ」という家族を始め労働者人民の猛烈な怒りの声が巻き起こった。しかし、小泉は直ちに「自衛隊の撤退は考えない」と表明し、拘束された日本人3人を見殺しにする態度をとった。
 今や自衛隊派兵の不正義性、侵略性は明白であり、「ただちに撤兵せよ」は闘うすべての人民のスローガンになっている。ところがこの時、これに逆らって、「自衛隊撤退せよ」を絶対に掲げないことに意味を見いだしている勢力がある。カクマルである。
 カクマル反革命通信『解放』のどこにも「自衛隊撤退せよ」のスローガンはない。彼らは「米英占領軍のイラク占領支配反対・日本国軍の米占領軍との一体化弾劾」なる珍妙な(一体化しなければいいのか?)スローガンを掲げているが、「自衛隊撤退せよ」でないことでは徹底している。意識的に言わないのだ。それどころか、次のように撤退要求をののしっている。
 カクマルは、日本共産党に対して、「“人質の人命尊重”をお願いしつつ『自衛隊撤退』を要請することが、いったい何の力となるというのか」(解放4・19付)と言っている。
 日本共産党は、日本人3人拘束事件を報じる紙面から「(武装グループが)自衛隊撤退を要求」という肝心の事実を抹殺し「蛮行」「脅迫」と口をきわめて非難した(赤旗4・9付など)。日共は闘う勢力ではなく、その「自衛隊撤退」要求も口先だけのものなのだ。ところが、カクマルにかかると、この日共さえも「自衛隊撤退を要求している」と非難されることになる。カクマルはとことんまで「自衛隊撤退」に反対する勢力なのだ。
 カクマルはなぜそこまで徹底しているのか。自衛隊撤退要求が日帝との激突の焦点であり、それは日帝・小泉打倒に直結する鋭い内容を持っているからである。カクマルはそれをよく知っているがゆえに、恐怖し口をつぐんでいるのだ。
 今、スペインが撤兵し、次々と撤兵と派兵中止の動きが起こる中で、日帝・自衛隊の位置はきわめて重要なものに押し上げられている。だからこそ「自衛隊撤兵」をめぐる闘いが重要な激突点となっているのだ。
 しかも彼らは、サマワの自衛隊が宿営地に閉じこもっていることに「ブッシュ政権がいらだちを募らせている」と言い、なんとサマワ謀略論を展開する。「日本国軍の行状に業を煮やして、彼ら(ブッシュ政権)は自衛隊宿営地近くに『迫撃弾』を撃ちこんだにちがいない」(解放4・26付)と。これは、日帝・自衛隊の侵略出兵を絶対に許さないというイラク人民の闘いを冒涜(ぼうとく)するものだ。カクマルは、「自衛隊はもっと堂々と活動せよ」と主張しているのだ。
 正真正銘の小泉の手先、カクマルを怒りを込めて打倒し一掃しよう。

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週刊『前進』(2149号4面4)(2004/05/17)

 “つぶせ有事法”デモ

 関西 自衛隊撤兵へ連続決起

 若者が集会をリード 4・29

 4月29日、「とめよう戦争への道!百万人署名運動・関西連絡会」が呼びかけた4・29実行委員会主催の集会が大阪扇町公園で開かれ市民団体や労働組合など250人が集まり、大阪梅田までデモをしました。
 A&Uの若者が有事法について基調報告的に熱弁を振るい集会の雰囲気をリード。連絡会事務局が緊急30万署名の取り組みを呼びかけました。兵庫連絡会の梶原さんは「1918年のシベリア出兵反対運動の後、治安維持法が制定されたように、生半可な運動では駄目だ。国論二分状態というのではまだまだだ」と檄を飛ばしました。
 労働組合からは、大阪港を軍港にさせない闘いを貫いてきた港合同が国際連帯で闘うことを表明し、沖縄の名護から帰ってきた関西合同労組の仲間が、現地の地熱をそのまま持ち帰った高揚感で報告しました。
 その他数人から発言がありましたが、みんなの結論は5月3日の「イラク派兵と改憲の動きを問う関西講演集会」と「5月21日東京へ行こう」でした。奈良県連絡会の藤原さんがまとめとして、大音声で戦前にあった「隣組」という歌を紹介し、「これが国民保護法制だ」と喝破しました。
 デモではダンスの練習をしていた若者グループの2人の女性が近寄ってきて楽しそうに眺めるなど、注目度や期待度の高まりを感じました。
 (投稿・関西合同労組 Y・K)

 3人の見殺しに怒り 4・17

 4月17日、中之島公園内女神像前で、百万人署名運動・関西連絡会が呼びかける「引き戻そう自衛隊・つぶせ有事法4・17行動」が行われ、二百数十人が集まりました。
 イラクでの日本人拘束事件に関して、関西連絡会事務局より「小泉政権による3人と家族へのバッシングをうち破ろう」とのアピールが発せられました。
 続いて自治体労働者が、「有事7法は北朝鮮侵略戦争のための国家総動員体制づくり。自治体労働者を戦争協力に駆り立てようとしている」と、怒りと闘いの決意を訴えました。
 フリートークで手を挙げた男性は、自衛隊の撤退を訴えると同時に、年金改悪への怒りを訴えました。ス労自主の女性労働者は19日のスト支援を訴えました。
 昨年4月、イラクで「人間の盾」として闘った高薮繁子さんがカンパの訴えに立ち、「小泉は3人を見殺しにした。ファルージャの虐殺は許せない」と訴え、5月のイラク再訪問への固い決意を表明しました。
 続いて、部落解放同盟全国連合会の阪口克己東大阪市議、関西合同労組の女性、大阪の医療労働者、戦争とめよう!リストラ反対実行委の女性労働者が次々発言しました。婦民全国協が、名護新基地建設をめぐって緊迫する沖縄現地情勢を報告。まとめと行動提起で5・21明治公園への総結集が呼びかけられました。
 集会後のピースウォークには、親子づれが隊列に入ってきたり、飛び入り参加者もたくさんありました。
 (投稿 K・Y)

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週刊『前進』(2149号4面5)(2004/05/17)

 九州大 新歓集会が大成功

 酒井啓子氏招き講演会

 4月20日、九州大学で今イラク問題のコメンテーターとして活躍中の酒井啓子さん(アジア経済研究所参事)を招いて新入生歓迎講演会「イラクは今、どうなっているのか/イラクはどこへ向かっているのか/米日英占領政策の破綻(はたん)」が開かれ、学内外から会場を埋め尽くす300人の参加で大成功しました。また、今回の講演会は、準備から当日の受付まで多くの新入生によって担われました。
 講演で酒井さんは、「今回、ほとんどの日本人はイラクで日本人が拘束されたことで、自衛隊のイラク派遣がどういう意味を持つのか初めて考えたのではないか。イラク派遣が続く限り、私たちにはイラクに自衛隊を派遣している国の国民であるということがついて回る」と提起されました。今回の「拘束事件」の背景にあるのがファルージャでの米軍の攻撃であり、それに対する抵抗運動だと指摘され、「拘束しているのは一部のテロリストなどではなく、ファルージャの普通の人びと」だと語られました。米軍がファルージャで行っている無差別虐殺の実態を明らかにされ、また自衛隊がイラクの人びとにとって占領軍にほかならないことも説かれました。
 酒井さんの提起の後、来場者から次々と質問が出され、活発な論議が行われました。また、この講演を受けて司会から「イラク問題は私たち一人ひとりの問題。イラク問題に取り組む実行委員会を立ち上げよう」と提起され、大成功のうちに講演会は終わりました。
 (投稿 K・B)

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週刊『前進』(2149号4面6)(2004/05/17)

 東富士 自衛隊に訴え

 “派兵反対へ闘おう”

 4月18日、東富士演習場のある静岡県御殿場市内で実行委員会主催による「自衛隊員に呼びかける4・18東富士行動」が、50人の参加で行われた。県下の多くの労働組合、市民団体が参加し、イラク派兵反対、拘束された人びとを見殺しにするな、自衛隊員も共に闘おうと訴えた。
 北富士忍草母の会の天野美恵さんは、北富士ではイラクのサマワ基地を想定した訓練が行われようとしていることを暴露し、5月30日の北富士集会への結集をアピールした。
 集会、デモの後、全体で滝ケ原駐屯地へ自衛隊の即時撤兵の申し入れを行った。 (投稿 静岡O・N)

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週刊『前進』(2149号4面7)(2004/05/17)

日誌'04 4月20日〜5月4日

 米軍が拘束イラク人を虐待

 防衛大綱改定へ首相懇談会

●海幕長が集団的自衛権要求 集団的自衛権について、防衛庁の古庄海上幕僚長は「われわれは決められた範囲でやるが、それでは国際的に十分な活動はできない。もし(集団的自衛権などの制約が)解決できれば、任務が拡大されても柔軟に対応できる」と語った。(20日)
●米本土防衛ICBMレーダーの日本配備を打診 米政府が日本政府に対して米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)用の早期警戒レーダーの日本国内への配備を打診していることが明らかになった。(20日)
●海自派兵を11月1日まで延長 政府は、テロ特措法に基づきアラビア海に派兵している海上自衛隊補給部隊の活動を半年延長し、11月1日までとすることを決めた。(20日)
●都市型戦闘訓練施設、伊芸区民が中止要請 米陸軍が沖縄県の金武町キャンプ・ハンセン演習場内レンジ4に建設を計画している都市型戦闘訓練施設について、地元の伊芸区の住民代表11人が、防衛施設庁や外務省、内閣府に対し、米軍に同計画を即時中止させるよう要請した。(21日)
●改憲発議へ特別委 自民党が来年の通常国会で衆参両院に憲法改定の発議機関となる特別委員会を設置する方針を固めた。(22日)
●裁判員法案が衆院通過 重大な刑事裁判に市民が参加する裁判員法案と刑事訴訟法改正案が衆院本会議で可決された。(23日)
●日本経団連が改憲へ委員会設置へ 日本経団連の奥田会長が「憲法改正や安全保障問題などの提言をまとめる委員会を設置する」方針を明らかにした。(26日)
●サマワの隊員からDNA採取 イラクのサマワに派兵されている陸上自衛隊員から、遺伝子情報をつかさどるDNAが含まれる血液を派兵直前に採取し、防衛庁が保存していることが明らかになった。(26日)
●日本人人質を「反日的分子」と暴言 自民党の柏村武昭参院議員が参院決算委員会で、イラクで人質となった日本人について「自衛隊のイラク派遣に公然と反対していた人もいるらしい。もし仮にそうだとしたら、同じ日本国民であってもそんな反政府、反日的分子のために数十億円もの血税を用いることは強烈な違和感、不快感を持たざるを得ない」と述べた。(26日)
●防衛大綱改定の懇談会 防衛計画大綱策定のため、小泉首相の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」が設置され、初会合が開かれた。小泉首相は@大量破壊兵器や国際テロへの対処、A自衛隊の国際貢献の方向で論議を進めるよう求めた。(27日)
●使用済み核燃の搬入再開認める 青森県の三村知事が同県六ケ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場への同燃料の搬入再開を正式に認めた。近く再開される見通し。(28日)
●普天間代替アセス縦覧 那覇防衛施設局は、米軍普天間飛行場代替施設の建設に伴う環境影響評価(アセスメント)の方法書の公告縦覧を名護市役所など8カ所で開始、県知事と関係6市町村長に送付した。秋にも現地調査に入るという。施設局は「アセス終了までに少なくとも3年は要する」としている。(28日)
●サマワ宿営地付近で砲弾2発 イラク南部サマワの陸上自衛隊の宿営地付近で爆発音が2回あった。宿営地から200b先に砲弾2発が着弾しているのが確認された。(29日)
●イラク人虐待「計画的」 イラクの刑務所で米軍が収容者を虐待していた問題で、米紙ロサンゼルス・タイムズが軍の内部報告書の詳細を初めて報じた。報告書は「犯罪的虐待」が「計画的」に行われていたと断言。収容者を尋問する情報将校が現場の憲兵に「自供を得やすい心理状態に追い込め」と命令したとしている。(5月3日)

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週刊『前進』(2149号5面1)(2004/05/17)

 有事関連法案粉砕・改憲絶対阻止 5・21闘争の大爆発を

 始まった改憲への政治過程

 9条破棄・集団的自衛権を明記し侵略戦争突入狙う

 すべての労働者人民に訴える。今年の年頭以来、日帝・小泉政権の改憲への攻撃が一挙に強まっている。今日の動きは、単に政治的焦点づくりやアドバルーンの打ち上げというレベルの動きではない。改憲に向かっての具体的現実的な政治過程(改憲案の策定→国会での改憲の発議→国民投票→公布)の攻撃がついに始まったのだ。これと真っ向から全面的に対決し、有事7法案・3協定条約案を粉砕する闘いと一体となって、直ちに改憲阻止闘争に総決起しよう。5・21明治公園集会はその突破口だ。全力で結集しよう。

 自民が改憲を具体的方針化 衆参に「憲法委員会」設置へ

 この間の改憲への動きとして最大のものは、政権党である自民党が第70回大会(1月16日)で採択した04年運動方針において、当面の重点政策の第一番目に「国の基本を見直そう」として、「憲法改正に向けた国民的議論を展開すること」を挙げたことである。
 そして具体的運動方針として、@05年の自民党結党50周年を期して、05年11月をめどに自民党としての「新憲法草案」をまとめること、A「草案」をかざして、全国各地で党主催の公聴会を開くこと、B改憲への地ならしとして、「国民投票法案」の早期成立をめざすことを確認した。
 この自民党の動きに押されて、民主党も1月13日の党大会での菅代表のあいさつの中で、06年11月の現行憲法公布60周年までに憲法改正についての民主党案をまとめること、今年中に改憲についての「基本構想」を示すことを宣言した。
 公明党も自民党の動きと歩調をあわせ、6月をめどに憲法第9条と前文についての論点の整理を行い、秋の党大会で憲法改正についての意見集約を図るとしている。
 また、衆参両院の憲法調査会も、年内に最終見解をとりまとめて国会に提出するとして、急ピッチで会合や公聴会(3月までに9回の地方公聴会)を開いている。両調査会は、来年1月で5年の調査期限が切れる。これにあわせる形で最終見解をとりまとめるとしているのだ。
 そして7月の参議院議員選挙に際して、自民党はこの改憲政策を大きな柱とする方針であり、憲法改正プロジェクトチームは改憲の「論点整理」をして、選挙前の6月に打ち出すとしている。民主党・公明党も参院選前に改憲問題についての見解の骨子を打ち出すとして必死になっている。
 4月に入って、改憲攻撃はさらに激化している。
 「参院選では、国民は当選者に憲法改正を発議する権利を与えることに必ずなる」(中山衆院憲法調査会会長、4月19日)
 「集団的自衛権の行使を認める憲法改正が必要だ」(安倍自民党幹事長、4月29日)
 さらに、奥田ら日帝ブルジョアジーも改憲を声高に主張し始めた。
 「憲法改正について意見をまとめる」(山口日本商工会議所会頭、4月15日)
 「5月の総会で、憲法問題や安全保障問題などについて検討する委員会の設置を決める」(奥田日本経団連会長、4月26日)
 そして自民党は、4月28日、改憲案を審議する「憲法委員会」を常任委員会として衆参両院に設置するための国会法改悪案の試案を公明党に提案した。

 帝国主義侵略戦争を合憲化 無制約の軍事力行使めざす

 日帝・自民党の改憲攻撃の核心は、憲法第9条破棄と前文の全面的書き換えにある。これによって、日帝・自民党は、帝国主義として帝国主義的侵略戦争への道を合憲化し、合法化することを狙っているのだ。
 より具体的に言えば、日帝はすでに開始しているイラク侵略戦争・アフガニスタン侵略戦争のさらなる激化と拡大、永続化のすう勢に対応するとともに、北朝鮮侵略戦争から中国侵略戦争へと展開する米日帝の侵略戦争へと突き進むために、さらには帝国主義間戦争へと発展しても戦いぬくために、どうしても現憲法の第9条を破棄して集団的自衛権を明記し、全面的に帝国主義戦争を合憲化・合法化することが必要となってきているのだ。
 さらに突っ込んで言えば、今日、日帝が行っているイラク侵略戦争のように、法的・形式的には「後方地域支援」といったレベルの侵略戦争の形態に制約されたままの状態では、帝国主義間の死闘にかちぬくこと、帝国主義間死闘戦での権益の獲得は本格的にはできないことを、日帝ブルジョア階級は痛覚しているということだ。
 また日帝は、対北朝鮮、対中国の侵略戦争においてさえ、朝鮮や中国そしてアジアの地で、それらの国内に侵略的に踏み込んで戦うことなしに、米帝を始め他帝国主義との争闘戦には勝てないとみているのだ。
 この点で、改憲攻撃と有事関連7法案・3協定条約案の攻撃との関係を言えば、次のように言える。
 有事関連7法案・3協定条約案攻撃は現憲法体制下の解釈改憲的やり方でギリギリ可能な方法で、イラク侵略戦争を継続・激化させ、対北朝鮮・対中国の侵略戦争への体制をつくりだそうとするものである。しかし、この方法にとどまっていては、今後ますます激化する帝国主義の危機と帝国主義間の死闘戦の中で、日帝は存在を維持できない。どんなスケールの侵略戦争においても、戦争主体として制約なく、その帝国主義的軍事力を行使できる立場に立つことなしに日帝は延命できないのである。
 したがって、この有事関連7法案・3協定条約攻撃粉砕の闘いを強めつつ、それと完全に一体化させて、改憲阻止闘争を闘いぬく必要がある。

 自衛の名で侵略戦争可能に

 日帝・自民党の今まさに展開しようとしている改憲攻撃というのは、「外部から攻撃されても非武装ではやられっぱなしで困るではないか」「自衛隊はやはり必要ではないか」といったレベルの攻撃ではけっしてない。日帝・自民党が求めているのは、集団的自衛権の明確な確認(明文改憲)なのである。
 集団的自衛権は、自国が直接にはなんら武力攻撃を受けていない時でも、同盟を結んでいる他の国家が自国の存亡をかけて行う戦争(=自衛戦争と強弁する)に対して、ともに戦争していくことができるという権利のことだ。
 国家には固有の自衛権があるとか、国家には自然権として自衛権があるとか言われる。いったんこの論理を不変の真理ででもあるかのように受け入れれば、この自衛権はいわゆる個別的自衛権にとどまらず、その当然の延長として集団的自衛権も正当化されうる。戦後の帝国主義世界のもとでの国際法や、日本共産党が賛美してやまない国連憲章でも、そうなっている。
 しかし、今日の世界、現代の世界は抽象的国家群の集まりではない。実際に存在しているのは、帝国主義諸国家とその支配・抑圧のもとにある被抑圧国、被従属国である。体制転覆されたスターリン主義諸国家や残存スターリン主義諸国も、その体系に組み込まれ、組み敷かれている。
 さらに言えば、帝国主義諸国は、米帝という超大国が他の帝国主義諸国などとさまざまな形態で一定の同盟(軍事同盟)を結んでいるという形になっている。日帝の場合は、日米安保同盟を結んでいる。そして、その米帝は9・11を契機として対テロ戦争は自衛戦争であると宣言し、対テロの名目さえつけばどんな諸国家でも、アフガニスタンやイラクのように、一方的に攻撃を加えても合法であるとしている。つまり米帝は、結局、あらゆる侵略戦争を自衛の名で遂行しているのだ。
 したがって、今日の現実の世界では、日帝が集団的自衛権を行使できるということは、日帝が米帝とともに世界中のどこの国に対しても侵略戦争を展開できるということなのだ。言うまでもなく、全面的に交戦し、相手の軍隊・人民をせん滅し、殺りくすることができるということだ。また、集団的自衛権の行使が合憲化・合法化されれば、日帝は朝鮮半島内にも中国大陸内にも侵攻し、占領するなど、あらゆる戦争行為が可能となるのだ。しかも、日帝自体が直接攻撃されていなくても、米帝が北朝鮮・中国と交戦状態に入るか、入ろうとすれば、同盟国としてともに戦争状態に突入しうるのだ。
 日帝・自衛隊がいま改憲として強行しようとしていることは、第9条を破棄して、最低でもこの集団的自衛権の確保を図ることなのである。

 9条破棄が参院選公約に

 自民党内では、この間、自民党憲法調査会とりわけその下部組織としての「憲法改正プロジェクトチーム」の草案準備活動が活発に行われてきたが、3月25日の同チームの会合は、第9条問題での意見を集約するに至った。この内容が7月参院選前に、自民党憲法調査会がとりまとめる「改憲」についての「論点整理」の内容として盛り込まれることになったのだ。
 その内容は、現憲法第9条について、まず、第2項は全面削除して、代わりに「自衛隊の存在と集団的自衛権の行使を明記する」としている。第9条第1項については、「国際紛争の解決手段としての武力行使の放棄」の内容は「維持する」となったという。もちろん、この後者はペテンである。重要なことは、日帝・自民党の改憲草案づくりで、また、参院選の公約がらみの問題として、現憲法第9条破棄と「集団的自衛権の明記」がはっきりと集約されたということだ。

 憲法「前文」全面書き換えで戦後民主主義の体制を転覆

 日帝・自民党の改憲攻撃は以上のように、まず第9条の破棄・集団的自衛権の明記としてあるが、それは当然にも戦後的な平和と民主主義の全政治体制、階級的諸関係、イデオロギー体系全体の反革命的転覆として強行される。この点で第9条に次いで決定的な条項はやはり「前文」である。
 2月19日の自民党改憲プロジェクトチームの「前文」についての「論点整理」の内容は重要である。
 ★論点整理の内容
@「前文」の全文を書き換える
A「日本の歴史・伝統・文化・国柄・健全な愛国心」を盛り込む
B現憲法の「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の三原則」を掲げる
C「誤った平和主義・人権意識への戒め」を盛り込む
D国民の義務規定の明確化
E第9条の「見直し」を反映させる
 まず、「歴史・伝統・文化の尊重」「愛国心」がきわめて重視されている。これは、教育基本法改悪の攻撃と百パーセント一体である。国家主義、愛国心の教育内容への強制的注入は、とんでもない侵略的排外主義的国家・社会体制をつくりだす。重要なことは、第9条を主柱とする現憲法体制・イデオロギー体系は、第9条の改正強行=改憲の実行そのものによって、まさにクーデターそのものとしての意義と迫力をもって、労働者人民に襲いかかるということだ。
 「誤った平和主義」の批判なども、国を守る気概、「国民の精神が問われている」(昨年12月9日のイラク派兵決定に際しての小泉発言)などの形で、嵐のように襲いかかってくる。
 この攻撃といかに闘うべきか。「腐りきった帝国主義、人民の生活をもはや保障できなくなった末期的な帝国主義、そうした帝国主義とブルジョア階級のための戦争などくそくらえ」という立場を鮮明にして闘うことだ。
 「人権意識の戒め」も重要な問題をはらんでいる。権利には義務が伴う――これは戦後の「基本的人権」の圧倒的高揚に階級的に恐怖した日帝ブルジョアジーの常に主張してきた言葉であった。こうした戦後的権利体系への攻撃は、労働法制の全面的改悪の攻撃としてすでに襲ってきている。

 改憲の根底に天皇制攻撃

 また、「日本の歴史・伝統・文化」と言う時、最大のイデオロギー的・制度的支柱は天皇制と天皇制イデオロギーである。一連の改憲の動きの中で、天皇制は当然の前提とされている。憲法調査会の中などでは、天皇制は日本文化そのものだといった主張が大手を振ってまかりとおっている。
 天皇制攻撃は、たとえそれが改憲の中身の問題として、天皇の元首化などにおいて具体的に草案に出て来ようと来まいと、改憲攻撃の根底に自動的に伏在しているのである。「日の丸・君が代」問題で、今日教育労働者と教育現場を襲っている、戦前感覚むき出しのすさまじい反革命(石原都政を反革命的前衛とする)を見ても、このことは分かる。民族の団結のシンボルとして天皇を賛美せよ、天皇(制)への批判をひとかけらも許すな――といった攻撃が教育の現場を襲い、そう教育しない教師は追放され、やがてこのイデオロギーが全社会に広がっていく。こうしたことは、第9条の転覆とともにすべて青信号となるのだ。

 国民投票法は改憲の第一歩

 自民党の改憲攻撃の問題で、今ひとつ決定的なことがある。それは改憲手続きの問題や国民投票の問題である。現憲法は、次のように規定している。
 第96条〔改正の手続き、その公布〕@この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
 憲法改悪のためには、第96条@項に基づくかぎり、国民投票についての細目を決める必要がある。自民党は改憲への地ならしとして、改憲の現実的切迫感を盛り上げることを狙って、国民投票法案をまず提出することをたくらんでいる。
 3月5日に自民党は、公明党の了承を得たとして、国民投票法の今国会への提出を決定した。憲法改悪に直結する攻撃が早くも今、具体化してきているのだ。
 自民党案は、まず関連する国会法を改正して、議員の憲法改正案の提出要件を衆議院で100人以上、参議院で50人以上の議員の賛成があることとしている。次に国民投票法案そのものについては、@投票権は選挙の有権者とする、A国民投票での改正案承認条件は「有効投票総数の過半数」としている。このAでは、「投票総数の過半数」とか「有権者総数の過半数」とかでなく、「有効投票総数の過半数」としており、最も低いハードルである。

 問われる「15年戦争」への反省

 日帝の改憲攻撃がもたらすものは、第2次世界大戦の時代へのラセン的回帰である。第2次世界大戦の歴史的経験への反省は、けっしてアナクロニズムなどではない。かつての15年戦争の経験をもっと残酷に、もっと悲惨に繰り返すか否かが、改憲攻撃としてすべての労働者人民に問われているのだ。
 出口は何か。改憲を労働者階級人民の力で阻止し、侵略戦争をする国家を力で転覆し、帝国主義という体制を革命し、労働者国家体制に切り換えていくことしかないのだ。
 人民をもはや食わせていくこともできず、きちんと労働させていくこともできず、侵略戦争に向かって被抑圧国人民を虐殺し、自国の労働者人民を戦争に動員して犬死にを強制していくしかなくなった帝国主義など打倒するしかないのだ。
 改憲は、反革命的侵略戦争のためのものだ。改憲を阻止し、侵略戦争を崩壊させ、腐り果てた帝国主義体制を労働者人民の力で葬り去ろうではないか。

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週刊『前進』(2149号5面2)(2004/05/17)

紹介 共産主義者 140号

 戦争と改憲めぐる決戦

 栗田論文 歴史的な階級決戦の訴え

 教労論文 不起立闘争の重大な意義

 有事7法案と3協定条約案は、日帝が泥沼化したイラク侵略戦争に本格的に突入するために直ちに適用されるものとしてある。日本の階級情勢も今やイラク情勢と直結しているのだ。3・20で本格的に発展しつつある国際的団結を推し進め、闘う労働運動の新潮流を大きく発展させよう。

 ●有事7法案と3協定条約案阻止闘争の指針

 巻頭論文は、有事7法案と3協定条約案を阻止する闘いを、日本人民の自己解放をかけた歴史的な階級決戦として爆発させることを訴えた提起である。
 第1章では、情勢の根底にある米帝の世界帝国としての没落と、そのあがきとしての世界戦略の発動を突き出した。有事法闘争を闘う上で、米帝のすさまじい危機と日帝の解体をも射程に入れた帝国主義間の争闘戦をつかむことが特に重要である。このように見る時、今回の有事法案が、米帝の世界戦略にあくまでもくらいついていこうとする日帝の決断としてあることがはっきりとする。
 第2章では、本法案による日帝のイラクへの本格参戦と北朝鮮侵略戦争突入の基本的道筋が明らかにされる。第3章では、各法案の全体像を具体的に把握することが大切である。特に2月に行われたACSAの大改定は、現に今アフガニスタンやイラクで作戦を展開している米軍に対して「国際貢献」の名のもとにACSAを適用するもので、ACSA・日米安保を世界大的に拡大するものである。
 第4章において、共謀罪新設と「司法改革」などの治安攻撃が、国民保護法制に意図的に書かれなかった今ひとつの有事法案であることを鋭く批判している。しかも、これら全体が改憲攻撃そのものとしてあるということだ。
 名護市・辺野古現地で新基地建設着工策動との激突が始まった。沖縄県委員会論文は、米帝の世界的戦力再編と日帝のイラク戦争参戦下の沖縄闘争の現段階と展望を指し示した重要な路線論文だ。沖縄は、米日帝双方から21世紀の100年もまた「基地の島」であることが強制されようとしている。まさに「新たな沖縄売り渡し」だ。しかしそれは、「95年10・21」反乱へのラセン的回帰情勢でもある。情勢をこじあけるカギは沖縄労働運動の戦闘的再建にある。また、本土から沖縄闘争に立ち上がることは、今ひとつの有事法決戦である。5・16普天間基地包囲行動に決起しよう。
 3・14革共同集会基調報告は、5月テーゼでの対カクマル戦勝利の地平を総括し、新指導路線のもとでのカクマル完全打倒の展望を指し示した。カクマル中央派とJR総連松崎派の分裂に続く松崎派と嶋田派の分裂によって、いよいよ階級的労働運動再生の絶好機を迎えつつある。さらに、3・20に向かうただ中で、動労千葉の春闘ストの意義を確認し、大結集へ檄を発している。集会後に加筆された本論文は、5・21大統一行動の実現に向かって、引き続き主体化されるべき指導内容である。

 ●労働戦線論文―新指導路線の豊かな実践論

 二つの労働戦線論文は、04春闘でひときわ鮮烈に闘われた、新指導路線の豊かな実践論である。国鉄論文は、JR体制に風穴を開けた動労千葉ストライキの地平を踏まえ、1047名闘争と5・27国労臨大闘争弾圧粉砕闘争を両輪とした国労の戦闘的再生の課題を提起した。
 教労論文は、「君が代」不起立200人決起・反処分闘争の重大な意義を明らかにし、教育基本法改悪阻止・改憲粉砕の始まりとしての位置を浮き彫りにした。この闘いは、戦時下の「戦争協力拒否」闘争であるとともに、第2の国鉄闘争に発展しつつある。また教労委員会の歴史的再生に向けた綱領的提起である。
 伊藤論文は、構造改革の柱であり階級的分断を図る「男女共同参画社会」論のペテン性を、04年経労委報告を中心にして鋭く暴いた好論文だ。
 好評連載のマルクス主義講座第2回目は、レーニン『帝国主義論』の平明な解説。第1次世界大戦と第2インター崩壊の衝撃に立ち向かったレーニンの実践的問題意識に沿って読み解き、『帝国主義論』を現代のプロレタリア革命論として復権した。これこそ、21世紀の冒頭に生きるわれわれが引き継ぐべきものであることを明らかにしている。すぐれた原典解説であるとともに、日本共産党スターリン主義などの現代のカウツキー主義に対する鋭いイデオロギー批判でもある。現代におけるプロレタリア革命の現実性をつかみ、実践の武器としよう。
 収録論文は、すべて有事法粉砕・改憲阻止決戦論である。本号を武器に5・21と6月大決戦へ!

季刊 共産主義者140号

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週刊『前進』(2149号6面1)(2004/05/17)

団結ひろば 投稿コーナー

 「君が代」処分撤回へ被処分者の会が結成 東京・元教員 岡村 桂

 東京都教育委員会の卒業式での「国歌斉唱」時不起立者の戒告処分に対し4月5日、75人が都人事委員会に集団提訴したのに続き、4月17日には「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」が120名の怒りと熱気あふれるなか結成されました。
 結成にあたっての声明は「私たちは、予防訴訟の取り組み、憲法・教育基本法蹂躙(じゅうりん)を許さない内外の取り組みとしっかり連帯し……今後、さまざまな立場から取り組まれるであろう被処分者の人事委員会審査請求の申立ともしっかり手を携え、取り組みの輪を大きく拡げながら、最後まで闘い抜く決意……」と述べています。
 そして第2次提訴(4月30日)、第3次提訴(5月)、大勢が早く不服審査請求をと具体的方針が出されました。
 さらに「都教育長横山洋吉をひっぱりだし、大会場を要求し、われわれもお互いの代理人になって審査会に参加しよう」などの審査会を闘う大きな構想も提案されました。
 都教委が被処分者に「再発事故防止研修」参加の職務命令を出すので、「都高教の組合として阻止交渉をやろう。だめなときはわれわれが出て行こう」と緊急の課題への対策も立てられました。昨年の養護学校の被処分者から研修命令がなかった人もいるし、思想信条にかかわる反省文を拒否した自らの闘いの報告もされました。
 「10・23通達、実施指針」と処分攻撃に対し闘わない都高教執行部を乗り越えて闘おうとする者たちの中から生き生きとした闘争指導部と力強い団結が生まれています。学テ闘争以来の教育裁判を闘う弁護団も不眠不休で活動を展開しています。
 右翼の銃弾攻撃とも対決した国立の「日の丸」処分撤回の法廷闘争、キリスト者と連帯したピアノ伴奏拒否処分撤回裁判、指導力不足等教員攻撃を打ち砕いた多摩中問題を軸とする闘いなどの蓄積が畳みかけて襲いかかる石原都教委の暴挙を先制的、創造的に跳ね返す力を育んだと思います。
 「予防訴訟の会」と「被処分者の会」は全都、全国に共闘と支援を呼びかけています。公判傍聴、カンパを始め創意ある連帯をよろしくお願いします。

 3・20報じた『前進』広げて定購を拡大 関東・労働者 大竹美樹

 私たち労働者は、『前進』を読んで理論を学びます。それを使って、闘いを組織し、労働者の獲得を目指しています。『前進』の紙面がより豊かになるかどうかは、私たち労働者の実践的闘いが、どういう内容で進められているのかということも非常に関係していると思っています。紙面の充実のために、労働者の闘いをどんどん編集局に送っていくという使命も私たちにはあるのですね。
 さて本題です。「マルクス主義的考え方をすべて理解し、納得しているわけではない時点で『前進』を購読してしまうと、全部考え方を強制されているようで抵抗感があるのですが」と一度は購読を拒否した人が、どのように購読を決めたかの報告です。
 情勢が激動しているので、私自身があせっているのですが、最初に断られた時には無理にそれ以上は勧めませんでした。「金もうけのための勧誘じゃないんだし、よこしまな気持ちがなければ、いやらしさも感じさせていないはず、また機会はあるさ」と心の中で思い、別な資料で学習会を続行。
 そのうちに3・20イラク反戦の行動日があり、その断った人は参加できなかったけれど、もうひとりの学習会対象者が一緒に日比谷に行きました。
 3・20直後の学習会で、商業新聞3社の3・20記事の扱いを取り上げ、読売新聞は無視同然、毎日新聞は若い女性がデモしている写真、朝日新聞は……というように紙面を比較しました。それから最初の3・20記事が載った『前進』を広げ、これが闘った人たちの側からの報道だよと見せました。日比谷の集会へ一緒に行った人は、参加できなかった人に「この辺にいたんだよ。小さく写ってる。寒かったしデモは疲れたけど、行ってよかった」と感想を話してくれました。
 年金問題とかイラク反戦など『前進』の紙面は、いろいろな水路から結集しつつある労働者に活用できるタイムリーな内容になっていると思います。今回、購読決定をオルグしたのは、3・20参加者からの『前進』記事を読んだ感想であり、『前進』の3・20の闘いの写真であったと思います。

 イラクの人質事件で小泉首相の本性みた 東京 久保直子

 4月8日のイラク人武装ゲリラによる日本人3人の人質事件を知った夜、私は「夢じゃないよね」と友人に叫んだ。人質解放の条件として「3日以内に自衛隊を撤退せよ」を聞いて「日本人がイラクの人びとに対して、どんなに残酷なことをしているのか」を思い知らされた気持ちでした。
 小泉首相は即座に「撤退しない」と言ったけれど、「人質を見殺しにした」「小泉首相の本性みたり」と感じたのです。
 3人が人質になってから、ひどい不眠症に苦しみました。4月9日の日比谷のデモ4000人の中にいても「こんなに静かなデモで3人を救えるのか」と悩んだ。4月12日の国会の院内集会には、百万人署名運動やNGO、休暇を取った労働者が押し寄せた。社共の議員も来たが、民主党には激しいヤジが飛びました。首相官邸への抗議行動は、長谷川英憲元都議の姿も見え、昼だけで1000人、在日朝鮮人の女性がハンストをして、怒りではち切れんばかり。また3人の地元でも友人や知人が体を張って闘っていることに驚き、自分の考えの狭さを痛感しました。解放されたのは、彼女たち3人が今までやってきた行為が認められたからだと感じます。
 いても立ってもいられず、戦争体験者で70歳代の杉並の女性に電話したら「痛い目にあったんだから、自衛隊は帰ることだよ。イラクの人は嫌がっているんだから、石油なんていってないで、イラクのことはイラクの人たちに任せりゃいいんだよ。解放したのは民間の人の力だよ。政府は何も力になってないね」。朝鮮にいた80歳代の女性は「小泉さんがいけないですよ。こんなことになったのは、自衛隊を出してるからですよ」。
 ところが、共産党はどうでしょう。80歳代の女性と話したら、「女の人がちゃんとトイレに行かしてもらっているか心配」「小泉さんは自衛隊をひかなくて良かった」と言う。「え? どうして?」「自衛隊が撤退しないと、また同じことが起こると思うよ」と言ったら黙ってしまった。武装ゲリラの行動を「許せない行為」(『赤旗』)と考えているからこういう発言になると思う。
 人質になった人にお金を請求するなんて、本末転倒もはなはだしい。全責任は、米軍の残虐行為と自衛隊出兵にこそある。責任をとって小泉内閣は総辞職すべきです。

 訂正

 2147号本欄の関西の野村智志さんの投稿で編集局のミスによる間違った記述がありました。「最後に、首相官邸前に駆けつけた高遠菜穂子さんのお母さんからのメッセージが紹介されました」とありますが、このような事実はありません。元の原稿では「首相官邸前にすぐ駆けつけ、座り込みをしているお母さんから」とあったのを、他の文章と混同するミスによって、誤って「高遠さんのお母さん」としてしまったものです。おわびし、訂正します。

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週刊『前進』(2149号6面2)(2004/05/17)

 司法改革・共謀罪粉砕を

 法案阻止へ正念場の国会闘争

 ついに、159国会での司法改悪・共謀罪新設をめぐる治安立法決戦が本格的段階に突入した。有事立法の審議の進行とあわせ治安立法のラッシュの中、今週にも、司法改悪関連法案の参院審議と共謀罪法案の衆院審議入りが予定されている。全力で司法改悪関連法案・共謀罪法案を粉砕しなければならない。

 治安法ラッシュ

 今国会は、ACSA改定と国民保護法案などの有事立法、労組法改悪、年金法改悪などとともに、イラク派兵を推進する国内体制作りを狙った反動国会だ。組対法・盗聴法が強行制定された99年の145国会以来の治安法のラッシュだ。
 @共謀罪新設(組織的犯罪処罰法改悪)・強制執行妨害罪拡大重罰化・サイバー対策国内法の一括法案、A日米捜査共助条約国内法(FBIが日本で捜査できる、警察庁がアメリカで捜査できる)、B暴力団対策法改悪(組員のやった行為で出た損害を組長に賠償を問える)C入管及び難民法改悪(罰則強化)、D警察法改悪(警官増員と国家警察化)、E道路交通法改悪(駐車違反取締民営化・所有者責任)。これにF児童ポルノ処罰法、G旅券法改悪(パスポートに生体識別システム導入)が予定され、司法改悪関連の10法案が提出されている。加えて、刑法の大改悪案が2月10日に法制審議会に諮問され、早ければ今秋臨時国会にも提出されようとしている。
 今国会に提出された司法改悪関連法案のうち、最大の焦点であった裁判員法案と刑訴法改悪案が4月23日に衆院を通過した。総合法律支援法案は同月27日に衆院通過。司法改悪関連法案は実質参院に攻防局面を移している。いよいよこれからが闘いの正念場だ。
 裁判員法案は「国民の健全な社会常識を直截(ちょくせつ)に反映させる」と称して、重大刑事裁判に国民からピックアップした裁判員を参加させるものだ。住所、氏名を伏せた裁判員に、死刑を含む重大事件の被告人を裁くこと(多数決で、有罪か無罪かだけでなく量刑も決める)が強制される。違反したら懲役刑を科せられる守秘義務も負わされる。非公開の「公判前整理手続」が強制され、被告人の防御権を抑制した簡易・迅速・重罰化を狙う「暗黒の裁判」システム導入である。
 刑訴法改悪案は、憲法37条の「公開裁判を受ける権利」を踏みにじり裁判の段取りを密室で決定するというもの。黙秘権は否定され、開示された証拠は法廷でしか使えず、裁判官の訴訟指揮権が強化され、弁護士への制裁が強化される。
 総合法律支援法案は、刑事事件の簡易、迅速、重罰処理のために法務省の監督する国営弁護システムを作ろうというもの。
 以上の3法案は、イラクに自衛隊を送り込んだ小泉が「国家戦略」とした司法改悪攻撃の核心で、戦前の暗黒治安裁判を反省したところから出発した裁判の人権尊重原理を根本から否定した超悪法だ。粉砕するしかない。

 3法案が一体で

 他方、共謀罪は、今国会で、サイバー条約国内法案と強制執行妨害罪拡大重罰化法案の3つを一緒にして提出して、いまだ審議は開始されていないが、これも、衆院での連休明け審議が不可避となってきた。攻防はいよいよ決定的局面に突入した。全力で阻止しよう。
 サイバー条約は、「コンピューターやインターネットに関連したパソコン・メールなどを使った犯罪」を取り締まるという名目で4月に成立批准された。実際はサイバーの世界はアメリカに集中管理されており、アメリカに情報が取られるという警戒から全世界で4カ国しか批准していない代物。だがメールなどの連絡先の保存義務などが発生し、サイバー関連の通信・媒体の国家管理が進むことになる。これが国内法化されようとしている。
 強制執行妨害罪拡大重罰化法案は、まず刑罰が重くなっているが、ピケなどこれまで犯罪にしてこなかったものを刑罰化する構成要件の拡大があり、倒産争議の場所的拠点を奪うもの。
 これと抱きあわせの共謀罪は、実行行為を伴わない2人以上の相談を5年以下の罪に問えるというものだ。その対象は刑法・特別刑法合わせて557罪種もあり、罪刑のほとんどを網羅する。
 この三つを一緒にしたことによって共謀罪の狙いも見える。サイバー条約国内法とは、共謀罪で有罪にする情報の入手を重視するためのもの。メールでのやり取りも犯罪化するが、盗聴法や司法取引などの捜査手法の拡大を重視しているのだ。強制執行妨害罪拡大重罰化は、共謀罪の狙いが労働組合の団結権・争議権の剥奪(はくだつ)にあることを物語っている。
 テロを口実とした警察戒厳体制をぶっとばせ。労働組合にとってはとうてい容認できない団結禁止法・結社禁止法である共謀罪を粉砕しよう。司法改悪・共謀罪新設攻撃との対決は完全に煮詰まった。全力で粉砕行動に立ち上がろう。
 5月11日(火)正午の国会前集会、18日(火)正午からと午後5時半からの国会前大集会に決起しよう。

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週刊『前進』(2149号6面3)(2004/05/17)

 “裁判員制度許さない”

 司法改革に反対 弁護士先頭に集う

 4月21日夕方から、東京・霞が関の弁護士会館2階講堂「クレオ」で「『裁判員制度』…おかしい! 『共謀罪』…とんでもない!/戦争のための『司法改革』に反対し、イラク撤兵を求める集い」が開催され、620人が参加した。主催は、労働者人民の基本的人権を守りぬくために日々闘いぬいている、「憲法と人権の日弁連をめざす会」と「刑事司法改悪に反対する全国弁護士ACTION」の2団体。
 集会では、イラクでの5人の日本人拘束に際してとられた小泉政権の対応(撤兵拒否を最優先し5人を見殺しにした上に、「自己責任論」の大合唱で「国策に従わない人民の生命は保護しない」ことを宣言)を批判する発言が相次いだ。そして、戦時への突入で激化する治安弾圧攻撃をはね返すために、まやかし「司法改革」に反対する全国5千人の弁護士と闘う労働者人民の団結を強化・拡大して闘うことが宣言された。
 集会の冒頭、呼びかけ人あいさつに立った土屋公献弁護士(元日弁連会長)は、「政府は戦時体制にまっしぐら。そのための刑事法制の改悪を許してはいけない」と訴えた。
 特別アピールの最初に登壇した村中哲也さん(航空労組連絡会副議長)は、「5人の解放は私たちの(イラク反戦の)声と運動が戦乱のイラクの人びとに届いたということ。このことに確信を持とう」と訴えた。そして、「私たちの要求と運動の正しさの中に(勝利の)展望がある」と語り、5・21明治公園への大結集を呼びかけた。
 続いて、国歌斉唱義務不存在等確認訴訟(「日の丸・君が代」強制に反対する予防訴訟)の原告団228人の一人として発言した都立高校教員は、石原都知事・都教委の03年10・23通達(国旗・国歌の強制)を「思想・良心の自由を奪うもので違憲・違法だ」と弾劾した。
 国会議員として照屋寛徳衆院議員(社民党・沖縄弁護士会)が発言し、「裁判員関連法案は廃案しかない」と訴えた。
 次に「国会でも根本的議論から出直しを」という内容で、辻惠衆院議員(民主党・東京弁護士会)が報告を行い、民衆の側に議会を取り戻す決意を語り、憲法違反の裁判員制度を始めとした司法改革攻撃と闘う決意を表明した。
 続いて「21世紀の赤紙−裁判員制度」と題した劇が上演された。回を重ねて洗練されてきた弁護士有志の熱演。裁判員制度は被告人の人権はもとより裁判員として動員された民衆自身の人権も抑圧する制度であることを痛快に暴露した。
 さらに、「戦争のための『司法改革』」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。初めにコーディネーターの鈴木達夫弁護士が4人のパネラーを紹介し、討論が始まった。小田中聰樹さん(刑事訴訟法・東北大学名誉教授)は、「裁判員制度は、『国民参加』とは名ばかりの、しかも被告人の人権軽視・無視の制度で、絶対に容認できない」と鋭く提起した。斎藤貴男さん(ジャーナリスト)は、「戦争と差別と監視の国づくりの最後の砦(とりで)として司法改革がある。銃後の体制がこの国を覆っている」と危機感をもって訴えた。遠藤憲一弁護士は「裁判員制度は、少しでも疑わしいのは有罪、被害者感情を反映して重罰という制度である」と批判した。安田弁護士裁判と迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判で無罪判決をかちとった藤沢抱一弁護士は、「拙速な裁判では被告人の権利は守られない」と断言した。
 集会の最後に、主催者からのまとめと行動提起を高山俊吉弁護士が行い、「一人ひとりが(支配者からの)攻撃に向かって立ち上がる時が世界的に来ている」と檄を飛ばし、「刑事司法改悪3法案と共謀罪をつぶそう!」と5月18日の国会前集会への大結集を訴えた。

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週刊『前進』(2149号6面4)(2004/05/17)

 衆院可決を弾劾 4・23国会前で集会

 破防法・組対法に反対する共同行動は4月23日正午から衆院第2議員会館前で、司法改悪・共謀罪新設阻止を掲げて緊急の昼休み集会を行った(写真)。集会は、この日の午前中に裁判員法案(自民・公明・民主が共同で提案した修正案)と刑事訴訟法改悪案が衆院法務委員会で全会一致で可決され、午後の本会議で可決・通過するという情勢の中で行われた。
 連帯のアピールを行った武内更一弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会)を始めすべての発言者が、裁判員法案と刑訴法改悪案の成立を絶対に許さない決意を表明し、あらためて「司法改革攻撃」と闘う宣言を小泉首相にたたきつけた。
 共謀罪法案の衆院法務委員会での審議入りも切迫している。廃案に向け全力で闘おう。

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週刊『前進』(2149号6面5)(2004/05/17)

 党学校に参加して

 ドイツ・イデオロギー 実践的な変革者に

 東京 渡辺典子

 党学校に参加して、『ドイツ・イデオロギー』をいかに読むのか、マルクスがいかにして哲学をとおって実践的唯物論者=現実の変革者=共産主義者となっていったのか、その苦闘と飛躍として読むということ、哲学者の批判という形をとりながらマルクス・エンゲルス自身の飛躍をかちとるものとして『ドイツ・イデオロギー』はあったのであり、「哲学者」というあり方からの決別の宣言、同時に共産主義者としての宣言としてもあるということが分かりました。
 特に印象に強いのは、やはり実践の強調です。なぜあれほど実践、現実ということをマルクスとエンゲルスが強調したのか。『ドイツ・イデオロギー』の地平が、単純に理論の領域だけで切り開かれたのではなく、当時のシュレージェン蜂起や英仏の労働者の闘いなど、現実のプロレタリアートの闘いに突き動かされる中で出されたという話がされました。これは現在の私たちにとっても外してはならない、マルクス主義の原点だと思います。
 現実=資本主義社会への強い怒りと、しかしすべての哲学がブルジョアジーの立場からの支配的な思想であり、抽象的な観念論でしかないという状況の中で、マルクス自身がいかに現実に接近していくのか、それは自らが実践的な変革者となる以外にないという決意と立場に立って、そしてその変革の道は観念(的な批判)の世界ではなく現実のプロレタリアートの闘いの中にあるんだということを、まさに現実のプロレタリアの闘いがまき起こる最中で、それらに接する中でつかんだということだと思います。
 『ドイツ・イデオロギー』は、マルクスとエンゲルスが現実の変革者として徹底的に現実の世界に根ざして世界を解き明かす、真の唯物論=共産主義をうちたてる第一歩だった。つまり、変革者としての立場から、歴史を変革できるものとして世界史を読み解き、唯物史観の基礎的な提起を行い、資本制社会を特殊な歴史的社会としてその性格もつかみとったのだ。
 この『ドイツ・イデオロギー』の中に満ちているマルクスとエンゲルスの戦闘性、まさに今飛び立とうとしているマルクスの共産主義の、その原点としての激しさが、一文一文に現れている! そうした生き生きとした闘争の現場の書として読むということが本当に重要であると思いました。
 『ドイツ・イデオロギー』はさまざまな読み方がされてきたということですが、学習会を受けて、やはりこの激しさこそスターリン主義者が徹底的に改ざんし、またその他さまざまな歪曲をされてきたゆえんであると強く思いました。
 今後、労働者を実際に獲得していく実践の場でも、『ドイツ・イデオロギー』で提起されているプロレタリア自己解放の立場に立った唯物史観の全体像をきちんととらえて現代の言葉で伝えていく、このことが非常に重要だと思います。

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週刊『前進』(2149号6面6)(2004/05/17)

 訂正

 前号6面に次の誤りがありました。@「“虐殺許すな”米領事館抗議/4・12福岡」とあるのは、「4・15」の誤りです。A4・11六ケ所闘争の写真説明で「4月9日」とあるのは、「4月11日」の誤りです。おわびし訂正します。

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