ZENSHIN 2004/04/26(No2147
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週刊『前進』(2147号1面1)(2004/04/26)
5・21明治公園大結集へ イラク撤兵・有事法案粉砕を
蜂起するイラク人民と連帯し小泉政権を絶対に打倒しよう
イラク全人民の反占領闘争の爆発で、米英日帝のイラク侵略戦争は完全に泥沼化し、第2のベトナム戦争化を深めている。この中で15日、拘束されていた日本人3人が解放された。だが、第2の拘束事件が発生し、事態はいよいよ大激動している。小泉は「自衛隊は撤退せず」の発言を繰り返し、米帝とともに侵略戦争と軍事占領の一角を担い続けようとしている。イラク軍事占領反対、自衛隊即時撤退、小泉政権打倒へ総決起する時だ。同時に審議が開始された有事7法案と3条約・協定改定案を絶対に粉砕する闘いに決起しよう。とりわけ3・20闘争の大爆発と4月闘争の連続的な決起を引き継ぎ発展させ、5・21明治公園に全国から総結集し闘おう。
第1章 米帝を追いつめる反占領闘争の爆発
イラク人民、ムスリム人民は今、3・20国際反戦統一行動の大爆発に完全に連帯・呼応する形で、反占領闘争、民族解放・革命戦争に全土で総決起している。3月末から4月4日に開始された戦いは、反占領の全人民的な武装闘争であり、民族的な総蜂起である。
この中で追い詰められた米帝はイラク侵略戦争を絶望的に激化させ、特にファルージャでの掃討作戦=大虐殺を凶行してきた。
4月5日以来すでに800人以上ものイラク人民が虐殺されているのだ。
この大虐殺は、1968年のベトナム・ソンミ村での米軍による大虐殺、1982年レバノンのサブラ、シャティーラでのイスラエル軍によるパレスチナ人大虐殺に比すべき、最も残虐な行為である。イスラエル軍が昨年4月にジェニンでやった包囲・せん滅戦をもっと大規模にファルージャで繰り返しているのだ。
それは、カイライ組織である統治評議会の中からも多数の辞職者を生み出し、米軍によって作られた「イラク軍」もファルージャの戦闘を拒否するという重大事態となっている。
何が「自由と民主主義」だ。この事実の中に、米英日帝のイラク侵略戦争の侵略性、不正義性が集中的に示されているではないか。
ブッシュは、イラク侵略戦争開始後初めての記者会見を行い、苦し紛れに侵略戦争の正当化を強弁し、イラクへの増派を表明した。2万人もの増派は断じて許せない。4月の米兵死者が84人と開戦以来最多を記録しており、米帝は最大の危機に立たされ、軍事占領は崩壊している。
米帝は、ファルージャの人民の総決起に追い詰められ、「停戦交渉」とか「イランへの仲介申し込み」などと言っている。ファルージャを外から完全に包囲・封鎖しておいて、何が「停戦交渉」か。
これに対してイラク全土で「ファルージャを救え」「ファルージャを守れ」のイラク人民の決起が続々と起こり、食料や医薬品、輸血用の血液を持ってファルージャ救援に駆けつけている。反占領闘争が全土に拡大している。
だが米帝は、帝国主義として延命するためには泥沼の道であることが分かっていてもどこまでもこの侵略戦争を続けるほかはない。世界革命で打倒する以外にないのである。
日本の人民に決起呼びかけ
日本人3人を拘束した「サラヤ・ムジャヒディン」は、10日の解放予告声明において、「日本の民衆に対して、日本政府に圧力をかけて、自衛隊をイラクから撤退させるよう求める」と宣言した。日本の労働者人民に対してイラク軍事占領反対、自衛隊撤兵、小泉打倒にともに立ち上がることをストレートに呼びかけているのだ。
3人は、15日に無事解放された。これに関し、武装グループは「日本の人びとが自衛隊撤退を求めてデモをした。人質の家族の気持ちにも共感した。したがって、日本の首相の無責任な発言にもかかわらず、3人の解放を決めた」とメッセージを発した。4・9闘争や連日の国会・首相官邸に対する闘いは、イラク人民に届いていたのだ。
しかし一方で、14日には新たに2人の日本人が拘束され、また別に拘束されたイタリア人4人のうち1人が処刑された。イタリア人処刑は、ベルルスコーニ首相が即座に「撤兵せず」と表明したことと、被拘束者が米帝の警備機関要員であることの結果である。
日本国内では、小泉が「テロリストには屈服しない」とうそぶき「自衛隊撤退の考えはない」ことを再三表明し、労働者人民の怒りの闘いが高まっている。
ところが、日本共産党は9日付の『赤旗』で、「断じて許されない蛮行」「3日の期限切り脅迫」という見出しで、イラク人民による3人拘束を非難した。だがそれは、一切の責任が米帝ブッシュと日帝・小泉にあることを押し隠し、免罪するものだ。武装グループが「自衛隊撤退を要求」という、どの一般商業紙も報じている基本的な事実さえ、見出しになっていない。日本共産党は、完全に「テロリスト非難」の先頭に立って侵略者=帝国主義の立場を押し出し、日帝を擁護・翼賛したのだ。
労働者階級の階級的=国際的闘いに敵対する日本共産党を許してはならない。
日帝は、帝国主義であるかぎり、米帝とともに共同・競合してイラク侵略戦争参戦を続けるほかない。それを放棄することは帝国主義として死を意味する。したがって、自衛隊を撤退させるためには、小泉政権打倒以外にないのだ。
スペインの人民は、3・11マドリードにおけるムスリム人民の極限的決起を受けとめて、総選挙においてアスナール政権を打倒し、スペイン軍撤退公約をかちとった。日本の労働者人民は、このスペイン人民の闘いに学び、それに続いて、侵略戦争への参戦を続ける日帝・小泉を打倒するために全力で決起しよう。
第2章 ACSA改定案が狙う反革命的突出
当面最大の闘いは、イラク反戦・自衛隊撤兵とともに、有事7法案・ACSA(日米物品役務相互提供協定)改定案粉砕へ全力で闘うことだ。有事法案は13日に衆院本会議で趣旨説明が行われ、審議が始まった。日帝・小泉は、今通常国会の最重要案件として、これを成立させようとしている。また民主党も基本的に賛成しており、国会は総翼賛的な状況を呈している。危機感に燃えて、労働者階級人民の巨大な大衆闘争を組織し絶対に粉砕しよう。
昨年、有事3法が成立した際、陸・海・空・港湾労組20団体は「有事法制を完成させない、発動させない、協力しない」という「三ない運動」を提唱した。実際に戦争動員させられようとしている陸・海・空・港湾労組の労働者からの呼びかけにこたえ、「三ない運動」を今こそともに闘おう。まさに「有事法制を完成させない」という闘いが、今国会の攻防にかかっているのだ。
この有事法案強行に向けての小泉政権のやり方はきわめてペテン的だ。「国民保護法プラスアルファ」というものとして、「骨子」「要旨」などという形で小出しにしてきた。米軍支援法もACSA改定も全然出さないでごまかし、実に陰謀的にやってきた。
だが、有事関連法案の中で最も重大なのは、ACSA改定案、米軍行動円滑化法案、自衛隊法改正案、交通・通信利用法案である。これらはイラク侵略戦争の継続・激化・拡大と、北朝鮮(ひいては中国)侵略戦争のための法案であり、日米安保のエスカレーションの大攻撃である。
特に、ACSAに、日本有事と「国際貢献」条項を入れたことは超重大だ。ACSA改定は、イラク侵略戦争を継続・激化・拡大させるための法案となる。また「武力攻撃事態」とその「予測事態」に、米軍への弾薬を始め、物品・役務の提供を無制限に保障するものである。イラク侵略戦争を長期的・永続的に強行するために「国際貢献」条項を入れたのである。
米軍行動円滑化法案は、米帝・米軍が北朝鮮(中国)侵略戦争において、日本全土を最前線基地、出撃基地、補給基地として使用することを狙うものであり、そのために日帝と自衛隊は全力を挙げるということである。自衛隊法改正は、ACSAの改定に伴うものであり、イラク、アフガニスタンで自衛隊が米軍への協力を行うというものであり、交通・通信利用法案は、むき出しの有事法案である。戦時において重要な交通・通信手段を強権をもって軍事利用優先としようとする大攻撃である。
一方、「国民保護法案」は、あたかも戦争から国民を守るかのような装いをとっているが、実は、国民を戦争動員するための法律である。日帝が米帝と共同・競合して北朝鮮侵略戦争を開始した時、それへの北朝鮮の必死の反撃を想定し、日本国内が戦場になる場合の方策を定めたものである。まさに北朝鮮侵略戦争のシナリオを前提とした法律なのだ。
しかも、その際に米軍と自衛隊の動きを円滑にするために、国民を排除・統制することを狙っている。そのために出てくるのは戦前の「隣組」のような地域的な動員組織である。自主防災組織を積極的に活用するとしているのである。
さらにこの有事立法攻撃は、改憲攻撃と連続している。「国民投票法」策動、改憲案策定作業として、自民党・公明党のみならず、民主党も全力で動いており、事態はきわめて切迫している。また、「愛国心」を盛り込んだ教育基本法改悪策動も進んでいる。これとの闘いを、有事立法粉砕闘争と一体のものとして全力で闘いぬこう。
20労組などが4・9日比谷野音の闘いに続いて呼びかけている5・21明治公園の闘いは、イラク反戦・自衛隊撤兵の課題においても、有事7法案・ACSA改定案粉砕の課題においても、きわめて時宜を得た闘いだ。ここを4〜6月闘争の頂点とし、3・20日比谷6万人の大結集を上回る闘いとして、全国から総決起してかちとろう。
第3章 動労千葉と連帯し国鉄・教労決戦へ
3・20闘争の大高揚は、動労千葉の今年2月と3月のストライキが牽引(けんいん)し、階級的心棒を与えた闘いであった。また、4・13国鉄闘争支援大集会は、日比谷公会堂からあふれる4000人の大結集をもってかちとられ、1047名闘争陣形を確固として築く闘いとなった。
国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が打って一丸となって闘うことが、解雇撤回・JR復帰をかちとり、国労を戦闘的に再生し、国鉄闘争勝利をかちとる道だ。分割・民営化攻撃にストに次ぐストで闘いぬき、組織を守り団結を固めてきた動労千葉。今また、不当配転阻止、運転保安でストと非協力闘争を闘い、成果をかちとっている動労千葉。ここに国鉄労働者の勝利の道筋が示されている。3波のストライキの勝利を報告した動労千葉争議団の発言は圧巻だった。
連合、全労連の屈服に抗して、階級的=国際的な労働運動のあり方を身をもって示している動労千葉の闘いの意義をすべての労働者人民に伝え、「動労千葉に続け」「動労千葉のように闘おう」を合言葉に戦闘的労働運動の前進をかちとろう。国労5・27臨大闘争弾圧裁判に勝利し、闘う国労の再生を切り開こう。
東京都教育委員会の昨年10・23通達を打ち破って、3月卒業式闘争で200人以上の教育労働者が決起したことは、偉大である。追い詰められた都教委は200人に上る労働者に処分攻撃をかけてきたが、これはさらに大きな闘いの火を付けるものだ。処分攻撃と闘う教育労働者と連帯し、教育基本法改悪阻止・改憲阻止へ、闘いを強めよう。
年金大改悪を粉砕せよ。労組法改悪阻止、労働委員会制度解体を許すな。
普天間基地即時全面返還、名護新基地建設阻止、安保粉砕へ5・15沖縄闘争に全国から結集して闘おう。日帝の新たな「沖縄売り渡し」攻撃を許すな。
4〜5月入管闘争に決起しよう。入管法改悪を阻止しよう。
共謀罪新設阻止、裁判員制度導入阻止、司法改革粉砕の闘いを強めよう。
水嶋同志無罪判決、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判3同志無罪判決の勝利を打ち固め、戦時下の治安弾圧攻撃を跳ね返そう。
4〜6月決戦の爆発の中で、マル青労同建設を全力で推し進めよう。党勢倍増、機関紙読者拡大に向かって奮闘しよう。
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週刊『前進』(2147号1面2)(2004/04/26)
5・15沖縄闘争に立とう 名護新基地 ボーリング調査許すな
4月7日、沖縄県土木建設部河川課は、普天間飛行場代替施設建設で那覇防衛施設局が提出していた名護市辺野古沖でのボーリング地質調査と海象調査のための公共用財産使用協議書について、調査実施に同意すると正式に回答した。これはボーリング工事着工へのゴーサインであり、代替基地建設の着工に等しい意味をもつ攻撃である。
普天間基地「返還」合意から8年、「普天間基地の移設返還ではなく、全面閉鎖・返還」(伊波洋一宜野湾市長の言葉)を求める声は高まっている。今年の5・15沖縄闘争は決定的に重要な闘いとなった。全国から結集し闘おう。
名護新基地建設について、それが仮に実現しても環境影響調査と工事で完成までに十数年かかるため、米帝はそれまで待てないとして、普天間基地の嘉手納統合案や、下地島移設案、本土移転案などを打ち出している。しかし、名護新基地建設そのものはどんどん進めろという立場である。
これに対して日帝と稲嶺沖縄県知事は、他の案の浮上に焦り、あくまでも名護新基地建設は強行するのだという態度を押し出してきている。
防衛施設局が行うボーリング調査は、辺野古の海に広範囲にわたって63カ所にボーリングを打ち込んで地質調査するものであり、それ自体がサンゴ礁を死滅させ、ジュゴンを殺すものとなることは明白だ。しかも沖縄県は、専門家の意見を聞くと称しながら、その大半が反対したにもかかわらず、それを無視し、やみくもに調査開始に突っ走っているのである。県は、「ジュゴンや環境への配慮を求める意見」を付しているがペテン的だ。それは、げたを防衛施設局に預けて責任回避するものである。
名護新基地建設阻止・ボーリング調査阻止へ、普天間基地即時無条件全面撤去へ、5・15沖縄闘争を全国の人民の力でかちとろう。米帝のトランスフォーメーション、米軍基地再編・強化の中で、一層沖縄に犠牲を押しつける(第3の「沖縄売り渡し」だ)日帝・小泉を打倒しなければならない。(次号に5・15沖縄闘争論文を掲載予定)
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週刊『前進』(2147号2面1)(2004/04/26)
都教員の卒入学式闘争が大爆発
数百人の「君が代」不起立は戦時下階級攻防の最前線だ
石原・都教委の処分攻撃粉砕へ
革共同教育労働者委員会
3・20国際反戦共同行動は、日比谷6万―全国50万決起となって、戦時下の階級闘争の高揚の弁をおし開いた。全世界1千万人の決起、とりわけ参戦国での撤兵要求を掲げた反戦闘争の爆発は、参戦国政府を揺るがしている。
この地平は、「3人を殺すな、自衛隊即時撤退、小泉退陣」の数千の国会・首相官邸包囲行動として日々発展している。米帝のファルージャ大虐殺とイラク人民の軍事占領反対の大衆蜂起の激突の渦中で生起した日本人の拘束事件は、米帝の大虐殺に加担し、自国の人民の生命もかえりみない小泉政権の正体を暴き出した。自衛隊撤退を拒否する小泉政権を打倒することは、日本労働者階級の国際的責務である。
3・20はまた、連合結成以来の闘う労働組合の大統一戦線の実現として、労働運動をめぐる地殻変動的流動情勢を一挙に切り開いた。3・20の6万人決起の階級的心棒となったものこそ、動労千葉の04春闘ストライキである。動労千葉に学び、動労千葉とともに闘う新潮流運動の前進が、この画期的な統一戦線実現の原動力となった。動労千葉のストライキに鼓舞され、中小私鉄ストライキを始め、連合・全労連支配をのりこえる自立自闘の決起が次々とまきおこっている。
こうした階級闘争の荒波の中で、階級的労働運動の再生への号砲となり、教基法改悪粉砕・改憲阻止闘争の一大突破口ともなる偉大な決起がかちとられた。石原の「日の丸・君が代」強制攻撃に対する東京の教育労働者の不服従・不起立闘争の大爆発である。
職務命令に従わなければ処分、複数回繰り返せば分限免職という恫喝をうちやぶって、卒業式、入学式で実に数百人の教育労働者が不起立闘争を闘ったのである。職務命令・業務命令で労働者に戦争協力を強制する攻撃に対して、職場からの反乱、拒否闘争がその火ぶたを切って落としたのである。
石原・都教委への弾劾と被処分者への激励の声を全国全戦線全産別からまきおこそう。戦時下の階級攻防の最前線に押し上げられた東京の不起立闘争を、全労働者人民の力で支え、被処分者を激励、防衛しよう。
以下、この闘いの攻防の経過と階級的意義を明らかにしていきたい。
「日の丸・君が代」の強制に不服従貫く
3月30日、東京都教育委員会は、都立校の卒業式での「国歌斉唱」時の不起立者など171人に対する戒告処分、5人に対する再雇用合格取消を決定した。4月5日には、公立小中学校・都立障害児学校の20人に対する第2次処分を決定、うち1人は減給1カ月の処分とした。
都立校の被処分者のうち75人は、入学式を前にした5日、人事委員会に即座に不服申立を行い、抗議声明を発表、17日には「不当処分撤回を求める被処分者の会」が結成された。7日をピークに行われた都立校の入学式では、不起立者はさらに拡大し、不当処分に抗議して再度不起立する教員も続出した。
大量不当処分は、教育労働者の抵抗闘争を制圧できなかった石原・都教委の敗北の自認であり、本質的に破産したものでしかない。真の勝利は、数百人の教育労働者が処分を辞さず、職務命令への不服従を貫いたことにある。小・中学校では、監視・現認体制がとれず、校長の報告や地教委の内申を阻止して処分を出させなかった例も多く、不起立者は被処分者の数倍にのぼる。
迷い、悩んだ末に、不起立を貫徹した被処分者たちの表情は底抜けに明るく、都教委に一矢報いた勝利感と歴史に恥じない行動をした誇りに満ちあふれている。都教委のあまりの暴挙は、処分を恐れない自己解放性に満ちた闘う主体を次々と生み出したのだ。
処分を恐れず数百人が決起
昨年、再選を果たした石原都知事は、教育施策を「より過激にやる」と豪語し、やりたい放題の悪行を重ねてきた。
昨年7月に卒入学式等対策本部を設置、三脚での掲揚や教職員・生徒の不起立をやり玉にあげ、10月23日に「教職員は国旗に正対して起立・斉唱せよ」「校長の職務命令に従わない場合は、服務上の責任が問われる」という通達と新実施指針をうちだした。新実施指針は、10月から12月にかけて行われた各校の創立記念式典で発動され、全教職員に職務命令書を手交して指定席での起立・斉唱、音楽教員にピアノ伴奏を命令し、各校に大量の教育庁職員を監視のために派遣した。入学式前の2月17日、創立記念式典で不起立した10人に見せしめ的に戒告処分を発令、「複数回不起立すれば分限免職」という恫喝を加えてきた。
他方、都教委は不起立しそうな「課題のある教員」を入念にチェックし、活動家には受付や校外巡回を職務命令で命じて式場外に排除するなど、不起立闘争の封殺に全力をあげてきた。にもかかわず、卒業式で200人の不起立闘争が爆発したのである。暴力で脅せば服従するという石原のファシスト特有の傲慢な思い上がりは、教育労働者の人間的誇りをかけた決起の前にうち砕かれたのである。
都の大量処分は大打撃の証
大打撃を受けた都教委は、凶暴なまきかえしに出てきている。
区市町村の教育委員を集めた4月8日の教育施策連絡会で、鳥海巌教育委員(丸紅相談役)は「あくまで反対の少数派は徹底的につぶさないと禍根が残る。半世紀巣くってきたガンだから、痕跡を残しておくわけにはいかない。必ずこれは増殖する」などと、不起立闘争の拡大への恐怖と憎悪をむきだしにした。
都教委の攻撃は、不起立者への大量報復処分だけではない。生徒が「君が代」を歌わないのは、「指導力が不足しているか、学習指導要領に反する恣意的指導があったからだ」と見なし、「改善指導を行い、従わなければ職務命令を出す」「研修命令を含む処分の対象とする」(3月16日、都議会での横山教育長答弁)として、教育活動を対象とする懲戒処分や指導力不足教員認定に踏み込もうとしている。
さらに重大なのは、板橋高校への刑事弾圧である。生徒の大半が不起立したことを問題視し、学校に警察をさしむけて担任団を取り調べ、来賓として式に参加した元教員を「威力業務妨害」で刑事告発するなど、まさに戦前の治安維持法弾圧に匹敵する暴挙が強行されている。
だが、都教委の見境ない凶暴化は、教育労働者の怒りの火に油を注ぎ、教育労働者の抵抗と不服従をますます広げるだけである。石原・横山との倒すか、倒されるかの攻防が火ぶたを切ったのである。
教基法改悪阻止と改憲粉砕の道開く
侵略戦争への先兵化を拒否
この闘争は、第一に戦時下の「日の丸・君が代」闘争の巨大な展望を開いた。
数百人にのぼる不起立闘争の爆発は、石原・横山への大打撃となった。不当処分への抗議と都教委の暴挙への批判は、日々拡大し、都教委を包囲しつつある。商業新聞が社説で相互に批判を応酬するという前代未聞の事態が生まれている。まさに「日の丸・君が代」をめぐる国論二分情勢が切り開かれたのだ。
職務命令と処分の恫喝で「立て、歌え」という攻撃は、命令に服従する姿を生徒の前にさらせないという教育者としての良心をかけた決起を生み出した。生徒たちも、この決起から多くのことを学び、自主的に判断し、行動し始めている。石原・都教委は、まさしくパンドラの箱をあけてしまったのである。
「日の丸・君が代」をめぐる国論二分情勢は、戦時下の愛国主義の扇動、戦争への国民精神総動員攻撃としての教基法改悪との闘いにとっても決定的地歩となっている。東京の不起立闘争の爆発は、戦争国家づくりと改憲攻撃への全人民的反撃の突破口ともなったのである。
予防抗告訴訟が突破口開く
第二に、新たな「15年戦争」情勢下で、侵略戦争の先兵となることを拒否する教育労働者の自己解放的決起が始まった。
「現在の社会情勢の中で、学校で『日の丸・君が代』を強制することの危うさが飛躍的に高まっている、と感じます。通達と実施指針は明らかに生徒たちに向けられています。……このままでは、結局生徒たちをこの圧力の前にさしだす結果になります。命令に黙って従うだけでは、若い人たちに顔向けできません」(予防訴訟第1回公判での原告の音楽教員の冒頭陳述)。
この教員の祖父は、中国東北部で貿易商を営み、敗戦時に処刑され、その祖父の一人息子は、長崎で原爆直撃を受けて亡くなったという。
個人としての思想・信条以上に、自らが立って歌うことが生徒への強制となることに教育労働者の深い葛藤がある。職務命令に黙って従うことは、命令には考えずに服従せよと生徒に教えることになる。歴史の分岐点で、それは戦争に加担する行為ではないかという思いが、不退転の決起を生み出したのである。
ここで彼女たち彼たちは「教育者としての良心」という契機からではあれ、教育の権力性をとらえかえし、侵略教育を拒否して、労働者として団結して闘う選択をしたのである。こうした主体的決断こそ、日教組運動史の中で繰り返し示されてきた教育労働者の闘争力の根源なのである。「勤評は戦争への一里塚」を掲げて闘われた勤評反対の一斉休暇闘争が公務員ストライキの先駆となったように、この闘争力は労働運動を牽引(けんいん)する力さえ秘めているのである。新たな15年戦争が始まった中で、教育労働者の「教え子を再び戦場に送らない」闘いが再び階級的労働運動の最前列に躍り出たのである。
都高教本部の屈服のりこえ
第三に、都高教本部の屈服方針をのりこえてうちぬかれた集団的不起立闘争は、新潮流運動としての意義を持ち、闘う団結を取り戻していく道筋をさし示している。
不起立闘争は、「処分を出さない」「職務命令が出たら引く」という都高教本部の屈服方針をのりこえて、現場組合員によってかちとられた決起である。
連合派と共産党系からなる執行部から提起された指示は、「組織防衛最優先」の名のもとに組合員に「立て、歌え」と強制するものであった。組合員の猛反発を前に、「『立てない、弾けない』組合員は、執行部と相談の上で対応する」という一文を付加して、この指示は強行可決された。不起立者が「指示違反」とされる事態だけは、阻止された。だが、執行部がやったことは、処分による二重三重の不利益を宣伝し、都教委と結託して式場外業務の枠を確保し不起立の意思を持つ組合員を排除することだけであった。
こうした中で、現場組合員は、保護者・市民とも協力して様々な反撃に自主的に取り組んでいった。中でも決定的役割を果たしたのが、起立・斉唱義務不存在確認を求める訴訟(予防抗告訴訟)の提訴だった。昨年10月から準備され、1月に228人の原告団によって提訴されたこの闘いは、社会的反撃の突破口となるとともに、現場の不起立闘争の闘争委員会としての役割を果たした。予防訴訟の原告と会員がいわば策源となって数百の不起立闘争が生み出されのだ。
228人の予防抗告訴訟原告団、196人の被処分者がいわば「闘争団」として生み出された。それは予防訴訟の第2次提訴、入学式での被処分者としてますます拡大しつつある。新たな、闘う団結がかちとられたのである。
職務命令や事情聴取への対応、処分への法的反撃はもちろん、懲罰研修、業績評価、校内人事や異動(配転)での不利益扱いなど、今後被処分者にかけられてくるであろうあらゆる攻撃に対しても、原告団・被処分者の会が弁護団の協力を得て闘おうとしている。
執行部をのりこえて「私が日教組、私が都高教」として闘った経験と自信は、必ずや執行部を打倒し、闘う都高教を再生する力となっていくに違いない。
全国に広がる不起立闘争
東京の不起立闘争の爆発は、全国の教育労働者の魂を揺さぶる檄(げき)となり、不起立闘争は全国で一挙に拡大した。千葉県高教組を始め闘う県教組が続々と抗議声明を発している。先行した広島両教組の決起と結合し、日教組の階級的再生への展望も大きく切り開いているのである。
第四に、ファシスト石原による都労連解体攻撃との闘い、東京決戦の一大突破口となった。
「テロ対策」の名による戒厳令体制づくりを進め、地方独立法人、民託化を駆使した民営化リストラに突き進む石原都政との闘いは、公務員労働運動をめぐる階級決戦の天王山である。
教育労働者の体を張った渾身(こんしん)の決起は石原都政への最大の告発となった。教育労働者が闘う姿を示したことで、世論の風向きは教員バッシングから完全に逆転したのだ。
教育労働者の闘いがこれほどの社会的反響を生み、国論を二分する議論を生み出したのは、勤評闘争以来のことといってよい。日政連議員への数十万の投票よりも、数百人の労働者の体を張った闘いこそが情勢を切り開くのだ。この階級闘争の真理を復権させたこと自体が、偉大な勝利というべきである。そういうものとして、不起立闘争は、都労連ストライキの復権にむけた号砲でもあるのだ。
都高教7千組合員決起で処分者守れ
闘いの課題は何か。なによりも第一に、被処分者の勇気ある決起に続き、不起立闘争を全都全国におし広げることである。都高教7千組合員の全員が順繰りに不起立闘争を貫徹し続けることこそ、被処分者を守り、処分攻撃を完全に無力化する道である。全国の教育労働者は、東京の決起に続いて不起立闘争を爆発させ、切り開かれた情勢を生かしきって「日の丸・君が代」闘争を再構築しなければならない。開始された蜂起は、トコトン貫徹あるのみである。
第二に、現場の抵抗闘争の持続と拡大のためにも、これを包む全人民的な運動を予防抗告訴訟と処分撤回人事委員会闘争を両輪にまきおこしていくことである。
不起立闘争の爆発で、教育基本法改悪阻止闘争が「日の丸・君が代」闘争と結合したことも決定的である。教育の権力支配との闘いの中でこそ、教育基本法はよみがえる。教育基本法の準憲法としての位置を確定させたのも、ピケットでテスト強行を実力阻止した学テ闘争であり、それを正当行為として争った学テ裁判だった。新実施指針と闘う二つの法廷闘争は、石原・横山の憲法・教育基本法違反を裁く裁判として、教基法闘争そのものであり、改憲阻止の闘いでもある。全都全国の教育労働者、すべての心ある労働者市民に支援を訴え、一大支援運動をつくりだそう。
第三に、被処分者を先頭に、教育労働者は、自衛隊即時撤兵、有事法阻止の反戦闘争の先頭に立とう。
「3人を殺すな! 自衛隊即時撤退、小泉打倒」の闘いは、国益か人命か、侵略か内乱かを鋭く問う闘いとして発展している。「日の丸・君が代」闘争、教基法改悪阻止闘争をこれと結合し、その一翼として発展させていくことである。
国民保護法案では、都道府県・市町村に設置される対策本部に教育長が本部員として入り、対策本部長は教育委員会に措置要求ができるとされている。平時から国防意識の啓発と戦災訓練を行う国民保護協議会にも、自衛隊、警察、消防とともに教育長が入る。まさに、国防教育と軍事教練の復活である。
有事法制を「完成させない、発動させない、従わない」の「3ない運動」を闘う陸・海・空・港湾労組20団体との戦争協力拒否の共闘こそ、戦時下の「日の丸・君が代」闘争の発展の道である。職務命令に不服従を貫いた東京の不起立闘争は、有事立法下の自治体、指定公共機関の労働者の戦争協力の業務命令拒否のストライキ闘争の先駆けでもあるのだ。
昨年12・23教基法改悪反対集会5千人決起に続く3・20十万人決起へのうねりが、戦時下の愛国主義の嵐を吹き払い、卒業式での不起立闘争を鼓舞し、包む役割を果たしたことは疑いない。5・21明治公園に3・20を超える巨万の結集をかちとろう。
国鉄闘争と連帯して闘おう
第四に、国鉄1047名闘争と結合し、階級的労働運動を再生する闘いの先頭に立とう。国鉄分割・民営化攻撃は、改憲への最大の抵抗勢力としての総評・社会党ブロックを解体するための国家権力の総力をあげた労働運動つぶしだった。総評・社会党は無残な解体をとげたが、この攻撃と真っ向から立ち向かった動労千葉のストライキが牽引車となって国鉄1047名闘争を生み出した。この闘いは、連合下で闘う労働組合の結集軸となり、階級的労働運動の再生の水路としての役割を果たしてきた。
他方、「日の丸・君が代」攻撃は、臨教審下の85年指導徹底通知―89年指導義務化をもって激化していったが、日教組本部の屈服と闘争放棄にもかかわらず、1千人を超す処分をのりこえて現場の抵抗闘争が継続されてきた。99年「国旗・国歌法」制定をテコに実施率はほぼ100%に達し、抵抗闘争が制圧されたかにみえた土壇場で、戦時下の「日の丸・君が代」闘争の新たな爆発が始まったのだ。
先行する北九州や広島の不起立処分との闘いと合流し、教育労働者の不起立処分との闘いが、数千の規模の闘いとなって拡大していくことは不可避である。国鉄1047名闘争と不起立処分撤回闘争を両輪に、階級的労働運動の反転攻勢を切り開こう。
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週刊『前進』(2147号2面2)(2004/04/26)
百万人署名運動 撤兵・有事法反対へ450人 新宿駅西口で緊急署名
4月10日午後、東京・中野で「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」主催の「自衛隊をイラクから撤退させよう! STOP!有事法制/『国民保護』法案に反対する4・10集会」が開かれ、450人が集まった。“今こそ、小泉政権を倒そう”と、気迫に満ちた集会となった。
集会冒頭の主催者あいさつで小田原紀雄さんは、「意図的に起こされた戦争を止める責任がある」「3人拘束の全責任は日本政府にある」と語り、「世界の民衆とともに生きる社会を実現したい」と訴えた。
集会企画は盛りだくさんだった。陸・海・空・港湾労組20団体で闘う全国港湾の玉田雅也事務局次長、憲法と人権の日弁連をめざす会の高山俊吉代表が連帯のあいさつ。沖縄からは知花昌一さんが「沖縄戦の教訓と有事法制」を語った。
「政府は労働者を黙らせよう、無関心にさせようとしている。彼らの作戦に、はまっちゃいけない。政治は関係ないという組合員に職場討論でいつも話している」と全国港湾の玉田事務局次長は訴えていたが、なんといっても労働者の闘いが政治を変えていく力だ。
そして有事法制・国民保護法案についての講演が二本。ジャーナリストの松尾高志さん、清水雅彦明治大学講師がそれぞれの視点から具体的に問題点を鋭く提起した。さらに救援連絡センターのスタッフが弾圧との闘いをアピールし、国会闘争から駆けつけた神奈川連絡会、三多摩連絡会が横断幕をもって登壇し、9、10日の闘いを報告した。
今春、石原都政・都教委と真っ正面から対決し、卒業式で「君が代」不起立を闘った2人の都立高校の女性教員が発言した。「教育公務員の信用を損なう行為だと言われたが、教育公務員だからこそやったんです」と確信に満ちて語った。
軍事企業・石川島播磨重工の「ZC(ゼロ・コミュニスト)計画管理名簿」を暴露し、国賠訴訟に勝利した原告団長の渡辺鋼さんの発言は衝撃的だった。インド洋などに派兵された自衛艦の修理に、石川島播磨の労働者が動員されているが、組合は「国防上の重要な業務だ」と全面協力。「戦争協力を繰り返してはならない。職場の人権・自由なくして平和もくらしも守れない」と訴えた。
さらに、「とめよう戦争! 自衛隊家族と元自衛官連絡会」を立ち上げた2人の元自衛官が登場した。「イラクは泥沼化している。派兵隊員に、軍事占領に反対するイラク住民を殺させてはならない」「全派兵軍の撤退を求めます。ぜひ私たちとともに声を上げて下さい」と訴えた。
最後に、百万人署名運動事務局長の西川重則さんが「自衛隊のイラクからの撤兵と、『国民保護』法・米軍支援法の廃案を求める緊急署名」を全力で集めようと提起した。
集会後、ただちに新宿西口での街頭宣伝に向かった。青年たちが敏感に反応し、2時間ほどで1600筆の署名が集まった。今、力の限り闘って小泉を倒そう!
(投稿/山岸いずみ)
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週刊『前進』(2147号2面3)(2004/04/26)
3・29〜4・7
「君が代」処分に抗議相次ぐ
若年男性12%の失業率/日立、50%に裁量労働制
●有給休暇取得率、全業種で50%切る 都内に本社を置く企業の労働者の年次有給休暇取得率が平均で42.5%と、全業種で50%を下回っていることが、厚労省の東京労働局が初めて実施した02年度調査で分かった。(3月29日)
●働く女性、4割以上パート 厚生労働省は「03年版働く女性の実情」(女性労働白書)をまとめた。それによると、女性の非農林業雇用者に占める短時間雇用者の割合は40.7%となり、初めて4割を超えた。(29日)
●労働審判法案が衆議院を通過 司法制度改革関連法案のうち知的財産高等裁判所設置法案と労働審判法案など3法案が衆院本会議で可決、衆院を通過した。(30日)
●2月の完全失業率、15−24歳の男性12.0% 総務省が発表した労働力調査では2月の完全失業率は5.0%で、前月と同率。厚労省が発表した一般職業紹介状況では、2月の有効求人倍率は前月と同水準の0.77倍。(30日)=表参照
●労働安全衛生対策の検討会が発足 厚労省は「第1回今後の労働安全衛生対策の在り方に係る検討会」(座長・櫻井治彦慶応大学名誉教授)を開催。労働安全衛生法の改正も視野に入れる。(30日)
●全日空、基本給を5%削減に労組が合意 全日本空輸は4月から一般社員の基本給を一律5%削減する。2つの労働組合が同意または容認の方針を固めた。(30日)
●都高教「君が代」処分に抗議 都教委の3・30処分に対して東京都高等学校教職員組合は、「不当処分に抗議しその撤回を求める」声明を発表した。(4月1日)
●日立が裁量労働制拡大 日立製作所は裁量労働制を「主任」相当(大卒5―6年目程度)以上の総合職の組合員すべてに拡大する。全体の労働者の50%。(1日)
●トヨタ、工場に派遣社員 トヨタ自動車は4月から国内工場の製造ラインに初めて派遣社員を採用する。改悪労働者派遣法の3月1日施行で製造現場への直接派遣が解禁されたのを機に、派遣会社から約500人を受け入れ。(1日)
●厚生年金基金赤字額が過去最高 厚労省は厚生年金基金の02年度決算結果を発表。1656基金のうち、95%が将来の年金支払いのために必要な資金を確保できず赤字に。赤字額は過去最高の10兆8400億円になった。(2日)
●「君が代」第2次処分に都教組などが抗議声明 都教委の4・5第2次処分に対して東京都教職員組合、東京都障害児学校教職員組合が6日、全教が7日に抗議声明を発表。(6−7日)
●石播、1000人強削減 石川島播磨重工業は05年度までにグループ会社への出向で労働者約8200人を1000人強減らし、約7000人とする方針を明らかにした。(7日)
年齢階級別完全失業者数および完全失業率(04年2月)
|
男
|
女
|
完全失業者
|
完全失業率
|
完全失業者
|
完全失業率
|
(万人)
|
対前年同月増減 |
(万人)
|
対前年同月増減 |
(万人)
|
対前年同月増減 |
(万人)
|
対前年同月増減 |
15〜24歳 |
37
|
0
|
12.0
|
1.0
|
24
|
-4
|
8.0
|
-1.2
|
25〜34歳 |
55
|
4
|
6.1
|
0.5
|
37
|
-4
|
6.0
|
-0.7
|
35〜44歳 |
31
|
2
|
3.9
|
0.2
|
25
|
0
|
4.7
|
-0.1
|
45〜54歳 |
33
|
-3
|
3.9
|
-0.2
|
23
|
2
|
3.7
|
0.4
|
55〜64歳 |
41
|
-8
|
5.7
|
-1.5
|
13
|
-5
|
2.9
|
-1.4
|
65歳以上 |
9
|
-2
|
3.1
|
-0.7
|
3
|
1
|
1.8
|
0.6
|
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週刊『前進』(2147号3面1)(2004/04/26)
国鉄闘争勝利へ4000人 日比谷公会堂 1047名の団結築く
国労・全動労・動労千葉が共闘
4月13日夜、日比谷公会堂で「国鉄労働者1047名の解雇撤回、ILO勧告の完全履行を求める4・13東京大集会」が集会実行委員会の主催で開かれ、会場をあふれる4000人の労働者が集まった。
国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の3者が並び、1047名闘争の勝利を呼びかけたこの集会は、画期的な意義を持つものだ。4000人の労働者が、3労組とともに勝利に向けての熱い思いを共有した。これは、国鉄闘争の再生と新たな発展を告げ知らせる事態である。
3・20イラク反戦国際共同行動の大高揚や「日の丸・君が代」強制への抵抗を貫いた教育労働者の決起は、階級闘争が戦時下において激動的発展期に入ったことを示している。とりわけ、動労千葉の3波にわたる春闘ストライキは、国鉄闘争勝利の展望を鮮明にさせた。この中で、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の3者共闘が実現し、それが多数の労働者を揺り動かしたのだ。
他方、国労東京地本は、阿部力委員長自身が副議長を務める東京地評の集会参加決定を踏みにじり、「(4・13集会は)国鉄労働組合とは一切関係がない」という「事務連絡」を出して敵対をあらわにした。だが、こうした制動を打ち破って多数の国労組合員が結集した。国労本部派の反動とその破産も、明白に突き出されたのである。
国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が登壇すると会場は大きな拍手に包まれた。
3組合が並び決意を表明
国労闘争団を代表して発言した鉄建公団訴訟原告団長の酒井直昭さんは、「平和と人権を守る労働組合の闘いが問われている。国労、全動労、動労千葉が団子になって闘わなければならない。鉄建公団訴訟を起こすべきだと声を上げ、闘争団の中で多数派になる」と決意を述べた。
全動労争議団の梅木則秋さんは「1047名の共闘が大きな力をつくる。今日の集会はその展望を与えた。全動労争議団は勝利を求め闘う」と発言した。
動労千葉争議団の高石正博さんが動労千葉の3波の春闘ストについて報告すると、会場からは歓呼の声が沸いた。高石さんは「こういう闘いを続け、JR東日本を引っぱり出さないと1047名闘争は勝利できない」と闘いの路線を明確にし、「最後まで闘いを貫徹し職場復帰をかちとる」と不屈の決意を表明した。
集会主催者としてあいさつした経済学者の伊藤誠さんが「1047名の闘いが日本の労働運動を左右する。逆風の中だったが、その思いに賛同する人びとが広がって、今日の集会になった」と報告した。
航空労組連絡会の村中哲也副議長が連帯のあいさつをし、「国鉄分割・民営化による大量首切りは国家による犯罪だ。これと闘うために大共同を実現しなければならない。航空連は陸・海・空・港湾労組20団体の一員としてナショナルセンターの違いを越えて共同行動をつくっている。これに匹敵する三つの争議団の共同を願う。三つの争議団の闘いがすべての労働者を激励していることに自信を持ってほしい」と強調した。
東京地評の伊藤潤一副議長は「今日の集会は1047名の解雇撤回闘争の新たなスタート。政府・JRを包囲する闘いを」と訴えた。
国鉄合唱団らが「1047人の絆(きずな)」と題する構成劇を演じた。鉄建公団訴訟代理人の加藤晋介弁護士が鉄建公団訴訟への3争議団の共同の取り組みを訴えた。
呼びかけ人の山口孝・明治大学名誉教授が閉会のあいさつをし、「今日の集会は国労、全動労、動労千葉が中心となり、多くの労組・市民の支援を得て開かれた。主義・主張の違いを越え、闘う輪が広がった。自民党政府は憲法を無視して自衛隊をイラクに派兵し、心ある市民の拘束という事態を招いた。1047名の解雇撤回と自衛隊の撤退、改憲反対、自民党政治打破へ、ともに闘おう」と集会をまとめた。
4000人の参加者を包んだ集会の熱気は、国鉄闘争勝利の新たな出発点を築き上げた。
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週刊『前進』(2147号3面2)(2004/04/26)
“自衛隊は今すぐ撤退を” 陸海空港湾20労組など 有事法阻止へ大デモ
4月9日夜、東京・日比谷野外音楽堂で、陸・海・空・港湾労組20団体、平和を作り出す宗教者ネット、市民緊急行動の3団体が呼びかけた「自衛隊のイラク派遣NO!/STOP!有事法制/守ろう!平和といのち4・9集会」が開催された。イラクで3人の日本人が拘束された翌日という緊迫した中、勤務を終えた労働者が続々集まり、参加者は4000人になった。「3人を見殺しにするな」「自衛隊の即時撤退を」などのメッセージボードやゼッケンが掲げられた。
集会は航空労組連絡会の女性労働者の司会で始まった。開会のあいさつに立った宗教者ネット世話人の武田隆雄さんが「4・9集会緊急アピール」を提起。「イラク国内で3人の日本人が拘束されました。私たちは日本政府に、イラクに駐留する自衛隊員全員をただちに撤退させ、拘束された日本人の救出に全力を尽くすことを要請します。今回の事件の責任は、自衛隊のイラク派遣を強行した日本政府にあります。すべての自衛隊員を即時撤退させることは日本政府の当然の責務です」と訴えると、大きな拍手がわき起こった。
国会から、社民党の福島瑞穂党首、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、民主党の生方幸夫衆院議員が発言。
平和に向けたリレーアピールを5人が行った。日弁連有事法制問題対策本部事務局の海老原信彦さん、全労連の熊谷金道議長に続き、前レバノン駐在大使の天木直人さんが発言した。「戦争が差し迫った時に『小泉首相、あなたは間違っている。ブッシュ大統領に戦争をやめるように説得すべき』と意見を伝えましたが、残念ながら戦争が始まりました。私は昨年8月に外務省を去ることになりましたが、悔いはありません。中東の人たちは『戦争の被害を受けた日本人はわれわれの苦しみをわかってくれる』と期待していたのに、小泉首相はこれをうち砕いた。小泉首相はただちに自衛隊の即時撤退を命令すべきです。もしこのまま自衛隊を駐留させるのであれば、われわれの手で小泉首相を総理の座から引きずり下ろそう」。怒りに満ちた発言に、参加者は大きな拍手でこたえた。
在日韓国民主統一連合のソンセイル事務総長、ふぇみんの設楽ヨシ子共同代表が発言し、平和フォーラムの福山真劫事務局長の連帯メッセージが紹介された。
最後に全国港湾労働組合協議会の鈴木信平事務局長が閉会のあいさつに立ち、「いよいよ有事法制が国会審議に入ります。『有事法制は完成させない、発動も許さない、戦争にも協力しない。様々な困難や違いを克服して、大きく共同してたたかおう』という集会宣言も拍手で承認してください。有事法制を廃案にし、イラクから自衛隊を撤退させるため、地元で職場で頑張ろう。5月21日に明治公園で行う集会は、きょう集まったみなさんがそれぞれ10人に声をかけて成功させよう」と訴えた。「自衛隊は日本に帰れ! アメリカはイラクから手を引け! 有事法制反対!」と力強くシュプレヒコールを上げて、デモに出発した。
銀座デモは、沿道の労働者・市民から大きな注目が集まり、飛び入りで合流する人が続出した。先頭の労組20団体は戦争動員の当事者として「空の軍事利用反対! 人びとの血で海を汚すな! 港の軍事利用反対! 鉄道・トラックの戦争動員反対!」とシュプレヒコールをくり返した。春闘ストを打ちぬいて結集した動労千葉も意気が高い。「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」は、大隊列でデモをけん引した。
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週刊『前進』(2147号3面3)(2004/04/26)
年金改悪絶対阻止へ(中)
高齢者に悪らつな犠牲転嫁 生存権すら奪う給付削減に団結して立ち上がる高齢者
1日200円ではやっていけん
年金制度改悪で直接的に最も深刻な打撃を受けるのは、退役労働者である高齢者である。日帝が現在進めている年金制度改悪は、年金で生活している高齢者に対して「死ね」というに等しい攻撃である。
「介護保険に異議あり、全国ネットワーク」が3月24日に行った厚生労働省交渉では高齢者の怒りの声がたたきつけられた。
「私は2カ月で4万ちょっと。1カ月2万ちょっとや。家賃払ってお米買って、1日200円くらいで過ごさないとやっていけない。どないしてくれる?」「私は東北からでてきて作業員としてずっと働いてきた。今は目が見えない。不況の中、働くこともままならない。生活保護以下の年金以外になんの収入もない」「3万8千円の収入。腰痛がきついけど、なんとか生活するためにヘルパーをやってきた。あちこち体が悪くなり病院もいかなならん。なのに医療費も上がり、1回2千円くらいかかる。その上に介護保険料もアップする。やっていけん」
これが高齢者の現実の生活実態である。こうした高齢者の怒りの声に厚労省は何もこたえられなかった。
社会保険庁の資料によっても国民年金の一人あたりの平均受給月額は5万2291円にすぎず、約46%の人が1カ月4万円以下である。しかも、公的年金受給の高齢者世帯の6割が年金収入だけで暮らしている。膨大な数の高齢者が生活保護以下の収入で暮らしているのである。
政府は、この現実を知っていてなおかつ年金の給付を削減しようとしている。
年金の危機は政府に全責任
そのための口実として使われているのが「少子高齢化論」である。政府・厚労省は、「少子高齢化社会だから年金制度が破産する」という主張で一般的な社会現象だから仕方ないものとして高齢者や労働者人民に犠牲を強制しようとしているのである。だがここには二重三重に悪らつなペテンとデマが使われている。
まず、少子化それ自身が単に一般的傾向としてあるのではなく、政府と資本の労働者人民に犠牲を押しつける政策の結果として起こっているということである。
何よりも日帝(資本)は労働者に低賃金を強制し、女性が結婚しても働かざるをえない状況を強制してきた。女性が就職し働く場合も、配置、昇進・昇格、賃金などさまざまな面で差別処遇を受け、結婚、出産を理由に退職・退職勧奨などの攻撃を受けてきた。しかも賃金水準が低いことによって出産後も女性が働かざるをえない現実がますます強まっているのである。これによって労働者家庭はもっと子どもを持ちたくても持てない状況に追いやられているのである。少子高齢化の一切の責任は、労働者に低賃金を強制している資本と政府にこそあるのだ。
さらに、単純に少子高齢化だから年金財政が危機になっているわけではない。年金財政の危機自身は政府と資本によってつくられてきたものだ。
日本の年金制度は、戦後社会の終身雇用、年功賃金を前提としてつくられてきた。ところが今、資本による賃下げ、首切り、不安定雇用化、年功賃金解体攻撃によってその前提そのものが崩されている。日帝・資本は、戦後社会の在り方を根本からひっくり返そうとしているのである。
労働者を雇っても社会保険に加入しない企業も増大しており、労働者の権利がますます奪われている。保険料を支払う側の現役労働者がどんどん首を切られて年金財政が破綻したとしてもその責任は国と企業にある。
この現実を労働者人民への年金保険料引き上げと年金給付の引き下げに転嫁しようとしているのである。資本と政府は、労働者に雇用破壊と賃金破壊の攻撃を加え、それによって引き起こされた結果を再び社会保障解体の攻撃として、高齢者や労働者人民にかけてきているのである。
政府・厚労省は高齢者への年金給付を削減するために「現役世代の保険料負担が過大」「現役世代の保険料で高齢者世代を支える」などと言って世代間対立をあおっている。だがこれはすでに年金保険を払ってきた高齢者にとってはけっして容認できないものである。何よりも、労働者人民には生きる権利があり、憲法25条は、生存権を保障しており、社会福祉、社会保障は国の責務であることを規定している。これは、世界の労働者人民が幾世代にもわたる闘いによってかちとってきたものであり、けっして譲り渡してはならないものである。
年金財政が危機だから、年金制度を改悪しなければならないのか。まったく違う。国民年金が02年度に17年ぶりに赤字になったと言うが、その額は382億円にすぎない。その一方で01年と02年の年金積立金の運用の含み損は合わせて2兆8000億円にも上っているのだ。これは会計上はまだ損失として計上されていないが、年金財政の危機の最大の原因はここにある。日本経済の恐慌突入の中で資本救済のための株価維持操作に年金積立金が使われているのである。資本救済のために矛盾を労働者人民に転嫁しようとしているのである。
しかも、政府には生存権保障の責務があり、そのためには国家予算を資本救済や戦争・軍事のために使うのではなく、福祉・社会保障のために使うべきなのだ。
冒頭に見たように、多くの高齢者の年金は、生きていくために必要なぎりぎりの最低限を下回るものであり、これ自身が絶対に認められない。高齢者は、年金から介護保険料を有無を言わさず天引きされる。医療費の自己負担も引き上げられた。消費税も5%に値上げされている。一つひとつの負担がずしりとのしかかり、生きていけない状態が強制されている。とりわけ介護保険実施以降、高齢者の自殺や孤独死、無理心中が激増している。この上さらに年金の給付を削減することは、高齢者に死ねと言うに等しい攻撃である。
日帝はイラクへの自衛隊派兵によってけっして引き返すことのない侵略戦争の道に突入した。米英帝と一体となってイラク人民を無差別に虐殺し、イラクの石油を強奪し、中東―世界の支配体制を再編する帝国主義間争闘戦に打って出ている。これと同じ政治、同じ攻撃が国内の高齢者を含めた労働者階級人民にかけられているのである。黙っていたら殺されるのだ。
階級的団結こそ勝利の力だ
こうした攻撃に対して、高齢者は今、怒りに燃えて闘いに立ち上がっている。「介護保険に異議あり、全国ネットワーク」は、高齢者から介護を奪う介護保険制度に反対して高齢者自身が主体として闘う運動としてつくられ発展してきた。
3月24日の厚労省交渉では、全国九つの地域から高齢者が参加し、厚労省を徹底的に追いつめた。参加者は、「みんなといることが今の幸せ。他人のためは自分のため。結束が必要や。会うことがいかにすばらしいか、身をもって感じる。団結を強めて闘いましょう」と語っている。団結して闘うことで希望と勇気をつくりだし、大きな力を生み出している。高齢者が労働者階級の階級的団結の一翼を担うものとして決起しているのだ。
こうした闘いで東大阪では昨年、介護保険の保険料減免制度の実現という大きな成果を実現している。この闘いは、本当に高齢者や労働者が団結し一体となって闘えば、政府・厚労省を追いつめられることを示している。高齢者や労働者人民の生きる権利をかけて、年金改悪阻止へ全力で闘いぬこう。高齢者や労働者を犠牲にすることによってしか生きられない帝国主義を打倒しよう。
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週刊『前進』(2147号3面4)(2004/04/26)
深夜勤で労働者が殺された! 当局とグルになった全逓中央を打ち倒せ
深夜勤の連続で心臓発作
2月8日から郵政の各局で「深夜勤」が導入された。その結果、東京中央郵便局で3月3日、現職の労働者Hさんが死亡した。
当局はいつも行う訃報(ふほう)を他局には一切公表せず、事態の深刻さを隠すために奔走した。当該局では、さすがにそれもできず、周知で流した。だが、訃報の周知簿にはその記録は一切残されていない。当局は、訃報周知簿から抹殺することで、深夜勤の導入がこの事態を引き起こしたことを自ら証明して見せたのである。
Hさんは、連続2回の深夜勤を2度行い、3度目の深夜勤の直前に心臓発作を起こし帰らぬ人となった。深夜勤務をつらそうにしているのを見ていた家族が心配し、「大丈夫か」と話していた矢先だった。
Hさんは、4年前に出勤のため駅に行こうとして狭心症の発作を起こした。その時は比較的軽かったため、近くの病院でニトログリセリンの張り薬を処方してもらい、それを胸に張って仕事をしていた。時々、局でも発作を起こしたが、「これをつけると治るんだ」と言いながら、持ち前のガッツで耐えていた。
誰にでもはっきりとものを言う彼は、同僚や後輩からは信頼され慕われ、当局には煙たがられた。そのために局内各課を5回もたらい回しにされた。当局は、彼の通勤時間が2時間以上もかかることを百も承知の上で、夜勤勤務がほとんどを占める現在の課に配転させたのだ。通勤事情のため夜勤勤務ができない彼は、日勤勤務に勤務変更する替わりに泊まり勤務(新夜勤)をやっていたのだ。
「新夜勤」は、1回の勤務で2日分の夜勤(真ん中に2時間半の解放時間をはさみ16時〜翌朝8時半の16時間以上の拘束)で、これもつらいものだった。だが「深夜勤」は、19時半から翌朝6時半まで(局によって時間帯は変わる)の拘束11時間で解放時間はない。しかも、深夜勤の明けた日のその夜にまた出勤する連続深夜勤は、健康な人でも「眠れない」「夜と昼が逆転して体調がおかしい」と訴えるほどの殺人的な勤務だ。
東京の各局は遠距離通勤の労働者がほとんどで、片道1時間半は普通で、2時間以上の人が、かなりの人数いる。東京中郵は深夜勤連続2回だが、一般局では3回、4回の連続深夜勤がやられている。そのつらさは言葉では言い表せない。
それだけではない。JPS方式(トヨタ方式の郵政版)が定着していくところから連続5回にすると言っているのだ。もはや、次の犠牲者がいつ出てもおかしくない状態である。
“闘う全逓”の復活は急務だ
その責任は当局とグルになった全逓本部にある。60歳の定年まで、生きて勤められるかという疑問がたえず頭のなかをよぎる。このような勤務を導入した当局は絶対に許せない。同時に、第57回全国大会で深夜勤交渉の妥結について「本部一任」を強行し、公社に全面協力した全逓中央本部に対する組合員の怒りは耐え難いまでになっている。
03年郵政公社への移行に伴い、全逓本部は生田総裁のアクションプランに完全に賛成した。それは、1万7000人を削減し、1147億円の人件費と2144億円の物件費を削減するというものだ。そこでは、非常勤職員の賃金を人件費と呼ばず物件費と呼ぶ。
さらに団体交渉を「事後対処方式」にすることで、事前に組合と交渉しないで施策を強行するフリーハンドを与えてしまっている。
とりわけ、非常勤職員に対する締め付けが強まっている。非常勤職員の比率が本務者を上回る中で、深夜勤導入と同時に、日勤(8時30分〜17時30分)、中勤(11時〜20時)の非常勤職員を夜勤(17時〜22時の5時間)に移行させた。これまで17時〜21時に夜間手当として1時間あたり100分の20の割り増し賃金が支払われていたが、2月の第119回中央委員会で、その全廃に同意してしまった。これによって、17時〜22時の勤務では非常勤1人あたり月に約1万7000円の減収になった。そして、この給与体系の変更を所属長が非常勤を呼び出して「いやなら辞めてもかまわないのだが」と前置きして説明している。
職場は、やり場のない怒りであふれている。これまで組合員をだまし続けてきた本部は、今や組合員にまったく信頼されていない。いよいよ真に闘う者だけが生活と労働条件を守れる時代が来た。6月の旭川全国大会を全逓の復活の日にしなければならない。4・28被免職者と連帯し、4・28反処分闘争を闘おう。5・21明治公園に3・20日比谷を上回る全逓労働者の総決起を実現しよう。
(東京・全逓労働者/雨宮幸夫)
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週刊『前進』(2147号4面1)(2004/04/26)
自衛隊が武装米兵輸送で加担 ファルージャ大虐殺許すな
全人民反占領闘争が爆発
この4月、イラク情勢が今一段の大激動に突入した。イラク人民は全土で反占領の闘いに蜂起し、全人民的な武装闘争を開始している。これに対して、米帝は6月末「主権移譲」=かいらい政権デッチあげが破産する危機に追いつめられ、絶望的に凶暴化している。米帝はイラク中部の都市・ファルージャで住民皆殺しの大虐殺を強行している。4月8日の日本人3人の拘束と自衛隊撤退要求は、この中で起こったイラク人民のやむにやまれぬ必死の反撃である。日本人民に闘いを呼びかけて不屈の民族解放・革命戦争に決起するイラク人民と連帯し、4〜5月決戦で日帝・小泉政権を打倒し、イラクからの自衛隊撤兵をかちとろう。
住民800人以上を大虐殺
ファルージャはバグダッドの西約50`にある、スンニ派住民が多く住む人口20数万人の都市だ。米軍は道路を封鎖して街を完全に包囲し、4月5日に海兵隊約2千人を突入させた。これに対し、ファルージャ住民は一歩も引かない武装闘争に決起し米軍を撃退した。
追いつめられた米軍は、戦闘ヘリや戦闘爆撃機で住宅地を爆撃し、女性や子どもを含めて無差別に虐殺している。7日にはモスクを爆撃し約40人を虐殺した。米軍はクラスター爆弾など国際条約で禁止されている残虐兵器を使っている。
わずか10日間で、すでに800人以上の住民が虐殺され、数千人が負傷した。米軍は負傷者の救命を許さないために病院や救急車を爆撃している。住民は負傷者を市外に運んで助けようとしているが、米軍は追い返している。住民は死者を郊外の墓地に埋葬できず、サッカー場を掘って埋葬している。イラク人民は「ファルージャの悲劇を救え」と、薬や食料、献血をファルージャに送る運動を展開している。米軍はこうした支援物資が運び込まれることさえ阻止している。
このファルージャ大虐殺を許せるか。自衛隊は武装米兵と米軍物資を輸送し、こうしたイラク人民の大虐殺に加担しているのだ。日帝・小泉はイラク人民の虐殺者なのだ。
イラク全土で民族解放闘争
米軍は、ファルージャで4人の米民間人が3月31日にせん滅されたことへの報復としてこの作戦を開始した。4人は「民間人」とは名ばかりの元米陸軍特殊部隊隊員で、米政府が進めている“軍事アウトソーシング”のもとで軍事作戦を担っていた雇い兵である。米軍は現在イラクに13万5千人を展開させているが、兵站(へいたん)活動や警備などは民間企業にやらせているのだ。
米帝の侵略戦争に怒る住民らは侵略者を攻撃し、遺体を焼き、橋につるした。この事件は「イラク解放」の大ウソを暴き、イラク人民が抱く米帝に対する憎しみと怒りの深さをアメリカ社会に突きつけた。米帝はイラク人民の怒りと正義の闘いに追いつめられ、ファルージャ住民を無差別虐殺し、見せしめにしようとしているのだ。
こうした懲罰的な住民大虐殺に、イラク全土で人民の怒りと闘いが爆発している。CPA(米占領軍当局)がシーア派のムクタダ・サドル師の側近を逮捕し、サドル師系の週刊紙を発行禁止にしたこともあって、武装闘争がイラク全土に拡大している。ファルージャに隣接するラマディでは「ファルージャを守れ」との呼びかけで、6日米海兵隊員12人のせん滅戦闘が闘われた。CPAが作ったイラク軍はファルージャ作戦の命令を拒否した。追いつめられた米帝は態勢を立て直すために停戦を呼びかけ、退去の意志がある女性や子どもをファルージャから出したうえで、残った住民を皆殺しにしようとしている。米軍は停戦後も空爆と虐殺をくり返している。
昨年4・28が闘いの始まり
そもそも米帝は3・31事件以前から、ファルージャでの大規模作戦を準備していた。殺された4人もそのために暗躍していたのだ。
米軍は昨年、フセイン政権打倒の戦闘の最中、ファルージャにある中学校の敷地を占拠していた。だがフセイン政権打倒後の4月末になると住民が中学校での授業の再開を求めて米軍の退去を要請した。この退去要請は最初は平和的に行われた。だが、4月28日に住民デモに米軍が発砲し15人を虐殺したことで情勢は一変した。この事件への抗議デモに再び米軍が発砲し2人を虐殺したことで、住民は米軍への武装闘争に立ち上がった。その後ファルージャはイラク人民の民族解放闘争が最も激しく闘われている、解放闘争のシンボルの町となった。ファルージャの住民は激しい闘いで、米軍を市街地からの撤退に追い込んだ。その後、解放勢力は警察施設などを攻撃し、拘束されていた人びとを解放するほどの力を持つようになった。
米帝は6月末のかいらい政権デッチあげを前に、このファルージャを制圧しなければ同地域が民族解放・革命戦争の拠点となりかねないことに危機感を募らせて、3・31事件を作戦決行の口実にしたのだ。
よく「ファルージャは旧フセイン政権を支えてきたスンニ派住民が多いから、特に米軍支配に抵抗しているのだ」と説明される。だが、ファルージャで反米闘争が激化したのは、4・28事件以降のことだ。ファルージャで起きている事態は例外的なことではない。
米帝は昨年5月の「戦闘終結宣言」以降も、侵略戦争を拡大し、過酷な民族抑圧を加える軍事占領を行ってきた。米軍は夜間民家に押し入って家宅捜索を行い、具体的な容疑もなく住民を拘束・拉致して拷問や虐殺をくり返してきた。国際的な人権団体は1万5千人の民間人が不法に拘束されていると告発している。これこそ言語道断の国家テロだ。その中で、フセイン政権の打倒を喜んだ人びとも含め、今ではすべてのイラク人民が米帝の軍事占領に反対しているのだ。
米帝がファルージャ大虐殺とシーア派弾圧に踏み切ったことで、イラク情勢は大激動に突入した。武装闘争はイラク全土に拡大し、スンニ派とシーア派の住民の連帯が生まれている。サマワでも陸上自衛隊に対する砲撃や投石、撤退要求デモがたたきつけられている。イラク人民の民族解放・革命戦争は蜂起戦的な段階に突入したのだ。問われているのは、参戦帝国主義国のもとにいる労働者人民、学生の闘いだ。
日帝・小泉政権を打倒しよう
小泉は有無を言わせず撤兵を拒否し、福田官房長官は「自衛隊は人道復興支援を行っているから、撤退する理由がない」と冷酷に言い放った。3人を見殺しにし、なぜ撤退しないのか。それはイラク派兵が日帝の死活的な侵略戦争参戦だからだ。日帝・小泉政権は、イラク参戦を継続するためには日本人民など死んでも構わないという態度をとっている。小泉政権はイラク人民を“テロリスト”呼ばわりし、“自衛隊は拘束された3人と同じ支援活動をしている”と強弁することで、3人の解放を妨害さえしてきた。イラク人民大虐殺に加担し、日本人民を見殺しにする小泉政権をどうして許せるか。
米英日帝はファルージャ大虐殺と軍事占領をやめろ。自衛隊は即時撤退せよ。有事関連法案阻止と自衛隊撤退の4〜5月闘争の爆発で、日帝・小泉政権を打倒しよう。
ファルージャ大虐殺への経過
2003年
3月20日 イラク侵略戦争が開戦
4月9日 フセイン政権が崩壊
4月28日 米軍がデモに発砲し15人虐殺*
4月30日 米軍が再び発砲し2人虐殺*
5月1日 ブッシュが戦闘終結を宣言
7月11日 米軍が市街地から撤退*
12月9日 イラク派兵基本計画を閣議決定
2004年
2月14日 解放勢力が警察署などを大規模攻撃*
3月31日 米「民間人」4人と米兵5人をせん滅*
4月5日 米軍が掃討作戦を開始*
4月7日 米軍がモスクを空爆*
4月8日 日本人3人の拘束報道
(*はファルージャでの出来事)
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週刊『前進』(2147号4面2)(2004/04/26)
中国・四国 各地で“小泉倒せ” 自衛隊撤兵求め緊急行動
4月8日のイラクでの日本人拘束事件は、被爆地広島を始め中国・四国各地を衝撃的に駆け抜け、「自衛隊は即時撤退を!」「撤兵拒否する小泉を倒そう!」の声が一斉に上がった。
4月11日、広島大生らが組織する「自衛隊派兵を絶対止めよう実行委員会」が呼びかけて緊急行動が行われた。午後1時、原爆ドーム前に高校生、大学生、労働者が続々と集まった。
集会では、昨年11月にイラクを訪問した広島大学の中島敦史さん、セイブザイラクチルドレン広島の大江厚子さんがアピールした。2人は高遠菜穂子さんとともに活動していた。中島さんは「すべての責任は小泉首相にある。イラク人民の呼びかけにこたえ、自衛隊の撤退を実現しよう」と訴えた。大江さんは「小泉首相の言う人道復興支援はまったくウソ。支援のお金は日本製パトカー購入などのため」と暴いた。
イラク写真展に取り組んだ高校生や自作の新聞を作って参加した高校生、広島大学の新入生らが次々アピール。教育労働者や医療労働者も、自衛隊の即時撤退、有事法制による北朝鮮侵略戦争反対、労働者の戦争動員反対を訴えた。
午後2時から反戦ウオーク。原爆ドーム前を出発し、本通りにさしかかると多くの市民が拍手でこたえた。自衛隊の撤退を求める署名活動をしていた大学生が飛び入りで参加し、一緒に最後までデモ行進した。
岡山や愛媛などでも、9日〜11日、一斉に街頭宣伝などが行われた。
九州 春日、小倉、佐世保各基地に緊急申し入れ
4月10日、反戦共同行動福岡とアメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会は、陸上自衛隊春日駐屯地に緊急申し入れ行動を行い、基地司令に申入書を手渡し、自衛隊員に訴えた。
まず「イラクの人びとを殺してはなりません。出兵命令を拒否し、私たちとともに小泉政権を打ち倒そう」呼びかけた。そして「サラヤ・アル・ムジャヒディンは声明の中で私たちを『日本の友人』と呼び、自衛隊の撤退を要求しています。帝国主義の侵略戦争をやめさせ、日本人民との友好関係を築こうという訴えです。イラク人民虐殺に加担してはなりません。帝国主義のために死んではなりません。出兵命令を断固として拒否すべきです。イラクの人びと、日本の民衆、皆さんを苦しめている元凶は日本帝国主義・小泉政権です。3人の命、自衛隊員の命を守り、イラクの人びとと真の友好を築く道は、自衛隊の即時の撤退以外ありません」と訴えた。
10日には、北九州労組交流センターも北九州市小倉南区の陸上自衛隊第40普通科連隊(小倉駐屯地)に申し入れを行った。
翌11日は、百万人署名運動・長崎県連絡会が佐世保市平瀬の海上自衛隊佐世保地方総監部に申入書を手渡し、緊急署名255人分を提示した。
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週刊『前進』(2147号4面3)(2004/04/26)
学生運動の最前線から 新入生諸君、ともに闘おう(2)
法政大学 イラク人民の蜂起に応え 小泉打倒・自衛隊撤兵を
3人の日本人青年を拘束したイラクのイスラム武装勢力、サラヤ・ムジャヒディンは、アメリカ帝国主義によるイラク侵略戦争の残虐さを激しく告発し、自衛隊の即時撤兵のために日本帝国主義・小泉政権と闘うことを日本の労働者人民に求めている。イラク人民の血叫びにこたえ、自衛隊即時撤兵と小泉政権打倒の闘いに総決起しよう。3人の解放の道はこの闘いの爆発の中にある。
日帝を徹底弾劾
サラヤ・ムジャヒディンは声明で日帝を弾劾している。「われわれイスラムのイラク人民は、あなた方に友情や愛情を抱いてきたが、あなた方は残念ながらこれを裏切った。米軍を支援し、武器と兵士を提供した。米軍は、われわれの国土に侵入し、聖なる場所に突入し、われわれの血を流し、われわれの子どもを殺した」(4月8日)「米国は、広島や長崎に原子爆弾を落とし、多くの人を殺害したように、ファルージャでも多くのイラク国民を殺し、破壊の限りを尽くした。ファルージャでは、米国は禁止された兵器を用いている」(4月10日)
日本人拘束事件の直接の原因は、米軍が海兵隊約2千人を投入し、ファルージャ全体を包囲・封鎖して行った大虐殺戦争だ。これに対するイラク人民の必死の抵抗闘争の中でこの事件が起こった。
米軍は4月5日から戦闘機や武装ヘリなどで民家やモスクを爆撃し、クラスター爆弾まで使って大虐殺を行っている。1週間でイラク人民を600人以上殺し、数千人負傷させた。病院は負傷した女性や子どもであふれている。ベッドが足りず、床に横たえられている。
米軍がイラクで行っていることは、イスラエルが一昨年ジェニンでパレスチナ人民に対してやった民族抹殺の大虐殺と同じだ。絶対に許せない。震えるような怒りでいっぱいだ。米軍は虐殺戦争をやめろ! イラクから直ちに出て行け!
イラク人民は、米英などの占領軍に対して命がけの民族解放・革命戦争に蜂起している。ムクタダ・サドル師は「米軍が撤退しなければ革命に直面するだろう」「敵を震え上がらせよ」と檄(げき)を飛ばしている。米英占領軍が創設した新イラク軍(イラク人で構成されている)は、ファルージャで米海兵隊を支援して同胞のイラク人民と戦うことを拒否している。
日本人が拘束されたのは、小泉政権が米帝のイラク侵略戦争を支持・加担し、自衛隊を派兵しているからだ。自衛隊はC130輸送機で武装米兵を輸送している。陸自の給水活動は米英の軍事占領を支えるための人民慰撫(いぶ)政策であり、カムフラージュである。小泉が「日本は人道復興支援をしている」といくら言おうが、イラク人民はそのウソを百パーセント暴いている。
サラヤ・ムジャヒディンは声明で、日本の労働者人民に友情や愛情を抱いていたが裏切られたと厳しく糾弾している。そして「われわれは、親愛なる日本の民衆に対して、日本政府に圧力をかけ、米国の占領に協力して違法な駐留を続ける自衛隊をイラクから撤退させるよう求める」と、日本人民に決起を呼びかけている。これにこたえて小泉政権と対決し、自衛隊のイラク撤兵を実現しよう。
日本人拘束事件で、小泉政権が帝国主義ブルジョアジーのための政権であることが完全に明らかになった。小泉は「自衛隊を撤退する理由がない」と自衛隊撤退要求を即座に拒否した。つまり、小泉は“3人の命よりもイラク侵略派兵という国策の方が重要だ。国家のために犠牲になるのは当然だ”と言っているのだ。これこそ戦時下の論理だ。小泉の主張を認めた時、労働者人民が侵略戦争に総動員された歴史が繰り返される。究極的には特攻隊に行き着く。
労働者人民の命を守らず、見殺しにする一方で、帝国主義ブルジョアジーの利益だけを守ろうとする小泉政権を打倒しよう。
4月13日、有事関連7法案の審議が衆議院で始まった。有事関連7法案は、北朝鮮侵略戦争のための法案だ。「国民保護」と称して国家が労働者人民を管理・統制し、北朝鮮侵略戦争に動員する。とりわけ重大なのは米軍支援法案とACSA(日米兵站支援物品役務相互提供協定)改定だ。米帝がアフガニスタンやイラクで始めた侵略戦争―世界戦争に日本帝国主義が兵站(へいたん)支援などで参戦することを可能にする。全世界での日米共同作戦への踏み切りであり、自衛隊の侵略派兵の恒常化だ。絶対に粉砕しよう。
世界を変えよう
小泉政権は、国立大学の独立行政法人化を突破口に、私立大学も含めたすべての大学を国家や資本のための大学にしようとしている。法大当局も「開かれた法政21」と称して、法大を資本や国家の利益に開かれた大学にしようとしている。法大当局は、学内の自治団体の非公認化や学生会館のサークル活動規制など学生管理強化の攻撃を行っている。
だが、法大生は学生会館の夜間使用禁止に対して、4回の当局追及行動を毎回200人の結集で闘ってきた。学生の団結した力こそ当局の攻撃を跳ね返す力だ。また、3月20日に日比谷公園で全国学生300人集会を行い、反戦闘争と大学闘争を一体的に爆発させる突破口を切り開いた。全国学生の団結をさらに強め、発展させていこう。
マルクスは「フォイェルバッハ・テーゼ」で「哲学者たちは世界をさまざまに解釈してきたにすぎない。だが大切なのは、世界を変革することである」と言っている。イラクと日本の現実は、世界を変革することが一刻の猶予もならない事態に突入していることを示している。全世界の労働者階級と被抑圧民族人民と連帯して世界を変革する大事業に立ち上がろう。5・21明治公園に全国から総結集し、3・20を超える10万人大集会で小泉政権を打倒しよう!
(マルクス主義学生同盟中核派法政大学支部)
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週刊『前進』(2147号4面4)(2004/04/26)
北富士忍草母の会 イラク演習許さない 模擬サマワ宿営に抗議
3月末の新聞報道によると、自衛隊は北富士演習場・梨ケ原廠舎内にイラクのサマワにある自衛隊宿営地の模擬施設を設置し、襲撃を受けた場合に反撃するシミュレーション訓練などを行う。近く着工する予定で、16fの広さもち、建設に約2カ月かかる。北富士演習場には国内唯一、光線銃や発光器などを使って仮装戦ができる「FTC」設備があり、これと一体的に使用するという。この攻撃に対して北富士忍草母の会は怒りに燃えて決起した。
4月9日、忍草母の会の天野美恵事務局長、大森ふじえさん、天野正子さんの3人は、忍草国有入会地守る会天野豊徳会長の山本栄彦山梨県知事への申入書を携え、県庁を訪れた。申入書は、山梨県知事がサマワ宿営模擬施設の建設撤回を防衛庁に申し入れることを求めており、入会地無断使用を弾劾し、自衛隊イラク撤兵を強く訴えている。
忍草母の会は、応対に出てきた北富士演習場対策課小林喜和主幹に申入書を手渡し、「梨ケ原には忍草農民の入会権がある。勝手に掘り返したりしては困る。戦争の訓練に使うことはもってのほかだ」と追及した。
北富士演習場は忍草農民の命の入会山だ。忍草母の会は「入会地を返せ」「富士を朝鮮・中東につなぐな」の故天野重知組合長、故渡辺喜美江母の会会長の教えを引き継ぎ、不屈に闘いぬいている。この母の会と連帯して闘おう。
サマワ宿営模擬施設建設は、北富士演習場をイラクに直結させ、出撃基地にする攻撃だ。イラク人民は米軍支配に決死の抵抗闘争を展開している。これを「テロ」と称して軍事制圧する訓練を自衛隊が北富士で行い、イラクへ行くことをどうして許せるだろうか。
3・20国際反戦闘争を引き継ぎ、イラク撤兵・有事法案粉砕へ闘いぬこう。北富士闘争に勝利しよう。
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週刊『前進』(2147号4面5)(2004/04/26)
4月7日〜13日
ブッシュがイラク増派方針
小泉の靖国参拝に違憲判決
●靖国参拝に違憲判決 小泉首相の就任後初めての靖国神社参拝が政教分離を定めた憲法に反するかどうかについて争われた訴訟の判決で、福岡地裁は「参拝は公的なもので、憲法で禁止された宗教的活動にあたる」と述べ、違憲と断じた。(7日)
●米海兵隊員12人死亡 バグダッド西方のラマディで6日、米海兵隊員12人がイラクの武装勢力との交戦で死亡した、と米CNNテレビが報じた。地上戦による米軍の1日の死者数としては、5月の大規模戦闘終結宣言以降、最大規模となった。(7日)
●米、モスク空爆40人死亡 米軍が掃討作戦を続けるバグダッド西方のファルージャで、モスク(イスラム礼拝所)施設が米軍によって空爆され、敷地内にいた約40人が死亡した。(7日)
●陸自宿営地狙い砲弾 イラク南部サマワで活動している陸上自衛隊の宿営地近くに、迫撃砲によるとみられる砲弾が3発撃たれた。イラクに派兵された自衛隊に対する攻撃は初めて。(7日)
●駐留米軍、任期延長も ラムズフェルド米国防長官は、イラクの駐留米軍の増派問題について、交代時期にある部隊の任期延長で対応できるとの考えを示した。(7日)
●沖縄県が辺野古調査に同意 沖縄県は米軍普天間飛行場移設予定地の名護市辺野古沖でのボーリング調査実施に向け、公共用財産使用協議書への同意を求めていた那覇防衛施設局に対し、周辺海域に生息するジュゴンや環境への配慮を求める意見をつけ、同意する回答をした。これで調査に必要な手続きが終了、施設局は近く、63カ所でボーリング調査に着手する。(7日)
●空自が米兵輸送 クウェートを拠点にイラクへ展開している航空自衛隊が、兵器を携行する米兵を輸送していたことがわかった。(8日)
●イラクで日本人3人誘拐 バグダッドに向かっていた3人の日本人が「サラヤ・ムジャヒディン」と名乗るイスラム武装勢力に誘拐された。サラヤ・ムジャヒディンは、自衛隊がイラクから撤退するよう要求。撤退しない場合には3人を殺害すると声明した。小泉政権は自衛隊撤退を拒否した。10日、第2の声明で24時間以内に3人を解放すると通告したが、その後事態は膠着(こうちゃく)した(8日)
●米兵から劣化ウラン イラク南部のサマワに米憲兵隊員として駐留して帰国した9人が体調不良を訴え、4人の尿から劣化ウラン(DU)が検出されていたことがわかった。来日した元米陸軍軍医のアサフ・ドラコビッチ博士が報告した。(12日)
●空自第2陣が出発 イラクで物資輸送にあたる航空自衛隊の派兵隊員第2陣25人が空自小牧基地(愛知県小牧市)からクウェートに向け出発した。(12日)
●2個旅団の増派を要請 米中央軍のアビゼイド司令官がイラク現地からのビデオ会見で「機動力を持つ強い戦闘能力が必要だ。おそらく2個旅団規模の戦闘力を意味する」と述べ、増派を要請したことを明らかにした。(12日)
●有事7法案の審議開始 国民保護法案など有事関連7法案と関連する3条約の締結承認案の趣旨説明と質疑が衆院本会議で行われ、一括して審議入りした。井上有事法制担当相は武力攻撃予測事態での米軍への弾薬提供について「問題ない」などと答弁。(13日)
●ブッシュがイラク追加派兵の方針 ブッシュ米大統領がホワイトハウスで記者会見し、イラクに米軍を増派する方針を示した。6月末の主権移譲は延期せず、予定どおり実施するとの考えも強調した。一方で、イラク情勢について「内戦ではない。民衆の蜂起ではない」などと述べた。(13日)
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週刊『前進』(2147号5面1)(2004/04/26)
4〜5月入管闘争アピール 入管法改悪を阻止しよう
階級的労働運動の大前進と在日人民との歴史的合流へ
平山 宏昌
3・20国際反戦共同行動は全世界で大高揚した。内外情勢、内外階級情勢は劇的な転換を遂げている。国際的に革命的情勢がいよいよ成熟してきている。イラク人民の根源的な反占領闘争、民族解放闘争と連帯し、5・21を頂点とする4〜6月の労働者階級の総決起で、有事7法案と3条約・協定案を絶対に粉砕しよう。参議院先議の入管法改悪案は4月7日に審議入りした。有事法案と一体のものとして進められている入管法改悪を阻止しよう。在日朝鮮人・中国人、滞日
外国人労働者と連帯し、4〜5月入管闘争を闘おう。
「在留資格取り消し」と「出国命令」を新設
今次の入管法(出入国管理及び難民認定法)の改悪は、日帝が米帝と共同・競合しつつイラク侵略戦争へと踏み切った中での攻撃である。
3・20の全世界と日本での1000万人の反戦決起、イラク人民の極限的蜂起的決起に体制的危機を深めている日帝は、アジア人民、ムスリム人民を始め在日・滞日外国人労働者の民族解放闘争に恐怖し、その入国を阻止し、排除するために入管法を全面的に改悪しようとしている。これは排外主義の大合唱と一体となった大攻撃だ。
イラク侵略戦争発動に対応した国民保護法案を始めとする有事7法案とACSA改定案など3条約協定案の攻撃、共謀罪新設などの治安攻撃、対北朝鮮制裁法である外為法改悪、特定船舶入港規制法案とも一体の戦時下の攻撃である。
入管体制のイラク参戦下での体制転換的大攻撃である今次入管法改悪を、有事法案を始めとする戦争法案とともに粉砕しよう。
法案は、新設項目が大小33カ所もあり、それに付随して改定するところが100カ所以上あり、また新たに改定したものもあり、全面的な改定である。そのほとんどが退去強制のための入管体制の再編であり、入管法の本質である治安対策・民族抑圧を徹底して押し出したものである。
難民認定部分についても恐るべき改悪が行われようとしている。ここには難民入国拒否の基本が貫かれ、難民追放政策が貫かれている。そして、そのために超のつく重罰を導入しているのである。
日帝は、90年代をつうじて年間の入国者数が500万人に上り、外国人登録者数が180万人を超え、最大時では約30万人が「不法残留」とされる外国人労働者の存在に圧倒され、年間で4〜5万人もの退去強制を乱発してきたのだ。
入管法は成立以来数次にわたって改悪されてきた。しかし、今次の改定は、これまでとはまったく違うレベルの一大改悪である。
罰金300万円再入国禁止10年
具体的に見てみよう。新設された条項で最も大きなことは「在留資格の取り消し」と「出国命令」であり、その重罰攻撃である。
「在留資格の取り消し」では、これまでの調査は在留資格の更新時に限られていたが、在留期間中に入管審査官がいつでも自由に資格審査=生活実態調査を行えるようになっている。日常生活のすみずみまで侵入して監視し管理して、わずかな「違反」を見つけ出して在留資格を取り消し、追放=退去強制しようとするものだ。
入管法の「第4章 在留及び出国」の第1節は、これまでは「在留、在留資格の変更及び在留資格の更新」であったが、今回、「在留、在留資格の変更及び取り消し等」と重大な変更がされている。
そもそも「在留資格の取り消し」は、これまでできなかったことなのである。入国審査や在留資格更新時に、厳しい非人間的、民族抑圧的調査を行い、入管自らが許可した在留資格を自ら否定することになるからである。
ここであえて在留資格を取り消すことができるようにすることは、退去強制攻撃を全面的に激化させることを意味する。それは、「退去強制」条項が3項新たに設けられていること、そして「出国命令」が新設されたことに明らかだ。「出国命令」は実際には退去強制と同じことである。「退去強制令書」に代えて「出国命令」を出し、収容所に収容しないで行う強制送還攻撃である。
現在でも、いわゆる「自主出国」は行われており、オーバーステイの人が入管に出頭し出国まで収容所に入れられている。収容所の収容能力に限界があるために、体よく追放する制度として「出国命令」を新設するもので、「退去強制ではない」とうそぶいている。
そのために「出国命令」違反者に重罰を科そうとしている。第70条に、「在留資格の取り消しを受けたもの」や「出国命令を受けたものには」という項を四つ新設している。改定前は「3年以下の懲役または禁固もしくは30万円の罰金、及びその併科」であったのを「3年以下の懲役または禁固もしくは300万円の罰金、及びその併科」にしているのである。さらには、再入国に関して最長で10年の禁止を設けていることである。
「違反者」には300万円の罰金と懲役、そして再入国が10年間不可能となる制度を新設したのだ。退去強制攻撃を全面的に強化し、入管法の中心的柱にし、外国人労働者の存在と闘いをがんじがらめに縛りつけ、いつでも好きな時に強制送還できる体制をつくり出そうとしているのだ。
さらに重罰攻撃としては、いわゆる「資格外活動」に対して、これまで「1年以下の懲役または禁固もしくは20万円以下の罰金、及び併科」だったものを「200万円以下」としたことである。また「不法就労活動」についても「3年以下の懲役、禁固と200万円以下の罰金、及び併科」を「300万円以下」と改定している。低賃金・強労働と民族差別・抑圧の上に重罰を科し、すべてを奪い尽くしてしまおうとしているのだ。
「仮滞在許可」に指紋押捺を復活
難民認定部分の改定も重大な変更が行われている。上陸して6カ月未満の難民認定申請者に「仮滞在許可」を発行し、難民認定者には「定住者」の在留資格を付与するとしている。その内実は、難民申請の審査はこれまでどおり入管審査官が行うのであり、認定基準の変更はない。難民の受け入れは拒否しているのだ。ちなみに03年、336人の難民申請に対して難民認定はわずか10人だ。
「在留資格に係る許可」がそれである。これは全文新設であり、冒頭に「定住者の在留資格を許可する」としているが、それ以下には許可しない場合を列挙している。また「仮滞在許可」(新設)があるが、ここにも許可しない項目を列挙。両方とも条件があまりに厳しく、許可しても「違反」すれば退去強制なのである。「退去強制手続きとの関係」「難民認定を受けたものの在留資格の取り消し」も新設され、文字どおり難民排除を貫いているのである。また、昨年の改定案で批判された「第三国経由でないもの」は今回は「害されるおそれのあった領域から直接本邦に入ったものでないとき」に変えられているが、同じことだ。難民と認定しない、と言っているのである。
さらに重大なことは、こっそりと指紋押捺(おうなつ)の強制を入れ込んでいることだ。「仮滞在許可」発行の際「必要があると認められる場合は、指紋を押捺させることができる」とした。いつでも指紋を強制することができるということだ。「指紋全廃」から数年にして、入管法によって再び指紋押捺を全面化しようとしている。戦争突入下での在日外国人への大攻撃である。
「外国人=犯罪者」と排外主義あおる石原
01年9・11から03年3・20イラク侵略戦争開戦という情勢の中で、外国人犯罪の多発を口実にした外国人労働者への排外主義攻撃が吹き荒れている。東京都知事石原がその先頭で排外主義を鼓吹している。
東京都は昨秋、警視庁、入管局とともに「不法残留外国人半減」を目標に掲げて大々的に“外国人狩り”を行い、入管体制下で最大の数千人を摘発した。今次入管法改悪は、この「外国人=犯罪者」のキャンペーンを受けてのものだ。しかし、ここで言う「犯罪」とは、外国人労働者排除方針のもとで法務省が在留資格を発行しないことから引き起こされている、いわゆるオーバーステイがほとんどである。これを摘発し、排外主義キャンペーンを行っているのである。
また、東京都は4月から警視庁と入管局に職員を派遣した。治安攻撃の最前線に自治体労働者を動員し、法外在留の外国人労働者の摘発・退去強制業務を担わせることによって、日帝・資本の言いなりになる労働者として組織し搾取しようとしているのである。
日本経団連・奥田の東アジア経済圏構想は、労働力不足をあげて、外国人労働力の導入に道を開くためのものであり、そのためには現在の法外在留状態を徹底して排除しておかなければならないのだ。
同時に、外国人労働者は治安攻撃の対象である。外国人労働者は、帝国主義の新植民地主義的アジア侵略の結果、職と生活を奪われ、生きるために日本での労働を求めて来日した人民なのだ。アジア、ムスリム、中南米の人民であり、日帝と非和解的な関係にある。日帝にとっては民族抑圧を加えることで支配しようしてきた労働者である。
ほとんどがその在留資格から非正規職労働者であり、低賃金強労働、無保障の労働者階級である。日帝は、彼らを日本の労働者階級と分断し、その合流を阻止するために入管体制のもとで差別・抑圧し、その一方で日本の労働者を排外主義キャンペーンで組織しているのである。入管体制、入管攻撃を打ち破っていく時、巨大な労働者階級の国際連帯が具体的に開始されていく。階級的原則を貫いた労働運動・労働組合運動の力が大潮流になっていくとともに、この連帯は一層力強く結ばれるのである。韓国・民主労総の経験がそれを示している。
社・共の排外主義への屈服の中で、日本の階級的労働運動はそれを突き破って11・9日韓米連帯労働者集会を実現し、国際連帯の階級的内実を形成した。3・20国際反戦共同行動はそれをさらに進めて、日韓米国際連帯を軸に労働者階級と被抑圧民族との連帯闘争を帝国主義打倒の展望をもって実現した。
この闘いの方向こそ、在日・滞日外国人労働者との連帯闘争の道筋であることをはっきりさせよう。
労働者階級の職場・生産点での資本と権力との原則的闘いの組織化、非正規職労働者の組織化に外国人労働者の組織化が内包されており、奥田路線との対決に内包されている。
入管法・入管体制粉砕の闘いは、労働者階級の国際連帯闘争の一翼なのである。日帝と石原らの排外主義攻撃を打ち破り、外国人労働者を防衛し、連帯する闘いを強めていこう。
対イラク・北朝鮮の侵略戦争攻撃粉砕を
有事7法案と3条約・協定案承認案は、日帝がイラク侵略戦争を継続・激化させ、北朝鮮侵略戦争を米帝と共同・競合して積極的主体的に行うための戦争法案である。
米帝ブッシュは北朝鮮をイラン、イラクとともに「悪の枢軸」と規定、そのもとで日帝は、北朝鮮のミサイル・核武装路線の反人民性を餌食(えじき)にして排外主義キャンペーンを国家的に組織している。
同時に、それは在日朝鮮人に対する排外主義の嵐となっている。民主党の西村真悟などは、入管特例法改悪(再入国制度の改悪)を策動している。外為法改悪や特定船舶入港規制法案も対北朝鮮制裁法であると同時に在日朝鮮人民に襲いかかるものだ。
日帝が「捕虜」と在日朝鮮人、難民と在日朝鮮人の合流を恐れているのは、朝鮮人民の闘いの歴史からであり、戦後革命期の闘いや朝鮮戦争時の闘いがあるからだ。日帝がイラク侵略戦争に突入し、それが泥沼化を深め、北朝鮮侵略戦争策動がそれにつれて強まっていけばいくほど、在日朝鮮人への民間右翼を先頭にした攻撃は激化していくし、している。ここでも石原都知事の対北朝鮮の排外主義が先頭となっている。拉致議連や佐藤勝巳、西岡力ら(「つくる会」教科書の推進者)の救う会が全国的に情報公開要求を自治体に求め、それをテコにして、税金問題などを理由に朝鮮総連解体攻撃をかけてきている。
それは、朝鮮総連の本部関連施設だけではなく、その民族的結集の母体である民族学校にも及んでいる。在日朝鮮人民が民族的に結集し、民族性を継承しようとすることそのものを対北朝鮮排外主義攻撃で圧殺し、解体しようとしているのである。
連帯を求め闘う在日朝鮮人民
戦後革命期に在日朝鮮人民が果たした戦闘的闘いを、今こそスターリン主義の抑圧と分断をのりこえて実現しようとする奮闘が開始され、推進されている。在日朝鮮人民は現在も大きくはスターリン主義による民族主義的集約のもとにあるが、その実体は労働者階級である。在日することになった経緯からしてそうなのだ。戦前の闘いもそうだったし、戦後革命期も労働者階級の闘いの一翼を担い、同時にそれを民族の解放をかけて闘った。
在日朝鮮人民はスターリン主義指導下で1955年以来、日本の労働者と分断されてきた。日本の労働者と在日朝鮮人民との連帯は、南北朝鮮人民との連帯と一体のものであり、イラク侵略戦争に突入し、北朝鮮侵略戦争を実行しようとする日帝を打倒する闘いにとって決定的に重要だ。
既成の在日民族運動団体の多くは対北朝鮮侵略戦争発動に屈服し、「朝鮮系日本人」運動に傾斜している。だが、スターリン主義の「在外公民論」や「内政不干渉路線」のもとで苦吟(くぎん)しつつ、連帯を求めて決起を開始している在日朝鮮人は多く存在している。
日本の労働者階級がこうした在日が直面する現実を踏まえつつ、大胆に階級的労働運動を推し進め、反戦闘争を発展させていく時、スターリン主義の制動を打ち破って、在日朝鮮人民との歴史的合流が必ず実現されていく。ここでも、社・共をのりこえ、階級的原則で団結する労働運動の力が一切を決める。
在日朝鮮人民は日本プロレタリア革命の同志であり、朝鮮民族解放闘争の主体なのだ。日帝とスターリン主義による分断を打破し、在日朝鮮人民との階級的連帯を実現していく闘いは、労働運動の階級的発展なしには実現できない。同時に、可能な具体的連帯の闘いをねばり強く追求し、積み重ねていくことが、労働者階級を鼓舞し、階級的労働運動の発展に新たな力を充填(じゅうてん)していくものとなる。
労働運動、労働組合運動に存在する在日朝鮮人も多く、こうした存在も水路として連帯を実現していけば、巨大な展望がつかめる。連帯を求める在日朝鮮人とともに反戦闘争を闘い、階級的労働運動を進めていこう。
自衛隊イラク撤兵、有事7法案と3条約・協定案粉砕の闘いを3・20を継承して巨大に発展させ、革命的情勢の接近に対応した労働者階級の荒々しい決起としてかちとろう。5・21闘争の大爆発を軸に有事法案の成立を阻止し、4〜6月の闘いに勝利しよう。
その闘いの中で、入管法改悪阻止、入管体制粉砕を掲げ、在日朝鮮人・中国人、ムスリム人民、在日・滞日外国人労働者と連帯し、4〜5月入管闘争の成功をかちとろう。
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週刊『前進』(2147号5面2)(2004/04/26)
前進社出版部編 ブックレット 420円
国民保護法・米軍行動円滑化など 有事七法案を阻止しよう
北朝鮮を狙い侵略戦争を発動する戦争法体系
日帝・小泉政権は、3月9日に国会に一括提出した有事7法案と3条約・協定案の衆院通過を連休明けにも強行しようとしている。『有事七法案を阻止しよう』は、自衛隊イラク撤退・有事関連法案阻止の焦眉(しょうび)の闘いをすべての労働者階級人民に真っ向から訴えた絶好のブックレットである。
日帝の本格参戦
第1章は、有事立法が登場した歴史的背景を押さえ、有事7法案とは何かをずばり提示している。それは、日帝が「イラク出兵=侵略戦争参戦を今後もっと全面的にエスカレートさせ、さらに米帝とともに北朝鮮侵略戦争を強行するためのもの」(4n)にほかならない。歴史的危機の突破をかけて世界戦争戦略を発動する米帝。米帝と共同・競合しつつ一個の帝国主義として積極的・能動的に侵略戦争に参戦する日帝。これとの対決が日本労働者階級人民の歴史的・決戦的課題となった。この核心点をふまえ、有事7法案を分析することが重要であると指摘する。
本書のポイントは二つある。
@イラク占領の泥沼化と米日帝の東アジアでの危機への対処は完全に結合している。したがって、自衛隊をイラクから撤退させる闘いと有事7法案阻止の闘いを一体のものとして闘うことが重要である。
A日本人民を再び、在日を始めとする外国人への差別・抑圧の手先にする排外主義の扇動が、攻撃の要(かなめ)をなしている。著者がこの視点を貫いて国際主義の立場から有事立法を批判していることは決定的である。
国民保護の虚構
第2章は、7法が朝鮮侵略戦争のシナリオに基づいた戦争法であることをリアルに具体的に暴いている。
昨年6月に成立した武力攻撃事態法、改悪安全保障会議設置法、改悪自衛隊法の3法と個人情報保護法を合わせた4法を最初にとりあげ、先制的な侵略戦争を可能にする有事法体系の核心を押さえている。そのうえで7法案の内容を、総動員法としての国民保護法と米軍支援法としてのACSA改定―米軍行動円滑化法に大別して批判している。
国民保護法案は「戦災」の発生とそれへの対処を問題にしている。だが、国内が戦場になるのはあくまでも米日帝が北朝鮮を先制的に攻撃するからである。
この肝心要の点を本書は鋭く突き出し、国民保護法の国民総動員法としての姿を全面的に明らかにした。
ACSA大改定
ACSA改定に基づく米軍行動円滑化法案と自衛隊法改悪案、交通・通信利用法案は、武力攻撃事態において日本で米軍が自由に行動し、自衛隊がこれに全面的に協力する、すなわち北朝鮮侵略戦争での共同作戦を可能にするものだ。
米軍の再編動向のもとで、沖縄問題、沖縄闘争が有事法闘争にとって戦略的重要性を高めている。また、成田空港・関西新空港を始め全国の空港・港などを完全に軍事基地にし、そこで働く労働者を戦争に強制動員する。これらの点も明確に指摘した。
外国軍用品等海上輸送規制法案は、臨検そのものだ。すでに本国会で成立した外為法改悪と合わせて侵略戦争に向けたシナリオができあがりつつあることが浮かび上がってくる。捕虜取り扱い法案と国際人道法案。国際的戦争法であるジュネーブ条約の2議定書締結承認案。今や戦争が具体的に迫ってきていることの証(あかし)だ。
以上から、有事7法がまさに改憲攻撃そのものでもあることが鮮明になった。
イラク侵略戦争の継続・激化・拡大への体制づくりを狙うACSA大改定案のさらに全面的な暴露、批判の闘いと結合して、積極的に活用することを訴える。
第3章は、有事立法闘争の勝利の展望を明らかにしている。日帝の唱える「国の安全」「国益」の正体は、「日帝支配階級の安全」であり、「金融独占ブルジョアジーの利益」である。ブルジョアジーの安全と利益をかけた「外への侵略戦争」と「内への階級戦争」に突進するために有事立法が必要となるのである。
そして本書は、有事立法を打ち破る闘いを次のように位置づけている。「今こそ労働者階級がその階級的団結の力を発揮して支配階級をうち倒し、政治・経済・社会の真の主人公として躍り出るときです」(55n)。その現実性は、3月動労千葉スト、3・20大結集に見られる、連合を打倒する新しい労働運動の発展にある。
資料として7法案と3条約・協定案の核心部分を抜粋して掲載した。有事法の恐るべき内実を学習することが、これを批判する鍵(かぎ)である。昨年春発行の『北朝鮮・中国への侵略戦争法 有事立法』と併せて活用しよう。職場・地域・学園にこのブックレットを持ち込み、議論し、闘いの輪を広げよう。
(前進社出版部)
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週刊『前進』(2147号6面1)(2004/04/26)
ここでとめなきゃ!憲法改悪と侵略戦争 愛媛 山下 徹
「子どもは『お国』のためにあるんじゃない! 教育基本法改悪反対! 3・28集会inえひめ」に参加してきました。(写真)
大会議室を埋めた250人を超える参加者の姿に、憲法改悪、教育基本法改悪を本当に許しちゃーいけないんだという気持ちと行動力が幅広く芽生えはじめていることを実感しました。
東京から駆けつけた小森陽一さんの講演では、自民党の三ノ輪昇さんを始めとした「自衛隊派兵違憲訴訟」という新しい共闘関係のもとでの反対運動を紹介されました。権力も金力も武力も持たない主権者である私たちは、大きな国家権力に縛りをかけている。改憲を阻むことは、私たち一人ひとりの行動にかかっている。この縛りを、小泉首相は、世界中が注目するイラクで自衛隊員に発砲させることで、破らせようとしている。こうしたことを強く警告されました。
教育基本法は憲法九条(戦争の放棄、交戦権の否認)と裏表の関係にあること、基本法にうたう「個人の尊厳を重んじ」「個人の価値をたつとび」は、政府が始めた戦争と激しく対立しているからこそ、いま、改悪されようとしていることを暴かれました。
「学校はほっとけば、国家の身勝手な考えを洗脳する場になってしまう。『日の丸・君が代』の強制も、学校という組織の末端に国家の意思を貫徹させられるかどうかという問題だ」「政府の目的は、お国のために命をさしだす国民づくり(国民教育)だ」と。そのことを、石原知事のもとでの東京都の事例を紹介しながら、説明されました。
松山の学生たちによる「心のノート」をパロディにした寸劇をはさんで、愛媛の教育をめぐる問題にとりくまれてきた5人の方から報告があり、大内裕和さんを加えてのトークセッションになりました。
教育をめぐる荒廃は、予算カットや長引く不況のもとでの労働者の雇用慣行の破壊という学校の外(大資本と戦争)に原因があるにもかかわらず、その責任を学校現場、特に教育労働者と組合になすりつけ、攻撃する。その攻撃の防波堤ともいえる教育基本法を政府に明け渡してなるものか。
愛媛県では、昨年7月に「教育基本法の早期改正を求める意見書」が採択されました。しかし、やられっぱなしではありません。教育をめぐる攻防は、学校現場の教師の個人的な抵抗を超えて、地域やあらゆる戦線の共同の闘いを必ず生み出し、全国的な闘いに発展するでしょう。労働者の新たな連帯と団結の芽も育ち始めています。よし! いよいよ正念場の決戦です。
団結への絶対的信頼が動労千葉の神髄 東京 大田 道
04動労千葉春闘ストライキを「支援する会」の一員として“共に闘う”ことを決意し、決起しました。この全過程を教訓化し、わがものとすることが戦時下の労働運動を闘う鍵(かぎ)であると考えています。実に多くの教訓と感動がありました。
最も感動的だったのは、定年を間近にした一組合員の強制配転を拒否した決起でした。私などは「家族もあり、処分や退職金・年金などいろいろ悩んだだろうな」と思っていましたが、彼は強制配転通告を即座に拒否し、すぐ組合に直行したのです。そして「俺(おれ)の身は組合に預ける」と宣言、無期限の指名ストに突入したのです。
当局―資本への根底的な怒り、人生をかけた決起、団結への絶対的信頼、これこそ動労千葉の神髄ではないでしょうか。そして彼の決起に組合員全体が一丸となって決起しました。ここに04春闘の原動力・核心があったと思います。動労千葉組合員が人生かけて決起した。それが無期限の指名ストライキという強力な方針を生み出したと言えると思います。そして、ついに17年ぶりにJR当局の妥協を引き出したのです。具体的に勝利したのです。04春闘は動労千葉の新たな地平、労働者階級の反撃の出発点を切り開いたのです。
“闘えば勝てる”――久しく忘れられていた階級的原点、勝利の確信が今、力強くよみがえっています。“動労千葉のように”と言う時、私たちが本当に生涯かけて闘うことなのではないでしょうか。
街頭では「ストライキ支援」のビラに、「ストライキ?」と言って振り向く人びと、「今どきストライキをやる組合はエライ」と言って千円のカンパをくれた労働者もいました。階級情勢の変化を肌で感じています。“闘えば勝てる”――動労千葉が切り開いた地平を職場・地域の労働者、労働組合の中に生き生きと持ち込もうと思っています。
“拘束の3人殺すな”即時撤退で緊急行動 関西 野村智志
イラク全土で決起したイラク人民に連帯して、百万人署名運動・関西連絡会の呼びかけにこたえ、街頭宣伝とアメリカ総領事館への申し入れ行動に決起しました。(写真)
9日朝から4日間の緊急行動として、大阪市役所前を皮切りに大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良で一斉に街宣・署名行動に決起しました。「3人を殺すな! 自衛隊はイラク占領をやめ、即時撤退せよ! 事態の責任はすべて小泉政権の派兵にある」という訴えが大衆的主張となり、署名行動は巨万の大衆決起となっていきました。
10日は情勢が一変。大阪駅前で今井紀明さんの友人を始め、多くの人びとが終日、街頭で訴え、大阪駅前人民広場は解放区と化しました。ひとりで100筆の署名を集めた若者、「すぐに撤退すべきだ」と駆けつけた元自衛官などあらゆる立場の人が集まりました。
11日には「@3人を解放するA日本政府に圧力をかけ、自衛隊をイラクから撤退させるよう求める」とのサラヤ・ムジャヒディンの声明を知った多くの人びとが署名を寄せました。
12日の緊急集会には、8日からの街頭宣伝に決起した人など250人が結集しました。反戦「障害者」の会の女性は「3人の拘束はイラク人民のレジスタンスだ。撤兵させなければ、こういうことは何度でも起きる」と訴え。サンフランシスコの3・20デモに参加した大学教授はANSWERが緊急行動に立っていることを伝えました。
自治体労働者は「ファルージャの虐殺は南京大虐殺と同じだ」と指摘。三浦たけお守口市議は「明日、自衛隊大阪地連とアメリカ総領事館に抗議しよう」と提起しました。学生に続き、A&U(アクトアンドユナイト)の若者は「出兵を止められなかった責任がある。イラクから軍隊を撤退させるまで闘う」と決意を表明。最後に、首相官邸前に駆けつけた高遠菜穂子さんのお母さんからのメッセージが紹介されました。
米領事館前から大阪駅前へのデモは、途中参加者で膨れ上がりました。
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週刊『前進』(2147号6面2)(2004/04/26)
人民の力に依拠し、人民と共に、正義の闘いに勝利する
富山再審・異議審闘争のために
富山(とみやま)保信
再審請求棄却を断じてゆるさない
東京高裁第三刑事部(裁判長・中川武隆)は、3月30日付で、全逓中郵の高橋範行同志虐殺への報復として敢行された74年カクマル山崎洋一完全せん滅戦闘に関して殺人罪をデッチ上げられた、私の再審請求を棄却する決定を行った。この暴挙を断じてゆるさない。
私は無実である。確定判決は、私の無実を承知で一審無罪を覆し「逆転有罪」を宣告するために刑事裁判の原則・鉄則を踏みにじって強行された暴虐である。あまりにも無理・無体な判決であることが明白なため、歴代の裁判長(中川は5人目)は1994年6月20日の再審請求以来、「火中の栗」を拾うこと、すなわち決定を出すことを避けてきた。公正な審理にもとづけば《再審開始》を決定するほかないからである。
しかし、中川は、私=革共同にはまともな審理などやる必要はないという決定を行った。こんなことがゆるされるのか。こんな卑劣なやり方で、一人の人間を10年間も刑務所に投獄することが正当化されてよいのか。こんなものは裁判ではない。こんなことがゆるされるなら、世の中から裁判は消滅する。中川はひとり私に対してだけではなく、全人民、全人類に対して挑戦したのだ。革共同を甘く見るな。人民を見くびるな。この責任は絶対にとらせてやる。
私と弁護団は、直ちに異議申し立てを行った。異議審は東京高裁第四刑事部(仙波厚裁判長)で闘われる。革共同の矜持(きょうじ)にかけて、なんとしても異議審闘争に勝利しよう。
権力の攻撃の狙いはどこにあるか
再審請求棄却攻撃の狙いはあからさまである。「12・9」すなわち自衛隊のイラク出兵決定をもって始まった戦時下の階級闘争の焦点をなす革命党の存亡をめぐる攻防における大反動である。水嶋裁判勝利―3・20の大高揚―3・25爆取(爆発物取締罰則)裁判勝利がきりひらいた地平のとりもどしを狙った攻撃であり、過小評価するならば取り返しのつかない打撃を被ることになる。考えてもみよ、水嶋裁判そして爆取裁判ともに控訴審はこの東京高裁で闘われるのだ。
あらためて言うまでもなく、革命党に対する弾圧の基本路線は組織破壊であり、その主要な方法はデッチ上げである。革共同が完全黙秘・非転向を貫く限り、他に方法がないからである。私に対して、星野同志に対して、水嶋同志に対して、須賀同志・十亀同志・板垣同志に対して、いずれも例外なくデッチ上げである。闘いが前進し、高揚すればするほどデッチ上げは乱発される。デッチ上げ弾圧との闘いは、日常最先端の闘いであって、この闘いの成否には死活がかかっている。しかも、敵権力は必ずみせしめ効果を狙ってくるのであり、ここでの勝敗が闘いの最基軸を形成するのだ。さらに、デッチ上げ弾圧は重罪と反復性を伴って襲いかかってくることも直視しなければならない。したがって、敵権力対われわれの死闘において彼我ともに死力をつくして激突する白熱的局面があるのだ。「12・9」直後に星野再審・異議棄却攻撃が、そして「3・20」直後に富山再審・請求棄却攻撃が襲いかかったのは、けっして偶然ではない。富山再審の前進が星野再審の前進を切り開き、星野再審の前進が富山再審の前進をもたらす、さらに両再審闘争の前進が水嶋裁判と爆取裁判の勝利をも保障する関係にある。われわれの闘いは、固くひとつである。
再審請求棄却攻撃のいまひとつの狙いは、戦時下の階級闘争の根絶を狙う治安弾圧攻撃の先取りである。侵略・侵略戦争を遂行するために「城内平和」は不可欠である。だから、「戦争できる国家づくり」の攻撃が、労働者人民の生活を破壊し、権利を奪い尽くして、侵略戦争の先兵となるほかない途へと追いやる攻撃が、既成事実を積み重ねながら急ピッチで本格的全面的に襲いかかっている。立川テント村の自衛隊官舎へのビラ入れ弾圧や日本共産党員の休日の機関紙配布への弾圧、自衛隊のイラク派兵阻止デモへの逮捕攻撃等、様相を一変させた治安弾圧の先取りにほかならず、戦時下の弾圧の典型的姿を示すものである。
私に対するデッチ上げ「殺人罪」弾圧は、たとえ無実であろうと革共同の一員であれば有罪にする、そのために司法処理過程においても現行法体系すら踏みにじるというものである。組織的犯罪対策法、団体規制法、共謀罪(裁判支援は犯罪とされる)、そして「司法改革」という名の司法大改悪と現行法体系の反動的転換を先取りするものとして再審請求棄却攻撃はある。証拠開示問題(原審で捜査責任者が秘匿証拠の存在を証言している。それでも証拠開示をしようとはしない)、事実認定(本件の目撃証人には「犯人」の容貌を識別できないことが実験で確認された。それでも科学的知見を導入しようとはしない)、公開法廷での審理が義務づけられていないのをよいことに密室で決定する等々、戦時司法・司法制度改悪下の裁判員裁判を先取りするものとして決定は強行されたのだ。まさしく富山再審はひとり私の命運だけではなく、全人民の未来がかかったものであることを、棄却決定はものがたっている。
何としても異議審闘争に勝利しよう
異議審闘争の勝利をかちとる力の第一は、《私は無実である》ということである。この真実は、どんな暴虐も覆すことはできない。そして、真実は必ず人民の心をとらえる。
異議審闘争の勝利をかちとる力の第二は、私も、弁護団も、「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会」のみなさんも、意気軒昂(いきけんこう)であるということである。われわれは棄却決定策動を見抜き、満々たる闘志と万端の準備を整えて棄却決定攻撃を迎え撃った。棄却決定という暴挙は、闘いの炎に油を注いだのだ。
異議審闘争の勝利をかちとる力の第三は、富山再審闘争は人民の未来をかけ、人民の力を背景に闘われる正義の闘いであるということである。われわれには、隠すことも、誤魔化(ごまか)すことも、なにひとつない。依拠するのは真実と正義を愛する人民の心である。デッチ上げと不正義の強権に依拠する権力に比べて、どちらが究極において勝利するかは明瞭ではないか。
革共同は、デッチ上げに対して心の底からの怒りをもって決起した。私の無実を訴え、自らの存在と闘いの正義性、普遍性を確信し、広範な人民との結合によって弾圧をはねかえすために全力を挙げてきた。この闘いを一歩も後退させないで、ますます強力に展開して、不抜の陣形を構築していかねばならない。
革共同は貫徹の党である。人民との誓いはどこまでも守り抜く。私は、この革共同の誇りを終生、自らの誇りとしたい。なんとしても異議審闘争に勝利する。ともに決起し、勝利しよう。
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週刊『前進』(2147号6面3)(2004/04/26)
共謀罪粉砕集会に365人 反弾圧の国際連帯を宣言
4月11日午後、「群がって悪いか! のさばるな警察! 共謀罪・警察大増強・イラク派兵反対! 4・11緊急共同集会」が東京・京橋プラザ区民館で行われ、365人が結集した。主催は、山際永三さん(人権と報道・連絡会)、小田原紀雄さん(破防法・組対法に反対する共同行動)など14人の呼びかけ人による集会実行委員会。
集会の冒頭に司会者が、イラクで拘束された3人の日本人を見殺しにし即時撤兵の要求を即座に「拒否」した小泉首相を弾劾する国会行動へ合流する緊急提起を行い、全体の拍手で確認された。
主催者あいさつに立った山際永三さんは「腐り果てた司法制度・裁判のもとで冤罪が次々と生み出されている。さらにテロ対策を名目に警察の大増強。4月国会で司法改革関連法案の審議が始まった。共謀罪の審議開始も狙われている。このような情勢と対決し、本日のように共同で闘うことが重要だ」と訴えた。
続いて、組対法に反対する全国ネットワークが特別報告を行い、共謀罪の問題点を明らかにし、「共謀罪法案を廃案に追い込もう」とアピールした。
万雷の拍手の中、ゼルツァーさん(タフト・ハートレイ、抑圧と民営化反対キャンペーン)が登壇した。ゼルツァーさんは「労働者の民主的権利の防衛は、全世界の労働者にとって非常に重要な問題」と位置づけ、国際連帯の重要性を訴えた。
そして「(愛国者法などの)弾圧法に抗議し、民主的権利を守るために国際的な労働者行動を立ち上げる」運動の一環として「04年10月中旬にワシントンDCで『百万人の労働者マーチ』を行うこと」を明らかにすると、賛同の拍手が鳴り響いた。
カンパアピールと「街」のミニコンサートを挟んで、作家の金石範さんが「在日からみたイラク派兵と朝鮮」と題し講演した。
金さんは冒頭、「イラクから撤退しないと宣言した日本政府とそれに感謝するアメリカ」と米日のイラク軍事占領を批判した。そして、自著の『火山島』を引用し、「アメリカは済州島で3万人も虐殺している。アメリカこそ世界最大のテロ国家だ」と断罪した。
続いて、弾圧と闘う7団体がアピールを行った。
立川・反戦ビラ弾圧救援会は、自衛隊官舎へのビラ入れで不当逮捕された3人が3月19日に起訴され、さらに4月1日に別の日のビラまきで追起訴されたことを報告し、保釈と裁判闘争への支援を呼びかけた。
ACA(反資本主義行動)は、この間のIMF抗議行動やイラク反戦闘争での10人を超える不当逮捕の弾圧をはね返し、ともに闘い抜く決意を表明した。
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧被告団は、3月25日に無罪判決をかちとったことを報告し、「真正面から全力で闘えば必ず勝てる」と呼びかけた。会場から大きな拍手が送られた。
憲法と人権の日弁連をめざす会の武内更一事務局長は、日弁連執行部と対決し司法制度改悪攻撃と闘う決意を述べ、4月21日午後6時から弁護士会館2階講堂「クレオ」で行う「戦争のための司法改革に反対し、イラク撤兵を求める集い」への参加を呼びかけた。
クルドを知る会は、在日クルド人の現状を報告し、難民認定を闘うクルド人への支援を呼びかけた。「つぶせ!破防法・盗聴法」静岡県連絡会は、共謀罪の危険な内容を街頭宣伝や集会で訴えてきたことを報告した。日雇い全協山谷争議団は、「朝日建設」による日雇い労働者3人の殺害を糾弾し、労働行政の見殺し政策を弾劾した。
集会の最後にシュプレヒコールを行い、日比谷公園までのデモ行進を行った。さらに首相官邸前へ移動し、「自衛隊は直ちに撤兵せよ! 小泉は3人を殺すな」の声を多くの民衆とともに小泉にたたきつけた。
今回の集会の歴史的な成功を特徴づけた内容の第一は、戦時下の治安弾圧攻撃と対決する運動の出発点となったことだ。
第二は、治安弾圧に反対する国際連帯の闘いがついに開始されたことだ。
第三は、司法改革関連法案阻止の闘いを当面の課題としつつ共謀罪の4月衆院通過阻止闘争としてかちとられたことだ。
第四に、腐敗をまき散らしながら9・11以降急速に増強され、国家警察化を歩む警察への労働者民衆の反撃が開始されたことだ。
連日の国会闘争
4月12日の早朝から、破防法・組対法に反対する共同行動は「国会審議入りを許すな・共謀罪新設阻止」を掲げて国会闘争に立ち上がった。
午前8時半から、国会議事堂と道を隔てて反対側にある衆院第二議員会館前でビラまきとマイク宣伝を行い、そのまま座り込みを開始した。正午から国会前集会を行い、司法改悪阻止・共謀罪新設阻止の決意を衆院にたたきつけた。さらに、4月23日の国会前昼休み集会に決起しよう。
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週刊『前進』(2147号6面4)(2004/04/26)
桐村明美さんの急逝を悼む
大学の友人 小野千鶴
3月9日の朝、桐村明美さんが急逝されたという報を受け取り、茫然(ぼうぜん)自失のまま葬儀に参加しました。私と同じ1941年生まれ。60年に奈良女子大学に入学し一緒に安保闘争を闘った仲間です。明美さんは、安保闘争で機動隊に虐殺された樺美智子さんの高校の後輩でした。
63歳のあまりに早い突然の死に打ちのめされ、ずっと彼女の生き方、闘い方を考え続けてきました。葬儀での島しづ子さんを始め皆さんの追悼の言葉、連れ合いの剛さんの話を聞きながら、私は本多さん(革共同前書記長)から聞いた「個に死して類に生きる」という言葉が胸を突いて出てきました。彼女は本当にそう闘って逝ったのです。
12月の小牧闘争、1月の雪の中の人間の鎖、ゲート前や公園での夜の座り込み、22日の派兵反対の全国闘争、笹島のみなさんとの闘い。そして3月8日の夜中の2時。当日の3・8国際婦人デーのレジュメなどすべて用意して倒れ、9日、朝5時27分に亡くなられたそうです。駆け抜けるように闘い抜いて倒れた明美さんの姿を鮮明に心に刻むことができました。
60年当時の学生運動は、ガリ版でビラを作り、校門で早朝ビラをまき、その後クラス討議に入り、夕方から学習会やら会議やら年中一緒に活動していました。ぼろぼろの家を借りて一緒に住んだこともあります。主食は5円で山ほど買える食パンのミミ(端)。これにさつま揚げを挟んで食べる。そういう生活でも毎日がキラキラしていました。
明美さんの闘いを組織する力は抜群で天性のものがあったと思います。学生大会での迫力ある演説、全学ストを組織する戦術の立て方、一番心に残っているのはデモ指揮のうまさでした。私がまねてもけっして彼女のようにいかなかったからです。街の要所要所で力強いシュプレヒコール、最後のアジテーションでデモ隊の士気を高め、学生が見ている構内にかけ声高く入っていく指揮はみごとでした。ビデオに残った小牧の闘争のアジテーション! あのままです。ひっきりなしに激論もしました。人間的な激しい怒りと素朴な優しさ、それとちょっとおっちょこちょい。彼女の性格からたくさんのことを学び、その後の40年の闘いの糧になってきました。
本多さんがカクマルに虐殺された時、明美さんが「子どもの命が危ないから預かる」と愛知から手紙をくれました。「本多さんになり代わってカクマルと闘う」と子どもを預けました。1年と少し。自分の子どもたちと同じ小さな子どもを預かって大変だったでしょうね。今でも思い出すと感謝でいっぱいです。その後、桐村宅がカクマルにめちゃめちゃに壊された時、「私は自分たちの運動の力で勝負するから」と強い口調で言い切っていました。名古屋で支部長として全力を尽くした婦民全国協の仲間とともに闘っていく決意だったと思います。
彼女の書いた「11年前の小牧闘争の思い出」の中に、「出兵当日は、前夜から70数名が徹夜で抗議し、10月13日、自衛隊出兵許さないデモには、平日にもかかわらず、2000名も全国から駆けつけたのです。――11年前の小牧闘争の記録を読み返してみると、8回のデモや申し入れ行動。若かったんだなぁと懐かしく思い出し、あのときの感動が蘇(よみがえ)ってきます。そのため、その後、革マルの攻撃や権力の弾圧を受けましたが、少しも後悔していません。あのとき一生懸命に闘ったから今日があるのだと思っています。私も、11年前より年もとり、ずいぶんくたびれてきましたが、やれることをやろうと静かに決意しています。自衛隊派兵を許すのかどうか自分の問題ですから」と記されています。
とめよう戦争への道・愛知連絡会のニュースに、3・20国際反戦デーに明美さんの遺影を持って42人が参加した報告が載っています。カクマルの牙城(がじょう)だった愛知に、とうとう人民の大きな闘いの砦(とりで)が築かれました。明美さんが最後に呼びかけた3・8国際婦人デーに100人の女性が参加しています。この人びとの中に明美さんの遺志が生きているのを実感します。
剛さんの話では、明美さんは最近ローザ・ルクセンブルクの本をノートを取りながら読んでいたそうです。彼女が最後にすべてを賭(か)けるように闘ったほとばしるような情熱の原動力は何だったのだろう? 私のこの問いに、友人は「樺美智子さんの死後ずっとその情熱が消えなかったと思います。見事だと思います」とメールをくれました。
私は、彼女が1917年の革命のように労働者人民が解放のために立ち上がる時代が来たことを確信したからではないかと思っています。そしてそれを確信させてくれたのが、とめよう戦争への道・愛知連絡会、婦民全国協、笹島のみなさんの闘いだったと思います。
イラク侵略戦争は泥沼になり、日帝は完全に「新たな15年戦争」へと踏み出しました。レーニンの本の中でしか知らなかった本格的な「革命的情勢の接近」です。「個に死して類に生きる」生き方を最後まで貫くことを明美さんに誓います。
最後に明美さんが一番よく会っていた大学時代の友人のメールを紹介します。
「明美さんは好きでたまらない人と結ばれ、最後は彼の腕の中で眠るように意識を失ったのですし、それに、樺さんの3倍の年月を闘いに生きたのですから、本望といえないまでも彼女は微笑(ほほえ)みながら死ぬことができたのではないかと思います」
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