ZENSHIN 2004/02/16(No2137
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週刊『前進』(2137号1面1)(2004/02/16)
3・20日比谷野音へ 全世界で空前のイラク反戦デモかちとろう
自衛隊派兵阻止・有事法案粉砕 2月呉・北海道現地へ総決起を
動労千葉先頭に04春闘を闘おう
第1章 新たな「15年戦争」に突入する日帝小泉
陸上自衛隊本隊がイラク軍事占領を開始した。1931年9・18柳条湖事件に始まる「15年戦争」と同じ帝国主義侵略戦争・世界戦争への歯車が新たに音を立てて動き出した。
この戦慄すべき事態を前にして日本労働者階級人民は、抑えることのできない危機感と行動への欲求をかきたてられている。今こそ決定的な痛打を日帝・小泉にたたきつけ、情勢を大転換させたいという思いが階級の底からわき上がっている。その中から3・20日比谷野音結集という大方針が、すべての労働者人民の方針として打ち出された。
3・20は全世界で一斉に労働者階級が立ち上がる日だ。イラク人民・ムスリム人民の反占領闘争のさらなる爆発、開戦の口実とされた「大量破壊兵器」のデッチあげの露呈、米帝ブッシュ、英帝ブレアの両政権の危機と動揺の中で、全世界の労働者人民の怒りが燃え上がっている。アメリカ、イギリスでも韓国でも昨年2〜3月の情勢を上回る巨大な労働者の決起のうねりが起きようとしている。
今こそ日本の労働者階級が全世界労働者階級の軍勢の有力な一翼として登場する時だ。2・14海自派兵阻止呉現地闘争、2・20〜21陸自本隊出兵阻止北海道現地闘争、2・13明治公園と2・15渋谷反戦ウオーク、そして3・6春闘集会、動労千葉の3・13ダイヤ改正を焦点とした反合・運転保安春闘で情勢の主導権を労働者階級の側に握りしめ、3・20の10万人大結集へと突き進もう。
第2章 労働者階級の巨万の怒りを解き放とう!
「日の丸」がうち振られる中、旭川の陸自本隊第1陣が出兵した。旭川商工会議所が行っている「黄色いハンカチ」運動を始め、その光景は1930年代から敗戦まで全国各地で無数に繰り広げられた戦地への「出征」のシーンとまったく同じではないか。
日本の政治・社会全体が一気に「戦時色」を帯び始めた。日帝は帝国主義としての必然性をもって、帝国主義が打倒されるいがいには、再びけっして引き返すことができない21世紀の「新たな15年戦争」に突入したのだ。それはイラク人民・ムスリム人民の反占領闘争・民族解放闘争に対する日帝自身の泥沼の侵略戦争の始まりである。
同時にそれは北朝鮮制裁の外為法改悪案の衆院通過、国民保護法案など有事関連7法案の今国会成立の策動など、日帝の北朝鮮侵略戦争への突進を決定的に促進せずにはおかない。
だが、この巨大な戦後史の転換点において国論は真っ二つに割れたままである。日帝・小泉の国益主義と「日米同盟」をふりかざした恫喝も、「戦争に行くのではない」というペテンも、派兵の既成事実の積み上げと翼賛報道によっても、日本の労働者階級本隊の派兵反対の意思を突き崩すことはできなかった。このことが国会の翼賛体制に亀裂を生じさせ、派兵承認の国会決議は自公単独による深夜の暴力的な強行採決に追い込まれ、「国論分裂」を決定的に浮き上がらせた。日帝は「挙国一致なき侵略戦争」への突入というかつてない危機に直面してしまったのだ。
日帝・自衛隊のイラク軍事占領の開始とその本格化が進むにつれて、何よりもイラク人民・ムスリム人民の反占領闘争の爆発が占領軍=自衛隊を直撃していく中で、国論二分の状況はさらに深く鋭くなっていく。革命党と労働者階級人民が一歩も引かず、派兵阻止と「帝国主義戦争を内乱へ!」の闘いを推進すること、これのみが開始された侵略戦争・世界戦争への道をくい止める力だ。
そのために今、どんな闘いが求められているのか。数十万、数百万規模の労働者階級丸ごとの総決起である。小泉政権と日帝ブルジョアジーを震撼させる巨大なデモである。それを3月20日、首都で本当に実現しようと広範な労働組合、労働者人民が、政党やナショナルセンターの違いを超えて動き始めた。
陸・海・空・港湾労組20団体の労働者は「政党も市民団体も学生団体も、みんな垣根を取り払って、日本に戦争をさせないという一点で、日本列島を騒然とさせる大抗議行動をやろう」と訴えている(1月19日国会院内集会)。
連合系、全労連系、あらゆる組合の中から、もうこれ以上、日帝・小泉と奥田らのやりたい放題を許してなるものかと、猛然たる階級的反発力がわきあがっている。昨年8月の自治労大会での21世紀宣言否決、11・9労働者国際連帯集会の高揚、12・23教育基本法改悪反対集会5000人結集、1・25「ワールド・ピース・ナウ」日比谷集会への労組部隊の大結集、全国各地での集会・デモの統一戦線的拡大の実現、イラク出兵の積み荷を拒否する港湾労働者の闘い、これらすべてに、日本の労働者階級人民の歴史的な反転攻勢の兆候があらわれている。
この何年ものあいだ日本の労働者階級の闘いは、既成野党の屈服と連合支配、カクマル反革命によって後退を強いられ、我慢に我慢を重ねてきた。だが、日本の労働者階級人民が、日帝の戦争と大失業の攻撃にいつまでも一方的にさらされ、やられっぱなしになることなど絶対にありえないのだ。
日帝・小泉=奥田がついに「外への侵略戦争」を開始し、「内への階級戦争」で一線を越えた瞬間に、日本の労働者階級の怒りと闘いは燎原(りょうげん)の火のように燃え広がりだした。今こそ日本労働者階級の積年の怒りを一点3・20に向かって解き放とう。そしてそこにあらゆる市民運動、学生運動、宗教者の運動などを大合流させよう。
3・20の10万人大結集は絶対に可能だ。職場、学園、地域、街頭を「3・20日比谷野音へ!」の宣伝・扇動で埋め尽くそう。
何よりも革命的な扇動こそが求められている。階級闘争の言葉で、階級対立を鮮明にさせてストレートに真実を暴露することだ。これだけが日帝・小泉=奥田らの反革命扇動をぶっ飛ばし、労働者階級を根底から揺さぶり、覚醒させ、総決起させる力を持つ。
第3章 小泉=奥田と全面対決する革命的扇動を
何が「人道復興支援」か。「イラク人のため」か。国内でリストラ・首切り、社会保障解体、生活破壊のやりたい放題で労働者を苦しめ、痛めつけ、殺してきた小泉=奥田ら日帝支配階級どもが、イラクでは「人道的に」ふるまうとでも言うのか。やつらがイラク人民の「雇用と生活を保障する」とでも言うのか。そんなことはありえない。
そもそも日帝・小泉=奥田らこそ、大量の爆弾とミサイルで、劣化ウラン弾の放射能でイラク人民の命を奪い、経済・社会基盤を破壊し尽くした侵略戦争を「断固支持」した連中だ。その彼らが、さらに労働者を搾取し収奪する体制を維持するために、イラク人民・ムスリム人民を帝国主義の植民地的支配のもとに抑圧し続け、石油資源をぶんどるために、とうとう侵略出兵を開始したのだ。
何が「国際社会への協力」か。それは米英日を始めとする一握りの帝国主義の世界支配・中東支配を維持することではないか。イラク人民・ムスリム人民がこの米英日を先頭とする国際帝国主義の侵略と軍事占領に対し、決死の戦闘で反撃するのは当然だ。このイラク人民・ムスリム人民の歴史的な苦しみと、その決死の叫びと闘いに連帯する道は、米英日を始めとする帝国主義の強盗たちを打倒するために闘うことだ。
「日米同盟がつぶれたら日本が危ない」だと? その「日米同盟」とやらは誰を守っているのか。労働者を守っているのか。ブッシュや小泉は、日本の労働者人民の生活と命などこれっぽっちも守ろうなどとは思っていない。それどころか彼らは、日ごろから自国の労働者人民の命を、仕事と生活を、奪いつづけているではないか。毎年3万人もの労働者人民を「自殺」に追い込んで平然としているのが小泉や奥田らだ。
彼らが「日米同盟」で守ろうとしているのは、アジア・中東・世界における互いの強盗的帝国主義的利益のみである。そのために地球を何度でも破壊できる核兵器と軍事力を振り回し、沖縄を軍事監獄にし続けているのだ。そして「大量破壊兵器の脅威」や「北朝鮮の脅威」をデッチあげて戦争をやり、その戦争に労働者人民を動員し、イラクや北朝鮮の民衆を虐殺し、犠牲にするのだ。その先にあるのは世界戦争である。こんな日米同盟は日本と全世界の労働者人民にとって粉砕あるのみだ。
日帝・小泉=奥田らブルジョアジーを打倒すること、労働者自身が政治権力を握り社会の主人公となること、これだけが労働者が生きる道である。これだけが全世界の労働者と被抑圧民族人民との連帯を実現する道である。この階級的真実を自分の職場・組合で、大学で、街頭で、どん欲に訴えきろう。
第4章 派兵阻止闘争の爆発から春闘-3・20へ
3・20の大結集は、戦時下における04春闘と一体のものとして実現される。「挙国一致」「国益主義」「企業防衛主義」を押し出し、「奥田ビジョン」と「04年経労委報告」で労働者階級の「全面降伏」を要求する日帝・小泉=奥田の上からの階級戦争の攻撃をうち破ろう。その春闘の先頭に、3月ダイヤ改正阻止、反合・運転保安を掲げた動労千葉が立っている。動労千葉の春闘方針を物販活動や各地の春闘集会などをとおして全国の労働組合と労働者に伝え、支援・連帯を訴えよう。動労千葉のように闘い勝利を開こう。
定昇解体、ベースダウン、消費税大増税、年金改悪、団結権破壊、そして職場の安全崩壊=労働者の直接的な生命の危機。もはや労働者は一歩も後には引けない。04春闘は、まさに階級としての生死をかけた闘いである。小泉=奥田らが言っていることは、要するに資本が危機だから、国家が危機だから労働者は闘うな、我慢すべきだ、死ぬべきだということだ。
そして連合や全労連系の組合幹部たちは奴隷のようにこの論理に屈してきた。だがまったく逆だ。資本が労働者を食わせていけなくなったほどに危機だからこそ、労働者は階級的に国際的に団結し、資本の支配の打倒をめざして徹底的に闘うべきなのだ。国家が帝国主義の死の苦悶から生じる災厄をすべて労働者人民に負わせ、ついには戦争にまで引き込もうとしている。だからこそ労働者は国際的に団結し、帝国主義打倒へ闘うべきなのだ。死すべきは労働者ではない。もはや歴史的命脈の尽きた資本主義・帝国主義である。
動労千葉労働運動は、こうしたマルクス主義的な立場に立ちきっているからこそ、階級的原則を貫き、団結を固め、日帝・小泉=奥田らの攻撃に一歩も引かず対決することができる。こうした労働運動、労働組合こそが、未来を担う青年労働者たちを引きつける力をもっているのだ。
2月呉・北海道の派兵阻止現地闘争を学生・青年を先頭に、労働者階級の魂を揺さぶる闘いとして実現し、3・20大結集への決定的なテコとしよう。2・13明治公園集会、2・15渋谷反戦ウオークの圧倒的な成功をかちとろう。
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週刊『前進』(2137号1面2)(2004/02/16)
デモで「出兵式」撃つ 2・1旭川 小泉・石破の出席弾劾
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反戦共同が旭川デモ
全学連を先頭に、小泉、石破ら出席の隊旗授与式弾劾の旭川駐屯地包囲デモ(2月1日) |
1月31日、2月1日・3日と、連続して陸上自衛隊のイラク派兵反対闘争が北海道現地で闘われた。
1日には旭川駐屯地で、小泉や石破らが参加して行われた隊旗授与式を徹底弾劾する闘いが爆発した。
朝、北海道反戦共同行動委員会の呼びかけで旭川駐屯地包囲デモを貫徹。デモに先立って駐屯地の正門近くの花咲スポーツ公園駐車場で集会が行われた。
主催者の北海道反戦共同行動委が「2月3日の施設部隊派兵は陸自本隊出兵の第一陣だ。小泉が旭川に来て隊旗を『授与』することに、はらわたが煮えくりかえる思いを持つ隊員は少なくない。小泉を徹底弾劾しよう」と提起、続いて大山尚行全学連委員長と各大学の代表が決意表明した。
「小泉の隊旗授与式出席を許さないぞ! 旭川を侵略の拠点にさせないぞ!」――朝の寒い空気を切り裂いて元気なシュプレヒコールが響き渡った。権力の弾圧をはねのけ、正門前に立ち止まり激しいシュプレヒコールをたたきつけた。デモは旭川駐屯地をぐるりと包囲して進んだ。
デモ後、再び正門に登場し、派兵弾劾行動を継続した。12時過ぎ、そろそろ式典が始まる。柵越しに紅白の幕が張られた式典会場が見える。その会場に向かって「小泉の式典出席弾劾! 小泉政権を打倒するぞ!」と激しいシュプレヒコールをたたきつけた。
その後「とめよう戦争への道!百万人署名運動・北海道」呼びかけの闘いに合流し、ともに闘いぬいた。
反戦共同行動委員会は、前日の1月31日にも旭川駐屯地に申し入れを行った。
第1陣出兵に抗議デモ 2・3千歳
2月3日、千歳基地からの陸上自衛隊本隊第一陣の出兵に対して、北海道反戦共同行動委員会の呼びかけにこたえて結集した学生、労働者が千歳基地へのデモと申し入れ行動に決起し、出兵拒否を訴えた。
その後の申し入れ行動の最中には、バスに乗った自衛隊員や家族などが、正面ゲートから続々と基地内に入っていく。全学連の学生は「自衛官は出兵を拒否しよう」という横断幕を広げて、「侵略の銃を握ってはならない」と力いっぱい呼びかけた。
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週刊『前進』(2137号2面1)(2004/02/16)
国労中央委 闘争団解体策す酒田に怒り 処分撤回拒む本部執行部
「新たな訴訟」は卑劣な延命策 裏切り者打倒し国労再生を
1月31日、国労は東京・新橋の交通ビル(国労本部)で第174回拡大中央委員会を開いた。昨年12月22日の最高裁反動判決後、国労解体攻撃は一挙に強まった。ところが酒田−吉田執行部は、これとの対決を始めから放棄し、卑劣な自己保身を決め込んでいる。しかも彼らは、「闘争団組織のあり方を見直す」として闘争団切り捨てへと露骨に踏み込んだ。国労5・27臨大闘争弾圧被告は、保釈後初めて国労本部に登場し、申し入れ行動を行った。裏切り執行部を倒し、国労を再生することが今こそ求められている。
国労弾圧被告が初めて登場
闘争団の切り捨てと国労自己解体に向かう本部に対し、この日早朝から、国労本部前で、国労に人権と民主主義を取り戻す会のJR本体組合員や鉄建公団訴訟原告団が宣伝行動を行った。組合員を締め出すためにガードを固める本部の警備を前にして、人権と民主主義を取り戻す会の代表は、中央委員会会場での職場ニュースの配布も認めない芝崎中執らの対応を弾劾した。鉄建公団訴訟原告団は、「国労総体として鉄建公団訴訟に取り組むべきだ。22名の権利停止処分を撤回し、闘う方針の確立を」と訴えた。
中央委員会に先立ち、国労5・27臨大闘争弾圧被告の国労組合員は、02年11月の本部声明と闘争指示55号の撤回を求める7名連名の申入書を携えて本部への申し入れ行動を行った。佐藤昭夫弁護団長、一瀬敬一郎主任弁護人が立ち会った。
国労本部は、被告の不当逮捕直後に、「保釈署名などに協力するな」とした闘争指示55号を出していた。この本部指示は、警察発表そのままに、自ら事実確認もせず、被告らによる暴行があったと一方的に決めつけるものだった。申し入れの内容は、この指示が国労の組合規約に基づく適正手続きや組合員の均等待遇に反しているとして、その撤回を求めるものだ。申入書は、裁判の過程で裁判長が「労働基本権との関連を考え審理を進める」と述べたこと、保釈決定を認めた東京高裁が「本件は重大とまではいえない」と判断した事実を記して、本部の対応を「人間味において裁判所以下」と指摘している。
要請行動の後、佐藤弁護団長が国労本部前でその報告をし、「国鉄闘争に連帯する会の呼びかけ人として、国労の団結回復のために申し入れの仲介をしたが、委員長は出てこず、芝崎君が来て、帰れ帰れと言い、申入書も受け取らない。これではJR会社そのものだ」と憤りを表した。
今次中央委員会は、最高裁判決を機に激化する国労解体攻撃と対決し、3・20イラク反戦国際統一行動に向けて高揚を始めた階級的激動に躍り込む闘う方針の確立が求められていた。
ところが酒田−吉田執行部は、「(最高裁)判決を機会にあらためて政治の場での早期解決を求める」として反動判決に屈服し、政治解決路線に一層激しくのめり込んで、国鉄闘争を敵階級に売り渡そうとしているのだ。
本部方針は、「事件はこの判決をもって終了とはならない」「国、独立行政法人『鉄道建設・運輸施設整備支援機構』を相手取った新たな訴訟について準備を開始し」などとして闘争継続の装いをとっている。だがそれは、「政府等の動向を見極めながら対処していく」というもので、本気で闘う構えはない。その訴訟自体、地位確認も請求せず、解雇撤回・JR復帰を全面放棄するものでしかない。しかも、闘争団員22人への統制処分の撤回もせず、生活援助金の支給停止も解除しない酒田らの姿勢は、これらが自己の延命を図るポーズでしかないことを示している。
それどころか彼らは、「組織・闘争体制の整備・強化」なる口実で、「闘争団組織のあり方を見直す」「生活援助金カンパについて、JR組合員の負担軽減を図る」とした露骨な闘争団切り捨ての方針を提案し、それを次期大会まで討議に付すとしたのである。
委員長あいさつをした酒田は、国労崩壊を叫ぶJR連合などを「厚顔無恥」と批判した。だが、それは国労の自己解体に突き進む酒田自身にも当てはまる。
闘う闘争団をののしる革同
討論では、反動革同が闘う闘争団への反動的非難を投げつけた。北海道での前書記長・寺内らの脱退問題にかこつけて、彼らは「一部闘争団の勝手な行動で団結が破壊され、脱退が拡大した。一部闘争団の不団結問題は、採用差別の解決を阻害するだけでなく、JR組合員の中に組織問題として発展している」(札幌闘争団)と叫び立てた。チャレンジも「闘争団組織の見直しにあたっては、国労方針を支持することを前提に再登録を求めたい」(盛岡地本)と唱和し、闘争団の除名を露骨に要求した。
集約答弁をした吉田書記長は、「一部闘争団が行っている鉄建公団訴訟を本部が行うことはありえない。新たな訴訟は、相手の出方を見て判断する」と述べた。国鉄改革法をつくった立法責任を追及するなどと言いながら、始めから訴訟をやるつもりなどないのである。吉田は、闘争団への統制処分の撤回の要求も退けた。
最高裁判決に屈しJR連合合流狙う
前国労本部書記長の寺内らを取り込んだJR連合は、今や国労の組織解体を公言してはばからない。『旬刊ACCESS』誌上で、JR連合幹部らは次のように言い放っている。
「一部セクトの人達を除くほぼ全員が、西労組に来るのではないですか。……一般組合員が国労に残っている意味はなくなった」(JR西労組委員長・森)
「昨年段階から四国2極構造の打開は最終ステージに到達している……国労四国も企業内労働組合のスタンスに立って、今後の運動の転換を組織的に真摯(しんし)に判断すべき」(JR四国労組委員長・立川)
「国労組合員の個々人に対し、我々が直接訴え掛けていく時期が来ました。すでに全国の国労組合員に向け、JR連合への結集を呼び掛けるアピールを最高裁判決後、直ちに発しました」(JR連合会長・明石)
「国労に対して組織を挙げて社員たる国労組合員の結集に全力で取り組みます。2月の中央委員会までを、1つのタイムリミットと考えています」(JR九州労組委員長・舩津)
まさにこれは、権力や資本の意を受けた国労解体宣言だ。こうしたJR連合の増長をもたらしたのは、最高裁判決に屈した酒田−吉田執行部の裏切りだ。
3・20の先頭に立ち力関係を変えよう
国鉄闘争は、今やその存亡をかけた重大局面に入っている。この攻防に勝ち抜くためには、裏切り執行部を打ち倒し、国労の再生を実現することが必要だ。
運転保安確立を掲げて3・13ダイヤ改正と対決する動労千葉と連帯し、1047名闘争をさらに発展させよう。国労こそが3・20イラク反戦国際統一行動の先頭に立ち、数十万労働者の大結集を実現して、階級的力関係を大きく転換させよう。国鉄闘争勝利の展望は、そこから切り開かれるのだ。
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週刊『前進』(2137号2面2)(2004/02/16)
動労千葉が春闘総決起へ 3・13ダイ改が最大の焦点
反合・運転保安で闘う方針
国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、3月13日に予定されているJR東日本のダイヤ改定を焦点として04春闘を闘う方針だ。山場にはストライキを配置し、全組合員の総決起で闘う構えだ。結成25周年を迎えて、自信と誇りをもって団結を強化して立ち上がろうとしている。
動労千葉は、@反合・運転保安春闘、A団結権・年金・生活防衛春闘、B1047名闘争勝利、国鉄労働運動再生春闘、C反戦・国際連帯春闘、D組織拡大春闘――と04春闘を位置付けている。具体的な要求課題は、@大幅賃上げ獲得―貨物における人事・賃金制度改悪阻止、A運転保安確立、3月ダイ改合理化粉砕―総武緩行線の運転時分短縮阻止、検修・構内業務外注化―車両メンテナンス第V期合理化阻止、B12月闘争で確認した懸案要求の実現――などだ。
特に、3月ダイ改に対する運転保安確立の闘いが重要である。JR東日本は総武緩行線の千葉〜御茶ノ水間で6分40秒もの運転時間短縮を行おうとしている。1988年12月のダイ改では、千葉〜三鷹間を3分40秒短縮(千葉〜御茶ノ水間は1分50秒)した。その直後に東中野駅で列車追突事故が起き、乗務員と乗客の2人が死亡した。動労千葉は、この事故から1年後の89年12月にストに立ち、翌年のダイ改で元の運転時分に戻させた。それ以来の時間短縮である。これに対して、安全と労働者の命をかけて闘われるのだ。
それは、日帝・小泉政権による自衛隊イラク派兵がついに強行されている「戦時下」での国鉄労働運動・1047名闘争解体攻撃、動労千葉解体攻撃に真っ向から反撃する闘いである。
そして、動労千葉の04春闘は、3・20イラク反戦国際統一行動に向かって、その大高揚の情勢を切り開く闘いになろうとしている。
昨年3・20イラク戦争開戦の直後に闘われた動労千葉の03春闘ストライキは、全世界の注目を集め、11・9全国労働者総決起集会での日韓米労働者の国際連帯を実現した。04春闘は、その地平を全面的に発展させる闘いだ。
また、3月中〜下旬の賃金回答の山場に向かって、日帝資本=奥田・日本経団連による全面的な賃下げ―定期昇給制度解体攻撃、生活破壊、首切り・不安定雇用化、労組法改悪―団結権解体、年金解体などの攻撃に対して「もう我慢ならない」という労働者の怒りの総反撃の突破口となる。
この闘いと一体となって3・20国際反戦闘争で10万人、20万人の大デモを実現した時に、小泉=奥田との力関係を転換し、日本労働運動の現状を塗り替えることができるのだ。
動労千葉は、自ら04春闘の先頭に立つとともに、全国の労働者がともに闘うことを訴えて、3月6日に「04春闘勝利! 3・6首都圏討論集会」を開催する(別掲)。3・6集会から3・13ダイ改を焦点とした動労千葉の闘いに連帯して04春闘に総決起し、3・20国際反戦闘争へ上りつめよう。
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週刊『前進』(2137号2面3)(2004/02/16)
春闘勝利へ3労組がアピール
全日建運輸連帯関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3組合は、04春闘勝利に向けてのアピールを発した。また、動労千葉は2組合の協賛のもと、3月6日、東京で春闘討論集会を開催する。3組合のアピールを紹介します。(編集局)
04春闘アピール
全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合・港合同
国鉄千葉動力車労働組合
全国のたたかう労働者の皆さん。「春闘終焉論」―春闘解体攻撃を打ち破り、団結してあらゆる職場、地域、産別から04春闘にたちあがろう。
日本経団連は、04春闘に向けて「定昇廃止」、「降給」、「ベースダウン」など全面的な賃下げ攻撃を宣言しました。また「労働組合は、経営側からの提案を受け実行に移すという本来の役割に徹するべきだ。既得権益を擁護する活動の是正を求める」と、労働運動の根本的な屈服と変質を要求しています。
小泉政権と財界は、労基法への「解雇ルール」の導入をはじめ、有期雇用契約や裁量労働制の拡大、派遣労働の全面的解禁を三本柱とした昨年来の労働法制の解体や、公務員制度「改革」、大規模な民営化攻撃をおし進め、膨大な労働者をリストラ・倒産・解雇・賃下げと、不安定雇用化の嵐のなかにたたき込んでいます。
今国会ではついに労働組合法の改悪が強行されようとしています。労働委員会制度の解体攻撃を焦点として、労働者の団結権そのものを破壊しようというのです。
国鉄一〇四七名の解雇撤回闘争も正念場を迎えています。昨年12月22日、最高裁は労働委員会命令を覆し、JRの使用者性を否定する反動判決を下しました。
さらに、国労臨大闘争弾圧をはじめ、労働運動への常軌を逸した刑事弾圧が相次ぎ、民事仮処分、損害賠償などの手法を使った争議潰しの攻撃が吹き荒れています。
また、年金を始めとした社会保障制度の抜本的な改悪が画策されています。労働者の生きる権利そのものが奪い尽くされようとしています。
今ほど労働組合の存在価値が問われているときはありません。しかし、連合をはじめ労働運動の現状は、賃下げや労働条件の切り下げ・首切りにも賛成するなど総屈服を深めています。怒りの声はうずまいています。このような否定すべき現実の変革をめざしてたちあがろう。
労働者が虫けらのように犠牲にされる一方で、戦争の危機が世界を覆っています。経団連・奥田会長は、「いまだかつて何人も経験したことのない未曽有の局面」「国が生き残るためには下草を刈り取らなければならない」「東アジア自由経済圏の確立を」と主張し、労働者のみならず、大銀行・大企業が生き残るためには中小企業も農業も全て切り捨てろ、と叫びたてています。資本主義体制はもはや万策尽きた危機に瀕し、残された最後の一手は、戦争という暴力的な手段しかなくなっているのです。労働者の諸権利に対する激しい攻撃と戦争は一体のものです。
小泉政権は、未だ戦火の絶えないイラクに重装備した自衛隊を続々と派兵しようとしています。また今国会では、有事立法の完成をめざす関連法案をはじめ、教育基本法の改悪法案、恒久的自衛隊派兵法案、司法「改革」関連法案、共謀罪の新設、そして改憲に向けた国民投票法案など、戦後の民主主義体制を根本から覆す反動法案がひしめき合って上程されようとしています。小泉政権は「拉致問題」をつかって排外主義ナショナリズムを煽りながら、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への侵略戦争にふみだそうとしています。
今世界の労働者は、団結して新しい時代を見いだす戦闘力をとり戻そうとしています。一旦は崖っぷちに追いつめられた労働組合が、新たな闘いを開始しています。イラク開戦一周年の3月20日には、全世界で国際的な統一行動が呼びかけられています。どのような力によってもおしとどめることのできない労働者階級の新たな闘いの歴史が音をたてて動きだそうとしています。この呼びかけに応えて04春闘に起ちあがろう。労働者の団結した闘いこそが、権利と生活を守り、戦争を止め、社会を変革する力を持っています。
今こそ団結をとり戻し、闘う春闘を再生しよう。04春闘にたちあがろう。大失業時代にたち向かおう。倒産・首切り・賃下げを許すな。団結権を守りぬこう。イラクへの自衛隊派兵、有事立法の完成を許すな。不一致点を留保し、一致点を拡大して固くスクラムを組んで職場・地域・産別で04春闘行動を組織しよう。ともに闘おう。
2004年1月
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週刊『前進』(2137号2面4)(2004/02/16)
1・22〜1・30
電機連合が終身雇用解体方針
自治労で春闘方針反対の声/世界失業率最悪に
●全労連、2年連続大幅賃上げ要求放棄 全労連は、賃上げ1万円以上の統一要求方針を決定。大幅賃上げ要求を否定した。(22日)
●中国電力、「サービス残業代」1億3000万円支払い 1188人が「サービス残業」をしていたことが分かり、未払い賃金計約1億3800万円を支払った。(22日)
●世界失業率、最悪の6.2% 国際労働機関(ILO)の発表では03年の世界全体の失業者は前年比50万人増の1億8590万人で、失業率はILO記録史上最悪の6.2%となった。(22日)
●JMIUが大幅賃上げ要求決定 JMIU(全日本金属情報機器労組)は臨時大会を開き、「一律3万円プラス格差是正要求」の04春闘方針を決定した。(24日)
●日本育英会リストラ方針決定 特殊法人「日本育英会」のリストラ計画案が明らかに。542人いる職員を今後5年間で42人削減、今年4月から独立行政法人「日本学生支援機構」に移行。(28日)
●ビクター、成果主義を一般労働者にも拡大 日本ビクターは、一般労働者に成果主義を拡大する方針を固め、労働組合と協議に入ることを明らかに。(28日)
●電機連合、雇用流動化促進の産業政策決定 電機連合は30日まで中央委員会を開き、04春闘では3年連続でベア要求を放棄。「人生二毛作三毛作」などと大規模な労働移動を容認し、終身雇用制解体を推進する「第6次産業政策」を決定した。(29日)
●自治労で春闘方針決定 自治労は30日まで中央委員会を開催。職種別賃金要求に屈した本部の春闘方針に批判が続出した。(29日)=討論要旨別掲
●トヨタ労組、2年連続でベア要求放棄決定 トヨタ自動車労働組合はベア要求放棄の方針を評議会で決定した。(29日)
●日産労組、3年連続1000円のベア要求決定 日産自動車労働組合は、今春闘でベア相当分1000円を含む7000円の賃上げを求める執行部原案を決めた。(29日)
●医労連で大幅賃上げ要求の声噴出 日本医労連は30日まで中央委員会を開催し、春闘方針を決定。1万円要求の全労連方針に反対して、4万円や2万7000円の大幅要求をするとの声が噴出。(29日)
●03年失業率、13年ぶりに改善 総務省発表の昨年12月の完全失業率は4.9%と前月比0.3ポイント改善。昨年1年間の平均完全失業率も5.3%と、13年ぶりに改善した。厚労省発表の昨年12月の有効求人倍率も0.78倍と、10年7カ月ぶりの水準まで改善した。(30日)
●03年消費支出6年連続減 総務省発表の勤労者世帯家計調査報告では03年の1世帯当たりの消費支出は月平均32万5823円と実質で前年比1.2%減少で6年連続減。(30日)
自治労中央委員会での論議要旨
●ベア要求放棄に反対意見
「組合員アンケートに基づいて平均1万1450円を要求する。『生活が苦しい』という組合員は6割を超えた」(北海道)
「2年連続の本俸マイナスや5年連続の年収減……ベア要求明示を」(宮城)
●ポイント賃金要求に反対意見
「代表職群では闘う前から分断されかねない」(新潟)
「職群での賃金差別と分断を持ち込むおそれがあり受け入れられない」(徳島)
「女性の多い職種があって男女間格差につながるおそれがある」(広島)
n注 ポイント要求方式とは
行政職、技能職、看護職、福祉職の4つを代表職群に指定し、それぞれのポイントの賃金を要求する職種別賃金要求。一律賃上げ要求を否定するもの。
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週刊『前進』(2137号3面1)(2004/02/16)
04春闘 定昇廃止・ベースダウンの強要 “教育費や生保も見直せ”
奥田と経労委報告に反撃を(上)
陸上自衛隊本隊のイラク侵略派兵の始まりをめぐって、日本の国論は二分状態である。今回の経労委報告は、定昇廃止とベースダウンを公然と打ち出し、日本経団連会長の奥田碩(ひろし)は労働者階級に“生活も見直せ”と叫ぶにいたった。この暴力的な「外への侵略戦争と内への階級戦争」の攻撃に労働者階級の根底的な決起がいたるところで開始されている。労働者階級への一大挑戦状である経労委報告を3・20空前の反戦デモと04春闘の爆発で打ち破ろう。一連の奥田暴言に怒りの反撃をたたきつけよう。
“身分不相応な生活はやめろ”と叫ぶ奥田碩
奥田は、1月14日の労使フォーラムで、生命保険について「家計が保険に対する正確な知識をもつことで、過大で重複した保障を見直すことが可能」などと発言した。
“生命保険をかけすぎるから家計が赤字になるのだ。よけいな生保はさっさと解約しろ”というのだ。
あまりのメチャクチャな暴言に生保業界からさえ、「生保離れを加速させるような奥田会長の真意がわからない」と一斉に反発の声が上がるほどだった。反響に驚いた奥田は、1月26日に釈明を行ったが、それこそ奥田の本音だった。
奥田は言う。「厚生年金保険料が引き上げられるなど、構造改革の影響が家計にも及ぶことを考えると、家計も見直してはどうかということで、教育費やローンの返済などとともに、生命保険料についても身分不相応なかけ方をしているのであれば見直してはどうかと申しあげた次第である」
奥田は、“小泉構造改革で社会保障の労働者負担が増えるから家計の金の使い方を考え直せ。教育費や住宅ローンや生命保険料など今の労働者は身分不相応な金の使い方をしている。見直せば、賃金が切り下げられても不満を言わずにすむではないか”と言っている。許せない暴言だ。
奥田は、トヨタ自動車の会長でもある。そのトヨタ自動車は、連結当期利益が04年3月期に過去最高の1兆円超になる見通しだ。だが奥田は、「一般論としてデフレと国際競争激化の中で、所得を増やすのは難しい」(1月14日労使フォーラム)などと、「国際競争力激化」を盾に“企業がいくらもうけようと、トヨタ方式で「乾いたタオルを絞る」ように労働者からはもっと搾り取る、賃金を下げる”と言っているのだ。
今度の経労委報告の最大の攻撃は、春闘解体=春闘の「春討」「春季労使協議」への変更と並んで定昇廃止とベースダウン(一律賃下げ)を真っ向から打ち出したことである。その本音は、“途上国並みの賃金水準”への賃金半減、さらにはそれ以下への切り下げである。日帝の独占的大資本が生き残るために、全面的な賃下げ攻撃に踏み出したものだ。“家計も見直せ”という奥田暴言はこのことに対応している。
大資本の延命のために労働者階級に犠牲
日本の労働者階級は、日帝の資本攻勢とそれに対する連合・全労連の屈服によって、5年間連続で賃金が下がり続けており、がまんの限界を超えている。
電機連合の生活実態調査を見ると労働者階級の悲鳴が聞こえてくる。40歳以上で4割以上の世帯が赤字になっている。支出の切りつめも限界を超えて赤字世帯が膨大に増え続けている。
家計で負担感の強いものは、「住宅関係費」が68・6%で飛び抜けており、「外食を含む食費」44・2%、「子どもの教育関係費」39・7%、「自動車関係費」35・5%、「税・社会保険料」34・6%だ。
30代後半から40代前半は「住宅関係費」、40代後半以降は「子どもの教育関係費」がトップだ。いかに住宅ローンと子どもの教育費の負担が重いかがわかる。もうこれ以上の家計の切りつめは不可能だ。
だが奥田は、日帝の延命のためには何がなんでも賃下げをやろうと、労働者階級が負担感を持つことそのものを問題にし、“労働者が身分不相応に持ち家を持とうとしたり、子どもを大学にやろうとするから赤字になるのだ。身分相応の暮らしをしろ、生活水準をさげろ”と言っているのだ。
奥田はこれが問題発言とはまったく思っていない。(国家が)「いきいきと根を張り枝葉を繁らせるためには、枝打ちや下草刈りなどの手入れが欠かせない」(奥田ビジョン)などと、大資本の延命のために労働者階級や農業や中小企業を切り捨てることを居丈高に宣言する奥田にとっては、“身分が違う”などと発言し、“生活水準を下げろ”と要求してもなんの痛みも感じないのだ。
このように労働者階級の生活に責任を持たない支配階級は打倒して、労働者階級の新しい社会をつくるしかないではないか。
暴言の背後に日帝の危機と侵略戦争攻撃
これだけではない。奥田はマスコミできわめて挑発的な暴言をくり返している。(表参照)
そのいずれもが、労働者階級を食わせていけない日帝の行き詰まりと、危機からの絶望的な悲鳴である。
経労委報告は、「自由貿易を国是としてきた日本にとって、FTA締結の流れに後れをとることは、国の存亡にかかわる」と、昨年の3・20イラク侵略戦争で衝撃的に明らかになった、世界のブロック化の動きに完全に立ち後れた日帝の危機を絶叫している。
その結論は、連合・民主党を巻き込んだ自衛隊イラク派兵と一大資本攻勢だ。文字どおり戦時下の資本攻勢が今、開始されている。奥田暴言の凶暴さの根拠はこれだ。
だが、日帝の絶望的な攻撃がやすやすと貫徹されるわけはない。自衛隊イラク派兵反対闘争の高揚と国論二分状況は、日帝の絶望的な「外への侵略戦争」が、自分たちへの「内への階級戦争」と一体であることを直感的につかみ取った労働者階級人民の根底的な決起が背景にある。
いかに国論が二分し、労働者階級の決起がまきおころうと、日帝はイラク侵略戦争に米帝と共同=競合しながらのめり込もうとしている。奥田・日経連は支配階級としての延命のために小泉を全面支持すると宣言した。まさに小泉と奥田は一体であり、小泉=奥田路線なのだ。
日帝の資本攻勢は、明確に一線を越えた。3・20イラク反戦国際行動に向けた労働者階級の決起はもはや連合中央も、全労連中央も押しとどめることはできない。彼らの裏切りが怒りの対象になっているのだ。
この労働者階級の巨大な決起の根底にある怒りと結びつき、04春闘を一律大幅賃上げをかかげてストライキで闘おう。3・13ダイ改・合理化粉砕へ04春闘に総決起している動労千葉と連帯して闘おう。3・20総決起で日本の階級闘争の流れを変えよう。
(湯村宏則)
【奥田のこんな言動許せるか】
★「年金未納者は、いわば国民の義務を果たしていないわけだから、パスポートや健康保険証や運転免許証を発行しないなどのわかりやすい形でペナルティを設けるべきだ」(文芸春秋1月号「緊急提言」)
★「政党の中には、『消費税増税反対』や『医療費患者負担の軽減』などを主張するところもある。……我々から見ると異星人のようである」(同)
★「春闘(という言葉)をまだ使っているの。もう死語になっていると思った」(1・13記者会見)
★「国際社会における日本の地位や国力などさまざまな要素を考えれば、イラクへの自衛隊派遣は当然行うべきと考える」(同)
★「(賃上げについて)家計の中身が社会人としてあるべき生活をしているのか。生活全般にわたりいびつになっている現状を改革すべきだ。高いコストの支出などを合理化すれば改善は図れる」(1・29笹森連合会長との会談)
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週刊『前進』(2137号3面2)(2004/02/16)
北朝鮮への制裁と戦争圧力 外為法改悪を許すな
1月29日、日帝独自の判断で北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国への送金および貿易の停止を可能にする外国為替及び外国貿易法(外為法)改悪案が、民主党、社民党の屈服・賛成のもとに衆院を通過した。2月9日にも参院で成立を図ろうとしている。
現行法が国連決議や日米などの2国間合意を前提条件としていた「経済制裁の発動」を、独自の判断で強行するというものだ。
経済制裁、送金・貿易停止は、侵略戦争の始まりである。日帝が主体的に北朝鮮侵略戦争をやるというこの宣言を絶対に許してはならない。法案の審議・成立が北朝鮮侵略戦争攻撃そのものなのだ。それを自覚する福田官房長官は「政策選択に有益」と言い、安倍自民党幹事長は「圧力をかける選択肢、武器」と公言した。
12月9日でイラク派兵・全面的侵略戦争に突入した日帝は、対北朝鮮侵略戦争の策動をも一気に強め、侵略戦争拡大の道をたどろうとしているのだ。
同日、日帝は海自が外国船舶に警告射撃を行い、積み荷を検査、物資を押収できるとする「外国軍用品等海上輸送規制法案」(仮称)を2月下旬に国会に提出する方針を固めた。
これにより、@「国民保護法案」A米軍への物資提供などに関する「米軍行動円滑化法案」B空港・港などの利用を調整する「特定公共施設等利用法案」C「捕虜等取り扱い法案」Dジュネーブ条約に関する「国際人道上の重大な違反行為処罰法案」E日米物品役務相互提供協定(ACSA)の有事適用などに関する自衛隊法・道路交通法改悪案と合わせて有事関連7法案となった。
日帝の国家的排外主義を右から補完する「救う会」は同29日、「拉致濃厚」とされる失踪者13人について一斉告発を組織した。ただちに北朝鮮侵略戦争を発動せよと迫っているのだ。
外為法改悪を許すな。闘うイラク人民、在日朝鮮人、南北朝鮮人民と連帯し、日帝のイラク・北朝鮮侵略戦争を阻止しよう。自衛隊派兵阻止、有事関連7法案粉砕、3・20国際反戦闘争の爆発をかちとろう。
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週刊『前進』(2137号3面3)(2004/02/16)
イギリス
消防労働者が山猫スト 人員削減反対と賃上げ掲げ
35消防署で突入
02〜03年、大量首切り・合理化反対、大幅賃上げを要求して合計15日間の全国ストライキを闘いぬいたイギリス消防労組(FBU)の労働者が03年11月、再びストライキに突入した。今度は組合本部非公認の山猫ストライキである。
消防労働者が山猫ストに立ち上がったのはなぜか。一つは、政府の圧力に屈したFBU指導部が03年6月に3年間に16%の賃上げで妥結し、スト体制を解除したことへの怒りがあったからである。もう一つは、03年11月からの7%賃上げ実施で合意したにもかかわらず、政府が突然、3・5%の賃上げにとどめ、新たな労働条件改悪の承認と引き換えに残りの3・5%分を認めるというふざけきった提示をしてきたからだ。
11月初旬以降、全国58の消防署の労働者5万3000人のうち、35の消防署の労働者が非公認ストに突入し、999番通報(日本の119番通報に相当)に応じる緊急業務以外を一切拒否した。山猫ストはスコットランド、北アイルランド、カーディフ、ノッティンガムシャー、ノーフォーク、ベッドフォードシャーなどで行われ、少なくとも13の地方が重大な影響を受けた。
これに対し、「左派」を自称しながら労働党との緊密な関係を維持するアンディ・ギルクリスト委員長らFBU指導部は、再び闘いの抑制にのりだし、組合員投票を行わせた。11月28日、スト方針に反対して政府提案を受け入れることが3対1の比率で決まったと発表し(投票率56%)、山猫ストの停止を指令した。
ストは確かにいったん中止されたが、消防労働者の怒りは激しく、闘いの炎はいまだ燃えさかっている。
怒りの再燃必至
消防労働者の第一の要求は、年2万1000ポンド(約413万円=02年11月時点)の賃金の40%引き上げであり、第二の要求は、合理化・首切り反対である。
政府は近代化と称して、夜間勤務の労働者の削減を軸とする4千〜6千人の大幅人員削減と強制的な超過勤務の導入、勤務体系の改悪による労働強化、救護員としての訓練強制による任務枠の拡大、消防署の統廃合などを打ち出している。労働者のぎりぎりの要求さえ無視したわずかな賃上げと引き換えに首切り、合理化、労働強化を押しつけようとしているのだ。
これに対してFBUが02年12月から03年6月までの間に77年以来最大の延べ15日間の全国ストライキで反撃したのは当然だった。
このストライキに対抗して、政府は1万9000人の軍隊を投入し、消防業務を行わせ、スト破りを強行した。政府は、ここで譲歩し消防労働者の大幅賃上げを実施すれば、他の公共部門労働者や民間労働者の賃上げの闘いの連鎖的爆発の引き金になりかねないと恐怖したのである。
FBU指導部の屈服によって03年6月にストが終息し、02年11月にさかのぼって4%の賃上げを行い、03年11月に7%の賃上げ、04年夏に4・2%の賃上げを行うことで合意が成立した。ところが政府は今日この合意さえほごにしようとしている。合理化や大幅人員削減、労働強化を受け入れなければ、すでに妥結した賃上げさえ払わないという、とんでもない暴挙に出ているのだ。
政府とそれに屈服する労組指導部への一般組合員(ランク・アンド・ファイル)の怒りが今回の山猫ストとなって噴出したのである。消防労働者の闘いのエネルギーがさらに爆発することは不可避である。
FBUはロンドンやエセックスの支部を中心にイラク反戦闘争にも積極的に取り組んでいる。イギリス労働運動の新潮流の一翼を占める戦闘的な労組だ。組合員は、ブレア政府・労働党指導部と密接な関係を保つFBU指導部の制動を突き破ってFBUを戦闘的に牽引(けんいん)し、イギリス労働運動を戦闘的に再生させようとしている。3・20国際反戦デーの爆発は確実だ。 (丹沢望)
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週刊『前進』(2137号3面4)(2004/02/16)
共謀罪・司法改革粉砕へ 戦時下で強まる治安弾圧 団結破壊と民衆動員狙う
自衛隊のイラク派兵・侵略戦争参戦と一体のものとして戦時型治安攻撃=警察国家化の攻撃が強まっている。日常的な治安弾圧の激化、警察の増強、共謀罪の新設策動、司法改革関連諸立法制定の動きなどである。こうした治安弾圧は、労働者階級に対するリストラ、賃下げ、首切り攻撃の資本攻勢とともに、〈内への階級戦争>の核心をなす重大攻撃である。小泉政権は、衆院解散で一度廃案になった共謀罪の2月中旬再提出を決めた。強制執行妨害罪拡大厳罰化・サイバー条約国内法と抱き合わせで成立させようとしている。いよいよ待ったなしの段階に突入した。全党・全人民の決起で立法化を阻止しよう。3・20日比谷野音大結集の力で大反動攻撃を打ち破ろう。
反戦の高揚に恐怖する小泉
1月19日に行った小泉の施政方針演説と国会での答弁は日帝の侵略戦争突入宣言である。小泉は石油分捕りの侵略戦争を「イラクの復興のため」といい、銃口をイラク人民に向けた軍事占領を「国際社会の責務」と言い放った。
同時に、北朝鮮に対する宣戦布告にも等しい「経済制裁法案(外為法改悪案)」を1月30日に衆院を通過させた。2月上旬にも参院成立を狙っている。絶対に許すことはできない。
だが小泉政権はイラク人民の民族解放闘争の爆発、それと連帯した日本人民の反戦闘争の高揚に心底から恐怖している。それゆえに、小泉は先行的な予防反革命として国内反動を打ち出しているのだ。国内での戦時下の階級闘争の激化に恐怖した治安攻撃である。
政府は派兵開始に対応して制服組トップの記者会見を中止し、報道の自粛をマスコミに要求した。報道管制と大本営発表の世論操作でのりきろうというのだ。
小泉は施政方針演説で、「空港や港湾など水際での取り締まりや危機管理体制の整備、重要施設の警備など国内テロ対策」「交番機能の強化」「出入国管理を徹底し、暴力団や外国人犯罪対策を強化」「裁判員制度の導入や……司法制度改革」、さらに「総合的な有事法制を築き上げる」と戦時下の治安体制強化を打ち上げた。
有事法制の推進とその一環として治安法規を拡大し、反戦闘争・労働運動を押さえ込み、特に団結権を解体して個々にバラした上で、大政翼賛会のようなもの(国民保護協会)に再組織して国民を動員しようとしている。このかなめに結社禁止法である共謀罪が座り、治安弾圧を警察が主導しようとしている。
「犯罪増加」の権力的なデマ
治安攻撃強化は、憲法9条や人権条項を踏みにじって遂行しているものだ。それゆえ「犯罪増加」のキャンペーンで推進してきた。
昨年11月の総選挙では、自民党・公明党だけでなく民主党もマニュフェストの重要政策として「治安の回復」を訴え、終身刑の創設と警察官の3万人増員を提唱した。
けたたましい治安の強化の根拠としてキャンペーンされているのが「犯罪の増加」である。
これは、犯罪統計に従来事件に入れてなかった微罪犯罪を算入することによって認知犯罪の数を増やしたことによる。だが、従来の統計の取り方でも「犯罪」が増えていることもはっきりしている。
この原因は、世界的な大恐慌情勢下で大量の失業、首切り攻撃で労働者階級が食えなくなっていることが根本にある。
労働者人民の怒りと、こうして権力と資本が作り出している「社会不安」を逆手にとって、それを「犯罪増加」にすり替え、治安の強化=警察力増強と新たな治安立法のキャンペーンのネタにしているのだ。
石原都知事は、「治安の悪化」「外国人犯罪の凶悪化」「少年犯罪の増加」をことあるごとに扇動し、松沢神奈川県知事は「外国人はみな泥棒」のデマ・キャンペーンをはった。地域レベル・地方自治体レベルでの治安動員を策していることに今日のもうひとつの大きな特徴がある。全国1000を超える自治体での「生活安全条例」がそれである。
派兵と一体で警察を大増強
99年に盗聴法・組対法が成立した後に、警察は4年間で1万数千人の増強を進め、ハイテク化も同時に行った。さらに12月18日に開いた「犯罪対策閣僚会議」で少年「犯罪」の厳罰化とともに検察官の増強、3000人の警察官増強をうたった。そして制定以来最大の刑法大改悪(今春法制審審議入り―今秋法案提出)を行おうとしている。
96年の地域課設置は、警察が労働者・民衆の生活レベルまで入り込む戦略をとったのである。当時、「特高警察への回帰」と言われた。それが、「安全・安心まちづくり」条例の全国的展開になり、現役の県警本部長が都の副知事になる、自治体に警視が派遣されるなどの自治体と警察の結合の強化につながった。
労働・福祉現場・地域まで警察と結びつける戦前の内務省型国家・警察への転換の契機となり、イラク派兵と一体のものとして進行しているのである。
治安も弾圧だけでなく、監視・管理を重視している。Nシステムやアパートローラー、全国の街頭に広がっている監視カメラ(警察のパソコンとつながっている)や、指紋・生態識別システムの導入の動きなど急ピッチである。国民総背番号制・カード化などを結合し、警察による労働者民衆の静態・動態掌握を狙っている。
組対法・盗聴法は警察が結社否定の前面に出ようとするものであり、共謀罪の新設は労働者の団結の解体に警察が前面に出ようというものである。
こうした中で弾圧の抜本的転換・強力化が推進されている。国労5・27臨大闘争弾圧や解同全国連寝屋川支部弾圧や『前進』販売街宣への弾圧や「電磁的公正証書原本不実記録」での弾圧など、これまで「事件化」されてこなかったことをデッチあげも駆使して「事件化」して、どんな微罪でも弾圧の材料にする。事件化すればすでに微罪ではない。一年以上の不当勾留がつくのである。
しかも逮捕―起訴―長期勾留―接見禁止―高額保釈金の攻撃をかけ、厳しい保釈条件をつける。保釈後に弁護人抜きに被告同士で会ったり話をしたりすることを禁止する条件が一般的になってきている。
裁判では、組対法で「証人保護」が導入されて弁護側立証に制約が付けられているが、被告・弁護側に無罪立証の責任があるかのような訴訟指揮も平然と行われている。
憲法に規定された基本的人権の保障や適正手続きの保障原則をこうした形で踏みにじる。戦後司法の全面否定、司法改悪の先取りが行われているのだ。これは労働者の団結権解体をとおして改憲攻撃にまっしぐらに突き進むものである。
すべての治安立法を粉砕へ
治安攻撃とは何か。支配階級が、その支配体制を維持するために被支配階級の反抗を抑圧する目的で制定する法規と体制である。目的は予防反革命であり最大の標的は革命党弾圧であり反体制運動の抑圧である。支配が危機に立てば立つほどその比重が高まる。
特にロシア革命以後の帝国主義は予防反革命国家をつくり上げ、植民地にも過酷な植民地法制を敷いたのである。だが同時に帝国主義段階への推転は侵略戦争、帝国主義間戦争の時代である。第1次大戦では国家総力戦が戦われ、それが以降の戦争を規定することによって、国民動員が不可欠となり、予防反革命立法に加えて動員政策がもうひとつの柱になることにより、戦時型治安政策が恒常化したのである。
日本ではそれが敗戦とその後の民主化政策によって抑えられてきたが、北朝鮮情勢・イラク派兵情勢の中で急浮上してきた。思想・表現・集会・結社の自由の制約、団結権の抑制などを強めるばかりでなく、反体制部分に限定して活用する攻撃に入ってきた。とりわけ破防法(団体解散)が封印されている現状から、団結権の解体=結社の禁止が焦眉(しょうび)の課題になってきたのである。
99年の組対法(盗聴法)・団体規制法の制定・適用に続いて、共謀罪が国際的(越境)組織犯罪条約の枠を踏み越えて、一般適用にまで踏み込んで557の罪に相談罪を設定していることの意味である。革命党の解体と戦闘的労働組合・社会団体の破壊を狙い、侵略戦争に労働者・民衆を動員するのが共謀罪である。
イラク派兵承認と対北朝鮮経済制裁法制定で始まった今国会は、「内への階級戦争」の一環として、憲法改悪投票法案・教育基本法改悪法案提出策動に加え、有事立法、年金法改悪などの生活破壊法案、労働法改悪などとともに空前の治安立法国会となった。
@共謀罪・強制執行妨害罪拡大重罰化・サイバー犯罪対策法を一括した「犯罪の国際化および組織化並びに情報処理の高度化に対応するための刑法等の一部を改正する法律案」、A裁判員制度を始めとする司法改悪関連法案、B日米捜査共助条約批准と国内法、C入管および難民認定法改悪、D少年法改悪、E旅券法改悪、F警察法改悪、G道路交通法改悪、H暴力団対策法改悪など、予定されている法案は目白押しだ。
これにアメリカの「愛国者法」のような入管体制の強化と無茶苦茶な捜査手法、刑の厳罰化を定めた「対テロ包括法」の制定策動がもくろまれている。
2月中旬の共謀罪再提出を前に情勢は待ったなしの段階に突入している。侵略戦争と一体で進められている共謀罪・司法改革関連法案新設阻止にむけ、総力決起しよう。そのために3・20日比谷野音大結集を訴える。
非合法・非公然の党、完全黙秘と非転向で闘う党こそが労働者人民から信頼されるのである。治安弾圧を打ち破り、闘う労働者の党を建設しよう。(立花 茂)
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週刊『前進』(2137号3面5)(2004/02/16)
春闘訴え ビラまき 電機労働者に共感広がる
1月29〜30日に横浜市のパシフィコ横浜で開催された電機連合第90回中央委員会初日、労組交流センターの電機労働者が、参加する代議員と傍聴者に、電機連合中央の04春闘放棄を弾劾するビラまきを行った。
電機連合中央はガードマンを動員してビラまきを妨害しようとしたが、それが粉砕されるや、神奈川県警の公安刑事どもが弾圧を狙って出てきた。
だが、定昇解体攻撃の先兵と化した電機連合中央を弾劾し、“生活防衛のために一律大幅賃上げをストライキで闘おう、3・20イラク反戦国際行動へ総決起しよう”と訴えるビラは、圧倒的共感で迎えられた。多くの電機労働者がビラを受け取るために会場から出てきたり、励ましの言葉をかけてきた。この決起で権力の弾圧は粉砕された。
この日のビラを「すばらしいビラだ」と感想を知らせてくる労組の幹部が現れるほどの大反響を巻き起こした。
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週刊『前進』(2137号4面1)(2004/02/16)
北海道・呉で闘い3・20へ 北海道から全国に訴える
2月イラク派兵阻止を
革共同北海道地方委員会は、2月イラク派兵阻止現地闘争、3・20首都10万人大結集の実現を訴える。
翼賛演出破る
日帝・小泉政権は、2月3日の陸自本隊第1陣派兵に続き、2月下旬には陸自本隊主力を派兵しようとしている。そのため小泉は、2月1日の「第1次イラク復興支援群」の隊旗授与式で国を挙げた出兵翼賛ムードの演出を狙ったが、旭川駐屯地は終日「派兵反対」の声で包囲された。小泉は「反対する国民も心の中では諸君の活動に声援を送っている」と訓示せざるをえなかった。
崩壊しつつあるイラク軍事占領体制のつっかい棒となるのか、日帝のイラク派兵は世界の注目を集めている。日本の労働者人民はイラク・中東・ムスリム人民と連帯し、全世界の労働者とりわけ韓・米の労働者と連帯し、イラク派兵阻止闘争を爆発させよう。それにり3・20国際反戦闘争の巨大な高揚を実現しよう。
2月下旬の陸自本隊主力出兵に対して、旭川駐屯地を完全に包囲し、階級情勢を一変させるような闘いを先制的に実現しよう。
口実は総破綻
人民の流動と分岐は深まっている。派兵絶対賛成派は「イラク石油輸入の確保」「日米安保の堅持のための派遣」と公然と主張している。国益のためというわけだ。だがそれは労働者人民の生活と生命を犠牲にするということだ。大資本攻勢と社会保障解体で生きていくことが困難な人民にとって、「国益」とは一握りの金持ちの利益にしか聞こえない。
「復興支援」もイラク植民地化を隠蔽(いんぺい)するための大うそだ。イラク人民の強靱(きょうじん)で不屈な民族解放闘争は、米英による植民地化の野望を告発している。自主的復興を妨害しているのが、労働組合も直接選挙も認めない占領軍当局だ。抵抗意志の一切を鎮圧することなしには、石油など資源の強奪は思うようにならないからだ。派兵された自衛隊は米英占領軍と一体化してイラク人民に銃を向けている。このような派兵に反対する声が強まっている。街頭署名からも明らかだ。
小泉は「テロに屈するわけにはいかない」と言う。だが、開戦の口実とされたイラクの「大量破壊兵器」は完全なデッチあげだった。小泉は今は「米軍のようにテロと戦うために行くわけではない」と隊員・家族に語らざるをえない。イラクで自衛隊が殺し殺される事態が発生すれば賛成と反対の激突は必至だ。日帝・小泉は、北朝鮮侵略戦争参戦をめざして、自衛隊を殺し殺される戦場に送り込み、実戦部隊化したいのだが、日帝の思惑どおりに事が進むわけではない。
破綻(はたん)は自衛隊の内部から生じる必然性がある。米軍ですら脱走・自殺が続発するなど崩壊し始めている。「国際貢献」にも今は説得力はない。一時「国際貢献」をしたいという入隊希望者が増加していたが、イラク派兵の影響で減少し始めた。今日、国家も自治体も財政破綻している。社会保障解体に向かっている。「人民の多くが生きられない状態で何が国際貢献か」という怒りが人民の中に渦巻いている。
労働者を軸に
侵略戦争の正当化のために小泉政権が動員した口実は総破綻だ。イラク派兵阻止闘争が爆発する潜在的な可能性は広がっている。その現実化は労働者階級にかかっている。労働者階級が反戦闘争の牽引(けんいん)車として登場できるかどうかは革命党の闘いにかかっている。革共同は、新指導路線として労働者階級自己解放の闘いを革命運動の絶対的中心に据えた。イラク派兵阻止闘争でその真の威力を発揮しよう。
折しも労働戦線は激動期に突入している。侵略戦争突入と大資本攻勢のもと、資本家と連合とによる労働者支配は崩壊しつつある。綱領改定した日本共産党と全労連の傘下にある労働者も労働者階級の利益を貫く運動を求めつつある。JR総連の危機はカクマルのファシスト労働運動の破産を意味している。既成の労働運動指導部の制動を突き破って、労働者が闘いに立ち上がり始めた。
労働者階級に進むべき道を示しているのが、陸海空港湾労組20団体の闘いであり、動労千葉の闘いである。とりわけイラク派兵情勢と対決して春闘ストを打ち抜こうとしている動労千葉のように闘うことで労働者人民は権利も生活も命も守り抜くことができる。このことを訴えるなら、労働者階級は必ず決起する。
「自衛隊は日本国軍であるからアメリカの言いなりで派遣されるべきでない」と対米従属論と国粋主義をあおるカクマルの敵対を粉砕し、2・20旭川―21千歳に全国から総結集しよう。
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週刊『前進』(2137号4面2)(2004/02/16)
隊旗授与式に抗議 旭川市民から熱い共感
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旭川駐屯地に申し入れ
百万人署名運動は陸上自衛隊旭川駐屯地北門で、イラク派兵反対を申し入れ、基地に署名を提出した(2月1日 午後) |
2月1日、陸自の旭川駐屯地で行われた隊旗授与式への抗議行動が「とめよう戦争への道!百万人署名運動・北海道」の呼びかけで行われた。地元北海道の労働者を先頭に約40人が決起し、小泉首相らイラク侵略派兵の極悪の推進者に怒りの抗議をたたきつけた。自衛官に出兵命令拒否を呼びかけ、陸自第2師団司令部への申し入れを行った。
午後、駐屯地東門(正門)に労働者、市民が式典弾劾の申し入れのために集まってきた。陸自北部方面隊第2師団は、事前に東門で請願を受けると約束しておきながら担当者の不在を理由に対応しない。「約束が違う。直ちに請願を受け付けろ」。参加者の怒りが爆発した。しばらくして出てきた担当者は「今日の請願は北門で受けます」の一点張りだ。デタラメな対応に徹底抗議した上で、北門で申し入れをした。マスコミ取材が殺到する。
百万人署名運動・北海道は「小泉、石破は直ちに侵略派兵を中止せよ。自衛官の皆さん、ともに闘おう」と訴えた。続いて三重県連絡会、京都連絡会、事務局、宮城県連絡会が申し入れを行った。京都連絡会の元自衛官は「自衛隊で仲間を大切にすることを学んだ。皆さんの勇気が仲間を守ります。自衛隊を侵略の軍隊にしないために出兵を拒否してください」と訴えた。担当の自衛官は動揺して涙目になり、「温かく仲間を送り出してください」と抗弁するのがやっとだ。
危機感を募らせた日帝権力は右翼を呼びつけた。右翼は街宣カーを横付けし、大音量で騒音をあげる。だが、右翼の騒音に負けずに請願を貫徹し、2万筆を超える署名を受け取らせた。
そうした中、式典に参加した家族や自衛官の幹部が門から出てくる。自衛官と家族にともに闘おうと呼びかけた。
百万人署名運動・北海道は前日の1月31日、旭川駅前の平和通買物公園で市民に侵略式典粉砕を呼びかけるリレーアピールとデモを行った。「明日の請願行動で提出する署名です」と呼びかけると、わずか1時間で約150筆が集まった。
百万人署名運動の3団体がアピールを行った。事務局は未明に強行されたイラク派兵承認を弾劾し、「今ならまだ間に合う。式典を弾劾し、侵略派兵を止めよう」と訴えた。北海道の仲間は「明日、小泉が旭川に来て、『国のために命をささげろ』と自衛官に命令しようとしている。新たな15年戦争の始まりとならないよう、派兵を止めよう」と呼びかけた。京都連絡会の元自衛官は「隊員が疑問や反対の声を上げにくい状況を変えよう」と訴えた。
旭川は2月1日から冬祭りだ。デモでは、ショッピングの市民や祭りの準備でにぎわう中、小泉の隊旗授与式への出席を弾劾し、ともに闘おうと呼びかけた。旭川市民のデモ隊に寄せる共感、派兵反対の思いが熱く伝わってきた。
デモ直後、イラク派兵反対署名が続々集まった。派兵される自衛官の娘という少女は「明日の式典に私も参加させられます。反対運動を頑張ってください」と訴えた。
(投稿 A・M)
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週刊『前進』(2137号4面3)(2004/02/16)
“大量破壊兵器はない” ケイ証言で窮地の米英が特別調査委
米帝ブッシュがイラク侵略戦争の最大の口実とした“大量破壊兵器の脅威”が完全なデッチあげであることをついに米帝自身が認めざるをえなくなった。それゆえブッシュ大統領は2月2日、情報機関の開戦前の情報の正確さを調査する独立調査委員会の設置を発表した。続いて英帝ブレア政権も2月3日、独立調査委員会の設置を発表した。
米帝ブッシュが、イラクに大量破壊兵器がなかったことを認めざるをえなくなった直接のきっかけは、米英がイラクに送り込んだ大量破壊兵器捜索チームの団長であるデビッド・ケイの辞任と公聴会での証言である。ケイは「これ以上捜索しても意味がない」として1月23日に辞任し、1月28日には米上院軍事委員会の公聴会で「私も含めてみんなが間違っていた」と証言し、「イラクに生物・化学兵器の大量備蓄は存在しない」、ごく少量の備蓄が発見される可能性も「きわめて低い」と明言したのだ。
ブッシュやブレアは、イラク大量破壊兵器の脅威というウソが完全に明らかになり、追いつめられて情報機関の情報の正確さに問題があったと責任逃れを図ろうとしているのである。だが、米英帝がイラク侵略戦争の口実とした“大量破壊兵器”がデッチあげであったことが最後的に確定したことの意味は決定的である。米英帝は帝国主義的強盗として数万人に及ぶイラク人民を虐殺したのだ。これをどうして許せるか。
そもそもイラクの大量破壊兵器がなかったことは今明らかになったことではない。すでに開戦前から、国連査察団の一員であったスコット・リッター氏がイラクは化学兵器や生物兵器などの大量破壊兵器は保有していないと証言していた。そしてイラク自身も全面的な査察受け入れを表明していた。にもかかわらず米帝は「もう遅い」と言って強引に開戦したのである。
米帝は軍事力でフセイン政権を倒し、イラク全土を制圧すれば大量破壊兵器のウソはうやむやのうちに封じ込められると高をくくっていたのだ。だが、イラク人民の民族解放闘争の大爆発は、米帝の思惑を完全に粉砕したのである。
米帝ブッシュはイラク侵略戦争の泥沼の中であくまでもイラク軍事占領を貫き、北朝鮮、イランへと侵略戦争を拡大しようとしている。全世界の労働者人民と被抑圧民族人民の決起でこの帝国主義を打倒する以外に侵略戦争を止めることはできない。3・20闘争の爆発へ全力で決起しよう。
日帝・小泉政権は陸自イラク派兵でついに侵略戦争に突入した。けっして引き返すことのない新たな15年戦争に突入したのだ。「戦争に行くのではない」「人道復興支援のためだ」などとあからさまなデマとペテンを叫んでいる。だが実際には、侵略戦争の戦場に自衛隊を送り込み、自衛隊によるイラク人民虐殺と自衛隊員の死という現実を突きつけることで、日本社会全体を戦争国家へと全面転換させようとしているのだ。
陸自本隊派兵の第1陣となる施設部隊80人は、50台の車列で戦隊を組んでクウェートからサマワに移動する。防衛庁幹部は「陸自初の軍事作戦だ」と発言している。すでに自衛隊の作戦行動が始まったのだ。派兵阻止の2月北海道・呉現地闘争に立とう。イラク反戦闘争の大爆発で自衛隊をイラクから撤退させよう。
3・20国際反戦闘争が決定的だ。首都・東京に10万、20万人の労働者人民の大結集を実現し、小泉政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2137号4面4)(2004/02/16)
派兵承認を許すな 百万人署名運動が銀座デモ “3・20首都に大結集を”
1月30日夜、イラク派兵の国会承認に反対するデモが「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の呼びかけで行われた。集合場所の日比谷公園・霞門には、仕事帰りの労働者、ビラやインターネットを見た青年、若い女性らが駆けつけた。150人が銀座デモで「衆議院でのイラク派兵承認決議の強行採決を許すな!」と戦争翼賛国会を激しく弾劾、「3・20の10万人行動で侵略戦争を進める小泉政権を退陣させよう!」と労働者人民に呼びかけた。
デモに先立つ集会で、国会を傍聴している西川重則事務局長のメッセージが紹介された。「小泉首相と石破防衛庁長官は陸自の先遣隊が行く前に作成していた虚偽の報告を行った。野党の批判も批判になっていない。強行採決は許さない」
次に小田原紀雄事務局次長が「これはわれわれに対する戦争だ。これまでの最大結集の2倍の人びとを3・20日比谷に集めよう。イラク反戦闘争の大高揚をもって憲法改悪阻止の闘いも勝利できる」と基調を提起した。神奈川県連絡会、杉並連絡会、「2・15渋谷反戦ウオーク実行委」の青年も決起を訴えた。
最後に百万人署名事務局が「あと1カ月で首都圏10万、全国30万筆のイラク戦争反対の署名を集めて3・20を成功させよう」と呼びかけ、デモに出発した。
行く手に戦争翼賛国会が見える。未明の採決強行を狙う与党への怒りが爆発した。「イラク派兵承認反対! 小泉政権は退陣せよ!」。銀座では「小泉は辞めろ」のコールに労働者が「そうだ」と叫び、女性が手を振った。ビルから身を乗り出してデモに注目している。侵略戦争に突き進む小泉打倒のうねりの始まりを実感した。(投稿 K)
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週刊『前進』(2137号4面5)(2004/02/16)
“イラク人民に銃を向けるな” 日本原闘争
1月20日、岡山の反戦派労働者と全学連の学生は、陸上自衛隊日本原演習場東地区での実弾射撃訓練阻止闘争に決起した。(写真)
第7普通科連隊は、陸自がイラクに持ち込もうとしている重火器である84_無反動砲の射撃訓練を行った。イラク侵略戦争のための訓練だ。岡山の反戦派労働者、全学連の学生は、早朝から演習場に突入し、地元農民を排除して立ち入り禁止線で阻止しようとする自衛隊業務隊、警務隊に弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた。普通科連隊隊員に「イラク人民に銃を向けるな」と呼びかけた。
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週刊『前進』(2137号4面6)(2004/02/16)
京都の都心を席巻 アクト&ユナイト 小牧現地闘争へばね
アクト・アンド・ユナイトは1月17日、京都で「STOP!イラク派兵・京都」主催の合同デモに参加した後、三条河川敷での集会と四条河原町へのピースウオークを行い、京都の中心街を席巻した。(写真)
集会では学生と青年労働者が次々と侵略派兵に怒りを表明。「陸自先遣隊の派兵は絶対に許せない」「『人道』や『復興』など大ウソだ。イラク派兵は百パーセント侵略戦争だ」「空自本隊派兵を阻止するために22日小牧現地へ決起しよう」「派兵の瞬間にゲート前を埋め尽くそう」。アジアの平和を考える若者の会・京都(「若者の会」)の元自衛官は「侵略戦争をやるために自衛隊に入隊した人はいない。派兵拒否を呼びかけよう」と訴えた。
四条河原町までのピースウオークでは「イラク派兵を止めよう! 税金使って戦争するな!」と叫び、沿道を通る人に、ちびプラカードを渡し、街頭を派兵反対の声で埋め尽くした。
1月20日に「若者の会」のメンバーが「免状不実記載」でデッチあげ不当逮捕されたが、22日、小牧現地闘争の大衆行動で弾圧を粉砕した。(投稿 学生I)
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週刊『前進』(2137号4面7)(2004/02/16)
天野重知忍草国有入会地守る会会長を偲ぶ会へのご参加のお願い
北富士・忍草(しぼくさ)母の会から天野重知忍草国有入会地守る会会長を偲(しの)ぶ会への参加が呼びかけられた。北富士闘争の勝利のために、忍草母の会との血盟にかけて結集しよう。(編集局)
◇
各位におかれましては、平素より北富士闘争へのご支援ご指導を賜りまして厚くお礼申し上げます。
忍草国有入会地守る会会長であり元忍草入会組合長の天野重知(しげのり)さんが、12月30日肺炎のため逝去されました。94歳でした。
天野重知さんは北富士闘争の偉大な指導者であり、私たち忍草母の会の生みの親育ての親でした。米軍・自衛隊に奪われた忍草農民の梨ケ原入会地を取り戻す北富士闘争に生涯をかけて闘ってこられました。私たちは天野重知さんを尊敬し「先生」といって慕ってきました。渡辺喜美江母の会会長に続いて天野さんを失ったことは残念でなりません。しかし私たちは負けません。天野さんの遺志を引き継ぎ全国のみなさんのご指導ご支援を受け、闘い抜くことを固く誓います。
天野さんは1909年忍草に生まれました。忍草農民が生きていくためには入会地梨ケ原の活用以外にないと確信した天野さんは、1939年30歳にして村長となり、陸軍に買収された梨ケ原への立ち入りを求め、陸軍相手の交渉を開始しました。これが天野さんの生涯をかけた入会権闘争の始まりでした。戦後は47年に忍草入会組合を結成、55年6月20日米軍カービン銃を実力突破した命がけの闘いを指導、60、61年には「梨ケ原に入会慣行あり」の政府覚書をかちとり、60年安保闘争に参加するなかで母の会を結成しました。母の会の65年リトルジョン実力阻止闘争、3年3ケ月演習場のど真ん中に座り込んだ第一の小屋の闘いなど60・70年代の数々の闘い、1985年5・17桧丸尾(ひのきまるび)入会小屋死守の闘いなど80・90年代の桧丸尾の闘いは天野さんの指導のもと入会組合・母の会が一心同体で闘った闘いでした。
天野さんは「北富士にとって死刑判決」とも言うべき「桧丸尾に入会権なし」の98年の最高裁判決と襲いかかる切り崩し攻撃にも負けず、90歳にして驚異的な戦闘精神を発揮して、忍草国有入会地守る会を結成し、自らが闘いの先頭に立ってきました。演習場正門への入会小屋建設と大看板設置、演習場内への座り込み、国会への連日の座り込みなどを展開してきました。昨年の11月の米軍演習の時には天野さんは前夜から演習場正門前にテントを張って、酸素ボンベを持ち込んで零下の冷え込みのなかで座り込みました。そして母の会のデモ隊を前に「梨ケ原を奪還するまで闘う」と訴えたのです。その後も今度は塔を建てて、自衛隊に向け放送をするからスピーカーの点検をするようにと全学連北富士現闘に指示していました。本当に命の続く限りの闘いでした。
天野さんは三里塚、動労千葉をはじめ全国の闘う仲間とは連帯を固めて闘うようにと繰り返し言っていました。闘いは続けなければだめだ。闘わないから負ける。途中で闘いをやめるから負ける。だから闘い続けろと私たちに言い残しました。天野さんは50年間一緒に闘いぬいた渡辺会長とともに天国で「梨ケ原をどうやって取り戻そうか」と語り合っていることでしょう。国や県がどんなに弾圧に出てこようとも「闘い続けろ」という天野さんと渡辺会長の遺言を守って忍草母の会は断固闘い続けます。イラクへの自衛隊の派兵に反対します。入会権の主張を放棄すれば与えるという国の林雑補償政策に反対します。入会権確立・北富士演習場撤去へ闘います。これまで以上のみなさんのご指導ご支援をよろしくお願いいたします。
天野重知さんを偲ぶ会を以下のとおり行いたいと思います。お忙しい折ですがみなさんのご参加をよろしくお願いいたします。
2004年1月29日
北富士忍草母の会
◇
開催要項
天野重知忍草国有入会地守る会会長を偲ぶ会
日時/2月22日(日)正午
場所/大臼荘(民宿)忍野村忍草2292(電話0555-84-2539)【富士急行バス・富士吉田発ファナック経由平野行・内野行「山尾田(やまおだ)」下車】
会費3000円
連絡先/山梨県南都留郡忍野村忍草2206 天野美恵(電話・FAX0555-84-2019)
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週刊『前進』(2137号4面8)(2004/02/16)
1月28日〜2月3日
北朝鮮制裁法案が衆院通過 イラク派兵承認を強行採決
●公明党、9条も議論に 公明党は党憲法調査会で9条の扱いも議論の対象とする方針を決めた。02年11月の党大会で「9条堅持」を決めていた。(28日)
●都市型戦闘訓練施設建設、方針変えず 在沖米軍トップのブラックマン4軍調整官は、沖縄県金武町のキャンプ・ハンセンに建設予定の都市型戦闘訓練施設について「日本の防衛や地域の安定を提供する義務を果たす上で、この訓練場を持つことは重要」と述べ、建設推進の考えをあらためて示した。地元の金武町伊芸区は反対実行委を発足させ、2月11日に区民総決起大会を開く。(28日)
●「イラクに証拠、一切なし」 イラクで大量破壊兵器の捜索に当たっている米調査団の団長を辞任したデビッド・ケイ前団長が米上院軍事委員会の公聴会で辞任後初めて証言し、昨年3月の開戦時点でイラクが生物・化学兵器を保有していたと判断した米情報機関の分析は誤りだったと証言した。またアルカイダとフセイン政権の協力についても「証拠は見当たらない」と発言した。(28日)
●北朝鮮制裁法案が衆院通過 日本独自の判断で北朝鮮への経済制裁が可能になる外国為替法改正案が衆院本会議で自民、民主、公明、社民などの賛成多数で可決した。共産党は反対した。(29日)
●イラク派兵承認、与党単独で可決 自衛隊の派兵承認案と03年度補正予算案が衆院本会議で与党単独で可決された。野党は、それに先立つ衆院イラク復興支援特別委員会の採決を与党側が押し切ったことに反発し、衆院予算委員会や本会議を欠席した。与党側は野党欠席のまま単独で採決した。(31日)
●在沖海兵隊3000人減検討 沖縄に駐留する米海兵隊のうちイラクへ2月から4月にかけて順次派兵される約3000人の大半について、イラクでの任務終了後も沖縄に戻さず、事実上削減する運用計画案が米国防総省で検討されていることがわかった。(31日)
●旭川で陸自本隊の隊旗授与式 イラクへ派兵される陸上自衛隊の本隊への隊旗授与式が、主力となる陸自第2師団の旭川駐屯地(北海道旭川市)で行われた。小泉首相と派遣要員・予備要員600人、家族700人が出席した。小泉は「日米同盟、国際協調はこれからの日本の平和と繁栄に最も大事。それを行動で示すのが皆さんだ」「反対する国民の中にも、心の中で諸君の活動に声援を送っている人がたくさんいると信じている」などと語った。(2月1日)
●米、独立調査委設置へ イラクの大量破壊兵器(WMD)問題について、ブッシュ米大統領は、真相解明のための超党派の独立調査委員会を設置する意向を表明した。秋の大統領選への悪影響を最小限に抑えるため、これまでの消極的な姿勢を転換した。(2日)
●有事関連、今国会7法案提出へ 小泉政権は、今国会に提出する有事法制関連法案を7法案とする方針を固めた。海上自衛隊が日本近海などで臨検を行える「外国軍用品等海上輸送規制法案」は、周辺事態では「正当防衛」などに限られた「不審船」への射撃の要件を日本有事の際には大幅に緩和する。また米軍に水・燃料などを提供する「米軍行動円滑化法案」は、周辺事態ではできない武器・弾薬の提供も可能にする。(2日)
●イラク駐留500億j追加も ボルテン米行政管理予算局長官は、05会計年度(04年10月〜05年9月)の予算教書について、イラクとアフガニスタンの駐留米軍の維持費として、05年度中に最大500億j(約5兆2800億円)の補正予算を要請する可能性があることを明らかにした。(2日)
●陸自本隊が出発 陸上自衛隊イラク派兵部隊の本隊の先発隊員約90人が政府専用機で北海道の新千歳空港からクウェートに向け出発した。(3日)
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週刊『前進』(2137号5面1)(2004/02/16)
カクマルの21世紀は暗黒 『解放』新年号の無残な破産
「宗教=民族戦争の悲劇」叫び帝国主義の侵略戦争を免罪
米英日帝のイラク侵略戦争の泥沼化、日帝・自衛隊の侵略出兵の開始という重大情勢の中で迎えた04年。労働者階級にとって、帝国主義の「外への侵略戦争、内への階級戦争」と真っ向から対決し、帝国主義を打倒する決定的な好機の到来である。わが革共同は、勇躍して労働者階級の中に飛び込み、プロレタリア革命のために全力を挙げて闘いを開始した。革共同政治局の1・1アピールは、そのための全指針を提起している。このわれわれとまったく対照的な惨状をさらしているのが、ファシスト・カクマルの反革命通信『解放』新年号である。その1面から4面まで流れている「大論文」は、まず「暗黒の21世紀を突破せよ」というタイトルからして、カクマルの真っ暗やみの無展望ぶりを示している。そこには、「左翼」を装うための「帝国主義打倒」も「プロレタリア革命」も「マルクス主義」も、言葉としてすらない。カクマルが完全に党派として「死に体」になったことを衝撃的にさらけだしているのである。
帝国主義との対決からの逃避と召還
『解放』新年号論文は、全体タイトル「暗黒の21世紀を突破せよ」のもとに3本の見出しが並んでいる。「現代の宗教=民族戦争の悲劇を打ち砕け」「イラク軍政=CPA打倒のために」「日本国軍のイラク出兵を阻止せよ」
全体の結論として、カクマルは21世紀の百年間は「暗黒の世紀」であると言いたいらしい。なぜ21世紀は暗黒の世界なのか。一言で言えば、「現代の宗教=民族戦争の悲劇」が延々と続く世紀となるからということになる。
しかし〈悲劇を打ち砕く>って何のことだ? 〈暗黒を突破する>って何だ? どれも、つかみどころのない表現である。階級闘争の用語ではない。
カクマルは、米英日帝国主義のイラク侵略戦争を「帝国主義の侵略戦争」と規定することに反対している。したがって「戦争の根源である帝国主義を打倒せよ」とけっして問題提起することができない。
カクマルは、文明間対立論をさらに進めて、キリスト教対イスラム教の宗教戦争として事態を描きだすことに全力を挙げている。「イラク戦争」そのものを宗教=民族戦争であるとカクマルは規定しているのだ。帝国主義のイラク中東侵略戦争に対してイラク人民、アラブ人民の反占領・反帝国主義・反植民地主義の民族解放戦争が闘われているととらえるのでなく、その両方(侵略している側と侵略と闘っている側)をまとめて一つにして、「宗教=民族戦争の悲劇」と切って捨てている。これが、『解放』新年号の一番大きな「主張」である。
ここには、まずもって、侵略戦争をしかけている米帝を始めとする帝国主義への怒りがまったく欠如している。悲劇を嘆いてみせるという、傍観者的・客観主義的な態度でしかない。侵略されている側に非があるとして、帝国主義を擁護する態度なのだ。これは大変な腐敗・堕落である。帝国主義批判、帝国主義との対決ではなく、“イラク人民がだめだから、民主主義を持ち込む必要がある”というような帝国主義イデオロギーの宣伝をやっているに等しいのである。
したがって「イラク軍政打倒・CPA打倒」というのも、後に見るように、ブッシュの政策的失敗をただせという意味でしかない。
デタラメな「三極対立」論
後半は、「三極対立という世界の構造」なるものについて述べている。つまり、〈米英日>対〈独仏露>対〈中国>の三極対立構造だというのだ。
この三極対立は、何に基づく、どんな対立なのか。ここでカクマルは、現代世界の階級的科学的分析がまったくできないことをさらけだしている。
ソ連崩壊=スターリン主義の歴史的破産のもとで、帝国主義間の対立が決定的に進行している。基軸帝国主義(唯一の超大国)としての米帝は、戦後世界体制崩壊の全重圧を受けて、世界支配の危機=体制的存立の危機にたたき込まれ、帝国主義的世界再分割戦に打って出ているのである。これに対して、ヨーロッパ、日本などの各国帝国主義は、生き残りのための死活的な争闘戦(共同的・競合的な侵略戦争の激化を伴う)を繰り広げている。これが、中東新植民地主義体制の全面的な再編のためのイラク侵略戦争を必然化させているのである。さらにはアジアにおいても、北朝鮮・中国から東南アジア・西南アジアまで、帝国主義の全面的な再分割戦が不可避となっている。この中で米帝は、最終的には中国の転覆をも含む世界支配の再編を追求するしかない。それがブッシュ戦略であり、世界戦争計画なのだ。
カクマルは、このように問題の本質を明確にせずに、何かつかみどころのない、混沌(こんとん)たる悲劇が進行していると言っているのである。
米英日対独仏の対立を、帝国主義間争闘戦の決定的・画歴史的な戦争的爆発として、帝国主義の侵略戦争・世界戦争の時代への突入として、帝国主義論的に把握することができないのだ。また、残存スターリン主義としての中国の問題を帝国主義との関係でとらえようとしない。要するに帝国主義の危機の問題として事態の本質をとらえていくことに反対しているのだ。
それは、今起きていることの階級的な本質、階級的な性格を否定するということである。労働者階級人民が、ムスリムを始め闘う被抑圧民族人民と連帯し、階級的に決起していくなら、危機に立つ帝国主義を打倒することができるということを否定したいのである。
カクマルの「世界観」はマルクス主義的な階級的科学的分析とは縁もゆかりもない。帝国主義への屈服を組織すること、暗黒の時代だから闘えないと宣伝すること――それが彼らのやっていることのすべてだ。
「占領政策のお粗末さ」で米帝は失敗?!
イラク情勢についての「分析」もデタラメきわまりない。カクマルはしきりに米帝は破産した、敗北したと述べ立てている。だが、それはまったく軽薄そのものだ。ブッシュ戦略は破綻(はたん)的現実にたたき込まれているが、米帝がこのまま撤退することはない。これから、文字どおり「敗北」させるために闘わなければならないのだ。イラク人民、そして、帝国主義国の労働者階級人民が、米帝を始めとする帝国主義を追いつめ打倒するためにどう闘うか、これが問題なのだ。
しかしカクマルは、「米帝の政策的失敗」を言っているだけである。「占領政策のお粗末さのゆえに必然的に軍政の破綻がもたらされた」(T章Cの末尾)。占領政策を正しくやればよかった、ということだ。
「ブッシュ政権内ネオコン・タカ派トリオの先制攻撃戦略・中東への『民主化の輸出』計画のお粗末さのゆえに破産」(V章B)とも言っている。もっと上手に計画すれば失敗しなかったということではないか。
イラク情勢でまたも謀略論
また、ブッシュ政権内部の「確執」をくどくどと書き連ねている。
カクマルは、「『一超』軍国主義帝国のあがき」という見出しで「軍国主義帝国」というインチキ概念を押し出している。これは帝国主義としての把握を否定するためである。日本共産党は、今度の綱領改定で帝国主義概念そのものを否定したが、カクマルはその点ではもっと先駆者なのだ。
ここでまたカクマルの「謀略」論が出てくる。「(米国防副長官)ウォルフォビッツが宿泊していたバグダッドのホテルの一階下の部屋にロケット弾が命中した十月二十六日の事件は、ブッシュの追い落としを狙っているCIA内の特定分子が、ムスリム勢力に情報を流して仕組んだものと推断しうる」(T章A)
何が「推断」だ。イラク人民、ムスリム人民の民族解放・革命戦争がCIAに操られたものだという、とんでもないデマであり、人民の闘いへの冒涜(ぼうとく)である。カクマル「謀略」論の反階級的・反人民的・権力万能論的本質を最もよく示すものだ。
カクマルは「ブッシュ政権内の確執が発展している」ということをあれこれと言及して、それで終わる。だから何なのだ。この帝国主義を誰が打倒するのか。自動崩壊的に、米帝はイラクから撤退するとでも言うのか。アメリカ階級闘争に言及するわけでもなし、ブルジョア評論としても、犬も食わない水準でしかない。とにかく“どうすればうまく占領政策が機能し、イラクに民主主義を植え付けられるか”という立場から論評しているものでしかないのだ。
「現代版『十字軍』とこのムスリム勢力との衝突は、宗教=民族戦争としての性格をもつ、といってよい」(V章B)
これは米帝がイスラムの文化や慣習を踏みにじるのがよくない(!)だからイスラムの人民は宗教的な戦争に立ち上がった(!)というものにすぎない。
カクマルは、「軍事的新植民地主義的な占領」という規定を行ったりもするが、これも帝国主義の侵略戦争に真っ向から対決すると言わないためのごまかしだ。「イラク民主化」のやり方が悪いという意味でしかない。戦争の根源、原因を帝国主義の側にあるものとしてはまったく規定していない。したがって、どこをどう押しても帝国主義打倒の立場も闘いの呼びかけも出てこないのだ。
「日本国軍」の呼称使い極右と一体化
この新年号論文のタイトルには、「日本国軍のイラク出兵を阻止せよ」という実践的方針らしきものもある。だが、イラク人民と連帯して、帝国主義と本気で闘うという気迫も内容もない。口先だけのものだ。
だいたい「日本国軍」という表現は何なのか。憲法9条の改悪を先取りしたようなこの表現は極右となんら変わらない。
しかも、“日本はアメリカに脅されて軍隊を出す”とされている。カクマルによれば、アメリカが、イラク人民がやったように装って2人の日本の外交官を虐殺した。それに脅されて小泉は派兵を決断したという。インチキ「謀略論」がここでも展開されている。
「(小泉は自衛隊派兵決定を)逡巡(しゅんじゅん)しつづけてきた。これに業を煮やしたヤンキー帝国の権力者どもは、小泉に最終決断を迫るために、日本人外交官の意図的虐殺という“荒療治”にうってでたのである」(T章A)
かたや戦争好きのブッシュ、かたや戦争嫌い(!)の小泉、という図を描き、「いやいや派兵をやらされる小泉」と、カクマルは描きたがっているのだ。なんたる小泉の美化か。日本共産党以下の対米従属論だ。
だがこれは、自衛隊派兵の歴史を画する重大性、日帝の積極的主体的な決断を見失わせるものである。
12・9小泉記者会見を見よ。「国家としての意志が問われている」「日本国民の精神が試されている」と猛然たる勢いで、帝国主義としてのるかそるかの侵略戦争出兵を扇動しているのだ。これに対して、闘う労働者人民は、帝国主義のために、帝国主義ブルジョアジーの利益のために、他民族人民を殺すことを拒否する、帝国主義のために自らの命を差し出すことを拒否する、ときっぱり宣言し、侵略戦争をやらなかったら延命できない国家を自らの力で倒すために立ち上がらなければならないのだ。
カクマルはイラク派兵に対する闘いから逃亡しているのだ。日帝・小泉の侵略出兵宣言の前に屈服しているのである。
カクマルは今や、「革命的祖国敗北主義」や「自国帝国主義打倒」についてのおしゃべりすら完全にやめてしまった。あたかも「レーニン主義」者であるかのような装いをとって、人をだまそうとする詐欺師のような手口も、カクマル内部の混乱を拡大するだけなので成り立たなくなっている。政治闘争・大衆闘争からの召還とも言える状態に転落している。
米帝が「協調政策」に転換?!
また、「米帝は政策修正をした」と言っている。「世界との協調政策」に転じたというのだ。仏独露に対しても、中国に対しても協調政策をとっていると、異様に強調している。イラクで敗北した米帝は、平和主義的協調的政策に転換したというのだ。これは、米帝を平和主義的に描いている点で犯罪的である。だがそれだけではない。
米帝に「協調して」イラク派兵を行う日帝・小泉が、帝国主義として参戦するということ、侵略者として出兵するのだということを否定し、ブッシュは平和政策に転換した、自衛隊もその中で行くのだから問題はない、と宣伝しているのだ。復興のためにいくのだという宣伝の片棒を担いでいるということなのだ。
今、大統領選挙戦の渦中で、アメリカの反戦闘争は、自国帝国主義と対決して階級的に闘うのかどうか、武装闘争に立ち上がっているイラク、パレスチナ人民と連帯して闘うのかどうかが問われている。米帝ブッシュが平和的協調主義に転じたなどというカクマルのキャンペーンは、民主党の勝利で米帝は完全に平和政策に転換するという「展望」を描くもので、国際反戦闘争の階級的な発展にとって実に有害無益だ。まったく許し難い。
JR総連との分裂に言及してみよ!
カクマル新年号論文には政治党派として、この歴史的な情勢の中でどう闘うのかという実践的なスタンスが完全に欠如している。03年の政治的組織的総括もなければ、04年の路線方針もない。あるのはあまりにも低水準な情勢認識論だけだ。彼らの党派としての組織的危機と腐敗が相当進行していることを自己暴露している。政治党派として完全に終わったという革共同6回大会以来のわれわれの認定は、まったく正しい。
われわれはこの間、繰り返し3点についてカクマルに説明を迫ってきた。@JR総連カクマルと中央派との分裂について、説明してみよ。A「神戸謀略論」はどうなったか、言ってみよ。B黒田哲学批判について答えてみよ、と。これらは、カクマルにとって死命を制する決定的な問題である。これに答えられないこと自体が、党派としての死なのだ。
重ねて言う。カクマルよ。JR総連問題について言及してみよ! カクマル中央派とJR総連カクマルは共倒れを恐れて「腐った妥協」に走ったが、「階級敵」とまで規定した相手との妥協を、どんな理屈で正当化するのか、言ってみよ。
カクマル中央派は、JR総連問題で態度を明確にできないために、労働運動の現場で立ち往生している。
学生組織も労働者組織も崩壊している。しかし、何よりも指導部が崩壊しているのだ。黒田寛一は無責任を決め込み、自己の保身しか考えていない。最高幹部の朝倉文夫や西条武夫は、自分が真っ先に権力に摘発され(昨年6月福岡事件)、白色テロ部隊の全面的な瓦解(がかい)的投降路線の引き金を引いた。
また「謀略論」とりわけ「神戸謀略論」の歴史的破綻を総括してみよ。
さらに黒田の破綻、そのイデオロギーと政治生活の完全破産を総括せよ。9・11論やイラク論をめぐる混乱とジグザグを総括してみよ。「イスラム・ジハード」を異様に礼賛したのは黒田ではないか。黒田が音頭をとって「9・11万歳」論をやったのだ。今では「ムスリム人民の反米ゲリラ闘争やジハード自爆闘争は、マルクス主義の観点からして誤った闘争形態」(『解放』1・12付)などと言ってそれを修正し否定しようとしている。カクマルの思想的崩壊現象が根底的に進行しているのだ。
危機促進する「腐った妥協」
新年号はその形式・体裁からして破綻している。
「宗教=民族戦争の悲劇」をうたい文句に、長々と分量を費やしながら、最後に、「現代の宗教=民族戦争の分析と、この悲劇を打ち砕く闘いの指針にかんしては、別に論じられなければならない」というただし書きをつけている。じゃあ、この70枚以上の長広舌は何だったのか。破産の告白そのものではないか。
カクマルを今こそ、歴史のくず箱に放り込む時がきた。JR総連の危機も一段と進行している。松崎派と嶋田派の分裂はますます深刻化している。嶋田派はホームページを立ち上げ、その対立を非和解的なものとしている。
「JR総連=国鉄の分割・民営化に協力した労働者階級の裏切り者」という真実が、全世界の労働運動から、また国内からも、激しくJR総連に突きつけられている。
双方の危機は、同時一体的に進む。中央派が没落してJR総連が元気づくということはない。逆もあり得ない。対立しながら、同時に危機を進行させるのだ。「腐った妥協」で時間をかせぎ、延命の条件をつかむということは不可能だ。われわれはそれを許さない。革共同の新指導路線の圧倒的前進でカクマルを完全打倒しよう。
〔工藤俊夫〕
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週刊『前進』(2137号5面2)(2004/02/16)
第6部 総動員体制(4)
天皇制教育 「国体」への忠誠を誓わせる
天皇制教育は、1872年に学制が始まって以降、大日本帝国憲法の発布(89年)、教育勅語発布(90年)から本格化したが、徹底化されたのは日帝の中国侵略戦争が泥沼化した1930年代半ばからだ。
日本軍は31年の柳条湖事件をもって中国東北部への侵略に踏み出し、翌32年に「満州国」をデッチあげ、本格的な中国侵略戦争を開始した。37年の盧溝橋事件で侵略戦争は全面化した。中国人民の抗日意識は急速に高まり、中国軍は頑強に抵抗。戦線は拡大し、日本軍は次々増援が必要となり泥沼化していった。
こうした中で日本人民の物心両面にわたる戦争動員が必要となった。38年には国家総動員法が成立。経済と生活を国家統制の下に置き、賃金の統制、労働者の軍需工場への徴用、物価の統制、労働争議の禁止、言論統制など人民の生活のあらゆる面を国家が支配するようになった。
八紘一宇の精神
日本帝国主義は、天皇制ボナパルティズム統治を一層強め、天皇制イデオロギーを人民の戦争動員の最大の手段として強化した。昭和天皇ヒロヒト自身がその先頭に立った。
教育現場では文部省が天皇を中心とする国体論を強調し、「我等は私生活の間にも天皇に帰一(きいつ)し国家に奉仕するの念を忘れてはならぬ」(文部省発行『臣民の道』=41年)と、天皇と国家への忠誠を要求した。皇国史観が教育現場を支配した。
皇国史観は、日本の歴史を「国体」の顕現・発展としてとらえる、でたらめな神話に基づく非科学的な歴史観で、@日本は神国であり、皇祖天照大神の神勅を奉じ、「三種の神器」を受け継いできた万世一系の天皇が統治してきた、A日本国民は臣民として、古来より忠孝の美徳をもって天皇に仕え、国運の発展に努めてきた、Bこうした国体の精華は、全世界にあまねく及ぼされなければならない(八紘一宇=はっこういちう)――という歴史観だ。
「八紘一宇」のスローガンは、日帝の中国侵略戦争、日米戦争を正当化するイデオロギーとなった。「八紘」とは四方と四隅という意味で、「一宇」とはひとつの家のようにするという意味である。
この「八紘一宇」の精神を理解せず逆らう中国を武力をもって懲らしめ従わせるという理屈で中国侵略戦争を正当化したのである。
日米開戦の数カ月前の41年3月に国民学校令が公布され、小学校は国民学校と改められた。
国民学校の教育
文部省は国民学校の教育目的を「個人の発展完成」を目指すものではなく、教育勅語を奉じ「皇国の道に則りて国民を練成し皇運を無窮に扶翼(助けること)」するにあるとした。つまり学校は個人の個性や能力を発展させる場ではなく、天皇と国家のために尽くす人間をつくる「修練道場」であるとしたのである。
国民学校の教科書の編纂(へんさん)には公然と軍人が介入、国体思想で塗り固められた。その内容は以下のようなものである。
【修身】国民道徳(臣民道徳)の実践指導を通じて皇国の道義的使命を自覚させる。
【国語】国民的思考感動(臣民自覚)をとおして国民精神を涵養(かんよう)する。
【国史】皇国の発展の跡を学び、肇国(ちょうこく=国をひらくこと)の精神の歴史的使命を自覚させる。
【地理】国土愛護の精神を養い東亜および世界における皇国の使命を自覚させる。
【理数科】科学の思想が国家興隆に貢献する所以(ゆえん)を理解させるとともに、皇国の使命を考え文化創造の任務を自覚させる。
【体錬科】身体を鍛錬し精神を練磨して献身奉公の実践力をつけさせる。
修身教育はその基礎に『教育勅語』を置き、国民の道徳を天皇の名によって規定し、忠君と愛国や孝行は密接不可分であり、すべての価値は天皇と国家への忠節、教育勅語にいう「皇運の扶翼」に従属するものとされた。また道徳は忠、孝などの徳目に分解され、それらの徳目を説話や特定の人物像を通じて子どもに教え込んだ。
ある教科書監修官は、芸能科(音楽・美術)の教育は「美的感覚を対象的な芸術作品のうちに求めるのではなく……生産と戦争に潔く死し、美しく死することの美であらねばならぬ」と述べた。教育は天皇と国家のために兵士として死ぬことを教えるものになった。
「4大節」の儀式
学校行事や団体訓練が重視され、特に天皇の「祝日」にかかわる儀式が重視された。紀元節(神武天皇が即位したと称する日=2月11日)、天長節(昭和天皇の誕生日=4月29日)、明治節(明治天皇の誕生日=11月3日)、新年節(1月1日)を4大節として、学校に教員・生徒を全員集め、天皇・皇后の写真(「御真影」と呼ばれた)への最敬礼、万歳奉祝、教育勅語奉読、校長の訓話、唱歌の合唱という儀式を独特の雰囲気の中で行った。
国民学校へ入学した子どもが最初にしつけられるのが、「御真影」を格納した奉安殿や奉安所の前での最敬礼だった。天皇の写真は天皇と同一視された。また忠孝のシンボルとされた二宮金次郎像への敬礼、「日の丸」掲揚時の不動の姿勢による注目が強制された。
「学校へ来た時と帰る時には奉安殿に対し奉り真心から最敬礼をせねばなりません」「われら臣民が国運盛んな御代に生まれ合わせた幸福は、ひとえに天皇陛下の御稜威(みいつ=威光)によることを深く感謝すると共に益々忠義の心を固めねばなりません」(『日本少国民常識の早わかり』=42年)
国民学校での天皇制教育とは、いかに天皇のために死ぬかという教育であり、侵略兵士の予備軍を「生産」する教育そのものであったのである。
天皇制教育は植民地支配下にあった朝鮮人民、台湾人民にも強要された。教育勅語暗唱や「宮城遥拝」(=皇居の方角への敬礼)が義務づけられた。民族としての誇りを奪い尽くしたのだ。また沖縄における皇民化教育は“天皇のためにヤマトに負けない忠義を尽くす”子どもを育て、「集団自決」などの悲惨な死に追いやった。沖縄戦は皇民化教育の結末であった。
(片瀬涼)
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週刊『前進』(2137号6面1)(2004/02/16)
旭川駐屯地での隊旗授与式に怒りのデモ 東北大学 K
2月1日、旭川駐屯地で隊旗授与式が行われました。自衛隊派兵部隊を小泉首相や石破防衛庁長官らが「激励」、川口外相や公明党神崎らも出席し、多くの黄色いハンカチが振られる派兵大歓迎ムードの中で自衛隊を派兵することが、小泉政権の狙いだったと思います。しかし、私たちの旭川現地闘争がそれを粉砕しました。
駐屯地前の集会では市民から「学生が頑張れ」と激励され、駐屯地に向かってシュプレヒコールをあげ、デモに出発しました。
デモの後、正門近くで隊旗授与式の式場に向かい、「小泉、石破は帰れ」「復興支援は大うそだ」「出兵を拒否しよう」などと強く訴えました。
請願行動に行く部隊は北門へ向かい、私は正門前に残りました。式を終えた石破や神崎らは、私たちの「イラク派兵をやめろ」という抗議の声に、正門から逃げるように車で帰っていきました。自衛官、イラク人民に死を強制し、自らは毎日ぬくぬくと過ごしている輩(やから)かと思うと、本当に怒りが込み上げてきました。
請願隊の報告によると、各団体が申し入れる度に「決まったことだから笑って送り出してほしい」と言っていた自衛隊の担当者は、「あんたホントに笑って送り出せるのか!」と追及されると、ただ沈黙するだけだったそうです。
イラク石油の利権獲得、自国政府の延命のために侵略派兵を進める小泉らに、旭川駐屯地で派兵絶対反対の声をたたきつけたことは重要だと思います。道民と合流し、2・20〜21陸自派兵阻止大闘争への突破口を開くことができました。
北海道で派兵阻止の大闘争をつくり出し、3・20国際反戦行動の10万人集会を実現し、侵略戦争に突き進む小泉政権を打倒しよう。
「日の丸」右翼と対決 大高揚した小牧闘争 東京 円谷秀之
1月22日の小牧でのイラク派兵阻止闘争に参加しました。現地に向かう深夜の高速道路の段階から、軍歌を大音響で鳴らしながら走って行く何台もの右翼の街宣車、そして小牧基地前での激突。終始、右翼との攻防でした。
基地ゲート前は、「日の丸」をうち振りながら「自衛隊・ガンバレー」と異様なコールを叫ぶ50人近くの右翼との対決になりました。彼らは「人道的復興支援」とノボリを立て、私たちには「国益に逆らうのか」「石油が得られなかったらどうするのか」と罵声(ばせい)を浴びせてきました。右翼のこうしたおぞましい姿こそ、小泉や石破の居直りの論理と暴力性そのものではありませんか。
「ふざけるんじゃない!こんなやつらに派兵の街を制圧させてたまるか」。結集した500人全員が同じ怒りと闘志で、基地への申し入れと3万筆近い署名提出をやりぬきました。
もう一つ、カクマルの凋落(ちょうらく)ぶりも実に痛快でした。午前に一瞬アリバイ的に来ただけ、派兵時のゲート前闘争は完全に投げ捨てました。
今回の闘争は、右翼やカクマルの妨害を打ち破って自衛官に「行くな、殺すな、殺されるな」と訴え、戦時下の反戦闘争として勝利できたと思います。
しかし、それを自己確認しているだけではダメです。連日、マスコミを通じてたれ流される「大本営発表」に、みんなへきえきしています。どうしたら派兵を止められるのか歯がみする思いでいるはずです。周りの人びとに「3月20日、 10万人の大結集で『小泉倒せ』のデモをしよう」と呼びかけ、実際に集めることだと思います。
民主党の「派兵反対」は本気とは思えない 東京 黒羽豊美男
民主党の態度は、本気でイラク派兵に反対しているとは思えません。自民党に対抗するために主張しているだけで、いわば「反対のための反対」だと思います。「創憲」とか言っていますが、今の「平和憲法」を変えることにはかわりありません。「国際協調主義」とか理由をつけたとしても、「国連待機部隊」などと名前を変えたとしても、軍事力を持ったものが海外へ行くことは許されません。こういった国会の流れ、政治の流れに対して、中核派の皆さんにはこれからも断固たるたたかいを続けてほしいと思います。
また、労働現場の労働者の生の声、実態を伝えてほしい。これからも真実を伝え、労働者をとりまく問題を明らかにして、企業・権力とたたかうための資料を提供してほしいと思います。
自衛官は勇気もってイラク行き拒否を 兵庫 恒川るい
2月3日、北海道から陸自本隊が派兵されるもようをニュースで見ました。
送る家族の中には、日の丸でなく、黄色いハンカチを振る家族がたくさんいました。最後の最後、バスに向かって行って手紙と黄色いハンカチを渡す姿もありました。7〜8歳の女の子が大粒の涙を流していました。4〜5歳の男の子がぽつんと立ちすくんでいました。こんな姿を見たくはなかった。私たちはまだまだ力が足りない。
匿名の派遣隊員のインタビューがありました。「自分たちは訓練にいつも意義を探している。イラクで意義を見出したと思った。しかし自分に命令が来た。死ぬかもしれない。恋人や母に心配をかけたくないから、イラクで起こっている現実に目をそらしているように思う」と。「訓練に意義を探している」ことを初めて知りました。
私は正面から言いたい。「訓練の意義は、近い将来プロレタリアートが一斉蜂起するときに、人民の軍隊として決起することです!」。そして「イラクで死ぬことよりも、イラクへ行くことを拒否する勇気を持って下さい!」
働く女性はセクハラに日々悩んでいる 東京 会社員O・R
11・9集会、職場の友人に誘われて初めて参加しました。少しむずかしかったです。
でもそのあと「これは若い人の意見いっぱいのってておもしろいから」とすすめられて前進新年号をよみました。青年労働者の座談会、とてもよかったです。みなさんが等身大っていうか、私と同じ目線で考えているんだなあと思い、投書する気になりました。
私たちはたらく女性が職場で日々悩んでいるのはセクハラです。職場の新年会や社員旅行、また仕事がおわってカラオケに誘われたりするんですが、必ずお酌やデュエットを強制されるのです。とてもいや!
ほかにも「きょうは顔むくんでるね」とか「たまにはハイヒールくらいはいたら」とか、ほんとに毎日セクハラでウッ…。
礼儀正しい韓国や、フェミニズム・ジェンダーフリーの先進国アメリカではこんなことない。日本だけがおくれている。なんでおくれているかというと「そういうのは職場の潤滑油でしょ」などとのたまう古い感覚のおじさんが組合役員をやってるからだと思います。前進でこういう身近なセクハラ問題をきちんと取り上げてほしい。(具体的には“職場のセクハラ、こうして撃退した”みたいなコーナーとか)
こうした切実な声に耳をかたむけないなら「青年労働者ったって、しょせん20年後にはおじさん組合役員になるんでしょ」とそっぽをむかれると思います。
治安弾圧との闘いを労働者の共同課題に 関東 20代 津田沼孝之
団結禁止法である共謀罪が今月再上程のようです。自衛隊イラク派兵情勢下、治安維持法の再来を感じます。共謀罪を始めとした毛穴もふさぐ全面的な治安強化を放っておいたら団結が一挙に解体され、これまでの闘いが無にされてしまいかねません。
しかし治安弾圧との闘いを労働者民衆共同の課題としてビルトインした時、逆に強固な闘いを広げることが可能となっていくと思います。労働者は、資本と闘いつつ、弾圧との不可避的な闘いの実践をとおして国家権力を見て、「国家と革命」をつかんでいくものだと思います。
闘う全金本山の労働者もかつて、資本との闘いで初めて機動隊が登場した時、「職制や右翼の暴力を取り締まってくれる」と思って拍手で迎えたと聞きました。しかし実際は自分たちに襲いかかってきた。これは一体なんなんだ、国家権力とは! と。
労働者は闘う団結と仲間を守るために弾圧と対決し連帯を求め、その中で「搾取と闘い、戦争・弾圧と闘う世界の労働者はひとつなんだ、敵は帝国主義だ」と実感としてつかんでいくのではないでしょうか。
私たちみんなで団結を守るために、あるいはプロレタリア革命の戦略課題として、全労働者民衆に治安弾圧との闘いを積極的に持ち込むことが勝利の道です。政治・経済闘争と常に不可分一体(コインの裏表)で訴えなければならないということです。
アメリカILWUも、「外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争」の共通認識があることを知りました。資本攻勢と最も闘う各国の労働者は、戦争反対・弾圧粉砕を正面に掲げて団結を守ってきたのです。
3・20日比谷野音に大結集し、国際連帯を広げて、国際的治安強化を打ち砕きましょう。
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週刊『前進』(2137号6面2)(2004/02/16)
書記局からの訴え Solidarity 創刊! マルクス主義青年労働者同盟中央機関紙(ソリダリティ)
結成の感動と熱気伝える 1000人のマル青労同建設へ
すべての闘う仲間のみなさん。マル青労同の中央機関誌『Solidarity』を創刊しました。昨年12月に開催したマル青労同結成大会の報告・決定集です。マル青労同結成宣言、結成大会の基調、マル青労同規約、そして大会におけるあいさつや討論の一部、感想文の一部を収録しました。ぜひ読み、1000人のマル青労同建設のためにともに歩んでほしいと思います。
マル青労同のめざすもの
私たちは帝国主義をうち倒して、労働者が支配階級となる社会をつくり出すため、マル青労同を結成しました。連合・全労連の既成指導部による労働者支配をうち破り、階級的労働運動が日本労働運動の主流派となる青年労働者の力強い登場をかちとります。
なぜ今、私たちの目の前で、自衛隊のイラク派兵が強行されているのか? なぜ奥田ビジョンや04年版経労委報告に示される野放図な賃下げと生活破壊がまかり通っているのか? 「小泉が悪い」「日本経団連・奥田が悪い」と言うだけでは済みません。
自民党政権や資本家階級にすり寄り、全面的に加担する連合など御用組合の労働貴族が、日本の労働運動を支配しているからです。この労働組合の現実を根底から塗り替えて、世の中を変えよう!――これが私たちの共通の思いです。
全世界で、労働運動の闘う潮流が力強く登場しています。昨年2〜3月のイラク反戦闘争をけん引したのも労働組合です。動労千葉が「労働運動の新たな潮流をつくり出そう」と呼びかけているとおり、今こそ日本の地で労働運動の新たな闘う潮流が5万、10万、そして100万という力を持たなければなりません。
そのためには、動労千葉のように階級的な原則を貫き、団結を固めて闘う労働組合を、全国に無数につくり出すことが必要です。この闘いを私たち青年労働者が担います。
マル青労同は、日本の労働運動の階級的再生をかちとるために、2本の柱の基本任務を確立しました。@動労千葉の闘いに学び、闘う労働運動・労働組合運動をつくり出すために闘うこと、A労働者階級の自己解放の思想=マルクス主義をとことん学び、労働運動の中によみがえらせるために闘うことです。
大会基調や規約、結成宣言は、マル青労同の結成の目的を鮮明に打ち出したものです。
青年労働者の決意と息吹
創刊号には、大会の発言の一部も収録しました。職場で組合を結成し、組合活動の中で格闘している報告。青年部運動に懸命に取り組み、親組合を「ハラハラ・ドキドキ」させて闘っている報告。マルクス主義の学習会を職場で組織した教訓。職場から仲間を組織することを活動の中心にすえたマル青労同の方向性を指し示しています。
大会後に寄せられた感想文も含めて、全国の青年労働者のマル青労同結成にかける熱い思い、自らの闘いによって労働運動の現状を根底から塗り替えようという決意、熱気に満ちた大会の息吹をぜひ共有してほしいと思います。
3・20日比谷に青年の隊列を
マル青労同は3月20日、10万人の労働者の大結集を実現するために先頭で闘います。労組青年部を先頭に青年労働者の大隊列を登場させ、労働者階級の積もりに積もった怒りを解き放ち、労働者が大きな反撃に打って出る始まりの日としたい。職場から地域から青年労働者の大結集をかちとるために闘い、1000人のマル青労同建設へ突き進みます。
すべてのみなさん、ぜひ『Solidarity』創刊号を読んでください。
★発行 蒼星舎/東京都中央区日本橋堀留町1-3-16S-1日本橋ビル1F/
e-mail solidarity@mwl.jp
★前進社でも扱います。
★新宿・模索舎で販売中!
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週刊『前進』(2137号6面3)(2004/02/16)
共産主義者 139号 派兵下の〈新指導路線〉
川武論文 11・9国際共同行動の意義
仲山論文 労働者階級の自己解放論
『共産主義者』139号は、昨年11・9労働者集会=「国際連帯」の地平を深化し、イラク派兵下で、革共同の〈新指導路線〉を内容豊かに発展させるものとして発刊された。
●巻頭論文―新たなインター創成を展望
本号のポイントは、巻頭の川武論文と巻末のマルクス主義原典講座で、11・9労働者集会の政治的総括と組織的実践の方向性を示していることである。そしてそれを土台に他の全論文が「マルクス主義とレーニン主義で武装した革命的労働者党を断固として国内的=国際的につくりあげていくこと」(04年1・1アピール)の実践論となっていることである。
巻頭の川武論文は、11・9でかちとられた日韓米労働者の国際共同行動の歴史的階級的意義を全面的に総括した重要論文だ。
まずT章で、次のようにその意義を総括している。「労働者国際主義の歴史的復権を大衆的にかちとり、労働者の革命的インターナショナルの再建へ向けての実質的な第一歩を踏み出した」。この地平を発展させるために、国際的な階級指導部とその指導路線を形成することが課題であると突き出している。
U章では、闘う日韓米労働者の合流を必然化させた帝国主義の危機と帝国主義間争闘戦の激化を全面的に解明している。イラク侵略戦争をめぐる米英日と独仏の対立を「世界の争闘戦的再編の劇的進行であり、新たな帝国主義世界戦争への過渡的流動化」ととらえ、米帝の歴史的没落とEU動向、アジアをめぐる争闘戦の激化を明らかにしている。さらに、小泉=奥田路線の形をとった日帝の「外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争」を必然化させている日帝危機を浮き彫りにしている。
そしてV章で、11・9の地平を発展させ、3・20国際反戦闘争の爆発を実現するための主体的条件として、動労千葉の労働運動に学ぶことを訴えている。
既存の労働運動の総破産の対極にある「労働者の階級性、本来労働者が持っている力を掛け値なしに全面的に信頼し、それに依拠して闘う」というマルクス主義の生きた実践をつかみ、あらゆる職場に闘う新しい労働運動をつくりだそう。
●マルクスの賃金闘争論と労働組合論を復権
今号から始まったマルクス主義原典学習・エッセンス読み切り講座は、マルクス『賃金・価格・利潤』をとり上げた。
まず冒頭、日韓米の闘う労働組合の合流が、情勢が要求している死活的な連帯・結合であり、スターリン主義をのりこえる労働者自己解放の主体の登場であることを確認している。
T章では、こうした11・9の実践的総括を念頭に、マルクスの労働者階級自己解放論がいかに確立し展開していったかを歴史的に解き明かしている。
「労働者階級がブルジョアジーを倒して資本と賃労働の関係そのものを廃止することこそが、〈階級社会の廃止=私有財産の廃止〉の中身であり、社会主義(共産主義)そのものである」。こうしたマルクス主義の核心点は、『共産党宣言』の登場後直ちに労働者階級自身の綱領・路線として定着したわけではなかった。文字どおり「労働者階級自身の事業」として形成された第1インターナショナルの路線的方向をめぐった激しい綱領論争をとおして、初めてマルクス主義の思想が労働運動の指導部の中で受け入れられ、定着していった。
U章は、賃金闘争論と労働組合の意義について。「賃金制度の廃止=資本主義の転覆のためにも、資本との日常的な攻防戦が決定的に重要」「資本と労働者が相入れない関係にあるからこそ、労働組合的団結が必要なのであり」「その組織された力を労働者階級の究極的解放のためのテコとして使わないならば」労働組合としても「全面的に失敗する」というマルクスの提起は、今こそ重要だ。
今日、帝国主義は労働組合の変質をテコにして労働者支配を貫徹しようとしている。「したがって、労働組合をめぐる正面戦の戦略的位置は過去のどの段階・局面よりも圧倒的に高い」「労働組合をめぐる権力・反革命とのたたかいに最大のエネルギーをそそぎ込んでいかなければならない」という結びの提起をかみしめ、全力で実践しよう。
不安定雇用と就職難に直面する青年労働者にこそ、本講座を学習会のテキストとして勧めたい。
●帝国主義と新植民地主義体制の危機
韓国情勢論文は、民主労総の激しい闘いの背後にある、韓国経済の実態に迫った。民主労総との連帯のために必読の重要論文だ。
連合大会批判は、奥田ビジョンと一体化した連合評価委報告を全面的に批判するとともに、連合の危機をえぐり出し、これを打倒する路線と方針を提起した。
労働災害論文は、許すことのできない労働者虐殺の実態を、「労働者を生かすことができなくなった」帝国主義の危機性として明らかにし、動労千葉の反合・運転保安闘争を、労働者のいのちと安全を守る普遍的な意義として新たな視点でとらえた意欲作。
北海道地方委員会の論文は、派兵現地の分析の上に日帝の侵略戦争へののめり込みと大失業や地方切り捨てが一体であることを突き出し、労働者階級の闘いこそが派兵を阻止すると闘争論を提起した。
年金論文は、年金・社会保障問題を原理的に位置づけ、闘いの決定的な意義を明らかにした。労働運動の焦点的テーマとして年金問題をすえよう。
本号は、3・20国際反戦闘争の爆発の武器である。本号で武装し、党派闘争に勝ちぬこう。3・20日比谷野音を労働者人民で埋めつくそう。
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週刊『前進』(2137号6面4)(2004/02/16)
阻止共闘 保安処分施設建設に反対し厚労省を追及
6月設計図完成を公言
「心神喪失等医療観察法」に基づく保安処分施設建設に反対し、1月21日「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議主催による厚労省交渉が「病者」先頭に20人で闘いぬかれた。
厚労省からは精神保健福祉課の課長補佐ら3人が出席。阻止共闘は質問項目への回答を迫った。まず冒頭、保安処分新法強行の国会傍聴で拘束を受けながらも闘った「病者」が怒りの抗議をたたきつけた。
「どこの病院に保安施設を作るのか」の質問に厚生省は、報道されている24カ所全部についてははぐらかしたものの、国立武蔵(東京小平市)と肥前療養所(佐賀県)の2カ所が6月設計図完成に向け動き始めたことを公言した。小平市議会でも国立武蔵の保安処分施設建設には「慎重を期すこと」という全会一致の意見書が採択され、疑問と反対の声が上がっている。患者・労働者・市民に一切知らせず建設を強行することなど絶対に許されない。
さらに裁判官とともに保安処分審判に加わる精神科医や参与人としての精神保健福祉士の人選を問いただすと、「来年1月までに任命のための名簿作りを終える」と、法の施行を来年7月と見込んでの回答。現場職員の保安施設への協力拒否の闘いが求められている。
さらに「高度な医療と言うが電気ショック療法は使うのか?」に「一般医療と同じだから使わないということはない」、「応じたくない人にも社会復帰が強制されるのか」には「本当に社会復帰を望まない人がいるんですか?」と、「病者」が病状とともに生活することを想定もしない厚労省の人格無視の対応に怒りがわき起こった。
厚労省はイラク・朝鮮侵略戦争への突入のもとで恣意(しい)的な「再犯のおそれ」を基準に隔離拘禁する保安処分を「病者」を始め労働者人民に強制しようとしている。しかも看護師には格闘技訓練を始め、医療を治安の道具に変えていく危険性と労働者の動員をはらんでいる。
今こそ、保安処分絶対反対、「障害者」抹殺、労働者の治安的動員粉砕を掲げ闘いぬこう。
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週刊『前進』(2137号6面5)(2004/02/16)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
2月23日(月)午後1時15分
*東京地裁
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