ZENSHIN 2004/01/19(No2133
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週刊『前進』(2133号1面1)(2004/01/26)
3・20空前の反戦デモを 1〜2月イラク派兵絶対阻止へ
経労委報告と最高裁判決弾劾し国労再生−04春闘に決起しよう
労働者階級と革命党にとって、50年に一度あるかないかの世界史的大激動と革命への戦略的チャンスの04年がスタートした。04年の日本階級闘争の絶対的使命、戦略的課題は、03年11・9労働者集会が切り開いた階級的労働運動と国際連帯の画期的成果を引き継ぎ、発展させることだ。日帝の外へのイラク侵略戦争参戦を阻止する闘いと、内での一大資本攻勢を粉砕する闘いを、全一体のものとして大爆発させることである。革共同は新指導路線と政治局04年1・1アピールで提起した方針に立ち、党の革命を全力で推進し、04年のすさまじい階級決戦に突入する。何よりも3・20国際反戦統一行動を10万、20万の大闘争としてかちとるために全力をあげて闘う。1〜2月イラク派兵阻止闘争を小牧・北海道・呉を先頭に闘い、3・20の巨大な戦闘的高揚に上りつめていくことを訴えたい。
第1章 小牧を先頭に現地闘争の戦闘的爆発かちとれ
イラク開戦1周年の今年の3・20は、全世界で昨年1〜3月の2千万人デモを上回るイラク反戦の集会とデモが準備されつつある。
それは米帝(米英日帝)と独仏帝を軸に、争闘戦と分裂・抗争を歴史的に激化させながら侵略戦争・世界戦争の過程に突入している帝国主義に総反撃する巨大な反戦決起である。日本の労働者人民にとっては日帝の自衛隊派兵、イラク侵略戦争への本格参戦に対決する闘いそのものである。
同時に3・20は、それ自身が小泉=奥田路線による日帝の一大資本攻勢(内への階級戦争)に総反撃する闘いであり、04春闘の一環をなす大闘争である。3・20を、帝国主義の絶望的な侵略戦争と資本攻勢の激化を打ち砕く労働者人民の巨大な反撃戦として、政治情勢、階級情勢を塗り替える闘いとして、大爆発させなければならない。
昨年12月、自衛隊イラク派兵の大攻撃がついに開始された。小泉による03年12・9「基本計画」閣議決定こそ、日帝のイラク侵略戦争への公然たる参戦宣言であった。これは日本の戦後体制を一変させ、世界を激震させつつ、日帝が再び侵略戦争の道に突入する画期をなす攻撃である。
今、イラクで行われていることは何か。帝国主義の基本矛盾の爆発としての米英帝による強盗的な侵略戦争である。軍事占領である。その根底には米帝対EU(独仏帝)の争闘戦があり、ブロック的対立と抗争があり、石油の争奪戦がある。そこに日帝が米英側の中枢の一角に加わり参戦していくのだ。これは世界戦争過程を促進する事態だ。
これに対して、イラク人民、ムスリム人民が命をかけて抵抗闘争に立ち上がり、民族解放に決起しているのだ。帝国主義へのゲリラ戦争を戦っているのだ。さらに反失業のデモに決起しているのである。
▼小泉は、「自衛隊は人道復興支援のために行くのだ。戦争に行くのではない」などとわめいている。だがこれはウソとペテンである。自衛隊は、今まさに侵略戦争が激化しているイラクに、戦争をしに行くのだ。米軍を支援し、武器・弾薬・兵員を輸送するために行くのだ。だからこそC130輸送機を3機も派兵するのだ。無反動砲や装甲機動車などで重武装し、「警告なしで射撃する」と言っているのである。
▼また小泉は、自衛隊派兵は「日米同盟のために必要」と繰り返している。しかし日米同盟とは日本とアメリカの人民の同盟ではない。帝国主義間の強盗同盟である。それは北朝鮮・中国―アジアへの侵略戦争のための同盟であり、日本と世界を戦争と破滅に導く同盟だ。こんなものは安保粉砕・日帝打倒の闘いによって粉砕すべきである。
▼小泉は「国家の意志が問われている」とか「日本国民の精神が試されている」と強調している。だが小泉がここで言っているのは、国家は戦争ができなければならない、国家のために血を流すべきだ、国家のために死ぬ覚悟(精神)をもてということだ。
04年1月1日、小泉は靖国神社参拝を強行した。韓国や中国から激しい弾劾を受けつつ小泉は、「元旦の参拝は日本の伝統だ」「戦争で命を落とした方々の尊い犠牲の上に今日の日本がある」などとうそぶいた。だがなぜ今、靖国参拝なのか。それはイラク派兵、侵略戦争参戦と一体である。再び、侵略戦争で死ぬ兵士を「英霊」として靖国に祭り、国家のため、国益のために血を流せ、と扇動しているのだ。
だが労働者人民はこの小泉に階級的怒りをたたきつけ、帝国主義ブルジョアジーのための他国・他民族への侵略戦争、被抑圧民族への虐殺戦争を断固拒否する。腐りきった国家のために死ぬことなどきっぱり拒否する。いやそれのみか、階級的精神をたぎらせて帝国主義の侵略戦争に反対し、侵略戦争を内乱=国内戦に転化するために闘うのだ。今や歴史的生命力を失い、体制的に破産した帝国主義を打倒するために闘うのだ。これが小泉への労働者人民の回答である。
▼さらに小泉は「テロに屈するな」「米英軍が引き揚げたらイラクは泥沼化する」「テロリストが横行する」などとうそぶいている。だがイラク人民を侵略し大虐殺している極悪のテロ国家は米帝ではないか。イラク人民は命をかけ民族解放を闘っているのだ。しかも泥沼化するのは帝国主義の侵略戦争であり、イラクへの軍事支配だ。イラクのことはイラク人民、中東人民に任せよ! 米英日帝はイラクから直ちに手を引け! 撤退せよ! そのためにこそイラク反戦闘争と自衛隊派兵阻止闘争を大爆発させなければならない。
12・9「基本計画」に基づいて、すでに12月26日に空自先遣隊がイラク周辺国に派兵された。これを突破口にこの1〜3月、1千人規模の侵略派兵が強行されようとしている。1月15日か16日に陸自先遣隊30人(プラス装甲機動車8台)、1月21日前後に空自本体150人、1月末には陸自施設部隊80人が送り込まれようとしている。2〜3月は陸自本体、海自本体の派兵との大攻防となる。
これに対して、日本の労働者人民は、小牧で、北海道で、呉で、さらには成田で、防衛庁前で、イラク派兵阻止の戦闘的闘争を断固として爆発させなければならない。今や「戦時下の階級闘争」に突入している。どんな弾圧も粉砕し、強烈な革命的精神を発揮し、火の玉となって闘いぬこうではないか。
広範な人民の怒りの高まりの中で、それと合流し、一体となり、派兵阻止の現地闘争に戦闘的に決起することこそが、3・20の大爆発をも準備していくのだ。日韓米の国際連帯、3労組共闘、陸・海・空・港湾労組20団体などの闘いを発展させ、広大な統一戦線を形成し、3・20の数十万の反戦デモを絶対に実現しよう。労組に入り、街頭に展開し、大々的な組織化の闘いをやりぬこう。
米帝による12・13フセイン捕捉攻撃(対フセイン反革命攻撃)は、むしろ民族解放闘争の爆発を促進している。決起するイラク人民、ムスリム人民と連帯し、帝国主義足下におけるイラク反戦、派兵阻止闘争の空前の高揚を、3・20でなんとしても実現しよう。
第2章 定昇制の廃止やベースダウンを認められるか
イラク参戦、外への侵略戦争の攻撃と一体のものとして、内への階級戦争の大反動が起きている。
その第一は、日本経団連の12・16経労委報告である。それは死の苦悶(くもん)にあえぐ日帝金融独占ブルジョアジーの、労働者階級へのなりふりかまわぬ攻撃だ。一握りの大銀行・大企業が生き残るために、アジア侵略(ブロック化)を強めると同時に、労働者階級に一切の犠牲を集中し、中小企業や農民も全面的に切り捨てる攻撃だ。
04年経労委報告は、何よりもまず定昇制の廃止・縮小とベースダウン(一律賃下げ)を真っ向から打ち出している。年功序列型賃金体系を破壊し、ベアゼロどころか全面的な賃下げを認めろというのだ。しかも春闘を解体して、企業の存続や競争力強化を労資が協議する「春討」「春季労使協議」に変えろと主張している。連合すら認めず、完全な産業報国会になれと言っているのだ。
また消費税率アップを打ち出した。年金の「給付については聖域を設けず見直せ」「財源として消費税を考える時期がきている」と述べ、奥田ビジョンがいう消費税率の18%化と企業負担を減らす社会保障制度の改悪=解体を公然と主張しているのだ。
さらには「FTA締結の流れに後れをとることは、国の存亡にかかわる」「『東アジア自由経済圏』の確立に向けての一段の努力が必要」「『貿易立国』から『交易立国』への転換」を強調している。これは露骨なアジア侵略、勢力圏化の主張だ。
実に04年経労委報告は、奥田ビジョン、日帝・小泉=奥田路線に基づいた、外への侵略戦争と内への階級戦争の攻撃の全面展開である。帝国主義のもとでは、今や労働者人民は食うことも、生活していくことも、老後に生きていくこともできなくなっている。そればかりか再びアジアへの侵略と戦争に動員されようとしている。こんな帝国主義は打倒するいがいに、労働者が生きていく道はない。
資本攻勢の大反動の第二は、JR採用差別事件に関する12・22最高裁判決だ。
イラク参戦情勢下で最高裁は、国鉄改革法をタテに「JR各社は使用者としての責任を負わない」と断定し、分割・民営化という希代の国家的不当労働行為を居直った。採用差別を弾劾して闘ってきた16年間の闘いをすべて否定し、1047名のJR復帰を拒否した。これは、日帝が労働者の団結権(憲法第28条)と不当労働行為禁止規定(労組法第7条)を抹殺し、不当労働行為救済の労働委員会制度をなきものにする戦時下の攻撃に踏み切ったことをも意味する。
だが国労本部の酒田・吉田執行部と革同中央はこの反動判決に全面屈服し、1・31国労中央委で闘争団の解体と国鉄闘争の終結を宣言し、国労を自ら解体しようとしている。この反労働者的策動を断じて許すわけにはいかない。
権力・資本との対決を放棄して国労本部がとってきた政治解決=和解路線、裁判依存路線の反動性と破産は極まった。12・22最高裁判決を徹底弾劾し、1047名闘争陣形を強化し、酒田・吉田執行部と革同中央を打倒することこそが、国労再生の道である。
動労千葉は昨年12月15日、習志野電車区廃止の組織破壊攻撃と対決し、検修職場で全日ストを打った。3月ダイヤ改正の攻防では、運転保安闘争に決起し、最高裁判決に反撃し、第2の分割・民営化攻撃と闘いぬこうとしている。動労千葉のように日帝・JR資本と原則的に闘い、崩壊の危機に立つJR当局=カクマル結託体制打倒の闘いを貫くことこそ、国鉄労働者が勝利し、生き抜く道なのである。
今こそ動労千葉に学び、連帯しよう。動労千葉の闘いを全国に、全産別に広げ、勝利を切り開こう。戦時下で日帝・小泉=奥田が絶望的にかけてくる資本攻勢と原則的に闘うことと、イラク侵略戦争に反対する反戦政治闘争とは、一体不可分だ。11・9労働者集会が開いた国際連帯と階級的労働運動の成果を発展させよう。すでに3・20に向けて労働組合の決起が始まっている。
最高裁反動判決を徹底弾劾し、保釈奪還された国労5・27臨大闘争弾圧の被告団を先頭に、1・31国労中央委決戦に立とう。国鉄決戦を軸に、侵略戦争突入情勢下の一大資本攻勢と対決し、04春闘の爆発をかちとろう。3・20国際反戦闘争を、全反動を吹き飛ばす労働者階級の総決起の場として闘いとろう。
戦時下の階級闘争において決定的なのは、レーニン主義的な革命党、労働者党の建設だ。昨年末に結成された新生マル青労同を、労働者階級自身と革共同の全力をあげた闘いで大きく発展させよう。『前進』新年号を読み、学習し、労働者人民の中にどんどん持ち込み、拡大しよう。
最後に、冬期一時金カンパ闘争を、04年決戦の勝利をかけて貫徹しぬくことを心から訴える。
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週刊『前進』(2133号1面2)(2004/01/26)
全学連、小牧基地にデモ 隊員に派兵拒否呼びかけ 空自編成完結式
12月24日、全学連は、愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地で行われた編成完結式に対し、自衛隊イラク派兵阻止を掲げて現地闘争に立ち上がった。
編成完結式は、イラク派兵のために編成された自衛隊部隊を小泉や石破らが閲兵し、自衛官に“国家のために死んでこい”という侵略と虐殺の反動的魂を吹き込む儀式だ。この日、小牧基地では、基地内に入る車一台一台を徹底的に検問、正面ゲート前には高さ2bのフェンスを二重に設置するなどの厳戒態勢が敷かれていた。侵略派兵を絶対に許さない労働者人民の闘いの大爆発を恐れているのだ。
午前9時、全学連は小牧基地南端の公園に結集した。大山尚行委員長は、「編成完結式を粉砕し、12月〜1月自衛隊イラク派兵阻止決戦の大爆発をかちとろう。北海道を始め全国で自衛官の家族が夫や恋人を行かせてはならないと立ち上がっている。労働者人民の総決起で小泉を打倒しよう。全学連はその先頭で闘おう。イラク侵略戦争参戦を絶対に阻止しよう」と檄(げき)を飛ばした。
ただちに式典粉砕のデモに出発した。「編成完結式粉砕!」「自衛隊のイラク派兵阻止!」「派兵命令を撤回しろ!」「自衛官は侵略の銃をとるな!」−デモ隊のシュプレヒコールが市内に響き渡る。建物のドアまで出てきてデモ隊に注目する市民。トラックの運転席から一緒にシュプレヒコールを上げる労働者。
全学連のデモ隊は、小牧基地正面ゲートで派兵中止を申し入れた。デモ隊の周囲を公安警察とマスコミ関係者が取り囲む騒然とした雰囲気の中、学生が次々とマイクを握り、基地内の自衛官に向かってアピールした。基地内から自衛官が出てきたが、所属も氏名も明らかにせず、終始無言の対応だった。侵略派兵を前にして自衛隊内に動揺が広がっているのだ。
全学連は、「小泉首相に対して自衛隊のみなさんも一緒に抗議の声を上げる時です」と申し入れ書を読み上げ、自衛官に手渡した。続いてデモ隊は、自衛隊官舎にも「派兵を拒否してともに闘おう」と訴えた。
午後には「とめよう戦争への道! 愛知連絡会」が編成完結式とイラク派兵の中止を求める申し入れ行動を行った。
全学連もこれに合流し、再度、ゲート前で自衛官に向けたアピールを行った。申し入れ行動の後、愛知連絡会の代表は「1月派兵阻止決戦に総決起を」「学生のみなさん、1月の派兵阻止闘争には今日を倍する数で集まってください」と熱烈に訴えた。
さらに全学連は12月26日、航空自衛隊先遣隊派兵に対し、小牧基地への早朝デモをたたきつけた。その後、多くの労働者、市民とともに派兵中止と即時撤退を求める申し入れを小牧基地と防衛庁(東京・市ケ谷)に行った。
この闘いに続き、1月中下旬、成田、小牧・北海道・呉の現地闘争に総決起しよう。
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週刊『前進』(2133号2面1)(2004/01/26)
小泉=奥田経労委路線と対決し04春闘勝利、イラク派兵阻止へ
3・20反戦闘争に労働者は総決起を
革共同中央労働者組織委員会
世界史的な〈戦時下の階級決戦>としての04年の幕が開けた。日帝・小泉は12・9派兵計画決定をもってついにイラク侵略戦争参戦に突入した。この戦後史を画する情勢下で、3・20イラク開戦1カ年に全世界でイラク反戦の大統一行動が闘われようとしている。03年を上回る壮大な国際反戦闘争の火柱が上がろうとしているのだ。侵略戦争にのめり込む帝国主義は、同時に国内の資本攻勢を激化させる。3・20は、この「外への侵略戦争、内への階級戦争」に対し、帝国主義打倒を求めてやまない、労働組合を先頭にした歴史的反撃だ。日本労働者階級は、自衛隊のイラク派兵をなんとしても阻止し、この国際反戦闘争の先頭で闘いの旗を打ち振ろうではないか。その成否に階級的労働運動の死活がかかっている。それは、連合・全労連指導部の裏切りと屈服を打ち破り、日帝資本との力関係を転換するテコとなる。04春闘をめぐる暗雲を切り裂き、03年11・9労働者集会の画期的地平を全面的に発展させ、労働者を組織し立ち上がることを訴える。
戦争と一大資本攻勢の歴史を画する攻撃
04春闘をめぐる情勢の特徴は、日本帝国主義が、その生き残りをかけて戦争と資本攻勢を激化させていることである。まず、04春闘に向けての日帝・小泉=奥田らの大反動と、それと闘う基本的な構えについて結論的に押さえておきたい。
(1)12・9自衛隊イラク派兵決定は、イラク侵略戦争への日帝の参戦宣言である。小泉政権は、年末の航空自衛隊先遣隊の派兵に続き、1月15日にも陸上自衛隊の先遣隊を派兵しようとしている。
小泉政権をなりふり構わぬイラク派兵へと突き動かしているのは、日帝がこのままでは帝国主義間争闘戦において完全に敗退し、破滅するという絶望的な危機感である。日本経団連・奥田会長らブルジョアジーの中枢がいち早く「派兵支持」を表明したように、イラク侵略戦争に彼らの命運をかけているのだ。これと連動してASEAN(東南アジア諸国連合)とのFTA(自由貿易協定)交渉をめぐる情勢が進んでいる。
(2)12月16日の日本経団連臨時総会で承認された「04年版経営労働政策委員会報告」は、このイラク派兵決定、FTA交渉と一体のものだ。日帝資本が国際競争=帝国主義間争闘戦に勝ち抜くために、なりふり構わず賃下げ・賃金制度改悪、首切りを強行し、社会保障から農業まで切り捨てる。戦後、曲がりなりにも日本の労働者階級人民を食べさせ、生活させ、支配してきた、そのあり方を全部ぶち壊すと宣言したのだ。そして、「春闘」を徹底的に解体し、労働組合が経営者とともに企業と国家の生き残り策を討論する「春討」にするとうそぶいている。闘う労働組合だけでなく、「要求し交渉する」普通の労働組合さえも許さないと言うのだ。
(3)さらに、12月22日に出された国労・全動労に対するJR採用差別事件の最高裁判決は、「JRに不当労働行為責任なし」の司法判断を確定させ、1047名闘争を完全に解体しようとする重大攻撃である。これも、この時期に出されたのは偶然ではない。小泉政権は通常国会に、労働委員会制度―不当労働行為救済制度を破壊する労働組合法改悪案を提出しようとしている。戦後労働運動を根幹で規定してきた憲法28条の団結権保障規定、労組法の破壊を狙ったきわめて政治的な判決であり、改憲に直結している。
(4)今通常国会には、さらに北朝鮮侵略戦争法=有事法制の完成のための「国民保護法制」、自衛隊や米軍の行動の円滑化に関する法制や、共謀罪新設、年金改悪、教育基本法改悪などの超反動法案が次々と出されようとしている。
今や国家権力と資本は、司法も含めて一体となり、労働者階級への治安弾圧を頂点に総がかりで襲いかかっている。まさに恐るべき情勢である。生半可な闘いでは、この攻撃に太刀打ちできない。だが、この攻撃の背景にある敵の危機を見抜いて闘えば、勝利の展望を切り開くことができるのだ。敵が恐れているのは労働者の団結であり、戦闘的階級的労働運動である。今こそ幾千万労働者階級の根底的決起をかちとることである。
11・9集会の地平と動労千葉の労働運動
それは、03年11・9労働者集会がかちとった階級的=国際的な労働運動の地平をさらに発展させることである。
11・9労働者集会は、全日建運輸連帯関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3労組共闘の呼びかけのもとでの、日韓米の3国の戦闘的労組の画期的な共同闘争であった。「11・9集会が創造的に切り開いた地平は……最も階級的に原則的に闘いぬこうとしている先進的労働者と労働組合こそが、即座に階級的に連帯する存在としてあること……こうした勢力こそが、最も原則的な侵略戦争反対派として団結することをはっきりさせたことである」(革共同政治局の04年1・1アピール)。イラク侵略戦争の最大の当事国であるアメリカで抑圧と民営化攻撃に闘うILWU(国際港湾倉庫労組)、米日帝の新植民地主義的な支配と韓国政府・資本による激烈な労組弾圧に抗して戦闘的に闘う民主労総、そして日本の3労組を先頭とする闘う労働者・労働組合が一堂に会したのだ。
この闘いを実現した直接の契機は、動労千葉の03春闘ストライキであった。動労千葉が国鉄分割・民営化と真っ向から闘いぬき、今も強固な団結を維持していることが国際的に評価され、それがILWU、民主労総との交流を生み出したのだ。この動労千葉の闘いに学び、わがものとして、動労千葉の経験を全日本・全世界に普遍的に拡大し、動労千葉のような労働運動をつくり出そう。そのための武器として物資販売と中野洋前委員長の著書『俺たちは鉄路に生きる2』を徹底的に活用しよう。
動労千葉の闘いは、最も原則的で戦闘的であり、組合員・労働者を徹底的に信頼し、その団結に依拠した闘いである。それゆえ、労働運動を真剣に闘おうとする労働者の誰もが支持し、共感できる最も大衆的な闘いである。それは同時に、最も「党派性」のある闘いである。「党派性」とは、資本・権力に対して労働者階級として闘う立場が最も鮮明であるということだ。そのことを『俺たちは鉄路に生きる2』から学ぶことができる。これこそマルクス主義の実践の書である。
国鉄分割・民営化に際して、動労を牛耳っていたカクマルは国家権力と当局の手先になることで生き延びようとした。国労の協会派、革同も、権力の総力を挙げた攻撃の激しさを見抜くことができず、「たこつぼに入って嵐が過ぎ去るのを待つ」という立場で、一戦も交えることができなかった。これに対して、動労千葉は、「労働者は労働者である限り、労働者らしく闘う以外に生きることはできない」という立場で、自らのクビをかけて闘った。そうして組織の団結を守りぬいたのである。戦後日本の民同労働運動の水準をのりこえた階級的労働運動の地平がここにある。その地平は、今日の時代にこそ生きる。動労千葉も、この時代に通用する労働運動をつくり出すために飛躍をかけて闘っている。
われわれは、帝国主義の危機の時代に資本にすり寄って生き延びようとする連合指導部や日共指導部などとは違う。21世紀を暗黒としか見ないカクマルとも違う。敵の危機を見抜いて、労働者階級の階級的団結の中に展望を見いだし、闘うのである。動労千葉労働運動に学び、その立場で情勢を見るならば、帝国主義の危機とは、階級的労働運動の前進にとって決定的な戦略的チャンスなのだ。
帝国主義は労働者をもう食わせられない
そうした視点に立って、04年版経労委報告を徹底的に弾劾しよう。
経労委報告は、今春闘において「労使で徹底した論議を行なう」べきだとして、次のように言う。
「具体的な課題の第1は、自社の付加価値生産性に応じた総額人件費管理を徹底することである。その際には労働分配率の適正化も重要である」
「第2は、賃金水準の適正化と年功型賃金からの脱却である。……国際競争力を維持・強化する観点からも、賃金水準の調整が喫緊の課題となる」
そして、「一律的なベースアップは論外であり、賃金制度の見直しによる属人的賃金項目の排除や定期昇給制度の廃止・縮小、さらにはベースダウンも労使の話し合いの対象となりうる」として、初めて公然と「ベースダウン」=一律賃下げを打ち出したのだ。
さらに、昨年に続いて「労働組合が実力行使を背景に賃金水準の社会的横断化を意図して闘うという『春闘』はすでに終焉(しゅうえん)した」と居丈高に言い放ち、「企業の存続、競争力強化の方策を討議し、検討するという『春討』、『春季労使協議』へと変えていくことが望まれる」と主張する。
国益・企業の延命かけ
この経労委報告の最も断罪すべきことは、帝国主義資本と国家が生き残るために、もはや労働者を食わせることも、生きていかせることもできないということを、真っ向から叫んでいることである。ひとつの支配体制としての帝国主義の破産を自ら宣言したに等しい。もはや、このような帝国主義など労働者階級の闘いで打倒する以外にないのだ。
奥田は序文で、小泉構造改革の推進を強調して「守りの改革から攻めの改革へのシフト」をと叫んでいるが、それは、むき出しの階級戦争の宣言である。
今回の経労委報告は、『高付加価値経営と多様性人材立国への道』というタイトルである。それは「『貿易立国』から『交易立国』への転換」と称して、資本を世界中に投下して世界中で生産を行い、そこから利益を得るということだ。それは当然にも、勢力圏の分割戦を引き起こす。奥田らは、EU(欧州連合)やNAFTA(北米自由貿易協定)などのFTA締結に「後れをとっている」ことは「国の存亡にかかわる」、だから「『東アジア自由経済圏』の確立に向けて一段の努力が必要」と叫んでいる。「中国などのアジア諸国と共存・共栄」などと、かつての「大東亜共栄圏」そのものの言葉を使っている。
奥田らは、「国難」を叫び、国益と企業の生き残りを絶叫し、労働者は賃下げを受け入れろ、東アジアへの侵略に協力しろ、と言っているのだ。これこそ小泉によるイラク派兵の立場と同じだ。「外への侵略戦争、内への階級戦争」の帝国主義の論理をむき出しにしたのだ。
FTAによる「自由貿易」とは、関税をゼロ化し、工業製品の輸出と引き換えに農産物を大量に輸入することになるのだから、国内の農業などは全面的に切り捨てる。また「事業の継続が困難な中小企業」が「市場から円滑に退出できる仕組み」をつくると言い放ち、倒産・リストラの一層の促進を叫んでいる。
さらに、社会保障・年金制度改悪では、保険料の負担に企業は耐えられないとして消費税率アップを主張し、支配階級の責任を全面的に放棄しようとしている。今年度末の長期債務が700兆円にも上る財政赤字も、ひとつの社会体制としての破綻を示している。
そこから、「人材の多様性」などと称して、国益と企業利益に役立たないと見なした大多数の労働者人民の生活と生存を破壊しても構わないと宣言したのだ。
昨年1月の「奥田ビジョン」で、「国をひとつの大きな森にたとえるならば、国民や企業が木々にあたる。いきいきと根を張り枝葉を繁らせるためには、枝打ちや下草刈りなどの手入れが欠かせない」と言っている。要するに、資本家ども(それもごく一部)の「健康な木々」の生存のために、労働者も高齢者も、農民も中小企業も「枯れた木々」と言いなして切り捨てることなのだ。そこに04春闘を機に踏みだそうとしているのだ。
定昇解体・賃下げ狙う
経労委報告はさらに、「高付加価値経営」を賃金引き下げの反動的「論理」として徹底的に押し出している。
すでに見たように、定昇制の廃止、すなわち年功序列型賃金制度の全面的破壊を宣言し、賃金水準の一律引き下げまで主張するに至った。「付加価値生産性の上昇率がマイナスになれば、人件費を減らすという覚悟で賃金決定を行なう姿勢が必要である」と主張しているのだ。
付加価値が下がれば賃金も下げるなどというのは、資本主義のあり方から言ってもとんでもない暴論である。資本主義は、労働者に賃金を払って労働者を雇い働かせることによって成り立つ社会である。労働者は、生活に必要な賃金を得ることによって自らの生活を維持し、また子どもを産み育て、労働力として再生産しているのである。資本家は、これに対して賃金は「労働の対価」だと言いつつ、一定の「生活給」を年功賃金制度のもとでの定期昇給として保障してきた。
しかし今や、そうした「生活給」的な要素は一切なくし、企業の付加価値の一部を労働者に分け与えるものが賃金だという論理をもって、資本がもうからなければ賃金を下げるのは当然だ、クビを切るのは当たり前だと、傲然(ごうぜん)と言い放っている。しかも、資本がもうかっていても、賃金ではなく、投資家や株主への配当と同じように「賞与・一時金」に配分すると言うのだ。仮に企業の業績が上がろうが、もはや賃上げなどありえない、と叫んでいるのである。
そして、不安定雇用化の一層の推進と団結権破壊のための、さらなる労働法制の改悪を主張している。
報告は、以上のように労働者の生活と生存を奪い、労働組合の解体を打ち出していながら、その一方で、「労使は社会の安定帯」という主張を繰り返している。奥田ビジョンでは「労働組合が自壊の危機に瀕(ひん)している」と言いなし、労働組合の変質を迫っているが、本来の労働組合を解体しつつ、労働者を支配し続けるために、新たな「産業報国会」としての「労組」を徹底的に活用しようとしているのである。
それは他方で、「企業や従業員が安心して経済活動に従事するためには、社会の安定、すなわち国内の治安の確保が不可欠である」と言っていることと一体である。イラク派兵情勢下での日本版「9・11」情勢におののきつつ、労働運動を治安問題としてとらえているのだ。
さらに日本帝国主義の危機を自ら自認せざるを得ないのが「安全」問題である。「特にここ1年間、従来ほとんど起こらなかった工場での大規模な事故が頻発している」として、「『現場力』、すなわち現場の人材力の低下の反映であると、危機感をもって認識する必要があろう」と言う。これも、だからリストラをやめるというのではなく、徹底した労働者管理、労働運動圧殺となるのだ。
経労委報告は、結論として「労使、さらには政労使が一致協力して、現在の難局を乗り越えていかなければならない」と言うのである。
屈服する連合指導部
今年の経労委報告はまた、昨年の報告が「雇用問題に関する政労使合意」を受けて出されたのとは打って変わり、連合を完全に無視して出されている。
その上で日本経団連は12月18日に、連合との定期懇談会を開催した。連合の笹森会長は、経労委報告について「連合は議論の中から2年前、一律なベア要求をしないとしたのであって、経営側が押し付けるべきではない」と泣訴したが、ベアゼロは完全に認めている。年金改革については「各論で意見が異なる部分があるものの、今後も共同で政治・行政に対峙したい」と述べた。消費税率アップを主張する奥田と「共闘する」と言うのである。そして、奥田らの要求に全面的にこたえて、「組合が変わる」として帝国主義的労働運動化と新たな「産業報国会」にのめり込んでいる。こうした連合指導部を打倒し、04春闘を闘おう。
国鉄決戦を軸として全産別・職場で闘おう
04春闘を闘う突撃路が国鉄決戦である。12月22日に最高裁判決が出され、同日に国労5・27臨大闘争弾圧の被告たちが保釈・奪還されたことは、04年冒頭の攻防を象徴的に示している。
日帝国家権力が階級的労働運動を根絶するためにしかけた国鉄分割・民営化攻撃にもかかわらず、いまだに国労と1047名闘争が存在し続けている。4党合意の攻撃は完全に破綻した。動労千葉は第2の分割・民営化の前に立ちはだかっている。特に戦時下の階級闘争に突入した中で、1047名闘争が闘い続けられることは、日帝にとって絶対にあってはならないことなのだ。こうした中で、国家権力は、「JRに法的責任なし」を確定させるという最後のカードを切ってきたのだ。いよいよ国労と1047名闘争を根絶する攻撃に最後的に踏み切ったのだ。だが、これを踏み越えて不屈に闘い続けるならば、必ずや勝利の展望が切り開かれる。国鉄決戦はまさに87年以来の最大の決戦に突入したのである。その勝利の方針は何か。
第一に、最高裁判決を徹底弾劾することである。最高裁判決は、国鉄改革法をタテに、「JR各社は使用者としての責任を負わない」と断定した。国鉄とJRは別組織という反動的論理を振りかざし、労働委員会の救済命令を全面的に否定し、1047名のJR復帰を拒否したのだ。これは、日帝国家権力が憲法28条の団結権保障と労組法第7条の不当労働行為禁止規定を有名無実化し抹殺する攻撃に本格的に着手したことを意味する。これこそ、労働組合解体の最も悪らつな攻撃である。
第二に、第2の分割・民営化攻撃と闘いぬくことである。動労千葉は昨年12・15ストをもって習志野電車区廃止攻撃を迎え撃ち、検修基地の大再編―幕張電車区の大幅縮小攻撃などとの対決を宣言した。さらに貨物の賃金制度見直し=年功賃金解体攻撃を焦点とした04春闘を闘おうとしている。また、3月ダイヤ改定による安全破壊の攻撃に対して、新たな反合・運転保安闘争をつくりあげて闘おうとしている。これらは経労委報告路線と真っ向から対決する闘いである。そしてJR総連カクマルを打倒し、動労千葉の組織拡大を実現する闘いである。
第三に、ついに保釈をかちとった国労5・27臨大闘争弾圧の8被告の奮闘をたたえ、彼らとともに、裁判闘争勝利、「許さない会」の発展へ総決起することだ。この闘いは、弾圧の張本人である国労本部・酒田執行部を打倒し、国労を再生する闘いそのものである。
第四に、最高裁判決に全面屈服した国労本部打倒へ、1・31国労中央委員会闘争を闘い、「闘争終結宣言」を狙う臨大開催策動を許さず、闘うことだ。この期に及んでなおも「政治解決」を哀願する酒田や革同の指導部や、前書記長・寺内らに続いて脱走を図るチャレンジ一派らを打倒し、なんとしても国労の革命的再生をかちとろう。そして、動労千葉、国労、全動労(建交労)が一体となった1047名闘争をつくりあげよう。
この国鉄決戦を先頭にして、全産別で04春闘を戦闘的に闘おう。全逓の殺人的深夜勤導入阻止、教労の「日の丸・君が代」攻防、自治労における民営化攻撃との闘いなどを全力で闘おう。
賃金制度改悪の焦点である民間産別で連合指導部と対決して闘おう。連合内の流動化は不可避であり、また、全労連も1月日本共産党の綱領改定を機に流動化は必至である。この流動・再編情勢に勝ち抜くために、連合・全労連傘下を問わず、組合権力に挑戦し、新潮流をつくり出そう。職場から春闘行動に立とう。
資本攻勢との闘いと全一体となって、3・20国際反戦闘争に労働者の数十万の集会・デモを実現しよう。それが04春闘最大の課題である。
新たに結成されたマル青労同の同志たちは、マルクス主義の学習と実践、労働運動・労働組合運動の実践に、青年労働者の未来を見いだし、1000人組織建設に向けて闘いを開始した。この闘いに徹底的に学び、ともに闘おう。〈新指導路線>のもと、04年1・1アピールで提起された〈党の革命>のカギがここにある。労働者階級を自己解放の主体として据えたプロレタリア革命の党として、本格的な飛躍をかちとろう。
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週刊『前進』(2133号2面2)(2004/01/26)
資本攻勢&労働日誌 2003 12月4日〜27日
20労組 自衛隊派遣反対の声明
春闘ベア要求の放棄相次ぐ/労組組織率20%割る
●私鉄総連がベア1300円要求へ 鉄総連は、04春闘では昨年に続き1300円のベア統一要求する方針を提案。来年2月上旬の中央委員会で正式決定する。(4日)
●JAMが春闘中央討論集会 JAMは統一ベア要求の放棄を決定した。(8日)
●基幹労連もベア要求断念 基幹労連は春闘討論集会を開き、3部門とも来春闘でベアの統一要求をしない方針を決めた。(11日)
●自衛隊イラク派遣に反対し20労組がアピール 陸・海・空・港湾労組20団体は「有事法制の先取りとなる自衛隊のイラク派遣に反対する共同アピール」を発表した。全建総連、マスコミ文化情報労組会議(MIC)、神奈川県私鉄労働組合、出版労連、新聞労連、全印総連、全教などが賛同を表明した。(12日)=声明文
●連合と民主党がイラク派兵反対集会 連合は自衛隊イラク派遣反対集会を日比谷野音で開催した。5600人が参加。(14日)
●産業事故は経営の失敗 経産省は「産業事故調査結果の取りまとめ」で、産業事故は「人的要因」が事故原因の76%を占めると発表した。(16日)
●経団連が経労委報告 日本経団連は、04年春闘に向けた経営側の基本的見解を示す「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)を発表。賃金水準引き下げの「ベースダウン」に初めて言及。(16日)=概要
●労働委員会の審査迅速化を建議 厚労省の労働政策審議会は、労働委員会の審査迅速化などを図るための方策を建議した。(16日)
●労働組合推定組織率2割を割り込む 労組の今年6月末現在の推定組織率は19.6%で、前年を0.6ポイント下回り、47年の調査開始以来初めて2割を割ったことが厚労省の調査で分かった。(17日)
●労働審判の導入決定 政府の司法制度改革推進本部労働検討会は「労働審判制度」(仮称)の概要をまとめた。(19日)
●自動車総連、ベア統一要求を2年連続放棄 自動車総連は、04春闘でベアの統一要求額を定めない執行部案を決めた。(19日)
●NTT労組、4年連続ベア要求放棄 NTT労働組合は春闘でベア要求を放棄し、一時金最低基準も設けないことを決定。(19日)
●JR採用差別で最高裁が反動判決 87年の国鉄分割・民営化問題の行政訴訟で、最高裁第1小法廷は、JR側勝訴の判決を言い渡した。(22日)=資料
●奥田会長が日本経団連続投表明 日本経団連の奥田碩会長が記者会見し、会長職を続けるとの意思を表明した。(22日)
●一時金削減を労組が提案 松坂屋労組は、大阪の2店舗閉鎖に伴う希望退職者の退職一時金を、全労働者の04年5月の一時金をカットして積み増しするよう会社側に要求する方針。(27日)
全産業に広がる定昇解体攻撃
▼日立キャピタル 04年4月から年功給や住宅補助・扶養手当などを廃止、成果主義賃金体系に全面移行する。全労働者3000人強が対象。(5日)
▼近畿日本鉄道 05年度までに約6000人の全労働者を対象に年齢給部分を縮小した新しい賃金制度を導入する。(8日)
▼昭和電工 5%の賃金削減を03年末で中止し、同時に定昇を廃止、職務と成果で決まる賃金制度を導入する。(11日)
▼日本郵政公社 全逓信労働組合、全日本郵政労働組合と成果主義の給与制度を04年度に導入することで大筋合意。一般職員が対象。国家公務員で成果主義導入は初めて。(26日)
▼日本ペイント 塗料業界で初めて年齢給をなくした成果反映型の人事制度を導入。全労働者約1700人が対象。(29日)
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週刊『前進』(2133号2面3)(2004/01/26)
国労弾圧公判日程
第18回 1月23日(金)
第19回 2月10日(火)
第20回 2月24日(火)
※いずれも午後1時15分から東京地裁
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週刊『前進』(2133号3面1)(2004/01/26)
一兵たりともイラクへ送るな 全国各地で集会デモ
バグダッドからメール 12・20渋谷
空自先遣隊の派兵が迫る12月20日夕、東京・渋谷の宮下公園でワールドアクションの集会が開催された。約500人が集まり、音楽や派兵反対のアピールを行い、年の瀬でにぎわう渋谷の街をピースウオークした。派兵反対の訴えに街頭の反応は大きく、かなりの人数がピースウオークに合流した。
集会では、ワールドアクションあてに届いたバグダッドのイラク人高校教師からの「自衛隊のイラク派兵は米英の侵略の加担」とのメールが紹介された。ワールドアクションの返答として自衛隊派兵阻止の決意を記した返事と渋谷デモの写真を送ったことが報告され、さらにその返答のメールが紹介された。
「……賢明な日本人が多くいることを知ってうれしいです。写真には感動しました。……日本に多くのメッセージを送ってきましたが、その返事のひとつに、日本は国益のために軍隊を送ろうとしているとありました。どうか日本の人びとに、この考えはまったく間違いだということを知らせて下さい」
「戦争体験者杉並100人の会」の女性が戦争体験者の言葉を紹介しながら「話を聞いて、追体験して、想像力を豊かにして戦争に反対しよう」と訴えた。北海道の札幌や旭川での闘争に参加した学生が現地報告を行い、「一番感じたのは、自衛官の家族や友人が派兵反対の運動に立ちつつあること。署名の輪が広がり、基地の前でデモの到着を待つ人もいる。中途半端な思いではない。派兵を阻止するために小泉を打倒しよう」などと訴えた。
主催者の実行委の学生が「イラク派兵を止めようの一点で大きな運動をつくろう。派兵は必ず止められる」と訴え、北海道や小牧などの現地闘争、政府を揺るがす東京での巨大な反戦行動をやろうと訴えた。
リレーアピールでは高校生や大学生、青年労働者などが次々登壇し、「イラク派兵止めたい」「あきらめないでがんばろう」「戦争が始まるとき、差別が扇動される」「私たちの税金を戦争に使わせないぞ」などの訴えが続いた。
自衛官家族が続々署名 12・14仙台
仙台で12月14日、とめよう戦争への道!百万人署名運動宮城県連絡会の呼びかけでピースアクションが行われた。インターネットを見て初めて参加した人など150人の労働者、市民、学生が集まった。
集会は反戦ライブから始まりフリートークへ。12月9日の派兵「基本計画」決定と小泉首相の会見に対する怒りの声が相次いだ。労働者や市民が「資本攻勢や教育の反動化が侵略派兵と一体となって起きている」と鋭く指摘した。北海道現地闘争に参加した学生が「一握りの金持ちのためにイラクの人びとを虐殺するブッシュと小泉を倒そう」と力強く発言した。
デモに出発。派兵決定で街の状況は変わってきている。一緒にこぶしを振り上げる人、激励の声をかける人など、共感と期待を実感した。若い女性らの飛び入りが多かった。
参加者からは「派兵が迫る中で、みんなの考えも変わってきている。私たちが訴えていったときに、派兵を止めることができる」と展望が出された。
この間の街宣では、自衛官の家族が続々と署名をしている。自衛官やその家族の叫びにこたえる闘いが求められている。
(投稿 学生M・K)
空自先遣隊派兵許すな 12・25福岡
福岡で12月25日夕、「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」の呼びかけで「許すな! 空自先遣隊派兵」「自衛隊はイラクに行くな! 殺すな! 死ぬな! 米英占領軍はイラクから撤退せよ!」を掲げた集会と天神一周デモが100人で行われた。集会準備中から、前回のデモやチラシを見たという若者が次々と声をかけてきた。
まず「カトリック福岡地区正義と平和協議会」の青柳行信さんが主催者あいさつ。「明日にも空自先遣隊が派兵され、米国の軍事占領に加担しようとしている。集団的自衛権の行使であり、実質的な改憲。絶対に阻止しよう」。そして九大学生自治会の太鼓のリズムに合わせたシュプレヒコールでクリスマスの警固公園の雰囲気は一変。市民の注目が一挙に集まった。
デモに出発。参加者はペンライトやキャンドルライトを持ってデモを行い、飛び入りも多くあり、家族で参加する人もいた。
デモ終了後に再び集会。九大自治会は「イラクは危険というが、なぜ危険なのか。侵略派兵だからだ。一握りの大資本家のためにイラクの人びとを虐殺し、自衛官も使い捨てにしようとしている。イラクの人びとと連帯して自衛隊派兵を阻止しよう」とアピール。1月18日に再び天神に集まりデモすることを確認した。
緊急闘争に4千人参加 12・19関西
関西反戦共同行動委と関西労組交流センターの仲間は12月19日、大阪・扇町公園で開かれた大阪平和人権センター主催の「自衛隊のイラク派兵を許さない大阪集会」に登場、宣伝活動を行った。緊急闘争にもかかわらず4千人を超える労働者が怒りと危機感を持って集まった。
反戦共同行動委と労組交流センターは自衛隊のイラク派兵は、米軍のイラク侵略と虐殺、軍事占領への参戦だと強く弾劾し、派兵阻止の現地闘争や1月17日の国際反戦闘争への決起を訴えた。また国労5・27臨大弾圧との闘いを訴えた。
集会では「自衛隊派遣基本計画の撤回と世界の反戦闘争と連帯して闘う」と集会アピールが採択され、大阪市役所までデモが行われた。
空自派兵に防衛庁抗議 12・26東京
12月26日、ワールドアクションと反戦共同行動委員会に結集する労働者、学生ら30人は、この日イラク軍事占領のために空自先遣隊20人が成田空港から飛び立ったことに抗議して対防衛庁行動に立ち上がった。
午後7時すぎ、決起した30人は、防衛庁正門からはるか前方に阻止線を張る機動隊を押し返し、断固、防衛庁正門前で抗議行動をやり抜いた。ワールドアクションと反戦共同行動委員会がそれぞれの申入書を読み上げた。「派遣された空自先遣隊の撤退、今後のイラク派兵の中止を求める」「イラク派兵に反対、中止せよ」。文書を防衛庁の担当官僚に手渡し、首相と防衛庁長官に必ず届けるよう強く迫った。ワールドアクションのビラを受け取った防衛庁職員は「自衛隊は首相官邸の命令で動いているだけだ」と責任を転嫁しようとする。姑息(こそく)な言い逃れを許すな。
この後、全員でシュプレヒコールを上げた。「自衛隊はイラクへ行くな」「イラク人民に銃を向けるな」「イラクを占領するな」「自衛隊をイラクへ送るな」「石油のための戦争をするな」「自衛官は出兵を拒否しよう」「国のために死ぬな」という声が防衛庁内外に響き渡った。
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週刊『前進』(2133号3面2)(2004/01/26)
12・23日比谷 教基法改悪阻止へ5千人 派兵・改憲に強い危機感
12月23日午後、東京・日比谷公会堂で、「子どもは『お国』のためにあるんじゃない! 教育基本法改悪反対! 12・23全国集会」が開催され、5000人の労働者・市民・学生が参加した。高橋哲哉さん、三宅晶子さん、大内裕和さん、小森陽一さんの4人が呼びかけた集会実行委員会の主催で行われた。
開演前には会場が満杯になり、あふれた人が公会堂の外から参加する中で集会が始まった。ザ・ニュースペーパーはコントで、笑いの中にも教基法改悪の重大性を訴えて盛り上げた。
呼びかけ人の4人が発言に立った。大内裕和さんは「市場原理と競争原理むき出しの教育が徹底されている。愛国心教育を受け入れない教員は『不適格教員』にされる。教基法改悪と軍事大国化はひとつの動きだ。教職員組合の意味は大きい。保護者、市民も教職員組合を支援しよう」。三宅晶子さんは「文科省は『心のノート』で子どもの心を操作しようとしています。『日本を愛する心』が強制され、同調しない者は愛国心通知票や『日の丸・君が代』を踏み絵に排除されていく。教基法改悪を阻み、『心のノート』を消しましょう」と訴えた。
高橋哲哉さんは「愛国心教育を注入しようというのは、戦争を想定しているからです。国際競争に勝ち残るため、1%のエリートには愛国心を強制し、99%の非エリートにはエリートを支えることを求める。イラク派兵が迫る今、教基法の最良部分を譲り渡さずに闘おう」と述べた。小森陽一さんは「現場の先生たちが反撃を始めています。全国で教育現場への攻撃をはね返す運動と教基法改悪反対の運動が結びつき始めています。通常国会に教基法改悪案を提出させないため奮闘しよう。教基法と憲法9条改悪は許さないという一致点で『共同』と『協同』を広げよう」と訴えた。
「しゃべり場」では、全国の教育労働者、市民、中学生、高校生などの発言が続いた。軍隊慰安婦問題の授業をきっかけとした「指導力不足教員」攻撃と対決して認定を阻んだ東京の教育労働者。石原の「国立つぶし」攻撃や天皇主義右翼の銃撃に屈せず闘いぬく国立の教育労働者。日野市・七生(ななお)養護学校の性教育を口実とした大量処分の撤回を求め闘う教育労働者。都教委の「通達と実施指針」に対し「『君が代』斉唱時の起立、斉唱、ピアノ伴奏の義務不存在確認訴訟」を準備する都立校の教育労働者。高校統廃合、学校選択制、愛国心通知票、「心のノート」、大学独立法人化と都立大学改革、「つくる会」教科書など、教育をめぐるあらゆる攻撃と闘う労働者、市民の豊かな報告が続いた。
最後に集会アピール文を提案、「私たちは、教育における国家主義と差別化を推進し、再び戦争のできる『国民』づくりにつながる教育基本法の改悪を全力で阻止することをここに宣言します」と参加者全員で唱和して、確認した。
ただちに街頭パレードに立った。呼びかけ人を先頭にした市民の隊列に続き、教育労働者の隊列が長く続く。若い世代の参加者も多い。銀座・数寄屋橋から東京駅前を通る長いデモ隊列に、沿道の注目も大きい。
5000人の労働者・市民が、教育基本法改悪が自衛隊イラク派兵と憲法改悪と完全に連なる問題であることに強い危機感をもって立ち上がった。日教組傘下の教育労働者と全教傘下の教育労働者が全国各地から集まって一堂に会し、ともに教育基本法改悪阻止へ立ち上がったことは、連合結成以来の画期的なことである。この闘いをさらに全国に広げ、教育基本法改悪絶対阻止の全人民の闘いを巻き起こそう。
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週刊『前進』(2133号3面3)(2004/01/26)
公団の登記発表に反撃 三里塚デモ 先遣隊の派兵を弾劾
三里塚芝山連合空港反対同盟は12月27日、空港公団が24日に未買収地の買収と所有権移転登記を行ったことを発表して、暫定滑走路の誘導路が「へ」の字になっているのを直線化すると新たな攻撃を宣言したことに対して断固とした反撃の現地闘争に決起した。この日の闘いは、空自先遣隊が成田空港を使って26日からイラクへの派兵を強行していることに対する怒りの反撃としても闘われた。
朝9時すぎ、前夜の雪が残る空港フェンスわきの天神峰の開拓道路に反対同盟と支援の部隊50人が結集した。最初に反対同盟の北原鉱治事務局長が「公団は法を破って犯罪を犯している。こういうことをやって公団は空港建設を進めてきた。成田空港は廃港以外にない」と厳しく弾劾した。そして「昨日、成田から先遣隊が出発した。なぜイラクにまで人殺しに行かなければならないのか」と成田からの空自先遣隊派兵を批判した。
敷地内の市東孝雄さんは、「公団のやり方はわかっている。所有権が変わったからといって『く』の字が真っすぐになるのか。耕作している人がだめだといっているから真っすぐにはならない。じいさんの代から耕作している土地です。完全無農薬でやっているから代替地でということにはならない。金をやって解決するということに負けないで、何があってもここでやっていきます」と決意を表明した。
顧問弁護団の葉山岳夫さんは、「耕作権の底地を買い取ったから解決するというのは大間違い。公団のやり方は悪質地上げ屋の手法そのものだ。弁護団としても徹底的に闘いぬく」と決意を表明した。
野戦病院や支援の各党派からも発言を受けた。全学連の大山尚行委員長は、敷地内の市東さんを始め反対同盟とともに闘いぬき、自衛隊イラク派兵阻止闘争の爆発で成田空港廃港をかちとる決意を表明した。
ただちにデモに打って出た。警察権力は、大部隊を投入して厳戒態勢を敷いたが、それをはねのけて敷地内・東峰を貫くデモを貫徹した。
所有権移転で直線化不可能
デモの後、反対同盟は市東さん宅で記者会見を開き、公団のデマ宣伝と悪辣(あくらつ)な攻撃の意図を怒りを込めて弾劾した。
空港公団は12月24日、天神峰3カ所と岩山2カ所の土地買収を公表し、「へ」の字に曲がった誘導路を直線化すると表明した。
所有権移転登記を提出したのは、天神峰の市東孝雄さんが耕作している畑2カ所、天神峰現闘本部、岩山にある野戦病院、蜂起派が生活している岩山団結小屋の計5カ所である。市東さんの畑の地主は藤崎政吉と岩沢和行である。孝雄さんのおじいさんの代から、つまり、戦前から耕作してきた畑である。耕作権が確立している。土地所有者の名義が誰であろうとも、耕作権は保障されているのである。
現闘本部の土地は登記上、かつての反対同盟副委員長の石橋政次のままであった。ここは、反対同盟が地上権を持っている。野戦病院と岩山団結小屋は居住権がある。すべて、実際の土地売買は数年前に済んでおり、公団が事実上所有していた。公団はこの名義変更で、暫定滑走路の「逆くの字」が解消するかのようなキャンペーンを行っているが、そんなことはありえない。公団自身も簡単にいくとはまったく思っていない。浅子直樹・用地部長は「借地権があり、何年かかっても粘り強く説得するしかない」と話しているのである。耕作権があり、耕作する意志があるかぎり、それを取り上げて空港建設に使うことはできない。
野戦病院も岩山団結小屋も居住権があり、人が居住している限り、撤去は絶対にできないのである。
土地登記の変更手続きをしても、実際には現状変更できないにもかかわらず、暫定滑走路の「逆くの字解消へ」というキャンペーンをなぜ行うのか。東峰神社裁判の完敗で、成田空港の完全完成は不可能であることが満天下に明らかになったからだ。民営化のために、それを打ち消すことが狙いなのだ。だが、これは逆に、反対同盟が不屈に闘いぬく限り、成田空港の完成は不可能なことを示している。
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週刊『前進』(2133号3面4)(2004/01/26)
三一闘争 団結権否定の反動判決 職場からの排除許すな
12月26日、東京地裁民事第41部の坂井満裁判長は、三一書房労働組合の職場確保の闘いに対して、文京区の本社と埼玉県朝霞市の朝霞倉庫の明け渡しを命じ、仮執行(強制執行)も可能とするまったく不当な判決を出した。
これは、99年6月に鈴木経営が三一労組と出版労連に対して本社と朝霞倉庫の明け渡しと損害賠償を請求して起こした裁判への判決言い渡しである。
そもそもこの裁判自体が不当なものである。鈴木経営が98年11月14日に違法なロックアウトで労組を職場から閉め出したことが争議の出発点だが、三一労組は99年1月以降、職場確保の宿直防衛闘争を闘い、職場を拠点に団結を維持してきた。追いつめられた鈴木経営は、同年3月8日未明に朝霞倉庫を暴力的に襲撃しながら、撃退された。その敗北直後に、鈴木経営が司法の力を借りて労働組合を職場からたたき出そうとしてしくんだのが、この明け渡し裁判だった。
判決は、@被告の労組に「仮執行付きの明け渡し」を命じながら、A鈴木経営が要求した「損害賠償」は却下し、B訴訟費用は、被告敗訴にもかかわらず、「鈴木経営側7、労組側3」というものだった。
この判決は、01年9月の東京都地方労働委員会による三一労組勝利の救済命令の線にそって、鈴木経営によるロックアウトは違法、懲戒解雇、団交拒否には正当性がないとし、鈴木経営が少数派株主であることまでも認めながら、職場確保の一点についてだけは「認めない」とする、許しがたい反動判決である。
判決は、労組の職場確保の闘いが鈴木経営を排除する「排他的占有」であるとして、明け渡しを命じている。だが、組合は団交要求において、本社会議室を指定するなどしており、鈴木経営の立ち入りを拒否した事実はない。単に鈴木経営が逃げ回って近寄らなかっただけだ。
三一労資間には、「会社は争議期間中、組合員が社屋に出入りすることを制限または阻止できない。……会社の施設を使用することをみとめる」とした労働協約が締結されている。判決は、この労働協約が有効であることを認めながら、明け渡しを命じている。いかに理不尽な要求であっても、登記上は鈴木経営が経営者であるというその一点をもって労組は資本の要求に従えというのだ。
それは、労働者の生存をかけた団結権・争議権の上に資本の所有権を置き、職場占拠だけは認めないとする大反動判決だ。時を接して行われたJR採用差別事件への12・22最高裁反動判決や労組法改悪策動と一体の暴挙だ。大失業時代に今後多発する労働者の職場確保の闘いを否定するものだ。
社前で判決弾劾の100人集会
この間、三一労組は、一連の戦争と大失業の攻撃の中で、反動判決が不可避だと徹底的に身構えてきた。9月以降、月2回、合計10回にもおよぶ地裁前ビラまき行動を貫徹してきた。11月21日には「三一書房争議5周年集会」を180人余りの結集でかちとった。
さらに、11月21日には東京地裁に団体署名を提出し、12月2日にはMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)傘下8労組の委員長や書記長ら代表団による民事第41部への申し入れ行動を行った。
判決時には出版労連や労組交流センターの労働者50人余りが傍聴に駆けつけ、判決を見守った。その日の夜6時から直ちに100人で本社前で反動判決への抗議集会を行った。
三一労組は年末年始の宿直防衛闘争を闘いぬき、1月5日の仕事始めの日には、支援の労働者を含め80人で昼休み集会を開催し、支援とともに団結を固めて闘いぬくことを誓った。
さらに、6日には東京高裁に控訴し、8日には強制執行停止決定の申し立ても行った。闘いは、執行官による「催告」(明け渡しの催促)と、その後の「強制執行」を許すかどうかの決戦局面に突入した。三一労組の支援要請にこたえ、全力で支援しよう。
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週刊『前進』(2133号4面1)(2004/01/26)
戦争と資本攻勢に反撃を 革共同各地方委員会 04年の決意〈上〉
<新指導路線>の下、侵略戦争と資本攻勢への反撃を組織していこう。2004年決戦の勝利に向けた革共同各地方委員会の年頭の決意を2回に分けて掲載します。(編集局)
関西地方委員会 労働組合運動を推進し地区・産別委員会建設へ
第3次帝国主義世界戦争かプロレタリア世界革命かがギリギリとさし迫る中、日本を始め全世界の巨億の労働者階級人民が、革命的出口を求めて壮大なスケールで決起し、プロレタリア自己解放=世界革命に向かって本物の階級の党の創成を激しく要求している。
わが関西地方委員会は、これをプロレタリア魂の根底で受けとめ、04年の階級的激動のただ中で、成すべき変革を非妥協的に成し遂げ、労働者階級の党へと根底的に生まれ変わることを固く決意している。
われわれは、11・9労働者集会の画期的成功と、昨年末の国労5・27臨大闘争弾圧、部落解放同盟全国連合会寝屋川支部弾圧の被告全員の保釈・奪還の偉大な勝利をバネに、いっそう強固な団結と勝利への確信を打ち固めて、04年決戦に躍り込もうとしている。
われわれはこの1〜3月、労働者階級人民の怒りと決起の最先頭に立ち、陸海空自衛隊のイラク本格派兵阻止闘争を小牧−旭川−呉の現地闘争を焦点に歴史的大闘争として断固切り開く。さらに、3・20国際反戦闘争の大衆的・階級的大爆発の先頭に立つ。
それと一体で、権力・JR資本と国労中央本部による国鉄闘争終結・国鉄労働運動絶滅・解体攻撃と激突し、酒田・吉田・芝崎体制打倒−国労の階級的再生をかちとり、4大産別を始めとしたあらゆる職場・地域で04春闘の戦闘的再生と発展のために奮闘する。
これら1〜3月の闘いを突破口とした04年の闘いを貫いて、労働者党員の主体的決起とそれに呼応した職業革命家の自己変革的闘いの貫徹を核心的媒介として、労働組合運動の推進と拠点づくり、労働者細胞建設を基礎とする地区委員会と産別委員会の建設を画然と推し進める。
国家権力・資本と不屈に闘う動労千葉を始めとする3労組と、日韓米労働者によって闘いとられた11・9労働者集会と03年国際階級闘争の画期的地平が、死活的課題として突きつけている党的飛躍を総力を挙げてかちとることを固く決意している。
04年はファシスト・カクマル打倒の闘いでも重大な決戦の年である。分裂したカクマル中央派は「21世紀は暗黒」と絶望感にあえぎ、JR総連はさらに松崎派と嶋田派に分裂し危機を深めている。このカクマルを打倒し、労働運動の革命的大前進を切り開くために全力で闘う決意だ。
スターリン主義の崩壊、帝国主義とスターリン主義の戦後体制の崩壊、帝国主義間争闘戦の激化、国独資的諸方策の最後的破産の中で、帝国主義は大恐慌と、03年3・20イラク侵略戦争をもって世界戦争の過程に突入した。
帝国主義の侵略戦争と首切り・リストラ・賃下げ・団結権破壊などの大資本攻勢、介護・年金・医療・福祉切り捨てと大増税、社会的差別と排外主義の一挙的強まり、治安弾圧の激化などが、国内外の全戦線で労働者階級を襲っている。
われわれは昨年、職場闘争を軸とした労働組合運動、反戦政治闘争、議会選挙闘争において、これらの階級的攻撃に対する労働者の怒り、闘いと結びつき、苦悩しつつも自己解放的に決起しつつある労働者に全力で肉迫し、大衆行動への参加と決起を促しつつ、その中で地区委員会・産別委員会建設を一歩一歩推し進める闘いに挑戦してきた。
そして、4大産別を始めとした職場闘争の前進、国労、全国金属機械港合同サンコー分会、関西合同労組、全国連寝屋川支部をめぐる労働運動・大衆運動への弾圧との闘いの勝利、春秋の百万人署名運動を中心としたイラク反戦闘争の高揚、高槻・東大阪市議選での全員当選を始め重要な前進をかちとった。
また、労働者党員同志たちは、大阪・京都における府委員会建設を力強く推し進めるとともに、神戸市委員会を結成し(8月)、兵庫県委員会結成の確固とした展望を切り開いた。さらに、青年労働者たちによる新生マル青労同結成は、労働運動の戦闘的推進と拠点づくり、反スターリン主義・革命的共産主義運動の発展を画期する巨大な一歩を踏み出した。
関西地方委員会は、03年の苦闘と前進の上に、職場生産点での闘いの再構築と、労働組合の階級的再生、それをとおしての階級の党への変革的建設の闘いを、最大の革命的徹底性と精力を傾注して闘いぬくことを深く決意している。
われわれは04年、階級的労働運動と労働者党建設における飛躍的前進を必ずや切り開く。そして、その下で日帝の自衛隊イラク派兵と北朝鮮侵略戦争を阻止する闘い、「国民保護法制」を始めとした有事関連法闘争、教育基本法改悪・改憲阻止闘争、労組法を焦点とした労働諸法制改悪との決戦、司法改革・治安弾圧体制強化との闘いを闘う。
さらに、排外主義・差別主義との闘いをめぐる戦線の強化と、3・7〜8解同全国連第13回大会の大成功、全学連運動と学生戦線の強大な建設、非公然・非合法の不抜の党建設を始めとした決戦への総決起をすべての労働者のみなさんに呼びかけるとともに、その最先頭で勝利を切り開くことを固く誓う。
中国・四国地方委員会 〈新指導路線〉の貫徹へ党の革命を成し遂げる
04年、世界の労働者階級とわが革共同が直面している情勢は、だれの予想をも超えるスケールの激動的展開をとげようとしている。絶望的危機にのたうちまわる帝国主義は、なりふりかまわず〈外への侵略戦争、内への階級戦争>の一大攻勢に出て来ている。
リストラと首切り、低賃金と不安定雇用、諸権利のはく奪と、社会保障解体、こうした攻撃のすべてが「内なる階級戦争」として労働者階級に襲いかかっている。歴史的体制としての帝国主義が、もはや労働者を食わせていけず、生かしていくこともできず、社会として成り立たなくなっているのである。
03年3・20をもって開始されたイラク侵略戦争は、このような帝国主義の全面的破局の時代への突入を示している。帝国主義がその基本矛盾を爆発させ、帝国主義間争闘戦がむき出しの帝国主義侵略戦争−世界戦争にまで行き着かざるをえない過程に突入したのだ。
帝国主義は植民地主義的利益の貫徹をかけて、生きんがための人民の闘いを「テロ」と称してせん滅し、侵略戦争を拡大している。一つの世界体制としての帝国主義が完全に行き詰まり、これまでの世界支配を自ら暴力的に破壊し、再編する以外なくなっているのである。
こうした過程は後戻りすることがあるのだろうか。見せかけでも「平和的収束」に向かうことがあるのだろうか。帝国主義が帝国主義であるかぎり、それは絶対にあり得ない。帝国主義の危機は深まることはあっても、緩和されることなど絶対にないからである。労働者人民にとって、そして被抑圧諸国人民にとって、帝国主義との「和解」などということは寸分たりとも成立しないからである。全世界の労働者階級の国際的団結と、被抑圧諸国人民との共同の闘いで、腐り切った帝国主義を打倒する以外、いかなる未来もあり得ない時代に突入したということである。
03年11・9労働者集会は、こうした時代において労働者階級の闘うべき方向をはっきりと指し示した。動労千葉の階級的=国際主義的で原則的な労働運動が、ついにこの情勢の中で米韓、とりわけ民主労総の非妥協的な戦闘的労働運動と呼吸しあい、歴史的な合流を果たしたのである。
ここで創造された戦闘的階級的労働運動の地平を発展させ、外への侵略戦争に対する闘いと資本攻勢に対する闘いを全一体のものとして闘うこと、ここに04年決戦の一切の核心がある。
わが中四国地方委員会は、この11・9労働者集会が指し示した勝利の道筋に不動の確信を持って、04年階級決戦にうって出る。階級的労働運動の本格的再生に向けた労働組合運動の推進と労働者細胞建設を土台に据えた〈新指導路線>の全面的貫徹に一切をかける。21世紀の早い段階でのプロレタリア革命の勝利のために、それがどんなに厳しい道であっても、そのために必要な「党の革命」を命がけで成し遂げる。
この1〜3月、自衛隊のイラク派兵という日帝・小泉の歴史的踏み込みに対して、これとの闘いを戦後最大の階級決戦として大爆発させよう。日本階級闘争が〈日本版9・11>に直面する事態に対して、革命的祖国敗北主義の立場に立ち切って、「イラク人民・ムスリム人民の反撃は正義だ。この闘いと連帯し、共同の敵である日本帝国主義を打倒しよう!」と真っ向から言い切り、労働者の階級的反撃を組織して闘うことである。
3・20国際反戦闘争を、全世界の闘いと結び付いた巨大な革命的大衆行動として爆発させよう。海上自衛隊呉基地からの「おおすみ」型強襲揚陸艦の出兵に対して、学生戦線を先頭に労働者階級の階級的底力をたたきつけよう。
イラク侵略戦争−北朝鮮侵略戦争への踏み込みの中で、一切の反動攻撃が繰り上がってきている。有事関連法案、教育基本法改悪、労働法制改悪、年金制度改悪、共謀罪新設そして05年の憲法改悪。まさにすべての階級をまきこんだ重大決戦の到来である。とりわけ教育基本法改悪−改憲攻撃との闘いを、04年階級決戦の一大焦点として押し上げ、これを全階級の決戦課題として闘おう。
この闘いは04年春闘と一体である。資本攻勢との闘いは、いまや「国が滅んでもいいのか!」という政府とブルジョアジーの反革命的恫喝と真っ向から切り結ぶ以外に一歩の前進もあり得ない。
こうした時代だからこそ動労千葉の闘いに学び、労働者階級の自己解放の力に無限の信頼を寄せて、もっとも原則的で階級的な労働運動・労働組合運動を組織して闘う。国労5・27臨大闘争弾圧との闘いで労働組合の組織化において03年に切り開いた画期的地平を引き継ぎ、国鉄決戦を先頭として全産別における戦略的前進を闘いとろう。
組織的分裂の危機にあえぐ反革命カクマル中央派とJR総連派の双方を、労働者の階級的総反撃で打倒しよう。
われわれが直面しているのは戦後革命期以来の革命的激動期の到来であり、革命勝利の戦略的チャンスである。革共同が真の労働者党へと飛躍する決定的メルクマールはマル青労同建設にある。青年たちの自己解放の欲求をマルクス主義の思想と結合させ、青年が青年を組織し、労働運動を階級的にけん引するような自主的政治組織としてマル青労同の発展をかちとろう。
中四国地方委員会はその最先頭で闘う決意である。
九州地方委員会 イラク侵略派兵阻止へ 3・20に総決起しよう
だれの予測をも超える激動的展開の04年を迎え、革共同九州地方委員会は、全世界の闘う人民と連帯し、「外への侵略戦争、内への階級戦争」を開始した帝国主義を打倒する闘いに総決起する決意を明らかにする。
小泉内閣の03年12・9自衛隊イラク派兵「基本計画」閣議決定は、日帝のイラク侵略戦争への参戦であり、激しく続くイラク人民の民族解放のゲリラ戦争への圧殺、イラク人民・中東人民・ムスリム人民への宣戦布告そのものだ。
われわれは昨年の11・29日本人外交官に対するゲリラ戦闘を断固支持する。米英帝が侵略戦争を凶行するイラクでの「外交」や「人道的立場」などは、どうごまかしても侵略そのものだ。「日本人が殺された」「日本版9・11」「派兵自衛隊員の死」など自国帝国主義の侵略戦争への突入で不可避に起こる「日本人の死」に対するわれわれの態度は鮮明だ。第2インターの道などきっぱりと拒否する。革命的祖国敗北主義と「連帯し侵略を内乱へ」を掲げ進む。11・29と12・9は一体のものだ。
自国帝国主義の軍隊が侵略派兵されようとする時に、革命党として労働者階級の総決起を実現するために血の汗を流さなければならない。自衛隊イラク派兵阻止闘争を11・9で切り開いた労働者国際主義の地平をかけて闘おう。1〜3月派兵阻止現地闘争と3・20国際反戦闘争で04年の闘いの突破口を切り開こう。
帝国主義は死の苦悶にのたうち回っている。米英帝の昨年3・20イラク侵略戦争への突入は、帝国主義の危機の下で世界恐慌の深化過程と、争闘戦の帝国主義戦争への転化の開始としてある。危機に立つ米帝が世界の暴力的再編をかけて開始したイラク侵略戦争はイランや北朝鮮に連動する。
日帝は米帝のイラク−北朝鮮・中国への侵略戦争に徹底的に食らいつき、共同・競合して参戦していくことで敗戦帝国主義的現実から脱却し、軍事大国化とアジア勢力圏形成の道を開こうとしている。イラク侵略戦争の泥沼化とドル暴落を引き金とする世界恐慌過程への突入は、革命的情勢の急速な接近と革命党の三つの義務の待ったなしの遂行を突きつけている。
革共同は、03年前半期の三大決戦の敗北を総括し、「新指導路線」を打ち立てた。マルクス主義の、労働者階級の党として、労働者と労働組合にどこまでも入り、そこに根を張る。労働運動・労働組合運動の先頭に立ち、その中で、闘う労働者と結合し、労働者党の建設を推進していく。そしてこの闘いを党が闘う諸闘争の総括軸とする。
この新指導路線の下で、昨年11・9労働者国際連帯集会を実現した。11・9は米英帝のイラク侵略戦争突入に反対する03年1〜3月の全世界2千万人の反戦闘争への決起を土台とし、激烈な帝国主義間争闘戦の下で資本攻勢と闘い、なおかつ帝国主義の侵略戦争反対の闘いと結合して闘っている労働運動・労働組合運動が階級的国際的に結合したものだ。
資本攻勢に対して職場生産点から反撃を徹底的に組織し、その闘いに依拠して職場から街頭への反戦政治闘争を組織する。なおかつ反戦政治闘争の大衆的爆発の組織化と闘いの先頭に党が立つ。04年はこの道を進む。
革共同九州地方委員会は04年の1〜3月自衛隊イラク派兵阻止現地闘争を死力を尽くして闘い、3・20国際反戦闘争へ上り詰める。
03年は九州においてイラク反戦・有事立法反対の大統一戦線が結成され、いろいろな層の主体的決起と結びついた大衆闘争がかちとられた。04年にはそれがさらに2乗・3乗の規模で発展するのは間違いない。有事関連法・反動諸法案を粉砕する。改憲と戦争遂行のための強権的ボナパルティズム的政治支配体制へのめり込む小泉政権打倒へ突き進もう。
国労5・27臨大闘争弾圧に反撃する闘いは九州において「許さない会」運動として労働組合の中に組織されていった。国鉄労働運動再生への柱がぶっ立ち、さらに労働運動の階級的再生に向かっての橋頭堡を築いた。8人の仲間の奪還はそのすさまじい推進力だ。「許さない会」運動と結合して04春闘を激しく闘う。
教労、自治労を始め4大産別や民間などの労働者細胞は資本攻勢に対する職場での闘いに全力で取り組んで前進をかちとり、そこを土台に反戦政治闘争への決起を組織した。とりわけ04年教基法改悪阻止を闘う教労はこの決戦の過程で不抜の拠点化を必ずかちとる。
学生戦線は03年イラク反戦・有事立法反対闘争を先頭で切り開いた。九州学生運動の一大拠点化は04年の待ったなしの課題である。部落解放戦線は全国連5万人建設の一大拠点を九州で築きあげる。諸戦線は新指導路線のもとで大衆闘争と党建設を統一して闘う。
九州地方委員会は、日本共産党の影響下にある良心的な労働者・学生を反スターリン主義・革命的共産主義に獲得するために闘う。分裂と思想的瓦解を深めるカクマルとの闘いの勝利の地平は政治闘争と労働運動の強力な展開の土台である。必ず3・14復讐戦を成し遂げ、カクマル完全打倒をかちとる。
九州地方委員会は04年を党建設で勝負する。機関紙拡大と新生マル青労同の拡大に党の全力を投入して闘う決意だ。
沖縄県委員会 基地永久化と沖縄圧殺許さず日帝打倒へ闘う
01年の革共同第6回大会においてわれわれは、21世紀のできるだけ早い時期に世界革命をわれとわが手でなしとげようと宣言した。去った03年において日本の労働者階級人民はそこへ向かっての歴史的な突破口を切り開いた。
11・9労働者集会において日韓米の最も先進的な労働組合が一堂に会し、共通の敵にむかって闘い進むこと、そのための国際的団結をうち固めようと誓いあった。19世紀に、労働運動の興隆とともに第1インターナショナルが結成されていく過程の雰囲気はこのようなものであったに違いない、と思わせるような感動と勇気をもたらすものであった。
さらに03年においては、3・20イラク侵略戦争開戦に対して「地球一周」2千万人の反戦決起が起こった。時代は確実に革命的情勢へ急接近している。01年9・11反米ゲリラ戦争は、20世紀を総括し、21世紀を世界革命達成の世紀とせよという時の鐘であった。
問われているのはわれわれである。革共同はなぜ革共同であるのか、なんのために生まれたのか、何をめざして血を流し、命をかけて闘ってきたのか。「すべてはこのためだった」という決定的情勢が、われわれの前に近づいてきている。
この決定的瞬間をつかみ取るために、党の革命(自己変革)を成し遂げよう。それはすでに03年前半期の前進と大いなる苦闘の中から「新指導路線」として全面的に提起されている。進むべき道筋と課題は一点の曇りもない。まさに「この道を進め!」である。
04年は冒頭からすべての闘いが激突につぐ激突となる。自衛隊のイラク派兵を阻止する闘いは、かつてのベトナムを上回る激烈な民族解放戦争として闘われているイラク人民・ムスリム人民の大ゲリラ戦争と連帯する最前線の闘いである。
米英日侵略軍をイラクからたたき出し、帝国主義の侵略戦争を内乱に転化すべく3・20にむかって全世界の労働者人民が03年の反戦闘争をはるかに超える大闘争を実現するためにも、日本における自衛隊のイラク派兵阻止の現地闘争が全体を規定する位置を持っている。東京で数十万人の決起を実現しよう。そのかぎは労働者人民の階級的決起の組織化にかかっている。それは必ず実現可能である。
沖縄もまた04年に決定的情勢を迎えている。自国の人民さえ食わせていくことができなくなった日本帝国主義は、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)路線の買収的側面さえほごにして、差別と抑圧をむき出しにした政策に転換した。イラク情勢、朝鮮情勢という新たな世界戦争の時代にあわせた沖縄基地の位置付けなおしが行われている。
沖縄の04年は、名護市辺野古への新基地建設・海上埋め立ての、事実上の工事着工としてのボーリング調査の開始の緊迫の中で幕を開けた。
地元辺野古の闘う住民は暮れも正月もない臨戦態勢の中にある。日帝・小泉は、1月23日に天皇を沖縄に送り込む。95年沖縄の「新たな人民反乱」の鎮圧・平定計画であるSACOの最終セレモニーとして計画されている「国立劇場おきなわ」完成式典への出席である。SACOは、もはや総破産している。この軸である名護新基地建設は7年たっても杭1本打つことさえできず、普天間基地の地元では、基地の県内移設反対の基地撤去派市長が誕生した。
だが、日帝と米帝は沖縄基地をフル回転させ、永久化しようとしている。04年の沖縄をめぐる階級的構図とは、沖縄圧殺の攻撃が限界を超えて進むことを許すのか、それとも日本帝国主義に対する再度の大反乱かのどちらかしかない。95年9・4事件−10・21県民大会10万人決起の原点に完全に回帰しているということだ。闘うアジア人民・ムスリム人民と連帯し、プロレタリア世界革命の旗を掲げ、米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の戦略的総路線を貫くことこそ勝利の道である。
この勝利の道を闘い進めるのかどうか、それは沖縄の労働者階級の決起いかんだ。日帝の「内なる階級戦争」、奥田ビジョンと大資本攻勢の攻撃は、沖縄人民に食っていけない社会をもたらし、本土へ就職を求めて沖縄を出ていかざるをえない状況を質を変えて現出させている。形を変えた移民時代の到来と言ってもよい。
在本土沖縄出身者の存在と生活と闘いは、沖縄闘争の本質的構成要素としてますます重大化している。生活苦と家族崩解で沖縄の社会自体が根底から日本帝国主義によって破壊されようとしている。自殺が沖縄の長寿データの数字を押し下げ、男性の自殺率が全国トップになるなど、まさに沖縄が沖縄でなくさせられようとしている。
天皇を持ってこようが、最高裁判決の権威・権力で沖縄差別を容認しようが、いかなる買収を行おうが、こんなことがまかりとおるはずがない。95年10・21決起情勢へとラセン的に回帰している。それが、沖縄の歴史的闘いのすべてを相乗したような決起となることは確実だ。それは今わきあがりつつある国際連帯の闘いと一体の、不可欠の構成部分であるはずである。
革共同沖縄県委員会は、ますます労働者階級の党としての飛躍をとげながら、全人民の先頭に立って、また全党の先駆けとなって自らに課せられた任務を貫徹していく決意である。
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週刊『前進』(2133号4面2)(2004/01/26)
日誌'03 12月18日〜30日 空自先遣隊20人が侵略出兵 「ミサイル防衛」を閣議決定
●小泉、派兵実施要項を承認 小泉首相は、イラクに派兵する自衛隊の活動内容を盛り込んだ実施要項について石破防衛庁長官から報告を受け、承認した。陸海空3自衛隊派兵の実施期間は「防衛庁長官が命じた日から04年12月14日まで」とし、派兵開始日の明記は避けた。(18日)
●ミサイル防衛の導入決定 安全保障会議と閣議で、他国からの弾道ミサイルを迎撃するためのミサイル防衛(MD)システムの導入を決定した。07年度の初期配備を目指す。福田官房長官は、MD運用のために、@弾道ミサイル発射が予測される場合はあらかじめ防衛出動を命じる、A前兆なく飛来したミサイルには、現場の指揮官の判断で迎撃できる−−などの法整備の検討を表明した。(19日)
●空自先遣隊に派兵命令 石破防衛庁長官は、陸海空の3自衛隊に派兵準備命令、C130輸送機の輸送本隊受け入れにあたる空自連絡調整要員に派遣命令を出した。(19日)
●リビアが大量破壊兵器の即時破棄合意 ブッシュ米大統領とブレア英首相は、リビアの最高指導者カダフィ大佐が核兵器を始めとする大量破壊兵器を開発していた事実を認めた上、即時かつ無条件の廃棄を受け入れたと発表した。(19日)
●普天間代替で大浦湾埋め立て 米軍普天間代替の名護新基地建設の作業場確保のため名護市の大浦湾西海岸約31fを埋め立てる案を国が検討していることが明らかに。(19日)
●テロ捜査、警察庁が直接指揮 警察庁はテロ捜査についての権限を強化し、都道府県警を直接、指揮できる態勢を整える。管轄に関係なく、都道府県警の組織を動かせるようにするほか、庁内に新組織をつくり、日本人に直接被害がない海外でのテロについても、積極的に情報収集に乗り出す。次の通常国会に警察法改正案を提出し、4月1日からの実施を目指すという。(20日)
●神崎「サマワは比較的安全」 公明党の神崎代表が陸自の派兵予定地であるイラク南東部サマワを訪問し、「サマワ市内は比較的安全だ。復興支援の様々なニーズがある」と述べた。これを受け防衛庁は「陸自派兵の環境が整った」として、04年1月上旬にも陸自先遣隊に派兵命令を出し、中旬にも派兵する方向で準備を進める方針を固めた。(20日)
●韓国、4月に追加派兵 韓国政府は、3千人規模の部隊派兵を内容とするイラク追加派兵法案を閣議決定した。時期は04年4月から12月、派兵先は北部キルクーク。米英両軍に次ぐ規模となる。(23日)
●「沖縄は無比の戦略位置」 在沖米軍トップのロバート・ブラックマン4軍調整官が、世界的な米軍再編の中での在沖米軍の位置づけについて「日本、特に沖縄は無比の戦略的位置にあり、(米軍は)西太平洋地域で重要な役割を果たしている」と強調、在沖米軍の大幅削減に否定的な見方を示した。(23日)
●予算政府案を閣議決定 小泉内閣は、04年度政府予算案を閣議決定した。軍事費では、ミサイル防衛、ヘリ空母導入が盛り込まれた。(24日)
●空自先遣隊20人が出発 イラクの物資輸送にあたる航空自衛隊の輸送機部隊の先遣隊のうち約20人が成田空港から民間機に乗り、活動拠点となるクウェートや米空軍の司令部があるカタールに出発。27、28日にも第2陣、第3陣が派兵された。(26日)
●自衛隊、武器先制使用も 政府は、自衛隊の治安出動と海上警備行動での権限を全面的に見直す方針を固め、法整備の検討に入った。現状では警察や海上保安庁と同じような武器の使い方しか認められていないが、攻撃されるよりも前に武器が使えるようにする。04年の通常国会での関連法案の提出を目指すという。(30日)
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週刊『前進』(2133号5面1)(2004/01/26)
自衛隊はイラクへ戦争しに行くのだ
12・9派兵計画の閣議決定は侵略戦争への日帝の参戦宣言
小泉「記者会見」を徹底粉砕せよ
はじめに
日帝・小泉政権は昨年12月9日の「基本計画」の閣議決定をもって、イラク侵略戦争に本格的に参戦することを宣言した。この「基本計画」に基づき、すでに昨年末に航空自衛隊の先遣隊が派兵され、1月中旬に陸自の先遣隊、下旬にも空自本隊、陸自施設部隊が出兵する。重武装の陸海空自衛隊計1千人がこの2、3月までに侵略軍隊として戦場の真っ只中に派兵されるのである。
これは労働者階級人民に対する日帝の最大級の攻撃であり、戦後体制を一変させ、日本を再び侵略戦争への道に完全に突入させるものである。侵略戦争への本格的な参戦なのである。まさに戦時下の階級決戦への突入であり、日帝の資本攻勢と戦争動員、治安弾圧との闘いはこれをもって一挙に激化する。それは北朝鮮(中国)侵略戦争にも連動していく。他方で、日帝は2度と引き返せない泥沼の侵略戦争に突入する中で、ますます体制的危機を爆発させていく。
ここで革共同が労働者階級の階級性をとことん引き出して闘えば、日帝打倒への巨大な展望を必ず切り開くことができる。そうした激動の時代が始まったのだ。ついに開始された日本帝国主義の本格的侵略戦争に対して断固として立ち向かい、全世界の被抑圧民族人民、労働者階級人民と連帯して世界革命への展望を切り開こう。1−3月イラク派兵阻止決戦に猛然と決起していくために、以下、日帝・小泉が12・9基本計画決定の際に行った記者会見での発言を、階級的観点から徹底的に粉砕する。
米軍と協力しイラクで軍事占領を担う自衛隊
小泉は記者会見で、参戦理由を必死に「説明」しようとしている。小泉はくり返し、くり返し「自衛隊はイラクで人道的復興支援のために活動する。武力行使はしない。戦争に行くのではない」と言っている。しかし、ここにこそ小泉のウソとペテンの固まりがある。
日帝・自衛隊が出兵するイラクとはどんな国家か。それは米帝が03年3・20をもって侵略戦争を仕掛け、軍事占領した国だ。03年5月1日にブッシュは主要な戦闘は終わったと言った。ブッシュでさえ、「戦争は終わった」などとは言っていない。そのうえで、米英の軍事占領にたいする民族解放闘争(ゲリラ戦争)が間断なく、それもますます質的量的に拡大・激化しつつ闘われている。これに対して、米帝は13万人以上の大兵力を投入して大々的な掃討作戦なるものを続けている。つまり、イラクは米軍が侵略戦争を行い、占領し、占領からの解放を求める人民への戦争=これこそ本来の侵略戦争といっていい=を続けているのだ。日帝・自衛隊はここに入っていくのだ。
小泉は二重にウソをついている。人道的復興支援なるものが、それ自身宙に浮いたように、戦争から離れてあるかのように言っているが、それを字義通りに受けとっても、もともとは侵略軍としての米軍が軍政下で民衆支配のために行うことを、自衛隊が肩代わりしようというだけのことだ。したがって、この自衛隊の活動の分だけ米軍はイラク人民を直接的に殺戮(さつりく)する戦争に全力をあげることができるということだ。侵略戦争の不可欠の構成部分を自衛隊が米軍と協力しつつやる――これは百パーセントの戦争行為そのものだ。自衛隊は米軍の戦争をやめさせて、戦争からの復興をはかるというのではまったくない。米軍がどんどんイラク人民を殺戮し、家屋の破壊などがもっとできるように参戦するのだ。
さらに、先の小泉の発言にはもうひとつ、もっと直接的なウソが隠されている。それはイラク派兵の自衛隊は「安全確保支援活動」のために行くことが「基本計画」の二大柱のひとつだということだ。この「安全確保支援活動」とは米軍の治安維持確保活動、すなわち抵抗戦争・解放戦争に立ち上がったイラク人民のゲリラ戦争を軍事的に鎮圧するための戦争行為=これこそ侵略戦争の本体といっていい=と一体の活動なのである。米軍自身がアイアンハンマー作戦などと言っているあの戦争のことだ。この侵略戦争をやっている米軍のために武器弾薬を輸送し、米軍兵員を輸送したりすることがこの大きな柱となっている。これはどこをどう押しても参戦以外の何ものでもない。
日本人民のあまりの反対と怒りのために、小泉は姑息(こそく)にも「記者会見」で、武器弾薬は輸送しないなどと言ってごまかそうとした。しかし、そんなに確固として言いきるのなら、なぜ「基本計画」にこれを記していないのか! 日帝は武器弾薬の輸送だってやる気なのだ。実際小泉記者会見の翌10日には、福田官房長官は「武装した米兵の輸送はする」と言って、巻き返しに出ている。米軍はイラク侵略戦争をがんがんやっている。この米軍の輸送を空自ががんがんやる。これはいったい戦争参加ではないのか。日帝・小泉は「戦争に行くのではない」とくり返し8回も9回も言っているが、われわれは自衛隊は百パーセント戦争に行くのだ、それも侵略戦争をやりに行くのだと百ぺんも千べんもたたきかえしてやらなければならない。
日米同盟は日本を再び世界戦争に導く同盟だ
小泉はまた、この記者会見で「日米同盟のためにこのイラク派兵が必要だ」と何回も強調した。「日米同盟がどうなってもいいのか」などと言って人民を恫喝したのだ。
しかし、日帝・小泉が強調し、推進しようとしている「日米同盟」なるものこそ、戦後的条件下で展開されてきた帝国主義の間の強盗同盟にほかならない。
まず、基本的には今日、帝国主義諸国間の矛盾は激化しており、すでに米英帝とEU(独仏帝)とは本格的に利害対立を強めている。分裂状態だ。米英はこの独仏などの利害を侵害し、そのブロック化を阻止し、粉砕しようとしているのだ。そのためにこそ、中東支配・石油独占支配をやろうとして、イラク侵略戦争を開始したのだ。そしてイラク侵略戦争をめぐって米帝と独、仏帝との分裂・対立は修復不可能なほど決定的となった。
日米関係はどうか。一方で日帝は日米関係に大きく規定されている、あるいは一面では日米関係なしには成り立たないといえる。しかし、他方では米帝は自らNAFTA(北米自由貿易協定)、FTAA(米州自由貿易圏)のブロック化を推進しながら、日帝がアジアの勢力圏化を図ろうとすることを絶対に認めない。米帝はこの政策を大きくは対中国侵略戦争の戦略を構え、さしあたって北朝鮮侵略戦争の構えを強める中で遂行しようとしている。
しかし、米帝ブロックとEUブロックに対抗して日帝がこのままブロック政策をとれなければ、結局は日本経団連会長の奥田が危機意識をもって叫んでいるように日帝はたたきつぶされる。このような危機的現実に直面している日帝は、さしあたって「日米同盟」のもとに米帝の侵略戦争政策、とくにアジアでの北朝鮮(中国)侵略戦争政策に食らいついていく中で、米帝と共同=競合しつつ、自己の帝国主義的存否をかけて、自らのために北朝鮮(中国)侵略戦争に向かって突き進もうとしているのだ。
だが、これは一定の段階で、日米の利害の激しい対立にぶつかることは必至だ。これは究極的には日帝のアジア勢力圏化への挑戦をめぐる日米の激突へと進展せざるをえない。こうした流れの中で今日、小泉は日帝の唯一の延命の道として「日米同盟」を強調し、イラク参戦へと突っ走ろうとしているのだ。
したがって、日帝・小泉が言う「日米同盟」とはけっして日本人民とアメリカ人民の同盟ではない。世界戦争へと向かう帝国主義と帝国主義の強盗同盟だ。この「日米同盟」路線はいまや日本を再び侵略戦争=世界戦争へとのめり込ませていく「同盟」にほかならない。イラク参戦こそその道の始まりなのだ。この「日米同盟」こそ、必ず北朝鮮(中国)侵略戦争へと日本を導く。しかも、この「日米同盟」は実はすさまじい対立をはらんでいて、いずれアジア支配をめぐって日米が激突していく「同盟」なのである。つまり「日米同盟」はいまや侵略戦争のための「同盟」であり、日本と世界を破滅に導く「同盟」だ。
こんな「日米安保同盟」など粉砕すべきである。こうした「同盟」なしに帝国主義が成り立たないというなら、「安保粉砕・日帝打倒」の闘いによって粉砕すべきなのだ。
国家のため侵略で血を流すことなど拒否する
小泉は「日本はお金だけ出せばいいのか」とくり返し、あげくの果てに「国家としての意志が問われている」とか、「日本国民の精神が試されている」とか強調し、国民を恫喝した。こうした反動的な主張が許せるか。革命的にたたきつぶしてやらなければならない。
小泉はいろいろ言っているが、“日本は戦争するときは戦争しなければならない、国家のためには血を流せ、憲法第九条など破棄して戦争国家になれ”と言っているのだ。実際のところ、小泉はここで“国家のために死ねるか、その覚悟がない者は堕落している、国民精神が腐っている”――こう言っているのだ。
小泉は1月1日に靖国神社を参拝した。イラクへの自衛隊派兵を完全に意識しての攻撃だ。小泉は日帝が侵略戦争に踏み切るにあたって、「国家のために命を捧げよ」と自衛官に戦死を強要しようとしているのだ。そして労働者人民に対しても“自衛官のように命がけで国家のために働け、犠牲に耐えよ”と、資本攻勢と戦争動員の攻撃を激しくしかけようとしているのだ。
労働者人民はついに開始された日本帝国主義の本格的侵略戦争に対して断固として立ち向かわなければならない。日本階級闘争は戦後史上新たな段階に突入した。いささかでも戦後の平和と民主主義、諸権利の体系の感覚に流されていたら吹っ飛ばされる。
革共同はこれに対して、はっきりと宣言する。われわれ日本の労働者階級人民は、帝国主義のために、帝国主義ブルジョアジーの利益のために、他国・他民族を侵略して死ぬなどということは真っ向から拒否する。そんな帝国主義の腐った国家主義など真っ向から粉砕すると。それどころか、階級的精神をたぎらせて侵略戦争に反対し、搾取と収奪に抗して、全世界の労働者・被抑圧人民と連帯し、侵略と戦争と反動、搾取と収奪を極限まで強めることなしに延命できない、すでに歴史的生命を失いきった帝国主義を打倒するために血を流しても闘うのだと。
米英日帝をただちにイラクから撤退させよ
小泉はさらに次のようにも言っている。「テロに屈してはならない」「イラクに安定した民主的政府をつくらなかったら泥沼化する」「米英などが引き揚げ、イラクを放置したら泥沼化する」「テロリストが横行する」と。これに対しても真っ向から粉砕しなければならない。
大量破壊兵器うんぬんと言いがかりをつけて、イラクにやみくもに侵略戦争をしかけ、イラク人民を虐殺し、家や町を爆撃で破壊し、生活の生命線を破壊したものこそ最大の犯罪者ではないか。イラクの問題はイラク人民自身が解決すべきなのは当たり前だ。「テロリスト」などとというが、01年9・11反米ゲリラ戦争自体、米帝の長い間の中東人民・ムスリム人民そしてアフガニスタン人民への抑圧や虐殺、全世界人民への収奪と抑圧と虐殺へのわが身を挺(てい)しての極限的なゲリラ戦闘ではないか。
人間が好き好んで自爆すると思っているのか。帝国主義がパレスチナを始め中東で全世界でムスリム人民や闘う人民に対してやってきたことが許されるとでも思っているのか。米日帝はただちにイラクから撤退せよ、手を引け。イラクと中東の人民にイラクを任せよ。何も恐れることはないのだ。帝国主義がこれまでどおりのことをやり続けるのなら、イラク人民も中東人民もそして全世界のムスリム人民も、いや全世界の労働者人民もあらゆる手段で闘争と戦争をするであろう。
それは人民にとってなんの泥沼でもない。帝国主義の侵略戦争とその支配が泥沼になり、プロレタリア革命の展望を開くものなのだ。帝国主義の侵略戦争と民族抑圧に抗して闘う被抑圧民族人民と連帯することが、帝国主義の資本攻勢や戦争動員と闘う労働者階級人民が勝利していく唯一の道である。イラク人民、ムスリム人民の闘いは、日本人民にとって、ともに勝利を開くべき闘いであり、自らの闘いへのかけがえのない援助なのだ。
重要なことは、帝国主義のイラク侵略戦争への怒りであり、自衛隊は侵略戦争に行くのだという暴露であり、それへの怒りである。イラクでは「戦争は続いている、危ないから行かないほうがよい」「危なくなくなってから行くのであれば、人道支援は賛成だ」「国連のもとで自衛隊が行くならいい」という反対論は、本質的にいって小ブル平和主義であって、帝国主義の侵略戦争を阻止する力にはなりえない。イラクで行われているのは帝国主義の矛盾の爆発としての帝国主義による侵略戦争であって、これに対してイラク人民が民族解放闘争のために決起しているのだときっぱりと言い切っていくことが重要だ。
米帝のイラク侵略戦争がどこまでも続く泥沼戦争となっているように、日帝のイラク派兵=イラク侵略戦争参戦も徹底的に長期化し、泥沼化し、日帝の危機と反動化をトコトン激化・深化していく。日帝は03年12・9をもって百パーセント侵略戦争国家化に走り、その国内階級情勢も戦争下の階級戦争的状態へと一挙に突入していくことは明白である。
革命的精神を発揮し闘おう
問われていることは、3・20イラク侵略戦争をもって、世界戦争に向かって突き進み始めた帝国主義に対し、帝国主義の侵略戦争を内乱に転化する闘いで打倒することだ。
革共同は強烈な革命的精神を発揮し、どんな弾圧をも恐れず、日本の労働者人民の階級性を徹底的に引き出し、イラク派兵阻止の闘いを爆発させるために火の玉となって闘い抜く。
イラク派兵=イラク参戦阻止決戦は日帝の存亡をかけた攻撃との闘いである。これに勝利する道は労働者階級の根底からの総決起以外にない。生産点からの決起と街頭への進出を統一した階級的総決起である。
3・20国際反戦闘争と04春闘の爆発で日帝・小泉政権を打倒しよう。革共同は労働者階級の党として階級的戦闘的闘いをけん引し、この04年決戦の真っ只中で、労働者階級に深く根を張った真の前衛党としての飛躍をかちとる決意である。労働者階級の階級性と誇りにかけて、ともに闘おう。
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週刊『前進』(2133号5面2)(2004/01/26)
小泉の靖国参拝弾劾 イラク参戦と一体の攻撃
新たな戦死者の英霊化狙う
小泉首相は、元旦に靖国神社を参拝する暴挙を行った。小泉の靖国参拝は、首相になってからは4回目だが、今回の参拝はかつてなく重大である。昨年12月9日の「イラク派兵基本計画」の閣議決定をもって、日帝はついに再び侵略戦争―帝国主義戦争―世界戦争の道に踏み出した。この重大な戦後史の大転換の中で行われた靖国参拝である。満身の怒りをもって弾劾し、イラク派兵阻止闘争の大爆発をかちとろう。
小泉の靖国参拝は、なによりも第一に、イラク派兵の自衛隊兵士に向かって“日本国家のために命をかけて戦え。イラク人民を虐殺せよ。死んだら神として祭ってやる”と言って、イラクに送り出すための攻撃である。
参拝後の記者会見で小泉は次のように言った。
「戦争の時代に命を落とした方々の犠牲の上に、今日の日本が成り立っているという思いを込めて参拝した」と。これは過去のことだけを言っているのではない。今のイラク出兵のことを言っている。
日帝のイラク派兵は、かつての中国・アジア侵略戦争と同様、日帝の帝国主義的利益のための他民族・他国領土への侵略であり、殺戮(さつりく)戦争である。「血を流した者のみが略奪する権利を有する」という米帝ブッシュの言葉を自らの言葉として、イラク・中東の植民地支配と石油資源の分捕り戦争に加わろうとしているのである。「人道復興支援だ。戦争をやりに行くのではない」などというのは大ウソだ。
派遣自衛隊員の中にも不安と動揺がある。だからこそ小泉は靖国神社に参拝することで、“イラク派兵には日本の存亡がかかっている。命をかけて日本の国益を守るために戦え”とアピールし、自衛隊員に侵略戦争遂行の反動的なエネルギーとイデオロギーを吹き込もうとしているのだ。
同時に他方で、日本の労働者人民に向かって“戦場に行く自衛隊を尊敬せよ”“国家のために命を捧げる行為は尊い。これに文句を言うな”“侵略戦争に軍隊を投入し血を流し、かつ国家のために労働し、痛みに耐えることなしに、日本の銃後の平和も繁栄もない。小泉改革にひれ伏せ”と恫喝しているのだ。〈外への侵略戦争〉と〈内への階級戦争〉を結びつけ、靖国神社参拝を、戦時下の階級決戦の攻撃として仕掛けてきたのだ。
小泉は12月24日に小牧基地で行われた空自派遣部隊の編成完結式(結団式)で、200人の派遣隊員に向かって、「皆さんは国民の代表としてイラクに派遣される」「イラクはけっして安全とは言えないが、皆さんは自ら決意し、使命感に燃えてイラクに赴こうとしている」と発破をかけた。
小泉はこんな言い方で派遣隊員を持ち上げているが、本音は日帝支配階級にとって、自衛隊兵士(労働者人民)は帝国主義が延命していくための消耗品、「鉄砲玉」でしかない。だからこそ、“死んだら、国のために犠牲になった英霊だ”などと最大限に持ち上げ、侵略戦争に動員しようとしている。これが帝国主義者のやり方だ。
侵略の歴史を全面的に賛美
小泉の1・1靖国参拝は第二に、日帝の過去の侵略戦争と暗黒政治の歴史を美化し、開き直り、再び侵略戦争をやる宣言である。
小泉は靖国神社参拝に、中国・朝鮮・アジア人民が「日本が再び侵略戦争をやろうとしている」ものとして強く反対していることを十分に知りながら、「どこの国も、その国(日本)の歴史や伝統、習慣を尊重することに、とやかく言わないと思う」と反動的に開き直った。「とやかく言うな」とはなんという言いぐさか! こうして日帝の過去の残虐きわまる侵略戦争と植民地支配の歴史を「尊重すべき歴史」として美化し、開き直ったのだ。
これは、重大なことである。2千万人以上のアジア人民を虐殺し、300万人以上の日本人民が犠牲となった中国侵略の15年戦争、アジア・太平洋戦争を含む日帝近代の帝国主義的侵略戦争の歴史のすべてを「尊重すべき歴史」と言っているのだ。朝鮮・中国・アジア人民の糾弾・告発に対して、百パーセント開き直っているのだ。そのことは、再び侵略戦争を行うという宣言なのだ。
侵略戦争と資本攻勢で労働者人民の圧殺に突き進む日帝・小泉を打倒しよう。1―2月のイラク派兵阻止、3・20闘争に総決起しよう。
※靖国神社とは
明治維新以降の日本の帝国主義的な対外侵略戦争の戦死者を「神」として祭った、戦争のための神社。日清戦争・日露戦争、中国侵略の15年戦争、対米戦争を含むアジア・太平洋戦争などの戦死者247万人を「靖国の神」として祭っている。日本の軍国主義と対外侵略戦争遂行のために特別に重大な犯罪的役割を果たした。戦前は陸・海軍省と内務省が管理運営したが、戦後は宗教法人として存続している。毎年自民党議員、閣僚らが参拝し、靖国神社の国家護持を狙っている。
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週刊『前進』(2133号6面1)(2004/01/26)
団結ひろば 投稿コーナー
解雇撤回かちとった青年労働者の闘い 関西合同労組 大嶋 宏
朝、会社に電話入れて「今日休ませて下さい」と言ったら、「もう来なくていい。首や」と言われた。その時、ぼ〜っとなった。「ウソやろ」と思ってもう一回電話した。「やっぱり行きます」と言ったけど「こんでいい」とだめだった。どないしょうかと思って、組合に相談に行った。
会社に組合の人と一緒に行って話したけど、やっぱりだめだった。組合の人に「会社の中で仕事せなあかん。機械のそばで待機しいや」と言われて、引き下がらずに仕事くれるまで待機しとった。
同僚から「みんなひよこ。やのにM君は竜になって帰って来た」「みんな、しっぽまいて逃げていくのに高卒すぐ一年半やのによくがんばった」と言われた。
昨日、会社と話したとき、社長が「解雇を撤回します」と言った。仕事をやる気がわいた。みんなについていけるようにがんばってやっていきたい。組合に入って良かった。みんなのおかげで会社に戻れたので感謝しています。
上記は解雇を撤回した労働者の手紙だ。印刷会社で19歳の青年が解雇された。直ちに関西合同労組に加入した。会社は「解雇は撤回しない。遅刻60回だ」と団交は決裂した。
何度も本人から粘り強く聞き取るうち遅刻は機械が変わり上司から仕事すら教えられない時に集中していること、最近は遅刻がほとんどないこと、月30時間残業があることがつかめた。解雇が不当と確信を深めた。意を決し就労闘争に入り断固闘う姿勢を示した。会社から団交要請があり、解雇撤回をかちとった。
粘り強く聞き取り、当該の闘争意志を共有し、励まし、不当解雇の確信を深め、就労闘争に立ち上がったのが勝利の核心だ。小泉政権の下で「資本の解雇権を認める」と労基法が改悪された。労働者は虫けらではない。「首切り自由」の資本に負けてたまるか! 生きるために団結して労働者の社会をつくるぞ! 11・9の感動を直ちに実践の場に持ち込んで、闘いの火は燃え広がっている。
年金問題で日本経団連と共同する連合 関西「障害者」解放委員会 M
日本経団連と連合が共同声明を出した。年金問題についてである。言っていることは消費税の拡大と、「将来の年金保険料率、税制、財政、医療・介護等の社会保障制度の一体的、抜本的改革」すなわち、負担は重く給付は削減するという日本経団連の主張そのものだ。日本経団連は社会保障全体の給付水準に上限を設けると言っている。あくまで企業負担の増加には反対し、「少子化」の矛盾のすべてを労働者に背負わせるという意味だ。「少子化」とは資本主義の矛盾そのものであり、資本家とその政府には解決不可能なのだ。だから彼らは「少子化」がこれからも激しく進むという前提で、「高齢化」をのろうしかない。
彼らの言う「高齢化」という言葉は、「寝たきりは生きていて幸せではない」と「尊厳死」導入を主張する思想だ。私たち「障害者」が「生きていて幸せではない」と言い出してもなんら不思議ではない。介護保険・支援費制度・保安処分などは多分にその思想が現れている。
資本家がシェークスピアの「ベニスの商人」のような本質を持つのは古くからだが、労働者の代表であるはずの連合がそれと同じ主張とは。連合よどこへ行く?
戦争責任を否定する「昭和天皇記念館」 東京・三多摩 中原一朗
現在、東京・立川市に、とんでもないものが建築されようとしている。国営「昭和記念公園」の一部である「緑の文化施設ゾーン」に建設される「昭和天皇記念館」と「愛子庭園」なるものがそれだ。
「昭和天皇記念館」とは昭和天皇ヒロヒトの名のもとでの日帝の朝鮮・中国・アジア侵略戦争を反省して建てられるものか。いやいや、とんでもない。
建設しようとしているのは、「財団法人・昭和聖徳記念財団」、その会長が元衆院議長の櫻内義雄である。櫻内は、「『昭和天皇記念館』建設国民募金ご協力のお願い」の中で、「記念館は、昭和天皇・皇后の御遺品を収拾・展示し御遺徳を仰ぐ」「21世紀を担う青少年たちへ郷土やわが国の伝統と文化を伝え継ぐことにより、国史の正しい理解に資する」と言っている。
冗談ではない。ヒロヒトによってどれだけの日本の労働者人民が侵略戦争に加担させられ、自らも殺されていったのか。また「わが国の伝統と文化を伝え、国史の正しい理解に資する」とは、天皇・天皇制を賛美し、ヒロヒトの戦争責任を否定するものだ。
これは、教育基本法改悪と自衛隊のイラク派兵・北朝鮮侵略戦争策動と一体の攻撃である。それは結局、天皇制への忠誠を子どもたちに押し付け、「国家の戦争」への協力を強いることにつながる。
「昭和天皇記念館」がもし完成すれば、「昭和記念公園」北側に建設される「愛子庭園」とともに都教委は小・中学校の遠足先に指定してくるだろう。「緑を愛した天皇」というイメージが子どもたちに植え付けられ、それに反対する教育労働者には新たな処分攻撃がかけられるに違いない。
建設用地は、自衛隊立川駐屯地のすぐ近くであり、まさに自衛官に「天皇のために死ぬ」ことを強制するものとしてある。三多摩の「日の丸・君が代」攻撃と闘う教育労働者と連帯し、「昭和天皇記念館」建設阻止を労働者の闘いとして闘いたい。
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週刊『前進』(2133号6面2)(2004/01/26)
団結ひろば 投稿コーナー 派兵阻止へ各地の闘い
小牧で自衛隊兵士に訴え 東海 M
12月13日に小牧基地からの自衛隊のイラク派遣を止めるためのデモと集会がありました。住宅街の中にある小さな西街道公園に、全国から230人・20団体の結集がありました。その中にはビラとホームページを見て太鼓をもって仲間5人で参加した人もいました。集会中には近所の小学生や小さな子どもを連れた家族、タクシーの運転手さんも「何をしているのだろう」というような感じで私たちの集会をのぞいている光景が見られました。このことからでも小牧基地周辺住民の関心の高さが分かりました。
私は今、この闘争に参加して本当によかったという思いと、感動したという思いでいっぱいです。よかったと思ったのは、集会での各団体の個性あふれる発言を聞けたこと、とても楽しくデモができたことです。
また、たくさんの人が全国から駆けつけて来てくれたこと、地域住民の反応の良さに言い表せないほどの感動を受けました。何事だろうかと家から出てきてビラを受け取ってくれた男性。「小牧空港が軍事基地になるのでは」と周辺住民は不安に感じているのだと思います。また、隊員の宿舎から小さな子どもたちや中学生も私たちのデモをじっと見つめ、ビラを受け取ってくれました。
考えさせられたことは「不況と自衛隊の関係」です。就職先がないため自衛隊に入隊する、このことを私は身に染みて感じています。私の地元には入隊している人が知り合いで11人います。中学を卒業して入る少年工科学校(30倍の倍率で4割が九州出身)にも3人行きました。大学の就職室、学生掲示板には自衛隊募集のポスターが堂々と張ってあります。
今、自衛隊やその家族は「侵略戦争だから」ということではなく、「行かないでほしい、死にたくないし殺したくない」、そんな気持ちでいっぱいだと思います。このような気持ちになっている隊員、家族の方に「イラクに行くな」という言葉ではなく「出兵を拒否しましょう」という言葉で訴えていきたいと思います。
福岡で250人が天神一周 福岡 I
12月14日、「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」の主催で、「自衛隊はイラクに行くな!殺すな!死ぬな! 米英占領軍はイラクから撤退せよ!」を掲げて、集会と天神一周デモが行われました。
主催者を代表してあいさつした「カトリック福岡地区正義と平和協議会」の青柳行信さんは、「外交官2人の死は、自衛隊が何をすべきかを突きつけている。2人はCPAの下で活動していたのであり、イラクの人びとは自衛隊がアメリカの軍事占領に加担することに反対している。絶対に阻止しよう」と訴えました。
この日のデモには、初めてという人たちが数多く参加しました。街頭の怒りと一体となって街を派兵阻止で席巻。途中からも多くの人たちが飛び入り参加し、200人で出発したデモ隊は、天神を一周して戻ってきた時には250人にまで膨れあがっていました。
デモ終了後、警固公園で再び集会。労組交流センターと九州大学学生自治会やその他の団体・個人がそれぞれの立場から派兵阻止に向けた思いを真剣にアピールしました。その一方でカクマルは、「11・29は米軍による誤射。事実隠蔽(いんぺい)を許すな」などと闘いに混乱を持ち込もうとしましたが、誰からも相手にされませんでした。
岡山駅前通りで昼休みデモ 岡山 S・K
12月25日、航空自衛隊のイラク派兵に対し、岡山市内駅前大通りで緊急デモが行われました。この抗議行動は、有事法制反対・海外派兵反対連絡会の主催で取り組まれ、危機感を募らせた250人の労働者・市民が駆けつけました。「小泉首相はイラク派兵を中止せよ!」「イラクの人びとに銃を向けるな!」というスローガンが、昼休みの街に響き渡りました。
百万人署名運動を始め、県内のさまざまな団体で結成されたこの連絡会は、日本原基地、三軒屋駐屯地への申し入れ行動や街頭宣伝、デモに取り組んできました。日本のイラク侵略戦争への参戦を阻むためにさらに運動を拡大していく決意を固めています。
広島で先遣隊に怒りの街宣 広島 H
12月26日の成田空港からの航空自衛隊先遣隊のイラク出兵に対して、広島を始め中国・四国地方で一斉に街頭宣伝が行われた。「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が呼びかけて、25、26日の両日、ビラまきと署名活動が展開された。
広島では25日午後4時、買い物客が行き交う金座街で「自衛隊のイラク出兵を止めよう!」という第一声が発せられた。年末のせわしい中、若者や主婦などが次々と足を止め署名に応じていた。「小泉が言っていることに全部腹が立つ。戦争をやりに行くんじゃないなんて大ウソよ」と怒りを表明し、2千円のカンパをした主婦。「私の友人のお父さんが自衛官。ひとごとじゃない」と家族の分全部署名した高校生もいた。
労働者人民は自衛隊のイラク出兵に対して激しく怒っている。1月には海上自衛隊・呉基地からの「おおすみ」型強襲揚陸艦の出兵も策動されている。呉現地での出兵阻止の闘いにすべての労働者人民の怒りをたたきつけよう!
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週刊『前進』(2133号6面3)(2004/01/26)
弾圧と闘う 福嶋裁判 7度の保釈却下弾劾 裁判長が追加立証策動
福嶋昌男同志の第7次保釈請求は12月24日、まったく不当にも却下された。満腔(まんこう)の怒りを込め、東京地裁刑事第3部服部悟裁判長を弾劾する。
服部裁判長は判決も出さないうちから、11年にもわたって福嶋同志の未決勾留を続けていることを恥じるどころか、意識的に刑を先取りして勾留している。
保釈制度をないがしろにし、裁判制度そのものをも踏みにじる暴挙であり、裁判所によるあからさまな権力犯罪である。まさに、服部裁判長は自ら治安判事として立ちふるまい、戦時下の司法を先取りする攻撃の先兵となって襲いかかってきているのだ。
裁判は昨年末、12月22日の第171回公判で筆跡鑑定人・馬路(まじ)充秀に対する弁護側反対尋問終了で検察立証は終了するはずであった。ところが、終了間際になって、なんと裁判長が検察側に対し、追加立証を要求するという異例の事態となり、検察立証はさらに延長されることになった。裁判長が検察になり替わってデッチあげ立証を「補強」しようというのだ。検察側はこれを渡りに船として、17点もの証拠調べを追加請求してきた。
10年にも及ぶ検察立証の3分の1強の期間を筆跡鑑定尋問にあてざるをえなかったことからも明らかなように、福嶋同志と迎賓館・横田爆取事件を結びつける「証拠」は、岩手借家から押収したと検察側が主張するメモの筆者が福嶋同志だという筆跡鑑定以外には何もないというお粗末なものであった。さらに小島、馬路という筆跡鑑定の非科学的、恣意(しい)的、デタラメな内容が暴露されるに及んで、反動服部とはいえ、こんな筆跡鑑定のみで有罪判決を書くことはできないと判断したのだ。福嶋同志と弁護団による徹底的な反対尋問に検察・裁判所が追いつめられた結果が、今回の追加立証策動なのである。
服部裁判長はいつから検察官になったのか! 22日の裁判は福嶋同志を先頭にして服部裁判長に対する糾弾の場となった。弁護団からも、裁判所職員が裁判長の指揮を先取りして傍聴人に対する越権行為を行っていることに対する弾劾もなされ、4人の傍聴者が暴力的に退廷させられるなど、激しく闘いぬかれた。
なんとしても年内奪還をと闘ってきたが、無念にもいまだ福嶋同志は獄中に拘禁されている。新年に当たって怒りも新たに「無実の福嶋同志をただちに保釈せよ! 不当長期勾留をやめよ! 権力犯罪弾劾!」の声をさらに大きくあげ、裁判所を追いつめ、今年こそ福嶋同志を奪還しよう。
次回公判は1月16日(金)午後1時15分、東京地裁。
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週刊『前進』(2133号6面4)(2004/01/26)
弾圧と闘う 「私は無実です」 出獄した水嶋同志 最終意見陳述で訴え
昨年12月11日、無実の水嶋秀樹同志は逮捕以来2年7カ月ぶりに保釈・奪還をかちとった。水嶋同志は無実である。88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘には一切関与していない。そのことが公判で明らかになる度に、これまで3度も、東京地裁刑事第1部(川口宰護裁判長)は保釈許可を決定した。だがその都度、検察官は抗告し、高裁が取り消してきたのである。
12月4日に検察官は、なんと懲役15年の求刑を強行した。全面的な立証破綻(はたん)にもかかわらず、あくまでも無実の水嶋同志に超重刑を科そうという暴挙だ。だがその直後に保釈をかちとったのだ。これまでのすべての審理をとおして明らかにされた、否定しようのない水嶋同志の無実の前に、東京高裁第5刑事部は、地裁の4度目の保釈許可決定を取り消すことができなかったのである。
これは実に大きな勝利である。獄中同志の奪還は、権力と不屈非妥協に闘い勝利する党への人民の信頼を一層高め、労働者党建設の闘いを根底で推進する。水嶋同志の奪還はまた、権力万能神話を打ち砕き、三里塚二期工事を阻んだ9・21戦闘の勝利の地平を、一段と打ち固めるものである。
12月19日、最終弁論が行われた。初めに、元気に出廷した水嶋同志が50分間にわたり、腹の底からの怒りと同時に、勝利の確信に満ちた意見陳述を行った。
「私は無実です。9・21戦闘を準備する過程にも、いわゆる実行行為にもまったく関与していません。もちろん9・21戦闘の総括責任者でもありません。このことは事実です。
私の無実を信じ、保釈と再会を心から待ち望んでくれた母と、そしてすべての人民に誓って、私はあらためて私の無実をきっぱりと宣言します」
「確かに、9・21戦闘で国家権力は大打撃を受けた。実際に千葉県収用委員会が解体され、今に至るも再建できず、結局三里塚農民の農地強奪を断念せざるをえなかった。三里塚農民は勝利感に満ち満ちて今も意気軒高と闘いぬいている。だからと言って、デッチあげが許されるのか」
「時あたかも、イラクへの侵略派兵の渦中で結審し、私は保釈をかちとり、判決を迎えようとしています。……侵略戦争に反対する無実の人間をデッチあげ、3年間も獄中に閉じ込める国家は打倒されなければならない。日本帝国主義を今こそ打倒しよう」
この水嶋同志の意見陳述のあと、弁護団はこれまでの審理を踏まえ、水嶋同志の無実を全面的に明らかにする最終弁論を裁判所にたたきつけた。あくまでも事実にもとづく弁論は、検察官のデッチあげ論告を完膚なきまでに粉砕した。
水嶋同志の無実は確定した。判決公判は3月17日である。自衛隊のイラク派兵阻止・一大資本攻勢粉砕の1〜3月決戦に総力決起し、その中で完全無罪判決をかちとろう。
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週刊『前進』(2133号6面5)(2004/01/26)
寄稿 労働者の団結破壊する共謀罪の立法化阻止を
元岩手爆取弾圧被告 川崎 正明
同意だけで罪に
昨年の通常国会で廃案になった共謀罪が今春の国会に再提出されることは、ほぼ確定的である。共謀罪は絶対成立させてはならない。国会提出阻止、廃案めざして闘おう。
この間、共謀罪の危険性について論じられてきており、十分理解されていると考える。その上で、しつこく廃案を訴えたい。
共謀罪は、実行行為がなくても、4年以上の懲役・禁固の犯罪(557の刑法、特別刑法)の実施について会話、相談などで同意、賛同したというだけで罪に問える法案である。何もやっていないじゃないか、と言うことはもう通じないのである。
加えて、この法案には自首免除の規定が入った。
具体的行為を必要とせず、自首すれば罪を問わないという刑法・特別刑法は、内乱予備罪、外患予備罪、爆発物取締罰則、破防法など国家体制・外交政策にかかわる重要犯罪だけに設けられてきた。それが共謀罪の新設で557の刑法・特別刑法が一挙に改悪されるのである。
これはどういうことだろうか。
労働運動を考えてみよう。共謀罪が適用される現行法には、建造物損壊や威力業務妨害、信用毀損(きそん)、監禁、脅迫などいろいろある。会社門前でのピケが、威力業務妨害だと警察が判断したなら、それを決める会議も、職場オルグも、共謀罪の対象になる。部落解放運動では、糾弾会を持つことを決める会議、個別オルグも対象である。
学生運動でも、団体交渉は監禁、脅迫の共謀罪になるから、事前の打ち合わせも対象。アジ演説に同意の拍手をすれば、立派に共謀罪の要件は満たされることになる。
カンパ禁止法(テロ資金供与処罰法)の共謀罪では、逮捕の覚悟なしにはカンパ闘争の相談すらできないことになる。
しかも何が「共謀」なのかを決めるのは警察である。だれを共謀罪で引っかけるかを決めるのも警察である。
自首免除の規定
1923年9月の関東大震災の直後、行政執行法で保護検束され、のちに爆発物取締罰則の共謀罪で起訴され、最後はデッチあげられた大逆予備罪で死刑判決を受けた事件がある。朴烈、金子文子の大逆事件である。
そしてやはり爆取の自首免除規定で刑が免除された現職警察官がいる。1952年6月朝鮮戦争そして破防法闘争の激しい時期、九州大分の菅生村駐在所爆破事件の戸高公徳である。福岡高裁は、戸高が潜入工作を上司に報告していたことを爆取11条の「自首」に当たると判断して駐在所爆破の刑を免除したのである。ちなみに現場で逮捕された活動家は爆破事件では無罪になったが、ダイナマイト所持で懲役3年の実刑をくらい、預けた戸高はこれも無罪になったのである。
爆取と共謀罪は、規定があいまいで権力による拡張解釈を限りなく可能にする点でよく似ている。共謀罪は、557の刑法・特別刑法を130年前の太政官布告・爆発物取締罰則と同じようにするのである。
予防反革命狙う
日帝・法務省は、このようなめちゃくちゃな法律を作り出してでも、民衆の反乱に備えなければならない。彼ら支配階級の考えていることは、プロレタリア階級の横のつながりの破壊、団結の破壊である。
恐慌と戦争の時代に、労働者がプロレタリア革命の思想で団結し、武装することを日帝支配階級は最も恐れている。だから共謀罪で、考え・話し・聴き・見ることに介入し、つまり思想、信条、表現にかかわる自由を警察の肥大化で取り締まり、「権力が許した自由」にしようとしているのである。
周辺事態法から有事3法そしてイラク自衛隊出兵と、日帝の戦争国家化が進んでいる。
共謀罪は、絶望的危機の中で、唯一の延命策動として戦争をやる以外ない日帝が、プロレタリア革命に突き進もうとする民衆の共同意思を粉砕するために作ろうとしている予防反革命治安法である。団結と革命に向かっての戦闘精神が勝利の基礎であるが、その根幹を根こそぎ崩そうというのである。
だからわれわれは、日本プロレタリア暴力革命・世界革命という強力な政治目的を打ち鍛え、より強固な団結をもって敵の攻撃と闘わなければならない。闘いの中で人民の闘いと同志への信頼は生まれ、強固になる。弾圧に対する武器は完黙だが、それを保証するのは運動(革命)への確信と同志への信頼である。いかに治安法が強化されても、警察の暴力が吹き荒れても確信と信頼にあふれた組織が壊滅することはない。
戦争に突き進む日帝・小泉を打倒し、共謀罪の国会提出、立法化を粉砕しよう。立ち上がろう。
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