ZENSHIN 2003/11/10(No2125
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週刊『前進』(2125号1面1)(200/11/10)
革共同の11月アピール
11・9日米韓労働者の合流を 翼賛選挙ぶっ飛ばし日比谷へ
国際連帯の旗のもと労働運動の戦闘的新潮流を大登場させよう
11・9全国労働者集会を呼びかける動労千葉のビラ
第1章 侵略戦争阻止へ日米韓の労働者がともに立つ
11・9全国労働者総決起集会が1週間後に迫った。われわれは集会を熱烈に支持し、ともにその成功のために全力で闘う決意である。
この集会は何よりも第一に、日米韓の闘う労働者・労働組合の国際連帯集会である。集会を呼びかけている3組合の発表によれば、世界で最も戦闘的な労働組合である韓国の民主労総からソウル地区本部の本部長、副本部長ら3人の代表が参加する。ブッシュと対決する米西海岸の戦闘的な労働組合、UTU(全米運輸労組)やILWU(国際港湾倉庫労組)などから4人の代表がやって来る。
この米韓の最も戦闘的で階級的な労働運動の代表が訪日し、全日本建設運輸連帯労組・関西地区生コン支部、全国金属機械労組・港合同、国鉄千葉動力車労働組合という日本の最も戦闘的な3労組と合流し、一堂に会するのだ。このことは今日の内外情勢の中で、とてつもなく巨大なことであり、革命的な意義をもっている。これに心から感動し、日比谷野音に総結集しようではないか。
11・9国際連帯集会の革命性はどこにあるか。まず、今日の帝国主義の労働者階級への資本攻勢は、帝国主義の外への新植民地主義的な侵略・侵略戦争と一体である。だから労働者階級は、帝国主義の危機と争闘戦の激化のもとでの自国帝国主義の侵略戦争や勢力圏化の攻撃と闘うことなしに、°労働者も帝国主義の延命や繁栄のおこぼれにあずかれる″という考え方と徹底的に闘うことなしに、資本攻勢と闘うことはできない。
日米の労働者階級は、階級的=国際的視点に立って、自国の帝国主義と闘い、新植民地主義と闘わなければならない。祖国防衛主義をのりこえ、被抑圧諸国人民と連帯して、国内階級戦を闘わなければならない。それが勝利の道である。また韓国の労働者にとっては、これは日米など外国の帝国主義と闘い、自国の資本とも闘うという二重の闘いとなる。
しかし日米韓の労働者階級がその階級的自己解放性に基づき、連携して闘い抜けば、必ず闘う労働者階級同士の熱い国際連帯と団結が生み出されてくるのだ。
韓国の労働者は、帝国主義とIMFの管理下で過酷な労働地獄・生活地獄にたたき込まれており、民主労総は資本攻勢と治安弾圧に対する抗議自殺や焚身(ふんしん)を出しながら壮絶な闘いを展開している。11・9の10万人労働者大会やゼネストを含む総力闘争に立っている。このただ中から11・9日比谷野音に闘う代表を送ろうとしているのだ。
11・9はさらに、今現在、音を立てて進行している米英日帝のイラク侵略戦争への反戦闘争であり、日米韓労働者の国際的団結をつくりだす闘いだ。イラク戦争は帝国主義のイラク・中東人民に対する侵略、抑圧、虐殺の不当極まる侵略戦争である。それは帝国主義国内の階級戦争をも激化させる。現に労働運動への治安弾圧が強まっている。一方でイラク戦争は、韓国の労働者にとっては、米日帝の圧力のもとで、その帝国主義的利害のために侵略戦争の先兵の役割を強制され、自らが戦争に動員されるという問題だ。
しかもイラク戦争は、米帝ブッシュの「悪の枢軸」論のもとで北朝鮮侵略戦争に完全に連動している。米日帝の対北朝鮮の侵略戦争は、韓国の労働者人民にとっては自らへの侵略であり、すさまじい戦場化ということだ。さらには同胞の同士討ちの強制ということだ。しかも、この戦争が現実に切迫しているのだ。
北朝鮮侵略戦争は、米日帝下の国内反戦闘争が爆発し、それが内乱に転化するまで発展しなければ阻止することはできない。民主労総が訴えているように、米日韓の労働者がともに立つことでしか戦争は止められないのだ。
11・9集会は、日米韓の戦闘的労働者と労働組合が一堂に会して、イラク反戦と北朝鮮侵略戦争阻止を高らかに宣言する場となる。米日の帝国主義ブルジョアジーや自国資本との闘いを国際共同闘争として宣言する場となる。11・9から新しいインターナショナルへの闘いが始まる。絶対にそうしなければならない。
11・9を前にして10月25日に、米ANSWER連合が呼びかけた国際反戦統一行動が、米ワシントンで10万人、サンフランシスコで1万5千人、韓国ソウルで4千人を始め、全世界で闘われた。日本でもこれに呼応して東京・渋谷の1500人を始め全国各地で闘いぬかれた。
ANSWERは日本へのメッセージの中で、「私たちは、日本の若者たちが、イラク軍事占領に反対し、自国軍隊の派兵反対を求めて、私たちと時を同じくデモ行進を行うことを心強く思う」「自衛隊をイラクに送るな! 北朝鮮への戦争反対! 直ちに米軍兵士をイラクから撤退させよ!」と訴えている。
米英日帝のイラク侵略戦争の継続・激化、イラク軍事占領・再植民地化攻撃とその絶望的泥沼化の中で、今年1〜3月に続くイラク反戦の国際的な新たな大ウエーブが起きる情勢が完全に成熟している。10・25に続く国際反戦闘争こそが11・9全国労働者総決起集会だ。日本の労働者人民は日比谷野音に総結集しよう。そして米韓の闘う労働者の代表と熱い合流を果たそうではないか。
投票所は日比谷野音
11・9集会は第二に、総選挙の投票日と完全に激突する集会となる。10月28日に公示された今次総選挙は、ブルジョアジーやマスコミが「小泉自民か菅民主か」「政権交代か否かの選択」と大キャンペーンしているように、小選挙区制のもとで日本経団連・奥田ビジョン、小泉=奥田ビジョンを反動的に競い合うとんでもない翼賛選挙である。どちらを選んでも戦争と改憲、リストラ・大失業、社会保障解体と消費税大増税という結果にしかならない選挙である。日本共産党や社民党も屈服、転向を深めている。
現実には今回の総選挙は、自民党総裁選で圧勝した小泉が選挙をクリアして奥田ビジョン=構造改革路線という一大反革命に打って出るための政治プロセスであり、「反動の祭典」である。「政権選択」など完全なまやかしであり、幻想だ。それは労働者人民を構造改革路線に取り込むトリックでしかない。
日本の労働者人民が小泉政権と闘い、構造改革路線を粉砕するためには、本当はゼネストや百万人の大デモに決起する必要がある。そのために今こそ、民主党・連合中央や全労連を打ち破って、闘う労働運動の新潮流を大登場させ、社・共に代わる新しい労働者党をつくらなければならない。その決定的な闘いこそが11・9集会だ。
労働者階級の投票所は日比谷野音である。翼賛選挙と猛然と対決し、反動を吹き飛ばせ。すべての闘う労働者人民は11・9日比谷野音に総結集しよう。
第2章 小泉の戦争・改憲・資本攻勢に階級的大反撃を
日帝・奥田ビジョンと一体の小泉構造改革とは何か。それは労働者階級にとって、一方で倒産・リストラ・首切りであり、一大資本攻勢である。労働組合の破壊である。年金など社会保障制度の解体であり、消費税の大増税である。他方では、イラクや北朝鮮への侵略戦争の強行、改憲と戦争国家化である。総選挙のプロセスをとおして小泉は、この一大反革命に打って出ようとしているのだ。
10月10日に自民党が発表した総選挙に向けての政権公約=小泉改革宣言は、10項目(七つの重点政策)で構成されているが、それはとんでもない内容だ。
(1)第1項目は民営化攻撃だ。郵政の07年4月までの民営化を始め、道路公団の民営化や財政の黒字化(プライマリーバランス)をうたっている。これは民間を含む巨大な資本攻勢の宣言である。(2)第2項目はデフレ克服を言い、不良債権問題の処理や破産法、民事再生法の改正を公約している。これは倒産・リストラ・大失業をあえて辞さない日帝大ブルジョアジーの政策だ。(3)第3項目は公務員制度の改悪だ。04年の国会に改悪法案を提出すると言っている。
(4)第4項目は年金改悪だ。04年の通常国会に法案を提出する。国民負担率とかいろいろ言っているが、結局は「消費税率引き上げ」で大増税を狙っている。(5)第5項目は「安全な国」という名による治安弾圧の強化だ。「不法滞在外国人」と称して排外主義的圧迫を強め、警察官の抜本的増員をうたっている。(6)第6項目はいわゆる地方分権問題。「三位一体改革」などによる自治体労働者のリストラ・首切り、そして民間委託化攻撃のフル展開の宣言だ。(7)第7項目は選挙対策的に公約の後半に置かれているが、イラク・アフガニスタン侵略戦争への参戦、北朝鮮侵略戦争の準備、拉致問題の排外主義的利用などであり、侵略戦争と戦争国家化の攻撃である。
(8)第8項目は教育基本法の改悪と青少年健全育成基本法の早期成立。教基法改悪は、すでに中教審の最終答申も出た中で国会提出が切迫している。(9)第9項目は正面きった改憲攻撃だ。すでに05年11月の自民党大会(50周年記念)に改憲草案を提出すると打ち出されている。さらに改憲の手続きを定める改正国会法、憲法改正国民投票法を成立させると言っている。(10)第10項目は「自民党が日本を変える」とうたい、04年通常国会での有事立法・国民保護法制の整備、「防衛省」の実現、WTO(世界貿易機関)とブロック化政策そのものであるFTA(自由貿易協定)の推進を宣言している。
以上、自民党の政権公約が露骨に示すように、日帝・小泉は奥田経団連=金融独占大ブルジョアジーが一握りの大銀行・大企業の延命のために要求する政策、倒産・リストラの嵐や社会保障制度の解体、消費税大幅アップの攻撃に突っ走ろうとしている。同時にこの内への階級戦争をテコとして、外への侵略戦争、勢力圏化と、戦争国家化に突進しようとしているのだ。
民主党は第2自民党
これに対する民主党のマニフェストなるものは、自民党と改革路線の大反動を競い合うものでしかない。完全に第2自民党、自民党の合唱隊と化している。
民主党は「強い経済を再生する」と言いつつ、失業率は4・5%まで容認し、公務員人件費を4年で1割カットすると公務員制度改悪の大合唱に加担し、年金問題では消費税率引き上げ(菅は10%と発言!)を公然とうたっている。警察官の3万人増員や仮釈放のない「終身刑」の創設を掲げて治安弾圧強化のお先棒をかつぎ、国連安保理決議があればイラク派兵にも賛成。極めつきは「論憲」から「創憲」へという改憲路線であり、弾道ミサイル防衛は必要との宣言である。
連合中央はこの民主党を支持し、翼賛選挙に組合員を動員しようとしている。10月の連合大会は小泉=奥田路線にまったく対決せず、連合評価委員会の報告に基づいて労働運動の階級性を一掃し、帝国主義的労働運動、新たな産業報国会的な方向への変質を決定的に促進した。
綱領改定に突き進む日本共産党は、総選挙をめぐってかつてない危機にある。日共は新綱領案で労働者階級の用語(概念)や団結権、ストライキ権、団体交渉権の確保などの規定を一掃した。資本主義をひっくり返すという立場、労働者階級の解放という立場を追放したのである。労働運動や階級闘争、労働者自身が要求闘争を闘うという立場を否定し、一切は「資本主義の枠内での民主的改革」を議会主義の枠内でのみ追求し、「ルールある経済社会」をつくればよいとしたのだ。それを合理化するために、帝国主義はもは存在しないなどの勝手極まる解釈がえを行った。資本主義を擁護し、労働者の階級的な闘いを圧殺する政党になりきったのである。
今や労働者階級は、民主党・連合中央を打倒し、のりこえ、日本共産党と決別して進まなければならない。闘う新潮流を大登場させ、その歴史的突破口を開くのが11・9集会である。
11・9の六つのスローガンは、日帝・小泉政権の一大資本攻勢と戦争政治にがっぷり四つに組んで闘うスローガンだ。すべての闘う労働者は翼賛選挙を吹き飛ばし、日比谷野音に総結集しよう。
第3章 イラク侵略戦争の泥沼化と深まる米帝の危機
11・9集会は第三に、米帝を始めとする国際帝国主義のすさまじい危機と対決し、それをがっちりつかんで闘われる。日本の国内情勢と小泉政権の動向を規定しているのは国際情勢だ。その国際情勢の核心には帝国主義の危機、とりわけ唯一最大のスーパーパワーとしての基軸帝国主義・米帝の危機がある。それが世界を震撼(しんかん)させているのだ。
米帝危機の最大のものは、イラク侵略戦争の完全な泥沼化・長期化である。特に、帝国主義の軍事占領と植民地化政策に対して、イラク人民、ムスリム人民は、命をかけたゲリラ戦、民族解放・革命戦争に決起し、それがこの8〜9月以降、とりわけ激化している。
10月26日には米英占領当局が使用するバグダッド中心部のラシッドホテルが小型ロケット弾で攻撃され、米兵1人が死亡、15人が負傷した。滞在中のウォルフォウィッツ米国防副長官も命を落とす寸前であった。翌27日には激烈な自爆ゲリラ戦闘によってバグダッド中心部にある赤十字国際委員会と警察署4カ所が攻撃され、35人が死亡、224人が負傷するという特殊的=極限的戦闘が起こった。
イラク人民の怒りは米英占領軍とそのすべての加担者、協力者に向けられている。ゲリラ戦闘は今や自然発生的レベルを超え、大規模で計画的なものとなり、一定の「解放軍」的組織が動き始めてさえいる。米帝は今も13万人の大軍を送り込んでいるが、戦死者や傷病兵が激増し、戦意は激しく低下、脱走兵も増えている。戦費も747億j(03会計年度)に続いて、870億j(04会計年度)の補正予算を通過させたが、これでも占領費はまだ500〜800億j不足すると米帝は危機感をつのらせている。
こうした中で米帝は10月16日、国連安保理で、多国籍軍派兵などのイラク新決議に4度目の修正でやっとこぎ着けた。米帝はイラク軍事占領の負担と損害をできるだけ減らそうと躍起だ。しかし、1250億j(約13兆円)もの対イラク債権の大幅放棄を要求する一方で石油利権や占領支配のヘゲモニーは手放さない米帝に対し、独仏(ロ中)は「ただ働き」は拒否するという立場をとり、帝国主義的争闘戦の論理を貫いているのである。
さらに10月23、24日にマドリードで開かれたイラク復興支援会議は、米帝と日、伊、スペインが主導し、独仏は外相も出席させなかった。占領費の拠出総額も世界銀行などが算定した550億jに遠くおよばぬ330億j超。しかもその4分の3は米日が負担する。イラク侵略戦争をめぐる帝国主義の分裂と争闘戦は一層激化しているということだ。
この中で重要な位置に日帝と韓国がいる。米帝は、韓国に現在の700人に加え5千人規模の増派を要請し、韓国が多国籍軍の指揮をとることも見込んでいる。これはかつてのベトナム参戦にも匹敵する(いやそれ以上の)重大事態であり、韓国階級闘争を震撼させる大問題である。そして日帝は、占領費全体の1割にあたる50億j(約5500億円)を拠出する一方で、この12月から来年1月にかけて総計1200人の大規模派兵をイラクの戦場に強行し、本格参戦しようとしているのだ。これは日本の戦後史を一変させる大変な情勢なのだ。
しかも日帝のイラク本格派兵は、近い将来の北朝鮮侵略戦争への参戦、中国侵略戦争への参戦を完全ににらんでいる。そのために、6月の有事3法成立に続けて、04年通常国会に国民保護法制・米軍支援法制を提出しようとしている。これが大決戦になる。11・9集会で日米韓の闘う労働者が国際反戦闘争の共同宣言を発することは、以上の点からみても決定的な意義をもっているのだ。
帝国主義の矛盾爆発
今ひとつ重要なことは、今日の危機は〈帝国主義の基本矛盾の爆発〉としてあるということである。帝国主義の反革命攻撃、戦争と資本攻勢の嵐はそこから不可避となっているのである。しかしそれは帝国主義の強さではない。いや逆に、今や帝国主義の戦後発展は完全に行きづまり、相互につぶし合いの争闘戦を展開する以外に、もはや生き残る道がなくなっているのだ。
今日の世界経済の決定的問題として米帝経済の大バブルの崩壊がある。この中で米帝は、大減税政策と金利1%という超低金利政策をとることで、バブル崩壊の流れを一時的に緩和してきた。つまり住宅建設の先取り的な強行や自動車購買の異常な促進で、景気を一時的に支えてきただけなのだ。そしてこの米帝経済の現実を軸点にして、日帝もEUもアジアもなんとかしのいできたし、国際資金循環もとにかく動いてきたのである。
しかし今やこのあり方は破綻(はたん)した。米帝はそれぞれ5千億j規模の財政赤字・経常赤字、いわゆる双子の赤字に決定的にのみ込まれつつある。大減税の継続なしに米帝経済は立ち行かないが、膨大なイラク戦費にもあえいでいる。この重圧がドル安による貿易収支改善の志向となり、それが円高などとして今や日帝を直撃し始めている。米帝にとってドル安政策しかないが、それが歯止めを失えばドル暴落に転化するのだ。
こうして今や日米間でドル安=円高の為替戦争となり、米帝の対日内需拡大要求が強まっている。しかもこの世界経済の危機が、米帝のイラク侵略戦争の泥沼化とブッシュの政治的地位の動揺という政治的=軍事的要因と結びついて進行しているのである。
帝国主義の基本矛盾の爆発の中で、今や日帝は実質的に最弱の環に転落している。小泉=奥田路線の凶暴な大反革命の基底にはこれがある。敵の凶暴さの中にあるすさまじい危機と矛盾を見抜き、11・ 9集会で大反撃をたたきつけよう。
日本労働運動再生へ
11・9集会は第四に、日帝・小泉=奥田路線、その先兵となっている連合中央と対決し、日本労働運動を国際連帯の旗のもとに戦闘的に再生していく総決起大会だ。その基軸に位置するのが国鉄1047名闘争である。また国鉄闘争勝利の突破口を開くものが国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだ。北海道で国労からの脱退・分裂に走るチャレンジ一派を弾劾し、統制処分と臨大闘争弾圧の上に成立した極悪酒田―吉田執行部と、その共犯者たる日共・革同指導部を打倒して、国労の革命的再生をかちとるのだ。
自治労大会の攻防を引き継ぎ発展させ、石原都政の4千人定数削減を始めとした第2次財政再建推進プランとの都労連の闘い、「卒業式・入学式での日の丸は壇上正面に」と指示する都教委通達をめぐる闘いなど、石原との対決に決起しよう。さらに12月全逓臨大での名称変更=全逓解体策動に大反撃しなければならない。全産別での闘う新潮流の前進をかけて、11・9集会に総決起しよう。
11・9日比谷野音にこそ日本労働運動の未来がある。新しいインターナショナルの展望がある。労働者階級が生きる道がある。訪日する米韓の最も戦闘的な労働者と大合流しよう。彼らの期待と信頼に全力でこたえよう。野音をあふれる大結集をなんとしても実現せよ。そこからさらに11〜12月自衛隊イラク派兵阻止の大反戦闘争に決起していこう。
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週刊『前進』(2125号1面2)(200/11/10)
10・25渋谷 1500人が反戦ウオーク “自衛隊イラクに行かすな”
米英侵略軍に対するイラク人民の反占領の民族解放闘争が激しく戦われる中、米ANSWER連合が全世界に呼びかけた10・25国際統一行動は、ワシントン10万人を先頭に世界を駆け抜けた。日本でも全国各地で反戦行動が闘われた。
(6面に各地の闘争記事)
東京・渋谷では°自衛隊のイラク派兵をとめよう!″と、実行委員会主催の「10・25SHIBUYA世界反戦WALK」が闘われた。渋谷一周のピースウオークは、沿道からの参加者が続出し1500人に膨らんだ。
夕刻、宮下公園でライブ&スピーチが始まった。初めにイラク現地報告。「私は一昨日バクダッドから戻ってきました。イラクに必要なのはけっして自衛隊ではありません」
「不戦兵士・市民の会」の元少年飛行兵が「私は断固として自衛隊派兵に反対します」と宣言した。
続いて「二度と戦争は許さない!『戦争体験者 杉並100人の声』の会」のメンバーが次々と発言した。「私は沖縄出身の元兵士です。イラク派兵を許していいの! だめやろう! みんな頑張れ!」「年老いた両親と幼い2人の子どもを連れて朝鮮から引き揚げてきた苦労、この体験を二度と若い人たちにしてほしくありません」「私はひめゆり学徒の生存者です。軍隊は住民を守らない。これは私たちの身に染みついたことなんです」「私は女学校1年、(東京大空襲の)戦火の中を逃げて帰ると家は焼けていました。どうか戦争はもうやめて下さい」
反戦自衛官の小多基実夫さんが「派兵された自衛隊は占領軍の一角に加わり、闘うイラクの人びとに銃を向けることになる。自衛隊の内外を貫く反戦運動を盛り上げてこれを止めよう」と力を込めた。
ANSWER連合からは「ブッシュの『外での戦争と国内での戦争』を止めることは生か死かがかかった問題だ。今こそ立ち上がる時だ」とのメッセージが届いた。
看護師の女性労働者4人が白衣姿で登壇し、「世界同時の反戦デモは、戦争を望む一握りの人たちが最もいやがる戦争の止め方です」とカンパアピール。
「インターナショナル」の歌声が響き、日本山妙法寺の僧侶、前衛芸術家に続き、登壇した学生実行委の学生たちが「今の状況を黙って見ていることはできない」「きょうのデモで自衛隊派兵を止めよう」「皆しょうがないと言うけど、そんなことはない。国会に突入しましょう」など次々率直な意見を表明した。
動輪旗を翻して動労千葉の組合員が発言に立った。「自分は貨物列車の機関士です。軍用列車をストライキでぶっ止めるんだと闘っていく。動労千葉は22、23日と韓国に行って民主労総のタン委員長と固いきょうだいの契りを交わしました。11月9日は日米韓の労働者が集まる国際連帯集会です。翼賛選挙をぶっ飛ばして日比谷野音に集まって下さい」と呼びかけた。
実行委員会の女性労働者が、「きょうを起点に第2の反戦の波をつくりあげ、有事法制、自衛隊派兵を許さない行動を続けていきましょう。11月9日には労働者集会が開かれます。世の中を動かしているのは私たち労働者です。イラク派兵を止めるまで、米英軍を撤退させるまで頑張りましょう」と締めくくった。
最後に、大結集した「ヨッシーとジュゴンの家」が「♪自衛隊の人たちをイラクに行かせちゃいけない♪イラクはイラクの人たちのもの」と歌った。
さあ、ピースウオーク出発だ! 3・20空爆開始からアメリカ大使館に2カ月間座り込んだ青年や外国人も加わり、「自衛隊をイラクに送るな! 米英軍はイラクから出ていけ!」の声が渋谷の街にこだました。
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週刊『前進』(2125号2面1)(200/11/10)
国労弾圧 直ちに8被告の保釈を
酒田委員長の指示で鈴木法対部長が複写したビデオが警察へ
地本幹部と権力の結託明白に
10・27第14回公判で鈴木証人を追及
10月27日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第14回公判が開かれた。前回に続き、東京地本の鈴木勉法対部長への証人尋問が行われた。彼は事件現場をビデオに撮り、それを警察に任意提出した弾圧首謀者の一人である。弁護団の追及を前に、彼は、臨大2日後の昨年5月29日にビデオテープをダビングし、それが酒田充東京地本委員長(当時)をつうじて警視庁公安部に渡ったことを白状した。国労本部派による組合員売り渡しの真相は、当事者の証言で一層明白になったのだ。
“十分な証拠がなくて告訴ができない事態を避けるため”
許し難いことに、この日の公判廷には、裁判闘争の破壊をもくろんで国労東エリア本部の佐藤委員長、東京地本の笹原書記長ら本部派十数人が傍聴席に入り込んでいた。前回公判での弁護団の追及によって憔悴(しょうすい)しきった鈴木証人を、こんな形で援護しようとしたのである。
本部派傍聴者に退廷命令
冒頭、一瀬敬一郎主任弁護人が「傍聴席に証人の関係者が来ている。証人尋問に影響を与える。これらの方々の退廷を命じていただきたい」と申し立てた。本部派傍聴者の中には、検察側が「被害者」などとして証人申請している人物も混じっていた。裁判長が、「後に証言する方は証言を聞かないことになっている」と証人予定者4人に退廷を命じた。
西村正治弁護人と富田益行被告が、早期保釈を求める意見を述べた。「2度目の正月を獄中で過ごさせないようにしてほしい」という富田被告の訴えは、被告とその家族の切実な思いである。青柳裁判長は、「弁護人、被告人の意見は承る」と応じた。
河村健夫弁護人が、鈴木証人の残り2通の供述調書の開示を裁判長が認めなかったことに異議を表明した。前回公判で、鈴木証人は計5通の供述調書の作成に応じたと述べている。検察側が開示したのは3通だけだ。だが、青柳裁判長は不当にも異議を却下した。
松崎博己被告がすかさず、「われわれには証拠隠滅のおそれがあるといって身柄拘束を続け、検察官の持っている証拠は出さなくてもいいという。こんな裁判があるのか」と弾劾した。裁判長は押し黙った。
準備本部決定でビデオ撮影
鈴木証人が入廷した。被告の鋭い視線を浴びて、彼は顔を伏せた。
一瀬主任弁護人が尋問に立ち、「ビデオを準備することはどこで決まったのか」と問いただした。鈴木証人は「準備本部のメンバーで打ち合わせた」と返答した。ビデオ撮影は、酒田委員長以下、当時の東京地本幹部の意志統一に基づくものだったのだ。
弁護団はさらに、「5月27日に反対派がビラまきに来ることを予測してビデオを用意したのか」と質問した。鈴木証人は「会場内のことを前提に用意した」とはぐらかす。弁護団は「警察に渡す資料にすることをあらかじめ想定していたのではないか」と追及を重ねた。すると証人は、「00年10月の大会で会場係の組合員が重傷を負った。十分な証拠がなくて告訴に至らなかった。今後そういうことがないように対策をとった」と内幕を明かした。
その大会で重傷者が出たというのは、でたらめな誇張だ。だが、この時から国労本部派は反対派組合員を警察に売り渡そうと画策していたことが明らかになったのだ。弁護団がこの点を追及すると、鈴木証人は「当時は本部にいたので準備地本のことは分からない」と言い逃れた。しかし、「東京地本は直後の12月の6項目見解で、刑事処罰を求める方針をとっていた。その流れでビデオを準備したのか」とたたみかける弁護団に、鈴木証人は渋々「経過の中ではそう」と認めざるをえなかった。
弁護団は、検察官作成の供述調書に証人が「相手への抗議や警備対策のためビデオを撮影した」と述べている部分があることを取り上げ、「必要ならビデオを警察に提出すると意識して撮影したのか」と問いただした。証人は「望まないが、事件が起きた以上、提出した」と組合員の売り渡しを全面的に居直った。
一瀬弁護人の鋭い追及の展開に検事は圧倒され、一度も異議を出せず、青柳裁判長は身を乗り出して証人の証言に聞き入った。
弁護団が、「あなたのビデオには、あなた自身が反対派を押したり引いたりしている動作が写っている」と指摘した。証人が沈黙する。「やりすぎたという気持ちはあるか」と問う弁護団に、証人は「あります」と答えた。検事があわてて異議を出すが、裁判長が棄却した。当日の事態は、双方が多少の押し合いをしたということであって、被告たちが一方的に暴力行為に及んだなどというものではなかったのだ。
“警察の捜査に必要と言われ全部が入ったテープ作った”
追及の焦点は、事件後のビデオテープの扱いに移った。その結果、鈴木証人は5月27日当日の夜、自宅でダビングテープ1本を作成し、さらに29日昼すぎに、もう1本のダビングテープを東京地本で作成したことが明らかになった。
27日夜に作られたダビングテープは、大会終了後、準備本部のメンバーが集まった時に、作成することが決められたという。弁護団は、29日にさらにもう1本のダビングテープが作成された経過を問いただした。
鈴木証人は、「最初のダビングテープは全部が入っていないので、最初から最後までダビングしてほしいと笹原さんから言われた」と返答した。「そのテープを誰に渡したのか」と追及する弁護団に、鈴木証人は「酒田委員長に当日午後2時過ぎに渡した」「酒田委員長に渡した時、警察の捜査に必要だという話があった。ビデオがあるなら出してくれという話があったと聞いた」と白状した。
さらに彼は、警察が27日のことで捜査に動いていることは、28日に酒田委員長から聞いていたとも証言した。
ことの真相はこうだった。酒田委員長は、遅くとも臨大翌日の28日に公安警察と接触し、ダビングテープの提出を約束した。そして翌29日に、鈴木法対部長にその作成を命じ、鈴木法対部長は警察に提出されることを十分知った上で、ダビングしたテープを酒田委員長に手渡したのだ。
酒田委員長が30日、荒川署で公安刑事と一緒にビデオを見たこと、そのダビングテープは警視庁公安一課の星警部が所持していたことは、すでに遠山巡査部長への追及で明らかになっている。
さらに、鈴木証言で決定的な事実が明らかになった。彼が撮影したビデオには、ホテルから会場へのバスに乗り込んだ何者かが、警察とおぼしき人物と携帯電話で会話し、弾圧を要請している音声が残されている。鈴木証人は、それが酒田委員長の声であることを認めた。
弁護団はあらためて、本部派組合員が笹原財政部長(当時)の指揮下に、3列縦隊をつくってホテルを出発する時の状況を追及した。
5秒後のトラブルを予測?!
鈴木証人の供述調書には、「ホテルを出る時、トラブルになることを予想した」と書かれている。このことを聞かれると、証人は「小競り合い程度にはなると予測した」と認めた。弁護団は、「ビラも受け取らず、説得にも対応しないという対応を決めたのはなぜか」とたたみかけた。証人は、質問には答えずに「説得とはどういう意味か分からない」「ホテルを出るとすぐに体をぶつけて進路をふさぐ妨害行為があった」と言いつのった。
弁護団は、杉並で押収されたビデオから取り出した数枚の静止画像を証人に示した。そこには、鈴木証人を始めとする本部派が玄関を出た直後のホテル前の様子が写っている。その時、被告たちはホテル前路上でビラを持って談笑している。それは誰が見ても、鈴木証人が主張する「阻止線を張っている」状況などとはけっして言えない。
写真を見せられた証人は、「写真に写っている5秒間はこういう状況だった」と渋々認めた。「なら、どうしてトラブルになると予想したのか」と弁護団は追及した。たまりかねた鈴木証人は、「5秒後が問題」と口走った。弁護団が「5秒後を予測してビラを受け取らないと決めたのか」と念を押した。鈴木証人は、「そうです」とふてくされて返答した。
彼らは、ビラもとらず説得にも応じないとあらかじめ意志一致し、3列縦隊をつくって強行突破しバスに乗り込もうと図ったのだ。当日の「混乱」は、本部派が意図的につくりだしたものだった。
鈴木証人の尋問は次回(11月21日)に続行となった。公判闘争は、なおも緊迫した局面が続いている。
公判に先立ち、被告の家族は約3千筆の署名とともに保釈申し入れを行った。
公判翌日の28日には、原田隆司被告が勾留執行停止をかちとって、中労委の審問に出席し証言した。
1年を超えた勾留は許せぬ
8被告の勾留はすでに1年を超えた。これ以上の勾留は断じて認められない。闘争団の除名に反対して大会でビラをまいただけの国労組合員らが、なぜこれほど長期にわたって勾留されなければならないのか。
なんとしても被告の年内奪還をかちとろう。許さない会の賛同会員を拡大し、10万人保釈署名を集めきろう。11・9労働者集会に結集し、国労弾圧を許さない怒りの声を上げよう。
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週刊『前進』(2125号2面2)(200/11/10)
動労千葉が訪韓報告パンフ “労働組合に国境はない” 民主労総委員長らと会談
10月22、23日、動労千葉の田中康宏委員長、中野洋常任顧問、動労水戸の辻川慎一副委員長が韓国を訪問し、民主労総の段炳浩(タンビョンホ)委員長との歴史的な会談が実現した。田中委員長とがっちりと握手した段炳浩委員長は、「新たな運動の核がアジア圏にできることを待ち望んでいた」と語った。ここに新たな日韓労働者の共同連帯闘争が始まったのだ。この感動的な日韓労働者の交流を記録したパンフレット『世界に翔びたとう2 訪韓報告 民主労総とともに11・9へ』が、動労千葉から緊急発行された。このパンフをただちに労働者、労働組合に持ち込み、11・9日比谷野音への大結集を実現しよう!
激動の渦中に飛び込んで
22日、民主労総ソウル本部に迎えられた動労千葉の訪韓団は、段炳浩委員長、全国鉄道労組のイヒョンウォン委員長職務代理と会談し、ソウル本部とは「和やかなうちにも真剣な深夜までの討議」(田中委員長)をつうじて交流を深めた。
韓国でも11月9日、民主労総が全国労働者大会を開催する。組織を挙げて10万人結集運動を進める最中の10月17日、釜山(プサン)の韓進(ハンジン)重工業労組を率いてきたキムジュイク支会長が、129日間のクレーン上での籠城(ろうじょう)闘争の末、首をつって自殺するという衝撃的な事件が起こった。
田中委員長はパンフの冒頭、「私たちの訪韓は、22日のキムジュイク烈士追悼集会と11・9全国労働者大会をもって新たな闘いに踏み出そうという必死の努力が行われているその渦中に飛び込む形になりました」と振り返る。まさにその渦中で民主労総の苦闘とその奮闘ぶりを目の当たりにし、「日韓労働者の連帯闘争は急務の課題」「ここから生み出されてくるものは、予想もつかない大きさを持つものです」との確信を記している。
「日本の国鉄民営化の過程や闘いには、大きな関心を持っていました」と語る段炳浩委員長に、訪韓団は1047名解雇撤回闘争や、動労千葉が40人もの解雇者を出しつつストで闘い団結を維持してきたこと、「11・9に集会をやって、闘う労働運動のナショナルセンターをつくろうと思っています」と語っている。
これに段委員長は、「われわれも、連合など日本の労組と民主労総の傘下組織との交流があります。しかし連合の活動に対しては、非常に批判的に問題意識を持っています」と応じ、「これまでの運動方針に対する批判的な問題意識を持ちながら新たな運動の求心体をつくろうということについては、私も肯定的です。特にアジア圏の中でそうした運動の核ができていくことは、われわれ韓国でも待ち望んでいたことで歓迎します。一緒に連帯することもでき、力になるものと信じています」と語った。
「これ以上労働者を殺すな」
訪韓団が韓国を発った直後の23日午後8時50分、故キムジュイク烈士と同じ金属労組に所属するセウォンテック支会のイヘナム支会長が、大邱(テグ)にある本社管理棟前で焚身(ふんしん)自殺を図った。民主労総は24日、非常中央執行委員会を開き、盧武鉉政権の労働弾圧をやめさせるためにはゼネストを含む総力闘争で闘うことを決めた。
死をもってする極限的抵抗に民主労総は、「これ以上殺すな」と声明を発し、新自由主義労働弾圧を即時中断することを要求した。
さらに26日、勤労公団非正規職労組のイヨンソク光州全南本部長が焚身を図った。同労組は27日から予定していたストを繰り上げ、午後9時からストに突入した。
今年、凄絶な抗議自決を行った労働者はすでに5人、抑えがたい怒りが一挙に燃え広がった。社会市民団体を含めた汎国民対策委が結成され、労働弾圧粉砕の大集会がソウル、釜山、大邱で開かれ、街頭では投石、鉄パイプでの激突へと発展している。
民主労総は11月5日に大規模な時限スト、11・9労働者大会に10万人の総決起をめざし、一層強力な対政府闘争に突き進んでいる。
闘う労働者の国際連帯を
22日、ソウルのキャンドルデモに参加した田中委員長は、自衛隊のイラク派兵を阻止する決意を述べ、ブッシュと小泉が次に狙う北朝鮮侵略戦争について「韓米日3カ国の労働者が連帯すれば防ぐことができる」と力説した。(10月22日/韓国『民衆の声』)
民主労総は11月9日、「資本家のための世界化ではなく、労働者のための世界化が必要だ!」との強い決意で日比谷野音にやってくる。アメリカからもILWUを始め戦闘的労働者がやってくる。この日、歴史が動く。日韓米の闘う労働者の合流が、戦争と恐慌、大失業攻撃を打ち破る新たな歴史の1ページを開こうとしている。「民主労総とともに11・9へ」!
☆申込先 動労千葉/千葉市中央区要町2−8DC会館 TEL043-222-7207 FAX043-224-7197 HP
http://www.doro-chiba.org/
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週刊『前進』(2125号2面3)(200/11/10)
長期勾留弾劾し集会 広島・岡山で「許さない会」
10月18日、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会・広島」の主催で不当逮捕1周年弾劾集会が開かれ、70人が参加した。19日には岡山で「許さない会・岡山」の結成集会が行われた。
広島の集会では、動労西日本の代表が主催者あいさつをし、「許さない会の闘いは労働者の魂を売るのか否かのかかった闘いだ。必ず年内奪還を」と訴えた。
国労熊本闘争団団長の平嶋慶二さんのメッセージが紹介された。被告団や家族もメッセージを寄せた。工場閉鎖と闘い抜く全造船機械三菱広機分会が特別報告を行い、「組合として闘ってきて今ほどよかったと思う時はない」と団結の重要さを訴えた。
前国労九州本部書記長の手嶋浩一さんが講演した。書記長時代の体験を述べた上で、「支配の危機が労働運動への圧殺攻撃として現れている。この弾圧は闘う労働運動つぶしが目的だ。『多衆の威力』という口実を許せば労働運動は成り立たない。労働者なら分かることだ。ひとの痛みをわが痛みとし、被告たちにこの冬を越させないため、保釈をかちとろう」と訴えた。
基調報告を国労広島の組合員が行った。「この弾圧は4党合意の破たんの中で行われた、国労本部と警察権力が一体となった政治弾圧だ。国鉄闘争は、労働者の団結権を守る闘いの原点だ。小泉反動政権と対決し『人らしく生きる』ために闘おう」と訴えた。
教育労働者、広島連帯ユニオン、医療労働者、動労総連合などの賛同団体・会員が決意を述べ、被告の早期奪還、イラク派兵反対、11・9労働者集会への結集を確認しあった。
集会に先立つ街頭署名活動では、百余筆の署名が寄せられた。労組からの署名も次々と寄せられている。
19日の岡山での「許さない会・岡山」結成集会は、小泉伸被告の家族を迎えて行われ、許さない会・岡山代表の矢山有作さん(元衆議院議員)が講演した。自らの体験を踏まえて「この弾圧を許せば戦前の治安弾圧を繰り返す。労働運動の再生をかけて団結・連帯しよう」と訴えた。参加した会員、労組が早期奪還の決意を述べた。
中四国の「許さない会」運動は着実に前進している。被告の年内奪還をなんとしてもかちとろう。
(投稿/許さない会会員J)
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週刊『前進』(2125号2面4)(200/11/10)
西部実行委 1047名解雇撤回を
国労・全動労・動労千葉がそろい JRなどに初の要請行動
10月22日、「1047名の解雇撤回をめざす西部実行委員会」は、JR東日本、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(日本鉄道建設公団と運輸施設整備事業団が統合)国鉄清算事業本部、国土交通省への要請行動を行った。国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団の三つの闘争団・争議団の被解雇者が参加した。文字どおりの1047名闘争として初めて取り組まれた、関係機関に対する統一行動となった。
西部実行委員会は、国労闘争団(旭川・深川・留萌)、全動労争議団、動労千葉争議団を支援する団体・個人で結成され、今年7月の西部団結まつりを成功させるなど、1047名闘争支援陣形の中心的役割を果たしている。
この日の要請行動では、西部実行委員会の代表が、JR東日本の大塚社長、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の小森理事長、石原国土交通相あてに1047名問題の早期解決などを求める要請書を提出し、被解雇者がそれぞれの立場から政府・JR資本などの責任を追及し、解雇撤回・JR復帰を迫った。
JR東日本は警備員が対応し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、国土交通省もまともな回答をしないなど不当な対応ではあったが、三つの闘争団・争議団がそろって要請したことが大きなインパクトを与えたことは間違いない。
また、JR東日本と国土交通省に対しては、中央線線路切り替え工事の遅れの事故、京浜東北線における外注車両との接触事故などの相次ぐ事故は分割・民営化の矛盾の現れであるとして追及し、安全輸送の確立を求めた。動労千葉と国労のJR本体組合員も、安全の崩壊への危機感をもって訴えた。
1047名闘争の勝利に向けて、こうした行動をさらに積み上げ、陣形を拡大しよう。1047名闘争と国際連帯の旗を高々と掲げて11・9労働者集会に結集しよう。
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週刊『前進』(2125号2面5)(200/11/10)
資本攻勢&労働日誌 2003 10月15日〜26日
日本経団連 さらなる規制緩和を要求 8割が雇用不安/チャレンジら国労脱退し新労組
●公務労協が結成総会 連合の官公部門連絡会の公労協(自治労、日教組など、旧総評系)、公務員共闘(全逓など、旧総評系)、全官公(旧同盟系)は同時に解散し、新組織「公務公共サービス労働組合協議会」(公務労協)を結成した。(15日) JIL記事
●不況型倒産、過去最悪 民間信用調査機関の帝国データバンク発表の03年度上半期の全国企業倒産状況では「不況型倒産」の割合が過去最悪を記録した。(15日)
●日商、公的年金給付水準15%削減を提言 日本商工会議所は年金制度改革に関する提言を発表。現在の給付水準を15%減らし、厚生年金の保険料は現行制度の範囲内に抑えるよう要望。(16日)
●私鉄中央委、合同・統合を討議 私鉄総連は中央委員会を開き、秋闘方針と衆院選方針を決定。4産別の合同・統合については、私鉄総連の考え方を22日にまとめ、年末に向けて職場討議することを明らかにした。(17日)
●国立病院「賃金職員」、8割が独法化で雇用不安 全労連と全医労発表の「国立病院に働く賃金職員・非常勤職員のアンケート」によると、来年4月の国立病院独立行政法人化に伴い、看護師などの資格があっても非正規職員の扱いで雇用されている「賃金職員」の約8割が、雇用不安を感じていることが明らかに。(17日)
●労組、専従もリストラ 労組の専従役員や職員への「リストラ」の実態が「連合総合生活開発研究所」の調査で分かった。(20日)
●ソニー、最大2万人の削減 ソニーは世界に約16万人いるグループ労働者を最大で2万人削減する方向で最終調整に。(20日) JIL記事
●各労働局にワークシェア本部 坂口厚労相はワークシェアリング推進本部を厚労省と各都道府県の労働局に設置する考え。(21日) JIL記事
●日本経団連、規制改革の個別要望 日本経団連は、さらなる規制緩和を求めて16分野306項目の個別要望を発表。(21日)=雇用・労働分野の要旨別掲
●改悪労基法の政省令を通達 厚労省は、来年1月1日に施行される改正労働基準法に伴う政省令などについて、各都道府県労働局長あてに通達した。(22日)
●8割が雇用不安感 日本銀行が発表した「生活意識に関するアンケート調査」によると、一年前より収入が減った人の割合が56.6%と過去最悪を記録し、8割の人が勤め先の雇用・処遇に不安を抱いていることが分かった。(23日)
●ベア統一要求3年連続で見送りへ 連合は、中央執行委員会を開いた。ベア統一要求は3年連続で見送る見通し。(24日) JIL記事 連合報道
●JR北労組が発足 JR北海道内の北海道鉄産労は、国労から脱退した一部のチャレンジとともに、「北海道鉄道産業労働組合」(JR北労組)を結成。(26日)
表 日本経団連の規制改革要望の概要(雇用・労働分野)
<基本的考え方>
経済のグローバル化、サービス化、情報化等が進展し、……働き方の選択肢を多様化させるためには、雇用・労働分野の更なる規制改革を早急に進めるべき。
・派遣労働者特定行為(事前面接等)の全面解禁
・派遣対象業務の拡大と派遣期間制限のさらなる見直し
・企画業務型裁量労働制規制の緩和
・ホワイトカラーエグゼンプション制度(労働時間規制の適用除外制)の導入
・外国人研修・技能実習制度の見直し
・産業別最低賃金の廃止
〔解説〕国際競争力強化の名で、改悪されたばかりの派遣法と労基法の再改悪を求め、医師・看護師の派遣労働の全面解禁や派遣期間制限の撤廃などを要求。
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週刊『前進』(2125号3面1)(200/11/10)
生存権と団結権の圧殺攻撃うち破れ
企業負担分のゼロ化狙う
年金制度の改悪許すな
消費税アップ主張する連合
11・9労働者集会が1週間後に迫った。小泉=奥田の翼賛選挙攻撃の中で年金問題が最大の「争点」だなどと言われている。だが自民党も、連合=民主党も、労働者階級のことなど眼中になく、企業と国家の救済しか考えていない点ではまったく同じだ。労働者階級の生存権を否定する社会保障制度の解体に反対し、11・9労働者集会に大結集しよう。来年通常国会での年金制度改悪阻止を掲げ、04春闘へ。
負担は増大給付は削減
来年の通常国会に年金制度の抜本改悪案が提出されようとしている。自民党は総選挙の公約の中で「年金制度は、……年内に改革案を取りまとめ、2004年の通常国会に法案を提出する」と明言した。その核心点は、「将来の消費税率引き上げについても国民的論議を行い、結論を得る」、すなわち消費税の大幅引き上げ攻撃である。
この改悪攻撃に備えて、9月の前半に各団体から一斉に年金改革に向けた意見表明がなされた(表参照)。そのいずれもが怒りなしには読めないものだ。
9月5日に厚労省発表の「坂口試案」では、給付水準を現在の(現役時代の手取額の)59%から、50%に一気に引き下げる方針だ。給付は引き下げられ、消費税は引き上げられる。このとんでもない年金制度改悪攻撃を絶対に許すな。
年金制度改悪案は、来年通常国会の冒頭に提出される見込みである。年金制度改悪をめぐる攻防は、04春闘冒頭の大テーマなのだ。ヨーロッパの労働者階級の闘いに学び、11月労働者集会を出発点に、日本においても労働組合が中心となって年金制度改悪反対の大闘争を巻き起こそう。
労働者犠牲で資本延命
年金制度改悪は、日帝が言うように「少子高齢化」にともなう年金財政の破綻(はたん)によってある程度やむをえないものか。
いや、そうではない。今回の年金制度改悪攻撃の最大の狙いは資本の延命である。年金財政破綻のつけを労働者階級にだけ回して、企業の負担は免除しようという年金制度改悪のとんでもないたくらみに、連合や民主党は率先して賛成している。さらに日本共産党までもがこの核心点を暴露・批判しない。この日共の裏切りこそ、綱領改定と一体の資本主義の枠内の企業擁護そのものである。
年金制度改悪のむき出しの狙いは、財界や経済産業省の主張を見ればはっきりする。「奥田ビジョン」はより露骨に言っている。
まず、年金制度改革への財界の提言を見てみよう。日本経団連は、厚労省の改革案を受けて9月12日に、「厚生年金保険料の引き上げは、労働コストを上昇させ国内雇用の減少につながるため、厚生労働省の年金制度改革案は容認できない」と、国際競争力論とコスト論をむき出しに保険料引き上げに反対した。
さらに日本商工会議所が10月7日に発表した「公的年金改革に関する緊急アンケート」では、中小企業経営者の半数以上が、厚生年金の保険料率が20%に引き上げられた場合には賃下げを実施すると回答し、企業への保険料の負担増は賃下げになると、労働者階級を恫喝した。
財界の意向を代弁した経済産業省は、9月12日に、「社会保険料負担が国内産業の国際競争力、『産業の空洞化』、雇用、個人の消費行動などに与える影響について、分析・検討を行う」と、日本経団連とまったく同じ意見を発表した。
財務省も9月12日に(年金給付については)「現役世代の所得の一定割合の保障という基準はとらない」と、これまでの2階建ての年金制度の基本原則を否定する意見を発表した。
これらの財界と官僚どもの主張には、社会保険料の企業負担が増えたら資本が困る、国の競争力が落ちるという心配しかない。労働者階級の生活など知ったことではないという考えだ。
国家の社会保障制度としての社会保険の特徴に国家管理、国庫負担、強制加入という点があげられるが、労働者を対象とした社会保険の場合、「社会保険料の労資折半の原則」がある。労資折半は、健康保険法や厚生年金保険法で規定されているため、資本は「法定福利費」と呼んでいる。
しかし、労資折半も資本との力関係で決まる。労働組合が強いところでは、社会保険料の全額ないし相当部分を資本に負担させている。今回の改悪は、労働運動の弱体化につけ込み、企業負担をゼロにしていこうということなのだ。
日本経団連は、「1973年から約30年間で、健康保険料は約5倍、厚生年金保険料は約10倍、労働保険料は約4倍に増大している。現金給与額に対する法定福利費の割合も、5・96%から11・41%に拡大」などと主張している。社会保険料の企業負担をも労働コストと考え、その負担の軽減(ゼロ化)を狙ったのが、96年の旧日経連労問研報告から登場した「総額人件費削減」方針だった。
これは、95年の旧日経連「新時代の『日本的経営』」による終身雇用制解体攻撃と一体の社会保障制度解体攻撃だ。その背後には、争闘戦での日本帝国主義の敗勢的な現実への日帝ブルジョアジーのすさまじい危機感がある。
これらの攻撃を許すならば、首切り自由の社会となり、雇用も、健康も、老後もすべて「自己責任」になってしまう。労働者階級の根源的な権利であり、憲法でも保障された生存権そのものの否定であり、歴史を19世紀前半にまで引き戻すこの攻撃を許すな。
一切の犠牲転嫁反対を
このように日帝・資本は年金制度の破綻に対して、労働者階級に一切の犠牲を集中し、企業の負担は免除して、社会保障制度を解体し、生存権までも否定しようとしている。
帝国主義的労働運動の先兵である連合中央は、年金問題でも、資本の攻撃に全面屈服し、企業と国家の救済者として登場している。
8月22日に連合の中央執行委員会で決定した「年金制度改革実現の取り組み方針」では、基礎年金の税法式への転換を最終目標にしている。この点で、奥田ビジョンとまったく同じ「企業負担ゼロ化論」なのだ。当面の方針でも、国家負担を現行3分の1から、2分の1にして一般財源から支出、3分の1を年金目的間接税(消費税)に、6分の1を企業負担にするとしている。つまり、消費税を8%にアップし、企業負担を半分にするという、企業救済、労働者への犠牲転嫁の方針だ。民主党も連合とまったく同じ企業救済の年金改革案を提起している。
1929年を上回る世界大恐慌過程の進行と、世界戦争への突入の中で、完全に行き詰まった日帝は、労働者支配の転換と一体で、戦後社会保障制度の全面解体に踏み込んできているのだ。(本紙連載の「生存権は譲れぬ」参照)
資本主義・帝国主義は、労働者階級を「食わせること」ができなくなった。ヨーロッパを始め全世界で年金制度改悪反対の労働運動が高揚している。2月のイラク反戦2千万人決起と一体のこの闘いは、資本主義を打倒する世界革命の展望を明々と示している。
年金制度改悪反対闘争を真に闘えるのは、戦闘的労働運動の原則を堅持している新潮流だけである。団結して資本とストライキで闘わなければ、年金問題の本質は見抜けない。動労千葉を先頭にした3労組の闘いから学び、労働者への犠牲転嫁反対を掲げ、年金改悪反対闘争を爆発させよう。その一切を11・9集会の大結集へ結びつけよう。
〔湯村宏則〕
年金制度改悪攻撃の経緯
8月22日 連合が中央執行委員会で「年
金制度改革案」を決定。
9月4日 厚労省社会保障審議会年金部会が、「保険料水準固定方式」の導入などの検討結果を意見書にまとめ12日に発表。
5日 厚労省「坂口試案」を発表。
10日 日本経団連が、「年金制度改革に関する意見書」を発表。
12日 経産省が年金問題連絡会議を設置し、年金改革に当たっての基本的考え方を示す。
12日 財務省は年金改革の基本的な考え方をまとめ、財政制度等審議会合同会議に提出。
14日 民主党が税を財源とする「国民基礎年金」をもうけるなどの年金改革案を提示。
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週刊『前進』(2125号3面2)(200/11/10)
生存権と団結権の圧殺攻撃うち破れ
労働委員会制度の解体策す
労組法改悪は改憲に直結
階級的団結を守り反撃へ
小泉政権は、次期通常国会に労働組合法の改悪案を提出しようとしている。労組法の大幅改定は、1949年の現行労組法制定以来のことだと言われている。これは「司法制度改革」と連動しながら、労働者階級の団結権を根本から解体しようとするものだ。団結をめぐる攻防は、いよいよ重大な局面に入った。11・9労働者集会は、労働者の団結と行動によって、こうした攻撃への反撃をたたきつける決戦だ。
戦後体制の転覆を狙う
労組法の改悪は、教育基本法の改悪と並んで、改憲に直結する重大な決戦テーマである。労組法は、労働法制の根幹に位置するだけでなく、戦後憲法体制の骨格をなしている。
労組法は、1945年12月、憲法の公布に先だって制定された。労働者の団結権、団体交渉権、争議権を保障した労組法をテコとして、労働者階級は続々と労働組合を結成し闘いに立ち上がった。労組法は、憲法制定期の階級的力関係を直接に規定する位置を持っていた。だからこそそれは、戦後体制の前提であり、戦後体制そのものの重要な柱をなしてきたのである。
労組法改悪は、戦争と直結している。50年朝鮮戦争を前にした48年、官公労働者はスト権、団交権を奪われ、基本的に労組法の適用外に置かれた。49年には、不当労働行為を直接に刑事罰の対象とした旧労組法が大幅に改定され、現行の労組法が制定された。あわせて、労組法第1条に「いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない」という文言が盛り込まれ、労働組合の刑事免責は大きく損なわれた。
今日、小泉政権が「49年以来」の抜本的な労組法改悪を打ち出したのは、ただならない事態である。改憲を呼号し、有事法制を完成させ、イラク派兵と朝鮮侵略戦争を狙う小泉政権にとって、労働者の階級的団結を解体することは、避けて通れないテーマになった。労働者を大失業にたたき込む「構造改革」も、団結の解体なしに貫徹できない。
労組法改悪と「司法制度改革」、激化する労働運動への弾圧は、戦後体制を根本から覆そうとする小泉政権の鋭い攻撃の現れだ。
「迅速化」で資本を救済
7月末、厚生労働省の「不当労働行為審査制度の在り方に関する研究会」は、労組法と労働委員会制度の抜本改悪に向けての報告書を提出した。続いて厚労省は、同報告に基づく労組法改悪案を具体化するため、労働政策審議会の中に「労働委員会の審査迅速化等を図るための方策に関する部会」を設置した。労働政策審議会は、12月中旬にも報告案をまとめ、次期通常国会に労組法改悪案を提出する構えでいる。
厚労省の研究会報告の内容は、総じて言えば、「不当労働行為事件の審査の迅速化」の名のもとに、労働委員会制度の根本的な変質を図ろうとするものだ。
研究会報告は、いらだたしげに「当事者の求めに従って多数の証人尋問が行われるなど審問が当事者主導のような形で行われている場合が少なくない」と現状の「問題点」をあげつらう。そして、審問の回数や証人の数の抑制、争点整理の厳格化と争点に関係ない主張・立証を制限することが必要だと言う。これは、救済を求める労働者の声などまともに聞く必要はない、と言うに等しい。
そして、その観点から、@不当労働行為事件の「和解」解決を労組法に明記、A公益委員の一部常勤化、B公益委員の任命に際しての労資同意要件の廃止、などの労組法改悪案を打ち出している。
労働者にとって労働委員会の意義は、自ら主導権をとって資本の不当労働行為を暴き、そのための主張・立証を縦横に展開できることにあった。だからこそ労働委員会は、団交を拒否する資本に対して実質的な団交を強いる場として機能してきたし、労働委員会闘争は不当労働行為によって損なわれた団結を回復し、強化するための有効な戦術となりえたのである。
「審査の迅速化」とは、労働者による弾劾の場から、不当労働行為を行った資本家を一刻も早く解放するということでしかない。
同研究会のメンバーは、座長の諏訪康雄法政大学教授を始め、その大半が中労委や都労委の現役の公益委員だ。彼らが公益委員として審査にあたっている事件では、労働者の意志を無視した勝手な「争点」が設定され、争点に関係ない「背景事情」の認定は不必要だとして、きわめて乱暴に立証を制限する事例が増えている。研究会報告は、法改悪を待たず、労働委員会の実務においてすでに実行に移されている。
同報告は、労働委員会命令が司法によって否定される例が多発していることを嘆きつつ、その原因は労働委員会の側に「争点・証拠の整理や事実認定が的確に実行されていない」などの問題があるからだとする。そこから出される結論は、司法に先んじて労働委員会が反動命令を乱発するということでしかない。
JR採用差別事件に対する東京地裁の98年5・28反動判決は、労働委員会制度を変質させる決定的な転機になった。裁判に持ち込めば救済命令は覆るという「常識」がはびこり、JRを先頭に命令を守らない資本の違法行為が横行している。現在の労働委員会制度の最大の問題は、まさにこのことにある。だが報告はそこには一切言及しない。
JRによる命令不履行と司法の反動判決は、それに屈した国労本部の裏切りによって、4党合意以来の国労解体攻撃という重大な事態を生み、国労5・27臨大闘争弾圧に行き着いた。
弾圧された国労組合員は、4党合意撤回労働委員会闘争の申立人だ。彼らは、労働委員会制度を徹底的に駆使することで、4党合意の首謀者である自民党・甘利明を追いつめた。今回の労組法改悪案は、こうした闘いをも意識しつつ策定された形跡がある。
だがそれは、救済の対象ではなく闘いの主体たるべき労働者の自覚を、より強く促すものになるだろう。
労組否定の労働審判制
労組法改悪は「司法制度改革」と一体をなしている。昨年6月、政府の司法制度改革審議会は、「労働関係訴訟の審理期間の半減」を叫び立てた。司法における審理の拙速化と判決の反動化は激しく進んでいる。厚労省は、これに遅れまいとして、労働委員会制度を抜本改悪しようとしているのだ。
内閣の司法制度改革推進本部・労働検討会も8月、「労働審判制」導入への「中間取りまとめ」を公表した。これは、裁判官と労資代表が個別労資紛争を調停するというものだ。
こうした形で、団交によって労働条件を決定するという労資関係の基本は破壊されようとしている。連合は、調停を基本とする「審判制」か、訴訟を基本とする「参審制」かをめぐって資本と「論争」しながらも、裁判官を加えた個別紛争処理制度を創設すること自体は積極的に推進している。それは、労働者の死活的な利害にかかわる問題を司法にゆだね、労働組合としての役割を投げ捨てて、団結の崩壊を自ら促進するものにほかならない。
資本は今、激しい資本攻勢が引き起こす紛争の多発におびえながら、労働者の闘いを抑え込もうと躍起になっている。労働審判制の導入や労働委員会の個別紛争処理機関への改組などは、資本に対する労働者の怒りと闘いを個別のままに分断し、団結の形成を阻もうとするものだ。
他方で、団結を形成して闘う労働者に対しては、労組法の抜本改悪によって不当労働行為を横行させ、あからさまな治安弾圧さえ強行して、その団結を解体しようとしているのだ。
この両者は、一体をなして階級的団結を労働者から奪い去ろうとする攻撃だ。
だが、資本の搾取と抑圧に対して、労働者は団結して闘わなければ生きていくことはできない。だからこそ、団結権破壊の攻撃は労働者のより根底的な反撃を呼び起こす。11・9労働者集会に結集し、労組法改悪阻止の決戦に立とう。
〔長沢典久〕
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週刊『前進』(2125号3面3)(200/11/10)
東北大裁判 ビデオが無実示す 「事件」の映像一つもなし
10月21日、仙台地裁で全金本山労組・中野七郎書記次長への東北大寮闘争をめぐる「傷害事件」ねつ造の第4回公判が開かれた。検察側証人として、ねつ造の張本人=西森教授を3月28日に診察した東北大大学病院の五味医師の証人尋問が行われた。
五味医師は当時、東北大学付属病院の遺伝子呼吸器科に勤務しており、当日は救急センターの当直医として、夜7時過ぎに「頭痛」を訴えて来た西森教授を診察したというのである。
検察側主尋問では、「頭部外傷とは何のことですか」という検事の質問に、五味医師は「擦過傷のことです」と答え、(加療1週間とは)「清潔にするということですか」という問いに「はい」と答えた。
反対尋問では、まず検事がまったく触れなかった「コブ」=皮下出血について質問、五味医師は皮下出血はなかったことを認めた。第3回公判で西森教授は、「医者から『コブがありますね』と言われました」とくり返し証言した。それがウソであることが明らかとなった。さらに「擦過傷」について質問し、五味医師は「表面をすったような」「細かい傷」であると証言した。ここでも西森教授の言う「後頭部を強く打った」傷ではないことが明らかとなった。
五味医師の証言に続いて、大学側が撮影したビデオの証拠調べが行われた。弁護団は前回に続いて、撮影者の証人調べを行わない証拠採用への異議を述べ、「とりわけ撮影者とされる教官が映っているビデオは明らかに撮影者に誤りがあり、それを看過して証拠採用することは認められない」と強く抗議した。本間裁判長は渋々このビデオテープのみを留保した。
その後4本のビデオテープすべてを上映した。ビデオには西森教授の「事件」など一つも映っておらず、逆に中野さんが大学側の高田弁護士に引き倒されるシーンがしっかりと映されていた。傍聴席からどよめきが起き、裁判官も食い入るように見つめていた。
この公判で検事側立証が終了した。11月20日(木)の第5回公判から弁護側立証が開始される。いよいよ大学当局と西村教授のねつ造を徹底的に暴露していく闘いが開始される。中野氏の完全無罪をかちとろう。
このデッチあげ弾圧の一方で、吉本高志東北大学学長をはじめ玉井医学部長など医学部の教授たちが「医者の派遣の見返り」として一人数百万円の現金を不正に受領していたことが明らかになった。吉本学長は当時の医学部付属病院長だ。明らかな受託収賄である。
収賄に「傷害事件」ねつ造、まさに腐敗と警察支配こそ国立大学の独立行政法人化の本性だ。侵略戦争にもの言わぬ大学はこのようにつくられていくのだ。全学の怒りで吉本学長体制を打倒し、有朋寮廃寮を阻止しよう。
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週刊『前進』(2125号3面4)(200/11/10)
全金本山闘争の完全勝利へ 年末物販を広めよう
全金本山闘争は、2人の解雇撤回と、ロックアウトされている労組員29人の原職就労をかちとる決定的な局面を迎えている。全金本山闘争勝利へ、とりわけ年末物資販売・カンパ闘争への総決起を訴える。
10月10日、仙台高裁で「就労義務不存在・賃金請求事件」控訴審第1回公判が開かれた。会社側は新たな証拠を提出することができず、11月20日に和解についての協議を行うことが決定された。
就労義務不存在・賃金請求事件とは、全金本山支部(当時)の全組合員を職場から排除するための本山資本の違法なロックアウト攻撃が破綻(はたん)し、その継続としてかけてきた別棟就労攻撃を、組合つぶしの不当労働行為だとして争ってきた裁判である。今年3月31日の仙台地裁判決で、別棟就労は「紛争を未然に回避する暫定的な措置として……不当労働行為とはいえない」としながらも、「使用者は、労働者との雇用関係を存続させている以上、暫定的でも就労場所・職務内容と支払う賃金額を定め、これを労働者に提供する義務がある」として会社側の責任を一部認め、総額約1億9千万円の未払い賃金の支払いを命じた。
仙台地裁は1974年の別棟就労を認めた反動的な仮処分決定以降、「雇用関係はあるが使用関係はない」という暴論をもって社会保険まで奪うなどの反動判決を連発し、全金本山闘争つぶしの先頭に立ってきた張本人だ。しかし、全金本山労組の不屈の闘いが、就労を拒否しているのは会社側であることを事実をもって明らかにし、「雇用関係はあるが使用関係はない」という暴論をついに破綻させたのだ。
この事態に驚がくしたのが本山資本だ。本山資本は8月27日の団交で、「地裁の判決に従い金を支払えば本山製作所は倒産してしまうので控訴することを選択した」と打撃感を吐露しつつも、「就労させる場所がない」とあくまで就労拒否を続けようとしている。
争議責任から逃げまわる本山製作所、メインバンクのみずほ銀行への闘いを今こそ強め、争議解決の決断を迫っていくときだ。本山資本が自らの争議責任を認めて全面的に謝罪し、青柳充氏、熊谷春男氏の解雇の撤回と、32人の組合員全員を原職に戻すこと、これ以外に「和解」も解決もない。攻勢をかけていくためには闘争資金が不可欠だ。年末物販・カンパに一切がかかっている。すべての仲間が全金本山闘争にかけつけ、年末物販・カンパ闘争に取り組もう。
さらに、この物販・カンパ闘争を成功させ、中野七郎書記次長への「傷害事件」ねつ造を打ち砕き、完全無罪をかちとろう。
全金本山闘争は、「ひとりの首切りも許さない」という労働組合の原則を貫く闘いとして全国の労働組合が支え、ともに闘いぬいてきた。裁判闘争へも「公正判決を求める」労組署名が自治労県本など840労組から寄せられ、一部勝訴に大きな役割を果たした。
これに恐怖した警察権力がかけてきたのが、中野書記次長への「傷害事件」ねつ造による不当逮捕・起訴攻撃だ。この大弾圧に、全金本山闘争と全国の仲間、東北大学生運動は総力で反撃に打って出た。中野氏の完全黙秘の闘いは敵権力を完全に圧倒し、獄外での反撃で、80日間という長期勾留を打ち破って保釈・奪還をかちとった。
全金本山闘争と東北大学生運動はこの弾圧への怒りをバネに闘いを広げ、中野氏への弾圧粉砕、全金本山闘争勝利、有朋寮廃寮阻止へと前進している。10月8日には、仙台市で中野洋動労千葉顧問を招いて「とめよう!戦争 はねかえせ!首切り 10・8集会」が開催され、90人が結集した。全金本山労組・長谷武志委員長らの呼びかけに、地域の労組が組織動員で結集し、地域での団結・連帯・共闘を強め、戦争・大失業と闘う労働運動をつくり出していくことを確認した。
中野氏の完全無罪をかちとるために、仙台地裁を闘う労働者の怒りで包囲しよう。「中野氏の無罪を求める」個人署名、団体署名が呼びかけられている。全国の仲間は物資販売・カンパとともに、職場、労組で署名運動に取り組もう。
販売品 (円)
1 めいとこねこバスカレンダー 1,500
2 千と千尋の神隠しカレンダー 1,500
3 とっとこハム太郎カレンダー 1,100
4 札幌ラーメン 1,000
5 稲庭うどん 2,800
6 飛騨高山ラーメン 1,000
7 讃岐うどん 1,000
8 博多ラーメン 1,000
9 信州五割そば 1,300
10 りんごジュース 1,100
11 梅干し 1,500
12 ヨーロピアンコーヒー 670
13 即席みそ汁 1,200
14 釜出し一番石けん 1,100
15 黒糖ドーナツ棒 1,500
16 とうもろこしホワイトチョコ 1,000
17 盛岡じゃじゃ麺 1,000
18 博多もつ鍋 1,000
19 豚の角煮 1,000
20 Q・B・Bチーズ 870
21 ヨーグルトレーズン 1,000
22 玉ねぎスープ 1,300
23 マカダミアナッツ 950
24 炊き込みご飯の素 700
25 スモークドチキン 1,300
26 丹波産大黒豆 1,000
27 しん農大黒飯 1,000
28 チーズかつお 900
29 キムチたまごスープ 1,100
30 梅にんにく 1,300
31 焼きのり 400
32 野菜たまごスープ 1,100
33 牛たんの干し肉 1,000
34 ほたて貝柱 850
35 だったんそば茶 900
申込先 全金本山労働組合 FAX 022(233)5971 TEL 022(274)0843
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週刊『前進』(2125号4面1)(200/11/10)
小泉=奥田=連合中央打倒へ11・9に闘う新潮流運動の大登場を!
「連合評価委」最終報告を批判する 労組の階級性を一掃し奥田路線の実行を要求
10月連合大会での全面受け入れ許すな
大沢 康
いよいよ総選挙が始まり、小泉自民党か菅・小沢らの民主党かの大宣伝の下で、戦争と改憲、構造改革―資本攻勢を誰が進めるのかをめぐる翼賛選挙の様相を呈している。小泉は奥田・日本経団連との直接的な結託を強めているが、民主党もまた奥田路線を推進することでは一致しているのだ。連合は、この民主党を支持し、労働者を翼賛選挙に巻き込もうとしている。連合は、10月2、3日に第8回大会を開き、9月12日に「連合評価委員会」が提出した最終報告を全面的に受け入れた。それは、「奥田ビジョン」をそのまま労働組合の方針にするに等しい反労働者的な代物である。最終報告の中身を全面的に批判しながら、
本来の労働組合の団結と闘いを取り戻すために、11・9集会に総結集することを訴える。
「奥田ビジョン」を推進 「組合が変わる」掲げ階級的な視点を放棄
「連合評価委員会」は、01年の第7回大会の方針に基づいて中央執行委員会のもとに設置したものだ。連合評価委は、今年6月に中間報告をまとめ、ごく一部「修正」した上で9月に最終報告を提出した。
それは、°連合の活動を第三者の目から見て評価してもらい、連合の活動の改善に資する″という名目で出されたレポートである。しかし実体は、中坊公平(元日弁連会長)を座長に、寺島実郎(日本総合研究所理事長、三井物産戦略研究所長)といった帝国主義ブルジョアジーの°左手″とも言うべきメンバーが、連合を日本経団連・奥田路線に引き入れ、その積極的担い手へと変質させるためにつくった手引き書である。連合は、この連合向けに味付けされた奥田路線を全面的に受け入れた。
連合第8回大会のスローガンは「組合が変わる、社会を変える――安心・公正な社会を求めて」だ。運動方針では、連合評価委の提言を「真摯(しんし)に受け止め……取り組むべき課題には直ちに着手」するとし、すでに「実行プラン」なるものを作成している。
連合は、「組合が変わる」と称して、日本経団連の奥田ビジョンで提起された資本攻勢の方向に全面的に沿って、それを労働運動の立場から積極的に推進する方針を打ち出したのだ。それは、リストラ・大失業攻撃への全面的屈服であり、新たな「産業報国会」の道である。
実際、連合評価委報告のの文言の一つひとつは、日本経団連が今年1月に発表した「奥田ビジョン」(=『活力と魅力溢(あふ)れる日本をめざして』)と驚くほどに完全に対応しているのだ。連合に対して「変革」を要求したのは、まずは奥田であり、それを受けて連合評価委報告が書かれたと言っていい。報告のどこを見ても、現実に奥田・日本経団連が打ち出している資本攻勢に対する批判は一言もないのだ。
〔別掲の表は、日本経団連会長の奥田碩が奥田ビジョンの中身を「親しみやすいかたち」にして10月に出版した著書『人間を幸福にする経済/豊かさの革命』と、連合評価委報告の文言を対照してみたものだ。参照してほしい〕
以下、連合評価委報告に沿って批判していく。
報告はまず、今日の連合の現状を嘆いてみせている。「アメリカンスタンダード型の経済至上主義」や「競争主義・市場主義」の嵐(あらし)の中で、リストラ・失業・自殺など「悲惨な事態が着実に進行している」などと言ってみせる。そしてさらに、「にも関わらず、働く者は世の中を変えてゆこうという意識が弱く、怒ろうともしない」などと言ってみせる。
しかし、これらの文言の内容は、°だから階級的視点から断固闘え″というものとは百八十度違うものだ。このような文言を吐いた直後に、「人々はものの豊かさを得る代わりに、心の豊かさ、倫理観、志を失っている」と言って平然としている。リストラ・失業・自殺という「悲惨な事態」が「ものの豊かさ」を労働者が享受しているということなのか!
その上で報告は、「このままでは労働運動が足元から崩壊してしまいかねない切迫した事態に直面している」とか「労使協調路線のなかにどっぷりと浸(つ)かっている」などと言って、「労働組合が思い切った変身を遂げる必要がある」などと言うのだ。
だがその方向性は、労使協調路線からの転換ではない。逆に、階級的視点を完全に捨て去り、もっと積極的に資本に協力しろというものだ。
これが運動の理念か 「働く喜びを持て」と魂の売り渡しを要求
報告は次に、「改革に向けての視点と方向性」と題して、以下のような提言を行っている。
第一に、「労働運動の理念・思想の再構築」などと言う。それはなんと「労働することの価値を見直し」、「働くことそれ自体が自分の喜びにつながり、生き甲斐をもたらす」ことをもっと自覚すべきだということだ。
資本主義制度の賃労働と資本の関係の中で、賃労働者は、本質的に賃金奴隷としての現実を強制されている。この支配・被支配の関係を転覆することを百パーセント否定したところで、「働くこと自体の喜び」を強調することは、°資本の搾取と収奪、階級支配に喜んで協力して、積極的に働こう″という「働こう」運動以外の何ものでもない。°リストラされないのを幸せとして全力で喜んで働け″ということに等しい。それが嫌ならリストラだということだ。
第二に、労働者は「本来は弱い者」という自覚を持てと言う。「弱い立場にあるものが、連帯、協力してこそ不条理に立ち向かえる」などと言ってみせる。
しかし、これは賃労働と資本の関係における労働者階級の現実をとらえて言っているものではない。労働者階級はここで言うような「弱い者」ではない。労働者は、労働力以外に売るものがない。しかし、逆に賃労働なしに資本はまったく成り立たない。であるがゆえに労働者は、この資本と賃労働の関係自体を揺るがし転覆し、新しい社会をつくり出す階級として存在している。労働者階級はこうした自己解放闘争の一環として、労働組合を組織して闘い、さらに自らの政党を組織して政治闘争・階級闘争を闘いぬく存在なのだ。
この報告は、逆に、労働者は永遠に資本のくびきにつながれ、どこまでも弱い者であり続けろと言っているに等しい。だから、この項のまとめでは、「労働組合員が働く者全体の中では『恵まれている層』であるという自覚のもと……自分より弱い立場にある人々とともに闘うこと」などとのたまっているのだ。「弱い者」と言った舌の根も乾かぬうちにこんなことを平然と言う。だから、こうした文言は、労働組合員が労働組合の力で断固闘うことによって、他の働く人びとの必死の闘いと連帯する道を切り開くという視点とは、百八十度違う内容でしかないのだ。
さらに、「労働者の自立と自律、そして連帯へ」として、次のような提起をしている。
「労働者は、単に指示・命令を受けて働くのではなく、誇りと責任感を持って働くことが必要である」、そうしてこそ、「経営者に対等にものが言えるようになる」と。
これは、この報告全体の中心的イデオロギーである。現実には、資本はリストラ・不安定雇用・長時間労働・殺人的強密度労働を強制しており、また、経営権、労働監督・管理権も資本の手にあるのだから、労働者はそれに従順に従えと絶叫している。それを知りながら、こんなことを平然と言っているのだ。
労働者は団結し、職場闘争をとおして職場支配権を資本・管理者から奪い取ることによって、初めて°誇り″を持って働くことができる。そういう団結と闘いによって生み出される°誇り″ではなく、まず個々の労働者の「意識改革」をせよと迫っているのだ。
これこそ、奥田ビジョン路線そのものなのだ。労働者は労働力を売るだけでなく魂も売り渡せという主張である。報告は、これこそ「21世紀の労働運動」の持つべき、°高い志″であると言っているのだ。
これは、産業報国会の思想そのものである。労働者が自覚に燃えて積極的に、強制された労働を自らの自立的・自律的労働として徹底的に喜んで遂行せよ!ということだ。
非正規雇用増大を容認 「企業別組合主義からの脱却」は大ペテンだ
こうした「改革の視点」に基づき、報告は「改革の課題・目標」という提起に入る。
第一に、「企業別組合主義から脱却し、すべての働く者が結集できる新組織戦略を」持てと言う。帝国主義ブルジョア階級の°左手″の連中が「企業別組合主義からの脱却」だと しかし、よく読んでみると、その内容は本来の産業別労働組合を形成しようということではない。「企業別組合の限界を認識したうえで、それを補完する機能を強化することが必要である」と言うのだ。
彼らの言いたいことの核心は次の点にある。
「望むと望まざるとに関わらず、これまで以上に就業形態が多様化することが予想される。これまでのように正社員のみを主要な組織化対象とすることは不可能である。幻想となりつつある既得権にしがみつこうとしても、組織を縮小させるばかり」であると。
これは、まずリストラや「就業形態の多様化」という名の不安定雇用化をまるで自然現象であるかのように承認せよと言っている。そして、かちとってきた「既得権」を捨て去れと言っているのだ。「既得権」を守ろうとして闘えば、労働組合はじり貧となるから闘うなと言っているのだ。
その上で、企業別組合は温存しつつ、急増する非正規雇用の労働者層を企業別組合のもとに引き入れておくために、NPO的な「地域や職種などによるニーズの差を認め、それぞれのニーズに応じた活動を支援する」と言って、エンプロイヤビリティ(雇用され得る能力)の向上や就職斡旋などに精を出せなどと言っているのだ。資本のやりたい放題のリストラ・首切りは前提化し、非正規雇用労働者の怒りが爆発し階級的に結集するのを阻止するため、組合は企業(資本)の手先となって積極的に立ち回れということなのだ。
ここで言うNPO(非営利組織)とは、奥田らも、福祉などの公共部門を自治体などに代わって担わせるために積極的に活用しようと主張しているものだ。
「新しい賃金論」の正体 年功賃金と生活給を解体し賃下げを推進
第二に、さらにレポートは「働く側の視点からの『新しい賃金論』」なるものを提示する。ここでは実は、「公正な賃金論」を主張することに眼目がある。
まず初めに「パートの均等待遇の実現」というようなことを言ってみせる。しかし、これはごまかしである。非正規雇用を大量に生み出し、低賃金でいつでも首を切れるように労働市場を流動化させると言った95年日経連「新時代の『日本的経営』」以来の、現実の日帝の資本攻勢に全面的に屈服しているのだ。それを前提にしながら「パートの均等待遇」は正社員にも、企業にも、国家財政にも°得″になるなどとのたまっているのだ。だったらなぜリストラするのか! なぜパートに切り替えるのか。この主張はまったくのペテンであり、パート労働者の闘いとの真剣な階級的連帯に敵対する闘争破壊のイデオロギーだ。
次に、「新しい賃金論」として、「働きに見合った賃金」=「同一価値労働・同一賃金」を主張している。しかし、これはなんら新しいものではない。古典的な、労働力価値説を否定する労働価値説にほかならない。つまり、労働そのものに価値があるとして、様々な労働について価値付けを行い、それにふさわしい賃金を出すというものだ。
分かりやすく言えば、この報告自身が次のように告白している。
「年功型賃金から職務型・職種型賃金への移行を働くものの視点に立って実現させる」と! 要するに、これが本音なのだ。年功型・生活給型の賃金(論)を徹底的に排除していく――これがこの主張の正体なのだ。
重要なことは、この報告では、この「公正な賃金」体系なるものを、組合自身が「仕事の価値付けを行う」ことによってつくりあげようと言っていることだ。
電機連合などがすでにこのような「職種別賃金」を提起している。それは賃金差別を容認し、圧倒的多数の労働者の賃下げを狙うものである。
この「労働の価値」論は根底から間違っている。それは資本家の搾取を最大にするためのイデオロギーだ。労働力でなく労働それ自体を、労働時間を抜きにして価値付けることなど不可能なのだ。また、労働者階級(労働者)の生活全体を離れて、「労働している間だけが労働者」などということは公正でもなんでもない。これは、ギリギリまで賃金を引き下げるための「賃金論」である。本来、労働力の再生産に必要な全生活のための費用を、労働者はすべてかちとらなければならないのだ。
ここで確認すべきことは、終身雇用制と年功序列賃金体系を成果主義賃金体系、または職務型・職種型賃金体系なるものに転換しようとする攻撃との攻防は、これからも激しく続くということだ。03春闘で本格化したベアゼロ―定昇圧縮・解体の攻撃との攻防は、この秋の公務員賃金闘争から04春闘の最重要課題になるのだ。
この「新しい賃金論」のところで、報告はさらに、「積極的雇用・労働市場政策で労働の価値そのものを高める」ことを提起している。「積極的」とは何か。リストラ・首切り・転職・非正規雇用の拡大という現実を積極的に受け入れろと言っているのだ。リストラされても、「いつでもやり直しのきく教育制度によって職業能力を開発」しようというのだ。
電機連合が「電機産業職業アカデミー構想」を提唱しているが、これは労働組合が「教育」の名のもとに、労働者をふるいにかけ、リストラを推進するということにほかならない。
新大東亜共栄圏進める「連帯」論
「改革の課題・目標」の最後に、「新しい協力と連帯の中心に連合が立つ」と言っている。内容は二つある。まず、国内では「組合員一人一人がNPOに参画すること」を主張している。資本主義・帝国主義の矛盾が引き起こす諸問題を労働者階級は自ら全面的に被るが、さらに他の社会的諸問題の解決のための社会奉仕活動に全力を挙げよと! 労働者階級が自己自身のために積極的に決起することがなどもってのほかというわけだ。
今ひとつは、「国境を越えて連帯してゆく」と言って、「アジア諸国の労働者の労働条件を向上させてゆくこと」を押し出している。しかし、これは、アジアの労働者の対資本の闘いの発展に連帯する立場や、日帝のもとで資本と全面的に闘う立場とは無縁のものだ。ここで言っている連帯は、実際には、°アジア諸国の労働者の賃金水準を考えたら日本の労働者はぜいたくだ″°アジア並みの賃金に引き下げる″といった奥田の思想と一体である。「東アジア自由経済圏構想」=新たな「大東亜共栄圏」路線を裏から連合が支えていくための「国際連帯」にほかならない。
「日本の労働組合は……とりわけアジアでリーダーシップをとれるような存在になるために努力すること」「アジアにおいても地域共通の社会政策を策定すること」などだ。
以上のように、連合評価委員会報告は実に反労働者的なものである。
この内容は、「自治労21世紀宣言」などにも貫かれているもので、その核心は、資本と賃労働の対立といった階級闘争の考え方、その闘いを全面的に一掃することである。
これに対して、11・9集会が掲げる六つのスローガンこそ、本来の労働運動の理念を打ち立てるものである。これらを全面的に支持し、小泉=奥田=連合指導部を打倒する新たな階級的労働運動の旗を、国際連帯のもとに高々と掲げ、11・9集会の大成功をかちとろう。
奥田と連合評価委の主張は同じだ
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奥田『人間を幸福にする経済』
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連合評価委員会最終報告
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労組の変質を要求 |
▼すべての従業員が生きがいを持って働き、充足感を味わえる企業を実現するためには、労働組合も変革を迫られるでしょう。今日、組合員の組合活動への参画意識が低下しており、労働組合運動は、内部から自壊する危機に瀕しています。労働組合は、経営側の幅広い提案を吟味し、多様化する職場の意見を集約し、労使の話し合いをマネージメントするという機能を強化すべきです。 |
▼このままでは労働運動の社会的存在意義はますます希薄化
労働運動や労働組合の置かれている状況は極めて深刻である。このままでは労働運動が足元から崩壊してしまいかねない切迫した事態に直面している。
働く国民の利害を代表する組織に名実ともになり、国民が連帯できる組織となるために、労働組合が思い切った変身を遂げる必要がある。 |
働くことの生きがい |
▼働くことで生活の糧を得ながら社会貢献活動などを通じて生きがいを追求したい人……。働きがい、生きがいといった個人の価値観をベースに、精神的な豊かさを追求したいという考え方は、すでに一般的なものになりつつあります。
労働組合にも、すでにそうした認識が現れ始めています。 |
▼労働することの価値を、自らが見直してゆくことが重要であろう。……働くことそれ自体が自分の喜びにつながり、生き甲斐をもたらす。それと同時に、自分が働くことが、他人のためにも役に立ち、さらには人間の社会全体に貢献するという普遍的な意味を持っていることを自覚する必要がある。 |
多様な労働形態の組織 |
▼企業の正社員としての道は、今後、選択肢の一つに過ぎなくなるでしょう。……個人の多様な生き方を認め、労働市場の現状を的確に認識しながら、幅広い労働形態を受け入れる懐の深い組織となることを、労働組合には期待したいと考えます。 |
▼これまでのように正社員のみを主要な組織化対象とすることは不可能である。幻想となりつつある既得権にしがみつこうとしても、組織を縮小させるばかりであり、自分の首を自分で締めるようなものだということを自覚するべきである。多様性を包摂できない組織は滅ぶ運命にある。 |
既得権放棄 |
▼労働組合に対しては、既得権益を擁護する活動の是正を求めます。 |
▼労働組合は、均等待遇の実現のためには、これまでの「既得権」を一部放棄する覚悟を持たなければならない。 |
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週刊『前進』(2125号4面2)(200/11/10)
コミューン12月号 教基法改悪阻止を
3月20日に教育基本法改悪の中教審答申が出され、法案が来年通常国会に提出される切迫情勢にある。
第1章は、教育基本法の成立と今日までの動向で、@中教審答申までの動きA教育基本法の成立とその特徴B臨教審から90年代の教育攻撃C教育基本法改悪攻撃下の教育攻防D日教組本部の屈服路線打倒を、の5点である。A項は、教基法の特徴を提起している。前文と第1条(教育の目的)の規定によって、戦前の天皇制イデオロギーを核心とする帝国主義的国家主義、民族主義、愛国主義の要素が、憲法9条に対応する高度なレベルで抑制されていること、第10条(教育行政)の規定は、国家権力の教育への介入をこれも憲法9条のレベルで禁じていることをあげている。
第2章は、中教審最終答申批判で、@「たくましい日本人の育成」論、A「教育の目的」を全面的に変更、B10条の全面改悪、Cその他の各条改悪案批判である。「たくましい日本人の育成」論とは、労働者階級人民を「日本民族」として一くくりにし、プロレタリア的階級性を圧殺し、帝国主義的民族主義に屈服させ、侵略戦争に動員するものだ。前文や第1条が日帝に課した憲法9条的な高度のレベルでの抑制を打ち破るものだ。第10条については、教育振興基本計画を教基法の内部に規定することが第10条の全面破棄であることを明確にしている。
資料として、中教審最終答申の全文を掲載した。
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週刊『前進』(2125号5面1)(200/11/10)
小泉=奥田=連合中央打倒へ11・9へ闘う新潮流運動の大登場を!
新3ヵ年計画への怒り職場から組織し対決を 11・9集会へ 電通労働者の決意
民営化反対の国際連帯行動
11月9日が総選挙の投票日になることで、11月労働者集会の位置がより鮮明かつ重要となった。
第2次小泉内閣の政権公約は、今までのタブーをすべて取り払って帝国主義者の野望を露骨に表現した画歴史的な攻撃である。第2次小泉内閣は戦争突入内閣であるが、矛盾を抱えた脆弱(ぜいじゃく)な内閣でもある。小泉はイラク人民を虐殺し、イラクを支配するために、自衛官の命と血税5500億円をブッシュに約束したが、われわれの闘い次第では小泉内閣の命取りになる。有事法制、労基法改悪に百パーセント賛成した民主党は、自民党と同じく打倒対象だ。「自民党か、民主党か」という反動の渦巻く中で、われわれは「11月労働者集会」という労働者の未来を示す武器を手にしているのだ。
動労千葉の訪米によって、民営化反対、弾圧反対、社会保障解体反対の闘いとして世界的規模で新潮流運動、国際連帯行動が始まっていることがわかった。全世界で2千万人が決起したイラク反戦闘争の根底には、こうした国際的な労働者階級の闘いがあるのだ。これはわれわれに勇気と希望を与えた。「闘う労働運動のネットワーク運動」は、ついに世界の新潮流運動の一環へと飛躍しようとしている。
11月労働者集会は初めて日米韓の闘う労働組合が一堂に会して、「北朝鮮侵略戦争をとめよう! 第3次世界戦争をとめよう!」と全世界の労働者に訴える感動的な集会だ。「闘う労働運動の全国ネットワークの中にこそ電通労働者の未来がある。すべての労働者は11・9日比谷へ」と全力で訴えよう。
組合名称変更は何だったか
10月の連合大会は去年の5・16反動(有事法案賛成声明)と同じくこの反動攻勢を積極的に推進する意志の表れだ。笹森会長、草野事務局長とともにNTT労組委員長の小野寺が副会長に就任した。この小野寺こそは、「新3カ年計画」の実質的な推進者なのだ。この間NTT労働者にかけられてきた10万人合理化=「50歳でいったん退職、3割カットで再雇用」という攻撃は今日、郵政、JR、自治体を始めとする全労働者にかけられてきている攻撃の突破口ともいうべき攻撃だった。
1999年、NTT分割・再編で始まった「中期事業計画」(5万人強制配転→下田から静岡など通勤不可能な拠点統合と2万5千人削減攻撃)、それに続く2002年「新3カ年計画」で合計13万人のNTT労働者が削減された。また基本給3割カットのほかに年度末手当廃止、都市手当、住宅手当など諸手当の廃止または減額、成果主義賃金導入で一時金の5万〜10万円のカットがたった3年間で行われたのである。
この攻撃に先立つ1998年12月、全電通からNTT労組へ労働組合の「名称と綱領」の変更が行われた。これは「名称変更」の名のもとに「今までの組合を亡きものにし、まったく断絶した組合にしてしまう」攻撃であり、「労働組合」そのものの解体攻撃である。「綱領が変わっても今までどおりに闘えばいい」というものではない。徹底的に追及しよう。
3年間の立て続けの攻撃の中であきらめが蔓延(まんえん)した職場の中から、「もう我慢がならない」という声が出始めている。「新3カ年計画」攻撃への怒りは始まったとたんに小泉・奥田、連合・NTT労組本部と全面対決する闘いとなっていく。
小泉内閣は10月3日、閣議で「自衛隊法施行令」を改悪し、8日から施行した。これで自衛隊の防衛出動命令が出たときの労働者の動員の細則を決めた。
これは北朝鮮侵略戦争の遂行のための「施行令」である。自衛隊、在日米軍、米本土から増派される50万人の米兵らの移動、駐屯、訓練、食料調達、負傷兵の治療、南北朝鮮への兵站(へいたん)基地の設置などに労働者を動員する具体的な方針がついに決められたのだ。このような重大な問題を国会にもかけずに閣議決定だけで進める小泉内閣は、労働者人民の力でたたきつぶさなければならない。
通信労働者は「戦争と大失業攻撃」の最先頭に立たされている。断固として闘う中にしか未来はない。
NTT労働者は自衛隊や50万米軍が展開する駐屯地、膨大な数の戦闘機の格納庫、軍事物資集積場、野戦病院に臨時回線を引き、保守・修繕する任務に動員される。NTT労働者は絶対にこれを拒否する。
もともと通信と軍事は一体のものである。鉄道や航空と違って目に見えない形で、表向きの通信政策の裏で通信の軍事利用が進められてきた。全国光ファイバー網は北海道から沖縄まで在日米軍基地と自衛隊の基地を貫いて1985年に完成した。光ファイバーの利用度は3%くらいだと言われる。採算を度外視して電電公社の黒字を財源として設置したのだ。敷設し終わった85年に電電公社は民営化した。民営化後、85年から95年までの10年間で10万人が削減された。
95年「マルチメディアと国際戦略」の財源確保のために出されたのが「新3カ年計画」である。「マルチメディア」とは国民総背番号制のためのものだ。
千代田丸闘争は眼前の課題
戦争と大失業攻撃は、このように一体不可分のものとしてNTT労働者に激しくかけられてきた。だからこそNTT労組本部は、総評−連合の中で最も資本の協力者となってきたのだ。
第2次世界大戦に動員された通信労働者の姿は、今崎暁巳著『千代田丸事件』に次のように記されている。「第2次世界大戦中の海底通信線の労働者の死亡率は海軍の死亡率を上回り……5隻の海底ケーブル敷設船のうち4隻はすべて撃沈され」たと。
1955年、李ラインを超えた米軍の海底ケーブル故障修理を拒否した全電通労組「千代田丸」分会の乗組員は「日米安保条約があろうと命までは売っていない」と闘いぬいた。通信労働者は、戦争協力を拒否して闘いぬいた伝統をもっているのだ。
今まさに眼前にあるのは「米帝ブッシュの反テロ戦争によるイラク、北朝鮮、中国の体制転覆と帝国主義間戦争」であり、「世界規模での内乱の始まり、国際階級闘争の新たな段階への突入」である。
55年体制の解体攻撃が労働者が決起していく条件を急速に生み出している。NTT労働者も例外ではない。「新3カ年計画」攻撃のどん底の中で「労働者と資本は非和解である」「闘わなければ生きられない」労働者本来の生き方をつかんで決起しつつある。
今必要なのはただ一つ。われわれがちゅうちょ、逡巡(しゅんじゅん)をうち破って大胆に大胆に職場の仲間に呼びかけることだ。11月労働者集会への結集を職場の労働者に全力で訴え、彼らを組織し、勝利の展望と喜びを自らの手で握りしめよう。
(沢木成実)
女性労働者への攻撃の集中許さず闘う団結を 11・9集会へ 女性労働者の決意
「階級的労働運動の再生がこの日から始まったといえる歴史的集会に。労働者が団結を固めて闘えば、必ず道は開ける」(動労千葉の田中委員長)。11・9労働者集会を労働者階級の怒りの場としよう。闘う新潮流の総結集の場としよう。すべての闘う女性・女性労働者は11・9労働者集会の先頭に立とう。
女性の闘いで派兵阻止する
日帝・小泉政権は、自衛隊の派兵と4年間で5500億円の「復興支援費」(戦費だ!)を決定した。日帝は米英軍とともにイラク占領支配を行い、イラクの石油利権の分け前にあずかろうとしている。「人道復興支援」とは参戦のことだ。絶対に許すわけにはいかない。さらに小泉政権は04年有事法完成、05年改憲を宣言し、北朝鮮侵略戦争策動を強めている。
11・9労働者集会5千人結集こそ、この侵略戦争を止める闘いである。戦争と大失業、差別は一体だ。闘う女性・女性労働者は、イラクへの自衛隊派兵阻止! 戦争・改憲の小泉内閣打倒を掲げ、“闘う労働者の投票所は日比谷野音だ!”と訴え、女性・女性労働者を11・9集会に結集しよう。
不安定雇用と低賃金の拡大
小泉首相は政権公約で、民営化と大リストラ、労働基本権解体を柱にした「構造改革」をあらためて強調し、奥田ビジョン路線を本格的に進めることを表明した。倒産・解雇・低賃金・不安定雇用の攻撃がますます強まるということだ。
「構造改革」のもとで女性労働者の現状はどうか。7月の女性の完全失業率は4・9%、完全失業者132万人。高止まりの失業率の中で、非正規雇用女性労働者が急速に増えている。今年4〜6月平均を見ると、非正規労働者は全労働者の3分の1(30・1%)で、女性労働者の場合は49・5%と実に2人に1人は不安定雇用である。有期雇用、時給、昇給・退職金なしの95年日経連報告でいう「雇用柔軟型グループ」の女性労働者があらゆる職場、職種で見られるということだ。労働者派遣法など労働法制の改悪が低賃金・無権利・不安定雇用の女性労働者を激増させている。
02年育児・介護休業法が改定され、休業取得を理由にした配置転換や昇進・昇給など不利益取り扱いが禁止された。だが実際の職場では、産前産後休業明け31日目に解雇を通告される事態が横行している。法律を知り尽くしたぎりぎりの日付である。
深夜労働を導入しているトヨタの生産工場では、セル生産方式のもとで、セルの中心(セル・リーダー)だけが本工の女性で、あとは請負業だという。実質は、派遣労働者、外国人労働者が多い。若い女性労働者がリーダーということで活力ある職場などともてはやしているが、「奥田ビジョン」で言う、リストラ後の「従業員減少を女性や高齢者、外国人によって補う」というものだ。こうした例は日本電気、ソニー、キャノンなどの製造現場にどんどん導入されてきている。
自治体職場では、「地方分権」、財政難を理由にした「効率化」などで、臨時職員・非常勤職員や委託・派遣労働者など不安定雇用労働者が急速に増えてきている。その数は35万人とも40万人とも言われる。これらの非正規職員の圧倒的多数は女性である。また、群馬県太田市では、01年度から「行政サポーター」として、162人の主婦や退職者サラリーマンが地域最低賃金644円より低い、時給580円で、市立図書館や福祉・文化施設で働いている(5・13付朝日新聞)。また、T国立病院の入り口には、「ボランティア」と称する中高年の女性が案内係として働いている。こうした「有償ボランティア」という新たな低賃金・無権利の、高齢の女性労働者が存在してきている。
深夜勤務、裁量労働制、変改労働制の対象の拡大、サービス残業の広がりで女性の労働現場、環境が急速に悪化している。さらに配偶者控除の廃止、介護保険、医療制度の改悪など、「構造改革」「機会均等」「男女共同参画」の裏側で女性労働者の生活と生存が激しく破壊されているのだ。
男女共同参画で戦争に動員
第1次小泉政権は最多の5人の女性大臣を閣僚にすえて「女性の参画」の「模範」を示して有事立法を制定した。そして自衛隊派兵・イラク軍事占領=日本の本格的参戦に突き進んでいる。大沢真理を始め男女共同参画会議のメンバー(女性)たちは、「働く女性にやさしい社会づくり―仕事と子育ての両立支援」は「女性に対する保護ではなく、本当は競走促進政策」と言い切っている。
この「男女共同参画」を政府と一体となって進めているのが連合である。「労働組合の中で男女共同参画を実現する運動を進めよう」(連合大阪男女共生局長・林誠子)と。その推進の担い手である自治労中央は、労働者の権利・生活を守るために闘うという労働組合の根本原則を放棄した新綱領「21世紀宣言」の中で、「参加と自己決定による自立した市民社会、生活と労働の調和する男女平等参画社会を実現」と明記し、男女共同参画推進の人物を書記長にすえた。
「男女共同参画」=「21世紀宣言」=奥田ビジョンの図式である。これは新たな産業報国会の道である。
連合大会では司会や議長席に女性が座った。しかし、女性の代議員は少なかった。自治労大会では女性の代議員は減少した。戦争と大失業、女性に対する差別・分断が激化する中で女性労働者の声を押しつぶしたのだ。連合―自治労は小泉=奥田路線を推進することを表明したのだ。
また、日本共産党は「実効ある『基本法』を」と「男女共同参画」に賛成し、条例づくり=「社会のルールづくり」に奔走している。女性・女性労働者が団結し、帝国主義と対決し自らの力で闘い取ることを放棄した「ルールづくり」は、これまで闘い取ってきた権利を捨てることなのだ。
「男女共同参画」の最大の攻撃は女性・女性労働者の階級的意識の解体と団結破壊である。「男女共同参画」の本質を徹底的に暴きだし、闘う労働運動の実践の中で戦争、大失業、差別・分断を打ち破ろう。
今ほど、連合路線を打ち破る、階級的労働運動の再生―闘う労組女性部運動が求められている時はない。世界の労働者はブッシュの世界戦争政策と、資本攻勢―民営化攻撃と対決し、連帯して立ち上がっている。
国労5・27臨大闘争弾圧粉砕! 被告8人を取り戻そう! 1047名闘争の発展をかちとろう。有事立法を「完成させない、発動させない、協力しない」闘いに決起しよう。11・9日比谷野音に結集し、闘う女性・女性労働者の新潮流運動をつくりだそう。
(大川幸枝)
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週刊『前進』(2125号5面2)(200/11/10)
日教組への右翼テロ弾劾
10月26日夜、東京都千代田区の日教組本部前に爆発物のようなものが仕掛けられ、また国立市の多摩島嶼(とうしょ)地区教職員組合に銃弾が撃ち込まれた。その後、報道機関に「建国義勇軍国賊征伐隊」を名乗る者が犯行声明の電話を入れた。わが革共同は、この右翼テロを怒りを込めて徹底弾劾する。そして、すべての労働者人民の皆さんに、右翼テロ粉砕、日米帝のイラク―北朝鮮侵略戦争阻止、教育基本法改悪・改憲攻撃粉砕、階級的労働運動の防衛と勝利のために総決起することを訴える。
この右翼分子どもは、昨年11月以来「建国義勇軍国賊征伐隊」「朝鮮征伐隊」などと名のって、在日本朝鮮人総連合会や社民党本部、外務省幹部宅などへの襲撃を繰り返している。6月27日には、広島県教職員組合本部を銃撃した。
20件に及ぶ一連のテロは日帝・小泉のイラク侵略派兵、北朝鮮侵略戦争の策動と一体である。また、戦争のために「愛国心」を押しつける教基法改悪策動と一体である。反戦勢力を暴力で一掃し、朝鮮人民に対する排外主義をあおり、日本の労働者人民を再び侵略戦争の道に引き込もうとしているのである。
日帝・小泉の戦争動員攻撃、連合の産業報国会化にもかかわらず、闘う労働者の階級的力は解体されていない。逆に、強まる戦争と大失業攻撃の中で、怒りと闘いはいよいよ爆発しようとしている。右翼分子が広島県教組に続き多摩教組を攻撃したのは、両教組が日教組中央の屈服にもかかわらず、「日の丸・君が代」反対闘争を闘い、教基法改悪阻止を闘い、「教え子を再び戦場に送るな」という日教組運動の旗を守って闘っているからである。右翼は、闘う労組に攻撃を集中し、屈服を迫っているのだ。絶対に許すことはできない。
また、右翼テロを「爆弾を仕掛けられて当たり前」(9・10)とそそのかすファシスト都知事・石原を許すな。石原は、教基法改悪攻撃を先取りし、都の教育労働者に激しい攻撃をかけている。10月23日、都教委は、都立校の卒・入学式で「日の丸を壇上正面に掲げよ。違反者は懲戒処分とする」という通達を出した。このようなファシスト石原や日帝・小泉こそ、右翼テロの真の元凶、元締めなのだ。
右翼テロの実行者が恐れているものは、労働者の団結であり、反戦闘争の爆発である。11・9全国労働者集会の大爆発をもって労働者階級の戦闘的団結と国際連帯をうち固め、右翼テロに対する断固たる階級的反撃の闘いを進めよう。
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週刊『前進』(2125号5面3)(200/11/10)
欧米
45ヵ国で巨万の反戦デモ 9・27
イギリス ブレア打倒へ左派前進
米軍撤退を要求
9月27日、米英軍などのイラク占領に反対し、新たなインティファーダ3周年を迎えたパレスチナの人民と連帯して、全世界45カ国で数十万人が反戦デモに決起した。ロンドンでの10万人の集会・デモを始めとして、バルセロナ2万5000人、マドリード1万人、イスタンブール1万人、ベイルート5000人、ソウル2000人のほか、アテネ、パリ、ベルリン、コペンハーゲンなどでも多くの人びとが街頭に進出した。
28日には、サンフランシスコ、ロサンゼルスで5000人、ニューヨークとシアトル、ボルティモアで2500人などが、イラクからの米軍撤退を要求してデモを行った。
この反戦デモは、イラク占領開始後最大の闘いとして実現され、イラク反戦、パレスチナ連帯の全世界的な闘いの新たな発展を告げ知らせるのろしとなった。
ロンドン大デモ
10万人デモが行われたイギリスでは、「戦争阻止連合」「核廃絶キャンペーン」「イギリス・ムスリム協会」の呼びかけのもと、イラク反戦闘争を積極的に闘う労組団体を中心に、反戦団体、反核団体、ムスリムやキリスト教団体、黒人やラテン系コミュニティーの人びとなどがデモに参加し、英軍の即時撤退と、ウソとペテンを用いて英軍を戦場に送った首相ブレアの退陣を強く訴えた。
ハイドパークを出発したデモの解散地であるトラファルガー広場では、労組部隊の主軸を担ったイギリスの動労にあたるASLEF(機関士・火夫組合)のミック・リックス委員長と、イギリスの国労にあたるRMT(鉄道・海運・輸送労組)のボブ・クロウ書記長が発言した。
組織動員の指令を出して参加したリックス委員長は、「真のテロリストはアメリカとイギリスの政府だ。両政府はこの非合法の戦争と世界中のあらゆる不正を支持してきた。パレスチナからイスラエルを追い出すための国際的な連合勢力が形成されなければならない。……今日、ここにある旗やプラカードを見て、私は初めて自分が多数派の一員になったことを感じている。ブレアは辞職すべきだ」と発言した。
クロウ書記長は、「労働党が外交政策と労働者人民に敵対する政策に関してその路線を劇的に転換しない限り、われわれは他の政党を支持することになるであろう」と発言した。
戦闘的労働運動
両労組以外にも、このデモにはイラク戦争反対を表明しているTGWU(運輸・一般労組 90万人)、FBU(消防士組合)、CWU(通信労組 30万人)、NUJ(ジャーナリスト組合 2万5000人)、GPMU(グラフィック・出版・メディア労組 20万人)、全国高等教育教員組合(NATFHE)・大学講師組合などの労組の労働者が多く参加した。
これらの労組は、いずれも昨年から今年にかけて消防ストや郵便ストなどを打ち抜き、9月のナショナルセンター・TUC(労働組合会議)の定期大会で、反ブレアの左派を形成し、ブレアのニューレイバー派を完全に圧倒して、反ブレア、反戦、反民営化の巨大な流れを作り出してきた労組だ。
9・27反戦デモの成功は、これらの労働運動の新潮流を形成する労組が核となり、牽引(けんいん)車となって、国内外の被抑圧民族との連帯、国内のあらゆる反戦、反核、反差別・抑圧の闘いを担う人びとを結集したことによってかちとられた。
この闘いの成功をもってイギリスのイラク反戦運動は再度の高揚局面に入った。労働運動の新潮流の台頭と戦闘的労働運動の再生が、イラク反戦・パレスチナ連帯の闘いの新たな高揚局面と完全に一体のものとなり、イギリス帝国主義・ブレア政権を根底から揺るがす本格的闘いが開始されたのだ。
(丹沢 望)
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週刊『前進』(2125号6面1)(200/11/10)
国際反戦行動 自衛隊イラク派兵とめよう 米ANSWERの呼びかけ
全国各地で再度の反戦の波
10月25日、米国の反戦団体ANSWERの呼びかけで、世界同時集会が米国、カナダ、フランス、日本、韓国など各国で行われた。バグダッド陥落直後の4月中旬の反戦デモ以来の規模だ。日本でも東京・渋谷のワールドアクション=記事1面=を始め、全国各地で反戦デモ・集会が行われた。11・9労働者集会を大成功させ、12月自衛隊イラク派兵を阻止しよう。(編集局)
大阪 米領事館に抗議 ワシントンからの報告
大阪・中之島公園で10月25日、「帰れ米軍! 行かすな自衛隊! 10・25 WORLD ACTION
大阪」が、集会実行委員会(百万人署名運動・関西連絡会の呼びかけ)主催で行われ300人が集まりました。
集会はA&U(Act&Unite to stop the war)の学生の司会で進められました。「戦争止めよう! リストラ反対! 実行委員会」の女性が「米国では税金約700億jが軍需産業に流れ、そのためにイラクの人びとが殺されている。日本も同じ。ものすごく腹が立つ。みなさん、拳を振り上げて『ノーウォー』」と開会のあいさつ。
宣教師グループの米国人が「戦争はまったく間違っている。たとえ遠く離れた国のことでも、黙っているなら、いつか自分の自由も奪われる」と発言。フリートークに移りました。
まず在日朝鮮人の青年が「何万人ものイラク人民が死にました。どこが正義の戦争といえるのか。どうしてイラクの人はこんな悲痛な体験を押しつけられないといけないのか」と訴えました。イラク「人間の盾」の神崎雅明さんの講演会を企画した高校生は「戦争は過去のことと思っていましたが、米国が戦争すると知りデモに参加しました。事実を知らせることが大事。これからも若い人に戦争を考えるきっかけをつくっていきたい」と語りました。
守口市議の三浦たけおさんは「10月20日に7人の地方議員が米領事館に要請行動をし、市民に反戦の意志を伝えました。これからも反戦を呼びかける地方議員へご協力お願いします」と訴えました。兵庫県連絡会の梶原義行さんは、「伊丹基地行動では自衛隊員やその家族が署名にどんどん応じてくれた。次は11月末に計画しています」と呼びかけ、ワシントンの反戦行動へ行った自治体労働者からの電話での現地報告に会場は盛り上がりました。
A&Uの大阪市大の学生は「イラクの人びとは植民地化と闘っている。そこに自衛隊が行くことに正義はない」と話しました。西宮のイラク写真展実行委の女性は「拉致キャンペーンの中、戦争の悲惨さを訴えるだけではだめと思い、写真展に朝鮮侵略のコーナーを設けました。朝鮮の人びとに再び銃を向けてはならない」と訴えました。
米領事館を一周し梅田・ナビオ前までのピースウォークに出発。太鼓を先頭に、思い思いの横断幕、プラカード、ゼッケンを掲げ練り歩きました。沿道からビラを受け取りに来る人がたくさんあり、イラク侵略戦争と自衛隊派兵に対する怒りと関心が高まっていることを実感しました。
(大阪・労働者K)
広島 小泉レッドカード手にデモ 米集会にメッセージ
広島では25日、ヒロシマワールドアクション実行委員会の主催で「自衛隊のイラク派兵をとめよう! イラク軍事占領にレッドカード!」集会とデモが行われ230人が参加した。
呼びかけ人の北西允さんが「国民の過半数はイラク戦争反対。小泉政権にレッドカードを送り、反対運動を強化しよう」とあいさつ。広島在住の沖縄出身者の三線演奏、高校生のバンド演奏などに続き、参加団体の発言が行われた。
広島大学の学生を中心とした「自衛隊派兵を絶対止めよう実行委員会」は、大きな紙芝居で自衛官に出兵拒否を呼びかけた。被爆者の河合護郎さんは「若者の息吹を感じ参加した。戦争を再び繰り返そうとする小泉政権に私もレッドカードだ」と述べた。今年2、6月にイラクを訪問したセイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表の大江厚子さんは「イラクでは劣化ウラン弾でたくさんの人たちが殺されている」と訴えた。
栗原貞子さんの詩、米ANSWER、韓国からのメッセージが紹介され、ヒロシマからのメッセージが米ワシントン集会で読み上げられると報告された。
元参議院議員の栗原君子さんは「58年前の原点に帰って、団結して闘いましょう」と訴え、全造船三菱広機分会の労働者は「組合の団結した力で工場閉鎖攻撃と対決し、広島に戻って闘う」と決意を述べた。
全員が小泉首相あてのメッセージを書いたレッドカードを持って練り歩いた。「ブッシュ・小泉にレッドカード」というコールが鳴り響いた。レッドカードが配られ、多くの若者がカードを手に合流した。
平和公園の「原爆の子の像」前では、広島県日中友好協会青年委員会事務局長の由木栄司さんが「この戦争を若い人たちの力で止めよう」と訴えた。
中四国各地で集会とデモ
岡山では、労働組合や百万人署名運動など60団体からなる統一実行委員会「有事法制・海外派兵反対連絡会」主催の集会とデモが80人で行われた。
主催者の百万人署名運動共同代表の野田隆三郎さん(岡大名誉教授)が「イラク復興支援のペテンを見抜き、米軍の占領をやめさせ自衛隊派兵に反対しよう」と呼びかけ、約2`の市内デモを行った(写真)。
松山(愛媛県)でも百万人署名運動が呼びかけたリレートークと市内デモに多くの労組活動家、市民、滞日外国人など多彩な顔触れが参加。イラク侵略戦争へ突進する小泉政権を批判し、国際連帯と自衛隊イラク派兵阻止を呼びかけ、市内デモを行った。
また山陰地方でも、米子市(鳥取県)で百万人署名運動と労組などで構成された実行委員会による市内デモが行われた。
福岡 韓国の闘いと連帯 自衛官に出兵拒否訴え
福岡の世界統一行動は10月26日、「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」の主催で、150人を集めて大成功しました。
主催者を代表して「カトリック福岡地区正義と平和協議会」の青柳行信さんが「昨秋以来15回目となる本日の闘いは、全世界統一行動。米国のイラク侵略戦争を許さず、自衛隊のイラク派兵を許さないために、全世界の民衆と連帯して闘っていこう」とあいさつ。
伊都キリスト教会の木村公一牧師が講演。10月、二度目の「人間の盾」としてイラク現地を訪問してきた木村さんは、現地の子どもたちとの交流や医療現場の状況、また自爆攻撃の現場に直面した経験などを語りながら「自衛隊を出そうとする日本の政策は誤り」と訴えました。
「草の音」による「こんなに恐い 教基法改悪」と題した寸劇に続いて「沖韓民衆連帯」の都裕史(トユサ)さんによる講演が行われました。都さんは、南朝鮮の民衆が、反米軍基地闘争やイラク反戦闘争に立っている歴史的意義を指摘し、「問題は帝国主義による侵略戦争。米国のイラク侵略戦争を直ちにやめさせ、米日による韓半島への侵略戦争を許さないために、韓日民衆は連帯して世界の人びととともに闘おう」と熱烈に訴え、聞く者の魂を揺さぶりました。
当初、講師には「梅香里米空軍国際爆撃場閉鎖のための汎国民対策委員会」「米軍戦車による女子中学生殺人事件汎国民対策委員会」の共同代表である金鍾一(キムジョンイル)さんが予定されていました。しかし韓国の盧武鉉大統領がイラク派兵方針を決め、「イラク派兵反対非常国民行動」の実務責任者の金さんは韓国を離れることができなくなった。この日の闘いが韓国人民の闘いと連帯していることを確認し、朝鮮侵略戦争を絶対に許さないと誓い合いました。
アメリカ領事館に向けてデモ。自衛隊員に出兵拒否を呼びかけながら、領事館に向けて進みました。領事館前で九大自治会や「戦争と改憲に反対する実行委員会」が「派兵阻止。小泉打倒」と訴えて拍手で確認されました。米領事館に抗議の申し入れ書を提出しました。(福岡S)
仙台 “歴史くり返すな” 若者先頭にウォーク
仙台で10月26日、百万人署名運動・宮城県連絡会の呼びかけで「自衛隊は行くな! 殺すな! 殺されるな! 10・26 STOP THE WAR! PEACE ACTION」が行われ90人が集まりました。
宮城連絡会の事務局が「イラクで復興の名のもとに行われていることは、石油利権の奪い合いだ。日本も自衛隊を派兵させて強盗戦争に加わろうとしている。全世界の反戦の運動と連帯して自衛隊派兵を止めよう」と提起しました。
各層からのアピールが行われ、中学生や青年労働者が「今日のために街でビラをまいたりして呼びかけてきた。もっと反対の声を広げて派兵を止めたい」と元気なアピール。東北大生が「イラクでは今も侵略戦争が続いている。何よりもイラクの人びとは自衛隊は来るなと訴えている。絶対にとめよう」と訴えました。
戦争経験者は「二度とあの戦争の歴史を繰り返してはならない。今こそ行動に立つときだ」と訴えました。思い思いの訴えで派兵反対の決意をいっそう固めました。
最後に「街にいる自衛官に出兵拒否を訴えよう」という鮮明な呼びかけで、若者を先頭にピースウォークに出発しました。「イラク派兵をとめよう」という訴えと、にぎやかな楽器の音に大きな注目が集まりました。外国人のグループもデモに加わり、沿道では、ビラは吸い込まれるように渡りました。
この春のイラク反戦を超える大きな派兵阻止の波が来ています。だから、数千人、数万人の行動は絶対にできます。ピースウォークは最後に「次回は11月30日、1人が10人を連れてこよう」と確認しました。
(東北大・T)
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週刊『前進』(2125号6面2)(200/11/10)
「イラク駐留米軍撤退を」アメリカ各地10数万人デモ
米反戦団体ANSWERの呼びかけで10月25日、イラク駐留米軍の撤退を求める反戦デモがワシントンとサンフランシスコで行われた。ワシントン集会は、ANSWERとUFPJ(United for Peace and Justice)との共催で全米145都市から約10万人が集まり、「イラク駐留米軍を引き戻せ」などと訴えた【写真右=米議会に向かうペンシルバニア通り】。サンフランシスコには約2万人が集まった【写真左=ジョーンズ通り】
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週刊『前進』(2125号6面3)(200/11/10)
労働者の闘いを抑圧する 日本共産党の新綱領案(7)
帝国主義の番兵化 小泉=奥田路線に寄りそう
新綱領案は、日本共産党が「帝国主義の最後の番兵」であることを示している。新綱領案は、@日本共産党が最後的に労働者階級の立場を投げ捨てたことを宣言し、A深刻な危機に陥った日帝を救済するために、自らの影響下にある労働者階級・人民大衆の闘いを圧殺することをブルジョアジーに約束し、B人民の闘いの圧殺と引き換えに日本共産党の延命とブルジョア連立政権参加の道を開くことを狙いとしている。
闘いは一切不要
新綱領案は、実質的内容においてブルジョア政党の「マニフェスト」のような体制内改良プログラムの形式になっている。労働者階級の立場を完全に投げ捨てたことの現れだ。
現綱領は「行動綱領」の項で「党は……たたかう」という書き方をしているが、この部分は新綱領案では「日本社会が必要とする民主的改革は……である」という書き方になった。
新綱領案は、「民主連合政府」が「資本主義の枠内での民主的改革」を進め、「異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配を打破し」、「日本独占資本主義」を「ルールある経済社会」にすることを目標に掲げている。民主連合政府が「民主的改革」の主体なのだ。労働者階級人民が帝国主義を打倒し、新しい社会を建設する主体であることは完全に否定されている。
この「民主連合政府」はブルジョア政党と共産党との連立政府であり、本質的にブルジョア政府である。日本共産党は、新綱領案で日帝ブルジョアジーにすり寄り、危機に瀕(ひん)する日本帝国主義の救済のための挙国一致のブルジョア連立政府に入らせてくれと申し出ているのである。
そのために日本共産党は、労働者人民の帝国主義・資本主義に対する闘いを抑え込もうとしている。その証拠に、不破議長は新綱領案提案報告で、「民主連合政府の民主的改革プログラムを実現すること以外に『革命的なこと』は一切不要である」と明言した。新綱領案には、労働者階級人民の政治闘争、経済闘争、要求闘争の項目がない。「革命」はおろか一切の「闘い」が不要なのであり、圧殺の対象なのだ。
東アジア共同体
帝国主義は今日、世界経済の大恐慌過程への突入の中、ブロック化・分裂化、市場再分割戦、帝国主義間争闘戦を激化させ、侵略戦争―世界戦争への道をひた走っている。米英は「新帝国主義」として帝国主義の本性をむきだしにしてイラク侵略戦争に突入した。それをめぐって米英と独仏の帝国主義間の対立・亀裂も決定的に深まった。
ところがとんでもないことに日本共産党は、新綱領案で「帝国主義はなくなった」「アメリカも日本も帝国主義ではない」と規定し、不破は「日本のアジアへの経済進出は侵略ではない」と強弁している。そして「民主連合政府」が「日米安保条約を廃棄」して「日本の対米従属を打破し」、「大企業を民主的に規制」すれば、「西欧資本主義諸国のように」「ルールある経済社会」が実現できるかのように言う。
新綱領案は、°日本帝国主義は、安保廃棄でアメリカ帝国主義の対日支配を打破し、対米対抗的にアジア勢力圏をつくり、その防衛のために自衛隊を海外に派兵し、侵略戦争を展開すべきだ。西欧帝国主義諸国のように「ルール」を適用して容赦なく資本攻勢をかけ、民営化、リストラ・合理化、首切り、賃下げ、増税、社会保障解体を断行すべきだ″と日帝の延命路線を提言しているのである。
日本共産党は、帝国主義とりわけ日帝を免罪・擁護し、その安泰・繁栄を願う立場に転落したのだ。そして小泉=奥田(日本経団連会長)が「東アジア自由経済圏」を掲げて「新大東亜共栄圏」に向かって突き進んでいるまさにその時、これを公然と支持し、真っ向から「東アジアの共同体構想」を積極的に押し出している。小泉=奥田路線の手先そのものだ。
゛ルールに従え゛
新綱領案のもとでは、労働者人民は、「ルール」にのっとった資本攻勢であれば、そのすべてに従わなくてはならない。現に日本共産党は、資本の解雇権を明記した労基法の野党修正案に賛成し、成立した改悪労基法というルールに従うことを要求している。
また国連安保理決議などの「ルール」にのっとった武力行使であれば侵略戦争も植民地支配も人民虐殺も許される。日本共産党は、国連安保理決議に基づいたものと言って91年のイラク中東侵略戦争を容認した。
労働者が団結して生活と権利を守る闘いに立ち上がること、反戦や要求を掲げてストライキやデモンストレーションなどの行動を起こすことは、「国際社会」の秩序や「日本独占資本主義」の存立を脅かしかねないことであるため、許されないのだ。
日本共産党は、労働者人民の闘いを統制し、圧殺する役割を果たすことを使命としている。日本共産党の手でできない時は、国家権力による労働者人民の闘いへの弾圧を引き出す。
昨年の5・27国労臨大闘争弾圧への日本共産党=革同、国労東京地本中執の鈴木勉の積極的加担がそれである。自分たちの延命のためには、仲間の労働者を国家権力に売り渡す――これが日本共産党の本性だ。
戦闘的学生運動、戦闘的労働運動の破壊を繰り返してきた日本共産党は、今日、国鉄労働運動の場においても告訴・告発路線を実践し、国家権力による弾圧の手先となった。
帝国主義・資本主義の危機救済のためには、真に闘う勢力を売り渡し、運動を破壊する――日本共産党は帝国主義の最後の番兵だ。新綱領案はすでに実践に移されている。新綱領案もろとも日本共産党を打倒せよ。 (藤沢明彦)
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週刊『前進』(2125号6面4)(200/11/10)
10月22日〜28日
自衛隊が「弔慰金」引き上げ 日帝は4年間で50億ドル拠出
●北部方面隊に準備指示 イラクへの自衛隊派兵を計画している防衛庁の陸上幕僚監部が陸上自衛隊北部方面隊(札幌市)に準備に入るよう指示していたことが分かった。北部方面隊は近く、要員を選考し、予防接種や語学教育を実施する。防衛庁は準備内容を一切公表しない方針のため、各部隊では派兵準備が秘密裏に開始される。(22日)
●教員人事権を区長に移譲 横浜市は、市教育委員会が一括して行っている市立学校の学校運営や人事の権限を、市内18区役所の区長に移譲する方針を固めた。06年までの実現を目指す。政令市では全国初。(22日)
●「勝っているのか、負けているのか」 ラムズフェルド米国防長官が「テロリストとの戦い」について「勝っているのか、負けているのか、目安がない。戦後復興も長く困難」と悲観的なメモを国防総省幹部に送っていたと米紙USAトゥデーが報じた。(22日)
●都が「日の丸・君が代」強制方針 東京都教育委員会が卒入学式で「日の丸」を壇上正面に掲げるなど細かい実施方針を指示し、従わなければ処分すると区市町村教育委員会に通達した。(23日)
●イラク復興支援会議 イラク復興支援会議がスペインのマドリードで開催された。川口外相が07年までの4年間に、無償、円借款の双方で総額50億j(約5500億円)の支援をすると正式発表した。仏ロなどは新たな資金拠出を見送った。議長団は、表明された拠出総額は07年までの4年間で「少なくとも330億j」と発表した。世銀などが見積もった07年までの復興費550億jを下回る。05年以降の低利融資が多くを占め、イラクの対外債務がさらに膨れることに。(24日)
●「自衛隊派遣はできれば年内」 小泉首相は、イラクへの自衛隊派兵の時期について、「ある地域で必要だということになれば、早く派遣した方がいい。年内でできるなら年内でやった方がいい」と述べ、年内派兵を目指す方針を表明した。(24日)
●韓国に米機動部隊構想 在韓米軍の戦力見直しを進めている米国防総省内で、機動部隊である海兵隊遠征部隊(MEU)を韓国に常設する構想が浮上した。米政府は、在韓米軍を韓国防衛だけでなく日本、台湾など北東アジア全体の有事に対応できる「地域軍」に発展させることで韓国政府と一致。MEUは揚陸艦などで海軍とともに行動する水陸両用の機動展開部隊。10日以内で地球上どこにでも派兵が可能。(24日)
●自衛隊弔慰金引き上げ 防衛庁は、イラク復興支援特措法に基づき派兵される自衛隊員の処遇について、任務中に死亡または重度障害になった場合に支給される弔慰、見舞金の最高限度額を、現行の6千万円から9千万円に引き上げる方針を決めた。衆院選後の基本計画策定を待って、同庁の「賞恤(しょうじゅつ)金に関する訓令」を改定する。派兵に伴う特別手当も1日あたり1万円引き上げ、3万円とする方向。(25日)
●日教組に銃撃テロ 日本教職員組合(日教組)が入った東京都千代田区の日本教育会館の玄関前で、時計や乾電池を組み合わせた爆弾様の物が見つかった。また国立市のアパートにある多摩島嶼(とうしょ)地区教職員組合の事務所では銃撃で窓ガラスに穴が開いていた。「建国義勇軍国賊征伐隊」を名乗る男から報道機関に「銃撃と爆弾」を仕掛けたとの電話があった。(26日)
●総選挙スタート 第43回総選挙が公示された。小泉政権発足後、初めての総選挙。投票は11月9日で即日開票される。(28日)
●海自艦3隻インド洋へ テロ対策特措法に基づくアフガニスタンの米英軍の支援のため、海上自衛隊の護衛艦「ひえい」と「あけぼの」が呉から、補給艦「ときわ」が横須賀から出港した。(28日)
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週刊『前進』(2125号7面1)(200/11/10)
共謀罪法案の再提出阻止へ 労働者の国際連帯で反撃を
デッチあげとスパイが恒常化 人民の団結権・革命権を奪う
衆議院の解散で一度も審議されることなく廃案になった共謀罪法案が、総選挙後の臨時国会で再び提出されることが確実となっている。この希代の悪法の成立を許して労働運動と革命党弾圧の大掛かりな手段を権力に与えてしまうのか、それとも労働者人民の力でこれを阻止し階級的団結を強化し労働者階級の解放をかちとる突破口にするのか――きわめて重大な岐路に立っている。11・9労働者集会こそ勝利への出発点だ。全力で立ち上がろう。
労働組合と革命党の破壊狙う治安法
帝国主義(国家権力・資本)に反対するものを、思想段階から取り締まろうとするものが共謀罪である。労働者の根源的な権利である団結権を侵害するだけでなく、憲法で保障された思想・集会・結社・表現・通信の自由を権力に許された「自由」に抑え込もうとするもの、それが共謀罪である。帝国主義の世界的危機の中で階級戦争を労働者階級に仕掛け、侵略戦争に動員する治安立法の最先端に位置するものだ。
共謀罪は、@組対法の改悪という形で、A現在、刑法・特別刑法に規定されている557の罪(最高4年以上の懲役・禁固)について、B実行行為は必要とせずに、集会・会議・相談はもとより「意思の連結」をしただけで、C5年(または2年)以下の罪にするというもので、「治安悪化」のデマゴギーをふりまきつつ557もの罪種を新設するものである。
それだけではない。集団多数への弾圧をきわめて容易にする。さらに、デッチあげがあまりにも容易であるため、スパイ潜入法と言ってよいものである。これが恒常化するのである。@警察が好き放題に共謀罪でしょっ引くことができる。A伝聞証拠排斥の原則を緩和し、いくらでも集団多数の起訴が可能になる。B刑事免責を制度化して警察の誘導による自白が証拠として活用される。これに密室審理を可能とする裁判員制度導入を結びつけると、捜査・起訴段階から公判段階までの実質的な団体取り締まり体系が成立する。
法務省は「今の日本に立法事実はない」と言っている。だが、この共謀罪はすぐれて現在の日帝権力の危機を見すえ将来の革命情勢に対応する予防反革命の法であり、治安弾圧法と言わなければならない。国労5・27臨大闘争弾圧のように、話もせず目配せもせずその場にいただけで共謀共同正犯で起訴するという現在のむちゃくちゃな現実を考えると、実行行為が要らない共謀罪が限りなく拡大適用されることは火を見るよりも明らかである。
この法は°権力が決断すれば何でも誰でも弾圧できる。しかも一網打尽に″というものである。労働運動・市民運動・学生運動・農民運動、反戦闘争・経済闘争と革命党を根こそぎにし、国際主義的連帯を切断することができる大掛かりな結社禁止法と言ってよい。いや破防法の「公共の安全」などの目的規定を持たず、あらゆるところに適用できるとした点に破防法・治安維持法以上の恐ろしさがある。99年に制定された組対法・盗聴法、昨年制定されたテロ規定のないカンパ禁止法と併せると、人・物・金・情報のあらゆる面から労働者人民の団結権・革命権を奪うものである。また、実際、557の罪種に破防法や組対法が取り込まれているように、結社禁止法の集大成である。
99年の組対法反対闘争の時に、われわれは組対法について、労働組合の活動に適用される主要な14の罪に対する重罰化攻撃、保釈をきかせない(転向攻撃)ための刑の重罰化という判断をしていた。だが、今度の共謀罪が出てくることによって、組対法が実は国際的組織犯罪条約(共謀罪を含む)が宣言している大掛かりな治安攻撃であることがはっきりした。攻撃の重大さをしっかり見据えて、反撃の闘いを大きくつくりださなければならない。
国際的連帯の切断と団結権(@労働者の団結形態としてある労働組合と、Aそれを基礎にした労働者の団結の最高形態としてある革命党)の破壊のための治安攻撃の頂点が共謀罪なのである。
「共謀の犯罪化」は団結破壊の歴史
歴史的には労働者の団結権と結社の自由の獲得過程は相対的に別の道をたどってきたが、ここでは前者から見てみたい。共謀の「犯罪化」は労働者階級の団結を破壊することを目的にして成立してきたと言ってよい。資本主義の発生の地であり、労働運動誕生の地であるイギリスについて見てみたい。
資本主義成立の基軸であるイギリスの産業革命は1760年代から1840年代にかけて行われた。当時の労働者階級は、エンゲルスが『イギリスにおける労働者階級の状態』(1845年)で描いたように、婦人・少年も資本の強搾取の対象とされる過酷な状況におかれた。夜警国家論や個人主義・放任主義イデオロギーのもとで強搾取の自由と抑圧の放任が社会に蔓延(まんえん)したのである。それに対する労働者階級の要求と闘いへのブルジョア国家の対応として「工場法」などが制定された。市民的権利ではなく、労働者の団結と行動(ストライキ)によって初めて労働者が生きるための権利を獲得し、自己解放能力をつけてきたのである。その核心が労働組合の発生であり、労働組合をつくりその団結をもって資本と国家権力に対抗する力を養っていく闘いだったのである。それゆえに、資本と国家権力が、労働者が団結することを極度に恐れ、市民法的秩序を口実に絶えず激しい抑圧を加えた歴史でもあった。
1783年当時の裁判所は、労働者の賃上げ要求を「どれだけ対価を受けて働くかは各人の自由であるが、特定の賃金以下では働かないことを申し合わせるのは共同謀議罪である」と判決した。つまり労働者の団結は商品市場における各人相互の個人的交渉を脅かすものとして映ったのである。そして1799年、1800年と団結禁止法が制定された。この法は1824年に撤廃されたが、翌年の25年法は、24年法が認めていた労働量の減少やストライキなどの団結目的を否認し、賃金・労働時間の決定を目的とする団結に限って刑事免責を与えた。
1859年の労働者妨害法ではピケッティングへの制限を緩和し、1871年の刑法修正法では組織強制に刑罰を科し、ピケッティングをほぼ全面的に禁止。1875年共謀罪および財産保護法では「労働争議の企画・促進のため、ある行為を為し、為さしめるため、複数人が合意・団結をしても、その行為が単独人により為さしめる場合に犯罪として処罰されない限りコンスピラシー(共謀罪)として起訴しない」と定め、争議行為の刑事免責を実現した。1906年労働争議法で、労働争議に対する民事共謀の適用を否定、争議行為の民事免責が実現した。
ここに、労働争議の刑事免責・民事免責原則が確立され、資本主義国に一般化したが、それは文字どおり労働者の団結権とそれに基づく労働基本権をめぐる攻防と確立のための闘いがあって初めて実現したのである。日本では敗戦直後の労働3法の成立と憲法の成立を待たねばならなかったが、公務員の争議権禁止などの撤廃をめぐって、戦後の労働運動の重要な攻防点になってきたのは周知のとおりである。
1980年代後半、労働者の団結権への侵害が国鉄分割・民営化攻撃として国家の側から国鉄労働運動を軸にかけられた。他方で労働法制の改悪によって労働基本権の剥奪(はくだつ)攻撃がかけられてきた。そして現在、国家権力は、これまで事件化できなかった資本との攻防・組合内部の攻防を、戦闘的労働運動の破壊と団結権の剥奪のチャンスとしてとらえ、次々と刑事事件化している。それが国労5・27臨大闘争弾圧、関西生コン弾圧、港合同弾圧、解同全国連寝屋川支部弾圧などなのである。
このような刑事免責・民事免責原則を踏みにじったデッチあげ弾圧を既成事実化し、それをテコとした労働組合・労働運動への大掛かりな弾圧をとおして、国家・資本の側に労働組合・労働運動を取り込むための法の体系が、団結権破壊=共謀罪新設攻撃である。労働者階級の闘いの歴史は、労働者階級の団結の強化によってのみこれを打ち破ることができることを教えている。
今、アメリカの労働運動にかけられているタフト・ハートレー法や韓国の新法にも、団結権を敵視し解体する狙いが貫かれている。日本でも来年通常国会での労働組合法改悪がついに日程に上った。核心的には団結権の否定を狙っており、実質改憲そのものであり、共謀罪新設攻撃と一体の攻撃である。
「反テロ」を口実に組合活動を弾圧
国際的組織犯罪条約と共謀罪攻撃は、帝国主義の世界的危機の中での戦争国家化の一環である。同時に国際的なプロレタリア革命と民族解放闘争への予防反革命の頂点に位置するのが一連の国際的な「反テロ法・条約」とアメリカの「愛国者法」である。
9・11反米ゲリラに直撃されたアメリカでは、01年10月26日にパトリオットアクト=「愛国者法」を成立させた。「アルカーイダを相手に始まり、すべてのテロ集団を探し出して打ち砕くまで続く戦争に勝利」(ブッシュ01年9月20日演説)するための国内法の整備である。
無実のインド系シーク教徒住民、パキスタン系商店主、エジプト人商店主の3人が殺害され、FBIは5000人のアラブ系留学生の思想信条を洗い出し、977人を「テロ容疑者」として逮捕した。この事実が先行して成立したのが「愛国者法」で、アメリカ社会の治安弾圧強化の柱となっている。盗聴に関する法の一部が4年間の時限立法で05年末に効力が切れるために、今、「愛国者法2」が米政府で検討され、この反対運動が労働運動を中心に起こっている。
「愛国者法」は、@従来よりも簡単な手続きでできる電話・電子メールの盗聴、A秘密法廷の許可で最長1年の電子的監視ができ、B事前の裁判所の許可なしに電子メール盗聴装置「カーニボー」(キーワード参照)の設置ができ、Cテロに関与したとみなした外国人を裁判所の許可なしに7日間勾留し、裁判所が国外退去命令を下した場合に無期限、下さなかった場合でも最長6カ月拘束できる権限、D容疑者に通知することなく自宅や事務所を捜索できる権限、Eサイバーテロの犯罪化を規定している。
「国家の安全」「対テロ戦争」の名で極度の人権の侵害・制約を推進したものである。これが「対テロ」の初めての立法ではない。86年反テロリズム法、96年テロリズム法などが制定され、他方で全地球規模での情報通信の盗聴・解読システム=「エシュロン」などによる盗聴・監視が強化・拡大されてきた。
「愛国者法2」の内容は「愛国者法」に加え、「政府がテロリストと指定した団体と関係があると疑われる個々人につき、秘密裏のDNAデータベースの作成」と新たな死刑条項の規定と、「好ましくない政治・労働団体に属するか支持をするアメリカ人から市民権を剥奪する」などというものである。
こうした「愛国者法とそれを拡大する愛国者法2」に対して全米で反対の声が起こっている。特に戦闘的労働組合が鋭く反応し、反対運動の先陣を切って「人種差別反対、戦争反対」の運動と結合している。
昨年、労働協約をめぐってストライキに立ち上がりアメリカ西海岸の港湾をストップさせたサンフランシスコ労働者評議会(SFLC)の03年6月の報告書は次のように述べている。「労働組合が組合員の利益の保護や防衛のために計画的な行動をとることへの威嚇」「厳しい交渉や、ピケッティング、ボイコット、ストライキ、市民的不服従などの普通の計画的行動が、労働組合や個別の労働運動リーダーや活動家を現行法と提出中の法案によってテロリストと名指しさせる……こうしたことが2002年ILWUオークランドの港湾労働者の労協交渉で起こっている」(動労千葉ホームページ)。
ここでの「テロリズム」の規定は「非暴力ピケットライン、市民的不服従やストライキのような、労働組合による通常の形の責任遂行と計画的行動まで包摂するような広がりをもつ」。要するに、テロリズムのレッテルを張れば労働組合の活動・労働者階級の団結権を剥奪できるとするものなのである。アメリカではマフィア対策で成立したRICO法が実際には労働運動弾圧に猛威をふるっていることを米労働者階級は目の当たりにしてきた。こうした「愛国者法2」に対して廃止と立法阻止の闘いが各地で起こり、州議会を含む150の地方議会が反対決議をあげている。
「1億総治安」宣伝は支配危機の告白
戦争の時代は必ず国内の治安強化を死活的にするが、それはこれまでの支配形態ではやっていけないほどに支配階級が危機になっているからである。明らかに戦後民主主義の統治形態からの転換がある。だからこそ、外に向かっては侵略戦争、内に向かっては排外主義と治安弾圧を猛烈にしかけてくる。今度の総選挙の各マニュフェストは自民党から民主党にいたるまで戦争勢力であることを示しているが、「一億総治安」をうたって先を競いあっているのが実状であり、労働者民衆の闘いと国際連帯に恐怖しあった選挙と言ってよい。逆に言えば、排外主義と治安弾圧を完全黙秘・非転向の原則、非合法・非公然活動原則の実践と激しい大衆決起で粉砕し、労働者階級の団結を強化していけば、必ず戦争を阻止できる。治安攻撃との闘いは革命党と労働者人民にとって、革命に至る戦略的闘いである。そういう闘いを臨時国会に向けて爆発させ、必ずや共謀罪の新設を粉砕しよう。
米・韓の闘う労働組合との共同集会である11・9全国労働者総決起集会は、その決定的な突破口である。全力で結集しよう。
〔立花茂〕
カーニボー
FBI(米連邦捜査局)が開発した電子情報監視システム。「肉食獣」の意味で、捜査対象の肉や骨まで食らい尽くすという実力から命名された。インターネット・プロバイダーのネットワークにこのシステムを組み込むことで、捜査対象が送受信する電子メールなどすべての通信情報の内容、記録を自動的に傍受できる。
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週刊『前進』(2125号7面2)(200/11/10)
沖縄 ブッシュ弾劾デモ “名護新基地阻止”訴え
10月16日夕方、那覇市で平和市民連絡会が主催する「ブッシュ大統領来日反対! イラク占領をやめよ! 自衛隊派兵反対!」の集会とデモが、参加者約60人で行われました。
夕やみ迫る県庁前広場では、西尾市郎さんが集会への呼びかけを行い、集会が開始されました。
まず平和市民連絡会の代表世話人である平良夏芽さんが、3・20イラク侵略戦争の開戦に際して小泉首相がブッシュを支持したことを批判し、今回の訪日でブッシュが15億jの資金拠出と自衛隊イラク派兵への圧力をかけようとしていることを弾劾しました。そして、沖縄から「イラク侵略に加担するな、支持するな」の声を上げていこうと訴えました。
続いて3・20イラク侵略戦争開戦以降の経過報告を当山栄事務局長が行い、10・25にはアメリカのANSWER呼びかけの反戦集会が行われようとしていると紹介し、さらに名護新基地建設阻止の新しい運動をつくり出すことを呼びかけました。
次にまよなかしんやさんが歌を披露。「命(ぬち)どぅ宝」という歌声が、県庁前広場に響きわたりました。さらにダクラス・ラミスさんが、ニューヨークで発行されている反戦米軍の新しい新聞を紹介し、この新聞からイラクの米軍兵士の怒りの声をビラにして米兵に配布することが提案されました。
集会終了後、国際通りを牧志公園までデモ行進。それぞれが思い思いのプラカードを持ち、夜でも目立つようにとペンライトを手にしながらのデモ行進に沿道の注目度は高く、多くの県民がビラを手にしていました。(K・I)
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週刊『前進』(2125号7面3)(200/11/10)
福岡 派兵阻止に500人 小泉内閣打倒を宣言
10月21日、原水禁福岡地区実行委員会の主催で、「自衛隊の海外派兵反対!戦争への道を許さない! 10・21国際反戦デー福岡集会」が開かれました。私は「とめよう戦争への道! 百万人署名運動福岡県連絡会」の一員として参加しました。
集会には約500人の労働者が集まり、須崎公園の野外ステージは、ほぼ満杯に埋め尽くされました。
集会は主催者あいさつに始まり、平和フォーラム、社民党市議、民主党市議、朝鮮総連による連帯あいさつの後、市教組、解放同盟、小泉靖国神社参拝違憲九州・山口訴訟団、「草の音」の各代表が決意表明を行いました。各団体からはそれぞれの立場から小泉政権に対する怒りが表明され、最後に集会宣言において、「(アメリカ・イギリスのイラク戦争と闘う)全世界の人びとと連帯し、自衛隊の海外派兵に反対し、戦争への道を許さないために、そろって小泉内閣打倒の渦を巻き起こしていこう」ということが、全体の意志として確認されました。
団結ガンバローの後、天神に向けてデモが行われました。警察が必要以上に規制を加えてきましたが、それをはねのけて意気軒高とデモを貫徹し、この日の闘いは終了しました。
カクマルはビラまきやヤジでもって社・共批判に名を借りた闘争破壊に終始していましたが、全体からまったく相手にされませんでした。(投稿 福岡・I)
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週刊『前進』(2125号7面4)(200/11/10)
兵庫 国際反戦で集会 山本善偉さんが反戦を訴え
有事立法の発動と自衛隊のイラク派兵に反対する10・21国際反戦デー兵庫県集会が、ストップ有事法制兵庫県実行委員会の主催で、神戸の東遊園地に1500人の労働者・市民を集めて開かれた。10月21日は、60年前に東京の神宮外苑で学徒動員壮行会が行われた日だ。その反省からベトナム戦争時に総評が世界に呼びかけ、この日を国際反戦デーとした。
集会の最初に、航空連の労働者が、有事法制下で自らの職場がいかに戦争に直結し、いかに危険な業務・航行運営を強制されているかを事実を挙げて訴えた。
続いて、新空港反対東灘区住民の会代表の山本善偉さんが壇上に上がった。司会者が60年前にこの場で行われた兵庫の学徒動員壮行会で決意表明した人だと山本さんを紹介すると、会場は発言を聞き漏らすまいと静まりかえった。
山本さんは、83歳の誕生日の10月19日、自宅近くにある甲陽園地下壕(ちかごう)に初めて入ったことから話を始め、「地下壕は敗戦間際に、地下軍需工場として強制連行した朝鮮人に造らせたもので、長い間発見されずにきた。日本の為政者はこの地下壕のような都合の悪いことは隠蔽(いんぺい)し、北朝鮮脅威論をあおり、有事立法をつくり、戦争に突き進もうとしている」と語った。そして「学徒動員壮行会で国のために命を投げ出すと発言した。しかし、戦後いろいろな人と出会い、また三里塚に出合い、自己を変えてきた。沖縄の知花昌一さんと一緒にチビチリガマに入り、いかにあの戦争が間違った戦争であるかを痛感した。しかし、この国は今また戦争をする国へ進んでいる。神戸空港建設も軍事利用のためだ。イラク派兵が迫っているが、多くの人が声を上げれば戦争は止められる」と訴えた。
集会後、山本さんを先頭に元気よくデモに出発した。デモ隊の真ん中の百万人署名運動兵庫県連絡会、関西合同労組、震災被災地住民の80人の隊列が繁華街を席巻した。(投稿 関西合同労組・M)
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週刊『前進』(2125号7面5)(200/11/10)
E少子化対策の攻撃
長生きするのは悪いのか 基本法は戦争「総動員法」
女性労働者に出産・育児を強制
7月23日、少子化社会対策基本法が与党と民主党、日本共産党の賛成で成立した。7月9日には、関連法である次世代育成支援法が成立。それと同時に7月22日には、日本経団連が「子育て環境整備に向けて」を発表。この少子化対策基本法は、有事法制と一体のものとしてあり、労働者人民とりわけ女性労働者に「国家のための出産・育児」を強制し、戦争へと動員する「総動員法」である。
基本法は、02年合計特殊出生率の1・32への低下と既婚夫婦の出生数低下を「有史以来の未曽有の事態」(基本法前文)として策定された。この前文は、このままでは、労働力不足、経済成長率の低下、国としての活力の低下、社会保障基盤の低下が進み、国が崩壊するといった、日本帝国主義・資本家階級の危機感の表明そのものである。
政府もブルジョアジーも将来不安のすべてが、少子高齢化社会にあるとし、だから、社会保障改革だ、増税だと叫んでいる。だが日帝の将来不安のすべては、大恐慌と世界戦争過程への突入にある。それを少子高齢化問題にすり替え、労働者に責任を転嫁して犠牲を強要することは許されない。人が長生きするのは悪いのか。人間が主人公ではなく、国家・社会が主人になり労働者人民に襲いかかる少子化対策攻撃を許すことはできない。
「少子化」理由に社会保障を解体
小泉首相と坂口厚労相、日本経団連・奥田会長、マスコミの論議に少子化対策法の本質は示されている。
小泉・自民党は、選挙公約の第一に「年金・介護・医療、公平な社会保障制度をめざす」と「不公平」を指摘し、消費税増税と年金見直しを挙げている。小泉・自民党は年金危機があたかも世代間利害対立や少子化に原因があるかのようにすり替えているが、本当の原因は、年金基金の株式運用での失敗に示されるように、日本経済の長期大不況ではないか。低賃金の中で長年年金を積み上げてきた労働者の側から見れば、年金切り下げは完全な「国家的詐欺」である。
すでに、00年の介護保険制度導入や高齢者医療費の値上げなどが、少子高齢化を理由に強行されてきた。さらに今、少子化対策基本法の成立の勢いで連合や地方自治体をまきこみ、若い世代に結婚・出産・育児を「国民の義務」として宣伝する一方、出生率低下を今まで以上に年金改悪と消費税増税、高齢者施策軽視と社会保障解体の理由づけにしている。社民党や共産党も「出生率低下は社会の危機」論の大合唱に唱和し、攻撃に屈服している。
日本経団連・奥田は「少子高齢化」を戦後的労働慣行の解体、労組解体のテコに使っている。「景気回復には企業の活性化が至上命令」と主張しあらゆる企業負担増を拒否し、乳児から高齢者まで広く負担を強いる消費税増税に活路を求めている。基本法に基づく企業の育児休業消化、数値目標作りには真っ向から反対し、「男性職員に育休は無理。解決は労働の多様化、非正規雇用の拡大にある」とつっぱねている。
マスコミは無批判に「年金崩壊」「少子高齢化の危機」「独身貴族」などとあおりたてている。しかし、失業、リストラ、賃下げ、労働強化の中で「デートができない、結婚ができない、子どもが産めない」のが若い世代の現実である。厚労省の調査では、南関東の父親の20%が夜11時から午前3時の間に帰宅するという。この長時間労働の現実を強制している今の社会が少子化の原因なのだ。
国益のためには生き方まで管理
少子化対策基本法に先立って99年6月、男女共同参画社会基本法が全会一致で成立した。これはけっして男女平等法ではない。男女共同参画社会基本法と少子化対策基本法の二つは、国家が労働者の私的領域、男女関係・親子関係、生き方にまで踏み込み、それを「国益」に従って一変させる法である。日帝の戦争国家化、危機のりきりのために「人的資源」「国力」として男女を問わずに動員するための法である。女性労働者をこれまで以上に差別・抑圧・分断しながら動員しようというのである。
日本共産党を始めすべての政党や女性団体の多くが男女平等の幻想のもとに、賛成に回ったこの流れは、女性差別・分断・動員、労働強化、労働者家庭の崩壊を促進している。連合は、男女共同参画社会基本法、少子化対策基本法を推進し、対策を企業に提言し、計画案作成に積極参加し、労資協議を重ねている。
労働者を裏切り、産業報国会化した指導部への怒りは激しい。連合傘下の自治労大会での「21世紀宣言」否決と反対派形成など労働者は声を上げはじめた。労組の主役は労働者であり、社会を動かす主体は労働者である。職場の団結を打ち固め、闘いの力を強めよう。国家・国益のために労働者の生き方まで管理し、戦争動員、生活破壊に突き進む小泉=奥田、民主党、日共を許さず闘おう。
(山辺秋子)
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週刊『前進』(2125号8面1)(200/11/10)
共謀罪は労働組合の課題と署名とり実感 東京・労働者 河上はるみ
10月19日の国労団結祭りで、共謀罪新設反対を訴えて、仲間とともに署名集めを行いました。私は公の場でこの署名を集めるのは初めてでしたが、やってみるとほとんどの方が署名に応じてくれ、3時間弱・4人の署名隊で150の賛同署名を集めることができました。
私は闘争団などが出していたテントに入って署名をお願いして回りました。「共謀罪をご存じですか」と尋ねると、やはりほとんどの人が「知らない」という反応。最初はこの中身をどう伝えればいいか悩みましたが、臨大闘争弾圧や港合同への弾圧など、今組合運動そのものが国家権力の弾圧の対象になっている、共謀罪はこうした労働者の闘い全体への攻撃そのものなんだということをなんとか伝えたいと思い、「例えば今労働組合の活動で団交やストなどが脅迫や威力業務妨害にあたるなどと言われているが、これを今度は相談しただけで罪にするという法律で、こんなものが通れば今まで以上にむちゃくちゃな弾圧がされるようになる。今度の国会に向けて大きな陣形をつくって絶対に廃案にしたいので、ぜひ賛同を」と訴えました。
すると、こちらが思っている以上に敏感な反応が返ってきました。「こんなのが通ったら組合運動なんてできなくなる」「これまで共謀共同正犯の拡大で運動は弾圧されてきた。でもこれはもっとひどい」「労働運動やってる組合なら必ず取り組むはずだよ。うちの工場にも持ってきてよ」などなど。たくさんの激励の声も掛けてもらいました。
この日の行動で思ったのは、やはり共謀罪の問題は圧倒的に労働者の課題だということです。共謀罪の核心は、団結権の破壊です。労働組合や戦争反対の運動などすべての闘う人びとの問題であり、持ち込めば持ち込むほど広がる課題だと確信しました。
ヤマトで生きるウチナーンチュに訴える 東京・フリーター 本田ヒトシ
ウチナーンチュの若者の未来はどこにある? それを見つけに日比谷野音に行こう!
今、ウチナーンチュの若者の状況はメチャしんどいです。沖縄県の若年失業率はずっと2ケタです。ヤマトではバブル後から「就職超氷河期」だけど、ウチナーでは前からそうだった(「高度経済成長期」じたいが返還前のアメリカ世にはなかった)。
進学率・所得はともに全国ワースト1なんで、ヤマトの有名大学から大企業へというコースもまずムリ。ヤマトにきても、たいていは零細企業か派遣、バイト。そんな中で第2のモンパチや元ちとせを夢見る若者も多い。
でも「イラクへ、次は北朝鮮へ」という戦世(いくさゆ)の中で本当に僕らが生きていけるかどうかが問題になってる。今度の沖縄戦は核戦争。ウチナーが丸ごとなくなってしまう。もう米軍は劣化ウラン弾をウチナーにも演習のときに撃っている。
11・9は「戦世を変えるのは世界の労働者だ!」という集会。アメリカ・韓国・日本の闘う労働者が「いっしょに闘おう」と集まる。彼らとともにぼくらの未来を奪おうとしているブッシュと小泉を、米軍基地や有事法制もろともインターナショナルの力でぶっとばそう。昔、ウチナーの「全軍労」はベトナム戦争と首切りに反対して米軍とガンガン闘った(モンパチの“message”の中ジャケを見るべし)。そういう闘いを僕らこそがやってやろう。ヤマトにもっと「地域合同労組」があればあちこちでバラバラに生きているウチナーの青年労働者も集まれるのになあ、と思う。まずは団結しよう。ウチナーンチュのみんな、11・9は野音で会おう!
日米首脳会談弾劾の街宣に寄せられた声 福岡・労働者 城石司
10月17日、反戦共同行動・福岡の、ブッシュ来日を弾劾し日米首脳会談粉砕へ、福岡・北九州・佐世保の3カ所で行われた街頭宣伝戦に参加しました。
日米首脳会談の目的は、「イラク復興支援」と称してブッシュが小泉に自衛隊のイラク派兵と資金援助を要請し、小泉がそれを約束するということにありました。私たちは、自衛隊のイラク派兵を許さないための署名と10・25世界同時行動への決起を訴えました。
私たちの訴えに、街頭からはもう居ても立ってもいられないという感じで、さまざまな声が寄せられてきました。「税金は戦争ではなく、年金に使うべきだ!」(福岡・50代男性)、「この子のお父さんは自衛官。実際に戦争が始まっているのですごく不安です」(北九州・赤ちゃん連れの若いお母さん)、「テロ特措法延長した小泉はうそつき。イラク派兵は絶対に許せない!」(佐世保・40代女性)など、戦争と大失業を進める小泉政権に対する怒りのマグマは、もう爆発寸前のところに来ていると感じました。
「幸せ」とは遠い介護の現場が一層深刻に 介護労働者 曽野照美
前進2121号で介護保険の記事を読みました。今まで数年間介護職に従事してきましたが、現場では介護保険の矛盾を目の当たりにします。「何十年も働いてきて税金も年金も納めてきたのに、この年になってもまた介護保険を払わなくてはいけない」と元高校教師をしていた80代の女性がため息混じりに話していたのが思い出されます。
一人ひとりの人生の終わりを、幸せを感じながら過ごしていくためのお手伝いだと思って就職したのに、現場は「幸せ」などとはほど遠いものです。大根を洗うように一日20人位を次々と入浴させ、時間に追われ立ち止まって利用者と話もできず、利用者はお茶を飲みたいのにスタッフに声をかけられない…。そんなありさまが介護保険によってさらに加速されるのかと思うと怒りを禁じえません。もっと人を幸せにできる、そんな仕事がしたいです。
「元気のでる労働運動の教科書」の評に同感 動労千葉を支援する会会員 永井聡
動労千葉の中野洋前委員長の新著『俺たちは鉄路に生きる2』が大きな反響を呼ぶ中で、10月17日、出版記念パーティーが東京都内で開かれた。
動労千葉の田中康宏委員長は、開会のあいさつで、「私たち自身が自分の闘いを学び直し、新しい運動をつくる決意で勉強している」と述べた。
動労千葉顧問弁護団で、国労5・27臨大闘争弾圧弁護団長でもある佐藤昭夫さんが、「この本を読んで本当に素晴らしい闘いだと感じた。ぜひ役に立てていただきたい」とあいさつしたのを始め、さまざまな立場から労働運動にかかわってきた呼びかけ人らが、動労千葉とスクラムを組んで闘うことを表明した。動労千葉弁護団長の葉山岳夫さんが「この本は元気の出る労働運動の教科書だ」と語ったが、それは本当に私が持った読後感と同じだった。
著者の中野さんは、「この本は、動労千葉組合員の闘いの本だ。当面する11・9集会の成功に役立ててほしい。11・9は戦後初めての翼賛選挙の投票日だが、労働者の投票所は日比谷野音だ。労働者は、団結して対決する以外に生きる道はないと肝に銘じている。『俺たちは鉄路に生きる』とは労働者が誇りを持って闘っていくことを考えて命名した。11・9集会を日米韓の国際連帯の第一歩にしたい」と訴えた。
多くの来賓あいさつでは、動労千葉の職場闘争の意義や、その闘いに貫かれている社会主義の理念などへの共感が語られた。
動労千葉の現場の組合員が、「『俺たちは鉄路に生きる3』の時には、組織拡大しJRの最大の組織になることが私たちのやることだ」と訴えたのが印象に残った。
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週刊『前進』(2125号8面2)(200/11/10)
星野同志を取り戻そう 確定判決を批判する(下)
「確定的殺意」の虚構 星野同志の服装はクリーム色でもきつね色でもない
「星野くんと言ってない」
前回見たように、K供述は確定判決の大黒柱とも言うべき位置をしめているが、同時に、その最大の弱点でもある。
控訴審になって、一審では隠されていた員面調書が明らかになった。2月16日の員面調書に、決定的な内容がある。
「(中村巡査の)顔を覆っている手をうすいクリーム色の背広の人が鉄パイプでしきりに殴りつけていました。この時、このような服装の人は星野さんしかいないので、顔は見ていませんがこの殴っていた人は星野さんだったと思います」〔Kは、取り調べの時は「クリーム色」と表現している。「きつね色」は、公判証言での表現〕
Kの取り調べに当たった公安刑事・石井紘三は、控訴審第19回公判で証言した。
「彼の記憶では、着ているものがクリーム色という供述なんですが、星野くんに対しては、クリーム色というだけで、星野くんと言っていたというようなことでもなかったように私は記憶しているんですが」
これは、何だ!
Kは、「クリーム色の服の男が殴っていた」と供述しただけで、顔も見ていないし、星野同志であるとも言っていない。それを無理やり責めたてて、「星野さんだったと思います」と供述させたのである。
星野同志の服装が、「クリーム色」や「きつね色」ではないことが分かった瞬間に、K供述は崩壊し、確定判決全体が崩壊するのである。
K供述だけの特異性の意味
確定判決は、星野同志の服装について3nも費やして論じている。
@「関係証拠によれば、被告人星野の当日の服装に関する、共犯者らの供述は、Kの供述と相違し、区々(まちまち)に分かれていて、いずれをもって正確なものとすべきかは、にわかには断定し難い」
A「Kは、本件当日中野駅において、同被告人のいわゆる防衛隊を命ぜられ、以後神山派出所付近まで同被告人に近接して行動していた」
B「中村巡査殴打という特異な状況下における認識として、同被告人の服装の色に関する記憶が保持されていた」
これは許しがたいペテンである。星野同志の服装については、多数の供述がある。まず、それらを「まちまち」として、相対化してしまう。その上で、Kだけが記憶を保持していたとする。そして、星野同志の服装が「きつね色の背広」であったと結論づける。
別掲の一覧表を見てほしい。これのどこが、「まちまち」だと言うのか。K供述のみが特異で、他と違うことは明白ではないか。
星野同志が当日着ていたのは、空色のブレザーに明るいグレーのズボンである。一覧表の供述は、これと一致する。「灰色」や「ねずみ色」と表現した者も、色の傾向としては同じであり、「きつね色」とはまるで違う。
確定判決は、Kが星野同志の「防衛隊」であったと言うが、AoやArも「防衛隊」であった。その彼らが「薄水色ブレザー」や「空色のブレザー」と表現するのに、確定判決は触れようともしない。
確定判決は、中野駅から東急本店前までデモ隊を追尾した公安刑事・牟田和正の証言も「まちまち」の中に入れて、ごまかしている。これも意識的なペテンである。
火炎ビン投てき指示はウソ
確定判決が、一審判決を破棄し、無期懲役を言い渡した最大の根拠は、星野同志の「火炎びん投てき指示」にある。これが「確定的殺意」に基づくからだ、と言うのだ。
ここで、不思議なことが起きる。中村巡査殴打の場面ではあれほど頼りにしたKを、確定判決は、見向きもしないのである。
そこでまず、Kの供述から見てみよう。
「『離れろ、火炎びんを投げるぞ』という声がし、機動隊員を取り巻いている仲間の左から二〜三番目から最初の火炎びん一本が投げられ、続いて二本位がその方向から投げられ、倒れた機動隊員は火炎びんの炎に包まれたのです」
これは、殴打の場面と同じ4月26日付けの検面調書である。Kは、誰かが火炎びんを投げる時の警告の言葉を聞いたのである。この「左から」も、非常に重要である。星野同志のいた十字路は、Kから見て右側になるからである。
Iは、2月18日の員面で「火炎びんを投げるから危ないぞ」の声を聞いたとしている。これも、警告の言葉である。
「火炎びん投てき指示」などなかった。誰かが火炎びんを投げようとして、仲間のデモ隊に、「離れろ」「危ないぞ」と警告した。それも一人ではない。複数いた。これが、実際に起きたことなのだ。
確定判決は、火炎びん投てき指示については、AoとArに依拠する。Aoが、初めて星野同志の名前をあげ、「火を付けろ」の命令をしたとする供述は2月12日付けの検面調書である。2月段階の供述調書を見ると、権力は、中村巡査殴打に関する供述を引き出すのに懸命で、火炎びん投てき指示に関心を向けていないことが分かる。このため、大きな矛盾を残したままになってしまったのだ。
検察官がこれに気がついたのは、4月になってからである。それまでは証拠として使えるのはAoひとりであり、しかも、他の者はこれと違う供述をしている。検察官は、この弱点をカバーするために、他の5人より遅れて逮捕されたArにつじつま合わせの供述をさせた。Arは、4月9日に、星野同志が「離れろ、火炎びんを投げろ」と命令したとする員面調書を取られ、12日に同じ内容の検面調書を取られている。草場裁判長は、すべて分かった上で、AoとArに依拠して、「確定的殺意」を認定したのである。
Oはどうか。彼は「引き当り」から一貫して、奥深山さんが「火炎びんを投げろ」の指示をしたと供述している。「これではまずい」と気づいた検察官は、Oが執行猶予で釈放された6月になって調書を取り直し、「星野さんか奥深山さんの声」と訂正させている。確定判決は、最後の調書にのみ触れている。
11月徳島集会に参加しよう
以上のような、でたらめな「証拠」で「確定的殺意」を認定し、星野同志を無期懲役にしたのが、確定判決なのだ。この確定判決は、怒りなしに読み通すことはできない。われわれは、なんとしてもこれをうち破り、星野同志をとり戻さなければならない。
星野同志は、今、この時も、徳島刑務所で無期懲役を強制されている。彼は、獄中から「極限的弾圧」との闘いを訴えている。無期懲役は一審の死刑求刑が、形を変えて貫徹されているものと言うことができる。これを徹底的に見すえ、実際に星野同志の釈放をかちとるために闘うのだ。
そのためには、無期の獄中に身を置き、処遇改善を始めとする獄中防衛と即時釈放の要求、東京高裁を追い詰める再審闘争、そして巨大な大衆運動が必要だ。
全国で、さまざまな人が星野同志の無実を知り、彼を救援するための活動を展開している。星野同志が生まれ育った北海道、彼が自己のすべてをかけて連帯した沖縄、高崎経済大学のある群馬、彼が囚(とら)われている徳島など、全国に11の会がつくられている。その人びとに学び、ともに闘って行こう。多くの人と協力して、「救う会」「とり戻す会」を全国に広げ、その会員を拡大していこう。まだ会員になっていない人は、すぐ会員になろう。
星野再審10万人署名をやりぬこう。本紙前号で紹介された、『星野カレンダー2004』は、運動の大きな武器だ。
この11月、徳島の人たちが実行委員会をつくり、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」とともに、14日の野外ライブと15日の全国集会を呼びかけている。11・9労働者集会に続いて全国から参加して、この集会を成功させよう。
集会に集まったすべての人びとと連帯して、星野文昭同志を取り戻そう。
(川野正行)
星野同志の服装に関する供述 一覧
@Ao.2月12日.員面.
星野さんの恰好は、黒額眼鏡(つるが金属製)、薄水色ブレザー、グレーズボン、黒短靴でありました。
AAr.4月9日.員面.
星野さんの服装は、空色のブレザー、紺色のネクタイ、白っぽいズボン、黒っぽい革靴をはいていました。
BI.2月10日.検面.
星野さんは黒ぶち眼鏡、Yシャツ、ネクタイ、灰色のようなブレザー、やや同色のズボン、という身なりでした。
CNg.1月26日.検面.
星野さんは、白っぽいブレザーコート、白ワイシャツ、ネクタイ姿で、黒ブチメガネをかけ、頭を七三に分けておりました。
DT.2月11日.員面.
星野さんは、ブレザー様の白っぽい上衣、ネクタイ姿。
EY.2月16日.検面.
薄いネズミ色の作業服を着ていたように思います。
FNm.2月7日.検面.
その人は灰色っぽい背広上下、白ワイシャツにネクタイ、中肉、中背で髪は七対三に分け眼鏡をかけていました。
G牟田和正(警察官).71年11月18日.検面.
指導者は21、2歳、やせ型、小柄な男でした。
顔はやや面長色白で黒ブチメガネをかけ髪は七・三分位で分け油気はないようですがきちんと整っておりました。うす青色の背広上着白ワイシャツ濃いえんじ色のネクタイ長いネクタイピンをしていました。
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週刊『前進』(2125号8面3)(200/11/10)
11・14〜15徳島行動へ 星野さん取り戻す全国集会
星野同志が閉じ込められている刑務所のある徳島で、「獄壁を越えて――星野文昭さんを取り戻す全国集会in徳島」が、呼びかけられている。主催は同集会実行委員会と星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議。北海道、山形、群馬、埼玉、東京、杉並、神奈川、関西、岡山、徳島、沖縄など各地の星野救援会が、この全国闘争の成功のために奮闘している。賛同署名も集められている。
呼びかけによると、集会要項は以下のとおり。
◇11月14日(金) 午後5時〜7時/徳島市水際公園(新町橋南詰め、ボードウオーク入り口)
LIVE11・14―待ってる!幸せの黄色いハンカチ(出演 ベースメントシアター他)入場無料
◇11月15日(土) 午後1時開場 1時半開会/郷土文化会館5階大会議室(徳島市藍場町2丁目14番地)
星野文昭さんを取り戻す全国集会in徳島
講演「1971あの日のオキナワ、そして今」知花昌一さん(沖縄県読谷村議会議員、反戦地主)
三線演奏 牧志徳さん他
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週刊『前進』(2125号8面4)(200/11/10)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
11月119日(水)午後1時15分
☆水嶋秀樹同志裁判
11月12日(水)午後1時30分
*いずれも東京地裁
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