ZENSHIN 2003/06/23(No2106
p06)
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週刊『前進』(2106号1面1)
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有事3法成立を弾劾し、反戦の意志を新たにした5千人の労働者人民(6月10日 日比谷野外音楽堂)
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イラク派兵法粉砕せよ 北朝鮮侵略戦争突入法=有事3法成立を弾劾する
労働者階級の怒りの総反撃を
革命的共産主義者同盟政治局
第1章 帝国主義侵略戦争との全面的対決へ
6月6日、有事3法(武力攻撃事態法、改悪自衛隊法、改悪安全保障会議設置法)案が衆議院(5月15日)に続き参議院本会議で採決を強行され、成立した。革共同は、この有事3法と、5月23日に成立した個人情報保護法を怒りを込めて徹底的に弾劾し、有事3法の発動、日本帝国主義の北朝鮮(中国)侵略戦争突入と全面的に闘うことを断固宣言する。
まず何よりも、有事3法とは何なのかを徹頭徹尾暴露・批判し尽くすことがますます重大な闘いとなっていることを訴えたい。
有事3法は、米帝の世界戦争計画とその新たな段階である対北朝鮮・対中国侵略戦争に日帝が共同・競合しつつ、積極的=主体的に参戦していくことを合法化するものである。
武力攻撃事態法は、「武力攻撃事態」と「武力攻撃予測事態」の概念を設け、「予測」の段階で対北朝鮮を念頭において先制攻撃ができるとしている。99年に制定された周辺事態法では「周辺事態」で軍事行動を開始した米軍に対して自衛隊が「後方支援」することが規定されたが、武力攻撃事態法の成立で、「予測事態」で自衛隊が出動し、かつ米軍との共同作戦行動ができることになる。
また、政府の独断で侵略戦争の全般的方針を決定し、全権力を首相に集中するものである。自衛隊の防衛出動に対する国会承認条項は限りなく後退させられ、空洞化されている。
改悪自衛隊法は、有事における自衛隊権限拡大法であり、自衛隊の実際の戦争出動に対応して必要な各種の権限を実質的に無制限に付与するものである。第77条の二を新設し、「予測」の時点で「展開予定地域」に「陣地その他の防御のための施設」を構築する措置を規定している。その際、民間の土地を強制的に収用・接収できるし、武器の使用もできるのである。
しかも、「予測」段階で、自衛隊だけでなく、国の全省庁と地方自治体、指定公共機関を総動員した戦争体制を築くことが規定され、罰則規定によって協力が義務づけられている。反戦闘争や戦争協力拒否の行動を禁圧し、労働者人民の権利を奪って人、物の徴用・徴発を行う内乱鎮圧法=国家総動員法である。
すなわち有事3法とは、イラク侵略戦争で形成された米英日の帝国主義連合が、経済制裁―海上封鎖―臨検や、テロ国家規定をもって北朝鮮をぎりぎりと締め上げ、そして日帝が「日本を守れ」として一切の反戦闘争・労働運動を禁圧しつつ、きわめて早い段階で「予測事態」を宣言し、先制攻撃に着手するという帝国主義侵略戦争に打って出るためのものである。
その北朝鮮侵略戦争は、現に燃え上がっている南朝鮮人民の朝鮮戦争反対・反米帝・反基地・南北統一の闘いを暴力的に鎮圧しつつ、北朝鮮・金正日政権を転覆することを目的とする戦争である。全朝鮮人民の民族自決・民族統一の願いと闘いを徹底的にじゅうりんする、むき出しの帝国主義侵略戦争そのものである。それは、米軍の作戦計画5027で想定されているように、双方に百万人もの死傷者を出すという大虐殺戦争なのである。
日帝の有事立法攻撃は、米英日帝の3・20イラク侵略戦争突入と4月中旬以来の軍事占領・植民地化という戦争継続状態の中で、また01年9・11反米ゲリラ戦争の爆発とそれ以降のQDR(4年ごとの戦力見直し)、ブッシュ・ドクトリンのもと世界を再編・支配する米帝の世界戦争計画に対応してかけられてきた。
米帝は、イラクを軍事占領し植民地化し、「次はイラン、北朝鮮だ」と名指ししている。米英帝国主義が国連もサミットも戦勝国のヘゲモニーの下に組み伏せるという帝国主義間争闘戦が貫徹されているのである。北朝鮮侵略戦争も、米帝にとっては、アジアの排他的勢力圏化という対日争闘戦のための戦争である。
今やこのように帝国主義国家間の対立と分裂が拡大している。この背後には、1929年大恐慌以上の大不況の重圧の中で各国が互いにつぶしあわなければ生きていけないほど、帝国主義の基本矛盾が深まっていることがある。この情勢は、01年9・11の闘うムスリム人民の特殊的・極限的決起が超大国米帝を襲ったことで一気に加速された。
この情勢の中で、帝国主義国内ですさまじい資本攻勢が進行している。社会保障制度解体、労働運動解体、治安弾圧強化の大攻撃である。帝国主義は体制的危機の中で、労働者人民の決起を圧殺し、戦争へ動員する攻撃を強めている。しかし、全世界の労働者階級は、今春イラク反戦闘争に2千万人が決起し、帝国主義と闘う世界史的な大きなうねりをつくりだした。
帝国主義が没落し、死の苦悶(くもん)にのたうちまわる中で、帝国主義の侵略戦争・資本攻勢を国際的内乱に転化し、自国帝国主義打倒、労働者階級の権力樹立のために真に闘うべき情勢に突入したのである。
われわれは、マルクス主義・レーニン主義の立場と、世界の労働者階級と被抑圧民族人民との階級的連帯をもって、国際階級闘争を世界革命に向かって発展させるために闘う時がきたことを熱烈に訴える。
有事法制粉砕! 北朝鮮侵略戦争反対! イラク派兵新法粉砕! 自衛隊のイラク派兵絶対阻止! 労働法制改悪粉砕! 階級的労働運動再生! これらの闘いを、これから本格的に一体的に発展させていくことを訴える。
陸・海・空・港湾労組20団体などが呼びかけた5・23明治公園、6・10日比谷野音の集会とデモは、日本の労働者人民の階級的戦闘性を示した。この力をさらに発展させよう。
第2章 自民党と一体化した民主党の裏切り
有事3法、個人情報保護法の成立を始め、この5〜6月国会で、労働法制改悪(労働基準法改悪、労働者派遣法改悪、職業安定法改悪)、保安処分新法=心神喪失等医療観察法、難民排除を貫く入管法改悪、大学の戦争動員のための国立大学法人法、共謀罪新設などの攻撃が次々と繰り出され、採決が強行されている。これらの攻撃を許している最大の要因の一つは、民主党・連合中央が自民党や日本経団連と一体化し、帝国主義に投降した政治と帝国主義労働運動の道を突っ走っていることである。また他方で日本共産党は、ますます体制内化し、混迷と衰退へと向かっている。
もともと民主党・連合中央の有事立法反対論は、法案が不備だから反対という逆立ちしたものであった。そして対案を提出することで政権政党になるとして自民党政治に合流する立場、労働者人民を侵略戦争に動員する立場に移行した。
民主党は、修正・追加部分で「日本国憲法第14条(法の下の平等)、18条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)、19条(思想及び良心の自由)、21条(集会・結社・表現の自由、通信の秘密)その他の基本的人権に関する規定は最大限に尊重されなければならない」と追加させたことを成果であるとしている。
しかし、基本的人権を保障しつつ帝国主義戦争は行われるのか。そもそも第3条「武力攻撃事態への対処に関する基本理念」では、「基本的人権に制限が加えられる」となっているではないか。こんなペテン的追加なら、自民党が喜んで受け入れたのは当然である。
「対処基本方針の廃止」では、なぜ自衛隊法改悪を問題にしないのか。自衛隊の防衛出動が今までの国会の事前承認から、武力攻撃事態法第9条4項、自衛隊法第76条1項改悪で原則事後承認になっている。自衛隊法を問題にしないことがそもそも大問題である。
民主党の超反動的転落は連合の「産業報国会」化と一体となって進んでいる。
連合は、昨年の「5・16見解」で「憲法の枠内での法整備は基本的に必要」と有事立法賛成の立場を表明した。さらに労働者人民の有事立法反対闘争に対して「9・12通達」をもって「他団体との共闘は拒否」と弾圧した。今年はイラクの大量破壊兵器の廃棄を求める連合見解(3・18、3・24付)、拉致問題・核開発問題では日帝政府に対北朝鮮強硬外交を求める見解(3・10)を発表し、日帝の後押しをしている。
他方、日本共産党は有事3法に反対して闘っているか。「小泉政権は米軍戦略に追随している」「国連憲章を守るべきだ」――これが日共の有事立法反対の論理だ。日共は周辺事態法とセットで武力攻撃事態法が北朝鮮に対して発動されること、すなわち有事3法が北朝鮮侵略戦争突入法であることを絶対に言わない。
彼らは、主権国家には自衛権があるとして、自衛という名の帝国主義戦争を認めている。日共は国益主義・排外主義の攻撃に屈服し、平和的・外交的手段を要求しているだけである。これは、有事法制の現実的発動と闘い、帝国主義打倒へと発展させる闘いを妨害し、敵対する立場である。
民主党の裏切り、日共の屈服は、6月4日の衆院厚生労働委員会での労働基準法改悪の採決にも現れた。連合も日共も修正案で「解雇権の明記を阻止した」「不当解雇から雇用を守る上で大きな意義」などと事態を転倒させて賛美した。底知れない裏切りである。
しかし、有事3法発動で戦争動員される労働者は、20労組を先頭に命をかけて決起している。動労千葉の組合員は3・20イラク侵略戦争突入の中で4日間のストライキに立ち上がり、新たな地平を切り開いた。
20労組陣形、3労組共闘、動労千葉の闘いが、今や戦時下の労働運動の結集軸になろうとしている。
他方で、国鉄分割・民営化攻撃の先兵となって国鉄労働者に襲いかかってきたカクマルとJR総連はついに分裂し、階級的労働運動とファシスト労働運動との力関係は大きな変化をかちとっている。日本階級闘争は、89年の総評解散、連合結成以来の闘いを経て、今や連合とその路線を打倒する時を迎えている。
第3章 開始された米日帝の北朝鮮侵略戦争
米日帝の北朝鮮侵略戦争はすでに開始されている。
5月22日の国連安保理のイラク制裁解除決議は、米帝の戦勝を国連として確認し、イラクとその石油を米英占領軍管理のもとに置き、1年が経過したらさらに長期占領を再確認する場をもつという内容である。
5・23日米首脳会談は、「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上部隊派遣)」をはっきりうたった。日帝・自衛隊が米英と一緒になって、イラク軍事占領の一角を担うということである。さらにブッシュは、「北朝鮮での核兵器の存在を許さない。脅迫には屈しない。核兵器計画の完全な検証可能な、不可逆的な廃棄以外に何も受け入れない」と宣言し、小泉はミサイル防衛(MD)などの強化で米帝と一緒になって北朝鮮への戦争重圧を徹底的に強めることを宣言した。
米帝は、日帝の周辺事態法、有事3法を踏まえて、北朝鮮侵略戦争の作戦計画の改訂版「5027−03」を作成している。その核心は、@核・ミサイル施設への限定攻撃、A北朝鮮軍の火力と特殊部隊壊滅のための戦術核使用を含む先制攻撃、B韓国軍が主体となる北朝鮮全土制圧の大規模作戦である。そしてそのための在韓米軍・在沖米軍の指揮系統を新たに確立しようとしている。
さらに、韓国で米軍の38度線からソウル南方への2段階移転、沖縄基地の空軍力の強化が計画されている。沖縄の海兵隊縮小論は完全なペテンである。海兵隊拠点としての半永久化を狙った攻撃なのである。
北朝鮮侵略戦争に向けての沖縄基地強化に反対し、名護新基地建設を阻止しよう。事実上の着工に等しい「環境アセスメント」本調査の開始に対して断固たる反撃に立とう。南朝鮮人民と連帯した沖縄闘争の新たな発展をかちとろう。
また日帝は、盧武鉉(ノムヒョン)訪日の日に有事3法を成立させ、日韓共同声明では、「北朝鮮の核問題は深刻な脅威であるという点で認識を共有」すると確認し、居丈高な戦争外交を韓国につきつけた。
他方で、9日新潟港への入港予定を中止に追い込んだ万景峰(マンギョンボン)号をめぐる排外主義攻撃が激化している。「万景峰号は犯罪船」と対北朝鮮排外主義が扇動されている。これは経済制裁や臨検の開始であり、戦争行為への突入そのものである。
しかし、これに対して新潟県労組交流センターを先頭に反撃の闘いがかちとられた。労働者階級が先頭で排外主義攻撃と闘うことが北朝鮮侵略戦争反対闘争の情勢を切り開くのである。
第4章 日帝のイラク侵略派兵を阻止せよ
有事立法は戦後史を大転換する攻撃である。日帝はもはや引き返せない地点に突入した。しかし、真の決戦はこれからだ。今後、「米軍支援法」「有事ACSA」「国民保護法制」「国際人道法」関係などが一斉に打ち出されてくる。これらの突破なしには本当の戦争体制はできないからだ。人民の大反撃に恐怖している日帝は、労働者人民に対する上からの階級戦争を全面的に仕掛けてくる。
特に日帝は今、北朝鮮侵略戦争体制を構築するためにも、イラク派兵法をもってイラクの軍事占領に踏み込もうとしている。
その内容は、@米英軍とともにイラクを軍事占領する、Aイラクの同意なしで派兵する、B生命保護を目的に武器を使用する、C陸自を軸に1千人規模の派兵を行う、D4年間の時限立法、活動地域は「非戦闘地域」とする――などである。
しかし、イラクは全土が戦争状態であり、非戦闘地域などない。陸上自衛隊がイラク人民の自爆戦闘を始めとする決起の中で大量の戦死者を出すことを承知で、イラク軍事占領に乗り出そうというのである。それは、日帝自身がイラク人民の民族解放闘争の圧殺に出ていくことを意味する。
イラク占領軍派兵法案の絶対粉砕へ決起しよう!
革共同の旗の下に結集せよ
一大資本攻勢―労働法制改悪、社会保障制度解体、司法改革攻撃、共謀罪新設などをめぐる闘いの激発は避けられない。その最大の攻防点が国労5・27臨大闘争弾圧との闘いである。
帝国主義の侵略戦争への突入は、革命的情勢の急速な成熟をもたらす。帝国主義の侵略戦争への突入と大資本攻勢の中で、労働者人民は怒りにうちふるえ、闘い、勝利する道を求めている。革共同が労働者階級の中に確固として根をはり、労働者階級とともに闘うこと、労働運動を闘う党へ変革することが求められている。今こそ、帝国主義と真に闘う党、労働者階級の党として革共同を形成・確立しなければならない。
闘う労働者のみなさん。反スターリン主義・革命的共産主義の旗の下、革共同に結集し、ともに闘おう!
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週刊『前進』(2106号1面2)
日比谷野音 “戦争協力を拒否する” 20労組など呼びかけ 5千人が闘い宣言
有事3法の成立を吹き飛ばす労働者の反撃ののろしが上がった。6月10日夜、陸・海・空・港湾労組20団体などが呼びかけた「戦争協力はゼッタイお断り/STOP!有事法制6・10集会」には日比谷野音を埋め尽くす5000人の労働者・学生・市民が集まり、力強い戦闘宣言を発した。
司会は、平和を実現するキリスト者ネットの西原美香子さんが務めた。平和をつくり出す宗教者ネットの石川勇吉さんが開会あいさつに立ち、社民党の福島瑞穂参院議員、日本共産党の穀田恵二衆院議員、沖縄社会大衆党の島袋宗康参院議員が発言した。
航空労組連絡会の女性労働者が元気にカンパを訴えた後、「戦争協力を拒否する職場からの決意表明」に5人の労働者が立った。
全日本海員組合の三宅隆外航部長は「武力攻撃事態法では船員は業務従事命令の対象とされるが、戦争が起これば無条件に従わなければならないのか。ノーです。船員はいかなる戦争にも協力しません。罪もない人を殺すための後方支援を断固として拒否します」と宣言した。建交労の成瀬大輔青年部長は「トラック運転手を戦争に送り込む動きが強まっています。陸上自衛隊は即応予備自衛官制度で、民間会社で働く労働者を常備自衛官と一緒に最前線の戦闘地域に送り込もうとしています。有事法制の発動を許さない運動、即応予備自衛官制度反対の運動を強めます」と述べた。
全建総連の池上武雄さんは「修正で『基本的人権は尊重』と加えても、国民の戦争への強制動員という部分は何も変わっていない。真っ先に戦争にかり出される建設労働者は、すべての人を無差別に殺し、すべての物を破壊しつくす戦争に絶対反対します」と訴えた。全日赤の中小路貴子さんは「指定公共機関とされた日本赤十字社は戦争協力が責務とされます。医療労働者を戦争に力ずくで動員するのが有事法です。『白衣を二度と戦争の血で汚さない』という合言葉を決意として誓います」と表明した。新聞労連の明珍美紀委員長は「有事法制ではメディアも指定公共機関に組み込まれます。戦争のプロパガンダに利用された反省を胸に刻み、『二度と戦争のためにペンはとらない』ことを誓います」。有事法成立を許さず、戦争協力を断固拒否するという労働者の力強い宣言に、拍手が鳴りやまなかった。市民運動の立場からも、船田久江さんとチョウミスさんが訴えた。
最後に、航空安全会議の大野則行議長が「みなさんの力強い熱意で、私たちの運動が今後どんどん発展していくと確信しました。防衛施設庁は航空3社に『アメリカの軍事輸送資格を取れ』と指示しています。航空労働者を戦争に組み込む、有事法制の一番怖い本質です。いのちと安全を脅かす有事法制に私たちは最後まで反対します。航空労働者は人を殺すための武器や兵員を運ぶことを拒否します」と述べ、集会宣言(5面に掲載)を読み上げた。
最後に全国港湾の労働者の音頭で「有事法制反対!戦争協力を拒否するぞ!」のシュプレヒコールを響き渡らせ、デモに出発した。
国会コースの先頭には労組20団体が立ち、真剣な声を上げてデモを行った。連合傘下の労働者が組合旗を持って駆けつけた姿も多く見られた。銀座コースではとめよう戦争への道!百万人署名運動が800人を超える隊列で行進し、飛び入り参加者の姿も目立った。
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週刊『前進』(2106号1面3)
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排外主義と対決
6月9日、新潟などの闘う労働者・学生は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の万景峰号に対する入港規制に反対し新潟市内デモに立った=記事4面
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週刊『前進』(2106号2面1)
戦争と革命の時代を勝ちぬく階級的労働運動の防衛・創造へ
連合の裏切り粉砕し総決起を
革共同中央労働者組織委員会
3・20イラク開戦から始まる帝国主義の世界戦争への突入のもとで、日本階級闘争は戦後政治史上最大の歴史的転換点というべき情勢を迎えている。5・15衆院―6・6参院での有事立法強行によって、日本帝国主義はついに侵略戦争ができる国家へ変貌(へんぼう)を遂げたのである。だが5・15―6・6はそれだけを意味するものではない。この歴史的な大逆流は、民主党―連合の裏切りによって起きている。この裏切りは、単に攻撃への屈服や挫折というレベルではない。なんと民主党は有事立法の積極的な共同推進者、提案者になったのである。その結果、衆参両院で9割の賛成で抵抗らしい抵抗もなく採決されるという、実に許しがたい現実をつくりだした。55年体制は最後的に崩壊し、戦後国会は暗黒・翼賛国会へと塗り替わった。日本労働運動の危機が深まっている。この危機を突き破る力は労働者階級の団結した力にある。今こそ、党と労働者階級の命をかけて階級的労働運動の防衛・創造のために総決起しよう。
危機を好機に転ずる労働者の階級的団結
民主党―連合の大裏切りによって強行された有事3法とは何か。それは米帝の世界戦争計画にのっとり、日帝が米帝とともに北朝鮮侵略戦争に参戦していくための法制である。1930年代の「15年戦争」を繰り返すばかりか、もっと大規模な虐殺と破壊を北朝鮮から中国へと拡大しようという侵略戦争法である。この戦争法がこのようなやり方で強行されたことを受けて、日帝・小泉は、労働法制改悪などで労働者階級の生活と生存を破壊し、また労働者が長年の血と汗の苦闘によってかちとった権利を一挙に奪いつくす大攻撃に突進している。労働者に無力感と絶望感を蔓延(まんえん)させ、他方で一切の抵抗と反乱を暴力的に抑え、同時に北朝鮮に対する排外主義の大洪水でのみつくすという攻撃を貫こうとしている。
だが、断じてひるんではならない。3・20情勢と6・6情勢とは、まさに21世紀における「戦争か革命か」の時代の到来を告げ知らせているのだ。このような革命的情勢への急速な移行期だからこそ、労働者階級は、連合―民主党などの挙国一致の翼賛政治と労働運動の帝国主義的・愛国主義的・排外主義的な変質の急速な進行、さらには各種のファシスト的勢力の台頭を粉砕して、戦争と恐慌―大失業攻撃の根源にある帝国主義と真っ向から対決しなければならない。そこに唯一の勝利の道がある。
確かにイラク侵略戦争における帝国主義の巨大な殺りくと破壊の物質力、有事体制下の国家暴力によって階級的抵抗を圧殺する力は激しい。これに連合―民主党など階級内部からの挙国一致的変質の裏切りが加わることで、労働者階級をいったんは断崖絶壁の危機、苦難と試練に追い込む。革命党は絶滅の危機にたたきこまれる。だが革命的情勢においては、危機は好機なのである。革命的情勢の中での労働運動の危機は、労働運動の中からの革命的決起によって必ず好機に転ずることができる。
動労千葉ストライキと20労組陣形の決起
まず3月末の動労千葉の72時間ストライキ―3・29全国労働者集会は、3・20イラク侵略戦争開戦という大反動を切り裂き、03春闘を覆う暗雲を取り払い、労働者階級こそが階級的団結をもって危機を反撃へと転ずることが可能であることを指し示した。
そして陸・海・空・港湾労組20団体などが主催した5・23明治公園集会の3万人結集、さらに6・10日比谷野音集会の5000人結集は、国際階級闘争の軍勢としての日本労働者階級の新たな胎動である。20労組を先頭として広範な労働組合が、有事法制との対決という自国帝国主義との重々しい闘いに、労働者の根底からの怒りを爆発させて起死回生の階級的決起を開始した。しかもそれは民主党や連合の帝国主義的労働運動の呪縛(じゅばく)を断ち切り、その激しい弾劾とともにわき起こっている決起なのだ。
有事法制、労働法制などをめぐる攻防は、動労千葉や20労組の闘いと存在がある限り、決着はつかない。むしろこのような労働組合の不屈の闘いと存在を防衛しぬくならば、そこから巨大な革命的決起のうねりが始まるのである。
延長国会は、日帝・自衛隊が戦後初めて戦場に占領軍として公然と足を踏み入れるイラク派兵法や、日帝の侵略戦争への労働者の動員を推し進めるための公務員制度改悪法案などとの闘いである。いずれも有事体制・労働法制改悪攻撃との闘いがこれから本格的・全面的な攻防となっていくことを示しているのである。
この闘いは、翼賛国会のおぞましい現実を吹き飛ばし、労働者が戦争動員を拒否し、首切り・賃下げを粉砕し、そのために団結を守りぬく労働運動を職場から具体的につくりだしていく攻防となった。一人ひとりの労働者が、階級的団結に徹底的に依拠して帝国主義と対決し、階級的労働運動の防衛と再生を死活的にかちとっていく決戦となったのである。
今こそ、20労組を労働者階級の壮大な統一戦線として、動労千葉を階級的労働運動の再生の砦(とりで)として、絶対に死守し総反撃にうって出よう。
3大決戦貫く土台は労働組合運動の実践
この有事立法決戦から、6〜7月決戦へ、さらに03年後半決戦へと向かうにあたって、3大決戦をめぐる1〜5月の決戦的攻防の意義と総括を確認しなければならない。
「9・11」と「3・20」を画期として、世界史は、革命的情勢への急接近または端緒的突入である革命的激動期の階級闘争の時代へと突入している。それは、動と反動、革命と反革命の激突を繰り返しながら、本質的に激しくもみあう時代への突入である。この階級情勢は革共同に、イラク反戦・朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の政治決戦、動労千葉―国鉄決戦を先端とする労働(組合)運動決戦、4月統一地方選挙の革命的議会主義の決戦の3大決戦を統一的・全体的に闘いぬくことを要求した。
この3大決戦は、年初以来全力で闘われ、今も必死に闘われ、大きな成果をかちとっている。特に統一地方選においては、総体として「偉大な成果」をかちとった。だがこの1〜5月の闘いのレベルで、果たして革命的情勢を勝ちぬくことができるのか。今日の革命的激動期が真に要求する革命党―革命的労働者党の建設と、それをテコとしてのプロレタリア革命の戦取という絶対的基準から見るならば、それはまだ圧倒的に不十分であることを強烈に自覚しなければならない。
1〜5月のこのような総括をとおして、いかなる闘いが求められるのか。
第一に、国鉄決戦、とりわけ3月ストライキをかちとった動労千葉の闘い、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いが、3大決戦を貫く土台にがっちりとすえられなければならない。何よりも革命的情勢への急速な移行期において、労働者階級に根を張る労働運動の実践とそこでのプロレタリア党建設の闘いを形成・発展させていくことである。このことを土台とせずに、政治決戦も選挙決戦も真に強力に展開していくことはできない。言い換えれば、プロレタリア自己解放の思想と実践を生き生きと貫く中で、3大決戦が相互に励まし合い強め合う一体的闘いとして展開されるのである。
第二に、この激烈な情勢が引き起こしているドラスティックな政治的・党派的分岐と大流動に階級的に密着して、党派闘争を推し進め、3労組共闘、国鉄1047名闘争の統一戦線、百万人署名運動、20労組などの労働運動の巨大な統一戦線を発展させなければならない。
この点で3〜4月において、きわめて重大な事態が起きている。
ひとつは、3・20イラク開戦直後の3・21日比谷野音と芝公園の二つの集会において、イラク反戦を有事立法決戦と結合させ、同時に労働組合が中軸となった階級的高揚をつくりだすのか、それともそれを否定するのかをめぐって、決定的分岐が引き起こされていることである。
今ひとつは、日共スターリン主義中央への不信と反乱の噴出によって全労連内に大流動情勢が生まれ、それが連合の分岐と流動、瓦解(がかい)に連動していることである。
さらに、黒田・カクマル中央派と松崎・カクマルJR総連派の分裂に続いて、JR総連内部におぞましい対立・抗争が激化し、ファシスト労働運動の崩壊がついに開始され、国鉄決戦に地殻変動が起こっていることである。
第三に、以上の革命的情勢への急速な接近の中で、レーニンの三つの義務の全面的な飛躍と貫徹、そのための宣伝・扇動の闘い、革命的大衆運動のオーソドックスな展開、党建設の闘いのいずれにおいても、党の革命的自己変革が求められていることである。
言い換えれば、革命的激動期に対して、党が6回大会路線で完全に一致をかちとり、革命的パトスと危機感をもって武装し、全党のエネルギーを根底的に引き出して闘いぬくことが求められているのである。
労働者細胞の建設へ指導の変革と強化を
これらの総括的視点に立って、革共同は、03年決戦、21世紀のプロレタリア革命の勝利へ向けて、以下の革命的方針を確固として打ち立てるものである。
第一に、3大決戦をトータルに貫くためには、革共同が全党を挙げて実体的に労働運動・労働組合運動決戦を本当に実践・実行し、労働者細胞の建設の推進において勝利していく以外にない。
第二に、これを実現していくためには、非合法・非公然の党建設を推し進めつつ、党指導と党細胞建設の変革と強化をかちとり、労働組合運動、革命的大衆行動を生き生きと組織できる党指導体制を階級闘争の烈火の試練の中で創成していくことである。
これらを、国鉄や全逓などで党が長い歴史をかけて血と汗でもぎりとり、物質化してきた蓄積を土台とし、出発点としながら、新たな革命的変革としてかちとるのである。
今こそ、全党が労働者階級の中に入り、地区党を基軸に地区党建設と産別建設を統一して、5月テーゼ―19全総―6回大会の方針の字句どおりの実行、さらにいえば°3全総路線″へのラセン的回帰をかちとらなければならない。
奥田ビジョンで激化する資本攻勢粉砕へ
ここで、労働運動をめぐる情勢について簡単に見ておきたい。
世界的大恐慌情勢のただ中で、りそな銀行の大破局など、デフレの泥沼にのめり込みながら、日帝の恐慌が底知れず深化している。全世界的に失業は爆発的に増大・蔓延し、資本攻勢が破局的に激化している。
日本経団連の03年版「経営労働政策委報告」と「奥田ビジョン」は、要求し闘うという労働組合のあり方を解体し、国家・企業に奉仕する労働組合へと変質を迫り、労働者階級に対する階級戦争を宣言した。5月27日の日本経団連総会での奥田会長あいさつは、「民主導・自律型」の「構造改革」の遅れは許されないとして、奥田ビジョンの実現を絶叫している。そのために、@「財政・社会保障制度改革」で消費税の引き上げ(29日には18%への引き上げを提言)をあらためて強調し、A「教育改革や労働市場の思い切った改革」のための「規制改革基本法」の制定をうたい、B「韓国、タイ、メキシコ等との自由貿易協定の締結を急ぐ」ことをぶちあげ、C「政治との関係強化」のために政治献金を公然と強化しようとしている。
この奥田発言は、有事法制強行情勢のもとで、EUやNAFTAに対抗する「東アジア自由経済圏」を掲げ、日帝・小泉と一体となった総資本のアジア侵略―北朝鮮への侵略戦争宣言である。また規制改革基本法の制定は、労働法制の改悪、さらに教育基本法改悪をとおした総資本の側からの改憲攻撃への踏みきり(4月発表の経済同友会の改憲意見書と一体)と言える。
戦後労働法制の転覆と終身雇用制の解体
ここで重大なのは、奥田ビジョンが強烈に打ち出している労働法制改悪が、有事法制と同様に連合―民主党の裏切り・転向によって進められたことである。
教育基本法改悪が憲法改悪の始まりであるように、戦後労働法制の改悪は、戦後日本の労働運動にとってやはり憲法的存在であった労働基準法などの根底的転覆、全面的変質を狙う大攻撃である。終身雇用制を軸にした戦後の労働者支配を全面的に転換するものなのだ。そのようにして、100年を超える国際労働運動の血と屍(しかばね)の上にかちとった労働者の権利と、その営々たる歴史を転覆しようというのである。
労基法は労働者の権利を守ることをベクトルとして成立した法律である。民法には°契約自由″による°解雇(雇用契約の解約)の自由″があるが、労基法はこれを制限する条文のみがある法律である。ところがこの労基法に、政府原案では「使用者は労働者を解雇することができる」という「解雇権」を盛り込もうとしたのだ。その後に、解雇は「合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用(らんよう)したものとして、無効とする」などと付け加えているが、資本はいくらでもその理由を並べたてることができる。「解雇権」を導入すれば、資本にとってなんら制約にはならない。
有期雇用契約の拡大、労働時間規制の緩和(裁量労働制の拡大)、派遣労働の拡大、雇用保険の給付削減にかかわる諸法制の改悪も、すべて終身雇用制を解体する重大きわまる攻撃である。
ところで、労基法改悪での民主党と与党3党の共同修正案では、「使用者は労働者を解雇できる」という前文を削っている。だが「その権利を濫用したものとして無効」という形で、「その権利」という「資本の解雇権」を明示したのだ。
修正案はこのようにとんでもないものだ。だがこの修正案に、なんと驚くべきことに、日本共産党も社民党も賛成したのだ(反対は無所属1人)。断じて許すことはできない。共産党は、すでに連合とともに、解雇規制法制定運動にのめりこんでいた。この「よい解雇ルールの導入」という論理で、今回の修正案に賛成したのだ。さらに共産党は、この修正案への賛成とは別に、政府原案に反対したことをもって、労基法改悪全体に反対したかのようなペテンをろうしている。だが、この修正案にこそ「解雇権」という恐るべき大攻撃が貫かれているのだ。
重要なことは、このような民主党の修正案に先行して連合の裏切りが進んでいる事実である。連合の労働法制改悪の推進は、実は昨年12・4の「雇用問題に関する政労使合意」で大筋は踏み切られている。ひるがえって、有事立法の推進も昨年の「5・16見解」がそのベースである。連合のイラク戦争についての声明(3・6と3・24)および北朝鮮問題についての声明(3・10)は、すべて民主党の歴史的裏切りの先鞭(せんべん)をつけたのだ。
そもそも03春闘における帝国主義の労働政策の大転換は、12・4政労使合意という連合の全面的屈服と変質が前提となっているのである。
今こそ連合内部から労働者階級の階級的決起・反戦決起をつくりだし、連合指導部を打倒しよう。このことは、階級的労働運動の創造・防衛・発展にとって最も重大な課題である。
国労弾圧粉砕-国鉄決戦を先端に闘おう
03春闘でのベアゼロに続く定期昇給解体の大攻撃にもかかわらず、その攻防は断じて決着はついていない。まさに今春から今夏をとおして実は労働運動をめぐる大決戦が激化しているのである。
その先端に国鉄決戦が確固としてそびえ立っている。
有事体制下において、国鉄労働運動にかけられた国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕する闘いの意義は、ますます高まっている。有事立法攻撃と資本攻勢を一体ではね返していく決定的な環をなしている。
この闘いにおいて、8人の被告の不屈・非転向の決起の中に、北朝鮮侵略戦争と闘い、首切り・リストラの資本攻勢のあらしと闘う労働者の最も革命的な姿と、権力のどんな治安弾圧の暴虐にも屈せず誇り高く生きる労働者の魂がある。
だからこそ、この8人の被告を一刻も早く、闘う隊列と家族のもとに奪還しなければならない。公判では、警視庁公安と東京地本の酒田、鈴木との驚くべき癒着と陰謀が暴かれている。この警察労働運動の衝撃的実態は、あの5・27臨大闘争が正義の闘いであったことをこの上もなく浮き彫りにしているのだ。8人の奪還は、闘う労働運動にとっての絶対的使命である。
国労5・27臨大闘争弾圧は、労働組合への治安弾圧であり、有事法制、個人情報保護法、共謀罪新設、司法改革攻撃と一体である。そして何よりも国労に対する4党合意攻撃の破産のもとで、闘争団への除名・切り捨て攻撃と一体である。したがって国労5・27臨大闘争弾圧粉砕は、まさに国労の階級的再生をかちとる推進軸をなしていく闘いなのだ。
現在の国労をめぐる攻防は、重大な主体の危機にある。国労本部、チャレンジ、革同、東京地本・酒田らは、スト基金を取り崩し、全国単一体の国労組織を分割・解体し、その分け前にありつこうとハイエナのように群がっている。このおぞましい所業のために、鉄建公団訴訟の原告などの闘う闘争団を処分し、36闘争団の全部を切り捨て、国労組合員を敵に売り渡そうとしている。こんな連中を打倒し追放することなくして、どうして国鉄闘争の勝利があるのか。どうして首切りの悔しさを晴らすことができるか。
ところが残念ながら、「反対派」の中には、本部打倒をあきらめ、1047名闘争を国鉄分割・民営化反対闘争と切り離した争議団の闘いに収めようという傾向がある。もとより争議団闘争は重要である。だが、国鉄闘争は、解雇撤回・原職復帰の闘いとともに、国鉄分割・民営化反対闘争なのだ。それが労働運動史上まれにみる1047名闘争として発展してきた原動力である。多くの労働組合が分割・民営化攻撃をその後の資本攻勢の原型としてとらえ、また、国鉄闘争を連合路線に抗する階級的労働運動の軸ととらえて、そのもとに結集して団結してきたのだ。闘争団はあくまでもJR本体と合流し一体化しつつ闘うことで勝利できるのであり、分割・民営化反対の旗を断じて降ろしてはならない。
5・27臨大闘争弾圧は、まさに闘争団を先頭とした分割・民営化反対、解雇撤回闘争への報復弾圧であり、この弾圧を粉砕する闘いは、国労本部打倒―分割・民営化反対―解雇撤回―連合路線粉砕―階級的労働運動再生を貫く闘いなのだ。
分割・民営化を推進してきたJR総連は分裂と解体を深めている。国鉄闘争の危機は、好機でもある。国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕し、JR総連解体を推し進め、動労千葉の闘いを先頭に1047名闘争の発展をかちとろう。
4大産別大会を始め全産別で大反乱を!
さらに労働運動決戦として、4大産別の全国大会がすべて首都圏で行われる。全逓が6月、日教組、自治労が8月末、国労が9月初めである。
全逓労働運動は、「奥田ビジョン」による新たな労働者支配―労働組合運動絶滅攻撃との最先端の闘いとなっている。6月全逓大会で連合全逓中央は、奥田トヨタ方式の労働者殺しの労務管理を導入することを認め、それをとおして自ら全逓の旗を降ろし、自己解体の道に転落しようとしている。全逓の攻防には、全逓労働者のみならず全労働者の命運がかかっているのだ。
教育労働者は、教育基本法改悪攻撃という全労働者人民を襲う改憲攻撃に対して先頭で闘わなければならない。この教育基本法改悪攻撃は、日教組の絶滅・解体と一体であり、戦後労働運動の最後的解体の攻撃である。
自治体労働者は、有事法制下の自治体労働者の戦争動員、公務員制度改革法案との一大決戦を迎えている。そのもとで激化する行革・自治体再編、自治体労働運動解体攻撃と対決して闘わなければならない。自治労中央は、自治労綱領を捨て去り、「21世紀宣言」をもって全面的に転向しようとしている。
労働者の中には連合指導部の裏切りへの怒りが渦巻いている。この怒りを組織し、各産別大会へ攻め上ろう。
電機、金属を始め民間産別における闘い、特に中小労組でのねばり強い闘いをもって、連合中央への一大反乱をかちとろう。
全労連傘下での、日共中央の転向と制動をはねのけた総決起をかちとろう。
膨大な未組織労働者、不安定雇用労働者を合同労組などに組織化しよう。
今こそ、3労組共闘による新潮流運動の発展、20労組陣形の堅持・前進をかちとろう。
いよいよ労働運動をめぐる本格的大決戦となる。ここにプロレタリア革命の未来がある。この労働運動をめぐる決戦は、そのままマル青労同再建の闘いである。全世界の労働者階級の国際的連帯を深め、階級的労働運動の再生に命がけで総決起しよう。
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週刊『前進』(2106号2面2)
「修正」の大ペテン許さず 労基法改悪案成立阻止を
労働法制改悪法案の焦点である労働基準法改悪案は6月5日に衆院を通過し、参院での審議が大詰めを迎えている。17日の参院厚生労働委員会での採決強行、18日の本会議での採決・成立強行が狙われている。
有事法制の成立に続き、ペテン的「修正」をもって労基法改悪を容認・推進している連合―民主党の大裏切りを絶対に許してはならない。
与党3党と民主党が共同で衆院厚生労働委員会に提出し、「修正議決」されて衆院本会議を通過した法案は、民主党や連合が言うような「抜本修正」ではない。修正法案では、「使用者は労働者を解雇できる」という原案の前段の文言は削除されているが、「解雇は、客観的、合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という文言が残された。
「その権利」とは明らかに使用者=資本の「解雇権」のことである。これまでの労基法にはなかった「解雇権」を明示しているのだ。その点で、政府原案となんら変わるところはない。政府・与党は、°解雇権濫用法理を明文化すべき″という連合などの要求を逆手にとって、資本が要求する「解雇権」を初めて労基法にねじ込んだ。断じて許しがたい改悪なのだ。
民主党の裏切りは、これだけではない。民主党独自の修正案では、有期雇用契約の上限を原則1年から原則3年に延長することに反対し、現行どおり原則1年にするとしていた。だが与党との「修正協議」の中でこれを引っ込め、契約日から1年を経過した場合の「退職の自由」を付則に入れたことをもって、有期雇用契約の上限延長に賛成したのだ。これは、終身雇用制を解体し、不安定雇用化する資本の攻撃を促進するものである。
さらに無制限の長時間労働を合法化する裁量労働制の要件緩和については、修正要求すらせず、原案に全面的に賛成した。
連合中央は、この労基法改悪案の衆院通過を全面的に後押しした。「法案全体としてみれば多くの問題が残されており」「参議院において追及する」などと言っている(6・4事務局長談話)が、民主党はすでに賛成してしまったのだ。なんというペテンか。
さらに、日本共産党と社民党も、衆院厚生労働委員会で与党・民主党の共同修正案に賛成した。本会議で全体の改悪案には反対したと言うが、労基法改悪案の成立策動に手を貸した事実は隠しようもない。
政府の総合規制改革会議や日本経団連は、「規制改革」と称して、さらなる労働法制改悪を狙っている。連合は昨年12・4「政労使合意」で、これをも承認しているのだ。
連合―民主党の大裏切りを徹底的に弾劾し、共産党、社民党の屈服を許さず、労基法改悪案の参院採決・成立を阻止するためにナショナルセンターの枠を越えて立ち上がろう。
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週刊『前進』(2106号3面1)
“国労東京地本酒田委員長と荒川署でビデオ見た” 国労弾圧6・4公判 公安刑事が決定的証言
法廷に激しい怒りと衝撃 警察労働運動の正体あらわ
6月4日、国労5・27臨大闘争弾圧の第7回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。公判では、昨年5月27日の国労臨時大会から3日後の30日には、国労東京地本の鈴木勉法対部長が事件現場を撮影したビデオが警察の手に渡り、酒田充委員長が警視庁の公安刑事と一緒にそれを見て、弾圧を要請していた事実が明らかになった。弾圧の真相は暴かれつつある。裁判闘争が最大の山場を迎えた今、各地で「許さない会」を結成し、本格的に拡大して、被告の早期保釈を実現しよう。組合員を売り渡した国労本部と東京地本の腐敗しきった役員を一掃し、闘争団除名の策動を許さず、国労の再生をかちとろう。
「事前共謀」説は早くも崩壊
公判の冒頭、近畿地本吹田地域分会の小泉伸被告が早期保釈を求めて発言した。彼は、重態の父親を見舞うため勾留の一時執行停止を実現させ、公判前日に東京拘置所に再び収監されていた。近畿地本環状地域分会の東元被告も、長期勾留でうつ病が悪化している実情を語り、「一刻も早い保釈を」と訴えた。弁護団も「罪証隠滅のおそれと言うが、小泉被告は執行停止中、罪証隠滅など何もしていない。この事実を直視すべきだ」と保釈を求めた。
九州闘争団員の松崎博己被告が、保釈請求に対する検事の意見のデタラメさを弾劾した。検事は、「第69回臨時大会(5・27大会)以降も被告らは国労大会を暴力的に阻止しようとしている」と言い張っている。だが、こんな不当な言いがかりはない。「第70回大会の時は、われわれは不当にも拘束されている。どうやって大会を阻止できるのか」と松崎被告は怒りで声を震わせた。
近畿地本兵庫保線分会の富田益行被告も立ち上がり、「こんなことを言うのなら、検察側冒頭陳述にある『中核派が国労共闘を通じて国労に介入し、国労大会で演壇を占拠した』という部分はすべて撤回せよ」と語気強く抗議した。
裁判長は、これを聞こうともせず、「検察側冒頭陳述に対する求釈明の問題に入る」と、先を急いだ。
前回の公判で裁判長は、@「リーダー」とされる支援者の向山和光被告が行った具体的行為は何か、A検察側は「被告人松崎ら数名が(本部派の)池田への暴行に及び、それを他の被告が目撃したことで暴行の共謀が成立した」と主張するが、どの被告が池田への行為に及び、どの被告がそれを目撃したのか、などの釈明を検察側に求めていた。弁護団の鋭い求釈明に追いつめられた結果だ。
誰が池田への行為をしたのかという裁判長の問いに、牧島聡検事はそっけなく「『被告人松崎を含む数名』には被告人富田が含まれる」と返答した。弁護団がすかさず、「『数名』は松崎被告、富田被告に尽きるのか。『含まれる』では分からない」と追及するが、検事は「それ以上は答えない」と居直った。
裁判長が、向山被告の行為は具体的には何かと質問した。検事は、「ホテル前に集結し、バスの乗降口に立ちふさがるとともに、国労組合員を押し返すなどの行為を行った」と回答した。「池田への暴行はしていないのか」と重ねて聞く裁判長に、検事は「行っていない」と明言した。「向山被告=リーダー」論の破産は明らかだ。肝心の共謀においても、彼が主導的役割を果たしていないことを、検事は認めたのだ。
さらに裁判長が、「共謀は明示の共謀か、黙示の共謀か」と尋ねた。検事はまたも釈明を拒む。裁判長は「裁判所としては、暗黙のうちに意思を引き継いだと理解する」と言うほかなかった。つまり、共謀を認定できるような外形的事実は何もなかったということだ。そもそも池田への暴行は公訴事実にもない。共謀デッチあげのための虚構にすぎない。検事の主張はここでも破産しているのだ。
「求釈明は終わりにしたい」という裁判長に対し、向山被告が発言を求めた。「起訴状は明らかに事前共謀説。それが崩れて冒頭陳述では現場共謀になった。起訴状は何だったのか」
富田被告や九州闘争団員の羽廣憲被告も立ち上がった。牧島検事がいらだって「これ以上、不規則発言が続くなら裁判長は適切な訴訟指揮を」と叫び立てた。被告を退廷させろというのだ。だが、誰が見ても被告に理があることは明白だ。しかし裁判長は、「今日は証人尋問の予定だ。この問題は終わる」と強権的に被告の発言を封じた。
弁護団がこの暴力的な訴訟指揮に異議をたたきつけた。「訴因はあくまで起訴状の文章。それは事前共謀として書かれている。被告は何を防御すればいいのか。事前共謀か現場共謀かを明らかにせよという発言を封じる訴訟指揮は違法だ」と論陣を張る弁護団に、裁判長は、「異議は棄却する」と言い放った。向山被告が食い下がる。弁護団も追及の構えを崩さない。裁判長は「発言をやめて下さい」と連発する。法廷は緊張に包まれた。
裁判長が警察官証人を入廷させようとした。それを制して、弁護団がビデオ撮影者の鈴木法対部長の証人採用、鈴木調書の証拠開示などを申し立てた。裁判長は、「鈴木証人については後ほど判断する」と述べ、遠山証人を入廷させた。
大会3日後、ビデオは警察に
証人の遠山文雄巡査部長は、事件当時は神田署警備課の公安係(現在は警視庁公安一課)であり、鈴木法対部長が撮影したビデオの領置手続きをした人物だ。
遠山証人は、主尋問で早くも驚くべき事実を明らかにした。彼がビデオを初めて見たのは5月30日、見た場所は荒川署、ビデオ再生に立ち会っていたのは、遠山のほかに神田署警備課長の関警部、警視庁公安一課の星警部(中核派担当筆頭係長)、そして国労東京地本の酒田委員長だったというのである。その場で酒田委員長は、「こんなにひどくやられている」と公安刑事たちに「事件」を解説したという。
酒田委員長の名が明らかになると、法廷には激しい怒りと衝撃が走った。5・27臨大の3日後にはビデオテープが警察の手に渡り、ビデオを見ながら警察に弾圧を要請したのは、酒田委員長その人だったのだ。証人は、東京地本の協力ぶりを押し出そうとして、その後も酒田委員長の名を繰り返し口にした。
遠山証人が30日に見たビデオテープは、オリジナルのものではなくVHSにダビングされたものだった。オリジナルのデジタルテープは、6月3日に鈴木法対部長が酒田委員長とともに神田署に持参し、任意提出したという。この時も、遠山、星、関、酒田委員長、鈴木法対部長がビデオ再生に立ち会い、鈴木法対部長が「撮影したのは私」「画面がぶれているのは、相手に気づかれないようにバスに乗った人の後ろから撮ったから」「最初に虹が映っているのは、大会前日に試しに撮ったから」などと述べたというのである。
鈴木法対部長のこうした言動は、彼があらかじめ弾圧のためにビデオカメラを準備し、警察に提出する目的で撮影していたことを推測させるものだ。法廷は強い怒りに包まれた。
“「8名」は私の字ではない”
弁護団が反対尋問に立った。「この事件の捜査本部は神田署に置かれていたのか」という問いに、遠山証人はそれを肯定した。ところが、「捜査本部はいつ設置されたのか」という質問には、「日付は流動的に入っていた」という不可解な返答をした。
捜査本部は神田署なのに、5月30日にビデオが再生されたのは荒川署だ。弁護団がその理由を問いただしたが、遠山は「私は行くように言われただけ」とはぐらかす。弁護団は5月30日のことをさらに追及した。その結果、遠山証人が星警部、関警部、酒田委員長とともに荒川署にいたのは午後2時から4時まで、うちビデオ再生に費やした時間は前半の1時間であることが明らかになった。
弁護団は、酒田委員長が荒川署で何を述べたのかについての詳しい証言を求めた。遠山は「私はビデオデッキの操作をしていたから覚えていない」と逃げを打った。しかし、後半の1時間はビデオ再生はもう終わっている。「事件の捜査に携わっていて、覚えていないことがあるのか」「酒田委員長の調書は作ったのか」と弁護団がたたみかけた。遠山は「捜査上の秘密」を盾に証言を拒んだ。
さらに弁護団は、鈴木法対部長がオリジナルテープを神田署に持参したという6月3日のことに質問を移した。遠山は、鈴木法対部長からビデオテープの任意提出を受け、遠山が領置調書を作成したと証言した。
ここで弁護団は、遠山証人に「自分が作成したもの」と言う領置調書を示した。そこには「被疑者向山和光等8名に対する暴力行為等処罰に関する法律違反被疑事件につき、本職は、平成14年6月3日、警視庁神田警察署において、差出人が任意に提出した下記目録の物件を領置した」と記されている。
弁護団は「『暴力行為等処罰に関する法律違反』の文字は証人が書いたのか」と問いただした。遠山が肯定する。続けて弁護団は、「『向山和光等8名』もあなたの字か」と証人に迫った。遠山は、「『8名』は私の字ではない」と驚くべき証言をした。法廷はどよめいた。領置調書は、別人によって後から手を加えられたものだったのだ。
撮影者、任意提出者が鈴木法対部長であることをどう確認したのかと聞かれると、遠山は「酒田委員長の紹介を受け、名刺交換をした」と返答した。想像するだけでおぞましい光景だ。鈴木法対部長は公安警官と喜々として名刺交換する人物に成り下がったのだ。
弁護団はさらに、ビデオテープの改ざんの可能性はありえないのかと質問した。遠山は「星警部が『カットされていたら証拠として意味がない』と言い、鈴木さんは『分かりました』と答えた」と述べた。そういう会話があったから、改ざんはありえないと言いたいのだ。そこに牧島検事が突然介入し、「『虹がかかっているのが出るのは恥ずかしい』と鈴木が言ったと証言した」と言いつのった。だがそんな証言は出ていない。検事は、主尋問で遠山証人に言わせ損ねた重要なことを、無理やりここでねじ込んだのだ。
さらに弁護団は、「被告が国労組合員であることを知っていたか」「本部側から被害届が出ているのか」と質問したが、証人はことごとく「捜査上の秘密」と称して証言を拒んだ。遠山証人への反対尋問は、次回に続行となった。
この日の公判には125人が傍聴を求めて結集した。裁判闘争破壊のために法廷に現れた東京地本の阿部書記長らは、遠山証人の口から「酒田委員長、鈴木法対部長」の名が語られると、顔色を変えて退散した。公判闘争は、組合員を売り渡した反動役員たちを確実に追いつめているのだ。次回公判(6月17日)に結集し、許さない会を拡大して、被告の早期保釈・無罪獲得へ闘おう。
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週刊『前進』(2106号3面2)
絶大な夏期カンパを 侵略戦争・資本攻勢と闘う労働者階級の党つくろう
革命的共産主義者同盟
全国の支持者、友人、『前進』読者の皆さん。同志の皆さん。そして、有事法制と労働法制改悪、国労5・27臨大闘争弾圧を始め、闘う仲間への治安弾圧攻撃に怒りをたぎらせているすべての労働者の皆さん。
革共同のすべてをかけて訴えます。夏期一時金のカンパを革共同に寄せてください。戦争と資本攻勢の大攻撃を根底から打ち破り、荒々しい階級闘争の勝利の時代を切り開くために、今こそ社・共に代わる労働者党を共同の努力でつくりましょう。そのために夏期一時金カンパの熱烈な圧倒的な集中を心から訴えます。
民主党の裏切り
私たちが訴えたい第一のことは、民主党が有事3法の国会審議で、与党3党とのボス交で「修正」案賛成に回り、決定的な反動的役割を果たしたことです。これは、この間生じた階級的事態の中でも最も重大な、超反動的事態です。民主党がついに憲法9条を破棄し、日帝が侵略戦争に打って出ることを承認し、自らもまた支配階級と合流して挙国一致的に戦争遂行者の立場に立つことを宣明したということです。安保・防衛問題において、民主党はついに戦後的な野党的な規範を破棄し、公然と帝国主義者と同じ隊列に立つことを宣言したのです。
もしも事態がこのまま進行すれば、侵略戦争へのとうとうたる流れが生み出されていきます。こんなことをどうして許すことができるでしょうか。私たちは、この階級情勢の大激変をしっかりと見据え、侵略戦争への流れを絶対に阻止しなければなりません。
一切は、現在の情勢の中で真に闘う党、力ある党として革共同が飛躍することです。そこに、労働者階級の未来がかかっています。このために、すべての皆さんの根限りのカンパを熱烈に訴えるものです。
イラク新法阻止
私たちが訴えたい第二のことは、有事法制の成立強行をとおして、今や日帝・小泉政権は、米帝ブッシュ政権、英帝ブレア政権とともに全世界で、最も反動的で凶暴な帝国主義として立ち現れたということです。全世界のプロレタリアート人民、被抑圧諸国人民の闘いの最悪の敵対者として登場したということです。
南朝鮮・韓国の闘う労働者人民は、次のように日帝・小泉政権の有事立法攻撃を弾劾しています。
「韓半島に先鋭な緊張と一触即発の戦争危機を招きつつある米国の無謀な対北先制攻撃策動を許すことができないわれわれは、米国の軍事的冒険主義をあおり、そこに積極的に加担する有事3法の制定を、わが民族と東北アジア民衆に対する正面からの挑戦行為とみなし、その即時撤回を日本に要求する」(民族和解自主統一協議会の5・15声明)
北朝鮮侵略戦争をめぐる情勢は、5・23日米首脳会談をとおして決定的な段階を迎えようとしています。しかし、南朝鮮人民の巨大な反戦闘争や、南北朝鮮人民の統一への闘いが、これと断固対決しています。日本が侵略出撃基地となる北朝鮮侵略戦争を阻止する闘いは、イラク反戦闘争以上の決定的な階級決戦となることは間違いありません。有事立法に完全に屈服し賛成に回った民主党・連合はもとより、日本共産党、社民党では、そもそも闘いにすらなりません。
5・23―6・10有事法制反対闘争に敢然と立ち上がった陸・海・空・港湾労組20団体を先頭とした闘いは、これからの労働者階級の闘いの道を照らし出しています。この闘いと固く連帯し、この闘いを全力で守り抜き発展させることが重要になっています。
小泉政権は今、自衛隊をイラクに出兵させるためのイラク新法に全力をあげています。これは、米英帝の不正義きわまるイラク侵略戦争−軍事占領に日帝が共同参戦し、イラク人民に自衛隊が直接銃を向けて虐殺するものです。イラク新法制定を絶対に許してはなりません。米帝の軍事占領と対決して不屈に闘うイラク人民と連帯し、イラク新法を粉砕して、今こそ「イラク侵略戦争の継続・拡大反対! 北朝鮮侵略戦争反対!」の巨大な反戦闘争を全力でつくりましょう。その闘いの発展と勝利のために、熱意あふれる圧倒的なカンパを心から要請します。
労働運動再生へ
私たちが訴えたい第三のことは、労働基準法改悪案をめぐる重大情勢についてです。これも与党と民主党が修正協議で合意し、その修正部分には日本共産党と社民党も賛成し、事実上全会一致の総翼賛状態で可決したのです。
最大焦点の「解雇ルール」はどう修正されたというのでしょうか。「解雇は、客観的、合理的理由を欠き、社会通年上相当であると認められない場合は、その権利を濫用(らんよう)したものとして無効とする」としています。主語はあくまで「解雇」であり、資本には労働者の「解雇権」=首切りの権利があることを大前提にして、「濫用」はいけないと言っているにすぎないのです。要は「解雇は原則自由」という、もともとの政府原案の核心部分はそのまま貫かれているのです。
労基法上認められた労働者の権利は、どれ一つとっても労働者階級の数百年におよぶ闘いによって獲得されてきたものです。資本の解雇攻撃に縛りをかけてきたのもまた、労働者の団結とそれにもとづく不屈の闘いでした。労働者の血と汗で闘いとり、守り抜かれてきたこの地平が、一握りの国会議員どもの手で、ボロクズのように捨てられようとしているのです。こんなことは絶対に許せません。
まさに、国会には今、真に労働者階級の階級的利益を体をはって守り抜く政党がまったくないのです。これを根底から打ち破るために、労働者階級の団結と闘いの再生・復権の課題が、職場・地域で闘う私たちの双肩にかかっています。この歴史的任務を断固引き受ける共同の決意を込めて、革共同へのカンパを心よりお願いします。
社・共に代わる党
私たちが訴えたい第四の、そして最も大事なことは、だからこそ今、ほんものの労働者党が心底求められているということです。一切は労働者党の建設という課題にしぼりあげられています。しかもその闘いはすでに開始されています。
4月統一地方選は、労働者階級人民の闘いの前に危機を深める日本共産党、社会民主党の全国的な後退と惨敗の中で、東京・杉並選挙区を先頭に、労働者階級の利害を一身に担った、新たな革命党の登場を告げ知らせました。
私たち革共同は、今こそ「労働者の中へ!」を全面的に実践する決意です。労働運動の中にしっかりと根をはり、労働者階級とともに闘う党への飛躍を全力で闘いとります。その実現と絶対勝利をかけて、すべての皆さんに熱烈で圧倒的なカンパを心から訴えます。
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週刊『前進』(2106号3面3)
共謀罪阻止へ国会デモ 6・5 弁護士先頭に200人立つ
6月5日夕方から、「共謀罪」反対の国会デモが行われ、弁護士、労働者、市民ら200人を超える人びとが参加した。この日のデモは、国際的(越境)組織犯罪条約に反対する国際共同声明運動の「呼びかけ人」である足立昌勝さん、土屋公献さん、山際永三さんらが呼びかけた。
出発に先立ち日比谷公園霞門で行われた集会では、山際さんがあいさつに立ち、「拉致被害者報道を見ていると新しい民族主義、国家体制主義が台頭している。共謀罪新設に反対する本日のデモの意味は大きい」と訴えた。
十数人の弁護士の参加でデモに立ちあがった「憲法と人権の日弁連をめざす会」からは、西村正治弁護士が発言した。西村弁護士は、「共謀罪はウルトラ治安立法であり、有事立法と一体となって戦争体制を構築するものだ。絶対に阻止しよう」と熱烈に呼びかけた。
さらに、洋書センター闘争弾圧での不当判決を弾劾する発言、保安処分新法の参院での強行採決を弾劾する発言が続き、最後に有事立法に反対するキリスト者から「有事立法を発動させないために徹底的に闘う」と決意が表明された。
その後、参加者は直ちに国会デモに出発した。
衆議院議員面会所前での集会では、社民党議員団と川田悦子さんが合流した。 武内更一弁護士が「共謀罪を始めとする治安立法を阻止する。自衛隊が軍隊として朝鮮半島に侵略していくことを許さない」と発言した。続いて大阪の港合同南労会支部から共謀罪絶対阻止の訴えがなされた。
社民党を代表して広島出身の金子哲夫衆院議員が連帯のあいさつを行い、「アジアへの戦争の道を再び歩んではならない」と発言した。無所属の川田悦子議員は、「有事法制での民主党の賛成は許しがたい行為。国会は戦前のような状況になっているが、子どもたちの未来のために誇り高く頑張る」と決意表明した。
参議院議員面会所前での集会では、高山俊吉弁護士が「有事立法の刑事司法版が共謀罪の新設。国会内外で徹底的に闘う」と決意を述べた。続いて国賠ネットから証人買収罪反対の訴えが行われた。また、社民党の福島瑞穂参院議員が発言し、「共謀罪も社会防衛を名目に恣意(しい)的に適用される。監視も管理もいやだと言える世の中にしましょう」と訴えた。
延長国会での、北朝鮮への排外主義と一体となった共謀罪新設攻撃を粉砕しよう。共謀罪批判パンフ(100円)を広め、国際共同声明運動をさらに発展させよう。
(投稿 M・A)
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週刊『前進』(2106号3面4)
鉄建公団訴訟 採用差別の実態暴く 北海道闘争団員が証言
6月9日午前、鉄建公団訴訟の第7回口頭弁論が東京地裁で行われた。傍聴券抽選には約130人が参加した。
陳述に立った北海道・名寄闘争団の高橋優さんは、86年7月に人材活用センターに送られた後、区長に「国労の人たちは仕事ができるが、貢献度が足りない。このままでは残るのは難しい」と言われるなど“国労組合員はJRに採用しない”という露骨な嫌がらせが行われたこと、87年4月の分割・民営化の時点で、名寄機関区の職員のうち220人の動労組合員は全員JR北海道に採用され、国労組合員9人は全員不採用になったことなどを報告し、組合差別と不当労働行為の実態を暴露した。
裁判終了後、新宿駅南口へ移動し、JR東日本本社を前に宣伝行動を行った。
同日夜には、「首切りの責任逃れはさせないぞ!/裁判所の不当労働行為容認判決はださせない6・9集会」(主催・首切り自由を許さない!実行委員会事務局)が大井町きゅりあんで行われ、120人の労働者が参加した。
首切りとの闘いの最先端に位置する1047名闘争の勝利のために、闘争団除名や国労解体策動を打ち破り、国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕して闘おう。
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週刊『前進』(2106号3面5)
審議入り阻めと国会前行動 組対法反対共同行動
6月10日、破防法・組対法に反対する共同行動は、衆参法務委員会への抗議闘争に立ち上がった。
共謀罪をめぐる国会での審議開始を前に、すでに法務省が日弁連に対するヒアリングを行っていることが判明している。
早朝からの国会前でのビラまきに続き、議員会館前での座り込みを開始した。また、昼休み集会を挟んで、野党の衆参法務委員に対して共謀罪反対の要請を行った。
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週刊『前進』(2106号4面1)
新潟西港 万景峰号への臨検に反対 右翼テロ粉砕しデモ
唯一の闘いに市民の共感
新潟県労組交流センターと全学連、各地の労組交流センターは6月9日、新潟市で北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号の新潟西港への入港規制、事実上の臨検に反対するデモを闘った。
万景峰号の入港予定の新潟西港前の道路は、貨物コンテナが並べられ封鎖されている。全国から動員された警察・機動隊1500人が厳戒態勢で並んだ。文字どおり「戦時体制の先取り−有事法の発動」が新潟西港一帯に出現した感じだ。デモ参加者の表情にも決意と緊張の色が見られた。
午前10時、「万景峰号の入港規制反対」「経済制裁は戦争への道だ」「朝鮮侵略戦争を阻止しよう」などのシュプレヒコールで新潟西港の一角からデモ隊が元気よく出発。港で働く労働者や沿道の住民、ドライバーが一斉に注目した。沿道や家の2階から手を振り激励する人が何人もいた。朝鮮総連の県本部前を通過する時には、マスコミが群がるようにデモ隊を撮影。機動隊による厳戒態勢と、右翼ファシストの「拉致議連」や「救う会」がつくりだした排外主義の嵐を、デモ隊が切り裂き情勢を一変させたことを実感させた。
この闘いに対し、全国から結集した「救う会」の連中は苦々しい顔でデモを見つめるばかり。市内の繁華街・万代シティにデモ隊が差し掛かろうとした時、沿道から右翼が飛び出し、ハンドマイクを持つ全学連の学生に殴りかかろうとした。しかし瞬間的にデモ隊の仲間たちが粉砕、権力の弾圧も許さずに最後まで戦闘的に闘い抜いた。市民の圧倒的な注目のもとで、唯一、北朝鮮への侵略戦争策動、排外主義攻撃と対決するデモが闘われたのだ。
夕方からは、この闘いを報告する街宣を行った。仲間たちは勝利感に満ち、説得力のあるアジテーションで帰宅中の労働者・学生に訴えた。2千枚のチラシを配布。立ち止まって怪訝(けげん)そうな顔をした人もチラシを読んでうなずいていた。「支持します。がんばって」と声をかけていく人、口論を吹っかけてくる人もおり、街頭で大衆的な分岐をつくりだした。
排外主義の嵐打ち破る闘い
新潟県労組交流センターが呼びかけた今回の闘いは第一に、北朝鮮侵略戦争を決断した日帝との闘いだった。日米首脳会談では「対話と圧力」を掲げ、戦争辞さずを内外に宣言した。そして「検査体制強化」で締め上げ、万景峰号を手始めに、すべての北朝鮮船舶の入港規制−経済制裁に踏み込もうとしている。すでに北朝鮮への侵略戦争過程が始まっている。こうした中での闘いだった。
第二に、南北朝鮮人民、在日朝鮮人民との連帯闘争だった。吹き荒れる北朝鮮への排外主義は在日朝鮮人民にすさまじい重圧を加えている。万景峰号は在日朝鮮人民にとって「祖国」や親族との唯一の細いパイプである。日帝はそれさえ奪おうとしているのだ。在日朝鮮人民の自由往来の権利を日帝が奪うことなど絶対に許されない。在日朝鮮人民の民族的権利・基本的人権の侵害に対して、日本の労働者階級人民はその防衛のために闘おう。
第三に、拉致問題をあおって、北朝鮮への侵略戦争を叫ぶ「拉致議連」や「救う会」、右翼と対決する闘いだった。新潟市内はブルーリボンを着けた人たちであふれ、街中を反動的に制圧しようとした。今回の闘いは、ファシスト運動と対決して闘われた。
第四に、あらゆる勢力が沈黙する中、唯一闘いに立ったことだ。警察の戒厳体制や右翼の大街宣、「拉致議連」や「救う会」の我が物顔の振る舞い。今回の闘いは、有事体制下、戦時下の闘いとしてあった。こうした状況ですべての勢力がふるいにかけられた。
今回、万景峰号の入港は直前に中止に追い込まれた。日本の労働者階級人民にとって、闘いの真価はこれからますます問われる。入港中止に「救う会」は「勝利宣言」し、「北朝鮮の船の一切を止めろ」「経済制裁が必要」と主張をエスカレートさせている。北朝鮮侵略戦争の絶対阻止へ南北朝鮮人民、在日朝鮮人民と連帯して闘い抜こう。
(写真1面)
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週刊『前進』(2106号4面2)
大阪 有事法成立を弾劾 “現場でつぶす”と決意
「つぶせ有事立法! とめよう北朝鮮侵略/6・8関西集会」(主催・関西反戦共同行動委員会)が6月8日、大阪・扇町公園で442人の大結集で闘われた。
全学連の宮城啓副委員長が基調報告を行い、「これからが闘いの正念場だ。北朝鮮侵略戦争阻止へ国民保護法制、米軍支援法案の阻止を全力で闘おう。イラク新法と労働法制改悪を阻止しよう」と提起した。
続いて百万人署名運動兵庫県連絡会の梶原義行さんが国会闘争を報告。また京都の青年が有事法制阻止への熱い思いを語った。5・15〜18沖縄現地闘争に参加した学生の報告に続き、フリートークを行った。
高槻市の森田充二、小西弘泰の両市議、国賀祥司・泉佐野市議、9月に東大阪市議選に立候補する部落解放同盟全国連荒本支部の阪口克己書記長が発言に立った。森田、小西の両氏は、5月臨時議会で有事法制の廃案を求める意見書を提案したことを報告。「たとえ国が決めても、自治体や労組の現場、地域で、有事法制を実際につぶしていく」と訴えた。阪口さんは「戦争に反対し、いのち第一、福祉充実、市民が主人公になった政治を」と東大阪市議選勝利へ決意を語った。
滝口支部長をはじめ4人の支部員の不当逮捕と闘う解同全国連寝屋川支部から、支部長代行となって闘う西岡仁副支部長が発言した。「恐喝罪」デッチあげの不当逮捕を弾劾し「役所と警察がぐるになった国守団地家賃値上げ反対組合つぶしだ。絶対に負けない。4人と一心同体となって闘う」と決意を語った。
さらに関西労組交流センターの野口英明さんが「激化する資本攻勢との闘いを土台に職場で有事立法との闘いを組織しよう」と提起した。そして国労5・27臨大闘争弾圧裁判について「8人の仲間を取り戻す闘いの勝利で、こう闘えば勝利できることを具体的に示していこう」と訴えた。
さらに有事法制強行成立に対する怒りを込めた詩の朗読があり、京大の学生の決意表明で集会後、大阪中心部へのデモを行った。
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週刊『前進』(2106号4面3)
福岡 “つぶせ有事法制” 天神地区をデモで席巻
6月8日、真夏のような陽射しがジリジリと照りつける中で、「つぶせ有事法制!/とめよう戦争!」集会(呼びかけ「有事立法粉砕実行委員会・福岡」)が開催された。会場の警固公園は、木陰で涼む若者が集会に注目している。
最初に呼びかけ団体を代表して郡島恒昭さん、「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」代表の青柳行信さんが、有事立法の参院強行採決を弾劾し、イラク新法阻止を訴えた。
呼びかけ人の梶村晃さんが基調を提起した。「韓国の大統領が訪日する時に有事立法を国会で通過させるとはどういうことか、と韓国のマスコミが抗議している。当然のことだ。教育基本法の改悪案も狙っている。『創氏改名は朝鮮人が希望した』という発言が平然と飛び出してくる。間違いなく日本は戦争に行こうとしている」と弾劾した。
部落解放同盟全国連甘木支部の青年、宮田町町会議員のわたなべひろやすさんが発言し、続いて百万人署名運動福岡県連絡会が「6月5日、参議院に4353筆の署名を提出してきた。現在7万5251筆の署名を集めた」と報告した。
午後3時、ラップ調のデモコールでデモに出発した。若者でにぎわう天神地区を100人のデモ隊が席巻した。「北朝鮮を侵略するな♪ イラク新法ハンタイ♪」のコールに合わせて歩道からも声が上がる。天神西通りでは4人の女性が飛び入り参加。約1時間のデモを終了し、再び警固公園に戻って総括集会を行った。女たちのデモ実行委員会や自立労組・福岡、若者たちが次々と発言。九大学生自治会が6月17日の九大弾圧第1回公判の傍聴を呼びかけた。
最後に、呼びかけ人の石崎昭哲さんが「闘いはこれから。イラクの戦争は終わってない。アメリカの占領はぼろぼろ。そこに自衛隊が出兵する。イラク新法は絶対に阻止する。7・6イラク新法ハンタイ!福岡行動に立とう」と行動提起した。
(投稿/福岡・N)
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週刊『前進』(2106号4面4)
イラク新法を阻止せよ 軍事占領に陸自派兵を狙う
小泉は6月7日、与党3党の幹事長と会談し、「復興支援」と称して自衛隊をイラクに侵略派兵するために「イラク支援新法(仮称)」を国会に提出することを伝え、与党3党の幹事長がこれを了承した。すでに与党各党内で調整が進められており、13日にも国会に提出し、国会会期を延長して今国会で成立させ、直ちに自衛隊をイラクに派兵しようとしている。
有事3法成立を受け、ついに戦後初めて自衛隊を占領軍として戦闘任務に就かせる法律が強行されようとしている。自衛隊がイラク人民を無差別虐殺する戦場に乗り込もうとしているのだ。絶対にこの侵略出兵を許してはならない。
イラク新法は、PKO派兵法やテロ対策特措法などと比較しても、どの法律よりもエスカレートした侵略派兵法である。まだ法案そのものの中身が具体的に明らかになっていないが、テロ対策特措法をベースに作ると言われている。活動内容は、@イラク国民への人道物資輸送など復興・人道支援活動、A治安維持にあたる米英軍への輸送、通信など後方支援、B大量破壊兵器処理、――などとしている。武器使用基準は緩和しないといっているが自衛隊などから批判があがっている。国会承認は20日以内の事後承認となっており、期間は4年の時限立法としている。
“当該国の同意”もなく侵略派兵
第一に、目的、内容自身が、米英軍とともにイラクを軍事占領するための法律である。法律の目的は、国連安保理決議1483号を「根拠」にしている。しかしこの国連決議は、イラク経済制裁解除をテコに米英軍がイラクを軍事占領することをうたったものであり、実際には米帝がイラク軍事占領の全権を握り、イラク石油を略奪していくための決議である。米英のイラク開戦に反対した仏独帝も、サミットが吹っ飛ぶことやイラクへの債権そのものが完全に奪われかねないことなどを恐れて、決議に賛成したのだ。
この国連決議を「根拠」に、自衛隊をイラク植民地支配のための占領軍として、イラク人民の武装解放闘争を鎮圧するために派兵しようとしているのだ。そのためにイラク新法は、「当該外国の承認」も必要なく「イラクで施政を行う機関の同意」という表現で米帝の同意があればよいとしているのだ。
戦闘地域で兵員・武器・弾薬輸送
第二に、陸上自衛隊を占領軍として派兵し、侵略派兵の質的転換をなしとげ、自衛隊が侵略軍隊として他国の人民を虐殺することを合法化し、そこに踏み込もうとしている。
米帝ブッシュは5月23日の日米首脳会談などで「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」という表現で地上部隊の派兵を要求した。6月10日に与党幹事長と会談したアーミテージ米国務副長官は、「湾岸戦争時、日本は巨額の金を払い観客席で見ていただけ。グラウンドに下りてプレーすべき」と発言し、陸上自衛隊の派兵を求めた。日帝は、この米帝からの要求に応えることをとおして、侵略軍の派兵に突き進もうとしているのである。
しかも、実際に自衛隊が行う任務の中心は米英軍の支援であり、その中に兵員や武器、弾薬の輸送が含まれることが明らかになっている。これは実際の戦場で米英軍とともに戦闘行動に参加し、軍事占領を任務とすることを意味している。
テロ対策特措法では「武器弾薬の輸送は武力行使と一体化する」として除外された。現実問題として、武器・弾薬・兵員の輸送は当然にも攻撃対象となり、その場合に自衛隊が真っ先に応戦し、戦闘行動に参加することを意味する。自衛隊は、あえて武器・弾薬・兵員の陸上輸送を行い、自衛隊自身が戦闘任務に就こうとしているのだ。
イラクでは占領軍に対するゲリラ戦闘がますます激化している。ブッシュが戦闘終結宣言を行った5月1日から6月10日までの間に29人の米兵がイラク人民のゲリラ戦闘によって死亡している。バグダッドの西70キロにあるファルージャでは4月末の2回の事件で米軍が16人ものデモ参加者を虐殺した。そのファルージャで最近、2度にわたって米軍への襲撃事件が起こっている。イラク人民の米軍支配への怒りはますます高まっているのである。
これに対して米軍はイラク人民を無差別虐殺している。6月1日、バグダッドで米軍装甲車に爆弾が投げ込まれ、2人の米兵が負傷した。米軍は、付近の住民に無差別銃撃を行い、2人の市民が虐殺された。米軍はイラク人民から武器を没収しようと家宅捜索を行っており、それがイラク人民の怒りを激化させている。イスラム社会では男性が入ってはならないとされている女性の部屋に米兵が踏み込み、女性のボディチェックまで行っている。スンニ派イスラム教徒の新聞では10代の少女2人が米兵に暴行されたことを報道し、米軍は直ちに出ていけと弾劾している。
こうした中でイラク人民の武装闘争はますます激化しているのである。イラクに乗り込む自衛隊は、米軍とともにイラク人民を無差別虐殺するのであり、彼らを待ち受けているのは、6月7日アフガニスタンで軍用車両に乗っていて自爆戦闘を受け、4人が死亡し、29人が負傷したドイツ兵の運命である。自衛隊兵士・家族はこのような任務を絶対に拒否しよう。
有事3法の成立で加速する攻撃
第三に、有事法制下の新法であり派兵である。一つには、武力攻撃事態法によって外国における日本政府施設や要員に対する攻撃も日本に対する「武力攻撃事態」として防衛出動命令や防衛出動待機命令が発動され、国家総動員のもとに侵略戦争を遂行する体制がとられることになりかねないことである。二つには、今回の自衛隊イラク派兵は、米帝の北朝鮮侵略戦争で陸上自衛隊が最前線で地上戦闘に参戦することに直結するのだ。
先述の会談の中でアーミテージは、後方支援活動という「一塁手か遊撃手」(同)の役割ではなく、投手並の「主役」を務めることを要求している。北朝鮮侵略戦争では自衛隊はイラク侵略戦争におけるイギリス軍以上の役割を担うということなのだ。
小泉が日米首脳会談でブッシュに地上部隊の派兵を公約したことは、有事法の成立を受けて日帝がそこに全力で踏み込むことを決断し、実行しようとしているということなのだ。
今、日本人民の根底的な決起が問われている。日帝の侵略戦争への突入に対して日本人民は敢然と闘うのか、それとも座して屈服するのか。われわれは、イラク新法を阻止する闘い、自衛隊イラク派兵を阻止する闘い、有事法制を発動させない闘い、北朝鮮侵略戦争を阻止する闘いを全力をあげて闘い抜き、侵略戦争と大失業によってしか生き延びることができない日帝を打倒しなければならない。民主党・連合の大裏切りを粉砕し、6〜7月イラク派兵新法阻止に決起しよう。
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週刊『前進』(2106号4面5)
「有事は怖い」と熱弁 杉並で大田さん講演会
5月24日夕、東京・杉並の産業商工会館で、前沖縄県知事で参議院議員の大田昌秀さんの講演会が開かれました。杉並を中心とする沖縄県人会有志の方々の呼びかけで実現したもの。司会は新城節子杉並区議が行い、大田さんは1時間以上にわたって、沖縄戦の体験者として有事法制がいかに危険極まりないものであるかを、危機感をもって訴えました。講演のタイトルは最近出版した著書と同じく「有事法制は、怖い」。
大田さんはまず、「有事法制を通したら引き返すことのできない事態に陥る」と警鐘を鳴らしました。
そして、前提的に知っておくべき沖縄の基本的なことについて何点か指摘しました。沖縄の廃藩置県(琉球処分)は、他県より8年遅れて行われたが、それは日本の領土を守るための南の門にして、軍隊を置く、そのための土地を取り上げるためにあったこと。また太平洋戦争開戦から半年もしない時にアメリカは沖縄を切り離すと計画し、沖縄を研究し尽くして攻め込んだこと。これらのことが次々と語られ、沖縄と日本とアメリカの関係が説き明かされました。
名護市辺野古に海上基地が造られようとしていることについて、「またしても沖縄を踏み台にしてアジアに侵略するのか」と、反対の意思を表明しました。
そして、大田さんが知事の時に強行された米軍用地特別措置法改悪について、「あれだけはやらないでほしい、人権侵害、財産権侵害、憲法違反であると反対したが成立してしまった、土地収用手続きの簡素化であり、有事立法の先取りだ」と怒りを込めて振り返りました。
また、「有事に自衛隊が超法規的に行動しないように」有事立法をつくると説明されていることについて大田さんは、「それは戦争の実際をまったく知らない者の言うことだ」と強く指摘しました。「法律を守っていては戦争はできない。戦車が赤信号で止まっていたら戦争にならない」と。
大本営の将校が、本土決戦になった時に戦車隊は道路上の避難民をどうするかとの質問に「構わずひき殺して前へ進め」と言い放ったという話を紹介し、「軍隊は住民を守るものではない」と述べました。
また、自衛隊法の「除外」規定こそ、超法規的ということだと強調。沖縄戦では、県知事や学校長の権限は一切司令官の権限のもとに置かれ、事実上の戒厳令状態だったのです。
沖縄戦を生き延びた大田さんは、戦後の憲法を読み第9条を知って、生きる希望を取り戻し、戦争は二度と繰り返してはいけないと決意したそうです。
休みなく、一気に戦争反対、戦争のための有事法制反対を、熱を込めて語りぬいた大田さんに大きな拍手が起こりました。いくつかの質問が出て、大田さんはそれぞれに真剣に答えていました。
呼びかけ人の一人である沖縄民権の会の座覇光子さんが発言し、大田さんの話に学んで有事立法反対、戦争反対の闘いをやりぬく決意を表明しました。
沖縄の怒りと、杉並区民の運動、在本土沖縄出身者の思いが交流し、交わった素晴らしい集会でした。
(投稿 馬場博)
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週刊『前進』(2106号4面6)
6・22三里塚現地闘争へ 三里塚芝山連合空港反対同盟
三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける「暫定滑走路北側延伸阻止/6・22三里塚現地闘争」(要項1面)のお知らせを掲載します。(編集局)
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反対同盟ととともに闘うみなさん。
政府・空港公団は、短縮・欠陥の暫定滑走路を2500bに延長するために、同滑走路を北側に320b延ばす「北側延伸」をうちだしました。「成田開港25周年式」で黒野公団総裁は「決断の時期が迫っている」と発言し、敷地内農家が用地買収に応じないなら、北側に延長する計画を露骨に表明したのです。
北側延伸のねらいは成田空港民営化にともなう株価のつり上げです。欠陥だらけの「暫定滑走路のままでは株価が下がる」とあけすけに語っています。
ふたつめのねらいは脅迫による農家の移転です。「頭の上をジャンボが飛ぶ」と言って追い出そうとしているのです。しかし、北側に延ばして2500bにしてもジャンボ機は飛べません。ジャンボなどの大型機は3000b級滑走路が必要です。国内線用のジャンボ機は、今の2180bでも飛べるのですが、暫定滑走路の変形誘導路が安全基準を大幅に逸脱するために使うことができないのです。
つまり効果のない北側延長工事を、株価つり上げと農家追い出しのためにうちだしたのです。イラク侵略戦争と新型肺炎(SARS)で、公団経営は破綻(はたん)寸前です。暫定滑走路を最終的に粉砕する闘いの開始です。
この闘いのために現地闘争に決起します。緊急ではありますが、多くのみなさんの結集を呼びかけます。
2003年6月7日
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週刊『前進』(2106号4面7)
6月4日〜10日
有事法成立日に盧武鉉訪日 米軍再配置で戦力が2倍に
●ミサイル防衛、2段階を検討 防衛庁は弾道ミサイル防衛(MD)について、導入を検討していた地対空誘導弾パトリオットPAC3に加え、米国が独自開発したイージス艦搭載型のSM3(スタンダードミサイル3)との2段階の迎撃システムの構築をめざし、来年度予算案に購入費か契約費を盛り込む方針を固めた。(4日)
●在韓米軍「再配置で戦力2倍」 韓国の尹永寛(ユンヨングァン)外交通商相がソウル市内で講演し、「在韓米軍の再配置後には、米韓連合軍の戦力は劣るどころか2倍になる」などと述べた。(4日)
●有事対応で自衛官が自治体に出向 防衛庁のあっせんで少なくとも全国の17都県市に、現職やOBの自衛官計22人が出向・再就職し、一部では住民の避難要領の作成など、自治体の有事対応に関与していることが共同通信の調べで分かった。(5日)
●「自衛隊が違憲でないのは明らか」 小泉首相は衆院本会議で、「実質的に自衛隊は軍隊だろう」との発言について、「自衛のための必要最小限度内の実力組織であり、憲法違反でないのは明らか」と説明した。(5日)
●教基法改悪案の提出、今国会は困難 与党3党の幹事長、政調会長らが会談し、教育基本法の見直し問題について「勉強会」を近く立ち上げ、時間をかけて協議を続けることを確認した。早期決着の断念で、今国会への改悪案提出の可能性は少なくなった。国会会期が大幅延長になればわからない。(5日)
●有事3法が成立 武力攻撃事態対処法、改悪自衛隊法、改悪安全保障会議設置法の有事法制3法案が、5日の参院有事法制特別委員会での可決に続いて、参院本会議で与党3党と民主、自由両党など出席議員235人(棄権1人)のうち202人の賛成で可決・成立した。共産、社民両党など32人が反対した。3法は月内に施行される。(6日)
●比、米軍訓練受け入れ 来日したアロヨ・フィリピン大統領が小泉首相と会談し、米側との軍事協力の一環で在沖海兵隊など沖縄に駐留する米軍の訓練受け入れに向け、具体的に準備を進めていることを明らかにした。(6日)
●「イラク化学兵器、証拠なし」開戦前に報告書 米国防総省の国防情報局が昨年9月に「イラクに化学兵器が存在する有力証拠はない」という報告書をまとめていたことが分かった。米主要メディアが報じた。(6日)
●米海軍司令部、三沢基地に移転検討 米海軍太平洋艦隊の第1哨戒偵察航空団司令部が今秋、横浜市の上瀬谷通信施設から青森県三沢市の三沢基地に移転する方向で最終検討に入ったことが日米関係者の話で分かった。移転によって司令部機能は強化され、情報偵察部門での在日米軍の比重が高まる可能性が出てきた。(6日)
●イラク新法提出決定 小泉首相が与党3党の幹事長と会談し、イラクに自衛隊を派兵する「イラク支援法案」(仮称)と、今年11月までのテロ対策特別措置法の期限を2年延長する改悪案を提出する考えを伝えた。イラク新法は4年程度の時限立法とすることで合意した。自衛隊の任務としてイラク国内での武器・弾薬や米英兵などの陸上輸送を想定しているという。政府案通りに成立すれば、自衛隊に外国領土での武器・弾薬の陸上輸送を認める初のケースとなる。(7日)
●日韓首脳会談 来日した盧武鉉(ノムヒョン)韓国大統領と小泉首相が会談。共同声明を発表した。(7日)
●万景峰号、入港を中止 新潟西港に9日朝入港予定だった北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号について、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が、北朝鮮側から出港を取りやめるという連絡があったことを明らかにした。(8日)
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週刊『前進』(2106号5面1)
債務超過を公的資金で救済 再激化し始めた金融恐慌
りそな銀を実質的に国有化 他の大銀行も破綻は必至だ
島崎 光晴
国内第5位の大銀行であるりそな銀行への公的資金の注入と実質国有化が決まった。りそな銀行は債務超過に陥っており、本当は経営破綻(はたん)になるところだった。98年以来、銀行を救済するためにあらゆる措置がとられてきたが、それが破産してついに大手銀行が崩れたのだ。今後、他の大手銀行で「第2のりそな」が発生するのは必至である。日本経済は今や金融恐慌の再激化、恐慌の全面的爆発に向かい始めた。日本経済の危機はもはや、どのような政策をもっても抑えられない。小泉「構造改革」は大破産をとげつつある。労働者に襲いかかる〈戦争と大失業>の根っこには、このような日帝のどうしようもない行き詰まりがある。
繰り延べ税金資産で自己資本水増し
大手銀行の一角がついに崩れた。政府は6月10日、りそな銀行への約2兆円の公的資金の注入と実質国有化を正式に決めた。りそな銀行は、みずほ、三井住友、三菱東京、UFJの4大メガバンクに次ぐ第5位の都市銀行である。それほどの巨大銀行が実質国有化以外になくなったのだ。
国有化は、98年の日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の「一時国有化」以来である。長銀と日債銀の場合、政府が銀行の全株式を買い入れ、経営も国が握り、名実ともに国有化だった。これに対しりそな銀行では、政府保有の株式は全体の約7割にとどまり、経営上も民間金融機関の機能を維持する。
公的資金注入の表向きの理由は、「3月期末の自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合=ミニ解説)が、国内業務を営む最低基準である4%を下回った」というもの。「公的資金の注入で自己資本を増強し、自己資本比率を12%に高める」と政府は説明している。
しかし、これは大ウソだ。実はりそな銀行は3月期末に債務超過に陥っている。負債が資産を上回る状態であり、完全な経営破綻である。小泉は「破綻ではない、危機の防止」と言い逃れをしているが、本当は破綻なのだ。にもかかわらず、破綻であることをごまかしてりそな銀行を救済しようとしている。そのための手口が繰り延べ税金資産の過大な計算だ。
銀行の自己資本には繰り延べ税金資産が組み入れられている。銀行は不良債権の処理のため貸し倒れ引当金を計上するが、これには税金がかかる。ただし会計ルールでは、その後に融資先が実際に倒産して焦げついた段階で、その時の納税額から差し引かれることになっている。つまり繰り延べ税金資産は、すでに支払った税金から、将来差し引かれて戻ってくると見込まれるカネを、あらかじめ自己資本に組み入れて計算するもの。°貸し倒れ引当金を積んだ時点では税務上の損金とみなされず、損失確定後に損金と認定され、その時点の課税対象から控除される″という考え方による会計上の数字である。
では、りそな銀行の繰り延べ税金資産はいくらなのか。りそな銀行は03年3月期まで3年連続の赤字であり、今後の収益回復の見通しもない。銀行の決算が赤字となると税金も支払えなくなり、そもそも°税金の控除″自体なくなる。だから本当は、繰り延べ税金資産は1円もない。繰り延べ税金資産をゼロと計算すると自己資本は減り、自己資本を含む資産も減り、その結果、2700億円ほどの債務超過に転じるとみられている。
実際、りそな銀行の監査を担当していた二つの民間の監査会社のうち1社は、繰り延べ税金資産をゼロとして債務超過と認定していた。しかし、金融庁の圧力でこの監査はつぶされ、担当者は自殺に追い込まれた。この監査会社は監査から外れてしまった。
もう一つの監査会社は、監査を甘くして、繰り延べ税金資産を一定額自己資本に組み入れた。この監査会社に対しても金融庁は、「4%割れにするな」と圧力をかけていた。金融庁の真意は、りそな銀行への公的資金の注入を避けることにあった。しかし、いくらなんでもそれはあまりにも無理があり、結局「4%割れ」となった。こうして、債務超過の真相は隠され、「自己資本比率4%割れ」が問題であるかのようにねじ曲げられたのだ。
大阪・埼玉の指定金融機関
もし債務超過と断定されていれば、どうなったか。経営破綻だ。大手都市銀行の経営破綻は、97年秋の北海道拓殖銀行以来のこととなる。拓銀破綻の場合、ほぼ同時に起きた山一証券の廃業と相まって金融恐慌突入の引き金となった。拓銀と比べてもりそな銀行は規模がはるかに大きく、りそな破綻を機に金融危機が噴出し、金融恐慌が再爆発する可能性があった。
特にりそな銀行は、大阪府(かつての大和銀行との関係)と埼玉県(かつての埼玉銀行との関係)の指定金融機関になっている。それが破綻すると、金融市場はもちろん、地方自治体の財政・金融にも、さらには地方自治体との関係の深い企業群にも破壊的な影響が出る。さらに、債務超過となると、りそな銀行の株式は上場廃止となり、その株を持っている企業は大損害を受ける。りそな銀行の融資も強引に回収され、企業の連鎖倒産が続出せざるをえない。拓銀の経営破綻では数百社の企業が倒産あるいは廃業に追い込まれたが、その比ではない事態になるだろう。
小泉・竹中は、このような金融恐慌の再爆発を恐れて、りそな銀行が債務超過であることを隠したのである。まさに金融恐慌の再爆発をギリギリ寸前で押しとどめたのだ。
98年来の救済策が破産し銀行株暴落
りそな銀行への公的資金の注入は、98年以来の銀行救済策が破産したことを示す。
大手銀行は98年、99年と二度にわたって10兆円超の公的資金の注入を受けた。その救済策のもとで各銀行は経営健全化計画を作り、大型合併も実施してきた。しかし不良債権額はいっこうに減らず、むしろ体力を消耗しきってしまった。特に、株価下落で銀行が保有する株式に含み損が発生、それが収益を一段と悪化させた。銀行決算のたびに金融市場は動揺し、「3月危機」「9月危機」が日常となった。昨秋には日銀が銀行保有株の買い取りを決めたが、もはや°焼け石に水″。こうしたあらゆる銀行救済策にもかかわらず、またも大手銀行への公的資金注入という非常手段に訴えるしかなくなったのだ。
りそな銀行は以前にも公的資金を受けており、合計で約3兆円、最大の公的資金注入銀行となる。3兆円というのは、1日1億円返済して82年もかかるほどの莫大(ばくだい)な額だ。りそな銀行が返済できるはずがない。必ず国民負担となってくる。国民1人当たり3万円もの負担だ。これまでの銀行救済策の破産の結果、またも銀行に血税を投入しようというのだ。
さらに、りそな銀行への公的資金注入は、昨秋の竹中プランの迷走と動揺の°なれの果て″でもある。竹中は昨秋の「金融再生プログラム」で、銀行を国有化する強硬方針を採用した。銀行にしてみれば、自己資本が減るとたちまち国有化されかねない窮地に陥った。銀行側は国有化を避けようとして、今年になって自己資本を増強するためのあがきを繰り返した。ところが、それが銀行危機を一段と促進するものとなってしまったのだ。
まず銀行は、自己資本増額のため、なりふりかまわぬ「奇策」をとった。典型は、三井住友銀行と子会社の第2地方銀行である「わかしお銀行」との合併だ。三井住友銀行が「わかしお銀行」を合併するのではなく、「わかしお銀行」が三井住友銀行を合併する形をとった。新会社の名称は三井住友銀行となっているが、存続会社は「わかしお銀行」の方だ。「わかしお銀行」を存続させた合併にすると、三井住友は3兆円の自己資本を新会社に全部引きつがなくて済む。その余剰分は約2兆円。それを株式含み損の処理に充てて、自己資本減額を回避したのである。
しかし、これだけでは済まなかった。各大手銀行は、自己資本を増やすために、新しく株式を発行するやり方をとった。増資という。
みずほは1兆円の巨額増資
特にみずほは1兆円もの増資を実施した。日本企業として過去最大の資本増強だ。新しく発行した株式を、もともと関係の深い企業に無理やり買い取らせた。また、三井住友銀行は、1500億円の株式を米証券会社ゴールドマン・サックスに買い取ってもらった。三菱東京も増資をした。増資の合計は過去最大の2兆円にも達した。
ところが、銀行側の思惑とは逆に、この巨額増資の結果、株価が暴落してしまった。日経平均株価は3〜4月にバブル崩壊後の最安値を更新しつづけ、4月末には7700円を割って82年末以来の水準に下がった。ハイテク株と銀行株が下げた。三井住友は年初から45%、みずほは54%の水準にまで下がった。わずか4カ月で株価が半値になるほど暴落したのだ。増資に伴って1株当たりの利益が少なくなると予想されたからだ。また、増資によって配当負担が巨額になるとの懸念が広がった。
この株価の下げによって、銀行の株式含み損はさらに増加した。大手7行の含み損は昨年9月末より約3兆円膨らんだ。会計上この約60%、約1・8兆円を自己資本から差し引かなければならない。2兆円の自己資本増強をしたにもかかわらず、そのほとんどがあっというまに帳消しになってしまったのだ。
国有化を回避するための増資→株安→増資効果の帳消し→自己資本の磨耗→国有化の危機、という銀行にとっては悪夢のような状況だ。°竹中プランにそってりそな国有化″というスムーズな展開ではない。竹中プラン以降、当事者の思惑とは逆の展開が相次ぎ、やることなすことすべてが裏目に出ている。それほど危機が手に負えなくなっているわけだ。その結果が、りそな銀行への公的資金注入である。
4大銀行が国有化されれば大恐慌に
今後、4大メガバンクで「第2、第3のりそな」が発生するのは必至である。
何よりも大手銀行は、繰り延べ税金資産を自己資本に過大に組み入れている。自己資本に占める繰り延べ税金資産の割合は4〜6割にも上る(図参照)。自己資本の半分が仮想の資産、というほどにもろくなっているのだ。りそな銀行と同じように繰り延べ税金資産を制限すると、三井住友、みずほ、UFJは自己資本比率が国際業務の基準である8%を下回る。かといって、この間のような強引な増資は二度とできない。もし国際業務を維持しようとするなら公的資金の注入しかなくなる。4大メガバンク中、三菱東京以外は実質国有化せざるをえないほどの惨状だ。
しかも大銀行の収益は今後ますます悪化せざるをえない。地価が下がり続けているため不良債権の新規発生が止まらない。不良債権は建設・不動産・流通だけでなく製造業にも広がり、特に中小企業で増えつつある。さらに、銀行は保有株を売っているが、依然として大手銀行合計で15兆円にも上り、株安に弱い体質はなんら変わりない。銀行は大量の国債も抱えていて、国債価格が下がれば評価損で経営は壊滅的になる。
また、大手銀行は生命保険会社と資金を融通しあっており、銀行と生保の危機が連鎖しつつある。政府は、生保の予定利率の引き下げを認めて生保を救済しようとしている。そのための保険業法改定案が6月12日に衆院を通過した。しかし実際に予定利率引き下げに踏み切れば金融市場は大激震するだろう。
「第2のりそな」は避けられない。すでに今年3月期決算では、大手7グループすべてが2年連続の赤字となった。4月には鳴り物入りで産業再生機構がスタートしたが、その機能も限られている。仮に9月中間決算をごまかして乗り切ったとしても、来年3月決算では再び自己資本不足が表面化せざるをえない。
4大メガバンクのうち一つでも実質国有化となるなら、りそな銀行の比ではない大ダメージをもたらす。日本の金融恐慌が再激化するだけではない。世界金融恐慌の引き金になる可能性がある。実質国有化の過程で切羽詰まった4大メガバンクが、保有する米国債などの海外資産を投げ売りすれば、ドル暴落−世界金融恐慌が爆発するだろう。
次つぎ行き詰まる小泉の「構造改革」
このように、日本の金融恐慌が再激化するのは必至である。その背景には、日本経済における過剰設備−過剰資本、過剰債務、不良債権がますます深刻になっていることがある。
97年秋の恐慌突入以降、99年初めから00年秋、02年初めから夏場、2回の若干の景気浮揚の時期があった。それは、史上最大の恐慌対策の発動に加えて、対米輸出がなお増加していたことによる。しかし、鉱工業生産は01年、02年とマイナス続きであり、02年度の名目GDPは94年度以来8年ぶりに500兆円の大台を割りこんだ。今後、米経済が本格的な恐慌に向かえば、日本の恐慌は再び全面的に爆発せざるをえない。
こうした中で、小泉「構造改革」は朽ち果てつつある。「構造改革」の最大の柱である「不良債権処理の加速」策は、りそな銀行の実質国有化を引き起こし、今後さらに、4大メガバンクの国有化という形で恐慌を激化させるものでしかない。小泉政権はデフレ対策になんの妙案もなく、かといってデフレ対策として財政を拡張すれば一層の財政危機を招く、というジレンマに七転八倒している。
「構造改革」の目玉だった道路公団民営化にしても、4公団とも債務超過であることをごまかしており、必ずパンクせざるをえない。もう一つの目玉とも言える「構造改革特区」は、4月に第1弾として57件が指定されたが、日本経済の構造を変えるようなものは何ひとつない。
アジア侵略と資本攻勢の嵐
日本経済は今、これほどの危機にある。小泉「構造改革」はすでに、これほど破産している。そうした絶望的な状況下、日帝は米帝との争闘戦を強めながら、一層のアジア侵略、アジアの勢力圏化に突進し、労働者人民の搾取・収奪、抑圧を果てしなく強めている。
小泉政権は昨年6月の「骨太方針第2弾」で「東アジア自由ビジネス圏」創設を打ち出した。これを受けて奥田ビジョンは、「アジア自由経済圏」構想を「2025年までの将来構想」の基軸としてぶちあげた(『共産主義者』136号野田憲司論文を参照)。
さらに4月には、経済同友会が改憲を求める意見書を発表。提言のまとめ役の高坂節三(同友会憲法問題調査会委員長)は、「グローバル化とは、日本の資本や人材が世界中に広がっていくこと。これを守るためには何らかの方策が必要だ。だから米国と提携するのだが、ここだけは自分がやる、というところがないといざというときも言いたいことが言えない」と公言している(5・27朝日)。だから日帝はアジアの勢力圏化に延命を求め、米帝と共同し競合しつつ北朝鮮・中国侵略戦争にのめりこもうとしているのだ。
一方、3月期の金融を除く全産業の利益は黒字に転換したが、利益増加分の半分はリストラ・合理化でひねり出したものだ。それほどの状態のところに、さらに労働法制の改悪が襲いかかってくる。原則「首切り自由」と終身雇用制の解体、不安定雇用化、そして年功型賃金の解体など、資本攻勢はますます急テンポになっていく。特にそれは若年労働者で最も顕著だ。
学生・主婦を除く15〜34歳のうちフリーター(パート・アルバイト、働く意志のある無職)は、01年で417万人、全体の20%を超えた。欧米のような〈若年大失業時代>が、すでに日本でも現実になっている。
有事3法の成立と労基法の改悪攻撃は、〈戦争と大失業>そのものだ。労働者人民が生きていくためには、このような帝国主義を打倒する以外にない。
ミニ解説 自己資本比率
自己資本比率とは、資産に占める自己資本の割合。資産は、銀行の場合、貸し出しなどが中心をなす。資産に対して自己資本が多いほど「経営が健全」と見なされる。国際決済銀行(BIS)は、国際業務を行う銀行の自己資本比率を最低8%と規制している。国内業務だけの銀行は4%。
自己資本の中核部分は三つ。株式を発行して調達する資本金。資本が欠損した場合に備えるため一定割合を積み立てておく法定準備金。利益の蓄積である剰余金。法定準備金(の一部)と剰余金を合わせて内部留保とも言う。
ところが99年3月期決算から、この自己資本に繰り延べ税金資産を加えてもよいことになった。グラフのように、大手銀行では繰り延べ税金資産が自己資本の半分前後を占める。しかも公的資金の注入は、政府が銀行の株式を買い取る形をとっており、資本金や準備金に公的資金が入っている(グラフの網部分)。
繰り延べ税金資産と公的資金を除くと、ほぼ全行で自己資本がマイナスとなる。例えば、みずほ銀行の場合、自己資本は3・7兆円だが、うち公的資金が1・9兆円、繰り延べ税金資産が2・2兆円で、正味資産はマイナスだ(02年9月末)。
今や日本の大銀行は、仮想の資産と公的資金でかろうじて成り立っているにすぎない。それほど破産している。
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週刊『前進』(2106号5面2)
北朝鮮侵略戦争への道を促進した日韓首脳会談
盧武鉉に全面屈服迫る小泉
6月6日の盧武鉉(ノムヒョン)韓国大統領の訪日と日韓首脳会談は、5月に行われた米韓、日米の各首脳会談などをふまえて、米日帝の北朝鮮侵略戦争と日帝の朝鮮再侵略への野望がむき出しとなった超反動的な首脳会談であった。
なんと訪日のその日に有事3法案を成立させ、米帝と共同・競合しつつ北朝鮮侵略戦争に突進することをねらう日帝・小泉は、米帝ブッシュと一体となって盧武鉉に徹底的な屈服を迫 り、対北朝鮮強硬路線で反動的合意を取りつけた。
南朝鮮・韓国人民と連帯して、日韓首脳会談と小泉を怒りをこめて弾劾し、北侵略戦争発動に突き進む米日帝と対決して闘おう。
対北朝鮮強硬路線で「合意」
まず、日韓共同声明では「北朝鮮の核兵器開発問題に対し日米韓が緊密に連携しながら平和的に解決することで一致した」「韓米首脳会談および日米首脳会談で合意した原則を再確認し(た)」と述べている。
これは、米日帝が北朝鮮の核問題の「平和的解決」と称して北朝鮮への「圧 力」を強め、それへの北朝鮮の対抗を口実に、米日帝の最も都合のよい時点で、直ちに侵略戦争を発動することの表明である。
米日帝は、イラク侵略戦争と同じように、北朝鮮に先制的に侵略戦争を仕掛けようとしている。北朝鮮の核開発問題はイラクの「大量破壊兵器」と同様、排外主義扇動と侵略戦争強行の口実にすぎない。
「韓米および日米の首脳会談で合意した原則」と は、米韓間で合意された 「追加的措置(の検討)」と日米間で合意された「より強硬な措置」のことだ。これが、北朝鮮への経済制裁から、臨検、海上封鎖、北朝鮮そのものへの武力行使へとエスカレートすることはあまりに明白だ。
交渉過程で韓国側は、日帝・小泉の「圧力」路線に抵抗して「対話」路線を強調、共同声明に「追加的措置」「より強硬な措置」という言葉を明記することは回避した。しかし結果的には、共同声明で「韓米、日韓両首脳会談の原則的合 意」という再確認がなされた。日帝・小泉は米帝ブッシュとともに、韓国側に米日の対北朝鮮強硬路線に従うように強要したのだ。
戦争責任を居直った日帝
さらに、日韓首脳会談 は、日帝の過去の侵略戦争責任・植民地支配責任をかつてないほど居直り、合理化するものとなった。共同声明では「過去の歴史を見据える」と一言確認したにすぎない。日帝は、この一言で戦争責任・植民地支配責任を居直り、再び朝鮮半島への侵略戦争に突き進もうとしているのだ。
これに対し盧武鉉は「未来志向」をかつてなくうたい、戦争責任問題をすり抜けようとする日帝を容認した。だがこれは日帝への屈服であり、朝鮮人民への裏切りである。
盧武鉉訪日を前にして麻生自民党政調会長の「創氏改名は朝鮮人が名字をくれと言った」なる許しがたい暴言が吐かれた。また韓国で戦死者を悼む「顕忠日」である6月6日に訪日が設定され、さらにその日に天皇アキヒトと会見した。しかも6日には北朝鮮侵略戦争法たる有事3法が強行成立させられた。
他方で、これと同時に、新潟港に入港予定の北朝鮮の万景峰(マンギョンボ ン)号に対し、事実上の臨検体制をとり、入港を不可能にさせたのである。
一方、盧武鉉は天皇との会見で歴代韓国大統領として初めて歴史問題を語らなかったばかりか、アキヒトの訪韓さえ要請した。かろうじて8日の国会演説で有事法制への「疑惑と不安」を表明したのみである。
このように日韓首脳会談の全過程を通じて、日帝・小泉は居丈高に、盧武鉉大統領に露骨な屈服を迫り、米日帝の北朝鮮侵略戦争への合意を強硬に求めたのである。再び侵略と戦争の道を突き進む日帝と小泉政権を許さず、徹底対決しなくてはならない。
この盧武鉉訪日に対して南朝鮮人民は怒りをもって弾劾の闘いに立った。
訪日に反対した南朝鮮人民
6月5日、「6・15共同宣言実現と韓半島の平和に向けた統一連帯、全国民衆連帯、投資協定・WTO反対国民行動が韓国大統領府前で共同記者会見を行い、朝鮮半島情勢に重大な影響を及ぼすとして盧武鉉訪日に反対し、侵略・植民地支配への反省と謝罪のない日帝への盧武鉉の屈服姿勢を弾劾した。また、日帝の有事立法、侵略戦争体制構築、日韓自由貿易協定締結への反対を表明した。
日帝の再侵略に反対する南朝鮮・韓国人民の闘いは、日本の労働者人民に連帯と共闘を求めている。
日本のプロレタリアート人民は、南朝鮮人民と連帯し、米日帝の北朝鮮侵略戦争を阻止し、朝鮮半島への侵略を内乱に転化する闘いを強めよう。
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週刊『前進』(2106号5面3)
STOP!有事法制6・10集会宣言
STOP!有事法制6・10集会の集会宣言を紹介します。(記事1面)
◆ ◆
日本を「戦争をする国」に作り変えようとする、有事法制関連3法案の採決強行に抗議し、今後も「戦争をする国づくり」に反対する運動を、いっそう強めることを確認しあうために、私たちは本日、日比谷野外音楽堂に集まりました。
政府・与党と野党・民主党および自由党は、ほとんどまともな審議もしないまま、5月15日の衆院本会議で法案採決を強行しました。そして、これに抗議する多くの声を無視して、6月6日の参院本会議において、またしても採決を強行しました。日本のすみずみから、またアジアの諸国からも、強い強い反対の声が表明されてきた法案を、多数の議席をもって採決を強行する――そんな権利が、国会議員に与えられているわけでは、断じてありません。
与党が提出した法案であれ、野党の「修正案」であれ、それらを正確に知る人であれば、これに賛成する人は一人もいない、と私たちは断言できます。どんな手を加えようと、アメリカが行う「戦争」に荷担するための仕組みづくりであることは、隠しようのない事実です。だからこそ、有事法制のこの危険な本質を知る私たちは、一貫して反対しつづけてきたのです。
1999年以来、うまずたゆまず続けられてきた、「戦争をする国づくり」に反対する運動は、確実に全国に広がっています。さまざまな市民の運動に、さまざまな宗派の宗教者たちに、ナショナルセンターや政治的な潮流の異なる労働組合に、ありとあらゆる分野における文化人たちの中に、多くの学園や地域の学生の中に、そして、これまで平和運動や政治活動の経験を持たなかった若い世代の中にも、平和な社会をつくろうとする運動は、大きく広がりました。
これほど真剣で、大きな声を無視した与党に、私たちは強く抗議します。与党の採決強行に加担した野党にも、心底から抗議します。
私たちのたたかいは決して終わったわけではありません。3法案が成立しても、有事法制のすべての仕組みが完成したわけでもありません。今後も、戦争に必要なさまざまな法整備が試みられるでしょう。私たちのたたかいは、有事法制の発動を許さない、戦争をするためのさらなる法整備を許さない、そして戦争への協力を断じて拒否するという、いっそう重要な段階に入りつつあります。私たちの暮らしの安定のために、日本のほんとうの平和のために、アジアの平和、世界の平和のために、私たちは、これまでの経験を大きく上回るような、大きな大きな運動をつくりあげ、有事法制関連3法の廃止をあくまでも要求し続けることを、本集会の名において、決意をこめて宣言します。
2003年6月10日 STOP!有事法制6・10集会
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週刊『前進』(2106号6面1)
東北大弾圧 不当逮捕に怒り広がる
Aさん勾留の石巻署に抗議
6月7日、80人を超える労働者、学生が結集し、全金本山労組員Aさんが勾留されている宮城県警石巻署に対する緊急抗議行動を闘った。午後2時からの集会では、冒頭に東北大学有朋寮の学生が、今回のデッチあげ弾圧こそ、有朋寮廃寮反対の闘いに追いつめられた東北大当局が警察と結託し仕組んだ大陰謀、権力犯罪であることを徹底的に弾劾し、無実のAさんを今すぐ取り戻そうと訴えた。
不当逮捕の連絡を受け、物販オルグを中断して駆けつけた全金本山労組の長谷武志委員長は、「この弾圧は全金本山労組への組合つぶしの攻撃であるとともに、学生運動と労働運動の連帯と共闘の強化を恐怖した弾圧である。闘いの力ではね返そう」と腹の底からの怒りをこめて弾圧粉砕の決意を表明した。
集会後、石巻署を包囲する抗議デモに決起した。警察署前では、抗議のシュプレヒコールの激しさに圧倒され、警察官は「警告」すら発することもできない。多くの石巻市民がデモに注目し、「がんばってくれ」という激励や警察への怒りの声が上がった。
6月2日の全金本山労組員Aさんへの不当逮捕=「傷害事件」は百パーセントのデッチあげだ。3月28日、約50人の東北大学教職員が「現況確認」と称して寮生が居住している有朋寮を封鎖しようと押しかけてきた。その中にいた農学部教授・西森克彦がAさんにしつこくまとわりついた上、自らころんで「傷害事件」をデッチあげた、これが事件の真相だ。
当局と警察が結託した陰謀
しかも、この「傷害事件」のデッチあげは西森個人の思いつきではない。あらかじめ宮城県警が東北大当局と結託し、大学教授である西森を「ころび屋」として「傷害事件」をデッチあげ、刑事弾圧を加えてきたのだ。国労5・27臨大闘争弾圧と同じ構図である。警察権力の「指導」があり、それを忠実に大学当局が実行したのだ。
東北大学当局は自作自演の事件であることを百も承知で、大学の最高意志決定機関である評議会で被害届提出を決定した。あろうことか、「ころび屋」西森は4月から学長特別補佐なるポストに出世している。無実の人を罪に陥れた功績でのし上がる、これが今日の大学の姿なのだ。
宮城県警は、6月2日早朝にAさん宅の家宅捜索に押しかけ、そこでAさんを令状逮捕した。事件の性格から言って、事情聴取もなくいきなり逮捕するなど前代未聞だ。しかも、仙台南署管轄の事件であるにもかかわらず、仙台市から60`も離れた石巻署に移送し、10日間の勾留を決定した。救援活動への妨害が目的だ。二重三重にAさんに重圧を加える卑劣きわまりない攻撃だ。ここにこそ「事件」をねつ造して逮捕し、非人間的な弾圧で屈服させて「犯人」をデッチあげる警察の許しがたい意図がむき出しとなっている。
しかし、いかなる攻撃も全金本山労組30年の不屈の闘いを押しつぶすことはできない。Aさんは不当弾圧への怒りをたぎらせて獄中闘争を闘いぬいている。
今回の弾圧がAさんを狙い撃ちした計画的な弾圧であることは明らかだ。
この弾圧は直接には、国家暴力の恫喝で有朋寮廃寮阻止の闘いをつぶそうとする攻撃だ。廃寮に反対する学内3000署名や社会的な「理由なき廃寮反対」の声の高まりに追いつめられた大学当局の最後のあがきだ。
寮闘争勝利! 全金本山守れ
それではどうして全金本山労組への弾圧なのか。全金本山労組が32年にわたり「2名の解雇撤回・全員の原職奪還」を闘いぬくとともに、戦争と差別・抑圧と闘う地域共闘の拠点として闘いぬいているからだ。
全金本山労組は自らの争議とともに地域の争議労組支援、個人争議支援に駆けつけ、支援陣形づくりに力を注いできた。また赤堀闘争(「障害者」解放闘争)や女川闘争(反原発闘争)を始めとするあらゆる差別・抑圧との闘いを自ら担い、地域共闘づくりの軸を絶えず担ってきた。2月には東北春闘集会を呼びかけ、3、4月のイラク反戦闘争では、300人以上が結集した毎週の仙台ピースアクションをけん引した。4月には「共謀罪」の学習会を地域に呼びかけて取り組んだ。
東北大学生運動も、全金本山闘争の門前で「賃労働と資本」を学び、実力闘争を学び、労学連帯を根底にすえた学生運動としてともに闘いぬいてきた。そして、その戦列から労働運動の若き担い手が生まれてきている。敵は、このような学生運動と労働運動との連帯・結合から広範な闘いが爆発していくことを心底恐れ、この弾圧に踏み込んできたのだ。
だからこそ、闘う学生運動と労働運動の総力でこの弾圧を絶対に打ち砕かなくてはならない。全国の仲間の怒りを結集し、無実のAさんを今すぐとり戻そう。
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週刊『前進』(2106号6面2)
解同全国連寝屋川弾圧 4人起訴徹底弾劾 「恐喝」罪デッチあげ
6月12日、大阪地検は4人の仲間を不当にも起訴した。断じて許せない。徹底弾劾する。全力で奪還しよう。(詳報次号)
不当解雇撤回へ提訴で反撃
6月6日、寝屋川弾圧でデッチあげ逮捕された島田君が、島田君を不当解雇したA社を相手どり、「従業員地位確認等請求」訴訟を大阪地裁に提訴した。これはA社の不当解雇を無効とし、雇用契約の継続とこれまでの未払い賃金を請求するものである。
しかし、この訴訟は単なる解雇撤回を要求する訴訟ではない。大阪府警・公安3課による解同全国連寝屋川支部の4人(島田君、滝口支部長、伊地知副支部長、木邨事務局長)のデッチあげ逮捕のカラクリを暴き、全国連弾圧の根幹をうち砕き、警察権力の階級的本質を満天下に暴き立てる決定的な反撃である。
公安3課はこの暗黒のデッチあげ逮捕・弾圧を強行するために恐喝罪の成立要件として、@「二カ月の臨時雇用中の解雇では労働基準法第20条に基づく解雇予告手当は支給されない事を知りながら」解雇予告手当を支払わせたこと、A全国連支部長の名刺を出し、「解雇は部落差別だ」と糾弾したこと――を挙げている。それ自体が部落差別に貫かれたデタラメきわまりない主張であり、「全国連罪」の発動ともいうべき悪らつな弾圧である。
しかし、同時にこの主張はデッチあげの致命的弱点を自白するものでもある。すなわち、公安3課は、「喝取」の対象となったとする「解雇予告手当」の前提をなす島田君の解雇が労働基準法19条に違反する違法解雇であることを必死に覆い隠している。その上で4人が「金員を脅しとった」などとアクロバット的に主張しているのである。
しかし、違法な解雇は当然無効である。仮にそれを労働者が承認したとしても有効とはなりえない。したがって、このような無効な解雇を前提とした「解雇予告手当」もまた無効であり、およそ「喝取」の対象などになりえないことは明らかなのである。
このように、解雇そのものが違法であることが暴露されるならば、これまでの公安3課の主張はすべて崩れ、逆に前代未聞の差別的デッチあげの証拠に転化する。そしてそれは、警察権力が違法な解雇を行った資本を公然と擁護し、正当な権利を主張した労働者人民をむきだしの暴力で弾圧するブルジョア独裁の手段そのものであることを、全人民に明らかにするものとなるのである。
「従業員地位確認等請求」訴訟は、まさにこの点をえぐりだし、完膚なきまでに公安3課のデッチあげを全社会的に明らかにし、4人に対する起訴攻撃を粉砕する闘いなのである。
交渉の日付を警察が改ざん
その上で、公安3課が、滝口支部長らが「二カ月間の臨時雇用中の解雇では解雇予告手当が支給されないことを知りながら、被差別部落民であるから不当解雇した、労災手続きをしなかったなどと因縁をつけて解雇予告手当名下に金員を喝取しようと企てた」として、島田君が「二カ月間の臨時雇用中であった」などという意味不明のこじつけをしていることも粉砕しなくてはならない。
島田君は試用期間中とはいえ本採用であり、したがって解雇予告が免除される労基法21条の2の「二カ月以内の期間を定めて使用される者」には該当しない。さらに「臨時雇用」を同条の4の「試の使用期間中の者」と解釈する場合でも、島田君はこれにも該当しない。島田君は確かに試用期間中であったが、たとえ試用期間中であっても採用後「14日を超えて引き続き使用されるに至った場合」には解雇予告義務は免除されない(労基法21条但し書き)。島田君が解雇通知を実際に受け取ったのは3月20日ごろであり、2月28日の採用からすでに20日以上経過しており、労基法21条但し書きに該当し、解雇予告手当を請求する権利が発生することは明白である。
このために公安3課は、なんと島田君らがA社に交渉に行った日付を、実際は「3月18日」であるにもかかわらず、「3月13日」であったと改ざんした。解雇を行ったのがあたかも採用から「14日以内」であったかのように装おうとしているのだ。実に卑劣なデッチあげである。
4人の全国連の仲間を恐喝犯にデッチあげて、これ以上勾留を続けることなど断じて許せない。この弾圧粉砕の闘いは部落解放闘争のテーマであると同時に有事立法下の日帝の階級闘争撲滅攻撃との激突である。
4人の仲間を奪還しよう。
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週刊『前進』(2106号6面3)
保安処分新法粉砕せよ 医療労働者は加担拒否を
「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」=心神喪失等医療観察法案が、6月3日参議院法務委員会での審議打ち切り・強行採決に続き、6日参議院本会議で強行採決され、衆議院に再送付された。無法に手を貸した参議院法務委員長・公明党魚住らの責任は重い。
この法案は、裁判官と精神科医の合議で「精神障害者であること、将来の再犯のおそれ(=修正案では「同様の行為」に変更)があること」を要件に、2年以内に建設する全国8カ所の保安処分病棟に6カ月ごとの更新で無期限の拘禁を行うとする悪法である。徹底的に弾劾する。
第一に、医療観察法案は「精神障害者」を対象とした保安処分新設そのものである。それは長年、日帝が刑法改悪=保安処分新設として果たそうとして果たせなかった「累犯者への予防処分」「性犯罪者への去勢、断種処分」「アルコール・薬物依存者への禁絶処分」「労働嫌忌者への労作処分(強制労働)」などと同様、その一翼をなす「精神障害者への治療処分」新設にほかならない。刑事手続きを経ることなく、予断やおそれの判定を根拠に拘禁や人体殺傷・強制治療、抹殺を裁判官の命令=政治判断一つで合法化させることのできる法律である。まさに戦争体制構築と一体の大反動攻撃だ。
しかもそれはさしあたって「精神障害者の犯罪防止」を掲げながら「『精神病者』は何をするかわからない」と言わんばかりの報復的な重罰を要求する差別的キャンペーン攻撃として行われた。一方で現下の精神保健福祉法のもとで、「病者」に日常的に精神病院への強制入院や通報の義務を強い、院内では四肢拘束、保護室乱用、虐待・虐殺、無賃労働、電気ショックなどを横行させてきた。そのもとで「病者」から地域福祉や就労・家族・友人との絆(きずな)を奪い、生活破壊を強制してきた。そして、「病者」本人には「強制治療を受け入れろ」とばかりに責任を転嫁し、労働者人民には「精神病者」差別への加担と屈服をあおりながら、新法の成立を狙ってきたのである。
しかし、「病者」大衆を先頭に広範な人民が逆流を粉砕して立ち上がり、連日国会を包囲して闘った。反対の闘いはやむことはない。
第二に、医療観察法案は司法改悪と一体の攻撃だ。
新法案は「心神喪失等の状態で重大な他害行為を犯した者」に保安処分施設収容という拘禁=入院命令や強制通院命令を裁判所が下す。だがこれは犯罪の不成立を説く刑法39条「心神喪失では犯罪は罰しない、心神耗弱では減刑する」の規定の趣旨に大きく反する。
刑法はほかにも「正当防衛、故意、緊急避難、責任年齢、自首」など「犯罪の不成立・減免」を挙げている。「心神喪失・耗弱」状態のみに、犯罪の成立に等しい不利益処分を強制するのは大きな矛盾と逸脱だ。また刑事訴訟法から見ても逸脱は大きい。新法案の対象者は「起訴が取り下げられた」「裁判で無罪をかちとった」「有罪だが執行猶予で釈放となった」人であり、罰を受ける理由はまったくない。にもかかわらず、この人を拘禁・再拘禁できると強弁するのだ。しかも要件は将来の「再犯のおそれ」である。
まさに「精神障害者」に対しては道理も通らない。起訴されれば刑務所行き、不起訴でも保安処分施設収容、送検するに足りない事案でも警察官や住民の通報などで精神保健福祉法による措置入院という3重の金網を張りめぐらそうというのだ。
全国約50カ所の地裁には処遇決定の審判所が設けられ、対象者には付添人(弁護士など)が付けられない場合もある一方、被害者家族側の傍聴だけは認められる。裁判の名で私的制裁をもぐり込ませようというのだ。また新法案付則2条は法制定以前の事件にも法の適用を記し、憲法39条「遡及(そきゅう)処罰の禁止」違反を公言している。
第三に、新法案は有事立法と一体となった治安弾圧強化の水路をなす悪法である。
法案が対象とする「重大な他害事件」とは刑法の「殺人、放火、強盗、強姦・強制わいせつ、傷害」であるが、傷害以外はすべて未遂を含む。いくらでも拡大解釈が可能だ。傷害罪も「1週間未満の打撲傷・擦過傷は入らない」と国会で答弁され、逆に幅広い適用を示唆している。しかもたとええん罪であろうと事実を争うという刑事手続きや抗告を前提としていない。検察の起訴状がほぼ処遇決定を左右する。これらは「重大事件に限る」という要件を最初から無意味化している。加えて修正案提案者・自民党塩崎は「今は検察送検の対象者が前提だが、いずれ法の見直しで措置入院患者にも対象を広げたい」と民主党対案との一体化にエールを送って早くも改悪を呼号している。
一方、公明党浜四津は新法案の治安的活用を叫び始めている。これに呼応して厚労省は保安処分病棟での医療内容を「人格の矯正」(例えば罪の意識を植え付ける)や体罰を中心に掲げ、まさに刑務所処遇を模倣した待遇を開陳し治安弾圧を促進している。
全国の保安処分病棟建設阻止! 精神科医をはじめ医療労働者の加担拒否を呼びかけ、医療観察法案の粉砕まで徹底的に闘おう。
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週刊『前進』(2106号6面4)
5・15沖縄闘争に参加して
米帝打倒こそ世界平和の道
沖縄に行ってわかったこと、それは沖縄の声こそが真実なのだということ。確かに本土から見ていれば、イラク戦争は終わり、ひとまず平和な世界が戻ったと錯覚するかもしれない。しかし、沖縄の人たちは、基地が増設されヒコーキやヘリコプターが飛び交い、日々軍事演習している様子を目の前で見ているのです。
基地は戦争をするために存在し、それ以外のためではないという、至極当然の事実。今、実際に基地が増設されようとしているのだから、「戦争の世紀」は当分終わらないし、安心して暮らせる日も訪れない。
そして、われわれの平穏な生活を奪っているのは、基地を必要とし建設している米帝にほかならず、これを打倒することでしか平和な世界はありえない。
誰が真の「悪の枢軸」であるかが見事なまでに露呈されようとしている今こそ、まさに革命的情勢なのであって、一枚のビラ、一声のアジが、世界革命の日を確実に1日近づけているのだということを実感しました。
(京大2年 I・K)
ぼくらの力で社会を変える
自分は大学に入って1カ月で、まだわからないことだらけのまま今回の集会に参加したので、たいしたことは言えませんが、感じた事を述べます。
平和を願う方々の多さをあらためて実感しました。これが人民の力なのだと肌で感じることができました。本当に多くの方が基地撤去、戦争放棄、世界平和を願い各地で闘っています。自らの生命をかけて闘っている方も大勢いらっしゃいます。自分の命をかけてまで貫きたいものがあるなんて、自分は本当に尊敬します。反戦議員も多数選出されています。状況は少しずつですが変わってきているのだと思います。
しかしアメリカ軍の身勝手・理不尽・最悪尽くしの悪行は今も続いています。この沖縄の基地が「平和」「安定」といったオブラートに包まれた人殺しの片棒を担いでいると思うと本当に胸が苦しくなります。そんな横行を絶対に許してはなりません。
今の現状、真実を(よく)知らない人はまだまだ数多く存在しています。本当に悔しいです。以前は自分もその1人でした。今回集会に参加し、そんな自分に腹が立ちました。自分も変わらねば。
甘えていてはいけませんよね。自分がやらなきゃ何も変わりませんよね。集会は、沖縄本土、全国の思いがあふれていました。それを目の当たりにして自分は過去の自己から逸脱することができました。
集まった力を米軍や自衛隊、ブッシュ、小泉にもっとはっきりと示してやらねば。僕らの力で社会を変えなくてはと思います。
(東北大1年 D・M)
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週刊『前進』(2106号6面5)
読者からの手紙 介護と福祉を奪う国に怒り 名古屋 T・A
革共同および中核派のみなさま、愛知県・名古屋の地から痛ましく悲しい連絡をします。30年(!)も介護を続けた妹さん(65歳)が介護と自らの病のために、お兄さん(69歳)の首を絞めて、やむにやまれず殺害したのです。
いかに兄妹とはいえ、自分の人生の半分以上を介護に費やすことなどできるでしょうか! 私は大きなショックを受け、その間の苦しみと兄妹愛にただただ涙し、介護保険のあり方に強く抗議するものです。くやしいです。
3月5日、中日新聞に電話をしました。社会部の担当記者に、生活保護を受けている人がどうして保険料を払い、生活費をまかない、自らの入院費まで用意できるのか ――介護保険のあり方自体について分析をして欲しい、と抗議しました。
中村区役所民生課にも電話をしました。生活保護にいくらお金を出していたのかと聞きました。12万円位との返事でした。これで一体、2人分の生活ができるのでしょうか!
私はただただくやしくて涙するばかりです。
警察署にも電話をしました。何か、私みたいな者でもできることはないかと思い、その妹さんに差し入れをさせていただきました。
中核派のみなさま、また支持者のみなさま、名古屋のような痛ましい事件を二度と起こさないよう頑張ってもらいたいと心から思います。
また、国(小泉内閣)は「障がい者支援制度」に続いて、国が自ら指定した難病患者の支援制度をも破壊しようとしています。(中略)
国は老人から介護を奪い、「障がい者」からも福祉を奪い、今また、全国で数万人いると思われる難病患者からも福祉を奪い、戦争と失業の道を歩もうとしています。
イージス艦一隻分の費用で、どれだけ多くの人民の福祉がまかなえるでしょうか!
『前進』には、今後、難病患者の問題をもとりあげていただきたいと願っています。
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週刊『前進』(2106号6面6)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
福嶋同志裁判
7月1日(火)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
7月8日(火)午後1時30分
☆6・12私文書弾圧裁判
判決公判
7月24日(木)午後1時15分
※いずれも東京地裁
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