ZENSHIN 2003/06/02(No2103 p06)

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第2103号の目次
1面の画像
(1面)
有事3法案絶対阻止へ
民主党・連合の戦争協力を弾劾し6月上旬参院決戦へ総決起せよ
「首切り自由」の労基法改悪許すな
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(2面)
検察側の矛盾が露呈 国労弾圧第6回公判
「共謀成立の時期」で破産 弁護団の求釈明が虚構暴く(5月16日)
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労働法制改悪阻止へ〈上〉
労基法に「解雇権」明記 「首切り自由」を狙う 連合の裏切りを許さず廃案に
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トヨタチーム投入の越谷郵便局
交流センターがビラまき 民営化に反撃へ(5月15日)
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写真 記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2003 4月28日〜5月15日
労基法改悪案が国会審議入り フランスでゼネスト/NTTが年金基金代行返上
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(3面)
沖縄戦の再現許さぬ 復帰31年5・15闘争
有事法案採決に怒り 5・17宜野湾 県民大会に5千人集う
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圧倒的な夏期カンパを 有事立法=北朝鮮侵略戦争阻止の決戦を闘うために
革命的共産主義者同盟
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全金本山が全国闘争 地裁判決後の正念場迎え(5月11、12日) 記事を読む  
全金本山 夏季物販の訴え 完全勝利へ闘う財政を 記事を読む  
(4面)
北朝鮮侵略戦争法=有事立法を参院で絶対阻止しよう
民主党・連合の裏切り許すな
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都革新 当選祝い報告会 “新しい党”へ飛躍誓う(5月18日) 記事を読む  
ワールドアクション 渋谷に反戦コール 高校生・大学生先頭に(5月17日) 記事を読む  
百万人署名関西連絡会 大阪で緊急行動 “北朝鮮の人民を守れ”(5月13日) 記事を読む  
北富士・母の会 国会座り込み 記事を読む  
日誌'03 5月14日〜20日
小泉「自衛隊は軍隊」と公言 有事3法案衆院で採決強行
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(5面)
北朝鮮侵略戦争法=有事立法を参院で絶対阻止しよう
朝鮮人民を殺すな! 先制攻撃を合法化する仕掛け
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革命党への究極の結社禁止法 「共謀罪」新設を阻止せよ 記事を読む  
改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史
第4部 日帝の中国侵略戦争(11)
「三光作戦」と「万人坑」 行軍途中で略奪・強姦・虐殺
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(6面)
6〜7月『前進』倍増闘争へ
機関紙拡大を全活動の軸に職場細胞・大学細胞建設を
前進経営局
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弾圧と闘う
6・12私文書弾圧裁判 M同志をついに奪還 最終弁論 デッチあげを論破
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弾圧と闘う
水嶋裁判 「私は無実」と陳述 弁護側立証に突入(5月14日)
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『前進』ホームページ メールから 記事を読む  
金沢 憲法公聴会を弾劾 「北朝鮮脅威」論に反撃(5月12日) 記事を読む  
福岡で街宣(5月14日) 記事を読む  
公判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2103号1面1)

有事3法案絶対阻止へ
民主党・連合の戦争協力を弾劾し6月上旬参院決戦へ総決起せよ
 「首切り自由」の労基法改悪許すな

3万余が怒りの声

5月23日、陸・海・空・港湾労組20団などの呼びかけで、STOP!有事法制大集会が東京・明治公園で開かれ、3万人を超える人びとが参加。国会などへデモした。【上】集会は衆院採決を強行した与野党への怒りがあふれ、参院で絶対に廃案にしようと誓った【下】国会デモの先頭に立つ20労組

 5月23日夕、「STOP!有事法制 大集会」が開催された東京・明治公園は3万人を超える労働者・学生・市民で埋め尽くされた。有事3法案に賛成した民主党の大裏切りが徹底弾劾され、「戦争の加害者にも被害者にもならない」、有事法制を廃案にするまで闘うと力強く宣言された。国会を人民の怒りで揺さぶり、戦争翼賛をうち砕く闘いはこれからだ。日帝・小泉の北朝鮮に対する排外主義扇動を弾劾し粉砕せよ。全国各地で有事立法と労働法制大改悪を許さない闘いを巻き起こせ。国会闘争を果敢に闘い、6月上旬参院決戦に猛然と攻め上ろう。

 第1章 北朝鮮侵略戦争のための武力行使法

 全国の同志の皆さん、読者・支持者の皆さん、闘うすべての労働者・学生・市民の皆さんに心から訴えたい。5・23大集会の成功を引き継ぎ、この2週間、有事3法案の絶対阻止に向けて、国会闘争、街頭宣伝、緊急闘争・デモなどに猛然と決起しよう、6・10大集会に日比谷野音をあふれる大結集を実現しよう、と。
 「9割の国会議員が賛成」した戦争翼賛国会を黙って許すな! 自民党との談合によるペテン的「修正」で賛成に回った民主党の大裏切りを徹底弾劾せよ! この民主党の裏切りを支えているのが連合中央だ。民主党・連合中央の裏切りを弾劾し、労働者・労働組合の総決起をかちとろう。自ら進んで行動の先頭に立ち、持てるすべての力を出し切って闘おう。
 有事3法案の目的は、北朝鮮侵略戦争を発動できる体制をつくることである。米・英・日の帝国主義は、事実上の連合軍体制をとってイラク侵略戦争を遂行したが、今度は金正日政権を転覆する北朝鮮侵略戦争をやると明言しているのだ。有事3法案は、その凶暴で残忍な侵略戦争を遂行するために絶対不可欠の武力行使法案なのだ。
 有事立法決戦は、今この瞬間に、北朝鮮侵略戦争阻止の反戦闘争として、必死になって闘われなければならない。
 この核心的な問題に覆いをかぶせた「大規模テロや自然災害に対処する緊急事態法が必要」などという民主党の主張は、犯罪的なのだ。さらに「アメリカの戦争に付き従う法案」(日本共産党や社民党の主張)などという他人事のような主張は、日帝の帝国主義的利害とその生き残りをかけた有事法制→北朝鮮侵略戦争の遂行の前にはまったく無力であるばかりか、対北朝鮮排外主義にさおさし、「日本の国益を守れ」の大合唱に労働者人民を引き込むものでしかない。
 民主党・連合の大裏切りと日共など野党の公聴会すら要求しない屈服を弾劾し参院決戦に総決起しよう。
 問われているのはわれわれの存在と闘いである。民主労総を始め南朝鮮・韓国の人民は「北朝鮮攻撃は同族相争う戦争を起こす」「有事法制は、日本が過去にアジア諸国家と国民に大きな痛みを与えた不幸な歴史を再演する」と糾弾し、「在韓米軍は撤退せよ」とデモやストで闘っている。在日朝鮮人民の必死の闘いが始まっている。必要なのは、これと連帯した日本人民の総決起である。
 日帝・小泉は、日米首脳会談、エビアン・サミット帰国後の6月5、6日にも有事3法案の参院採決を狙っている。また、国際的組織犯罪条約の批准と「共謀罪」の新設、保安処分新法・医療観察法の制定などを推し進めている。

 個人情報保護法成立を弾劾する

 5月23日、住基ネットと一体の個人情報保護法=言論報道統制法の成立が強行された。有事立法第4法案というべき、戦時下の言論報道を国家の管理のもとに置こうとするものであり、政治家、官僚の腐敗と犯罪を守ろうとするものである。徹底弾劾せよ。
 日帝・小泉はさらに、労働法制の全面改悪を強行しようとしている。その上に国会会期を40〜50日延長して「イラク復興支援法」制定=自衛隊のイラク派兵や教育基本法改悪まで突き進もうとしている。この大反動攻撃に対決して何を訴え、どう闘うべきなのか。

 第2章 米帝が先制攻撃し自衛隊も朝鮮出兵

 第一に、米・日帝国主義それぞれが、帝国主義としての生き残りをかけて北朝鮮侵略戦争(それは究極的に中国スターリン主義体制の転覆とアジア再勢力圏化につながる)を策動していることを徹底的に暴き、有事法制の真の正体を宣伝しきることである。
 5月4日、ラムズフェルド米国防長官は会見で「北朝鮮への先制攻撃は大統領が決める」「現在、北朝鮮に対する作戦計画を策定中である」と述べた。この作戦計画とは、「OPLAN(オープラン)5027―03」のことである。大文字で「OPLAN」と表記される計画は、米太平洋軍の戦争計画として高く位置づけられているからである。つまり単に在韓米軍・韓国軍の連合作戦計画だけを意味しない。イラク侵略戦争レベルの計画である。
 この作戦計画は2年ごとに改定されていて、次は04年度に改定の予定であったが、それを1年繰り上げて改定作業を進めている。その改定内容は、@核関連・ミサイル施設への先制攻撃、A北朝鮮軍を一挙に壊滅させる小型戦術核兵器の使用、B韓国軍を前面に押し立てた全土制圧作戦という、恐るべきものである。要するに先制攻撃、核攻撃、100万人の朝鮮人民大虐殺と全土制圧の地上戦ということである。この残虐きわまりない戦争を69万人の米兵、戦艦160隻、1600機の航空機を投入してやるというのだ。
 なぜ米帝はこんなに凶暴な侵略戦争をやろうとしているのか。帝国主義体制が未曽有(みぞう)の危機、没落と破滅の危機に直面しているからである。「9・11」という特殊的=極限的な民族解放闘争に直撃された米帝は、01年QDRとブッシュ・ドクトリンをもって新帝国主義世界戦争への道に踏み切ったのである。
 アフガニスタン侵略戦争、イラク侵略戦争はその始まりである。米帝は、金正日体制という残存スターリン主義体制を軍事的に転覆し、中国スターリン主義の転覆もにらんで北朝鮮への侵略戦争、虐殺戦争を強行しようとしているのだ。
 これに対し日帝は、米帝の世界戦争政策に必死になってくらいつき、有事立法・改憲路線を突進している。そうしなければ、日帝の帝国主義としての命脈が断たれてしまうからである。日本経団連の「奥田ビジョン」で支配階級は「日本の現状に有効な対策がとられなければ、その先に待っているのは『崩壊していく日本』である」と絶望的危機感をあらわにし、「東アジア自由経済圏」構想の実現こそ日帝の生き延びる道と結論づけている。
 小泉は5月20日、「自衛隊は軍隊」「いずれ(改憲の)時期が来る」と発言した。侵略戦争の道を突進するということだ。この発言だけで小泉政権は打倒されなければならない。
 すでに侵略戦争発動に向けた対北朝鮮政策が展開されている。KEDOによる重油供給は停止され続けており、金正日体制をしめあげている。また、外為法の解釈換えによって、日帝の独自判断でいつでも北朝鮮への送金停止措置・貿易規制措置を取れるとしている。そして国連安保理で北朝鮮への経済制裁決議の審議が始まろうとしている。
 石破茂防衛庁長官が「アメリカが日本の周辺国に対して先制攻撃して緊張が高まった場合、武力攻撃事態法を適用することもあり得る」(4月24日の国会答弁)といみじくも述べたように、北朝鮮への侵略戦争の発動それ自体が「周辺有事」であり、「武力攻撃予測事態」なのである。
 しかし「適用することもあり得る」という石破発言はウソである。「適用させるためにこの法案を作成した」というのが本当だ。日米新ガイドライン協定ではまず周辺事態は日本への武力攻撃に「波及する」あるいは「同時に生起する」と規定し、「周辺有事」における「日米相互協力計画」と、「日本有事」における「日米共同作戦計画」を策定し、そのための「関連国内法整備を行う」と取り交わされている。つまりあくまで新ガイドライン→周辺事態法→有事3法案として準備されてきたのである。
 69万の兵力が日本に殺到することを想定してみればいい。その兵員や弾薬、燃料、物資を誰が運び、補給するというのか。また、武力攻撃事態法案では「2年以内に米軍支援法を整備する」とされており、「(米軍への)施設や区域の提供も検討していく」(川口外相)と発言しているように、在日米軍基地の拡大、空港や港湾、宿泊施設や医療施設などの広範な軍事使用は不可避なのだ。実質はそのための戦争動員強制法案であり、首相独裁法案なのである。
 すでに日帝は、有事3法案の核心点の一つとして、自衛隊の国外での武力行使を合法化したことを確認しているが、自衛隊法改悪案の77条の2問題は決定的に重大である。この条項は、自衛隊の朝鮮出兵の重大な突撃路になるのだ。
 「(防衛庁)長官は、…防衛出動命令が発せられることが予測される場合において、…出動を命ぜられた自衛隊の部隊を展開させることが見込まれ、かつ、防備を強化しておく必要があると認める地域があるときは、内閣総理大臣の承認を得た上、その範囲を定めて、自衛隊の部隊等に当該展開予定地域内において陣地その他の防御のための施設を構築する措置を命ずることができる」
 つまり、防衛庁長官と首相の権限だけで、従来の「出動待機命令」に加えて自衛隊の予備的防衛出動ができるとしている。それも「武力攻撃事態」や「予測事態」とは関係なしに、防衛出動命令が出ると「予測される場合」というアバウトな規定だけである。また、「展開予定地域」が国内なのか国外なのか、どこに「陣地を構築」するのかも不鮮明だ。実際は、「日本人救出」を口実にした防衛出動命令を予定して、かなり早い段階で韓国内での陣地構築さえ可能にさせてしまうのだ。

 第3章 政権転覆と人民の虐殺は許されない

 第二に、北朝鮮への排外主義扇動と徹底的に闘うことだ。「日本の防衛のためには北朝鮮への先制攻撃も必要。だから有事法制も必要」という反動的主張が、国会内やマスコミを通じて平然とまかり通っているような状況に猛然と怒り、粉砕しきることである。
 5月20日の国会答弁で小泉は、北朝鮮の「核兵器開発、武装不審船、拉致事件」を指摘して「今まで以上に多くの国民が脅威を感じているのではないか。それが有事法制への理解につながっている」と言った。この小泉こそ、北朝鮮脅威論デッチあげの張本人であり、許すことができない。
 北朝鮮の核開発政策は反人民的だ。しかし金正日体制が核兵器をすでに保有しているという話は、デッチあげである。彼らの核開発レベルはせいぜい核燃料棒の「再処理」段階であり、核実験もできていない。ましてや小型化してミサイルに搭載し、命中させて起爆させる水準ではない。米日帝はそれを十分知っているからこそガンガン軍事重圧をかけ、先制攻撃を仕掛けようとしているのだ。
 金正日スターリン主義政権の反人民的政策は許されるべきものではない。しかし、そのことは、米日帝が侵略戦争で政権転覆していいということでは断じてない。金正日体制をどうするかは、南北朝鮮人民が決めることである。
 われわれは、日帝を始めとする帝国主義が朝鮮と朝鮮人民に対して歴史的にどのような戦争犯罪、植民地支配の犯罪を行ってきたかを思い起こすべきだ。強制連行、強制労働、軍隊慰安婦制度、関東大震災時の大虐殺、創氏改名、土地・農地の強奪。戦後の朝鮮戦争と38度線での分断支配。そうした歴史を塗りかくして、今また朝鮮半島への侵略戦争と人民虐殺を良しとする小泉の暴言は絶対に許されない。
 この事態の中で、連合中央は対北朝鮮排外主義の先兵と化している。3月10日付の声明では、北朝鮮の核開発問題を挙げ、拉致問題は人権侵害であり国家主権侵害であると非難し、日帝政府に対北朝鮮強硬外交を要求した。続いて4月7日には、地方連合会に対して、個別に実施している朝鮮総連との交流を中止しろという指示書を出した。
 連合中央は、昨年5月にはペテン的にしろ「有事法案反対」を掲げていたが、今年に入ってそのスローガンを完全に降ろし、民主党の修正協議と大裏切りを後押ししたのだ。
 連合傘下の労働者は、この連合中央と民主党を弾劾・打倒し、有事法制粉砕・労働法制改悪阻止の歴史的決戦に立ち上がろう。陸・海・空・港湾労組20団体を始め、闘う労働運動との連携を今こそ強めよう。

 労働法制の改悪阻止へ立とう!

 第三に、労働法制全面改悪の攻撃は有事法制攻撃と一体であることを明確にさせて闘うことである。「戦争も雇用破壊も許さない! こんな解雇ルールはいらない!労基法大改悪NO!労働者の声を国会へ5・28中央行動」に大合流しよう。
 この間、本紙上で暴露しているように、労働基準法の大改悪を柱にした労働法制の大改悪が進められている。@資本に「解雇権」を認め、A有期雇用契約の拡大、B裁量労働制の拡大、C派遣労働の拡大、D雇用保険の給付削減、などを一気に進めようとしている。つまり、「首切り自由」が大前提だ、大半の労働者は有期雇用契約にする、製造業も含めて派遣労働にする、ということだ。終身雇用制を解体し、労働者の戦後的諸権利を全面的に剥奪(はくだつ)する大攻撃である。
 この労働法制大改悪攻撃は、有事立法すなわち労働者の戦争動員体制づくりと一体の攻撃である。
 これに対し、連合中央などの制動をはねのけてねばり強い闘いが展開されている。職場討議を今こそ拡大し、労働組合運動の底力を発揮させよう。
 機関紙『前進』を武器に闘いを組織し、今こそ全力で党をつくろう。
 6月上旬がいよいよ大決戦だ。5・23大集会の成功を引き継ぎ、国会行動に総決起し、6・10日比谷野音に大結集しよう。

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週刊『前進』(2103号2面1)

検察側の矛盾が露呈 国労弾圧第6回公判
 「共謀成立の時期」で破産 弁護団の求釈明が虚構暴く

 5月16日、国労5・27臨大闘争弾圧の第6回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で行われた。被告・弁護団の追及は、「事件は中核派が引き起こした」「支援者をリーダーに暴力行為が行われた」という検察側冒頭陳述の虚構を暴き、共謀の成立時期に関する検事の主張の矛盾を突きだした。裁判闘争は最大の山場を迎えている。今こそ「許さない会」を本格的に拡大し、8人の被告を早期に取り戻そう。

 支援者の行為を示せず

 公判冒頭、佐藤昭夫弁護団長が「7カ月を超える不当に長い勾留は直ちに取り消されなければならない。被告のこうむっている人権侵害は重大だ。健康が損なわれ、家族の生活も破壊されている」と長期勾留を弾劾した。近畿地本吹田地域分会の小泉伸被告が、父親が重篤状態に陥っていることを涙ながらに訴えて、即時保釈を要求した。
 浅野史生弁護人が、検察側冒頭陳述に対する全面的な求釈明に立った。
 前回公判で検事が行った冒頭陳述は、「中核派が国労に介入して演壇占拠をした」などとして4党合意反対の国労組合員の闘いをゆがめ、5・27当日の事態も支援者の向山和光被告をリーダーとする中核派が引き起こした暴力事件だと言い張るものだった。(検察側冒頭陳述の内容は別掲)
 それは、5・27臨大当日の被告たちの行動が、闘争団切り捨てに反対し、国労本部派組合員を説得するために行われた正当な組合活動だったことを否定する、許しがたい暴論だ。こうした虚構をデッチあげることによってのみ、権力は弾圧を強行できたのだ。
 弁護団の鋭い追及を受けて、裁判長も職権で釈明を求めた。「向山被告は暴行をしているのか」という裁判長の問いに、検事は「暴行はしていない。共謀共同正犯だ」と明言した。引き続き裁判長は、「向山被告は『多衆の威力を示し』は行っているのか」と質問し、検事に助け船を出した。検事の答えは、「その一部をしている」。すかさず向山被告が、「一部の行為とは具体的には何か」と問いただした。検事は「釈明しません」と居直った。
 弁護団が、「それでは向山被告が何をしたかは分からない。裁判長は理解できたのか」と追及した。裁判長は「職権での釈明は求めない」と検事を擁護した。

 「行為開始後に共謀」!?

 検事の冒頭陳述は、当日朝6時50分過ぎに松崎博己被告らが本部派のA組合員に暴行に及び、それを他の被告が目撃したことで暴行の共謀が成立したと言う。
 葉山岳夫弁護人が、「遅くとも6時50分過ぎころに共謀成立というが、起訴状には『共謀の上、6時30分過ぎころにホテル前路上に集結し……多衆の威力を示し』とある。共謀の始まりはいつか。前日、前々日に及ぶのか」とただした。裁判長も「向山被告を含め、目撃した時点で共謀が成立したのか」と発問した。検事はそれを肯定した。
 河村健夫弁護人が「そうならば、集結した時点で『多衆の威力を示し』の共謀が成立していたことはありえない。時間をさかのぼって共謀が及ぶのか」と語気強く迫った。一方で6時30分には「多衆の威力を示す」行為が始まっていたとしながら、他方で「共謀成立は6時50分過ぎ」というのは明らかな矛盾だ。検事は「答えるつもりはない」としらを切り、裁判長も「それ以上釈明を求めない」と検事をかばった。
 九州闘争団員の松崎被告が怒りに燃えて立ち上がった。「有罪にしようと起訴したのなら、『答える必要がない』ではなく正々堂々と答えてみよ!」
 そもそも「Aへの暴行」なるものは起訴状に書かれていない。冒頭陳述の段階で「共謀」をデッチあげるために急きょ持ち出された虚構なのだ。一瀬敬一郎弁護人が「松崎被告のほかにどの被告がAへの行為をしたのか」と問うたが、検事は答えない。裁判長が「Aへの行為は起訴されているのか」と聞き、検事は「公訴事実の暴行には含まれない」と返答した。裁判長は論点をずらして弁護団の追及を抑えようとしたのだ。
 ところが検事は、「『被告人松崎を含む数名』の中には他の被告が含まれる」と口走った。すかさず弁護団が「それは誰か」と追及する。検事はまたしても釈明を拒む。弁護団が「共謀成立時、被告はAへの暴行をしている者と目撃している者の2グループに分かれていたのか」と念を押した。「共謀成立」の真偽にかかわる重要な論点だ。
 弁護団の追及に追いつめられた裁判長は、それをさえぎり「今後の進行を合議する」と休廷を宣言した。

 「中核派が演壇占拠」!?

 再開後、萱野一樹弁護人が「中核派の国労内組織とはどういう意味か。裁判所に予断を与える不当な記述は削除せよ」と求めた。弁護団がさらに「『中核派が国労共闘を通じて』は、この文章の前半だけにかかるのか、全体にかかるのか」とたたみかけた。裁判長も「裁判所も判断しかねる」と釈明を求めたが、これにも検事は口を閉ざした。釈明するたびにぼろを出す検事は、裁判長の質問にも答えないと決め込んだのだ。
 弁護団が「国労共闘は、国労綱領を守り発展させるために結成された。それがどうして中核派組織なのか」と重ねて追及した。近畿地本兵庫保線分会の富田益行被告が、「これは思想裁判か。われわれは国労綱領に基づいて闘っている。国労への侮辱だ」と声を上げた。南近畿地本奈良電車区分会の橘日出夫被告も、「われわれを中核派というのなら、本部派はどの国労内組織に属しているのか。共産党、社民党とはっきり言ったらどうか。われわれだけは中核派として、政治党派と労働組合をぐちゃぐちゃにし、論議をすり替えている」と弾劾した。
 弁護団は、釈明拒否を重ねる検事と、それを容認する裁判所を指弾した。そして、「中核派が演壇占拠したのか」と迫った。またしても検事は答えない。
 裁判長は、「求釈明は終わりにしたい」といらだちながら、@向山被告が行った行為の具体的内容、Aどの被告がAへの行為に及び、どの被告がそれを目撃して共謀が成立したのか、の2点について次回期日までに釈明せよと検事に命じた。これに対しても、検事は「釈明できるかどうか部内で検討する」と言うのみだ。裁判長はさらに3点目として、「中核派の介入」論について期日外に求釈明する意向を表明した。これら3点は求釈明の焦点であり、次回公判(6月4日)はこの攻防から始まる。
 この日の公判は、本部派が撮影し警察に任意提出したビデオを領置したという警官の尋問が予定されていた。証人尋問に入ろうとする裁判長を制して、大口昭彦弁護人がビデオの撮影者である鈴木勉東京地本執行委員を証人に申請した。
 検事は撮影者の証人請求をせず、警官の証言だけでビデオを証拠採用させようとしているのだ。組合員を売り渡した本部派をかばい、デッチあげを護持しようとする許せない策動だ。
 大口弁護人は、「ビデオは、同じ場面を撮っても撮影者の意図で内容は大きく変わる。撮影者の尋問をしなければ被告の防御権は侵害される。撮影者の政治的立場と撮影意図を明らかにする必要がある」と陳述した。裁判長は、鈴木証人の採否について「検討する」とした。さらに萱野弁護人が、重大な証拠であるビデオのダビングを認めない検事の姿勢を弾劾した。
 時間は午後5時を回っていた。検事は、予定されていた警官の証人尋問をあきらめた。被告・弁護団の闘いは、検事を翻弄(ほんろう)しきったのだ。

 許さない会広げ8被告の保釈を

 この日、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会は、弁護士会館で前段集会を開いた。被告の家族がそれぞれに夫や父親を早期に取り戻したいと訴えた。九州から駆けつけた労働者は、5月11日に「労働運動への弾圧を許さない会・九州」が結成されたと報告した。許さない会事務局の山川博康さんが、職場・地域での許さない会の拡大と保釈署名運動の強化を訴えた。
 その後、被告家族は刑事10部におもむき、書記官と面接して、生活がぎりぎりのところにきている実情を語って、夫・父親の即時保釈を訴えた。傍聴券配布には136人が並び、被告と連帯して闘いを貫いた。
 今こそ、許さない会を拡大し、次回公判と6・4全国集会に結集しよう。

 意見陳述集活用しよう

 「国労5・27臨大闘争弾圧裁判 国労組合員らの意見陳述集」が発行されました。頒価800円。申込先は国労臨大闘争弾圧を許さない会(連絡先/東京都港区南青山5−10−2 第2九曜ビル505 葉山法律事務所)

 〈資料〉検察側冒頭陳述(抜粋)

●「中核派が国労に介入」
 中核派は、国労内の中核派組織である「国労共闘」を通じ、国労が取り組んでいる旧国鉄職員のJR不採用問題に介入するようになり、「4党合意」がなされた後は、国労中央執行委員会の「4党合意」受け入れの方針に反対する闘争団の一部を取り込み、国労全国大会会場内で演壇を占拠するなどの議事妨害をしたり、大会参加者の宿泊先において、大会参加者が大会会場へ移動するのを妨害したりするなどして国労全国大会に対する妨害活動を行っていた。
●「支援者がリーダー」
 本件被告人8名を含む合計約25名は……被告人向山をリーダーとして同ホテル前道路上に集結した。
●「目撃で共謀成立」
 大会参加者らが貸切バスに乗車しようとする前の同日午前6時50分過ぎころ、大会参加者らの1人であるAが同ホテル出入口付近に出たところ、被告人松崎を含む数名がAを取り囲み、Aに対し、「こんな大会、開いてはいけない」、「闘争団の首を切る気か」などと怒鳴り、こもごも同人を突き、その両太ももをひざ蹴りした上、その場から逃げようとする同人を追いかけるなどし、大会参加者らに対して暴行に及ぶ意思のあることを示した。
 被告人らはその状況を目撃し、被告人松崎らの上記意思を了知して大会参加者らが同ホテルから出てくるのを待ち受け、遅くとも、ここにおいて、被告人らの間に、大会参加者らに対して暴力行為に及ぶことについての共謀が成立した。

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週刊『前進』(2103号2面2)

労働法制改悪阻止へ〈上〉
労基法に「解雇権」明記 「首切り自由」を狙う 連合の裏切りを許さず廃案に

 政労使合意で改悪認めた連合

 5月22日、職業安定法・労働者派遣法改悪案が衆院を通過した。また、今回の労働法制改悪の最大の柱である労基法改悪案は21日、衆院厚生労働委での趣旨説明が行われ、委員会審議に入った。小泉政権は、有事立法と併せて労働法制改悪をなんとしても強行しようとしている。労働者階級の生活と権利をめぐる攻防は、今や重大な決戦に入ったのだ。
 今回の労働法制改悪は、有事立法と完全に一体をなしている。小泉政権は、有事立法で北朝鮮(中国)侵略戦争の体制を整えるとともに、労働法制改悪で終身雇用制を解体し、労働者を無権利状態にたたき込んで、侵略戦争に動員しようとしている。
 有事3法案は、民主党の裏切りにより審議もなく完全な翼賛国会状態の中で衆院を通過した。労働法制をめぐる情勢もこれと連動している。有事立法における民主党の裏切りは、戦後史を画する一大資本攻勢においても小泉政権の攻撃を促進する要因になっている。
 その民主党のもとに労働者階級を屈服させようとする連合中央の犯罪性も明らかだ。昨年5月16日の「見解」で有事立法賛成に回った連合は、資本攻勢との闘いにおいても決定的な背信行為に走った。昨年12月4日、連合は日本経団連、政府と「雇用問題に関する政労使合意」を締結し、「雇用形態の多様化を進めるため、必要な規制改革を推進し、労働法制の見直しを行う」ことで合意した。さらに12月26日には「多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意」を結び、「労働法制の見直し等必要な規制改革を推進する」と再確認している。日本経団連の「経労委報告」や「奥田ビジョン」も、こうした連合中央の屈服を前提に打ち出されたものだ。
 労働法制改悪に対する労働者の怒りが噴出する中で、民主党など野党は、ペテン的な「修正」で労基法改悪も認めようとしている。有事3法案をめぐって起きた事態が、ここでも繰り返されようとしているのだ。連合中央もまた、労働法制改悪について「修正」を唱えるだけで廃案とは絶対に言わない。
 だが今日、有事3法案の衆院通過という恐るべき事態への怒りとあいまって、連合傘下の労働組合を含む広範な労働組合・労働者が、労働法制改悪への怒りを燃やし、JMIUの時限ストなどさまざまな闘いに立ち上がっている。それは、裏切りを重ねる連合中央を打ち倒す闘いへと発展した時、真の力を獲得することができるのだ。
 今回の労働法制改悪の中でも最も重大な攻撃は、労基法に「使用者は労働者を解雇することができる」という規定を盛り込もうとしていることである。
 今日でも、違法残業の強制や未払い労働、予告手当なしの解雇や労災療養中の解雇などが続発している。労基法が資本によって真っ向から踏みにじられているこの時に、労基法に「使用者の解雇権」が明記されたら、いかなる事態が引き起こされるのか。それは、資本に無制限の解雇の自由を与えるに等しい。労基法は首切り推進法へと一変しようとしているのだ。
 労基法は、労働者階級が自らの闘いによって、その権利を資本に認めさせることで成り立ってきた。その労基法で、「解雇権」などという資本の「権利」を認めること自体、絶対に許せないことなのだ。

 「修正」は労働者の要求ではない

 小泉政権はこの改悪について、“「解雇権の濫用(らんよう)は無効」とした最高裁判例を労基法に書き込むだけだから、労働者の権利はこれまでと何も変わらない”と強弁する。他方、民主党などは“政府案は最高裁判例の論理を忠実に表現していないから修正の必要がある”と言う。
 だが、労働者の団結と闘い、その権利をどこまでも守り抜く立場ではなく、判例に依拠する立場をとる限り、民主党の「修正案」なるものは、いずれにせよ「資本の解雇権」を認めるものにしかならない。そんなものが労働者の要求であるはずがない。連合中央の屈服を許さず、「修正」論議を吹き飛ばし、廃案へと闘う以外にない。
 衆院を通過した派遣法改悪案は、派遣契約期間の上限を延長し、製造業への派遣も解禁するというものだ。これを認めたら、派遣労働は一挙に拡大される。終身雇用制を解体し、労働者を不安定・低賃金・無権利状態に落とし込めるという資本の攻撃は、いよいよ本格的な段階に入ろうとしている。法案成立をなんとしても阻もう。この攻撃と闘ってこそ、労働者の生活と権利は守れるのだ。
 衆院厚生労働委員会が労基法改悪案の本格審議に入る5月28日、労働法制改悪に反対する労働組合・労働団体が結集する「戦争も雇用破壊も許さない! こんな解雇ルールはいらない!労基法大改悪NO! 2003年春の共同行動」は、正午からの国会前行動と午後6時半からの日比谷野音での中央集会を開く。この行動をともに闘おう。
 ナショナルセンターの枠を越えた共同闘争を広げ、労働法制改悪を廃案に追い込もう。
 (長沢典久)

 労基法改悪のポイント

○資本に「解雇権」を認める
 「使用者は労働者を解雇することができる」と明記
 就業規則の必要的記載事項に「解雇の事由」を盛り込む
○有期雇用契約の拡大
 有期雇用契約の上限を現行の1年から3年に。専門職は3年を5年に
○労働時間規制の緩和
 企画業務型裁量労働制の対象拡大導入手続きを簡素化

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週刊『前進』(2103号2面3)

トヨタチーム投入の越谷郵便局 交流センターがビラまき 民営化に反撃へ

 全国労組交流センター全逓労働者部会は5月15日、雨を吹き飛ばす勢いで、埼玉県の越谷郵便局へのビラまきを行いました。(写真)
 「郵政民営化攻撃粉砕」「トヨタチーム投入弾劾」のゼッケンを着けてビラをまき始めると、直ちに全逓組合員、郵政労働者との合流がかちとられました。うれしそうにビラを受け取る労働者、食い入るように読む労働者、共感や職場の現状を訴える労働者など、越谷局前は一瞬にして闘いの場に転化したのです。当局は、ただぼうぜんとして立っているだけでした。

 労働者に密着し作業を監視

 郵政当局は、全職場にトヨタ生産方式を導入し「乾いたぞうきんを絞る」徹底的な合理化を強行し、極限的に人員削減と労働強化を成し遂げようとしています。そのために越谷局に昨年12月からトヨタチームを投入し、郵便課では、ストップウオッチ、カメラ、ビデオで労働者の作業を調査・監視し、また集配課でも背後霊のように密着して調査しています。すでに越谷局では、管理職(トヨタチームは「業務管理ができない管理職」と評価)は口うるさく「無駄を省け」と言い、また人員削減で超勤が常態化しています。労働者の怒りは爆発寸前です。
 しかし、トヨタチームは調査を全郵政組合員にしか行うことができず、全逓組合員にはまったく手を触れることができません。
 そもそもトヨタ生産方式は、世界の数千社の企業が試みていますが、成功した企業はひとつもありません。労働者の階級意識を解体しマル生分子に変えてしまわない限りトヨタ生産方式は成果を挙げることはできないのです。全逓労働者の闘いでトヨタ生産方式を粉砕しよう。
 越谷局ビラまき闘争は、4・1郵政公社化から始まった全面的な全逓労働運動の解体攻撃と民営化攻撃に対する反撃の突破口です。
 小泉政権の有事立法攻撃と大資本攻勢、「奥田ビジョン」など、日帝は労働者階級人民に激しく攻撃を加えています。この小泉―奥田路線と階級闘争の最先端で真正面から激突しているのが、全逓労働運動です。
 郵政公社は、トヨタ出身の奥田が座長として「中期経営計画・目標」を作成し、そのもとに生田総裁と高橋副総裁(トヨタ出身、郵便担当)を据えて奥田―生田体制を形成し、徹底的な人員削減と労働強化、総額人件費の大削減=賃下げ、全逓労働運動解体を狙っています。越谷局をめぐる攻防は、郵政民営化攻撃との闘いの最前線に位置しています。
 郵政民営化攻撃の先兵=連合全逓中央を打ち倒せ! 組合財産を横領し腐敗した労働貴族=連合全逓中央を打ち倒せ! これは今やすべての全逓組合員の怒りの声です。

 6月全逓大会に決起しよう

 この間の郵政当局の攻撃はすべて「連合全逓中央の提言」に基づいて行われています。6月全国大会では「人事制度改革」を決定し、生活できないほどの大幅賃下げ、競争と分断で労働組合的団結を破壊しようとしています。絶対に許せません。闘う代議員を選出しよう。すべての組合員は6月全国大会に総結集して会場を包囲し、全逓労働者の腹の底からの怒りで連合全逓中央を打倒し、全逓の再生をかちとろう。戦闘的で階級的な指導部を選出しよう。
 (投稿/全逓労働者K・T)

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週刊『前進』(2103号2面4)

STOP! 首切り自由化・使い捨て/労基法・派遣法改悪阻止5・21中央総決起集会

 5月21日、国会前の座り込み闘争に続いて、夕方から「STOP! 首切り自由化・使い捨て/労基法・派遣法改悪阻止5・21中央総決起集会」(主催/全労連、労働法制中央連絡会、東京地評)が東京・日比谷野音で開かれ、ナショナルセンターの枠を越えて4000人が集まった。動労千葉や労組交流センターも参加した

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週刊『前進』(2103号2面5)

資本攻勢&労働日誌 2003 4月28日〜5月15日
 労基法改悪案が国会審議入り フランスでゼネスト/NTTが年金基金代行返上

沖電気、累計で3割人員削減 沖電気工業は04年3月期に900人の人員削減実施を発表。99年3月期から累計8260人、3割強を削減することに。(4月28日)
2年連続で現金給与総額が減少  厚労省がまとめた02年度分の毎月勤労統計調査結果(速報)によると、平均月間現金給与総額は前年度比2.1%減の34万3125円で2年連続の減少。(30日) 毎月勤労統計調査結果(速報)
NTT、年金基金代行返上へ NTTはグループ各社約26万人が加入するエヌ・ティ・ティ厚生年金基金の代行部分を返上する。同基金は国内最大級の約1兆円の資産規模。(5月1日)
春闘賃上げ6年連続最低 日経新聞は、03年春闘の賃上げ調査最終集計を発表。平均賃上げ率は1.54%と6年連続で過去最低を更新。ベアなしが97.1%。(1日)
労基法改悪案、衆院で審議入り  労基法改悪案の趣旨説明が衆議院本会議で行われ、同法案の審議が始まった。(6日)
人勧、2年連続マイナスも 人事院は03年度の国家公務員の給与勧告の基礎資料となる民間給与実態調査を始めた。8月上旬に予定される勧告は、2年連続のマイナスとなる可能性が高い。(6日)
労基法・派遣法をさらに緩和へ  政府の総合規制改革会議は、雇用・労働分野の規制緩和をさらに推進する考えを論議した。(6日)=要旨別掲 雇用・労働分野ワーキンググループ配布資料
今春卒業の高校生、求人数と求人倍率が過去最悪 今春卒業の高校生の就職内定率が過去最低だった昨年を0.3ポイント上回り90%になった。しかし企業の求人数と求人倍率は77年の調査開始以来最悪に。厚労省は「求人数の減少に歯止めがかからない」と分析。(9日) 厚労省調査結果 文科省調査結果
連合が年金改革で方針 連合は「04年の年金制度改革に向けた基本的考え方(案)」を中央執行委員会で確認。基礎年金の全額税法式を提唱。(9日)
日本経団連が政治献金再開 日本経団連は、10年間やめていた会員企業・団体の政治献金を再開する方針を明らかにした。(12日)
武田薬品が定昇廃止 武田薬品工業は、労働者の賃金から定期昇給など年功部分をすべてなくし、職務・職能給のみの完全な成果主義に移行すると発表。扶養・住宅手当も廃止。6月からの導入に労使双方が合意。(12日)
フランス、年金問題で公務員ゼネスト 共産党系の労働総同盟(CGT)、社会党系のフランス民主労働同盟(CFDT)、労働者の力派(FO)などが参加。13日には鉄道やバスなどがストップ。航空便も欠航続出。(12日)
夏の一時金、民間企業は3年連続減少 りそな総合研究所がまとめた夏の一時金予測は、民間企業の1人当たり平均支給額が前年比1.7%減の40万6000円で、3年連続で減少。(15日)

 総合規制改革会議に提案された基本方針

 「多少大上段に振りかぶるような形にはなるが、より原則に立ち返って雇用規制のあり方の抜本的な見直し」が必要であるとして、国会審議中の労働法制改悪以上に徹底した規制緩和を提唱。

1.職業紹介事業・労働者派遣事業の規制緩和
 有料職業紹介の対象事業制限の撤廃
 派遣労働期間と対象事業制限の撤廃
 ピンハネと派遣労働の拡大を狙う

2.労働時間規制の適用除外拡大
 ホワイトカラーイグゼンプション(労基法適用除外)を導入し、事務労働者に長時間労働を強制

3.雇用における年齢差別禁止
 安価な労働力として高齢者を搾取

4.事後監視・監督の強化
 事前規制の撤廃で労働者の権利を奪う

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週刊『前進』(2103号3面1)

沖縄戦の再現許さぬ 復帰31年5・15闘争
有事法案採決に怒り 5・17宜野湾 県民大会に5千人集う

 5月17日午後、宜野湾市海浜公園の屋外劇場で、「5・15平和とくらしを守る県民大会」(主催・平和運動センター)が開かれ、全国から結集して3日間の平和行進を闘った労働者を始め5000人が会場を埋めた。反戦共同行動委員会の行動団と沖縄労組交流センターも「有事立法絶対阻止」の横断幕を掲げて合流した。
 集会には、5月15日の有事3法案の衆院通過の暴挙に対する怒りが満ち、参院段階でなんとしてもこれを打ち破り廃案をかちとっていくという決意がみなぎった。名護市辺野古から出発した東コース、名護市街からの西コース、那覇から戦跡を中心に回った南コースの各行進団は、出発の日が衆院本会議の採決にあたり、途中抗議集会を開き、怒りを爆発させて歩き続けた。
 琉球舞踊や海勢頭豊さんの歌などのアトラクションの後、行進団を迎えて開会となった。
 歓迎のことばでは、4月の選挙で勝利した伊波洋一・宜野湾市長が行進団の健闘をねぎらい、普天間基地によって日常生活が脅かされていることを指摘し、「辺野古を埋め立てての県内移設ではなく、5年以内の全面返還を実現する」という公約を果たすことをきっぱりと誓った。
 豪雨の中、炎暑の中を歩き続けてきた各行進団の団長、副団長の報告には惜しみない拍手が起こった。
 普天間爆音訴訟原告団などが連帯あいさつを行った。会場全体でのピースウエーブが3回うねった。
 大工哲弘さんの歌があり、インターナショナル、ガンバロー、沖縄を返せで盛り上がり、カチャーシーで壇上に上った青年たちのエネルギーが爆発した。
 大会は最後に、有事法案の衆院採決に抗議し廃案を求める決議を採択した。

 反戦共同と沖縄交流センター 沖縄闘争再構築誓う

 17日夜、那覇市の青年会館で、沖縄労組交流センターと反戦共同行動委員会の共催で「2003年5・15沖縄集会」が開かれ、約100人が参加した。
 司会は、真喜志康彦沖縄労組交流センター代表が行い、有事立法攻撃に参院段階で下からの怒りの決起を確信して闘おうと訴えた。
 主催者あいさつを関西反戦共同行動委員会の国賀祥司泉佐野市議が行った。「反戦共同行動委は、沖縄闘争を反戦闘争の最重要の課題と位置づけて闘ってきた。今、有事立法・北朝鮮侵略戦争情勢との全面的闘いの中で、沖縄の闘いとの連帯の意義はますます重要」と強調した。
 連帯のあいさつの最初に、宮城盛光・北中城村議が、復帰31年の沖縄の現実はなんら変わっていないことを弾劾して、闘いの決意を述べた。
 知花昌一・読谷村議は、「日本の反戦運動はこれでいいのか。人殺しの戦争を止めるために命を懸けて闘わなければ、人殺しの手下になる」と危機感を込めて訴えた。
 花城清繁・与那城町議が東海岸のホワイトビーチに平和行進を迎えて闘ったことを報告した。
 宮城康博・名護市議は、パソコンを使ってスクリーンに画像を示しつつ、写真や図解で名護新基地建設攻撃が今、どうなっているかを解説し、沖縄で新しい基地を絶対につくらせない、と決意を述べた。
 日本キリスト教団牧師、沖縄民衆会議からのあいさつを受けた後、浦添市の軍港反対市民の会の大城信也(まよなかしんや)さんがギターを抱えて登場。「あきさみよ(あれまあなんと!)」などの歌をはさみながら、日本の戦争国家化を許してはならないと力説した。
 本土側からの連帯のあいさつとして、新城節子杉並区議、西村綾子相模原市議が、4月選挙で当選した報告とお礼の言葉を述べた。新城さんは、沖縄とともに闘う運動を杉並からつくりだす決意を述べ、西村さんは戦争と資本攻勢、福祉切り捨ての根っこは同じと痛感したと語った。
 基調報告が沖縄労組交流センターから提起された。有事立法の衆院採決を弾劾し、沖縄をめぐる世界、アジア、日本―沖縄関係を真っ向から見据えて21世紀の沖縄闘争を再構築していくことを訴えた。米帝の世界戦争戦略の最重要拠点における沖縄闘争の決定的意義を押さえ、現状変革の気概も失っている既成左翼をのりこえて闘うこと、名護新基地建設阻止を辺野古住民の苦闘にこたえて闘いぬくことを訴えた。また、有事立法が沖縄に差別的に犠牲を集中するものであることを弾劾した。
 そして、4月宜野湾市長選勝利の意義について、@SACO(沖縄に関する特別行動委員会)と県内移設路線は動かしがたいという風潮をひっくり返したこと、A稲嶺体制の「神通力」を失わせたこと、B既成左翼の枠組みを突破する力、C中部、宜野湾の労働組合の力などの諸点を確認した。現状突破の風穴を開けたこの宜野湾市長選の勝利をバネに、5〜6月の闘いへの総決起を訴えた。鮮明な提起に参加者は大いに自信と確信を深めた。
 決意表明では、沖縄から、NTT労働者が強制退職・再雇用、賃下げの攻撃との闘いを語り、バヤリース労組の柿本博人委員長が解雇・組合つぶしの攻撃との闘いを報告した。パート労働者は女性労働者への差別政策と対決して奮闘していることを報告した。
 全国労組交流センター女性部の照屋洋子部長は、「労働者は必ず闘いに決起する」と確信を述べた。
 学生の決意表明では、東北、関東、北陸、関西、広島の新入生を中心に初参加の感動と決意を述べた。「沖縄で知った現実を帰ってみんなに訴える」「ぼくたちが頑張らなければいけない」「怒りをもって命懸けで闘う」と、はつらつと語り満場の拍手を浴びた。

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週刊『前進』(2103号3面2)

圧倒的な夏期カンパを 有事立法=北朝鮮侵略戦争阻止の決戦を闘うために
 革命的共産主義者同盟

 戦争に反対するすべてのみなさん。資本攻勢と闘うみなさん。『前進』読者のみなさん。革命的共産主義者同盟は、夏期一時金支給時にあたり、熱烈なカンパ闘争への決起を訴えます。
 「こんなひどいことをして、これがアメリカの言う自由なのか!」と叫ぶ12歳のアリ・イスマイル・アバス君は、米軍の爆撃で両腕を引きちぎられた上に妊娠5カ月のお母さんと一族16人が殺されました。アリ君の叔父は「イラクには1万人のアリがいる」と訴えています。3月20日から強行された、米英日帝国主義によるイラク戦争ほどデタラメで残酷な戦争はありません。そして今日もなお、クラスター爆弾の地雷で日々犠牲が増え続けているのです。
 みなさん、じっと耳をすませてみてください。戦争で無念の犠牲を受けた民衆の怒りと、私たちの決起を訴える叫びが聞こえてくるようではありませんか。

 4月統一地方選での偉大な成果

 これにこたえて私たちは今春、イラク反戦をかつてない規模で闘いました。しかしもっともっと強力で広範な闘いが必要なこと、可能性は開かれていることを痛感しています。ブッシュや小泉がイラクに続いて、中東全域と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への侵略戦争を策動している今こそ、有事立法とこの攻撃を打ち破るための、旧来を倍する夏期一時金カンパを訴えます。
 4月統一地方選は、東京・杉並区議選で前回99年選挙の得票を6割増加させる9483票を得て、けしば誠一氏(3位)、新城せつこ氏(27位)の当選をかちとり、新人の北島邦彦氏を次々点まで押し上げました。さらに神奈川・相模原市議選の西村あやこ氏と、千葉・勝浦市議選でも動労千葉組織内候補の水野正美氏がともに3選を果たし、大阪・高槻市議選でも小西弘泰氏と森田充二氏の2人当選をかちとりました。こうして今回改選ではない大阪と沖縄を併せて全国で二けたに届く闘う議員を獲得し、ついに日本階級闘争に社・共に代わる堂々たる革命的議会主義の旗を実体をもって掲げることができたのです。
 今回の選挙戦は「反戦と介護」を大きく掲げ、03春闘−労働者階級の資本攻勢との闘いと、イラク反戦・有事立法決戦をそれぞれ独自に発展させながらも、同時に相互に高め合いさらにはそれをも選挙の集票にまで集約していく闘いに挑戦しました。この中で、労働者市民・区民の全面的な自己解放的な決起に学びながら、ともに勝利をこじ開けてきました。
 何よりもこの偉大な成果は、05年都議選挑戦への決定的な第一歩を記すものとなりました。05年はこの年に憲法調査会が最終集約を出すことをもって正式に改憲に踏み込もうとする日帝との大決戦となり、05年都議選の結果がその流れを決定するものになることは言を待ちません。
 一方、今次選挙で社・共は「イラク反戦は票にならない」と闘いを放棄し、その結果、共産党は全国で100万単位の票と300余の議席を失い、社民党も存亡の危機にまで至る結果となりました。このような中で、杉並を先頭とする選挙の結果は闘う人民に限りない激励と希望を与え、逆に日帝・小泉政権とファシスト石原らに強烈な打撃を強制しています。
 そうであればこそ、杉並で3人当選を果たせなかったことは無念であり、私たちはこれを厳しく総括し、05年都議選勝利をもって必ず雪辱することをここに誓うものです。

 有事3法案参院成立阻止しよう

 有事立法とは何なのか? それはアメリカ帝国主義が北朝鮮侵略戦争を強行することに共同・競合して、日帝が参戦するための戦争法、武力行使法です。そのために「核疑惑」「拉致問題」などをあげつらって北朝鮮を追い詰め、その結果、北朝鮮がこれに対応して臨戦態勢構築に動くことを口実とし「えじき」として、日帝が「武力攻撃事態」あるいは「予測事態」と「認定」し、自衛隊を戦争体制に突入させ、日本国内も戦時体制に突入させる攻撃です。
 実際にも4月24日、国会答弁で石破防衛庁長官が「アメリカが北朝鮮に先制攻撃をした場合に武力攻撃事態法を適用することは可能」と発言しています。また石破は「北朝鮮が『東京を火の海に』と言い、ミサイルに燃料を注入したら、北朝鮮基地を先制攻撃できる」とも言っています。
 みなさん、考えてもみてください。戦争の根源は、北朝鮮のミサイルや核にあるのでしょうか。そうではありません。米帝ブッシュが「悪の枢軸」論をふりまき、世界戦争計画をもってイラクに続いて「次は北朝鮮」と公言して、侵略戦争に突入しようとしているのです。日米帝の戦争挑発はすでに具体的に発動され、3〜4月の北朝鮮沖での大軍事演習と対北朝鮮偵察衛星の打ち上げ、5月には自衛隊戦闘機の空中給油訓練を強行して「北朝鮮まで攻撃できるぞ」と脅かし、さらに引き揚げた「不審船」を公開展示し、「拉致問題」とともに排外主義をあおりにあおっています。
 5月15日、衆議院本会議で有事3法案が強行採決され、闘いは新たな局面に入りました。これに対して闘う戦列は5月23日、明治公園での20労組がよびかけた大集会を成功させ進撃しています。私たちはすべての闘う勢力と結んで、国会を包囲する巨万の決起を実現し、6月参院段階で有事立法を必ず阻止したいと決意しています。

 21世紀革命勝利する労働者党に

 2001年「9・11決起」の叫びは今年、ついにイラク反戦の全世界的な大決起、実に少なくとも60カ国1500万人の労働者人民が同時に決起する偉業に到達しました。しかも、日米の労働者・学生の闘いの国際交流と連携を実現したことも決定的です。
 しかし、これは突然起こったのではありません。日本で言えば、沖縄闘争、三里塚闘争、動労千葉支援の闘い、狭山闘争や排外主義との闘いが、すべて引き継がれ発展してここまで来たのです。反革命カクマルとの闘いに圧勝し、白色テロを封じたからこそ、イラク反戦闘争が爆発したのです。そしてそれは何よりもみなさんからのカンパの力によるものであることを心より感謝いたします。
 すべてのみなさん。だからこそ今、より巨大な決戦の勝利のための絶大なカンパを訴えます。
 革共同は労働組合と労働運動の防衛発展をかちとり、21世紀革命を実現する労働者党建設に勝利します。いまだ8人全員が獄に奪われている「5・27国労臨大闘争弾圧」の国労組合員らを奪還するために闘います。
 私たちは昨年末、爆取弾圧の須賀、十亀、板垣の3同志を1千万円単位の保釈金を集め奪還しました。これに続き福嶋昌男同志らの保釈、獄中28年の星野文昭同志再審実現・奪還を実現しようではありませんか。その成否は夏期一時金カンパ決戦にかかっています。
 すべてのみなさんが、10万円を一単位とする夏期一時金カンパを集中して下さることを心からお願いします。人民の力で有事立法と北朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しましょう。自己の未来をかけた熱烈なカンパを訴えます。

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週刊『前進』(2103号3面3)

全金本山が全国闘争 地裁判決後の正念場迎え

 5月11、12日、全金本山闘争勝利へ、全国総決起集会と本社工場門前闘争が闘われた。
 11日の総決起集会では、司会の庄子和副委員長が、1973年以来の賃金支払いを求めた裁判で、仙台地裁が91年以降の一部のみを認め、総額1億9千万円の支払いを会社に命じる判決を3月31日に下したことを報告。この判決から最初の全国闘争の意義を鮮明に訴えた。
 長谷武志委員長は「別棟就労は労働組合つぶしでも極悪の攻撃。判決での一部勝利は30年もこの攻撃に抗し、はね返してきたことが根底にある。30年、なんで職場に戻れないのか。会社の不正義性は裁判所も認めざるをえなかった」「本日の闘争は物資販売闘争の出陣式でもある。全面攻勢、職場復帰の時と訴えていきたい。本山闘争の勝利への決意と確信を新たにし、闘って展望を切り開こう」と、全金本山闘争の完全勝利と、闘う労働運動再生への決意を語った。
 連帯のあいさつでは、反原発を闘う仲間が、「事故隠し」を居直り女川原発の運転再開を策動する東北電力を弾劾し、すべての原発を廃炉にと呼びかけた。また、女川町議選での阿部宗悦氏の当選が報告された。
 青柳充書記長が基調報告。「会社は2月の団交では『どんな手段をとっても解決したい』と言っていたが、判決後に団交を求めたら『できない』と。なぜかというと、『団交を開くと、いつから就労させるのか、いつ賃金を払うのかについて決まっていないからだ』と言っている。4月7日には、第二組合=JAMが『突然の解決は困る』と申し入れをした。自分たちは16%もの賃金カットを受け入れて会社再建に協力しているのに、働いていない労働者に1億9千万円も払うのかとショックと不安が社内に渦巻いている。全金本山闘争32年の闘い、840も寄せられた労働組合署名に示される支援の力でこじ開けた勝利だ。完全勝利の武器にしていく。原職就労が当然の獲得目標。2名の被解雇者含めて就労をかちとり、工場の中に赤旗を掲げるまで闘い抜く」と、全金本山闘争の完全勝利への方針を鮮明に提起した。
 支援からは、都職労の仲間、廃寮攻撃と闘う東北大・有朋寮の学生、地元の労働組合の代表が闘う決意を表明し、動労千葉など全国の闘う労働組合からのメッセージが紹介された。
 全金本山労組各行動隊からの決意表明では、「1月に定年の通知が会社から来た。思い返すと32年前は会社への憤りが燃えたぎっていた。定年を迎え、あらためて当時の熱い心を呼びさまして2名の解雇撤回、全員の就労まで闘う」「一部勝利を武器にして勝利まで闘う」「会社はこの判決で右往左往の状況だ。全金本山闘争の完全勝利をかちとろう」と口々に勝利への確信に満ちた決意が語られ、最後に中野七郎書記次長が、「職場復帰への大驀進(ばくしん)を明日からかちとろう」と訴えた。
 12日は本社工場門前での就労要求闘争。会社は相変わらず正門を閉ざしているが、たむろする管理職はうつむいているばかりだ。結集した50人の全金本山労組と支援は、団交の開催と即時の就労、争議責任の謝罪と解雇撤回を強く要求する闘いを10時過ぎまで闘い抜き、門前デモを貫徹した。
 昼休みには仙台市にとって返して、みずほ銀行仙台支店に、メインバンクとして争議の早期解決を求める闘いをやり抜いた。

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週刊『前進』(2103号3面4)

全金本山 夏季物販の訴え 完全勝利へ闘う財政を

 3月31日、仙台地裁・信濃裁判長は、全金本山労組が1973年の別棟就労命令以降の未払い賃金支払いを求めた裁判で、91年9月以降の賃金請求権を認め、約1億9千万円の支払いを本山資本に命じた。全面的反動判決を信じて疑わなかった本山資本は大混乱に陥っている。16%もの賃金カットに甘んじてきた第二組合=JAM内では、動揺と不満の声が噴出している。全金本山闘争の完全勝利、2名の解雇撤回、全員の原職奪還に大攻勢をかける時だ。闘争強化と闘う財政の確立へ、すべての仲間が夏季物資販売、カンパ闘争に総決起することを訴える。
 3・31判決全体は、全金本山闘争の32年の闘いを否定し、労働組合の団結権、争議権を真っ向から否定する反動判決である。全金本山支部(当時)の闘いを「暴力行為」と非難し、会社をひたすら被害者に仕立てあげている。77年8月1日に会社構内の電灯をすべて消して全金本山支部の団交員約10人を70〜80人で襲撃、重傷を負わせる事件が起きた。これは資本の指示のもとで、暴力ガードマン、職制、二組幹部が結託した組織的計画的な犯行である。ところが判決ではそれを「乱闘」と称し、しかも「(全金本山支部が)暴力行為を行い、同組合員に対する憎悪、反感を引き起こしていた」のが原因であると断じているのだ。いったい誰の血が流されたと思っているのか。
 さらに争議行為に対する本山資本の損害賠償請求は満額認め、まったく合法的な争議行為の民事免責を否定するなど労働法制改悪の先どりというべき反動判決である。
 しかし、ペテン的ではあるが、今日の不就労状態が会社側の就労拒否であることを否定することはできなかった。「別棟就労は適法」だから73年から91年までの「賃金請求権は発生しない」としたことは断じて許されないが、仙台地裁での和解協議以来の法廷闘争で、会社側が言を左右にして29名の組合員の就労を拒んできたことを全金本山労組は徹底的に明らかにしてきた。この事実は仙台地裁も否定できなかったのだ。
 全金本山闘争は青柳充氏の不当解雇に反対し、労働組合を労働者の手に取り戻す闘いとして開始され、二組の分裂、暴力ガードマンの導入、熊谷春男氏への不当解雇、ロックアウトなどすさまじい組合つぶしの攻撃を打ち破って闘いぬかれてきた。29名の組合員はクビになった仲間を守るという労働者としてまったく当然のことを貫いたことをもって、職場を奪われ、生活の糧を奪われてきた。こんなことが許されていいはずはない。本山資本は就労拒否を謝罪し、未払い賃金を支払い、ただちに全組合員を職場に戻せ。2名の解雇を撤回せよ。

  「一人の首切りも許さない」労働運動を

 全金本山労組が32年間、あらゆる攻撃に勝ち抜いてきたことが、本山資本の暴力労政とそれを支えてきた司法反動を打ち砕いたことを勝利の確信をもって確認できる。この地平は、全金本山闘争を支えてきた全国の支援労組がともに切り開いたものだ。30年もの長期裁判の判決に対し、勝利判決を求める団体署名が840を超える労働組合から寄せられた。全国都道府県の自治労、教組などの本部、大産別の単組、JAMの中で闘う労組など、全金本山闘争支援の陣形がどれほど大きく深く労働運動に根付いているかが示された。
 「一人の首切りも許さない」の原則を守り、全金本山労組は結成された。以来総評、県評から排除され、青柳氏、熊谷氏の不当解雇への反動判決、ロックアウトを受けた組合員は「雇用関係はあるが使用関係はない」というデタラメな理由で社会保険資格まではく奪された。しかし、国家権力も連合も資本も「一人の首切りも許さない」労働運動をつぶすことはできなかった。全金本山労組が闘争で団結を守り、支援のよびかけに全国の心ある仲間と労働組合がこたえ今日まで物資販売・カンパ闘争が闘いぬかれてきたからだ。
 闘いと闘う団結がある限り、労働者は必ず勝利できる、それを日本一の長期争議となった全金本山闘争は身をもって示しているのだ。
 今こそ、「一人の首切りも許さない」労働運動をすべての職場、労働組合に復権しよう。全金本山労組の物資販売・カンパを取り組むことこそがその第一歩だ。日常的な職場活動、職場闘争の取り組みをこの夏季物販・カンパ闘争から大胆に進めよう。

 ◇販売品目◇

               (円)
1 花火・レジャーセット 2,500
2 花火・手持ちセット  1,500
3 札幌ラーメン     1,000
4 稲庭うどん      2,800
5 島原そうめん     2,000
6 讃岐うどん      1,000
7 信州五割そば     1,300
8 博多ラーメン     1,000
9 もりおか冷麺     1,400
10 りんごジュース    1,100
11 梅ぼし        1,500
12 即席みそ汁      1,200
13 釜出し一番石けん   1,100
14 ヨーロピアンコーヒー  670
15 スティックアイスゼリー1,000
16 玉ねぎスープ     1,300
17 Q・B・Bチーズ    870
18 夕張メロンゼリー   3,000
19 しん農大黒飯     1,000
20 梅エキス       1,500
21 ほたて貝柱       850
22 だったんそば茶     950
23 マカダミアナッツ    950
24 チーズかつお      900
25 いかチーズサンド    900
26 キムチたまごスープ   1,100
27 鉄腕アトムバスタオル 1,500
28 エビサラダ       980
29 生梅グミ        720
30 牛たんの干し肉     1,000
31 焼のり          400
32 ウーロン茶       500
33 スモークドチキン    1,300
34 梅にんにく       1,300
35 野菜たまごスープ    1,100

申込先 全金本山労働組合
FAX 022(233)5971 TEL 022(274)0843

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週刊『前進』(2103号4面1)

北朝鮮侵略戦争法=有事立法を参院で絶対阻止しよう

民主党・連合の裏切り許すな 侵略戦争への「大政翼賛」を労働者階級人民の「内乱」へ

 有事立法3法案が5月14日に衆議院特別委員会で、翌15日には本会議で9割もの賛成で可決され、直ちに参議院に送られるという実に許せない現実が起こった。民主党が対案提出というかたちで有事立法賛成に回ったことこそが、事態を急変させたのだ。徹底断罪する。民主党のこの裏切りをリードしたものこそ連合の昨年の5・16有事立法賛成見解だ。労働法制改悪でも連合・民主党は犯罪的役割を果たしている。その背後には、世界大恐慌過程の進行と、アメリカ帝国主義の世界戦争計画に必死に対応しようとする日帝の危機がある。日帝危機の救済者、民主党・連合への怒りを爆発させ、参議院段階での決戦で有事立法廃案を絶対にかちとろう。

 民主党の対案提出で一気に衆院採決

 戦前のアジア侵略の歴史への痛苦の反省から二度と戦争をしないと誓ってきた日本のあり方を根本から転換し、再びアジア人民に侵略の銃を向けるのかどうかの決定的な歴史の転換点にわれわれは立っている。
 アジア諸国では、有事3法案の衆議院通過に「日本、自衛隊海外派兵の道を開く」などと危機感と怒りがまき起こっている。
 戦後58年、かつてなかったこのような事態が一挙に進行したのは、民主党がこれまでの「(政府案は)極めて問題が多く、根本から議論し直すべきである」(昨年7・18)というペテン的な「抵抗」のポーズもかなぐり捨てて、わずかばかりの修正で有事立法推進に立場を大転換させたからだ。昨年の国会提出以降、陸海空港湾20労組を先頭にした闘いで継続審議にまで追い込まれた有事立法が、連休をはさんで、わずか2週間で一気に衆議院通過にまでいたった。
 この2週間の間に起こったことは、元防衛庁長官で衆院有事法制特別委員会の自民党筆頭理事である久間章生と、民主党筆頭理事である前原誠司の「協議」という名前の密室での談合であった。
 前原は、修正合意の翌日のマスコミへのインタビューで「民主党は外交・安保問題で自民党と大きな違いはない。安保政策でも改革姿勢を示すことが、次の政権を担う民主党のあるべき姿」などと語っている。
 この前原が久間と談合し、13日夜には、自民党からわずかばかりの譲歩にもならない「譲歩」を取り付けたとして、小泉・菅の党首会談で決着、翌14日の委員会採決、15日の本会議採決に突き進んだ。法案修正の中身は一切論議されず、与党と民主党が談合で決めたことが数の暴力によってまかり通った。まさに国会は侵略戦争への大政翼賛会と化した。
 民主党は今や、イラク侵略戦争に参戦したイギリス労働党のブレアや、ユーゴ空爆を推進したドイツ社民党などのように、労働者階級の味方づらをしながら、積極的な戦争推進勢力に転落したのだ。

 「緊急事態基本法」は有事法そのもの

 緊急事態基本法案と名付けた民主党対案なるものは「武力攻撃事態」という言葉は露骨すぎるから、大規模テロや自然災害への対処も付け加えたソフトな「緊急事態」という言葉に置き換えようというものでしかない。だが、「緊急事態」と言い換えてもその中身は、「外部からの武力攻撃、テロリストによる大規模な攻撃、大規模な自然災害等」であり、北朝鮮の脅威があるから有事立法は必要だという点で自民党と完全に一致しているのだ。
 その上で、有事立法の根本問題である自衛隊の武力行使や、国家総動員態勢など憲法否定の「国家緊急権」は積極的に認めるというしろものだ。つまり、民主党対案は、米軍と一緒になって北朝鮮人民を虐殺してもかまわないという露骨な戦争法案なのだ。
 ところが、朝日新聞を含めたマスコミはこの民主党の対案提出を、「民主党案は検討に値する」(4・27付朝日社説)などと全面賛美した。朝日はこの中で、「北朝鮮の核開発や日本を射程に収めるミサイルに、多くの人が恐れを感じている」「万一に備える法律」は必要と、有事立法必要論を民主党と一緒になって叫んでいる。
 こんな対案を元に、自民党との間で決定した有事立法修正案の中身は、当然にも戦争法案としての根幹には一切手を触れず、わずかに基本的人権の保障規定などを入れるというものでしかない。
 だが、アジア人民2000万人を殺しつくし、治安弾圧が吹き荒れた戦前の帝国憲法ですら、「日本臣民は法律の範囲内において言論著作印行集会及結社の自由を有す」と書かれていたのだ。戦争国家化を認めた上で、保障される人権などありえないのだ。
 文字どおり大政翼賛と言えるこの状況の根底には、世界恐慌過程の進行と、アメリカ帝国主義の世界戦争政策に日帝が生き残りをかけて必死になっているということがある。この「国難」を正面からかかげた攻撃に民主党など野党が総屈服・総転向しているのだ。

 労働者の戦争動員の先兵=連合中央

 このような民主党の屈服と転向を裏で支え、推進したものこそ連合である。
 連合は、有事3法案衆議院本会議可決直後に、草野忠義事務局長名で談話を発表した。
 その中で連合は一体何を言っているか。「連合は、昨年5月にまとめた『見解』によって、緊急事態に対処する法制度は基本的に必要としつつも、政府案を厳しく批判し反対し」たが、民主党の対案は、「政府原案に比べてより突っ込んだもの」と評価し、「衆議院においては、これら民主党の主張が修正案の形で大幅に取り入れられ可決された」と述べている。つまり、民主党修正案が受け入れられたから、有事立法賛成に転換するというのだ。
 だが、連合はもともと有事立法賛成の立場から、民主党をリードしてきた。見解で言う昨年発表した連合5・16見解こそ有事立法の必要性を述べたものであり、今日につながる大反動をつくりだしたものだ。
 それは、「大規模テロ、化学兵器、武装ゲリラ、サイバーテロ」などの攻撃を受けた場合には、「緊急事態を速やかに排除し、国民の生命及び財産を守り、基本的人権を尊重するため、憲法の枠内での法整備は基本的に必要である」として日帝の侵略戦争を全面的に支持し、侵略戦争法案に賛成したものだった。まさに民主党対案そのものである。労働組合の最大のナショナルセンターである連合が、戦争協力を日本政府に全面的に誓ったのである。これに労働者の戦争動員を狙う小泉が飛びつき、民主党抱き込みを図った。だが、昨年は6・16代々木公園6万人決起を頂点とした闘いの爆発で、小泉は継続審議に追い込まれた。
 連合は5・16見解以降、昨秋の「9・12連合通達」で他団体との共闘禁止を打ち出し、20労組陣形の破壊にのりだした。それだけではない。12・4政労使合意によって、資本と闘うことを完全放棄し、労働法制改悪も認めた。さらに、今年の3月10日には、北朝鮮非難声明を出し、4月には地方連合会に朝鮮総連との関係断絶を要請、排外主義の先兵と化した。戦後、労働者階級がかちとってきた権利を全面的に否定する労働法制の改悪攻撃でも、民主党をリードしている。有事立法攻撃と労働法制改悪攻撃は一体の攻撃だ。
 連合の昨年以上の屈服に助けられ、闘いが爆発する前に民主党の転換を引き出したのが、今回の事態の真相だ。戦争と大失業攻撃の前に屈服し、新たな産業報国会と化した連合指導部の打倒こそが、闘いを爆発させる上で死活的なのだ。
 全世界2000万人決起の先頭には、帝国主義の先兵と化した裏切り指導部から労働組合の指導権を奪い取った闘う労働運動が立っている。われわれ日本の労働者階級も、民主党を断罪し、連合指導部を打倒して闘うならば、必ず勝利することができる。
 侵略戦争への「大政翼賛」を粉砕し、労働者人民の「内乱」を対置して闘う中にこそ勝利の展望がある。闘うアジア人民、闘うムスリム人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱へ。5−6月有事立法粉砕、労働法制改悪阻止の国会闘争に総決起しよう。

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週刊『前進』(2103号4面2)

都革新 当選祝い報告会 “新しい党”へ飛躍誓う

 都政を革新する会は5月18日、杉並区議会議員選挙報告会を開催し、多くの支持者が参加した。住民が選挙にかけた思いや闘いの報告を熱く語り、今回の大きな前進に確信を深め、有事立法阻止をはじめとする闘いへの決意を打ち固めた。
 午後2時過ぎ、まず都政を革新する会後援会の実方精一会長が開会のあいさつを行った。「区議選は3候補全体で9483票を獲得した。3人当選に挑戦したが、1人が当選できなかったことは残念です。とにかく2人は当選した。また北島君もあとわずかだった。次回は後援会や住民の会の人たちと協力して勝利したい」と訴えた。
 報告とお礼の言葉としてまず3位で高位当選したけしば誠一区議が登壇した。「区民や闘う人びとから、会う人ごとにすばらしい勝利だと励まされた」と報告した。そして住民が自分たちの候補を自分たちの力で勝利させる選挙として、今回の選挙を闘ったことの意義を、支持者への感謝の気持ちを込めて語り、「杉並52万住民に責任をとる反戦と福祉を貫く政党になる」と決意を表明した。
 続いて登壇した北島邦彦氏は、「新しい政党をつくるということで挑戦しましたが、もう一つ自力が及ばず、悔しい限りです。また次の選挙に向けて活動を始めています。戦争反対や介護・福祉、権利を守る政党が求められていることを強く感じます」と4年後の勝利に向けて全力で闘う決意を表明した。
 新城せつこ区議は、「皆さんの力で当選することができました」と感謝を述べた。そして16日から沖縄を訪問したことを報告、「沖縄の闘いはこれからです。宜野湾市で伊波洋一さんという闘う市長が誕生しました」と報告し、「有事立法を通そうとしていますが、この杉並から新しい反戦の運動を巻き起こしていきます」と決意を述べた。
 区民の音頭で乾杯し、しばらく歓談した後、来賓のあいさつで革共同の天田三紀夫書記長が2年後の都議選、4年後の区議選を目指して全力で闘うことを表明した。続いて、ともに選挙戦を闘った各地域の住民の奮闘を3人がそれぞれ紹介した。区民が3候補の当選にかけた思いを次々に語り、区議選で切り開いた地平の大きさを実感させた。
 特別アピールとして、後援会顧問の桜井善作さんが、有事立法反対の「戦争体験者100人の声明」運動の訴えを提起した。この運動の呼びかけ人の八木ケ谷妙子さんは「命の大切さをあらためて考えながら生きている。ともに生きるという優しい温かい人間になっていくことができないでしょうか。北朝鮮に対する一方的なやり方を見ていて、戦争はこうやってできていくのかと思う。国の犠牲にされてはなりません。有事立法を撃退しましょう」と協力を訴えた。
 最後に、都政を革新する会代表の長谷川英憲さんが「流れをつかんだ」と今回の選挙戦での躍進の意義を語り、「地域に根を張った政党として闘っていく」決意を表明した。

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週刊『前進』(2103号4面3)

ワールドアクション 渋谷に反戦コール 高校生・大学生先頭に

 「有事立法とめよう!」「北朝鮮への戦争とめよう!」「戦争動員反対!」
 有事3法案の衆院通過から2日後の5月17日午後7時すぎ、怒りも冷めやらない青年労働者・学生・市民の「有事立法反対」の元気なコールが渋谷の街にこだました。第6回目となるストップウオー・ワールドアクション。約600人が参加した。恒例となった渋谷ピースウオークの影響か、途中で待ち受けてデモに合流する人が多い。なんと、コースの途中には、「NO MORE WAR」と白抜きした真っ赤な巨大横断幕。渋谷は今や、反戦の街になっている。
 制服姿の高校生、街角で見掛けて途中からピースウオークに飛び入り参加した年配の夫婦など、初参加という人も目立つ。ワールドアクションの新たな展開を感じさせる動きだ。
 午後5時半すぎから反戦集会は初めてという高校生と大学生の司会でリレートークが始まった。発言者は口々に、「周りの人たちは有事立法について知らない。周りに訴えるのが私たちの役目」と訴えた。
 ギターを手にステージに立った高校生は、「大不況から戦争に向かった戦前の日本にすごく似ている。参院でくい止めないと日本は戦争に向かう」と危機感を語り、ジョン・レノンの『イマジン』を歌った。
 次に偶然、渋谷に来たという高校生がメモを読み上げ、心の中にある反戦を行動に移そうと訴えた。
 大学生が続いた。「国民保護法制は自由と人権を守るためではなく、国民を有事に組み込んでいくもの」と有事法案のインチキ性を明らかに。また初めて参加したという大学生は「野党である民主党がまさか有事法制に賛成するとは思わなかった。この国ってなんなんだろうと思った。一人ひとりの力で戦争への抗議を広げていきましょう。それはいつか大きな力になる」と呼びかけた。
 若者たちの新鮮な発言に続いて在日朝鮮人青年が、有事立法反対を訴えるとともに、朝鮮有事を想定して入管法改悪がたくらまれていることを弾劾し、「民族差別反対のスローガン抜きに反戦は闘えない」と民族差別・排外主義との闘いの重要性を訴えた。有事立法が発動されたら攻撃される側の朝鮮人民の、日本人民との連帯を求めた訴えは、ひときわ参加者の共感を集めた。
 自治体の労働者が発言に立ち、戦争動員される労働者の立場から、労働組合の力で有事法案を廃案にしたいと語り、5・23明治公園に結集しようと訴えた。
 ピースウオーク終了後、看護師の女性が、「今まで日本の労組はバラバラで要求を貫けなかった。5・23明治公園に10万人を集めて有事法案をとめよう」と訴えた。次回は5月31日だ。

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週刊『前進』(2103号4面4)

百万人署名関西連絡会 大阪で緊急行動 “北朝鮮の人民を守れ”

 有事立法の衆院採決強行が迫る5月13日、百万人署名運動関西連絡会が呼びかけた「STOP有事法制 緊急行動」に参加しました。3〜4月の連続的なイラク反戦闘争を引き継いで、朝鮮侵略戦争のための戦争法=有事立法をなんとしても阻止しようという熱い思いでこの日の行動が急きょ、持たれました。
 百万人署名運動の各地の連絡会は、国会闘争に代表を派遣しています。国会前での熱い闘いと一体となった取り組みでした。平日の緊急闘争でしたが、約200人が集まりました。
 集会は、学生の司会で始まり、冒頭、百万人署名運動関西連絡会事務局がアピール、「北朝鮮に対する排外主義の洪水の中で、有事立法は朝鮮侵略戦争のための法律です。朝鮮民衆・在日朝鮮民衆、そしてイラク反戦に立ち上がった全世界の民衆とともに、ブッシュや小泉の戦争拡大を阻止しよう」と訴えました。
 明日から国会に駆けつけるという学生のアピールに続き、泉佐野市議の国賀祥司さんは、アメリカのANSWERの言葉を引用して「朝鮮人民を守るのは日本の人民の責務」として、「『北朝鮮の人民を守れ』を合言葉に有事立法阻止を闘おう」と訴えました。
 「戦争とめよう! リストラ反対実行委」の女性労働者は、戦争と労働者への攻撃は一体だ、労働者階級こそ戦争を止められると強調しました。
 部落解放同盟全国連合会は、「有事立法は差別を強め労働者と部落民を侵略戦争にまきこんでいくもの。絶対に許せない。5・23石川さん不当逮捕40カ年糾弾の狭山闘争に立とう。住宅裁判では行政が公然と部落差別文書を出し、裁判所がこれを支持している。この事態こそ戦時型部落差別攻撃だ。差別を許さない闘いと一体で、有事立法・戦争動員を阻止する」とアピールしました。
 若い女性労働者は「『有事』をつくっている人こそ敵だ」と訴えました。最後に兵庫県連絡会が、今後の連日の行動提起を行いました。
 リレーアピール後、アメリカ総領事館を一周し、梅田の繁華街へピースウオークに出ました。沿道の真剣な注目を感じました。ビラを受け取り、真剣に読む人が多かったと思います。
 緊迫した国会情勢の中で「朝鮮の人びとを殺すための法律など絶対に許せない」「日本やアメリカこそ戦争をしかけているのだ」ということを、徹底的に人民の中に持ち込もう。国会へ駆けつけると同時に、全国で一大情宣活動を行い、何がなんでも有事立法を廃案に追い込みましょう。
 (投稿・藤川俊)

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週刊『前進』(2103号4面5)

北富士・母の会 国会座り込み

 北富士忍草母の会は5月16日朝から国会前に座り込み、自衛隊演習場に奪われている梨ケ原入会地の返還を訴えた。この日母の会は、事務局長の天野美恵さん(写真中)と大森ふじえさん(左)、天野正子さん(右)が、大きな富士山の写真や米海兵隊演習を阻止した70年の闘いの写真を掲げて座り込んだ。午後には忍草国有入会地守る会の天野重知会長も駆けつけた。ビラを配り、「入会地無断使用の現実こそ有事法制の正体だ」と訴えた。

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週刊『前進』(2103号4面6)

日誌'03 5月14日〜20日
 小泉「自衛隊は軍隊」と公言 有事3法案衆院で採決強行

●米韓首脳会談 訪米した韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領とブッシュ米大統領が会談。北朝鮮の核兵器保有を容認しないことや在韓米軍基地の再編を進めることで合意、共同声明を発表した。(14日)
●米軍、新型ミサイル使用 ラムズフェルド米国防長官は、米軍がイラク侵略戦争で、殺傷能力の高いサーモバリック(熱圧)弾頭を搭載したヘリコプター発射型空対地ミサイル「ヘルファイアー」を初使用したと表明。同ミサイルは、建物や洞窟を破壊せずにそこに潜む人を熱風と衝撃波で殺傷する。(14日)
●「普天間」5年で返還を 沖縄県の宜野湾市議会の臨時議会で、伊波新市長が所信表明を行い、普天間飛行場返還問題について「県内移設を前提としない立場で臨み、5年以内の全面返還を求める」「名護市への移設は、普天間返還を先送りするもので容認できない」などと述べた。(14日)
●有事3法案、衆院を通過 14日の委員会採決に続き、有事3法案が与党3党と民主、自由両党の賛成多数で可決された。約9割が賛成。法案は同日、参院に送られた。(15日)
●在韓米軍の見直し「戦力維持」原則 マイヤーズ米統合参謀本部議長が、米韓首脳会談の共同声明に盛り込まれた在韓米軍基地の移転・再配置について、@米韓の緊密な協議、A戦力の維持、B長期的な視点、という3原則で臨む考えを明らかにした。(15日)
●イラク戦争、日本の資金提供3位 米国防総省がイラク侵略戦争で軍事協力や戦後復興で米国に協力した国名とその協力内容を発表した。資金提供では、日本は約170億円で米英両国に続いて第3位。(15日)
●米軍支援法制「一刻も早く」 石破防衛庁長官は、有事の際に米軍に物品や役務を提供することを定める「米軍支援法制」について「米軍が有事において支障なく行動できるよう法律によって担保することが一刻も早く必要だ」と述べた。(16日)
●インドネシア国軍、アチェ攻撃開始 インドネシアのメガワティ大統領は、スマトラ島ナングロアチェ州を、戒厳令に相当する軍事非常事態宣言下に置き、「自由アチェ運動(GAM)」の掃討作戦を始める大統領令を出した。インドネシア国軍はGAMへのロケット弾攻撃などを開始した。(19日)
●北朝鮮送金停止可能の新解釈 日本政府は「日米両国の合意があれば、北朝鮮への送金停止は可能」という外国為替及び外国貿易法(外為法)の新解釈を打ちだした。従来は、国連安保理の決議や国際機関との条約などが必要としていたが、新解釈では「2カ国以上の協調があれば可能」としている。(19日)
●全米艦を給油対象 イラク侵略戦争に参加するためインド洋を通る米軍の全艦艇が日本のテロ特措法に基づく燃料補給の対象となっていることが明らかになった。(20日)
●イラク新法、今国会で 政府はイラクへの自衛隊派兵を可能にする「イラク復興・安定化支援法案」(仮称)を今国会に提出し、会期中の成立を目指す方針。(20日)
●将来の改憲「確信」 小泉首相が参議院で、自衛隊について「実質的には軍隊だと思う」「いずれ憲法でも自衛隊を軍隊と認め、しかるべき名誉と地位を与える時期が来ると確信している」などと述べた。(20日)
●米軍機、民間空港に790回着陸 米軍機が昨年、国内の民間空港に計790回着陸していたことが、国土交通省の調べで分かった。前年に比べて回数は18回減ったが、空港数は8増えている。(20日)
●降下訓練、葉タバコ畑に落下 沖縄の伊江島補助飛行場でパラシュート降下訓練を行っていた在沖米陸軍特殊部隊の兵士5人が降下地点を誤り、約300b離れた民間地域の葉タバコ畑などに落下した。(20日)

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週刊『前進』(2103号5面1)

北朝鮮侵略戦争法=有事立法を参院で絶対阻止しよう

朝鮮人民を殺すな! 先制攻撃を合法化する仕掛け

 米帝と日帝が北朝鮮へ武力攻撃を発動

 日帝は、今にも北朝鮮が日本に攻撃を仕掛けてくる(いわゆる武力攻撃事態)かのように排外主義的に扇動し、有事法制の必要性を主張している。だが、事態は逆なのである。
 現実に世界で起きている戦争を考えればよい。アフガニスタン侵略戦争、イラク侵略戦争は、国際法さえ無視した米帝の先制攻撃で始まり、圧倒的な軍事力差で行われた一方的な侵略戦争だ。今日、日本周辺地域で起きる可能性のある戦争とは、米帝ブッシュの「悪の枢軸」論とブッシュ・ドクトリン発動による米軍の先制攻撃の北朝鮮侵略戦争以外にない。そして、これこそが有事3法案が想定する戦争なのだ。
 有事3法案が米軍の先制攻撃による北朝鮮侵略戦争を想定していることは、国会審議でも明らかだ。
 例えば、石破防衛庁長官は4月24日の衆院特別委で、米国が日本の周辺国(北朝鮮)を先制攻撃して緊張が高まった場合、「武力攻撃事態」や「武力攻撃予測事態」を適用すると述べ、米軍の先制攻撃で有事法制を発動することを明らかにした。これに続いて石破は5月9日に「自衛隊は他国領土に出動可能」との見解を示している。
 小泉首相は5月20日の参院特別委で「座して死を待つわけにはいかない」と述べ、日本攻撃の意思表明と準備行為があると日帝が主観的に「判断」すれば、自衛隊から先制攻撃できると強弁しているのである。
 つまり、有事法制とは、日本が攻撃された時に発動するのではなく、「日本攻撃の可能性」を理由に他国を先制攻撃するために発動する法律なのである。
 実際にどうなるか。詳しくは右の「有事立法でこうなる」を読んでほしいが、以下のようになる。
 @米帝が北朝鮮の核問題などを理由に戦争を宣言
 A米軍が日本や韓国で戦争準備・戦闘態勢の構築
 B日本政府が「周辺事態」「武力攻撃(予測)事態」を宣言
 C米軍の後方支援活動や防御施設の構築などで自衛隊が出動
 D米軍と自衛隊による先制攻撃で戦争開始
 米日帝の先制攻撃による北朝鮮侵略戦争のプロセスの中で、有事3法案や周辺事態法は発動されるのだ。
 ところで「北朝鮮による日本攻撃」は事実を正反対に歪曲している。一切の起点は、米帝ブッシュが北朝鮮を「悪の枢軸」と規定し北朝鮮への侵略戦争を策動していることにある。これに北朝鮮が体制存続の対抗策として「核」という瀬戸際政策をとっているのである。しかし、それはまだ核実験もなされず、小型化してミサイルに搭載する水準ではない。北朝鮮の軍事費は日本の約20分の1以下であり、経済力では約200分の1である。自衛隊自身が北朝鮮に日本攻撃の能力はないと断定している。「北朝鮮の脅威」はまったくデッチあげであり、侵略戦争の口実にすぎないのだ。

 日帝政府の主観的判断で予測事態認定

 有事3法案には、日帝の先制攻撃による侵略戦争を合法化する仕掛けが随所に施されている。
 武力攻撃事態法案には、「事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態(武力攻撃予測事態)」という新概念が導入されている。これによると「武力攻撃」が現実に「発生」したり「切迫」していなくても、現実の事態のはるかに手前の段階で、政府が「武力攻撃」を「予測」して、有事法制を発動できるのである。
 「予測」を判断する法的な条件や基準はまったくない。政府(安全保障会議の答申→閣議の決定)の独断で判断されるのだ。法案作成に携わった久間元防衛庁長官は「相手にその気がなくても、こっちがあると思えば予測になる」と言っている。つまり政府の主観的、意図的な判断で「武力攻撃予測事態」は認定されるのだ。
 また「武力攻撃事態」についても、福田官房長官は「攻撃意図が明示され、燃料注入やその他の準備を始める」に至った事態を日本に対する武力攻撃の着手とみなすと言っている。つまり「燃料注入の動き」だけで日帝は先制攻撃で北朝鮮のミサイル基地を攻撃できるという論理である。
 法案では、「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」の認定を含む「対処基本方針」は、閣議決定と同時に法的効力を発する。法案には「直ちに国会に承認を求める」という規定はあるが、「対処基本方針」の実施前に国会承認が必要という規定はない。
 自衛隊の防衛出動問題についてはどうか。現行の自衛隊法76条は自衛隊の防衛出動について「原則は事前承認」「緊急時は直ちに事後承認」と条件付けている。ところが改正案では、「事前」か「事後」かの定めは削除されているのだ。
 では武力攻撃事態法案の方に移ったのか。確かに9条4項にそれらしい文言はある。しかし、これは「対処基本方針」に何を記載するのかという手続き上の問題を規定する条項で、そもそも防衛出動命令の条件を定めるものではないのだ。したがって、9条4項には、ただ手続き上のタイミング的な問題として、事前か事後のどちらかになると書いてあるにすぎない。
 つまり、日本の戦争をめぐる最大級の問題である防衛出動の条件付けである国会承認という決定的な規定がまったく不明確化(蒸発!)しているのだ。
 結局、有事法制とは、日本が攻撃された時に発動されるのではなく、そのはるか以前の段階で日帝側から一方的に「武力攻撃(予測)事態」を宣言して先制的に戦争を始めるものである。ブッシュ・ドクトリン発動で遂行される先制攻撃による北朝鮮侵略戦争に、日帝政府が自らの帝国主義的利害に沿った政治的、軍事的判断に基づいて、一方的に参戦するものなのだ。

 日帝の新たな15年戦争への突入を許すな

 米帝の北朝鮮侵略戦争は、沖縄を始め日本全土を兵站(へいたん)基地、出撃基地とすること抜きに絶対に実行できない。
 94年に米帝クリントン政権が北朝鮮侵略戦争を策動した際、日帝による全面的な戦争協力が困難であったため、また甚大な被害が予測された韓国の金泳三大統領が大反対したため断念したといわれる。しかし、当時よりはるかに深刻化する帝国主義の矛盾の爆発の中で、どんな凶悪な侵略戦争をも辞さない米帝ブッシュ政権の登場と日帝の有事立法の制定は、再び朝鮮侵略戦争の危機を現実のものとする。
 ブッシュ政権は、100万人の死傷者が出ると公言する北朝鮮侵略戦争計画5027をベースに対北朝鮮の軍事作戦計画を策定中だ。それは当然にも日帝の有事立法制定や沖縄の在日米軍基地のフル稼働を計算に入れたものである。有事立法阻止や沖縄の米軍基地撤去闘争は、日帝の参戦だけでなく米帝の侵略戦争を阻止する現実的な闘いだ。
 日本はかつて、数十年に及ぶ朝鮮の植民地支配を行い、強制連行や強制労働を行い、名前や言語さえも奪ってきた。戦後においても日本は、50年朝鮮戦争で米軍の兵站基地としてフル稼働し、再軍備=警察予備隊(後の自衛隊)を創設し、戦争特需(朝鮮特需)で経済復興した。
 有事立法とは、「再び侵略戦争は行わない」という日本人民の階級的原点を踏みにじり、戦争放棄の戦後憲法体系を転覆して、日本が再び侵略戦争を行うことなのだ。日帝の血塗られた侵略の歴史を最悪の形で継続・再現するものだ。
 米帝ブッシュ政権の登場とイラク侵略戦争は、帝国主義強盗どもが地球人口の圧倒的多数の植民地的抑圧と「獲物」の分配をめぐって世界中で侵略戦争を繰り広げ、第3次世界大戦を不可避としているという現代世界の基本方向をはっきりと示している。
 有事立法とは、日帝が北朝鮮侵略戦争を突破口に新たな15年戦争に突入することを意味するのだ。それは帝国主義の侵略戦争を激化・拡大させ、帝国主義の対立と抗争を深刻化させるものだ。世界戦争の現実性をさらに引き寄せる。
 「北朝鮮を攻撃するな」「朝鮮人民を殺すな」「侵略戦争の歴史を繰り返すな」をスローガンに有事立法粉砕へ参院決戦を全力で闘おう。
  (片瀬 涼)

有事立法でこうなる

ブッシュ戦略発動、北朝鮮に武装解除要求

 米帝ブッシュ政権が北朝鮮・金正日政権に対し核開発政策の放棄や通常兵力の全面的削減を要求。同時に「金正日政権を転覆して北朝鮮人民を解放し、民主的な政権を樹立しなければならない」と戦争宣言。

 

米軍、日本・韓国に攻撃態勢を構築

 国連安保理で「査察受け入れか戦争開始か」などと茶番劇。米軍は、日本や韓国で戦争準備を始める。通常の在日米軍6万人に加え、数十万人の兵員や空母数隻を含む艦船約200隻、航空機約1500機など米軍の大群が日本に殺到。日本中の空港や港湾を米軍が優先的に使用するなど、日本社会は戦時体制に。

 

日本政府、周辺有事・予測事態を宣言

 北朝鮮の反撃への動きを理由に、政府は「周辺事態」の認定を含む「基本計画」と「武力攻撃予測事態」の認定を含む「対処基本方針」を閣議決定。国会承認を求めると同時に、直ちに「対処措置」が実施に移された。

 

自衛隊が全面的に動き始めた

 「対処基本方針」の閣議決定により、自衛隊は全面的に戦争態勢に入る。自衛隊は新安保ガイドラインに基づき、米軍との共同作戦準備を開始する。防衛出動待機命令と同時に自衛隊法77条の2「防御施設構築措置命令」。対ゲリラ・弾道ミサイル施設などを日本全土に構築。また周辺事態法により米軍の後方支援活動、北朝鮮の周辺海域の封鎖に海上自衛隊も参加。

 

対策本部の設置―戦争動員始まる

 首相が本部長の「対策本部」が設置される。米軍・自衛隊の全面バックアップのために政府の各機関、地方自治体、指定公共機関(JRやNTT、日赤、NHKなど)が総動員される。自治体、港湾、運輸、医療労働者などに業務命令が出される。

 

米軍の攻撃始まる―武力攻撃事態

 ブッシュ政権が先制攻撃を開始。直ちに日本政府は「武力攻撃事態」を認定。日本政府は、@自衛権の行使としての敵地攻撃は可能(政府見解)、A他国領土への自衛隊の出動は可能(石破防衛庁長官)と主張し、北朝鮮への空爆作戦や上陸作戦に自衛隊を一部参加させることを決定、武力行使に踏み切る。

 

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週刊『前進』(2103号5面2)

革命党への究極の結社禁止法 「共謀罪」新設を阻止せよ

 国際的組織犯罪条約が批准されたが、批准要件としての国内法への共謀罪新設を阻止すれば、この条約を貫徹することはできない。今週にも共謀罪新設案の審議を始めようとしている衆院法務委員会に、猛烈な怒りと反対の意志をたたきつけ、大反撃に出よう。

 「目配せ」だけで共謀共同正犯に

 5・27国労臨大闘争弾圧では、国労組合員がホテル前で行った正当なビラまき・説得活動に対し、国家権力は刑事事件をデッチあげ、労働運動に不当に介入した。起訴状は「被告人A、B、C、D、E、Fは、国労臨時全国大会の開催を阻止しようと企て、G、Hと共謀の上、……(国労本部員らに)暴行を加え、もって、多衆の威力を示して暴行を加えたものである」と述べ、暴力行為等処罰に関する法律(暴処法)第1条、刑法第208条(暴行)、同第60条(共同正犯)を罪名・罰条に挙げている。
 起訴状は刑法60条の「共同正犯」規定を使っている。「共同正犯」とは本来、ともに実行行為に及んだ者をいうのだが、現在は、行為に至る謀議に参加した者を「共謀共同正犯」とするまでに拡大している。実行に及ばなくても、共謀・謀議に参加したと見なされれば「正犯」とされる。通例の判決では、「共謀」は事前共謀だけでなく現場共謀にまで及び、「目配せ」ひとつで「共謀」が成立するという拡大解釈が平然となされている。

 共謀共同正犯と共謀罪との違い

 今度新設がたくらまれている共謀罪は、暴行の実行行為がなくても、つまり「暴行を加えようと共謀した」だけで罪としている。
 だが、共謀しても実行に移すかどうかは別の問題であり、一般には実行に及ばない場合が多い。近代刑法は、行為責任主義をとり、実行に及ばない者を罪としない。公権力は、起こった結果について罪を問うことができても、実行しなかった者の罪を問うことはできない。公権力が野放図に人権を侵害しないように歯止めがかけられているのだ。
 ここに共謀罪と近代刑法との画然たる違いがある。
 5・27弾圧に即していえば、共謀罪の論理では、「暴行を加え」ることなく「口々に『大会は止(や)めろ。闘争団を裏切るのか」(起訴状)と言っただけで罪となる。ただし、共謀罪は懲役4年以上の罪を適用対象としているので、3年以下の懲役を規定している暴処法1条や2年以下の懲役を規定している刑法208条を適用している5・27弾圧は、共謀罪の対象にはならない。
 しかし、同じく3年以下の懲役を規定している威力業務妨害罪は、それだけでは共謀罪の対象にはならないが、組対法にいう組織的犯罪にあたるとされた場合、5年以下の懲役の罪にかさ上げされるので、共謀罪の適用対象となる。威力業務妨害罪は、労働組合のピケを弾圧する口実にしばしば使われる。労働組合の執行委員会でピケ戦術について話しただけで、共謀罪を適用され、最高5年の懲役を科されるのだ。

 労働組合や反戦団体の弾圧狙う

 法案は、刑法や特別刑法のほとんどを網羅した570に及ぶ罪に共謀罪を適用するとしている。もうひとつの刑法体系といえる。
 労働争議で、「資本の暴力から実力でもピケを守ろう」と話すと傷害罪に、「団交を要求しよう」と話すと逮捕・監禁罪、強要罪、恐喝罪に、職場構内をデモすると建造物侵入罪に、それぞれ問われ、共謀罪が適用される。闘争委員会や決起集会を開催することが実に困難になる。
 労働争議と同じような形態をとる部落民の糾弾闘争にも共謀罪が適用される。これは糾弾権の否定・圧殺である。
 反戦闘争においても、戦争拒否の自衛官らが「治安出動命令を受けた者の争議行為」とされ、米軍基地を調べようと話した反戦団体が「日米相互防衛援助協定等にともなう秘密保護法」違反となり、共謀罪が適用される。
 権力打倒をめざす革命党の実力行為のすべてが共謀罪の範疇(はんちゅう)に入る。機関紙の読み合わせや会議での意志統一、さらには集会のシュプレヒコールまでが「共謀」と拡大解釈されることは明らかだ。
 権力打倒に向かっての実行行為がなくても罰するということは、革命党のメンバーであるというだけで共謀罪の対象になるということだ。まさに究極の結社禁止法だ。
 ところで、共謀を立証するには、その発見手段に証拠能力を与えなければならない。現在合法化されている盗聴がその有力な手段になる。現に共謀罪を規定している国際的組織犯罪条約には、盗聴の拡大(室内の合法盗聴)や刑事免責――他人を売れば自分の罪が免除される――が規定されている。共謀罪新設案が成立したら、そこに直ちに行き着くのは明らかだ。破防法より格段に機能的で、安易に使える団体取り締まり法が共謀罪なのだ。
 また法務省は、国際的組織犯罪条約の国内法化の必要条件である共謀罪新設にあたって、「国際的」「組織犯罪集団」という要件を意識的にはずし、目的規定もはずした。適用対象は懲役4年以上の罪であり、2人以上のあらゆる団体である。革命党はもとより反資本・反戦団体をも一掃することを狙っているのだ。
 共謀罪新設は、思想・表現・団結(結社)の自由の侵害であるばかりか、国家権力が全社会を監視し、スパイしようとする攻撃であり、有事立法=戦争国家化と対決する反戦闘争、階級闘争とそのための組織、団体を予防的に解体しようとする攻撃である。
 刑務所内殺人を繰り返している法務省―検察や、あらゆる権力犯罪を繰り広げている警察が、他の独立行政機関(破防法の場合、国家公安審査委員会)の関与・チェックなしに共謀罪を適用することになる。検察や警察がやりたい放題の、「実効性」を重視・優先した結社禁止法が共謀罪だ。絶対に許してはならない。

 6・5国会デモへ

 土屋公献氏(元日弁連会長)、山際永三氏(人権と報道・連絡会)、梁石日氏(作家)らが呼びかける共謀罪反対国際共同声明運動(東京都港区新橋2―8―16救援連絡センター気付)に大挙参加しよう。さらに6月5日(木)午後6時、日比谷公園霞門に集合し、共謀罪新設反対国会デモに参加しよう。

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週刊『前進』(2103号5面3)

改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史 第4部 日帝の中国侵略戦争(11)
 「三光作戦」と「万人坑」 行軍途中で略奪・強姦・虐殺

 37年12月の南京占領と大虐殺に続く徐州作戦、武漢作戦でも日本帝国主義は言語に絶する残虐さを発揮した。中国人民は怒りと憎悪をこめて日本軍を「日本鬼子(リーベンクイズ)」と呼び、その軍事作戦を「殺光」=殺し尽くす、「略光」=奪い尽くす、「焼光」=焼き尽くす、「三光作戦」と名付けた。
 近衛文麿内閣は、「南京政府との交渉成立を期待せず」(「支那事変対処要綱」12月24日)と侵略戦争を拡大した。
 南京占領後、日帝は「暴支膺懲(ぼうしようちょう=中国を懲らしめて征服するという意味)の聖戦」と称してより凶暴さを増し、中国侵略戦争を泥沼的に拡大した。その結果、中国人民の激しい抗日戦争と抵抗に直面し、恐怖にかられて大虐殺にのめりこんでいった。この日帝の戦争犯罪、その大罪として「三光作戦」があった。
 さらに、デッチあげ「満州国」で鉱山や工事に強制的に動員・連行され、強制労働の結果、殺された中国人労働者の死体捨て場、それが「万人坑」である。

 現地調達の実態

 38年4月1日、日本では国家総動員法が公布され、戦争遂行のためにあらゆる人的物的資源を統制運用することが可能となった。しかし、広大な中国で日本軍の補給線は伸びきり、兵站(へいたん)補給がなく、食糧・生活物資は現地調達とされたため、行軍途中で村々を襲撃してあらゆるものを略奪した。女性を見つければ強姦(ごうかん)し、老人から子どもに至るまで無抵抗の人民をなぶり殺しにした。赤ん坊を煮え立つ釜に投げ込み、女性の足を馬につないで股割きにし、自分で穴を掘らせて生き埋めにした。鍋や釜はたたき壊し、最後に一軒一軒に火をつけて村全体を廃虚にしてしまうのだ。
 国際法上、保護されるべき捕虜を皆殺しにするか、人夫として酷使した。捕まえた農民やゲリラを初年兵訓練と称して、生きたまま銃剣で突き刺して殺すことを若い兵士たちに強制した。こうして中国人民の怒りに包囲される中、日本軍は、ますます凶暴で残虐非道な軍事作戦を展開していった。 
 38年10月の日本軍の武漢占領に対して、蒋介石は首都を南京から奥地の重慶に移し、徹底抗戦を指示。日本軍が占領したのは主要都市と鉄道沿線だけ(点と線)で、その他の広大な地域は抗日勢力の支配下にあった。この10月時点では、華北には実に30万6000人の抗日武装勢力が存在していた。
 解放区はその後続々と拡大し、1940年には、八路軍は40万の大兵力を擁し、解放区人口は4千万人を超え、中国共産党支持は遊撃区を含め実に1億人に達したのである。

 虐殺と強制連行

 39年末から国民軍は攻勢をかけた。苦戦を強いられた日本軍は40年5月に宜昌へ侵攻し、さらに重慶への無差別爆撃を強行した。
 40年8月、朱徳が指揮する八路軍は華北で日本軍の鉄道や拠点に対する大規模な攻撃を行った。遊撃戦から正面戦に転じた八路軍の闘いによって、日本軍は甚大な打撃を受けた。
 農民と深く結びついて闘う八路軍に対して、日本軍はより苛烈(かれつ)に三光作戦(日本軍は「燼滅(じんめつ)作戦」と呼んだ)を展開。「共匪(きょうひ)せん滅」と称して解放区や農村を襲撃し、民族絶滅の虐殺攻撃を日帝の敗戦まで延々と繰り返した。
 河北省豊潤県の潘家峪は人口1537人、241戸の山あいの村だった。当時は出稼ぎなどで200人ほどが不在で約1300人が住んでいた。そこに40年1月25日、3千人の日本軍と2千人のかいらい兵が襲撃し、1230人を虐殺した。1300棟の家が焼かれ、生き残ったのはわずか約百人だった。(本多勝一著『中国の日本軍』)
 42年10〜12月、第3次魯東作戦と呼ばれる三光作戦が山東半島全域で行われた。それは、長さ100`にわたって20万人の日本軍が横一列で展開し、そのまま前進して八路軍を追いつめるという作戦である。海岸線は海軍が封鎖し、空からは航空隊が偵察するという大規模なものだった。
 その際には、捕まえた中国人を中国の炭鉱で強制労働させたり、日本に強制連行するための「労工狩り」を同時に行い、約3万人の中国人民を「生け捕り」にした。

 強制労働の結果

 日本軍や日帝資本が略奪・経営する炭鉱で、多くの中国人民が虐殺された。食事もろくに与えられず、設備も不十分な過酷な労働現場で長時間死ぬまで働かされたのだ。あるいは、生きているにもかかわらず、空腹や疲労で動けない人びとを労働力にならないという理由で、針金で縛って生き埋めにした。日本の企業による日常的な虐殺であった。
 こうして数万、数十万人もの中国人が使い殺され、捨てられ、骸骨(がいこつ)の山となったのが「万人坑」である。
 中国人労働者は、東北地方以外の山西省や河北省、遠くは四川省からも、貧農を「たらふく食える」などとだまして「募集」した。さらには、コメの飯を食ったから「経済犯」、3人寄って話したから「政治犯」などとデッチあげて逮捕・連行し、囚人として懲役労働を強制したのである。
 瀋陽と大連の中間にある大石橋マグネサイト鉱山は、1913年に南満州工業株式会社という日本企業が試掘し、18年に本格的採掘を始めた。31年9・18柳条湖事件以来、きわめて凶暴な強制労働が行われた。日帝の敗戦までにここから略奪されたマグネサイト鉱は1千万dを超えると推定される。
 大石橋鉱山では、少ない日で4〜5人、多い日には40〜50人もが使い殺された。殺された労工、あるいは生きていても働けなくなった者が「万人坑」に捨てられた。こうして毎日死者が出ても補充され、収容者は減らなかったという。大石橋にあった3カ所の万人坑の一つ、「虎石溝万人坑」だけで骸骨は1万7千人と推定されている。
 東北地方の大工事現場や鉱山などには必ず「万人坑」が付随しており、撫順炭鉱だけでも30カ所にのぼった。
 日帝は絶望的で泥沼的な中国侵略戦争に突き進む中、きわめて残虐な民族抹殺政策を展開した。その極限が「三光作戦」と「万人坑」である。
 (五十嵐茂生)

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週刊『前進』(2103号6面1)

6〜7月『前進』倍増闘争へ
機関紙拡大を全活動の軸に職場細胞・大学細胞建設を
 前進経営局

 新しい型の「社会主義と戦争」の実践の環

 03年1・1政治局アピールは、総括・情勢・任務方針全体を貫く核心として「21世紀の現実に即して、新しい型の『社会主義と戦争』(世界大戦下のプロレタリアートの任務)を創成していくこと」を提起した。
 今こそこの「新しい型の『社会主義と戦争』」を創成するために闘わなければならない。
 3月機関紙担当者会議で確認したように、その実践の環は機関紙活動である。機関紙拡大を全活動の中心にすえて活動しよう。
 これこそが革命的情勢の急接近に対する実践的回答である。6〜7月機関紙倍増闘争に総決起しよう。
 レーニンの『第二インターナショナルの崩壊』『社会主義と戦争』の提起をストレートに実践することである。レーニンは第1次世界大戦下で帝国主義の分析をとおして「帝国主義戦争を内乱へ」のスローガンを打ち出し、「革命的情勢下における革命党の三つの義務」を明らかにした。
 3月全国機関紙担当者会議で強く確認したことは、この「新しい型の『社会主義と戦争』の内容を創成する」環は機関紙活動だということである。
 何よりも、機関紙を発行し、読み、配布し、拡大することである。
 レーニンは『日和見主義と第二インターナショナルの崩壊』で、「革命的情勢下の革命党の三つの義務」を端的に以下のように述べている。
 「革命的大衆行動を支持し、発展させ、拡大し、激化させ、非合法組織を結成すること(これなしには、『自由』諸国においてさえ人民大衆に真実を語ることはできない)――これこそ、この戦争における社会民主主義(=共産主義政党)の実践綱領のすべてである」
 これは機関紙活動以外の何をもってなしうるだろうか!
 革命的情勢の到来のもとで、革命的な宣伝・扇動を遂行し、非合法の組織をつくることを呼びかけたのがレーニン『何をなすべきか?』である。いかに蜂起に向かって情勢を成熟させ、最後的勝利を達成するかを、機関紙を軸とする「計画としての戦術」として提起したのである。
 さらにロシア革命を指導したレーニンについて考える時、レーニンが1914〜15年の時点で、『第二インターナショナルの崩壊』『社会主義と戦争』などで「革命的情勢下の革命党の三つの義務」についての考え方を確立していたことで、2月革命に遭遇した際に確固として対応することが可能となり、10月革命へと前進していくことができたと言えるのである。
 ここでのレーニンの実践的苦闘に、われわれ自身がいま現在、歴史的に直面しているのである。

 激動期だからこそ機関紙活動が最重要に

 われわれは昨年前期に「倍増を実現できる展望が見えてきた」(本紙2075号)と総括した。そして実際に、拡大情勢はより大きくなったが、02年後期(02年9月〜03年2月)の拡大闘争は、全体としては微増にとどまった。
 激動期に対応した機関紙活動を実現し、大きく前進した組織、着実に前進した組織の機関紙活動によってその素晴らしい現実性が示された。
 しかし他方で、依然として多くの組織において機関紙拡大闘争は取り組まれていないということである。
 02年後期の活動をとおして明白となった総括の最大の核心は、機関紙活動についての指導部の実践姿勢であり、指導の意識性の問題である。
 われわれは「激動期には闘争が激しくなり、課題が多くなるから、機関紙活動は無理になる」と考えるのか、「激動期だからこそ、機関紙活動が最重要になることを確認して、多忙な任務の第1位に機関紙活動を据えきり、党活動を再組織するベきだ」と考えるのかが、問われているのである。
 この二者の間に、機関紙活動の結果が歴然と分かれるということである。
 学生戦線は青年学生の決起を機関紙拡大に結びつけて、全国的に拡大闘争を牽引(けんいん)した。計画的な拡大闘争を進めた東京、関東圏の地区組織は着実に拡大した。
 「決めたことは行い、結果も出せた。リストがすでに一定オルグの進んだリストであることもある。リストの再・新規開発のための討論から始めていく」(関東A地区)
 「M支部は若手組合員と組合執行部の主だった人物のオルグ方針を決め、ほとんど成功させた。次はもっと広げる」(東京B地区)
 「実行日が決定できれば百パーセント実行する」(関東C地区)
 という素晴らしい細胞建設の闘いが力強く始まっている。
 激動期に計画的に機関紙活動を貫徹できるようになれば、われわれは大きく前進することができる。

 購読者拡大の巨大なチャンスが到来した

 機関紙拡大の巨大な情勢が成熟している。それを最も端的に表しているのが街宣での売れ行きである。

 街宣で定購者に

 昨年7月から恒常街宣を開始した東京東部の駅頭販売は、7月〜9月の間はほとんど売れなかった。10月には毎回1部は売れるようになった。12月末には横須賀でのイージス艦闘争の高揚を受けて24部売れ、階級情勢の大きな変化が明らかとなった。
 イラク反戦闘争の全世界的高揚の中で、今年は恒常的に数部が売れるようになった。
 街頭で定期購読者を獲得しているし、駅頭や集会場などで出会えば必ず購入する「街頭定購者」も生まれている。
 1時間の『前進』街宣で8部販売した組織から次のような報告がある。
 「『前進』は売れないのではない。大衆に訴えていないから売れないと自覚すべきである。『前進』は売れるのである」(D戦線)
 しかし多くの組織が『前進』街宣は困難でできないと考えている。これは完全な思い違いである。街宣は2人で十分できる。1人でもできなくはない。公然部門にいる同志で、『前進』街宣をやってはならない同志は、権力と資本に対して完全に秘匿している同志だけである。基本的に誰でもできるのだ。「困難」と決めつけるのは、あまりにも自己規制が多すぎるということである。
 街頭は職場・大学と並ぶ機関紙販売の二本柱である。現在、街頭は戦争推進勢力と反戦派との攻防の戦場である。この街頭販売活動を決定的に重視し、確立しよう。

 対象者は無限だ

 歴史が大きく転換しつつある中で、あらゆる階層の人びとが中核派に関心を持ち、その見解を学ぼうとし始めている。機関紙拡大の対象が無限に広がり始めている。「人から聞いて」「インターネットで知って」機関紙を注文してくる人が出始めている。大衆の欲求が地表に顔をのぞかせた。こういう時は、地底にはものすごい流動がある。「インターネット読者」が、「きちんと読むために定購」を申し込んできている。これは広大な裾野(すその)をもっているのだ。『前進』を、職場、大学、地域、街頭でひろめよう。

 英SWPの党を挙げた機関紙活動に学ぶ

 イラク反戦闘争の全世界的な爆発の中ですべての党と革命的グループは機関紙拡大を必死に行っている。アメリカやイギリスの集会場では、祭の屋台のように各党派や書店の出店がぎっしりと並び、集会参加者に各党派が機関紙を競うように販売している。
 激しい機関紙活動、イデオロギー闘争、党派闘争が数万、数十万、百万〜数百万人の決起の背後に存在していることを知らなければならない。
 ここでは、イギリスでブレア政権を揺るがしている反戦闘争の中心勢力のひとつである、社会主義労働者党(SWP=Socialist Workers Party)の機関紙活動を紹介したい。
 SWPはトニー・クリフ(1917〜2000)が既成トロツキスト運動(第4インターナショナル系)とソ連論・組織論で分裂して創設した組織である。
 以下はSWPの機関紙活動パンフ「世界を変えるために闘う ソシアリストワーカー」を翻訳し引用したものである。(『ソシアリストワーカー』はSWPの週刊機関紙)
 西ロンドンのSWP細胞の書記2人が選挙期間中の販売活動時間表を書き出している。
 「●2月21日(木)
 10時30分 ウェンブレー中央駅近くの地区の路上で街宣
 正午 GECウェンブレー周辺と近隣の喫茶店でランチタイム工場販売活動
 14時30分 アクトン商店街で街宣
 17時 スイス・コテージ駅近くの空き地で街宣
 18時 スイス・コテージのハロルド・ウィルソン集会でピケを張る……団体交渉に応じよなどと要求するプラカード。新聞80部販売
●2月22日(金)
 10時30分 パディントン教会通りの市場で街宣
 12時30分 ダッデン・ヒル通りのアソシエイティド・オートメーション社の外で新聞販売
 14時30分 シェパード・ブッシュで公開集会
 16時30分 クイーン・パークと地区の地下鉄全駅で新聞販売
●2月23日 (土)
 キルバーン広場とハーレスドンで街宣
 午後『保守党打倒』デモ、キルバーン広場14時出発……
●2月24日(日)
 新聞販売のため戸別訪問」
 この実に創意的な拡大闘争は、われわれに何をなすべきかという豊かなイメージを与えないだろうか。
 学ぶべきことはたくさんあるが、機関紙拡大闘争の観点から2点を指摘したい。
 第一に機関紙販売活動の多さである。
 労働者に向かって早朝出勤時、昼休み、退勤時と1日に3回の販売活動を基本にしている。工場の前での販売活動、駅や繁華街での街宣や喫茶店での販売を行い、日曜日に戸別訪問による訪問販売など実にさまざまな販売活動を展開している。
 コミンテルンの「共産党の組織建設、その活動の方法と内容についてのテーゼ」でも労働者街での機関紙の戸別訪問によるオルグが提起されているように、これらはレーニン主義の党の最も原則的な活動である。
 第二に、機関紙販売を熱烈に行っている中で、選挙街宣や集会やピケや団交要求やデモを行っている。
 忙しいから機関紙活動ができないのではない。機関紙活動を軸に、あらゆる活動を組み立て実践しているのである。この活動こそわれわれが今、最も学ぶべきことである。

 『前進』販売は人民に展望と勇気を与える

(1)誤解を恐れずに言えば、論ずる時は終わった。あとは、実践上の問題の解決のみである。
 歴史的激動期に決起を始めた労働者、学生、人民が機関紙を求めている。今この時に積極的な機関紙活動を行わない組織は、永遠に伸びない。
 『前進』販売こそが人民に展望と勇気を与え、闘いを前進させる。機関紙を作り、機関紙を読み、機関紙を配布し、機関紙を拡大すること――それ以上に何か重要なことがあるだろうか。そしてまた、党を拡大する活動以上に重要なことがあるだろうか。そのように問題を立てきらなければならない。
(2)6〜7月の職場・大学・地域での実践方針を確立しよう。
 有事立法粉砕・北朝鮮侵略戦争阻止、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕・労働法制改悪阻止決戦のただ中で、職場、大学、地域での機関紙拡大闘争を実践しよう。
 労働者の中へ――労働運動路線は、革共同第6回大会の路線である。労働者の中での革命の組織化、そのために機関紙は作られたのだ。
(3)街宣は決定的である。職場、大学での機関紙拡大が決定的であるが、街頭販売は、それをも促進する大きな位置をもっていることが明らかとなった。毎週の恒常『前進』街宣を断固としてやりぬこう。

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週刊『前進』(2103号6面2)

弾圧と闘う 6・12私文書弾圧裁判
 M同志をついに奪還 最終弁論 デッチあげを論破

 01年6・12私文書弾圧被告M同志は、ついに保釈をかちとり、5月19日奪還された。
 東京地裁刑事第2部中谷雄二郎裁判長からもぎ取った3回の保釈決定に対し、検察官はその都度抗告を行い、東京高裁は2回にわたって保釈を取り消した。
 このような、保釈制度さえ否定する「戦時人質司法」(被告人の長期勾留と保釈の権利性の否定)とも呼ぶべき攻撃に対し、弁護団とM君を支える会は「東京高裁によるたび重なる保釈却下を弾劾する」声明を発した。また、6・12私文書弾圧裁判事務局は、5月12日から14日最終弁論当日に至る3日間に東京高裁正門前で2千枚の保釈要求のビラまきと署名を行い、東京高裁のすべての部と長官あてに保釈要請文を提出した。さらに、最終弁論ではM同志と弁護団による徹底的な論告批判を貫徹した。
 こうした「戦時人質司法」との闘いは敵権力を追いつめ、5月16日高裁第2刑事部安廣文夫裁判長から検事抗告却下=保釈決定を戦取し、ついにM同志を奪還した。
 M同志にかけられた「私文書弾圧」は、01年都議会議員選挙における革命的議員登場を妨害する「過激派キャンペーン」であり、同時に「ゲリラキャンペーン」による三里塚闘争破壊を狙ったものである。また、帝国主義の侵略戦争に対決する反戦闘争への予防弾圧であり、「組織犯罪対策」の名のもとに強行される革命党破壊攻撃としてあった。しかし、革命の未来を担う全学連戦士であるM同志の不屈、完黙非転向の獄中闘争と戦闘的裁判闘争は、こうした日帝国家権力の策動を粉砕した。
 5月14日の弁護団による1時間半の最終弁論は、検察官の「立証」を論破し、その狙いである「中核派の組織犯罪」なる暗黒の戦時弾圧を暴き徹底弾劾し、無罪判決を迫った。
 また、M同志の150n、1時間にわたる意見陳述では、検事側立証の核である「筆跡鑑定」と「掌紋鑑定」が、およそ科学の名に値しないボロボロのデッチあげにすぎないことを確率論を軸に論述しきった。M同志は、齋藤検事や中谷裁判長に対してかんで含めるように「科学とは何か」「本鑑定の非科学性」について展開し、法廷を圧倒した。齋藤検事は打撃感を隠せず消耗ぶりをさらけだし、中谷裁判長は膨大な数式と図表で示される論証に対し「わかったように」うなずくしかなかった。 
 来る7月24日(木)午後1時15分からの判決公判では、無罪判決を断固としてかちとろう。
 帝国主義の人民支配の最後の砦(とりで)は、軍隊と監獄である。われわれは、軍隊内反乱と「バスティーユ」(人民による監獄の実力解放)でこれにこたえなければならない。完全黙秘の獄中闘争と戦闘的裁判闘争こそ、その決起の最深を支える闘いである。このことを確認することは重要であり、政治弾圧における無罪戦取は帝国主義打倒の一個の戦闘である。
 M同志の奪還に続き、無罪をかちとろう!

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週刊『前進』(2103号6面3)

弾圧と闘う 水嶋裁判 「私は無実」と陳述 弁護側立証に突入

 5月14日、東京地裁刑事第1部(川口宰護裁判長)において、88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘デッチあげ裁判の第15回公判が行われた。裁判はこの日をもって弁護側立証に入った。
 公判は水嶋秀樹同志の意見陳述で始まった。水嶋同志は、「私は無実です。私には明確なアリバイがあります。私は9・21戦闘にはまったく関与していません」とキッパリと宣言し、「今後弁護側が申請する証拠と証人のすべてを採用せよ」と断固要求した。
 弁護団は冒頭意見陳述を読み上げ、無実の水嶋同志へのデッチあげ弾圧が、警視庁公安部が初めから水嶋同志にターゲットを絞って強行した政治的大弾圧であることを鮮明に暴露した。
 そもそも水嶋同志は、74年1・24横国大カクマルせん滅戦闘で神奈川県警から不当な指名手配攻撃を受けていた。そのため、裏切者・正井利明の言うように神奈川県を中心に活動したり、9・21戦闘が行われた千葉県などの関東圏で活動することなどあり得ない。
 警視庁公安部による水嶋同志デッチあげは、公安刑事岡部正雄が、「89年8月に茨城県古河市で水嶋を発見したが逃げられた」という奇想天外な大うそを吹聴することから始まる。
 その後89年11月に逮捕された正井は、権力の転向攻撃に屈服し、取調官の意に沿う形でデッチあげ「供述」を開始する。その中で、「古河市で逃げた人物のことを聞き、9・21戦闘の総括責任者(A)であると思った」という虚偽「供述」をなすのである。
 この公安刑事岡部と正井の二つのデッチあげを結び付けて、「9・21戦闘の責任者A=水嶋」の虚構が警視庁公安部で捏造(ねつぞう)されたのである。
 そして、このデッチあげを完成させるために、骨の髄まで腐りはてた正井は、権力の強制と誘導に沿って水嶋同志の写真を「A」だとして特定するのである。
 しかし、写真特定のデタラメは、正井が特定したとされる水嶋同志の写真は26歳(9・21戦闘の14年も前)の時のもの一枚だけで、しかもピントがぼけている上に修正までされているしろものであるという点をみても明らかである。
 こうしたあまりにもひどいデッチあげ、その手口のずさんさは、裁判の中で全面的に暴かれたのだ。
 水嶋同志は古河市に行ったこともないし、9・21戦闘に一切関与していない。もちろん「A」でもないし、正井などまったく知らない。
 弁護団は立証の初めに、水嶋同志の郵便局員時代の友人を、当時の水嶋同志の身体的特徴の証人として申請し、裁判長はこれを採用した。水嶋同志が青年時代から、正井のいうAの身体的特徴とはことごとく異なっていたことを具体的に立証する。
 弁護団は、公判終了後直ちに、裁判所に保釈請求をたたきつけた。弁護側冒陳で、水嶋同志の無実はますます鮮明である。川口裁判長は直ちに再々度保釈を許可せよ。
 川口裁判長は、弁護団が4月7日に申請した接見禁止の解除請求に対していまだに決定をしていない。これまで2度の保釈許可をかちとった無実の水嶋同志に、接見禁止の理由は一ミリもない。一刻も早く接見禁止を解除せよ。

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週刊『前進』(2103号6面4)

『前進』ホームページ メールから 『前進』ホームページ メールから

 『前進』2100号「労働者の団結の日、メーデー」を読み、初めてメーデー成立の経緯、歴史的な意義について知りました。
 それで、5月1日の朝はケーキを焼いてお祝いし、夫と子ども(2歳)と、メーデーの意味を話し合いました。昼からはお弁当を持って3人で集会とデモに出かけ(これは例年どおり)、子どももベビーカーの中から元気良く周りの人に手をふっていました。
 デモ行進に参加しシュプレヒコールに唱和しながら、今この時代にどう生きるべきか、子どもたちの未来はどうあるべきかについて考えました。
 そして同時にメーデーの意義、成立の歴史について、さらになぜ労働者が団結するのか、マルクス主義の真の意義は何なのかについて、もっと多くの人にも知ってもらいたいと思いました。
 メーデーの原点に立ち返り、この日が国家権力から血を流してかちとった闘いの日であることを考えれば、そして今現在私たちの目の前で何が起こっているのかを見れば、この日は単なる「毎年恒例のお祭り」ではなくなると思います。
 (女性・30歳代)

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週刊『前進』(2103号6面5)

金沢 憲法公聴会を弾劾 「北朝鮮脅威」論に反撃

 5月12日、衆議院憲法調査会の地方公聴会が、金沢全日空ホテルで開かれた。富山大学学生自治会と労組交流センター北信越協議会は、会場正面で公聴会を弾劾する街宣と抗議・申し入れ闘争に立った。(写真)
 金沢公聴会は、日帝・小泉政権が、有事法制攻撃、改憲攻撃として設定したものである。
 日帝は、意見陳述者として「拉致被害者家族」や「救う会副会長」の島田洋一福井県立大教授を選んできた。島田の公開された陳述意見は、「北朝鮮が日本向けミサイルに燃料注入するのを確認した段階で『敵基地先制攻撃』ができる能力を早期に保有し、同盟国の名に値する日米共同軍事行動がとれるように、憲法を含む法体系を整備することが重要だ」というものであり、断じて許せない。
 一方カクマルは、米日帝の北朝鮮侵略戦争の現実性を否定したビラをまいたものの、労働者人民に見向きもされなかった。しかもわれわれの北朝鮮侵略戦争のための有事法制粉砕、改憲攻撃粉砕のアジテーションにうちのめされ、早々に引き揚げてしまったのだ。
 (投稿 D・T)

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週刊『前進』(2103号6面6)

福岡で街宣

 5月14日、衆院特別委員会での有事3法案の強行採決に抗議して、反戦共同行動・福岡の労働者、学生は、福岡市天神の岩田屋前で街宣に立った。必死のアジテーションで訴える九大学生自治会の学生。強行採決を知った市民が次々と署名をし、「民主党の裏切りは許せない」「おれたちは戦争なんか行かないよ」と怒りをぶつけていく。2人の高校生が飛び入りで、署名運動を手伝い始める。街頭は有事立法への怒りで燃え立っている。
 15日午後、有事3法案は、衆院本会議で実に国会議員の9割が賛成して採決された。国会は翼賛国会に変わった。土砂降りの雨の中、直ちに全力で街頭に立った。 反戦共同行動・福岡代表の石崎昭哲さんは、「有事立法との闘いはこれからだ。必ず、参議院での採決にストップをかける」と声を限りに訴えた。参院での廃案を全力でかちとろう。
 (投稿 N・S)

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週刊『前進』(2103号6面7)

公判日程

☆迎賓館・横田裁判
福嶋同志裁判
5月26日(月)午後1時15分
6月10日(火)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
6月11日(水)午後1時30分
☆6・12私文書弾圧裁判
判決公判
7月24日(木)午後1時15分
※いずれも東京地裁

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