ZENSHIN 2003/01/27(No2086
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週刊『前進』(2086号1面1)
イラク反戦・有事立法阻止を
生活破壊・戦争動員・治安弾圧と闘う03春闘の爆発かちとれ
臨大闘争弾圧粉砕し2・15国労中央委へ
革共同中央労働者組織委員会
第1章 「春闘終焉」を宣言した経労委報告に総反撃を
2003年は、帝国主義の世界戦争と世界恐慌―大失業の攻撃に果敢に立ち向かう全世界の労働者が、21世紀冒頭のプロレタリア世界革命達成への大道を押し開く大決戦の年である。
帝国主義は、戦争、大恐慌、大失業、反動、抑圧・差別などのおびただしい惨禍を引き起こし、労働者人民の生活・生命を脅かす根源であり、その歴史的命脈はすでに尽きている。労働者人民は、プロレタリア社会主義革命に立ち上がり、帝国主義権力を打倒し、自ら社会と生産の主人公になる以外にもはや生きる道はない。この闘いの巨波は必ず壮大に巻き起こる。そして勝利する。帝国主義はプロレタリア革命の前夜である。
このレーニン主義の思想と闘いが、労働者階級の切実な要求と生き方になりつつある。事実、イラク侵略戦争の開戦情勢、北朝鮮侵略戦争の切迫や、労働組合の絶滅攻撃、労働者への極限的な首切り、賃下げ、生活・生存の破壊攻撃に対して、全世界で反戦闘争や労働運動の闘いの炎が燃え広がっている。労働者が生きるために闘うという怒りの血叫びが充満し、新たな歴史が胎動を始めている。
現在の戦争と大資本攻勢に対決する攻防は、労働運動を推進軸とした一大階級激突として発展し、どのような力によっても押しとどめることのできない歴史的必然として、革命的情勢を成熟させる。労働者の陸続とした決起の上に、真紅の革命の大旗が林立して打ち振られ始めているのである。03春闘は、このような全世界の労働者階級の闘いの革命的高揚の中で、21世紀の労働運動の存亡をかけた階級決戦となったのである。
労働者階級の国際連帯をかけてイラク反戦闘争、有事立法粉砕闘争の大爆発を実現しよう。
国労5・27臨大闘争弾圧への総反撃を革命的突撃路として03春闘を闘おう。
さらにこれらの力をもって統一地方選挙の必勝をかちとろう。
賃下げと首切り、不安定雇用化攻撃許すな
03春闘そのものが、戦後史の大転換情勢の中で、21世紀の労働運動の行方を決する闘いとなろうとしている。
日本経団連は、03春闘に向けて12月17日に打ち出した「経営労働政策委員会報告(経労委報告)」において、「春闘終焉(しゅうえん)」宣言を発した。これは小泉「構造改革」と一体のものとして労働者の生活破壊を促進する大攻撃だ。
経労委報告は、第一に、「名目賃金水準のこれ以上の引き上げは困難であり、ベースアップは論外である。さらに、賃金制度の改革による定期昇給の凍結・見直しも労使の話し合いの対象になりうる」として、賃下げ・ベアゼロ(ベースダウン)を無条件でのめ、話し合うのは定期昇給の見直しだと全面的賃下げを公言している。年功序列型賃金体系と終身雇用制の解体を決定的に推し進める攻撃だ。
さらに「これからの労使関係」において、「労組が賃上げ要求を掲げ、実力行使を背景に社会的横断化を意図して『闘う』という『春闘』は終焉した」と、春闘を絶滅・解体し、賃金闘争そのものを許さないと言い放っている。賃金闘争という労働運動の原点を解体することで、闘う労働運動・労働組合を一掃する攻撃だ。これは、「労働運動=実力行使」として、労働運動を治安弾圧の対象とする攻撃と一体のものであり、日帝ブルジョアジーが国労5・27臨大闘争弾圧にかけた狙いを示すと同時に、その労働運動全体への拡大を狙うものである。
第二に、「多様な価値観が生むダイナミズムと創造をめざして」という表題が示すように、「雇用情勢の一段の悪化」に対する「雇用のセーフティネットの整備」「働き方の多様化」と称して、首切り・リストラを推し進めながら、大多数の労働者の不安定雇用化に踏み切ることを打ち出している。
そしてそのために、「円滑な労働移動のための規制改革」を掲げて、「労働市場・労働条件にかかわる法規制の改革を急ぐべきである」と、労働法制の全面改悪を強調している。それは派遣労働の制限を全面撤廃する派遣法の改悪、有期労働契約の拡大、裁量労働制の拡大などの全面的見直し、そして何よりも“首切り自由”の解雇ルールを法制化する労基法の全面改悪を要求しているのである。これは雇用の不安定化を激烈に推し進め、アウトソーシング(外注化)攻撃、終身雇用制の解体攻撃を、さらに本格的に進行させる。03春闘は、不安定雇用化攻撃が最大の激突点だ。
この攻撃は、すでに民間中小では圧倒的に進行しているが、大企業においても企業再編・アウトソーシング攻撃として全面化していく。さらに、NTT大リストラを突破口に、国鉄分割・民営化攻撃の全社会的拡大と重なり、公務員労働者にもどんどん拡大していくのである。
また労働法制改悪は、司法改革と一体のものとして、労働委員会制度の解体、団結権解体を始め、労働者の権利の根底的剥奪(はくだつ)―労働組合への治安弾圧の激化にも向かっていくのだ。
第三に、「真の構造改革の断行」を呼号し、特に「社会保障コストは、現役世代や企業にとってきわめて重い負担となっている。現行制度をこのまま継続すれば、税負担を含めた将来の国民負担率は50%を超えるという憂慮すべき事態に陥る」と言って、年金、医療保険、介護保険、雇用保険制度のすべてにわたる戦後社会保障制度の全面的解体と労働者と家族への犠牲転嫁を要求している。
消費税16%にアップ社会保障制度も解体
日本経団連は、経労委報告に続いて、1月1日に「活力と魅力溢れる日本をめざして」(奥田ビジョン)を発表し、社会保障制度を「抜本改革」しなければ失業率の上昇や低成長を抑えることは不可能と言い、そのために消費税率を引き上げるというすさまじい大衆収奪の方針を打ち出した。消費税率引き上げの中身は、04年から14年度に毎年1%引き上げ、16%にしようというものである。
奥田は他方では法人税率の引き下げを主張し、この主張を政治献金と取引しようとしている。さらには配偶者特別控除の廃止などの税制改悪は、社会保障制度改悪とセットとなって、すべての労働者の生活を破壊し、生きる権利を奪うものであり、許しがたいことだ。
第四に、「構造改革の遅れによる国際競争力の劣化は国の存続にかかわる深刻な事態である」と、「国際競争力の問題」を前面化させ、企業防衛主義、国益主義を資本攻勢のイデオロギーとしてむき出しの形で打ち出している。そうして「新たな国家社会の創造に寄与する」と、“賃金引き下げや不安定雇用化を我慢しろ、それが国家への寄与だ”と強弁しているのである。
また「教育問題」にかなりの言及を行い、「倫理教育の徹底」「教員の評価制度を整備・定着させる」と教育基本法改悪を先取りしている。
そして重大なのは、経労委報告の実践的結論が、「奥田ビジョン」にある中国、韓国、ASEANなどを対象とする「東アジア自由経済圏の形成」であるということだ。これはまさに新たな「大東亜共栄圏」構想と言っても過言ではない。日帝・小泉のイージス艦派兵から始まる世界戦争への参戦と資本攻勢を、日帝ブルジョアジーは完全に一体のものとして推し進めようとしているのである。
第五に、このような日本経団連のすさまじい資本攻勢の反動的「飛躍」は、労働者支配の激烈な転換であり、それは連合指導部などの全面屈服と転向なしにありえなかったということである。
自動車総連、電機連合などがベアを放棄する中で、2年連続1兆円を超す連結経常利益を計上するトヨタの労組がベア要求をせず、そのことで全産業の賃下げに拍車をかけている。まさに連合の役割は、資本攻勢の先兵化にある。
事実、経労委報告は、これに先立つ政府、日本経団連、連合による12月4日の「雇用問題に関する政労使合意」が前提となっており、その反動的核心はすべて連合の合意をもって成り立っている。政労使合意では、「労働条件の弾力化」と称して賃金の引き下げを事実上認め、大規模な不安定雇用化を生み出す「労働法制の見直し」も合意したのである。それは連合が解雇ルールの法制化をも受け入れたということだ。そればかりか連合指導部は今や有事立法賛成を打ち出すことで、自民党に急速にすり寄り、底なしの奴隷的屈服の道を転げ落ちている。
最後に経労委報告は、次のような結論で結んでいる。「社会の安定帯たる役割を担う労使は、企業の活力向上に一段の協力をすべきであるし、経営者は企業の存続・発展のために、国際競争力の強化、市場から評価される企業経営を確立することが任務である」
これは連合に“現代の産業報国会になれ”という恫喝でなくて何か。しかし、このことは間違いなく連合の崩壊を激しく促進させる。大失業・資本攻勢がどんなに激しく襲いかかろうが、たとえ今は少数派であっても闘う労働組合の団結が死守されるかぎり、連合は日帝の労働者支配の破綻(はたん)点となる。だがしかし、日本経団連は「社会の安定帯」と称して、労働者の憎悪の的である連合に労働者支配をゆだねるしかないのだ。
だから逆にこの経労委報告の示すものは、労働者の生命と生存の権利というレベルまで脅かされる時代が到来している中で、連合を使った労働者支配のとめ金がはずれ、日帝ブルジョアジーは、労働者の怒りと決起を抑圧し、制動する有効な手段をもはや完全に喪失しているということである。労働者の生きるための闘いは、あらゆる制動を打ち破り、危機にあえぐ帝国主義を根底的に否定し打倒するまでやむことのない、躍動的発展をとげるであろう。
第2章 国鉄闘争への弾圧粉砕は春闘再生への突破口
このような情勢のもとで、03春闘は、「生活防衛・イラク反戦・反弾圧春闘」として闘われなければならない。
春闘再生の旗高く、一律大幅賃上げ要求を第一に掲げ、労働法制改悪阻止・労働基本権防衛、首切り・合理化反対、あらゆる生活破壊、労働者の戦争動員、治安弾圧の攻撃と対決するスローガンを掲げて闘いぬこう。
さらに連合、全労連、JR総連などの春闘方針の裏切りを弾劾して闘おう。
とりわけ、03春闘の最大の柱は、今や全労働者に襲いかかる不安定雇用化、倒産・首切り攻撃との闘いである。中小未組織の不安定雇用労働者の合同労組への組織化に渾身(こんしん)の努力を傾けなければならない。今やJR、NTTなどかつての官公労や郵政、自治労などに広がる公務員労働者への不安定雇用化、非常勤化、民営化攻撃と対決し、そこでの労働者の組織化をかちとる闘いにも果敢に挑戦しなければならない。
そして03春闘の最大の基軸的な柱は、国労5・27臨大闘争弾圧反対の大衆的大運動である。この弾圧を労働者階級の総反撃で打ち破ることこそが、春闘再生をかちとり、03年階級決戦の爆発の突破口を切り開く。なぜなら国労5・27臨大闘争弾圧こそが、03年経労委報告に示された日帝ブルジョアジーの資本攻勢、階級的攻撃の凝縮であり、その先端に位置するからである。「労働組合が弾圧され、労働者の団結が解体された時、戦争が起きることは歴史が証明している」(中野洋動労千葉前委員長)のだ。
国労5・27臨大闘争弾圧は、戦前の天皇制テロル時代の暴力行為等処罰法という超反動法を適用した恐るべき大弾圧である。だが国鉄決戦での弾圧の対象となった闘いは、あくまでも戦後労働運動における最も原則的な行動であり、あえて言えば普通の労働組合の伝統的あり方を超えるものではない。しかも5・27臨大闘争は、与党3党の国労解体策動を受け入れ、闘争団への除名処分と生活援助金の打ち切りを決定するという国労本部のとんでもない裏切りに対して、それ以外に方法のない当然の宣伝行動と説得オルグを行ったものであったのだ。
だが日帝権力は、この闘いの中に革命のヒドラを見て恐怖したのである。なぜなら、4党合意というチャレンジや反動革同を使った1047名闘争の圧殺と国労解体の策動が完全に失敗したからだ。日帝権力は国鉄労働運動の圧殺の最後の手段を失ったのだ。しかもこの弾圧において日帝権力は、国労幹部の投降を唯一の手引きとした。この大弾圧には、まさに03春闘情勢における日帝の労働者支配の根底的危機が示されている。
国労臨大闘争弾圧との闘いは、帝国主義国家権力、ブルジョアジーとその先兵らの矛盾と弱点を決定的に暴き、その破綻を促進する圧倒的正義性、勝利性をもっている。またこの闘いには、労働者階級の階級的団結こそが、最も鋭い闘いの武器であることを全労働者へと押し広める圧倒的大衆性があるのだ。
「反弾圧」と「動労千葉労働運動」を展開軸に
国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いこそは、03春闘とともに国鉄決戦の最大の攻防軸である。
95年19全総以来の国鉄決戦が最大の正念場を迎え、いよいよ本格的な国鉄決戦として発展しようとしている。この時にあたり、国労5・27臨大闘争弾圧と闘う「反弾圧労働運動」と「動労千葉労働運動」を二つの展開軸にして国鉄闘争を闘いとることが重要である。また、この両者の一体的発展に、国鉄決戦のみならず全産別での階級的労働運動の防衛と再生をかちとる実践的環がある。同時に国労2・15中央委員会に向かって、本部執行部、チャレンジ、反動革同、酒田一派を打倒し、国労の階級的再生をかちとる道もここにある。
第一に、1047名闘争の本格的な発展・強化のために、国労弾圧への反撃をかちとるとともに、1047名闘争の歴史的な総括を行い、4党合意を生み出した根っこにある政治解決・和解路線を根底的にのりこえ、今こそ資本との闘いの原点に立ち返らなければならない。それこそが1047名闘争の真の復権とイコールなのである。
第二に、JR資本との闘いは、第2の分割・民営化攻撃との真っ正面からの対決であり、だからこそ全労働者が、春闘攻防や資本との日常的対決を動労千葉を指針として闘おうということである。
東日本では検修・構内業務や設備部門の外注化にとどまらず、駅や車掌業務の外注化まで強行され、基地の統廃合攻撃が開始されている。この攻撃をとおして、NTT型の大リストラがついにJR職場を襲おうとしている。さらに貨物の賃金切り下げ、「賃金制度の白紙的見直し」が狙われている。特に動労千葉をめぐる攻防で重大なのは、「場内信号機に対する進行の指示運転」に示される規制緩和・大リストラのもとで安全と運転保安を根底から突き崩す攻撃の強行である。反合・運転保安闘争という動労千葉の闘いの原点が、再びJR資本との攻防の最大の激突点となっているのだ。
第三に、資本・カクマルの反動的結託体制の瓦解(がかい)が始まっている中で、JR総連解体・組織拡大の決戦をかちとることである。帝国主義の労働者支配の弱点は連合にあり、資本と連合の双方の弱点はJR総連である。今やこのJR総連・東労組は内部崩壊状況に突入している。
松崎・JR東労組カクマルの分裂・瓦解の進行は、日帝権力・JR資本の分割・民営化攻撃の総決算と、第2の分割・民営化攻撃のもとで引き起こされている。だからこそJR労資結託体制を粉砕し、JR総連を解体し組織拡大をかちとることは、動労千葉を始め全国鉄労働者の死活的課題なのである。
こうした資本攻勢に対する闘いと国鉄決戦をめぐる反弾圧闘争を、反戦闘争と結合・一体化して展開していかなければならない。03春闘は、この反弾圧を基軸にして、イラク侵略戦争の開戦情勢、北朝鮮侵略戦争の切迫、通常国会での有事3法案成立策動、教育基本法改悪攻撃と対決する反戦闘争でもあり、世界戦争・世界恐慌・大失業攻撃と闘う全世界の労働者と連帯する闘いである。
このような対決構造の中で、全日建運輸連帯関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3組合共闘を先頭に、1047名の解雇撤回・国鉄闘争共闘会議、20労組陣形、百万人署名運動、反戦共同行動委などの労組的統一戦線を守り、発展させていかなければならない。
同時に連合、全労連、JR総連の裏切りをのりこえて闘う労働運動の新潮流を03春闘の中で発展させていこう。
第3章 5月テーゼ貫き階級的労働運動防衛・再生へ
9・11を画期とする国際階級闘争の内乱的発展は、02年にイスラム諸国人民と連帯する全世界の労働者人民の決起を呼び起こした。日本階級闘争においても、労組的統一戦線の不屈の闘いを通して、労働者階級の大衆的な新たな決起が生み出されている。われわれはこの階級的高揚の先頭に必死に立ち、レーニンの三つの義務を遂行しなければならない。現に立ち上がっている労働運動、労働者階級の決起から学び、それと連帯し、「デモンストレーションやあらゆる種類の『革命的大衆行動』を支持し発展させ、それにはっきりしたスローガンをあたえ、非合法の組織や文書をつくり、大衆が革命を自覚して、革命のために組織をつくるのをたすける」(レーニン「日和見主義と第二インタナショナルの崩壊」)ために闘うことである。
このような意味で革命的情勢の成熟は革命党にとってまたとない好機であるが、同時に断崖絶壁の試練である。
革命的情勢への移行が始まっている中で、03年の実践と飛躍のために、03年新年号アピールでの総括を決定的に深め、「02年の限界と立ち遅れ」を全力で克服するために闘わなければならない。これらの総括のすべての根底にある課題は、今こそ5月テーゼの「労働者の中へ」の本格的・全面的展開、「労働組合の労働組合としての防衛と再生」を血のにじむような努力で実践することである。
革共同は第6回大会で、〈労働組合の防衛と再生>を革共同の〈最大の運動方針>として確認し、こうした「労働運動への取り組みを強め、そこに革共同の生命をかける」と決意した。だがその党的一致と実践において、われわれはいまだ不十分であるということである。
革命的共産主義運動は労働者階級の自己解放闘争である。この共産主義の本義が、あらゆる実践の本質的=実体的な根幹に存在しなければならない。
9・11に始まる国際的内乱=世界革命への胎動に結びつき、闘うムスリム、闘う南北・在日朝鮮人民との国際的連帯を発展させるためにこそ、プロレタリア自己解放闘争が本質的根底的土台であり、目的であることが徹底的に据えられなければならない。02年の限界と問題点を必死に克服するために、正しく「7・7路線」を再確立することである。
革命的共産主義運動は、その労働者的実体と闘いの労働組合的基盤を前提とし、それに依拠し、それを根源的バネにして前進していくのである。
また同時に、このような労働者階級の自己解放闘争を真に対象化し、基軸に据えた細胞的討議での一致と死力を尽くした実践こそが、党を根底的に変革する環である。
今、まさに開始されているすさまじい階級的激動に勝ちぬくために、プロレタリア自己解放を貫く階級的労働運動の防衛と再生を路線的中軸にがっちりと据え、資本攻勢との闘いと反戦闘争を一体的に推進するならば、レーニン的な革命的大衆行動の偉大な激化、発展を必ず切り開くことができる。
こうした闘いによってこそ、「社・共をのりこえる労働者党の建設」をかちとり、真に威力のある革命運動を現実的に推進することができるのである。
イラク開戦阻止・有事立法粉砕の闘い、国鉄決戦と03春闘、統一地方選勝利への闘いに総決起し、そのただ中で今こそ、プロレタリア革命の党を不抜に建設しよう。
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週刊『前進』(2086号1面2)
“戦勝祈願”と有事立法強行狙う 小泉の靖国参拝弾劾する
1月14日、日帝・小泉は靖国神社を参拝する暴挙にでた。これは、一昨年8月13日、昨年4月21日に続いて首相になって3回目の参拝であり、日帝のイラク・北朝鮮参戦と有事立法、戦争国家づくりのための意識的な攻撃である。われわれは沸き上がる怒りをもってこれを弾劾する。
小泉は、どんな抗議があろうとも参拝を繰り返すことで「靖国参拝は当然」という既成事実を強引につくろうとしているのである。
靖国神社とは、言うまでもなく日帝の帝国主義侵略戦争の中で戦死した兵士を、天皇のために生命を捧げた英霊として祀り、たたえるものであり、新たな帝国主義侵略戦争を準備するものである。それは朝鮮、中国を始めアジアに対する侵略と侵略戦争を反省し、謝罪し、賠償する、そして二度と侵略戦争を繰り返さないと誓う、という立場と対極にあるものである。それどころか、侵略戦争であったことを認めない、反省も謝罪もしないことで成り立っているのである。
小泉は、「二度と戦争のないようにお祈りした」などと弁明しているが、逆なのだ。新たな戦争の時代に向けて身構え、人民を動員しようとしているからこそ、靖国神社に参拝したのだ。イラク参戦の決定的な踏み切りとしてイージス艦を派兵し、“戦勝祈願”と有事立法成立のために、その「決意表明」として靖国参拝を強行したのだ。
韓国政府、中国政府がこれに強く抗議し、金大中大統領が川口外相の表敬訪問を断ったのはあまりにも当然である。南北朝鮮人民、中国人民は、日帝が再び戦争国家になって襲いかかってくる画策と見て、激しい怒りを燃え上がらせているのである。
闘う朝鮮・中国―アジア人民、闘うムスリム人民との連帯にかけて、小泉の暴挙を許してはならない。
通常国会での決戦勝利へ
小泉の年頭の靖国神社参拝は、通常国会における有事立法強行宣言である。1月20日から通常国会が始まる。会期は6月18日までの150日間。いよいよ有事立法阻止の本番の決戦開始だ。イラク開戦間近、北朝鮮侵略戦争の切迫の中で、日帝の参戦のための有事立法をなんとしても粉砕するために全力で決起しなければならない。
日帝・小泉は、新年にあたり、通常国会では有事関連3法案と個人情報保護法案の重要法案を必ず成立させる決意を語った。また、山崎自民党幹事長は、イラク侵略戦争による占領後に日帝が乗り出すための「イラク復興支援新法」を成立させるべきだと語った。小泉は森前首相との間で、教育基本法改悪を進めることで意志一致した。
武力攻撃事態法など有事3法案の修正案が昨年末の臨時国会最終局面で提出され、これ自体は廃案になったが、政府は同じものを再び国会提出するとしている。昨年末にすでに趣旨説明は行ったとして、手続きを簡略化し、民主党など野党を抱き込んで、早期衆院通過を図ってくることは明白である。
また一方で山崎は「野党が審議に応じなければ、与党だけでもやる」と語っており、何がなんでも通常国会成立を図っているのである。
また、「国民保護法制」についても、1月下旬から政府が「有事」の動員対象となる地方自治体や民間業者に対する説明会を順次強行しようとしている。
事態はきわめて切迫している。急速に反撃の体制を固め、有事3法案粉砕に向かって闘いを強めよう。有事法制反対の署名運動を一層強化しよう。
全学連が緊急行動
1月14日午後2時、全学連は小泉の靖国参拝を直撃する緊急抗議行動に決起した。法政大学の7階から真下にある靖国神社に向かってハンドマイクを使って猛然たる怒りのシュプレヒコールをたたきつけ、小泉を徹底弾劾した。神社構内では、公安刑事や職員があわてふためき、騒然とした状況になった。
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週刊『前進』(2086号2面1)
03春闘勝利へ ベア要求放棄し賃闘を破壊 終身雇用解体も資本に誓う
連合中央を弾劾し打倒せよ
03春闘において、連合の裏切りは一線を越えた。危機にあえぐ日帝総資本は、日本経団連の「経労委報告」で「春闘は終焉(しゅうえん)した」「春闘を春討へ」などと、連合の屈服を徹底的に使って、春闘を逆に一大資本攻勢の場にしようとしている。だが生活破壊の現実を前に、全世界の労働者階級と被抑圧民族人民に連帯した日本の労働者階級の決起が始まっている。20労組の決起を見よ。すでに連合支配の崩壊が始まっているではないか。国労5・27臨大闘争弾圧こそ、労働者の決起を恐れる敵の攻撃だ。「生活防衛・イラク反戦・反弾圧春闘」に連合中央を打倒して総決起しよう。連合の画歴史的裏切りを全面的に暴露する。
「政労使合意」結び一線こえた裏切り
03春闘における連合の裏切りは、昨年までの裏切りとは一線を画したすさまじいものだ。
それは°雇用を優先して賃金闘争を放棄した″というようなものでは断じてない。現に起こっていることは、連合が終身雇用制解体・不安定雇用化攻撃と大幅賃下げ攻撃の先兵になることを政府と資本の前に誓ったということだ。
10月以降の経緯(別掲)を見てほしい。すさまじい連合の屈服のラッシュである。特に、12月に2度にもわたって「政労使合意」が結ばれているのはまったく異様だ。連合は完全に産業報国会になりつつある。
この一連の事態の出発点こそ、恐慌情勢の深まりに震え上がった連合会長・笹森による「連合運動は雇用に特化」という発言であった。日帝総資本は、この笹森の屈服につけ込んで次々に連合の屈服を取りつけていったのだ。
笹森は、10月3日の中央委員会で、現在の経済と雇用の情勢は°非常事態″だと悲鳴を上げ、「雇用を守ることが労働組合最大の生命線。連合運動を雇用一本に特化したい」と、賃金闘争の全面放棄を恥知らずにも宣言した。
これを受けて、12月には電機、NTT、JAMなどが次々にベア要求を放棄、1月7日には、史上空前の利益を上げているトヨタでも労組が自らベア要求を放棄した。これは全労働者階級への賃下げを一気に加速する。まったく許し難い。
だが、笹森の「雇用に特化」発言は、連合が労働者の雇用を守るために闘うことを意味しない。そもそも89年の連合結成こそ、解雇撤回闘争を原則的に闘う労組や政治闘争を闘う労組を排除して行われたのではなかったのか。
連合は、それ以降も一貫して企業防衛主義でリストラ・首切り攻撃に全面協力してきた。その連合が言う「雇用に特化」とは、いったい何を意味するのか。
それは「雇用問題に関する政労使合意」と「多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意」という、12月に結ばれた二つの政労使合意を見れば、はっきりする。
「雇用問題に関する政労使合意」では、「雇用に関するコストの軽減が重要」として賃下げをのんだ上で、(連合は)「ワークシェアリングを含めた就業形態の多様化、生産性の向上やコスト削減など経営基盤の強化に協力」「労働条件の弾力化にも対応」と、資本の合理化に全面屈服することを表明している。
しかも、「就業形態の多様化を進めるため、必要な規制改革を推進し、労働法制の見直しを行う」と述べ、製造業への派遣の解禁や契約期間の延長、解雇法制の整備、裁量労働制の規制緩和など、20日からの通常国会に提出が狙われている労働法制の全面改悪をすべて認めているのだ。
「就業形態の多様化」こそがキーワードである。その意味は、「多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意」に書かれている。そこには、「従来の雇用慣行や制度の検討・見直しに取り組み、様々な雇用・就労形態を多様に組み合わせた雇用システムを整備」とある。つまり、終身雇用制を解体して、パートや派遣や請負などさまざまな形態の不安定雇用に労働者階級総体をたたき込むことが「多様な働き方」だというのである。そして、そのためにも「労働法制の見直し等必要な規制改革を推進する」という。これこそ95年の日経連「新時代の『日本的経営』」路線そのものである。それを連合の協力で百パーセント実行しようということだ。
いったいこれが「雇用の維持・確保」なのか。とんでもない。80年代のアメリカ型の、NTT型の大リストラと賃下げを全社会・全産業で連合の合意のもとで大々的に推進しようというのだ。怒りなしに語ることはできない。
03春闘は、このように大多数の労働者の不安定雇用化−終身雇用制解体攻撃との攻防が、賃金と並んで最大の激突点となった。連合の裏切りを徹底弾劾して不安定雇用化攻撃と闘おう。
連合に“産報化”を強いる日本経団連
12月17日に発表された日本経団連の「経労委報告」は、春闘を解体し、大幅賃下げと不安定雇用化攻撃を狙う画歴史的な文書である。(前号2面参照)
そこでは、先にあげた個所を長々と引用して、°すでに連合も認めているから″と攻撃を正当化している。そして、連合の屈服を前提に「賃金は下げるという選択に迫られる企業も多数生じよう」と大幅賃下げ攻撃を宣言しているのだ。
だが、連合も認めるように、4年連続の賃下げと5・5%にもなる大失業攻撃を前に、労働者階級の怒りは爆発を開始している。労働者の怒りの決起を恐れる日帝権力・資本・連合の恐怖こそが、二つの政労使合意を生んだのだ。
日本経団連は、経労委報告の最後で「社会の安定帯たる役割を担う労使は、企業の活力向上に一段の協力をすべきであるし、経営側は企業の存続・発展のために国際競争力の強化……が任務」と叫び、さらに「労使協議制」を強調して労働組合が闘うことそのものを否定し、連合に産業報国会となることを迫っている。
だが、これこそ日帝の最大の弱点だ。日本の労働者階級は、すでに連合・全労連の枠を食い破って20労組に見られる決起を開始している。11月労働者集会を呼びかけた3労組による全国ネットワーク運動が前進している。国鉄闘争は、4党合意を破産させ、国労闘争団と動労千葉の合流が始まった。JR総連の崩壊も始まっている。これらに危機感を抱いた権力の国労5・27臨大闘争弾圧を打ち破った時、ヨーロッパ・アメリカ・韓国の労働運動に匹敵する日本労働運動の巨大な高揚が実現されるのだ。
03春闘こそ、その突破口だ。一律大幅賃上げこそ賃金闘争を通して団結を回復する正しい方針だ。連合中央を打倒し、「生活防衛・イラク反戦・反弾圧春闘」に総決起しよう。
表 03春闘主要行動
10.3 連合中央委員会 −笹森「雇用に特化」発言
11.26 第10回政労使雇用対策会議
12.4 第11回政労使雇用対策会議 「雇用問題に関する政労使合意」
12.5 日本経団連・連合首脳会談
12.17 日本経団連「経労委」報告
12.26 政労使トップ会談 「多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意」
12.26 厚労省労働政策審議会建議 −労働法制改悪を提案
1.1 日本経団連「奥田ビジョン」
1.1 連合『月刊連合』と日本経団連『経営タイムス』が共催で「奥田・笹森新春対談」を掲載
1.7 トヨタ労組がベア要求放棄
1.16 笹森が自民党大会に出席
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週刊『前進』(2086号2面2)
国労弾圧粉砕の大運動を 2月3日初公判へ〈中〉
組合員売り渡した国労本部を打ち倒し闘う団結とり戻そう
弾圧の手引き者はチャレンジと革同
国労5・27臨大闘争弾圧との闘いは、国労の階級的再生の闘いと一体をなす。
国労本部は、5・27臨大において当たり前の組合活動をしたにすぎない被告たちを平然と権力に売り渡した。本部派組合員に警察の事情聴取に応じさせ、ビデオテープまで提出した。国労本部のこうした裏切りがなければ、権力はこの弾圧を強行することはできなかったのだ。国労本部の責任はきわめて重い。
そもそも5・27臨大は自民党ら権力与党の求めに応じて開かれたものだった。それに先立つ4月26日、与党3党は「JR不採用問題に関する声明」を出し、鉄建公団を提訴した闘争団員らの闘いを鎮圧せよと叫んでいた。本部はこれに屈服し、闘争団員への除名処分の発動を決定するために、この大会を強行したのだ。
それは、闘争団員である2人の被告にとっては、自分が国労から除名されるかどうかの瀬戸際に立たされたことを意味していた。国労組合員であることを理由に解雇され、国労組合員として解雇撤回闘争を闘ってきた人生が、本部によって丸ごと否定されたのだ。JR本体の5人の被告にとっても、自らのよって立つ基盤をなしている団結が壊される、重大な事態だった。彼らはいずれも、JRによる不当配属を強いられる中で、1047人の解雇撤回闘争の勝利の中に自らの勝利も重ね合わせてきた。
やむにやまれぬ気持ちで説得活動を展開した被告たちの心情は、国労の真の団結を求める者であれば誰しも理解できるものである。それは、4党合意によってずたずたに破壊された国労の団結を、なんとしてもよみがえらせたいという心の底からの叫びだったのだ。
ところが、国労本部は「中核派が大会開催を妨害した」などとけたたましく叫びながら、組合員を売り渡したのだ。これこそ最悪の団結破壊である。組合員を獄に閉じこめ、資本の攻撃にさらし、法廷で組合員同士をいがみ合わせて平然としていられる組合執行部とは何なのか! こうした本部を打倒しなければ、国労の団結は守れない。
破産した政治解決路線の徹底総括を
権力は、この弾圧で闘う国労組合員に沈黙を強い、闘争団の除名を強行させ、国労を最終的崩壊に追い込もうと狙っていた。だが、その策動は打ち破られた。
4党合意との攻防は、原点に返って闘い抜く闘争団を始めとした国労組合員の不抜の隊列を生み出した。また、国労闘争団と動労千葉争議団、全動労争議団が一体となって闘いを貫く1047人闘争陣形の新たな発展をつくり出した。
国鉄闘争を押しつぶすことのできない現実を突きつけられた与党3党は、ついに「4党合意からの離脱」を声明した。4党合意は全面的に崩壊したのだ。
それはまた、4党合意にしがみつき、ありもしない「解決案」の幻想で組合員をだまし続けてきた国労本部の路線と方針が全面破産したことを意味している。国労は、裏切り執行部を打倒して、新たな闘う路線を打ち立てなければならない局面を迎えたのだ。
国労本部の破産と裏切りの根拠は何か。
国鉄分割・民営化攻撃に対し、国労本部はこれと一戦も交えずに敗退した。その後、採用差別に対して国労本部が打ち出した唯一の方針は政治解決であった。89年に国労が決定した「全面一括解決要求」路線は、分割・民営化後も国労にとどまった3万組合員の力に依拠して自らの闘いで勝利の展望を切り開くものではなく、あくまで権力にすがって「解決」を図るというものでしかなかったのだ。
その路線のもとで、国労本部は中労委や東京地裁を舞台に和解を追い求めた。だが、JR体制との根底的な対決を回避した路線では「納得いく解決」を引き出せるはずもなく、5・28反動判決でその道は完全に断たれた。
政治解決を唯一の方針とする国労本部が、その後、権力の情けをこうて8・30申し入れや改革法承認、4党合意受諾へと突っ走ったのは、いわば必然的なことだったのである。その帰結は、組合員を権力に売り渡すという恐るべき反階級的大罪であった。
4党合意を破産に追い込んだ今、国労に求められているのは政治解決路線の破産を徹底的に総括し、JR資本・JR体制と真正面から闘う路線を確立することである。労働組合とは、資本と闘うための労働者の団結体だ。JRとの闘いを基軸に据えて初めて「JR復帰」は実現できるのだ。
今日、JRの資本・カクマル結託体制は崩壊の時を迎えている。権力は東労組幹部への逮捕・家宅捜索を繰り返し、JR総連カクマルとJR資本の間にくさびを打ち込もうとしている。カクマルを使っても国労・動労千葉を解体できず、カクマルの存在が労働者の怒りと闘いを逆に燃え立たせていることに業を煮やした権力は、自ら国鉄分割・民営化の「総仕上げ」に乗り出してきたのである。
だが、そこにはJR総連を解体し、国鉄闘争が一大反転攻勢に転じる勝機がはらまれている。
被告救援の闘いを国労再生のテコに
国労本部は、2月15日に中央委員会を開くことを決定した。彼らは、自らの破産をとことん居直り、「4党合意による解決」を求めた反動的なILO勧告にしがみついて延命を図っている。そして、中央委員会で闘争団員の除名を再確認して、執行部の座に居座り続けようとしているのだ。また、チャレンジはあからさまな分裂を画策している。断じて許してはならない。
今こそチャレンジと反動革同を打ち倒そう。JRへの積年の怒りを解き放ち、国労本部のスト基金取り崩し策動を粉砕して、03春闘をストライキで闘おう。
国労の階級的再生こそ、獄中の被告たちが真に願っていることである。そして、国労組合員が救援運動を展開し、その力で被告たちを取り戻すことが、国労の団結を生き生きとよみがえらせるのだ。(つづく)
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週刊『前進』(2086号2面3)
辞任した嶋田らが「松崎は出ていけ」 松崎の八王子講演を暴く
「東労組のダラ幹も大労組病だ」
この間、暴露しているように、JR総連の組織的危機が深まっている。JR資本とJR総連カクマルの結託体制を国家権力の側から清算する動きと連動して、JR総連カクマルそのものの自己崩壊的事態が進行しているのだ。
前号2面で暴露した昨年11月9日のJR東労組八王子支部結成5周年記念講演で、松崎明(JR東労組前顧問)は、連合幹部らを「大労組病」と批判しつつ「『大労組病』はわが組合も無縁ではない」として、次のように言っている。
「JR東労組というのは……比較的大きい組合なんですよ。……何となく良い気分のダラ幹になってしまうんです。そういう一つの表れです」
「『松崎明は役員でもないのに何を言うんだ。どこかに行っていてくれ』と、こうですよ。だけど私は役員じゃなくたって、言うべきは言います」
ここで言う「ダラ幹」とは、明らかに東労組本部を始めとするカクマル幹部のことである。10月30日に辞表を提出し、11月3日の緊急執行委員会で受理された嶋田副委員長、関根副委員長ら8人の中央執行委員らのことだ。(同じころ、JR総連企画部長を執行権停止にされた新妻とともに、多くが新潟出身で「新潟グループ」と言われている)
彼らが松崎に反発し、「松崎はどこかに行ってくれ」と、松崎を東労組の権力の座から引き下ろそうとしていたということなのだ。松崎は、これに激怒し、嶋田らを東労組本部から追放したのである。
これに先立って松崎は、「ダラ幹の垢(あか)がそうとうたまっているやつが本部じゃ何人かいる。ダラ幹の垢を一つひとつひっぺがしていく」などとわめき散らしていたのだ。
角岸委員長が「己の大労組病ともたたかうことも忘れてはならない」(1・1付『緑の風』)と言うように、「大労組病」は東労組にまん延しているのだ。
松崎と嶋田ら「新潟グループ」の対立は、直接には東京支社における人事に対する松崎の介入をめぐって起きたことだ。95年の大宮会議(旧鉄労・社員労グループによるグリーンユニオン結成に向けた会議)に参加していた当時の東労組東京地本役員が、今年2月に業務担当課長に昇進したことに対して、松崎が4月に石川東京地本委員長を更迭することまでして会社に圧力をかけ、9月にはその担当課長を関連会社に出向させた。松崎は、7月の東労組大会で顧問を辞任したのだが、その後、わざわざ東京エリア4地本の顧問に就任し、8月には大塚社長に直接、この人事の撤回をねじ込んだのだ。
大塚体制下での延命策で゛対立゛
資本にとって人事権は経営の根幹にかかわる問題だ。大塚は東労組との結託体制を維持するが、松崎の人事権への介入を許さないとしていた。それは松崎にとっては完全に「使い捨てられる」ことを意味する。だから、松崎はなりふり構わず人事に介入したのだ。
だが嶋田らは、この松崎のやり方に反発し、松崎との亀裂が決定的となり、ついに集団辞任するに至ったのだ。
根底には、大塚体制のもとで、どうやって労資結託体制を維持し、JR総連カクマルが生き延びるのかをめぐる対立がある。東労組カクマルは、大塚体制への移行過程でカクマル中央派と分裂し、大塚体制下での延命を図った。そのためにはより一層の資本の先兵になるほかなく、結託体制のもとで松崎らがむさぼってきた利権なども清算を迫られた。これに対して一定のファシスト的「独自性」を保とうとする松崎らと、より資本にすり寄ろうとした嶋田らが、いわば奴隷頭の地位をめぐって醜悪な内部抗争を繰り広げたのだ。
松崎は、八王子地本での講演で、まったく恥知らずにも「リーダーが己のために運動をやるから、己の利益のために組織を利用するから、だから組織が腐敗し、その下における大衆が塗炭の苦しみを味わうことになる」「つかんだ位置において、いかに利益をむさぼるか、そういう大変に痛ましい内的世界をつくってしまうんですね、労働組合の幹部も」などと言っているが、このことは松崎にそのままはね返る言葉にほかならない。これこそが、松崎のつくり出した現実である。
松崎路線が破産JR総連解体へ
嶋田らの集団辞任は、松崎路線の最後的な破産を意味するのだ。
松崎は、東労組のカクマル幹部ら7人の逮捕について、「JR東労組の内部に明らかに組織を破壊させる動きが出ているんです。そういうものと明らかに連動しているということは否めない事実です」と言う。
この「組織を破壊させる動き」とは、これまでのように旧鉄労系などがJR連合などと結びついて「組織破壊をやっている」ということを言っているのではない。嶋田ら東労組カクマル内部のことなのだ。
権力抗争に明け暮れ、内部から瓦解(がかい)を開始した東労組カクマルを打倒し、国鉄労働運動の革命的再生を実現する絶好機が到来したのだ。
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週刊『前進』(2086号2面4)
動労千葉が団結旗開き 「勝負の年だ」あふれる熱気 本格的な組織拡大実現へ
動労千葉は1月11日、「2003年団結旗開き」を千葉市のDC会館で開催した。組合員・家族、支援者ら160人が参加し、「勝負の年」を団結固く闘いぬくことを誓い合った。
君塚正治副委員長が「反動攻撃が待ち受けているが、動輪旗をはためかせて1年間闘いたい」と開会を告げ、田中康宏委員長が年頭のあいさつを行った。
冒頭、「03年は、動労千葉にとって掛け値なしに勝負の年となる。全組合員の団結の力を、当局にも小泉にもブッシュにも見せつける闘いをやろう」と訴えた。「02年は動労千葉にとって大きな前進の年だった。千葉支社だけ検修・構内外注化の提案をできず、新保全体系も『とん挫した』と言わせ、組織破壊攻撃も完全に封じ込めた。一致団結した時に労働者はこれだけの力をもっていることを示した」と総括。
そして「03年は歴史の大きな曲がり角に来ている。世界の反戦闘争の一環を担いたい。03春闘は、労働者の社会的地位が分水嶺(ぶんすいれい)となる。日本経団連は『春闘は終焉(しゅうえん)した』と宣言し、生きる権利そのものが脅かされる状況に入る。あくまで大幅賃上げを掲げてストを含む闘いを展開したい」と述べた。
さらに、JRをめぐって激変する情勢に攻め込み、国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕し、@大資本攻勢と対決する生活・権利・雇用・賃金防衛春闘、A第2の分割・民営化攻撃阻止の第2ラウンド、B1047名闘争勝利、国鉄労働運動再生春闘、Cイラク侵略戦争反対、有事立法制定阻止、反戦・国際連帯春闘、D組織強化・拡大春闘という位置づけのもとで、特に「この過程で本格的な組織拡大を実現することを中心にすえよう」と檄(げき)を飛ばした。反合・運転保安闘争強化、貨物の賃金制度見直しとの闘いなどの課題も提起し、「全国金属機械港合同、全日建運輸連帯関西生コン支部とともに3月29日に03春闘総決起集会を開催する」と訴えた。
来賓のあいさつでは、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が「成田空港の軍事使用は許さない。三里塚が勝つなら政治は変わる」と労農連帯の闘いを訴えた。顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士、家族会の佐藤正子会長、OB会の白石喜久雄会長、動労千葉議員団の水野正美勝浦市議、中村俊六郎御宿町議らのあいさつを受けて、田中委員長と佐藤家族会会長が鏡開きを行い、田中委員長が乾杯の音頭をとった。
港合同からのメッセージが紹介され、動労水戸、三一書房労組、都政を革新する会、婦人民主クラブ全国協、全学連、動労千葉を支援する会などのあいさつが続いた。
動労千葉からは、昨年10月に加入した銚子支部の新組合員と千葉運転区支部、幕張支部、千葉機関区支部の代表が決意表明した。
ビンゴゲームで盛り上がり、インターナショナルを斉唱し、中村栄一書記長の音頭で団結ガンバローを行った。
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週刊『前進』(2086号3面1)
〈反戦と介護〉で勝利開こう 杉並区議選3候補当選へ 社共に代わる闘う議員を
4月統一地方選挙まであと3カ月となった。杉並を始めとする全国の統一地方選挙を今年前半期の最大の決戦として絶対に勝利しなければならない。
杉並区議選は、北島邦彦氏、新城せつこ氏、けしば誠一氏の3人が立候補する。都政を革新する会が杉並区議会で会派となり、労働者人民の利益を体現し、新しい時代を切り開く力ある政党として登場できるかどうかの飛躍をかけた選挙戦である。杉並から日帝・小泉政権を直撃し、イラク・北朝鮮侵略戦争に戦闘部隊として登場することを決断した小泉政権打倒ののろしを上げよう。「社・共に代わる」闘う運動を杉並の地から巻き起こそう。
戦争止める先頭に
4月統一地方選は〈反戦と介護〉を二本柱の政策として掲げて闘われる。
米帝、日帝を始めとする帝国主義は、世界戦争と大恐慌の過程に突入したのだ。米帝はイラク侵略戦争によって中東支配を再編するとともに、イラクの石油を強奪しようとしているのだ。まず何よりも、イラク反戦の大運動を巻き起こし、この戦争を始まる前に止めなければならない。
この戦争によって多くのイラク人民が虐殺されようとしている。91年の湾岸戦争では30万人のイラクの人びとが虐殺された。しかも米英軍が使った劣化ウラン弾や国連の経済制裁によって150万人を超える人びとが死亡している。この人たちの頭上に爆弾の雨を降らせる侵略戦争を絶対にやめさせなければならない。
北朝鮮に対する米日の侵略戦争もきわめて切迫している。小泉政権は、金正日政権が行った反人民的な拉致事件を口実にして排外主義をあおり、北朝鮮に対する侵略戦争に突き進もうとしている。国内では在日朝鮮人に対する脅迫や暴行事件が起きている。この排外主義襲撃を許してはならない。米日帝の北朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。
すでに全世界でイラク反戦の運動が50万人、100万人の規模で燃え上がっている。日本でも労働者や市民の広範な反戦の運動が巻き起こっている。杉並でもイラク写真展運動などイラク反戦の運動が力強く開始されている。こうした人民の運動こそが戦争を止める力だ。1・18、19の国際的反戦闘争を引き継いでイラク反戦の大運動を巻き起こそう。労働者人民の反戦闘争の先頭に立って闘う議員を議会に送り出さなければならない。
高齢者の団結の力
4月統一地方選の政策の第二の柱は、介護保険廃止の闘いである。小泉政権のイラク参戦、有事立法攻撃、戦争国家化の攻撃が、社会保障解体の攻撃として労働者人民に襲いかかっている。介護保険はまさにこの社会保障解体の突破口として強行された。
「介護を社会で支える」というかけ声とは裏腹に、介護保険によって介護が奪われ、保険料の徴収で生活が破壊されている。高齢者の孤独死や自殺・心中、介護「殺人」など悲惨な事件が激増している。介護保険はすでに破産しているのだ。こんな制度は絶対に廃止させなければならない。
こうした現実に対して、介護と福祉を要求する杉並住民の会や、高槻健診介護要求者組合、東大阪国保と健康を守る会・介護要求部会などが介護保険に異議あり全国ネットワークを結成し、「高齢者の生きる権利」を掲げて闘いぬいている。「介護保険を廃止せよ!」「必要な人に必要な介護を!」「老人に生きる権利を保障せよ」という全国ネットワークに結集する高齢者の熱気あふれる運動と団結が、多くの高齢者の勇気と力になってきた。厚生労働省や区、市との交渉で行政を追いつめ、着実に成果をかちとっている。
この4月は介護保険の見直しで保険料の大幅な引き上げが行われる。全国平均で11%と言われている。杉並では住民の会による昨年12月の区交渉で「23区内で最も低い値上げ幅にする」と約束させた。大きな成果だ。さらに@保険料の値上げを行わないこと、A低所得者の保険料・利用料の減額・免除を行うこと、B介護保険料未払いによる罰則適用を行わないことを要求し、厚労省や自治体を追いつめよう。
北島、新城、けしば候補は、こうした高齢者の介護保険廃止の運動をともに闘ってきた。この3人を高齢者を始め労働者人民とともに行動する議員として区議会に送り出そう。
介護保険を突破口に「障害者」福祉の切り捨てである支援費制度導入や年金改悪、消費税増税が行われようとしている。厚生労働省は、現在40歳からとなっている介護保険料の20歳からの徴収を検討し始めている。労働者には、リストラ・首切りや賃下げ、倒産の攻撃が激しく襲いかかっている。こうした攻撃を許さず、労働者人民の生活と権利を守りぬくために杉並区議選の3候補を始め、相模原、高槻、全国で統一地方選に勝利しよう。
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週刊『前進』(2086号3面2)
杉並 都革新が新春のつどい 3候補応援へ熱気
1月13日午後、杉並区内で都政を革新する会と後援会の共催による“2003新春のつどい”が開かれた。区内外から160人が集まり、3候補を擁立して闘う4月区議選へのスタートにふさわしい活気あふれる新年会となった。
都革新後援会の実方精一会長は、「2003年は都革新と後援会の飛躍の年です。3人を当選させるには票が必要、必死でやりきり3人を当選させましょう」と協力を呼びかけた。
3候補が決意を語った。
けしば誠一さんは、商店会新年会でのエピソードを紹介。自民党議員が「借り入れが可能になる制度を山田区長と相談しています」とあいさつしたことに、商店主から「選挙の前だけいいことを言う。自民党のおかげで日本は悪くなった」と怒りの声が上がった。「住民とともに行動し住民の思いを実現する政党をつくっていきたい」と、自信をもって訴えた。
北島邦彦さんは、「この1年半、朝夕、駅頭に立って訴えてきました。きょうも午前中、つれあいと一緒に杉並公会堂前で新成人にビラを手渡しました」と、際立つ行動力で選挙戦を闘いぬく決意を語った。
新城せつこさんは3期目の挑戦だ。「地域を回ると生きるための叫びが寄せられます。皆さんが沖縄に寄せる思いは、戦争反対、平和を願う思い。今の時代だからこそ沖縄の心をどんどん呼びかけていきたい」と、世界のイラク反戦闘争と連動する闘いの一環として「3人当選を実現し、世界に日本での闘いを発信したい」と抱負を語った。3人の決意に参加者から大きな拍手が寄せられた。
介護と福祉を要求する杉並住民の会の区民の音頭で乾杯が行われ、歓談が続く中、パントマイムが披露された。
推薦の言葉が各方面から寄せられた。
住民の会の八木ケ谷妙子代表は「オレがお前たちを支配してやるということはいただけない。命を大事にことを行うことが政治の道。確信をもって街頭で訴えて下さい。区政こそ、最も大事な足元の政治。住民の会はこの立候補を大いに支援します」と語った。
三里塚反対同盟から木内秀次さんが「3人当選は杉並にも反戦反核のとりでができることだ」、市東孝雄さんは「反対同盟のパワーを成田から送りたい」、「全力で応援します」と鈴木謙太郎さん。動労千葉からはともに統一地方選挙を闘う決意が語られた。
3候補頑張れのコーナーでは「不景気の時代だからこそ、本物の人を選びましょう。北島さんを応援します」「実行力があってよく勉強している。新城さんあってこその杉並」「都議に送り出したかったが、けしばさんには区議会で働いてもらう」など、行動する区民の応援の言葉が続いた。
桜井善作さんから「今、本当の戦争の地獄図を知らない権力者が戦争への道、有事法制、改憲を進めている。かかる時こそ都革新の出番だ。反戦と介護保険の二本建てで、平和といのちを守ろうと区民に訴えよう」と闘いが提起された。高揚感あふれる中、勝利への闘いがスタートした。
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週刊『前進』(2086号3面3)
三里塚 新年デモと旗開き “暫定滑走路閉鎖せよ”
1月12日、三里塚芝山連合空港反対同盟は新年最初の三里塚現地デモを闘い、首都圏の労働者や学生など120人が集まった。イラク・北朝鮮侵略戦争阻止を掲げ、三里塚闘争勝利へ決意も新たにデモを貫徹した。午後からは、全国からの参加で恒例の新年旗開きが盛大に開かれた。
午前10時、暫定滑走路の脇腹を突き刺すような開拓道路からデモが出発した。直近をジェット機の巨体が轟音をたてて離着陸をくり返す中、北原鉱治事務局長が「暫定滑走路開港との闘いでは、闘えば勝利できるという確信を得た」と昨年の闘いを勝利的に振り返り「若い人の未来のためにも戦争阻止を闘おう」と有事立法粉砕などを訴えた。
顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は、空港公団が一坪共有地の共有者を相手に金銭賠償で強奪しようとしている訴訟を批判し、「邪魔なのは暫定滑走路であり、つくるべきでない場所に空港をつくったのが根本問題」だと、全面対決の姿勢を示した。
法政大の学生などの支援の決意表明に続いてデモに出発した。北原事務局長、東峰の萩原進事務局次長、天神峰の市東孝雄さんの3人が先頭だ。開拓道路から出発し、デモの真上を飛行機が通過する中で、東峰部落内を意気高く周回した。
団結旗開きは、芝山町の芝仙会館で行われた。伊藤信晴さんの司会で「反対同盟は欠陥だらけの暫定滑走路の即時閉鎖を要求する」「全世界の人民とともにイラク侵略戦争を阻止しよう。有事3法案を廃案に追い込もう。反対同盟はその闘いの先頭にたつ決意である。3・30全国集会に総決起することを呼びかける」という2003年闘争宣言を発した。
敷地内の発言では、市東さんが「三里塚に帰って3年、これからも暫定滑走路を阻んで闘いぬく」と決意を語った。萩原さんは一坪共有地強奪のために反対同盟を被告に空港公団が起こした訴訟を強く弾劾し、「法律も常識も無視して攻撃してくる。しかしわれわれは彼らの弱点を突いて闘っていく」と語った。
動労千葉の中村栄一書記長、全関西実行委員会の安藤真一さん、都政を革新する会の長谷川英憲さん、婦人民主クラブ全国協の西村綾子代表らが次々とあいさつ、新年の闘いの決意をスピーチした。
革共同の天田三紀夫書記長があいさつと決意を述べた。「三里塚闘争37年間の歴史は、日本階級闘争の歴史だ。とりわけ三里塚と連帯して闘ってきた動労千葉の労働運動は、今日の国鉄労働運動全体を獲得し、日本の労働運動を革命的に再編成する位置にある。動労千葉の闘いに敵対したJR総連カクマルがどうなっているか。三里塚とともに闘ってきた党派、勢力のみが生きている。03年反対同盟の闘争宣言、暫定滑走路の即時閉鎖を実践する闘いは、闘うムスリム人民、闘う南北朝鮮・在日朝鮮人民と連帯する闘いそのものだ。革共同は全力で反対同盟とともに闘いぬく」
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週刊『前進』(2086号3面4)
さがみはら革新市政をひらく会 “西村綾子さん頑張れ” 新春のつどいで誓い
1月11日午後、神奈川県相模原市で西村綾子市議を囲み、さがみはら革新市政をひらく会の“新春のつどい”が開かれた。ともに闘っている多くの市民、労働者が集まり、4月市議選3選勝利を誓い合った。
ひらく会代表の「反戦運動の最先頭に立っている綾子さんを地元で支えよう。私たちの生活が戦争政策の犠牲にされることを拒否して市議会で活動している西村綾子さんを、ぜひとも議会に送り出したい」と訴えるあいさつで始まった。
続いて、2年間みっちり市議会を傍聴してきたという高齢の市民は、「今年は西村さんをトップ当選させる勢いで皆さんに投票していただきたい」と檄(げき)を飛ばした。
西村市議が決意を表明。「この8年間、一点の恥じるところもなく労働者人民の立場で闘ってきました。昨日あたりから相模原ではキティホークの艦載機による爆音がしている。10日からは夜間離発着訓練が始まり、その後(戦場に)出て行こうとしている。基地の街・相模原から戦争を止めていきたい。“国の悪政にノーと言える市政を”と闘ってきました。戦争の問題と福祉の問題を一つにして地方自治を守る立場で闘います。皆さんの大きなお力添えをお願いします」。“綾子さん頑張れ、一緒に頑張るぞ”と大きな拍手が会場いっぱいに広がった。
西村さんの一貫した応援団である長老の音頭で乾杯をした後、手作り、持ち寄りのごちそうを囲んだ歓談の場となった。
地域で福祉や介護、有事立法反対などに取り組んでいる市民、被爆者、神奈川労組交流センターや自治体労働者、婦人民主クラブ全国協議会などから、闘う決意が語られた。最後に、具体的な選挙の取り組みが訴えられ、3選必勝を参加者全員で誓い合った。
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週刊『前進』(2086号3面5)
政府予算を暴く (上)
帝国主義最悪の財政赤字 銀行救済し人民には大増税
責任は小泉と資本家にある
昨年末、小泉内閣は03年度政府予算案を決定した。この予算は、小泉政権と日帝の経済と財政の破綻(はたん)を示して余りある。小泉政権は財政再建に着手するかのような装いで登場したが、実際には銀行と大企業の救済、侵略戦争遂行のために赤字を拡大させただけなのだ。
他方で、小泉は国家財政の破綻を労働者にしわ寄せし、大増税で人民の生活を破壊しようとしている。
帝国主義を打倒し、労働者が権力をとる以外にない時代が来ているのだ。
帝国主義がイラク侵略戦争に突き進んでいる中で、世界の労働者階級は被抑圧民族人民と連帯して巨大な反戦闘争に立ち上がっている。それはまた、80年代以来の資本攻勢への怒りの反撃として闘われている。日本においても、こうした闘いは開始されている。
03年度予算案もろとも、小泉政権を打ち倒そう。
03年度予算案の特徴は、何よりも限度を超えた国債発行にある。国債の新規発行額は36・4兆円。これは、99年度に次ぐ史上2番目の規模だ。その結果、03年度末の累積国債発行残高は450兆円に達する見通しだ。地方自治体の赤字も加えれば、長期債務残高は686兆円に膨らむ。GDPの1・4倍にも及ぶ累積債務は、第2次世界大戦末期に匹敵する水準だ。GDP比でこれほどの累積債務を抱える国は、帝国主義諸国の中にはほかにない。
国債依存度(歳入全体に占める国債発行額の割合)は44・6%で、戦後最悪となった。小泉のもとで、財政状態はより悪化したということだ。
こうした途方もない財政赤字を生み出した責任は、ブルジョアジーにある。
バブル崩壊以降、日帝は累計140兆円の景気対策を発動し、銀行救済に23兆円弱の公的資金を投入した。膨大な財政赤字の累積は、銀行と大資本のために惜しみなく投じられた巨額の支出によるものだ。
左に掲げたグラフに沿って見てみよう。90年のバブル崩壊後、景気対策の実施で92年度から国債発行額は増加に転じた。さらに、97年末の山一証券、北海道拓殖銀行の破綻を機に金融恐慌へと突入する中で、日帝はなりふり構わない恐慌対策、赤字放漫財政にのめり込んだ。98年度には、国債発行額は一気に倍増して30兆円台に突っ込んだ。ここに至って、財政規律は完全に溶解したのだ。それ以来、毎年度30兆円を超える財政赤字が続いている。
小泉は、こうした財政構造を何ひとつ改めず、「構造改革」の名でひたすら賃下げ・首切り・権利はく奪など労働者の生活を破壊する攻撃を繰り広げている。そして、大銀行・大企業救済の意図をあらわにしつつ放漫財政路線へとなし崩し的に舞い戻りつつある。
03年度予算案とともに今国会に提出される02年度補正予算案は、そのことをはっきりと示している。この補正で、02年度の国債発行額は当初比5兆円も増加して35兆円となる。国債増額となるのは、02年度の税収が当初の見積もりより2・5兆円も落ち込むからだ。
補正予算では、「都市再生」などの公共投資に1・5兆円もあてがわれた。小泉は公共事業の拡大にかじを切ったのだ。
小泉は国債発行額を30兆円以内に抑えることが財政再建のかなめであるかのように幻想を振りまいてきたが、その枠組みはもはや完全に投げ捨てられたのだ。
03年度予算案は、銀行救済予算としての性格をこれまでになく強めている。
銀行に67兆円の公的資金枠
予算案は、銀行の救済、「国有化」と超独占的な金融再編をにらんで、銀行への公的資金の再投入に財政的裏付けを与えている。また、銀行から不良債権を買い取る産業再生機構には、10兆円の政府保証枠が付与された。それは、実質的には国が銀行の不良債権を買い取るということだ。
銀行救済のための公的資金枠は、これも含めて総計67兆円に上る。小泉は、返済されるあてのない巨額の金を再び銀行に投げ与えようとしているのだ。
銀行の抱える問題債権は100兆円を超えている。それは減るどころか増える一方だ。
銀行は、バブル期には乱脈融資を繰り返し、不良債権の山を築き上げた。不良債権が経営を圧迫すると、公的資金の投入と実質ゼロ金利・金融の超緩和で救済されてきた。
そして、大企業に対しては大幅な債権放棄を行いながら、中小企業に対してはやみくもな“貸しはがし”に走っている。97年からの5年間で、銀行の中小企業向け融資は89兆円も減少した。それを背景に、激しい倒産・首切り攻撃が労働者を襲っている。
こんな銀行に、またしても巨額の公的資金が投入されるのだ!
さらに、資本家に対しては設備投資減税、研究・開発減税と称して1・3兆円もの大減税が実施される。
相続税や贈与税の最高税率も、これまでの70%から50%に引き下げられる。相続税の最高税率が適用されるのは、年間数十人にも満たない。ごくごく一握りの大資産家のための減税だ。
株式の配当や譲渡益への課税も大幅に引き下げられることになっている。
金持ちはどこまでも優遇され、そのつけは大増税となって労働者の上にのしかかろうとしているのだ。
労働者に一切の犠牲を転嫁
だが、大銀行や大企業を救済するためのこうした赤字財政が、いつまでも続けられるわけがない。
03年度の国債発行予定額は、借換債なども含めれば141・4兆円に上る。財務省は、うち112・7兆円分を市中発行する方針だ(残りは郵貯や年金資金などが引き受ける)。だが、それがうまくいく保障はない。事実、昨年9月には10年物国債の発行に際して応募額が入札枠に満たない「未達」が初めて起きた。
確かに今、だぶついた資金が国債市場に集中し、価格が上昇する国債バブルとも言える異常な状態になっている。しかしそれは、国債のほかに有利な投資対象がないことの結果にすぎない。そんなものは、いつ崩壊してもおかしくない。
しかも、それを支えているのは日銀による01年以来の「金融の量的緩和」、とりわけ「国債の買い切りオペ」と呼ばれる政策だ。つまり、日銀が国債を買い支えているのだ。その額は、毎月1・2兆円にも上る。その結果、02年9月末には既発国債の17%を日銀が保有するという構造が生まれている。これは事実上、国債の日銀引き受けが行われている事態である。
国債バブルの中で、銀行も国債保有高を増やしている。その額は100兆円を超えている。なんのことはない、巨大な国家資金の投入を受けた銀行が、それを元手に国債を買っているということだ。国家財政に大穴を開けた当の資本家が、国債投機に明け暮れているのである。
だが、国債価格が下落すれば、銀行の含み損は一気に拡大する。それは恐慌を一層激化させ、日帝を崩壊の瀬戸際まで追いつめる。膨大な国債発行に依存する財政運営は、いずれはそこに行き着かざるをえない。
彼らは、遅かれ早かれ必然的に訪れる国債価格の暴落におびえながら、財政赤字の原因は社会保障や福祉にあるかのようなデマゴギーを並べ立てて、すべての犠牲を労働者人民に転嫁しようとしているのだ。
日本経団連は、新年冒頭に「奥田ビジョン」を公表し、消費税の税率を毎年1%ずつ引き上げ、いずれは16%にするという、すさまじい増税案を打ち出した。賃下げ・首切り・不安定雇用化の資本攻勢とあいまって、労働者の生活を根底から破壊する攻撃だ。
こんなことがまかり通っていいはずがない。資本が生み出した膨大な財政赤字のつけを労働者階級が払わなければならない理由など何ひとつない。(つづく)
(岩谷芳之)
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週刊『前進』(2086号4面1)
“戦争か革命か”決戦の03年へ 革共同各地方委員会年頭の決意〈下〉
イラク反戦闘争巻きおこしマル青労同再建の先頭に ◇ ◇ ◇ 東北地方委員会
昨年1年間、わが東北地方委員会は、革命的大衆行動の組織化と労働者党建設を推し進めるために必死に闘いぬいてきた。01年9・11反米ゲリラ戦争を帝国主義に対する国際的内乱の始まりとしてがっちりと受けとめ、世界革命の時代が到来したことに胸を躍らせ、「レーニンの『革命的情勢下の革命党の三つの義務』を今こそ猛然と貫徹するぞ!」と闘いぬいてきた。
そして今、米帝のイラク侵略戦争全面開戦と、そのもとでの北朝鮮侵略戦争策動がすさまじい勢いで展開されている。日帝・小泉は「北朝鮮情勢があるから通常国会で有事立法の成立を期せ」と、その戦争突出政権としての本質をあらわにしている。拉致問題や核問題を使って排外主義をけたたましくあおり、「拉致事件を起こす国はつぶしてしまえ」とばかりに侵略戦争にむけて一気に舵(かじ)を切ろうとしているのだ。
われわれが03年になさなければならないことは鮮明である。「闘うムスリム人民と連帯し、全世界の労働者の総決起でイラク侵略戦争を阻止せよ!」「南北・在日朝鮮人民と連帯し、米日帝国主義の北朝鮮侵略戦争を阻止せよ!」「有事立法粉砕!」の革命的大衆行動を徹底的につくり出すことだ。すでに立ち上がりつつある労働者階級の闘いと結合し、闘いの方向を指し示すことである。そのためにも、昨年の闘いの不十分さを徹底的にえぐりだし、断固のりこえて闘うことを決意したい。
それは第一に、米帝の世界戦争計画の発動との対決を軸にすえ、闘うムスリム人民や南北・在日朝鮮人民と連帯し、米帝打倒をとことん訴え、この被抑圧民族抹殺の新帝国主義戦争に積極的に参戦しようとしている自国帝国主義=日帝・小泉政権への怒りを爆発させていくことである。
米帝の恐るべき戦争への怒りを爆発させた闘いを欠いては、革命的大衆行動は発展しない。学生戦線は昨年秋、イラクの子どもたちの劣化ウラン弾被害を告発した写真展をとおして、「ズブの学生」のイージス艦派兵阻止の実力闘争への決起をかちとり、さらに闘いを広めている。この闘いに学ばなければならない。
第二に、数千人、数万人の大衆に向かって猛然と決起を訴えることである。中央政治闘争を全力で闘いぬくとともに、青年労働者・学生に向かってアジテーションし、具体的行動に組織しなければならない。この点でわれわれはまだまだ消極的すぎるのだ。労働者人民は闘いを切実に求めている。「激動の7カ月」の精神とは、自分たちの力で情勢を切り開くという革命的気概である。この精神で、数千・数万の大衆にともに闘うことを呼びかけ、デモを組織しよう。ひたむきに闘えば東北大学で1千人のデモを実現することはまったく可能である。カクマルの敵対を粉砕・一掃し、勝利の大道を進もう。
同時にわれわれは、今や戦争によってのみならず、恐慌のもとでの一大資本攻勢が労働者の日々の生活と職場を揺るがし、労働者を生活危機・生活破綻(はたん)へと追い込むことによって、革命的情勢が到来してくることをがっちりつかみ、一大資本攻勢と対決する闘いと反戦闘争を一体で推し進めよう。
日本経団連の「春闘終焉(しゅうえん)」宣言への総反撃をたたきつけよ。政府・連合・日本経団連の「雇用に関する合意」を徹底弾劾せよ。03春闘を闘い、階級的労働運動を押し広げよう。3労組共闘の闘いから必死に学び、全金本山闘争からとことん吸収し、東北の地に階級的労働運動のネットワークを形成しよう。
そしてこの闘いの中軸に国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕する大運動をすえて闘いぬこう。この攻撃を粉砕することに、国労の階級的再生と階級的労働運動の発展がかかっており、それはすべての闘う労働者人民の共同の課題である。これは、動労千葉の闘いの質で労働運動を戦闘的に再編することと一体である。国労の階級的獲得に向け、さらに粘り強く闘いぬこう。
わが東北地方委員会は1・1政治局アピールを受け、全細胞での機関紙拡大と細胞性を生き生きと発揮した組織的実践をとおして党勢2倍化をかちとり、社・共に代わる労働者党を建設することを固く固く確認した。03年こそその飛躍の年である。
そして、マル青労同と革共同の合同を実現し、新たなマルクス主義青年労働者同盟を、青年が青年を組織する自主的・主体的運動体として創成するために全力をあげる。
4月統一地方選挙戦はその成否をかけた決戦であり、絶対に勝利あるのみだ。わが地方委員会もともに勝利に向け闘いぬく。
ついに奪還された爆取デッチあげ弾圧と闘う3同志の無罪の戦取と、星野同志を始め全獄中同志奪還をかちとることを明らかにし、年頭の決意としたい。
労働者細胞の建設を基礎に革命に責任をとる党に飛躍 ◇ ◇ ◇ 北陸地方委員会
世界史は戦争と革命の時代への幕を切った。米帝を盟主とした帝国主義の世界支配は崩壊的危機を深め、ついに米帝の世界戦争計画の発動のもと第3次世界大戦にいたる世界史的激動が開始されたのだ。米帝(国際帝国主義)によるイラク侵略戦争はその本格的開始だ。
しかし、それは中東・新植民地主義体制諸国人民の怒りの爆発と、世界の労働者階級人民の侵略戦争に反対する闘いと反資本闘争の一体的展開という革命的闘いに迎え撃たれている。
01年9・11反米ゲリラ戦争により衝撃的に告げ知らされたムスリム人民と被抑圧諸国人民の怒りのすさまじさは、帝国主義の世界支配の支柱である新植民地主義体制の全面的崩壊が、被抑圧民族人民の反米蜂起、民族解放・革命戦争の爆発と一体となって進んでいくことを示している。また帝国主義諸国の労働者階級人民は9・11を自らへの糾弾と連帯のアピールと受け止め、反戦闘争を国際主義的連帯性があふれるものとして大きく発展させている。
帝国主義の世界支配の崩壊と世界戦争の開始は、同時に階級闘争の国際的な内乱的発展を不可避にしている。「連帯し侵略を内乱へ」の戦略的総路線の世界的実践が開始される時代が到来したのだ。この革命的情勢において、革命党の「三つの義務」を断固として実践しよう。
03年は21世紀の早い時期に世界革命を実現するために決定的な決戦の年となった。北陸地方委員会は1・1アピールの2つのメインスローガン、3つのサブスローガンをただちに全力で実践すべく奮闘する。
何よりも米日帝のイラク・北朝鮮侵略戦争を絶対に阻止し、有事立法を粉砕する一大反戦闘争を実現するために闘いぬく。核攻撃さえ実行しようとする米帝のイラク侵略戦争は、徹頭徹尾許すことのできない、イラク人民の大量殺りくだ。日帝はイージス艦派兵で、この帝国主義の殺りく戦争への本格的参戦に踏み切り、国際帝国主義によるイラク軍事占領に自衛隊を派兵しようとしている。
北陸においても、このイラク侵略戦争と有事立法に反対する闘いが労働者人民の主体的な自己解放的決起として大きく発展しつつある。その決起に学びながら03年さらなる革命的大衆行動の組織化へ驀進(ばくしん)する。
学生戦線は富山大学の拠点化を推し進め、最も戦闘的・献身的に闘いぬく。
北朝鮮侵略戦争の最前線基地である小松基地(石川県)の撤去闘争と核兵器製造施設「もんじゅ」(福井県)解体の闘いをさらに強化する。
日本の労働者階級人民の自己解放的決起にとって、朝鮮人民・在日朝鮮人民との国際的連帯を強め、共同闘争をつくりだすことは絶対的課題だ。日帝・小泉政権の拉致問題と核問題を口実とした北朝鮮敵視の扇動と在日朝鮮人民への排外主義襲撃を許さず、この課題をやりぬこう。また、戦争責任追及・戦後補償要求闘争に全力で取り組む。
戦争と大失業攻撃に対決する労働者の階級的決起は不可避だ。労働運動は国鉄1047人闘争の発展、20労組陣形の発展など再編的流動過程に突入した。国労5・27臨大闘争弾圧は、戦争下の階級的労働運動弾圧として日本労働運動の最先端の闘いである国鉄闘争を内乱的手段をもって暴力的に鎮圧しようとするものである。革共同の91年5月テーゼ以降の労働運動の前進を解体しようとする攻撃だ。闘う国鉄労働者を先頭に、労働者人民の圧倒的結集でこの弾圧を粉砕し、階級的労働運動の発展をつくりだすため全力で闘う。
連合、全労連の反動的支配を内部から打ち破り、3労組陣形と労組交流センター運動のさらなる強化・発展をかちとり、労働運動の階級的再生を03春闘を突破口に闘いとる。
杉並区議選を始めとする統一地方選を03年前半の最大の政治決戦として闘いぬく。
北陸カクマルの組織的危機の爆発と凋落(ちょうらく)は決定的だ。ついにわが革共同が主流派になる時代が到来した。
革命的情勢の到来の中、北陸地方委員会は、党中央の細胞性貫徹の闘いに学び、労働者細胞建設を基礎に、真に革命に責任をとりきる党としての飛躍を全力で成し遂げる。マル青労同再建の方針は何よりも青年労働者同志に熱烈に支持されている。革命的青年労働者こそ、戦争と恐慌の時代を革命へと転化するエネルギッシュな牽引車だ。青年労働者のグループを網の目のようにつくりあげ、党勢2倍化を実現する。
超長期勾留3同志の奪還に続き、すべての獄中同志を奪還しよう。日本共産党スターリン主義、カクマル反革命を打倒し、強大なレーニン主義的革命党を建設し、ついに到来した革命的激動、国際的内乱の時代を世界革命勝利に向けて闘おう。
北陸地方委員会は全国の同志とともにその先頭で闘いぬく。
イラク参戦を強行し北朝鮮侵略戦争に進む小泉打倒へ ◇ ◇ ◇ 東海地方委員会
世界は、「01年9・11―10・7」をもって、世界戦争か世界革命かをかけた歴史的転換点に突入した。20年が1日に等しい革命的情勢の移行期に突入したのだ。そして今、世界中に「ブッシュのイラク戦争反対」の声が響きわたっている。9・11反米ゲリラ戦争を合図に始まった国際的内乱は、被抑圧民族人民の決起と世界の労働者階級人民の闘いを一つに結びつけ、米帝・国際帝国主義打倒という壮大なテーマに向けて歩みを始めているのだ。
ブッシュのイラク侵略戦争は反人民的なものである。中東石油を奪い取ることを目的にして、「イラクがアメリカの言いなりにならない」ことを理由に戦争をしかけるというのである。しかも、核による先制攻撃も公言している。
だが、追いつめられているのは米帝の方なのだ。この戦争は、米帝の世界支配・中東支配の破綻とその中で炸裂(さくれつ)した9・11をその起点としている。米帝は今やムスリム人民を先頭とする世界の労働者階級人民の総決起によって打倒される恐怖におののき、震え上がっている。
小泉政権は、米帝のイラク侵略戦争を支持し参戦している。昨年12月にはイージス艦を派兵した。さらにイラクの「戦後復興」に乗り出そうとしている。開戦前から「戦後」問題を討議するという、これほどの支持・協力表明があろうか。
さらには、北朝鮮情勢の急展開がある。この本質も米帝のアジア支配の破綻である。イラクの次は北朝鮮というブッシュのシナリオは、そう単純にはいかない。もはや米帝のコントロールのきかない段階へと突入している。米帝の北朝鮮・中国侵略戦争は、イラク侵略戦争と同時に進行しているのである。
日帝・小泉政権は、イラク侵略戦争への参戦を、北朝鮮侵略戦争への突入を前提に強行している。今国会での有事立法成立強行策動は、イラク侵略戦争と北朝鮮侵略戦争への突入宣言そのものである。
02年、日本階級闘争は偉大な前進を開始した。
一つは、陸海空港湾労組20団体を先頭にして、百万人署名運動、反戦共同行動委員会、そして11月労働者集会を呼びかける3労組陣形が、有事立法決戦に全力で決起したことである。日本労働者人民が、あらゆる契機、水路、形態で、帝国主義の戦争と首切り・生活破壊の攻撃に対して、心底から怒りを爆発させて決起を開始したのである。
もう一つは、国鉄闘争が4党合意攻撃を粉砕するという決定的地平を切り開いたことである。この勝利は、国家権力の国鉄分割・民営化攻撃の狙いを最後的に粉砕したのみならず、その先兵としてのカクマル・JR総連の存立をその根幹において打ち砕くものとなった。これは、後退を余儀なくされてきた日本労働運動の反転攻勢をもたらす決定的勝利である。
国労5・27臨大闘争弾圧は、国鉄決戦の前進に対する国家権力の恐怖にかられた一大反革命である。戦争下の労働運動弾圧を断じて許すわけにはいかない。
さらにわれわれは12月27日、16年の超長期勾留を打ち破って3同志の保釈をかちとった。迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧を打ち破る勝利の血路を獄内外の闘いでもぎとったのだ。
03年の革共同の任務は、革命的情勢への移行期への突入を見据え、レーニンの「革命党の三つの義務」の貫徹をかけて総決起することである。この核心は、イラク・北朝鮮反戦闘争、有事立法・教育基本法改悪・改憲阻止決戦、国労弾圧との闘い、統一地方選挙闘争を全力をあげて闘いぬき、その中で労働者階級に根ざした不抜の労働者党を建設することである。
1・1アピールにおいて、マルクス主義青年労働者同盟の新たな建設の大号令が発せられた。これを身の震えるほどの感動をもって受け止める。これこそ、「三つの義務」の核心を今日に貫く最大の組織的実践方針である。
東海地方委員会は、イラク侵略戦争・北朝鮮侵略戦争阻止の国際反戦闘争に総決起する。国労5・27臨大闘争弾圧を絶対に許さず、8人の早期奪還と無罪戦取をめざして闘いぬく。闘争団と組合員を権力に売り渡し、国労解体を策動する国労本部を怒りを込めて弾劾し、その打倒と国労の階級的再生をめざして闘う。教育基本法改悪阻止=改憲阻止決戦を全力で闘いぬく。
この国鉄決戦・教労決戦を軸に03年春闘に突入する。統一地方選を全国の仲間とともに闘う。
東海におけるカクマルの弱体化と大学の過疎支配が急速に進行している。わが東海地方委員会は、東海カクマル完全打倒への道程を完全につかんだ。
03年、1・1アピールを武器に東海地方委員会の大躍進を闘いとることを宣言する。
国鉄決戦の勝利に総決起し全産別でカクマル打倒する ◇ ◇ ◇ 北海道地方委員会
昨02年冒頭に組織的樹立をかちとった北海道地方委員会から決意を表明する。
イラク侵略戦争が切迫する中、小泉政権は海自イージス艦の派兵を強行し、イラク人民虐殺に直接参加しようとしている。だが12月横須賀現地闘争で、闘いの新たな突破口が開かれた。闘うイラク・パレスチナ・中東―ムスリム人民、全世界の労働者階級人民と連帯して国際反戦闘争を爆発させ、イラクへの侵略戦争を絶対に阻止しよう。
この侵略戦争は全世界を世界大恐慌と世界戦争の過程にたたき込む。それへの回答は世界革命の実現しかない。すでにムスリム人民は〈01年9・11反米ゲリラ戦争>によって、民族解放・革命戦争の新たな発展を切り開いた。問われているのは帝国主義国の労働者階級人民とその党だ。帝国主義足下の階級闘争の激動的発展をかちとり、世界革命の展望を切り開こう。
日帝は、米帝の北朝鮮・中国侵略戦争の策動にも必死で対応しようとしている。北朝鮮スターリン主義による拉致問題を口実にして、侵略と植民地支配の大罪を開き直り、排外主義をあおっている。また、北朝鮮・中国侵略戦争を想定した有事立法制定、教育基本法改悪など戦争国家化の攻撃を急いでいる。
世界大恐慌への突入情勢にあって、日帝経済は底なしの大不況にある。延命のために日帝はイラク侵略戦争に参戦する一方、労働者階級人民への一大資本攻勢と社会保障の全面的解体の攻撃を開始した。
さらに日帝は、階級的労働運動と戦闘的な闘いの一掃に乗り出している。今や当たり前の労働組合運動でさえ、国家権力の恐怖の対象になる情勢に突入しているのだ。労働者人民の闘いが、被抑圧民族人民、国際プロレタリアートの闘いとの連帯を貫いて大きく結集した時、危機に瀕(ひん)する帝国主義の死命を制するということだ。
戦争と大失業の攻撃に、国鉄決戦を先頭に労働者階級人民の反撃は開始されている。国鉄決戦は1047人闘争として発展し、4党合意を破綻に追い込んだ。恐怖した日帝権力は国労5・27臨大闘争弾圧を強行してきた。この攻防に国鉄決戦の成否、91年5月テーゼ―01年6回大会路線の実現の成否がかかっている。獄中で闘う仲間と連帯して大運動を巻き起こし、絶対にこの弾圧を粉砕しよう。
4党合意攻撃を粉砕した国鉄決戦は、JR総連の危機の爆発とも重なって新たな局面に突入した。JRにおける労働者支配が瓦解(がかい)しつつある。そこから国鉄労働運動の階級的再生の展望が広がっている。国労闘争団や動労千葉の苦闘が今日開花しようとしている。陸・海・空・港湾労組20団体の闘い、関西生コン・港合同・動労千葉の3労組陣形の発展とも重なり合い、戦争突入前夜という決定的時点での労働運動全体の起死回生の牽引(けんいん)車の位置に押し上げられている。
わが北海道地方委員会は03年、イラク・北朝鮮侵略戦争阻止、有事立法粉砕、教育基本法改悪阻止の闘いを北海道で大爆発させる。
同時に国労闘争団・家族の闘いとの連帯を強化し、国鉄決戦勝利のために総決起する。全産別で労働運動の階級的再生のために闘いぬく。革命的反戦闘争と階級的労働運動の一体的な推進で、この間の党建設の全蓄積をかけ、思い切った挑戦にうって出る。
国労北海道エリア本部のチャレンジ一派は、闘争団の切り捨てを前提としたJR連合―鉄産労への合流の先頭を走り始めた。闘争団と国労の組合員のみなさん! 道本部チャレンジ・革同を打倒して、闘う国労の旗を守りぬこう。
これらすべての課題はファシスト・カクマルの打倒を要求している。カクマルと闘わずして、侵略戦争―資本攻勢とは闘えない。そのことは北海道においては、「内ゲバ反対」を掲げて希代の反革命ファシスト・カクマルと闘わなかったすべての党派・潮流の消滅として実証されている。
すでに分裂カクマルの政治的命脈は尽きている。国粋主義に転落した黒田「哲学」に対する革共同からの徹底批判に、カクマルは沈黙を続けるだけだ。かの謀略論も破産して久しく、むしろ彼ら自身が謀略集団であることが明らかになってしまった。松崎・JR総連グループの黒田中央派からの分裂はカクマルの歴史的破産の証しである。
この間、北海道カクマルの中軸=教労潜入分子たちは「日の丸・君が代」攻撃と闘うのではなく、「処分が出る闘争方針反対」「広島のようになるな」と叫んで全面的に敵対してきた。JR総連の裏切り路線が産別を問わず全カクマル分子に貫かれているのだ。
わが北海道地方委員会は、闘う労働者・学生・人民とともに国鉄で、全産別で、学生戦線でカクマルを打倒し、労働者細胞を基礎に強固な革命党組織を建設する決意である。闘う労働者・学生・人民は、革共同北海道地方委員会に結集してともに闘おう。
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週刊『前進』(2086号4面2)
“もんじゅを廃炉へ” ナトリウム事故から7年で全国集会 05年の運転再開を許すな
95年の高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム事故から7年目の昨年12月7日、地元敦賀市で、原子力発電に反対する福井県民会議などの呼びかけた「02もんじゅを廃炉へ! 全国集会」が、多くの労働者人民の結集で闘われました。
最大の核武装国家であり、核兵器使用国家である米帝が「核開発」問題をも口実にしてイラク(そして北朝鮮)に侵略戦争をしかけ、イラク人民の大量殺りくを開始しようとしています。この中で、日帝・原子力委員会は12月4日「もんじゅ」再開に向けて改造工事を認める報告書をまとめました。日帝・小泉政権は、独自の核武装化=核燃サイクル政策推進を強行すると宣言し、05年7月「もんじゅ」運転再開と六ケ所再処理工場稼働に向けて全力をあげているのです。
富山大学学生自治会と北陸労組交流センター、関西反戦共同行動委員会、全国被爆者青年同盟は、全国から結集した労働者人民とともに、今年のもんじゅ闘争を世界的なムスリム人民の決起、労働者階級人民のイラク反戦闘争の高揚と固く連帯し、イラク侵略戦争阻止、もんじゅ解体を真っ向から掲げた反戦=反核闘争として闘いぬきました。
午前中、「もんじゅ」を前にした白木海岸で集会が開催され、県民会議の小木曽美和子事務局長が03年1月27日の「もんじゅ訴訟」控訴審判決への闘いと、「もんじゅ」廃炉まで闘い抜く決意を発言しました。被爆者青年同盟の中島事務局長は、「湾岸戦争における劣化ウラン弾の放射能被害に苦しむイラク人民をさらに虐殺する米帝のイラク侵略戦争を絶対に阻止しよう」と熱烈なあいさつを行い、全参加者が「もんじゅ」闘争をイラク反戦闘争として闘いぬく決意を打ち固めました。
白木海岸の集会後、ゲート前までデモ行進し、抗議行動を行いました。(写真)
午後は会場を敦賀市内のプラザ萬象に移して、全国集会がもたれました。京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの「核燃料サイクルの終焉とそれから」と題する講演、もんじゅ裁判弁護団の吉村悟さんの「もんじゅ判決勝訴の確信」と題する講演が行われました。集会後、参加者は敦賀駅までデモ行進を行いました。
反革命カクマルの「日本政府はプルトニウム生産を準国産エネルギーと位置づけている」という主張は、01年12月の「もんじゅ」闘争で完全破産しました。しかしカクマルは今回もその主張をメインにするしかなく、それにおずおずと「『日本核武装』の宣揚」なるものを付け加えてのりきりをはかろうとしました。日帝の核武装化を「せいぜい口先だけのもの」と武装解除を策してきたのです。米帝の世界戦争計画の発動と北朝鮮侵略戦争の切迫、それに対応した日帝の有事法制攻撃という情勢の核心を見据えないカクマルの反革命的な主張です。もんじゅ闘争とイラク・北朝鮮侵略阻止の反戦闘争の高揚で、カクマルを打倒しよう。 (投稿 K・M)
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週刊『前進』(2086号4面3)
1月1日〜14日
小泉が3たび靖国神社参拝 中国・釣魚台略奪の契約
●釣魚台の賃貸借契約 昨年4月に政府が中国領・釣魚台(「尖閣列島」)の略奪のために土地の「所有者」と賃貸借契約を結んでいたことが明らかになった。読売新聞が報じた。8日には、釣魚台最北の島「久場島」を72年沖縄返還時に、防衛施設庁が所有者」と20年の賃貸借契約を結び、在日米軍に爆撃訓練場として提供していたことがわかった。(1日)
●PKO業務、格上げ検討 自衛隊法で「付随的任務」とされている国連平和維持活動(PKO)業務を、国土防衛や治安維持などと同列の「本来任務」とする方向で、防衛庁が同法改正の検討に入った。朝日新聞が報じた。(3日)
●通常国会延長も視野 小泉首相は森前首相、山崎自民党幹事長と相次いで会談し、20日召集の通常国会では、有事関連法案や個人情報保護法案などの重要法案の成立に全力をあげる方針を強調し、会期延長も視野に入れて臨む考えを示した。森が教育基本法の改正を要請したのに対し「大事に思っている。しっかりやる」と述べた。(4日)
●イラク復興新法成立うたう 山崎自民党幹事長は、福岡市内で、イラク復興支援などのための新法を成立させるべきだとの考えを示した。(4日)
●IAEAが緊急理事会 IAEA(国際原子力機関)が、北朝鮮の核開発問題で「核計画の即時放棄要求」の緊急理事会決議を採択した。(6日)
●対北朝鮮で日米韓が会合 日米韓3国の北朝鮮問題に関する調整グループ会合(TCOG)の全体会合がワシントンの国務省で開かれ、「北朝鮮に対し、国際的義務に違反する核兵器計画の廃棄を求める」とする共同声明を発表した。(7日)
●重要法案は通常国会で 政府・与党が連絡会議を開き、有事法制関連法案と個人情報保護法案を通常国会会期中に成立させる方針を確認した。(7日)
●普天間代替の新機関設置を沖縄相が表明 細田内閣府沖縄担当相が、米軍普天間飛行場代替施設の建設に向けた新たな協議機関について「できるだけ早く対応したい」と述べ、正式に協議機関設置を表明した。(7日)
●北朝鮮がNPT脱退を宣言 北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国政府が、核不拡散条約(NPT)を脱退し、IAEAとの保障措置(核査察)協定の拘束から完全に脱することを宣言する声明を発表した。(10日)
●日ロ首脳会談 ロシアを公式訪問中の小泉首相が、モスクワでプーチン大統領と会談し、平和条約の早期締結について共同声明を発表した。北朝鮮のNPT脱退宣言に「遺憾の意と深い懸念」を表明し、「速やかな撤回」を求めた。(10日)
●「有事法制、野党と協力」 小泉首相がモスクワで記者団に有事立法への意欲を語り、「民主党も前から有事法制の必要性に言及してきた。建設的な対案を期待している」と修正協議に積極的な姿勢を示した。(11日)
●在沖海兵隊の異動凍結 米海兵隊が、沖縄に駐留するほとんどの海兵隊員の定期異動を凍結する措置を決めた。イラク攻撃が切迫する中、在沖海兵隊の主な任務が北朝鮮に向けての軍事行動に置かれていることを示すもの。(12日)
●米原子力空母、横須賀を母港に 日米両政府が、在日米海軍横須賀基地を原子力空母の日本初の母港とする方針で一致し、検討を開始した。2008年をメドに現空母「キティホーク」が退役する後に備えるもの。読売新聞が報じた。(14日)
●小泉が靖国神社参拝 小泉首相が靖国神社参拝を突如強行した。首相になってから01年8・13、02年4・21に続いて3度目の参拝。(14日)
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週刊『前進』(2086号5面1)
対イラク開戦と日帝の参戦を国際反戦闘争の力で阻止せよ
1〜2月イラク反戦総決起へ
米帝のイラク侵略戦争を許すのかどうか、ぎりぎりと緊迫した局面に入った。1・18−19国際反戦闘争をひきつぐ1〜2月の反戦総決起で、2月開戦を阻止し、なんとしてもイラク侵略戦争を止めよう。これと一体で、イラク新法・有事立法阻止の国会決戦を大爆発させよう。
査察は口実作りだ
イラクへの徹底的な査察によっても大量破壊兵器開発の証拠は見つかっていない。イラクの大量破壊兵器の脅威などつくり話なのだ。だが、そのことはイラク開戦を回避するものとはならない。イラクにはあらかじめ有罪(全面攻撃)が宣告されているのであり、国連査察は開戦の口実づくりと戦争準備の目的で行われているからだ。
1月14日、ブッシュ大統領は「今のところ武装解除している証拠は何も見ていない。サダム・フセインには時間がなくなりつつある」と述べ、イラクへの全面攻撃が迫っていることを明らかにした。国連監視検証委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長も、「イラクが大量破壊兵器を破棄したと言うなら、その具体的な証拠を示すべきだ」と、米帝ブッシュと同様に、立証責任は国連ではなくイラクにあるとしている。たとえ最後まで大量破壊兵器開発の証拠が見つからなくても、“イラクは大量破壊兵器を開発しており、武装解除する意志はない”という判定は覆らないということだ。
国連は査察期限を延長し、イラクの国家主権を徹底的に侵害し、査察をエスカレートさせようとしている。ブッシュ政権は、“イラクの科学者を亡命させて「自白」させろ”と査察団に圧力をかけている。なんとしても「証拠」をデッチあげようとしているのだ。米帝は1月27日の最終報告か、延長査察で一定の目途をつけた段階で、イラクが「非協力」「重大違反」と強弁し、全面攻撃に踏み切るつもりなのだ。
米軍はイラク総攻撃の態勢づくりを既定の方針として進めている。2月冒頭には米軍11万人体制になり、いつでも対イラク開戦が可能となる。その後も増派を続けて2月中下旬には米軍15万人以上となる。最終的には最大25万人体制で全面攻撃を進める。
米帝ブッシュは、“ここで踏み切らなければ、世界戦争戦略が破産し、米帝の危機が爆発して人民の闘いで打倒されかねない”という恐怖におびえ、イラク開戦に絶望的に突っ込もうとしている。9・11反米ゲリラ戦を契機に決定的に深まった米帝危機のすさまじさを見据えるならば、イラク開戦情勢を楽観する余地などまったくないのだ。
他方、英米を始め全世界人民のイラク反戦闘争が米英帝を直撃している。とりわけ英帝ブレアは、イギリスの労働者人民の闘いによって、イラクの大量破壊兵器開発の証拠がないまま開戦に踏み切れば、国会議員が100人単位で労働党から離脱し、政権が崩壊しかねないと言われている。国際的なイラク反戦闘争が米帝ブッシュのイラク侵略戦争、世界戦争を揺るがしているのだ。世界戦争を国際的内乱に転化し、世界革命へと向かう国際階級闘争の爆発が始まったのだ。
今や日本人民の闘いが決定的に問われている。日帝・小泉政権は、昨年12月にアーミテージ米国務副長官が来日した際、イラク攻撃を支持すると非公式に伝えた。16日の日米安保協議委員会(2プラス2)の共同声明では、米帝の「対テロ戦争」をともに推進し、イラク侵略戦争、北朝鮮侵略戦争に参戦することを約束した。何よりも、イージス艦派兵の強行は、日帝が早々とイラク参戦を決断し、侵略戦争をリードすることを全世界に宣言するものであった。
イラクのラマダン副大統領は26日、イラクを訪問した民主党議員に「日本は、米国、英国に次ぐ3番目の敵国」と批判した。この背景にはイラク人民、ムスリム人民の圧倒的な怒りの声があるのだ。日帝・小泉は英帝ブレア以上に、米帝のイラク侵略戦争の支持者、促進者として行動し、全面的に参戦しようとしている。これを黙って見過ごしていいのか。昨年12月イージス艦派兵阻止闘争を上回る闘いで、日本人民の怒りの決起をつくりだそう。
また、米帝のイラク侵略戦争の切迫が、北朝鮮侵略戦争情勢を急展開させている。米帝は昨年12月から重油供給を停止し、経済制裁や海上封鎖の恫喝で北朝鮮スターリン主義の転覆に踏み込んだ。追いつめられた金正日政権は、1月10日に核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言し、反人民的な瀬戸際外交に訴えている。情勢は北朝鮮侵略戦争寸前であった1994年を上回る危機へと一気に突き進んでいる。米帝ブッシュの世界戦争計画の発動が一切の元凶なのだ。
これに対し、南朝鮮・韓国人民は、反米・反戦闘争を大爆発させ、米日帝の北朝鮮侵略戦争に立ちふさがっている。この闘いに学び、北朝鮮の反人民的な拉致事件や核開発問題を利用した日帝の排外主義攻撃をうち破り、北朝鮮侵略戦争のための有事立法粉砕に立とう。闘う南北・在日朝鮮人民と連帯しよう。
侵略が本来任務に
イージス艦派兵を画期として、イラク新法の制定=イラク参戦の全面拡大(イラクへの直接的な派兵)が狙われ、自衛隊の侵略軍隊化がものすごい勢いで始まった。@防衛庁を防衛省に格上げする、A統合幕僚組織を設置し、統合幕僚長(仮称)が自衛隊3軍を統合し指揮する、BPKO(国連平和維持活動)を自衛隊の「付随的任務」から「本来任務」に変える、CPKO参加5原則を撤廃することなどが宣言され、自衛隊法、防衛庁設置法、PKO法の改悪作業が進んでいる。日帝が侵略帝国主義への絶望的飛躍をかけて、歴史を画する突撃を開始しているのだ。
この反革命突撃の核心に位置するのが有事立法制定・憲法改悪の攻撃だ。すべての成否は有事立法の成立を許すのかどうかで決するのだ。
石破茂防衛庁長官は1月6日、全国の自衛隊員に年頭の訓辞を送り、「われわれはどうしてもこの戦いに勝利しなければならない」と「対テロ戦争」の勝利を訴え、そのために有事関連3法案の「早期成立を期さなければならない」と述べた。さらに「今は数十年に一度あるかないかの歴史の変わり目。このような時期にわれわれが何を果たすか、そのことが今後数十年のわが国の命運を決めると言って過言ではない」「この時代に国防の任を負った者の重さをかみしめたい」と言い切った。要するに、石破は“全自衛官は日帝の命運をかけてイラクや北朝鮮との戦争に突撃せよ。そのための有事立法は必ず成立させる”と訓辞したのだ。
この発言は、イージス艦派兵をもって日帝・自衛隊がどこに向かっているのかをあますことなく示している。小泉首相は有事立法を通常国会で必ず成立させると述べ、1月14日に靖国参拝を強行し、有事立法制定を祈願した。
小泉や石破に負けてたまるか。日帝が世界戦争の主体として全面的に登場し、日本人民が再び侵略戦争に総動員されることを絶対に許すな! イラク開戦阻止・有事立法粉砕へ、この03年に戦後最大の階級決戦を爆発させよう。
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週刊『前進』(2086号5面2)
“世界同時行動に立ち上がろう” 沖縄で反戦座り込み イラク派遣団が決意表明
1月11日、「沖縄から基地をなくし、世界平和を求める市民連絡会」による「アメリカのイラク侵略戦争反対、世界同時行動に立ち上がろう」という呼びかけのもと、沖縄県庁前広場での座り込みと集会・デモが行われた。
座り込み行動の初めに集会が開かれた。13日からイラクへ派遣される7人を代表して平良夏芽牧師が決意を述べた。「みんなが、私のイラク行きを聞いて、『ご無事で』と心配してくれますが、私の心は複雑です。私がイラクを去る日に同じ言葉をイラクの人びとにどのような顔をしてかければいいのか、と。だからこそ戦争を止めなければならないという思いを強くしています。沖縄は沖縄戦の被害者という側面が強調されているが、湾岸戦争やアフガニスタンへの空爆での犠牲者は沖縄戦における民間人の犠牲者19万人をすでにはるかに超えてしまった。アラブの人びとから見ればわが沖縄はれっきとした『殺人加担の島』です。私は沖縄が大好きだからこそ、出撃基地となることをこれ以上許せない。沖縄の闘いの発展のために、この行動を成功させたい」と、「報道封鎖」によって伝えられないイラク人民の「生活しながら闘う」現実を学ぶ意義を強調した。
さらに、昨年、在韓米軍装甲車による中学生れき殺事件への糾弾闘争が高揚する韓国に沖縄代表として参加した桑江テル子さんが、沖縄の米軍基地被害や事件・事故の現状を報告して多くの共感を受けたことや、れき殺された少女と同世代の中学生が闘いの先頭で集会やデモを連日のように米軍基地や領事館に行っていること感動をもって語り、「今なら本当の意味で韓国の人びととの熱い連帯がつくれる。今日の行動もその歴史的な一つです」と訴えた。
その後も参加者のリレートークが続けられる一方で、イラク侵略戦争反対と行動への決起を訴える3000枚のビラが市民に配られた。
夕方からは全体で国際通りデモが行われた。デモの解散地点では、イラク派遣団の7人が登壇して団長の島田正博・那覇市議が決意を表明し、その音頭のもと「世界の人びととの国際連帯を沖縄でつくりだそう」との決意を込めて団結ガンバローでしめくくった。
沖縄では、平和市民連絡会の「イラク攻撃反対」の世界同時行動にあわせ1月18日には嘉手納基地第1ゲート前で抗議行動、女性グループによる1月13日から23日までの連続米領事館前座り込み行動などが予定されている。既成左翼の屈服と崩壊をのりこえ、アメリカの反戦運動や韓国の反米闘争との直接的な連帯の志向をもった新たな闘いが沖縄人民の中から力強く始まっている。
在沖米海兵隊は、イラク侵略戦争体制とともに北朝鮮に対する戦争体制として海兵隊の交替と退役の停止を断行した。名護新基地、那覇軍港の浦添移設・巨大軍港建設、キャンプ・コートニー・天願桟橋の拡張など基地の強化を急ぐとともに兵員を戦時体制に編成ししている。沖縄闘争はイラク反戦闘争、国際反戦闘争の最前線だ。在日米軍の出撃、自衛隊の参戦を絶対に阻止しよう!
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週刊『前進』(2086号5面3)
仙台 イラク反戦でデモ “イージス艦闘争に続け”
昨年12月22日、みやぎ反戦共同行動委員会はイラク侵略戦争阻止の緊急闘争に立ち上がった。
みやぎ労組交流センターの労働者が「イラク侵略戦争は米帝の中東支配、石油支配をかけた不正義の侵略戦争であることがいよいよ明らかだ。全世界で立ちあがっているムスリム人民、労働者階級人民と連帯して闘おう。日帝のイラク侵略戦争参戦を絶対に阻止し、有事立法を粉砕しよう」と基調を提起した。
学生はイージス艦派兵阻止闘争の高揚を引き継いで大部隊で登場し、決意を表明した。「逮捕・流血を辞さない全学連の実力デモに横須賀市民は圧倒的に合流した。日本人民は小泉政権の侵略戦争に怒り、立ちあがろうとしている。国家権力の弾圧を打ち破る全学連の闘いはこの怒りと結合し、侵略戦争を阻止する展望を切り開いた。学生はこうした闘いをさらに爆発させる!」――この決意に集会は一段と高揚し、不当逮捕された学生の救援カンパが続々と寄せられた。学生を先頭に、がっちりとスクラムを組んで仙台の繁華街に飛び出した。戦闘的なデモで、仙台市民にイラク侵略戦争阻止に決起しようと訴えた。
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週刊『前進』(2086号5面4)
軍備拡張進む海自拠点
呉は昔からの良港である。ここに明治政府は海軍呉鎮守府を設置した。戦前は連合艦隊の根拠地となっていた。燃料・弾薬などの一大補給基地であった。その中心が呉海軍工廠(こうしょう)であった。3万d級の軍艦建造可能なドックが何本もあり、戦艦大和を始め120隻以上の軍艦を建造した。広島が原爆投下の対象となったのは「廣島と呉」一帯が陸海軍の戦略拠点であったからである。
戦後、呉は海自の軍港になり、呉鎮守府には再び旭日旗が翻り呉地方総監部となっている。その後も基地拡大が続いている。98年には市のふ頭を防衛庁に移管した。海自は「岸壁が足りない」として呉港の中央に艦艇係留地域を確保している。呉港の約7・6%が海自に占有されている。呉発着のフェリーはこれをう回させられ、漁船が識別ブイに衝突する事故が後を絶たない。呉港は非常に危険な渋滞港湾となっている。
今日、有事法制定策動の下で広島地域の軍事拠点化が進んでいる。日帝・軍部や米軍は瀬戸内海全域を朝鮮・中国侵略戦争の軍事的後背地と位置づけている。また、広島県沼隈町の常石造船は米軍即応予備軍の支援船3隻を常時係留している。戦時における米軍支援の先取りである。
朝鮮・中国侵略戦争に身構え
瀬戸内地域の補給基地の中心は、米陸軍の秋月弾薬廠である。呉市の広弾薬庫、江田島町の秋月弾薬庫、そして東広島市の広大な敷地(2694平方km)を占有する川上弾薬庫の3つの弾薬貯蔵施設を総称して秋月弾薬廠という。この3カ所で11万5千d(10個師団が10日間戦闘継続可能な弾薬)を貯蔵している。この弾薬庫群を管理するのは呉市にある第17地域支援群第83兵器大隊である。この部隊の指揮下には沖縄の弾薬庫群も入っている。広島と沖縄の弾薬庫群は一体なのだ。ここから演習や戦争の度に全国各地に弾薬が、輸送船や高速道路を使って搬送される。
91年のイラク・中東侵略戦争時には戦場に直結していた。憎むべき核(劣化)ウラン弾の貯蔵をも行っている。核ウラン弾が、広島からイラクに運ばれて大量に使用され、今なおイラク人民を殺りくしている現状を、ヒロシマの被爆者(二世)・労働者は一刻も許しておけない。再びイラクに向けて弾薬が搬送されるのを許すな。
弾薬庫の多くは旧海軍による戦時土地強奪によってつくられた。返還を願う住民と連帯して弾薬庫を撤去させなければならない。
現在、自衛隊は「西方シフト」をとり、米帝の朝鮮・中国侵略戦争に身構えている。中国地方の軍事基地が出撃・補給基地として、戦時にフル稼働するのは間違いない。
「不審船」を奇貨として、より一層の基地強化がたくらまれている。海自は江田島に01年3月、「特別警備隊」を新設した。60人の秘密部隊として詳細は一切明らかにされていない。「立入検査を行う場合、予想される抵抗を抑止し、その不審船の武装解除や無力化を行う」ことが任務だ。「不審船」対処のため岩国基地にヘリコプターで移動し、そこから出撃する武装臨検部隊である。この部隊が朝鮮・中国侵略戦争で、まっ先に攻撃を行う日本版海兵隊であることは明らかだ。
呉基地強化の転換点となったのが、新ガイドラインである。1998年、呉に第4護衛隊群司令部が置かれた。それ以降、米軍との共用がない海自単独の基地として配備艦艇の数は増え続けている。最新鋭艦艇もまず呉に配備されるようになってきた。PKO派兵や災害などでも、多くの艦艇が呉から海外派兵されている。現在は3隻の軍艦がインド洋に出兵している。
反軍闘争の伝統受け継ぎ
呉基地は今や画期的な軍備拡張が進んでいる。それを象徴しているのが、「おおすみ」級輸送艦(強襲揚陸艦=戦車10両、兵員330人乗艦)2隻からなる第一輸送隊の配備だ。これは艦隊直轄部隊である。2隻の揚陸艦の搭載するエアクッション型上陸用舟艇(LCAC=エルキャック)4隻が装備されている。海自はLCAC整備場を江田島に設置し、呉港内を爆走させて漁民や住民の生活を破壊している。さらに海自は01年に1万3500d級の「護衛艦」の建造を明らかにした。これは上陸作戦用のヘリ空母そのものである。この新鋭艦も呉配備が取りざたされている。
くり返されようとしている「廣島=軍都」を絶対に許すな! とりわけ軍需産業の労働者は兵器生産・補修をストップさせよう。すでにインド洋派遣艦隊にも造船労働者が同行させられている現実がある。1906年の呉海軍工廠の大ストライキや1917年の呉大暴動闘争など労働運動の教訓を生かし闘おう。
闘いの最大の環が反軍闘争である。呉からインド洋に派兵された補給艦「とわだ」の乗組員は、「派遣には行きたくない」と語っている。「とわだ」は再度派兵されているが、乗組員の大半が交替させられている。すでに派遣艦での死亡者が出ている。
1932年、呉の坂口喜一郎は戦争反対を叫んで『聳(そび)ゆるマスト』を発刊し反戦水兵を組織した。この教訓に学び日共スターリン主義の敗北をのりこえて、軍港機能を止める労働者のストライキと出兵拒否兵士の革命的合流で、朝鮮・中国侵略戦争を阻止し呉軍港を解体しよう!
(広島・O)
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週刊『前進』(2086号5面5)
第4部 日帝の中国侵略戦争 (3) 辛亥革命
武昌蜂起から中華民国成立へ
1911年武昌蜂起から12年1月1日中華民国成立−2月12日皇帝退位に至る辛亥革命は、帝国主義の中国侵略と、それに屈服し人民を苦しめた清朝打倒を実現した歴史的な民族解放闘争だった。
日清戦争を前後し、中国では本格的な変革運動が高まる。@富国強兵策で西欧列強に対抗しようとする洋務派、A皇帝専制から立憲君主制に改革しようとする変法派、そして、B清朝を打倒し、民族革命と民主革命を同時に実現しようという孫文(孫中山)、黄興らの革命派の台頭であった。
孫文は1894年、反清革命を掲げた秘密結社の興中会を結成、翌95年の広州蜂起から蜂起を繰り返したが、敗北の連続だった。
1905年8月には東京で各地の秘密結社と大同団結した中国同盟会が結成された。孫文が総理、副総理格に黄興が就任、「駆除韃虜・恢復中華・創立民国・平均地権」の4項目が共同綱領とされた。のちに孫文思想の中心となる三民主義(民族主義・民権主義・民生主義)の原型がここに示されている。
この革命運動の重要な一翼を在日中国人留学生が担った。北京議定書の後も東北3省から撤兵しないロシアに反発した留日学生らは日本で反ロシア義勇軍を組織し、それが軍国民教育会となった。そのメンバーは中国に戻り、各地に革命結社を組織した。
日露の特殊利益
日露戦争のポーツマス条約(05年9月)で日本は、中国東北地方の南半分を確保し、ロシアから旅順・大連の租借権、東清鉄道の南満州支線(長春−大連・旅順、奉天−天東)と炭鉱などを譲渡させた。
06年には、半官半民の国策会社=南満州鉄道株式会社が設立され、鉄道とともに撫順炭鉱などの鉱山も経営した。この「満鉄」は交通、鉱工業などを傘下におさめ、日帝の中国における一大権益となり、のちのエセ「満州国」デッチあげにつながっていく。
07年7月には第1次日露協約が結ばれ、東北部における両国の「特殊利益」を認め合い、米英と対抗していく。この中で日帝は09年、清朝の許可を得ずに安泰鉄道の改築を強行。これに抗議する日本製品不買運動が東北・華北に広がる。
10年7月の第2次日露協約締結後、日帝は8月には韓国を併合する。11年1月、ロシアは国境線を突破してモンゴル・新疆・東北地方を侵略した。
東京では1月26日、留学生総会の臨時大会が神楽坂で開かれ、1200人(留学生総数3200人)が集まった。論議の末、1週間以内に救国団体を組織し警告書を本国に発送するとともに国民軍を組織して万一に備えるなどの17項目を決議し、600人が駐日公使館にデモ行進した。
3月8日に留日中国国民会が発足し、13日には留学生総会幹事長の熊越山が中国危亡警告書を配布した。当時の事態の歴史的背景を説き、留日中国国民会が祖国防衛のための国民軍創設を目的に結成されたことを記したビラは本国にも送られ、大きな影響を与えた。
長江下流域では米不足と米価高騰に耐えかねた民衆が07年以降、「搶米」(米騒動)を続発させていた。その広州で孫文ら同盟会は11年4月27日、武装蜂起を敢行したが、無残に敗北した(黄花崗蜂起)。留日学生を含む86人が犠牲となり、孫文は日本に逃れた。
兵士が反乱
10月10日の武昌蜂起から辛亥革命は始まった。
武漢地域では、多くの兵士を会員としていた湖北共進会と文学社が革命工作を進めていた。この地域を重視していた宋教仁らが7月に上海で中国同盟会中部総会を結成し、長江流域での武装蜂起に向かう。
この時、四川省では鉄道国有化反対運動が暴動化していた。財政に窮した清朝政府が、列強からの借款の担保にするため鉄道国有化令を発したのが5月。これに猛然たる反対闘争が爆発した。この暴動の弾圧に武昌新軍が派遣されることになり、これをとらえて蜂起を準備した。
10月10日夜、武昌城内第八営(大隊)の兵士が決起し武器弾薬庫を襲撃、守備隊も蜂起に呼応、11日には武昌は完全に解放された。
即日、湖北軍政府が樹立された。宋教仁が草案を作成し、11月9日、湖北軍政府より公布された中華民国鄂州約法は、国民の平等、基本的人権(言論・出版・集会・結社・通信・信仰・営業・財産所有・転居などの自由)を認めた民主的な憲法だった。以後、革命は連鎖的に広がっていく。
独立した17省の代表によって12月3日、中華民国臨時政府大綱が決定された。それは臨時大総統と一院制の参議院から構成される共和体制であり、各省の独自性が強調される連邦制は否定されたが、同時に孫文が主張していた軍事独裁の軍政府構想も否定された。さらに袁世凱(清朝から革命軍討伐の全権委任をとりつけていた北洋軍閥)が共和政を支持して革命側に立つならば、臨時大総統に推挙することも決議されるなど、革命の方針は混沌(こんとん)としていた。
袁世凱大総統
このような時に南京が解放され、革命派の象徴的存在である孫文が帰国した。12月26日、孫文は大総統に選出された。
翌12年1月1日、中華民国が成立し、南京で開かれた臨時大総統就任式で孫文は、「民の公意にのっとり」「衆のために服務する」ことを誓った。
しかし、南京臨時政府の実効支配領域は17省にすぎず、北方の大部分は清朝支配下にあった。孫文は北京攻撃の北伐軍を主張したが、臨時政府には軍事力、財力がなかった。そこで袁世凱を取り込む政治交渉が進められた。
2月12日に溥儀を退位させた袁世凱は、3月10日に臨時大総統に就任した。南京臨時政府は翌11日、中華民国臨時約法(臨時憲法)を公布し、主権在民、国民の基本的人権を明らかにした。議会が大総統と副総統を選出することとするなど、袁世凱の独裁を許さないための議会内閣制でもあったが、現実には何の役にも立たなかった。
袁世凱の大総統就任は、封建的反革命権力の復活であり、北洋軍閥支配の開始であったが、辛亥革命の経験は中国人民を次の闘いへと誘った。世界は第1次世界大戦へと突入し、17年にはロシア革命が起こる。これと連動した五四運動に闘いは引き継がれた。
(室田順子)
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週刊『前進』(2086号6面1)
「共謀罪」の新設阻止を 組織弾圧と団結破壊狙う侵略戦争下の治安弾圧法
2・5法制審決定阻止闘争へ
法務省による共謀罪の新設攻撃との闘いが、大きな山場を迎えている。
法制審議会刑事法(国連国際組織犯罪条約関係)部会は、12月18日の第5回会議で法務省案を一部修正して採決を行い、「罰則等を整備するのが相当である旨法制審議会総会に報告すること」を賛成多数で決定した。2月5日の法制審議会総会で共謀罪の新設が決定され、3月中旬閣議決定、4月から国会審議開始の予定と言われている。
相談したら「犯罪」になる
共謀罪の本質は、共謀に加わった者が誰一人として実行行為に着手しなくても共謀の事実、相談したという事実さえあれば、犯罪が成立し処罰することができるというものだ。
採決された内容は、共謀罪の「対象となる犯罪と法定刑」が、「死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固の刑が定められている罪−5年以下の懲役又は禁固」「長期4年以上10年以下の懲役又は禁固の刑が定められている罪−2年以下の懲役又は禁固」と決定されたこと、法案の最後に(注)として「『団体』『団体の活動』『組織』及び『不正権益』の用語の意義は、組織的犯罪処罰法におけると同様である」とされたことだ。
修正で、対象となる法定刑を「3年以下」から「2年以下」に変更し共謀罪の厳罰化を強め、(注)をもって組織的犯罪処罰法による規制の網をかぶせ、結社禁止法としての狙いを明確にしたのだ。
法務省案は、共謀罪の適用対象を「4年以上の刑」に当たる犯罪で、@「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者」、A「団体に不正権益を得させ、又は団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を共謀した者」と規定している。
「4年以上の刑」が定められている罪は、法務省提出資料を数えただけでも、刑法だけで144、法律全体で557になり、ほとんどの罪を対象としている。
つまり、現行刑法の「共同正犯」体系とはまったく別個の「共謀罪」体系を新設するものであり、「第2刑法」を作るものといわれるゆえんだ。
法務省は、共謀罪新設の理由を「国連国際組織犯罪条約の批准に伴う国内法の整備」と説明しているが、法務省の狙いは、共謀罪のフリーハンドの活用にあるのだ。
その証拠に、同条約の第3条は、「適用範囲」として、「国際性を有し、かつ、組織犯罪集団が関与する」と規定しているが、法務省案には「国際性」や「組織犯罪集団が関与」の規定はどこにもでてこないのだ。
“実行行為”がなくても適用
想定される共謀罪による弾圧を例示してみる。
(1)2人以上が集まった場で、「イラク侵略戦争への派兵を阻止するために、在日米軍基地、自衛隊基地を使用不能に追い込もう」と相談した。
相談の事実だけで共謀罪が適用される。日米間の刑事特別法5条の「軍用物を損壊する等の罪」や自衛隊法121条の「自衛隊の所有し、又は使用する武器等の損壊等」が共謀罪の適用対象になっているからだ。
(2)職場で2人以上の労働者が集まり「社長のAをつかまえて不当労働行為を謝罪させよう」と相談した。
相談の事実だけで共謀罪が適用される。組織的犯罪処罰法3条の「組織的な逮捕及び監禁」が共謀罪の適用対象となっている。労働争議の方針を相談しただけで弾圧されるのだ。争議戦術を協議する組合の執行委員会、闘争委員会などは一網打尽の対象となる。
(3)2人以上が集まった場で、「地元の声を無視した小学校の解体を阻止するために、門前で作業員に抗議しよう」と話し合った。
話し合いの事実だけで共謀罪が適用される。組織的犯罪処罰法3条の「組織的な威力業務妨害」が共謀罪の適用対象となるのだ。
(4)2人以上が集まって学習会を行い、「今こそ、日帝のアジア侵略を内乱へ転化しよう」と話し合った。
この事実だけで共謀罪の適用となる。刑法78条の「内乱予備・陰謀」が共謀罪の適用対象だからだ。
このように、共謀罪は、2人以上の集まりを弾圧の対象とすることで、労働者人民が団結することを破壊する。また実行行為がなくても適用できることを活用し、労働者人民の思想・信条そのものを弾圧する。
治安維持法は、「国体の変革」と「私有財産制度の否認」を一切許さないことを目的とした。破防法は「暴力主義的破壊活動」から「公共の福祉」を守ることを目的とした。共謀罪にはこの目的規定がまったくない。政府や資本に刃向かう団体を片っ端から取り締まる法の新設である。
まさに共謀罪は、究極の結社禁止法、極悪の治安弾圧法である。戦争体制は人民への排外主義と弾圧をもってはじめて成立するが、それは刑事弾圧の強化を担保とするのである。治安立法との対決は、するどく戦争と対決する闘いである。
日常生活の隅々まで監視
共謀罪をテコとする治安弾圧が始まると、いかなる事態がうみだされるのか。
「共謀」の事実をつかむために人民に対する監視体制を強化する。盗聴が横行し、街頭カメラやNシステムが大量に設置され、人民の日常生活の隅々までが掌握される。また、住民基本台帳ネットワークとICカードをテコに、人民の個人情報を一元的に管理し支配しようとする。そして、あらゆる運動や組織の中に情報提供者(スパイ)が育成され、あるいは国家権力の一員がスパイとして送り込まれる。「密告」が横行し、人民は、国家権力により相互監視を強制される。
国家権力は、自由に発言したり会話すること自体を「共謀罪」で脅し、人間社会そのものを窒息させようとする。
しかし、闘えば勝てる情勢が到来しているのだ。イラク侵略戦争と資本攻勢を阻止しようとする人民の闘いが、全国各地で開始されている。同時に、侵略翼賛体制を構築するための治安弾圧の攻撃に抗する闘いの輪が広がっている。この人民の闘うエネルギーを2・5法制審議会総会にたたきつけ、共謀罪の新設阻止に決起しよう。反戦闘争、階級的労働運動をさらに強力に、広範に爆発させよう。
法制審抗議昼デモ
時 2月5日(水)11時20分
所 日比谷公園霞門
主催 破防法・組対法に反対する共同行動
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週刊『前進』(2086号6面2)
投稿 拉致問題を利用した排外主義と戦争準備に対決を
吹き荒れる排外主義宣伝
9・17日朝首脳会談から4カ月、拉致問題を利用した北朝鮮への排外主義の嵐が吹き荒れてきた。とりわけ新潟では、拉致生存者5人のうち3人が帰国していること、新潟港から帰還船が出港していたこと(59〜84年)、現在も北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号が入港していることなどから、とりわけ激しいものになっている。
テレビは連日、全国ニュースと同じ映像を地方版でもくりかえし流している。そして、11月から拉致被害者の地元を始め市町村役場、県庁、町内会、デパートで、ブルーリボンとカンパの運動が広がってきた。12月県議会は全会一致で万景峰号への検査体制強化の意見書を採択し、新潟市議会も一部の議員の反対を退け意見書を可決した。
東京電力、さらに県知事と柏崎市長も、これを機に柏崎原発事故隠しの沈静化と責任逃れを狙っている。統一地方選に出る県議や首長、次期衆院選候補者はこぞって、拉致問題を利用して自分を売り込むのに必死だ。小泉首相、安倍官房副長官、拉致議連はもとよりこの連中の悪らつさは本当に許しがたい。
党見解を職場や集会で配布
帰国事業・日朝友好運動を展開してきた社民党系団体は、「ピョンヤン宣言」を評価する声明を出したが公表しなかった。社民党は「拉致問題と帰国事業についての総括を出さなければ、統一地方選で支持できない」という声に圧倒されて沈黙したままである。11月には新潟出身の大渕参院議員が離党した。また日共も同じで、この排外主義の嵐とまったく闘おうとしていない。
われわれは、この「9・17情勢」とも言うべき事態の中で、問われているのは革共同であることを自覚し、党の見解を労組集会や職場で配布し、階級的立場を訴えてきた。労組交流センターも独自のビラを集会や街頭で配布してきた。
この排外主義との対決がまったく不十分であることを痛感しているが、新たな展望が見えてきている。
一つは、有事法制と一大資本攻勢と闘っている労働者、労組活動家が職場や集会会場でまかれる革共同のビラをくいいるように読んでいることである。
二つは、11月末に新潟市内で市民団体が「拉致問題を考える討論会」を開催し、そこで排外主義の嵐への怒りが噴き出したことである。参加者から「強制連行で何十万の朝鮮人が行方不明」「朝鮮戦争では1b四方に一つの爆弾が落とされ、今も600基のミサイルが北朝鮮に向けられている」「マスコミは情感的な報道ではなく、歴史に学んだ報道をすべき」「戦前、朝鮮を視察した官僚が強制連行を『拉致』と報告している」「ブルーリボンは強制的だ」「双方の国家意志で拉致被害者の意志がつぶされている」「北朝鮮のことは北朝鮮の人びとが決めること」「有事立法を廃案に」という意見が出された。
三つは、ブルーリボン運動やマスコミ報道を検証する闘いが始まっていることである。
あらためて拉致問題を利用した排外主義と戦争準備に真っ向からの対決を訴えたい。
革共同の真価問われる情勢
日帝は、米帝ブッシュの世界戦争計画に日帝自身の延命をかけて積極的に参戦し、拉致問題や核開発問題など北朝鮮スターリン主義の反革命的軍事政策を口実として、有事法制の成立と北朝鮮侵略戦争を正当化しようとしている。それは、日帝の植民地支配と戦後の米日帝による南北分断という民族抑圧の歴史を抹殺し開き直り、在日朝鮮人運動や朝鮮総連を圧殺し、南北分断打破=革命的統一をめざす朝鮮人民の民族解放闘争を解体しようとする悪らつなものである。
そして、北朝鮮スターリン主義の反人民的な現実につけこんで共産主義運動にダメージを与え、階級闘争の解体を狙っていることをしっかりとらえる必要がある。それは91年ソ連スターリン主義の崩壊以上の重みをもって、連合路線に抗して闘っている労働者にのしかかっている。
「拉致問題をどう考えるべきか」「革命は必要だが、どのような社会主義をつくるかが問題だ」という疑問・意見には、結党以来、北朝鮮をスターリン主義と規定してその打倒を呼びかけてきた革共同だけが答えることができる。
金日成主義、「主体(チュチェ)思想」が、世界革命を放棄した一国(半国)社会主義建設を自己目的化するスターリン主義であること、それが国内建設の破綻(はたん)と人民抑圧、民族統一に打撃を与える反人民的軍事政策をもたらしていることを暴き、反帝・反スターリン主義世界革命の旗のもとに労働者人民を獲得していかなければならない。
重要なことは、イラク反戦闘争を闘いつつ、職場・地域でこの排外主義の嵐に対決することだ。それは必ず労働者人民の決起を呼びさまし、血債をかけた闘いは在日朝鮮人民・全朝鮮人民との連帯をつくりだすにちがいない。この情勢は革共同の真価を問うているが、同時に、大きな展望を秘めていると確信している。
(新潟 増田信一)
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週刊『前進』(2086号6面3)
友野幽同志の逝去を悼む 満身にたぎる核への怒り 革命的反戦闘争を牽引
革共同中国・四国地方委員会
昨年12月31日午前7時12分、友野幽同志(全国被爆者青年同盟委員長)は、12月25日夜、不慮の事故でたおれて以来、仲間たちの付ききりの看病の甲斐(かい)もなく、ついに帰らぬ人となった。
この間、わが中四国地方委員会は、新たな「激動の7カ月」を切り開くたたかいに総力を挙げて決起し、その一環として前進社中国支社の新社屋建設・移転闘争を、権力・カクマルの破壊策動を完膚なきまでに粉砕してかちとるという快挙をなしとげた。この過程において、友野同志はその献身性を遺憾なく発揮して、他の同志とともにその最先頭で連日連夜奮闘し、25日夜、新支社から旧支社の保守任務に向かう過程で、不慮の事故で意識不明の重体となり、1週間の闘病の末に、革命家としての56歳の生涯を閉じた。
友野同志は、被爆2世として生を受けて以来、「ひ弱」といわれたハンディを持ち前のがんばりでみごとに克服し、神奈川県立鶴見高校を卒業後、神奈川大学2部に入学し、71年全国被青同の結成とともに被青同に結集し、高陽病院建設運動の創成期をも担った。そして、帝国主義戦争と核への怒りを燃え上がらせた友野同志は、革命的反戦闘争への白色襲撃をくり返し被爆者を「変種下等動物」とののしった反革命カクマルを断じて許さず、二重対峙・対カクマル戦争−3・14復讐戦の先頭でたたかった。権力による不当弾圧にも屈することなく3年間の獄中闘争を完全黙秘・非転向でたたかいぬいたのである。
出獄後は救援対策運動に全力であたり、とりわけ藤井高弘同志の冤罪事件において無実を証明し、裁判闘争の完全勝利をかちとる上で決定的役割を果たしたことは、今もわれわれの脳裏に鮮明に焼き付いている。
そして、91年、5月テーゼ路線のもと、被青同副委員長として広島に赴任して以来、8・6−8・9闘争はもとより反核燃・もんじゅ闘争などに東奔西走し、革命的反戦闘争を最先頭で牽引(けんいん)しぬいてきた。2000年被青同委員長に就任後は、重責を果たすべくますます奮闘し、頸椎(けいつい)の大手術の後遺症とたたかいながらも、既成原水禁運動をのりこえる新たな反戦反核闘争の潮流を創造するたたかいに全力を傾けてきたのである。
友野同志! 君のあまりにも突然の死を、いったい誰が予期したであろうか。時あたかも、世界は戦争と革命の激流が逆巻く大激動の時代へと三度突入した。米帝ブッシュの世界核戦争計画とその発動としてのイラク・北朝鮮侵略戦争策動にたいして、さらに日帝・小泉のこの戦争への参戦と有事立法強行攻撃にたいして、ムスリムを先頭に全世界の労働者人民の怒りが、巨大な国際的内乱として爆発しつつある。君の口癖だった「その時がきた」というときに、この燃え盛る反戦反核闘争の炎を前にして、全世界の労働者人民とわれわれを残して逝った、君の無念の遺志をわれわれは受け継ぎ、友野精神で全身武装し、被爆者解放・日帝打倒を貫徹するであろう。
友野同志よ! 「同志はたおれぬ」を歌って君を葬送したわれわれの脳裏には、在りし日の君の激烈なアジテーションがよみがえる。侵略と大虐殺の末にヒロシマ・ナガサキをもたらした帝国主義戦争を全存在かけて弾劾し、「今度こそは、体を張ってでも阻止しよう!」と呼びかけた、あのアジテーションが。今はもう、誰も泣かない。われわれは怒りの鬼となって、残虐極まりない帝国主義侵略戦争を内乱に転化し、血にまみれた帝国主義者どもを打倒し、世界革命の勝利をうちたてるまで、ただ不屈に前進するのみだ。
「くり返すな! アジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ−オキナワを」、友野同志! 君が提唱したこのスローガンを、国際連帯のもと、必ず近い将来実現することを、われわれはきっぱりと誓う。
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週刊『前進』(2086号6面4)
全国各地から80余人が参列 友野同志告別式
1月3日、実兄・希成氏を迎えての中国支社新社屋での党葬に続き、友野同志の告別式が、被爆者解放運動の拠点である小西ノブ子記念館で、午前8時45分より執り行われた(写真)。
葬儀には、全国被青同や中四国の同志はもとより、彼の出身地・神奈川県を始め東京・大阪・九州など全国各地から80余人が参列した。また弔電は、核燃を阻止する会、北原鉱治氏(三里塚反対同盟事務局長)、田中康宏氏(動労千葉執行委員長)、北富士忍草母の会を始め、全国から70余通が寄せられた。
式は、被青同事務局長の中島健氏が葬儀委員長を務め、兄希成氏を喪主に、1時間にわたって行われた。全員の黙祷(もくとう)の後、被青同委員長代行を決意した中島氏が友野同志の足跡を紹介し、遺志を継いでイラク・北朝鮮侵略戦争阻止=有事立法粉砕決戦に勝利することを霊前に誓った。お母さんからの優しい惜別のメッセージと、彼をわが子のように励ましてきた大槻泰生氏(反戦被爆者の会会長)の病床よりのメッセージ、下田禮子氏(小西ノブ子記念館館長)の別れの言葉が続いた。
被爆者医療の砦(とりで)=高陽病院の代表、神奈川の友人、部落解放同盟全国連代表が弔辞を述べた。そして、長崎からかけつけた全国被青同副委員長の柴田利明氏が遺志を継ぎ革命的被爆者解放運動の発展をかちとる決意を表明した。また、三角忠氏(8・6−8・9反戦反核闘争全国統一実行委員会中央事務局長)が力強い新たな決意を語った。
最後に、革共同より、友野同志が被爆者解放・日帝打倒の道筋を提起する綱領的論文の執筆に全精根を傾けて取り組み、12月に完成させたばかりであったことが報告され、天田書記長の切々たる弔辞が紹介された。
そして、「同志はたおれぬ」の歌が流れる中、遺影を掲げた喪主の希成氏から「自分の意志を貫いて最後まで走り抜いた弟を誇りに思います」との温かい言葉をうけて、柩(ひつぎ)を見送った。
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