ZENSHIN 2002/06/10(No2056
p08)
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週刊『前進』(2056号1面1)
革共同の6月アピール
北朝鮮・中国侵略戦争法案粉砕 6月中旬有事立法絶対阻止へ
連合・日共の制動を打ち破り陸海空港湾労組と共に立とう
ついに本格的な有事立法粉砕決戦の火蓋(ひぶた)が切られた。5・20大阪・扇町公園大集会、5・24東京・明治公園大集会、そして5・26反戦共同行動委の闘争を頂点として、有事立法粉砕決戦は全人民的うねりとなって動き始めた。それと国鉄決戦が一体のものとして爆発した。5月闘争の地平を引き継ぎ、6−7月を日本階級闘争史上かつてない規模と戦闘性あふれる反戦決起の時としよう。日帝の北朝鮮・中国侵略戦争への本格的突入に対して、「連帯し侵略を内乱へ」の闘いを大爆発させ、革命的祖国敗北主義を断固として貫くかどうかが実践的に突きつけられている。6月決戦の爆発で有事立法3法案の国会成立を労働者階級人民が実力阻止できるかどうかなのだ。革共同は革命的前衛党としての全責任を引き受けて、有事立法3法案を必ず実力粉砕することを宣言する。「自衛」の名による侵略戦争翼賛の反動国会を全労働者人民の怒りで包囲し、たたきつぶし、北朝鮮・中国侵略戦争法案を葬り去れ!
第1章 5月決戦の大爆発が有事法国会を痛撃
陸海空港湾労組が軸となって有事立法阻止の大運動が呼びかけられ、5・24東京、5・20大阪などで、巨万の労働者階級人民の怒りの決起がかちとられた。昨年の米帝―帝国主義のアフガニスタン侵略戦争突入以来、ついに日本の地において4万、5万もの労働者人民の反戦・反侵略の大行動が実現したのだ。職場、学園、地域から、日本が再び戦争をくり返すのは絶対反対、戦争動員反対、労働者の命を守れ、再びアジア人民を殺すな、沖縄戦をくり返すな、ヒロシマ・ナガサキを忘れるなという胸の奥からの叫び、怒りがどっとわき起こった。そして、運動を継続して6月に再び全国総結集してあくまで有事立法廃案まで闘い抜く鮮明な檄が発せられたのだ。
しかもそれが、陸海空港湾労組が軸となった呼びかけという形をとって、労働者階級の階級性と先進性を大いに発揮して、大爆発したのだ。この呼びかけに多くの労組・労働者、闘う人びとが、引きつけられるように総結集した。有事立法阻止の一点で、ナショナルセンターを超え、運動方針の違いを超えて、共同の闘いに総結集がかちとられた。
ここには、総評解体以後の労働戦線の新たな根底的再編の大きな流れがつくり出されつつある。日帝は、総評を解体し、労働者階級の階級性を打ち砕き、連合という帝国主義的労働運動をつくり出し、その先兵としてJR総連カクマルを立ち働かせるはずであった。ところが、99年の新ガイドライン闘争以来、いわばこつ然と20労組陣形が立ち上がり、それが労働者階級総体の反戦闘争の旗を振った。そして02年の有事立法攻撃に対して再び危機感に満ちた行動提起をするや、ついに数万の規模の闘いが実ったのだ。
連合中央は有事法制に関する5・16連合見解を決定し、運動に露骨に敵対し、日本共産党はスターリン主義的党派性からの政治的利用主義で闘いの発展を妨害している。しかし、この陣形の階級的正義性、必要性は、そうした反革命的制動を超えて、続々たる結集を生み出す力を内包している。20労組陣形を発展させるために奮闘するか、その妨害のためにうごめくか、ここに労働者階級の有事立法阻止闘争の分岐があると言えるのだ。
有事立法は、日帝の北朝鮮・中国侵略戦争法案であり、国家総動員法案である。有事立法粉砕を、一切のペテン的修正論議を蹴破り、最後まで貫けるのは労働者階級であり、これは労働者階級の任務だ。このことをはっきりさせ、連合中央を打倒し、日共を打倒し、連合傘下、全労連傘下の労組・労働者、膨大な未組織労働者に、20労組陣形の発展と有事立法反対署名運動を持ち込み、ともに決起することを提起しよう。
言いかえれば、有事立法阻止を軸にして労働戦線の革命的再編を決定的に推し進めるのだ。帝国主義を打倒する労働運動の新潮流を有事立法阻止決戦の中で積極的に広げ、強めていこう。5・20−24は明らかに労働者階級の新たな胎動を感じさせ、つくり出した闘いであった。
この闘いと一体となって、反戦共同行動委員会の5・26闘争が有事立法粉砕の高い路線性を貫いた大衆闘争としてかちとられた。米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争を真っ向から阻止する課題を打ち出し、排外主義と対決して、アジア人民・イスラム諸国人民と連帯し、日帝・小泉政権を打倒しようと高らかに呼びかけられ、それが結集した労働者人民の共同の決意として確認された。
資本攻勢と闘う労働者こそが、有事立法粉砕の反戦政治闘争を牽引(けんいん)するのだという強い決意が全体の高揚をつくり出した。全国全戦線で最も戦闘的かつ非妥協的に日帝権力と闘い抜く労組・運動体・諸人士が総結集し、ほかでは得られない力と勝利の確信に燃えた集会とデモを実現した。
そして最大の正念場の国鉄決戦、5・27国労臨大決戦が有事立法粉砕決戦と一体のものとして、不屈に戦闘的に闘い抜かれたことが決定的であった。与党3党声明に全面降伏した国労本部の日共・革同とチャレンジ一派が、JR採用差別訴訟の取り下げと闘争団切り捨てを柱とする全面屈服・裏切り方針を強行したことに対し、闘争団を先頭に闘う国労組合員は烈火の怒りを爆発させて決起し、敵日帝権力のたくらみを断固阻んだのだ。本部打倒、国労再生へ激烈な攻防が火を噴いた。有事立法粉砕と国鉄決戦を結合して、6月決戦に突き進むときだ。
5月闘争は以上のように、第一に、まるで無人の野を行くがごとくに有事立法強行採決に進んでいた状況をストップさせる新たな政治情勢をつくり出した。必死の危機感に満ちた総決起が、攻防を明らかに6月に持ち越させた。第二に、20労組陣形の発展と有事立法署名運動の拡大と反戦共同行動委の戦略的存在をかけた実力決起が相乗的に進むことによって、有事立法粉砕の勝利の展望が切り開かれることを鮮明にさせたのである。第三に、闘いはようやく始まったばかりであり、しかも早くも裏切りと反革命が襲いかかってきている中で、闘いの決定的な主体的飛躍がぎりぎりと求められている。日帝の側は「小泉内閣の業績として確実に歴史に残るのは有事法制だ」(首相周辺)という決定的な位置づけで決戦に臨んでいる。われわれはそれ以上の迫力で5月闘争の地平を引き継ぎ、次の山場を6月中旬決戦に設定し、国鉄決戦と一体のものとして、広範な怒りとエネルギーをとことん引き出し、戦後最大の政治決戦を大爆発させよう。
第2章 北朝鮮・中国侵略戦争と国家総動員構築
有事立法粉砕決戦を闘うにあたっての第一の確認点は、9・11反米ゲリラ戦を転機として内外情勢がまったく新しい階級的激動期へと突入したということだ。革命的情勢への急接近、あるいは革命的情勢への端緒的突入の情勢が明らかに始まっている。帝国主義の戦争と恐慌が生み出す危機は、帝国主義の階級支配秩序を崩壊させ、労働者階級人民の革命的反乱の条件を不断に形成する。見よ。いま帝国主義の戦争と反動、虐殺と破壊のあらしが吹き荒れる中で、パレスチナ・アフガニスタン人民の不屈の決起を先頭にして全世界人民の英雄的武装闘争や抵抗闘争が陸続として開始されているではないか。9・11の革命的衝撃性は全世界人民の階級的覚醒(かくせい)を急速に促すと同時に、21世紀初頭における世界革命の現実性――反帝・反スターリン主義世界革命の旗のもと万国の労働者と被抑圧民族は団結せよの偉大なスローガンの意義――を鮮やかに開示したのだ。
だが帝国主義の戦争と反動は同時に、革命の重大な困難でもある。帝国主義支配階級の統治が行き詰まり、彼ら自身が分裂と対立を深め、労働者人民もまたこれまでどおりに生活することができなくなる一方で、帝国主義戦争が現に開始され全国いたるところで排外主義や愛国主義が吹き荒れ、革命派が圧倒的に孤立することも不可避に起こる。レーニンは、こうした情勢のもとで階級的で原則的な主張を貫くことは革命を本格的に呼びかけることだとつかみ、あらゆる契機を利用して宣伝・扇動を行い、労働者人民の運動や行動を革命に向かって意識的に促進していかなくてはならないと強調している。革命的情勢における革命党の「3つの義務」(革命的情勢の到来の宣伝・扇動、党の非合法・非公然体制の確立、実際の国内戦の可能的な着手・開始)の実践である。われわれは今こそ、このレーニン主義の立場に立脚し、いかなる困難をのりこえても米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争突入に立ち向かい、有事立法=改憲攻撃を階級的総力を結集して実力粉砕しなくてはならない。
日帝の侵略戦争突入
有事立法粉砕決戦の第二の確認点は、米帝ブッシュ政権の世界戦争政策の現実的発動と、これに共同的=競合的に必死に対応する日帝の北朝鮮・中国侵略戦争突入の衝動こそが有事立法攻撃を突き動かしている最大の要因だということである。米日間で現実に進行する北朝鮮・中国侵略戦争の作戦計画を実施に移すための法案こそ有事立法3法案である。
戦後体制を支えた基軸帝国主義である米帝自身の歴史的没落の趨勢(すうせい)のもとで、帝国主義はついに29年型の世界恐慌過程に突入した。帝国主義世界経済を支えた石油・資源強奪とその独占的支配体制の維持のための中東暴力支配が破綻(はたん)し、戦後新植民地主義支配体制が崩壊的危機を迎えた中で、米帝はブッシュ政権への移行という形で、民族解放闘争を撲滅・解体するための侵略戦争の拡大・激化と世界大的戦争政策の遂行にはっきりと踏み切った。昨年9月発表のQDR(4年ごとの戦力見直し)、本年冒頭のブッシュ一般教書、3月に明らかになった「核戦力体制見直し」などでブッシュはイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、さらに中国、シリア、リビアを含めた7カ国への核攻撃宣言を発した。実に恐るべき世界戦争・核戦争計画である。
アフガニスタン侵略戦争から新たに始まり、パレスチナ侵略戦争へと拡大し、さらにイラク、イラン、北朝鮮へと突き進む米帝の世界戦争戦略は、すでに現実となって動き始めているのだ。しかもそれは、対中国侵略戦争を世界大戦争として遂行しようとする米帝の世界戦争戦略の前段的プロセスとして展開されているのである。情勢の動向次第ではストレートに北朝鮮への爆撃、侵攻、そして対中国戦争へと突き進む可能性もある。米軍が北朝鮮への爆撃を開始するか、あるいは間違いなく数カ月のうちに北朝鮮への軍事侵攻を開始するという情勢が到来した時、日帝はいかなる対応をするのか。
これは遠い未来のことではなく、早ければ数カ月のうちにも起こりうるのだ。それは、必ず日米矛盾の激化、日米の帝国主義間対立を激化させ、帝国主義間戦争まで行き着くものとなるのである。
日帝の有事立法攻撃とは、この現実の戦争の切迫、特に米帝ブッシュの対中国・対北朝鮮侵略戦争政策の展開によって引き出され、強引な成立が図られようとしているものにほかならない。世界戦争の危機が朝鮮・中国をめぐって切迫し、現にブッシュ政権の世界戦争戦略が発動されている中で、日帝が米帝の帝国主義侵略戦争への共同的=競合的参戦を開始し、自らの主体的意思によって北朝鮮、中国、アジア、中東諸国や被抑圧民族への「武力行使」=帝国主義侵略戦争を遂行しようというのであり、またそのために憲法を停止し、首相に独裁的な非常大権を与え、アジア侵略戦争と内乱鎮圧の軍隊としての自衛隊の実戦部隊化と軍事優先の国家総動員体制をつくりあげようとしているのである。それは、在日・滞日アジア人民への入管体制の戦時型への移行であり、沖縄人民への極限的な差別・圧殺体制の強化となる。これらが有事立法攻撃の核心問題である。
より具体的に検討しよう。昨年9月、日米の軍事レベルで新安保ガイドライン(日米防衛協力の新指針)に基づいて、「日本有事」のための日米共同作戦計画および「周辺事態」のための相互協力計画が合意された。この「相互協力計画」の合意は、米軍が50万の兵力を投入して北朝鮮を陸海空から攻撃し首都ピョンヤンを軍事制圧し、政権転覆して南北統一を図るという「作戦計画5027」を日米軍部が合意したことを意味する。100万人の死傷者が生み出される米韓軍の朝鮮侵略戦争計画と完全に一体化する侵略戦争計画が日米間で合意されたのだ。
新安保ガイドラインは、この「作戦計画5027」を日米間のより具体的な実戦計画とするために締結された。この新ガイドラインは新たに「周辺事態」という概念を導入することによって、日米安保に基づく日米共同作戦の範囲を朝鮮半島や台湾海峡などの他国の領域・領海・領空にまで拡大した。日帝にとってこれは決定的な転換点であった。今回の有事立法3法案は、この新ガイドラインを9・11情勢対応型に再編的に強化したものとして、日米間で合意された日米共同作戦計画および相互協力計画を直ちに実戦に移すための法制として制定されようとしているのである。有事立法の制定は、いつでも北朝鮮・中国侵略戦争への突入がなされることを意味するのだ。
第一に、武力攻撃事態法案では「武力攻撃事態」として、@「武力攻撃が発生した事態」、A「おそれのある場合」、B「予測されるに至った事態」の3つの事態を規定しているが、これを翻訳すれば米帝が対イラク、対北朝鮮、対中国の侵略戦争を準備する段階を「予測されるに至った事態」と認定し、侵略戦争を現に開始した段階を(反撃の)「おそれのある場合」と認定するということである。何よりも、日帝自身が国内あるいは海や陸の侵略地で9・11型ゲリラ戦の反撃を受けることが避けられないとしているのである。日帝の論理は実に単純明快である。それらのいずれの場合も日帝の侵略戦争突入の武力行使は「自衛のためだから」正当だと言っているのだ。
第二に、「武力攻撃事態」概念を無制限・無制約に拡張しているのである。「テロ・不審船」はもとより「およそあらゆる事態が対象となる」(中谷防衛庁長官)として外国領域や公海上でも「わが国に対する計画的、組織的攻撃」だと判断されれば「武力攻撃事態」として「認定」するという。さらに公海上の自衛隊艦船だけでなく、周辺事態法やPKO協力法、テロ特措法の3法に基づいて他国の領域で軍事行動をする自衛隊への攻撃についても「計画的、組織的攻撃」と「認定」されれば「武力攻撃事態」に該当するものとして日帝の武力攻撃の対象にするという。ゴラン高原や東ティモール、インド洋・アラビア海で展開する自衛隊部隊への武力攻撃「認定」さえあれば一挙に侵略戦争への突入が可能だというのである。
さらに中谷が周辺事態法の「6つの類型」についても「6つとも状況によっては武力攻撃のおそれ、予測の事態に該当する可能性が排除されたわけではない」と、有事立法の「武力攻撃事態」に「6つの類型」を組み込むことを表明したことは重大である。有事立法が、「テロ・不審船」のみならず周辺事態法を位置づけ直し包摂することによって、「5027作戦計画」を全面的に遂行する侵略戦争法体系として確立されるのである。
第三に、「武力攻撃事態」を無限に拡大解釈することによって日帝の武力行使を無制約に拡大しようとしている。有事立法は新ガイドラインでの米軍への「後方支援」活動の枠を大きく超えて、日帝自身が北朝鮮、中国に直接的な武力行使=侵略戦争を遂行するものである。周辺事態法では「放置すれば日本への武力攻撃に至るおそれのある」周辺事態の場合、米軍への後方支援しか行えないが、今回の有事立法では武力行使が可能だとされる。中谷はこれを「米軍の武力行使と一体化することであっても自衛権発動の3要件に合致すれば憲法上問題はない」と説明している。米軍の北朝鮮・中国侵略戦争(「周辺事態」)の中での日帝・自衛隊の武力行使――集団的自衛権の発動――が一挙に公然と正当化されるのだ。米帝の朝鮮・中国侵略戦争への共同的=競合的参戦のために、戦後憲法的な制約をこの「武力行使」(国家的交戦権)の一点において突破を図り、戦力不保持と交戦権否認を核心とする憲法第9条規定の全面転覆をとおして帝国主義侵略戦争に公然と突入するとしているのである。
有事立法3法案が日帝の北朝鮮・中国侵略戦争突入法案であることは、今やあまりにも明白である。その成立を許すことは、あらゆる意味で日本労働者階級人民の死である。また再び、わが日本の労働者階級は帝国主義侵略戦争に加担し他民族虐殺のための銃をとるのか。再び、資本家どもの強盗的利害のために犬死にを強制されるのか。
全労働者階級人民諸君! 有事立法の国会成立を絶対に許してはならない。労働者階級のあらゆる力を結集して3法案を実力粉砕せよ。全同志諸君! 米・日帝国主義による北朝鮮・中国侵略戦争過程が現に開始されていること、日帝が有事3法案で侵略戦争に今まさに突入しようとしていること、この戦争がほかならない資本家どもの利益のためであることを、レーニン主義の革命的祖国敗北主義の立場から全階級人民の前に明らかにし、すさまじい排外主義のあらしを打ち破って、〈北朝鮮・中国侵略戦争絶対阻止、有事立法粉砕・改憲粉砕―日本帝国主義打倒〉の6月中旬決戦に、急速かつ大胆に巨万の大衆を組織して総決起しよう。労働者階級人民の総力で侵略戦争翼賛国会を怒りの行動で包囲し、有事立法3法案を葬り去れ。「有事法制必要」の「見解」で闘いに敵対する連合中央を打倒し、日本共産党、反革命カクマル中央派やファシスト労働組合・JR総連カクマルらの反革命的妨害を打ち破り、巨万の労働者階級の反戦隊列をつくり出せ。
国際反戦闘争と結合
有事立法粉砕決戦の第三の確認点は、米帝の世界戦争戦略の発動に突き動かされた日帝の侵略戦争への突入に対して、被抑圧民族人民との連帯をかけた国際反戦闘争と、有事立法=改憲決戦とを固く結合させて闘おうということである。
米帝ブッシュを先頭とした国際帝国主義による凶暴な侵略戦争の開始と帝国主義強盗どもによる相互の争闘、矛盾の激化、究極的な帝国主義間戦争の危機の深まりの中で、民族解放闘争が世界的規模で新たな爆発的高揚を迎えた。民族解放闘争のこの新たな高揚の中で、あらためて「9・11」とは何かをとらえ返さなくてはならない。これが有事立法粉砕決戦の根幹をなす問題だからである。
9・11は、帝国主義の新植民地主義支配体制の全面的危機が深まり、そこで最も過酷な植民地主義的な抑圧を受け続けてきた13億イスラム諸国人民の怒りが特殊的極限的形態をとってついに爆発したものである。革共同政治局は02年新年アピールで、9・11を@民族解放・革命戦争の特殊的極限形態としてとらえ、Aかつイスラム諸国人民による糾弾と本質的な連帯の呼びかけとして受けとめ、Bイスラム諸国人民との正対の中で「7・7自己批判」の立場、血債論の革命的内容を深化させ、C自爆戦闘への決起を支持し、連帯すること、同時にD2千数百人の死者の中に米帝下のプロレタリア人民が含まれていることの重みは帝国主義国の共産主義者、革共同の厳しい責任として引き受けることを強く確認した。
そして「闘うイスラム諸国人民(パレスチナ・中東・ムスリム人民)と連帯し、帝国主義のアフガニスタン・中東侵略戦争を国際的内乱に転化せよ」「闘うアジア人民と連帯し日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」のスローガンを全人民の前に明らかにした。このスローガンの革命的意義をあらためて強調したい。これらのスローガンは、現代のプロレタリア世界革命の現実的推進構造を明らかにすると同時に、帝国主義による自国の階級支配と、帝国主義による被抑圧民族への民族抑圧という二重の支配を立体的に把握することによって、帝国主義国における労働者階級の自己解放闘争は、階級支配と民族抑圧との二重の支配と一体不可分に闘うこと、つまり帝国主義国の労働者階級にとって自らの胎内にあらかじめ階級闘争と民族解放闘争とを内的実体的に統一したものとしてあることを提起している。民族解放闘争もまた、プロレタリア世界革命の一環として自らを位置づけることによってのみ、つまり民族解放・革命戦争をとおしてプロレタリアート独裁をもって自己を発展させる展望の中にのみ民族自決、独立、解放が達成されることを明らかにしているのである。
革共同は第6回大会で確立した革命的時代認識を基礎に「新たな7・7自己批判」をもってこのスローガンを提起し、革命的激動期を闘う鮮烈な党の思想と路線を打ち出した。世界革命の党としての強烈な再確立の闘いを基礎に、3月以降の未曽有(みぞう)の困難の中で繰り返したたきつけられるパレスチナ人民の自爆戦闘の意義を国際的内乱の激化・発展として真っ向から受けとめて新たな革命的反戦闘争に決起してきたのである。
この革命的地平に立ってかちとるべき本格的な国際的連帯闘争は、日帝が今国会で有事立法を制定し、公然と対北朝鮮・対中国の戦争政策を押し出し、朝鮮・中国―アジア人民・在日人民の民族解放闘争を圧殺する帝国主義侵略戦争に乗り出そうとしている現実と激しく闘争することが中心に据えられなくてはならない。国際的連帯行動の実践はまず有事立法制定絶対阻止闘争でなくてはならないのだ。
労働者階級の決起で
有事立法粉砕決戦の第四の確認点は、過去のいかなる反戦闘争をも超える全人民的規模の革命的大衆行動を実現することである。労働者階級の中に入り、労働者階級の決起をつくり出しつつ有事立法粉砕闘争の決戦陣形を構築しよう。5・20−24の大きな地平を踏まえ陸・海・空・港湾労組20団体の呼びかけにこたえる闘いは、有事立法粉砕決戦への労働組合的決起をつくり出す決定的な水路となっている。われわれは帝国主義戦争に反対する労働者階級の運動がこうした形で開始されたことを徹底的に重視し、有事立法反対署名運動と結合させつつ、この陣形の全人民的発展のために猛然と闘わなくてはならない。全労働者党員は職場における資本攻勢をめぐって団結強化、労働組合攻防の先頭で献身的に闘い抜きながら、労働運動における革命的反戦闘争の形成・発展、労働運動と共産主義との結合のために全力で奮闘しなくてはならない。
われわれは有事立法粉砕決戦をもって、パレスチナ・アフガニスタンを始めとするイスラム諸国人民、朝鮮・中国―アジア人民との連帯をかけた革命的反戦闘争の全人民的爆発を実現し、これをとおして階級的労働運動を本格的に形成するという観点をあくまで堅持し、この革命的挑戦に勝利しなくてはならない。また有事立法粉砕決戦と沖縄闘争、入管闘争、三里塚闘争などの重大政治闘争課題とを固く結合させ、巨大な反戦闘争の奔流をつくり出していかなくてはならない。6〜7月決戦の核心は有事立法3法案の絶対阻止である。この闘争的決着点をあいまいにすることは許されない。小泉政権もろとも有事立法3法案を労働者階級人民の実力行動で粉砕せよ。
第3章 国鉄決戦と階級的労働者運動再生への展望
帝国主義の没落の危機と帝国主義世界戦争の時代の中で不可避に起こる労働運動の「第2インターの崩壊」的情勢の強まりの中で、有事立法粉砕決戦とともに階級的労働運動の再生と防衛の闘い、労働組合運動の戦闘的発展の闘いを、国鉄決戦を水路に推し進めなければならない。これはますます階級闘争の死活的課題となっている。特に国鉄決戦は、国鉄闘争の最後的な解体を狙う政府、JR資本の巨大な反動との全面的対決過程へと突入した。政府与党は、4・26「JR不採用問題に関する声明」を振りかざして国鉄闘争と国労の解体を迫る大反動に打って出てきたのである。
5月27日に開催された国労臨大では、われわれは、@与党3党声明の反革命を徹底粉砕しよう、A闘争団への生活援助金打ち切り・除名処分粉砕、B裏切り者をたたき出せ、闘う国労の旗を守れ、C動労千葉と連帯し1047人闘争勝利をかちとれ、の闘争スローガンを高く掲げて闘いを呼びかけた。臨大は、それに向かう過程を含め、動と反動の非和解的激突となった。国労中央の国鉄闘争幕引き策動、闘争団への統制処分=組合員資格はく奪による切り捨てという戦後労働運動史上前代未聞の暴挙への憤激が爆発した。国労本体からの決起、闘争団の怒り、動労千葉の登場、支援労組の追及、また鉄建公団訴訟・生活援助金凍結禁止仮処分常任弁護団の声明が国労中央を追いつめた。国労共闘の戦闘的迫力がこの全体を強烈に牽引した。
与党3党声明を丸のみした原案は確かに可決された。だが「威力」も「実効性」もないものでしかない。奴隷の道を絶対に拒否する階級的労働者の魂と国労再生の決起が事態を決定することがはっきりと示されたのである。
国労本部、日共=革同、チャレンジ、酒田一派のさらなる絶望的策動と真っ向から対決し、いよいよ国労の革命的再生をかちとる闘いに挑戦しようではないか。国労獲得・再生の闘いこそ、第2の分割・民営化阻止、首切り・合理化粉砕をかけた闘いであり、全労働者階級の一大資本攻勢との対決の最先端をなす決戦なのである。有事立法粉砕決戦への労働者階級の総決起のいかんを左右する攻防である。国鉄決戦のもつ基軸性をより一層はっきりさせ、ただちに先の4本のスローガンを断固貫徹する新たな激突に進み出ようではないか。
本格的な労働者党を
有事立法粉砕・国鉄決戦勝利の歴史的決戦の中でこそ、レーニン主義の党を建設することができる。党建設を、党としての闘いと党のための闘いの白熱的な統一として闘いとっていくのだ。6月、7月の決戦過程を同時に、機関紙『前進』拡大闘争の絶好の時としよう。有事立法粉砕と国鉄決戦勝利を真に闘い抜ける党、反帝・反スターリン主義世界革命とその一環としての日本帝国主義打倒のプロレタリア革命を実現する党への支持を熱烈に訴える闘いとして、獄中4同志奪還の1億円基金運動、夏期一時金カンパ闘争に蜂起的な全党決起をかちとろう。この中で計画的・組織的な財政再建闘争を貫徹しよう。この闘いの中でこそ、真にボルシェビキ的な党を建設することができるのである。
職場細胞建設を基礎とした地区党の本格的建設と労働運動への本格的挑戦によって党勢倍増への戦略的前進をなんとしても切り開こう。
すべての読者諸君、同志諸君。戦後世界史、戦後アジア史、戦後中東史、戦後日本史の一大転換点が一挙に訪れている。階級として、現代に生きる人間として、革命の時代をわがものにする極度に緊張した、しかし素晴らしい時代がやってきた。有事立法粉砕の6月決戦をその偉大な開始の時としよう。学生戦線はこの実力闘争の最先頭に躍り出よう。労働者階級の真の底力を指し示そう。
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週刊『前進』(2056号2面1)
5・27臨大 国労解散狙う与党声明阻む
闘争団切り捨てに不屈の反撃
全面降伏方針に烈火の怒り 本部打倒、国労再生へ突破口開く
5月27日、国労は社会文化会館で臨時大会を開いた。国労本部は与党3党に命じられるままに大会を強行し、JR採用差別訴訟の取り下げと闘争団の切り捨てを柱とする全面屈服方針を押し通した。この大会にも機動隊が導入され、会場周辺は完全に封鎖された。日帝権力は、有事立法攻撃そのものとして、国労を壊滅に追い込み、労働者階級の闘い総体を打ち砕こうとたくらんだ。だが、闘争団を先頭とする国労組合員は、会場内外で全力の反撃を貫いた。暴虐きわまる国労圧殺攻撃に対し、心底からのほとばしる怒りを燃え立たせて、闘う国労の旗を死守したのだ。決着はいずれの側からもつけられてはいない。国鉄闘争は、ますます死闘戦の様相を強めている。激烈な攻防は依然として続く。だが、飽くなき執念を燃やしてこの局面に耐え、闘い抜くならば、巨大な展望が切り開かれるのだ。
開会前から弾劾の嵐
議場は開会前から激しい抗議に包まれた。国労を守り抜く決意を固めた代議員・傍聴者は、権力の言いなりのままに国労を解体に導こうとする大会開催そのものを徹底的に弾劾した。「闘争団を切り捨てるな」「大会を中止しろ」。傍聴者が演壇に迫った。
革同の田中副委員長が「与党3党からの声明を解決に向けての最後の機会と受け止め、本大会の招集を決意した」と開会あいさつをしたが、怒りの声にかき消された。
議事運営委員会の久保中執が議長の指名を行おうとすると、反対派の代議員がすかさず議長選挙を要求し、立候補を表明した。「無記名投票をしろ」という代議員の声を無視して、久保中執は挙手による選挙を強行した。議長団は本部賛成派が押さえたが、選挙による議長団の選出は異例の事態だ。
「4党合意は崇高」と高嶋
怒号の中で高嶋委員長があいさつした。その内容たるや、魂を丸ごと権力に売り渡した本部執行部の転落を象徴する、おぞましい限りのものだった。
高嶋は、瀋陽・日本総領事館事件への日帝の対応を「人道的解決を図るもの」と賛美し、その日帝がJR採用差別問題も「人道的」に解決しようとしているのだから、組合員はそれを無条件で受け入れなければならないとして、次のように言い放った。
「日本の政治を預かる中心政党が公党間文書として発表した4党合意がうたう人道とは、人間の尊厳に敬意を払い、信頼と寛容に基づくものと信じてやみません」「日本の政治を預かる主要政党が崇高な理念と責任に基づいて提起した4党合意」「私は3党声明を読み、国労執行部に対するこれ程までの不信感を与えてしまった責任を痛感せざるを得ませんでした」
高嶋は、与党を「人道」の権化のように描き出し、権力の国労解体攻撃を「崇高な理念に基づくもの」と言いなしてその前にひれ伏した。彼のいう「責任」とは、組合員に対するものではなく、゛自分の手で国労をつぶします″と誓約した与党に対する「責任」ということだ。誇りある闘いの歴史を持つ国労の委員長たる者が、こうまでして権力をあがめ奉る姿は、怒りをかきたたせるばかりであった。他方、高嶋は、組合員に対しては「一部闘争団員の訴訟など直ちに取り下げの手続きに入るよう強く要請する」「厳しい統制処分の対象とせざるを得ません」と絶叫した。
こんなものが国労組合員に受け入れられるはずがない。代議員・傍聴者は、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
寺内書記長が方針案を提案した。その要点は、@「JRに法的責任なし」を再確認し、「最高裁での判断を公正に求める」とした方針を撤回する、A最高裁への訴訟参加や鉄建公団訴訟の取り下げに応じない闘争団員に対しては、中央執行委員会が処分案を決定し、速やかに査問委員会に送致、直近の全国大会で決定する、B臨大終了後、社民党の要請に基づき速やかに国鉄改革法関連の訴訟を取り下げる、C4党合意受諾にもかかわらず解決が進展しないのは政府の責任だとして国労本部がILOに提出した追加情報を撤回する、というものだ。与党の求めに逐一応じ、全面屈服する方針だ。人間的誇りにかけて、こんなものは許せない! しかも、この大会で事実上、闘争団の除名を決めるというのだ。方針提案を代議員と傍聴者は激しい抗議で迎え撃った。そもそも、方針案が代議員に配布されたのは大会前日だ。職場討議にも付さず、国労に死を宣告するに等しい方針を強行決定しようとする本部に激しい怒りが噴出した。
修正動議で徹底抗戦
反対派は、事前に6本の動議を提出していた。そのうち、本部執行部の総辞職勧告決議を求める動議は、執行部不信任案の動議と見なされ、必要な連署数を満たしていないとして議運が不受理と決定した。だが、反対派は5本の修正動議で徹底的に抗戦した。
北海道旭川地区本部の代議員が、裁判取り下げ方針を撤回し、最高裁訴訟の強化を求める修正動議の趣旨を説明した。さらに、仙台地本の代議員が、鉄建公団訴訟を国労総体の取り組みとし、闘争団員を査問の対象としないとする動議、千葉地本の代議員が、ILO闘争の強化を求める動議、高崎地本の代議員が、闘争団への生活援助金凍結の撤回を求める動議の趣旨説明に立った。東京地本新橋支部の代議員は、本部議案をすべて撤回し、4党合意受諾を破棄して全面解決要求実現への新たな闘いを求める全面修正案を提案した。たび重なる議長の制動をはねのけて、反対派は正々堂々と論陣を張った。
こうして、じりじりと時間が経過した。わずか3時間の大会で、議論もさせずに本部方針を押し通そうとした策動は破産にたたき込まれた。焦った本部は、部分的な修正案と全面修正案にともに名を連ねている代議員がいるのは矛盾していると反対派に難くせをつけた。結局、動議は全面修正案に一本化された。
議場では引き続き質疑・討論が行われた。議長団は、賛成派に次々と発言させた。12人の発言者のうち10人が賛成派、しかもそのほとんどが反動革同だ。彼らは、「解決を妨害し国労組織の団結を乱す者は直ちに除名しろ。断固たる態度で決断と処置を」(九州本部)、「生活援助資金は、大会方針に従わない闘争団には支払わなくてもやむを得ない」(東京地本)などとわめき立てた。
こうして日本共産党=革同は、本部方針の強行を最先頭で推進した。彼らは、政権与党こそ「崇高な理念」を有するとうそぶく高嶋と完全に一体化したのだ。日共=革同よ、これがお前たちの正体だ。
チャレンジもこれに呼応して闘争団圧殺を叫んだ。
大会予定時間を大幅に超過した午後1時40分、書記長集約が強行された。寺内は「査問委員会の一部闘争団を対象にする問題や生活援助金の問題は、淡々とやっていく以外にない」と言い放った。そして、質疑に答えようともせず、裁判取り下げと闘争団への統制処分を居直る、ふざけきった集約を早口で読み上げた。
採決では、反対派の修正案は賛成26、反対81、白票8で否決された。本部方針は賛成77、反対31、白票7で可決された。
こんな方針に賛成した者は、もはや国労組合員とは言えない。彼らは、国労を死に導く裏切り者だ。徹底追及あるのみだ。だが、本部は3分の2以上の賛成確保に失敗した。裏切り方針を「国労の総意」と強弁することは不可能だ。
裏切り者たたき出せ 決戦はこれからだ!
今大会は、国鉄闘争を根絶やしにしようとたくらんだ日帝権力の暴虐きわまる攻撃との死闘として闘い抜かれた。国労組合員は、ぎりぎりのところから必死の反撃を貫き、満身創痍(そうい)になりながらも闘いの拠点を守りきった。
本部方針の強行は、確かに巨大な反動だ。だが、闘争団を始め、反対派には敗北感はまったくない。これこそ誇りある国労の姿である。決戦はこれからだ。何よりも、国労組合員である限りこんな大会決定など絶対に受け入れるはずがない。反動革同とチャレンジへの組合員の怒りはあふれ出し、既存の「学校」の枠をぶち破って国労再生への新たなうねりをつくり出すだろう。それは必ず、有事立法粉砕の大衆的決起と結びつき、日本の労働運動全体を根底から揺り動かすものになるに違いない。
次の決戦への猶予はない。大会の真相を国労組合員にくまなく伝え、本部打倒、国労の階級的再生へ闘い抜こう。
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週刊『前進』(2056号2面2)
5・27臨大 400人が機動隊と対峙
大会会場は3たび機動隊によって封鎖された。闘争団を始めとする国労組合員と支援400人が会場前に駆けつけ、機動隊と対峙して国労本部を弾劾した。
闘いは早朝から始まった。闘う国労組合員は、代議員・警備係の宿泊するホテルに詰め寄せ、臨大開催を弾劾するとともに、懸命の説得活動で闘う方針の確立を訴えた。代議員を乗せたバスの出発は40分にわたって阻まれた。
午前9時、社文前での集会が始まった。闘争団員が次々に発言した。「3党声明は国労に自ら命を絶たせようとするものだ。本部はこれを全組合員に強制しようとしている。絶対に許せない」「本部の恫喝に負ける仲間はいない」「国労は絶対にとってはならない道を選択した。勝利するまで闘いをやめることはできない」「高校を卒業して国労一筋でやってきたが、今さらこんな扱いを受けるとは思わなかった。なんとしても本部を打倒して、新しい闘う執行部をつくりたい」
JR本体からも、国労に人権と民主主義を取り戻す会を結成した組合員が、「闘争団を切り捨て、与党の思惑どおり国労の解散に向かう本日の大会は許せない。闘争団と団結して闘い抜く」と訴えた。
動労千葉の田中康宏委員長が、国労本部を弾劾し、1047人闘争の一員としてともに闘う決意を表明した。闘争団の切り捨てを弾劾する共同声明を発した鉄建公団訴訟・生活援助金凍結禁止仮処分の弁護団と4党合意不当労働行為労働委員会弁護団が発言した。国鉄闘争共闘会議に結集する多くの労働組合が会場前に駆けつけた。
午後2時20分、大会で本部方針が可決されたことが報告されると、強い怒りが全体を覆った。会場内での闘いを貫いた代議員が出てきたが、機動隊が集会への合流を阻止した。直ちに怒りのシュプレヒコールがたたきつけられた。
闘う闘争団の原田亘共同代表は、「力を合わせれば勝利できる。完全勝利へ闘う」と決意を述べた。
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週刊『前進』(2056号2面3)
5・27臨大 “国労を守りぬく” 夜に550人が集会
臨大後の夜、労働スクエア東京で「『4党合意』を乗り越えて! 国鉄闘争勝利総決起集会」(主催/国労に人権と民主主義を取り戻す会、鉄建公団訴訟原告団、国鉄闘争共闘会議)が開かれ550人が結集した。
全力で闘い抜いた代議員は「次の大会では闘争団の除名をなんとしてもはね返し、国労を再生する」と決意を表明。鉄建公団訴訟原告団の団長は、「国労という船を沈めてはならない。JRの組合員とともに国労を守る」と訴えた。
臨大を傍聴した音威子府闘争団家族の藤保美年子さんは、「国労本部から切り捨てられると誰が信じられるか。情けなくて悔しい。私たちの要求は解雇撤回です。どんな締め付けがあろうと迷いはない。夫とともに心ある国労組合員とともに全面勝利解決まで闘い抜く。今一度、大きな力を与えてください」と訴えた。
共闘会議が7万人を超えたことや生活援助金凍結の禁止を求める仮処分闘争の報告などがあり、新たな闘いの決意を固め合った。
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週刊『前進』(2056号2面4)
甘利は証言出頭を 地労委申立人 自民党に要請行動
臨大の会場内外の攻防と呼応して、4党合意の撤回を労働委員会に申し立てた国労組合員は、4党合意の首謀者である甘利明衆院議員の証人出頭を求め、自民党本部への要請行動を行った。大阪・福岡の地労委が甘利の証人採用を決めている。対応した自民党労政局の職員は、「社民党に頼まれて仲介しただけなのに訴えられて困っている」とこぼしたが、甘利には真実を語る義務がある。その後、申立人らは衆院第2議員会館におもむき、議員秘書に要請文を手渡した。
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週刊『前進』(2056号2面5)
動労千葉 団結の力ここにあり ストはいかに実現されたか (2)
幕張支部の「非協力闘争」 職場支配権を奪い返す
組合員が本気に
「非協力闘争」とは、時間外労働・休日出勤をしないということだから、それ自体は簡単なことのように思える。動労千葉は幕張電車区では過半数を占めており、36協定(労基法36条に基づく時間外・休日労働の協定)の締結権があるのだから、協定を結ばなければいいだけのことだ。
だが実際には、そんなに単純ではない。組合員が年休で休んだら要員が足りなくなる。だから代わりがいなければ休めないという問題が起こる。
幕張支部の山田護支部長は、その点での苦労を次のように語った。
「基本論から言えば、年休をとりたい時にはとればいい。本部の方針はそうなんだから、支部長として、『休みをとれ』と言う。だけど当局は非協力闘争への対抗手段として年休抑制をするので、組合員は『休みがとれない』と言ってくる。時には組合員とけんかになる。また、今度は親が亡くなったので休むという時には、臨機応変に勤務を変更する。そうすると『この前はダメだと言ったのに』とまた文句が出る。そいうのが全部、支部長のところに来るわけです。大衆組織だから、反対意見が出るのは当然なんだけど。それに対して『非協力闘争というのは、みんなでまとまって会社に対してやる闘争なんだ。向こうが団結を破壊しようとしているんだから、こっちがもめていたら会社の思いどおりになる』と言ったんです」
繁沢副委員長、長田組織部長がいなくなった分、よけいに山田支部長に問題が集中する。
そういう中で、一般組合員からも、文句を言う組合員に対して「あんたみたいなのが団結を乱しているんだ」という声が出てくる。山田支部長は「それはうれしかったね。これで勝ちだなと思った」と振り返る。
田中委員長は、「支部長が本気になって組合員とやり合ったから、組合の本気さが伝わった」と言う。
指名ストに突入
そうこうするうちに千葉支社は3月4日に「新保全体系」の合理化を4月1日に強行実施すると提案してきた。これは、省令で決められていた検査周期を、国土交通省が認定すれば会社が勝手に決めてもいいというものだ。例えば、3カ月に1回の交番検査を「年保全」という名で年1回にし、手抜きをする。要員削減を狙うもので、安全を徹底的に破壊する。
12日には、まだ1回の団交も行っていないのに、突如として「新保全体系の教育を明日から行う」と通告してきた。これに対して本部は翌日、教育の指定を受けた幕張電車区、京葉電車区の組合員を指名ストに入れた。組合無視の一方的強行に対する即座の反撃だった。これで、団結が一段と固まった。
「シニア制度」
幕張電車区などの検修・構内の外注化は、当面は「シニア制度」によって外注会社に再雇用した労働者を業務に就かせる計画になっている。「シニア制度」とは、年金改悪を悪用し、60歳定年後の労働者を年金が満額支給されるまで、月13〜14万円の超低賃金で再雇用するというものだ。しかも、試験制度を導入し、協定を締結していない動労千葉の組合員には試験さえ受けさせないという組合差別の不当労働行為を強行する制度である。現に定年間際になって脱退を強制された組合員が出た。
しかも、再雇用される労働者は、そこで働いている労働者の業務を奪うことになるのだ。
こうした卑劣な攻撃に怒りが高まっていた。
国労からも決起
一方、国労本部が闘いを放棄している中で、現場の国労組合員は苦闘を強いられていた。国労組合員は設備関係の外注化で次々出向に出され、劣悪な労働条件に悲鳴が上がっていた。
幕張支部は、国労の幕張電車区分会に「ともに闘おう」と申し入れた。
動労千葉の本部から田中委員長らが幕張支部にオルグに行って組合員と話をしていると、国労組合員が寄ってきて「お前らいいよな。そうやってくれて」と言ってくる。
こうした中で国労組合員も頑張り、職場全体の団結で40日間にわたる非協力闘争が貫徹されたのである。
本部執行部は、この闘争をとおして「職場支配権を奪い返した」と意気高く総括した。
山田支部長は「力関係を変えたのは事実だけど、そこまで言っていいのかな」と言うが、田中委員長は「いいんだ」ときっぱり答える。 (つづく)
〔本紙・大沢 康〕
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週刊『前進』(2056号3面1)
有事法絶対阻止へ2100人が都心デモ
5・26反戦共同 ”戦争法許さぬ”と怒り爆発 6月総力決起へ決意固める
沖縄、三里塚が決戦の檄
5月26日正午から、東京の芝公園で反戦共同行動委員会主催による「有事法制成立阻止! 小泉政権打倒! 5・26全国総決起集会」が開かれ、国会に向けて戦闘的デモが闘われた。有事立法3法案の成立を絶対に阻止するぞと決意に燃えた2100人が全国から結集した。決意あふれた集会とデモは、反戦共同行動委が有事3法案廃案へ闘いを全力で牽引(けんいん)する不退転の決意を示し、60年、70年を超える巨大な闘いの爆発への展望を切り開いた。
「がっちりとスクラムを組め。腰を落とせ。行くぞ」。午後2時半、全学連の白ヘルメット部隊が先頭で力強くデモに出発した。ズッシズッシと地響きを立ててデモ隊が機動隊の壁をはねのけて進撃した。沿道からは市民が盛んに拍手を送った。「頑張ってください」と何度も大声で叫ぶ市民の姿には、戦争法案をなんとしても阻みたいという思いがあふれ、若き全学連への期待の大きさが示されていた。労組交流センターのデモ隊も負けじとジグザグデモで戦闘的に闘いぬいた。JR新橋駅前を通り、解散地の日比谷公園に近づく。宣伝カーが「皆さん。正面に見えるのが国会議事堂です」と呼びかけ、「有事3法案を阻止するぞ」とシュプレヒコールをたたきつけた。
デモに先立つ集会では、全学連の独自集会が行われ、初めて参加した1年生が次々と立ち、力強い決意表明が続いた。メーンステージでは有事法制に反対するバンド演奏が行われた。インターネットのホームページや朝日新聞を見て来た人たち、若者たち。初参加者の多さに有事立法への危機感の高まりが示された。熱気が高まる中、東京反戦共同行動委員会の三角忠代表が主催者あいさつを行い、「24日、明治公園に4万人の労働者市民が集まった。こうした闘いが小泉政権の短期強行突破策動を粉砕している」と提起して、さらに廃案へ向けて全力で闘うことを訴えた。
連帯のあいさつではまず三里塚芝山連合空港反対同盟が登壇し、北原鉱治事務局長が「反戦の砦(とりで)三里塚は成田空港の軍事利用を許さない」と発言し、暫定滑走路開港を厳しく弾劾した。そして「成田廃港を目指して今後も闘い続ける」と宣言した。さらに「闘えば必ず勝つの信念をもって闘いぬく」と鈴木幸司さん、「政府は、有事法制で戦争に向かってまっしぐらに進んでいる。私も最後まで土地を手放さず闘っていく」と市東孝雄さん、「三里塚は新たな段階に入った。私も全力で闘いぬく」と伊藤信晴さん、「重要なことは有事立法を何がなんでも粉砕すること。そこに三里塚が反戦の砦として闘ってきた意味がある」と木内秀次さんが決意を述べた。
北富士忍草母の会の天野美恵事務局長は「自衛隊への使用転換以来ずっと無断使用を続けている。絶対に許すわけにはいかない。自衛隊の正門前に小屋を建てた。これからも座り込みを続ける」と宣言した。さらに「有事立法が通ったら北富士はどうなるのか。演習場へ入ることもできなくなる。若い皆さんが立ち上がらなければならない」と決起を呼びかけた。
関西新空港に反対する住民を代表して5月19日に泉佐野市議選で5選勝利をかちとった国賀祥司さんと泉州住民が登壇した。国賀さんは「これまでマイクを握ったこともなかったおばあちゃんが宣伝カーに乗って、空港反対・有事立法反対の思いを訴えた。その熱い熱い思いが選挙の勝利をかちとった」と、住民の決起で勝利した選挙戦の意義を明らかにした。
続いて沖縄から読谷村議で反戦地主の知花昌一さんが登壇し、「沖縄は3度の有事を体験している。沖縄戦では、軍隊は住民を守らないということがはっきりした。米軍政下では朝鮮戦争とベトナム戦争だ。この時、銃剣とブルドーザーで土地や家屋を奪われた」と沖縄が体験してきた教訓を語り、有事立法粉砕の強い決意を語った。
破防法・組対法に反対する共同行動から小田原紀雄さんのメッセージが寄せられた。先制攻撃法である有事立法を絶対に許さずに闘うこと、戦争体制構築をもくろむ「カンパ禁止罪」などの治安法強化を許さない闘いを呼びかけた。さらに沖縄県祖国復帰協議会の最後の会長であった宜保幸男さんから、有事法案を始めとして戦争国家体制構築の攻撃に対して全力で闘うことを訴えるメッセージが寄せられた(別掲)。
反戦自衛官の小多基実夫さんは、有事立法は自衛隊に特権を与えると同時に、兵士たちは極限的に人権を無視されると提起し、「有事立法を粉砕するまで闘いぬこう」と発言した。
成立絶対阻止へ6月方針
基調報告を反戦共同行動委の滝口誠事務局長が提起した。滝口さんは、有事法制が「日本が戦後初めて他国を武力攻撃する戦争法である」と弾劾し、陸・海・空・港湾労組20団体などが呼びかけた明治公園での5・24集会に4万人の労働者人民が結集しデモしたことを「ついに労働者階級の力強い反撃が始まりました」と評価した。その上で有事3法案の内容について、戦争放棄の憲法を踏みにじり他国への武力行使を行うものであること、首相に一切の権限を集中して基本的人権を奪うものであること、人民に戦争動員を強制し、拒否するものを罰するものであることなどを明らかにした。小泉政権が有事法制定を焦っていることについて、「朝鮮侵略戦争が切迫しているからです」と明らかにし、「『二度と侵略の銃は取らない』という誓いを肝に銘じ、巨大な反戦闘争のうねりをつくりだそう」と訴え、百万人署名運動が呼びかける6・15集会を始めとする6月決戦の方針を提起した。
広島からの訴えでは、広島の教育労働者が「教え子を再び戦場に送らない」という決意を語った。
とめよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長は、有事法制廃案をかちとる署名運動の意義を提起し、国会傍聴に取り組んでいる報告を行った。中国の学生から「この法案が通ったら日本はどうするのか。日本は再び孤立の道を歩むであろう」と言われたことを紹介し、「国家総動員法と同じ悪法をつくろうということに対して声を大にして若い皆さんに訴えて、力を結集して闘おう」と呼びかけた。参加者は、6・15集会への参加を決意して、拍手でこたえた。
決意表明ではまず部落解放同盟全国連合会の中田潔書記長が「戦争こそ最大の差別である」と有事法制廃案に向かって闘うことを宣言し、さらに現在国会に提出されている人権擁護法案は差別糾弾の闘いを弾圧する法案であることを提起して、人権擁護法案粉砕への決起を訴えた。
婦人民主クラブ全国協議会は、相模原で米軍の戦争準備が激しく進められていることを報告し、「私たちが体を張って闘えば絶対に戦争をとめられる」と発言した。国鉄労働者を代表して国労闘争団の仲間が、翌日に控えた国労臨大決戦への鮮明な決意を述べた。全学連は、「有事3法案を絶対廃案に追い込むために、学生こそが先頭に立って実力をもって闘う」と激しい気迫をみなぎらせて決意を表明した。
ここで在日台僑元日本兵の林歳徳さんが登壇した。林さんは、「米帝と組んでアジアを支配しようとたくらむ日帝の野望を粉砕しよう」と訴え、「命ある限り闘う」と宣言した。
集会決議を全体の拍手で確認し、反戦共同行動委の中野洋代表がまとめを提起した。中野さんは「今、最大の問題は連合という労働組合のナショナルセンターが有事法に賛成を決めたことだ」と連合を厳しく弾劾し、「しかし、6月に向かって確実に労働者の大きなうねりが開始している。明治公園の4万人集会をきちんと評価し、どう広げるのかに精力を注ぐべきだ」と提起した。また「われわれが有事法制を阻止するために闘うことが朝鮮侵略戦争を阻止することになる」と闘いの意義を訴えた。さらに百万人署名運動の意義を明らかにし、ともに全力で推進すること、「6月にはいつでも全国結集の呼びかけにこたえられるようにしよう」と訴えた。
最後に東京反戦共同行動委の結柴誠一事務局長が行動方針を提起。力強いシュプレヒコールを上げ、デモに打って出た。
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週刊『前進』(2056号3面2)
5・26集会 闘う人士の発言から “侵略の歴史繰り返すな”
“軍隊は住民を守らない” 沖縄反戦地主 知花昌一さん
私たちは今、正念場に立っている。私たちが闘ってきた反戦運動、労働運動、学生運動、解放運動が問われている。
沖縄は有事的な状況を3度体験している。一つは沖縄戦。沖縄戦でわかったことは軍隊は住民を守らないということです。
そして、朝鮮戦争、ベトナム戦争です。高等弁務官施政では、土地収用命令が出されると3カ月後には有無をいわさず土地や建物が撤去された。座り込んでも銃剣を突きつけられ、家屋がブルドーザーで撤去されても抵抗できない状況にあった。その中で基地で働く労働者が戦争に動員されることも起こった。基地労働者はそれに抵抗し、基地内をデモし、闘った。
有事法は私たちの基本的人権がすべて国によってつぶされていくということです。有事法を絶対に許さないという思いを込めた決戦的闘いが必要です。皆さんとともに闘いす。
「先制攻撃法」を絶対許すな 破防法・組対法に反対する共同行動 小田原紀雄さん
小泉政府は、多くの反対の声を押し切って「有事立法」という名の「先制攻撃法」を、国会において最優先課題として強行採決しようとしています。これを絶対に許してはなりません。
かつての戦争でアジア・太平洋地域の民衆に塗炭の苦しみを与えた私たち日本人は、未来永劫(えいごう)侵略戦争をしないし、阻止する責務を負っている。
「カンパ禁止罪」は、組織解体法そのものです。治安法強化を許すことなく闘わなければならない。
なによりも百万人署名運動が呼びかける6・15集会への結集を訴えます。
(メッセージ)
侵略戦争はもう開始された 反戦自衛官 小多基実夫さん
いよいよ決戦の闘いに入った。これからの私たちの闘いいかんによって、日本を世界を動かすことができる過程に入った。
東ティモール派兵の自衛隊は1年の延長を決めた。インド洋に行っている海上自衛隊も半年の延長を決めた。すでに日本の侵略戦争はスタートを切っているわけです。
有事立法が成立すれば自衛隊に特権が与えられて、行政機構の中心に自衛隊が座る。でも、自衛隊の中では兵士たちは極限的に人権を無視されて、命を差し出すのが当たり前というところまで行くわけです。だから私たちは垣根を取っ払って、この戦争に賛成するのか反対するのかということをみんなに突きつけて行くことができるし、みんなが考えていく時代に入った。私たちが先頭に立って百万人署名も推進して、この流れをつくっていこう。
国家総動員法廃案へ闘おう とめよう戦争への道! 百万人署名運動事務局長 西川重則さん
侵略の歴史、加害の歴史を繰り返してきた日本が、再びその方向に進んでいる。これは黙っていられないということで、有事法制廃案をかちとるために国会を傍聴している。
今、全委員会がストップしている。おごり高ぶった与党が中央公聴会、地方公聴会の日を野党抜きで勝手に決めてしまった。ところが、中央公聴会の日は変更、地方公聴会は延期というのが現実です。
先日、中国の北京大学に招かれた。靖国問題、有事法制の問題でなぜ日本の多くの民衆が声を大にして叫ばないのか、この悪法が通ったら日本は再び孤立の道を歩むであろうと言われた。これが歴史の教訓だ。
国会の状況は、楽観する状況にはない。首相と官房長官はどうしても成立させると決めている。国家総動員法であるこの悪法をつくらせないため、若い皆さんに訴えて闘っていこう。
人権擁護法案は絶対に反対 部落解放同盟全国連合会書記長 中田潔さん
戦争こそ最大の差別であるということで真正面から戦争に反対する闘いを進めてきた。
政府は今、有事法制と並んで部落民の差別糾弾の闘いを徹底的に弾圧しようというもくろみで、人権擁護法案を提案している。
首相が指名する5人によって人権委員会がつくられ、全国の2万人にも及ぶ人権擁護委員が国家機関として統合されてしまう。人権を侵害された人びとは人権委員会に相談し、人権委員会が人権侵害である、あるいは差別であると認定するというものだ。差別の張本人である国家権力が差別であるかどうか認定するというほどふざけた話はない。差別と生活破壊が吹き荒れる時代に、差別に徹底して闘う糾弾闘争でしか私たちの命や暮らしを守ることはできない。
私たちは有事立法と人権擁護法案に徹底的に反対し成立を阻止する。狭山特別抗告審勝利へ闘おう。
日米の野望を粉砕しよう 在日台僑元日本兵 林歳徳さん
今日は皆さんの侵略戦争反対の集会で私の国際連帯のあいさつを行います。現在の新しい日本帝国は、アメリカ帝国と組んで地球を支配しようとしている。まず、アメリカ帝国は世界の憲兵、その先兵として日本帝国はアジアの警察として威張っている。
過去の日本の権力は軍部であった。その発表を行ったのが大本営である。今最高権力は自由民主党政府である。その発表をしているのが内閣官房である。大本営と内閣官房はウソばっかり言っている。だまされてはいけません。われわれは同じ人間である。彼らに血を吸われ、肉を食われても骨まではしゃぶらせない。絶対に闘います。日、米の野望を粉砕しましょう。
壮大な労働者決起つくろう 反戦共同行動委代表 中野洋さん
有事法制という戦後かつてない攻撃がかけられている。これに対して真剣に考え、全人生をかけてその粉砕のために立ち上がらなければならない。
24日に20労組などが呼びかける集会が明治公園であった。4万人という最大の有事法制反対集会でした。
今最大の問題は、連合というナショナルセンターが有事法賛成を決めたことです。全日本海員組合は連合傘下の組合で孤立を余儀なくされている。そういう組合が有事法制反対を呼びかけてあれだけの闘いが起こった。6月に向かって労働者人民のうねりは開始している。この闘いをきちんと評価し、どう広げるかということにわれわれも全精力をそそがなければならない。
有事法制は、戦争をやる法律です。自衛隊が帝国主義軍隊になることです。憲法の下に戦後生きてきたその仕組みが全部変わることです。私たちがこういう状況を多くの労働者に必死に訴えることに成功したら、6月に壮大な階級的決起をつくることが可能なのだということを確信しよう。
6月は最大の山になります。いつでも東京に結集できる体制をお願いしたい。
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週刊『前進』(2056号3面3)
《メッセージ》 反「有事」で団結を 宜保幸男さん
私達が子ども青年と共に生きる琉球・沖縄は、今年「祖国」復帰30年の5・15を迎える。私達が「祖国」復帰運動で目指した「平和憲法下の祖国」日本は、歴代保守政権が「軍国主義」的策動によって「憲法・教育基本法」などを、解釈改憲・有権解釈し、なし崩し的に憲法の「現実乖離( かいり)」を演出し、国民世論を巧みに誘導し、遂には「明文改憲」へと「戦前(徴兵制・国民皆兵・海外派兵)の道」をひた走っている。
一方、日米両政府は、本土各地に起こる「反米軍闘争」や壮大な統一戦線「60年日米安保反対闘争」以降、「本土の反米軍闘争」「反米感情」の激化を防ぐという政治的理由で沖縄が「祖国」復帰する1972年5月15日までに、本土にあった米軍基地の大半をこの沖縄に移設した。全国土の0・6%に全人口の1%130万人の「人間の住む島」、この沖縄に在日米軍基地の75%がある。これは「祖国」日本の日米安保体制による「沖縄差別」である。「祖国」復帰前と同様、またしても沖縄は、生命・生活が脅かされる米軍絶対優先の「軍事と戦争」に直結した島にさせられたのである。
そして今、2002年5月、米軍基地の「整理縮小統合」「県民の痛みを少なくする」「良き隣人」との「巧言令色」と「振興策」による「金権堕落」を振りまきつつ、日米両政府と現地買弁的政財界支配層とそれを取り巻く拝金的利権屋たちが、普天間海兵隊航空基地の名護市辺野古、那覇軍港の浦添市キャンプキンザー海兵隊兵站(へいたん)基地海岸への「移設」を名目にして既設より強大な新基地建設を強行しようとしている。
今、日本全体の情勢は、現憲法・教育基本法を改正しようとする自公保政権と軍国主義的戦前回帰勢力が、「表現の自由」を奪う「個人情報保護法案」を初めとするメディア3法案と「軍事・戦争国家作り」に直結する「有事法案」を国会に上程し制定しようとしている。戦前「新聞報道規制令」と「治安維持法」を制定した第2次世界大戦突入直前の状況を想起させるものがある。結局「軍国主義国家」として、憲法「第9条」を改正し、「徴兵(令)制」を敷き、現「自衛隊の志願制」に替えて、「軍隊として国民皆兵」を行い、「召集令状・赤紙」1枚で、国民全体を兵役に強制動員し戦争のできる国家体制を仕上げることにあると断じざるを得ない。
この現状に立って、私たちウチナンチュは今何をなすべきか? 「新憲法」を実現するために「新祖国復帰運動(仮称)」を開始するとともに、琉球弧・ウルマの島々で自治共和制の社会を作り、日本連邦共和国として「新生日本」の再生のために奮闘しよう。新しい運動は私たちウチナンチュが自己決定し、他力本願にならず自力でやりぬく覚悟で再興しなければならない。さあみんな! 前進! 前進! スクラム前進だ!
今真の国際主義を果たすために、日本で「沖縄」をたたかおう! 沖縄米軍撤退・基地撤退に自力で全力を尽くします。日本の政治情勢を変える戦いは、樺美智子さんと共にたたかったあの壮大な統一戦線的60年反安保共闘と70年代まで続くたたかいの山脈の再現をかちとるほかはない! 今こそ、反「有事」の課題で大団結しよう! 労働戦線、青年学生、草の根市民や政治戦線が大異を捨て、内ゲバ・外ゲバを超越し、「60年安保」のようにたたかおう!
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週刊『前進』(2056号4面1)
労働者階級先頭に人民の総決起を 排外主義と対決し有事立法粉砕へ
5・16政府見解を批判する 「外部とは国だけでない」と民族解放闘争を対象に戦争
5月16日、日本政府は衆院有事法制特別委員会で「武力攻撃事態」に関する見解を発表した。そのあからさまな侵略戦争の意図を徹底的に弾劾しよう。
見解はまず「武力攻撃とは我が国に対する外部からの組織的、計画的な武力の行使」であるとして、外部とは国だけでなく、また攻撃の規模の大小や地域、態様などは様々だという。
これは帝国主義侵略戦争の常とう手段だ。日本の領土に対する侵略があったら、というのではない。すでに侵略活動を行っている自衛隊や日本人に対して、侵略された側の国家や民衆から反撃されたり、民族解放闘争をたたきつけられたことをもって、「日本に対する武力攻撃」だと認定し、全面的に侵略戦争を行うというのだ。実際、米帝は9・11反米ゲリラ戦を口実に、タリバン政権の暴力的転覆を掲げ、10・7アフガニスタン侵略戦争に踏み切った。この米帝のやり方を、日帝は自らの論理として徹底的に使い切ろうとしているのだ。
福田官房長官は5月8日にも「公海上や他国領域で活動中の自衛隊部隊などが武力攻撃を受けた場合も『武力攻撃事態』と認定することがありえる」と答弁した。ここでは自衛隊などが公海上や他国領域で侵略活動を行っていることが前提とされてしまっている。これは中国内部に軍事侵略している日本軍の演習中に中国側が発砲したとデッチあげ全面的な中国侵略戦争に踏み切った1937年盧溝橋事件の論理そのものだ。
かつて日帝は「共匪(きょうひ=テロリスト)掃討」「日本の生命線を守る」「日本人保護」という口実で、朝鮮・中国人民に対する植民地支配と弾圧を行い、中国への侵略戦争を拡大していった。日本の労働者人民は日共スターリン主義の裏切りの中で、国益主義と排外主義に動員されてしまった。われわれは朝鮮・中国人民に対する血債を負っているのだ。
まさに今、日帝が米帝と肩を並べて再び侵略戦争に踏み切るならば、北朝鮮および中国スターリン主義が自らの延命をかけて必死の軍事的対抗に出ることは十分にありうることだ。それ以上に、すさまじい侵略を受け、家族を殺された南北朝鮮人民、中国人民が、かつての侵略への国家賠償を拒否し、加えて新たな侵略戦争をしかける日帝・帝国主義に対して猛然たる民族解放闘争に決起することは明らかだ。それは民族の誇りをかけ、民族自決を求める最も人間らしい崇高な行為だ。
それは日本人民に対する攻撃なのか。まったく違う。それは被抑圧民族人民を虐殺する戦争を行い続ける日帝に対する反撃としての民族解放闘争である。日本の労働者人民にとっては、日帝の侵略戦争に加担してしまっていることへの怒りと憎しみの糾弾であり、本質的にともに日帝打倒に決起しようという呼びかけなのだ。
日共が「武力攻撃されたら、国民は罰則を科さなくても立ち上がる」(筆坂政策委員長)というのは、これに真っ向から敵対するものであり、侵略者=日帝の側に立つということだ。
また、中谷防衛庁長官はこの政府見解と一体のものとして、「政府の中枢を狙った攻撃がある場合、自衛隊がハイジャックされた民間機などに武器使用(=撃墜)する」とさえ答弁した。彼らが守ろうとしているのは政府中枢であり、自国人民の命ではない。帝国主義を守るためには自国人民だって殺すのだ。
「国際緊張」の元凶は日帝
5・16見解は「我が国を取り巻く国際情勢の緊張が高まっている状況下で」などと他人ごとのように述べている。だが、イラクや北朝鮮、中国などに対する軍事的圧力や緊張を誰がつくり出しているのかをはっきりさせなくてはならない。
米帝は「対テロ戦争」を激しく展開し、世界戦争路線を突き進んでいる。ブッシュ大統領は北朝鮮やイラクを「悪の枢軸」と呼び、体制転覆を宣言した。これに中国などを加えた7カ国に先制的な核攻撃さえ計画している。
小泉首相は「対テロ戦争の主体的な推進」を叫び、米帝の世界戦争路線に必死で対応=対抗しようとしている。日帝は12・22外国船撃沈事件や瀋陽総領事館事件などのように対北朝鮮、対中国の戦争情勢を積極的につくり出し、米帝の朝鮮・中国侵略戦争を自らの「対テロ戦争」として構えきって、共同的=競合的に参戦しようとしているのだ。そのための有事3法案なのだ。
日米帝はすでに今年に入って北朝鮮への食糧援助を打ち切り、640万人もの飢餓を生み出そうとしている。「北朝鮮は必要なエネルギーが得られなくなり、破滅的な状況となる」(パウエル米国務長官)と恫喝し、重油供給や軽水炉建設をストップしようと動いている。そうして北朝鮮を徹底的に追いつめて、北朝鮮スターリン主義の軍事的対抗措置や南北を超えた朝鮮人民、在日朝鮮人民の民族解放闘争の爆発をとらえて戦争を発動すること、あるいは体制的な崩壊や難民の大量発生をもって軍隊で制圧していくことを狙っている(周辺事態6類型)。米日帝は事実上、朝鮮侵略戦争の過程に踏み切っているのだ。
中谷は「武力攻撃が予測されるに至った事態は、……国際情勢などから、防衛出動が発せられることが予測される事態」「周辺事態はこのひとつ」と答弁した。ここで「国際情勢」とは、米日帝が北朝鮮などに対していよいよ侵略戦争を発動しようとする情勢のことである。この段階で首相は防衛出動待機命令を発し、自衛隊は陣地構築を始める。それと同時に周辺事態法に基づき米軍支援活動を開始する。そうすると当然にも相手国は「予備役の招集や軍の要員の禁足、非常呼集」「軍事施設の新たな構築」「多数の艦船、航空機を集結させる」などで身構えざるをえない。これらをとらえて「予測される事態」「おそれがある場合」と認定し、すべてが正当化される。
そして相手側に武力行使の「着手」があったとして自衛隊が先制攻撃し、「相手の武力攻撃」を「回避」「排除」「終結」させるまで、相手を軍事的に粉砕・打倒するというのだ。
「アジア侵略、沖縄・ヒロシマ・ナガサキを繰り返さない」という誓いが、日本の労働者人民に今問われているのだ。闘う朝鮮人民・中国人民、イスラム諸国人民と連帯し、排外主義を打破し、有事3法案の廃案を絶対にかちとろう。
武力攻撃事態 政府見解(要旨)
1 武力攻撃とは我が国に対する外部からの組織的、計画的な武力の行使をいう。武力攻撃を加えてくる主体としては、国だけでなく、国に準ずる者もあり、攻撃の規模の大小、期間の長短や攻撃が行われる地域、攻撃の態様等も様々であり、武力攻撃の態様は一概に言えない。
2 「武力攻撃が予測されるに至った事態」とは、我が国を取り巻く国際情勢の緊張が高まっている状況下で、ある国が部隊の充足を高めるべく予備役の招集や軍の要員の禁足、非常呼集を行っていると見られることや、軍事施設の新たな構築を行っていることなどからみて、我が国への武力攻撃の意図が推測され、我が国に対して武力攻撃を行う可能性が高いと客観的に判断される場合。
3 「武力攻撃のおそれのある場合」とは、ある国が我が国に対して武力攻撃を行うという意図を明示し、攻撃のための多数の艦船あるいは航空機を集結させていることなどからみて、我が国に対する武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると客観的に認められる場合。
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週刊『前進』(2056号4面2)
「報復戦争に反対する会」はカクマルの偽装団体だ!
「報復戦争に反対する会」なる団体が闘う諸人士にすり寄り集会やデモを行っている。必死になって正体を隠しているが、この団体は、ファシスト・カクマルだ。
われわれはすべての闘う人びとに、カクマルが人民の闘いを妨害・破壊することを専門にしている悪質なファシスト集団、白色テロ集団であることを訴え、全力で警鐘を鳴らすものである。あたかも闘う勢力であるかのように振る舞っているが、まったく似て非なるものである。
この会がカクマルであることの動かぬ証拠を示そう。その第一は住所である。この団体は、カクマルが「連帯集会」なるものをやっていた時期から使っている連絡場所を一貫して使用している。「渋谷区渋谷2―7―14中村ビル302号室」となっており、ここは「渋谷オフィス」という電話番や電話の転送などを行うサービス会社である。
第二は、札付きのカクマルが公然と登場していることである。この会は、9・11反米ゲリラ戦争以降に、カクマルによって作られた。最初は、「小泉政権に怒りの声を!10・7緊急集会」に向けた「呼びかけ人」「賛同人」の集まりとして組織し、その後この会を発足させた。
この中には、竹内政貢(国学院)、曳地仁美(津田塾)、吉田滋夫(早大社)の自治会委員長、都高教のカクマル・松原信材(参戦を許さない教師の会)など札付きのカクマル分子が入っている。4・19日比谷では解放社常任数人が「会」ののぼりを持ってうろうろしていた。
第三は、昨年10月に内閣主催の「タウンミーティング」でパフォーマンスしたカクマル学生をホームページ上で称賛していることである。
要するにこの会は、知識人、文化人を「共同代表」や「呼びかけ人」に担ぎ上げているが、実質はすべてカクマルによって運営され牛耳られた組織であることは明白である。
われわれはカクマルのこの有事立法闘争への介入と破壊攻撃を満身の怒りを込めて弾劾する。そもそもカクマルはこの10年間、何をやってきたのか。ニセビラ、政治ドロ(政治的な窃盗)、盗聴、謀略電話などあらゆる手段を使った運動の切り崩しと破壊の攻撃をやってきた。神戸中学生連続児童殺傷事件を「CIAの謀略」とするデマ運動を進めた。そうして、運動に立ち上がる人をさまざまな個人攻撃で脅し、運動から離れるように脅迫する、そのような攻撃をこととしてきたのである。
カクマルは、松崎明を先頭に、中曽根の先兵となって国鉄分割・民営化の先兵となり、国鉄労働者の首切りに率先して協力してきた勢力である。カクマル中央派と松崎・JR総連とは一昨年来分裂したが、両者共倒れを避けるために、お互いに非難しない取引を交わした。松崎は「テロ根絶」を叫び「自己防衛は必要」と自衛隊を擁護し、「小泉改革応援」と叫んでいる。この松崎・JR総連に対して、カクマルは絶対に批判せず、擁護している。
わが革共同は、「報復戦争に反対する会」の呼びかけ人や賛同人になっている人びとに、ぜひこのカクマルの正体を見破り、彼らと決別して、有事立法阻止、米日帝の対イラク、対北朝鮮・中国の侵略戦争に反対してともに闘うことを心から訴える。
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週刊『前進』(2056号4面3)
B
すべて首相の恣意と独断で自衛隊3軍に出動命令 首相に戦争決定権
本シリーズ@Aで、有事立法関連3法案は、日帝の「独立・安全」を口実に自衛隊の武力行使を合法化するものであり、新ガイドラインを実戦化し、朝鮮人民100万人を虐殺する侵略戦争の作戦計画発動を狙うものであることを明らかにした。今回は、有事立法3法案が首相の恣意(しい)的判断と独断専行で「武力攻撃事態」を認定して陸海空3自衛隊に出動と武力行使を命令し、日帝を侵略戦争に突入させるものであることを明らかにしたい。
「対処基本方針」
有事法案の最大の核心が「武力攻撃事態への対処」と称して、自衛隊の武力行使(戦争)を積極的に合法化することは前述したとおりだが、「武力攻撃事態法案」の第2章にはその手続きなどが規定されている。そこでは「武力攻撃事態への対処に関する基本的な方針(「対処基本方針」)を定める」として、@武力攻撃事態の認定、A自衛隊の防衛出動・待機命令、B即応予備自衛官、予備自衛官の招集など、自衛隊の展開に関する分野に加えて、C国家総動員、D生活統制、治安・戒厳−−などの「対処基本方針」を定めるとなっている。これは、ズバリ日帝の戦争遂行方針そのものである。
この「対処基本方針」は閣議決定の後、首相を本部長とする「武力攻撃事態対策本部」を設置し、ただちに実施に移される。国会の関与は事後承認でOKとなっている。国務大臣わずか10数人の閣議決定だけで、「武力攻撃事態」を認定(つまり開戦決定)するのだ。それは、満身武装した軍隊=自衛隊の展開と武力行使、戦闘行動にゴーサインを出すことを意味する。
これは、事実上の宣戦布告である「武力攻撃事態の認定」の〃定義”も含めて首相にフリーハンドの決定権限を与え、日本人民を総動員し、再び三たび朝鮮・中国−アジア人民に銃を向ける侵略戦争に突入するということだ。
「武力攻撃事態」の〃定義”について、国会では、相手側の武力攻撃「着手」の段階で反撃できるとか、ミサイル燃料注入が「武力攻撃のおそれのある事態」という論議が行われている。また、相手が多数の艦船を集結させた場合に自衛隊が防衛出動できるとするなど、事態認定の基準になる事例をあげている。久間元防衛庁長官は「相手にその気がなくても、こっちにあると思えば『予測』になる」とまで言っている。
一つひとつが、実に好戦的で侵略的な〃定義”である。要するに、あらゆることを口実に戦争を始めるのだ。その一方で、明確で明文化された基準はけっして提示しない。結局は、何が「武力攻撃事態」かを決めるのも首相の自由裁量であり、事態認定の決定権を持つのも実際は首相なのだ。戦争を始めるために米大統領並みの権限を首相に与えるのが有事立法3法案なのだ。これが「武力攻撃事態法案」の手続きの規定である。
37年盧溝橋事件
これが実際に何をもたらすか。歴史の教訓は枚挙にいとまがない。例えば、盧溝橋事件だ。
1937年7月7日、盧溝橋の近くで夜間演習中の日本軍に向かって数発の銃声が響き、日本兵士1人が行方不明となった。しかしこの兵士は、まもなく発見される。ところが日本軍は「威信にかけて中国軍を攻撃すべき」と中国軍に攻撃を開始、戦闘は10日まで続いたが、11日には現地軍の間で停戦協定が成立した。だが、時の近衛内閣が閣議で「今次事変はまったく中国側の計画的武力抗日」であるとして、中国への大軍派兵を決定。日帝は「北支事変」と称し、7月28日、日本軍の総攻撃を開始し日中全面戦争に突入したのである。
近衛内閣がやったような「事変」の認定と中国への大軍派兵決定の歴史を再現するものこそ、今日の有事法案に書いてある「武力攻撃事態」の定義と認定なのである。
当時の日帝は、昭和恐慌以来の深刻な長期大不況に沈没し、農民や労働者は困窮に苦しんでいた。政党や財閥の腐敗はきわまり、36年2・26事件など軍部クーデターが続き、政治的経済的危機が深まっていた。対外的にも日帝は32年「満州国」デッチあげ問題で国際連盟を脱退し、日米対立は深まるばかりだった。一方で中国人民の不屈の抗日闘争に直面し、中国侵略も完全に行き詰まっていた。
このような未曽有(みぞう)の危機の中で、日帝は、中国侵略戦争の拡大・全面化で危機を突破しようと、前年から現地駐留軍を3倍に増強し、実戦さながらの挑発的な演習を繰り返していたのである。そして意識的に中国軍との武力衝突を引き起こし、それを口実に近衛内閣と軍部は、強引に大軍派兵を決定して、全面的な侵略戦争に突入したのだ。
侵略の歴史再現
今日、帝国主義の基本矛盾が再び三たび爆発する過程の中で、米帝はアフガニスタン侵略戦争を、全世界に拡大しようとしている。イラク侵略戦争、朝鮮侵略戦争が超切迫している。米帝主導の侵略戦争に、日帝は、共同的=競合的に参戦するために有事立法を制定しようしているのだ。
このように米日帝が本気で朝鮮侵略戦争を構え、すさまじい戦争重圧と戦争挑発を繰り広げている中で、武力攻撃事態法案の中の「武力攻撃事態」の定義と認定の規定は何を意味するのか。どのような事件や事態をきっかけに戦争が起きようとも、それは文字どおり盧溝橋事件−中国への全面侵略戦争の歴史を再現する。つまり日帝の侵略戦争のための定義であり認定なのである。
このように不正義の侵略戦争を首相の独断専行で始め、戦争への協力を人民に迫るのが有事立法のやり口なのである。 (片瀬涼)
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週刊『前進』(2056号4面4)
民主労組スト 全国労働者大会に3万人
南朝鮮・韓国の民主労総は5月22日、金属労組、民主化学連盟などを先頭に100事業所、3万組合員がゼネストに突入した。
スト前日の21日には大宇造船労組など300人がソウル宗廟公園などで野宿闘争に入り、22日のストに合流。23日には保健医療労組と社会保健労組3万人余が、続く24日には民主タクシー連盟1万人余がスト突入。以来、戦列を拡大しながら26日の全国労働者大会(写真)へと進んだ。
ソウルの大学路で3万人の参加でかちとられた民主労総の全国労働者大会では、金大中政権に▽労働弾圧中断と拘束・手配労働者釈放▽労働条件の後退なき週5日制勤務制導入▽公務員の労働3権保障▽基幹産業売却中断▽不正・腐敗の清算などの要求を突きつけ、政府が最善を尽くさない場合、ワールドカップ期間中も闘いぬくことを力強く宣言した。非常対策委員会のもとゼネストを続ける民主労総と熱く連帯を!
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週刊『前進』(2056号4面5)
日誌 '02 5月22日〜28日
防衛庁が請求者を身元調査 公聴会日程がすべて延期に
●普天間基地強制使用で裁決申請 9月に使用期限切れとなる米軍普天間飛行場内の一部土地の強制使用手続きで、那覇防衛施設局長は、沖縄県収用委員会に10年間の強制使用の裁決を申請した。(23日)
●地方公聴会を延期 与党3党が、有事立法関連3法案で24、27両日に予定していた地方公聴会を延期することを決めた。(23日)
●アフガン駐留半年延長 国連安全保障理事会は、アフガニスタンの首都カブールに駐留する国際治安支援部隊(ISAF)の駐留期限が6月20日に切れるのを控え、駐留期間を12月まで半年間延長する決議案を全会一致で採択した。ISAFには現在、英国、ドイツなど18カ国から約4600人が参加している。(23日)
●象のオリ移設が着工 日米特別行動委員会(SACO)の最終報告で合意された米軍楚辺通信所(象のオリ)のキャンプ・ハンセン内への移設工事が始まっていることが、建設位置に最も近い沖縄県恩納村喜瀬武原区への防衛施設局の説明会で分かった。建設場所は金武町内だが、喜瀬武原区のかんがい排水施設の取水口から5、600bの位置で、事前説明会もなく着工されたことに「これほど近くとは」「生活に影響出る」などと怒りの声があがっている。場所の変更を求める区に対し防衛施設庁は「米軍側が決めた位置を変えられない」と拒否。区民からは「実力闘争も辞さない」との声が上がり、区は早い時期に区民総決起大会を開くことを決めた。(23日)
●米ロが戦略核の「削減」に調印 ブッシュ米大統領とプーチン・ロシア大統領がモスクワで会談し、両国の戦略核弾頭を今後10年でそれぞれ約3分の1にまで削減する「戦略攻撃戦力削減条約」に調印した。同時に「新たな戦略的関係」と題した共同宣言の中で、ミサイル防衛(MD)分野での協力の可能性を探ることを明記。ロシアが米国の計画推進を黙認する姿勢を示した。米国は削減後の弾頭についてすぐに配備できる形で備蓄する。(24日)
●中央公聴会を延期決定 与党3党が衆院有事法制特別委員会の理事会を単独で開き、27、28両日に予定していた中央公聴会のうち27日について延期することを正式に決めた。27日に、28日の分も延期になった。(24日)
●有事立法、県に市町村調整の権限 政府は、有事立法に関連し2年以内に整備するという「国民保護法制」で、都道府県に市町村に対する調整権限を持たせる方針を固めた。また民間防衛組織の枠組みは「消防団」を中核とする案が検討されている。(24日)
●浜岡原発2号機水漏れ 静岡県浜岡町の中部電力浜岡原発2号機(沸騰水型、出力84万`ワット)で、緊急炉心冷却システム(ECCS)系配管の溶接部から、放射能を含む冷却水漏れが見つかり、原子炉を停止した。2号機は、昨年11月の同1号機のECCSにつながる配管破断事故を受けて緊急点検のために停止、24日に起動させたばかり。(25日)
●自衛隊、地方の陸海空一元化 防衛庁が、陸海空3自衛隊それぞれの地方組織を一元化し、全国を3自衛隊共通の新たなブロック単位に再編する「方面本部」制度導入に向けた検討に着手した。(25日)
●防衛庁が請求者を身元調査 防衛庁が情報公開法に基づいて公開請求した人たちの身元を独自に調べ上げ、リストにまとめていたことが分かった。リストは情報公開室で作成したとみられ、「反戦自衛官」「市民グループ」など、請求時に記入の必要のない請求者の職業や生年月日、思想信条に関する記載が盛り込まれているという。(28日)
●コブラゴールド終了 沖縄海兵隊が主力で参加した米、タイ合同軍事演習「コブラゴールド」が終了した。(28日)
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週刊『前進』(2056号5面1)
労働者階級先頭に人民の総決起を 排外主義と対決し有事立法粉砕へ
5・24明治公園 4万人余が廃案を誓う “6月に再度大結集を” 20労組など呼びかけ
5月24日、陸・海・空・港湾労組20団体、平和をつくり出す宗教者ネット、平和を実現するキリスト者ネットが呼びかけた「STOP!有事法制5・24大集会」には、明治公園を埋め尽くす4万人を超える労働者人民が大結集した。
集会の最後に、航空労組連絡会の内田妙子議長が、決意と気迫に満ちた閉会宣言を行った。「この大集会には、4万人を超える仲間が参加していただきました。本当にありがとうございます。この会場には、運動方針などいろいろな制約をのりこえてご参加いただいた労働組合の仲間もいらっしゃいます。みなさまの行動は本当にすばらしいと私は思います。国会の状況は非常に緊迫しています。有事法制の廃案を強く求めている私たちにとっては、今が有事そのものです。この集会で運動を休むわけにはいきません。来週早々から、廃案を求める運動を一層強めて、行動する必要があります。具体的な行動が決定された時には、みなさまの参加を呼びかけさせていただきます。また今後の情勢によっては、6月の中ごろに、今日よりももっともっと大きな運動を提起するつもりです。日本の平和、そして世界の平和を願う全国の人びとの力を合わせて、この有事法制を必ず廃案にしましょう」
ナショナルセンターや立場の違いを超えて結集した4万人の思いを体現した内田さんの戦闘宣言に、割れんばかりの拍手が鳴りやまない。6月半ばには再度大結集して必ず廃案にするという思いをひとつにした。
集会に先立ち午後6時からジャズバンドの演奏が行われる中、続々と結集が続いた。労組、市民団体などの旗、のぼりが林立し、反戦共同行動委員会は「5・26芝公園へ」と大書した横断幕を高々と掲げた。
午後6時半、純白の制服に身を包んだ現役の船員が打ち鳴らした゛出航″のドラで大集会が始まった。
呼びかけ団体の「平和をつくりだす宗教者ネット」を代表して、日本山妙法寺の木津博充上人が開会を宣言。「ここにお集まりになられた方々の共通の強い願いは、すべての人間のいのちと安全を守りたい、平和な世界を築きたい、日本が戦争をする国になってほしくない、ということです。私たちが今、さまざまな違いをこえて一致して求めているものは、有事法制の廃案です」。会場に「そうだ!」の声が響く。
集会の進行役は、「絶対従軍看護婦にはなりません」と宣言した堂薗幸子さんと、「私は、軍事輸送に協力しないパイロットです」と自己紹介した矢島秋仁さんが務めた。
「有事法制廃案のアピール」として、「国会の中から」、日本共産党の志位和夫委員長、民主党の生方幸夫衆院議員、無所属の中村敦夫参院議員、社会民主党の土井たか子党首が発言。
「国会の外から」は日本青年団協議会、小平市議の橋本久雄さん、全労連、カトリック正義と平和協議会会長の松浦悟郎司教、許すな!憲法改悪市民連絡会、東京高校生平和ゼミナールの高校生が発言した。
キリスト者・宗教者平和ネットを代表して発言した松浦悟郎司教は「日本にはアジア・太平洋地域の2千万人もの戦争犠牲者に対する重要な責任があります。広島の碑に『安らかにお眠りください。過ちは繰り返しませぬから』とあります。過ちを繰り返さず、平和を貫くことだけが、戦争犠牲者の死に向き合うことです。世界の平和を踏みにじる有事法制を廃案に持ち込みましょう」
最後に航空連・内田議長のリードで、集会統一スローガンを参加者全員で唱和した。「有事法制反対! いのちと安全を守ろう! 平和な日本を築こう! 世界の平和を築こう! 戦争協力反対! 加害者にも被害者にもならないぞ! 有事法制反対!」「反対!」「反対!」「反対!」。色とりどりの光のスティックを掲げながら、4万人の声が響き渡った。
さあ、デモに出発だ。デモは国会コース、代々木公園コース、新宿コースの3コースに分かれた。国会コースの先頭には、登壇者と、呼びかけ団体である宗教者ネット、キリスト者ネットが立った。陸・海・空・港湾労組20団体の気合いの入ったデモは圧巻だ。「有事法制反対」のポスターを掲げた港湾労働者。航空労働者は「航空の安全をおびやかす有事法制反対」「民間航空を戦争にまき込む有事立法は止めよ!」など多くののぼりを掲げた。海員はマリンブルーの「全日本海員組合」の旗を林立させた。
「とめよう戦争への道!百万人署名運動」は新宿コースのデモに立った。4万人がデモに出発するには1時間かかる。音楽演奏が続く中、独自の集会が行われ、6月へさらに運動を強化することが確認された。
反戦共同行動委、動労千葉の労働者、新入生も多く参加した全学連の隊列はとりわけ勢いがあり、注目を浴びた。新宿の解散地まで光のスティックをかざしたデモ隊が延々と続いた。
有事立法絶対阻止へ巨大な総反撃が開始された。昨年9・11反米ゲリラとアフガニスタン侵略戦争突入、パレスチナ人民虐殺戦争への決死の抵抗闘争の爆発という大激動の中で、ついに日本の労働者人民の4万人の大決起がかちとられたのだ。この力をさらに発展させていけば、成立は絶対に阻める。6月中旬の大闘争へ、全力で総決起しよう。
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週刊『前進』(2056号5面2)
インタビュー C 反対! 有事立法 −私はこう考える−
動労千葉 滝口誠共闘部長(反戦共同行動委事務局長)
国鉄労働者が先頭に立とう JRは軍事輸送のかなめ ストライキで阻止の決意
侵略戦争法案を絶対許さぬ
――有事法制をめぐる闘いが高揚していますが。
日本の進路を決める重要な法案が与党3党だけで強行成立させられるかという恐るべき状況に警鐘を乱打し、陸・海・空・港湾労組20団体などが呼びかけた5・24明治公園の集会が4万人余を集めて成功しました。ナショナルセンターの枠を超えた労働者階級の深部からの決起が始まったと思います。動労千葉も賛同して参加しました。反戦共同行動委員会も5・26芝公園に2100人という例年以上の結集をかちとりました。こういう闘いが5月中の衆院強行採決情勢を押し返していると思います。
沖縄では5月19日に「復帰30年」式典に小泉が行くのに対して、反戦共同も現地の仲間と連帯して立ち上がった。式典に招待された多くの人が「有事法制の制定を進める首相の式典に出るわけにはいかない」と拒否している。沖縄は、すでに有事体制の中にある。絶対反対だという激しい息吹を感じてきました。
――有事法制とは何なのでしょうか。
結論から言って、「自衛」の名目で海外に出ていって武力行使をする、つまり侵略戦争をやるための体制づくりです。もうひとつ、われわれに直接関係する国家総動員法であり、「指定公共機関」にはJRが含まれる。そして「国民の協力」。すべて例外なしに動員する。
率先協力するJR総連・松崎
――JRでの闘いが重要になると思います。
そうですね。第2次世界大戦、アジア・太平洋戦争の時には鉄道は軍需物資、兵員輸送の動脈だった。JR=旧国鉄は、全国がレールでつながっているから、大量輸送のかなめになる。特に貨物です。ベトナム戦争の時には、ジェット燃料から戦死体まで輸送した。そういう中で、国鉄労働者は、国労の諸君も青年部を先頭に、戦争協力反対闘争を激しく闘った。
68年に新宿駅で米軍タンク車が炎上する事故が起きた。それを弾劾する新宿闘争には私も参加していた。当時、千葉県反戦を動労千葉のわれわれが担い、反戦闘争を街頭で闘って、職場に帰って徹底討論しながら、職場での対当局との力関係も変えていく、相乗的な闘いが発展していました。ベトナム人民を虐殺する加担者にはならないという立場で闘ったわけです。
JRは、自衛隊法101条で自衛隊との協力が義務づけられているし、103条では、物資の収用や輸送などで業務従事命令が出される。
貨物会社は現在、米軍基地への燃料タンク輸送を行っているし、これをJR総連・貨物労が積極的に推進している。貨物労の幹部は「米軍であろうと重要なお客である」と言って組合員に強制している。
有事法を認めてしまえば、業務指示はどんどん拡大するし、それに従わなければ戦前型の強制・総動員につながると思います。
陸・海・空・港湾労組の人たちは、例えば海員組合は「海を戦場にしてはならない」と訴えているし、航空労組は「空の平和と安全を守る」と訴え、経営者に軍事輸送協力をやめるべきだと要請している。
われわれは運輸業のひとつであるわけだし、彼らとしっかりと連帯して闘うということだと思う。
支配階級の最大の恐怖は、20労組を中心とする闘いです。既成政党、既成指導部の制動を超えている。この発展の中に、戦争を許さない、二度と過ちを繰り返さない大きな闘いが可能である。だから、20労組に猛烈な制動と権力の反動が出ている。社民党や連合を使った揺さぶりです。
もう一方はJR総連カクマル。「戦争反対」「憲法9条を守れ」と介入しているけど、松崎は「労働者は理想を食って生きていくわけにはいかない。軍需生産でもなんでもやって生きていく」と言っている。軍事輸送に協力するJR総連はわれわれの仲間ではない。JRと労使共同宣言を結んでいて、何が「有事法制反対」か。彼らの仮面をひっぺがさなくてはならない。
ジェット燃料阻止した経験
――動労千葉が成田空港のジェット燃料貨車輸送に反対して闘った経験は重要だと思います。
問題は違うけど、そこには普遍性がある。われわれは全力を挙げて有事法制を阻止する。仮に敵が強行しようと、その発動をあらかじめ許さないような闘いをつくらなければいけない。そういう闘いの中で有事法制を阻止できる。
そのひとつの教訓が、79年と81年の成田空港ジェット燃料貨車輸送阻止闘争だと思います。国家権力が農地を奪い、空港をつくることに対して、農民を見殺しにできない。しかもそれが軍事空港になる。そこにわれわれが燃料を送り込んでいいのかと。空港を廃港に追い込むまで闘い続ける決意でストライキを打った。
初めは拒否して運ばないぞということだった。それで次には、自分が「拒否」というだけで、他の人がやれというのではダメじゃないか、全体の労働者に呼びかけて阻止していこうと、戦術が前に進む。組合員は懸命に処分覚悟で拒否した。それをやめてハンドルを握るのかと言う。激論をとおして阻止する闘いをやりました。
例えば航空労組も、本当にそういう思いで闘っていると思う。業務命令だから兵員を運べというのに対して、すべてをかけて闘うぞと。だから20労組を先頭とする国民的運動をつくろう、その中にしかわれわれは生きていけないという切実さがある。それは僕らも同じです。
――国鉄闘争解体策動に対して動労千葉は今春闘でストライキに決起したわけですが。
国労問題も有事法制とリンクしている。99年の周辺事態法反対の明治公園5万人集会も、国労支援陣形があったからできた。国鉄分割・民営化で国労も動労千葉もなくなっているはずだったが、今なお闘っている。それをほうっておけない。有事法制下における国労つぶし攻撃として、今の国労に対する攻撃がある。そういう中で闘う闘争団とともに闘おうという陣形がつくられている。それに動労千葉が実力ストを打ち抜いて心棒を入れたと言えると思います。
燃えに燃えて組織化しよう
――今後の運動の発展に向けて訴えたいことは。
6月が大決戦になりますが、20労組を中心にした各界・各層の大統一戦線、共同闘争をもっと膨らませる。反戦共同行動委員会はアジア人民やイスラム諸国の人民と連帯する国際主義的な闘いを強めて、隊列を拡大する。それが一緒になって進まないと勝てない。
本当にみんなが燃えに燃えて職場で組織してほしい。国労でも自治労、教労、全逓でも。反戦闘争は特に若い労働者を鍛えます。
僕も、新小岩支部にいて、寮に千葉から中野さん(前委員長)がオルグに来て、最初はうるせえなあと思ったけど、「青年部の動員だから出てこい」と。しょうがないなあと日韓闘争に行った。警官に殴られて、警官とは国民を守るためにあるんじゃないと思った。それで職場に帰って、当局にも、「てめえらこの野郎」となる。闘争は厳しいけど楽しくなる。
僕は68年にデッチあげで首になったけど、その時に僕らに反対していた人たちが「守る会」をつくってくれて、裁判で勝利して職場に戻ることができた。もう逃げられないと思ったね。
動労千葉は、99年に「戦争協力拒否宣言」を発していますが、今度はJR東と貨物の本社に、戦争協力を拒否せよという申し入れをしようと思っています。ともに頑張りましょう。
(聞き手・大沢康)
●たきぐちまことさん
動労千葉共闘部長。反戦共同行動委員会事務局長。68年に動労千葉地本新小岩支部青年部長の時にデッチあげで解雇されたが、70年に東京地裁で完全勝訴し職場復帰。地本青年部長、動労千葉幕張支部長などを歴任。
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週刊『前進』(2056号5面3)
戦争動員と対決する労働者 航空
「空の平和と安全を守れ」 軍事利用を阻む戦闘宣言
「(9・11のような)政府の中枢を狙った攻撃がある場合、自衛隊がハイジャックされた民間航空機やテロリストの乗った小型の航空機に対して武器を使用することは法理論上可能であり、法律の範囲内でできる限りの対応をする」。5月16日の衆院有事法制特別委員会において中谷元・防衛庁長官はこう述べた。
民間機を撃墜し、航空労働者も乗客も虐殺してもかまわないと公然と言い放ったのだ。こうした日帝・自衛隊の戦争挑発・先制攻撃こそが、航空労働者が最も危機感をもって警鐘を乱打している事態である。
「自ら戦争の加害者にはならない」
陸・海・空・港湾労組20団体の中軸を担う航空3団体(航空安全推進連絡会議、航空労組連絡会、日本乗員組合連絡会議)は、有事法制阻止へ、全力で立ち上がっている。その構成員は、パイロット、客室乗務員、整備士、グランドハンドリング(地上で貨物搭載や機内清掃などの作業をする労働者)、さらに国土交通省(旧運輸省)や気象庁の国家公務員など多岐にわたる。
99年春、周辺事態法に反対する航空労働者が制服姿で国会前に登場した。その衝撃は鮮烈なものだった。5・21の5万人集会はここから始まったと言っても過言ではない。
航空労働者の思いは何よりも、「空の平和と安全を守る」「自ら戦争の加害者にはならない」「乗客のいのちを危険にさらさない」「民間航空の軍事利用は認めない」という点にある。
民間航空の安全は、国際民間航空条約(通称「シカゴ条約」)によって確保されている。同条約は「この条約は、民間航空機のみに適用するものとし、国の航空機には適用しない」「軍、税関及び警察の業務に用いる航空機は、国の航空機とみなす」「この条約の目的(=平和利用)と両立しない目的のために民間航空を使用しない」と明記している。
しかし、有事法制により民間航空機が軍事態勢に完全に組み込まれた場合、空港も空も、米軍機や自衛隊機が最優先で使用することになる。その最たる対象が成田軍事空港である。
しかも米帝の朝鮮・中国侵略戦争は、日本の民間機の総動員なしにはありえない。日本航空機は「JALペイントの軍用機」となり、軍事利用されたあらゆる民間機が「国の航空機」とされ、シカゴ条約の保護の適用外とされる。軍事協力する民間機も空港も、相手国の直接の攻撃対象とされるのである。
民間航空の戦争動員がもたらすものは、99年のNATO軍によるユーゴスラビア空爆に象徴されている。イタリアではバリ、ブリンディジの両空港が3週間全面閉鎖になった。その後も空爆が行われる夜間は閉鎖された。イタリアの南部から東部の地方では、空域が軍事用になり、民間機の飛行はできなくなった。
NATO軍の補給基地となったドイツのフランクフルト空港では、軍用輸送機の離着陸に遭遇すると1時間近い上空待機がしばしば起こり、全日空機が燃料不足で約150`離れたケルンの空港へ代替着陸させられたこともあった。
しかも日本国内では、すでに現時点においても米軍機が民間空港を利用し、空では民間機と米軍機のニアミスが相次いでいる。有事立法で米軍と自衛隊が最優先の航空体制がつくられた時には、「空の安全」など一切空語と化すのだ。
すでに99年の周辺事態法を始めとするガイドライン関連法の制定以降、民間航空の軍事利用の動きは一気に進められている。
00年8月には、防衛施設庁が航空3社に米軍輸送資格の取得を要請してきた。周辺事態法の発動=米日帝の戦争突入に向けて、民間機に軍事輸送を担わせるためである。しかしこれに対して、日本航空などは、定期航空協会が2年前に示した3つの原則(航空法に違反しないこと、安全が保たれること、関係国から敵視されないこと)に従って検討し、「受け入れられない」と拒否した。
01年6月から8月、陸上自衛隊が北海道矢臼別演習場で行った北方機動特別演習では、鉄道・民間フェリーとともに民間航空機も利用して迷彩戦闘服の隊員移動が行われた。航空では6月26日、名古屋空港から新千歳空港へ35人が移動した。これに対して機長組合は会社との交渉で「迷彩服での搭乗を拒否するよう」に申し入れを行っている。
航空機を収用し業務従事を命令
労働者の戦争動員に関して、焦点となるのは自衛隊法103条である。同条は「防衛出動時における物資の収用等」を規定し、そこでは「自衛隊の任務遂行上必要があると認められる場合には…施設…を管理し、土地、家屋若しくは物資…を使用し…物資を収用することができる」(第1項)、「自衛隊の行動に係る地域以外の地域においても…輸送を業とする者に対して…従事することを命ずることができる」(第2項)と定められ、収用対象物資の中には「航空機」が、業務従事命令対象業種には「航空運送業者、航空機使用事業者及びその従事者」が含まれる。しかもこれらの命令については「不服申立てをすることができない」(第6項)とされ、文字どおり問答無用の収用と徴用が明記されている。
しかしこれまでは「必要な手続は、政令で定める」(第5項)とした政令が整備されていないため、現実には発動するすべがなかった。この条項に生命を吹きこむのが有事立法なのだ。
「今が闘いの真価が問われる時」
航空労働者にとって、有事法制反対の闘いと、リストラ・首切りなどの資本攻勢に対する闘いは、一体のものである。
毎年の春闘でもストライキ、腕章・ワッペン着用闘争などを闘いぬいている。不当解雇撤回闘争、人員削減との闘い、不当労働行為に対する労働委員会闘争、航空の安全確保の闘いなどを不断に展開している。
すでに航空においては、企業が経費削減を優先させた結果、ぎりぎりの人員配置で保安体制がおろそかにされている現実がある。新会社設立・委託拡大などで雇用の入れ替えが進められ、ベテラン社員の比率が急速に低下している。また日本航空と日本エアシステムの統合、全日空も純粋持株会社設立の検討など、企業再編の動きも激しい。
これに対して航空連の内田妙子議長は「労働組合の真の値打ちは、このような困難な状況の中でこそ発揮されるべきでしょう。航空労働者の闘いの真価が問われているのです」(航空3団体発行「フェニックス」より)と訴え、「働く者の雇用と安全を絶対に守る」と、企業再編によるリストラ・首切りに真正面から反対して闘いぬいている。
有事立法は、航空の戦争動員を一挙に進めるものだ。その点を明確にさせて、航空労働者は5・24大集会の先頭に立った。「軍事輸送には協力しない」「加害者にはならない」と強い決意に燃える航空労働者とともに闘おう。
(本紙 上原祐希)
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週刊『前進』(2056号6面1)
住民大衆と議員と地区党の新たな団結が実現した勝利
泉佐野市議選の総括と教訓
革共同大阪府委員会
国賀祥司(こくが・よしじ)市議の5選勝利をかけて闘われた今次泉佐野市議選(5月19日投開票)は、過去4回の選挙とは比較にならないすさまじい激闘を貫いて、1482票・18位の大勝利をもぎりとった。この闘いは、9・11戦闘の爆発と米帝ブッシュによる世界戦争への決定的踏み込み、そして日帝・小泉の有事立法・改憲と未曽有(みぞう)の大失業・生活破壊の攻撃に真っ向から対決する闘いであった。歴史を画する凶暴な攻撃を日本の労働者階級が粉砕し、命をかけて闘うイスラム諸国人民・アジア人民との国際連帯を実現できるかどうか。このことをかけてわれわれは今次市議選に挑戦した。勝利のカギは、候補者と当該地区党の路線的一致と強靱(きょうじん)な団結、そのことを土台とした感動的な大衆決起の実現である。以下、その勝利の教訓を明らかにしていきたい。
地区党が全責任とり当選する決断と飛躍
今次泉佐野市議選勝利の第一の意義は、泉州地区党と候補者の独力で勝ち抜いた点にある。
過去4回の市議選は、党中央の責任のもと全党の動員の力で勝ち抜いてきた。党はそのようにして全国的闘争課題としての関西新空港反対闘争に責任をとりきってきたのである。当該地区党の責任を明確にし、基軸においた4期目の選挙においてもなお相当数の全国動員をかけて闘い抜いた。
今次選挙闘争において、われわれはこの点での根本的転換と飛躍を自らに課した。議員本人と労働者党員を先頭に、当該組織だけで蜂起戦を貫徹することの決意のうち固めと、それを現実の勝利として結実させるために何が求められているかについての組織的思想的格闘が求められた。この格闘は、選挙戦の終盤まで激しく貫かれた。
討議の核心は、01年都議選敗北の総括とのりこえであり、第6回大会−レーニン主義の党建設における革命的議会主義戦略と革命的議員像の明確化である。
4期16年を総括し、革命的転換を実現するためのポイントは、われわれが泉佐野現地で依拠する支持層の明確化である。それは16年間、党と議員とともに軍事空港反対・戦争反対の行動をともにし、あるいはその政治主張を全面的に支持してきた先進的層と、さまざまな生活にかかわる課題で国賀議員と結びついた層に大きくは二分される。そして量的には後者が多数を占めるという構造であった。
問題はこの多数を占める生活相談・市政相談をとおして結びついた人びとと、議員・党との関係である。国賀議員は泉佐野市民の中で、困った市民のために寝食を忘れて活動する議員として高く評価されている。しかし、相談を受け、議員がそれを解決して感謝されるという関係がそのまま固定化される限り、革命的議会主義とは無縁となる。
最も重要な視点は、「生活にかかわる深刻な問題を抱え、万策尽き果てて『過激派議員』に相談を持ちかける人びとは帝国主義社会の中で最も苦しめられている人びとであり、この人びとこそがこの社会を転覆する怒りと力を秘めた労働者大衆にほかならない」ということである。この人びとが立ち上がらなくて誰が革命をやるのか。候補者本人と当該地区党のメンバーの思想的転換はこの点において最も激しく問われた。それは4期16年の成果の上に立ちつつも、いわばその地平を全否定するに等しい格闘であった。
革命的議員は、党の扇動者であり組織者でなければならない。資本主義のもとで「惨めな現実」を強制されている人びとに対して、党は人民が生きる「要求」を掲げ、「権利」を主張し、「団結」して「行動」することで現状を変革できることを示し、目覚めさせなければならない。その先頭に革命的議員は立たなければならない。そしてその行動が組織を作りだし、昨日まで「貧困」ゆえの惨めさを強いられてきた人びとが、権利に目覚めて活動するようになる。これを議員自身が今次選挙の課題そのものとして闘い抜かなければならないことを、細胞討議で繰り返して確認し、強固な一致をつくりだした。ここにおいて、議員を擁する当該地区党が今次市議選に全責任をとり、絶対勝利の基礎を打ち固めることができたのである。
実践的には、どのような働きかけを行うかが問題となった。支持者の政治意識を正しくつかむことがその出発点である。支持者と国賀議員がどういう関係にあるのか、国賀議員をどう見ているのか。
われわれはメッセージ運動をとおして、従来型の「オルグ」という概念を一掃し、支持者の声を聞くことから闘いを開始した。それは文字どおり命の叫びであった。議員本人と地区党メンバーによる大衆の意識との格闘が始まった。日々の生活に追われ、苦闘を強いられている大衆が、なぜ生活苦が襲いかかってきているか自覚的にはつかめず、反撃の闘いに立ち上がることなど思いもよらず、絶望的な思いをぶつけてきた。今次市議選の大転換は、この大衆的な声をマグマのような怒りに変え、闘いに組織することこそが勝利のカギであることを明らかにしたことにある。
勝負を決した戦術は、議員本人による懇談会・座談会の組織化であった。
議員と支持者を直接結びつけ、支持者の声をよく聞き、その声を政治綱領に仕上げていき、地域的団結の足がかりとしていった。そして、実際にも行政行動を組織して権利意識を成熟させる闘い方をとった。相談には責任を持って解決に乗り出してくれる立派な人という議員像から、人民とともに行動し人民とともに勝利していく議員への飛躍の開始である。
市内各所で大衆的懇談会がくり返し行われ、支持者が相互に結びつくと同時に、新たな支持者がその懇談会の中から生み出されるような闘いに発展していった。年末から年初にかけて、この懇談会政策は組織戦術として完全に定着し始めた。そしてこの闘いが、選挙戦終盤のあふれるような大衆決起となって爆発したのである。
地域懇談会積み重ね住民と生きた結合
第二には、地区党の総決起とその責任が明確となり、革命的議会主義への変革の闘いが、大衆自身の主体的決起を生み出したことである。
今次選挙における大衆決起の画期点は、2月24日の第1回住民決起集会である。この決起集会において、住民自身が今次市議選の意義を明らかにし、選挙戦を自らの政治行動として闘いとることを宣言した。
集会への動員戦自体が、住民自身の闘いとして貫徹された。参加者85人。そのすべてが自力で知り合いを誘って結集した。高齢者は自分の子どもや孫に送迎体制をとってもらったり、地域でお互いに車を調達しあいながら参加してきた。
参加者の多くは、懇談会参加者であり、旧来の支持者層と大きく異なっていた。こうした住民の自発的・自覚的決起を引き出したものこそ、議員を先頭とする党自身の必死の自己変革の作業にほかならない。
集会での国賀議員の「議員まかせ、政治家まかせが今日の政治の腐敗を生んでいる。みんなが声を出し、行動を起こすことが政治を変革する力だ」というアピールは参加したすべての住民の心に響いた。
この集会を契機とし、起点として各地域での懇談会が告示までやむことなく継続的に闘いとられた。ありとあらゆる課題をめぐる大衆の自覚的決起の萌芽がこの懇談会の中で芽生えてきた。労働運動的にも、支持者の若い家族が相談に訪れ、合同労組に加盟し、団交を通じて階級的意識が培われ、活動家への歩みを始めている。
そして、選挙戦終盤、4月29日の第2回決起集会は200人を超す支持者住民の大結集となって闘いが爆発した。
われわれは自らの格闘をとおして、労働者大衆の要求と結びつきつつある。この党と大衆との生きた結合は、ひとまずは選挙勝利の一点に凝縮して爆発した。そしてこの勝利を跳躍点として、労働運動、失業問題、医療・福祉問題、介護保険問題など広範かつ多岐にわたる人民的課題を、一つひとつ力強い大衆運動としてつくりだしていかなければならないし、その確信をがっちりとつかんだ。革命的議会主義の真の威力が発揮されるのはまさにこれからだ。都議選総括で提起された基盤的支持勢力の確固たる形成・確立の闘いはいよいよ本格的に開始される。今次市議選はその端緒を膨大につくりだした。
支持者の感動的決起が続々かちとられた
第三に、この選挙戦が党の蜂起的決起と大衆決起のダイナミックな結合をとおしてかちとられ、党自身がその経験をつかんだことである。このことの意義は計り知れなく巨大である。
選挙戦は、最後まで候補者と地区党が大衆と一体となって闘い、勝利した。事務所運営から宣伝戦、集票にいたるまで、当該地区党と住民大衆がすべてを引き受けて貫徹した。関西からの動員は補助的最小限のものにとどまった。選挙財政も当該地区が全責任を持って引き受けた。選挙戦の全分野において、都議選の総括を物質力を持って貫き通したのである。
これを可能にしたのは住民大衆の力を最大限引き出したことにある。問題の核心はこういう闘いを人民とともに貫徹できる党への変革だったのだ。この点をめぐって、選挙戦冒頭から終盤にいたるまで、徹底的な細胞内討議が積み重ねられ、強固な一致と団結が作り出されていった。この党の一致と団結こそ、大衆の数々の感動的決起を引き出した最大の源泉である。
支持者大衆は、勝利に向かって驚くべき力を発揮した。例えば、事務所建設については建設業、電気工事業に従事する労働者が見事な手際で工事を行った。そして事務所が開設されるや、高齢者を含む女性たちが連日詰めかけ、炊き出しを行い、来訪者の対応を行って事務所運営の主軸を担い続けた。
そしてこれらの人びとが宣伝カーに乗り込み、マイクを握り、地域の人びとに力強く訴えを始めた。国賀陣営の宣伝カーはいわゆる「おばあちゃん」の独壇場であった。こういう人びとが、空港反対・戦争反対の訴えから始まって、パレスチナとの連帯、有事立法阻止にいたるまで、ものすごい迫力と説得力を持ってアジり始めたのである。「おばあちゃん」たちは、毎日資料を家に持ち帰り、有事立法やパレスチナ問題を勉強し、自分で街頭演説の原稿を書いて宣伝戦に臨んだ。党の政治主張が大衆の肉声をとおしてとぎすまされ、党の扇動自身がさらに磨かれるという感動的な局面に入ったのだ。
さらに決定的に重要なことは、この住民大衆が、わがものにした政治内容を持って地域で公明党や日本共産党、保守勢力との全面的な党派闘争に突入したことである。
選挙戦は、投票率が過去最低、しかも23議席を33人で争うというかつてない激戦であった。限られたパイの中で、各候補とも組織力をもろにぶつけて当選する以外にない選挙だったのだ。この中での党派闘争、票のぶっかき合いは激烈を極めた。支持者大衆はこの闘いにまなじりを決して立ち上がった。地区党と大衆の集票活動は完全に一体となった。そしてがっちりと読み切った票を獲得し、勝利を手中にしたのだ。われわれは、選挙闘争とはこのように闘うのだという確かな手ごたえをわがものにすることができた。
この勝利の経験を党の財産とし、革命的議会主義・第6回大会路線の全面的物質化へ全力で闘い抜こう。
わが革共同大阪府委員会は、この選挙戦を物心両面で支えてくれた部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ全国協議会、労組交流センターの皆さん、全学連の同志に心から感謝するとともに、この勝利をバネに、有事立法阻止の闘いの最先頭に立つことを誓う。
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週刊『前進』(2056号6面2)
最高裁へ怒りのデモ 解同全国連と解放共闘 狭山再審要求に立つ
部落解放同盟全国連と部落解放共闘会議は5月27日、狭山特別抗告審闘争の勝利をかけて、最高裁判所に対する初めての要請行動を闘い抜いた。前日の有事立法阻止闘争の高揚を引き継ぎ、70人が参加した。
東京高裁・高木―高橋の再審棄却決定は極悪の部落差別判決である。石川一雄さんの無実の新証拠を踏みにじり、一切の事実調べを拒否して再審請求を棄却した。石川さんと弁護団は、1・24高橋決定に対し直ちに特別抗告を行い、戦場は最高裁(第1小法廷)に移った。
要請行動を前に、午前10時から最高裁近くの星陵会館で決起集会を開いた。全国連の小森勝重糾弾闘争本部長は、「狭山闘争の正念場だ。最高裁という権力の牙城(がじょう)に対して、決意も新たに徹底糾弾闘争を闘おう」と呼びかけた。楠木吉秀事務局長は基調報告で、「解同本部派は全国大会の議案からも5・23―10・31闘争を消し去り、狭山闘争を完全放棄しようとしている。いよいよ全国連が全責任をもたなくてはならない。きょうはその出発点だ」と全員の奮起を呼びかけた。
集会後、直ちに最高裁に向かってデモに出た。警察は、最高裁糾弾のデモは認めないと、事前にコース変更を要求してきたが、これを打ち破って戦闘的なデモをかちとった。
午後1時過ぎ、全員で最高裁東門に押しかけ中に入ろうとしたところ、許せないことに最高裁は東門の扉を閉鎖して入構を妨害した。要請団は「入構は17人まで」という不当な制限の撤回を要求して闘った。
入構した要請団は、30分以内という最高裁の時間制限を打ち破って、1時間近く糾弾・要請行動を闘った。第2訟廷事務室の上席書記官らに対して「最高裁は再審を開始せよ」「東京高裁の高木―高橋決定を取り消し、審理を差し戻せ」「差し戻しをして、事実調べをさせろ」と要求した。
この闘いと並行して参加者は国会行動に決起した。有事立法およびこれと一体の差別糾弾闘争つぶしのための「人権擁護法案」の阻止を訴えて、座り込みと街頭宣伝を行った。
こうして5・27最高裁要請行動は、終日戦闘的に闘われた。石川一雄さんは、「狭山差別裁判闘争は、今や、敵味方双方にとって生死を賭した闘いであり……総動員、総決起を」と呼びかけている(5・23アピール)。この呼びかけにこたえて狭山闘争に決起し、再審無罪をかちとろう。
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週刊『前進』(2056号6面3)
特別抗告審勝利へ 東京で狭山集会かちとる
5月23日、「石川一雄さん不当逮捕39年弾劾! 狭山特別抗告審闘争勝利!5・23狭山東京集会」が部落解放同盟全国連合会江戸川支部、同杉並支部、部落解放東日本共闘会議の共催で、東京・日本橋公会堂に85人を集めて行われた。
3月の全国連第11回大会の全国連5万人組織建設、10万人狭山闘争決起、狭山特別抗告審闘争勝利という大方針を受けて、東京における部落解放運動の飛躍的前進を実現する確実な一歩を踏み出す集会となった。
主催者として江戸川支部長があいさつし、「40年近い石川一雄さんの無実の血叫び、全国連への熱い期待にこたえて狭山特別抗告審に勝とう」と訴えた。
次に東京高裁・高橋裁判長の異議審棄却決定批判を、筆跡問題を中心に日高一郎さんが行った。
さらに全国連の中田潔書記長が「東京の全国連建設と狭山10万人決起」と題して講演した。初めに、部落差別糾弾闘争の解体を核心・本質とする人権擁護法案を暴露・弾劾し、その成立を阻止しようと呼びかけた。そして、東京における全国連組織建設は3大闘争のダイナミックな展開によって初めて可能となる、と展望を示した。
「世の中が変わり、労働者が解放されるなかで部落民が解放される。全国連5万人組織建設は、全国連単独でではなく、労組交流センターや解放共闘の闘い、階級闘争全体の高揚の中で実現されるということだ。狭山闘争については、最高裁の決定が出るころに全国連が5万人の組織になっていなければ、再審の展望を開くことはできない、それほど5万人建設は切迫した課題だ」と語った。
基調報告を杉並支部の田中れい子支部長が行い、狭山特別抗告審闘争の勝利のために、新たに「狭山火の玉全国行進」を実施し、23狭山デーを再確立することを提案した。また10・31狭山中央闘争を全国結集で闘うことを発表した。
全国連の奈良の支部員から、労働現場で、労働強化反対の闘いを差別糾弾闘争として展開するなかで、組合員が活性化し、労働組合の団結をつくり出しつつあることが報告された。
最後に、全国連の江戸川支部、杉並支部、品川の同盟員からと、東日本解放共闘の山川博康事務局長と東京の清掃労働者からそれぞれ決意表明が行われ、団結がんばろうを三唱した。
集会参加者は、石川一雄さんの烈々たる決意にこたえ、5・27闘争への決起と、狭山闘争―特別抗告審闘争を柱にした差別糾弾闘争を基軸に3大闘争を展開する決意を打ち固めた。
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週刊『前進』(2056号6面4)
コミューン 7月号 3法案の狙い暴く
有事立法3法案の衆院強行採決情勢を前に、法案の徹底的批判を行った。
第一に、有事立法の背景に、米帝ブッシュの世界戦争路線があり、日帝・小泉の共同的=競合的参戦があることを明らかにした。
第二に、武力攻撃事態法案を、周辺事態への自衛権発動の拡大という観点から問題にした。日本共産党など野党は日帝の国家自衛権を承認し、自衛隊も安保も認めている。これでは有事立法に反対できるはずがない。憲法9条改悪、安保改悪に絶対反対という観点から徹底的に批判した。
第三に、有事立法3法案を、米日帝の朝鮮侵略戦争の「作戦計画5027」に基づく具体的ケースを想定し、その中で武力攻撃事態法案、新自衛隊法案の真の狙いを鮮明に暴き出した。
第四に、新自衛隊法案の最大の狙いが防御陣地構築にあることを明確にした。「武力攻撃が予測される事態」から陣地構築のために自衛隊は出動できる。これは戦争突入そのものだ。ゲリラ・コマンド部隊の攻撃を想定しているのだ。
国際情勢は、「イスラエル危機深めたジェニン大虐殺」。イスラエルによる自治区侵攻の中の最凶悪事件がジェニンでの千人以上のパレスチナ人大虐殺だ。この現実に迫り、真相を隠蔽(いんぺい)するイスラエルを徹底弾劾した。さらにジェニン大虐殺が新たなパレスチナ解放闘争を爆発させ、イスラエルの体制的危機をさらに深刻化させていることを明らかにした。
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週刊『前進』(2056号7面1)
連合は労働者の戦争動員の先兵
陸海空港湾20労組陣形に結集し有事3法案阻止へ6月総決起を
東山 整一
連合は5月16日の中央執行委員会において「有事関連3法案に対する連合の見解」を発表した。「有事法制は必要だ。しかしこの法案では不完全なので今国会での成立には反対」というきわめて反動的なものである。8日後の5月24日には、東京・明治公園で陸・海・空・港湾労組20団体と宗教者の呼びかけで「STOP!有事法制5・24大集会」が4万人余の労働者学生市民を集めて開かれた。さらに5月26日、反戦共同行動委員会の全国総決起集会は、2100人が結集して戦闘的に闘い抜かれた。あらゆるところで有事立法反対署名運動がぐいぐいと広がり始めている。他方国会は、会期末をにらんで、有事法案を絶対に成立させるために大幅会期延長に動き出している。いよいよ有事法制との闘いが最大の正念場を迎える中で、20労組陣形を軸に99年に始まった新たな反戦闘争のうねりの意義とこれに対する巨大な反動としての連合見解、さらに時を同じくして火を噴いている国鉄闘争と反戦闘争との一体的関係、およびそこにおけるわれわれの課題について考えたい。
有事立法「連合見解」を怒り込め批判する
連合見解はまず「日本国憲法が『国家緊急権』も規定していない」ことに触れた後で、「しかし、現実的には可能性は少ないとしても、日本が武力による侵略を受けないという保証はなく、また大規模なテロ、化学兵器、武装ゲリラ、サイバーテロあるいは大規模災害など、緊急事態が発生した場合には、……それらの緊急事態を速やかに排除し、国民の生命および財産を守り、基本的人権を尊重するため憲法の枠内での法整備は、基本的に必要である。緊急事態におけるルールが明確になっていなければ超法規的措置によって対処せざるを得なくなり、民主主義そのものが危機にさらされ、国民の諸権利が侵害される恐れが生じ、法治国家としてふさわしくない」とまず小泉政権と一ミリの違いもない有事法制推進の立場を表明し、その上で「しかし、この法案では、あらゆる緊急事態に対処して国の独立と主権を守り、国民の存立を保全するという理念が見えず、全体的な法体系が示されていない」とし、「以上のことから連合は、今回提出された有事関連3法案については、今国会で急いで成立させることは反対である」と結論している。連合は有事法制に原理・原則として大賛成の立場を表明したのだ。
有事3法案に対しては、閣議決定から1カ月余りの間に、すでに三重県議会を始め、沖縄の那覇、東京の小金井、国立の各市議会など幾つかの地方議会が反対・撤回あるいは慎重審議を求める決議・意見書を採択し、さらに日本弁護士連合会、日本ペンクラブなどの反対決議も相次いでいる。この中で出された連合見解はすでに見たように「もっと完全な有事法制を」という代物でその反動性を際立たせている。特に許せないのは、見解自身が認めているように「連合は、国・地方公共団体や『指定公共機関』の業務に従事する多くの組合員を抱えて」いる中で、この見解がいわば国家権力の強権発動による労働者の戦争協力強制に完全に呼応する形で、「労働組合」の名において戦争への総動員体制づくりを促進する役割を果たしていることである。
89年に結成された連合は初代会長山岸の時代からきわめて政治志向の強いナショナルセンターだった。しかしその内部は旧総評系と旧同盟系の根深いあつれきと抗争を内包し、それはそのまま90年代をとおしての目まぐるしい政界再編とリンクしながら、長く政党支持問題も一本化できないできた。こうした状況の打開をめざして10年がかりの討論の末に出されたのが99年10月の連合第6回大会の「連合の政治方針」だった。
それは最大の問題である「外交・防衛政策について、イデオロギー的発想から脱し、国民的議論を起こし、国民的コンセンサスづくりに努める」として、@憲法論議を否定しない、A日米安保条約を今後も維持する、B自衛権は独立国家の権利であることを確認する、C憲法を補完する立場から「安全保障基本法(仮称)」の制定をめざすなどをうたった。99年秋といえば、周辺事態法、盗聴法・組対法、国旗・国歌法、住基法などを強行した第145国会の直後であり、まさにそれは連合が日帝の戦争政策、戦争国家づくり政策の先兵として、現代の産業報国会としての正体をむきだしにしたものであった。
今回の連合見解は完全にこの延長に、さらに昨年の9・11以降の米帝ブッシュ政権の世界戦争戦略の発動とこれに対応した日帝・小泉政権の戦争政策の加速という事態を背景に出されたものである。そして重要なのは、この見解は事前の内部討議過程で自治労が提出した「自治労の基本的立場」なる文書をもとにつくられ、これに全面的に反対したのは全日本海員組合だけで、旧総評系の組合はことごとくこれに賛成したという事実である。特に労組として信じられないような幹部の腐敗をさらけだし、権力に弱みを握られた自治労本部がこの連合の見解を主導しており、これはまた、民主党も巻き込んだ有事法制の翼賛的成立も狙う小泉の意向に完全に沿うものである。
99年5万人集会情勢と20労組陣形の意義
さて連合見解の反動性を明らかにするためにはその文言を追うだけでは不十分だ。それを生きた階級闘争の中でとらえ返さなくてはならない。そこで99年春の情勢、すなわちある評論家が「地獄の釜開き国会」と名づけた第145回国会とこれに対するまったく新たな質をもった、予想を超える闘いの高揚、とりわけその頂点に位置した5・21明治公園の周辺事態法反対5万人集会という一個の歴史的事件を再認識することから始めたい。
周知のように新ガイドラインの締結は97年9月で、周辺事態法の国会成立は99年5月になるが、すでに総評も社会党もなく、もう反戦闘争など起こせないと誰もが思い、また誰よりも強くそれを吹聴したのがカクマルだった。だがわれわれは政党や労組の無残な現実にもかかわらず、日本の労働者人民の中に息づく反戦の思いを確信し、大胆な統一戦線のもとで署名運動を始めとするあらゆる創意的闘いで情勢をこじ開けていった。そしてこのような闘いもひとつの水路にしながら、陸・海・空・港湾20労組陣形の彗星(すいせい)のような登場を基軸として実現されたのが99年5・21集会だった。
20労組は、周辺事態法第9条で戦争協力を「依頼」(この段階では「責務」ではなくまだ「依頼」)される交通・運輸労働者の職場での不安や怒りを踏まえた決起として実現されたものだが、何よりも人びとを刮目(かつもく)させたのは、その従来の行きがかりやナショナルセンターの違いを超えた組み合わせだった。
特に注目されたのが日本では数少ない産業別労組である全日本海員組合の決起だ。この組合は戦前の友愛会の伝統を引き継ぎ、敗戦直後に結成されるが、戦後は総同盟→全労→同盟→連合と一貫して最も右よりに位置してきた。この組合が「安保に賛成か反対かなど関係ない。これは組合員の生命を守る闘いだ」と決起し、国労、全港湾など旧総評系組合と手を組んだ。国労はすでにこの段階で中央本部の路線転換が進み混迷していたが、ともかく総評労働運動の最左翼に位置し、国鉄分割・民営化と不屈に闘ってきた組合である。そしてこれらの組合を束ねる上で航空関係の労組・団体(航空連、日乗連、航空安全会議)などが決定的役割を果たした。
5万人集会発言の中心には社民党と日本共産党の代表が座るなど、かつての社共共闘集会の再現を思わせた。しかしそれは確かに統一戦線ではあるが、あくまで上からではなく下からの統一戦線だった。つまり一方で全労連がこの陣形の可能性に飛びつき、他方では都労連を始めとする国鉄闘争支援労組が、連合傘下の組合からも(連合本部の意向に逆らって)大挙して参加した。自治労と自治労連が、日教組と全教が、連合と全労連が裸で同席することはありえない。しかし20労組を媒介とすることで枠が外され、新たな反戦・平和の共同闘争を創造するという方式が〈発見〉されたのである。
だが、だからこそこれは権力・資本を、連合を、カクマル・JR総連を震撼(しんかん)させた。「総評もないのになぜこんな反戦闘争が起こるのか」ということだろう。99年5・21はけっして海員組合や航空労組の先進的闘いというだけではなく、正しいやり方と呼びかけさえ発すれば、日本の労働者人民は必ず立ち上がる、いやその呼びかけを待っていることを示し、そのことによって権力と全反動勢力の心胆を寒からしめたのである。
特に99年春情勢から完全にはじき飛ばされたカクマル・JR総連は、その後この問題をめぐって責任のなすり合いの末、これをも一つの契機として分裂し、他方でこの情勢をつかみ、牽引(けんいん)した百万人署名運動に対する妨害工作に全力をあげた。しかしこれはけっしてカクマルという特異な党派の見当外れの八つ当たりだったのではなく、まさに権力や連合の危機意識を最も鋭く、ファシスト的に代弁するものとしてあった。
連合・自治労・日教組本部の犯罪的な役割
こうして有事3法案が焦点化する02年春に、権力や連合が何よりも力を入れたのが99年春のような闘いの再現を許さないことの一点にあった。99年の連合の政治方針も今回の連合の見解も、ただ一般的に連合の戦争翼賛勢力化の企図にとどまらず、陸・海・空・港湾 20労組陣形への連合傘下の単組・組合員の合流をブロックするというきわめて具体的な目的をもっていた。連合をつき動かしたのは、9・11情勢下で戦争が明日の問題ではなく今日の問題となる中で、こんな動きを放置しておけば連合という労働者の戦争動員機構が吹き飛ばされるという危機感だった。このような20労組陣形への反動の二つの軸が自治労を中心とする平和フォーラムの動きと、4党合意を使った国労解体攻撃の急転回である。
平和フォーラム(正式名称「フォーラム平和・人権・環境」)は、連合内の旧総評系組合の自治労、日教組、私鉄総連などを中心とする運動体である。この運動が連合下においても平和運動を継続して闘おうという良心的労働者に支えられた運動であることは否定できない。しかし問題はそれが今日果たしている客観的な役割、連合本部あるいは自治労本部がこの運動をどう利用し、歪めようとしているか、である。連合の見解が「自治労の基本的立場」を下敷きにしたものであることは先に触れたが、この文書で自治労本部は「今後平和フォーラムとともに具体的取り組みを進める」と結論している。
では平和フォーラムは有事法制に対してどんな闘いをしているのか。まずその闘争スケジュールをことごとく20労組陣形のそれにぶつけている。この4〜5月をとっても、20労組陣形の4・19、5・24に対して4・16、5・23という形だ。6月もぶつけようとしている。われわれはここに、20労組陣形への自治労や日教組や都労連傘下の労働者の合流を阻もうという連合本部や自治労本部の露骨な意図を見ないわけにはいかない。また平和フォーラムはこの間、署名運動にも取り組んできた。だが問題は中身だ。連合そのものとは違って、平和フォーラムは有事3法案に反対声明らしきものも出し、また署名用紙でも「有事法制反対、憲法に基づく平和政策を求める署名」とうたっている。だがその「平和政策」とは何か。署名用紙に記されている「『人間の安全保障』と予防外交重視」とか「憲法に基づく『平和基本法』(仮称)を制定」などがそれである。
そもそも「人間の安全保障(ヒューマンセキュリティー)」とは日帝・外務省が率先して提唱してきた帝国主義的外交政策なのであって、97年新ガイドライン以降の戦争政策と対立するものではなく、一体のものである。98年12月に小渕の呼びかけで始まり、国際組織として02年1月に結成された人間の安全保障委員会の共同議長には緒方貞子が座り、小泉も01年12月のシンポジウムで演説しているこのプロジェクトは、外務省のホームページによれば、今日世界では「貧困、環境破壊、薬物、国際組織犯罪、エイズ、紛争、難民流出、地雷等々が個人の生命・生活・尊厳に対する脅威になっている」として、これらに対抗して「人間の安全保障を進める三つの力」に「各国政府、国際機関、市民社会」をあげている。狙いは市民運動やNGOの取り込みだ。そして9・11以降、「反テロ」を加えますます幅をきかせてきたこの安っぽい、新手の「社会防衛イデオロギー」に少なくない労組や市民団体、憲法学者までがやすやすと乗せられている。それは20労組陣形的に始まったきわめて純粋で、オーソドックスな反戦運動に攪乱(かくらん)と分断を持ち込む役割を果たしている。
「平和基本法」についても同じことが言える。この言葉を最初に使ったのは、雑誌『世界』の93年4月号に掲載された、これも一部の憲法学者・政治学者などによる提言だが、これは当時の社会党が「創憲論」などという反階級的主張とともに持ち出した「安保基本法」を化粧直ししたものでしかなかった。自衛隊のPKO派兵が強行される中で、憲法第9条と自衛隊の現実の乖離(かいり)が限度を超える中で、提唱者の主観的意図はあくまで「新護憲論」の提唱であったが、それは当時から小沢らが主張する「新改憲論」との境界も定かでなく、事実この安保基本法構想は、今日では改憲の前に自衛隊の集団的自衛権行使を容認するための方便として、中曽根や読売新聞によって最も熱心に提唱されているのである。平和フォーラムが推進している運動の階級的実態はここからも明白であり、それを操る連合や自治労や日教組指導部の犯罪的役割は明白なのである。
有事立法決戦と国鉄闘争の一体的推進を
00年5月30日に出たいわゆる「4党合意」は、もちろん国鉄闘争という、それ自体連合支配に抗し、これを揺るがす十数年間の巨大な闘いを最後的に解体するための攻撃であり、今年4月26日の与党3党声明は、もはや国労を内部から変質させ、からめとろうという路線を権力・資本が投げ捨て、再び力ずくで国労と国鉄闘争を解体しようという意思を明示したものだった。5月27日の国労臨時大会は、この敵権力の攻撃に対して国労本部が機動隊に守られて無条件降伏を宣誓する場でしかなかった。
だが腐敗・堕落した国労本部がどう動こうと、チャレンジや革同が何をたくらもうと、闘う闘争団の鉄建公団訴訟や4党合意反対労働委闘争、JR組合員を中心とする「国労に人権と民主主義を取り戻す会」の旗揚げと生活援助金打ち切り反対の仮処分闘争、そして本年4月16日の国鉄闘争共闘会議の結成(会員数7万余人)として、闘争団・JR本体・支援の三者が一体となり、そして動労千葉を含む1047人闘争のさらなる発展の態勢がうち固められつつある。
ここで何よりも強調しておきたいことは、国鉄闘争に対するこの敵の攻撃は、同時に20労組陣形を核とする新たな反戦闘争解体の攻撃としてもあったということである。逆に言えば、この密集した反動の嵐をついて国鉄闘争の不屈の前進をかちとることと、反戦・有事法制粉砕闘争、とりわけ陸・海・空・港湾20労組陣形の発展をかちとることは二つにして一つの闘いだということである。国鉄闘争を継続し、連合内外に分厚い支援陣形をうち固め、これと合流することをとおしてのみ、20労組陣形は真にナショナルセンターをこえた運動に飛躍することができるのだ。
日本共産党について一言触れれば、有事法制に関する彼らの見解の批判は別に譲るとして、以上の脈絡との関係で注目されるのが、『赤旗』5月17日付が連合の見解についてこれを批判するどころか、「連合が有事三法案に反対/『今国会、成立させない』」と恥ずかしげもなく翼賛的報道をしていることである。この信じがたい報道はしかし彼らの馬脚を現したものだ。今さら繰り返すまでもないことだが、共産党に反戦闘争を真面目にやろうなどという気持ちは微塵(みじん)もない。ただその狭い党派的利害、特に選挙で無党派層を獲得するためだけに、20労組陣形にすり寄っているにすぎないのである(だから連合にもすり寄ろうとする)。それを利用しようとするだけで、それを全体として成功させようという気など毛頭ない。連合が阻止線を張るのと逆に、全労連は大動員をかけ、『赤旗』は大報道する(もっとも志位発言だけ)が、しかしともに陸・海・空・港湾20労組陣形を解体に導こうとするものであることに変わりはない。
JR総連についてつけ加えれば、彼らは99年の失敗に懲りて全力で反有事法制闘争に取り組んでいるか。とんでもない。JR総連は連合の見解に対して一応「反対」したらしい。しかしJR総連は例えば99年5月の明治公園への動員数に比して、今回は300人ほどに激減した。会場の片隅で限りなく暗い集団として立ち尽くしていたに過ぎない。理由は明白で、01年8月のJR東日本における第4次労使共同宣言でJR総連=JR東労組は、もはやそのファシスト的独自性も捨てて資本に忠誠を誓うにいたった。だから彼らにはもはやアリバイ的反戦闘争を闘うこともできなくなった。事実昨年の9・11以降JR総連がやっていることは「アフガンの子どもたちを救うチャリティーコンサート」など一切の政治性を捨てたエセヒューマニズム的パフォーマンスにつきるのである。
陸・海・空・港湾20労組陣形をめぐる政治・党派状況はざっと以上のようなものである。このような厳しい逆流に抗して5・24明治公園集会が4万人をこえる規模で打ち抜かれたことはきわめて重大である。99年の集会はすでに参議院で可決寸前だったが、われわれは今まだ有事法制の衆議院採決前にいる。
20労組陣形、百万人署名運動の爆発と、全学連を先頭とする反戦共同行動委の戦闘的牽引の立体構造を発展させ、このうねりをさらに6〜7月に向けて全力で発展させていかなければならない。小手先の政治や交渉で何とかなる問題ではない。職場と地域からの地道な闘いの積み上げによってのみ闘いの一層の発展は実現できる。特にその場合、連合内にも広く根を張っている国鉄闘争支援陣形が、闘う国鉄労働者を先頭に20労組陣形に合流すること、そうして連合の見解をその足元の単産・単組から揺さぶり、打ち破り、それを唯物論的に粉砕する闘いの戦略的重要性を強く自覚しなければならない。特に腐敗・堕落した自治労本部執行部を打倒することが、有事法制粉砕の成否を握っているのだ。
反戦共同行動委の闘いを強化し、5・26に続く戦闘的実力闘争をつくり出そう。同時に有事立法阻止署名運動をあらゆるところで拡大し、50万、100万の運動に押し広げていこう。
それと一体のものとして、陸・海・空・港湾20労組陣形を核とする反戦闘争の巨大な発展のためには、今こそ国鉄闘争を堅持し、連合内外の国鉄闘争支援陣形の強化・拡大が求められており、国鉄闘争が真に勝利の革命的展望を見いだすためにも、今こそ自ら反戦闘争の先頭に立つことが求められている。
われわれは戦後何度目かの、国鉄労働運動と反戦・平和運動が渾然(こんぜん)一体となって階級焦点化し、勝つか負けるかのギリギリの歴史的選択を求められているのだ。今こそまなじりをけっして、職場から、地域から、街頭から、大学から6〜7月有事法制粉砕決戦の爆発的高揚をかちとろう。
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週刊『前進』(2056号7面2)
第3部 植民地支配の歴史(12)
朝鮮 B 05年乙巳(ウルサ)条約 日露戦争で朝鮮「保護国」化
日清戦争後、欧米列強による中国分割の動きが激しくなる。日本への賠償金支払いの重圧にあえぐ清に対し、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアが租借という形で各地を自らの勢力圏とした。ロシアは三国干渉で日本への割譲を阻止した遼東半島を租借するなど、中国東北部への侵略を強めていった。一方、台湾の植民地支配を開始した日本は、こうした列強の動きに必死で対抗する。
この中で中国人民の怒りが1900年2月義和団蜂起として爆発した。「扶清滅洋」という反帝国主義のスローガンを掲げ、義和団は山東省から北京、天津へと攻め上っていった。これに対し欧米列強と日本は8カ国連合軍を形成して共同出兵し、暴力的に鎮圧した。この中で主力の日本軍は2万2千人の大部隊を派兵し、暴虐の限りを尽くして北京を占領した。
一方、日本に次ぐ大量出兵を行い中国東北部を占領したロシアは、撤兵期限後も居座り、さらに中国・朝鮮の国境付近に侵攻した。ロシアは朝鮮への政治的影響力も強めていた。日本政府は、ロシアに対抗して朝鮮を支配し、中国東北部に勢力を伸ばすという「北進論」を採ってロシアとの交渉に臨んだ。日本の態度は「日露開戦辞さず」というものであり、実際、02年1月の日英同盟締結や陸海軍の大軍拡、対ロシア主戦論の鼓吹など日露開戦への準備を同時に進めていった。結局、日露交渉は決裂し、桂内閣は03年末、開戦を決断した。
04年2月8日、日本は陸軍が仁川に上陸し、海軍が旅順のロシア艦隊に奇襲攻撃をしかけ日露戦争の火蓋(ひぶた)を切った。
日露戦争に突入
開戦2日後に出された天皇の宣戦布告は、「韓国の存亡は実に帝国安危のかかる所」と言い、帝国主義的領土略奪戦争としてのこの戦争の狙いを露骨に表明していた。
日露戦争突入と同時に、日本は朝鮮に対して次々と「韓国保護国」化政策を強行した。まず2月23日に日韓議定書を強要し、朝鮮の政府に日本からの「施設の改善に関する忠告」を受け入れさせるとともに、日本軍の朝鮮での行動を認めさせ、「軍略上必要の地点を臨機収用」できるとした。さらに、5月の「帝国の対韓方針」で「韓国に対し政治上軍事上に於いて保護の実権を収め経済上に於いて益々我利権の発展を図るべし」と決定した。
これらは、日露戦争の緒戦における鴨緑江渡河作戦などの勝利を背景に一気に推し進められた。そして8月22日、「第1次日韓協約」が締結された。朝鮮に日本政府が推薦する日本人財務顧問1人と外国人外交顧問1人それぞれの雇い入れを義務づけ、条約締結などの外交案件はあらかじめ日本と協議するとされた。日本が朝鮮の外交権を奪い、財政などの内政をも支配するものである。
日本政府が進めた「韓国保護国」化とは、軍事力を前面におしたてた実質的な植民地化政策そのものであった。同年10月に決定された「対韓施設綱領決定の件」では、軍事、外交、財政の支配から交通機関や通信機関の掌握、さらに「拓殖を図る」として農林漁業と鉱業での利権の全面的制圧を方針としており、日本の野望をはっきりと示している。
例えば、第1次日韓協約によって朝鮮の財政顧問となった目賀田種太郎(大蔵省主税局長)は「貨幣整理事業」に着手したが、それは朝鮮の貨幣体系を日本のそれに従属させるものであり、この実施過程で金融恐慌が発生し、朝鮮資本の没落と日本資本の台頭を引き出すものとなった。
ポーツマス条約
05年に入り、日本軍は3月奉天会戦、5月日本海海戦で勝利し、日露戦争の大勢を決した。9月に締結されたポーツマス条約は、ロシアが朝鮮における日本の政治的軍事的経済的な権益を承認し、日本の支配への不干渉を約束するとともに、旅順や大連付近一帯の租借権および長春と旅順を結ぶ南満州鉄道の利権をロシアから引き継ぐことを決めた。一方、日本は7月の桂・タフト協定や8月の日英同盟改定によって欧米列強から朝鮮支配への不介入を取り付けていた。
日本は1874年の江華島事件以来、30年間にわたり断続的な軍事侵攻と内政干渉をくり返し、日清、日露という二つの大戦争を経て、ついに朝鮮を独占的に支配するに至った。
1905年11月17日、朝鮮人民が「乙巳(ウルサ)亡国条約」と呼ぶ「第2次日韓協約」が強要された。
大量の軍隊がソウル市内を制圧する中で、伊藤博文は15日に皇帝に謁見し、「承諾するも拒否するも勝手であるが、もし拒否するならばこの条約を締結するより一層の困難と不利益を覚悟せよ」と恫喝した。そして17日、伊藤は朝鮮の閣議に乗り込み大臣一人ひとりに脅迫的に賛否を問いただし、勝手に賛成多数と決めつけて「調印」を強行したのだ。およそ外交や国際法的慣習とは無縁の暴挙である。
この保護条約では、朝鮮の外交権を日本が完全に奪い去ると同時に、「顧問」等を統括する日本の機関として統監府を新設し、その長である統監は皇帝への「拝謁権(皇帝に直接会って要求を突きつける権利)」をもつとされた。統監府には総務部、農商工部、警務部をおき、統監の権限は外交のみならず朝鮮内政全般に及んだ。名目的には朝鮮の主権を残しているが、実質的には日本人統監が朝鮮の最高権力者として君臨する植民地支配そのものであるといえる。
伊藤博文が統監
伊藤はそのまま翌年3月に初代統監に就任し、1910年の「韓国併合」に向かって陣頭指揮をとった。そのやり方は、朝鮮の各大臣を集めて「韓国施政改善に関する協議会」を開催し、日本の施策を強引におしつけるというものだ。その中心は当初、経済支配の確立と治安維持の確立にあった。教育制度の改革や金融機関の拡張整理、道路改修、鉄道敷設などの事業をとおして、第一銀行など日本の金融資本が朝鮮経済を支配していった。また、統監府は警務顧問制度を使って朝鮮の警察権を日本権力の掌握下においていった。
だが、こうした乙巳保護条約と統監府支配に対して、朝鮮人民は朝鮮全土を怒りのるつぼと化してすさまじい闘いに決起していくのである。
(五十嵐茂生)
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週刊『前進』(2056号8面1)
「ゲリラ事件捜査手詰り」で破防法型言論弾圧に踏み込む
『前進』への攻撃を打ち破れ
わが革共同の機関紙『前進』への前代未聞の言論弾圧、組織的な治安弾圧攻撃のエスカレーションに対する、広範な社会的、政治的反撃が開始された。
5月23日の記者会見と革共同声明の発表は、大きな反響を呼び起こしている。読売新聞は5月25日付夕刊で「機関紙編集長に出頭要請」の4段見出しを立て て、起きている重大な事実を報道した。
今回の弾圧とは、前号既報のように、『前進』での革命軍の三里塚ゲリラ戦報道、すなわち革命軍の軍報を転載したことに対し、警察庁と千葉県警が、編集・発行人である城戸通隆同志に電話で4度にわたり出頭要求を行うという、実に不当極まる攻撃である。
革共同は5月20日付の声明(本誌前号掲載)で、このかつてない弾圧が、@ワールドカップ厳戒体制下のメチャクチャな弾圧のエスカレーションであり、A正義の三里塚ゲリラ戦争に対する報復と予防弾圧であるこ と、B現在最大の攻防に突入している国鉄闘争への圧殺攻撃であり、C超長期獄中同志の防衛・奪還、「司法改革」粉砕の闘いや、反弾圧・救援運動への弾圧であることを、怒りを込め弾劾した。Dそしてとりわけ決定的なことは、これが有事立法とメディア規制法案を先取りした言論弾圧・報道規制であり、破防法、組対法、団体規制法(第2破防法)の実質的発動をも狙った違法無法な組織弾圧であることを弾劾し激しく警鐘を鳴らした。
読売新聞は警察当局の言辞として「従来の手法ではゲリラ事件捜査は手詰まり状態だった。公然部門と非公然部門の接点や非公然部門の実態解明のため、踏み込んだ」と報じている。
なんということだ。「ゲリラ事件捜査が手詰まり」だから合法的な言論を弾圧し報道を規制してよいというのか。これでは、ビンラディン氏らアルカイダの国際報道を行ってきたカタールのアルジャジーラ社は、 「対テロ戦争」の推進のために弾圧されて当然ということになるではないか。
「公然部門と非公然部門の接点や非公然部門の実態解明」とは何ごとか。これでは「捜査」に名を借りた実質的な破防法攻撃ではないか。ブッシュや小泉の 「対テロ戦争」に対応したこんな無法な治安弾圧のエスカレーションなど、断じて許すことはできない。
有事立法攻撃と一体のこのような前代未聞の報道規制は戦争への道である。ひとり革共同と『前進』にかけられた弾圧ではない。わが革共同は、あらゆる社会的、政治的、法律的手段をもって大反撃し、必ず攻撃を粉砕する。有事立法粉砕・改憲阻止、戦争絶対反対の不退転の決意で闘う。
すべての労働者人民の皆さん、言論界、法曹界で闘う皆さん、反弾圧・救援運動を担う皆さん。連帯してともに闘いましょう。
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週刊『前進』(2056号8面2)
法大 “帰ってくれ”が監禁か! 学館に不当捜索
5月20日に強行された警視庁・公安部による法政大学学生会館への不当捜索を徹底弾劾する。今回の不当捜索は有事立法制定=朝鮮・中国侵略戦争攻撃と一体の治安弾圧そのものだ。
今回の不当捜索は警視庁公安部が右翼・浅井励司を学生会館にスパイとして送り込み、「監禁」というありもしない事件をねつ造し、法大生A君を容疑者としてデッチあげて強行された画歴史的な弾圧だ。
公安警察は4月下旬から右翼・浅井励司を学生会館に送り込み、サークルボックスを訪問させ、学生会館で「事件」をデッチあげる機会を虎視眈々(こしたんたん)と狙っていた。そして、5月16日学生会館BOX103号室において、学生A君が浅井を「監禁」したとデッチあげたのだ。
しかし、「事件」があったとされる当日、浅井はそもそも103号室に一歩たりとも入っていない。これは当日103号室に出入りしていた多くの学生の証言で明らかになっている。
事実は、学生会館を徘徊(はいかい)していた浅井に対してA君をはじめとした法大生が「公安警察と学習会をやっていると公言するような人間はお断りだ。ただちに学生会館より引き取ってほしい」と言い、浅井はうなずいて帰ったということだ。これのどこが「監禁」になるのか。当日、A君たちが浅井に「学館にはお断りだ」と声をかけているところを目撃している学生も多くいる。一部始終を見ていた学生もいたのだ。
浅井は初対面のサークル員の名前や年齢を知っているなど、警察権力から得たとしか思われない情報をもとに学生会館を徘徊していた。今回の「監禁」事件は5月16日にあったとされている。そして、裁判所が令状を発行したのが19日、不当捜索を強行したのが20日である。救援連絡センターの話では、この種の「事件」で4日後に捜索が強行されるのは早すぎてあり得ないという。公安警察が事前にシナリオを用意し、浅井を使い、「事件」をねつ造したとしか言いようがない。
しかし、デッチあげの破綻(はたん)は明らかだ。A君たちと浅井とのやりとりは多くの学生が目撃していたのだ。何もないところから、「事件」をねつ造するなど、無理な話だ。
今回の弾圧に警察権力の卑劣さが示されている。有事立法を絶対に阻止する、侵略戦争を絶対に許さないと闘う学生を、「事件」をねつ造してでも弾圧しようとしているのが警察権力なのだ。有事立法絶対阻止の荒々しい学生の闘いで不当弾圧は絶対に粉砕できる。法大生は闘うパレスチナ人民、闘うアジア人民と連帯し、全国の労働者・学生の最先頭で闘う決意だ。ともに闘おう!
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週刊『前進』(2056号8面3)
有事立法絶対阻止へ熱烈な夏期カンパを
全国の同志のみなさん。すべての『前進』読者のみなさん。
夏期一時金支給期にあたり、革共同はこれまでを倍する圧倒的なカンパを熱烈に訴えます。
許せないことに、小泉政権は会期を延長してでも今国会での有事立法の成立を強行しようとしています。有事3法案は「武力攻撃」の「予測」や「おそれ」という恣意
(しい)的解釈だけで自衛隊の武力行使がどこまでも可能となる完全な侵略のための戦争法です。首相に非常大権を与え、労働者人民には国家総動員を強いるものです。
みなさん! 日本の労働者人民は今、戦後史を画する重大情勢を迎えています。
日本の労働者人民はこの有事3法案を絶対に粉砕しなくてはなりません。私たち日本労働者人民の良心が根底から問われる時が訪れているのです。ここで決起しなければ、私たちは再びアジア人民に銃を向けることになります。今こそ小泉政権もろとも有事3法案をなんとしても葬り去る階級決戦の時です。
すでに闘いは5・24明治公園4万人の決起、5・26反戦共同行動委員会の力強い全国闘争として大きく開始されています。60年安保、70年安保・沖縄決戦を上回る戦後最大の階級決戦の爆発を闘いとる情勢が待ったなしに到来しているのです。
一方で有事立法攻撃と一体となった攻撃がかけられています。日本労働運動の精華である闘う国労闘争団の解体・圧殺を狙った、権力、JR資本、国労中央の策動です。5・27国労臨大は与党3党声明を丸のみした執行部案を「決定」しました。しかし闘う闘争団、戦闘的国鉄労働者は敵の策動を跳ね返して新たな闘いに立ち上がっています。
02年前半の日本階級闘争は有事立法決戦、国鉄決戦を軸にかつてなく激しく勝利的に切り開かれています。しかし闘いは始まったばかりです。一大階級決戦はいよいよこれからです。カクマル反革命、日本共産党スターリン主義、反動的潮流との内戦的攻防、党派闘争も激しさを増しています。
決戦の勝利には闘争資金が絶対に不可欠です。過去40数年のわが革共同の闘争の歴史は、多くの労働者人民のわが革共同へのカンパによって支えられた歴史でもありました。『前進』読者、支持者の絶大な支えなくして今日の革共同はありません。この場であらためてお礼を申し上げます。今またこうしてカンパを訴える以上、わが革共同は新たな決戦になんとしても勝利することをお誓いします。そしてみなさんとともに有事立法を粉砕し、小泉政権を打倒します。
同時に、星野文昭同志、爆取デッチあげ4同志を始め超長期の獄中同志を一刻も早く奪還するため、1億円基金の達成に協力していただきたいと思います。
革共同はみなさんのカンパを1円たりとも無駄にしません。ぜひとも今まで以上の夏期一時金カンパをお願いします。
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