ZENSHIN 2001/11/26(No2031 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2031号1面1)

米帝・多国籍軍のアフガン人民虐殺戦争許すな 出兵阻止! 佐世保現地へ
 小泉の戦争と治安弾圧粉砕し すべての獄中同志を奪還せよ
 階級的団結を固め来春闘へ

 十一・一一全国労働者総決起集会は、全国から結集した三千二百五十人の熱気あふれる大集会としてかちとられた。「テロ根絶」の名による戦争翼賛の大洪水と真っ向から対決し、帝国主義の侵略戦争を阻止する階級的労働運動の力強い隊列がついに巨大な前進を開始した。これに続き、今こそ革命的大衆行動の爆発で日帝の参戦を粉砕する闘いに総決起しよう。十一月二十六日の佐世保からの海自艦隊出兵を実力阻止せよ。米帝・多国籍軍のアフガニスタン人民虐殺戦争を許すな! 参戦基本計画とPKO法改悪策動に人民の怒りをたたきつけよ。今秋決戦はその歴史的出発点だ。闘うイスラム諸国人民との連帯を断固として貫き、階級的団結を圧倒的に強化して闘おう。小泉の戦争と治安弾圧を粉砕し、十二・一五獄中同志奪還大集会に結集せよ。

 第1章 戦争翼賛打ち破る新潮流運動の前進

 十一・一一集会の戦闘的大高揚は、日本階級闘争の流れを変える歴史的な出発点を切り開いた。全日建運輸連帯関西生コン支部と全国金属機械港合同、動労千葉の三組合による「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」の呼びかけにこたえて全国から結集した労働者の大隊列は、そのほとばしる戦闘性と階級的密集力において、過去三回の労働者集会から圧倒的に前進する地平を実現した。
 何よりもこの大結集は、九・一一反米ゲリラ戦のさく裂と、それへの「報復」を掲げた帝国主義によるアフガニスタン侵略戦争突入という戦後史を画する情勢の真っただ中で、この情勢と正面対決し、帝国主義を打倒する労働運動への飛躍をかけて闘いとられた。
 今始まっている戦争は、二九年型世界大恐慌の現実化の中での帝国主義による残虐極まるアフガニスタン侵略戦争であり、被抑圧民族皆殺しと第三次世界大戦へと行き着く戦争である。
 この帝国主義の戦争を絶対に許さず、何よりも自国帝国主義=日帝の参戦を実力で阻止する大闘争に立ち上がることなしに、労働者階級が階級として生きていくことはもはやできない。連合の労働貴族や既成野党、何よりも日本共産党スターリン主義の公然たる戦争推進派への転落の中で、日帝による階級圧殺攻撃を突き破って、帝国主義への怒りとその打倒を階級的団結の核心にすえた労働運動の新たな潮流がここに敢然と登場したのである。
 したがってそれは、戦争翼賛勢力による「テロ弾劾」の大合唱を粉砕し、プロレタリアートの国際連帯の精神を徹底的に貫くものとしてかちとられた。また階級的共同闘争の一層の発展をつくりだすものとなった。闘うイスラム諸国人民と連帯し、アフガニスタン侵略戦争を国際的内乱に転化する巨大な闘いの第一歩が切り開かれたのだ。
 集会は同時に、侵略戦争への参戦と軌を一に仕掛けられている未曽有(みぞう)の資本攻勢―労働組合破壊の大攻撃に対し、真っ向から対決して闘う路線と潮流の強固な団結を圧倒的に拡大するものとなった。
 米経済のバブル崩壊と世界大恐慌の現実化の中で、日帝・小泉政権は今や戦後の憲法や労働基本権をも一切投げ捨て、破壊して、労働者階級への搾取と抑圧を極限的に強め、戦争に総動員するために全力を挙げている。資本の利害と対立する労働組合の存在そのものを許さず、あらゆる団結を暴力的に解体するむきだしの攻撃に出ている。連合、JR総連、全労連など既成の労働運動幹部は軒並みこれに屈服し、逆に政府と資本の首切り・賃下げ攻撃の手先となって労働者階級に襲いかかっている。
 闘う労働者はこれに対して、腐敗し転向した既成の労働組合指導部を怒りを込めて打ち倒し、自らの団結と権利を実力で守りぬかなければもはや一歩も進めないのだ。三組合による新潮流形成の呼びかけが、苦闘する膨大な労働者の魂をつかむ決定的な情勢が訪れたのであり、十一・一一はその突破口を開いたのだ。
 ここにおいて、国鉄決戦の占める位置はますます重大である。十月国労大会での「四党合意」の破綻(はたん)、闘う闘争団とJR本体労働者の合流と反動執行部打倒の闘いは、今春闘での百二十時間ストライキを打ち抜いた動労千葉の不屈の闘いとともに、国鉄決戦の新たな地平を押し開いた。十一・一一の成功は、三組合の団結の上に、新潮流運動とこの国鉄決戦陣形とが大合流し、連合の帝国主義的労働運動やJR総連のファシスト労働運動を打倒していく闘いの展望を大きく指し示すものだ。
 十一月労働者集会が、日帝権力や反革命カクマルの敵対と必死の闘争圧殺策動を跳ね返し、日共スターリン主義や反動的労組幹部との激しい党派闘争を貫いて闘いとられたことは、今や労働戦線の中にますます巨大な分岐と大流動をつくりだすものとなっている。十一・一一に凝縮された根源的な力は、数万、数十万、数百万の労働者の爆発的な決起に必ずや発展する。
 切り開かれた地平を踏まえ、国鉄決戦をさらに推進しよう。NTTへの資本攻勢など、すさまじい大失業攻撃との闘いの先頭に国鉄決戦がある。国労大会以降、四党合意、JRのリストラ大合理化などをめぐって、すべてのエリア大会、地方大会での非和解的な分岐・激突が深まっている。
 一月末予定の国労中央委員会に向かって、闘争団・家族を先頭に、JR本体職場から国労再生の総決起をかちとり、闘争団切り捨ての四党合意にとどめを刺す闘いを推し進めよう。
 階級的団結を打ち固め、春闘解体策動を打ち破り、〇二春闘へ突き進もう。

 第2章 不屈の抵抗の歴史もつアフガン人民

 アフガニスタン情勢はますます泥沼化し重大化している。十一月十三日、タリバン政権が首都カブールを放棄し、米英軍の援助を受けた北部同盟がカブールに進攻、制圧した。
 最凶悪の米帝ブッシュは米特殊部隊をカブール市内などに投入し、米帝主導の多国籍軍を緊急展開してタリバン軍のせん滅戦とアフガニスタン全土の軍事制圧にのりだそうとしている。英、仏、独、日、伊などの各国がそれぞれの帝国主義的利害をかけて、次々と大規模な侵略出兵に動き出している。
 それらは、なおも続く破壊と飢餓のもとで、生存の危機にさらされ続けるアフガニスタン人民をさらに虐殺し、半永久的に国際帝国主義による抑圧と分断支配のもとにおき、それをテコに中東とカスピ海−中央アジア一帯の石油・天然ガス資源の略奪と勢力圏の再分割をめぐる帝国主義同士の強盗的な争闘戦を、一層激しく繰り広げるものだ。
 そもそも、この間米英が展開してきた戦争の実態は何か。文字どおりの民族皆殺しの侵略戦争ではないか。十月七日の空爆開始以来の約一カ月間に投下された爆弾やミサイルの総量は八千発。その中にはクラスター爆弾やバンカーバスター爆弾、さらには戦術核兵器と同じ破壊力をもつとされる燃料気化爆弾などの無差別大量虐殺兵器が含まれている。
 まさにジェノサイドというべき大虐殺を被抑圧民族人民に加えた上に、政権を転覆し、帝国主義の意のままになるかいらい政権を樹立しようとしているのだ。この帝国主義の暴虐を断じて許してはならない。
 タリバン軍は、米英軍の皆殺し戦争によって多大な犠牲とすさまじい重圧を受けながら、「戦略的撤退」に転じ、山岳ゲリラ戦を始めとする新たな戦闘体制を再編しようとしていると伝えられている。いかなる外的支配にも屈しない強い独立心と闘いの伝統を有するアフガニスタン人民は、祖国が帝国主義的勢力圏分割戦の戦場とされることを断固拒否し、米軍や多国籍軍の占領やかいらい政権デッチあげに反対し、民族自決を求めて新たな決意で闘っているのである。
 今こそ、闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義のアフガニスタン侵略戦争のエスカレーションを絶対に阻止しよう。
 米帝は他方で、イスラエルがこの機に乗じてパレスチナ自治区に侵攻し、大虐殺と破壊を繰り広げることを容認した。そしてパレスチナ人民のあらゆる抵抗闘争を「テロ」と攻撃してその根絶・解体を要求している。
 だがアフガニスタン情勢は米帝−国際帝国主義への屈服・従属も、親米かいらい政権の成立も許さないものだ。帝国主義的侵略戦争、帝国主義世界戦争に対する闘うアフガニスタン人民、パレスチナ人民、アラブ・イスラム人民の長期の巨大なゲリラ戦争、民族解放闘争は不可避である。

 第3章 PKO法改悪阻止小泉政権打倒せよ

 こうした中で日帝・小泉政権は、もはやあらゆる戦後的制約をかなぐり捨て、この侵略戦争・帝国主義戦争への参戦に日帝支配階級の命運をかけて突っ走っている。十六日には参戦基本計画を閣議決定。先に出兵した第一次部隊に続き、十一月二十六日にもイージス艦を含む本隊の佐世保からの出兵を強行しようと全力を挙げている。
 この出兵は、これまでの海外派兵とは次元が違う。米帝がアフガニスタン人民への皆殺し戦争を日々強行し、さらにそれをパレスチナやイラクをも含む中東全体に拡大しようとしている中で、その戦場のまっただ中に自衛隊がのりだし、帝国主義軍隊による虐殺と破壊に「主体的に」加わっていくということなのだ。これは戦後史の反革命的な大転換である。
 自衛隊による軍事行動の展開地域はインド洋・ディエゴガルシア島を中心に、アラビア海、ペルシャ湾からマラッカ海峡、東南アジア、グアムやオーストラリアに至る広大な海域をすべて含む。出撃するのは艦艇六隻、航空機七機、兵員千五百人を超す大部隊だ。期間は一年。だがこの規模も期間もいくらでも拡大・延長できる。日帝はさらに陸上自衛隊の出兵のチャンスをも公然と狙っている。
 そして、自衛隊による武器使用基準の緩和と、PKF(国連平和維持軍)参加凍結解除を柱とするPKO法の改悪が、参戦三法に続いて今国会で強行されようとしている。アフガニスタンを軍事制圧する多国籍軍編成の動きに、日帝として全力で対応しようとしているのだ。
 これらは、従来の日米安保の枠組みからさえも明確にはみ出すものである。これ自体が憲法の完全な解体であり、政府による一種のクーデターとも言うべきものだ。しかも小泉は参戦こそが「常識」だとうそぶいて、帝国主義と命運をともにせよ、さもなくば生きられないぞとすさまじい恫喝を仕掛けている。
 この小泉と日帝の恐るべき策動をこれ以上放置することは絶対にできない。それは日本人民の階級的な死と破局への道だ。日本が今まさに新たな十五年戦争を開始しようとしていることに、怒りを爆発させて立ち上がらなければならない! 
 全学連を先頭に、闘う労働者人民は佐世保現地での出兵阻止闘争に断固決起しよう。全国全人民の総決起を呼びかけるとともに、自衛隊兵士に隊内からの出兵拒否を呼びかけよう。
 さらに、米帝によるアフガニスタン・中東侵略戦争の最大の出撃基地と化している沖縄で、不屈に闘う沖縄人民との連帯を今こそ決定的につくりだして闘うことが求められている。名護新基地建設阻止の闘いを強めよう。
 三里塚では、軍事空港建設と農民圧殺のための暫定滑走路攻撃との決戦がぎりぎりの正念場を迎えている。ジェット機を頭上に飛ばして、住んでいる農民を追い出す、これこそ国家によるテロルそのものだ。十一・二一テスト飛行阻止・三里塚現地闘争(午前九時、市東さん方南側の開拓道路集合)に決起しよう。
 参戦阻止の国会闘争、北富士などの基地闘争を不屈に闘い、あらゆる職場、学園、地域で巨万人民の反戦闘争への決起を徹底的につくり出して闘おう。革命的宣伝で街頭を席巻し、侵略出兵阻止・有事立法・改憲阻止をかけて佐世保現地へ総結集しよう。

 帝国主義の側に立った日共

 この闘いを展開する上で日本共産党などの叫ぶ「テロ根絶」論と「国連による武力行使」容認論を怒りを込めて粉砕しなければならない。「テロ根絶」とは帝国主義が侵略戦争を強行するために掲げたスローガン以外の何ものでもない。これに賛成することは、どんな理屈をつけようと、米英帝の行う被抑圧民族への皆殺し戦争を結局は全面的に正当化し、それに賛成し翼賛するものでしかない。
 そもそも米帝ブッシュは今回の侵略戦争突入に際して、「アメリカの側につくか、それともテロリストの側か」という二者択一を他帝国主義諸国や全イスラム諸国および全世界の人民に突きつけて屈服を迫った。米帝の要求に従わない者はすべて「テロリストと同じ」だと言い放ち、世界最大の軍事力をもつ米帝による「せん滅」の対象と宣言したのである。
 日共スターリン主義が掲げる「テロ根絶」最優先論と「国連による武力行使容認」論は、この米帝の恫喝に全面屈服するものだ。すなわち、帝国主義の暴力支配に対する被抑圧民族人民の命がけの決起は「根絶せよ」と叫び、逆にこれへの帝国主義軍隊の無制限の暴力(これこそ最大のテロルだ!)は容認するものである。日共は、イスラエルの戦車に投石した少年がひき殺されている中で、少年が石を投げなければひき殺されずにすんだはずだ、とでも言うのか!
 連合や日共スターリン主義による「テロ弾劾」の絶叫は、まさに現代における祖国防衛主義のスローガンであり、帝国主義の側への移行である。それは、スターリン主義の本性をむき出しにした、被抑圧民族との連帯の否定と解体であり、労働者階級の国際反戦闘争への決起の圧殺である。これとの党派的死闘に断固かちぬいて、巨大な反戦闘争・国際反戦闘争を今こそ大爆発させていこう。
 さらに、「イスラムのジハード自爆」万歳を叫ぶ反革命カクマルの反米国粋主義へののめり込みと、闘う人民への破滅的敵対と白色襲撃策動を断固粉砕し、カクマル追撃へ闘おう。

 治安弾圧7法の改悪弾劾!

 帝国主義的侵略戦争への日帝・自衛隊の本格的な突入は、国内の階級支配をも一変させる重大情勢として全労働者人民に襲いかかっている。参戦三法の成立に続いて、爆弾テロ防止条約の批准と関連治安弾圧七法の改悪が超スピードで国会を通過し、司法制度改革推進基本法の成立が強行された。入管法の改悪攻撃が同時に強まっている。
 これらは、戦時入管体制・戦時治安弾圧体制の形成に道を開くものであり、有事立法・改憲攻撃への突破口だ。これらの攻撃は一見とうとうと進行しているように見えても、その背後には実際には日帝の真に絶望的な危機がある。小泉政権のもとでの大失業と生活破壊の進行に対する労働者人民の根源的な怒りが、戦争への怒りと結びつき、いつ爆発するかの恐怖に、日帝はさいなまれている。
 十二・一五獄中同志奪還の大集会は、この点で決定的な意義をもっている。七〇年決戦以来の、また八〇年代中曽根政権との死闘以来の激戦激闘をその最先端で貫いてきた長期獄中同志の不屈の存在と闘いこそ、日帝権力に対する人民の闘いの非和解性と勝利性とを根底的に突き出すものである。革共同は、この集会を戦時治安弾圧粉砕・獄中政治犯奪還への総決起集会としてかちとることをすべての闘う人民に呼びかける。大成功をかちとろう。
 一切は、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利へ向けたレーニン主義の党の建設にかかっている。労働者階級人民による革命的大衆行動の爆発をつくり出し、階級的労働組合の新潮流をさらに拡大し、革命的議会主義の闘いを推し進めていくことだ。
 闘うイスラム諸国人民との連帯の内実を打ち固める大学習運動を展開しよう。
 年末一時金決戦に総力決起し、党の財政基盤を打ち固める闘いに勝利しよう。革共同六回大会路線のもと、強大な党の建設へ、確信も固く突き進もう。

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週刊『前進』(2031号1面2)

闘う労働者党建設へ熱烈な年末カンパを

 すべての同志諸君! 支持者、『前進』読者の皆さん!
 九・一一反米ゲリラ戦に続く帝国主義強盗どもによるアフガニスタン侵略戦争は、巨大な国際反戦闘争の爆発を激しく迫るものとなっています。革共同は、今次年末一時金支給時にあたり、これまでを倍する闘争資金カンパの集中を訴えます。
 戦術核兵器に匹敵するという燃料気化爆弾や対人大量殺傷のためのクラスター爆弾の使用、B52戦略爆撃機による無差別じゅうたん爆撃が連日報道されています。
 厳寒期を迎えたアフガニスタン人民の数百万単位の飢餓と殺りくが問題になっています。ここに日帝自衛隊が参戦し、帝国主義列強の残虐な侵略戦争を遂行しようとしています。闘うイスラム諸国人民と連帯した闘いが求められています。
 十一・一一全国労働者集会の大高揚と国際反戦闘争の熱烈なアピールは、階級的総反撃の始まりを告げ知らせました。国鉄決戦を最大の戦場に、帝国主義打倒の労働運動が本格的に開花しようとしています。
 さらに十一・九佐世保現地闘争は、全学連を先頭に自衛隊艦隊派兵阻止の闘いとして市民の圧倒的共感を呼び、ファシスト・カクマルを蹴散らしてかちとられました。
 まさに情勢は一変しつつあります。そうであればこそ、いよいよ本格的に革命的大衆行動を爆発させること、同時に革命的労働者党を建設することが必要です。
 アフガニスタン侵略戦争は、その背後で進行する世界大恐慌と帝国主義間争闘戦の問題とからみあって、第三次世界大戦にまでいたる帝国主義強盗どもの侵略戦争として進行しています。
 当然にもそれは、国内における階級戦争との闘いと一体です。参戦法案をめぐるこの間の国会の総翼賛状況と連合指導部による愛国労働運動の提唱、小泉「聖域なき構造改革」と国労解体・千四十七名闘争圧殺の攻撃、日共スターリン主義の「テロ根絶」の絶叫と戦争擁護、ファシスト・カクマルの十一・一一全国労働者集会への妨害策動は、すべて同根の問題です。自国帝国主義の打倒か、それとも階級的労働運動の解体か。今やプロレタリア革命の問題が全労働者人民の直面する現実の問題となりつつあります。そして総転向、総屈服を遂げた既成指導部にとって代わる革命的労働者党の本格的建設が待ったなしの課題となっているのです。
 二〇〇一年末から二〇〇二年の階級攻防は、壮絶な決戦の過程となります。それを、帝国主義の支配をうち破る労働者階級の胸のすくような決起と進撃の時としようではありませんか。
 階級決戦攻防のスケールにみあった闘争資金が必要です。第六回大会の歴史的成功をもって、二十一世紀の早い段階での革命勝利のための綱領的路線的準備をなしとげた革共同に、巨額の闘争資金カンパを集中されるよう熱烈に訴えます。

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週刊『前進』(2031号2面1)

11・11全国労働者集会 国際反戦闘争の突破口 日比谷野音
 戦争突入下で労働者の団結固く反戦・反失業の叫びとどろく
 小泉「構造改革」と対決し 闘う労組のネットワーク新潮流運動が大前進

 十一月十一日、日比谷野外音楽堂で、「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 小泉『聖域なき構造改革』路線と対決する十一・一一労働者集会」が開かれた。この集会は、全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の三組合の呼びかけのもとに結成された集会実行委員会が主催し、全国から三千二百五十人が結集した。十一月労働者集会は今年で四回目を迎えた。今回の集会は、帝国主義各国がアフガニスタンへの侵略戦争を開始し、日本がこれに参戦するというきわめて重大な情勢の中で闘われた。国際反戦闘争の一翼を担う日本の労働者階級の決起をいかにつくり出すのかが鋭く問われる中での集会だった。また、小泉「構造改革」のもとでの激しい資本攻勢に対し、労働者の闘いと団結をどう拡大するのかということも重大なテーマであった。参加者は意気高くこの日の闘いを貫いた。戦争と大失業を打ち破る闘う労働運動の新たな潮流の台頭は力強く開始された。この闘いのさらなる発展をかちとろう。(本紙・長沢典久。主な発言要旨は別掲)

 この日は、労働者の未来を切り開く闘いの日にふさわしい、さわやかな秋空が広がった。正午前には全国から集まった労働者の隊列が会場を埋めた。それぞれの参加者が、激闘を闘いぬき、さらなる闘いに挑戦する意気に燃え、生き生きとした表情で集会に臨んだ。
 開会前には、ギターを持った若者が歌で侵略戦争反対を訴えた。
 正午、動労千葉の君塚正治副委員長が開会を宣言した。「アメリカはアフガニスタンへの戦争を開始した。侵略戦争を許さず、怒りを込めて立ち上がろう。動労千葉は六、七年前から大失業と戦争の時代が来ると訴えてきたが、侵略戦争が始まり失業率は五・三%にもなっている。資本主義は労働者を養えなくなった。一致団結して闘おう」と集会の趣旨を訴えた。
 司会を務める動労水戸の木村郁夫書記長と港合同の大野ひろ子さんが登壇し、大野さんが「今この瞬間もアフガニスタンへの空爆が続き、自衛隊艦船がインド洋に向かっている。その中での集会だ。中東・アラブ・イスラム諸国人民に届く闘いを」と呼びかけた。
 早稲田大学名誉教授の佐藤昭夫さん、沖縄反戦地主の知花昌一さん、「憲法と人権の日弁連をめざす会」の遠藤憲一さん、「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の西山勲さん、部落解放同盟全国連合会書記長の中田潔さんが連帯のあいさつを行った。佐藤さんは国鉄闘争の勝利を訴え、知花さんは侵略戦争下の沖縄の現状を報告して、米軍基地撤去と反戦の闘いを強調した。遠藤さんは「司法改革」との対決を訴え、西山さんは日本の参戦を厳しく弾劾した。中田さんは、切迫する狭山異議審情勢を報告し、狭山闘争への労働者の決起を呼びかけた。
 パキスタンの労働者からのメッセージが読み上げられ、参加者は被抑圧諸国人民との連帯をかけて反戦闘争に立つ決意を固めた。

 “変革者の立場で労働運動を”

 呼びかけ三組合の代表があいさつし、関西生コン支部の錦戸憲二副委員長が「アメリカの報復戦争と日本の参戦を阻止しなければならない」と訴え、産業別・業種別労働運動の実践を語り、「激動の情勢こそチャンス。変革者の立場で労働運動を展開しよう」と呼びかけた。
 港合同の辻岡尚執行委員は、六件の倒産攻撃と対決する港合同の闘いを、「この攻撃に立ち向かうことができたのは団結権を対置して闘ったからだ。今日、確実な勝利をつかみ取ろうとしている」と報告した。そして、「九月十一日の事件の中から、本物の反戦闘争が巻き起こっている。全世界の労働者と連帯する反戦の闘いを」と訴えた。
 動労千葉の田中康宏委員長は、「われわれは『テロにも戦争にも反対』という立場にきっぱりと反対する。それは、この戦争の本質を覆い隠し、戦争反対の方針を曇らせて、労働者人民を再び戦争協力に引き込むことになるからだ」と提起し、「戦争の根源をなす帝国主義を打ち倒そう。資本主義体制は万策尽きている。これに取って代わる、労働者が胸を張って生きる社会の仕組みをつくり出そう」と真っ向から訴えた。
 続いて、五人の国労闘争団員が登壇した。四党合意以来の国鉄闘争をめぐる激しい分岐の中で、連続する闘いを貫いてきた闘争団に満場の拍手が送られた。
 この集会には、幾つかの国労闘争団からのメッセージが寄せられた。九州の闘争団員がそれを読み上げ、さらに佐世保港からの自衛艦の出港阻止を訴えた。
 北海道の闘争団員は、「国労は脱線したレールの上を走っているが、必ずや闘うレールの上を走らせる」ときっぱりと語った。
 本州の闘争団員は、四党合意撤回の申し立てを棄却した中労委反動命令を激しく弾劾し、「私たちは負けない。どこまでも闘いぬいて勝利する。勝つまで一生闘う」と決意を表明した。
 沖縄から駆けつけた二十人の沖縄行動団が登壇し、沖縄バヤリース労組の柿本博人委員長が「きょうの集会を国際反戦闘争の新たな出発点にしよう。沖縄から新たな闘いの炎を燃え上がらせる。米軍基地撤去へ闘いぬく」と訴えた。
 広島県教組の組合員は、「アフガニスタンへの空爆が続く中、ヒロシマ・ナガサキを繰り返すのかという問いが突きつけられている」と提起し、「日の丸・君が代」反対闘争への処分攻撃との闘いを報告して、教育基本法改悪反対の署名運動を呼びかけた。
 「特殊法人改革」と闘うアピールが読み上げられた。「戦う以外に労働者には活路はない」「受け身でなく、むしろうって出るべきだ」という訴えに、参加者は小泉「構造改革」の最大の焦点となっている特殊法人廃止・民営化攻撃を打ち破る決意を新たにした。
 カンパアピールをしたスタンダード・ヴァキューム石油自主労組の組合員は、アフガニスタン侵略戦争を「石油利権の確保を狙うもの」と弾劾し、石油独占エクソン・モービルの足下で闘いぬく決意を語った。

 解雇・リストラに大反撃誓う

 決意表明では、五人の労働者が発言した。
 全金本山労組の長谷武志委員長は、九・一一反米ゲリラ戦について「被抑圧国人民の糾弾を受けとめ、階級的労働運動をつくらねばならない」と訴え、「本山闘争は、一人の仲間の解雇に対して、全員が兵糧攻めになっても闘ってきた。解雇撤回・原職復帰へ全力で闘う」と宣言した。
 全逓労働者は、「反戦闘争の爆発で大失業と戦争の時代を闘おう。郵政公社化に向けた人員削減攻撃に対し、労働者の団結を打ち固めて闘う」と発言。
 自治労川崎市職の労働者は、「自衛隊・米軍艦船の入港が激しくなっている。自治体労働者は、民間労働者とともに抗議闘争を闘った。九月一日の『防災訓練』でも、支部で抗議声明を出して組合員の動員を拒否しぬいた。公務員制度改革に真っ向から反対する。自治労本部の腐敗を、官憲の手ではなく組合員の手で究明し、闘う自治労をつくり出す」と訴えた。
 関西合同労組は「失業労働者は闘うぞ」の横断幕を掲げて三人が登壇。しごと開発事業の打ち切りに抗して百数十人が知事室前を占拠した闘いを報告し、「資本主義の根底的な矛盾である失業に対し、失業者が自ら組織者となって闘った」「地域労働運動の拠点をつくり倒産・リストラと全力で闘う」と決意を述べた。
 集会アピールを動労千葉家族会の佐藤正子会長が読み上げた。集会スローガンとともに、全参加者の拍手で採択された。
 行動提起を三一書房労組の三角忠さんが行い、「全労働者の団結で堂々たるデモを」と檄を飛ばした。
 閉会のあいさつをした関西生コン支部の高英男副委員長は、「戦時下に開催したこの集会の意味を重く確認したい。小泉構造改革とは、戦争に参加できる国家をつくり、労働者に痛みを押しつけるということだ。自衛隊の出兵に断固反対する。国鉄闘争勝利の旗を掲げ、闘う労働組合のネットワークを全国に広げることを確認したい」と訴えた。
 全参加者でインターナショナルを歌い、中村吉政港合同副委員長の音頭で団結ガンバローを行った。
 集会後、参加者は銀座−東京駅前を経て常磐橋公園までのデモに出た。「首切り反対、戦争阻止」のコールがこだました。道を行く労働者市民が共感をもってデモを見守った。ともにデモに加わる労働者も現れた。戦争反対を訴えた英語のプラカードに、外国人労働者が注目した。

 階級的労働運動再生へ拠点

 今年の十一月労働者集会は、九・一一反米ゲリラ戦と米帝のアフガニスタン侵略戦争への突入という重大情勢の中で、侵略戦争阻止を自らの課題として正面から引き受ける闘う労働運動の登場を告げ知らせた。「テロ弾劾」の反動のあらしの中で、これを突き破る゛本物の反戦闘争゜が、闘う労働運動の軸心にしっかりと据えられた。集会には、米日欧帝国主義の残虐な侵略戦争への怒りが横溢(おういつ)した。全世界で闘われる反戦・反帝国主義の闘いに呼応する、新たな闘いの火種がここにともされたのだ。
 資本攻勢の激化の中で合流した三労組と「闘う労働組合の全国ネットワーク」の運動は、今や反戦闘争においてもスローガンと行動をともにする固い団結を生み出している。
 小泉「構造改革」のもとでの一大資本攻勢・階級的団結の圧殺攻撃と闘う橋頭保も築かれた。呼びかけ三組合はいずれも、資本・権力の激しい攻撃と真正面から闘いぬき、その中で団結を守り強化してきた経験を持っている。それはまた、日本共産党やカクマルの反革命的敵対との熾烈(しれつ)な攻防でもあった。
 今日、連合や日本共産党が帝国主義の侵略戦争の凶悪な先兵と化し、労働者の団結も権利もすべて売り渡そうとしている時、三組合の呼びかけのもとに、闘う労働運動の再生を願う多数の労働者が結集したことの意味は大きい。集会に参加した多くの労働者・労働組合は、三労組に学び、激化するリストラ・首切り・賃下げ攻撃への反撃の闘いに決起しつつある。そうした闘いの実践が、それぞれの発言ににじみ出た。
 また、この集会の熱気と集中力を生み出したのは、国鉄闘争の不屈の展開であった。四党合意をめぐる鋭い分岐は、そのまま労働運動総体の行方を決める位置を持っている。この集会は、心の底から国鉄闘争の勝利を願い、そのための方針を真剣に考え、骨身を惜しまずに実践する勢力を結集して闘われた。その闘いは、国労の階級的再生を目指して苦闘する闘争団の闘いと根底において相通じている。集会に寄せられた闘争団からのメッセージは、それを示している。
 さらに、今回の集会は権力・カクマルの敵対と妨害を、労働者の内発的決起で打ち破って闘いとられた。
 帝国主義の侵略戦争に対決し、階級的労働運動を再生させる拠点は築かれた。この闘いを、今こそ全国の各職場・各地域に押し広げよう。闘う労働運動の新たな潮流のさらなる台頭をかちとろう。集会の成功を、新たな闘いへと直ちに転化しよう。

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週刊『前進』(2031号2面2)

11・11全国労働者集会
 呼びかけ組合代表あいさつ

 激動の情勢こそ好機 全日建運輸連帯・関生支部

 本集会も四回目を迎え、恐慌の二十一世紀を牽引(けんいん)する真価が問われています。世界同時不況と政治・経済危機の中で、九・一一事件を引き金に戦争と恐慌の時代に急展開しています。小泉政権は、テロ特別措置法など三法を成立させ、戦場への自衛隊派兵・海外での武力行使に踏み出しました。私たちは、アメリカの報復戦争と日本の参戦を阻止しなければなりません。私たちは間違いなく時代の転換点に立っています。
 国鉄闘争において、闘ってきた労働者の人生を勝手に決めつける「JRに法的責任なし」とする国家的不当労働行為の四党合意がまかり通れば、合理化のあらしの中で、解雇や組合つぶしはやり放題となり、労働委員会制度を根底から空洞化させるものになります。
 関西生コン支部は結成以来、「他人の痛みはおのれの痛み」を合言葉に果敢に闘ってきました。独占資本や権力は、私たちの闘争を目の敵にし、警察・検察・裁判所が一体となって、私たちの闘争を「組織的犯罪」として位置づけ、組合破壊攻撃を画策してきました。当組合に不当労働行為を行っている世界産業グループに、私たちが二億六千万円の損害賠償をしろという不当な判決が出ています。今年も解雇撤回と団体交渉を求めた組合役員二名が不当逮捕されました。
 私たち関西生コン支部を中心にした生コン関連五労組は、産業政策を提起し、ストライキを背景に中小生コン経営者を協同組合に結集させ、統一労働条件の前進を目指しています。
 さらに、関連するバラセメント業界やコンクリート圧送業界においても、セメント・ゼネコン独占資本の支配を覆すべく、中小企業経営者の組織化とそこで働く労働者の組織化が大きく前進しました。圧送業界で初めて業種別・産業別労働組合が結成され、昨年から今年にかけて二波のストライキを貫徹しました。
 未組織に置かれた無権利状態の膨大な中小企業労働者の組織化のためにも、産業別・業種別労働運動の全国展開が求められていると思います。
 今、世界では劇的な変化が起きています。激動の情勢こそチャンスです。闘うことで情勢を切り開く変革者の立場で労働運動を展開すれば、必ずや新しい時代が切り開かれます。規制緩和・リストラ・戦争国家反対などの問題を提起する仲間が、思想、信条、路線、方針の違いをのりこえて、新たな労働運動の前進のために、ともに大同団結することを呼びかけます。

 倒産攻撃と闘い勝つ 全国金属機械・港合同

 今日の世の中は、きわめてせちがらく厳しい状況に至っています。全面的な資本の攻撃の前に、われわれはこの数年の激闘を闘わなければならなかった。
 港合同に対しては、九九年四月の寿鋼管に対する住金物産の倒産攻撃から始まり、大正物流、港高周波、太陽堂、二〇〇〇年七月には住友銀行が大熊鉄工に対する倒産攻撃を仕掛け、二〇〇一年一月には丸善が空創への倒産攻撃をかけた。
 この二年、港合同は六件の倒産攻撃と闘ってきた。独占がわれわれの職場に乗り込み、直接倒産を仕掛けるという攻撃でした。われわれは、この六件の倒産攻撃に立ち向かい、今日、確実な勝利をつかみ取ろうとしています。
 なぜわれわれはこの倒産攻撃に立ち向かい、闘うことができたのか。倒産攻撃・破産攻撃に明確に団結権を対置して闘ってきたからです。六件の倒産攻撃に対しても、われわれはあくまでも団結権を対置し、断固として闘う決意を資本に対して、裁判所に対して示してきたからです。
 坂口厚生労働大臣が言う解雇ルールの法制化、これはいったい何を意味しているのでしょうか。こうすれば解雇してもいいと、労働者に対する首切りの法律が堂々と成立しようとしている。しかもその本質は、団結権の破壊です。まさに、戦後労働運動が守り抜いてきた団結権が危機にさらされている。
 倒産・解雇といかに闘うか。団結権を守って初めて、労働者を解雇から守ることができる。労働者の権利を守ることができる。労働組合の権利を守ることができる。今、五人に一人が解雇されている状況の中で、労働運動の危機が、われわれが守らなければならない闘いがここにあることをしっかりと確認したいと思います。
 九月十一日のアメリカにおける事件で、全世界の平和運動は確かに大きな後退をした。しかし、あの事件の中から、本物の反戦闘争が巻き上がっていることを確認しましょう。韓国の民主労総は訴えているではないか。「テロ反対をのりこえ、本当の反戦の闘いを」と。本当の意味で全世界の労働者と連帯する反戦の闘いをつくりあげようではありませんか。
 労働者の権利を守ることと、正面からの反戦の闘いを明確に確認しましょう。ともに頑張りましょう。

 反帝国主義の一翼を 国鉄千葉動力車労働組合

 私たち三組合は、きょうの集会を特別の思いで呼びかけました。すでにアメリカ始め帝国主義諸国が総力を挙げてアフガニスタン侵略戦争を開始しています。
 小泉政権は、参戦三法をわずか三十時間あまりの審議で強行しました。日本が再び侵略戦争に打って出るのを許すのか、それを阻止することができるのか。きょうの集会はその大きな分岐の中にあります。
 「テロにも戦争にも反対」という立場にはきっぱりと反対します。それは、この戦争の本質を覆い隠し、戦争反対の闘いの方針を曇らせ、多くの労働者を再び戦争協力へと引き込むことになるからです。
 この戦争は、中東・中央アジアの石油・天然ガス資源の争奪をめぐる強盗戦争です。第三次世界大戦の引き金を引きかねない戦争です。戦争の根源をなす帝国主義を打倒する闘いに総決起しなければなりません。
 世界では反帝国主義の広範な怒りの声が噴出しています。怒りは臨界点を超え、新しい歴史が動き出そうとしています。世界で反戦の声が大きく巻き起こっています。日本の労働者に問われているのは、国際的な反戦闘争・反帝国主義闘争の一翼を担う闘いを、つくりあげることができるのかどうかということです。
 労働者はあらしのような攻撃にさらされ、生きる権利、働く権利、団結する権利が根底から破壊されようとしています。戦争と大失業が社会を覆っています。社会のあり方が根本から間違っている。こんな社会を打ち倒しましょう。
 国鉄闘争も大きな正念場を迎えています。四党合意をめぐる鋭い分岐の中で、一方には政府の攻撃に屈し、千四十七人の仲間たちを切り捨てて、国労を自らの手で解体してしまおうという勢力がある。もう一方には、千四十七人闘争の勝利と労働運動の戦闘的再生を願い、そのために全力で闘おうという勢力がある。こうした分岐が労働運動全体に大きく波及して、労働運動の解体か再生かをかけた攻防が行われています。
 私たちには、千四十七人闘争の当該組合として国鉄分割・民営化攻撃を跳ね返す責任があると考えます。
 今われわれは、すべてを巻き込んで疾風怒濤(しっぷうどとう)のように激動する変革の時代に存在しています。こうした激動の中でこそ、われわれは力を発揮する存在です
 すでに資本主義体制は万策尽きています。労働者が胸を張って生きることができる社会の仕組みをつくり出そう。動労千葉はその闘いの先頭に立つ決意です。

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週刊『前進』(2031号3面1)

11・11全国労働者集会
 特別アピール 闘争団とともに決意

 自衛艦出港阻止を 国労九州A闘争団 

 十一月九日、佐世保港から護衛艦二隻、補給艦一隻が、アフガニスタン侵略戦争を遂行するアメリカ・イギリスを援助するためにインド洋に出ていきました。日本の労働者は、これを絶対に許してはなりません。二十日前後にも、海上自衛隊の本隊が、アメリカ軍の戦争支援のために、アフガニスタン人民の大量殺戮(さつりく)のために、イージス艦「こんごう」を先頭に、また佐世保から出港しようとしています。
 私たち日本の労働者は、世界の労働者に対して、゛日本の労働者ここにあり゜という闘いを展開しなければなりません。自衛艦の出港阻止へ、ともに立ち上がることを訴えます。

 強く闘い展望開く 国労北海道B闘争団 

 たった二、三週間の国会審議で、日本が戦争の当事国となる自衛隊派兵が決められました。このまま黙っていていいのですか。ニュースでは、毎日アフガニスタンの幼い子どもたちがアメリカの空爆で傷つき、息を引き取っていく映像が流されています。それを見て何も感じないのですか。
 この理不尽な空爆に日本が加担しようとしています。なんとしても日本からの派兵を阻止したい。
 若い人たちに訴えたい。三十年前は、この日比谷野音を拠点にして、多くの先輩が日本の平和と民主主義を守るため、国会を埋め尽くす諸行動を展開しました。その経験を聞き、職場で学舎(まなびや)で、今日本が危機なんだと訴えていただきたい。もう一度、反戦闘争を高揚させ、平和と民主主義を守る闘いに積極的にかかわりたい。
 きょう、この集会の入り口には、紺の制服を着た人たちが多く立っていました。国労大会でも、多数の招かざる客が会場周辺を埋め尽くしました。権力に守られた国労大会に何の意味があるのか。今、国労は脱線したレールを走っています。必ずや、私たちの手で闘うレールの上をきちんと走らせることを誓いたい。
 失業率は今、五・三%。リストラという横文字さえ使えば何でもできる、その先鞭(せんべん)を付けたのが国鉄分割・民営化です。リストラされ、解雇された人はわれわれと一緒に闘いましょう。時には強く、激しく闘ってこそ勝利の展望は切り開けます。
 私たちも先頭で闘います。ともに闘い、ともに勝利の日が来るまで頑張りましょう。

 私たちは負けない 国労本州C闘争団 

 自民党・運輸省・JRは、国労・動労千葉をたたきつぶすために国家的不当労働行為である分割・民営化を強行した張本人です。その張本人が、国労に「JRに法的責任なし」「裁判取り下げ」を臨大で決定しろと支配介入し、首を切られた当事者にそれを言わせるのが四党合意です。そうして、前代未聞の国家的不当労働行為を闇(やみ)に葬り去ろうとしたのです。
 昨年七月一日の大会で、これを受け入れるという本部に対して、自分の人生を否定されてたまるかという必死の思いで、私たちは我を忘れて演壇に殺到しました。それに対する本部側の回答が、一月続開大会での千人の機動隊導入でした。
 それから九カ月あまり、先月の定期大会を迎えてもなんら具体的解決案は示されません。解決案などそもそもあるはずないのです。不当労働行為がなかったというのなら、なぜ国労や動労千葉の組合員七千六百二十八人がJR不採用とされたのか。なぜ、国鉄清算事業団から千四十七人が二度目の解雇を強いられたのか。なぜこの過程で二百人が自殺に追い込まれのか。
 JR総連カクマルのように、「闘争団はだだっ子集団だ」とでも言うのですか。冗談ではない。
 私たちはその思いから、全国の仲間とともに地労委に四党合意は不当労働行為であると申し立てました。
 しかし十月二十四日、中労委は一度の調査もせず再審査の申し立てを棄却しました。こんなことはいまだかつてないことです。徹底的に闘います。
 今回の国労大会を前に、自民党・国土交通省鉄道局は裁判取り下げを執拗(しつよう)に迫っていました。本部はこの圧力に屈して「追加方針」を突如として提案しました。しかし、総力を挙げた闘いで、こうした支配介入をはねのけ、彼らの思惑を再び破産に追い込んだのです。
 私たちは負けません。どこまでも闘い抜いて勝利します。四党合意推進派は、「お前らは一生闘っていろ」と罵声(ばせい)を浴びせたが、勝つまで一生闘います。絶対に勝ちたい。

 帝国主義と対決を 沖縄行動団

 バヤリース労組の解雇撤回闘争を、当該の団結を維持しながら二年四カ月闘い続けてきて、勝利的な和解をかちとりました。時を同じくして、若い現場労働者とともに新規の労働組合の結成をかちとりました。また解雇撤回闘争をとおして、支援と連帯の闘いが大きく深く浸透してきました。ささやかではありますが闘う勢力として、沖縄の労働運動の一角に食い込み始めました。
 本日の集会は国際反戦闘争の新たな出発点としてきわめて意義深いものです。九・一一の反米ゲリラに対して、沖縄の地元紙に、あるおばあの言葉が紹介されました。「沖縄の人を追い出して五十年間も基地を居座らせているアメリカに罰(ばち)があたったさー」と。
 九・一一の根本的原因は帝国主義の問題です。沖縄学の父と言われる社会思想家の伊波普猷(いは・ふゆう)は戦前の段階で「沖縄の状態は帝国主義の問題である」と正しく見抜いています。帝国主義の問題とは日本の存立の問題であり、日米安保の問題、基地と戦争、戦争への参加と殺戮、暴力と略奪と差別の帝国主義の支配の問題です。それは沖縄の労働者の直感です。
 労働者はまず帝国主義の支配を問題にするのであり、「テロ弾劾」路線は侵略戦争容認路線として、きわめて間違った考えです。自国の帝国主義の支配と戦争と対決することで労働者は国際連帯の大きなネットワークをがっちりとつくり出すことができると確信しています。アフガニスタンへの侵略戦争を阻止するための議論と実践をとおして、全世界で大きく巻き起こっている反戦運動と連帯して闘っていきたい。
 国際反戦闘争は沖縄闘争と同じ軸にあります。侵略最前線基地・沖縄の地から、深く広く力強く闘う労働運動を燃え上がらせ、軍事基地を撤去し、日米安保を本当になくす、日本の新しい夜明けを切り開くために闘います。

 教基法改悪阻止へ 広島県教組の労働者 

 今、アフガニスタンへの空爆が日々激しさを増す中で、ますます私たち日本の労働者階級人民に「ヒロシマ・ナガサキを再び繰り返すのか」の問いが厳しく突きつけられています。広島では十月二十一日には集会とデモを行い、被爆者、被爆二世、被爆三世が四十八時間ハンガーストライキを闘いました。イスラム諸国の人たちが「NO WAR」と書いた看板の前でVサインをして記念撮影をする姿もありました。自衛隊員の家族や子どもは「お父さんを戦争に行かせたくない」と署名しました。
 政府の進める教育改革について訴えます。教育改革は侵略教育推進の道です。広島では教育基本法改悪反対の署名運動に立ち上がりました。教育改革国民会議答申と二十一世紀教育改革プランは「日本人の教育」と言っています。進んで戦争に行く人間、国家の役に立つ人間を育てようとしています。労働者階級全体の利害にかかわる問題です。教育基本法改悪反対の大運動を巻き起こしましょう。
 広島県教委の辰野教育長は、今春の卒・入学式で「君が代」斉唱時に立たなかったという理由で、五月十一日、文書訓告二十九人、戒告七十八人という不当な処分を出しました。これに対して六月の広教組定期大会において、不当処分撤回闘争を組織の総力をあげて闘う方針を満場一致で確認しました。辰野教育長が三年の「是正指導」を終える直前の七月二日、広教組四十一人、広高教組三十六人が人事委員会への集団不服申し立てを行いました。国鉄闘争団千四十七名の闘いに学び、処分撤回の最後の勝利まで徹底的に闘いぬきます。
 自国政府の侵略政策を打ち砕く力は、労働者階級の団結の中にこそあります。きょう感じ取った息吹を広島に持ち帰り、広教組の多くの労働者の仲間に訴えて、侵略戦争をやめさせるために立ち上がります。

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週刊『前進』(2031号3面2)

11・11全国労働者集会
 連帯のあいさつ

 国鉄闘争支援陣形広げよう 早稲田大学名誉教授 弁護士 佐藤昭夫さん

 小泉内閣は海外派兵を強行し、国内では戦時体制をつくろうとしています。小泉は靖国神社に参拝し、何千万人ものアジアの民衆を殺し、自分も殺された人びとに「感謝と敬意をささげる」と言いました。
 こうした流れは、中曽根の戦後政治の総決算に始まる。中曽根は「国労がつぶれれば総評は崩壊する」と意識して、国鉄の分割・民営化を強行し、国労つぶしを狙った。しかし国労は残り、多くの仲間に支えられて闘いを続けてきました。
 今の権力は労働者に痛みを加えている。そうした時に邪魔になるのは千四十七人の解雇撤回・復職を求める国鉄闘争です。だから国労本部に大会で「不当労働行為はなかった」と決定させようとした。国労本部は屈服しようとしているが、闘う闘争団はあくまで解雇撤回・復職を求めて闘っています。すでに二百十二人の闘争団員が最高裁に訴訟参加を申し立てた。十月十二日には国土交通大臣と厚生労働大臣に、JRの不当労働行為を放任している責任を問う文書を出した。
 不当労働行為をなきものにすることは、国労だけでなく全労働者の問題です。ILO条約に違反するとして、全国の百五十を超える労働組合が、ILOの条約勧告適用専門家委員会に申し立てを行いました。
 五月三十日には日比谷公会堂に三千人が集まって、闘う闘争団の支援共闘会議の準備会を結成しました。この闘いをあらゆる職場に広げ、労働者の一人ひとりが担う体制をつくろう。
 小泉は「国のために死んだ人に感謝と敬意をささげるのが、何が悪い」と言ったが、そういうことを繰り返させないために、闘いを固めましょう。

 労働者が反戦闘争の先頭に 沖縄反戦地主 知花昌一さん

 九・一一以降、沖縄の米軍基地では、最高警戒態勢のデルタ態勢が敷かれました。沖縄では朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争でも一度も発令されたことのない態勢です。私が住む読谷村にあるトリイステーションにはグリーンベレーが常駐していますが、今、三百人のグリーンベレーが全員いません。基地正面ゲートは金網のゲートが閉められ、コンクリートブロックが並べられ、その後ろで米軍兵士がライフルを持って警戒している。
 まぎれもなく日本の中で一番危険な地域は沖縄です。権力者はそれをよく知っているから、沖縄に機動隊を四百五十人派遣して、基地を警備させています。
 沖縄には年間四百万人の観光客が来ますが、今、がた減りしています。六百八十校の修学旅行と三十五万人の観光客がキャンセルになり、四百億円の観光収入が減ったと言われる。
 沖縄県政は「基地から脱却する経済体制をつくる」と観光産業に力を入れてきたが、戦争体制に入ると一瞬で吹き飛ぶ。基地があるから、戦争体制になったら民衆の生活も経済もがたがたになるんです。私たちが反戦平和を求めて基地撤去を闘ってきたことの重要さ、正当性をかみしめています。基地の上に成り立つ経済などはない。
 沖縄ではアフガニスタンへの報復戦争に反対する市民運動が大きく盛り上がっています。しかし労働者が基地撤去闘争、反戦運動の先頭に立たない限り、戦争は阻止できない。労働者民衆が反戦運動を闘いの背骨にすえるべきです。日本の戦争体制を阻止する運動をつくり出しましょう。私たち沖縄も精一杯闘います。

 労働者と共に司法改革阻む 憲法と人権の日弁連をめざす会 弁護士 遠藤憲一さん

 私たち「憲法と人権の日弁連をめざす会」は、政府の進める司法改革に反対し、これに追随する日弁連執行部の翼賛化を許さないために闘っています。
 司法改革は司法を改憲と有事体制へ一挙に転換させるものです。危機に瀕する政府、支配層を擁護するため、労働者の権利と生活を破壊しようとしています。改革の柱は、刑事司法改悪と弁護士の御用化です。
 刑事司法改革では、裁判を連日集中審理で一週間や十日で終わらせ、被告を早期に処罰しようとしている。労働者の争議や闘いが弾圧された時、わずか一週間か十日で有罪にされるのです。また労働調停制度を導入し、労働者の権利の主張、裁判闘争を抑え込もうとしています。労働委員会の見直しも提言されています。裁判費用の敗訴者負担により、裁判で負けたら、大企業や銀行の弁護士の費用まで労働者人民に負担させようとしています。
 弁護士に対しては、ロースクールをつくり、金持ちの子どもしか弁護士になれないようにする。法曹人口を増やし、弁護士を企業や権力の下僕にする。人権擁護ではなく滅私奉公する弁護士への変質が狙いです。
 すでに司法制度改革推進法が衆議院を通過し、今後三年以内にすべての立法作業を行おうとしています。
 ところが日弁連執行部は司法改革に完全に屈服・迎合し、自民党司法制度調査会の会長の保岡代議士の政治資金パーティー券まで購入し癒着している。全国で数千人の弁護士が日弁連執行部に怒り立ち上がっています。腐敗した執行部を打倒し、憲法と人権の砦(とりで)としての日弁連を蘇(よみがえ)らせ、侵略戦争反対、改憲阻止へ労働者民衆とともに闘います。

 戦争反対で新署名スタート とめよう戦争への道! 百万人署名運動三多摩連絡会事務局長 西山勲さん

 参戦三法が国会を通過し、自衛艦隊が出動しました。われわれは新ガイドライン、「日の丸・君が代」法、盗聴法などの成立の時に署名運動を起こし、反対の行動をしてきましたが、今の事態は二年前よりも画然と緊迫しています。
 小泉首相は憲法の前文から「国際貢献」の文字だけをつまみ食いして、野党の質問に対して「常識論だ」と言う。今の日本は果たして法治国家と言えるのか。
 マスコミも、みな政府の言うことになびいている。かつて日本が侵略戦争を行った時とまったくうり二つです。手をこまねいて見ているわけにはいきません。
 戦後五十六年間の日本が平和であった根源は、平和憲法があったからです。そして日本の民衆が「平和でなければ生きていけない」という行動に立派に立ち上がってきたからです。
 九月下旬に報復戦争と自衛隊の戦争参加に反対する署名を呼びかけ、一カ月で七万五百十三筆の署名を提出しました。十三日間の国会前座り込みも行いました。三法は成立しましたが、より強い運動にしていく必要があります。
 百万人署名は十二月一日に全国集会を開催します。アフガン戦争反対・有事立法反対で百万人署名を、来年夏をめどに実現するためにスタートします。みなさんの良識と勇気が日本を変えると確信しています。

 狭山異議審の棄却許さぬ! 部落解放同盟全国連合会書記長 中田潔さん

 九月十一日で狭山闘争の情勢も一変しています。九月の指紋鑑定書の提出ですべての書類の提出を終え、東京高裁高橋裁判長はいつでも異議申し立て棄却の決定を出せる状態になった。
 高木裁判長は、狭山第二次再審請求に対し十三年間まったく事実調べをせず棄却を決定しました。しかし高木が下した決定は、逆に石川一雄さんの無実を証明している。脅迫状をめぐって、二十七年前の確定判決では「妹の雑誌りぼんを見て字を探して書いた」としたが、高木決定は百八十度違い「仕事や生活の必要から一人で勉強して、字は書けた」とした。また確定判決は「脅迫状の文字と石川一雄さんの筆跡はまったく同一」としたが、高木決定は「筆跡は違うが、環境や心理状況で字のかたちも変わる」とした。石川さんの無実の証拠がこれだけありながら事実調べを行わない裁判所は許せない。
 狭山事件の反動判決が下されるたびに差別が扇動されている。インターネット上でも、狭山事件について「殺人犯が罪を認めず野放し」などと、石川一雄さんへの差別的な罵倒(ばとう)が繰り返されている。
 私たち一人ひとりが石川一雄さんの化身となって闘います。しかし狭山闘争は労働者との共同闘争によってしか勝利できません。労働者の解放闘争と結びついてこそ部落解放は実現できます。戦争を阻むことが部落解放に勝利する道です。肉弾三勇士の歴史を繰り返すわけにはいかない。
 部落解放運動と戦闘的労働運動の結合によって、日本の侵略の歴史を徹底的にたたき切る大きな闘いをともにつくり出そう。

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週刊『前進』(2031号3面3)

11・11全国労働者集会
 “米は戦争やめて” パキスタンの労働者

 イスラムはこれから断食を迎えます。イスラムの仲間たちは、食事もとらず、水もとらず、煙草も吸わないで、心をきれいにするため我慢して生活します。その時期は私たちはけっして嘘(うそ)をつけません。悪いことをすることは許されません。戦争は絶対にだめです。アメリカはアフガニスタンに対する空爆、地上戦をやめてください。
 日本の人たちに訴えたい。日本の新聞、テレビは本当のことを報道していません。アメリカが今までイスラムの国ぐににやってきたことの真実をきちんと伝えて欲しい。そして今の戦争の真実をきちんと伝えてください。
 もう一つ訴えたいことがあります。日本の報道はイスラム教に対して強い偏見があります。事件と宗教は関係ない。日本人が事件を起こしたとき、その人の宗教、仏教とかクリスチャンとかを問題にしますか? イスラム教徒だけ問題にされると、同じイスラムとして心が痛みます。宗教による差別、偏見をやめてください。
二〇〇一年十一月十一日
 (メッセージ)

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週刊『前進』(2031号3面4)

11・11集会アピール

 全国の仲間のみなさん!
 九・一一事件を引き金にして、世界は戦争と恐慌の時代へと急展開しています。
 十月七日に始まった米英のアフガニスタンへの侵略戦争は、長期化・泥沼化の様相を示しています。十月二九日、テロ対策特別措置法などの三法が成立し、日本は戦後初めて戦時・戦場への自衛隊派兵、参戦と海外での武力行使に踏み出しました。
 すでにバブル崩壊で減速していた米経済は九・一一事件の衝撃で急降下し、日本経済も完全失業率は五・三%に急上昇し、倒産・解雇、賃金カット、一時帰休の嵐が吹き荒れています。
 この歴史の転換点にあって、まずなによりも、アメリカの報復戦争と日本の参戦阻止の闘いにたちあがることを訴えます。
 米英の空爆で多数の人民が犠牲となり、数百万の難民が生み出され、一〇万人が餓死の危機にさらされています。この戦争は、徹頭徹尾、帝国主義による不正義の侵略戦争です。三たび人類を世界戦争に引きづり込むものです。帝国主義の搾取と収奪と闘い、民族自決・独立を求める闘いを圧殺しようとすることは断じて許されません。この戦争の背後に、石油資源に対する支配権や経済危機を軍需で打開しようとするねらいがあることを見抜かなければなりません。
 アメリカ労働運動は、AFL―CIOの組合員一千人以上が犠牲となったこの事件の衝撃と悲しみの中から、戦争と人種差別に反対し、反戦運動への合流を開始しています。パレスチナをはじめ、全世界のイスラム諸国民衆が激しい反米闘争にたちあがっています。韓国・民主労総は、「テロ反対をのりこえ戦争反対の平和運動へ」「世界的次元で労働者階級主導の反帝国主義連帯闘争が必要だ」と全世界の労働者に訴えています。
 いまほどこの呼びかけに応える新たな国際反戦闘争の爆発が求められているときはありません。日本の労働者階級は、全世界の被抑圧人民の決死の闘いを受けとめ、国家主義、差別主義・民族排外主義に抗して自国政府の参戦と派兵を阻止するために全力で闘わなくてはなりません。「米軍基地撤去」の闘いにたちあがっている沖縄県民に連帯し、有事立法、改憲―戦争国家化攻撃を粉砕するために、いまこそ団結してたちあがろう!
 さらに、私たちは、全産業を席巻する大失業攻撃に対して、労働運動がいまこそ社会変革の思想をとりもどし、小泉政権の「聖域なき構造改革」と真っ向から対決して闘いぬくことを訴えます。
 小泉改革は、はやくもその化けの皮がはがれています。最大の目玉だった不良債権の集中処理など、もはや絶望的であり、なりふり構わぬ公的資金の注入が画策されています。その核心こそ「解雇ルール」の法制化と不安定雇用の増大です。医療・年金など社会保障を解体し、大インフレと大増税の道が準備されています。金融独占資本が生き延びるために、労働者人民に「痛み」を強制することだけが、小泉「構造改革」の正体です。
 ことここにいたっても、多くの大企業労働組合は企業防衛、国益優先の立場から、「構造改革推進」「痛みの分かち合い」と小泉と同じスローガンを掲げ、首切り、賃下げも不安定雇用化も受けいれようとしています。
 国家的不当労働行為を弾劾し、解雇撤回・原職復帰を闘う一〇四七名の国鉄闘争こそ、小泉「構造改革」との最先端の闘いです。「四党合意」との闘いの試練の中から、より強固な団結をつくりだしている国鉄一〇四七名闘争を先頭に、「聖域なき構造改革」と対決する闘う労働運動をつくりだそう!
 労働者階級こそ社会の主人公であり、歴史の主人公です。国境をこえた労働者の団結こそが勝利を切りひらく道です。いまこそ本気になって闘いをつくりだし、団結の輪を拡げようではありませんか。
 すべての労働組合、労働者の皆さん! 「たたかう労働組合の全国ネットワーク」運動に結集し、ともに闘いましょう!
 本集会を出発点に、職場・地域から反戦の渦をつくり出そう。国鉄闘争に勝利し大失業攻撃をうち破ろう!
 右、決議します。
 二〇〇一年十一月一一日
 十一・一一全国労働者総決起集会参加者一同

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週刊『前進』(2031号3面5)

人事交流(強制配転)に抗議 70人で近畿郵政局にデモ

 十月二十三日、DM(ダイレクトメール)汚職、高祖派不正選挙弾劾・人事交流弾劾、アフガニスタン侵略戦争反対の近畿郵政局前闘争を、七十人の郵政労働者で闘いました。近郵前闘争は春秋の人事交流という強制配転に抗議し、闘う労組活動家の闘いとして過去三回にわたって闘われてきましたが、今回は初めてデモで弾劾しました。近畿郵政局に隣接する府立労働センター(エル大阪)で集会を行い、大阪市街の中心・淀屋橋までデモをやりぬきました。
 全逓大阪南河内支部執行委員が司会を行い、高槻局の全逓労働者が主催者あいさつを行いました。
 「DM汚職、高祖不正選挙という近畿郵政局の腐敗が暴露される中で、しかしこれまでにも増して悪辣(あくらつ)な労務政策として、今回の人事交流が断行された。本日はこれと闘う労働者の心意気を示すものです。しかし情勢はそれだけにとどまりません。十月七日にアフガニスタン侵略戦争が始まりました。労働者としてこの戦争を絶対許すわけにはいきません。労働者の中にもテロと戦争を同列に扱う人びとがいます。一方的暴力的に支配・抑圧している者と、それと闘っている被抑圧民族の闘いに対して、両方反対などというのは絶対おかしい。搾取・収奪・支配されている者の立場に立って闘おう。帝国主義の侵略戦争に反対しよう」。この提起を、参加者の圧倒的な拍手で確認しました。
 郵近労、国労熊本闘争団、関単労が連帯のあいさつを行い、今回人事交流で飛ばされた当該の労働者が決意を表明しました。
 ただちにデモに移りました。隣の近畿郵政局はゲートを固く閉め、中には職制が徘徊(はいかい)しています。「郵政民営化阻止・小泉政権打倒」「郵便新生ビジョン反対」の大横断幕を掲げ、断固としたシュプレヒコールで弾劾しました。連合全逓中央が「テロ撲滅」と言って侵略戦争翼賛勢力に成り下がる中、現場労働者の圧倒的な戦争反対の意思を貫き闘いました。
 侵略戦争反対、全逓本部反対で全逓を現場労働者の手に取り戻そう。
 (投稿 M・K)

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週刊『前進』(2031号4面1)

佐世保現地で海自第2陣出兵を阻め
艦隊第1陣の出航を痛撃 佐世保市民と大合流 権力・カクマル粉砕しデモ

 十一月九日、海自艦隊の第一陣がアフガニスタン人民虐殺のために侵略出兵した。日帝はついに憲法九条を強権的に突破し、自衛隊の「戦時派兵」に踏み切ったのだ。反戦共同行動委員会は全学連を先頭に、佐世保基地に肉薄する出兵阻止闘争を闘い、佐世保市民との感動的な合流を果たした(前号速報)。日帝はこれに続き、十一月十六日にも基本計画を策定し、十一月下旬にイージス艦を含めた第二陣の出兵を強行しようとしている。第一次出兵阻止闘争に続き、さらなる大結集と実力闘争で第二次出兵を阻止しよう。佐世保現地闘争の爆発で国際反戦闘争の新たな歴史を押し開こう。

 アフガン人民の血叫び体現

 反戦共同行動委員会の学生、労働者約百人は早朝六時から、海自基地の真向かいの前畑埠頭(ふとう)に陣取り、侵略出兵阻止の激しいシュプレヒコールをたたきつけた。地元・佐世保を始め長崎県下から次々と結集した約二百人の労働者とともに、アフガニスタン人民虐殺のための侵略出兵を徹底的に弾劾して闘った。社民党や日本共産党の「テロも報復戦争も反対」という主張に対して、反戦共同行動委は「闘うイスラム諸国人民と連帯して侵略戦争阻止の内乱を」と呼びかけ、多くの労働者の共感を集めた。
 午前七時前から佐世保地区労主催の集会が、海自三艦の出兵を弾劾しつつ行われた。その発言の中でも「もはや侵略戦争反対とはっきり言うべきだ」との声が出された。反戦共同行動委は、「広島、長崎と同じ無差別虐殺に日本人民は加担するな」というアフガニスタン人民の血叫びを必死に体現して闘い、出兵阻止闘争を終始戦闘的に牽引(けんいん)した。
 激しい弾劾の中、午前七時前からミニイージス艦と言われる新型護衛艦きりさめ(四五五〇d)、司令部が置かれたヘリコプター搭載護衛艦くらま(五二〇〇d)、補給艦はまな(八一五〇d)が、搭載ヘリ四機、将兵七百人とともに順次ゆっくりと出港していった。今すぐにも海に飛び込んで体を張って阻止したい。誰もがそう感じた。
 海自三艦は、英領ディエゴガルシア島までの航路や、インドのムンバイ、パキスタンのカラチなどの周辺海域・港湾の状況、米軍の活動状況などについて調査し、基本計画の策定を受けて第二陣と合流する。海自艦隊はグアムやハワイからパキスタンにかけての広い範囲で、米軍の兵員・物資輸送の動脈の役割を果たし、長期におよぶアフガニスタン人民虐殺の侵略戦争を全面的に支える。こんなことがどうして許されるのか。
 反戦共同行動委は、その後直ちに佐世保市の中心街に移動。部隊は抑さえきれない怒りを爆発させて宣伝戦、集会・デモを行った。佐世保の街を白ヘルメットの全学連部隊を先頭とする隊列が席巻し、佐世保市民、自衛官と家族、基地労働者と圧倒的な合流をかちとった。

 基地の街に派兵反対の声

 午前十時に自衛隊出兵反対の署名運動を始めると、市民が次々と駆け寄り、二時間で四百五十の署名と約十五万円のカンパが集まった。自衛隊員やその家族、多くの基地労働者も署名し、友人や息子が出兵していったことの苦しい胸の内を語ってくれた。
 ある年輩の女性は「太平洋戦争できょうだい二人が戦死し、母もほんとうに苦労した。涙が出るごと出兵に反対だ。基地前に座り込みたい」と涙ながらに語った。「エンプラ闘争みたいな闘いをやってくれ」という期待も多く寄せられた。
 午後一時から松浦公園で総決起集会を行った後、佐世保市の中心部をデモした。米軍基地、海自総監部前では、権力・機動隊のデモ規制をはねのけて十分以上も立ち止まって徹底的に出兵を弾劾した。この時、基地労働者が建物の中から手を振ってくれた。米軍関係者も金網越しにデモ隊に注目した。
 その後、デモ隊はアーケードの商店街を通り、市民と交歓した。全学連を始め反戦共同行動委の登場は、佐世保市民の派兵に対する怒りと結びつき、佐世保の街を派兵反対でぬりかえた。
 これに対し、反米民族主義に純化する反革命カクマルは、早朝から「日の丸」が林立する場所で右翼と並んで自衛隊の見送り行動を行った。そしてアフガニスタン出兵阻止闘争が闘われている岸壁にわざわざ船を寄せて「中核派を一掃するぞ」というシュプレヒコールに夢中になった。まさに自衛隊の激励行動であった。
 カクマルはその後、機動隊に守られて佐世保市中心街での街宣やデモにも敵対してきた。反戦共同行動委は機動隊の壁を実力で突破して、カクマルに制裁を加え、徹底的に粉砕した。カクマルは佐世保市民からも「右翼」と非難された。
 反戦共同行動委の部隊は圧倒的な高揚感をもってデモを貫徹し、最後に大山尚行全学連委員長が闘争の総括を行った。「日帝の侵略戦争阻止の闘いがどうやって発展するのか、きょうの闘いがはっきり示した。権力、右翼、カクマルと内乱的に激突し、これをぶち破ったときに大衆決起はかちとられていく。基地の街・佐世保で労働者人民の派兵反対の総決起をかちとる現実性が圧倒的に存在することが示された。佐世保闘争の爆発は全国の反戦闘争の起爆剤となる。ついに自衛隊が侵略戦争の真っただ中に突入し、アフガニスタン人民虐殺に踏み切ったことに怒りを爆発させ、第二次派兵=本隊出兵を実力阻止するために再び佐世保に総決起しよう」

 自衛官の隊内決起かちとれ

 西日本新聞のアンケートでも、今回の派兵に佐世保市民の五三%が反対している。とくに十代、三十代では約四分の三が反対だ。佐世保は明治時代から軍港として発展してきた。自衛隊員の年間支出が市の一般会計予算の約七割にあたる基地の街だ。また佐世保は高度な艦船修理能力と貯油施設を備えており、横須賀とともに米軍第七艦隊を支える在日米軍の戦略拠点でもある。この佐世保で、労働者人民が基地重圧をはねのけ、派兵反対で総決起していく情勢をつくり出すことはまったく可能だ。
 今回の侵略出兵に対して、自衛官と家族にも動揺が広がっている。自衛隊員を辞めるという形での出兵拒否の闘いが始まっている。「戦争に参加するために自衛隊に入ったんじゃない」と。今回日帝・自衛隊は出兵のセレモニーすら行うことができなかった。
 第二次派兵阻止決戦こそが決定的だ。第二次派兵に対して大部隊で登場し、あらゆる闘いで実力阻止行動をたたきつけよう。日共スターリン主義やカクマルの敵対をはねのけ、侵略戦争に突き進む日帝・小泉政権打倒の内乱を労働者人民に呼びかけよう。
 佐世保市民は中核派の登場を待ち望んでいる。佐世保市民の決起、そして自衛隊の隊内決起と大合流する展望をもって、いざ決戦の佐世保現地へ全学連を先頭に総力で結集しよう。

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週刊『前進』(2031号4面2)

呉基地に緊急抗議 “アフガン出兵許さぬ”

 十一月三日、広島反戦共同行動委員会は、広島大学の学生を先頭に海上自衛隊のアフガニスタン出兵と日米共同演習に反対する緊急抗議行動を行った。
 アフガニスタン侵略戦争に、海自艦隊が千人規模で出兵しようとしている。これは日帝の完全な参戦である。アフガニスタン人民、イスラム諸国人民に自衛隊が直接銃を向け、人民虐殺に手を染めようとしているのだ。絶対に許すことはできない。
 さらに、十一月四日から日本海で行われる日米共同演習は、このアフガニスタン侵略戦争の実戦演習そのものだ。海上自衛隊の全部隊が参加するというこの大演習の報を聞いた労働者・学生は、直ちに呉基地への抗議行動に決起した。
 十一時、海自呉地方総監部前に結集した労働者・学生は、直ちに抗議のシュプレヒコールをたたきつけた。「自衛隊のアフガニスタン出兵を許さないぞ」「自衛官は出兵を拒否せよ」という声が基地全体に響き渡った。そして当直司令に申し入れを行った。
 「自衛隊の幹部は『平時に人を殺せば犯罪だが、有事なら英雄。今は準有事だ』『誤爆はやむをえない。人間だから間違いもある』などと言っている。こんな上官の命令に従って出兵し、アフガニスタン人民を虐殺するのか」と広島大学の学生がつめよる。そして、「アフガニスタンの民衆は、『ヒロシマ・ナガサキを経験した日本人がなぜこの戦争に加担するのか。むしろ、世界に呼びかけてこの戦争をやめさせてほしい』と訴えている。出兵を中止せよ」と迫った。
 当直司令は真剣な訴えの前に圧倒され、「わかりました。この申入書は全自衛官の目に触れるようにします」と約束した。
 自衛隊のアフガニスタン出兵阻止の十一月決戦へ、佐世保を始め全国の自衛隊基地への闘争を闘おう。そして、自衛官に出兵拒否を呼びかけよう!

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週刊『前進』(2031号4面3)

全学連の佐世保奮戦記 基地に突っ込んで侵略出兵とめたい

 ■京都大学K
 今まさに出港しようとしている軍艦を目のあたりにして、起きていることの恐ろしさを実感した。これは紛れもなく侵略出兵であり、何よりもアフガニスタン人民虐殺への加担だ。さらに自衛隊員を死の危険にさらすものだ。
 佐世保の街宣で目に涙を浮かべて出兵反対を訴えてくれたおばちゃんがいた。友人が自衛官でけさ出ていったという人もいた。基地経済で成り立っている佐世保市民は皆複雑な気持ちでいることを感じた。署名も皆してくれた。カンパもどんどん集まった。この声にこたえなくてはいけない。
 イージス艦派兵の時も佐世保に行きたい。「全学連がんばれ」と言ってくれたほろ酔いじいちゃんとの約束を守るためにも。今度こそ派兵を止めたい。

 ■東北大学N
 われわれ全学連の登場がほんとうに待ち望まれている。日帝が再び戦争をやることに、多くの市民、労働者が危機感と怒りをすごく持っている。前日の大学展開でも抗議闘争に一緒に行きたいという学生が何人もいた。特にわれわれが機動隊とカクマルの敵対を打ち破ってデモを貫徹する姿に注目が集まり、その場は開放的な空気に包まれた。
 ブッシュや小泉は「戦争に反対するのはテロリストと同じだ」とキャンペーンし、闘いを抑えつけようとしている。しかし、全学連が力ある存在として立ち現れたとき、階級闘争が一挙に爆発する条件は圧倒的にある。本隊出兵の時には全国から駆けつけ、絶対に派兵を阻止しよう。

 ■東北大学D
 何よりも実力阻止闘争の絶対的必要性を感じた。ほんとうに基地に突っ込める情勢をこの佐世保で作りたいし、作れると思った。

 ■関西A
 佐世保の人たちは「反戦・平和」の思いを持ち続けている。彼らを奮い立たせ決起させるために、佐世保基地から無数の反戦自衛官を生みだすために、千人のデモ隊を組織しよう。第二次派兵を実力で阻止する闘争に総結集して、帝国主義を打倒する全世界人民との連帯をつくりだそう。

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週刊『前進』(2031号4面4)

投稿 委託労働者の立場に立った学校給食民間委託の報道を 杉並・委託労働者 M・A

 『前進』二〇二三号(十月一日付)掲載の九月の杉並区議会報告記事を読んで、事実と違い、疑問を感じたので、投稿します。
 杉並区では、今年九月に、学校給食の委託化が強行され、三校で委託が実施された。新城節子議員の質問は、この状況下で、学校給食の委託化の拡大を阻止するために行われた。
 記事は、学校給食委託化についての区議会質問のなかで、議員が「民間委託ではアトピーの子どもにも十分対応できない」と発言したかのように書いてある。
 しかし、これは二つの意味で誤りである。第一に、私はこの質問を傍聴していたが、議員はそのような発言はしていない。第二に、民間委託では安全・衛生を守ることはできないと断言することは事実に反する。
 議員のこの日の質問の趣旨の一つは、民間委託労働者の立場からの学校給食委託化問題の追及であった。学校給食調理業務は数百食を決まった時間までに必ず作るという重労働である。しかも、安全かつ衛生的に、さらに栄養バランスがとれた食を子どもたちに提供しなければならない。アレルギー対策など一人ひとりの子どもの状況にも対応しなければならない繊細な労働でもある。
 区の業務の中では、学校給食調理業務は、労務災害最多発業務である(件数からいうと清掃業務が最多であるが、休業補償を伴うような重要事故は給食がダントツである)。議員はこの点を統計的かつ客観的に暴露し、さらに民間委託調理員の賃金等労働条件の低さを暴露した。
 公務員という一定の身分と労働条件下でも労災が多発する学校給食業務である。議員が給食の安全性等に触れたのは、重労働かつ繊細な業務を民間委託労働者が低賃金、劣悪な労働条件下で行わされることの暴露であり、それに対する区への責任追及であった。すなわち、学校給食委託化は委託労働者の「安上がり使い捨て」であることを暴露・追及したのである。
 記事は、もちろんこの点に触れていないわけではない。しかし、私自身委託労働者(給食業務ではないが)であるが、「民間委託ではアトピーの子どもにも十分対応できない」などと書かれたとき、当該の労働者はどう感じるであろうか。多くの委託労働者は低賃金でも身を粉にして働く。区職員と比較されれば、はるかに低い労働条件でもこれに負けじと働く。
 具体的にも、第一に、給食業務は区の栄養士の管理下で行われており、事実上の指揮監督を栄養士は行使せざるをえない位置にいる。
 第二に、学校給食委託化は、多くの父母の不安と反対の中で強行された。委託業者も委託を維持するのに必死である。民間委託調理員がなんらかの失敗をすれば、委託を維持するために、業者は容易に異動、首切り等を強行するであろう。この点、民間委託労働者は公務員よりもはるかに不安定な身分と雇用の中にいるのである。
 今、学校委託調理員は、すさまじい緊張感の中で業務を行っていると思う。区や業者からは失敗は許されないとされ、公務員よりはるかに低い労働条件で区直営と同じ結果を出すことを迫られていると思う。
 このような状況でどうして民間委託労働者が「安全・衛生」において失敗できるであろうか。自分を犠牲にしても業務をまっとうするしかない。委託調理員はなかなか定着しないという話を聞いたことがあるが、けだし、当然であろう。がんばりたくても身がもたない。
 学校給食委託化反対闘争は三つの立場から闘われなければならない。第一は子どもたちの立場、第二に給食調理労働者の立場、第三に、第二の立場に立つということは公務員労働者、委託労働者の両者の立場に立ち、闘わなければならないということだ。
 特に労働運動の視点では、第二、第三の立場が重要である。学校給食委託化の目的は、区職現業の「本丸」である給食労働者の団結破壊、すなわち、戦後自治体労働運動の解体である。戦後自治体労働運動の解体は、公務労働の不安定雇用化、「安上がり使い捨て」化として進行する。
 そもそも、給食労働者は「まかない夫」として雇い上げられ、闘いの中で公務員としての身分をかちとってきたのである。今ある学校給食委託労働者の姿はかつての状況への逆もどりである。
 「新たな労働運動の潮流」を掲げる私たちが訴えるべきは、民間委託労働者の労働条件の向上と雇用の保障であり、そのことをとおしての本工労働者との連帯であり、委託労働者の「新たな労働運動の潮流」への合流である。
 以上、記事を読んでの問題提起を終わるが、誤解を避けるために再度、新城議員の質問自体は、まさにこの立場に立った質問であったことを付しておく。
     ◇
 編集局のおわびと決意
 ご指摘のとおり、新城議員の学校給食民間委託での質問を「民間委託ではアトピーの子どもにも十分対応できないのだ」と要約したことは、質問の趣旨とも違い、また委託労働者が低賃金、劣悪な労働条件のもとで重労働かつ繊細な業務にあたっている現実を理解していないものでした。おわびし、ご指摘を真摯(しんし)に受け止め、委託、非常勤、パートの現場労働者と苦闘をともにした労働者の新聞とするように全力をあげていく決意です。

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週刊『前進』(2031号4面5)

2001年日誌 阻もう! 改憲=戦争への動き 11月7日〜13日
 米軍が訓練用ミサイル投棄
 与党がPKO法改悪を決定

●個人情報保護法案、継続審議へ 政府・与党は個人情報保護法案を今国会は継続審議とし、来年の通常国会であらためて審議する方針を固めた。(7日)
●浜岡原発で放射能漏れ事故 静岡県浜岡町の中部電力浜岡原発一号機(沸騰水型、出力五十四万`ワット)で、緊急時に原子炉内に冷却水を送り込む高圧注入系の試験中に、内径十五aの配管が破断し、放射能を帯びた蒸気が原子炉建屋内に漏れた。また制御棒付近にも放射能を帯びた水が漏れていた。(7日)
●米軍が三沢で訓練用ミサイルを投棄 青森県三沢市の米軍三沢基地所属のF16戦闘機が訓練飛行中にトラブルを起こし、燃料タンク二個と訓練用ミサイル一発を基地の北東約三・二`の畑に投棄した。畑の落下跡は土がえぐれ、百〜百五十bにわたって、細かい破片が散らばった。(8日)
●衆院で憲法調査会 衆院憲法調査会が、長谷部恭男・東大法学部教授と森田朗・東大大学院教授を呼び、「統治機構に関する諸問題」をテーマに意見を聴いた。(8日)
●自衛隊艦隊が出航 防衛庁設置法の「調査・研究」に基づく情報収集を名目に、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦くらま、新型護衛艦きりさめ、補給艦はまなの計三隻の自衛隊艦隊が、長崎県の佐世保基地からインド洋に向けて出航した。搭載ヘリは四機、人員は七百人。テロ対策特措法の基本計画で自衛隊の活動内容を定めた後、艦隊はそのまま米軍支援に入るという。(9日)
●基準改悪で警官予告なしの発砲可に 警察庁が、警察官の銃使用の基準を定めた「警察官けん銃警棒等使用及び取り扱い規範」を一部改悪し、予告や威嚇射撃なしで銃を使えることに。十二月一日施行。(9日)
●海上物資輸送が軸に 自衛隊の米軍支援について、日米両政府が、@海上を中心に燃料や食糧などを輸送する、A海上輸送はグアムからインド洋にあるディエゴガルシア島までの範囲、B航空機での輸送は日本近辺にとどめる――ことでほぼ合意した。(9日)
●戦争にハリウッドを動員
 アフガニスタン侵略戦争の「宣伝戦」で、米政府が映画産業にも協力を求める方針を固めた。(9日)
●日米共催でアフガン会議
 日本と米国が、アフガニスタンの「人道援助と復興の方策を話し合う」として緊急の国際会議を二十日にも国連本部で開催する予定であることが明らかに。首相特別代表に就任予定の緒方貞子前国連難民高等弁務官とパウエル米国務長官が共同議長という。(9日)
●子ども170万人が生命の危機 オルアラ・オトゥヌ国連事務総長特別代表(子どもと武力紛争問題担当)が、空爆が続くアフガニスタンで百七十万人の子どもが飢えと寒さによる生命の危機に直面していると説明した。(9日)
●爆弾テロ防止条約承認
爆弾テロ防止条約の締結と国内関連法が、参院本会議で全会一致で可決、承認・成立した。同条約は閣議で締結を正式決定し国連提出後、年内にも発効する見通し。関連法は、@爆発物取締罰則A原子炉等規制法B放射線障害防止法C火炎びん使用等処罰法D化学兵器禁止法E生物兵器(細菌兵器)禁止法Fサリン防止法の七つの特別法。(9日)
●辺野古区、結論先送り
沖縄県の米軍普天間飛行場の移設予定地に最も近い名護市辺野古区の行政委員会が開かれ、リーフ上二案の建設位置について継続審議とし、十四日にも再検討することになった。(9日)
●宜野座村松田区は3工法8案に反対 米軍普天間飛行場の移設問題で、最も高い騒音の数値が出た宜野座村松田区は「三工法八案のすべてに反対」との意見書を、浦崎康克村長に提出した。(9日)
●PKO法、今国会で改悪
 政府・与党が国連平和維持活動(PKO)協力法を今国会で大改悪する方針を決めた。国連平和維持軍(PKF)本体業務への自衛隊の参加凍結を解除するとともに、PKO参加五原則の武器使用基準を緩和する。(12日)
●浦添市長が那覇軍港移設を受け入れ 沖縄県の儀間光男浦添市長が、那覇軍港の移設について「浦添市の振興策を話し合う協議会が近く発足する見通しとなった」として、受け入れを正式に表明した。(12日)
●北部同盟がカブール入り
 アフガニスタンの北部で攻勢に出ていた北部同盟の部隊が首都カブール市内に進攻、タリバン部隊はカブールから撤退。(13日)
●基本計画概要 政府はテロ対策特措法に基づく基本計画の概要を固めた。自衛隊による米軍支援の柱となる燃料の補給や輸送では、オーストラリアや東南アジアでの調達を想定。輸送機を使って日本−グアム−ディエゴガルシア間などで米兵も空輸する。パキスタンでの医療活動は実施事項としては盛り込まないが、将来の可能性として言及するという。(13日)

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週刊『前進』(2031号5面1)

日帝のアフガン参戦阻止の大闘争へ
無差別爆撃で人民を大虐殺し民族対立・内戦あおる帝国主義
 不屈のアフガン人民と連帯を

 米英軍はアフガニスタンで、燃料気化爆弾などを使い、じゅうたん爆撃で無差別殺りくを繰り広げている。さらに日仏独伊なども参戦し、かいらい政権デッチあげと石油・天然ガス、勢力圏獲得をめぐる強盗戦争となっている。このような帝国主義の侵略と介入で内戦が再び激化している。しかしアフガニスタン人民、イスラム諸国人民の不屈の民族解放闘争を前に、帝国主義の侵略戦争の泥沼化は必至だ。日帝は千五百人の自衛隊を出兵、さらにPKO法改悪でアフガニスタン現地にも乗り込もうと画策している。闘うイスラム諸国人民と連帯して、帝国主義のアフガニスタン侵略戦争、自衛隊出兵を阻止することを声を大にして訴える。

 戦術核並みの破壊力を持つ燃料気化爆弾

 米軍は、クラスター爆弾やBLU−82などの残酷な無差別虐殺爆弾を大量に使用し、じゅうたん爆撃を行っている。
 BLU−82は通称゛燃料気化爆弾″と言われる最大級の爆弾だ(写真左)。通常使う爆弾の七〜十五倍の重量で、一瞬で五百b四方を火の海にする。その破壊力は、一発でサッカー場五つ分の巨大なクレーターが地面にできるほどだ。強烈な爆風と振動、轟音(ごうおん)とともにキノコ雲もできる。戦術核並みの破壊力だ。燃焼で無酸素状態になった地上の人間は窒息(ちっそく)死し、衝撃波で人間はその形をとどめないとも言われる。あまりの残酷さに燃料気化爆弾は廃止すべきとの声も強いが、米帝は拒否、平然と実戦で使っている。
 米統合参謀本部のペース副議長は「爆発すると地獄になる。目的は人を殺すことだ」と言い放った。燃料気化爆弾の使用とこの言葉に、この戦争の階級的性格が凝縮されている。帝国主義はその利害を貫くためには、どんな残酷なことでもする。平然と地上に地獄をつくりだすのだ。帝国主義の存在を一秒たりとも許すことができない。
 「ピンポイント攻撃」がウソであることは自明だ。燃料気化爆弾やクラスター爆弾には精密誘導装置は付いていない。これらの爆弾の性質とピンポイント攻撃はまったく相入れない。そもそも米軍が言うピンポイント攻撃とは、百発撃って半数が目標に着弾することを基準にしている。つまり百発の内、五十発が狙いから外れるということだ。米軍はわずかな数の「誤爆」を「謝罪」した。しかし「誤爆」を前提にしているなら、それは「誤爆」ではない。最初から百発百中のつもりなどないのだ。
 じゅうたん爆撃はどのようなものか。B52爆撃機(写真左)は、二百五十`爆弾を百発以上搭載している。二百五十`爆弾は、第二次大戦中、ゼロ戦などの特攻機が搭載し、命中すれば一発で空母を大破できたほどの爆弾だ。これを四〜六機の編隊で何百発も投下し、風景が一変するほど破壊するのである。地上では一瞬にして多数の命が奪われ、火の海の中を逃げ惑い、無傷であってもその恐怖は一生ぬぐえない。帝国主義は、東京大空襲のような空爆、いや空襲をアフガニスタンで連日繰り返しているのだ。
 カブールなどに残されているのは、逃げるお金や体力のない人たちだ。病院にいるけが人は大部分が一般の市民だ。空爆を逃れ、郊外や山間部へ向かった避難民は地雷を踏んで死傷している。クラスター爆弾の不発弾を米軍が投下した食糧と間違えて犠牲になる住民もいる。「アフガニスタンにはもう逃げるところがない。空爆は許せない」と悲痛な弾劾の声があがっている。一刻も早く空爆を止めなくてはならない。

 空爆と内戦で数百万人危機

 一方で、空爆援護と武器援助を受けた北部同盟軍は首都カブールに進攻し、アフガニスタンの過半を制したと言われている。タリバンの拠点と言われるカンダハルをめぐる激突が報道されている。マザリシャリフやカブールで、数百人のタリバン兵が処刑されるなど、略奪と殺りくが始まっている。カブールを脱出する住民もさらに増え、難民が激増している。国連やNGO(非政府組織)などが、空爆と内戦が続けば数百万人のアフガニスタン人民が生命の危機にさらされると警告している。
 帝国主義がアフガニスタン人民同士の分断・対立をあおり内戦を激化させる形を取って侵略戦争をエスカレートさせている。
 七九年、ソ連スターリン主義が侵攻した時、帝国主義は彼らに武器を与えて使い方を教え、ソ連軍と戦わせた。その後九〇年代半ばに内戦の血の海の中からタリバンが誕生した。これを事実上承認し、武器を与えて後押ししてきたのは米帝自身だ。米帝はタリバンを水路にパイプライン建設も計画していた。
 そして今度は空爆で無差別虐殺するのと同時に、北部同盟に内戦をけしかけ、帝国主義的利害のために利用しているのだ。タリバンは、激しい空爆によって少なからぬ打撃を受け、戦略的撤退を宣言し、南部の山岳地帯を拠点としたゲリラ戦の展開のために軍勢の立て直しに全力をあげていると言われている。アフガニスタン人民の帝国主義侵略戦争と対決し民族解放に向かう闘いは、新たな局面に入った。アフガニスタン人民が直面する過酷な現実に思いをはせ、民族独立闘争の歴史を持つ、誇り高きアフガニスタン人民に連帯する闘いを今こそ強めなければならない。

 資源と勢力圏めぐり殺到する帝国主義

 さらに許せないことに、「治安維持」を名目に、帝国主義が多国籍軍を首都カブールに進駐させようとしている。帝国主義は、残虐な兵器で無差別虐殺を繰り広げた上、アフガニスタン人民の民族自決権を無視して、タリバン後の新政権づくりを勝手に議論している。これはかつての日帝の「満州国」デッチあげと同じだ。空爆、無差別虐殺、かいらい政権、「焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くす」――これこそが帝国主義の凶悪な正体だ。
 帝国主義各国は古典的とも言える争闘戦を展開している。「アフガニスタンへの人道援助と復興のため」と称する国際強盗会議の主導権をめぐって帝国主義の泥仕合が行われている。日米が共催で準備してきたが、英仏から異論が出て開催が遅れている。宮沢元首相は国連で「復興だけでなく、和平(かいらい政権づくり!)の段階から日本は積極的に関与する」と演説し、「年明けにも東京でアフガン復興会議を」と提唱している。
 米軍はすでに北部同盟軍とともに首都カブールに進軍した。英帝は先遣隊を急派し、数千人の兵力を待機させているという。日帝も基本計画で千五百人の自衛隊を参戦させたが、さらに新法やPKO法改悪で多国籍軍(占領軍!)に自衛隊を参加させようと動き始めた。かいらい政権デッチあげをめぐる主導権争いは過熱している。
 独帝は、シュレーダー首相が「今回の派兵は、ドイツが普通の国に一段と近づく歴史的な決定」と三千九百人の派兵を決定した。仏帝は、シラク大統領が特殊部隊派兵を表明し「フランスはすでに二千人を派遣している」と強調した。伊帝も二千七百人を派兵する。英帝はすでに二万四千人の兵士を送り込んでいる。
 米帝は三万二千人以上の兵士、空母四隻や原潜など三十八隻、三百五十機以上の爆撃機や戦闘機を投入している。パキスタンやウズベキスタンの基地をわが物顔で使用し出撃している。タジキスタンやアゼルバイジャンにも軍事拠点を構築しようとしている。中央アジア全域を軍事制圧し、中東のように居座り続けようとしている。
 そして早くもタリバン後をにらみ、カスピ海・中央アジアからアフガニスタンを経由してパキスタンに至る天然ガスの輸出パイプライン建設計画が、日米関係者らの間で再検討されている。同計画は米石油資本ユノカル社主導で、日本の伊藤忠商事、国際石油開発などが出資している。
 帝国主義各国が「乗り遅れるな」とアフガニスタンに殺到して侵略戦争を展開し、資源・市場・勢力圏獲得のための争いを繰り広げている。帝国主義の強盗戦争と強盗政治、資源略奪、死の商人の暗躍。まさにレーニンが『帝国主義論』で暴露し弾劾したことがリアルタイムに行われている。

 民族解放闘争の爆発は必至

 しかし、イギリスの侵略や帝政ロシアの重圧と闘ってきた不屈の歴史的伝統を有するアフガニスタン人民がこのまま帝国主義強盗どもの思うままになることは絶対にない。帝国主義の侵略戦争と無差別虐殺は、アフガニスタンのみならず、中東・アラブ・イスラム諸国人民の帝国主義への怒りと憎しみを生み、被抑圧諸国人民の民族解放闘争の長期にわたる巨大な、全世界的爆発をつくりだすだけだ。ベトナム人民の抵抗闘争が米帝を歴史的な没落過程にたたき込んだように、アフガニスタン・中東などイスラム諸国人民の闘いは、みぞうの体制的危機を深める米帝と帝国主義体制を一層の危機にたたき込むものである。そして帝国主義国の労働者階級人民の闘いと民族解放闘争の結合によって、帝国主義打倒−世界革命の現実性をつくり出していくのだ。

 PKF−多国籍軍への参加を狙う自衛隊

 十六日に自衛隊参戦の基本計画が閣議決定された。
 基本計画は、@米軍などを対象として協力支援活動、A海上での戦闘参加者らの捜索救助、B自衛隊艦船による難民救援のための輸送――からなる。海上自衛隊の護衛艦四隻と輸送艦二隻、航空自衛隊のC130輸送機七機、総勢千五百人の自衛官を派兵する。
 ついに日帝が、独・仏・伊帝などに並ぶ大軍でアフガニスタン侵略戦争に参戦する。この意味はとてつもなく大きい。輸送・補給も捜索救難も百パーセント戦争行動だ。補給艦二隻がシンガポールから燃料を運び、ディエゴガルシア島やペルシャ湾岸の米軍基地を拠点に輸送や洋上補給することなどが検討されている。米軍の軍事作戦と完全に一体化する。米英軍の無差別虐殺に自衛隊が直接加担するのだ。
 活動範囲はペルシャ湾からオーストラリアまでの広範囲である。自衛隊がペルシャ湾までのシーレーンを恒常的に往来、アジア・イスラム諸国人民の前に侵略軍隊として登場する。自衛隊が無制限の本格的海外展開を開始したのだ。
 日帝の参戦はこれにとどまらない。国連平和維持活動(PKO)協力法の改悪が、今臨時国会で画策されている。日帝はアフガニスタンPKO参加の野望を持っている。PKO法改悪案は、武器使用の大幅緩和を狙い、国連平和維持軍(PKF)本隊業務の参加凍結も解除しようとしている。「紛争当事者間の停戦合意」などのPKO五原則も踏みにじり、アフガニスタン人民の停戦合意も黙殺して強引にPKFに参加しようとしているのだ。さらに多国籍軍参加の新法制定も浮上している。日帝の参戦は猛烈に加速している。

 自国帝国主義打倒へ闘おう

 不正義の帝国主義侵略戦争を一刻も早くやめさせること、何よりも日帝・自衛隊のアフガニスタン出兵を阻止することをすべての労働者人民に訴える。
 アフガニスタン人民は、じゅうたん爆撃で無差別に虐殺され、家を焼かれ、生活を破壊されている。帝国主義の侵略戦争と介入で内戦は激化している。しかしこの中でアフガニスタン人民は、必死に生き、闘い続けている。米帝とイスラエルの残虐な攻撃で日々数多くのパレスチナ人民の命が奪われている。しかしパレスチナ人民は不屈に闘いを続けている。いや全世界の被抑圧民族人民が帝国主義を弾劾し闘っている。これが現実の世界なのだ。
 帝国主義国では世界大恐慌情勢の中で大失業と資本攻勢のあらしが吹き荒れ、帝国主義的排外主義と愛国主義が鼓吹され、労働者階級人民は泥沼の侵略戦争に動員されようとしている。
 侵略戦争に協力してはならない。それは労働者階級人民の立場ではない。労働者階級は、全世界、そしてアフガニスタン人民の友であり仲間なのだ。この帝国主義の侵略戦争を許したら、必ず世界戦争になる。戦争でしか延命できない帝国主義は打倒すべきだ。闘う被抑圧民族人民と連帯して、帝国主義下の労働者階級人民が自国帝国主義の打倒へ決起すべき時だ。
 十一・一一労働者集会で示された闘いの方向で前進しよう。「テロ弾劾」論で帝国主義に屈服し戦争に協力する日本共産党、連合を粉砕し、侵略戦争を阻む国際反戦闘争、帝国主義打倒に決起しよう。全国から佐世保現地に総結集し自衛隊艦隊の出撃を阻止しよう。
 〔片瀬 涼〕

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週刊『前進』(2031号5面2)

 改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史 番外編 証言
 横浜大空襲を体験した 丹治 孝子さんに聞く
  空爆の報道に猛火の海を逃げ惑った記憶が重なる

 戦火の中を散り散りに

 三月十日の東京大空襲は夜だったけど、五月二十九日の横浜大空襲は昼間だった。高射砲の反撃も、迎え撃つ戦闘機の一機もない。闘う戦力がないと見たらもう(空爆は)昼間になるの。その朝は九時半ぐらいから始まった。私は当時、南区榎町に住んでいた。
 横浜の空にB29が五百機も飛んで来て、一軒に三発ずつぐらい爆弾を落とした。まったく拾った命だ。
 前の晩、配給になった乾めんをめぐって母と姉が大げんか。「いつ死んじゃうかわからないんだから今晩食べよう」って母が言うと姉は「だめです。そんな計画性のないことでどうします」ってね。それが翌日には炭の塊になった。悔しくて蹴っ飛ばした。
 「生きていたら必ずここへ戻って来るんだよ」と母親が言って、水にぬらした毛布をかぶって散り散りに火の海を走って逃げた。母が連れて逃げた四つ違いの妹は、その時の記憶が恐怖で途切れて、真っ白だ。
 油脂焼夷(しょうい)弾は、羽が付いていてくるくる回りながら、油を跳ね飛ばして落ちてくる。その油が硫黄で、その火を払うと払った手について燃える。水をかけたって消えないし、恐ろしい。それがシャーシャーって落ちてくる。大雨の音と同じ。今も大雨が降るとどきっとします。
 P51戦闘機は小型で一人が操縦かん握って、もう一人が狙い撃ちする。その兵隊が見える。パッパッパッと撃つ。間隔は四bおきぐらい。ピュンピュンと砂が上がっていく。地面にペタッと寝て動かないでいるのよ。運が悪ければ背中を射抜かれる。道路の真ん中に人はいないから、軒先すれすれに撃つ。私も何度か腹ばいになったことがある。横浜も軍事施設が多かったからね。
 私は山の中に逃げ、逃げて来たたくさんの人たちと夜を明かした。
 今、テレビでアフガニスタン空爆の報道を見ると、ほんとに具合が悪くなる。あの下でどんなに皆が逃げまどっているだろうか、子どもや女、年寄りの悲鳴が聞こえるようです。

 真っ白な道

 空襲で焼けた土というのは真っ白なの。その周りに何もない白い道を、どこに行くのか私が歩いている。そんな夢を今も見る。
 私は、花も恥じらう十七歳で乞食(こじき)やってたんだよ。その白い土ぼこりで、汗をかいている足がまだらになる。その足で遠くまで歩いて農家に行くの。すると農家の庭先で遊んでた子どもが「かあちゃん、乞食が来たぞ!」と叫ぶのよ。それで立ちすくんだ。「戦災にあった者ですが、何かいただけませんか。お金はないのです」。最初にそれを言えと母親に言われていた。そうすると、芋のつるとか大根の葉っぱの切り落とし、折れた大根や人参をくれる。それで「かわいそうにね、またとっておくからおいで」って、それは赤ん坊を背負っていたからなの。

 女ばかりで飢えて

 家が燃えてから敗戦を迎える八月十五日まで、焼けトタンとか材木の焦げたのとかみんな拾い集めて、真っすぐに立たないぐらいの小屋を作って、そこで暮らした。父親は大連の方に行っていて、兄二人は戦争に取られていたから、母と姉と私と妹と女ばっかり四人。でも「天皇陛下の御ために」って耐え忍んだ。それが八・一五で一変して、今までの戦争は間違っていたと言われても納得なんかできるもんですか。
 その掘っ立て小屋の前に捨てられていた赤ん坊二人と、六人で飢えてね。母をなじらずにいられなかった。母親の襟がみをつかんでね、「おとなが始めた戦争だから責任を取れ」とやったことがある。
 その時に母親がね、「ふざけんじゃない。男たちが始めた戦争なんだから男に言いな。女なんか選挙権もない、政治に触ってもならん、そういう時代だと知ってて言ってんのか」って。
 母は八歳の時に両親をはやり病で亡くして、親戚(しんせき)をたらい回しにされて育ち、小学校も三年までしか行っていない。けれど、人間として大事なことを母に教えられた。
 例えばね。敗戦後、アメリカの慈善団体が日本の窮状を聞いて古着やトウモロコシ粉などを送ってくれた。私は「昨日の敵に恵んでもらって、飢えてもこんなもん食べないよ」って。そこで母親が「落ちぶれて袖(そで)に涙がかかる時、人の心の奥ぞ知らるる」という古歌を教え、「痛ましいと思った人に自分が何かあげようとするなら、それが古い物でも自分が一番大事にしている物をあげなさい。その覚悟があれば、敵国の人間だろうと堂々ともらえばいい。ただね、ほんとにつらい思いをしている人たちに物を投げ与えるなんてのは最低だ。許されない」って。

 被害意識背負って

 私の戦後の出発は、自分が焼け出されて、姉が進駐軍の集団強姦(ごうかん)にあって、乞食して歩いて……。それでずっと自分たちは戦争被害者だと思っていた。その被害意識を背負った平和主義者になった。
 次兄は五〇年までシベリア抑留。長兄は一年ぐらいで帰って来たけれど、ある日、進駐軍の集団強盗に遇って、銃の台座で殴られてあごの骨が全部砕けた。進駐軍の集団強盗、集団強姦なんてのは日常茶飯事だった。絶望で自殺ばかり考えていたの。
 住んでいた榎町はあたり一面焼け野原になった。そこを米軍のブルドーザーが一気に地ならしをしてカマボコ兵舎がずらっとできた。その路地で姉は進駐軍に集団強姦された。必死に抵抗したので、殴られて頭を十八針も縫った。二年近く姉は、一日中長い髪をすいているだけ。アメリカ兵を一人ずつ刺し殺してやろうと思った。殺意のわく怒りを、私はその時知った。

 戦争犯罪に加担

 学徒動員で運輸省にいた時に中庭に爆弾が落ちた。だけど天皇制教育をたたきこまれていた私は、「神の国だもの神風が吹く。それまでの試練だ。絶対に勝つ」と思っていた。兄や戦地への慰問の手紙に「敵をいっぱいやっつけて下さい。勝つまで私たちも我慢し、頑張ります」と書き送り続けた。子どもといえどもりっぱに戦争犯罪に加担していたわけで、子どもだったから責任はないと免罪してきたのは間違っていたの。教育は恐ろしい。
 アフガニスタン侵略戦争が始まった十月八日深夜、火の海を逃げ惑った記憶がよみがえって、体中がみしみしと音を立てて揺れた。映画「GO」の窪塚洋介が「悪いのは何も知らないってことじゃないか」(朝日新聞十月十八日夕刊)と言った。五十六年前、その言葉を日本人は身に刻みつけたはずなのに。
 自国の政府が他国の人に恨みを買うようなことをしていないか、世界にどう向き合っているのか。九・一一事件は、それを知らなければ、それをたださなければ、なんで死んだのかも分からぬ間に命絶たれることになるという警告だととらえた。政治に目と耳と全神経を集中してほしい。

◎たんじたかこさん
 婦人民主クラブ全国協議会相模原支部長。一九二八年生まれ。四五年五月の横浜大空襲体験。戦後、横浜市営交通局勤務。七二年米軍戦車車両輸送阻止の相模原闘争で婦人民主クラブと出会う。けんぽく生協を立ち上げるなど住民運動、反戦運動で活躍。印刷業。

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週刊『前進』(2031号5面3)

 『前進』ホームページメールから

 現在、アメリカ帝国主義はアフガニスタン侵略戦争で、劣化ウラン弾を使用した可能性の高い特殊爆弾バンカーバスターや、クラスター爆弾を用いた大殺りくを行う一方、「人道支援」なる名目でアフガニスタン人民の頭上に食糧を投下しています。実はこれこそが、帝国主義であるがゆえの度し難い無知・無理解によるさらなる殺りくであるということです。
 アメリカは投下食糧として、チーズ、干しブドウ、ビスケット、肉の缶詰などを落としています。どれも高タンパク、高脂肪、高カロリーの食品です。
 飢えを知らない帝国主義国の人民の目から見れば、本来的に栄養価の高い食物のほうがよいと錯誤してしまいがちですが、アフガニスタンの飢餓状況は、この私たちの想像をはるかに超えたものです。人びとは極度の栄養失調であり、免疫力は著しく低下し、肉体的消耗は冬をむかえる前に極限状態です。
 そのような体に、高脂肪、高カロリーの食物を摂取すればどうなるのか! 
 激しい下痢などの症状をともなう深刻な内臓消耗をひきおこし、果ては死に至ります。そこに、米帝=ブッシュの本質的凶暴性を見た怒りでいっぱいです。
 (女性・40歳代)

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週刊『前進』(2031号5面4)

 イスラム・中東の学習参考文献 B

4 マルクス、エンゲルスの関連論文・書簡
▽エンゲルス「論説 アフガニスタン」(全集第一四巻)
▽マルクス・エンゲルス往復書簡「通し番号一一一、一一四、一一五、一一七、一八五三年五月〜六月」(全集第二八巻)
◎追加
1 アフガニスタン関連
▽山本芳幸『カブール・ノート 戦争しか知らない子供たち』(幻冬社)
▽(ビデオ)土本典昭/熊谷博子/アブドゥル・ラティーフ監督『日本アフガニスタン合作記録映画 よみがえれカレーズ』(記録社・シグロ作品)

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週刊『前進』(2031号6面1)

「テロ根絶」口実にした戦時治安弾圧体制づくり粉砕を
 反戦闘争の大爆発で反撃開け

 自衛隊法改悪で防衛秘密導入し言論弾圧

 九・一一反米ゲリラ戦争は、帝国主義の危機が世界戦争として爆発していく世界史的な転換点をなすものであり、文字どおり情勢を一変させるものであった。アメリカ帝国主義は、九・一一を口実に「テロ根絶」を掲げてアフガニスタン侵略戦争へと突入した。そして、各国帝国主義は、先を争ってこの不正義の強盗的侵略戦争に、それぞれの帝国主義的な利害をかけて「主体的」に参戦している。日帝・小泉も、「二度と湾岸戦争の轍(てつ)は踏まない」という決意をもって、日帝軍隊=自衛隊の派兵を強行し、参戦に踏み切った。
 日帝のアフガニスタン侵略戦争参戦の中で、戦時型治安弾圧体制の構築は恐るべき勢いで進んでいる。九・一一から二カ月で、この十数年、いや日帝が戦後半世紀かけても成しえなかった戦時治安立法を次々と成立させ、治安攻撃を既成事実化させているのだ。
 十月二十九日に強行成立させた「テロ特措法」と一体の自衛隊法の改悪は、広範な人民の闘いで廃案に追い込んだ八五年国家秘密法案の内容を基本的に実現したものであり、断じて許せない。「防衛関連の国の行政機関職員や、防衛庁と契約する業者が防衛秘密を漏らしたときは五年以下の懲役。退職者も同様。未遂、過失も罰する」というものである。「自衛隊の運用や、武器、弾薬、航空機の種類や数量、通信方法、暗号など」が「防衛秘密」とされており、防衛庁長官の判断でその「防衛秘密」の範囲を無制限に拡大できる。自衛隊=日帝軍隊の動向に対する一切の報道や労働者階級の闘いを禁圧しようとする恐るべき戦時立法である。
 さらに、労働者階級人民の侵略戦争反対の闘いを圧殺するために、次のような治安攻撃が連続的にかけられてきている。@国連「爆弾テロ防止条約」の批准とそのための「爆発物取締罰則」など治安関係七法の改悪(本紙前号4面参照)、A盗聴法をテコにすべての電子メールを監視できる電子メール盗聴装置十六台の全国の警察への配備、B「テロ資金供与防止条約」への署名と来年の通常国会でその批准・関連法整備を図ろうとする動き――が進められている。
 これは、権力が「テロ団体」と一方的に決めつけた団体への資金提供を犯罪とするもので、実際にテロ行為に使用されたかどうかを問わず、政治団体へのカンパや労働組合の闘争資金きょ出までをも犯罪とする階級闘争圧殺法である。
 テロ資金問題では、すでに米政府が主導して「アルカイダ」の資金ネットワークと断定した計六十二の組織・個人の資産を凍結している。
 ハイテク装置を使った人民管理・監視攻撃も、ジョージ・オーウェルが『一九八四年』で描いたような恐るべき段階に達している。
 すでに自動車に対するNシステムを使った監視攻撃が大規模に行われている。その上に、「人間Nシステム」と言われている「顔貌(がんぼう)認識システム」の街頭への設置もたくらまれている。これは、イギリス帝国主義がIRA(アイルランド共和国軍)を圧殺するために大規模に導入しているものだが、目、鼻、耳、口の位置関係をデータ化して、カメラに写った顔からコンピューターで即座に人を識別し、人間の動きをリアルタイムで監視しようとするものである。
 日本では、主要交差点のほとんどに「交通監視カメラ」「交通事故監視カメラ」が設置されているが、現在ではそれがデジタルカメラに置き換えられており、人民監視カメラとして事実上機能している。
 そして何よりも、○二年からスタートすることになっている住民基本台帳のオンライン化は、国民総背番号化攻撃そのものであり、徴兵制に向かっての攻撃である。
 また、早稲田大学では新学生会館にカードキー・システムを導入し、館内にはビデオカメラを設置している。大学が学生会館を直接管理することで、学内サークル員にしか使わせないとして、他大学生との交流を禁止し、学生自治、学生運動を圧殺しようとしているのだ。
 このように、帝国主義の危機が根底から爆発している中で、労働者・学生・人民は、帝国主義打倒なしには、息すらできない状況になりつつある。

 拙速裁判で長期投獄を狙う「司法改革」

 日帝・小泉政権は、「司法制度改革推進法」を成立させ、戦後の裁判制度を三年以内に全面的に改悪・転覆しようとしている。「裁判の迅速化」を掲げて、迎賓館・横田爆取裁判のようなデッチあげ攻撃と全面的に闘っている被告の防御権を全面的にはく奪し、拙速裁判で重刑判決を出し、長期投獄を科そうとしている。帝国主義は末期的な危機の中で、もはやブルジョア的裁判制度すら投げ捨て、闘う人民の権利を全面的に否定しなければ体制維持ができなくなっているのである。
 戦争的危機情勢を背景にして日帝は、警察権力に治安弾圧を先行させ、それを追認する形で立法化を行っていくような、いわば内乱期の原理を前面化させている。
 警察庁は、十二月から警察官が拳銃(けんじゅう)を予告なしで使うことができるよう拳銃使用規範を改悪し、NBC(核・生物・化学)テロに対処する専門部隊の創設と、全国の機動隊への千四百丁の自動小銃の年内配備を決定するなど、人民虐殺のための恐るべき武装のエスカレーションを狙っている。
 また海上保安庁は、シージャックによる原発を狙ったテロに対応するため、原発近海を航行する大型フェリーなどに短銃を携帯した海上保安官を乗船させる警戒態勢をとっている。
 さらに陸自はゲリラ、特殊部隊による攻撃に対応する三百人規模の専門部隊を○三年に創設する準備を進めている。攻撃を受けた都市にヘリなどで急行し、鎮圧に当たるという。
 これらの攻撃は、「テロ警備」を口実にした内乱的手段をもってする治安政策への転換であり、まさに人民虐殺の治安弾圧体制への踏み込みである。

 警視庁が弾圧強化へ「テロ対策本部」創設

 警視庁は、警視副総監を本部長にして「テロ対策本部」を九月二十五日に創設した。この警視庁のテロ対策本部の重大な攻撃性は、警視庁傘下の全警察組織が「テロ対策本部長」のもとに一元的に掌握されるという点にある。つまり、治安問題が発生した時には警視庁の全警察機構が一つの指揮下に統括される戦時治安体制ともいうべきものがスタートしたのである。
 また都知事ファシスト石原は、原宿署の移転に伴い、JR原宿駅近くの日本社会事業大学跡地に六百人規模の留置場を建設する計画を、地元住民にまったく相談することもなく打ち出してきた。そもそも留置場は代用監獄として使われ、それ自身が冤罪の温床となってきた。廃止すべきものであって、六百人収容の大施設をつくることなど絶対に許せない。
 これは大失業時代において、あらかじめ労働者を「犯罪者予備軍」と考え、力ずくの弾圧政策で闘いを圧殺しようとするものだ。絶対、粉砕あるのみだ。
 しかし、「テロ根絶」を理由に、むき出しの暴力的治安政策で労働者階級人民を侵略戦争に動員しようとする日帝の攻撃は、絶対に粉砕できる。労働者党と労働者階級とが深く結合して闘い抜くならば、日帝国家権力それ自身が全人民の怒りの的となり、打倒される以外になくなるのである。
 前進社本社・支社を始めとする十一月六日のまったく不当な全国十一カ所一斉家宅捜索攻撃も、十一・一一労働者集会の前進を阻止することはできなかった。日帝のアフガニスタン侵略戦争参戦と大失業攻撃に対する闘いは、必ずや日帝打倒まで上りつめる巨万の人民的決起に発展する。このことに揺るぎない確信をもち、治安弾圧攻撃を断固粉砕して闘い抜こう。

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週刊『前進』(2031号6面2)

水嶋裁判第1回公判に結集を
 同志は百パーセント無実だ! 9・21戦闘に関与していない

 同志の皆さん、労働者・学生・市民の皆さん。
 八八年九・二一千葉県収用委員会長せん滅戦闘の「責任者」にデッチあげられた水嶋秀樹同志の裁判が、十一月二十一日(水)午後一時から始まります。無実の水嶋同志に対するいわれのない逮捕・起訴攻撃を完全に粉砕するために、東京地裁第四二九号法廷をデッチあげへの怒りで埋め尽くす傍聴闘争へ、総力で決起しましょう。
 九〇年三月、水嶋同志は九・二一戦闘の「責任者」として、神藤猛雄同志とともにデッチあげ指名手配されました。この攻撃は、天皇・三里塚決戦の爆発を圧殺するための予防反革命攻撃であり、政治的フレームアップでした。
 今年五月、水嶋同志は「犯人蔵匿」のデッチあげで不当逮捕されました。それを粉砕するや直ちに、九・二一戦闘で再逮捕されました。警視庁での取り調べは毎日九時間にも及び、その中身は水嶋同志に対する権力の恐怖と憎悪をあらわにした転向強要のみでした。この許しがたい取り調べの中に、水嶋同志の無実が明らかです。
 日帝・東京地検は七月三日、無実であることは百も承知で、水嶋同志を九・二一戦闘の件でデッチあげ起訴しました。われわれは、このような権力犯罪を断じて許すことはできません。裁判闘争でデッチあげの事実を全面的に暴き、必ずや無罪をかちとり、水嶋同志を早期奪還する決意を固めています。
 水嶋同志は百パーセント無実です。
 第一に、水嶋同志には明白なアリバイがあります。
 水嶋同志は九・二一戦闘当時、四国にいたのです。そのことは、勾留理由開示公判において水嶋同志自身がきっぱりと宣言しています。どうして四国にいた人間が、千葉県での戦闘を行うことができるのでしょうか。
 さらに、水嶋同志の無実は、検察側が開示した「証拠」によっても明白です。開示された「証拠」は、戦闘現場の実況見分調書などで、九・二一戦闘がいかに闘われたかという、権力側からの外形的事実を示すものだけです。九・二一戦闘と水嶋同志を結びつけるものはまったくありませんでした。
 権力は、転向分子・正井利明が九・二一戦闘の「責任者」を水嶋同志と特定したなどと言って、指名手配、逮捕・起訴攻撃を強行してきました。だが、正井は水嶋同志を特定していません。そのことは正井自身が神藤同志の裁判で証言しています。また、水嶋同志を特定する正井の調書もありません。
 検察官は、取り調べの時に正井が写真で水嶋同志を特定した、と神藤裁判でウソの証言をしています。正井本人が否定し、調書もない事実を、検察が勝手にねつ造し、それを根拠に無実の人間を指名手配したり、逮捕・起訴するなど許されるわけがありません。
 第二に、八八年九・二一戦闘の偉大な意義と、権力がそれに対するデッチあげ弾圧を強行したという政治的背景です。
 九・二一戦闘は、成田二期工事のための農地強奪攻撃の手先となった千葉県収用委員会に対する正義のゲリラ戦闘でした。千葉県収用委員会は解体し、いまだに再建できていません。九・二一戦闘は、成田二期完成をいまだ阻み続けているのです。そうした日帝の農民殺しの政策を阻んだ正義の戦闘への階級的政治弾圧として、正井を使った水嶋同志、神藤同志へのデッチあげ指名手配攻撃が行われたのです。
 米英帝国主義のアフガニスタン侵略戦争と日帝の参戦は、巨大空港の軍事的性格を明らかにしています。水嶋同志への弾圧は成田空港完成を阻む三里塚闘争の解体と革命党の壊滅を狙った政治弾圧です。水嶋同志への弾圧を粉砕する闘いは、日帝の参戦を粉砕する闘争と一体です。闘うイスラム諸国人民と連帯した国際反戦闘争の一環として、デッチあげ粉砕の水嶋裁判闘争を大衆闘争として闘い抜くことを訴えます。
 無実の水嶋同志を早期に奪還しましょう。十一月二十一日、東京地裁への総力結集を訴えます。

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週刊『前進』(2031号6面3)

有印文書偽造デッチあげ初公判
 M同志の早期無罪奪還へ 三里塚ゲリラ戦への報復 転向強要へ怒りの反撃を

 日帝・東京地検は、全学連戦士M同志に自動車登録証明を架空名義で申請したという言いがかりをつけ、「有印私文書偽造同行使」をデッチあげて起訴した。この政治裁判を徹底的に弾劾しなければならない。そして、なんとしてもデッチあげ裁判を完全粉砕して、M同志の無罪奪還をかちとらなくてはならない。
 第一回公判は、十一月二十二日(木)午前十時から東京地裁第四二六号法廷で行われる。全学連の学生同志を始め、すべての同志の結集を訴える。傍聴席を満席にし、霞が関・東京地裁を包囲して「デッチあげ政治裁判弾劾! 無罪戦取・早期奪還」の闘いを繰り広げよう。
 第一回公判ではM同志の意見陳述が行われる。すべての同志に訴える! 第一回公判に結集し、M同志の堂々たる完黙・非転向の闘い、無実の訴えを受けとめ、ともに闘おう!
 M同志は、六月十二日に警視庁公安部に不当逮捕された。当日、M同志は杉並区から都議選に立候補する結柴誠一氏の応援で、高円寺駅頭で「つくる会」歴史教科書採択阻止を訴えて街頭宣伝中であった。警視庁公安部は、都議選告示三日前に、しかも多くの区民の目前で逮捕するという暴挙をあえて強行した。
 この逮捕の狙いが、反戦闘争を最前線で闘う全学連戦士への政治弾圧にあり、小泉政権と真正面から闘う結柴候補の当選妨害にあったことは明白である。
 またM同志は、同じ容疑でなんと二回も逮捕・起訴され、五十二日間も長期勾留され、取り調べられた。その取り調べの内容は転向強要のみであり、四・一八千葉県企画部理事宅ゲリラ戦闘に対する報復デッチあげを狙ったものであった。
 M同志は、こうした日帝政治警察の悪辣(あくらつ)な攻撃を完黙・非転向の原則的な闘いと不屈の中核派魂で粉砕した。許し難いことに検察権力は、これに対する報復として、七月四日と八月一日の二回にわたる起訴を強行したのだ。現在、M同志は不当にも東京拘置所に勾留され、接見禁止中である。
 われわれは、今回の逮捕・起訴が政治弾圧を目的としたデッチあげであることを原則的な裁判闘争で暴き出し、国家権力の策動を粉砕して無罪を戦取しなければならない。また同時に、不当な接見禁止、勾留を突き破ってM同志の早期奪還をかちとらなければならない。
 M同志は無実である。今回検察が出してきた「証拠」と称するものは、膨大な「開示記録」にもかかわらず、M同志が「偽造」や「行使」をしたという具体的「証明」をなしうるものではない。何の関連もない、四・一八ゲリラ戦闘関係の「被害者供述」や「実況見分調書」のたぐい、『前進』に掲載された記事、M同志が参加した集会一覧を「証拠」として出してくるという不当なものである。要するにデッチあげ策動は破産しているのである。「Mは中核派の集会に参加しているから中核派だ」。だから、「Mはゲリラに関係しているに違いない」という予断、心証を与えることによって、なんとか突破しようとあがいているのである。こうした破防法型、有事体制型のデッチあげ弾圧を許さず、裁判闘争に勝利しよう。
 M同志の闘いは、二十一世紀革命を担う若い革命家の群れを創出する闘いである。われわれは、なんとしても敵権力の攻撃からM同志を防衛し、裁判闘争と獄中闘争の勝利をともに戦取しなければならない。
 全学連の隊列は、十一・九自衛艦隊派兵阻止緊急闘争−佐世保現地出港阻止闘争に決起するなど、反戦闘争のうねりの創出に向けて歴史的な闘いを開始している。獄中のM同志と一体となって進撃しよう!
 M同志は獄中から熱烈に、「侵略戦争阻止! 反戦闘争の大爆発を!」と檄(げき)を発している。ともに闘おう!
 十一月二十二日、東京地裁に総力で結集しよう!

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