季刊『共産主義者』 1999年〜2001年の紹介

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

革命的共産主義者同盟の政治機関誌
季刊 

2、5、8、11月発行 A5判160ページ 定価 1365円(本体1300円) 
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特 集
2007年以降案内へ

 
2006年
2005年
春季号  労働者の総力で改憲阻止の大闘争へ  帝国主義を打倒する国際連帯の新地平
夏季号  帝国主義への労働者の反乱が始まった  米帝の世界戦争政策とトランスフォーメーション
秋季号  ヒロシマ・ナガサキ--靖国闘争から秋へ  「つくる会」教科書批判
2006.11  安倍改憲突撃内閣打倒へ  11月労働者集会大結集の力で小泉政権打倒へ
2004年
2003年
2002年
春季号
 労働者の階級的国際連帯で新時代を切り開こう  米帝の世界戦争計画と革命的情勢への移行の開始  帝国主義を打倒する労働運動の進路/長期獄中同士奪還の大運動を
夏季号
 北朝鮮侵略戦争策動粉砕、有事七法阻止の大決戦へ  新しい型の『社会主義と戦争』の創成のために  02春闘をめぐる階級攻防
秋季号
 04年前半闘争の前進をイラク撤兵資本攻勢粉砕・改憲阻止決戦へ  労働者階級の国際的反撃が開始された  六回大会路線で武装し強大な革命党を建設せよ
冬季号
 労働者階級の国際的団結で世界革命勝利の展望を切り開こう  日本帝国主義の危機と没落  イラク反戦闘争・有事立法大決戦
特 集
2001年
2000年
1999年
春季号  カクマル「黒田哲学」の徹底批判  自自公打倒・衆院選勝利を  99年日本階級闘争の決戦テーマ
夏季号  世界大恐慌と革命の時代の到来  沖縄サミット決戦  ガイドライン国会粉砕の大人民運動を
秋季号  小泉反革命−全面的反撃のために  政治危機下の労働者の挑戦  ガイドライン下の新たな階級攻防
冬季号  世界革命勝利の21世紀へ
 革共同第六回大会路線で武装しよう
 改憲阻止闘争の本格的開始へ  2000年階級闘争の課題
 
1998年
1997年
1996年 
春季号  体制内擁護派=日本共産党を批判する  黒田辞任とカクマル=JR総連の破産  第19回革共同全国委総会報告・決定集
夏季号  革共同第20回全国委総会報告・決定集  安保・沖縄・有事立法   火をふく安保・沖縄決戦
秋季号  階級的労働運動の課題/日本共産党の徹底批判  新安保ガイドライン粉砕へ  国鉄分割民営化10年、JR総連打倒
冬季号  恐慌と戦争への突入--闘う労働者の道  日帝の参戦国化とどう闘うか  安保・沖縄闘争、新段階へ

 

共産主義者 表紙画像154 (2007年10月25日発行)

革命的共産主義者同盟 第23回全国委員会総会報告・決定集
革共同第23回全国委員会総会 開催宣言
第1報告
迫りくるプロレタリア世界革命と革共同・労働階級の課題
T 22全総以来1年間の組織総括
U 「党の革命」の内部から発生した新たな日和見主義と解党主義の克服へ
V 21世紀プロレタリア革命を実現する当面の死活的課題について
第2報告
死の苦悶にあえぐ末期帝国主義
T新段階に突入した米・世界バブル経済の崩壊−世界金融大恐慌の爆発へ
U イラク侵略戦争の重大段階への突入−侵略戦争の拡大にプロレタリア世界革命の嵐を
V 帝国主義問争闘戦の激化と国際階級闘争の現段階−EU、中国、アメリカ
W 最弱の環・日帝の体制的危機の深化−敵階級の凶暴化と労働者階級の怒りの爆発
X 日本労働者階級総決起の情勢−「生きさせろ」の叫びを生みだしているもの
第3報告
革命的時代認識と11月1万人決起論
T 「革命的情勢」とは何か、それは何を求めているのか
U 「党の革命」の勝利的前進の歴史的・革命的・階級的意義
V 階級的労働運動路線の深化と実践のために
W 日米安保体制−アジア侵略を革命に転化する展望開く11月集会
X 07年前半の闘いの徹底総括を日月集会1万人結集に転化しよう!

2007年7月テーゼ
階級的労働運動路線のもと7・7思想の革命的再確立を
岸宏一・水谷保孝(政治局員)と結柴誠一・新城節子(杉並現区議・前区議)の除名決議
結柴誠一新城節子の除名にかんする革共同・東京西部地区委員会決定
星野同志奪還をかちとる特別決議

7・29革共同政治集会基調報告―11月総決起へ驀進を
階級的労働運動路線の全面的な推進で戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう


No.154号 (2007/10)の内容の紹介(週刊『前進』第2316号6面記事より)

革共同23全総の全報告収録 11月1万結集へ実践的指針

  革共同は、07年夏、第23回全国委員会総会を開催した。『共産主義者』154号には政治局から提起された三つの報告が掲載されている。

 「党の革命」後の総括を提起

  23全総報告・決定で武装しよう。11月労働者集会1万人結集のために残り2週間、絶対にそれが必要である。なぜなら23全総こそ、労働者階級と革命党が現下の階級情勢のなかで突き当たっている壁を対象化し、課題をえぐり出し、「1万人結集を実現するには革共同はどう自己変革しなければならないのか」を鮮明に提起しているからである。23全総報告は学習のための教材ではない。直面している現実に対して、思想的・路線的に全面的に打開の道筋を論じきった、歴史的・画期的な実践の指針である。
第1報告では06年「党の革命」以来の1年余の総括を提起している。白熱的討議をつうじて明らかにされた課題が赤裸々にストレートに論じられている。まず、この1年を91年5月テーゼ以来の16年の壁を突破していく偉大な前進として総括している。また、その巨大な前進のなかで発生した「新たな日和見主義と解党主義」の思想的・組織論的問題点が、心底からの一致をつくりだすために丁寧に解明されている。これ全体が革共同の組織の原則的なあり方を示すものである。
第2報告では米サブプライムローン破綻の歴史的意義を明らかにすることを軸にして、今や全世界で帝国主義の基本矛盾が本格的に爆発していく時代にあること、すなわち労働者階級が全世界で総反乱に立ち上がる情勢が始まったことを提起している。全情勢が日帝危機に絞り上げられ、日本革命の現実性が完全に明らかにされている。
いかに多忙であっても熟読してもらいたいのは第3報告である。11月1万人結集論であるが、平板に決起論を述べているのではない。ひとことで言えば「革共同がプロレタリア革命に勝利するためにはいかなる党にならなければならないか、党員はどう自己変革しなければならないのか」を真正面から論じているのである。
第3報告では「時代認識・情勢認識での一致」が中心にすえられている。そして知識を詰め込むような「情勢認識」の仕方を一掃している。「労働者の決起は例外的にしか起こらない」という自然発生的な感覚を、意識的に格闘してぬぐいさることが時代認識での一致である。むしろ今までが日帝の例外的安定期なのであり、今や労働者階級が本来の戦闘性を発揮する時代に突入したのだ。この認識を肌感覚でつかんで闘うために、労働者観・階級観を自己のなかにすえなおさなければならない。つまり時代認識での一致とは、労働者階級の自己解放的決起への絶対的信頼と同義であり、自己と階級を一体化させていく自覚的な思想闘争そのものであり、党(自己)の変革の決定的課題なのだ。
また、それは実践的な飛躍をただちに突きつけるものとなる。労働者階級の死活的攻防の最前線に身を置き階級的責任を取りきることが問われる。労働組合こそその主戦場であり、革命派が登場するやあらゆる反動が襲いかかる。それは「一切のごまかしが効かないきわめて厳しい決戦場となる」。その鉄火のなかで労働者階級への不動の信頼を貫き、大量の階級的・革命的指導者をつくりだしていくこと、ここが党員の変革と飛躍の核心であり、革命に勝利する党への飛躍の課題なのだと第3報告は明らかにしている。

 動労千葉労働運動への特化

  だから、その決戦場でこそ団結を拡大してきた動労千葉から徹底的に学ばなければならない。『俺たちは鉄路に生きる3』に全力で向き合い、あらゆる産別で動労千葉型労働運動の実践に特化していく。これが第3報告の実践的結論である。この飛躍に全党がひるまず挑戦するなかにこそ11月労働者集会1万人結集の現実性があり、また日本革命の道がある。またマル青労同・マル学同各1千人建設の実現もここにかかっている。23全総報告・決定は決定的な武器だ。11月労働者集会1万人決起を全党の飛躍の力で実現しよう。

共産主義者 表紙画像153 (2007年7月7日発行)

TOP 革共同中央労働者組織委員会・全国会議基調報告
「党の革命」の成否をかけて青年・学生各1千人組織建設へ
体制内労働運動を打破し、若き革命的・階級的指導部の全国的形成をかちとろう 大原武史
革共同中央労働者組織委員会・全国会議 特別報告
11月労働者集会1万人結集へ全党の総決起を訴える
マル青労同・マル学同の各1000人建設に絶対勝利しよう 松丘静司
民営化阻止闘争の歴史的爆発のために 三橋直樹
杉並「丸ごと民営化」を阻止し、動労千葉型労働運動を発展させよう
労働運動の力で核と戦争をなくそう
労働者階級とヒバクと革命 河東耕二
市東さん農地問題と日帝の農業破壊
労農同盟の今日的確立のために 赤坂 潤
処分14回の教育労働者 □名原幹雄同志を悼む
革共同中国・四国地方委員会/革共同広島県委員会
仁王立ちして新基地阻んだ金城さんの闘いを引き継ぐ
命を守る会 金城祐治さんを追悼する 革共同沖縄県委員会
マルクス主義を学ぶ 党学校・講義録
レーニン『帝国主義論』(下)日和見主義的潮流との闘いが革命の成否を決する 秋月丈志


No.153号 (2007/07)の内容の紹介(週刊『前進』第2304号6面記事より)

 階級的労働運動論の鮮明化 青年・学生各1000人組織へ

  07年前半決戦の勝利は「党の革命」の前進と一体である。とりわけ「労働運動の力で革命をやろう」を合言葉に青年労働者と学生が若い力を存分に解き放ち革共同の中軸を担い抜くことによって、「党の革命」の本来の意味が一層鮮明になった。本号のテーマは、この「党の革命」と階級的労働運動路線の一体性を揺るぎない全党的認識としていくための努力・格闘にすえられている。
「党派闘争〔党内闘争〕こそが、党に力と生命力を与える」「党は、自身を純化することによって強くなる」――巻頭・大原論文と松丘論文は、この精神のもとに階級的労働運動路線をめぐる論争に敢然と立ち向かい、一本の強固な柱を打ち立てた。両者は、今春開催された歴史的な中央労働者組織委員会・全国会議の基調報告と特別報告(ともに加筆)であり、07年1・1アピールと本誌前号・木崎論文の提起を全面的に受け継ぎ、さらに深化・発展させた密度の濃い路線指導論文である。
「労働運動の力で革命をやろう」「団結の究極の拡大が革命である」「党は階級そのものである」とはどういう意味か? 「体制内労働運動との決別」とは何か?
そもそも階級的労働運動路線とは何か? 動労千葉型労働運動とは何か?――両論文は、革命的情勢の急接近に対応したレーニン主義革命論・組織論の立場に立ちきって、これらの核心問題に明快に答えている。革命的時代認識、マルクス主義の思想・理論の重要性とともに、実践的結論として「党の革命」の核心はマル青労同・マル学同各1千人の組織化であることを明確にした。全党員がこの提起を活動の軸に置き、11月1万人結集運動に突進しよう。

 日帝の危機と矛盾をえぐる

  民営化問題に焦点を当てた三橋論文は、東京の「杉並丸ごと民営化」攻撃への批判を切り口にしながら民営化問題の本質に迫り、それとどう闘うのかについて鋭く踏み込んだ実践的論文である。松丘論文と同様、ここでも動労千葉型労働運動の普遍的で決定的な意義がくっきりと浮かび上がってくる。
反戦反核の河東論文は、北朝鮮・中国侵略戦争前夜情勢下の反戦反核闘争を「労働者の闘い」として追究した力作である。日帝の敗戦―戦後革命の過程を振り返る中で、帝国主義の腐朽性の極致としての核の本質、それを許さない被爆者・労働者階級人民の闘いの意義が歴史的に明らかにされる。さらに、米軍再編と改憲攻撃の中で進む日帝の核武装政策を暴露し、「労働運動の力で核と戦争をなくそう」を前面に掲げて今年の8・6広島―8・9長崎への大結集を呼びかけている。
三里塚・市東孝雄さんへの農地強奪攻撃に日帝の農業・農民切り捨て政策の面から光を当てた赤坂論文は、新たな領域への意欲的な踏み込みである。「農地法による農地取り上げ」というとんでもない攻撃の背景には、日帝の帝国主義としての極限的な危機と矛盾が渦巻いている。だからこそ、日帝の三里塚つぶし・農民つぶしを打ち砕く労農同盟の今日的強化・確立の中に勝利の展望があるのだ。

 『帝国主義論』学習の新視点

  今回の「マルクス主義を学ぶ」シリーズは、前号に続いて秋月同志の「レーニン『帝国主義論』」の(下)、原典後半(7〜10章)が対象である。本稿の際だった特色は、労働運動・革命運動内部の日和見主義的潮流(カウツキー主義者)との闘争の決定的重要性を、世界戦争論と並んで『帝国主義論』の核心点として転換的に突き出したところにある。90年前のレーニンの対決課題がそのまま現代の日本階級闘争の最も切実な実践的・理論的課題と重なりあい、付録の感想文に示されるように党学校の若い受講者たちに新鮮な驚きと感動を与えている。
大原・松丘両論文の扱う問題はもとより、他のすべての論文とも密接に関連する問題領域を実践的かつ感性豊かにカバーし、それらに深い理論的な基礎と確信を与えるものだ。「党の革命」が生み出した最良の理論的成果と言っていい。本号を夏・秋決戦の武器にしよう。

共産主義者 表紙画像152号 2007.3(2007年3月20日発行)

 TOP 青年労働者・学生に訴える
21世紀プロレタリア世界革命の実現めざして
改憲投票法案粉砕・9条改窓阻止の07年決戦に勝利しよう 木崎冴子
労働契約法粉砕の基本問題 歴史的生命力が尽きた資本家階級 徳井義夫
階級的労働運動の力で沖縄闘争の本格的発展を
〈沖縄奪還〉はプロレタリアート自己解放の綱領 革共同沖縄県委員会
「障害者自立支援法」撤廃へ 燃えあがる「障害者」の闘い 吉沢進吾
マルスク主義を学ぶ 党学校・講義録 レーニン『帝国主義論』(上) 独占論を時代認識の基礎としてつかむ 秋月丈志

□浅田光輝氏の逝去を悼む 破防法裁判・元被告 藤原慶久
□佐藤芳夫さんの逝去を悼む 革共同関西地方委員会
□佐藤芳夫さんを追悼する 革共同書記長 天田三紀夫

階級的労働運動の発展かちとリ9条改憲阻止・安倍政権打倒へ
青年労働者・学生を先頭に革命を
日韓米3国労働者の国境を越えた団結で、米日帝の朝鮮侵略戦争を阻止しよう
『共産主義者』目録(下) 第138号(2003・11)〜150号(2006・11)


No.152号 (2007/03)の内容の紹介(週刊『前進』第2288号6面記事より)

 革命論を鮮明に階級的労働運動路線提起した木崎論文

 本号は、階級的労働運動の現場実践に役立つもの、特に青年労働者・学生に21世紀革命への決起を深く確信づける内容をめざして企画・編集された。
安倍・御手洗の戦争と民営化攻撃が4大産別における労働組合運動の解体に焦点をすえて襲いかかっている中で、労働者階級はこの階級決戦をどう闘えば勝てるのか。展望はどこにあり、具体的に職場や地域で何をすればよいのか。この課題にこたえる理論的・実践的格闘の成果である。
第一に、政治局の1・1アピールと木崎同志の巻頭論文において07年決戦を闘う基本路線を全面的に提起している。
1・1アピールは、〈党の革命>をへて、ついに革共同がプロレタリア自己解放闘争に徹頭徹尾立脚した〈階級的労働運動路線で21世紀革命実現を>の革命路線を樹立するに至った画期的な論文である。木崎同志はこれをふまえ、実践の最前線に身をおきつづけてきた指導部として、具体的教訓を交えた決戦論・革命論へと高めている。しかも青年労働者・学生に焦点をあて、決起の革命性を確信しきった地点からの総括・方針提起である。ぜひとも、この両論文をセットで読み込んでもらいたい。

 学習会に最適の2つの論文

 第二に、組合活動家はもちろん、広く学習会を組織するための武器として徳井同志の労働契約法批判と秋月同志の帝国主義論学習講座(上)がある。
徳井論文では、労働契約法の条文解釈的な批判にとどまらず、マルクス主義の基本原理と戦後階級闘争史から問題をとらえ返した。労働契約法が日本階級闘争の戦後的獲得物の一掃をかけた攻撃、階級的攻防に支配階級の側から歴史的決着をつけようとしている大攻撃であることを明らかにし、いかなる改良主義的譲歩もありえず革命的決着しかないことが突きだされている。労働契約法を根底的にとらえたときに、日本の資本家階級がもはや歴史的生命力を喪失しており、労働運動の力で革命をやることだけが現実的なのだということが明白になる。
さらに秋月同志の学習講座は、レーニン「帝国主義論」の真の革命的威力を復権させた。「帝国主義論」のこれまでの読まれ方を超えて、秋月同志はマルクス主義基本文献学習シリーズ『レーニン「帝国主義論」』(島崎光晴著)の地平をさらに革命的に深化させた。レーニンの主眼はどこまでも労働運動実践にあり、ごく一部の労働代官(日和見主義潮流)を打倒して労働運動の革命的発展をつくりだすことにあったという核心を洗い出した。日和見主義潮流の階級的性格を明らかにし、その彼らを現場労働者の手で打倒することでプロレタリア革命の勝利が一気にたぐり寄せられることを示した。ここに「帝国主義論」の真骨頂があるのだ。しかも秋月同志は今日的データをふんだんに盛り込んで、学習会に最適の平明なテキストに仕上げている。
第三に、階級的労働運動路線における不可欠の課題として、沖縄闘争および「障害者」解放闘争の論文を掲載した。

 沖縄奪還論の新たな地平

 沖縄県委員会論文は、プロレタリア自己解放闘争をがっちりと総括軸にすえて、沖縄奪還綱領を再構成・再確立した重要論文である。
また吉沢同志の「障害者自立支援法」批判は、闘争現場からの勝利感に満ちた渾身(こんしん)のアピールである。「障害者」抹殺攻撃の実態がよくわかり、それへの怒りがわき上がってくる。
本号は盛りだくさんの内容となったが、闘いの前進ゆえである。有意義な活用を期待したい。

共産主義者 表紙画像151号 2007.1(2007年1月1日発行)

革命的共産主義者同盟 第22回拡大全国委員会総会報告・決定集
第1報告
党の革命を徹底的に推進しプロレタリア日本革命に勝利する党を建設しよう
T 革命的情勢の急接近と党の革命
U 第6回大会から5年間の総括
V 選挙闘争の歴史的・全面的総括に向けて
W 〈党の革命〉論の深化のために
X 21世紀革命を実現する理論的前進を

第2報告
帝国主義の基本矛盾の全面的爆発と侵略戦争の時代への泥沼的突入
はじめに
T 帝国主義世界体制の基軸国・米帝の危機の限界的激化
U 米バブル経済の崩壊と帝国主義間争闘戦の激化
V 米帝を先頭にした侵略戦争への突入とその泥沼的拡大
W 「最弱の環」=日帝の体制的危機の激化と階級決戦の展開

第3報告
党の革命・労働者党建設を推進基軸に11月1万人結集から07年改憲決戦へ
T 党は階級そのものである
U 革共同の歴史的到達点、勝利の地平の貫徹として
V 05年11月から06年前半戦の核心的発展としての06年11月
W 4大産別こそ改憲決戦と11月1万人結集の階級的基軸
X 「労働組合論の革命的再確立」の地平から全労働者階級の組織化へ
Y 11月への組織化はプロレタリア独裁の現在的貫徹
Z 党の革命―改憲決戦勝利のための重要な諸問題

特別決議与田・遠山・西島・平田・倉沢の除名決議
付属文書 革命的部落解放闘争の諸問題


No.151号 (2007/01)の内容の紹介(週刊『前進』第2278号8面記事より)

歴史的な拡大22全総の報告 党の革命と党建設へ活用を

 革共同は、06年秋に第22回拡大全国委員会総会を開催した。この拡大22全総は、政治局の三つの報告と五つの特別決議などをめぐって討議し決定した。今回の『共産主義者』151号には、その三つの報告と「与田・遠山・西島・平田・倉沢の除名決議」、そして付属文書「革命的部落解放闘争の理論的諸問題」が掲載されている。
三つの政治局報告とは、第1報告「党の革命を徹底的に推進し、プロレタリア日本革命に勝利する党を建設しよう」、第2報告「帝国主義の基本矛盾の全面的爆発と侵略戦争の時代への泥沼的突入」、そして第3報告「党の革命・労働者党建設を推進基軸に、11月1万人結集から07年改憲決戦へ」である。

 選挙闘争の総括

 第1報告の意義は、03年新指導路線確立の意義について、それが3全総(革共同第3回全国委員会総会、62年)―3回大会(66年)路線へのラセン的回帰を本格的に求めるものとしてあったことについて、歴史的展開をふまえて踏み込んだ提起をしていることである。60年代には職場を軸にした戦闘的労働運動の取り組みが各産別において実に多彩な機関誌を発行するまでに至っていたことが明らかにされている。当時の革共同―マル青労同が労働運動にどれほど内在化していたのかがあらためて新鮮に浮かび上がる(U章)。
こうした革共同の労働運動が、内戦の第1段階・第2段階をとおして核心的に守り抜かれ発展させられたものが、動労千葉労働運動にほかならない。
動労千葉労働運動は、「革命的共産主義の労働運動として、また戦後日本労働運動の真の継承者として存在」しており、その意味において、今や小なりといえども決定的に重要な情勢打開要因として登場している。
V章は、「選挙闘争の歴史的・全面的総括に向けて」の論述。3全総以来の革共同の革命的議会主義への取り組みを4期に分けて総括し、結論として「原点に帰って07年統一地方選挙へ」向かうことが提起されている。今次統一地方選において、革命的議会主義の本来の姿を復活させ、真に新指導路線(階級的労働運動路線)に基づく選挙戦を遂行するために必読だ。

 全国単一党建設

 「〈党の革命〉論の深化のために」貴重な問題提起が行われているのがW章だ。とりわけ全国単一党の建設は、「旧来の組織形態を維持したままでは実現できない」として「党内民主主義・労働者民主主義の新しい組織形態」の必要性を強調し、そのために「思考的機能、討議的機能、教育的機能を日常的に闘いとること」など「三つの側面からの接近」を提起している。新しい労働者党を自らの手で建設するためにぜひとも体得しなければならない作風だ。
X章は、21世紀革命を実現する理論的前進の課題を明らかにしている。そのいずれもが党的飛躍にとってきわめて重要であることがわかるだろう。
第2報告、第3報告について。第2報告は、〈最末期の現代帝国主義についてのプロレタリアートの時代認識〉の確立という立場から学びとってほしい。特に、米帝にとってのイラク侵略戦争での泥沼的敗勢と住宅バブル崩壊の世界史的意義の確認は重要だ。第3報告は、「党は階級そのものである」という提起の深い意味を真に学びとる立場から血肉化してほしい。これによって初めて、戦後日本階級闘争の革命的な総括・継承も可能になる。
22全総報告・決定集を『前進』新年号とともに徹底的に学習し、07年階級闘争に力強く打って出よう。

共産主義者 表紙画像150号 2006.11(2006年11月1日発行)

安倍改憲突撃内閣打倒へ

憲法闘争をめぐる基本的諸問題  大谷一夫

ロシア革命とレーニンの労働組合論  城戸通隆

戦争国家づくりと道州制  野沢道夫

非正規職撤廃に総決起する韓国労働運動  室田順子

〈中東問題論考〉
民族解放闘争を裏切りつづけたスターリン主義  丹沢 望
軍事基地国家=イスラエル崩壊の危機  池藤啓一

獄中32年 不屈の星野文昭同志を奪還しよう  野田道子

恥多き死をさらしたファシスト黒田寛一  播野 隆


No.150号 (2006/11)の内容の紹介(週刊『前進』第2268号6面記事より)

 装丁を大胆にリニューアル

 大谷論文 憲法闘争の論点を考察

 本誌の創刊は1959年1月。47年目の今号で150号を迎えた。これを機に、「より使いやすく、持ち込みやすく」をめざして表紙などデザイン・装丁が一新され、価格も下げられた。しかし、それ以上に中身に注目してほしい。

 第1章 〈党の理論誌〉
本号をもって〈党の理論誌〉としての性格づけが一層明確になった。革共同政治機関誌『共産主義者(通称イスト)』の存在意義はどこにあるか、読者が『イスト』に期待するものは何か――「党の革命」の中で、宣伝・扇動、機関紙誌改革の重要な一環としてリニューアル論議が進められた。本号はその成果の一端である。
安倍政権の登場で、すべてがはっきりしてきた。憲法闘争一つをとっても、極右ファシストで固めた安倍改憲突撃内閣の攻撃には、生半可なイデオロギー(いわゆる護憲論的な立場)では太刀打ちできない。何よりもイデオロギー的徹底性が必要だ。今や、ラジカル(根底的)なことが最も現実的であり大衆的であるような革命的激動の時代が始まったのである。マルクス主義・レーニン主義の力が何よりも必要とされ、試される時がきたのだ。
労働者人民が日々直面する政治・経済・社会・文化の諸問題に肉薄し、問題の根源をより深く、より明快な形で掘り下げてみせること、そこに『イスト』ならではの存在意義がある。週刊の『前進』と異なり、一定の長いスパンと広い紙幅で問題を追究できるのが季刊誌の強みである。その利点を生かした大胆な企画と内容の充実に挑み続けたい。
改憲阻止決戦論においても、労働者人民の世界観・人生観を激しく揺さぶり戦闘意志をかき立てるような、マルクス主義の視点からの真に奥の深い分析や説明が求められている。その点で、大谷同志の巻頭論文は読者の期待を裏切らない。
「憲法問題とは、国家の問題であり、体制の問題であり、権力の問題である」というその中身に鋭く踏み込んでいる。「近代憲法とはそもそも何か」を問い、自由権と社会権に関する歴史的考察をとおして「労働者階級はブルジョアジーの打倒に突き進むために、ブルジョア国家のタテマエをみずからの武器として利用」すべきことを具体的に明らかにしていく。この中で労働者にとっての団結権の意味も一段とはっきりする。さらに、戦後革命期との関連で「現憲法がもつ特異なエレメント」を探る部分、自民党新憲法草案の批判など、どれも説得力がある。

 第2章 新指導路線深化
憲法闘争論ともかかわるもう一つの意欲作が、安倍政権で急浮上した道州制導入攻撃を批判した野沢論文である。斬新な切り口でタイムリーなテーマに迫る。またレーニンの労働組合論を扱った城戸論文は、ロシア革命におけるレーニンの闘いを検証しながら「党の革命」の地平に立って「労働組合の革命論的意義」をさらに掘り下げた力作であり、新指導路線をもう一歩深めている。
室田論文は、韓国における非正規職撤廃闘争の激闘を生き生きと報告。中東問題の2論考は、スターリン主義批判とイスラエル・シオニズム批判にスポットを当てた新たな試みで、ブックレット『パレスチナの怒り』の補論にあたる。星野文昭同志奪還の野田論文も、獄中32年の星野同志に肉薄した地点から全面的に無罪を論証し勝利の展望を描く実践的論文である。最後の黒田批判・播野論文では、生命体としての死以前にすでに思想的・政治的な屍(しかばね)と成り果てていた黒田の惨状が存分に暴き出されている。打撃力あるカクマル批判だ。

共産主義者 表紙画像149号 2006年秋季号(2006年8月1日発行)

ヒロシマ・ナガサキ--靖国闘争から秋へ

党の革命を徹底推進し11月1万人決起へ
4大産別軸に本格的改憲決戦に今すぐ全力で突入しよう 榊原龍雄

教育基本法改悪阻止の臨時国会へ
教育基本法と日教組運動の歴史的総括をふまえて 永倉慧

関西の国鉄労働者からの報告
職場における反合・運転保安闘争の実践
臨大闘争弾圧裁判の弁護側立証段階にあたって訴える 奈良岡勇

共謀罪と労働者階級
改憲阻止の歴史的火ぶた切った国会決戦 立花 茂

改憲を阻むヒロシマ・ナガサキ
61年目の8・6−8・9と四大産別決戦 河東耕二

立ち上がる世界の労働者 (1) メーデーを復活させたアメリカ労働者階級
全米主要都市を埋め尽くした数百万人の大決起 内村堅

立ち上がる世界の労働者 (2) 300万人決起で勝利したフランスの学生と労働者
全世界の労働者階級・被抑圧民族に勇気と希望を与えた闘い 藤沢明彦

「靖国の思想」か労働者階級の団結か 靖国攻撃を日本帝国主義の命取りに転化しよう 柏木俊秋

●グラビア 悪法を阻んだ労働者の力


No.149号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2257号6面記事より)

 「党の革命」徹底推進へ 榊原論文

 「靖国思想」を批判する 柏木論文

  北朝鮮のミサイル発射を口実に、米日帝による経済制裁発動と排外主義が激しく扇動されている。小泉の後継と言われる安倍官房長官は、「敵基地攻撃の検討・研究は必要」と侵略戦争策動を声高に主張している。既成の政治勢力はおしなべて、日米帝による戦争重圧には口をつぐみ、「北朝鮮バッシング」に唱和しているありさまだ。「労働者の団結で帝国主義を倒し、戦争を止める」ことに確信をもった本物のマルクス主義の実践だけが、これからの激動情勢を切り開きうる。
フランスで、イギリスで、韓国で、労働者が壮大な規模で立ち上がっている。日本においても6千万労働者階級が本格的決起を開始している。これに対応して、革共同が自己の「壁」を突破し、労働者党として本格的に飛躍することが必須の課題となっている。

 動労千葉の運動

  巻頭の榊原論文は、この「党の革命」のテーマに真正面から取り組んだ。この間の党内論議から、重要な論点が4点にわたって抽出されているが、ここでは、3全総から新指導路線に至る革共同の闘いにおける動労千葉労働運動のもつ意義を強調したい。今日、反合・運転保安を闘い国際連帯を切り開いている動労千葉労働運動の意義は誰にとっても明らかである。それは、革共同がファシスト・カクマルとの熾烈(しれつ)な内戦をとおして「自らの分身」として防衛しぬく中で、ともにかちとった階級的労働運動の精華である。つまり、「革共同の労働運動の実践は、動労千葉労働運動のなかに結晶している」。こうした趣旨から、新指導路線の実践を強く訴えている。11月労働者1万人決起へ、必読の論文だ。

 侵略戦争と靖国

  「靖国A級戦犯合祀に昭和天皇が不快感」報道が政界を揺るがしている。この時期にタイムリーに出された柏木論文を勧めたい。「分祀」論・「新追悼施設」論など一見もっともらしい主張は、本格的な侵略戦争を前にした支配階級の動揺と分裂からくるのりきり策でしかないと、切れ味鋭く暴いている。これまで、ともすればアジア人民や宗教者の闘いとしてとらえられがちだった靖国問題を、労働者階級を主軸とした改憲決戦の正面テーマとして骨太に論じきった。
靖国攻撃は、国家暴力そのものであるがゆえに確かに凶暴な攻撃だ。しかし、しょせんは敗戦帝国主義として一度は破産した攻撃であり、「日の丸・君が代」被処分者の闘いに込められた労働者魂でこっぱみじんに粉砕できるという、確信と勇気がわいてくることうけあいだ。

 闘う最前線から

  教労論文・国鉄論文・共謀罪論文の3本は、いずれも闘いの最前線からの生き生きとしたアピール。とりわけ、関西の国鉄現場からの報告は、現場労働者が手がけ、ひと味ちがったものに仕上がっている。共謀罪論文は、「治安維持法以上の悪法」の正体をわかりやすく暴き、臨時国会での廃案を強く訴えている。
ヒロシマ・ナガサキ闘争論は、「労働者階級にとってヒロシマ・ナガサキとは」の原点から説き明かし、改憲決戦の主戦場として被爆61年目の夏を闘おうと呼びかける。
「立ち上がる世界の労働者」として、2本のドキュメントを掲載。戦争と大資本攻勢に対して、米仏の労働者階級はいかに数百万人の決起を実現して反撃しているのか。そこにおける排外主義との闘い、帝国主義的労働運動との対決、学生の先進的役割……。具体的な描写なので気軽に読め、しかも貴重な教訓を必ず学び取れるはずだ。
次号150号をもって『共産主義者』は全面的にリニューアルされる。プロレタリア自己解放の思想を体現する理論機関誌として、「特集」などの企画性を強め、闘いの前線からの熱い息吹を凝縮したものへとレベルアップしていきたい。全国の仲間からの感想、批判、積極的意見をお待ちしています。

共産主義者 表紙画像148号 2006年夏季号(2006年5月1日発行)

帝国主義への労働者の反乱が始まった

四大産別決戦をさらに前進させ改憲阻止の大闘争を起こそう
米「国家安全保障戦略」に示される帝国主義の危機と凶暴性 須藤潔

小泉−奥田路線の破綻と06春闘
「経営者よ 正しく強かれ」をうち出した経労委報告 黒部敏宏

資本の軍門に下った連合本部
「公共サービス・公務員制度のあり方」を批判する 那珂雅彦
06年医療制度改悪を許すな
戦後医療の平等原則・非営利原則破壊の大攻撃 社会保障問題研究会

改憲阻止・四大産別決戦に敵対する日本共産党
11・5『赤旗』声明−24回大会決議を断罪し、スターリン主義反革命をうち砕いて進もう 川武信夫

労働者の街・横浜寿で闘いを貫いた革命家 ●谷森吉同志を追悼する 革共同神奈川県委員会

小泉・奥田体制打破! 4大産別決戦勝利! 改憲阻止闘争の勝利へ全力で驀進しよう!
11・6日米韓労働者集会の国際的団結を発展させ日本プロレタリアートは戦闘的に進撃しよう

●グラビア 改憲阻止決戦に荒々しく突入


No.148号 (夏季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2246号6面記事より)

 始まった労働者反乱

 巻頭論文 改憲阻止の大闘争を

 川武論文 日本共産党の反革命性

  現在、教育基本法改悪・共謀罪粉砕を始め国会闘争が激しく闘われている。この最中に『共産主義者』148号が発刊された。
本号のタイトルは「帝国主義への労働者の反乱が始まった」。CPE(初期雇用契約)を撤回させたフランスの学生・労働者300万人のゼネストとデモ。イギリス・ドイツ・韓国などで闘われている歴史的ストライキ。日本でも教労・国鉄を軸に労働者の決起が爆発しつつある。
こうした闘いの息吹に肉薄し、危機に瀕(ひん)した帝国主義を打倒し労働者階級が取って代わる展望と路線を提示したい――こうした決意を込めて本号は企画された。書き下ろしの5論文と06年1・1革共同政治局アピールを併せて、改憲阻止決戦・4大産別決戦の路線と展望をトータルに明らかにしている。

 「退路断って」

  巻頭の須藤論文は、T章で今春闘争の激烈な階級攻防をスケッチし、4大産別決戦での闘いを土台に「改憲阻止決戦に荒々しく突入した」ことを宣言。現場労働者一人ひとりの「退路を断った決起」が戦時下階級闘争を切り開くという、情勢の核心点を受けて、V章では、職場での団結を基礎に、思い切って国会闘争に全力あげて立ち上がることを熱烈にアピールしている。そして、生きた階級闘争のただ中で、この闘いに勝利できる党の建設のために、新指導路線のもとでの「党の革命」を大胆に遂行することを訴えている。
U章で取り上げたブッシュの3月「国家安全保障戦略」は、年頭の一般教書、2月の国防総省QDR(4年ごとの防衛見直し)と並んで米帝の世界戦争戦略の基本方針を示すもので、本稿が最初に翻訳し分析・批判した重要文書だ。米軍再編最終報告とも密接にからんでおり、帝国主義の基本動向をつかむ上できわめて大切である。
続く労働運動論文2本は、巻頭論文と一体で、連合の改憲勢力化阻止の決定的位置を明らかにするものだ。黒部論文は、労働者階級がおかれた「格差社会」の実態を帝国主義の破局として暴露し、それが95年日経連報告以来の資本攻勢と小泉―奥田路線によってもたらされたと怒りをもって弾劾している。奥田のもとでの最後の「経労委報告」批判と春闘動向をとおして改憲阻止の4大産別決戦の位置を浮き彫りにした。
那珂論文は、1・19連合中執決定批判、とりわけ「質の高い公共サービス」論に絞り込んで批判し、自治体労働者の闘う路線を明確にした意欲作だ。「全体の奉仕者」論に代表される国家主義的イデオロギーと対決し、プロレタリア自己解放の思想を貫いた自治体労働運動の路線をうち立てた。行革推進法案・市場化テスト法案と闘う労働現場での討論と学習に活用してほしい。
医療制度改革批判論文は、改憲と一体の社会保障制度解体攻撃との対決の重要性を訴えている。06年医療制度改悪は、高齢者を標的にしつつ、労働者階級から医療と生存権を奪い取る大攻撃であり、戦後社会保障制度の本丸への正面攻撃である。73年の老人医療無料制度から中曽根政権時の80年代反動、そして小泉―奥田路線下での現在に至る歴史的な攻撃が、全体像を明らかにする形で暴露されている。また、社会保障解体の切っ先である介護保険制度との関連も明らかにされている。「経済的・社会的実体における改憲攻撃」の本質を、わかりやすく勘所を押さえて批判した重要論文だ。

 統一戦線破壊

  川武論文は、改憲阻止・4大産別決戦を闘う上で必須の日本共産党スターリン主義批判。06年1月第24回党大会に至る日本共産党の今日の反労働者性・反革命性は、帝国主義の打倒、国家と革命の問題が現実に問われる情勢に突入した中で、労働者階級の新たな決起を押しつぶすことを自覚的に路線化し、それを一線を踏み越えて実践し始めたことにある。04年1月の第23回大会での綱領改定以降の敵対ぶりが、イラク反戦・国鉄闘争、何よりも昨年11月集会への「赤旗」声明など具体的事例をあげて全面的に暴露されている。日本帝国主義の自衛権を認める日本共産党のもとでは、改憲決戦は闘えない。改憲阻止の闘う統一戦線形成、4大産別決戦の勝利のため、これに敵対する日本共産党の批判にさらに磨きをかけよう。
階級決戦のただ中でプロレタリア革命党としての革共同の根底的飛躍=「党の革命」を闘うすべての同志への熱烈な連帯を込めて、本号の活用を訴えます。

 

共産主義者 表紙画像147号 2006年春季号(2006年2月15日発行)

労働者の総力で改憲阻止の大闘争へ

改憲阻止! 四大産別決戦勝利!
06年の歴史的決戦に勝利しよう
新指導路線のもとプロレタリア革命に勝利する労働者党を建設せよ 樫山康次

動労千葉の反合・運転保安闘争から学ぶ
大民営化攻撃と対決する反合理化闘争の創造を  魚沼敬一

自治体労働者は四大産別決戦の先頭で民営化攻撃粉砕を
改憲・国家改造としての 「公務員制度改革」  小松由英

暫定滑走路の北延伸着工阻止決戦へ
改憲阻止の砦・三里塚  船村 耕

革共同の戦闘宣言
星野文昭同志奪還へ  川野正行

マルクス主義原典学習  エッセンス読み切り講座 第七回
マルクス『ゴータ綱領批判』を学ぶ
プロレタリア革命・共産主義の現実的実践論  畑田 治

グラビアタイトル 国境を越えた階級的団結


No.147号 (春季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2234号6面記事より)

 改憲阻止の大闘争へ

 巻頭論文 06年決戦方針を鮮明に

 春闘論文 「攻めの反合理化闘争」

 06年の帰趨(きすう)を決する1〜3月決戦の真っただ中で、『共産主義者』147号が発行された。本号のタイトルは「労働者の総力で改憲阻止の大闘争へ」だ。いよいよ戦後史の革命的決着をかけた日帝の改憲攻撃との全面的対決の時がきた。この決戦全体を貫く路線・闘争論構築の観点から企画・編集されている。

 ■05年の勝利性

 巻頭の樫山論文は、革共同政治局1・1アピールに基づく、06年決戦方針をめぐるこの間の全党的な討論を踏まえ、その問題意識を一層鮮明にした重要論文である。1・1アピールは、現在の加速度的に切迫した世界的・国内的な革命的情勢にがっちりかんだプロレタリアート人民の今日的な政治的実践綱領である。
全体を貫くテーマは、新指導路線のもとでの4大産別決戦を土台とした改憲阻止決戦をいかに闘うのか。そのために、動労千葉の闘いから何をいかに学び、それを労働運動全体にいかに波及させるかである。その核心は、日帝・小泉=奥田と対決してかちとった05年の地平の勝利性に確信を深め、全党と闘う人民が固く一致することにある。本論文は、こうした1・1アピールを05年の総括を中心に論じている。自らの革命的実践が世界革命の現実性に直結していることをリアルにつかんでいく。そのような目的意識をもって読みたい。
まず〔一〕「4600人大結集と国際連帯の大前進」では、昨年の11・6集会を全面的に総括している。ここに05年の勝利性が凝縮している。04年にも増した「日米韓国際連帯の前進の内実」は何なのか。11月を契機に米韓の仲間たちがインターナショナルな共産主義をともに自覚し、実践したことに切り込んでいる。こうした国際連帯の実践がとてつもない力を生み出すことを強調している。世界革命の現実性を大胆に洞察していることが提起の精神である。
次に〔二〕「総括上の核心点」では、この地平を生み出したものが新指導路線の貫徹であるということを確認している。11・6に結実した05年の攻防全体の新指導路線貫徹の苦闘とダイナミズムをしっかりと理解することである。階級支配の破綻(はたん)点をつかんで決戦の活路をいかに突き進んだのか。1〜3月の「日の丸・君が代」強制拒否の教労決戦に始まった前半全体の決戦構造、郵政民営化問題をめぐる小泉改革の危機性・凶暴性と対決した昨秋攻防の闘い方を再度わがものとすることだ。
こうして結論として〔三〕「党的・組織的総括を深化させるための」で、なぜ1万人に達しなかったのかという設問をとおして、4大産別決戦論の不十分さなどを踏み込んでえぐり出している。問題の中心が革共同の党指導部の飛躍と変革にあることを強烈に提起し直している。
最後に〔四〕では、国民投票法を始めとする国会動向、米軍再編・沖縄情勢、政府・財界提言など年頭以来の急迫する情勢に対応して的確に方針が提起されている。
以上の全体をとおして「日の丸・君が代」決戦、動労千葉の反合・運転保安春闘が06年の帰趨を決する突破口であることがはっきりする。1・1アピールと一体のものとして、支部・細胞はもとより全党的な論議を闘いとろう。

 ■06春闘勝利へ

 06春闘爆発のための労働運動論2本。反合理化闘争論文は、動労千葉が船橋事故以来の反合・運転保安闘争をマルクス主義の立場からいかにして発展させていったのか、資本主義の根幹を食い破る「攻めの反合理化闘争」としての意義を論じている。大民営化攻撃と対決し、帝国主義を打倒する労働運動の足がかりだ。
公務員制度改革批判は、経済同友会の「10の提言」の暴露を中心に、改憲と戦争への国家大改造攻撃の要(かなめ)が公務員労働運動の解体にあり、これとの闘いが06年階級決戦の最大焦点であることを突き出した。自治体労働運動の勝利の路線・展望を指し示している。
三里塚闘争論は、日帝の改憲・戦争国家化と闘いぬいてきた労農同盟の砦(とりで)としての歴史的地平を明らかにした、本号の特別企画である。40年間、日帝との非和解的対決を貫いてきた偉大さに、新鮮な闘志がわいてくる。青年労働者・学生にぜひとも学習を勧めたい。
星野奪還論文は、本年を再審貫徹・奪還の決定的な年とするための革共同としての決意を込めたアピールである。奪還は革命党の生命線をかけた闘いだ。星野同志の闘いは日々、改憲攻撃と根底で切り結んでいる。奪還の闘いの先頭に立つ筆者の”熱”が心揺さぶる。星野奪還の再審闘争に立ち上がろう。
マルクス主義原典学習講座は、マルクス『ゴータ綱領批判』。革命的情勢が急接近している今、マルクス主義の思想を自らのものとすることは、決定的な闘いである。国家の問題やプロレタリア国際主義などの核心がわかりやすく解き明かされている。21世紀革命の実践綱領として、しっかりと学びとろう。
「日の丸・君が代」不起立の教育労働者を先頭に06春闘の勝利へ。

共産主義者 表紙画像146号 2005年冬季号(2005年11月1日発行)

郵政民営化粉砕! 教基法改悪・改憲阻止!
11月労働者集会大結集の力で小泉政権打倒へ 栗田秀行
11月集会で労働者インターナショナルの新時代を
戦争・民営化と闘う国際階級闘争の最前線 浜田茂夫
帝国主義と対決する教育労働運動を
05年「日の丸・君が代」−教科書決戦が切り開いた地平 革共同教育労働者委員会
歴史的勝利をかちとった全金本山闘争
「一人の首切りも許さない」原則を全国の職場に! 岡崎康史
05年都議選総括の深化のために
都議選=教科書決戦引き継ぎ、11月1万人決起の反転攻勢へ 大波田剛
マルクス主義原典学習 エッセンス読み切り講座 第六回
マルクスエンゲルス 『ドイツ・イデオロギー』を学ぶ
−マルクス主義生誕の現場からその核心をつかみとろう 森尾誠

★大野康平弁護士を悼む 革共同関西地方委員会
7・31関西革共同政治集会基調報告
都議選決戦の歴史的地平を発展させ11月労働者総決起へ前進しよう 今岡透
●グラビア 小泉打倒、国際連帯の11月労働者集会


No.146号 (冬季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2220号5面記事より)

 小泉打倒・11月総決起論

 巻頭論文 「官から民へ」全面暴露

 浜田論文 日米韓国際連帯の地平

  9・11衆院選の結果を受けた小泉のファシスト的国家改造攻撃に対して広範な労働者階級の危機感と怒りが噴出している。
選挙結果は、労働者階級人民の怒りを封じ込めてきた既成野党や労組指導部の破産と無力を突き出し、逆に原色の階級的主張こそが人民の心をとらえる情勢が到来したことを明確に示した。小泉「構造改革」とは何か。小泉をどうやったら打ち倒せるのか。今号は、そうした膨大な労働者階級の声にこたえ、小泉打倒の11月集会を組織化するための武器として企画された。

 1万人結集へ

  今号の特徴は、トップ論文を始め全論文が小泉打倒・11月総決起論として全一体をなしていることである。そして全論文が、歴史的に行き詰まった帝国主義体制を労働者階級の決起で今こそ転覆しようという気概に満ちあふれている。どの論文から読み始めても引き込まれる充実したラインナップである。激務の中、11月労働者集会の前に全論文を読破することを強く勧めたい。本号は、1万人大結集運動を促進する素晴らしい力を持っている。
巻頭論文は、郵政民営化を軸とする小泉「構造改革」攻撃を全面的に暴露し、労働者の階級的団結で小泉を打倒する展望を明らかにした。その特徴は第一に、「官から民へ」などの小泉宣伝のペテンをはぎ取り、小泉=奥田路線の綱領とも言える「骨太方針X」を批判しきっていることである。すなわち、大量首切りと大衆収奪の極限的激化であり、地方自治体の切り捨てと民営化の推進であり、さらに、戦後公務員制度の全面解体である。これらの展開をとおして、郵政民営化―公務員制度改悪が、日帝の戦後体制と戦後発展の大きな要因であった「官業」と公務員の存在を否定して戦後的なあり方を一掃し、「戦争をする国」に完全に転換する攻撃であることが明確にされている。逆に言えば、戦後労働運動の中心を担ってきた4大産別(郵政、自治体、教労、国鉄)をめぐる決戦に、戦争か革命か、今後の帰趨(きすう)がかかっているのである。
第二に、連合の改憲勢力化を阻止し、改憲阻止決戦の展望をたぐりよせた05年前半戦の地平を明らかにしている。そして第三に、05〜07年、戦後最大の階級決戦に勝利し、21世紀革命の展望を切り開くために、11・6労働者集会の1万人結集を力強く訴えている。必読の重要提起である。
浜田論文は、日米韓国際連帯の画歴史的地平を明らかにしたスケールの大きな論文だ。巻頭論文の補完であり、浜田茂夫著『国際労働運動の新時代』(前進社刊)の続編でもある。
一つに、AFL―CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)分裂の歴史的意義を明らかにし、それをもたらした根底的要因である米ランク・アンド・ファイル運動の前進を歴史的に解き明かしている。とりわけ、戦争と民営化に反対する05年の西海岸での闘いが熱気をもって伝わってくる。
二つに、非正規職化阻止を掲げた韓国民主労総の闘いの意義が全面的に明らかにされている。この国際階級闘争の最前線で闘う米韓労働者階級の代表が日本へ連帯を求めてやってくると考えただけでも胸が高鳴る。「この11月、〈戦争と民営化に対決する階級的・戦闘的労働運動のインターナショナル〉の本格的形成に着手しよう」という呼びかけのとおり、世界革命のリアリズムを見いだし、1万人大結集へのファイトが沸いてくる。
教労論文は、教基法改悪・改憲阻止決戦を切り開いた1年間の闘いを中間総括し、11月集会の中軸部隊として教育労働者1千人が登場することを訴えた。
岡崎論文は、動労千葉と並ぶ日本労働運動の歴史的勝利を切り開いた全金本山闘争の闘いを描いた渾身(こんしん)のレポート。「工場で働くごく普通の青年労働者がどのようにして『一人の首切りも許さない』という思想と労働運動をつくりだしてきたのか」を、まさに「路(みち)なきところを踏み歩き道をつくる」闘いの過程を描いて明らかにした。

 都議選の総括

  大波田論文は、新指導路線のもとで「つくる会」教科書決戦として闘われた都議選闘争の総括。レーニン的な本来の選挙闘争論の軸心から、労働者党員を主体とした全党総決起への道を大きく開いた今次選挙闘争の画期的意義を簡潔に明らかにしている。『前進』夏季特別号の基調論文をふまえ、「宣伝・扇動の革命」「党派闘争の積極的展開」「議員像の革命」などの諸点において総括を深化させている。関西革共同政治集会基調報告と併せて読み込んでいただきたい。
マルクス主義学習講座は、マルクスとエンゲルスが「実践的唯物論者=共産主義者」の宣言を初めて発した『ドイツ・イデオロギー』。マルクス主義生誕の現場に立ち、その核心であるプロレタリア革命論をつかみ取ろう。
今岡同志の関西革共同集会基調報告は、教科書決戦の真っただ中で05年前半戦を総括し、11月総決起の大号令を発した意気高いアピールだ。とりわけ、都議選の総括と革命的労働者党としての地区党建設論を軸とする党建設の基本問題の提起は重要である。
階級的批判に磨きをかけ、いざ11月の挑戦へ。

共産主義者 表紙画像No.145号 2005年秋季号(2005年8月1日発行)

巻頭アピール 11月労働者総行動に戦闘的労働者の大隊列を
「つくる会」教科書採択阻止闘争から
〇五―〇七年教基法改悪・改憲阻止決戦の本格的発展へ 

「つくる会」教科書反革命をうち砕け
戦争と改憲のためのファシスト的明治国家礼賛論を批判する 柏木俊秋

被爆60周年 戦時下の8・6―8・9闘争の課題
米軍再編と世界核戦争 並木 清

改憲に向けた労組解体攻撃を現場の反撃でうち破れ
郵政分割・民営化粉砕全逓労働運動再生へ 紀藤孝司

大学を侵略粉砕・日帝打倒の砦に
侵略拠点化としての「大学改革」攻撃粉砕を 芹 誠一

破産にのたうつ教労カクマルを追撃せよ
階級的教労運動に敵対するカクマル 木島克己

マルクス主義原典学習 エッセンス読み切り講座 第五回
レーニン『国家と革命』を学ぶ(下)
第五章「国家死滅の経済的基礎」の積極的解明 田中弘次

★グラビア 戦争のための教科書は絶対に採択させない


No.145号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2110号6面記事より)

 共産主義者 145号

 「つくる会」教科書批判

 柏木論文 明治国家礼賛論を切る

 並木論文 戦時下の反戦・反核闘争

  参院での郵政民営化法案否決―衆院解散・総選挙という日帝・小泉体制の危機の中で迎えた8・15。小泉を先頭とする「靖国20万人参拝」運動を突破口にアジア侵略への挙国一致が図られようとしている。この攻撃の中心的イデオロギーこそ「つくる会」教科書だ。その採択をめぐる攻防は、日帝の戦争と民営化の攻撃との対決の最焦点になっている。本号は、この情勢に全面的に対応して企画された。

 ●都議選決戦の積極的地平と教訓を確認する

  巻頭アピールは、革共同が今春全力で闘った東京・杉並における「つくる会」教科書採択阻止の闘いを基軸に据えた都議選決戦の積極的地平と教訓を確認している。それは、帝国主義打倒の闘いの新たな発展を切り開く立場に立ち、世界危機の爆発的な展開と切り結んだ本年前半の激闘を革共同の新指導路線の物質化の視点から総括したものだ。05〜07年教基法改悪・改憲阻止決戦の本格的爆発をかちとり、4大産別を先頭とする階級的労働運動の創成を実現するために、何より11月労働者総決起にとって決定的に重要なアピールである。
特集企画は「つくる会」教科書のファシスト反革命イデオロギーを根底から粉砕した柏木論文だ。「つくる会」教科書の攻撃は教基法改悪・改憲、戦争国家化の最先端の攻撃である。労働者階級はこの攻撃をいかにとらえ粉砕するのか?
この攻撃を不可避とする日帝の危機を革命に転化する階級的視点を徹底的に貫き、鋭く回答している。
本論文のポイントを紹介したい。一つは、明治維新・明治国家・明治憲法を賛美した「つくる会」の歴史観に徹底的にメスを入れたこと。資本主義の帝国主義段階への世界史的な推転期に近代化=資本主義化した明治国家は、その後発性ゆえに侵略戦争と国内人民弾圧の血塗られた体制として形成されていった。こうして確立された明治国家体制の特異な姿が天皇制ボナパルティズムと規定される。このことをはっきりさせた時、「欧米列強との必要不可欠な生存競争」として明治以来の対外戦争を描き出す「つくる会」教科書の反革命思想は、徹頭徹尾当時の支配階級のイデオロギーであることが鮮明になる。
二つ目は、以上に立って1884年の秩父蜂起を頂点とする自由民権運動に代表される人民のダイナミックな闘いの過程を明るみに出し、それらが本格的な日本のプロレタリア階級闘争の勃興(ぼっこう)へと連なっていく歴史を生き生きと復権していることである。そうすることで、日本の労働者人民にとっての近現代史の真実と意味、歴史的課題と階級的責務を明らかにすることに成功している。すなわち柏木論文は、明治国家の行き着いた日露戦争が以降の日帝の方向性を決定的に規定したことを明らかにしている。そしてそこには、対米帝の全面戦争に行き着き完全破局をもって終わる道か、それともプロレタリア革命によって帝国主義を打倒し戦争と破局を拒否する道かの歴史選択がすでに内包されていたと洞察しているのだ。
柏木論文の後半は、「つくる会」歴史教科書の南京大虐殺と沖縄戦の歴史偽造を取り上げて、彼らのおぞましい手口を粉砕している。さらに、「つくる会」公民教科書が改憲と侵略戦争を政治目的としていることを核心的に批判している。「つくる会」公民教科書は、新たな侵略戦争への精神的総動員を狙って、国家主義・愛国主義をあおり、個人や人権を否定し、“「公」=国家に命をささげよ”と要求する。
「つくる会教科書」は最初から理屈や道理とは無縁であり、戦後的意識を根こそぎ暴力的に解体しようとする日帝・小泉と奥田らブルジョアジー中枢の大攻撃であり、それとの激突は帝国主義打倒の革命的内乱をたぐり寄せる闘いである。
反核論文は、米帝の世界核戦争戦略としての米軍再編下、既成原水禁運動の転向の中で迎えた60年目の8・6―8・9闘争の階級的意義を明らかにした。11月労働者総決起との結合に反核闘争勝利の道があることを訴えている。

 ●日帝の郵政民営化攻撃の本質を突きだす

  紀藤論文は、改憲と戦争国家化をかけた日帝の郵政民営化攻撃の本質を突きだした。現在のブルジョア政局の危機の真の意味をつかみ取るためにぜひ、読み込んでいただきたい。
芹論文は、小泉=奥田路線下での「つくる会」教科書攻撃と一体となった「大学改革」攻撃を批判した好論文。革命的な学生運動の再生のために必読だ。
木島論文は、JR総連を失ったカクマルの最後の産別、教労カクマルの路線的全面破産と展望喪失の絶望的状況を鋭くえぐった。
マルクス主義学習講座は、「レーニン『国家と革命』を学ぶ(下)」。「国家死滅の経済的基礎」に関して共産主義への過渡期=プロレタリア独裁論を、レーニンの革命的実践をとことんとらえ尽くす立場から深化させた革共同の理論的新地平である。

 

 

共産主義者 表紙画像No.144号 2005年夏季号(2005年5月15日発行)

米帝の世界戦争政策とトランスフォーメーション
米日枢軸のもとで突き進む日帝の改憲攻撃 牟田俊彦
( 泥沼化するイラク侵略戦争を焦点に、深刻化する米欧の分裂。米帝・ブッシュとともに世界危機をどこまでも拡大することを決断した日帝・小泉。米軍の世界的再編の実相と歴史的意味を探る。)

石原打倒の大衆闘争で長谷川氏の都議当選へ
「つくる会」教科書の杉並採択を絶対に阻止しよう 園田芳和
(今春「日の丸・君が代」強制拒否の偉大な闘いの地平を総括し、今日の階級闘争の突破の環が石原ファシストとの正面対決にあることを提起。総蜂起戦による都議選勝利を熱烈に訴える)

沖縄現地レポート 米軍再編に立ちふさがる名護のたたかい
辺野古の海上闘争はいかに発展・飛躍したか 大浜豊
(辺野古の座りこみと海上行動は、米日帝をがたがたに揺さぶる震源地だ。04年9ー12月にかけての闘争の質的転換期を内側からとらえた、学生戦線同志による現地レポート。)

マルクス主義原典学習 エッセンス読み切り講座 第4回
レーニン『国家と革命』を学ぶ(上)
労働者は国家権力を倒して共産主義社会へ前進する 高瀬洋治
(リヴァイアサンとしての現代の国家権力を打倒しないかぎり、労働者階級は資本のくびきから自分自身を解放できない。レーニンが復権したマルクス主義「国家=革命」論の神髄を現代によみがえらせる渾身の提起。)

革共同政治局の2005年1・1アピール
11・7国際連帯集会の歴史的成功を突破口に戦争と民営化のブッシュ・小泉反動枢軸打倒へ
教基法改悪・改憲粉砕!郵政民営化絶対阻止!05年決戦かちとり都議選勝利・石原都政打倒を
□自衛隊イラク即時撤退、3・20国際反戦闘争の爆発を
□「日の丸・君が代」強制拒否を闘い教基法改悪阻止せよ
□北朝鮮侵略戦争阻止、米軍再編粉砕、安保・沖縄闘争爆発へ
●グラビア 都議選勝利・ファシスト石原打倒 ▼編集を終わつて


No.144号 (夏季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2198号2面記事より)

 共産主義者 144号

 戦争・ファシストとの闘い

 牟田論文 世界戦争政策と対決訴え 園田論文 都議選勝利へ全力決起を

 米日帝枢軸による侵略戦争政策に対して、ついに韓国・中国人民の歴史的な抗日デモが始まった。これと連帯し、日帝の改憲攻撃と対決する正念場がきた。

 帝国主義世界戦争の時代の米軍大再編

 巻頭の牟田論文は、「米帝の世界戦争政策とトランスフォーメーション」。
2期目のブッシュは年頭以来、新たな侵略戦争に向けた政策を激しく打ち出している。今、全世界を戦争にたたき込みつつ進行している米軍の世界的な再編とは何か。その理念・戦略とは。それらを背後で動機付けている世界危機とは。これらの歴史的意味を根底でとらえた情勢分析である。
第1章は、米軍再編の背後にある帝国主義の世界危機の内容を基本的・全面的に明解にした。まずイラク戦争の泥沼化こそ帝国主義の分裂を決定的に促進していることを強調している。中東(石油)・世界支配の再編をかけた米帝と拡大したEUの中心である仏・独帝。これらが熾烈(しれつ)に争い、非和解化していく様子を構造的に説得力豊かに展開している。まさに帝国主義世界戦争が不可避化していく現在的な論証といえる。
第2章では、米軍再編が世界・東アジアの軍事情勢にもたらすものを具体的に迫った。「大再編」とは簡単にまとめると、@01年9・11を機に世界戦争を宣言したブッシュドクトリンの実行である。Aイラク侵略戦争の激化・拡大路線であるとともに、イラン、北朝鮮、そして究極的に中国スターリン主義の体制転覆を戦略的にすえた。B日帝がこれに全面関与することで成り立つ。2・19日米安保協での「戦略合意」とは、自衛隊が米軍と一体化し日本全土が北朝鮮・中国侵略戦争基地化になるというもの。ここから沖縄米軍基地の再編・強化は不可避だと言える。
第3章は、以上からする戦後日米関係の結論的な論及。こうした安保の世界安保への実戦的飛躍は、日本の対米従属に根本があるのではない。逆に日米争闘戦の非和解的な激化を背景にして進行している。小泉=奥田の改憲攻撃もそうした歴史的な踏み切りとしてあることを徹底的に突き出している。
米軍再編によって切迫する改憲阻止決戦を日本革命―世界革命の戦略的水路として闘おう。本論文はその現実認識と行動指針のための必須な土台だ。

 都議選勝利かちとりファシスト石原打倒へ

 園田論文は、6月都議選を水路に小泉=奥田路線の最悪の先兵=ファシスト石原を打倒するための路線と方針を訴えた重要論文。
まず、石原都教委による「日の丸・君が代」強制と闘った1〜3月卒入学式闘争の勝利的地平を総括し、石原打倒の大衆的闘いの展望をとらえたことの意義の大きさを確認している。
次にあらためてファシスト的実践的政治家としての石原の反革命的性格と弱点を掘り下げて指摘している。さらに石原都政の民営化攻撃、社会保障解体攻撃との闘いの基軸性もしっかり確認している。
以上に立って現在、石原との激突で「つくる会」教科書の杉並区での採択に攻防の一大焦点があることを鮮明にし、闘う全国人民の総決起を強く訴えている。石原―杉並山田区長打倒の一大大衆行動を巻きおこそう。その力で長谷川英憲氏の都議当選をかちとろう。

 名護・辺野古の米軍新基地建設実力阻止へ

 大浜論文は、学生戦線の同志による渾身(こんしん)の名護・辺野古現地闘争レポート。人民決起のすばらしさと自己解放性、起伏に満ちた攻防過程をとおして米軍再編・日米安保同盟の新展開を揺るがす巨大な地平を、見事に活写しきった。写真・図も豊富で読者の心を辺野古に引きつけてやまない。
マルクス主義原典学習講座の第4回目はレーニン『国家と革命』。腐朽し極限的に肥大化したリヴァイアサン(怪物)としての現代国家権力を打ち倒すことなしには、労働者階級は搾取・収奪から自らを解放できないという基本命題を鮮明に提起している。とりわけ、ネグリやハートの「帝国」論、さらに日本共産党・不破などの、横行する国家に対する日和見主義をイデオロギー的に批判し、それらとの対比で21世紀冒頭の現代革命論としてレーニン国家論の神髄をよみがえらせている。上下2回シリーズの前半である。
革共同政治局の05年1・1アピールは、『前進』新年号掲載を再録。4大産別を軸に新指導路線の物質化の勝負の年である05年の戦略方針を繰り返し学習しよう。とくに労働組合の革命論的意義の明確化を軸とする階級的自己解放論の深化は一層重要である。

 

共産主義者 表紙画像No.143号 2005年春季号(2005年2月15日発行)

11・7地平から「日の丸・君が代」闘争−3月国際反戦闘争へ
帝国主義を打倒する国際連帯の新地平 倉本 浩

「日の丸・君が代」強制攻撃粉砕、社会保障制度解体阻止の首都決戦
ファシスト石原を打倒し六月都議選勝利へ 榊原龍雄

動労千葉の闘いに学び、新指導路線のさらなる貫徹を
労働組合運動の革命的実践 中村孝夫

11・7労働者集会成功の地平と勤評闘争の教訓
今春「日の丸・君が代」決戦に立ち上がろう 澤村 朗

ファシスト石原の民営化攻撃との闘い
都における自治体労働運動の決戦性 樋口暁生

「分割・民営化の総仕上げ」を狙ったJR資本攻勢を粉砕しよう
反合・運転保安確立、〇五春闘勝利へ  篠塚 隆

連合全逓(JPU)中央打倒、物ダメ・ストライキで闘おう
郵政分割・民営化絶対阻止の全逓決戦 今西孝史

「攻めのリストラ」で民営化・労組破壊を宣言
05年版「経労委報告」批判 野口正敏

★藤本敏夫同志を追悼する 革共同関西地方委員会 革共同兵庫県委員会

アイヌ民族解放闘争との本格的連帯を
日帝打倒・プロレタリア革命の一環として闘おう 前島信夫

●グラビア 国際連帯の熱い躍動 ▼編集を終わって


No.143号 (春季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2187号6面記事より)

 共産主義者 143号

  11月集会総括と05春闘

 倉本論文 世界革命の現実性を描く

 榊原論文 6月都議選勝利への方針

  05年決戦が激しく火を噴いている。05年階級闘争の出発点は、昨年11・7日米韓労働者集会の革命的・階級的地平にある。11・7は、イラク情勢を展開軸に危機を深める帝国主義と対決する国際労働者の階級的団結の力を示した。そして、11・7を結実させた核心にあるのは、新指導路線の実践をとおした労働組合論・党建設論における決定的ブレイクスルーである。
『共産主義者』143号は、この11・7地平に立って全論文が執筆・編集された今春決戦の特集号である。同志・読者に大いに活用していただきたい。

 労働組合の国際的団結の地平をつかみとる

  巻頭論文は、倉本同志による全面的な11月集会総括。日米韓国際連帯が切り開いた地平とプロレタリア世界革命の現実性を、集会の発言を引用しつつ生き生きと描き出している。戦争と民営化という共通の課題に対して、労働者階級は各国的な分断をのりこえて団結し、帝国主義を打倒すべきであること。そして、自国資本との闘いが、同時に他国労働者との連帯であることをつかんだ時、労働者階級はそのエネルギーを幾層倍加させてどこまでも闘うのだ。
1章では、このように11・7の感動の核心にある、プロレタリア自己解放性に基礎をおいた労働組合の国際的団結の地平をつかみとっている。
2章では、11・7がイラク戦争の泥沼化を展開軸とする世界戦争情勢と日米枢軸、トランスフォーメーションに対して開始された国際的内乱としての意義を明らかにした。そして3章では、11・7とひとつながりの闘いであった米MWM運動と韓国民主労総の激闘の発展を活写した。05年における米韓労働運動の新たな挑戦の革命的意義はきわめて印象深い。以上を受け、4章で「日の丸・君が代」強制拒否闘争の全産別での決起こそが国際的共同闘争の柱であることが鮮明にされている。
榊原論文は、6月都議選への決起を訴える必読の選挙綱領論文。小泉=奥田路線の反革命突撃隊=ファシスト石原打倒としての今次選挙戦の意義を提起した。新指導路線提起の地平から、杉並を主戦場とした選挙闘争に強制されてきた歴史的なゆがみをえぐりだし、本来的な革命的議会主義の路線を強力に打ち出している。オーソドックスな地区党建設を軸にした全党の総決起を「党の革命」をかけて闘うことがその核心だ。戦時下階級闘争における激動型選挙として、教労決戦を先頭に今春首都政治決戦をたたきつけ、勝利の展望を切り開こうと熱烈に訴えている。宣伝・扇動革命の実践として「とめよう戦争教育」「石原都知事に挑戦状」などのスローガンにしぼりこまれた闘いの方針をつかみ、実践しよう。

 労働組合の革命論的確立と4大産別決戦論

  中村論文は、11月集会高揚の原動力となった革共同の新指導路線と労働組合の革命論的確立の核心を明らかにした。昨秋の実践を総括し、革共同としてレーニン党組織論の真髄をつかみとったことが確認されている。その立場から、動労千葉の階級的労働運動の実践を強力に訴えている。本論文をしっかりとふまえて、続く4大産別論文を読みこんでいただきたい。
現場労働者同志による教労論文は、勤評闘争の教訓を総括し、「日の丸・君が代」闘争の意義を明らかにした。自治労論文は、ファシスト石原都政の歴史的意味と攻撃の方向性を具体的に暴き、都における自治体労働運動決戦の意義を説いた。国鉄論文は、「ニューフロンティア21」を軸としたJRの資本攻勢に対する反合闘争を訴える。全逓論文は、郵政分割・民営化阻止の決戦論。職場から力関係を転換する物ダメ闘争方針の意義は重要だ。
野口論文は、小泉・奥田による戦争と民営化攻撃の方向性を示した05年版「経労委報告」の全面批判。連合を先兵にしてしか階級支配を貫徹できない日帝の危機性が浮き彫りにされている。

 国内民族抑圧との対決の不可欠性突きだす

 

前島同志によるアイヌ民族解放闘争論は、新指導路線の実践の地平から、国内における民族抑圧との対決の不可欠性を突きだした労作。アイヌ民族解放闘争との真の連帯をめざしての提起である。豊富な資料を使ってアイヌ民族の現状と闘いをくっきりと浮き彫りにした。ぜひ学習を勧めたい。
卒入学式闘争を全国全産別の労働者の決起として闘い、05年決戦の火柱をあげよう。

共産主義者143号

 

共産主義者 表紙画像No.142号 2004年冬季号(2004年11月1日発行)

04年11月労働者集会の歴史的成功へ
労働者階級の国際的団結で世界革命勝利の展望を切り開こう 今岡 透

階級的労働運動の再生で安保・沖縄決戦に勝利しよう
日米同盟の歴史的新段階と沖縄闘争  銘刈淳一

教労戦線の本格的党建設に向けて
教基法改悪・改憲攻撃阻止の一年間決戦へ 革共同教育労働者委員会

国際連帯こそ勝利の道−−10・17MWM高揚から11月大行動へ
・ アメリカ労働運動の地殻変動 既成労組の枠を突き破り、戦争反対へ現場から決起 村上和幸
・ 11月ゼネストに向かう韓国民主労総 FTA・非正規・派兵撤回で盧武鉉政権と総力で対決 室田順子

改憲阻止の大決戦に起て 憲法九条解体は果てしなき戦争への道だ 坂本千秋

<労働者の年金闘争論>
階級的労働運動の力で社会保障解体攻撃をはね返そう
労働者人民の生存権を否定した04年抜本改悪 社会保障問題研究会

本格的発展局面に入ったイラク民族解放闘争
米帝を追いつめるイラク人民の闘い  丹沢 望

●グラビア ブッシュ・小泉打倒へのうねり  ▼編集を終わって


No.142号 (冬季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2173号7面記事より)

 共産主義者 142号

 11月総決起から05年へ

 今岡論文 「党の革命」の意義鮮明に
銘刈論文 安保・沖縄闘争の新段階

 アメリカMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ、百万人労働者行進)の高揚は、アメリカ労働運動の地殻変動と世界革命の現実性を告げ知らせた。既成労組の枠を突き破ったILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10の挑戦に学び、11・7へ残り1週間の渾身(こんしん)の決起で日本のMWMを実現しよう。本号は、全論文が11月総決起と05年に向けた労働運動の1年間決戦論として構成されている。

 ●新指導路線の意義軸に11・7決起論を提起

 巻頭論文は、8・1関西革共同政治集会での今岡透同志の基調報告。新指導路線の意義を軸にして11・7総決起論を提起した重要論文である。 本論文の前半は、全党の03年3大決戦の徹底的総括など新指導路線1年間の豊かな実践のとらえ返しと、関西地方委の総括をとおしてつかまれた核心問題として、革命的情勢の急接近に対応した新指導路線の戦略方針の唯一性と「党の革命」の意義を全面的に提起した。
労働組合絶滅攻撃をめぐる現場攻防の渦中で、中央指導部を先頭に、血の汗を流す努力が求められている。これは党の組織的現状からの突破をかけた死活的闘いであるが、それのみにはとどまらない。プロレタリア自己解放の思想に根ざした労働者階級の党として、革共同を本質的・実体的につくりあげるという、党の根本的自己変革論として提起されているのである。 そしてその実践的指針として、階級的労働運動を実践している動労千葉の闘いから学ぼうと呼びかけている。マルクス主義、反帝・反スターリン主義の思想と理論にもとづいて労働組合が指導された時、労働運動全体の牽引(けんいん)車となることができることを、今年前半戦の動労千葉の闘いは実証した。職場の条件、産別の違いを超え、帝国主義を打倒する労働運動の神髄を動労千葉の実践からとことん学び、労働組合の権力奪取を目指そう。
後半では、11・7への総決起の歴史的意義を訴えている。その核心は、イラク侵略戦争の泥沼化のもとで繰り広げられる戦争と民営化攻撃に対し、5千人決起をもって日帝・小泉との階級的力関係を転換しようということである。
「骨太方針W」の反動的狙いは、労働組合の根絶・解体にあり、それをとおして労働者の首切り、賃下げ、不安定雇用化、社会保障制度解体を貫徹することにある。 これに対して、「君が代」不起立闘争に決起した教育労働者を先頭に、4大産別を軸にした階級決戦をたたきつけることが唯一の回答であることが鮮明に突き出されている。11・7を突破口に、05年決戦への挑戦権を握ろう。マルクス主義青年労働者同盟1000人建設を全党の闘いとし、それを突破口に党勢倍増に勝利しよう。 MWM―11月決起論の一環として、アメリカと韓国の労働運動に関する『前進』掲載の2本の論文を再録した。

 ●重要な局面に入った沖縄闘争の戦略的路線

 銘刈同志の沖縄論文は、米軍のトランスフォーメーション(世界的再編)=日米安保の世界安保化のもとでの安保・沖縄闘争の新段階を提起した重要論文だ。米軍ヘリ墜落事故と名護新基地建設強行への怒りの中で、米日帝の沖縄圧殺政策の破綻(はたん)があらわになり、小泉政権と稲嶺県政に対する歴史的な反撃が始まっている。新指導路線の立場から沖縄労働運動の分岐と高揚を分析し、労働運動の1年間決戦に安保・沖縄闘争を戦略的に位置づけて闘うことを提起している。
教育労働者委員会論文は、「日の丸・君が代」闘争を軸に教育基本法改悪阻止の1年間決戦を訴え、4大産別決戦の先頭に立つ教労委員会を現場に建設していく闘いの道を明らかにしている。 坂本同志の改憲決戦論文は、イラク派兵と有事法制のもとでついに改憲そのものが政治日程に上ったことに対して、全力を挙げた決戦に立つことを訴えている。自民党などによる9条改定を軸とした攻撃の核心点を暴き出し、日帝打倒への突破口として改憲阻止の階級決戦を呼びかけた好論文だ。 年金闘争論は、04年年金抜本改悪を暴き、小泉=奥田路線の核心である年金・社会保障制度解体攻撃との闘いを、労働運動の死活的要求として闘うことを鮮明に提起した。ぜひ組織的学習を勧めたい。

 ●イラク・中東情勢を解明し闘いの展望示す

 国際情勢論は、丹沢同志によるイラク・中東情勢論。イラク人民の民族解放闘争が春夏の攻防をとおして本格的に発展し、帝国主義を展望のない泥沼に引きずり込んでいる。さらには、パレスチナ、アフガニスタンなど中東―全世界の民族解放闘争に革命的衝撃を与えている。こうして、帝国主義の世界危機を限りなく激化させている。本論文は、以上の関係を実証的に明らかにしている。読者は、中東・ムスリム人民と連帯し帝国主義を打倒する21世紀革命の展望をより深く、スケール大きくつかむことができるだろう。
11月総決起でブッシュ・小泉打倒へ攻め上ろう。

共産主義者 表紙画像No.141号 2004年秋季号(2004年8月1日発行)

04年前半闘争の前進をイラク撤兵、資本攻勢粉砕・改憲阻止決戦へ 労働組合運動の戦略的意義の深化 榊原龍雄

04年前半教労・国鉄・全逓主要論文
卒入学式闘争が大爆発−石原・都教委の処分攻撃粉砕へ  「君が代」不起立は戦時下階級攻防の最前線 革共同教労委員会
JR資本との徹底対決を軸に国鉄闘争勝利の路線確立を 最悪の裏切り者・酒田を倒そう 革共同国鉄委員会
小泉・奥田−生田路線と対決し名称変更−「未来宣言」否決を 郵政民営化粉砕へたたかおう 革共同全逓委員会

被爆59周年 戦時下の新たな八・六−八・九闘争
−今夏反戦・反核闘争を国際的内乱の歴史的跳躍台へ 渕 耕太

四茂野修『帝国に立ち向かう』を批判する
JR総連の危機と反革命労働運動路線 播野 隆

星野奪還! 確定判決と異議棄却決定を徹底的に批判する
最高裁に再審開始を迫ろう 川野正行

「迎賓館・横田裁判、水嶋裁判」
二大無罪判決勝利の階級的地平 −戦時下治安弾圧・革命党破壊攻撃を不屈の闘いでうち破ろう 団藤 清

★桐村明美さんの急逝を悼む 大学の友人 小野千鶴
★追悼中村栄一書記長 国鉄千葉動力車労働組合

マルクス主義原典学習 エッセンス読み切り講座 第三回
マルクス・エンゲルス『共産党宣言』を学ぶ
今こそプロレタリア世界革命・労働者自己解放論の復権を 幸田芳明

●グラビア 「戦時下」切り裂く階級的統一行動 ▼編集を終わって


No.141号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2161号6面記事より)

 共産主義者 141号

 新しい闘う時代へ指針

 榊原論文 総括と今秋決戦への課題

 播野論文 反革命路線走るJR総連

  参院選挙における自民党の惨敗は、労働者階級の流動と高揚を鮮明に示している。本号は、新指導路線1年間の実践でつかんだ核心点を躍動的に突き出し、革命的激動期の到来における革命的労働者党の任務と方針を提起している。

 ●労働組合運動の戦略的意義を全面的に深化

  巻頭論文は、イラク侵略戦争泥沼化の情勢を軸に展開された今年前半期の階級闘争を、新指導路線確立以来の実践を総括する立場からとらえ返した、04年後半戦―05年に向けた革共同の路線論文である。新しい闘いの時代の始まりを強烈に印象づけている。
新指導路線とは、一切の闘いの基軸を労働者階級に根を張った労働者細胞を建設することにおき、そのために労働組合運動を階級的に発展させる路線である。その核心は、動労千葉労働運動から徹底的に学び、実践することにある。動労千葉は、ストライキや職場闘争をとおして、労働者階級こそが社会の主人公であることを確信し、団結を固めてきた。この階級的労働運動の意義をつかみ、あらゆる職場で実践し、労働運動の大統一戦線を形成するために闘うこと。ここでの真の路線的一致と実践が問われているのである。
本論前半では、今年3・20世界統一行動、4〜6月有事・年金国会決戦と6月反動との闘いに至る動と反動の激突の過程を総括。新指導路線の正しさ、勝利性を再認識させるとともに、その物質化の途上性と課題を鮮明にした。このためにも、イラク侵略の破綻(はたん)がもたらす帝国主義の危機をえぐり、全世界の労働者階級の決起を展望した革命的時代認識をおさえることが重要である。実践的結論として、開始された教育労働者の決起を、05年に向かって教基法改悪・改憲阻止へと発展させることが強く訴えられている。
第4章は、労働組合の戦闘的組織化のもつ決定的役割を提起した、本論文のポイントである。小泉―奥田の政治=経済攻勢が体制の存亡をかけた「内への階級戦争」としてかけられているとき、プロレタリア革命の思想と運動のみが危機を打開し展望を開くことができる。労働組合をプロレタリア革命の立場から位置づけ、プロレタリア自己解放をかちとるために闘う意義を転換的に確立した。
その核心は、国鉄・自治労・教労・全逓の4大産別を軸とした産別委員会建設および労働者細胞を主体にすえた地区党の建設であり、何よりもマル青労同1000人建設にある。党と革命運動の未来をかけ、党勢倍増の決定的環としてマル青労同建設を党全体の正面課題にすえようと訴えている。11月に向かって労働組合の組織化に入ろう。
教労・国鉄・全逓主要論文は、巻頭論文を補足する目的で再録された04年前半の重要論文だ。合わせて学習してほしい。
反核論文は、米英帝のイラク侵略戦争が核戦争としてあることを怒りをもって暴き、世界核戦争危機と日帝の核武装化に対する新たな被爆者解放闘争論を提起している必読論文だ。
JR総連カクマル批判は、カクマル中央派及び嶋田派との分裂と泥仕合が黒田「組織現実論」の破産であることが鮮明に暴露されている。その対極に、プロレタリア自己解放の立場から組織された動労千葉の階級的労働運動があることが、確信深くつかまれるはずだ。今こそJR総連解体・「平成採」獲得へ。
獄中同志奪還論文が2本。星野同志再審論文は、豊富な資料を使って確定判決と異議審棄却決定を徹底的に批判している。最高裁に再審開始を迫る理論武装に最適だ。11月東京星野集会に向け、学習しよう。
迎賓館・横田裁判、水嶋裁判論文は、3月にかちとられた2大無罪判決勝利の核心点を意気高く明らかにした。革共同が築いてきた「完全黙秘・非転向」の思想と闘いは、戦時下階級闘争において燦然(さんぜん)と光り輝いている。70〜80年代の死闘の意義と勝利性を生き生きと伝える好論文だ。

 ●世界革命・労働者自己解放論を党宣言に学ぶ

 

好評のマルクス主義講座第3回目は、『共産党宣言』の解説。帝国主義の命脈が尽きた21世紀冒頭の今こそ、青年労働者が『共産党宣言』の思想を自らの生き方とすることを力強く訴えている。平明に資本主義社会の歴史的限界と没落の必然性が提起されている。その核心は、資本主義を倒す主体としての労働者階級が自らの自己解放性を自覚し、階級的に団結して資本主義=帝国主義打倒に立ち上がることである。これこそ、新指導路線と労働組合の革命論的確立の内実をなす。『共産党宣言』の大学習運動を起こそう。
闘いの中で倒れた桐村明美さん、動労千葉の中村栄一書記長の遺志を継ぎ、イラク撤兵・改憲阻止へ!


共産主義者 表紙画像No.140号 2004年 夏季号(2004年5月1日発行)

北朝鮮侵略戦争策動粉砕、有事七法阻止の大決戦へ
イラク撤兵・有事立法・治安新法粉砕・改憲阻止 栗田秀行

階級的労働運動路線を貫き、沖縄闘争の戦略的発展へ
日帝の「新たな沖縄売り渡し」と対決しよう 革共同沖縄県委員会

国鉄闘争勝利、国労の戦闘的再生へ 篠塚 隆
動労千葉春闘ストが切り開いた国鉄決戦勝利の展望

戦後教労運動をかけた教基法決戦 革共同教労委員会
教労戦線における本格的党建設かちとれ

階級的団結の分断と破壊を狙う日帝
男女共同参画社会論の正体 伊藤鮎子

三・一四革共同政治集会 基調報告
対カクマル戦勝利の地平に立ち階級的労働運動路線の大飛躍を 大津昌之

入会地奪還・演習場撤去へ組合長の遺志つぎ闘いぬく
★天野重知・忍草入会組合長を追悼する 革命的共産主義者同盟

マルクス主義原典学習 エッセンス読み切り講座  第二回
レー二ン『帝国主義論』を学ぶ <現代の>プロレタリア革命論としての意義 秋月丈志
●グラビア 始まった階級的地殻変動 ▼編集を終わって


No.140号 (夏季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2149号5面記事より)

 共産主義者 140号

 戦争と改憲めぐる決戦

 栗田論文 歴史的な階級決戦の訴え

 教労論文 不起立闘争の重大な意義

  有事7法案と3協定条約案は、日帝が泥沼化したイラク侵略戦争に本格的に突入するために直ちに適用されるものとしてある。日本の階級情勢も今やイラク情勢と直結しているのだ。3・20で本格的に発展しつつある国際的団結を推し進め、闘う労働運動の新潮流を大きく発展させよう。

 ●有事7法案と3協定条約案阻止闘争の指針

  巻頭論文は、有事7法案と3協定条約案を阻止する闘いを、日本人民の自己解放をかけた歴史的な階級決戦として爆発させることを訴えた提起である。
第1章では、情勢の根底にある米帝の世界帝国としての没落と、そのあがきとしての世界戦略の発動を突き出した。有事法闘争を闘う上で、米帝のすさまじい危機と日帝の解体をも射程に入れた帝国主義間の争闘戦をつかむことが特に重要である。このように見る時、今回の有事法案が、米帝の世界戦略にあくまでもくらいついていこうとする日帝の決断としてあることがはっきりとする。
第2章では、本法案による日帝のイラクへの本格参戦と北朝鮮侵略戦争突入の基本的道筋が明らかにされる。第3章では、各法案の全体像を具体的に把握することが大切である。特に2月に行われたACSAの大改定は、現に今アフガニスタンやイラクで作戦を展開している米軍に対して「国際貢献」の名のもとにACSAを適用するもので、ACSA・日米安保を世界大的に拡大するものである。
第4章において、共謀罪新設と「司法改革」などの治安攻撃が、国民保護法制に意図的に書かれなかった今ひとつの有事法案であることを鋭く批判している。しかも、これら全体が改憲攻撃そのものとしてあるということだ。
名護市・辺野古現地で新基地建設着工策動との激突が始まった。沖縄県委員会論文は、米帝の世界的戦力再編と日帝のイラク戦争参戦下の沖縄闘争の現段階と展望を指し示した重要な路線論文だ。沖縄は、米日帝双方から21世紀の100年もまた「基地の島」であることが強制されようとしている。まさに「新たな沖縄売り渡し」だ。しかしそれは、「95年10・21」反乱へのラセン的回帰情勢でもある。情勢をこじあけるカギは沖縄労働運動の戦闘的再建にある。また、本土から沖縄闘争に立ち上がることは、今ひとつの有事法決戦である。5・16普天間基地包囲行動に決起しよう。
3・14革共同集会基調報告は、5月テーゼでの対カクマル戦勝利の地平を総括し、新指導路線のもとでのカクマル完全打倒の展望を指し示した。カクマル中央派とJR総連松崎派の分裂に続く松崎派と嶋田派の分裂によって、いよいよ階級的労働運動再生の絶好機を迎えつつある。さらに、3・20に向かうただ中で、動労千葉の春闘ストの意義を確認し、大結集へ檄を発している。集会後に加筆された本論文は、5・21大統一行動の実現に向かって、引き続き主体化されるべき指導内容である。

 ●労働戦線論文―新指導路線の豊かな実践論

 

二つの労働戦線論文は、04春闘でひときわ鮮烈に闘われた、新指導路線の豊かな実践論である。国鉄論文は、JR体制に風穴を開けた動労千葉ストライキの地平を踏まえ、1047名闘争と5・27国労臨大闘争弾圧粉砕闘争を両輪とした国労の戦闘的再生の課題を提起した。
教労論文は、「君が代」不起立200人決起・反処分闘争の重大な意義を明らかにし、教育基本法改悪阻止・改憲粉砕の始まりとしての位置を浮き彫りにした。この闘いは、戦時下の「戦争協力拒否」闘争であるとともに、第2の国鉄闘争に発展しつつある。また教労委員会の歴史的再生に向けた綱領的提起である。
伊藤論文は、構造改革の柱であり階級的分断を図る「男女共同参画社会」論のペテン性を、04年経労委報告を中心にして鋭く暴いた好論文だ。
好評連載のマルクス主義講座第2回目は、レーニン『帝国主義論』の平明な解説。第1次世界大戦と第2インター崩壊の衝撃に立ち向かったレーニンの実践的問題意識に沿って読み解き、『帝国主義論』を現代のプロレタリア革命論として復権した。これこそ、21世紀の冒頭に生きるわれわれが引き継ぐべきものであることを明らかにしている。すぐれた原典解説であるとともに、日本共産党スターリン主義などの現代のカウツキー主義に対する鋭いイデオロギー批判でもある。現代におけるプロレタリア革命の現実性をつかみ、実践の武器としよう。
収録論文は、すべて有事法粉砕・改憲阻止決戦論である。本号を武器に5・21と6月大決戦へ!


 

共産主義者 表紙画像No.139号 2004年 春季号(2004年2月1日発行)

労働者の階級的国際連帯で新時代を切り開こう
動労千葉に学び、職場から闘う労働運動の新潮流を 川武信夫

IMF管理体制下の「構造改革」で激変をとげた韓国経済
南朝鮮・韓国の危機と労働者階級 五十嵐茂生

北海道からのイラク反戦アピール
派兵現地における労働者のたたかい 革共同北海道地方委員会

奥田ビジョンと一体化した連合 03年10月連合大会を批判する 黒部敏宏
激増する労働災害と鉄道事故 動労千葉の反合・運転保安闘争に学ぶ 飯島剛志

階級決戦の焦点となった年金問題 生存権は譲れぬ! 社会保障解体阻止へ 社会保障問題研究会

獄中同志奪還に注がれた命 ●森山つとむさんの逝去を悼む 須賀陽子

マルクス主義原典学習 エッセンス読み切り講座 第一回
マルクス『賃金・価格・利潤』を学ぶ 資本と賃労働の非和解的階級対立と労働組合 仲山良介

●グラビア 日韓米労働者国際連帯の旗高く  ▼編集を終わって


No.139号 (春季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2137号6面記事より)

 共産主義者 139号

 派兵下の〈新指導路線〉

 川武論文 11・9国際共同行動の意義

 仲山論文 労働者階級の自己解放論

  『共産主義者』139号は、昨年11・9労働者集会=「国際連帯」の地平を深化し、イラク派兵下で、革共同の〈新指導路線〉を内容豊かに発展させるものとして発刊された。

 ●巻頭論文―新たなインター創成を展望

  本号のポイントは、巻頭の川武論文と巻末のマルクス主義原典講座で、11・9労働者集会の政治的総括と組織的実践の方向性を示していることである。そしてそれを土台に他の全論文が「マルクス主義とレーニン主義で武装した革命的労働者党を断固として国内的=国際的につくりあげていくこと」(04年1・1アピール)の実践論となっていることである。
巻頭の川武論文は、11・9でかちとられた日韓米労働者の国際共同行動の歴史的階級的意義を全面的に総括した重要論文だ。
まずT章で、次のようにその意義を総括している。「労働者国際主義の歴史的復権を大衆的にかちとり、労働者の革命的インターナショナルの再建へ向けての実質的な第一歩を踏み出した」。この地平を発展させるために、国際的な階級指導部とその指導路線を形成することが課題であると突き出している。
U章では、闘う日韓米労働者の合流を必然化させた帝国主義の危機と帝国主義間争闘戦の激化を全面的に解明している。イラク侵略戦争をめぐる米英日と独仏の対立を「世界の争闘戦的再編の劇的進行であり、新たな帝国主義世界戦争への過渡的流動化」ととらえ、米帝の歴史的没落とEU動向、アジアをめぐる争闘戦の激化を明らかにしている。さらに、小泉=奥田路線の形をとった日帝の「外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争」を必然化させている日帝危機を浮き彫りにしている。
そしてV章で、11・9の地平を発展させ、3・20国際反戦闘争の爆発を実現するための主体的条件として、動労千葉の労働運動に学ぶことを訴えている。
既存の労働運動の総破産の対極にある「労働者の階級性、本来労働者が持っている力を掛け値なしに全面的に信頼し、それに依拠して闘う」というマルクス主義の生きた実践をつかみ、あらゆる職場に闘う新しい労働運動をつくりだそう。

 ●マルクスの賃金闘争論と労働組合論を復権

  今号から始まったマルクス主義原典学習・エッセンス読み切り講座は、マルクス『賃金・価格・利潤』をとり上げた。
まず冒頭、日韓米の闘う労働組合の合流が、情勢が要求している死活的な連帯・結合であり、スターリン主義をのりこえる労働者自己解放の主体の登場であることを確認している。
T章では、こうした11・9の実践的総括を念頭に、マルクスの労働者階級自己解放論がいかに確立し展開していったかを歴史的に解き明かしている。
「労働者階級がブルジョアジーを倒して資本と賃労働の関係そのものを廃止することこそが、〈階級社会の廃止=私有財産の廃止〉の中身であり、社会主義(共産主義)そのものである」。こうしたマルクス主義の核心点は、『共産党宣言』の登場後直ちに労働者階級自身の綱領・路線として定着したわけではなかった。文字どおり「労働者階級自身の事業」として形成された第1インターナショナルの路線的方向をめぐった激しい綱領論争をとおして、初めてマルクス主義の思想が労働運動の指導部の中で受け入れられ、定着していった。
U章は、賃金闘争論と労働組合の意義について。「賃金制度の廃止=資本主義の転覆のためにも、資本との日常的な攻防戦が決定的に重要」「資本と労働者が相入れない関係にあるからこそ、労働組合的団結が必要なのであり」「その組織された力を労働者階級の究極的解放のためのテコとして使わないならば」労働組合としても「全面的に失敗する」というマルクスの提起は、今こそ重要だ。
今日、帝国主義は労働組合の変質をテコにして労働者支配を貫徹しようとしている。「したがって、労働組合をめぐる正面戦の戦略的位置は過去のどの段階・局面よりも圧倒的に高い」「労働組合をめぐる権力・反革命とのたたかいに最大のエネルギーをそそぎ込んでいかなければならない」という結びの提起をかみしめ、全力で実践しよう。
不安定雇用と就職難に直面する青年労働者にこそ、本講座を学習会のテキストとして勧めたい。

 ●帝国主義と新植民地主義体制の危機

  韓国情勢論文は、民主労総の激しい闘いの背後にある、韓国経済の実態に迫った。民主労総との連帯のために必読の重要論文だ。
連合大会批判は、奥田ビジョンと一体化した連合評価委報告を全面的に批判するとともに、連合の危機をえぐり出し、これを打倒する路線と方針を提起した。
労働災害論文は、許すことのできない労働者虐殺の実態を、「労働者を生かすことができなくなった」帝国主義の危機性として明らかにし、動労千葉の反合・運転保安闘争を、労働者のいのちと安全を守る普遍的な意義として新たな視点でとらえた意欲作。
北海道地方委員会の論文は、派兵現地の分析の上に日帝の侵略戦争へののめり込みと大失業や地方切り捨てが一体であることを突き出し、労働者階級の闘いこそが派兵を阻止すると闘争論を提起した。
年金論文は、年金・社会保障問題を原理的に位置づけ、闘いの決定的な意義を明らかにした。労働運動の焦点的テーマとして年金問題をすえよう。
本号は、3・20国際反戦闘争の爆発の武器である。本号で武装し、党派闘争に勝ちぬこう。3・20日比谷野音を労働者人民で埋めつくそう。

共産主義者 表紙画像No.138号 2003年 冬季号(2003年11月1日発行)

日本帝国主義の危機と没落
第2次大戦後の日帝を総括し、21世紀革命を展望する 島崎光晴

03年杉並区議選闘争の総括
「革命的飛躍への挑戦」を土台に05年都議選決戦の勝利へ 革共同中央選対本部

イラク派兵情勢下の沖縄闘争
労働者階級の獲得をめぐる攻防の環としてたたかいぬこう 革共同沖縄県委員会

奥田ビジョンと労働法制改悪
抜本改悪で団結権破壊・終身雇用制解体と戦争動員を狙う 今西孝史

兵士諸君、イラク侵略の銃を取るな!
イラク派兵・北朝鮮侵略戦争情勢における反軍アピール 岩木和夫

書評 『北富士入会の闘い』−忍草母の会の42年 鎌田由子

入会地奪還の闘いの体現者 全国の闘う人民の導きの星
渡辺喜美江・北富士忍草母の会会長の逝去を悼む 革命的共産主義者同盟

戦闘的で正義性あふれる姿 追悼 渡辺喜美江さん 全学連北富士現地闘争本部

労働者出身の職業革命家の比類なき戦闘精神と献身性 飯田憲同志を追悼する 革共同中国・四国地方委員会

戦時型治安弾圧との闘い
星野同志・福嶋同志奪還!
迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判無罪戦取! 革共同救援対策部

●グラビア 連合支配をうち破って労働運動の大流動が始まった ▼編集を終わって


No.138号 (冬季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2126号6面記事より)

 共産主義者 138号

 戦争・資本攻勢と闘う

 ●日本革命の現実性を喝破 島崎論文

 ●杉並区議選を総括 革共同中央選対

 日帝は最弱の環

  日米韓連帯の11・9労働者集会の高揚は、国際・日本の階級闘争の新たな時代の到来を示すものである。各産別・職場などで奮闘してきた人びとに、闘いの指針として本号を送る。 
巻頭の島崎論文「日帝の危機と没落」は、経済を中心に戦後日帝を全面的に総括し、小泉=奥田路線の背後にある日帝の体制的危機の最深部をえぐった。日帝打倒を根底的に展望した重要論文である。すべての労働者に闘いの歴史的進路を明快に指し示している。
全体の総論にあたる第1章は、ずばり「世界革命のチャンス到来」と労働者の世界観・時代観を核心的に提起。01年9・11から3・20イラク開戦にいたるプロセスを第3次世界大戦の過程と29年型世界恐慌の突入過程と規定し、世界革命の現実性を浮き彫りにした。
第2章および第3章で、日帝の歴史的行きづまりを全面的に解明した。奥田ビジョンが主唱する資本攻勢と東アジア自由経済圏構想、イラク派兵・北朝鮮侵略戦争、有事立法制定の攻撃が、日米争闘戦での日帝の敗勢と戦後日帝の延命策の破綻(はたん)に規定されており、その根底に敗戦帝国主義としての歴史的制約があることを全面的に展開している。
したがって、労働者人民が生き抜くためには、戦争と資本攻勢に対する闘いをひとつの闘いとして帝国主義打倒に立ち上がらなければならないということが、確信をもってとらえられる。この立場から、日本共産党新綱領案の反革命性を鋭く斬(き)っている。
第4章は、没落した日帝の「生命線」であるアジア侵略の驚くべき実態を怒りを込めて暴露している。こうした日帝のアジア侵略戦争と闘うことと、連合幹部打倒の闘いがひとつであるという提起が実践的核心である。切り開かれた日米韓の国際連帯の地平を、帝国主義を打倒する労働運動の新潮流へと発展させよう。
最後に第5章で、アジアをめぐる対米争闘戦での日帝の致命的なまでの敗勢を鮮明に暴露し、日帝こそは帝国主義の最弱の環であると言い切っている。対米帝、対アジア人民、対日本労働者人民それぞれとの関係で、革命的情勢の急速な成熟、日本革命の現実性を力強く結論づけている。本論文は、革共同第6回大会路線、新たな指導路線の物質化の決定的武器だ。

 都議選の勝利へ

  4月杉並区議選は、今年前半のイラク・春闘情勢を始めとする重大な政治情勢のもとで、闘う区民と革共同が新しい反戦と福祉の政党を生み出し、労働運動を始めとする大衆運動の決定的前進に転化するという革命的な挑戦であった。
杉並区議選総括論文は、この闘いの意義を再確認し、その敗北の徹底的な総括を行った重要指導論文である。今春3大決戦の全体的総括の立場から選挙戦を総括し、現在の党に求められている飛躍と自己変革の課題を中央指導部の立場から痛切なまでにえぐりだしている。激動的時代観と激動的活動律の問題として、その核心点が厳しく突き出されている。
「新指導方針」の意義をしっかりと理解する上においても必読の論文であることを強調したい。3大決戦、とりわけ労働運動の大前進をもって05年都議選の勝利をかちとろう。

 星野同志奪還を

  反弾圧論文は、昨年来、革共同の党組織や労働運動・部落解放運動など戦闘的大衆運動全体にかけられている治安弾圧の現実が、帝国主義の体制的危機の激化のもとでの帝国主義戦争突入情勢に規定されていることを鋭く突き出した。国労5・27臨大闘争弾圧を軸に、治安弾圧との闘いが労働運動・反戦運動の正面課題であることを提起している。とりわけ、星野同志を奪還する闘いがその最前線であることを徹底的に確認したい。
沖縄闘争論文は、海兵隊移転問題と地位協定問題をとおして、米帝の世界戦略と北朝鮮侵略戦争切迫情勢下における沖縄基地再編過程の実像を描き出した。名護新基地をめぐる攻防を軸とした沖縄闘争の戦略的位置と勝利の指針を提起している。
今西論文は、03年の労働法制改悪攻撃を整理し暴露するとともに、04年労組法改悪攻撃との闘いの決戦性を強く訴えている。奥田ビジョンに沿った労働法制改悪への反撃の戦略的課題を意欲的に論じた論文だ。
反軍アピールは、自衛隊兵士に対して、イラク派兵命令を拒否しようと熱烈に呼びかけている。同時に、兵士の闘いがプロレタリアート自身の闘いであることを明らかにし、断固たる自衛隊包囲の共同闘争を訴えている。この渾身(こんしん)のアピールにこたえて直ちに行動を起こそう。
書評は『北富士入会の闘い』(忍草母の会事務局著)を取り上げた。故渡辺喜美江・忍草母の会会長の闘魂を受け継ぎ、北富士闘争を発展させよう。帝国主義打倒の国際的内乱へ。

共産主義者 表紙画像No.137号 2003年 秋季号(2003年8月1日発行)

労働者階級の国際的反撃が開始された
動労千葉のたたかいに学び、労働運動の階級的再生を  川武信夫

アメリカ帝国主義を深部で揺るがす労働運動
新たな地平を切り開いたオークランド港反戦闘争とGEストライキ 浜田茂夫
民主労総−−盧武鉉政権下の新たな前進
北朝鮮侵略戦争策動下の大資本攻勢に“ストライキの嵐”で激突 室田順子

世界核戦争を国際的内乱に転化せよ
八月反戦闘争の任務と労働者階級 渕 耕太

「新障害者基本計画」の反動的本質
03−05年「障害者」解放闘争の決戦性 関東「障害者」解放委員会

司法改革−裁判員制度導入の狙い
「共謀罪」新設・刑事司法大改悪−戦時型司法への転換を許すな! 村上進一

宮原清同志を追悼する
闘う教労運動の柱となり、革命にかけた情熱の生涯 革共同教育労働者委員会 革共同埼玉県委員会

JR総連・松崎支配の崩壊
組織分裂は「二アリー・イコール論」破産の必然的帰結 矢剣 智

●グラビア 国労5・27臨大闘争弾圧粉砕し、階級的労働運動の防衛と発展を
▼編集を終わって


No.137号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2103号9面記事より)

 共産主義者 137号

 階級的労働運動再生へ

 ●国際労働運動の展望と課題 巻頭論文

 ●JR総連の組織分裂に追撃 矢剣論文

  本号を、03年前半の階級闘争を総括し、本格的に労働運動の階級的再生を実現するための絶好の武器として送る。
情勢の歴史的転換点にあたり、われわれには「階級的労働運動の防衛と発展」にすべてをかけて力強く前進し、労働者に深く広く根を張った党として飛躍することが問われている。巻頭の川武信夫論文は、この立場から国際労働運動と日本労働運動の展望と課題を核心的に展開したスケールの大きな重要論文である。
まず冒頭で、動労千葉に共感・連帯した米韓二つの戦闘的労組のメッセージをとおして、今日の国際労働運動が到達した地平が確認されている。それは、国鉄闘争の国際的意義を示し、労働者階級の団結した革命的力を力強く伝えている。
そのことが、前半(第一部)の展開をとおして鮮明になる。昨秋―今春にかけて全世界で空前の高揚を見せたイラク反戦闘争は、労働組合が中心に座った労働者階級の決起としてあったこと、それが同時に資本攻勢との対決、被抑圧民族人民との連帯として闘われたことが、ダイナミックに描き出されている。
続いて、80―90年代の資本攻勢との闘いが歴史的に総括される。これらから、イラク反戦を機に巻き起こった国際的な労働運動が、レーガン・サッチャー・中曽根以来の資本攻勢に対する労働者階級の歴史的反撃であることが浮き彫りにされている。ここが本論文の核心の一つである。米帝ブッシュの世界戦争戦略に抗して始まったこの全世界的な労働運動のうねりが、国際帝国主義を打倒する革命的内乱に成長・転化できるのか否かが課題となっているのである。
後半(第二部)では、国際連帯闘争の問題意識を踏まえて、日本労働運動の階級的再生の課題を追究している。そのために、国鉄分割・民営化と総評解体攻撃以降の日帝の大攻撃に真っ向から対決してきた動労千葉の闘いの歴史的意義を全面的に学びとることの重要性を強く訴えている。組合員を主体に据え、団結を一切の基礎に階級的利害を防衛する「あたりまえの労働運動」。そこに貫かれる民同やスターリン主義とはまったく違う労働者自己解放の思想を、紹介されている生きた闘いの言葉からしっかりとわがものとしたい。
そして、日本階級闘争の今日的攻防が国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の成否に絞り上げられ、それが革命党と労働者階級の命運を握る一大決戦であることを訴えている。労働運動の階級的再生をかちとるために、本論文から全面的に学ぼう。
米日帝の北朝鮮侵略戦争切迫情勢を根底的に規定するものは米日韓労働者階級の連帯した闘いだ。この観点から、巻頭論文とセットの企画として2本、米韓2大拠点の闘いを紹介した。

 第1章 国際連帯の闘い

  浜田茂夫論文は、米帝ブッシュの世界戦争政策と真っ向から対決する港湾労働者と電機労働者の姿を描き出す。タフト・ハートレー法やパトリオット法による戦時治安弾圧と激烈な攻防を繰り広げながら、反戦闘争と資本攻勢に対する闘いを貫いている姿が伝わってくる。先日動労千葉が訪米し、交流したILWUの闘いから大いに学びたい。
室田順子論文は、民主労総傘下の三つの闘いを追っている。とりわけ、非正規職の貨物運送労働者たちが°物流大乱″を起こし、労働組合として団結し見事な勝利をかちとった闘いは感動的であり、示唆に富む。プロレタリア自己解放と民族解放を希求して闘い抜く南朝鮮労働者の闘いに学び、連帯しよう。
反核論文は、新進の執筆者である渕耕太同志の手による力作。米帝の核戦争計画発動と日帝の有事立法制定下で闘われる今夏8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦反核闘争へ向けた必読のアピールである。
「障害者」解放論文は、有事立法制定下で激化する「障害者」差別政策との決戦性を明らかにし、「共生社会」イデオロギーの反動性を全面批判した好論文。

 第2章 治安弾圧と対決

 

村上進一論文は、吹き荒れる戦時型治安弾圧の根底にある刑事司法改悪の恐るべき本質を平明に暴き出している。共謀罪新設と並ぶ司法改革攻撃と対決する最良の武器である。
切れ味鋭い党派闘争論文として、矢剣智同志による「JR総連・松崎支配の崩壊」。黒田中央派との分裂に続く松崎派と嶋田派のJR総連組織分裂が、松崎「ニアリー・イコール論」破産の必然的帰結であることをえぐり出し、返す刀でファシスト的延命のために松崎が新たに持ち出した「反グローバリズム労働運動」論を批判し尽くしている。そして、JR総連の破産と分裂の最深の根拠が、動労千葉と闘争団を始めとする不屈の闘いにあることを高らかに宣言している。
今号を武器に階級的労働運動再生の全面的決戦へ。

 

No.136号 2003年 夏季号(2003年5月1日発行)

新しい型の『社会主義と戦争』の創成のために
革命的情勢とレーニンの「三つの義務」  城戸通隆

有事立法粉砕の視座
「グローバル有事・安保」論の陥穽  大谷一夫

03年教労三大決戦の勝利にむけて
反戦闘争と職場闘争を軸に教育基本法改悪阻止の階級決戦へ  澤村 朗

一大資本攻勢と公務員制度改革
今国会での公務員制度改革基本法の成立を許すな  樋口暁生

日帝のASEAN侵略の現状 野田憲司

友野幽同志の逝去を悼む
満身にたぎる核への怒り、革命的反戦闘争を牽引 革共同中国・四国地方委員会
友野幽同志を追悼する
君の解放への熱意継ぐ 全国被爆者青年同盟

三・一六革共同政治集会 基調報告
国際階級闘争の革命的胎動と二〇〇三年勝利の展望
本多延嘉書記長虐殺から28年 反革命カクマル完全打倒へ  木崎冴子

●グラビア 米英帝国主義のイラク人民虐殺戦争を許すな!


No.136号 (夏季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2101号5面記事より)

 共産主義者 136号

 有事立法粉砕の武器

 ●「社会主義と戦争」の核心点 巻頭論文

 ●有事立法めぐる謬論を斬る 大谷論文

  巻頭論文は城戸同志の「新たな型の『社会主義と戦争』の創成のために」。米帝による新たな帝国主義世界戦争の開始、全世界人民の反戦闘争の大爆発、総じて革命的情勢への急速な接近と移行という情勢における革命党の任務を提起した重要指導論文である。本紙春期特別号の城戸論文と併せて読んでほしい。
まず、米帝のイラク侵略戦争が米帝ブッシュの世界戦争計画の発動であり、第3次世界大戦への転化の危険をはらんだ、むきだしの帝国主義的侵略戦争であることを暴露している。
そして、到来しつつある全世界的な革命的情勢を、レーニンの『第二インターナショナルの崩壊』と『社会主義と戦争』を正確に読みとる中からとらえ返している。
前者でレーニンは、第1次世界大戦下の当時の情勢を革命的情勢と規定し、この客観的情勢に、主体的変化すなわち革命的大衆行動をおこす革命的階級の能力が結びつかなければ革命はおこらないとし、革命的情勢における革命党の「基本的な義務」(三つの義務)を提起した。続いて書いた後者では、世界大戦下のプロレタリアートは「帝国主義戦争における自国政府の敗北」を促進し、「帝国主義戦争を内乱に転化」するために闘わなければならないと訴えた。
こうしたレーニンの提起の今日的実践として「連帯し、侵略を内乱へ」の戦略的総路線の実践がある。
最後に、有事法案は日帝が北朝鮮侵略戦争に参戦し国家総動員の戦争体制をつくりあげるための実戦法案であると暴露し、5―6月方針としてイラク反戦、北朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕の大政治闘争への総決起を訴えている。

 3大決戦論

  「国際階級闘争の革命的胎動と二〇〇三年勝利の展望」と題した木崎同志の3・16革共同政治集会基調報告は、情勢論と3大決戦方針の全面的提起である。
米帝の世界戦争戦略と対決し、日帝の参戦を阻止する、国際連帯をかけた戦後最大の政治決戦として有事立法決戦に決起することを訴え、4―5月決戦の路線を明確にしている。同時に、春闘の山場にあって、動労千葉3月末ストライキを始めとする階級決戦の緊張と国鉄闘争―5・27国労臨大闘争弾圧との闘いの革命的意義を躍動感をもって伝えている。さらに、統一地方選決戦の巨大なスケールと意義を明らかにし、政党としての登場の意義を強調している。最後に、マル青労同再建を実体とする革共同の建設こそ一切の結論であることを訴えている。
労働者自己解放の思想、帝国主義国労働者階級と被抑圧民族人民の連帯の思想をダイナミックに展開。また、本多書記長虐殺から28年の今日、反革命カクマル両派の分裂を促進し、カクマルを完全打倒する新たな決意を高らかに宣言した。

 国際的内乱

  大谷同志の「有事立法粉砕の視座」は、種々の有事法制論議の誤りを階級的視点から鋭くえぐることをとおして有事法制の反動的核心を明らかにしている。
ひとつに、日本共産党を典型とする「アメリカの戦争に巻き込まれる」論が反米愛国主義的日帝美化・擁護論であることを指摘している。いまひとつには、憲法学者に多い「安保のグローバル化」「グローバル有事」論が、「『日本有事』は時代遅れである」として、現に進行する朝鮮危機を直視せず、闘いを平和主義的に武装解除する議論であることを喝破している。
そして、新たな世界戦争の時代の始まりと対決する国際的内乱の始まりを革命的情勢への全世界的急接近ととらえ、日本階級闘争の革命的再生の中に有事法制粉砕の展望を探っている。
労働運動論文が2本。
澤村同志の「03年教労三大決戦の勝利にむけて」は、教育基本法改悪案の今国会提出をめざして出された中教審答申への批判。帝国主義間争闘戦の激化、世界戦争情勢の中で日帝は、侵略帝国主義、戦争国家として延命することを国家戦略とし、その観点から教基法を改悪しようとしている。階級的労働運動の担い手としての教育労働者の歴史的責務を明らかにした好論文。
樋口同志の「一大資本攻勢と公務員制度改革」は、有事法案と一体で今国会に法案提出が狙われている公務員制度改革基本法の批判。公務員制度改革は、戦争国家への改造攻撃であるとともに奥田ビジョンに示される今日の資本攻勢の根幹に位置している。実力闘争の意義、労働運動の階級的再生を訴えている。
野田同志による「日帝のASEAN侵略の現状」は、マレーシアとタイに関する80年代半ば以降の投資と貿易の推移から日帝のASEAN侵略の実態を考察している。90年代以降の日米争闘戦における日帝の敗勢の現状をとらえ、奥田ビジョンの言う「東アジア自由経済圏」の背景に迫っている。豊富な資料で実証的に裏付けている。
本号を本格的な有事立法阻止決戦の武器にしよう。

No.135号 2003年 春季号(2003年2月1日発行)

イラク・北朝鮮侵略戦争にたいする日本労働者人民の階級的任務
米帝の世界戦争計画と革命的情勢への移行の開始 利根山力

杉並区議選三候補の絶対当選を
イラク・北朝鮮侵略戦争と対決する革命的議員団を実現しよう  革共同東京西部地区委員会

戦争国家への突進と社会保障全面改悪
〇三年介護保険料値上げを阻止し、日帝の福祉切り捨て攻撃に大反撃を 社会保障問題研究会
在日朝鮮人民との歴史的合流の実現を
入管闘争を全面的に発展させ、今こそ国際連帯をかちとろう 佐久問祐
部落解放運動の新たな飛躍への道
革共同六回大会路線で再武装し、全国連五万人建設−狭山一○万人決起へ 相沢慎吾

イラク・北朝鮮反戦を闘う被爆者解放闘争
核廃絶・被爆者解放・日帝打倒 −−革命的反戦闘争の飛躍をかちとれ!全国被爆者青年同盟委員長(遺稿) 友野 幽
国際労働運動の新動向  決起する西欧プロレタリアート
世界戦争情勢下の西欧労働運動の新潮流 浜田茂夫
二八年目の獄中闘争 無実の星野文昭同志を取り戻そう
再審無罪・即時釈放へ、全国的救援運動の拡大を 川野正行
●グラビア 未決勾留一六年の三同志、ついに奪還!


No.135号 (春季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2089号6面記事より)

 共産主義者 135号

開戦阻止への熱い論考

 ●杉並区議選方針 東京西部地区委員会

 ●星野奪還へ向けアピール 川野論文

  巻頭論文は、利根山同志の「米帝の世界戦争計画と革命的情勢への移行の開始」。米帝のイラク侵略戦争突入という03年冒頭の世界情勢の危機的性格と、それを踏まえた国際プロレタリアートと被抑圧民族との連帯闘争の進路と歴史任務を全面的に提起した重要論文である。
前半では、帝国主義の危機、米帝の世界支配の崩壊を根底からえぐり出すことで、イラク侵略戦争の帝国主義的本質とその歴史的意味を明確にした。米帝ブッシュ・ドクトリンの恐るべき凶暴性が米帝の世界支配の破綻の帰結であることを鋭く突き出している。
ここで貫かれているのは次の視点である。それは、世界戦争危機の爆発がムスリム人民を始めとする被抑圧民族人民とアメリカを始めとする帝国主義国人民の国際的連帯の内乱的闘いを同時に進行させていることである。それこそ革命的情勢への移行の開始であり、世界革命の現実性の端緒そのものである。
後半では、この立場から日帝・小泉のイラク参戦、北朝鮮情勢に対応した有事法案の国会提出という事態が、日本階級闘争の歴史的な一大対決の時、革命的情勢の到来であることを訴え、03年の闘いの路線と決戦課題を提起している。この勝利のために再度、革命的大衆行動の組織化を中心課題とした革命党の義務を明確にしている。02年の階級攻防の総括の重要性があらためて確認される。

 党建設と選挙

  今ひとつの企画は、4月統一地方選挙の勝利に向けた2本の論文。
東京西部地区委員会による「杉並区議選―三候補の絶対当選を」は、今次統一地方選決戦に臨む当該地区委員会からの選挙方針の全面的提起である。
イラク侵略戦争と国際的内乱―革命的情勢への移行に対応した今次統一地方選挙決戦の意義を真っ向から打ち出し、3人立候補の挑戦性と01年都議選敗北の総括に立ち地区党建設と一体で闘うという課題をがっちり確認している。
革共同の本格的な飛躍にとって革命的議会主義戦術が必須不可欠であり、党建設の全歴史が首都―杉並における一連の選挙闘争と一体であることをあらためて踏まえ、ここに革命的大衆行動、戦闘的労働運動創成と結合した党建設の本道があることを歴史的に突き出している。
選挙政策では、帝国主義の攻撃と全面的に闘う激動型選挙戦として反戦と介護を二大柱にし、教育と労働運動を加えた4つの重点政策の基本的内容を展開している。その階級性をしっかりつかみ、選挙戦における党派闘争をかちぬこう。
「戦争国家への突進と社会保障全面改悪」は、今日の資本攻勢と世界戦争情勢下での社会保障解体攻撃の実態を的確に暴いた社会保障問題研究会のレポート。
介護保険制度の現実と03年4月の改悪の反人民性を的確に暴き、それをモデルとして進められている医療、年金、雇用保険など他の社会保障領域における攻撃にも突っ込んで言及している。労働者階級人民の生存権をかけたこの闘いは、帝国主義の危機をつき、人民大衆の自己解放闘争、帝国主義打倒の巨大な水路をなしていることをあらためて確認できる。
以上の3論文を武器に大胆に4月選挙決戦を闘い抜き勝利しよう。

 国際連帯論

  友野同志の被爆者解放闘争論文は、米帝ブッシュの世界核戦争戦略のもと、これと連動した日帝の核武装、有事立法攻撃に対する被爆者・被爆二世の帝国主義打倒のメッセージである。核の廃絶を願い、侵略に加担した抑圧民族人民としての存在の歴史的止揚をかけて決起する、被爆者の自己解放闘争の神髄が烈々と展開されている。友野幽同志は昨年12月31日、不慮の事故で急逝し、本稿は同志の遺稿となった。この精神を断固受け継ごう。
佐久間同志の入管闘争論文は、戦時型入管攻撃として03年国会に提出されようとしている入管法改悪方針を徹底的に弾劾し、新たな段階にある排外主義の嵐に抗して闘う在日朝鮮人民との真の国際連帯をかけた入管闘争の方針提起である。
相沢同志の部落解放闘争論文は、革命的情勢への急速な接近における部落解放闘争の発展、全国連5万人建設―狭山10万人決起実現のための実践的方針が提起されている。全国連12回大会を前に革共同6回大会路線での再武装と活動の革命的変革を訴えた重要な指導論文である。
浜田同志の西欧プロレタリアート論文は、アメリカに呼応して西欧でも爆発的に開始された反戦闘争の中心を担う労働者階級の闘いをフランス労働運動の新潮流の闘いを中心に活写。スターリン主義をのりこえる新たな戦闘的労働運動の実態を躍動的に伝える。
川野同志の「無実の星野文昭同志を取り戻そう」は、星野再審闘争の本格的アピール。昨年末の爆取3同志奪還の勝利は、獄中28年、デッチあげ無期刑と闘う星野同志の再審貫徹が03年の切迫した重要闘争課題であることを突き出した。
本稿は、11・14安保・沖縄決戦渋谷暴動闘争の正義性、弾圧のデッチあげ性を暴き出し、再審闘争勝利の展望を指し示した。つれあいの暁子さんとの共同闘争で豊かに発展した獄中闘争の意義を感動的に総括し、革共同の誇るべき戦士=星野同志の闘いの全世界人民との連帯性を鮮明にしている。
国際階級闘争の新時代が始まった。本号で武装し闘おう。

No.134号 2002年 冬季号(2002年11月1日発行)

【特集]イラク反戦闘争・有事立法大決戦

イラク攻撃阻止し階級的労働運動の創造へ 革共同中央労働者委員会
帝国主義的排外主義をうち砕け 小谷 進一
米帝の新世界戦略下の新たな沖縄闘争 銘刈 淳一
戦時司法体制=司法改革を粉砕せよ 山沢 晃
今こそ自衛隊兵士の獲得を 岩木 和夫

四同志奪還へ東京地裁包囲の大決起を 坂本 千秋

カクマル謀略論大破産の墓標 滝沢 輝規


No.134号 (冬季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2077号6面記事より)

 共産主義者 134号

 イラク・有事法決戦論

 ●米帝世界戦争戦略と沖縄闘争 銘刈論文

 ●4同志奪還へ東京地裁包囲を 坂本論文

 今秋決戦の武器

  「イラク反戦闘争、有事立法大決戦」を特集とする本号を、大激動開始のただ中で全世界人民との国際的連帯を実現する闘いのための巨弾として送りたい。
中央労働者組織委員会による巻頭論文「イラク攻撃阻止し階級的労働運動の創造へ」は、階級的労働運動の創造という戦略的課題を中心に、有事立法と国鉄決戦という労働運動の二大戦線をめぐる結合論・戦略論を展開している。
前半では国鉄決戦方針の根底的形成のために、4党合意に行き着いた国労本部、チャレンジ・反動革同の「全面一括解決要求」路線という「政治決着」=「和解」路線を全面的に批判した。90年3月、清算事業団期限切れ時点にさかのぼってその屈服と敗北主義の原点をえぐっている。そしてこれとの対比で分割・民営化以来の動労千葉の闘争論を総括した。この論考は、国労の戦闘的再生論としてばかりでなく連合労働運動を打倒し、歴史的登場に挑戦する階級的労働運動論の核心に位置する。
後半は、5・16「有事関連3法案に対する連合の見解」を全面的に批判し、侵略戦争突入情勢における連合の帝国主義的労働運動としての本質を徹底的に暴いている。
特に「平和フォーラム」のイデオロギー的起源になっている「21世紀臨調」でいう「人間の安全保障」論の具体的な批判は、第2インター崩壊に等しい情勢を歴史的にのりこえる労働運動の実践的内容である。自治労を始めとする現場労働者にとって不可欠なイデオロギー的武器になるに違いない。
小谷同志の「帝国主義的排外主義をうち砕け」は、いま帝国主義の侵略戦争切迫下で吹き荒れる排外主義との対決に焦点をあて、排外主義の階級的本質、労働者人民のこれとの闘いの死活性について打ち出した。
本論文の核心的提起は、現情勢下でレーニンの革命的祖国敗北主義の実践をいかにかちとるかにある。レーニン帝国主義論を土台にした帝国主義国プロレタリアートの自己解放の立場に立った世界革命戦略と被抑圧民族人民との国際主義的連帯の貫徹ということである。そこには70年以来の「連帯し、侵略を内乱へ」の戦略的総路線の実践の地平、さらに9・11によって革共同が自己批判的に総括した7・7精神の再形成の意義を踏まえ、7・7路線貫徹の正念場を迎えていることの確認がある。その上に立って、米帝の「対テロ」、日帝・小泉の訪朝と有事立法でうたわれているキャンペーンを具体的に批判し、侵略正当化の論理を完膚なきまでにえぐっている。ここからまた、日本共産党スターリン主義とカクマルの訪朝問題、有事立法に対する主張の帝国主義の先兵ぶりを暴いている。排外主義と闘う労働者が求める絶好のテーマであろう。
銘刈同志の沖縄闘争論は米帝の新世界戦略下における沖縄問題の新たな展開を踏まえて革共同第6回大会の沖縄闘争論を深化させている。
本論文は、ブッシュの新帝国主義宣言=世界戦争計画の全貌(ぜんぼう)と、そこで狙われている中国の体制転覆と日米関係の変化をダイナミックにとらえ、日米帝の争闘戦的矛盾と対立の先鋭化を浮き彫りにした。このことは必然的に安保の再定義をもこえた新段階ということであり、日米帝双方から沖縄と米軍基地の新たな戦略的位置を転換させ、安保・沖縄問題を質的にまったく新しい局面にたたきこむものである。以上の論旨の基本軸を立てて有事立法闘争と沖縄闘争の一体性を確認している。03年沖縄闘争の戦略的展望を示す重要論文である。
司法改革批判は、小泉構造改革のかなめとされている司法制度改革の批判。有事立法と一体の戦争国家への国家改造攻撃に迫った。民事・刑事の両面にわたって戦後司法体系を根本的に転換する反革命を簡明に暴いている。
反軍闘争論は、侵略戦争突入下で自衛隊兵士がぎりぎりの状況に直面することを明確にし、日本階級闘争の核心点における兵士の獲得をめぐる攻防の切迫性を突き出し、これに対する革命党の緊急課題を訴えている。

 カクマルを痛撃

  カクマル批判は、今春カクマルが発行した『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』なるカクマル謀略論の残骸(ざんがい)の寄せ集め本への壊滅的批判。この本はこれまでの謀略論の大破産の墓標である。カクマルの組織的危機の現状を自己暴露するものとなっている。本論文は、このことを鮮明にし、あらためて彼らの反革命的狙いを踏みつぶした痛快な読みものだ。
坂本論文は、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と闘う4同志奪還に向けた渾身(こんしん)のアピールである。未決勾留16年目に突入した無実の4同志奪還の闘いは、有事立法攻撃下で激化する治安弾圧との闘いの一環であり、その最先端の激突である。本論文は超長期未決勾留の非人間性・拷問的人権侵害の実態をつぶさに暴き、これと対決し日々勝利し続けている被告同志たちの苦闘が革共同と労働者人民自身の勝利であることを強烈に伝えている。この闘いに肉薄し、苦闘と決意を共有しなければならない。4同志奪還へ必読であることを強調したい。あわせて本誌131号特集「治安弾圧粉砕、長期獄中同志奪還へ」を全面的に活用してほしい。
本号を学び、11−12月の攻勢で階級攻防の主導権を奪取し、03年春闘へ。

 

No.133号 2002年 秋季号(2002年8月1日発行)

六回大会路線で武装し強大な革命党を建設せよ 城戸通隆

有事立法・国鉄決戦に勝利し階級的労働運動の新時代を 安永正巳
米反戦闘争の新段階と労働運動の新潮流 浜田茂夫
金大中政権を揺るがす韓国労働運動 佐久間祐
ブッシュの核戦争計画とミサイル防衛計画 河東耕二
資本主義を擁護する全労連 川武信夫
有事立法闘争に敵対するJR総連 矢剣智


No.133号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2065号9面記事より)

 6回大会路線の格好の手引き 城戸論文

 ●9・11と米労働運動の新潮流 浜田論文

 ●米帝の世界戦争戦略の徹底批判 河東論文

 ●分裂カクマルの延命策動あばく 矢剣論文

  城戸通隆同志による巻頭論文「6回大会路線で武装し強大な革命党を建設せよ」は、今秋−03年の戦後史上最大の政治決戦に臨む党的立脚点を構築しようとするものである。階級決戦の爆発と結合した党建設の量的拡大の不可欠性、死活性、必然性とその歴史的意義についての訴えである。
『6回大会報告・決定集』、『清水丈夫選集第5巻』序文などと合わせて重点的学習課題とし、全党の同志、労働者人民の皆さんが学習と討論に取り組むことを呼びかけたい。

 歴史主体として

  われわれは今、何をなそうとしている存在なのか。城戸論文は、その唯一性についての歴史的自覚を次のように促している。「今、革共同は世界革命・日本革命を実現する『歴史的存在』として、『主体』として歴史の大地にしっかりと立っている」と。
それは9・11を機に開始された世界危機の世界戦争への転化という歴史的流れに抗しえている存在がわれわれ以外にはないという主体的かつ客観的な認識に基づいている。そのことは「新たな7・7路線」として戦略的スローガンに高められた「闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義の侵略戦争を国際的内乱へ」に明らかである。
U章以降、党史の総括から革共同の歴史的存在性を詳しく展開している。その最大の軸は対カクマル戦の歴史的勝利である。われわれは第3次分裂以来のカクマルとの闘いの中で革命戦略、世界観、政治運動の基本路線、理論的・思想的課題など現代革命が必要とするものを全領域において培ってきた。ここは対カクマル戦争の価値創造性の積極的・全面的確認である。
V章の「革共同の小史」で強調していることは、70年安保・沖縄決戦が革共同にとっての決定的跳躍台だったということである。まさに戦略的スローガンも70年決戦で生まれ、以後30余年の激闘の展開の上に結実したものだ。今ひとつは、70年決戦の爆発が91年まで20年という実に長期にわたる革共同と日帝権力およびカクマルとの二重の内乱的対峙を引き起こしたことである。この闘いは、先行的に内乱を推進しながらレーニン的オーソドキシーを追求するという特殊な闘い方をとおして現代革命に不可欠な課題を基本的に解決する闘いだった。
以上、われわれはこうした党史のすべてを積極的に総括し、その結実である「連帯し侵略を内乱へ」の戦略的スローガンを心から確信を持って提起できる地点に立ったということなのである。

 5月テーゼ実践

  革共同は現在、91年5月テーゼ以降10年の闘いの渦中にある。
だが、5月テーゼ実践の苦闘は単純な任務体系の組み替えではない。「労働者階級の自己解放闘争としての革命的共産主義運動」という核心をとらえ直す党の指導、党活動の一大変革、一大飛躍のための挑戦である。それは国鉄闘争、有事立法闘争など革命的大衆行動の組織化の中で現に実践されなければならない。そして、それはまさに命がけの課題なのだ。このことを本稿の後半、「6回大会開催の意義」の中で、「『労働組合の防衛と再生』のテーマこそ『革共同の最大の運動方針』」として確認している。そして意義の最後に「党建設としての党建設」を論じている。それこそが本稿の実践的結論である。

 レーニン組織論

  党建設とは、質と量の両面に関して言えることであるが、ここでの強調は量的拡大が質的変化に及ぼす面についてである。この点をレーニンの『一歩前進、二歩後退』に依拠しつつ有名なロシア社会民主党2回大会における核心的問題、「規約第1条問題」=党員資格問題をめぐるレーニンとマルトフとの論争点を明確にすることで突き出している。レーニンの党組織論の神髄は次のように明瞭にされている。
「いうまでもなくレーニン主義的な党の基本構成は『中央委員会』と『細胞』である。レーニンの党組織論はのちにスターリン主義によって歪曲・変質させられたそれとは違って、党とその構成員(党員)の主体的関係に立脚している。それは権力の弾圧に耐えて勝ちぬくという不可欠な条件とともに、共産主義的前衛党として内部的な革命的一致と同一性をかちとり勝利していくために、不断に自己を鍛え、意識的にたたかい、向上への努力を義務づけるものである。それを集中的に表現しているものが細胞であり、細胞性ということだ。
『細胞』という生命有機体のように、党(党組織)はたえず新しい要素=成員の加入をかちとり、組織を拡大し、細胞分裂をおこなって拡大・強化していくのである。だから党は、一定の条件を満たした先進的活動家、積極的分子を大胆にオルグし、党に加入させることが決定的なのだ。それが組織の命である。細胞としての党組織の内的充実と強化は、党勢拡大と別個のものではなく、完全に一体のものである」(強調は引用者)
レーニンは、小ブルインテリゲンチアとは違うプロレタリアート固有の規律と統制に従う優れた能力を指摘し、ここにプロレタリア解放闘争の勝利性を見いだしている。それはプロレタリア自己解放闘争を歴史的にゆがめてきたスターリン主義に対する真っ向からのアンチテーゼである。このことの自覚の発揚が今、正面から求められるのだ。労働者細胞を軸とする先進的な活動家を党に加入させようではないか。
城戸論文は6回大会路線への格好の手引きである。

 国際労働運動

  国際労働運動の連帯と新たな展望をテーマに日・米・韓の労働運動論文を企画した。
「有事立法・国鉄決戦に勝利し、階級的労働運動の新時代を」は、労働戦線をめぐる二つの階級決戦の結合を軸にした02年前半の攻防の総括と今秋決戦論。〈新潮流〉の歴史的責務と方針を鮮明にしている。
「米反戦闘争の新段階と労働運動の新潮流」は9・11を転機に歴史的前進を開始した米階級闘争の創造的挑戦を活写。反戦闘争と反差別・反レイシズムの闘い、そして労働運動の新潮流による戦時下の資本攻勢との闘いの連帯は国際的内乱を示唆している。
「金大中政権を揺るがす韓国労働運動」は、今春、公営企業の民営化・売却阻止に決起した鉄道労組、発電労組など民主労総の英雄的ストライキ闘争のリポート。日韓投資協定締結とIMF体制下での闘いへの連帯闘争の深化を目指した。
「ブッシュの核戦争戦略とミサイル防衛計画」は、QDR−NPR路線とMD計画の暴露をとおした米帝世界戦争戦略の批判だ。核先制攻撃による中国侵略戦争の意図を明らかにしている。日帝を有事立法・核武装策動に駆り立てる根拠を強烈に認識させるものだ。
「資本主義を擁護する全労連」は、日共指導下の全労連の02春闘路線に対する批判をとおして、その綱領的屈服をえぐった。日共スターリン主義との新たな党派闘争の開始にあたって、全労連傘下の労働者の真の階級的決起と合流を求めた意欲的論文である。
「有事立法闘争に敵対するJR総連」は、新段階の対カクマル戦の指導論文。坂入拉致問題のペテン的収拾と分裂カクマルの必死の延命策動を分析し、相互欺瞞(ぎまん)的な政治的取引のもつ危機性をえぐり出した。後半はこの中で新たな動きを開始した松崎の諸策動・言動に徹底的な批判を加えている。
本号を武器に今秋、戦後最大の決戦へ決起しよう。

No.132号 2002年 夏季号(2002年5月1日発行)

〈特集〉 02春闘をめぐる階級攻防

02春闘をめぐる階級攻防 野口 正敏

春闘解体に走る電機連合 飯村 健二
有事立法と一体の公務員制度改革 樋口 暁生
5・15体制の破綻と有事立法攻撃 革共同沖縄県委員会
21世紀革命と女性解放 革共同女性解放委員会
日帝の中国侵略と日米争闘戦 野口 憲司

3・17革共同政治集会基調報告
国際階級闘争の新時代を切り開く革命勝利の党を建設しよう 多賀 慎一


No.132号 (夏季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2052号6面記事より)

  春闘から有事法決戦へ

 ●21世紀革命と女性解放へ綱領的論文

 ●中国めぐる日米争闘戦 野田論文

 巻頭論文は野口同志の「02春闘をめぐる階級攻防」。
革共同の今春闘決戦方針は、6回大会で提起された「労働運動の防衛と再生」路線に基づく有事立法攻撃下での今ひとつの踏み込みであった。02春闘をめぐる全般的な階級攻防の歴史的意義と3・30動労千葉ストライキと春闘総行動を頂点に闘われたこの決戦の勝利の意義を総括し、新たな労働運動の方針を路線的核心的に提起している。
一つには、3・30ストライキにのぼりつめた動労千葉の3カ月決戦をダイナミックに総括し、その圧倒的正義性と行動力こそ本来の労働者の姿であること、そして必ずや労働者階級全体がこれに続くことの現実性を力強く突き出している。
二つに、今春闘でのIMF・JCと資本の交渉過程を振り返り、軒並みベアゼロ妥結とその直後の資本の賃下げ提案のもつ反革命性、さらにNTT合理化、ワークシェアリングの詳しい分析をとおして日経連「労問研報告」路線とも言うべき今日の資本攻勢の実態に迫っている。そしてその根底にある日帝の歴史的危機と奥田・日経連の反動性の根拠をえぐった。
三つに、連合労働運動の階級的屈服と侵略戦争翼賛を明らかにし、労働運動における侵略戦争への加担・翼賛か帝国主義の打倒かをめぐる路線的分岐の不可避性を突き出したことである。その上で被抑圧民族との連帯論を内包した階級的労働運動の路線と課題を鮮明にした。その際国鉄決戦の動向が決定的な意義をもっていることを強調している。特にJR総連松崎の打倒こそ不可欠のメルクマールになることを声を大にして訴えている。
労働者の決起への限りない信頼と勝利の確信にあふれている。
以上の巻頭論文を総論にして、以下、飯村論文と樋口論文で民間労働運動と公務員労働運動をそれぞれ詳しく論じている。

 資本攻勢の実相

  飯村論文は、02春闘全体の裏切りを先導した電機連合指導部の犯罪的役割の徹底的暴露。帝国主義間争闘の主戦場であり、かつITバブルの崩壊による打撃を最も強く受けた日帝の戦略的基幹産業=電機資本。そのリストラと賃下げ攻撃を暴露し資本の完全な手先となった電機連合の動向を具体的につかみ、今日進められている資本攻勢の実相を暴き徹底的に批判した。
樋口論文は、公務員制度改革が有事立法・改憲攻撃と一体の攻撃であることを徹底的に突き出している。今国会に提出された有事立法法案は首相に非常大権を与え地方行政機関の強制動員を明記しているが、この攻撃は戦後自治体労働運動の絶滅なしにはありえない。本論文は有事立法決戦の最前線に立つ公務員労働者の闘いにとって必須(ひっす)の武器といえる。
多賀慎一同志による3・17革共同政治集会の基調報告は、有事立法決戦と党建設を軸とする02年前半決戦の方針を生き生きと体系的に提起している。
世界危機の全面的爆発期における3・14復讐戦の意義と新たな決意を示した。分裂以来のカクマルとの闘いの勝利的展開を党史の総括軸にすえ、対カクマル戦争の新たな局面における革共同の進路を指し示している。
米帝の歴史的没落のもつ現状破壊性、日帝危機の構造的解明などの情勢論、歴史的激動期における帝国主義国労働者階級の任務と主体の確立、さらに有事立法・改憲決戦方針について、全体を日帝支配階級および民間反革命との論争に即し実践的にイデオロギッシュに展開しきっている。
特に注目すべきなのは、レーニン主義的原則を踏まえながら革命的大衆行動の爆発をテコに建設していく新しい党のイメージを提起していることだ。新進の中央指導部の鋭い提起を受けとめよう。

 沖縄闘争の課題

  革共同沖縄県委員会論文は、有事立法決戦と完全に一体をなす02年沖縄決戦論。復帰30年にあたり5・15体制とSACO路線を破産させてきた地平を積極的に総括し、21世紀の沖縄闘争の課題と路線を示している。
革共同女性解放組織委員会論文は、国際的内乱の勝利のカギを握る女性労働者・女性大衆の革命的決起論。女性解放論における共産主義の復権、帝国主義段階論を踏まえたプロレタリア女性の二重の抑圧論を全面的に深化させている。特に女性労働力政策批判が重要である。6回大会路線を踏まえてかちとられた綱領的論文である。
野田論文は、中東と並ぶ世界危機の今ひとつの火点、中国をめぐる日米帝国主義の侵略と帝国主義間争闘戦を分析したリポート。米商務省の豊富な資料を駆使し投資と貿易から実証的にその実態を浮き彫りにし、日帝の中国脅威論、排外主義を根底から粉砕するものとなっている。闘う中国人民に限りない連帯を込めた学生同志の力作だ。
本号を手に戦後史上最大の階級決戦=有事立法阻止決戦へ。

No.131号 2002年 春季号(2002年2月1日発行)

〈特集〉 帝国主義を打倒する労働運動の進路

 帝国主義を打倒する労働運動の進路
9・11情勢下の資本攻勢  米本茂憲

 12・15「無期・爆取とたたかう長期獄中同士奪還大集会」報告
治安弾圧攻撃を粉砕し、日本革命勝利へ  長期獄中同士奪還の大運動を
・革共同からの提起 革命的共産主義者同盟書記長 天田 三紀夫
・獄中同士からのアピール 他

 02年「障害者」解放闘争の課題
支援費制度〇三年施工阻止,保安処分新法阻止へ  関東「障害者」解放委員会

 おおらかで鮮烈な革命精神をもつ労働者革命家
木村靖二同士を追悼する 革共同関西地方委員会

 アメリカ経済 超バブル崩壊から大恐慌へ
崩れゆく帝国主義体制最後の支柱  秋月 丈志

 帝国主義間争闘戦 の激化と第3次大戦の危機
六回大会路線で世界革命勝利へ  島崎光晴


No.131号 (春季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2041号5面記事より)

 12・15集会を大特集

 ●国際主義的連帯論の深化 米本論文

 ●6回大会路線学習の手引き 島崎論文

 本号は、9・11反米ゲリラ戦をもって始まった国際的内乱下での階級決戦の課題にこたえた。  巻頭論文「帝国主義を打倒する労働運動の進路」(米本茂憲)は、今日の日帝危機の分析を通じ、小泉登場の歴史的意味、その構造改革と戦争国家化攻撃の不可分一体性を明らかにし、労働者階級にとって、もはや帝国主義打倒が戦略的テーマであることを訴えた21世紀の労働運動論である。新自由主義=市場主義の反動性を徹底的にえぐり、豊富な資料をもとに資本攻勢の実態をとらえた。労働者大衆の怒りの実態に的確に迫っている。 注目すべきは、筆者自身が9・11によって受けた衝撃をもとに帝国主義国プロレタリアートと革命党としての階級的自己批判をする中から、現下の資本攻勢を批判する視点を形成し直していることである。これによって階級的批判の立場を力強く確立した。パレスチナ・中東人民の民族解放戦争をどう受け止めるか。小泉改革とは何か、それとどう闘うか。この昨年来の2大テーマと真正面から向き合い統一的につかみとった核心がここにある。労働者的感性を思想的・綱領的に高めよと提起している。 こうした立場から 本論文は、革共同6回大会「第2報告(20世紀総括論と21世紀革命の展望論)」「第3報告(国際国内情勢・資本攻勢論)」にのっとってプロレタリア国際主義と革命的祖国敗北主義の実践的貫徹こそ労働運動論の核心であると結論づけている。革共同の綱領的前進をしっかり跡づけた力作である。 第1章 治安弾圧粉砕を  特集は、昨年12月都内で行われた「無期・爆取攻撃とたたかう長期獄中同志奪還大集会」の報告。  本集会は、星野同志、爆取4同志を始め革共同の長期獄中同志を奪還する闘いが、日本階級闘争の新たな不可欠の柱のひとつであると位置づけ、この勝利の決意を内外に宣言するために行われた。天田三紀夫革共同書記長の総括的全面的提起、獄中同志のアピールを軸に救援連絡センター始め各界の連帯のあいさつなど全文を採録している。 ポイントは、一つにこれまでの革共同の救援活動に対する取り組みの不十分性を痛苦に見据え、統一戦線を再形成して新たな時代に決起していくために、獄中同志と家族、そしてこれまで支援されてきた方々への率直な自己批判的表明である。 二つに、獄中同志たちが身をもって先頭で担った闘争課題と救援運動そのものを、開始された国際的内乱の一端として爆発させることである。その核心が新たな党建設であることを突き出している。 事実、星野同志へのデッチあげ無期刑が、70年決戦に対する報復弾圧であり、爆取4同志への1審未決15年、9年というデタラメな弾圧が、70〜80年代中期、三里塚・国鉄決戦に対する報復弾圧であるとともに、革命党と革命運動の破壊を目的とするものであり、それとの闘いは革共同を先頭とする日本階級闘争の内乱的前進そのものなのである。 三つめに、実践上の確認として5同志奪還の闘いをそれ自身一個の大衆運動として労働運動・反戦闘争に持ち込み物質化し、星野再審貫徹・早期奪還、爆取4同志保釈・奪還を現実にかちとることである。 獄中同志の各アピールは、国家権力の抹殺攻撃と最前線で激突する革命家の峻烈(しゅんれつ)かつ豊かな人間性を余すところなく伝えており、これそのものが百万言にまさるオルグの武器といえるだろう。 「02年障害者解放運動の課題」(関東障解委)は、侵略戦争開始のもとでの新たな「障害者」差別攻撃との闘争論。70年代以来の「障害者」解放闘争の総括の立場から小泉による支援費制度を突破口とする措置制度解体、社会保障制度解体攻撃の全容を批判。労働者階級の自己解放をかけた「障害者」との階級的団結を訴えている。 第2章 争闘戦の分析  「アメリカ経済−超バブル崩壊から大恐慌へ」(秋月丈志)は、米の恐慌突入の実態的分析をとおして米帝崩壊=世界戦争―世界革命の時代という歴史的本質を暴いた。9・11と米の超バブルの崩壊の同時的一体性・必然性を解明し、世界革命の現実性に迫った。 「帝国主義間争闘戦の激化と第三次大戦の危機」(島崎光晴)は、革共同6回大会路線の主体化(党建設)のための理論的指針である。第1報告(党史)と結合した第5・6報告(黒田哲学批判)から対カクマル戦争勝利の結晶としての〈革命的実践論〉を明確化し、そこから第2報告(世界観・革命戦略論)の意義を全面的に確認した。さらに任務・方針の報告を合わせ大会報告全体の革命実現綱領としての位置を鮮明にした。130号仲山論文に続いて大会報告集学習の手引きとして役立てたい。後半は、情勢論を2つのテーマで解明。中東・中央アジアを中心に米エネルギー政策を帝国主義間争闘戦と侵略の観点から明らかにしている。さらにアジアをめぐる争闘戦と日帝の没落を詳述。いずれも必須の課題の解明だ。

 

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No130号 2001年 冬季号(2001年11月1日発行)

世界革命勝利の21世紀へ
 革共同第六回大会路線で武装しよう 仲山 良介

 米帝ブッシュの新たな世界戦争戦略 内田 康

 米帝の新軍事戦略とアラブ・中東情勢
 米日欧帝のアフガン・中東軍事侵略戦争阻止! 柴山 隆雄

 戦争と革命の時代の到来と沖縄闘争の展望 革共同沖縄県委員会

 教科書・教育闘争の課題と展望 滝井 清次

 小泉「都市再生」政策と対決する三里塚 船村 耕一

 少年法改悪と少年問題を考える 田宮 龍一

 国粋主義・天皇制賛美に転落した黒田寛一 幸田 芳明

 


No130号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2028号6面記事より)

 世界戦争阻止へ!

 ●6回大会路線の意義と核心 仲山論文

 ●「9・11」情勢の基本的解明 柴山論文

 巻頭の仲山良介同志による「世界革命勝利の二十一世紀へ」は、今年前半に開催された革共同第六回大会の歴史的意義を核心的に提起し、学習と大衆的物質化を呼びかけた戦略的な指導論文である。「九・一一反米ゲリラ」で一変した情勢下であらためて大会開催の意義を明確にした前半部と、党史の総括における大会開催の必然性を論じた後半部に大別される。
 前半は、大会「第二報告」をふまえて九・一一の歴史的必然性と意味を基本的にとらえ切り、プロレタリア人民の主体的態度を鮮明にした。九・一一が、二九年型世界恐慌―世界戦争に要約される二十一世紀冒頭情勢の激動的様相を凝縮的に示すこと、それをのりこえる道は反帝・反スターリン主義世界革命の立場からの帝国主義国プロレタリアートと被抑圧民族人民の連帯・結合にこそあることを明快にした。九・一一のとらえ方において、第二報告が六六年の第三回大会での戦後世界体制論を今日的に継承・飛躍させた革共同の綱領的勝利であることを鮮やかに伝えている。
 後半は、「第一報告」を中心に党史的総括の立場から大会開催の意義を提起。対カクマル戦の基本的勝利の地平や九一年五月テーゼを転換点とした十年間の主体的格闘の前進が本格的大会の開催を歴史的に要請していたことをリアルに解明した。とりわけ、大会が二十一世紀の激動情勢を前に黒田哲学の死を宣告し、対カクマル戦に勝利的決着をつける時が来たことを確認したこと、その闘いの根底には、党の階級的基盤の再確立、マルクス主義の原点からの復権の闘いがあったことを明らかにしている。

 中東支配の破産

 「中東論文」は、九・一一情勢の基本的解明を目的に、事態の根源・背景である米帝の戦後中東新植民地主義支配とその破産を明らかにした。とりわけ直接の契機であるパレスチナ民族解放闘争に対する米帝ブッシュ−イスラエル・シャロン政府のこの間の対パレスチナ攻撃の凶暴化を暴露し、アラブ人民の怒りが限界点に達していたことを具体的に突き出している。反帝・反スターリン主義の立場から中東問題の基本的視角をわかりやすく提起し、九・一一−十・七情勢への明快な回答となっている。
 「米帝ブッシュ論」は、第六回大会第二報告をふまえ、米帝の世界支配の破綻(はたん)的危機と世界戦略の転換の分析をとおして、九・一一の根底にあるものをえぐり出す。中東、ユーゴ・東欧、アジアを三つの火点としておさえ、中国・アジアをめぐる日米争闘戦論を軸に、基軸国・米帝の没落と危機の深さがもたらす世界再分割戦の恐るべき構造、第三次世界大戦の切迫を解明した。ブッシュの「ミサイル防衛構想」「二正面戦略からの転換」に象徴される軍事戦略の現状破壊性を詳しく検討、ここから米帝の「報復戦争」が世界戦争挑発であることが浮き彫りになる。
 「教育改革批判」は、今春夏の「つくる会」教科書採択攻撃との闘いの勝利的意義をおさえ、有事立法と並んで改憲への水路をなす教育改革・教科書攻撃の歴史的決戦性を訴えた重要論文。教育改革攻撃の全体像と小泉改革における位置をとらえ返し、その狙いが争闘戦に追いつめられた日帝による戦争国家化の担い手としての兵士と労働力づくりにあることを暴露し、革命党の路線と決起の死活的意義を明確にしている。

 侵略基地・沖縄

 「沖縄論文」は、九・一一で激変した沖縄闘争の決戦性と勝利の展望をアピールする。米帝の新戦略の中での侵略基地・沖縄の現実を怒りをこめて弾劾するとともに、被抑圧民族との連帯を強烈に突きつけている沖縄問題の世界史的意義と根底性をあらためて衝撃的に突き出している。
 「三里塚論文」は、急迫する暫定滑走路開港の根拠となっている、小泉改革の一環としての「都市再生」政策の階級的暴露と批判。開港阻止決戦の戦略性・激突性を明確にした。
 「少年法改悪批判」は、「少年法」の厳罰化の真の狙いが教育基本法改悪・改憲と一体の戦争国家化にあることを鋭く批判。今日の「少年問題」の根源が帝国主義そのものにあることを感性豊かに暴いている。
 今日、全面的な混迷の極みにあるカクマルの最後の逃げ場である黒田哲学は、今や国粋主義・天皇制賛美に行きついた。「黒田『実践と場所』批判」は、同書の結論ともいえる国粋主義・天皇制賛美の根源をえぐり、「黒田哲学」の反マルクス主義的本性、観念論的本質を黒田自身の叙述に沿って徹底的に斬った。『ヘーゲルとマルクス』で革命的実践の唯物論的把握に破産して以来、今日までの反革命的実践のゆえにその破産がより腐敗と反革命化を深化させた様子が痛烈に暴かれている。
 巻末に第六回大会で改定された革共同規約を収録。

No129号 2001年 秋季号(2001年8月1日発行)

〈特集〉 小泉反革命−全面的反撃のために

 小泉「構造改革」と大資本攻勢 浜田 茂夫

 小泉政権とよみがえる国家主義 大谷 一夫

 第二の分割・民営化攻撃とのたたかい 中村 孝夫

 小泉反革命に反撃するヒロシマ・ナガサキ 荒瀬 一史

 松崎ファシスト労働運動論批判 矢剣 智

 中国の日系企業労働者の状態 聞き手・島崎 光晴

 新農業基本法--戦争と農業・農民切り捨て 石田 兼


No129号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2016号6面記事より)

 小泉との全面対決へ

 ●「構造改革」と労働運動の激突 浜田論文
 ●小泉政権登場の政治史的考察  大谷論文

 本号は、小泉「改革」との全面的激突を階級的課題としてすえきり、労働者階級の大反撃を呼びかけた。以下、二本が中心企画。

 資本攻勢を分析

 巻頭論文・浜田同志の「小泉『構造改革』と大資本攻勢」は、日帝総資本の産業・労働政策の動向と必然性から、今日の「改革」をとらえきった画期的分析である。
 第一章、二〇〇一年春闘の戦略的総括を踏まえ、各章でそれぞれ九九年「経済戦略会議報告」、日経連の九五年「新時代の日本的経営」から二〇〇〇・〇一年「労問研報告」を鋭く検討し小泉改革に至る資本攻勢とその関連性を考察した。以上の観点から最終章で小泉改革に切り込んでいる。
 その核心は、改革の内実が小泉独自の真新しい特効薬などではなく九五年以来の資本攻勢の露骨な集大成であるという事実、さらにこれらがバブル崩壊以降の経済危機の構造の中で発せられ、米帝の八〇|九〇年代資本攻勢に学んだものだという指摘である。この指摘は、帝国主義間争闘戦に規定された九〇年代日帝の危機の根幹を突くものであり、その全容が独占金融資本救済の一大反革命であることを明らかにしている。
 それらの攻撃が一方的な資本の攻撃としてあるのではなく、九〇年代後半の労働者階級との現実の歴史的攻防を反映しており、労働者階級の闘いの実践こそが敵をこうした絶望的姿に追い詰めているのだというダイナミックな視点が示されている。
 この分析から筆者の結論は鮮明である。「日本再生の七つのプログラム」は、日本社会の戦後的あり方のあらゆる行き詰まりを打破するとし、それらは資本の編成から政治支配のあり方にまで手をつけるものであるが、究極のところどれも労働者階級の抵抗を粉砕することなくして貫徹できないこと、その決戦はまさにこれからであること。そして国鉄・全逓・公務員など、その攻撃の矛先こそ労働運動の戦闘的再生をかけた激突の戦場にほかならないということだ。小泉改革との闘いは、日本人民にとって倒すか倒されるかの「階級間戦争」であると提起し、この打倒に向かって全面的檄を発している。

 自民支配の終焉

 大谷同志の「小泉政権とよみがえる国家主義」は、小泉政権登場が歴史的に意味するものを日帝戦後政治史の中にとらえた。戦後自民党政治の特質とその危機の深まりを的確に描き出し、特に九〇年代の政治過程における五五年体制崩壊と小沢路線の挫折の総括をとおして現在の小泉政権の性格と弱点を探っている。
 結論的に言うならば、自民党支配の破産と終焉(しゅうえん)が政党政治そのものの危機と強権国家への指向を生み出し、人民大衆の政治意識の激烈な流動化を引き出すであろうということである。焦点は、そうした中での日帝の最奥部に生き延びてきた復古的天皇主義的潮流である小泉反革命の超反動的正体と役割である。これらは、情勢の危機的進行を明白に証明しており、革命情勢の規定内容を今日において浮き彫りにするものとなっている。
 筆者の主張は、こうした中での革命党建設の課題と政治的実践的方針を中心に労働者階級の革命的針路と展望を示すことにある。

 実践の呼びかけ

 以下の二論文は、小泉反革命打倒へ向けた実践方針にあたる。今夏・秋の大激突を呼びかけている。
 中村同志の「第二の分割・民営化攻撃とのたたかい」は、三−四月の動労千葉春闘百二十時間ストライキの勝利の総括とその影響のもとにかちとられた五・三〇闘う国労闘争団の三千人集会の歴史的地平を力強く確認。「四党合意」を粉砕する国鉄闘争の意義と勝利の展望を示している。
 荒瀬同志の「被爆五六周年、小泉反革命に反撃するヒロシマ・ナガサキ」は、今夏、小泉の八・六来広を迎え撃ち日帝の英霊化攻撃と対決する被爆者解放戦線のアピール。米帝ブッシュによるアジア政策の転換に伴う日帝のアジア侵略・核武装化政策との対決点を鮮明にした。
 矢剣同志の「松崎ファシスト労働運動論批判」は、松崎のJR東労組会長辞任、顧問就任が意味するものを軸に、JR総連の資本の手先化と同時に、松崎にこびて動揺するカクマルの危機と矛盾を痛烈に看破した。一切が黒田思想の反革命性に端を発していることを指摘し、カクマル打倒へ国鉄労働者を始め全労働者に反撃を呼びかけている。
 インタビュー「中国の日系企業労働者の状態」は、島崎同志が聞き取った電機労働者の貴重な体験談。日系企業の侵略の実態を生々しくリポートし、中国プロレタリアートとの連帯をこめて、その闘いの息吹を伝えている。
 石田同志の「新農業基本法|戦争と農業・農民切り捨て」は、九九年新農業基本法の侵略的・反動的本質を批判。食料安保論が戦後農政の転換と農業・農民切り捨てであることを暴露し、プロレタリアートと連帯する革命的な農民戦線論を追求している。

No128号 2001年 夏季号(2001年5月1日発行)

〈特集〉 世界大恐慌と革命の時代の到来

 米バブル経済の崩壊がもつ歴史的意味を中心にして 島崎光晴

 都議選勝利、改憲粉砕、自民党政治打倒! 坂内 昌之

 民族解放闘争への敵対者=白井朗 野田利一

 教育改革・改憲阻止決戦と女性解放闘争 深沢史子

 入管闘争と七・七路線について 革共同中央入管闘争本部

 部落解放闘争の綱領的諸問題 革共同中央部落解放組織委員会

 特別アピール●迎賓館・横田爆取 デッチあげ裁判
  四同士の即時保釈・奪還をかちとろう 革共同救援対策部


No128号 (夏季号)の内容の紹介(週刊『前進』第2005号4面記事より)

 29年型大恐慌の到来

 ●現代帝国主義の全面的解明 島崎論文
 ●改憲阻止決戦の路線的提起 坂内論文

 日帝の絶望的体制的破局が生んだ「小泉反革命」との激突こそ、革命的情勢の急接近の中での最重要の闘いだ。本号はその勝利のための必須の武器だ。

 革命情勢の接近

 島崎光晴同志による「世界大恐慌と革命の時代の到来」は、年頭より明確になった米経済のバブル崩壊の現情勢にこたえた本号の中心論稿である。革命的情勢の到来を根底的に明らかにする経済的解明である。
 レーニン帝国主義論を武器に、今まさに死の苦悶(くもん)にあえぐ現代世界の危機的性格と矛盾構造を全面的に分析している。
 第一章は、現代世界を解明する方法・理論を基本的に確認し、その上に二十世紀の帝国主義―現代帝国主義を概括した総論である。筆者は三点述べている。要約すると次のようになる。
 無理やり維持されてきたドル体制が崩壊する時こそ、二九年世界大恐慌を上回る世界大恐慌が不可避なこと、基軸国=米帝における腐朽にまみれたバブルとその崩壊という形で帝国主義の命脈は尽きようとしていること、世界革命に敗北するならば帝国主義は世界戦争に行き着くということだ。以上が突き出すことは、今やプロレタリア革命が現実のものであるということであり、本稿の結論である。
 以降の各章では、米帝・日帝・アジア・EUを各論的に具体的に分析する。
 九〇年代米帝経済について、九五年ドル高転換がもたらした米バブルとその引き延ばしの構造とその歪み・脆弱(ぜいじゃく)性を明らかにしている。そして昨年四月以来、バブルは崩壊過程に入っており、今後恐慌に向かわざるをえないことを反論の余地なく論じている。九〇年代米帝経済の本質が争闘戦と大失業攻撃にあり、バブル崩壊で一層それにのめり込むことを指摘している。
 日帝経済については、九七年以来の金融危機・経済危機の全体像をとらえ、日帝の総力をあげた恐慌対策とその破綻(はたん)性を明らかにした。二〇〇一年半ばの現在、米帝による重圧のもとで不良債権処理に追いつめられた日帝の絶望的姿が浮き彫りになる。
 以上に立って、世界危機の最大焦点としての日米争闘戦を軸にしたアジア市場再分割の様相を分析し、ブロック化の進展にともなって世界戦争が一挙に切迫する情勢を喝破している。大恐慌への突入は革命的情勢の急接近であると明快に断じ、帝国主義の全面的打倒、反帝・反スターリン主義プロレタリア革命の現実性を指し示した。革共同第三回大会以来の現代世界認識の正しさと一貫性を示し、カクマルを始め帝国主義擁護派を迫力をもって一蹴(いっしゅう)した。

 改憲決戦の意義

 坂内昌之同志の巻頭論文「都議選勝利、改憲粉砕、自民党政治打倒!」は、改憲阻止闘争の歴史的意義をアジア・日本人民の闘いを軸に全面的に論じた重要論文である。とりわけ本年前半の教科書問題・教育改革攻撃との闘いの意義と課題を鮮明にした。
 前半部で改憲攻撃の現段階を大づかみにし、それを不可避にしている要因を分析した。日帝の戦後体制の象徴的表現である憲法第九条を戦後階級関係の歴史的諸条件においてとらえ、その階級的意味を全面的に解いている。
 後半では憲法をめぐる階級決戦の歴史的意義を確認した。それは日本人民の、アジア人民・在日アジア人民と連帯した、戦後史の決着をかけた日帝打倒論そのものであることを明らかにした。まさに革命的共産主義運動の真価が問われる歴史的大闘争としての革共同の戦略的総路線の提起である。

 七・七路線深化

 いまひとつの重要企画は、入管闘争と部落解放闘争に関する綱領的提起だ。
 革共同中央入管闘争本部による「入管闘争と七・七路線について」は、日帝のアジア侵略の本格的開始という情勢のもとで、日本労働者階級の階級的=国際主義的再生、アジア人民との真の階級的連帯をかちとるための提起である。七〇年七・七以来三十年の実践の地平が豊かに確認され、七・七路線と入管闘争の全面的・運動的・組織的発展をめざし、国籍差別・国籍条項差別攻撃との闘いの意義を始めとして革共同一九全総第五報告路線の深化がかちとられている。
 革共同中央部落解放組織委員会による「部落解放闘争の綱領的諸問題」は、戦争、大失業、差別の大洪水情勢に真っ向から立ち向かう闘争路線を、日本革命における部落解放闘争の綱領的テーゼに基づいて提起した。部落解放闘争の階級的意義の明確化の上に、狭山闘争の死活性を始め、部落解放闘争の戦略的諸問題を提起している。

 白井を徹底批判

 野田利一同志の白井朗批判は、「南北首脳会談の歴史的意義について」という反動的小論の徹底的批判である。プロレタリア自己解放に敵対するための白井民族理論なるものの反革命性を粉砕している。
 深沢史子同志の女性解放闘争論は、プロレタリア女性の教育改革・改憲攻撃への決起の呼びかけだ。今日の資本攻勢下での労働者家族の実態が描かれており、「二重の抑圧」論が深化されている。
 巻頭の特別アピールは、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の四同志の即時保釈・奪還への渾身(こんしん)の檄(げき)である。
 本号を武器に都議選決戦勝利と党勢二倍化を課題とする革共同の戦略的大前進運動の血路を切り開こう。

No127号 2001年 春季号(2001年2月1日発行)

〈特集〉 「黒田哲学」を全面的に批判する

 「3・14」虐殺者、日本労働運動の破壊者=黒田寛一

 「黒田哲学」を全面的に批判する  仲山 良介

 革共同から逃亡したカクマル・黒田の反革命的末路

 21世紀を労働者階級の勝利の世紀へ
  国鉄闘争を基軸に新たな潮流運動の本格的発展をかととれ 革共同中央労働者組織委員会

 司法改革・改憲阻止のたたかいを
  『司法制度改革審議会中間報告』を徹底批判する     村上 進一

 崩壊を始めたアメリカ・バブル
  21世紀冒頭世界大恐慌の不可避性           秋月丈志

 片岡三紀子同士を追悼する           マルクス主義労働者同盟関西地方委員会

 『新訳 ドイツ・イデオロギー』を読んで
  21世紀にはばたくマルクス主義            投稿 川中 充久


No127号 (春季号)の内容の紹介(週刊『前進』第1983号6面記事より)

  「黒田哲学」に壊滅打

 ●労働運動の展望と党の任務
 ●司法改革の反動性を暴露

  勝利する党建設

 二十一世紀冒頭に装いを新たにした本号は『黒田批判』論文を中心にすえ、四論文に絞って編集した。
 革共同中央労働者組織委員会による巻頭論文は、『前進』新年号で提起された二十一世紀への挑戦=労働者党建設の本格的発展の戦略的方向性と方針を全面的に打ち出した重要論文。
 七・一からの四党合意阻止の国鉄決戦とそれを包含した十一・五集会における息吹と躍動を伝え、これらを核心的に総括して階級的組織的前進の地平を全面的に明らかにした。
 後半は、危機に立つ日帝の現下の資本攻勢の実態暴露をとおして労働者階級の全戦線にわたる決戦性を確認。こうしたなかで階級的労働運動の発展の課題と党の組織的任務を提起している。国鉄労働運動の勝利的前進こそカクマルの危機と国労再生を推進することで労働運動再編の現実性を切り開いていることをダイナミックに突き出している。
 まさに、五月テーゼの真の発展期として二十一世紀に革命に勝利する戦略方針と言える。
 村上同志の司法改革批判は、森政権の司法改革が改憲攻撃の一環であることを徹底的に批判している。司法制度改革審議会の反動的性格と「司法審中間報告」の国家主義、戦前型司法への転換をえぐり出し、その本質が闘う人民への治安強化と裁判の迅速化にあることを鋭く暴いている。
 秋月同志の米経済研究は、ついに始まったアメリカ・バブル崩壊を実証的に考察し、これをとおして世界恐慌の不可避性に論究した意欲的なリポート。豊富な図表を駆使して米経済の破綻(はたん)的事態を的確にえぐり出している。

  黒田の破産暴く

 仲山同志の黒田哲学批判は、二十一世紀冒頭にふさわしい対カクマル戦の決定的段階を画する戦略的巨弾である。
 カクマルは、JR総連の離脱、黒田・松崎の分裂という断末魔的危機の中で政治的・路線的破産が極まるほどに黒田哲学に唯一の逃げ道を求めようと黒田個人崇拝の一種異様なカルト集団化しつつある。
 しかし今や、三十年間のカクマルとの死闘の中で一大前進と勝利の地平を築いたわれわれは、その逃げ込みと延命策動を断じて許さない。最後的逃げ場としての「黒田哲学」に切り込み、粉砕しきっていかねばならない。
 われわれは、本論文をもって、黒田哲学が今やファシスト的反動哲学に完全に転落したことを宣告する。本論文は黒田哲学を全面的に止揚し、カクマルを完全打倒し革命的共産主義運動の新段階を切り開く戦闘宣言である。
 本論文の目的は、三全総を機に革共同から逃亡して以来カクマルがたどった全事態が、黒田哲学の破産とその開き直りの帰結にほかならないことを突き出すことにある。現在のカクマルのおぞましい反革命的な姿と黒田哲学は直結している。本論文は、その関係を全面的に解剖しきったのである。そのことは同時に(必然的に)、革共運動の創成において果たした黒田哲学のとらえ返しの作業に進んでいくことになる。つまり黒田のスターリン批判、戦後唯物論論争・主体性論争における哲学的追究がもつ意味と限界を理論的に厳密に検討するということである。
 筆者は第五章で『共産主義者』第四号の本多論文を引用してこう言っている。
 「プロレタリアートがスターリン主義の物質力をうち破って、革命的共産主義運動を実践的に展開するためには、真の革命的な哲学(実践的な唯物論がその核心)との結合が不可欠であった」(一四八n)
 黒田のスターリン主義に対する哲学的批判はそのようなものとして、反スターリン主義・革命的共産主義運動の哲学的序曲として歴史的に決定的な意味をもった。だが、そこには大きな限界と落とし穴があった。仲山同志はそれを、単に哲学者的な批判でしかないという制約性、しかも「黒田の自己絶対化の始まり」と「階級闘争との生きた弁証法を拒否する閉鎖的態度」に要約される欠陥としている。この欠陥は、黒田自身が本質的な欠陥として認めざるをえない性格のものであった。本論文はそれを、具体的に黒田自身の言葉をもって突き出している。
 黒田は、五六年のソ連二〇回大会とハンガリー革命に直面して実践的踏み切りを行っていくと同時にこの欠陥を克服していく課題に立ち向かわねばならなかったが、それは単純なものではなかった。黒田は、この欠陥を克服するという困難な、しかし、どうしても成し遂げねばならなかった課題を前に、六〇年安保闘争という巨大な階級的激動の予感におびえ、逃亡したのである。
 「哲学的な小サークルの殻を脱して、現実の階級闘争のなかで闘う集団としての党を理論的・政治的に組織し指導していく存在へと自己脱皮すること、その主体的な前提として、自分自身が革命家=マルクス主義者=革命的共産主義者へと実践的に飛躍すること拒否した」(八六n)
――のが黒田なのである。
 以上のことが問題の根幹においてしっかりとつかまれなければならない。この開き直りのなかで黒田哲学の本質的欠陥がそれ自体として肥大化し、ついに今ではとてつもないファシスト哲学のようなものになりきっているのだ。
 このようにみるとき、革共同とともに進むことが結局は「自己の全否定」に行き着くと観念して革共同から逃亡して以降に黒田がたどった全過程の意味が明確になるのである。
 黒田が革共同から逃亡したのちになした最も重大なことは、まず七〇年決戦への敵対であり、そしてその上で七五年三・一四反革命=本多書記長虐殺と国鉄分割・民営化、国鉄労働運動解体の先兵化への決断を下したことと言えるが、それらは自己の思想的破産を居直り、かつ破産を重ねたあげくに走った絶望的所業だということも明らかとなってくるのである。このようなものとして黒田と黒田哲学が総括されなければならないのである。
 黒田の階級的・思想的原点を問うならば、黒田はいつどのようにしてマルクス主義者として自己を階級的立場に立たしめ、革共同に結集したのか。このことが実にあいまいである。その指摘はきわめて大きな意味をもつ。黒田自身の問題としてみたとき、黒田はついにマルクス主義者とはなりえなかったのである。仲山論文はこのことを鮮やかにえぐりだしている。

  観念論的逆立ち

 黒田に致命的な、マルクス主義形成過程のつかみ方の歪みは、黒田哲学の問題性・限界性と深く関連している。革命的実践の立場に身を置くことの本質的拒否、つまり、生きたプロレタリアートの革命的実践が欠落しているということなのである。黒田にはマルクスの実践的唯物論を語る資格などないのだ。
 仲山同志は、本論文の第四章までの展開で以上のことをはっきりと論証している。そしてその後、黒田のこの居直りの思想的根源を『ヘーゲルとマルクス』を始めとする黒田哲学「三部作」をとりあげ、その原点的破産を暴くことでさらに徹底的に突き出している。
 『ヘーゲルとマルクス』は、いわゆる「技術論と史的唯物論」体系の序論である。黒田は、戦後主体性論争を武谷技術論を軸にして、梯の『資本論』解釈学を再解釈することによって総括できるとした。しかし黒田は、主体性論を実践論として展開していくための前提を追究したとするこの『ヘーゲルとマルクス』の作業そのものにおいて完全に破産しているのである。
 「それは文字どおりの観念論なのである。実践の物質性を基軸にすえきった実践的唯物論とはおよそ似ても似つかない。それは物質というカテゴリーそのものに絶対性を付与した『物質の形而上学』でしかない。
 黒田においては、技術性として抽象された意識性の契機においてのみ人間実践がとらえられている。したがって、意識内部における物質、内在化された物質なるものが自己運動していくという逆立ちに陥る」(一二一n)
 簡単に本論文を要点的に紹介したが、以上のことからさらに謀略論デマへと展開していく黒田組織実践論(組織現実論)の本質、その破綻と密接な関連性、そしてそれが黒田哲学によって大きく規定されていることがつかまれている。それが七〇年代〜今日にいたるカクマルの全歴史を貫いていることを鋭くえぐり出している。
 本論文は、革共同第三回大会が提起した黒田哲学との「決着」の課題を引き継ぐ創造的な闘いである。黒田哲学の根本的欠陥をえぐり出すことは、同時に革共同の理論的原点の領域、創成期の諸問題に積極的に照明を当てるということでもある。
 それは、マルクス主義を今日的に復権し革共同の原点的再確立を成し遂げていく意義をもっている。まさに革共同が二十一世紀の関門を押し開き、反帝・反スターリン主義世界革命の実現へ真に巨歩を踏み出すという問題意識がこめられている。本論文はそのための第一歩である。

 

No126号 2000年 冬季号(2000年11月1日発行)

〈特集〉改憲阻止闘争の本格的開始へ

改憲・教育基本法改悪との対決                桐原正彦
 「日の丸・君が代」闘争の爆発で森・石原の教育改革攻撃をうち破ろう

歴史的階級決戦としての改憲阻止闘争            柏木 俊秋
 有事立法・改憲攻撃をうち破る一大人民運動を

「自衛隊活用」「国民の党」への日共の大転向        川武 信夫
 労働者階級に全面敵対する日本共産党七中総決定の反革命性

「四党合意」粉砕! 国鉄決戦勝利の路線          中村 孝夫
 動労千葉のたたかいに学ぶ

衆院選決戦−切り開いた地平と課題             革共同東京西部地区委員会
 森・石原打倒、介護保険廃止へ蜂起を貫き日本革命に勝利する党への飛躍をかちとろう

沖縄サミット決戦勝利の歴史的意義             火川 高志
 切り開かれた日本階級闘争の新段階
沖縄圧殺攻撃うち破ったサミット決戦            革共同沖縄県委員会
 SACO粉砕、名護新基地建設阻止の大衆的実力闘争へ

アジアで燃え上がる人民の決起               五十嵐 茂生
 朝鮮・中国・インドネシア情勢の急展開

核武装へ突進する日帝の宇宙・核政策           河東 耕二
 新たな段階に突入した反核闘争

一大資本攻勢と公的年金制度改悪              林 佐和子
 戦後的社会保障制度の全面解体攻撃に階級的大反撃を

移送制度新設・保安処分導入攻撃の狙い         岩崎 泰明
精神保健福祉法改悪を弾劾する

『新訳 ドイツイデオロギー』
 原典本来の姿を復元 (投稿) 新訳刊行委員会    中嶋 晃

郡司とめさんを追悼する 全学連現地闘争本部
洞口 啓子同志を追悼する                  革共同宮城県委員会

迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判
 全力で四同志の早期奪還をかちとろう           革共同救援対策部

ファシストの紋章−カクマル「謀略」論            滝沢 輝規
 五月テーゼ下の反ファッショ解放戦争に勝利しよう


No126号 (冬季号)の内容の紹介(週刊『前進』第1982号6面記事より)

 ●憲法闘争への原論的提起 柏木論文
 ●階級闘争深部での勝利 革共同救対部論文

 本号は、改憲阻止の決戦に向けた労働者階級の階級的使命と今冬闘争の課題がテーマだ。

 21世紀の緒戦

 国労定期大会、十一・五労働者集会の勝利を力に、二十一世紀を決する改憲阻止の歴史的階級決戦に立とう。本号はその本格的準備のための企画だ。
 巻頭の桐原論文は、教育改革国民会議中間報告をテコに始まった教育基本法改悪攻撃の画歴史性に警鐘を打ち鳴らし、これとの対決を訴えた重要論文。教育改革攻撃を突破口にした改憲攻撃の構造を明快にえぐり出している。
 論文全体が、@中間報告の反動性、石原教育改革のファシズム性、A教育改革における新自由主義批判、規制緩和と中央統制を両軸にした戦後公教育解体の手口、B教育改革をめぐる戦後教育労働運動史の素描、など重要な視点から論究されている。戦後教育の本質を掘り下げ、今日の日帝危機にもとづく「教育の崩壊」なるものに深く階級的批判を加えている。
 教育をめぐる闘いが結局のところ戦後階級関係そのものをめぐる激突であることを突き出し、「日の丸・君が代」強制に対する教育現場の闘いの決定的意義と、それが全人民的な政治闘争テーマであることを強調している。
 柏木論文は、改憲攻撃の本格化と背景をあとづけつつ、戦後史的決着のかかった歴史的階級決戦としての憲法闘争の本質を明らかにした。九四年の第一次読売改憲試案と本年の第二次試案の比較検討を通じて、新ガイドライン体制下での有事立法・改憲攻撃の意図と方向性を鋭く暴き出し、憲法問題に対する労働者階級の基本的視点を提起した必読の論稿である。
 川武論文は日本共産党の七中総決定=二二回大会決議案を全面的に批判し、日共の公然たる改憲派への転向を突き出した。「国民の党」への反階級的排外主義的純化と「有事の自衛隊活用」なる九条破棄宣言を中心的に批判した。
 九八年三中総での「暫定政権」論―安保容認論以来のとめどない屈服・転向を弾劾し、破産を開き直ったスターリン主義反革命の打倒を訴えている。

 今年前半を総括

 本号のいまひとつの重要企画は本年前半の総括である。
 二〇〇〇年決戦の最大課題として戦後最大の政治危機下で、国政への初の挑戦をかけた六月衆院選決戦の東京西部地区委員会による総括は、森自公政権打倒、石原打倒を掲げて闘った唯一の党としての課題と飛躍性を圧倒的に確認しきっている。そしてプロレタリア自己解放の原理を核心にすえ、介護保険制度廃止の大衆闘争を住民自身の自主的決起としてかちとる、まったく新しい理念と実践、組織論をもった、既成議会主義政党とは違う政党として登場したことを力強く論じている。
 沖縄サミット粉砕決戦の総括論文は二本。
 火川論文は、サミットを軸に展開された帝間争闘戦と世界危機の激化を見据え、世界革命の立場からサミット粉砕決戦の世界史的意義を全面的に論じた。さらに戦後憲法体制と沖縄政策を統一的に検討し、改憲阻止決戦の深化に重要な視角を提起している。
 沖縄県委員会論文は、サミット粉砕決戦そのものを名護の闘いをめぐる攻防を軸に総括した。沖縄大衆の怒りが全情勢を規定していたことを勝利の核心として意気高く確認し、サミット粉砕決戦勝利から沖縄階級闘争の大衆的実力闘争的発展を展望している。
 中村論文は、三度にわたり「四党合意」を粉砕し、新たな段階に入った国鉄闘争の歴史的展望を切り開く視点から、動労千葉の結成から今日にいたる闘いをふりかえり、「階級的団結の強化」の意義を明らかにした。

 カクマルの危機

 滝沢論文は、九州労脱退問題で組織的危機に揺さぶられているカクマルが党是としてきた「謀略論」を、その手口、認識論、組織路線、政治・軍事路線など多角的に分析し、ファシストの本質に迫った鋭い考察。
 水本謀略論から神戸謀略論にいたるカクマルのファシスト的純化を克明に追跡し、これらを破産に追い込んだ反ファッショ解放戦争の前進を総括している。先制的内戦戦略に結実した労働者自己解放闘争の力が、大衆的決起の時代にこそ絶大な勝利の原動力になることを確信できる。
 五十嵐論文は、アジア勢力圏化をめぐる日米帝の激突と軍事情勢を背景に九七年以降急展開する朝鮮、中国・台湾、インドネシアにおける危機の実態と新たな人民決起の歴史的高揚の局面を鋭くとらえた論考。
 河東論文は、JCO臨界事故一周年を弾劾、核燃サイクル計画の核武装としての本質を暴露し、新たな反核闘争の路線を鮮明に提起している。宇宙開発計画の軍事転用の意図をあわせて批判する。
 林論文は、今春の公的年金制度改悪の批判をとおして資本攻勢と戦後社会保障制度解体との連動性を考察した意欲的レポート。『厚生白書』にみる家族イデオロギーの再編・強化の視点も重要だ。
 岩崎論文は、強制入院強化の移送制度と保安処分導入を狙う精神保健福祉法批判。「福祉法的取り込み」による攻撃をも対象化し「障害者」抹殺攻撃の実態に迫った。
 革共同救対部論文は、迎賓館・横田爆取デッチあげで超長期未決勾留されている四同志の早期奪還のアピール。四同志の闘いが日帝との最前線の闘いとして階級闘争の質を根底で規定していることを確認、党の決起と革命的大衆行動の必要性を強調する。
 書評は、『新訳ドイツ・イデオロギー』の刊行の意義と画期的な中身を分かりやすく解説している。

No125号 2000年 秋季号(2000年8月1日発行)

〈特集〉政治危機下の労働者の挑戦

 国鉄 最大の正念場を迎えた国鉄闘争

 教労 階級的教育労働者運動の新たな展望

 春闘 2000年春闘と労働者階級

 自衛隊「国軍」化と反軍闘争

 労働者の怒りの決起で石原反革命を粉砕しよう

 国際主義的連帯をかけ、9・3演習阻止を

 石原の思想と行動を階級的に弾劾 『倒せ、ファシスト石原』

 反核 被爆55周年反戦・反核闘争の課題

 三里塚 萩原 進さん(反対同盟事務局長)に聞く

 控訴棄却・即時釈放せよ 迎賓館・横田爆取デッチ上げ裁判--更新意見陳述

 森田友彦同志を追悼する

 カクマル「謀略論」の原点--黒田『政治判断と認識』

 白井朗のさらなる転落と腐敗

 日共・不破のレーニン主義解体


No125号 (秋季号)の内容の紹介(週刊『前進』第1970号6面記事より)

 本号は、二〇〇〇年決戦後半戦に向けた労働者階級の階級的使命と今秋闘争の課題がテーマだ。

 今秋決戦の核心

 冒頭の三論文は労働運動をめぐる今春総括。
 巻頭論文−篠塚同志による国鉄論文は国労臨大直前に書かれたものだが、こんにち七・一の勝利から八・二六続開大会粉砕を目指す時点からあらためて読み返す時、国労本部の「四党合意」、闘争団切り捨てを弾劾した闘争団による「演壇占拠」の決起の圧倒的正義性、「四党合意」を事実上粉砕した七・一の勝利性と階級的意義が、疑いの余地なく確認できる。そして、当面の決戦課題が本部打倒、新たな執行部確立であることを鮮明にし、労働運動の新たな潮流の歴史的飛躍を展望している。
 松室同志の教労論文は、今春の「日の丸・君が代」攻撃に全国で反撃した勝利感あふれる総括が圧倒的である。これをふまえガイドライン攻撃の一環としての攻撃の歴史性、階級性を鮮明にし、日帝の今秋の教育基本法改悪−「教育改革」攻撃の狙いを暴き、これとの対決を訴えている。
 倉吉同志による春闘総括は、今春闘における賃下げと社会保障制度解体にみる資本攻勢についてのリポートで、その戦後的階級関係の絶滅攻撃を分析したもの。さらにそれとの対決のなかで開始された新たな闘いの意義を強調している。

 石原と対決する

 特集「石原反革命粉砕!九・三自衛隊治安出動演習許すな!」は三本。
 宇田川同志の反軍論文は九・三演習の指揮・展開・規模をリアルに暴き、その全貌(ぜんぼう)に迫る。日帝のアジア侵略の衝動をえぐり、国軍としての権限強化と天皇制軍隊復活をとおしてガイドライン下の自衛隊の治安弾圧部隊としての飛躍の狙いを弾劾する。
 三浦同志のアピールは九・三が排外主義扇動をてこに都と区の労働者をアジア人虐殺と侵略戦争に動員する攻撃にほかならないことを訴えた都労連労働者の力あふれる石原打倒宣言。
 小谷同志は関東大震災時の中国人・朝鮮人大虐殺における国家中枢・軍隊・警察のデマ扇動と虐殺への関与、民衆の直接加担の事実を直視し、その階級的省察をとおして四・九石原暴言の恐るべき排外主義的狙いを掘り下げた。九・三闘争が日本人民にとってアジア人民との血債をかけた連帯の実践課題であることを徹底的に明らかにしている。
 内村同志の本の紹介は『倒せ、ファシスト石原』(野口正敏著・前進社刊)の核心を簡潔にまとめた。
 篠原同志のカクマル批判は、昨秋出版されたカクマル黒田の『政治判断と認識』を取り上げ、彼らのこんにちの画歴史的な反革命的飛躍を情勢論、運動路線に沿って全面的に批判する。カクマル「謀略論」の原点と今日におけるその全面破綻(はたん)の意味、その取り繕いのためのファシスト的純化、黒田の転向ぶりなど、彼らの今日的転向を象徴する同書の位置を完膚なきまでに暴き尽くした。

 白井朗の転落

 「白井朗のさらなる転落と腐敗」は、白井が今春出した『中核派民主派宣言』なる反革命出版物に対する批判を中心に、カクマルとの直接の会見、結託にまで至り新たな段階に入った白井の脱落・逃亡と反革共同策動の核心点を鋭くえぐり出している。そのイデオロギー的転向=民族解放に名を借りたプロレタリア自己解放の否定、プロレタリア革命否定の論理。こうした理論的装いをとりながら表れた小ブル的人間的腐敗の有り様、組織的無責任ぶり、権力への転向・屈服の現実を総体として壊滅的に批判し、白井の反革命策動の粉砕を訴えている。
 藤沢同志の「日共・不破のレーニン主義解体」は、昨年来レーニン国家論を最後的に否定した日共のさらなる理論的綱領的転向を斬った力作。衆院選での民主党との暫定政権構想にみられるブルジョア政権参加のための理論的準備作業として、九四年二〇回大会での「資本主義の枠内での民主的改革」路線を最後的に完成させたと明快に指摘している。マルクス・エンゲルスの民主共和制論も突っ込んで考察し、日共の転向を疑問の余地なく暴き、「国家機構粉砕」論と「国家死滅」論を現代的に積極的に再度押し出している。
 荒瀬同志の反戦・反核論文は八・六−八・九闘争を二〇〇〇年決戦の中に位置づけ、その歴史的意義を鮮明にする。被爆者解放闘争の階級性、自己解放性、国際主義的精神を高らかにうたい、既成運動の破産を乗り越える綱領的路線論文。
 「公訴棄却・即時釈放せよ」は迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判を闘う四同志を代表した十亀同志の更新意見陳述。公訴のデッチあげ性、保釈請求却下に対する怒りの弾劾が鋭い。四同志奪還へ活用しよう。
 「インタビュー三里塚を語る」は、前回に続き萩原進さんの「大地を守り農業に生きる」決意。今回は氏の人生をかけた農業に対する思いと、戦後農政の象徴としての空港建設に対する怒りが語られている。 

No124号 2000年 夏季号 (2000年5月1日発行)124号表紙

〈特集〉 沖縄サミット決戦

 沖縄サミット粉砕・衆院選勝利を

 7月沖縄サミットを徹底粉砕せよ

 日米争闘戦とアジア情勢

No124号 (夏季号)の内容の紹介(週刊『前進』第1957号6面記事より)

  闘争方針を提起

 特集「沖縄サミット決戦」の企画は、衆院選と一体でサミットをより反動的に貫こうとしている森政権との対決によって、いっそう重要性が増した。巻頭の大山論文とこれを補強する沖縄県委員会論文、野田論文(アジア情勢論)の三つで特集を構成している。
 「巻頭論文」は、「世界革命の21世紀」への転換点における沖縄サミットの世界史的位置と大きさを明確にし、闘うアジア人民との連帯をかけたサミット粉砕決戦への決起を訴えた鮮明な路線論文である。
 核心点は、第一に、沖縄サミット決戦そのものの歴史的重大性・決戦性。
 帝国主義の危機の本格的爆発、朝鮮−中国・台湾情勢の歴史的激動を背景にした日米帝の争闘戦の激化を軸に、世界最大の侵略戦争の基地・沖縄で開かれる帝国主義首脳の戦争会議の反動性をえぐった。朝鮮・中国侵略戦争突入の転換点になろうとしているサミットとの激突を日本プロレタリアートの階級的命運をかけた課題として突き出している。
 第二に、沖縄闘争=安保闘争として闘われる本決戦の課題と核心を2000年決戦の全体像のなかで鮮明にした。
 日帝の戦争国家への転換の攻撃のなかで、SACO(基地の県内移設)貫徹=名護新基地建設攻撃に立ちふさがる沖縄の闘いを圧殺するものとしてのサミットと、これに屈した日本共産党スターリン主義の裏切りの構図を暴ききり、名護・辺野古住民の主体的決起との連帯を軸に、沖縄サミット=新基地建設阻止決戦の勝利の展望を力強く打ち出している。
 「県委員会論文」は、市長リコール運動が中断・延期となった名護新基地建設阻止の1−3月の激闘の全面的総括である。
 「野田論文」は、サミット決戦を規定するアジア情勢をインドネシア・朝鮮・中国情勢に踏み込んで論じ、新植民地主義体制の危機と激動を裏付けている。
 特集全体をとおして次のことが強調されている。
 ひとつは、国益主義と祖国防衛にのみこまれた既成指導部にかわる新たな指導部を日本の階級闘争が真に求めていること。ふたつには、何よりも名護市民・東海岸住民の闘いが不屈に闘い抜かれていることだ。
 革共同は、この試練を命懸けの飛躍と沖縄民衆との共同の闘いによって必ずや突破することを勝利の確信にみちて宣言した。この精神が特集全体を圧倒的に貫き全人民を鼓舞している。

 革共同集会報告

 本号のもうひとつの柱は、3・12革共同政治集会報告。天田書記長の基調報告と革共同救援対策部の特別報告である。
 「基調報告」は、2000年決戦の三大方針が、21世紀へむけての世界革命の現実性の中で、反スターリン主義・革命的共産主義運動の真の発展期、勝利の段階における実践であることをスケール大きく提起。4−7月の本格的段階を指導する立場から衆院選決戦と沖縄サミット決戦について重点的に展開。とくに大衆運動的実践を十分ふまえ、介護保険制度を突破口にした社会保障制度解体攻撃との対決の重要性を、革命的情勢の成熟論を基調にすえて訴えている。
 「特別報告」は、長期獄中闘争の報告と即時奪還の訴え。不屈の獄中闘争が日帝を根底から揺り動かし勝利を指し示していることを伝えており圧巻である。

 攻撃の実態暴露

 滝山同志の「入管論文」は、本年2月施行された改悪入管法と3月に策定された「第二次入管基本計画」にみる戦時入管攻撃の実態を暴いた。 今日の攻撃の狙いがガイドライン体制の一環としての朝鮮有事を想定した「難民」排除とそれへの日本人民の排外主義的動員にあることを弾劾している。これと対決する主要な攻防点を挙げて日本人民の連帯と決起の死活性を訴えている。
 芝田同志の「反軍闘争論文」は、70年以来の反軍闘争の地平に立ち、本格的発展期を宣言した反軍戦線の重要アピール。新ガイドラインのもとで侵略出兵と治安出動と真に対決する労働者階級の課題として、労働者階級の階級的組織化と一体に隊内兵士を階級的に組織・包囲することを強く訴えている。革共同の党派性・革命性が際立っている。
 「浜田論文」は、2000年日経連労問研報告と今春闘の結果を検討し、昨年来の日帝ブルジョアジーの賃下げ攻撃の真の狙いを暴露。賃金闘争の意義を掘り下げている。
 日帝の福祉切り捨て攻撃と対決する「林論文」は、4月から実施された介護保険制度批判。あわせて破産が明らかとなっているドイツと比較検討し、新たな試みをおこなっている。
  労働運動関係では、樋口同志の都労連決戦総括と津田同志の国鉄論文。どちらも昨秋−今春過程における労働運動の白熱的攻防を生き生きと伝えている。
 「三里塚インタビュー」は萩原進さん。暫定滑走路阻止の2年間決戦を高らかに宣言した。

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