レーニン『帝国主義論』(上)前半講義概要 講師 水木 三郎 【はじめに−今回の党学校にあたって】(1)ロシア革命は、時代認識と路線、労働者党建設に勝利することによって実現されたと、この間レーニン『帝国主義論』を読み通してみて率直に思った。革共同綱領草案でも、「レーニンが規定したように、帝国主義は資本主義の最高の発展段階であるが、その下では資本主義の矛盾は著しく激化し、帝国主義戦争と大恐慌の爆発はともに不可避である。帝国主義の時代はプロレタリア社会主義革命の時代そのものである」と短く言っている。まず冒頭で、この辺の魂を入れていきたい。 【レーニン『帝国主義論』そのものにどう向かうか】(1)まず最初の1章から最後の10章までを貫く精神、結論は、帝国主義の時代こそプロレタリア革命の時代であり、プロレタリアートが必ず勝利する時代であることを、レーニンが真正面からうち出していることを感動もってはっきりさせよう。 【序言、序章にかえて】 第1次世界大戦が始まったのが1914年の7月。8月にドイツがロシア、フランスに宣戦布告という中で、ドイツ社会民主党は当時のドイツの国会で、戦時公債に賛成投票する。しかし、「バーゼル宣言」が出た12年には、ロシアで「レナ鉱山のストライキと虐殺事件」などがあり、「新たな革命の波が始まった」。この中で、ロシア社会民主労働党の「プラハ協議会」が行われて、われわれの言葉で言えば階級的労働運動路線をすえる。だが当時の「社会主義の指導部」は、「バーゼル宣言」を投げ捨てて、雪崩をうって戦争に支持・協力していく。社会排外主義的な労働運動なのか革命的階級的労働運動でいくのかが、待ったなしの問題として浮かび上がった。 【第1章 生産の集積と独占】●『帝国主義論』のキーワード=独占
レーニンは、この第1章の中で、ほんの数個の独占体によって支配され、分割され尽くしている資本主義は、自由競争が支配的だった段階とは決定的に質的に変化した資本主義であることをとらえた。このような段階に移行した資本主義を帝国主義と総括した。 ●生産の集積による独占の形成
レーニンは、「工業の巨大な成長と、ますます大規模化していく企業への生産の集中のおどろくほど急速な過程」(同28n)、「競争の独占へのこのような転化は、最新の資本主義の経済におけるもっとも重要な現象の一つ」(同30n)ということで、ドイツとアメリカの例で説明していく。 ●独占による「生産の社会化」と支配・強制関係
「生産の社会化」とは、資本主義が独占段階に入ったことを背景に、市場の問題や労働者支配の問題を含んだ言い方です。同時にすさまじい支配・強制関係だと言っています。 ●独占と恐慌(独占−過剰生産力の形成−矛盾の激化)
独占は恐慌を排除しない。むしろ全階級的・全社会的矛盾を一層激化させる。独占による価格や生産量の「調整」、独占がもたらす「生産の社会化」や技術の巨大な発展は、最も矛盾を激化させ、恐慌の新しい形態をつくり出す。 【第2章 銀行とその新しい役割】●銀行業務の集積と独占銀行業務の発展と銀行の集積、1つの銀行への集中が現れる。銀行の取引関係、当座勘定、その他の金融業務をとおして、個々の資本家の営業状態を精密に知る可能性を得る。そうやって統制をして、その資本家の運命を決定していく。 ●銀行の新しい役割
「銀行と産業とのあいだの密接な関連」(同68n)で銀行の新しい役割があらわれる。@手形割引、当座勘定の恒常化、A巨大な量の資金をかき集める、B当座勘定で顧客の状態を詳細・完全に知りうるようになる。 【第3章 金融資本と金融寡頭制】●金融資本の定義
「生産の集積、そこから発生する独占」(同78n)の登場。そういう中で、「銀行と産業の融合あるいは癒着」が進む。「これが金融資本の発生史であり」、同時に「概念の内容である」(同)。 ●金融寡頭制と参与制度
金融寡頭制が実際に支配の網の目をつくっていく上での参与制度の持っている役割。 ●金融資本の利潤と金融寡頭制
「少数者の手に集積されて事実上の独占を享有している金融資本は、会社設立、有価証券の発行、国債の引き受け」(同89n)、特に国債の引き受けはボロ儲けだ。かつて考えられなかったような利潤が巨大独占体に転がり込んでいく。全社会がこの独占者にたいして「貢物」(同)を与えるような関係です。 ●金融力をもつ少数国家の傑出
「帝国主義とは、あるいは金融資本の支配とは、このような分離〔資本の所有と資本の生産への投下との分離〕が巨大な規模に達している資本主義の最高段階である。他のあらゆる形態の資本にたいする金融資本の優越は、金利生活者と金融寡頭制の支配を意味し、金融上の『力』をもつ少数国家がその他すべての国家にたいして傑出することを意味する」(同98n) 【第4章 資本の輸出】(1)「独占が支配している最新の資本主義にとっては、資本の輸出が典型的となった」(同102n) (前半講義了) |
討論から●X 今日の学校の講師からの提起で、独占を支配関係という点で常にとらえているという指摘が、これまでにない新鮮な感じがしました。確かに、資本主義社会の生産関係や所有関係というのは、労働者に対する支配関係として登場するということで、新たにああそうかというふうに思った。 ●e 今日は『帝国主義論』ということで、何度も学習してきた内容ではあるんですけども、やっぱり時代認識を改めて打ち立てていくという意味で非常に重要だなと思った。レーニンが当時の時代をどう見ていたのかということだし、僕らは今の時代をどう見るのかという問題として、学んでいくことが重要だなと思ったということです。 ●I 初歩的な質問ですけど、「金融寡頭制」の所で「参与制度」というのがあったんですけど、これがもうひとつ分からない。金融寡頭制と関連があるというのは分かるんですけども。 ●d 企業とかに取締役とか何とかという形で、銀行・金融資本が出ていって、その会社の政策とか経営とかに全面的に口を出していくというようなことじゃないんですか、人を送って。だから、すぐに資金を引き揚げちゃったり、つぶしたりということをやれる。 ●講師 それが金融寡頭制の支配を強めていく重要なテコになっている、そういう役割を果たしているというような意味じゃないでしょうか。 ●O 企業の中に銀行の頭取なり何なりが一角に必ず入っている。そういうのがいわゆる「参与制度」。会社の金融関係とか全部、資産とか含めて銀行は分かるわけじゃないですか。だから、資金を貸す、引き揚げるということも含めて、全部銀行というものが力を持つことになる。そういう頭取なり何なり、今回の日航もそうだけど、そういう形でそこに入っていく。分かりやすく言えばそういうことだと思う。 ●n よく分からないんで想像なんだけど、イギリスは最初にそういう膨大な植民地を持ったから、株式なんかなくても膨大な土地があったり、膨大なカネがあって工場つくったりが出来て、それでそのまま牧歌的にやってきたんじゃないですか。それに対してドイツは、そういうのがないところから行ったから、まず資金をどうするかということで株式制度みたいなのを充実して、そこでもってカネを世界からかき集めたりしないと自前の工場も出来ない、何も出来ないというのがあったということじゃないですか。 ●A 独占の方向に行くしかなかったということでしょ。独占と言っても資本主義で、資本主義というのはどこまでも資本家同士は蹴手繰り合って、競争し合って、相手をつぶしちゃう。それが独占的な関係でやられる中で、ドイツの挑戦を受けてほっとくと自分たちが負けちゃうという関係だと思う。 ●i 産業構造が変わったということがある。19世紀末から20世紀冒頭にかけての産業構造は、繊維産業から大きく重工業に変わっていく。鉄鋼業など重工業は巨額な資金が必要で、それを調達するための銀行を中心とした株式会社制度なり何なりがあって、それが独占の形成を促進する。 ●講師
ベースには、資本主義の独占的段階というのがまずあって、生産力の一番水準の高いところが握っていくんです、結局。そこに見合わなかったら競争に勝てない、どういう形であれ。そういう点では、ドイツが先進的な資本主義を代表していた、その当時。それに勝つには、同じものを取り入れる以外競争にならない。そこを抜きに植民地があっても、それは資本主義の基本的な生産のところをどこが握っているか、どういう資本のあり方が握っているかで決まる。金融資本の“発生史とその概念の中身”と『帝国主義論』の中でもわざわざ言っているということは、単純に自由競争の延長で独占が発展してきたんじゃなくて、そのことを含むと思う。 ●T ここの所は僕は、イギリスは植民地があって、そこにドイツが金融資本的に殴り込みをかけることに対して、イギリスとかフランスが植民地的な力を背景に対抗する。そこで、ドイツは戦争するしかなくなるという流れかなと思って。 ●a 今日の提起で、最初の講師の“どういう立場でこれを提起するのか”の最後の所に、「バーゼル宣言」の問題を極めて今日的な問題であるというふうに出した。そういう点では、やっぱりこれが、レーニンがフランス語版への序言で言っているように、1914年から18年の第1次世界大戦にものすごく起因しているということについてハッキリさせた上で、この序言においては、核心的にはロシア革命の問題と、それから帝国主義の問題について断言していると思う。だから、あえて様々なブルジョアジーの検閲上の考慮をして書き直す必要はないという形で出した上で、非経済的なことについては言及しないとわざわざ書いてある。そういう点では、今言った論争というのを私は、1914年から18年の当時の第1次世界大戦をどう見ていくのか、それからレーニンが分けた3つのイギリスが植民地型とかいう帝国主義の規定の問題を通り抜けて、帝国主義の腐朽性と最終的には打倒するべき対象だという、1920年のレーニンの提起ということを「バーゼル宣言」の問題と含めて、まだ前半だけですけど、すごく受け止めている。 ●g 僕は『帝国主義論』は結構苦手ということもあったんですけど、改めて今回『帝国主義論』をやって重要だなと思ったのは、“なぜ『帝国主義論』をやるのか”とか結構心構えとかいろいろはじめに書かれていた所。 ●講師 今、後半のところで言われたレーニン『帝国主義論』の党派闘争の問題。むしろ、モロそこのところから『帝国主義論』をとらえないといけないと思っている。それこそ「奴隷の言葉」ではあっても本当に真実を出して、闘うのかどうかということを含んでいく過程に入るんです。だから、今の指摘はすごく大事なことだと思います。 ●g 付け足しなんですけど、『帝国主義論』をちゃんとつかまないと、綱領草案も出て、今の時代をどう見るのか、いわゆる「段階・過渡・変容・危機」という中で、綱領草案の中のロシア革命から現在までのところをバーッと書いてある所で、今の大恐慌情勢というのが、帝国主義の「過去1世紀にわたって積み重ねられた全矛盾の爆発」であると簡潔に書いてあって、それはすごいなと思ってて、こういう規定をちゃんとできる党派というのはわれわれしかいない。ただ、『帝国主義論』の「段階」、「独占」というのをちゃんととらえないと、こういうふうには行かないなと。本当に今、プロレタリアートの大チャンスだ、革命の時代だと言えるというのが、ひとつは、この『帝国主義論』をどう読むかにかかっているんだなとはすごく思う、というのが1つ言い忘れたことです。 ●T 最初の問題意識で言われた点がいい勉強になりました。革命的な時代認識と路線であるということと、4者4団体派との攻防の実践的問題意識で読むということと、あと動労千葉と革共同の実践的地平の中で論じるということと、「闘いつつ学ぶ」という視点で読もうという提起が驚きで、すごいなと思いました。 ●講師 後者でしょ。さっきのドイツとイギリスの違いも、違いを強調するんじゃなくて、やっぱり同じ段階に入っているんです。そういうものとして、その実際の対応の違いというのはあると思うんだけど、じゃあイギリスが良くてドイツが悪いのかということもない。それはそういうふうに論議は深めていった方がいいと思う。 ●Z 帝国主義論というのは、各国の経済政策をベースにしているわけだから、各国帝国主義論というのは存在する。例えば第1次世界大戦というのは、ドイツ型帝国主義とイギリス型帝国主義の衝突なわけ。国際的帝国主義というのは、打倒するプロレタリアートから見たときにどの帝国主義も同じだという意味では同じなんだけど。 ●h 今の論議とも関連するんですけど、マルクスは資本主義社会を科学的に解明して、むしろ労働者階級が闘うまでは革命が必要だというふうに言って、で、パリ・コミューンを総括して、やっぱり暴力革命しかないと総括して、その資本主義社会というのはどういう社会なのかというのを科学的にしっかりとやり遂げたのが『資本論』なわけだけど、獄中の同志も『資本論』を今読み始めてて、もちろん『資本論』は『資本論』として勉強するのは大事だけども、しかしもっと大事なのは、マルクス自身が「労働者にはその力があるんだ」という確信を持っている、そこが大事なんだ、織田全学連委員長はそう手紙で書いているんです。 ●M 先日たまたまなんですけど、若い青年から『帝国主義論』で学習会やるからと誘われて行ったんです。その彼は、共産党だったんですけど、「ルールある資本主義」ふざけるな、という思いはあるんだけど、なかなかその辺を理論的に蓄積がなくて理論的に論破できない中で、今は「労働運動の力で革命をやろう」というんで一緒にやっている。 ●d 今のM同志の意見にまったく賛成なんです。今、青年とも話をしたりしているけども、今資本主義の社会でしょ、という所から話を始めて、じゃあ共産主義はいいんですか、とかいう話もしているんですけど、やっぱり今の時代は資本主義でしょ、あなたの困難は何なの、今仕事できていない、仕事がない、何もないという人なんだけど、何があなたを苦しめているのか、ということ、いや、自分が悪いんです、とかそういうふうに思ってしまう。仕事が見つからないのも、どうしても約束を守って来れないのも、いろいろ社会的に自分が間に合っていかないのも、自分が悪いんだというふうに思わされてしまっている。しかし、そうじゃないんじゃないかというところで、話を始めているんですけども、やっぱり時代認識だと思うんです。そういうところを共有しつつ、今日の話の中では、マルクスもそうだったけどレーニンも、労働者階級にこの社会を変える力がある、ということを徹底的に明らかにするということでもって、h同志も言っていたけど、時代認識で日和見主義の連中を徹底的に叩いて、それが及ぼしている害悪をコテンパンに粉砕するということでやっているのが、この『帝国主義論』だろうと。 ●講師 闘争団のある人は『資本論』を、自分が首を切られて余裕がある時に全部読んだ。また別の人は、感動したけど、モストの『資本と労働』を持って行ったら、岩波書店のモストの『資本論入門』を持っていた。そういう人が結構いるんです。だから、4者4団体派の上の人たちが政治解決と言ったって、そんなに簡単にはいかない。 |
受講レポートから ★『帝国主義論』(上)のレポートです。【h】 マルクスが資本主義社会を科学的・経済学的に解明して『資本論』を完成させたように、レーニンも帝国主義を科学的・経済学的に解明して、帝国主義が資本主義の最高の段階=プロレタリア革命の前夜であることを明確にしたということだと思う。 【r】 20年近く前に『帝国主義論』を読んだ時、丹念にノートを作ったことを思い出しました。そのとき、“帝国主義は戦争を不可避とする”“帝国主義は革命の前夜”ということを学んだ気がします。その後マルクス主義基本文献学習シリーズで、第1章の「独占」について、帝国主義論の要をなすものとして深化させることを学んだ。 【y】 今回の講義で強く感じたことは、今日の最末期帝国主義を打倒するために、あの当時のレーニンの姿に学ぼうということです。 【I】 党学校に参加して、最初に動労千葉の闘いの歴史、それから『共産党宣言』へとつづき、今回は『帝国主義論』の講義を受けたのですが、回を重ねるにつれて少しずつ、マルクス、エンゲルスが、「過去の理論家」ではなく、労働者階級の立場に立ち切って、『資本論』をも完成させたのだということがハッキリとしてきました。 【q】 『帝国主義論』を、現代の『共産党宣言』=プロレタリア世界革命宣言の書として甦らせよう、という最初の提起が貫かれた講義になったと思う。特に、革命を目前にした情勢下にあって、当時のレーニンも日和見主義との闘争を貫くなかで、「独占」の形成と「金融寡頭制」の中に、共産主義社会の基礎が生まれていることを見たと思う。問題は、労働者階級のなかにそれを実現できる能力があることを見ない、日和見主義にあった。 【b】 今日の講義で興味を持ったのは、第4章「資本の輸出」のところで、この資本輸出(独占に基づく過剰資本が原因)が、初めて全世界を資本主義化したという趣旨の講師の発言でした。それまで、後進国は原料生産(農業)に特化していたが、そこに資本が輸出されたことによって、膨大なプロレタリアートが生まれた。帝国主義段階において、まさに「万国のプロレタリアート、団結せよ!」という号令と「世界革命」という言葉が現実味を帯びる客観的情勢がつくられたのではないかと感じました。レーニンも「イソップの言葉」でしか言えなかったとはいえ、一番言いたかったことは「万国の労働者、団結せよ!」「帝国主義(金融寡頭制)を打倒せよ!」だったということが、「金融寡頭制」と「資本の輸出」についての表現から伝わってきます。 【a】 時代認識と路線で一致するということの中味は、今の日本−世界帝国主義をどう見るかということ、「資本主義の最高段階としての帝国主義」というプロレタリアートにとって「革命前夜」という衝動と確信を持てる、持つということである。 【i】 冒頭、講師からの『帝国主義論』へのとりくみ方に関して、熱烈な提起に目が開かれた思いです。 【Y】 1年前の『帝国主義論』も出席しましたが、今回はまた違った印象を持った。最初の「どう向かうか」のところで、講師が『帝国主義論』(レーニン)を「連合打倒論」として読むという問題意識ということを言っていたが、これは重要なことだと思いました。 【g】 勉強になりました。「独占」をどう捉えるのかが重要だと思いました。 【T】 「はじめに」の立場性、問題意識の提起、特に連合とのたたかい、4者4団体派との実践的闘争に勝利するために『帝国主義論』にくらいつこうという講師の提起は、圧倒的に正しいと思いました。自分自身もレーニンの序言を読み返して、今日の我々が直面している体制内派とのたたかいが持っている決定的な攻防が、レーニンとロシア革命・ロシア労働者階級が直面したものと同質である、ということにとても感動しました。 【d】 『帝国主義論』の読み方という点で、非常に党派闘争的、論争的に入っていることが重要だと思います。資本主義・帝国主義最末期−これをひっくり返す力が労働者階級の中に存在しているということに確信をもって、だからこそ眼前の帝国主義(第1次大戦に突っ込んでいく)の巨大な情勢に対して、徹底的な解明を与えていることが重要だと思いました。核心→独占ということについてをとらえていくこと。さらに、独占が労働者支配にも関係してくるという指摘は、なるほど!と思いました。 【A】 『帝国主義論』を、今我々は日々実践している闘いの中で学ぶ場合に、講師が提起された、時代が大きく転換しようとしている時、日々起こっている激動が何なのかに真正面から対決し、全面的にマルクス主義者としての立場からつかむ−というレーニンの姿勢から学ぶことが、何よりも重要と感じました。 【B】 『帝国主義論』について、今回の学習であらためてというか、別のものを受け止めることが出来たと感じています。 【U】 現代日本の帝国主義としての進行・爛熟・腐敗ぶりは、一般新聞の記事にも毎日何かしら載っている。月1500万母親から小遣いもらっている鳩山とか。だが、その鳩山にお願いする労働運動もまた存在する。 【Q】 今回、『帝国主義論』を学ぶにあたって新鮮に感じたことは、(討議でも言われたことだが)時代認識と路線ということである。 【O】 講師の『帝国主義論』の提起の視点(「はじめに」)は重要だとあらためて思います。われわれの5月テーゼ以降の路線的=実践的前進と一体ですが、資本主義の最高の発展段階、つまりあとがない資本主義ということであり、プロレタリア革命の前夜ということですが、ここで労働者の存在、社会の主人公だということを本当につかんできていることで、革命の現実性をしっかりとつかめるところに来たと思いました。 【f】 @ 今回の講義をきいて、『帝国主義論』を単なる客観的な〈帝国主義〉の〈論〉として読んでは絶対にいけないと思った。すなわち我々は、徹底して本書を〈帝国主義打倒〉の立場から読むということであり、〈現代の『共産党宣言』〉として読むという立場に立つことが必要だ。 【E】 レーニン『帝国主義論』は、“マルクスはもう古い”と革命を否定し、改良主義に陥る勢力との徹底的な党派闘争の中から生まれたもので、だから、そこに勝ちきるために、“最高の発展段階としての資本主義”“死滅しつつある資本主義”と言い切ることが必要だった。 【e】 自分の発言ともかぶりますが、レーニンが「階級の革命性・自己解放性に無限の確信をもって」時代を捉えきったところに『帝国主義論』の地平があるし、同じように我々が、この大恐慌−大失業と戦争の時代を革命前夜として、アジり切り、大衆を獲得していく上で、『帝国主義論』の視点、方法論は重要であると思う。 【M】 レーニンがパリ・コミューンの感動を終生大事にし、第1次世界大戦が開始されて全ての勢力が雪崩れうって戦争に協力していく中で、仁王立ちして『帝国主義論』を書いた、まさにその時代に今、突入していることが改めてハッキリしました。 【N】 『帝国主義論』を時代認識と路線で読んでいくと革命が見えてくる、と思った。 【C】 帝国主義を打倒対象として、いかに読むのか、職場での組織化にとっていかに大切であるかを考える上で大いに刺激となった。 【n】 資本主義の最後の段階である帝国主義は過剰資本から、独占・金融寡占が極限まできて、腐敗・腐朽・寄生にのたうち回っている。とっくに打倒されてなければいけない。我々労働者の怒りで絶対に打倒しなければいけないということが、今日は良く判りました。 【X】 今回の講師の提起を受けて、新鮮な感じをもった。 【G】 1)09年の勝利的な闘いの前進の中での学習会ということもあると思いますが、かなりの高揚感の中でのアジるような提起としてあったと思います。これまでの党学校の学習会では、なかったような感じがしました。2010年決戦に向けて決意みなぎるものとしてあったと思います。できれば、もう少しテンションを下げても十分伝わるかもしれません。聞いていて、結構体力的に大変そうな感じがしました。 【Z】 宇野三段階論的に言えば、革共同の「帝国主義論」は限りなく、三段階目の“情勢分析”に近い「帝国主義論」であると言えるだろう。昔の峰岸論文などがその典型で、「独占」の問題など、いくつか深められた今日でも、この基本は変わらない。ということで、宇野経済政策論を美化するつもりはないが、こういう領域に少しずつでも踏み込みたいと考えるからだ。 【j】 ○「実践家が理論家にならなければならない」という指摘には、新鮮な驚きがありました。 【J】 「数万の最大企業がすべてであって、数百万の小企業は無である」「ドイツを支配しているのは、たかだか300人くらいの巨大資本家であって、その数は絶えず減少している」と、レーニンが書いた独占の状態は、現在で言えばどう表現すればいいのか? ソ連スターリン主義の崩壊といわゆる「経済のグローバル化」を通して、レーニンが『帝国主義論』で分析した戦争の不可避性の問題、少数者による圧倒的多数の労働者人民への搾取と収奪、圧迫という問題は、さらに大きく、決定的なまでに重い現実として現れているのである。 【F】 提起にもあったように、「帝国主義=資本主義」をはっきりさせるために、あえて「帝国主義・資本主義」「資本主義・帝国主義」と言ってきました。塩川一派や旧与田派残党が帝国主義段階での“非資本主義的要素”を強調しプロレタリア革命であらゆる社会的差別を撤廃できることを(そこでの労働組合の基軸的役割も)否定していると批判していても、いまひとつ決め手を欠くような思いがありました。今回、レーニン『帝国主義論』のキーワードは「独占」であり「労働者への階級支配の独特の段階、あり方としても捉えなおす」ことが重要と言われて、やっと地に足が着いた批判ができるように思いました。 |