マルクス『ゴータ綱領批判』講義概要 講師 林 佐和子 【はじめに】 今回のテーマは、@『共産党宣言』−『資本論』と『ゴータ綱領批判』Aパリ・コミューンと『ゴータ綱領批判』−ロシア革命という、二本の筋で現代の革共同「綱領草案」につながります。今回の学習の重点は、『共産党宣言』−『資本論』と『ゴータ綱領批判』という太い線を軸にしてマルクスの『ゴータ綱領批判』そのものを、逐一読み解いていきます。マルクスは『ゴータ綱領批判』で『資本論』の地平に立って共産主義論を明らかにしました。モスト『資本と労働』は「『資本論』は、資本主義が共産主義の萌芽を自分の中に秘めていることを明らかにした」と書きました。 【1】私有財産制=資本主義的生産様式の基礎の上での労働と労働者階級◎ゴータ綱領草案T−1冒頭部分「@労働は、すべての富の源泉であり、Aそして有益な労働は、ただ社会において、また社会をつうじてのみ可能であるから、B労働の全収益は、平等な権利にしたがって、社会の全構成員に属する」 ★ 人間の労働力は、生産手段(労働手段と労働対象)と結合してはじめて、労働として発現できる。必要な前提を欠いたゴータ綱領の冒頭「労働がすべての富の源泉」論は、労働を重視しているようで実は階級社会=奴隷労働を美化し、資本主義を容認している。 ◎ゴータ綱領草案T−2「今日の社会では、労働手段は資本家階級に独占されている」 ★ マルクスは、「労働者を奴隷化して搾取する手段になっている生産手段、土地と資本を自由で共同的な労働の用具に転化する」と、生産手段を「土地と資本」と規定しています。生産手段の資本家的所有は、本源的生産手段である土地の私有を基礎にして成り立ちます。生産手段の重大要素である土地所有、地主の大土地所有を免罪して、資本とたたかうことは不可能です。 【2】生まれでたばかりの共産主義社会での生産の社会的組織化◎ゴータ綱領草案T−3「労働を解放するためには、労働手段を社会の共有財産に@高めること、そして総労働を協同組合的に規制して、A労働収益を公正に分配することが必要である」 ★ ゴータ綱領草案は、パリ・コミューンの地平を無視して、ブルジョア国家の打倒、暴力による急激な転化過程とプロレタリア独裁樹立なしに、「生産手段を社会的共有に高める」ことが可能だという。あえて《プロ独》を言わずに「高める」と書くのは日和見主義への変節をずる賢く行うものだ。 【3】労働者階級の階級的解放の普遍性とプロレタリア国際主義◎ゴータ綱領草案T−4「労働の解放は労働者階級の事業でなければならない。労働者階級に対して、他のすべての階級は反動的な一つの集団を成すにすぎない」 ★ 1864年にマルクスが執筆した国際労働者協会暫定規約は「労働者階級の解放は、労働者階級自身の手でたたかいとらねばならない。労働者階級解放闘争は、全階級支配の廃止のための闘争である」と労働者階級の自己解放の意義を明らかにしました。 ◎ゴータ綱領草案T−5「労働者階級は自分たちの解放のために、さしあたりは今日の国民国家のなかで活動する。その際、全文明国家の労働者の共通の努力が、その必然的な結果として国際的な国民連帯となるであろうと自覚している」 ★ 資本主義は世界市場を形成し、価値法則の論理を全世界に貫徹している。プロレタリアートは本質的に国際的存在である。プロレタリアートには国境がない。スターリン主義の「一国社会主義」論の裏切りを粉砕し、プロレタリア国際主義を復権しよう。 【4】ラサールの賃金鉄則に屈服し、賃金労働制度の廃止をいわない綱領◎ゴータ綱領草案U「党は、@鉄の賃金法則とともに賃金制度およびあらゆる形態の搾取と、A全ての社会的および政治的不平等の除去のために力をつくす」 ★ 国際労働者協会の中央評議会でのマルクスの講演『賃金・価格・利潤』(1865年)と第1回大会での決議「労働組合、その過去・現在・未来」(1866年)を、前回学びました。賃金は、「労働力の価値」であり、その実体は「労働力の再生産費」であるが、その「再生産費」すなわち労働者の生活のレベルそのものが、資本と賃労働の抗争、力関係で決まる。賃金労働制度の廃止が、労働者階級の解放闘争の核心問題である。それは、国際労働者協会(第1インター)に加盟していたドイツ社会民主労働者党と労働者に普及した理論だった。マルクスは「暗殺攻撃だ!」と最大限の怒りをたたきつけた。 【5】《賃金鉄則》と《国家信仰》を結合させた《国家援助による生産協同組合》◎ゴータ綱領草案V「党は、社会問題の解決のため、働く人民による民主的管理の国家援助の生産協同組合設立を要求する。(工業と農業の)生産協同組合を、そこから総労働の社会主義的な組織が生まれるような規模で、設立する必要がある」 ★ ブルジョア国家を粉砕打倒し、自ら武装した労働者階級が、政治権力を掌握し、勤労大衆を指導し、プロ独の力で旧支配階級の抵抗を抑圧し、《収奪者から収奪する》、そうしてはじめて《総労働の社会主義的組織》《協同組合的生産》がはじまる。 【6】 専制国家への臣民的信仰と民主主義者の奇跡信仰に毒され、プロ独否定◎ゴータ綱領草案W「ドイツ社会主義労働者党は、あらゆる合法的手段で、自由な国家および社会主義社会を実現する。党は、国家の自由な基礎として、普通・平等・直接・秘密選挙権、直接立法、常備軍に代わる民兵制、人民代表による宣戦と講和決定、例外法(言論・結社・集会取締法)撤廃、人民による司法、無料裁判を要求する。党は、国家の精神的・道徳的基礎として、平等の国民教育、義務教育、学問の自由、信教の自由を要求する。国家の経済的基礎として、団結の自由、標準労働日、日曜労働の禁止を要求する」
私は語った。そして私の魂を救った(以上のように批判したからには、もはやこの綱領には責任は負えない)」 【結語】 反帝・反スターリン主義の旗のもと大恐慌をプロレタリア世界革命へ! 階級的労働運動の日々の白熱的実践で《プロ独》への飛躍のときをたぐりよせよう 団結した労働者がブルジョア国家を打倒し、政治権力を奪取して《プロレタリア独裁》を樹立し、賃金奴隷制の鉄鎖を打破し、自ら結合した労働者として全社会の真の主人公になること。《プロ独》権力をテコに《収奪者から収奪》し、搾取と搾取の基礎、階級と階級支配の基礎を粉砕する。団結の力で全被抑圧諸階層を指導して、社会的生産を組織する。 |
討論から●N 今日の講義で2つ、何か違和感があるなあと思って聞いてたんです。 ●X 当時アイゼナッハ派と言われてる第1インターの綱領を体現したような党が、ラサール派と合同するという名目で、ゴータ綱領を出すという転落を行った。そういう中で、彼らは階級運動の立場から小ブル分派の立場に移行していく。階級運動という労働者階級自己解放の闘いの中で、団結を求めて拡大していく、そこに一切の総括軸を置くということから離れた途端に、現実の資本の物質力の前に屈服していくということが、当時から起きていた。どんなにいい綱領を掲げていても、そこのところはきちんとしていないと、やっぱり現実の困難性の前に屈服していく、変節していくということが簡単に起きる。とりわけ今の大恐慌情勢の中だからこそ、労働者階級に本当に信頼を置かないと、そういうことが起きると思いました。 ●G 『ゴータ綱領批判』を読んだ時に一番関心があったのは、「労働の解放は労働者階級の事業でなければならない。労働者階級に対して、他のすべての階級は反動的な一つの集団を成すにすぎない」という部分。7月テーゼでも「プロレタリア性の強制」とかいう文言が出てくると思うんですけど、「プロレタリア独裁」とか「プロレタリア性の強制」とかいうことを観念的だと思ってたんで、関心を持ってここの部分を読んでいた。これを「ラサールからの引き写しとつぎはぎ文」だとマルクスは批判している。その背景というか、こういう書き方をしたのはなぜなのかというのが質問としてある。マルクス主義・レーニン主義を語って、あたかも革命を目指して闘うかのような言い方をしながら、一方ではプロレタリア独裁を否定するという立場に、塩川一派は結構似てるという感想を持ったんです。 ●講師 「何でビスマルクと密約したのか」ということですけれども、19世紀当時のドイツでは、農民が働いている人々の多数を占めている中で、ユンカーというプロイセンの大土地所有の貴族たちが権力を握っていた。ビスマルクは、そのユンカーを背景にしている、資本主義が発展していって今までのようにはいかないところに立ち至ってる勢力です。その旧勢力が、新興のブルジョア勢力に対抗するために労働者の運動を利用するという、そういう利害がある。ラサール派の運動は、資本(新興ブルジョアジー)と闘うために、国家権力の支援を受けることを基本としているから、土地貴族の代表であるビスマルクに意識的にすり寄っていった。そういうあり方で、労働者の中に影響力を拡大しようとした。 ●h 何で労働者階級以外の諸階層・諸階級は「反動的集団だ」っていうふうに言う必要があったのか。 ●F 「労働者階級に対して、他の全ての階級は反動的な1つの集団を成すにすぎない」と言ってるのは、プロレタリアートと他の階級の結合ということを絶対させないということです。つまり、農民の決起をさせない。労働者階級の解放、つまりプロレタリア革命への同盟軍として農民が決起していく、それと結合していくことを絶対にさせないために、あえて「反動的な集団」という形で断定したということだと思う。それは、ビスマルクとラサールの利害と完全に一致するわけです。 ●W われわれは今日ここで学習して、地域に帰って学習会やっていくと思うんで、労働者を前にして、『ゴータ綱領批判』の学習会で何をつかみとるのか、何に確信を持つのかというところをしっかり置いて、それで踏み込んでいくことが必要だと思います。われわれは革命運動をやってるわけで、11月集会という形でかつてない規模で、国際連帯ということにおいても、単一の党や世界革命ってことを意識して結集してきている。そういう中で『ゴータ綱領批判』で何をつかむかということを、僕自身もそうだし、全体で向き合ってやっていく必要がある。 ●h 『ゴータ綱領批判』の学習は、解説本が出版された当時僕もやった記憶があって、僕らがプロ独を樹立してどうやって共産主義社会に突き進んでいくのかっていう、イメージが湧くという点では非常に良かった。ただ当時は、「結構立派なことを書いてるじゃないですか」「どこがいけないんですか」と、いろいろマルクスが批判してるけど、確かにそれはその通りだけど、当時は何をこんなに怒ってるかなかなかわからなかった。今は非常によくわかります、まさに今われわれが対決している体制内派との激突という点で、全く同じことがマルクスの時代でも始まっていたという。現在的には塩川一派とか、社会主義を掲げる社民党が、民主党と一緒になっちゃうとか。特に4者4団体派があんなふうに転落すると思ってなかった。そこの中身も『ゴータ綱領批判』の中で、マルクスが怒ってることに核心があると思います。 ●N 講師が、今日は『共産党宣言』−『資本論』と『ゴータ綱領批判』だって最初に前提を話されたから、それでいいんだって言われても、やっぱりちょっと「そうかな?」というのがあって。 ●O われわれは91年の5月テーゼでの転換があって、労働組合運動を軸にした労働者自己解放だし、労働者には力あるんだっていう、そこを本当に実践の中でも理論的にもつかみとってきた。そういうことと、権力とってプロ独樹立して、それで共産主義へ向かっていくっていうことが、非常にまたより一層はっきりした。労働者には力あるし、できるんだっていう。 ●M 私は今日のこの学習会はすごくためになった。今の大恐慌情勢下で、ついこのあいだまで一緒にやってた、その辺にいた人たちが雪崩れ打って、資本主義そのものを打倒するんだっていう革命をとにかく彼岸に置いて、そこに持っていかない持っていかないということにくみする勢力になっている。そういう中で、11月の労働者集会過程のオルグは、4大産別の中で本当に時代認識と路線で勝負する以外に、絶対突破できないっていう壁とガンガンぶつかりながら来た。 ●a 私は一番引っかかったのが、なぜ16年間も隠してたか。当時の党派闘争ってどういうことだったんだろうと言ったときに、仲山さんの解説本には「1ダースの綱領より現実の運動の進展が重要」と書いてあって、それでギリギリで発表しなきゃならないところでは、もうマルクスは死んだし、エンゲルスもその後5年ぐらいで死んじゃうって時に発表したって言ってるけど、この16年間がよくわからない。 ●仲山 ヨーロッパ全土で嵐のような労働者のストライキがあって、そしてそれがヨーロッパの政治変動と絡まって、パリの労働者が自分の権力を打ち立てるパリ・コミューンまで行った。しかし、それに対する弾圧と反動でフランスの労働者は壊滅的打撃を受ける。資本主義の遅れた発展の中で、ようやくドイツが次の鍵を握るという状態になってきて、ドイツの官憲は全力を挙げてドイツの労働者階級を弾圧する。ドイツの労働運動は、自分たちが頑張らなきゃいけないということも含めて動き出す。その中でいわゆるマルクス派である集団が、ラサール派と合同しながら、新しい労働者階級の運動を模索する。弾圧に対する防衛ということも含めて階級としての結合を強めて頑張っていこうというんだったらいいんじゃないかという、一定の了解があった。けれども、実際に準備過程を見てみたら、現実の闘いも、理論的にも『資本論』も出て、資本主義に対する根本的な批判と労働者階級がブルジョアジーを倒していくということが、階級のない社会への道なんだということが、科学的にもはっきりしてきたはずで、第1インターもそういう形でやってきてる。ところがそれを全部ひっくり返すようなことを、この綱領はやってる。こういう合同には反対だという形で逐一批判して、マルクス、エンゲルスと連絡を取っていたドイツの党の指導部に向かって根本的な批判を書いたけれども、ビスマルクの社会主義者取締法による党の非合法化と、その中での新しい党派闘争・党内闘争の展開という情勢の中で、現実的にかつ原則を貫きながら、党と労働者階級の関係を解決していくという、いわば前人未踏の闘いに入る。その時に「1ダースの綱領よりも」という考え方をとった。 |
受講レポートから ★『ゴータ綱領批判』のレポートです。【N】 討論をして、講義と今の世界情勢がピッタリくっつきました。 【h】 今回の講義と討論は非常によかったと思う。以前に学んだ『ゴータ綱領批判』は、共産主義社会をどのように建設していくのかというイメージと現実性がわかってよかったが、内容的には、冒頭からスッと理解できなかったのを今でも覚えている。 【y】 09年11月集会は、全世界の労働者階級が、大恐慌をプロレタリア革命に転化するべく、国鉄1047名解雇撤回闘争を結集軸にして闘いとられた。労働者階級は、断じて救済の対象ではない。労働者階級は、最末期帝国主義の歴史的災厄に対して、社会主義をめざす党に結集し、国際的団結の力で資本主義を打倒し、プロレタリア独裁を戦取して、共産主義を実現する。その現実の運動が始まった。 【q】 これまでは、『ゴータ綱領批判』は共産主義社会の姿をマルクスが描いたもの、という印象が強かった。今回の党学校に向けて、解説本を再読し、また講師の説明を受けて、『共産党宣言』−『資本論』とのつながりの中で「ゴータ綱領」を批判し、労働者階級の党とはどうあらねばならないのかを、徹底的に明らかにしたものだと改めて感じた。 【I】 今日の『ゴータ綱領批判』の学習会を、11月労働者集会を経て、国鉄1047名闘争、星野同志奪還闘争、法大−沖縄闘争、動労千葉の組織拡大戦を「待ったなし」の状況で迎えている我々が行えたのは、第1には、「革共同綱領草案」が、革共同として初めての「綱領」として出来たことが最も土台をなしていると考えます。 【g】 今回の党学校で、改めて「綱領草案」の内容がスゴイと思いました。レジュメの題に、「パリ・コミューンと『ゴータ綱領批判』−ロシア革命−革共同『綱領草案』」とありますが、これが核心をついていると思います。『ゴータ綱領批判』でも、ロシア革命(『国家と革命』)でも、体制内派や日和見主義との党派闘争をとおして、労働者に依拠した党をつくり、革命に向かっている。当時も、現在も、問われていることは同じであり、だからこそ、動労千葉の階級的労働運動、国鉄1047名闘争にこだわり、つくりあげてきた綱領草案の内容、革命の路線がはっきりと内在化していることを確信しました。 【e】 レジュメの提起では、恥ずかしながら、マルクスがどういう批判をしたかについて、字面だけで理解していただけでした。しかし、討論での多くの同志の発言をとおして、また、改めてレジュメの[はじめに]と[結語]の直前を読み直す中で、今回の党学校で何が問題となり、『ゴータ綱領批判』で何をつかむのかが、自分なりにはっきりしました。 【M】 マルクス主義を貫く革命党を建設することが、どれだけ偉大であり、それが絶えず生み出される日和見主義との党内闘争・綱領論争として展開されるということがとてもリアルで、今日の私たちの格闘と重なって、とても空気が入りました。 【d】 @これまでの『ゴータ綱領批判』の読み方・受け止め方と全く異なって、今回の学習会〈講義と討論〉で非常に大きなものを得ました。 【f】 @『ゴータ綱領批判』を『資本論』との関係で読んでいくことが重要だ。 【D】 本書は、まずは分かり易く党派闘争の本になっている。労働運動の路線をめぐる党派闘争が最大の決戦場となる今日、実践的な学習が行いやすい題材だと感じた。あたかも労働者の味方かのように振る舞い、あるいは「労働者の代表」とでもいうべき労働組合の立場を利用し、幻想を振りまき、労働者を裏切っていく体制内勢力。彼らがごまかす点は、やはり普遍性がある。特に気になった点についてレポートする。 【v】 はじめに『ゴータ綱領批判』を学習した時は、一般的に誤ったマルクス主義への、間違った理解への批判という感じで読んでいた。今回、我々自身が大恐慌と世界革命を目前にして学んで、当時のフランスのパリ・コミューンから革命への恐怖から、体制内的発想、合法主義〜反革命へと向かったラサールへの怒りと批判としてあることが理解できた。私たちの塩川派や4者4団体派、JR総連に対する怒りも、また同じだ。ほんとに当時と同じ情況だ。 【Z】 大昔の話で恐縮だが、私の経験によれば、共産主義の入門とかさわりということについてどうあるべきか、ということがまじめに議論された記憶がない。学生運動の真っ只中にいたのにもかかわらず…だ。 【A】 『ゴータ綱領批判』は、前進社新書(マルクス主義基本文献学習シリーズ1)出版後に、何かの学習会で学んだ。 【Y】 1)『ゴータ綱領批判』は何回読んでもよく分からない、マルクスも、なぜこんな細かいことに目くじらを立ててこだわるのだろう、ということがずっとあった。 【B】 『ゴータ綱領批判』の学習が、とても重要なことだったということが分かりました。私たちが11月集会に向かう過程でぶつかっていた問題が、今回の講義、その後の討論の中ではっきりしたし、自分がぶつかっていた壁がどういうものだったのか、今後の方向性も含め、分かったような気がした。 【i】 マルクスは、社会主義像の詳細な見取り図を描かなかった。何故なのだろうか。おそらくマルクスとしては、「社会主義革命とは人類の前史から正史への転換点であり、それを担うプロレタリアートの事業である。予め決められたプログラムにのって進めていくというようなことでは、とてもこういった大事業は達成できない。だから、社会主義像など描けないのだ」という気持ちであったのではなかろうか。 【W】 『ゴータ綱領批判』の学習は、09年11・1労働者集会の大成功をもって切り開かれた今日の階級情勢において、決定的な意味をもつ。 【E】 『ゴータ綱領批判』そのものの理解という意味でも、革共同の綱領草案−11月国際連帯の一連の闘いをやりきった今日の地平をとらえ直せたという意味でも、非常によかった。 【Q】 本日の学習会は、討論をとおしてかなり内容が深まったと感じた。この間の学習会をとおして思うことは、マルクスの時代と現代との相似性だ。『ゴータ綱領批判』についても、ますますその感を強く感じた。 【r】 マルクス主義基本文献シリーズ『ゴータ綱領批判』が出された時は、地区に著者が来られて、講演学習会をしたのを憶えています。その時の話で今も印象に残っているのは、「共産主義は遠い未来の話ではなく、資本主義そのもののなかに既に準備されているのだ。共産主義は、ほんのちょっと先にもうあるんだ!」と言われていたことです。それまで、ぼんやりとしたイメージしかなかった社会主義や共産主義が、なるほど資本主義社会に成長してきてて、あとは労働者階級が自らの力を自覚し、政治権力をとればできるんだ、という希望を持ったことを思い出します。 【O】 ◎討論が非常に重要だったと思います。 【X】 講師の話を聞いていて、内容は綱領批判ですから、多くのことが展開されているので、これはこれで一つひとつが重要だなと思います。 【n】 最初のN同志の発言には驚きましたが、訪韓の熱気との温度差でしょうか。私には、マルクス・エンゲルスの怒りが、かなりストレートに入ってきました。「批判ばかりで具体的な方針が出てない」との意見もありましたが、あまりにもとんでもない内容なので、マルクスも、ただただ怒っているのではないでしょうか。 【U】 様々な討論がありましたが、私には、今回の講義は分かり易かったです。 【G】 『ゴータ綱領批判』の全体をつかむことから改めて学習し、ドイツ社民党が直面した状況についての把握や、パリ・コミューンとは何だったのか、ということを改めて学習する必要性を感じました。多分、今日の階級闘争の現実とマッチするものがあり、多くの教訓に満ちていると思います。 【j】 ○久しぶりに『ゴータ綱領批判』を読みました。 【J】 『ゴータ綱領批判』が、革命家マルクスの真骨頂にふれる題材であることが改めて印象に残った。プロレタリアートの激しい怒りと闘いを、いかにして資本主義に対する根本的な批判、階級関係の根底的な転覆、賃労働と資本の関係の廃絶にまで高めることができるか。『ゴータ綱領批判』のテキストの行間から、そうした強烈な問題意識をもって現実の労働者階級の闘いに身を置いたマルクス・エンゲルスの熱い想いが伝わってくる。 【a】 ○『「ゴータ綱領批判」の持っている重要性』−大情勢と党の綱領の決定的意義 【R】 講義を受けて、社民の反動的実態を心底から確認するものとなりました。とりわけ今日における4者4団体派−塩川一派などは、その最たるものであり、これとの党派闘争は徹底的でなければならないということです。 【F】 今回、『ゴータ綱領批判』そのものを逐一読み解いていく形で提起があったが、ラサール派と一体化しようとするドイツ社会主義労働者党の幹部に対するマルクスとエンゲルスの怒りと批判は、私たちの体制内勢力・指導部への怒りと批判そのものだ。 |