第10期第2回 マルクス『賃労働と資本』講義概要 講師畑田 治 ●賃金奴隷の解放闘争宣言 『賃労働と資本』は賃金奴隷制の告発の書、賃金奴隷の〈解放闘争宣言〉だ。『賃労働と資本』の講演および連載が行われた時代、ヨーロッパは恐慌と革命の時代だった。労働者が〈生きるための闘い〉に嵐のように決起している時代だった。『賃労働と資本』はそのような時代の空気の中で書かれた。 ●どうして労働者は貧しいのか? 「もし労働者たちに『君の労賃はどれだけか?』とたずねるならば、彼らのある者は『私は1労働日につき1マルク受け取る』『私は2マルク』というように答えるだろう」 ●労賃は労働生産物の分け前ではない マルクスは、賃金は「労働生産物の分け前」ではないことをはっきりさせている。 ●「労働力の商品化」から不可避となる「疎外された労働」 なぜ労働者は労働力を売るのか? 生きるためだ。労働は本来、彼自身の生命の活動、生命の発現である。ところがこの生命の活動を、資本主義のもとでは労働者は、必要な生活手段を確保するために第三者(資本家)に売らざるを得ない。そうしなければ生きていけないのだ。 ●賃金労働を歴史的に見る 労働力はいつでも商品だったわけではない。労働はいつでも賃労働、すなわち「自由な労働」だったわけではない。おおざっぱに階級社会の歴史を振り返って、労働者がどのように搾取されてきたかを見よう。 ●賃金制度が搾取を覆い隠す 賃金奴隷制のもとで労働者は、自分自身を断片的に売る。自分の生命の8時間・10時間・12 時間・15時間を、日ごと毎日、資本家にせり売りする。労働者は、好きなときにはいつでも資本家のもとを去ることができるが、労働力の売却を唯一の生計の道とする労働者は、自分の生存を断念することなしには、資本家階級を見捨てることはできない。 ●資本とは「賃労働を搾取する支配力」 それでは、これほどにも労働者を搾取する資本の正体とは一体なにか? マルクスは本書で、唯物史観を基礎において資本の本質を解明している。 ●資本の本質は社会的な力 第2に、資本の本質は社会的な力だ。それが私物化されている。 ●労働者がすべての資本価値をつくり出す 労働者は自分の労働力と交換して賃金を受け取るが、資本家は労働者に生活手段を与え、労働者の生産的活動、創造的力を受け取る。こうして資本家は、自分が消費する資本を労働者の労働で補充するだけでなく、投下資本よりも大きな価値を受け取るのである。 ●資本の競争は労働者を競争させ恐慌を引き起こす 資本の価値増殖のための運動は、どういうことを引き起こすか。 ●労働組合に団結して闘おう 『賃労働と資本』の本文は「つづく」で未完で終わっている。この続きを、講演のもととなった手稿「労賃」(1847)で補いたい。 |
討論から●i 僕は、マルクス主義を自分なりに勉強はしてきたつもりだけども、具体的にそれをどういうふうに生かすのかは、この党学校で向こう1年間学んでいかないといけないと決意を新たにしています。 ●講師 今言われたことはそのとおりだと思います。唯物史観というふうに確認する以上、今言われた「生産において人間は」という辺りのことは、われわれの労働のあり方とか、社会主義論とかにもつながってくることだし、しっかりと確認することは重要なことだと思います。 ●N 今日は、聞いていてすごく怒りを持ちました。資本家は、労働者の労賃をただの原材料費扱いしている。労賃は、労働生産物の分け前でも何でもない。それだけでも怒りなんです。資本家は本当に許せないと今日は強く感じました。とくに、資本が資本家がただ私物化しているだけであって、実は全部労働者のものだという。だから、私たち労働者の手で取り戻さなくちゃいけないんであって、この社会を絶対に変えてやる、そこが強く入ってきた。 ●I 質問ですが、レジュメの「近現代の資本制(賃労働制)」という所ですけど、「労働者は、好きなときにはいつでも資本家のもとを去ることができる」と言っていて、最後に「しかし資本家階級に属する」と。これは、どこかにあった「資本家というのは労働者が存在しなければ少しも価値を生み出さない。したがって生きていけない。また労働者も、革命が達成されるまでは、資本家の下での労働を自分の生活を維持するために続けていかなきゃいけない」というのと似ているんですけど、「しかし資本家階級に属する」。この「属する」というのは、資本家による労働者階級への賃金を媒介にした支配関係を意味するのか、それとも他にもっと意味があるのか? ●講師 労働者は、どこかで働いていたとして、その会社を辞めることはできるけれども、資本主義社会の下では、生きるためには、別の資本家に雇われなければいけない。つまり、誰々の、あれこれの資本家には属さないけれども、階級として見たときに資本家階級につながれている。「属する」というのは、つながれているという意味です。 ●G レジュメにある『賃労働と資本』からの引用部分の「しかしそれは、彼の社会的状態を犠牲としてである」の「社会的状態の犠牲」と、その後の「労働者を資本家から分離する社会的間隙は拡大された」という部分を、もう一度説明していただきたい。 ●講師 これは、同じことを言い換えている。マルクスを踏まえて、みんなで議論するということだと思うんですけど、搾取を強めるということは資本家が支配する力を強めることを意味する。資本主義の具体的な歴史過程を見ても、国家権力がいろんな形で強大化してきた、軍隊や官僚機構など、資本家が搾り取った剰余労働をもとにして労働者を抑えつけるものを強めてきた。それから、生活程度も含めて、いろんな意味で「社会的間隙は拡大された」。 ●j 今の部分について、講師が言われた内容を含むと思うんですけど、それプラスもう少し自然に理解するというか、要するに、労賃が上がっても利潤率がそれ以上に上がるということを言っているわけです。だから、上がったように見えて、実は鎖は強まっているという意味と、それからもう一つ、労働者の生活の状態というのは、あくまで社会的な基準で計られるのであって、一定生活レベルが上がったと言っても、他の社会的な上がり方から見て相対的に上がっていないのであれば、それは実質上下がっているんだというような意味と、「社会的間隙」という場合でも、資本家がウンと金儲けしているのに、それと比べたら間隙は拡大している。そういう意味では、賃金は上がっているかもしれないけど、社会的な状態としては、「格差」という言葉を使えば、そこも広がっているんだというふうにも読んだんですけど。 ●D 最近学生と似たようなことが論議になって、その時彼が言っていたのは、労働者の平均賃金によって買える物というのは、バブル期と今、どの程度なんだというようなこと。これは、先ほど言われていたように、欲求とか生活水準というのは社会的に決定されているものだから、いかに貧困であっても原始時代よりましだと言っているのと同じような論議だと。今の生産レベルで成立しうる社会的な生活レベルってあるわけで、それがバブル期なんかと比較にならないくらい高いと思うんです。バブル期と同程度だとすると、生産力は上昇しているんだから、生活水準としては下降しているということなんじゃないのか、という話で彼とは一致できたかなと思ってます。 ●j だけど絶対的にも下がっているでしょ、バブルの時と比べたら。 ●D 絶対的にも下がっている気はしますけどね。 ●n 今彼が言ったのは、その前の物質的状態の方じゃないですか? 要するに、賃金が上がって、買える物だとか、住む部屋だとか、そういう物質的状態が改善されても、社会的状態というのはそうじゃない、もっと全然別な部分が犠牲にされている。自分の社会的家族関係だとか、地域関係だとかを犠牲にしてってという文脈じゃないかと思うんです。 ●講師 「分離する社会的間隙」。階級支配もやっぱり結構強化されるということなんかがイメージとしては浮かびますけどね。資本主義の矛盾が顕在化してくる中で、生産力の発展と同時に、労働者の革命を抑えつけるために、いろいろ資本家は装置をつくっていく、国家権力を強くしていくとか、それから会社における労働者管理も強めるとか。それから、生活水準の格差という問題もあるかもしれない。 ●D 生活水準がすごい離れてということと、支配構造が強くなっていくということは一体なんじゃないかという感じはしますけど。 ●講師 貧困と言っても、あるいは賃金奴隷と言っても、マルクスの時代の生活水準と比べたら、食べている物とか、着ている物とかでのレベルが良くなったというのは事実だけど、それは資本主義社会の中で、労働者が搾取されながら蓄積してきた技術とか能力とかのおかげです。つまり、資本家のおかげじゃなくて労働者の力によるものだということを言いたい。 ●G 自分の中でもいくつか整理していくキッカケになりました。ここの部分は、前段の「『資本家と労働者の利害は同一』とは?」という、講師が議論する所だと言った所ですけど、今の階級社会が非和解だということを論じていく場合に大事な所なんじゃないかなと思うんです。ブルジョアジーは資本家と労働者の未来は一緒だと、会社が儲かれば労働者も豊かになるんだというイデオロギー、考え方をずっと植えつけてきていると思う。 ●a 私たちの感覚って、例えば、自分が30万円給料もらっている人は、せいぜい比べても100万円くらい給料をもらっている人。だけど私、今回の大恐慌で一番頭をガチンとやられたのは、アメリカの2つの住宅公社のあの幹部がもらっているあの額。今まで私も階級闘争をやってきて、あんなにもらっているとは思わなかった。賃金と利潤の関係というのは、ここまでの大恐慌が起きる時代の中で、そういうところまで行き着いたんだという。だから、オバマも怒らざるをえない、怒らなかったらオバマ自身完全に打倒されちゃう。そういう点では、私たちの比較する対象は狭いと思う。 ●講師 それは、プロレタリアートの決起にマルクス自身が希望を持ったし、力を感じたということだと思う。 ●d 今日の最初の所で、「賃金奴隷制の社会である」、それから絶対に「資本家と労働者は非和解である」、それから「労働組合は労働者の団結体であり、旧社会を転覆し、新しい社会を建設する武器である」、ここをしっかりと踏まえた上で、資本・体制内派との党派闘争に絶対に勝利しようと提起されて、最後に日共の不破のことが出されたんですけど、ついこの間、うちの地域で日共と大論争をやった、9条の会をめぐって。一つは裁判員制度、もう一つは日米安保問題、それともう一つは憲法25条という最低限の生活を保障できるかということをめぐっての大論争だったんです。 ●W マルクスが、いかに労働者にわかってもらうかということで『賃労働と資本』を書いたし、講演したということで、今日の学習会は、まさに労働者の怒りを体現する、それを表明してスパッと入ってくるという感じがものすごくしました。とくに冒頭に、労賃とは何なのか、賃労働とは何なのか、それをまずハッキリさせると。そしてもう一つ、資本とは何なんだ、というね。僕は、その2つをハッキリさせる、これほどわかりやすい学習会はあまり経験がなかったんだけども、本当に労働者が実感としてそうだ、と感じる内容、提起だったと思います。 ●P 地区の労働学校で、賃金の問題で議論になった。ここで言う賃金は、8時間労働分の報酬という形で支払われたけども、実際は賃金分はその半分である、搾取率100%だから、あとは無償労働だという。 ●講師 いろんな形で賃下げする攻撃。今、ピンハネと言われている中身も要するに搾取だと思う。ピンハネという言葉は労働者の感覚だし、それはそれで使うべきだと思うけど、搾取とピンハネを区別するところに意味があるんじゃないと思う。 ●h 今日の学習会で初めて知るのもおかしい気もしますが、資本主義社会というのは奴隷社会だというふうにあんまり思ってなくて、僕らは戦後民主主義で、思想・信条の自由が、表現の自由があって、宗教選択の自由があって、僕なんかマルクス主義者になって、革命家になって自由だと思ったんですけども、実際は奴隷社会で、労働者が資本家階級にものすごい力で隷属させられている。レジュメにモストの『資本と労働』から引用があったけど、「検事・政治家・兵士たちの全部を合わせたよりも」ものすごい強い力で、賃金制度で資本家に縛りつけられている、その辺が僕には衝撃的で、なんだかんだ言ったって、資本主義社会の中では労働者は資本家に雇われないことには生きていけないわけですから。 |
受講レポートから ★『賃労働と資本』のレポートです。【K】 @講師が特に強調していますが、賃金労働そのものが、労働者を資本家に縛り付ける仕組みである。資本主義社会は最も完成された奴隷制社会であるということが、やはり核心だと思う。労働者を支配するには、働かせればいい。労働そのものが階級支配の力になっている。だからこそ、職場生産点での闘いが決定的で、「労働運動の力で革命を」のスローガンはドンズバです。 【J】 資本制社会は賃金奴隷制である。−この一点を理解することで、革命的共産主義の党に結集する決定的な動機づけが生まれる。『賃労働と資本』は、それ位の武器であることを、昨今の労働運動の現場で再認識している次第である。 【h】 今まで、資本主義社会が奴隷制社会だという認識が弱かった。『賃労働と資本』で、賃金奴隷制の廃止を強烈に提起していることがよくわかった。まさに、賃金制度は「検事・政治家・兵士たちの全部を合わせたよりも」もっと強い力で、労働者階級を資本家階級につないでいる。労働者の解放とは賃金制度の廃止以外にないということが鮮明になった。働けば働くほど労働者が資本家に縛りつけられる社会ということがよくわかった。 【y】 今日の学習会において、これまでの『賃労働と資本』の学習と違う内容なのだということを討論を含めて、いくつか学んだと思います。 【a】 ○5月の日韓労働者シンポジウムで、「代案社会」と表現された課題は、労働者党建設の展望が、今日提起されたマルクス主義がわれわれの力を解き放つ勝利する理論、われわれの理論として前進していることを実感するが、より一層自らのものとすることの重要性を感じた。 【b】 今日の講義や参加者のみなさんの意見や質問を聞いている間中、この『賃労働と資本』の内容を学生運動に当てはめればどうなるのか?ということを考えていましたが、なかなかスッキリしないところで時間となってしまいました。確かに、今の学生、大学は、賃労働と資本の関係に組み込まれています。教育・研究は資本の利益の為のものであり、学生はそれらから疎外され、単位や資格で競争し、自己の労働力商品としての価値を高める存在とされている…等々いろいろと考えるのですが、どうしても頭がこんがらがってしまいます。今、法大の闘いを中心に、学生が教育を資本から奪還しよう!と闘っているのですが、そもそも教育とは何なのかという点も含め、革命論的な内容を闘いの中でつくっていく必要があると改めて感じました。 【Q】 今日、党学校に初めて参加して改めて、今マルクス主義を学習することの意義を強く感じました。 【q】 『賃労働と資本』でマルクスが労働者に分かってもらいたいものは何か、で3点をあげていたことが非常に重要だと思った。1つは、賃金奴隷制の社会であること。今までもそう理解していたつもりだったが、そこが根本であり、労働者はそこを離れて生きていけないようにガンジガラメにされていることに怒りを新たに感じた。 【F】 大恐慌・戦争を革命に転化し、資本主義にトドメを刺すために、「労働者の奴隷状態の根源は何か、ブルジョアジーの階級支配の力の根源は何かをはっきりさせることで、革命の展望をつかもう」という提起、この両者の非和解的関係が「賃金というありふれた形態によって覆い隠される」点にいちばんハッとさせられた。 【d】 最後のh同志の発言、スッキリ!しました。 【p】 『賃労働と資本』は、過去に何回か学習してきたテーマであるが、やはりこれまでの学習は階級的労働運動の実践がほとんどないか、あっても微々たるものであって、マルクスの提起しているテーマについて生きたものになっていなかった感を否めない。 【f】 今回の講義はかなり良かったと思う。 【Y】 『賃労働と資本』については以前にも何回かやってきましたが、今回は驚きの連続でした。 【S】 1.とてもわかりやすく、新鮮でした。何より階級的怒りに満ちた提起が良かったです。この間の動労千葉労働学校の実践、『新版 甦る労働組合』の発刊、そして何より職場における階級的労働運動の実践の中で、党の理論的活動もより鋭くとぎすまされてきたのだと思いました。 【D】 ◎『賃労働と資本』の核心は、「資本主義が賃金奴隷制である」こと。 【G】 全体の提起をとおして、路線性に貫かれたものとしてあることを強く感じました。レジュメの「はじめに」で@〜Bを冒頭で確認していることが、『賃労働と資本』だけでなくマルクス主義そのものを学ぶ上での不可欠な点だと思います。 【n】 『賃労働と資本』については、地区の労働講座で講師の講義を受けたばかりでしたし、今までにも東京労組交流センターの労働学校でも何回も聞いたのですが、何度やってもあまり理解が深まっていませんでした。どうも今までのものは、「労働」と「労働力」はどう違うのかとか、「労賃」は労働の報酬(分け前)ではなくて契約時に既に資本家から受け取っているんだとか、用語解説的な所が強調されていて、そのことが妨げになっていて先に進めなかったようです。 【i】 今回の学習会レジュメは、「『甦る労働組合』×マルクス主義で武装しよう」と題されて書き始められていました。先月の第1回講座の内容と重ねあわせる時、われわれの学習方向がよく示されていると思います。大恐慌の時代すなわち革命の時代において、生きたマルクス主義を構築し、実践していくということでしょう。 【W】 賃金労働とは何なのか。これは賃金制度という鎖でつながれた奴隷制である、ということが鮮明となった。 【B】 賃金にしばられているということが実感としてあったのですが、これほどひどいとは考えていなかった。職場生産性を上げ、楽に仕事ができるようになり生産数が伸びると賃金が上がると考えていたのだが、ますます賃金奴隷になっていくとは許せないことだ。資本という意味が今回よく分かった。現場でのたたかいの重要性があらためて問われた。 【R】 今回はっきりしたこと。 【v】 街頭やその他でよく、「社会主義になったら労働者はなまける」という人がいます。しかし労働とは、共同(協働?)の作業であり、社会をつくっていく本源的活動であり、本来活き活きした楽しいものです。階級社会の登場によって、労働はいみ嫌われ疎外されるものになった(レジメp5)。「資本と労働者は絶対非和解である」「賃金制度は強い力で労働者を資本家に縛りつける」「資本とはブルジョア的生産関係である」。資本の本質は社会的な力を私物化して所有している…。この構造そのものを転覆すること。大学も職場も全部労働者階級の手に取り戻すだけだ。それができるのが労働者階級だけだというのは「資本が資本たりえるのは労働者が労働しているから」(レジメp8)。 【e】 ・『賃労働と資本』は、4章を除いてアッサリと読んでいました。しかし、今日の論議の中で4章の重要性と、そこから捉え直しての『賃労働と資本』全体の革命的意義を再獲得していかなければ、と思いました。 【P】 私の問題提起は、価値増殖された部分を搾取されている生産関係に対する現実への怒りを組織することは結構大変なこと(−ここで勝負しなければならないが)。しかし、10時間働いて5時間分しか払われていない目に見える収奪=ピンハネの搾取構造に対する怒りを組織することも現在的には重要なこと。つまり、日雇い労働者だけでなく、教師も自治労も全逓も、サービス残業という生産関係の構造化で、目に見えるピンハネをやられているという指摘、自覚です。 【I】 自分は精神に障害を負った者ですが、過去一貫して労働を続けてきました。ただし、労組に入った経験は一度もなく、ただ、自分の生活を維持するために「嫌々」職場を70ヶ所位転々としてきました。今の地区に移って、はじめて組合活動をしている仲間と接し、その中から漠然としたものはわかってきました。しかし、今日の『賃労働と資本』の講義を聞いてハッキリしたことは、労働という労働者の生命と生活をかけた行為によって、資本が剰余労働を強制し、その中から剰余価値をうみ、このサイクルは恐慌の時代であってさえ続くということです。 【H】 階級社会が奴隷制−農奴制−賃労働制と続いてきたことについて。では、資本主義の賃労働制というのは、奴隷制よりましなのか? それは、やはり賃金奴隷制というように奴隷制そのものだし、また“すべてが支払労働として現れる”ということで、搾取ということを隠してしまう。労働者と資本の非和解ということを曖昧にしている。このあたりが、今回の学校で改めてはっきりしました。 【X】 今日の学校で『賃労働と資本』の中で、マルクスが改めて分かりやすくつかめたように思う。 【N】 『賃労働と資本』の講義を受けるのは数回目ですが、今回特に「怒り!!」がわいてきました。 【j】 久しぶりに読んだのですが、講師の熱のこもった講義もあり、とても感動しました。 【Z】 後の『資本論』『賃金・価格・利潤』を踏まえて、なお『賃労働と資本』を学習する意義は、ということから考えると、厳しい言い方かも知れないが、成功したとは思えない。ただ、『資本論』『賃金・価格・利潤』から『賃労働と資本』を説明したにすぎないと思う。 【U】 『新版 甦る労働組合』と『賃労働と資本』は、共通な部分が多いと思った。その最大のものは、「資本主義」というスキームを真っ向から突き崩すという点に立っているということだろう。 【M】 何回か学習会をやり、自分がレポーターをやったこともありましたが、当時とは全く違う感動をもって学習できました。 【r】 ・冒頭「はじめに」において、『甦る労働組合』×マルクス主義で武装しよう、とあるが、この1年間を通じて党学校で学んでいく基本的な立脚点を常に鮮明にさせて、今後の受講に臨みたいと思います。 |