ZENSHIN 2013/11/04(No2607 p08)
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週刊『前進』(2607号1面1)(2013/11/04 )
改憲・戦争に進む安倍倒せ 国際連帯で非正規職撤廃を
新10万筆署名運動を推進し 解雇撤回・14年最高裁決戦へ
11・3全国労働者集会 闘う労働組合を全職場に
3労組共闘の団結が大前進
(写真 国鉄1047名闘争の勝利と闘う労働運動の復権へ日比谷野外音楽堂を埋めた5600人が団結ガンバロー【11月3日 千代田区】)
(写真 国鉄闘争全国運動と署名運動呼びかけ人、1047名闘争当該がそろって壇上に上がり「新10万筆署名を集め最高裁で解雇撤回を」とアピールした)
国鉄決戦を基軸に、闘う労働組合を全国の職場につくり出す大きなうねりが始まった。11月3日、日比谷野外音楽堂で開かれた全国労働者総決起集会に5600人が結集した。労働者の団結と労組の闘いを抑え込んできた新自由主義の30年を覆す実践が各職場で力強く闘われている。安倍を倒し労働組合の力で社会を変えられると全参加者が確信した。(次号続報)
分割・民営化に決着を!
(写真左から 港合同 中村吉政委員長、動労千葉 田中康宏委員長、関西生コン支部 武谷新吾書記次長)
集会の冒頭、呼びかけた3労組が訴えた。
全国金属機械労組港合同の中村吉政委員長は、南労会争議に勝利的に決着をつけたと報告し、団結権を否定する橋下大阪市長の攻撃と対決すると宣言、「どんなに強そうに見えても弱点のない敵はいない」「執念をもって闘えば活路は開ける」と強調し、労働運動の現状を突破する鍵は国鉄闘争にあると提起した。
動労千葉の田中康宏委員長は、「労働者に襲いかかっている大失業、総非正規職化、改憲と戦争の攻撃に、もう我慢ができないという声が噴き上がっている。その時に必要なのは闘う労働組合をつくることだ」と指摘した。そして、「動労千葉鉄建公団訴訟の最高裁闘争にはすべてをかける価値がある。国鉄分割・民営化に決着をつければ社会は変えられる」と力説し、「根本から社会を燃やし尽くす怒りを。闘う労働組合をつくり社会変革を」と訴えた。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾書記次長は、「闘ってかちとった権利と労働条件を守るためには組織拡大が必要だ」と強調し、組織破壊に立ち向かう思想闘争の重要性も指摘して、組織拡大の先頭に立つ決意を述べた。
連帯のあいさつに立った三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長は、市東孝雄さんの農地裁判が東京高裁での闘いに入る中、「霞が関に攻め上る」と宣言、続いて市東さんも「必ず勝利すると信じ闘い続ける」と決意を述べた。憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士は、安倍の攻撃が現に戦争に道を開いていると警鐘を鳴らし、裁判員制度廃止の11・14デモを呼びかけた。星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さんは、星野文昭同志奪還の闘いと階級的労働運動の発展は一体だと強調した。
国際連帯アピールでは、はるばる韓国から来日した労働者約30人が壇上に並んだ。民主労総ソウル地域本部のイジェウン本部長が、人間の共同性を破壊する新自由主義を弾劾、原発への怒りを表して、より強固な国際連帯をと訴えた。解雇者復職闘争特別委員会のイホドン議長は、民営化反対・解雇撤回の原則を貫く動労千葉の闘いを労働運動の一般原則に、と強調した。
ドイツ機関士労組組合員でベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会のクルト・シュナイダーさんは「自らの課題を闘いぬくためには国際連帯が必要。そのために私はここにいる」と発言した。滞日・在日外国人労働者の訴えが続いた。
国鉄解雇はJRの責任だ
国鉄1047名解雇撤回の最高裁決戦に向けての訴えがなされた。国鉄闘争全国運動呼びかけ人の葉山岳夫弁護士は、「JRに責任なしの03年12月最高裁判決の前提は崩れた」「不当労働行為を認定するなら原職復帰は当然」と述べ、最高裁決戦の課題を明らかにした。元安芸労働基準監督署長の大野義文さんは、「この国がわれわれを殺しにかかっている以上、あきらめることはもうできない」と発言した。
最高裁署名呼びかけ人は、東京高裁判決を「団結権を保障した憲法28条を解釈改憲した」と弾劾、同じく最高裁署名呼びかけ人の元国労闘争団員は、JR北海道の現実に触れ、「安全は労組が当局を追及して闘うことによってしか守れない」と強調した。
1047名闘争当該が並んだ。動労千葉争議団の中村仁さんが「高裁判決は首を切っても金を出せばいいという判決。不当労働行為なら解雇撤回しかない」と怒りをほとばしらせた。国労旭川闘争団の成田昭雄さんは、保線労働者としてJR北海道の現実に怒りを表し「原因は分割・民営化。まっすぐ分割・民営化に反対し解雇撤回へ闘う」ときっぱりと述べた。
動労千葉の山田護幕張支部長が外注化阻止の決意を述べ、動労水戸の石井真一委員長は常磐線の竜田延伸を絶対阻止すると宣言した。動労総連合の青年労働者もライフサイクル強制配転との闘いなどについて訴えた。
福島診療所建設委員会呼びかけ人の佐藤幸子さんは、福島の子どもたちの命をないがしろにする安倍政権に強い怒りを表し、国労郡山工場支部の橋本光一さんは被曝車両K544を巡る闘いを報告して、来春3・11の闘いを呼びかけた。元全日本運輸一般労組原発分会の斉藤征二さんは「2千万人が非正規職にされた社会は、労働者が闘う労働組合に結集しなければ変わらない」と訴えた。
(写真 動労千葉と動労水戸の現場組合員は検修・構内業務の外注化粉砕に向けた固い決意を表明した)
改憲反対労組声明を提案
安倍・橋下打倒へ闘う労働者の発言が続いた。入れ墨調査を拒否した大阪市交通局の労働者、安田匡(ただす)さんは、「デマから始める橋下は引きずり下ろせる。道頓堀に沈んでおれ!」と怒りをたぎらせた。愛媛県職労の宇都宮理委員長は公務員賃下げと闘う決意を述べるとともに伊方原発再稼働阻止を訴えた。
小竹運輸グループ労組の中村伸幸委員長は、組合結成以来の資本の組合つぶし攻撃との闘いを報告し、今も続く配車差別の中で団結を守りぬくと発言した。職場で過労死した労働者の遺族も闘いへの決意を語り、会場から大き拍手が送られた。
憲法改悪阻止のアピールを、とめよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長が行い、国家安全保障会議設置法、秘密保護法の制定を阻止し、戦争と改憲を国際連帯で止めようと訴えた。沖縄行動団の富田晋さんは、辺野古新基地建設を始めとした戦争攻撃を止めるのは国鉄闘争を基軸とした労働組合の闘いだと強調した。
憲法改悪反対労組声明を港合同の木下浩平執行委員が読み上げ、「改憲反対は労組の課題。この声明をあらゆる労組に持ち込もう」と訴えた。
教育労働者、郵政非正規ユニオン、医療・福祉労働者、全学連のアピールが続いた。関西生コン支部は組織拡大の教訓を語った。
集会後、日比谷から東京電力本店前、数寄屋橋交差点から東京駅前を通るデモに出た。デモ隊は、右翼の敵対と警察の妨害をはねのけ、「解雇撤回、安倍打倒」の叫びを都心に響かせた。
8面の記事と写真に続く
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週刊『前進』(2607号2面1)(2013/11/04 )
国際連帯で新自由主義と闘い民営化阻止・非正規職撤廃を
秘密保護法=改憲・戦争の安倍倒せ
11・3全国労働者総決起集会は、「今こそ闘う労働組合を全国の職場に!」を最大のメインスローガンに、全国、全世界から結集した闘う労働者の熱気と感動をもって圧倒的にかちとられた。全参加者が団結して闘うことの喜びと威力を実感し、エネルギーを体中に充てんして、安倍政権打倒と国鉄決戦勝利への新たなスタートを切った。この熱気と感動を全国の職場に伝え、11月訪韓闘争に決起し、階級的労働運動の前進、労組拠点建設と労働者党建設の一体的前進へ進撃しよう。
大失業・戦争と革命的情勢
「安倍政権と資本家どもをやっつけろ! 労働者には社会を変える力がある。団結した労働者と労働組合には、恐れるものなど何もない!」
これが11・3集会参加者全員の心からの思いであり、闘う決意だった。
今や労働法などなきに等しい職場状況が全国に広がっている。資本家は競って労働者の搾取を強化している。一日16時間以上の超長時間労働を連日強制し、休息・睡眠もとらせない。それを拒否すれば解雇。過労から事故を起こしても解雇。安全を無視し、商品が売れ残れば自腹で買い取らせる。組合をつくって闘いを始めれば仕事から外して給料を半減。こんな我慢ならない現実が横行している。商品の偽装やうそもまかり通っている。
これは資本主義・帝国主義の最末期の姿だ。外注化・非正規職化と超低賃金で過酷な職場状況と、福島原発事故やJR北海道の安全崩壊、そして米政府機関の閉鎖とデフォルト(債務不履行)の危機は、みな根っこでつながっている。すでに大恐慌下で新自由主義の崩壊が始まっている。だが世界の資本家どもは新自由主義政策がどんなに破産しても、それにすがりつく以外に道がない。
労働者が新自由主義への怒りを爆発させることは圧倒的に正義であり、それこそが時代を動かし、社会を変える力だ。国鉄分割・民営化以降、連合が資本の手先となって労働者の決起を抑えつけてきた。だが今や生き抜くために団結し、労働組合を結成し、資本と非妥協の闘いを開始する労働者が続々と生まれている。大恐慌時代の新たな荒々しい闘いのうねりが、全世界で巻き起こっている。
大恐慌は大失業と戦争と革命的情勢を生み出している。11・3集会は、その内容と国際連帯性、闘いの方向と展望において、世界の労働者階級の先陣を切り、勝利の道を指し示した。拠点建設を推し進め、職場闘争の勝利を積み重ねて、次なる決戦に突き進もう。
新10万署名=最高裁決戦へ
動労千葉の鉄建公団訴訟は、国労本部など4者4団体派と体制内勢力の10年4・9反革命(全面屈服条件での政治和解)を打ち破り、歴史的な勝利の展望を切り開いている。
控訴審の9・25難波判決は、採用候補者名簿の作成に当たっての国鉄当局の不当労働行為を認定しながら、国鉄改革法23条をペテン的に盾にとって「JRに責任なし」「解雇は有効」と強弁した。だが難波判決の論理はぼろぼろである。国鉄改革法体制は破綻している。9・25判決を打ち破り、14年最高裁段階の決戦で勝利する展望が開かれている。
「国鉄がやったことだから、JRに責任なし」という開き直りが、初めから通用していたわけでは断じてない。1986年の国鉄改革法の国会審議では、「国鉄が採用候補者名簿をつくるのは、JR設立委員会から委任されて補助者としてつくる」のだと政府は答弁していた。名簿をつくる主体はJR(設立委員会)だった。だからその後の地方―中央の労働委員会闘争で、「JRに不当労働行為の責任がある。JRは労働者を採用せよ」の命令が次々に出されたのである。それをひっくり返したのは98年5・28東京地裁判決だ。
その後、自民党が国労に「JRに法的責任なしを大会決定せよ」としつこく迫ったのも、国労にこれをのませなかったら「JRに責任なし」など通用しなかったからだ。だからそれ以降も、闘って勝利できる展望は大いにあった。実際、JR設立委員会(斎藤英四郎委員長)が名簿の作成にかかわったことも、井手正敬(国鉄総裁室長=当時)の文書証言などから完全に明らかになっている。
ところが、国労本部が98年5・28不当判決に屈服し、和解策動に走ったことでJRはますます開き直り、「国鉄の不当労働行為の責任はJRに及ばない」などという、戦後労働法制の原則をも無視した反動判決が続いた。こんなデタラメな判決は国労本部の総屈服によって初めて可能になったのである。
だが国労本部が総屈服しても動労千葉は、職場闘争と完全に一体のものとして解雇撤回闘争を闘ってきた。そしてついに、いったん採用名簿に載っていた動労千葉組合員の名前を葛西敬之(国鉄職員局次長=当時)らが名簿から外したことは明らかな不当労働行為であることを、本州の採用差別に関しては初めて裁判所に認めさせた。動労千葉は、国労本部のように改革法23条や裁判所の不当判決の前にひれ伏すのではなく、「間違っているものは、断じて認められない!」と絶対反対で闘い続け、それを全国の労働者に広く訴えて10万筆署名運動をも推進し決定的な地平をこじ開けたのだ。
今こそ動労千葉鉄建公団訴訟の勝利をもって国鉄分割・民営化以来30年近くの新自由主義攻撃のすべてをひっくり返す時である。1047名闘争の国労闘争団当該の労働者の再結集や、自治労・日教組など百万人の国鉄闘争支援陣形の再度の総決起をつくり出し、最高裁決戦へ巨大な運動を巻き起こそう。それこそが4大産別を始めとする全産別・全職場で連合の労働者支配を打ち破り、階級的労働運動の新たな前進を切り開く決定的な力になるのだ。
勝利を決める力は、第2次10万筆署名運動で集める署名の数だ。全国の労働者が寄せる署名の一筆一筆が貴重な決起だ。絶対に勝利しよう。
闘う拠点建設へ前進しよう
日帝・安倍は今国会で特定秘密保護法案、国家安全保障会議設置法案、産業競争力強化法案、国家戦略特区関連法案などの超反動法案を強行しようとしている。
特に安倍が先行成立を狙う特定秘密保護法案と国家安全保障会議設置法案は、集団的自衛権や戦争・改憲に直結する戦時立法であり、公務員労働者の監視・分断・大弾圧を狙うとんでもない悪法だ。労働者の決起で絶対に粉砕しよう。
労働者はすでに安倍のうそや正体を見抜き、戦争・改憲、消費大増税、福祉切り捨て、そして資本家救済の「アベノミクス」に怒りをたぎらせている。「民間活力が日本経済を元気にする」などと言っていた資本家は、電機・鉄鋼・造船など主要基幹産業で大恐慌下の過剰資本・過剰生産力の重圧にあえぎ、国際競争力も失い、今では国家の全面的なカンフル注射(超金融緩和、公共投資、企業減税)なしには生き延びれないほどに危機を深めている。
しかも、安倍政権は争闘戦の激化に痛撃され、オバマとの首脳会談もできないほどに日米同盟は危機を深め、領土問題や歴史認識問題で対中・対韓関係も破綻している。TPP(環太平洋経済連携協定)や福島原発事故問題でも絶望的危機を深めている。福島原発事故は、放射能汚染水や除染問題などなにひとつ打開の展望がなく、福島県民の政府・東電への怒りはますます非和解的となっている。
こうした中で安倍は国会会期中に再びトルコに行き、三菱重工のトルコ政府からの原発受注を全面支援した。トルコは日本と同じ地震の多発地帯だ。そこに日本政府はまったく無責任にも原発を売り込もうとしている。安倍政権は国内で原発の再稼働も新規建設も阻まれている中で、輸出にのめり込んでいるのだ。
11・3の歴史的地平を引き継いで、直ちに11月訪韓闘争に立とう。そして国鉄決戦と反原発決戦の発展を軸に、11〜12月闘争から2014年の決戦へ突き進もう。
「裁判員制度はいらない!大運動」が呼びかける11・14最高裁デモ、百万人署名運動が呼びかける11・22集団的自衛権反対・秘密保護法絶対反対の集会とデモに決起しよう。12・1星野全国集会の成功をかちとろう。
労組拠点建設、『前進』1万人読者網建設、党と労働組合の一体的建設へ、ともに闘おう。
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週刊『前進』(2607号2面2)(2013/11/04 )
11・13 動労総連合 強制出向訴訟へ
職場闘争と一体で勝利開こう
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【要項】動労総連合出向無効確認訴訟
11月13日(水)午後1時30分開廷
東京地裁527号法廷
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週刊『前進』(2607号3面1)(2013/11/04 )
「特定秘密保護法」粉砕を
戦争国家体制構築へ情報統制 公務員労働者に監視と大弾圧
(写真 2800人が“法案反対” 特定秘密保護法案に反対する集会が10月29日夜、東京・日比谷野外大音楽堂で開かれ、自治労・日教組を始めとする労組を中心に約2800人が結集し、戦争・改憲を進める安倍政権に怒りをたたきつけた。主催は平和フォーラム。団結ガンバロー三唱後、国会に向けてデモを行った)
安倍内閣は10月25日、特定秘密保護法案を閣議決定し、国会に提出した。本紙2602号でも明らかにしたように、これは国家による情報統制と戦争国家体制の構築を目的とし、そのために特に公務員労働者を徹底的に監視・分断し弾圧する希代の悪法である。11・3集会の成功を引き継ぎ、労働組合が先頭に立って秘密保護法絶対阻止、安倍政権打倒の闘いを巻き起こそう。
今回提出された秘密保護法案は、@防衛、A外交、Bスパイなどの「特定有害活動」の防止、Cテロ活動の防止の4分野のうち、「漏洩(ろうえい)が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがある」と政府(行政機関の長)が判断したものを「特定秘密」に指定し、公務員らが漏洩した場合、未遂の場合も含め最高で懲役10年の厳罰を科す。
政府の不正や腐敗を暴く内部告発などを徹底的に取り締まるほか、Bの「特定有害活動」は「安全保障に支障を与えるおそれのあるもの」と規定され、対象を無限に拡大できる。政府の一存で指定される「特定秘密」は現時点でおよそ41万件にのぼるとされ、何が特定秘密なのかは明らかにされず、裁判所も確認できない。
また情報を取得した側も(未遂も含めて)懲役10年、さらに情報を得るために「共謀」「教唆」「扇動」した者も懲役5年とされ、公務員だけでなく全人民が弾圧の対象だ。例えば自衛隊の活動内容や原発関連の情報などを手に入れるために、市民団体などが公務員に働きかけるだけで「情報漏洩の教唆」に当たる。
さらに特定秘密を扱う公務員らには、後述するように政府が「適性評価」と称して徹底的な身辺調査を行う(首相や閣僚らは対象外)。
8割超が反対 抗議の声続々
この極悪の治安弾圧立法に対し、すでに圧倒的多数の労働者人民が猛然と反対の声を上げている。政府が9月に実施したパブリックコメントには、わずか15日間で9万件以上という極めて異例の多くの意見が寄せられ、その77%が法案に反対、賛成はわずか13%だった。10月25日の閣議決定の直後には、官邸前金曜行動で秘密保護法反対の声が多くの参加者から上がり、日本ペンクラブ、日本雑誌協会、日本書籍出版協会、新聞労連なども反対声明を発表した。26〜27日の共同通信の電話世論調査では反対が50・6%、今国会での成立反対は82・7%に達した。また28日には憲法・刑事法の研究者ら265人が同法案に反対する共同声明を発表した。
安倍政権は何ひとつ国民的合意など得られないまま、12月6日の会期末まで1カ月程度の審議で成立を狙っているが、全人民の怒りのいっそうの爆発は不可避だ。
安保体制強化狙う戦争立法
本法案は何より、集団的自衛権の行使解禁と一体の戦争体制構築の一環であり、戦前の軍機保護法(1899年制定、1937年に改悪)や国防保安法(41年制定)に相当する戦争立法だ。
安倍は10月25日の衆院本会議で「国家安全保障会議(日本版NSC)の審議をより効果的に行うためには、情報保全に関する体制が整備されることが重要だ」と述べ、28日から審議入りした国家安全保障会議設置法案と一体で秘密保護法の今国会成立を目指すと表明した。その背景には、米帝の新軍事戦略と一体で日米同盟の強化と戦争体制構築を図る狙いがある。
07年に締結されたGSOMIA(ジーソミア=軍事情報包括保護協定)では、日米が同等の秘密軍事情報の保護措置をとることが明記されていたが、昨年8月に米有力シンクタンク・CSIS(戦略国際研究センター)が発表した「アーミテージ・ナイ報告」は、「日本の現在の機密保全の法的枠組みは米国の水準に達していない」と指摘した。
この間、各国首脳への盗聴行為などが明らかになり窮地に陥った米オバマ政権は、徹底した情報統制・情報収集と治安弾圧体制の強化を日本に求めていた。安倍政権はこうした流れを受け、10月の日米安全保障協議委員会(2+2)の共同声明で「(情報保全の強化で)両国間の情報共有が質量双方の面でより幅広いものとなる」と確認、秘密保護法案の国会提出へと踏み切ったのだ。
かつて航空自衛隊が「復興支援」と称して、クウェートからイラクへの米兵の輸送を担っていたことが明らかになり、08年に名古屋高裁が「憲法9条違反に当たる」と判断した。秘密保護法案は、こうした自衛隊の活動内容を始め、日米両軍が行う一切の戦争犯罪を「特定秘密」として覆い隠し、それらを調査することまで徹底的に弾圧することを狙うものだ。
公務員を徹底的に身辺調査
秘密保護法案の今ひとつの狙いは、公務員労働者への徹底した監視と分断と弾圧を通じて、すべての労働者人民を国家権力の支配下に組み敷くことだ。
法案が特定秘密を扱う公務員らに義務づける「適性評価」は、「特定有害活動」「テロ活動との関係」、犯歴、精神疾患、飲酒習慣、借金の有無など経済状態、家族や同居人の国籍など多岐にわたる。徹底した身辺調査だ。とりわけ政府が指定する「特定有害活動」への関与を調査することで、公務員労働者が他の労働者と団結して声を上げることを徹底して圧殺しようとしている。
重要なのは、同法の調査対象は公務員に限らず、取引先や下請け・外注先の関連企業の民間労働者まで含むことだ。例えば自衛隊の武器や装備品の部品などを扱う企業の労働者も対象となる。
米政府資料によれば、アメリカでは12年現在、適性評価を経て秘密情報を扱う政府職員が約354万人、契約業者が約106万人、その他の対象者を含めると合計約490万人に達する。外注化・非正規職化と一体で調査対象を拡大し、「適性なし」とされた労働者から仕事を奪い、全労働者を戦争動員する地ならしを狙うものだ。
安倍政権は、超反動法案が目白押しの今秋国会で、この法案を何が何でも成立させようと突き進んでいる。原発問題、沖縄密約、TPP(環太平洋経済連携協定)、さらにはデッチあげ弾圧や警察・検察による証拠捏造(ねつぞう)を始め、無数のうそと情報統制で労働者人民を欺き続けてきた日帝にとって、今やむき出しの治安弾圧以外にその腐りきった階級支配を維持するすべがないのだ。そこに敵の危機と破産がはっきりと示されている。
11・3集会の歴史的成功を打ち固め、特定秘密保護法案と国家安全保障会議設置法案の成立を絶対に阻止しよう。
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週刊『前進』(2607号3面3)(2013/11/04 )
“秘密保護法絶対阻止”
東電本店から銀座へデモ
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■今後の予定
◎11月7日(木)8時半〜国会行動/正午〜霞が関デモ(日比谷公園霞門出発)
◎11月21日(木)8時半〜国会行動/18時半〜共同大集会(日比谷野音)
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週刊『前進』(2607号5面5)(2013/11/04 )
三里塚裁判傍聴を!
◎鈴木さん一坪共有地裁判
11月14日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎天神峰やぐら裁判
11月19日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2607号6面1)(2013/11/04 )
集団的自衛権と秘密保護法に絶対反対!11・22集会-デモへ
公務員労働者先頭に安倍倒そう
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【要項】11・22集会&デモ
STOP秘密保護法 集団的自衛権反対
11・22集会&デモ
11月22日(金)午後6時半 集会
午後8時 霞が関デモ
日比谷図書文化館・地下ホール(日比谷公園内・野外大音楽堂となり)
主催 とめよう戦争への道!百万人署名運動
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週刊『前進』(2607号6面3)(2013/11/04 )
韓国民主労総 パククネ政権打倒へ進撃
御用労組化拒み闘う全教組
11・3労働者集会には韓国民主労総の闘う労働者が大挙して参加した。続いて11月10日には、ソウルで全国労働者大会が開かれる。
民主労総の全国労働者大会は、1970年に「労働者も人間だ」と叫んで焼身決起したチョンテイル青年の精神継承を掲げて、毎年11月に開かれてきた。今年の大会はとりわけ重要な位置をもっている。危機を深めるパククネ(朴槿恵)政権が民主労総の破壊を狙う大攻撃をしかけ、これとの全面対決が死活のかかった重大な決戦となっているからだ。
(写真 全教組死守・パククネ政権打倒に向かって総決起を訴えるシンスンチョル民主労総委員長【10月26日 ソウル駅前広場】)
独裁政治復活阻止する決意
10月26日、ソウル駅前広場で、パククネ政権に対する民主労総の徹底抗戦を宣言する大集会が開催された。事前に公務員労組、金属労組、貨物連帯の集会が市内各所で開かれ、KTX(韓国高速鉄道)民営化阻止の集会が同じソウル駅前で開かれた。それらがすべて午後4時半からの民主労総総決起大会に結集し、7千人の集会となった。
あいさつに立った民主労総のシンスンチョル委員長は、「今日から全国労働者大会まで、民主労総が先頭に立ってパククネとの闘いに立ち上がろう。労働者全体が団結して世の中を変えよう。すべての責任は委員長が負う」と宣言した。
全教組(全国教職員労働組合)のキムジョンフン委員長は、政府が10月24日に全教組の労組認定取り消しを強行したことを激しい怒りをもって弾劾し、「24日はパククネが維新独裁体制への回帰を宣言した日だが、今日はその終末を告げる出発点だ」と叫んだ。
公務員労組のキムジョンナム委員長は、「80年5月の光州(蜂起)を闘った死者の血でかちとった民主主義と、87年労働者大闘争でかちとった労働基本権が、ことごとく無視されている」「全教組、特殊雇用労働者、非正規職労働者とともに、再び民主化を実現する大闘争にのりだす」と決意を語った。
金属労組のチョンギュソク委員長も、「全教組の非合法化は金属労組への破壊攻撃に直結する」「各個撃破を許さず、全労働戦線が一つになって闘おう。金属労組はその中心に立つ」と決意を表明。公共運輸労組・連盟のイサンム委員長が、パククネ政権が狙う鉄道・ガス・電気・水道・医療・空港など公共部門の大民営化攻撃を絶対阻止するとともに、「労働者が解放される世の中をつくろう」と訴えた。
最後に壇上で、「労働弾圧」「公約破棄」と書かれた箱をハンマーでたたき壊し、「労働者の権利を侵害したパククネはもはや大統領ではない!」との激烈な宣言がたたきつけられた。
夜7時からはパククネ糾弾のろうそく集会が開催され、参加者は1万5千人にふくれ上がった。パククネ政権打倒へ向け、闘う労働組合を先頭に猛進撃が始まった。
労組非合法化の攻撃と激突
韓国労働者人民とパククネ政権との対決は9月に入って一挙に非和解化した。大統領選挙時の不正が暴露され窮地に立ったパククネが、野党の国会議員を「内乱陰謀罪」で逮捕するなどの大弾圧に出たのがきっかけだ。パククネ政権は続いて、労働組合と労働運動に対する全面的な破壊攻撃にのりだした。その突破口として仕掛けられたのが全教組への攻撃だった。
9月23日、政府は全教組に、解雇者を組合員から排除せよと要求し、応じなければ全教組の労組認定を取り消すとの最後通告を行った。そして1カ月後の10月24日、実際に全教組の労組登録を抹消し、その合法的地位を奪う攻撃を強行した。今後は団体交渉にも一切応じず、法で保障された労働組合としての権利も認めないというものだ。さらに25日には、これまでに締結されていた団体協約の解約、労組専従者の休職取り消しと職場復帰命令、組合事務室の撤去など、5項目の行政措置を全国に通達した。
この暴挙に対し、民主労総全体が怒りに燃え、全教組とともに「決死抗戦」を叫んで立ち上がったのが、26日の闘いだった。集会現場では「全教組が労働組合ではないとするなら、パククネは大統領ではない!」というプラカードが手に手に掲げられた。
これに先立ち、全教組は「解雇者の組合排除」というパククネの理不尽な命令を拒否するか受け入れるかをめぐって、組合員総投票を行った。10月16〜18日の3日間で全教組6万組合員の80%以上が投票し、その68・59%、実に7割が政府の命令を断固拒否して、どんな困難があろうと闘いぬく道を選択した!
現場の教育労働者はその思いを次のように語っている。「闘争の先頭に立って解雇された仲間を投げ出せというのは、全教組に御用労組になれということだ。そんなことは絶対にできない」と。また「全教組があるから闘うのではなく、闘うために全教組をつくったのだ。法を守らない政府に従う必要などない。法外労組になろうと、われわれはどこまでも労働組合として闘う」と。
民主労総再生をかけて決起
この全教組弾圧は、追いつめられたパククネ政権による、韓国労働者階級人民全体に対する反革命的な階級戦争の開始である。これを許せば、87年労働者大闘争以来の血と汗の闘いでつくりあげてきた民主労総そのものの破壊・解体を許すことになると誰もが感じている。そして民主労総の破壊は独裁政治の復活につながるという危機感と怒りがすべての闘う労働者人民をとらえ、絶対非和解の根底的な決起が次つぎと呼び起こされてきているのだ。
すでに、パククネが内乱陰謀罪の大弾圧を発動した直後の9月10日、民主労総の労組活動家200人が集団記者会見を行い、「1%の財閥と富者の国を99%の労働者民衆の世の中に! 内乱と体制転覆を夢見る私たちも処罰せよ!」との歴史的な戦闘宣言をたたきつけた。この現場からの満身の力をふりしぼった決起が民主労総全体を突き動かし、10月15日には各産別・地域指導部と職場代表1千人の前で、シンスンチョル委員長が「私たちの団結した闘争でもう一度世の中を変えよう」と、自らの逮捕・拘束を覚悟して闘う決意を表明した。
1995年に結成された韓国民主労総は、新自由主義攻撃が全世界的に吹き荒れているその真っただ中で登場し、資本との絶対非和解を貫くナショナルセンターとして、世界のブルジョアジーを震え上がらせてきた。その民主労総の階級的戦闘的魂を原点からよみがえらせ、さらに革命的に発展させていこうとする闘いが今、パククネとの大激突として始まっている。
11月10日の民主労総全国労働者大会は、労働弾圧粉砕とすべての労働者の労働基本権獲得、民営化阻止・非正規職撤廃を掲げて闘われる。その前日、9日の夜には正規と非正規の分断を打ち破る決意を込めて、非正規職撤廃を正面課題に掲げた労働者大会がやはり全国結集で開かれる。
11・3労働者集会の3労組共闘を軸とする日本の階級的労働運動の大前進と、韓国民主労総の新たな前進は、新自由主義をその土台から転覆していく闘いとして完全に一つの闘いだ。日韓労働者の国際連帯の強化を今こそ全力で闘いとろう。
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週刊『前進』(2607号7面4)(2013/11/04 )
2014年を奪還実現の年に
12・1星野全国集会・デモへ @
労働者の魂とらえた闘い
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【要項】無実の星野文昭さんを取り戻そう 全証拠を開示させ再審勝利へ
12・1星野全国集会
12月1日(日)正午開場 午後1時開会
星陵会館(千代田区永田町2-16-2)
主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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週刊『前進』(2607号8面1)(2013/11/04 )
改憲・戦争に進む安倍倒せ 国際連帯で非正規職撤廃を
新10万筆署名運動を推進し 解雇撤回・14年最高裁決戦へ
(写真 関西生コン支部、港合同、動労千葉の呼びかけ3労組を先頭に、全国と世界から結集した闘う労働者の力強いデモ隊が都心を席巻【内幸町】)
(写真 韓国・民主労総ソウル本部の代表団が、この日のために用意した横断幕を手にデモ。国鉄闘争を始めとする日本の労働者の闘いに限りない同志的連帯の意志を示した)
(写真 滞日・在日外国人労働者の熱い連帯アピールに、参加者が盛大な拍手で応えた)
(写真 ■鉄道民営化と闘うドイツ機関士労組の組合員のクルト・シュナイダーさんが連帯表明)
(写真 国鉄闘争を軸に民営化攻撃と対決し、大阪・橋下打倒の闘いの大きな前進を切り開いた関西の労働者たちが元気に都心をデモ)
(写真 三里塚芝山連合空港反対同盟と全国農民会議が登壇し、全国の労働者とともに農地死守・安倍打倒へ闘う決意を表明した)
(写真 福島の怒りを代表し、佐藤幸子さんが火を吐くようなアピール。全国の労働者に「来年3月11日、福島で再会しましょう!」と呼びかけた)
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週刊『前進』(2607号8面2)(2013/11/04 )
山本太郎氏への与野党とマスコミの攻撃粉砕しよう
「天皇への手紙」問題の核心は何か
山本氏への非難の大合唱は福島圧殺そのものだ
10月31日に行われた園遊会で、福島原発事故が引き起こしている深刻極まる現実を訴えて、山本太郎参院議員が天皇に手紙を直接渡した。このことに対し、自民党を始めとする国会の与野党およびマスコミが、山本氏に許すことのできない卑劣な攻撃を集中している。山本氏に「議員辞職」を迫ったり、参議院としての処分を検討したりと、天皇制イデオロギーと白色テロルの恫喝による、山本氏の闘いの圧殺がたくらまれている。
山本氏が国会内で記者団に語った手紙の核心は、福島原発事故により「子どもたちの未来が危ないです。健康被害というものも出てきております。福島の原発収束作業員も、本当にひどい労働環境の中で働かされている現実があります」ということだ。これはあまりにまっとうな、差し迫った思いと危機感の表明であり、同時に福島原発事故に対して、自民党・安倍政権と東京電力が自らの責任を放棄し、福島の現実と怒りの圧殺に躍起となっていることへの正当極まる弾劾である。
安倍や自民、公明、民主を始めとする与野党とマスコミは、この山本氏が身をもって訴えていることに、なんと答えるのか。汚染水流出や甲状腺がんの多発や被曝労働の深刻さをどうするのだ。それにまともに答えず、天皇に直接手紙を渡したことが問題だと山本氏を攻撃することは、天皇制と白色テロルを振りかざした、さらなる福島圧殺攻撃そのものであり、断じて許しがたい。
今まさに、福島圧殺攻撃とともに、改憲を「歴史的使命」と宣言する安倍政権のもとで、戦争・改憲の動きが本格化している。一方で国鉄決戦が圧倒的な階級攻防の焦点にせり上がると同時に、他方で改憲阻止をめぐる攻防が日本階級闘争の正面課題となっている。
原発再稼働と特定秘密保護法の絶対反対を訴え、福島の子どもたちや原発労働者の現実を何とかしたいと必死に訴える山本氏を、卑劣な手段で葬り去ろうとする策動を労働者人民の怒りと決起で絶対に粉砕しよう。
体制危機の時代に日帝・自民党がすがる天皇制
山本氏の今回の行動に対して、官房長官の菅がまず憎悪に満ちた「不快感」を示した。これに続き、「天皇の政治利用そのもので、議員辞職ものだ」(下村文科相)、「常軌を逸した行動だ」(古屋国家公安委員長)、「見過ごしてはならない」(石破自民党幹事長)、「議員辞職すべきだとの意見には非常に共感する」(松原民主党国対委員長)、「憲法の規定にそぐわない行動だ」「常識を欠いて不適切」(志位日本共産党委員長)などなど、閣僚や与野党幹部が一斉に非難し、処分や議員辞職の大合唱を行っている。
いったい何が「常軌を逸した行動」だ。「常識を欠いている」だ。ふざけるな!
今回の件で天皇制の問題が前面に登場してきている。「資本家的政治支配、階級支配が解体的動揺に陥る中で、天皇制は帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボルとなる。労働者階級はプロレタリア革命の一環として、天皇制の一切の形態を粉砕し、根こそぎに一掃する」(革共同綱領草案)。このような立場だけが、労働者階級が天皇制に対してとるべき原則的で路線的な立場であり回答である。もともと天皇の園遊会など、労働者人民は徹底的に拒否し、粉砕し、怒りで蹂躙(じゅうりん)し尽くすべきものである。
ところが日本共産党を含め、すべての与野党やマスコミがまたしても天皇制のもとにひれ伏し、山本氏への非難と攻撃を行っている。
大恐慌下に最末期の脱落日帝・新自由主義の危機の中で、天皇制が「帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボル」として登場してくることに対しては、労働者階級人民の「生きさせろ!」の怒りと決起がさらに激しく巻き起こっていく。われわれはどこまでも山本氏とともに、国鉄決戦と反原発決戦を軸に闘いぬくであろう。
階級的労働運動と国際連帯で闘い勝利しよう
そもそも「天皇の政治利用」を一貫して行ってきた常習犯は、日帝・政治委員会と自民党だ。最近でも沖縄圧殺の「主権回復の日」式典(4月)、福島視察(7月)、東京五輪誘致活動(9月)、水俣訪問(10月)と、天皇・皇后や皇族を頻繁に登場させてきた。自民党改憲案で天皇を「元首化」しようとしていることこそ最大の政治利用ではないか。
このような天皇・皇族の再登場=政治利用の恒常化は、日帝の政治支配が危機に陥っていることの表れだ。激化する大恐慌下で新自由主義は崩壊を開始した。階級対立が非和解的に激化し、支配階級は今や統治能力を失い絶望的な危機に陥っている。日帝ブルジョアジーとその共犯者となっている連合に対し、労働者階級人民の怒りは地に満ちている。この間、小泉の地元・横須賀市や菅官房長官の地元・川崎市で、自公あるいは自公民(連合)の相乗り候補が敗北(勝った神戸市長選も辛勝)していることはその象徴である。
危機の中で日帝ブルジョアジーと自民党が最後にすがりつこうとしているのが、超階級的な装いをとる天皇制とその反革命イデオロギー、国家主義的な「虚偽の共同性」「国民融合」のイデオロギーであり、それをテコとして労働者人民を動員することだ。日本共産党スターリン主義はこれに完全に屈服し、山本氏への攻撃で反動的役割を果たしている。共産党は今や「憲法にある制度として、天皇制と共存するのが道理ある態度」だと言い、象徴天皇制の擁護者と成り果てている。
だがすでに天皇制・天皇制イデオロギーは、昭和天皇ヒロヒトの死と現天皇アキヒトへの「代替わり儀式」の大反革命に対し、革共同と労働者人民が実力で闘った90年天皇決戦の爆発によって、根底から粉砕されたものとしてある。この危機の天皇制・天皇制イデオロギーを立て直そうと、日帝と安倍政権は改憲による天皇の「元首化」などで必死になっている。しかし階級的労働運動と労働者国際連帯の力強い発展の前には、天皇制などまったく無力だ。
11・3集会が高らかに宣言した階級的労働運動と国際連帯で、崩壊する新自由主義と闘おう。国鉄新10万筆署名と100万人の大運動で最高裁決戦に攻め上ろう。14年3・11郡山に向け反原発決戦の壮大な爆発をかちとろう。山本氏への卑劣な非難・攻撃を粉砕し、勝利へ団結して闘おう。
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