ZENSHIN 2013/08/19(No2596 p06)

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週刊『前進』(2596号1面1)(2013/08/19 )

 9・15国鉄大闘争(代々木公園)へ

 被爆者の怒りが安倍を直撃 8・6広島 8・9長崎

(写真 広島大学学生自治会・百武拓委員長のエネルギッシュな基調報告は、青年労働者・学生の闘いこそすべての核と原発をなくす力だと、集まった1250人に実感させた【8月6日 広島県立総合体育館小アリーナ】)

(写真 「核も原発もなくそう! 安倍打倒!」のコールを響かせて広島市の繁華街をデモ行進【8月6日】)

(写真 「核と原発をなくせ!」と開かれた8・9長崎集会。城臺美彌子さんは「今こそ被爆地長崎の記憶を生かす時だ」と訴えた【8月9日 長崎県勤労福祉会館】)

 被爆68年の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦・反核・反原発闘争が意気高く闘いぬかれた。広島・長崎の被爆者やフクシマの怒りを真っ向から踏みにじって原発再稼働と海外輸出を公言する安倍を激しく弾劾し、全原発廃炉・すべての核の廃絶を誓う行動となった。(関連記事4、5面)

 8・6ヒロシマ大行動 全原発の廃炉を誓う

 国際連帯が画期的な前進

 8月6日午後、被爆68周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会が主催した「8・6ヒロシマ大行動大集会」が広島県立総合体育館小アリーナで行われた。地元広島はもとより、海外や福島からの参加者を含めて1250人が参加し、その後の市内デモと併せて大成功を収めた。

 百武広大委員長が基調報告

 2日間の奮闘で会場は集会開始前から早くも解放感と熱気でいっぱいとなった。
 12時半、集会が始まった。まず、8・6ヒロシマ大行動共同代表でセイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表の大江厚子さんが開会あいさつを行い、フクシマ切り捨ての攻撃と前日に発生した沖縄での米軍ヘリ墜落事故に対して沸き上がる怒りを表し、「本日の集会を成功させよう。デモを頑張ろう!」と意気高く呼びかけた。
 「ヒロシマの被爆者の訴え」に高陽第一診療所の患者団体である「ひまわり会」の山口元さん、8・6ヒロシマ大行動共同代表の下田禮子さんが立った。高陽第一診療所の吉田良順医師に紹介されて発言した山口さんは自らの被爆体験を語り、「母、妹、祖父が亡くなった。皆さんとともに頑張る」と表明。下田さんは「山本太郎さんの勝利が光を与えてくれた。団結して行動していきましょう」と語った。
 基調報告は、広島大学学生自治会を再建して委員長に就任した百武拓さんが行った。百武委員長は開口一番、「私は被爆者の闘いを継承し、このヒロシマ闘争を学生が最先頭で闘うため、そして新自由主義に対する学生運動の大高揚をつくり出すために、広島大学に自治会を建設しました」とエネルギッシュに報告。「これからも闘いの先頭に立ち、職場・キャンパス・地域に拠点をつくりあげ、必ず社会をひっくり返す。8・6ヒロシマ闘争から、秋の反原発100万人決起をつくり出しましょう。11月労働者集会に1万人の結集を実現しましょう」と訴えた。学生運動の若きリーダーの鮮烈な登場は参加者に深い感動を与え、拍手と歓声が続いた。
 NAZENヒロシマの若いメンバーからのカンパアピールに続き、早朝の原爆ドーム前集会でも歌ったデビッド・ロビックスさんが「ヒロシマ」を熱唱した。続いてゴアレーベン核廃棄物処分場反対闘争をともに闘っているドイツの青年が登場。百武委員長とNAZENヒロシマの青年労働者が、会場で寄せ書きした檄布(げきふ)を手渡した。ドイツの青年は溌剌(はつらつ)とした声で「ドイツと日本が腕を組んで一緒に闘いましょう」と呼びかけ、日本語で「ダンケツ、ガンバロー!」と拳を突き上げた。青年同士のみずみずしい国際連帯だ。

 放射能から命守る闘い進む

 フクシマとともに放射能から命を守る医療・保養・避難の取り組みを、福島の女性、ふくしま共同診療所医師の杉井吉彦さん、8・6ヒロシマ大行動共同代表でNPO法人よもぎのアトリエの室本けい子さんが報告した。福島の女性は「ふくしま共同診療所ができて本当にうれしい」、杉井さんは「長期にわたり福島の人とともに歩む。全国の支援と協力を」、室本さんは「フクシマとつながって保養をしていく」とそれぞれが人生をかけた思いを語った。
 安倍政権の原発再稼働、改憲攻撃と闘っている仲間が発言に立った。愛媛県職員労働組合委員長の宇都宮理さんは「地方公務員への賃下げ攻撃にストライキで闘おうと機運が高まっている。伊方原発の再稼働を絶対に阻止する」と高らかに決意を表明。島根人類愛善会会長でNAZEN呼びかけ人の松浦武生さんは自民党改憲草案を批判し、「日本を戦争のできる国にする改憲に反対しよう。これからも反戦・反核・反原発で頑張りましょう」と呼びかけた。

 “労組の力で社会変える”

 広島の労働者のアピールでは、最初に倉澤憲司さんへの「8・6処分」撤回闘争で団結を固めてきた広島の教育労働者5人が登場した。広教組組合員で被爆二世の平野綾子さんが8・6処分との闘いを報告。倉澤さんは「皆さんとの団結にかけてこれからも闘う」と固い決意を語った。さらに「広島県人事委員会と広島県教育委員会を弾劾する決議」を会場の拍手で採択した。
 続いて広島連帯ユニオン草津病院支部の3人の仲間が登場。女性労働者が「今日ここに立って、金もうけ優先の社会を変えていくことはできると確信した」と誇らしげに発言。中山崇志委員長は「一致団結して皆さんとともに闘う」と決意をみなぎらせた。
 青年を先頭に明るく闘う気概に満ちた発言が続く中、動労千葉の田中康宏委員長が登壇した。田中委員長は「今、必要なことは腹の底からの怒りだ!」と安倍政権の原発再稼働、改憲、戦争攻撃に怒りをたたきつけ、「この国の政府は腐っている。打ち倒さなければならない」と鮮明に提起。「そのためにも連合本部を打倒し、闘う労働組合をつくり上げよう。国鉄闘争の20年間の闘いはすべてをひっくり返すところに来ている」と強調、11月労働者集会への大結集を訴えた。
 最後に、8・6ヒロシマ大行動共同代表で動労西日本の大江照己委員長が閉会あいさつを行い、「団結ガンバロー」で集会を締めくくった。

 労組デモ隊列に市民が感動

 デモの出発だ。6日早朝の弾劾デモに直撃され恐れをなした安倍首相と、「原爆と原発は別」とフクシマとヒロシマの分断を図る松井一実広島市長の意を受けた警察は、デモ隊を寸断し、各隊列の前に立ちふさがり、弾圧を図った。しかし核と原発への怒りに燃えるデモ隊の士気を抑えることなどできるはずもない。
 広島市の繁華街を通るデモはどこでも注目の的だ。年輩の女性が歩み寄り、「60年代、70年代に労働組合で活動していた。このところ労働運動が停滞していて悔しかった。こうやって労働組合が闘っているのに感動しました」と思いを語り、デモ隊と交歓した。
 6日午前、安倍は被爆者の代表と面談し、傲慢(ごうまん)にも原発の再稼働と推進を強調した。被爆者とフクシマの人びと、全日本・全世界の労働者民衆への許すことのできない挑戦だ。
 闘う労働組合の建設と100万人決起で再稼働を阻み、安倍を打倒しよう。9・15国鉄大闘争に総決起し、9・25反動判決を粉砕しよう。11月労働者集会1万人結集へ闘おう。

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週刊『前進』(2596号1面3)(2013/08/19 )

前進速報版から 前進速報版から

▼福島と被爆地結び8・9長崎集会▼長崎大学に山下俊一副学長解任を申し入れ▼山本太郎氏への国家権力によるデマ攻撃を弾劾する

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週刊『前進』(2596号2面3)(2013/08/19 )

 山本太郎氏への大陰謀=デマキャンペーンを粉砕しよう

 安倍との闘いは第2ラウンド

 山本太郎氏に対する、右翼マスコミを動員した日帝権力・安倍政権によるまったく許し難いデマキャンペーンとつぶし攻撃が開始された。革共同は、夏〜秋の国鉄決戦と一体の闘いとして、このひとかけらの真実も正義性もない卑劣な「国家の陰謀」を粉砕するために、全力で闘う決意だ。どこまでも山本太郎氏とともに闘って勝利しよう。
 7月参院選・東京選挙区で山本太郎氏は66万6684票を獲得し、第4位で堂々の当選をかちとった。青年労働者を先頭に、大失業や非正規職化に対する怒りと反原発の怒りが一体的に結合し、自民党・安倍政権と日帝権力を痛撃した。
 この7月参院選での山本太郎氏の勝利をもって情勢は一変した。大恐慌と3・11情勢下での新しい闘うリーダーが鮮烈に登場し、首都東京で100万人の決起と反乱が起こったのだ。膨大な労働者階級人民が山本太郎氏を押し立て、「被曝させない、TPP入らない、飢えさせない」を掲げて、日帝・安倍政権との本格的な激突過程へと突入した。大恐慌下で世界革命勝利の時代が到来している。
 山本太郎氏への新たなデマキャンペーンとつぶし攻撃は、首都直下での100万の決起に大打撃を受け、恐怖にかられた日帝権力と安倍政権による卑劣極まる絶望的な襲撃である。日帝国家との全面対決をも辞さぬ絶対反対派として登場した山本太郎氏を、なき者にしようという「国家の陰謀」である。また彼を支持しともに立ち上がった100万の人びとへの、権力と安倍の襲撃に他ならない。
 すでに山本太郎氏は怒りに燃えて記者会見を行い、週刊新潮などの卑劣なキャンペーンがまったく事実ではないことを明らかにし、反撃に立ち上がっている。彼を支持しともに闘ってきた人びとは、どんな攻撃があろうともけっしてくじけないと誓っている。山本太郎氏を支持する首都100万、全国1000万もの労働者人民は、卑劣なデマキャンペーンと国家的陰謀を絶対に許しはしない。
 いやむしろ、右翼マスコミを使った安倍や権力によるこのような卑劣な攻撃がそのまま通用すると思ったら大間違いだ。それは逆に自民党・安倍政権の命取りとなる。そのことを、安倍とこのたくらみに加担する者たちすべてに、必ず思い知らせてやろうではないか。
 7月参院選での安倍・自民党の「圧勝」なるものはまったくの虚構である。参院選の投票率は52・61%でしかなく、その中で自民党の得票率は選挙区で42・74%、比例代表で34・68%であり、安倍・自民党は全有権者のわずか20%前後の支持で政権についたに過ぎない。ブルジョア議会と超反動の安倍への怒りは全社会に渦巻いている。
 この中での東京選挙区での山本太郎氏の勝利は、「自民圧勝」の内実と安倍政権の脆弱性を、激しく突き出している。安倍と日帝権力はこのことに根底から戦慄(せんりつ)しているのだ。
 実際に安倍政権は、大恐慌の本格化と大争闘戦時代への突入のもとで、出口のない絶望的な危機にあえいでいる。超金融緩和政策と「アベノミクス」の破綻・崩壊は不可避であり、膨大な汚染水処理問題ひとつとっても福島原発事故を解決する能力も方策もまったく持っていない。「ナチスに学べ」と叫んだ麻生発言は日帝を国際的にいよいよ孤立化させ、外交・改憲をめぐる破綻をさらに促進した。集団的自衛権行使や原発再稼働への絶望的突進は、安倍政権の危機をさらに決定的に激化させる。
 山本太郎氏への卑劣なデマキャンペーンとつぶし攻撃こそ、安倍と権力の追い詰められた姿である。闘いは新たなステージに突入した。敵の攻撃を粉砕し、山本太郎氏と首都で決起した100万の人びととともに、さらに前進しよう!

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週刊『前進』(2596号2面4)(2013/08/19 )

 日教組大会へ訴える

 「参加・提言・改革」路線は破綻した ストライキで闘う日教組つくろう

 革共同教育労働者委員会

 8月25〜27日に横須賀市で開かれる日教組第101回定期大会を、安倍政権の公設民営学校解禁と対決する戦闘宣言を発する歴史的大会としよう。さらに9・25反動判決阻止に向けた国鉄解雇撤回10万筆署名と9・15集会への組合員の総決起を呼びかけよう。非正規職化と超過重労働による病気や事故、評価・処分・免職などすでに始まっている教育の民営化攻撃に対し、全国の職場に怒りは充満している。安倍政権打倒! 教育の民営化絶対反対! ストライキで闘う日教組をつくり出し、国鉄決戦と公務員決戦で労働運動の大攻勢を切り開こう。

 労組拠点を建設し日教組本部打倒を

 日教組大会闘争は第一に、闘う労働組合を現場から本気になってつくり出す闘いだ。国鉄分割・民営化攻撃以来、95年の文部省とのパートナー路線、民主党―連合路線で日教組を変質させてきた本部は今や完全に破綻した。階級的労働運動派の拠点建設で今こそ打倒しよう。
 参院選での山本太郎氏の当選は時代を画する大勝利だ。「条件闘争では勝てない」「僕の言うことを『過激だ』と言う人に、この世の中は変えられない」と社会の根底からの変革を訴え、巨大な団結を生み出した。青年教育労働者は職場からの反撃と一体でこの闘いを担い、安倍や大阪市長・橋下に痛打を与えた。
 山本氏勝利の対極ではっきりしたのは日教組本部の路線的破綻だ。日教組本部は民主党の惨敗と組織内候補・神本美恵子票の激減で恐慌状態だ。「闘っても勝てない」という敗北主義を振りまいて「参加・提言・改革」路線を推し進め、「資本と労働者は非和解」という労働組合の原点を投げ捨ててきたことが、この状況を生み出した。
 山本氏は、連合東京が推薦した元文科副大臣・鈴木寛をたたき落として勝利した。鈴木寛は、安倍と心根でまったく同質の人物であり、民主党の悪名高き「日本国教育基本法案」を中心で作成し、11年3・11原発事故直後に文科副大臣として学校利用基準「20_シーベルト」を決めた張本人だ。「公設民営学校で先端的な教育を実施する」と主張する藤原和博(元杉並区立和田中校長)の全面支援を受け、本人も授業のアウトソーシングを主張してきた。
 連合は安倍と一体となってTPP(環太平洋経済連携協定)推進・原発再稼働を進めている。労働者階級にとって「我慢ならない」社会をつくり出してきたのは、新自由主義攻撃とともに、連合など既成労働運動幹部である。福島と団結して全原発の廃炉をかちとろう。連合を打倒し、労働組合を闘う現場組合員の手に奪い返そう。

 公設民営学校化に職場で対決しよう

 第二に、「公設民営学校解禁」という教育の民営化と労組破壊、教育労働者の非公務員化・非正規職化との対決を宣言する大闘争だ。
 安倍政権は6月に閣議決定した「日本再興戦略」で、「国家戦略特区」の創設、とりわけ「公立学校運営の民間への開放」を打ち出した。今秋臨時国会で関連法を成立させ、年内にも実現可能にしようとしている。教育政策ではなく経済政策として打ち出された「公設民営学校」は、公教育を資本のもうけ口にする大攻撃であり、日教組運動のすべてをかけて対決すべき課題だ。
 国家戦略特区構想を提案した慶應大学教授・竹中平蔵は、「岩盤規制をどうしたら突き崩せるかということで、私はアベノミクス特区(国家戦略特区)を提案した。これは……従来の特区と違い、特区担当大臣と地方自治体、民間企業が集まる『3者統合本部』を作り、ミニ独立政府のようにいろんなことを決められるようにする。実はこの特区のワーキンググループが動き始めていて、わずか1カ月で岩盤規制が一つ崩れた。学校の公設民営だ。これは10年以上できなかったが、今回できることになった」と述べている。
 「まずなすべきところは制度設計」(国家戦略特区ワーキンググループ)として、これまでのボトムアップ方式ではなく、「3者統合本部」を形成し、国家戦略としてトップダウンで特区を推進するというのだ。「ミニ独立政府」とは道州制だ。安倍・橋下、そして「教育公務員等126万人を民間に」(06年)と主張する関西経済同友会らが一体で、日教組解体・教育公務員の非公務員化へ動き出した。
 「落ちこぼれゼロ法」などで公立学校が次々廃校に追い込まれてきたアメリカでは、09年以来約30万人もの教員が解雇され、約4千校の公立学校が閉鎖された。しかし、アメリカ各地の教組では、絶対反対を貫く現場組合員たちが組合権力を奪い、必死の反撃を広げている。その先頭に動労千葉との国際連帯を続けているUTLA(ロサンゼルス統一教組)がいる。
 新自由主義攻撃は全世界の労働者の国際連帯闘争を発展させ、勝利の展望を切り開いている。教育の民営化の本格的開始に対する回答は、階級的労働組合を無数につくり出すことだ。

 現場の怒りを束ね国鉄9・15集会へ

 第三に、国鉄闘争勝利に向けて日教組組合員の渾身(こんしん)の決起を呼びかけよう。
 激しい公務員労働運動解体攻撃は、国鉄分割・民営化の全社会化だ。しかし安倍政権は大恐慌と新自由主義の大破綻、そして3・11に直撃され、もはや労働者を支配する力を失っている。現場労働者の絶対反対の闘いで橋下もぐらぐらだ。
 動労千葉・動労水戸―動労総連合の闘いは、ついに国鉄分割・民営化による解雇がJR・国鉄・司法が結託した不当労働行為であり、解雇そのものが無効であることを暴いた。国鉄闘争こそ、民営化攻撃を覆し、労働運動の屈服と後退の歴史を転換させる推進軸だ。
 退職手当400万円削減、地方交付税・義務教育費国庫負担削減という国家暴力を使った7・8%賃金カットに対して、日教組・加藤良輔委員長は口先では「狙いは労働組合破壊」と言いながら、攻撃の激しさに震え上がって闘う方針を何ひとつ出さず、賃下げを容認した。労組幹部が労組破壊の手先になっている。これこそ国鉄分割・民営化の帰結だ。
 安倍政権は「いじめ防止対策/道徳の教科化/教育委員会改革/英語教育の充実/学制改革/教師インターンシップ制度」などの攻撃を進めている。これらは公設民営化攻撃を突破口とする日本帝国主義の生き残りをかけた民営化・労組破壊攻撃だ。例えばその専門性をもって外注化の切り口とされている英語教育強化も、狙いは「グローバル人材の育成とは、世界と戦って勝てる強い日本人を作るということ」(日本教育再生機構・八木秀次)だという。民営化攻撃に屈服する日教組本部はこうした新自由主義下の安倍・教育攻撃と闘う路線も展望もない。
 すべてを新自由主義の破綻としてとらえ、国鉄闘争勝利の展望と民営化・非正規化への職場の怒りを結合して闘いぬけば、必ず勝利できる。職場の労働者の怒りを束ねて、ストライキで闘う日教組をつくり出そう。

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週刊『前進』(2596号3面1)(2013/08/19 )

 闘う自治労を再生しよう

 賃下げ阻止・民営化反対!

 ストで安倍・橋下倒せ 大阪大会に向け訴える

 階級情勢は一変し、階級的労働運動が前面に躍り出る絶好機が来た。8月26〜28日、大阪城ホールで開催される自治労第86回定期全国大会は、80万組合員と公務・公共1千万労働者、全労働者の未来のかかった大会となった。公務員攻撃と改憲・戦争に突き進む安倍政権を国鉄・公務員決戦の爆発で打ち倒す、その先頭に自治労が立つ時が来た。4・26に始まる自治労ストは現場の怒りを解き放ち、闘いの機運は全国にみなぎっている。全国大会をストライキで闘う自治労再生の総決起の時としよう。8・27自治体労働者全国集会に集まろう。
(写真 国労闘争団の羽廣さんとともに「闘えば勝てる!」と元気に訴え【8月10日 大分市内】)

 労使協調は敗北の路線だ 現場の怒りを解き放とう

 国鉄闘争とともに全国の自治体職場で賃下げ絶対反対を貫き、橋下徹大阪市長を先端とする丸ごと民営化・全員解雇粉砕の闘いが闘われている。
 ある単組ではこの7〜8月、賃下げ強行を狙う当局との団交に200人を超える組合員が連続して結集した。組合幹部が「こんなに集まったのは初めて」と驚くほど組合員の怒りは激しい。
 団交では、青年労働者の怒りに満ちた発言がたたきつけられた。「子どももいて家族もいて家のローンもあったら本当にかつかつです。いったいどうなるんだろうとみんな不安を抱えています」「来月、妻が出産を控えている。さらに減給されたら正直どうしていいのかわかりません。これ以上収入は見込めない。とても理不尽だと思う。今回のことで、子どもをつくらなければよかったと一瞬でも思ってしまった自分が悔しいです」
 にもかかわらず組合執行部は、首長との関係維持を口実に、裏切り的妥結に走った。「選挙で今の首長が負けたら、もっと民営化圧力がかかる。だから妥結しかない」などとして、現場労働者の怒りを踏みにじったのだ。絶対に許されない。
 問題は、労働組合として絶対反対を貫くかどうかだ。公務員大幅賃下げは安倍政権の歴史的攻撃としてかけられた。新自由主義が行き着いた大恐慌下で、財政再建などありえない。地方交付税削減で締め上げられて、賃下げも民営化も極限的に激化する。ギリシャに続くデトロイト市の破産申請と全面民営化・公務員全員解雇、社会保障解体の大攻撃は、全世界共通の問題だ。労働者にとって絶対反対の闘い抜きに生活も守れない時代に突入したのだ。
 自治労本部の大会議案には、4・26ストが切り開いた闘いの機運と労働組合再生の地平の総括が皆無だ。それどころか当局との激突を恐れ、スト回避に走る意図が見え見えだ。労使協調、財政再建の立場では闘えない。国と当局の手先に転落する以外にない。現場の怒りを解き放ち、労働組合の階級的団結をよみがえらせよう。連合派労組幹部の裏切りをぶっ飛ばしてストを復権し、今次自治労大会を階級的労働運動への歴史的転換と飛躍の時としよう。

 民営化=全員解雇許さず 橋下打倒に総力あげよう

 国鉄決戦と結合し、自治労組織の総力を挙げて全労働者の先頭で闘いぬくなら、安倍も橋下も打ち倒すことができる。
 山本太郎氏が参院選で掲げた「被曝させない、TPP入らない、飢えさせない」は、新自由主義に怒る全労働者の根底的なスローガンだ。このスローガンのもとに青年労働者をはじめとする1200人ものボランティア活動家が生まれ、66万6684人が投票行動に決起し、全国で1千万人規模の人びとが支持し共感をもって立ち上がっている。追いつめられているのは安倍であり新自由主義の側だ。動労千葉・動労水戸の闘いがそうであるように、労働者が時代認識と路線で武装し、絶対反対で闘いぬいて職場の団結を固めていったとき、敵の攻撃はもろくも崩れ去る。大崩壊を始めた連合の支配を打ち破り、荒々しいストライキの時代を切り開こう。
 攻防の最大の戦場は職場だ。職場支配権を労働者の手に奪い返す闘いに総決起しよう。
 橋下は、新自由主義攻撃の先兵として、公務員攻撃を極限まで激化させ大阪府・市の丸ごと民営化と公務員全員解雇・10割非正規職化に突き進もうとしてきた。しかし、橋下の違法不当な労組活動アンケート調査は労働者の反撃で回収・処分に追い込まれた。入れ墨調査拒否処分や「君が代」不起立処分に対する不屈の闘いへの共感が広がり、斎場労働者9人の懲戒免職処分取り消し判決がかちとられている。
 昨夏の自治労函館大会では、270人から橋下打倒集会の賛同が寄せられた。全国の自治体労働者は、自らの職場での民営化・外注化と賃下げ、人員削減と長時間労働の強制、公務災害多発の現状と橋下の攻撃を重ね合わせ、怒りを込めて署名に応じた。その怒りが国鉄闘争の前進と結び付いて燃え広がり、都労連の退職手当400万円削減反対のスト決起(29分集会)から4・26全国ストへと上りつめていった。闘いが闘いを呼ぶ。だからこそ今、国鉄解雇撤回、民営化・外注化阻止、賃下げ絶対反対、安倍・橋下打倒に80万自治労の総力で立ち上がることが決定的なのだ。

 国鉄10万筆署名運動進め 労組拠点・青年部建設を

 自治労をストライキで闘いぬく労働組合に鍛え上げていく最大のカギは労組拠点建設であり、青年部建設である。強固な労組活動家集団の形成が求められている。
 国鉄分割・民営化の真実を暴き出し鉄建公団訴訟控訴審9・25反動判決阻止の闘いに総決起しよう。大恐慌・大失業情勢下で10万筆の国鉄署名を集めきることが、国・裁判所・資本との力関係を変え職場の階級的団結を打ち固めることとなる。
『前進』1万読者網建設をかちとろう。自治労大会2日目夜に開催される「賃下げ阻止! 闘えば勝てる! ストライキで闘おう! 8・27自治体労働者全国集会」(大阪市・東成区民センター)の成功をかちとろう。

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週刊『前進』(2596号5面4)(2013/08/19 )

 全学連大会へ大結集を

 自治会建設と反原発闘争で300万学生の反乱つくり出す

 マルクス主義学生同盟中核派京大支部

 学生こそ社会変革の先頭に

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【要項】全学連第74回定期全国大会
9月4日(水)〜5日(木)東京都内
※参加料1000円(開場代、資料代など)宿泊費は除く

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週刊『前進』(2596号6面2)(2013/08/19 )

 9・8徳島刑務所デモへ

 この力で星野同志奪還を

 酷暑下の非人間的処遇許すな

 星野文昭同志の奪還へ向け、9・8徳島刑務所包囲デモに総決起しよう。昨年2月5日のデモは、38年の獄壁を打ち破って星野同志と600人のデモ参加者が熱く合流し、国家権力・徳島刑務所に大きな打撃を強制した。6・30全国集会で作り出した星野同志奪還の希望と展望をもって、9・8デモで徳島刑務所を再び包囲しよう。
(写真 600人が参加した昨年の2・5徳島刑務所デモ)

 星野闘争の新刊本が!

 「条件闘争で命が守れるか」と訴え、山本太郎氏は新自由主義の絶望的で凶暴な攻撃に対する人民の怒りを代表して参議院選挙に立候補し、66万6648票を獲得して当選をかちとった。われわれも山本氏を支持して全力で闘った。動労水戸は、外注化阻止・被曝労働拒否のストライキを打ち抜き、労働運動の力をたたきつけた。8・6−9のヒロシマ、ナガサキは国際連帯を掲げて歴史的高揚をかちとった。
 闘う階級の指導部の登場とともに、フクシマ、オキナワ、非正規労働者の怒り、全社会のすべての怒りが、新自由主義との非和解の闘いとしてひとつに結合して爆発する時代に突入している。
 この中で、すべての労働者階級人民に星野文昭同志の闘いを伝え、奪還を訴える素晴らしい本が発刊される。「星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議」の編集による『無実で39年・獄壁こえた愛と革命/星野文昭・暁子の闘い』である。
 星野同志が獄中で描いた絵画27点と、獄中結婚した星野暁子さんの手記が圧巻である。現代社会で、すべての人びとの心をとらえずにはおかない本であると確信する。新自由主義は、あらゆる社会的紐帯(ちゅうたい)と階級的団結を徹底的に破壊し、労働者をその日を生きるために必死の、孤立した存在に突き落としている。その中にあって、獄壁で社会的つながりを暴力的に奪われている星野同志が、自らの解放を労働者階級の解放の中に位置づけ、暁子さんとともに闘いの中で、獄壁を越えた愛と信頼関係を形成していることに誰もが感動し、自らの解放の希望を見いだすだろう。この本は星野同志奪還・全証拠開示大運動推進の力強い武器である。

 全受刑者の権利を守れ

 9・8徳島刑務所包囲デモの意義は第一に、星野同志との団結・連帯を一層打ち固めることである。星野同志に肉薄し、星野同志の存在と闘いを身体で感じ、つかむことだ。そして、徳島刑務所の非人間的処遇、人権抹殺攻撃に激しい怒りをたたきつけよう。
 今年、かつてない酷暑にもかかわらず、冷房はもちろんのこと、舎房には扇風機もない。就寝前に身体をふくこともできず、窓の全開も禁じられており、寝苦しい夜が続いている。徳島刑務所では、すでに熱中症の患者が出ているという。
 徳島・救う会は、「暑さ対策を行え。受刑者の健康と命を守れ」と、何度も刑務所に申し入れているが、徳島刑務所はまったく許せないことに「予算がない」という口実で放置している。刑務所の非人間的処遇に怒りをぶつけ、星野同志をはじめ全受刑者の命と権利を守るために、怒りのデモを闘いとろう。

 新証拠で無実は明らか

  第二に、星野同志奪還・全証拠開示に向けた、今秋決戦の突破口を切り開こう。7月19日の三者協議で、検察官は写真ネガの複写要求も、現場目撃者11人の供述調書も、一切開示を拒否してきた。断じて許せない。
 「一郎丸写真」に写っている星野同志が手に持つ鉄パイプには白い紙が巻かれているが、真っ白で破損もなく、機動隊員を殴打した痕跡は一切ない。星野同志無実の新証拠である。にもかかわらず、東京高裁は「不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」と言いつつ、自らは写真鑑定も行わず、第2次再審請求棄却を強行してきた。それならば、弁護団の方で写真鑑定し、事実を明らかにするからネガの複写をさせろと要求しているのである。検事が証拠開示を拒否するのは、デッチあげが暴かれることへの恐怖である。
 また星野同志は、デモ参加者6人の「供述調書」を唯一の証拠にデッチあげられている。このうち1人を除き全員が裁判で、「供述調書は取調官によって強制され、誘導されたウソである」と証言しているにもかかわらず、裁判所は取り調べでの「供述調書」の方が信用できるとしているのだ。
 再審過程で、一般人の現場目撃者11人の供述調書の存在が明らかとなった。これを開示させれば、6人の「供述調書」が捏造(ねつぞう)されたものであることが明らかになるのだ。今や、証拠開示をめぐる大攻防に突入している。9・8徳島刑務所包囲デモで、星野同志奪還・全証拠開示を迫っていこう。
 第三に、9月国鉄決戦へ向かった号砲として打ち抜くことだ。
 国鉄分割・民営化と徹底的に闘い続けている動労千葉は、1047名解雇撤回を求める鉄建公団訴訟で、「国鉄改革」の国家的大陰謀を暴き出すところまで来た。9・25控訴審判決を前に、26年間のすべてをかけた闘いとして9月15日、全国総決起集会を呼びかけている。全力で結集し、日帝・JR資本の国鉄闘争圧殺攻撃と全面的に対決しよう。
 日帝・安倍政権の危機は深化し、国鉄・反原発・星野、戦争と改憲をめぐって、激しい流動情勢に入った。9・8徳島刑務所包囲デモで、星野同志に肉薄し、星野同志を奪還する展望を圧倒的に切り開こう。

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発売/株式会社ギャラリーステーション
A5判264n1800円+税

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【要項】 9・8徳島刑務所デモ
■9月8日(日)
午前10時〜 徳島駅中心に街宣
11時 徳島空港と徳島駅からバス出発
12時30分 集会開始
(徳島市入田支所・コミュニティセンター北側 駐車場あり)
午後1時30分 包囲デモ出発

■9月9日(月)午前9時 徳島駅前集合
10時 徳島刑務所で差し入れ行動
主催/徳島刑務所デモ実行委員会

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週刊『前進』(2596号6面3)(2013/08/19 )

 米軍ヘリ墜落事故弾劾

 米帝オバマと安倍による 沖縄圧殺を打ち破ろう

 激しい戦争訓練中に墜落

 またしても沖縄で、許すことのできない米軍機墜落事故が起きた。8月5日夕、嘉手納基地所属のHH60救難ヘリが宜野座村のキャンプ・ハンセンの山林に墜落し炎上した。墜落現場から2`の位置には民家が点在し、沖縄自動車道(高速道路)からはわずか1`、農作業中の人もいた。近くには村民の水源である大川ダムがあり、村は一時ダムからの取水を中止した。
 事故現場周辺ではヘリの急旋回や超低空飛行が日常的に行われていた。MV22オスプレイも頻繁に訓練していた。前々から住民は「いつか必ず事故を起こす」と不安を語っていた。事故の目撃者は「2機が追いかけっこするみたいに回っていたら、1機が急に傾いた」という。米軍はこの山林上空で激しい戦争訓練を行っていたのである。HH60救難ヘリは、これまでもイラクなどの中東地域に頻繁に派遣されている。
 1972年の「復帰」以降41年間に、沖縄の米軍機墜落事故はこれで実に45件を数える。年1回を超える頻度で墜落している。「本当に許せない! 絶対に基地撤去まで闘う!」。沖縄の怒りは沸騰し、闘いの決意を固めている。
(写真 HH60ペイブ・ホーク)

 オスプレイの追加配備強行

 事故は、オスプレイの追加配備(山口県岩国基地からの移動)が強行されている中で起きた。許せないことに米軍は、事故で見合わせていた追加配備を12日から再開した。全12機が岩国から移動すれば、普天間のオスプレイは倍増して計24機態勢となる。13日にはオスプレイ1機がヘリ墜落現場付近で訓練飛行を行った。ふざけるな!
 世界大恐慌にのたうつ帝国主義・新自由主義は戦争への道にのめり込んでいる。その中で米帝はアジア最重視の新軍事戦略へシフトした。この新軍事戦略の最大拠点が沖縄だ。だから米帝は事故からわずか1週間後にオスプレイ追加配備を強行したのである。
 6月には米カリフォルニア州で陸海空3自衛隊1千人が参加して「離島奪還」日米共同演習が行われた。米軍と自衛隊が艦船で島に接近し、揚陸艇やヘリを使って上陸する戦闘訓練が行われた。海自の大型護衛艦「ひゅうが」にオスプレイが着艦する訓練も行われた。これは対中国・対北朝鮮の戦争訓練であり、新軍事戦略―日米共同作戦の具体的発動そのものだ。
 安倍政権は米帝・米軍と一体となって、沖縄の一層の戦争拠点化として辺野古の新基地建設を狙い、集団的自衛権の行使容認、戦争と改憲の道を突き進んでいる。だが一方、帝国主義・新自由主義と沖縄の労働者階級との新たな激突が開始されている。それは米帝の新軍事戦略の危機と破綻、さらに日帝・安倍政権の崩壊を一気に加速する情勢を切り開く。米軍ヘリ墜落は、沖縄の闘いの火に油を注いだ。

 安保粉砕する階級的闘いを

 沖縄から全米軍基地を撤去するために、日米安保体制を根底からひっくり返す闘いをやろう。そのためには、沖縄と全国で、新自由主義と絶対非和解で闘う階級的労働運動と学生運動を大きく発展させることだ。闘いは力強く前進している。国鉄闘争の前進、青年を先頭とする5・15沖縄闘争、参院選での山本太郎氏の勝利、8月広島・長崎闘争の高揚は、労働者階級の国際連帯闘争で日米安保を根底からひっくり返す階級的力をつくり出す闘いである。
 基地労働者を先頭とする沖縄の労働者の闘いが決定的な位置を持っている。国鉄闘争全国運動を水路に階級的労働運動をさらに前進させよう。階級的労働運動と国際連帯の力で日米安保粉砕・基地撤去をかちとろう。
 その勝利をかけて9・15国鉄大闘争に結集し、9・25反動判決粉砕へ闘おう。
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 最近の主な沖縄の米軍機墜落事故

1994年8月 米海兵隊のハリアー垂直離着陸機が嘉手納基地北西の海上に墜落
 95年9月 沖縄本島西の海上に米海兵隊のハリアーが墜落
10月 沖縄本島南の海上に嘉手納基地のF15戦闘機が墜落
98年7月 宜野座村のキャンプ・ハンセン内で米海兵隊のヘリが墜落
99年4月 国頭村沖の海上に米軍普天間飛行場のヘリが墜落。乗員4人が死亡
2002年8月 嘉手納基地のF15戦闘機が沖縄本島南の海上に墜落
 04年8月 宜野湾市の沖縄国際大学に米海兵隊の大型輸送ヘリが墜落
 06年1月 伊計島東の海上に嘉手納基地のF15戦闘機が墜落
 13年5月 国頭村沖の海上に嘉手納基地のF15戦闘機が墜落

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