ZENSHIN 2013/08/19(No2596 p06)

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週刊『前進』(2596号1面1)(2013/08/19 )

 9・15国鉄大闘争(代々木公園)へ

 被爆者の怒りが安倍を直撃 8・6広島 8・9長崎

 

(写真 広島大学学生自治会・百武拓委員長のエネルギッシュな基調報告は、青年労働者・学生の闘いこそすべての核と原発をなくす力だと、集まった1250人に実感させた【8月6日 広島県立総合体育館小アリーナ】)

(写真 「核も原発もなくそう! 安倍打倒!」のコールを響かせて広島市の繁華街をデモ行進【8月6日】)

 被爆68年の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦・反核・反原発闘争が意気高く闘いぬかれた。広島・長崎の被爆者やフクシマの怒りを真っ向から踏みにじって原発再稼働と海外輸出を公言する安倍を激しく弾劾し、全原発廃炉・すべての核の廃絶を誓う行動となった。(関連記事4、5面)

 8・6ヒロシマ大行動 全原発の廃炉を誓う 国際連帯が画期的な前進

 8月6日午後、被爆68周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会が主催した「8・6ヒロシマ大行動大集会」が広島県立総合体育館小アリーナで行われた。地元広島はもとより、海外や福島からの参加者を含めて1250人が参加し、その後の市内デモと併せて大成功を収めた。

 百武広大委員長が基調報告

 2日間の奮闘で会場は集会開始前から早くも解放感と熱気でいっぱいとなった。
 12時半、集会が始まった。まず、8・6ヒロシマ大行動共同代表でセイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表の大江厚子さんが開会あいさつを行い、フクシマ切り捨ての攻撃と前日に発生した沖縄での米軍ヘリ墜落事故に対して沸き上がる怒りを表し、「本日の集会を成功させよう。デモを頑張ろう!」と意気高く呼びかけた。
 「ヒロシマの被爆者の訴え」に高陽第一診療所の患者団体である「ひまわり会」の山口元さん、8・6ヒロシマ大行動共同代表の下田禮子さんが立った。高陽第一診療所の吉田良順医師に紹介されて発言した山口さんは自らの被爆体験を語り、「母、妹、祖父が亡くなった。皆さんとともに頑張る」と表明。下田さんは「山本太郎さんの勝利が光を与えてくれた。団結して行動していきましょう」と語った。
 基調報告は、広島大学学生自治会を再建して委員長に就任した百武拓さんが行った。百武委員長は開口一番、「私は被爆者の闘いを継承し、このヒロシマ闘争を学生が最先頭で闘うため、そして新自由主義に対する学生運動の大高揚をつくり出すために、広島大学に自治会を建設しました」とエネルギッシュに報告。「これからも闘いの先頭に立ち、職場・キャンパス・地域に拠点をつくりあげ、必ず社会をひっくり返す。8・6ヒロシマ闘争から、秋の反原発100万人決起をつくり出しましょう。11月労働者集会に1万人の結集を実現しましょう」と訴えた。学生運動の若きリーダーの鮮烈な登場は参加者に深い感動を与え、拍手と歓声が続いた。
 NAZENヒロシマの若いメンバーからのカンパアピールに続き、早朝の原爆ドーム前集会でも歌ったデビッド・ロビックスさんが「ヒロシマ」を熱唱した。続いてゴアレーベン核廃棄物処分場反対闘争をともに闘っているドイツの青年が登場。百武委員長とNAZENヒロシマの青年労働者が、会場で寄せ書きした檄布(げきふ)を手渡した。ドイツの青年は溌剌(はつらつ)とした声で「ドイツと日本が腕を組んで一緒に闘いましょう」と呼びかけ、日本語で「ダンケツ、ガンバロー!」と拳を突き上げた。青年同士のみずみずしい国際連帯だ。

 放射能から命守る闘い進む

 フクシマとともに放射能から命を守る医療・保養・避難の取り組みを、福島の女性、ふくしま共同診療所医師の杉井吉彦さん、8・6ヒロシマ大行動共同代表でNPO法人よもぎのアトリエの室本けい子さんが報告した。福島の女性は「ふくしま共同診療所ができて本当にうれしい」、杉井さんは「長期にわたり福島の人とともに歩む。全国の支援と協力を」、室本さんは「フクシマとつながって保養をしていく」とそれぞれが人生をかけた思いを語った。
 安倍政権の原発再稼働、改憲攻撃と闘っている仲間が発言に立った。愛媛県職員労働組合委員長の宇都宮理さんは「地方公務員への賃下げ攻撃にストライキで闘おうと機運が高まっている。伊方原発の再稼働を絶対に阻止する」と高らかに決意を表明。島根人類愛善会会長でNAZEN呼びかけ人の松浦武生さんは自民党改憲草案を批判し、「日本を戦争のできる国にする改憲に反対しよう。これからも反戦・反核・反原発で頑張りましょう」と呼びかけた。

 “労組の力で社会変える”

 広島の労働者のアピールでは、最初に倉澤憲司さんへの「8・6処分」撤回闘争で団結を固めてきた広島の教育労働者5人が登場した。広教組組合員で被爆二世の平野綾子さんが8・6処分との闘いを報告。倉澤さんは「皆さんとの団結にかけてこれからも闘う」と固い決意を語った。さらに「広島県人事委員会と広島県教育委員会を弾劾する決議」を会場の拍手で採択した。
 続いて広島連帯ユニオン草津病院支部の3人の仲間が登場。女性労働者が「今日ここに立って、金もうけ優先の社会を変えていくことはできると確信した」と誇らしげに発言。中山崇志委員長は「一致団結して皆さんとともに闘う」と決意をみなぎらせた。
 青年を先頭に明るく闘う気概に満ちた発言が続く中、動労千葉の田中康宏委員長が登壇した。田中委員長は「今、必要なことは腹の底からの怒りだ!」と安倍政権の原発再稼働、改憲、戦争攻撃に怒りをたたきつけ、「この国の政府は腐っている。打ち倒さなければならない」と鮮明に提起。「そのためにも連合本部を打倒し、闘う労働組合をつくり上げよう。国鉄闘争の20年間の闘いはすべてをひっくり返すところに来ている」と強調、11月労働者集会への大結集を訴えた。
 最後に、8・6ヒロシマ大行動共同代表で動労西日本の大江照己委員長が閉会あいさつを行い、「団結ガンバロー」で集会を締めくくった。

 労組デモ隊列に市民が感動

 デモの出発だ。6日早朝の弾劾デモに直撃され恐れをなした安倍首相と、「原爆と原発は別」とフクシマとヒロシマの分断を図る松井一実広島市長の意を受けた警察は、デモ隊を寸断し、各隊列の前に立ちふさがり、弾圧を図った。しかし核と原発への怒りに燃えるデモ隊の士気を抑えることなどできるはずもない。
 広島市の繁華街を通るデモはどこでも注目の的だ。年輩の女性が歩み寄り、「60年代、70年代に労働組合で活動していた。このところ労働運動が停滞していて悔しかった。こうやって労働組合が闘っているのに感動しました」と思いを語り、デモ隊と交歓した。
 6日午前、安倍は被爆者の代表と面談し、傲慢(ごうまん)にも原発の再稼働と推進を強調した。被爆者とフクシマの人びと、全日本・全世界の労働者民衆への許すことのできない挑戦だ。
 闘う労働組合の建設と100万人決起で再稼働を阻み、安倍を打倒しよう。9・15国鉄大闘争に総決起し、9・25反動判決を粉砕しよう。11月労働者集会1万人結集へ闘おう。

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週刊『前進』(2596号1面2)(2013/08/19 )

 8・9長崎集会 福島と結び被曝と闘う

 動労千葉・水戸の闘い共有

 8月9日午後、すべての原発いますぐなくそう!全国会議ナガサキ(NAZENナガサキ)主催の「核をなくせ!原発をなくせ!フクシマの怒りとともに8・9長崎集会」が長崎県勤労福祉会館で開かれ、75人が集まった。冒頭、主催者が「NAZENナガサキ結成から1年6カ月、7月には高島で福島の子どもたちを迎えて保養をやり、68周年8・9長崎集会をやるまで力をつけました」とあいさつした。
 協賛団体の8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の三角忠さんが今年の8・9長崎集会を「再出発となる集会として期待している」とあいさつした。
 「フクシマとナガサキ、ヒロシマを結んで」としてふくしま共同診療所運営委員であり、NAZENフクシマの呼びかけ人の椎名千恵子さん、ナガサキの被爆者である城臺美彌子(じょうだいみやこ)さんが発言し、ヒロシマから教育労働者の倉澤憲司さんが8・6ヒロシマ大行動の報告を行った。
 椎名さんは、「目の前の理不尽さにどうやって具体的に組み合って答えを出していけるのか」と問いかけ、6月のドイツ訪問を通して「目の前の理不尽と闘い続けてきた労働者、ゴアレーベンの仲間たち、その魂は必然的につながっていく。被曝労働と闘う、民営化と闘う国際連帯の力を実感できた」と語った。
 城臺さんは6歳で被爆した直後、長崎を離れざるを得なかった体験に触れ、「長崎を離れた1カ月の間に幼かった私の傷ついた遺伝子が修復されたのではないか。この経験を生かそうとNAZENナガサキでこの夏、保養に取り組んだ」と語り、「原発、核と人間は共存しない」と強調。
(写真 「核と原発をなくせ!」と開かれた8・9長崎集会。城臺美彌子さんは「今こそ被爆地長崎の記憶を生かす時だ」と訴えた【8月9日 長崎県勤労福祉会館】)

 福島の子どもの保養に取り組む

 「高島保養の報告」では、7月に6日間にわたって行われた高島保養の映像を上映。海で遊ぶ子どもたちのまぶしい笑顔が映し出された。保養を担ったスタッフは「『僕たちは被ばく者ですか』と福島の高校生が言った。夢多き若者を『僕は被ばく者なのか』と悩ませる原発はいらない」「子どもたちの顔が見える生きた運動として保養の意義は大きい」と語った。
 「被ばく労働強制に反対する」では動労水戸の辻川慎一副委員長、動労千葉争議団の中村仁さんが発言。辻川さんは被曝列車K544運用阻止の闘いを報告し、「動労水戸と郡山工場の闘い、ふくしま共同診療所の闘いをつなぎ、革命の時代に労働運動を復権させる闘いを断固としてやります」と結んだ。国鉄分割・民営化による解雇撤回を闘っている中村さんは9・25反動判決を阻止する10万筆署名を訴え、「被曝労働を必要とする原発なんかいらない。フクシマとつながって闘う」と力を込めた。
 「今後のNAZEN方針」をNAZEN呼びかけ人の鈴木達夫弁護士が提起した。
 「山本太郎さんの当選に見られるように人民の怒りは全国に充満している。全国にNAZENをさらに結成しよう。低線量被曝問題に取り組み、100万人決起で全原発廃炉・再稼働阻止を絶対に実現しよう」と訴え、「動労水戸の被曝労働拒否の闘いは決定的だ。この社会のすべて、原発も労働者が動かしている。反原発運動の中心に労働者・労働組合が据わることが全世界から原発を核をなくしていく鍵だ」と強調した。
 この方針提起を受け、NAZEN福岡、国労小倉闘争団の羽廣憲さん、学生自治会を再建した広島大学の学生が闘いを報告し、決意を語った。
 最後にNAZENナガサキの橋里耕悟事務局長がまとめを行った。「NAZENナガサキは原発と核兵器は一緒だということに確信を持って運動を進めています。動労千葉への9・25反動判決を阻止し、11月労働者集会に大結集しましょう」
 被爆68周年の8月9日に長崎で「すべての原発いますぐなくそう!」と呼びかけるNAZEN運動が、保養という具体的運動と陣形をもって大きな軌跡をしるした。

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週刊『前進』(2596号1面3)(2013/08/19 )

前進速報版から 前進速報版から

▼福島と被爆地結び8・9長崎集会▼長崎大学に山下俊一副学長解任を申し入れ▼山本太郎氏への国家権力によるデマ攻撃を弾劾する

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週刊『前進』(2596号2面1)(2013/08/19 )

 『前進』1万人読者網と労組拠点建設し戦争・改憲の安倍打倒へ

 11月労働者集会の成功へ闘おう

 7月参院選での山本太郎氏の勝利と、動労水戸の外注化阻止・被曝労働拒否・福島連帯のストライキ(その国労郡山工場支部の闘いとの結合)という7月の2大勝利は、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキの反核・反原発闘争と8・15闘争の高揚と成功へと引き継がれた。この日本の労働者階級と革共同の闘いは、極右超反動の安倍政権を激しく追いつめている。参院選での「自民圧勝」は完全な虚構だ。大恐慌下に世界革命勝利の時代が到来している。国鉄決戦でプロレタリア革命を切り開く時だ。動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決策動阻止へ、10万筆署名運動と9・15大闘争に総決起しよう。

 全国から9・15大集会へ

 参院選での山本氏勝利は、首都100万、全国1000万の規模で、青年労働者と学生を先頭に労働者階級人民の帝国主義・新自由主義への怒りの反乱が起きたことを示している。全有権者のわずか20%前後の得票による「自民圧勝」はブルジョア議会選挙の虚構であり「民意」の反映などではまったくない。安倍政権はきわめて脆弱(ぜいじゃく)で危機的な階級基盤の上に立っている。
 今や大恐慌の本格化と3・11情勢下に、革命的情勢が急速に成熟し、日本帝国主義打倒と世界革命勝利までやむことのない闘いが始まっている。その根底には青年を先頭とする労働者階級の解雇・大失業、民営化・外注化、大幅賃下げ、非正規職化の攻撃への怒りと地をはう職場からの闘いがある。労働者が切り捨てられ、生きていけない最末期の資本主義・帝国主義社会などぶっ飛ばせという根源的な意識と怒りと行動が、驚くべき速さで全社会、全世界へと拡大している。
 革命的共産主義運動50年の闘いの歴史は、世代を超えて受け継がれ、発展させられ、ついに革共同は「国鉄決戦でプロレタリア世界革命を」「世界単一の闘う労働者党の建設を」と呼びかける地平にまで到達した。
 9・25反動判決策動粉砕に向け、10万筆署名運動の推進と同時に、動労千葉と国鉄闘争全国運動が呼びかける9・15大闘争(東京・代々木公園けやき並木での大集会と新宿へのデモ)に総決起しよう。国鉄1047名解雇撤回・外注化絶対反対を軸に、1人の解雇も切り捨ても許さない闘いに立ち上がろう。そして、10月JR外注化阻止と11月全国労働者総決起集会へ進撃しよう。ここから新しい歴史が始まる。

 危機と破綻を深める安倍

 参院選の「圧勝」でむしろ危機を深め、追いつめられている安倍政権は今、むきだしの反動攻撃を策動している。実際、日帝ブルジョアジーと安倍政権の危機と破綻は深刻だ。「アベノミクス」は、FRB(米連邦準備制度理事会)の超金融緩和政策の「出口戦略」が危機と崩壊を迎えるとともに早晩破綻することは不可避だ。福島原発事故は膨大な放射能汚染水をはじめ解決の展望はまったくない。安倍外交も韓国、中国との関係の破綻だけでなく米欧との間でも矛盾が噴出している。
 絶対反対の旗を掲げて勝利した山本太郎氏への週刊新潮など右翼メディアを使ったデマキャンペーンと「つぶし」攻撃は、安倍政権と国家権力中枢の絶望的危機の表現であり、とんでもない「国家の陰謀」だ。山本氏を当選させた首都100万決起への恐怖に満ちた襲撃だ。猛然たる反撃で絶対に粉砕しよう。
 麻生副首相の「改憲の手口をナチスから学べ」というデタラメで凶悪極まる発言は、安倍政権の正体と危機を露呈した。安倍・麻生は、ナチスの手口に学んで本気で改憲を、「非常事態条項」の強行を狙っている。絶対に許すわけにはいかない。労働者階級人民の怒りは必ず爆発する。闘う労働組合の再生と決起こそ改憲阻止の最大の力だ。参院選闘争の勝利は「無数の山本太郎」を職場、地域、街頭から生み出す。7月の歴史的勝利への権力中枢の反動と陰謀を絶対に打ち砕き、第2ラウンドの闘いに意気高く突入しよう。

 集団的自衛権行使へ突進

 大恐慌と3・11情勢下で絶望的危機にあえぐ安倍政権は、集団的自衛権の全面的な行使=海外派兵と戦争に踏み出そうと躍起になっている。内閣法制局長官を集団的自衛権容認派の小松一郎にすげ代え、さらに「国家安全保障基本法」の成立強行へ突進するなど改憲策動を強めている。安保法制懇は「集団的自衛権をめぐる憲法解釈で全面解禁を提言」すると同時に、「機密保全法案」強行や国民投票法のさらなる改悪などを狙い、日米安保強化を軸に実際に戦争のできる軍事力の強化にのめり込んでいる。
 8月5日、沖縄宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン内の山中に、米空軍嘉手納基地所属のヘリコプターHH60が墜落・炎上する許し難い事故が起きた。しかも日米帝は、オスプレイ配備拡大への沖縄労働者階級の怒りの抗議におびえながら、1週間後に配備を強行。さらに米軍はHH60同型機の訓練も再開しようとしている。自衛隊は対中対峙・対決をにらんだ海兵隊機能の形成や無人航空機導入も画策している。
 だが「死すべきは基地、労働者は死んではならない」のだ。沖縄の労働者は国鉄闘争を先頭に、全国でも最悪の失業と非正規職化攻撃に抗して労働運動の団結を拡大して闘い、沖縄闘争の最先頭に立っている。
 さらに原発再稼働と労働者への被曝強制に対する動労水戸と国労郡山工場支部の外注化阻止・被曝労働拒否・福島連帯の闘いは、全世界の労働者にも感動を与えている。それは反合理化・運転保安闘争によって労働者が本来持つ誇りと共同性をよみがえらせている。昨年来の動労千葉のJR外注化粉砕の職場闘争は、単なる闘争戦術を超え、「これだけは絶対に譲れない」「労働者と資本は非和解だ」という路線と闘いと団結を労組の枠を越えてつくり出した。被曝強制との対決は、動労水戸から国労郡山工場支部、さらにJR労働者全体へと拡大し、福島の怒りと全労働者を必ず結びつける。

 動労水戸7月ストに続け

 安倍は、8・6の広島記念式典参加後に、7人の被爆者代表と面談し、被爆者の原発廃止の訴えを踏みにじり、再稼働など原発の維持・推進を公言した。同時に参院選過程ではひた隠しにしていた「放射能汚染水を含む地下水の海への流出」を東電が認めた。汚染水は遮水壁(しゃすいへき)工事でも解決できず、トリチウムなどはまったく除去できない。福島第一原発「3号機からの蒸気」は、格納容器の損傷という恐るべき現実を示す。福島の子どもたちの甲状腺がんの拡大が、政府の無視・抹殺のもとで進行している。
 放射能の拡散と被曝拡大の中で、この8月には「原発避難区域の再編の完了」と称し、除染目標値などを無視して住民の帰還を強行している。除染モデル事業は大手ゼネコンが5兆円を超えて独占的に受注し、被曝労働の強制や賃金未払い、危険手当の略取、労働安全衛生法違反などを横行させている。福島圧殺・棄民化政策と「避難区域再編」攻撃の最先端が、JR常磐線の広野−竜田駅間の運転再開策動だ(来年3月)。動労水戸の7月の3波のストは決定的で感動的な闘いだった。

 階級的団結で未来開こう

帝国主義・新自由主義に未来はない。未来は資本と国家への幻想を最後的に吹き飛ばし、労働者自らが階級的に団結し、国際連帯の闘いを進める中で自らつかむのだ。
今日、労働者階級を襲う無権利と分断、非正規職化、年間3万人の自殺という階級戦争の出発点こそ国鉄分割・民営化だった。昨年6・29判決でその核心に触れた東京地裁・白石哲裁判長は、今春、突然更迭され(白石事件)、東京高裁・難波孝一はJR東海会長・葛西敬之らの証人尋問もせず判決日を9月25日に指定し結審した。今こそ国鉄10万筆署名を集めきり、反原発・反被曝や改憲阻止の闘いと結合し、9・25反動判決阻止へ闘おう。9月15日、代々木公園けやき並木に全国から結集し、JR本社への怒りの大デモに立とう。
 革共同は、労働組合を革命的に再生し、階級的政治勢力として大きく躍り出るために求められている飛躍を成し遂げる。50年間、労働者階級とともに血を流して国家権力中枢と激突し闘い抜いてきたことに誇りをもってさらに闘い抜く。
 『前進』夏季特別号の革共同集会基調報告は、圧倒的な注目と共感を呼んでいる。1万人『前進』読者網を絶対に建設しよう。
 最後に、革共同への夏期一時金カンパをあらためて心から訴えます。国鉄決戦の勝利を軸にしてプロレタリア世界革命を切り開くため、分断をのりこえ、団結してともに闘いましょう。

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週刊『前進』(2596号2面2)(2013/08/19 )

 8・22弁論再開要請行動へ

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審

 解雇撤回へ10万筆署名集めきろう

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決絶対阻止へ、全国の職場・地域で10万筆署名の取り組みが加速している。
 15日には「8・15労働者・市民のつどい」を前に、JR中野駅北口で署名集めが行われた。酷暑の中、1時間で百筆を超える署名が集まった(写真)
 22日には東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)に対する弁論再開要請と署名提出が行われる。職場や地域で集めた署名を国鉄闘争全国運動事務局に集中し、8・22要請行動に大挙結集しよう。

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週刊『前進』(2596号2面3)(2013/08/19 )

 山本太郎氏への大陰謀=デマキャンペーンを粉砕しよう

 安倍との闘いは第2ラウンド

 山本太郎氏に対する、右翼マスコミを動員した日帝権力・安倍政権によるまったく許し難いデマキャンペーンとつぶし攻撃が開始された。革共同は、夏〜秋の国鉄決戦と一体の闘いとして、このひとかけらの真実も正義性もない卑劣な「国家の陰謀」を粉砕するために、全力で闘う決意だ。どこまでも山本太郎氏とともに闘って勝利しよう。
 7月参院選・東京選挙区で山本太郎氏は66万6684票を獲得し、第4位で堂々の当選をかちとった。青年労働者を先頭に、大失業や非正規職化に対する怒りと反原発の怒りが一体的に結合し、自民党・安倍政権と日帝権力を痛撃した。
 この7月参院選での山本太郎氏の勝利をもって情勢は一変した。大恐慌と3・11情勢下での新しい闘うリーダーが鮮烈に登場し、首都東京で100万人の決起と反乱が起こったのだ。膨大な労働者階級人民が山本太郎氏を押し立て、「被曝させない、TPP入らない、飢えさせない」を掲げて、日帝・安倍政権との本格的な激突過程へと突入した。大恐慌下で世界革命勝利の時代が到来している。
 山本太郎氏への新たなデマキャンペーンとつぶし攻撃は、首都直下での100万の決起に大打撃を受け、恐怖にかられた日帝権力と安倍政権による卑劣極まる絶望的な襲撃である。日帝国家との全面対決をも辞さぬ絶対反対派として登場した山本太郎氏を、なき者にしようという「国家の陰謀」である。また彼を支持しともに立ち上がった100万の人びとへの、権力と安倍の襲撃に他ならない。
 すでに山本太郎氏は怒りに燃えて記者会見を行い、週刊新潮などの卑劣なキャンペーンがまったく事実ではないことを明らかにし、反撃に立ち上がっている。彼を支持しともに闘ってきた人びとは、どんな攻撃があろうともけっしてくじけないと誓っている。山本太郎氏を支持する首都100万、全国1000万もの労働者人民は、卑劣なデマキャンペーンと国家的陰謀を絶対に許しはしない。
 いやむしろ、右翼マスコミを使った安倍や権力によるこのような卑劣な攻撃がそのまま通用すると思ったら大間違いだ。それは逆に自民党・安倍政権の命取りとなる。そのことを、安倍とこのたくらみに加担する者たちすべてに、必ず思い知らせてやろうではないか。
 7月参院選での安倍・自民党の「圧勝」なるものはまったくの虚構である。参院選の投票率は52・61%でしかなく、その中で自民党の得票率は選挙区で42・74%、比例代表で34・68%であり、安倍・自民党は全有権者のわずか20%前後の支持で政権についたに過ぎない。ブルジョア議会と超反動の安倍への怒りは全社会に渦巻いている。
 この中での東京選挙区での山本太郎氏の勝利は、「自民圧勝」の内実と安倍政権の脆弱性を、激しく突き出している。安倍と日帝権力はこのことに根底から戦慄(せんりつ)しているのだ。
 実際に安倍政権は、大恐慌の本格化と大争闘戦時代への突入のもとで、出口のない絶望的な危機にあえいでいる。超金融緩和政策と「アベノミクス」の破綻・崩壊は不可避であり、膨大な汚染水処理問題ひとつとっても福島原発事故を解決する能力も方策もまったく持っていない。「ナチスに学べ」と叫んだ麻生発言は日帝を国際的にいよいよ孤立化させ、外交・改憲をめぐる破綻をさらに促進した。集団的自衛権行使や原発再稼働への絶望的突進は、安倍政権の危機をさらに決定的に激化させる。
 山本太郎氏への卑劣なデマキャンペーンとつぶし攻撃こそ、安倍と権力の追い詰められた姿である。闘いは新たなステージに突入した。敵の攻撃を粉砕し、山本太郎氏と首都で決起した100万の人びととともに、さらに前進しよう!

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週刊『前進』(2596号2面4)(2013/08/19 )

 日教組大会へ訴える

 「参加・提言・改革」路線は破綻した ストライキで闘う日教組つくろう

 革共同教育労働者委員会

 8月25〜27日に横須賀市で開かれる日教組第101回定期大会を、安倍政権の公設民営学校解禁と対決する戦闘宣言を発する歴史的大会としよう。さらに9・25反動判決阻止に向けた国鉄解雇撤回10万筆署名と9・15集会への組合員の総決起を呼びかけよう。非正規職化と超過重労働による病気や事故、評価・処分・免職などすでに始まっている教育の民営化攻撃に対し、全国の職場に怒りは充満している。安倍政権打倒! 教育の民営化絶対反対! ストライキで闘う日教組をつくり出し、国鉄決戦と公務員決戦で労働運動の大攻勢を切り開こう。

 労組拠点を建設し日教組本部打倒を

 日教組大会闘争は第一に、闘う労働組合を現場から本気になってつくり出す闘いだ。国鉄分割・民営化攻撃以来、95年の文部省とのパートナー路線、民主党―連合路線で日教組を変質させてきた本部は今や完全に破綻した。階級的労働運動派の拠点建設で今こそ打倒しよう。
 参院選での山本太郎氏の当選は時代を画する大勝利だ。「条件闘争では勝てない」「僕の言うことを『過激だ』と言う人に、この世の中は変えられない」と社会の根底からの変革を訴え、巨大な団結を生み出した。青年教育労働者は職場からの反撃と一体でこの闘いを担い、安倍や大阪市長・橋下に痛打を与えた。
 山本氏勝利の対極ではっきりしたのは日教組本部の路線的破綻だ。日教組本部は民主党の惨敗と組織内候補・神本美恵子票の激減で恐慌状態だ。「闘っても勝てない」という敗北主義を振りまいて「参加・提言・改革」路線を推し進め、「資本と労働者は非和解」という労働組合の原点を投げ捨ててきたことが、この状況を生み出した。
 山本氏は、連合東京が推薦した元文科副大臣・鈴木寛をたたき落として勝利した。鈴木寛は、安倍と心根でまったく同質の人物であり、民主党の悪名高き「日本国教育基本法案」を中心で作成し、11年3・11原発事故直後に文科副大臣として学校利用基準「20_シーベルト」を決めた張本人だ。「公設民営学校で先端的な教育を実施する」と主張する藤原和博(元杉並区立和田中校長)の全面支援を受け、本人も授業のアウトソーシングを主張してきた。
 連合は安倍と一体となってTPP(環太平洋経済連携協定)推進・原発再稼働を進めている。労働者階級にとって「我慢ならない」社会をつくり出してきたのは、新自由主義攻撃とともに、連合など既成労働運動幹部である。福島と団結して全原発の廃炉をかちとろう。連合を打倒し、労働組合を闘う現場組合員の手に奪い返そう。

 公設民営学校化に職場で対決しよう

 第二に、「公設民営学校解禁」という教育の民営化と労組破壊、教育労働者の非公務員化・非正規職化との対決を宣言する大闘争だ。
 安倍政権は6月に閣議決定した「日本再興戦略」で、「国家戦略特区」の創設、とりわけ「公立学校運営の民間への開放」を打ち出した。今秋臨時国会で関連法を成立させ、年内にも実現可能にしようとしている。教育政策ではなく経済政策として打ち出された「公設民営学校」は、公教育を資本のもうけ口にする大攻撃であり、日教組運動のすべてをかけて対決すべき課題だ。
 国家戦略特区構想を提案した慶應大学教授・竹中平蔵は、「岩盤規制をどうしたら突き崩せるかということで、私はアベノミクス特区(国家戦略特区)を提案した。これは……従来の特区と違い、特区担当大臣と地方自治体、民間企業が集まる『3者統合本部』を作り、ミニ独立政府のようにいろんなことを決められるようにする。実はこの特区のワーキンググループが動き始めていて、わずか1カ月で岩盤規制が一つ崩れた。学校の公設民営だ。これは10年以上できなかったが、今回できることになった」と述べている。
 「まずなすべきところは制度設計」(国家戦略特区ワーキンググループ)として、これまでのボトムアップ方式ではなく、「3者統合本部」を形成し、国家戦略としてトップダウンで特区を推進するというのだ。「ミニ独立政府」とは道州制だ。安倍・橋下、そして「教育公務員等126万人を民間に」(06年)と主張する関西経済同友会らが一体で、日教組解体・教育公務員の非公務員化へ動き出した。
 「落ちこぼれゼロ法」などで公立学校が次々廃校に追い込まれてきたアメリカでは、09年以来約30万人もの教員が解雇され、約4千校の公立学校が閉鎖された。しかし、アメリカ各地の教組では、絶対反対を貫く現場組合員たちが組合権力を奪い、必死の反撃を広げている。その先頭に動労千葉との国際連帯を続けているUTLA(ロサンゼルス統一教組)がいる。
 新自由主義攻撃は全世界の労働者の国際連帯闘争を発展させ、勝利の展望を切り開いている。教育の民営化の本格的開始に対する回答は、階級的労働組合を無数につくり出すことだ。

 現場の怒りを束ね国鉄9・15集会へ

 第三に、国鉄闘争勝利に向けて日教組組合員の渾身(こんしん)の決起を呼びかけよう。
 激しい公務員労働運動解体攻撃は、国鉄分割・民営化の全社会化だ。しかし安倍政権は大恐慌と新自由主義の大破綻、そして3・11に直撃され、もはや労働者を支配する力を失っている。現場労働者の絶対反対の闘いで橋下もぐらぐらだ。
 動労千葉・動労水戸―動労総連合の闘いは、ついに国鉄分割・民営化による解雇がJR・国鉄・司法が結託した不当労働行為であり、解雇そのものが無効であることを暴いた。国鉄闘争こそ、民営化攻撃を覆し、労働運動の屈服と後退の歴史を転換させる推進軸だ。
 退職手当400万円削減、地方交付税・義務教育費国庫負担削減という国家暴力を使った7・8%賃金カットに対して、日教組・加藤良輔委員長は口先では「狙いは労働組合破壊」と言いながら、攻撃の激しさに震え上がって闘う方針を何ひとつ出さず、賃下げを容認した。労組幹部が労組破壊の手先になっている。これこそ国鉄分割・民営化の帰結だ。
 安倍政権は「いじめ防止対策/道徳の教科化/教育委員会改革/英語教育の充実/学制改革/教師インターンシップ制度」などの攻撃を進めている。これらは公設民営化攻撃を突破口とする日本帝国主義の生き残りをかけた民営化・労組破壊攻撃だ。例えばその専門性をもって外注化の切り口とされている英語教育強化も、狙いは「グローバル人材の育成とは、世界と戦って勝てる強い日本人を作るということ」(日本教育再生機構・八木秀次)だという。民営化攻撃に屈服する日教組本部はこうした新自由主義下の安倍・教育攻撃と闘う路線も展望もない。
 すべてを新自由主義の破綻としてとらえ、国鉄闘争勝利の展望と民営化・非正規化への職場の怒りを結合して闘いぬけば、必ず勝利できる。職場の労働者の怒りを束ねて、ストライキで闘う日教組をつくり出そう。

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週刊『前進』(2596号3面1)(2013/08/19 )

 闘う自治労を再生しよう

 賃下げ阻止・民営化反対!

 ストで安倍・橋下倒せ 大阪大会に向け訴える

 階級情勢は一変し、階級的労働運動が前面に躍り出る絶好機が来た。8月26〜28日、大阪城ホールで開催される自治労第86回定期全国大会は、80万組合員と公務・公共1千万労働者、全労働者の未来のかかった大会となった。公務員攻撃と改憲・戦争に突き進む安倍政権を国鉄・公務員決戦の爆発で打ち倒す、その先頭に自治労が立つ時が来た。4・26に始まる自治労ストは現場の怒りを解き放ち、闘いの機運は全国にみなぎっている。全国大会をストライキで闘う自治労再生の総決起の時としよう。8・27自治体労働者全国集会に集まろう。

 労使協調は敗北の路線だ 現場の怒りを解き放とう

 国鉄闘争とともに全国の自治体職場で賃下げ絶対反対を貫き、橋下徹大阪市長を先端とする丸ごと民営化・全員解雇粉砕の闘いが闘われている。
 ある単組ではこの7〜8月、賃下げ強行を狙う当局との団交に200人を超える組合員が連続して結集した。組合幹部が「こんなに集まったのは初めて」と驚くほど組合員の怒りは激しい。
 団交では、青年労働者の怒りに満ちた発言がたたきつけられた。「子どももいて家族もいて家のローンもあったら本当にかつかつです。いったいどうなるんだろうとみんな不安を抱えています」「来月、妻が出産を控えている。さらに減給されたら正直どうしていいのかわかりません。これ以上収入は見込めない。とても理不尽だと思う。今回のことで、子どもをつくらなければよかったと一瞬でも思ってしまった自分が悔しいです」
 にもかかわらず組合執行部は、首長との関係維持を口実に、裏切り的妥結に走った。「選挙で今の首長が負けたら、もっと民営化圧力がかかる。だから妥結しかない」などとして、現場労働者の怒りを踏みにじったのだ。絶対に許されない。
 問題は、労働組合として絶対反対を貫くかどうかだ。公務員大幅賃下げは安倍政権の歴史的攻撃としてかけられた。新自由主義が行き着いた大恐慌下で、財政再建などありえない。地方交付税削減で締め上げられて、賃下げも民営化も極限的に激化する。ギリシャに続くデトロイト市の破産申請と全面民営化・公務員全員解雇、社会保障解体の大攻撃は、全世界共通の問題だ。労働者にとって絶対反対の闘い抜きに生活も守れない時代に突入したのだ。
 自治労本部の大会議案には、4・26ストが切り開いた闘いの機運と労働組合再生の地平の総括が皆無だ。それどころか当局との激突を恐れ、スト回避に走る意図が見え見えだ。労使協調、財政再建の立場では闘えない。国と当局の手先に転落する以外にない。現場の怒りを解き放ち、労働組合の階級的団結をよみがえらせよう。連合派労組幹部の裏切りをぶっ飛ばしてストを復権し、今次自治労大会を階級的労働運動への歴史的転換と飛躍の時としよう。

 民営化=全員解雇許さず 橋下打倒に総力あげよう

 国鉄決戦と結合し、自治労組織の総力を挙げて全労働者の先頭で闘いぬくなら、安倍も橋下も打ち倒すことができる。
 山本太郎氏が参院選で掲げた「被曝させない、TPP入らない、飢えさせない」は、新自由主義に怒る全労働者の根底的なスローガンだ。このスローガンのもとに青年労働者をはじめとする1200人ものボランティア活動家が生まれ、66万6684人が投票行動に決起し、全国で1千万人規模の人びとが支持し共感をもって立ち上がっている。追いつめられているのは安倍であり新自由主義の側だ。動労千葉・動労水戸の闘いがそうであるように、労働者が時代認識と路線で武装し、絶対反対で闘いぬいて職場の団結を固めていったとき、敵の攻撃はもろくも崩れ去る。大崩壊を始めた連合の支配を打ち破り、荒々しいストライキの時代を切り開こう。
 攻防の最大の戦場は職場だ。職場支配権を労働者の手に奪い返す闘いに総決起しよう。
 橋下は、新自由主義攻撃の先兵として、公務員攻撃を極限まで激化させ大阪府・市の丸ごと民営化と公務員全員解雇・10割非正規職化に突き進もうとしてきた。しかし、橋下の違法不当な労組活動アンケート調査は労働者の反撃で回収・処分に追い込まれた。入れ墨調査拒否処分や「君が代」不起立処分に対する不屈の闘いへの共感が広がり、斎場労働者9人の懲戒免職処分取り消し判決がかちとられている。
 昨夏の自治労函館大会では、270人から橋下打倒集会の賛同が寄せられた。全国の自治体労働者は、自らの職場での民営化・外注化と賃下げ、人員削減と長時間労働の強制、公務災害多発の現状と橋下の攻撃を重ね合わせ、怒りを込めて署名に応じた。その怒りが国鉄闘争の前進と結び付いて燃え広がり、都労連の退職手当400万円削減反対のスト決起(29分集会)から4・26全国ストへと上りつめていった。闘いが闘いを呼ぶ。だからこそ今、国鉄解雇撤回、民営化・外注化阻止、賃下げ絶対反対、安倍・橋下打倒に80万自治労の総力で立ち上がることが決定的なのだ。

 国鉄10万筆署名運動進め 労組拠点・青年部建設を

 自治労をストライキで闘いぬく労働組合に鍛え上げていく最大のカギは労組拠点建設であり、青年部建設である。強固な労組活動家集団の形成が求められている。
 国鉄分割・民営化の真実を暴き出し鉄建公団訴訟控訴審9・25反動判決阻止の闘いに総決起しよう。大恐慌・大失業情勢下で10万筆の国鉄署名を集めきることが、国・裁判所・資本との力関係を変え職場の階級的団結を打ち固めることとなる。
『前進』1万読者網建設をかちとろう。自治労大会2日目夜に開催される「賃下げ阻止! 闘えば勝てる! ストライキで闘おう! 8・27自治体労働者全国集会」(大阪市・東成区民センター)の成功をかちとろう。

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週刊『前進』(2596号3面2)(2013/08/19 )

 自治労全国保育集会 国鉄署名80筆集まる

 「ストで闘おう」発言に共感

 8月10〜12日、大分市で自治労全国保育集会が開かれ、約1500人が参加した。国鉄4カ月決戦の一環、自治労「大阪夏の陣」の先陣を切る自治労全国保育集会での闘いが猛暑の中闘われた。
 国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんとともに労組交流センターの10人が会場の大分文化会館の正面に陣取り、「子ども子育て新システムは公立保育所の全廃、職員の全員解雇・非正規化だ!」という横断幕を広げ、ビラまきと国鉄10万署名に取り組んだ。
 全体会では、参院選大敗で敗北感丸出しの基調が報告された。「昨年6月の3党合意では『社会的責任としての市町村義務』を出したが自民党政権になり保護者の責任が全面になった」とし、民営化も非正規化も学童の実態も深刻で「厳しい」を連発し結論は完全推進を押し出した。拍手もまばらという惨状だ。
 私たちは、開始前2時間と閉会後「闘えば勝てる」と元気に訴えた。「新制度はすでに破綻している! 絶対反対のストライキでたたかおう!」と呼びかけるビラは、800枚が吸い込まれるように受け取られ、10万署名は80筆にのぼった。ビラを読み会場からまっすぐ署名をしに来る青年。「26年間解雇撤回で闘っている国鉄労働者が今ここにいます」と羽廣さんを示すと「それならします」と署名するベテラン。保育関連の署名ではないにもかかわらず、「解雇は自治体労働者の今の問題だ」という訴えがストレートに受け止められていく。
 2日目「保育制度改革」分科会会場前で、8・27自治体労働者全国集会のビラまきと集会賛同署名に取り組んだ。ビラは200枚が受け取られ、19人が署名に応じた。「私たちは意見が違うからと会場から排除されている。ぜひ分科会の中で質問をしてほしい」と言うと「参加させないなんてことがあるの?」と怒り、「分かりました」と言ってくれる人もいた。
 分科会では、厚労省の役人が長々と新制度の説明をし、自治労本部は「新制度でどんな職種が必要か」などとテーマを絞り、制度そのものへの不安や怒りを封じ込めてきた。彼らは絶対反対の声を心底恐れているのだ。この圧殺体制を3日目の「自治労の保育運動」の分科会での仲間の決起が打ち破った。「解雇攻撃に対して4・26のようにストライキで闘おう」という発言に会場から拍手が起こったのだ。それに対して本部・社会福祉評議会の西村事務局長は平然と「4・26ストで削減しなかった市町村に対して地方交付税を削減するなど単純に喜べない」と、闘いを真っ向から否定する発言をした。これは「賃下げ反対は市民サービスを低下させる」とストライキに敵対した日本共産党と同じだ。自治労本部は規制緩和・解雇と闘わないどころか推進することを宣言した。もはや「自治労の死」だ。8・27「闘う自治体労働運動をつくろう」という仲間のアピールに応えて、全国から全力で仲間を組織し結集しよう!
 (保田結菜)
(写真 国労闘争団の羽廣さんとともに「闘えば勝てる!」と元気に訴え【8月10日 大分市内】)

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週刊『前進』(2596号3面3)(2013/08/19 )

 8・5広島産別集会 労組拠点建設推進を

 国鉄10万署名は絶好の武器

8月5日午後、広島市のアステールプラザで産別集会がかちとられました。以下、各集会についての報告を掲載します。(編集局)

 ●国鉄

 国鉄産別集会は基調報告を動労西日本の山田和広書記長が行った。動労千葉の川崎昌浩さんが「真実が暴かれた!(国鉄改革のすべてが不当労働行為だった)/9・15総決起集会へ!」と題する特別報告を行い、被曝労働拒否の闘いの報告を動労水戸の石井真一委員長と国労郡山工場支部の橋本光一さんが行う画期的集会となった。動労・国労の枠を越え、工場・検修・貨物・保線・運転などJR全職場の50人を超える仲間が一同に会し、平成採の青年も国鉄分割・民営化と生涯をかけて闘ってきた歴戦の勇士も9・25から11月へ闘いぬく決意を固めた。

 ●自治体

 自治体労働者総決起集会は、60人を超える結集で大成功した。4・26自治労ストを闘い抜き、労組拠点・青年部建設の大前進をかちとった青年労働者の発言が全体をリードした。討論を通して、首長との協調路線で現場の賃下げ反対を踏みにじろうとする労組幹部を許さず、断固闘う決意が固められた。自治労大会2日目夜に開催される8・27全国集会に総結集し、国鉄闘争と一体でストで闘う自治労をつくり出す方針が確認された。

 ●教労

 「国鉄1047名解雇撤回!/教育の民営化絶対反対!/非正規職撤廃!/職場からストライキで闘う日教組をつくろう」と題し全国教育労働者交流集会が行われた。
 基調提起は「本集会の目的は全国の教育現場・労働組合で奮闘している青年の団結をつくること。動労千葉や動労水戸のように絶対反対で闘い、団結の力で仲間を守り未来を切り開く労働組合をつくろう。国鉄闘争を闘い仲間を増やし、11月労働者総決起集会で再会しよう」と訴えた。
 各地で闘う青年労働者が次々発言し、活発な討論が行われた。

 ●全逓

 郵政労働者交流集会では、全逓労働者部会の岩本正治代表が基調提起した。「参院選で山本太郎氏が当選。連合JP労組本部の組織内候補が落選。労働者はNOを突きつけた。動労千葉労働運動を職場で実践し拠点を建設しよう」と訴えた。
 職場報告では郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が、東京・晴海局で雇い止め撤回闘争を闘っている当該の組合員とともに登壇し、この間の闘いと組織拡大を報告した。同じく大阪で雇い止め解雇された非正規の仲間も裁判闘争を開始したことを報告した。
(写真 動労千葉労働運動を実践し組織拡大へ! 郵政労働者交流集会をかちとる【8月5日 広島市内】)

 ●医療・福祉

 全国から集まった医療・福祉労働者は安倍政権と真っ向から闘う山本太郎選挙の勝利を確信し、基調報告は「国鉄労働運動破壊に全産別の労働者と反撃しよう。10万筆署名を武器に職場を組織しよう!」と訴えた。
 職場の闘いが報告された。現場の格闘は新自由主義資本の就業規則改悪との闘いだ。賃下げ・総非正規職化に対して反合理化・安全闘争で職場支配権に挑戦し、あるいは解雇撤回をかちとる、一歩も譲らない闘いが報告された。国鉄9・25反動判決粉砕、11月集会の組織化へ団結を固めた。

 ●合同・一般

 闘う合同・一般労組総決起集会が70人の結集でもたれ国鉄4カ月決戦と全国協1千人建設を固く決意するものとなった。
 小泉義秀事務局長は山本選挙勝利の意義を確認し、国鉄決戦の爆発へ職場決起で10万筆署名を貫徹し、9・15集会から9・25反動判決阻止へ総決起しようと訴えた。鈴コン分会を軸に首都圏広域労組連絡会が職場闘争から組織拡大へ進んでいると報告し、1千人建設を何としても実現しようとアピールした。
 また、電通労働者も産別交流会を開催した。

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週刊『前進』(2596号3面4)(2013/08/19 )

 “最高裁でも闘い抜く”

 ジェコー解雇撤回控訴審

 反動判決弾劾し戦闘宣言

 7月31日、東京高裁民事20部(坂井満裁判長)は、解雇撤回を求めてジェコー資本を提訴していた期間従業員の高橋美和さんの訴え(第一次訴訟)を棄却した。断じて許すことはできない。高橋さんと所属するJAM神奈川ジェコー労組は、直ちにこの反動判決を弾劾し、上告して闘うことを明らかにした。
 坂井裁判長は6月19日の第1回控訴審で原告側の証人申請をすべて却下し、即日結審、判決日を翌月に指定する暴挙を行った。原告側は高裁に対し弁論再開要求を突きつけたが、これをも無視して反動判決を強行した。
 この日の法廷は同じ時間帯に9件の判決を入れていた。裁判長は自らの不正義性におののき、本裁判を最後にした。そして判決主文を読み上げた瞬間、怒りの声で包まれた法廷から逃げ去った。
(写真 拳を上げて反動判決を弾劾する組合員と支援【7月31日 東京高裁前】)

 ●卑劣な分会つぶし

 高橋さんは解雇当時、ジェコー労組行田分会長だった。派遣労働者のとき労組に加盟し、正社員化を要求して闘った。偽装請負を告発してジェコーを追いつめ直接雇用にさせた。同じく派遣労働者から期間従業員になった労働者が次々と労組に加盟し、分会の影響力が拡大していった。これに恐怖したジェコーは高橋さんを狙い撃ちして解雇した。分会をつぶすための不当労働行為だ。
 ジェコーの手口は卑劣きわまる。期間従業員として採用した際の労働条件明示書に、「欠勤が連続30日を超えたら自動退職とする」という就業規則にすらない文言を、労組にも説明せずに書き加えていた。ジェコーは、高橋さんに夜勤専門の過酷な労働を7年間も強いて彼女の健康を破壊し、この「30日条項」を使って解雇したのだ。

 ●「30日条項」無効に

 当然ながら高裁判決は、この「30日条項」が「労働契約法第12条」により無効であると認定せざるを得なかった。12条とは「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効」というものだ。この一点で解雇は撤回されなければならない。しかし高裁は高橋さんが有期雇用だったことを盾に「解雇は有効」とした。「30日条項」に込めたジェコー資本の階級的意図を押し隠すことに必死だ。ここに敵の弱点がある。
 山本太郎さんは「『過労死』という言葉は25年前からある」と訴えている。労働者が生きていけない現実は国鉄分割・民営化から始まった。同時に労働者派遣法の制定で無権利・低賃金の派遣労働が本格化し、男女雇用機会均等法で女性の深夜労働規制が撤廃され歯止めが取り払われて男女を問わず全労働者への長時間にわたる深夜労働の強制が全面化していった。
 国家と資本による労働組合つぶしと不安定で過酷な非正規雇用の拡大は同時進行、同じ攻撃だった。動労千葉を先頭に外注化と闘う国鉄闘争が発展し、敵の中枢まで迫っている。労組つぶしを跳ね返してきたジェコー労組の闘いも同じだ。解雇攻撃の全容を暴き、団結を拡大し、非正規職撤廃、派遣法撤廃へ突き進もう。9・15集会を成功させ9・25反動判決を粉砕し、木村信子さんの9・30第二次訴訟(結審。さいたま地裁熊谷支部)に結集しよう。

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週刊『前進』(2596号3面5)(2013/08/19 )

 闘いは進む 青年の職場から

 自治体 闘えば勝てる!8・27自治体労働者全国集会へ 関西 志川 隆一

●4・26は闘いの始まり
 大阪市では民営化・外注化の矛盾が現場にあふれ、怒りが次々と噴き出しています。市バスでは二けたの労働者が自殺に追い込まれ、下水道の一部業務委託の職場では「組合は『ここだけじゃなくて全面的に外注化されるから心配するな』と言っている。ふざけている」という組合員の声が寄せられています。
 橋下市長はすでに失速していますが、組合本部が民営化・外注化に反対しない中で攻撃はやんでいません。現場ではタバコ1本や数日のマイカー通勤での重処分が既成事実化されようとしています。
 しかし私たちは職場で徹底的に闘い、逆に団結力に転化できることをつかんできました。
 いよいよ現場の怒りと結合し、階級的労働運動が爆発するところに来ています。4・26ストはその闘いの始まりです。
●ストライキの拡大を
 安倍政権の全国一斉賃下げをめぐる攻防では、全国の労働者がストを闘う中で、賃下げを全然強行できないところに追い込んでいます。ストライキに至らなかった職場でも「ストライキをやるべきだ」という意見が噴き出しています。今こそ闘う執行部を打ち立てることが絶対に必要です。
 自治労本部は、この間のストライキ方針を現場にきちんと下ろすことさえしませんでした。そんな自治労本部にはまともな総括さえできません。私たちこそが闘う執行部となって、ストライキの拡大をもって社会を変える大ゼネストをつくり出していこう。
 大阪市当局は現場労働者が「ストライキ」を訴えることを問題にし、処分をふりかざしてきています。しかしこれは墓穴を掘ったということです。この攻防に勝ち抜き自治労大会をさらなる闘いの爆発の出発点としていきたいと思います。
●国鉄軸に闘えば勝てる
 安倍の一斉賃下げが完全粉砕できる情勢に入っているのは、国鉄闘争があったからです。
 動労千葉を先頭とした国鉄労働者の闘いによって中曽根政権は「お座敷をきれいに」できませんでした。資本家階級はまったくの「無準備」のまま大恐慌下の解雇攻撃に踏み切らざるをえないところに至っています。
 社会保険庁や大阪市斎場労働者の解雇撤回人事院闘争・訴訟における勝利はもはや「国鉄型解雇」さえできない状況に資本家階級を追い込んでいることを示しています。こんな状況で10割非正規化などできません。
 自治体労働者の闘いは動労千葉鉄建公団訴訟の9・25高裁判決をめぐる攻防と一体です。ここで勝利した時に、山本太郎選挙に結集した青年の怒りがすべてゼネストを組織する力として大爆発することになります。
 全国の自治体労働者は、8・27自治体労働者全国集会―9・15国鉄集会―9・29橋下打倒集会に結集しよう。

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週刊『前進』(2596号4面1)(2013/08/19 )

 国際連帯の力で核と原発なくす

 8月5日 ヒロシマ世界大会に650人

 NAZENと8・6大行動が共催

 8月5日午後3時から広島市中区のアステールプラザ中ホールで、「再稼働阻止・全原発廃炉・ヒロシマ世界大会」が「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(NAZEN)と「被爆68周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会」の共催で開かれた。核と原発に反対して闘っている労働者民衆650人が全世界から結集し、画期的な集会となった。
 第1部は「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマから」と題して、ヒロシマから被爆二世で8・6ヒロシマ大行動共同代表の中島健さんが、ナガサキからNAZENナガサキの城臺美彌子さんが、フクシマから3・11反原発福島行動メモリアルデー・ふくしま共同診療所運営委員の椎名千恵子さんがそれぞれ発言した。 椎名さんはフクシマをなかったことにするために子どもを利用し被曝させる政府や自治体を徹底暴露し批判した。
(写真 反核・反原発へ国境を越え団結を固めた世界大会【8月5日 広島市】)

 原発立地の訴え

 第2部は「再稼働阻止・全原発廃炉へ闘う現地から」と題して、四国電力の伊方原発を抱える愛媛県で労働組合として原発反対を闘っている愛媛県職労副委員長の中村圭司さんと、建設中の大間原発を阻止し続けている青森県の大間現地から小笠原厚子さんが発言。
 小笠原さんは、実母の故熊谷あさ子さんが大間原発建設をたった1人になりながらも40年間にわたり阻止し続けてきた闘いを引き継いで、原発敷地に隣接した「あさこはうす」を守り抜いている。「母の遺志を引き継ぎこれからもがんばっていきます」と熱烈に訴えた。会場は鳴りやまない拍手に包まれた。
 第3部はNAZEN事務局長の織田陽介さんによる基調報告だ。織田さんは、参議院選挙での山本太郎さんの勝利に向けともに闘った経験を踏まえ、その勝利の総括を全面的に提起した。
 カンパアピールをはさんで第4部は集会のメーンとなる国際連帯だ。

 国際連帯の威力

 最初はアメリカから著名な社会派反戦シンガーのデビッド・ロビックスさんが登場。原爆に対する悲しみと怒りを歌った「ヒロシマ」や反原発の歌など3曲を披露した。
 続いて、ゴアレーベン核廃棄物処分場反対闘争をともに闘っているドイツの青年が登壇し、ゴアレーベンの闘いと並んでグローンデ原発反対闘争が道路封鎖など実力で闘われていることを写真を投影しながら紹介した。「ドイツ人は、原子力ムラはどこにでもある、国際連帯は非常に重要だと思っている」と強調、「ダンケツガンバロー」で締めくくった。
 さらに、韓国から急きょ参加した投機資本監視センター共同代表のイデスン弁護士とホンソンジュンさんが登壇し、イデスンさんが国際連帯を訴えた。「民衆の敵は相手国の民衆ではありません。民衆の敵は帝国主義者どもです」「韓国と日本の民衆は帝国主義者の巧妙な分裂策を果敢に粉砕し連帯しなければなりません」。
 そして沖縄北部合同労組委員長の富田晋さんが、沖縄の闘いとヒロシマの被爆者の闘いが一体であり、国境を越えて労働運動を基軸に闘うことが重要だと訴えた。

 労働運動に展望

 第5部は、「被曝労働阻止・全原発廃炉へ闘う労働運動から」と題して、元原発労働者で元全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部原子力発電所分会長の斉藤征二さんの報告、動労水戸委員長の石井真一さんから被曝労働阻止のストライキ報告、国労郡山工場支部の橋本光一さんによるJR郡山工場で開始された被曝労働拒否の闘いの報告、動労千葉執行委員の川崎昌浩さんによる新自由主義を打ち破り階級的労働運動を進める動労千葉の闘いの報告が次々に行われた。
 報告で、被曝車両K544を巡る被曝労働拒否の闘いが動労水戸から国労郡山工場支部に引き継がれて闘われていることが明らかにされた。ここに全原発廃炉の力強い展望を見いだすことができる。動労千葉からは9・25反動判決阻止に向け9・15労働者集会への結集が訴えられた。
 最後に閉会のあいさつを、NAZEN呼びかけ人で弁護士の鈴木達夫さんが行った。鈴木さんはNAZENの闘いの方向性として、@内部被曝との闘いの重要性・死活性と、A市民運動と労働者階級の闘いを結合することが全原発を廃炉に追い込むカギだと訴えた。
 団結ガンバローを行い、翌日早朝からの闘いへの結集を誓い合った。

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週刊『前進』(2596号4面2)(2013/08/19 )

 怒りのデモが安倍を撃つ

 ドーム前で大集会 “広島と福島の分断許さぬ”

 8月6日早朝、「被爆68周年 8・6ヒロシマ大行動実行委員会」が呼びかけた集会とデモで、全国、全世界の怒りが安倍首相と中国電力にたたきつけられた。
 「安倍首相の式典出席弾劾!」「松井市長は恥を知れ!」。平和公園での記念式典で、式台に歩み寄ろうとした安倍を怒りのシュプレヒコールが射抜いた。原発の再稼働と輸出を強行しようとする安倍、「原爆と原発は別」と言い放ち、安倍を式典に引き入れた松井一実広島市長。ヒロシマとフクシマ、反核と反原発の闘いを分断し、踏みにじることは許さない。
 原爆ドーム前から出発したデモ隊は式典会場の対岸を埋め、繰り返し安倍を弾劾した。安倍は式典あいさつで「唯一の、戦争被爆国民」という言辞を吐いた。朝鮮・中国人民を始めとする被爆者の抹殺であり、日本の核武装の権利を主張するものだ。安倍は原発再稼働に向けた「決意」も述べる予定だったが、ヒロシマとフクシマの怒りに震え上がり、直前にとりやめた。怒りのデモは国際連帯を貫き、原発再稼働と改憲・核武装をもくろむ安倍打倒の闘いとして打ち抜かれた。
(写真 元安川をはさんで記念式典会場の安倍に怒りのコールをたたきつけるデモ隊【8月6日】)

 中国電力に抗議

 平和大通りからは中国電力に向けたデモだ。「島根原発の再稼働をするな!」「上関に原発を造るな!」。路面電車からも車からも市民が熱い注目。中電ビルを一周したデモ隊は正面玄関前の歩道を埋め、シュプレヒコールをあげた。その数と迫力に警察権力はなすすべもない。大行動共同代表の大江照己さん(動労西日本委員長)が中電への申入書を読み上げた。すぐそばで情宣中だった福島県浪江町・希望の牧場代表の吉沢正巳さんも合流。原爆と原発は同じ、怒りは一つだ。安倍と松井市長のもくろみは打ち砕かれた。

 950人が集会

 デモに先立ち、原爆ドーム前で「8・6ヒロシマ・アピール集会」が開催された。朝6時過ぎから参加者が続々と集まり、950人に膨れ上がった。広島連帯ユニオンの宮原亮さんが開会を宣言。広島から反戦被爆者の会の下田禮子さんが「核のない平和な社会をつくるために行動しよう」と訴えた。福島診療所建設委員会の渡辺馨さんは、「ヒロシマ、ナガサキ、ビキニは進行中の問題。決定的なのは内部被曝、低線量被曝だ」と語り、福島の仲間と動労水戸の被曝労働強制との闘いに希望と展望があると力を込めた。
 ゴアレーベンの闘いをともに闘う青年が「すべての原発を止めろ!」とアピール。広大自治会委員長の百武拓さんが「原子力ムラの資本家たちを追放する自治会をついに建設した」と報告すると、拍手と歓声が起こった。沖縄北部合同労組委員長の富田晋さんは、前日夕方沖縄で起きた米軍ヘリの墜落事故を満身で弾劾し、「全国の力で基地建設の息の根を止める」と宣言した。
 元関生支部原子力発電所分会長の斉藤征二さんは、「ふくしま診療所を大きくして内部被曝を明らかにしよう」と呼びかけた。発言の最後に、大間原発建設と闘う小笠原厚子さんが、「子どもたちの将来を命をかけて守る」と決意を述べた。
 被爆者青年同盟委員長の一貫田康博さんが読み上げる「被爆68周年8・6ヒロシマ・アピール」が平和公園一帯に響きわたった。「もうだまされない、条件闘争では命は守れない、絶対反対で闘う――そういう100万人の人びとがデモに立ち上がるような情勢が始まったのです」「核や原発、そして戦争を必要とする一握りの資本家、支配権力者に対する労働者民衆の国際的団結がつくられたとき、そのときこそ私たちは勝利します」
 8時15分。68年前、一瞬にして15万人、その後30万人ともいわれる人びとの命が奪われた。そして3・11福島原発事故。この現実に深く激しく憤り、彼ら彼女らの無念と怒りをともにして黙祷(もくとう)を行った。
(写真 安倍弾劾デモに先立つ集会で広大自治会の百武委員長が訴え【8月6日 原爆ドーム前】)

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週刊『前進』(2596号4面3)(2013/08/19 )

 青年集会 “9・15集会総決起を”

 9・25反動判決粉砕へ団結

 8月5日夕、オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会がアステールプラザで開催された。JRの青年を先頭に動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25反動判決を粉砕していく展望と手応えをがっちりとつかむ集会となった。
 まず基調を動労西日本の山田和広書記長が提起した。山田書記長は、「国鉄闘争4カ月決戦の大進撃が始まった!」と真正面から訴えた。新自由主義に勝ち抜いている国鉄闘争が、自治労ストや山本太郎選挙の100万人決起を根底で切り開いていることを確認し、「全職場で反合・運転保安闘争の実践と国鉄10万筆署名で9・25反動判決を粉砕しよう」と確信をもって呼びかけた。
 特別報告は広島連帯ユニオン草津病院支部の中山崇志委員長だ。中山さんは、組合つぶしのデッチあげ弾圧に完全黙秘・非転向で闘い抜いた。「組合は組織を拡大し、弾圧を粉砕した。次は私の解雇撤回闘争だ」と勝利を宣言、新たな闘いの決意を力強く表明した。
 新自由主義と闘う職場からの報告が続いた。
 JR職場からは動労総連合の青年労働者が壇上に勢ぞろいした。
 動労千葉の北嶋琢磨青年部長は、「組織拡大を全力でやる。あえて”いばらの道”を進み、最後にはみんなで素敵な笑顔が見られるように全力で闘おう」と夏・秋の決戦への決起を呼びかけた。
 被曝車両K544移送阻止を被曝労働拒否で闘った動労水戸の照沼靖功さんは、JR資本がでたらめな交番検査を強制したことに「検修人のプライドを切り裂く行為だ」と怒りを爆発させ、「鉄道の安全を壊していく被曝労働強制も、外注化も絶対に粉砕する」との決意をみなぎらせた。

 公務員決戦へ号砲

 賃下げ反対で4・26ストを闘い抜いた自治体労働者3人が、勝利感にあふれ発言に立った。「毎日毎日、時代認識と路線をめぐるストライキの討論で現場労働者は必ず立ち上がることがはっきりした。動労千葉、動労水戸に学んで今度こそストをやりたい」「職場で青年部結成に突っ込む」「8月自治労大会をもって僕らが主流になろう」
 続いて郵政非正規ユニオン、教育労働者、医療労働者が次々と発言。解雇・賃下げへの怒りが団結とストライキを求め、参院選100万人決起から国鉄10万筆署名へつながっていると報告、展望を語った。
 地元の広島連帯ユニオン青年部からは多くの青年労働者が登壇。新自由主義職場の現状に怒りを爆発させ、労働運動で革命をやろうと訴えた。
 集会のまとめで、沖縄北部合同労組の富田晋委員長が「山本選挙ではっきりしたことは、国鉄闘争の中身こそ百万単位の青年たちを立ち上がらせることができるということだ。9・25反動判決は粉砕できる」と9・15集会への総決起を訴えた。
(写真 オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会で国鉄闘争勝利を誓う【8月5日】)

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週刊『前進』(2596号4面4)(2013/08/19 )

 学生集会 全国に自治会を

 9月全学連大会へ決意

 8月5日、アステールプラザで行われた全国学生集会 ヒロシマは、広大生を先頭に大成功をかちとりました。(写真)
 最初に斎藤郁真全学連委員長が基調を提起。参院選は「参加した人びとが主体になっていく大衆運動であり、ひとつの革命。『条件闘争で命が守れるか!』と闘う山本太郎さんが国会議員になる時代だ」と語り、体制内労働運動が没落する一方、被曝労働拒否で闘う働労水戸など階級的労働運動が復権しつつあることを明らかにしました。
 これと一体でかちとった広大学生自治会再建を「原子力ムラの支配の要を突き崩す大勝利」と確認。80年代以来の大学改革、「教育の民営化」路線が生み出したものこそ原発御用学者や御用学生団体だ、広大自治会再建は「この腐敗した構造との闘いとして勝利した」、それは法大闘争と3・11以降の闘いの「最高到達地平」だと総括しました。最後に「全員が『山本太郎』になろう。全国に自治会をつくり、再稼働阻止・御用学者追放の大運動を巻き起こそう! 全学連大会へ大結集を!」と訴えました。
 続いて、広島大学の百武拓学生自治会委員長がアピール。「今年の8・6は、被爆者の闘いを継承し、福島と連帯するための、被曝隠しとの闘いです。松井広島市長が『原爆と原発は別』と語りましたが、被爆者の闘いを圧殺し、福島と広島を分断するものです。これを弾劾する安倍打倒のデモをぶち抜こう!」「自治会建設は、反原発100万人決起をつくるために全国学生がともに広大で闘った結果です。『原発賛成の学生もいるのに反原発を掲げるのか』という意見も出ました。でも時代を考えれば、やっぱり大学を牛耳る資本家や原子力ムラと対決することが必要。『原子力ムラを追放して福島に向き合える大学にしよう』と訴えました。学生は目先の利益だけではなく、時代認識と路線で団結できる! この勝利を全国大学で広めよう!」
 この勝利感あふれる提起に応え、法政大、東北大、福島大、富山大、京都大、岡山大、沖縄大、広島大の1年生が次々発言。学生自治会建設や9月全学連大会大結集への決意を固めました。

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週刊『前進』(2596号4面5)(2013/08/19 )

 2013年日誌 7月30日〜8月12日

 汚染水が海に1日300d/法制局長官に集団的自衛権容認派

●日本版NSC、来年1月発足へ調整
 安倍政権は外交・安全保障政策の司令塔となる「国家安全保障会議」(日本版NSC)を来年1月に発足させる方向で調整に入った。(30日)
●エジプトでムルシ派が大規模デモ
治安部隊の銃撃で70人以上が殺されたことに抗議するムルシ前大統領支持派の「100万人デモ」がエジプト各地で始まった。(30日)
●麻生氏「ナチス発言」を「撤回」 
麻生太郎副総理兼財務相は、改憲をめぐりナチス政権の「手口を学んだらどうか」と29日に発言したことについて「撤回したい」と述べた。(1日)
●汚染水漏れ口、2年放置 東京電力は、福島第一原発事故直後の2011年4月、放射能汚染水流出元の建屋と地下坑道の間の「遮断」を防止策として公表しながら、2年以上漏れ口をふさがずに放置していた。(1日)
●オスプレイ追加配備 米軍の新型輸送機オスプレイ2機が、一時駐機していた岩国基地(山口県岩国市)から配備先の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に移動した。(3日)
●集団的自衛権容認提言へ 安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は集団的自衛権の行使容認を提言する方針を固めた。(4日)
●9640人が白血病労災基準超す
福島第一原発で事故から9カ月間の緊急作業時に働いた約2万人のうち、白血病の労災認定基準「年5_シーベルト以上」の被曝をした人が約1万人に上ることが集計で分かった。(5日)
●沖縄で米軍ヘリ墜落 沖縄県宜野座村の米軍基地キャンプ・ハンセン内に米空軍嘉手納基地所属救難ヘリコプターHH60が墜落し炎上。(5日)
●松井広島市長「核兵器は絶対悪」
広島市で平和記念式典が開かれ、松井一実市長が平和宣言で「原爆は、非人道兵器の極みであり『絶対悪』」とし、核兵器廃絶を訴えた。(6日)
●海に汚染水1日300d 政府の原子力災害対策本部は東京電力福島第一原発の建屋近くから放射性物質で汚染された地下水が1日あたり推定300d海に流出していると試算。(7日)
●法制局長官に集団的自衛権容認派
安倍内閣は閣議で、憲法解釈を担当する内閣法制局の長官に小松一郎駐仏大使をあてる人事を決定。(8日)
●基準以下の地下水「海に放出を」
茂木敏充経済産業相は政府の汚染水処理対策委員会に、福島第一原発にたまった基準値以下の汚染地下水の海への放出を検討するよう指示。(8日)
●原発事故、全員不起訴へ 検察庁は東京電力福島第一原発の事故をめぐり業務上過失致死傷などの疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら全員を不起訴処分にする方向。(8日)
●田上長崎市長が平和宣言で政府を批判 長崎市で平和祈念式典が開かれ、田上富久市長が平和宣言で、政府が核兵器の非人道性を訴える共同声明に賛同しなかったことを「被爆国としての原点に反する」と批判。(9日)
●米軍、オスプレイ配備再開 米海兵隊はオスプレイの普天間飛行場への追加配備を再開した。岩国基地の10機の
うち9機が普天間に着陸。(12日)

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週刊『前進』(2596号5面1)(2013/08/19 )

 8・9長崎 被爆者が原発廃炉を安倍に迫る

 デモで式典出席を弾劾

 改憲・戦争と再稼働許さない

 「原発は再稼働ではなく、廃炉ですよ!」――被爆から68年を生きぬいてきた被爆者が安倍に突きつけた言葉だ。平和祈念式典でも被爆者代表が原発再稼働・海外輸出を弾劾し、核兵器廃絶と原発廃止を眼前の安倍に要求、会場から拍手が起こった。山口仙二さんの遺族は遺影を抱いて安倍に駆け寄った。安倍を迎え撃った被爆者の怒りを体現する8・9デモが闘いぬかれた。
 長崎に原爆が投下されて68年目の8月9日、8・9安倍首相平和祈念式典出席弾劾デモが、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の主催で闘われた。原発再稼働と改憲・戦争に突き進む安倍、非正規職化と労組破壊の安倍に対する怒りの集会・デモとして闘われた。
 午前10時、市内の城栄公園にはNAZENナガサキ、NAZEN福岡やレイバーユニオン福岡を始めとした労働組合ののぼり、星野救援会ののぼりや、広島大学、岡山大学、京都大学の大学旗などが真夏の太陽のもと鮮やかにたなびいた。
 京都大学の学生の司会で集会が始まった。冒頭、福島の椎名千恵子さんが福島の現状を怒りを込めて報告した。
 さらに福岡の自治体労働者が「安倍政権をぶっ飛ばし、この国を変える」と力強く語り、東京から駆けつけたなんぶユニオンの労働者は8月1日にNAZEN品川を立ち上げて広島・長崎に参加していると報告し、福岡の「教育の民営化に反対する会」の教育労働者は、「山本太郎さんを当選に押し上げた100万人の怒りの先頭に青年労働者の決起がある。もっと大胆に職場で青年の団結をつくりだす」。
 合同労組レイバーユニオン福岡の青年労働者が「安倍政権を必ず打倒する。黙っていたら殺される。昨夜も11時までふらふらになりながら働いた。いつか見てろよ、必ず職場で地域で階級的団結を再生してみせる」。
 最後に三角忠事務局長が「午後の集会に先駆けてデモに打って出よう。ちょうど安倍が平和公園に到着する時刻と重なる。安倍を倒し、原発をなくそうという元気のいいデモを闘おう!」と行動提起を行った。
 炎天下、安倍弾劾デモに出発。「安倍の祈念式典出席弾劾! 安倍政権打倒! 玄海原発再稼働を阻止するぞ! 川内(せんだい)原発再稼働を阻止するぞ! 国際連帯で闘うぞ!」
 途中、平和公園下で立ち止まり、式典会場に向かって「安倍の平和祈念式典出席弾劾!」のこぶしを突き上げ、シュプレヒコール。松山町の爆心地公園へデモは進んだ。
 公園到着後、午前11時2分の原爆投下時刻に公園内に集まった多くの人びととともに必ず核も原発もない世界を闘い取る決意とともに黙祷(もくとう)をささげた。
 長崎に原爆が投下されて68年目の8月9日、8・9安倍首相平和祈念式典出席弾劾デモが、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の主催で闘われた。原発再稼働と改憲・戦争に突き進む安倍、非正規職化と労組破壊の安倍に対する怒りの集会・デモとして闘われた。
 午前10時、市内の城栄公園にはNAZENナガサキ、NAZEN福岡やレイバーユニオン福岡を始めとした労働組合ののぼり、星野救援会ののぼりや、広島大学、岡山大学、京都大学の大学旗などが真夏の太陽のもと鮮やかにたなびいた。
 京都大学の学生の司会で集会が始まった。冒頭、福島の椎名千恵子さんが福島の現状を怒りを込めて報告した。
 さらに福岡の自治体労働者が「安倍政権をぶっ飛ばし、この国を変える」と力強く語り、東京から駆けつけたなんぶユニオンの労働者は8月1日にNAZEN品川を立ち上げて広島・長崎に参加していると報告し、福岡の「教育の民営化に反対する会」の教育労働者は、「山本太郎さんを当選に押し上げた100万人の怒りの先頭に青年労働者の決起がある。もっと大胆に職場で青年の団結をつくりだす」。
 合同労組レイバーユニオン福岡の青年労働者が「安倍政権を必ず打倒する。黙っていたら殺される。昨夜も11時までふらふらになりながら働いた。いつか見てろよ、必ず職場で地域で階級的団結を再生してみせる」。
 最後に三角忠事務局長が「午後の集会に先駆けてデモに打って出よう。ちょうど安倍が平和公園に到着する時刻と重なる。安倍を倒し、原発をなくそうという元気のいいデモを闘おう!」と行動提起を行った。
 炎天下、安倍弾劾デモに出発。「安倍の祈念式典出席弾劾! 安倍政権打倒! 玄海原発再稼働を阻止するぞ! 川内(せんだい)原発再稼働を阻止するぞ! 国際連帯で闘うぞ!」
 途中、平和公園下で立ち止まり、式典会場に向かって「安倍の平和祈念式典出席弾劾!」のこぶしを突き上げ、シュプレヒコール。松山町の爆心地公園へデモは進んだ。
 公園到着後、午前11時2分の原爆投下時刻に公園内に集まった多くの人びととともに必ず核も原発もない世界を闘い取る決意とともに黙祷(もくとう)をささげた。
(写真 再稼働進める安倍の式典出席を弾劾し爆心地をデモ【8月9日 長崎】)

 長崎大学と九電に抗議

(写真 〈上〉長崎大学前で山下俊一副学長を弾劾・追及する椎名千恵子さん〈中〉九州電力長崎支社に「再稼働やめろ」と抗議行動〈下〉鉄橋で街頭宣伝、NAZEN署名が170筆集まった【8月8日 長崎市】)

 山下俊一副学長解任を申し入れ

 8・9長崎闘争は長崎大学弾劾行動から始まった。全国統一実行委員会の呼びかけで8日正午、長崎大学正門前で山下俊一と長崎大学を弾劾する街頭宣伝、署名活動が始まった。「福島の子どもたちの被ばくを推進する山下俊一副学長徹底弾劾!」の横断幕が広げられ、広島大学、岡山大学、京都大学の旗も広げられた。地元のNAZENナガサキ、NAZEN福岡を始め全国から参加した労働者、市民、学生など25人が参加した。
 三角忠事務局長が3・11原発事故直後、長崎大学医学部から福島に派遣された山下俊一教授と高村昇教授の罪状をあげて弾劾した。福島から駆けつけた椎名千恵子さんも「私は福島から山下さんを追いかけて糾弾しに来ました! 山下副学長は福島で何をやってきたのか! 100_シーベルトは安全と言って子どもたちの命、福島の市民の命を顧みないデタラメな発言をした人です。長崎大学で若い学生に命を抹殺する学問をすることなど断じて許せません」と怒りをぶつけた。
 正門前で宣伝活動を続けながら、代表団が大学当局を呼び出して「山下俊一教授の解任および高村昇教授の福島派遣中止・解任を求める申し入れ」を行った。

 九電長崎支社に再稼働やめろ!

 8日午後、全国統一実行委は、九州電力長崎支社に対し「玄海原発および川内原発再稼働申請を撤回せよ」と抗議申し入れを行った。
 全国統一実行委は前日の7日に福岡・博多の九州電力本社に「再稼働申請を取り下げよ」と申し入れた。しかし、九州電力が6日、玄海原発再稼働に向けて新たな燃料体を搬入したことが7日に報道されたのだ。
 この搬入の事実確認から長崎支社への抗議申し入れが始まった。
 応対した企画・総務部の職員らは搬入の事実を認めた上で「震災前に発注していたものが玄海2、3号機に届いただけ。発注先の会社にも多大な迷惑がかかる」「再稼働に向けてではない」「今回搬入された新燃料がなくても再稼働は可能」と応答。
 「稼働ありきじゃないか!」「被曝労働の実態を把握しているのか」など怒りが沸騰した。うだるような暑さの中、怒りの追及は1時間に及んだ。

 猛暑の「鉄橋」で反原発署名街宣

 8日夕、8・9長崎集会に向けた街頭宣伝が市内の繁華街、鉄橋で行われた。じりじりと焼け付く日差しの中、ビラを手渡し、NAZEN署名を集めた。
 福島の椎名千恵子さん、ドイツ・ゴアレーベンで反原発を闘っている青年も駆けつけ、1時間ほどの街頭宣伝で170筆ものNAZEN署名が集まった。

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週刊『前進』(2596号5面2)(2013/08/19 )

 NAZEN品川を結成

 “労組の団結で反原発闘う”

 8月1日、東京・品川、JR大井町駅前の「きゅりあん」においてNAZEN品川結成集会が25人の参加で行われました。
 最初にジャズシンガーの歌唱指導で、忌野清志郎さんが日本語歌詞を付けたビートルズの「イマジン」を全員で歌いました。主催者あいさつでは「全原発廃炉、再稼働を許さない。労働者の団結で安倍政権を打倒するために、NAZEN品川を結成する。集会参加者は労働組合に入って闘おう」と呼びかけました。次になんぶユニオン執行委員が「内部被曝と放射性核種」というテーマで講演。「放射性核種が体内に入ると、永遠に内部被曝し続ける危険性」などを分かりやすく、怒りを込めて訴えました。その後、NAZEN東京、南部労組交流センター、リサイクルショップ・たみとやの方から連帯のあいさつを受けました。
 基調報告をなんぶユニオン書記長が行い「参議院選挙で山本太郎氏が当選したことは首都に反安倍政権の67万の隊列ができたということだ。山本氏も労働問題に言及しているが、非正規職が39%、労働者を過労死させる『ブラック企業』を許してはならない。労働組合の団結した力が必要だ。職場で資本と闘い、反原発を労働組合の要求にしていくことが求められている。ここにNAZEN品川の役割と闘いがある。動労千葉や動労水戸と結びつき、ふくしま共同診療所を支え、保養を推進し、避難を実現する。国際連帯の道を進む」と力強く提起しました。そしてNAZEN品川会則・活動方針の提起、共同代表3人と事務局長を選出しました。
 行動方針の提起の後、共同代表のまとめとガンバロー三唱で元気に集会を終えました。
 (なんぶユニオン・Y)
(写真 参加者全員で「私たちは絶対に原発の廃炉まで闘う」と決意を固めた【8月1日 東京・品川】)

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週刊『前進』(2596号5面3)(2013/08/19 )

 8・2金曜行動 “汚染水止めろ”

 安倍への怒り次々

 8月2日午後6時から恒例の首相官邸前・反原発金曜行動が行われ、多くの労働者市民が怒りをたたきつけた。
 「安倍さん、あなたは8月6日には広島に行ってスピーチをやると思いますが、原爆が原発と同じであることを知っていますか? 広島では『原爆の惨禍をくり返さない』と”誓う”と思います。だったら、再稼働をやめるべきです」「汚染水の海への流出は絶対に許せない。それを東電は参院選後に認めた。しかも薄めて海に流したいという。止めるために必死にやれ! 再稼働なんてとんでもない!」
 福島の子どもたちの甲状腺がん発症や汚染水のだだ漏れ状態など深刻な事態を放置し、再稼働に突き進む電力資本や安倍政権は絶対に許せない! 参院選勝利をテコに今こそ再稼働阻止・安倍政権打倒の100万人決起をつくりだそう!
 (学生・M)

 8・9も官邸前などで抗議の声

 8月9日も、66回目となる首相官邸・国会前行動が行われ、官邸・国会前―経産省前一帯が抗議の声で埋め尽くされた。官邸前で年輩の男性は「安倍晋三よく聞け! 原発を手放さないのは核兵器の潜在的保持能力を維持するためだろう。核兵器も原発もすべてを廃棄しろ。それができないなら退陣しろ!」と声を張り上げた。
(写真 猛暑の中、「原発やめろ!」【9日 官邸前】)

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週刊『前進』(2596号5面4)(2013/08/19 )

 全学連大会へ大結集を

 自治会建設と反原発闘争で300万学生の反乱つくり出す

 マルクス主義学生同盟中核派京大支部

 学生こそ社会変革の先頭に

 7月参院選での自民党「圧勝」を受けて、日帝安倍政権は大恐慌と戦争の矛盾をすべて労働者階級に転嫁し、ますます搾取を強め、生活を破壊し続けることで、帝国主義としての延命を図ろうとしている。「消費増税」や「集団的自衛権の容認」を突破口とする改憲攻撃は、その最先端にある。
 もうこれ以上我慢できない! すでに全労働者の4割に迫る1881万人もの労働者が非正規職にたたき込まれている現実がある。その直撃を受けている青年の怒りは限界を越えている。そして山本太郎氏当選の大勝利は、青年労働者の怒りがマグマのように噴出し、政治を揺り動かすひとつの勢力になり始めたことを示している。
 時代は動と反動が入り乱れる激動の情勢に突入した。8月14日、エジプトでもプロレタリア革命によってしか決着のつかない内乱的激突が始まった。
 この中で大学はどうなっているか。首相就任後、安倍は「教育再生実行会議」を設置し、成長戦略の最大の攻防点として大学改革を据えた。新自由主義の最大の攻防点に大学を巡る攻防が入ったということだ。自民党の世襲議員に象徴されるように、半世紀にわたって次の指導部を登場させることができていない日帝政治委員会は、断崖(だんがい)絶壁で焦りに焦っている。
 大学とは未来をつくりだす場所であり、大学での議論が次の社会の方針を決めてきたと言える。その意味で、大学を巡る攻防とは、学生の権利闘争にとどまらず、この社会の変革運動と直結する。学生の闘争こそが次の社会を切り開くのだ。
 では、この激動の時代に私たち学生はどう生きるのか。全学連は「自治会建設」をスローガンに掲げた。学生権力の樹立を正面課題に据えて闘いぬくことこそが、300万学生の選択するべき方針であると呼びかけているのだ。
 すべての学生は、自分たちのキャンパスに学生権力を打ち立て、未来をかけて全学連大会に集まろう。

 かちとるべき三つの目標

 今次全学連大会の獲得目標は何か。
 第一に、学生自治会の復権である。全学連が死活をかけて闘いぬいてつくり上げた法大闘争の金字塔は、今や全国に波及し自治会建設となって席巻し始めている。全国の闘う学生は昨年の京都大学同学会再建に始まり、本年7月には広島大学の自治会建設にも勝利した。これらの攻防は、学生自治会建設が学生自身の主体的欲求として待ったなしに問われていることを示している。
 学生自治会建設とは大学の権力を誰が握るのかという問題である。つまり、資本主義の崩壊する時代に、学生が当局を打倒し自らの行動で未来を、大学を奪還していくという主体的決意としてある。今次全学連大会の最大の獲得目標は、先行して進む自治会建設勝利の地平を推し広め、全国に学生権力の旗を立てていく号砲をならすことだ。
 第二に、反原発闘争の本格的爆発である。
 すでに反原発闘争の軸は、ブルジョア政治権力に対する人民の根底的怒りの爆発と総決起から、いかにして自らの力で原発を止めるのかという問題にまで発展している。闘う人民はもはや議会・選挙などに幻想を一切持っておらず、ブルジョア政治ではなく職場や街頭での実践を通じて原発を止める決断を開始している。それは7月参院選で投票率が前回から5・3ポイントも減少し戦後最低水準となったことや、「原発廃炉には、国会政治ではなくあなた自身が闘うことが必要」と訴えた山本太郎氏に圧倒的な支持が集まったことから見てとれる。
 今われわれに求められているのは、これらの決意をひとつの具体的な政治勢力として登場させることである。3・11以降、全学連が掲げ続けてきた「キャンパスから御用学者をたたき出せ」のスローガンは、人民とともに立ち上がろうとする学生の思いを体現すると同時に、学生自治の復権の起爆剤である。今次全学連大会では、この2年間の反原発闘争の総括として、学生権力樹立の決意として、反原発闘争に全力で突き進むことを宣言しなくてはならない。
 第三に、指導部建設である。膨大な学生が決起する時代だからこそ、自らの自治会活動を意識的に全国の学生の闘いと運動的・路線的に一致させ展開することが求められる。それを担う指導部の登場は、学生自治会運動にこれからますます問われてくる。
 結成以来50年を超える全学連の歴史には、先輩たちが残してくれたくめども尽きぬ自治会建設の教訓が満ち満ちている。それは一言で言えば学生自治会を党の利権としか見ない勢力との命をかけた党派闘争の歴史であり、優れて学生自治会と党の一体的建設の問題だ。全学連は自らの普遍性(階級性)に目覚めた学生指導部を大量に生みだし、全国に配置し、300万学生総体を対象にした運動をなんとしてもつくり上げる。

 闘う京大生は大会に結集を

 京都大学はその最先頭の攻防に入っている。安倍政権との全面対決に突入している。京大総長・松本は安倍の成長戦略と一体のものとして「国際競争力」をうたいながら、法人大学を帝国主義的侵略の最大・最先頭の拠点としてつくり上げようとしている。
 例えば、教授会から全会一致で反対決議が可決されたにもかかわらず総長によって昨年度から強行された「国際高等教育院」構想は、今年度に入っていよいよ学生への直接的な攻撃として襲いかかっている。当局がその第一歩目として、今夏、突如夏休み中の日程を一方的に指定してTOEFLの受講を義務化しただけでなく、「欠席するには理由書を提出しろ」と学生を恫喝してきているのだ。これは点数により学生同士の分断を図り競争をあおるだけでなく、当局の言うことであれば何でも従えという許し難い攻撃である。それは、本質的に大阪市における入れ墨調査そのものであり、学生存在をとことんおとしめる攻撃にほかならない。これこそが、安倍の言う「グローバル人材」の姿そのものだ。
 「松本打倒」の機運はかつてなく高まっている。松本総長体制の許しがたい攻撃の中で既存の学生自治会が戦闘化し始めているだけでなく、労働組合や教授会すらも動き始めている。賃金カットに怒った京大職組が全大協最大の拠点としての誇りをかけ街宣を開始し、無碍(むげ)にされた教授たちは教授会の威信をかけて総長にリコールを要求している。また、これらの運動が同学会再建・発展と一体的に進んでいることは重大な地平である。
 大学の主人公は学生だ。大学という権能のすべては、次の学問の担い手である学生の獲得なしには一歩も進まない。これこそが敵の弱点であり、学生自治会が新自由主義に勝利できるという核心である。
 だからこそ京大の戦闘的学生たちが始めたこの闘いを、全国的なうねりにしなくてはならない。京大の「大学改革」が敵階級の死活をかけた階級攻撃として進められる以上、われわれもまた階級的立場で団結することが求められている。
 マル学同京大支部は全学連大会100名結集に向けて全力で闘う。とりわけ、同学会執行部を先頭とする闘う学生こそが、全学連大会に結集することを何よりも重視する。われわれは今期の同学会中執選挙に際して、学生自治会こそがこの社会と真っ正面から対決していく基礎的団結形態であることを鮮明にして勝利した。この地平を全国的な力として登場させなければならない。
 すべての学生は全学連大会に結集しよう! マル学同京大支部はその最先頭で闘う。
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【要項】全学連第74回定期全国大会
9月4日(水)〜5日(木)東京都内
※参加料1000円(開場代、資料代など)宿泊費は除く

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週刊『前進』(2596号6面1)(2013/08/19 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 広島・長崎闘争参加し戦争反対の思い共有 岡山大学 西野夏帆

 原爆投下から68周年の広島・長崎闘争に参加しました。広島に行くのは去年に続き今回で2回目。今年は「安倍首相弾劾、原発廃炉、戦争反対」ということを、広島の市民の方々、さらに世界の人びとに訴えるために参加しました。
 広島では去年と同じようにデモをしたのですが、コールしている最中、悲しみの感情がとめどなく襲ってくる時がありました。なぜなのかその時はよく分かりませんでしたが、その感情を押し殺さず、コールを続けることができました。自分の感情を去年よりも、広島で表現できたのではないか、戦争のつらさを理解できたのではないかと思っています。
 長崎では、街宣でアジテーションを行ったり、朝デモの先頭でコールを行ったりしました。少し緊張しましたが、マイクを使って学生が活躍し、全体を牽引(けんいん)できたので良かったです。長崎ではデモのほかにも、ビラまきをしているとき被爆者の方と出会い、「原発も反対」というお話を聞いたり、九州電力へ再稼働申請を破棄するよう申し入れ行動に参加したりと、緊張する場面が多かったですが、なんとかやりきることができました。
 この広島・長崎での行動が、しっかりとその場にいた方々の共有の財産となり、戦争反対や原発廃炉の思いが共有され、その実現に貢献できることを切に願います。

 中電本社に島根原発再稼働反対申し入れ 大津和己

 8・6ヒロシマの一環として、中国電力本社(広島市)への申し入れ行動が行われました。朝7時からの原爆ドーム前集会、8時15分の黙祷、安倍の記念式典出席を弾劾するデモ、中電本社包囲行動を闘った怒りと高揚感をひっさげて、15人の代表団が中電本社に入りました。
 8・6ヒロシマ大行動実行委の中島健さん、NAZENの織田陽介さん、8・6広島―8・9長崎反戦反核統一実行委の三角忠さん、島根人類愛善会の松浦武生さんが申し入れ書を読み上げ、島根原発の再稼働や上関原発の建設をやめるよう強く申し入れました。
 これに対し中電側は「福島原発事故の責任は東京電力を始めとする私たち電気事業者にある」などと言いながら、責任の取り方については何ひとつ明言せず、「電力の安定供給」や「バランスのとれたエネルギー政策」を口実に原発を肯定し、再稼働を進めることを事実上宣言しました。
 織田さんは「福島の子どもたちの健康被害にどう責任をとるのか」と追及。元原発労働者の斉藤征二さんは「3・11の地震、津波は想定外だったと言うが、新基準では一体どこまでの事態を想定できているというのか」と迫りました。ドイツの仲間も原発政策をやめるよう訴えました。
 申し入れの間、中電本社前での抗議のシュプレヒコールが社内でも聞こえました。再稼働をやめろ! 全原発を廃炉にしろ!――その怒りを、全国の仲間とともに中電にたたきつけました。

 玄海、川内原発再稼働やめろ! 九電に抗議 江崎万太郎

 8月7日、炎天を突いて8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委とNAZEN福岡とが一緒になって、川内原発1、2号機、玄海原発3、4号機の再稼働申請の撤回を求める九州電力本社抗議行動を闘い抜きました。
 抗議団は、本社前で九電テントからあいさつを受けた後、九電本社1階でエネルギー広報グループ課長らを呼び出しました。実行委代表の三角忠さん、NAZEN福岡事務局が抗議文を読み上げ、抗議団全員で「原発再稼働申請は福島原発事故を顧みない傲慢(ごうまん)な姿勢であり、命よりカネもうけを優先するものだ。原発をなくせ!という多くの声に挑戦するものだ」と厳しく追及しました。
 九電は、7月8日の原子力規制委員会答申に真っ先に申請を行った再稼働の急先鋒です。しかし、その九電も「原発は100%安全」とは言いきれません。収束どころか、被害を拡大する事故の巨大さにグラグラなのです。ただただ再稼働宣言を行った安倍頼みで、「今後、事故が起こらないように努力しますから」の一点張り。
 抗議団は、「闘えば勝てる!」との思いを強め、本社前で「玄海、川内原発の再稼働を絶対に許さないぞ!」とシュプレヒコールをあげ、8・9ナガサキの闘いに向かいました。

 現地闘争の映像流し椎名さん訪独報告会 福島市 丹治 満

 7月15日、ふくしま共同診療所運営委員の椎名千恵子さんのドイツ渡航報告会が、福島市で行われました。ハードな日程の中で、福島とドイツとの国際連帯を発展させ、「団結し核も原発もなくそう!」の共通認識をかちとったとのこと。椎名さんのタフさに感服! 報告会は、ドイツでの映像を流して説明する形で進められました。
 フランスのラ・アーグからドイツのゴアレーベンまでの1400`メートルもある核廃棄物の搬送路に対し、線路に身体を縛り付けての命がけの闘い。「この風景どこかで見たことあるな?」。三里塚反対同盟農民が自らの身体を立ち木に鎖で縛りつけて抵抗したあの闘い、必死の形相で機動隊と闘った大木よねさんの姿を思い出しました。実力闘争で闘う住民、巨大なトラクターデモの迫力に目を見張りました。
 そのドイツで、今年の3・11反原発福島行動13の映像を見てもらい、被曝労働拒否を闘う動労水戸のストの動画が感動をもって受け入れられたとのことです。ベルリンの鉄道労働者が「事故はすべて資本の責任であって労働者の責任ではない」という動労千葉や動労水戸の闘いに学んでいるそうです。
 ゴアレーベンの仲間からは「ドイツでは反原発運動は市民運動がやるものとなっており、労働組合が反原発を闘っているのはすごい。どうして日本ではそれができるの?」と率直な疑問が出され、「動労千葉や動労水戸のすごさにドイツで気づかされた」と椎名さんが感想を述べました。

 「仮執行宣言」を阻止した三里塚農地裁判 東京 高村宏信

 7・29農地裁判判決は、仮執行宣言なしの不当判決であった。裁判闘争としては、控訴審に進んでいくが、今回の成田空港会社による農地強奪攻撃は、別件のもう一つの裁判を合わせて1町3反歩の農地を対象とする戦後最大の農地収用攻撃だ。農民の命である農地を奪う、農民殺しの攻撃である。
 この市東さんの農地については、47年の三里塚闘争の中で、1993年段階で土地収用法による事業認定失効をかちとり、強制収用攻撃を粉砕した経緯がある。今回の攻撃は、小作農民の権利を保障し保護することをうたった農地法を悪用して行われた、同じ農地に対する2度目の悪辣(あくらつ)な収用攻撃だ。
 市東さんは判決前に「明日はいよいよ判決を迎えます。結果がどうあれ、今までの生き方を変えるつもりはありません。裁判そのものを認めていないし、判決には絶対に屈しません。農民として1千人の産直消費者に野菜を届ける責任がある」と言った! 一人の農民が、安倍の農民殺し攻撃を真っ向から受けて立つという強い決意に感動を抑えられない。市東さんの闘いは全国農民と一体だし、韓国民主労総と連帯し、全国・全世界と一体だ。
 判決の中に、「何もしなくてもあと109年分生活できる生活費を補償する」とある。何がなんでも農民であることをやめさせたいという安倍の末期的な攻撃だ。
 もう一人の市東さん、無数の市東さんを生み出すことはできるし、その力で安倍政権を倒し、農地強奪・農民殺し攻撃を必ず粉砕できる。

 酷暑への対策要求し徳島刑に申し入れ 徳島・救う会 仙田哲也

 36度を超える異常な酷暑が続いています。私たちは星野さんとの団結をかけて、請願書を用意し緊急の申し入れを行っててきました。
 徳島刑務所長は、900人の受刑者を、熱中症が相次ぐほどの拷問状態に置いています。暑さから退避する自由さえ奪っておいて、生命が危険なほどの高温状態にさらす。心身を痛めつけ、思想転向を迫る。こんなやり方を、絶対に許すわけにはいきません。
 特に、暑さのピークでもあるお盆期間は、刑務所側の治安維持のため全員が生活房に閉じ込められます。独居房は扇風機もなく、蒸し風呂のような状態で、ウチワひとつが与えられているだけです。
 7月時点で「@冷房の設置Aすべての窓の開放B水を使った拭身(しきしん)」の改善3項目をあらかじめ申し入れていましたが、所長はまったく無対応でした。刑務所側の回答は、「冷房予算は少ない。洗面器の水1杯を使わせるのも予算次第。麦茶と食塩・イオン飲料は与えている」の一点張り。窓の全開さえ自殺防止のため禁止となっています。
 8月6日ヒロシマ大行動の日に星野さんは獄中39年目に突入しました。同じ時に、沖縄で米軍へリ墜落事故が発生。渋谷暴動が目指した変革は、今日も闘われています。
 星野さんを支え、奮い立たせ、守り抜いている力は、労働者階級の団結の力です。国鉄でも、福島でも、沖縄でも、どの労働者同志も、星野さんと同じように仁王立ちしている姿が獄中に届けられています。
 9・25国鉄解雇撤回判決を前に、9・8徳島刑務所デモへ総決起を!

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週刊『前進』(2596号6面2)(2013/08/19 )

 9・8徳島刑務所デモへ

 この力で星野同志奪還を

 酷暑下の非人間的処遇許すな

 星野文昭同志の奪還へ向け、9・8徳島刑務所包囲デモに総決起しよう。昨年2月5日のデモは、38年の獄壁を打ち破って星野同志と600人のデモ参加者が熱く合流し、国家権力・徳島刑務所に大きな打撃を強制した。6・30全国集会で作り出した星野同志奪還の希望と展望をもって、9・8デモで徳島刑務所を再び包囲しよう。
(写真 600人が参加した昨年の2・5徳島刑務所デモ)

 星野闘争の新刊本が!

 「条件闘争で命が守れるか」と訴え、山本太郎氏は新自由主義の絶望的で凶暴な攻撃に対する人民の怒りを代表して参議院選挙に立候補し、66万6648票を獲得して当選をかちとった。われわれも山本氏を支持して全力で闘った。動労水戸は、外注化阻止・被曝労働拒否のストライキを打ち抜き、労働運動の力をたたきつけた。8・6−9のヒロシマ、ナガサキは国際連帯を掲げて歴史的高揚をかちとった。
 闘う階級の指導部の登場とともに、フクシマ、オキナワ、非正規労働者の怒り、全社会のすべての怒りが、新自由主義との非和解の闘いとしてひとつに結合して爆発する時代に突入している。
 この中で、すべての労働者階級人民に星野文昭同志の闘いを伝え、奪還を訴える素晴らしい本が発刊される。「星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議」の編集による『無実で39年・獄壁こえた愛と革命/星野文昭・暁子の闘い』である。
 星野同志が獄中で描いた絵画27点と、獄中結婚した星野暁子さんの手記が圧巻である。現代社会で、すべての人びとの心をとらえずにはおかない本であると確信する。新自由主義は、あらゆる社会的紐帯(ちゅうたい)と階級的団結を徹底的に破壊し、労働者をその日を生きるために必死の、孤立した存在に突き落としている。その中にあって、獄壁で社会的つながりを暴力的に奪われている星野同志が、自らの解放を労働者階級の解放の中に位置づけ、暁子さんとともに闘いの中で、獄壁を越えた愛と信頼関係を形成していることに誰もが感動し、自らの解放の希望を見いだすだろう。この本は星野同志奪還・全証拠開示大運動推進の力強い武器である。

 全受刑者の権利を守れ

 9・8徳島刑務所包囲デモの意義は第一に、星野同志との団結・連帯を一層打ち固めることである。星野同志に肉薄し、星野同志の存在と闘いを身体で感じ、つかむことだ。そして、徳島刑務所の非人間的処遇、人権抹殺攻撃に激しい怒りをたたきつけよう。
 今年、かつてない酷暑にもかかわらず、冷房はもちろんのこと、舎房には扇風機もない。就寝前に身体をふくこともできず、窓の全開も禁じられており、寝苦しい夜が続いている。徳島刑務所では、すでに熱中症の患者が出ているという。
 徳島・救う会は、「暑さ対策を行え。受刑者の健康と命を守れ」と、何度も刑務所に申し入れているが、徳島刑務所はまったく許せないことに「予算がない」という口実で放置している。刑務所の非人間的処遇に怒りをぶつけ、星野同志をはじめ全受刑者の命と権利を守るために、怒りのデモを闘いとろう。

 新証拠で無実は明らか

  第二に、星野同志奪還・全証拠開示に向けた、今秋決戦の突破口を切り開こう。7月19日の三者協議で、検察官は写真ネガの複写要求も、現場目撃者11人の供述調書も、一切開示を拒否してきた。断じて許せない。
 「一郎丸写真」に写っている星野同志が手に持つ鉄パイプには白い紙が巻かれているが、真っ白で破損もなく、機動隊員を殴打した痕跡は一切ない。星野同志無実の新証拠である。にもかかわらず、東京高裁は「不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」と言いつつ、自らは写真鑑定も行わず、第2次再審請求棄却を強行してきた。それならば、弁護団の方で写真鑑定し、事実を明らかにするからネガの複写をさせろと要求しているのである。検事が証拠開示を拒否するのは、デッチあげが暴かれることへの恐怖である。
 また星野同志は、デモ参加者6人の「供述調書」を唯一の証拠にデッチあげられている。このうち1人を除き全員が裁判で、「供述調書は取調官によって強制され、誘導されたウソである」と証言しているにもかかわらず、裁判所は取り調べでの「供述調書」の方が信用できるとしているのだ。
 再審過程で、一般人の現場目撃者11人の供述調書の存在が明らかとなった。これを開示させれば、6人の「供述調書」が捏造(ねつぞう)されたものであることが明らかになるのだ。今や、証拠開示をめぐる大攻防に突入している。9・8徳島刑務所包囲デモで、星野同志奪還・全証拠開示を迫っていこう。
 第三に、9月国鉄決戦へ向かった号砲として打ち抜くことだ。
 国鉄分割・民営化と徹底的に闘い続けている動労千葉は、1047名解雇撤回を求める鉄建公団訴訟で、「国鉄改革」の国家的大陰謀を暴き出すところまで来た。9・25控訴審判決を前に、26年間のすべてをかけた闘いとして9月15日、全国総決起集会を呼びかけている。全力で結集し、日帝・JR資本の国鉄闘争圧殺攻撃と全面的に対決しよう。
 日帝・安倍政権の危機は深化し、国鉄・反原発・星野、戦争と改憲をめぐって、激しい流動情勢に入った。9・8徳島刑務所包囲デモで、星野同志に肉薄し、星野同志を奪還する展望を圧倒的に切り開こう。

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発売/株式会社ギャラ リーステーション
A5判264n1800円+税
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【要項】 9・8徳島刑務所デモ
■9月8日(日)
午前10時〜 徳島駅中心に街宣
11時 徳島空港と徳島駅からバス出発
12時30分 集会開始
(徳島市入田支所・コミュニティセンター北側 駐車場あり)
午後1時30分 包囲デモ出発

■9月9日(月)午前9時 徳島駅前集合
10時 徳島刑務所で差し入れ行動
主催/徳島刑務所デモ実行委員会

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週刊『前進』(2596号6面3)(2013/08/19 )

 米軍ヘリ墜落事故弾劾

 米帝オバマと安倍による 沖縄圧殺を打ち破ろう

 激しい戦争訓練中に墜落

 またしても沖縄で、許すことのできない米軍機墜落事故が起きた。8月5日夕、嘉手納基地所属のHH60救難ヘリが宜野座村のキャンプ・ハンセンの山林に墜落し炎上した。墜落現場から2`の位置には民家が点在し、沖縄自動車道(高速道路)からはわずか1`、農作業中の人もいた。近くには村民の水源である大川ダムがあり、村は一時ダムからの取水を中止した。
 事故現場周辺ではヘリの急旋回や超低空飛行が日常的に行われていた。MV22オスプレイも頻繁に訓練していた。前々から住民は「いつか必ず事故を起こす」と不安を語っていた。事故の目撃者は「2機が追いかけっこするみたいに回っていたら、1機が急に傾いた」という。米軍はこの山林上空で激しい戦争訓練を行っていたのである。HH60救難ヘリは、これまでもイラクなどの中東地域に頻繁に派遣されている。
 1972年の「復帰」以降41年間に、沖縄の米軍機墜落事故はこれで実に45件を数える。年1回を超える頻度で墜落している。「本当に許せない! 絶対に基地撤去まで闘う!」。沖縄の怒りは沸騰し、闘いの決意を固めている。
(写真 HH60ペイブ・ホーク)

 オスプレイの追加配備強行

 事故は、オスプレイの追加配備(山口県岩国基地からの移動)が強行されている中で起きた。許せないことに米軍は、事故で見合わせていた追加配備を12日から再開した。全12機が岩国から移動すれば、普天間のオスプレイは倍増して計24機態勢となる。13日にはオスプレイ1機がヘリ墜落現場付近で訓練飛行を行った。ふざけるな!
 世界大恐慌にのたうつ帝国主義・新自由主義は戦争への道にのめり込んでいる。その中で米帝はアジア最重視の新軍事戦略へシフトした。この新軍事戦略の最大拠点が沖縄だ。だから米帝は事故からわずか1週間後にオスプレイ追加配備を強行したのである。
 6月には米カリフォルニア州で陸海空3自衛隊1千人が参加して「離島奪還」日米共同演習が行われた。米軍と自衛隊が艦船で島に接近し、揚陸艇やヘリを使って上陸する戦闘訓練が行われた。海自の大型護衛艦「ひゅうが」にオスプレイが着艦する訓練も行われた。これは対中国・対北朝鮮の戦争訓練であり、新軍事戦略―日米共同作戦の具体的発動そのものだ。
 安倍政権は米帝・米軍と一体となって、沖縄の一層の戦争拠点化として辺野古の新基地建設を狙い、集団的自衛権の行使容認、戦争と改憲の道を突き進んでいる。だが一方、帝国主義・新自由主義と沖縄の労働者階級との新たな激突が開始されている。それは米帝の新軍事戦略の危機と破綻、さらに日帝・安倍政権の崩壊を一気に加速する情勢を切り開く。米軍ヘリ墜落は、沖縄の闘いの火に油を注いだ。

 安保粉砕する階級的闘いを

 沖縄から全米軍基地を撤去するために、日米安保体制を根底からひっくり返す闘いをやろう。そのためには、沖縄と全国で、新自由主義と絶対非和解で闘う階級的労働運動と学生運動を大きく発展させることだ。闘いは力強く前進している。国鉄闘争の前進、青年を先頭とする5・15沖縄闘争、参院選での山本太郎氏の勝利、8月広島・長崎闘争の高揚は、労働者階級の国際連帯闘争で日米安保を根底からひっくり返す階級的力をつくり出す闘いである。
 基地労働者を先頭とする沖縄の労働者の闘いが決定的な位置を持っている。国鉄闘争全国運動を水路に階級的労働運動をさらに前進させよう。階級的労働運動と国際連帯の力で日米安保粉砕・基地撤去をかちとろう。
 その勝利をかけて9・15国鉄大闘争に結集し、9・25反動判決粉砕へ闘おう。
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 最近の主な沖縄の米軍機墜落事故

1994年8月 米海兵隊のハリアー垂直離着陸機が嘉手納基地北西の海上に墜落
 95年9月 沖縄本島西の海上に米海兵隊のハリアーが墜落
10月 沖縄本島南の海上に嘉手納基地のF15戦闘機が墜落
98年7月 宜野座村のキャンプ・ハンセン内で米海兵隊のヘリが墜落
99年4月 国頭村沖の海上に米軍普天間飛行場のヘリが墜落。乗員4人が死亡
2002年8月 嘉手納基地のF15戦闘機が沖縄本島南の海上に墜落
 04年8月 宜野湾市の沖縄国際大学に米海兵隊の大型輸送ヘリが墜落
 06年1月 伊計島東の海上に嘉手納基地のF15戦闘機が墜落
 13年5月 国頭村沖の海上に嘉手納基地のF15戦闘機が墜落

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