ZENSHIN 2013/02/11(No2571 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2571号1面1)(2013/02/11 )

 反合・運転保安で外注化粉砕を

 極右超反動の安倍・橋下打倒しプロレタリア革命を切り開こう

 全国から2・24橋下打倒闘争へ

(写真 千葉地裁包囲へ怒りのデモ 北原鉱治さん、市東孝雄さんを先頭に千葉地裁に向かうデモ隊【2月4日 千葉市】)

 動労千葉の13年間の外注化阻止闘争のすべてを凝縮し、動労水戸の決起とともに闘い抜かれた10・1外注化阻止決戦の勝利の地平が今日の日本の階級情勢を規定している。それは新自由主義と対決しこれを打ち破る大きな展望を切り開いた。そのことが2013年決戦の1〜2月の前進の中でますます明確となっている。外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負弾劾、2〜3月大量解雇粉砕へ、「時代認識と路線」で武装し、いよいよ確信をもって闘いぬくときだ。大恐慌の本格的激化と大争闘戦時代の到来、大失業と戦争の大情勢に立ち向かい、2・17国鉄集会と2・24橋下打倒闘争への決起を突破口に、外注化阻止の第2ラウンドに全面突入しよう。国鉄を軸に3月大闘争で安倍と橋下を打倒し、プロレタリア革命を開こう。

 外注化を阻止した12年間

 10・1の検修・構内業務外注化は確かに強行された。しかし外注化攻撃の本格的開始から13年におよぶ動労千葉の闘いは、確実にJR東日本をぎりぎりまで追いつめてきた。他部門での外注化が次々と強行されていく中で、鉄道事業の要をなす検修・構内部門の外注化だけが、動労千葉の闘いによって12年にわたって阻止されてきた。このことは、JR全体の外注化・非正規職化、全鉄道業務の丸ごと外注化、分社化・子会社化、出向−転籍攻撃を、その根幹でがたがたに打ち砕くものとなっている。JR東日本が打ち出した新たな大合理化攻撃=「経営構想X」は、すでに土台そのものが突き崩されようとしているのだ。
 動労千葉の外注化阻止闘争は、2000年9月に提案されたシニア制度(再雇用機会提供制度)と抱き合わせで始まった本格的な外注化攻撃と対決し、職場生産点からのすさまじい反撃、人生をかけた闘いの爆発として打ち抜かれてきた。「職場は絶対に売り渡さない」と、三十数人の組合員たちがシニア制度による再雇用を拒否して自ら首になった。シニア制度を粉砕した後も、エルダー社員として下請け会社に再雇用された約四十人の組合員は、「後輩の仕事を奪うわけにはいかない」と、検修・構内業務を拒否し、なんの経験もないきつい清掃の仕事に自ら就いた。
 こうした仲間の団結にかけた先輩たちの懸命な闘いの姿を目の当たりにして、平成採の若い労働者が人生をかけて動労千葉を選択し加入を始めた。これらすべての思いと苦闘が13年の闘いの歴史に凝縮されている。
 しかも、実際に外注化が強行されて以降の現実を見るなら、昨年の10・1外注化そのものが、本当に実施できるのか否かぎりぎりの状況の中での強行だったことは明らかだ。それは千葉支社だけではない。水戸、高崎、横浜、東京を始め東日本すべての職場の現実である。このことがもはや隠しようもなくあらわとなっている。東京では今年4月1日と10月1日に、さらにそれ以降にも本格的外注化が狙われている。まさに勝負はこれからだ。
 希望と未来を求める平成採の労働者たちのマグマのような怒りは、今やJR全体をのみ込む奔流となっている。それがいつどこから公然たる反乱として噴出してもおかしくない段階に完全に入った。

 戦後労働運動の壁越えた

 動労千葉の13年にわたる闘いは、戦後日本労働運動の限界を根本からのりこえる闘いだった。合理化と民営化の攻撃に真正面から立ち向って団結を守り抜いたことも、外注化・非正規職化攻撃と闘って団結を維持・強化・拡大したことも、日本の労働運動の歴史に前例のない画期的闘いだった。同時にこの13年間は、青年層を始め全労働者があまりにもひどい状態に突き落とされてきた現実に対し、体制内の全党派と労働組合がいかに犯罪的な役割を果たしてきたかがあらわになる過程だった。
 検修・構内業務外注化に関するJR東日本とJR東労組が2001年3月に結んだ協定には、「7〜8年で業務委託の最終段階までもっていく」と公然と記されている。国労も例外ではない。それどころか国労本部は、2001年から始まった「第2の分割・民営化」攻撃ともいうべき業務全面外注化、労組根絶を狙った大合理化攻撃である中期経営計画「ニューフロンティア21」とまったく闘わずに屈服し、国労の主力をなした設備メンテナンス部門(保線・電力・信号通信・土木)の全面外注化と3千人を超える仲間の出向を容認した。
 これらをめぐる激烈な攻防と、国鉄1047名解雇撤回闘争での2010年の4・9政治和解にいたる攻撃との大攻防は、完全にひとつの闘いだった。職場で合理化攻撃に真正面から対決する闘いと「解雇撤回」を掲げ一人の首切りも許さず仲間を守り抜く闘いは、どちらが欠けても前進しない。逆にそれがどんなに困難であっても、労働者はその苦闘と闘いの創造の中から、労働組合の階級的原則と団結を日々よみがえらせ、階級性をとぎすまして前進することができるのだ。
 なぜ動労千葉だけが卑劣なシニア制度導入と真っ向から闘い抜き、業務外注化や強制配転などありとあらゆる組織破壊攻撃を受けながら、13年間も外注化阻止を貫くことができたのか。逆になぜ東労組や国労本部を始め体制内の全潮流は無残に敗北したのか。
 外注化強行以降の職場は、「矛盾だらけ」というよりもすべてが矛盾そのものだ。それは同時に、この困難な現実に不屈に立ち向かい続けるなら、そこが敵の弱点だとはっきりつかみ取ることができることを意味する。しかしこれに立ち向かうことができなかったら、矛盾は労働者の絶望に転化する。戦後の日本労働運動、体制内のすべての党派・潮流がこの壁を越えることができなかった。
 動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線とその闘いのみがこれを打ち破り、国鉄労働者の誇りを取り戻して、組合員が具体的に「これこそおれたちの闘いだ」と心から実感できる闘いの地平を切り開いてきたのだ。

 2・17国鉄集会が突破口

 2013年の決戦は、以上の動労千葉の闘いと、同じく外注化阻止を貫き被曝労働強制と闘い抜いて2月ライフサイクル攻撃を完全に打ち破った動労水戸の闘いを基軸的な原動力としながら、国鉄、反原発、星野全証拠開示運動の3大決戦、三里塚、沖縄、八尾北・西郡と裁判員制度粉砕・改憲阻止の4大攻防、そして5大組織任務の貫徹に向かって白熱的な闘いの過程に突入した。
 極右超反動の安倍政権は、「日本経済の危機」「大震災からの復興の危機」「外交・安全保障の危機」「教育の危機」を列挙しながら、「危機突破」「国際社会と連携してテロと闘い続ける」などと叫び、「強い日本」をつくるとうそぶいている。日帝ブルジョアジーと安倍は、大恐慌と3・11情勢、そして大争闘戦時代への突入の中で、いよいよあらわになった国家と資本の絶望的危機と矛盾のすべてを、労働者階級人民に押しつけ、放漫財政とインフレ、大量解雇と賃下げ、改憲と原発推進で、必死に延命しようとしている。
 安倍政権の登場と一体で出されてきた経団連の2013年版の経営労働政策委員会報告こそ、内外の危機と大激動、とりわけ大恐慌の本格的激化と大争闘戦の現実にのたうち回る日帝ブルジョアジーが「最大の難局」だと絶望的悲鳴をあげながら、労働者階級に「労使一体で危機に立ち向かえ」と犠牲を強要し、ベースアップの拒否と定期昇給の凍結を押しつける“階級戦争宣言”にほかならない。
 だが改憲や原発再稼働は大衆的怒りを爆発させる。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加やオスプレイ配備・辺野古新基地建設の問題は、安倍の最大のアキレス腱(けん)だ。安倍が「最大かつ喫緊の課題は経済再生」と叫んで進める公共事業や超金融緩和は大争闘戦を激化させる一方で、新たなバブルの崩壊と財政破綻、インフレの爆発を引き起こす。この絶望的な危機に立つ安倍政権を、7月参院選を待たずこの2〜3月決戦、国鉄を軸とする3月大闘争の爆発で絶対に打倒しよう。
 10・1外注化阻止決戦の地平に立ち、それをさらに発展させ、外注化阻止の第2ラウンドと国鉄闘争全国運動の着実で力強い前進で、2013年決戦の勝利をもぎりとろう。当面する最大の突破口は2・17国鉄集会だ。動労千葉の闘いの歴史と教訓、反合・運転保安闘争路線を労働者階級全体のものとし、全産別・職場で路線的前進をつくりだそう。2・18―19三里塚裁判、2・24橋下打倒闘争、3・1杉並ビキニデー集会、3・11福島現地大闘争、そして3・24三里塚現地集会の大爆発をかちとり、安倍打倒を実現しよう。
 この闘いの最良の武器が『前進』だ。機関紙を拡大し、生きたマルクス主義を全労働者のものにして全力で闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号1面3)(2013/02/11 )

前進速報版から 前進速報版から

▼星野同志の無実訴え2・5徳島で座り込み▼市東さん農地裁判、萩原事務局次長が再び証言▼官邸前行動で東京の学生がアピール

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号2面2)(2013/02/11 )

 地方公務員賃金 退職金削減を撤回せよ

 現業を先頭にスト貫徹を

 積もりに積もった公務員労働者の怒りが闘いとなって爆発を始めた。特区連と東京清掃労組は退職手当削減と賃金制度改悪に反対しブロック集会と対区長行動を重ね、2月15日の29分スト(時間内集会)に攻め上ろうとしている。3月動労千葉ストと結合し全労働者の先頭で闘おう。

 特区連・清掃で闘い始まる

 荒々しい現場労働者の闘いがよみがえった。10・1JR外注化阻止決戦は全情勢を揺るがし、11・7都労連29分スト(時間内集会)に続く特区連(特別区職員労働組合連合会/東京23区職労で構成/約6万人)と東京清掃労組(約4500人)の決起が始まった。
 東京23区長会は、国家公務員に続く「民間との格差の是正」と称して、最大約400万円にも及ぶ退職手当の大幅削減を提案してきた。それは、▼現業職の削減率を行政職の約2倍に設定▼中途採用の現業職の「中ぶくれ是正」▼「貢献度の一層の反映」を掲げ管理職を優遇し現業職に一層の不利益をもたらす――差別・分断の削減案だ。
 生涯にわたる賃金の後払い分を奪い去る退職手当の大幅削減(現業職は21%を超える)と同時に今以上の分断を持ち込む団結破壊の大攻撃だ。退職を控えた労働者だけの問題ではない。青年労働者の未来を奪う攻撃だ。
 現場の怒りが爆発した。「提案の中身を見て怒りが収まらない」「退職手当を想定した退職後の生活設計を破綻させるものだ。住宅・教育ローン、親の介護をどうしてくれるのか」「賃金も上がらない。退職手当も削減になる。未来のない提案」「撤回あるのみ」
 現業労働者を先頭に、特区連と東京清掃労組が一丸となって、当局との全面対決に突入した。1500人を超える参加でかちとられた1月18日の特区連・東京清掃労組総決起集会に続き、各単組支部・分会の集会が大結集でもたれ、各地区ブロックで数百人を集める決起集会が次々とかちとられている。そして、各区長への申し入れ行動から2月12日の総決起集会を経て15日の29分スト(時間内集会)に攻め上ろうとしている。
 激しい怒りとかつてない求心力をもって、労働組合の団結がよみがえりつつある。「面白くなってきた」。これが現場労働者の闘いの実感となろうとしている。

 解雇・賃下げと闘う13春闘へ

 公務員大量解雇と賃金大幅削減絶対反対が、JR外注化阻止・非正規職撤廃の第2ラウンドと一体で、13春闘の重大な激突点となった。
 橋下徹大阪市長を先兵とする丸ごと民営化=全員解雇・総非正規職化、労組解体攻撃が、全労働者に対する「雇用破壊」「首切り自由」の大攻撃であるのと同時に、公務員賃金削減は、13年版経労委報告で経団連が主張する最賃制廃止と生活保護費削減=最低生活基準引き下げによる「賃金破壊」、アジア諸国並み低賃金化の歴史的攻撃だ。
 とりわけ安倍政権が13年度予算案での地方交付税削減をもって強行しようとしている地方公務員賃金の一律7・8%カットは、地方の民間賃金水準を引き下げ、一層の搾取強化を狙うものである。青年労働者に手取り10万円以下の極貧生活を一生強制する攻撃だ。政府の暴力的手法として使われた地方交付税削減こそ道州制攻撃そのものであり、公務員360万人首切り・総非正規職化に直結する攻撃だ。
 絶対反対で闘う時が来た。危機に立つのは、労働者を食わせられなくなっただけでなく、その血を吸って生き延びようとする帝国主義ブルジョアジーの側だ。公務員労働者は全労働者の先頭で闘おう。分断ではなく団結を、怒りをバネにストライキで闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号3面2)(2013/02/11 )

 橋下打倒!2・24大阪闘争へ(中)

 民営化・非正規職化を狙う「教育振興基本計画」と闘う労組を

 現業職で分限免職が始まる

 10割非正規職化・大失業、改憲・戦争、原発再稼働に突き進む安倍政権は、下村博文に文部科学相と教育再生担当相を兼任させ、教育再生実行会議を発足させた。下村は、第1次安倍内閣のもとで教育基本法改悪、全国学力テスト・学校評価制度・教育バウチャ−制度・学校選択制などを提言し、教育の民営化を進めた人物だ。また安倍は就任早々、橋下徹・大阪市長と会談し、改憲・戦争と教育の民営化、日教組つぶしで一致した。
 大阪市は1月から「勤務態度が悪い」現業職員274人を対象に研修を始めた。「改善が見られなければ今秋に免職処分にする」方針だ。現業の外注化の前に分限免職処分や選別・振り分けを行い、職場・労組の団結を解体し、総屈服させようとしているのだ。
 同じ攻撃が教育現場でも全国でも始まっている。正規職の削減、殺人的超過重労働、退職手当大幅削減・賃金カット、成績主義に基づく人事・賃金制度などが民営化・外注化、大量解雇・10割非正規職化と一体となって激化し、とりわけ青年労働者の未来を奪っている。その最大の基軸、突破口がJR東日本の「グループ経営構想X」=全面外注化攻撃だ。
 だがこれは新自由主義の大破産としての世界大恐慌から脱出できない資本主義の絶望的な延命策であり、死の苦悶(くもん)である。逆に言えば、労働者階級が生存をかけて総反乱し、団結して闘い、体制を打倒し社会を根本からつくりかえる時を迎えているということだ。

 桜宮高校事件利用する橋下

 大阪市は昨年末、大阪市教育振興基本計画を発表した。大阪都構想の2015年実現へ府・市丸ごと民営化・非正規職化を強行する一環だ。以下その概要を示す。
 学校協議会(資本・地域)の意向を受けて校長中心のマネジメントをする。そのために橋下の方針を貫徹する校長を民間から公募し、校長の権限を強化する。校長が学校運営計画と目標を設定し、「優れたもの」には重点的に予算をつける。校長は目標達成のため、教員の公募、希望転任(FA制)、特別免許状による社会人や専門家の登用などで教員を集める。学校による自己評価、学校協議会による評価を行い、〈計画−実行−評価−改善〉のサイクルを確立する。成果が上がらなかったり、大阪市立桜宮高校のように「問題」が起こったりすれば、校長以下教員の総入れ替え・学校つぶし・全員免職で、教育公務員も非正規職にする。市立幼稚園を皮切りに、学校給食の外部委託化、事務の外注化や企業との連携による一部授業の外部委託化、民間の補助教材の活用など、外注化・民営化を進める。
 これらを貫徹するために徹底した団結破壊・組合つぶしで反撃の芽を摘む。授業力評価(保護者・生徒による授業アンケート)導入など教員評価による能力給と処分、「不適格」者や病休者への排除・免職攻撃を学校選択制や学校統廃合と併せて行う。
 研修所送り・処分による振り分けと「自主退職」に追い込んでの解雇、分限免職がすでに実行されている。
 現在、教育労働者の病気休職(とりわけ精神疾患)は他産別に比べても多い。大阪市はその割合が全国一だ。生活保護世帯数の割合も全国一だ。教育労働者は、困難を抱えた子どもたちと向き合い、個人でストレスを抱え、殺人的長時間労働の末、自らも病気で倒れていく現状にある。橋下は「病休者の割合を全国平均以下にする」と、病休者さえ免職の対象にしている。許せない。
 橋下は桜宮高校での生徒の死さえ利用して教育の民営化を進めようとしている。生徒の死はつらく悔しい。だからこそ問題の本質を明らかにする必要がある。
 橋下は「口で言って聞かないなら手を出さないとしょうがない」と言って大阪府知事時代から体罰を奨励してきた。「特色ある学校づくり」と称して学校間・教職員間で成果を競わせ、評価と処分で教育労働者の団結を破壊し、職場支配権を奪い、自由闊達(かったつ)な討論を抑圧してきた。桜宮高校事件はこうした橋下のやり方の結果起きたのだ。青年の未来を奪う新自由主義がもたらしたものでもある。一切の責任は橋下、当局、政府、資本にある。
 桜宮高校体育科の教員の総入れ替え・募集中止・府立高校体育科の募集人員増による市立学校と府立学校の統廃合・府立高校の統廃合=分限免職攻撃が始まっている。生徒や教育はどうなってもいいとばかりに民営化・非正規職化を進めるのが新自由主義であり、その最先兵が橋下である。

 「授業力評価」に怒りが噴出

  これらの攻撃は労働者が黙って従っている限りでしか通用しない。今年度試行した授業アンケ−トに学校現場で怒りの声が上がり、保護者からも疑問の声が上がっている。桜宮高校つぶしの攻撃には高校生たちが決然と反撃に立ち上がっている。教育の民営化は教育の破壊だ。矛盾だらけで破産は必至だ。
 だから、教育の民営化がもたらす教育の崩壊、職場の矛盾に立ち向かい、ひとりからでも民営化絶対反対で闘い、それを結集軸に団結を拡大すれば勝てるのだ。
 攻撃に頭をたれ、教育労働者を処分・解雇と殺人的長時間労働に駆りたてる体制内教組執行部の支配をぶっとばし、自分たちで闘う団結をつくりだそう。橋下の教育民営化との対決として「君が代」不起立を貫き、処分撤回を求める大阪市教組の労働者の人事委員会闘争を結集軸に、闘う教組につくりかえる拠点をつくりだそう!
 2〜3月、JR外注化阻止決戦と一体の闘いとして、自治体丸ごと民営化・外注化、公務員全員解雇・非正規職化と全面激突する2・24橋下打倒闘争に全国から総決起し、3・11反原発福島行動への大結集をかちとり、橋下もろとも安倍を打倒しよう!
 (大阪・槻嶋陽子)
 ---------------------------
【要項】2・24橋下打倒集会
 橋下による処分攻撃に反撃し、今こそ闘う労働組合をつくりだそう!
 民営化・外注化絶対反対!すべての非正規職を撤廃しよう!

 2・24橋下打倒集会

 2月24日(日)午後1時
 大阪中之島公園女神像前(市役所南側) 集会後、難波までデモ行進
 主催 橋下打倒集会実行委員会

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号3面3)(2013/02/11 )

 国際労働運動 3月号

 「職場で殺される」青年の現実

 特集は「新自由主義と闘う青年労働者」。
 第1章は、アルジェリア人質事件が起き大恐慌と争闘戦が激化し危機を深める極右反動・安倍政権の打倒を呼びかけ、資本の延命の先兵であるJR東の「経営構想X」の粉砕を訴え、非正規職化を進める労働法制の改悪を弾劾している。
 第2章は、新自由主義下の青年労働者の現実に肉薄する。仕事がない。仕事があっても半数近くが非正規・超低賃金で生きていけない。結婚できない。将来が見えない。自殺率が上昇。生きるために労働する職場で「殺される」。「ブラック企業」がはびこる。JR、郵政、金融、民間のあらゆる資本がそうだ。資本は青年を暴力で「つくり変え」、人格を破壊し、うつ病に追いやり、使い捨てにする。果ては自殺だ。しかし青年労働者が階級的共同性を取り戻し、労働者階級の解放に向け生き闘う時代に入っている。
 第3章は、青年労働者の指導部への飛躍=マル青労同への結集をストレートに訴えている。
 ニューズ&レビュ−は、韓国・民主労総が新大統領パククネに対する闘いを開始したことを伝える。金属4労組が先頭に立ち、「希望バス」が蔚山の現代自動車の高空籠城現場に結集した。アルジェリア人質事件は仏軍のマリ侵略戦争の停止を求めて起こされた。事態の本質は欧米日帝の19世紀末以来のアフリカ再分割戦争であると指摘する。
 世界経済の焦点は、「TPPとアメリカ農業問題」という視点からTPPを暴露する。実は多数の米国農民も農業だけでは食べていけないのだ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号4面1)(2013/02/11 )

 3・1ビキニデー杉並集会に結集を

 ビキニ-福島の怒りは新たな反原発・反核の闘いの原点だ

 安倍の原発再稼働策動を粉砕しよう

 2013年、日本の反原発運動はひとつの正念場を迎えている。安倍政権のもとで狙われる原子力規制委員会のペテン的な「安全基準」と原発の本格的再稼働・輸出。世界大恐慌の激化と帝国主義間・大国間の争闘戦の非和解化によって、日帝は核武装とその偽装形態である原発政策にすがりつく以外にない。「廃炉の予算を捻出(ねんしゅつ)できない」などという各電力資本の傲慢(ごうまん)かつ無展望な見解を受けて、安倍はなんの未来もない原発の再稼働を強行しようとしている。絶対に許せない。
 核燃サイクルをめぐる攻防も決戦だ。日本原燃とRFS(リサイクル燃料貯蔵)は、六ケ所再処理工場とむつ中間貯蔵施設の10月完成を打ち出した。しかし再処理技術の確立はまったくめどが立たず、「稼働できなければ、(再処理工場の使用済み核燃料プールは)14年度中にあふれ、計画は破綻する」(毎日新聞2・1付)という。原発再稼働の破綻は必至だ。
 〈3・11>から2年。労働者民衆は、帝国主義とその新自由主義政策に痛めつけられてきた一切を覆す階級意識に目覚め、闘いに立ち上がった。万単位のデモは政府を揺るがし、原発を次々に停止に追い込むとともに、すべての原発をいますぐなくす原則的なスローガンとして「再稼働阻止」を掲げて闘われてきた。その力が民主党政権を倒し、さらに安倍政権の再稼働政策に対して決意も新たに立ち上がろうとしている。55年体制の中でつくられた自民党は、自らの政策に耐えうる思想的・組織的力もない。自民党は崩壊する資本家階級の政治的・イデオロギー的支配が、昨年を超える労働者民衆の巨大な決起へと転化することを思い知るだろう。
 革命的共産主義者は、この決戦を労働者民衆とともに徹底的に闘うと同時に、大衆の巨大な闘争に耐えうる組織的な構えをもって応え、この闘いを本質的な、すなわち核なくしては一秒たりとも生きられない資本主義社会、帝国主義とスターリン主義の世界体制の革命的打倒に向かって闘おう。崩壊する新自由主義政策に立ち向かい、労働者の階級意識を形成し、団結を組織し、階級的な労働運動をつくり出す闘いに結びつけて闘おう。
 再稼働攻撃の最大の柱は「復興と除染」を合言葉にした「福島の怒り」の圧殺と隠蔽(いんぺい)だ。福島原発事故を許すのか否か。「3・11フクシマ」の忘却を認めるのか否か。1〜3月の闘いの焦点は、3月11日、福島現地から怒りの声を安倍政権にたたきつけていくことにある。
 そこに向かって「3・1ビキニ」が決定的課題であることを訴えたい。

 ビキニ事件の隠蔽画策した米政府

 1954年3月1日、マーシャル諸島ビキニ環礁において米軍による水爆実験ブラボーが行われた。その破壊力は広島原爆の約1000倍、TNT火薬に換算して15メガトン(第二次大戦で使用された全爆弾を合計しても3メガトン)と言われる。
 前年12月のアイゼンハワー米大統領による「アトムズ・フォー・ピース(原子力の平和利用)」演説は、ソ連の水爆実験の成功を受けて、同盟国への核技術の拡散を原発の商業化という形で承認しながら核兵器への転用を取り締まり、同時にソ連に対峙する軍事ブロックを形成するという核支配政策の転換を意味した。その実態は「平和利用」の言葉とはかけ離れた核実験の連続と地球規模の放射能汚染・大虐殺だった(米帝は46〜58年に計67回、1000メガトンの大気圏核実験!)。
 ビキニ事件後、放射能雨が日本中をパニックに陥れた。被爆した日本の漁船は少なくとも856隻、しかし「なぜか厚生省は、魚は調べたが、乗組員の方は詳しく調べようとしなかった」(大石又七氏『矛盾』)。
 ABCC(原爆傷害調査委員会)のモートン所長は「23人の漁夫は、2、3週間、長くてもせいぜい1カ月もしたら治るだろう」と発言、被ばくの隠蔽とモルモット化を狙った。日本の御用学者も「いまの程度の放射能雨なら永久に飲んでも害はないと思う。ラジウム泉を飲むつもりで飲みなさいとすすめたいぐらいだ」(大阪大学・朝田常三郎)と発言。日本政府は早くも12月には「人体に危険を及ぼす恐れがまったくないことが確認されるに至った」として検査を打ち切った。

 原水禁運動と大石又七さん

 この中から日本の労働者民衆は立ち上がり、原水爆禁止署名運動(日本で3200万、世界で6億7千万)は原水禁世界大会(55年8月6日)へと発展していく。この発祥地が、静岡・焼津と東京・杉並だった。この闘いは、米占領軍のプレスコード(報道規制)下で押さえつけられてきたヒロシマ・ナガサキの怒りを解き放った。ビキニ事件は「平和運動の原点」(大石又七氏)だった。
 しかし、大石氏は「ここを境に、ビキニ被爆者と広島・長崎の被爆者は対照的な方向をとりはじめる」(『矛盾』)と告発する。その背景にあったのは、正力松太郎(読売新聞社主)とともにCIA(米中央情報局)とつながり暗躍した柴田秀利(日本テレビ)が「毒を持って毒を制す」と語った原発導入であった。柴田は「原爆におびえ、憎み、反対ののろしばかりを上げ続けてきた日本に、初めて『毒は毒をもって制す』、平和利用への目を開かせる掛け声が、全国にこだましたのだ」「日本中が、自分たちの思い通りに変わっていくのを見ながら、私は感涙の涙を流した」という手記まで残している。
 また日帝は、米帝から原子力技術と原子炉を得るための格好の取引材料としてビキニ事件の政治決着をはかり、見舞金7億2千万円をもって「完全解決」とした。「ビキニの被災者たちは、日本原子力発電の人柱にされたのだ」(『矛盾』)
 こうした過程に運動内部から日本共産党が加担したのは有名な話だが、それだけではない。原爆医療法の成立(57年)の過程について、当時社会党参議院議員の藤田進は「(ビキニ被爆者や原発被曝者を含めると)成立が遅れるだけだ、という判断が社会党にも出てきたわけ。とりあえず現在、広島・長崎の被爆者、犠牲者をどうするかというところに絞らなきゃあ。それで自民党の譲歩を求めなきゃあ……絶対多数ですからね」などと語った。こうした歴史が「3・11フクシマ」につながっていったのだ。

 ビキニと福島結ぶ反原発・反核運動を

 3・1ビキニデー闘争を闘う意義は第一に、闘い続ける大石又七氏とともに米日帝の責任を追及し、「3・1ビキニ」を杉並に刻みつけることだ。大石さんは、久保山愛吉さんの壮絶な死に「自分を重ね、覚悟を決める日々だった。今でもあのときのことを鮮烈に思い出す。悲しみ、怒り、そして恐怖。俺は決してわすれない」とまさに「ビキニの怒り」を語っている。ビキニ被爆者をヒロシマ・ナガサキの被爆者と分断してきた歴史をのりこえ、杉並の地から「フクシマ」を見据えて立ち上がろう。
 第二に、社共をのりこえ新たな反原発・反核運動を杉並からつくり出すことだ。社会民主主義者は、階級的な支配と搾取を暴力的に維持するブルジョア国家を、プロレタリアートにとって非和解な打倒対象とするのではなく、逆に階級闘争を緩和し調和するものと位置づけ、もって資本主義社会のもつ階級対立の絶対矛盾をも解決できると考えている。スターリン主義者は、資本主義・帝国主義に対する根底的否定、最もラジカルな人間存在の対置、すなわち労働者の階級的団結こそが帝国主義を打倒し、世界革命を切り開くという立場を綱領的=実践的に確立しえず、生産力や核武装など帝国主義と同じ土俵で「闘争」することになる。こうした社共への断罪を、日本プロレタリアートの階級形成の現段階と切り結び前進させる革命的共産主義者の実践の問題として捉え、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の綱領的立脚点のもとで前進する外注化阻止・非正規職撤廃闘争を軸とした実践において歴史的に止揚していく闘いと一体で、ビキニの怒りを貫いていくのである。
 第三に、日帝ブルジョアジーの原発再稼働・核武装政策と、それを阻止するプロレタリアートの階級的団結の組織化の闘いの切っ先は、反原発運動にとっては内部被曝問題である。「子どもを守りたい」というささやかで当然の思いが、ブルジョアジーの世界支配とあいいれない本質を内在させていることが、反原発運動の革命性であり、フクシマは革命の根拠地であるという意味だ。放射能への不安と怒りに真正面から向き合い、労働者民衆を組織し、2013年の激動を準備する組織の建設を進めるとともに、3・1ビキニ―3・11フクシマの怒りを安倍にたたきつけ、反原発運動の発展を切り開こう。
 〔吉井 宗〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号4面4)(2013/02/11 )

【要項】3・1原発いらない杉並集会

ビキニ水爆実験・被ばくから59年

 3・1原発いらない杉並集会

 3月1日(金)午後6時30分〜
 高円寺・セシオン杉並ホール(東京都杉並区梅里1―22―32)
 □福島県郡山市からの報告
  井上利男さん(ふくしま集団疎開裁判の会・代表)
  「原発被災地をおおう『国際原子力ロビー』の影」
 □VTR上映(山本太郎さんによるインタビュー)
 大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)
 主催/3・1原発いらない杉並集会実行委員会
 呼びかけ/すべての原発いますぐなくそう!全国会議-NAZEN杉並

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号5面1)(2013/02/11 )

 3・11怒りの福島現地へ

 反原発福島行動'13呼びかけ人の訴え@

 今号より「再稼働阻止! 未来のために立ち上がろう!!/3・11反原発福島行動13」の呼びかけ人の訴えを連載します。今号はふくしま集団疎開裁判の会で活躍する井上利男さん、全国農民会議共同代表の鈴木光一郎さんのお二人です。この呼びかけにこたえ、3月11日福島現地で行われる集会・デモに全国からこぞって駆けつけよう!(編集局)

 「3・11」を風化させない

 3・11反原発福島行動13呼びかけ人/郡山市 井上利男さん

 子どもたちを避難させろ!

 

----------------------
【要項】 3・11反原発福島行動'13
 再稼働阻止! 未来のために立ち上がろう!

 3・11反原発福島行動'13

 3月11日(月)正午開場
 福島県教育会館大ホール(福島市上浜町10-38)
 JR福島駅東口バス2番のりば「競馬場方面」行き「豊田町」下車徒歩5分、または3番のりば「東堀河町」行き「上浜町」下車徒歩2分
 12時30分プレイベント/午後1時コンサート
 1時30分集会/3時15分デモ出発(→県庁前→福島駅)
 主催/3・11反原発福島行動実行委員会 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号5面3)(2013/02/11 )

 放射能漏れは止まらず原発事故は今も進行中

 3・11福島へ/事故責任徹底追及を(上)

 忘れもしない2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の大事故。これらは東日本の労働者階級人民をどん底の苦しみに追いやった。しかもそれは今も続いている。極右の自民党・安倍政権は野田政権の悪行に輪をかけ、“原発事故は終わった”とばかりに福島を切り捨て、原発再稼働に突き進もうとしている。絶対に許せない。事故責任追及の闘いを徹底強化しよう。今回は福島第一原発事故の現状に迫り、「収束宣言」のウソを暴く。
(図 福島第一原発の現状)

 高濃度汚染水があふれ貯蔵タンク建設も限界

 福島第一原発事故の現場はどうなっているのか。このこと自体、昨年の政府事故調、国会事故調の調査報告書の発表以来、マスコミでも報じられることがほとんどなくなってしまった。野田の「収束宣言」のウソが大手を振ってまかり通っているのだ。
 だが、福島第一原発事故の現場は3・11当時と本質的には何ひとつ変わっていない。それどころか事故はまだ進行中だ。
 福島第一原発の事故現場では事故によって崩壊した放射性物質の封じ込めが2年近くたってもいまだにできていない。まさに人類が初めて体験する一大原発事故なのだ。
 1号機と3号機にはスカスカの「建屋カバー」なるものをかぶせているが、そんなものでガス状の放射性物質の放出を止められるはずがない。
 事故対策の核心はメルトダウンして破損した1〜3号機の原子炉圧力容器と格納容器全体を密封状態にして、本来の循環冷却システムを再建することである。
 われわれは今回の原発事故で原子炉の崩壊熱のすさまじさを目の当たりにした。どんな危険な化学プラントでも反応を止めればいったん危険は回避される。ところが原子炉の場合、核燃料の連鎖反応を止められたとしても、膨大な崩壊熱が数十年にもわたって出続け、それを冷やし続けないとシステムそのものが崩壊し、大惨事を引き起こすという危険きわまりない代物であることが衝撃的に明らかになった。
 “事故直後は全交流電源が喪失したことによって冷却システムが稼働できなかった。緊急時の冷却システムもうまく動かなかった。だから緊急対策としてとにかく「打ち水」をして、あふれ出た高濃度汚染水をポンプでくみ出して放射性物質を濾過(ろか)して再使用する。それでも高濃度汚染水が余るからひとまずはタンクに貯める”。そう東電と政府は主張してきた。こんな緊急避難策を「循環注水冷却システム」と怪しげな名前を付けて実行してきた。
 本来、軽水炉では原子炉を止めても膨大に出続ける崩壊熱を取り除くためにRHR(残留熱除去系)というシステムを定期検査に備えて3組も備えている。だから本当ならこのRHRを再建できて初めて「収束宣言」を出せるはずなのだ。
 ところが事故から2年近くたってもRHRを再建できずにその場しのぎの打ち水方式で高濃度汚染水を垂れ流しにするしかないのが現状なのだ。つまり原子炉を含む格納容器を再度密閉することが検討課題にもならないぐらい地震と津波と水素爆発で原子炉全体がガタガタに破壊されてしまっているということだ。
 その結果、微量になったとは言え放射性物質が空気中に24時間漏れ出し続けている。さらに、垂れ流しの冷却水による地下水の汚染が日々進んでいる。これらの汚染水が10〜20年後に突然、遠く離れたところで高濃度汚染水として見つかる可能性すらあるのだ。
 しかも増え続ける汚染水用のタンクの増設が限界に近づいている。現在福島第一原発の広大な敷地内に千基を超えるタンクが建設され、約12万dもの処理水が貯まっている。汚染水は1日400dずつ増加。一部は濾過して再使用しているが、大部分はタンクに貯めるしかないという。タンク増設計画も限界に近づいている。こんな弥縫(びほう)策がいつまでも続くわけがない。
 そこで東電が狙っているのが汚染水の海洋放出だ。これに対して地元の漁民は一斉に反対している。原発事故後にも東電は大量の高濃度汚染水を意図的に海に放出し、まだ出荷規制にかかる魚が20種類にも及ぶという取り返しの付かない犯罪行為を犯した。その責任も取らずに、再度汚染水の海洋放出を画策するとは断じて許し難い。

 4号機の使用済み燃料プールは崩壊の危機に

 4号機の使用済み燃料プールの問題も何ひとつ解決していない。
 4号機については水素爆発をしたけれども、定期検査中で原子炉は稼働していなかったと言われている。だが、すでに明らかにされているように4号機の最上階にある使用済み燃料プールには大量の使用済み核燃料を含む1533本もの燃料集合体が保管されている。3・11の直後にはこの使用済み燃料プールの冷却システムも破壊され冷却不能に陥り、燃料棒が溶け出す危機に直面した。燃料プールの冷却自体は原子炉のRHRに相当するものが再建されているが、それも時々故障し問題を起こしている。
 さらに4号機が水素爆発したことで、建屋がボロボロに破壊され、燃料プールそのものが崩壊しかねない危機状態が続いている。この燃料プールが再び地震や津波に襲われて崩壊すれば燃料棒がばらばらに飛び散って溶け出し、放射性物質を大量放出することで“首都圏からの避難すら問われる”と言われているほどの大問題なのだ。
 だが崩壊寸前の4号機燃料プールから、近づいただけで人間が即死すると言われる放射能まみれの使用済み核燃料を取り出すことは至難の業である。そのための独自の施設と態勢をつくらねばならない。その具体的プランはこれからなのだ。このことひとつとっても、事故は進行中である。

 “人間がコントロールできる代物じゃない!”

 以上見たように、福島第一原発の現場は本質的には事故当時となんら変わっていない。にもかかわらず「収束宣言」などというウソで事故責任をすり抜け、原発を再稼働させようなどというデタラメを許してはならない。
 事故原因については四つの事故調の報告書が出ているが、「責任追及は目的としない」などという政府事故調を始め、いずれも責任追及をあいまいにしている。その結果事故原因そのものにも真剣に迫ろうとはしていない。
 事故そのものについて言えば、いまだに原子炉内部・格納容器内部がどうなっているのかさえ分からない状態だ。2号機内部は7万2900_シーベルトで、誰でも6分で死に至ると言われている。ロボットなどもあまりの高線量に次々と壊れている。だから、メルトダウンした燃料がどうなっているのかもまったく分かっていないのだ。
 飯舘村から福島市などの福島中通りを汚染させたのは3月15日に2号機から大量放出された放射性物質が昼過ぎから降り出した雨と雪によって土壌に沈着したのが原因だと言われている(「運命の日3月15日」)。
 この2号機からの放射性物質の大量放出の原因についても四つの報告書はまったく迫れていない。だが、徐々に事実が明らかになってきている。2号機の大量放出の原因は「格納容器の本体と上ぶたの接続部分や配管フランジ部(つなぎ目)」からだという(東電自身による日本原子力学会での発表)。配管のつなぎ目から漏れたいうことは、地震によって配管が大きく揺れたことにより、つなぎ目に緩みが生じて低い圧力でも漏れてしまった可能性が高い。そのほか、詳細に検討すれば、至る所に地震による配管のひび割れが原因と思われる事象が見いだされる。
 3・11当日現場にいた労働者は、「この原発事故がいかにすごいものだったか、どれほどたまたま運が良かっただけで東日本が助かったか……あの時現場にいたすべての人が『原発事故はどんなに対策やマニュアルがあっても、こりゃ人間がコントロールできる代物じゃない、事故の次元が違いすぎるよ』って思ったはずだ」とブログ上で語っている。
 現在も活断層問題が再稼働をめぐって争われているが、日本のような地震大国で原発をつくること自体に無理があるのだ。だからこそ、今回の事故原因の究明は重要である。それをすり抜けて規制を強化したから再稼働というのは、はじめに再稼働ありきであり、福島第一原発事故を再来させるものだ。こんなことは絶対に許してはならない。
 そのためにも福島第一原発事故の原因を徹底的に究明し、政府・東電や原子力ムラに責任を取らせる運動をさらに強めなければならない。それが福島の闘いに応え、新たな原発事故を防ぐ最大の道である。
 3・1ビキニ−3・11福島現地闘争に総決起しよう。
 〔城之崎進〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号6面2)(2013/02/11 )

 迎賓館・横田爆取被告団のアピール

 2・23総決起集会に大結集し差し戻し控訴審無罪かちとれ

 ----------------------------
 差し戻し控訴審無罪へ! 福嶋再審勝利!
 2・23総決起集会
 日時 2月23日(土) 午後1時開場 1時30分開会
 場所 初台区民会館(京王新線初台駅下車5分)
 主催 迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号6面4)(2013/02/11 )

 3・5高裁デモへ

 星野無実の全証拠開示せよ

  星野文昭同志の全証拠開示と再審開始を迫る「3・5東京高裁包囲デモ」が、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議から呼びかけられた。
 2013年、星野同志奪還へ、本年第1波のデモである。星野同志はすでに獄中38年! 無実の証拠を隠し、いまだ再審を開始しない東京高裁・東京高検に怒りのデモをたたきつけよう。総力決起を訴えます。
 1971年、沖縄返還協定批准阻止闘争を最先頭で闘った星野同志に、日帝・国家権力は無実を百も承知で、「殺人罪」をデッチあげ、無期懲役の攻撃を加えてきた。星野同志はこの70年安保・沖縄決戦への報復弾圧を、38年間非転向を貫き、絶対非和解の闘いで日々打ち砕いている。そして、全力を挙げた弁護団の闘いと一体のものとして東京高裁をぎりぎりと追い詰めている。
 星野同志と弁護団は、昨年12月冒頭、現場目撃者の供述調書の開示と、闘争現場で撮影された星野同志の写真のネガの複写(スキャニング)を請求した。同時にこれら証拠開示の必要性を説明するための3者協議を求めたが、今に至るも東京高裁からは何の返事もない。3者協議も開かず、弁護団の意見も聞かずに、開示請求を棄却することなど断じて許してはならない。
 今こそ、星野同志の無実を全人民に訴えよう。証拠開示をしないばかりか、証拠を隠滅までして再審開始を阻もうとする日帝・東京高裁−司法当局を徹底的に追い詰めよう。
 安倍政権は、世界大恐慌の一層の深まりと大争闘戦時代への突入、そして3・11情勢に根底的に規定されている。その凶暴で絶望的な攻撃は、全人民の怒りをかきたて、「生きさせろ」の根底的な闘いをいよいよ全面的に引き出している。この怒りと星野同志の怒りはひとつだ。国鉄決戦を基軸に、反原発、三里塚決戦と一体となって全証拠開示大運動を総力で推進しよう。2・17国鉄大集会を成功させ、3月決戦で安倍政権を打倒しよう。3・5東京高裁包囲デモへ!

    ☆

 3・5全1日行動

★午前11時30分 日比谷公園・霞門結集/12時15分 デモ出発/
★午後1時30分 署名提出行動
★午後1時40分 第11回ビデオ国賠開廷(東京地裁527号法廷)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2571号6面7)(2013/02/11 )

【要項】差戻し控訴審無罪へ! 福嶋再審勝利!2・23総決起集会

差戻し控訴審無罪へ! 福嶋再審勝利!

2・23総決起集会

日時 2月23日(土)午後1時開場 1時30分開会
場所 初台区民会館(京王新線初台駅下車5分)
主催 迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会

------------------------TOPへ---------------------------