ZENSHIN 2012/11/26(No2562 p06)

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週刊『前進』(2562号1面1)(2012/11/26 )

 総選挙と都知事選に際して訴える

 連合打倒、闘う労働組合再生こそ野田・安倍・石原・橋下を倒す力だ

 野田は11月16日に衆議院を解散し、12月16日を投票日とする総選挙へと突入した。この総選挙は、石原の辞任による東京都知事選との同日選挙として行われる。野田政権の崩壊も、石原が都知事の座を放り出し極右勢力の結集に走ったのも、日本帝国主義の政治支配が絶望的な危機に直面している現れだ。このことは、労働者階級が総決起して新自由主義攻撃を根底から打ち破る、巨大な闘いの時代がついに来たことを示すものだ。今こそ連合打倒、闘う労働組合の復権に一切をかけて決起し、その力で野田・安倍・石原・橋下らのすべてを打ち倒そう。

 野田政権崩壊は戦後体制瓦解の始まり

 野田政権の崩壊は、大恐慌と昨年3・11以来の日帝の体制的危機、政治支配の危機が最後の一線を越えて激化し始めたことを示している。
 第2次大戦後のブルジョア議会制度を始めとした労働者人民への階級支配の体制が、根底からボロボロになって崩壊し、腐臭を放っている。他方で、わずか1%の支配階級が99%の人民の命と生活を根こそぎ犠牲にして生き延びようとすることに、労働者や農民、全人民の「もう我慢できない」という根源的な怒りが噴き出している。
 そもそも09年の民主党政権の登場は、歴代の自民党政権による新自由主義攻撃に対する労働者人民の怒りの爆発が、自民党支配を打ち倒した結果だった。だが新たに政権の座についた民主党は、連合の労働貴族を手先に使って労働者階級の怒りを抑え込むことに全力を挙げた。さらに3・11大震災と原発大事故を受けて日帝資本の救済にすべてをかけ、福島の怒りの圧殺と原発再稼働、「復興特区」「医療特区」をもテコとした民営化・外注化・非正規職化と消費増税の攻撃に突進した。同時に改憲・戦争、領土略奪の道に突き進んだ。
 だがこの攻撃は膨大な労働者階級人民の総反乱を生み出した。それを決定的に解き放ったのが、動労千葉・動労水戸などの国鉄労働者を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃闘争への決起であり、被曝労働拒否のストライキ闘争であった。この職場生産点からの反撃が、新自由主義攻撃をその核心部から打ち破る道を切り開いた。そして福島の怒りと結びつき、毎週の首相官邸前占拠・全国100万人決起へと発展した反原発闘争の大高揚が、日帝・野田政権を崖っぷちに追いつめた。
 まさに10・1外注化阻止決戦の爆発―11・4労働者集会への大結集―11・11霞が関占拠闘争に体現される闘いこそが、野田政権に最後の一撃を加え、その崩壊=打倒を実現したのである。

 労働組合破壊と改憲に突進する極右勢力

 今や日帝支配階級は、諸政党の乱立と離合集散にみられるように、危機を深めながら権力を巡る醜い分裂・抗争を果てしなく激化させている。しかし彼らは次の点では完全に一致している。つまり野田政権の崩壊が日帝支配の全面崩壊、労働者階級による革命へと発展するのをなんとしても阻止するということと、労組破壊・改憲の攻撃だ。
 大恐慌が果てしなく深まり、世界経済の収縮と国際争闘戦の激化が進む中、日帝ブルジョアジーにとっては一切の矛盾を労働者階級人民に押しつけ、とことん犠牲にして進む以外に出口はない。すなわち、新自由主義攻撃の絶望的凶暴化だ。だからこそ彼らは、この選挙過程で労組破壊と民営化・外注化・非正規職化、原発再稼働とTPP(環太平洋経済連携協定)、さらにはむきだしの改憲・戦争攻撃に一気に踏み込んでいる。この点では民主党も自民党も、「第三極」を名乗る石原・橋下らもすべて同じだ。これ自身が資本家階級の側から仕掛けられたすさまじい階級戦争だ。
 事実、橋下と野合して「日本維新の会」の代表に就任した石原は、「核兵器に関するシミュレーションくらいやった方がいい」「核を持たない国の発言力は弱い」と、核武装を公然と提言した。これが原発再稼働にしがみつく連中の本音だ!
 また自民党の安倍は、「国防軍の明記」など改憲を前面に打ち出すとともに、「日本銀行は無制限にお札を刷り、国債を全部買い取れ」などと言い出した。大資本のもとに国家財政を無制限に注ぎこみ、借金のツケはすべて人民に回す。日帝が戦前、巨額の戦費調達のために行ったことを再びやるということだ。
 労働者人民の命と全生活と未来をかけて、野田・安倍・石原・橋下ら全員をぶっとばそう。

 デモとストへ労働者の決起が原発止める

 そのために必要なのはもはや選挙や議会に希望を託すことではない。反原発闘争は、国会に対する一片の幻想も奪い去った。ブルジョア議会制度自体がすでに完全に破産し尽くしているではないか。起きていることは戦後体制、戦後的な階級支配の最終的な崩壊だ。一切は、資本家階級と労働者階級との非和解的なむきだしの激突によって決まることをはっきりさせよう。
 11・4労働者集会で宣言した階級的労働運動と労働組合の再生こそが、新自由主義攻撃を打ち破るとともに、資本の支配の根底的転覆を実現していく唯一の道である。今こそ、最大の戦場である職場で徹底的に闘おう。外注化阻止決戦の第2ラウンドに突入し、国鉄・4大産別を軸に非正規職労働者・青年労働者の大反乱をつくりだそう。街頭にうって出よう。
 福島の怒りと結合した巨万のデモこそ、原発再稼働を実際に阻止し、廃炉への道を切り開く。さらに、沖縄の怒りと一体化し、改憲阻止を真正面に掲げて闘おう。
 何よりも、連合の支配を今ここでこそ打ち倒し、階級的労働運動の手に職場支配権を奪還して、労働組合を再生することが決定的だ。
 大恐慌と大失業・戦争はこれからいよいよ本格化する。プロレタリア革命以外に、労働者階級人民の生きる道はない。すでに全世界で、ゼネストや街頭占拠の闘いが激しく展開されている。国鉄決戦と反原発闘争を大爆発させ、世界革命への闘いの先頭に日本の労働者階級が躍り出よう。
 『前進』を最大の武器に、党と労働組合の一体的建設をかちとろう。

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(写真 全欧州で1000万人ゼネスト 11月14日、労働者を犠牲に国家破綻の危機をのりきる緊縮財政政策に反対するゼネストとデモが全欧州で行われた。上は、スペイン第2の都市バルセロナでの100万人デモ。下は、イタリアの首都ローマでデモに立つ労働者=記事2面)

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週刊『前進』(2562号1面2)(2012/11/26 )

 大恐慌-戦争・大失業を革命へ

 青年労働者・学生の決起で新自由主義攻撃うち破れ

 12・8もんじゅ現地闘争へ

 今日、全世界の労働者階級人民が直面する人類史的な課題は、社会の真の主人公である労働者があらゆる困難と壁をのりこえ、自らの手で「1%」による階級支配を打ち倒すことができるかどうかということである。プロレタリア革命の勝利こそが歴史の唯一の回答であり、「99%」の生きる道だ。野田の衆院解散・総選挙と石原辞任・都知事選挙は、大恐慌下での日帝支配と新自由主義の破産・崩壊の姿そのものだ。11・4集会の地平を発展させ、国鉄決戦・外注化阻止決戦と反原発闘争の爆発、階級的労働運動の発展で、解散・総選挙情勢と真っ向から対決しよう。

 議会の中に労働者人民の未来はない

 衆院解散当日、反原発の国会行動に来た人がテレビ・インタビューで、「今回の選挙ほど誰にも投票したくないと思う選挙はない」と語っていた。この声こそ「民意」そのものだ。これは議会への絶望を超えた深い怒りと、国会内の大うそつきの政治家どもを一掃し打倒しろ、国会外の自分たちこそ真の主人公だという闘いの宣言だ。昨年3・11以来、決起を開始した数百万人規模の労働者の怒りと行動は、けっしてブルジョア議会的に収束されない根源的で全面的なものとしてある。
 今やこの始まった革命への胎動と、「外注化阻止・非正規職撤廃」「解雇撤回・JR復帰」を全国の職場で激しく実践する階級的労働運動が、ついに結びつき始めた。新自由主義の本格的攻撃だった国鉄分割・民営化に、職場から絶対反対で闘ってきた動労千葉や動労水戸、そして3労組共闘が、今年の11・4集会で示した可能性と展望は巨大である。
 非正規職をはじめとする2000万の青年労働者、6000万の全労働者を率いて闘う階級の指導部、時代の要請に応える青年指導部が今、力強く登場しつつある。11・4後の数週間にも多くの労働者が「闘いたい」と階級的な合同労組に結集し、多くの職場や街頭から『前進』を読みたいという労働者が生まれている。この中に解散・総選挙と都知事選情勢への回答と勝利の対決軸がある。
 野田・安倍・石原・橋下ら極右・改憲勢力は、大恐慌−3・11情勢と日帝の脱落的危機にあえぎ、労働者人民に根底から打倒される恐怖にかられている。労働者階級を大失業と非正規職にたたき込み、労働組合をつぶし、改憲や核武装に突き進もうとすることでのみ、彼らは一致・共通している。しかし労働者階級はそんなことを断じて許さない。彼らをまとめて倒す真の戦場は議会ではなく、職場生産点にあり、街頭とキャンパスにこそある。

 11・4の地平の巨大な輝き

 11・4労働者集会で、日本の労働者の職場攻防の先端に位置する外注化阻止・非正規職撤廃と国鉄1047名解雇撤回の闘いは、新たな輝きをもって登場した。体制内労働運動指導部の度し難い屈服は、資本家階級の焦りと絶望の転倒した表現であり、そこには何の展望もない。真の未来は、動労千葉をはじめとした労働組合の存在と闘い、すなわち階級的労働運動が、国際連帯を発展させ、フクシマ・オキナワの怒りと結びつき、その組織と勢力を拡大しつつあることの中にある。
 そこには粘り強い日常的な資本との攻防、JR総連カクマルや連合幹部などの裏切りをのりこえて、その傘下の組合員を獲得している実践と確信がある。ここに日本労働者階級の戦闘性が受け継がれてきた。労働者は資本主義社会では労働力を売り賃金を得ることでしか生きられないが、その命と誇りまで売ってはいない。原発も基地も、労働者が職場を武器に闘ってこそなくすことができる。
 10・1外注化阻止決戦と11・4集会が示したことは、労働者は職場で困難に負けず団結して闘えば、勝てるということだ。しかも労働者は今日、全世界で新自由主義と闘い、外注化阻止・非正規職撤廃という同じ闘いをしている。韓国・民主労総がまさにそうだ。組織拡大と階級的団結の前進をとおして、闘う労働組合を再生し、労働者階級をひとつの階級として形成・統一しなければならない。今が党と労働組合の一体的建設の正念場だ。
 大恐慌下の革命情勢に立ち向かう実践とは、革命的な宣伝・扇動戦と革命的行動に決起し、「革命的情勢に応じた組織」、すなわち革命的な労働者党建設を労働者自身の事業としてやり切ることだ。国鉄決戦と反原発闘争を軸に、解散・総選挙情勢に対決しよう。

 大恐慌・革命情勢・階級決戦期の到来

 大恐慌はこれからいよいよ本格化する。資本家階級は新自由主義の破産という自ら生み出した危機と「死の苦悶」から、労働者階級の生きるすべをすべて奪って延命しようとしている。
 日本のGDPは7〜9月期、年率換算で3・5%マイナスに転じた。労働者を食わせられない新自由主義に未来はない。アメリカ帝国主義の没落と危機は、オバマ再選によってさらに激しく爆発していく。大失業問題が最大の焦点であり、QE3(量的緩和第3弾)が示す超金融緩和は、大恐慌・大不況下でのインフレ爆発とドル暴落の危機をついに現実化させる。米帝はこの危機を新軍事戦略と対中対峙・対決政策の強化、帝国主義間・大国間争闘戦、世界戦争政策でのりきろうとしている。この間の米帝・イスラエルのパレスチナ侵略、ガザ空爆は断じて許し難い。
 先の中国共産党大会は、残存スターリン主義の絶望的延命の大会となった。習近平体制は、一方で全土で巻き起こる労働者人民のスト、デモ、暴動的決起で揺さぶられ、他方では政治権力内の深刻な分裂・抗争を抱え込んだ、きわめて危機的で脆弱(ぜいじゃく)な体制である。中国のバブル崩壊と残存スターリン主義の内乱的危機は、大恐慌を深刻化させる。
 こうした中で米大統領選は労働者のストに直撃されたが、ヨーロッパでは「緊縮政策反対」を軸に、南欧ゼネストをはじめ23カ国で一大統一行動が闘い抜かれ、1000万人規模のゼネストと大デモが爆発した。全世界で労働者の怒りの決起はいよいよ拡大する。
 日本の階級情勢も、この世界の動向と一体だ。製造業を中心に大資本はすさまじい規模の大量解雇を激化させており、パナソニックやシャープの大リストラは、下請け・中小零細企業をはじめ数百万の労働者へと波及する。外注化・非正規職化と同時に、退職勧奨、強制配転・出向などのやり方での「解雇自由」の攻撃が横行している。いよいよ数千万人規模の階級決戦が始まるのだ。

 外注化阻止決戦と反原発が勝利開く

 解散・総選挙と都知事選情勢は、階級的労働運動の大飛躍の時代の到来でもある。
 JR東日本は新たな大攻撃として「グループ経営構想X−限りなき前進−」を打ち出した。その中身を徹底暴露し、外注化阻止・非正規職撤廃と1047名解雇撤回の大運動を柱に、物販闘争・署名運動を職場から組織し、国鉄闘争全国運動を発展させよう。2013年4・1外注化、2月ライフサイクル、グリーンスタッフ解雇・外注化を断じて許すな! 青年労働者の獲得・組織拡大へ闘おう。
 4大産別で外注化阻止・非正規職撤廃に総決起しよう。年末に向け労働監獄的な郵政の現場の大反乱をつくろう。郵政非正規ユニオン、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の闘いを先頭に、現場の団結をつくろう。
 さらに反原発闘争の発展へ、再稼働絶対反対を軸にすえて、大飯原発を止めろ!、高速増殖炉「もんじゅ」試運転阻止、大間原発の建設やめろ!、核燃サイクル維持・核武装政策粉砕などを真っ向から掲げて闘おう。12・8もんじゅ闘争に立とう。政府とIAEA(国際原子力機関)による原発推進の福島閣僚会議を許さず、12・14〜16の現地闘争を郡山市と福島市で闘おう。
 米新軍事戦略と一体の日米安保強化、改憲・核武装の策動、そしてオスプレイ配備と全国各地での飛行訓練を絶対に許すな! 沖縄闘争との固い連帯をかけて闘おう。
 11・23星野再審全国集会の大成功から、全証拠開示運動を先頭に星野奪還へ進もう。三里塚反対同盟・市東孝雄さんの行政訴訟・農地法裁判の12月10日萩原進さん証人尋問を闘い、農地強奪阻止の新段階に勝ち抜こう。
 解散・総選挙情勢に切り込み、革命的な労働者新聞『前進』を、全職場に持ち込み、地域、街頭、キャンパスで購読を訴えよう。これこそが今の激動情勢への回答だ。
 同時に冬期大カンパ闘争に革命勝利への決意と執念をたぎらせ、全力で取り組もう。

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週刊『前進』(2562号1面3)(2012/11/26 )

前進速報版から 前進速報版から

▼NAZEN杉並が阿佐ケ谷デモ▼NAZENナガサキが集会▼11・11霞が関大占拠@movie▼習近平新体制を直撃! 1万人の暴動

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週刊『前進』(2562号2面2)(2012/11/26 )

 国労原告団物販を支えよう

 国鉄1047名解雇撤回へ

 「共に闘う国労の会」から出された、国労原告団物販への取り組みの訴えを紹介します。和解を拒否した4人の国労闘争団員を支え、1047名解雇撤回へ闘いぬこう。(編集局)

 和解拒否の国労原告団2012年冬季物品販売へのご協力のお願い

  全国各地・職場で奮闘されている皆さんに敬意を表します。夏季物品販売へのご協力に厚くお礼申し上げます。夏季売り上げ金の一部は4名の闘争団の活動資金として活用させていただいております。引き続き冬季物品販売へのご協力をお願いいたします。
 6月29日、1047名解雇撤回を貫き闘う国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)の鉄建公団訴訟において、東京地裁は「解雇は有効」との反動判決を下したものの、「国鉄分割・民営化に反対する組合員を不当に差別する目的で選定基準(停職6ケ月または停職2回以上)が策定され、(動労千葉組合員を)採用候補者名簿に載せなかったのは不法行為」であると判断しました。この6・29判決は、国鉄分割・民営化と採用差別は根本的に国家的不当労働行為であったことを認めさせた歴史的判決です。
 一方、「4・9政治和解」を拒否して闘う国労秋田闘争団・小玉忠憲さんの鉄道運輸機構訴訟控訴審において、東京高裁は10月11日、控訴棄却の判決を下しました。判決は、解雇は有効であり、不採用基準は合理的であり、2回の停職処分も有効だと言い、損害賠償請求についても「消滅時効」で完全に否定するという断じて許せないものです。これは、動労千葉が切りひらいた6・29判決を根本から覆そうとする追い詰められたJR資本・国家権力の反動以外の何ものでもありません。
 小玉さんは10・11判決を怒りをもって弾劾し、「6・29判決で切りひらかれた地平に立ち、断固として不当解雇撤回闘争を勝利するまで闘い抜く」と新たな決意で闘いを開始しています。私たちも国鉄闘争全国運動と共に「解雇撤回・JR復帰」の全国大運動をつくりだし、25年にわたる国鉄分割・民営化攻防の勝利に向かってさらに闘う決意です。
 また、昨年の定期大会で、国労本部が組合員資格を「JRに雇用された者」と規約改正し、闘争団を最後的に切り捨てたことに対し、和解を拒否して闘う4名の闘争団員が本部を相手に組合員資格訴訟を闘っています。国労本部は「雇用関係が大前提であることは国鉄時代以来の扱い」と主張しました。しかし、国労は1956年の大会で「組合員は組合員名簿に登録されたものをもって組織する」と定めています。不当解雇を許さず、被解雇者を組合員・役員として守り抜いてきたのが国労の歴史です。解雇撤回闘争を放棄し、合理化と非正規社員の「使い捨て」を推進するために国労の歴史をも偽造する本部を絶対に許しません。労働者の生活と生存を守るために国家や資本と闘うのが労働組合です。この当たり前の労働組合を甦(よみがえ)らせようと訴え、4名の闘争団員は全国を駆け巡って闘います。
 いま、JRの職場では鉄道業務を数百の下請け会社に外注化し、雇用と安全を破壊する攻撃が吹き荒れようとしています。この攻撃は自治体や教育の全面的な民営化の動きと一体です。10月1日、JR東日本が車両の検査・修繕部門の外注化を強行したことに対し、動労千葉は2波のストライキと職場抵抗闘争を闘い、団結を守り抜いて外注化粉砕の新たな闘いに突入しました。社会に怒りは満ちています。私たちも動労千葉と共に「外注化阻止・非正規職撤廃」を闘い、新自由主義をうち破る労働運動づくりに全力を尽くします。
 皆さんのご理解とより一層のご協力を訴えて冬季物品販売の要請といたします。2012年10月
国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会

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 ◇品目表◇  (円)

1 博多とんこつラーメン 1100
2 北海道ラーメンセット 450
3 十日町産妻有そば 1400
4 十日町産妻有ざるうどん 1350
5 おでん      400
6 さんまのひつまぶし 680

7 さば味噌煮とぶり大根 680
8 金笛だしの素   1100
9 からしめんたい  2200(クール便料金 200)
10 日高昆布     660
11 野菜カレー    1100
12 たまねぎスープ  600
13 海鮮スープ    600
14 ポタージュスープセット 550
15 からしたかな   500
16 もろみ      500
17 漁師のふりかけ  600
18 しょうが湯    1000
19 有機無農薬コーヒー 850
20 黒えだ豆      550
21 鮭皮チップ    280
22 ほし柿ようかん  550
23 ゆずようかん   550
24 チョコレート詰め合わせ 750
25 大地のじゃがいも 480
26 おからかりんとう 400
27 われおかきミックス 500
28 干し芋      300
29 しょうが蜂蜜   550
30 ラスク(シュガー) 550
31 ラスク(メープル) 550
32 ミニラーメン   950
33 あぶり焼小いわし 600
34 京するめ     600
35 ウユニ塩湖の天然塩 490
36 よもぎせっけん  1050

申し込み先 国労原告団互助会
TEL 03(3329)8815 FAX 03(3329)8821

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週刊『前進』(2562号2面4)(2012/11/26 )

【要項】動労千葉鉄建公団訴訟

 動労千葉鉄建公団訴訟
 控訴審第1回口頭弁論
 12月17日(月)午前11時 東京高裁
 ※午前10時、裁判所前に集合

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週刊『前進』(2562号3面2)(2012/11/26 )

 最末期帝国主義の打倒へ勝利開くカンパ訴えます

  すべての『前進』読者のみなさん。労働者・学生・市民のみなさん。革共同は重大な決意を込めて冬期カンパを訴えます。

●全産別で外注化阻止・非正規職撤廃へ闘おう
 日帝の危機が橋下・安倍・石原などの極右を引きずり出し、総選挙情勢でブルジョア政治家どもは右往左往しています。「こんな連中のために税金が使われるなら、革命でこいつらを打倒するためにこそ資金を出すほうがはるかに有意義だ」と発言した労働者もいます。
 戦争と大失業の時代の本格的な到来は、最末期帝国主義を打倒する革命情勢そのものです。
 私たちは2012年、ついに歴史的な闘いを開始しました。10・1JR外注化阻止決戦を、動労千葉、動労水戸を先頭に総力をあげて闘い抜き、闘いは第2段階に突入しました。
 JRの検修・構内業務外注化ではっきりしたことは何か。事故は起きる、列車や作業の遅れは出る、責任者は不在。出向協定も本人同意もない違法な出向。絶対反対の闘いが外注化と強制出向の矛盾を満天下に暴いたのです。外注化攻撃を覆すことがまったく可能だと確信した私たちは、来年2月のJR東日本でのライフサイクル強制配転、4月のさらなる検修外注化拡大と徹底的に闘います。
 さらに、JRを先頭に全産別で外注化・非正規職撤廃を掲げ新自由主義と対決する新たな挑戦を開始しました。
 神奈川では「神奈川臨調」と銘打って県有施設を全廃して職員を大量解雇し、全県を「特区」にする攻撃が狙われています。被災地をはじめ全国の自治体で、納税などの窓口業務の委託・外注化・非正規職化の攻撃がかけられてきています。
 しかし、労働組合の団結がある限り攻撃は絶対に粉砕できます。仙台でも闘う労働者への共感が広がり、大阪では橋下の反動的だが脆弱(ぜいじゃく)な本質が暴かれ、労働者の反撃の方が橋下より注目を浴びています。全産別で青年労働者が層となって決起し始めています。これを闘いの拠点として打ち固めていけば絶対に勝利できます。
 10・1JR外注化阻止決戦は、労働者階級人民の支持・支援に支えられて闘争資金を革命的に解決してきました。第2段階の闘いには、それ以上の資金が必要です。闘いはすべて労働者のみなさんのカンパで支えられています。

●新自由主義と闘う全世界の労働者が団結する路線
 韓国・民主労総は「非正規職撤廃」を掲げ、現代自動車ウルサン工場包囲デモに決起し、2人の非正規職労働者が50bの送電塔に登って命がけの高空籠城(ろうじょう)闘争を闘っています。アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)からは20歳代の青年労働者が本部の恫喝に屈せずに11・4全国労働者集会に合流しました。
 インドネシアでは400万人のゼネストで、外注化阻止・非正規職撤廃に向けた闘いを大前進させています。中国でも非正規労働者が次々と立ち上がっています。
 私たちは最末期の帝国主義を打倒する路線をつかむために全力をあげてきました。外注化阻止・非正規職撤廃は、新自由主義と闘う世界中の労働者が団結する路線です。11・4集会はこのことを確認し、韓米独の労働者・労働組合とともに新たな挑戦を誓い合いました。あとはこの道を邁進(まいしん)するのみです。
 私たちの闘いは世界中の労働者と結合し、これまでと比較にならないスケールで広がっています。そのためにも巨額の資金が必要になります。世界を変えるため、みなさんのカンパがどうしても必要なのです。
 また日帝は、大飯原発の再稼働に踏み切り、核燃サイクル計画を維持し、核武装化政策を貫こうとしています。原発政策維持を”安全保障のため”と居直り、日米同盟強化、対中国・アジア侵略のためなら福島の子どもたちを殺しても構わないというのでしょうか。山下俊一を始めとする御用学者どもは、福島に襲いかかる虐殺者集団です。こんな連中に殺されるわけにはいきません。生き抜くための拠点「ふくしま共同診療所」の開設をなんとしても成功させ、子どもたちの未来をかけてともに闘い抜きましょう。
 大恐慌がすごい勢いで進行し、シャープ、パナソニックなど電機大手の崩壊で解雇、賃下げの嵐が吹き荒れ、下請けや関連企業も含めるとすさまじい規模になります。過労、病気、生活苦での自殺者は後を絶ちません。社会の崩壊そのものです。

●大恐慌・戦争と対決する革命党の飛躍をかけて
 大恐慌はこれからいよいよ本格化します。それは、帝国主義の分裂と争闘戦を極限的に激化させ、大失業と戦争、恐るべき地獄絵図となって社会に襲いかかります。その決定的メルクマールがドル暴落です。米帝はQE3(量的緩和第3弾)の発動で暴走し始めました。EUも国債無制限購入でユーロ解体に向かい、帝国主義の最弱の環=日帝も、7〜9月期の経済成長率がマイナスに転落するなど危機を深めています。
 革共同は階級的労働運動路線でこの時代に立ち向かいます。非合法・非公然の党を建設し、どんな弾圧にも負けない不抜の党に飛躍します。機関紙『前進』の内容を豊富化し、機関紙を武器に党と労働組合の一体的建設を圧倒的に推し進め革命に向け邁進します。そのための冬期カンパを心から訴えます。

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週刊『前進』(2562号3面4)(2012/11/26 )

【要項】当面する反原発闘争

 ムリ・ムダ危険なもんじゅは廃炉しかない!!
2012 もんじゅを廃炉へ! 全国集会
 12月8日(土)午前11時〜午後4時
 ▼現地抗議集会と原子力機構申し入れ
 午前11時〜 白木海岸(福井県敦賀市)
 ▼もんじゅ廃炉を求める全国集会
 午後1時30分〜4時 きらめき港館
 主催 2012もんじゅを廃炉へ!全国集会実行委員会
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 「福島閣僚会議」抗議アクション
 12月14日(金)午後
 福島県庁申し入れ/オープニングデモ行進(福島市)
 12月15日(土)午前〜午後
 郡山市・ビッグパレットふくしま(閣僚会議会場)包囲行動
 /夜 フリーステージ&交流会(会場は郡山駅前・ビッグアイ)
 12月16日(日)夜
 フリーステージ&交流会(会場はビッグアイ)
 呼びかけ 原発はいらない福島の女たち

12・15さようなら原発世界大集会
 12月15日(土)午後1時
 東京・日比谷野外音楽堂
 2時30分〜「Nuclear Free Now 世界大行進」
 主催 Nuclear Free Now 実行委員会

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(写真 「官邸・国会前行動が大事」と多くの人が駆けつけ「原発やめろ!」と叫んだ【11月16日 国会前】)

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週刊『前進』(2562号5面4)(2012/11/26 )

 三里塚裁判傍聴を!

◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
12月10日(月)午後1時30分 千葉地裁
  ★萩原進事務局次長の証人尋問
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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週刊『前進』(2562号5面5)(2012/11/26 )

 訂正

 前号5面の11・11反原発行動での発言者名で「土肥淑平さん」とあるのは「土井淑平さん」の誤りでした。おわびして訂正します。

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週刊『前進』(2562号6面2)(2012/11/26 )

 イスラエルのガザ空爆弾劾

 侵略と虐殺を容認する米帝

 許せない劣化ウラン弾の使用

 ガザで許し難い新たな大虐殺が行われている。
 イスラエル軍は、11月10日にガザのパレスチナ人武装組織がイスラエル軍の車両を攻撃したことを口実にして、2008年12月以来最大規模のガザ地区への空爆を14日から開始した。ガザ沖合に展開したイスラエル軍の艦船から艦砲による砲撃も繰り返し行われた。20日までに1350カ所が空爆され、死者はすでに109人に達した。
 ハマスの治安部隊や事務所だけでなく、隣接する多くの住宅が空爆や砲撃で破壊されたため、死者の半数近くが子どもや女性、老人であった。現地のテレビやユーチューブでは、空爆されて逃げ惑う住民や、死亡したり、負傷したりした子どもたちや母親たちが血まみれの姿で救出され搬出される悲惨な映像が次々と放映されている。イスラエル軍は、住民たちが被害者を救助している最中に付近を空爆してさえいる。
 今回のイスラエル軍の空爆では、08年12月から09年1月にかけてのガザ侵攻の大虐殺作戦の際に使われた劣化ウラン弾が使われた可能性が高い。ハマスのコンクリート製の建物や堅固な軍事施設を破壊するには、貫通力の大きい劣化ウラン弾が必要だからだ。
 イスラエル軍は、劣化ウラン弾がガザ地区を広範囲かつ超長期にわたって放射能で汚染し、空爆作戦終了後もパレスチナの住民の健康に多大の被害を与え続けることなどまったく考慮しない。正義性など一片もない非人間的な大虐殺行為以外のなにものでもない。
 しかもイスラエル軍は、この空爆だけではあき足らず、さらなる虐殺を行うために、予備役の招集を強化し、ガザとの境界地域に戦車、装甲車など多数を集結して、地上部隊のガザ侵攻も準備している。
(写真 14日から始まったイスラエルのガザ空爆)

 エジプト革命の影響拡大に恐怖

 これに対してオバマ米大統領は18日、「ミサイルが市民に降ってくるのを容認する国はない。イスラエルの自衛権を全面支持する」と述べて、イスラエル軍による残虐きわまるガザの労働者人民の大虐殺を容認した。
 米帝は、11年初頭以来のチュニジア、エジプト革命を突破口とする中東全域への革命の拡大に直面して、イスラエル自身の危機と米帝の中東支配の全面的崩壊の危機が急速に進んでいることに対応不能に陥り、イスラエルの絶望的侵略戦争を擁護するしかなくなっている。にもかかわらず米帝自身の財政危機のなかで、オバマは危機に陥ったイスラエルを支えるための援助金を一気に増額することもできずにいる。
 イスラエルの盟友であったエジプトのムバラクをエジプト労働者の革命が打倒してしまったことは、イスラエルに巨大な政治的・軍事的重圧を与えた。米帝とイスラエルは、エジプト革命がイスラエルの労働者人民に大きな影響を与え始めていることに恐怖しているのだ。
 イスラエルの労働者人民はエジプト革命を目の当たりにして、労働者の敵はアラブ人の労働者ではなく、国民を侵略戦争に強制的に動員することによってアラブの労働者人民との分断を策しながら、新自由主義政策の全面展開によって自国の労働者人民を貧困のどん底にたたきこんでいる資本家階級こそが真の敵であることを理解し始めている。だからこそ極右ネタニヤフ政権は、ガザに戦争を仕掛けることで、反アラブ排外主義を鼓吹し、支配体制の安定を復活させようと必死なのだ。
(写真 イスラエル国内で空爆に抗議するユダヤ人労働者たち【テルアビブ 11月17日】)

 イスラエル国内で空爆反対闘争

 イスラエル国内では、この大虐殺戦争に対して、新たな注目すべき動きが起きている。11月17日夜、テルアビブとハイファで、ガザでの虐殺戦争の即時停止を求める数百人のユダヤ人の抗議行動が行われた。ナザレでも同様の抗議行動が行われ、1500人のユダヤ人とアラブ人が参加した。
 ユダヤ人の労働者人民のイニシアチブで闘われたガザ空爆への抗議行動は、09年1月のイスラエル軍のガザ侵攻に対するユダヤ人労働者人民の抗議行動以来のできごとだ。
 このような闘いは、エジプト革命後の11年9月、シオニストの労組ナショナルセンターであるヒスタドルートの制動を打ち破って60万人のデモに決起したユダヤ人の青年労働者たちの新自由主義との闘いと結合して、新たな質を持った労働運動と反戦闘争の発展の地平を切り開くであろう。
 ガザ空爆に対する国際的な抗議の闘いを強め、このような闘いに対する支援を強化し、絶望的危機にのたうち回る米帝とイスラエルの凶暴な反革命的策動に反撃をたたきつけよう。
 (丹沢望)

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週刊『前進』(2562号6面3)(2012/11/26 )

 ストに直撃された米大統領選

 民営化・労組破壊と対決しオバマへの幻想を打ち砕く

 “雇用”――この一語が今回のアメリカ大統領選の焦点となった。それは大恐慌下で、一方では米帝が「財政の崖」や大失業などの未曽有の経済危機にあえぎ、他方では労働者への階級戦争攻撃に対決して昨年来、ウィスコンシン州の公務員労働者、西海岸港湾労働者、オキュパイ運動が決起し、今年秋にはシカゴ教組とウォールマート労働者の巨大なストライキを爆発させ、支配階級を震え上がらせてきたからだ。米大統領選が示したものを明らかにする。

 膨大な選挙資金がつぎ込まれ中傷合戦が展開

 今回の大統領選も、史上空前の選挙資金といわれた前回08年の時と並ぶ膨大な資金がつぎ込まれ、中傷合戦が展開され、選挙自体は低調で熱気のないものになった。
 AFL−CIO(米労働総同盟産業別組合会議)などの既成巨大労組組織は、かつてなく早い時期から民主党オバマ支持の選挙動員を指令したが、組合員の動きは少なかった。極右ティーパーティー(茶会)も前回とは打って変わって、動員力・集票力が激減した。
 結局、投票率は50%を切り、投票者は1億1700万人にとどまった。08年の1億3100万人と比べ、約9%減だ。
 その第一の原因は、選挙戦で打ち出した両候補の政策に、ほとんど違いがなかったことだ。
 両候補とも、焦点は「雇用」だった。オバマは、共和党ロムニーの経営していた会社が「外注化と海外移転のパイオニア」で、アメリカの雇用を破壊したと非難し、自分は「インソーシング(社外・国外から社内・国内に生産を戻す)のパイオニアだ」と主張した。だがオバマ自身、就任早々アメリカの基幹産業中の基幹産業である自動車産業の外注化・海外移転、非正規職化を強引に進めたのだ。
 外交では全論点で表面的違いさえなかった。フォックスニュースの極右解説者グレン・ベックさえ「ロムニーとオバマがこれほど一致していてうれしい。投票する必要もない」と言ったほどだ。
 さらに第二の原因は、オバマ政権が4年前の当選直後から、選挙運動時の公約をことごとく裏切り、オバマ幻想が消滅したことだ。
(写真 〈上〉6月のロサンゼルスのウォールマート抗議デモ。「ウォールマートは貧困だ」「労働者に尊厳を」 〈下〉9月のシカゴ教組スト。アンソニー・オーバートン小学校前でピケット)

 4年前の「公約」をことごとく裏切ったオバマ

 オバマの「公約」とその裏切りの内実は以下のようなものだ。
▽「労働者の権利の保護」→当選直後のリーマンショックで銀行を救済し労働者人民への犠牲転嫁策をブッシュとともに推進。就任直後、GMの破産処理で労働協約を一挙に破棄し全米自動車労組を破壊。年金・医療破壊。賃金破壊
▽「国民皆保険」→民間保険会社の暴利を拡大するために、医療保険制度を導入
▽「従業員自由選択法〔資本の攻撃から労組結成運動を守り、容易化する法律〕の制定」→ほごに
▽「イラク戦争の終結」→アフガニスタン派兵を大増員。パキスタン、イエメンなどへも無人機による爆撃を拡大。軍事費増大
▽「人権擁護」「拷問禁止」「グアンタナモ収容所の廃止」→収容所も拷問も続行。NDAA(国防権限法)に“裁判なしで無期限拘束”を認める条項を追加。(ブルジョア民主主義さえ根元から覆す事実上のクーデター)。無人機によるアメリカ人の暗殺を指示
 オバマは公務員労働者を激しく攻撃した。公共部門では30年以上の新自由主義の攻撃にもかかわらず労組は組織率を低下させず戦闘性を維持しており、それを壊滅させなければ支配階級は恐慌下で生き残れないからだ。
 オバマの出身地シカゴの教育長ダンカンをオバマ政権の教育長官にすえ、公立学校の丸ごと外注化をブッシュ時代と比べても、けた違いに進めた。

 ILWU、シカゴ教組の決起が階級性甦らせる

 しかし、決定的なことはアメリカ労働者階級が新自由主義による労働運動の崩壊的現実、全社会的な団結破壊の中から立ち上がり、11、12年の闘いで民主党支持運動への歪曲と抑圧を突破し、労働者自身が主体となって全社会を変革する運動をつくり出しつつあることだ。
 11年冬のウィスコンシン州議事堂占拠と教組ストライキは、1930年代の階級闘争をよみがえらせる強烈なインパクトを与えた。
 11年夏から激化した、巨大穀物商社によるILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)破壊攻撃との闘いは、さらに意識的だ。現場の組合員が「敵が従来の枠を超えて攻撃している以上、労働者の側は従来のルールを破る以外にない」「祖父母・曽祖父母の1934年西海岸港湾長期ストとサンフランシスコ・ゼネストの闘いに立ち帰ろう」と決断した。また、自分たちの職場の闘いに全米・全世界の労働者の命運がかかっていると自覚し、使命感に燃えて決起した。
 だから、220人の小さなローカル21が世界的な巨大穀物商社、民間警備会社、市警察、州警察、マスコミの総力をあげた攻撃にひるまず、鉄道輸送実力阻止に決起したのだ。そして、ほかのILWU支部のランク&ファイルとオキュパイ運動の支援を得て、巨大な規模でオークランド港、西海岸港湾封鎖まで実現した。
 12年秋、大統領選挙のまさに山場で、全米第3の大教組であるシカゴ教組が1週間ストに決起した。民主党オバマ政権の国家戦略である教育改革=公立学校の丸ごと外注化(チャータースクール化)やテスト点数と連動した教員評価・学校評価・学校閉鎖=全員解雇と正面対決したのだ。
 10月5日、9日には、世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォールマートの九つ以上の州にまたがる多数の店舗でストが貫徹された。ウォールマートは労働者の非正規化の最大の受益企業だ。労働者が抗議すれば即解雇、労働組合結成の動きがあれば店舗閉鎖・全員解雇と労働組合の芽さえもつくらせない徹底した労務管理で悪名高い。他資本もそれをまねし、「アメリカのウォールマート化」が社会問題になっている。
 その労組破壊の総本山であるウォールマートでさえ、大規模なストライキが実現できた。新しい時代だ。
 大恐慌が生み出す最末期帝国主義の大失業と戦争に対する闘いとともに、新自由主義、民営化・外注化・非正規職化との闘いは世界共通だ。「国際競争」を掲げて攻撃してくる資本・国家権力に、労働者の国際的団結の力で立ち向かおう。
 アメリカ階級闘争の最前面で闘うILWUローカル21の仲間は、動労千葉の外注化阻止決戦を始めとした日本の闘いと固く団結して11月集会に参加した。この国際連帯の力で、職場で団結を固め組織を拡大しよう。
 〔村上和幸〕

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