ZENSHIN 2012/07/16(No2544 p06)

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週刊『前進』(2544号1面1)(2012/07/16 )

 JR外注化阻止決戦へ

 7・29革共同政治集会かちとり 8・6ヒロシマ大行動に立とう

 野田・橋下打倒へ怒りの総決起を

動労水戸 検修・構内外注化と徹底的に闘う 「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進について」(水戸支社)に対する緊急声明 詳報次号

(写真 7・13官邸前 再稼働反対!野田打倒!の叫び 労働者人民の怒りはとどまることなく、首相官邸前―永田町―霞が関一帯を毎週金曜日の夜に埋め尽くして爆発している)

 原発再稼働や消費大増税を始め、危機にあえぎつつ絶望的に凶暴化する野田政権の打倒へ、今こそ総決起する時だ。首相官邸前行動の空前の高揚と労働者民衆の団結、7・16代々木公園の巨万の反原発決起から、7・29革共同政治集会の大成功と国会包囲闘争、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキヘ、嵐のような進撃をかちとろう。今こそ闘う労働組合の力で野田を打倒し、新自由主義を打ち破るのだ。その最大の闘いが国鉄決戦であり、10・1JR外注化阻止決戦だ。歴史的決戦に総決起しよう。

 10・1外注化阻止は歴史的な階級決戦

 勝利の展望はひとえに労働組合の階級的再生にかかっている。その核心は、国鉄分割・民営化以来営々と闘い抜かれてきた国鉄決戦にあり、とりわけJR東日本の10・1検修全面外注化を阻止できるかどうかにかかっている。10・ 1外注化阻止へ、7〜8月からすべての労働者人民が総決起することを訴えたい。
 JR東日本は、車両の検修部門という鉄道輸送の安全の根幹にかかわる業務を、10月1日から全面的に外注化しようとしている。そもそも外注会社には、車両の検査修繕を行う能力はまったくなく、JR東日本から労働者を出向、転籍させようとしている。これは違法な偽装請負そのものだ。
 動労千葉は平成採の青年労働者の怒りの反乱と結びつきながら、この攻撃を12年間も阻み続け、今年の4・1外注化も阻止してきた。そして今や4・9政治和解の反革命を打ち破り、JR東労組や国労本部の裏切り・妥結と対決し、10・1外注化阻止の大決戦に、この7〜8月から完全に突入しているのだ。
 外注化と非正規職化は新自由主義の決定的攻撃である。新自由主義という腐り果てた破綻的社会をつくり出した本格的な始まりが国鉄分割・民営化だった。だから新自由主義を打ち倒し、命脈尽きたブルジョア社会を根底から変える道は、民営化と外注化・非正規職化粉砕の大攻防に勝ち抜くことにある。
 「国鉄改革3人組」と言われた葛西敬之(現JR東海会長)は、”表層民意によらず原発を再稼働するのが非常時のリーダーの使命”と主張してきたが、野田の再稼働の決断を「敬意を表したい」と絶賛している。同じく「3人組」の一人、井出正敬(元JR西社長)は尼崎事故の責任を問われ在宅起訴された法廷で、「事故は想定外」と強弁している極悪人だ。しかも井出は「勝手連」と称し橋下・大阪維新の会のを支える運動を続けている。
 福島県民に被曝と棄民化を強制し、原発再稼働を推し進めている野田の背後には、何よりも金もうけ優先のJR資本があり、葛西や井出らがのさばっているのだ。「人間の命よりも金」という新自由主義の根底的変革は、国鉄決戦、外注化阻止決戦で分割・民営化に労働者階級の側から決着をつけ、JR体制を打倒することによってかちとられるのだ。
 10・1外注化への東労組の裏切り妥結と国労本部の総屈服は絶対に許せない。中曽根の国鉄分割・民営化も動労(現JR総連)カクマルを先兵にして初めて成立した。同じように今、JR資本と東労組は断末魔の腐った結託体制を再建し、外注化攻撃を進めようとしている。しかしもうこんなものは通用しない。平成採の怒りの反乱は不可避である。
 10・1外注化阻止はまさに7〜8月から実質的な決戦に突入する。しかもJRの外注化阻止には4大産別、全産別の労働者の現在と未来がかかっている。日帝ブルジョアジーが狙う「9割非正規化」もJRが突破口だ。4大産別を先頭に全産別の職場で、外注化阻止・非正規職撤廃へ本格的に決起しよう。

 連合ダラ幹打倒し労働組合の再生へ

 今日、絶望的に凶暴化する野田政権を支えているのは資本家階級であり、それ以上に連合ダラ幹どもである。連合は、発足時に当時の首相・竹下が「抱擁したい」と語ったように、国鉄分割・民営化と総評解体によって日帝ブルジョアジーと帝国主義的労働運動の指導部がつくりだしたものだ。この連合が今や原発推進の最先兵となり、消費増税関連法案を「早期に成立させるよう求める」(南雲事務局長談話)などと叫んでいる。
 だが連合の労働者支配は破綻している。ここに連合の最大の危機と矛盾がある。そしてその対抗軸こそが不屈に闘い抜かれてきた国鉄闘争であり、1047名解雇撤回闘争であり、今日の国鉄闘争全国運動だ。第2の分割・民営化攻撃としてある10・1全面外注化を、動労千葉・動労水戸−動労総連合や国労郡山工場支部を先頭に、JR職場での青年労働者の怒りの反乱と、4大産別の現場からの総決起をもって断固粉砕しよう。
 野田とJR資本を中枢とする資本家階級にとって原発再稼働と外注化攻撃は完全に一つだ。だからこそ労働者階級の側は、再稼働反対と外注化阻止を新自由主義を打倒する基軸的闘いとして総決起していこう。
 動労千葉への6・29鉄建公団訴訟判決は、解雇を有効とする反動判決であるが、同時に不当労働行為を初めて認定させた画期的判決であった。「次は解雇撤回だ!」。今こそ1047名解雇撤回闘争を外注化阻止決戦と結合して、徹底的に攻勢的に闘う時だ。外注化阻止決戦もこれをバネとして勝利を切り開こう。
 今や「動労千葉を支援する会」と「共に闘う国労の会」の力が全面的に発揮される時だ。会員拡大と夏季物販闘争に全力を挙げ取り組もう。

 反原発で解き放たれる根底的な怒り

 被災地・福島を先頭とする労働者階級人民の怒りのすべてが全面的に解き放たれつつある。6・22(4万5千人)−6・29(20万人)−7・6(15万人)と繰り返し、繰り返し、首相官邸前とその一帯を「再稼働反対」の叫びで埋め尽くし制圧する闘いは、さながら日本における「タハリール広場」だ。
 欧州恐慌を今日的な最先端とする世界大恐慌の底なしの激化・深化のもとで、ギリシャ労働者の不屈の決起を始め全世界の労働者階級の嵐のような革命的決起。これと今や完全に一つとなって、日本の労働者階級人民の歴史的決起が始まっている。しかもこれは、大恐慌下ですでに歴史的命脈の尽きた資本主義・帝国主義と、生きていくための必死の闘いを開始した全世界の労働者階級との力と力の激突、倒すか倒されるかの階級決戦情勢の到来を告げている。
 脱落日帝とその利害を凶暴に絶望的に体現する野田政権は、未曽有の危機の中からとんでもない反動を密集させている。6月16日の大飯原発再稼働決定以来、日本原燃による六ケ所再処理工場での高レベル放射性廃液のガラス固化試験再開(6月18日)、「もんじゅ」新機器作動の確認(6月21日)、原子力規制委員会設置法の付則で原子力基本法を改悪し、「わが国の安全保障に資する」を盛り込む(6月20日)など、核燃サイクルの維持と核武装の意図をいよいよ露骨にして、原発推進政策を強行している。
 福島原発事故の収束の展望もない中で、電力資本は「(柏崎刈羽原発について)新生東電を経営するうえで根幹の一つだ」(東電社長・下河辺)、「脱原発はまったくない」(関電社長・八木)などとうそぶいている。大飯3号機フル稼働にあたり、経産副大臣・牧野は「行き詰まっていたエネルギー政策が第一歩、将来に向けて前進した」と公言した。
 同時に野田は、自民党と結託して消費増税関連法案の成立強行に突き進み、オスプレイ沖縄配備をあくまで狙い、集団的自衛権の憲法解釈見直しまでぶち上げている。新自由主義攻撃の最先兵である大阪維新の会の橋下は、この野田に最大限の賛辞を送り始めた。
 この腐りきった新自由主義・日帝の全構造を革命的にぶっ飛ばさなければならない。その最大、最深の力こそ、労働者階級の団結と労働組合の復権・再生だ。反原発闘争を再稼働阻止・全原発廃炉へ、労働者と労働組合の力でさらに拡大・発展させよう。被曝労働反対で闘おう。そしてこれと固く結合して、10・1JR外注化阻止の階級決戦に全力決起しよう。
 この決戦とプロレタリア革命の勝利のためにこそ、夏期カンパ闘争に全力を挙げて取り組もう。7・29革共同政治集会のかつてない歴史的成功を断固として実現しよう!
(写真 7・8三里塚 反対同盟、誘導路直撃デモ【成田市東峰=記事5面】)

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週刊『前進』(2544号1面2)(2012/07/16 )

前進速報版から 前進速報版から

▼仙台開催のNTT労組大会で訴え▼椎名千恵子さんの米西海岸反原発ツアー報告▼大飯原発再稼働にエテコンが日本政府弾劾の声明

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週刊『前進』(2544号1面3)(2012/07/16 )

【要綱】7・29革共同政治集会

7・29革共同政治集会
外注化阻止・非正規職撤廃! 再稼働阻止・被曝労働反対!日帝・野田政権打倒し、プロレタリア革命勝利を切り開こう

 〈東京〉基調報告 深田 力(中央学生組織委員会議長)

 7月29日(日)午前11時開会 豊島公会堂(豊島区東池袋1-19-1)

 〈関西〉基調報告 黒沢 肇

 7月29日(日)正午開場 午後1時開会 大阪市立西区民センター(大阪市西区北堀江4-2-7)

 〈東北〉基調報告 岡崎康史

 7月29日(日)正午開場 12時30分開会 仙台市戦災復興記念館地下展示ホール(仙台市青葉区大町2-12-1)

 

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週刊『前進』(2544号2面1)(2012/07/16 )

 1047名闘争をよみがえらせる時だ

 10・1外注化阻止と一体で今こそ解雇撤回へ大運動を

 6・29判決の意義と国鉄決戦の展望 不当労働行為を認定

 動労千葉鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決は、1047名解雇について、司法権力に初めて具体的かつ明確に不当労働行為を認定させた。1047名の国鉄労働者が受けた事実上の指名解雇が不当労働行為だったことを裁判所に認めさせたのだ。日本階級闘争にとって決定的な戦略的地平だ。不当労働行為を認めた以上、解雇撤回は当然だ。だが6・29判決は「解雇は有効」とした許しがたい判決だ。実践方針は、今こそ国家的不当労働行為を徹底追及し、解雇撤回・原職復帰の大原則のもとに国鉄1047名闘争をよみがえらせることだ。動労千葉と国鉄闘争全国運動は高裁段階で解雇撤回をかちとるための大運動を提起している。JR外注化阻止決戦と一体の闘いとして、構えを大胆に変え呼びかけを開始する時だ。
(写真 1800人が参加した6・10国鉄大集会で登壇する動労千葉争議団と和解を拒否して闘う国労闘争団員)

 原則貫く闘いが開いた地平

 判決は、原告である動労千葉組合員9人がJR採用候補者名簿に記載されていたにもかかわらず、設立委員会への名簿提出期限(87年2月7日)直前に、改革労協(現JR総連)の横やりで「停職6カ月以上または停職2回以上」という不採用基準が策定され、原告らが名簿から削除されたことを不当労働行為と認めた。不当労働行為がなければ「JR東日本に採用されたはず」とまで述べている。
 しかし、そこまで述べながら”国鉄とJRは別法人”という国鉄改革法23条の枠組みを固守し、再就職促進法が3年で失効したので90年4月1日の国鉄清算事業団解雇は有効という結論になっている。
 損害賠償についても、JRに採用された場合と清算事業団時代の賃金差額だけを認定しているが、JRに採用されていれば3年で清算事業団から解雇されることはない。まったく筋の通らない話だ。バックペイ(無効な解雇後の賃金)に言及するなら、現在まで25年分の賃金全額支払いが必要だ。結局、「解雇は有効」という結論ありきの許しがたい反動判決なのだ。
 動労千葉鉄建公団訴訟は、国鉄が採用候補者名簿の作成の際に行った組合差別・選別行為を明らかにし、国鉄清算事業団(現在は鉄道運輸機構)による解雇の撤回と雇用関係を認めさせてJR復帰の足がかりとする裁判だった。不当労働行為に対する救済措置は原状回復が基本であり原則だ。裁判所は論理構造的には、もはや解雇撤回しかないところまで追い込まれている。
 今回の判決は、不当労働行為を徹底追及して解雇撤回で闘っていく路線の勝利性と正義性を完全に示した。動労千葉の闘いは、一昨年の4・9政治和解への4者4団体の屈服をのりこえ、不当労働行為について全面的に争い、それを認めさせることで新たな一歩を切り開いたのだ。
 一昨年の4・9政治和解を拒否して闘い続けたことの大局的な意義ははかりしれない。国鉄1047名闘争を支援し、心を寄せてきた文字通りすべての人びとに対して再度、解雇撤回闘争へ総決起を呼びかける時が来たのだ。

 解雇者を守るのが労働組合

 戦後日本の労資関係に大きな影響を与えた60年三池闘争は、職場活動家1200人の指名解雇をめぐる大争議だった。総評が最盛期の頃だ。「総労働対総資本」と呼ばれる大闘争となり、全国から10万人の支援が現地に結集し、ホッパー決戦では1万人の警官と2万人のピケ隊が対峙した。しかし最後は指導部が、無期限ストライキを解除し指名解雇の対象となった労働者は自ら退職するという斡旋(あっせん)案をのんだ。
 これに対して国鉄1047名闘争は、1千人を超える国鉄労働者が、幾度にもわたる和解策動や闘争圧殺、既成指導部の裏切りを打ち破って闘いの道を選んだ。国鉄分割・民営化反対闘争の第2ラウンドとして史上最大・最長の解雇撤回争議が25年を超えて闘われてきた。
 1047名の国鉄労働者は、「国鉄分割・民営化に反対する国労や動労千葉に所属している」というただ一点で解雇された。国鉄当局や動労カクマルなどからすれば、87年4月1日を前に動労千葉も国労も消えてなくなっているはずだった。しかし、動労千葉は2波のストを通して団結を守り抜き、国労も86年修善寺大会の攻防を通して4万人の組合員が残った。
 こうした状況の中で国鉄当局と動労カクマルらは、明白な不当労働行為=採用差別を行ったのだ。本州においては、大幅な定員割れが発生したにもかかわらず、ストを貫徹した動労千葉組合員12人や国労活動家など75人が清算事業団に送られた。北海道・九州では、定員を大幅に縮小して無理やり過員を生み出し、「仲間を裏切れない」と国労に残った組合員が選別的に清算事業団に送られた。1047名の国鉄労働者は、国鉄分割・民営化と不屈に闘い抜いてきた誇り高き動労千葉や国労の組合員だ。筆舌につくしがたい理不尽な差別と選別、解雇の攻撃に怒りを燃やし、「必ずや政府とJRに責任を取らせる」と闘ってきたのだ。故中野洋動労千葉前委員長は「1047名は日本労働運動の宝だ」と終生たたえ続けた。
 古今東西の労働組合運動の歴史は、組合の先頭で闘った役員・活動家に対する指名解雇攻撃に組織の総力をあげて闘ってきた経験に満ちている。労働組合が指名解雇を許せば、労働組合の自己崩壊に行き着く。仲間を見殺しにする組合は労働組合ではない。そんな組合のもとで、職場の仲間のために闘おうとする者は出てこない。1047名解雇撤回闘争は労働組合の階級的生命をかけた問題なのだ。
 動労千葉にとって、分割・民営化反対闘争の中で解雇された仲間、駅や売店などに強制配転された仲間を職場に取り戻し、運転士への登用差別を粉砕する闘いは、組合と団結を守るために絶対不可欠な課題なのだ。
 10・1JR外注化決戦のさなかに解雇撤回への一歩前進を切り開いたことは、組織拡大にもインパクトを与える。

 国鉄闘争が占める決定的な位置

 あらためて国鉄闘争の階級決戦における巨大な意義を再確認する必要がある。強調したいのは、日本の階級関係・政治地図の基底には、一貫して連合の存在があるということだ。
 国鉄分割・民営化攻撃を通して55年体制の一方の支柱だった総評・社会党ブロックが解体されたことから今日にいたる階級関係や政界の再編は始まった。労働者階級の全国的団結形態だった総評が解体されたことは、資本家階級と労働者階級との力関係に大きな変動をもたらした。賃労働と資本の関係が非和解的である以上、資本家階級の政策と攻撃は、労働者の抵抗を常に見据えている。総評が存在した時は、職場や地域で労働組合がそれなりに対抗関係を形成し、ナショナルセンターの存在は階級関係全体に有形無形の影響力をもってきた。これがあるとないとでは労働者階級の対抗力はまるで違う。
 元首相の中曽根康弘が正直に語っているように、この総評を解体するための核心的攻撃が国鉄分割・民営化だった。
 89年に総評が解散し、連合が結成された時に初代会長のポストを得た山岸章(全電通)は、非自民政権の樹立を標恫(ひょうぼう)して政界再編にうつつを抜かし、自民党を飛び出した小沢一郎と手を組んで93年の細川政権誕生に暗躍した。そして、小沢と気脈を通じつつ「政治改革」−社会党解体に血道をあげた。
 その後、いったんは自民党が政権を奪回、小泉構造改革とその破産、リーマンショックなどを経て民主党政権の樹立に至った。連合はその最大の支持母体となり、選挙の実行部隊となった。民主党政権には、連合の幹部が労働貴族の名にふさわしく次々と入閣した。
 国鉄分割・民営化と総評解散・連合結成の影響は、日本労働運動の弱体化と労資協調化にとどまらなかった。労働組合を新自由主義の内在的先兵とし、ついには日本帝国主義の最後の救済者に仕立て上げたのだ。今日の民主党・野田政権の底なしの危機、あるいは原発再稼働や消費大増税、社会保障解体など労働者階級へのむちゃくちゃな攻撃を考えれば、国鉄分割・民営化と総評解体によって労働者階級が一敗地にまみれた影響は途方もなく大きい。

 反原発20万決起と結びつき

 だが、ナショナルセンターの解体や労働運動の後退という20年以上の階級的停滞を超えて、端的に言えば総評も社会党も存在しない中で、20万人もの人民が首相官邸前を占拠し、「野田を倒せ」「原発再稼働阻止」と闘う情勢が始まっている。60年、70年を超える規模で人民決起が始まっている。これはゴールではなく始まりだ。日本の労働者階級はここから団結や組織(労働組合と党)を取り戻していく。
 この情勢の中で、連合との対抗軸として存在してきた国鉄闘争において地殻変動が起きているのだ。4者4団体は、一昨年の4・9政治和解をもって「解雇撤回」「政府の謝罪」「原職復帰」などをすべて投げ捨てて解散した。だが、動労千葉が発した「国鉄闘争の火を消すな!」の叫びは国鉄闘争に心を寄せてきた多くの人びとの心をとらえ、動労千葉の外注化阻止闘争と結合しながら、広範な呼びかけ人陣形をつくり、着実に闘いの戦線と陣地を広げ、新自由主義と闘う労働運動の可能性をつかんできた。6・29判決は、この国鉄闘争全国運動にとって決定的な地平を打ち立てるものであり、1047名闘争再生への号砲だ。
 動労千葉は10・1外注化阻止の大勝負に入っている。これこそ、90年代以降の資本攻勢の柱であるアウトソーシング=外注化・非正規雇用化を打ち砕き労働運動の新たな展望をつかむ決定的な闘いだ。ここに労働運動再生の展望の一切がある。
 国鉄闘争は巨大な可能性をもった闘いだ。20万人決起の息吹を全身に感じながら、1047名解雇撤回闘争と10・1外注化阻止決戦を階級決戦として闘おう。被曝労働を許さず、各産別で新自由主義と闘う労働運動の飛躍的前進をつくりだそう。分割・民営化以来の大反動を打破し、労働者階級が反転攻勢に出る絶好の機会が来たのだ。国鉄闘争全国運動を軸に職場・地域に賛同会員と基金の拡大を呼びかけ、職場闘争を開始しよう。

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週刊『前進』(2544号2面2)(2012/07/16 )

 動労千葉鉄建公団訴訟 東京地裁判決の要点

 「不採用は不当」ならば直ちに解雇を撤回しろ

 動労千葉鉄建公団訴訟における6・29東京地裁判決は、国鉄1047名闘争勝利への決定的突破口をこじ開けた。判決の全体像を見る中で、その意義と今後の展望をつかみとりたい。

 判決のポイント@

 不採用基準は不当労働行為と初認定

 判決の第一のポイントは、国鉄当局による「停職6カ月以上または停職2回以上」という不採用基準の策定・適用を不当労働行為と認定したことだ。判決は以下のようにその事実を認定した。
 当時、国鉄分割・民営化攻撃の先頭に立った「改革派」の国鉄官僚どもは「不当労働行為をやれば法律で禁止されていますので、私は不当労働行為をやらない……、やらないということはうまくやるということ」(当時国鉄職員局次長、現JR東海会長の葛西敬之)と公言しながら労組破壊攻撃を全面展開した。
 しかし、あまりに激しい攻撃の中で多くの国鉄労働者が「希望退職」で職場を去り、分割・民営化直前の1987年冒頭にはJR本州各社で大幅な定員割れが発生することが判明した。当然にも原告らを含めた採用候補者名簿が作成され、当時の国鉄総裁・杉浦も会見で「本州全員採用」を表明せざるをえなかった。
 これに対して動労カクマル松崎を先頭とする改革労協(現JR総連)が猛烈に反発、2月2日に開いた鉄道労連結成大会では「国鉄改革に反対する不良職員が採用されかねない。……われわれは断じて許さない」という特別決議まであげて”国労と動労千葉の首を切れ”と当局に要求した。
 名簿作成の中心にいた葛西は、カクマル松崎らと結託し、設立委員会への名簿提出(2月7日)直前に急きょ不採用基準をデッチあげ、原告らを名簿から削り落とすよう指示したのだ。

 真実隠し続けた被告・鉄運機構

 動労千葉と顧問弁護団は提訴以来7年余り、この問題の追及に訴訟の大半のエネルギーを注ぎ込んできた。被告の鉄道運輸機構側は、自らが首切りの張本人でありながら「(基準の)作成時期は昭和62年1月ころと思われるが……詳細は不明」というふざけた主張をくり返し、この問題から逃げ続けてきた。
 原告側は2009年12月の口頭弁論で、国鉄職員局補佐として名簿作成の中心にいた伊藤嘉道証人を引きずり出し、原告らがいったんは名簿に登載されていたこと、急きょ策定された不採用基準で名簿から排除したことを証言させた。JR不採用から実に20年以上もたって初めて明らかになった真実だった。
 4者4団体の鉄建公団訴訟、鉄道運輸機構訴訟判決では、不採用基準について「基準自体は明確なもの」とされ、該当する原告は慰謝料の支払いからも除外された。”重処分を受けた者はJR不採用になっても当然”とされてきたのだ。
 動労千葉鉄建公団訴訟はこの壁を破った。判決は、「動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、本件名簿不記載基準を策定したと推認するのが相当」であり「裁量権の逸脱ないし濫用に当たる」と国鉄当局の不当労働行為を具体的に認めざるをえなかった。

 判決のポイントA

 賃金相当分の損害賠償を一部認める

 第二のポイントは、慰謝料だけでなく初めて損害賠償(差額賃金)の支払いを認めさせた点だ。
 先行する4者4団体の裁判の判決は、名簿作成過程における組合差別を認めながら、「不当労働行為が行われなかったと仮定しても原告ら全員が希望する地元JRに採用されたはずであるとの証明はされていない」と強弁して賃金相当分の損害賠償を否定し、”JR各社に採用される可能性があったとの期待権侵害”に対する慰謝料だけを認定した反動判決だった。
 しかし、動労千葉鉄建公団訴訟の判決は、「本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはずであるといいうる」と明確に認定し、一部とはいえ賃金相当分の損害賠償を認めた。この点も、これまでの裁判を一歩のりこえる重要な内容だ。
 にもかかわらず判決は、「不法行為に基づく損害賠償請求権と、雇用契約関係の存続を前提としたいわゆるバックペイ(無効な解雇後の賃金)の請求権とは……その性質が異なる」とし、「上記不法行為の実質は、原告らに対する国鉄によるJR東日本への採用妨害行為というべきものであって、原告らが労働能力自体を喪失したわけではない」とか「再就職するのに相当と考えられる合理的期間の賃金相当額のみを認めるのが相当」と勝手に決めつけ、JR不採用から3年間の賃金の差額(JRで働いていた場合と清算事業団在籍時の賃金の差額)だけを認定した。

 判決のポイントB

 清算事業団からの解雇は有効と強弁

 第三のポイントは、ギリギリまで追い詰められながら解雇撤回だけは絶対に認めない反動性にある。とにかく解雇有効の結論ありきなのだ。
 判決は、国鉄改革関連法のひとつである再就職促進法が90年4月までの時限立法だったことを理由に、原告と国鉄清算事業団の雇用契約関係は「同法失効時には……当然に終了することが予定されていた」とし「清算事業団が原告らにたいして行った本件解雇は、合理的な理由があり有効」と強弁した。
 再就職促進法のどこにも3年たったら解雇するという条文はない。そもそも、採用候補者名簿からの排除という不法行為の結果、原告らは清算事業団に送られたのだ。国鉄を引き継いだ清算事業団―鉄道運輸機構は名簿からの排除を取り消し、JR各社に原告らを採用させる義務があるのだ。
 この点についても判決は「本件名簿不記載基準の策定及び原告らの採用候補者名簿の不記載という行為と本件解雇が一体ということはできない」と原告の主張を退けた。
 判決は、「国鉄の経営破綻に対しいかに対処するかが重要な国家課題となっていた」とか「経営体制を抜本的に改革して分割・民営化を行うとともに、国鉄の抱える数万人に上る余剰人員の解消が重要な課題となっていたことは明らか」と述べ、国鉄分割・民営化の最大の目的が国鉄闘争解体にあったことを覆い隠すとともに、白昼公然たる国家的不当労働行為で20万人もの国鉄労働者が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれたことを是認している。
 国鉄改革法23条が、承継法人への採用手続きを国鉄による採用候補者名簿作成と設立委員による採用という2段階に切断し、不当労働行為の責任をJRに負わせない卑劣な仕組みをつくったことについても、判決は「余剰人員の削減という国家的課題に対処すべく、上記のような採用手続きを法定することは、国会の立法裁量の範囲内」と全面肯定し、大量解雇と労組破壊のすべてにあらためて承認を与えた。

 国鉄闘争勝利の大攻勢に立とう

  東京地裁は、動労千葉争議団を先頭とする原則的闘いによって外堀を埋められ、もはや解雇撤回を言い渡すしかない寸前のところまで追い詰められた。判決文は論理的にも完全に破綻している。しかし、あくまで”国鉄とJRは別”という国鉄改革法がつくりあげた虚構にしがみつき「解雇は有効」と強弁しているのだ。この最後のとりでを攻め落とし、1047名闘争勝利へ突き進もう。
 不当労働行為は明白な犯罪だ。組合差別による不当解雇は撤回されなければならない。この判決は、組合をつくれば(加入すれば)即解雇という攻撃にさらされている多くの青年労働者にとっても決定的な意味をもつ。国鉄闘争支援陣形を形成してきた労組と労組活動家はもとより、多くの青年の中に今こそ1047名闘争を持ち込み、共同の闘いとして解雇撤回をかちとろう。これが6・29判決への回答だ。

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 不当労働行為認定した6・29判決

▼「動労千葉等……に属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、本件名簿不記載基準を策定したと推認するのが相当」

▼不採用基準策定がなければ原告らは「JR東日本に採用されたはずであるといいうる」とし、その損害として「JR東日本に採用されたであろうことを前提にした経済的利益(逸失利益)を観念する余地がある」と言明

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週刊『前進』(2544号2面4)(2012/07/16 )

【要項】国労組合員資格確認訴訟、鉄道運輸機構訴訟控訴審

国労組合員資格確認訴訟
 7月18日(水)午前0時30分
 東京地裁527号法廷

鉄道運輸機構訴訟控訴審
 7月19日(木)午前11時
 東京高裁101号法廷

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週刊『前進』(2544号2面5)(2012/07/16 )

 訂正

 前号2面の青年の訴えの見出しとリードにある「大阪市職労」は「大阪市職」の誤りでした。

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週刊『前進』(2544号3面1)(2012/07/16 )

 若者が殺到する労働組合を

 郵政非正規ユニオン 齋藤裕介委員長が語る

 非正規職の青年の怒りと団結で

(写真 東京多摩支店正門で怒りの声をたたきつけた昨年10月のデモ。マイクが齋藤裕介委員長)

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【要項】
 8・5郵政非正規ユニオン全国協議会結成大会
 8月5日(日)11時半開場・正午開始
 広島市東区民文化センター(東区役所隣)

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週刊『前進』(2544号3面3)(2012/07/16 )

 歴史の変革期に勝利する絶大なカンパを訴えます

 『前進』読者の皆さん、すべての皆さん。とりわけ青年労働者・学生の皆さん! ついにこの日本で始まった巨大な歴史の変革にあたり、革共同への絶大な資金カンパを心から訴えます。
 歴史が動き出しました。首相官邸前には毎週10万人、20万人という規模で青年を先頭とする労働者民衆が結集しています。「再稼働反対!」「野田やめろ!」と地の底からわき上がり官邸を揺るがすコール。機動隊の阻止線を押し返して前進するデモ。6車線の道路を完全に解放し、仲間とともに、腹の底から怒りの声をあげた感動とうれしさ。まさに革命の始まりです! その先頭は日々被曝を強制され未来を奪われている福島をはじめ全国の労働者や母親たちの怒りです。また新自由主義攻撃のもとで団結と労働組合を奪われてきた非正規職の青年労働者・学生の根底的な怒りがあります。
 7月16日は代々木公園を中心に渋谷・原宿・新宿一帯を労働者人民で埋め尽くし、日本の「タハリール広場」とする歴史的闘いでした。7月29日には再び国会で、8月には沖縄、広島・長崎を先頭に野田打倒の怒りの火柱が全国で燃え上がろうとしています。日本の労働者がついに「命より金もうけ」という腐りきった資本主義社会を根底から変革する闘いの先頭に躍り出たのです。

 ゼネストを闘う労働組合が必要

 私たち革共同は、立ち上がったすべての青年・学生に心の底から叫びたい。「この闘いは必ず勝利できる! 福島の根底的怒りとひとつに結びつき、ともに闘おう!」と。
 エジプトやギリシャをはじめ、全世界の闘いとひとつのこの闘いが勝利するために必要なのは、この巨万の決起のただ中に自分たちの労働者革命党をつくり上げること、連合を打倒しゼネストを闘える労働組合を全国の職場につくりだすことです。私たちは国鉄闘争と反原発闘争を一体で闘うことでこの巨大な事業を必ず実現できると確信しています。そのために巨額の資金カンパが必要なのです。
 新聞の投書でも「連合は労働組合なのか」「ゼネストも辞さない覚悟で脱原発を訴えるべき」という主張が出るほど、いま労働組合が何をするのか、労働組合とは何かが焦点になっています。連合は1987年の国鉄分割・民営化で労働組合が徹底的に攻撃されるなか、政府や財界の買収工作で生まれた「絶対にストライキをやらない」「労使協調」のナショナルセンターです。この連合のもとで「4割の労働者が非正規」という許し難い現実がつくり出されたのです。いまや連合は消費増税も原発も推進・賛成です。こんなものは労働組合とは呼べません。青年・学生の敵です。連合の幹部たちは組合費から会社役員並みの報酬を得るなど腐りきっています!
 革共同は、この国鉄分割・民営化に2波のストで反撃した動労千葉や関西生コン支部、港合同、そして1989年に結成された労組交流センターとともに連合支配を打ち破り、労働組合を現場労働者のもとに取り戻そうと闘ってきました。今年10月1日にJRが強行しようとしている検修業務の全面外注化を絶対に阻止し、発足から3年目を迎えた国鉄闘争全国運動を前進させ、連合打倒の突破口を切り開こうではありませんか。
 革共同は「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」を掲げ1957年に結成されました。以来約半世紀にわたり60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争、新自由主義反革命カクマルとの戦争、そして国鉄分割・民営化反対闘争や国家権力による治安弾圧との闘いなど、幾多の困難をのりこえ闘い抜いてきました。そしてその資金はすべて労働者自らの力でつくり出してきました。社会の真の主人公は労働者です。その解放は労働者自身の事業です。資金の拠出はその本当に大事な一歩なのです。

 非正規職労働者が党建設の主役

 非正規職の青年労働者から寄せられるカンパは決定的です。非正規職労働者こそ、最も資本主義・新自由主義の搾取を受けているがゆえに、階級として団結することによってのみ資本の支配を根底からひっくり返し、労働者の誇りと共同性を取り戻すことのできる革命の最大の主体だからです。既成の労働組合や政党に組織されなくても首相官邸前に大挙結集する青年労働者の姿は、そのエネルギーの大きさを証明しています。
 かつてロシア革命を勝利に導いたレーニンは、労働者党とその機関紙の財政活動について、「労働者自身の創意とエネルギーの観点から」たとえ少額でもたくさんの労働者のグループが集めた資金の方が、少人数の個人が集めた高額の資金よりはるかに重要だと述べています。また「金を出すべきかどうか、誰に出すか、どんな目的に出すのかを疑いもなく、前もって討議した労働者グループが行った」資金の拠出こそ最も重要だと訴えました。さらにレーニンは、毎回の賃金の中から資金を確保する「習慣」をつけようと呼びかけています(「半年間の活動の決算」)。財政闘争も団結が総括軸です。
 非正規職労働者の皆さん! 非正規職の撤廃に向けて、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会や郵政非正規ユニオンのように労働組合をつくり、仲間をつくって徹底的に討論し、自らの党をつくるために、できる限りのカンパを寄せてください。そして公務員労働者の皆さん、民間基幹産別の労働者の皆さん。この非正規職労働者の決起と組織化に人生をかけるものとして、さらに十万円単位のカンパを寄せていただき、その姿をもって非正規職労働者の団結を組織しましょう。
 すべての皆さん! 野田や大阪市長・橋下をぶっ飛ばし「紫陽花(あじさい)革命」を真の革命として勝利させるため、ともにカンパ闘争に勝利し、労働者が主人公の社会をつくっていきましょう!

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週刊『前進』(2544号3面4)(2012/07/16 )

【要項】ジェコー解雇撤回裁判

7月23日(月)午前10時(全日)
7月30日(月)午前10時(全日)
さいたま地裁熊谷支部401法廷(JR熊谷駅・秩父鉄道熊谷駅徒歩15分)

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週刊『前進』(2544号4面5)(2012/07/16 )

【要項】7・22反戦反核東京集会

 7・22反戦反核東京集会
 7月22日(日)午後1時開場 1時半開会
 文京区民センター3A(都営地下鉄春日駅A2出口)

 DVD上映「黒い雨と内部被曝」

 パネルディスカッション「内部被曝を徹底糾明する」
  山田真さん(小児科医)
  下田禮子さん(反戦被爆者の会)
  黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)

 特別報告「反核燃を闘う青森の労働組合」
  間山正茂さん(南部バス労組委員長)

 主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
 協賛 すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)

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週刊『前進』(2544号5面1)(2012/07/16 )

 反核・反原発 8月広島-長崎に結集を

 フクシマの怒りを共有し8・6ヒロシマ大行動へ

 マル学同中核派・広島大学支部

 今夏8・6ヒロシマ闘争は、「原発再稼働撤回・野田政権打倒」を最大の焦点とする、かつてない歴史的大闘争である。7・16代々木公園大集会―7・29国会包囲行動を全力で闘い、一切の怒りを8・6ヒロシマに結集し、沖縄―広島―長崎を結ぶ熱い闘いで、野田政権打倒へ進撃しよう。全国の学生は8・6広島に集まれ! 広大生はこの闘いの先頭に立とう!

 再稼働撤回・野田打倒する大デモを

 歴史が音を立てて動き出している!
 首相官邸前闘争は、6月29日に史上空前の20万人を結集し、労働者民衆の実力で霞が関という日帝国家権力のど真ん中に「解放区」をつくり出した。この事態に驚がくした野田政権と国家権力・警視庁は、続く7月6日の行動において機動隊を使った暴力的規制を行い、地下鉄駅出入り口を封鎖するなど、地から湧き出るような人民の結集を妨害する暴挙に出た。
 だが、開始された闘いのうねりをこんなことで圧殺することはできない。「再稼働反対!」「あけろ! あけろ!」のコールが駅構内に響きわたる中、NAZENを始めとする青年たちの実力決起がついに国家権力の規制の壁を決壊させた。「官邸前に行くぞ!」「野田を倒せ!」。再び官邸前道路は万余の人民で埋め尽くされた。
 誰もが必死に声をあげ、雨に濡れながら訴える。機動隊の規制を粉砕して首相官邸に一歩一歩迫る巨万のデモ隊。仕事を終えて駆けつけた青年労働者、被災地の農民、子どもを抱いた母親、そしてキャンパスから仲間と連れ立って結集する学友たち。野田を打倒して原発をとめるまでやむことのない闘いが始まった。
 翌7日には福島現地で野田弾劾闘争が闘われ、「子ども福島」とともに福島大の学生が最先頭で決起した。さらに8日の三里塚集会で、反対同盟事務局次長の萩原進さんは学生に「街頭闘争を闘おう!」と熱烈に呼びかけ、動労千葉の滝口誠さんは「あじさい革命をプロレタリア革命へ! 7・16で首都を制圧しよう!」と檄を発した。
 まさにこの7〜8月は、野田政権打倒に向かって数十万数百万の労働者学生が決起する大政治決戦だ。今や、「革命は、執行権力を完成し、これをそのもっとも純粋な表現にまでひきもどし、これを孤立させ、これを唯一の標的として自分に対立せしめる。自分の一切の破壊力をこれに集中するために」(マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』)。この先にあるのは日本帝国主義の政治支配の崩壊であり、プロレタリア革命の開始だ。
 官邸前行動と7・16集会の巨大なうねりを、次は8・6ヒロシマに結集しよう。野田は原発再稼働の強行と一体で原子力基本法を改悪し、原子力推進の目的を「わが国の安全保障に資する」ためだと明記した。フクシマを切り捨てて原発推進・再稼働・核武装化へ突き進む野田が8月6日の朝、あの原爆慰霊碑の前で何を語るというのか! 絶対に許すことはできない。前日5日には、沖縄でオスプレイ配備反対の県民大会が行われる。「沖縄−広島−福島の怒り」を一つにし、広島の地で万を超えるデモで野田を迎え撃とう!

 大学から原発御用学者をたたき出せ

 再稼働反対・野田打倒の闘いが巨万の渦となって爆発している今こそ、闘う労働組合の鮮烈な登場と一体で、大学キャンパスから学生運動を復権させよう。原発翼賛大学の腐敗を徹底弾劾して同学会を再建した京都大学の仲間に続いて、学生自治会を建設しよう。とりわけ広島大における決定的な環は、長崎大の山下俊一とともに福島県立医大副学長に就任した極悪御用学者・神谷研二(広大原爆放射線医科学研究所教授)をキャンパスからたたき出す闘いだ。
 神谷は原発事故直後から「100_シーベルト以下は影響ない」「チェルノブイリの乳児の甲状腺がんは一般人より少ない」などとデタラメを吹聴し、武藤類子さんら福島原発告訴団1324人から刑事告訴された札付きの犯罪人である。われわれはこの間、神谷が講師を務めるクラスでこの事実を暴露し、神谷追放を学友に訴えてきた。これに震撼(しんかん)した広大当局は、何と「神谷先生の実名を出すのは、学生が動揺するからやめてくれ」などと泣きついてきた。ふざけるな! 神谷を擁護する広大当局もまた福島を切り捨てる犯罪者だ。神谷の存在こそ、原発事故をもテコに原子力村入りと新自由主義大学化を目指す広大当局の決定的な弱点だ。
 この闘いは同時に、これまで徹底的に隠されてきた内部被曝の真実を明らかにし、帝国主義の核政策を根底から撃つ闘いだ。本紙前号の河東論文にあるとおり、野田政権は原発再稼働と一体で新たな被爆者抹殺政策に突き進んでいる。被曝問題の核心は、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニの被爆者が戦後一貫して、命をかけて内部被曝の真実を訴え続けてきたのを、大学や医療界が徹底的に無視・抹殺し、踏みにじってきたということにある。それが帝国主義の核政策を支え、原発を推進し、福島原発事故を引き起こした。だからこそ、被爆者の怒りと福島の怒りを一つに、闘う医療労働運動と学生運動の復権をかちとること、帝国主義支配を打ち倒すことが、内部被曝問題の階級的な解決だ。
 原発推進大学を学生の闘いでうち破り大学を反原発の砦(とりで)に!

 広大生先頭に全国学生の総決起を!

 今夏8・6闘争において、戦後反核運動をのりこえる新たな反戦反核闘争の創成に挑戦しよう。その中で、広大学生運動は決定的な位置を持つ。
 広大学生運動―学生自治会運動の歴史は、いつも闘う被爆者とともにあった。反戦被爆者の会を創立した故・小西のぶ子さんは、60年安保闘争時に全学ストに立った広大生の支援に駆けつけて以後、生涯にわたり広大学生運動に心を寄せ、闘いを支えてくださった。
 原潜寄港阻止闘争(64〜65年)やベトナム反戦闘争を通じて、マル学同中核派・広大支部のもとに闘う広大生が結集し、その力で闘う教養部学友会の再建がかちとられた。これは66年全学連再建の決定的なテコとなり、67年10・8羽田闘争に始まる70年安保・沖縄闘争の巨大な爆発を切り開く力となった。
 とりわけ、68年1月の米原子力空母エンタープライズ佐世保寄港阻止闘争において、広大生と全学連は長崎の被爆者との感動的合流を果たした。「全学連がああいうふうに、機動隊相手に自分たちの血を流してまで、エンプラ入港に反対し、核兵器の持ち込みに抗議した。……核兵器に関する限り貧困と病苦に苦しむ、被爆者の気持ちこそ、全学連の気持ちだ」(『ナガサキの被爆者』西村豊行著)。
 原水禁運動の混乱と分裂に失望した多くの被爆者が、全学連と広大生の闘いに勇気づけられ、再び闘いに立ち上がった。それは、71年8月6日の佐藤栄作首相来広実力糾弾闘争として爆発していった。
 広大学生運動の革命的発展に心底恐怖した日帝・文部省と広大当局は、教養部廃止=学友会解体(75年)と大学移転(82〜95年)を強行し、学生自治の基盤を破壊しようとした。広大の西条移転は、まさに大学の新自由主義的再編の最先端をなす攻撃であった。
 だが、わが広大支部は、広大学生運動の地平を継承し、組織と運動を守り抜いてきた。そして今日、原発反対・野田打倒の政治決戦が画歴史的な規模で爆発する中、反原発・反戦反核闘争への決起をストレートに呼びかけて広大生の闘いを発展させることが新自由主義への最大の反撃である。広大における闘う学生自治会の大衆的再建の道もこの中にある。
 反原発闘争と学生自治会復権の闘いを支え抜く最深の力は、スターリン主義をのりこえる革命的労働者党の建設にある。8・6ヒロシマに向かって闘う広大生は中核派に結集し、ともにプロレタリア革命の勝利めざして闘おう!

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週刊『前進』(2544号5面4)(2012/07/16 )

【要項】8・6広島-8・9長崎 反戦反核反原発闘争

広島

★8月5日(日)

NAZEN結成1周年集会
 午後4時〜6時
 広島市東区民文化センター(広島市東区東蟹屋町10-31)
 主催 すべての原発いますぐなくそう!全国会議
 〈関連行事〉
・オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会
・全国学生集会
・各産別労働者集会
午後 広島市東区民文化センター

★8月6日(月)

核と原発をなくせ!ヒロシマ・アピール集会
午前7時30分 原爆ドーム前
野田首相弾劾・中国電力包囲デモ
午前8時20分 原爆ドーム前出発(→中電前)

8・6ヒロシマ大行動大集会
12時30分 広島県立総合体育館小アリーナ
8・6ヒロシマ大行進
午後3時 デモ出発(→平和公園資料館前まで)
主催 被爆67周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会
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★8月7日(火)
玄海原発プルサーマル運転再開阻止闘争(現地集合)
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

長崎

★8月9日(木)

長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼式典
 主催 長崎在日朝鮮人の人権を守る会
 午前7時半 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑前

野田首相弾劾デモ
 午前10時 城栄公園(路面電車・大橋下車)

8・9長崎反原発反戦反核集会
 午後1時30分
 長崎県勤労福祉会館(路面電車・公会堂前下車)
 主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

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