ZENSHIN 2012/07/02(No2542 p08)
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週刊『前進』(2542号1面1)(2012/07/02 )
労働組合の力で野田倒せ
10・1JR外注化、原発再稼働、消費大増税、改憲・戦争と闘おう
7・16代々木公園(午前9時)総結集を
(写真 20万のデモ官邸前うめる 6月29日夕、原発再稼働に反対し20万人が首相官邸前を埋めた。広い道路の全車線を人波が制圧し「再稼働反対」の叫びがこだました。NAZENとドイツのエテコンも先頭で闘った【次号続報】)
1〜6月の2012年前半決戦は、激しい動と反動の激突であった。国鉄決戦と反原発決戦を一体のものとして推進し、プロレタリア世界革命へ向かって驀進(ばくしん)しよう――このスローガンのもとで決戦的な闘争をうち抜き、力強い前進をかちとってきた。6・10国鉄全国集会の感動的成功は、日帝ブルジョアジーと野田政権の原発再稼働と消費大増税の攻撃を粉砕する大闘争の階級的土台をつくりだした。またこの中で女性2同志が完黙・非転向の闘いを貫き、6・7弾圧は完全に粉砕された。勝負はこれからだ。首相官邸を包囲する数万、数十万の怒りと結び、7・16反原発10万人決起へ大進撃を! この決戦のただ中で組織拡大と夏期カンパ決戦をやりぬこう。7・29革共同政治集会を圧倒的に成功させよう。
巨万の決起で時代変わる
関西電力・大飯原発3、4号機の再稼働を決定した野田に対して、労働者人民は根底的怒りを爆発させ、あらゆる行動に立ち上がっている。野田が再稼働を決めたからといって、だれ一人あきらめてなどいない。
6月22日、首相官邸周辺に集まった4万5千人は「再稼働反対!」「絶対反対!」と2時間ぶっ通しで叫び続けた。「自分たちの未来は自分たちが決める」「野田をぶっ飛ばせ」。張り裂けんばかりの怒りは官邸で閣僚会議を行っていた野田らを震え上がらせた。「次は10万人だ!」「首相官邸前をタハリール広場に!」と、怒りの決起はとどまるところを知らない。大恐慌と3・11情勢下で今や革命的情勢が完全に生み出されている。
原発は地上にすえられた原爆だ。国と東電は福島第一でこの原爆を爆発させ、福島県民とりわけ子どもたちに大量の被曝を強制した。しかも一切その責任を取らず、「事故は収束した」などと強弁し、何本もの活断層の上に立つ大飯原発の再稼働を決めたのだ。再稼働準備に入った大飯原発3、4号機では、早くも事故が続発している。
野田にとって原発労働者が被曝しようが、子どもたちが被曝しようが、数十万人の福島県民が故郷を追われていようが、関係ないのだ。資本の利益、ブルジョアジーの延命のためには再稼働は当然だと思っているのだ。野田と労働者階級は非和解だ。この野田を打倒すれば再稼働は阻止できる。7・16の10万人決起で野田を打倒し再稼働を止めよう。
野田は1月の施政方針演説で「安全保障」の観点から原発再稼働を進めると宣言した。そして6月20日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で、原子力の利用目的に「国の安全保障に資する」ことを明記し、原子力基本法の中身をクーデター的に変更した。まさに核武装のための原発再稼働なのだ。
そもそも外務省の内部文書では「核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル(能力)は常に保持する」と69年以来ずっと確認されてきた。核燃料サイクルと称した軍事用プルトニウムの確保とロケット開発は、核を持てない敗戦帝国主義・日帝の核武装政策そのものだ。大飯再稼働決定と同時に原子力安全・保安院が26日、六ケ所村に建設中のMOX燃料加工場の工事を認可したことも超重大だ。脱落日帝・野田政権の原発再稼働強行と核武装の策動に労働者の反撃をたたきつけよう。
野田は安保強化と戦争・改憲攻撃でも超反動的だ。反原発闘争の大発展とともにオスプレイの7月配備策動と闘う沖縄闘争の高揚をかちとり、絶望的に凶暴化する野田を打倒し、プロレタリア革命勝利を切り開こう。
勝負はまさにこれからだ
野田は反原発闘争の爆発でグラグラになりながら、6月26日には、消費増税関連8法案の衆院採決を強行した。民自公3党合意のもと、約8割の賛成という翼賛国会で消費増税法案をごり押ししたのだ。しかし、首相官邸周辺に結集した労働者人民をはじめ、だれ一人としてこれで消費大増税が決まったなどと考えてはいない。野田をぶっ飛ばして勝利するのだという決意に燃えている。
採決強行と民主党の分裂は、野田政権の崩壊的危機と同時に、今や大恐慌と3・11情勢下で、日帝の統治能力そのものの危機と崩壊を突き出している。労働者人民の怒りが10万という規模で、議会制民主主義など踏み越えて拡大し始めた。もはや議会への幻想は吹き飛び、革命情勢が急速に接近している。
経団連会長の米倉、日本商工会議所会頭の岡村、経済同友会代表幹事の長谷川らブルジョアジーの中枢は、消費増税法案の成立を諸手をあげて歓迎した。原発推進勢力が消費大増税を強行し、資本の延命と金もうけのために、労働者人民への実質的な大幅賃下げと、徹底的な生活破壊を行おうとしている。とりわけ失業者、非正規労働者、年金生活者、障害者や中小零細企業などは、消費大増税のもとでは生きていけない。まさに死ねと言うことだ。
この消費大増税で得をするのは大企業だけだ。消費税率を上げれば上げるほど、輸出大企業への還付金は増える。トヨタは2010年度の年間還付税額が2246億円。消費税収入のワースト1は、管内にトヨタ自動車がある豊田税務署でマイナス1154億円。トヨタは消費税でぼろもうけしているのだ。
野田は消費増税を何度も国際公約してきた。その狙いは財政破綻から国債暴落へ突き進む日帝の危機を、消費大増税という極限的な大衆収奪でのりきるためだ。しかし労働者人民に国家財政破綻の責任など一切ない。それは百パーセント、ブルジョアジーと政府の責任だ。滅ぶべきは破綻し命脈尽きたブルジョア国家であり、労働者人民では断じてない。
過酷な緊縮財政下で、ギリシャやスペインの労働者は、生きるためにゼネストや大規模デモで闘いぬいている。これに続こう。再稼働阻止、消費大増税粉砕へ、国鉄決戦と反原発決戦で憎むべき野田政権を打倒しよう。
6・10地平発展させよう
労働者人民は社会の根底的な変革を求め壮大な決起を開始した。勝利の最大の鍵は、新自由主義と対決し闘う労働組合をよみがえらせることだ。労働者と労働組合を軸にすべての人民大衆が団結して資本家とその政府と闘うことだ。闘って団結を取り戻し、共同性を培っていくのだ。
生み出された革命的情勢を真の革命に発展させるために、今こそ労働者階級の基礎的団結形態である労働組合を階級闘争の大地に荒々しく登場させよう。6・10国鉄闘争全国集会が切り開いた地平を発展させ、職場生産点で資本と非和解的に闘いぬくことを土台に、政治闘争にも職場丸ごと決起していく階級的労働運動の飛躍を実現しよう。動労千葉を先頭に、10・1外注化阻止と非正規職撤廃へと闘う国鉄決戦に勝利し、職場を軸に階級的労働運動派を主流派へと押し上げよう。
議会制民主主義の破綻とともに連合支配も崩壊する。連合は原発再稼働に賛成するばかりか、消費大増税に「法案の早期成立を求める」と南雲事務局長談話を発表した。労働者への実質大幅賃下げ=消費大増税に積極賛成のナショナルセンターなど、どこの世界で通用するか。この期に及んで労働者人民の憎しみの的=野田政権を支えているのが、ブルジョアジーとともに連合だ。国鉄決戦と反原発決戦で連合指導部を打倒し、今こそ闘う階級的労働組合をよみがえらせる時だ。
動労千葉を先頭に、階級的労働運動派の前進と飛躍が勝利を開く情勢が到来した。
第一に、労働組合旗を林立させ、さようなら原発7・16代々木公園10万人大集会に全国津々浦々から総結集しよう。この階級的力こそが再稼働を止め、さらに10・1外注化を阻止する源だ。そこから8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ反核反原発闘争へ進撃しよう。
第二に、10・1JR検修外注化阻止へ総決起しよう。動労千葉の闘いと一体でビラまき闘争に立とう。外注化は偽装請負と出向=転籍であり(JRに戻れない!)、技術継承が途絶え、安全問題も必ず噴出する、この矛盾と破綻を徹底的に暴露し、JR総連から青年労働者の反乱をつくりだそう。7・26〜27国労大会決戦へ、組織拡大で勝負しよう。
第三に、全学自治会同学会を再建した京都大学で7・6学生集会をかちとり、全国で新自由主義と闘う自治会を建設しよう。法大闘争の前進と9月全学連大会へ総決起しよう。
第四に、これら一切の成果をひっさげ、7・29革共同政治集会(東京、関西、東北)を青年労働者・学生を先頭に大成功させよう。
最後に訴えます。革共同に絶大な夏期カンパを寄せて下さい。大失業と非正規化の中でのカンパ闘争こそ、最高の階級的団結をかけた闘いです。夏期カンパ闘争でともにプロレタリア革命の勝利を開きましょう。
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週刊『前進』(2542号1面2)(2012/07/02 )
前進速報版から
▼東北石けん闘争、金銭和解案をけり解雇撤回貫く▼中国広東省で相次ぐ暴動、ストライキ▼デッチあげ粉砕、女性労働者2名を奪還
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週刊『前進』(2542号1面3)(2012/07/02 )
【要綱】さようなら原発10万人集会
東京・代々木公園 イベント広場、ケヤキ並木、サッカー場
7月16日(月曜日/休日)
★メインステージ
12時15分〜オープニングコンサート
12時55分〜メイン集会(午後2時まで)
午後1時30分〜パレード出発(集会中に出発/3コース)
■呼びかけ人さようなら原発1000万人市民の会
内橋克人/大江健三郎/落合恵子/鎌田慧/坂本龍一澤地久枝/瀬戸内寂聴/辻井喬/鶴見俊輔
注意事項
☆当日はJR原宿駅が大変混雑が予想されるので、できるだけ渋谷駅または地下鉄千代田線・代々木公園駅、明治神宮前駅、小田急線・代々木八幡駅をご利用ください。
☆当日は暑さ対策として、各自帽子、タオル、飲料水などのご用意を。ゴミは各自持ち帰りを。
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週刊『前進』(2542号1面4)(2012/07/02 )
【要綱】7・29革共同政治集会
7・29革共同政治集会
外注化阻止・非正規職撤廃! 再稼働阻止・被曝労働反対!日帝・野田政権打倒し、プロレタリア革命勝利を切り開こう
〈東京〉基調報告 深田 力(中央学生組織委員会議長)
7月29日(日)午前11時開会豊島公会堂(豊島区東池袋1-19-1)
〈関西〉基調報告 黒沢 肇
7月29日(日)正午開場 午後1時開会大阪市立西区民センター(大阪市西区北堀江4-2-7)
〈東北〉基調報告 岡崎康史
7月29日(日)正午開場 12時30分開会仙台市戦災復興記念館地下展示ホール(仙台市青葉区大町2-12-1)
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週刊『前進』(2542号2面2)(2012/07/02 )
東労組の裏切り妥結弾劾し10・1外注化を絶対阻止する
6・10の地平固め歴史的な決戦へ
JR東日本による検修・構内業務の全面外注化を巡る闘いが正念場を迎えている。10月1日の実施強行を阻む攻防は、動労千葉の12年に及ぶ外注化阻止闘争の総決算をかけた大決戦だ。新自由主義の根幹をなす外注化攻撃を打ち破れるのか否か。日本労働運動の命運をかけた勝負の時だ。連日、首相官邸前に数万人が集まり、底知れぬ人民の怒りが爆発している。「経験したことのない情勢、大きな転換点だ。労働組合をよみがえらせれば歴史は動く」(動労千葉・田中康宏委員長)。この精神で10・1外注化阻止決戦に総決起しよう。
結託体制“再建”の密約で会社提案を丸のみした東労組
JR東日本と東労組は背水の陣で10・1実施強行を構えている。東労組は5月14日、「実施時期をどう考えているのか」と申し入れを行い、会社から「10月1日実施」の回答を引き出した。その後、わずか1カ月の間に7回の本社交渉が行われ、6月21日には妥結した。
異例のスピードで10・1に向かって事態が進行している。東労組は、ペテン的な一部修正を「成果」と言いなし、組合主導のできレースで10・1実施になだれ込もうとしている。現場に反対の声を上げる余地も与えずに強行しようとしているのだ。
事態の一切の核心は、東労組の裏切り妥結にある。
技術も経験もゼロの請負会社にJRの社員を丸ごと出向・転籍にたたき込む。これが外注化の正体だ。外注化が強行されれば、雇用は徹底的に破壊され、偽装請負・偽装出向は横行する。派遣法にも職安法にも違反する。技術継承も安全も崩壊する。どうしてこんな不条理がまかり通るのか。
焦点は、一から十まで東労組が主導してすべて丸のみする構図にある。団交に先立ちJR資本は、この間に進めていた東労組切り捨て政策について「不穏当で誤解を与えるものであった」と表明し、「留意を約束した」という(東労組機関紙『緑の風』)。外注化強行のために腐り果てた結託体制が「再建」されたのだ。東労組カクマルは、自らの生き残りのために「現場をすべて売り渡す」と会社に泣きついたのだ。
同時に、この攻撃の弱点もまた〈東労組の裏切り〉にある。東労組と会社の反動的結託体制を突き破って「外注化には絶対反対」「出向を拒否する」と現場の怒りを結集すれば、必ず阻止できる。請負会社は技術も経験もゼロだ。現場労働者が出向を拒否すれば外注化はたちまち机上の空論となる。
〈東労組の妥結弾劾!〉この一点に怒りを集中させよう。東労組は、現場労働者の雇用も誇りも未来もすべて売り渡そうとしている。東労組のもとで疑問を感じ悩んでいる平成採の青年労働者に訴えよう。現場の労働者がみんなで反対すれば外注化は阻止できる。
動労千葉−動労総連合は10・1阻止へ総力決起する。動労千葉は6月24日、第67回定期委員会を開催し、絶対反対で徹底抗戦することを宣言した。強制出向の集団差し止め訴訟も提起する。外注化の矛盾を何百項目でも指摘して団交で徹底追及し、何波でもストライキを行う。
4月1日の実施を阻止した力関係は変わっていない。現場労働者は誰もが外注化に反対だ。今年1月27日の京葉車両センターでの構内業務の外注化を巡っては、組合の枠を超えてすべての労働者が委託業務に就くことを拒否した。ハンドルを握ったのはカクマル分子と管理職だけだ。
4・1阻止の最大の原動力は何より東労組京葉車両センター分会における平成採の反乱だった。東労組本部は必死に抑え込もうとしているが、「私たちが出向して作業を行うのは外注会社に技術がないと言っているようなもの。もはや偽装請負のレベルの話ではない」「定年を65歳にすれば外注化する必要もない」(昨年11月に行われた東労組の「政策フォーラム」)との声が噴出している。
国鉄分割・民営化以来の東労組とJR資本の結託体制を崩壊させる事態が起きつつある。東労組の動揺は察して余りある。東労組カクマル最高幹部の松崎明の死を前後してJR資本の労務政策が転換し、結託体制の矛盾と危機が噴出する中で、超弩(ど)級の反乱が東労組を直撃したのだ。
これが外注化を阻止した力だ。12年間に及ぶ動労千葉の外注化阻止闘争の地平でもある。検修・構内業務の外注化の進捗(しんちょく)状況は、京葉車両センターでは構内業務の1日勤だけ、幕張車両センターはゼロ。JR東日本が検修・構内業務を丸ごと外注化するためには1千人規模の強制出向が必要だ。ここに動労千葉−動労総連合が絶対反対で立ちはだかり、平成採の反乱と結合しつつあるのだ。
どんなに東労組が「外注化=転籍は動労千葉の虚言だ」と宣伝しても現場はだまされない。東労組と会社が力ずくで出向・転籍を押し通すのか、それとも動労千葉とともに出向拒否の大反乱が始まるのか。問題は厳然と提起されている。
新自由主義の核心を打ち砕く大決戦がついに始まった
JRの検修職場で働くすべての労働者の皆さん! 動労千葉−動労総連合とともに出向を拒否して外注化と闘おう。動労千葉を支援する会が「外注化阻止ニュース」を発行している。支援する会や労組交流センターのウェブサイトからダウンロードできる。全国の検修職場に配布することを訴えたい。
新自由主義攻撃の核心は外注化(アウトソーシング)にある。外注化阻止闘争は日本の労働運動の展望を切り開く決定的な闘いだ。
外注化の本格的な攻撃は1995年の日経連報告「新時代の『日本的経営』」から始まった。日経連はこの提言で労働者を「長期蓄積能力活用型グループ」「高度専門能力活用型グループ」「雇用柔軟型グループ」という三つのグループに分け、労働力の「弾力化」「流動化」を進め、総人件費を削減しようとした。実に全労働者の9割を非正規雇用にたたき込む攻撃だ。
その推進力となったのが外注化(アウトソーシング)と労働者派遣法だ。これで有期雇用や間接雇用が激増した。「再構築」を意味するリストラという言葉がクビ切りや解雇の意味に用いられるようになったのはこの頃だ。
元通産官僚の村上世彰(村上ファンドを設立、後に逮捕された)が『アウトソーシングの時代』を出版したのが1999年。村上は、企業の各部門を丸ごと、労働者も設備も含めて全機能を外注会社に放り投げるフルアウトソーシングを提起している。丸ごと外注化で終身雇用や年功賃金を破壊できると提言しているのだ。
バブルが崩壊し長期不況が続く中、全産業で継続的にアウトソーシングが拡大した。偽装請負という雇用形態が一気に広がった。電機や自動車産業など製造業の工場では派遣社員や請負社員の割合が一挙に増えた。
国鉄分割・民営化を経て総評が解散し、連合が結成されたのが1989年。日本労働運動は外注化との闘いをほとんど位置づけることができず、対抗できなかった。それどころか電機連合や自動車総連を始め連合は完全に共犯者だった。
しかしJRでは、2000年「ニューフロンティア21」から始まったJR東日本の外注化攻撃を、動労千葉は12年間も阻んできた。動労千葉はニューフロンティア21を〈第2の分割・民営化攻撃〉と位置づけ、悪戦苦闘して外注化阻止闘争を継続してきたのだ。1047名解雇撤回闘争と並ぶ職場生産点での決定的な闘争だった。
動労千葉は、定年退職者の再雇用と引き換えの外注化容認(シニア制度)を拒否し、業務外しや役員の強制配転に耐えながら、検修職場における反合理化・運転保安闘争によって対抗してきた。そして数年前から青年労働者の動労千葉への加入が始まった。
JR東日本で10年以上、外注化を阻んできた階級的意義は大きい。新自由主義粉砕闘争を日本労働運動の中に打ち立てつつある。この地平を厳格に総括して10・1外注化阻止の闘いに突入しなければならない。動労千葉の外注化阻止闘争は、1995年日経連路線の核心をとらえたのだ。
新自由主義下の労働運動の成否は外注化との闘いにかかっている。10・1を巡って国鉄労働運動が新しい展望を切り開くことができるのか否か。動労千葉は12年間の闘いで組合の壁を超えて労働者の意識の決定的変化を生みだした。12年間も資本が外注化を強行できないのは、それだけの理由があるからだ。現場労働者は外注化に賛成などしていない。変化したのはただ一点、東労組が丸のみ妥結したことだけだ。外注化阻止の鍵は、裏切りに走った東労組と決別し、これを打倒し解体する闘争を発展させることにある。
大恐慌と3・11情勢の中で、日本帝国主義は〈原発・鉄道・水〉の輸出ビジネスを成長戦略の要に据えている。JR資本も、駅ナカ・電子マネー・鉄道の3事業に加えて鉄道の海外輸出に活路を見いだそうとしている。だから、JR資本にとって、足元の外注化が腰砕けに終わるわけにはいかないのだ。内外情勢もまた激しく10・1外注化を規定している。
労働運動の階級的復権を実現する時だ。職場生産点から外注化と闘う展望をつかみつつある。外注化阻止・非正規職撤廃闘争を全産業・全戦線に拡大しよう。
階級的労働運動の復権へ転換点となった6・10国鉄集会
国鉄闘争全国運動の6・10集会で呼びかけ人の伊藤晃さんは次のように指摘した。
「新自由主義のもとで攻撃が激しくなっていることは事実だ。しかし、資本は昔からこんなものだ。どこが変わったのか。昔は攻撃に対して反撃する労働組合・労働運動があった。今、それが非常に弱くなっている。労働組合が反撃さえすれば、対抗関係をつくることができる」「その可能性は、客観的状況ではなく、ひとえに労働者の意思と行動の中にある」
労働組合は労働者が資本と闘うために必要なのだ。労働者が団結して対抗してくることほどブルジョアジーにとって脅威となるものはない。労働組合のこの原点をよみがえらせることが最大の課題だ。逆に言えば、労働者の団結や階級意識を解体することにブルジョアジーは全精力を費やしている。10・1外注化を巡る攻防は、労働組合と団結を巡る資本も含めた大党派闘争なのである。これは階級闘争全体に巨大なインパクトを与える問題だ。
6・10集会には階級的労働運動の復権に向けて重大な転換点となる内容が息づいている。
「団体交渉では、いかに決裂するかだけを考えています。私の役割は最後に『やれるもんならやってみろ』と捨てぜりふを吐くこと。組合と決裂したままやるのは当局にとっては相当しんどい。条件闘争よりはるかに抑止力がある」(呼びかけ人の愛媛県職員労働組合・宇都宮理委員長)
「郡山で反原発の2万人集会を開催するという話が持ち上がり、これにかけるしかないと思いました。工場全体を巻き込んだ運動をしないと2万人はいかない。私は決意し、社民党、共産党の人たちにも訴えました。4・9政治和解でいったん壊された団結の再生が始まりました。JRの検修外注化に対し、工場全体で団結し勝てたら、でっかいものが生まれます。支部では国労の連合加盟反対で一致した」(国労郡山工場支部)
「台風で水道職員2名が命を落とす痛ましい事件が起こりました。2名を殺したのは安全無視の労働強化のせいだと、われわれは仙台市当局と闘ってきました。この闘いで、資本・当局と絶対反対で対決する潮流が生まれてきました」(仙台市役所・動労千葉を支援する会)
新自由主義の攻撃は労働組合の協力・屈服を前提としている。ここに新自由主義攻撃のひとつの核心がある。しかし、これを打ち破る価値観の転換が生まれている。6・10集会は、日本労働運動の現状を転換させる可能性を示した。「千葉では10年余の闘いで、外注化を阻止する力が現場から生まれた。現場の力が新自由主義に立ち向かうことができることを証明した」(動労千葉・田中康宏委員長)。誰もが労働組合のすばらしさを感じた。
大阪・橋下や被災地「復興特区」、原発再稼働、消費税など新自由主義攻撃の全面化の中で、労働運動の屈服を迫る攻撃は何より国鉄闘争を巡って仕掛けられている。
国労本部は闘争団員の組合員権を奪い、7月の大会で連合加盟に走ろうとしている。国労本部は、10・1外注化についても東労組と同様に「一部修正は成果だ」として推進の立場だ。4・9政治和解との闘いは現在進行形のテーマである。
10・1を巡る決戦は国鉄闘争の解体攻撃を打ち破る決戦でもある。国鉄闘争全国運動は6・10集会で「国鉄闘争の火をさらに大きく」のスローガンを打ち出した。国鉄闘争を広げることが労働運動再生の現実的な道である。情勢を転換させる大一番の勝負の時だ。
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週刊『前進』(2542号3面2)(2012/07/02 )
戦後革命期以来の激動期勝利への夏期大カンパを
『前進』読者のみなさん! すべてのみなさん! 首相官邸・国会前では毎週、数万人の包囲行動とデモが続いています。民衆の怒りが野田政権を分裂・崩壊寸前に追い込み、ついに日本でギリシャと並ぶような革命情勢が始まりました。
みなさん! 人類史を変える壮大な事業を実現するだけの規模の資金、革共同への全力の夏期カンパをお願いします。
新たな社会建設の第一の闘いとして
非正規職をなくし、原発をなくし、戦争をなくす。こうした新たな社会の建設は労働者階級自身の事業です。夏期カンパは第一に、その最初の闘いです。
日本の労働者の税などの負担率は収入の43%強です。ブルジョアジーはこれほど収奪しても国庫を破綻させているのです。
労働者階級人民はこれまで、さまざまな困難を超え、身銭を切って闘ってきました。
60年三井三池闘争のホッパー決戦にあたり訴えられた緊急カンパで、労働者は職場や街頭で21億円を集めて130日余りの大決戦を支えました。とりわけ炭労の労働者は、三池労組の「1カ月1万円生活」と連帯し、低賃金攻撃の中でなお毎月600円カンパを軸に、数カ月で10億円を集めきりました。
国鉄分割・民営化攻撃に対しては、1047名解雇撤回闘争を軸に百万人規模の支援陣形が25年間の闘いをともにしました。こうした階級の力が今、「国鉄闘争の火をさらに大きく」を掲げた国鉄闘争全国運動に継承され発展しています。
ここには、労働者階級自己解放の闘いこそが全人類解放を切り開くというマルクス主義の核心が脈打っています。
夏期カンパ闘争は第二に、JR東日本における検修・構内業務全面外注化阻止決戦勝利のために毎日まくビラや、職場からの反撃と組織化のために絶対必要な闘いです。
外注化阻止の決戦に勝利する資金を
日本の労働者の4割が非正規雇用です。青年労働者や、これから学生たちが就職しようとする職場はさらに過酷になっています。
6・10国鉄集会で発言に立った田中康宏動労千葉委員長は「いま起きていることは、はらわたが煮えくりかえることばかりです。生活保護をめぐる事態、関越道ツアーバス事故、被災地で起きていること、大阪で橋下がやっていること……。本当に悔しいのは、社会がここまで壊れ、2千万人もの労働者が非正規職に突き落とされるまで労働組合が何の抵抗もできなかったことです。必要なのは闘う労働組合をよみがえらせることです」と訴えました。「10月1日JR外注化」攻撃との闘いを、東日本すべての車両センターや駅で呼びかけ、三池闘争以上に「総資本対総労働」の大決戦に押し上げましょう。
原発再稼働許さぬ力ある大カンパを
第三に、全原発の廃炉をかけた夏期カンパです。
新自由主義とは、あふれかえるほどに大きくなった生産力が、逆に社会を暴力的に解体するほどの破壊力となった自己中毒症状です。原発こそ新自由主義そのものであり、「地上に置かれた原爆」として大事故で民衆の命と生活を奪っています。こうして支配階級は、社会の「99%」を占める労働者人民に失業と非正規労働を押しつけ、放射能で子どもを、被曝労働で労働者を殺してきましたが、もう誰もだまされません。
「国家は企業と金持ちを守るだけで人民を守らない。人民にウソしか言わない」。3・11大震災と福島第一原発事故が白日のもとに暴き出した国家・資本と労働者人民の非和解的関係が、1945年の日帝敗戦以来2度目といえる巨大な人民決起を巻き起こしています。人民の生命を守り医療を取り戻すための福島医療施設建設も始まりました。原発再稼働を阻止し、これらすべてを実現するカンパをお願いします。
現代の特高警察と闘い勝利しよう!
第四に、闘う拠点・革命党建設カンパです。世界の階級闘争の歴史は、闘いの路線と拠点を守ったものだけが勝利することを教えています。革共同は1969年4月の破壊活動防止法発動以来、人民の海に守られて非合法・非公然体制を堅持してきました。だからこそ今日の情勢に間に合いました。
福島の根底的怒りと労働者の階級的怒りを前に、支配階級は”もう倒される”という恐怖に震えています。
公務員労働者のみなさん、民間基幹産別の労働者のみなさん。10万円単位の決断で、敵の攻撃に圧倒的迫力で反撃するカンパを寄せて下さい。
非正規職のみなさん、年金生活者のみなさんからのカンパは決定的です。さらに団結拡大の武器として職場で地域でカンパを呼びかけて下さい。あらゆる人びとに呼びかけて夏期カンパ闘争に勝利し、プロレタリア革命への道を押し開きましょう。
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週刊『前進』(2542号4面2)(2012/07/02 )
三里塚農地裁判 “実地調査は形だけ”
市東さん 裁判長の強権指揮を弾劾
(写真 葉山弁護士ら弁護団の奮闘をたたえる北原さん【右】。左端が市東さん【6月25日 千葉地裁】)
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市東さん農地裁判勝利 第3誘導路工事粉砕
7・8三里塚現地闘争
7月8日(日)午後1時半 成田市東峰・萩原さん所有地(天神峰・市東さん宅南側の東峰開拓組合道路沿い)
〈主催〉三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2542号4面3)(2012/07/02 )
学生は7・16代々木公園へ
同学会再建した京大生とともに新自由主義と闘う自治会建設を
マル学同中核派・京大支部
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7・6京都大学学生集会
7月6日(金)午後6時〜 京都大学キャンパス内にて
〈主 催〉 集会実行委員会
〈呼びかけ〉同学会執行委員会(暫定)
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週刊『前進』(2542号7面4)(2012/07/02 )
福島と結んだ10万人デモは歴史を動かす偉大な闘いだ
労働組合・職場丸ごと大結集を
福島県民の思いを土足で踏みにじり、大飯原発再稼働「決定」を強行した野田政権は「決定」を撤回しろ! もはや野田政権を倒してでも、原発を止めなければならない! 日本中が怒りに燃え、首相官邸前は万単位の人びとの抗議であふれている。この声をますます拡大し、7・16さようなら原発10万人集会(代々木公園、NAZENは9時集合)を10万人を超える大デモとして実現しよう。職場やキャンパス、地域から丸ごと結集し、野田政権を倒して原発を止めよう!
(写真 東電に向かう新橋アクションのデモにエテコンも合流。飛び入りする人が次々と現れ、隊列は250人に膨れあがった【28日 東京・内幸町】)
官邸前で歴史に残る革命のドラマが進行している
「紫陽花(あじさい)革命」。6月22日に4万5千人を突破した首相官邸前の抗議行動は、大衆の中からこう呼ばれ始めた。チュニジアの「ジャスミン革命」になぞらえたネーミングだ。梅雨空のもと、小さな花が集まって大きく奇麗な花を形づくる紫陽花に、民衆の行動が見立てられた。
そこに集まる人、人、人。その瞳は迷いなく真っすぐ首相官邸を見つめ、怒りに燃え、そして明るい。「再稼働反対!」と声をからして叫ぶ互いの真剣さに感動し、さらにわき上がる怒り。何かが始まった。ここに希望がある。すべての人がそう感じたに違いない。人間同士の間にある壁は崩れ、誰もが自らを満たす連帯感に涙した。
「革命」。この偉大な言葉に見合うだけの内実がここに存在している。あらゆる既成政党の党利党略政治、なれ合いの「改革」や「革命」なるものの軽薄さをすべて吹き飛ばす重みがある。福島の子どもたちの命と自らの未来を守り、人間らしく生きられる社会を求める民衆が、自らの行動で体制を揺さぶり、覆していく決意と真剣さをもって立ち上がっている。歴史に残るドラマが進行しているのだ。
「国民生活を守ることが、私がよって立つ唯一絶対の判断の基軸だ」。6月8日の大飯原発再稼働宣言に際し、野田首相はこう口走った。彼は、生活を守ろうとする民衆の声を踏みにじって消費税増税を宣言した。若者を非正規職に突き落とし、「復興」の名のもとに労働者の賃金をさらに引き下げようという連中がこういうことを平然と口にしている! そして非正規職の若者たちに、原発を動かし被曝労働を用意することを「雇用を守る」と言うのだ!
そして彼は主張する。「福島で避難生活を余儀なくされているみなさんの複雑な気持ちは理解できる。しかし、……人びとの日常の暮らしを守る責務を放棄することはできない」
「理解」? いつしたのだ。福島の思いを「理解」した者が再稼働を宣言できるだろうか! 福島の怒りが「人びとの日常の暮らし」と対立し破壊するものとして攻撃されたとき、日本中の怒りは頂点に達したのだ。福島を守れ! 福島との分断を許すな! 10万人を超える福島との連帯の意志で代々木公園が埋め尽くされたとき、7・16は野田政権を打ち倒すその日であり、原発を止めるその日となる。
大衆行動が政治を動かす歴史的過程が始まった
7・16は歴史に残る大政治闘争となろうとしている。
3・11大震災と福島第一原発事故は、いかに非人間的で非民主的な社会に私たちが暮らしていたのかを白日のもとにさらした。津波対策も切り捨て、数十万人規模の労働者に被曝労働をさせボロもうけする財界と政治家。うそをついて恥じないマスコミと裁判官、そして御用学者。これを公然と支える労働組合幹部。こうした社会構造に怒り、新しい社会を次世代に残そうと決意した民衆の行動が、政府を追いつめてきた。3・11から1周年の福島県民大集会で1万6千人が示した福島の怒りは、「5・5稼働原発ゼロ」という前代未聞の地平を切り開いた。大衆の行動が政治を動かすという歴史的過程が開始されたのだ。「稼働原発ゼロ」の地平を絶対に明け渡さず、体を張ってでも守り抜こう。
野田政権はあくまで原発再稼働への強硬姿勢を崩していない。反原発運動はこうした政府とますます非和解的にぶつかり発展し、必ず野田政権を踏みしだいて歴史を切り開いていく。
もはや労働者民衆の怒りは原発のみならず、消費税や雇用、社会保障や教育、そして戦争と基地の問題など、限界を超えている。大恐慌の進行と国家破綻、緊縮政策に労働者民衆が大反撃をたたきつけるヨーロッパの情勢と本質的に同じだ。
民主党政権は原発と消費税問題を契機に分裂と崩壊を開始した。野田政権を倒し原発を止める。この決意で10万人を超える労働者民衆が代々木公園を埋め尽くしたとき、歴史が大きく動き出す。
反原発運動と沖縄の連帯で戦後体制を打倒しよう
そしてもう一つの歴史的事態が進行している。それは、万のうねりとなって進む反原発運動が、沖縄との連帯を真剣に求めていることだ。
4閣僚による再稼働決定の翌6月17日、大飯原発のある福井現地と、核燃サイクルと大間原発建設がもくろまれる青森でのデモとともに、沖縄ではオスプレイ配備反対の宜野湾市民大会が5200人でかちとられた。本土と沖縄の闘いが野田政権を追いつめている。
6月20日、原子力基本法が原子力規制委員会設置法の付則でもって改悪された。「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として」とされていた原発の目的を、「我が国の安全保障に資することを目的として」と拡大し、「平和利用」のベールを公然と投げ捨てた。「これらはわが国の安全保障にかかわるものなので、究極の目的として(基本法に)明記した」(公明党・江田康幸議員)、「日本を守るため、原子力の技術を安全保障からも理解しないといけない」(自民党・塩崎恭久衆院議員)などと、核武装の意図を隠そうともしない。福島や沖縄の子どもたちを危険にさらして何が「わが国の安全保障」なのか!
さらに同日、宇宙航空研究開発機構法が改悪された。平和目的の限定条項を廃止し、「宇宙基本法の基本理念にのっとり」と変えた。宇宙基本法は「わが国の安全保障に資するよう行われなければならない」と規定しているのだ。
こうした事態を受けて、「なぜ核武装の是非を公然と議論しないのか」という論調がマスコミから噴き出している。
「戦後」の現実はその言葉とは裏腹に、戦争に次ぐ戦争の時代としてある。第2次大戦が終わると同時に朝鮮戦争やベトナム戦争、中東・アジアへの戦争など、休むことなく戦争が継続されてきた。日本においては憲法9条を軸とした戦後憲法から沖縄を除外し、日米安保体制をもって公然と戦争が継続されてきた。資源や市場をめぐって強盗戦争を世界に繰り広げた帝国主義体制は、戦後の「民主主義」のイデオロギーのもと、公然と連続してきたのである。72年のペテン的沖縄「返還」は、こうした体制を終わらせるものではなく、むしろ「戦後憲法こそ現実に合わない」という議論を噴出させた。
こうした帝国主義体制と日米安保政策は、沖縄の「永久核基地化」をもってのみ成り立ち、沖縄労働者民衆の怒りを、本土―沖縄の分断と差別によって抑えつけようとしてきた。しかし今、反原発運動が沖縄との連帯を懸命に求めているその姿は、欺瞞(ぎまん)的な「戦後と平和」を突き破る歴史的意味を持つ。福島、沖縄と連帯し、世界から原発と核をなくす10万人集会として7・16をかちとろう。
被曝労働反対! 原発労働者と連帯して闘おう
最後に、首相官邸前をはじめとした闘いに、労働組合こそ職場からの丸ごとの決起で応えよう。その最大の課題は、福島第一原発で命を削って作業に当たる原発労働者と連帯し、被曝労働絶対反対の具体的闘いをとおして、労働組合を再生するために闘うことだ。
反原発運動は、原発の廃炉という途方もない課題に真正面から立ち向かうことが問われている。原発労働者たちは、健康管理も1カ月先の雇用も守られず、使い捨てられる状態におかれている。野田政権と東電は、昨年12月の「収束」宣言以降、ただでさえ被曝を防止できない装備を、さらに軽微化しながら、「廃炉にするには被曝労働者を拡大し、許容線量を上げる以外にない」「もしくは徴兵制だ」と、「廃炉」を利用し現体制を「復興」しようとしている。本当に許せない。原発労働者を守り、本当に廃炉に向かって前進しなければならない。
被曝労働は、戦後における核戦争の日常化と表裏一体の、日常の核戦争化としてあったと言えるのではないか。これに対して、電産中国をはじめ全国の官公労を軸とする労働組合の原発建設阻止の闘いがあったものの、労働組合総体としては被曝労働と根底から対決することはできなかった。平和でない核戦争を「平和利用」とするイデオロギーは、職場における労働組合の敗北の上に成り立つ具体的問題だ。労働組合は「被曝労働は非正規労働者にやらせろ」と正規・非正規の分断に加担し、今の若者の現実の土台をつくった。被曝労働は、国鉄分割・民営化と並んで、新自由主義を進める国家・資本による労組破壊としてあった。
そして今、JR東日本検修全面外注化阻止・被曝労働絶対反対の地軸を揺るがす決起が、新自由主義を打ち破り、労働組合運動復権の一大流動情勢をつくり出している。
反原発運動は闘う労働組合を歴史的に再生する重要かつ独自の課題を有している。労働組合の再生こそが、原発労働者を守り、原発を廃炉にしていく中心課題だ。福島の怒りに涙し、代々木公園を埋め尽くす連帯感に感動し、歴史を動かす当事者となることは、労働組合の再生にとって大きな力となる。核の平和利用論を打ち破り、日本の反核運動の歴史的復権も見えてくる。
すでに平和フォーラムと全労連が各3万人の動員方針を決定し、職場は動き出している。動員枠を上回る職場丸ごとの結集を実現しよう。残り2週間を大事に、しかし大胆に駆け抜け、野田を倒し、原発を止め、歴史を動かす日として7・16を迎えよう!
〔織田陽介〕
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