ZENSHIN 2012/03/12(No2527 p06)

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週刊『前進』(2527号1面1)(2012/03/12 )

 労働組合の力で新自由主義と闘おう

 脱落日帝の最後の先兵=橋下を全労働者の怒りでたたきのめせ

 3・18八尾北・西郡―3・25三里塚へ

(写真 外注化と強制出向に徹底抗戦を宣言 壇上には中野洋前委員長と2月26日に急逝した清水匠執行委員の遺影が掲げられた。決戦本番に向け現場組合員から決意に満ちた発言が続いた【3月4日 千葉市民会館地下ホール】)

 日本の労働者階級人民はこの1年、分断と圧殺を打ち破り、東北被災地およびフクシマの怒りとひとつになり、団結して必死に生き抜き、闘い抜いて、再び〈3・11〉を迎えた。世界大恐慌が底なしに深まり、新自由主義への怒りと闘いがエジプト革命を頂点に全世界に広がっている中で、日本階級闘争はその最先端で闘ってきた。何よりも国鉄決戦と反原発闘争で新自由主義と対決し、階級的労働運動を発展させ、プロレタリア革命への道をこじ開けるために奮闘している。3・11福島県民大集会の巨万の決起の地平から、外注化阻止・非正規職撤廃をかけた3〜4月決戦へ、労働組合を軸に総決起しよう。

 政府と東電の大犯罪の責任を徹底的に追及

 1年前の3・11の巨大地震と大津波、そして福島第一原発事故は、大恐慌にあえぐ現代世界に新自由主義の大破産を絶望的に刻印し、同時に日本帝国主義の脱落的危機を決定づけた。原発事故は、その推移によっては首都を含む250`メートル圏が避難区域化する可能性が高かったことが、1年後の今になってマスコミで衝撃的に暴露されている。だが今も原発事故はまったく予断を許さない。
 この1年、日米韓を軸に労働者の国際的団結を拡大し前進してきた動労千葉と、それを先頭とする日本の階級的労働運動は、大震災と原発事故への国と東電の責任を徹底追及し、「団結し生きかつ闘い抜こう」と訴え、「政治休戦」を切り裂き、反原発・反失業と国鉄決戦を軸に闘ってきた。それは被災地と世界をひとつに結ぶ歴史的役割を果たした。
 新自由主義と大恐慌のもとで今、全世界で起きていることは、労働者階級の大失業と非正規職化と貧困化であり、社会的生産のいっさいを担う労働者が食べることも、生きていくこともできず、人間性の一片までも奪われるという現実の無限の拡大である。これは最末期帝国主義と残存スターリン主義の破産と腐敗、ブルジョア社会自身の崩壊の現実そのものである。その極致が〈3・11〉だ。
 ならば、「オールジャパンによる復興」なるものや、原発・新幹線・水道の輸出策動をはじめ、さらなる新自由主義の絶望的凶暴化へと突き進む日本帝国主義に対し、原発推進・再稼働、民営化・外注化・非正規職化攻撃のすべてをひっくり返し、奪われてきたものを奪い返す、絶対反対の階級的な闘いをたたきつける中にこそ、労働者の未来はある。
 この1年の攻防の中では、特に新自由主義と闘ってきた30年の歴史が輝き、一昨年の4・9国鉄政治和解の大反革命にも揺るがず、階級的原則を職場の団結および実践として貫く国鉄闘争全国運動の真価がいよいよ発揮され、その運動の拡大・発展が問われた。
 今、12春闘の真っただ中で、国鉄をはじめ青年労働者が続々と決起している。JRなど全産業で、民営化・外注化・非正規職化そして偽装請負への怒りがあふれ、爆発している。
 この中で動労千葉はすでに、JR鉄道業務の基幹である検修・構内業務の4・1外注化を阻止するという勝利をかちとった。JRや郵政をはじめとして万単位でかけられている非正規労働者の雇い止めへの反撃が始まっている。
 3・11から1年。われわれはあらためて2万人に及ぶ死者・行方不明者の無念を晴らし、未曽有の原発事故と放射能汚染に対し、これを国家と資本による大犯罪として弾劾しぬき、全責任を彼らに取らせなければならない。労働組合を軸に今こそ、再稼働阻止・全原発廃炉と同時に、外注化阻止・非正規職撤廃をかけた3〜4月決戦に総決起しよう。

 資本主義・帝国主義にもはや何の未来もない

 「近代ブルジョア社会は、自分で地の底から呼びだした魔物をもはや制御できなくなった魔法使いに似ている」(『共産党宣言』)。マルクスがこう見抜いてから160年、「これまでのあらゆる時代には不合理としか思えなかった疫病、すなわち過剰生産という疫病」が、今や最末期帝国主義の新自由主義の大破産、すなわち歴史的大恐慌として、全ブルジョア世界をのみ尽くしつつある。「ブルジョアジーの存在は、もはや社会とはあいいれない」ことが、マルクスの時代よりも数百倍、数千倍もはっきりしてきている。
 今まさに必要なことは、「圧倒的多数者の利益のための、圧倒的多数者による、自立的な運動」であり、「公的社会を形成しているいくつもの層の上部構造を空中に吹き飛ば」して、「隠然とした内乱」を「公然とした革命となって爆発」させるための闘いだ。
 米帝の没落、欧州恐慌とEU・ユーロの分裂・解体、中国バブルの崩壊、日帝の脱落。これはもはや誰も押しとどめられない大恐慌の現実そのものだ。ギリシャのゼネストは世界の労働者階級の闘いとつながっている。ヨーロッパもアメリカも日本も、経済だけでなく政治支配が出口のない危機にある。
 この中で米帝は、「アジア太平洋最重視」と対中対峙・対決の新軍事戦略を打ち出し、争闘戦激化と絶望的な戦争衝動を強めている。だが決定的なことは「復帰40年」の不屈の沖縄闘争が日米帝を串刺しにし痛撃していることだ。
 脱落日帝・野田政権による「税と社会保障の一体改革」とは、自らの歴史的破産を消費大増税と社会保障制度解体で労働者階級に絶望的に転嫁するものでしかない。1980年代の国鉄分割・民営化は、「増税なき財政再建」という真っ赤なうそを叫んで強行された。だが20万人以上の国鉄労働者を解雇し、200人を自殺に追い込んでやったことは、国家的詐欺と不当労働行為であり、膨大な国鉄資産のブルジョアジーによる私物化だ。
 実際には、増税と企業減税を繰り返し、バブル経済とその崩壊のツケも含め1千兆円もの国家財政赤字を生み出したのが、日帝ブルジョアジーと政府だ。AIJ投資顧問による企業年金資産2100億円の大半の消失という事件など、資本主義の不正・腐敗の極ではないか。そして今また10%とか20%への消費大増税。「ふざけるな!」ということだ。
 大阪維新の会の橋下大阪市長や堺屋太一らは、「国鉄分割・民営化でJR7社は黒字化した」などと、見え透いた大デマをふりまき、労組破壊と改憲、道州制導入と公務員360万人首切りの最先兵になり、これに石原や小沢らも群がろうとしている。だが国鉄分割・民営化で総評は解体されたが、動労千葉を先頭に今も国鉄1047名闘争が踏んばり続けている。この国鉄決戦の勝利に労働者階級の未来がある。
 原発をなくせ! 外注化阻止、非正規職を撤廃しろ! この青年を先頭とする労働者人民の叫びと闘いは、資本主義・帝国主義を打倒するまでやむことのない大運動である。

 外注化阻止・非正規職撤廃!3〜4月決戦へ

 原子力安全・保安院は、大飯3、4号機に続き伊方3号機も、インチキなストレステストで「妥当」とする方針を決めている。
 しかし再稼働は絶対阻止できる。野田政権の再稼働の「政治判断」なるものは、フクシマを先頭とした労働者人民の怒りの激しさでぶっ飛ばせる。福島県民に「除染すれば安全だ」「もう帰村して生活できる」と、永久被曝を強制する政府と行政、福島県立医大・山下俊一らの反動体制を3・11福島県民大集会の大爆発を突破口に、断固打倒しよう。内部被曝、低線量被曝の危険性を暴き闘おう。
 動労千葉は「分割・民営化25年」に抗し、反合・運転保安闘争を土台にして団結を守り、他労組や青年など職場の全労働者の先頭で闘うことで、「労働者こそが職場と社会の主人公だ。労働組合には無限の可能性がある」ことを、全労働者に示している。この闘いが唯一の正義として広く浸透する情勢だ。それは国労郡山工場支部の3・11アピール、JRや郵政の非正規職雇い止め攻撃への怒りの反乱、鈴木コンクリート工業分会の組合つぶしを狙った解雇に対する「賃金仮払いの仮処分」決定という重大な勝利に発展している。
 外注化阻止・非正規職撤廃の3〜4月決戦を、国鉄を先頭に全国・全産別で闘おう。
 3・18八尾北・西郡に全国から総結集し、脱落日帝の最後の先兵であり、道州制・大民営化と労組破壊、改憲攻撃の橋下・大阪維新の会を粉砕・打倒しよう。
 3・25三里塚闘争を、フクシマの怒りと結び、農地死守・成田軍事空港粉砕の全国闘争として圧倒的に爆発させよう。
 青年・学生を先頭に、労働者人民は革共同に結集してともに闘おう!

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週刊『前進』(2527号1面3)(2012/03/12 )

前進速報版から 前進速報版から

▼国鉄闘争全国運動沖縄が第2回総会▼国際婦人デー東京行動、東電デモ&集会▼最高裁による福嶋昌男同志への上告棄却決定弾劾

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週刊『前進』(2527号1面4)(2012/03/12 )

【集会要項】 3・25三里塚全国集会

第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう! フクシマ連帯・原発再稼働許すな! TPP反対! 軍事空港粉砕・改憲阻止!
 3・25三里塚全国集会
 3月25日(日)正午
 成田市天神峰 反対同盟員所有畑
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2527号2面1)(2012/03/12 )

 鈴コン闘争 賃金仮払いを地裁が決定

 緒戦で重大な勝利かちとる

 2月29日、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会が解雇撤回をめぐる緒戦で重大な勝利をかちとった。不当解雇された3人が昨年11月30日に申し立てた「解雇予告効力停止仮処分申立事件」(東京地裁民事11部・光本洋裁判官)で、本年3月から来年2月まで1年間、内尾稔分会長と吉本伸幸書記長に対して毎月20日までに23万円、鈴木善弘会計に同じく22万円を支払えという決定が出たのだ。
 この決定は不当解雇撤回・職場復帰への展望を開くとともに、非正規雇用問題で分断され怒りと悔しさの中で涙をのんできた無数の労働者、労働組合への檄(げき)となる。3月7日、勝利のしらせをもって鈴コン社前に登場した分会に対して職場の労働者は「やっぱりお前たちは正しかった! いつ戻ってくるんだ」と言って迎えた。
 鈴コン分会の闘いは、新自由主義攻撃に立ち向かう労働運動をよみがえらせる闘いであり、正規職・非正規職労働者が団結を奪い返す闘いだ。すべての労働者に勇気と展望を与え、非正規職撤廃への道筋を指し示す具体的闘いだ。3カ月雇用の労働者も、職場で団結し労働組合を組織して闘えば勝てる! 鈴コン分会の団結と職場での闘いを基礎に、全国の仲間と固く団結して完全勝利をもぎりとろう。
 この訴訟は、有限会社東豊商事(=鈴木コンクリート資本)代表取締役・鈴木富美子による雇い止め解雇の予告通知の無効確認を求めるとともに「解雇予告の効力が有しないことを仮に定め、判決確定に至るまで賃金を仮に支払え」と申し立てを行い争われてきた。
 裁判所の判断のポイントは以下の点だ。
(写真 「仮払い決定をかちとりました!」。社前行動で勝利を伝える分会員に同僚が笑顔で応えた【3月7日 板橋区】)

 常勤と同様の勤務実態認定

 まず、訴訟を起こした3人の雇用契約が「業務内容の基幹性、更新回数が極めて多数回に及んでいること等から、期間の定めのない雇用契約と実質的に異ならない状態となっていた」と認めたことだ。10年、20年もの間、非正規で雇用し続けていることへの怒りと決起の正義性は誰も否定できないのだ。その上で裁判所は、「本件各雇い止めが解雇権濫用法理に照らして有効であるかどうか」と検討している。
 鈴木資本による「臨時労働契約終了予告通知書」による雇い止め解雇の理由は、職場門前と最寄りの駅前で行った街宣での3人の組合員のアピールが就業規則の8つの項目に違反するということだった。この就業規則自身が反動的であり、いまだ全文を分会に提供していない代物だ。「会社の信用を傷つけ営業を阻害する宣伝扇動反抗的な行為をなし、またはこれを企てるような行為」「会社の経営に関して故意に真相を歪め、又は事実を捏造(ねつぞう)して宣伝流布する等の行為により、会社の名誉及び信用を傷つけた」として、本来は懲戒解雇にあたるが、情状酌量し懲戒解雇ではなく雇い止めにしたというものだ。

 街宣は正当な労働組合活動

 裁判所は、街宣のアピールの内容が鈴木資本の名誉を著しく侵害し、社会的信用を毀損(きそん)したといえるが、正当な労働組合活動として社会通念上許容される範囲内のものであれば解雇の客観的・合理的な理由足りえないとしたうえで、結論は「本件街宣行為は違法性の程度が低いというべきであり、未だ本件各雇い止めには客観的には合理的な理由を認めることができない」として賃金請求権の存在を認めた。特に、鈴木資本の側からは、列記された8つに及ぶ規則に街宣におけるどの発言が違反するか説明も一切ないから「違反行為が本件街宣行為であるか否かが通知上明確でない」と指摘している。このことは、3人の闘いと訴えが正義であり真実であることを決定的に示しているのだ。
 他方、「雇い止め通知の無効確認」については不当にも却下した。
 3人のアピールは、死亡した田口組合員の解雇撤回と、皆勤・精勤手当支給の一方的廃止通告撤回を要求して闘われた昨年9・27ストに対する3〜7日間の出勤停止処分期間中に行われ、あるがままの事実、闘いの正義をすさまじい迫力で訴えたものだ。「鈴木資本の名誉を毀損し社会的信用を毀損した」などという理屈は、仲間の命と団結にかけきって闘う労働組合への敗北感そのものであり自ら墓穴を掘るものだ。裁判所も分会が団結にかけきって闘う姿に圧倒されたに違いない。
 いまや資本は、自らの支配や利害のためにあるブルジョア法を犯してしか延命できない。これに対して、分断を打破し、怒りをひとつに結集すれば、どんな職場でも闘えるし勝てる。鈴コン分会の闘いはこのことを示しているのだ。今後の裁判や労働委員会も、こうした職場・地域・全国の闘いと一体で闘われる。
 今回の決定は勝利への第一歩だ。東京地裁という場で風穴をあけた意義は大きい。3月5日に行われた東京都労働委員会の「調査」における公益委員の関心事も組合側勝利の決定内容についてだった。生コン産別と地域の連帯を強化しよう。全国の合同・一般労組委員会は、この地平を使いきって自らの地域・職場での闘いに総力をあげよう。その力で鈴コン闘争の勝利、国鉄闘争全国運動の深化・発展をかちとろう。
 (革共同合同・一般労組委員会)

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週刊『前進』(2527号4面5)(2012/03/12 )

【要項】 市東さん行政訴訟・農地法裁判、第6回千葉県三里塚集会

三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
3月26日(月)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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市東さんの農地強奪を許すな!
第6回千葉県三里塚集会
3月18日(日)午後1時から
DC会館(JR東千葉駅前)(千葉市中央区要町2―8)
主催/千葉県三里塚集会実行委員会

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週刊『前進』(2527号6面2)(2012/03/12 )

 新たな入管体制を許すな!在留カード制度粉砕しよう

 在日外国人と団結し4月入管闘争へ

 革共同入管闘争組織委員会

 世界大恐慌下、昨年3・11情勢に追い詰められた日帝は、絶望的に凶暴化する新自由主義に対応した新たな入管法・入管体制への転換をかけた攻撃に打って出た。それが09年改悪入管法で3年以内に実施するとされた在留カード制度だ。この新制度は、在日・滞日外国人を、@特別永住者(日帝の侵略と植民地支配の生き証人である在日朝鮮人・中国人とその子孫、約40万人)A中長期在留者(3カ月以上の在留資格者、約170万人)Bその他(非正規滞在者、難民申請者、約8万人)の三つのカテゴリーに分断。戦後入管体制の一方の柱であった外国人登録法を廃止し、入管法で一元的に管理するものだ。すでに在日外国人の怒りは沸騰している。反原発・反失業と国鉄闘争を軸に「新たな入管体制を許すな! 在留カード制度を粉砕しよう!」を掲げて4月入管闘争を闘い、7月実施を木っ端みじんに粉砕しよう!
(写真 難民申請者を先頭に東京入管収容所に向かって「収容するな!」「仕事をさせろ!」とデモ)

 “怒り心頭! 必ず風穴を開けるぞ!”

 「怒り心頭! 外登法と闘いぬいてきた30年の闘いをチャラにするのか! 必ず風穴を開ける!」「私たちはどうなるの! 私たち外国人も人間です。在留カードなんてやめにしませんか?」「ハンストやデモで闘い、収容所への長期収容や処遇に抗議してきた。闘えば変えられる!」。在日朝鮮人・中国人、在日外国人労働者、難民や難民申請者、仮放免者などからこうした火のような怒りが噴き出している。日帝・法務省が打ち出した在留カード制度の7月9日実施とその内容を知った在日外国人は、直ちに反撃の闘いを開始している。
 在留カード攻撃とは第一に、世界大恐慌と3・11情勢下、全世界で巻き起こる労働者階級の決起、革命の現実性に恐怖した支配階級の予防反革命だということだ。進行する革命情勢、このもとで民族・国籍・国境を越えた労働者の団結を恐れたブルジョアジーによる労働組合破壊、階級的労働運動破壊攻撃である。
 さらに声を大にして訴えたいのは、在日外国人を分断・支配する攻撃であると同時に、この攻撃の狙いが日本の労働者階級と在日外国人労働者への分断攻撃だということだ。だからこそ、在留カード粉砕は日本の労働者階級の課題なのだ。在日朝鮮人・中国人、外国人労働者と団結し、在留カード粉砕に立ち上がろう!
 第二に在留カード攻撃は、危機にのたうつ日帝ブルジョアジーによる全労働者の9割を非正規職労働者に突き落とそうという究極の新自由主義攻撃だ! TPP(環太平洋経済連携協定)交渉をテコに進む安価・使い捨ての外国人労働力導入に対応する外国人労働政策の転換だ。それは「復興特区」への外国人労働者の導入としても不可欠なのだ。しかも外国人のみならず全労働者に対する超低賃金の強制であり、労働者としての権利剥奪(はくだつ)、非正規職化攻撃として推し進められる。
 そして第三に、在日朝鮮人・中国人、在日外国人に対する差別・抑圧政策そのものであり、在日外国人の生存権を踏みにじる許しがたい攻撃だということだ。
 第2の分割・民営化攻撃=外注化阻止の国鉄決戦と結合し、国際連帯と在日外国人労働者との共同闘争を実現した11月労働者集会の地平から民族・国籍・国境を越えた世界の労働者階級の団結で希望あふれる未来を切り開こう!

 「復興特区」で使い捨て外国人労働力

 この新たな在留管理法制の最大の特徴は、一般永住者を含む「中長期在留者」という新たなカテゴリーを設け、在留管理と監視の主要な対象をこの「中長期在留者」に置いたことだ。
 この「中長期在留者」=「3カ月を超える在留資格を認められている外国人」に交付されるのが「在留カード」だ。「偽変造防止のための」ICチップが搭載された「在留カード」には、顔写真、氏名、生年月日、性別、国籍、居住地をはじめ在留資格などの個人情報が記載される。
 特筆すべきは、「就労制限の有無」という項目が新設されたことだ。そのカード中央に@就労制限なしA就労制限あり/在留資格で認められた就労資格のみ可B就労不可/就労するには資格外活動許可が必要――このいずれかが記載される。カード裏面には「資格外活動許可の有無」が記載される。法務省が「雇用主が在留カードを確認して、簡単に判断できるようにした」と説明しているとおり、外国人は、人間である前に「労働力商品」として表示され、扱われるのだ。
 この「労働力」をコントロールするために、違反者には厳しい刑事罰が科せられ、在留資格の取り消し、収容・退去強制への道が敷かれている。在留カードには「常時携帯義務」があり、「受領拒否」や「提示拒否」には「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」、「不携帯」は「20万円以下の罰金」となる。
 届け出内容に変更が生じた場合、14日以内に地方入管局に届け出なければ罰金。それが90日を超えると在留資格が取り消される。それが永住者の場合でも例外ではない。
 また、07年10月に施行された改定雇用対策法では、外国人を雇用している雇用主に届け出の義務が課せられたが、今回の改悪入管法ではさらに外国人を受け入れた時、終了した時、その他受け入れ状況などの届け出が義務付けられた。不当解雇されても解雇撤回を闘うどころか、14日以内に在留資格に見合った新たな就職先を見つけないかぎり、在留資格を取り消され、強制退去だ。外国人労働者の権利保障など想定されていない。
 ここにあるのは、改悪入管法が労働法をも支配するという転倒した構図だ。新たな在留管理制度は、「秘密保全法」案や「海上保安庁法」改悪案などとともに改憲攻撃の一環としてあるのだ。
 いつ非正規滞在者に転落するかもしれない「中長期在留者」と、「見えない存在」として徹底的に日本社会から排除される「非正規滞在者」とはコインの裏表なのだ。
 3・11という大規模災害、巨大な破壊をも食いものにして生き延びようと日帝・野田政権は、ショック・ドクトリンで被災地を労働法規に縛られない「復興特区」とし、安価で使い捨てられる非正規職労働者を雇い入れようとしているのだ。このための「中長期在留者」だということだ。

 特別永住者にも

 歴史的存在である在日朝鮮人・中国人ら「特別永住者」にとっても「緩和」どころか許しがたい管理強化が狙われている。特別永住者には新たに「特別永住者証明書」が交付され、さらに「外国人住民票」が作成される。「特別永住者証明書」には「常時携帯義務」はないとはいえ、「提示義務」があり、「入管職員等から提示を求められた場合には、保管場所まで同行するなどして、提示することが必要になることがあります」(法務省入管局のホームページ)。しかも、「受領拒否」「提示拒否」「更新遅延」などには「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」が入管法違反の刑事罰として科せられる。紛失した場合などには14日以内に再交付しなければ、懲役または罰金なのだ。
 しかし、80年代の指紋押捺拒否闘争を頂点とする実力闘争で、在日朝鮮人・中国人たちは法の適用を許さない力関係を築いてきた。今回の「特別永住者証明書」への切り替えは、その地平を切り崩し、忠実に入管法に従うのか否か、新たな「踏み絵」を在日朝鮮人・中国人に強制する攻撃だ。戦後67年もたち、4世、5世になろうというのに植民地支配を継続するとは! 絶対に許せない。
 さらに一切の権利を奪われようとしている非正規滞在者、難民申請者、仮放免者たちにとっては、まさに生きるか死ぬかの大問題になっている。すでに昨年数回にわたって、難民申請者を含む仮放免者たちは「外国人の人権を認めろ!」「収容するな!」「仕事をさせろ!」「生きさせろ!」と叫んで東京入管局や法務省へのデモを闘いぬいた。この在日外国人の叫びは、高放射線量下で闘っている福島の労働者、農民、漁民の怒り、「子どもたちの未来を奪うな!」と闘う母親たちの怒りとつながるものだ。11月労働者集会に集まった労働者の共通の要求であり、世界中の「99%」の叫びだ。

 労働組合で団結し国際的共同闘争へ

 しかし、こんなやり方がいつまでも通用するはずがない。「99%」が黙っていない。もともと危機に陥っているのは支配階級の側だ。労働組合を破壊し、団結を奪おうとするのも、「99%」の力を恐れているからだ。この世界を動かしているのは労働者だ。労働者が団結すれば、どんな攻撃も打ち破ることができる。
 在留カード攻撃も、在日外国人と日本の労働者が団結すること、さらに外国人労働者が団結することに恐怖した予防弾圧だ。敵の狙いが団結破壊ならば、日本の労働者と在日外国人労働者が民族・国籍・国境を越えて団結して闘えば勝利することができる。
 具体的には階級的労働運動の力で闘って勝つということだ。各地の合同労組やユニオンで外国人組合員とともに闘いが始まっている。反原発闘争と国鉄決戦を闘い、動労千葉や関西地区生コン支部、港合同の闘い、外国人労組や多国籍労組の先駆的な闘いに学び、続こう。11月労働者集会を通じて広がった日韓米労働者の国際連帯をさらに強化し、団結を拡大することだ。
 闘って闘って勝つ! これが2012年の入管闘争だ。団結して闘い、在留カード制度を粉砕しよう! 4月入管闘争がその突破口だ。

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週刊『前進』(2527号6面4)(2012/03/12 )

 星野同志ビデオ国賠 “全証拠開示を”

 なぜ警察に預けたのか 

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 次回は4月24日(火)午後1時40分から。傍聴に集まろう。

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