ZENSHIN 2011/12/05(No2515 p08)
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週刊『前進』(2515号1面1)(2011/12/05 )
被災地・福島の労働者・農民・学生とともに
12・10-11反原発総行動へ
野田の原発輸出・再稼働許すな
JR大再編と闘う動労千葉につづき 外注化阻止・非正規職撤廃を
(写真 “星野さんを絶対に取り戻す!”の確信 11月27日、東京で「獄中37年を打ち破ろう! 星野全国集会」が600人の参加で熱気にあふれてかちとられた。「あと2、3年で出る」という星野文昭同志【徳島刑務所在監】の決意になんとしても応え、星野同志を早期に奪還し、再審を必ず実現することを誓い合った【墨田区錦糸町・すみだ産業会館】=記事8面)
11・6労働者集会の6千人結集の力を12・10−11反原発総行動へ、原発再稼働阻止、全原発停止・廃炉、「放射能に未来を奪われてたまるか!」の怒りの決起として継承・発展させよう。東京電力は11月30日、福島第一原発1号機で溶融した核燃料は、ほぼすべてが圧力容器を突き破って格納容器に漏れ出し、底のコンクリートを熱で分解しながら最大65a侵食したという解析結果を発表した。格納容器の外側の鋼鉄の板まで37aに迫っているという。何が「原発は安定」「年内に冷温停止(状態)」だ! フクシマの怒りと固く結び、原発輸出と再稼働に突き進む超反動の野田政権を絶対に打倒しよう。
放射能汚染と怒りの対決
日帝ブルジョアジーと野田政権は、福島県立医大の「放射線医療拠点化」なるものをうち出した。12月13日には同大学と日本経済新聞社で「福島モデルで挑む医産連携、世界に誇れる医療拠点を目指して」と称するシンポジウムを開催しようとしている。サブタイトルは「悲劇を奇跡に/福島県立医科大学の挑戦」だ。ふざけるのもいい加減にしろ!
福島医大の「放射線医療拠点化」とは、200万福島県民を放射能にさらし続けた上に、県民、特に被曝の影響を受けやすい36万人の子どもたちを、資本の金もうけの手段、被曝の研究・実験のモルモットにする、きわめて凶悪な犯罪計画だ。「復興ビジョン」を掲げて福島医大を放射線医療特区=「抗がん剤開発の人体実験の大拠点」にする攻撃だ。
3・11で未曽有の大災害を引き起こした下手人は日帝国家・資本家どもではないか。労働者人民に対するこの大犯罪行為を反省するどころか、史上最悪の原発事故を被曝実験としてとらえ、金もうけと核武装・原発政策続行のテコにしようとしているのだ。ここに大恐慌と3・11情勢のもとでの脱落帝国主義・日帝の腐りきった姿がある。
しかも放射能問題・被曝問題はいよいよ全労働者人民の死活的な問題になっている。福島を始め、放射能による健康の甚大なリスクに全人民が直面している。沖縄を含む45都道府県で飛散したセシウムが観測されている。とりわけ福島や首都圏・関東圏などの多くの子どもたちは、直ちに集団避難させなくてはならない高線量の放射能のただ中にいる。福島市内の渡利地区(6700世帯)などは、本当に待ったなしの状態である。
今回、福島第一原発の吉田所長が突然入院し退任した。病名も被曝線量も隠したままの異常事態だ。「もう駄目だ」と思った時が3回あったという吉田所長が大量被曝していることは想像に難くない。では爆発を起こした時に原発敷地内にいた多くの労働者と自衛隊員は、一体どうなっているのだ。
一切の情報を隠し、原発輸出と再稼働を推進し、核燃サイクルと核武装化政策をあくまで続けようとする日帝ブルジョアジーと野田政権を、労働者階級の団結と決起で絶対に打倒しよう。
大恐慌下でのストとデモ
大恐慌下の欧州金融恐慌は底なしに激化し、ユーロ崩壊とEUの解体・分裂は不可避となっている。イタリア、ギリシャを始めスペイン、ポルトガル、アイルランドの「PIIGS」と呼ばれた5カ国の政権がすべて倒れた。労働者階級は大失業攻撃に対決し歴史的なゼネストで闘っている。恐慌が大失業とゼネストを引き起こし、大失業とゼネストの波が恐慌をさらに激化させるプロセスだ。
イギリスではキャメロン政権が発表した年金制度改革案に抗議し、公務員200万人が11月30日、英全土でストライキに突入した。過去数十年で最大規模のストライキだ。同日、英全土の学校の4分の3は休校となり、病院は救急治療のみを受け付け、自治体機能は停止した。空港や港湾でも大きな影響が出た。
12月12日にはローカル21を先頭にILWU(国際港湾倉庫労組)が再びオークランド・ゼネストに決起する。そして世界大恐慌下の「99%」の決起が、ついにエジプト第2革命情勢を切り開いている。2月革命の成果を簒奪(さんだつ)してきた軍最高評議会による軍政を打倒するプロレタリア革命の開始である。その主役は2月革命を実現した労働者階級と青年たち(4月6日運動)だ。
中国の階級闘争もまったく新しい段階に入った。大恐慌下で中国の労働者と農民はスターリン主義体制と真っ向から激突し、権力・資本との闘いに立ち上がっている。韓国では、韓進(ハンジン)重工業闘争の勝利的前進を引き継ぎ、韓米FTA(自由貿易協定)批准阻止の実力闘争が爆発している。まさに大恐慌下で世界革命への炎が燃え上がっているのだ。
こうした中で、3・11情勢と対決する日本階級闘争は、世界革命の先端における激突である。脱落帝国主義の日帝・野田政権は、日本経団連と連合ダラ幹に支えられた超反動のボナパルティズム政権だ。それが推進するTPP(環太平洋経済連携協定)参加は、一方で対中対峙・対決と日米安保強化の戦争政策であり、他方で「復興特区」攻撃と一体の労働者への民営化・外注化・非正規化の階級戦争そのものである。それは同時に農業壊滅、医療崩壊の大攻撃に他ならない。
連合は、外国人労働者を流入させないとの条件を付けてTPPに賛成し、会長・古賀は労働者派遣法改定案から「製造業派遣」「登録型派遣」の原則禁止を削除する攻撃にも賛成している。労働法制を解体し、4・9政治和解=労働運動圧殺の反革命を推進する最先兵に、連合ダラ幹指導部がなっているのだ。
国鉄決戦先頭に全国で闘い進む
この中で国鉄闘争がいよいよ決戦を迎えている。12月攻防から2012年4月へ、JR大再編と激突し、勝利をかちとろう。JR大再編攻撃は、原発推進、TPP推進と一体の新自由主義攻撃そのものだが、まさに「分割・民営化25年問題」として敵の最大の破綻点でもある。これとの攻防が4月までの大決戦だ。
動労千葉は指名ストを闘い、基地再編粉砕・外注化阻止、組織拡大の決戦に突入して12・1外注化も完全に阻止した。動労水戸の決起は、労働者が反原発闘争の最前線に立つ闘いである。この動労千葉、動労水戸の闘いに続いて、動労総連合と国労共闘の労働者が職場闘争を全国で展開し、反原発闘争、偽装請負の告発、「雇い止め解雇」撤回・契約社員制度撤廃の闘いに決起していることは決定的なことである。
今こそ、外注化阻止=非正規職撤廃の闘いを全国の全産別で巻き起こそう。とりわけ東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の闘いは、解雇撤回と非正規職撤廃の闘いの本格的な爆発をかちとる決定的突破口だ。鈴コン分会に対する組合つぶしの攻撃は、新自由主義攻撃として今後さらにすべての非正規労働者にかけられようとしている。絶対に許すな! 全国から12・22集会に結集し、鈴コン分会の闘いを支援・防衛しよう。
さらに郵政非正規ユニオンの闘いを全国に広げるために「郵政非正規ユニオンを支える会」を組織し、郵政本体での職場闘争を組織して闘おう。
大阪での橋下・松井という「維新の会」のファシストどもの跳梁(ちょうりょう)に対し、自治体・教労を先頭に労働組合の団結と決起で大反撃しよう。
とりわけ仙台市職など被災地での労働運動攻防にかちぬき、全面的な飛躍を切り開こう。
さらにこの12月は、2012年の大決戦に向け、11・6集会の全面的な総括の上に立った組織拡大・機関紙拡大決戦、財政決戦の時である。
組織拡大と財政の大決戦
第一に、階級的労働運動とくに労働組合運動でもっと力をつけることだ。第2、第3の動労千葉を本当につくり出すことだ。第二に、そのために職場に労働者細胞をつくり、組合権力獲得、労働組合の拠点建設に全力で突入しよう。強固な産別委員会を建設し、それと一体で地区党建設、労働者党建設を推進しよう。第三に、職場闘争とマルクス主義の復権をかちとり、青年労働者の組織化とマル青労同建設に全力で取り組もう。
その上で12月の最大の決戦は、冬期一時金カンパ闘争である。
すべての同志、『前進』読者、支持者のみなさん。大恐慌をプロレタリア世界革命へ転化するために、革共同は労働組合での拠点建設を全力で闘います。動労千葉が切り開いた国際連帯闘争を世界革命に向けて徹底的に発展させます。そして被災地・福島の怒りと闘いに全力で結びつき、反原発闘争と福島医療施設建設を、多くの人びとと共に推し進めます。
革共同はそのための例年をはるかに超える圧倒的なカンパを心から訴えます。
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週刊『前進』(2515号1面2)(2011/12/05 )
2012年決戦の勝利へ革共同に絶大なカンパを
『前進』読者の皆さん。労働者、農民、学生の皆さん。革共同はこの冬、歴史的な大カンパ闘争に立ち上がっています。みなさんの力をぜひ貸して下さい。
11・6労働者総決起集会を経て私たちは全世界の労働者との揺るぎない路線的一致をかちとり、革命に向けた新たな出発点をつくることができました。
「反原発・反失業・国際連帯」「民営化・外注化阻止、非正規職撤廃」は、万国の労働者の共通の路線となりました。4大産別、非正規職、被災地から激動期のリーダーが続々と結集し、6千人の団結を力強くリードしました。
韓国のハンジン重工業で「整理解雇撤回」を求めて309日間の高空籠城(ろうじょう)を闘った民主労総のキムジンスクさんが笑顔で地上に降り立ちました。彼女の不屈の闘いは「希望バス」を生み、全労働者に深い感動と希望を与えました。「団結さえ崩さなければ、展望はいくらでも開ける」という動労千葉労働運動の教訓が、全世界労働者に共通の真実であることが示されたのです。
資本家どもは心底から震え上がっています。「99%」の労働者の反乱は世界中に広がり、「オキュパイ=占拠」が合言葉になっています。革命が日程に上っているのです。
大恐慌は国家財政の破綻段階に入りました。帝国主義の一角であるイタリアは国家破綻状態です。それはEU崩壊へと連動するものであり、まさに革命的情勢そのものです。
大震災、原発事故で帝国主義間争闘戦から脱落した日帝は、自らの死に脅え、資本の凶暴な本性をむき出しにしています。「復興特区」やTPP(環太平洋経済連携協定)参加で資本家を縛る規制を取り払い、労働者階級からの一層の搾取・収奪を狙い、福島県民を被曝にさらして「医療特区」による金もうけをたくらんでいます。
日帝は労働者の反乱を死ぬほど恐れ、非正規職撤廃の闘いを最先頭で闘う東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の組合員に対して組合つぶしの解雇攻撃をかけてきました。正当なストライキ、ビラまきなどの組合活動を「会社の信用を傷つけた」と言って労働者の首を切る資本の凶暴性は、まさに支配階級の末期症状です。
11・6労働者集会を通じて世界中の労働者階級が、ひとつにつながっていることがはっきりしました。次に必要なことは、この闘いを形にして組織的な団結に絞り上げることです。福島での医療施設建設を先頭に命と生活と団結を守るあらゆる拠点をつくり上げましょう。
獄中37年の無実の星野文昭同志の再審闘争は、新証拠を武器に、さらには世界中の労働者との団結を固めて大きく前進しています。あと「2〜3年で出る」と言う星野さんの訴えに、なんとしても全力で応えようではありませんか。
世界を変える闘いが日本を先頭にして始まりました。革命の時代に真っ向から対応した闘争資金が圧倒的に必要です。巨大な規模で労働者階級人民は革命を求めています。カンパの拠出から革命への決起が始まると言っても過言ではありません。
2012年決戦の勝利へ、絶大なカンパの集中を心から訴えます。
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週刊『前進』(2515号1面3)(2011/12/05 )
12・11 各地の主な行動
■東京
がんばろう!さようなら原発1000万人署名
12・10集会
東京・日比谷野外音楽堂
12月10日(土)オープニングコンサート午後1時15分〜、1時30分開会
※40分程度の集会後にデモ(日比谷公園→東電本社前→銀座→東京駅→常盤公園)
主催/さようなら原発1000万人アクション実行委員会
■宮城 すべての原発いますぐなくそう!全国会議みやぎ結成集会 佐藤幸子さんの講演/午後2時/仙台弁護士会館
■福島 午前10時〜12時半・生活村/福島テルサ /午後1時サウンドデモとサイレントデモ(選べる2コース)/主催・子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
■埼玉 反原発アクションin埼玉 医師・肥田舜太郎さんの講演会/午後1時30分集会、4時デモ/さいたま市ときわ会館/主催・埼玉反原発アクション
■千葉 ふなばしデモ/午後3時/天沼弁天池公園(船橋駅北口近く)/主催・原発なくせ!ちばアクション実行委員会
■広島 知ろう!語ろう!つながろう!トーク&アクション 子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの長谷川祐子さん、ヒロシマの医師の室本哲男さん/午後1時集会、3時30分デモ/広島平和記念資料館会議室/主催・すべての原発いますぐなくそう!全国会議ヒロシマ(準)
■沖縄 琉球大学名誉教授・矢ケ崎克馬さんの講演会/午後3時/那覇市牧志駅前ほしぞら公民館/主催・福島とつながる沖縄デモ実行委員会
■その他 札幌市、横浜市、宇都宮市、群馬県桐生市、長野市、富山市、岐阜市(10日)、名古屋市、三重県四日市市、大阪市など関西各地、福岡市などで街頭宣伝やデモが行われます。
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週刊『前進』(2515号1面4)(2011/12/05 )
前進速報版から
▼関西生コン支部への反動判決弾劾▼独ゴアレーベンの核廃棄物搬入阻止闘争▼ポルトガルでゼネスト▼サンフランシスコで星野闘争▼動画・動労千葉の訪韓闘争
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週刊『前進』(2515号2面3)(2011/12/05 )
12・22鈴コン闘争総決起集会へ
資本の組合つぶし絶対許さず解雇撤回までとことん闘おう
12月22日、北区赤羽会館大ホールで開催される「12・22鈴コン闘争勝利!総決起集会」(要項別掲)に全国から総決起することを訴える。鈴木コンクリート工業資本は、一般合同労働組合東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会(以下鈴コン分会)に対して解雇予告通告を乱発し、組合壊滅攻撃をかけてきた。革共同合同・一般労組委員会は、鈴コン分会に対するこの攻撃を絶対に許さない。総力を挙げて、必ずや解雇撤回をかちとり鈴コン分会を守り抜く。
(写真 鈴木コンクリート工業の工場門前で10月20日、抗議闘争を闘う鈴コン分会と支援【写真は合同一般労組全国協HPより】)
団結破壊狙う「3カ月契約」
鈴コンの闘いは2千万非正規雇用労働者の総反乱を切り開き、資本主義を根底から転覆する闘いの基軸だ。12・22総決起集会を、韓国・韓進(ハンジン)重工業のキムジンスクさんの309日間の闘いを支えた「希望バス」のような闘いにしよう。雇い止め解雇を許すな。3カ月・6カ月・1年という小間切れの有期労働契約そのものを粉砕しよう。派遣法撤廃、非正規雇用労働撤廃! 有期労働契約を廃絶し、すべての労働者を無期労働契約で雇用せよ!
鈴木コンクリート工業株式会社は1952年に設立され、東京都豊島区に本社を置き、板橋区舟渡に工場を持つ。建築現場で使用する生コンクリートの製造・販売・運送などを事業内容とする資本である。労働者の数は20〜30人ほどだ。
他方、1985年に設立され現在20数人の労働者が働く「有限会社東豊商事」が労働委員会・裁判の直接の被申立人・債務者である。
労働者の数があいまいなのは、鈴木コンクリート工業と東豊商事の労働者が厳密に区分できないからだ。鈴コンの社員は管理職と生コン試験担当、東豊商事の労働者は運転手だけであるが、21年前に社員と契約社員の運転手に分断された。東豊商事は82年に総評運輸一般東京生コンの労働組合が警察権力の弾圧によってつぶされた後、運転手に労働組合をつくらせないための予防措置としてつくられたダミー会社である。ほとんどの労働者を3カ月雇用の非正規労働者に置き換えたのはそのためだ。
両者は同一の所在地にあり、本年10月6日に死亡した鈴木コンクリート工業株式会社の代表取締役と、有限会社東豊商事の取締役社長・鈴木富美子は夫婦である。3カ月の「臨時労働契約書」を取り交わして資本の都合のいいように使い捨てにする構造は、国鉄分割・民営化、外注化・非正規化と同一のものであり、新自由主義を露骨に体現してきた資本が鈴木コンクリート工業=東豊商事なのである。鈴コン分会の闘いの歴史の中に、国鉄分割・民営化と闘い抜いてきた動労千葉労働運動と同質の闘いがある。日本の非正規雇用労働者の置かれている現実のすべてがあり、鈴木資本との闘いの中に新自由主義攻撃と闘う非正規雇用労働者の闘いの最高の団結形態がある。
鈴コン分会は、2009年7月5日に東豊商事と3カ月の臨時労働契約を結ぶ労働者10人で結成された。資本による組合の分裂攻撃をはね返し、現在6人の組合員が分会の団結を守り、闘い抜いている。
6人の組合員のうちの4人が解雇通告を受けた。鈴コン分会の決起と闘いは、非正規雇用の労働者が自ら団結して立ち上がった非正規職撤廃、外注化を許さない闘いの象徴であり、すべての非正規雇用労働者の怒りと闘いの道筋をさし示している。鈴コン分会の団結の質と明るさはかけがいのないものだ。
“労働者は奴隷じゃない!”
分会結成から1年、昨年の第2回大会で分会長は次のように述べた。
「鈴木コンクリート工業の会社の実態は、日本の非正規雇用の悪の実態そのものです。独裁社長・鈴木富美子の支配のもと3カ月雇用契約を続け、労働条件は劣悪で賃下げを強行しようとする。モノを言う労働者には徹底的ないじめをやり、3カ月雇用契約をタテに『いつでも首を切るぞ』と脅しをかける。労働組合結成にいたる思いと決意は、こうした背景の中にありました。労働者は奴隷じゃない。労働者は必ず決起し、団結した労働者の力、労働組合は、独裁者・鈴木富美子経営を絶対許さない。長年の怒りの蓄積を胸に今もって闘っています。鈴コン分会結成から1年が経ち、3カ月雇用契約の度の1日休みの廃絶、会社都合の休業補償を過去にさかのぼって出させました」
東豊商事の3カ月の契約社員は、3カ月の契約期間の後「契約休み」という丸1日労働契約がなされない日をはさんで、翌々日からまた再契約されるという信じがたい有期労働契約を強いられてきた。アルバイトには有給休暇はなかった。
今回、雇い止め解雇通告を受けた労働者の勤続年数は長い人で22年だ。この労働者は最初、鈴木コンクリート工業に入社し、雇用期限の定めのない労働者だったが「形だけのことで心配はいらない」から東豊商事に転籍してくれと言われ、02年に東方商事に移籍。3カ月の有期契約労働者にされ、この年から40回の契約を更新してきた。分会長の雇用年限は一番短いが、それでも5年2カ月であり21回の契約更新をしてきた。西部ユニオン執行委員長・同分会書記長は8年7カ月、33回の契約更新を重ねてきた。
今回の解雇攻撃は「臨時労働契約終了予告通知書」なるものによってなされた。通常解雇でも懲戒解雇でもなく、臨時労働契約が終了したため「次回の再契約はいたしません」という形をとった解雇である。
ここに有期労働契約における雇い止め解雇の本質が露わになっていると同時に、鈴木資本の最大の弱点がある。20〜40回も契約更新を繰り返してきた実態として雇用期限の定めのない労働者を、こんな形で雇い止め解雇することなどできないことは数多くの裁判の判例が示しているところだ。
今回の「臨時労働契約終了予告通知書」には「就業規則○○条○○号違反」などと就業規則の条項が羅列され「本来懲戒処分とすべきところではありますが、永年の功労を以って情状酌量し、懲戒処分を留保」すると記されている。このように労働者をなめきった言葉で解雇することなど絶対に許してはならない。くだくだと書かれた就業規則違反とは「会社の名誉を損ない」とか「会社の信用を傷つける宣伝扇動、反抗的な行為」というようなものだ。それが具体的に何を指すのかは一言も書いてはいない。書けないのだ。書いた途端に資本の大うそが明らかになるからだ。
「非正規職撤廃」の成否かけ
今回の雇い止め解雇予告の直接的な発端となったのは、9月27日のストライキと10月20日の浮間舟渡駅前街宣である。
09年11月に解雇され、解雇撤回闘争を闘い抜いてきた田口守組合員が本年8月に急性脳梗塞で倒れ、死亡したことに対して、鈴木資本は「逝去が弊社における対応と全く関係がない」として、田口さんの遺族と分会が解雇撤回の要求を継続していることについて団体交渉を拒否してきた。さらに、皆勤・精勤手当8000円の一方的カットを通告してきた。9・27ストは、それに対する抗議と撤回を求めてのものだ。
鈴木資本は「同ストライキに正当性がなく」とか「もしストライキを行う場合にはしかるべき措置を行うことを回答している」という労働者の団体行動権そのものを否定する文書をもって、ストに対し3〜7日の「出勤停止処分」攻撃をかけてきた。日給月給の日当1万円の労働者にとって1週間の出勤停止は7万円の賃金カットとなる。街宣での組合員のアピールは鈴木資本のありのままの現実を暴露したにすぎない。田口組合員の死は、解雇されアルバイトをしながら解雇撤回闘争を闘い抜いてきたゆえのことであり、鈴木資本の解雇攻撃が田口組合員の死と無関係ではない。
鈴木コンクリート工業資本は、昼休み休憩を日常的に奪い、ミキサー車への過積載の強要などは日常茶飯事だ。これは労基法違反、道交法・車両法違反である。先日起きた人身事故では、責任の一切を運転手になすりつけ、ついには辞めさせてしまった。「3カ月ごとの健康診断」など名ばかりで、実態は「10年間に1回だけ」というものだ。こういう真実を暴露したから就業規則違反・解雇だというのである。
社長は「そんなに会社が嫌で文句があるのであれば、いつ辞めてもいいのよ」「男のくせして残業代とか言って、いくら欲しいの。細かいことばかり言っているんじゃないわよ」と恫喝をかけ労働者を辞めさせてきた。田口さんへの解雇攻撃は「会社に盾をついたらこうなるのよ」というみせしめ弾圧だった。鈴コン分会の団結の要は「仲間が目の前で解雇になるのに見て見ぬふりする労働者が、会社、社長と闘えますか。解雇撤回を闘えないで労働組合と言えますか。一人の仲間も見捨てない」という労働組合の原則を貫いたものだ。
新自由主義との最先端攻防
今回の鈴コン分会への解雇攻撃の本質は、労働組合壊滅を狙う労働者階級全体にかけられた新自由主義攻撃そのものだ。亡くなった田口さんを含めて解雇者は5人に上り、組合員を全員解雇しようとする組合絶滅攻撃である。この鈴木コンクリート工業のあり方に新自由主義攻撃の典型的姿が示されている。そして、鈴コン分会の闘いこそ、非正規職化攻撃と激突する今日の階級闘争を牽引(けんいん)する決定的位置を持っている。郵政非正規ユニオンの雇い止め解雇撤回闘争と鈴コン分会の闘いは、非正規職撤廃闘争の最先端的役割を果たしている。
鈴コン分会にかけられた連続する雇い止め解雇との闘いは、単に鈴木という一資本との闘いではない。新自由主義を掲げた階級攻撃、今日の階級攻防の最先端に位置する闘いである。非正規職撤廃闘争の成否をかけた階級決戦だ。不当な雇い止め解雇を撤回させるために総決起しよう!
鈴コン分会はビラで訴えている。「解雇は死刑宣告だが、分会は何度も生き返って、明るく、したたかに、職場に残る組合員や労働者と団結して、信じて闘い続けている。絶対勝てる! 国鉄闘争を先頭で闘う動労千葉・動労水戸の闘いと西部ユニオン鈴コン分会、郵政非正規ユニオンの闘いは二つにして一つだ。12・22にさらなる大結集を訴えます!」
〔革共同合同・一般労組委員会〕
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【集会要項】
解雇撤回・非正規職撤廃
12・22鈴コン闘争勝利! 総決起集会
と き 12月22日(木)午後7時開会
ところ 東京・北区赤羽会館大ホール
主 催 12・22集会実行委員会
呼びかけ 合同・一般労働組合全国協議会/一般合同労働組合東京西部ユニオン/西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会
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週刊『前進』(2515号3面2)(2011/12/05 )
橋下・松井の反革命体制を労働運動の力で打倒しよう
大阪ダブル選 労働者階級の回答は何か
11月27日の大阪市長・府知事ダブル選挙の結果、前知事の橋下徹が市長に、前府議の松井一郎が府知事に就任した。いよいよ労働運動の出番だ。労働運動がすべての人民の未来を決める決定的役割を果たす時が来た。橋下・松井体制の登場は、プロレタリア革命によってのみ労働者人民の解放があり、その絶好機が到来していることを示している。11・6労働者総決起集会(日比谷野音)への大結集は、その進撃が全国・全世界で結合して始まっていること、連合支配を打倒し労働組合をよみがえらせる闘いに一切の展望があることを鮮明にさせた。新自由主義を打ち破るエジプト、ギリシャ、アメリカを始めとした全世界の労働者の闘いに続こう。
本質は危機的で極めて脆弱
橋下・松井体制とは何か。大恐慌・大震災下の日本の資本家階級のきわめて凶暴な先兵であり、その本質は危機に満ちた脆弱(ぜいじゃく)きわまりないものだ。労働者階級が絶対反対で団結すれば、必ず打ち勝てる。
「大阪都構想」は、公務員全員解雇・非正規職化を狙う道州制の焼き直しであり、橋下が知事時代に結局はやりきれなかったものだ。しかし、3・11大震災を渡りに船として政府・資本家どもは、被災地への「復興特区」、TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加をもって道州制・民営化攻撃を全面的に開始した。これは、大恐慌にのたうつ日本資本主義の生き残りをかけた大攻撃だ。橋下の「大阪都構想」とダブル選挙は、こうした日帝ブルジョアジーの絶望的な突撃にさおさし、一体化することで橋下自身の生き残りをもかけた策動である。
橋下・松井体制が掲げているのは、日帝ブルジョアジーが危機にのたうちながら労働者を餌食にして生き延びるための新自由主義政策そのものだ。それは全世界で破綻している。
日本でも被災地の労働者、農民、漁民を始めすべての人民が、明日生きるために団結して資本・政府と闘い、自ら時代を切り開いている。怒りと団結があれば、新自由主義を打ち破れるのだ。
首切りの平松応援した連合
選挙結果に対する労働者階級の回答は何か。労働組合を連合・全労連幹部から奪い返し、労働者階級の武器としてよみがえらせることだ。
連合は選挙戦で、市長選では平松(前市長)、府知事選では倉田(前池田市長)の支持運動に組合員を動員した。狙いははっきりしている。政府・日本経団連の進める首切り・賃下げ・非正規職化への怒りをゆがめ、封じ込めるためだ。
そもそも平松・倉田は何と主張していたのか。「リストラをやって金ができたから学校の授業も充実した」(府下自治労単組での倉田のあいさつ)。「橋下みたいなやり方をしなくても、自分は市職員をすでに5千人削減した」(マスコミの平松へのインタビュー)など。橋下も平松も「大阪を変える」と言ったが、中身はどちらも首切りと賃下げ・非正規職化だ。こんな選挙にどうして労働者が協力させられなくてはならないのか。
それだけではない。連合傘下の自治労単組幹部は、「いい民営化もある。首切りと言うが、そんな事実はどこにあるのか」と組合員を脅して回っている。これが平松支持運動の正体だ。民営化・首切り・非正規職化の手先となり、自分たちだけが生き残ればいいという連中だ。こういう腐った体制内幹部を追放し、労働組合を労働者の手に奪い返そう。
国鉄大運動で職場に団結を
労働運動をよみがえらせるには、何が必要か。国鉄闘争を水路に闘う労働運動の路線を鮮明にし、職場から労働者を組織することだ。すべての職場に国鉄闘争全国運動、動労千葉を支援する会をつくって労働組合をよみがえらせよう。
国鉄1047名解雇撤回闘争では、昨年の4・9和解(解雇撤回を取り下げ、不当労働行為を二度と争わないと誓約)をのりこえ、4人の国労組合員と動労千葉が闘いを継続している。動労千葉と動労水戸は労組解体の外注化・非正規職化に対してストライキで闘い勝利し続けている。ここに労働運動の希望がある。
「教育・職員2条例」絶対反対、道州制・民営化・非正規職化絶対反対を国鉄闘争のように闘おう。動労千葉は、1980年代の国鉄分割・民営化攻撃に対して、2波のストライキを含む大闘争で団結を守りぬき、全国の労働者の奮起を呼び起こし、1047名解雇撤回闘争を生み出した。
労働組合が腹を固めて団結すれば、国家総がかりの攻撃も打ち破れる。団結を崩されさえしなければ勝利できるのだ。日本労働運動を塗り替える新たな闘いが国鉄闘争全国運動だ。動労千葉、国労闘争団、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部などが呼びかけるこの運動に自分たちの組合を合流させよう。組合活動家は総結集して闘おう。
労働運動が社会と歴史を変える時がついにやって来た。労働運動にはその力がある。資本・当局、連合・全労連幹部の弾圧・妨害をはねのけて、すべての職場を階級的労働運動の砦(とりで)につくりかえよう。
すべての労組活動家は革共同、マルクス主義青年労働者同盟に結集して闘おう。
(関西地方委員会・黒沢肇)
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週刊『前進』(2515号3面4)(2011/12/05 )
“共謀罪新設阻止する”
100人が参加しシンポジウム
港合同・関生・動労千葉が発言
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■当面の方針
12月10日(土) 有楽町情宣(10時30分〜12時)「旧マリオン」前
来年1月 通常国会開会日行動(8時30分〜午後1時) 12時に昼集会
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週刊『前進』(2515号4面2)(2011/12/05 )
国際労働運動 1月号
労働者殺しのTPP
TPP(環太平洋経済連携協定)とは、世界大恐慌がもたらす没落帝国主義の危機を、米帝が対中対峙・対決を軸に日帝を引きずり込んでアジア太平洋を勢力圏化し、戦争の手段に訴えてでも延命しようとするものだ。日帝は、TPPに積極的に参加して日米安保を強化し、新自由主義攻撃を労働者農民人民により一層全面化させようとしている。こうしたTPPに対して全世界で、日本で人民の総反乱が起きている。
第1章は、米帝オバマのAPEC(アジア太平洋経済協力)を皮切りとする一連の国際会議で打ち出された狙いを暴いている。
第2章は、TPPが労働者階級に加える攻撃とそれとの闘いの死活性を述べている。TPPにはNAFTA(北米自由貿易協定)に盛り込まれたISD(投資家対国家の紛争処理)条項が含まれることは必至である。これは加盟各国政府よりも米大資本家の利益を優先させる条項だ。加盟国では労働関係法を改悪する事態が起きている。民営化・外注化・非正規職化の新自由主義攻撃が激化する。
第3章は、国際連帯でTPPを阻止する核心として階級的労働運動の発展を呼びかけている。日本の動労千葉、動労水戸の闘いはその最先端の闘いだ。
資料としてTPPに関する経団連と連合の見解を載せた。
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週刊『前進』(2515号7面2)(2011/12/05 )
成田・第3誘導路裁判 空港の欠陥・違法暴く
“国・NAAは工事中止せよ”
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【三里塚裁判傍聴を!】
◎市東さん農地裁判
12月6日(火)午前10時半 千葉地裁
傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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