ZENSHIN 2011/09/19(No2504 p06)
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週刊『前進』(2504号1面1)(2011/09/19 )
原発推進・大増税の野田・民主党政権を倒せ
反原発・反失業!怒りを11月へ
JRの偽装請負を徹底弾劾し外注化阻止・非正規職撤廃へ
ストライキ復権し労組再生を
9・11―19反原発全国一斉行動は、全国約百カ所で10万人が立ち上がっている。反原発闘争は、完全に新たな段階に突入した。地の底からわき上がる原発への怒りを職場に持ち込み、闘う労働組合をよみがえらせれば、原発は絶対に止められる。すでに全国の原発54基のうち8割が停止している。青年労働者の闘いが決定的だ。10・9三里塚現地闘争から、すべての力を一つにして、「反原発・反失業11・6日比谷大集会」に集まり、原発を止めよう!
(写真 「原発いらない!」「今必要なのは若者の力だ!」「不当逮捕を許さないぞ!」――1万人の怒りが渦巻いた9・11新宿デモ【前号既報】。NAZENと全学連の奮闘が光った)
反原発デモが全国を席巻
労働者を踏みにじる新自由主義攻撃の原点は、1980年代の国鉄分割・民営化だ。この攻撃と真っ向から闘ってきた動労水戸は16日、JR東日本による不当労働行為を糾弾しストライキに決起した。そして動労千葉は、10月1日実施予定の京葉車両センターの外注化攻撃に対してストライキを構えて闘っている。この闘いと連帯し、今秋闘争を闘おう。
3・11大震災と原発事故から半年後の9月11日、全国で3万人が反原発デモを闘った。東京では1万人を超える大デモが新宿を一周し、新宿を青年・学生の反原発の街に塗り替えた。このデモの先頭に、前日の大会で新執行体制を確立した全学連が立った。
原発は地上に置かれた原爆だ。いや、「福島原発事故で放出された放射性セシウムは広島原爆の168個分」と言われているように、とてつもなく反人民的なものだ。
ところが野田政権は、「放射能は安全。文句があるなら出て行け」「国家の言うことにさからうのは非国民だ」というキャンペーンを張っている。日帝・野田政権はいまや、デマと暴力で人民に対応するしかないところまで追いつめられているのだ。
実際に日帝は10、11日、日本財団(笹川陽平会長)の主催で「放射線と健康リスク」なる「国際会議」を福島医大で行った。世界14カ国・2機関の御用学者を集め、「福島県民の被曝リスクは低い」と大宣伝する攻撃に出たのだ。それを迎え撃って11日には北海道から沖縄まで、デモが日本列島を席巻した。
ロシア革命やエジプト革命がそうであったように、「デモとストライキ」はプロレタリア革命の原則的な闘いだ。9・11−19闘争の大高揚は、60年−70年闘争をも超える、壮大な闘いの始まりだ。
ストライキが世界を変える
かつて日本の労働者は発電所のストライキ(電産スト)で、GHQ(占領軍司令部)や皇居の電気も止めた。原発を止めるのは、まずは法律でも議会でもない。現場の原発(電力)労働者のストライキを軸とした闘いだ。この実現のために、職場から立ち上がろう。
8月29日、福島第一原発の浄化処理施設でのわずか1時間半の作業で23_シーベルトを超える被曝があったと発表された。このように、原発は被曝労働と労働者の使い捨てを前提とすることでしか成り立たない。
外注化・非正規職・偽装請負が原発の実態だ。これは労働組合の御用組合化で可能になった。1985年の労働者派遣法(13業務に限定)以来の労働法制の大改悪は、国鉄の分割・民営化(85年の国鉄改革法)と一体である。その先兵になったのが、JR東日本会社と、連合結成に走った体制内労働組合だ。
さらに今、国労本部が7月全国大会で規約改悪までして「解雇された者は組合員ではない」とした。それは国労闘争団を切り捨て、さらにグリーンスタッフなどの青年労働者の解雇をやりやすくするためだ。労働組合が首切りと闘わないどころか、首切りに率先協力するということだ。
だが、百万人の国鉄闘争支援陣形を構築した日本の労働者階級は、職場での反乱を開始している。郵政非正規ユニオンの決起はその最先頭に立っている。グリーンスタッフや平成採青年労働者の大流動化はJR大再編情勢を揺さぶっている。「京葉車両センター構内入替業務外注化は100%偽装請負だ!」を掲げる9月21日の動労千葉ストライキ突入総決起集会はその号砲となるだろう。
被曝を強制され、8層ものすさまじい搾取に一番怒っているのは原発(電力)労働者だ。この怒りと結び、原発再稼働を阻止しよう。
大恐慌で深まる日帝危機
大恐慌が欧州恐慌に拡大した。ドル暴落、米国債紙くず化と、世界経済の破滅に向かう暴走局面に入った。20日からのFOMC(連邦公開市場委員会)がさらに危機を促進する。
この帝国主義世界体制の最弱の環が日帝であり、福島原発事故が日帝の絶望的危機を一層加速している。13日、国会開会で行われた野田の所信表明演説は、初めから「危機の中で公に尽くす覚悟」を押しつけ、「原発については……再稼働を進めます」とした。
さらに野田は、「新成長戦略の加速」「郵政改革関連法案の早期成立」「国家公務員制度改革関連法案の早期成立」「日米同盟は公共財」「TPP(環太平洋経済連携協定)は早期に結論」と述べた。その強行のために「私が主宰する新たな会議体を創設する」と、菅政権以上に反動的な政権をめざすことを宣言している。だが、これこそ危機にのたうつ日帝・野田政権の悲鳴だ。
原発は資本主義の生き残り=新自由主義の核心をなすものとして推進されてきた。だがそれで、資本主義は発展することができたのか?
日本において新自由主義への転機をなした1995年の日経連のプロジェクト報告「新時代の日本的経営」が出された翌年には、雇用人口4776万人(うち非正規雇用971万人)でGDPは505兆円だった。これ以降、非正規職化と賃下げが拡大し、定年後の就労や夫婦共働きが広がった。2010年、雇用人口は5511万人になったが、GDPは479兆円に縮小した。
しかも、8月29日に出された厚労省の発表では、非正規雇用率は38・7%だ。非正規労働者が2千万人を超える恐るべき事態だ。9月14日には、「有期契約労働者の74%が年収200万円以下」と発表された。もはや年金・医療・教育も崩壊寸前だ。
多くの労働者が定年後も死ぬまで働かされ、そして家族全員が働かなければ生活できない。しかも働く場もないほどに経済規模が縮小している。だから資本家は労働者をこれほど安くこき使っても、なお利益も出せない。まさに「終わりの終わり」の資本主義だ。
職場闘争で団結つくろう
もうこんな社会は終わりにしよう。この5年間で首相が6人代わった。原発事故を起こし収束できない政府、被災地を踏みにじり切り捨てることしかやれない政府・閣僚、労働者をこき使うだけの社長によって社会が動いているわけではない。労働者・学生・農漁民・市民こそが社会を動かしているのだ。
6日、イタリアで欧州ゼネストの先陣が切られた。人口775万人のイスラエルで60万人規模のデモが続き、南米チリでこの3カ月間、ストとデモが続発している。
世界中で「革命をやろう」の声があふれている。野田政権の福島圧殺攻撃をはね返して、福島の闘いと連帯して決起しよう。全国農漁民の怒りとともに、10・9三里塚全国集会に結集しよう。
沖縄の辺野古新基地建設阻止、教科書攻防に勝利しよう。
来春までの半年間は、すべての原発を止める歴史的決戦になろうとしている。ここに勝利する力の源泉は、労農学市民の怒りの自己解放的決起であり、職場における資本との闘いの実践と、職場の仲間の組織化、そのすべてをもってする拠点職場の建設だ。
11月6日、東京・日比谷野外音楽堂で動労千葉と関西地区生コン支部、港合同の3労組と国鉄闘争全国運動が呼びかける全国労働者総決起集会が開かれる。「反原発・反失業の国際統一行動を! 国鉄1047名解雇撤回! 非正規職撤廃!」を掲げたこの集会に結集しよう。世界の労働者の団結した力で世界を変えよう!
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週刊『前進』(2504号1面4)(2011/09/19 )
【集会要項】10・9三里塚全国総決起集会
第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう! フクシマ連帯・原発再稼働許すな! TPP(環太平洋経済連携協定)反対! 軍事空港粉砕・改憲阻止!
10・9三里塚全国総決起集会
10月9日(日)正午 成田市東峰・反対同盟員所有地
主催 三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2504号1面6)(2011/09/19 )
前進速報版から
▼福島で国際専門家会議に抗議行動▼高崎で市東孝雄さん、坂本進一郎さんを迎えて討論会▼9・11反原発新宿1万人デモ@movie
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週刊『前進』(2504号2面1)(2011/09/19 )
動労千葉 “ストで外注化を止める”
10月1日実施阻止へ総力決起
動労千葉は、JR東日本が10月1日実施を狙う京葉車両センターでの構内運転業務一部外注化の阻止に向けて、激しい組織攻防戦を闘い抜き、JR経営陣をギリギリまで追い詰めている。
「JRの偽装請負を告発する8・30大集会」でJR東日本が行っている大規模な偽装請負を暴露したことに続き、9月14日には外注化差し止め訴訟を東京地裁に提訴した(記事別掲)。外注化実施のための教育訓練が開始された場合は、ただちにストライキに立ち上がる万全の闘争態勢を確立している。
職場闘争でJR資本追い詰める
何よりもJR東日本を追い詰めているのは職場での闘いだ。6月の外注化の提案以降、京葉車両センター門前で早朝ビラまき・情宣活動が連続的に闘われてきた。青年組合員の渾身(こんしん)の訴えは、仲間の心をつかんで離さない素晴らしいものだ。この中で組織拡大の展望が力強く切り開かれている。
追い詰められたJR千葉支社は、千葉鉄道サービス(以下、CTS)に出向して働いているエルダー社員に対して、本人が希望した職場への配属を拒否した上で「希望する職場で働きたかったらハンドル業務を希望しろ」、つまり“構内運転業務外注化に協力しろ”と強要する卑劣なやり方で外注化要員を確保しようとした。動労千葉は、他労組の仲間に対しても「外注業務を請けないでくれ。外注化への協力を拒否し職場を守ろう」と訴え、ほとんどの労働者が会社への協力を拒否した。手を上げたのは、ごく少数のカクマル分子らだけだ。
CTSでの車両清掃業務は肉体的には相当きつい仕事だ。CTSで勤務を始めた労働者はみんな5`も6`もやせるほどだという。それでも多くの仲間が、構内運転業務を拒否し外注化への協力を拒んだこと自体がすごい決起だ。動労千葉が闘ってきた10年にわたる身を切るような外注化阻止闘争が、他労組も含めて職場の仲間を圧倒的に獲得しているのだ。
「技術はない」と偽装請負を自認
8月19日に行われた動労千葉とCTSとの団交では、CTS側が「構内入換業務の経験や技術は今の段階では持っていない」という重大な回答を行っている。この一点だけでも業務委託は絶対にできない。しかしCTSは「他支社においても同じような状況で業務委託したから千葉でもできる」と強弁している。本末転倒もはなはだしい。“千葉でもできる”ではなく、JR東日本が全社で行っている違法行為=偽装請負の現実をこそ改め、ただちにJRの直営に戻すべきなのだ。
動労千葉の闘いは外注化を阻み自らの職場を守ると同時に、製造業を始め全社会ではびこる偽装請負の現実を真正面から告発し非正規職の撤廃をめざす闘いだ。会社の攻撃に対して困難を恐れず立ち向かうならば、どんな職場でも必ず展望は開けることを動労千葉の闘いは示している。
ストライキを構えて闘う動労千葉と連帯し、構内運転業務外注化10月1日実施を阻止しよう。あらゆる職場から闘いを巻き起こし、闘う労働運動を復権しよう。
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週刊『前進』(2504号2面2)(2011/09/19 )
外注化と配転やめよ
差し止めの仮処分申し立て
動労千葉は9月14日、JR東日本を相手どり、京葉車両センターでの構内運転業務の一部外注化と、それに伴う動労千葉組合員の強制配転の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
申し立ての後、厚生労働省内で記者会見を行った。動労千葉からは田中康宏委員長、川崎昌浩執行委員、関道利執行委員が出席した。
会見の冒頭、代理人弁護士を代表して石田亮弁護士、花澤俊之弁護士が申し立ての趣旨を説明するとともに、今回の業務委託がなぜ偽装請負にあたるのかについて解説した。
さらに田中康宏委員長が、2001年以降のJR東日本における業務外注化の推移を明らかにした上で、「私たちは千葉で10年にわたって外注化を止めてきたが、千葉だけでなく全JR職場の外注化の実態を社会問題化し、本気でこれをひっくり返す決断をしたことから、今回の申し立てに踏み切った」「多くの労働組合がこうした外注化攻撃と闘わないばかりか、これに率先協力してきた。その結果、社会全体で雇用が破壊され、年金や社会保障制度、教育も含めて全面的に破壊されてきた。こうした労働組合のあり方も含めて問題にしていきたい」と裁判に臨む基本姿勢を示した。
また、動労千葉に続いて動労水戸、動労連帯高崎も厚生労働大臣に対して「偽装請負に関する申告」を行ったことも報告した。
出席した記者からは「JR東日本が考えている最終的な業務外注化の規模は?」「子会社の社員と直営のJR社員は同じ職場で仕事をするのか?」などの質問が出された。「過去に労働基準監督署からの是正勧告などが行われたことはあるのか?」という質問には、田中委員長が「おそらくないはずだ。今回、私たちが初めてJRにおける偽装請負を正面から問題にしたからだ」と答えた。
会見終了後も記者から組合員や代理人への質問が続いた。
(写真 差し止め訴訟の提訴後、記者会見を行う動労千葉と代理人【9月14日 厚生労働省記者クラブ】)
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週刊『前進』(2504号4面1)(2011/09/19 )
全学連全国大会 斎藤委員長−坂野書記長の新体制を確立
“学生の決起が歴史を変える”
原発廃止と自治会建設へ団結
(写真 大会1日目。「原発再稼働を狙う野田政権を打倒しよう」との鮮明な方針提起を受け、100人を超える学生は闘う決意を固めた【9日 東京・文京区民センター】)
新執行体制(敬称略)
委員長 斎藤郁真(法政大・法)
副委員長 大森靖之(京都大・薬)
副委員長 石田真弓(東北大・経)
副委員長 鈴木研也(広島大・理)
書記長 坂野陽平(上智大・文)
書記次長 洞口朋子(法政大・経)
(写真 選出された新執行部。左から鈴木副委員長、坂野書記長、斎藤委員長、大森副委員長、洞口書記次長、石田副委員長)
9月9日〜10日、全学連第72回定期全国大会が東京都内で行われ、斎藤郁真委員長(法大)−坂野陽平書記長(上智大)を先頭とする新執行体制を確立した。そして、不屈に闘われてきた法大闘争の勝利の地平を総括し、反原発闘争の大衆的高揚の中から学生自治会を建設すること、新自由主義大学−「教育の民営化」と対決して学生の団結を復権すること、11・6労働者集会への大結集を頂点とする今秋決戦の力で野田政権を打倒することを力強く宣言した。
法大闘争の勝利を総括
大会には、被災地の福島大生や東北大生をはじめ全国学生100人が結集し、「フクシマの怒り」と固く連帯し、全原発の停止・廃炉に向けて全国大学キャンパスで闘いぬくことを誓い合った。さらに、国家権力と法大当局によるありとあらゆる弾圧と処分をはね返し、5年半に及ぶ法大闘争に勝利していることを明らかにし、法大文化連盟や東北大学学生自治会の実践と教訓を踏まえ、すべての大学で学生自治会を建設する決意を全体で固めた。
大会は、実行委員長の坂野陽平・委員長代行の開会宣言で幕を開けた。
「総括」「情勢」「方針」の議案をそれぞれ、織田陽介委員長、冨山小太郎書記長、斎藤郁真・法大文化連盟委員長が提起した。
総括では次のような点が出された。「無数の人びとの怒りの深さ、決意の強さ! 3・11をもって社会の真の姿が暴き出され、間違いなく歴史が動こうとしている。求められているのは私たち学生の巨大な行動だ」
「大学の腐敗はとめどなく深い。この腐敗は、学生自治の破壊と一体で進行してきた。この社会のあり方の矛盾の爆発として、原発事故が起きた。原発反対の声を上げることと大学のあり方を問うことは一つだ」
「闘いは指導部によって決まる。決断できる指導部、リーダーをつくり出すことこそ勝利の道だ。法大の闘いがつぶされることなく、新たな指導部を生み出しながら前進していることは、法大闘争の本質的な勝利を示している。新執行部をうち立てて、そうした時代と結合する運動を始めよう」
「学生の怒りをつなげて、すべての闘いを11月労働者集会へ。11・6集会を世界に衝撃を与える歴史的事件にしよう」
そして、「情勢」では以下の点が強調された。
「情勢とは何か。この時代にどう闘ってどう生きていくのか、展望をつかむことだ。2011年、新自由主義に対する学生・青年の大反乱が開始された! 全世界で若者が『革命』を合言葉に立ち上がっている」
「情勢の主導権・決定権を握っているのは、支配階級ではない。私たちの決断と行動に一切がかかっている」「世界大恐慌のもとで資本主義・帝国主義はもはや成り立たなくなっている。連合支配を覆し、青年・学生は自らの手に組織を取り戻し、世界を揺るがす反乱に決起しよう!」
これを受けて、「方針」では次のように提起された。
「あらゆる人が生きるために闘わなければならない時代が来た! 命よりカネを優先する新自由主義と対決し、この社会のあり方を変えよう」
「原発再稼働か停止か、今秋の反原発闘争はここが焦点だ。再稼働への巻き返しの象徴としての野田政権を倒そう」
「大学は歴史的に学生の団結(組合)から生まれた。社会の腐敗に対する根底的な疑問と怒りがわき上がっている。全学連が呼びかければ学生は必ず立ち上がる。『教育の民営化』=『大学の私物化』=『学生の商品化』を徹底弾劾し、真理の大学の復権を! 自治会を全国の大学に建設しよう」
「国際連帯をさらに発展させ、11・6を世界大会に。学生の未来は労働者との連帯の中にある」
初参加者先頭に活発な討論
1日目の討論では多くの初参加者が発言した。「この大会に集まった人数をさらに増やし、どう具体的に運動を発展させていくのか」「もっと多くの学生とつながっていくために、何が必要なのか?」の発言を切り口にして、3・11大震災以後半年間の闘いの経験を基に活発な論議が行われた。関西の学生からは、「経済に規定された社会関係や人間関係をこえることができるのは、学生の団結しかない」「『フクシマの怒り』に私たちが応えることで、初めて運動は広がっていく。京大ではクラス討論を徹底的にやってきた。この地平を踏まえて秋に総長団交をかちとる」と積極的な発言がなされた。
織田委員長が最後に、「いい討論になっている。本気さ、真剣さで勝負しよう。3月11日以降、みんなが自分のキャンパスで具体的実践をやってきている。東北大では生き抜くための闘いから7・8キャンパス集会に上りつめ、奇跡のような闘いをしてきた。明日も白熱的な議論をやろう」とまとめた。
被災地の大学から訴え
夜のブロック討論と交流会を経て、2日目は今秋決戦に向けて全国学生の決意と具体的方針を固める場となった。
討論の口火を切ったのは、福島大学1年生だ。「原発事故は悪化の一途をたどっている。福島の地は除染なんかされていない。とにかく、原発事故を一刻も早く収束させてほしいというのが福島の思いだ」「福島の現実を見てほしい。そこから原発反対を訴えてほしい。原発を再稼働させてはいけないし、もう事故を起こさせない。福島の現実を二度と繰り返してはいけない」
これに続き、東北大の1、2年生が学生自治会の発展に向けた熱烈な決意表明を行い、日就寮生が当局による退寮強要攻撃を阻止した報告と原発廃絶に向けたアピールを行った。3・11以降不屈に闘いぬいてきた福島大生と東北大生の報告に、会場全体が奮い立った。
被災地の学生の思いに応え、次に法大生が全員登場した。倉岡雅美副委員長は「3・11直後、法大が行ったことは私への呼び出しと無期停学処分の強行だ。これが現在の大学の姿だ」と語り、斎藤郁真君は「法大闘争は人間の誇りをかけた闘い。フクシマとどこまでも連帯することが原発絶対反対であり、その内容を法大から全国に拡大する。大学は変革の場所でなければならない」と訴えた。登壇した法大生が口々に5年半に及ぶ法大闘争の勝利の地平を語り、1、2年生を先頭にこの秋の闘いに立ち上がることを宣言した。
これに応え、全国の学生が烈々たる決意を語った。「広大の神谷教授(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー、福島県立医大副学長)が福島で行っていることを絶対に許さない。フクシマとヒロシマがつながろう」(広島大1年生)
「3・11は生き方そのものを問うている。自分の大学で学生自治会をつくり、御用学者をたたき出す」(首都圏A大学)
「既存の学生団体にどんどん乗り込んで行く。自分の地域でも大学を中心に結集軸を打ち立てたい」(首都圏B大学)
2日間で合計53本という活発な討論の最後に、坂野君がまとめを行い、大会宣言を採択した。
(写真 大会2日目。被災地の学生が闘いの報告と原発廃絶へアピール【10日 浜町区民館】)
10・9三里塚、11・6へ
そしてついに、新たな中央執行体制が発表された。そして、05年9月以来、6年間委員長を務めた織田陽介君が万感の思いをこめて、退任のあいさつを行った(別掲)。「法大闘争は支配階級と対等にわたりあい、圧倒する人格を生み出し、勝利した」と勝利の地平をがっちりと確認した。
続いて、新委員長の斎藤郁真君が就任のあいさつに立った(別掲)。「法大闘争は学生の可能性を奪う攻撃をうち破った。この勝利に確信を持つとともに、勝利の地平をさらに発展させよう。法大闘争の地平を全国へ広げるために、私は全学連委員長として立つ!」と決意を表明した。
大会には多くの来賓が参加した。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は、三里塚闘争における全学連の決定的位置を明らかにし、10・9三里塚全国集会への大結集を訴えた。「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」事務局次長の富田翔子さんは「全学連が5・7渋谷反原発デモに決起する姿を見て、自分も決意を固めた」と語り、反原発・反失業闘争への決意を述べた。さらに、法大弾圧裁判弁護団の藤田正人弁護士、動労千葉の山口世修執行委員が熱烈な連帯のあいさつを行った。
こうして2日間の全学連大会は歴史的な成功をかちとった。大会は第一に、「フクシマの怒り」と結合し、全原発の廃止へ突き進む決意を固めた。
第二に、5年半の法大闘争の勝利の地平を踏まえ、全国大学で学生自治会の本格的建設に着手することを宣言した。第三に、「再稼働阻止」を焦点とした今秋の反原発闘争の先頭に全学連が立つことを確認した。第四に、11・6労働者集会に総決起することを明らかにした。
大会での熱烈な討論から、ただちに11月1万人の組織戦へ! すべての学生は、全学連の旗のもとに団結し、学生自治会建設の闘いをともに担おう!
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週刊『前進』(2504号4面2)(2011/09/19 )
斎藤新委員長の決意表明
マルクス主義を復権し社会変革の先頭に立つ
法大闘争は指導部人格をつくり出し、学生の団結をつくり出すことで、国家権力の想像のはるか上を行って勝利した。
そうさせないために法大当局は「学生を商品にする」「教育をひとつの統治行為にする」と学生の可能性を奪おうとしてきた。それに負けない団結を私たちはつくり出した。法大闘争5年半の勝利を代表する人格として私が本年度の全学連委員長になります。
重要なことは、法大闘争の地平、獲得したもの――どういう人格をつくり出し、どういう運動を行い国家権力を圧倒したのか――だ。それをすべての大学でつくり出すことだ。
今、学生は行動したいと思っていても抗議することすら頭の中にない。そういうことを考える可能性すら奪われている。こんな状態に学生をおとしめている現実をぶち破らなくちゃいけない。学生の結集軸をつくらなくちゃいけない。これが法大闘争をやりぬいてきた私たちの責任だ。歴史的使命だ。法大闘争を法大闘争だけで終わらせるのではなく、この社会を本当に変革する闘いの最先頭に立ちたい。
その運動の思想は、やはりマルクス主義だ。マルクス主義は世間では経済学の一範疇(はんちゅう)みたいに言われるが、自分自身の人格、運動でマルクス主義を復権する、証明することが重要だ。
この社会では圧倒的多数の人間は自由ではない。自由という言葉がはびこり、自由とは何かを学者が一生懸命論議してる。だが、自由を語らなくちゃいけないということは支配が存在するということだ。本当に自由なら自由という言葉すら必要ないという立場にマルクスは立っている。
人間は団結して、隣の仲間と協力し合うことができる存在だとマルクスは証明した。実際、労働者はそういう運動をやっていたことから、そこに解答を見つけ出した。私たち学生に問われていることは、こういうことを復権しなくちゃいけないということだ。
原発には絶対反対だ。原発をつくり出した社会のあり方が問題だ。労働者を物として扱い、被曝労働させなかったらあり得ない産業。それを進めているやつらは絶対に許せない。
福島原発事故を受けてもなお、原発を輸出することが日本の国際貢献だなんて言われている。福島県民を見殺しにしている。これに対して福島で立ち上がっている人たちがいる。でもこの見殺し政策の中で、その人たちが圧迫され、抑えつけられている。この状況を突破する最大の力は学生の中にある。
私たちの未来がどこにあるのか、自分たちの行動ではっきりさせよう。そのための組織をすべての大学につくり上げよう。それをつぶそうとする御用学者、大学当局、御用学生自治会と徹底的に対決し、闘う自治会を建設しよう。そういう運動を一緒に闘おう。
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週刊『前進』(2504号4面3)(2011/09/19 )
織田前委員長の退任あいさつ
法大の闘いを全国化し世界に広げて勝利した
民衆の行動に規定されて国家権力が動く。政治が動き出す。3・11以降の特徴だ。これが時代の基底にある。「核の平和利用」論で広島の被爆者が声を上げられないできたのを打ち破ったのが全学連の闘いだった。学生が動き出したとき歴史が動く。今がそうだ。
この6年間、全学連委員長としてやってきたことの一つ目は、法大闘争を始めたことだ。
委員長になって半年でいきなり法大での29人逮捕から始まった。当時はまだ法大生の闘いという面があったが、東北大有朋(ゆうほう)寮闘争の中でつくりだした思想、魂を入れて、法大闘争を全国的な闘いにした。法大で学生が団結する、国家権力とわたり合って気持ちを一つにする感動的闘いをやってこれた。
二つ目は、これを世界に広げたことだ。アメリカ、ドイツ、ブラジルに行き、韓国にも行った。国際連帯を始めて自分たちの闘いを世界に広げることができた。
三つ目は、法大闘争の勝利を確定させたことだ。118人の逮捕者が出たが、もう学生が弾圧されて、という状況にはない。時代がひっくり返った。国家権力はこうなる前に学生運動を全部つぶしたかった。しかしその期間は終わった。あとは反撃につぐ反撃だ。
6年間の闘いで法大闘争は国家権力に勝利した。その中から指導部を生みだした。敵は首都東京に学生運動をつくらせないとしてきた。全学連の執行体制もそれに規定されてきた。しかし、弾圧の中でつぶされるどころか、逆に首都圏の学生が闘いに立ち上がって、リーダー、体制を生みだした。
自分の信念、思想を拡大していく、物質化させていくことは泥臭いことだが、それがいちばん強い。仲間が団結するという一点において、正しいか正しくないかが判断される。それが思想だ。
強烈な指導部に僕らがなっていくことだ。権力を持っていようがいまいが、一人ひとりは存在として対等だ。情勢や敵の攻撃の本質を明確に見抜いて、大衆の思いや行動を守り抜く。そういう強烈な指導部が必要だ。
闘いはすべて人格、人間によって決まる。勝つか負けるかは自分の組織に人が集まってくるかどうかだ。膝を突き合わせて一人ひとりと向き合って、団結するために必死になるところから、人格的魅力、人格的求心力が生まれる。そして、敵を人格として圧倒していく。それがわれわれの闘い方だ。
11・6労働者集会に向け、団結することに一切をかけてほしい。学生の団結を組織することに必死になってほしい。どんなに知識が多くてもどんなに言葉がうまくても、それが正しいとは限らない。人間として人格として国家権力を圧倒する強烈な指導部としてわれわれが登場していくことが、この情勢を切り開く最大の核心だ。一緒に11月集会に向かって頑張ろう。
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週刊『前進』(2504号4面4)(2011/09/19 )
法大裁判に集まろう!
★4・24集会弾圧裁判(控訴審)
第1回公判 9月22日(木)午後1時30分
★暴処法弾圧裁判
第24回公判 (被告人質問) 9月29日(木)午後1時30分
※いずれも東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合
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週刊『前進』(2504号5面4)(2011/09/19 )
三里塚裁判傍聴を!
◎鈴木さん一坪共有地裁判
9月29日(木)午前10時半 千葉地裁
※傍聴券抽選のため1時間前に集合を
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