ZENSHIN 2011/08/29(No2501 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

 現業切り捨て許せない! 自治労長野大会で大宣伝行動

 労組交流センター自治体労働者部会と長野労組交流センターは24日、長野市で開かれた自治労第83回定期大会初日に登場、結集した約3千人の組合員に大宣伝行動を行い、本部の議事を圧倒した。(記事次号)

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週刊『前進』(2501号1面1)(2011/08/29 )

 国鉄・反原発で11月大結集へ

 9・11―19反原発大闘争に立とう

 原発を推進する民主党政権を労働者階級の怒りで打ち倒せ

 被災地を先頭に、世界大恐慌と3・11大震災情勢に真っ向から立ち向かい、懸命に闘いぬいてきた前半決戦の成果は、7月革共同集会の大成功と、国鉄決戦・反原発闘争を柱に日本革命の勝利を開くという『前進』夏季特別号の路線的提起として結実した。その路線と内容で、8・6―8・9闘争と8・15集会の大成功から11月労働者集会1万人結集に向け、猛然と闘いが開始されている。今こそ国鉄と反失業・反原発で闘って、闘って、闘いぬき、9・11−9・19から11月総決起へ進撃しよう。その先頭に青年が立ち、労働組合と青年部を甦(よみがえ)らせ、拠点職場を建設し、歴史的決戦に勝利しよう。

 高濃度放射能汚染との非和解的闘い

 11月総決起の大勝利に向かって、いまはっきりさせなければならないことは何か。
 第一に、世界大恐慌がさらに底なしに深まり、3・11情勢がもう一つ急展開する中で、反原発をめぐる闘いの階級的構図と激突が完全に新たな段階に突入したことだ。
 高濃度の放射能汚染は、日帝ブルジョアジーと菅政権による「棄民化」ともいうべき反人民的政策の上に、いよいよ拡大・激化、深刻化の一途をたどっている。17日、泊原発3号機の営業運転が再開され、またこの同じ日に菅政権は、3月下旬の福島の子ども約1150人を対象にした甲状腺の内部被曝検査で、45%もの子どもが被曝していたことを認めた。政府発表ですら5割という子どもたちの甲状腺被曝のこの実態を、この時期になってやっと発表し、しかも「健康に問題ない」と強弁するやり方は断じて許せない。
 これは、今なお古里を追われ、職を奪われ、田や畑や山や海や空気まで奪われている200万人の福島県民総体に対する、いや原発に怒り、反原発を闘うすべての労働者人民に対する、許し難い新たな一大反革命だ。
 今や反原発の根底的怒りの爆発に、日帝ブルジョアジーと菅政権は完全に追い詰められている。しかし日帝もポスト菅の民主党政権も原発政策を放棄するつもりなど毛頭ない。ポスト菅はよりむき出しの原発推進政権だ。労働者を先頭に原発への農漁民、福島県民の根底的怒りは、全人民の怒りそのものとして、いよいよ非和解的に激化しつつある。
 「すべての原発を今すぐ止めろ! 廃炉にせよ!」「原発再稼働阻止!」は、全人民の絶対的な正義の要求であり、今や体制変革、革命の要求へ発展しているのだ。

 福島への圧殺攻撃を許すな

 だからこそ日帝ブルジョアジーと民主党政権は、原発事故の深刻化と反原発闘争の高揚に追い詰められ、体制崩壊と革命への恐怖におののき、怒りと闘いを圧殺することにのりだしている。この攻撃は何よりも事故被災地の福島に集中している。放射能から子どもたちを守れという心からの叫びと反原発の闘いを「非国民」呼ばわりし、「放射能は安全」「健康に影響はない」などというとんでもないデマで、福島を制圧しようとしている。この200万県民の圧殺、分断、孤立化攻撃を絶対に許さず、断固として粉砕しよう。
 その上さらに日帝は、ボナパルティズム政権を支える最後の牙城である連合を先兵に、労働組合を丸ごと取り込んで反原発闘争の圧殺を狙ってきている。「脱原発」のポーズで「計画的廃炉」などと称し、実は全原発の再稼働を容認する策動を絶対に打ち破ろう。
 今こそフクシマの怒りと結び、そこを原点に、反原発で労働組合の再生へ闘おう。
 「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)と青年・学生を先頭に、職場からの闘いを軸にして、9・11−9・19デモを戦闘的大衆的に大爆発させよう。

 国鉄分割・民営化の決着かけた決戦

 第二に、反原発をめぐる日帝ブルジョアジーとの階級的激突は、同時に国鉄決戦、民営化・外注化・非正規化との闘いにおいて、国鉄分割・民営化以来25年のすべての決着をかけた歴史的決戦として、今や完全に火を噴いている。
 動労千葉が主催する8・30大集会は、JRの「偽装請負」を告発し、JR大再編情勢のただ中で平成採の青年労働者の根底的怒りと結びつき、外注化阻止・非正規職撤廃の新たな大闘争の始まりを宣言する集会だ。大集会の成功こそは、11月総決起の闘いの戦列の広がりを決定的なものに押し上げる。
 「国鉄分割・民営化以降、労働運動は後退を余儀なくされ、1000万人をこす労働者が非正規職に突き落とされました。労働組合はそれに有効な反撃を行うことができなかったのです。すべてを民営化・競争原理にのみこんでいった攻撃は、単に官から民へというだけでなく、規制緩和の流れにのって、民間大企業のすべてが業務を派遣会社や小会社・孫会社にアウトソーシング・外注化したり、別会社化しました。それが『外注革命』と称して推し進められたのです」(8・30大集会の呼びかけ)
 90年代の後半から2000年にかけての大不況の長期化・慢性化とアジア発の金融危機・金融恐慌の爆発に追いつめられた日帝ブルジョアジーは、その根底にある過剰資本・過剰生産力の重圧の突破をかけて、生き残りの一切を「外注革命」にかけた。この先頭に立ったものこそ前経団連会長・御手洗のキヤノンであり、「企業は社会の公器」という名のもとで「偽装請負」を満展開した松下電器産業(当時)だった。
 そしてこの全過程で東北地方は、高度成長期の日本経済の労働力を膨大に供給して、農業や林業の崩壊と過疎化を強いられた上に、新自由主義政策でさらに徹底的に切り捨てられた。そこに原発と、中国などへの海外展開を回避したハイテク部品工場が、非正規労働者の過酷な搾取を基礎に立地させられてきた。こうした現実が大震災と原発事故として衝撃的に突きだされたのだ。
 8・30大集会をもって新たに開始される闘いこそは、新自由主義攻撃の根幹に国鉄分割・民営化25年と現JR体制があることを徹底的に暴き出し、さらにまた、JR平成採の青年労働者の怒りと闘いが、郵政を始めとする2千万青年労働者、6千万労働者の怒りと闘いと完全に一つのものであることをはっきりさせる闘いである。

 新自由主義と闘う青年の国際的反乱

 第三に、11月集会に向かって最も大事なことは、今や大恐慌の本格的激化・深化のただ中で、全世界で新自由主義攻撃と対決する青年労働者を先頭とした闘いが、新たな段階を迎えていることだ。
 本紙前号5面にあるように、6日、ロンドンで爆発した青年労働者の暴動・反乱は、瞬く間に英全土に拡大し、この25年間で最大の闘いに発展した。それは最貧困層の労働者階級、とりわけ青年たちの「生きさせろ!」という要求である。それはサッチャー以来、新自由主義攻撃の先頭を走ってきたイギリスの支配階級を根底から震え上がらせている。
 この暴動・反乱が突き出した核心は、イギリスの労働者階級が人間として生きていくためには、破産し腐敗しきった資本主義を根底的に打倒し、労働者階級のための新たな社会を建設する以外にないということだ。青年たちは、何もできないちっぽけな存在と思い込まされてきた。だが自分たちの団結した闘いで、キャメロン政権の新自由主義攻撃と青年労働者への抑圧・差別の政策に大反撃することを通して、実は自分たちが自らを解放する力を有しているのだということを確信したのである。

 非正規労働者の根底的決起

 大恐慌と3・11情勢の進展の中で、帝国主義ブルジョアジーは、一方で労働者階級を生きることすらできない大失業と貧困のどん底にたたき込みながら、他方ではその怒りと決起を死ぬほど恐れている。しかし彼らには、破綻した新自由主義の徹底的な貫徹以外に、いかなる労働者支配の手だてもないのだ。そして日本でのその最先端の攻防こそは、「分割・民営化の総決算」としてのJR大再編攻撃と闘う平成採の青年労働者の闘いであり、さらには郵政の非正規労働者の一大反乱の開始なのである。
 郵政16万非正規労働者、25万の全郵政労働者の決起の開始に、JP資本と日帝ブルジョアジーは恐怖にかられ、非道な圧殺攻撃に踏み出してきた。郵政非正規ユニオンを立ち上げた青年労働者に対する、「このクズが! バイトの分際で! 組合なんか作りやがって!」という差別的な大暴言を、労働者は絶対に許さない。組合を敵視し圧殺するこの大攻撃に、今こそ階級の怒りの総反撃をたたきつけよう。
 この階級的大攻防に勝ち抜き、国鉄と反原発、反失業・反原発で闘いの火の手を上げ、全戦線で闘って、闘って、闘い抜き、9・11−9・19から11月労働者集会へ大進撃しよう。

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週刊『前進』(2501号1面2)(2011/08/29 )

 11・6全国労働者集会へ

 3労組と国鉄全国運動が呼びかけ

 動労千葉、関西生コン支部、港合同の3労組と国鉄闘争全国運動から11・6労働者集会への呼びかけが発せられた。(編集局)

反原発・反失業の国際統一行動を! 国鉄1047名解雇撤回! 非正規職撤廃! 新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!

 11・6全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)

 全国のたたかう労働者の皆さん!
 3月11日、東北地方を襲った巨大地震と大津波、原発事故は一瞬にして人々の生命を奪い、生活と生業を破壊しました。被災地をはじめ全国で数百万の人々が高濃度の放射線被曝による生命の危機にさらされ、大失業が襲いかかろうとしています。農・漁業は壊滅的な打撃を受け、すでに数十万の労働者が職を失って路頭に迷い、大増税や社会保障制度解体攻撃が襲いかかろうとしています。引き起こされた事態の多くは、新自由主義攻撃によってもたらされたものです。公共インフラの民営化による解体、地方自治体の財政破綻、公務員労働者の際限のない削減など、国鉄分割・民営化以来の新自由主義政策は、災害に対する抵抗力を奪い被害を決定的に破局化させました。さらに原発事故は、政府・官僚・財界・御用学者・マスコミ・裁判所・御用組合が利権にまみれ、核武装への衝動に突き動かされて推進した原子力政策のウソとペテン、この社会の支配構造の腐りきった本質を暴きだしました。起きていることは、まさに資本と国家による犯罪にほかなりません。
 怒りの声は社会の隅々まで積み上がり、政府や東電への抗議行動となり、生き抜くための闘いとなって燃え上がっています。とくに、すべてを奪われ、事ここに至っても真実を隠して「安全だ」と宣伝し続ける政府のペテンに対する200万福島県民の激しい怒りの声は沸騰点に向かっています。
 反原発、反失業の怒りの声が爆発しています。6月11日には2万人の怒りの声が新宿駅東口広場を埋めました。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部は被災地にセンターを設置、11春闘でかちとった成果を被災地に届ける闘いに立ち上がっています。港合同、動労千葉も全力をあげて被災地とともに闘っています。
 その一方で、労働運動の深刻な危機が生まれています。「復興」の名のもとにナショナリズムや「挙国一致」があおられる状況の中で、あらゆる闘いが放棄され、階級的視点が解体されようとしています。起きているのは戦争にかり出されるのと同じ危険な状況です。
 政府や財界は、東北地方を「特区」として一切の規制を取り払い、徹底した低賃金、民営化―外注化・非正規職化を強制しようとしています。政府の号令一下、公務員労働者の賃金が下げられ、「公務員制度改革」の名のもとに360万の首切り―非正規職化が強行されようとしています。郵政では16万非正規労働者の雇い止め解雇攻撃が進められています。今こそ職場から反原発、反失業の大闘争をまきおこさなければなりません。
 資本主義体制の危機が進行しています。3年前、リーマンショックをもって始まった世界恐慌は、アメリカで、EUで、日本で国家財政の全面的破綻となって爆発し、それが激しい労働者への攻撃を生み出しています。今、何よりも求められているのは闘う労働組合の復権です。
 労働運動の後退・権利喪失の原点となったのが国鉄分割・民営化攻撃でした。だから私たちはこの攻撃を絶対にあいまいにしてはならないと訴えて闘い続けてきました。しかし、昨年4月9日、国鉄1047名解雇撤回闘争を解体する重大な攻撃が仕掛けられました。民営化や国家的不当労働行為による大量解雇や労組破壊攻撃の社会的・法的責任を不問に付したまま「政治解決」の合意がなされ、この7月には闘争終結が宣言されたのです。私たちは、この状況下で、「国鉄闘争の火を消してはならない」と訴え、新たな全国運動を発足させました。私たちが目指すのは、全国の労働者の階級的団結をつくりだすこと、どんなに小さな芽であっても現場から自主的な闘いを組織することです。
 関西地区生コン支部は139日の産業ゼネストを貫徹し大弾圧をはね返して前進しています。動労千葉は、幾度ものストライキで業務外注化攻撃を阻止しています。港合同は倒産攻撃に対して企業の塀をこえた団結権で対抗し勝利しています。沖縄で、三里塚で、怒りの闘いは燃えひろがっています。
 人類の歴史が経験したことのない事態に立ち向かう万国の労働者の団結した力が求められています。私たちは、11月6日、反原発、反失業、労働運動復権に向けた世界統一行動を呼びかけます。11月6日、すべての怒りの声を日比谷に総結集しよう。
 志を同じくするすべての皆さんの賛同と参加をお願い申し上げます。
 2011年8月

●とき 11月6日(日)正午開会
●ところ 東京・日比谷野外音楽堂

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週刊『前進』(2501号1面4)(2011/08/29 )

 日程 JRの偽装請負を告発する8・30大集会、三里塚裁判闘争

 外注化阻止・非正規職撤廃!
JRの偽装請負を告発する8・30大集会
 8月30日(火)午後6時30分(6時開場)
 東京・すみだ産業会館8Fサンライズホール(JR総武線・錦糸町駅南口の正面 丸井の上)
 主催/国鉄千葉動力車労働組合

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 8・30市東さんの農地を守ろう千葉地裁包囲デモ・傍聴闘争へ!
 8月30日(火)
 午前8時45分 集会(千葉市中央公園)
 午前9時20分 千葉地裁包囲デモ

◎市東さん行政訴訟
 8月30日(火)午前10時30分 千葉地裁

◎市東さん農地法裁判
 8月30日(火)午前11時10分 千葉地裁

 (いずれも601号法廷にて連続開廷)

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週刊『前進』(2501号1面5)(2011/08/29 )

前進速報版から 前進速報版から

▼済州島で海軍基地建設工事阻止の激突▼怒りのフクシマと結び婦民全国協が総会▼自治労大会街宣「そのとおりだ!」と組合員の声

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週刊『前進』(2501号2面1)(2011/08/29 )

 11・6労働者集会へ本格始動

 “反原発・反失業”柱に

 第1回実行委を開催

 11・6全国労働者総決起集会の第1回実行委員会が8月21日、都内で開催された。呼びかけ4団体からの問題提起と熱気あふれる討論が展開され、いよいよ11月労働者集会に向けた闘いが本格的にスタートした。
(写真 保釈・奪還された関生支部・高副委員長も参加。熱気あふれる討論が展開された【8月21日 東京都江東区】)

 職場での闘いにこだわりきろう

 まず呼びかけ4団体から、それぞれ問題提起が行われた(要旨別掲)。
 全国金属機械労働組合港合同の中村吉政副委員長は、3・11大震災と福島第一原発事故が生みだした情勢に言及しながら「今こそ労働組合が1歩も2歩も3歩も前に出ていく必要がある。力を合わせて11月集会を大成功させたい」と述べた。
 7月22日に保釈奪還された全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長が元気な姿を見せた。高副委員長は組合員13人が逮捕された5・11関生弾圧の特徴について「当たり前の労働運動、ストライキ権そのものを侵害するような弾圧だ」と断じ、「これを打ち破る道は、あらゆる職場から闘いの火の手をあげることにある。それが11月集会がめざしてきたものだ」と訴えた。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の山本弘行さんは「職場をベースに年内2千口への会員拡大を実現し、この中で1万人結集を実現する」と語った。
 基調を提起した動労千葉の田中康宏委員長はまず「原発事故に対するあらゆる人びとの怒りの爆発、こことの関係を抜きに今年の11月集会はないし、労働運動の復権もない。他方、僕らがずっとこだわってきた新自由主義、国鉄分割・民営化の問題を外したところに闘いの前進はない」と二つの点をあげて今年の11月集会の性格を明らかにした。そして、内外情勢と国鉄闘争を巡る状況を報告した上で「なによりも自らの職場・産別・地域で具体的に闘いを組織することにこだわりきることだ。“これが僕らが訴えている階級的労働運動の具体的姿なんだ”と示せるものを11月までにつくろう。動労千葉は業務外注化阻止の闘いでその先頭に立つ」と決意を述べた。また、この間の画期的な国際連帯の広がりを踏まえ、反原発・反失業の世界的な統一行動として11・6集会をかちとろうと提起した。

 新自由主義うち破ってきた地平

 4団体の提起を受けて討論が行われた。
 合同・一般労組全国協の小泉義秀委員長は、郵政非正規ユニオンを巡る攻防を紹介しながら「雇い止め=解雇そのものを問い、非正規職撤廃の闘いを展開する」と述べ、医療職場で働く青年労働者は「業務外注化・非正規職化との闘いを軸に、闘う青年部をよみがえらせる」と語った。「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」事務局の青年は9・11―9・19反原発闘争を始めとする今秋の反原発闘争の最先頭に立つことを訴え、東京西部ユニオンの吉本伸幸委員長は、職場での闘いを紹介しながら「会社にやられたら百倍にして返す。団結すれば労働者は絶対に負けない」と労働者魂あふれる発言。
 全学連の織田陽介委員長は、8月闘争が切り開いた地平を報告し「結局、新自由主義そのものとの対決が問題になる。そして“新自由主義は打ち破ることができる”ということを示してきたのが11月集会だ」と述べ、教育労働者、国鉄労働者、動労千葉を支援する会の会員が、それぞれの職場での課題と展望を語り「職場から青年労働者の怒りを解き放つことこそが核心的課題だ」と意見を述べた。
 まとめの発言で関生支部の高副委員長は「『新自由主義との対決』をスローガンに加えようという意見が出された。これは、この運動とは切っても切れないテーマ。その中身を具体的に語りきっていくことが重要だ。新自由主義のもとで苦しめられている青年・学生がたくさん集まってくれる集会に」と述べ、動労千葉の田中委員長は「今の時代の中で11月集会の持っている位置は本当に大きい。可能性は広がっている。大きな構想と方針をもって実践を開始しよう」と檄(げき)を発した。
 最後に港合同の中村副委員長の音頭で団結がんばろうを行い、討議を締めくくった。

 職場から具体的闘いを 呼びかけ団体の提起

 労働組合が前に出るべき時 港合同 中村吉政副委員長

 3月11日の東日本大震災と津波による大きな被害、そしてなによりも福島原発の人災が私たちに襲いかかってきています。いま私たち労働組合が何をするのかが大きく問われています。
 私たちの組合員の職場でも3月以降、自動車関連の職場が多いですから、部品が入らない、供給もできないという感じで週休3日という状況になりました。どんな状況でも職場を守り抜く闘いをやり抜いています。
 こういう状況の中で、労働組合が1歩も2歩も3歩も前に出なければなりません。
 権利を奪われている人たちの権利回復、職場で虐げられている人たちの権利回復に向けて、本当に前に出ていくことが私たちの課題だと思います。力を合わせまして11月労働者集会を大成功に導いていきたいと思います。大阪からともに闘う決意を述べまして報告と決意にさせていただきます。ともに頑張りましょう。

 ストライキ権否定する弾圧 関西生コン支部 高英男副委員長

 今回の弾圧の質と、労働運動が問われていることについて提起します。
 われわれは産別運動を標恫(ひょうぼう)していますから協同組合に入っている会社でもストライキを行い、それを「威力業務妨害だ」と事件にされてきました。
 今回の事件は、労資関係のある工場でのピケッティング・ストライキです。組合員がいます。それを威力業務妨害とされた。この弾圧は昨年の139日に及ぶゼネストが引き金になっていますが、その質は労働組合の当たり前の闘い、ストライキ権そのものが侵されるような弾圧です。日本では労働組合には刑事罰や民事罰の免責条項が明確に法律にうたわれていますが、それは形骸化されてきています。日本の労働運動が沈滞し、現場に闘いがないから法解釈も敵の都合のいいものになっていく。だからといって今の法解釈の中で闘いをやってたら闘争にならない。ストを打つことは認めるけど、会社の業務を止めれば威力業務妨害と言われる。そんな運動でなんの成果がかちとれますか?
 全国で、労働者が自分の要求実現のために当たり前に職場で闘いの火の手をあげることが、団結権やストライキ権を守ることになる。
 今年の11月集会については原発という重い問題を提起されています。それとセットでこの集会を闘いきる。全国の労働者、労働組合に提起して新たな闘う陣形、資本や権力の安易な弾圧を許さない体制をつくることが鋭く求められています。
 この社会は「学歴社会」とか言ってますが、学歴は労働者の生活や権利を守らない。高学歴で技術があっても派遣労働であえいでいる若者がたくさん相談に来ます。労働者が本当の意味で最後に頼れるのは労働組合、労働運動です。そういう運動を、この集会を通して全国網の目のように広げていきたい。

 職場ベースに会員拡大する 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 山本弘行さん

 一言で言えば本当に労働運動が今こそ問われているということだと思います。7月24日に動労千葉を支援する会の全国総会を開催し、郵政非正規ユニオンの闘いを始め、全国の多くの職場で闘いが始まりつつあることをつかみ取ることができた。国鉄闘争全国運動としては、職場の闘いをベースにして年内会員2千口への拡大をまなじりを決して実現し、この闘いの中で11月集会1万人結集を実現したい。
 イスラエルやイギリスで非正規職労働者、外国人労働者を先頭とする闘いが爆発しています。トルコではヒロシマ・フクシマ発の反原発1千万人署名が始まっているそうです。トルコへの原発輸出を日本と韓国が争っている。本当に国際的な連帯が問われています。今年の11・6労働者集会は、世界の仲間とともにアピールを発し、3・11情勢、大恐慌と大失業情勢を踏まえた国際的な一大統一行動として闘いとっていきたい。

 「偽装請負」の外注化止める 基調提起 動労千葉 田中康宏委員長

 今年の集会をどうかちとるのかは簡単ではない。でも僕ら次第で可能性は満ちている。本当に勝負だと考えています。
 原発事故への労働者、農漁民を始めあらゆる人びとの怒りの爆発、こことの関係を抜きに今年の11月集会はないし労働運動の復権もない。他方、僕らがずっとこだわってきた新自由主義、国鉄分割・民営化の問題を外したところに闘いの前進はない。この二つのことが問われている。
 大震災から半年がたち、あらゆる問題が解決不能のまま衝突しています。国家権力は解決がつかないものはつぶしにかかり、連合や全労連の幹部どもは労働者の怒りに体制内的なタガをはめることに全力をあげ始めた。自分たちの支配が崩壊するからです。
 世界経済はガタガタです。そして、資本主義の崩壊が当面生み出すものは大失業です。いろんなことが重なって、本当に闘う労働組合の復権が求められる中での11月集会になりました。
 国鉄闘争を巡っては、4者4団体が闘争終結を発表し、国労本部は公然と「連合加盟を実行に移す時が来ている」と言い始めている。JR職場では国鉄分割・民営化の総決算攻撃が一斉に始まっている。自治体、教労、郵政や民間のあらゆる職場でも同じことが起きていると思います。
 動労千葉はこの秋、三十年余り続いてきた新自由主義政策と真正面からぶつかる決断をしました。業務外注化との闘いです。国鉄分割・民営化以来、ひどい攻撃が労働者に襲いかかってきたわけですが、具体的にはそれは民営化、外注化です。しかも、これに労働組合がたった一件も立ち向かわなかった中で起きてきました。闘う労働組合を復権するためには、それぞれ自分の職場からこの現実を変えるために食らいつく以外にない。
 動労千葉はJRの偽装請負についての厚生労働省への告発、業務外注化の差し止め訴訟などあらゆる闘いをやりつつ、なによりも現場の闘いで決着をつける。この闘いをやりきって、僕らがつくりあげようとしている階級的労働運動とはどういうものなのかを具体的に示したい。関生支部の産業ゼネストは、階級的労働運動というのはこういうもんだということを示してくれた。僕らがいくつもこういう闘いをやって「こうやれば労働組合は復権する」と示せたら11月集会は成功する。
 同時に、反原発・反失業の怒りを大結集したい。とくに決起を始めている青年の運動と11月集会をどう結合していけるのか。本当に知恵を絞りたい。さらに今年は、反原発・反失業・闘う労働運動の復権を掲げた国際アピールを出したい。こうしたことを全力でやりきった時、1万人を結集することは不可能じゃないと思っています。

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週刊『前進』(2501号4面1)(2011/08/29 )

 反原発の大運動を今こそ全国で

 泊原発の営業運転を弾劾し全原発の即時停止へ闘おう

 北海道現地からのアピール

 8月17日、高橋はるみ北海道知事の容認表明を受け、経産省原子力・安全保安院は定期点検終了証を交付し、北海道電力泊原発3号機が営業運転を再開した。だがそもそも福島原発事故の放射能被害は深刻化するばかりで、収束の見通しはまったくない。人類と核・原発は共存できない。全原発をただちに停止・廃絶しよう。政府・北電・道による暴挙を弾劾し、9・11反原発百万人行動に総決起しよう。闘いの鍵を握るのは労働組合をめぐる攻防だ。体制内幹部の制動を突き破り、反原発の怒りと結んで階級的労働運動を発展させよう。
(写真 泊原子力発電所。右が3号機)

 北電と一体の高橋知事

 泊原発3号機(出力91万2千`ワット)は、1月に定期検査で運転を停止し、3月7日に再稼働して調整運転に入っていた。その直後に東日本大震災・福島第一原発事故が起き、経産省が電力各社に緊急時の電源確保などの緊急安全対策の策定を指示したため、北電は4月上旬に予定していた営業運転再開を延期していた。
 政府・北電・道の3者とも、反原発の怒りの高まりにおびえ、自分の責任を少しでも軽くしようとあがいたに過ぎない。高橋知事の資金管理団体「萌春会」の会長は北電の元会長で、同団体には北電の社長ら複数の役員が個人献金している。知事本人は経産省出身で、北電関連に多くの道庁幹部が天下っている。3者は完全にグルなのだ。
 とりわけ「原発が電力供給の4割を占める」「3号機はフル稼働で運転中」という高橋知事の容認表明は、「住民の代表」を自認する立場からして断じて許し難い。安全性の確保について知事は、「国が確認した」「北電に要請した」と言っているに過ぎない。法令上は何の権限もないとはいえ、営業運転再開にお墨付きを与えた政治責任はきわめて重い。

 住民の合意もなく強行

 福島の事故で、原発の安全性はもとより、安全検査体制への信頼も失墜した。経産省原子力・安全保安院は、再稼働に「地元了解は不可欠」としているが、原発に絶対安全はありえないことが実証された。
 北電は「冬の電力供給の逼迫(ひっぱく)」と道民を恫喝する一方、「大地震を起こすような活断層は付近に存在しない」「太平洋ほどの大津波は起こらない」と主張している。これには地質学者から説得力ある反論が出されているが、北電は調査さえしない。
 福島の事故の後に北電は「津波対策を3年以内に行う」としたが、今回の福島で発生したレベルの揺れや津波のような事態は想定してない。その「中長期的な安全対策」ですら大半は「3〜4年をめど」としている(6月の北電の広報)。
 営業運転再開を容認した高橋知事は、経産省原子力・安全保安院の最終検査に原子力安全委員会の評価を加える「ダブルチェック」の導入を評価しているが、これは保安院の検査の追認に過ぎない。
 しかも住民の合意などまったくない。泊原発のEPZ(防災対策の重点地域)は半径10`以内の4町村に限定されているが、原発から約60`離れた福島市で今も高い放射線量が検出され、200`を超える地点でも放射性物質が検出されている。
 道は営業運転再開の容認について、後志管内の全市町村(ほぼ30`圏)には連絡したが、意向確認ではなく道の方針や経過を伝える情報提供に過ぎない。60〜70`圏の札幌市(人口190万人)には情報提供も連絡もなかった。原発周辺4町村の全住民に対して道が7月にアンケートを実施しようとしたが、自民党などの反対で一夜にしてついえた。こうした暗黒の構造があるからこそ、原発は危険なのだ。
 北電は「電力供給安定の確保」「代替エネルギーに頼れば電気料金が跳ね上がる」とあおるが、3号機の営業運転再開を歓迎する声が産業界の一部から上がっているものの、EPZ圏外の住民だけでなく農業関係者や観光業者からも怒りの声が上がっている。

 核武装に直結する再開

 北電は19日、泊2号機(57万9千`ワット)の定期検査を26日から行うと発表した。発電停止は11月中旬ごろまでの85日程度としているが、定期検査で停止した原発の再稼働には安全評価の1次評価などが必要なため、年内の営業運転再開は困難とみられる。1号機(57万9千`ワット)も定期検査中のため、全3基のうち稼働するのは17日に営業運転に移行した3号機だけになる。
 闘えば1基ごと息の根をとめていくことは不可能ではない。国内の原発は、全54基のうち事故や定期検査などで39基が停止している。運転中でも、運転から13カ月で定期検査に入るため、停止中の原発が再稼働しなければ、来春にすべての原発が止まる。
 泊3号機の営業運転再開は、全原発停止への日帝ブルジョアジーの危機感の表れだ。しかも泊3号機はプルトニウムを混ぜて使うプルサーマルのための原発であり、日帝の核武装政策にも直結している。政府は新たに取り決めた安全評価の実施や、原子力安全庁(仮称)の創設などで、再稼働への環境を整えようとしているが、住民の不安や反原発の怒りの高まりを抑えることはできない。反原発の怒りの爆発が一切を決めるのだ。
 高橋知事の抵抗は、国と北電に対して道知事の権限を主張するものだった。道州制攻撃によって知事の権限を独裁的に強化しようという魂胆だ。また、札幌市のように、国策である原発に批判的な現在ある自治体も、脱原発を唱える労働組合さえも一掃するという意志でもある。高橋道政と泊原発は一体だということがはっきりした。

 労組をめぐる攻防が鍵

 泊原発の建設が強行されたのは地元自治体などが切り崩されたこともあるが、反原発運動が1980年代末に低迷したことが大きい。中軸だった労働運動が国鉄分割・民営化攻撃によって後退したためだ。この攻撃は、国鉄労働運動を解体し労働運動総体を連合に取り込むものでもあり、原発建設は国鉄攻撃によって進められたと言える。
 原発推進を掲げる北電労組−道電力総連(現在1万人弱)とナショナルセンターをともにすることで、労働運動全体が右傾化・御用化していった。しかしこの20年余、国鉄1047名闘争が不屈に闘い抜かれてきたことで、支援陣形に結集する北教組などの戦闘的労働運動、反戦反核闘争が支えられてきていた。
 ところが、国労本部などによる昨年の4・9政治解決の受け入れ、今年の6月30日の闘争終結宣言という流れの中で、国鉄闘争だけでなく、例えば北教組の「日の丸・君が代」不起立闘争も急速に後退している。3・11情勢下、国労本部は国労闘争団員を被災地にボランティアとして送り込んで「復興」の先兵に仕立て上げる中で、1047名闘争の解体と闘争団の切り捨てを強行した。
 国労本部など体制内労働運動幹部が「政治休戦」を強制し、連合・北海道はもとより知事の膝元の全道庁労組も、知事の運転再開容認に沈黙している。大惨事が拡大しているのに、労働組合が声を上げられないまでに変質し弱体化した現実を、職場から何としてもひっくり返そう。
 原発を建設し、運転を支えているのは現場の労働者だ。原発労働者を先頭にして労働者階級が団結して闘えば、原発の停止・廃止を実現することはできる。
 労働組合を闘えないものにし、非正規労働者の犠牲の上に安住する体制内幹部を打倒して、動労千葉のように闘う労働運動をよみがえらせることにこそ展望がある。反原発に立ち上がっている青年は圧倒的に非正規労働者であり、青年の未来を奪う原発と非正規職化、それを生み出した今日の社会のあり方に怒っているのだ。
 国鉄闘争全国運動を発展させるとともに、「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」を各地につくって反原発の怒りと結び、福島県民と連帯して9・11行動に立ち上がろう。
 (前島信夫)

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 全学連第72回定期全国大会
 第1日 9月9日(金) 文京区民センター(午前9時半開会)
 第2日 9月10日(土) 浜町区民館
 参加費1000円(会場費、資料代など。宿泊費は別途)
 連絡先/電話 050−3036−6464
 mail_cn001@zengakuren.jp http://www.zengakuren.jp

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週刊『前進』(2501号5面3)(2011/08/29 )

焦点 原発輸出へ官民が再始動

 事故を棚に上げた犯罪性

 日本帝国主義は原発輸出への動きを本格的に再開した。福島第一原発事故で自ら進めてきた核・原発政策が大破綻し、とてつもない被害をまき散らし、福島を始め全国・全世界の労働者・農民・人民の怒りに包囲されながら、その原発を外国に売りつけて稼ごうというのだ。どこまで恥知らずな連中か。絶対に許すことはできない。
 菅首相は7月13日「脱原発依存」を仰々しく表明し、21日の参院予算委員会で原発の海外輸出について「きちんとした議論がなされなければならない段階にきている」などと慎重な姿勢を装っていた。ところが菅内閣は8月5日に海外輸出継続を明記した「答弁書」を閣議決定した。ここには「原発の安全性確保については当該各国が自国の責任の下で判断するもの。諸外国がわが国の原子力技術を活用したいと希望する場合には、世界最高水準の安全性を有するものを提供すべきである」などと書かれている。そしてすでに原発受注などに関する合意文書に署名しているヨルダン、ベトナムなど4カ国との原子力協定に対する国会承認を要請している。さらにトルコやリトアニアとの輸出交渉推進に全力を挙げている。
 枝野官房長官は5日の記者会見で「国家間の信頼を損なうことのないよう留意し進めていく。首相発言と矛盾はない」などと開き直った。66年前の広島への原爆投下の日の前日に、こういうことを平然と「決定」するのが民主党政権の本質なのだ。
 菅と民主党政権は、3・11の直前まで原発の売り込みに自民党政権以上に熱心だった。日本企業は70年代から圧力容器などの機器を海外へ輸出してきたが、民主党政権になってから「新成長戦略」の目玉として、原発企業と一体となった国家的プロジェクトとして原発の建設、運営などをひとまとめで受注することに力を注いできた。菅は1月の施政方針演説で、「私自らベトナムの首相に働きかけた結果、原発施設の海外進出が初めて実現します」とその成果を押し出していた。
 東芝、日立、三菱重工などの原発メーカーは差し当たり国内での新規建設が暗礁に乗り上げたことで、海外の需要に浅ましい「期待」をふくらませ、政府が外交で原発売り込みに積極的に動くよう圧力をかけている。なにしろ原発は1基で5千億円を下らない巨大ビジネスだ。福島原発事故で無数の人びとの生活が破壊され、今なお塗炭の苦しみを味わわされているという事実に、彼らはまったく心の痛みを感じないのだ。
 かつて、戦争の当事者に見境なく兵器・武器を売り法外な利益を稼ぐ企業は「死の商人」と呼ばれ糾弾された。今や日本の政府と原発企業は、これだけの甚大で深刻な長期大量の放射能被害をもたらし今なお収束の見通しもつかない原発を、その危険ごと外国に押しつけて金を稼ごうとしている。大恐慌下、資源と市場の確保をめぐる争闘戦激化の中で、原発輸出は日帝ブルジョアジーの生き残りをかけた「生命線」となっている。
 福島の怒り、広島・長崎の怒りを先頭に、日本労働者階級の責任において、原発輸出に血道を上げる日本帝国主義を打倒しなければならない。

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週刊『前進』(2501号5面4)(2011/08/29 )

焦点 米中が「ナンバー2」会談

 大恐慌下での結託と対決

 米副大統領のバイデンが8月17日から中国を訪問し、来年秋の中国共産党大会でトップの党総書記、国家主席になることが事実上確定している習近平国家副主席と5回にわたって会談、「対立を抱えながら共存の道を探る」(日経8・19)「弁解の米、余裕の中国」(朝日8・22)などと報道された。格下げされた米国債の引き受け継続を米側が要請し、「ドル資産の安全確保の権利」を中国が求めた以外に目立った「成果」もない中で、むしろ浮き彫りになったのは、大恐慌の震源地であり空前の財政破綻で基軸通貨ドル崩壊の危機にあえぐ米帝と、不動産バブル崩壊とインフレ爆発の危機と矛盾を抱えつつ台頭する中国スターリン主義との複雑で深刻な対峙・対決と結託の関係だ。
 そもそも現在の米中関係は「国交回復以来最悪」と言われる。世界第2位の「経済大国」となった中国に対し、米帝はオバマ政権発足直後の「G2論」(米中連携による世界秩序)を転換し、昨年11・23延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦が示すように対峙・対決方針を明確にしてきた。台湾への武器売却問題や、グーグルの中国市場撤退、人民元問題(切り上げ要求)、作家・劉暁波(りゅうぎょうは)氏の釈放要求などの「人権問題」、そして東アジアの海洋権益をめぐる軍事対立の深刻化――米中対立はエスカレートの一途をたどっていた。オバマは中国が北朝鮮問題で協調しなければ「米軍はアジアでの兵力の再配置や軍事演習強化の措置を取る」とも通告していた(NYタイムズ1月)。
 しかし米中問題は複雑で深刻だ。大恐慌の進展の中で、米帝はFRB(連邦準備制度理事会)が国債全量買い上げに近い非常手段を強行したにもかかわらず、国家財政はデフォルト(債務不履行)寸前に追い込まれ、ドル暴落が現実味を帯び、根本的に対立する中国スターリン主義の「巨大市場」に依拠するかドル安の為替戦争に訴える以外に当面の経済政策自体が成り立たない状態なのだ。
 今回、中国当局はバイデン訪中と時期を合わせ、次期首相就任が確実とされる李克強副首相を香港に派遣し、「香港での元建て中国国債の発行の促進」など、人民元取引の規制緩和策を発表した。国家主席の胡錦濤は1月に「ドルの一極支配は時代遅れ」と公言しているが、米ドル基軸通貨体制の崩壊を前提にした政策に踏みだすことは、米帝の世界支配の最大の破綻点に手をかけ、米中関係の緊張を逆なでする問題である。
 今回の米中会談で中国スターリン主義指導部は、「米中は世界の2大経済大国」「互いの核心的利益を尊重する」「米中のグローバルなパートナー協力を強化する」として、1年前にオバマが撤回した「G2論」への復帰を突きつけるような国内発表(中国国内メディアの統一原稿)を行った。だが大恐慌下で米中矛盾の爆発と米中対峙・対決は現代世界を規定する最大要素であり、米中の「G2論」的な共存などあり得ない。
 世界の労働者階級人民にとって、この大恐慌下の破局的事態を、帝国主義とスターリン主義を打倒するプロレタリア世界革命に転化する闘いが唯一の勝利の道である。

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