ZENSHIN 2011/03/21(No2480 p06)
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週刊『前進』(2480号1面1)(2011/03/21 )
全職場で被災地支援・反原発を
3・20渋谷 全学連を先頭に反戦大デモ
連合を打ち破り大恐慌と対決
リビア爆撃に直ちに国際的な反撃
(写真 沿道の労働者・学生の圧倒的注目の中、「被災地を全力で支援しよう」「全原発の即時停止を」「菅を今すぐ打倒しよう」と訴えて渋谷の街を行くデモ隊。全学連の学生が集会とデモを終始先頭で牽引した【3月20日】)
イラク開戦から8年目の20日、渋谷反戦大デモが闘いぬかれた。東日本大震災の被災者を全力で支援するため、全職場・全大学で被災地支援・反原発の大運動を起こす方針が提起され、1550人の参加者が心をひとつに闘う決意を固めた。また、19日に米英仏などの帝国主義がリビアに行った爆撃を徹底弾劾し、国際的反撃をたたきつけた。
海外メディアが圧倒的注目
集会後のデモは圧巻だった。闘いを先頭で準備し打ち抜いた学生たちが最先頭で横断幕を持ち、動労千葉、三里塚反対同盟、闘う弁護士、在日・滞日外国人の隊列が続いた。その後を全学連と労働者の隊列が色とりどりの旗を林立させて前進した。沿道には若者たちが鈴なりになった。
「自粛」ムードの中で、ワールド・ピース・ナウは、前日予定していた反戦集会をなんと中止した。原発推進の連合もまた菅政権に加担し闘いを押しつぶそうとしている。こうした異様な「政治休戦」「挙国一致」体制を打ち破り、大恐慌・大震災と唯一対決する闘いとして打ち抜かれた。
この闘いは海外メディアの大注目を集め、中国、韓国の報道機関や、欧米のロイター通信、ワシントン・ポストなど多数が取材に駆けつけた。
震災解雇粉砕菅政権倒せ!
集会は午後1時から始められた。東北大学の石田真弓全学自治会委員長が開会のあいさつを行った。石田君は「ライフラインが完全にストップし、仲間と肩を寄せ合って生きてきた。一人でも多くの人を救うために救援を。全国の人々の救援の思いをぶちこわして被害を継続・拡大している菅政権を今すぐ打倒しよう」と呼びかけた。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が特別アピール。田中さんは「労働者を踏みにじり、利潤だけを追求してきた新自由主義が大震災と原発事故を引き起こした。こんなことを二度と許すな」「政府は統治能力を完全に失っている。多くの避難所に物資が届いていない。救援が全部統制されている。動労千葉と労組交流センターは東京に救援対策本部、仙台に現地対策本部を立ち上げた。全職場から被災地支援・反原発の大運動を巻き起こそう」「震災前から吹き荒れていた首切りのあらしは大震災でますます強まる。震災解雇と徹底的に対決しよう。国鉄闘争全国運動の大飛躍が今こそ求められる。私たちの運動が全国の労働者の怒りと結びついたとき、私たちの力は数百倍になる。団結して闘おう」と呼びかけた。
(写真 被災地・東北の学生と労働者が登壇。大震災を引き起こした新自由主義と菅政権を怒り込め弾劾し支援を訴えた)
三里塚反対同盟がアピール
もうひとつの特別アピールを、三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長が行った。「反対同盟は被災者救援と原発即時停止の声明を出した。被災地と手を携えて闘っていく。政府は『天災だ』と言うがそんなことではない。歴代自民党政府が、人民が生きられない政治をやってきたことの結果だ」「日本発の第2の大恐慌が世界に広がっている。この大津波に資本主義体制は押しつぶされようとしている。われわれが新しい社会をつくろう。3・27三里塚闘争に大結集して下さい」と呼びかけた。
織田陽介全学連委員長が基調を提起した。「昨年11・23の砲撃戦をもって始まった帝国主義の朝鮮侵略戦争を絶対に止める思いで今日の闘いを決めた。大震災の現実を前に、必要なことは悲しむことではなく、怒ることだ。政治休戦ではなく、闘うことだ。リビアは空爆、日本は大震災で人民の闘いが押しつぶされようとしている。世界の労働者はひとつだ。連帯し団結して闘おう」「自民党、民主党のやつらに社会を治めることはできない。これほどめちゃくちゃになった社会を、私たち青年の力で必ずつくり直してみせる」「御用学者を追放し大学を学生の手に取り戻そう」と確信に満ちて訴えた。
そして具体的に「全職場・全大学で被災地支援の大運動を組織しよう」「反原発運動を安保粉砕・沖縄基地撤去の反戦・反核闘争として闘おう」「国鉄全国運動を闘い震災解雇・非正規雇い止めを粉砕しよう」と呼びかけた。
(写真 集会をかちとり「団結して頑張ろう」と拳をあげた【代々木公園】)
被災現地から駆けつけ訴え
被災地から駆けつけた学生と労働者が登壇し、東北大生と福島の国労の労働者が訴えた。この被災地の仲間に、首都圏の学生・労働者から檄布(げきふ)が贈られた。
国際連帯のアピールとして在日・滞日の外国人労働者が多数登壇し、連帯と決意を表明した。
学生・青年のアピールを法大文化連盟、京大熊野寮、東京北部の青年医療労働者、大阪の自治体労働者が行った。
連帯のあいさつを「とめよう戦争への道!百万人署名運動」事務局長の西川重則さん、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さん、裁判員制度と闘う弁護士を代表し森川文人さんが行った。さらに広島大学の学生が8・6ヒロシマヘの結集をアピールした。沖縄で辺野古米軍基地建設阻止を闘う青年労働者のメッセージが読み上げられた。
救援カンパの訴えには170万円が寄せられ、30万円、25万円のカンパもあった。30万円入りの封筒には「退職金、10年以上働いてこれだけ。この怒りとともにこれで役に立つ金になった」との添え書きがあった。全参加者の心がひとつとなってデモに出発した。
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週刊『前進』(2480号1面2)(2011/03/21 )
東日本大震災 動労千葉と労組交流センター 救援対策本部を設置
3月16日、動労千葉と全国労組交流センターが「東日本大震災救援対策本部」を発足させた。本部を交流センター内に設置。仙台に現地対策本部も立ち上げた。
同本部は17日に発表したアピールで「現在、幹線道路からの救援物資送り込みは自衛隊に阻止されてできない。最短ルートは新潟経由で、新潟に中継拠点を置く」とし、「水・食料・ガソリンが欠乏し深刻な状況だ。幾十万の被災者が菅政権の無為無策で破滅的な『被災対策』のなかで殺されつつある。政府がやっているのは統制と秩序の維持だけだ。被災者は寒さの中で飢餓に追いやられている」と訴えている。
さらに「損壊した原発から放出される高濃度放射能が数百万人を被曝(ひばく)させつつある。原発反対派を含む知恵と力を結集すべき時に、政府と東電は真実を隠し、全対策を後手に回している」と弾劾し、「労働者自身の自主的な救援闘争を組織しよう。闘う労働組合こそその先頭に立とう」と呼びかけた。全力でこれに応えよう。
当面、主要に以下の救援物資とカンパを本部に集中し、可能なあらゆる支援を組織する方針だ。
▼衣料品(新品の下着・生理用品含む)/米・食料品(保存のきくもの)/毛布等生活用品
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●救援物資の送り先
〒111-0041 台東区元浅草2-4-10(五宝堂・伊藤ビル5F) 東日本大震災救援対策本部
●カンパ振り込み先(郵便振替)
口座番号 0015-9-408647
加入者名 全国労働組合交流センター(※約1週間後に対策本部の口座開設。当面は上記の口座へ。通信欄に「被災地カンパ」と明記願います)
●問い合わせ先
TEL:03-3845-7461
FAX:03-3845-7463
Eーmailアドレス: centergo@nifty.com
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週刊『前進』(2480号1面3)(2011/03/21 )
日程 3・27三里塚に結集しよう
第3誘導路建設阻止! TPP反対! 現闘本部の破壊を阻止し、市東さんの農地を守ろう! 軍事空港建設粉砕・改憲阻止!
3・27三里塚全国総決起集会
3月27日(日)正午
成田市天神峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2480号2面1)(2011/03/21 )
被災地救援・全原発廃止・菅打倒へ
被災地の労働者・農民・漁民・自営業者のみなさんと6千万労働者階級に訴える
革命的共産主義者同盟
(1)
3月11日午後、東北地方・東日本の労働者人民の頭上に巨大地震が襲いかかった。長く激しい揺れと倒壊、崩落、陥没に続き、10bを超える大津波が反復して襲い、死者・行方不明者は数万人に達しようとしている。沿岸部は壊滅状態にたたき込まれた。加えて福島第一原発の炉心溶融・爆発という世界最大・最悪の事故が発生し、高濃度の放射能が労働者人民を襲う危機が迫っている。
今や被災地では、電気・ガス・水道などのライフラインが切断され、医療も崩壊している。水や食料・燃料・ガソリンなどが欠乏し、命をつなぐ最低限の手段さえ奪われた状態が続いている。鉄道や高速道路は自衛隊の完全な制圧下に置かれ、ストップしている。大震災を口実に、国家権力による有事体制と報道管制が発動され、自衛隊と機動隊が被災地を隔離・封鎖している。治安維持が他の一切に優先され、人命救助や物資補給は徹頭徹尾後回しにされているのが実態だ。
しかし、この困難の中でも、被災現地の労働者人民は必死にあらゆる知恵と創意を結集し、団結をつくりだして闘っている。行政機構が崩壊した中で労働者・学生・市民による自主的な組織が立ち上げられ、水くみや炊き出しを行い、乏しい物資を分け合って、団結してともに生きぬくための闘いが始まっている。
この現実は何を示すのか。日本帝国主義の支配が政治・経済・行政において全面的に崩壊しているということだ。もはや支配階級には、この現状を打開する力はない。未来への生きる展望も示すことができない。誰がこの危機を救うのか。今こそ全労働者階級人民が、被災地の労働者・農民・漁民・自営業者とともに、生きるための闘いに総決起することが求められている。
それは何よりも、闘う労働組合をよみがえらせることである。そして労働組合が中心となって全人民の結集と団結を組織し、生きる手段を資本家階級とその国家から実力でもぎとることだ。その闘いの中から、古い支配体制を打倒しそれにとって代わる労働者階級自身の新しい権力を打ち立てていく闘いに、断固として突入することだ。現在の危機を突破する唯一の道はそこにある。
(2)
大恐慌・大失業と戦争は巨大な大震災をもたらした。この現実こそ、新自由主義が引き起こした現実だ。今や資本主義の社会全体が音を立てて崩壊している。しかもブルジョアジーは一切の犠牲を労働者階級人民に押しつけて生き延びることに必死となり、労働者階級の生命と生活を破滅へ導いている。
巨大震災に続いて、問答無用の大量首切りが労働者階級に襲いかかっている。基幹産業・流通産業の操業停止が相次いで行われ、新たな解雇攻撃に直結しつつある。非正規労働者へ向かって、門前払いの雇い止め攻撃が開始されている。大震災が大恐慌をさらに爆発させ、とてつもない大失業を促進しようとしている。帝国主義(新自由主義)は、この大失業を解決できない。
政府・日銀がやったことはブルジョアジーを守るための膨大な財政投入と超金融緩和であり、これは国家財政の大破綻へ行き着いた。大震災を契機とする新たな「日本発大恐慌」はすでに、株の大暴落として始まっている。これは米帝と世界経済を直撃し、基軸通貨ドルの大暴落にまで進展することは不可避である。
帝国主義・新自由主義は07年8月のパリバ・ショックと08年9月のリーマン・ショックをもって、大恐慌・大失業と戦争としてその全矛盾を爆発させた。日帝はこの大恐慌を、労組幹部の腐敗と労働組合の変質をテコにして、労働者階級への極限的な搾取強化・収奪とともに、地方の切り捨てを始め、大資本の延命を他の一切に優先することでのりきろうとしてきた。これに対し6千万労働者階級の怒りは臨界点に達していた。大震災はこの怒りに火をつけた。求められているのは、労働者階級が社会を動かす主人公として登場することだ。
全産別、全産業で、今こそ職場での決起が求められる。資本はここぞとばかり「国難」「救国」をあおり、「政治休戦」「労使一体」「挙国一致」を叫んで、非正規労働者への雇い止めや職場の権利剥奪(はくだつ)、強労働を強制してきている。民営化・外注化攻撃で職場は一変している。全職場で被災地救援を方針化し活動を開始することが、ブルジョアジーの攻撃を粉砕し、職場に新たな団結をつくりだす道だ。この力関係をもって労働組合をよみがえらせる闘いに勝利することである。
民営化・外注化・排外主義攻撃と闘い、職場から被災地救援運動に決起しよう。
(3)
原発は、現代帝国主義が生みだした破滅的政策の産物である。原子力は、大量殺りく兵器である核兵器製造のために開発された、根本的に反労働者的なものだ。しかも完全制御など不可能な、人間社会の存立とは相いれないものである。だが帝国主義とスターリン主義は戦後、「原子力の平和利用は可能」と強弁し、原子力発電所建設を核武装・核軍拡計画と一体のものとして推進してきた。その先頭に立ってきたのが日帝だ。
現在の超ど級の大事故は、日帝がヒロシマ・ナガサキの血の叫びを抹殺し、スリーマイルやチェルノブイリの教訓をも一切無視して強行してきた原発推進政策の結果だ。大地震・大津波の多発地帯である日本列島にこれほど多数の原発がつくられ、労働者人民がここまで危険な状況に追い込まれている原因は何か。その一切は、大資本の利益と戦争政策のために、原発建設を「国家戦略」として推進してきた歴代の自民党政権と、それを引き継ぐ菅政権にある。
今や人類史上最悪の大事故が起きているにもかかわらず、菅政権と東電など日帝資本は原発維持のために情報隠しに必死となり、労働者人民の大量被曝(ひばく)を放置し、見殺しにしている。都知事・石原にいたっては「核武装こそ日本の生きる道」と言い、それを撤回もせずに今度は大震災の被災者に対し「天罰」なる暴言を吐いている。断じて許すな!
今必要なのは、情報隠し・被曝隠しに走る菅政権・東電資本とそれに協力する御用学者や労組幹部などの腐りきった連中を打倒し追放して、労働者階級の団結の力で危機突破の道を切り開くことだ。
電力資本のもとで働くすべての労働者と技術者に訴える! 政府・資本の意のままになることを拒否して自主的に団結しよう。情報管理を粉砕し、あらゆる力を結集して被曝の拡大から労働者人民を守るために立ち上がろう。
一切の原発の即時運転停止と建設中止をかちとることはその突破口である。とりわけ東海地震も切迫する浜岡原発の停止は一刻を争う。全国の科学者は労働者とともに決起し、全原発の廃炉への道を切り開こう。
すでに、多くの現場労働者、下請け労働者や自衛隊兵士が事故現場に「決死隊」として送られ被曝している。膨大な住民が放射能汚染にさらされ、帰る地を奪われている。さらに巨大地震と大津波からかろうじて生き残った人々の中からも、飢えと寒さの中で新たな犠牲者が出ているのだ。この犠牲と被害の全責任を、財界・資本と菅政権に絶対にとらせなければならない。
(4)
資本主義は日々崩壊を速めている。ブルジョアジーは、破産した新自由主義にますますしがみつき、労働者階級への政治的経済的大攻撃によって自らの危機を突破しようとしている。すべての労働者は今こそ、生きるための要求を掲げて総決起しよう。
▼被災地に水と米と灯油とガソリンを直ちに保障せよ! ▼電気・ガス・上下水道・医療体制を直ちに確立し、被災地住民の全生活を保障せよ! ▼原発は労働者階級への敵対物だ。直ちに停止・廃止せよ! ▼生きられる賃金を保障せよ! ▼首切りなど絶対に許さない!
労働者と農民・漁民・自営業者は団結して、労働組合や協同組合を建設し、生きぬくために闘おう! 何よりも労働組合をよみがえらせ、闘って生きぬこう!
生きぬくためのこの闘いは、新自由主義攻撃と対決する路線をより全面的、本格的、全社会的に貫き発展させていく闘いである。国鉄闘争全国運動は、この力を限りなく与えてくれる。国鉄闘争全国運動は今や、この巨大地震と対決し被災地労働者と結合する全階級的課題を担う推進軸として発展するだろう。
すでに、国鉄闘争全国運動に結集する国鉄労働者は、外注化攻撃を粉砕し、新人事・賃金制度攻撃を粉砕し、貨物の賃金凍結をも粉砕して前進している。動労千葉は青年部再建へ動きだしている。さらに、国労をめぐる体制内派との激突に勝利し、巨大地震でわがJR労働者が殺されている現実をも直視して、1047名解雇撤回、闘争団の組合員権剥奪攻撃粉砕へ総決起しよう。
動労千葉はすでに「労働者の力で被災地を救援しよう!」というアピールを発し、労働組合を軸に救援大輸送部隊を組織して闘うことを訴えている。これに応えて革共同は、「生きぬくために闘う」全国闘争本部を設置し、被災地救援、非正規労働者防衛、6千万労働者の団結、学生自治会建設、全国10億円基金運動へ、総力をあげて決起する。「震災解雇」を絶対に許さず、大首切りの嵐の中で闘う非正規労働者を防衛し、ともに総決起しよう。国鉄闘争全国運動をその中心を担う組織へと断固発展させ、6千万労働者の階級的連帯を深めて闘おう。
300万学生運動の大爆発を闘いとろう。全学連は、東北大学・法政大学を最大の拠点に、巨大な救援物流基地づくりに飛び出そう!
大恐慌下の大震災による破滅的事態は、労働者階級が労働組合と労働運動を基軸に、全生産と社会を動かし責任をとる勢力として登場する以外に解決できない。今こそその時が来た。被災地救援大運動を全国津々浦々に組織し、戦後革命期の闘いをものりこえて進む労働者階級人民の一大決起をつくりだそう。
新自由主義と闘う世界の労働者とともに民族・国境・国籍を越えた団結を発展させよう。アメリカ、韓国、ドイツ、ブラジルなど全世界から、日本の労働者への限りない連帯が寄せられている。国際労働者階級の団結のもと、エジプト革命に続く闘いに立ち上がろう。
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週刊『前進』(2480号3面1)(2011/03/21 )
被災地救援・全原発廃止・菅打倒へ
東北大生の被災地報告 “生きることが闘い”
新自由主義が招いた大惨事
東日本大震災との闘いのまっただ中から、東北大学の学生の報告が寄せられた。今なお数十万人の人びとが避難所での不自由な生活を強いられる苦難の中で、日帝と菅政権への怒りをたぎらせながら生きるための闘いが続いている。被災地支援に全力で立ち上がろう(編集局)
被災地の学生・労働者は、この人類史上経験したことのないような苦難と向き合い、悲しみやつらさをのりこえ、明日生きるための闘いに立ち上がっている。生きることが闘いだ。それは新自由主義のもとで低賃金の非正規職にたたき込まれてきた青年・学生とまったく同じだ。そして命がけの決起でムバラク政権を打倒したエジプトの労働者階級と一つの闘いだ。
(写真 法大生から日就寮に救援物資が届けられた【3月14日 東北大学学生自治会のブログより】)
食料も石油もまったく無い
ここで強調したいのは、菅政権は救援などなにもやっていないということだ。菅がやっているのは、東北すべての切り捨てであり、反対する者への弾圧だ。私たち労働者が自らの力で救援を組織しなければならない。
被災地で起きていることは何か。午後3時過ぎ、学校の下校時刻に襲った津波は、学区をまるごとのみこんだ。避難所となった小学校は、泥まみれ、キズだらけになりながらも、命からがら助かった人であふれかえっている。下校した児童が見当たらない、助かった児童も親が行方知れず。人も、家も、車も、すべてが流されたところを自衛隊が制圧している。救援や遺体収容のためではない。治安維持のためだ。
そして、最大の問題は食料とガソリンだ。鉄道は完全にストップし、東北自動車道も緊急車両専用となり、自衛隊の軍用道路と化している。補給路が断たれ、支援物資もまったく入ってこない。
食料品を求めて、スーパーに数千人の列ができる。コンビニは在庫がなくなり、ずっと閉まったままだ。朝の6時半から4時間ならんで、お菓子とカップめんが合わせて5個までしか買えない。あるホームセンターは通常より2倍の価格で売りつけている。生鮮食品はどこに行ってもない。住民生活を支えるためのガソリンや灯油はもっと深刻だ。5時間ならんで20gだけ。ガソリンがないから、家族を捜しにいくこともできない。ガス欠で打ち捨てられた自動車が道路に列をなしている。
日就寮の仲間団結の中心に
これは新自由主義の破産の現実そのものだ。新自由主義は規制緩和で地方を切り捨て、大手スーパーの出店で都市をシャッター街にしてきた。価格破壊で農業をつぶし、労働組合を解体し、地域の共同体を破壊してきた。これらの破局的姿が、大震災によって浮き彫りになったのだ。
被災地の労働者・学生はいま、生きるために、新自由主義によって奪われてきた団結や人間的共同性を一挙に取り戻している。日就寮の仲間は、全員で生き抜くために、食料や生活物資を出し合い、寮委員会のもとに管理し、水汲みや買い出し、炊き出しを団結してやっている。「生きていけない!」というぎりぎりの状況から、労働組合、学生自治会、自治寮が地域の拠点となって、ソビエト建設の萌芽が始まっているのだ。
大失業と闘い菅政権打倒へ
被災地の学生・労働者は、菅政権を絶対に許さない! 菅や枝野(東北大・法出身)の記者会見で発せられる一言ひとことに、言葉では言い表せないほどの怒りがこみ上げてくる。原発の爆発が起きるたびに繰り返される「想定の範囲内」「人体に影響はない」という発言。「東京電力は撤退するな。覚悟を決めろ」(菅)、「津波を利用して我欲を洗い落とせ。天罰だ」(石原)の発言に彼らの階級意思があらわれている。
それは、2千万青年労働者、6千万労働者階級への階級戦争宣言だ。大震災を口実として、菅政権は大増税に踏み切ろうとしている。大失業攻撃はすでに始まっている。
労働者が団結して、闘う労働組合をよみがえらせ菅政権を打倒する以外に、私たち被災地の労働者・学生が生き抜く道はありません。私たちは生き抜き、絶対に勝利します! ぜひとも物資・カンパを寄せてください!
(東北大学学生自治会委員長・石田真弓)
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