ZENSHIN 2011/03/14(No2479 p06)
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週刊『前進』(2479号1面1)(2011/03/14 )
全国から3・20大デモへ
4・1外注化−新賃金制度粉砕
闘争団の組合員権剥奪・国労解体許さず、大量首切りの嵐に反撃を
3月20日、東京・渋谷に全国から結集し、階級闘争を一変させる一大反戦デモをやろう! 外務大臣・前原の辞任と米国務省日本部長メアの沖縄差別暴言は、菅政権打倒の現実性を示し、日米安保と沖縄基地に対する怒りを爆発させている。3・20は国際的な大焦点に押し上げられた。エジプト革命と連帯し、日本の労働者・学生・人民がいかなる行動をとるのか。ここに世界史の命運がかかっている。3・20渋谷反戦大デモの爆発で菅政権を打倒し、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の闘いを推し進めよう。労働組合と大学をめぐる攻防に勝ち抜き、青年労働者と学生が先頭で決起しよう。18日間の蜂起戦をやりぬいて2月革命に勝利したエジプトに続け。
メア暴言弾劾・安保粉砕へ
3・20闘争の大爆発に向け、第一に訴えたいことは、米帝(米日韓軍事体制)の朝鮮侵略戦争阻止、沖縄基地撤去・安保粉砕の大反戦デモで渋谷の街を席巻しようということだ。
「沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人」「日本政府は沖縄の知事に対して『お金がほしいならサインしろ』という必要がある」。米国務省日本部長メアのこれらの暴言を断じて許すな。戦争と基地建設に反対することが「ごまかしとゆすり」なのか! そもそも沖縄基地と、そこからの出撃で、何度戦争が行われ、アジアや中東のどれだけの人々の命が奪われてきたのか!
沖縄戦の凄惨(せいさん)な記憶、米軍による過酷な統治とやむことのない住民被害、騒音地獄。日常生活をもぶち壊す基地の存在への積もりに積もった怒りが、誇り高き反基地闘争として、営々と闘われてきたのだ。
米帝とメアは、沖縄を始め日本労働者階級人民の、戦争と基地に対する怒りと闘いを心底から憎悪している。とりわけ辺野古新基地建設阻止闘争をだ。メアは沖縄総領事として米側で辺野古への新基地建設を最も強硬に主張し続けてきた一人だ。だが新基地建設阻止の闘いは、15年以上にわたり辺野古の海にくい一本打たせることなく、「闘えば戦争は阻止できる」ことを世界に示してきた。このことに米帝は大打撃を受けている。
メア暴言に対し、官房長官・枝野は「事実なら容認しがたい」などと発言した。しかし辺野古新基地建設を強く推し進めてきたのは日帝・菅政権ではないか。「お金がほしいならサインしろ」と屈服を迫ってきたのは日本政府自身ではないか。膨大なカネを沖縄と辺野古に投下し、買収を策動し、基地建設を迫り、沖縄と本土の連帯と闘いを破壊してきたのは、一体どこのどいつなのだ!
中東革命圧殺狙う軍事介入
3・20闘争の大爆発に向け、第二に訴えたいことは、エジプト・中東革命に軍事介入し革命圧殺を狙う米欧帝の戦争策動と対決し、「戦争を内乱へ」の闘いを切り開くため、反戦大デモに全力で立とうということだ。
戦争突入情勢の超緊迫は、もはや一刻の猶予も許さない。現下の最大の焦点は、中東革命に対する米帝の大反動である。
米国防長官ゲーツは3月1日の記者会見で、リビア内戦に対し、2・26国連決議を口実として、米空母エンタープライズのスエズ運河への移動、米空母カール・ビンソンのアラビア海展開と、強襲揚陸艦・輸送揚陸艦および海兵隊400人の派兵を発表した。さらに米英仏などが「飛行禁止空域」の設定という軍事行動も画策している。緊急避難や人道支援、「カダフィの空爆を防ぐ」ことなどが目的と称しているが、リビア内戦介入の本質は、エジプト・中東革命の圧殺と侵略だ。
さらに、今ひとつの大焦点こそ、朝鮮侵略戦争の超緊迫情勢である。
2月28日から開始された二つの米韓(日)合同演習は、朝鮮侵略戦争の発動そのものだ。北朝鮮の「急変事態」「体制崩壊」を想定し、米軍2万、韓国軍20万の大兵力が投入されている。しかもこれを前後して、韓国が宣伝ビラを空中散布し、北朝鮮に対する露骨な挑発を行っている。北朝鮮は「軍事対応措置をとる」と言っており、実際に米韓に「反撃」が行われれば、そのまま戦争に突入することも想定した米韓合同演習なのだ。
エジプトのタハリール広場を覆った勝利の叫びは、中東全体と世界を揺るがし、中国スターリン主義下の労働者、さらには帝国主義の総本山アメリカの労働者階級の決起を生み出している。エジプトと中東で労働者階級のプロレタリア世界革命の炎が燃え上がっていることに、今や帝国主義は激しく恐怖し、軍事介入に出ているのだ。
エジプトと中東の労働者人民の革命的決起に、3・20反戦デモの大爆発で応えよう。
菅政権を倒し日本革命開け
3・20闘争の大爆発に向け、第三に訴えたいことは、青年労働者・学生を先頭としたストライキとデモの力で菅政権を打倒し、日本革命を手繰り寄せようということだ。
大恐慌が大失業と戦争を生み出し、エジプトを先頭にプロレタリア世界革命が爆発する情勢のもと、今や日本帝国主義足下での日米安保粉砕・侵略戦争阻止と菅政権打倒の闘いが、世界史的な焦点になっている。米帝の戦争を戦後一貫して支え、世界の革命運動や民族解放闘争を圧殺してきた日米安保体制。これを打ち砕くことは、戦争を止め、世界革命への道を一挙に切り開く。その現実性は3・20闘争の大爆発の中にある。
予算関連法案成立の展望もなく、外相・前原も辞任し、今や菅政権は倒壊寸前だ。この菅を支えている最大の実体が、連合など体制内労働運動の潮流だ。前原に対し連合幹部は「早く辞任することがあなたの将来につながる」などと進言している。こうした労働組合ダラ幹の腐敗と堕落が、一体どれほど労働者の怒りを抑えつけていることか。これへの怒りを爆発させて、闘う労働組合をよみがえらせよう。
労働組合を革命派が奪い返した時、どれほどの力を労働者が発揮するか。それをエジプトの労働者階級の闘いが鮮明に示している。反戦デモの中心軸として、階級的労働運動潮流を3・20渋谷に鮮烈に登場させよう。
青年労働者と学生の怒りと決起が、世界を揺るがし、世界を変える。労働組合とともに、革命の帰趨(きすう)を決するのが大学での闘いだ。そこでの学生の怒りは今や頂点に達している。鹿児島大生による東広島市でのバス横転事件や、東北地方の予備校生による入試での「偽計業務妨害」事件、これらの事件はなぜ引き起こされたのか。
今や新自由主義と「教育の民営化」のもとで、大学は変質し腐敗し切っている。資本の利潤増殖と金もうけのための「学問」、就職難を逆手に取った競争、ビラをまき、集会を訴え、学生運動をするだけで、徹底的な弾圧。特に許し難いのは、学生が直面する苦境につけ込み、受験を「営業」と言ってはばからず、受験料3万5千円をせしめ、学内では一切の自由を奪う法大当局だ。法大こそ大学の新自由主義的な変質と腐敗の極だ。
この法大から大学を変えよう。3・20闘争の大爆発で、法大当局による倉岡雅美さんへの処分を絶対に阻止しよう!
動労千葉の春闘ストに続き
青年労働者は今、青年部運動をよみがえらせ、労働運動を大変革する挑戦に立ち上がっている。とりわけ郵政職場では3月末を期限に全国で数千人が「雇い止め」になることに対して全国の至る所から闘いが噴出している。しかし郵政当局は、「24年度に営業黒字を目指す」などと叫んでいる。今や敵ははっきりした。「絶対に解雇には従わない!」。3・20渋谷デモに総決起し、労働者の怒りの根底性を資本に見せつけてやろう!
検修業務全面外注化、新人事・賃金制度、そして東労組支配への怒りが逆巻くJR職場では、青年労働者(平成採)の分岐、流動化が進んでいる。この中で動労千葉は3月春闘ストに立つ。そして青年部結成の大宣言を発しようとしている。動労千葉に続き、ストライキとデモの爆発で菅政権を打倒しよう。
4・1JR外注化を断固阻止しよう。国労本部による闘争団の組合員権剥奪(はくだつ)、国労解体・連合合流を断じて許すな! 国鉄闘争全国運動を全国津々浦々に拡大しよう。
さらに3・20の爆発の力で、4月統一地方選挙戦に勝利しよう。大恐慌下の戦争・大失業攻撃を打ち破るため、絶対に革命的議員が必要だ。民営化・外注化・非正規職化に群がる全政党・勢力をなぎ倒し、青年が先頭に立ち、杉並、相模原、八尾で断固勝利しよう!
朝鮮侵略戦争発動の情勢下で、三里塚闘争は日本階級闘争の管制高地、反戦のとりでとして巨大な位置と意義をもっている。学生を最先頭に3・27三里塚全国集会に結集しよう。
時代は革命的な労働者党を求めている。すべての青年労働者・学生はマル青労同、マル学同中核派に加盟し、ともに闘おう! 3・20闘争への大進撃と一体で、革共同を労働者階級の党、不抜の革命党として、強固に建設しよう。3月20日の渋谷・代々木公園を「タハリール広場」にせよ!
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週刊『前進』(2479号1面2)(2011/03/14 )
ドイツから3・20に連帯
KRDが革命的メッセージ
動労千葉や全学連とともに闘うドイツのグループKRD(レーテ・デモクラシーのための委員会)から3・20反戦デモへの連帯メッセージが寄せられた。KRDからは3人の学生が昨年の8月広島・長崎・靖国反戦闘争に参加し、さらに2人の労働者が11・7全国労働者総決起集会に参加してともに闘った。今回の3・20闘争にはKRDとして呼びかけ人に加わっている。メッセージを以下に掲載します。
(編集局)
* * *
デモ参加者のみなさん、闘う仲間のみなさんへ。
全学連と法政大学文化連盟のみなさんへ。
ドイツからみなさんの3・20集会によせて、心からの革命的あいさつを送ります。
私たちKRD(レーテ・デモクラシーのための委員会)は、資本主義体制と、それらがイラクや朝鮮、アフガニスタンや地球上の他の多くの国々でもたらした戦争に対する、みなさんの闘いにともに決起します。
今日私たちは、チュニジアに、エジプトに、モロッコに、そしてレバノンに仲間を見いだしています。これらの革命によりこうした国々が社会主義にむけて一歩前進することを、私たちは望んでいます。
ドイツではこの2月にドレスデンで、右翼・国粋主義者との大きな闘いがありました。第2次世界大戦中に数千人の市民が殺されたドレスデン空襲の日に際し、2千人のネオナチが人種差別主義的・ファッショ的な狙いをもってデモをやろうとしたのです。しかし、2万人のデモ隊がルートを封鎖し、このネオナチのデモを粉砕しました!
みなさんの闘いの成功を願っています。9千`の距離をこえて、私たちはみなさんとともにあります。
ドイツKRD/みなさんの同志たちより
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週刊『前進』(2479号1面3)(2011/03/14 )
各地で国際婦人デー闘争
「革命」の横断幕で池袋をデモが席巻
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週刊『前進』(2479号1面4)(2011/03/14 )
前進速報版から
▼三里塚、鈴木さん一坪裁判▼東京、関西、広島で国際婦人デー闘争▼「国鉄闘争全国運動・沖縄」が結成総会▼仙台で国労春闘行動
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週刊『前進』(2479号1面5)(2011/03/14 )
日程 3・27三里塚集会、3・20渋谷反戦デモ
イラク開戦8年 全世界一斉行動
3・20渋谷反戦デモ
3月20日(日)午後1時集会(3時30分デモ出発)
代々木公園B地区野外ステージ
主催/3・20集会実行委員会
★朝鮮侵略戦争を阻止しよう! 沖縄新基地建設を阻止し、日米安保を粉砕しよう! ★戦争・大失業の菅政権を倒そう! ★法政大学の監獄体制をぶっとばそう!
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第3誘導路建設阻止! TPP反対! 現闘本部の破壊を阻止し、市東さんの農地を守ろう! 軍事空港建設粉砕・改憲阻止!
3・27三里塚全国総決起集会
3月27日(日)正午
成田市天神峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2479号3面1)(2011/03/14 )
首都圏青年労働者集会
大失業と非正規化に怒り
国鉄を先頭に青年部建設へ
「闘う春闘を取り戻そう! 首都圏青年労働者集会」が3月6日、千葉市内で開催され、産別・職場を越えて350人が結集し大成功した。動労千葉の青年労働者が「今年は青年部をつくり、動労千葉に若手がいることをJR東労組にも示したい」と宣言した。また郵政大リストラで雇い止め・解雇を通告された青年労働者も会社・資本への怒りをたぎらせた。集会は、2千万青年労働者の大失業と民営化・外注化、非正規化への怒りの総反乱の開始を告げ知らせるものとなった。まさに「労働組合に人生をかける時代がきた」のだ。労組青年部運動を大前進させよう。
医療労働者が「全労働者を団結させる力をもってこの情勢に立ち向かおう」と開会を宣言した。
特別アピールでは動労千葉の長田敏之書記長が「青年部が先頭に立って闘ったときに本当に大きな組織拡大ができる」と檄(げき)を飛ばした。
(写真 青年労働者の資本への怒りが爆発。労組青年部の組織化を誓う【3月6日 千葉市】)
国鉄の労働者が集会を牽引
JRの青年労働者が登壇、民営化・外注化を絶対に許さない思い、青年の決起を抑えつけるJR東労組への怒り、青年部建設へのみなぎる熱意を次々と述べた。
動労千葉の青年組合員2人が先陣を切った。「外注化はいやだとはっきり示したかった」と動労千葉への加入の理由を明かし、「僕の加入は、外注化したら平成採3万人のうち1万人を(動労千葉派に)とられる危機感をJR当局にあおった。青年部をつくり東労組の人たちに動労千葉にも若手がいることを示したい」と語った。
続いてもう一人の組合員が、JR当局がろくに業務教育もやらないで作業を強制することに憤り「何でも首を縦に振っていれば、いずれ駅も外注化される。一人ひとりが『おかしい』と声を上げることが外注化阻止につながる」と戦闘宣言を発した。
国労の貨物労働者は「4・9政治和解の大反動に絶対反対を貫き通した。国労の変質に抗する決定的位置に自分がいる」と確信を述べた。
JRの外注先の青年労働者は「外注会社の現実は人員削減と労働強化、徹底した時間管理だ」と暴露、外注化絶対反対の意思を表明し、「JR関連会社の職場と組合を越えた団結で反撃しよう」と熱烈に呼びかけた。
動労千葉の青年部建設を先頭に、JR体制を覆すJR青年労働者の総反乱が始まったのだ。
労働組合に人生かけよう
問題提起では、呼びかけ人の郵政労働者が「労働組合に人生をかける時代がきた」と重々しく勝利の道を示した。
まず、青年労働者がまともに生きられない現実は、国鉄分割・民営化から始まる民営化・外注化、規制緩和の新自由主義攻撃にこそ原因があると明らかにし、「エジプト同様、いよいよ労働組合の出番。連合のように経営者となれ合う一部幹部から労働組合を現場の手に取り戻す闘いは世界共通だ」と確認した。
ではどういう労働組合をつくるのか。「職場でみんながそうだと思うことを闘いにする。始めの一人になるのは勇気がいる。しかし一人でも、やらなければいけない時がある。そしてともに闘う仲間をつくる。ここに闘う青年部はよみがえる」と提起した。
注目を集めたのは、郵政大リストラで2月に雇い止めを通告された青年労働者の怒りをかみしめた発言だ。「自分は生活、家族のために働いてきた。日本郵便は年間1千億円の赤字の責任をすべて『下』に押しつけている。斎藤社長に『非情な男』というレッテルをはってやりたい。これ以上、労働者から生活や夢を奪わないようにみなさんの知恵をお借りしたい」。大恐慌下の大失業への怒り、2千万青年労働者の資本主義への根底的な怒りが堰(せき)を切り、青年部建設の闘いに合流したのだ。
民営化・外注化に職場で反撃
続々と職場の闘いが報告された。民営化はないという理由で組合が合理化に協力している東京交通労働組合の青年は、「民営化絶対反対の闘いで労働組合をよみがえらせる」と意気込んだ。
自治体労働者は「低賃金・非正規化の中で正規職員の業務量が増大している。自治労本部の場当たり的対応はもう限界。職場の怒りを一つにして青年部をつくる」(A市職)、「職場丸ごとの民営化に反対して自治労本部の制動をはねのけ現場で闘いを組織している」(B県職)と報告した。
医療労働者は「ビラをはねつけていた人がついに受け取った。職場から闘いの方針を一緒につくっている」(C病院)、「人事評価制度や外注化攻撃が強まる中、春闘は組合存亡をかけた攻防だ」(D病院)と発言。
さらに非正規職労働者、金属、バス運転士、合同労組、福祉の各職場の闘いが生き生きと語られた。電子カルテ導入を阻止した福祉労働者がカンパアピールを行った。
青年弁護士も「司法制度改革による弁護士増員で弁護士も食えない。団結して資本家の分断攻撃と闘う」と連帯した。さらに法大文化連盟の斎藤郁真委員長が3・20反戦デモを呼びかけた。
まとめに立った医療労働者は、「青年が生きられない原因は民営化・外注化、非正規化だとはっきりした。今こそ怒りを爆発させ労働組合をよみがえらせよう。動労千葉の青年とともに外注化阻止へ闘おう。国鉄闘争全国運動こそ外注化・合理化を阻止する力だ。ストとデモで闘おう。3・20反戦デモに結集しよう」と力強く締めくくった。
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週刊『前進』(2479号4面5)(2011/03/14 )
三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路許可処分取り消し訴訟 3月29日(火)午前10時30分 千葉地裁
※ 傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2479号5面1)(2011/03/14 )
JR新賃金制度粉砕を
分断・競争・忠誠強要と賃下げ
青年労働者の未来を奪うな
JR東日本が4月1日の強行実施をもくろむ新人事・賃金制度を絶対に阻止しよう。4月1日を前にしたこの決戦は、国鉄1047名解雇撤回を貫き、闘争団の国労からの排除と国労解体=連合化を許さない闘いや、検修業務外注化を阻止する闘いと完全に重なった。この三つの闘いは、まさに一体のものである。
業務の外注化と一体の攻撃
4・9政治和解で1047名闘争をたたきつぶそうとした権力と資本は、新人事・賃金制度の導入によりJR本体に攻撃の手を伸ばし、国鉄労働運動を解体しようと策している。だが、平成採の青年労働者を先頭に、新人事・賃金制度に対する根底的な怒りは噴き出し始めた。国労の中からも、新人事・賃金制度と、これに屈した国労本部への激しい怒りがわき上がりつつある。
JR東日本は昨年4月に検修部門の外注化を強行しようとしたが、労働者の怒りの前にその攻撃はひとたび阻まれた。これに続き、新人事・賃金制度の4月実施を阻止すれば、JR体制は根本から揺るがされる。1047名解雇撤回の展望もここから切り開かれる。
新人事・賃金制度を許したら、職場ではごますりとけ落とし合いが横行する。この制度は、労働者をとことん分断し、競争を強いて団結を破壊し、賃下げを強行する攻撃そのものだ。
新人事・賃金制度の最大の問題は、基本給表を全面的に廃止するとしていることだ。賃金の客観的基準はなくなり、すべては資本のさじ加減で決められる。仲間同士でも、誰がいくらの賃金なのかはまったく分からなくなってしまうのだ。
基本給表が廃止されれば、ベースアップという概念もなくなる。労働者が団結し、資本に賃上げを要求して闘う賃金闘争そのものを解体・一掃することが、新人事・賃金制度の狙いだ。まさにこれは、大恐慌下における労働組合解体攻撃の切っ先に位置している。
さらにこの制度は、人をけ落として管理者になっていこうとする者だけを優遇し、大部分の労働者には賃下げを強いるものだ。所定昇給額は、現在の定期昇給よりずっと低い。退職金も下がる。他方で、管理者にごまをすり、資本に忠誠を誓った者には「特別加給」がある。管理者におべっかを使い、仲間を出し抜いてはい上がらなければ、賃金は上がらない。
また、昇職における「飛び級」試験や昇格における「昇格審査」など、資本の裁量は大幅に拡大される。労働者をとことん競わせようとしているのだ。
この制度は、業務の全面外注化攻撃と一体だ。外注化を前提とし、JR本体には管理部門的なもの以外はほとんど残さないと考えているから、基本給表の廃止や、管理者の賃金だけを優遇するという発想が出てくるのだ。こんなものを認めたら、とりわけ青年労働者は、賃金を下げられた上、業務の外注化で出向・転籍を強要される。
JRは新たな制度の導入で55歳以上の賃金減額制度を段階的に改めるとしているが、まずやらなければならないのは年金の支給開始年齢引き上げに応じた定年延長だ。だが、JRはそれを拒否している。定年退職後の労働者をエルダー社員として低賃金労働を強い、外注化の受け皿にしようとしているからだ。
東労組と国労本部の裏切り
まさにこれは、日本経団連の「2011年版経営労働政策委員会報告」が叫ぶ「人事・賃金制度を年齢・勤続基軸から仕事・役割・貢献度を基軸とするものへ見直しを図る」という攻撃の最先端にあるものだ。会長の大塚陸毅を日本経団連の次期副会長に送り込んだJR東日本は、基本給表の廃止という根本的な賃金体系の改悪に先鞭(せんべん)を付け、これを全産別に拡大しようと策している。JR東日本の新人事・賃金制度を粉砕する闘いは、全労働者階級の利害をかけた決戦だ。
JR東日本は、1月13日に提案した新人事・賃金制度を4月1日に強行実施する構えでいる。まともな労資交渉すらせず、短期間に改悪を押し通すというJR東日本のやり方は、提案時点で東労組と大筋了解していることを意味している。
しかし、東労組の青年労働者の圧倒的多数は、こんな制度には絶対反対だ。青年労働者の怒りが噴き出す中で、東労組カクマルも深刻な危機にたたき込まれている。
国労でも、新潟地本定期委員会で「新人事・賃金制度の4月1日強行実施反対」の決議が上がった。郡山工場支部からは「人事・賃金制度および労働条件に関する協約締結に反対する意見書」が出された。そのほかにも、怒りの声は次々に上がっている。
ところが、国労東日本エリア本部の掲げる要求は「実施の1年延期」だ。ふざけるな! 実施自体には賛成なのだ。こんなものは断じて現場組合員の要求ではない。
新人事・賃金制度は、青年の未来をとことん奪う制度だ。こんなものを認めたら、国労は青年労働者に背を向けることになる。国労本部は、国労の未来を自ら閉ざし、資本に現場組合員を差し出そうとしているのだ。
これは、4・9政治和解の必然的な結果だ。国労が解雇を認め、不当労働行為と闘わないと誓約したから、資本は賃金制度という労資関係の根幹にかかわるすさまじい攻撃をかけてきたのだ。
闘争団追放と連合化許さぬ
今や国労本部は、「4月1日時点でJRまたはJR関連会社に籍がない闘争団員は、7月の全国大会で組合員資格がなくなる」と公言してはばからない。昨年7月の大会で、国労本部は闘争団員を選挙権も被選挙権も組合費納入義務もない「特別組合員」とすることを強行した。これ自体、闘争団から組合員資格を奪う重大な攻撃だ。このもとで、北海道や九州では支部や分会の解散が進行し、国労組織の解体が行われている。
闘争団の国労からの追放とは、まさに「3度目の解雇」を国労本部が強行するということだ。4月1日を前に、JRへの雇用などないことは、もはや明白になった。4・9政治和解を主導した張本人の前原誠司(当時、国交相)は外務相を辞任して閣外に去った。菅政権自体が、いつ倒れてもおかしくない。この期に及んで「雇用確保は政府の約束」などと言って闘争団の不安と怒りを抑えつけるやり方など、もはや絶対に通用しない。
4・9政治和解はそもそも、“雇用の保証はないが不当労働行為を争うな”というものだった。これを受け入れた時点で、雇用などないことは4者4団体幹部には分かっていたはずだ。この大恐慌下で闘争団員を路頭にたたき出し、国労からも追放するという国労本部の方針は、雇用ゼロの現実を居直り、闘争団の怒りの追及をかわすための、幹部の卑劣な自己保身以外の何ものでもない。
国労本部が1047名解雇撤回闘争を圧殺し、闘争団の放逐を強行しようとしているのは、彼らが国労を連合化しようとしているからだ。彼らは「連合からオファーがあり、今後……大胆な議論を要請したい」とあけすけに述べている。それは、結局はJR連合と一緒になるということだ。
JR連合の東日本ユニオンは、今や新人事・賃金制度の最先兵となっている。彼らは「新人事・賃金制度の4月1日実施に向けて気迫を持って取り組め」とJRを突き上げているありさまだ。このJR連合と一体化したら、国労は青年労働者から見放されるだけだ。こんな自滅の道を歩みたい裏切り者は、さっさと国労から出て行くがいい。
1047名闘争を基軸に国鉄分割・民営化と闘ってきた国労の現場労働者には、絶対に資本に譲ることのできない誇りがある。そうした本来の国労のあり方を取り戻す闘いは、4・9政治和解を拒否した闘争団員の闘いを軸に力強く開始されている。4・9政治和解と対決してきた不屈の闘いは、JR資本が賃金制度に手をかけた瞬間に、現場からの新たな流動を生み出したのだ。
動労千葉は春闘山場の3月16〜17日を中心にストライキを構えている。これを突破口に、新人事・賃金制度絶対阻止へ大攻勢をかけよう。国労の現場労働者を「共に闘う国労の会」に圧倒的に組織し、国鉄闘争全国運動の大発展をかちとろう。国労の行く末は、全労働の未来を決める。裏切り執行部を打倒し、国労を現場労働者の手に取り戻した時、チュニジア・エジプト・リビア−全中東を覆う革命の高揚は日本でも必ず巻き起こる。青年を先頭に国鉄(JR)の労働者は菅政権打倒の3・20渋谷デモに結集しよう。
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週刊『前進』(2479号6面5)(2011/03/14 )
日程 星野闘争現地調査
3月20日(日)午前10時
小田急線・代々木八幡駅集合
※終了後、代々木公園の集会に合流
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