ZENSHIN 2010/11/15(No2464 p06)

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週刊『前進』(2464号1面1)(2010/11/15 )

 戦争・大失業と農業破壊に怒り

 “APEC粉砕”横浜都心にとどろく

 「11月」の大勝利から2011年決戦へ

 ソウルG20粉砕闘争と連帯

(写真 超戒厳態勢を突き破って横浜の繁華街に登場した反戦共同の大デモ行進に、沿道の労働者・市民が熱い視線と声援【11月14日】)

 11・7全国労働者集会の圧倒的高揚を引き継ぎ、13〜14日の横浜APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に対して、警察官2万1千人を動員した超厳戒態勢を打ち破り、横浜現地で怒りの抗議集会とデモが打ち抜かれた。オバマと菅など米・日・中・ロシアの首脳が一堂に会したが、会議の結果は何ひとつ実効性ある国際協調策など決められず、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などをめぐり、帝国主義間・大国間の利害の対立、争闘戦の激化を浮き彫りにするものでしかなかった。世界大恐慌は一層深まり、米日中ロなど帝国主義国・大国は大失業攻撃と戦争に突き進もうとしている。これに対し世界の労働者階級の闘いは、ますます爆発する。国鉄闘争全国運動と労働者国際連帯闘争を階級的武器として、プロレタリア世界革命に突き進もう。「11月」の歴史的勝利の地平から、動労千葉のストライキ体制と連帯し、JR東日本の検修・構内業務全面外注化阻止決戦に絶対勝利しよう。2011年決戦に突き進もう。

 840人が集会とデモ

 11・13〜14横浜APEC粉砕全国闘争(主催・反戦共同行動委員会)に、11月労働者集会の大勝利とG20粉砕の訪韓闘争をかちとった11月集会派の労働者、学生、農民が連続闘争に決起した。米大統領オバマや菅首相を始めとする首脳たちが集まったみなとみらい地区に肉薄する横浜市中心部で、2日間にわたる断固たる集会とデモをたたきつけた。
 14日の全国闘争には840人が参加し、蒔田(まいた)公園で決起集会が行われた。基調報告を行った北島邦彦杉並区議は、APEC首脳会議がアジアと世界の労働者に大失業と戦争を強制する強盗会議であることを暴き、「もう資本主義は成り立たない。革命的情勢が急速に成熟している。釣魚台(尖閣諸島)事件での労働者の分断を許さず、階級的労働運動と反戦闘争で戦争の武器を自国政府に向けよう。これが戦争のない世界をつくる道だ」と訴えた。
 動労千葉の田中康宏委員長が特別報告を行い、「24年間闘い続けた国鉄闘争に対する4・9政治和解は、労働運動全体の火を消す大反動だったが、われわれは困難と闘い、敵の反動に負けなかった」と5900人を集めた11・7労働者集会の成功を強調。そして「国鉄全国運動を全国津々浦々で組織することが勝利の道だ」と今後の闘いの方向を明確にした。さらに「新自由主義のもとであらゆる勢力が屈服した外注化攻撃に勝てることを示したい。動労千葉はストで闘う準備を指令した」との不退転の決意を語った。
 さらに三里塚芝山連合空港反対同盟の宮本麻子さんが、「農業を壊滅させるTPPに絶対反対です。市東さんの農地を守り、労働者と農民は”国益”と闘って戦争の道を阻止しよう」との反対同盟声明を読み上げた。
 全国の闘う仲間が次々に発言した。関西の2人の自治体労働者が発言しG20粉砕の訪韓闘争について「ソウル駅前で1万人が座り込んだ」と報告。また大阪市の1万人削減攻撃に対し「闘う青年部をつくり、関生支部に続く労働組合を関西でつくり出す」とアピールした。同じく訪韓闘争に参加した国労闘争団の羽廣憲さんは「APEC粉砕とは資本主義を本気で打ち倒す闘いだ。労働者の怒りをひとつにする国鉄全国運動を」と訴えた。
 次いで広島反戦共同行動委員会、星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議、沖縄と本土を結ぶ労組連絡会、婦人民主クラブ全国協議会の丹治孝子代表らが発言。丹治さんは「横浜大空襲で私の40人の同級生が行方不明のままだ。日帝打倒以外に反戦の気持ちは終わらない」と訴えた。
 11・7労働者集会で来日したドイツ「左翼新聞」の仲間は「資本家にとって良いことは労働者に悪いこと」とAPECを弾劾し、「日本の労働運動からダンケツを学んだ」とアピールした。
 集会の最後に、法政大学の斎藤郁真君と、地元神奈川労組交流センターから三浦半島教労部会、自治労横浜の仲間が決意表明。「暴処法攻撃を打ち破り、法大から1年生が今日の闘いに2人参加している」(法大)、「APEC反対の闘い、釣魚台問題での右翼の跋扈(ばっこ)などに対し、労働組合こそ声を上げる時だ」(三浦)。自治労横浜の労働者は「動労千葉を支援する会の拡大こそ労働組合をよみがえらせる闘いの鍵だ」と締めくくった。
 反戦共同行動委の三角忠代表の行動提起を受け、参加者全員がAPEC会場に向けて都心デモに出発した。機動隊の大群による弾圧態勢の中、赤旗林立のデモは沿道の熱い注目を集めた。握手を求める労働者、ビルの窓から手を振る人びと、権力の妨害を打ち破って飛び入りでデモに加わる青年たちも現れた。強盗首脳会議のための権力の戒厳体制に横浜の労働者・市民の怒りは大きく高まっていたのだ。
(写真 横浜の労働者・市民の怒りと合流したデモが桜木町に到着、駅前広場を解放区に変えた【11月14日】)

 APEC会場へと肉薄

  前日の13日には、首都圏の労働者・学生を中心に420人がAPEC会場に迫る集会(関内・大通り公園)とデモを闘い取った。三里塚反対同盟の伊藤信晴さんが駆けつけ「反対同盟は菅政権のTPP参加粉砕へ闘う」との決意を述べた。
 訪韓闘争から帰った全学連の織田陽介委員長は基調提起で、「大失業時代に領土問題で戦争の危機が迫っている。戦争の道か国際連帯と体制変革の道か。すべての労働者学生に歴史選択が問われている。11月集会派が責任勢力として登場する時だ。APECと日米首脳会談粉砕のデモで横浜を解放しよう」と訴えた。
 さらに動労千葉特別執行委員の滝口誠さんは「5900人結集の11月集会の勝利を受けて、炎となって菅政権を打倒しよう。研修外注化に動労千葉はストを構えて闘う」との決意を述べた。婦人民主クラブ全国協、法大の1年生、全学連委員長代行の坂野陽平君らが決意表明し、全員が戦闘的なデモを貫徹した。
 また2日間にわたってJR桜木町駅と関内駅で街宣行動も貫徹され、警察の包囲をはねのけて闘いに賛同する200人近くの署名が集まった。
(写真 ランドマークタワーの向こうのAPEC会議場に届けと怒りのシュプレヒコール【13日】)

(写真 集会の半ばで「APEC粉砕!」のコールを全員で唱和【11月14日 蒔田公園】)

 国際連帯と労農同盟で

 2日間の闘いは、11・7労働者集会から11・11ソウルG20粉砕の訪韓闘争を受けて、11月集会派の労働者・学生・農民による国際連帯の一大闘争として打ち抜かれた。
 既成のあらゆる政治勢力が排外主義と国家主義に屈服する中で、11月集会派と国鉄全国運動の勝利性が怒りを蓄積させた多くの青年労働者に衝撃を与え、国際連帯を通して世界の労働者に伝わっている。産別を超えた全労働者の階級的決起を実現する国鉄決戦が真価を発揮する情勢が、完全に到来しているのだ。
 4・9反革命を根底から覆す外注化阻止決戦と国鉄全国運動の一大飛躍へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2464号1面2)(2010/11/15 )

 今週号の特別企画

 11・7全国労働者集会の発言 2〜3面
 ソウルG20粉砕―訪韓闘争報道 6面

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週刊『前進』(2464号1面3)(2010/11/15 )

 日程 11・24「5・27臨大弾圧」裁判、12・2鉄道運輸機構訴訟

 11・24「国労5・27臨大闘争弾圧」裁判 控訴審第1回公判

 11月24日(水) 午後1時傍聴券交付 東京高裁102号法廷

 国労5・27弾圧粉砕!  控訴審報告集会

 午後6時開場 文京区民センター2階大ホール

 12・2鉄道運輸機構訴訟 控訴審再開第2回裁判

 12月2日(木) 午前11時傍聴券交付 東京高裁101号法廷

 JR東日本本社抗議行動 午後1時半〜 新宿駅南口 JR東日本本社前

 鉄道運輸機構訴訟控訴審報告集会 午後6時開場 文京区民センター2階大ホール
主催/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会

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週刊『前進』(2464号1面4)(2010/11/15 )

 おことわり

 ソウルのG20粉砕闘争、横浜APEC粉砕闘争の報道のため、特別号として発行を遅らせました。

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週刊『前進』(2464号1面5)(2010/11/15 )

前進速報版から 前進速報版から

▼11・7全国労働者総決起集会の動画▼ドンヒオート社内下請け労働者も復職へ▼超厳戒態勢を打ち破って横浜でAPEC反対の街宣

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週刊『前進』(2464号5面1)(2010/11/15 )

 JR全面外注化阻止決戦へ

 動労千葉スト体制と連帯し 大失業=非正規化に反撃を

 「11・7」の地平から菅政権打倒へ

 11・7労働者集会は、まったく新たな青年労働者・学生の多数の参加により5900人の結集で打ち抜かれた。国鉄1047名解雇撤回闘争があらためて力強く労働者の結集軸として生き生きと発展していく画期的な集会となった。その熱気と感動はそのまま訪韓闘争へと引き継がれ、さらに11・13〜14APEC粉砕闘争が戒厳体制を打ち破って闘い抜かれた。この全体が日本帝国主義の危機を決定的に促進させるものであり、その階級的意義はきわめて大きい。この力を階級的労働運動の大発展へと一気に解き放っていく次の勝負が、JR東日本における検修業務外注化阻止の決戦である。ストライキを構えて闘う動労千葉と連帯し、全力で闘おう。

 国鉄決戦勝利こそ労働者の未来開く

 アメリカ帝国主義が主導する争闘戦の激化と軍事化、アジアを戦場とした市場と資源をめぐる激突として世界大恐慌情勢が展開している。とりわけ北朝鮮スターリン主義の崩壊的危機を契機とした朝鮮侵略戦争の情勢は激しく火を噴いており、釣魚台をめぐって激突が始まっている。
 この中で菅民主党政権は内への階級戦争、外への侵略戦争へ絶望的に進んでいる。公務員人件費2割削減と360万人首切り・非正規化を推し進め、また新安保懇など日米安保の強化―辺野古新基地建設へと突き進んでいるのだ。
 菅政権はブルジョア救済政権としての本性をあらわにして、国家主義と排外主義を満展開させながら、闘う労働組合(それは国鉄闘争を闘う労働組合のことだ)の解体の一点に攻撃を集中してきている。「4・9政治和解」に込められた労働運動に対するむきだしの敵意、せん滅意思を断じて甘く見てはいけない。4者4団体を始めとした体制内労働運動幹部らは震え上がって投降し、また徳永自治労委員長を始め連合幹部が菅政権の労働者支配の最悪の先兵となっている。
 これに対して動労千葉400人の組合員は、港合同、関西地区生コン支部の闘う組合とともに国鉄闘争全国運動を柱に打ち立て、闘う労働組合の復権を通して全労働者を階級的に組織する挑戦に打って出ている。6・13集会以降、全国で「動労千葉を支援する会」や「共に闘う国労の会」が発足し、JRを始めとした青年労働者の組織化が前進し、11・7労働者集会への大結集がかちとられた。国鉄闘争をめぐる激突が日本階級闘争のすべてを揺さぶり、歴史の決定要因となっている。
 とりわけ青年労働者を誰が組織するのか、これをめぐって激しくぶつかっている。国鉄を始めとして青年労働者の怒りはもはや堤防決壊寸前ともいえる情勢にある。この階級情勢の激変、大流動化に党がかみあい、結合し、圧倒的な獲得をなしうるかどうか、ここに一切がかかっている。
 それは具体的には検修業務外注化をめぐって問われている。青年労働者の怒りを解き放ち、職場を支配すべきは資本でも既成組合幹部でもなく青年労働者自身であることを確信させ、国鉄決戦にこそ全労働者の未来があることを訴えていかなければならない。全党のあらゆる力を結集し、階級的力関係を一変させ、動労千葉・動労水戸を先頭に外注化阻止決戦に立とう。

 分割民営化完遂へ動労千葉解体狙う

 現下の国鉄決戦の最大のテーマはJR東日本の検修・構内業務の全面外注化である。昨年10月、JR東日本によって提案された外注化の中身は、車両の検査・修繕の業務のことごとくを外注化するというものであった。この攻撃の激しさは、約2千人を対象に、強制出向という形をとって検修・構内業務のほとんどを労働者ごと下請け会社に丸投げするというところにある。それは必ず転籍による賃金体系や労働条件の根本的転換をもたらす。究極的な団結破壊の攻撃なのだ。
 決定的な点は、ライフサイクルがそうであったように、強制出向のほとんどが青年労働者になることは間違いないということだ。つまり、検修業務外注化とは、動労千葉の拠点・幕張車両センターと動労水戸の拠点・勝田車両センターを直接の焦点として階級的労働運動の解体を狙うものであると同時に、会社と東労組の支配に対して満を持して決起しようとしている青年労働者の誇りをズタズタにし、分断・排除しようとするものなのだ。
 周知の通り、4月1日実施については、動労千葉・動労水戸と動労総連合のストライキが炸裂(さくれつ)し、ありとあらゆる職場闘争の展開が会社を追い詰め、粉砕した。革共同もこの攻撃を打ち破るために総決起した。国鉄闘争が動労千葉を軸に広範な決起と高揚をつくりだし、JRの思惑を打ち破った。この力強さに敵は震撼(しんかん)し、今回は全面的に構え直して強行しようとしているのだ。
 それは同時に、12月ダイヤ改定で京葉線からの外房線直通によって千葉駅発ローカル列車を大幅削減し、内房・外房を中心とした特急列車を削減する動労千葉解体攻撃として襲いかかっている。
 JR資本も菅政権もこれをやりぬくことなしに、貨物の矛盾を核心とした分割・民営化25年問題を突破することなど到底できないのである。
(写真 11・7労働者総決起集会の銀座デモに立つ東京の労働者の隊列【上】と学生の隊列【下】【東京】)

 青年労働者の怒りを解き放ち闘おう

 この決戦はわれわれの一大飛躍点になろうとしている。勝利の条件は完全にあるのだ。分割・民営化以来25年、JR体制の矛盾の中で出口をふさがれ、蓄積されてきた青年労働者の怒りが今やマグマとなって噴火する寸前にある。この時に、会社と東労組カクマルは青年労働者に全矛盾を押しつけようとしており、われわれは青年労働者の自己解放のエネルギーを徹底的に引き出して闘おうとしている。
 JRの労務支配はもはや限界である。東労組カクマルは、青年に対して他労組のレクリエーションに行くことはもちろん会話さえ許さず、監視態勢を敷き、ことあるごとに呼び出しては恫喝することでしか、組織を維持できなくなっている。運転士の青年はライフサイクルで駅へ配転され、車両係の青年は委託会社へ強制出向され、契約社員は5年で使い捨てにされている。この資本のやり方のすべてに対して、東労組は協力し青年を売り渡すことで会社にすがりついているのだ。こんな連中がどうして青年を獲得できるものか。
 今や労働強化とも外注化とも闘わず、管理職のいいなりになり、ただ浦和事件と「たしろ選挙」の動員をチェックすることだけが組合活動という東労組幹部を、東労組の青年たちは公然と批判し始めたのだ。
 われわれはいかに闘うべきか。11・7労働者集会と国鉄全国運動の闘いが青年の中に衝撃的に知れ渡っている。動労千葉・動労水戸を先頭とする動労総連合、国労共闘の仲間がいかに困難であろうと労働者としての誇りと団結を守り、1047名解雇撤回を貫き、JR体制と闘い抜いてきたことの真価がついに発揮されるときが来たのだ。
 最大の焦点は職場で目に見える闘いを繰り広げることである。今何よりも求められているのは、変質と屈服、「産業報国会」化を深める既成の労組幹部、連合による闘いの抑圧を打ち破り、労働現場から闘いをつくりあげることである。労働者の団結した闘いこそが大恐慌情勢と対決し、歴史をつくり、社会を変革する力である。
 これは全産別の決戦である。菅政権は「新成長戦略」「公務員制度改革」「地域主権改革」と称し、教育・医療・福祉など公共部門のすべてを民営化し、数百万人の労働者を解雇して超低賃金の非正規職に突き落とそうとしている。それは国鉄分割・民営化を10倍するような究極の民営化・労組破壊攻撃である。
 このとき国鉄解雇撤回と外注化阻止の闘いは、公務員と全労働者階級にかけられた攻撃を打ち破る決定的な中心軸なのである。その最先頭に立つのが青年労働者である。首切りと非正規職化の元凶であるJRに対していよいよ青年労働者を軸とする闘いが始まろうとしている。階級的労働運動路線の成否をかけ、検修業務外注化阻止決戦に総決起しよう。

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週刊『前進』(2464号6面1)(2010/11/15 )

 G20粉砕へ日韓共同闘争 11・11ソウル

 非正規撤廃へ闘い爆発

 国鉄決戦に熱い注目 勝利の道示す動労千葉

(写真 「G20糾弾! 国際民衆行動の日」本大会に先だって開かれた金属労組決意大会【11月11日 韓国・ソウル駅前】)

 G20厳戒態勢を打ち破って11月9日にソウルに入国した100人を超える動労千葉訪韓団は、11・7労働者集会をともにかちとった民主労総ソウル本部の同志たちと再合流しG20粉砕を闘った。10日夜、「G20糾弾! チョンテイル烈士精神継承! 労働弾圧やめよ! ロウソク文化祭」に参加し、11日にはゼネストに立ち上がった金属労組とソウル駅前広場で合流。さらに「韓米FTA強行と労働弾圧のイミョンバク政権糾弾大会」と、続く「人が優先だ! 経済危機の責任を転嫁するG20糾弾! 国際民衆行動の日」本大会に参加し、集まった1万人を超える労働者・農民・都市貧民・学生とともに実力デモを貫徹した。(本紙・室田順子)

 深まる日韓連帯

 訪韓闘争は日本からの出国、韓国への入国から始まった。動労千葉の動輪旗とポール、のぼりとゼッケンの持ち込みが不当にも禁止された。韓国では8日に7人のフィリピン人が入国不許可で強制送還になったほか、ネパール、インドネシア、パキスタン、さらにアフリカ各国の市民団体代表者のビザ発行が拒否された。徹底弾劾する。労働者が国境を越えて合流し、共同闘争を展開することは支配階級を震え上がらせている。
(写真 「人が優先だ! 経済危機の責任を転嫁するG20糾弾! 国際民衆行動の日」本大会で壇上に並んだ海外代表団【11日】)

 ロウソク文化祭

 10日夜、動労千葉を先頭とする訪韓団は、ソウル中心街にある普信閣(ポシンガク)前で開かれたロウソク集会に参加した。会場中央にはソウル上京闘争中の約120人の金属労組亀尾(クミ)支部KEC支会組合員が陣取っていた。そろいの赤ゼッケンに「キムジュニルを生きさせろ! 警察署長は退陣しろ!」「KEC闘争勝利! 民主労組死守!」の文字が鮮やかだ。
 チャガンホ亀尾支部首席副支部長は「714人の組合員のうち60%が女性組合員だ。亀尾地域では万都(マンド)などで厳しい非正規闘争を闘っている。ここで負けるわけにはいかない」と語り、日本での連帯闘争を呼びかけた。
 このロウソク集会で動労千葉は「日本から1047名闘争を闘っている動労千葉、田中康宏委員長が参加しています」と紹介され、大きな拍手で迎えられた。4・9政治和解に抗し「国鉄闘争の火を消すな」と動労千葉が提起した国鉄全国運動は、民主労総傘下の連盟・労組指導部32人の賛同を得て、韓国でも熱い注目が広がっている。
 集会中、2005年以来、交流を深めてきた韓国の労働者が引きも切らず動労千葉に顔を見せ、熱い抱擁が続いた。

 金属労組がスト

 翌11日、訪韓団はそれぞれチョンテイル烈士の銅像が建つ清渓川(チョンゲチョン)沿いにある平和市場を訪ねるなどした後、ソウル駅前広場に集まった。
 午後2時前、「KEC資本糾弾! 逮捕を強行した警察責任者を処罰せよ!」と要求し4時間のストライキに立ち上がった金属労組の決意大会が始まった。ソウル駅前には忠清圏と首都圏の金属労組員2500人余りが集まったが、同時に釜山、昌原、大邸、蔚山などでもストライキ集会が開かれた。壇上に並んだKEC、双龍(サンヨン)自動車、韓進(ハンジン)重工業など争議労組の代表が次々にイミョンバク政権の労働弾圧を弾劾した。
 午後2時すぎ、「韓米FTA(自由貿易協定)強行・労働弾圧イミョンバク政権糾弾大会」が開かれた。今回の再協議で米帝は30カ月以上の牛肉輸入の開放を要求している。参加者は「韓米FTA全面廃棄」を声高く叫んだ。
 さらに午後3時から「人が優先だ! 経済危機の責任を転嫁するG20糾弾国際民衆共同行動の日」本大会イベントが進行した。
 アメリカ、メキシコ、ブラジルなどの海外代表団とともに動労千葉の田中委員長も壇上に並んだ。
 大会後、1万人にふくれあがった参加者が南営(ナミョン)駅に向けて出発しようとすると警察部隊がこれを阻む。しかし、デモ隊は多数の力で実力突破。降り出した雨が途中から激しくなり、雷がとどろく中を4車線を占拠したデモ行進が続いた。

 進む方向鮮明に

 G20粉砕デモの後、動労千葉訪韓団はソウル本部とともに総括集会を持った。団長の田中委員長はソウル本部の手厚いもてなしに感謝した後、「4・9政治和解という大反動を跳ね返してかちとったという意味で今年の11月労働者集会は大きな成果があったと確信しています。それと11月組織化の過程でこれからの進む方向が限りなく鮮明にできたことはすばらしい。新しい闘いが始まりました。この3日間ソウルに来て学んだことも、僕ら自身が日本で本当に闘う労働運動をつくらなければいけないということです」と東京、ソウルと続いた一連の闘いを総括した後、「これから1年間、来年の11月集会には今年の5900名を絶対に倍にする。その決意はいいですか!」と呼びかけた。訪韓団全員が拍手と歓声で応えた。
 ソウル本部のイジェウン本部長は「きょうはチョンテイル同志が亡くなってから40周年の記念日です。チョンテイル精神を受け継いで労働運動をともに闘っていきましょう」と応じた。
(写真 【上】G20糾弾デモを終え南営駅前で整理集会。右から2人目が田中委員長、左隣がソウル本部のノミョンウ首席副本部長。【下】動労水戸と動労西日本ののぼりが鮮やか)

 現代車スト決議

  現代車蔚山非正規職支会、現代車牙山(アサン)社内下請け支会、現代車全州社内下請け支会の現代車非正規職3支会は11日と12日にスト投票を行い、3支会総人員2349人中2041人が投票し、うち1841人の賛成でストライキを決議した。3支会は違法派遣を認定した7・22大法院判決を踏まえ、元請けの現代車を相手に2010年賃金交渉および団体交渉を要請したが、現代車は応じようとしなかった。3支会は中央労働委員会に争議調整を申し立てた。11月15日以降、ストライキを含む総力戦で本格的な正規職化獲得闘争に打って出る。
  現代車蔚山非正規支会のウサンス組合員は「韓国の労働運動の歴史を変える闘争に連帯してほしい。われわれはその火種になる!」(11・6労働者大会前夜祭)とアピールしている。闘う韓国労働者とともに階級的労働運動の力で革命まで突き進もう!

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週刊『前進』(2464号6面2)(2010/11/15 )

 チョンテイル精神継承を

 11・7民主労総大会に4万人

 “労働者は一つになろう”

 11月7日、全国民主労働組合総連合(民主労総)の全国労働者大会がソウル市庁前で開かれ、4万人が集まった(写真)。今年はチョンテイル烈士が「勤労基準法を守れ!」と焼身決起してから40年、95年民主労総創立から15年であり、世界大恐慌のもとで激化する大失業と戦争に労働組合、労働運動の闘いが鋭く問われる大会となった。

 大恐慌下で

 「労働基本権死守、労働法再改正、非正規職問題解決、G20糾弾」を掲げた大会でキムヨンフン民主労総委員長は「チョンテイル精神を今日に継承する道は80万組合員のすべてが非正規職・中小零細・低賃金労働者や移住労働者との階級的団結を最優先に考え、市民・民衆陣営との連帯で反労働・反民主・反統一勢力であるイミョンバク政権を審判する闘争に立つことを宣言する」と述べ、そのために「非正規職のない世の中をつくる労働関連法全面再改正のための汎国民運動本部」の建設を提案した。
 しかし、今まさに世界大恐慌と資本主義の終わりの時が到来している中で、求められているのは現体制の修正や改良ではなく革命だ。

 非正規闘争

 大会前夜の6日、ソウル駅前で「非正規職撤廃! G20反対! 闘争事業場勝利戦取! 全国労働者大会前夜祭」が、民主労総ソウル本部、社労委、社会進歩連帯など70団体による組織委員会の主催で開かれた。約千人が集まる中、非正規職闘争の現場報告が続いた。
 GM大宇非正規職支会のシンヒョンチャン支会長は「G20の最大の被害者は非正規職労働者だ。多国籍資本が非正規職労働者の団結を破壊している」と弾劾した。
 不当解雇・団体協約破棄と1050日間闘っている学習誌労組才能(チェヌン)支部のオスヨン事務局長は「団体協約を取り戻し、解雇者の現場復帰をかちとるまで、死ぬこと以外は何でもする」と決意表明。1895日間の闘争で直接雇用をかちとったキリュン電子のキムソヨン分会長は「どんな困難があっても団結し連帯して闘えば勝てる」「現場に戻っても派遣職撤廃、非正規職撤廃のために力強く闘う」と宣言した。
 7日の本大会でも、6年間闘い、今夏から150日間、現代起亜自動車本社前で座り込んだ末、組合員9人全員の原職復職で合意したドンヒオート非正規職支会のチェジニル事務長が「非正規職の4文字は人間としての尊厳を傷つけるものだ。われわれは再び非正規職として絶望の工場に入ろうとしているが、そこでもう一人のチョンテイルに会いたい」と訴えた。
 他方、10月30日には金属労組のキムジュイル亀尾支部長が傘下のKEC支会の労資交渉過程で抗議焼身するという事件が起きた。
 タイムオフ制(労組専従賃金禁止)などをめぐる対立でストに入ったKEC支会に対し、会社は工場閉鎖で報復。労組はスト127日目の10月21日、男女組合員200人が半導体工場占拠に突入した。10月31日にようやく実現した労資交渉の席が、実は労組幹部を警察に売り渡すワナだったのだ!

 ゼネストへ

 金属労組は7日、本大会に先だって金属労働者ゼネスト宣言決意大会を開き、集まった1万人の組合員を前にパクユギ委員長が「G20首脳会議が開かれる11月11日、KEC闘争勝利のために金属労働者15万人はゼネストに立つ」と宣言した。
 11日には、日本が韓国に敗れたアラブ首長国連邦への原発受注が、実は韓国軍特戦司令部のアラブ派兵が条件となっていたことが発覚した。イミョンバク大統領自ら、なんと「韓国製原子力発電所輸出に役立つよう積極的に協力せよ」と指示していたというのだ。まさに経済権益の確保と戦争政策が一体で進んでいるのだ。この支配者どもについて行ったら労働者人民は殺されるだけだ。
 動労千葉の田中康宏委員長は「小なりと言えど動労千葉は国鉄分割・民営化と闘い、1047名解雇撤回を闘い、この10年は外注化を阻止してきた。この闘いは一言で言えば非正規職をつくらない闘いだ」と語っている。敵階級が仕掛けるあらゆる分断をのりこえて労働者階級が一丸となって闘い勝利する路線がここにある。
 11・7労働者大会でチョンテイル烈士の母、イソソンさんは「全国の労働者がひとつになれないでいるからいまだ焼身が起きている」「労働者がひとつになればできないことはない! 私たちはひとつになって勝利する闘いをしよう!」と叫んだ。大恐慌情勢を打ち破る新たな労働運動を創造し、労働者国際連帯で未来をつかもう!
 (M)

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