ZENSHIN 2010/10/04(No2458 p08)

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週刊『前進』(2458号1面1)(2010/10/04 )

 10・10三里塚から11月へ

 排外主義・侵略戦争と対決し国際反戦闘争を創造しよう

 職場・地域に国鉄全国運動を

(写真 鉄道運輸機構訴訟を闘いぬき、JR東日本本社前で「解雇を撤回せよ」「不当労働行為の責任をとれ」と抗議のシュプレヒコール【9月28日 新宿駅南口】)

 中国領・釣魚台で海保が軍事力行使

 歴史の巨大な転換点を迎えている。内外階級情勢はいよいよ重大だ。世界大恐慌は、金融大恐慌から全産業での実体的崩落へ、さらに世界各国の国家財政の破綻、保護主義の激化と通貨・為替戦争の激化へと、底なしの情勢に突入しつつある。
 この大恐慌情勢のもとで日本帝国主義は、歴史的にも地理的にも中国領である釣魚台(ちょうぎょだい、「尖閣諸島」)での海上保安庁の侵略軍事行動という戦争挑発に踏み切った。中国漁船長の釈放をめぐり、日本共産党スターリン主義を含む全政党とマスコミが「売国だ」「弱腰だ」「土下座外交だ」と、対中国の排外主義・国家主義の大合唱を行っている。
 しかし問題は、この日中の戦争的緊張激化情勢に対し、われわれ労働者階級の敵と味方をはっきりさせることだ。すべての職場や産別、国境を越えて、労働者はひとつに団結し、自らの解放と世界革命勝利へ闘うことのできる単一の革命的な階級である。
 この労働者の国際的団結と国際反戦闘争の巨大な創造・復権こそが、排外主義・国家主義の大洪水を粉砕し、敵権力と資本による分断を打ち砕いて、帝国主義の侵略と戦争を阻止できる唯一で最大の力なのである。
 国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる4・9政治和解の大屈服と大反動は、権力・資本の軍門に下るばかりか、現実には帝国主義の戦争にも率先して協力する地獄の道だ。今こそ11・7全国労働者総決起集会(日比谷野音)の大成功に人生のすべてをかけよう。労働者の激しい怒りをストレートに組織し、結集させよう。国鉄闘争全国運動を全力で発展させ、階級的団結をよみがえらせ、労働組合運動の再生をかけて、11・7の歴史的成功をかちとろう。
 三里塚闘争は巨大な反戦闘争だ。10・10三里塚全国集会に大結集し、そこから青年労働者・学生を先頭に一個の巨大な反戦政治闘争、革命的な国際連帯闘争として11・7大集会をかちとろう。

 11・7集会へ火を噴く闘い

 闘いは激しい攻防に入っている。さらに大胆にどん欲に突き進もう。
 国鉄闘争全国運動が発展し、各地で力強い闘いが始まっている。9・28鉄道運輸機構訴訟控訴審の再開裁判闘争が歴史的に打ち抜かれた。大法廷を傍聴者が埋める中、原告の闘争団員・小玉忠憲さんが、国鉄1047名の怒りのすべてを体現して、分割・民営化への階級的で根源的な怒りをたたきつけた。
 9月26〜27日には動労千葉が第39回定期大会をかちとり、12月ダイ改−外注化阻止闘争をストを構えて全力で闘い、組織拡大を総括軸に前進する方針を決定した。そして動労千葉争議団の仲間が「屈辱的な和解は絶対にいやだ。労働者としての誇りがあるから闘える」と、国鉄闘争全国運動推進へ檄を飛ばした。
 田中委員長は1年間の闘いを次のように総括した。「1047名闘争の4・9政治和解で動労千葉はどうするのかが問われた。日本の労働者の未来をかけ闘う決意を固めた。全国運動を開始する中で、全国にともに闘う同志が多数存在することが分かった。検修業務の外注化4月実施を阻止したわれわれは、分割・民営化と闘う時の決意をJR以降も保ち闘い続けている。絶対にあきらめない。11・7集会の大結集をかちとろう」
 そこには、平成採や非正規労働者の過酷な労働と労務支配への怒りが必ず闘いに合流してくるという不動の確信がある。
 全国各地で青年労働者が職場闘争の先頭に立ち、解雇や賃下げ、合理化攻撃と真っ向から対決し、資本や体制内労組幹部の攻撃をぶっ飛ばしている。攻撃は激しいが、JRや郵政の現実を見れば、敵の方が危機はより深く、破綻的なのだ。
 原子力空母ジョージ・ワシントン横須賀母港化2周年抗議の9・25横須賀闘争では、労組青年部の労働者が次々と11・7集会の賛同に応じた。街頭では右翼・国家権力の妨害と介入を粉砕して大討論となり、集会参加の表明が続いている。
 学生戦線は法大を先頭に新学期キャンパスを反戦政治闘争の戦場にして11月へ突き進んでいる。
 勝負は、すべての闘いを11・7労働者集会へとひとつに結びつけることだ。あと1カ月をとことん闘いぬき、細流を集めて大河へ、1万人結集へ攻め上ろう。

 労働者への無限の信頼に立って闘う

 大恐慌と侵略戦争・世界戦争の危機の切迫は、ブルジョア支配の破綻と崩壊を生み出し、職場・生産点を中心に闘いが爆発する政治空間をつくり出している。労働者階級への限りない信頼があれば、闘いと組織化の芽が必ず見えてくる。ますます時代認識が決定的だ。
 大恐慌下の為替戦争の激化と円高にあえぐ日帝の財政赤字は1千兆円を超え、賃下げ・解雇と非正規雇用化の嵐が吹き荒れている。大量の失業者と5千万人の貧困層を生み出している米帝では、オバマが提唱していた医療保険にも入れない人が1年間で500万人近くも増えている。
 菅政権が日本経団連や連合と一体となって推進する「新成長戦略」で真っ先に着手しているのが、消費税を始めとした大増税策動と法人税の実効税率の引き下げだ。他方、この半年で生活保護受給者が10万人も増え、200万人に達する。菅政権は何よりもブルジョアジー救済政権なのだ。
 菅の言う「雇用の創出」の中身は、公務員の身分保障をなくし、360万人を解雇・非正規職化し、それによって全労働者の雇用・年金・医療などすべてを崩壊させることだ。大阪地検特捜部の証拠改ざん事件が示すように権力の組織的犯罪と腐敗も極まる。さらに水道、新幹線、原発などのパッケージ輸出は新たなアジア侵略であり、帝国主義間・大国間の世界再分割戦そのものだ。
 これに対し、労働組合の現実はどうか。これと闘う労働組合があるか? 動労千葉がいる。国鉄闘争全国運動がある。
 資本や政府の手先と化した労組幹部をぶっ飛ばし、全国運動を水路に職場・地域に労働組合運動・大衆運動を一からつくり出そう。4・9政治和解の「労働者は闘っても勝てない」「二度と争わない」という奴隷の思想の強制に対し、絶対にひるまない路線と団結がある限り勝てる。国鉄分割・民営化がもたらした新自由主義と闘わなければ青年労働者・学生は生きられない。団結して闘えば展望が開けるのだ。

 三里塚・沖縄闘争の勝利へ

 日帝・菅政権は、中国漁船の拘束と船長の長期勾留という形で、中国領・釣魚台への軍事侵略に踏み出した。日清戦争で略奪した釣魚台を「日本固有の領土」と強弁する排外主義・国家主義の洪水となっている。
 「日本の主権を守れ」「中国に屈するな」「核武装もせよ」などの大合唱は、中国と戦争を構えよということだ。事態は一気に日中戦争開戦前夜に引き戻された様相だ。これこそ大恐慌下で激化する帝国主義間・大国間の資源・領土略奪戦であり、「東アジア共同体」の正体だ。
 これは、安保・沖縄闘争の圧殺を狙った絶望的な攻撃でもある。この中での北中城村議選での宮城盛光さんの勝利は決定的だった。普天間基地即時撤去・辺野古新基地建設阻止へ、「日帝の釣魚台侵略反対! 安保粉砕・基地撤去!」を訴えて闘おう。沖縄闘争と三里塚闘争の存在こそ、危機にあえぐ日帝のアキレス腱(けん)だ。
 労働者の国際的団結で排外主義と戦争に対決し、10・10三里塚から11・7労働者集会へ猛進撃しよう。さらに11月ソウルG20と横浜APEC粉砕の反戦政治闘争を闘い抜こう。

 職場・大学・街頭で10月の大攻勢を!

 職場にうず巻く労働者の怒りを糧に、全国各地の闘いをバネに、11・7集会の大成功へ、職場・大学・街頭から10月大攻勢を巻き起こそう! 勝負は国鉄闘争全国運動とただひたむきなオルグ、組織戦にある。
 労働者は団結して闘うことで信じられないほどの力を発揮する。職場の同僚との団結が日常的で決定的な土台だ。同時に職場・産別を超えて、全労働者の団結をめざした時にこそ、最も生き生きと闘える。職場権力という生産過程をも握る闘いは、ブルジョア政治支配打倒の闘いと直接に結びつく時に勝利する。
 階級として「起きあがり、身を伸ばすことができる」と感じた時、自己解放のエネルギーが爆発する。11・7集会1万人結集の力は、10万人、100万人となり、歴史を動かす巨大な力になる。
 職場や大学を変え、この我慢ならない社会を変える力はどこにあるか?それは労働者・学生一人ひとりの中にある。労働者の団結が戦争を阻み、労働者間の競争と分断を打破する。教育も医療も福祉も環境もすべてを奪い返す。この闘いは国際的にも急速に拡大する。この確信に燃え闘おう。
 菅政権や資本の先兵に転落した者たちとの党派闘争を勝ち抜こう。「公務員・正社員=悪者」論を粉砕しよう。自治労の徳永委員長の「正規・非正規の賃金シェア」発言は、国鉄分割・民営化時のJR総連カクマル松崎の論理とうり二つだ。絶対に粉砕しよう。
 4・9政治和解との闘いは現在進行形だ。この中に「勝利に向かっての試練」があり、新自由主義を打ち破る本物の労働者党と労働組合運動をつくる闘いへの挑戦がある。国際的に求められているのは、怒りを階級的団結へとまとめる時代認識と路線と組織だ。革共同の『綱領草案』をどん欲に読み、主体化し、組織建設と世界革命勝利へ突き進もう。
 11・7集会のチケット販売、賛同署名の拡大、さらに物販と国鉄闘争全国運動・動労千葉を支援する会の会員組織化へ、全国運動の新パンフを武器に、職場・大学・街頭でひたすら闘い抜こう。10・10三里塚闘争から11・7大結集へ大驀進(ばくしん)しよう。

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週刊『前進』(2458号1面3)(2010/10/04 )

前進速報版から 前進速報版から

▼仏で再び300万人ゼネスト▼横須賀闘争、現場には戦争への怒り▼鉄運機構訴訟一日行動▼「市東さんの農地守ろう!」高崎集会

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週刊『前進』(2458号3面3)(2010/10/04 )

 国境を越えた労働者の団結で排外主義・国家主義と闘おう

 釣魚台は日清戦争で日帝が略奪

 歴史的・地理的に中国領である釣魚台(ちょうぎょだい、「尖閣列島」)付近で発生した海上保安庁の巡視船と中国漁船との「衝突事件」をきっかけに、日中間の政治的軍事的緊張が著しく高まり、排外主義・国家主義が激しくあおられている。まさに戦争前夜情勢だ。11・7労働者集会は、この情勢と真っ向から対決するという点でも決定的な位置をもつ集会となった。起きている事態の本質は何か、労働者階級はどう考え、どう行動すべきかをはっきりさせよう。

 大恐慌と米日中の資源・領土争奪戦

 釣魚台で起きた問題は、二つの点できわめて重大である。
 ひとつは、世界大恐慌の進展下で、帝国主義各国による資源・市場・勢力圏の独占的確保のための争闘戦が、残存スターリン主義の大国である中国をも巻き込んで激しく火を噴いていることだ。それがついに「領土」をめぐるむきだしの政治的軍事的対立、戦争的激突に発展し始めたことである。しかも海上保安庁の巡視船を使った釣魚台一帯の力による制圧という日帝の公然たる侵略軍事行動への踏み切りが、その火付け役となった。
 まさに日帝が中国侵略戦争に突入していった1930年代の歴史を思い起こさせるような歴史的事態であり、許し難いことだ。「新成長戦略」を掲げた菅政権のもとで、労働者階級への大量首切り・非正規化、極限的な搾取強化の攻撃と一体で、東アジアにおける新たな戦争の危機が今や現実の問題として、日本人民と朝鮮・中国・アジア人民の頭上に襲いかかろうとしている。
 いまひとつは、この日帝の戦争挑発に呼応して、マスコミや極右勢力を先頭にした排外主義・国家主義のすさまじい大合唱が展開され、そこに連合はもとより、日本共産党をも含めた全政党がこぞって参加しているという超重大事態である。「主権の侵害」「売国」「弱腰外交」「領土と国益を守れ」などという叫びが大手を振ってまかりとおり、戦争反対の声は圧殺される――まさにかつての中国侵略戦争や日米開戦時に日本の各地で繰り広げられた光景と同じではないか!
 こんな状況を放置していたら、労働者階級の団結はずたずたに破壊され、資本家階級の行う戦争に再び動員されて、他国の労働者と身の毛もよだつ殺し合いをさせられることになってしまう。
 排外主義の大洪水を断固としてぶち破り、逆に国境を越えた労働者階級の国際主義的な団結を圧倒的に組織して闘おう。戦争を止める力はその中にある。そして闘う労働者や学生にはこの団結をつくりだす力がある! この戦争切迫情勢を反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の勝利に転化するために、今こそ全力をあげて奮闘する時が来ているのだ。

 釣魚台侵略は再度の対中戦争の道だ

 まず、この排外主義キャンペーンの唯一最大の柱となっている「尖閣列島は日本固有の領土」という主張自体がデマゴギーであり、侵略イデオロギーそのものだ。これは侵略戦争による他国領土の略奪を完全に居直り正当化する、帝国主義ブルジョアジーによる許すことのできない「強盗の論理」である。
 民主党政権もブルジョア・マスコミも日本共産党を含めた他の全政党も、「明治政府が1895年の1月に閣議決定で日本の領土に編入した」ことを一切の根拠にしている。卑劣にもこの「編入」に、当時の中国(清国)は「異議を申し立てなかった」などと、あたかも平和的に何の争いもなく行われたかのように語られているが、大ウソだ。事実はこの時、日本は兵士24万人・軍夫12万人の大軍を動員した日清戦争のまっただ中にあった。その渦中で黄海海戦の勝利がもたらした東中国海の軍事制圧を背景に、台湾攻略の戦略的要衝であった釣魚台を日本が問答無用に強奪したというのが事の本質だ(年表参照)。
 1894年〜95年の日清戦争は、日本のブルジョアジーが中国大陸への侵略に本格的にのりだす突破口を開いた戦争だった。明治政府はこの戦争を、最初から領土略奪の狙いをもって、実に犯罪的で汚い手口を使って仕掛けた。最大の目的は朝鮮半島の支配権確立と台湾の領有である。そして95年3月の下関条約によって台湾の割譲を清にのませるが、釣魚台もまさにこの侵略戦争で中国から略奪した領土以外の何ものでもない。
 問題は、今日の日帝・菅政権がこの歴史を真っ向から居直るだけでなく、逆に釣魚台周辺の軍事的制圧を強めることをテコとして、東中国海の制海権を握ろうとする行動に再び決定的に踏み出したことである。これは再度の対中国戦争の道そのものである。

 新安保懇報告と一体の動き

 今回の事態の本質を露骨に示すものが、8月27日の「新安保懇」の報告だ。そこでは「従来の『静的抑止』に対し、『動的抑止』の重要性が高まっている」として、日帝の側から進んで軍事行動に訴えることが公然と叫ばれている。そしてアメリカの海兵隊をモデルにした「日本版海兵隊」の創設が打ち出され、防衛省内でその検討が始まっている。海兵隊とは、侵略戦争において敵地に真っ先に殴り込みをかける部隊だ。これと連動して「南西諸島の防衛強化」が重要課題に押し上げられ、石垣島や宮古島への自衛隊配備がすでに策動されている。
 この新安保懇報告を直ちに実行に移したのが、そのわずか10日後に発生した中国漁船との「衝突」事件だ。菅政権・前原はすぐさま船長の逮捕を命じ、「日本の主権を脅かす活動や行為には毅然(きぜん)と対応していく」と言い放った。これは、釣魚台の完全な略奪と日帝にとっての軍事拠点化を狙うと同時に、東アジアの支配権をめぐる帝国主義国・大国間の争闘戦に日帝の側から全面的に打って出るという宣言にほかならない。
 今や日帝のこの反動的突出が、大恐慌下で激化の一途をたどる保護主義と争闘戦に決定的な拍車をかけている。通商戦争に続いて「通貨切り下げ競争」という為替戦争が火を噴き、むき出しの資源争奪戦が激烈に進行してきている。
 重大なことは、この帝国主義国・大国間の争闘戦の最焦点に、中東石油地域と並んで東アジアが決定的に浮上したということだ。米帝はすでにこの間、米帝によるアジア支配の再確立を狙って中国や北朝鮮への対決政策と対日争闘戦を強力に進め、東アジアにおける戦争的緊張を生み出す元凶となってきた。9月27日から開始された黄海での米韓合同軍事演習も、北朝鮮と同時に中国への露骨な軍事的圧力だ。
 中国スターリン主義もまた米帝や日帝に帝国主義者と同様の手段で対抗し、軍事力の誇示による南中国海の制海権確保や領土的野望、さらに国内資源の全面的囲い込みに動くなどの突出した行動を、ますますエスカレートさせてきた。
 日帝の行動はここにおいて、「領土問題」に決定的に火を付けることにより、これら一切の緊張と対立を一気に爆発的に燃え上がらせるものとなっている。領土略奪への衝動に火が付くことこそ、戦争への扉を開く最大の力だ。かつての戦争もまさにここから始まった。その扉が押し開かれるのを許すか否か、今やすべては労働者階級の決断と行動にかかっている。

 安保・沖縄闘争の解体も狙う菅政権

 現在起きている事態の背後には、大恐慌下での米帝の危機、中国スターリン主義の危機、そして何よりも日帝自身のきわめて深刻な危機がある。
 労働者階級人民の怒りによって打倒される恐怖に震え上がった支配階級が、国内支配の危機を対外戦争に訴えて突破しようとするのは、いつの時代にも常套(じょうとう)手段だ。日帝・菅政権の反革命的凶暴性・突出性は、歴代政権と比べても一層深刻なその破産性、権力としての根本的なもろさと表裏一体だ。
 とりわけ日米帝を鋼のように締め付けているのは、沖縄に充満する基地と日米安保に対する激しい怒りのマグマである。釣魚台侵略の軍事行動への突進は、この沖縄人民の怒りを排外主義的にそらし、ねじ曲げることで沖縄闘争を解体に導こうとする悪質な意図をもつものだ。だがそんなことで沖縄労働者人民の戦争絶対反対・基地撤去への積年の思いを圧殺できるわけがない。
 辺野古新基地建設をめぐる菅政権と沖縄労働者人民との絶対非和解の激突、沖縄闘争の一層の大爆発は必至である。
 中国スターリン主義の場合も同じだ。中国人民の民族解放・革命戦争の勝利をプロレタリア世界革命の勝利に結びつけることを拒否してきた中国スターリン主義は、今日では最末期の資本主義の延命を支える最大の支柱に成り下がっている。
 だがその足元でついに今日、中国の労働者と農民の歴史的反乱が決定的に始まった。中国政府は、日帝や米帝への対抗的な軍事的戦争的対応にのめり込むことで自らの危機を必死に突破しようとしているが、それは、帝国主義とスターリン主義をともに打倒することを求める中国人民の一層根底的な決起を準備するものに必ずなることを確信しよう。
 「労働者に国境はない。万国の労働者団結せよ!」――これこそ、「領土を守れ」「国益を守れ」の排外主義・国家主義の大洪水に対して労働者階級が高々と掲げるべきただひとつのスローガンだ。自国の資本家階級の利益を守るために、他国の労働者人民と徹底的に分断・対立させられ、戦争に動員されることを拒否しよう。
 労働者階級の国際的団結の力であらゆる分断を打ち破り、世界を根底から変革する闘いに踏み出そう。11月労働者集会を同時に、菅政権への巨大な怒りの反戦政治集会としてかちとろう。
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 ■日清戦争と釣魚台略奪の経緯■

1894年
6月 朝鮮政府が農民戦争鎮圧のため清国軍に朝鮮半島への出兵を要請。日本軍も朝鮮政府の許可なしに対抗的に出兵
7月 日本軍、朝鮮の王宮を襲撃・占領
8月 日清両国が宣戦布告
9月 黄海海戦。清の北洋艦隊に大打撃
11月 日本軍の旅順攻撃・占領
12月 伊藤博文が新たに台湾占領作戦を提起し、決定
1895年
1月 日本政府が釣魚台の日本領土編入決定
2月 威海衛陥落、北洋艦隊降伏
3月 台湾西方の澎湖島を日本軍が占領
4月 下関条約(日清講和条約)締結、台湾割譲
5月 台湾人民が「台湾民主国」樹立、武装抵抗闘争開始。日本軍が約5カ月にわたる台湾征服戦争に突入
11月 日本、台湾平定を宣言
(釣魚台の略奪が、日清戦争の勝利と台湾の植民地化にとって決定的に重要な東中国海における戦略拠点の確保としてなされたことは明らかだ)

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週刊『前進』(2458号3面4)(2010/10/04 )

【集会要項】 10・6八尾市役所包囲行動

クビ切り自由・9割非正規職化=新自由主義とたたかう団結の拠点、八尾北医療センター明け渡し攻撃をぜったい許さない!
10・6八尾市役所包囲行動
●夕方・八尾市役所包囲弾劾行動
 午後4時半 八尾市役所前 抗議宣伝活動
 午後5時20分 八尾市役所包囲抗議デモ
●夜・総決起集会
 八尾市文化会館プリズムホール
 4階会議室(1)(近鉄八尾駅東すぐ)
 午後6時開場/6時半開会
《主催》八尾北医療センター労働組合
    部落解放同盟全国連合会西郡支部
    八尾北命と健康を守る会
    道州制・民営化と闘う共闘会議
    関西労働組合交流センター

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週刊『前進』(2458号4面1)(2010/10/04 )

 11・7日比谷に1万人大結集を

 動労千葉・田中委員長が訴え

 大恐慌と戦争に立ち向かう新たな労働運動登場させよう

 国鉄闘争全国運動で勝負しよう

 11・7全国労働者総決起集会まで、いよいよ残り1カ月となった。歴史の大転換点の中で11・7集会の持っている位置はあまりにも巨大だ。おしなべてあらゆる勢力が総転向の道に転落する中でわれわれに問われている課題はなにか。動労千葉の田中康宏委員長に、大いに語っていただいた。(編集局)

 「4・9和解」の大反動に反撃

 文字通り、帝国主義がその足元から崩れ去ろうとしています。支配階級は、この危機をのりきるというよりも、とにかく「今日、明日をどうやり過ごすのか」で必死の状況です。この危機から、内に向かって全面的な階級戦争、外に向かって侵略戦争が目の前で進行しています。「為替戦争」ともいえる米欧日のやり合いが公然と始まり、他方で、釣魚台をめぐる日本と中国の対立がどんどん非和解化しています。
 中野洋前委員長がずっと言っていたことですが、支配階級の危機は、運動する側の危機にもなる。支配体制の危機が深刻であればあるほど、ほとんどの左翼勢力、労働組合が危機に陥るんだ、と。並みいる勢力がすべて崩壊していく中、われわれが「この道を行こう」ということを明確にして情勢の主導権を握れるのかどうか、今その大きな分岐点に立っているんじゃないかと感じます。
 今年の11・7労働者集会が持っている位置を鮮明にしなければなりません。情勢は変わったと見ないといけない。

 “国鉄闘争の火を消すな”と決起

 24年間続いてきた1047名闘争が「4・9和解」という形で政治解決して、僕らは反対の声を上げていますけれども、世の中的には、いったん国鉄闘争がなくなった状況に入った。
 国鉄分割・民営化攻撃は、労働組合に対する戦後最大の攻撃でした。それ以降、労働者階級にとっての対抗軸が1047名闘争であったことは間違いありません。これが終わってしまったら、いったいどういう対抗力を労働組合が持てるのか。
 もっと率直に言えば、動労千葉という小さな労働組合が、全体がこうなった時、本当に団結を守って闘いの道を進んでいけるのかということを真剣に考えました。「こんな和解は間違っている」と言うのは簡単です。だけど僕らに突きつけられたのは、和解を拒否し、団結を守り抜き、なおかつ新しい運動をつくっていけるのかどうかということだったわけです。
 これを突破する道を絶対に見つけなきゃいけない。2月、3月、4月と必死に困難を見据え、考え抜いた末に、国鉄闘争全国運動という新しい闘いを呼びかけました。最初は孤立を覚悟しました。でも、呼びかけてみたら孤立しなかったんですよね。多くの人たちが「国鉄闘争の火を消してしまったら、これからの労働運動は大変なことになるぞ」という同じ思いでいてくれたんです。「ここから新しい闘いをスタートさせよう」という思いで6・13集会を開催し会場全体が一体となるような集会にすることができました。
 その後、3労組で今年の11月労働者集会を11月7日に開催することを確認するとともに、新しくスタートを切った国鉄闘争全国運動にも呼びかけ団体に加わって欲しいということで意見が一致しました。すべての呼びかけ人の方に快諾をいただき、今年は4団体の呼びかけという形になりました。
 求められていることは、この労働組合の惨 (さんたん)たる現状を、職場からもう一回作りなおす決意でこの運動をやることです。単なる動労千葉支援の運動ではなく、それぞれがこの運動を結集軸にして職場からの闘いを始める。今の情勢を見たら、これ以外に道がないことを見据えて欲しいと思います。
 なぜか。1987年の国鉄分割・民営化後、総評が解体に追い込まれた後だって、まがりなりにもこれに反対する勢力はいました。体制内的な勢力を含め、多くの勢力が「右翼労戦統一」と連合結成を批判していました。だから全労協などもできた。思惑は違いますが日本共産党も全労連をつくりました。
 でも今、1047名闘争の「4・9和解」以降、そんな動きがありますか? 異議を唱えているのは、われわれだけです。「4・9」以降に起きていることは、労働運動の一線を越えた変質です。だから現場から一からやり直すということなんです。怒りの声は積もりに積もっています。これほど怒りの声が社会に満ちている時代はないですよ。ここを絶対に信じて、ここからやり直す。
 国鉄闘争全国運動の呼びかけ人の方々はみんな本気です。時代に対するものすごい危機感があります。この運動に、ひとつの希望を見いだしているんです。それは、大恐慌情勢に通用するものになる可能性を持っています。その可能性を、本物にできるかどうかはわれわれ次第です。ここから新しい労働運動の歴史を始める――この闘いはそういう大きさと可能性を持っていると思うんです。
 どのような展望を生み出せるのかは闘いを前進させる中からしか出てこない。理屈だけならいろいろ言えますが、労働運動というのは実際に運動が成り立ち、その中で団結が広がり、しかも一時に終わらず持続されていくこと以外に「正しい道」というものはありません。すべてはこれからです。
(写真 1635人が結集した6・13大集会)

 再び動き始めたJR東の外注化

 情勢は「4・9和解」以降、一斉に動き始めました。
 JRでは、国交省が和解を前後して「国鉄分割・民営化25年問題」を騒ぎ始めた。JR7社のうち4社の経営が破綻しています。国鉄分割・民営化は大失敗ですよ。これ以上、こんな状況は続けられない。国交省は「日航問題の次はJRだ」と公言し、九州・四国・北海道・貨物に抜本的な日航型大リストラを求めています。こういう形で「国鉄分割・民営化は成功した」ととり繕おうとしている。貨物ではこの春から、ベアどころか定期昇給もストップしました。国交省は「もうこれ以上は税制上の優遇はやらない」「JRは国策会社だという認識を一掃しろ」「純粋に株主にとってこの企業が意味があるかどうかなんだ」と言っています。これと1047名問題の終結策動は完全に一体だったんです。
 こうした中で、国労は7月定期大会で完全に一線を越えました。和解したとたんに、国労闘争団員を切り捨て、選挙権も被選挙権もなく、組合費も払わない特別組合員にしました。組合運動に一切関与させないということです。唯一、全国的機能を果たしていた職種別協議会も解体し、12億円のスト基金のうち7億円を取り崩した。国労の流れ解散、連合合流への分水嶺を越えたわけです。これが1047名問題和解の結果です。
 これまで止まっていたJR東日本での外注化問題も全面的に動き出しました。団交をストップさせたまま、水面下で東労組と準備を進め、ふたが開いた時にはもう後戻りできないという形で進めています。本社からは、下請け会社に割り振る要員数を9月中に出せという指示や、偽装請負隠しを指導する取り扱い注意の文書が出され、千葉では8月2日に下請け会社と委託契約を結んでいます。
 年末にかけてが勝負です。あらゆる産別で、労働組合がこういう委託や派遣、別会社化などを全部のんだ結果、1千数百万人が非正規職に突き落とされました。これをひっくり返したら、もう一回労働運動の展望が必ず見えてくると確信しています。とくに、この闘いの渦中で組織拡大を実現することができれば、外注化を止めることは不可能ではないと考えています。いずれにしても、すべてが動き出しました。

 「2012年」焦点に大決戦

 1047名闘争の「政治和解」が、労働者階級全体にとってどういう意味を持っているのかという問題に注目しなければなりません。
 支配階級は「公務員360万人をいったん全員解雇する」と言ってますから、公務員制度改革は国鉄分割・民営化を10個ぐらい、いっぺんにやる攻撃です。来年の通常国会に法案を提出し、2012年に改革を行うというのが菅政権の方針ですから、あと2年です。「4・9和解」以降の流れを見ると、このために国鉄闘争をつぶそうとしたことがいよいよ鮮明になってきました。
 その核心は、公務員労働者の「身分保障」を解体するところにあります。そもそも戦後の公務員制度は、1948年の政令201号で骨格ができました。アメリカ帝国主義の占領軍が、公務員労働者から労働基本権を奪い、奪った途端に定員法で国鉄10万人の首を切り、レッドパージを強行しました。こうして成立したのが戦後の公務員制度です。血まみれの制度ですよ。政令だけで労働基本権を奪い、その代わりに身分は「保障」されている。
 菅政権は今、これを破壊するために「労働基本権を回復する」と言っているわけです。人勧制度を廃止し、公務員庁を設置して、労働協約の締結権を与えるということが検討されています。しかも、自治労や日教組は「スト権はいりません」と組合の側から言ったんです。
 すでに、8月3日の衆院予算委員会では「今の制度があるから生首が切れないんですよ」「とにかく労働基本権を早く付与して、民間並みの人員整理ができるようにしましょう」なんて議論が公然とされている。
 さらに菅政権の新成長戦略では、2012年に公立保育園・幼稚園を全廃することが打ち出されました。民営化して「こども園」にすると言っています。公立保育園・幼稚園には30万人の労働者が働いています。昨年末に社会保険庁が解体され、日本年金機構になりましたがこれもその先があって、2013年に日本年金機構はもう一回解散し再編される。さらに、財界がこの7〜8年間、要求し続けていることは小学校・中学校の民営化です。国鉄闘争を終わりにするということは、こういうことです。公務員労働者への大攻撃をやる時に、国鉄1047名闘争がまだ継続しているなんてことは絶対に容認できなかったんです。
 これは単に自治体労働者や教育労働者だけの問題じゃありません。日本の全労働者に対する戦後最大の労働運動解体攻撃であり雇用破壊攻撃です。そして究極の民営化攻撃です。戦後的なあり方が最後的に、徹底的に解体され、階級関係が根本的に変わる。その当面する焦点が2012年です。「国鉄分割・民営化25年問題」も2012年。全部、ここに焦点が絞られてきています。
 こんなことを強行したら、いったいなにが起こるか。直接的にも数百万人の労働者が非正規職に突き落とされます。すでに、この二十数年間で3分の1の労働者が非正規職に突き落とされ社会は根底から崩壊しています。医療、年金、社会保障制度、教育、これらすべては雇用が土台になっていたわけですから。この上、さらに数百万人の労働者の首を切り、非正規職化した時に起きるのは社会の全面的崩壊です。階級支配なんかできなくなる。こんなことは民主党でも自民党でも分かっているはずです。しかし「これしかない」と踏み切っている。
 そういう意味では、ここに向かって怒りを結集し、闘いを組織できたら、けっこういい勝負になりますよ。僕らは国鉄分割・民営化との攻防を経験しているからよく分かるんですが、支配階級は国鉄分割・民営化攻撃ひとつだって、いまだ貫徹できてないわけです。
 同時に、だからこそ国鉄闘争全国運動の持っている可能性に賭けようということでもあるんです。この一大攻防を闘い抜く中で、この社会を根底からひっくり返すような力をここに結集しようじゃありませんか。
 この攻撃は「新成長戦略」という形でやられています。全体が改憲と戦争に向かって集約されていくものとなります。安保と沖縄をめぐる闘いも、こうした情勢の中でますます非和解化していかざるを得ない。菅政権は、とにかく真正面からたたきつぶす以外にない。そして、外に向かっては「東アジア共同体」づくりを叫び、アジア侵略だけが日本帝国主義の延命の道になっている。原発、鉄道、水道といったインフラをパッケージで輸出する。何兆円という事業を海外でばんばんやる。そのためにも徹底的に公的部門を解体しなきゃいけない。こういう関係になっています。
(写真 5波のストで外注化4月1日実施を阻止した動労千葉)

 職場と地域で力ある運動を

 ですから今年の11・7労働者集会は、絶対にこれまでの延長線上ではありません。2012年を焦点とした国鉄分割・民営化10個分の全面的な階級戦争に対して新しい闘いを準備する出発点――このように11・7労働者集会の位置をとらえ、全力で立ち向かわなければいけない。

 国家揺るがした関生支部のスト

 この時代の中で生きていけない現実、せっぱ詰まっている状態。これは誰もが言うことですが、これに具体的構想と方針を与える力を労働組合が持っているのかどうかがやはり決定的です。僕は、今度の全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の闘いを見て本当にそう思いました。7月から3カ月間に及ぶストを打ち抜き、阪神地区の工事現場の9割を止め、ゼネコンを揺るがして勝利しようとしています。日本の国家が揺らいでいるってことです。歴史的な闘いです。関西生コン支部は今1800人ですが、労働者がその気になったら1800人の力でもこういう闘いができるんです。本当に腹をくくって「勝ちたい!」と思えば知恵はいくらでも出てくる。
 JRで闘っても、そう思います。検修外注化問題で昨年10月から半年間で5回のストを打ちました。動労千葉としても初めてのことです。やったことはJRや下請け会社に徹底抗戦し、こんな外注化をのむ東労組を徹底的に揺るがすぞ、という闘いです。あとは、偽装請負問題、安全問題などをガンガン追及した。その結果、JR東日本という大企業全体の外注化が、少なくとも今日まですべて止まった。今の資本の攻撃のあり方からすれば、あり得ないことが起きた。労働者は腹を据えて団結したら闘えるんです。
 今、掛け値なしに勝負の時が来ています。あらゆる勢力が屈服を深める中、われわれに何が問われているのか。1929年世界大恐慌の時もそうですが、「こうした危機の時代には労働運動は闘えない」と労働組合が総屈服していった歴史が世界中にあります。政府や資本家と一緒になって「危機救済」の立場に転落し、最後には戦争協力にまで行き着きました。
 本来は、今のような情勢だからこそ労働運動が徹底的に闘いの道を選ばなければいけないし、危機の時代だからこそ闘いの中から新たな展望を切り開くことができるはずです。これまでの労働運動が何度も繰り返してきた屈服の歴史を絶対に突破したい。この情勢の中で、一から労働運動を作りかえ、この情勢に通用する運動を作りたい。国鉄闘争全国運動を呼びかけた思いはここにあります。労働者がこれだけ悔しい思いを強いられ、年収200万円以下の労働者が1千万人を超えているのに、この現実に立ち向かえない労働運動なんて、もはや労働運動とは言えませんよ。
 ここまで切羽詰まった状況なのに、なぜ日本の労働者の怒りが具体的な闘いになっていないのか。もちろん最大の責任は腐った労働組合の幹部たちにあります。だけど、それだけ言っててもしょうがない。「われわれの責任なんだ」とはっきりさせなければいけない。腹の中で怒りをたぎらせている労働者たちには、われわれの存在はまだ見えていないわけですから。
 だから11・7労働者集会への1万人結集なんです。それは、たった一つの光であったとしても階級の主体の側に巨大な化学変化を引き起こすものとなります。それが国鉄闘争全国運動の役割であり、11月集会の持っている位置です。ここに賭けきろうということです。
 ほとんどの労働者は、怒りさえ奪われ、あきらめさせられ、「闘う」という道を思い起こすことすらできない状況にあります。こうした、生身の労働者が置かれている現実に立って真剣に考えなければいけません。この現実に肉迫し、ともに格闘しながら職場・地域に具体的な運動を作っていくことです。組合のあるところでは、現場労働者とつながり、分会や支部の権力を握っていくことに365日すべてを費やす。組合のないところでは組合を結成するために365日、24時間すべてを費やす。こういう執念が情勢に打ち勝つ道です。職場の労働者の怒りを誰よりも体現する存在になることが重要です。
 当面、全国運動3千人会員の獲得を目標にしています。さらに、この数年の間に労組交流センターを2倍の勢力にすることだと思っています。そうなれば十分に情勢に対抗できます。
 国鉄闘争全国運動を軸に、社会の根本的な変革に向けた力を僕らが獲得することができるかどうか――そういう大勝負が始まりました。今年の11月集会は特別な意味を持っています。
(写真 3カ月にわたる産業ゼネストに立ち上がった関生支部)

 10・10三里塚から11・7大集会へ

 三里塚も、市東さんの農地をめぐる大決戦を迎えています。44年間にわたって国家権力のいかなる暴虐にも屈せず、今も激しく火花を散らしながら全国の仲間に大結集を呼びかけている三里塚闘争の存在が、まったく新たな可能性をもって再び最前線に躍り出る時代が来ています。今までの延長線上ではない新しい三里塚闘争の出発点が10・10全国総決起集会だと思っています。10・10三里塚への総決起から11・7労働者集会へと突き進んでいきたい。
 国際連帯闘争もこの1年、予想を超えてさらに大きく広がりました。それは、この時代の中である種の必然性をもっています。この情勢と対決し、勝利するためには国際連帯闘争がなくてはならない要素になっている。今年は韓国民主労総ソウル本部、アメリカ、ブラジル、ドイツの4カ国から、すでに11・7集会への参加を表明してくれています。
 情勢は変わりました。昨日と今日とではまったく情勢が違います。動労千葉はすべてを賭けて国鉄闘争全国運動と11・7集会の先頭に立つ決意です。この闘いを通して、われわれ自身が変わり、階級情勢が変わり、労働者の意識が変わる。これが新たな出発点になります。あと1カ月、全力の奮闘を訴えます。

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週刊『前進』(2458号5面2)(2010/10/04 )

 新刊紹介 国際労働運動 11月号

 侵略戦争へ進む日帝

 世界大恐慌が深化するなか、帝国主義諸国は為替戦争に走り、資源・市場獲得競争を激化させている。世界経済は収縮と分裂・ブロック化に向かっている。世界戦争はますます不可避だ。APECやG20は帝国主義の強盗会議だ。
 世界大恐慌とともにイラク・アフガニスタン両戦争における米帝の軍事的敗退は、帝国主義が最末期にあり、全世界的に革命情勢が到来していることを示している。
 国際帝国主義の最弱の環、日帝は新安保懇報告で、新成長戦略と一体の侵略国家への大転換を打ち出し、北朝鮮侵略戦争を構え、釣魚台において対中国侵略戦争の第一歩を踏み出した。
 第1章は新安保懇報告批判。報告は「受動的な平和国家から能動的な平和創造国家」を主張し、中国艦隊の太平洋進出を抑えるため南西諸島への自衛隊配備を提言。釣魚台略奪はその一環である。
 第2章は米帝の対中国戦争戦略の弾劾。「米国防報告見直し(QDR)」からその意図を暴く。
 第3章は在日米軍基地の侵略戦争実態の暴露。
 翻訳資料は「労働組合シオニズムとヒスタドルート(イスラエル労働総同盟)」。シオニストの労働運動を徹底批判する国際ユダヤ人反シオニスト・ネットワーク労働運動グループ/パレスチナ支持労組連合(米)の文書である。

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週刊『前進』(2458号8面5)(2010/10/04 )

 日程 前進社不当捜索国賠訴訟

 第3回弁論 10月15日(金)午後1時30分
 東京地裁415号法廷

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