ZENSHIN 2010/01/18(No2423 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2423号1面1)(2010/01/18 )

 国鉄1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止

 2・13全国から代々木公園へ

 国鉄決戦で民主党政権を打倒しプロレタリア革命勝利を開こう

 社保庁525人解雇に怒りの大反撃を

三里塚新年デモ 反対同盟は現闘本部に横断幕を掲げ決戦へ機先を制した(1月10日 成田市)=記事3面

 資本主義を打ち倒す世界史的な激動、大動乱の時代が始まった。日本の階級闘争はその最先端でこの2010年、今春の1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の国鉄決戦を突破口に、労働者階級の死活を決する一大決戦を迎えている。動労千葉などが呼びかける2・13全国労働者総決起集会まで1カ月だ。5千人結集へ全力で闘おう。本紙新年号の革共同政治局1・1アピールを武器に、激動する内外情勢をぶち破る鮮明な党派性を打ち立てて、2010年決戦に躍り込もう。

 最大の決戦局面突入

 2010年、プロレタリア世界革命がついに現実化する情勢が到来している。世界大恐慌への突入で帝国主義の危機は底なしに深まり、資本家階級と労働者階級の階級闘争が非和解性むき出しの激突として闘われる時代に突入したのだ。
 何よりも国鉄決戦が最大の決戦過程に入った。1月13日、国交副大臣・辻元清美と与党3党が会談し、1047名闘争の「政治和解」を3月までに目指す方針を打ち出した。その本質は、1047名解雇撤回闘争が大失業攻撃への労働者階級の怒りの結集軸となることに恐怖した民主党・連合政権による必死の闘争解体策動である。これと並んで、JR資本による第2の分割・民営化=検修業務全面外注化の攻撃が襲いかかっている。
 社会保険庁では昨年12月31日、525人の労働者が分限免職=解雇された。国鉄分割・民営化以来のすさまじい事態である。これに対し連合、自治労は「国民からの信頼の回復が第一」「健全な労使関係の構築」(連合事務局長・南雲弘行の談話)などと年金機構発足を賛美し、解雇には一言半句の言及もない。
 今や大失業攻撃の嵐が一斉に吹き荒れている。日本航空では法的整理によってグループ社員約4万7千人のうち1万5700人を解雇。企業年金は退職者3割減、現役5割減だ。
 ここに危機に立つブルジョアジーの階級意思の凶暴さと「党派性」、革命情勢の急速な成熟に対する恐怖が現れている。資本主義とそれを支える労働貴族への全労働者の怒りを徹底的に解き放ち、資本の支配にとどめを刺すために闘う時が来た。小沢の政治資金問題をめぐる検察の強制捜査への踏み込みは、日帝支配階級の分裂と対立、日米争闘戦の激化、日帝の政治支配の危機がいよいよ決定的段階に入ってきたことを示している。自民党支配を打倒した昨年の闘いに続き、7月参院選を待たずに労働者階級が実力で民主党・連合政権を打倒し、一気に権力を取る気概で闘う時だ。

 外注化粉砕しJR体制倒せ

 その突破口を開くのが1047名解雇撤回、検修全面外注化阻止の今春国鉄決戦だ。
 外注化攻撃は文字どおり第2の国鉄分割・民営化攻撃である。かつて中曽根は国鉄分割・民営化攻撃で国鉄労働運動と総評・社会党をつぶすことを狙った。これは新自由主義の出発点であり、一つの頂点をなす大攻撃、階級決戦だった。だが動労千葉は乾坤一擲(けんこんいってき)のストライキで団結を守り抜き、現在まで闘い抜いている。不当解雇された1047人の国鉄労働者が「解雇撤回」を掲げて、分割・民営化絶対反対で闘い抜いている。
 今回の外注化攻撃の核心は、動労千葉や動労水戸の階級的団結を始め、全国鉄労働者の階級的団結を徹底的に破壊することにある。そのことによってJR体制の崩壊的危機を突破するとともに、日本の労働者階級の階級性を解体し、資本の専制支配を力ずくで打ち立てようとする攻撃なのだ。
 日帝ブルジョアジーの狙いはただ一点、「労働者階級は団結すれば勝利できる」という、動労千葉が血を流して実証し、体現し、全労働者階級に展望を示している労働者階級自己解放の思想を解体することにある。
 逆にいえば、2001年からの外注化攻撃―第2の分割・民営化攻撃を打ち破って幕張の職場を守り抜き、平成採の青年労働者を獲得してきた動労千葉の地平は本当に巨大なのだ。動労千葉や動労水戸が階級的団結を守り抜き、20人、30人と青年労働者を獲得して団結を拡大・強化するならばJR体制打倒の巨大な展望をつくりだすことができる。そしてJR体制の打倒は、4大産別決戦の大爆発による連合支配の全面打倒に直結し、動労千葉派が日本労働運動の主流派に躍り出る時代を開くのだ。
 日帝ブルジョアジーが勝つのか、動労千葉労働運動が勝つのか。今やこのことが掛け値なしに問われている。平成採を獲得して動労千葉がJR総連に勝つのか否か。資本主義救済の体制内労働運動が勝つのか、革命を目指す階級的労働運動が勝つのか。この決戦はそういうことをかけた闘いなのだ。

 団結を組織する路線

 JR検修業務外注化阻止決戦は、動労千葉労働運動の土台をなす反合理化・運転保安確立闘争路線の貫徹をかけた闘いだ。その核心は、「安全」「事故」という問題を労働組合の課題として真正面から位置づけ、安全の確立は労働組合の闘いによって資本に強制する以外にいかなる方法もないという立場に立ちきったことにある。
 資本の目的は利潤の獲得だ。直接には利潤を生まない安全対策は常に犠牲にされる。資本主義社会の本質、資本と労働者の絶対的な非和解的対立の中で「安全」「事故」という問題をとらえ、労働者の団結と闘いの問題として見据えることに動労千葉労働運動の神髄がある。
 特に「事故」という問題に対し、労働組合としていかなる態度をとるのか。「事故は労働者の責任ではない」ときっぱりと言い切り、事故を起こした仲間を守り、職場・組合をあげて闘うのが動労千葉の反合・運転保安闘争路線だ。この路線は、あらゆる事故が当該の労働者に責任転嫁することで処理されてきた現実への怒りの声を体現し、それを1972年船橋事故闘争以降の動労千葉の闘いの中で確立したものだ。ここに体制内派との路線の違いが鮮明に現れる。
 この路線のもとでこそ、労働者は階級的に団結して闘うことができる。この路線でなければ、労働者は労働組合のもとに真に団結するはずがないのだ。「事故」という資本と労働者の非和解的対立関係が最も鋭く現れる問題で闘えるのかどうかが労働組合の試金石だ。ここで闘ってこそ労働者の階級的団結を組織し、労働組合をよみがえらせることができる。

 労働者の誇り貫いて闘おう

 反合・運転保安闘争路線で、職場の多くの労働者が資本や体制内労働運動派に支配されている現実を打ち破ろう。1人の仲間を守りきる闘いの中に、職場の団結を固め、職場支配権を握る問題もある。これは、資本に対する労働者の怒り、社会や職場を動かしているのは労働者だという誇りを組織することでもある。労働者は資本との絶対非和解の闘いの中で、職場や社会の現実を根底から変革する存在となる。
 反合・運転保安闘争路線を外注化阻止決戦に貫き、資本や体制内労働運動派によって日常不断に持ち込まれる「闘っても勝てない」という日和見主義や敗北主義を打ち砕き、「労働者は団結すれば必ず勝利する」――この展望を指し示そう。それが路線であり、思想なのだ。
 分限解雇された社保庁の525人の労働者は、「辞表を書け」という退職強要を断固として拒否し粉砕した誇り高き決定的な闘いの主体であり、階級的団結の中核となる存在だ。
 問題になっているの は、世界大恐慌下の公然たる階級闘争の激突の中で、労働者階級と資本家階級のどちらが主導権を握るのかということだ。「会社や資本主義社会を守るために労働者は犠牲を受忍せよ」――こういうブルジョアジーの思想と攻撃を打ち破って、死すべきは資本主義であること、資本家階級の支配を打ち倒して労働者階級こそが全権力を握る時代が来たことをはっきりさせ、労働者階級の団結を守り、階級闘争を前進させよう。
 革共同は本紙新年号の政治局1・1アピールで「2010年国鉄決戦に勝利し、プロレタリア世界革命へ」のスローガンを打ち出した。09年の勝利の地平をさらに押し広げ、国鉄決戦の勝利を突破口に民主党・連合政権を打倒し、大恐慌を革命に転化する労働者階級の大決起をつくりだそう。
 「ライフサイクル第3次配転・検修・構内業務外注化阻止!」の1・22動労千葉総決起集会に結集しよう。青年労働者を先頭に、2・13集会(代々木公園)5千人結集へ闘い抜こう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2423号1面2)(2010/01/18 )

 法大闘争 獄中8学生を全員奪還

12月22日の3学生に続き保釈をかちとった新井拓君、増井真琴君、恩田亮君、織田陽介君、内海佑一君(09年12月28日 東京拘置所前)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2423号1面3)(2010/01/18 )

 国鉄1047名解雇撤回、検修業務全面外注化阻止、反合理化・運転保安確立! 2・13全国労働者総決起集会への賛同と参加の呼びかけ

 国鉄1047名解雇撤回、検修業務外注化阻止を掲げた2・13全国労働者総決起集会への呼びかけが動労千葉などから発せられた。国鉄決戦勝利に向かって全力で結集しよう。(編集局)

 1987年2月16日、7628名の国鉄労働者にJRへの不採用が通告されました。それは、国鉄分割・民営化に反対した組合に所属する者を狙い撃ちした露骨な不当労働行為でした。そして、今も1047名が解雇撤回を求めて闘い続けています。
 23年を経て、ついに隠された真実が明らかになろうとしています。昨年12月16日に開かれた裁判で旧国鉄幹部が、「(動労千葉の12名は)1月末か2月冒頭までは採用候補者名簿に登載されていた」と証言したのです。JR設立委員会が「採用する職員」を決定したのは2月7日です。その最後の数日の間に、葛西(現JR東海会長・当時国鉄職員局次長)の指示で採用者の名簿から外されていたのです。この時に起きていたのは、あまりに激しい組合破壊攻撃の中で、膨大な労働者が自ら職場を去り、本州では、JR各社の採用者数が「定員割れ」になるという事態でした。国鉄当局は当初は、閣議決定された定員を割り込んでしまった以上全員採用するしかないと判断し、その旨の記者会見まで行なっています。予想外の現実を前に、あせったのが鉄道労連(現JR総連)でした。「これしか生き残る道はない」と言って、民営化攻撃に屈服し、20万人もの国鉄労働者の首切りの手先になった手前、「全員採用など絶対認められない」「動労千葉や国労の活動家をJRから排除しろ」と、特別決議まであげて、当局に激しく迫ったのです。
 採用差別は、まさに政府・当局とJR総連が結託した不当労働行為でした。国鉄分割・民営化は、その後一千万人をこす労働者が非正規職に突き落とされ、貧困が蔓延(まんえん)する今日の現実の突破口となった攻撃です。それがいかに強行されたのか、その構図がついに明らかになったのです。
 いよいよ反転攻勢に立ち上がるときが来ました。1047名闘争は、全(すべ)ての労働者の未来をかけた闘いです。私たちは、解雇撤回要求を取り下げ、自民党や民主党に頭を下げて「人道的解決」を求める4者4団体の屈服路線をのりこえて、断固として闘いに立ち上がる決意です。

 JR東日本は、この4月1日以降、車両の検査・修繕業務を丸投げ的に外注化しようとしています。すでに線路などの保守業務は全面外注化が強行され、駅員や車掌も、どんどん無権利・超低賃金の非正規職労働者に置き換えられています。その結果、線路はガタガタになり、車両故障が激発しています。これはまさに「第二の分割・民営化」というべき攻撃です。23年前に7つのJR会社に分割された国鉄が、今度は百以上の下請け・孫請け会社に分割されようとしています。こんなことを続けたら安全は崩壊し、間違いなく第二第三の尼崎事故、羽越線事故が起きます。
 この20年余り、あらゆる企業が競争原理を至上としてこの道を突き進みました。その結果、雇用が破壊され、派遣切りが横行し、ワーキングプア・貧困が蔓延し、教育・医療・社会保障をはじめ社会全体が壊れようとしています。その出発点が国鉄分割・民営化でした。そして今またJR東日本は、「利潤の最大限化」をかけ声に、安全を投げ捨てて業務を外注化し、無数の労働者を非正規職に突き落とそうとしているのです。
 こうした攻撃の前に、多くの労働組合がなす術(すべ)なく屈服し、労働者に非正規職化を強制する手先に転落しました。こんな現実をどこかで断ち切らなければなりません。それは全ての労働者の未来を左右する闘いです。私たちは、反合理化・運転保安確立、闘う労働運動の復権をかけて、この攻撃に立ち向かう決意です。

 大恐慌が世界を呑(の)み込んで進行し、労働者への激しい攻撃となって襲いかかっています。
 民主党・連合政権は、改憲と民営化・雇用破壊に突き進もうとしています。とくに攻撃は公務員労働者に集中しています。道州制導入・公務員労働者360万人首切りを焦点に、公務員労働者に集中しています。改憲国民投票法の5月施行を引き金として、改憲への動きが一挙に浮上しようとしています。「東アジア共同体」に延命の道を求める民主党政権は、対米対抗的な軍事大国化に突き進み、改憲政党としての地金をむき出そうとしています。
 すでに反撃は開始されています。社保庁の労働者は、民営化に伴う一千人の解雇攻撃の中で、525人がいっさいの雇用斡旋(あっせん)を拒否して闘いに立ち上がろうとしています。動労水戸の仲間たちは、JRによる運転士登用差別に対する23年間の闘いを貫いて最高裁で勝利し、ついにハンドルを奪い返しました。国労本部による1047名闘争切り捨て策動の渦中で起きた国労5・27臨大闘争弾圧事件では「暴処法適用できず」の勝利がかちとられました。私たちの闘いは、韓国、アメリカ、ブラジル、ドイツ、トルコ、フィリピンへと国際連帯の輪を広げています。三里塚・沖縄で怒りの炎が燃え上がろうとしています。
 1047名解雇撤回、業務外注化絶対反対、第二の尼崎事故を許すな。派遣法撤廃、10春闘勝利。国鉄・三里塚・沖縄を先頭に改憲に突き進む鳩山政権を打倒しよう。怒りの声を結集し、今こそ闘う労働組合を甦(よみがえ)らせよう。正規職も非正規職も、派遣労働者も団結しよう。2・13全国労働者総決起集会への賛同と結集を心から訴えます。
〈よびかけ〉国鉄千葉動力車労働組合/国鉄水戸動力車労働組合/国鉄高崎動力車連帯労働組合/国鉄西日本動力車労働組合/動労千葉を支援する会
------------------------

2・13全国労働者総決起集会

2月13日(土)午後1時開始
東京・代々木公園B地区野外ステージ
(集会終了後、JR東日本本社抗議デモ)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2423号2面1)(2010/01/18 )

 ライフサイクル配転粉砕し検修・構内外注化絶対阻止を

 1・22決起集会を跳躍点に2・13へ

 動労千葉など動労総連合4組合と動労千葉を支援する会が主催する2・13全国総決起集会は、国鉄1047名の解雇撤回をかちとり、JR東日本の検修・構内業務全面外注化を阻止する決戦だ。これに先立ち動労千葉は、「ライフサイクル配転・検修構内外注化阻止」を掲げ、1月22日、千葉市民会館で総決起集会を開く。民主党・連合政権は、1047名闘争の最後的な圧殺策動を開始した。2010年冒頭から国鉄決戦は激しく火を噴き始めた。1・22から2・13へ総力で闘おう。
(写真 「1047名解雇撤回・検修外注化絶対反対」を掲げてJR新潟支社を包囲したデモに沿道の労働者から圧倒的注目が集まった【12月23日 新潟】)

 スト態勢構えた動労千葉

 JR東日本は2月1日、第3次のライフサイクル配転と、動労千葉幕張支部の役員を幕張車両センター本区から転出させる強制配転の攻撃をたくらんでいる。
 1月下旬には、強制配転の事前通知が予想される。動労千葉は、ストライキも辞さずこれと対決する構えを固めた。
 JR東日本が08年以来強行してきた「ライフサイクル深度化」の攻撃は、40歳以下の運転士を駅業務に強制配転するというものだ。この間、JR東日本は、駅に非正規職の契約社員を大量に導入する一方、列車の運行にかかわる駅の輸送職の育成をとことん怠ってきた。その矛盾を運転士の駅への強制配転によってのりきるとともに、非正規職化・低賃金化をさらに推し進めようとするものが「ライフサイクル深度化」の攻撃だ。
 すでにJR東日本は、過去2回にわたりライフサイクル配転を強行してきた。その先兵こそJR総連・東労組カクマルだ。彼らは、資本との結託体制をなんとしても維持するために、傘下組合員にライフサイクル配転を強要し続けてきた。他方、動労千葉はこれに敢然と立ち向かい、ストを構えて組合員に対するライフサイクル発令を阻んできた。
 ライフサイクル発令の対象となるのは平成採の青年労働者だ。JR資本や、それと結託した東労組カクマルに激しい怒りを燃やし、人生をかけて動労千葉への結集を選択した青年が、この攻撃の矢面に立たされている。
 この攻撃を粉砕する闘いは、文字どおり動労千葉の存亡をかけた組織攻防戦にほかならない。
 幕張支部役員に対する強制配転の策動は、検修・構内業務の全面外注化攻撃そのものだ。
 昨年、JR東日本は動労千葉幕張支部の副支部長と書記長を幕張車両センター本区から強制的に転出させた。さらにJRは、検修業務の根幹をなす交番検査から動労千葉の組合員を排除する攻撃を続けている。
 動労千葉は、幕張支部を先頭に、01年以来9年間、検修・構内業務の外注化を阻んできた。JRは、この力関係を一挙に逆転するために、支部役員の強制配転で動労千葉の団結を解体しようと策しているのだ。
 だがそれは、動労千葉の総力を挙げた反撃を引き起こすだけだ。

 団結して闘い勝利開こう

 1・22を跳躍台に2・13の5千人結集へ攻め上ろう。
 JRの検修・構内業務外注化を絶対阻止する闘いには、労働者階級全体の命運がかかっている。
 JR東日本は、外注化の実施日を4月1日としている。だが、資本の思惑どおりに事態が進むことなど絶対にない。
 JR資本は、動労千葉・動労水戸−動労総連合を解体するために、その拠点職場に狙いを定めてこの攻撃を仕掛けてきた。だが、そこにこの攻撃の絶対的な矛盾がある。そもそも、検修部門の丸投げ外注化など、労働組合の抵抗が一切ないことを前提にしない限り絶対に成り立たない。
 国鉄分割・民営化以来、JR資本は激烈な攻撃を繰り出しながらも、動労千葉−動労総連合を解体することができなかった。これを反動的に突破するために、検修・構内業務の外注化に着手したこと自体に、JR体制の破産が現れている。
 運転士登用差別をめぐる動労水戸の闘いは、労働組合が不抜の団結を固めて闘えば、資本はなすすべもなくなることを実証した。国労5・27臨大闘争弾圧においても、権力は暴処法を適用できないところに追い込まれた。労働者は、団結して闘えば勝てるのだ。
 外注化阻止の決戦は、国鉄分割・民営化に革命的決着をつける闘いだ。
 JR東日本は、01年以来、保線や電力、信号通信など設備部門の外注化を強行してきた。その結果、下請け労働者の労災死、レール破断の続発、給電システムの崩壊、相次ぐ信号トラブルなど、安全はとことん損なわれた。これに加え、車両の検修業務が外注化されたら、安全は最後的に崩壊する。第2、第3の尼崎事故は不可避だ。
 動労千葉は、一貫して反合・運転保安闘争路線のもとに闘ってきた。それは、資本が強行する合理化攻撃に対し、絶対反対を貫いて労働者の階級的団結を固め、職場の支配権を打ち立てていく闘いだ。安全は資本にとっても否定できないが、資本は利潤追求のために必ず安全を破壊する合理化を強行する。動労千葉の反合・運転保安闘争路線は、72年の船橋事故に際して、「事故の責任の一切は当局にある」と言い切って、労働者への事故責任の転嫁と徹底的に闘いぬく中で確立された。
 この反合・運転保安闘争こそ、国鉄分割・民営化と対決する力をつくり出してきたのである。
 こうした闘いは、労働者階級にとって普遍的な意味を持つ。今日の大恐慌のただ中で、労働者はすさまじい大失業と非正規職化の攻撃にさらされている。まともな教育もなされずに低賃金・重労働を強制され、少しでもミスをしたり事故を起こせば、解雇や減給の恫喝にさらされる。
 こんな現実を生み出したのは、資本の分社化・外注化、非正規職化の攻撃をことごとく容認してきた体制内労働運動だ。
 JRの検修外注化を阻止する決戦は、全産別の労働者の怒りを集約し、その根底的な決起を引き出す闘いなのである。

 民主党政権打倒の最先端

 JR検修外注化阻止決戦は、民主党・連合政権打倒の最先端の闘いだ。
 民主党・連合政権は、525人の社会保険庁労働者を分限免職にして社保庁解体を強行した。彼らはさらに、日航1万6千人の首切りと年金大幅削減に突き進んでいる。これらの攻撃が、360万人公務員労働者の首を切る道州制へと集約されることも明白だ。
 だが、分限免職された社保庁労働者の中から、絶対非和解の解雇撤回闘争が巻き起こっている。
 JR外注化阻止の決戦を闘いぬく中で、階級的労働運動を復権させるのだ。それは、連合を支柱にしなければ成り立たない民主党政権打倒へと直結する階級決戦だ。
 1047名闘争もかつてない決戦を迎えた。民主党・連合政権による1047名闘争圧殺の策動に呼応する4者4団体幹部の裏切りを粉砕し、動労千葉派こそが勝利の展望を実践的に示さなければならない。1047名闘争の勝利は、JR資本と闘ってこそかちとられる。外注化阻止の決戦は、1047名闘争の勝利をこじ開ける闘いだ。
 検修外注化絶対阻止の激烈な攻防を貫き、平成採の青年労働者を組織してJR体制を打倒しよう。労働者の壮大な決起をつくり出し、春季ゼネストに攻め上ろう。その成否の一切は2・13大結集にかかっている。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2423号5面3)(2010/01/18 )

焦点 「普天間」で袋小路の鳩山

 伊江島案などに怒り噴出

 在沖米軍・普天間基地の移設問題は、年末年始過程でますます重大問題化している。民主党・鳩山政権は、昨年12月15日に今年5月まで結論を先送りしたが、それ以後の政府、民主党の諸言動は許しがたいものであり、やることなすことすべて沖縄の労働者人民の激しい怒りの的となっている。
 12月26日のラジオ番組で、鳩山は「グアムは無理」と発言し、結局は沖縄に押しつけることを示唆した。小沢は、29日に「下地島と伊江島」の検討に言及した。
 沖縄を訪問した平野官房長官は1月9日、仲井真知事に「判断をいただかなければならない時がくる」と県内移設を示唆する発言をしている。さらに翌日には下地島や伊江島を空から視察し、島民の怒りをかき立てた。
 一方で普天間基地の滑走路改修工事が1月10日に始まり、「即時閉鎖・撤去」の要求を踏みにじって長期居座りの姿勢を示した。普天間所属の固定翼機の一時移駐となった嘉手納基地周辺では騒音被害の倍増に怒りが高まっている。
 日帝・鳩山、民主党・連合政権は、対米対抗的に「対等で緊密な日米同盟」や「東アジア共同体」を掲げ、普天間基地の「国外・県外移設、最低でも県外」を公約に登場したが、その結果、一方では日米矛盾、日米争闘戦を激化させ、他方では沖縄人民の怒りの火に油を注ぎ、日帝の体制の根幹を揺るがす事態になっているのだ。
 鳩山・小沢は、自民党支配を転覆するために、あたかも沖縄の怒りを理解しているかのように装い、それを従来の対米追随一辺倒の自民党政治に代わるものとして押し出そうとした。「対等な日米関係」を民主党政権の一つのシンボルにしたのだ。しかし、それは日米帝国主義間の争闘戦の激しさをさらけ出すものとなった。民主党政権の進めていることは、自民党以上に凶暴に、改憲と戦争の道を押し開ける、反人民的、反革命的な攻撃である。
 だが、民主党政権の凶暴性は、脆弱(ぜいじゃく)性と危機性の裏返しである。彼らがよって立つ日本帝国主義の経済が世界大恐慌の中で総破綻的な様相を呈している。そして民主党政権自体が、鳩山と小沢の政治資金問題の爆発で崩壊の危機に直面している。
 もともと小沢や鳩山の掲げる「対等な日米関係」はあくまで日米安保同盟を前提としたもので、彼らはその「強化」「深化」をこそ目指している。だが、それが日米矛盾を爆発させていかざるを得ないのだ。現在の世界危機、アジア情勢と日米それぞれの体制的危機がそれを突き動かしている。米帝もすでに「大国」の力を喪失している。日帝も米帝も袋小路だ。
 1・1政治局アピールが指摘するように、「戦後自民党支配の崩壊は、日帝による沖縄闘争圧殺の攻撃をその土台から覆し、米軍基地撤去を求める沖縄の島ぐるみ的な怒りを全面的に解き放った」のだ。導火線に火は付けられた。日米同盟関係の全体を吹き飛ばす大地殻変動が進行している。この情勢全体を革命の立場からとらえ、民主党政権のペテンを粉砕し、国鉄決戦を基軸とする階級的労働運動路線のもとで、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いの根底的発展をかちとる時である。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2423号5面4)(2010/01/18 )

焦点 温暖化と大国間の争闘戦

 決裂したCOP15の核心

 「地球温暖化」の原因といわれる大気中のCO(二酸化炭素)濃度を下げる目的で1992年に採択された「気候変動に関する国連枠組み条約」の第15回締約国会議、「COP15」が昨年12月、デンマークのコペンハーゲンで開かれ、事実上決裂した。97年のCOP3(第3回会議)で採択された「京都議定書」の効力が2013年に失効するため、それ以後の国際的な削減義務を取り決めることが課題だとされていた。
 しかし結果は無惨であった。会議は懸案をすべて先送りし、「産業革命以前からの地球の気温上昇を2度以内に抑えるべき」との科学的見解を「確認」するだけに終わった。国別の温暖化ガス排出削減目標も「自主申告」で、削減義務も提示できなかった。
 地球温暖化問題は、帝国主義間・大国間の争闘戦とエネルギー産業をはじめ大ブルジョアジーの思惑や利害が錯綜し、温暖化の真偽そのものが論争となってきた。しかし88年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)設立を契機に一定の「学問的」研究が進展、温暖化が「近代文明」をもたらした人間活動によって生じたとの認識それ自体は「先進国」「途上国」を問わず承認せざるを得なくなった。世界のCO排出量は、自然界が吸収できる量の2倍を超えたというのが共通認識だ。
 このまま温室効果ガスの排出が増え、産業革命以降の気温上昇が2度を超えると、異常気象の頻発や食糧危機はもとより、世界経済にも破壊的な影響が及ぶと予想され、それゆえに世界の帝国主義諸国も無視できなくなった。
 しかしCOP15の現実は、大恐慌下の帝国主義間・大国間の利害対立と争闘戦の本質をむき出しにした。世界の2大排出国であるアメリカと中国(両者合計で世界の4割超)が裏で手を組む形で「削減義務」の枠組みを崩壊させた。
 また日本政府が「優等生」だったわけでもない。鳩山首相が「90年比で25%削減」を打ち出したが内実は正反対だ。08年度は90年比で1・9%の排出増加で、京都議定書での「6%減」の確約すら達成不可能な状況だ。”アメリカと「途上国」中国が会議を決裂させた”などと批判する資格もない。
 そもそもIPCCの計算は「直ちに50%削減しないと地球は危機だ」という内容だった。しかし京都議定書の目標は、総排出量の60%を出す先進国の約5%削減をめざすというもので、科学的にはほとんど意味のない数字だ。これすらブッシュ前政権は拒否し、そしてオバマ政権は「温暖化対策」と称して、かのスリーマイル島原発事故を解決できないままに「原発新設」再開を決めた。資本主義の暴走は、地球環境という次元でも危険水域を超えているのだ。
 エンゲルスが指摘したとおり、人間は「自然の一部」である。人間は自然を支配したが、自然は人間界に報復することも認識された。しかし人間の生産活動がもたらす将来の破滅的事態を規制するためには「認識以上のものが必要だ。それには、われわれの従来の生産様式を、また今日の社会制度全体を完全に変革することが必要」なのだ。地球環境問題とはまさにプロレタリア世界革命でしか解決できない問題なのだ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2423号6面4)(2010/01/18 )

新刊紹介 共産主義者163号

 大恐慌-争闘戦論と国鉄決戦軸にした民主党政権打倒論

 すべての事態が大恐慌と争闘戦の未曽有の激化の中で旋回している。今号のテーマは、@世界大恐慌と争闘戦の激化論を軸にした時代認識と路線の深化、A検修全面外注化阻止の国鉄決戦―4大産別決戦論と、それを突破口とする民主党・連合政権打倒論である。さらに、B本格的労働者党建設に向けたレーニン党組織論の学習と実践の武器として、全国機関紙担当者会議の基調報告=前進経営局論文を収録した。全体が新年号アピールと一体で準備され、それを肉付けする関係にある。

 ドル暴落切迫―戦争危機を論証

 巻頭の島崎光晴「世界大恐慌の本格化と〈大失業・戦争>の激化」は、現在の大恐慌の本格化を〈大失業の増大と戦争の激化>の問題として実証的に掘り下げた。「資本主義の終わり」の情勢が「プロレタリア世界革命を実現する歴史的条件の圧倒的成熟」であることをリアルに実感させる論文である。まさに「〔大恐慌の到来と労働者階級の世界的拡大・普遍化という〕この両方の意味で〈資本主義の終わり>なのだ。新自由主義が強行されてきたからこそ、客体と主体の両方から『大恐慌をプロレタリア革命へ』転化する条件が成熟した」のである。
 本稿では特に、〈ドル暴落による大恐慌の本格化の不可避性>に着目。大恐慌とドル暴落の一体的進行は世界経済の分裂化・ブロック化と争闘戦の絶望的激化・戦争化に行き着く。すでにその過程が激しく進行している。
 それは同時に、「最弱の環」としての日帝の問題を焦点化させる。日本経済は08年秋以降、輸出の激減から全帝国主義国中で最大・最速の生産低下に陥った。とくに「海外現地法人の利益が国内を上回る」ことが強調されている。輸出と海外投資が両方とも逆に日帝の致命的弱点に転じた。景気の「二番底」は避けられず、ドル暴落と相まって大恐慌がこれから本格化する。財政危機の破滅的激化の中で日帝は、戦争と改憲、道州制・民営化攻撃にしゃにむに突入する以外にないのだ。

 検修外注化阻止と三里塚決戦論

 林佐和子「争闘戦激化・改憲に突き進む民主党・連合政権」でも強調されているとおり、自民党政権とは違う小沢・鳩山政権の際だった性格、その凶暴性と脆弱性は、大恐慌と争闘戦の極限的激化、日帝の戦後最大の体制的・崩壊的危機という世界史的情勢の中でとらえたときに初めて明らかになる。
 綱領草案を武器にプロレタリア世界革命に向かう10年階級決戦は、JR検修全面外注化阻止を切っ先とする民主党・連合政権打倒の闘いで火ぶたを切った。長沢典久「検修業務全面外注化阻止の国鉄大決戦」は、検修全面外注化阻止の闘いこそが1047名を動労千葉派に獲得する絶好の水路であることを明示している。
 桐原正彦「道州制・教育民営化粉砕へ卒・入学式闘争の爆発を」は、教員養成・免許制度改革を始めとする民主党の教育政策を新自由主義・道州制攻撃の最先端として具体的に暴露。4大産別決戦を軸に、教労での動労千葉型労働運動―「日の丸・君が代」不起立闘争の勝利性を突き出した。
 日米争闘戦激化の中で対米対抗的あがきを強める小沢・鳩山政権との最大の激突点の一つが三里塚決戦だ。小寺麦「2010年三里塚農地死守決戦の全階級的決起へ」は、その攻防の重大性・緊迫性とともに三里塚闘争の正義性と勝利性、労農同盟・国際連帯の目覚ましい発展の姿を鮮烈に描き出している。軍事問題研究会の「イラク・アフガン情勢の泥沼化と米日帝の軍事動向」も、戦争・軍事の面から米帝・日帝の体制的危機をえぐり反軍闘争の革命的前進の課題を明らかにした。

 機関紙で無数の職場細胞建設を

 前進経営局「レーニンの機関紙活動に学び無数の職場細胞建設を」は、1917年10月革命に至るロシア革命の過程を「機関紙による党建設」の視点から追究し、機関紙活動の大前進を熱烈に呼びかけている。党と階級、〈党・労働組合・ソビエト>の一体的関係が具体的な歴史的分析をつうじて現在のわれわれの課題―職場細胞建設に生きた教訓を与える。本号を10年春の実践の中で活用しよう。

------------------------TOPへ---------------------------