ZENSHIN 2009/11/16(No2416 p06)

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週刊『前進』(2416号1面1)(2009/11/16 )

 小沢・鳩山=民主党・連合政権を倒せ

 JR東の検修業務全面外注化許すな 動労千葉を先頭に大決戦突入を

 国労5・27弾圧粉砕!11・27判決公判・報告集会へ

 11・1全国労働者総決起集会5850人の熱気が、新たな闘いの高揚を切り開いた。韓国・民主労総は、11・8全国労働者大会に5万人の結集をかちとった。動労千葉や全学連とともに三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長が参加して闘い、11・1集会の地平をさらに前進させた。韓国の労働者階級は、イミョンバク政権と全面対決してゼネスト実現へ総力闘争に突入している。これと同じ8日、宜野湾海浜公園野外劇場で開催された沖縄県民大会に2万1千人が結集した。「普天間基地即時閉鎖・返還、辺野古新基地建設・県内移設反対」の決議を採択し、沖縄労働者人民の怒りを民主党・連合政権と米帝にたたきつけた。11月集会派は体制内勢力を圧倒し、国際通りデモ、労学総決起集会を打ち抜いて県民大会に参加し、ともに闘いぬいた。さらに息継ぐ間もなく11月12日、オバマ訪日粉砕の集会とデモを、東京と広島で打ち抜いた。この11月前半の猛然たる決起を継続し、小沢・鳩山=民主党・連合政権打倒へ11〜12月の闘いをさらに推し進めよう。
(写真 沖縄の怒りがオバマ・鳩山を痛撃 11・8県民大会)

 国際連帯闘争の画期的発展

 底なしに深まる大恐慌のただ中で、11月の労働者国際連帯闘争は、日米韓にブラジルやドイツを含めた全世界的規模の国際連帯の闘いとして本格的に発展する偉大な地平を開いた。規模においても質においても、極めて画期的なものとしてかちとられた。
 全世界のプロレタリアートは労働組合と労働運動を巡る一大分岐と攻防に直面している。ここを革命派が握るのか反革命が制圧するのかの死闘での勝敗に、プロレタリア革命の成否がかかっている。新自由主義とその破綻は、民族・国籍・国境による分断を打ち破り、プロレタリアートの国際的=階級的団結を回復するために闘うことを21世紀革命の死活の課題として提起している。
 何よりも、韓国・公務員労組と解雇者復職闘争特別委員会を中心にした民主労総ソウル本部と大訪日団の存在だ。世界を揺るがしたサンヨン自動車の工場占拠闘争を引き継ぎ、11月ゼネストでイミョンバク政権を打倒する迫力で闘い全体を牽引(けんいん)した。
 一連の交流活動の中では、戸塚秀夫の『試論 
動力車労働組合運動の軌跡について』の転向路線とJR総連・松崎のファシスト的な国際活動への徹底した批判が行われた。これはプロレタリアートの国際的団結にとって決定的に重要である。大恐慌下の労働運動・労働組合運動の階級的激突のただ中に、JR総連カクマルが再び深々と引きずり込まれてきたのだ。全世界の労働者の先頭で、日本の労働者階級が国鉄分割・民営化に革命的決着をつける時が来た。このような国際連帯闘争の発展と一体で在日・滞日人民の決起もかちとられた。
 われわれ11月集会派は、日本革命を戦取するための今日的総路線として〈戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃との対決〉〈第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦〉の路線を打ち立て、国鉄1047名解雇撤回闘争の旗を掲げて11月1万人結集運動を闘った。動労水戸の4波のスト、動労千葉の10・1幕張ストを背景にした10・16JR東日本本社弾劾行動を打ち抜き、11・1労働者集会に攻めのぼった。11・1を、1047名闘争を柱に大失業と戦争・民営化攻撃を撃つ闘いとしてかちとったのだ。
 民主労総・解雇者復職闘争特別委員会副委員長のキムベッキュさんは、「日本の1047名闘争を知り、この熾烈(しれつ)な闘いにこめられた同志たちの血と汗と涙と叫びが伝わってきました。かくも強固に闘う同志たちを確認すると、私たちの難関を突破する闘争意志がこみ上げます」と発言した。ドイツからやって来た労働者は、「動労千葉、全学連、三里塚、革共同を知りたいと思って日本に来た」と語った。今や国鉄闘争が、全世界の労働者階級の結集軸になったのだ。
 新たに大挙結集した合同労組も、4大産別の労働者も、1047名闘争を軸に闘うと宣言した。1047名闘争こそ民主党・連合政権への最大の対抗基軸であり、大恐慌下で大失業攻撃を打ち返す階級的水路である。

 大失業の攻撃と闘う最先端

 国鉄分割・民営化を突破口に、労働者派遣法で1千万人を超す労働者が非正規職にされた。そして今また、道州制攻撃で公務員労働者360万人の全員解雇・選別再雇用という究極の民営化=労組破壊攻撃が襲いかかってきている。社保庁1千人解雇、JAL1万3千人解雇の攻撃が進行している。労働者階級の怒りを組織し、組合・職場丸ごと獲得し組織する闘いが切実に問われている。その結集軸は1047名闘争以外にない。
 国労闘争団と動労千葉争議団が4者4団体派の奴隷路線を激しく弾劾した。国労5・27臨大闘争弾圧裁判の11・27判決を前に、5・27闘争と1047名闘争が一体となって闘う地平をかちとった意義は大きい。5850人が「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の路線的闘いとして1047名闘争を位置づけ、その責任勢力として立ったことは決定的だ。
 さらに、全学連が織田陽介委員長を始め10人の指導部を獄中に奪われながら(6日に2学生を奪還した!)、この数年間の最大動員を実現したことは特筆に値する。マル青労同・マル学同の各1000人組織建設は、プロレタリア革命の死活をかけた課題である。

 職場・生産点から10春闘へ

 職場生産点を土台に、体制内勢力との分岐・激突を激しく進め、国鉄1047名解雇撤回闘争をさらに前進させよう。11月27日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決公判と報告集会に大結集しよう。有罪判決策動を粉砕しよう。どんな判決にも微動だにしない被告団がいる。あらかじめ勝利しているのだ。
 JR東日本が10月29日に提案した検修業務の全面外注化攻撃を絶対に許すな! これは従来から進めてきた部分的委託ではなく、全支社・全車両センターで一気に全面的に外注化を実施する攻撃だ。職場丸ごとの出向攻撃であり、安全崩壊と団結破壊をもたらす。実施は来年の4月1日。動労千葉と動労水戸の組織破壊を狙い、1047名闘争を解体し、国労の息の根を最後的に止めようとするとんでもない攻撃だ。大決戦に立とう。攻撃の先兵=JR総連・カクマル松崎を許さず、4者4団体派の屈服を打ち破り、絶対反対派の断固たる登場をかちとろう。
 動労千葉物販、NIPPO物販に取り組もう。
 さらに1047名闘争勝利、道州制・民営化阻止の重大な攻防として社保庁解体=1千人首切り粉砕の闘いがある。11・2社保庁行動を引き継ぎ、10年1月1日の日本年金機構設立―1千人解雇粉砕へ全力で闘おう。日本年金機構の設立委員に連合会長の古賀がなっている。しかも連合大会当日の10月8日に設立委員会が開かれ、そこで古賀(代理人が出席)が1千人解雇を承認した。連合大会は社保庁1千人解雇承認大会だったのだ。
 連合は早々と10春闘での「ベア要求見送り」を決めた。10春闘での職場からの総決起へ、体制内勢力を粉砕し闘おう。
 さらに「星野文昭さんを自由に 第2次再審勝利 11・28全国集会」の成功をかちとろう。11月集会が国際的な共感を呼ぶのは獄中35年の星野同志の闘いがあるからだ。星野同志の闘いは世界の労働者の魂を揺さぶる。5850人の大結集をかちとった力で11・28集会の大成功をかちとろう。
(写真 警察官1万6千人を動員した超厳戒体制を突き破って戦闘的なデモを貫徹した反戦共同行動委員会【11月12日 東京・水道橋】)

 マルクス主義で武装・再武装を

 11・1集会の組織化では、チケット販売、賛同署名、職場ビラ・街頭ビラの枚数など、昨年までをはるかに超えるかつてない手ごたえがあった。1万人結集実現へ全力をあげた。しかし5850人の結集にとどまった。
 この壁を突破する道は何か。何よりもマルクス主義だ。マルクス主義で武装・再武装して闘うことが求められている。機関紙拡大を軸にこの壁を突破しよう。労働運動の実践とマルクス主義の力、工場・経営に網の目のように張りめぐらされた『前進』配布網の建設、この組織的な力をつくり上げる闘いで壁を突破しよう。地区党の全員が細胞をつくり、経営し、指導し、責任を取っていく党の本来的なあり方を闘いとることだ。これを1年365日、通年的に実践しぬこう。
 革共同は25全総で革命党建設の新段階を宣言した。革共同の「綱領草案」の内容で打って出よう。14項目のテーゼを内容豊かに展開することが重要だ。この党建設の新段階の飛躍を闘い取る1年間の総突撃、大運動で来年11月には1万人決起を必ず実現しよう。
 革命党建設にとり11〜12月の死活的な闘いとして冬期一時金カンパ決戦に取り組もう。大恐慌を革命への闘いを訴え、法大「暴処法」弾圧粉砕・8学生年内奪還を真っ向から訴え、冬期カンパ決戦をやり抜こう。

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週刊『前進』(2416号1面2)(2009/11/16 )

 11・12東京

 “日米首脳の戦争会談粉砕”

 「11月」の熱気と力で怒りのデモ

 東京・文京区民センターで11月12日、反戦共同行動委員会の主催で翌13日のオバマ米大統領の来日を迎え撃つ労働者・学生総決起集会が開催された(写真)。「オバマ・鳩山戦争会談粉砕! 辺野古新基地建設阻止・沖縄米軍基地撤去! 民主党・連合政権打倒!」を掲げて350人が結集し、集会後、都心をデモした。
 冒頭、司会をつとめる法政大学文化連盟の洞口朋子さんから、広島でも原爆ドーム前からオバマ弾劾のデモが闘われていることが報告された。
 全逓労働者が基調報告に立ち、この日の闘いの意義と方針を提起した。
 「東アジア共同体」「普天間基地移設問題」「アフガニスタン支援」の三つの課題をめぐる日米の激しい対立を指摘。オバマの戦争政策が米軍基地内での銃乱射事件として火を噴いていること、この矛盾と対立の中でオバマと鳩山のやっていることは、結局は資本家階級の救済と侵略戦争準備だと弾劾。11・1労働者集会は、大恐慌と戦争と対決する全世界的な階級的労働運動の復権の闘いであり、11・1の労働者国際連帯こそオバマ・鳩山戦争会議を粉砕するものだ、と揺るぎない確信を示した。
 さらに民主党・連合政権との対決、職場での資本との非和解的攻防、マルクス主義こそ職場の団結をつくると提起。来春闘は、戦争と大失業を迎え撃つ大攻防になると訴え基調を締めくくった。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立った。まず田中委員長は、労働運動の激しい屈服と変質に抗して決然と11・1集会を実現したことの意義を強調。国鉄1047名解雇撤回闘争を結集軸に据えることで全情勢と対決し、労働者階級の勝利の路線と展望を示すことができた、と力強く語った。各国の労働者がこぞって「11・1集会ほど明確な意思と路線、展望をもった集会はない」と評価したことを紹介し、大恐慌下で形成した国際連帯の画期的な地平を確認した。
 さらに訪韓闘争について「民主労総も厳しい困難に直面しているが、労働者の壮大な闘いの前夜だと感じた」と印象を語った。「ソウル本部の仲間と連日連夜、必死に討論した。現場の困難から逃げず、労働者と労働組合が持つ可能性に賭けよう、と」。最後に田中委員長は、今後の指針として”11月結集運動”ではなく年間をとおして職場で何をするかが課題だと提起し、労働運動の可能性に賭けオーソドックスな労働運動をやり抜こう、と訴えた。
 坂野陽平全学連委員長代行が沖縄県民大会の報告をした。「沖縄で巨大な地殻変動が始まった。革命の火薬庫だ」と高揚感をもった語り口。「民主党・連合政権打倒を掲げて登場し、アジテーションやビラまき、デモに圧倒的注目が集まった。沖縄からこの社会をひっくり返す闘いが始まった」と熱弁を振るった。
 国労共闘の吉野元久さんがトップバッターで決意表明した。JR東日本が動労千葉、動労水戸の拠点を始めとする検修職場の全面外注化を提案してきたことを指弾、「JR総連と会社の挑戦状だ。組合の違いを超えてJR東日本打倒の闘いを」と訴え、国労5・27弾圧11・27判決公判闘争へ結集を呼びかけた。
 星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議の狩野満男さんが「星野さんの闘いが光り輝く時代が来た。星野奪還は労働者の闘いと一体」と訴え11・28星野全国集会への結集をアピールした。
 日逓中野の解雇撤回を闘う青年労働者が「労働運動を通じて青年労働者を組織しよう。労働者から搾取しまくる資本主義の最後のあがきを打ち倒す」とオバマ・鳩山打倒の決意を語った。
 松室しをり全学連書記長代行は、獄中の8学生奪還、法大文連の洞口さんへの処分策動の粉砕を訴えた。
 最後に反戦共同行動委の入江史郎代表が行動方針を提起し、直ちにデモに出発した。「オバマ来日弾劾!」「鳩山政権を打倒するぞ!」「戦争会談を許さないぞ!」――東京ドームの横を通り、水道橋から神田・お茶の水エリアを意気高く行進し、帰宅途中の労働者や学生の注目を集めた。

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週刊『前進』(2416号5面1)(2009/11/16 )

 検修部門の全面外注化絶対阻止へJR体制打倒・解雇撤回に立とう

 国労5・27臨大闘争弾圧の有罪策動粉砕を

 革共同国鉄委員会

 11・1労働者集会は、国鉄1047名解雇撤回を基軸的スローガンに5850人を大結集し、大恐慌下の戦争と大失業の攻撃をプロレタリア世界革命に転化する労働者の国際的隊列を生み出した。11・1を経て、国鉄決戦は直ちに10春闘に向けた新たな攻防に突入した。10月29日、JR東日本は検修業務の全面外注化を提案し、2010年4月1日にこれを実施に移すと言っている。まさにそれは、動労千葉−動労総連合の解体を狙うものであり、国労を最後的に壊滅させようとする攻撃だ。国労5・27臨大闘争弾圧での7被告への有罪策動を打ち破って、検修業務全面外注化阻止の決戦に立とう。

 階級的労働運動の解体狙う2千人規模の大合理化攻撃

 10月29日、JR東日本は検修部門の全面外注化を動労千葉や国労に対し提案した。「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進について」と題されたこの提案は、仕業検査業務、機動班業務、駅派出業務、構内の信号業務、ホームでの列車の分割・併合業務、資材・倉庫関係業務など、検修の主要業務をことごとく外注化するというものだ。
 この提案の狙いを、JR東日本は「コストダウンを徹底した効率的な事業運営のもとでグループ全体を発展させ」るためだとしている。JR東日本は、「創造的破壊」を叫ぶ「グループ経営ビジョン2020−挑む−」のもとに、かつてない大合理化に乗り出してきたのである。
 今回の提案をJR東日本は、「エルダー社員の技術力・ノウハウを活かせる仕事の場(出向先)を拡大」するものと位置づけている。そして、この施策は約2000人分の業務を対象とする。つまり、JR本体で約2000人の人員削減を強行するということだ。
 しかも、業務はグループ会社に一括委託される。その場合、出向先で必要なエルダー社員が確保できなければ、現役社員をグループ会社に出向させることになる。事実、JR東日本は「若年出向も含めてやっていく」と公言している。
 そもそも、エルダー社員制度そのものが、とんでもない制度だ。「年金満額支給まで雇用の場を確保する」という口実で、技術力を持つベテランの労働者を定年後、再雇用し、グループ会社に出向させて、現役時代と比べて2分の1程度(月額約17万円)の低賃金でこき使うというものだ。
 JRは、社会保障が解体され年金が削られる一方、本格的な大失業時代が到来する中で、定年を迎える労働者はどんな低賃金・強労働を強いられようとエルダー社員に応募するほかないと見て、大規模な外注化を強行しようとしているのだ。
 しかも、今回の外注化提案は、検修業務の根幹に及ぶ。安全の要をなす検修業務の全面外注化は、これまで以上に激烈な安全の崩壊をつくり出すことは明らかだ。

 外注化を阻んだ動労千葉の闘い

 05年4月25日のJR西日本・尼崎事故が示すように、JR体制下で、鉄道の安全はすでに根本的に崩れている。JR東日本もまったく同じだ。
 JR東日本は00年以来、検修業務の部分的な外注化に着手するとともに、01年には「設備メンテナンス再構築」と称して保線・土木・建設・機械・電力・信号通信部門の全面外注化を強行した。これにより、設備部門の労働者は、国労組合員を中心に強制的に出向に出された。さらにJR東日本は、「車両メンテナンス近代化構想」と併せて、検修部門の大合理化を目的とした「新保全体系」の導入を企てた。
 以降、レールの破断や異常摩耗が続発し、送電システムの崩壊や信号トラブルの続発など、鉄道事業総体の安全は徹底的に解体されてきた。JRの車両故障の発生率は、今や私鉄の14倍に及ぶ。
 だが、動労千葉は職場から反合・運転保安闘争を貫き、この攻撃と全力で闘ってきた。その結果、千葉支社管内での検修部門の外注化は、8年にわたり阻まれている。
 この間、JR東日本は、動労千葉の拠点をなす幕張車両センターで、支部役員を強制配転するなどの動労千葉への組織破壊攻撃を執拗(しつよう)に続けてきた。今回の提案は、動労千葉の闘いによって阻止されている検修部門の外注化を、動労千葉を解体することをとおして一気に強行しようとするものだ。
 それにとどまらず、JR東日本管内のすべての検修職場が外注化の対象となる。
 だが、こうした攻撃に踏み出してきたこと自体に、JR体制の危機がある。極限的な合理化の結果、JRではあらゆる職場で人員が不足し、業務がまともに回らなくなっている。それに加えて、これから大量の労働者が退職期を迎える。国鉄分割・民営化以来、特に検修部門や駅などで必要な人員の養成を怠ってきたJRは、ここに来て決定的な危機にぶち当たったのだ。
 その危機を検修業務の全面外注化で乗りきろうとするJRの施策は、あらゆる所に矛盾点と破綻点をつくり出す。一つでもJRの思惑どおりにことが運ばなければ、攻撃の全体が破産する。JR体制は、一層の危機を自ら促進しているのだ。
 絶対反対を貫いて闘えば、全面外注化は阻止できる。JRが狙う合理化はかつてなくすさまじいものだが、それはJR体制打倒の好機でもある。青年労働者を先頭に、JR体制を内側から突き崩す総反乱に立つ時が来たのである。
 この闘いは、1047名解雇撤回闘争にとっても決定的な意味を持つ。1047名闘争は、JRによる解雇を撤回させ、1047名をJRに復帰させる闘いだ。それは、JR体制をぐらぐらに揺さぶり、音を上げさせ、打倒することによって勝利する。JR東日本が管内全域に及ぶ検修部門の外注化に着手したということは、1047名の被解雇者とJR本体労働者が強固な団結を取り戻し、一致してJR体制に闘いを挑む時が巡ってきたということでもある。

 率先妥結したJR総連と鳩山・小沢を賛美する大転向

 JR東日本が10月29日に検修部門全面外注化の提案を行ってきたのは、すでにJR総連・東労組がこれに率先妥結したからだ。JR総連カクマルは、崩壊寸前にある資本との癒着・結託体制を維持するために、これまで以上に露骨な形で資本の手先となったのだ。
 11・1に向けて動労千葉は、JR東日本の組織破壊攻撃と全力で立ち向かってきた。動労水戸も、7月以来4波のストで運転士登用差別を居直るJR東日本と非和解的に闘いぬいてきた。
 東労組カクマルは、今回のJR資本の提案が、動労千葉−動労総連合解体を核心的に貫く攻撃であることを自覚した上で、その最先兵の役割を買って出た。彼らもまた、国鉄分割・民営化時のファシスト反革命の原点に立ち戻ったのだ。
 このJR総連カクマルを賛美し、松崎明のもとに1047名闘争と国労をひれ伏せさせようとしているのが、戸塚秀夫・東大名誉教授や樋口篤三・元「労働情報」編集長、山崎耕一郎・社会主義協会代表代行らの策動だ。国鉄分割・民営化における動労カクマルの裏切りを「労働者の対案戦略運動」などと言い、労働運動の新たな発展の道であるかのように描く彼らのデマゴギーを、われわれは絶対に許さない。
 国鉄分割・民営化においてカクマルがやったことは何か。86年1月、動労本部は鉄労などとともに国鉄当局と労使共同宣言を結び、スト絶滅を誓った。さらに動労カクマルは、九州や北海道から大量の労働者を本州に異動させる「広域異動」に積極的に応じた。これは、動労組合員を国労の組織率の高い職場に集中的に配属することにより、国労組合員を職場から排除することを目的に行われたものだ。国鉄当局やカクマルは、これを「血の入れ替え」と呼んだ。この攻撃をテコに、国鉄当局は国労や動労千葉の組合員を「余剰人員」として人材活用センターに放り込んだ。
 動労カクマルと鉄労が野合してつくられたJR総連は、87年2月の結成大会で、「国鉄改革を妨害する不良職員は採用するな」という特別決議まで上げた。このファシスト的ごり押しを支えに、国鉄当局は労働処分歴のある国労や動労千葉の組合員をJR不採用としたのだ。JR総連カクマルは、まさに1047名首切りの張本人だ。
 労働者の首を切れと労働組合の名で資本・当局に要求することが、戸塚らの言う「対案戦略運動」の本質だ。
 JR総連カクマルを賛美するこうしたやからはまた、民主党・連合政権に労働者を屈従させようと全力を挙げている。
 樋口篤三は、JR総連の実質的な機関誌『われらのインター』に「鳩山友愛革命に注目を」と題する論文を載せ、民主党幹事長・小沢の基本路線である「地域主権国家」=道州制導入と「東アジア共同体」構想を手放しで絶賛した。

 労働者の怒りは民主党に向かう

 だが、道州制導入はまさに公務員労働者360万人首切りと、戦争遂行に向けての国家改造攻撃そのものだ。東アジア共同体構想とは、日本帝国主義の対米対抗的なアジア侵略にほかならない。鳩山の言う「友愛政治」とは、戦前の労働総同盟、戦後の同盟の母体となった反共主義的御用労組「友愛会」をモデルに帝国主義的労働運動を育成し、その反革命的力で階級的労働運動を圧殺するということだ。これは、最後は産業報国会に行き着く。
 JR総連カクマルを賛美する者は、必ず侵略戦争翼賛へと転落する。それは、「11月末の集会に鳩山と国交相・前原を呼んで1047名問題の政治解決を図る」とうそぶく4者4団体を始め、民主党・連合政権を賛美する者が、必ずたどり着く末路を示している。
 だが、階級的労働運動を圧殺して資本主義を救済するために登場した民主党・連合政権の本質は暴かれ、これへの巨大な怒りが噴出しつつある。
 11月8日の沖縄県民大会では、沖縄に米軍基地を押しつけ続ける民主党に対し、沖縄の労働者の絶対非和解の怒りがたたきつけられた。

 11・27判決公判闘争に結集し10春闘へ総決起態勢築こう

 社会保険庁労働者1千人首切りに対する怒りもまた、火を噴こうとしている。不採用を通知された労働者を切り捨てて「日本年金機構労組」の結成をたくらむ自治労社保労組幹部は、社保庁解体が道州制の突破口となることを十分認識した上で、動労カクマルに匹敵する階級的大罪に自覚的に手を染めたのだ。こんなことが労働者階級により厳しく断罪されることなしに通用するはずがない。
 民主党・連合政権は今や、「事業仕分け」の名で恫喝的な社会保障解体の攻撃にのめり込み、消費税やたばこ税の大増税へとあからさまにかじを切った。今後ますます激化する大失業情勢の中で、労働者の巨大な怒りが民主党・連合政権に向かうことは間違いない。
 その闘いの最先端に1047名解雇撤回闘争と検修部門全面外注化阻止の闘いは位置している。
 4者4団体を始めとする体制内勢力の民主党・連合政権への屈服と総転向を突き破り、1047名解雇撤回・JR体制打倒への突撃路を切り開くものこそ国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだ。
 5・27裁判の判決公判は11月27日に迫った。11・1で打ち固められた労働者階級の力を再び総結集し、有罪攻撃をなんとしても打ち破ろう。
 5・27被告団は国家権力やJR資本はもとより、一切の体制内派と非和解的に対決している。
 被告団は、鉄建公団訴訟原告団への統制処分に行き着いた国労本部の裏切りを徹底弾劾するとともに、その後、解雇撤回を投げ捨て、4者4団体路線に走った鉄建公団訴訟原告団一部指導部の変節とも厳しく対決しぬいてきた。さらに被告団は、08年2月の旧弁護団解任という壮絶な決断をとおして、あらゆる体制内派との根底的な決別を宣言した。
 尼崎事故を弾劾し、JR西日本と最先頭で対決してきたのも被告団だ。
 こうした被告団の闘いは、国労本部を打倒して1047名闘争を階級的によみがえらせ、JR体制を覆す攻防の最先端に立っている。だから敵階級は被告団に憎悪を集中し、有罪攻撃を振り下ろそうとしているのだ。
 だが、被告団はいかなる攻撃にも屈しない強固な団結と勝利の確信をつくり出してきた。被告団とともに闘おう。11・27判決公判と報告集会に総結集し、1047名解雇撤回・検修部門の全面外注化阻止へ、10春闘の決戦態勢を打ち固めよう。

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