ZENSHIN 2009/11/02(No2414 p08)

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週刊『前進』(2414号1面1)(2009/11/02 )

 “1047名解雇撤回”世界に轟く民営化絶対反対の国際的団結

 11・1全国労働者集会

 大失業時代に5850人が立つ

 体制内勢力に職場で反撃

 全国の青年・学生が牽引

(写真 「国鉄1047名解雇撤回! 派遣法撤廃! 道州制許すな!」を掲げた労働者集会。昨年を上回る大結集を実現した【11月1日 東京・日比谷野外音楽堂】)

  世界大恐慌下、大失業と戦争に立ち向かう労働者の国際的団結が打ち立てられた。11月1日、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、国鉄千葉動力車労働組合が呼びかけ、日比谷野外音楽堂で開かれた全国労働者総決起集会には5850人が大結集した。国鉄1047名闘争が世界にとどろき、民営化絶対反対の闘いの中軸に押し上げられた。(詳報次号)

 闘う労組の全国ネットを

 11・1集会は、民主党・連合政権打倒へ決戦の幕を切って落とした。
 開会あいさつに立った港合同の中村吉政副委員長(写真右)は、11月労働者集会が国鉄1047名闘争をめぐる98年5・28反動判決を契機に始まった歴史を振り返り、「1047名解雇撤回、完全勝利まで闘おう」と訴えた。
 呼びかけ労組からのアピールとして、関西地区生コン支部の高英男副委員長(写真左)が「3労組はいずれも労働者・労働組合に対する権利侵害には徹底した反撃による非妥協の闘いを闘ってきた」と提起、1047名闘争を軸に全国の闘う労働組合のネットワークをつくり出そうと呼びかけた。
 動労千葉の長田敏之書記長は、「自らの職場と地域で階級的労働運動の復権に向けた闘いをさらに進め、それを国境を越えた一つの団結に広げ、共通の敵=資本家とその政府の支配を食い破ろう」と述べ、すべての労働者の怒りの先頭に1047名解雇撤回の旗を押し立てると宣言した(発言要旨8面)。
 憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、とめよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長が熱意を込めて連帯あいさつを行った。

 社会主義めざす国際連帯

 昨年をも超える国際連帯の広がりは、参加者に勝利の確信を与えた。
 韓国・民主労総は総勢45人が登壇。ソウル地域本部のチェジョンジン本部長は、イミョンバク政権下で吹き荒れる労働者弾圧を暴き、「労働者階級の団結と闘いだけが資本の搾取と暴力を終わらせることができる」「資本主義はけっして人類の代案になりえない」と断言、民主労総は公共部門でのゼネストを準備していると宣言した。
 解雇者復職闘争特別委員会のキムベッキュ副委員長は、1047名闘争との不動の連帯を表明し、「資本が労働者を解雇するなら、労働者の反撃を受けることを実践を持ってやつらに確認させてやろう」と強調した。
 アメリカ・ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10のアンソニー・レヴィージさんは「オバマは資本家の規範で動いている」と弾劾、「08年のメーデーで全港湾を封鎖したILWUのストライキに誇りを持っている」と発言した。
 UTLA(ロサンゼルス統一教組)のセシリー・マイアート・クルズさんは、教育の民営化の実態を暴露、「テストのためには教えない」と熱意をほとばしらせ、日本の教育労働者の日の丸・君が代拒否闘争との固い連帯を表明した。
 ブラジル・コンルータス(全国闘争連盟)のファビオ・ボスコさんは、「労働者に恐慌の責任は一切ない。反撃が求められている」と訴え、「すべての搾取と抑圧を終わらせる社会主義社会に向けて前進しよう」と力を込めて呼びかけた。

 青年が職場闘争の先頭に

 

特別報告は「国鉄1047名解雇撤回」の熱烈なアピール。北海道、秋田、九州の闘争団員が、なんとしても解雇を撤回し、JR体制を打倒する不屈の決意を表明した。
動労千葉争議団の中村仁さんは、4者4団体を徹底批判し、「動労千葉は毎年ストライキを闘ってきた。ストライキを放棄したら労働組合ではない」と声を強めた。
動労水戸の石井真一委員長が運転士登用差別を居直るJR東日本を怒りを込めて弾劾、「違法企業JRと闘う」と宣言。
社会保険職員労組の労働者は、1000人への不採用通告に怒りをたたきつけ、体制内派を打倒して首切り絶対反対を貫く固い決意を表明した。
自治体労働者、教育労働者が道州制攻撃と闘う宣言を発し、全逓労働者は郵政民営化絶対反対で闘うと宣言した。解雇攻撃と闘う精研労組、さいたまユニオン、東京西部ユニオン鈴木コンクリート分会、なんぶユニオンワークフロンティア分会の発言は、大失業時代の労働運動の力強い新たな台頭を告げ知らせた。沖縄のパート労組の代表は、沖縄に米軍基地を押しつけ続ける民主党政権を厳しく弾劾した。
青年労働者が資本・権力・体制内勢力と激突し、職場闘争の先頭に立っている。そこに階級的労働運動の展望がある。
躍進する学生を代表して、法政大学文化連盟の洞口朋子さんが、法大闘争にかけられた暴処法弾圧を弾劾、獄中の10学生を取り戻し、法大を解放しようと訴えた。
集会後、参加者は圧倒的な勢いで常磐橋公園までのデモに出た。1人の不当逮捕をはねのけ、怒りのこぶしを突き上げて長蛇(ちょうだ)のデモが都心を進んだ。沿道の共感はかつてなく高い。
11・1は、強固な国際的団結のもと、1047名解雇撤回闘争を軸に大恐慌を革命に転化する巨大な隊列を登場させた。

(写真 新たに合同労組を結成したり、労組青年部を結成した青年労働者が演壇に勢ぞろいし、熱烈に決意表明した)

(写真 法大文化連盟と全学連の学生は「法大弾圧粉砕・10学生を取り戻そう」「教育の民営化粉砕」を訴えてデモ)

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週刊『前進』(2414号8面1)(2009/11/02 )

 “1047名解雇撤回”世界に轟く民営化絶対反対の国際的団結

 大恐慌を世界革命へ 万国の労働者は団結せよ

 来春闘をゼネストで

 米・韓・ブラジルから大結集

 動労千葉 長田敏之書記長のアピール

(写真 3労組を先頭にした戦闘的なデモが、権力・右翼の妨害をうち破り都心を進撃した)

 集会では、呼びかけ3労組から全国金属機械港合同・中村吉政副委員長が開会あいさつ、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部・高英男副委員長と動労千葉・長田敏之書記長がそれぞれアピールを行った。その中から動労千葉の発言(要旨)を紹介します。(編集局)
(写真 動労千葉・長田敏之書記長)

 新自由主義攻撃は破綻した

 全国から、そして遠く韓国、アメリカ、ブラジル、ドイツからも多くの同志たちが駆けつけて下さったことを心から感謝申し上げます。
 私たちは、チェジョンジン本部長が提起されたように、「労働者階級の団結と闘いだけが資本の搾取と暴力を終わらせることができる」ことを固く決意し、ここに結集しました。
 支配者たちは底知れぬ世界恐慌の前に震えあがっています。日本では昨年秋の金融恐慌の渦中で100万人以上の労働者が解雇され、実質的な失業率はすでに13%にのぼっています。解雇された非正規職労働者の77%が失業手当すら受け取ることができていません。
 新自由主義政策のもとで、この20年余りの間に社会は崩壊し、人間が人間として生きることができなくなりました。これは資本主義体制そのものの最後の姿です。
 激しい怒りの声の中で、半世紀以上にわたって日本を支配してきた自民党政権は倒れました。しかし私たちは、民主党政権にいかなる幻想も持っていません。政権中枢には、連合の右派幹部たちが座りました。彼らは労働組合の名をもって、非正規職労働者の大量解雇を容認し、派遣法「改正」要求に対し反対した資本の手先です。鳩山は新憲法制定議員同盟の顧問です。
 民主党は究極の民営化−労組破壊=道州制に突き進もうとしています。360万人の公務員労働者をいったん解雇し、選別再雇用するという重大な攻撃です。それは国家のあり方そのものを大再編し、民主主義を最後的に打ち砕く攻撃です。
 来年1月1日の民営化に向け、社会保険庁の労働者1千人に「不採用」の解雇通知が出されています。社会的にはまったく知らされないまま、民主党と連合の手によって闇から闇に1千人の労働者が首を切られようとしています。
 憲法審査会が動き出そうとしています。来年5月には改憲のための国民投票法が施行されます。目にあまる軍事的突出、労働運動や学生運動への激しい弾圧など、政治的反動化が急速に進行しています。

 国鉄1047名闘争が焦点

 こうした情勢が、国鉄1047名解雇撤回闘争を、労働運動と労働者の未来をかけた最大の焦点におし上げています。
 国鉄分割・民営化攻撃は新自由主義政策を社会全体に貫徹する突破口でした。支配階級は大恐慌情勢の中で、その攻防が今も決着がつかずに闘い続けられている現実をこれ以上許しておくことはできないと判断しています。20万人の国鉄労働者が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれました。7000人以上がJRへの採用を拒否され、そして今も1047名が解雇撤回を求めて闘い続けているのです。
 動労千葉は首を覚悟でストライキに立ち上がり、団結を守りぬきました。しかし国労は無為無策のうちに崩壊し、動労は民営化と首切りの手先に転落しました。多くの労働組合がこれに恐れをなして一斉に屈服・後退し、その結果、1000万人を超す労働者が非正規職に突き落とされるという現実が労働者を襲いました。だからこそ、私たちは何があろうと闘い続けようと心に決めたのです。
 私たちはこの1年、解雇撤回要求を取り下げて政府に「人道的解決」を求めるという運動の危機と全力で対決してきました。今、民営化の手先となったJR総連が、政府や資本にとり入るために再び1047名闘争に介入し、闘いを破壊しようとしています。あらゆる勢力が、国鉄分割・民営化の原点に引き戻され、労働運動の再生か解体かをめぐって火花を散らす関係が生まれています。
 動労千葉はすべての労働者の怒りの先頭に、「国鉄1047名解雇撤回」の旗をおし立てる決意です。3労組もこの一点で一致し、本日の集会を呼びかけました。私たちが求めるものは、労働者が胸を張って生きることのできる社会を建設することです。それをかちとるための労働者の団結です。

 闘う労働運動復権させよう

 恐慌が進行し、労働組合がいかなる役割を果たすことができるのかが問われています。労働運動の針路をめぐって世界中で激しい衝突が起きています。
一方にあるのは、「仕方のない現実」だと言って、政府・行政や資本とかかわることの中にしか展望はないと変質を深めていく思想と運動です。それは結局、労働者の階級意識と団結を解体し、資本主義を救済し、労働者にさらなる犠牲を強いて、戦争への道を準備するものです。
もう一方にあるのは、「団結した労働者の闘いは社会を変革し、歴史をつくる力をもっている」という確信に裏打ちされた階級的労働運動の思想と運動です。
これは政府や資本、資本主義体制そのものとの闘いをとおして、自らの職場で階級的団結を形成し、それを全国に広げ、国際的な労働者の団結を拡大する中に希望と勝利の展望を確信する労働者の誇りをかけた闘いです。
労働組合のあり方を変革しないかぎり、何も変わらない。ここに、今私たちが問われている課題の核心があります。だからこそ私たちは、労働者を絶対に信頼し、現場の労働者が直面する困難や苦闘から絶対に離れず、その中に身を置き続けることを決意しました。
吹き荒れる攻撃が全世界で労働者人民を深い眠りから呼びさまし、世界中にストライキやデモの嵐が轟(とどろ)いています。変質と屈服を深める既成の労働組合の支配に抗し、労働運動の新しい潮流が生まれ出ようとしています。イラク戦争に反対して西海岸の29の港をすべて止めたILWUの闘い、整理解雇に対して77日間の英雄的な職場占拠闘争に立ち上がったサンヨン自動車の闘いに続こう。
あらためて訴えます。国鉄1047名闘争を先頭に、民営化・労組破壊と、改憲・戦争に立ち向かうすべての労働者の怒りの声を結集しよう。派遣法撤廃、道州制粉砕、改憲阻止の闘いに総決起しよう。10春闘に向け、「ゼネストが必要な情勢だ、闘う労働運動を復権させよう!」と訴え、職場から闘いを組織しよう。労働者の国際連帯闘争をさらに発展させよう。万国の労働者、団結せよ! きょうから再び新たな闘いに立ち上がろう。

(写真 韓国の民主労総ソウル地域本部の労働者と、全解闘の被解雇者が大挙参加、連帯の絆を固めた)

 

(写真 アメリカで民営化・労組破壊と闘っている労働者たちが発言、日本の闘う労組との連帯を表明)

(写真 ブラジルのコンルータスのファビオ・ボスコさんが、滞日ブラジル人・ペルー人とともに登壇)

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週刊『前進』(2414号2面1)(2009/11/02 )

 11・12オバマ訪日-日米首脳会談粉砕を

 大恐慌-日米争闘戦激化-世界戦争の道を阻止しよう

 労働者の国際的団結で勝利を

 11月12〜13日、米大統領オバマが東アジア歴訪の一環として訪日し、民主党・連合政権首相の鳩山との初の日米首脳会談が行われる。自民党政権の崩壊、民主党政権の登場を受けて、現在の日米関係はかつてない緊張と危機に突入している。世界大恐慌が日米帝国主義の足元を痛撃する中で、日米間では今、「東アジア共同体構想」「普天間基地移設問題」「アフガニスタン支援」の3大懸案をめぐる矛盾・対立と争闘戦が火を噴いている。今回のオバマ訪日=首脳会談は、日米争闘戦激化と侵略戦争・世界戦争への流れを促進する会議となる。労働者階級の決起で、オバマ訪日を迎え撃とう!

 「東アジア共同体」「普天間」が激突点

 11・1全国労働者総決起集会の歴史的な大勝利の地平から、さらに連続的に11・7〜9訪韓闘争を闘い抜き、国鉄1047名解雇撤回と道州制・民営化粉砕を階級的最先端として、民主党・連合政権打倒へとただちに力強い進撃を開始しよう。 
 今や11月集会派・動労千葉派の存在と闘いが、労働者国際連帯の画期的前進とともに、労働運動・階級闘争の最大の焦点となり、基軸となった。ここにこそ労働者階級の未来と展望があることが、いよいよはっきりした。11・12オバマ訪日=日米首脳会談粉砕の闘いは、11・1集会の地平を打ち固め、さらに発展させる闘いだ。
 11・12オバマ訪日は、米帝にとって巨大な位置をもち、「失敗が許されない」ものとしてある。それは日帝にとっても同じだ。では、現在の日米関係をめぐる情勢はどうなっているか。
 もともと民主党の安保・外交政策の根幹には、小沢の対米対抗性と「国連中心主義」が示すように、自民党的な日米同盟基軸を揺さぶりかねない対米的緊張がはらまれている。実際に鳩山は今年8月に、月刊誌『Voice』の論文で、「地域主権国家の確立」と「東アジア共同体の創造」を打ち出した。特にこの「東アジア共同体」は鳩山の祖父・一郎が唱えた「友愛」の理念を引き継ぐ、「大東亜共栄圏」の現代版といった意味合いがある。そしてその具体的政策には、ドル基軸体制を実質的に否定する「アジア共通通貨」の実現などが含まれている。
 これは日帝にとって、東アジアでのFTAネットワークの形成から立ち後れていることなどへの巻き返しであり、米帝排除の「円経済圏」形成の侵略的野望をはらんだものだ。しかしこれは米帝の利害と激突し、また今や巨大な経済規模をもつ「新興大国」としてもある中国とも矛盾・対立するものだ。当然にも米帝は、民主党が総選挙で勝利する以前から鳩山論文に激甚に反応してきた。
 こうした中でオバマ訪日を前に、10月20日、米国防長官ゲーツがやって来た。そして特に焦点の普天間基地問題で、民主党政権に「県内移設の現行案が唯一の道」「日米合意を早期に実現せよ」「オバマ訪日が期限だ」、そうでないなら「海兵隊のグアム移転なども白紙だ」と、居丈高に恫喝したのである。この米帝の”鳩山政権などぶっつぶすぞ”と言わんばかりの対日圧力=争闘戦に戦慄した岡田外相や北沢防衛相は、早々と「普天間県外移設」の政権公約も投げ捨てるにいたった。
 これは沖縄を始めとした労働者階級人民への、許し難い決定的な裏切りである。

 労働者人民を欺く鳩山の“時間稼ぎ”

 だがこれでは、民主党・連合政権の幻想も一気にはげ落ち危機に突入する。だから鳩山はグラグラしながら10月24日の記者会見で、「沖縄県民の心も大事」「オバマ訪日を期限としない」「最終的には私が決める」とペテン的に表明し、「時間稼ぎ」と結論先送りに躍起となっているのだ。
 しかし米帝オバマの路線と要求は、ゲーツが露骨に突き付けた方向しかなく、日米間の矛盾と対立は今や完全に一線を越えようとしている。だから鳩山自身、動揺と混迷を深めながら、結局は県内移設・辺野古新基地建設強行へとタイミングを計っているに過ぎない。
 これに対して、沖縄を先頭に労働者階級人民の根底的怒りの爆発が始まった。11・8の沖縄県民大会は、民主党・連合政権打倒の意志を根底にはらんで、95〜96年以来の規模で実現されようとしている。このインパクトは、日本の階級情勢を一変させる力をもつ。
 こうした中で民主党政権と連合沖縄および連合中央は、普天間基地撤去を早めるためとか、全駐労・基地労働者の立場を考慮してとかいう理由で辺野古新基地建設を正当化しようとしている。連合沖縄は11・8県民大会への参加は決めたものの、県外移設要求には加わらない態度をとっている。まさに民主党・連合政権自身が、「これから50年間の日米同盟の安定と沖縄基地の強化」を推進している構図が浮かび上がってきているのだ。
 だが、すでに辺野古新基地建設は事実上破綻している。青年労働者の実力決起を先頭に、われわれはこの十数年間の辺野古攻防戦に不屈に勝利してきたと断言できる。民主党政権がこの地平を覆すというなら、これまでの質と量をこえた全面的な労働者階級の決起がつくり出されることは確実である。普天間基地撤去=辺野古新基地建設阻止は、民主党・連合政権打倒と一体の闘いだ。断固それをやりぬこう。

 アフガン侵略戦争支援でも対日要求

 米帝オバマは、大恐慌の深まりに直撃され、米帝とドルの歴史的没落のすう勢のもとで、今や内外ですさまじい危機に立っている。イラクでも、アフガニスタンでも、パキスタンでも、侵略戦争は絶望的に泥沼化して、帝国主義の軍隊とその支配を粉砕する不屈・非妥協のゲリラ戦争が爆発している。国内では天文学的な財政赤字にあえぎ、大失業と貧困、医療保険改革破綻の危機などに対し、アメリカの労働者階級人民の怒りは極限的に高まっている。
 この米帝オバマにとって、日米同盟と日帝の徹底的な戦争的・財政的動員は、まさに「頼みの綱」である。だから米帝排除的で対米対抗的な「東アジア共同体」構想や、普天間基地の県外・国外移設など容認できず、粉砕の対象なのだ。またインド洋での給油継続に替わる新たなアフガニスタン侵略戦争支援など当然の要求というわけだ。オバマ訪日と日米首脳会談は確実に、この「東アジア共同体」や「普天間」「アフガン」をめぐって、日米帝国主義が争闘戦の火花を散らし、相互に侵略戦争・世界戦争へとのめり込んでいく、極めて反動的・反労働者的なものになる。
 11・1集会の歴史的地平を引き継ぎ、オバマ訪日と日米首脳会談を階級的に断固粉砕し、民主党・連合政権打倒へと攻め上ろう。

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週刊『前進』(2414号3面1)(2009/11/02 )

 社保庁の1千人解雇撤回へ

 団結し闘いに立とう

 張本人は連合・古賀 民主党政権の暴挙許すな

 社会保険庁で働く労働者のみなさん! 社保庁1千人の解雇攻撃は必ず粉砕できます。「不採用通知」を撤回させよう! 「絶対反対」の反撃をたたきつけよう。闘ってこそ一切の事態は打開できます。展望を切り開くことができます。団結して、ともに闘いに立とう!
 年金制度の破綻や年金記録問題で現場労働者を悪者扱いして社保庁を解体し、1千人の分限解雇=首切りが狙われている。こんなうそで固めた大陰謀を絶対に許すな。現場の労働者が首になる理由は何ひとつない。
(写真 9月の全国社保労組大会で「解雇許すな」と訴える交流センター自治体部会)

 国鉄型の首切り

 社保庁を解体して1万6千人の職員をいったん退職させ、新たに設立する非公務員型の公法人=日本年金機構と全国健康保険協会、そして厚労省職員に分割、差別・選別して再雇用する――この中で1千人の労働者を、見せしめ的に職場から追放しようとしている。数千人の臨時職員も、いったん全員解雇される。
 これは、国鉄分割・民営化で40万人職員のうち20万人を首にしたやり方そのものだ。公務員360万人の首切りを狙う道州制攻撃そのものだ。
 「あなたから応募がありましたが、残念ながら採用できませんでした」――これが年金機構設立委員長の奥田碩(トヨタの前会長)の名前で来た不採用通知だ。こんな一片の無礼な通知で1千人もの労働者が年末12月31日で解雇される。
 こんな理不尽な話があるだろうか。1千人の労働者には、それぞれ人格も人生も生活もある。闇から闇へ葬り去られてたまるか!
 不採用の通知が来たのは、@奥田あての屈辱的な「誓約書」を拒否した24人、A正規職員のみを希望した40人余り、B一時金の自主返納を拒否した人、C人材バンク登録拒否者、D組合活動などでの被処分者などだ。
 これらの行動は、現場のほとんどの労働者の正直な気持ちではないか。不採用を通知されたのは特別な人たちではない。現場の怒りを体現した誇り高き労働者たちだ。
 そもそも、年金破綻の責任を現場の労働者に転嫁するなど絶対に許せない。年金を食い物にしてきのは歴代の厚生大臣や国会議員、高級官僚、ゼネコンや大銀行だ。
 グリーンピアなどで年金を何兆円も流用してきたのはいったい誰なんだ! 百数十兆円もの積立金を、新幹線や道路、ダム建設などに湯水のように投入して不良債権にしたのはどこのどいつだ! 社保庁で働く現場の労働者にはなんの関係もないじゃないか。現場の労働者が利権を得てきたとでも言うのか。
 年金記録問題も同じだ。年金制度の破綻をごまかすために、繰り返し制度を改変して混乱をつくってきたのは誰なのか? 現場の労働者は必死に膨大な窓口業務、記録業務をやっているのだ。誰が現実に責任を取って働いていると思っているのだ!
 1千兆円に及ぶ国の借金を膨らませたのは誰なのか? 年金制度を根本的に破綻させたのは誰なのか? 何千万人という労働者が何十年間も汗水をたらして働き、けっして安くはない保険料を納付してきたのだ。にもかかわらず、まもとに年金を受け取れない状況を生み出したのは誰なのか?

 ダラ幹の打倒を

 一連の攻撃は、労働組合つぶし、労働者の団結破壊として進行している。これまで協力して一緒に働いてきた仲間が「採用・不採用」で分断されようとしている。新法人に行くために競争でバラバラにされている。
 「ヤミ専従」問題での組合バッシングに対し、自治労の全国社保労組は屈辱的な謝罪を繰り返し、一時金の自主返納を組合方針とした。「ねんきん特別便にご協力を」と印刷したティッシュの配布に組合員をフル動員した。1千人もの解雇に直面しているのに、就職斡旋(あっせん)が唯一の方針なのだ。
 しかも驚いたことに、連合の古賀会長が奥田と並んで年金機構設立委員会のメンバーとなり、1千人解雇をともに推進しているのだ。
 こういう組合執行部の奴隷根性こそが、現場労働者を悪者扱いさせ、社保庁解体=1千人解雇を許している。敵の狙いは鮮明だ。労働組合を徹底的に攻撃して屈服させ、歴代大臣や国会議員、ゼネコン・大銀行の悪行をすべて現場の労働者のせいにすることだ。
 反撃しよう。闘う中でこそ展望は切り開くことができる。まずは、はらわたが煮えくり返るこの怒りをたたきつけよう。この世紀の大陰謀の正体を暴き出し、社会問題化させるのは、何よりも現場からの闘いだ。連合や自治労(全国社保労組)のダラ幹を打倒して、組合を現場の手に取り戻そう。闘う労働者の団結こそが労働組合なのだ。

 不採用者が決起

 闘いは始まっている。何よりも「不採用」を通知された1千人の労働者が声をあげ始めている。
 自分の名前と電話番号をビラに書き”社保庁の分割・民営化絶対反対、不採用通知撤回! 私は国鉄1047名のように社会保険1千人の不採用職員の先頭で闘う”と訴えるビラが全国の社会保険事務所で配布され大きな衝撃と共感、さらなる決起を続々と生み出している。この1千人の存在と闘いを軸に、社保庁労働者の闘いの大きなうねりを巻き起こそう。この闘いが、巨万の労働者の支持と共感、連帯を生み出すことは間違いない。
 1980年代の国鉄分割・民営化に対して、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は2波のストライキで闘い抜いた。28人が解雇された。しかし、全国の労働者の支援を得て28人全員の解雇撤回をかちとった。また、JR不採用となり国鉄清算事業団からも解雇された1047人の国鉄労働者が今もなお、全国各地で史上前例のない解雇撤回闘争を闘っている。
 世界大恐慌の中、数百万人の失業者が街にあふれ、若者が「派遣切り」で使い捨ての道具のように解雇され、激しい怒りをたぎらせている。世の中に満ち満ちているこの怒りと結合して闘おう。
 そもそも労働者が本当に怒っている相手は資本や国だ。支配者たちは、何よりも数千万人の労働者が団結して闘うことを恐れている。闘いこそ、この”世紀の大陰謀”をうち破り、本当の敵をハッキリさせ、労働者の団結と闘いの道筋をつくりだす。闘いこそが敵との力関係を変える。
 居丈高な攻撃を加えてくる連中に一矢報いることからすべては始まる。不採用通知を撤回し全員を希望する職場に採用しろ! 社保庁の1千人解雇を突破口に公務員360万人首切りと改憲・戦争に突き進む民主党・連合政権を打ち倒そう。社保庁の分割・民営化を阻止し道州制攻撃を粉砕しよう。

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