ZENSHIN 2008/10/20(No2364 p06)

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週刊『前進』(2364号1面1)(2008/10/20 )

 体制内労働運動との闘いに勝ちぬき 11・2全国から日比谷野音へ

 米韓から闘う労働者が大挙参加 大恐慌を国際連帯で迎え撃とう

 給油法延長阻止・麻生政権打倒を

 11・2労働者集会まであと2週間。今年の11・2は、世界金融大恐慌の爆発という、ついにやってきた巨大な革命情勢を本物の革命に転化していく第一歩となる集会だ。帝国主義は倒せる! 世界の労働者階級が自らの解放をかけて団結し、総決起する時代が来た。11・2には、韓国から民主労総ソウル地域本部の闘う仲間が大挙して参加する。アメリカからは5・1メーデーの歴史的な港湾封鎖ストを打ちぬいたILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10の仲間や、UTLA(ロサンゼルス統一教組)の闘う教育労働者が合流する。日米韓の闘う労働者が団結を深め、階級的労働運動の力でプロレタリア世界革命をやりぬく宣言を全世界に発する。11・2日比谷野音に1万人が集まれば、歴史は確実に変わる! 1万人大集会を絶対に実現しよう。自分の隣の労働者に呼びかけ、全員が組織者となり、必要なあらゆる闘いを全力でやりぬこう。

 集会の4大スローガン 

 プロレタリア世界革命を実現する現実の道筋は、11・2労働者集会が掲げる闘う4大スローガンの中にある。
 第一に、「生きさせろ!」ゼネストの実現。09春闘での一律大幅賃上げ・非正規職撤廃の怒りの大ストライキの実現に向け、全労働者の圧倒的な団結を打ち固めることだ。第二に、国鉄1047名解雇撤回。この闘いの不屈の貫徹を先頭に、4大産別を軸とした民営化粉砕の闘いの大爆発をつくりだすことだ。
 第三に、戦争・改憲阻止、麻生政権打倒! 労働者支配の破産にあえぎつつ階級戦争と戦争・改憲の攻撃に訴えて日帝の危機突破を狙う麻生を、労働者階級人民の怒りの一撃でぶっ飛ばそう。第四に「万国の労働者、団結せよ!」の国際連帯。日米韓3国労働者の階級的団結で世界金融大恐慌を迎え撃とう。
 1917年ロシア革命以来とも言うべき、巨大な世界革命のチャンスが今まさに訪れている。資本主義・帝国主義はその中心部からガラガラと崩壊している。階級的労働運動が今こそ時代の前面に躍り出て、団結した労働者階級が社会の主人公として全権力を握る時が来た。とりわけ日帝は、世界の帝国主義国の中でも最弱の環だ。安倍に続き福田が打倒された今、代わって登場した麻生政権は世界金融大恐慌に直撃され、誕生の瞬間からすでにグラグラだ。
 だからこそ逆に麻生は、体制の絶望的な危機突破と支配階級の生き残りをかけて、労働者への階級戦争を挑んできている。前国交相・中山の「成田はゴネ得」「日教組をぶっ壊す」などの超反動発言は、革命情勢の切迫に脅える麻生政権のすさまじい危機感と焦りの表現だ。さらに麻生は、民主党の屈服につけ込んで給油新法延長に全力をあげている。
 麻生が最も恐れるのは労働者階級の職場・生産点からの実力決起だ。だが労働者の側が総選挙や民主党にわずかでも幻想を持ったら敵の必死さの前に逆にたたきつぶされる。しかし一切の議会主義的幻想をとっぱらい、11・2の1万人決起を実現すれば、その一撃で吹き飛ぶのが麻生政権だ。11・2集会の4大スローガンを本気で実践し、麻生を打倒して、革命勝利の道を切り開こう。

 新自由主義にトドメを

 最末期帝国主義の新自由主義攻撃に今こそとどめを刺す時だ。労働者の怒りを資本と権力に徹底的にたたきつけよう。
 1980年代以来、世界のブルジョアジーは何をやってきたのか。民営化と規制緩和をテコに労働者への大規模な首切り・リストラ、低賃金、非正規雇用化を強行し、膨大な労働者をいくら働いても食えない極度の貧困にたたき込んできた。社会保障制度を解体し、医療も福祉も教育も奪ってきた。こうして労働者階級からとことん搾り取った金で彼らは、サブプライムローンのような、貧しい人々を食い物にする一層あくどいぼろもうけを強行した。そして実体経済の何倍もの途方もないマネーゲームにひたすらのめり込んできた。
 この腐りきった新自由主義、最末期の帝国主義が、ついにその内的矛盾を爆発させ、音を立てて自己崩壊を開始したのが世界金融大恐慌だ。資本家階級は完全なパニックに陥っている。昨日まで民営化や市場経済を称揚し、労働者に「福祉に頼るのは甘えだ」「自己責任で解決しろ」などと言いながら、搾れるだけ搾り取ってきた連中が、今や恥知らずにも、人民の血税である公的資金を自分たちの救済に湯水のように使えと叫んでいる。
 だが公的資金をどれだけつぎ込んでも、金融大恐慌は止められない。世界的な信用崩壊、株価の暴落と乱高下、企業倒産の連鎖、世界経済の急激な収縮と分裂がこれから本格化する。ブルジョアジーはその中で自分だけが生き残ろうとあがきにあがき、結局は労働者階級の団結を解体し、新たな侵略戦争・世界戦争に突っ込んでいく。プロレタリア世界革命によって終止符を打たない限り、破局の進行は止められないのだ。
 この間アメリカでは、住宅バブルとマネーゲームの中で年間数十億円もの収入を得てきた証券会社や大銀行の幹部連中の救済のために、70兆円から130兆円もの公的資金(すべて税金だ!)を注入することに、労働者階級人民の激しい怒りが爆発している。
 すでに労働者は、「救済なんかするな、奴らを監獄にぶち込め!」と叫んで、デモに立ち上がっている。ロンドンでも、デモ隊がイギリスの中央銀行であるイングランド銀行に突入しようと闘った。ドイツでも「多くの労働者に低賃金を押しつけ、高齢者の年金を削り、大量の失業者を生み出して貧困にたたき落としてきたのは誰なのか。お前らじゃないか!」と怒りが爆発している。
 これに続いて、今や日本の労働者が猛然と立ち上がる番だ。われわれ労働者は資本家の奴隷ではない! 資本家は血と肉と魂をもった人間である労働者を、まるで機械の部品かロボットのようにこき使ってきた。だが労働者がいなかったら生産も社会も成り立たない。社会の主人公は労働者だ。今こそ、賃金奴隷制の鎖を引きちぎる闘いに立ち上がり、革命勝利に向かって団結しよう。その団結を打ち固める場が11・2だ。

 正義は解雇撤回にある

 だがこの重大な時に、11・2労働者集会に真っ向から敵対する者がいるのだ。権力や右翼的勢力だけではない。労働者階級の中から、度し難い敗北主義に陥り、帝国主義への屈服の道を突き進んでいる連中だ。その先頭に立っているのが、国鉄1047名闘争の解雇撤回を引き降ろした4者・4団体とその路線だ。
 4者・4団体が誤っているのは、労働運動の大原則と路線を踏みにじっていることだ。それは解雇撤回を投げ捨て、民営化攻撃に屈服し、危機にあえぐ支配階級を救済することを意味するのだ。
 重大なのは、この対立と分岐が、国鉄1047名闘争をめぐって起きていることだ。戦後最大の労働運動解体攻撃=国鉄分割・民営化と対決し、22年にわたり闘われてきた1047名解雇撤回闘争は、今日の世界革命情勢の中で、今こそ闘う全労働者の結集軸となり、勝利に向けてはばたく時を迎えている。その決定的な局面で、「闘争団はもうもたない」と政府・資本のもとにひざまずき、「政治決着」の名による国鉄闘争の幕引きを図ろうとするのが、4者・4団体路線なのだ。
 それは、労働者の中に「闘っても勝てない」という敗北主義をまきちらし、資本の奴隷であることを強制するものだ。今日彼らは、解雇撤回をあくまで貫いて闘う者を憎悪し、動労千葉を「永久闘争主義者だ」と言って公然と排除するところまで転落している。
 この4者・4団体路線を粉砕し決別することなしに、1047名闘争の再生も、4大産別を軸とした民営化攻撃との闘いの勝利もない。国鉄闘争に幕を引く10・24集会の誤りを徹底的に暴き、全労働者の中に帝国主義と闘って勝利する道か、屈服と敗北の道かの大分岐をつくりだそう。その一切を11・2労働者集会への総結集につなげよう。正義は、解雇撤回の大原則を貫いて闘う者の方に圧倒的にあるのだ。
 この闘いの主役は、今そこにいる君であり、あなただ。団結した労働者の力と決起こそが、この社会を実際に変革するプロレタリア革命に勝利することができる。今や完全に破産した支配階級に代わって、労働者階級が革命によって自ら権力を握り、この社会を、歴史を前に動かす時だ。
 日米韓労働者1万人の国際的団結で、世界金融大恐慌を真っ向から迎え撃ち、プロレタリア世界革命へと前進しよう。
 まずこの闘いを決意した1万人が、11・2日比谷野音に集まろう。1万人の団結で、麻生政権を一撃でぶっ倒す大集会と戦闘的デモをやりぬこう! そこから新たな歴史が始まるのだ。

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週刊『前進』(2364号1面2)(2008/10/20 )

 法政大1000人集会 全学の怒りが爆発

 文連を先頭に法大解放へ

(写真 【上】暴力ガードマンを撃退し法政大学外濠校舎前で集会【下】学生・労働者250人がデモ。「増田は出てこい!」と総長室前でシュプレヒコール【10月17日 千代田区】)

「これがうちら学生の力だ!」(文化連盟・倉岡雅美さん)――10・17法大集会は、文化連盟を先頭に法大1000人の怒りを解き放つ大集会としてかちとられた。
 10月17日昼休み、法政大学外濠校舎前。普段は暴力ガードマンの弾圧でビラまきも自由にできない場所だ。だがこの日は違った。学生が暴力ガードマンを撃退し完全に制圧。キャンパスを文字どおり学生の手に取り戻し、集会をやりぬいた。
 この間、増田総長は、文連の「公開質問状」から逃げ回り、この日も正門とキャンパス中央に通ずる全出入り口を封鎖。
 怒りに燃えた学生は、「増田出て来い!」と外濠校舎の学生部に押しかけた。すると暴力ガードマンが殴りかかり妨害。学生は一歩も引かずに激突し、その場はガードマンの制帽が宙を舞うほどの大乱闘となった。学生の迫力に圧倒されたガードマンは後退しドアを閉めようとする。その時、青年労働者A君が法大当局に拘束された。怒りはさらに爆発。「抗議集会をやるぞ!」。横断幕が閉ざされたドアの前に掲げられ集会が始まった。文連O君が渾身(こんしん)のアジテーションに立った。「こんな大学は大学じゃねえ! ビラもサークル活動も集会も法大では30年もやってきた。殺されても捕まっても権力には奪われない自由がある!」。これに続き文連と全国学生の発言が次々と続いた。そしてA君も直ちに奪還!
 学生・労働者250人は総長室に向けデモに立った。
 文連は今集会を「完全勝利だ。逮捕者もゼロ。ジャージ軍団を追放し、処分も阻止した。いよいよ反撃に出る時だ!」と総括した。この勝利の力を11・2労働者集会へ! 

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週刊『前進』(2364号2面1)(2008/10/20 )

 11・2労働者集会 UNITE!

 11・2日比谷に1万人集めきろう

 辻川慎一全国労働組合交流センター代表運営委員が訴え

 資本主義を終わらせる道筋が11・2にある

 11・2全国労働者総決起集会への1万人結集実現にむけて、全国労組交流センター代表運営委員の辻川慎一さんに残り2週間の課題と展望について語っていただいた。(編集局)

(写真 辻川慎一さん 1957年生まれ。78年に国鉄入社。86年11月に国鉄水戸動力車労働組合を結成し委員長に。現在、全国労働組合交流センター代表運営委員、動労水戸副委員長、茨城県地域連帯労組委員長)

 賃金奴隷制度の廃止こそが問題の核心だ

 ――世界金融大恐慌、労働者階級にとって何が問題でしょうか?
 9月から1カ月余りで世界の株式市場の時価総額が1400兆円消えたそうです。このマネーゲームの元手は全部、労働者や農民・漁民が働いて生み出した富です。労働者から搾り取った富を、資本主義の中枢である巨大金融機関がマネーゲームに投じたあげく、そのツケを労働者に回そうというのがブッシュ政権の金融救済策です。130兆円もの税金を投入して銀行家たちを救う。大増税は必至です。なけなしの年金や保険までパーにされたアメリカの労働者は「大金持ちを救うな! 刑務所行きだ!」と怒りを爆発させている。当然です。
 日本もヨーロッパも巻き込んだ世界大恐慌です。すでに大規模な倒産が始まっている。命を削って働いた結果が、路頭に投げ出されるという事態。ドル紙幣が紙くずになる危機も迫っている。日本の労働者の低賃金構造で蓄えた膨大な外貨準備が紙くずになる。食糧の輸入も止まる。労働者階級は激甚な怒りをたたきつける時ですよ。
 新自由主義――端的にいうと民営化と規制緩和ですが、その象徴が派遣労働の解禁。“労働者の保護はナンセンス”とされて低賃金の底が抜けた。労働災害は、ここ3年で9倍。去年1年だけで6千人が殺されています。工場法(1911年)以前の状態にあっという間に戻った。
 こうして搾り取った莫大(ばくだい)な金で、大銀行や大証券会社がマネーゲームをやって大損を出した。それが金融大恐慌です。この資本家たちを救うんですか? 冗談じゃない。労働者が今こそ本気で立ち上がって資本家とその政府に引導を渡す時なんです。
 70年代くらいまでは、まじめに働けば食っていける状況がそれなりにあった。ただし「社会の矛盾に目をつぶれば」。今は「まじめ」だけではダメで競争に勝てないやつは退場しろと言われる。死ねということです。中高一貫校で熾烈(しれつ)な競争。大学も資格競争。「勝ち組」以外はワーキングプア。それで秋葉原事件です。こうなったのは誰の責任か? 政府・自民党と日本経団連じゃないですか。
 それを中山(前国交相)発言は何ですか? “労働組合が悪いからこんな社会になる”と言っている。またしても! 本当に許しがたいと思いませんか? 搾取され、殺され続けた結果がこれです。「自由・平等・友愛」それ自体がうそっぱちだったわけです。日本でも倒産が大量に起きます。30年代みたいに農村という受け皿もない。都市にスラムができます。
 この事態は何ですか? すべての富は労働者が生産したものです。なぜ資本家が税金で救済されて、富を生み出した労働者が殺されるのか。もう黙っていられない。“賃金奴隷制を廃止しろ”という根本問題での労働者の怒りの反乱、つまりプロレタリア革命が完全に問題になっている。

 一人の決起が決定的に体制揺るがす時代

 ――支配階級はこの先、何をやろうとしているのでしょう?
 茨城県職員への人事評価制度の「試行段階」が始まりましたが、試行段階だというのに自己評価を白紙で出したら処分です。この中で2人の労働者が自殺に追い込まれた。これが民営化です。
 JRのライフサイクル(注1)も当局は非妥協的です。労働者の団結を破壊するために意識的に攻撃を組織している。労働者のどんな反乱も、体制がぶち壊れる問題に発展するからです。
 敵は本当に後がない。ブルジョアジーが考えていることは、労働者の反乱を阻止する一点です。労働者が団結して立ち上がった瞬間、アウト。だから凶暴なんです。
 この敵階級の構えをなめてはいけない。体制内労働運動の指導部がそうですが、従来の延長で敵の攻撃を考えると取り返しがつかない敗北に陥る。これまでの回路では何も解決できない時代なんです。労働者階級とはどういう存在か、資本主義とは何か。その根本問題で闘わなければ何も解決できない。これを青年労働者が端的に表現したのが「労働運動の力で革命をやろう」のスローガンです。
 いま職場の現実は、実に本質的です。労働者が団結して職場の力関係を変えない限り、何一つ問題が解決しない。民営化でこの関係がむき出しになった。
 資本や当局は、現場の労働者、労働組合がどのくらい団結しているかを実によく見ています。賃金で差別し、正規・非正規で分断し、徹底的に競争をあおる。負けた労働者は「自己責任」。
 賃労働と資本の非和解的対立という本質問題を明らかにして闘いを提起できるかどうかです。レーニンが「商品交換は階級対立を隠すものだ」と言っていますが、あたかも正当な契約だと言い張ってむき出しの搾取関係を隠す。隠せる限りで成り立ってきた。
 金融大恐慌は資本主義の正体をむき出しにした。一切の幻想が吹き飛んだ。「自己責任」とか「小さな政府」のうそも全部あらわになった。だから革命情勢なんです。

 団結すれば絶対負けない

 労働者が団結すれば絶対に負けることはないということです。資本と闘わなければ生きていけない現実の中で、本当の人間的共同性を取り戻すことです。団結した瞬間、どんなに攻撃が強まろうと跳ね返す力が生まれる。ここにブルジョアジーの支配を根本的に打ち破る力がある。これが労働者階級の本質です。
G8サミット粉砕の6・29渋谷デモでは“おれたち、私たちが資本主義を倒す主体なんだ”というものすごい力がみなぎった。絶対反対で、団結の一点を総括軸に闘った。ここに08年の闘いのすごい地平がある。マルクスが『共産党宣言』で、労働者は時々勝利するが、現象的には敗北の積み重ねだと言った。そして団結が勝利を保証する、「万国の労働者団結せよ」と締めくくった。この決定的な核心問題を、青年労働者・学生自身が実践の中でつかみ取った。彼らの闘いのなかにマルクス主義があるんです。これが08年に闘い取った地平です。
関西で脱落した反動グループは、このマルクス主義の核心を否定した。「労働運動の力で革命をやろう」というスローガンに反発し、敵意をむき出しにした。この対極に階級的労働運動路線の勝利の地平がある。
6・29デモの地平は、ごく普通の労働者が、真の人間的共同性の回復と階級的団結のために、時には平然と死地にさえおもむくことを示したことにあります。だから資本も権力も反革命も、この事態に震撼(しんかん)したわけです。この地平の上に、各地で階級的労働運動の前進を示す勝利の報告がなされている。
非正規職雇い止めが全国で連続する中、埼玉でゆうメイトの青年労働者が雇い止め撤回をかちとった。動労千葉派全体の闘いが効いているんですよ。敵は現場にひとつの団結が生まれただけでぐらつく。ここに自信を持つべきです。一人、二人と現場から決起する。一見小さな勝利ですが、ものすごいエネルギーのルツボです。現場の労働者が一人でも動き出すと、資本は例外なく大動揺する。
「一人、二人の決起」を軽視してはいけない。かさにかかって職場をオルグし組織化する。一度や二度跳ね返されてもひるまず、自信をもって組織化しよう。1万人決起は、間違いなくこの路線の中にあります。
 ………………………

注1 ライフサイクル攻撃 破綻したJR体制を取り繕うために、40歳以下の運転士を駅務に強制配転する攻撃。

 4者・4団体路線は産業報国会への道だ

 ――労働運動の路線をめぐる鋭い激突が起こっています。その核心は?
 現在の日本の労働者総体を規定している問題として、80年代の国鉄分割・民営化攻撃以来の民営化攻撃があります。民営化に対する態度は路線の根幹にかかわります。
 1971年の金・ドル交換停止(注2)、73年オイルショック(注3)を経て、世界経済は74〜75年恐慌に突入。戦後の経済成長はここで基本的に終わった。世界中の企業が「減量経営」に転換し、リストラ・首切り・低賃金が世界を覆った。
 この「減量経営」とどう闘うかが一貫して路線闘争の焦点になってきました。帝国主義の危機の時代に労働組合がどう闘うのか。経済成長を背景にした民同型の労働運動ではまったく闘えない。
 私は78年国鉄入社ですが、「35万人合理化と闘おう」と言ったら協会派が目の色を変えて反対した。これは何なのか?
 75年の国鉄スト権スト(注4)に対して、それまでは民同ダラ幹となれあいでやってきた権力・支配階級が激甚に反応して、202億円の損害賠償訴訟を動労と国労を相手に起こした。ブルジョアジーの強烈な階級意志を示したわけです。これまでの、民同型労働運動で労働者を支配するあり方を含めて全部否定するというメッセージです。
 これに震え上がったのが動労カクマルです。78年段階で早くも「貨物安定輸送宣言」を出して反合理化・運転保安確立の闘いとストライキを放棄した。同時に「三里塚闘争と一線を画す」と宣言した。「減量経営とは闘わない」「国家権力とは一切闘わない」という白旗を掲げた。そればかりか、三里塚農民との労農連帯をかけて空港へのジェット燃料輸送阻止を闘った動労千葉を何度も武装襲撃した。まさにファシスト労働運動です。こうした連中の存在に支えられてかろうじて国鉄分割・民営化は可能になったわけです。
(写真 08年6・29渋谷デモ)

 動労千葉排除では勝てない

 これに真っ向から抵抗して闘ったのが動労千葉です。本物の労働組合は帝国主義の危機の時こそ闘う。これが動労千葉労働運動です。激烈な路線選択をかけて動労千葉は79年、動労本部からの分離・独立をやり抜いた。日本の労働者階級全体の死活的利益を命がけで守り抜く路線闘争だった。
そして動労千葉は分割・民営化に反対するストライキを唯一闘い抜き、民営化による不当解雇に真っ向から立ち向かう国鉄1047名解雇撤回闘争を生み出した。動労千葉と1047名闘争は、こうして新自由主義の全面化をめぐる国家権力・支配階級との最大の激突点となった。
国鉄分割・民営化攻撃の中、85年に労働者派遣法が成立している。ブルジョアジーはこの時点から新自由主義的な諸政策を戦略的に開始しています。戦後労働運動がかちとったあらゆる労働条件を解体し、労働者をバラバラに分断する――労働運動の根本が問われた。
いま国鉄1047名闘争で、国労本部など「4者・4団体」(注5)による幕引き・全面屈服が大焦点になっています。何が問題の核心なのか? 歴史をみれば疑問の余地はない。金融恐慌の時代、帝国主義の危機の時代に労働者階級が闘うのか屈服するのか――労働者階級全体の運命を決める路線の分岐点なのです。だから動労千葉はもちろん、日本の労働者全員が当事者なんです。
国家的不当労働行為と真っ向から闘いぬき、ブルジョアジーを徹底的に追いつめてきた1047名闘争を解体するために、敵の出した条件は「一審判決マイナス・アルファ」ですよ。びた一文譲らないけど屈服しろと迫っている。「解雇撤回」を掲げて20年間闘ったすべてを捨てろ、と。ここまで言われて頭を下げているのが4者・4団体です。そして、「民営化とは闘わない」と決めた旧総評系の官公労、自治労や教労の体制内指導部が全力でこれを支えている。
問題は完全に明らかでしょう。国鉄闘争を終わらせることで、4大産別を始めとするすべての労働組合運動を終わらせるということです。
日本の労働組合全体が産業報国会になだれ込んで侵略戦争に協力した戦前と同じ事態が起きるかどうか。いまがまさに分岐点です。それが「4者・4団体による解雇撤回の放棄」問題なんです。階級的労働運動路線として提起してきた根本問題が問われている。
いま4者・4団体派は1047名闘争の当該である動労千葉排除のための10・24集会に向けて血まなこになっている。
動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃に対して2波にわたるストライキを敢行し、40人の解雇を始めとする国家権力の大攻撃と対峙し抜いてきました。JR本体の闘いと解雇撤回闘争を結合して闘うことが1047名闘争の勝利の唯一の道であるという原則を堅持して闘い抜いてきた動労千葉を排除して勝てるはずがないんですよ。本来は「5者・5団体」でなければならないんです。この一点の中に、4者・4団体路線の不正義性、反動性が示されています。
………………………

注2 金・ドル交換停止 ドルを世界にばらまいた戦後復興と経済成長は70年初頭に行き詰まり、米ニクソン政権は金・ドルの交換を停止。以後、基軸通貨=ドルは裏付けを失った。
注3 オイル・ショック 73年10月第4次中東戦争後、OPEC(石油輸出国機構)加盟のペルシャ湾岸6カ国は原油価格を2倍に引き上げた。
注4 スト権スト 75年11月に公労協がスト権奪還を掲げた統一スト。国鉄の列車は8日間ほぼ全面ストップした。
注5 4者・4団体 
国労闘争団全国連絡会議・鉄建公団訴訟原告団・鉄道運輸機構訴訟原告団・全動労争議団の4者/国労・建交労・国鉄闘争支援中央共闘・国鉄闘争共闘会議の4団体。

 動労千葉派の団結をつくり1万人決起へ

 ――11・2日比谷へ、残り2週間の課題は。
 結論は明白です。ブルジョアジーと労働者階級がともに絶対に引けない激突点、解雇撤回を捨てた4者・4団体の屈服路線を絶対に許さないことです。われわれ動労千葉派が11・2日比谷野音に文字どおり1万人を集めきることです。これが労働者階級全体を必ずとらえる。この時代認識と路線に確信を持って、職場で絶対反対の旗を掲げて団結をつくってほしい。
 「政治闘争や革命運動は党がやるものであって労働組合がやるものではない」という関西の脱落反動分子の主張の誤りは明らかです。職場は、ブルジョアジーと労働者階級との熾烈(しれつ)な権力闘争の激突点です。政治闘争と職場闘争を分離させる考え方はまったく間違っている。職場で闘えないものが街頭で闘えるわけがない。6・29渋谷デモが証明したことです。最後は党の問題ですが、党と限りなく一体の存在である労働組合がいかに闘うかが、労働者階級全体の命運を決する。党の問題や政治闘争を職場と労働組合から切り離した反マルクス主義、スターリン主義・社会民主主義の誤りを今こそ突破しなければならない。
 労働者階級は〈麻生自民党か小沢民主党か>の選択に未来を託すことはできません。大恐慌に直面した瞬間、自民も民主も資本主義の危機を救う一点で一致した。動労千葉を先頭に世界の階級的労働運動と連帯する11・2日比谷野音に結集すること。ここで資本主義社会そのものを終わらせる道筋を一点の曇りもなく明らかにすることです。
 帝国主義の危機の時代にあらゆる党派が動揺した時、ボルシェビキ党の党員と労働者だけが「ついにおれたちの時代が来た」と生き生きと燃え立った歴史があります。いままさに革命期の行動原理が生きる時代です。動労千葉派が各職場で断固として突出したとき、1万人決起は間違いなく実現できます。残り2週間、ここに全労働者階級の未来が宿っていることを徹底的に訴えよう。

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週刊『前進』(2364号3面1)(2008/10/20 )

 4大スローガンで11・2へ

@「生きさせろ!」の賃上げゼネストを!

A国鉄1047名解雇撤回かちとれ!

B戦争・改憲阻止、麻生政権打倒!

C国際連帯-万国の労働者、団結せよ!

資本主義的奴隷制に終止符を打つ時が来た。今まで労働者の血と汗の一滴までも搾取してきたブルジョアジーを打倒するチャンスだ。これが世界金融大恐慌における労働者の時代認識だ。労働者階級はこの資本主義社会を覆す革命をやる能力がある。それを11・2労働者集会で示そう。四つのスローガンで労働者の怒りをひとつの団結した闘いにしよう。

 資本家どもが奪ったものを奪い返せ

 2000万青年労働者の「生きさせろ!」の賃上げゼネストをやろう。それは単に「生活できるだけの賃金をよこせ」にとどまらず、労働者が社会の主人公であるという誇りを取り戻す闘いだ。
 「生きられるだけの賃金よこせ」の要求は資本家の支払える範囲で迫っているのではない。労働者がこれまで搾取され、奪われてきたものをすべて奪い返す闘いだ。
 大幅賃上げゼネストですべての労働者は団結しよう。労働者は何よりも賃金で分断され、対立させられている。資本家は賃金で労働者を奴隷の地位に縛りつけている。賃金こそ労働者を商品の地位におとしめる最悪の非人間的制度なのだ。
 わずかな賃金の差をめぐって「おれより働いていないのに賃金が多い」と労働者は競争させられ敵対させられる。「会社の言うことを聞けば賃金を上げる」「逆らうなら賃下げだ」と言って資本家は労働者を支配する。
 確かに資本主義制度の中では資本家がいなければ労働者の賃金労働は成り立たない。だが、資本の側も労働者の労働があって初めて利潤を得ることができるのだ。だから労働者が食えない賃金しか払えない資本家はもう辞めろ。労働者がいなければ資本は成り立たない。やつらの弱点だ。
 労働者と資本は絶対非和解の関係だ。資本主義である限り、労働者は賃金奴隷としてしか生きられない。大恐慌のもとでは、奴隷となっても生きていけない。資本主義を打倒し、労働者が社会の主人公として世の中を動かそう。

 国鉄闘争の20年が今こそ光り輝く時

 国鉄闘争は戦後一貫して日本の労働運動の中軸を担ってきた。1987年の国鉄分割・民営化との闘いは、戦後革命期の2・1ゼネスト(47年)や三井三池闘争(60年)と並ぶ、戦後労働運動の命運をかけた闘いだった。中曽根政権はこの攻撃で国鉄労働運動と総評の解体を狙ったのだ。
 これに対し、11・2集会を呼びかける動労千葉は1千人余の組合員全員が解雇を覚悟して、必死のストライキで反撃した。他方、国労執行部は修善寺大会で「大胆な妥協」方針を決定しようとした。しかし、動労千葉のスト情勢の中で、大会には数千人の一般組合員が自費で全国から集まって会場を包囲、ついには本部方針を覆した。
 以来、1047名解雇撤回闘争は、民営化に絶対反対する解雇撤回闘争として史上最大規模で闘われてきた。
 今や新自由主義は完全に破産した。1047名闘争が労働者の結集軸になる時だ。「生きさせろ!」のゼネストや自治体や郵政、教労の民営化との闘いと合流しよう。民営化を絶対に認めない動労千葉や1047名の闘いは無限の可能性を持っている。国鉄闘争は新自由主義との闘いの最先端であり、闘うすべての労働者を団結させる力を持っているのだ。
 「クビになっても仲間を裏切らない」という動労千葉は、20年後の今も団結を守り、元気に闘っている。新自由主義に勝利し、「労働者こそ社会の主人公だ」という誇りを取り戻す労働組合は実際につくれる。
 民営化や合理化と闘えず、労働者の力を信じない組合幹部が和解路線に走ったのが4者・4団体の10・24集会だ。こんなに職場に怒りが満ちている時はない。「民営化に絶対反対と解雇撤回」の路線を貫くことこそが職場の団結をつくる。

 侵略戦争への道を労働者が阻止する

 麻生政権は、戦争と改憲の超反動政権だ。麻生政権は小泉改革を引き継ぐ最悪の新自由主義政権だ。青年労働者の2人に1人を非正規にし、労働者を貧困にたたき込んだのは誰だ。ブッシュと一緒になって大恐慌を引き起こしたのは誰か。麻生と小泉は同罪だ。
 小泉改革への労働者の怒りは安倍・福田をぶっ飛ばしてさらに深まり、麻生政権に対する激しい怒りが渦巻いている。麻生は世界大恐慌に突入する中で体制的・政治的危機にあえぎながら、労働者の怒りにおびえ、憎しみをもって危機を超反動的に突破することにすべてをかけている。
 ここに麻生の反動性の特徴がある。経済財政政策も整合性はどうでも良く、財政危機になろうが構わない。とにかく労働者の反乱を鎮圧し、資本主義のあらゆる矛盾と犠牲を労働者階級に押しつけ、戦争と改憲の超反動政治で突破しようとしているのである。
 麻生政権の本質は「成田はごね得」「日本は単一民族」「日教組をぶっ壊す」の中山発言に凝縮している。労組解体が麻生政権の本質だ。麻生の所信表明の結論は、「地域主権型道州制」の導入と日米同盟の強化だ。麻生は給油新法を延長して侵略戦争に突入することを宣言した。
 戦争と改憲の麻生政権を打倒する「攻めの改憲阻止闘争」として11・2労働者集会を闘おう。

 国境越えた労働者の団結が勝利の力

 金融救済のための70兆円の税金投入に、米国の労働者の怒りが爆発。「われわれは家を失い、職を失ったのに、やつらを助ける必要はない」とウォール街に抗議デモが押し寄せた。資本主義を崩壊にたたき込む歴史的な闘いだ。
 ポールソン米財務長官はゴールドマン・サックスの経営者で毎年何十億円の報酬を得ていた。退職金と株売却で約500億円を得た。こんなやつらを救済するな!
 11・2集会には、資本主義打倒の最前線の米韓の労働者が来る。
 米国からロサンゼルス統一教組(UTLA)の教育労働者が参加する。今年6月には教育・医療福祉予算削減に反対する4万人のストを打ち抜いた組合だ。ILWU(国際港湾倉庫労組)も来日する。今年5月のメーデーで米西海岸の全29港湾を封鎖する歴史的ストライキを成功させた。イラク港湾労組が占領下の連帯ストで呼応した。
 韓国から民主労総ソウル地域本部が大挙来る。民主労総は、軍事政権が育てた労資協調の韓国労総と対決し最大のナショナルセンターになった。韓国でも民営化・規制緩和の新自由主義と激しく闘っている。韓国政府は10日、「第3次公共部門先進化計画」を発表した。日本の国鉄分割・民営化と同じ攻撃だ。鉄道労組が反撃を開始した。11・2で連帯しよう。
 なぜ世界で最も闘う労働組合が11・2集会に注目し、代表を送るのか。それは、動労千葉が国鉄分割・民営化という新自由主義の大攻撃と闘って勝利したからであり、この集会に共通の敵を打ち破る力があるからだ。
(写真 「救済するな! やつらを刑務所へ!」のプラカードを掲げてデモ【9月25日 ニューヨーク】)

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週刊『前進』(2364号4面1)(2008/10/20 )

 青年を先頭に11・2へ総決起する

 労働者階級の団結した力で辺野古は基地絶対反対貫く

 革共同沖縄県委員会

  6・29サミット粉砕闘争を闘い、弾圧を完黙・非転向で打ち破った青年労働者・学生たちの闘いは「権力・資本と非妥協に闘う」「仲間を裏切らない。団結の前進こそ闘いの成果」という路線・原則を沖縄闘争の中に再確立し、階級的労働運動を新たに担う青年労働者を生み出している。一方で社・共はもとより反対運動内のあらゆる体制内派が6・29サミット粉砕闘争、階級的労働運動への敵対と誹謗(ひぼう)を一斉に開始した。特に辺野古闘争における路線をめぐる鋭い分岐が始まっている。6・29サミット弾圧粉砕の地平を引き継ぎ、沖縄闘争を闘おう! 11・2全国労働者集会へ総決起しよう!
 (写真 5・15沖縄闘争に全国から大挙参加した青年労働者が5月19日、辺野古海岸で新基地建設阻止を誓った)

 サミット粉砕に青年が決起

 今や世界金融大恐慌が本格的に爆発している。株価暴落は底なしの様相を呈している。帝国主義=G8は「29年大恐慌以来の深刻な危機」に顔面蒼白(そうはく)になっている。7月の洞爺湖サミットからわずか3カ月、帝国主義の首脳らがいくら話し合って対策を講じようが「資本主義の終わり」を止めることはできないことを露呈したのだ。
 が、これは事の一端でしかない。大恐慌情勢は必ずや荒々しい国際プロレタリアートによる国境を越えた階級闘争の爆発とゼネスト情勢、世界革命情勢を急速にたぐり寄せる。このダイナミックな革命情勢が今や沖縄情勢・辺野古情勢を完全に規定している。
 沖縄闘争を世界的な闘いの中で見たとき、今までのように一般的な「国際連帯」を確認するレベルでは足りない。世界中の労働者人民のスト・デモの嵐や食料暴動などが示す世界革命のうねりに沖縄プロレタリアートが合流する中でこそ、基地を撤去する闘い、新基地建設を阻止する闘いの勝利の展望も示されるのだ。
 6・29サミット粉砕闘争を沖縄の青年労働者たちは、労働者階級としての国際連帯をかけて闘った。これに対して体制内指導部は「辺野古闘争は辺野古新基地建設阻止だけをやっていればいい。他のことは関係ない」と言い放った。しかし、アジア・中東―全世界の労働者人民の怒りの標的である帝国主義首脳の会議を粉砕するために辺野古から青年たちが決起するのはあまりにも当然だ。
 「沖縄の米軍基地こそが、沖縄と日本(本土)の労働者階級を分断し続けきた存在だ。そしてこの沖縄の米軍基地が朝鮮へ、ベトナムへ、そしてイラクへと侵略戦争の出撃基地として機能してきたことが、アジア・中東の労働者階級人民と日本の労働者人民を分断し続けてきたのだ。『沖縄米軍基地撤去』――それは沖縄と日本(本土)の労働者階級の団結のスローガンであり、全世界の労働者階級、被抑圧人民の団結のスローガンである。そういう意味で『沖縄は日本革命と世界革命の火薬庫』なのである」(本紙2334号革共同沖縄県委論文)
 国際連帯の闘いに分断を持ち込む体制内指導部を打倒しよう!

 米軍再編=新沿岸案粉砕を

 辺野古闘争を考える上で大事なのは「新基地建設絶対反対」「普天間基地の無条件返還」を断固貫くことにある。しかしそれは一般的な言葉の上での確認だけではすまない。時はまさに革命情勢だ。だからこそ凶暴に執拗(しつよう)に辺野古闘争に襲いかかってくる日帝・国家権力の政治弾圧とどう向き合い対決するのかが、一人の例外もなく鋭く問われているのだ。国家権力の政治弾圧との対決から逃げたところでもはや「絶対反対」の立場は成立しない。
 日帝は04年4月から「ボーリング調査」と呼ぶ新基地建設に着手した。「米軍基地内であれば阻止行動はできない」という理由で米軍基地内の沿岸案という位置決定が行われた。しかしそれは、のべ約5万人にもおよぶ県内外の人民の座り込みと体を張った海上阻止行動によって完全に粉砕された。
 そこで日帝は、05年10月に日米合意した米軍再編=新沿岸案を新たに決定した。と同時に、旧辺野古沖合案頓挫を日帝・防衛省の側は「弾圧の不徹底」であったとゴリゴリと総括した。
 現に沖縄海上保安庁の人員・艦船の大幅増強に着手し、06年9月には基地建設のための遺跡発掘調査に機動隊を導入し、キャンプ・シュワブ基地ゲート前の座り込み抗議行動に対して見せしめ的な不当逮捕を強行した。そして昨年、自衛隊艦船を派遣して現況調査を強行した。これは「基地建設を妨害すれば自衛隊=軍隊を使って沖縄の闘いを鎮圧する」と宣言したことを意味する。米軍占領下の「銃剣とブルドーザー」をまざまざと思い起こさせる暴挙だ。
 以上見てきたように、米軍再編の貫徹と日米軍事同盟の存立をかけて、日帝は辺野古闘争を完全に超一級の治安問題として構えきって辺野古闘争に襲いかかっている。だからこそ、国家権力との徹底対決の思想が辺野古闘争にとって今、何よりも必要なのだ。
 特に安保・外交問題を国の専権事項だとする道州制攻撃は、沖縄に対する分断支配の強化であり、“新たな琉球処分”とも言える凶暴な攻撃だ。日米軍事同盟強化と道州制を推し進める麻生政権と、労働者人民の激突は不可避だ。

 体制内派の屈服と抑圧許さない

 しかし体制内派は「権力に盾突くと弾圧を招く」「警察の弾圧があると闘争は衰退する」と反弾圧の闘いを否定する。沖縄既成左翼は、辺野古闘争の本来の主体であるべき地元住民や沖縄労働者人民の闘いを体制内の枠内に強引に抑え込み、権力の弾圧に対する恐怖心だけをあおりたてて、選挙一般、「野党」議席の伸張のための活動に一切を絞り込んできた。これこそが辺野古闘争を担う人びと・地元住民団体から自己解放性を奪い、辺野古闘争の沈滞と参加減少を招いた最大の要因なのだ。
 問題は政治弾圧の激しさや「非暴力か否か」ではない。反対運動の指導部が国家権力と「折り合い」をつけ、頭を垂れるような屈服的対応に陥ったり、被弾圧者に「やりすぎ」とすべての責任を覆いかぶせるようなあり方こそが、闘う人民の中に闘争への失望とあきらめを生み出すのだ。
 政治弾圧は、国家権力の凶暴性とともに脆弱(ぜいじゃく)性をも突き出している。闘う側にとって決定的に飛躍するチャンスである。このことを体制内派は絶対に認めない。原則的に弾圧と闘えば、人民は被弾圧者の闘いを自らの闘いとして支持し、自らを獄中者の「分身」として飛躍させ、必ず反弾圧で自己解放的に決起する。それはこの間の法大弾圧粉砕の闘いが示している。

 戦争と民営化で沖縄は激変

 現在の沖縄は日帝の「戦争と民営化」攻撃によって激変しつつある。
 第一に、イラク侵略戦争下の在沖米軍による事件・事故・基地被害は、今年2月の米海兵隊員による女子中学生暴行事件が示すようにますます増加し、沖縄人民の怒りは我慢の限界に達しようとしている。また深夜・早朝にわたる普天間・嘉手納両基地の爆音は基地周辺住民の健康と生活を脅かし、04年の米軍ヘリ墜落のような危険を日々強制している。
 特徴的なのは、米軍再編に伴って在沖米軍は「良き隣人」の皮を脱ぎ捨て、「米軍は沖縄ではやりたい放題演習をやるし、規制もされない。抗議も受け付けない」という立場を露骨にとっていることだ。「基地のない平和な沖縄」を本気で実現するためには、昨年の12万人県民大会を実現させた沖縄労働者階級の力を解き放ち、「労働者が主人公の沖縄」、沖縄ソビエトを実現する階級的労働運動を発展させることが急務になっている。
 第二に、新自由主義・民営化攻撃の波が沖縄の政治・経済を確実にのみ込みつつある。沖縄の労働者の中に一定流布されていた「基地容認の代償に金と仕事が国から保障され、沖縄は生きていける」などという幻想は吹き飛びつつあるのだ。
 実際、沖縄県の07年度における完全失業率は8・7%。うち15歳〜24歳のそれは18・4%にも上昇している。また高校卒業後の進路が決定しない若者は全国平均が14・5%に対して沖縄では25・4%の高さだ。また日帝の「構造改革」路線は公共事業を激減させ、沖縄の建設業を直撃し、倒産も相次いでいる。
 実際、経済振興策によって利権をせしめているのは、一部建設会社やそれと連なる行政幹部など、ほんの一握りの「基地マフィア」とマスコミで評されている勢力であり、その利益を代表するのが仲井真知事や島袋名護市長なのだ。

 階級的労働運動でマル青建設を

 沖縄の地においても今、階級的労働運動の発展が超一級の課題となっている。それはなぜなのか? 沖縄労働者階級人民の反基地闘争=「島ぐるみ」闘争を破壊・分断してきたものこそ「沖縄振興策」だ。 そしてこの日帝の沖縄支配の要である沖縄振興策を根底から粉砕する唯一の路線こそが「階級的団結」論だからだ。
 沖縄で職場における無権利状態をひっくり返すような闘い、労働者階級としての団結をつくり出す闘いこそが、基地撤去の闘いでも決定的となる情勢に入ったのだ。職場において労働者階級としての団結の力を青年労働者が自覚した時、「基地=振興策に頼らなくても沖縄は生きていける」「職場の主人公は労働者だ。沖縄の未来は沖縄の労働者階級が決める」という自信に満ちた階級意識をつくり出すことができる。それは絶対反対論と階級的団結論を貫く階級的労働運動の実践の中にこそある。職場や地域で本当の団結をつくり出した青年労働者たちは、基地撤去闘争・辺野古闘争のたくましい担い手としてぶっ立つに違いない。
 企業側、雇い主側からの「基地建設に賛成しなければ会社をやめろ」式の基地容認の強制や、地域ボスたちからの「仕事が欲しかったら基地に反対するな」という恫喝に、今までどれだけの沖縄の青年労働者が「基地反対」の本心を伏せて「基地の島・沖縄」の苦渋をなめてきたのか。沖縄の地において職場や地域で資本や地域反動を階級的団結の力でぶっとばす時だ。基地撤去・辺野古闘争爆発のためにも今こそ階級的労働運動で突き進もう! 沖縄でマル青労同・マル学同を強大に建設しよう! 

 党派闘争貫き階級指導部へ

 辺野古闘争の勝利は、沖縄の労働者階級の団結の中にある。沖縄の労働者階級が主導性を発揮して生き生きと闘いを担った時、それはどこまでも大衆的であるし、「超党派」「島ぐるみ」も本格的に実現できるのだ。労働者階級の闘いと切り離された「反基地闘争」など存在しない。それは97年の名護市民投票以来、辺野古闘争も例外ではない。自治労・教労など4大産別を始め多くの労働者が年休・有休を取って辺野古の浜に駆けつけ座り込んだ。この沖縄の労働者階級の闘いに日帝は震え上がったのだ。今、革命的共産主義運動が沖縄労働運動内の体制内勢力との激しい党派闘争にうちかち、あるゆる職場生産点で沖縄労働者階級の指導部として登場することが待ったなしに求められている。
 「国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回」の旗を守り、「4者・4団体」の屈服・和解路線と徹底対決して激しい党派闘争を貫く動労千葉の闘いこそが、現在の辺野古闘争の指針だ。われわれは沖縄からあるゆる体制内派をぶっとばし、11・2全国労働者集会への1万人決起をつくり出す闘いに突き進む。全国の労働者は職場で、学生はキャンパスでともに辺野古闘争を闘おう!

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週刊『前進』(2364号5面1)(2008/10/20 )

 マルクス主義解体の転向スパイ集団

 アナクロ化した小ブル革命主義とズブズブの市民主義の雑炊物

 塩川一派粉砕し11・2総結集へ

 動労千葉労働運動への敵対

 革共同から脱落・逃亡した塩川一派の腐敗は、党の中枢的・非公然的な「組織情報」を、塩川的なデマゴギーに基づいて権力に公然と売り渡して恥じないという決定的な新段階に入った。かつて類例のない転向スパイ集団への転落である。不当逮捕攻撃に対して完黙・非転向を貫く立場を否定・解体したことが、ついにここまで行き着いたのだ。
 このことは、塩川らと今も行動を共にしている人や塩川一派に追随している人たちにも、その政治的立場を真っ向から厳しく問うものである。この最悪の転向スパイ分子に転落した塩川らを今後も支持し、どこまでも彼らについて行くのかと!?
 それと同時に、塩川らの思想的路線的な本質こそは、プロレタリア自己解放の思想・理論としてのマルクス主義の否定・解体であり、プロレタリア革命への敵対である。その現実的な最大の表現が、階級的労働運動路線と7月テーゼに対する反対であり、そして実践的には動労千葉労働運動と11月労働者集会への憎悪と敵対だ。この意味では塩川一派は、プロレタリア革命に対する背教者であり、現代のカウツキー主義そのものだ。
 さらにマルクス主義と階級的労働運動路線への敵対は、今やアナクロニズムそのものと言える塩川一派の小ブル革命主義を全面開花させている。しかもそれが現実の運動ではズブズブの市民主義、体制内労働運動への埋没として現れる。解雇撤回を投げ捨てた4者・4団体路線への支持が、今日的なその象徴だ。塩川一派とは小ブル革命主義と市民運動主義の奇妙な雑炊物である。
 われわれは、このような塩川一派が革共同への敵意と破壊の意図をむき出しにして、動労千葉労働運動と11月労働者集会に敵対することを、これ以上、絶対に許さない。
 プロレタリア世界革命に向けて積極的主体的に開始された〈党の革命〉を貫徹し、革命的な労働者階級の党として革共同自身が生まれ変わるためにも、また当面する11・2労働者集会の1万人結集を実現するためにも、塩川一派との闘いは極めて重要であり、価値創造的な意義を持っている。
 時あたかも、29年大恐慌をもはるかに超える世界金融大恐慌が爆発している。最末期帝国主義の新自由主義とグローバリズムは見るも無残に破産し、資本主義・帝国主義はガラガラと崩れ落ちている。全世界で革命情勢が成熟している。今こそ労働者階級の団結と決起で資本主義を転覆し、労働者階級が社会の主人公となる時代が到来した。
 11・2労働者集会こそ世界金融大恐慌を迎え撃ち、戦争・改憲と労働者への階級戦争を狙う麻生政権を打倒し、プロレタリア世界革命を切り開く決定的な闘いだ。塩川一派や4者・4団体などの敵対を打ち砕き、11・2日比谷野音への1万人結集をかちとるためにあらゆる闘いをやり抜こう。

 91年「5月テーゼ」をも否定

 塩川一派は、6〜7月サミット決戦において、仮にも「政治党派」を名乗る集団としては見るも哀れな姿をさらした。北海道現地まで足を運んだものの、「統一戦線」と称して、ただ他人が企画した体制内的な行動の尻尾に、数人でくっついて歩いただけだった。
 逆に彼らは、動労千葉の呼びかけのもとに実現された6・29渋谷での青年労働者を先頭とする階級的戦闘的な実力デモの爆発と、北海道現地での闘いの高揚に圧倒され、完全に打ちのめされた。それゆえに塩川一派は、サミットに集まった帝国主義首脳らと同様、世界金融大恐慌の爆発と未曽有の革命的激動期の到来におびえ、労働者の団結と実力デモへの敵意を募らせたのだ。
 そしてこれを契機に、革共同と動労千葉を先頭とした階級的労働運動への塩川一派の新たな敵対が始まり、転向スパイ集団へと決定的に転落した。7月末の関西での彼らの「政治集会」 とそれに併せて発行された『展望2号』、および『雲と火の柱―地下生活者の手記』こそ、その反革命的な転換点だ。
 とりわけ『展望2号』の「飛田一二三」署名の塩川的デマで塗り固められた雑文こそは、「総括」や「路線論争」に名を借りて権力に革共同の組織暴露を行う、天人ともに許さざる最悪のスパイ行為だ。
 そこには革命運動や階級闘争を闘う者としての最低限の倫理も原則もない。ただただ革共同破壊の転向スパイ分子に転落した、塩川のどす黒い反革命的な姿があるだけだ。
 塩川的デマゴギーで革共同の歴史をねつ造し、革共同憎しの一点からついにここまで行き着いた塩川と塩川一派の策動を、怒りをこめて絶対に粉砕しよう。

 “対カクマルの軍事総蜂起を”

 塩川らは「革共同党史の深化」と称して、歴史のねつ造と党的敵対を全面化している。彼らは、革共同の91年五月テーゼを否定して、次のように言う。(以下の引用はすべて『展望2号』掲載の「飛田論文」と、その政治的部分をテーゼ的に整理した「7・27政治集会へ結集せよ」から)
 「革共同中央は……新自由主義とソ連スターリン主義崩壊後の現代世界に対する革命的時代認識を91年の5月テーゼ以降も形成確立することができず、時代と情勢に戦闘的革命的に対応しえなかった」「5月テーゼによる路線転換が根本的に問題性をはらんでいた」
 「(80年代に)革共同中央は、国鉄分割・民営化の階級的攻撃を、開始された新自由主義との最先端の階級的攻防としてとらえることができなかった」「根本的には、サッチャー・レーガン・中曽根の世界史的な大反動との階級決戦という認識を確立できなかった」「(したがって)80年代日本階級闘争は敗北した」「(だが)その総括がない」。
 ではこれに対して、塩川らはそもそも革共同はあの段階で(80年代後半)どうするべきだったと言っているのか。
 「『国鉄分割・民営化絶対阻止、日本帝国主義打倒』をかかげて、黒田・松崎=動労カクマル打倒をめざす全党・全軍・全人民のすべてをかけた総蜂起を組織すること……」「国鉄分割・民営化決戦は、70年代の二重対峙・対カクマル戦を全人民的な反ファッショ解放戦争として発展させていく、革共同の先制的内戦戦略の真価を発揮するチャンスであった。全産別、戦線、地域から巨万の決起を実現するため、そしてこの決戦の只中で反革命カクマルを完全打倒するために、全党・全軍が総蜂起するときだった」
 なんのことはない。「巨万の決起」などと言っているが、要するにJR総連カクマルに対し、革命軍を先頭とした軍事的総蜂起戦をやればよかったと言っているだけなのだ。
 しかも彼らのこんな言辞は、なんら責任ある真剣なものではない。そもそもマルクス主義的、プロレタリア革命的な観点がかけらもなく、80年代の世界史的な階級的現実もない。何よりも労働者階級の現実と闘い、動労千葉のスト決起のもつ歴史的意義がまったくない。いや労働運動を無視・抹殺している。
 これはただ口から出まかせの、アナクロ的でインチキな小ブル革命主義の極致だ。
 真に情勢に対応しぬくための、党と動労千葉を先頭とする労働者階級の血の出るような80年代の真剣な闘いと実践、その総括の中から、5月テーゼは生まれてきた。それを豊かに主体的に総括せずに、今になって「対カクマルの軍事的蜂起をやるべきだった」などと、空論的言辞を対置し意気がっているのは、彼らが反マルクス主義であり、労働者階級と労働運動の実践的立場を完全に投げ捨て、アナクロ化した小ブル革命主義にひたりきり、階級闘争から召還していることの証明だ。
 彼らの言辞が、空疎で観念的なものでしかない一番の証拠は、彼らの動労千葉に対する次のような言及に示されている。
 「国鉄分割・民営化と総評解散・連合結成についての深刻な総括をすりぬけて、動労千葉が生き残った……ことをもって、『国鉄分割・民営化攻撃に勝利した。よって80年代に勝利した』などとする安田派の総括は、根本的に間違っている」
 80年代の新自由主義攻撃、国鉄分割・民営化との闘いの世界史的意義などと言いながら、その実、動労千葉の決定的な存在と闘いをまったく否定・抹殺し、階級的労働運動路線を動労千葉による革共同の簒奪(さんだつ)だなどと悪罵するのが塩川一派なのだ。
 しかし動労千葉の2波のスト決起を先端とする国鉄分割・民営化との闘いこそ、JR総連カクマルとの死闘として、二重対峙・対カクマル戦の決定的な環として闘われたのだ。動労千葉は労働組合として、国労・総評指導部の総屈服をのりこえ、唯一、分割・民営化と原則的階級的に闘いぬくことで、対カクマル戦をもものすごいレベルでやり抜いた。だからこそ革共同は5月テーゼを打ち出せ、階級的労働運動路線も確立できたのだ。
 ここを主体的に総括できない塩川一派は、階級的労働運動路線とマルクス主義=プロレタリア革命の立場に反対して革共同から逃亡し、転向スパイ集団に転落したのだ。

 労働者階級への不信と絶望

 06年3・14の〈党の革命〉とは何だったのか。その本質はどこにあるのか。ついに全世界で成熟してきた革命情勢に対して、労働者階級の歴史的な決起、階級的労働運動の全面的発展をもって革命的に立ち向かおう、それを可能とする党を作り出そうということだったのではないのか。しかし、この闘いから逃亡した揚げ句に、革共同破壊の反党集団、転向脱落集団に成り果てたのが塩川一派だ。
 彼らには、〈労働者階級の革命的本質、革命的能力、その偉大な自己解放闘争の力への確信〉が致命的に欠落している。塩川一派は労働者階級への不信と絶望を基礎とした、本質的に無力な反革命的集団である。
 彼らは革共同の歴史と闘いの中から何とか自分らの武器となるものを探しだそうとしているが、革共同は塩川らが勝手に思い込んでいるような党ではない。革共同は、創成以来、三全総以来、また70年安保・沖縄決戦から先制的内戦戦略のフェーズT・フェーズUをとおして、基本的に労働者階級自己解放の原理を核心に据えて闘ってきた党だ。まさに塩川らに欠けているのは、〈プロレタリア革命とは労働者階級自身の自己解放闘争の荒々しい爆発だ〉という思想である。
(1)塩川一派は、動労千葉労働運動の世界革命をめざす階級的労働運動としての階級的=革命的本質を、まったくつかむことができない。動労千葉労働運動こそは、ついにかちとられた、マルクス主義を貫く階級的労働運動の具体的創造形態なのだ。それこそ〈賃労働と資本の非和解性〉を踏まえ、経済闘争を断固として闘うと同時に、マルクスの言う賃金鉄鎖の打破(=プロレタリア革命)に向かって階級的団結を打ち固めて闘いぬく労働運動としてあるのだ。つまりそれは職場・生産点の激闘から労働者階級自身が革命への道を切り開く闘いである。
 さらに、階級的労働運動として、職場・生産点に根づいた革命的共産主義運動の現実的形態としても自己を実現していく運動である。その組織的結実こそが、労働組合における階級的団結の強化と拡大であり、労働者細胞の形成・強化なのである。だからこそ、職場・生産点に根付きつつ、まさに労働者階級によって担われる政治闘争が、そこから同時に形成され発展していくのである。
 塩川一派は、このような動労千葉労働運動の階級的普遍性をとらえることができず、「闘う労働組合の一つにすぎない」などと言ってその革命性を否定しているのだ。
(2)また塩川一派は、党を労働者の党・労働者自己解放の党として作ることを否定する。つまり労働者的実体に圧倒的基盤をおいて党は前進していくのだという、マルクス主義の根幹が欠如している。そのため今や何と5月テーゼをも全面否定するにいたった。
 5月テーゼを打ち出した90年代冒頭は、フェーズT・フェーズUの勝利を踏まえ、労働戦線での革共同の党勢の現実を直視し、まさに労働者階級の職場・ 生産点での階級的組織化に全力をあげるべき時だった。それをさらに対カクマル総蜂起戦をやるべきだったなどと言うのは、革命を労働者階級の行為として考えない小ブル革命主義そのものだ。
(3)現実には彼らは、アナクロ化した小ブル革命主義と一体で、また動労千葉やマル青労同の闘い、その革命的スローガンに反発して、体制内労働運動の内部で体制内指導部の影に隠れてチョロチョロするエセ労働運動路線を打ち出している。だが今日、体制内ダラ幹支配との真っ向からの激突と分岐をつくり出すことなしに、労働組合の闘う再生や階級的団結の形成などありえない。
(4)塩川一派のあり方、政治的もくろみは、6・29サミット決戦の爆発を頂点とする08年の革共同の闘いによって完全に粉砕された。その迫力に打ちのめされた彼らは『革共同通信』などでも、これらの闘いに何も言及できない。それでいて「怒れる青年労働者が革命を求めることやストレートに革命をスローガンとして打ち出すことを、我々は支持する」などと言っている。しかし自分たちは「ストレートに革命を打ち出す」つもりなどまったくない。まったくマンガだ。
(5)さらに、〈7月テーゼ〉に基づく諸戦線での新たな闘争は、塩川一派との党派闘争としても著しく前進している。
 労働者階級の解放はまさに特殊階級的解放でありながら、同時にそれは普遍的解放にほかならない。だからこそプロレタリア革命による階級の廃絶をとおして、資本主義・帝国主義の一切の社会的差別・抑圧を廃絶していくことができるのだ。だからこそ労働者階級は、その自己解放の普遍性の内部に、諸差別からの解放を主体的に位置づけ、切り開いていくことができる。また被差別・被抑圧人民は労働者階級の決起と結合し一体化することによって、自己の解放の展望を開くのだ。
 ここに階級的労働運動路線における諸戦線の解放闘争の勝利の道がある。しかし塩川一派は、ここでも反マルクス主義を振り回して、路線的破産をさらけ出している。

 革命的情勢の到来への恐怖

 最後に。塩川一派には現在の情勢に立ち向かう革命的情勢論も、世界金融大恐慌論も存在しない。革共同に対し「恐慌待望論」などと言って批判しているつもりになっているが、笑止千万だ。まさに彼らには、今現に音を立てて進行している世界金融大恐慌と、そこから生み出されている革命情勢への恐怖、革命の現実性への恐怖と敵対しかないのだ。
 結局、塩川一派は、現代の背教者カウツキーとしてプロレタリア革命に背を向け、革命に敵対する集団だ。恥ずべき転向スパイ集団に転落した塩川一派を怒りを込めて粉砕し、完全打倒しよう! 塩川一派や4者・4団体の敵対を打ち砕き、11・2労働者集会の1万人大結集をかちとり、プロレタリア世界革命勝利への血路を切り開こう!

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週刊『前進』(2364号5面2)(2008/10/20 )

 法大弾圧裁判

 革命精神あふれた法廷

 法大5・29弾圧第2G初公判 “労働者階級は勝利する”

 

 10月16日、法大5・29デモ弾圧裁判(第2グループ)の第1回公判が東京地裁刑事第16部で開始された。被告団長の田中藤男君、坂野陽平君、松室しをりさん、中村真之君、金子悠太君、本山隆介君、仲井祐二君が登場した。傍聴には50名がかけつけ、法廷に入りきれない。翌日に控えた10・17法大集会と一体で闘いとっているという気迫が7人全員にみなぎっている。
  冒頭、田中君が大きくよく通る声で意見陳述に立った。「私が法大で感じた怒り、培った革命への情熱と執念こそ、革命への動力だと確信する。『一人の仲間も見捨てない』という団結にかけた法大決戦は、労働者階級の中から生み出された最高の学生運動だ」「他方、資本主義は、経済的破綻と政治的無展望の危機だ。資本家階級の没落と労働者階級の勝利はいずれも不可避である」 
  坂野君は、「『建造物侵入』を問題にしながら、洞爺湖サミットに集まった帝国主義強盗どもの侵略戦争を問題にしない裁判所の愚劣さだ」「その大学の学生か否か、学費を払っているか否かなどの基準で『真理の学問』を得られるかどうかが決まるとでもいうのか。われわれが裁かれる理由など微塵(みじん)もない」と明快な批判を展開した。
  松室さんは、深い怒りと闘いにかけた揺るぎない意志を表明した。「われわれは人間として正当な怒りを押し殺したり、ゆがめたりすることに慣らされすぎてきた。自身、この社会に何の希望もないと絶望していた。しかし、『隣の学生は団結する仲間だ』と言い切ってきた法大闘争とその仲間には、人間の生き方を変えるほどの吸引力がある。ものすごい展望がある。われわれは必ず勝利する」
  中村君は「5・29デモや文化連盟の精神と、国鉄1047名闘争から解雇撤回を降ろした4者・4団体路線とその指導部とは相容れない」と切り出した。「1047名闘争こそ、2000万青年労働者の団結の星となるべきだ。動労千葉は、解雇者こそ組合の宝だとして闘ってきた。11・2集会の1万結集実現にこそ未来はある」と闘いの路線を鮮明にした。
  金子君が腹の底から発した怒りは、法廷を制圧した。「5月29日に起こったことは、私たちの正当なデモに対して法大当局と国家権力が総力を挙げて、正門前広場を完全封鎖し、何百人もの公安刑事が鈴なりで弾圧を狙っていたのだ」「私には、一歩も引かずこの弾圧体制と闘いぬいた仲間への確信しかない。この仲間とともに、『監獄大学』=法大当局にとどめを刺す闘いをこの法廷で貫徹する決意だ」
  本山君は、法大闘争にかける自分の気持ちを鮮明に語った。「世界各地で労働者が立ち上がっている。この時代に、闘いの圧殺の先頭に立っている法大当局は、いかに人間的不正義に満ち、許し難いことか!」「被処分者や文化連盟と共に闘い、勝利したいという気持ちを抑えることなどできない。法大闘争は全国学生の展望である」
  最後は、仲井君だ。「5・29弾圧が『学生の安全確保』という法大当局を許さない。学生を暴力支配し、飼い慣らすことが『安全』『秩序』なのか。これを粉砕した5・29闘争とその後の闘いの広がりを経て、抑えきれない実感をもって自分たちの闘いは全世界の労働者階級と一体であると確信した。私たちの闘いは1つの組織、1つの階級として必ず結合、団結する。世界革命の爆発は待ったなしである。10・17法大集会、11・2労働者総決起集会1万結集の最先頭で闘う」
  公判の最後、冒頭陳述を行った検察官が、弁護人の求釈明に「とりあえずこの方針で立証する」と答えた。すかさず中村君が「とりあえずで、4カ月半も獄中に入れておくのか、ふざけるな」と抗議。裁判長は許し難いことに退廷命令を行い、被告人と弁護団と傍聴席が一体で抗議した。
  法廷から革命精神が力強くあふれ出している。傍聴闘争に決起しよう。
(写真 全国から多くの学生が結集し、「仲間を奪還するぞ!」【10月16日 東京地裁】)

 

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 法大裁判に集まろう!

★10月22日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
  第3回公判 午後1時15分開廷
★10月23日(木)7・24法大弾圧裁判
  第2回公判 午後1時半開廷
★10月24日(金)5・28「暴行」デッチあげ裁判
  第4回公判 午後1時半開廷
★10月29日(水)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
  第2回公判 午後1時15分開廷
★11月5日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
  第4回公判 午後1時15分開廷
★富山大ビラまき弾圧裁判(富山地裁)
  第3回公判 11月11日(火)午前10時開廷

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共産主義者No.158