ZENSHIN 2008/10/06(No2362 p08)

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週刊『前進』(2362号1面1)(2008/10/06 )

 11・2日比谷野音に大結集を

 世界金融大恐慌爆発を迎え撃ち「生きさせろ」大幅賃上げストへ

 国鉄1047名解雇撤回かちとれ

集会後のデモで賃上げゼネストを呼びかけ。沿道からも合流した

 世界は革命情勢だ。世界金融大恐慌が日々、本格的に爆発し激化している。資本主義社会の終わりが始まった。労働者は低賃金でこき使われ、働いても食っていけない。会社の都合で簡単に首を切られ、働きたくても仕事を奪われる。わずかばかりの年金から保険料を天引きされ、高齢者も生きていけない。石油の高騰や農業切り捨て政策で、農民や漁民も生きていくことができない。一体どこまで耐えろと言うのか! もう我慢の限界だ。それでも結局やっていけないなら、資本家はもうやめろ! 労働者がお前たちに代わってやってやる。資本主義の生産を握っているのは労働者だ。労働運動の力で革命をやろう! 11・2労働者集会に大結集しよう。
(写真 「路線で勝負」と11・2大結集への熱気があふれた東京集会【文京区民センター】)

 「ウォール街と戦争に金使うな」

 「米経済は危機的な局面にある」「いまは緊急事態であり、何もしなければ状況は日々悪化する」――あのブッシュが真っ青になってアメリカ帝国主義崩壊の危機を叫んでいる。米下院は9月29日、公的資金で金融機関から不良債権を買い取る金融安定化法案を否決した。ニューヨーク株式市場は777j安の史上最大の下げ幅を記録し、30日の東京株式市場は一時580円超も急落した。ヨーロッパでも銀行の破綻と国有化の動きが止まらない。
 世界各国の首脳が、アメリカは責任を自覚し、金融安定化法案の成立を急ぐべきだと迫っている。冗談ではない! どうして7000億j=約75兆円(日本の国家予算に匹敵する!)もの公的資金を資本家救済に投入しなければならないのか! この間、アメリカの低所得層の労働者は詐欺同然でサブプライムローンを組ませられ、ほとんどが途中で返済できず、家からたたき出されてきた。公的医療が削られ、無保険者は4700万人にも上る。貧しい患者は医療費が払えず、病院から連れ出されて路上に捨てられている。その生き血を吸って、資本家は莫大な利益を得てきた。ゴールドマン・サックスの最高経営責任者の昨年のボーナスは、77億円だというではないか!
 ふざけるな! ブッシュや資本家どもには怒り以外にない。「救済ではなく、やつらを監獄にぶち込め」「ウォール街と戦争にこれ以上金をつぎ込むな!」――アメリカの労働者はこう叫んで全米デモに立ち上がっている!
 私たちの怒りも同じだ。小泉改革を引き継ぐ麻生政権、御手洗経団連も同罪ではないか。最低賃金600円台、年収200万円にも届かない「ワーキングプア」を激増させてきたのは一体誰だ! 青年労働者の2人に1人が非正規職という状態で、いくら働いても貧困から抜け出せない。労働者から誇りを奪い、ブッシュを支え、金融大恐慌をつくりだすことに加担してきたのは日本の支配階級ではないか!
 資本主義社会はもう終わりだ。「競争原理こそ万能」の掛け声のもと、民営化、規制緩和、労働組合破壊を強行し、社会保障制度を解体し、戦争をやり、支配階級はかろうじて生き延びることができた。しかし、「競争原理」を徹底的に推し進めた結果、破綻したのは支配階級の方だ。大資本・大銀行救済の公的資金投入は、新自由主義の破綻を自ら認めるものでしかない。
 たとえ金融安定化法案が可決・成立し、75兆円が投入されたとしても、危機は深まるだけだ。アメリカには巨大な財政赤字がある。住宅価格の下落はこれから進行し、住宅ローンの不良債権はもっとふくらむ。さらに「住宅の価格は上がり続ける」という神話のもと、バブルの資産効果をもって消費を拡大し、投資を拡大し、生産を拡大してきた結果、各種ローンなど社会全体の不良債権化が進んでいる。公的資金の際限ない投入は、国家財政の破綻とドル崩壊につながるのだ。しかも労働者階級にはさらなるリストラ、低賃金、労働強化、世界戦争の攻撃が強まる。資本主義は、社会のより大きな破綻を準備する以外になくなったのだ!
いよいよ労働者が権力をとる時が来たのである。

 3本のスローガンで

 この情勢の中で、11・2労働者集会が掲げている「『生きさせろ!』大幅賃上げ/非正規職撤廃/怒りのストライキを」「国鉄1047名解雇撤回!」「万国の労働者団結せよ」の3本のスローガンの実践こそ、青年労働者の未来をかちとる路線であり方針だ。何より、この腐りきった資本主義社会の現状を、世界の労働者のストライキと団結でひっくり返そう。
 金融大恐慌の中でインフレが進行していることにもう我慢がならない。資本家連中は、リストラを強行し、正規を非正規にし、低賃金、労働強化で得た利益を、石油や穀物の投機に費やしてきた。今後09年春に向かって、ガソリン、小麦など生活必需品の価格は高騰し、労働者の賃下げ、首切りはより一層激しく進行する。「生きていけるだけの賃金よこせ! ゼネストをやろう」――この要求は、搾取され、奪われ続けてきたものを資本家から奪い返す、根底的で革命的な闘いだ。
 「会社が発展すれば給料は上がる」というのも大ウソだ。大企業は過去最高の利益を更新してきたのに労働者の賃金は下がり続けている。「これ以上賃金を上げたら会社がつぶれる」という資本の論理とも徹底的に闘おう。資本がなければ賃労働は成り立たない。しかし、資本の側も労働者の労働があって初めて利潤を得ることができる。だから「労働者を食わせていけない資本家はもう辞めろ」というストライキ決起と一体で闘うのだ。プロレタリア革命は、資本主義が生み出した膨大な生産力に依拠して闘う闘いだ。その生産を握っているのは労働者階級だ。職場と地域と国境を越えて、ゼネストで団結し、労働者が資本家に代わって社会を動かしてやろうではないか。
 そして、この世の中から非正規雇用を撤廃させよう。派遣やパートの労働者は職場では一層、モノのように扱われている。しかし、いまや非正規雇用労働者がいなければ、トヨタだってキヤノンだって、何ひとつ生産もできない。現場を動かしているのは労働者だからだ。ストライキは実際には誰でもできる闘いだ。動労千葉の田中委員長は「『この日は休みをとってみんな国会に集まろう』という日を設定し、全国に大号令をかけたい。その日をこれから組織すべきゼネストの出発点にしたい。そういう闘いを11月から始めたい」と訴えている。これにこたえて一斉に休暇を取ろう。使い捨てにされるぐらいなら、やつらに一泡ふかせてやろう。労働者がいなければ資本家は成り立たない。これが敵の最弱点だ!

 民営化絶対反対こそが団結の道

 そして、「国鉄1047名解雇撤回」をスローガンの軸に掲げる11月集会こそ、新自由主義攻撃をうち砕き、勝利できる闘いだ。2000万青年労働者の現在の状況をつくり出したものこそ、国鉄分割・民営化以降の民営化、規制緩和、労働組合つぶしという新自由主義攻撃であった。今こそ、1047名闘争が、2000万青年労働者の怒りと結合し、決定的に威力を発揮する時がきたのだ。
 国鉄分割・民営化と闘って勝利してきた動労千葉が呼びかけるゼネストだからこそ展望がある。第2の分割・民営化攻撃にさらされているJRの平成採の労働者。200万人首切りの対象になっている自治体青年労働者。そして教育青年労働者には、管理職にならなければ一生賃金が上がらない、主任以外はみんな非正規にするという攻撃が始まっている。当局に逆らえば免許更新制度、分限免職制度で首切りの対象にされる。日々進行している民営化・規制緩和の中で、賃下げ、首切りの現実と闘うJR、自治体、教育現場などで働く青年労働者こそ、「賃上げゼネスト」の最先頭で闘い、自己解放を闘い取るべき決定的存在なのだ。
 これに対し、国鉄1047名の解雇撤回を投げ捨て、民営化に屈服し、JR資本や政府に和解を求める4者・4団体とその路線は、国労の解体と連合化に行きつく路線だ。彼らは自分の職場や組合でも、「情勢が厳しいからストなんかやったら会社に処分される」「会社を発展させるために労働者はもっと働こう」と、闘いを抑えつけている。「労働者に社会を変える力はない」とさげすんでいる。現場労働者の団結した力を何も信じないのだ。4者・4団体路線と徹底対決し闘おう。
 民営化攻撃は闘ってこそ粉砕できる。国家財政の破綻、帝国主義の危機が根底にあるからだ。分割・民営化の核心は、首切りの恫喝(どうかつ)で労働者を分断し、職場の団結を破壊して、闘いを解体することにある。職場で絶対反対で団結すれば勝てるのだ。
 動労千葉の職場闘争とその団結は、日々民営化を打ち破っている。ここに解雇撤回の展望もあるのだ。動労千葉は、分割・民営化以来の21年間、「JR体制の矛盾をついて闘おう」と構え闘ってきた。矛盾とは徹底した合理化による要員不足の問題であり、安全問題であり、JR東労組の裏切りによってのみ分割・民営化を強行できたという矛盾である。動労千葉の民営化絶対反対の闘いは、要員問題、安全問題という民営化の破綻をついて闘い、JR総連の裏切りを暴き出し、平成採の青年労働者を動労千葉に獲得する闘いとして現に前進しているのだ。
 労働者の団結を破壊し、人間性のすべてを奪う民営化と、労働者は絶対非和解だ。そこに労働者の怒りは必ず生まれる。だから、動労千葉のように民営化絶対反対で資本と体制内指導部と闘う青年労働者が一人でもいれば、民営化攻撃は足元から崩壊していくのだ。民営化に賛成する腐った幹部を打倒し組合からたたき出し、闘う労働組合につくりかえよう!
 残り1カ月間、職場で、街頭で、キャンパスで、労働者階級の怒りを11・2日比谷野音に向け全力で組織しよう。プロレタリア世界革命の成否をかけ、1万人結集を絶対に実現しよう!

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週刊『前進』(2362号1面2)(2008/10/06 )

 ワーカーズアクション 全国17都市で一斉行動

 東京集会650人 “職場闘争で団結を”

 9月27〜28日、東京・大阪を始め全国17都市でワーカーズアクション(WA)が一斉に闘われた。世界金融大恐慌、日帝の絶望的危機の中で発足した麻生反動政権と対決して、集会、デモ、街頭宣伝などが闘いぬかれた。(2面に各地の記事と写真)
 東京では27日夜、650人の労働者・学生が文京区民センターでの集会の後、神田・錦華公園までデモした。
 WA9・27で首都圏の闘う労働者・学生は、麻生打倒の闘いを開始すると同時に、大幅賃上げゼネストを宣言し、国鉄1047名解雇撤回を貫き、労働者国際連帯を発展させる11・2労働者集会1万人結集への1カ月決戦に踏み出した。
 集会の最初に動労千葉の川崎昌浩執行委員が発言に立った。「金融大恐慌で瀕死(ひんし)の状態にある資本主義・帝国主義、ぐらぐらの麻生内閣を労働者の闘いで打倒しよう」と革命の必要性を明らかにした。
 さらに川崎さんは、「加藤晋介弁護士は『しょせん鉄建公団訴訟は負け戦』『解雇撤回を掲げ、和解を拒否して突っ込むアホ(ママ)がいるか』と言った。資本の側に寝返り国鉄1047名闘争を裏切る4者・4団体の屈服路線は許せない。原則を貫き、動労千葉のように闘えば、展望を切り開くことができる。国鉄闘争を中心に日本の労働運動を前進させるため、11・2労働者集会に1万人を集めよう」と訴えた。
 次に国労秋田闘争団の小玉忠憲さんが「秋田闘争団を守る会で4者・4団体路線に反対する決議をかちとった」と報告、「最高の闘いのチャンスだ。私は今、楽しくてしょうがない。4者・4団体路線を徹底批判し、すべての労働者に10・24か11・2か選択を問おう」と確信に満ちて語った。
 基調報告を行ったのは全逓の青年労働者。「資本主義にとどめを刺す存在が私たち労働者だ。世界中で資本と御用組合幹部を打倒してデモとストが闘われている。世界の労働者とつながりゼネストをやろう」と訴え、「今『おれたちに権力をよこせ』と立ち上がったら勝てる情勢だ。それを抑え込んでいる体制内労働運動指導部を打倒しよう。民営化攻撃には絶対反対を貫いて闘う以外に展望はない。仲間の決起を信じ、大路線論争をやろう」と強調した。さらに「4者・4団体路線と10・24集会には絶望しかない。動労千葉と1047名闘争の存在は国鉄分割・民営化を破産させ、勝利の展望を与えている。国鉄闘争は産別を超えた闘い。青年労働者の未来のかかった11・2集会に1万人を集めよう。きょうのデモで麻生内閣打倒の先陣を切ろう!」と力強くアピールした。参加者は圧倒的な拍手でこたえた。
 全学連の織田陽介委員長が「小泉がやめた。私たちの怒りが敵を追いつめて次々ぶっ倒している。路線を貫いて闘えば新自由主義に勝てる」と高らかに宣言した。続いて学生、現場労働者が次々と発言したなかで、医労連傘下の労働者が鮮烈な提起を行った。「組合執行部の日本共産党系役員が合理化を経営と一体で推進していた。彼らのやろうとしていることは、医労連のやり方そのものだ。けっして許されない。日本医労連−東京医労連に宣戦布告する。医療・福祉産別は日共と激しく党派闘争をやる。革命をめざすわれわれの団結こそ、医労連傘下の十数万の労働者を決起させられる。全産別でそういう闘いを大胆にやり、党派闘争で鍛え上げた青年労働者、活動家1万人を11・2集会に登場させよう」
 全体が熱く燃え立った。デモは、機動隊の大型バスのバリケードと機動隊・私服の弾圧態勢を圧倒した。
(写真 大阪の9・28WA。「食える賃金よこせ!」「橋下たおせ」とデモ)

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週刊『前進』(2362号3面1)(2008/10/06 )

 結成30年、新たな飛躍へ

 動労千葉定期大会 1047名闘争再構築を

 11月と組織拡大へ方針確立

 動労千葉は第37回定期大会を9月28〜29日、DC会館で開いた。08春闘とライフサイクル粉砕・組織拡大の闘い、11月労働者集会と国際連帯闘争の画期的前進を中心とした1年間の闘いの勝利を高らかに総括するとともに、反合・運転保安闘争のさらなる発展と本格的組織拡大にむけた方針を確立した。代議員に加え、会場を埋めつくすほどの傍聴者が結集し熱気あふれる大会となった。
(写真 動労千葉の原点に立って職場闘争を闘い、1047名闘争の勝利を切り開こうと訴える動労千葉の田中康宏委員長【9月28日 千葉・DC会館】)

 ライフサイクル2次配転と闘う

 冒頭あいさつに立った田中康宏委員長はまず、
「動労千葉は来年で結成30年。新たな飛躍をかけた大会だ。新自由主義との激しい攻防に勝利してきた動労千葉の団結を、若い仲間を獲得し、さらに大きく広げよう」と呼びかけた。そして、世界的な金融大恐慌と世界戦争の切迫、全世界で津波のようにまきおこる労働者の決起など、歴史的激動に突入した内外情勢を全面的に明らかにした。
 さらに田中委員長は、4者・4団体の屈辱的和解路線について「こんな幕引きを絶対に許すことはできない!」と怒りを込めて弾劾。「いまの時代の中で国鉄1047名闘争は限りない可能性を握っている。いま起こっている分岐は『可能性』だ。この攻防の中から本物の労働組合、本物の闘いの高揚が生まれる。動労千葉の飛躍をかけて闘いを再構築し、展望をこじ開けよう」と述べた。
 大会の正面課題となったのは、1047名闘争解体を始めとする第二の分割・民営化攻撃との対決だ。危機と破綻を極めるJR資本はこの間、新中期経営計画「グループ経営ビジョン2020―挑む―」をもって、さらに徹底的な競争原理と外注化を推進し、より強権的な職場支配への転換を策している。ライフサイクル攻撃はその基軸だ。資本に対する国労本部の全面屈服や、4者・4団体路線のもとでの1047名闘争の危機も、こうしたあいまいさを許さぬ新たな資本攻勢=国鉄労働運動絶滅攻撃と表裏一体で進んでいるのだ。
 田中委員長は、「動労千葉は徹底して職場にこだわる。あらためて反合・運転保安闘争という動労千葉の原点に立ち帰ろう。この間、運転行路の下り勾配の再調査で、速度超過が何十年にもわたって運転士に強制されてきたことが明らかになった。鉄道を動かす会社としてめちゃくちゃになっている。安全崩壊や当局の職場支配と対決することが土台中の土台だ」と訴えた。そして「11月労働者集会への1万人結集を石にかじりついてでも実現しよう。09春闘は決定的に重要になった。動労千葉が先頭に立ち、時代に火をつけよう」と締めくくった。
 闘いの経過と総括を繁沢敬一副委員長が、情勢と方針について長田敏之書記長が全面的に提起した。長田書記長は、とりわけ組織拡大闘争について「来年3月の動労千葉結成30周年までになんとしても二けたの平成採を獲得し、動労千葉加入の大きな『流れ』をつくろう」と強調した。
 質疑応答では安全崩壊、恒常的要員不足、賃金抑制などをめぐって真剣な意見が次々と出され、新たな資本攻勢が生み出している職場の現実が浮き彫りになった。組織拡大闘争をめぐる苦闘なども率直に語られた。大会1日目には、7月に動労千葉に加入した平野嗣朗君が登壇し「千葉支社も貨物会社も牛耳れるまでに組織を拡大しましょう。私も、どこにでも駆けつけて話をしに行きます」とアピール。万雷の拍手がおこった。
 2日間の討議をとおして動労千葉は、11月労働者集会の1万人結集にむけて総力決起するとともに、来年2月1日と予想されるライフサイクルの第2次強制配転粉砕に向けて直ちにスト準備態勢に入ることを決定した。また、1047名闘争当該である中村仁さんが満場一致で新たに本部執行委員に選出された。

 三里塚反対同盟“さらに絆強め”

 大会には多くの来賓が駆けつけた。三里塚反対同盟の萩原進事務局次長は「長い闘いの中で動労千葉と三里塚だけが日本階級闘争の中で残った。車の両輪としてさらに絆(きずな)を強めて闘っていこう。11・2労働者集会と10・5三里塚集会を一体のものとしてかちとろう」と熱烈に訴えた。顧問弁護団の葉山岳夫弁護士、動労水戸、ス労自主、支援する会、OB会、家族会、勝浦市議の水野正美さんなどのあいさつが続いた。

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週刊『前進』(2362号4面1)(2008/10/06 )

 11・2労働者集会 UNITE!

 11・2一万人決起で賃上げゼネストへ前進を

 資本主義は終わった!労働者のための世界をともにつくろう

 東京北部集会の基調報告(要旨)

 9月23日、東京・北部労働者集会が66人の参加で開かれました(前号既報)。青年労働者が行った基調報告は、世界金融大恐慌=世界革命の時代に、労働者階級はどう生き、かつ闘うのかを鮮明に提起し、11・2への熱烈な檄(げき)となりました。その要旨を紹介します。(編集局)
(写真 闘いの熱気あふれる発言が続いた東京北部労働者集会【9月23日】)

 今日はどういう日なのか

 報道でも言われているように、麻生が自民党の総裁になった。だけど、そんな生易しいことではない! 金融大恐慌がもう始まった。もっと言えば“資本主義は終わった!”ということです。
 資本主義始まって300年の中で、いまだかつて体験したことのない史上最大の危機が到来している。はっきり言ってハンパない状況です!
 明日いきなり職を失ってもなんらおかしくない状況になっていることをはっきりさせたい。
 グリーンスパン米連邦準備制度理事会の前議長が「1世紀に1度の危機だ」と言っています。今起こっていることは、29年恐慌なんか、へでもないくらいのとてつもない状況だということです。
 これに対して国はこの事態についてどうしているのか? 「このままじゃ資本主義が終わる」という恐怖から、日米欧の中央銀行が36兆円もの資金供給を行い、アメリカはさらに72兆円の公的資金を投入しようとしている。日本も同様だ。
 公的資金とは、私たち労働者から奪い取っていったものです! ふざけるんじゃない! なんでオレたち労働者が新自由主義の破綻のツケを払わなければならないんだ!
 ごく一握りの人間が「もうけるためにどんなことだってしていい」と、民営化や規制緩和、とんでもない貧富の格差をつくりだし、世界中で戦火をばらまき、ありとあらゆることを許し、職場で今のような労働を強いて、オレたちの生活をここまでどん底にたたき落とした新自由主義の破綻に、なぜわれわれ労働者が責任を取らされなければならないのか!
 もうガマンできない! オレたちが一体どれだけ必死に働いてると思っているんだ! 金で遊んでいるような、金のために戦争をするような、いきなり首相を退陣するような無責任なやつらの責任を、なんでオレたち労働者が取らなきゃならないんだ! 絶対に許さない! 
世界は革命情勢だ
 世界は革命情勢だ。なぜかというと、以上のような状況と、そして私たちが会社では徹底的に物のように扱われている、ということです。労働条件が厳しい、人が足りない、事故を起こしても「自己責任だ」と会社から処分される、労働時間が長い、残業代が出ない、有給だって取りにくい、物価が上がっても賃金は上がらず、むしろ目減りしている。介護保険や後期高齢者医療制度、住民税が上がって、家計は圧迫されている。
 働きたくても仕事がなければ「やる気がないニート」と呼ばれ、仕事があってもダブルジョブ、トリプルジョブで命を削って働くしかないワーキングプア……。どっちに転がっても“もう私たち労働者は生きていけない”ということです。それは、この資本主義社会が労働者を食わせていけなくなったということです。資本主義は終わっている。
 そして、ただ絶望だけじゃない。この現状に「ふざけるな、生きさせろ!」――そんな思いで世界中の労働者、日本の労働者がストライキに立ち上がっている。そしてここに集まっている人たちがいる。それはどういうことか。
 新しい時代が始まろうとしているのです。そしてその新しい社会の主人公は、私たち労働者階級だということです。

 資本主義はどう終わっているのか?

 金融大恐慌が始まった。これはサブプライムローンの破綻から始まりました。
 サブプライム問題に関して言えば、一つ目にはそれが破綻することは誰の目にも明らかだったということ。二つ目には、危険を承知でサブプライムローンで食いつなぐということが資本主義を維持する上で絶対に必要なものだったということ。三つ目には、そのサブプライムローンの破綻を引き金にして、今まで無理やりとり繕ってきた資本主義の経済システムが芋づる式に破綻しているということです。
 それが食料、原油の高騰という形から入り、ついにはリーマンブラザーズを始めとした投資銀行の破産、株価の下落というように、この社会システムの根幹を成す金融にまで打撃を与えているのです。今まで隠しに隠し、無理やりなんとか問題を先延ばしにして回し続けてきた資本主義の構造的欠陥・矛盾が、サブプライムローン問題で一挙に、しかも全世界で噴出した。これは新自由主義の破綻です。
 ではこの新自由主義はいつから始まったのか?
 1970年代までは、この社会はある程度、私たち労働者を食わせていくだけの余裕がまだありました。資本主義とは本来、資本家が労働者の労働を搾取して、そのもうけで成長していくものであり、放っておけば労働者を死ぬまで搾取を続けてしまう。しかし、あまりにも賃金を下げたり、生活を保障できないと労働者が怒って立ち上がってしまう。だから国が資本の行動に対してある程度の規制をかけ、労働者が生きていけるだけの賃金と福祉を整えたのです。しかし、そんな時代も長く続かなかった。労働者を食わせていけるだけの余裕がなくなったからです。
 そこで登場したのが新自由主義でした。国鉄分割・民営化から約20年、小泉内閣以後の「構造改革」攻撃のもとでどうなったでしょうか? 郵政の民営化、タクシーの規制緩和、給食の外部委託、介護保険、有料老人ホーム……。まさに新自由主義のど真ん中にたたき込まれ、徹底的に分断され、労働者の生活も、安全も、労働者の誇りもすべて経営の利潤の名のもとに捨てさせられている。もうこのままでは、労働者は生きていけないところにたたき込まれた。
 新自由主義とは、資本主義の本来の、しかも最後の姿――つまり労働者にとってみたら資本主義最後の攻撃だということです。労働者にとって、新自由主義こそが敵だ、ということです。
 やつらは私たちになんと言っているか。「職場がうまく回らないのは、あの労働者がさぼっているからだ」「人員がいないなら、その人員でなんとかしろ。それができないのはお前の能力がないからだ」「残業代はつけられない。でも責任は最後まで果たせ」………。
 ふざけるな! “人間らしい生活や、職場の安全なんてどうだっていい。とにかく1円でも多くもうければいいんだ”と言ってるんです。だからこそ私たち労働者は、こんなにも激しく怒るのです。
 だからこそ言える。福田首相が倒れたのは自ら倒れたのではなく、この新自由主義に「もうガマンならない!」と闘ってきた私たち、日本中の労働者の怒りが倒したのだということです。
グルジアから見える、世界で戦争が始まろうとしている!
 資本主義国家はどうしようもなくなったら必ず戦争という選択をします。他国に侵略しないと自分の国の経済が崩壊してしまう。石油の利権であったり、新たな市場を分捕ろうと思った互いの国が、私たち労働者を使って殺し合いをさせる。
 グルジアをめぐってのロシアとアメリカをみればわかります。グルジアを通る石油パイプラインや天然ガスの利権・支配権をめぐって水面下でえげつない駆け引きをしている。イラク戦争も、今となっては石油利権のための戦争だったことは明白です。

 全世界で労働者の反乱が始まった

 だがそんな中、黙っていない人たちが世界中にいる。それが私たち労働者であり、労働組合です。今世界中の労働者がゼネストで“生きさせろ、賃金を上げろ、民営化反対”と闘っています。「経済に打撃を与えてこそのストライキだ!」と、ヨーロッパでは鉄道労働者が、郵便労働者が、教職員が、福祉労働者がストライキをバンバンやって、すごい闘いが繰り広げられています。
 インドではトラック労働者が300万人でストライキ、アフリカでは食糧暴動、アメリカのディズニーランドのホテルではミッキーや白雪姫の格好をした労働者が「賃金上げろ」と千人規模の抗議を行っています。今やミッキーやピーターパンも「生きさせろ!」と闘っているのです。
 そんな中、今年のメーデーですごいことが起きました。それはILWU(国際港湾倉庫労組)というアメリカ西海岸の上から下までを占める労働組合が、「もうイラク戦争なんて認めるか。オレたちを生きさせろ!」とストライキをやりました。するとそれにイラクの港湾労働者が、この勇気ある行動に連帯して、1時間のストライキで応えたのです。
 その瞬間、侵略している国・されている国という対立構造が吹っ飛んで、同じ労働者として共通の問題を闘い、軍事物資の輸送を止めてしまったのです。労働者が立ち上がれば戦争は止められるということです。つまり、この世界は労働者が動かしている。だからこそ次の社会の主人公は私たち労働者=労働者階級だということです。
労働者の闘いを捨てる10・24集会は認められない!
 「立ち上がっていないのは日本だけ」――そんなことでもない。現に農民・漁民やトラック労働者が立ち上がっている。その中で本命中の本命、労働者・労働組合の決起が遅れているのです。それはなぜか。
 日本の労働組合が立ち上がっていないのは、立ち上がろうとする労働者を徹底的につぶしにかかろうとする連中がいるからです。それが、闘わない体制内組合(御用組合)の執行部だということです。
 テレビでは11月にも総選挙だと報じています。では民主党に1票投じることが労働者の選ぶべき道なのでしょうか?
 答えはNOです。両方の傘下の連合・全労連の現場での闘いを見ればわかります。本来なら労働者の最先頭で闘うべき人たちが裏切って、しかも闘おうとする人をつぶしにかかる。これが体制内組合の今の姿です。絶対に許せない!
 私たちがすべきことは会社のイヌになった御用組合執行部など絶対に認めず、闘う労働組合を取り戻すために絶対に引かない闘いをすることです。それは、国鉄分割・民営化に絶対反対し、解雇された1047名の解雇撤回を掲げて20年以上闘い抜いている国鉄闘争と、その先頭で闘っている動労千葉のように闘うことなのです。
 4者・4団体による「10・24集会」は、この国鉄分割・民営化反対闘争を終わらせ、解雇撤回を下ろそうとしています。民営化=新自由主義を受け入れ、これから立ち上がってくるたくさんの青年労働者の希望を絶望にしようとしている。オレたちに人間らしい生活をするなと言っているのだ。そんなことは絶対に認められない!
 この国鉄分割・民営化との闘いと青年労働者が結びつけば、ものすごいことになります。しかも民営化反対は全世界の労働者の共通の闘いであり、世界中の労働者とつながる闘いなのです!
 とにかく怒れ、激しく怒れ! 本当に資本主義は労働者を食わせていけなくなった! あなたの仲間はたくさんいる。その胸にある怒りを引っ張り出して立ち上がろう!

 まずは職場でガンガン闘おう!

 職場を私たち労働者の手に取り戻そう。偉そうなことを言っていた経営はもはや顔面蒼白(そうはく)です。あとはもう虚勢だけ。みんなが絶対に許さないと団結したら簡単にぶっ飛ばせる!
となりの労働者と団結しよう!
 職場で起きているすべての矛盾は経営が起こしていることです。それを労働者同士でたたき合っても、向こうの思うつぼです。怒りを向けるべきは労働者ではない、経営だということです。もはや「自分ひとりがよければいい」なんていう時代は終わった。このままじゃ会社に殺されてしまう、というだけじゃなく、“会社のやっていることはおかしい、そんなこと許せるか、ふざけるな!”――その思い、怒りはみんな同じです。だからこそ労働者は団結できるし、ともに闘えるのです。職場で新自由主義に対して闘おう! 
 北部の職場闘争委員会では、「明日から職場でどう闘っていくか」を話す中で、どういう路線で闘っていくのか、団結するのかをみんなで話して、職場で闘っている。ここで団結しよう。そしてそれだけではなく、この北部地区に影響を及ぼす、強力な労働者の団結、ゼネストをやれるネットワークをつくろうということです。そしてそれで日本中の労働者とストライキで団結して、世界の労働者とゼネストで団結する。それを全世界の労働者と確認するのが、今年の11月集会だ!

 今年の11月集会はすごいことになる

 金融大恐慌、民営化、新自由主義。それに対する怒りは私たちだけのものではなく、世界中の労働者がみんな同じ怒りを感じています。だからこそ日・韓・米の労働者が集まる11月2日の全国労働者集会が決定的なのです。ここに来るアメリカや韓国の労働者と出会って5分くらい話をすれば、見ず知らずの、職場や職業が違うだけじゃない、国籍や人種、肌や目の色が違ったって、全世界の労働者とすぐにわかりあえてしまう。
 世界中のみんなが今日まで新自由主義のもとでリストラ・賃下げ、過酷な労働で殺されそうになりながら、「いつかみてろよ」と思い、耐えに耐え続けてきた。そんな私たち労働者が会社や国、資本主義社会に対して一斉に“生きさせろ”の声を上げ始めたのです。
 闘う労働者には、もはや国境や身分その他あらゆる差別・分断もない。あることはただひとつです。“オレたちを生きさせろ! それができないならオレたちに代われ! オレたちを生かすこともできない資本主義なんか終わらせてやる。なぜならばオレたち労働者がこの世界を動かしているからだ。社会の主人公はオレたちだ!”――これらをキーワードに、すべての労働者と無限に広がる団結をつくっていくために、職場と職場闘争委員会、北部、日本、世界の労働者と団結しよう。
 11月2日に世界中の労働者と団結して、新自由主義と、経営と闘い、労働者のための世界をともにつくりましょう!

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“ウォール街を救済するな!” 

 9月25日、労働者人民が7000億jの金融資本救済新法への怒りのデモに決起した【ニューヨーク証券取引所前】。詐欺と投機で破綻した奴らを何で救済するのか。「ジェイル! ノット・ベイル!【刑務所だ! 救済するな!】」「ウォール街を救済するな! 労働者に金よこせ!」というコールがとどろいた。21日の新法案発表から短期間で、全国各地に闘いが拡大し、29日までに250以上の集会、デモが行われている。

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週刊『前進』(2362号5面1)(2008/10/06 )

 11・2労働者集会 UNITE!

 11・2一万人決起で賃上げゼネストへ前進を

 戦後革命と賃金闘争の教訓

 2・1ゼネストへ600万人が進撃 ブルジョア権力打倒の寸前に

 世界金融大恐慌の時代は、労働者階級が生存をかけて、嵐のような闘いに立つ時代だ。日本の労働者階級は敗戦直後、「生きさせろ!」のゼネストに立ち上がり、日帝打倒の革命の寸前まで闘いぬいた歴史をもっている。1947年の2・1ストがそれだ。当時の闘いをよみがえらせ、のりこえて進む時代がやってきた。11・2労働者集会をその突破口としよう。

 組織労働者の99%が立つ

 2・1ストは実際には、突入の前夜にストを指導していた日本共産党が米占領軍=GHQの中止命令に屈服した結果、最後の段階で不発に終わった。しかし、当時の組織労働者の実に99%、約600万人がゼネストに向け一糸乱れず団結して決起した闘いの革命性は、消すことのできないものであり、国際階級闘争の歴史に燦然(さんぜん)と光り輝いている。
 国鉄労働者でスト指導部の一員であった鈴木市蔵は語っている。2・1ストは当初、戦後インフレの嵐の中で飢餓線上をさまよっていた労働者の、生きる最低条件をかちとるための闘いとして出発した。「この経済的闘争が政治闘争へ、さらに革命的闘争へと転化発展した」。そして「『2・1』の革命性は要求の政治闘争化とともに、敵階級の政府をたおして、自らの政権樹立、すなわち『民主政府』『民主人民政府』をもとめて総決起したことである。しかもその武器としてゼネストの行使が確認された。これは典型的で本格的な労働者階級の革命的パターンであった」(『証言2・1ゼネスト』)
 さらに、当時全逓青年部員だった宝樹文彦(60〜71年に全逓委員長)は2・1ストについて次のように証言している。
 「革命前夜という感じですね。私はそう思いました。ほんとうにプロレタリア革命ということが行われるということなら、まさに私はこれだろうと。……労働者自身がすべての産業、交通、情報、通信、あらゆるものを全部握った。銀行も休み。こういう姿・形、私は率直に言わせていただければ、世界の労働組合運動史上、古今東西これだけの大規模なものはなかった」(『証言構成・戦後労働運動史』)
(写真 国鉄労働者は2・1ストの先頭に立とうと呼びかける国鉄総連合の職場ポスター)

 ゼロから団結を強化拡大

 600万人もの労働者が職場・産別・地域を越え、ナショナルセンターと党派の枠を越えて階級として完全にひとつに団結し、資本家階級との非和解の一大決戦に立ち上がった。ここに2・1ストの巨大な意義がある。
 しかもこの600万人は、1945年8月の敗戦時には全員が未組織労働者だった。日帝の戦争体制下で労働者はあらゆる団結を奪われ、天皇制イデオロギーによる徹底した差別分断支配のもとに置かれていた。しかしその同じ労働者がわずか1年半の間にゼロから労働組合を結成し、自分たちこそ社会の主人公という自覚にめざめ、闘いの中で団結を強化・拡大し、ついに空前の一大ゼネストを組織するまでに成長したのである。
 それを可能にしたのは何よりも、敗戦直後の飢餓状態の中での「生きさせろ!」の切実な叫びだった。そして闘いを開始する中でつかんだ「団結すれば勝てる」という確信だった。と同時に、侵略戦争・帝国主義戦争で労働者と農民に多大な死と犠牲を強要した上に、戦後もそのツケをすべて人民に押し付けて生き延びようとしていた天皇と日帝ブルジョアジーに対する、労働者階級としての根源的な怒りの爆発であった。
 敗戦と米軍占領下での旧国家機構の解体は、日帝を体制崩壊の寸前に追いつめていた。資本家階級は延命に必死となり、その本質をなりふりかまわずむきだしにした。軍需産業に群がっていた資本家どもは政府・高級官僚と結託し、軍が備蓄していた食糧や石炭その他の膨大な物資の略奪と隠匿に走った。さらに、戦争中に政府が銀行や企業に約束した総額750億円(現在の貨幣価値で数十兆円)もの軍需補償金を、直ちに最優先で支払うことを要求した。
 その結果、物資の極端な不足に加え、激しいインフレが労働者人民を襲った。ブルジョアジーは生産を再開するよりも、隠匿した物資を闇市場に流すことで、インフレによるぬれ手にあわの利益をむさぼった。その一方で労働者の賃金は最低限の生存を確保することもできず、失業者は45年末で1300万人に達し、道端には餓死者があふれ出た。
 労働者階級は、団結して闘わなければもはや飢えて死ぬしかない。このぎりぎりの状況の中から決起が始まった。いったん口火が切られるや、闘いはせきを切って爆発した。45年秋に始まった労働者階級と資本家階級とのこの非和解の激突が、46年に入って全階級・全人民を巻き込む巨大な闘いに発展し、頂点に上りつめていったのが47年の2・1ゼネストである。それはまさに「プロレタリア革命の前夜」として、日帝の全支配階級はもとより米帝・GHQをも恐怖させたのだ。

 実力で賃金統制うち破る

 2・1ストの柱は賃金闘争だった。決定的だったのは、官公労働者(今日でいう国鉄・全逓・教労・自治体の4大産別)が闘争の中心にすわったことである。これが闘いを巨大なゼネストに発展させる原動力となった。
 その第一は、インフレが爆発する中で、労働者とその家族全員が実際に「食える賃金」をよこせという闘いだった。
 大幅賃上げ要求に対して政府と資本家階級は、「会社が倒産してもいいのか」「こんな要求をのんだら国がつぶれる」「賃金を上げたらインフレがもっとひどくなる」とわめいた。労働者の怒りはこれを真っ向から粉砕した。「労働者が働かなければ国も社会も成り立たない。おれたちが生きられるだけの賃金をよこせ!」――これは全労働者の共通の最も切実な叫びだった。
 実際に、労働組合は結成と同時に賃金の3倍、5倍引き上げを求めて直ちに争議に突入した。京成電鉄労組のように、10倍の賃上げを要求してその全額を実力でかちとったところもあった。組合のない職場でも、膨大な労働者が「食える賃金をよこせ」とまず立ち上がり、その闘いの真っただ中で労働組合が結成されていったのだ。
 第二は、政府による賃金統制を実力で打破することであった。
 日帝は46年3月、賃上げに次ぐ賃上げという闘いの大爆発を抑え込むため、賃金・物価統制令を発動した。物価を戦前の10倍、賃金は5倍の水準に固定して凍結し、同時に預金を封鎖した。そして労働者の生活費を5人家族で1カ月500円と勝手に決め、それを上回る賃金は現金で支給せずに強制的に預金させ、かつその預金を引き出すことを制限する措置をとったのである。公的物価は凍結されても闇物価はますますはね上がる。だが賃金は極度の低額に釘づけにされ、実質的にはどんどん下がっていったのだ。
 当時、独身者でさえ月に最低700円の収入がなければ生計を維持できないとされていた。これ以降、「500円枠」を実力で打ち破ることが全労働者の死活の課題となっていった。
 第三に、賃金によるあらゆる差別・分断を絶対に許さないという闘いである。
 戦前・戦中の労働者支配は、工員と職員、現業と非現業の間に身分制的な区別を設け、さらにそれぞれについて雇用形態も賃金も異なる無数の等級を設けて労働者を徹底的に分断していた。この身分制・職階制賃金の打破、あらゆる差別待遇撤廃の要求は、大幅賃上げや8時間労働制と並んで労働組合の結成当初から一貫して掲げられた。
 とりわけ官公労働者は「全員を年齢と勤続年数だけを基準とする1本の賃金表にせよ」「男女同一賃金」を掲げてその先頭に立った。今日まで続く公務員労働者の「男女同一賃金」や現業・非現業1本の賃金表は、この時の闘いによってかちとられたものである。
 賃金統制打破の闘いは46年8月、産別会議と総同盟という労働運動の二つのナショナルセンターの結成を契機に本格化した。9月、大量首切りを白紙撤回させた国鉄・海員の勝利が反転攻勢の突破口となった。産別会議の10月闘争がストライキの嵐となってこれに続いた。特に全国的な大規模停電ストを構えて闘われた電産争議は、その威力をもって2200円の大幅賃上げをかちとり、生活保障給を柱とするいわゆる「電産型賃金」を日帝資本に強制した。
 この勝利は官公労働者を奮い立たせた。当時、公務員の賃金は民間の半分以下に抑えられていた。政府は教育労働者の賃上げ要求に対し、「教師は労働者ではない。天皇の官吏だ」と言い放って組合代表との面会すら拒否するという、傲慢(ごうまん)きわまりない態度で臨んでいた。これへの怒りが爆発した。
 11月26日、国鉄労働組合総連合会、全逓信従業員組合、全日本教員組合協議会、全国官公職員労組協議会、全国公共団体職員労組連合会(のちの自治労)の呼びかけで、全官公庁共同闘争委員会が結成された。これに都労連、都市交、全医療などが加わり、13組合・260万人の一大賃金闘争がスタートした。民間労働者もこの闘いを支持し、これに呼応して決起し、「ゼネストへ!」の叫びがたちまち全国に広がった。

 官民一体の大ゼネストへ

 闘いは、労働者階級と資本家階級との互いに総力を挙げた一大激突へと発展した。47年1月には全国労働組合共同闘争委員会が結成され、鉄鋼・金属・化学・造船・機器・港湾・海員・炭労・電産・全繊・新聞・印刷など、基幹産業労働者を先頭に全国全組合が全官公庁共闘との共同闘争に立ち上がった。2月1日午前零時を期して600万人が全国一斉無期限ゼネストに突入することが宣言された。
 労働者階級の隊列は完全に一枚岩だったわけではない。社会党系の総同盟の中には戦前の産業報国会から横滑りした反共右派の幹部がいて、労資協調路線をとり、ゼネストには反対していた。だが闘う労働者の怒りの決起は、激しい党派闘争をとおして総同盟傘下の現場労働者の圧倒的多数をも獲得し、右派幹部に対して、公然と裏切ることを許さない関係を実力で強制していたのだ。
 経済闘争は政治闘争に転化した。今やブルジョア政治権力の打倒が階級闘争の日程に上った。日帝支配階級は土壇場に追いつめられていた。ここで介入したのがGHQである。米占領軍による武力弾圧をふりかざしたマッカーサー最高司令官のスト中止命令と、これへの日本共産党の屈服が、ぎりぎりのところで日帝を救った。ゼネスト突入時刻の数時間前、1月31日午後9時すぎ、全官公庁共闘議長の伊井弥四郎はNHKのマイクの前に立ち、涙ながらにスト中止の放送をした。
 歴史的な2・1ストがなぜ不発に終わったか。その総括については別途、詳しい考察が必要である。だがここで指摘したいのは次の点だ。すなわち2・1ストは、帝国主義の崩壊的危機の時代には、大幅賃上げという労働者の切実な生活要求の闘いそのものの中から革命への道が直接に切り開かれることを明白に示したのである。
 60年前の日本労働者階級が闘った賃金闘争は、そのまま今日の労働者の課題でもある。「生きさせろ!」のゼネストを今度こそかちとり、21世紀のプロレタリア革命に勝利しよう。
 〔坂本千秋〕

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週刊『前進』(2362号5面2)(2008/10/06 )

 欧州で労働者が続々とスト

 新自由主義への怒りが爆発 「生きるため」の賃上げ要求

 金融大恐慌下全産業分野で職場から決起

4月24日、ストライキに入った公務員労働者・教育労働者が英リバプールで集会とデモ

世界金融大恐慌が破滅的な局面に突入し、ブルジョア支配階級は震え上がっている。資本主義の歴史的崩壊が始まったからだ。このなかで全世界の労働者階級は「生きさせろ」の怒りの叫びをあげて、大幅賃上げ要求を掲げ、青年労働者を先頭にストライキに立ち上がっている。
この決起は、昨年来サブプライムローンの破産が全世界的な金融危機として拡大・深化していったただ中で拡大してきた。昨年夏から半年におよび、30%賃上げを要求して長期ストを闘いぬいたドイツ機関士労組(GDL)を先頭に、イギリス郵便労働者の7月から10月にかけての賃上げ要求・首切り反対の物ダメ波状スト、10月から年末へのフランス交通労働者、公共企業労働者、公務員労働者の賃金・年金問題でのストと大デモ(95年のゼネスト以来といわれる)と続いた。
闘いの高揚は、今年に入り、金融危機が実体経済の収縮と世界経済の分裂に転化する中で、ますます全世界に拡大し、あらゆる産業部門、社会的領域におよんでいる。08年のドイツでは、機関士労組に引き続くベルリン交通労働者の39時間スト、そして公務員労働者・教育、医療・福祉労働者の全国的波状的ストライキ、郵便労働者の主要都市における集配ストとして展開した。そして、不況への突入が明らかになるなかで、IGメタル(金属労組)の自動車・電機労働者がストに立ち上がり、6〜7月のルフトハンザ航空労働者のストライキ、さらに金融恐慌で直撃されている銀行労働者の画期的決起を引き出すにいたった。
イギリスでは、4月に公立学校の3分の1が、賃上げ要求の24時間ストで閉鎖。この教職員労組の十数年ぶりの闘いに、40万人の公務員労働者がストライキで大合流。7月には、ロンドンの地下鉄労働者、バス労働者が、民営化による分断をのりこえる統一賃金要求を掲げて48時間のストライキ闘争を闘った。
フランスでは、大学民営化攻撃に反対する昨年末の大学キャンパス占拠闘争に続き、教育制度改悪反対を掲げた今年4月の高校生の全国的決起と各都市でのデモにこたえ、教育労働者・公務員労働者30万人が、5月に全国でストとデモに立ち上がった。さらに、6月国鉄労働者、9月には郵便労働者が民営化反対のストを行っている。
イタリアでも、7月から9月にかけて、鉄道労働者、航空労働者がストライキを闘っている。

 全世界で体制内労働運動との分岐始まる

このように、新自由主義の強行と破綻にさらされて怒りを燃やす労働者は、資本と体制内労働運動指導部の一体となった攻撃、「闘えば会社がつぶれる」「賃上げは国際競争力をそこなうものだ」「不況のさなかに大幅賃上げなどとんでもない」などという攻撃を、いたるところで実力によって打ち破り、階級的な闘いに決起している。階級的労働運動を求めて新たな分岐が世界的な規模で開始されているのだ。 
新自由主義への労働者の積年の怒りと闘争力の高まりは、世界各地の闘争におけるスト権投票の80〜90%という圧倒的高率に示されている。ロンドンのバス運転士組合では、反対がたった1票と報告されている。さらに、労働組合本部の妥結提案が現場労働者に拒否されている。資本とその手先=体制内労働運動指導部への怒りが爆発しているのだ。
闘争は、どこでも圧倒的にストライキという形態をとっている。いったんストに立ち上がった労働者は、自分たちの階級的な力に目覚め、自信を強めていく。ストライキをとおして、職場を回しているのがだれか、社会を動かしているのがだれかを階級的に自覚していく。ストライキを軸とする職場からの決起が階級的団結を固め、職場集会、ピケット、街頭デモ、連帯集会などとして発展し、職場を越え、企業の枠を越え、さらに国境を越えて、さらなる団結を求めて発展している。これが、初めて決起した労働者にとって巨大な共同の経験として主体化されていく。「今度のストで、ピケットを越えるスト破りは、私たちの職場では一人もいなかった」と、イギリスの公務員労働者はスト総括集会で誇らかに報告している。
この間の闘争のほとんどが、生きるためのぎりぎりの要求として大幅賃上げを掲げている。新自由主義が国際競争力強化のためと称して、体制内労働運動の協力のもとで、徹底的に賃金を切り下げてきたからである。
「大幅賃上げ」の要求と闘いのなかには、新自由主義への労働者の積年の怒りがこめられている。この怒りの爆発としての闘いは、労働者の階級的な力を解き放つ。

 階級的労働運動で分断打破し国際連帯を

 その典型的な例がドイツである。今年の第2四半期のドイツの賃金上昇率は、前年同期比でわずか0・7%だった。これは、EU27カ国平均の上昇率3・4%(賃金が急上昇したEU新加盟国を含んだ平均)からみて最下位である。英仏なども平均より低率だ。かつての「高賃金国」ドイツの実質賃金が昨年、20年前の水準にまで落ち込んだ。ここにインフレが直撃した。
このような状況のなかでIGメタル(金属労組)は、9月の協約交渉で電機産業部門の要求として、8%の賃上げを打ち出した。16年来(!)の高額賃上げ要求だといわれている。この16年間、ドイツの労働者は、賃金要求を低額に抑えつけられてきたのだ。このIGメタルを民間労組の柱とし、Ver−di(統一サービス労組)をもうひとつの支えとするDGB(ドイツ労働総同盟)は、1998年に政権についたシュレーダー(社民党と緑の党の連立)の「構造改革路線」=新自由主義攻撃を公然と支持した。さらに、それを引き継ぐ現メルケル政権(キリスト教民主同盟・社会同盟と社民党の大連立)による資本家階級への減税、低賃金、社会保障制度の解体、非正規雇用の拡大などを労働者階級に押しつける先頭に立ってきたのである。
ドイツ労働者階級の昨年来のストライキ闘争は、体制内労働組合と対決し、労働運動内部の新たな分岐を恐れない、運転士労組(GDL)のような闘いとして、初めて前進することができたのだ。ドイツ資本は、90年代以来、国際的争闘戦の激化のなかで、「高賃金」がドイツの国際競争力をそぐとして、拡大EU内の「低賃金国」への工場移転を強行してきた。「賃上げを要求するなら、低賃金国に工場を移転させるぞ」と脅し、賃上げ要求を抑えてきた。だがいまや、それが粉砕されつつあるのだ。
昨年来、その「低賃金国」(チェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアなど中東欧諸国)の労働者の反乱が相次いでいる。さらにEU域内を越えて、中国やインド・パキスタン、そして中東ではクウェートなどの労働者が、20〜30%の賃上げを要求して決起している。
大幅賃上げを求める世界各国の労働者の闘いは、国境を越えて団結を拡大し、帝国主義の新自由主義政策をさらに破綻に追い込んでいる。
1929年世界大恐慌に続く30年代、ILWU(国際港湾倉庫労組)を始めとするアメリカ・プロレタリアートは、旧来の労働運動の壁を破り、ストライキ・工場占拠など、職場からの実力行動を展開し、30年代の革命的激動期に突入していった。そのような歴史的過程が、いま新たな歴史的条件のなかで始まっている。最末期帝国主義の破局のなかで労働者階級が立ち上がり、ますます団結を拡大し、階級的自信を深め、社会を転覆する力を形成している。その先頭に立つものこそ、動労千葉を軸とする3労組共闘・3国連帯の前進であり、11・2集会への1万人結集である。
〔川武信夫〕
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全世界でストライキの嵐【詳しくは本紙速報版ブログ参照】

■アメリカ
5.1  ILWU(国際港湾倉庫労組)がイラク労働者と連帯して反戦スト
7.14 カリフォルニア大学の現業労働者が賃上げでスト
8.28 カリフォルニア医療労働者が労働条件改善要求で24時間スト
9.6  ボーイング労働者が賃上げでスト突入
■ドイツ
5.29 ベルリン公共部門労働者がスト
6.4〜9/17 IGメタル(金属労組)の自動車労働者が年金問題でスト
6.23 ルフトハンザ地上勤務労働者が4時間の山猫スト
7.22/28 ルフトハンザのパイロット組合、整備・清掃労働者がスト
9.8  IGメタル、電機部門労組が賃上げでストへ
9.8/23 銀行労働者がスト
9.25 ベルリンで13万人の医療労働者が賃上げ要求、政府の医療政策反対でデモ
■フランス
5.15 教育・公務員労働者ら30万人が教育制度改悪反対などでスト・デモ
5.22 年金制度改悪反対で70万人がデモ
6.10 国鉄・教育など公務員労働者がスト
9.23 郵便労働者が民営化反対スト
■イギリス
4.24 公務員労働者40万人が賃上げ要求スト
7.1  ロンドン地下鉄の清掃労働者が賃上げで48時間スト
7.16 公共部門労働者50万人が賃上げ要求で48時間スト
7.28 12,000人の鉄道労働者が18時間スト
8.20 スコットランドの自治体労働者15万人が24時間スト
8.26 ロンドンのバス運転士が24時間スト。9月12日にも48時間スト
■イタリア
7.6  鉄道労働者が24時間スト
7.18 航空労働者がスト
9.26 鉄道労働者が全日スト
■その他(韓国・中国は今回省略)
5.19 ベルギー鉄道労働者が24時間スト
5.31 ロシア鉄道労働者が会社前でピケ
7月  クウェートの移民労働者3日間のスト
7.14 ハンガリー鉄道労働者賃上げ時限スト
7.30 パキスタン電機通信働者5万人がスト
8.20 インド公共機関労働者が12時間スト
8.20 チェコのジーメンス労働者が工場閉鎖に反対してスト
8.29 ポーランドのワルシャワで5万人デモ

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週刊『前進』(2362号7面1)(2008/10/06 )

 10・17法大キャンパス大集会へ

 “監獄大学”は支配の破綻だ

 資本の奴隷になること拒否する

 残り10日と迫った「10・17法大キャンパス大集会」へ総結集を!
 06年3月以来、のべ88人の逮捕者と22人の起訴者を出して不屈に闘いぬいた法大闘争は、08年前半戦で「20人の獄中戦士(富山大弾圧の武藤君を含む)」と「闘う文化連盟誕生」の地平を切り開き、7・24集会の460人結集にのぼりつめた。
 そして9月開講以来、「一人の仲間も見捨てない! これ以上の当局の暴挙を絶対許さない!」のスローガンのもと、連日の激突が開始された。闘う学生への新たな処分攻撃を粉砕し、10・17キャンパス集会とデモを1千人結集でぶち抜こう! 腐りきった増田総長独裁体制を打倒し、大学の主人公は学生であることを宣言しよう!
 「資本主義の終わりの始まり」=革命の時代が始まった。10・17大爆発の力で、法大生と全国学生は11月労働者集会1万人結集(学生1千人)を絶対に実現しよう!
(写真  法大5・29デモ弾圧と7・24弾圧の裁判が始まった。友人・家族、仲間が被告と合流【写真は9月25日 東京地裁】)

 「資本主義は死んだ」のデモ

 第一に、10・17集会への1千人結集の力で資本主義・帝国主義に断を下そう。今こそ学生は、自らの生き方として資本のくびきを引きちぎろう。
 リーマン、メリル・リンチ、AIG、ワコビア……名だたる米金融機関が破綻し、労働者を食い物にしたバブル経済で延命してきた虚構が崩れ去ろうとしている。ドル暴落と世界金融大恐慌だ。支配階級の金融政策が下手だからなのではなく、資本主義そのものの崩壊だ。アメリカ帝国主義の「本丸」が総崩れの危機を前に、支配階級は「1世紀に1度の事態」(前FRB議長・グリーンスパン)、「29年大恐慌以来、最も深刻な金融危機」(オバマ)と震え上がり、労働者階級へのさらなる犠牲転嫁に突き進んでいる。
 何が問題か? もはや資本主義という体制にしがみつく限り1ミリも前進しないということだ。
 米株価が史上最大の暴落を記録した9月29日、ウォール街は労働者の「資本主義は死んだ!」という怒りのプラカードに包囲された。そうだ。資本主義はすでに死んでいる。資本主義社会で最も抑圧されているゆえにもっとも革命的である人びと、労働者階級の手でとどめを刺そう。学生もこの闘いに合流して社会の主人公になろう。それが、動労千葉をはじめ3組合が呼びかける11月労働者集会だ。
 11月集会は、労働者自身の力による社会変革を呼びかけている。日米韓国際連帯の中軸にいる教育労働者は、法大決戦に「私はアメリカの人びとに法政大学の闘いを伝え、資本主義の抑圧からの解放と正義のためにともに闘います」(アーリーン・イノウエさん)と熱烈な連帯アピールを発している。全国の学生は10・17の爆発から11月集会、そして世界革命に突き進もう。

 新自由主義の心臓を射抜く

 第二に、10・17集会への1千人結集を、新自由主義大学への全国学生の総反乱の号砲としよう。
 「私には法大当局に対する怒りがある。学生を人間扱いせず、人間の誇りを踏みにじり、人間関係を破壊している。法大は監獄大学であり、新自由主義大学だ」(5・29戦闘裁判、内山佳久君の冒頭意見陳述)。四つの法大裁判が開始され、獄中同志が検察・裁判所を圧倒している。すべての意見陳述に貫かれているのは、学生の団結を徹底的に破壊し、弾圧・処分でしか成立しえない新自由主義大学=法政への烈々たる怒りだ。そして、自らの闘いで団結を守り発展させてきたことへの揺るぎない誇りだ。
 法大当局は、資本主義への幻想をあおり、教育を金もうけの手段にして資本に提供し、キャンパス中に監視カメラを張り巡らせて“ジャージ軍団”を徘徊(はいかい)させ、学生の存在をおとしめている。破産しきった新自由主義大学の姿だ。
 「地方自治体労働者の27・8%が非正規、うち三分の二が年収200万円以下の官製ワーキングプア」(東京新聞)。資本主義の危機が民営化・大リストラ攻撃として襲いかかっているまさにその時に、「公務員になって夢をかなえよう」「キャリアアップして勝ち組に」などとデマをあおり、大失業攻撃をもダシにして金を巻き上げようというのが法大当局の姿だ。そのために、資本以上にあくどく団結を破壊し、「教育と学問」の名をもって学生から誇りを奪っているのだ。
 法大当局への怒りは、人間的怒りであるとともに資本への怒りであり、奴隷であることを断固拒否する怒りだ。法大決戦の爆発は、必ず新自由主義の心臓部を射抜き、全世界の青年・学生の怒りの噴火口になる。

 1人の仲間も見捨てない!

 第三に、「新たな処分」をめぐる攻防を発展させる中から、1千名結集の展望は切り開かれる。
 9月末からの、文化連盟・S君と倉岡さんに対する処分の是非を問う学内シール投票が、法大当局を追い詰めている。危機感にかられた当局はシール投票を「誹謗中傷」「人権侵害」などと叫んで妨害し、ジャージ軍団が朝から晩まで闘う法大生へのストーカー犯罪行為を繰り返している。ふざけるな! よくも「人権侵害」などと言えたものだ。警視庁公安部と癒着して学生を売り渡し、キャンパス内での言論・表現・集会の自由を奪い、鉄柵と鉄条網だらけの監獄大学にしているのはお前たちだ!
 処分阻止闘争を爆発させ、キャンパスの主人公は学生であることを宣言しよう。「一人の仲間も見捨てない」闘いを貫き、誇り高い法大生の団結を取り戻そう。数々の悪行に手を染めながら逃亡を続ける総長・増田を引きずり出し、われわれ自身の手で打倒しよう! それが10月17日のキャンパス大集会だ。
 法大生のみなさん。全国の学生・労働者のみなさん。20人の同志奪還と法大闘争勝利、そして11月労働者集会大爆発に向かって、10・17法大集会に結集しよう! 
 〔マル学同中核派・法政大学支部〕

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週刊『前進』(2362号7面2)(2008/10/06 )

 法大弾圧裁判

 法廷が革命の演壇に

 5・29弾圧裁判第1G初公判 「弾圧は200%無効だ」

  9月29日、法大5・29デモ弾圧裁判(第1グループ)の第1回公判が東京地裁で始まった。出廷したのは起訴された14人のうち内山佳久君、内海佑一君、後藤玲子さん、山本進君、中島敦史君、野地川泰介君、原田幸一郎君の7人。逮捕から4カ月。引き締まった7人の顔つきに、駆けつけた法大生や全国の学生、家族、労働者から歓声があがった。
冒頭、検察官の起訴状朗読への求釈明が行われた。何と「革共同全国委員会(中核派)全学連の構成員又は同調者」ということが「看取者(増田法大総長)の意思に反する」から「建造物侵入」に当たると主張していたのだ。あからさまな思想差別、革命への弾圧だ。
被告団長の内山君が意見陳述。ゆっくり火を噴くような怒りを爆発させた。「起訴状は間違いだ。正しくは『被告人である法政大学総長・増田は、日帝・資本家階級の構成員又はその同調者だが、警視庁公安部と共謀の上、法大キャンパスに100人以上の公安警察を侵入させ、学生33人を不当逮捕させた』。罪名は革命弾圧罪」。法廷は革命の演壇に一変した。
内海君は、傍聴席に向かって元気いっぱいのアジテーション。「われわれは本気で怒った。そして怒りが爆発した。文化連盟と全学連が歴史的合流を果たし、O君への処分粉砕に決起した。こんな処分を認めたらわれわれは永遠に奴隷だ。絶対に一人も見捨てない」「自分はこれからも法大で生きていく。『増田が看取する』だって? キャンパスは増田の私物ではない。学生のものだ。学生に返せ!」
後藤さんは、闘う仲間を脅して分断してきた法大当局に、涙を流し怒りを爆発させた。「学外者だろうと誰であろうとこんな弾圧が許されるわけがない! 私たちには血の通った団結がある。クラス討論弾圧で逮捕された時、顔も知らない仲間が怒り立ち上がった。私はこの弾圧を通じて団結は”数の結集体”ではなく、人と人の感動のつながりだと感じ、この団結にかけて革命に生きる決意をした」と、法廷を感動で包んだ。
原田君は、法大当局と権力を一刀両断。「大学に入ったから建造物侵入とはふざけるな! そんなもの200%無効だ。お前たちこそこの世から去れ!」「われわれが法大に来た理由は、当局・権力に怒りをたたきつけ、法大生と団結することだ。帝国主義サミットを粉砕するためだ。これに勝る正当な理由が他にあるか!」と、闘う立場を鮮明にした。
裁判所は、学生の怒りで制圧された。次回10月6日には第1グループの残る3人が、10月16日には第2グループの7人が登場する。
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法大裁判に集まろう!

★10月8日(水)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第3回公判 午後1時半開廷
★10月16日(木)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第1回公判 午後2時開廷
★10月22日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
第3回公判 午後1時15分開廷
★10月23日(木)7・24法大弾圧裁判
第2回公判 午後1時半開廷
★10月24日(金)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第4回公判 午後1時半開廷
★10月29日(水)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第2回公判 午後1時15分開廷

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週刊『前進』(2362号7面3)(2008/10/06 )

 7・24弾圧初公判 思想弾圧を強く弾劾

 「この場にいるのが誇り」

 9月25日、7・24法大弾圧の第1回公判が東京地裁で開かれた。被告の内田晶理(てるまさ)君、鈴木研也君、市川知寛(かずひろ)君の3人が元気に出廷、仲間や家族と合流を果たした。
 7・24弾圧とは「法政大弾圧ぶっ飛ばそう!7・24全国集会」を破壊するための弾圧だった。3週間も前にキャンパスに「侵入した」事件をデッチあげ令状逮捕した。
 弁護人の求釈明に対して検察官は、被告が中核派であることが「事件」と関連し、「共謀」については「実行共同正犯」だと釈明、その他は釈明しないと開き直った。弁護人は、思想弾圧を弾劾し、「共謀」の具体的態様が示されなければ防御できないと追及した。検察官は釈明できず、裁判長はこれを擁護した。
 被告3人が「世界革命の団結を作るために登壇した」と宣言し、意見陳述を行った。
 内田君は「ついに法大総長・増田を打倒する裁判が始まった。2年間の怒りを解き放ったスト=5・29戦闘、40人の逮捕と16人の起訴に怒った法大生のハンスト、渋谷を法大に変えたサミット粉砕闘争…7・24弾圧は、根底的な学生決起が始まったことへの増田と権力の敗北宣言だ」と喝破した。「3万法大生の決起をつくる場としてこの裁判を闘う」との宣言に、傍聴席から大きな拍手と歓声が起こった。
 市川君は「鈴木君の起訴は共謀罪の先取りだ。革命思想の弾圧で、許せない」と弾劾。「私はクラス討論弾圧の開示公判が闘いの始まりだった。今、内田君と共にここにいることを誇りに思う。家族や多くの仲間が決起してくれた。あの時、「授業」という支配の鎖を引きちぎって本当に良かった」と述べた。
 鈴木君は「僕らは法大キャンパスで、ジャージ軍団に暴行され、悔し涙を流した。それでも僕らは法大生に訴え続けた。『団結し、大学を学生の手に取り戻そう』。僕たちの団結をうち砕くことなど権力にはできない」と表明。「私はこの仲間たちと革命をやりきる」と高らかに宣言した。
 傍聴者は声援と拍手で3人と交歓し、笑顔で団結を確認しあった。

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週刊『前進』(2362号7面4)(2008/10/06 )

 三里塚本部裁判 裁判官、法廷から逃亡

 機動隊導入で検証封殺 抗議の同盟員を逮捕

 9月25日、千葉地裁で天神峰現闘本部裁判が開かれ、三里塚反対同盟が顧問弁護団、支援の労働者・学生とともに怒りに燃えて決起し、仲戸川裁判長を決定的に追いつめた。
 午前8時半、千葉市中央公園での集会からこの日の闘いが始まった。結集した90人に北原鉱治事務局長が「裁判所に現闘本部建物の実地検証を認めさせるまで闘おう」と呼びかけ、反対同盟を先頭にデモに出発、千葉市民にアピールした。
 この迫力に恐れをなした千葉県警は地裁前に大量の警察官を配置した。そして、過剰警備に対し抗議した反対同盟の太郎良陽一さんを公務執行妨害をデッチあげて逮捕した。
 10時半に開廷。ただちに葉山岳夫弁護士が裁判所を問いただした。「機動隊を引き入れた裁判所の責任は重大だ。萩原進事務局次長はけがをさせられた。裁判長はどう考えているのか!」。この追及に仲戸川裁判長は「答える必要がない」の一点張りだ。弁護士が次々と抗議し、法廷が弾劾と怒号で騒然となる中で、仲戸川は「証拠決定をする」と突然言い出した。建物検証の要求を踏みにじり、さっさと証人調べに入って裁判を終わらせたいというのだ。
 「なんだと!」「認められるか!」
 弁護団から即座に「裁判官忌避」がたたきつけられた。被告席の北原事務局長、萩原事務局次長、鈴木謙太郎さん、傍聴席の市東孝雄さんが立ち上がり猛然と抗議、裁判官席に詰め寄った。
 怒りの爆発にうろたえ、3人の裁判官は開廷後わずか10分で職務放棄し法廷から完全逃亡するという前代未聞の事態となった。不当な訴訟指揮を行ってきた仲戸川の完敗宣言だ。すごすごと退場していく空港会社(NAA)の代理人弁護士にも徹底的な弾劾が浴びせられた。
 その後ただちに全員が千葉県警本部前に詰めかけ、不当弾圧に対する猛抗議のシュプレヒコールをたたきつけた。県警はまたしても大量の機動隊を動員して暴力的な規制を行ってきたが、反対同盟と労働者・学生の怒りの前には防戦一方だ。「今すぐ釈放しろ!」「弾圧を許さないぞ!」のコールが響き渡った。
 この日の警察と裁判所の動向すべてが敵のあせりの現れだ。現闘本部建物は反対同盟と人民のものだ。絶対に渡さない! 
写真上 同盟員の不当逮捕を弾劾する反対同盟と支援者たち【9月25日 千葉県警本部】)
(写真下 裁判に先立ち千葉市内をデモする反対同盟【9月25日】)

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週刊『前進』(2362号7面5)(2008/10/06 )

 対象地特定できず

 農地強奪阻止行政訴訟 県の処分は無効だ

 9月30日、市東孝雄さんが千葉県を相手取り、農地賃貸借契約の解除許可処分の取り消しを求めた行政訴訟の、第5回弁論が千葉地裁で開かれた。NAAが市東さんが一度も耕したことのない土地を「市東さんの賃借地だ」と誤って決めつけていることを、反対同盟は当初から明らかにしてきたが、被告・千葉県は「それが賃借地ではないなら原告には訴えの利益がない」ととんでもない暴論を主張しだした。耕作地の場所を正確に特定すらできずに、3代90年耕してきた畑を奪おうというのか。恥を知れ!
 弁護団は「訴えの利益がない」との主張が途方もない失当であることを明らかにする準備書面を提出し、陳述を行った。被告・千葉県の代理人弁護士は「検討してから……」と一言の反論すらできないありさまだ。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。冒頭に、中山国土交通相発言に対する反対同盟の怒りの抗議声明が発表され(3面に全文)事務局の鈴木謙太郎さんが読み上げた。
 続いて市東孝雄さんが「この裁判に勝たなくては先に進めない」と不屈の決意を述べた。
 北原事務局長は、群馬での市東さんの農地を守る会の発足を喜びをもって確認し、「モノや金をくれと言ったことは一切ない。軍事空港阻止の闘いを43年非妥協に貫いてきた」と中山発言を痛烈に批判した。
 守る会の発足に奔走した群馬の青柳晃玄さんは、市東さんに学び10・5全国集会に大挙参加すると決意を述べた。
 さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉の滝口誠さん、関実の松原康彦さんが次々とあいさつをした。
 萩原進事務局次長が発言に立ち、「NAAは10月11日以降にも市東さんの土地明け渡しを求めて提訴してくるだろう。来るなら来い! われわれは9・25の激突で一歩も引かず勝利した。10・5全国集会で農地を絶対に守ると宣言し、現地をデモ・集会が連日連夜席巻している状況をつくろう」と訴えた。次回弁論は年明けの1月20日。

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週刊『前進』(2362号8面3)(2008/10/06 )

 星野パンフ活用を

 階級的労働運動の力で星野同志を取り戻そう

 獄中34年、星野文昭同志奪還のための決定的なパンフレット、「7・14最高裁の特別抗告棄却決定を許すな!/星野文昭同志を奪還しよう」が、8月に革共同救対部から発行された。
 パンフレットは、全国で星野同志奪還闘争を闘う同志たちが、第1次再審棄却攻撃に怒りを燃やし、それを跳ね返して、なんとしても無期の獄中から星野同志を奪還したいと、懸命な議論を積み重ねて作成された。階級的労働運動の白熱的実践、塩川一派への徹底批判をとおしてつかみとった、星野同志奪還闘争の新たな路線を全面的に提起した画期的なパンフだ。
 第一に、星野同志の闘いの階級的意義と勝利性を全面的に明らかにしている。
 国家権力は、71年安保・沖縄闘争の爆発から70年代階級闘争の本格的発展へ進もうとした青年労働者・学生の闘いを圧殺するために、星野同志にデッチあげ無期攻撃という極限的弾圧を加えた。しかし、星野同志はこれに屈せず、国家権力と非妥協の絶対反対闘争を34年間貫いてきた。星野同志は「わたしのたたかいが、革共同の本物性、正義性、勝利性を指し示している」と、確信に満ちて語っている。
 世界金融大恐慌が始まり、プロレタリア世界革命への歴史の大激動期の開始を告げている。
 この時代を切り開くのが、新自由主義攻撃と真っ向から闘い続ける動労千葉であり、資本・体制内労働運動と非妥協で激突する青年労働者の闘いであり、法政大学で処分・逮捕・起訴攻撃を跳ね返して前進する学生戦線の闘いであり、34年間デッチあげ無期攻撃と絶対反対で闘う星野同志の闘いだ。
 星野同志と獄中で闘う20人の学生同志は完全に一体となった。獄中の学生たちは、織田委員長が星野同志と面会し、固く手を握りあったことに心から感動し、裁判での意見陳述で、異口同音に「星野同志の奪還を誓う」と宣言している。獄壁による分断を打ち破って星野同志と団結しよう。青年労働者・学生の中へ団結を拡大しよう。
 第二に、階級的労働運動路線こそ星野奪還をかちとる道であることを鮮明にさせている。
 一つは、塩川一派打倒の闘いである。「完黙はケースバイケース」「権力との闘いは取引だ」と恥ずかしげもなく公言する塩川一派と、星野同志の不屈・非転向の獄中闘争とは1ミリも相入れない。権力に屈服し、スパイ集団へ転落した塩川一派の介入策動を粉砕しよう。
 二つは、最高裁の特別抗告棄却決定を徹底弾劾し、第2次再審請求へ力強く進むことだ。国家権力の悪質なデッチあげをどうして許すことができるか。怒りの再審闘争で裁判所をぶっとばそう。
 三つは、「星野さんを救う会」を全国津々浦々に拡大することだ。無実の星野同志を34年間も獄中に閉じ込めている国家権力への怒りを噴出させ、労働者階級人民の新自由主義への激しい怒りと結合し、「星野さんをとりもどそう」の広範な決起を生み出そう。
 このパンフを活用し、11・2労働者集会と11・29星野奪還全国集会への大結集をかちとろう。

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