ZENSHIN 2008/09/22(No2360 p06)

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週刊『前進』(2360号1面1)(2008/09/22 )

 金融大恐慌を迎え撃ち11・2へ

 全世界の労働者の団結で最末期帝国主義に断下せ

 3世紀続いてきた資本主義の最大の危機が始まった。完全に世界金融大恐慌に突入した。だがこれは入り口にすぎない。今日の世界情勢を規定するのは資本主義・帝国主義の最末期の根本矛盾そのものだ。実体経済の何倍にも膨張させた投機マネーで世界中の労働者や農民から搾取と収奪の限りを尽くしてきたブルジョアジーの命脈は尽きた。ブルジョアジーの支配に終止符を打つ時が来たのだ。革命の条件は完全に成熟している。社会主義の客観的前提条件はある。資本主義・帝国主義の危機の激化こそ革命の原動力なのだ。

 4大証券2社が破綻と身売り

 米証券5位ベアー・スターンズの実質破綻からわずか半年。今度は一夜にして3、4位の証券2社が経営破綻と救済合併に追い込まれた。翌日には世界最大の保険会社AIGが米政府の管理下に置かれた。
 「1世紀に1度の危機」――米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長はこう表現する。まさに資本主義そのものの危機だ。
 15日に経営破綻した米証券4位のリーマン・ブラザーズの負債総額は約63兆円。米国で過去最大の倒産だ。同3位のメリルリンチは、バンク・オブ・アメリカに身売りした。同2位のモルガン・スタンレーの株価も急落し、経営破綻か身売りは不可避だ。
 FRBは翌16日、経営危機に直面するAIGを救済するため9兆円を緊急融資すると発表。実質的に公的管理下に置いた。1月に60jだったAIG株価は一時1j台に急降下し、倒産は必至だった。
 世界の金融市場で急速な株安とドル安が続く。日米欧の中央銀行が36兆円を超える資金供給を行った。01年9・11直後に匹敵する額だ。だが株安は止まらない。

 連鎖破綻とドル暴落の危機

 証券会社は近年、借金を膨らませて住宅ローンなどを購入し、証券化して投資家に販売する手数料ビジネスで高収益をあげてきた。だが住宅バブル崩壊で担保となる住宅などの資産価格が下落した。逆回転が始まったのだ。預金などの安定した資金源のない証券会社はたちまち窮地に陥った。
 米政府は大恐慌の反省から長く維持してきた銀行業務と証券業務の分離政策を99年に事実上廃止し、銀行と証券の融合を認める路線に転換した。これが住宅投資などバブルを加速した。リーマンとメリルは氷山の一角にすぎない。サブプライム問題で最も多く損失を計上しているのは米銀行1位シティグループ(総資産2・2兆jを有する世界最大の企業)なのだ。世界中の銀行・証券会社が連鎖破綻の危機にある。
 他方で保険会社は、保険料を受け取り企業が倒産した場合の損失を補填(ほてん)する、信用デリバティブ(CDS)を拡大してきた。これは、住宅ローンなどでローンを支払えなかった時に肩代わりする「債務保証」に近い。それが倒産増加や債務の焦げ付き増で補償負担が莫大に膨らんだ。CDSの想定元本は合計60兆j(約6300兆円)を超える。
 特にAIGのCDSは、サブプライム関連の証券化商品の「保険」として重宝され、住宅ブームに乗って急速に事業を拡大した。AIGは、本業の生損保事業は順調だったのだが、ここ数年は利ざやが薄くなっていた。それで本業の保険からCDSへ手を広げたのだ。CDSの保証残高は4千億j(約42兆円)超。自己資本の5倍以上に当たる。
 サブプライム危機から1年。AIGは、投資家から次々と保証金の支払いを求められた。経営が悪化し、格付け会社がAIG本体の格下げに動いた。これを受けて信用低下を補うためにAIGは現金担保の追加を迫られたのだ。資金繰りが一気に悪化した。破綻直前だったのだ。
 CDS市場大手のAIGが破綻すれば、契約を結んでいた金融機関は、直ちにサブプライム関連などの損失を避ける「保険」を失い、巨額の損失が世界の金融機関に広がる。AIGはデリバティブの形で転売されるリスクの「終着駅」だったのだ。
 ここからFRBは前日に経営破綻したリーマンには行わなかった9兆円という巨額の融資を決めたのだ。米国発の金融恐慌とドル暴落を食い止めるために必死なのだ。今回のリーマンに端を発した金融恐慌は、完全にドル暴落の危機を引き寄せているのだ。
 リーマンに公的資金を投入しなかったのも財政赤字からドル暴落を引き起こすことへの恐怖からである。反対に9月7日には政府系の住宅金融2公社に20兆円の公的資金を投入し、政府の管理下に置いた。日本のGDPを上回る約540兆円の住宅ローンを持つ2公社が破綻すれば米国家そのものの信用不安に直結するからだ。
 しかし、住宅バブルの崩壊はこれから本格化する。3倍に膨らんだ住宅価格はまだ3割しか下落していない。住宅ローンの焦げ付きは拡大し、住宅差し押さえ件数が激増している。危機解決の効果はまったくない。
 しかも公的資金の投入は、イラク戦費、景気対策費などで限界に近い。財政赤字はさらに悪化し、ドル暴落のより巨大な要因となるしかない。
 例えばFRBの財務内容は、10日現在で約9千億jの資産のうち、安全資産とされる米国債の保有額は1年前より約4割も少ない約4800億jに減少した。資金繰りを助けるため証券会社が保有する住宅ローン担保証券などと国債を交換したためだ。資産が急速に劣化しているのだ。
 米政府やFRBが問題企業を抱え込む応急措置は過重な負担となっていく。実際は、問題の先送りであり、矛盾を累積しているだけだ。必ずより大きな危機を生み出す。

 新自由主義は完全に破産した

 世界の金融資産の合計は、現在180兆j(約1京9千兆円)と言われる。世界のGDPが約52兆jでマネー経済は実体経済の3・4倍を超える。最末期帝国主義が繰り出す新自由主義政策のもとで、ブルジョアジーは90年代以降、金融の自由化や金融工学の技術革新によって自己資金をその何十、何百倍もの額で運用してきた。
 一握りの多国籍企業や金融機関が一国の経済規模を超えるマネーを瞬時に動かし、経済開放・規制緩和・民営化で世界中を荒廃させ、暴力的に世界経済を支配してきたのだ。非正規雇用、失業、低賃金、長時間労働、強労働、貧困、児童労働……利潤をひたすら追求する資本主義の運動は、歴史上かつてない惨状を世界にもたらしている。有史以来、現代ほど一握りの富裕層に富が集中し、貧富の格差が開いた時代はない。
 それがパンクした。実体経済の何倍にもなった投機マネーが負債となってブルジョアジーを襲っている。サブプライムにとどまらず、株式、不動産、カードローンに広がる金融資産の評価損が劇的に拡大している。サブプライム関連の損失だけでも1兆jを超える。損失処理はまったく追いつかない。金融機関の自己資本は急速に消耗しつつあるのだ。世界の主要金融機関が軒並み債務超過になる情勢なのだ。
 帝国主義は延命するために労働者をトコトン犠牲にしてきた。これが新自由主義の核心問題だ。それが破局を迎えているのだ。米国では数百万人がサブプライムローンを返せなくなっている。多くは移民や低所得の労働者だ。住宅ブームが失速する過程で、移民や低所得層がローンの新たな借り手として格好の標的となったのだ。学費や医療費を払えない若者が借金返済のためにイラク戦争に志願している。世界の労働者はこんな社会では生きていけない。

 総裁選もぶっ飛ぶ日帝危機

 資本主義の巨大な生産力と富は、一握りの資本家階級が握っている。そして社会の生産活動の一切がこの少数者の利益のために組織されている。一握りの資本家が利潤を得るためだけに社会的な生産が行われているのだ。だが、今日の資本主義の危機は、この資本主義を転覆する条件を生み出しているのだ。
 資本主義の危機であると同時に、この危機を根本的な社会変革(革命)へと転ずる人びと、すなわち労働者階級の闘いを生み出しているのだ。
 世界の労働者のストライキは、今すぐ労働者がこの社会を運営できることを示している。高度に社会化された生産は、社会の主人を、金融独占資本に代わって団結した労働者階級に置き換える現実性を示しているのだ。
 長きにわたった資本主義の時代は終わりだ。資本家階級にとっては史上最大の危機、労働者階級にとっては1917年のロシア革命を引き継ぐ世界革命の時代の到来を告げている。
 世界金融大恐慌への突入情勢が日本帝国主義を襲っている。日本経団連の御手洗会長の「正直ショックだ。あんな名門企業が倒れるとは」の言動は日帝ブルジョアジーの恐怖そのものである。株安と円高は輸出産業に打撃を与え、長期不況となる。インフレの危機もさらに加速する。自民党総裁選も総選挙もぶっ飛ぶ事態なのだ。
 公然たる階級闘争の時代が始まった。労働者と資本家は非和解だ。すべては労働者の団結と闘いによって決まる。労働者こそこの社会の主人公なのだ。この原則を貫く労働運動こそ求められている。10・24国鉄闘争幕引き集会は敗北と絶望の道だ。民営化絶対反対と解雇撤回を貫く動労千葉のように闘おう。世界大恐慌を迎え撃ち、9・27〜28ワーカーズアクションから11・2労働者集会に結集しよう。全世界の労働者の団結で最末期帝国主義に断を下そう。

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週刊『前進』(2360号1面2)(2008/09/22 )

 全学連大会

 88人逮捕、22人起訴のりこえ 新執行体制を確立

 全学連第69回定期全国大会が9月13日〜15日東京都内で開かれ、20人の学友が獄中で闘うというかつてない状況のもと、多数の新参加者を始め80人が全国から結集した。3日間の討議で、時代認識と路線での強固な一致を打ち固め、10・17法大集会に法大生と全国学生の1千人決起をつくり出し、その力で11・2全国労働者総決起集会1万人結集へ攻め上ることを力強く宣言した。
 (関連記事5面
(写真 大会2日目、法大決戦をめぐり白熱討論【9月14日 東京】)

 獄中同志と共に

 開催にあたり織田陽介委員長が「指導部の大半を獄中に奪われている現状にあたり、大会の運営と指導にあたる暫定執行部を任命したい」と提起し、拍手で承認された。これこそ激動期の全学連大会だ! 議案書とともに20人の獄中同志のメッセージが配布され、全参加者の胸を打った。
 06年3・14法大弾圧から本年の5・28―29決起をへて実に88人の逮捕、22人の起訴! 本大会の議案はこの激闘に次ぐ激闘の2年半を総括し、労働者のストライキ・デモが激発する世界情勢をふまえ、300万学生が団結できる時代認識と路線を提起した。法大当局による学友へのさらなる不当処分を絶対に許さず、10・17法大集会に1千人学生の大結集を実現することを闘いの方針として鮮明に打ち出した。
 日本の階級情勢が「10・24民営化翼賛集会か、11・2民営化絶対反対集会か」(第三議案・方針)というあいまいさを許さぬ分岐点にいることを示し、「いかに生きるか」を問いかけた。
 織田委員長は「去年の大会で『新井君、友部君のように闘おう』と提起し激しく議論した。今、自分が逮捕・処分を覚悟するだけでなく、組織者となり学生運動の信頼できるリーダーとして立つことが求められている」と訴えた。
 これにこたえて法大生の決意を先頭に、法大決戦にかけきって闘う発言が相次いで行われた。

 文化連盟が参加 

 2日目から、法政大学文化連盟執行部が大会討論に参加した。
 学生会館破壊、学友会非公認化、サークルつぶし、退学・停学処分乱発という法大当局の学生自治破壊攻撃の中で、徹底抗戦を貫き、体制内学生運動と激突して闘いの旗を打ち立て守りぬいてきたのが文連執行部だ。法大の監獄化を打ち破り、キャンパスを学生の手でともに解放するために、文連が全学連大会に結集し団結を固めた。このことは、法大闘争における「動労千葉」が生まれたに等しい歴史的な意義がある。
 「一人の仲間も見捨てない! これ以上の法大当局の暴挙を許さない! 全国大学の法大化を阻止しよう!」――文連にこたえて、全学連はこの鮮明な法大闘争スローガンを確立した。これこそ2年半の激闘の総括の上に築かれた、300万学生が団結できるスローガンである。そして10・17法大集会に学生を1千人集めるために、何が必要なのか、何が足りないのかが、真剣に徹底的に議論された。
 公安警察が弾圧の機をうかがい、警備員・ジャージ部隊がむき出しの暴力支配を貫いている法大キャンパスの現実のもとで、学生大衆の心をつかみ決起を実現することが白熱の討論議題となった。そして闘う学友への処分攻撃を絶対に許さないという怒りで法大生を組織することをあらためて強固に確認した。
 全国の学生は、法大決戦を真に自らの闘いとしてすえ、法大生と団結して総力で10・17へ駆けつけることを明らかにした。法大闘争に全力を注ぐことで、国家権力と渡り合える団結がつくれるとの確信が討論の中で深められた。そしてキャンパスでの闘いと不可分一体で、裁判闘争を闘い20人の同志を奪還することが確認された。
 この討論の盛り上がりの中で、2日目の全体討議は時間を大幅に延長して夜まで続けられた。新入生・初参加者が、「隣の仲間を組織して法大にかけつける」「11月労働者集会に参加したい」と続々と率直に自分の言葉で決意を表明した。

 法大千人決起へ

 最後にまとめとして織田委員長が立ち、「この議案の時代認識と路線でわれわれは団結できる。10・17法大決戦1千人決起の核心をしっかりとつかんだ。大会は大成功した」と訴え、3日間の討議を締めくくった。
 役員改選では、織田委員長のもと暫定執行部が正式に新たな副委員長、書記長、書記次長――新執行部として選出された。それぞれが激動期の全学連のリーダーとして、重責を担いぬく決意を明らかにした。
 来賓として、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉新小岩支部の佐藤正和支部長、部落解放闘争を闘う西村豊行さん、森川文人弁護士、西村正治弁護士、藤田正人弁護士、マルクス主義青年労働者同盟の代表が連帯のあいさつを行った。また無期攻撃と闘う徳島刑務所在監の星野文昭同志を始め数多くの連帯メッセージが寄せられた。大会2日目に革命的共産主義者同盟を代表して木崎冴子同志が記念講演を行い、激動期の全学連に限りない激励を寄せた。
 10・17法大決戦へ!
 11・2労働者総決起集会へ! 全国300万学生の組織者への飛躍をかけて、全学連は秋の決戦に突入した。

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週刊『前進』(2360号2面1)(2008/09/22 )

 11・2日比谷1万人結集へ

 資本-経営と非和解で対決し「生きさせろ」の怒りの闘いを

 革共同医療福祉労働者委員会

 没落する資本主義の最弱・最悪・最末期の姿が新自由主義だ。民営化・社会保障解体攻撃は、労働者の「生きさせろ」の怒りを激しく生む。新自由主義は「労働者の団結を解体する」ことでしか生きられない資本家にとって“致命的延命策”なのだ。この敵の最終盤に、われわれは敵よりも1日長く「労働者の団結にかけきる」道を貫き、1047名解雇撤回・民営化絶対反対を貫く11・2労働者集会1万人結集を敵にたたきつける!

 医療福祉労働者は6大産別の先頭に

 医療福祉労働者の賃金奴隷としての怒りを抑圧することでしか民営化・社会保障解体などできない。見抜け! その抑圧思想の背後で、やっと息つくことができるガタガタの福田や舛添、御手洗を。いや、労働者階級の激しい怒りと、「4者・4団体=団結解体路線」に屈服しない労働者の存在を前にして、息つくこともできず、福田体制は死んだ!
 この決定的チャンスの今、労働者が「生きさせろ!」のゼネストを実現しようと全国各地で必死に組織化の闘いを展開している。これは世界の労働者と一ミリも違わない闘いだ。「民営化」を理由に労働者・労働組合が資本の論理をわずかでものんだ時、民営化は貫徹される。逆に民営化を理由にした一切の攻撃を許さない闘いで団結しぬいたとき「民営化」は破産する。そうした全労働者の「生きさせろ!」の闘いの最先頭で、団結にかけきる強さと希望の光を照らし続けてきたのが、1047名解雇撤回・民営化絶対反対の闘いではないか! にもかかわらず新自由主義の民営化攻撃に屈服する「10・24集会」の「解雇撤回投げ捨て」「闘う労働者切り捨て」路線は全労働者に対する裏切りそのものだ。
 どんな困難や圧力に対しても仲間を裏切らない誇りと、団結にかけきる解放感と強さだけに依拠して闘ってきた労働者に向かって「敵は強く、労働者には力などない。お願いして政治で解決してもらおう」と言っているのだ。この裏切りで「民営化推進」「民主党流し込み」勢力となり、新自由主義のお先棒を担ごうとしている。絶対に許せない! 4者・4団体路線の10・24を粉砕し、11・2日比谷で「敵よりも1日長く、団結にかけきろう!」と叫ぼう。

 患者がストを応援支持する

 医療福祉労働者の階級闘争における決定的位置は大きい! チェコのゼネストで作った団結を想像して欲しい。新自由主義と対決する階級的労働運動路線で医療福祉労働者が闘ったとき、どれだけの労働者の怒りと闘いを牽引(けんいん)することができるか! 先日ストライキをぶち抜いた病院の労組書記長は言った。「ストライキは患者に迷惑がかかるなんて言うけどウソだ。われわれがストライキに立つや、先頭で応援支持するのは患者や患者家族だった」と。
 「命を守る医療福祉労働者が『敵は資本だ、実力闘争だ、ストライキだ』などと言って患者を見殺しにするようなことが許されると思っているのか」――こんな医療労働者を資本に縛り付ける鎖を、団結して引きちぎり、一律大幅賃上げ・大幅増員・非正規雇用撤廃の実力闘争にうって出よう! 医療福祉労働者こそが先頭に立って「生きさせろ!」の怒りを闘いとして組織しよう。
 それは日本共産党・医労連のように労使一体で国に請願署名を組織することではない。「経営危機」を理由にした低額回答など一切受けない。「国の社会保障解体攻撃」を理由にして、経営当局に対する賃上げ・増員・非正規雇用撤廃の闘いを抑止しないことだ。
 「敵は経営当局じゃない」「悪いのは国の医療・福祉破壊攻撃であって、経営当局はむしろ被害者」「経営当局は社会保障解体攻撃に対して共に闘う仲間」というごまかしを徹底的に暴き、粉砕しよう! 医療福祉労働者の賃金奴隷としての根源的な怒り=労働者としての魂を抑圧する体制内を、公然とした激突で打倒しよう! 逆に、職場で「民営化・社会保障解体」に向けた一切の攻撃を許さない闘いで団結しぬいたその時に「民営化・社会保障解体」は破産するのだ。
 この闘いを貫くには激しい圧力をはねのけなければならない。体制内はこの闘いから逃亡するために「医療福祉労働者は特別」「うちの経営に関しては例外」と闘う労働者に襲いかかる。ふざけるのもいい加減にしろ!
 この言い訳に巻かれた時に「民営化・社会保障解体」は貫徹する。われわれは職場で経営当局と徹底非和解で闘い、団結を資本の枠を越えて拡大し、民営化・社会保障制度解体攻撃に走る国家・資本家階級と全面的に激突する階級闘争をやろう。世界大恐慌・世界戦争前夜情勢下、われわれ医療福祉労働者が先頭に立ち、階級の結集軸を登場させよう。それが11月集会1万人結集だ。

 職場支配権かけて実力闘争組織する

 まずは自分が先頭に立って、敵をはっきりさせ怒ろう。ハウツーなんてない。あえて意識するなら、仲間を獲得するためにみんなの前で本気になって経営当局とケンカしよう。戦術はいくらでもある。華やかな闘争だけが闘いではない。一見小さく見える職場闘争、例えば「残業しているのにタイムカードを定時で押すのやめようよ」と言い出してみるとか……。
 こちらがモノを取ることを目的化せずに、その闘いで団結を作る、職場の労働者の階級性を引き出すことを何よりも大事にすれば、次への一歩に必ずつながる。職場は実力闘争のきっかけの宝庫だ。
 自分が職場での生き難さを自覚したときに、我慢して受け入れなくていい。受け入れないための一歩を踏み出そうとした時、もしあなたが躊躇(ちゅうちょ)するならば、それは間違いなく職場支配権の問題に触れようとしているのだ。それはけっして小さくない。職場を牛耳っているのは、資本なのか、資本のための体制内労組なのか、われわれ労働者なのかが浮き彫りになる闘いとなる。
 「全員正規雇用にするのかしないのか、選択は二つに一つだ。話し合い? 何を話し合う必要がある。納得のいく差別・分断の理由があるのか。そんな理由絶対に許さない」――こうした徹底非和解の闘いだ。
 すべてのものは労働者の労働によって生み出されたにもかかわらず、その一部を労働者に賃金として与えるという形をとって、主人公は経営当局だと、労働者を全面的に支配するのが、資本家の賃金奴隷の縛り方だ。賃金奴隷であると気がついた労働者に、自分が奴隷でいるための和解などない!

 国家暴力うち破る力は仲間との団結

 非和解路線を貫かせないために、資本は労働者に「一面的な要求実現」で非和解性を解消したり、闘いだした労働者への弾圧で「つぶす―つぶされない」の関係に持ち込み均衡関係をとらせようとする。この均衡を破壊してさらなる弾圧をやつらがせざるを得ない闘いに踏み込もう。
 職場の具体的闘争(賃上げ・増員・非正規雇用撤廃闘争)で、資本と非和解路線で激突し、組織化に打って出よう。ここをめぐって体制内との激しい党派闘争を闘おう。これが職場における10・24の「解雇撤回投げ捨て」「闘う労働者切り捨て」なのか、11・2の「解雇撤回を貫き、労働者の団結にかけきる」のかという路線をめぐる党派闘争そのものだ。10・24 11・2はそれぞれの職場にある。

 均衡をとらず攻撃しぬこう

 資本家や国家権力は、「過激派」「暴力集団」という。どんな支配にも折り合いをつけず、どんな弾圧にも屈せず、けっして妥協しないで原則を貫き団結を崩さない労働者の階級性の発露にやつらは恐怖している。労働者が資本主義社会の支配と均衡をとらずに実力でその支配をうち破る団結を資本家は「暴力」と言っているのだ。
 資本主義国家の暴力は、資本家のための法律、警察権力、監獄、軍隊、処分、解雇……本当に暴力そのものだ。不正義そのものとしてしか登場できない。
 しかし、これは法大闘争・サミット粉砕闘争・「4者・4団体路線」に屈服せず団結にかけきる労働者の登場によって、労働者がやつらの暴力に恐怖して萎縮(いしゅく)し、支配体制と均衡をとっている限りにおける幻想であることがハッキリした。
 逆に、やつらの暴力に対して労働者が一歩も引かずに立ち向かい、ついにはそのただ中で新しい仲間が立ち上がり、その仲間との団結にかけきって「弾圧ありがとよ!」とやつらに攻撃的に言い放ったとき、国家の暴力支配は完全に粉砕されるのだ。そして弾圧、抑圧を打ち破る世界の労働者の闘いと直ちにつながるのが、仲間と共に弾圧のただ中に立とうということだ。
 敵は新自由主義。余裕がない。搾り取るしかない。展望もない。自分たちのやっている攻撃で、労働者を団結するしかない状態に追い込んでいる。
 そして支配機構(体制内労組)は産業報国会に転落しようとしている。労働者に絶望を組織する産業報国会の犯罪性は、私たちの原則的な闘いの前でのみ暴かれる。
 社会を実際に動かしているのは資本家じゃない。労働者階級だ。だから経営なんてつぶれていい! 労働者階級が、団結して社会のすべてを奪い返す時代だ!

 11月集会派こそが世界の第1党派だ

 韓国のろうそくデモを牽引している韓国民主労総ソウル本部も、アメリカの港をイラクの労働者との国際連帯で封鎖する闘いをランク&ファイルで組織したILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10も、全世界の「民営化」攻撃と闘う労働者が「路線を曲げない労働組合がある!」と希望を見る闘いを貫く動労千葉も、すべて私たちが肩を組み、ともに「インターナショナル」を歌った仲間だ。世界共通に襲いかかる新自由主義と、同じ路線で、互いに方針に口を挟み合える団結をつくり国際連帯で闘っている。
 われわれは世界の第一党派だ! チェコの100万人のゼネストを牽引した医療労働者と1年後には肩組んでいる! そういう路線の第一党派なのだ。
 戦争か革命か――いまや徹底的に労働者の主体の問題だ。資本家と、国家権力と非和解に非妥協に闘う団結こそが、戦争ではなく革命を組織する実体なのだ。組織化、組織化、組織化! 戦争情勢を世界革命情勢に転化するこの路線で、組織化に打って出よう。

 地区党変革の推進軸・職闘委

 そして、このただ中でこそ、革命ができる党=不抜の地区党を建設し、11月1万人を実現しよう! 地区の労働者の力で現場の非和解的闘争に責任を取る職場闘争委員会は、まさにプロレタリア革命の今日的実践だ。それは単なる大衆運動推進団体でも、「上から強制されて」つくるものでもない。闘争を求める労働者が必要に迫られて生み出し、自主的に結集し、革命に向かって資本・体制内との激突を追い求め、階級闘争を前進させる意識的闘争機関なのだ。
 だからそこでは徹底して曖昧(あいまい)さのない路線論議こそが問われる。日々の実際の攻撃に対して原則を譲らず格闘する中で、路線は生み出され深化する。そしてその貫徹のために実践的に議論し、方針形成にいたるまで責任を取るのが職場闘争委員会だ。
 この中で同志を信頼し、その存在を低めず決定的に位置づけて闘う階級的共同性が生み出されるのだ。「同じ質の闘いで応えていない」「自分はできていない」と一面的に強調する個人主義・能力主義・血債主義的な傾向をのりこえ、党派性、路線性をたえず鮮明にうちたて、真に革命的で階級的な共同性と団結を生み出して闘おう!
 そして職場闘争委員会自身が生き生きとした生命力を持った時、「革命を実現したい。できる!」という熱望が生まれ、マル青労同建設、産別委員会、さらに地区党の変革を決定的に推進するのだ。
 分岐・激突! 大流動情勢を、わが医療福祉労働者委員会は攻勢的に闘う! 党派闘争を促進しまき起こす職場闘争委員会を真にプロレタリア革命をたぐり寄せるものとして白熱的に推進し、待ったなしの地区党の変革を実践的にやりぬこう!
 青年労働者の怒りを先頭に、「経営を守れ」運動に純化する日共・医労連をはじめとした体制内を打倒し、全国で分岐をつくろう! われわれが600万医療福祉労働運動の主流になる! この力で、11・2労働者集会1万人結集をかちとろう!

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週刊『前進』(2360号3面1)(2008/09/22 )

 11・2労働者集会 UNITE!

 “俺たちこそ全逓執行部” 東京中郵

 東京中郵(銀座局)の旧全逓と全郵政によるJP労組への支部統合大会(8月30日)で、動労千葉派の組合員が「闘わない組合執行部は敵だ。俺たちの執行部を作ろう」と呼びかけ、執行部選挙に名乗りを上げた。職場の反響に動揺したJP労組本部が乗り出し、名乗りを上げた4人に「選挙違反」をこじつけ、統合支部大会は怒号のなか、本部派執行部が無投票で決まった。しかし、郵政民営化後の労働条件の極端な悪化が当局と本部派組合執行部との合作である現実が暴かれ、「民営化絶対反対」の闘いは、ついに職場の労働者に地殻変動を生み出している。

 “名乗りを上げて良かった” 「生産性運動」への怒りは職場の声に

 「目の前の執行部(本部派)を名指しで『打倒』と言い切るまで3週間悩んだ。俺たちの本気さが初めて職場に伝わった。名乗りを上げて本当に良かった。本当の闘いはこれからだ」
 当該の仲間の感想だ。労働組合が「生産性運動」を掲げ、裏切りの域を超えた御用執行部の転落に怒りが高まるなか、「JP労組中央打倒」と批判する段階を超えて支部権力に名乗りを上げた。目の前の執行部=糀谷(こうじや)体制打倒を職場で公然と呼びかけ、「現場の俺たちこそが闘う全逓を担おう」と檄(げき)を飛ばした。
 小泉政権による郵政民営化から1年、職場の労働条件は極端に悪くなった。組合は闘おうともしない。職制の締め付けだけが強まる……。
 「俺たちの手で闘う執行部を作ろう」の訴えが、職場の心をとらえ始めた。労働組合は現場で働く労働者のものだ、という労働組合運動の原点がよみがえった。
(写真 闘う俺たちが全逓だ! 廃局粉砕!【4月】)

 ●むき出しになった本部派の裏切り

 本部派の動揺は、8月30日の統合支部大会が近づくにつれて深まっていった。7月26日に行われた組合の集配分会解散会議に支部長の糀谷が参加、なんと「統合執行部の選挙は行わない」と宣言した。「統合後の分会長は支部の執行委員が兼任する」とも通告された。分会運動をやらせない本部の意向だ。
 これをきっかけに現場の労働者の怒りが噴き出した。支部の執行委員に1人の組合員が面と向かって「選挙やらないそうだな? 俺が支部長になるからな!」と挑戦状を突き付けたのである。組合運営から組合員を徹底的に排除する本部派への怒りは、職場全体に広がり始めた。
 土壇場で支部執行部は姑息に動いた。統合大会のわずか11日前の8月19日朝、組合掲示板の隅にコッソリと小さな紙切れで「選挙告示」を行った。立候補締め切りはわずか4日後の23日だ。選挙規約などの通知を含め、職場の組合員への説明は皆無だった。この掲示を1人の組合員が21日になって発見。職場の仲間たちに知らせた。
 「断固出よう!」と衆議は一致した。締め切り前日の22日、4人が立候補を決断した。
 選挙は、東京地本がみずから指名したわずか50人の代議員による選挙だと分かった。現場の組合員は、執行部を選ぶ選挙の代議員が誰なのかも知らされなかった。
 組合選挙は、組合員全員の一票投票が当たり前の原則だ。「これは労働組合の選挙とは言えない」と、組合員を排除した御用執行部への怒りはさらに広がった。

 ●2万4000人削減は当局と御用組合の合作

 統合大会当日、立候補した仲間たちを現場で待っていたのは支部ではなく地本の役員で、4人の仲間に「立候補の無効」を通告してきた。立候補の意志を知らせるビラを当日組合員に配ったことが「規約違反」とされた。支部長は「隠れるように後ろで下を向いていた」そうだ。4人の怒りは爆発した。立候補の意志を組合員に伝える機会すら奪った執行部に正当性はかけらもなかった。
 「代議員の皆さん聞いて下さい。組合員を排除して何が労働組合か。労働組合は組合員のものだ。当局と一緒になって『生産性向上』を掲げる御用執行部を倒して、闘う執行部を俺たちの手でつくろう!」と、立候補の趣旨を堂々と語った。
 訴えは「退去命令」を拒否して10分間も続いた。立候補した4人をやじる者は誰1人いない。手ごたえ十分だった。
 翌日から職場でビラをまいた。職場に明らかな変化が始まった。「あなたたちが本気で闘うなら、泣き寝入りするのはやめる」――現場の一般労働者が、闘わない組合執行部を頼らずに、労働環境をめぐる当局との闘いを独自に始めた。職制の監視下で行動をためらっていた職場の同僚が「メシでも食おう」と話しかけてきた。威圧する職制の目の前で、8割以上の労働者が動労千葉派のビラを受け取り、熱心に読む光景が日常となった。現場の新しい団結が確実に生まれている。
 当局の手先となった組合「暫定」執行部は、「すれ違っても顔も合わせられない」という。
 民営化後、労働条件の悪化で離職を余儀なくされる労働者が相次いでいるのに、執行部は闘おうともしない。唯一やったことは、職場で苦闘する組合員に対して「あいつら(動労千葉派)とは付き合うな」と分断を組織することだった。JP労組中央の綱領は「生産性を上げるために当局につくせ」である。彼らは「2万4000人削減」を進める郵政当局と公然と手を組み、現場労働者を当局に差し出しているのだ。労働条件の悪化は当局と御用執行部の合作なのだ。本部派の組合支配の空洞化が進んでいるのは当然の結果だ。
 今回名乗りを上げた4人は「俺たちこそが執行部」の気概で新たな職場闘争を開始した。一見強固に見えた体制内組合の壁が徐々に、しかし確実に崩れ始めた。

 「民営化絶対反対」貫き団結 隣の労働者を信頼して闘えば勝てる

 中郵の闘いの前進を切り開いたものは、全逓戦線における「郵政民営化絶対反対」路線の確立と、全国の郵政職場におけるその実践だった。
 05年の小泉政権による郵政民営化は、80年代の国鉄分割・民営化で開始された新自由主義攻撃が動労千葉の闘いによって破綻し、追いつめられた支配階級が、あらためて労働運動全体を破壊するために、全逓労働運動を狙い撃ちにする攻撃だった。これを突破口に自治労、日教組などの公務員労働運動を解体し、全社会的な戦争翼賛体制づくりを目指した。
 全逓労働者の仲間は「郵政民営化絶対反対」で闘う意志を固めた。「動労千葉のように首をかけて闘おう!」が合言葉となり、「物ダメ・ストライキで闘う」基本方針が決まった。小泉郵政選挙直後の05年10月21日、東京渋谷・宮下公園で戦闘宣言が発せられた。そして同年の11月労働者集会で全逓の青年労働者が全国の職場で闘いを開始する決意を表明した。東京中郵の仲間が闘いの先陣を切った。07年10・1民営化移行を前に、青年労働者が単身で1週間の超勤拒否を貫き、当局・資本と非和解的な闘いに突入した。
 一見「孤立」した闘いは、民営化で一変した職場環境で苦闘する現場組合員の魂を揺さぶった。年末繁忙期の混乱する職場で青年労働者が再び超勤拒否宣言した時、組合を越えて超勤を拒む労働者が30人近くも現れた。「定時に帰るのは気持ちいいね」と、隣の労働者が声をかけてきた。
 08年に入り、東京中郵の銀座移転は闘いの結節点となった。全逓労働運動の中心である東京中郵を建物ごと破壊する廃局攻撃で、核心は職場の団結破壊だった。
 4月21日夕刻の銀座移転反対集会の直前、当局は課長数人で今回立候補した青年労働者を取り囲み、彼にだけ「超勤業務命令」を出した。あからさまな集会妨害と団結破壊だ。仲間の怒りが爆発した。「俺にも業務命令を出してみろ!」と課長を追及、局内を追いかけ回した。仲間たちは団結の力で「業務命令」を粉砕、超勤拒否を貫いた。
 4・21集会・デモは成功、銀座移転は現場の団結強化に転化した。さらにサミット粉砕の渋谷デモ(6・29)の戦闘的な息吹が職場に伝わった。
 今回、職場の仲間たちは、自分の隣の労働者を信頼し、「民営化絶対反対」「JP労組中央打倒」「民営郵政打倒」を正面から訴えた。
 御用支部長・糀谷の言葉がある。「一般の労働者はどんなに職場が大変でも当局に従う」。典型的な御用運動の思想、労働者蔑視(べっし)だ。絶対反対で闘う労働者が職場に1人でもいれば仲間は必ず立ち上がる。現実に隣で怒り悩み苦闘している労働者は、必ず自己を解き放って立ち上がる。その信念は8・30中郵の闘いに結実した。
 いま全国の郵政職場でゆうメイトの活動家を狙い撃ちにする雇い止め攻撃が吹き荒れている。職場と産別を越えた民営化絶対反対の闘いの力が求められている。
 現場の仲間は語った。「団結を広げる本当の闘いはこれから。中郵の闘いはすべての労働者とつながっている。動労千葉派と世界の労働者が集まる11月労働者集会に、あらゆる職場から大勢の参加を実現しよう」
(写真 東京中郵門前でのビラまき【8月】)

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週刊『前進』(2360号3面2)(2008/09/22 )

 革命軍のアピール

 転向スパイ集団に転落した塩川一派を完全に打倒せよ

 革命軍は満腔(まんこう)の怒りをもって、塩川一派の国家権力への屈服と転向、スパイ行為を弾劾し、徹底的に粉砕することを宣言する。塩川一派は革共同から脱落して1年もたたないうちに史上最悪の転向スパイ集団に転落した。塩川一派発行の『展望』2号には「革共同史の総括」なる組織暴露が公表され、さらに『雲と火の柱―地下生活者の手記』なるタイトルで「革命軍の活動」を暴露する回顧本が出版された。彼らが日帝権力に対して革共同と革命軍破壊の意志を表明することで階級的裏切りを誓った記念碑的な代物である。塩川一派はつい先日まで革共同の内側にいながら、組織的に脱落した途端、共産主義者としての自己解体と腐敗を極め、反マルクス主義の最悪の転向スパイ分子になり果てた。階級的一掃、打倒、解体あるのみである。革命軍は、塩川一派を徹底的に粉砕・打倒する闘いに決起することを宣言する。

 革共同の「内部情報」を権力に売り渡す大罪

 『展望』2号には「飛田一二三」署名の「革共同史の総括深め、新たな革共同を創ろう」と題した、デマに貫かれた「組織暴露」記事が掲載されている。路線的な議論とは程遠いこの暴露文は、06年の「与田打倒」前後の党中央動向と、塩川が短期間、中央指導部の一員である間に得た情報を、塩川的なデマに基づきデッチあげた代物だ。塩川の脱落・逃亡を合理化する後付け文である。
 この暴露文は、実際にはその後、労働者党員の決起によって塩川らが打倒され脱落・逃亡したことで実践的に粉砕され、結果が出ているものではある。しかし筆者「飛田」=塩川はこれらをすべて塗り隠し、革共同破壊のための非難攻撃を策動しているのである。
 問題は、この文書が「批判」らしきものを装って当時の政治局員や会議、会話なるものを暴露し、「中央組織内情報」を権力に提供する行為を内側から全面的に行っていることである。この文書の真の狙いは党内論争や総括ではなく、塩川的デマに貫かれた「党内情報」の公表、「党中央内部情報」の権力への通報=ゲロなのである。
 かつて革共同の元同盟員で、これほど政治局員の名前を次々と暴露したり、組織会議とそこでの発言なるものを公にしたりした者はいなかった。塩川は中央批判を装いながら、実は権力に向かっての組織暴露を何の警戒心もためらいもなく行っているのだ。
 塩川は非公然活動において、最高指導部であることから大量の文書を集め、それを丸ごと権力に奪われる大敗北を3度も(86年長野、89年奈良、91年滋賀)も繰り返しながら、その階級的裏切りに気づかない人物だった。内戦期に権力との闘いで勝利できないまま浮上したのだ。そして今また塩川は、路線闘争に必要でない「内部情報」を権力に積極的に提供して恥じない。ここまで権力に対する武装が欠如してしまった者を指導部としている塩川一派とは一体何か。信じられないほどの脱落、転向ぶりであり、権力にとって最高のスパイ分子への転落である。62年の三全総で分裂脱落し、反革命に転落したカクマルと同じだ。脱落逃亡分子・白井朗以上の階級的裏切りだ。塩川は絶対に許されない反階級的大罪を犯した。
 また『雲と火の柱―地下生活者の手記』なる回顧本は、実に虚無的でみじめったらしい筆致と清算主義的文章でなりたっている。戦闘性がまったくないこんな本が、「雲と火の柱」という革命軍出版物の象徴的で歴史的な、輝かしいタイトルを使っていること自体がまったく許せない。

 階級闘争から脱落逃亡して「回顧本」発行

 「地下生活」を語って権力にその存在形態を明らかにした塩川一派は、ここでも階級的大裏切りを露呈した。非公然活動の内情や生活を、たとえ一部であれ手記にして出版したことなど、わが党は一度たりともない。革命党の組織情報を内側から暴露していいものは一つもないからだ(塩川一派の「完黙はケースバイケース」など論外だ)。
 塩川一派にとって、革命軍が現に今、非公然活動を闘いぬき、権力と日々対峙し勝利している闘いなど、完全に過去のものとなっているのだ。階級決戦の武装的発展を戦いぬける体制を堅持し、階級的要請があれば直ちに戦場におもむく決意で闘っているわが革命軍は、彼らにとってまともに見据えられないもの、あってはならないものなのだ。彼らは、現下に激しく闘われているプロレタリア階級闘争の烈火の戦場から逃亡し、すでに激突を過去のものとした者たちだ。彼らには革命や革共同を口にする資格などまったくない。
 プロレタリア革命の路線を進めるかぎり、本質的に非公然である革命党組織の存在形態を堅守し、敵権力と日々対峙して勝利しぬくことは、絶対に実践的に貫かなければならない闘いだ。革命軍が日帝権力による追及を粉砕し、自由な活動と存在の空間を確保し抜いていることは、帝国主義打倒にとって戦略的な意義をもつ闘いである。だが塩川一派にとっては、この闘いなど、もう過去の物語なのだ。だからこそ関西での当時の会議のもち方や場所、存在形態、活動原則などを、デマを連ねて平気で暴露できるのである。
 階級的労働運動路線は労働者階級の圧倒的な決起のもとでゼネスト―一斉武装蜂起としてのプロレタリア革命を実現する路線である。これに全面敵対する塩川一派は、言葉の上で「内乱・内戦―蜂起」などと口にしながら、実際にそれを準備する闘いとはとっくに無縁であり、権力との対決の緊張感もなくなっている。最悪の転向スパイ集団に転落したのだ。

 革命に絶望しマルクス主義捨て内的崩壊

 今訪れているプロレタリア革命の時代への躍動、そこに向かう労働運動の全面的展開――こうした闘いができる自由な時間・空間をもぎりとった戦いこそ二重対峙・対カクマル戦だった。この積極的な確信は、先の回顧本のどこにもない。
 「これまでの20年とはなんだったのか、そのようなことは考えなかった」と言いながら、この本は自らの過去の闘いへの疑念と後悔に満ちている。つまりこの本の特徴は、70年〜80年代をとおして全党・全軍が血を流して切り開いた二重対峙・対カクマル戦、先制的内戦戦略のP1、P2段階の勝利の階級的意義を積極的に確認できないことである。それは現在の闘いに積極的意義を見いだせない塩川一派の現実そのものなのだ。わが闘いの圧倒的成果が今こそ花開き、実を結ぼうとしているこの時にだ。
 革共同は、二重対峙・対カクマル戦に規定された特殊的闘い方から、91年「5月テーゼ」で労働者の階級的決起に依拠したオーソドックスな武装蜂起戦取の路線への全面的転換を決断した。そして01年の第6回全国大会で対カクマル戦の勝利を宣言し、それに続いて新指導路線―「党の革命」に突き進んでいった。
 しかし彼らは「5月テーゼ」転換の意味も、プロレタリア革命のマルクス主義的理解もできないまま、与田打倒の「06年3・14決起」を行った。それが労働者同志の自己解放的決起と飛躍、路線的勝利の一環であったことが、まったく理解できなかった。彼らは「3・14決起」を戦術主義と党内権力争いの狭い領域に押し込み、自らの官僚的私有財産のように切り縮め、囲い込んだ。それによって彼らは「3・14決起=党の革命」への労働者同志の圧倒的な結集と全国的決起、労働者党員の指導部への飛躍、本格的な労働者党建設の闘いから完全に脱落し、はじき飛ばされ、それを反動的に開き直っていったのだ。
 筆者「高井戸」がこれほどまで虚無的な雰囲気をふりまいている根拠は、塩川一派のプロレタリア革命路線への無展望(絶望)、マルクス主義からの転向、内的自己崩壊である。少しでもプロレタリア革命への執念、こだわりがあれば、このような階級的転向・裏切りへの転落は絶対にありえないことだ。

 塩川一派粉砕し11月1万人結集へ闘おう

 われわれは生死をかけた革命的内戦で革命党=革共同を守り、プロレタリア革命の拠点、動労千葉、法政大学生運動、三里塚闘争、部落解放闘争などを反革命から守り抜いて勝利してきた。とりわけ動労千葉の闘いは今、全国―世界へと全面的に広がり、プロレタリア日本革命―世界革命へと羽ばたいている。
 動労千葉が国鉄分割・民営化攻撃に断固ストライキで闘い、今日の勝利を切り開いている現実の中に、階級的に団結しマルクス主義を貫徹して闘ってきた実践的回答がある。「安田打倒」などと、動労千葉とその指導部への敵対を組織する塩川一派のもとでプロレタリア革命の勝利などあるはずがない。だから彼らは、国鉄1047名解雇撤回闘争を解体する4者・4団体路線をあろうことか「断固支持する」と表明しているのだ。
 今や塩川一派は、階級的労働運動路線、マルクス主義と7月テーゼに全面的に敵対し、「革共同憎し」「動労千葉憎し」を唯一最大の動機とする、路線なき革命党破壊集団、最悪の転向スパイ集団に転落した。塩川は、権力への投降者として歴史のくずかごに捨てられ、解体されるべき存在に転落した。
 塩川に追随している人たちに尋ねたい。史上最悪のスパイ行為をやっても恥じない塩川らのもとに、これからもずっと付き従うのか? これまで自分が人生をかけ、生死をかけて闘い抜いてきた反革命や権力との闘いを投げ捨てるのか? プロレタリア革命の道が塩川一派のもとにあると思うのか?
 動労千葉など闘う3労組が呼びかけ、世界金融大恐慌と福田打倒情勢の中で闘われる11・2労働者集会は、全世界の労働者階級の解放をかけた大集会だ。この闘いの中に差別と民族抑圧をも根底的に打ち砕く力がある。国際連帯の広がりがそれを示している。そして、1万人結集実現の中に革命の現実性があるのだ。
 革共同中央や革命軍の組織暴露を行った塩川一派を絶対に許さない。われわれは、塩川一派の粉砕・打倒のために総決起する。塩川一派の敵対を粉砕し、11・2労働者集会1万人結集を絶対に実現しよう! 日本革命をこの手に握りしめよう!
 ともに闘おう!

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週刊『前進』(2360号4面1)(2008/09/22 )

 北延伸阻止!10・5三里塚へ

 反対同盟と固く団結し新たな農地強奪粉砕を

 新自由主義攻撃と闘う砦=三里塚

 10・5三里塚全国集会は目前に迫った。反対同盟の呼びかけに応え、決戦の三里塚へ全国から総結集しよう。先の労農同盟論(本紙2358号)に続き、本稿では現下の三里塚現地攻防とエスカレートする成田空港の軍事化攻撃との闘いを中心に、10・5三里塚全国集会への大結集を訴える。10・5闘争の大爆発をかちとり11・2日比谷1万人結集へ総決起しよう。

 形変えた農地収用攻撃との全面激突

 福田内閣が倒壊した。すべてを市場原理に委ねる新自由主義攻撃に対して、動労千葉を先頭とする労働者階級と農民の怒りが福田打倒に導いたのだ。だが、戦争と新自由主義攻撃以外に日帝の延命の道はない。日帝ブルジョアジーは侵略戦争と改憲、新自由主義攻撃を極限的に激化させざるをえず、労働者の団結した力との激突は避けられない。全世界で労働者・農民のスト・デモ・暴動――生きるための闘いが陸続とまき起こっている。三里塚闘争は、この労働者・農民の決起とともに、新自由主義攻撃と全面対決し粉砕する最前線の闘いとして、新たな決戦段階に突入した。
 まず第一に、三里塚現地攻防が決戦であることを確認しよう。三里塚闘争は、暫定滑走路の北延伸攻撃との全面的な激突局面に入った。日帝・国交省、成田空港会社は「2009年10月末完成」にむけ北延伸工事を現在急ピッチで進めている。北延伸それ自体は、日帝の航空政策の危機の抜本的解決という点で、まったく意味がない。新設する誘導路は驚くべきことに滑走路南端を横切る異常設計、「へ」の字誘導路に加えて危険をさらに増幅させる。長さは2500bに留まり、飛行回数も微増するにすぎない。
 にもかかわらず突貫工事を強行する敵の狙いは、天神峰・市東孝雄さんの農地強奪と東峰地区の解体である。もって、北延伸滑走路と南側のすでに完成している滑走路をつないで3800b滑走路建設を強行する――これが航空政策の敗勢にあえぐ日帝ブルジョアジーの絶望的計画なのだ。ちなみに3800bは、北に延伸する320bと、暫定滑走路で北に平行移動した800bと、さらに平行滑走路本来計画2500bを加え、すでに滑走路と同じ強度で整備されている南端部200bを足して実現する滑走路長だ。
 この6月には国道51号線のつけかえトンネルが供用開始となった。「東峰の森」を破壊して強行された新誘導路工事は東峰地区を東西に分断し、その一方を空港内に取り込む攻撃だ。
 現地攻防を押さえる点でさらに重大なことは、この攻防が71年代執行阻止決戦以来の、日帝・権力による直接的な農地収用攻撃との闘いだということである。事業認定(土地収用法)を粉砕された日帝は、常軌を逸した農地強奪攻撃に踏み切っている。破産した土地収用法に代えて、民法や農地法による土地の「公用収用」の攻撃である。市東さんの農地取り上げ攻撃、天神峰現闘本部撤去攻撃、一坪共有地強奪攻撃がそれだ。
 さらに今秋、成田空港会社は市東さんの農地強奪のために新たな提訴の策動を強めている。空港会社は「08年10月12日をもって賃貸借契約を解除する」旨、1年前に一方的に主張しており、10月12日になるといつでも提訴可能な状況となる。
 06年9月の堂本千葉県知事の許可決定自体が不当だ。それに対して、市東さんは行政訴訟で提訴中だ。にもかかわらず、新たな「農地明け渡し」の提訴など断じて許せない。提訴を許さない闘いを10・5集会でたたきつけよう。
 さらに、市東さんの畑とともに誘導路の障害となっている天神峰現闘本部の建物をめぐる裁判は、裁判所(千葉地裁民事5部・仲戸川隆人裁判長)に実地検証をさせる闘いが決戦段階に入った。検証却下―拙速審理を粉砕し、闘いの拠点を守り抜かなければならない。9月25日の再開第3回弁論(要項別掲)に結集しよう。
 一坪共有地強奪裁判も含め、階級裁判としての三里塚闘争裁判は現地攻防と完全に一体だ。これらのすべてが三里塚反対同盟つぶし、闘争破壊のための追い出し工事だ。10・5全国集会はこの北延伸攻撃を見すえ打ち返す決戦突入集会である。
(写真 農地強奪と東峰地区解体の攻撃と対決し激烈な現地攻防を闘いぬく【7月27日 三里塚】)

 アジア・ゲートウェイ構想粉砕の火点

 1980年代、中曽根の「戦後政治の総決算」攻撃に対して、動労千葉は分割・民営化の攻撃をうち破り階級の闘いを守り抜いた。三里塚闘争はこの動労千葉とともに階級的連帯をうち固め、新自由主義攻撃と真っ向から闘っている。それが今日、アジア勢力圏化とその戦略としてのアジア・ゲートウェイ構想を粉砕する火点となっている。
 日帝ブルジョアジーは、新自由主義政策の最も遅れた分野として航空と農業をあげ、このボトルネックを突破する政策としてアジア・ゲートウェイ構想を打ち出した。
 三里塚43年の闘いは、日帝の航空政策に致命的な打撃を与えている。財界のシンクタンクである航空政策研究会会長(岡田清=成城大学名誉教授)は、2006年9月に開かれたシンポジウムの冒頭で、「日本の空港政策は周回遅れ」とその破綻を認めている。
 韓国の仁川空港や中国の上海・浦東空港、タイのスワンナプーム空港、シンガポール・チャンギ空港などがすべて4000b滑走路を複数備え、中には3本も4本も持つものがある。仁川空港はこの6月に3本目の4000b滑走路を完成させ、さらにもう1本の準備を進めている。完成すれば年間離発着は53万回となる。
 他方、成田は完全に立ち遅れている。現在20万回、北延伸が完成しても2万回増えるだけだ。日本の地方旅客は大半が仁川に取られている。成田が地方空港と結ぶ路線は8路線しかないのに対し、仁川は日本の地方空港25カ所に直行便を持っている。その結果、西日本の旅客はもちろんのこと、東日本の旅客でも、仁川に直行便で飛びそこで乗り換えて目的地に行くという流れが完全に定着している。日帝は「成田パッシング(素通り)」という危機に追いつめられている。
 一方、貨物便でも成田は転落している(仁川がアジア第1位)。物流ネットワークの死命を制し、経済活動そのものと不可分に結びついている貨物便の分野ですら、成田は危機に陥っている。日帝支配階級の航空・空港政策の遅れに対する危機感は尋常ではない。
 すべてを市場原理に委ねる新自由主義のもとで、戦略的産業としての航空産業の破綻は日帝にとって致命的である。
 さらに新自由主義攻撃のもうひとつの柱が国内農業と農民切り捨て政策である。アジア・ゲートウェイ構想は「攻めの農業」と称する政策を打ち出した。「比較優位の農産物を海外に輸出する」というものだが、キャッチコピーにすぎず、真の意味は国内農業つぶしである。EPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)は、工業製品の輸出と引き替えに農業市場を開放し300万戸農家を14万経営体に極小化するものなのだ。さらなる収奪の対象とし矛盾を激成させる。
 この農業政策は、戦後農地解放で闘いとられた農地法と農地制度の解体を伴って強行される。市東さんに対する「農地法による農地の取り上げ」という異常な事態は、日本全国で進められる農業切り捨て・農地破壊の象徴であり、「戦後レジームからの脱却」をかけた改憲攻撃の先取りなのだ。そして農地法撤廃攻撃が強まっている。耕作放棄地の資本による独占が狙いだ。
 06年7月にこの攻撃が市東さんに襲いかかった時、三里塚農民はこれを、日本農民全体にかけられている農業・農民破壊攻撃であるとらえ、300万農民の先頭に立って反撃を開始した。
 反対同盟は「農業のない社会はありえない」「今こそ農民と労働者が連帯してこの新自由主義攻撃と闘うべきだ」と訴え、日本の全農民に檄を発し、全力で闘っている。三里塚はまさに新自由主義攻撃と闘う砦である。

 成田空港の軍事化攻撃を打ち破ろう

 さらに三里塚闘争は、沖縄の闘いとともに米帝の先制核戦略、米軍再編攻撃と闘う最前線に位置する反戦闘争である。成田空港は朝鮮侵略作戦計画5027に組み込まれた大兵站(へいたん)基地だ。
 8月30日、8都県市合同防災訓練・千葉県会場訓練が、成田市を主会場にして強行された。自衛隊や県警、県、消防など130機関から5000人が動員された空前の大規模訓練である。昨年11月21日の「国民保護訓練」をエスカレートさせた戦争動員訓練であり、成田空港の軍事化を示す象徴的攻撃そのものだ。
 他方、昨年11月29日には成田空港の防衛を軍事目的とした新型ミサイル=PAC3が習志野基地に配備された。その移動展開訓練が今年7月28日、秘密裏に強行された。朝鮮半島情勢の緊張とも連動した成田の軍事基地化攻撃そのものである。断固粉砕しよう。
 PAC3の展開は、アメリカ帝国主義の核先制攻撃体制を支えるものである。東欧においては、米帝によるロシアへの先制攻撃とその迎撃のためのMD(ミサイル防衛)計画強行に対して反対闘争が爆発している。PAC3ミサイルの配備に反対する闘争が広範に起きている。
 成田空港は朝鮮半島有事の際の米軍の兵站拠点に位置づけられる戦略拠点である。防衛と攻撃は表裏の関係にある。アフガン、イラク――中東、そしてグルジアと侵略戦争が拡大し、朝鮮半島の危機が激成される中で、日帝にとって成田の軍事化は急務なのだ。三里塚闘争は、この攻撃と闘う反戦・反核、反権力闘争の拠点である。

 労農の団結を固め11・2労働者集会へ

 10・5三里塚全国集会で闘いとる課題を鮮明にしたい。
 第一に、北延伸工事による闘争解体攻撃と断固対決し粉砕する現地闘争陣形を圧倒的に強化することである。三里塚農民にとって営農と日々の生活が日帝権力と空港資本との闘いなのだ。北延伸工事(新誘導路建設)と対峙し闘う三里塚農民と断固連帯しよう。現地闘争に決起し、援農と現地調査で三里塚農民の神髄に触れ、闘いを学ぼう。
 第二に、10・5全国集会の直後にも予想される市東さんの農地強奪のための新たな提訴攻撃を満身の怒りで迎え撃ち、いま闘われている耕作権裁判と農地強奪阻止行政訴訟と併せて勝利することである。そのための広範な支援運動を闘いとろう。
 さらに実地検証をめぐる天神峰現闘本部裁判の決戦に勝利することである。9月25日の再開第3回弁論は文字どおり決戦だ。反対同盟は当日朝、千葉地裁包囲の集会・デモに決起し、戦闘的な法廷闘争に臨む方針を打ち出した。続く30日には市東行政訴訟が闘われる。審理打ち切り策動との緊迫した法廷闘争を展開する暫定滑走路認可取消訴訟控訴審、鈴木幸司さん・いとさんへの一坪共有地強奪裁判も含め、三里塚階級裁判闘争を全力で闘おう。
 第三に、10・5全国集会を労農連帯をさらに強固にうち固める集会として、大結集をかちとろう。三里塚闘争は動労千葉との労農連帯なしに闘い抜くことは考えられなかった。「労農同盟の萌芽」といえる闘いの砦を打ち固め、労農同盟軍として結合をさらに強固にうち固めるのである。三里塚闘争で培われた労農連帯に敵対し、動労千葉に悪罵を投げつける塩川一派を打倒しよう。
 10・5闘争から11・2労働者集会1万人結集へ前進しよう。
 (斉田 猛)
(図 成田空港暫定滑走路の北延伸・農地強奪攻撃の攻防点。@市東さんの畑。A国道51号線の切り替え工事。6月に共用を開始した。北延伸工事の推進を狙う。B新誘導路建設のため生活道路を破壊。)

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週刊『前進』(2360号4面2)(2008/09/22 )

 大阪の自治体 橋下の足元で青年が反乱

 組合ユース部選挙で大躍進

 「やった!」「信じられない!」――たった一人からはじめたユース部三役選挙戦で、「査定給絶対反対で闘おう!」と掲げた僕らは、1カ月の短期決戦の末に、3千人の組合員の中から800近くの票をかちとった。マスコミの公務員バッシングの大重圧の中でも、やっぱり自治体の青年は「やってられるか!」「なんで組合は闘わないのか!」と怒っていることがはっきりと示された。アメリカ・韓国のゼネストを超える闘いが絶対にできる! 橋下なんか打倒できる!

 「査定給絶対反対」を掲げて

 僕が所属している組合は、自治労の中でも圧倒的な組織率・組織力を持ち、特に反戦集会への動員力を誇ってきた。しかし、この数年で豹変(ひょうへん)した。公務員バッシングに一言も反論しなくなり、ついには「査定給は必要」というところまで行き着いた。公務員200万人首切りの時代を前に、執行部の裏切りは絶対認められない!
 僕は、執行部に反論するだけのあり方を超え、「自分が責任を取るんだ」と立候補した。それに対して「立候補不受理」という信じられない弾圧をかけられた。「絶対に許せない」「こんな組合変えたい」と真正面から訴えた。「一緒にやる」という仲間が次々と出てきて、20人が抗議ビラに名前を公表し、立会演説会では一緒に壇上に上がって実力で抗議した。組合役員をやってきた仲間も、これまでの体制内労働運動との激突を一緒に決意して闘った。
 その決意と団結の力は執行部をグラグラにし、ついに選挙やりなおしをかちとった! 僕らは「この団結を絶対に守る!」と確信していた。だから、自然に「絶対に勝ちに行く」「主流派になる」という決意が生まれた。1人だった候補者は3人になり、大きな衝撃を生み出した。
 しかし、弾圧はますます吹き荒れた。職場にビラを配るだけで、あらゆるところで組合役員との激突になった。ビラまきに対して「庁舎管理規則違反」「選挙違反」、いろいろ理由をつけて回収してくる。あるいは組合が当局に通報する。組合役員の友だちが敵として登場することも多々あった。それでも「何のための組合なのか!」「労働者が団結することに規則なんかあるか」「それでもまくんだ」と労働者・来庁者の目の前でみんなでやり返して、計1万枚近いビラを30カ所近くの職場に入ってまききった。地区の仲間もさらに追撃のビラをまいた。
 弾圧は職場でも一人ひとりに対してかけられた。「洗脳されてるんじゃないのか?」「職場を分断する気か?」と支部から説得される、所属から呼び出される……。それに対し、一人が動揺したら全員で駆けつけて夜中でも話し合った。「この弾圧の向こうに自治労本部がいて、橋下がいて、福田がいる。やつらのもくろみをグラグラにする決起だからこそ、簡単にはいかない。でも現場は味方だ。弾圧で身動きがとれなくなっても、気持ちは一つだということを忘れないでほしい」
 労働学校や青年集会もまたそういう場になり、団結をどんどん太く固くしていった。行動できなくなった仲間が出ても、もう一人がその重圧を引き受けて決起した。僕らの団結は、ものすごい重圧の中で一人も脱落させなかった。そして、団結の力でかちとった激突を辞さない闘いが現場に響きわたった。弾圧をのりこえて立ちきったからこそ、800人近い青年を獲得した。

 体制内執行部と激突し団結

 革命情勢は目の前の職場にある。怒りは充満している。問題はこれにどう火をつけるかだ。
 はっきりさせないといけないのは、「闘っても勝てない」「労働者は支配されないと働かない。会社あっての労働者」などと絶望ばかり組織して、この怒りの火を消して回っているのが体制内労働運動だということ。だから、僕らの闘いはまず職場のすぐ近くにいる体制内との激突になる。いったんはめちゃくちゃ浮くかもしれない。だけど、その激突の中で本当に感動的な団結が生まれる。「こいつらについていくと決めた」「この団結の中に生きたい」と現場は決起を始める。
 そして、決起した労働者はどんどん変わっていく。普段おとなしいやつが一緒に演壇に上がった。「警察を呼ぶぞ」と言われながらビラまきをやりきった。出会ってすぐにマル青労同に加盟した仲間もいる。この仲間の力を信じて、失敗を恐れずに真っ向から「絶対反対」を掲げてやってみることが大事だった。
 最後に言いたいのは、こんな闘いを一人でできるわけがないということ。職場の枠を越えて仲間と職場闘争委員会を作った。闘いの出発点は、まず「絶対にこんな社会を変えるんだ」という党員の怒りと執念。さらに「絶対にお前の手を離さない」という党の団結だ。それがまず一人の決起を生み出し、そこから生まれてくる団結を絶対に崩さない力になった。
 だから、本当に団結した党があれば誰でもできる闘いなんだ! 党の団結にかけきって、激突を辞さずに職場で主流派として登場する挑戦を開始しよう! 自治体丸ごと民営化絶対反対の路線を貫こう! その先に11月集会1万人結集―ゼネストの道がある!
(投稿/自治体青年労働者・青野暁人)

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週刊『前進』(2360号4面4)(2008/09/22 )

 日程 ●9・25千葉地裁デモ

  9月25日(木)午前8時30分
  千葉市中央公園集合
   (パルコ前/JR千葉駅から徒歩10分)
 ●現闘本部裁判傍聴闘争
  9月25日(木)午前9時45分千葉地裁前集合
  午前10時30分開廷/千葉地裁

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週刊『前進』(2360号4面5)(2008/09/22 )

 日程 三里塚裁判に結集を

 9月30日(火)
 市東さん農地強奪阻止行政訴訟
 (原告/市東孝雄さん)
 午前11時開廷/千葉地裁
  ※傍聴券抽選のため10時結集
 10月23日(木)
 鈴木幸司・いとさん一坪訴訟
 午前10時30分開廷/千葉地裁

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週刊『前進』(2360号5面1)(2008/09/22 )

 全学連大会 全国学生は10・17法大解放集会へ

 一人の仲間も見捨てない! これ以上の法大当局の暴挙を絶対に許さない! 全国大学の法大化阻止!

 織田委員長のまとめ “この路線で勝負しよう”

 

全学連執行部
委員長  織田陽介(東北大・理)
副委員長 倉岡雅美(法政大・人間環境)
同    安藤聡男(広島大・文)
書記長  冨山小太郎(京都大・農)
書記次長 石田真弓(東北大・経)

「一人の仲間も見捨てない! これ以上の法大当局の暴挙を絶対に許さない! 全国大学の法大化阻止!」の戦略的スローガンを打ち立てた全学連大会から、織田陽介委員長のまとめ、参加者の発言、三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長の来賓あいさつを紹介します。(編集局)
大会の最後に訴えたいことは、学生はこの時代にどう生きるべき存在なのかということです。
すでに法政大で、のべ88人が逮捕されたんだけど、別にみんなブルジョア社会を見限って、あるいはブルジョア社会から見放されて決起したわけじゃない。「こんな社会じゃ、おれたちどうせだめだから、もう逮捕されてもいいや」みたいな話ではないでしょ(笑)。ここに本物の人間的な生き方があるんだっていう確信に燃えて決起したんです。

 こんな社会は絶対おかしい

 こんな社会は絶対におかしいという怒りを爆発させよう。だって今、大学でも専門学校でも、「資格がないから就職できない」みたいに、全部おれらの責任だという話にされてるじゃないですか。そうなんですか?
おれたちが能力ないから働けないんですか?! 
 違うんですよ。 資本家が、企業が、めちゃめちゃリストラやって首切っているから働けないんでしょ。それを全部学生の責任にして、「お前は資格がない」「スキルがない」という話にされてるんですよ。
 大学の前では「公務員になろう」なんてビラがよくまかれている。公務員学校の学費が年間40万円で、「創立15周年で15%割引します」なんて言いながらまいてますよね。だけど「公務員200万人の首を切る」って言ってるわけでしょ。そんな現実には一言も触れずに40万円ふんだくって、あとは「首切られても知らないよ」っていうわけだ。そして、必死になって就職を決めたって、職場でとことんこき使われてサービス残業やらされ、過労で倒れる。”こんな仕事、本当にやりたかったの?”っていう現実ですよ。こういう大学のあり方、社会のあり方に対して、腹の底から「間違っている! 許せないんだ」っていうことをはっきりさせようじゃないですか。
 今全世界で、生きるためのゼネストの嵐になっています。『貧困大国アメリカ』という本を読みましたか? あそこに書かれているアメリカの現実を見て下さい。1日入院したら240万円取られる。5千万人が健康保険に入っていない。ふつうの人は病気になっても医者にかかれない。
 新自由主義の行き着いた先がこれなんです。労働者の首をとことん切って切って、使い捨てにしていく現実ですよ。
 こういう状況の中で、ストライキの嵐が巻き起こっている。アメリカの労働者は「資本によっておれたちの人生が決まるんじゃない。団結してこの時代を切り開いていくんだ」という立場でどんどん決起している。そうやってストライキが始まっている。
 闘いの中で国際的な団結がどんどん拡大している。アメリカの労働者は、顔も知らない、会ったこともない海の向こうのイラクの労働者とがっちりと握手を交わしている。「おれたちが本当に強くなれば戦争だって止められるんだ」という革命的な握手を交わしたんです。こういう時代に「おれたちはこういう生き方がしたいんだ」「こうやって世界の労働者とつながりたいんだ」って心から思うわけですよ。
 おれたちは使い捨ての商品なのか。能力もない、就職もできない、フリーターで、ニートで……そうじゃない。そんな存在じゃないんだ!
 この世界は変えられる。戦争をやってでも生き延びようとする帝国主義を倒し、世界革命をやっておれたちの社会をつくる。そういう革命的な存在なんだ。こういう生き方があるんだ、こういう生き方をしよう――これが法大闘争を闘う中でつかみきった学生の生き方なんです。
 法大文化連盟の闘いにこたえ、「一人の仲間も見捨てない! これ以上の法大当局の暴挙を絶対に許さない! 全国大学の法大化阻止!」――このスローガンを本大会でうち立てた。このスローガンで全国の闘いを巻き起こそう。3日間の討論をやりきって、ここで一致した!
 具体的には、倉岡雅美さんへの処分を絶対に許さないということで燃え立とうじゃないですか。仲間をつくって全国から法大に駆けつけよう。なんとしても処分を粉砕しよう。学生を1千人集めて集会をやるような巨大な運動にする、そういう腹を固めようじゃないか。そういう生き方があるんだっていうことを示そう。
(写真 大会1日目、全国から結集した参加者に議案提起をする織田陽介全学連委員長【9月13日 東京・文京区民センター】)

 獄中の20人の仲間とともに

 大会の冒頭、時代認識と路線で一致することが課題だと訴えて議案を提起しました。ここで一致をかちとれたことで、やはり今大会は大成功だったと自信をもって語れる。文連ともそこを基礎に団結を固めることができた。
 何よりも、20人の仲間が獄中にいることを片時も忘れることはできない。「弾圧ありがとう」と本当に言えるのか、という議論がありました。20人取られて数が減ったということではなく、20人逮捕されて1千人の学生が決起する。これがおれたちが掲げた方針じゃないですか。こうなったときに「弾圧ありがとう」と言い切れるんだ。
 20人の同志と団結して10・17法大集会、11・2全国労働者集会に向けて突撃しよう!

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週刊『前進』(2360号5面2)(2008/09/22 )

 参加者の発言から

 “これが新自由主義大の姿”

 “法大当局との力関係覆す”

●京都大 法大決戦に絶対に勝利したい。一人の仲間も見捨てない。この点で全員と本当に一致したい。僕は法大当局を絶対に許せない。倉岡さんへの処分を絶対に粉砕してやる。だからこそ僕は隣の仲間を組織する。
●東北大 倉岡さんへの処分を絶対に許さない。10・17に日就寮生を絶対に連れていきたい。文連と全学連とで行われたような討論を、寮生との間でもとことんやりたい。
●東北A大(初参加)
5・28〜29でつくり上げてきた闘いを10・17法大でやる。この2年半で88人の逮捕、それだけで異常じゃないか。自分が89人目になる決意はある。あいまいな気持ちでは闘えない。革命か戦争か、勝利か敗北かという決戦に自分も立ちきる。
●京都大 学生が全国から千人集まってくることをリアルにイメージしてみたらおもしろい。千人集まったら誰もが注目せざるを得ない。自分も誰かを誘うことができる。何かあったら留年は確実かもしれないが……。それでも法大に駆けつける価値はある!
●首都圏・M大 国家はあくまでも一部のブルジョアジーの組織。僕は日本が好きだからこそ、労働者とともに闘っていきたいと思う。大学が学生の主体的なものを奪ったら本末転倒だ。増田総長は法大を自分のものだと勘違いしている。ジャージ軍団による制圧など勘違いの最たるものだ。流血を辞さず闘いましょう。同志を見つけて革命を起こしたい。
●京都大(初参加) 今までの自分のかかわりは闘っている人の素晴らしい話を聞いて「いい演説をするなあ」と満足しているものだった。革命は誰かがやってくれたらいいなと思っていた。大学にも社会にも絶望していた。だが法大に行って「こんな大学があってはならない」と本当に怒りを感じた。法政大学は新自由主義大学の裸の姿。おれはここにいる全学連の仲間とともに闘う。
●高校生 ジャージ軍団を懲らしめたい。そのために人数を集めて闘うしかない。どう集めたらいいかを本当に知りたいんだ。僕は10・17法大キャンパス集会に学校と予備校を休んでいこうと思う。7・24集会で知り合い二次会に誘ってくれた大学生が、僕の目の前で公安に逮捕された。怒り心頭ですよ。公安を弾圧したい。
●広島大 僕も5・29で逮捕された。去年全学連大会で「新井君、友部君のように闘おう」と提起された時は、あいまいな立場だった。大学の単位も取ってたし卒論も準備していた。だが、法大闘争は逮捕覚悟で闘う価値があると思う。だって5・29デモは、わずか2〜3分だったけど、めちゃめちゃ気持ちよかったでしょ。革命情勢を体現している法大闘争で千人が立ち上がると確信している。何よりも法大当局は許せない。そういう闘いが法大の闘いだと思っている。11・2には文連もぜひ来てほしい。世界の労働者と連帯して世界を変えよう。
●広島大 5・29で逮捕され、6・29でまた逮捕されました。後悔はありません。こういう人生もありかなと。世界中に仲間がいる。今、実体経済の10倍がマネーとして流れている。いつそのバブルがはじけるかという危機だ。就職しても満足に働けない。誰が希望を持てるんだ。こんな社会に生きることを拒否しよう。資本家にすがるのか労働者の団結に生きるのかが問われている。逮捕されても大丈夫!
●東京・S大 6・29のデモに行って、この団結こそ勝利であり、おれが行くべき場所はここしかないと再び確信できた。法政で1千人集めれば日本中の大学に闘いが広がる。千人集まればカクマルだって吹っ飛ばせる。
●広島 10・17に向けて1千人の結集を実現したい。広大でも3人の同志が獄中に奪われている。団結なしに勝利できない。大会に合流した文連の決意にこたえたい。
●富山大 大学の主人公は学生だ。労働現場の主人公は資本家ではなく労働者だ。その主人公である学生や労働者が生きづらくなっている。言いたいことを言って何が悪いのか。法大闘争で勝たないと、ほかの大学でもそうなっていく。絶対反対の声を上げていこう。
●中四国・N大 ビラもまけないし、タテカンもマイク演説もできないことに反対し「一緒に闘おう」と呼びかけたら、この2年半で88人の逮捕! 同じ学生が弾圧されるのは許せない。この怒りで1千人結集を絶対に実現できる。法大当局との力関係を覆して、11月1万人結集をかちとろう。

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