ZENSHIN 2008/08/18(No2355 p06)

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週刊『前進』(2355号1面1)(2008/08/18 )

 東西革共同集会 11月1万人決起へ戦闘態勢

 福田打倒・賃上げゼネストへ

  8・3東西革共同集会の成功と夏季特別号の路線・方針提起をもって、革共同は11月1万人総決起に向けた戦闘態勢を打ち固めた。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争と8・15闘争の階級的高揚は、完全に11月総決起への戦闘的なスタートとなった。この間にも、世界金融大恐慌の本格化のもとで、インフレの爆発と景気後退・不況化や、米欧帝とロシアが激突する世界戦争の新たな火点としてのグルジア情勢の緊迫など、世界はまさに激動に次ぐ激動だ。革命的情勢はいよいよ成熟している。福田改造内閣は大恐慌とマイナス成長突入に直撃されてグラグラであり、労働者への階級戦争と外への侵略戦争を絶望的に強めてきている。プロレタリア世界革命の旗を高く掲げ、階級的労働運動の爆発的発展をかちとろう。福田政権打倒、一律大幅賃上げと「生きさせろ!」のゼネスト実現へ、11月1万人大結集へ、今こそ真一文字に突き進もう。 

 革命の路線が鮮明に 東京 08年前半の大勝利に沸く

 東京集会の会場・赤羽会館には920人が集まった。職場・キャンパスでの激闘をやり抜いた若き革命的共産主義者の闘いが全党をとらえ、11月労働者集会1万人決起へ、階級的労働運動路線の爆発的な前進が始まったことを、全参加者が感動的に実感する集会となった。
(写真 東西で革共同集会が成功!6大産別先頭に動労千葉派の大躍進始まる 東京・北区赤羽会館講堂【8月3日】)

 蜂起とプロ独指導する路線

 革共同政治局を代表して木崎冴子同志が基調報告を行った。
 木崎同志は、まず5・28〜29法大決戦から6・29渋谷デモに上りつめた08年前半を振り返り、@職場生産点で、資本および体制内労働運動と絶対非和解で闘いぬいた階級的労働運動路線の勝利であること、A分割・民営化攻撃を唯一打ち破った動労千葉労働運動が、革命に向かうすべての困難を突破し、蜂起とプロレタリア独裁を目的意識的に指導できる路線を形成してきたこと、B2000万青年労働者が革命の主体であることをとらえ、マル青労同がその全体を獲得する地平を切り開いていること、C警視庁公安部に大打撃を与えた5・29戦闘を闘いとったマル学同が、新自由主義を打ち破る革命的学生運動の再興を成し遂げつつあること、D階級的団結論こそ生きたマルクス主義、共産主義の今日的実現であること、E三里塚闘争、沖縄闘争などが階級的労働運動路線の下に統一して闘い勝利する地平が前進し、三里塚ではプロレタリア革命に向かう労農同盟が始まっていること、F弁護士戦線が国家機構の内側から革命的な前進を成し遂げていること、などを生き生きと確認した。
 そして「世界革命の時代が到来した」ことを一点の曇りもなく明らかにし「マル青労同・マル学同1千人建設が一切の成否を決する。レーニンが革命への直線コースで『帝国主義論』『国家と革命』での命がけの飛躍を必要としたテーマそのものに立ち向かおう。そして5・27臨大闘争弾圧裁判と国鉄1047名闘争をめぐる体制内派との路線的大激突に勝ち抜く第2次国鉄決戦が、11月1万人結集を実現する分水嶺だ」と提起。最後に来春闘の大幅賃上げ闘争を含め、「福田政権打倒を射程に入れたゼネスト宣言集会として11月集会をかちとろう」と訴え、満場の拍手がこれに応えた。
 続いて革共同の特別アピールで大原武史同志が登壇した。大原同志は「11月1万人結集の展望をつかんでいるか?」と問いかけ、米ILWUの5・1ストや民主労総ソウル本部・起亜自動車のストを決断した指導者たちの火を吐くような決断を紹介し、「自分の職場で火柱を上げる決断を」と鮮烈に提起。「わが革共同には、すべての世代において最も戦闘的で革命的な同志たちがいる。われわれこそが2000万青年労働者と結びつく時だ。不抜の団結で、11月へ徹底的にラジカルに闘おう」と気迫に満ちたアピールを行った。

 反対同盟が 労農同盟訴え

 集会冒頭、「労働者と農民は手を組み闘おう」と、動労千葉ジェット燃料輸送阻止の労農連帯の歴史をたたえる三里塚芝山連合空港反対同盟のメッセージが紹介された(別掲)。続いて連帯のあいさつで、部落解放戦線から西村豊行さんが登壇し、戦前の水平社が侵略戦争に屈服した歴史と同じ道をたどり始めた解同全国連本部との決別を宣言、「階級的労働運動と7月テーゼの立場から帝国主義を打倒する部落解放闘争の路線を進みたい」と決意を語った。
 沖縄民権の会の座覇光子さんは「沖縄闘争は本土・沖縄を貫く労働者の問題だと気づいた。沖縄から革命が起きる」と元気な声で語った。さらに法大弾圧弁護団の藤田正人さんが登壇し、法大弾圧との渾身(こんしん)の闘いを報告、「攻めの改憲阻止闘争を」と訴えた。そしてマル学同中核派・法大支部の同志は、法大弾圧を突きぬけて、新しい学生同志が結集していることを報告、「革共同の歴史は法大闘争の歴史。東京拘置所は若き革命家で一杯だ。3全総の原点で革命党を自ら組織する気概で闘う。マル学同1千人建設をやり遂げて11月へ進もう」と熱烈に呼びかけた。
 革共同救対部の同志は、法大決戦でわが同志たち全員が1人残らず完全黙秘・非転向で勝利してきたことを報告。「獄中34年目に突入した星野文昭同志の再審特別抗告棄却は絶対に許せない!」と訴えた。(星野同志のメッセージは前号に掲載)。
(写真 11月1万人結集への方針を鮮明にした基調報告に聞き入る参加者【東京・赤羽】)

 産別労働者が渾身の決意で

 各産別からの決意表明が行われた。革共同国鉄委員会の同志は、鉄建公団訴訟の裁判長「和解案」に対して、国労委員長の高橋が「感謝の意」を表明したことについて、「1047名闘争と動労千葉への解体攻撃であり絶対に許せない」と弾劾。11月1万人決起へ「職場で階級的労働運動路線を実践し、体制内との徹底的な分岐を作る一点で勝負を」と訴えた。
 全逓委員会の同志は「体制内との苦闘の連続だったが、もう職場で『前進』を読んでも浮かない。民営郵政打倒に踏み切る。これは革命のスローガン。民営郵政が倒れる時は国家がつぶれる時だ」と戦闘的な決意を述べた。
 教育労働者委員会の同志は、党の団結が根津さんの解雇を阻止した力の源泉だと提起、「11月1万人決起へ、職場実力闘争と団結の武器を今こそ使い切る時だ」と決意を語った。自治体労働者委員会の同志は「職場の執行委員でもある20〜30歳代の私たちが革命を言い切る。これは私自身の決意だ」と語った。
 医療福祉労働者委員会の同志は、動労千葉労働運動を職場でつらぬくために、「資本・御用組合と非和解にケンカする。経営はつぶれていいと言い切る。弾圧こそ大チャンス。職場闘争で革命家を生まないなんてあり得ない。人生をかけたオルグを」と、明快な職場闘争方針を提起した。
 合同・一般労組委員会の同志は、塩川一派が国鉄の4者・4団体路線を賛美するに至ったことを弾劾、「4大産別の闘いと切り離された合同労組運動はあり得ない」との明確な立場を訴えた。
 集会は最後に、マル青労同書記局の同志とマル学同中核派から織田陽介全学連委員長が決意表明。マル青労同の同志は「われわれは『労働運動で革命を』の核心をつかみ取った。職場で『決定的な1人』になろう」と訴えた。織田委員長は「11月1万人決起へ、いまこそ福田政権打倒へ腹の底からの怒りを爆発させる時だ。マル青労同、マル学同1千人建設の核心は自分の職場、自分の大学が革命情勢だと言い切ることだ」と提起、「11月へ革命情勢を一気に引き寄せよう」と呼びかけた。

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週刊『前進』(2355号1面2)(2008/08/18 )

 “革共同に入ろう!”

 関西 全戦線で塩川一派打倒へ

  8月3日、大阪の天王寺区民センターで革共同政治集会が開かれた。340人が結集し、階級的労働運動路線のもとに11月1万人大結集へ向かって全力で闘いぬく戦闘態勢を打ち固めた。
(写真 東西で革共同集会が成功!6大産別先頭に動労千葉派の大躍進始まる 大阪・天王寺区民センター【8月3日】)

 「青年労働者の党」が生まれた

 参加者の最大の実感は、革共同が「労働者の党」、なによりも「青年労働者の党」に完全に生まれ変わった、ということだ。
 冒頭、住宅闘争を闘う部落解放同盟全国連西郡支部から連帯のあいさつが行われた。「応能応益家賃制度絶対反対で闘いぬいてきた。全国の仲間の皆さんの応援を力にして、これからも闘う。11月集会に参加して車線いっぱいのデモに感動した。1万人結集へともに闘いましょう」という感動的な発言だった。
 続いて、三里塚決戦勝利関西実行委員会の永井満さん、獄中で闘う星野文昭同志、法大決戦被告の全学連の同志のメッセージが紹介された。
 高原洋三同志が基調報告を提起した。高原同志はまず、「党の革命」と塩川一派打倒の闘いをとおして、ついに全国単一党の建設がかちとられたこと、「現代のカウツキー主義」=塩川一派打倒闘争の革命的な意義を強調した。
 二つめに時代認識について、新自由主義の破産と世界金融大恐慌の世界史的な意義を語り、まさに世界は革命情勢に突入していること、何よりもこの情勢が11月勢力によって闘いとられていることの巨大な意義を報告した。動労千葉の組織拡大闘争の転機が5月入管交流集会にあったこと、血債主義・糾弾主義を一掃してプロレタリア国際主義が復権した時に、労働者はものすごい力を発揮することを強調した。
 三つめに、重要段階を迎えている国鉄1047名解雇撤回闘争―第2次国鉄決戦と、大阪の自治体決戦の重大性を提起した。大阪府知事・橋下は日帝の道州制攻撃の先兵であり、これとの闘いは日本の労働者階級総体の命運をかけた決戦であることを訴え、総決起を呼びかけた。
 四つめは、11月1万人結集、マル青労同1千人・マル学同1千人建設こそ革命の道であること、質を量に転化し分水嶺を越えようと熱烈なアピールを発した。

 労働者同志が地方委報告

 基調報告を受けて、関西地方委員会の労働者同志が地方委報告を行った。冒頭、前日の不当逮捕と前進社不当捜索を徹底弾劾した。そして、昨年12・23関西地方委員会再建総会を新たな出発点とする前半戦の闘いが塩川一派との激烈な闘いをとおして大前進をかちとってきたことを報告した。同志は「6・29サミット粉砕決戦の大爆発が、階級的労働運動路線のもとに職場生産点で資本と非和解で闘ってつくられる階級的団結のすごさを証明した」「11月1万人結集は絶対に可能だ」と提起。さらに、この間の実践的前進の一切の土台が、路線的一致のための徹底討論にあること、そこから自己変革と地区党の変革がかちとられたことを報告した。
 二つめに、塩川一派打倒は階級的労働運動路線の真価をかけた闘いであり、全戦線で絶対勝利しようと訴えた。そして最後に、第2次国鉄決戦を先頭に動労千葉と団結して6大産別決戦に総決起しよう、マル青労同・マル学同1千人建設、11月1万人結集へ死力を尽くして闘おうと提起した。
 法大決戦の勝利を訴える学生戦線からのカンパ・アピールの後、産別委員会の報告とマル学同、マル青労同の同志の決意表明が行われた。この数カ月間、すべての産別でめざましい前進がかちとられていることが感動的に報告された。何よりも全発言者が、「革共同に入党しよう」「マル青労同に入ろう」「マル学同に入ろう」と熱烈に当たり前のように訴えたことの中に、この間の路線的前進がはっきりと示された。”この力があれば革命に勝利できる”とすべての参加者が実感したのだ。そういう革命的主体が登場したのだ。
 女性解放闘争を担う労働者同志は婦民総会決戦に向けた決意を表明し、総決起を呼びかけた。星野同志奪還闘争を闘う同志は、星野闘争に敵対する塩川一派を打倒して星野同志奪還に総決起しようとアピールした。
 締めの「団結がんばろう」を青年労働者が担った。青年同志はまず、自分の職場の闘いを報告した。組合の役員選挙をめぐって体制内執行部と全面的な激突に突入していること、職場の労働者と団結して闘い抜いていると語った。職場に真の団結をつくり出すかぎは、自分自身の渾身の決起にある――このことをつかんだ喜びにあふれた発言だった。
 こうして今年の関西革共同政治集会は、最初から最後まで団結を深め、拡大する素晴らしい集会として闘い取られた。

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週刊『前進』(2355号1面3)(2008/08/18 )

 三里塚反対同盟アピール

 革共同集会に三里塚芝山連合空港反対同盟から寄せられた熱烈なメッセージを紹介します。
     ◇
 革共同集会に結集されたみなさん!
 WTOがついに農業交渉をめぐり決裂した。農業・農民からの収奪を狙って他国を攻めるアメリカの破産である。行き場を失った投機マネーの怪物が、生きるための食糧・穀物市場に流れ込み、飢えと貧困が世界に飢餓暴動を引き起こしている。原油の高騰とインフレが全世界にストライキとデモを激発させている。洞爺湖サミットは強盗同士のぶんどり合いを浮き彫りにした。
 「戦後レジームからの脱却」は支配者の危機そのものだが、それは農民、労働者、人民もこのままでは生きていけない時代の到来だ。労働法、教基法、農地法、戦後民主化の柱といわれる法の解体と改憲攻撃。三里塚闘争は、これと真っ向から闘いぬく。
 ハブの基軸にあるべき空港が、「成田パッシング」と嘲笑される、このぶざま! 暫定滑走路を北に延伸しても、ジャンボ機は飛べない現実が明るみに出て衝撃を与えている。「へ」の字の誘導路が桎梏(しっこく)だ。三里塚は、侵略と勢力圈づくりのアジア・ゲートウェイ構想の前に立ちはだかっている。
 反対同盟は、42年間一歩も引かず闘い続けてきた。その闘いがどれほどのものであるか、三里塚の歴史を知る者にはわかると思う。
 農地は人民のものだ。農地は闘いの武器である。だから反対同盟は徹底的に農地を守りぬく。
 労働者と農民は手を組み闘おう。三里塚は戦前戦後、連綿と続く労農人民の連帯闘争の歴史を今に引き継いでいる。「労農同盟の萌芽」といわれる動労千葉のジェット闘争はそうして闘いとられた。国境を越えた連帯をつくり出そう!
 だからこそFTA反対を掲げる。労農コミューンをつくり出そう! わが反対同盟とともに闘うことを切に訴える。
 市東さんの農地を守ろう! 暫定滑走路北延伸と成田軍事化を阻止しよう! 10・5全国集会に総結集するよう訴える。
 2008年8月3日
 三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2355号2面1)(2008/08/18 )

 “福田政権打倒しよう” 11月へ広島・長崎反戦闘争が高揚

 “ヒロシマ大行動 労働者の団結で核廃絶を”

 階級的労働運動路線を貫き1900人

広島市の中心街のアーケードを行進するヒロシマ大行動のデモ隊列(8月6日)

 8月6日午後、「被爆63周年8・6ヒロシマ大行動」が行われた。被爆者や労働者ら1900人が広島県立総合体育館に結集、集会を行った。その後、平和公園までデモ行進した。米国からは、米軍の募兵活動と闘う教育労働者のアーリーン・イノウエさんを迎えた。
 集会では広島大学名誉教授の北西允さんが「アメリカ帝国主義と福田政権に闘いの矛先を向けよう」と開会のあいさつを行った。
 「被爆者の怒り」と題して、まず栗原貞子さんの詩「私は広島を証言する」が朗読された。詩は「生き残った広島の生き証人としてどこへ行っても証言します。もう戦争はやめようと命をこめて訴えます」と結んだ。
 反戦被爆者の会の下田禮子会長が「生涯忘れることができない。一瞬にしてすべてが破壊され焼き尽くされた」と被爆体験を語り、今なお核を開発し、戦争を行い、生活を破壊し、高齢者や被爆者に「死ね」と言う帝国主義に対して、「被爆者をなめるんじゃない」とつきつけた。
 全国被爆者青年同盟の中島健委員長は、核武装合憲論者である福田首相を弾劾し、イランや北朝鮮への核侵略戦争で延命しようとしている帝国主義の打倒を宣言した。
 実行委員会事務局の谷口恭子さんが基調提起を行った。労働者の反戦闘争が職場・生産点から国際的な規模で闘われていることを確認し、「資本家階級と労働者階級とは共存できない。資本家階級を打倒し労働者階級が新たな社会をつくろう」と提起。「新自由主義のもと金融大恐慌に陥った資本主義は労働者を団結させる状況をつくっている」と展望を示した。
 国際連帯として、かつて広島大学で学び、現在イラクで劣化ウラン弾による小児がんと闘っているフサーム医師のメッセージが代読された。
 アーリーン・イノウエさんが登壇し、米国での募兵官たたき出しの運動と日本の「教え子を再び戦場に送らない」闘いとがつながっていることを明らかにし、「国際的団結を強めよう。私たちは皆さんの闘いを断固支持し、常にともにある。がんばって!」と表明(6面に要旨)、圧倒的な拍手を浴びた。労働者国際連帯の新たな前進だ。
 うるまユニオン副委員長の富田晋さんが「一緒に革命やろうぜ」と沖縄からのアピールを発した。カンパアピールを被爆3世の労働者が行い、労働者・学生の決意表明に移った。
 動労千葉の田中康宏委員長は「世界金融大恐慌が起こり資本主義が崩れている時に労働者が団結して立ち上がり、支配階級を倒せるかどうかが試されている」と提起。11月労働者集会1万人結集と賃上げゼネストを呼びかけた。
 国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣憲さんは、自らの5・27裁判闘争と国鉄1047名闘争の勝利に向かって、4者・4団体路線を粉砕し解雇撤回を貫いて闘うと述べた。東京の教育労働者の根津公子さん、河原井純子さん、広教組青年部の労働者は、処分をはねのけ、団結して「日の丸・君が代」不起立闘争を継続し、闘う日教組への転換をかちとる決意を表明した。
 自治体、郵政の青年労働者が元気よく決意を述べ、5・29法大と6・29渋谷の2回逮捕された広島大学の学生が「闘う主体として自分をつくり変えた。もう1人の自分をつくって11月労働者集会への1万人結集をかちとり、世界にアピールしよう」と熱烈に訴えた。
 集会アピールを高揚病院第一診療所労組の委員長が読み上げ、拍手で採択した後、閉会のあいさつを元参議院議員の栗原君子さんが行った。「今年のヒロシマ大行動は、労働者が休みをとって参加して行われた。労働者は社会を変える力をもち、その主体であることを互いに確認できる8・6ヒロシマ大行動にしたいと考えた」
 実行委員会事務局長の平岡誠さんの音頭で団結ガンバローを行った。
 市内デモに出た。アーリーンさん、下田禮子さん、田中康宏委員長、さらに青年労働者が先頭を占めた。2列縦隊で暴力的に規制する機動隊を圧倒し、沿道の労働者・学生らとエールを交歓した。デモの後尾を包囲する機動隊をものともせず飛び入り参加する人も現れた。原爆資料館前での総括集会で栗原君子さんが今年の大成功と来年の大行動へのさらなる大結集を訴えた。
(写真 実行委員会事務局長の平岡誠さんの音頭で団結ガンバロー【8月6日】)

 職場で闘って広島に大結集

 今年で10回を数えるヒロシマ大行動は8・6広島における唯一最大の国際反戦反核闘争だ。北朝鮮への排外主義を強め、帝国主義の核と戦争を翼賛する連合(原水禁、核禁会議、民主党系)や原水協(全労連、日本共産党系)を思想・路線的にも、存在力としても圧倒した。
 さらに今年の大行動は、資本・当局、体制内派と激突する職場闘争に取り組み、それを基盤としてかちとった。血債主義、糾弾主義を粉砕し、階級的労働運動路線を実践する闘いとして意識的な転換と飛躍をかちとった。労働者階級の団結こそ、帝国主義を打倒して核と戦争を地球上からなくす最大の力だ。
 8・6ヒロシマ大行動の成功をバネに青年労働者を大量に組織し、11月労働者集会1万人結集と賃上げゼネストへ攻め上ろう。

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週刊『前進』(2355号2面2)(2008/08/18 )

 8・6広島 福田直撃の500人デモ

 祈念式典に肉薄し激しく弾劾

「福田の式典参加弾劾!」。平和公園に向かって進むデモ(6日)

 「福田の祈念式典参加許さないぞ」――原爆投下時刻の6日8時15分、元安川沿い道路から500人の激しいシュプレヒコールが式典会場に響きわたった。この怒りが昨年は安倍を痛撃し、首相の座から引きずり下ろした。今度は福田を打倒するぞ。その決意がデモ参加者全員の怒りの声となり、福田に向けてたたきつけられた。
 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委が主催する「福田打倒!祈念式典糾弾!」のデモは500人の大結集で闘われた。
 東千田公園で集会が行われた。統一実行委の三角忠さんが「福田徹底弾劾、福田を広島で打倒するデモを貫徹しよう。ここを労働者階級の反転攻勢の一大水路として闘おう」と提起。
 反戦被爆者の会の大槻泰生さんが「闘うのは被爆者と労働者。みなさんとともに先頭で闘う」と気迫あふれる発言。全国被爆者青年同盟は「核武装しようとするなら職場の労働者が阻止する。今日は福田来広弾劾のデモを闘おう」と怒りを前面に出し決意を表明した。
 全学連の織田陽介委員長は「獄中の星野文昭同志、学生の20人の同志も含めて、われわれの怒りは21倍だ」と決意表明。
 地元・広島の労働者を代表して、労組交流センターに結集する青年の郵政労働者が決意表明を行った。
 デモの出発だ。「福田改造内閣打倒」のシュプレヒコール。デモ隊の熱気が8月6日早朝のヒロシマの街を一気に闘いの雰囲気にしていった。
 中国電力の前で座り込む労働者とエールを交換した。1人の労働者が「毎年この時期になるといっそう怒りが増す。原子力発電と核武装はつながっている」と中国電力を徹底的に糾弾する。
 いよいよ平和大通り。市民の数もぐっと増えてくる。多くの人がビラを受け取り、デモ隊を写真撮影している若者も。
 韓国から来た労働者が歩み寄り、「民主労総は知っている。こういうデモはいい」と語る。デモをじっと見ていた40代の夫婦が「今の世の中は根本から変えないとダメですね」と感想を語る。「迫力ありますね」という声が何人もの市民から寄せられた。迫力あるデモが人民を獲得する時代が来た。それを実感させる闘いだった。

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週刊『前進』(2355号2面3)(2008/08/18 )

 アーリーンさん講演 教労集会

 “同じ敵と闘ってる”

  5日午後、広島市東区民文化センターにおいて、教育、自治体、国鉄、郵政、医療・福祉、合同労組、民間運輸、民間の八つの産別の労働者交流集会(各実行委の主催)が行われた。
 教育労働者交流集会にはアメリカの教育労働者、アーリーン・イノウエさんも参加し、全国から145人が集まった。
 まず、今年3月の「日の丸・君が代」不起立で非常勤教員の職を奪われた東京教組の米山良江さんが呼びかけ人あいさつ。都教委が7月に打ち出した「分限事由対応指針」を批判し、「これは『不起立が拡大したら大変』という都教委の悲鳴。来春、処分・解雇を恐れない闘いをやろう。11月集会に教育労働者の怒りを結集し、不起立の拡大にすべてをかけて闘おう」と呼びかけた。
 続いて今春の不起立で停職6カ月処分を受けた根津公子さん、河原井純子さんからの報告。根津さんは「来年3月も私は起立しない。不起立を絶対にゼロにさせない闘いをやりましょう」、河原井さんは「おかしいことには『おかしい』と言おう。若者とつながっていけば、必ず変革の道は開かれると確信しています」と述べた。
 青年労働者は「不起立してから、今まで抑え込んできた怒りが噴き出した。不起立に敵対する組合本部を打倒し、取って代わってみせる。自己解放闘争としての不起立を広げよう」と訴えた。
 続いてアーリーン・イノウエさんが講演。「アメリカの労働者も日本の労働者も同じ敵と闘っている。あなたがたの勝利は私たちの勝利」と話を始め、貧しい生徒をイラク戦争に駆り出す募兵活動との闘い、闘う労働組合をつくる取り組みを報告。「『日の丸・君が代』に反対して闘う皆さんこそ英雄です」と述べ、大きな拍手がわいた。
 動労千葉の川崎昌浩執行委員の連帯アピール、各地の教育労働者の発言を受けた後、最後に神奈川の教育労働者が「組合幹部と激突し、『万国の労働者、団結せよ』の立場で職場から反乱を起こそう」と呼びかけた。
 そのほかの産別集会も11月労働者集会に1万人結集を実現するための熱い議論で盛り上がった。
(写真 生徒をイラク戦争に駆り出す募兵活動との闘いを報告するアーリーンさん【8月5日】)

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週刊『前進』(2355号2面4)(2008/08/18 )

 青年労働者交流集会 “団結にかける組合を”

 動労千葉平成採らが決意

  オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会が5日、広島市東区民文化センターで開かれ、500人が参加した。
 「11月1万人集会へむけて盛り上げていこう」――司会は四国の福祉労働者。正社員を要求した3日後に首切り攻撃を受け、就労闘争を闘っている。自治体労働者と沖縄の合同労組の仲間が呼びかけ人あいさつ、アーリーン・イノウエさんが連帯の発言を述べた。
 続いて、広島の教育労働者が基調報告。基調は中四国の青年労働者が討議を重ねつくりあげた団結の結晶だ。「明日、福田が広島にやってきます。許せない! 福田こそ核と戦争の超本人だ」と福田の祈念式典出席弾劾のデモ決起を訴えた。さらに「新自由主義攻撃は全国・全世界の労働者がつながり合える状況をつくりだしている」と述べ、「不起立闘争こそ、労働者に差別・分断をしかけてくる資本・国家を真正面から打倒し、すべての労働者とつながっていく闘いだ。それを抑圧する体制内労働組合はぶっ壊していい。労働者との団結にかけきる労働組合をつくる。隣の労働者を連れて11月1万人集会を実現しよう」と呼びかけた。
 動労千葉幕張支部執行委員の吉野六郎さんが「11月労働者集会1万人結集へ火の玉となって職場でがんばろう」と檄(げき)を飛ばした。
 全国の青年労働者の決意表明が続いた。動労千葉に結集した平成採の青年労働者が「検修業務の外注化と闘うためには動労千葉と一緒に闘っていくのが一番と思い、加盟した。動労千葉は間違ったことはやっていない。青年部結成に向けてがんばる」と発言、会場は満場の拍手で応えた。
 大阪の自治体労働者、関東の医療労働者らの決意表明が続いた。合同労組の医療労働者は「地域に職場闘争委員会をつくろう。絶対に仲間を裏切らない団結を」と実践方針を提起。広島の医療労働者は、職場でのビラまき禁止を実力で粉砕、「組合活動に許可はいらない」とビラをまいた。「労働者が運営する安全・安心の職場をつくる」と決意を語る。
 「『かもめーる』の自腹買い取りは絶対にやらない」と職場で決起した広島の郵政労働者は、隣の労働者が「おれも買わない」と応えたことに自信を持った。「11月集会で隣の仲間を全国の仲間と会わせたい」。東京の全逓労働者は「ここに集まった仲間が2千万青年労働者の結集軸だ。社会を動かしているのは労働者だ。1万人を超える労働者のデモで絶対に勝てる。福田をぶっとばすデモをやり、11月を闘い、ゼネストを」と訴えた。
 中四国の医療労働者が「11月1万人で革命やるぞ」とまとめの提起、団結ガンバローで集会をしめくくった。
(写真 「青年労働者を先頭に11月1万人で革命やるぞ」と団結ガンバロー【8月5日】)

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週刊『前進』(2355号3面1)(2008/08/18 )

 “福田政権打倒しよう” 11月へ広島・長崎反戦闘争が高揚

 8・9長崎 福田の式典出席を弾劾

 “核武装許さぬ”と怒りのデモ

福田と久間が出席し、戦争と核武装に向かおうとする攻撃に対し、祈念式典会場に怒りのシュプレヒコールをあげる参加者(8月9日 長崎市松山町)

8月9日、63年前を思わせる暑さの中、長崎に原爆が投下された午前11時2分、平和公園前にさしかかった「8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会」のデモ隊は、日帝・福田が出席している祈念式典に向けて激しい怒りの声をあげた。「福田の祈念式典の出席糾弾」「原爆はしょうがなかった発言を許さないぞ」と何度も怒りのシュプレヒコールがとどろいた。
 日帝・福田政権は、今労働者を生きられない状況にたたき込みながら、一方で世界戦争に向けた核武装政策を進めている。しかも「原爆はしょうがなかった」発言をした久間元防衛相は、昨年は式典に出席できなかったが、今年は臆面もなく出席を強行したのだ。こんな連中は、今こそ労働者の団結した力で打倒しよう! デモ隊はさらに進み、平和公園、爆心地公園に集まった多くの労働者・被爆者の注目と共感の中をこうした思いを訴えながら戦闘的にデモを貫徹した。
 デモに先立って平和公園近くの城栄公園でこの闘いに向けた決起集会が開かれた。被青同の労働者、相模原反核市民の会の西村眞さん、全学連の学生、教育労働者、青年労働者が次々と福田糾弾のデモに向け発言した。全学連の学生は法大闘争に断固勝利する決意を表明し、教育労働者は、職場の仲間の決起を実現したことを報告した。青年労働者は、「帝国主義社会はぼろぼろだ。労働運動の力で革命をやろう」と訴え、青年労働者にマル青労同への結集を訴えた。アーリーン・イノウエさんは労働者国際連帯の闘いの意義をアピールした。統一実行委事務局長の三角忠さんが方針を提起しデモに出発した。
 80代の益永スミ子さんも元気にデモを貫徹。最後にスタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合の入江史郎委員長の発声で団結ガンバローを行った。

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週刊『前進』(2355号3面2)(2008/08/18 )

 8・8長崎反核集会 “労働者が平和の中心に”

 アーリーンさんが訴え

 被爆63周年長崎反戦反核労働者集会が8日午後、長崎勤労福祉会館で開かれ、115人が結集した。集会には国鉄や自治体、民間の労働者を中心に長崎・福岡の教育労働者が多数参加。11月労働者集会に向けた九州総決起集会となった。
 集会は、アメリカのCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)代表のアーリーン・イノウエさんを迎え大高揚。
 アーリーンさんは、両親と祖父母を含めた日系アメリカ人が戦争中に収容所に入れられた歴史が、戦後生まれの自分の存在をも規定しており、それが「平和への強烈な切望」を自分に与えているという。そして「私の今を正しく認識し、一人の日系アメリカ人女性としての存在に喜びを感じられるようになった」と振り返った。「『私ってすごいかも』という表現で私たちの直接行動主義に確信を持っていることを表現してきた」と明らかにした。
 さらに、「落ちこぼれ防止法」のもとで、教育現場で募兵が公然と行われている状況を許さないためにCAMSの運動が始まり、それが「数百人の若者の入隊についての考えを変える意思表示」をかちとったと報告した。そして「今こそ労働者が、平和と正義のための闘いで中心的役割を演じる時なのです」と訴え、「皆さんこそが世界を変える!」と日米の労働者の国際的団結とその勝利の展望を強調した。
 会場との質疑応答をつうじ、日韓米労働者の団結と闘いを一層強めていくことが確認された。
 アーリーンさんの発言を受けて「日の丸・君が代」被処分者の河原井純子さんが発言。今年の春の「不起立」闘争と根津公子さんの解雇を許さない闘いの広がりを「とってもうれしい共闘」と評価し、「これで世界を大変革できる」と述べ、東京教組の米山良江さんも含めたその後の闘いの経過などを報告した。参加者は、日米の教育労働者の連帯した運動の重要性をあらためて認識した。
(写真 集会の大成功をかちとり、労働運動の力で革命やろうと固い決意で力強くシュプレヒコール【8月8日 長崎勤労福祉会館】)

 ミサイル開発と原発は一体

 日本や世界の原発などの核被害を自ら調査している元慶応大学教授の藤田祐幸さんは「迎撃ミサイル配備と日本の核武装」と題して、日本の核武装計画が最初からミサイル開発と一体的に進められていることを明らかにした。また藤田さんは、8月1日に明るみに出た佐世保での原子力潜水艦の放射能漏れ事件に対して「政府は安全だと言っていたが、そもそも安全か否かをチェックする機能さえなかったことがはっきりした」と、徹底的に弾劾した。 被爆2世の労働者は、連合主導下で変質を深め闘わなくなっている原水禁(原水爆禁止日本国民会議)を弾劾し、「私たちは単なる生き証人ではない。労働者として、核と核戦争に対決して闘う主体である」と宣言。「祈りではなく、怒りの長崎として闘おう!」と檄(げき)を発した。
 国労小倉地区闘争団事業部で国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告の羽廣憲さんが発言し、「4者・4団体」の中で闘争団の中からも出てきている和解と屈服の動きと対決して、新たな国鉄闘争としてあくまで「解雇撤回・民営化反対!」「新自由主義打倒」を掲げて闘うことを宣言した。
 教育労働者は、式場から排除する攻撃を断固打ち破り「日の丸・君が代」強制に不起立を貫いた闘いを報告した。さらに自治体労働者は、職場で進む人事評価制度導入を自らの決起で阻止した闘いを報告した。
 これらの発言を主導したのは青年労働者だ。体制内労働運動によって闘わない勢力になり下がっている原水禁の現状を厳しく批判し、「核も戦争もなくすためには革命しかない。その先頭に若者が立つ。青年労働者がこの世界を変える」と高らかに宣言した。動労千葉特別執行委員の滝口誠さんがまとめを提起し、「動労千葉は11月労働者集会1万人結集に命運をかける」と決意表明。集会は大成功した。

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週刊『前進』(2355号3面4)(2008/08/18 )

 4者・4団体路線に現場の怒り

 国労大会 屈服和解策動を徹底弾劾

  国鉄1047名闘争は、その存亡のかかった一大分岐点に立っている。7月30、31日、静岡県伊東市で開かれた国労第76回定期大会は、1047名闘争の危機をまざまざと突き出した。
 7月14日の鉄建公団訴訟控訴審における南裁判長の裁判外和解の提案と、国交相であった冬柴の「解決に向けて努力する」との発言を受け、国労大会で高橋伸二委員長は「大会の名において裁判所からの提案を受け入れる」と言明した。あろうことか高橋委員長は、「大臣の言明はまさに真夏の日輪がほのかに黎明(れいめい)を兆す朝を象徴するもの」「発言を受け止めた闘争団遺族の思いは、両衫(りょうさん)を湿らせるがごとき感慨にある」と言って冬柴にひざまずいた。公明党出身の冬柴に向けて、ことさら宗教めいた言辞を連ね、こびを売ってみせたのだ。なんとおぞましい光景か。国交省(旧運輸省)こそ、国鉄分割・民営化で20万人もの国鉄労働者の首を切った張本人ではないか!
 国労本部がこうまでして持ち上げた冬柴も、大会翌日に行われた内閣改造で閣外に去った。政治解決などなんの展望もない。にもかかわらず国労本部は、「不採用問題解決の流れはもはや不動のものとなった」と唱える一方、「妨害に動じるな」と叫んでいる。それは、一切の反対を押しつぶして、1047名闘争を敗北のうちに一刻も早く終わらせるということだ。4者・4団体の枠組みで開かれる「10・24中央集会」も、「これで有終の美を飾る」ものとして位置づけられている。
 大会議事は「4者・4団体の団結を解決の出口まで堅持する」という大合唱に終始した。
(写真 闘う国労組合員は、大会会場の会議室前で傍聴を求めて会場係に詰め寄った【7月30日 伊東市】)

 被告団先頭に本部打倒訴え

 だが、鉄建公団訴訟原告を始め、現場の組合員は断じてこんな屈服など受け入れない。
 大会会場のホテルに駆けつけた5・27臨大闘争弾圧被告団や、原則的闘いを貫く鉄建公団訴訟原告、国労共闘は、4者・4団体路線を批判するビラを大会参加者に配布して、解雇撤回闘争の貫徹と本部打倒を訴えた。
 大会1日目、闘う現場組合員が傍聴を求めて代議員・傍聴者受付まで赴くと、会場係の後ろに公安刑事が並び、弾圧の機会をうかがった。会場内に警察を引き入れるなど、かつてない事態だ。この露骨な権力の介入に、会場係は誰ひとり抗議しない。国労本部は5・27臨大闘争弾圧の再現をあからさまに狙ったのだ。権力の導入を弾劾する闘う組合員の怒りの声が響く中で、会場係は皆、首をうなだれた。
 解雇撤回の原則をあくまで貫き闘う者と、これを投げ捨て、警察と結託して闘いを抑えつけようとする者との対比は鮮明になった。4者・4団体路線を推進する者にとって、国家権力は打倒すべき対象ではなく、どこまでもすがりつく相手でしかない。
 大会2日目、闘う現場組合員は再度、代議員受付前に登場し、大会傍聴と公安警察の排除、解雇撤回の貫徹を求める申入書を突きつけながら、本部を弾劾し続けた。
 九州の鉄建公団訴訟原告も、和解解決を批判し、JR職場における反合理化闘争の強化を訴えるビラを独自に配布した。現場の闘争団員の意思は、あくまで解雇撤回を貫くことにある。

 解雇撤回を貫けば勝てる

       今日、鉄建公団訴訟原告団の一部幹部は、国労本部以上に4者・4団体路線の積極的推進者に転じている。だが、鉄建公団訴訟は本来、国労本部の裏切りに抗して解雇撤回闘争を貫くために起こされた闘いだ。一人ひとりの闘争団員がその原点に立ち返り、4者・4団体路線を粉砕して、敗北の道を拒否しよう。
 解雇撤回の原則を貫いて闘えば、1047名闘争は勝利できる。その絶好機が来ている時に、解雇撤回を捨て、敵にはいつくばれというのが4者・4団体路線だ。
 世界金融大恐慌とインフレが世界を覆う中で、労働者階級は至るところで怒りの反乱に立ち上がっている。日本において国鉄分割・民営化を切っ先に始まった新自由主義の攻撃は、青年労働者を始めとする労働者階級の闘いによって迎え撃たれている。1047名闘争が、こうした労働者の怒りを束ね、その先頭に立って闘えば、プロレタリア世界革命に向けた壮大な展望を切り開くことはできる。1047名闘争の勝利は、まさにこうした闘いの中に存在する。
 JR体制は今や完全に破産をあらわにした。反合・運転保安路線のもと、JR資本と非和解的に対決してきた動労千葉に、平成採の青年労働者が結集し始めた。これは、JR体制への平成採の反乱がついに開始されたということだ。JR労働運動をめぐる巨大な流動はますます激しくなっていく。青年労働者を闘いの戦列に迎え入れ、JR体制を打倒する第2次国鉄決戦を動労千葉とともに貫いてこそ1047名闘争は勝利できる。
 国労本部打倒を掲げて不屈に闘う5・27臨大闘争弾圧被告団は、旧弁護団解任によって4者・4団体路線への屈服を拒否し、国労の中に動労千葉に続く階級的労働運動をつくり出す不抜の拠点へと自らを打ち鍛えた。
 国労大会をめぐる攻防で、4者・4団体路線絶対反対派は確固としてその姿を現した。第2次国鉄決戦の突撃路は切り開かれたのだ。
(写真 大会会場内に入り込んだ公安刑事たち)

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週刊『前進』(2355号5面2)(2008/08/18 )

激動の世界 世界戦争の火点・グルジア情勢

 「民主化拡大」で米帝介入 衝突の発端は「夜間作戦」

 ロシアが対抗的に軍事侵攻

 8月8日未明、グルジア軍がグルジア共和国から事実上の分離独立状態にある南オセチア自治州の首都ツヒンバリに空陸から総攻撃をかけた。夜通し続いた砲爆撃でツヒンバリは壊滅状態となった。これに対しロシア軍は南オセチアに増派、9日未明にかけ、グルジア軍と激しい戦闘を展開した。ロシア軍はグルジアの首都トビリシ郊外の空軍基地などを爆撃した。
 9日以後、ロシア軍は、アブハジア共和国(グルジアから分離独立状態にある)や南オセチアに近いゴリや黒海に面するポチ港、軍事基地のあるセナキなどにも空爆を拡大した。ロシア側は「ツヒンバリはグルジア軍から解放された」と発表したが、激戦は続く。
 10日、グルジアのサアカシビリ大統領がロシアに停戦を申し入れた。しかしグルジア軍はツヒンバリ周辺にとどまった。ロシアはグルジア部隊の無条件撤退が必要として停戦交渉を拒否した。
 11日、ロシア軍は、南オセチアやアブハジア以外のグルジア領内への空爆と地上侵攻を行った。グルジア側はEU議長国フランスの立ち会いで停戦署名を行った。また同日、ブッシュ米大統領は、ロシアのグルジア軍事介入について「主権国家への侵攻、民主政府への脅迫であり、21世紀には認められない」と最大限に非難した。
 12日、メドベージェフ・ロシア大統領はロシア軍の「作戦終了」を表明し、サルコジ仏大統領と会談、「紛争正常化」へ兵力引き離しや武力の不行使など、六つの基本原則で合意した。この後、13日にかけて、サアカシビリもサルコジと会談、ロシアとほぼ同様の6項目の和平案に合意した。戦闘が停止した。

 軍事的「勝利」と政治的孤立

 軍事衝突のバランスシートはどうか。ロシア軍がツヒンバリからグルジア軍を撃退し、グルジア領にも侵攻するなど、ロシア軍が軍事的に「勝利」した。6項目の基本原則は、ロシアが求めた「南オセチアに対するグルジアの武力不行使」を加えたが、グルジアが望んだ「グルジアの領土保全」に言及していない。
 しかし、「ロシア市民保護」の名によるロシアの過剰なまでの越境攻撃は、欧米やCIS諸国の非難と警戒を呼び起こした。ロシアは国際的孤立を深めている。
 グルジア軍の攻撃によってツヒンバリが破壊され、2千人が死亡し、4〜5万人が避難民になった(南オセチアの人口は7万人)ことについては、ほとんど国際報道されない。ロシア軍のグルジアへの侵攻や空爆、ゴリ市民らの窮状(5万人の市民のうち3万人が避難民となった)ばかりが報道=宣伝されている。
 米帝が人道的支援の名でグルジアに輸送部隊を送り始めた。2千人のグルジア部隊がイラクから米軍機で帰還し始めた。EUも南オセチアへのEU部隊派遣を検討している。米欧帝国主義が直接、ロシアののど元に軍事展開しようとしているのだ。その上にブッシュは、「制裁措置」としてG8からのロシアの排除を模索している。
 米欧とロシアとの緊張関係は、政治的軍事的にますます激化している。
(写真 グルジア軍の南オセチア攻撃で死んだオセチア人のひつぎの前で悲しむ北オセチアの親類・友人【8月10日】)

 石油・天然ガスを狙う米帝

 今回の軍事衝突の最大の元凶は米帝だ。米帝とグルジアはきわめて意識的計画的な「夜間電撃作戦」として南オセチアに侵攻した。ロシアはこれに受動的に対抗してグルジアに侵攻した。米帝の支援ぬきに8日未明のグルジア軍による大規模な電撃的総攻撃は不可能だ。攻撃は北京オリンピック開会日に始まった。米帝はロシアと戦略的な提携関係にある中国を牽制(けんせい)しているのだ。
 ロシアとグルジアの対立は今年、グルジアが将来のNATO加盟を認められたことや、帝国主義諸国の多くがコソボ「独立宣言」を承認したことで決定的に激化した。
 7月、ロシア、グルジア両軍が並行して軍事演習を行った。グルジア軍と米軍は7月15日から2週間、グルジア領内で合同軍事演習を展開、1600人が参加した。ロシア軍も同日からグルジアに隣接する北カフカス軍管区で8000人規模の「対テロ演習」を行った。双方が演習の形で軍事的に対峙し、一触即発の状況だったのだ。
 グルジアは、米欧石油メジャーがアゼルバイジャン側の会社と合弁で開発したカスピ海原油・天然ガスを欧州側に運ぶ幾つものパイプラインが通過する戦略的要衝だ。米欧帝国主義とその資本にとって、「民主化拡大」でグルジアをロシアから引き離し、自らの影響下に置いて石油・天然ガスを安定供給させることは重大な課題だ。またメジャーは、石油・天然ガス開発に投じた資金を回収するためにもこの地方の「安定」を必要とする。
 帝国主義とロシアの資源、市場、勢力圏をめぐる争闘戦の激化でグルジアは新たな世界戦争の火点となった。排外主義と民族抑圧・分断を強め世界戦争に向かう帝国主義をプロレタリア革命で打倒しよう。
 (藤沢明彦)

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週刊『前進』(2355号5面3)(2008/08/18 )

 反対同盟が声明

 三里塚二期工事差し止め請求 訴訟上告棄却を弾劾する

 三里塚芝山連合空港反対同盟が8月10日に発した怒りの弾劾声明を紹介します。反対同盟と連帯し、勝利までともに闘おう。(編集局)
二期工事差し止め請求訴訟に対する上告棄却を弾劾する
 最高裁第一小法廷は8月6日、二期工事差止上告審に対して上告棄却を決定するという反動判決を強行した。この判決は、千葉地裁・東京高裁の判決をそのまま踏襲したものであり、実質上門前払いの不当極まりない判決であり絶対に認めることはできない。司法が農地取り上げの先兵となった司法反動化攻撃の現れである。反対同盟は満身の怒りを込めて上告棄却判決を弾劾する。
 そもそも二期工事は1985年、地元住民を無視して多くの未買収地を残したままの軒先工事として強行された違法なものである。航空の安全を定めた国際民間航空条約(シカゴ条約)にも違反している。その違法な工事を拡大することによって、住民を大騒音と大惨事による生命の危険にたたき込んでいる。民家上空40メートルのジェット機飛行という国家犯罪を早朝から深夜まで繰り返している。
 このような歴然たる生活・営農破壊の現実に対して最高裁は、「まだ病人が出ているわけではなく、被害は社会生活上の受忍限度を超えていない」などという地裁・高裁の不当判決をそのまま踏襲して上告棄却を強行した。
 今回の判決は、成田空港会社(NAA)の違法な二期工事を容認したのみならず、連日強行されている殺人的な騒音被害に住民をたたき込むことによってNAAと一体となって空港建設を強行し住民を追い出そうとするものである。まさに43年たった今もなお空港建設が阻止されて追い詰められた政府・NAAと司法とが一体となって強行した政治的な反動判決にほかならない。
 しかし反対同盟は、このような反動判決には微動だにしない。追い詰められているのは、政府・国交省・NAAである。今回の理不尽な上告棄却判決への怒りも新たに、市東孝雄さんの農地取り上げ攻撃をはじめとする反対同盟・三里塚闘争つぶし・農業つぶし攻撃を粉砕して、空港廃港の勝利の日まで徹底的に闘いぬくことを宣言する。
 2008年8月10日
 三里塚芝山連合空港反対同盟

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