ZENSHIN 2008/06/30(No2349 p06) |
週刊『前進』(2349号1面1)(2008/06/30 )
6・29渋谷 サミット粉砕へ団結の底力見たか
法政大決戦に続き実力デモが爆発
労働者が権力の厳戒を破った
この怒り世界に発信 サミット決戦爆発に恐怖した警察権力によるデモ禁止攻撃を、青年労働者と学生を先頭にしたスクラムデモでうち破り、渋谷の街を席巻(6月29日)
動労千葉が呼びかけた「サミット粉砕!6・29全国労働者総決起集会」に全国から2150人が集まった。集会後、デモに出た参加者はサミット厳戒体制をガタガタに粉砕し、渋谷を解放区にする戦闘的大デモを打ち抜いた。この闘いは多くの海外メディアをつうじて全世界にとどろいた。支配階級よ、団結した労働者の力を見たか!
激突!激突!勝利!勝利!
この日、早朝から渋谷の街は異様な緊張に包まれた。会場の代々木公園周辺にはすき間なく機動隊の大型バスが並び、全国動員の数千人の私服刑事・機動隊が埋めつくした。渋谷駅や主要交差点などにも多数の機動隊が配置された。しかも東京都公安委員会は6月27日、実行委員会が申請した渋谷駅前を通るデモコースを不許可とする前代未聞のサミット弾圧を加えてきた。
しかし警察権力の総力を注いだこの弾圧体制は、労働者を抑え込むどころか逆に、その怒りと団結の力を根底的に解き放つものとなった。
集会を終えた参加者は力強いスクラムデモで進み、公園通り入り口のデモ出発点に集結した。実行委員会の労働者が次々とマイクをとり、デモ禁圧攻撃を加えてきた国家権力を激しく弾劾した。「デモ禁止、上等じゃないか!」「渋谷を実力で解放するぞ!」「資本家も国家権力もビビってんじゃねぇ! 団結した力でこの世界をわれわれの手に奪い返そう!」――意気天をつくアジテーションが響き渡った。
いよいよデモに出発。必死に押しとどめる幾層もの機動隊の壁を突き破り、デモ隊が渋谷の街に飛び出した。朝からの雨にもかかわらず、多くの青年が沿道に集まりデモに大注目している。「デモだ!」と走ってくる若者も多数いた。外国人の姿も目立った。
デモ隊は、固くスクラムを組んで渋谷駅前に向かった。機動隊や公安刑事どもは、ひたすた防戦一方。デモコースと歩道の間に二重三重に鉄柵(てっさく)や阻止線を築き、渋谷駅前方面に向かう交差点(神南1丁目)には何台も大型バスを並べて完全に交通を遮断した。若者たちの怒りに火がつきデモに大合流する現実性に心底から震え上がっているのだ。
参加者はこの日、全員が「法政大のように闘おう!」「動労千葉、米ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国・民主労総のように闘おう!」と決意して闘いに臨んだ。サミット弾圧を完全に粉砕した5・28〜29法大決起を労働者の魂で受け止め、ひとつの闘いとして大デモを打ち抜いた。
警察権力は不当にもデモ中に8人の青年労働者・学生を逮捕した。しかしデモ隊は、終始攻勢をとり、警察権力を圧倒し続けた。サミットはズタズタにじゅうりんされ、渋谷の街中が解放感にあふれた。
「今日のデモに完全勝利したぞーっ!」――解散地で青年労働者・学生が高らかに勝ちどきをあげた。勝利感あふれる笑顔がはじけた。いくら全国から機動隊をかき集めても、全然たいしたことない。団結した労働者は絶対に負けない!――6・29渋谷デモは、このことを全国、全世界の労働者に示した。
“次は7・6札幌だ!”
この日の集会は「ヨッシーとジュゴンの家」の力強い演奏で始まった。その間にも朝から降り続く雨をついて、参加者が続々と集まった。
基調報告は動労千葉の田中康宏委員長だ。田中委員長は権力のサミット弾圧を激しく弾劾すると同時に、労働者の怒りの爆発に心底からおびえる支配階級の姿を浮かび上がらせた。(要旨別掲)
圧巻は5・28〜29法大決起を闘った全学連の発言だ。5月29日に逮捕された東北大生は「学生の闘いは全世界の労働者の闘いがつくりあげたものだ。留置場で秋葉原事件や韓国100万人決起を知り、『本当に革命がやりたい!』と思った」。決死のハンストに決起した法大生は「わずか世界の1%の支配者のためにこの社会はあるんじゃない。奪われた富を奪い返そう!」と叫んだ。
辺野古で闘う青年労働者は「革命の火薬庫=沖縄から東京に火を付けにきたぞ!」と檄(げき)を発した。また国鉄、教労、全逓、自治体、医療、合同労組などの労働者が、自らの職場闘争とG8サミットへの怒りを語った。万人を獲得し、誰もが奮い立つような素晴らしい発言が続いた。
また、連帯のあいさつとして三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長の北原鉱治さん、憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長の武内更一弁護士、部落解放同盟全国連合会西郡支部などが熱いアピールを行った(発言次号)。
6・29デモはハンギョレ新聞(韓国)、ロイター通信、AP通信など多くの海外メディアをつうじて全世界に伝えられた。韓国では先週、連日連夜の闘いが爆発し、警察権力を圧倒する闘いへと発展している。6・29渋谷デモはこれと完全にひとつの闘いだ。
次は7・6札幌だ! さらなる怒りを結集し札幌現地に総結集しよう。
(写真 東京・代々木公園野外ステージ前には、サミット粉砕を誓い全国から2150人が集まった。参加者が奮い立つような素晴らしい発言が続いた)
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週刊『前進』(2349号1面2)(2008/06/30 )
民主労総・ILWUと連帯
田中動労千葉委員長の基調報告(要旨)
デモ出発点では実行委員会の労働者が権力のデモ禁止攻撃を弾劾、熱烈なアジテーションを行った。その後、動労千葉を先頭に実力デモに出発し、団結の力を見せつけた
今日、権力が、渋谷駅前を通るデモコースを禁止してきたことに、心の底から怒りの声を上げたい。彼らは労働者の怒りに火が付くことを心の底から恐れている。僕らがやるべきことはただ一つです。もう社会の隅々まで燃料は山積みになっている。これに火を付け、団結をつくり上げることがわれわれの仕事だ。そのために今日の集会と戦闘的デモを貫徹しよう。
なぜ動労千葉が、サミット粉砕のこの集会を呼びかけたのか。今、全世界が本当に怒りの炎に包まれている。一つの敵に向かって全世界の労働者が、農民や漁民が団結しています。新自由主義という敵に対してです。日本ではその決定的な突破口になったのが、私たちにかけられた20年前の国鉄分割・民営化攻撃でした。この結果、全社会に貧困が強制され、戦争が引き起こされる。私たちはこれと首をかけて闘ってきました。この20年、日本の、また世界の労働運動は大きな後退を強いられてきた。だけど今、その労働運動がもう一度団結を取り戻して荒々しく復権する時をいよいよ迎えたということです。
日本では秋葉原事件が起きました。もう一方では、『蟹工船』が大きなブームになっている。これは一つのことです。みんな、敵は誰なのか、団結する仲間はどこにいるのか、どうしたらこんな現実を変えられるのか、必死になって探して、怒りははちきれる寸前になっている。
多くの労働者に敵が誰かを見えなくさせているのは、体制内の、労資協調で屈服している腐り切った労働組合だ。だけどここに来れば絶対信頼できる仲間がいるんだということを、本当に伝えなきゃいけない。
法政大学の学生は私たちに、進むべき道を鮮明に示してくれました。逮捕されても誰も屈服しない。もっと団結を固めて前に進んでいる。なぜか。本当に腹の底からの怒りをもっているからです。それと、労働者は絶対立ち上がるという確信をもっているからです。
われわれの闘いは全世界の労働者とつながっている。われわれが連帯している民主労総の仲間たちは今、どんな闘いをやっているのか。あの反動イミョンバク政権を打倒しようと言って、百万人の労働者がソウルの街を埋め尽くした。それとアメリカの国際港湾倉庫労組の、イラク戦争に反対し西海岸の港を完全に止めた素晴らしいストライキ。われわれは、こういう本当に巨大な前進をかちとっている。
今こそ、闘う労働組合が時代の最前線に躍り出なければなりません。労働者の団結した力だけが社会を変えるたった一つの力だ、これは絶対的な歴史の真実です。私たち一人ひとりが決定的な力を持っているからこそ、団結した時には世の中を変えられるのです。
われわれの未来はわれわれ自身が握っていることをサミットに向かって本当に示したい。職場から一人でもいい、腐った労働組合の幹部たちをうち破って、本当の闘う団結をつくり上げる闘いを始めることです。それと本当に怒りを語ろうということです。そして自分自身の存在と闘いを絶対に低めない。その闘いをやり抜いたときに、新しい闘いをつくり上げることができる。その決意を込めて、洞爺湖サミットを粉砕しましょう。
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週刊『前進』(2349号1面3)(2008/06/30 )
おことわり
6・29「サミット粉砕!労働者総決起集会」とデモの報道のため、報道特別号として発行を遅らせました。
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週刊『前進』(2349号2面1)(2008/06/30 )
サミット粉砕 7・6札幌へ
6・29渋谷デモの爆発ひき継ぎ職場と街頭の怒りを結集しよう
われわれは、5月法政大大弾圧と起訴攻撃への怒りを爆発させ、法政大での38人の偉大な革命的決起をバネに、6・29サミット粉砕決戦に総決起した。職場・生産点、そして街頭にたぎる怒りの先頭に立ち、自ら怒りを爆発させて圧倒的な渋谷大デモをぶち抜いた。東京・渋谷から全世界に向かって帝国主義打倒=プロレタリア世界革命への熱烈な戦闘宣言を発したのだ。そして、いよいよ洞爺湖サミット開催を迎え撃とうとしている。動労千葉が呼びかける7・6札幌集会・デモへ全国から総結集し、帝国主義強盗どもを死の恐怖へたたき込もう。
全世界人民の怒りの集中点G8サミット
G8の帝国主義強盗どもが7月7〜9日、「環境サミット」などと称して洞爺湖に集まる。地球を破滅させるまでに強欲な利益追求と、資源・市場の争奪をめぐる争闘戦を繰り広げ、いよいよ世界戦争に向かおうとしている。全世界の労働者のスト、デモ、食糧暴動に世界革命の現実性を見てとり、「過激化する若者対策」と称して内への階級戦争と外への侵略戦争をさらに激化させようとしている。
今やサミットは、総反乱を開始している世界の労働者人民の怒りの集中点だ。とりわけ日帝ブルジョアジーは、秋葉原事件に支配の崩壊を感じている。2000万青年労働者の怒りが絶望に向かうのではなく、希望を求め、実際の闘いに発展し、団結が生まれ、敵を鮮明にして、革命的行動となって爆発すること。すなわち秋葉原情勢が法政大のような闘いとなることを、死ぬほど恐れているのである。
現に全世界の労働者は「サミット粉砕・新自由主義粉砕」で団結し、帝国主義打倒に燃えた一個の軍勢となって登場している。世界革命勝利へ向けてプロレタリアートの鼓動は激しく高まり、世界革命の現実性が切り開かれているのだ。
世界の資源と市場を奪い合う強盗会議
G8の帝国主義強盗どもが洞爺湖に集まる目的はそもそも何か。世界が直面している世界金融大恐慌、インフレ、食糧危機、失業・貧困、地球環境破壊などの解決策を見いだすためか。否だ! ふざけるな! そんなことはまったく不可能だ。これらの元凶は帝国主義ではないか。帝国主義の全世界的な打倒こそ、労働者階級にとっての唯一の解決策だ。労働者人民が生きるために、今こそ革命が必要なのだ。
世界金融大恐慌は、金融機関の膨大な損失と赤字の底が見えない中で、ついに超悪性のインフレを生み出すにいたった。こうなったら最後、帝国主義間の利害調整などまったくできない。為替戦争が始まり、世界経済を分裂させ、1929年恐慌を上回る大恐慌に必ず発展する。だから帝国主義強盗どもは、他をけ落としても自分だけが生き残るために、世界の資源と市場の激しい争奪戦に突入しているのだ。「アフリカ開発」問題などその最たるものだ。
サミットは、激しい帝国主義間争闘戦の坩堝(るつぼ)、労働者階級に戦争と新自由主義と地球環境破壊の攻撃をより激しく強制する場だ。労働者階級の怒りでサミットを燃やし尽くそう。
洞爺湖サミットの主要テーマである「地球温暖化対策」とは何か。
帝国主義者たちはCO2などの「温室効果ガス削減」で相互に対立しあいながら、結局は石油に代わる「クリーンエネルギー」と称して、原発・核開発やバイオ燃料政策を大々的に推進しようとしている。原発でひと儲(もう)けを狙い、世界を核戦争にたたきこもうとしている。しかも、CO2の「排出権取引」によって排出は続けるのだ。絶えざる生産力のアップと利潤追求第一の帝国主義に、温暖化対策などできるはずもない。
「アフリカ支援」もふざけている。世界中の食糧を投機マネーで高騰させ、もともと貧困と飢餓にあえいできたアフリカの労働者人民を、餓死に追い込んでいるのは帝国主義ではないか。その虐殺者が「支援」を振りかざしてアフリカに侵略し、資源(石油やレアメタル)と市場を奪い尽くそうとしているのだ。
階級的団結と国際連帯の力で世界革命へ
イラク・アフガニスタン侵略戦争も、新自由主義の環である民営化攻撃も、失業や貧困も、インフレと食糧危機も、環境破壊も、すべてサミットに集まる帝国主義強盗どもがつくりだしたものである。帝国主義を打倒し世界革命をやる以外にいかなる解決もない。サミット粉砕闘争は、戦争と新自由主義と対決し、労働者の階級的団結と国際連帯で帝国主義を倒し、世界革命を開く闘いだ。
国際階級闘争は戦後革命期をこえる決定的段階を迎えている。5月1日、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)とイラク港湾一般労働組合がともに連帯声明を出して港を封鎖し、米からの軍事物資輸送を阻止する一方、イラクからの石油搬出を阻止するという画歴史的闘いが実現した。しかもこの闘いは、11月労働者集会をともに闘ってきたILWUローカル10などのランク・アンド・ファイルによって切り開かれたものだ。
韓国では6月10日の100万人デモに続き、民主労総が7月2日の24時間ゼネストへ激しい攻防戦を闘っている。6月25日夜から26日未明にかけては、政府による米国産牛肉輸入再開の官報告示―発効に対して徹夜闘争が闘われた。ソウルには2万人の労働者人民が結集し、「イミョンバク退陣!」を叫んで激突、大統領府に肉迫した。
韓国人民の決起を恐れ、ブッシュは予定していた訪韓を中止した。イミョンバク大統領は7月に訪日して、G8と一体で洞爺湖サミット拡大会合に出席する。粉砕あるのみだ! 新自由主義攻撃粉砕をかけて、闘う民主労総との団結をいよいよ固めて闘い抜こう。
全世界で権力奪取の展望をもった凄まじい闘いが日々、闘い抜かれている。サミット粉砕決戦こそは、全世界で闘う労働者人民との最高の国際連帯闘争であり、階級的団結の拡大と世界革命の勝利をかけた闘いだ。
資本主義・帝国主義との革命的な闘いから逃亡した塩川一派や、与田・平田らの醜悪な野合集団が、サミット決戦がプロレタリア世界革命へ発展することの圧殺と、革共同憎しの一点で敵対策動を行っている。これら反マルクス主義の転向集団を踏みしだき、サミット粉砕決戦の階級的大爆発をたたきつけよう。
7・6札幌現地闘争へ! 法政大の闘いに続き、法政大のように闘い、職場と街頭から階級的怒りを総結集しよう。
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週刊『前進』(2349号2面2)(2008/06/30 )
法大スト貫徹が回答だ
5・28-29決戦勝利の力で法政大を世界革命の砦に
総括と決意革共同中央学生組織委員会
すべての学生・労働者のみなさん! 法大5・28〜29決戦と38人弾圧粉砕闘争の大勝利を高らかに宣言し、謳歌(おうか)しよう。なによりも、起訴され獄中闘争を意気軒高と継続する15人の同志(加えて、事後に不当逮捕された1人の同志、練馬鑑別所の少年同志、富山大学の武藤同志)に、われわれは心からの団結と連帯の握手を送る。プロレタリア世界革命に向かってともに闘おう!
5月28〜29日の決起の地平は、38人の例外なき完全黙秘の貫徹に引き継がれ、警察権力どもをさらなる敗北のどん底にたたき込んだ。6月20日には、釈放された22人全員が法大正門前に元気に登場し、文化連盟との集会の共催をかちとり、機動隊と私服刑事による妨害を粉砕して戦闘的スクラムデモをうち抜いた。
法大決戦の爆発、そして6・29サミット粉砕闘争の勝利を受け、今こそ階級的労働運動の全面的な実践とマル青労同・マル学同1000人建設、11月労働者集会1万人結集に向かって決意も新たに攻めのぼろう! われわれ青年・学生こそがその最先頭に立とう。
(写真 第3波法大包囲デモ【6月20日】)
サミット粉砕決戦の突撃路を開いた
「獄内で存分に自分を鍛え上げ、ともに獄中闘争を闘い、仲間とともに最強の革命家となって法大に登場できる日を楽しみにしています。われわれ15人しか起訴できなかった権力は本当にボロボロです。獄内外に二重の陣形をつくらざるをえなかった国家権力を、サミット決戦で最終的に打倒しましょう! こんなに楽しい闘いはありません。権力にイヤというほどわれわれの団結の力を見せつけてやりましょう!」(A同志)
「正直言ってうれしいです! 法大の闘いが、増田総長体制のファシスト性を引き出し、サミット決戦の突破口を切り開いたのです」(B同志)
「われわれが闘っている限り、すでにサミットは粉砕されています。いま以上に団結を固め、武装を強め、闘っていこう!」(C同志)
「獄中でガンガン革命家として成長しています。ワクワクしています」(D同志)
「どんな分断も弾圧も私たちから革命への情熱を奪うことはできません」(E同志)
「起訴=国家権力から『絶対に出さない』と非和解の意志を突きつけられたことを誇りに感じます」(F同志)
「弾圧・逮捕上等!」
獄中の15同志から底抜けに明るいアピールが続々と発せられている。06年3・14弾圧以来、のべ85人の逮捕者すべてが仲間との団結を守り抜き、完黙・非転向を貫いたことは画期的な地平だ。
第一に、もっとも決定的なことは、全同志が歴史的な「5・29戦闘」をぶち抜いて、天をもつくような勝利感に満ち満ちていることだ。5・29戦闘でわれわれは「団結して闘えば勝てる!」ことを行動で示した。厳戒体制を粉砕してキャンパス中央で集会・デモをかちとり、突入してきた私服刑事どもを逆に撃退して肉弾戦で圧倒した。実力でキャンパス支配権を奪還して、3万法大生と労働者階級の怒りを体現しキャンパスのど真ん中で「暴動」を起こした。
革命的情勢には革命的行動をたたきつけよう!行動をもって自らが革命の主体となろう! ストライキで権力を奪い返すということは「5月29日のように闘おう」ということだ。
「5・29」こそわれわれの怒りだ。3・14弾圧以来2年余り、実に85人の逮捕、18人の起訴、2人の鑑別所送り、退学・停学の乱発の中、革命と反革命がキャンパスで日々激突する中で蓄積された階級的怒りの大爆発が5・29戦闘だった。そして、ブルジョア的「秩序」を掘り崩し、力関係の均衡をドンドン破壊する闘いを許容できなくなった敵階級は、「サミット警備体制」の崩壊を恐れてたまらず弾圧に踏み込んだ。しかしそれは、あえなく破産したのだ。
5・28〜29の闘いは6・29サミット粉砕大闘争の突撃路を切り開いた! 法大では文化連盟の仲間が直ちに命がけの170時間抗議ハンストに決起し、6・29デモに合流した。全国の職場・キャンパスで「法大のように闘おう!」を合言葉にして、処分・逮捕を辞さない徹底非和解の闘いがうなりをあげて始まった。支配階級はまったく墓穴を掘ったのだ。5・28〜29決起を現代の「10・8」にしよう!
「最強の革命家」が次々と
38人逮捕―15人起訴は法大決戦の中で「若き革命家」「階級の指導部」がドンドン登場していることに対する、ブルジョアジーの恐怖のあらわれだ。全学連執行部や各大学の中心的活動家はのきなみ起訴されている。
しかしそんなものは打撃どころか、むしろ革命への養分でしかない。一の弾圧が十の決起を生み出す。今回の過程で、敵階級に一歩も引かない不抜の大革命家がドンドン生まれている。15人の中には活動歴が1年にも満たない同志もいるが、「法大小菅キャンパス」=東京拘置所から熱烈なアジテーションを発している。釈放されたその日に革共同への結集を決意した仲間がいる。全国で新たなマル学同の同志が続々生まれている。就職内定を蹴って職業革命家に決起した仲間もいる。
国家権力よ、弾圧ありがとう! 法大こそ世界に羽ばたく革命家を生み出す「革命の学校」だ。
動労千葉のように闘い抜き勝利した
第二に、法大決戦は階級的労働運動路線の白熱的な実践そのものであり、弾圧粉砕の勝利は路線の勝利そのものだ。
帝国主義世界支配がボロボロになり、ブルジョアジーはもはや労働者階級を食わすことすらできない。そして、労働者の根源的決起が世界中で爆発している。日帝は、学生を徹底的に競争させて分断し、極限的な暴力支配を貫徹しようとしている。この中でわれわれは何に依拠して闘うのか。どこで勝負を挑み、勝つのか。それは資本との非和解性をハッキリさせ、自らが最先頭で怒り、団結拡大を総括軸にして闘う――つまり動労千葉のように闘うということだ。その怒り、その団結と自己解放が、ものすごいエネルギーを爆発させる。
法大の闘いは、どれだけの弾圧や暴力を相手にしても日々資本への怒りを再生産し、3万法大生と全国300万学生の決起に絶対の確信を持ち、キャンパス中央を権力との激突をはね返して解放してきた。そのことによって、まさに日帝の大学政策を根幹の部分で打ち砕いているのだ。
弾圧粉砕闘争ただ中の「秋葉原事件」。資本による、青年労働者に対するすさまじい団結破壊と疎外。没落し凶暴化する資本主義が、現代の青年・学生に用意できるものは「絶望」か「監獄」だ。しかしこれは、”5・29−6・29のように闘えば勝てる!”――この展望で2000万青年労働者と300万学生の根源的怒りに火をつけ、燎原(りょうげん)の火のように燃え上がらせてブルジョアジーを焼きつくす大チャンスだ。
何よりも全学連と法大学生運動は、プロレタリア世界革命に向かって世界と団結する「11月集会派」だ。われわれは動労千葉のように闘った。ILWUメーデーストにこたえて闘った。6・10韓国100万人決起と獄中からつながった。そして6・29闘争の爆発は、必ず民主労総7・2ゼネストへ発展し、11月労働者集会の大前進へと結実していく。
(写真 ”仲間を取りもどすぞ!”解放感あふれるデモを終えシュプレヒコール【6月20日】)
スト実現と強大なマル学同の建設へ
第三に、この弾圧粉砕闘争で革共同の底力をあらためて警察権力にたたきつけ、巨大な労働者・学生の決起として爆発させていったことが決定的だ。獄中同志のみならず、全党の学生同志・労働者同志・常任同志がサミット粉砕決戦そのものとして不眠不休で闘った。闘争を広範に押し広げるためにあらゆる闘いが組織され、法大救援会には1100筆をこえる抗議署名・メッセージと200万円をこえるカンパが寄せられている。
学生の闘いに感動した弁護士の方々の献身的な闘いも、敵を追い詰めていった。そして、7回にもおよぶ勾留理由開示公判のすべてに勝利した!二つの法大裁判の戦闘的地平を引き継ぎ、当該と傍聴席が文字どおり”怒りの火の玉”となって裁判所を揺るがした。逮捕された学生の家族の感動的な決起もいたるところで生み出された。この闘いでグラグラになった権力は33人全員の起訴もできず、令状まで準備して「傷害」容疑で逮捕したにもかかわらず、ぶざまにも織田陽介全学連委員長を釈放せざるをえなくなったのだ。
最後に。一切の勝負はマル学同1000名建設、とりわけ「階級の指導部」建設にある。われわれは11月労働者集会1万人結集に向かって、嵐のような法大解放闘争を爆発させ、必ず法大スト−全国大学ストをうち抜くことを宣言する。
法大決戦は今夏〜今秋にかけて胸突き八丁の大激突局面に入る。資本の最悪の先兵と化した増田総長体制を、全法大生の怒りの決起で打倒しよう! 法大を世界革命の砦に! 獄中18同志と固く団結し、2008年を5・28〜29弾圧がエピソードとなるような胸躍る大激動の年にするぞ!
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週刊『前進』(2349号2面3)(2008/06/30 )
学生15人の起訴弾劾! 新署名を広げよう
−法大弾圧救援会が呼びかけ−
15人の学生の大量起訴を受けて、法大弾圧救援会が新たな署名を呼びかけている。
5月28、29日に逮捕された学生38人のうち15人が起訴された。また起訴された学生のうち1人が6月24日に「公務執行妨害」容疑で再逮捕。事後逮捕の1人、東京少年鑑別所に送られた1人を含めて、今もなお17人の学生が勾留されている。
5月末に呼びかけた「38人の学生を釈放しろ」署名は全国各地から続々と寄せられ、6月25日現在で1120筆を超えた。
一刻も早い釈放を実現するため、また法大当局による処分をうち破るため、署名を集めよう。呼びかけ文は救援会のブログ参照(http://www.geocities.co.jp/houdaikyuuenkai/)。署名用紙もアップされている。
◆賛同署名
◇法政大学増田総長・各教授会へ 大学構内への警察権力の導入と学生逮捕に抗議します。5月28日、29日に逮捕された法大生にいかなる不利益処分も行わないよう求めます。
◇東京地裁へ 5月28日、29日に法政大学で逮捕され起訴された学生をただちに釈放することを求めます。
◆下記の項目を記入し送付を。お名前(フリガナ)/職業・肩書き・所属団体など/公表 可・不可/住所/電話/メールアドレス/一言メッセージ
◆送付先 5・28〜29法大弾圧救援会/住所 港区新橋2―8―16石田ビル4階 救援連絡センター気付/ 03―3591―3583/E-mail houdaikyuenkai@yahoo.co.jp
◆救援カンパにご協力を。銀行振込 三菱東京UFJ銀行 錦糸町駅前支店 普通3520695「ホウダイダンアツキュウエンカイ」/郵便振替 00160-0-585187「法大弾圧救援会」
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週刊『前進』(2349号3面1)(2008/06/30 )
サミット決戦から11月へ
動労千葉定期委員会 今春の勝利に路線的確信
組織拡大に確かな手応え
組合員の強制配転阻止した
動労千葉は6月22日、第59回定期委員会をDC会館で開催した。各支部の委員と傍聴者が多数参加し、08年前半の大きな前進を確認するとともに、サミット粉砕闘争から11月労働者集会1万人結集へとのぼり詰める後半戦の方針を決定した。
田中康宏委員長が冒頭あいさつに立ち、前半期の闘いを振り返りながら、「国鉄分割・民営化阻止闘争以来、いかに闘って団結を守りぬいてきたのか――この動労千葉の経験が本当に生きる情勢が来ている」と述べた。
動労千葉は、大幅賃上げ獲得、業務外注化阻止などを掲げて3月14〜15日に春闘ストライキを打ちぬいた。そして、ライフサイクル白紙撤回闘争を全本線乗務員のストライキを構えて闘い、当局を追いつめ、津田沼支部の滝厚弘組合員の強制配転を阻止する大きな成果をかちとった。まさに「万人は一人のために、一人は万人のために」という労働組合の真骨頂を示した闘いだ。
また2月17日には、1047名闘争の深刻な危機の中で「1047名解雇撤回!」を真っ向から掲げて初めての独自集会を開催。4月26日には、尼崎事故3カ年を期して尼崎現地闘争を闘い、JR資本との新しい闘いの局面をこじ開けた。
動労千葉のこうした”新たな挑戦”こそ、08年前半の階級情勢を先端で切り開いてきたのだ。
とりわけ最重要課題としてあったライフサイクル粉砕闘争について田中委員長は「敵は矛盾だらけだ。制度は実施されたが、職場の怒りを組織すればライフサイクルそのものを絶対に粉砕できるという確信、組織拡大への確かな手応えをつかんだことが最も大きな成果だ」と強調した。そして滝組合員がこの間、平成採の仲間に「動労千葉に入ったら駅に行かないですむということじゃない。本人が先頭に立って闘うということなんだ。労働組合は『保険会社』じゃないということが本当によく分かった」と語りかけていることを紹介した。ここに、今春のライフサイクル粉砕闘争の勝利が凝縮されている。
(写真 08春闘始め今年前半の激闘が切り開いた地平の高さを提起する田中委員長【6月22日 DC会館】)
大合理化計画を許さないぞ
長田敏之書記長が、「情勢」「当面する取り組み」を提起した。激動する内外情勢を明らかにした上で「新自由主義攻撃になぜ動労千葉だけが闘いぬくことができたのか。それは『団結した労働者の力こそが社会を変革し歴史をつくる力だ』という、この一点に依拠して労働運動の原則を守りぬいてきたからだ」と述べた。そして「あらためてこの動労千葉の原点から再出発しよう」と新たな時代に立ち向かう構えをはっきりさせた。
さらに、JR東日本の新中期経営計画「グループ経営ビジョン2020―挑む―」を始めとする新たな大合理化攻撃と対決する方針を提起した。そして「今年こそ11月労働者集会への1万人の結集を実現するために全力で闘おう。自らの内なる壁を破り、組織拡大に全力をあげよう。定期大会までに何としても2けたの組織拡大を」と力を込めて訴えた。
“激動の時代に乗り込もう!”
討論の中では、ライフサイクル粉砕闘争当該の滝君が演壇に立ち、「強制配転を阻止できました。ありがとうございました!」と元気良くあいさつ。大きな拍手と歓声で迎えられた。
さらに各支部の委員から、組織拡大に向けた決意、貨物会社における賃金抑制を打破する闘い、反合・運転保安確立に向けた職場の課題などが活発に出された。
また、動労千葉争議団の中村仁さんが特別執行委員に選出され、「国鉄分割・民営化に絶対反対を貫いて闘ってきたことは間違ってなかった。みなさんと一緒に動労千葉の闘いの一翼を担っていく」と本部専従として闘う決意を表明した。
最後に総括答弁に立った田中委員長は「当面する最大の課題は組織拡大だ。この闘いはライフサイクル粉砕と表裏一体だ。全支部、全組合員が全力をあげてほしい。6・29サミット粉砕闘争に全力結集し、11月集会には最低でも1万人の結集をかちとり、この激動の時代に乗り込んでいこう」と締めくくった。
挑戦を続ける動労千葉のように闘おう。自分の職場で闘いを始めよう。
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週刊『前進』(2349号3面5)(2008/06/30 )
7・13関西新空港闘争へ
橋下打倒闘争と一体 泉佐野現地に総結集を
賃下げ許さない
闘う仲間の皆さん、関西新空港闘争は、昨年8月の2期開港阻止闘争から新たな闘いに突入しています。7月サミット決戦に勝利し、7月13日、泉佐野現地に結集してともに闘おう。
6月20日、府労連集会に7000人が集まり、怒りを爆発させた。府労連始まって以来の大結集だ。「橋下よ! 出て来い。われわれが賃下げにどんなに怒っているか分かっているのか!」「絶対に許さんぞ!」。雨の中、労働者の怒りのデモが府庁を包囲した。労組交流センターと泉州住民の会はともに闘った。
大阪府知事・橋下は6月6日「大阪維新プログラム案」を発表し、1100億円の収支改善案と民営化攻撃に踏み込んできた。人件費345億円の削減が中心だ。基本給4〜16%の賃下げ、退職金5%削減が柱になっている。絶対に許せない!
他方で、関空関係には手をつけない。関空2期事業には10年間で500億円も無利子貸付金を出し続けている。しかもこの資金は銀行から借り入れて70億円もの利子を銀行に払っているのに、関空会社には無利子で貸しているのだ。出資金は1期、2期合わせて900億円も出し続けている。合計1400億円にもなる。これはすべて府民の負担である。
また、りんくうタウンやコスモポリス事業など関空関連事業に7200億円もつぎ込み、400億円も損失を出し、2700億円も借金を残している。5兆円といわれる借金はこのように資本家どもを肥え太らせてきたものだ。
橋下は、このことには何も言わず、すべての責任を労働者に押しつけている。資本家階級の代表そのものである。
これに怒った府職員、教育労働者が立ち上がり始めた。7・13関西新空港闘争はこれら労働者と一体の闘争だ。
(写真 労働者を犠牲にする関西新空港。朝鮮有事には基地に)
朝鮮有事の基地
関西新空港の軍事使用がさらにはっきりした。朝鮮有事の際に米軍が在日基地を自由に軍事使用できる公文書の存在が暴露された。春名幹男・名古屋大大学院教授が「朝鮮有事議事録」を米ミシガン大学フォード大統領図書館で見つけた(文藝春秋7月号)。
それは藤山外相(当時)とマッカーサー駐日大使(当時)との間で署名された1960年6月23日付けの議事録だ。「軍事戦闘作戦のために、日本における施設及び地域を使用してもよい」としている。その後96年のガイドライン、有事法制、06年12月の日米共同作戦計画「5055」の策定などで「密約以上に実態が先行した」と春名氏は述べている。
日米は「5055」計画を実戦に移すために、昨春から現地調査を始めている。関空、成田など民間空港・港湾を米軍優先で軍事使用することが核心になっている。軍事機密扱いだが昨秋には完成しているはずだ。今回の密約文書で、関空の軍事空港化の進行がさらにはっきりした。
連絡橋の国有化
昨年末、国は関空連絡橋を国有化する方針を決定し、予算化した。連絡橋は、関空会社が1500億円で建設し、有料道路と鉄道の2階構造になっている。国は上部の有料道路部を780億円で買い取るという。府もこれに65億円も金を出すという(賃金を削った金ではないか!)。 これは「国際貨物ハブ空港」構想と一体のものであり、アジア侵略の拠点空港にするためである。また、いつでも閉鎖して軍事使用できるようにするためだ。
この方針に猛反発しているのが新田谷泉佐野市長である。市に入ってくる固定資産税が年8億円も減るからだ。
泉佐野市は、関空のために関連事業をやり750億円も借金してきた。国、府は「将来の税収」を「担保」に事業をやらせてきた。ようやく新田谷市長は「だまされた」(国賀議員への議会答弁)と気づいたが遅かった。今になって関空会社への「減免取り消し」を通知したり、連絡橋を通る車に「通行税」(法定外税)をかける案を議会で表明したり、国と「対決姿勢」を見せている。しかし労働者、住民には訴えない。自民党・新田谷市長は労働者、民衆の決起を恐れているのだ。
非和解で闘おう
国は、軍事空港のためには地元の利害など考慮しない。戦争のためには労働者、住民を常に犠牲にしてきたではないか。「共存共栄」など元々なかった。帝国主義国家と労働者、住民の関係は非和解なのだ。
労働者、住民が生きていくためには、関西新空港を帝国主義ともども粉砕するしかない。7・13泉佐野現地に結集し、ともに闘いましょう。
泉州住民の会事務局長 国賀祥司
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週刊『前進』(2349号4面1)(2008/06/30 )
闘わない労組幹部は現場労働者の敵だ
“1人の涙にストライキ! それが俺たちの魂じゃん”
「雇い止め」と闘う青年労働者の訴え 希望は団結! 反乱起こそう!
4月に仙台市S局で雇い止め通告を受けた青年労働者A君が、6月18日、JP労組第1回定期大会(札幌)でまいた個人署名ビラを紹介します。A君は代議員たちに「泣き寝入りはしない!」「希望は団結」「郵便局から革命を起こそう!」と訴え、雇い止め攻撃を取り上げようともしないJP労組中央を弾劾・追及した。(編集局)
1カ月で雇い止めなんて認めない!最終日ストライキ
知らない仲間が立ち上がる! 「処分よりも義理人情」に感動した!
俺は4月28日、三集課長に呼び出され「雇い止め」を通告された。「俺は生きちゃいけないのか」「何のために地図を覚え、走ったんだ」。涙が止まらなかった。ペットボトルじゃないんだぞ。簡単に捨てられてたまるかよ。俺が引いたらこれが常識になってしまう。だから30日、職場の仲間と声を上げた。
30日、朝、職場の人たち全員に、ビラを渡し、朝礼で課長を追及し、大騒ぎした。
「理由を説明しろ」「雇い止めは絶対認められない。撤回しろ」「俺たちを人間扱いしていないんじゃないか?」「俺のようにみんなをいつでも首切るつもりか」「お前なんて大したことないんだ。俺たちがストライキしたら、言うことを聞くしかないんだぞ」
課長も集まってきた管理職も誰も答えられない。課長がただひたすら「理由はいっただろ『こちらの判断だ』」と繰り返すのみだ。そんなことに黙って従えるか。
周りの人たちも「何で彼が雇い止めなんだ」「ようやく一人前になってきたところじゃないか。ふざけんな」と一緒に課長を追及。俺を止めるために襲いかかる総務課長を、話したこともない人が腕をつかんで阻止したりと、ものすごい事態になった。気持ちが通じてうれしかった。労働者は一つだと分かった。
俺は「抗議して今日はストライキする」と宣言。正社員の仲間も「こんな状況で働けるか。俺もストだ」と欠勤届けを出した。処分されても一緒に闘うという覚悟だ。俺の班からは「まかしとけ! がんばれ」と檄(げき)が飛んだ。肩をたたいて「負けるなよ」と力づけてくれる人がいた。あったかい。また泣きそうになった。
一日中、追及行動をし、夕方に職場集会を開催した。管理職の監視に負けず、多くの労働者が集まってきた。「あいつらまたやりやがった」「俺も追及に付き合いたかったんだ」「友達も昔、前日に言われ雇い止めにされた」「支店長の口癖は『やめろ』『やめさせろ』だ。どうかしている」。現場は怒りに満ちている。ものすごい団結ができるし団結すれば変えられると実感した。
(写真上・下 「雇い止めを許さない!」――出勤してくる職場の仲間に訴える【仙台市S局前】)
泣き寝入りはもうさせない! 門前闘争をはじめる!
5月1日から、門前闘争を始めた。ビラをまき、マイク演説をして「使い捨ての職場を変えよう!」「反乱起こそう!ストライキをしよう」と訴えている。職場や周りの友達が一緒にプラカードを持って立ってくれ、他の郵便局の人も話を聞いて駆けつけてくれている。バイクで出勤する仲間、配達に出かける仲間が「がんばれよ」「負けるなよ」と声をかけてくれてすごい感激する。楽しすぎる。
管理職が勢ぞろいして監視しているが、あいつらは反乱が起こることに恐怖しているんだ。びびっているんだ。なぜならば、職場を動かしているのは俺たち労働者だからだ。みんなで団結して一斉にストライキでもすれば、管理職はあわてふためいて俺たちの言うことを聞くしかないからだ。一人の首切りだってできないし、支店長だって追い出せるんだ!
時給アップでごまかすな!
俺たちの闘いは当局を追い詰めている。あせった当局は、5月19日の朝礼で「契約社員の時給を50円アップします。契約社員はかけがえのない存在です」と発言した。笑っちゃうよ、なんだこの上から目線。ハガキ1枚の涙金で「かけがえのない存在」とは、恩着せがましいにもほどがある。もっと我慢して働けとせかしているんだ。こいつらは「かけがえのない」と言った同じ口で言うんだよね。「来月から来なくていい」ってさ。本当に「かけがえのない」と思うなら、非正規のみんなを正社員にしたらどうなのか? どうして支店長は「かけがえのない」俺を迎えに来ないのか。
「明日からあっちの班へ行ってくれ」「○○の穴埋めに深夜勤をしてくれ」って、いつもこっちの気持ち無視して命令する。命令ひとつ銭金いくらで動かして、いつでも使い捨てにできる「かけがえのない存在」だってことか。労働者をなめるな。当局の都合で動かされてたまるか! 俺たちには俺たちの心がある。
パイプ作りよりも大切な隣の仲間!闘うための組合だ
なぜ時給を上げる? なぜ「雇い止め」で脅す? 民営郵政が破綻しているからだ。反乱が起こることにびびっている。これはチャンスだ。処分を恐れず闘ったら、そこに団結ができる。団結すれば必ず勝てる。
俺が今一番むかついているのは、職場の組合支部長だ。相談に行ったら「契約満了だろ」「組合員でもないのに部屋入るな」って切れてきた。泣き寝入りを勧めてどうするんだよ。支店長と飲むことばかり考えて、パイプつくって自分だけ生き残ろうとする。こういう奴が、現場の組合員には生産性向上で会社に貢献しろと言っているんだ。
会社に貢献して俺たちが生きられるわけないだろ。秋葉原事件が物語っているじゃないか。毎日まじめに車の塗装の点検作業をやっていても、たった一言で解雇。アパートまでたたき出された。彼は掲示板に書いた。「それでも人が足りないから来いと電話が来る。おれが必要だからじゃなくて人が足りないから。誰がいくかよ」「友達が欲しい。恋人が欲しい」
これが生きた人間に対する仕打ちか! 青年からすべてを奪い取り、そうやって搾取した金でトヨタは2兆円の利益をあげ、資本家連中は笑っている。こういうやつらとグルになっている労組執行部こそ過労死や事故の最大の原因じゃないか。こいつらが秋葉原で7人殺したんだ。ふざけるな。腐った執行部は現場の団結でぶっとばそう。
なぜ俺たち労働者が隣の仲間と生存競争をしたり、泣き寝入りしなければいけないのか。ペットボトルのように簡単に捨てられたり、誰にも知られずたった一人で死んでいく道を選ばされているのか。俺たちはそんなにちっぽけな存在か? 絶対違う。俺たち労働者が社会を動かしている。みんな「かけがえのない存在」じゃないか。みんなバラバラになるのはイヤだ。団結したい。ストライキがしたいんだ。一つになって反撃を開始しよう! ストライキのできる労働組合に変えよう!
常識ひっくり返す団結をつくろう!郵便局から革命を
俺は今回の件で痛いほど分かった。俺たち労働者と資本家連中とは共存できないんだということ。そして隣の労働者がどれだけあったかくて「かけがえのない存在」なのかということ。それがハッキリした。
世界は革命を求めている。俺も革命をしたい!
世界中で起こるストライキや食糧暴動は、俺たちの闘いと一体だ。みんな生きるために本当の団結づくりを始めている。
戦争当事国のアメリカとイラクの港湾労働組合が一緒にストライキをしている。これが労働者の力だ。労働者に国境はない。戦争だって止められる。俺たちはすごい。自信をもっていいんだ。俺たち労働者の団結こそ希望だ。サミットなんて幻想に過ぎない。資本家のプログラムを労働者のプログラムで塗り変える時代がやってきたということじゃないか。
その中で、民営化と闘う俺たち郵便労働者は、決定的な位置を占めている。破綻した民営郵政をつぶしたとき、この社会が変わるんだ。革命なんだ。処分を恐れない団結づくりを一緒にやろう。絶対できる!
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週刊『前進』(2349号5面1)(2008/06/30 )
府労連闘争 “ストライキで橋下を倒せ”
7千人の怒りが爆発
労組交流センター 闘いの最先頭でビラ
6月20日、大阪の府労連(大阪府労働組合連合会・連合系)による橋下行革と対決する総決起闘争が大阪府庁前の大阪城公園で行われ、労組交流センターの労働者はその先頭で闘い抜き、ビラまきなど情宣活動を行った。降りしきる激しい雨の中、自治労や日教組などの労働者がそれぞれの分会での激しい議論を経てこの闘いに結集し、府労連執行部が当初打ち出した5000人結集方針をはるかに上回る7000人がこの闘争に参加した。現場には橋下徹・大阪府知事に対する激しい怒りが渦巻いている。
「ストライキで反撃しましょう」「橋下を打倒しましょう」――労組交流センターの労働者が声をかけながらビラを渡すと、集まってくる労働者は「ストライキやりましょう」「打倒しましょう」と呼応してビラを受け取る。またたく間に労組交流センターの5000枚のビラが労働者の中に吸い込まれていった。また関西新空港反対泉州住民の会や、全学連の学生による法大弾圧を糾弾するビラも次々と配布され、受け取った労働者は食い入るように見入っていた。
メガホンで訴える労組交流センターの労働者のアジテーションが会場全体に響き渡った。「橋下は『大阪府の財政が破綻(はたん)している。民間で言えば破産会社だ。民間で言えば首切りや賃金カットは当たり前だ』という。しかし労働者には府財政の破綻の責任は一切ない。なんで資本家がつくり出した財政赤字を労働者が背負わなければならないのか。財政破綻は資本主義社会の破綻そのものではないか。今こそ労働者はストライキで反撃し、橋下を倒そう! 公務員労働者の団結、さらに公務員労働者と民間労働者との団結をうち固め、この社会をひっくり返そう」
労働者の中には悲壮感はまったくない。それどころか橋下への怒りと、闘う喜びに満ちあふれている。そして何より闘う方針を求めている。ビラを受け取る労働者の表情の中にそれははっきりと表れている。
集会が終わり、府庁を包囲するデモに出発しようとした時に感動的なことが起こった。集会に参加していた教育労働者がそのマイクを奪い取るように握り、府庁に向かって訴え始めたのだ。「橋下、あんたはその府庁の何階にいるんや! あんたは3年たてばタレントに戻ることができるかもしれんけど、うちらは生涯ここで働かなあかんねん! うちらは数値のために働いているんとちゃう。子どもたちの未来のために働いているんや! 覚えときや!」――これこそ現場労働者のストレートな怒りだ。
(写真 橋下への怒りに燃え府労連労働者にビラを配る労組交流センターの仲間【6月20日 大阪城公園】)
府労連幹部の裏切り許さず
この日の深夜から未明にかけて府労連と橋下知事との団交が行われ、今年度だけでも393億円もの賃金カット攻撃に出てきた橋下知事と府労連との交渉は決裂した。これ自身が現場労働者の怒りの噴出だ。
交渉が決裂したらストライキに突入するのは労働組合として当たり前だ。しかし現場の怒りを踏みにじっているのが府労連の幹部だ。橋下知事が「民間では破綻すれば路頭に迷う。世間を知ってください」と迫ると、この幹部連中は「破綻していないのに路頭に迷わせようとしている」などと橋下の前に完全屈服し、「民間なら理不尽な提案があればストライキできるが、われわれはお願いするしかない」などと言って、“ストライキはしません”と誓うありさまだ。
闘いは始まったばかりだ。この日の闘争で幕引きをはかる府労連指導部の裏切りを絶対に許さない。分会丸ごとの府庁座り込み、そしてストライキ――あらゆる戦術を駆使して闘い、橋下を倒そう! 現場に渦巻く怒りを解き放ち、大阪から戦争と新自由主義攻撃を粉砕する闘いをたたきつけよう。
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週刊『前進』(2349号5面2)(2008/06/30 )
韓国 米牛肉輸入告示に怒り 徹夜の実力デモ
7・2ゼネスト貫徹へ
国際連帯が壁を破る力
2万人がろうそくデモに集まり、徹夜闘争に突入(6月25日夜 ソウル)
6月26日、韓国政府は米国産牛肉の輸入再開を「官報」に告示、即日発効させた。ふざけるな! 韓国人民100万決起を踏みにじってただですむと思うな! 怒りが爆発した。6・26告示を手配したことが明らかになった25日から夜を徹した激しい闘いが続いた。
6月10日、ソウルの70万人を先頭に全国100万人の労働者人民、学生、市民が「イミョンバク(李明博)アウト!」を叫んで大統領退陣を迫った。眼前の革命的事態に震え上がったイミョンバク政権は、怒りをかわそうと韓米牛肉追加交渉へと動いたものの、交渉結果は新たな怒りを呼ぶものでしかなかった。
【左】 昨年7月1日非正規法施行を前に集団解雇されたニューコア・イーランド一般労組のストは1年を超えた
【右】 25日午後、告示撤回を要求し光化門に労働者らが続々結集。警察の阻止線の先、正面の青瓦台にデモで進撃
“イミョンバクは退陣せよ”
この怒りを逆なでするように農林水産食品部は25日、米国産牛肉の新たな輸入衛生条件の告示(官報掲載)を指示し、010強行方針に出たのだ。
「告示撤回」を求める徹夜闘争が始まった。
午後7時、ソウルの世宗路十字路に続々と結集、2万人となった労働者・学生・市民らは、「告示強行は国民への戦争宣言だ」「イミョンバクは退陣せよ」と叫んで青瓦台(大統領府)をめざしてデモで進撃した。行く手を阻む警官隊と各所で激しく激突した。また、釜山の2000人デモを始め、仁川、大田、蔚山、春川など各地で怒りのデモ行進が闘われた。
総勢139人が逮捕された。だが、闘う労働者・学生は一歩も引かず、突撃し続けた。逆に逮捕者を乗せた戦闘警察の大型バスがデモ隊に包囲され身動きできなくなった。赤ちゃんを抱いた母親たちも戦闘警察と対峙、12歳の小学生までが戦闘警察バスに押し込まれる事態となったが、猛然と抗議して即釈放をかちとった。誰も弾圧など恐れていないのだ。弾圧が団結を拡大している! 法大の闘いと同じだ。
倉庫前で牛肉運送を阻止!
26日午前9時、京畿道竜仁東冷蔵第2倉庫の前で、民主労総の公共労組と運輸産業労組が「米国産牛肉運送阻止」の座り込みに突入した。BSE対策会議主婦実践団の女性たちも「ここに米国産牛肉があります」「BSE牛肉は必ず阻みます」と書かれたプラカードを手に、労働者とともに倉庫から出てくるトラックを止め、積み荷の原産地を確認する行動に立った。この冷凍倉庫運送阻止闘争は、京畿道12カ所のほか釜山4カ所、仁川1カ所で米国産牛肉が保管されている冷凍倉庫で展開された。
「官報掲載、即効力発揮」という事態に直面した民主労総は26日午前1時すぎ、「ゼネスト指針1号」を発した。@「即刻ストライキ突入が可能な事業場から順次ストライキに入る」とし、A26日夕にはソウルと地方都市で「国民健康権をかちとるための民主労総ゼネスト出征式」を開催。B26日9時から米国産牛肉出荷阻止闘争を展開し、C週末27〜29日まで全国同時民主労総集会をもって、各地のロウソク集会に総力で結集する。
しかしこの「民主労総ゼネスト指針1号」は、「政府が長官告示を強行したら直ちにゼネストを宣言する」とされた当初方針からは明らかに後退している。政府の強硬姿勢を前にしてイソッケン民主労総委員長は25日、“スト動力の不足と追加交渉以降、牛肉民心は急速に鎮静局面に入った”として、「告示即ゼネスト」の計画を白紙化し、「ロウソク集会に集中」して7・2ゼネストに向かうと表明した。しかしこれこそ敵の思うつぼだ。「運動が鎮静化!?」――冗談じゃない! 怒りは充満、一触即発だ。今闘わずしていつ闘うのか。うち砕かなければならない壁は今や世界共通だ。革命の現実性にたじろぎ、闘いを内部から腐らせる体制内指導部をぶっ飛ばして革命的分岐をかちとる時だ。
この壁を打ち砕く力は国際連帯にある。職場でとことん議論し団結して勝利してきた動労千葉労働運動、階級的労働運動を貫いて進むのだ。交戦国であるアメリカとイラクの労働者のメーデー連帯ストを見よ! 労働者階級は一つ、団結こそが世界を変える。
イミョンバクは7月9日の洞爺湖サミット拡大会合に初参加し、国際強盗同盟に加わってG8に忠誠を誓おうと、100万韓国人民を敵に回して米牛肉を輸入しようとしている。他方、米帝・ブッシュはその100万決起に震え上がって訪韓を中止した。朝鮮半島情勢のかぎを握っているのは労働者人民だ。7・2ゼネスト貫徹こそ、歴史を変える結節環だ。労働者の未来を切り開く力だ。
闘う労働者階級の国際連帯闘争としてイミョンバクとブッシュを日本の地で迎え撃とう! 7・2ゼネストと呼応しサミット決戦を打ち抜こう。
(写真 冷凍倉庫からの米国産牛肉搬出を阻もうと座り込んだ民主労総釜山本部組合員【26日午前 釜山】)
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