ZENSHIN 2008/06/16(No2347 p06)
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週刊『前進』(2347号1面1)(2008/06/16 )
6・29代々木公園から渋谷へ 世界揺るがすデモを
死すべきは資本主義だ!
38同志を奪還しサミット粉砕へ
韓国の100万人デモに続こう イ政権打倒に決起した労働者・学生(6月10日 ソウル)=記事2面
労働者にとってあまりにショッキングな出来事が起きた。東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件だ。若者でにぎわう歩行者天国にトラックで突っ込み、凶器を手にしたのは25歳の派遣労働者だった。結論から先に言いたい。われわれ労働者は希望だ。労働者はこの社会を覆し革命を遂行するパワーを持っている。青年労働者・学生は革命を求めている。必要なのは闘う方針と仲間の団結、そして実践だ。死すべきは資本主義である。職場の怒りをサミット決戦の大爆発へ結集しよう。
団結と闘いにこそ希望
この若者が心から求めていたのは団結だった。孤立感で絶望した彼が殺傷したのは、本当は団結してともに資本や権力と闘うべき労働者や学生の仲間だったのだ。
本来は最も人間らしい活動を行う場である労働現場で、なぜこのような絶望が生み出されるのか。われわれ労働者の生きている現実は逃れられない宿命なのか? 労働者は資本の過酷な搾取になすがままなのか? いや断じて違う!
この社会は、われわれ自身の選択と行動によって変革できるのだ。労働者にはこの資本主義を根底から転覆して、新しい社会を生み出す力がある。青年労働者よ、絶望するな! 資本に断固反撃しよう。労働者が団結すれば勝てる。労働者が団結すれば会社も政府もぶっ倒せる。革命をやって労働者は生きよう!
圧倒的に大多数の人間を賃金労働者として人間疎外の極地に追いやる資本主義社会が間違っているのだ。日雇いの超低賃金労働、過労死ギリギリの長時間労働、格差、貧困、不安定……われわれ労働者はこの現実を断じて容認しない。怒りは当然だ。敵をハッキリさせて、この憤激を資本や権力に向けよう。怒りを闘いに転じよう。
世界を見よ! 韓国では、百万人規模の反政府デモが闘われている。青年労働者や学生が先頭で闘っている。インド、マレーシア、インドネシア、イギリス、スペイン……世界中で労働者と農民の闘いが高揚している。世界の労働者階級は闘って生きる展望を生み出しているのだ。
秋葉原事件が突き出したもの
この青年は、業務請負・派遣大手の日研総業に登録し、静岡県裾野市にある関東自動車工業に派遣されていた。関自はトヨタグループに属する自動車メーカーだ。彼は輸出用カローラの塗装点検の業務を行っていた。
先月末、工場の責任者が200人の派遣労働者のうち150人の契約を解除すると説明した。後日、彼は一転して雇用継続が決まるが、出勤した更衣室で作業着が見つからず、激高して、工場を飛び出した。
日研総業は、悪質な偽装請負・違法派遣で問題視されてきた業務請負・派遣会社だ。関自での契約期間は原則1年間だが1カ月前に申し入れれば期間短縮できた。これまでも資本の都合で一方的に解雇してきたのだ。
専門業種に限定されていた労働者派遣業は規制緩和で99年に一般業務が自由化された。04年には自動車製造を含む製造業も全面緩和された。派遣労働者はほとんどが時給で、派遣先の都合で配属先や勤務時間が変えられ、簡単に解雇される。
「ああ、住所不定無職になったのか、ますます絶望的だ」「犯罪予備軍って、日本にはたくさんいるような気がする」――契約解除を聞いた若者が書き込んだ携帯サイトの掲示板だ。たった一言の冷酷な解雇宣告。業者が借りていたワンルームマンションからの追い出し。工場で働く200人の労働者が感じた怒りと絶望はいかばかりか。
「それでも、人が足りないから来いと電話が来る。おれが必要だからじゃなくて人が足りないから。誰が行くかよ」「仕事に行けっていうなら行ってやる。流れてくる商品全部破壊してやる」
労働力を必要な時に必要な分だけ確保する労働力のジャスト・イン・タイム(トヨタ生産方式)。ふざけるな! 労働者はモノじゃない! 労働者の人格も生活もすべて眼中にないトヨタ資本と悪徳派遣業者。この過酷な搾取で生み出したものがトヨタの2兆数千億円の経常利益なのだ。
革命の主体は労働者だ
この間、派遣最大手のグッドウィルの幹部が逮捕され、日雇い派遣の「規制」問題などが議論されている。だが財界は「国際競争力が失われる」と抵抗し、厚労相の舛添も「派遣労働がみんな悪いわけではない」などとうそぶいている。
政治家や財界は派遣労働者を「多様で自由な働き方をしている人」と言う。まったく冗談ではない。昼夜逆転、体もきつい夜間の仕事を多くの非正規雇用の労働者が担っている。この数年で非正規雇用は労働者の3人に1人へと拡大した。
他方で国内企業の経常利益は03年度の36兆円から3年後には約54兆円へ史上最高に膨らんだ。
われわれから搾取した労働をすべて返せ、もう奴隷労働は拒否だ!
要するに資本主義が問題なのだ。すべてが資本の利潤、資本主義体制の強化のために存在するこの社会が悪い。革命が必要なのだ。そして資本主義社会を変革できるのは誰か? それは、ほかならぬ労働者階級だ。
現代人の生活を支える生産は、ほぼすべて資本主義の様式で行われている。工場や機械、原材料などを社会的に独占している少数の資本家階級が多数の労働者を雇い入れ、その労働によって生産が行われる。この資本主義を支えているのは働く労働者自身なのだ。
そして労働者階級は資本主義社会の担い手であると同時に、この社会を根本から転覆する革命の主体なのである。
資本主義社会の最大の矛盾と問題は、人間社会を成り立たせている労働の担い手である労働者が社会の主人公ではなく、資本の支配のもとで商品としてモノ扱いされ、血も涙もない搾取を受けていることにある。
資本主義は、人間の労働する能力、人間そのものを商品化することをとおして、労働者を支配し、搾取し、膨大な利潤をあげている。搾取される労働者が人間性のすべてをかけ、自らの置かれた現実を拒否し、資本主義を粉砕するのがプロレタリア革命である。
資本主義が盤石の時は、大多数の労働者は、自己と家族の生活を維持するために資本のもとで働く。労働者がよりよい生活のために資本の支配のもとで一生懸命に働くのはある意味で当然だ。
だが今や資本主義は危機の時代に突入した。資本主義の矛盾が爆発的に噴出している。労働者はもはや資本主義のもとでは生きていけない。秋葉原事件はその象徴だ。これは圧倒的多数の青年労働者が感じていることである。ブルジョアジーはこの事態に震撼せよ。
法政大のように闘おう
資本主義のもとではもう生きていけない――これが青年労働者や学生の叫びである。すでに資本主義はまともに自己運動できない。そしてむき出しの国家暴力以外に資本主義の支配が成立しないことを示しているのが、法政大学の現実である。
秋葉原で逮捕された青年が最初に留置され、捜査本部が置かれる警視庁万世橋署には、くしくも5月29日の法大闘争で逮捕された学生も獄中に閉じこめられている。
法大で逮捕された38人の学生は、自らの人間的選択と行動のすべてを団結にかけて、奴隷の鎖を断ち切る自己解放的な決起をした。国家権力の暴力―弾圧と真っ向から対決して、最後の1人まで不屈に闘いぬいた。
法大では資本主義支配の最後の秘密が暴露されている。灰色ジャージの白色テロ専門の職員や、正門前で数珠つなぎに並んで監視する公安警察。「大学はより良い労働力にする工場」と公言する当局。法大には学問の府などという幻想は存在しない。資本と国家暴力が直接支配している。
学生や労働者が一切の犠牲を恐れず、資本や権力のゲバルトと対決しぬいた時、一挙的な革命的変化を生み出すのだ。労働者や学生が意識的、能動的にその人間性を貫いた時、資本主義をぶち破ることができるのだ。
だからあらゆる職場で法政大学のように徹底的に闘おう。工場を労働者の力で占拠し、ストで職場をぶっ止め、韓国の百万人デモのように街頭を埋め尽くそう。雇用破壊もワーキングプアも医療や福祉の問題も、労働者が資本主義をぶっ壊さない限り解決しない。
米帝ブッシュを始め帝国主義の強盗どもが世界で戦争をやり、民営化・労組破壊や、失業や貧困を労働者階級人民に強制するのがサミットだ。徹底粉砕あるのみだ。
革命の時代が来た。青年労働者・学生は革命に生きよう。6・29代々木公園から渋谷へ、サミット粉砕の世界を揺るがす大デモをやろう。韓国や法政大の闘いに続け。
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週刊『前進』(2347号1面2)(2008/06/16 )
6・8三里塚 北延伸阻止・農地死守誓う
市東さんNAAを激しく弾劾
6月8日、三里塚緊急現地闘争が三里塚芝山連合空港反対同盟を先頭とする330人の労働者・農民・学生を結集して闘いとられた。麦が植えられた東峰の萩原進さんの畑がこの日の会場だ。
現地では暫定滑走路北延伸に関連する工事が、天神峰・東峰部落の営農を阻害して次々と行われている。だが矛盾と無理を重ねた結果、あちこちで不具合を起こし「国際空港」とは名ばかりの破産した姿をさらしている。この上、市東さんの農地に手をかけるなど、絶対に許さない!
伊藤信晴さんの司会で集会が始まった。事務局長の北原鉱治さんは、5・28〜29法政大学での38人不当逮捕について「学生は自分の未来をつくるために法政に結集した。それを公妨で逮捕とは! この暴挙を許さない」と弾劾し、6・12現闘本部裁判への傍聴を訴えた(記事6面)。
本部役員の鈴木幸司さんは、市東さんの農地強奪を画策するNAA(成田空港会社)を心の底から弾劾し、「闘えば必ず勝つ!」との信念をあらためて表明した。
ひときわ大きな拍手の中で、天神峰の市東孝雄さんがマイクを握った。この間の権力による不当逮捕・弾圧を「反対同盟と支援とを分断するもの」と厳しく断じた上、さらに激しい怒りの表情でNAAを弾劾した。「開港30周年というキャンペーンで『地域の人たちとの共栄』とうたっている。地域とは誰のことなんだ! 東峰・天神峰の頭上40bに飛行機を飛ばし、今度は24時間、30万回飛ばそうとしている。言ってることとやってることが全然違う! 最後まで闘います」
この決意に参加者全員が怒りをともにし、あらためて”農地死守”を誓い合った。
続いて事務局次長の萩原進さんがアピール。「成田24時間空港化の策動は住民の生活破壊だが、われわれの闘いが敵を追いつめて正体を引き出した。不当弾圧が全国で吹き荒れている。帝国主義強盗の会議を守るためのサミット態勢だ。だがそういう弾圧は日常的に三里塚で行われてきた。この三里塚で一点突破し、その勝利を全国に広げよう」と訴え、特に裁判所を包囲する大傍聴闘争を呼びかけた。
動労千葉の田中康宏委員長は「三里塚闘争を過去のものにおとしめようとする30周年キャンペーンを許さない。国鉄闘争内部でも1047名闘争を過去のものにしようとする動きがある。冗談じゃない。農民・労働者が団結すれば権力をぶっ倒せるという、この時代だからこそ光り輝く闘いじゃないか!」と語気を強め、新自由主義と対決し代々木公園での6・29サミット粉砕闘争への総結集を訴えた。
法政大生は、5・29決起で38人の仲間が公安刑事・機動隊を相手に一歩も引かぬ肉弾戦をやりぬいた勝利と完黙非転向の闘いを報告。さらに全学連が、反対同盟、動労千葉の闘いと固く連帯しサミット粉砕決戦へと突き進む決意を表明した。
全関西実行委から安藤眞一さん、松原康彦さんが発言。安藤さんは「淡路を第二の三里塚にと闘い続けてきた。市東さんの土地、この命の宝庫を絶対に奪われてはならない」と述べ、7・13関西新空港反対全国集会への結集を呼びかけた。
さらに、部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ全国協議会、反対同盟顧問弁護団、福岡・築港日雇労働組合などが次々と決意を表明した。
シュプレヒコールを上げ、ただちにデモに出発。東峰部落を通り、天神峰の市東さんの家の前を通って団結街道を北上し、暫定滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げている現闘本部と市東さんの耕作地が続く地点まで、熱気あふれるデモをやりぬいた。
(写真 暫定滑走路北延伸と市東孝雄さんの農地取り上げへの怒りに燃えて反対同盟と支援が330人結集し、戦闘的な集会とデモを貫徹した【6月8日 三里塚】)
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週刊『前進』(2347号2面1)(2008/06/16 )
労働者は法政大のように闘いサミット粉砕 怒りの大デモへ
ワーカーズアクション “世界の労働者とひとつに”
実行委を開催 6・29へ職場から総決起を
動労千葉が呼びかけるサミット粉砕!6・29全国労働者総決起集会へむけて6月7日、ワーカーズアクション実行委員会が都内で開かれた(写真)。職場からの決起をどう実現していくのか…。白熱的討議を経て6・29総決起への道筋が鮮明になった。
「5・28〜29法政大学の闘いは、帝国主義の暴力支配を突き破り、全世界の労働者と根底から団結する闘いだ。獄中の仲間に続いて職場で決起しよう」。冒頭、事務局の仲間が目前に迫ったサミット決戦への檄(げき)を発し基調を提起した。
「支配階級は最後の延命策として世界戦争を、労働者階級はプロレタリア世界革命を問題にしている。全世界的な階級的団結で資本主義体制の最後の延命を断ち切る闘いだ」とサミット粉砕闘争の意義を明確にし、「体制内労働運動との徹底した党派闘争をやろう」と提起した。そして、その理由を「どんなに帝国主義がボロボロになっても倒れないのは、体制内指導部が資本と一体となって職場を支配しているからだ」とし、「『資本に逆らったら労働者は生きていけない』という体制内指導部の”神話”を打ち破った動労千葉と法政大学のような闘いをやろう。一切を労働者の団結にかけきる。資本・国家権力の暴力支配をぶち破って労働者の支配を打ち立てる実力闘争をやろう」と呼びかけた。
さらに「問われていることは、日本共産党のように『ルールある資本主義を』と資本家階級に提言することではない。G8=資本家が社会を成り立たせているのか、労働者が社会を動かしているのか」と参加者に問いかけ、「職場支配権を打ち立てよう。職場から6・29渋谷大デモへ。権力と闘い抜き、労働者の団結を世界にとどろかせる大デモを実現しよう」と締めくくった。
これに続いて法大生が発言した。「法大ではハンスト100時間、残った全国の1、2年生の学生も初めてビラを作り、集会をやっている。5・29決起に続く新たな決起が始まっている。韓国の大学生のようにストライキで闘う。6・29大デモで反撃する」と勝利感あふれる決意を述べた。
「職場で6・29をどう訴えていけばいいか」――青年労働者の問題提起で討論が始まった。「自分も迷っていたが、資本への怒りをストレートに仲間に語っていけばいい」と交通労働者。福祉労働者は「6・29に行けば全世界の労働者とひとつになれると職場で訴える」。医療労働者は、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)のストについて職場の仲間に話したと報告。「労働者が自分たちの力で社会を動かす団結を固めているんだという話をしたら、世界の労働者は自分たちと同じ闘いをしているんだと仲間がすごい感動した」という。サミット粉砕闘争は「世界とつながり職場闘争をでかいものにするチャンス」である。
全逓労働者は、「郵便局を廃局にし、長時間労働を強制している元凶がG8。やつらへの怒りを爆発させるのがサミット決戦。革命家になろうと仲間をオルグする」と決意を語った。自治体労働者のサミット行事動員拒否の闘いも始まっている。6・29へむけて、職場で組織し抜こう。
資本への怒りを語ろう
6・29へむけて隣の仲間に何を語るのか――。資本・当局への怒りをストレートに爆発させることだ。
要員不足で職場が回らない福祉現場。資本のもうけのために安全を切り捨てる交通現場。人事評価制度で労働者の分断をはかる自治体現場…。こうやって労働者から搾取した金で、原油や穀物の価格をつり上げている資本家連中。これを体現しているのがG8の強盗どもだ。職場の怒りは、そのまま帝国主義への怒りそのものだ。それはストライキで闘う全世界の労働者と同じ怒りだ。「街頭宣伝や職場で何を語ろうか迷っていた。でも自分は資本がどういうものかっていうのが一番言いやすい」(交通労働者)。そうだ! 資本への怒りをとことん爆発させて闘い抜くことだ。
資本・体制内派と非和解で闘えば闘うほど、労働者階級は職場をこえ、国境を越えて団結を求めてつながろうと欲する。そして、その労働者の闘いを一つにするものこそ動労千葉労働運動だ。
「労働者の団結した闘いこそ社会を変革する力だ」と訴え、新自由主義攻撃と闘い勝利してきた動労千葉の闘いは、民主労総、ILWUとつながり、イラク石油労働者ともつながり、全世界の労働者のストライキ情勢を生み出している。そして5・29法大決起だ。その団結をさらに拡大していくのがサミット粉砕決戦。だから「団結で世界をとりもどす労働者の闘いが始まっている」(医療労働者)ことを訴えていこう。
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週刊『前進』(2347号2面2)(2008/06/16 )
サミット粉砕 怒りの大デモへ 韓国
“政権倒せ”100万人がデモ
民主労総はゼネスト体制へ
韓国南西部の全羅南道クァンジュでは錦南路サムボク書店前に5万人の人民が集まった。「イミョンバク アウト(OUT)」のメッセージボードを手にした参加者が街中を埋めつくした(6月10日)
「闘争で勝ち取った民主主義をまた失うことはできない」「イミョンバク大統領が80年代に帰りたいのなら、私たちも87年闘争で相対して戦う」
軍事独裁体制を打倒した1987年民主化闘争から21年目の6月10日、百万人のデモ隊の波が再び韓国全土を覆いつくした。「百万ロウソク大行進」が開かれた10日夜、ソウル市内の道路を埋めつくした人民が「牛肉全面再交渉、打倒独裁政権」を叫んで行進した。
デモは全国118カ所で行われ、ソウル70万人、クァンジュでは5万人、プサン2万人、テグ6千人、テジョン5千人など、韓国全土で100万人の人民が参加した。87年6月闘争以来、最大の規模だ。
ソウル市庁前広場で開かれた大行動は夜7時に始まり、参加者が3つに別れてソウル市内各所を行進した。警察はこの日、最高レベルの非常令「甲号非常令」を発令し、全国で可用人員100%の動員体制をとり、417個の中隊(約4万人)を動員したが、大統領府(青瓦台)へのデモ隊の進撃をくい止めるのがやっとだった。ソウル市内は完全に解放区になった。
行動を呼びかけたBSE国民対策会議は「今日参加した人数を見ると、イミョンバク政府が事実上、国民の審判を受けたも同然」とした。
72時間連続行動
10日の大デモに先立ち6月5日から8日まで「72時間国民リレー大行動」が闘われた。参加者はソウルでのべ50万人、韓国全土で70万人。ソウル大、延世大、梨花大、弘益大、西江大などの学生は5日、スト(同盟休業)で集会に合流し、大きな拍手で迎えられた。
8日のロウソク文化祭に参加した女性教育労働者は「単に牛肉問題ではなく、イミョンバク政府の成長論に反対している」とし、イミョンバク政府の成長論は1%の持てる者のための「成長論、成功論」だと指摘した。さらに、学校給食への米国産牛肉導入を問題にしつつも「優劣クラスなど、人間に対する価値判断を成績順に並べるイミョンバク政府の教育政策は、実に反教育的だ」と強調した。
家族と参加した他の労働者は「教育問題、大運河、原則なき公営企業の民営化、自分の息のかかった人物の送り込みなど、イミョンバク政府の総体的な問題があらわになっている」と語った。露骨に資本家の立場に立って新自由主義政策を打ち出してきたイミョンバク政権への怒りだ。
青瓦台(コンテナの向こうに屋根が見える)に肉迫するデモ。警察は大型コンテナ10個を2段に積み上げ阻止線を張った(6月10日 ソウル)
闘争計画の強化
民主労総は4日に第5次闘争本部会議を開き、この間の闘争計画をさらに強化、米国産牛肉の流通に関する農水産食品部長官の告示が官報に掲載された時点でゼネストに突入することを決めた。14日までスト投票を行い、16日からのゼネストを準備している。
また各労働組合は、職場を武器にした実に創意あふれる闘いを展開している。YTN、韓国放送、キリスト教放送など放送各社の労組は、イミョンバク政府の「放送掌握」の動きに対し闘争を宣言。ニュース専門チャンネルYTNの労組は、大統領放送特別補佐官出身者を社長に据えようとする政権側の圧力に対し阻止闘争を行う方針だ。
運送を担う貨物連帯や鉄道労組は、米国産牛肉運送拒否を決めた。販売を担うサービス連盟は、百貨店や大型スーパーで米国産牛肉が販売されないよう経営陣に要求。また全国公務員労働組合は2日、「行政不服従運動」を宣言し、米国産牛肉広報指針を拒否すると表明した。
職場を武器に、具体的な手段で米国産牛肉輸入阻止に立ち上がっている労働組合への期待は大きい。運輸労組はすでに5月2日、BSEの疑いがある米国産牛肉の「船積み船舶の入港阻止・輸送拒否闘争」を決議していたが、ロウソク集会に集まった参加者は「運輸」「運輸」と連呼し、運輸労組のホームページには支持が殺到して何度もダウンしたほどだ。
歴史的な決起を前にしながらもイミョンバク大統領は6日、「米国との再交渉不可」の意志を明らかにした。青瓦台外交安保首席室は「国民が望むとおりにしたら青瓦台が『反米』になってしまう」と再交渉不可方針にしがみついている。10日にはハンスンス首相を始め全閣僚が辞任したが、イミョンバク打倒まで闘いがやむことはない。
サミット粉砕へ
闘いは6月10日のデモでひとつの頂点に達したが、今後もさらに拡大していくことは不可避だ。
6月13日は、02年に2人の女子中学生が米軍車両にひきつぶされて死亡した事件から6年になる日だ。闘いが、牛肉と米韓軍事同盟を押しつける米帝への怒りに発展していくことは必至だ。
民主労総は、組合員投票で可決されれば16日からゼネストに突入する。現場労働者には闘う気運があふれている。87年の民主化闘争時も、学生を先頭にした6月闘争の地平の上に7〜8月の労働者大闘争が展開された。韓国労働者階級は、局面をさらに決定的に打開する存在として前面に躍り出るだろう。
何よりも7月初めにブッシュ大統領の訪韓が予定されている。ブッシュが韓国人民の怒りの炎に包まれることは間違いない。韓国労働者階級の闘いとひとつになり、日本の地でサミット決戦を大爆発させよう。
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週刊『前進』(2347号2面3)(2008/06/16 )
帝国主義強盗会議粉砕へ
サミットのテーマを斬る F
治安弾圧と厳戒態勢
革命情勢圧殺狙う会議
警察、自衛隊、海保を総動員
日帝・福田政権は、洞爺湖サミットに向けて東京、北海道を始め全国に超厳戒体制を敷いている。戦時国家体制ともいうべき弾圧体制だ。サミット超戒厳体制を打ち破って、サミット決戦を爆発させよう。
G8サミットは、全世界で高まる労働者階級のストライキや食糧暴動を帝国主義がいかに圧殺するかに全力をあげようとしている。それ以外の経済問題や環境問題、アフリカ問題などは合意できる見込みはほとんどない。米帝がすでにアフガニスタン・イラク侵略戦争で資源の略奪と世界支配再編を暴力的に推し進めおり、さらにイラン、北朝鮮へと戦争を拡大しようとしている中で、他帝国主義も世界戦争への攻撃を激化させている。そして日帝は、サミット警備をもテコに侵略帝国主義として一気に突進しようとしているのだ。
(写真 6月7日付朝日新聞夕刊)
上空飛行禁止自衛隊出動も
日帝のサミット警備はどのように行われようとしているのか。
警察庁は6月6日、4回目の警備担当者会議を開いた。吉村博人警察庁長官が近年のデモ活動に触れ「インターネットに呼応して参加者が増えるなど、直前まで情勢が読みきれないことがある」と述べ、警備対策について「警察の総合力を発揮することが不可欠だ」と指示した。
警視庁は5月2日、機動隊員ら約1100人を動員して「違法なデモ」や「群衆が暴徒化した場合」を想定した実践的な総仕上げの訓練を都内で行った。警視庁は、都内の大規模集客施設や公共交通機関での訓練を繰り返してきたが、今回はより大規模なケースを想定。暴徒化して発煙筒を投げ、車を破壊する約100人の群衆役を機動隊員が盾で押し返して制圧したり、マシンガンなどで武装し大使館を襲撃したテロリストに警備犬が飛び掛かって制圧したりするなどの訓練を約1時間行った。こうした警察・機動隊の訓練は全国各地で行われており、サミット本番では機動隊1万3千人以上を動員する。
国土交通省はすでに主会場となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」周辺の上空を、期間中は原則として飛行禁止にすると告示した。飛行禁止とするのは、ホテルを中心に半径約46`の上空で、各国首脳が滞在する6日午前0時から10日午前0時までだ。また、警察庁も民間航空機に警察官が搭乗する「スカイマーシャル」を強化するとしている。
一方、防衛省・自衛隊は、極秘の治安訓練の図
上演習を行っており、空中警戒管制機(AWACS)配備のほか、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)や迎撃戦闘機の緊急発進(スクランブル)態勢強化などを検討していることが明らかになっている。さらに、海上保安庁も総力で海上警備に突入している。
また警視庁は、JR主要駅の駅長など約220人を集めた「サミット警備セミナー」を数回にわたって開き、パトロールや自主警備への協力を求めた。「例えば検問。開催前から車の積載物の確認をさせてもらう。会期中は一定地域、特に高速道路は一定期間、交通規制をすることになる。住民生活への負担は避けられない」としている。
これは、サミット当日のことだけではない。すでに多くの関連会議が開かれているが、そこでも交通規制が敷かれ、海上交通も制限され、漁民の操業が制限されるという事態が起こっている。日帝は、人民の生活にどれほど影響が出ようとも、いっさいお構いなしに、サミット警備を強行している。
こうしたサミット治安弾圧体制の頂点に、法政大学での学生38人不当逮捕がある。日帝は労働者階級の革命に向けた決起を抑えつけるために、動労千葉に学んで最も革命的に闘う法大生の闘いを圧殺しようとなりふり構わぬ攻撃に出てきたのだ。学内で集会を開き、デモをしただけで38人もの学生を逮捕せざるを得ないところに日帝の追いつめられた姿がある。しかも、全国の闘う学生は、公安警察や暴力職員の襲撃、逮捕攻撃と真っ向から闘い抜き、闘う中で団結を一層打ち固めてきた。それによってより強靱な革命家として自らを打ち鍛え、ともに闘う仲間を次々と生み出している。敵の弾圧は、すでに完全に打ち破られているのだ。
G8サミットは怒りの標的
法政大だけでなく、帝国主義の治安弾圧攻撃は、全世界で次々と打ち破られている。全世界で労働者階級人民のストライキや暴動のうねりが、巨大な炎となって燃え上がっている。まさにそうした中で、G8サミット自身が労働者人民の怒りの標的に完全に据えられているのだ。
だからこそ日帝は、サミット開催の最大の課題を治安問題に置かざるをえない。サミットの会場に「ザ・ウィンザーホテル洞爺」が選ばれた最大の理由は警備のしやすさにある。都市部から離れた場所で四方に見通しが利き、ふもとの国道と山頂をつなぐのは約五`の道路だけという「天然の山城」だからここに決めたのだ。
だが、こんなことで労働者人民の決起を抑えつけることができると思ったら大間違いだ。ILWUとイラク港湾労働者の港湾封鎖のメーデー決起、そして法政大での学生38人の決起に続こう。韓国の100万人決起に続こう。職場・生産点に満ちあふれる怒りを解き放とう。3・16イラク反戦デモを引き継ぎ、6・29渋谷大デモに立とう。
(秋原義明)
(おわり)
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週刊『前進』(2347号3面1)(2008/06/16 )
労働者は法政大のように闘いサミット粉砕 怒りの大デモへ
“監獄大学”が“革命の砦”に 国家権力は墓穴を掘った!
5・28〜29法大闘争の偉大な地平
サミット決戦は、5・28〜29の法政大での闘いをもって激烈にその火ぶたを切った。すべての労働者は、法大決戦のように資本・当局・権力との非和解の闘いに突入し、職場をプロレタリア革命の砦にしよう。日帝権力は、サミット開催国の「威信」をかけて、法大ストライキ−全国学生ゼネストの絶滅の暴挙にうって出た。しかし、もはや取り返しのつかない墓穴を掘ったことを、6・29−7・6サミット決戦の大爆発でたたきつけよう。
(写真 キャンパスでの38人の大量不当逮捕直後、法大包囲デモを貫徹し、大学当局と警察権力を徹底的に弾劾した【5月29日 総長室前】)
暴力職員の支配を打ち破った決起
5・28〜29に法政大で闘う学生は、団結の力で「監獄大学」の現実を真っ向から打ち破った。
大学において、ビラ、立て看板、マイク演説、クラス討論、集会・デモのすべてを禁圧し、特殊に訓練され暴行をほしいままにする正体不明の集団=ジャージ軍団を配置し、国家権力を大量に学内に導入して学生を圧殺しようとする。こんな事態は、かつての15年戦争下の治安維持法時代以来の、まさに歴史を画する事態である。
しかし、06年3・14以来のべ83人の逮捕、とりわけ5・28〜29の38人の逮捕が象徴していることは、ついにこの「監獄大学」を階級の解放の砦、革命の砦へと解き放つ決定的な闘いが始まったということだ。そして朽ち果てた資本主義・帝国主義の現実を満天下に突き出すものとなった。
5月28日には、織田陽介全学連委員長を令状逮捕するために、法大正門前に100人の私服がなだれ込んできた。4月11日のガードマンに対する「暴行事件」をデッチあげ、法大の被処分者2人を令状逮捕し、この「暴行」を「指で指示した」と称して織田委員長に事実上の共謀罪を適用して令状逮捕したのだ。さらに、3人と一緒にいた学生を「公務執行妨害」のデッチあげで逮捕した。
29日は、キャンパス内で怒りの学内集会・デモを打ち抜いた学生に対し、大学当局がすべての門と校舎とキャンパス全体を封鎖し、星・川島・石沢を先頭とする警視庁公安が突入して襲いかかった。この権力の襲撃に真っ向から対決し、そのことごとくを撃退し、粉砕し、最後の一人が逮捕されるまで徹底的に闘い、闘い、闘いぬいた。
そこには革命情勢を革命に転化しようとする最高の団結、極限的な団結が躍動していた。目撃していた同志は「学生の闘いは感動的だった。私服を圧倒していた。85年の10・20三里塚戦闘よりもすごかった。大勝利した」と語っている。
全学連の闘う学生は、例外なく指導部を先頭に全国から総結集し、戒厳体制を実力でぶち破って学内に入り、中央キャンパスに結集し、文化連盟の学生とともに集会をかちとり、学内デモにうって出た。学生ホールを一巡して55年館ホールに向かうと、エレベーターホールに大量の私服が乱入し、学生に暴力的に襲いかかってきた。しかしこれを団結の力で毅然と跳ね返し、いったん完全に権力をあとずさりさせ、手が出せない状態にたたきこんだ。
さらに、55年館は校舎が封鎖されているので裏門側に向かうと、そこに私服と機動隊が導入され、一人ずつ逮捕しようとすることに対して激突に次ぐ激突になった。文字どおり、最後の一人が逮捕されるまで闘った。初逮捕の学生(女性)は、全身アザだらけ、髪も引きちぎられているが、「逮捕がこんなに楽しいとは思っていませんでした。全国のみんなが必死に奪還しようとしてくれて、本当に感動しました」と自己解放性に満ちて語り、「この団結でサミット決戦には必ず勝利できます。ともに闘おう!」と檄を発している。
38人の逮捕のうち、初逮捕は18人。それも07年から08年前半の過程で闘いに加わって逮捕されている学生が多数いる。これまでの日本階級闘争の歴史を塗り替えるような、マルクス主義の思想と階級的団結を一切の土台にして革命をたぐり寄せようと闘う若い革命家集団が、続々と登場し始めている。ここにこそ革命の現実性があるのだ。
何十人もの鋼鉄の革命の指導者生む
法大での激突は、「革命か反革命か」「階級の解放か奴隷の道か」をかけて、すなわち21世紀のプロレタリア世界革命の成否をかけて、沸騰点に達していた。サミット決戦ストライキは必至の情勢に突入していた。その真っただ中での5・28〜29決起は、ついに質から量への転化に向かう化学反応を引き起こし、法大決戦の新たな革命的地平をこじあけつつある。そして法大決戦は法大と全国大学にとどまらず、階級闘争全体に飛び火することは必至である。
5・29当日、33人が逮捕された直後から文連主催の抗議集会が闘いとられ、法大包囲デモも打ち抜かれた。この時点で、当局・権力は完敗している。さらに、遅れて到着して学内に入れなかった仲間も結集し、逮捕された仲間に続いて一層断固として闘いぬくことを確認しあった。29日の闘いの直後に、全国でマルクス主義学生同盟に加入し闘う学生が次々と生み出されている。
翌日から直ちに法大登場、文化連盟による弾劾集会、クラス討論が展開された。6月2日にはキャンパス中央で文化連盟の学生の抗議のハンストが開始され、実に180時間を超えるすさまじい闘いとして貫徹された。9日のハンスト貫徹報告集会はついに当局も禁止できず、ジャージ部隊も一切手を出せない中で解放的にかちとられた。クラス討論は革命的に一変し、かつてない注目と関心を集め、一人の例外もなく集中して聞いている。
当局・権力はそもそも4月以来の闘いで決定的に追いつめられ、サミット前夜に至っていたたまれずに大弾圧にうって出たのだが、もはや完全に後手に回っている。
4・3入学式で武道館の正面に権力をぶっとばして登場して以来、筆舌に尽くしがたい死闘が日々闘いぬかれてきた。それは、動労千葉が国鉄分割・民営化時に全員クビを覚悟して2波のストライキに立って死守した階級的団結の質と、同じ質の団結を獲得することなしには一日たりとも決起できない死闘の連続だった。4・25法大第一波デモの当日も、逮捕者ゼロというのは奇跡としか言えない激突につぐ激突のただ中で、1000人の法大生が結集した。
この2カ月間を勝ち抜いて、文化連盟に闘う執行部が打ち立てられ、そして文連と全学連が真に団結すれば、サークルの決起が雪崩をうって拡大する趨勢(すうせい)に入っていた。5・28〜29は、ついに文連と全学連が団結したのである。法大決戦は不滅であるという地平をもぎりとった。
それだけではない。今や獄中で何十人もの鋼鉄のような革命の指導者が生み出されつつある。そして一人の逮捕が数十人、数百人の新たな革命家を生み出す情勢に完全に入ったのだ。
労働者の団結だけが体制打ち倒す力
5・28〜29決起は、サミット決戦への号砲であり、全世界のプロレタリアートに階級的団結の力と、その拡大が世界革命へと発展することを告げ知らせた。朽ち果て、腐り切った資本主義・帝国主義の打倒、G8打倒の荒々しい決起が全世界に沸き起こっている。
革共同と日本の労働者階級は、反スターリン主義・革命的共産主義運動の輝かしい歴史と伝統を今こそ遺憾なく発揮し、サミット決戦に総決起しよう。とりわけ動労千葉労働運動と3国連帯の地平、11月集会派の階級的底力をもって、08サミット粉砕に立とう。職場生産点での非和解の階級的労働運動を闘って闘って闘いぬき、その闘いの中からサミット決戦を組織し、G8を焼きつくす勢いで進撃しよう。
世界は掛け値なしに革命情勢だ。新自由主義の成れの果てともいうべきサブプライムローンの破綻(はたん)―バブル経済の終焉(しゅうえん)は、世界金融大恐慌を引き起こし、ついにインフレと食糧危機という革命の大テーマが再び、世界史に荒々しく登場した。
だからこそ、サミットの唯一のテーマは、全世界で嵐のように巻き起こっている労働者の怒りのストライキや食糧暴動をいかに抑え込むかにある。世界の労働者階級や農民の「生きさせろ!」の叫びが帝国主義打倒のプロレタリア革命に発展することを、何としても阻止するということが唯一、最大の関心事なのだ。とくに日帝はおびえきっている。嵐のようなストライキ情勢が日本で爆発を開始するや、それはプロレタリア世界革命の牽引軸に間違いなく発展する。
動労千葉の闘い、法大学生運動の地平、これが嵐のようなストライキへの引き金となることを日帝権力は熟知して、法大弾圧になりふり構わず突っ込んできたのである。しかし完全に破綻しているのだ。
資本家は労働者を食わせられなくなっているだけではない。今や労働者の血を吸い、肉を食って生き延びようとしている。この時、労働者の団結だけが、労働者の階級的誇りだけが、この末期の体制を打ち倒す力だ。職場から6・29労働者大集会への組織化を白熱的に推進しよう。そのためにも職場闘争を巻き起こそう。全員がビラをつくり、公々然と胸を張ってビラをまこう。
38人の獄中の仲間は、全員完黙・非転向で、つきぬける勝利感をもって闘いぬいている。織田全学連委員長は「今回の弾圧は、暴力行為があったかなかったかが問題ではない。大学の幻想や支配が暴力で成り立っている。これを打ち破る暴力のみを処罰する階級的な弾圧です。同時にこれは、国家権力が暴力であることを示しています。資本主義社会の崩壊から、労働者の『犯罪』もしくは『革命』が生まれることに対して、彼らは監獄しか用意できない。これを解決できるのは労働者の団結だけだ」と獄中から大アジテーションを発している。
これに対して塩川一派は、「逮捕されることがわかっていて、まったくナンセンスなこと」をやったと嘲笑(ちょうしょう)を浴びせ、ネット上でも扇動している。断じて許せない。全員が、5・28〜29の法大のように闘おうと屹立(きつりつ)して、塩川一派やあらゆる反動・反革命をなぎ倒してサミット決戦へ驀進(ばくしん)しよう。G8サミットをプロレタリア革命の恐怖で戦慄(せんりつ)させてやろう。
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週刊『前進』(2347号3面2)(2008/06/16 )
デタラメな政治弾圧獄内外一体で粉砕を
報道カメラマンまで逮捕 暴行は権力・当局の側だ
裁判所は勾留を取り消せ!
5・28〜29で逮捕された38人は、獄中で権力との死闘を日々継続している。逮捕時の暴行で全員がアザだらけになった。だがそれをものともせず、限りない勝利感に満ち完全黙秘・非転向の獄中闘争を断固として貫き通している。このことは敵権力をますます追いつめ、彼らは焦りと危機感をつのらせている。
警察・検察は現在、38人を一人ひとりバラバラにして都内全域に分散留置し、獄中の仲間同士の徹底した分断、獄中と獄外の分断に必死になっている。衣類などの差し入れを「ほつれのあるものはダメ」などと難くせをつけて拒否したり、所持している薬を服用させないなどの嫌がらせも相次いでいる。「取り調べ」と称する転向強要の攻撃がまったく通じないことにいらだち、女性に対するセクハラまがいの行為にさえ走っている。
裁判所は警察・検察の言いなりに、38人全員について、勾留10日間の上にさらに10日間の勾留延長を決定した。だがその理由を、勾留理由開示公判においても、ただの一言も説明することができない。その一方で、取り調べはそのほとんどが一部の初逮捕者に集中し、他は勾留しながら取り調べもなしに放置している。まさに拉致監禁を唯一の目的にした逮捕・勾留だ。断じて許せない。
しかし、38人の鉄の団結はますます固まっている。どんなに分断と孤立を強いられようと、一人の例外もなく革命への決意と勝利の確信に燃えて結束している。38人もの大量逮捕をして、一人も切り崩せないどころか逆に不屈の革命家集団を生み出し、日々鍛え上げているのだ。これ自体が権力の大敗北だ。このことに権力は心底から消耗しきっている。
(写真 「不当な勾留を取り消せ!」。勾留理由開示公判当日、東京地裁前で労働者、学生が怒りのシュプレヒコール【6月10日 霞が関】)
逃げ出す裁判官
6月6日から始まった勾留理由開示公判では、不当逮捕の実態が弁護人によって次々と暴かれた。その一つひとつが無法きわまりない、実に怒りにたえないものだ。
権力は、全学連の織田委員長ら3人を大学職員への「傷害」容疑で令状逮捕し、29人を「建造物侵入」で、6人を「公務執行妨害」で逮捕した。このすべてが完全なデッチあげだ。
そもそも法大キャンパスで暴力をほしいままにしてきたのは誰か。学生がサミット粉砕や処分撤回を訴えてビラをまくだけで、「殺してやる!」と叫んで暴行を繰り返してきたのが「ジャージ軍団」と呼ばれる暴力職員であり、それを支える公安警察だ。奴らの暴力を容認して、学生に対して、やれ「暴行」だ「傷害」だと? ふざけるな!
6月10日の開示公判では「建造物侵入」について、裁判官は「被疑者は正当な理由なくキャンパスに侵入した」と繰り返すのみで、「そう判断した根拠を示せ」という弁護士の追及にも「答える必要はない」と居直りを決め込んだ。怒りの声が傍聴席から次々と上がった。裁判官は顔面蒼白になりながら退廷命令を乱発し、大量動員された裁判所職員が暴力的に襲いかかった。
公共空間であるはずの大学の構内に学生が入っただけで逮捕され、他方で公安警察は出入り自由。こんな大学は大学ではない! 「大学での集会・デモは学生の権利だ。全員を直ちに釈放せよ」という怒りの声が、弁護士を先頭に徹底的にたたきつけられた。
さらに許せないのは「公務執行妨害」のデッチあげだ。6日の開示公判では、現場を撮影していた報道カメラマンに警視庁公安一課の石沢剛という刑事が「カメラを寄こせ」と言って襲いかかり、「公妨」をデッチあげて逮捕した事実が暴露・告発された。また「建造物侵入」で逮捕しながら、その後に容疑が「公妨」にすりかえられた学生もいる。
弁護士は、ビルマ軍事政権によるジャーナリストへの弾圧の例を引き、「これと同じことが日本で起きているのだ」と激しく弾劾した。あまりにもデタラメな逮捕の実態と、それを追認した裁判所の犯罪性が暴き出されたことに、最初は居丈高だった裁判官はグラグラになり、ひたすら沈黙に逃げ込んだ。
抗議のハンスト
サミット弾圧の中で、裁判所は公安警察の完全な手先と化した。だが、権力が焦れば焦るほど、怒りと団結はますます固まっている。弾劾の声は全国に広がっている。
裁判所前では連日、不当な長期勾留に対する弾劾のビラがまかれ、マイクでの訴えが行われ、注目を集めている。釈放要求の署名は6月11日までに50筆を超えた。開示公判は、獄中から出廷した仲間と全国からかけつけた労働者・学生との熱い合流の場となり、獄内外一体の決起が感動的にかちとられている。法大では3万学生の中に衝撃が走り、文化連盟の学生による抗議のハンストを始め、新たな決起が生み出されている。
労働者人民の怒りの総決起とその団結の力で38人全員を奪還し、6・29の大爆発をかちとろう!
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週刊『前進』(2347号3面3)(2008/06/16 )
サミットを粉砕し革命の勝利を切り開くカンパを
28〜29法大決戦をもって、革命にむかって火ぶたは切られた。これに続こうではありませんか。大学の「監獄大学」化の現実と、秋葉原事件で突き出された青年労働者の「怒りと絶望」は同じものです。大学も工場も「負け組」か「勝ち組」かの競争と分断、団結破壊がまかり通り、競争に飲み込まれれば二度と抜け出せないアリ地獄のような監獄社会、奴隷社会。それが今の資本主義です。
だからこそ、5・28〜29法大決起は偉大なのです。法大での38人の決起は、絶望的現実の中で、労働者の階級的団結による革命の光明をあざやかに指し示しました。絶望の暗黒か、革命の突き抜けた明るさか。まさに、時代は歴史的分岐点であり、階級的団結をとおして労働者階級の誇りを取り戻し、革命と解放を切り開く時が来ました。
隣の韓国ではイミョンバク政権を打倒する100万人の大デモが爆発しています。ILWU(国際港湾倉庫労働組合)の5・1メーデーストとイラク港湾労働者の連帯ストは実に決定的な地平を切り開いています。6・29洞爺湖サミット粉砕の労働者集会と渋谷大デモは、プロレタリア世界革命に向けた決定的な突破口となる決戦です。
サミットは、世界の支配者の頭目どもが集まり、戦争と民営化、失業と貧困と飢餓を強制する戦争会議であり、侵略と世界分割の強盗会議です。韓国の100万人デモに続いて決起し、労働者階級の怒りの炎で、絶対に粉砕しようではありませんか。資本主義なんか滅ぼそう! もううんざりだ。一秒だってガマンならない! サミット決戦の爆発をもって、世界革命の火柱を上げましょう。
労働者はみんな同志。そして世界は革命情勢です。それを革命に転化する闘いの時代が来ました。ここで必要なのは、それを実現するためのカンパです。燃え上がった革命の炎を勝利に結びつけるための資金です。資本主義を延命させるためにはビタ一文も使わず、革命のためにのみ使いましょう! 逡巡(しゅんじゅん)を捨て、革命にむかって決断するときです。法大決戦で始まった解放闘争の道をともに進みましょう。
乏しい生活費の中から歴史を転換させるカンパをぜひお願いします。可能な人は、一口10万単位のカンパを寄せてください。労働者が権力をとり、主人公となる社会を樹立しましょう。そのためのカンパを訴えます。
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週刊『前進』(2347号4面1)(2008/06/16 )
“生きさせろ”の青年の怒り解き放ち革命めざす団結を
合同・一般労組委員会の結成宣言
08年春、革共同は「合同・一般労組委員会」を結成したことをここに宣言する。
全世界と日本の青年労働者が「生きさせろ」の反乱を開始している。『蟹工船』が爆発的に読まれている。これを読んだ青年労働者は「いま私たちに必要なことは、生きるか死ぬかの闘いを起こすことです」「労働者の闘いは何度鎮められようとも、何度も何度も、成功するまで立ちあがらなければならない」と述べている。
しかし、この青年労働者の怒りと反乱は、さしあたりは日本共産党や連合や体制内派の「ユニオン」や「合同労組」に組織され、収斂(しゅうれん)されている場合が多い。これらの労働組合の運動は、“最低賃金をいくらか引き上げろ”゙労働者派遣法を部分的に手直ししろ”というものでしかない。青年労働者の怒りは絶望やあきらめに変えられ、反動的に曇らされ、歪められようとしている。
「労働運動の力で革命をやろう」と言い切るわれわれの組織の登場が今こそ求められている。われわれ以外にこの青年労働者の怒りを解き放つことはできない。合同・一般労組委員会はこの青年労働者の怒りをともにして階級的労働運動の路線のもとに、組織された力として登場するために結成された。
(写真 東京西部ユニオン高栄運輸分会は青年労働者を先頭に3月25日、初めての24時間ストに立った)
塩川一派は体制内の「合同労組運動」
革共同から脱落した塩川一派は非正規雇用の労働者の組織化を「戦略的な課題」「ここに手をかけたとき労働者階級の階級性がよびさまされる」と述べている。彼らは4大産別や基幹産業の労働者と非正規雇用労働者を分断している。また、最末期帝国主義が新自由主義攻撃のもとで労働者階級総体を貧困・飢餓・殺戮(さつりく)に追い込み、労働者階級の生命と生存をも奪う攻撃をかけているのに対して、帝国主義を打倒する立場からの主体的決起は一切ない。あるのは情緒的不満とブルジョア民主主義的諸権利を守れという程度のものだ。彼らには労働運動を革命と切断する体制内志向しかない。青年労働者を革命の主体として位置付けないがゆえに、「労働運動の力で革命を」と決起する青年労働者に対して「空叫び」などという悪罵(あくば)を投げつけ脱落していったのだ。動労千葉が切り開いてきた階級的労働運動に敵対し、対抗する主張として「非正規雇用労働者の組織化」を弱々しく掲げているだけなのが塩川一派である。
われわれの「合同労組」はさしあたっては種々の職場の組織化を行っている「一般労組」である。今後、組織拡大・発展して、いかなる組織形態をとるかはそれぞれの「合同・一般労組」がいかなる方向で組織化していくのかにかかわる課題である。
今までの既存の多くの合同・一般労組は1人、2人の組合員が職場で仲間を組織することなく、1人分会のような形で闘っている。中小・零細の活動家が地域合同労組に結集して争議を闘うという構図になっている。さしあたり合同労組はこういう形で出発するのはやむをえないが、合同労組をこういうものとして固定化してはならない。
合同・一般労組にあっても、基本は職場闘争の中で階級的団結を形成し、職場支配権を握るということだ。
東京西部ユニオンの高栄運輸分会(8人の分会)は3月25日、一人の賃金差別を許さないために西部ユニオンで初めての24時間ストライキを打ちぬいた。5月には第2波24時間ストも打ちぬいた。このストは西部ユニオンと高栄運輸分会の階級的団結を闘いとるために打ちぬかれた。
すでに東京や関東では青年労働者を先頭に猛然と職場の団結づくり−組合づくりを目指した闘いが開始されている。全国でもマル青労同の同志たちが最先頭で闘っている。職場で少数派だから合同・一般労組に結集して職場の外に団結体を求めるのは最初の1歩でしかない。2歩目は仲間を職場で組織し職場に団結体をつくることだ。自らがオルグになり、職場の仲間を組織して分会をつくる経験をとおして労働組合の組織化を実践的に学ぶ。その場合の基本は動労千葉の労働運動である。われわれは合同労組にあって動労千葉労働運動を実践するのだ。そうして自らの職場で資本と闘うことを基礎にして、地域・産別の仲間を組織して合同・一般労組を強化・拡大していくのである。
4大産別と一体で日帝打倒の闘いを
日帝は4大産別に集中砲火を浴びせ、4大産別の労働運動を解体することをとおして労働運動総体を解体し、改憲―侵略戦争に向かおうとしている。民間における非正規職化の攻撃と4大産別の非正規職化攻撃は一体のものとして進行している。まさに新自由主義攻撃が襲いかかっているその中心の攻防が国鉄1047名闘争である。
日本の新自由主義攻撃の始まりが1980年代の国鉄分割・民営化攻撃だった。この新自由主義の攻撃に対して唯一2波のストライキで闘い、20年にわたって絶対反対を貫いて来たのが動労千葉である。この動労千葉労働運動と青年労働者が結合する水路として合同・一般労組の闘いを位置づけなければならない。
合同労組や未組織労働者の組織化が4大産別の労働運動と別のところで語られたり、対立させられたり、4大産別の労働運動に対するアンチとして語られるようなあり方との対決が必要である。われわれが4大産別決戦を基軸にするのは4大産別の攻防が最大の階級決戦だからだ。労働運動の存亡がかかった決戦が国鉄闘争を中心とする4大産別攻防なのだ。
「労働者階級を、狭い組合的視野から解き放ち、全人類解放の大事業の主力として立ち上がらせさせた時、その革命の第一の任務が、帝国主義の打倒―資本家階級からの国家権力の奪取にあることはおのずと明らかであろう」「労働者階級が革命運動の主力である以上、日本の労働者の任務もまた、いかに日本帝国主義を打ち倒すかに集中されるべきである」(「帝国主義を打倒する労働運動」陶山健一=『前進』70年1月1日付)
労働組合運動を革命運動にどのように位置付けるのかという視点から常に問題を立てなければならない。ここから問題を立てないと合同・一般労組の運動も位置づかない。革命の戦略的な視点から労働運動を位置づけ、その立場から4大産別決戦が提起されているのだ。問題は、いかなる潮流がいかなる路線をもって、組織労働者の闘いと未組織労働者の組織化の事業を統一的に推進するのかにかかっている。
サミット絶対粉砕6・29渋谷デモへ
サミット労働相会合が開かれ、5月13日、議長国の舛添要一厚生労働相が議長総括の柱として「新潟宣言」を採択した。「新潟宣言」は「政府と労使は成長や雇用と環境問題のバランスをとるために協力する」ことを強調している。
連合会長・高木剛はこの宣言を「各国の労使代表と政府関係者らを交えた討論の反映」と評価した。しかしこの「新潟宣言」は世界金融大恐慌の現実下で、各国帝国主義が生き延びるためにそれぞれの国の労働者にリストラ、首切り、低賃金・強労働、団結破壊・労組破壊という大資本攻勢をかける宣言である。
帝国主義の強盗会議・サミットはあらゆる問題で最末期帝国主義の解決不可能な利害がぶつかり合い、矛盾のあれこれをなすり付け合う場となる。その矛盾の一切を労働者階級へのあらゆる資本攻勢に転化するのが帝国主義である。
帝国主義の軍縮会議が戦争の前哨戦であるように、「新潟宣言」は帝国主義資本による労働者階級へのあらゆる階級戦争宣言である。したがって職場生産点からの革命を目指す階級的団結、革命的団結、プロレタリア的団結を総括軸とする階級的労働運動の白熱的実践こそが、革命情勢を革命に転化する闘いの最短コースである。
職場・生産点の怒りを組織し、6・29サミット粉砕−渋谷デモへ総力決起しよう。合同・一般労組委員会はその先頭に立って闘う。
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週刊『前進』(2347号4面2)(2008/06/16 )
東京中郵廃局阻止闘争の地平
労組解体と大首切り攻撃に党の団結を固めて勝利開く
5月7日、われわれは東京中央郵便局廃局・銀座移転攻撃を打ち破って、勝利者として銀座局に登場した。日帝国家権力の東京中郵廃局にかけた狙いである革命党解体と労働者の団結破壊の攻撃を、中郵細胞の強化を軸にした地区委員会の団結の強化・拡大によって打ち破った。
「銀座移転」でなく「中郵廃局」攻撃だ
今回の闘いを振り返って決定的なことは、攻撃を「銀座移転」ではなく「中郵廃局」攻撃としてはっきりさせて闘いぬいたことだ。ここに階級的労働運動路線の核心と勝利の道筋をつかんだ。この対極に体制内派の協会派・中郵支部執行部と日本共産党・郵産労があった。
われわれは、中郵廃局攻撃としてとらえ切ることで、これが大都市部での郵便局統廃合攻撃と2万4千人首切りの突破口であることを突き出した。そして攻撃の狙いは、闘う労働者の団結の解体にあること、したがって「闘って団結が固まれば勝利」として闘いぬくことができ、「絶対反対方針で闘う以外にない!」と確信をもって貫いたのである。
一方、体制内労働運動は、今回の攻撃を単純な「銀座移転」としてしか見ようとしなかった。「配転一時金4万円の実現」(支部執行部)、「200項目の要求を出す」(郵産労)という方針ならざる方針しか出せず、廃局攻撃に完全に屈服・加担した。
われわれは昨年10月の民営化攻撃に対して「郵政民営化絶対反対」路線で闘い、その後もその立場を貫いてきた。しかし、昨年の単純な延長で今回闘いぬけたわけではない。1〜2月、組合が闘う方針を出さず、本部が移転を認めてしまっている中で、現場労働者の不安や怒りがバラバラにされていく現実との必死の格闘の中で、敵の攻撃は「移転ではなく廃局攻撃だ!」ととらえ切り、絶対反対で闘いぬくことができたのである。
次に確認したいことは3・16闘争を「銀座移転・統廃合絶対反対5000人集会」として闘いぬく方針を持ったことだ。6人の青年労働者の不当逮捕攻撃を粉砕してかちとられた3・16闘争は、資本や国家権力との非和解的闘いを貫くことで労働者階級としての団結・共同性を取り戻し、労働者として自らの持つ力を自覚することの決定的な意味を明らかにした。また新自由主義という帝国主義の最後の破産的攻撃に対して、団結の実現・拡大をもって総括していくという闘い方のみが勝利を切り開くことができることを示した。この3・16闘争を闘いぬいた労働者が4月職場闘争の先頭に立ったのだ。
(写真 4・21集会とデモは闘う全逓労働者の団結を打ち固め、中郵廃局阻止闘争の勝利を決定づけた)
「超勤拒否」の職場闘争が展望を開く
3・16闘争を闘いぬいた中郵の闘う労働者は4・21集会を設定し、「超勤を拒否して集会に集まろう」と連日、職場実力闘争を闘った。この闘いに追い詰められた当局は、集会当日、先頭で闘う労働者に対して「本日、超勤を行え」という業務命令を出してきた。「ついにやった。業命を引き出した。これで勝利した」と中郵の仲間は確信した。4・21集会は、この労働者を先頭に、超勤を拒否して結集した中郵の労働者を始め120人の参加でかちとり、終了後、全員で中郵前までデモ行進を闘いぬいた。
この4月の職場実力闘争は、中郵の闘う仲間にとってギリギリした飛躍の連続であった。すさまじい欠員状態の中で「自分が超勤拒否したら、本当に事業が破綻(はたん)する」ような職場の現実の中で、超勤拒否を貫くことは大変なプレッシャーがあった。4・21集会へ向かう過程での集会実行委員会での討論を通じて中郵の仲間は、このプレッシャーを跳ね返して、積極的攻勢的な方針として超勤拒否闘争を実現したのである。
そして、この職場実力闘争の方針を牽引(けんいん)したのが、職場ニュース「だんけつ」であった。職場ニュース「だんけつ」は、それぞれの時点で職場の労働者の気持ちをとらえて闘いの方針を打ち出し、職場情勢を動かした。とりわけても、当局が中郵廃局のために強行実施しようと打ち出したデタラメな「班別シミュレーション」に対して、実施絶対反対方針を打ち出した第28号は、職場の空気を一変させた。その「だんけつ」28号で打ち出した「労働者に権力をよこせ」が、まさに大衆の声となって浸透したのだ。
この職場闘争での総括で重要なことは、1人の労働者の決起が事態を切り開いたということだ。
職場では、体制内労働運動が資本・当局と一体となり、闘いに立ち上がる労働者をつぶしていく役割を担っている。過激派キャンペーン、レッテル張り等々。彼らは「闘ったら団結が乱れる」という逆転した論理をもって、資本・当局に従う「団結」を言っている。資本に忠誠を誓う体制内労働運動の「団結」によって、職場は労働者が個々バラバラにされている。資本をふやすために労働者同士が競争させられている。「会社あっての自分」というように、労働者の階級性が奪われているのだ。そんなのは労働者の団結ではない。
労働者の階級的団結は、資本と非和解的に闘う中でのみつくられる。1人の決起は大変困難だが、「資本・当局のやり方は間違っている」「現場の怒りに正義性がある」ということを貫くことによって、労働者は自分が誇り高き労働者だと実感する。やはり、自らが先頭で闘う姿を見せて、職場で1人でも2人でも、より多くの職場の仲間を立ちあがらせることが重要だ。団結には軸が必要だ。軸があれば必ず労働者は団結する。まず、その団結の軸に自分がなるということが決定的だ。1人の労働者の闘いに無限の可能性がある。このことを、今回の闘いは明らかにしたのである。
マル青労同の団結の力で危機を突破
今回の闘いの過程では4月初めが決定的な転換点となった。党として4・21集会・デモ方針を打ち出したが、4月初めに職場細胞の団結が大きく揺らいだ。地区委員会での討論が職場で先頭で闘う青年労働者の苦闘と思いと一体化した討論としてやりぬけなかった。そのことが、闘いを危機に追い込んだ。職場の厳しい現実の中で、地区委員会として職場細胞の同志とりわけ先頭で闘う青年労働者に、どこで事態を切り開くのかを提起できなかったのだ。
この危機を突破した力は、マル青労同の団結の力であった。そこではっきりさせたことは、「まず自分が党として職場でぶっ立つ」ということ。中郵廃局攻撃は、新自由主義攻撃そのものとしてあり、攻撃の核心は党の団結破壊をつうじて、職場・労働者をバラバラにするという団結破壊攻撃だ。これを跳ね返し勝利する力は、揺るがぬ党(職場細胞)の団結の強化にある。このことをはっきりさせた時、事態は大きく進んだ。
党の団結が情勢を動かした典型的事態は、4月18〜21日の過程で起きた。4月18日の昼、マル青労同の討論にもとづいて出した「だんけつ」28号が職場の雰囲気を一変させた。そして、その夜に緊急に開催した首都圏全逓委員会での討論は中郵細胞の団結を強化し、中郵細胞の団結を軸に全逓委員会が強固な団結を固め、翌朝の局前情宣を決定した。
翌19日朝、全逓委員会の同志を先頭に地区が決起し、中郵前で横断幕を広げた情宣を貫徹した。この早朝情宣は、中郵の労働者に強烈なインパクトを与えた。後日、4・21集会に参加した労働者が「あれを見て『もう引けないな』と思った」と語ったように、党の団結が職場の団結を実現したのだ。マル青労同の団結、産別委員会の団結、そして地区委員会の団結が新たな決起を切り開いたのである。またこの過程では、地区で毎週貫徹した中郵前での『前進』売りの情宣活動は、職場細胞の闘いを激励しともに職場情勢を動かす力となった。
5・7銀座移転後は「二重権力状態」に
今、職場は完全な「二重権力状態」になっている。われわれは廃局阻止闘争を闘うことで、一個の「権威」「権力」を職場につくり出したのだ。もちろん、これは道半ばにすぎない。いまだ組合権力は、体制内労働運動派が握っている。しかし、われわれは今回の中郵廃局阻止闘争の中で「必ず勝てる」という展望と確信をつかむことができた。「だんけつ」編集委員会を拡大して、実質的な職場闘争委員会として闘いぬき、必ずや連合執行部を打倒して、われわれ階級的労働運動派が組合権力を獲得していく。
当面する課題は、体制内労働運動に代わってわれわれが職場で職場闘争の先頭に立ち、原則的で階級的な労働組合運動を実践すること、そして、この実践を土台に、大胆な組織拡大闘争に打って出ることだ。
機関紙を拡大し、マル青労同・党として職場の仲間を同志に獲得していく、この組織拡大の闘いが次の大闘争を切り開く。そのためにも地区委員会・職場細胞の団結を固めて、6・29サミット粉砕闘争−11月労働者集会1万人結集へ全力で闘いぬく。
〔革共同・東京中部地区委員会〕
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週刊『前進』(2347号4面3)(2008/06/16 )
日誌 2008年6月4日〜10日
沖縄県議会選挙で与野党逆転/アフガン派兵を狙い調査団派遣
●領海外国船舶航行法が成立 領海内の「不審」な外国船舶に対して海上保安庁が立ち入り検査を実施し、海保長官が退去命令を出せるようにする領海外国船舶航行法が衆院本会議で可決、成立した。これまで不審な漁船は漁業法などで取り締まってきた。立ち入り検査に応じなければ、刑事事件として立件できるようになる。(5日)
●スーダンに自衛官派兵へ 防衛省は、スーダン南部での国連平和維持活動(PKO)に司令部要員として自衛官を派兵する方針を固めた。今後政府として現地情勢を調査し、受け入れ国の同意など「PKO参加5原則」を満たしていることを確認後、派兵手続きに入るという。(5日)
●米空軍2トップ更迭 米空軍が核ミサイルやその部品をずさんに取り扱う事件が最近続発したことを受けて、ゲーツ国防長官は文民と制服組双方のトップを更迭する措置をとった。軍の文民と制服組トップが同時に解任されたことは陸海空軍を通じて過去に例がない。処分のきっかけとなったのは昨年8月、核弾頭を装着した巡航ミサイルを積んだB52が気づかないまま米本土を縦断して飛行した、などの事件。(5日)
●「アイヌ民族、先住民族」決議 アイヌ民族を先住民族として認め、関連する政策をさらに推進するよう政府に求める国会決議が衆参両院本会議で全会一致で可決、採択された。政府は96年の有識者懇談会報告書でアイヌ民族の先住性と民族性は認めた。だが、「先住民族」の表現は、定義がはっきりしないなどとして使ってこなかった。町村官房長官は決議を受けて所信を表明し、アイヌ民族について「先住民族」との認識を表明した。(6日)
●沖縄県議選で与野党逆転 任期満了に伴う沖縄県議会議員選挙の投開票が行われた。仲井真知事を支える与党は改選前の27から後退して22議席で過半数割れ、野党は20から26議席へと躍進、与野党が逆転した。自民は現有20から16に後退、社民は現有4から5に、共産は3から5に、民主は1から4に増えた。(8日)
●アフガンに調査団派兵 アフガニスタンへの陸上自衛隊派兵の可能性を探るため、外務・防衛両省などの合同調査団が日本を出発した。カブールを中心に、国連治安支援部隊(ISAF)の活動状況や現地の復興支援ニーズを調べるという。ヘリや輸送機を使った空輸活動を想定し、アフガニスタン政府や米軍、北太平洋条約機構(NATO)関係者から事情を聞く。(8日)
●F15排気口から炎 米空軍嘉手納基地で同基地所属のF15戦闘機が着陸する際に、左側第1エンジンの排気口から炎が出ているのが目撃された。目撃者によると、同機は第1エンジンの排気口から炎が付いたまま北側滑走路上に着陸した。(9日)
●米軍再編方針変えず 福田首相は、政府与党連絡会議に出席し、沖縄県議選で与党が敗北を喫したことについて、在日米軍再編問題などに対する政府の従来方針に変わりはないとの考えを強調した。冒頭、福田は「沖縄に関しては米軍再編問題など、そのほかの重要な問題がある。これまでどおり、粛々と進めていきたい」と述べた。(9日)
●台湾船、海保船と衝突 中国領・釣魚島(日本名「尖閣諸島」)から南南東約9`の東中国海で、第10管区海上保安本部(鹿児島市)の巡視船「こしき」(966d)と台湾の遊漁船が衝突、遊漁船が沈没した。遊漁船に乗っていた台湾人計16人は全員、巡視船に救助された。第11管区海上保安本部(那覇市)によると、釣魚島周辺で警戒活動中の巡視船が遊漁船を発見。巡視船が追跡していたところ、遊漁船が急に右旋回し、衝突したという。(10日)
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週刊『前進』(2347号5面1)(2008/06/16 )
階級的労働運動の白熱的実践とサミット決戦で塩川一派打倒を
榊原龍雄
革共同から脱落・逃亡した塩川一派は、反マルクス主義とプロレタリア世界革命への敵対を極め、革共同破壊という一点で、06年の「党の革命」で打倒された旧与田派や平田派との反革命的野合を深めている。階級的労働運動路線の白熱的実践とサミット決戦の爆発で塩川一派を打倒することを、あらためて宣言する。
青年労働者・学生先頭に日本階級闘争が大発展
階級的労働運動路線の最先端の闘いが、学生運動をめぐる国家権力との激突として爆発した。5月28日―29日の法政大での38人逮捕の不当な大弾圧は、法大学生運動を先頭とする日本学生運動が、帝国主義の強盗会議=サミット粉砕を真っ向から掲げて壮絶な闘いを展開し、勝利した結果である。現代の学生運動は、1960年代、70年代、戦後学生運動の一切を本質的にのりこえる激闘として闘われている。
最末期帝国主義の新自由主義攻撃は、一握りのエリートの育成を除き、極限的に安価な労働力商品の製造工場となることを全大学に強制した。学生の自治、団結を絶対に認めず、監視カメラとガードマンでキャンパスの学生の自主的活動の一切を封じ込め、大学を異様なファシスト集団がわがもの顔に制圧し、暴力的に支配することが常態化している。この異様な大学のあり方を根本的に問う闘いが爆発した。
不当逮捕された38人は、獄内外の団結をますます確認し、深め、全員がマルクス主義者として、労働者階級の次代の指導部を担う革命家集団として、自らを鍛え上げている。
この学生運動と並んで、青年労働者は、連合労働運動、体制内労働運動をのりこえる闘いを開始した。青年労働者の闘いは、03年イラク侵略戦争反対運動の中での怒りの決起と戦闘的分岐として開始された。この分岐は、自己の生き方をビラで自ら発信し、職場闘争を実践する中で動労千葉労働運動と結合し、太い幹となって根づいた。そしてロストジェネーレションの根源的怒りと結合した。「生きさせろ」の叫びは「生きてやる」の闘いとなった。
「労働運動の力で革命を」「団結の究極の拡大が革命だ」と、階級的団結を基軸とする青年労働者運動が荒々しく発展した。職場の隣の労働者をともに闘う仲間としていく運動は、階級的に絶対に裏切らない闘いとなり、職場闘争の実践は体制内労働運動指導部との激突となって日夜闘われている。
労働者階級こそ社会の主人公であるというマルクス主義での武装は、彼らの鬼神もたじろぐ行動力となって現れている。青年労働者と学生が今やひとつの力となり、マルクス主義で武装し、動労千葉労働運動を生きた指針として、階級的団結を求めながら時空間の壁をぶち破って活動が開始されている。この闘いは、労働者と学生の中に大量の革命家を続々とつくりだしている。革命情勢を主体的に確実に引き寄せる闘いとなっている。
新自由主義の攻撃と国鉄分割・民営化
1974〜75年世界同時恐慌を転機として、帝国主義は新自由主義攻撃に踏み出した。そのもとで戦後的諸権利を剥奪(はくだつ)する攻撃は、資本の鉄鎖に労働者階級をますます縛りつける攻撃だった。80年代の国鉄分割・民営化は日帝の「戦後政治の総決算」攻撃の最大の戦略的柱であったが、この凶暴な攻撃に対して、動労千葉は真っ向からストライキをもって反撃した。そして組合的団結を堅持し、さらに「世界にはばたこう」と動労千葉労働運動を全世界に発展させる闘いに挑戦した。国鉄分割・民営化との闘いは国労の中でも開始され、1047名闘争団を生みだした。この闘いは今日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判をめぐる激突として闘われている。
そもそも02年の5・27臨大闘争弾圧は、国労組合員の4党合意・政治決着路線反対の説得活動に対して、国労本部が組合員を警察権力に売り渡したものである。5・27被告団の闘いは、1047名闘争団の原地・原職奪還の闘いを最先頭で実現する闘いであり、「国労本部打倒」を真っ向から掲げて政治決着路線を粉砕する闘いである。この闘いと一体のものとして、JR体制の極限的矛盾の爆発に対して、尼崎事故から3年の4・26尼崎現地闘争で、JR体制への断固たる反撃が組織された。動労千葉は、ライフサイクルの深度化攻撃にストライキを構えて闘い、緒戦の勝利をもぎとった。
これらの闘いは、職場生産点で闘いを組織し、JR結託体制を根底から打倒する闘いとして実践されている。4大産別決戦の最先端の闘いである。
労働者・学生の魂をつかむ階級的団結論
階級的労働運動路線は、青年労働者と学生の階級的魂をとらえた。その核心は階級的団結論である。階級的団結論の土台は、闘いの絶対的非和解性にある。体制内的思考から自己を解き放つ労働者自己解放闘争の原点的確認である。そこには、体制内的汚物を自己の体内からとことん吐き出し、たたき出し、粉砕しつくす激しさがある。
ブルジョア的・小ブル的な自己と格闘し決別する闘いは、人間的共同性を取り戻す闘いであり、自分自身が労働者階級の一員であると確認する思想的営為である。この階級的団結論は、団結の拡大をとことん求める。資本と闘い、体制内指導部と闘うことは、団結の拡大なくして勝利できない。
今、団結拡大の闘いは、職場闘争委員会の結成として、新たな跳躍を始めている。そこで切り開かれている地平からしっかりと学ぼう。職場闘争委員会とは何か、その力はどこからわき上がるのか。それは資本と徹底的に闘う闘争機関であり、労働者的大衆性に満ちており、プロレタリア独裁への意識的闘いとしてある。この資本との非和解性と労働者的大衆性の拡大こそ、勝利の力であることを示している。
労働者的大衆性の拡大、その白熱的論議の中に無限の創造性があり、発展性があり、勝利性がある。なぜなら労働者階級は、自らの内側に本質的に、資本主義を打倒し共産主義社会を建設する能力=プロ独能力をもっているからである。資本との絶対非和解の闘いに立ち上がる中で、この力が全面的に解き放たれるのだ。
特に、職場闘争委員会で闘う労働者同志が自己を階級的指導部として確立し、地区党指導部となる闘いが次々と開始されていることは、革共同の地区党建設の決定的に新しい段階である。この闘いの積極的発展は、工場代表者会議、地区ソビエト建設への志向性を不可避に内包していくものとして、しっかり洞察する必要がある。
体制内労働運動批判に敵対する塩川一派
革命的共産主義運動から塩川一派をたたき出すことを決断した労働者同志の決起は、1年もたたずして、日本階級闘争のすべての戦場に革命的分岐を一挙につくり出した。
塩川一派は、「連合を体制内労働運動だと批判するのは反対だ」という腐り果てた主張をしている。要するに、労働者は永遠に賃金奴隷でいろ、体制内でいろとする、完全な反マルクス主義の主張である。これこそ、青年労働者と学生の決起に対して、彼らが憎悪をもって敵対する根拠である。
そもそも彼らの反マルクス主義は、労働者階級の自己解放、特殊階級的解放が、全人間の普遍的解放を実現する道であるというマルクス主義の原理を全面的に否定するところにこそ、その核心があるのだ。
この主張は、彼らの「自立した共産主義者」論なるもので理論的粉飾を施され、反レーニン主義の組織論となり、塩川一派は現在的には革共同破壊のためにのみ存在する輩(やから)になり果てた。そして国家権力に対して、自分たちはもはや革共同ではなく日帝権力にとって無害な存在だという、転向宣言を繰り返し行っている。
彼らには、帝国主義と闘う綱領も路線も存在しない。「階級的労働運動路線反対」「動労千葉労働運動は1万人結集の妨害物」と言いなし、11月労働者集会に全面敵対している。彼らは1年を待たずして現実の階級闘争から完全にふっ飛んだ。
社民のしっぽについて行動し、体制内労働運動の擁護者として登場する塩川一派を、地獄の底にたたき落とさなければならない。
金融大恐慌下で世界は革命情勢へと突入した
米住宅バブルの崩壊とサブプライムローン危機の爆発は、今日、世界金融大恐慌へと発展している。情勢は帝国主義の史上最大の金融危機・経済危機の爆発へと向かっており、これに帝国主義ブルジョアジーは恐れおののいている。
サブプライム危機の爆発的発展過程は、07年夏から巨大金融機関を丸ごとまき込む信用不安・信用収縮という決定的事態をつくりだした。巨大な証券化商品の流れが止まり、売買が成立せず、あるいは担保価値を持たないという事態がつくりだされた。サブプライム関連の金融商品が一挙に不良債権・不良資産になった。金融機関の倒産と、その連鎖的拡大が始まっている。
米国発の金融恐慌の爆発は、直ちに欧州での金融危機、信用不安、信用収縮、貸し渋りとなって爆発した。ヨーロッパ帝国主義も金融恐慌に突入している。そして今や、中国バブルの崩壊が時間の問題になっている。
世界金融大恐慌は、帝国主義間争闘戦を激化させ、資源・石油をめぐって激しい奪い合いが始まっている。それと一体でインフレの爆発が全世界的に激しく進行している。物価騰貴、インフレ問題は、大恐慌下では巨大な階級闘争の爆発となる。
世界はすでに革命情勢だ。死の苦悶(くもん)にのたうつ帝国主義者どもは、洞爺湖サミット=帝国主義首脳会議をもって世界再分割戦へ本格的に突入しようとしている。新たな世界戦争への道がすでに始まっている。
世界金融大恐慌下での帝国主義の必死の延命策動は、労働者階級に対する全面的なリストラ・首切り、工場閉鎖攻撃である。食糧危機や大規模災害・温暖化問題の一切の根源的責任は、帝国主義の新自由主義攻撃にある。全世界の労働者階級は闘わなかったら生きられない。まさに全世界的な革命情勢に突入したのだ。帝国主義の強盗会議・戦争会議であるサミットを、粉々に粉砕しよう。
米・イラクの労働者が連帯してストに決起
今年のメーデーは、世界革命への本格的な新しい出発点になった。ILWU(国際港湾倉庫労働組合)によるアメリカ西海岸の全港湾を封鎖したストライキ闘争の爆発と、これに連帯しともに決起したイラク労働者の巨大な存在と登場である。実に世界革命の現実性を開示した感動的な決起である。
米帝のイラク侵略戦争突入から5年。帝国主義の侵略戦争に民族解放・革命戦争をもって闘ってきたイラク人民の闘いは、その中心に、イラクの労働者階級を、イラク人民を真に統一しその究極的解放を闘いとる主体として登場させた。石油労働者を先頭に、イラクの労働者階級が組織的隊列をもって登場したのだ。帝国主義の戦争・民営化、分断・団結破壊の攻撃に、交戦国労働者を先頭に、労働者階級は世界史的存在としてひとつだと、団結し世界革命へ向かう決起が開始された。
4〜5月には「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結!」を掲げて、労働者階級の国際的階級的団結を固める闘いが、民主労総ソウル本部と動労千葉の固い団結のもとに新たな前進を切り開いた。在日・滞日労働者、韓国での移住労働者の問題をめぐり、思想的綱領的討議が開始された。これらの基礎に11月労働者集会の闘う3労組と日米韓3国連帯の陣形が座り、国際階級闘争の中心の位置を獲得しつつある。
こうした中で韓国では、この5〜6月、米国産牛肉輸入問題に端を発して、100万人規模の巨大な闘いが爆発した。今や文字どおりストと暴動の波が全世界を覆っている。
帝国主義の新自由主義攻撃との激突が全世界的に始まっている中で、塩川一派は内外情勢に翻弄(ほんろう)され、吹き飛ばされることに恐れおののきつつ、何の方針もないまま「情勢に追いつこう」などと叫んでいる。
全世界の激動は、膨大な労働者階級が怒りに燃え、現体制の根底的な転覆を求めて闘いに立つ過程が、ついに始まったことを意味している。プロレタリア革命以外に決着はない。
塩川一派は「体制内労働運動を守れ」の運動方針のもと、「サミット粉砕」をスローガンとしてアリバイ的に出している。だが実際の方針は社民の尻押しであり、体制内勢力のしっぽに細々とくっついてデモをすることでしかない。これがすべてである。それは階級的労働運動路線の前進に恐怖し、弾圧や処分を恐れて独自闘争をひとつも組織できないものであり、転向集団の野合による超右翼的な統一戦線をめざすものでしかない。
塩川一派の敵対粉砕しサミット決戦-11月へ
塩川一派の行動方針は唯一、11月労働者集会の1万人決起に徹頭徹尾反対し、それを破壊することにある。
そもそも塩川一派の革命的共産主義運動からの脱落・逃亡・敵対は、11月労働者集会の総括と関西労働者組織委員会の建設をめぐって決定的になったものである。さらに、国際連帯闘争の発展への恐怖と敵対、労働者同志が階級的指導部として登場することへの憎悪と敵対として登場した。
新生関西地方委員会の闘いは、労働者同志の不屈の闘いをもって塩川一派を完全に圧倒し、4大産別決戦で実践的に火を噴いている。これまで抑え込まれてきた労働者自己解放闘争の扉が解き放たれ、闘いはとどまることのない勢いで前進している。これに恐怖する塩川一派は、階級的労働運動の破壊者へとますます転落を深めている。
自民党などと手組む旧与田派に全面降伏
追い詰められた塩川一派は今や、自民党や既成解放同盟本部派とも手を組んで「差別なき差別糾弾闘争」に走る旧与田派に、完全に屈服した。06年の党の革命で自ら「打倒した」はずの旧与田派に「自己批判書」を提出し、血債主義・糾弾主義をさらに純化して、有象無象の野合集団に転落している。これが血債主義者、糾弾主義者のなれの果てだ。
旧与田派と塩川一派らの反革命的野合集団は、さらに部落解放闘争において西郡支部の住宅闘争と狭山闘争に正面から敵対を開始した。浅はかで卑劣にも5・28〜29法大弾圧を革共同破壊策動のチャンスとみなし、ビラ入れなどの反動的敵対行動を強めている。
だがこうした反革命策動をはね返し革命的部落解放闘争の飛躍的大前進が階級的労働運動路線のもとに固く団結して闘いとられていることは決定的なことである。
弾圧への屈服と略式起訴受け入れを開き直り、革共同からの決別を叫んできた塩川一派は、完全に権力への転向分子である。法大学生運動弾圧に対し、「逮捕されることが分かっているのにキャンパス展開を行うことはナンセンス」などと、転向分子としての言動を露わにしている。このような言動は、かつて70年闘争時に日本共産党やカクマルが、闘う労働者・学生を「挑発者」「一部のはみ出し分子」などと罵倒(ばとう)し敵対したのとまったく同じだ。資本・権力との対決から逃亡した彼らは、ついにそこまで行き着いた。
また国労5・27臨大闘争弾圧裁判闘争では、解雇撤回を投げ捨てる4者4団体路線に走った松崎被告の裁判に、平田派や塩川派の椿などを先頭に、旧与田派の残党分子、革共同からの除名分子らがこぞって結集するという、おぞましい姿が暴露された。これは革命情勢の到来に恐怖した野合集団の醜悪な本質をよく示している。
彼らは今や、動労千葉が呼びかける6・29全国労働者総決起集会に全面的に敵対している。革共同のサミット決戦方針の破壊に躍起となっている。しかし彼らの「サミット反対」とは、プロレタリア革命とは縁もゆかりもない悪質な市民主義運動への乗っかりでしかない。それは労働運動と労働者階級に対する絶望を組織する運動への純化である。6・29の渋谷大デモと7・6札幌現地闘争の爆発で、塩川一派の策動を徹底的に粉砕しよう。
血債主義・糾弾主義は階級への絶望を組織
塩川一派の路線的本質は、7月テーゼ=プロレタリア世界革命に対する敵対である。血債主義・糾弾主義とは、労働者階級への不信と絶望の組織化であり、労働者がプロレタリア世界革命の闘いに決起し、最末期帝国主義の新自由主義攻撃に対決して民営化・労組破壊攻撃と闘っていくことへの妨害と敵対である。ここに階級的政治的本質がある。
塩川一派が韓国の民主労総ソウル本部の闘いやILWUの決起を絶対に論じないことに、彼らの正体がよく示されている。要するに11月労働者集会への憎悪だ。このことは他方で、塩川一派がこの1年、悪質市民運動への潜り込み路線を露骨にとってきたことにも、よく表わされているのだ。
革共同は「党の革命」を貫徹し闘いぬく!
世界的な革命情勢の到来は、革共同に「党の革命」を日々問うている。
今日、革命的共産主義運動の歴史において、プロレタリア日本革命を実現する決定的な情勢が到来している。闘う青年労働者と学生の不眠不休の決起は、確実に多くの青年労働者・学生と結合しそれを獲得しつつある。
サミット決戦の爆発は11月1万人決起へ一挙に発展する。この闘いの一日一日が体制内指導部との闘いであり、同時にそれは塩川一派的汚物と決別する闘いである。
階級的正義はわれわれにある。今日の全世界的な労働者階級の決起は、動労千葉労働運動の未来とひとつのものである。
塩川一派打倒へ断固として総決起しよう。
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週刊『前進』(2347号5面2)(2008/06/16 )
“核サミット”に怒り
開催地・青森で2千人デモ
核と原発に反対する大集会(6月7日 青森市)
G8洞爺湖サミットの一環として6月7日、青森市で日米帝国主義と中国・インド・韓国によるエネルギー相会合=“核サミット”が強行された。これに対して同日、地元反核燃団体や労働組合を中心とする2000人が「6・7止めよう再処理!全国集会」を議場近くの青い海公園で行った。日本の核武装が決定的な段階に入りつつある中、参加した8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会は、翌日の六ケ所村再処理工場への弾劾行動をあわせて闘いぬいた。
主催者構成団体のひとつである核燃料廃棄物搬入阻止実行委の前段集会で、8・6―8・9実行委の三角忠代表が「核サミットが、再処理工場の本格稼働目前の青森で行われた意味は、日本の核武装宣言だ」と弾劾、「広島・長崎の被爆経験を真に生かす労働者人民の闘いを」と訴えた。
全体集会で主催者の代表は「再処理とは核兵器の原料でしかないプルトニウムを作るもの。再処理工場の本格稼働を絶対阻止しよう」と強調、また8月に横須賀が米原子力空母の母港となることに反対する大行動を呼びかけた。
青森県反核実行委の代表は「この間、県内街宣と県庁座り込みを行ってきた」と報告、再処理工場の敷地内に活断層が発見されたにもかかわらず、これを無視する日本原燃や国の姿勢を批判した。
試運転の即時中止、再処理工場計画の撤回を国や日本原燃に求める集会アピールを採択し、参加者は無数の旗をなびかせて“核サミット”会場へデモを行った。(写真下)
核武装への攻撃
06年3月に試運転を開始した六ケ所再処理工場が、秋にも本格稼働し、プルサーマルの青森県・大間原発(※注)が5月に着工強行、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」が運転再開へ動き出すなど、日本の原子力=核政策が、独自の核武装へ決定的な転回点を回った。
今回の核サミットが「気候変動(温暖化)対策として、原子力推進の姿勢を鮮明にした」(6・9東奥日報)ことは重大だ。3日には前首相の安倍が六ケ所再処理施設を視察、「(核サミットを)青森から発信する意義」を強調した。
六ケ所再処理工場で試運転中に取り出されるプルトニウムは約4d。同工場が本格稼働に入ると、年間約8dが取り出される。米日帝国主義が大騒ぎした北朝鮮の保有プルトニウム累計が1`程度だったことと比べ、けた違いだ。
背景には米帝の世界支配があらゆる面で崩壊に直面する中で、軍事・エネルギー資本を頂点とする米支配階級とブッシュ政権が「国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)」計画を発表し、日本の核燃サイクル稼働を認めた情勢がある。日本の核政策を牽制(けんせい)しつつも“取り込む”姿勢に転換せざるをえなくなったのである。
今回の青森集会は、大挙して参加した労働組合を中心に、帝国主義の労働者支配の対極にある核政策と戦争への怒りをたたきつけた。6・29労働者全国集会〜7・6サミット決戦へ、日本核武装の攻撃に屈する体制内指導部を粉砕し、進撃しよう。世界の労働者の闘いと連帯し、核燃本格稼働阻止をかちとろう!
〔注〕使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使う、世界初の「フルMOX」原発。
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週刊『前進』(2347号5面3)(2008/06/16 )
六ケ所村 日本原燃に抗議
8・6-8・9実行委員会 “再処理中止せよ”
翌8日、8・6―8・9実行委は、核サミット厳戒体制をはねのけ、六ケ所村にある日本原燃再処理工場正門前に登場した(写真)。核兵器の材料プルトニウムを本格的に取り出そうとしていることを許さないためだ。
警備員と私服車・パトカーの弾圧を糾弾し、全員が抗議行動を行った。申し入れ要求に対し、陰に隠れて姿を現そうとしない日本原燃。何が「平和利用の施設」「社会に信頼される企業」か!
「原燃の責任者は出てこい!」。怒りの声がたたきつけられた。やっと出てきた警備会社隊長の「休日で責任者はいない」という回答に、「放射能を扱う工場に責任者がいないのか」と徹底的な追及が行われた。黙り込む隊長。激しい怒りが渦巻いた。
実行委の三角代表が、日本原燃社長・兒島伊佐美あての「再処理の即時中止を求める緊急声明」を読み上げた。必ず手渡すよう警備隊長に確約させて申入書を受け取らせた。
最後に、日帝の核武装化攻撃の元凶・日本原燃資本を弾劾し、工場の現場労働者への熱い連帯を込めて、「ただちに再処理を中止せよ!」「労働者に被曝(ひばく)労働を強制するな!」「死の商人・三菱と一体で日本の核武装を推進するな!」などのシュプレヒコールをたたきつけた。
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週刊『前進』(2347号6面1)(2008/06/16 )
傍聴の権利まで奪う裁判所の暴挙許さぬ 自治体労働者 安藤 優
6月10日、逮捕された仲間の勾留理由開示公判を傍聴するために朝、新幹線で駆けつけた。仕事を休むにあたって職場の人にも率直に理由を話し、もし不当にも私が裁判所で監置などにあった場合のことも説明し、そういう覚悟で臨んだ。
裁判はこの日2回に分けて行われ14人が出廷し、2回目の方で直接顔見知りの仲間を激励するつもりで、1回目の時は多少のことでは「がまんしよう」と思っていた。
しかし裁判官は次々と退廷命令を出し、法大で集会・デモをやった学生を公安刑事を突入させて逮捕させたことについては、「適切で問題なし」みたいなことばかりを言っていた。私は思わずがまんを忘れて「そんなの認められん!」と声に出して叫んでしまった。それで退廷になり、裁判所の外まで暴力的にたたき出された。そして2回目に入ろうとしたら、「一度構外退去になったらもう入れない」と言われ、またしても暴力で外に出された。
こんなむちゃくちゃがあるか! 仲間の顔を見ることさえ許さないのか。絶対に許せない。怒りがこみ上げてきて止まらなかった。
裁判傍聴という最低限の権利まで奪う今の日本の裁判所は、本当に腐っているし終わっている。そして法政大学でいかにデタラメで理不尽でひどいことが行われたかを理解できた。そして同時に逮捕された仲間と私たちは「むっちゃつながっている!」と感じられた。
この1日、体験したことを持ち帰り、職場の仲間に訴え、6・29サミット粉砕への決起をつくり出す。
逮捕された仲間たちの姿はりりしかった 京都 碧海
6月10日の勾留理由開示公判を傍聴した。裁判官は弁護士の質問にまともに答えられず、退廷命令を次々と出し、屈強な職員の何人もが一人に襲いかかり暴力的に外に連れ出す。「これが本当に裁判か! どっから見てもおかしい。今すぐ仲間を返せ!」と私も心から叫んだ。
この日午前中、私は法政大学の学内に入り、学生にビラをまいた。そこでやはり「これが大学の姿か!」と驚かざるをえなかった。例のジャージ部隊と呼ばれる気味の悪い連中が私たちを見つけるやいなや、つかみかかり、髪の毛を引っ張られ引きずり出された。やつらは狭いエレベータの中でほかに学生がいるのもお構いなしで、一緒にいた仲間にひざ蹴りを入れていた。構外に追い出される直前になって「まだビデオを撮っていない」と言い出してわざわざビデオカメラを取りに行った。私が顔を撮影されるのを拒否して抵抗していると、本気で別室に監禁しようとまでした。その時味わった恐怖――。
そうやって自分がボコボコにされて「法大は本当に監獄支配されている」ということが実感をともなって理解できた。最初一般学生が政治に無関心に見えたのも、実は日常的に暴力の下に置かれているからだと分かった。そして午後、裁判所もすでに同じ監獄支配に置かれていたのである。
だが、逮捕され出廷した学生の仲間たちの姿はまっすぐ前を向き、すがすがしく、りりしく、美しかった。弁護士は単に逮捕の当否を問うだけでなく、世界情勢を語り世界中で決起が始まり、革命の足音が近づいていることを語り、5・29がそれと一体の決起だと語った。そうだ。私たちの闘いは本当に世界とつながっている。公判が終わったとき、次々手錠がはめられていったが、彼らはその手でガッツポーズしていた。これこそ私たちの力で打ち砕かなければならない鎖だ。
5・29以後、私の大学でもビラまき、オルグなどの活動をリードしてくれた先輩がいなくなった。私自身の生活も激変し正直しんどい。だが自分が飛躍するしかない。前に進むしかない。これがまさしく獄中の仲間との団結だ! 6・29の大爆発をかちとろう。
裁判官に説得力なし 革命家をなめるなよ 千葉 四方田晴海
勾留理由開示公判で、逮捕された仲間の元気な姿を見られて、本当に元気が出た。裁判官が言っていることは、とにかく逮捕が手続き的に「問題ない」「適切だ」「当然だ」と言い張るだけで何の説得力もない。裁判官なんて言って高いとこから威張ってるけど、人を見下しているし、人間として腐っているよ。
対して私たちの仲間は逮捕され自由を奪われていてもなんら悪びれることなく堂々としていて、すごく立派だった。正直、逮捕されひどい目にあって多少へこんでいるかも……と心配していたが全然そんなことはなく、こっちがパワーをもらった。獄中と獄外がひとつだと心から思えた。
裁判所は今の体制を維持するために、全学連の仲間がやった闘いを暴力でもってつぶそうとしてるわけだけど、「そんなことでつぶせるもんか、革命家をなめるなよ!」と言ってやりたい。
38人のみんなとつながって、外にいる私たちがサミットなんか絶対に粉砕し、革命やってやると決意した。
革命の火薬庫・沖縄で職場からの闘い決意 東海 須賀川直哉
5月沖縄行動に参加しました(写真)。今の沖縄の情勢は、「革命の火薬庫へようこそ!」と私たちを迎えてくれた沖縄の労働者のあいさつが示しています。
ただでさえ60年間以上基地を押し付けられているところに加え、「集団自決」をゆがめた教科書検定、毎日のように起きる米兵による事件・事故。さらには、辺野古への新基地。それらに抗議した昨年の9・29、今年の3・23の二つの県民大会は「革命的決起の端緒」と言わずして、なんと言うべきでしょう!
辺野古では今、アセスに動員されている労働者に対して「職場に組合をつくり団結して闘おう」という呼びかけが行われています。「基地に依存しなければ生きていけない」とされてきた社会構造そのものを、労働者の団結で突き崩す闘いの始まりなのです。
東海から参加した仲間の青年労働者は「闘ってすっきりした」「不安があったけど闘ってよかった」「全軍労の闘いが強烈だった」「沖縄で学んだことを持ち帰って、処分があっても闘えるような動労千葉型労働運動をめざして闘っていこう」と話し合っています。
私も「どんな状況であっても、労働者は立ち上がる。自分は仲間を裏切ってはいけない」――これを今一度、しっかりと心に刻みこみました。
6月4日の動労千葉交流会に私の職場の仲間が参加しました。東京中郵や新仙台など全国の郵政労働者の闘いを聞いて彼は「当局のやっていることは許せない!」と怒りをあらわにしています。
東海の拠点職場は私のいる職場。「もし私や仲間が処分されたら、その分ますます団結が固くなる」と胸を張って言える闘いに入ります。
毎朝駅前でビラまき地域に「革命」が浸透 東京北部 白木鉄平
5月7日から、サミット粉砕のビラを駅前でまき始めた。ほぼ毎日、朝8時前から30分間。ほとんど文章を書いたことがないので、『前進』やインターネットで見つけた他人の文章を借用することにした。
「われわれは労働者に分かってもらいたいのだ」(『賃労働と資本』)というマルクスの思いを受け、分かりやすいビラを心がけている。
最初は100枚もまけなかったが、私たちがビラまきに慣れ、地域の人たちもビラを受け取るのに慣れたのか、今では120枚でも足りないほどになっている。何号目かを読んだ地域の労働者は、「あのビラはアレだな(革命そのものだ)!」と感想を言った。そして3月のデモでの弾圧のことを知っていたので、「あなたが逮捕されたら差し入れにいくよ」と付け加えた。
駅前ビラは朝・昼・夜にグレードアップし、近くの公立高校や4大産別の労働組合にまとめてもっていくことにした。
また、週に数回、清掃労働者がゴミ収集に来るのでビラを渡している。「ご苦労様」と言って受け取ってくれる。
私たちのビラは、ほとんど『前進』の記事とインターネットの「前進・速報版・世界の闘い」からのパクリだ。つまり毎日百数十枚の『前進』をまいている感覚である。受け取る人は増えている。労働者は正しい情報を求め、闘いの方針を求めている。
最初、「世界の闘い」を掲載するのに抵抗があった。それは昔、某セクトが外国の闘いばかり紹介して、自分たちの闘いは実践がないので書けないというのが頭をよぎったからだ。だが今は、心底「革命をやりたい!」という一人の革命家として街頭に立っている自分たちを感じている。
勝負する時が来た。ここで全力をあげよう。法大38人の決起に続き、私たちはこの地域・職場から革命を起こす。世界革命をめざして闘う韓国・アメリカ・イラク、全世界の労働者とつながり、6・29サミット粉砕の大デモを実現し、帝国主義強盗どもに引導を渡してやろう!
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週刊『前進』(2347号6面2)(2008/06/16 )
G8治安会合を弾劾 デモ貫徹
サミット厳戒破り1日行動
今東京都心では「サミット警備」と称してすさまじい治安弾圧態勢がしかれている。繁華街の辻つじや駅頭・構内などいたるところに警察官が立ち、目を光らせている。人びとに対してしつこい職質と張り込みが繰り返されている。
こうしたG8サミット厳戒態勢を打ち破り、6月7日「破防法・組対法に反対する共同行動」の呼びかけで、サミット司法・内相会合を糾弾する1日闘争を闘いぬいた。
昼前に秋葉原駅前に登場、1時間半にわたり20人の仲間が交代でマイクを握り訴えた。この間秋葉原では路上パフォーマンスとそれを禁圧しようとする警察との激しい「攻防」が繰り広げられてきた。表現活動への暴力的弾圧はサミット警備の一環であることを強くアピールした。次々とビラが受け取られ、共謀罪の悪らつさについてかなり浸透してきたという手応えが感じられた。
午後は場所を移して、実行委員会の主催で「G8司法・内相会合糾弾、共謀罪反対」の集会・デモが行われた。治安担当大臣会合会場の恵比寿ガーデンプレイス・ウェスティンホテルに目と鼻の先の恵比寿公園に100人が結集。機動隊・公安刑事を大量動員した弾圧態勢を打ち破って、多くの人でにぎわう土曜の渋谷へデモ行進した。
(写真 G8司法・内相会合弾劾と共謀罪廃止を訴える渋谷へ向けてのデモに注目が集まった【6月7日】)
共謀罪今国会阻止を確認し勝利集会
午後6時、飯田橋の東京しごとセンターにおいて共謀罪新設反対国際共同署名運動の主催で「反テロ戦争と治安弾圧を扇動するG8司法・内相東京会合糾弾! G8サミット戒厳態勢を許すな! 共謀罪と治安管理のグローバル化に反対する!6・7集会」が開かれた。
100人の参加者はこの日の行動の成果と、今国会での共謀罪成立を実質上阻止した勝利を確認し、サミット粉砕へ向けてより一層闘いを強化していくことを確認した。
「三浦和義氏の逮捕に怒る市民の会」の連帯のあいさつに続いて、「裁判員制度はいらない大運動」事務局長・佐藤和利弁護士が発言に立ち、「裁判員制度は戦争と治安強化のために国民を動員するもの。法務省は国民の78%が反対しているのに09年5月から実施すると決定した。日比谷公会堂での6・13全国集会に結集して粉砕しよう」と訴えた。
統一獄中者組合は、「鳩山法相は2カ月おきに死刑を繰り返し、すでに10人も処刑している」と、うち続く死刑執行攻撃とそれと一体の「終身刑導入」への危機感を訴えた。
関東学院大学の足立昌勝教授は、「G8サミットと治安グローバル化」と題して講演に立った。
足立さんは共謀罪攻撃が治安弾圧のために制定されようとしていることを批判し、「洞爺湖サミットでは権力は東京の警備を中心に〈見せる警備>をすると言っている。実際に組対法が政治党派に初めて適用され、法政大学では38人の学生が不当に大量逮捕された。しかし、これは社会が必要としている治安ではない。共謀罪は今『衆議院解散総選挙で廃案か』という情勢になっている。今国会での成立を阻止した」と勝利を確認した。
その上で「テロ対策」を名目にした新法制定策動に警鐘を鳴らし、「出てきたらつぶすだけだ。ともに闘おう」と〈共謀罪後のテロ対策法>との闘いへ決起を促した。
次に「サミット戒厳体制を暴く」と題して、ジャーナリストの林克明氏と「サミット人権監視弁護士ネット」の山下幸夫弁護士から、サミット警備に名を借りた住民監視体制・治安弾圧体制が一層強まっている状況が報告された。さらに現場からの報告が「共謀罪に反対する京都連絡会」、「あなたも私も『テロリスト』?実行委員会」からなされた。
また、最近は自衛隊が政党・労組・市民運動などのデモに対する調査活動を強化している現状、自衛隊の海外派兵・イラク戦争参加によって、武器使用が国内にフィードバックされ現実化している事実、警察の軍事化と自衛隊の憲兵化が一体で進んでいる実態などが暴露された。
最後にまとめとして、今国会での共謀罪の成立を阻止した勝利を確認し、「6・13裁判員制度はいらない!」集会に結集し、次の臨時国会で共謀罪を完全に廃案に追い込もうとの提起を参加者全員で確認。決意を込めてシュプレヒコールを上げた。
(写真 「治安弾圧の強化を許さない」と熱心な発言が続いた【飯田橋・東京しごとセンター】)
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週刊『前進』(2347号6面3)(2008/06/16 )
現闘本部裁判 建物検証を行え
同盟・弁護団が猛抗議
仲戸川裁判長を追いつめる
強権的な指揮に廷内が騒然
6月12日、千葉地裁で天神峰現闘本部裁判が開かれた。昨年7月19日に反対同盟側が仲戸川隆人裁判長に対する忌避を申し立ててから約1年。忌避は最高裁によって不当にも却下され、再び仲戸川裁判長のもとで開かれることになった。
NAAは「暫定滑走路の誘導路をまっすぐにするのにじゃまだから本部建物を撤去しろ」「木造建物は鉄骨造り建物に吸収され、解体・滅失した」と申し立てている。
ふざけるんじゃない!「へ」の字に曲がった誘導路を勝手に造ったのはお前たちじゃないか! 何が「解体・滅失」だ。本部の建物は不当にも成田治安法で封鎖されているが、木造建物は厳として存在している。
反対同盟が「裁判所は木造建物の存在を実地に検証せよ」と繰り返し要求してきたにもかかわらず仲戸川裁判長は言を左右にし、それをやらないまま証拠調べに突入しスピード判決を出そうという腹なのだ。こんな不公平で理不尽な裁判官は忌避されるのは当然だ!
そして今回、仲戸川は前にもまして、悪らつな姿勢をむき出しにした。
冒頭、右陪席裁判官の交代による更新手続きとして被告側の意見表明が行われた。最初に北原鉱治事務局長が立ち上がり陳述書を読み上げた。仲戸川の訴訟指揮を鋭く批判した上、「登記された木造建物が現存していること、これが鉄骨造り建物と構造上一体のものであることを検証し証拠として残すことが必要です」と問題の焦点を明らかにした。そして三里塚裁判ではつねに、裁判所が国策という名の暴挙に加担していることを弾劾し、「徹底的に闘う」と決意を明らかにした。
続いて葉山岳夫弁護士を始め代理人弁護士が次々と立って陳述を行った。ところが仲戸川は「最初に全員で40分に収めろと時間制限した」と言いだして抑圧し、それに抗議する弁護士に「発言禁止」を命令した。この独善的強権的な訴訟指揮に怒り、弁護団が猛抗議し、傍聴者も怒りの声を次々と発した。廷内は怒号で騒然となった。
(写真 支援する会の例会で萩原進さんが「裁判長が三里塚現地に一度も立たずに判決を書くようなことを許すな」と訴えた【6月12日 千葉市・弁護士会館】)
萩原進さんが妨害破り発言
ここで萩原進事務局次長が被告席から手を挙げて発言を求めた。裁判長はこれをも認めない。萩原さん、北原さん、鈴木謙太郎さん、そして弁護士全員が裁判官席に詰め寄るとあわてて職員が制止にかかった。傍聴者も一斉に抗議。法廷の怒りは頂点に達した。「当事者の発言をなぜ認めない!」「なぜ忌避されたか思い出せ!」
仲戸川は顔面蒼白で、萩原さんの発言を渋々認めざるをえなかった。
「私にとって現闘本部は“青春の場”であり、毎日のように通った。石橋政次とは親子同然の関係で自分たち夫婦の仲人だった。石橋が土地の一角を提供し反対運動のために建てさせた。建物は多くの人がそれぞれの技術と材料を持ち寄って建てられた。すぐ隣には争点になっている市東さんの耕作地がある。これらすべてには三里塚闘争という一体の関係がある。40年以上の歴史が刻まれた普遍性がある。裁判所は現地に足を運んでそのことを自分の目で見て感じるべきだ!」
思いのたけを込めた発言に傍聴席から大きな拍手が起こった。
裁判長は追いつめられながら、「次回の訴訟指揮については、準備書面を検討した上で決める」などと言い逃れを続けた。市東孝雄さんは特別傍聴席から「それじゃあ一歩も進んでないじゃないか!」と一喝。最後まで検証について明言を避けて、仲戸川は逃げるように閉廷を宣した。
6・24裁判に全力で傍聴を
怒りに包まれた法廷の熱気そのままに、場所を弁護士会館に移して、記者会見が開かれた。弁護団がそれぞれ裁判所を追いつめた手応えを語った。この中で元千葉地裁判事の上野至が恥知らずにも原告NAAの代理人として出廷していることが暴露された。
続いて現闘本部裁判を支援する会の例会に移り、代表の戸村義弘さんが「これこそ空港闘争裁判!」と勝利感に満ちて裁判の感想を語った。事務局の鈴木謙太郎さんは会計報告を行い、会員のさらなる拡大を強く訴えた。また群馬実行委の青柳晃玄さん、動労千葉の滝口誠さん、関実の松原康彦さんらが連帯の発言を行った。
現闘本部裁判の次回期日は9月25日。そして6月24日には市東さんが千葉県を訴えた違憲訴訟裁判が開かれる(午前11時開廷/千葉地裁)。白熱する三里塚裁判闘争、現地闘争に駆けつけよう。
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週刊『前進』(2347号6面4)(2008/06/16 )
日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ6・23差し戻し審第1回公判
迎賓館・横田爆取デッチあげ
6・23差し戻し審第1回公判へ
6月23日(月)午前10時/東京地裁
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