ZENSHIN 2008/06/09(No2346 p06)

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週刊『前進』(2346号1面1)(2008/06/09 )

 6・29怒りの渋谷大デモを

 韓国と法政大の決起はひとつ 帝国主義の戦争会議粉砕せよ

 裁判員制度はいらない 6・13に日比谷で全国集会

 5・28〜29法政大での学生38人によるサミット粉砕の一大決起に続こう! 「サミット粉砕」こそ労働者階級の方針だ。G8サミットは、総反乱を開始した世界の労働者人民の怒りの集中点になろうとしている。サミットは何よりも戦争会議だ。01年「9・11」以降、アフガニスタン侵略戦争、イラク侵略戦争を続け、世界戦争に突き進む帝国主義強盗どもに最後の引導を渡してやる時がついに来たのだ。すべての職場・地域で、熱烈に「サミット粉砕!」「6・29大デモ」を訴えよう。戦争−貧困、失業、民営化に対する労働者の怒りを解き放とう。世界革命をめざして闘う韓国・アメリカ・イラク、全世界の労働者とひとつにつながり、サミット粉砕ストと万余の大デモを爆発させ、7・6札幌現地闘争に攻めのぼろう。
 「世界革命が始まった!」「世界に並ぶ闘いが法大から始まった!」「この団結でサミット決戦を大爆発させよう!」――いま獄中で闘い抜いている38人から、熱烈なサミット決戦への総決起の檄(げき)が発せられている。動労千葉の闘いに学び、徹底的に団結を貫いて闘い抜いた38人の決起が全国・全世界を駆け巡っている。逮捕された38人と固く団結して、新たな革命家が次々とキャンパスに登場し、新たな指導部となって猛然と立ち上がっている。法政大では文化連盟の学生の無期限ハンストが闘われ、38人逮捕に対する法大生の激しい怒りが沸き立っている。
 38人の不当逮捕は、絶対に許すことのできないサミット大弾圧だ。しかし38人の決起に追いつめられ、破産し、大混乱しているのは帝国主義の側、国家権力の側だ。暗黒と反動の法大支配は、いまや完全に崩れ去った。法大闘争のように闘えば勝てるのだ。
 韓国では、米国産牛肉輸入再開問題をきっかけにイミョンバク政権打倒の大闘争が爆発し、「革命前夜」さながらの情勢に突入している(記事2面)。5月31日の10万人集会を始め連日のように大闘争が展開され、1987年の民主化闘争記念も兼ねた10日の集会は100万人結集が呼びかけられている。
 闘う法大生と全学連は「ILWU(国際港湾倉庫労組)やイラクの労働者、韓国・民主労総と同じ闘いを法大でやろう」「新自由主義攻撃を打ち破ってきた動労千葉のように闘おう」――これを合言葉に闘ってきた。韓国で始まった巨大な決起と、法大での5・28〜29決起はひとつの闘いなのだ。サミット粉砕を全力で訴えよう。法大ストを絶対にかちとろう。
(写真 「5・28−29不当逮捕徹底弾劾」の横断幕を掲げ法大キャンパス集会。法大OB、青年労働者も大挙かけつけた【5月30日】)

 7・6は札幌現地闘争だ

 世界革命の最前線で闘っている38人の同志と団結し、職場生産点から帝国主義の戦争会議=サミット粉砕の闘いを巻き起こそう!
 7月7〜9日の3日間、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、ロシアの8カ国(G8)首脳が北海道・洞爺湖に集まりサミット=戦争会議を開く。
 この洞爺湖サミットは、危機を深めるイラク・アフガニスタンへの侵略戦争をめぐる帝国主義強盗どもの「協議」とたたき合いの場となることは間違いない。世界金融大恐慌を始めとする帝国主義の末期的危機を、いかに絶望的であろうとも、さらなる侵略戦争―世界戦争への突進、労働者階級への階級戦争で突破するしかないのだ。イラク・アフガニスタンへの侵略戦争の継続・拡大、さらにイラン侵略戦争の発動のための戦争推進会議などどうして許せるか。やつらは同時に、北朝鮮・中国のスターリン主義体制の危機が激しく進む中で、北朝鮮・中国への新たな侵略戦争さえ狙っているのだ。
 しかし今や、全世界で帝国主義の新自由主義攻撃に対する労働者の怒りがストライキやデモ、暴動となって爆発を開始している。情勢の潮目は完全に変わった。G8首脳の誰もが、いつ労働者階級によって打倒されてもおかしくないところに立たされている。
 ILWUは5月1日、イラク・アフガニスタン戦争の即時停止を要求し、「平和でなければ働かないメーデー」行動を貫徹し、米西海岸29の港をすべて止めた。米帝ブッシュと真っ向から激突する命がけの闘いだ。この歴史的闘争に対して、イラクの石油・港湾労働者は「労働者だけがより良い世界をつくることができる。あなた方の行動はその実例であり証左です。労働運動こそ政治の現状を人類の利益のために変えることのできる社会の中で唯一の要素です。メーデー万歳! 国際連帯万歳!」と熱烈なメッセージを送り、1時間の連帯ストライキを打ち抜いた。最末期帝国主義の新自由主義攻撃は、全世界に資本主義の墓掘り人、組織された革命的労働者を生み出したのだ。
 資本家の時代はもう終わりだ。これからの時代を決めるのは労働者だ。洞爺湖サミット粉砕闘争こそ、アフガニスタン・イラクへの侵略戦争を最後的に終わらせ、血塗られた帝国主義強盗どもを地獄にたたき込んでいく闘いへの決定的分水嶺だ。
 ILWUやイラクの労働者と連帯し、世界にとどろくサミット粉砕の6・29大デモと7・6札幌現地闘争で、全世界の資本家どもに引導を渡してやろう。

 職場から総決起しよう

 ブッシュや福田を始めとするG8首脳と労働者階級とは絶対非和解だ。
 こいつらこそ民営化を推進し、非正規雇用を拡大し、労働者をとことん搾り取ってぬれ手にあわのボロもうけをしている資本家どもの頭目だ。アメリカ住宅バブルが大崩壊し、詐欺同然のサブプライムローン問題が爆発したら、今度は巨額のマネーを原油や穀物につぎ込んで価格をつり上げて莫大(ばくだい)な利益を手にしている連中だ。イラク侵略戦争も、ワーキングプアも、民営化も、医療や年金の崩壊も、飢餓も環境破壊も全部やつらがつくりだしてきたことではないか。
 しかも洞爺湖サミットでは、「アフリカ開発」と称して資源と市場を奪い合い、「温暖化対策」と称して原発建設を推進し、「格差と貧困対策」と称して労働者をさらに貧困のどん底にたたき込み、「食糧問題の解決」といって農民の切り捨てを進めようとしている。そして「政治問題の解決」と称してイランへ、北朝鮮へ、中国へと世界戦争を拡大しようしているのだ。
 サミットに対して「公正で平等な社会の実現を」とか「新自由主義政策の転換」を要求する体制内のサミット「反対」運動など、徹頭徹尾インチキだ。資本家と労働者の間にいかなる「公正で平等な」関係があるというのか? 「公正で平等な社会の実現」など、労働者を永遠に賃金奴隷の鎖に縛り付ける反動的なスローガンでしかない。「サミット粉砕」こそ労働者階級の方針だ。
 今日の資本主義は、もはや労働者階級によって打倒される以外にない最末期の帝国主義だ。その帝国主義が1980年代以来展開してきた新自由主義政策は、徹底した民営化・規制緩和と労働組合破壊攻撃によって資本主義体制を人為的に引き延ばすための最後の延命策だった。この新自由主義に、さらにとって代わる政策がまだあるかのような主張は、「資本主義のもとでも労働者は生きていける」かのように労働者を欺き、世界革命をめざす労働者階級の決起に根本から敵対するものだ。
 帝国主義強盗どもは、職場生産点を握る労働者が団結し、資本の支配をひっくり返す闘いに立ち上がることを最も恐れている。資本・当局、体制内労働運動と真っ向から激突する職場闘争を、すべての職場生産点で開始しよう。この闘いとサミット粉砕闘争は、完全にひとつのものだ。職場の仲間に、戦争と新自由主義への怒り=サミット粉砕を熱烈に訴えよう。
 当面する大闘争として「裁判員制度はいらない!6・13全国集会」(要項6面)の大成功をかちとろう。
 一切のあいまいさを許さない徹底討議と、職場生産点での白熱的実践を例外なくやりきろう。何よりもサミット粉砕が必要であることをオルグし、6・29代々木公園への総決起を組織しよう。全都・全国で「革命のできる地区党」への大飛躍・大変革をやり抜こう。マル青労同・マル学同1000人建設を強力に推進しよう。

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週刊『前進』(2346号1面2)(2008/06/09 )

 法政大 サミット決戦へ大反撃

 文連 “不退転で立ち向かう”

 33人の不当逮捕から一夜明けた5月30日、怒りに燃えた法大生と全学連を先頭に反撃が始まった。法政大学文化連盟主催で戦闘的なキャンパス集会がかちとられた。
 「われわれはこの憎むべき権力犯罪に不退転の決意をもって立ち向かいます」と文化連盟執行部はアピールを発した。処分を辞さず、法大当局によるキャンパスでの拡声器使用禁止規制を打ち破り、次々と闘う法大生が発言。門前とキャンパス中央に結集した学生が一体となって法大当局を徹底弾劾した。逮捕された38人と文化連盟は固い団結をかちとったのだ。
 学生センター長・木原章らが弾圧のために現れるが、学生の激しい怒りの追及を前に消耗しきって逃げ帰るのみ。常日頃、学生に暴行を繰り返す弾圧部隊・通称「ジャージ軍団」も、まったく手出しできない。キャンパスは学生の怒りの炎でつつまれた。 
 無期停学処分と闘う久木野和也君は「不当逮捕を絶対に許さない。サミット弾圧そのものだ!」とサミット粉砕の法大ストライキを熱烈に訴えた。昼休み終了後、文化連盟は学生部に抗議文をたたきつけた。
(写真 ハンガーストライキ決起集会で法大当局を徹底追及した。ハンストは72時間が経過。キャンパスは解放的雰囲気につつまれた【6月4日】)

 無期限ハンスト

 追撃はさらに続く。
 6月2日、文化連盟のS君が決死のハンガーストライキに突入。06年以来のべ83人の逮捕を徹底弾劾し、大学の暴力支配に抗議しての決起だ。
 4日昼休みには、ハンスト決起集会を開催。S君の「死ぬまでハンストする」という気迫は、木原ら職員を圧倒した。大学の暴力支配に対する怒りが次々と発せられる。
 「学生ホール解体、学友会本部団体解散、60カ所以上の監視カメラ設置。この尋常ならざる学生管理強化は許せない」「ジャージ部隊の全学連への暴行は思想弾圧だ!」。文連執行部O君への処分撤回、学生の自主活動禁圧への抗議など要求をつきつけた。
 この日は夕方にも集会を開催し、ハンガーストライキを激励。仲間を絶対に裏切らない文連執行部の団結はとても固い。
 5日昼休み、ハンガーストライキは72時間を経過。「この学生管理強化の先に何があったのか。戦前の歴史を繰り返すな」とS君は固い決意で力をふりしぼり訴えた。
 法大の恐るべき現実に目を背けて自由や人権を語る腐りきった教授たち…。5・29決起は資本主義への幻想を吹き飛ばし、積もりに積もった法大当局・帝国主義への怒りを解き放っている。
 サミット粉砕の法大スト情勢は日増しに成熟している。全国の学生は法大に総結集して闘おう。6・29怒りの渋谷大デモへ、職場・大学で猛然たるオルグ戦をやろう。

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週刊『前進』(2346号2面1)(2008/06/09 )

 法大ストを打ち抜こう 国際的団結でサミット決戦爆発へ

 なぜ7月洞爺湖サミットを粉砕しなければならないか

 帝国主義の戦争会議に反撃を

 7月7日から9日にかけて開催される洞爺湖サミットは、なぜ粉砕しなければならないのか。サミットは帝国主義の頭目どもによる強盗会議であり、戦争会議だからだ。最末期帝国主義が世界金融大恐慌の現実化の中で、いよいよ分裂・対立と争闘戦を激化させながら、世界戦争へとのめり込んでいくサミットを、世界の労働者階級の決起で絶対に粉砕しなければならないのだ。しかもこのサミットの内容は、職場・生産点での資本・権力との攻防とも直結している。4大産別を先頭に職場・生産点でサミット粉砕を訴え、6・29代々木公園に総結集し、世界にとどろく戦闘的大デモを爆発させよう。
 最末期帝国主義の頭目どもが今回のサミットのテーマとしているのは、「世界経済(恐慌対策)」「地球環境問題」「食糧問題」「アフリカ開発」「治安対策」「戦争問題」などである。
 だがこれらの中でも最大のテーマは、戦争問題である。帝国主義は世界恐慌の爆発で「協調」が崩壊する時、分裂と対立を激化させつつ世界戦争へと突き進む。これが29年恐慌の痛切な教訓だ。今またそうした歴史的過程が始まっている。帝国主義強盗どもの戦争会議を爆砕せよ――これが労働者階級の最大のサミット決戦スローガンだ。

(写真 米国産牛肉の輸入に反対するロウソク・デモ。「イミョンバクは大統領の座から降りろ」と怒りの声がとどろいた【6月3日 ソウル】)

 世界戦争への過程はすでに始まっている

 まず戦争問題では、すでに帝国主義は米帝を先頭に、アフガニスタン侵略戦争、イラク侵略戦争に深々と突入しており、さらにイランや北朝鮮へと侵略戦争を拡大することを狙い、世界戦争=第3次世界大戦への過程にのめり込んでいる。イラクでは米英日と独仏が分裂し、米英日枢軸による侵略戦争が、泥沼的危機を深めつつ、すでに5年も継続されている。アフガニスタンでは独仏を含めた全帝国主義が、対立しつつ競い合って絶望的な戦争を続けている。
 だがイラクでは武装闘争勢力の不屈の戦いと、石油産業を始め労働者のスト決起が闘われ、侵略戦争は泥沼的危機を深めている。米帝ブッシュは敗北・敗勢の原因をイランの存在に求め、今やイランへの爆撃と侵略戦争の拡大を必死に狙っている。サミットでは「テロ根絶」や「核不拡散」などの口実のもと、イラク・アフガニスタンからイラン・北朝鮮への戦争拡大がテーマとなる。まさにサミットは血ぬられた戦争会議なのだ。

 民営化と失業と貧困、食糧暴騰への怒り

 新自由主義は戦争と表裏一体の攻撃である。サブプライムローン危機の爆発と、それを引き金とした世界金融大恐慌こそは、民営化攻撃を環とする新自由主義・グローバリズムの世界的展開とその破産が生み出した最大の帰結である。
 新自由主義のもとで世界に民営化・労組破壊の攻撃が激化し、非正規雇用化と社会保障制度解体が進み、失業と貧困が拡大し、労働者は無権利状態を強制されてきた。今また昨年来、リストラとインフレ、食糧危機の嵐が吹き荒れている。
 新自由主義とは、資本が労働者を食わせられないだけでなく、労働者の血や肉を食らい、骨までしゃぶって、金融資本と大独占が生き延びる攻撃だ。これに対して今や「生きさせろ」の叫びと闘いが爆発している。
 世界全体では今、1日1j以下で生活する人が実に10億人に達し、アフリカでは3人に1人が飢えている。世界で貧困と飢餓により毎日2万5000人が亡くなり、6秒に1人の割合いで子どもが飢えや病気で死んでいる。労働者階級と人民をこのような災厄にたたき込んでいるのものこそ、新自由主義なのだ。
 しかも、サブプライム危機の爆発と世界金融大恐慌に対する「恐慌対策」の野放図な展開が生み出した投機マネーの流入により、インフレが労働者人民を襲っている。
 昨年来、原油が1バーレル130j台へと2倍も高騰し、石炭は3倍強、鉄鉱石は65%上昇した。とりわけ食糧価格の暴騰は深刻で、この2年間でコメが2倍、小麦2・5倍、トウモロコシは2倍以上となり、貧困と飢餓に苦しむ人びとを痛撃している。そして地球温暖化がもたらしたオーストラリアなどの干ばつと、米帝が先頭で推進するバイオ燃料戦略が今日の食糧高騰に拍車をかけている。
 これに対しアフリカや中南米を始めとして、食糧暴動やストが激発している。これに帝国主義は戦慄(せんりつ)している。帝国主義が労働者人民に、世界戦争の攻撃と同時に階級戦争・治安弾圧を激化させる会議、それがサミットだ。

 地球環境の破壊者どもを打倒しよう!

 「アフリカ開発」なるものは、中国、インド、ロシアを含め、帝国主義国と大国が、アフリカの豊富な石油、天然ガス、レアメタル(希少金属)などの資源と商品市場を求めて、アフリカ再分割戦を展開することにほかならない。日帝・福田も商社や大企業と一体となり、ODA(政府開発援助)復活・強化の「積極外交」や「民間投資」の促進を掲げ、この分割戦に全力をあげている。洞爺湖サミットは19世紀末のアフリカ分割・植民地化の再来さえ想起させる強盗会議なのだ。
 最後に、地球温暖化問題は、最末期帝国主義と新自由主義の歴史的犯罪である。温暖化は今や、地球史的気候サイクルの問題ではなく、資本主義・帝国主義が人為的につくり出した地球環境破壊の問題である。これはもはや疑うべくもない事実だ。自然の吸収能力である31億炭素トンを2倍以上も超える72億炭素トンのCO2を吐き出しているのは、最末期帝国主義の経済活動だ。資本主義・帝国主義を打倒することなしに、温暖化問題の解決などあり得ない。そして戦争こそが最大の環境破壊でもあるのだ。
 サミットで米・欧・日の帝国主義と、CO2大量排出国である中国、ロシア、インドなどの主張と利害は、完全に対立している。しかも「CO2削減」を言いつつ帝国主義がやろうとしていることは、「クリーンエネルギー」と称する原発推進であり、バイオ燃料政策であり、CO2削減を口実とした労働者へのリストラと賃下げだ。さらには「排出権取引」のビジネス化で、温暖化対策を逆にもうけの手段とすることなのだ。
 帝国主義強盗の戦争会議=サミットを爆砕せよ! 職場・生産点から法政大のように闘い、6・29に総決起しよう。サミット粉砕・福田政権打倒、プロレタリア世界革命の血路を開こう。

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週刊『前進』(2346号2面2)(2008/06/09 )

 全世界のデモとストに続け

 韓国 大統領府に迫るデモ

 10日に100万人集会を計画

 資本の立場に露骨に立って新自由主義政策を矢継ぎ早に打ち出してきたイミョンバク政権に対し、ついに南朝鮮・韓国労働者階級人民の怒りが巨万のデモとなって炸裂(さくれつ)した。闘いの直接の契機は、4月18日に米国産牛肉の輸入制限を全面的に緩和することで米韓政府が合意したことだが、その背景には、教育・医療・エネルギーなど公共部門の全面的な私有化と競争原理の徹底化を掲げるイミョンバクの「親(しん)企業政策」に対する怒りがあり、闘いは政権打倒へと発展している。
 米国産牛肉の輸入に反対して5月冒頭から本格化したロウソク集会は31日、最大規模に達した。ソウル市庁前を中心に街頭を埋めた民衆は約10万人。集会・デモは夜7時から始まり、6月1日朝8時に警察の検挙が始まるまで12時間にわたって闘われ、デモ隊の一部は警察の阻止線を突いて青瓦台(大統領府)に迫った。デモ隊が青瓦台に肉薄するのは1960年の4・19学生革命の時以来だ。警察は放水・こん棒でデモ隊に襲いかかり、300人を検挙し、負傷者も70名以上に達した。一方、釜山、光州、大田、蔚山、慶州、昌原、馬山、全州、済州など地方都市でも1千名前後の集会が行われた。
 この間の闘いを主導しているBSE国民対策会議は、政府の強硬姿勢を「国民に対する全面的な宣戦布告」とみなし、チョンドゥファン軍事独裁政権を倒した87年民衆抗争の記念日である6月10日に100万人結集を実現すべく連続闘争方針を打ち出した。

 中高生が先陣を切って決起

 今回の闘いの先陣を切ったのは中高生の決起だった。イミョンバク政権の推し進める「教育自律化」という名の競争・分断政策に対する怒りが、「危険な牛肉を食べさせるな」という怒りと結びついたのだ。闘いはインターネットを通じて呼びかけられ、5月24日のロウソク集会を分岐点に「このままでは生きていけない!」という全民衆規模の政権退陣闘争へと発展している。24日の集会の前段には、農民、露天商・撤去民、公共運輸・公務員・教育労働者、民主労総がそれぞれ独自集会を行い、「民衆生存権獲得」「韓米FTA阻止」「公営企業民営化反対」「公務員年金改悪阻止」「教育市場化阻止」などを掲げてロウソク集会に合流した。
 また大学生も先頭で決起しており、31日の闘争で戦闘警察の軍靴に踏みにじられ負傷した女性がソウル大生だったことから、ソウル大学総学生会は学生投票を行い、6月5日の同盟休業方針を可決した。こうした大学ストの動きは地方大学も含めて広がっている。
 重要なことは、労働者、とりわけ民主労総傘下の労働組合が職場を武器に闘いに立ちあがっていることだ。
 鉄道・貨物・タクシー・バス・港湾・航空などの労働者でつくる運輸労組は、米国産牛肉が保管されている全国14カ所の冷凍倉庫で運送阻止闘争に入る方針を打ち出した。全国公務員労組は、米国産牛肉関連の広報を始め水の私有化、公共部門の外注委託、国立大学の法人化などにかかわる業務を拒否することを表明した。国立・私立病院、保育施設、「障害者」福祉施設などの労働者でつくる全国公共サービス労組や、保健医療労組、全国教職員労働組合は、施設の給食に米国産牛肉が使われないよう監視する方針を打ち出した。
 現下の韓国人民の闘いは、政策の一部撤回や修正などで収まるものではなく、体制的危機にあえぐ政権側にもそうした余裕はまったくない。さらに今回の米国産牛肉輸入問題が、韓国国会で批准が難航している韓米FTAの先取り攻撃だという点や、4月の米韓首脳会談で米韓同盟の強化に向けた合意がなされている点などから、韓国の労働者階級人民の怒りの矛先はアメリカ帝国主義にも向けられている。
 この闘いに連帯し、職場の闘いを組織し、6・29代々木公園に大結集しよう。

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週刊『前進』(2346号2面3)(2008/06/09 )

 米ILWU 29の港をストで封鎖

 闘争中止策す本部と対決

 イラク労働者と団結築く

【左】 港湾封鎖を貫徹しデモするILWUローカル10などの部隊(5月1日 サンフランシスコ)
【右】 武装し港湾をパトロールするイラク政府軍。この重圧下でイラク港湾労組はストに決起

 5月1日、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)は、アメリカ西海岸の29港を全部止めた。イラクの港湾労組は連帯メッセージを送り、1時間ストに決起した。
 世界史上初めて、戦争当事国の労働者が国境を越えて団結し、同時に戦略的職場を止めた。これは全世界の労働者に身震いする感動を与えた。
 今までわれわれは、「国際競争に生き残るため」とさんざん資本家から言われてサービス残業、過労死、自殺を強いられてきた。
 だが、「国際競争」なんか吹っ飛ばせる。戦争だって止められる。国を越えて団結すればいい。労働者は資本家に絶対勝てる。国を越えた団結も難しいことじゃない。団結を求めればいい。自分の職場でとことん闘えばいい。労働者の闘いは国を越えて必ず通じる。それを証明したのがILWUの港湾封鎖だ。
 国内の分断ものりこえられる。アフリカンアメリカンが7割以上を占めるILWUローカル10の集会にラティノ系移民が大挙参加し、ともに闘っている。
 港湾封鎖は、あらかじめ成功が約束されていたわけではない。ILWU本部は、最初から港湾封鎖を避けたがっていた。

 労働者の団結は法律・協約に優先

 2月の港湾部会(ILWUの港湾部門の最高議決機関)の会議では、ILWUローカル10が提出した「平和でなければ、働かないメーデー」決議案をめぐって大激論になった。7月1日に期限切れとなる現行労働協約の更改をめぐってPMA(太平洋海事協会=経営者団体)と交渉を進めている最中に反戦で港湾を止めるのは、交渉に悪影響を与えるというのが主な反対論だった。また、イラク戦争に反対すべきでないと考えている者さえいた。本部は大勢を見て、反対論にくみすることは避けた。
 だが本部は、メーデー港湾封鎖の組織化のためには何もしなかった。実際には、口実をつけて港湾封鎖の中止を狙っていることは明らかだった。
 港湾部会の決定は、外部に漏らしてはならない決まりだ。だが、組合員の職場討議をこれ以上遅らせては闘いがつぶされる。ランク・アンド・ファイル(一般組合員)の闘う労働者は、統制処分を恐れず公然たる闘いに打って出た。
 本部と右派への挑戦として決議を公表したのだ。これで各ローカルの組合員の討論は促進された。そして、ILWU本部が発表する前に世界の労働者がILWUのメーデー決起を知り、続々と支持を表明した。動労千葉が真っ先に支持したのは言うまでもない。
 統制処分をも恐れぬこうした活動家の行動は、もともと真の労働組合運動の精神に沿っている。ILWU1953年大会で採択された「ランク・アンド・ファイル組合主義の10の指導原則」は、「労働者の連帯(団結)は、他のすべてに優先する。いわゆる協約の不可侵性にも優先する。協約の決まりだからピケを越えて働けという労組役員の立場をILWUはとらない」と言っている。
 この原則を貫き、ランク・アンド・ファイルが決定した決議をおろそかにする本部と対決したからこそ、規則をたてに秘密裏にことを進めようとした本部の策動を封じることができたのだ。
 3月末、PMAは訴訟・国家権力導入の恫喝で5・1港湾封鎖中止を迫った。4月8日、本部はPMAに書簡を送り、港湾封鎖中止を通知したが、ローカル10を先頭とする勢力は直ちに巻き返し、本部に2月決議を尊重すると発表させた。
 4月17日にローカル10のヘイマン執行委員が発表した本部、右派ローカル指導部への批判文は、全ローカルで読まれ、ランク・アンド・ファイルを鼓舞激励した。
 これで、右派が執行部を握るローカルを含めて全港湾組合員が十分に討論することができた。体制内労働運動との徹底的な対決こそ、港湾封鎖勝利のカギだった。
 「体制内労働運動との対立が激化するとその組織下の労働者とともに闘えない」という塩川派や平田派の主張は現実を百八十度ねじ曲げている。
 イラクの港湾労組がILWUに連帯し、ストに踏み切ったのも、彼らが体制内労働運動と対決してきたからだ。彼らは、旧バース党系の労働組合や統治評議会に参加して労働者階級を裏切っているイラク共産党の労組支配、闘争圧殺攻撃と激烈に対決しながら組合を建設してきたのだ。

 動労千葉の連帯が共に道開いた

 屈服した本部に代わり西海岸の全港湾の指導部になったのが、「港湾労働者メーデー組織化委員会」だ。その共同議長、ローカル10のヘイマン、トーマス両執行委員は、03年から日本の3労組が呼びかける11月集会をともに担い、3労組、民主労総と交流し、討論してきた。昨年10月、ローカル10、34の主催、動労千葉などの出席でサンフランシスコで反戦労働組合会議が開かれた。「生産点で資本と闘うことが一切の軸。反戦闘争の軸も生産点」と確認した。メーデー決起で、それが見事に実行されたのだ。
 同時港湾封鎖に決起した米・イラク労働者と団結し、サミット粉砕のため6・29に決起しよう。

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週刊『前進』(2346号3面1)(2008/06/09 )

 法大ストを打ち抜こう 国際的団結でサミット決戦爆発へ

 “監獄大学”の暴力支配ぶち破る

 「38人の逮捕は無抵抗の学生の逮捕ではない。すべての労働者の怒りを代表し、闘って、闘い抜いて逮捕された。法大生の最も怒りを持つ部分と魂の結合ができる最高の闘いだ」
 前日に逮捕され、獄中で一報を聞いた全学連の織田陽介委員長は檄(げき)を飛ばした。
 5月29日昼休みの法政大学市ケ谷キャンパス。正門は封鎖され、キャンパス中央の広場は立入禁止。正門の外には公安刑事百数十人が鈴なりとなっている。アリのはい出るすきもない弾圧体制とはこのことか!
 だが、「サミット粉砕」「処分撤回」を掲げた法大生と全国の学生が超戒厳体制をぶち破って学内に次々と登場し、集結。学内デモだ。この瞬間、キャンパスは完全に学生のものになった。恐れをなした警察権力は百数十人の公安刑事を突入させた。
 学生は固くスクラムを組み、一歩も引かない。公安刑事どもの襲撃をことごとく撃退、逮捕された仲間を何度も全員で果敢に奪還し、最後の1人が逮捕されるまで闘い抜いたのだ。
(写真 凶暴な弾圧に手を染めた法大当局と警察権力を弾劾【5月29日】)

 団結でかちとった勝利だ

 目撃者は語る。85年10・20三里塚戦闘を経験した同志だ。「襲いかかった私服刑事どもを押し返した時は本当に感動的だった。10・20戦闘よりすごかった」
 「本当の団結を感じた。逮捕がこんなに楽しいとは思ってなかった。サミット決戦の大爆発は不可避だ」――逮捕された学生の言葉だ。そう、これが団結なのだ。
 ビラ・立て看板・マイク演説・クラス討論・集会・デモ……法大ではすべて禁止されている。灰色ジャージ姿でそろえた暴力専門職員が「殺してやる」と襲いかかる。大学周辺には常時、公安警察がうごめく。29人が逮捕された06年3・14弾圧以来、延べ83人の逮捕者を数える。
 だが学生の不退転の覚悟は、監獄大学を革命の砦(とりで)へと転化させる闘いとして貫かれたのだ。5・29闘争は、弾圧体制を見事なまでに打ち破ったのだ。数十年の学生運動の水準を革命的に塗り替える決起だ。
 学生がキャンパスに登場するだけで逮捕! 大学において、ここまで支配階級の露骨な暴力支配が露呈するのは革命直前かクーデター、他国軍隊による占領の時ぐらいである。しかも5・29闘争は、このような支配階級の公然たる暴力弾圧を引き出し、なおかつ、それと真正面から衝突し、闘争を貫徹したのである。
 「世界と並ぶ闘いが法政から始まった」。逮捕された学生が叫んだ。
 まったくそのとおり! これこそがサミット決戦だ。階級的激動期を労働者階級が自らつくる闘いだ。若き革命家たちの身をなげうつ決起によって日本階級闘争の内乱的発展の展望がついに切り開かれたのだ。革命の現実性を現実の革命に転化する決起だ。
 獄壁を越えて闘う法大生、全学連の学生は勝利感に満ちている。「38人の逮捕こそ支配階級の恐怖の現れだ。闘いに誇りを感じる」「これだけの弾圧でしか大学の支配もサミットもできない。われわれは勝利している」
 法大闘争は、帝国主義の暴力支配を突き破り、日帝と直接対決する闘争になっている。支配階級に決定的な敗北感を強制している。
 大学や警察の幻想も権威もすべて化けの皮がはがれた。いや、日帝支配階級そのものの権威が失墜し、その物質力が雪崩を起こして崩壊を始めているのだ。法大闘争の展開は、そのことを象徴的かつ衝撃的に全社会に示した。そして、法大闘争自身が帝国主義の階級支配の基盤を揺るがしているのだ。
 確かに、どんなに矛盾があっても支配階級が強固で資本主義社会が安定している時は、圧倒的大多数の労働者や学生は闘いの外側に立つだろう。逆に闘う者に対しては権力の弾圧が見せしめとして襲いかかる。
 しかしながら、今日の帝国主義はその物質的存在基盤が土台から崩れ始め、その幻想は日々破られつつある。法大の学生の就職率は約4割。青年労働者の2人に1人は一生フリーターだ。こんな資本主義と運命をともにするわけにはいかない。ところが大学当局は露骨に隣の学生を蹴落とし、奴隷として生きていけと公言する。そして人間的主体性も自由も一切奪い尽くすのだ。
(写真 無期限ハンストを闘う法大生)

 新たな革命家が続々登場

 学生の怒りはもう氾濫(はんらん)寸前なのだ。競争を拒否して、団結に生きよう! 権力は万能ではない。学生の団結で打ち破ることできるのだ――これが今回の闘争のすごさだ。帝国主義の階級支配の最後の手段である暴力と弾圧、これが学生の団結の前に敗北したのだ。
 「学生は……かけがえのない団結をかちとる存在だ。資本主義社会はそれを認めない。とことんまで競争させて分断し尽くし、奴隷へと人間をつくり変えようとする。授業も単位も就活も、幻想をあおってあたかも学生自身の選択かのようにみせているが、本質は分断だ。支配と化した授業を団結の力で粉砕し、奪還しよう」(5・29包囲デモを呼びかけるビラ)
 法大闘争は現代の戦艦ポチョムキンである。
 ――蛆(うじ)のわいた腐肉スープ。食べることを拒否した十数人の水兵。処刑を命ずる強圧的な上官。1人の水兵が叫ぶ。「兄弟たち、誰を撃つつもりか」。反乱が始まる……。
 一切の犠牲を恐れず、権力の暴力支配を打ち破る闘いこそが、大量の学生や青年労働者の一挙的な革命的変化を生み出すのだ。だからあらゆる職場で法政大学のように徹底的に闘おう。学生・労働者は革命的存在であり、革命の主体として自ら変革し、飛躍する存在なのだ。
 06年3・14以後の学生の闘いはまさにそうした闘いだった。今回の闘争で逮捕された学生の半数が初逮捕だ。3・14以後の決起が非常に多い。これこそが革命にかける学生や青年労働者を一挙に創出する闘いなのだ。
 法大を先頭に全国の大学キャンパスで新たな闘いが始まっている。法大では5・29当日も、33人が逮捕された直後から文化連盟の主催で抗議集会が行われ、法大包囲デモも貫徹された。無期限ハンストも闘われている。1年生、2年生の活動家が「自分が織田委員長になり代わる」と決意して闘いを再構築している。5・28〜29闘争は、法大と全国のキャンパスに革命の新たな指導部を瞬く間に生み出している。
 これこそが法大闘争の展望だ。獄中の学生もキャンパスに残った学生も獄壁を越えて団結をより強固にし、自らを革命家として鍛え上げるのだ。
 28日に逮捕され、6月3日の裁判に獄中から出廷した新井拓君は「世界中、日本中に革命の火薬が詰まっている。われわれが火花だ」と語り、サミットに対し「ストライキ」の5文字を首都・東京のど真ん中に打ち立てる、と宣言した。
 労働者同志の1人は語る。「感動した! 泣いた! そして心底奮い立った。彼らを限りなく誇りに思う。団結したい。6・29サミット決戦で彼らの勝利の本当の意味を日帝国家権力に嫌というほど教えてやる」
 学生の決起に続こう。5・28〜29決起を真に21世紀の「10・8羽田闘争」とするかどうかは6・29代々木の闘いにかかっている。

 “闘いはこれからだ” 京大で緊急集会

 京都大学で5・29の翌日、緊急集会を行った(写真)。残った仲間が夜を徹してビラを書き、プラカードを作り、組織化に走った。闘いはこれからだ!
 「学生の団結が国家権力を追いつめた。これは完全な勝利だ。暗黒の時代じゃない。団結で革命やるんだ」
 1時間の昼休みで数百枚のビラが配られた。雨後の竹の子のように学生の決起が生まれている。弾圧が学生の力を引き出しているのだ。「自分が織田委員長だ」と決起している。
 (京大A)

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週刊『前進』(2346号3面3)(2008/06/09 )

 法政大学弾圧を粉砕する大カンパを熱烈に訴えます

 革命的共産主義者同盟

 5・28〜29法大決戦をもって、サミット決戦は激烈にその火ぶたを切りました。サミット前夜において、ついに「10・8羽田」が若き革命家たちの全身なげうった決起で戦取されたのです。
 すべての皆さん。法大決戦のように資本・権力・当局との非和解的闘いに突入し、職場をプロレタリア革命の砦にしよう。すべての労働者は法大のように闘おう。その力が帝国主義サミットを粉砕し、世界革命を切り開くのです。革命の現実性をついにこの手にしているのです。
法大決戦38人の偉大な決起に続け!
 5・28〜29に法政大で何が起こったのか。法大はこの間、ビラ、立て看板、マイク演説、クラス討論、集会・デモのすべてを禁圧し、特殊訓練を受けた正体不明の暴力集団を徘徊(はいかい)させ、国家権力を大量に学内に導入して学生運動を圧殺しようとしてきました。これに対して学生は、処分・逮捕・暴行を一切恐れず命懸けで闘い、ついに「監獄大学」を「革命の砦」へと解き放ったのです。逮捕された学生は「団結の勝利!」「団結って本当に素晴らしい!」「逮捕ってこんなに楽しいの!」と突き抜けた明るさで全員が完全黙秘・非転向で闘っています。06年3・14弾圧以来のべ83人におよぶ「大弾圧」にもかかわらず、追いつめられているのは法大当局・警察権力の側です。
 5月28日の織田全学連委員長をはじめ5人の逮捕を受けながら、5月29日、全国から結集した若き革命家たちは、例外なく指導部を先頭にキャンパス中央で集会・デモを行い、百人を越える警視庁公安の突入に対して、ことごとくを撃退し、粉砕し、最後の一人が逮捕されるまで闘い抜いたのです。血を流し、全身あざだらけになりながら、一人が権力に引き抜かれようとすれば全員で奪還して闘い抜きました。だから逮捕された全員が「圧倒的勝利」の実感にあふれています。
 革命的共産主義運動の歴史を塗り替える「質」=階級的団結を一切の土台にして、革命の主力部隊が続々と輩出されています。38人の偉大な決起に続こう。職場の仲間に学生はいかに闘い抜いたのか、心からの感動をもって伝えよう。
階級的怒りをたぎらせ弾圧粉砕大カンパを 
 5・28〜29決起によって、サミット決戦は革命と反革命が激突するかつてない階級決戦に一気に押し上がりました。「法大のように闘おう」を労働者階級のスローガンに全国の職場・学園でストライキを巻き起こし、街頭を怒りのるつぼにたたき込み、サミット粉砕に攻め上りましょう。
 そして、この学生への許し難い弾圧を粉砕するために総決起しよう。全世界でストライキ・デモや食糧暴動に決起している労働者と一体の闘いです。学生の法大決起は革命そのものです。だから国家権力は、革命情勢の急接近する時代において、ついに治安維持法型弾圧を振り下ろしてきたのです。しかし、それは「暗黒」一辺倒などでは断じてない。弾圧は帝国主義が命脈尽きようとしている中でのあがきであり、世界史が最大の革命期を迎えた証であるからです。権力の度肝を抜く弾圧粉砕の大決起で、プロレタリア革命を一気にたぐり寄せよう。
 とりわけ弾圧粉砕カンパの集中が必要です。弁護士の皆さんは深夜まで走り回り権力の妨害を突き破って接見をかちとっています。差し入れ一つひとつが、命懸けの攻防です。今回逮捕された約半数が初逮捕です。さらにまったく不当な勾留決定を行っている裁判所を包囲・粉砕するビラを霞ケ関一帯にたたき込んでいかねばなりません。ばく大な資金が必要なのです。すべての皆さん! ただちに弾圧粉砕カンパを集中してください。
階級的労働運動を白熱的に実践しよう
 38人の団結はどこから生み出されたのか。核心は、階級的労働運動路線の「革命性」「戦闘性」にこそあります。5・28〜29決起は、塩川一派のような左翼性を装いながら体制内にずっぽりの虚偽性を満天下に暴き出し、真の左翼性、戦闘性こそ階級的労働運動の本質であることを鮮明に示しました。
 06年3・14弾圧以来、学生戦線は動労千葉労働運動に真剣に学び、自らを「動労千葉から派遣された支部」と、ひた向きに階級的労働運動路線を貫いてきました。階級的団結論を一切の基軸にした闘いは、たとえ全員逮捕されても法大生は必ず決起し勝利するという揺るぎない確信となったのです。見てください。大弾圧をものともせず、文化連盟の学生は連日決起し、無期限ハンストを宣言して法大当局を決定的に追いつめているではありませんか。
 すべての皆さん! 階級的労働運動路線を真一文字に貫くなら、帝国主義・資本主義を打倒する階級的革命的力がかならず生み出されます。サミット粉砕の唯一の力こそ階級的労働運動の職場生産点での実践であり、獄壁をぶち破って学生と連帯し、法大弾圧を粉砕することです。38人と団結しよう。大カンパを嵐のように集中してください。

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週刊『前進』(2346号4面1)(2008/06/09 )

 JP労組中央本部の裏切りが支える民営郵政を打倒しよう

 JP労組全国大会へ向け訴える

 革共同全逓委員会

 JP労組(日本郵政グループ労働組合)の第1回定期全国大会が、6月18〜20日札幌で開催される。末期帝国主義の新自由主義政策による戦争と貧困、失業と環境破壊、民営化と労組破壊に対して、世界の労働者が立ち上がる中での大会だ。「労資運命共同体」をうたう連合JP労組本部を打倒し、闘う全逓労働者は団結しよう。洞爺湖サミット粉砕・福田政権打倒へ!
(写真 中郵廃局を許さない! 超勤拒否で闘うぞ! 4月21日、東京駅前で不退転の決意でデモ)

 「戦争か革命か」の時代勝ち抜く4大産別決戦

 サブプライムローン危機の拡大と世界金融恐慌情勢は、世界の階級闘争を爆発させている。食糧暴動、労働者のストが激発している。帝国主義・資本主義の終えんと世界革命情勢の到来だ。帝国主義は生き残りをかけて、労働者への搾取・収奪・リストラと戦争で延命しようとしている。この中でG8サミットがあり、危機に立つ福田政権を支え民営郵政と一体化するJP労組中央の大会方針がある。
 インフレの世界的拡大、資源と市場をめぐる争奪戦の激化は、戦争の危機を極限まで高める。保護主義が台頭し、日帝は戦争以外に延命できないが、それは支配階級にとって「革命の恐怖」を意味する。それゆえ彼らは、労働者階級の闘いを体制内に抑えつけ、戦争協力の産業報国会、大政翼賛勢力へ変質させることに全力をあげているのだ。
 この核心的攻防に打ち勝つのが階級的労働運動路線であり、第2次国鉄決戦を基軸にした全逓、教労、自治労の4大産別決戦なのである。
 アメリカの港湾労働者とイラク石油労働者が呼応して軍事物資を止めるストをうち抜いた。韓国や中国、フランスでもストが激発。郵政が民営化したドイツの郵便労働者は「13万人の雇用保障打ち切り」に反対するストに決起している。全世界で新自由主義との闘いが爆発している。労働者はひとつの階級であり、どこかで闘いが始まれば世界を揺さぶる力がある。
 洞爺湖に帝国主義の強盗どもが集まる。彼らは非和解的な権益争いのなかで一点、労働者階級に一切の矛盾を転嫁することで一致している。その行き着く先が戦争だ。階級的労働運動こそが、サミットを粉砕する力であり、路線である。
 核心は職場生産点の攻防にある。職場での闘いが全世界の労働者と結びつく情勢だ。一人の決起が決定的だ。闘いを実際に開始しよう。職場に分岐を生み出し、あらゆる体制内的なものと激突し、本物の階級的団結をつくり出そう。動労千葉派こそが階級闘争の最前線に躍り出よう。
 帝国主義の戦争を阻止し、労働者の社会をつくる革命を目指そう。6・29代々木公園に全国の職場から総決起しよう。
 東京中郵の闘う全逓労働者は4〜5月、廃局攻撃に対して超勤拒否の闘いに決起した。「闘うおれたちが全逓だ! 職場組合員の団結をつくり中郵廃局をぶっとばそう」のスローガンで4・21集会とデモを打ち抜き、5月7日の銀座局への移転・業務移管の当日には多くの仲間たちと門前に勝利者として登場した。

 中郵廃局=大合理化と首切りへの反撃の開始

 決定的なことは、攻撃を単なる「銀座移転」ではなく「中郵廃局」による首切りと団結破壊攻撃としてとらえきったことだ。ここに階級的労働運動路線の核心と勝利の道筋をつかんだ。この対極に体制内派の協会派・中郵支部執行部と日共・郵産労があった。
 中郵廃局攻撃としてとらえきることで、これが大都市部での郵便局統廃合と2万4千人首切りの決定的な突破口であることを突き出した。そして攻撃の最大のねらいは闘う労働者の団結解体にあること、したがって「闘って生き残れば勝利」として闘いぬくことができた。民営化絶対反対の方針を確信をもって貫いたのである。
 一方の体制内派は、今回の攻撃を単純な「銀座移転」としか見ようとしなかった。「配転一時金4万円の実現」(支部執行部)、「200項目の要求を出す」(郵産労)という方針ならざる方針しか出せず、廃局攻撃に完全に屈服・加担した。
 われわれは職場の労働者と現実に向き合い、敵との格闘の中で勝利の道筋をつかんだ。年末繁忙期に超勤拒否の闘いを職場でまき起こした。組合が闘う方針を出さず、本部が移転を認めてしまう中で、バラバラにされていく現場労働者の不安や怒りと結合しつつ、敵の攻撃が「移転」ではなく「廃局」であることを暴き、昨年10月以来の郵政民営化絶対反対路線を貫いたのである。
 仙台S局では、非常勤の仲間に対する突然の「雇い止め」通告に、怒りの職場実力闘争が闘いぬかれている。(本紙2343号参照)
 職場には資本に対する怒り、体制内労働組合指導部への怒りが渦巻いている。郵政民営化絶対反対を貫き、新たな団結をつくり出す闘いとして超勤拒否を闘い、物ダメ・ストライキに向かって進撃しよう。

 生産性叫ぶ本部打倒へ職場にたたかう団結を

 全逓と全郵政の統合によるJP労組結成から8カ月。初の全国大会を迎える。階級的労働運動路線を貫き、JP労組中央本部を打倒し、民営郵政を破綻(はたん)に追い込む闘いに決起しよう。
 今回の大会議案で連合JP労組中央は、労資運命共同体の思想で資本にひれ伏し、西川民営郵政と一体で、すべての矛盾と犠牲を現場労働者に転嫁し、日帝を支えると表明している。
 JP労組の理念「友愛・創造・貢献」とは何か? 労働者は団結するな、会社・資本に尽くせということだ。「左右の全体主義を排除する」として、階級的な思想を根絶し、国家と資本に尽くすと宣言している。
 また「JP労組の3つの視点」と称して「改革者の視点」「事業人の視点」「労働組合の視点」をあげた。小泉政権以来の民営化と規制緩和を全面賛美するものだ。民主党とともに改憲を推進する立場の表明でもある。
 「事業人の視点」とは「生産性運動の導入が必要であり、労働組合の立場からも積極的な政策提言に取り組む」という、利潤追求が一切の資本家への忠誠宣言だ。労働組合が「働こう運動」を推進し、産業報国会への道を掃き清めている。
 そして彼らは「労働組合の視点」として、「労働組合の役割を見直す」と公言した。組合員との「こんにちは運動」と称する「対話」運動で一切の職場闘争を放棄、資本の先兵となって組合員を奴隷として屈服させる。これが組合活動だというのだ。
 そして「事業の成長・発展」とは、なんと2万4千人削減に協力するものだ。出向・転籍の「労使間のルール化」=協約化、作業の機械化、外部委託、日通との事業統合(JPエクスプレス株式会社)を見すえた「ゆうパックセンターの拡大」と宅配便事業の統合、「1ネット・2ネット方式」などの集配体制の合理化と労働強化を公然と容認したのである。
 日本郵政の決算(07年10月〜08年3月)が5月30日に出た。日本郵政グループとして2772億円の黒字(郵便事業会社694億円、郵便局会社46億円、ゆうちょ銀行1521億円、かんぽ生命76億円)と称している。しかし肝心の郵便事業は計画の7割減(!)で、収益はもっぱら金融部門(郵貯)頼みの実態が暴露された。
 この中でJP労組議案は初春闘で1500円の要求、3回の交渉で600円(!)の超低額妥結を評価するありさまだ。事業発展のために賃上げを放棄し、民営郵政の破綻を支えているのだ。
 しかし民営郵政は出発点から全面的に破綻している。民営化の時点で1万5千人の欠員があり、さらに2万4千人を削減する計画だ。社員を新規採用したとうそぶくが、定年退職と早期退職者の数が上回っている。こんなことがまかり通るのは、JP労組が「生産性向上」という資本のスローガンを現場労働者に強いているからだ。
 もうがまんならない。すでに破綻している民営郵政を本当に破綻にたたきこむ闘いに立とう。
  連合JP労組中央は、「会社あっての労働者」という労使運命共同体路線のもとに労働者を支配し、現場にある労働者意識・戦闘的全逓労働運動を解体し、戦争に協力する帝国主義翼賛労働運動への道を歩んでいる。欠員による過酷な労働強化の現実を無視し、月給制や時間制契約社員、長期非常勤制度などの不安定雇用を認め存続させ、アウトソーシングや子会社への出向・転籍などを受け入れてきた。これは現場への極限的な強労働として慢性的な超勤に過労死、労働災害、心身の病気を生み、労働者の生活と生存を破壊している。連合JP労組中央は労働代官としてこれを担っている。民営化・新自由主義攻撃の先兵として、労働者の分断をみずから促進しているのだ。
 民営化とは、分社化・子会社化を含む、果てしない人員削減と不安定雇用化の攻撃だ。これはJRやNTTの現実を見ても明らかである。民営化と闘って勝ちぬいている動労千葉のように闘う以外に労働者の生きる道はないのだ。
 超勤拒否闘争を先頭とする職場闘争をまき起こし、民営郵政を破産に追い込む闘いをつくりだそう。生きるべきは労働者であり、死ぬべきは民営郵政だ。郵政民営化絶対反対、民営郵政打倒を掲げ、職場に新たな団結をつくりだそう。非常勤労働者の即時正社員化、欠員補充、増員、増区を実力でかちとろう。
 資本と帝国主義を支える連合JP労組中央の正体を暴露し、全国大会闘争を闘い抜こう。法政大学での大弾圧を粉砕し、6・29サミット粉砕に首都・東京のど真ん中で万余の労働者・学生の決起を実現しよう。

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週刊『前進』(2346号5面1)(2008/06/09 )

 自己の「体制内」との決別かけて

 今春の不起立闘争−私の総括

 根津さん解雇攻撃に怒り均衡ぶち破る闘いを決断

 東京・教育労働者 米山 良江

 東京の教育労働者・米山良江さんの今春「日の丸・君が代」不起立闘争の総括を紹介します。米山さんは、根津公子さんへの解雇を阻止するために、体を張って闘いました。(編集局)

 動労千葉の団結に学んで

 03年に「10・23通達」が出されて5年目を迎え、東京の「日の丸・君が代」強制反対の闘いは新たな段階に入っていました。画期的といわれる「9・21判決」は、闘いの内部に裁判闘争への幻想を生み出し、不起立闘争の後退を結果しました。さらに、「内心の自由、思想・良心の自由を守れ」で闘うのか、「戦争協力拒否」を押し出して闘うのかの路線的分岐も、ますますはっきりしてきていました。
 私は「10・23通達」以来、計8回の卒・入学式でずっと不起立を続けてきました。06年度の卒業式で、事前に職員会議で不起立宣言していた私は、式の直前校長に呼び出され、「君が代が終わった後に式場に入るよう」説得されました。私はその提案をきっぱり拒否しました。しかし職務命令は出されず、その結果、不起立しても黙認に終わっていました。その年、根津公子さんは、累積加重処分で停職6カ月の重処分を受けました。
 同じ思いで同じ行動をしていて、一方はずっと黙認、他方は免職に追い込まれようとしている−−この差別的対応こそ、分断攻撃そのものです。
 確かに職場闘争の結果ということはあるかもしれない。しかし理不尽な分断に甘んじ、この力の均衡を許していたら、敵の見せしめ処分に手を貸すことになるのです。主観的には闘っているつもりの自分が、当局の分断攻撃を許す当事者に転落してしまうわけです。ここでの悶々(もんもん)とした状態を突破する指針を、動労千葉労働運動から教わりました。
(写真 解雇阻止へ、米山さん【左】が根津さん(その右)とともに連日、都教委を追及【3月19日 都庁】)

 日常的な職場闘争が原点だ

 若い同僚から「前の職場でも座っている先生がいたが、座る理由を話さないのでどうして座るのか分からなかった」と言われて、若い世代は職員会議で論議することを知らないまま、きているんだとあらためて気付かされました。
 学校職場では、やはり職員会議が重要な闘いの場です。ここでの闘いこそが力関係を決めるのです。だから今、これを破壊する攻撃が強まっているわけです。そこで異議を唱えることは、一見大変そうでも、もの申す人が一人から二人、そして三人にしていくことが職場闘争の始まりです。
 歴史認識の共有、教育改革攻撃への疑問、管理強化に対する反発や怒りは、ここでの真剣な問題提起が決定的です。怒りを組織し、団結を作り出す場として、日常的に闘うことだと思います。時間が足りない分は、資料を作ってどんどん配ることです。書類の山の中に埋もれて読んでいないようでも、しっかり読んでくれています。

 突出した決起で「均衡破壊」

 「職務命令を引き出すようなことをしたら、浮いてしまうか?」。そんなことはありません。たとえ処分されても、おかしいことはおかしいと行動に踏み出すことで、仲間の決起を引き出し、職場の団結が固まるのです。多忙化、管理強化の中で、音の出るような闘いをやらなかったら、職場は動きません。支配を打ち破ることになりません。
 これまでの人間関係を壊すことに躊躇(ちゅうちょ)していないだろうか。また組合執行部を担っている場合、それを理由に難しいと思いこんでいないだろうか。しかしこういう考えこそ自分が作っている壁そのものです。本物の闘いに踏み出す時の最大の桎梏(しっこく)です。やらない言い訳になるのだとしたら、役職にいることはなんの意味もありません。今の情勢下では、体制内勢力の一翼を支えることにしかなりません。
 では、どうするのか。階級情勢が求める闘いを、所属する組合運動の枠を超えても断固貫徹することです。その闘いは一人の闘いから始まります。自分がその一人として踏み出すことが決定的です。
 批判的意見を言うだけなら許容されても、行動に踏み出したとたん、関係は一気に変わります。「絶対反対」「処分するならしてみろ」と堂々とぶっ立ったら勝ちです。突出した決起こそ、階級的団結を作り出していく出発点です。本気の闘いの中で周りの一人ひとりが選択を迫られ、決起が生み出されるのです。
 当局の処分、組合の統制処分が出たら、それこそチャンスです。問題が誰の目にもはっきりします。“不当な攻撃になんか従えるか。私たちは誇り高き労働者だ”と立ち上がったら、不当な命令を出した側が追い詰められるのです。日常的に屈従を強制されている労働者は、だからこそ「これだけは譲れない」ものを奪われようとする時、人間としての根底からの怒りがわき上がります。腹の底からの怒りが原点、闘いのエネルギーです。

 「折り合い」をつけそうになる自分と闘う

 「闘いの司令塔が必要だ!」。夏過程で考え抜いた末に、公然と不起立を呼びかけることを決断しました。
 9月に入って不起立の呼びかけを開始しました。都庁前でもアピールしました。10月に入って9・29ワーカーズアクションでの発言の報道が載った新聞が、都教委、区教委へと回され、学校に連絡が入った時は、管理職はもう大慌てでした。2時間近く校長室に缶詰めにされ、泣き言を聞かされました。
 その騒ぎも1週間ぐらいで落ち着き、何事もなかったかのように時間が過ぎていきました。後日、「『表現の自由』があるからアピールについてあれこれ言えない」と、区教委と校長が話していたことが分かりました。問題を起こしたくない、つまり闘いを押さえ込むことに、当局は必死だったのだと思います。
 12月25日、2回目の都庁前アクションの時、再度連名のビラを出しました。昼ごろ校長室に呼ばれ、私が出勤しているかどうか都教委から確認があったと伝えられました。私はそれを振り切って、「これから休暇で都庁へ行きますよ」と言って早々に学校を飛び出しました。多忙化の中で、年休を取ることはそれ自身が闘いです。しかし、それが仲間へのオルグのきっかけです。堂々と闘いの意義を伝えて、「巻き込む」ことだと思います。
 3月に入って職務命令を出すつもりなのか校長に聞いたところ、その時点でも「そのつもりはない」と言われました。
 根津さんをとことん孤立させ、分断し、見せしめ「解雇」処分にする一方で、他の不起立者は見逃す、ここまでデタラメで理不尽なことをしても不起立闘争を根絶したいのです。「たとえ解雇されても不起立を貫く」と宣言して闘う根津さんの闘いがどれほど都教委を追い詰めているか、都教委の焦りと魂胆が手に取るように分かりました。

 「処分するならしてみろ」−これだ!

 もとより処分は不当なことです。絶対に許せません。しかし、処分を出さざるを得ないところに追い込まなければ、「黙認と解雇」という分断攻撃を許すことになります。この均衡をぶち破るためにどうしたらいいのか――。
 考えに考え、そして考え抜いてひらめいたのが都教委への要請書提出です。「毎年不起立をしている私は処分されず、なぜ根津さんが免職なのか。説明してほしい」。敵の弱点を引きずり出した!の思いでした。長年の不起立の事実の公表、記者会見、新聞報道。初めてづくしで、この過程はもう必死でした。
 根津さんを先頭に、処分を決める都教委定例会の前日まで、組合執行部の制動を打ち破って連日の都教委追及行動をやり抜き、本当の団結を作り出していきました。体制内勢力にとっては「常識外れ」の闘いで、ついに力の均衡を打ち破りました。

 「闘う私たちこそ日教組」

 私たちが合言葉にしてきた「ランク・アンド・ファイル」。この闘いこそ決定的です。体制内執行部がやらないなら、自分が執行部になり代わり、自分で方針を考えて仲間を組織して闘いを作ることです。闘う組合員こそが「日教組」です。執行部を弾劾するだけでは、何も変わりません。この執行部と中途半端に妥協し、折り合いをつけることも、体制内的屈服のあり方です。
 たとえば、2月上旬の日教組全国教研で、根津さんのレポートを日教組本部が排除したときのことです。中央委員会決議まで挙げたのにすでに屈服していたわが東京教組執行部は、本部への追及がまったくアリバイ的で腰砕け。組合員の怒りが雲散霧消させられそうになりました。
 しかしここであきらめたら体制内執行部に、してやられたりです。有志とともに本部主催の緊急会議に押しかけ、解雇させない会と一緒に本部弾劾行動に立ちました。その結果、本部の大裏切りを全国の仲間が知るところとなり、怒りが噴出。平和教育分科会では、レポート外しをされた町田教組委員長の発言をかちとったのです。
 根津さんを解雇させないために今年に入って東京教組が取り組んだことは、ブロック毎の月1回の駅頭署名活動と卒業式直前の屋内集会のみでした。機関会議で「都庁前行動をやるべきだ」と突き上げても、「組合と都教委間のルール」を持ち出し、まったくの逃げ腰に終始しました。忙しい中、多くの組合員が駅頭宣伝に参加し、「不起立解雇なんて許せない」と誰もが怒っているにもかかわらずです。当局との関係を壊さない――これが体制内執行部の「闘い」の基準です。組合員の怒りを引き出し、それを団結した力にして当局との力関係を変えるという闘い方は、今やまったく喪失しています。
 結局、東京教組が最後の局面で何も方針を出さない中で、町田教組の呼びかけで有志が集まって都教委交渉と都庁前集会を実現しました。「一人の首切りも許さない」闘いは、現場の必死の闘いで守り抜かれました。
(写真 2月の日教組教研集会で根津さんレポート排除の高橋副委員長【右】につめよる根津さんと米山さん)

 青年との団結が決定的力に

 職場闘争というと、これまで一人ひとり手工業的にやってこなかっただろうか。お互いの職場での闘いに口を挟まず、ばらばらだったのではないか。動労千葉に学ぶと言いながら、組合運動の原点である職場闘争方針を真剣に論議してこなかったのではないか。その結果、「本物の団結」が実は作れてこなかったのではないだろうか。
 根津闘争を闘う中で、東京の教労委員会は変わり始めました。青年同志たちの参加が決定的でした。若い同志たちと一体となって、ビラやパンフ作り、オルグ活動、各種集会など、ともに論議し作り出し実践する中で、同志的信頼と団結を形成してきました。まだまだ始まったばかりですが、ここでの白熱的議論と実践から革命的エネルギーが生み出されることを実感しました。
 体制内労働運動がまったく求心力を失い、職場には怒りがあふれています。今こそ、これまでの構えを一変して新たな大攻勢に踏み出す時です。その闘い方の指針は、動労千葉であり、青年労働者同志たちの闘いです。どん欲に学び、懸命に職場闘争方針を練り上げ、団結して実践に踏み出しましょう。そして青年労働者の心をつかむ闘いをサミット決戦に向け、なんとしても作り出そう。

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