ZENSHIN 2008/05/19(No2343 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2343号1面1)(2008/05/19 )

 6・29労働者大集会へ

 労働運動と職場闘争の力で洞爺湖サミット粉砕しよう

 ストでライフサイクル阻止を

 “労働者は将棋のコマじゃない!” ライフサイクル粉砕へ、動労千葉は闘争突入宣言を発した。5月8日千葉市民会館において総決起集会が開催され、組合員、支援する会の計200人が結集。万全のストライキ体制をうちかため、ライフサイクル攻撃粉砕を誓い合った。発言しているのは長田敏之書記長=記事2面

 世界革命への闘いがうなりを上げて始まった。5月1日のメーデーで、アメリカとイラクの闘う労働者は、戦争阻止・港湾封鎖の歴史的な共同闘争に立ち上がった! 次は日本の労働者が、労働者階級の国際的団結の最先頭で決起する時だ。7月洞爺湖サミット粉砕へ、4大産別を先頭に、今こそ職場生産点を労働者の団結と革命の拠点に変える闘いを白熱的に前進させよう。その力を6月29日、動労千葉が呼びかける東京・代々木公園での集会に総結集し、世界の帝国主義強盗どもを震撼(しんかん)させる戦闘的大集会とデモをかちとろう。闘う学生は全国学生ゼネストに立ち上がろう。

 世界革命派の大登場へ

 7月サミット粉砕の闘いは、プロレタリア世界革命への扉を開く闘いだ。すでに全世界で、最末期の帝国主義に対する労働者階級の怒りのスト、デモ、暴動が激発している。
 世界中の労働者が団結し、ひとつの軍勢となって決起すれば世界を変えられる! 労働運動の力で革命をやろう! 日本の闘う労働者が、動労千葉を軸とする階級的労働運動の実践の中で一個の確信としてつかみとったこのスローガンを、今こそ全世界にとどろかせる時がきた。それがサミット決戦だ。
 サミットとは、正真正銘の帝国主義強盗の会議だ。帝国主義ブルジョアジーはこれまでも、世界を戦争と貧困にたたき込んで自分たちだけが生き延び、逆にそれによって肥え太るやり方を繰り返してきた。新自由主義攻撃はそれを極限まで拡大した。その行き着いた先が今日の、労働者から住む家も食糧も奪い、教育も医療も崩壊し、金融資本のマネーゲームがすべてを支配する腐り切った社会の姿なのだ。
 そして今、世界金融大恐慌の本格化の中で、危機にあえぐ金融資本・大資本が生き残りをかけた激しい国際競争を繰り広げつつ、一切の犠牲を労働者階級と農民に転化し、さらには戦争によって延命しようとあがきにあがいている。空前の食糧危機、インフレの爆発、リストラ・大失業の大波が全世界を襲い始めている。世界の労働者を飢えさせて金もうけする! これが資本主義の本質だ。相次ぐ大災害も、その正体は帝国主義及びそれと結託してきたスターリン主義による人災だ。もうこんな連中の支配を一日たりとも許しておくことはできない。
 今や各国の資本家階級は、労働者階級の怒りの爆発におびえ、その反乱と革命を予防するために必死になっている。サミット準備のために都内で実施された警備訓練は、「サミット粉砕・帝国主義打倒」の横断幕を掲げてデモする労働者の隊列を警察機動隊が襲撃して解散させるというものだ。上等ではないか! 彼らにたたきつけるべきはもはや資本主義社会の部分的・一時的な「改良」の要求などでは断じてない。帝国主義の完全な打倒、プロレタリア世界革命あるのみだ。

 米とイラクの労働者が連帯

 その先端を切る歴史的な闘いが、5月1日のメーデーで闘われた。アメリカで、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)がイラクとアフガニスタンからの即時撤兵を求め、軍事物資の輸送を実力阻止する闘いに立った。これに移民労働者を始め多くの労働者が呼応し、米西海岸の29港湾を完全に封鎖した。そしてこの侵略国・アメリカの労働者の戦争阻止の実力決起に、侵略された側のイラクの労働者がイラクの港湾を封鎖する感動的な連帯ストで応えたのだ。
 交戦国の労働者が階級としてひとつになり、自らの職場生産点で戦争阻止の連帯した実力行動に立つ。ここに、戦争を現実に止め、世界を変える力がある! しかもこの闘いは、ILWUの現場労働者が資本・権力の圧殺策動やILWU本部の動揺・屈服と対決する中でかちとられた。イラクの労働運動も、米占領軍・かいらい政権による弾圧や宗派勢力による分断を打ち破って不屈に闘われている。
 そして重要なことは、この闘いが実は日本の11月労働者集会を軸とする日米韓3カ国の国際連帯を土台として、その前進の上に切り開かれたということだ。このことを誇りをもって確認しよう。
 5・11横浜で開催された外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会は、4・20関西集会に続いて、「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結!」を合言葉に、世界革命に向けた全世界の労働者の闘う団結をつくり出すことを宣言した。ここに一切をかけてサミット粉砕に立とう。
 世界の帝国主義強盗どもをこの日本の地で迎え撃つサミット決戦は、労働者の闘う団結の絶好の跳躍台だ。5・1メーデーでの米・イラク労働者の歴史的決起のバトンを受け継ぎ、帝国主義打倒への労働者階級の一大決起をかちとろう。5・15沖縄闘争(5・18集会)は、青年労働者を先頭にその第一波として闘われた。これに続き、5月下旬から6〜7月へ、とりわけ6・29への猛進撃に打って出よう。

 4大産別の職場で闘う

 闘いの核心は、職場生産点での攻防にある。国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別を先頭に、すべての労働者が自らの職場で、資本・当局の職場支配権を覆す非和解の闘いに突入することだ。
 動労千葉はすでにその先陣を切って、JR体制打倒の第2次国鉄決戦に全面的に突入した。3月春闘ストライキを打ちぬいたのに続いて、ライフサイクル攻撃粉砕へ、5月16日からいつでもストに突入できる体制を確立した。1人の青年労働者への強制配転攻撃に対し、これは全運転士への攻撃でありJRの全労働者への攻撃であるとして、組合を挙げてストに立つことを決定したのだ。1人の仲間を守るために全組合員が一丸となり、生活をも投げ打って決起する――この階級としての団結のみに依拠した闘いこそが動労千葉労働運動の真骨頂だ。
 ライフサイクルとは、JR資本が金もうけのために安全を破壊し労働者を使い捨てにしてきた結果生まれた極度の要員不足を、現場労働者に一切の矛盾を押しつけ、たらい回しにすることで乗り切ろうとする攻撃だ。経験を積んだ運転士を駅に強制配転し、賃金を月に5万、年間60万円も引き下げる。3〜5年の期限付きというが元の職場に戻れる保証はない。嫌なら仲間を蹴落とせと競争をとことんあおり、団結を破壊してくるのだ。これが資本の一貫した手口だ。だがこれに対してJRの全労働者が動労千葉のように絶対反対の団結を形成して決起すれば、敵の攻撃はその根幹から崩壊する。
 国鉄戦線で起きているこの攻防と同じことが、4大産別の全職場でも起きている。自治体労働者への人事評価制度の導入や教育労働者への査定給導入。吹き荒れる民営化攻撃と大量首切り・賃下げ・非正規職化。郵政の職場では連日の超勤で、過労死に追い込まれる労働者が続出している。他の産別も同じだ。民間ではさらに過酷な状況が生まれている。
 だがこんな新自由主義攻撃は、もはやその破産が歴史的・現実的に完全に暴き出されている。現に職場には日に日に怒りが充満している。既成の体制内労働運動が帝国主義に全面屈服し、その手先となって現場労働者の決起を徹底的に圧殺して回っていることが、敵階級の危機を救っているのだ。しかし、労働者は虫けらのように扱われていつまでも黙っている存在では断じてない。堤防決壊は必ず起きる。いや現に起き始めており、今こそ最大のチャンスが来ているのだ。

 “一人の決起が決定的だ。

 本紙春季特別号で強調したように、「一人の決起が決定的」だ。資本・権力とどこまでも非和解に闘いぬく労働者が職場で一人、実際に声を上げて闘いを開始することから一切は始まる。この決起が職場に鮮烈な分岐を生み出し、あらゆる体制内的なものとの激突を生み出す中で、職場に動労千葉のような本物の階級的団結をつくり出す闘いを身を粉にしてやりぬこう。職場闘争委員会をつくって闘おう。この団結の拡大こそが、危機に立つ帝国主義をグラグラに揺さぶり、追いつめていく決定的な力である。
 動労千葉派の労働運動が今こそ時代の最前線に躍り出よう。全国の学生は自らの生き方をかけ、サミット粉砕決戦の最先頭でゼネストに断固決起しよう。5・23狭山、6・8三里塚を闘い、それら一切を6・13裁判員制度粉砕全国集会の闘いと6・29東京・代々木公園への大結集の実現へつなげよう。6・29の爆発から、さらに7月札幌現地闘争へと突き進もう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号1面2)(2008/05/19 )

 サイクロンがビルマを直撃 自然災害ではなく人災だ

 最末期帝国主義と軍政が元凶

 死者・行方不明者は32万人に

 ビルマで大災害が発生した(「ミャンマー」は1988年9月の国軍クーデターで権力をとった軍事独裁政権がつけた対外名称)。5月2日から3日にかけ、大型サイクロン「ナルギス」の襲来による暴風雨と高波・高潮の直撃を受け、南部デルタ地帯を中心に、国連推計で死者10万人、行方不明者22万人という未曽有の被害が出たのだ。家が倒壊・消失するなど被災者総数は200万人以上と言われる。
 ビルマはアジア有数の米作地帯だが、全生産量の6割を占める南部デルタ地帯の水田は、収穫直前に壊滅状態となった。膨大な人びとが深刻な食料不足に陥ることも、同時に懸念されている。
 ビルマの新聞やテレビは、連日、軍事政権幹部が被災地で援助物資を配る様子を報じているが、露骨なまでの軍政擁護プロパガンダで、被災地のほとんどの地域で、被災から一週間経っても「援助は全くこない」状態が続いている。軍事政権は外からの援助物資は受け入れるが、救援要員の派遣は拒否している。
 しかも、このような膨大なビルマ人民が生きるか死ぬかの瀬戸際状況の中で、軍事政権は10日、軍事独裁を永続的に合法化する新憲法制定の「国民投票」を強行した。
 だが何とか生き残った人びとは、家も水も食料も薬も届かない状態で体力も限界に近づいている。07年の9月には僧侶らを中心とした大規模な反政府デモを武力で弾圧した軍事政権への、ビルマの労働者人民の怒りは完全に爆発寸前の状態に達している。
 今回のビルマの事態は断じて単なる自然災害などではない。

 「地球温暖化」と災害の大型化

 まず、近年、サイクロン・ハリケーン・台風が大型化し、豪雨や洪水、干ばつなどの異常気象による被害が世界的に頻発している背景には、最末期帝国主義と巨大資本が、新自由主義政策のグローバルな展開で生産力競争をくり広げ、地球の自然復元力をはるかに超えた破壊的なCO2の排出や森林破壊による地球温暖化を引き起こしている現実があるのだ(本紙前号5面「地球温暖化」問題を参照)。
 05年8月、ニューオーリンズなどアメリカ南部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」や、今回の中国・四川大地震の場合もそうだが、最近の災害の大型化は、最末期帝国主義とグローバリズムの暴走がもたらしている災厄であり、人為的・社会的な被害の拡大そのものなのだ。
 さらに今回のビルマでの大災害は、軍事独裁政権の対応がつくり出した人災だということである。軍事政権は、サイクロン接近の気象情報を隣国のインドやタイから事前に得ていた。にもかかわらず、軍用機などは真っ先に避難させながら、労働者人民には気象情報を事前に伝えず、避難の指示もしなかった。
 しかも軍事政権は、被災後も外国の支援団体などへのビザ(入国許可証)発給を拒み、空路でヤンゴン空港に到着した支援物資を軍が差し押さえ、被災者に届かない事態が続いている。最も被害が深刻とみられる「エヤワディ管区」と呼ばれる南西地域では、人道支援関係者も報道関係者も、通行が厳しく制限されている。被災者がどれだけ窮状に陥っているのか誰も全容がつかめず、衛生状態の悪化で、コレラなど感染症が広がる危険も懸念されている。
 ビルマは74年制定の憲法が88年9月の国軍クーデターで停止されて以降、憲法なしの軍政が続いてきた。しかし新憲法は「民主化プロセス」をうたいながら、「反対」すれば今の無法的圧政の継続と容認、「賛成」なら軍政の永続的合法化という、「地獄の踏み絵」でしかなかった。

 帝国主義打倒し世界革命を!

 ビルマの特異な軍事独裁政権は、帝国主義の新植民地主義体制の一環をなしている。そしてこの軍事政権の基盤は、豊富な天然ガスなどの資源開発権益だ。ここに帝国主義各国やロシア、中国スターリン主義の侵略的な思惑が交錯してきた。
 ビルマにはアメリカの石油会社ユノカル、フランスのトタール、イギリスのプレミア・オイルが投資し、天然ガスのパイプラインによる輸出からばく大な利益を上げている。米欧各国は「民主化」要求の裏で軍事政権を支えているのだ。米共和党の次期大統領候補マケインの選挙運動の中心人物がビルマの軍事政権から資金を得ていたことが暴かれている。
 軍政打倒と民主化を闘うビルマの労働者人民は、「日本政府が軍事政権を支援するのをやめさせてほしい」(日本はビルマへのODA支援が世界で2番目)と訴えている。万国の労働者階級と被抑圧民族プロレタリアート人民が団結し、プロレタリア世界革命を闘いとることこそが、これにこたえる唯一の道だ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号2面1)(2008/05/19 )

 ライフサイクル粉砕へスト配置

 動労千葉が闘争突入宣言

 “滝君の配転、絶対に許さない”

 動労千葉は5月8日、「ライフサイクル粉砕!」を掲げて総決起集会を開催した。会場の千葉市民会館には、組合員と支援あわせて200人が集まった。動労千葉は、ライフサイクル制度そのものの粉砕、異動の対象となっている津田沼支部・滝厚弘君の駅への強制配転を絶対阻止するために、全本線運転士のストライキを配置し、決戦段階の闘いに全面的に入った。「一人の仲間のために、全組合員がストライキで立ち上がる」――これが動労千葉だ。
「若いやつをなめるな! 年寄りも殺すな!」 津田沼支部・滝君がライフサイクル粉砕へ決意を表明(5月8日 千葉市民会館)

 1人のために全員スト決起

 「会社は6月1日にもライフサイクルを始め、平成採の若い仲間を駅に強制配転しようとしている。本集会をライフサイクル粉砕にむけた闘争突入宣言としてかちとろう!」。冒頭、司会の山口世修執行委員が集会の獲得目標を鮮明に示した。会場を埋めた組合員には、いつもにも増して”いよいよ決戦だ!”という熱気がみなぎった。
 あいさつに立った田中康宏委員長は、闘いの現局面と方針について「いよいよ来週が最大の山場になった。動労千葉は全運転士のストライキを配置し、『われわれの仲間を強制配転するな!』と当局に迫る。全組合員の団結で、ライフサイクルの実施を粉砕しよう」と提起した。
 さらに田中委員長は、JR東日本の新たな中期経営計画「グループ経営ビジョン2020−挑む−」に触れ、「核心は駅、検修、車掌も含めた全面的・徹底的な外注化の推進にある。その突破口がライフサイクルだ」と、ライフサイクルが全国鉄労働者にかけられた攻撃であることを明らかにした。そして、「シニア制度をつぶしたように、何年かかろうがライフサイクルの制度そのものを絶対につぶそう」「動労千葉が何よりも誇れることは、一人にかかった攻撃に対して全組合員が立ち上がることだ。職場の平成採の仲間に『動労千葉に結集しよう』『一緒にこの卑劣な攻撃と闘って展望をこじ開けよう』と本気になって訴えてほしい」と締めくくった。

 組織拡大闘争と一体の闘い

 特別報告を行った津田沼支部・相馬正利支部長は、「どの運転職場でも動労千葉がライフサイクルとどう闘うかを見ている。よく『滝君をどうするんですか』と聞かれるが、おれは『動労千葉はストライキで闘う。滝は絶対に駅には出させないよ』と答えている。ストライキへの全組合員の決起を」と呼びかけた。当該である滝君は、いま青年労働者が置かれている現実にも言及しながら「ライフサイクルはJRに限った問題じゃない。若者も年配者も、生きられなくなってきている。『若いやつをなめるな! 年寄りも殺すな!』と言いたい。これが国鉄分割・民営化が生み出した社会だ。ライフサイクル粉砕にむけてご協力をお願いします」と力強く訴えた。滝君は、当局の個別面談でも断固として「自分も動労千葉も、ライフサイクルに反対だ」と宣言し、希望調査(=事実上の異動承諾書)も白紙で突き返して非和解的に闘い抜いている。
 基調報告を行った長田敏之書記長は、とりわけライフサイクルに関する東労組の裏切り妥結について「内容があまりにもひどい。『闘いの成果』なんて言ってるが全部うそっぱちじゃないか!」と激しく弾劾した。そして、「ストライキに入る前の来週過程の闘いがきわめて大事だ。平成採の反乱を巻き起こし、職場で当局を徹底追及しよう。組合員一人ひとりが現場で徹底的に闘うことが重要だ」「組織拡大なくしてこの攻防の根本的決着はつかない。職場で平成採が反乱を起こして、どんどん動労千葉に加入する状況になったらライフサイクルは粉砕できる」と檄を飛ばした。
 動労千葉争議団・中村仁さんの1047名闘争勝利にむけた決意表明、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長の連帯のあいさつに続き、各支部代表が、滝君を守り、ライフサイクルを粉砕するために総決起する決意を次々と表明した。
 第2次国鉄決戦の最先頭でライフサイクル粉砕、組織拡大をめぐる大決戦に突入した動労千葉とともに闘おう。スト支援の闘いに立とう。
(写真 動労千葉組合員と支援する会がストライキ貫徹へ街頭宣伝に立ち上がった【5月13日 千葉駅前】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号2面2)(2008/05/19 )

 「ライフサイクル深度化」

 民営化の矛盾押しつけ

 今こそJR体制打倒へ

 JR東日本が6月1日から実施を狙っている「ライフサイクルの深度化」とは、動労千葉が「全国鉄労働者への攻撃だ」と弾劾しているように、JR労務政策の抜本的大改悪、より全面的・徹底的な外注化の突破口だ。

 平成採の分断支配狙う

 何よりもライフサイクルは、卑劣きわまりない団結破壊の攻撃だ。
 ライフサイクルで異動が発令されれば、基本的には5年間の駅勤務になる(3年後、4年後にも運転士に戻すかどうかの振り分けがある)。運転士に戻れる保証はどこにもなく、2〜4割はずっと駅勤務に残る。指導員や指令要員などは異動対象から外される。
 このように、平成採の中にありとあらゆる分断を持ち込み、団結を破壊し、当局の意のままに支配することを狙うのがライフサイクルだ。「駅から運転士に戻りたければ会社に逆らうな」「駅に行きたくなければ、仲間を蹴落として指導員か指令要員になれ」と言っているのだ。本当に汚いやり方だ。JR資本は、後述する大合理化攻撃を貫徹するためにも、現場労働者を徹底的に分断し、団結の火種を根絶やしにしたいのだ。
 しかも、駅に異動になれば乗務員手当が無くなり、月5万円近くも月収が減って生活設計はズタズタにされる。JR資本はライフサイクルを突破口に、乗務員手当そのものの廃止=賃金制度の大改悪さえも狙っている。現場の運転士の誰もがライフサイクルに怒っているのはあまりに当然だ。あらゆるペテンをろうし、こんなライフサイクルについて裏切り妥結した東労組などは、まさに万死に値するのだ。
 JR東日本は「第2の分割・民営化攻撃」の中で車両検査・修繕部門、保守部門(保線・電力・信号通信など)の外注化攻撃を進めてきたが、これから10年がかりで駅員・車掌もすべて契約社員に入れ替えてしまおうとしている。

 駅員・車掌も非正規に

 「正社員は1割。9割を非正規職に」という日本経団連路線そのものだ。そして、その結果として発生する矛盾のすべてを、ライフサイクルで平成採の運転士に押しつけようとしているのだ。
 図にあるように、JR東日本は駅の専門職の養成を完全に放棄してきた。「駅業務はすべて外注化、非正規化してしまえばいい」と考えていたからだ。40歳以下の輸送職は、首都圏7支社で実に150人しかいない。
 駅業務は、現在でさえもパンク寸前だ。しかも、首都圏7支社の輸送職は定数1260人だが今後10年間の大量退職期で600人が退職する。他方、すでに導入が始まっている契約社員「グリーンスタッフ(駅の営業職)」「グリーンアテンダント(車掌)」の労働者は、超低賃金でこき使われ、最長5年契約という不安定雇用で将来展望も持てず、「こんな仕事、やってられるか!」とほとんどの労働者が1〜2年で職場を辞めている。駅業務が早晩、大破綻(はたん)をきたすことは明らかなのだ。
 この会社の大失策、要員問題爆発のツケを、平成採の運転士を使い回すことでのりきろうとしているのがライフサイクルだ。駅の営業職はすべて「丸投げ」的な外部委託か契約社員とし、小規模駅は無人化、輸送職はすべて運転士で回そうとしているのだ。その証拠にJR東日本当局は、団交の中で「10年後のシミュレーションでは、1300人の運転士が駅に行っていることになる」と回答している。
 JR東日本は、自ら作り出した危機を逆手にとり、逆に団結破壊と大合理化の突破口にさえしようとしている。こんなふざけた話があるか! まさに将棋の駒、金もうけの道具、使い捨てではないか。駅業務をパンクさせたのはいったい誰なんだ。すべて会社の責任ではないか。
 しかも、こんな泥縄的なやり方で問題が解決するはずがない。それどころか、運転職場の技術継承はガタガタになり、安全の拠点でもある駅の機能も崩壊する。根本的には、人を人とも思わず、要員削減・人件費削減にばかり血道をあげて黒字を稼いできたJR体制こそ問題なのだ。

 今こそ総反乱の時だ!

 JR東日本は、あらゆる側面から噴き出している民営化体制の破綻を、さらに絶望的な労働者攻撃で突破しようとしている。しかし、これは必ずJR資本の墓穴に転化する。こんな労働者をなめきった攻撃に誰が黙って従ってられるか。ライフサイクル攻撃は間違いなく青年労働者の総反乱の最後の引き金を引くものとなる。
 JR体制の破産しきった姿は、新自由主義攻撃のなれの果てを鮮明に示している。何よりも、動労千葉を先頭とする現場労働者の反合・運転保安闘争と外注化阻止闘争のねばり強い展開、1047名解雇撤回闘争の継続こそ、分割・民営化体制の犯罪性を暴き出し、JR資本に破産を強制してきた。ストを配置して絶対反対で闘う動労千葉と連帯し、ライフサイクルを粉砕しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号2面4)(2008/05/19 )

 人事評価の本格実施許すな

 公務員の血の入れ替え狙う攻撃 “絶対反対”で隣の仲間と団結を

 競争・分断・評価で団結破壊策す

 能力・実績主義、人事評価を柱とする改悪国家公務員法が昨年6月、安倍政権のもとで成立し、来年4月から本格実施される。また、同内容の地方公務員法改悪案も昨年5月、国会提出され、今国会で継続審議されている。これらを背景に、すでに全国の自治体で新たな人事評価制度が急速に実施されている。戦後自治体労働運動の画期をなす攻防が始まった。
 また福田政権は4月4日、国家公務員制度改革基本法案を閣議決定、国会提出した。連合・自治労本部、全労連・自治労連本部は、労働基本権が盛り込まれず”約束が違う”と嘆いている。政府は、労働基本権を認めない理由として「公務員が7日間もゼネストをしたら大変なことになる」と例を挙げている。自治労・自治労連本部とも、当局に屈服し協力・忠誠を誓っているのに、敵は何に恐怖しているのか。ここに4大産別決戦の核心問題がある。
 任用、賃金、分限など人事管理のすべての基礎に人事評価が据えられようとしている。これは、自治体労働者が戦後の闘いで職務職階給を食い破ったなかで成立した終身雇用・年功賃金制を解体する大攻撃だ。

 分限処分=首切りに評価を活用

 一人ひとりの職員の成績、貢献度、働き方などによってAからEまで5段階の評価がされ、それに基づいて昇給や一時金の額が決まる。降格や分限処分=免職もできる。組合員の競争があおられ、一人ひとりがバラバラに分断され、当局との個別交渉ですべてが決まる。人事評価制度の本質は”努力すれば正しく評価され、報われる”というものではまったくない。労働者への管理・抑圧、競争、差別・分断の強化、組合空洞化、団結解体なのだ。
 人事院は昨年の国家公務員法改悪を受け、「公務員人事管理に関する報告」で「一定以下の低い評価結果を分限処分の契機とするとともに、処分にあたっては評価結果を活用することが必要である」と言っている。
 要するに、人事評価を首切り・リストラ・民営化に活用しろということだ。
 実際、社会保険庁の日本年金機構への改編にあたって、処分歴がある「成績が悪い職員(D、Cクラス)」700人が解雇されようとしている(再就職をあっせんされる)。応じない職員は分限免職される。
 にもかかわらず自治労本部は2001年以来、「4原則(公平・公正性、透明性、客観性、納得性)、2要件(労働組合の関与・参加、苦情解決制度の構築)」が満たされればOKと、反対のポーズすらとらず、攻撃を受け入れている。
 このなかで現在、都道府県の8割、市の4割、町村の2割が新たな人事評価制度を検討・導入している。1〜2年で大部分の自治体が実施しようとしている。すでに「能力開発プログラム」などと称して「勤務成績不良者」を職場からたたき出す攻撃が進行している。
 現場には怒りがあふれ出している。当局への怒りと、それに屈服・協力し、仲間同士を競争と団結破壊に追いやる体制内労組幹部への怒りだ。
 全国で労組交流センターの仲間が「人事評価制度は首切り制度だ。団結破壊、労組解体の攻撃だ」と行動を開始している。「絶対反対」の闘いが始まるや、職場に大きな分岐・流動が起こり、体制内指導部との激突も開始されている。

 人事評価は公務員制度改革の要

 新たな人事評価制度導入は、日帝の新自由主義攻撃、戦争と改憲、民営化―道州制導入・国家大改造攻撃の「集約点」である公務員制度改革の中心に位置づけられる。
 日帝は、95年日経連プロジェクト報告を決定的メルクマールに、規制緩和・民営化―労組破壊、不安定雇用攻撃を全面化させてきた。その一方で中央省庁改革、地方分権一括法、市町村合併攻撃を開始した。市場原理導入による地方の破壊と各自治体のサバイバル戦の開始は「夕張」をもたらし、道州制を引き寄せてきた。
 政財界は公務員制度改革攻撃を、これら一切合切を集約した「国のかたちを変える」決着的な攻撃、「改革の総仕上げ」(日本経団連)と位置づけてきた。福田官房長官(当時)は00年、「公務員制度改革とは公務員に魂を入れる作業」「新しい政府で働く者は新しい公務員でなければならない」と発言した。国鉄分割・民営化の「血の入れ替え」と同じ論理であり、国家に対する忠誠を基準としている。
 発足直後の小泉政権が01年に出した公務員制度改革大綱は「行政改革は内閣機能の強化と省庁の再編とともに、人材・任用にかかわる制度の改革によって達成される」として、能力等級制度による能力・業績主義の導入を呼号した。それが新たな人事評価制度である。
 05年4月に日本経団連が発表した「さらなる行政改革の推進に向けて――国家公務員制度改革を中心に」は階級意志をよりむき出しにしている。「総合的な人事評価制度の確立」を叫び、”なぜ「公務員の出血整理」、分限免職ができないのか。それができないと事務・事業の再編、民間開放の推進などリストラクチャリングが進まない”とわめいている。
 公務員労働者を資本と国家の延命のための犠牲にする決定的な仕掛けが人事評価制度なのだ。

 習志野市の仲間は導入を阻んだ

 新たな人事評価制度導入との闘いこそ、革命をめざす自治体労働運動の潮流をつくり出す決定的な闘いだ。
 「人事評価制度絶対反対」の闘いを巻き起こそう。ビラまきを開始しよう。目標管理、自己申告などの提出拒否、面接拒否で闘いの火の手を上げよう。組合員と討論し、体制内労働運動指導部の妨害、当局による処分攻撃と断固対決しよう。その激闘の試練の中から強固な階級的団結をつくり出そう。
 千葉・習志野市職労の闘う労働者は「管理職の人事評価制度」試行の段階で、組合とは別に仲間を募って反対運動を始め、一般職への人事評価制度の今年度導入を断念させた。自治労連系組合指導部が屈服し、闘う方針を出さないなかで、絶対反対の運動を組織し勝利したのだ。団結をつくり出して闘えば絶対に勝てる。
 人事評価制度導入粉砕の闘いで団結の力を培い、国家公務員制度改革基本法案、地方公務員法改悪案を粉砕しよう。戦争と改憲、新自由主義政策、民営化―道州制・国家改造・公務員200万人首切り・労組破壊攻撃を打ち砕き、福田政権を打倒しよう。5月自治労中央委員会闘争、6〜7月サミット粉砕決戦に立とう。
 (火川 高志)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号3面1)(2008/05/19 )

 自治労中央委闘争に立とう

 世界は革命情勢。職場闘争で団結つくり、サミット決戦へ

 体制内指導部を打ち破り階級的労働運動の実践を

 階級的労働運動を全国自治体に拡大する最大のチャンスが到来している。世界金融大恐慌が現実化するなかで全世界の労働者がストライキ・暴動に決起し、帝国主義はぐらぐらになっている。とりわけ帝国主義の最弱の環、日本帝国主義・福田内閣は労働者階級の激しい怒りの前に崩壊寸前だ。だからこそ4大産別の労働者の団結壊滅に全体重をかけてきている。
 自治体職場は新自由主義攻撃との闘いの最前線だ。青年労働者を先頭に「闘って団結して生きよう! 革命をやろう!」の闘いが始まっている。「労使協働で質の高い公共サービスを」と唱える自治労本部、「職場労働者の団結では民営化と闘えない」と路線的解体状況の自治労連。彼らは自治体労働者の決起を最も恐れている。体制内指導部の支配する労働組合の解体は激しく進んでいる。動労千葉労働運動を全国全職場で実践し、新しい団結をつくり拡大する絶好のチャンスだ。体制内労働運動から脱却し、職場・生産点での闘いに断固として打って出よう。自治労中央委員会(5月29〜30日・石川県輪島市)闘争は、革命をめざす自治体労働運動の戦闘宣言の場だ。職場で団結し、世界の労働者と団結して6―7月サミット粉砕決戦に立ち上がろう。
(写真 人事評価制度導入を阻止したことを知らせる習志野市職有志の3月10日付のビラ)

 「革命やろう」3・16で宣言

 07年3・18闘争では、動労千葉労働運動を学び「生きたマルクス主義」を仲間との団結でつくり出した青年労働者が「労働運動の力で革命をやろう」と宣言した。
 08年3・16闘争では、青年労働者が全世界の労働者に「革命をやりたい」「団結しよう。革命やろう」と呼びかけた。青年労働者が日々の職場での苦闘の積み重ねをとおして「1人の決起が職場を社会を揺るがす」という確信をつかみ、ものすごい躍動感と輝きをもって登場した。
 この3・16闘争の勝利の核心は、青年労働者が闘ってつかみとった階級的団結論だ。職場の仲間を信頼し、闘うことで団結をつくり、拡大する。「私たちが社会の主人公だ」と労働者が階級的共同性を取り戻し、資本主義体制への根底からの怒りを生み出す。そして資本・当局と非和解の絶対反対の闘いを貫徹する。体制内派との激突となる。職場・生産点で闘うことで世界の労働者と一つにつながり団結できることを実感し、ともに革命をやろうと宣言した。
 08春闘は、動労千葉のストライキ決起、根津公子さんの不退転の闘いと全国の教育労働者の不起立闘争を先頭に、3・16全国一斉の行動をとおして、第2次国鉄決戦を宣言し、4大産別を先頭にした階級的労働運動の激しい実践で革命情勢を引き寄せ、6―7月G8サミット粉砕決戦へ上りつめる過程となったのだ。
 最末期帝国主義が世界金融大恐慌の現実化、ドル体制の崩壊の危機におののき、延命をかけて相互の争闘戦を激化させ、侵略戦争の泥沼にのめりこむなか、労働者階級が全世界で闘いに決起している。とりわ自治体労働者がストライキ決起の先頭に立っている。

 全世界で爆発する労働者のスト決起につづこう!

 国際港湾倉庫労組(ILWU)のメーデーストライキは、米西海岸全29港湾を8時間封鎖し、イラク・アフガニスタンへの軍需物資輸送を止め、1886年以来タブー視されてきたメーデーを復活させた。この闘いに連帯してイラク港湾一般労組(GUPWI)が主要2港で1時間のストを行った。戦争当事国の労働組合が連帯して戦争を止めるストライキに同時に決起した。国際階級闘争史上類例のない偉大な闘いだ。「労働組合が職場で実力で闘えば戦争を止められる」。侵略戦争を国際的内乱―世界革命に転化する歴史的な突破口が切り開かれた。世界は革命情勢だ。
 今春、そのほか米国では「新潮流」を偽る体制内労働運動、サービス従業員国際組合(SEIU)本部にカリフォルニア州の労働者が反旗を翻した。GM傘下部品会社、アメリカン・アクスルの労働者が米労働総同盟・産別会議(AFL―CIO)の中心、全米自動車労組(UAW)本部の支配を揺るがすストライキに決起した。ドイツではベルリンなどで公共交通・病院・学校・保育園・清掃などの公共サービス労組(090Ver’di)が波状的にストに立ち、ドイツ・ポスト(民営化された郵便・物流企業)の労働者13万人が物ダメストに決起した。イギリスでは教職員組合(NUT)が21年ぶりの全国ストを行い、これに自治体労働者・公共サービス労働者が連帯し、計40万人がストに入った。スウェーデン、デンマーク、フランス、ロシア、エジプト、インド、中国、韓国など、全世界で労働者がストライキに決起している。
 最末期帝国主義は、自らが生き残るために地球・自然・環境を破滅させてでも資源を略奪し、工業生産を増大させ、食糧を買い占めて価格をつり上げ、労働者人民を苦しめている。これに対してアフリカをはじめ世界中で食糧暴動が激しく闘われている。
 今こそ全国で自治体労働者が闘いに立ち上がるときだ。闘って職場に本物の団結をつくろう。
 帝国主義の新自由主義政策、民営化=団結破壊の攻撃が強まっている。帝国主義間争闘戦の激化、世界戦争危機の深まりのなかで、日本帝国主義は戦争と改憲を強行する以外に延命の道がない。そのために民営化、道州制導入、公務員制度改革、公務員200万人首切り=ワーキングプア化、労組破壊の攻撃を強めているのだ。
 政府・自治体当局は「正規」「非正規」、性別、仕事の違いなどで仲間を分断する。すでに自治体職場の3分の1から2分の1が非正規の臨時・非常勤職員で占められている。心身を壊せば「能力なし」として職場から追い出す。人事評価制度を導入し、仲間同士を競い合わせ、人間性を奪い尽くそうとしている。労働者の団結を破壊し、自治体労働者を再び「天皇の官吏」、労働者人民を戦争に動員する国家の手先に仕立てようとしているのだ。民営化と人事評価制度は労働者の団結破壊・分断の最も核心的な攻撃だ。「職場で民営化絶対反対の闘いを貫こう」「人事評価制度導入絶対反対」――このスローガンで団結し闘おう。

 労働者を信じ闘って団結を

 日帝の新自由主義攻撃に屈服し、自治体労働者の決起に敵対しているのが体制内労働運動だ。体制内労働運動のただなかに、体制内思想と運動を食い破る本物の団結、革命の意志をもった階級的団結をつくり出すこと――目下の決戦課題はここにある。
 体制内労働運動との対決のために第一に確認すべきことは、体制内労働運動はもはや生命力を失い、国家や自治体当局の力によって支えられている存在にすぎないことだ。今、全国で起きていることは、敵の攻撃が激しくなればなるほど体制内労働運動が闘いを放棄し、当局に身も心も屈服し一体化する末期的な姿を示していることだ。
 自治労本部は、国家公務員制度改革基本法案で「労働基本権」が「付与されない」ことにまともな反発すらできず、ますます「質の高い公共サービス」を労使一体となって実現する路線にのめり込んでいる。人事評価制度はそのための人事制度の見直しだと言う始末だ。自治労連は、労働組合運動としての路線を何ひとつ提起できず、住民との共同と称して職場で闘わず、現場労働者の闘いを妨害し、団結を破壊している。
 体制内労働運動は、その名のとおり、革命が現実の問題になっているときに帝国主義の延命に自らの生き残りを託す。そればかりか、真に闘う労働者を資本・当局になり代わって弾圧してくる。
 重要なことは、職場労働者の誰もがはっきりわかるように闘いを開始することだ。動労千葉が闘ってきたように、労働者の力を確信し、資本・当局の攻撃、ブルジョア社会の反動思想と日々闘い、革命に向かって階級的団結を強化・拡大すること、この生きたマルクス主義の実践こそ階級的労働運動路線の核心だ。
 私たち自身も、体制内自治体労働運動の中で存在し、日々自治体の仕事をしている。問題は、これまでのあり方、闘い方では通用しない、闘えないことをはっきりさせることだ。
 大阪府の青年労働者は、このことを自らの存在をかけた決起と闘いで全国の仲間に訴えている(3月13日に橋下徹大阪府知事を批判し、3・16ワーカーズアクションin関西で発言=「月刊交流センター」4月号参照)。この決起、訴え、闘いに自己の飛躍と変革をかけてこたえよう。

 民営化反対・人事評価制度絶対拒否―ストで反撃を

 5月自治労中央委員会闘争は、最末期の帝国主義の攻撃に「刃向かいません。闘いません」の屈服路線を粉砕し、「皆で闘って職場を団結のとりでに変えよう」「自治体労働者は団結して革命をやろう」と激しく訴える重大な闘いだ。
 地公3単産(自治労、都市交、全水道)組織統合推進議案こそ、自治体労働者を「戦争を推進する国家権力の末端」におとしめ、労働組合を「産業報国会」に変えようとする方針だ。
 協会派は「中央委員会の最大のテーマは自治労の名称問題だ」と言い、実は地公3単産組織統合にまったく反対しない。その気力もない。ただ自分たちがどう生き残るかだけを考えている。だから、現場の怒りをまったく見ることができず、職場闘争も初めから放棄してしまっている。
 闘う自治体労働者の方針は鮮明だ。「革命をやろう!」「サミット粉砕の大デモをやろう」「地公3単産組織統合反対」――このことを全国の自治体労働者に訴えよう。職場闘争を始めよう。
 自治労本部の「労使協働で質の高い公共サービス実現」方針は破産している。公務員バッシングへの屈服、労働者意識の解体、階級対立の否定であり、際限のない屈服、賃金低下、労働強化、分断=団結破壊だからだ。
 指定管理者制度、市場化テスト、職場解体・民営化、賃金カット、人員削減、、労働強化、現業切り捨て、「官製ワーキングプア」の現実に全国の職場で仲間が怒っている。闘いたい、ストライキをしたいと強く思っている。この怒り、思いと結合し、闘って団結をつくろう。闘わない「団結」は無力だ。
 闘う自治体労働者のスローガンは「民営化絶対反対、人事評価制度導入絶対拒否、職場の怒りをストライキへ!」だ。自治労中央委闘争からサミット粉砕決戦へ、職場で資本・当局と闘い、体制内派を打ち破り、党細胞を核とする団結をつくり出して前進しよう。
 〔革共同自治体労働者委員会〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号4面1)(2008/05/19 )

 洞爺湖サミット粉砕しよう(上) 全世界の労働者を一つに☆

 ILWUが米西海岸の港湾封鎖 イラクでも連帯スト!

 画期的な交戦国労働者の連帯

 世界は革命情勢だ

 5月1日メーデー。戦争当事国アメリカにおいてILWU(国際港湾倉庫労働組合)は米西海岸の全港湾封鎖の実力闘争に決起した。そして、このILWUの闘いに呼応してイラクの石油労働者がストライキに決起した。戦争による分断を突破した団結の実現だ。まさに世界革命の時代が始まった。これと同質の闘いが日本においても青年労働者・学生の弾圧を恐れぬ決起として爆発している。帝国主義の強盗どもが集まる洞爺湖サミット粉砕に怒りを爆発させて職場から総決起しよう。6・29代々木公園に総力で集まろう。

 分断を乗り越えた団結と国際的連帯

 

5月1日のメーデーに、ILWUの港湾部門労働者2万6千人が米西海岸の29の全港湾を封鎖した。イラク戦争の即時停止を求めての実力行使だ。戦時下の米国で戦略的生産点を止める闘いは、階級闘争の歴史で初めてのことだ。
 アメリカ社会では近年、ラティーノと呼ばれる中南米出身の移民労働者が増加し、アフリカン・アメリカンの労働者や貧しい白人労働者との対立が扇動されてきた。ILWUのランク・アンド・ファイルの活動家たちは一昨年に1千万人が決起した移民労働者のメーデーの闘いに連帯し「差別はボスの武器」と訴え、今回のストをとおしてアフリカン・アメリカンとラティーノの団結をついに実現した。
 メーデー発祥の地でありながら、AFL・CIO(米労働総同盟・産別会議)などの体制内労働運動の制動によってメーデーがタブーとなってきたアメリカにおいて、ついにその歴史的復権がかちとられたのだ。
 この闘いにこたえてイラクのウム・カスル港では、被侵略国であるイラクの港湾労組が呼応して1時間の連帯ストに立ち上がった。イラクの石油輸出の8割、軍需物資の大半を扱う港だ。
 「最も衝撃的な連帯がイラクの港湾労働者から来た。勇気ある行動だ。彼らは占領軍の銃の下にいるのだから」
 ILWUのリーダーの1人、ジャック・ヘイマンさんはこう語った。ILWUのストもまたブッシュ政権による軍の導入の恫喝をはねのけての実力闘争だ。
 イラクでは、公共部門の労働組合を禁じるフセイン政権時代の法律がいまだ効力を持つ。イラクの労働者に団結権、団体交渉権、スト権の労働3権はない。だから今回のストは、現場の労働者の団結と実力行動にのみ依拠した決起なのだ。
 まさに、国境と戦争を越えて米国とイラクの労働者が闘う団結をつくったのだ。決起したイラク港湾一般労働組合は、「労働運動こそ政治の現状を人類の利益のために変えることのできる社会の中で唯一の要素です」と訴えている。アメリカとイラク労働者の闘いは、労働組合の存在と職場生産点での闘いこそが、占領政策と宗派的分断を越えて労働者の団結を生み出すことを鮮やかに示した。
 動労千葉とILWUの交流は03年にさかのぼる。動労千葉は同年、イラク戦争反対ストで約600本の電車を止めた。日本における新自由主義攻撃である国鉄分割・民営化に反対して唯一ストライキで闘った労働組合――ILWUが動労千葉を知った最初だった。それ以降、動労千葉とILWUは11月集会の参加など相互交流を積み重ね、徹底論議をとおして今回の闘いを実現した。
 戦争や人種、民族や宗派による分断を越えて労働者を団結させるものは何か。それは労働者の力を職場生産点で行使する実力闘争だ。
 動労千葉の田中委員長は次のように語る。「戦争を止めるには、自分の職場で労働者の力を行使する。直接行動を起こすことだ。ILWUは港湾を止める。われわれは鉄道を止める」
 その基本精神を次のように説く。「自分の職場で、地域で、どんなに困難でも資本や国家権力と闘い、仲間との団結を回復する。それは必ず全世界の労働者とつながる」
――世界中の労働者がひとつの軍勢となり、帝国主義を打倒する時代が来た。職場で必死に闘うことが一気に全世界に拡大する。サミット粉砕闘争の課題は、世界中で始まっている闘いをひとつに団結させることだ。
 世界金融大恐慌情勢が世界中の労働者の怒りをひとつにしている。インフレと食糧危機で全世界の労働者や農民が飢えに直面し、生きるための闘いが激発している。ヨーロッパ、中東、アジア、北米、南米……世界中で何十年ぶりの規模のストや暴動が起きている。もはや資本主義は終わりだ。労働者が生きるためには資本主義は死なねばならないのだ。
(写真上=ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10(第10支部)は、イラク反戦を掲げた米西海岸の全港湾封鎖のメーデー行動の中心を担った【5月1日 サンフランシスコ】)

 『共産党宣言』の精神・内容で闘おう

 マルクスは『共産党宣言』で労働者階級の闘いを次のように描いた。
 個々の労働者と個々のブルジョアとの間の衝突は、ますます二つの階級の間の衝突という性格をおびる。そして、労働者の闘争の本当の成果は、直接の成功ではなく、労働者の団結がますます広がっていくことにある。現存の社会の中に潜む隠然とした内乱は、ついに公然とした革命となって爆発し、ブルジョアジーの暴力的打倒をとおして、労働者が自分自身の支配を打ち立てる――。
 『共産党宣言』に書いてあることがわれわれの目の前で起きている。『共産党宣言』で労働運動をやろう。「万国の労働者、団結せよ!」を真に復権する時が来た! 新自由主義とは資本主義の末期性の現れだ。資本主義の墓掘り人=国際プロレタリアートを生み出している。
 労働者階級の闘いの基本は職場生産点である。隣の労働者と団結して、労働者の職場支配権を打ち立てる闘いこそ、労働者の団結を回復し、全世界の労働者の団結をつくり出すのだ。職場の闘いが世界につながっている。ついにメーデーを復権させたアメリカの労働者階級とイラクの労働者階級に続こう。「6・29代々木公園へ」を合言葉に職場からサミット粉砕闘争に総決起しよう。
 (片瀬 涼)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号5面1)(2008/05/19 )

 6・8三里塚闘争へ

 09年度北延伸開業を許すな

 闘う市東さんの農地守りぬこう

 全世界で労働者階級人民のストや暴動が激発している。これら全世界労働者階級の闘いの牽引(けんいん)車として、11月労働者集会に結集する日韓米の闘う労働者・労働組合が立っている。規制緩和・民営化、労組破壊の攻撃とともに、農民・農業切り捨て攻撃が襲いかかっているが、三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東さんの農地強奪・成田軍事空港化攻撃に対して敢然と闘っている。プロレタリア革命の勝利に向けて、労農同盟の砦(とりで)=三里塚を拠点に、洞爺湖サミット粉砕・新自由主義攻撃粉砕へ猛然と闘おう。6・8三里塚現地闘争へ全力結集しよう。
3・30三里塚全国総決起集会に1520人が結集。「北延伸を粉砕するぞ」とシュプレヒコール(成田市天神峰)

 “労農連帯の力で革命を!”

 世界は革命情勢だ。全世界でプロレタリアート人民が立ち上がっている。階級的労働運動路線の白熱的な展開をかちとり、プロレタリア革命を本格的に闘いとろう。
 マルクスは『賃労働と資本』冒頭の部分で1848年の革命を総括し、「あらゆる革命的反乱は、その目標はまだ階級闘争とは縁遠いかに見えようとも、革命的労働者階級が勝利するまでは失敗せざるをえない。およそ社会改造は、プロレタリア革命と封建的反革命とが世界戦争において武器をもって勝負を決するまでは空想たるにとどまる。われわれはそのことを証明した」と表明した。つまり“革命までは負け続けるんだ”“最後の決着はプロレタリア世界革命でつけるんだ”と強気の総括をしたのである。『共産党宣言』にも「労働者はときどき勝利するが、その勝利は一時的なものだ。本当の成果は、直接の成功にあるのではなく、労働者の団結がますます広がっていくことにある」と燃えるような革命的精神で、階級的団結を総括軸にする重要性を訴えている。
 3・16イラク反戦闘争を頂点とする1〜3月の闘い、それを引き継ぐ4〜5月の闘いは、階級的労働運動路線の白熱的実践として決定的な前進を切り開いた。あらゆる体制内的な思想や運動と決別し、「労働運動の力で革命をやろう!」と真っ向から提起して闘う青年労働者の隊列が、職場と街頭に公然と登場した。
 これと一体でかちとられた動労千葉の春闘24時間ストを始めとして4大産別を軸に闘いがまきおこっている。資本の支配とそれに屈服した体制内指導部のもとで労働者は徹底的に分断されている。しかし、職場で資本との非和解の闘いが開始されていった時、すべての分断はぶち破られ、労働者階級としてひとつに団結していくことが可能になるのだ。労働者階級のこの団結した力こそが階級社会を転覆していく原動力となるのだ。
 3・30三里塚全国総決起集会は、天神峰・市東さんの畑を会場に全国から1520人の労働者・農民・学生・市民を結集して闘いとられた。職場での闘いを貫き、3・16全世界一斉デモを爆発させ不当な弾圧を打ち破った青年労働者が先頭で決起した。「労農連帯の力で革命を!」の息吹が、42年の歴史を誇る闘いに新たな生命力を与えた。

 同盟と動労千葉が両輪で

 3・16が切り開いた新たな闘いの中心が、動労千葉と三里塚反対同盟だ。動労千葉は三里塚を闘って団結を強化し、三里塚は動労千葉との連帯に支えられてきた。まさに動労千葉と三里塚は日本階級闘争の革命的戦闘的発展の両輪だ。この労農同盟の固い団結こそ、日本帝国主義が最も恐れているものだ。
 三里塚は、「農地死守・実力闘争」を貫き42年の不屈の歴史をもっている。その闘いは、労農同盟として強固に発展しつつある。
 三里塚の42年とは、どんな闘いであったのか。三里塚闘争が一貫して貫いてきたものは、「空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」「一切の話し合い拒否」の原則だ。その闘いの根本思想は、帝国主義との対決の中で革命的正義、権力との徹底非妥協・非和解を一切のあいまいさなく貫くことであった。そうであるからこそ社共と決別し、カクマルの敵対を粉砕し、脱落諸党派との闘いを厳しく貫いてきた。71年強制代執行阻止闘争、78年開港阻止決戦、85年10・20の機動隊徹底せん滅戦の蜂起、数々のゲリラ戦――日本階級闘争を戦闘的に牽引してきた実力闘争の実現は、権力との徹底非妥協の神髄であり、それが今日、労農連帯・国際連帯の発展として花開いているのだ。

 空港廃港めざし闘いぬこう

 そもそも資本主義は、農民・農業問題について資本主義の方法で普遍的な形態で解決するいかなる能力も持たない。さらに新自由主義攻撃のもとでの「企業のために農民は犠牲になれ」との攻撃は、日帝の農民・農業切り捨て政策そのものだ。
 農水省は、300万戸の農家を「14万経営体」に再編し、切り捨てようとしている。新自由主義の構造改革路線のもと、ブルジョアジーが生き残るためにアジア諸国とEPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)を締結し、農業をつぶそうとしている。三里塚においても、戦後体制で保護されてきた耕作者主義(耕作者の権利)など、もはや許さない攻撃だ。日帝は農地を強奪し、農民に“ハローワークに行け”と叫んでいるのだ。
 帝国主義の最弱の環である日帝は、アジア・ゲートウェイ戦略の一環として、国際空港容量の拡大を打ち出し、成田空港の侵略拠点化を一層を進めている。EPA、FTAをとおした帝国主義間争闘戦の激化は、労働者への極限的搾取と農民圧殺の攻撃を不可避なものとしている。
 この戦略を阻止している労農連帯の砦=三里塚闘争破壊に全力をあげてきているのだ。
 その最大の焦点が「農地法を使った農地の収用攻撃」である市東さんへの農地強奪攻撃だ。日帝は今、絶望的危機の中から戦争・改憲と民営化の大攻撃に突進し、そのために4大産別の労組破壊を始めとする労働運動絶滅の攻撃に全体重をかけている。これと表裏一体で、労農連帯の砦である三里塚に対し、日帝自身の生き残りをかけた攻撃を必死にかけてきているのだ。

 急激に進む「北延伸」工事

 何よりも、市東さんへの農地強奪攻撃を絶対に許すわけにはいかない。この攻撃は、「土地はそれを耕している農民のもの」としてきた戦後の農地法も憲法も全面的に破壊するものだ。日帝の大資本が生き残るためには農業も農民もつぶすという攻撃だ。これに対して市東さんは「来るなら来い!」「この土地には一指も触れさせない」と不屈の戦闘宣言を発して立ち上がっている。この決起に断固として応え、いまこそ労農連帯の団結の力で市東さんへの攻撃を絶対粉砕しよう。
 さらに日帝は暫定滑走路の北延伸攻撃をしかけ、農家の頭上40bに大型ジェット機を飛ばし、深夜工事で騒音地獄にたたき込むなど、極悪の手口を総動員して農民を現地から追い出そうと躍起になっている。09年度の「暫定滑走路北延伸」の完成目標にあわせて、無理に無理を重ねた新誘導路建設、北延伸のための国道51号線の切り替えトンネル工事などの突貫工事が進められている。「自民党国際競争力調査会」は、成田・羽田両空港の相互運用による「首都圏空港の24時間化」を2020年までに実現するとの提言を出そうとしている。
 「空港廃港」を断固として掲げ、これら卑劣な攻撃の一切に猛反撃をたたきつけよう。

 労農同盟破壊する塩川一派

 三里塚闘争42年の歴史が築き上げてきた絶対非和解の闘いと労農同盟の地平が、今再び青年の心をつかむ時が来た。資本・権力・体制内派との非和解的激突と、三里塚闘争はひとつだ。ここに圧倒的な確信をもち、勝利へ向かって攻め上る闘いをやりぬこう。
 ここにおいて、階級的労働運動と三里塚闘争との結合を妨害しようとしているのが塩川一派だ。11月労働者集会と動労千葉労働運動に対する許しがたい悪罵と敵対。階級的労働運動の最先端を担い、その司令塔として存在し闘い続ける動労千葉にあらん限りの非難・攻撃を加え、動労千葉指導部を「打倒せよ」とまで叫ぶ塩川一派をどうして許すことができようか。彼らは、動労千葉との労農連帯という輝かしい成果の上にある三里塚闘争の歴史的事実を無視し、踏みにじっている。
 また、与田残党分子は部落解放同盟全国連を私物化して全国連第17回大会を強行し、「広島差別事件」のデッチあげをテコに「差別なき糾弾闘争」にのめり込んでいる。彼らは「革共同との断絶」を権力に公然とアピールし、融和主義への変質と転落を深めているのである。塩川一派はこれを美化し、全面的に賛同した。血債主義・糾弾主義を根底から克服・一掃して闘おう。
 6・8三里塚現地闘争に大結集し、6−7月洞爺湖サミット粉砕決戦に攻めのぼろう。
 (中村賢二)
(図 成田空港暫定滑走路の北延伸・農地強奪攻撃の攻防点。@市東さんの畑強奪。A国道51号線の切り替え工事。6月に供用開始し、北延伸工事の推進狙う。B新誘導路建設のために生活道路を破壊。)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号6面1)(2008/05/19 )

 “万国のプロレタリア 団結せよ”

 第19回全国入管集会民族・国境こえて合流

 民主労総ソウル本部が訴え

 新たな入管闘争始まる 

 「万国のプロレタリア、団結せよ!――160年前にマルクスと当時の労働者階級が万感の思いを込めて発したこの言葉こそ、私たちの思いであり実践です。民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、この場から新たな入管闘争を始めましょう!」との力強い基調報告――第19回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会に集まった580人が一つに団結した瞬間だった。4・20関西集会に続き、5・11横浜で新たな入管闘争がスタートした。(本紙/室田順子)
 5月11日、横浜市教育会館ホールの正面に「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!」のスローガン、右手に急逝された林歳徳さんの遺影が白い花に囲まれていた。
 冒頭、林さんに黙祷した後、全国実行委員会が90年におよぶ林さんの激しい生涯を振り返り「林さんが名付けた『星火団』の一員として天皇制日本帝国打倒を誓う」と追悼の言葉を述べた。
 呼びかけ人あいさつで婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子さんは「分断の壁を打ち砕き、民族、国籍、国境を越えて労働者階級の団結を固める新しい入管闘争こそ、私たちの未来を託せるものだ」と訴えた。
 連帯のあいさつの最初に、今春「君が代」不起立を闘いぬいた2人の女性教育労働者がサミット決戦への熱い決意を語った。次に部落解放同盟全国連合会西郡支部の末光道正事務局長と、八尾市に貯金を差し押さえられた供託者が登壇、「新自由主義と真っ向から闘う労働者の団結があれば、住宅闘争は勝てる。西郡から日本を変える」と宣言した。
 さらに憲法と人権の日弁連をめざす会の高山俊吉代表が、日弁連会長選挙戦の手ごたえを語り、「弁護士も団結をして自分の部署で頑張っている」と連帯を表明した。
(写真 学生・青年労働者が「きょうは新たな入管闘争の始まりです!」「分断をのりこえる唯一の方針は“万国の労働者団結せよ”です!」と終始集会をリードし、最後はインターナショナルを合唱した【5月11日 横浜】)

 日立と闘い40年

 外国人への差別を許すな・川崎連絡会議事務局長で日立就職差別裁判元原告の朴鐘碩(パクチョンソク)さんは、「国籍を理由に就職を取り消した日立を訴えたのが19歳。勝利判決後、22歳で日立に入って何が見えたのか、大学に招かれて講演した」と話し始め、大企業での労使協調の実態を暴露し、「日立闘争は民族差別の不当性を訴えたものだったが、結局は国籍や性、宗教、思想、障害の有無、学歴など関係なく、人間が人間として当たり前に生きられる社会を求める闘いだった。このことを職場の労働者が置かれている状況を見て理解できるようになった。私は自分の足元から始めようと職場で悩み、チャレンジしている」と語った。
 この朴鐘碩さんの職場実践の報告を受けて、全国実の代表が基調報告に立った。

 「断固たる自分」

 「昨年、この横浜で開かれた第18回全国集会で『11月労働者集会に結集し、階級的共同闘争の道を進もう』と呼びかけて1年、仲間を信じて闘って、この日本に革命をもたらすメンバーがここにそろいました。私たちは星火団になって林さんの思いを受け継いでがんばります!」
 さらに「いよいよ世界は革命情勢です! 3・16世界一斉イラク反戦デモは『生きさせろ』の叫びから『生きてやる!』の闘いとなって燃え広がり、今やストライキは『やらねば。やれない』ではなく、『やりたい! やれる!』になったのです」と熱い提起が続き、「かつて故・高英三(コヨンサム)さんは、『断固たる自分』を確立し、団結して闘おうといつの時も話していました。国際連帯で闘う労働者とともに進むことを、入管闘争のあるべき姿として早くから高さんはめざしていたのです」と指摘、「私たちは信頼できる裏切らない仲間です。信頼し団結しともに闘うこと、それを実践しようとする私たちを支配階級は恐れています。それを武器にして闘いましょう。この場から新たな入管闘争を始めましょう!」。この提起を支持する満場の拍手が鳴り響いた。

 牛久収容所から

 牛久収容所問題を考える会の田中喜美子さんが大勢の滞日外国人とともに登壇し、「さまざまな国・地域から日本に来ている難民や移住労働者とともに世界の労働者は一つだと確認したい」と訴え、恋人や家族を引き裂く入管収容所、強制退去の実態を語った。ビルマでは死者10万人以上というサイクロン被害の中、軍事政権が憲法国民投票を優先させていると弾劾し、被災者支援を呼びかけた。
 次いで民主労総ソウル本部の4人が紹介され、パクミョンソク副本部長が「労働者はひとつだ! 日韓労働者の連帯闘争で移住労働者の権利をかちとろう」と力強く呼びかけた。(要旨別掲)
 アメリカ西海岸の全港湾をメーデーストで封鎖したILWU(国際港湾倉庫労組)のビデオを上映した後、動労千葉の田中康宏委員長が「労働者は百パーセントの自信と確信をもって一番困難なところ、自らの職場で闘いを開始しよう。それが全世界の労働者につながっていく。それが国際連帯だ」と訴え、さらに「きょうの集会も新しいジャンプ台になった。あとは実践、実践の中にこそ団結があり、革命がある」と言いきった。
(写真 民主労総ソウル本部から参加の4人が紹介された。壇上はパクミョンソク副本部長)

 サミット粉砕へ

 決意表明では、「体制内指導部と闘って組合員除名処分をかちとりました!」と、職場の仲間との本物の団結をかちとった勝利を晴れやかに宣言した青年労働者が5・18沖縄闘争への檄(げき)を発し、全学連の織田陽介委員長が「世界の労働者が一つになるスローガンが洞爺湖サミット粉砕! 6・29を1万人で闘おう!」と訴えた。
 呼びかけ人の入江史郎さん(全国労組交流センター代表運営委員)が「世界の労働者は革命をめざし団結ガンバロー! トゥジェン!」。インターナショナルを合唱し、団結を固めた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号6面2)(2008/05/19 )

 労働者国際主義で闘おう

 民主労総ソウル本部 パクミョンソク副本部長

 世界的な貧困と不安定労働、戦争と暴力こそ今日の世界の姿です。多くの国で移住労働者は3K業種で働き、不安定労働に苦しみ、人権を侵害されています。移住労働者は現代版奴隷です。
 資本主義は労働者階級を限りなく分割します。反対に労働者階級は、人種、民族、宗教、雇用形態、性別を飛び越えてともに闘う時にのみ、新しい世界を切り開くことができます。移住労働者問題は、労働者国際主義に立つ時にのみ解決できるのです。
 95年、明洞聖堂でのネパールの産業研修生たちのろう城闘争から始まった移住労働者の闘いは、未登録移住労働者の全面合法化・労働権保障に向けた03年381日間の明洞聖堂ろう城闘争を経てソウル京仁地域移住労働組合建設に至りました。
 しかし韓国の移住労働者は、今も作業場移動の自由を保障されていません。3年・1年単位の再契約であり、差別が日常化しています。5月2日には移住労組のトルナ委員長が狙い撃ち的に襲撃され、連行されました。
 われわれは知っています。移住労働者がその国の労働者の雇用を奪うのではなく、むしろ韓国や日本の政府が、移住労働者に対する差別をとおして、韓国と日本の労働者の全般的な雇用不安と賃金下落を誘導していることを! こうした差別が労働者の連帯と団結を阻んでいることを!
 万国の労働者よ、団結せよ!!
 民主労総ソウル本部は、資本主義をのりこえる新たな社会を建設するために、労働者が国境を越えて団結すべきだと考えます。移住労働者との連帯なくして階級的団結は形成できません。
 労働者はひとつだ! 労働者国際主義を実現しよう! 日韓労働者の連帯闘争で移住労働者の権利をかちとろう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2343号6面3)(2008/05/19 )

 林歳徳さんを追悼する

 抗日天命を貫いた在日70年 世界革命の実現でこたえる

 革共同入管闘争委員会

 4月27日朝、在日台湾人元日本兵の林歳徳さんが急逝しました。前日まで元気にしていた林さんは、90歳の誕生日(5月23日)を目前にして眠ったまま、再び目を覚ますことなく人生の扉を閉じたのです。
 日帝・植民地下の台湾で1918年に生まれた林さんは、1938年に軍属として徴兵されて南京大虐殺の現場を目撃、日本軍を反戦脱走し、39年7月、21歳の時に日本の地を踏みました。
 以来、在日70年の生活は終始、日本帝国主義との苛烈(かれつ)な闘いの連続でした。まさに抗日を天命とした生き方を貫いたと言えます。
 非妥協の生き方を貫いた林さんは、1946年に新橋事件や渋谷事件などに遭遇した時も生命の危機を自らの力で打開して生き抜きました。さらに「麻薬取締法」違反をデッチあげられ、前橋刑務所で11カ月間、不当に勾留された林さんは、その後の退去強制令書を自らの闘いで粉砕。以来、入管体制を告発する断固たる闘いを貫くことによって入管弾圧をはね返した日々でした。
 1972年、53歳となった林さんは、「水商売をやめて労働者になろう。日本人の労働者と同じ釜の飯を食って、同じ布団に寝て、同じ仕事をやる。そうすれば本当に日本のことが分かるだろう」と決心しました。経営していた店も手放し、まずは日本郵便逓送の臨時社員として働くようになりました。
 その後、東急管財に入社し、明治大学守衛の職に就きました。ここで警察の捜索に協力しないことを理由に解雇となりましたが、ただちに「人権を守る会」が結成され、解雇撤回をもぎりとりました。
 しかし、これは林さんが「敗北の勝利」と呼ぶように在宅勤務という現場を奪われた解雇撤回でした。林さんはこの「勝利」を生かし、「日本のアジア侵略史を考える市民講座」を主催し、日本帝国主義の侵略と戦争の歴史を私たちに提起し続けてきました。
 その結晶が『私の抗日天命・ある台湾人の記録』(林歳徳著/社会評論社)です。
 林さんは革共同に心からの信頼を寄せ、毎週『前進』を熱心に読んでいました。破防法弾圧や対カクマル戦の過程など、最も厳しい状況下でも林さんの革共同への信頼はいっときも揺らぐことはありませんでした。
 また林さんは、長期獄中で闘う同志の存在に熱い愛情を注ぎ、裁判の傍聴、面会を含むさまざまな支援を行い、星野文昭同志には深い同志愛を示していました。
 国際連帯闘争の発展に期待を寄せた林さんは、青年・学生の闘いの前進を心から喜んでいました。塩川一派に対しては、「革命をやる気のない人は必要ない。自己解放闘争なんだ」と容赦なく批判しました。
 「天皇制日本帝国ある限りアジアに平和はない」――林さんのこの訴えをわがものとし、国境を越え、民族を越え、あらゆる差別と分断を越えて団結し、闘いぬこうではありませんか。林さんとともに日本革命−世界革命を必ずや実現することを誓って、追悼の言葉とします。

------------------------TOPへ---------------------------